[学校教育におけるICT活用]
現状において、一部ながら学校教育でICTを活用した授業が実施されている。ICTを活用した授業では、教科書が旧来のように書籍ではなく、デジタルコンテンツの形態で提供される。そして、デジタルコンテンツを扱う学習ツールとして、タブレット端末が各生徒に貸与される。紙媒体を用いずに、タブレット端末を使ってデジタルコンテンツに触れながら授業を受けることで、生徒が自主的に教科の内容を把握する能力を高めるようにする。また、自ら情報を取得して利用するというICT活用の基本姿勢を身につける。
教科の内容は旧来と同様であるが、デジタルコンテンツでは表現形式が異なる。文章、図や写真に加えて、動画や音声による表現が可能となる。たとえば算数で、計算の手順や立体の展開などを動画で表現すれば、数学的思考を具体的にイメージしやすくなる。また国語で、詩の朗読を音声で発するようにすれば、文学的な感性を磨くことができる。このように、生徒の想像力の及ばないところをICTで補助すれば、多くの生徒が授業の趣旨を理解でき、学ぶ喜びを味わえるようになる。また、自ずとICTにも慣れて、ICTの効用を体感できる。
[教育支援システム]
ICTを活用する授業においても、教師と生徒のコミュニケーションが基礎であることには変わりがない。学校教育を支援するためのシステムの構築にあたっては、この点に留意する必要がある。システムの都合を教師や生徒に押し付けて困惑させるのではなく、システムを自然と利用することによってクラスの皆が円滑に語り合えるようにしなければならない。以下に、発明者が提案する教育支援システムの構成について説明する。
図1は、教育支援システムのハードウェア構成図である。本実施形態における生徒端末100a、100b・・・100n(以下、まとめて言うときや特に区別しないときには「生徒端末100」と総称する)は、生徒が使用するタブレット端末である。生徒端末100は、スマートフォン、ノートパソコンやラップトップパソコンなど他の形態の端末であってもよい。タブレット端末は、ディスプレイとタッチセンサが一体となったタッチパネルディスプレイを有している。タッチパネルディスプレイには、教科書コンテンツなどのデジタルコンテンツが表示され、生徒がタッチパネルディスプレイをタッチ操作すると、その操作に応じてデジタルコンテンツの表示態様が変化したり、音声を出力したりする。また、タブレット端末では、スタイラスペンによって手書きのイメージを入力することができる。手書きで文字を入力して、文字コードに変換することもできる。あるいは、ソフトウェアキーボードを表示させて、数字や文字を入力することもできる。この例で、3年A組の太郎君には生徒端末100aが貸与され、同じく花子さんには生徒端末100bが貸与されているものとする。
生徒端末100は、学校外で使用されることもある。放課後には、太郎君が生徒端末100aを自宅に持ち帰って使用し、花子さんが生徒端末100bを自宅に持ち帰って使用することがある。太郎君と花子さんが一緒に勉強会をする場合には、太郎君の自宅、花子さんの自宅、あるいは町内会の集会所などで共に生徒端末100a、100bを使用することもある。なお、生徒端末100は、GPS(Global Positioning System)を利用して位置を計測する機能を有している。
教師端末200は、教師が使用するタブレット端末である。教師が使用するタブレット端末も、スタイラスペンによって手書きのイメージを入力したり、文字を入力したりできる。教師端末200は、スマートフォン、ノートパソコンやラップトップパソコンなど他の形態の端末であってもよい。この例で、3年A組の教師には、教師端末200が貸与されているものとする。
教室では、生徒端末100と教師端末200が有線あるいは無線によってLAN(Local Area Network )に接続することができる。LANには、大型モニター400が接続されている。大型モニター400は、教師の講義にあわせて教科書コンテンツが表示され、あるいは教師が授業中に出した問題やその問題に対する生徒の解答などが表示される。教師が授業中に問題を出す場合には、たとえば教師端末200のスタイラスペンで問題を入力し、入力された問題が大型モニター400に表示される。生徒が解答する場合には、生徒端末100のスタイラスペンで解答を入力し、入力された解答が大型モニター400に表示される。大型モニター400の画面を複数の矩形に分割して、各矩形に生徒の解答を表示するようにしてもよい。
LANは、インターネットを介して教育支援サーバ300に接続している。教育支援サーバ300は、教科書コンテンツ、予習コンテンツや宿題コンテンツなどの教育コンテンツを生徒端末100および教師端末200に提供する。予習コンテンツは、授業を受ける前の段階で予習する内容を生徒に提供するためのコンテンツである。宿題コンテンツは、授業を受けた後の段階で復習のために解く問題を生徒に提供するためのコンテンツである。教育支援サーバ300は、後述するノートデータを保存する機能も有している。教育支援サーバ300は、種々の機能によってICTを活用した教育と学習をサポートする。
生徒が生徒端末100を使用する場合には、教育支援サーバ300にログインする。教育支援サーバ300にログインすることによって、たとえば教育コンテンツをダウンロードすることができるようになる。生徒が学校外にいるときには、生徒端末100はインターネットを介して教育支援サーバ300にログインする。教師が教師端末200を使用する場合にも、教育支援サーバ300にログインする。教育支援サーバ300にログインすることによって、たとえば教育計画を立てたり、教育コンテンツをダウンロードしたりできるようになる。
教育支援サーバ300は、クラスごとに時間割や授業計画を管理する機能も有する。時間割や授業計画によって、教育支援サーバ300から生徒端末100や教師端末200へ配信する教育コンテンツを自動的に特定することができる。
図2は、教育支援サーバ300が有する時間割記憶部のデータ構造図である。この例は、3年A組の時間割を示している。小学校では、たとえば給食をはさんで1時限目から5時限目まで授業が行われる。時限は、授業の時間単位である。この例における時限の長さは45分である。1時限目は、各曜日において共通に8時30分から9時15分までである。2時限目は、同じく9時25分から10時10分までである。3時限目は、同じく10時20分から11時5分までである。各時限の間、つまり9時15分から9時25分まで、あるいは10時10分から10時20分までの10分間は、休み時間である。このほか、給食の時間、掃除の時間や帰りの会の時間なども所定の時間帯として定められている。
各曜日において授業の科目が設定されている。この例で3年A組について、月曜日の1時限目には「算数」が設定され、同じく2時限目には「国語」が設定され、3時限目には「理科」が設定されている。火曜日の1時限目には「体育」が設定され、同じく2時限目には「算数」が設定され、3時限目には「社会」が設定されている。水曜日から金曜日については、省略する。
図3は、教育支援サーバ300が有する授業計画記憶部のデータ構造図である。各クラスの科目ごとに授業計画が立てられる。たとえば1週間分の授業計画を、授業を担当する教師が教師端末200で入力することによって、教育支援サーバ300の授業計画記憶部に記憶される。この例は、3年A組の「算数」に関する授業計画を示している。
授業計画では、日付に対して、その科目の学習項目と学習項目に対応する教科書のページ範囲が設定されている。この例で、掛け算の授業が全部で5回行われ、9月1日(月曜日)の算数の時間(1時限目)には、掛け算の第4回の授業を行うことを計画している。掛け算の第4回の内容は、算数の教科書コンテンツの21ページから24ページに対応している。9月2日(火曜日)の算数の時間(2時限目)には、掛け算の第5回の授業を行うことを計画している。掛け算の第5回の内容は、算数の教科書コンテンツの25ページから28ページに対応することを示している。9月3日の算数の時間には、割り算の第1回の授業を行うことを計画している。割り算の第1回は、算数の教科書コンテンツの29ページから32ページに対応することを示している。
この例で、たとえば9月1日(月曜日)の1時限目に、3年A組の「算数」で3年生用の教科書コンテンツの21ページから24ページによって、掛け算の第4回の授業が行われることがわかる。つまり、教育支援サーバ300は、各クラスの時間割と授業計画によって、各時限において使用される教科書コンテンツを特定することができる。
なお、教育支援サーバ300は、学校のクラステーブルと、各クラスの生徒名簿と、各クラスの各科目の進捗データなども記憶している。クラステーブルには、各学年の組名が設定されている。生徒名簿には、クラスに属する生徒の氏名や連絡先などの基本情報のほか、生徒に貸与される生徒端末100のIDなども含まれる。進捗データには、授業を実施した学習項目、生徒の出欠状況、宿題の提出状況などが記録される。
本実施形態では、生徒端末100が使用される状況に応じた機能が提供される。つまり、生徒端末100は、状況によって学習に関わるモードが切り換わり、各モードによって発揮される機能が決まる。以下では、学習に関わるモードのことを学習モードという。
図4は、学習モードの遷移図である。
学習モードは、授業モード500、視聴モード502、休み時間モード504、復習・宿題モード506、勉強会モード508、予習モード510および自由モード512のうちのいずれかである。このうち、授業モード500、視聴モード502および休み時間モード504は、放課前における学習モードである。復習・宿題モード506、勉強会モード508、予習モード510および自由モード512は、放課後における学習モードである。教育支援サーバ300は、各生徒端末100の学習モードを制御する。生徒端末100は、教育支援サーバ300と連携して自らの学習モードを遷移させる。なお、自由モード512が教育支援サーバ300によって選択されている最中は、生徒自身が学習モードを選択できるようにしてもよい。また、放課前における学習モードに自習モードを設け、教師による授業がキャンセルされた場合に、その時間の授業に関連する教科書の解説や問題等の教科書コンテンツが表示可能にされるようにしてもよい。
授業モード500は、生徒が教室において授業を受けている間のモードである。つまり、授業時間内において生徒端末100が学校内にある場合に、その生徒端末100の学習モードは授業モード500となる。具体的には、生徒端末100が教育支援サーバ300にログインしている状態で授業開始の時刻になり、生徒端末100の位置情報が学校内を示していれば、授業モード500に切り換わる。あるいは、授業開始後に生徒端末100が教育支援サーバ300にログインし、生徒端末100の位置情報が学校内を示していれば、授業モード500に切り換わる。
授業モード500になると、生徒端末100は教育支援サーバ300からその授業で使用する教科書コンテンツをダウンロードする。そして、教科書コンテンツが生徒端末100のタッチパネルディスプレイに表示される。生徒は、タッチパネルディスプレイに表示された教科書コンテンツを見ながら、授業を受ける。生徒がタッチパネルディスプレイの表面をスライドする操作を行うと、教科書コンテンツのページがスライドして、他のページが表示される。また、生徒が写真や図表の部分をタッチすると、写真や図表が拡大表示される。
教育支援サーバ300は、生徒名簿と生徒端末100のIDに基づいて生徒端末100を使用している生徒を特定し、その生徒が属するクラスでその時限に行われる教科を判別する。また、そのクラスのその教科の授業計画によってその授業で使用される教科書コンテンツの範囲を特定する。教育支援サーバ300は、その範囲のコンテンツデータを生徒端末100へ送信する。
たとえば9月1日(月曜日)の8時30分になったときに、太郎君の生徒端末100aが教育支援サーバ300にログインしていれば、生徒端末100aの学習モードは授業モード500になる。そして、教育支援サーバ300は、ログインしている生徒端末100aの使用者が太郎君であり、太郎君が3年A組の生徒であるので、3年A組の時間割に基づいて1時限目の科目が「算数」であると判定する。そして、3年A組の「算数」の学習計画を参照して掛け算(第4回)に対応する21ページから24ページの範囲の教科書コンテンツを生徒端末100aへ送る。これにより、太郎君の生徒端末100aには、掛け算(第4回)に相当する教科書コンテンツが表示される。
同様の手順で、3年A組の教師が使用する教師端末200にも掛け算(第4回)に相当する教科書コンテンツが表示される。教師は、教科書コンテンツを見ながら、たとえば掛け算の手順などの学習内容を説明する。生徒は、教師が説明した内容を記録したいと思う場合に、生徒端末100にノートデータとして書き込むことができる。ノートデータは教育支援サーバ300で管理され、生徒が自由に編集したり、後に参照したりできる。太郎君が掛け算の手順で大事であると思うことを、ノートデータに記録しておけば、復習するときにそれを参照して、教師が説明した掛け算の手順を思い出すことに役立つ。
教師は、生徒端末100に表示されている画面を確認することもできる。生徒端末100に表示されている画面のデータは一旦教育支援サーバ300に送られ、教師端末200へ転送される。教師端末200には、生徒端末100に表示されている画面と同じ画面が表示される。たとえば、3年A組の教師が、花子さんが授業に集中しているかどうか気になる場合には、教師端末200で花子さんが見ている画面を参照する指示を行ない、花子さんの生徒端末100bの画面を参照する。花子さんの生徒端末100bに表示されている教科書コンテンツのページが、今説明している内容にあっていなければ、花子さんが授業進度についていけていなかったり、授業に集中できていなかったりすることがわかる。また、花子さんの生徒端末100bに表示されているノートに落書きがされていれば、花子さんが授業に飽きていると判断できる。
そして、授業が進行して授業時間の終了時刻を迎えると、各生徒端末100は、授業モード500から休み時間モード504へ移る。この場合の学習モードの遷移も、教育支援サーバ300によって制御される。生徒端末100は、教育支援サーバ300からの指示を受けて自らの学習モードを休み時間モード504に変更する。
休み時間モード504は、授業が行われていない間のモードである。休み時間モード504では、教育コンテンツのダウンロードや表示は行われない。生徒が、休息をとったり、気分転換を図ったり、用便を済ませたりして、正しく休み時間を過ごすようにするためである。給食、掃除や帰りの会などの間も、各生徒端末100は自動的に休み時間モード504となる。休み時間が過ぎて、次の授業時間になると上述のように再び授業モード500に切り換わる。たとえば、5時限目まで授業がある日には、授業モード500と休み時間モード504が合計5回繰り返される。そして、最後の休み時間モード504において放課の時間を迎える。
ここまで、生徒が登校した場合を想定した学習モードの遷移について説明したが、本実施形態では、登校できない生徒に配慮した学習モードも設ける。保護者は子供の健康が優れない場合や家庭の事情がある場合に、学校を休ませることがある。学校を休むと授業を受けられないので、生徒が学習の過程から取り残されるという心配がある。生徒自身も、クラスの雰囲気になじめなくなることを心配する。この点に関して、ICTを活用すれば、遠隔地からも通信によってコミュニケーションを図ることが可能となるので、授業を欠席した生徒の学習面や精神面での負担を減らすことができる。簡単にいえば、家庭や病院のような施設にいても、授業のライブ映像/音声を見聞きすることによって、クラスの友達と一緒にいる感覚で修学できる。
視聴モード502は、このように学校外において生徒が授業の様子を視聴するためのモードである。つまり、授業時間内において生徒端末100が学校外にある場合に、その生徒端末100の学習モードは視聴モード502となる。具体的には、生徒端末100が教育支援サーバ300にログインしている状態で授業開始の時刻になり、生徒端末100の位置情報が学校外を示していれば、生徒端末100の学習モードは視聴モード502に切り換わる。また、授業開始後に生徒端末100が教育支援サーバ300にログインし、生徒端末100の位置情報が学校外を示していれば、生徒端末100の学習モードは視聴モード502に切り換わる。
クラスの生徒が使用している生徒端末100のいずれかが視聴モード502である場合には、教室内に設置されたカメラで授業風景が撮影され、教師の話をマイクで入力し、撮影された動画と入力された音声のデータが、教育支援サーバ300を経由して視聴モード502で動作している生徒端末100へ転送される。視聴モード502の生徒端末100は、受信したデータから動画と音声を再生して出力する。動画は、タッチパネルディスプレイの全体に表示してもよいし、ウインドゥに表示してもよい。音声は、生徒端末100に内蔵されているスピーカから発せられる。
また、授業モード500の場合と同様に、生徒端末100は教育支援サーバ300からその授業で使用する教科書コンテンツをダウンロードし、タッチパネルディスプレイに表示する。操作についても、授業モード500の場合と同様である。また、ノートの書き込みもできる。教師は、学校外から視聴している生徒の様子が気になれば、授業モード500の場合と同様に、視聴モード502の生徒端末100に表示されている画面を確認することもできる。授業が終了すれば、生徒端末100は、視聴モード502から休み時間モード504へ切り換わる。学校外にある生徒端末100における視聴モード502と休み時間モード504の繰り返しについては、学校内にある生徒端末100の場合と同様である。たとえば、朝登校して1時限目から4時限目まで授業に出席して、昼に下校した場合に5時限目だけ視聴モード502で自宅から授業に参加することもできる。
このように、授業風景を見て、教師の話を聞くことによって、欠席した生徒も出席している生徒と同様の知見と感覚が得られる。たとえば太郎君が軽い怪我で学校を休んでも、自宅で生徒端末100aを使用して授業に参加すれば、他の生徒と遜色なく修学できる。
以上が放課前における学習モードの遷移である。続いて、放課後における学習モードの遷移について説明する。帰りの会が終わると放課になるので、帰りの会の終了時刻になると、各生徒端末100の学習モードは、休み時間モード504から復習・宿題モード506に移る。生徒端末100が教育支援サーバ300にログインしていなくても、教育支援サーバ300の内部において管理している生徒端末100の学習モードが復習・宿題モード506に切り換わる。そして、放課後に生徒端末100が教育支援サーバ300にログインした段階で、生徒端末100は復習・宿題モード506で動作する。
復習・宿題モード506は、当日受けた授業の内容を復習し、それに関連する宿題に答えるためのモードである。何時に復習し宿題を済ませるかは、生徒の自由である。したがって、生徒が復習をしようとするときに、生徒端末100を教育支援サーバ300にログインさせる。そうすれば、自動的に復習と宿題のための機能がスタートする。復習・宿題モード506の生徒端末100は、教科書コンテンツとノートデータと宿題コンテンツをダウンロードし、これらを表示する。生徒は、教科書コンテンツとノートデータを参照して、授業の内容を思い出す。そして、宿題コンテンツで表示される問いに答える。
たとえば、9月1日(月曜日)の3年A組の「算数」の授業で、2桁の数に1桁の数を乗じる掛け算を学んだとする。教科書コンテンツでは、例題として「12×3=36」を解く手順が示されており、授業では教師がその手順を説明した。太郎君は、「12は2と10だから、2×3と10×3をやって足す。」とノートに書き込んだ。自宅で太郎君が生徒端末100aを教育支援サーバ300にログインさせると、「12×3」を解く手順が示された教科書コンテンツと「12は2と10だから、2×3と10×3をやって足す。」と記録したノートが表示される。太郎君はこのノートを見て、自分が「12×3=36」を解く手順をどのように理解したかを思い出す。掛け算の手順を思い出した段階で、宿題コンテンツを表示させて問題「21×3=?」を見る。太郎君は自分が思っている手順に沿ってこの問題を解いて、解答「63」を導く。そして、太郎君は、スタイラスペンを使って解答「63」を入力する。
復習・宿題モード506では、答え合わせの機能もある。生徒が、解答を入力してから「答え合わせ」のボタンにタッチすると、解答が教育支援サーバ300に送信され、答え合わせが行われる。答え合わせの結果として、「正解」あるいは「不正解」の返事が生徒端末100に送り返される。生徒端末100に答え合わせの結果が「正解」であったと表示されると、「提出」のボタンにタッチして宿題を終える。つまり、暫定的であった解答が正式なものとして、教育支援サーバ300に送信される。一方、生徒端末100に答え合わせの結果が「不正解」であったと表示されると、生徒はもう一度考えて、新しい解答を入力する。新しい解答についても、答え合わせができる。そして、「正解」になれば、その解答を提出して宿題を終える。上述の例では、太郎君が入力した解答「63」の答え合わせの結果が「正解」と表示されるので、太郎君はこの解答を提出して宿題を終える。なお、答え合わせの結果が「不正解」であっても、解答を提出できるようにしてもよい。また、答え合わせを行わないで、解答を提出できるようにしてもよい。
復習・宿題モード506の生徒端末100は、2時限目以降の授業内容についても同様に復習と宿題のための動作をする。今日受けたすべての授業について復習と宿題を終えると、生徒端末100の学習モードは、復習・宿題モード506から予習モード510へ切り換わる。復習と宿題を終えて予習モード510へ移るタイミングは、生徒によって異なる。したがって、教育支援サーバ300は、生徒端末100ごとに異なるタイミングで復習・宿題モード506の終了を確認して、予習モード510へ移行するように制御する。
復習と宿題は、一人で行ってもよいが、友達といっしょに行ってもよい。友達といっしょであれば、勉強する動機付けになり、教えあうことによって理解が深まることがある。また、いっしょに勉強することによって新しい友達ができることも期待できる。本実施形態では、生徒が集って勉強会を開くことも推奨する。
勉強会モード508は、複数の生徒が集って、当日受けた授業の内容を復習し、それに関連する宿題に答えるためのモードである。教育支援サーバ300は、生徒が集っていることを生徒端末100の位置情報によって判断する。同じクラスの生徒が使用する生徒端末100が、複数台接近している場合には、勉強会が開かれると想定する。たとえば、太郎君と花子さんが勉強会を開くために町内会の集会所に行き、それぞれ生徒端末100a、100bを教育支援サーバ300にログインさせると、教育支援サーバ300は生徒端末100aと生徒端末100bの位置が接近しているので、太郎君と花子さんがいっしょに勉強する可能性があると判断できる。この場合、教育支援サーバ300は、太郎君と花子さんに勉強会を開くかの確認を求める問い合わせを行って、二人とも勉強会であることを承認した段階で、生徒端末100aと生徒端末100bの学習モードを、復習・宿題モード506から勉強会モード508へ切り換える。太郎君と花子さんが勉強会を開いたことは、学習履歴として教育支援サーバ300に記録される。3年A組の教師は、学習履歴を参照して、太郎君と花子さんがいっしょに復習と宿題を行っていることを把握できる。これにより、太郎君と花子さんは協調性があり学習意欲が高いという評価をすることができる。
勉強会モード508における生徒端末100の動作は、基本的には復習・宿題モード506と同様であるが、各人に出される宿題の内容が異なるようにする。友達が解いた答えを写して宿題を済ませてしまうことがないようにするためである。たとえば、太郎君の宿題コンテンツの問題が「21×3=?」であれば、花子さんの宿題コンテンツの問題は「21×4=?」として正解が一致しないようにする。花子さんの問題は太郎君の問題と異なるので、もしも花子さんが太郎君の解答「63」をそのまま入力しても、答え合わせの結果が「不正解」となる。
たとえば、太郎君は自分の宿題を済ませた後に、花子さんの宿題についていっしょに考える。太郎君は、授業中に書き込んだ自分のノートの記録「12は2と10だから、2×3と10×3をやって足す。」を花子さんに見せて、掛け算の手順を教える。花子さんの問題の場合には「21は1と20だから、1×4と20×4をやって足す。」という手順で解けることを確認し合って、花子さん自らが解答できるように促す。このように、授業内容の思い出しを友達同士で行うことによって、習得の喜びが増し、学習意欲や助け合いの気持ちも高まる。また、安易に他人の答えを引き写して宿題を済ませてしまおうとする悪習慣も防げる。
復習・宿題モード506の場合と同様に、今日受けたすべての授業について復習と宿題を終えると、生徒端末100の学習モードは、勉強会モード508から予習モード510へ切り換わる。もちろん、予習モード510になった後も友達といっしょにそのまま予習の勉強を続けても構わない。また、予習モード510になった生徒端末100を一旦教育支援サーバ300からログアウトさせて、休憩した後に再び教育支援サーバ300にログインしてもよい。その場合でも、生徒端末100は予習モード510として継続的に動作する。
予習モード510は、次の登校日に受ける授業の内容を予習するためのモードである。たとえば月曜日であれば、生徒は火曜日に受ける授業の内容を予習する。予習モード510の生徒端末100は、教科書コンテンツと予習コンテンツをダウンロードし、これらを表示する。予習コンテンツは、教科書の内容の概略であってもよいし、前年における授業のビデオであってもよい。授業の内容の導入となる問いかけなどでもよい。例えば、9月2日(火曜日)に行われる掛け算の第5回の授業で、繰り上がりを伴う掛け算を学ぶとすれば、「明日は、16×3=48の解き方を勉強します。答えの48は、30と□の合計です。□に入る数は9より大きいかな?」のような問いかけで、授業のポイントを示唆して興味を沸かせるようにしてもよい。なお、この例は1桁目の数同士の積が2桁の数になる場合には、繰上げをしなければならないことを示唆している。
予習モード510において生徒が「予習終了」のボタンにタッチすると、生徒端末100の学習モードは、予習モード510から自由モード512へ切り換わる。予習を終えるタイミングは、生徒によって異なる。したがって、教育支援サーバ300は、生徒端末100ごとに異なるタイミングで予習モード510の終了を確認して、自由モード512へ移行するように制御する。
復習と宿題及び予習を終えれば、生徒は自由に学習してよい。自由モード512は、範囲を限定せずに任意に教育コンテンツの内容を学習するためのモードである。たとえば、先々まで予習してもよいし、以前の内容を復習してもよい。そのため、教科書コンテンツの任意ページを参照することができる。また、既に履修した授業の宿題コンテンツや未だ履修していない授業の予習コンテンツを参照してもよい。
なお、特別に授業の開始や終了を早めたり、遅くしたりすることもある。その場合には、教師が指示して学習モードを切り換えてもよい。たとえば、授業を早く終える場合には、教師端末200を操作して休み時間モード504の切り換えを教育支援サーバ300に指示してもよい。指示された教育支援サーバ300は、その教師が担当するクラスの生徒の生徒端末100の学習モードを休み時間モード504に切り換えて、各生徒端末100に休み時間モード504への変更を指示する。以上で、本実施形態の概要についての説明を終える。
ここから、教育支援システムの動作について説明する。
教育支援システムに含まれる教育支援サーバ300、生徒端末100および教師端末200の各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)および各種コプロセッサなどの演算器、メモリやストレージといった記憶装置、それらを連結する有線または無線の通信線を含むハードウェアと、記憶装置に格納され、演算器に処理命令を供給するソフトウェアによって実現される。コンピュータプログラムは、デバイスドライバ、オペレーティングシステム、それらの上位層に位置する各種アプリケーションプログラム、また、これらのプログラムに共通機能を提供するライブラリによって構成されてもよい。以下に説明する各ブロックは、ハードウェア単位の構成ではなく、機能単位のブロックを示している。
図5および図6は、教育支援サーバ300の機能ブロック図である。
教育支援サーバ300は、通信部304、データ処理部306およびデータ格納部308を含む。図5は、通信部304の詳細を示す。図6は、データ処理部306およびデータ格納部308の詳細を示す。
通信部304は、ネットワークを介して生徒端末100および教師端末200との通信処理を担当する。データ格納部308は各種データを格納する。データ処理部306は、通信部304により取得されたデータと、データ格納部308に格納されているデータに基づいて各種処理を実行する。データ処理部306は、通信部304およびデータ格納部308のインタフェースとしても機能する。
図5に示すように通信部304は、データを受信する受信部312と、データを送信する送信部送信部314を含む。
受信部312は、ログイン要求受信部320、切換指示受信部322、位置情報受信部324、ノートデータ受信部326、動画・音声取得部328、答え合わせ要求受信部330、宿題解答受付部332、モード終了受付部334および回答受信部336を含む。
ログイン要求受信部320は、生徒端末100および教師端末200からログイン要求を受信する。切換指示受信部322は、教師端末200から学習モードの切換指示を受信する。位置情報受信部324は、生徒端末100から位置情報を受信する。ノートデータ受信部326は、生徒端末100からノートデータを受信する。動画・音声取得部328は、カメラから動画データを取得し、マイクから音声データを取得する。答え合わせ要求受信部330は、生徒端末100から答え合わせ要求を受信する。宿題解答受付部332は、生徒端末100から宿題解答を受け付ける。モード終了受付部334は、生徒端末100から学習モードの終了通知を受け付ける。回答受信部336は、生徒端末100から勉強会の承認または非承認の回答を受信する。
送信部314は、変更指示送信部340、教育コンテンツ送信部342、動画・音声送信部344、答え合わせ結果送信部346および問い合わせ送信部348を含む。
変更指示送信部340は、生徒端末100へ学習モードの変更指示を送信する。教育コンテンツ送信部342は、生徒端末100へ教育コンテンツを送信する。動画・音声送信部344は、生徒端末100へ授業風景の動画データおよび教師の音声データを送信する。答え合わせ結果送信部346は、生徒端末100へ答え合わせ結果を送信する。問い合わせ送信部348は、生徒端末100へ勉強会確認の問い合わせを送信する。
図6に示すようにデータ処理部306は、切換判定部360、ユーザ認証部362、答え合わせ処理部364、勉強会判定部366および宿題アレンジ部368を含む。
切換判定部360は、生徒端末100の学習モードの切り換えを判定する。ユーザ認証部362は、ユーザである生徒および教師の認証を行う。答え合わせ処理部364は、宿題解答の答え合わせを行う。勉強会判定部366は、勉強会が想定される生徒端末100の接近を判定する。宿題アレンジ部368は、宿題コンテンツの問題をアレンジする。
図6に示すようにデータ格納部308は、学習モード管理テーブル記憶部370、時間割記憶部372、授業計画記憶部374、ユーザ認証データ記憶部376、教育コンテンツ記憶部378およびノートデータ記憶部380を含む。
学習モード管理テーブル記憶部370は、学習モード管理テーブルを記憶する。学習モード管理テーブルについては図10に関連して後述する。時間割記憶部372は、クラスごとの時間割を記憶する。授業計画記憶部374は、各クラスの科目ごとの授業計画を記憶する。ユーザ認証データ記憶部376は、生徒ごとに生徒番号とパスワードを対応づけ、教師ごとに教師番号とパスワードを対応づけるユーザ認証データを記憶する。教育コンテンツ記憶部378は、教科書コンテンツ、予習コンテンツや宿題コンテンツなどの教育コンテンツを記憶する。ノートデータ記憶部380は、各生徒のノートデータを記憶する。
図7および図8は、生徒端末100の機能ブロック図である。
生徒端末100は、ユーザインターフェース処理部102、通信部104、データ処理部106およびデータ格納部108を含む。図7は、通信部104の詳細を示す。図8は、データ処理部106、データ格納部108およびユーザインターフェース処理部102の詳細を示す。
ユーザインターフェース処理部102は、スタイラスペン、キーボードやタッチパネルなどの入力デバイスを介して生徒からの操作を受け付けるほか、画像表示や音声出力など、ユーザインターフェースに関する処理を担当する。通信部104は、ネットワークを介して教育支援サーバ300との通信処理を担当する。データ格納部108は、各種データを格納する。データ処理部106は、通信部104により取得されたデータ、ユーザインターフェース処理部102を介して入力された操作指示およびデータ格納部108に格納されているデータに基づいて各種処理を実行する。データ処理部106は、通信部104、ユーザインターフェース処理部102およびデータ格納部108のインタフェースとしても機能する。データ格納部108は、アプリケーションプログラムや上述したデータなどの各種データを格納する。
図7に示すように通信部104は、データを受信する受信部112と、データを送信する送信部114を含む。
受信部112は、変更指示受信部120、ダウンロード部122および動画・音声受信部124を含む。
変更指示受信部120は、教育支援サーバ300から学習モードの変更指示を受信する。ダウンロード部122は、教育支援サーバ300から教育コンテンツやノードデータをダウンロードする。動画・音声受信部124は、教育支援サーバ300から授業風景の動画データおよび教師の音声データを受信する。
送信部114は、ログイン要求送信部130、位置情報送信部132、ログアウト要求送信部134、アップロード部136、答え合わせ要求送信部138、宿題解答提出部140、モード終了通知部142および回答送信部144を含む。
ログイン要求送信部130は、教育支援サーバ300へログイン要求を送信する。位置情報送信部132は、教育支援サーバ300へ生徒端末100の位置情報を送信する。ログアウト要求送信部134は、教育支援サーバ300へログアウト要求を送信する。アップロード部136は、教育支援サーバ300へノードデータをアップロードする。答え合わせ要求送信部138は、教育支援サーバ300へ答え合わせ要求を送信する。宿題解答提出部140は、提出する宿題解答を教育支援サーバ300へ送信する。モード終了通知部142は、教育支援サーバ300へモード終了の通知を送信する。回答送信部144は、教育支援サーバ300へ勉強会の承認または非承認の回答を送信する。
図8に示すようにデータ処理部106は、モード変更部150、学習制御部152および位置測定部154を含む。
モード変更部150は、生徒端末100の学習モードを変更する。学習制御部152は、起動中の学習モードに対応する教育コンテンツの提供を制御する。位置測定部154は、生徒端末100の所在位置を測定する。
図8に示すようにデータ格納部108は、教育コンテンツ記憶部160およびノートデータ記憶部162を含む。
教育コンテンツ記憶部160は、ダウンロードされた教育コンテンツを記憶する。ノートデータ記憶部162は、ダウンロードされ、編集されたノートデータを記憶する。
図8に示すようにユーザインターフェース処理部102は、生徒に対して画像や音声などの各種情報を出力する出力部116と、生徒からの入力を受け付ける入力部118を含む。
出力部116は、コンテンツ出力部170および動画・音声出力部172を含む。コンテンツ出力部170は、教育コンテンツなどのデジタルコンテンツを出力する。動画・音声出力部172は、授業風景の動画および教師の音声を出力する。
入力部118は、終了操作受付部180、コンテンツ操作受付部182、ノート操作受付部184および指定操作受付部186を含む。
終了操作受付部180は、学習モードの終了操作を受け付ける。コンテンツ操作受付部182は、教育コンテンツなどのデジタルコンテンツに対する操作を受け付ける。ノート操作受付部184は、ノートへの書込みなどの操作を受け付ける。指定操作受付部186は、コンテンツ種類と範囲の指定操作を受け付ける。
図9は、教師端末200の機能ブロック図である。
教師端末200は、ユーザインターフェース処理部202、通信部204、データ処理部206およびデータ格納部208を含む。
ユーザインターフェース処理部202は、スタイラスペン、キーボードやタッチパネルなどの入力デバイスを介して教師からの操作を受け付けるほか、画像表示や音声出力など、ユーザインターフェースに関する処理を担当する。通信部204は、ネットワークを介して教育支援サーバ300との通信処理を担当する。データ格納部208は、各種データを格納する。データ処理部206は、通信部204により取得されたデータ、ユーザインターフェース処理部202を介して入力された操作指示およびデータ格納部208に格納されているデータに基づいて各種処理を実行する。データ処理部206は、通信部204、ユーザインターフェース処理部202およびデータ格納部208のインタフェースとしても機能する。データ格納部208は、アプリケーションプログラムや上述したデータなどの各種データを格納する。
通信部204は、データを受信する受信部212と、データを送信する送信部214を含む。
受信部212は、ダウンロード部220および端末画面受信部222を含む。ダウンロード部220は、教育支援サーバ300から教育コンテンツや学習計画などのデータをダウンロードする。端末画面受信部222は、教育支援サーバ300から生徒端末の画面データを受信する。
送信部214は、切換指示送信部230を含む。切換指示送信部230は、教育支援サーバ300へ学習モードの切換指示を送信する。
データ処理部206は、学習計画編集部250を含む。学習計画編集部250は、教師による学習計画の編集処理を行なう。
データ格納部208は、教育コンテンツ記憶部260を含む。教育コンテンツ記憶部260は、ダウンロードされた教育コンテンツを記憶する。
ユーザインターフェース処理部202は、教師に対して画像や音声などの各種情報を出力する出力部216と、生徒からの入力を受け付ける入力部218を含む。
出力部216は、コンテンツ出力部270および端末画面出力部272を含む。コンテンツ出力部270は、教育コンテンツなどのデジタルコンテンツを出力する。端末画面出力部272は、生徒端末100の画面イメージを表示する。
入力部218は、切換操作受付部280およびコンテンツ操作受付部282を含む。
切換操作受付部280は、学習モードの切換操作を受け付ける。コンテンツ操作受付部282は、教育コンテンツなどのデジタルコンテンツに対する操作を受け付ける。
図10は、学習モード管理テーブルの例を示す図である。
学習モード管理テーブルには、生徒ごとに貸与している生徒端末100の学習モードが設定される。つまり、教育支援サーバ300が生徒端末100における学習モードを決めると、学習モード管理テーブルにその学習モードが設定される。
ただし、学習モード管理テーブルに学習モードを設定しただけで、生徒端末100がその学習モードに従うわけではない。教育支援サーバ300で管理している学習モードに従って生徒端末100を動作させるためには、教育支援サーバ300と生徒端末100で学習モードを同期しなければならない。つまり、教育支援サーバ300が学習モードの変更を生徒端末100に指示することによって、生徒端末100がその学習モードで動作するようになる。学習モードの同期を図るため、学習モード管理テーブルでは各生徒端末100に対する学習モードの変更指示状況も管理する。
生徒端末100がログインしていないときに学習モードを切り換えても、教育支援サーバ300は生徒端末100に学習モードの変更を指示できない。そのため、教育支援サーバ300は、学習モードの変更を生徒端末100に指示していないことを、変更指示状況で「未指示」として記憶しておく。そして、教育支援サーバ300は、後に生徒端末100がログインした段階で学習モードの変更を指示する。教育支援サーバ300が生徒端末100に学習モードの変更を指示すると、変更指示状況が「未指示」から「指示済み」に変わる。
一方、生徒端末100が教育支援サーバ300にログインしている状態で、学習モードを切り換えた場合には、すぐに教育支援サーバ300から生徒端末100へ学習モードの変更が指示される。生徒端末100は、指示に従って学習モードを変更する。そして、変更指示状況が「指示済み」に設定される。
学習モード管理テーブルは、さらに生徒端末100の位置情報も管理する。生徒端末100がログインしていれば、生徒端末100から随時送られてくる位置情報を記憶する。生徒端末100がログインしていなければ、位置情報が送られてこないので「不明」とする。
図10に示した例は、授業時間中の状態を示している。生徒番号が「3101」の生徒に貸与されている生徒端末100はログインしており、授業モード500への変更指示が済んでいる。また、位置情報は、学校内を示している。生徒番号が「3102」の生徒に貸与されている生徒端末100はログインしておらず、授業モード500への変更指示が済んでいない。また、位置情報は、「不明」である。生徒番号が「3103」の生徒に貸与されている生徒端末100はログインしており、視聴モード502への変更指示が済んでいる。また、位置情報は、学校外を示している。
図11は、教育支援サーバ300における学習モード制御処理過程を示すフローチャートである。
放課前では、主として教育支援サーバ300が各生徒端末100の学習モードを一括して制御する。具体的には、上述したように授業モード500と休み時間モード504とを交互に繰り返す。ただし、学校にいない生徒の生徒端末100に対しては、視聴モード502と休み時間モード504とを交互に繰り返す。
教育支援サーバ300の切換判定部360は、授業の開始時刻になったと判断すると(S10)、クラスの各生徒に貸与している生徒端末100における学習モードを授業モード500または視聴モード502に切り換える。そして、変更指示送信部340は、生徒端末100に授業モード500または視聴モード502への変更指示を送信し、変更指示状況を「通知済み」に設定する(S12)。
S12の処理について、3つのケースに分けて詳述する。第1のケースとして、生徒端末100が教育支援サーバ300にログインしており、生徒端末100の位置が学校内を示していれば、授業モード500に切り換えて、生徒端末100に授業モード500への変更を指示する。第2のケースとして、生徒端末100が教育支援サーバ300にログインしており、生徒端末100の位置が学校外を示していれば、視聴モード502に切り換えて、生徒端末100に視聴モード502への変更を指示する。第3のケースとして、生徒端末100が教育支援サーバ300にログインしていない場合には、暫定的に授業モード500に切り換えておき、変更指示状況を「未通知」に設定する。この段階で学習モードの変更指示は行えない。授業が始まってから生徒端末100がログインしたときの処理については、図12に関連して後述する。
授業が進行して、教育支援サーバ300の切換判定部360が授業の終了時刻になったと判定すると、各生徒端末100の学習モードを授業モード500から休み時間モード504に切り換える(S14)。また、変更指示送信部340は、ログインしている生徒端末100に、休み時間モード504への変更指示を送信し、変更指示状況を「通知済み」に設定する(S16)。ログインしていない生徒端末100については、変更指示状況を「未通知」に設定する。休み時間中にログインしてきた場合には、図12に関連して後述するように、その段階で生徒端末100に休み時間モード504への変更指示を送信し、変更指示状況を「通知済み」に設定する。
次の授業が残っている場合には(S18のN)、S10に戻って上述した処理を繰り返す。最後の授業を終えた場合には(S18のY)、休み時間モード504のまま放課になるまで待機する。教育支援サーバ300の切換判定部360が放課の時刻になったと判定すると(S20)、各生徒端末100の学習モードを休み時間モード504から復習・宿題モード506に切り換える。変更指示送信部340は、ログインしている生徒端末100に復習・宿題モード506への変更指示を送信し、変更指示状況を「通知済み」に設定する(S22)。ログインしていない生徒端末100については、変更指示状況を「未通知」に設定する。放課後にログインしてきた場合には、図12に関連して後述するように、その段階で生徒端末100に復習・宿題モード506への変更指示を送信し、変更指示状況を「通知済み」に設定する。
図12は、教育支援サーバ300における生徒ログイン処理過程を示すフローチャート図である。
教育支援サーバ300のログイン要求受信部320が、生徒番号とパスワードを含むログイン要求を受け付けると(S30)、ユーザ認証部362は、ユーザ認証データ記憶部376に記憶されているユーザ認証データに基づいて、生徒認証を行う(S32)。ログイン要求に含まれる生徒番号とパスワードと同一の組み合わせが、ユーザ認証データにある場合には、生徒認証が成功する。ログイン要求に含まれる生徒番号とパスワードと同一の組み合わせが、ユーザ認証データにない場合には、生徒認証が失敗する。生徒認証が失敗すると、以降の処理は行われない。ここでは、生徒認証が成功したものとする。
変更指示状況が「指示済み」である場合には(S34のN)、生徒端末100に学習モードの変更を指示する必要がないので、そのまま処理を終える。
一方、変更指示状況が「未指示」の場合には(S34のY)、生徒端末100が教育支援サーバ300にログインしていないときに、教育支援サーバ300で学習モードが切り換えられているので、生徒端末100に学習モードの変更を指示する必要がある。特に、暫定的に授業モード500が設定されており、生徒が学校外にいる場合には、授業モード500を視聴モード502に切り換える必要がある。そのため、切換判定部360は、学習モード管理テーブル(図10)においてその生徒端末100の学習モードが授業モード500であって(S36のY)、その位置が学校外である場合(S38のY)には、学習モード管理テーブル(図10)に暫定的に設定されている授業モード500を視聴モード502に切り換える処理を行なう(S40)。
その生徒端末100の学習モードが授業モード500であっても(S36のY)、その位置が学校内である場合(S38のN)には、学習モードはそのままでよい。また、その生徒端末100の学習モードが授業モード500でない場合(S36のN)、具体的には休み時間モード504、復習・宿題モード506、予習モード510または自由モード512であれば、学習モードはそのままでよい。
S42では、切換指示受信部322は、学習モード管理テーブル(図10)に設定されている学習モードへの変更指示を生徒端末100へ送信する(S42)。
図13は、生徒端末100における学習モード変更処理過程を示すフローチャートである。
学習モード変更処理では、生徒端末100が教育支援サーバ300にログインしてからログアウトするまでの間において学習モードの変更を行う。
まず、生徒が生徒端末100を教育支援サーバ300にログインさせようとする場合、ログイン画面において生徒番号とパスワードを入力して、ログインを指示する。この操作によって、生徒端末100のログイン要求送信部130は、生徒番号とパスワードを含むログイン要求を教育支援サーバ300へ送信する(S50)。ログインに失敗した場合には、以降の処理は行われない。ここでは、ログインに成功したものとする。
生徒端末100の変更指示受信部120が、学習モードの変更指示を受信すると(S52のY)、モード変更部150は、その指示に従って生徒端末100の学習モードを変更する(S54)。変更指示受信部120が、学習モードの変更指示を受信しない場合には(S52のN)、そのままS56の処理に移る。
次に、生徒端末100の位置測定部154が生徒端末100の位置を測定し、位置情報送信部132は、位置情報を教育支援サーバ300へ送信する(S56)。終了操作受付部180が生徒による終了操作を受け付けるまで、上述の処理を繰り返す。したがって、生徒端末100が教育支援サーバ300にログインしている間は、繰り返し位置情報が教育支援サーバ300へ送信される。
生徒端末100の終了操作受付部180が終了操作を受け付けると(S58のY)、ログアウト要求送信部134は、教育支援サーバ300へログアウト要求を送信して(S60)、処理を終える。
図14は、授業モード500に関するシーケンス図である。この図は、授業の開始から終了までのシーケンスを示している。生徒は教室内にいて、生徒端末100は教育支援サーバ300にログインしているものとする。
図11のS10で説明したように、授業が開始されると、教育支援サーバ300の300切換判定部360は、学習モードを授業モード500に切り換えて、変更指示送信部340は、授業モード500への変更指示を生徒端末100へ送信する(S70)。
図13のS52で説明したように、生徒端末100の変更指示受信部120が、授業モード500への変更指示を受信すると、モード変更部150は、生徒端末100の学習モードを授業モード500へ変更する(S72)。
授業モード500になると、学習制御部152は、ダウンロード部122に教科書コンテンツとノートデータのダウンロードを指示する(S74)。指示されたダウンロード部122は、教科書コンテンツとノートデータのダウンロード要求を教育支援サーバ300へ送信する。
教育支援サーバ300の受信部312が、ダウンロード要求を受信すると、教育コンテンツ送信部342は、時間割と授業計画を参照して、授業内容に対応する教科書コンテンツとノートデータを送信する。なお、ノートデータは、教科書コンテンツの各ページに対応する白紙ページによって構成されている。
ダウンロードが完了すると、生徒端末100の学習制御部152は、コンテンツ出力部170に、ダウンロードした教科書コンテンツとノートの表示を指示する。指示されたコンテンツ出力部170は、教科書コンテンツとノートをタッチパネルディスプレイに表示する。
そして、生徒端末100のコンテンツ操作受付部182が教科書コンテンツに対する操作を受け付けると、コンテンツ出力部170は操作に応じて教科書コンテンツを表示する(S76)。たとえば、次へのページめくりの操作を受け付けると次のページを表示する。
また、生徒端末100のノート操作受付部184がページへの書き込み操作を受け付けと、ページに書き込みを行ない、アップロード部136は、更新したページデータを教育支援サーバ300へアップロードする(S78)。
教師端末200も教育支援サーバ300にログインしているものとする。授業が始まると、教師端末200のダウンロード部220は、授業内容に対応する教科書コンテンツをダウンロードする(S80)。コンテンツ出力部270は、ダウンロードした教科書コンテンツを表示する。コンテンツ操作受付部282が、教科書コンテンツに対する操作を受け付けると(S82)、コンテンツ出力部270は、その操作に従って教科書コンテンツを表示する。このようにして教科書コンテンツを見ながら、教師は授業を進める。
教師は、生徒端末100の画面を見ることができる。教師が、教師端末200において生徒番号を指定して生徒端末100の画面を参照する指示すると、教師端末200の端末画面受信部222は、生徒番号に対応する生徒端末100の画面に表示されている教科書コンテンツとノートを含む画面データを受信し、端末画面出力部272は、生徒端末100の画面イメージを表示する(S84)。なお、生徒番号と生徒端末100は、上述のとおり生徒名簿において対応づけられている。
授業の終了時刻になると、教育支援サーバ300の切換判定部360は、各生徒端末100の学習モードを授業モード500から休み時間モード504に切り換え、変更指示送信部340は、生徒端末100に休み時間モード504への変更指示を送信し、変更指示状況を「通知済み」に設定する(S86)。
生徒端末100の変更指示受信部120が、休み時間モード504への変更指示を受信すると、モード変更部150は、生徒端末100の学習モードを休み時間モード504へ変更する(S88)。
図15は、視聴モード502に関するシーケンス図である。この例で、生徒は家庭にいて、生徒端末100は教育支援サーバ300にログインしているものとする。
図11のS12で説明したように、教育支援サーバ300の切換判定部360が、生徒端末100から位置情報を取得して生徒端末100が学校外にあると判定すると、生徒端末100の学習モードを視聴モード502に切り換え、変更指示送信部340は、視聴モード502への変更指示を生徒端末100へ送信する(S90)。
生徒端末100の変更指示受信部120が、視聴モード502への変更指示を受信すると、モード変更部150は、その指示に従って生徒端末100の学習モードを視聴モード502へ変更する(S92)。
なお、生徒端末100が教育支援サーバ300にログインしていない場合には、図13で説明したように、生徒端末100が教育支援サーバ300にログインした段階で、生徒端末100の変更指示受信部120が、視聴モード502への変更指示を受信し、モード変更部150が、その指示に従って生徒端末100の学習モードを視聴モード502へ変更する。
生徒端末100が視聴モード502へ切り換わると、生徒端末100の送信部114は、視聴モード502で動作していることを教育支援サーバ300へ通知する。教育支援サーバ300の受信部312がこの通知を受けると、教育支援サーバ300の動画・音声取得部328は、カメラ402で撮影した教室動画とマイク404で入力した音声を取得し、動画・音声送信部344が、視聴モード502の生徒端末100へ教室動画・音声データの送信を開始する(S94)。
視聴モード502の生徒端末100では、動画・音声受信部124が教室動画・音声の受信を開始し、動画・音声出力部172が、受信した教室動画と音声の出力を開始する(S96)。
教科書コンテンツとノートデータのダウンロード(S98)、教科書コンテンツの表示と操作(S100)、ノートの書き込みとアップロード(S102)については、授業モード500の場合と同様である。
授業の終了時刻になると、教育支援サーバ300の動画・音声取得部328は、動画・音声の取得を終え、動画・音声送信部344は、教室動画・音声の送信を終了する(S104)。
生徒端末100の動画・音声受信部124は、教室動画・音声の受信を終え、動画・音声出力部172は、教室動画・音声の出力を終了する(S106)。
さらに、教育支援サーバ300の切換判定部360は、生徒端末100の学習モードを休み時間モード504に切り換え、変更指示送信部340は、生徒端末100に休み時間モード504への変更指示を送信する(S108)。
生徒端末100の変更指示受信部120が、休み時間モード504への変更指示を受信すると、モード変更部150は、生徒端末100の学習モードを休み時間モード504へ変更する(S110)。なお、教師端末200の動作は、授業モード500のシーケンス(図14)で説明した通りである。
図16は、復習・宿題モード506に関するシーケンス図である。
図11のS22で説明したように、放課になると教育支援サーバ300においてすべての生徒端末100の学習モードを復習・宿題モード506に切り替える。ただし、その段階で大半の生徒端末100は、ログインしていないので、「未指示」の状態となっている。
放課後に生徒端末100が教育支援サーバ300にログインした段階で、生徒端末100の変更指示受信部120が復習・宿題モード506への変更指示を受け付けると、モード変更部150は、生徒端末100の学習モードを復習・宿題モード506へ変更する(S120)。
復習・宿題モード506になると、生徒端末100の学習制御部152は、ダウンロード部122に今日受けた授業の教科書コンテンツとノートデータと宿題コンテンツのダウンロードを指示する。ダウンロード部122は、教科書コンテンツとノートデータと宿題コンテンツを教育支援サーバ300からダウンロードする(S122)。具体的には、ダウンロード部122が教科書コンテンツとノートデータと宿題コンテンツのダウンロード要求を教育支援サーバ300へ送信すると、教育支援サーバ300の教育コンテンツ送信部342は、時間割と授業計画を参照して、授業内容に対応する教科書コンテンツとノートデータと宿題コンテンツを生徒端末100へ送信する。
生徒端末100の学習制御部152は、コンテンツ出力部170に、ダウンロードした教科書コンテンツとノートデータと宿題コンテンツの表示を指示する。指示されたコンテンツ出力部170は、教科書コンテンツとノートと宿題コンテンツを表示する。
生徒端末100のコンテンツ操作受付部182が教科書コンテンツに対する操作を受け付けると、コンテンツ出力部170は、操作に応じて教科書コンテンツを表示する。ノート操作受付部184がノートデータに対する操作を受け付けると、コンテンツ出力部170は、操作に応じてノートを表示する(S124)。この段階でも、生徒はノートに追記できる。
生徒端末100のコンテンツ操作受付部182が宿題コンテンツに対する操作を受け付けると、コンテンツ出力部170は操作に応じて宿題コンテンツを表示する(S126)。コンテンツ操作受付部182は、さらに生徒が入力した宿題解答を受け付ける(S128)。
生徒端末100のコンテンツ操作受付部182が、答え合わせの操作を受け付けると、答え合わせ要求送信部138は、宿題解答を含む答え合わせ要求を教育支援サーバ300へ送信する(S130)。
教育支援サーバ300の答え合わせ要求受信部330が答え合わせ要求を受信すると、答え合わせ処理部364は、宿題解答の答え合わせを行う(S132)。答え合わせ要求に含まれる宿題解答が正答と一致する場合には、正解の旨を生徒端末100へ返信する。答え合わせ要求に含まれる宿題解答が正答と一致しない場合には、不正解の旨を生徒端末100へ返信する。
不正解の場合に、生徒は改めて宿題解答を入力することができる。その場合、コンテンツ操作受付部182は、新しい宿題解答を受け付ける。そして、再び、問い合わせを行うこともできる。
コンテンツ操作受付部182が宿題解答の提出操作を受け付けると、宿題解答提出部140は、最新の宿題解答を提出する(S134)。つまり、宿題解答提出部140は、正式な宿題解答を教育支援サーバ300へ送信する。教育支援サーバ300は、提出された宿題解答を記録する。
今日受けた各授業についてS122からS134までの処理を行ない、最後の授業における宿題解答の提出を終えると、モード終了通知部142は、復習・宿題モード506の終了を教育支援サーバ300へ通知する(S136)。
教育支援サーバ300のモード終了受付部334が復習・宿題モード506の終了通知を受信すると、切換判定部360は、生徒端末100の学習モードを予習モード510に切り換え、変更指示送信部340は、予習モード510への変更指示を送信し、変更指示状況を「通知済み」に設定する(S138)。この続きは、図18に関連して説明する。
図17は、勉強会モード508に関するシーケンス図である。
勉強会を開く場合には、生徒達は勉強会を開く会場(たとえば、町内会の集会所)に行って、生徒端末100a、100bから教育支援サーバ300へログインする。生徒端末100aと生徒端末100bは、同じクラスの生徒の端末である。
生徒端末100aが教育支援サーバ300へログインした段階で、教育支援サーバ300から復習・宿題モード506への変更指示を受信して、モード変更部150は、学習モードを復習・宿題モード506へ変更する(S140)。生徒端末100bも同様に、生徒端末100bの学習モードを復習・宿題モード506へ変更する(S142)。
図13のS56で説明したように、生徒端末100aの位置情報送信部132は、生徒端末100aの位置情報を教育支援サーバ300へ繰り返し送信する(S144)。生徒端末100bの位置情報送信部132も、生徒端末100bの位置情報を教育支援サーバ300へ繰り返し送信する(S146)。
教育支援サーバ300の位置情報受信部324が、生徒端末100aおよび生徒端末100bから位置情報を受信し、勉強会判定部366が、同じクラスの生徒が使用する生徒端末100aと生徒端末100bの位置が近いと判定すると(S148)、問い合わせ送信部348は、勉強会確認の問い合わせを生徒端末100aと生徒端末100bの両方へ送信する(S150)。
生徒端末100aの受信部112が勉強会確認の問い合わせを受信し、勉強会確認の問い合わせによって表示されるメッセージ「花子さんと、勉強会をしますか?」に応じて生徒が勉強会の承認操作を行うと、生徒端末100aの回答送信部144は、勉強会承認の回答を教育支援サーバ300へ送信する(S152)。生徒端末100bの回答送信部144も、同様に勉強会承認の回答を教育支援サーバ300へ送信する(S154)。なお、相手の生徒の名前は、生徒名簿における名前と生徒端末100のIDの対応づけによって特定できる。
教育支援サーバ300の回答受信部336が生徒端末100aおよび生徒端末100bから勉強会承認の回答を受信すると、切換判定部360は、生徒端末100aおよび生徒端末100bの学習モードを勉強会モード508に切り換え、変更指示送信部340は、生徒端末100aおよび生徒端末100bに勉強会モード508への変更指示を送信する(S156)。
生徒端末100aの変更指示受信部120が勉強会モード508への変更指示を受信すると、生徒端末100aのモード変更部150は、生徒端末100aの学習モードを勉強会モード508へ変更する(S158)。生徒端末100bも同様に、勉強会モード508へ変更する(S160)。
なお、生徒端末100aと生徒端末100bの少なくとも一方において非承認の操作がなされ、勉強会非承認の回答が教育支援サーバ300へ送信された場合には、いずれの学習モードは切り換わらずに復習・宿題モード506のままである。
教育支援サーバ300では、勉強会モード508となった生徒端末100aと生徒端末100bに出す宿題コンテンツの問題を異なるものとするように、宿題アレンジ部368が、宿題コンテンツをアレンジ(設定)する(S162)。基本問題が「21×3=?」であったとすれば、乗ずる1桁の数を「3」から「4」に変更して、変形問題「21×4=?」を作成する。このとき、正答「84」も作成する。具体的には、基本問題に対する変更対象を乗ずる1桁の数と定めておき、変更候補として「2」と「4」を用意しておく。そして、宿題アレンジ部368は、変更候補のいずれかを選択して、基本問題における変更対象の部分と置き換える処理を行なう。また、乗算を実施して、正答を算出する。あるいは、予め変形問題とその正答を用意しておいて、宿題アレンジ部368がその中から選択してもよい。そして、教育支援サーバ300の教育コンテンツ送信部342は、生徒端末100aと生徒端末100bに異なる問題の宿題コンテンツを送るようにする。その他の処理については、復習・宿題モード506の場合と同じである。
図18は、予習モード510に関するシーケンス図である。
復習・宿題モード506あるいは勉強会モード508の後に、生徒端末100の学習モードは予習モード510に移る。具体的には、図16のS138で説明したように、復習・宿題モード506あるいは勉強会モード508が終わった段階で、生徒端末100の変更指示受信部120が予習モード510への変更指示を受信すると、モード変更部150は、生徒端末100の学習モードを予習モード510へ変更する(S170)。なお、予習モード510になったあとに、一旦ログアウトして再度ログインした場合にも、生徒端末100は、予習モード510で継続的に動作する。
予習モード510になると、生徒端末100の学習制御部152は、ダウンロード部122に次の登校日に受ける授業の教科書コンテンツと予習コンテンツを指示する。ダウンロード部122は、教科書コンテンツと予習コンテンツを教育支援サーバ300からダウンロードする(S172)。具体的には、ダウンロード部122が教科書コンテンツと予習コンテンツのダウンロード要求を教育支援サーバ300へ送信すると、教育支援サーバ300の教育コンテンツ送信部342は、時間割と授業計画を参照して、次の登校日の授業内容に対応する教科書コンテンツと予習コンテンツを生徒端末100へ送信する。
生徒端末100の学習制御部152は、コンテンツ出力部170に、ダウンロードした教科書コンテンツと予習コンテンツの表示を指示する。指示されたコンテンツ出力部170は、教科書コンテンツと予習コンテンツを表示する。また、コンテンツ操作受付部182が教科書コンテンツに対する操作を受け付けると、コンテンツ出力部170は、操作に応じて教科書コンテンツを表示する。コンテンツ操作受付部182が予習コンテンツに対する操作を受け付けると、コンテンツ出力部170は、操作に応じて予習コンテンツを表示する(S174,S176)。たとえば、ページめくりを行う。
次の登校日に受ける各授業についてS172からS176までの処理を行ない、最後の授業の予習を終えると、モード終了通知部142は、予習モード510の終了を教育支援サーバ300へ通知する(S178)。
教育支援サーバ300のモード終了受付部334が予習モード510の終了通知を受信すると、切換判定部360は、生徒端末100の学習モードを予習モード510から自由モード512へ切り換え、変更指示送信部340は、自由モード512への変更指示を生徒端末100へ送信する(S180)。この続きは、図19に関連して説明する。
図19は、自由モード512に関するシーケンス図である。
予習モード510の後に、生徒端末100の学習モードは自由モード512に移る。具体的には、図18のS180で説明したように、予習モード510が終わった段階で、生徒端末100の変更指示受信部120が自由モード512への変更指示を受信すると、モード変更部150は、生徒端末100の学習モードを自由モード512へ変更する(S190)。なお、自由モード512になったあとに、一旦ログアウトして再度ログインした場合にも、生徒端末100は、自由モード512で継続的に動作する。
自由モード512では、コンテンツを自由に選択してダウンロードすることができる。つまり、生徒は、範囲を指定して教科書コンテンツ、予習コンテンツや宿題コンテンツなどを閲覧できる。生徒端末100の指定操作受付部186がコンテンツ種類と範囲の指定操作を受け付けると(S192)、ダウンロード部122は、指定されたコンテンツを教育支援サーバ300からダウンロードする(S194)。そして、コンテンツ出力部170は、ダウンロードした任意のコンテンツを表示する。コンテンツ操作受付部182がそのコンテンツに対する操作を受け付けた場合には、その操作に応じてそのコンテンツを表示する(S196)。
[変形例]
実施形態では、アカウント情報として生徒番号とパスワードを用いる例を示したが、アカウント情報は、アカウント名とパスワード、あるいは端末IDとパスワードなど他の形態でもよい。また、指紋認識や顔認識などの生体情報でユーザ認証を行ってもよい。
実施形態では、学校で使用する生徒端末100を持ち帰って、家庭で使用する例を示したが、学校で使用する生徒端末100とは別の装置である生徒端末100を家庭で使用してもよい。学校で使用する生徒端末100が高スペックであるのに対して、家庭で使用する生徒端末100が低スペックであってもよい。また、私物であるタブレット端末、スマートフォン、ノートパソコンやラップトップパソコンなどを生徒端末100として使用してもよい。教室の他、自宅、友達の家、自習室、図書館や集会所などに設置されている情報端末を生徒端末100として使用してもよい。学校で使用する生徒端末100とは異なる生徒端末100を使用する場合でも、同一方式でユーザ認証を行ってもよい。つまり、アカウント情報は、共通であってもよい。学習履歴において、ログインした端末のIDを記録するようにしてもよい。
また、保護者が使用する端末から教育支援サーバ300へログインして、生徒の学習履歴などを参照できるようにしてもよい。その場合に、保護者が、自らの子供である生徒のアカウント情報を用いてログインしてもよいし、保護者ごとのアカウント情報でログインするようにしてもよい。保護者は、生徒端末100とは別の端末を使用してもよい。保護者がログインした場合に、教育支援サーバ300は、保護者モードの機能を提供してもよい。たとえば、子供である生徒に宿題のヒントなどを提供できるようにしてもよい。また、保護者が学習モードの切り替え指示を行えるようにしてもよい。その場合には、保護者が使用する端末は、自らの子供である生徒が使用する生徒端末100の学習モードの切換指示を送信する切換指示送信部を備える。教育支援サーバ300の切換指示受信部322が切換指示を受信すると、切換判定部360は、保護者の子供である生徒を特定し、その生徒が使用する生徒端末100の学習モードを、切換指示で指定された学習モードに切り換える。保護者は、教育支援サーバ300が保持する生徒名簿において生徒に対応づけられているものとする。
実施形態で説明したとおり、授業モード500では、宿題コンテンツはダウンロードされない。特に、授業モード500において、ダウンロード部122が、宿題コンテンツのダウンロードを禁止するようにしてもよい。授業モード500では、ダウンロード部122が、前回以前の授業内容(教科書コンテンツ、ノードデータや宿題コンテンツなど)をダウンロードし、コンテンツ出力170がこれらを表示できるようにしてもよい。また、復習・宿題モード506でも同様に、ダウンロード部122が、前回以前の授業内容をダウンロードし、コンテンツ出力170がこれらを表示できるようにしてもよい。
実施形態で説明したとおり、予習モード510では、時間割および授業計画を参照して、翌日の授業の予習のために教科コンテンツと予習コンテンツが提供される。教師が、特に予習しておいて欲しい着目範囲に絞って予習コンテンツを提示するようにしてもよい。その場合には、教師端末200のコンテンツ編集部(不図示)において、教師の操作によって教科書コンテンツから着目範囲を抜き出した予習コンテンツを生成し、教師端末200のアップロード部(不図示)がその予習コンテンツを教育支援サーバ300へアップロードする。あるいは、教科書コンテンツの授業範囲をそのまま提供し、着目箇所を識別できるマークや下線などの装飾を施すようにしてもよい。その場合には、教師端末200のコンテンツ編集部(不図示)において、教師の操作によって教科書コンテンツの着目範囲にマークや下線などの装飾を施した予習コンテンツを生成し、教師端末200のアップロード部(不図示)がその予習コンテンツを教育支援サーバ300へアップロードする。また、コンテンツブラッシュアップ部(不図示)が、その授業範囲に関する過去の学習実績(所要時間や生徒の理解度など)の情報を集計や分析して、予習コンテンツの分量を決めて、予習コンテンツを自動的にブラッシュアップしてもよい。また、予習モード510では、前回以前の授業内容(教科書コンテンツ、ノードデータや宿題コンテンツなど)を表示できるようにしてもよい。
実施形態で説明したとおり、復習・宿題モード506では、生徒が授業を振り返り、宿題にとりくめるようにした。復習・宿題モード506の間だけ宿題の解答を入力し、提出できるようにしてもよいし、放課後であれば学習モードに関わらず宿題の解答を入力し、提出できるようにしてもよい。また、宿題の解答につき、教育支援サーバ300の学習履歴管理部(不図示)において、学習履歴として生徒の間違え方や間違えた回数などを記録するようにしてもよい。間違え方は、たとえば題意把握ミス、計算ミスや不注意によるミスなどである。これらの学習履歴によって個人対応の指導を図ることもできる。また、教育支援サーバ300の学習履歴提供部(不図示)が、教師端末200、生徒端末100または保護者モードの端末に、学習履歴を提供してもよい。
実施形態で説明したとおり、視聴モード502において授業風景の動画および教師の音声を同時再生して、授業に参加できるようにしたが、授業風景の動画および教師の音声を保存して、授業時間の後に再生するようにしてもよい。その場合には、教育支援サーバ300の動画・音声記録部(不図示)が、授業ごとに、授業風景の動画および教師の音声を記録する。そして、生徒端末100の配信要求送信部(不図示)が授業を指定した動画・音声要求を送信し、教育支援サーバ300の配信要求受信部(不図示)がこの動画・音声要求を受信すると、教育支援サーバ300の動画・音声配信部(不図示)がその動画・音声要求で指定された授業の動画データと音声データを生徒端末100へ送信する。生徒端末100における動画・音声の再生については、実施形態の場合と同様である。あるいは、生徒端末100の音声受信部(不図示)において教育支援サーバ300から授業内容を説明する音声などの録音データを受信して、生徒端末100の音声再生部(不図示)でその音声を再生してもよい。生徒端末100の説明文受信部(不図示)が授業内容の説明文を受信して、生徒端末100の読上部(不図示)がその説明文を読み上げてもよい。また、教育支援サーバ300の対話型コンテンツ配信部(不図示)が、欠席者の自習を補助する対話型コンテンツを生徒端末100へ配信してもよい。
実施形態では説明していないが、学習モードとして試験モードを設けてもよい。各生徒端末100に試験コンテンツを提供して、同時期に受験させるようにしてもよい。具体的には、試験の開始時刻になると、教育支援サーバ300の切換判定部360は、各受験者の生徒端末100の学習モードを試験モードに切り換え、変更指示送信部340は、それらの生徒端末100に試験モードへの変更指示を送信する。生徒端末100の変更指示受信部120が試験モードへの変更指示を受信すると、生徒端末100のモード変更部150は、生徒端末100aの学習モードを試験モードへ変更する。
試験モードになると、生徒端末100の学習制御部152は、ダウンロード部122に試験コンテンツのダウンロードを指示する。ダウンロード部122は、試験コンテンツを教育支援サーバ300からダウンロードする。具体的には、ダウンロード部122が試験コンテンツのダウンロード要求を教育支援サーバ300へ送信すると、教育支援サーバ300の教育コンテンツ送信部342は、試験コンテンツを生徒端末100へ送信する。
生徒端末100の学習制御部152は、コンテンツ出力部170に、ダウンロードした試験コンテンツの表示を指示する。指示されたコンテンツ出力部170は、試験コンテンツを表示する。
生徒端末100のコンテンツ操作受付部182が試験コンテンツに対する操作を受け付けると、コンテンツ出力部170は、操作に応じて試験コンテンツを表示する。コンテンツ操作受付部182は、さらに生徒が入力した宿題解答を受け付ける。
試験終了の時刻になると、教育支援サーバ300の切換判定部360は、試験終了を各生徒端末100に通知する。生徒端末100の終了通知受信部(不図示)が試験終了通知を受信すると、生徒端末100の試験解答提出部140は、教育支援サーバ300へ試験解答を送信する。教育支援サーバ300は、生徒ごとに提出された試験解答を記録する。
試験モードの生徒端末100において試験中に使用してもよいプログラム(たとえば辞書プログラムや電卓プログラム)を、教師端末200の試験条件設定部(不図示)から教育支援サーバ300の試験条件記憶部(不図示)に設定できるようにしてもよい。また、教師端末200の試験条件設定部は、教科書コンテンツやノートデータなど参考データとして閲覧してよい対象や範囲を設定できるようにしてもよい。教育支援サーバ300の試験条件提供部(不図示)は、このように設定された試験条件を受験者の生徒端末100へ提供する。受験者の生徒端末100の学習制御部152は、試験モードにおいて試験条件の満たさないユーザ操作を禁止する。
実施形態では、所定時刻、教師や生徒の操作によって学習モードが切り換わる例を示したが、教育支援サーバ300の切換判定部360は、生徒端末の位置を基準として学習モードを切り換えるようにしてもよい。たとえば、時刻に関わらず学校外にいれば復習・宿題モード506になるようにしてもよい。また、授業中に生徒が自宅にいると判定した場合に、視聴モード502ではなく、授業モード500にして生徒に自習させてもよい。
また、予め設定してある行動計画に基づいて、放課後の学習モードを切り換えるようにしてもよい。生徒の行動計画は、生徒自身が設定してもよいし、教師や保護者が設定してもよい。教育支援サーバ300の行動計画受信部(不図示)は、生徒端末100、教師端末200または保護者モードの端末から生徒の行動計画を受信し、教育支援サーバ300の行動計画記憶部(不図示)において生徒の行動計画を記憶する。そして、教育支援サーバ300の切換判定部360は、行動計画に基づいて、放課後の学習モードを切り換える。行動計画には、たとえば復習と宿題を行う時間帯、予習を行う時間帯、あるいは自由に学習する時間帯が設定されている。教育支援サーバ300の切換判定部360は、復習と宿題を行う時間帯の初めに復習・宿題モード506へ切り換えて、その時間帯の終わりに復習・宿題モード506から他の学習モードに切り換える。教育支援サーバ300の切換判定部360は、予習を行う時間帯の初めに予習モード510へ切り換えて、その時間帯の終わりに予習モード510から他の学習モードに切り換える。また、教育支援サーバ300の切換判定部360は、自由に学習する時間帯の初めに自由モード512へ切り換えて、その時間帯の終わりに自由モード512から他の学習モードに切り換える。このようにすれば、規律ある生活習慣が身につきやすい。
実施形態では、勉強会に関して、生徒端末100の位置情報に基づいて生徒端末100同士の接近を判定する例を示したが、生徒端末100の接近検知部(不図示)が近距離無線機能を利用して他の生徒端末100を検出して、生徒端末100の接近通知送信部(不図示)が教育支援サーバ300に接近した生徒端末100のIDを通知するようにしてもよい。教育支援サーバ300の接近通知受信部(不図示)が、この接近通知を受信すると、勉強会判定部366は、通知元の生徒端末100と通知された生徒端末100の位置が近いと判断する。
あるいは、教育支援サーバ300の勉強会判定部366において予め勉強会の会場の範囲を設定しておき、生徒端末100の位置情報がその範囲内を示す場合に、その生徒端末100を使用する生徒が勉強会に参加すると判定してもよい。また、実施形態に示した勉強会確認のための問い合わせと承認は省いてもよい。
勉強会に参加している生徒のうち宿題の解法を最初に見つけた生徒とそれ以外の生徒で異なる扱いをするなど、生徒個々を評価してもよい。たとえば、宿題の答え合わせで最初に「正解」となった生徒に、教育支援サーバ300の賞賛ポイント付与部(不図示)が賞賛ポイントを付与するようにしてもよい。あるいは、ある生徒が他の生徒に親身に教えてあげたときに、教えてもらった生徒が操作して生徒端末100の感謝通知送信部(不図示)が感謝の通知(教えた生徒の番号を含む)を教育支援サーバ300に送信してもよい。教育支援サーバ300の感謝通知受信部(不図示)がこれを受信して、賞賛ポイント付与部が、感謝の通知で指定された生徒番号の生徒に賞賛ポイントを付与してもよい。教育支援サーバ300の勉強会判定部366が、生徒ごとに勉強会に参加した回数をカウントして、賞賛ポイント付与部が勉強会に参加した回数に応じて生徒に賞賛ポイントを付与してもよい。教育支援サーバ300の勉強会判定部366が、生徒ごとにいっしょに勉強会に参加した生徒の数をカウントして、賞賛ポイント付与部がその生徒の数に応じて生徒に賞賛ポイントを付与してもよい。この場合の生徒の数は、延べ数でもよいし実の数でもよい。勉強会に参加した回数が多い生徒であっても他の生徒から感謝の通知を送られない等、他の生徒に頼りきりの生徒に対しては、賞賛ポイント付与部が賞賛ポイントを減らすようにしてもよい。
賞賛ポイント付与部が、賞賛ポイントに加点理由や減点理由を付けてもよい。賞賛ポイントと加点理由や減点理由を、教師や保護者が参照できるようにしてもよい。具体的には、教育支援サーバ300の賞賛ポイント送信部(不図示)が、教師端末200や保護者モードの端末へ、加点理由や減点理由が付された賞賛ポイントを送信する。あるいは、教育支援サーバ300のランキング送信部(不図示)が賞賛ポイント総計のランキングを各生徒端末100に送信して、生徒端末100のランキング受信部(不図示)がランキングを受信して生徒端末100のランキング出力部(不図示)がランキングを表示してもよい。このようにすれば、競い合いによって、がんばって勉強し、友達を思いやろうとするようになる。教師は、賞賛ポイントの情報を学校生活の評価の参考としてもよい。また、運動会や学芸会などの学校イベントにおける役割(たとえば、騎馬戦の大将役やトロフィー授与役など)の決定、表彰や記念品授与などの基準として賞賛ポイントを参考としてもよい。記念品は、無料でゲームソフトを利用できる権限でもよい。
また、同じ勉強会に参加するメンバーを教育支援サーバ300のメンバー選定部(不図示)が自動的に決めるようにしてもよい。たとえば、教育支援サーバ300が、無作為に生徒を組み合わせてもよいし、生徒同士の組み合わせ履歴や生徒の賞賛ポイントに応じて組み合わせてもよい。また、教師による指定を取り入れて組み合わせを決めてもよい。たとえば、教師が特定の生徒へのフォロー役となる生徒を指定してもよい。その場合には、フォロー役の生徒に特定の生徒へのフォローを依頼するようにしてもよい。このようにすれば、生徒の組み合わせが固定化せず、新しい友達ができやすくなる。また、内気な生徒にとっては、勉強会に参加するきっかけとなる。
また、生徒端末100におけるダウンロード対象の教育コンテンツやノートデータが、既に生徒端末100に記憶されている場合に、ダウンロード部122はダウンロードを省略してもよい。教師端末200についても同様である。
また、教科書コンテンツとして、難易度の異なる複数の教科書コンテンツを使い分けるようにしてもよい。
また、教育機関の例として小学校を示したが、中学校、高校や大学において同様の教育支援システムを適用してもよい。また、受験機関や社会人向けの専門学校などに同様の教育支援システムを適用してもよい。
また、学習モードの切り替えを教育支援サーバ300で制御する例を示したが、生徒端末100において学習モードの切り替えを制御してもよい。
また、教育支援サーバ300の切換判定部360は、生徒ごとに成績(つまり修学のレベル)に応じて学習モードを制御してもよい。たとえば、成績がよくない生徒には、追試モードで追試を行わせてもよい。成績がよい生徒は、復習・宿題モード506や予習モード510を省いてもよい。
また、勉強会モード508において、学習制御部152は、ダウンロード部122に参加者全員で解く共有問題コンテンツのダウンロードを指示してもよい。指示されたダウンロード部122は、共有問題コンテンツをダウンロードする。共有問題コンテンツの表示や解答の提出については、宿題コンテンツの場合と同様である。ただし、解答の提出は、1度に限定され、同じ生徒端末100はもちろん、勉強会に参加している他の生徒端末100も解答を提出できない。つまり、解答は、参加者全員のものとして使われる。
また、教師が、勉強会モード508の参加者にメッセージを送れるようにしてもよい。その場合、教育支援サーバ300のメッセージ配信部(不図示)は、教師端末200から受け付けたメッセージを、勉強会の参加者の生徒端末100へ一斉送信する。
また、答え合わせ処理部364において、「正解」と「不正解」だけでなく、採点を行うようにしてもよい。具体的には、複数の問題が出された場合に、「正解」となった問題の配点の合計を算出する。
また、生徒端末100から教師端末200へ質問メッセージを送れるようにしてもよい。その場合、教育支援サーバ300のメッセージ転送部(不図示)が、生徒端末100から受け付けた質問メッセージを教師端末200へ転送する。これに対して、教師端末200から生徒端末100へ回答メッセージを送れるようにしてもよい。その場合、教育支援サーバ300のメッセージ転送部が、教師端末200から受け付けた回答メッセージを生徒端末100へ転送する。
上述した生徒端末100は、たとえば教育機関を利用する修学者のような知識取得者が使用するサテライト端末の例である。知識取得者は、生徒以外であってもよい。また、上述した教師端末200は、たとえば教育機関の従事者のような知識提供者が使用するコントロール端末の例である。知識提供者は、教師以外であってもよい。知識伝達の形態は、授業以外であってもよい。たとえば、オリエンテーション、講習やプレゼンテーションなどであってもよい。
伝達される知識は、教育内容に限られない。伝達される知識は、行政、税務や交通などに関するルールを含んでもよい。また、伝達される知識は、技術、言語、商品やサービスなどに関する内容を含んでもよい。上述した教育コンテンツは、知識コンテンツの例である。
なお、本発明は上記実施形態や変形例に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。上記実施形態や変形例に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成してもよい。また、上記実施形態や変形例に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。