JP2021069744A - 遊技機 - Google Patents

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Atsushi Okamura
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Abstract

【課題】遊技を適式かつ正常に行うことが可能な遊技機を提供すること。【解決手段】遊技機メーカーAのデータサーバがインターネットに接続され、ユーザの端末装置PCと通信可能に構成されている。そして、ユーザの端末装置PCが遊技ホールDに設置されたパチンコ機10で遊技を行う場合に、該パチンコ機10から製造番号SNに関するデータがインターネットを介して端末装置PCに送信される。製造番号SNに関するデータを受信した端末装置PCは、インターネットを介して遊技機メーカーAのデータサーバに対して、受信した製造番号SNが正規なデータか否かを問い合わせる。そして、遊技機メーカーAのデータサーバは、問い合わせのあった製造番号SNと、該データサーバで管理しているパチンコ機10の製造番号SNとの整合性を判別し、その判別結果を、インターネットを介して問い合わせのあった端末装置PCに対して送信可能に構成されている。【選択図】図63

Description

本発明は、パチンコ機等の遊技機に関するものである。
従来より、パチンコ機等の遊技機では、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて遊技球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられ、遊技球の流下方向を変更可能な流下方向変更手段が配置された複数の入球口のいずれかへ遊技球が入球することに基づいて所定の遊技価値をそれぞれ付与するとともに、特定の入球口への入賞に基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において当たり等の有利状態に当選した場合に、入球手段に遊技球を入球可能にして、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されている(例えば、特許文献1)。
特開2017−112444号公報
しかしながら、上記遊技機では、遊技を適式かつ正常に行う必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
本発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技を適式かつ正常に行うことが可能な遊技機を提供することを目的とする。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、遊技者が保有する遊技価値情報を記憶する遊技価値情報記憶手段と、遊技に使用した使用遊技価値を計数する使用価値計数手段と、遊技として使用された結果の使用済み遊技価値を計数する結果価値計数手段と、前記使用価値計数手段によって計数された前記使用遊技価値と、前記結果価値計数手段によって計数された前記使用済み遊技価値とを判別する判別手段と、前記判別手段によって、前記使用済み遊技価値が前記使用遊技価値より少ない場合に、その差分を前記遊技価値情報記憶手段に反映する反映手段と、を備えている。
請求項1記載の遊技機によれば、遊技者が保有する遊技価値情報を記憶する遊技価値情報記憶手段と、遊技に使用した使用遊技価値を計数する使用価値計数手段と、遊技として使用された結果の使用済み遊技価値を計数する結果価値計数手段と、前記使用価値計数手段によって計数された前記使用遊技価値と、前記結果価値計数手段によって計数された前記使用済み遊技価値とを判別する判別手段と、前記判別手段によって、前記使用済み遊技価値が前記使用遊技価値より少ない場合に、その差分を前記遊技価値情報記憶手段に反映する反映手段と、を備えている。これにより、遊技を適式かつ正常に行うことができる、という効果がある。
第1実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の背面図である 復号化装置のカード挿入孔に挿入可能な認証カードの正面図である。 遊技機メーカーと遊技ホールとにおけるパチンコ機及び認証カードの流通の流れを説明するための模式図である。 パチンコ機の遊技盤の正面図である。 (a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、(b)は、実際の表示画面を例示した図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 主に主制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 各種カウンタ、カウンタ用バッファ、第1保留球格納エリア、第2保留球格納エリア、保留球実行エリア、普図保留球格納エリア、普図保留球実行エリアの構成を模式的に示した図である。 大当たり乱数テーブルの一例を模式的に示した図である。 (a)は、特図1用大当たり種別テーブルの一例を模式的に示した図であり、(b)は、特図2用大当たり種別テーブルの一例を模式的に示した図である。 保留数テーブルの一例を模式的に示した図である。 (a)は、停止パターンテーブルのAテーブルの一例を模式的に示した図であり、(b)は、停止パターンテーブルのBテーブルの一例を模式的に示した図であり、(c)は、停止パターンテーブルのCテーブルの一例を模式的に示した図である。大入賞口開閉テーブルの一例を模式的に示した図である。 ハズレ用変動パターンテーブルの一例を模式的に示した図である。 大当たり用変動パターンテーブルの一例を模式的に示した図である。 大入賞口開放テーブルの一例を模式的に示した図である。 主に暗号化装置と復号化装置との電気的構成を示すブロック図である。 主制御装置から出力された制御コマンドが、暗号化装置によって暗号化された後、サブ制御装置を介して復号化装置によって復号化されて、音声ランプ制御装置又は払出制御装置に届くまでの流れを説明するための図である。 主に音声ランプ制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される特図変動処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される変動開始処理を示したフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。 暗号化装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 暗号化装置内のMPUにより実行される暗号化多重化処理を示すフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド受信処理を示すフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示すフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動演出処理を示すフローチャートである。 復号化装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 復号化装置内のMPUにより実行される分離および復号化処理を示すフローチャートである。 第2実施形態における遊技機メーカーと遊技ホールとにおけるパチンコ機及び認証カードの流れと、インターネットを介して遊技ホールのホールコンピュータと各ユーザの端末装置とがインターネットを介して接続可能に構成されていることとを説明するための模式図である。 第2実施形態における主に遊技ホールのホールコンピュータの電気的構成を示すブロック図である。 第2実施形態における会員情報記憶部、及び、遊技実行データ記憶部の構成を模式的に示した図である。 第2実施形態におけるパチンコ機とホールコンピュータとの電気的構成を示すブロック図である。 第2実施形態におけるパチンコ機及びビデオカメラ、ホールコンピュータ、並びに、ユーザの端末装置の情報の授受を示す図である。 第2実施形態におけるユーザの端末装置のモニタに表示されるバーチャルホールを示すトップ画面を例示した図である。 第2実施形態におけるユーザの端末装置のモニタに表示されるバーチャルホールにおける遊技実行画面を例示した図である。 第2実施形態におけるホールコンピュータ内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 第2実施形態におけるホールコンピュータ内のMPUにより実行されるアカウント処理を示すフローチャートである。 第2実施形態におけるホールコンピュータ内のMPUにより実行される機種選択処理を示すフローチャートである。 第2実施形態におけるホールコンピュータ内のMPUにより実行される遊技実行処理を示すフローチャートである。 第2実施形態におけるホールコンピュータ内のMPUにより実行される遊技終了処理を示すフローチャートである。 第2実施形態におけるホールコンピュータ内のMPUにより実行される景品交換処理を示すフローチャートである。 第2実施形態における払出制御装置内のMPUにより実行されるコマンド送受信処理を示すフローチャートである。 第3実施形態における遊技機メーカーと遊技ホールとにおけるパチンコ機及び認証カードの流れと、インターネットを介して遊技ホールのホールコンピュータとユーザの端末装置とが接続可能に構成されていることとを説明するための模式図である。 第3実施形態における主に遊技ホールのホールコンピュータの電気的構成を示すブロック図である。 第3実施形態における会員情報記憶部、及び、遊技実行データ記憶部の構成を模式的に示した図である。 第3実施形態におけるパチンコ機及びビデオカメラ、ホールコンピュータ、並びに、ユーザの端末装置の情報の授受を示す図である。 第3実施形態における遊技機メーカーのデータサーバ、ホールコンピュータ、及び、ユーザの端末装置の情報の授受を示す図である。 第3実施形態におけるホールコンピュータ内のMPUにより実行されるアカウント処理を示すフローチャートである。 第3実施形態における払出制御装置内のMPUにより実行されるコマンド送受信処理を示すフローチャートである。 第3実施形態における払出制御装置内のMPUにより実行される会員カード遊技処理を示すフローチャートである。 第4実施形態における会員情報記憶部、及び、遊技実行データ記憶部の構成を模式的に示した図である。 第4実施形態におけるパチンコ機及びビデオカメラ、ホールコンピュータ、並びに、ユーザの端末装置の情報の授受を示す図である。 第4実施形態におけるホールコンピュータ内のMPUにより実行されるアカウント処理を示すフローチャートである。 第4実施形態におけるホールコンピュータ内のMPUにより実行される遊技実行処理を示すフローチャートである。 第4実施形態における払出制御装置内のMPUにより実行される会員カード遊技処理を示すフローチャートである。 第5実施形態における遊技機メーカーと遊技ホールとにおけるパチンコ機及び認証カードの流れと、インターネットを介して遊技ホールのホールコンピュータとユーザの端末装置とが接続可能に構成されていることとを説明するための模式図である。 第5実施形態における遊技機メーカーのデータサーバ、パチンコ機及びビデオカメラ、ホールコンピュータ、並びに、ユーザの端末装置の情報の授受を示す図である。
<第1実施形態>
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1〜図35を参照し、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の背面図であり、図5はパチンコ機10の遊技盤13の正面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口(入球口)63,64a,64b等を有する遊技盤13(図5参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図7参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。なお、遊技盤13の詳細については、図5において後述する。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図7参照)へと案内される。また、上皿17の上面の正面視左側には、枠ボタン22が設けられている。
枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図5参照)で表示される演出のステージを変更する場合や、大当たり遊技中のインターバル時間が発生する場合に表示される後述する「キャラクタ選択」演出時に、遊技者により押下操作されるボタンである。また、枠ボタン22は、第1抽選遊技で使用する第1特別図柄に対応する、又は、第2抽選遊技で使用する第2特別図柄に対応する第3図柄の変動表示(以下、第3図柄の変動表示を「変動演出」という。)において実行される予告表示での演出内容を遊技者に選択させるための操作ボタンとしても使用される。
なお、第1抽選遊技とは、後述する第1始動口64a(図5参照)への球の入球(以下、球の入球を「入賞」と称する場合がある)に起因する抽選遊技である。また、第2抽選遊技とは、後述する第2始動口64b(図5参照)への入賞に起因する抽選遊技である(以下、第1抽選遊技と第2抽選遊技とを総称して、単に「抽選遊技」と表現する場合がある)。
また、変動演出とは、後述する第3図柄表示装置81(図5参照)にて表示される演出であり、後述の通り、遊技盤13の前面領域に発射された球が特定の入賞口(例えば、後述の第1始動口64a又は第2始動口64b。図5参照。)へ入賞したことを契機として実行され、図柄(後述の第3図柄)が所定時間変動された後、停止表示された図柄の組み合わせによって、当該入賞に対して行われる抽選の結果(大当たりか否か)を遊技者に提示する演出である。なお、第1実施形態では、第3図柄表示装置81では、1の抽選遊技のみが実行可能に構成されており、第1抽選遊技に基づく第1特別図柄と第2抽選遊技に基づく第2特別図柄(以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを総称して、単に「特別図柄」と表現する場合がある)とで第3図柄を共通して使用して、第1抽選遊技に基づく抽選結果又は第2抽選遊技に基づく抽選結果のいずれかを表示するように構成されている。
さらに、ステージとは、後述する第3図柄表示装置81(図5参照)に表示される各種演出に統一性を持たせた演出モードのことで、本パチンコ機10では「街中ステージ」、「空ステージ」、「島ステージ」の3つのステージが設けられている。上述の変動演出や、変動演出中に実行される「リーチ表示」などの各種演出は、それぞれのステージに与えられたテーマに合わせて行われるように設計されている。
また、「リーチ表示」とは、後述する第3図柄表示装置81(図5参照)において実行される変動演出において、大当たりが発生することを示す「大当たり表示」の一歩手前の表示のことをいう。具体的には、後述する左図柄列Z1及び右図柄列Z3(図6参照)の第3図柄が同一図柄で停止し、中図柄列Z2(図6参照)が未だ停止せず変動を継続している状態のことをいう。
本実施形態のパチンコ機10では、「リーチ表示」として、大別して、「ノーマルリーチ」の演出を構成する一単位の要素(以下、演出を構成する一単位の要素を「変動要素」という)と、該「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して実行され、該「ノーマルリーチ」の変動要素より大当たり期待度が高い「スーパーリーチ」の変動要素と、同じく「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して実行され、「スーパーリーチ」の変動要素より大当たり期待度が高い「スペシャルリーチ」の変動要素とが用意されている。
ステージの変更は、変動演出が行われていない期間(即ち、デモ表示中)や、変動演出において第3図柄が遊技者に視認不能に高速に変動される「高速変動」の変動要素中に、遊技者によって枠ボタン22が押下操作された場合に行われる。そして、枠ボタン22が操作される度に「街中ステージ」→「空ステージ」→「島ステージ」→「街中ステージ」→・・・の順で繰り返し変更される。また、電源投入直後は、初期ステージとして「街中ステージ」が設定される。
また、後述する第3図柄表示装置81(図5参照)にて行われる変動演出において「ノーマルリーチ」の変動要素が開始された場合に、「ノーマルリーチ」の変動要素から「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素に発展するときは、「ノーマルリーチ」の変動要素中に「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素の選択画面が第3図柄表示装置81に表示されるように構成してもよい。
具体的には、選択画面では、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素として選択可能な複数の候補が表示され、その選択画面が表示されている間に、枠ボタン22が遊技者に押下操作された場合に、選択された候補が変更されるように構成する。そして、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素へ発展するときに選択されていた演出候補に基づいて、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素が決定され、その決定に従って「スーパーリーチ」の変動要素は「スペシャルリーチ」の変動要素が第3図柄表示装置81にて実行される。
なお、第1実施形態では、枠ボタン22を押下操作されるボタンとして構成したが、枠ボタン22に代えて、遊技者によりパチンコ機10に対して所定方向(例えば、パチンコ機10に対して、前方、後方、右方および左方)に傾倒操作可能な、操作レバーにより構成してもよい。そして、操作レバーが傾倒操作された方向に基づいて、演出ステージが選択変更されたり、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素が決定されたりしてもよい。
また、枠ボタン22を上皿17の側面視正面側に配置するように構成しているが、枠ボタン22の配置位置は、遊技者が押下操作可能な位置であれば如何様な配置位置でも良く、例えば、上皿17の上面側に配置してもよいし、後述する下皿50の近傍(上面又は側面)に配置してもよい。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定の「リーチ表示」時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、発光ダイオード(ライト・エミッティング・ダイオード(Light Emitting Diode)。以下、「LED」と略す。)等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。
パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時や「リーチ表示」時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前の「リーチ表示」中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図5参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(Acrylonitrile Butadiene Styrene。以下、「ABS」と略す。)樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット。図示せず。)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。
なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112a(図7参照)の駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。
操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで連続的に球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。具体的には、上皿17に球が貯留されている状態で、遊技者が操作ハンドル51を操作し続けた場合、1分間に100発(0.6秒間隔で1発ずつ)の球が発射されるように構成されている。そして、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「ドル箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
次に、図2に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)と暗号化制御基板(暗号化装置300)と復号化制御基板(復号化装置400)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板(装置)には、各制御を司る1チップマイコンとしてのマイクロ・プロセッシング・ユニット(Micro−Processing Unit。以下、「MPU」と略す)、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、暗号化装置300、復号化装置400、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜106に収納されている。基板ボックス100〜106は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
なお、基板ボックス105(暗号化装置300)及び基板ボックス106(復号化装置400)のボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(又は封印シール)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)してもよい。暗号化装置300及び復号化装置400の封印ユニット(又は封印シール)を確認することで、基板ボックス105,106が開封されたかどうかを知ることができ、暗号化装置300又は復号化装置400に悪意ある第三者による改造等が行われているか否かを容易に確認することができる。
暗号化装置300は、主制御装置110、並びに、音声ランプ制御装置113及び払出制御装置111とそれぞれ電気的に接続され、主制御装置110から出力された音声ランプ制御装置113又は払出制御装置111に対する各制御コマンドを、暗号化、かつ、多重化した多重化コマンドを生成するための装置であり、遊技盤13(図5参照)の裏面側であって、主制御装置110と音声ランプ制御装置113との間に配置されている。
復号化装置400は、音声ランプ制御装置113及び払出制御装置111とそれぞれ電気的に接続され、音声ランプ制御装置113又は払出制御装置111から送信された多重化コマンドを分離するとともに、該分離した多重化コマンドを復号化して各制御コマンドに戻すための装置である。この復号化装置400は、暗号化装置300と同様、遊技盤13(図5参照)の裏面側であって、主制御装置110と音声ランプ制御装置113との間に配置される。
この復号化装置400には、遊技機メーカーA(図4参照)が発行した認証カード500(図4参照)を挿入可能なカード挿入孔410が設けられており、第1実施形態のパチンコ機10では、正規な認証カード500(図4参照)を復号化装置400のカード挿入孔410に挿入することで、パチンコ機10において正常な遊技が行うことができるように構成されている。換言すると、第1実施形態のパチンコ機10では、非正規な認証カードが復号化装置400のカード挿入孔410に挿入されている場合や、カード挿入孔410に認証カード500が挿入されていない場合は、パチンコ機10において正常な遊技を実行することができないように構成されている。
なお、カード挿入孔410は、裏パック92によってパチンコ機10の裏面側が覆われており、裏パック92が閉鎖された(遊技盤13が内枠12に取り付けられている状態)では、カード挿入孔410の認証カード500が挿入不可に構成されている。このように構成することで、パチンコ機10の施錠を行うことができる遊技ホールの管理者(重要員)のみがカード挿入孔410に認証カード500を挿入可能にすることができ、不正な認証カード等の挿入を抑制することができる。
ここで、図3及び図4を参照して、認証カード500の詳細、及び、遊技機メーカーAから遊技ホールB又は遊技ホールCに対してパチンコ機10が販売および転売された場合における認証カード500の取り扱いについて説明する。図3は、復号化装置400のカード挿入孔410に挿入可能な認証カード500の正面図である。また、図4は、遊技機メーカーAと遊技ホールB,Cとにおけるパチンコ機10及び認証カード500の流通の流れを説明するための模式図である。
まず、図3で示すように、認証カード500には、少なくとも、ICチップ501と、情報表示部502と、QRコード(登録商標)表示部503とにより構成されている。
ICチップ501は、少なくとも、各パチンコ機10毎に個々に付与される製造番号(Serial Number。以下、製造番号に対して「SN」を付する場合がある。図18参照。)を記憶する製造番号記憶部501a(図17参照)と、同じく各パチンコ機10毎に個々に付与されるマスター鍵(Master Key。以下、マスター鍵に対して「Km」を付する場合がある。図18参照。)を記憶するマスター鍵記憶部501b(図17参照)と、該マスター鍵記憶部501bに記憶されるマスター鍵の有効期限情報(Expiration Date。以下、有効期限情報に対して「ED」を付する場合がある。図18参照。)を記憶する有効期限情報記憶部501c(図17参照)とが設けられている。なお、マスター鍵をパチンコ機10毎に固有に設けず、例えば、遊技機メーカーごとに共通化して構成してもよい。
製造番号記憶部501a(図17参照)に記憶される製造番号SN、マスター鍵記憶部501b(図17参照)に記憶されるマスター鍵Km、及び、有効期限情報記憶部501cに記憶される有効期限情報ED(共に図18参照)は、対応するパチンコ機10の製造時においてそれぞれ生成(取得)され、遊技機メーカーAのデータサーバ510にそれぞれ登録される。そして、生成された製造番号SNは、パチンコ機10の主制御装置110に書き込まれる(記憶される)とともに、パチンコ機10の製造(または販売)と共に発行される認証カード500のICチップ501内の製造番号記憶部501aに書き込まれる。また、生成されたマスター鍵Kmは、パチンコ機10の暗号化装置300のマスター鍵記憶部302b(図17参照)に書き込まれる(記憶される)とともに、パチンコ機10の製造と共に発行される認証カード500のICチップ501内のマスター鍵記憶部501bに書き込まれる。さらに、生成された有効期限情報EDは、パチンコ機10の製造と共に発行される認証カード500のICチップ501内の有効期限情報記憶部501cに書き込まれる。この有効期限情報記憶部501cに記憶されている有効期限情報EDは、復号化装置400に搭載されているリアル・タイム・クロック(Real Time Clock。所謂、RTC機能)によって日時が確認可能に構成され、有効期限情報EDの日時に到達した場合、該有効期限情報EDの有効性が喪失するように構成されている。
なお、有効期限情報記憶部501cに記憶される有効期限情報EDは、データサーバ510によって変更(更新)可能に構成される一方、製造番号記憶部501aに記憶される製造番号SN、及び、マスター鍵記憶部501bに記憶されるマスター鍵Kmは、変更(更新)不可に構成されている。よって、1のパチンコ機10の製造時において、該1のパチンコ機10に対して固有の(1の)認証カード500が生成される。
このICチップ501は、後述する復号化装置400のカード読取部411(図17参照)によって、カード挿入孔410に挿入された状態で読み込み(読み取り)可能に構成されている。カード読取部411によって読み込まれた製造番号SN、マスター鍵Km及び有効期限情報ED(共に図18参照)は、復号化装置400のMPU401(図17参照)により、音声ランプ制御装置113又は払出制御装置111から送信された多重化コマンドを正常に復号化するために用いられる。
情報表示部502は、認証カード500に対応するパチンコ機10の機種名(型式名)を示す機種名情報と、ICチップ501に記憶される製造番号SN(図18参照)を数値化した製造番号情報とがそれぞれ表記されている。また、パチンコ機10の主制御装置110の基板ボックス100にも、機種名(型式名)と製造番号情報とが表記されている。このため、遊技ホールBの管理者(従業員)は、認証カード500の情報表示部502に表記された機種名情報と製造番号情報とを確認することで、該認証カード500を挿入すべき機種および製造番号のパチンコ機10を認識することが可能となる。
QRコード(登録商標)表示部503は、情報表示部502に表記された機種名情報および製造番号情報とが符号化されたQRコード(登録商標)が表記されている。また、パチンコ機10の主制御装置110の基板ボックス100にも、該QRコード(登録商標)表示部503と同一のQRコード(登録商標)が表記(貼付)されており、所定のQRコード(登録商標)読込装置(図示せず)によって認証カード500のQRコード(登録商標)表示部503のQRコード(登録商標)と、主制御装置110のQRコード(登録商標)とを互いに読み込み、一致するか否かを判別することで、パチンコ機10と認証カード500との組み合わせが正常な組み合わせか否かを判別可能に構成されている。
ここで、図4で示すように、遊技機メーカーAにおいて製造されたパチンコ機10a,10bには、データサーバ510によって生成された固有の製造番号SN(図18参照)が付与され、パチンコ機10a,10bの各主制御装置110と、認証カード500a,500bの各ICチップ501とに同一の(対応する)製造番号SNがそれぞれ記憶される(書き込まれる)。具体的には、例えば、パチンコ機10aに対して生成(付与)された第1製造番号SN1は、該パチンコ機10aの主制御装置110に記憶されるとともに、認証カード500aのICチップ501の製造番号記憶部501a(図17参照)にも記憶される。また、パチンコ機10bに対して生成(付与)された第2製造番号SN2は、パチンコ機10aに付与された第1製造番号SN1とは異なる値が設定され、該パチンコ機10bの主制御装置110に記憶されるとともに、認証カード500bのICチップ501の製造番号記憶部501a(図17参照)にも記憶される。
そして、例えば、遊技機メーカーAから遊技ホールBに対してパチンコ機10a,10bが販売された場合、遊技ホールBに設置されたパチンコ機10a,10bに対して、該パチンコ機10a,10bに対応する認証カード500a,500bを挿入することで、遊技ホールBにおいてパチンコ機10a,10bが正常に動作可能な状態となる。
従来、遊技機メーカーが製造したパチンコ機10等の遊技機を遊技ホールに搬送する際、輸送業者等によって主制御装置110や払出制御装置111等の出玉率に影響がある基板が不正基板に差し替えられてしまう不正行為が行われる場合がある。また遊技ホールに設置後も、悪意ある遊技者が不正基板へ交換するといったゴト行為や、悪意ある遊技ホールによって不正基板に交換されてしまう不正行為が行われる場合がある。
そこで、第1実施形態のパチンコ機10では、主制御装置110から送信される制御コマンドを暗号化し、パチンコ機10を製造した遊技機メーカーAが発行した正規な(対応する)認証カード500を復号化装置400へ挿入していない場合は、暗号化された制御コマンドを正常に復号化することができないように構成し、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等のサブ制御装置が正常な制御コマンドに基づいて制御を行うことができないようにして、正常な遊技(払出動作や変動演出等)が行われないように構成されている。このように構成することで、主制御装置110を不正基板に交換したり、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等のサブ制御装置を不正基板に交換した場合、パチンコ機10において正常な遊技を行うことができないことから、パチンコ機10に対する不正行為に基づく意図しない遊技価値の付与や遊技の実行を抑制することができる。
また、認証カード500には、有効期限が設定可能に構成されており、上述した有効期限情報記憶部501c(図17参照)に記憶される有効期限情報ED(図18参照)が有効期限内か否かによって、マスター鍵記憶部501b(図17参照)に記憶されるマスター鍵Km(図18参照)による復号化が可能か否かを設定可能に構成されている。そして、有効期限情報EDを遊技機メーカーAのデータサーバ510によって更新可能に構成することで、遊技ホールBにおいて設置されたパチンコ機10が有効期限を越えて設定された場合に、該パチンコ機10における正常な動作を実行不能に構成することで、設置期限を越えたパチンコ機10における遊技を実行させず、法令遵守を徹底することが可能となる。
さらに、例えば、認証カード500b1は、パチンコ機10bの販売時に遊技ホールBに対して遊技機メーカーAが貸与し、例えば、パチンコ機10bを他の遊技ホールC等に中古機として転売(売却)する場合には、該認証カード500b1を遊技機メーカーAに一旦返却し、認証カード500b1の登録データを一旦取り消すように運用する。そして、返却された認証カード500b1の有効期限情報ED(図18参照)等を更新(延長)する等して認証カード500b2を転売先のパチンコ機10bで利用可能な状態で再発行して、パチンコ機10bの売却先(転売先)である遊技ホールCへ貸与する。なお、転売時に遊技機メーカーAに返却されない認証カード500は、該認証カード500の有効性を喪失させるように構成してもよいし、貸与違反の遊技ホールBに対しては多額の罰金を課すように構成してもよい。また、遊技機メーカーの担当者(例えば、営業マン)が抜き打ちで認証カード500が正規なものか否かを確認するようにしてもよい。
このように認証カード500b1,500b2を運用することで、該遊技ホールCに設置されたパチンコ機10bに対する不正行為が行われた場合には、パチンコ機10bにおいて正常な遊技を行うことができないようにすることができる。よって、遊技ホールBから遊技ホールCへの転売における輸送時に不正改造が行われた場合や、遊技ホールCにおいて悪意ある第三者による不正行為によって主制御装置110等が改変若しくは改造された場合に、パチンコ機10bが正常に動作しないようにすることができ、パチンコ機10bに対する不正行為に基づく意図しない遊技価値の付与や遊技の実行を抑制することができる。また、パチンコ機10bの中古機としての流通形態を遊技機メーカーA側で把握することができるので、パチンコ機10bのメンテナンスやアフターフォロー、さらには、新規営業先として営業活動を行い易くすることができる。
図2に戻って、説明を続ける。払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図7参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図7参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図5に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した透明樹脂製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、球が入賞することで所定の賞球を得ることができる一般入賞口63、第1抽選遊技用の第1始動口64aと第2抽選遊技用の第2始動口64bと普通電役64cとを有した始動口ユニット64、第1抽選遊技又は第2抽選遊技による大当たりが発生した場合に開放される可変入賞装置65、普通電役64cの駆動抽選用のスルーゲート67、第3図柄表示装置81を有した可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。
一般入賞口63、始動口ユニット64、可変入賞装置65、スルーゲート67、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側からネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図5を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図7参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図5の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球を再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図5の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される(以下、返しゴム69に当たる勢い等で球を発射して、該球を可変表示装置ユニット80の正面視右側を通過させる行為を「右打ち」と称する一方、発射した球が可変表示装置ユニット80の正面視左側を通過させる行為を「左打ち」と称する)。第1実施形態では、左打ちの遊技において、第1始動口64a及び第2始動口64bへ球が入球し得る一方、可変入賞装置65に球が入球し難いように構成されている。また、右打ちの遊技において、可変入賞装置65、スルーゲート67を球が通過することに起因して普通電役64cが開放されることで第2始動口64bへ球が入球し得る一方、第1始動口64aに球が入球し難いよう(不可)に構成されている。
また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図5の右側上部)には、発光手段である複数のLEDで構成された状態LED群37aと特別LED群37bとが設けられた特別図柄表示装置37が配設されている。特別図柄表示装置37は、後述する主制御装置110(図7参照)で行われる各制御に応じた各特別図柄の変動表示(以下、特別図柄の変動表示を「動的表示」という)がなされると共に、パチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。
状態LED群37aは、後述する第1始動口64a又は第2始動口64bに入賞(入球)した球のうち、変動表示が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。また、大当たりのラウンド数やエラー表示も、該状態に対応する状態LED群37aの点灯状態により示される。なお、状態LED群37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるように構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
なお、大当たりにおける「ラウンド」とは、大当たりの賞球個数を区切るために後述する可変入賞装置65が開放されてから閉鎖されるまでのことをいい、第1実施形態のパチンコ機10では、可変入賞装置65が開放開始されてから「30秒」経過するか、可変入賞装置65の開放中に、該可変入賞装置65に球が10個入賞することで1回の「ラウンド」が実行されるように構成されている。
特別LED群37bは、6個のLEDで構成された上方LED群37b1と、同じく6個のLEDで構成された下方LED群37b2との計12個のLEDで構成されている。上方LED群37b1は、第1抽選遊技の判定結果を示す第1特別図柄(以下、第1特別図柄を、「特図1」と略す場合がある)が変動表示される。また、下方LED群37b2は、第2抽選遊技の判定結果を示す第2特別図柄(以下、第2特別図柄を、「特図2」と略す場合がある)が変動表示される。
具体的には、上方LED群37b1には、始動口ユニット64に設けられた第1始動口64aへの入賞に基づいて決定された変動時間(動的表示時間)が経過するまで変動表示(第1実施形態では、上方LED群37b1の最も左側のLEDから右側のLEDを1つずつ順番に点灯し、該点灯パターンの繰り返し表示)した後に、判定結果を示す図柄(第1実施形態では、6個のLEDの各点灯パターンの組み合わせによって計64種類の停止図柄のいずれか)で停止表示される。
また、下方LED群37b2には、始動口ユニット64に設けられた第2始動口64bへの入賞に基づいて決定された変動時間(動的表示時間)が経過するまで変動表示(第1実施形態では、下方LED群37b2の最も左側のLEDから右側のLEDを1つずつ順番に点灯し、該点灯パターンの繰り返し表示)した後に、判定結果を示す図柄(第1実施形態では、6個のLEDの各点灯パターンの組み合わせによって計64種類の停止図柄のいずれか)で停止表示される。
いずれのLED群においても、判定結果がハズレである場合には、最も左側のLEDのみが点灯表示され、判定結果が大当たりである場合には、大当たりに対応した点灯パターンで各LED群が点灯表示される。各LED群の停止パターンの詳細については、後述する。
なお、本パチンコ機10では、第1始動口64a又は第2始動口64bへの入球に対して大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合は、入賞した始動口64a,64bに応じてその大当たり種別の判定も行う。
ここで判定される大当たり種別としては、第1始動口64aへの入賞に基づいて、「10ラウンド(以下、ラウンドを、単に「R」と表現する場合がある)確変大当たり」に対応する「確変A」、「4R確変大当たり」に対応する「確変B」、及び、「4R時短大当たり」に対応する「時短B」が用意されている(図11(a)参照)。また、第2始動口64bへの入賞に基づいて、「10R確変大当たり」に対応する「確変A」、及び、「10R時短大当たり」に対応する「時短A」が用意されている(図11(b)参照)。
「10R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が10ラウンドの大当たりの後に「確率変動状態」へ移行する大当たりのことである。また、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に「確率変動状態」へ移行する大当たりのことである。さらに「10R時短大当たり」とは、最大ラウンド数が10ラウンドの大当たりの後に「時間短縮状態」へ移行する大当たりのことである。また、「4R時短大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に「時間短縮状態」へ移行する大当たりのことである。
ここで、「通常遊技状態」とは、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」でない低確率状態の時をいい、特別図柄の大当たり確率、及び、普通図柄の当たり確率が通常の状態をいう。即ち、「通常遊技状態」は、「確率変動状態」の時より特別図柄の大当たり確率が低く、また、「確率変動状態」および「時間短縮状態」の時より普通図柄の当たり確率が低い状態であって、第2始動口64bへ球が入賞し易い遊技状態(以下、第2始動口64bへ球が入賞し易い状態のことを、「入賞補助状態」という場合がある)ではなく、遊技者にとって最も不利な遊技状態である。
次いで、「時間短縮状態」とは、特別図柄の大当たり確率が「通常遊技状態」と同様に低確率状態であるが、普通図柄の当たり確率がアップした所謂「時短機能」が付与された状態をいう。即ち、「時間短縮状態」は、始動口ユニット64に設けられた後述する普通電役64cが開放状態となり易くなり、その結果、始動口ユニット64内の第2始動口64bへ球が入球し易い遊技状態、即ち、入賞補助状態である。
第1実施形態のパチンコ機10では、「時間短縮状態」は、大当たり種別「時短A」又は「時短B」(図11(a)及び図11(b)参照)の大当たり後に、該大当たり毎に予め定められた規定回数(第1実施形態では、50回又は100回)の特別図柄の変動演出が実行されるまで維持される。そして、上記規定回数の特別図柄の動的表示が実行された後は、「時間短縮状態」から上記「通常遊技状態」に移行するように構成されている。
次いで、「確率変動状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の特別図柄の大当たり確率がアップした高確率状態をいう。即ち、「確率変動状態」は、いわゆる確変中の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。
第1実施形態のパチンコ機10では、大当たり種別「確変A」又は「確変B」(図11(a)及び図11(b)参照)の大当たり後に、特別図柄の変動演出において再び大当たりが発生するまで(以下、「次回大当たり」と称する場合がある)の間、特別図柄の大当たり確率が高確率状態となる。
また、第1実施形態のパチンコ機10では、「確率変動状態」として、上記「時短機能」が付与されている。即ち、「確率変動状態」では、次回大当たりまでの間、特別図柄の大当たり確率が高確率状態であると共に、後述する普通電役64cが開放状態となり易くなり、その結果、始動口ユニット64内の第2始動口64bへ球が入賞し易い入賞補助状態となる。
ここで、各大当たり種別毎の特別LED群37bの表示態様について説明する。第1特別図柄用の上方LED群37b1の停止表示(点灯表示)として、ハズレに対応する表示パターンは1種類、大当たり種別「確変A」に対応する表示パターンは21種類、大当たり種別「確変B」に対応する表示パターンは21種類、大当たり種別「時短B」に対応する表示パターンは21種類、の計64種類の表示パターンが設けられている。そして、ハズレに対応する表示パターン以外の各大当たりに対応する各表示パターンは、大当たり種別毎に特定の規則性を有さず、無作為な表示パターンが予め対応付けられている。よって、遊技者が上方LED群37b1の表示パターンを見た場合に、ハズレの停止表示は認識することができる一方、大当たり種別「確変A」、「確変B」、又は「時短B」のいずれの停止表示であるかを識別困難に構成されている。
また、第2特別図柄用の下方LED群37b2の停止表示(点灯表示)として、ハズレに対応する表示パターンは1種類、大当たり種別「確変A」に対応する表示パターンは32種類、大当たり種別「時短A」に対応する表示パターンは31種類の表示パターンが設けられている。そして、各表示パターンは、上方LED群37b1と同様、大当たり種別毎に特定の規則性を有さず、無作為な表示パターンが予め対応付けられている。よって、遊技者が下方LED群37b2の表示パターンを見た場合に、ハズレの停止表示は認識することができる一方、大当たり種別「確変A」又は「時短A」のいずれの停止表示であるかを識別困難に構成されている。
このように構成することで、特別図柄表示装置37の特別LED群37bの停止表示において各大当たり種別を表示した場合であっても、各停止表示に対応する大当たり種別を全て把握していなければ、当選した大当たり種別を遊技者が認識することが困難となるため、遊技者にいずれの大当たりが発生しているか否かを推測させる遊技性が生まれ、遊技の興趣を向上することができる。
遊技盤13の遊技領域には、球が入賞することにより5個から10個の球が賞球として払い出される複数(3の)の一般入賞口63が配設されている。
この複数の一般入賞口63は、1の一般入賞口ユニットの上部、中部又は下部にそれぞれ1つずつ配設されている。各一般入賞口63の入り口上部には、球と衝突して該球の流下方向を変更させ得る流下方向変更手段としての複数の釘がそれぞれ植設されており、第1始動口64a又は第2始動口64b等の入賞口に入賞しなかった球が、各一般入賞口63の上部に植設された複数の釘の間の釘間流路を通過した場合にのみが各一般入賞口63に流入可能となる一方、各釘の間の釘間流路を通過しない球、即ち、各釘によって釘間流路以外の流路に弾かれた球は、該一般入賞口63へは流入しないように構成されている。なお、各一般入賞口63は、上部の一般入賞口63に入賞しなかった球は、中部又は下部の一般入賞口63に、上部及び中部の一般入賞口63に入賞しなかった球は、下部の一般入賞口63に入賞し得るような配置で構成されている。
各一般入賞口63に入賞した球は、上記一般入賞口ユニットの背面側に設けられた各案内通路が合流する合流部を経て該合流部の下流側に設けられた集合通路を流下し、該集合通路に配設(埋設)された1の一般入賞口スイッチ(図示せず)によって検知可能に構成されている。各一般入賞口63は、1の球の入賞に対して同等の価値(賞球)を付与する(払い出す)ように構成されているので、各一般入賞口63から入賞した球を集約してから1の一般入賞口スイッチによって該球を検出しても問題が生じない。その結果、各案内通路毎に一般入賞口スイッチを配設する場合に比べ部品コストを削減することができる。
なお、一般入賞口スイッチによって検出された球は、各入賞口スイッチ(図示せず)等によって検知された球と同様、遊技盤13の背面側に設けられた集合板(図示せず)によって1のアウト通路(図示せず)に集約され、アウトスイッチ(図示せず)によって検知されるように構成されている。また、上記一般入賞口スイッチによって球が検出された後、所定期間(例えば、5秒)以内にアウトスイッチによって球が検出されない場合、集合板において球詰まり等が発生しているものとみなして、所定の異常報知を行うように構成してもよい。
遊技領域の中央下部には、遊技領域を流下する球が入球し得る第1始動口64a、第2始動口64b及び普通電役64cが一体化された始動口ユニット64が配設されている。この始動口ユニット64は、主に、球が入球可能な第1始動口64aと、普通電役64cが開状態となることで球が入球可能な第2始動口64bと、該第2始動口64bへの球の入球を阻止可能な普通電役64cとにより構成されている。
この始動口ユニット64に設けられた第1始動口64aへ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1始動口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1始動口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図7参照)で第1特別図柄の大当たりの抽選(即ち、第1抽選遊技)がなされる。そして、その抽選結果に応じた特別図柄の動的表示が、特別図柄表示装置37の特別LED群37bにおける上方LED群37b1で示されると共に、第3図柄表示装置81にて第3図柄の変動演出が実行される。なお、第1始動口64aは、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
なお、第1始動口スイッチ(図示せず)によって検出された球は、各入賞口スイッチ(図示せず)等によって検知された球と同様、遊技盤13の背面側に設けられた集合板(図示せず)によって1のアウト通路(図示せず)に集約され、アウトスイッチ(図示せず)によって検知されるように構成されている。また、上記第1始動口スイッチによって球が検出された後、所定期間(例えば、5秒)以内にアウトスイッチによって球が検出されない場合、集合板において球詰まり等が発生しているものとみなして、所定の異常報知を行うように構成してもよい。
第1始動口64aの下方には、普通電役64cが開放状態である場合にのみ球が入球し得る第2始動口64bが配設されている。この第2始動口64bへ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2始動口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2始動口スイッチのオンに起因して後述する主制御装置110(図7参照)で第2特別図柄の大当たりの抽選がなされる。そして、その抽選結果に応じた表示が特別図柄表示装置37の特別LED群37bの下方LED群37b2で示されると共に、第3図柄表示装置81にて第2特別図柄に対応する第3図柄の変動演出が実行される。なお、第2始動口64bは、球が入球すると1個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
なお、第2始動口スイッチ(図示せず)によって検出された球は、各入賞口スイッチ(図示せず)等によって検知された球と同様、遊技盤13の背面側に設けられた集合板(図示せず)によって1のアウト通路(図示せず)に集約され、アウトスイッチ(図示せず)によって検知されるように構成されている。また、上記第2始動口スイッチによって球が検出された後、所定期間(例えば、5秒)以内にアウトスイッチによって球が検出されない場合、集合板において球詰まり等が発生しているものとみなして、所定の異常報知を行うように構成してもよい。
上述したように、第2始動口64bの正面視上方には、その第2始動口64bへ球が入球する開口部を覆う2枚の羽根部材を開閉することによって、第2始動口64bを開放状態(拡大状態)又は閉鎖状態(縮小状態)に変位可能な普通電役64cが設けられている。普通電役64cは、通常時において羽根が閉じた(羽根が上方に起立した)閉鎖状態となっており、球が第2始動口64bへ入球できない、または、入球しづらい状態となっている。
一方、普通図柄表示装置83における可変表示が「○」の図柄で停止すると、普通電役64cが所定時間だけ作動される。普通電役64cが作動されている間、普通電役64cの羽根が上方に起立した状態から。略V字形(逆ハの字形)に可動した状態となり、第2始動口64bが開放状態となる。第2始動口64bが開放状態になると、球が第2始動口64bへ入球できる状態、または、閉鎖状態に比して球が入球しやすい状態となる。つまり、普通図柄表示装置83における可変表示の結果として「○」の図柄で停止して当たりとなり、第2始動口64bが開放状態となった場合に、第2始動口64bへ球が入球して大当たり抽選が多く行える状態とすることができる。
始動口ユニット64の正面視右側には、横長矩形状に形成された第1開閉板65aを有する可変入賞装置65が設けられている。
第1実施形態のパチンコ機10においては、大当たりに当選していない通常時(例えば、「通常遊技状態」時等)では、可変入賞装置65への球の流入を、第1開閉板65aを起立保持することで、可変入賞装置65内へ流入しようとする球の流下方向を第1開閉板65aの前面(閉鎖面)と衝突させて変更させることで、可変入賞装置65内に球が進入しないように構成されている。一方、主制御装置110(図7参照)での第1特別図柄又は第2特別図柄の抽選が大当たりとなる場合、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるように特別図柄表示装置37の特別LED群37bを点灯表示させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、発生した大当たりの種類(種別)に応じて、可変入賞装置65の第1開閉板65aが開放されて、遊技領域を流下する球が、第1開閉板65aの後面(開放面)と衝突させて変更させることで、可変入賞装置65内に球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている第1開閉板65aが、所定時間(例えば、「30秒」経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この開放された第1開閉板65aは、所定時間が経過した場合、或いは、所定数の球が入賞した場合に閉鎖され、その閉鎖が特定期間維持された後、再び第1開閉板65aが所定時間開放される。この第1開閉板65aの開閉動作は、最高で例えば合計10回(10ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態(大当たり状態)の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
なお、可変入賞装置65内に流入した球は、遊技盤13の背面側からパチンコ機10外に排出されるように構成されている。より詳細には、後述する大入賞口スイッチ(図示せず)によって検出された球は、上記一般入賞口スイッチ等によって検知された球と同様、遊技盤13の背面側に設けられた集合板(図示せず)によって1のアウト通路(図示せず)に集約され、アウトスイッチ(図示せず)によって検知されるように構成されている。第1実施形態のパチンコ機10では、大入賞口スイッチによって球が検出された後、所定期間(例えば、10秒又は5秒)以内に、アウトスイッチによって球が検出されない場合、可変入賞装置65内(集合板)において球詰まり等が発生しているものとみなして、所定の異常報知を行うように構成されている。
可変入賞装置65の正面視上方であって、後述する可変表示装置ユニット80の正面視右側には、スルーゲート67が設けられている。このスルーゲート67には、球が通過するための貫通孔(図示せず)が上下方向に設けられている。このスルーゲート67を球が通過すると、貫通孔に設けられた普通図柄スイッチ(図示せず)がオンとなり、そのオンに起因して主制御装置110で普通図柄の当たり抽選が行われる。なお、このスルーゲート67は、普通図柄の可変表示の抽選契機となるのみであり、球が通過した場合であっても賞球等の払い出しは行われないように構成されている。
上述したように、始動口ユニット64には、普通電役64cが配設されている。この普通電役64cは、主に、回動板と、該回動板を開閉駆動する回動ソレノイド(図示せず)と、により構成されている。
第1実施形態の主制御装置110は、通常時、普通電役64cの回動板を直立状態に維持して、第2始動口64bの左右両側を覆うことで、該第2始動口64bへの球の流入を防止している。そして、普通図柄の可変表示で当たりに当選した場合に、上記回動用ソレノイド(図示せず)を所定時間駆動し、普通電役64cの回動板を上記所定時間の間、回動板を直立状態から右側に所定角度(例えば、45度)傾倒した開放状態(傾倒状態)に駆動させて、第2始動口64bへの球の流入を可能に構成して、始動口ユニット64近傍を流下する球が第2始動口64bへ入賞し易い状態、即ち、入賞補助状態となるように構成されている。
また、第1実施形態のパチンコ機10では、遊技状態に応じて、普通図柄の可変表示での当たりに当選する確率が変化するように構成されている。具体的には、「通常遊技状態」では、普通図柄の当選確率を低確率状態(例えば、1/10)とし、普通図柄の可変表示において当たりに当選し難くすることで、普通電役64cの回動板を開放状態(傾倒状態)とし難くして、第2始動口64bへ入賞し難いように構成する。一方、「時間短縮状態」又は「確率変動状態」では、普通図柄の当選確率を高確率状態(例えば、9/10)とし、普通図柄の可変表示において当たりに当選し易くすることで、普通電役64cの回動板を開放状態(傾倒状態)とし易くし、第2始動口64bへ容易に入賞し得るように構成する。
なお、「時間短縮状態」又は「確率変動状態」のように、普通図柄の当たり確率を「通常遊技状態」から変更する代わりに、パチンコ機10の遊技状態に応じて、普通電役64cの回動板が回動する時間や、1回の当たりで普通電役64cの回動板が回動する回数を変更するものとしても良い。具体的には、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」において、普通電役64cの回動板が回動する時間を「通常遊技状態」よりも長くしたり、1回の当たりで普通電役64cの回動板が回動する回数を「通常遊技状態」よりも多くしたりしてもよい。また、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」において、普通図柄の当たり確率のアップと、普通電役64cの回動板の回動時間の長時間化と、普通電役64cの回動板の回動回数の多回数化との少なくとも2つを同時に行うようにしてもよい。
遊技領域の中央部分から右側領域にかけて、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1始動口64a又は第2始動口64bへの入球(始動入賞)をトリガとして、特別図柄表示装置37における動的表示と同期させながら、第3図柄の変動演出を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、スルーゲート67の球の通過をトリガとして普通図柄を可変表示するLEDで構成される普通図柄表示装置83とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は17インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114(図7参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列Z1〜Z3(図6参照)が表示される。
各図柄列Z1〜Z3(図6参照)は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列Z1〜Z3毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変的に表示されるようになっている。第1実施形態の第3図柄表示装置81は、第1特別図柄の第1抽選遊技および第2特別図柄の第2抽選遊技で共通的に使用されるものであり、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が特別図柄表示装置37で行われるのに対して、その特別図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を第3図柄表示装置81の第3図柄を用いて行うものである。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図6を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図6は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図6(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図6(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(「1」,「3」,「5」,「7」,「9」)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(「0」,「2」,「4」,「6」,「8」)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、第1実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図7参照)によるいずれかの特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動演出が行われ、その変動演出が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。「確変A」の大当たり種別に当選した場合は、「7」の数字を付した主図柄が揃う変動演出が行われる。また、「確変B」の大当たり種別に当選した場合は、「7」の数字以外の奇数数字を付した主図柄、即ち、「1」、「3」、「5」又は「9」の数字を付した主図柄が揃う変動演出が行われる。一方、「時短A」又は「時短B」の大当たり種別に当選した場合には、偶数数字を付した主図柄、即ち、「2」、「4」、「6」又は「8」の数字を付した主図柄が揃う変動演出が行われる。
図6(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下方向に3分割され、下側の2/3が第3図柄を変動演出する主表示領域Dmと保留球数などを表示するコクピット表示領域Dbとで構成され、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタなどを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その表示領域Dm1に左図柄列Z1が表示され、表示領域Dm2に中図柄列Z2が表示され、表示領域Dm3に右図柄列Z3が表示される。
各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順(または降順)に主図柄が配列され、各図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動演出が行われる。なお、各図柄列Z1〜Z3において、数字の配列をそれぞれ異ならせるように構成してもよい。例えば、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列する一方、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列してもよい。
また、主表示領域Dmには、各図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の変動演出に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(同一の主図柄の組合せ。以下、「大当たり表示」という。)で揃えば、大当たりとして大当たり動画が表示される。
一方、第3図柄表示装置81(特別図柄表示装置37)にて第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する第3図柄の変動演出(動的表示)が行われている間に球が第1始動口64aへ入球した場合、その入球回数(保留球数)は最大4回まで保留される。その保留球数は特別図柄表示装置37により示されると共に、コクピット表示領域Dbの第1特別図柄に対応する第1保留図柄表示領域Db1の特図1第1〜第4保留図柄表示領域Db1a〜Db1dおいても示される。特図1第1〜第4保留図柄表示領域Db1a〜Db1dには、第1特別図柄の保留球1球(保留球数1回)につき1つの保留図柄(通常の表示態様では「○」図柄(白丸図柄))がそれぞれ表示され、特図1第1〜第4保留図柄表示領域Db1a〜Db1dに表示された保留図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。
即ち、特図1第1〜第4保留図柄表示領域Db1a〜Db1dにおいて、特図1第1保留図柄表示領域Db1aに1つの保留図柄が表示されている場合は、第1特別図柄の保留球数が1回であることを示し、特図1第1・第2保留図柄表示領域Db1a,Db1bにそれぞれ1つずつ計2つの保留図柄が表示されている場合は、第1特別図柄の保留球数が2回であることを示し、特図1第1〜第3保留図柄表示領域Db1a〜Db1cにそれぞれ1つずつ計3つの保留図柄が表示されている場合は、第1特別図柄の保留球数が3回であることを示し、特図1第1〜第4保留図柄表示領域Db1a〜Db1dにそれぞれ1つずつ計4つの保留図柄が表示されている場合は、第1特別図柄の保留球数が4回であることを示す。また、特図1第1〜第4保留図柄表示領域Db1a〜Db1dに保留図柄が表示されていない場合は、第1特別図柄の保留球数が0回であって保留されている変動演出が存在しないことを示す。
また、第3図柄表示装置81(特別図柄表示装置37)にて第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する第3図柄の変動演出(動的表示)が行われている間に球が第2始動口64bへ入球した場合、その入球回数(保留球数)は最大4回まで保留される。その保留球数は特別図柄表示装置37により示されると共に、コクピット表示領域Dbの第2特別図柄に対応する第2保留図柄表示領域Db2の特図2第1〜第4保留図柄表示領域Db2a〜Db2dおいても示される。特図2第1〜第4保留図柄表示領域Db2a〜Db2dには、第2特別図柄の保留球1球(保留球数1回)につき1つの保留図柄(通常の表示態様では「○」図柄(白丸図柄))がそれぞれ表示され、特図2第1〜第4保留図柄表示領域Db2a〜Db2dに表示された保留図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。
即ち、特図2第1〜第4保留図柄表示領域Db2a〜Db2dにおいて、特図2第1保留図柄表示領域Db2aに1つの保留図柄が表示されている場合は、第2特別図柄の保留球数が1回であることを示し、特図2第1・第2保留図柄表示領域Db2a,Db2bにそれぞれ1つずつ計2つの保留図柄が表示されている場合は、第2特別図柄の保留球数が2回であることを示し、特図2第1〜第3保留図柄表示領域Db2a〜Db2cにそれぞれ1つずつ計3つの保留図柄が表示されている場合は、第2特別図柄の保留球数が3回であることを示し、特図2第1〜第4保留図柄表示領域Db2a〜Db2dにそれぞれ1つずつ計4つの保留図柄が表示されている場合は、第2特別図柄の保留球数が4回であることを示す。また、特図2第1〜第4保留図柄表示領域Db2a〜Db2dに保留図柄が表示されていない場合は、第2特別図柄の保留球数が0回であって保留されている変動演出が存在しないことを示す。
なお、第1実施形態のパチンコ機10では、第1特別図柄の第1抽選遊技と第2特別図柄の第2抽選遊技とが同時に実行されず、いずれか一方の抽選遊技のみが実行されるように構成されている。また、第1実施形態のパチンコ機10では、実行中のいずれかの抽選遊技が終了した場合に、第1特別図柄の保留球と第2特別図柄の保留球とがそれぞれ記憶されているとき、第2特別図柄の第2抽選遊技を第1特別図柄の第1抽選遊技より優先的に実行(所謂、特図2優先変動)するように構成されている。なお、入賞した順で抽選遊技を実行してもよいし、第1特別図柄の第1抽選遊技と第2特別図柄の第2抽選遊技とを同時に実行させるように構成してもよい。
コクピット表示領域Dbの中央部分には、主表示領域Dmで変動演出が実行されていることを示す実行図柄が表示される実行図柄表示領域Db0が設けられている。この実行図柄表示領域Db0は、コクピット表示領域Dbの中央部分、即ち、特図1第1保留図柄表示領域Db1aの右側であって、特図2第1保留図柄表示領域Db2aの左側に設けられ、各保留図柄表示領域Db1a〜Db1d,Db2a〜Db2dに表示される各保留図柄より大きい実行図柄が表示されるように構成されている。また、この実行図柄表示領域Db0は、特図1第1保留図柄表示領域Db1a又は特図2第1保留図柄表示領域Db2aに表示されていた保留図柄が移動(シフト)して実行図柄として表示される。
実行図柄表示領域Db0に表示される実行図柄は、変動演出が終了すると消去され、その実行図柄の消去に伴って、表示されている保留図柄が下位側(第1特別図柄であれば右側、第2特別図柄であれば左側)の保留図柄として移動して表示される。具体的には、例えば、第2特別図柄の保留図柄が存在しない状況であって第1特別図柄の保留図柄が4つ存在する状況において、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出の終了に伴って実行図柄表示領域Db0に表示されていた実行図柄が消去された場合、特図1第1保留図柄表示領域Db1aに保留図柄が表示されていたとき、実行図柄表示領域Db0における実行図柄として移動(シフト)して表示される。また、特図1第2保留図柄表示領域Db1bに保留図柄が表示されていた場合、特図1第1保留図柄表示領域Db1aにおける保留図柄として移動(シフト)して表示される。さらに、特図1第3保留図柄表示領域Db1cに保留図柄が表示されていた場合、特図1第2保留図柄表示領域Db1bにおける保留図柄として移動(シフト)して表示される。また、特図1第4保留図柄表示領域Db1dに保留図柄が表示されていた場合、特図1第3保留図柄表示領域Db1cにおける保留図柄として移動(シフト)して表示される。
また、例えば、第2特別図柄の保留図柄が4つ存在する状況において、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出の終了に伴って実行図柄表示領域Db0に表示されていた実行図柄が消去された場合、特図2第1保留図柄表示領域Db2aに保留図柄が表示されていたとき、実行図柄表示領域Db0における実行図柄として移動(シフト)して表示される。また、特図2第2保留図柄表示領域Db2bに保留図柄が表示されていた場合、特図2第1保留図柄表示領域Db2aにおける保留図柄として移動(シフト)して表示される。さらに、特図2第3保留図柄表示領域Db2cに保留図柄が表示されていた場合、特図2第2保留図柄表示領域Db2bにおける保留図柄として移動(シフト)して表示される。また、特図2第4保留図柄表示領域Db2dに保留図柄が表示されていた場合、特図2第3保留図柄表示領域Db2cにおける保留図柄として移動(シフト)して表示される。
第1実施形態のパチンコ機10では、主表示領域Dmにおいて変動演出が実行されている間、実行図柄表示領域Db0に実行図柄を表示し続ける(「スーパーリーチ」の変動要素中又は「スペシャルリーチ」の変動要素中を除く)。一方、該変動演出が終了した場合、又は、「スーパーリーチ」の変動要素若しくは「スペシャルリーチ」の変動要素の実行中の場合には、実行図柄が消去されるように構成されている。即ち、実行図柄表示領域Db0に実行図柄が表示されている場合は、主表示領域Dmで変動演出が実行されている(継続している)ことを示し、実行図柄表示領域Db0に実行図柄が表示されていない場合は、主表示領域Dmで変動演出が実行されていない(継続されていない)か、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素が実行されていることを示す。
また、コクピット表示領域Dbでは、該コクピット表示領域Dbに表示される保留図柄及び実行図柄を用いて、「保留変化予告」を実行可能に構成されている。この「保留変化予告」とは、主表示領域Dmで実行される変動演出の大当たり期待度を、該変動演出の実行前から実行中にかけて保留図柄及び実行図柄の表示色を複数段階に変化させることで示唆する予告である。
第1実施形態のパチンコ機10では、「保留変化予告」として、保留図柄及び実行図柄の表示色を、通常の表示態様である「白色」から、青色の表示態様の「青色」、赤色の表示態様の「赤色」、又は、虹色の表示態様の「虹色」に変化可能に構成されている。本パチンコ機10では、変動演出において「大当たり表示」が発生する場合や、「リーチ表示」が発生する場合に、保留図柄及び実行図柄の表示色の選択割合が異なるように構成されているため、この保留図柄及び実行図柄の表示色が、通常の表示態様(「白色」)から別の表示態様(例えば、「青色」)に変化することで、その保留図柄及び実行図柄が示す変動演出において「リーチ表示」や「大当たり表示」が発生する可能性を各表示色ごとに遊技者に示唆することができる。
具体的には、「保留変化予告」において、保留図柄及び実行図柄が、通常の表示態様(「白色」)より「青色」の表示態様である場合の方がその保留図柄及び実行図柄が示す変動演出において「リーチ表示」や「大当たり表示」となる割合が高く設定される。また、保留図柄及び実行図柄が、「青色」より「赤色」の表示態様である場合の方がその保留図柄及び実行図柄が示す変動演出において「リーチ表示」や「大当たり表示」となる割合が高く設定される。さらに、保留図柄及び実行図柄が、「赤色」より「虹色」の表示態様である場合の方がその保留図柄及び実行図柄が示す変動演出において「リーチ表示」や「大当たり表示」となる割合が高く設定される。
また、保留図柄及び実行図柄の表示態様が「赤色」である場合には、その「赤色」の保留図柄又は実行図柄が示す変動演出において「スーパーリーチ」を主とする演出の態様(主とする演出の態様を「演出態様」という)又は「スペシャルリーチ」演出態様(以下、「スーパーリーチ」演出態様又は「スペシャルリーチ」演出態様のことを総称して「スーパーリーチ以上」演出態様という場合がある)の実行が確定するように設定されている。さらに、保留図柄及び実行図柄の表示態様が「虹色」である場合には、その「虹色」の保留図柄又は実行図柄が示す変動演出において「大当たり表示」の現出が確定するように設定されている。従って、本実施形態では、保留図柄及び実行図柄の表示態様が、通常(「白色」)→「青色」→「赤色」→「虹色」の順に段階的に「リーチ表示」や「大当たり表示」の現出期待度が高いように設定されている。
なお、「保留変化予告」の「虹色」の表示態様は、保留図柄では現出せず、実行図柄でのみ現出可能に設定されている。これは、保留図柄で大当たりの発生が確定する「虹色」の表示態様を現出させた後に、何らかの異常(例えば、電源断)によりその保留図柄が実行されなかった場合、遊技者は、得られるべき大当たりが得られないことによる不満が発生してしまう。よって、保留図柄において、大当たりの発生が確定する「虹色」の表示態様を予め現出しないように構成しておくことで、上記不満が発生することを未然に防止することができる。
また、この「保留変化予告」により、保留図柄の表示態様が変化した状態において、変動演出の実行(消化)に伴って保留図柄がシフトする場合に、その変化した保留図柄の表示態様が、シフト先の保留図柄又は実行図柄に対しても引き継がれて(受け継いで)反映されるように構成されている。即ち、保留図柄の表示態様が変化した場合、その変化した保留図柄が変動演出の実行に伴って他の保留図柄表示領域Db1〜Db3又は実行図柄表示領域Db0へシフトしたときも、シフト前の表示態様がシフト後の保留図柄又は実行図柄の表示態様としてそのまま維持されるように構成されている。
従って、例えば、特図1第4保留図柄表示領域Db1dにおいて保留図柄の表示色が「赤色」に変化した場合、該保留図柄が特図1第3保留図柄表示領域Db1c→特図1第2保留図柄表示領域Db1b→特図1第1保留図柄表示領域Db1a→実行図柄表示領域Db0とそれぞれシフトしていくときに、「赤色」の保留図柄又は実行図柄が継続して表示され続けるように構成される。
なお、第1実施形態においては、第1始動口64a又は第2始動口64bへの入球に基づく変動演出の保留球数は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、それぞれ3回以下、又は、それぞれ5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、コクピット表示領域Dbにおける保留図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。
また、特別図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させなくてもよい。なお、第3図柄表示装置81に保留球数に関する情報(保留図柄等)を表示させない場合は、保留図柄による「保留変化予告」を実行することができないため、他のキャラクタ図柄等を追加的に現出させることによって「保留変化予告」と同様の先読み予告を実行させるように構成してもよい。
さらに、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを第1特別図柄および第2特別図柄の最大保留数分の4つそれぞれ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。なお、保留ランプによって保留球数を表示するように構成した場合、保留ランプの表示色を複数種類設けることによって、第1実施形態の「保留変化予告」と同様の先読み予告を実行することは当然に可能である。
副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの小領域Ds1〜Ds3に等区分されている。小領域Ds1〜Ds3は、それぞれ、キャラクタや予告演出画像を表示する領域である。小領域Ds1〜Ds3のそれぞれに表示される画像によって、主表示領域Dmにて行われる変動演出の結果として大当たりとなる期待感を遊技者に与えている。コクピット表示領域Dbは、第1始動口64a又は第2始動口64bに入球された球のうち変動演出が未実行である球(保留球)の数である保留球数を示す保留図柄と、実行中の変動演出に関する実行図柄とを表示する領域である。
実際の表示画面では、図6(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、左小領域Ds1では、予告図柄が現出する等の動画が表示され、主表示領域Dmにおいて行われている変動演出が通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。
また、副表示領域Dsにおいて、中央小領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(第1実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、主表示領域Dmで行われている変動演出に基づいて所定動作とは別の特別な動作をしたり、通常は黒色の少年の髪の毛の色や、通常は白色のハチマキの色が変化したり、別のキャラクタが現出するなどして予告演出が行われる。
さらに、副表示領域Dsにおいて、右小領域Ds3では、主表示領域Dmで行われている変動演出において大当たりが発生するか否かを段階的に示唆するレベルメータ(図示せず)が現出して表示される。このレベルメータは、変動演出において、予告図柄等が現出することに基づいて実行中の変動演出における「リーチ表示」の発生期待度や大当たり期待度が増す毎に増加(加算)していき、該レベルメータの表示限度(MAX表示)まで到達した場合に大当たりが確定することを示唆するように構成されている。従って、副表示領域Dsは、主表示領域Dmにおける「リーチ表示」の発生を示唆する機能を担っている。
図5に戻って、説明を続ける。普通図柄表示装置83は、球がスルーゲート67を通過する毎に表示図柄(普通図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる可変表示を行うものである。パチンコ機10は、普通図柄表示装置83における可変表示が所定図柄(第1実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、普通電役64cが遊技状態に応じた作動状態となる(回動板が回動される)よう構成されている。
スルーゲート67の保留球数は最大4回まで保留され、その保留球数が普通図柄保留ランプ84において点灯表示される。普通図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の上方に配設されている。そして、普通図柄保留ランプ84の点灯された数により、保留数を表示する。
なお、普通図柄の可変表示は、第1実施形態のように、普通図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、特別図柄表示装置37又は第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、普通図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、スルーゲート67の通過は、第1始動口64a又は第2始動口64bと同様に、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、特別図柄表示装置37により保留球数を示す場合は、普通図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
さらに、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口(入球口)63,64a,64b,65にも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。また、上述したように、アウト口66に流入した球は、遊技盤13の背面側に設けられた集合板(図示せず)に配設されたアウトスイッチ(図示せず)によって検知され、遊技領域内に打ち込まれた球が遊技領域外へ排出されたことを検知可能に構成されている。さらに、各入賞口(入球口)63,64a,64b,65に入球した球は、上記集合板によって集約され、アウトスイッチによって検知されるように構成されている。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
次に、図7及び図8を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図7は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。また、図8は、主に主制御装置110の電気的構成を示すブロック図である。
図7及び図8で示すように、主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したリード・オンリー・メモリー(Read Only Memory。以下、「ROM」と略す)202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるランダム・アクセス・メモリー(Random Access Memory。以下、「RAM」と略す。)203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113(以下、払出制御装置111及び音声ランプ制御装置113を総称して、「サブ制御装置111,113」と称する場合がある)に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置111,113へ各種の制御コマンド(Control Command。以下、制御コマンドに対して「CC」を付する場合がある。図18参照。)がデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110から暗号化装置300を介してサブ制御装置111,113へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、大当たり抽選や特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における動的表示および変動演出の設定、普通図柄表示装置83における可変表示の表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタを格納するカウンタ用バッファ203cが設けられている。
また、ROM202は、大当たり乱数テーブル202a、大当たり種別テーブル202b、保留数テーブル202c、停止パターンテーブル202d、変動パターンテーブル202e、大入賞口開放テーブル202f、普図当たり乱数テーブル202g、普図変動テーブル202h、普通電役開放テーブル202i、製造番号記憶部202jを少なくとも格納している。RAM203に格納された各種カウンタと、ROM202に格納された各種テーブルとによって、主制御装置110は、上記の主要な制御を実行する。
ここで、図9を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、大当たり抽選や、特別図柄表示装置37の動的表示の設定、および第3図柄表示装置81の変動演出の設定、普通図柄表示装置83における可変表示の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。また、各種カウンタの説明の中で、図10乃至図16を参照して、主制御装置110のROM202に格納された各種テーブルについても説明する。
大当たり抽選や、特別図柄表示装置37の動的表示の設定、および、第3図柄表示装置81の変動演出の設定には、大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の停止種別の選択に使用する大当たり種別カウンタC2と、変動演出の演出態様の選択に使用する停止パターン選択カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。
また、普通図柄表示装置83の抽選には、普図当たりカウンタC4が用いられ、普図当たりカウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後「0」に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図20参照)の実行間隔である「4ミリ秒」間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図25参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファ203cに適宜格納される。詳細については後述するが、RAM203には、第1特別図柄に関する4つの保留エリア(第1保留第1〜第4エリア)からなる第1保留球格納エリア203dと、第2特別図柄に関する4つの保留エリア(第2保留第1〜第4エリア)からなる第2保留球格納エリア203eとが設けられており、これらの各エリアには、第1始動口64a又は第2始動口64bへの入球タイミングに合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。大当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、「0〜899」)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、「0〜899」の値を取り得るカウンタの場合は「899」)に達した後「0」に戻る構成となっている。特に、大当たり乱数カウンタC1の更新が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれ、その初期値から大当たり乱数カウンタC1の更新が行われる。
第1初期値乱数カウンタCINI1は、大当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、大当たり乱数カウンタC1が「0〜899」の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、「0〜899」の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図20参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図25参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
大当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(第1実施形態では、タイマ割込処理(図20参照)毎に1回)更新される。そして、球が第1始動口64aに入賞(始動入賞)したタイミングで、第1始動口64a(第1特別図柄)に対応して設けられたRAM203の第1保留球格納エリア203dに設けられた第1保留第1〜第4エリアのいずれかの第1保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1に格納される。また、球が第2始動口64bに入賞(始動入賞)したタイミングで、第2始動口64b(第2特別図柄)に対応して設けられたRAM203の第2保留球格納エリア203eに設けられた第2保留第1〜第4エリアのいずれかの第2保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203e1に格納される。
大当たり乱数カウンタC1が大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される大当たり乱数テーブル202aによって設定されており、保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1,203e1に格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、大当たりと判定される。
ここで、図10を参照して、大当たり乱数テーブル202aの詳細について説明する。図10は、ROM202に記憶される大当たり乱数テーブル202aの一例を模式的に示した模式図である。大当たり乱数テーブル202aは、パチンコ機10の遊技状態が、「通常遊技状態」又は「時間短縮状態」である特別図柄の低確率状態(「確率変動状態」ではない期間)の場合に使用される低確率状態用と、パチンコ機10の遊技状態が、低確率状態より大当たりとなる確率の高い特別図柄の高確率状態である「確率変動状態(確変中)」の場合に使用される高確率状態用との2種類に分けられる。そして、低確率状態用と高確率状態用とのそれぞれに含まれる大当たりとなる乱数の数が異なって設定されている。このように、大当たりとなる乱数の数を異ならせることにより、低確率状態と高確率状態とで、大当たりとなる確率が変更される。
第1実施形態のパチンコ機10では、低確率状態の場合に大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値(大当たり乱数値)の数は3個で、その値「7,307,582」が、大当たり乱数テーブル202aに格納されている。つまり、低確率状態(即ち、「通常遊技状態」及び「時間短縮状態」)における特別図柄の大当たり確率は、3/900=1/300となるように設定されている。
一方で、高確率状態の場合に大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値)の数は9個で、その値「28,122,298,390,486,567,656,750,866」が、大当たり乱数テーブル202aに格納されている。つまり、高確率状態(即ち、「確率変動状態」)における特別図柄の大当たり確率は、9/900=1/100となるように設定されている。
なお、第1実施形態では、大当たり乱数テーブル202aに格納されている低確率状態用の大当たり乱数値と、高確率状態用の大当たり乱数値とで、重複した値とならないように、それぞれ大当たり乱数値を設定している。ここで、パチンコ機10の状況にかかわらず大当たり乱数値となる値が存在すれば、その値が外部から予測されやすくなるので、不正に大当たりを引き当てられる可能性が高くなる恐れがある。これに対して、第1実施形態のように、状況に応じて(即ち、パチンコ機10が高確率状態か低確率状態か、に応じて)、大当たりとなる乱数の値を変えることで、大当たりとなる乱数の値が予測され難くすることができるので、不正に対する抑制を図ることができる。
図9に戻って、説明を続ける。大当たり種別カウンタC2は、大当たりとなった場合の大当たり種別を決定するものであり、所定の範囲(例えば、「0〜99」)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、「0〜99」の値を取り得るカウンタの場合は「99」)に達した後に「0」に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(第1実施形態では、タイマ割込処理(図20参照)毎に1回)更新される。そして、球が第1始動口64aに入賞(始動入賞)したタイミングで、第1始動口64a(第1特別図柄)に対応して設けられたRAM203の第1保留球格納エリア203dに設けられた第1保留第1〜第4エリアのうち大当たり乱数カウンタC1が格納される第1保留エリアと同じ第1保留エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203d2に格納される。また、球が第2始動口64bに入賞(始動入賞)したタイミングで、第2始動口64b(第2特別図柄)に対応して設けられたRAM203の第2保留球格納エリア203eに設けられた第2保留第1〜第4エリアのうち大当たり乱数カウンタC1が格納される第2保留エリアと同じ第2保留エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203e2に格納される。
ここで、例えば、第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203e内の1の保留エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数でなければ、即ち、ハズレとなる乱数であれば、変動演出における変動パターンや、停止図柄の種別(以下「停止種別」と称す)は、ハズレ時のものとなる。一方で、第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203e内の1の保留エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数であれば、変動演出における変動パターンや停止種別は大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の変動パターンおよび停止種別は、同じ保留エリアに格納された大当たり種別カウンタC2の値が示す大当たり種別に対応して決定される。
第1実施形態のパチンコ機10における大当たり種別カウンタC2の値は、「0〜99」の範囲のループカウンタとして構成されている。この大当たり種別カウンタC2とROM202に格納された大当たり種別テーブル202bとに基づいて、大当たり種別が決定される。この大当たり種別テーブル202bには、第1特別図柄の第1抽選遊技で参照される特図1用大当たり種別テーブル202b1と、第2特別図柄の第2抽選遊技で参照される特図2用大当たり種別テーブル202b2とが設けられている。
ここで、図11(a)及び図11(b)を参照して、特図1用大当たり種別テーブル202b1及び特図2用大当たり種別テーブル202b2について説明する。図11(a)は、ROM202に記憶される第1特別図柄に対応する特図1用大当たり種別テーブル202b1の一例を模式的に示した図であり、図11(b)は、同じくROM202に記憶される第2特別図柄に対応する特図2用大当たり種別テーブル202b2の一例を模式的に示した図である。図11(a)及び図11(b)に示すように、大当たり種別テーブル202bは、特別図柄の種別と、該特別図柄の種別に応じた大当たり種別と、大当たり種別カウンタC2の値とを対応付けたテーブルである。
なお、大当たりとなった場合にそれぞれの大当たり種別が選択される確率は、機種によって適宜設定される。そして、その設定された確率に応じて、大当たり種別テーブル202bにて、各大当たり種別に対して対応付けられる大当たり種別カウンタC2の値が規定される。
また、大当たり種別が選択される確率は、パチンコ機10の遊技状態に応じて変更されてもよい。この場合、各遊技状態に対応する大当たり種別テーブル202bを用意し、それぞれの大当たり種別テーブル202bにおいて、各大当たり種別に対して対応付ける大当たり種別カウンタC2の値の数を変更すればよい。
大当たり種別としては、上述したように、最大ラウンド数が10ラウンドの大当たり後に、特別図柄の変動演出において次回大当たりが発生するまでの間、特別図柄の大当たり確率及び普通図柄の当たり確率が共に高確率状態となる「10R確変大当たり」である「確変A」と、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たり後に、特別図柄の変動演出において次回大当たりが発生するまでの間、特別図柄の大当たり確率及び普通図柄の当たり確率が共に高確率状態となる「4R確変大当たり」である「確変B」と、最大ラウンド数が10ラウンドの大当たり後に、特別図柄の変動演出が100回実行されるまでの間、普通図柄の当たり確率が高確率状態となるが、特別図柄の大当たり確率が低確率状態(所謂、時短100回)となる「時間短縮状態」へ移行する「10R時短大当たり」である「時短A」と、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たり後に、特別図柄の変動演出が50回実行されるまでの間、普通図柄の当たり確率が高確率状態となるが、特別図柄の大当たり確率が低確率状態(所謂、時短50回)となる「時間短縮状態」へ移行する「4R時短大当たり」である「時短B」とがある。
特図1用大当たり種別テーブル202b1及び特図2用大当たり種別テーブル202b2では、それぞれ、各大当たり種別に対して、その大当たり種別を決定する大当たり種別カウンタC2の取り得る値が対応付けられている。
図11(a)の特図1用大当たり種別テーブル202b1の例では、「10R確変大当たり」である「確変A」に対して大当たり種別カウンタC2の値「0〜19」が対応付けられ、同じく「4R確変大当たり」である「確変B」に対して大当たり種別カウンタC2の値「20〜79」が対応付けられ、「4R時短大当たり」である「時短B」に対して大当たり種別カウンタC2の値「80〜99」が対応付けられている。
第1実施形態における第1特別図柄の当否抽選において、第1保留球格納エリア203dのいずれかの第1保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1に格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値であった場合に、同じ第1保留エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203d2に格納された大当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別が特図1用大当たり種別テーブル202b1から決定される。
例えば、大当たり種別カウンタC2の値が「15」であれば、大当たり種別として「10R確変大当たり」に対応する「確変A」が決定され、大当たり種別カウンタC2の値が「35」であれば、大当たり種別として「4R確変大当たり」に対応する「確変B」が決定され、大当たり種別カウンタC2の値が「95」であれば、大当たり種別として「4R時短大当たり」に対応する「時短B」が決定される。
即ち、第1特別図柄の第1抽選遊技(即ち、第1始動口64aへの入球に基づく抽選)において大当たりに当選した場合には、「確変A」の大当たり種別が20%の割合で選択され、「確変B」の大当たり種別が60%の割合で選択され、「時短B」の大当たり種別が20%の割合で均等に選択されるように構成されている。即ち、第1特別図柄の第1抽選遊技では、「確変B」の大当たり種別が最も選択され易く構成されている一方、「時短A」の大当たり種別は選択され得ないように構成されている。
また、図11(b)の特図2用大当たり種別テーブル202b2の例では、「10R確変大当たり」である「確変A」に対して大当たり種別カウンタC2の値「0〜79」が対応付けられ、「10R時短大当たり」である「時短A」に対して大当たり種別カウンタC2の値「80〜99」が対応付けられている。
第1実施形態における第2特別図柄の当否抽選において、第1特別図柄の当否抽選と同様、第2保留球格納エリア203eのいずれかの保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203e1に格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値であった場合に、同じ保留エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203e2に格納された大当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別が特図2用大当たり種別テーブル202b2から決定される。
例えば、大当たり種別カウンタC2の値が「10」であれば、大当たり種別として「10R確変大当たり」に対応する「確変A」が決定され、大当たり種別カウンタC2の値が「85」であれば、大当たり種別として「10R時短大当たり」に対応する「時短A」が決定される。
即ち、第2特別図柄の第2抽選遊技(即ち、第2始動口64bへの入球に基づく抽選)において大当たりに当選した場合には、「確変A」の大当たり種別が80%の割合で選択され、「時短A」の大当たり種別が20%の割合で選択されるように構成されている。よって、第2特別図柄の第2抽選遊技では、「確変A」の大当たり種別が最も選択され易く構成されている一方、「確変B」及び「時短B」の大当たり種別は選択され得ないように構成されている。
従って、第1実施形態のパチンコ機10では、第1特別図柄による抽選遊技より、第2特別図柄による抽選遊技の方が、遊技者にとって遊技価値が大きいため、遊技者は、如何にして第2特別図柄による抽選を受けるか、即ち、第1始動口64aに入球させるより第2始動口64bへ入球させるかという遊技性が生まれ、遊技にバリエーションを設け、遊技の興趣が高められている。
なお、大当たりとなった場合にそれぞれの大当たり種別が選択される確率は、機種によって適宜設定される。そして、その設定された確率に応じて、大当たり種別テーブル202bにて、各大当たり種別に対して対応付けられる大当たり種別カウンタC2の値が規定される。
また、大当たり種別が選択される確率は、パチンコ機10の遊技状態に応じて変更されてもよい。この場合、各遊技状態に対応する大当たり種別テーブル202bを用意し、それぞれの大当たり種別テーブル202bにおいて、各大当たり種別に対して対応付ける大当たり種別カウンタC2の値の数を変更すればよい。
図9に戻って、各種カウンタの説明を続ける。停止パターン選択カウンタC3は、例えば「0〜99」の範囲内で順に「1」ずつ加算され、最大値(つまり「99」)に達した後「0」に戻る構成となっている。
第1実施形態では、保留されている変動演出の保留数と停止パターン選択カウンタC3の値とによって、第3図柄表示装置81で表示される大当たり時およびハズレ時の変動演出の大まかな演出態様が選択される。具体的には、「リーチ表示」が発生しない「非リーチ(ショート)」演出態様又は「非リーチ(ロング)」演出態様と、「リーチ表示」として「ノーマルリーチ」の変動要素のみが実行される「ノーマルリーチ」演出態様と、該「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して「スーパーリーチ」の変動要素が実行される「スーパーリーチ」演出態様と、同じく「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して「スペシャルリーチ」の変動要素が実行される「スペシャルリーチ」演出態様との5つの演出態様が選択される。
ここで、各演出態様について詳細に説明する。演出態様の中で、「非リーチ(ショート)」演出態様と「非リーチ(ロング)」演出態様とは、主表示領域Dmの各表示領域Dm1〜Dm3(図6(a)参照)にて「高速変動」の変動要素が行われた後に、該左表示領域Dm1及び右表示領域Dm3に同一の第3図柄が停止せずに「リーチ表示」を発生しない演出態様である。
「高速変動」の変動要素とは、第3図柄表示装置81の主表示領域Dm(図6参照)で行われる変動演出において、各図柄列Z1〜Z3(図6(a)参照)に表示される第3図柄が、表示画面縦方向下方に高速にスクロールされている変動要素をいう。この「高速変動」では、遊技者によって第3図柄の表示内容を明確に認識できないように第3図柄を変動させ、前回停止表示された変動演出の停止結果を不規則に混ぜる(シャッフルする)演出として実行される。
第1実施形態のパチンコ機10では、「高速変動」の変動要素が行われた後、特定の演出態様(「非リーチ(ショート)」演出態様)を除いて「低速変動」の変動要素が行われるように構成されている。「低速変動」の変動要素とは、第3図柄表示装置81の主表示領域Dm(図6(a)参照)で行われる変動演出において、上記「高速変動」の変動要素後、遊技者に視認可能な速度で第3図柄を低速にスクロールしている変動要素をいう。この「低速変動」の変動要素では、遊技者に第3図柄の表示内容を認識させながら、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2(図6(a)参照)の順に第3図柄を停止表示する。左図柄列Z1及び右図柄列Z3において同一の第3図柄が停止した場合は「リーチ表示」が発生したとして「ノーマルリーチ」の変動要素へと発展する一方、左図柄列Z1及び右図柄列Z3において異なる第3図柄が停止した場合は、中図柄列Z2を停止表示して、その変動演出を終了するように構成されている(後述する「疑似連」に発展する場合は除く)。
従って、「非リーチ(ロング)」演出態様では、「高速変動」の変動要素が行われた後に「低速変動」の変動要素が行われて、各図柄列Z1〜Z3(図6(a)参照)がそれぞれ順番に停止し、1の変動演出が終了する。一方、「非リーチ(ショート)」演出態様では、「高速変動」が行われた後に「低速変動」の変動要素が行われず、該「高速変動」の変動要素の終了後、各図柄列Z1〜Z3が同時に停止し、1の変動演出が終了する。
演出態様の中で、「ノーマルリーチ」演出態様とは、主表示領域Dmの各図柄列Z1〜Z3(図6(a)参照)の変動演出において、左図柄列Z1及び右図柄列Z3に同一の第3図柄が停止した直後に「ノーマルリーチ」の変動要素が実行され、他の「リーチ表示」、即ち、「スーパーリーチ」の変動要素や「スペシャルリーチ」の変動要素に発展しない「リーチ表示」の演出態様の1つである。この「ノーマルリーチ」の変動要素では、上述したように、主表示領域Dmの左図柄列Z1(左表示領域Dm1)及び右図柄列Z3(右表示領域Dm3)に停止表示している第3図柄が通常時より拡大して表示される。また、中図柄列Z2(中表示領域Dm2)の第3図柄が低速で表示画面縦方向下方へスクロールして、遊技者により該中表示領域Dm2の第3図柄が視認可能な状態で表示される。さらに、この「ノーマルリーチ」の変動要素では、主表示領域Dmの拡大表示に伴って、副表示領域Dsが消去される(図示せず)。
演出態様の中で、「スーパーリーチ」演出態様とは、「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して「スーパーリーチ」の変動要素が実行される「リーチ表示」の演出態様の1つである。この「スーパーリーチ」演出態様において、「スーパーリーチ」の変動要素の実行中は、「ノーマルリーチ」の変動要素の表示状態から、コクピット表示領域Db(図6(a)参照)が消去され、この「リーチ表示」の発生要因であった第3図柄のリーチ形成図柄が表示画面の表示領域左上に縮小表示される。そして、主表示領域Dmの背景表示が「ノーマルリーチ」の変動要素から変化すると共に、複数のキャラクタ図柄を現出させて「バトル演出(例えば、キックボクシング)」を行う(図示せず)。
第1実施形態では、その「バトル演出」の結果(勝敗)に基づいて、変動演出の当否を示唆するように構成されている。具体的には、例えば、上記「バトル演出」において、遊技者側のキャラクタ図柄が敵側のキャラクタ図柄に勝利した場合には、その変動演出が「大当たり表示」となることを示唆し、遊技者側のキャラクタ図柄が敵側のキャラクタ図柄に負けた場合には、その変動演出が「ハズレ表示」となることを示唆するように構成されている。
演出態様の中で、「スペシャルリーチ」演出態様とは、「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して「スペシャルリーチ」の変動要素が実行される「リーチ表示」の演出態様の1つである。この「スペシャルリーチ」演出態様において、「スペシャルリーチ」の変動要素の実行中は、上記「スーパーリーチ」の変動要素と同様、「ノーマルリーチ」の変動要素の表示状態から、コクピット表示領域Db(図6(a)参照)が消去され、この「リーチ表示」の発生要因であった第3図柄のリーチ形成図柄が表示画面の表示領域左上に縮小表示される。そして、主表示領域Dm(図6(a)参照)の背景表示が「ノーマルリーチ」の変動要素から変化すると共に、「スーパーリーチ」の変動要素とは異なる複数のキャラクタを現出させて「競争演出(例えば、自動車レース)」を行う(図示せず)。
第1実施形態では、その「競争演出」の結果(勝敗)に基づいて、変動演出の当否を示唆するように構成されている。具体的には、例えば、上記「競争演出」において、遊技者側のキャラクタ図柄が敵側のキャラクタ図柄に勝利した場合には、その変動演出が「大当たり表示」となることを示唆し、遊技者側のキャラクタ図柄が敵側のキャラクタ図柄に負けた場合には、その変動演出が「ハズレ表示」となることを示唆するように構成されている。
停止パターン選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(第1実施形態では、タイマ割込処理(図20参照)毎に1回)更新される。そして、球が第1始動口64aに入賞(始動入賞)したタイミングで、第1始動口64a(第1特別図柄)に対応して設けられたRAM203の第1保留球格納エリア203dに設けられた第1保留第1〜第4エリアのうち大当たり乱数カウンタC1が格納される第1保留エリアの停止パターン選択カウンタ格納エリア203d3に格納される。また、球が第2始動口64bに入賞(始動入賞)したタイミングで、第2始動口64b(第2特別図柄)に対応して設けられたRAM203の第2保留球格納エリア203eに設けられた第2保留第1〜第4エリアのうち大当たり乱数カウンタC1が格納される第2保留エリアの停止パターン選択カウンタ格納エリア203e3に格納される。
第1実施形態のパチンコ機10では、変動演出の当否と、現在の遊技状態と、現在保留中の変動演出の数(保留球数)とに応じて、停止パターン選択カウンタC3の値を参照する停止パターンテーブル202dが異なるように構成されている。即ち、停止パターンテーブル202dは、複数種類設けられ、待機中の変動演出の数(保留球数)等によって選択されるように構成されている。
また、第1実施形態では、変動演出の詳細な変動パターンを決定する場合に、まず、ROM202に備えられた保留数テーブル202cに基づいて、変動演出の当否と、現在の遊技状態と、現在の変動演出の数(保留球数)とに対応したいずれかの停止パターンテーブル202dが選択される。そして、選択された停止パターンテーブル202dと停止パターン選択カウンタC3の値とに基づいて変動演出の大まかな演出態様を選択する。その後、選択された演出態様と後述する変動種別カウンタCS1の値とに基づいて、変動演出の詳細な変動パターン(変動時間)が決定される。
この複数種類設けられた停止パターンテーブル202dは、各停止パターンテーブル202d毎に演出態様が選択される停止パターン選択カウンタC3の乱数値の範囲が異なるように設定されている。この停止パターンテーブル202dが複数用意されているのは、変動演出の当否、遊技状態及び保留球数に応じて変動演出の演出態様の選択比率を変更するためである。即ち、(1)取得した第3図柄の変動演出において大当たりが発生するか、(2)現在のパチンコ機10の遊技状態が「確率変動状態」、「時間短縮状態」又は「通常遊技状態」であるか、及び、(3)保留されている変動演出の保留球数がいくつあるか、に応じて、演出態様の選択比率を変更するためである。
これは、第1の理由として、各演出態様毎に大当たりとなる期待度を変化させるためである。即ち、大当たり抽選に当選した場合と大当たり抽選にハズレた場合とで、「非リーチ」演出態様、「ノーマルリーチ」演出態様、「スーパーリーチ」演出態様、及び、「スペシャルリーチ」演出態様の選択する割合を異ならせるように構成することで、各演出態様毎に大当たりとなる期待度を変化させる。具体的には、例えば、大当たり抽選に当選した場合に「スーパーリーチ」演出態様や「スペシャルリーチ」演出態様を選択し易く構成し、大当たり抽選に当選しなかった場合には、「非リーチ」演出態様や「ノーマルリーチ」演出態様を選択し易く構成する。このように構成することで、「スーパーリーチ」演出態様や「スペシャルリーチ」演出態様は、大当たりし易い演出とすることができ、「ノーマルリーチ」演出態様や「非リーチ」演出態様は、大当たりし難い演出若しくは大当たりしない演出とすることができ、各演出態様毎の大当たり期待度を差別化することができる。従って、変動演出に大当たりし易い演出が現出した場合に、その大当たりし易い演出が行われている間、大当たりが発生する可能性が高いことを遊技者に示唆し、遊技の興趣を高めている。
第1実施形態のパチンコ機10では、取得した抽選結果が大当たりである場合には、大当たりし易い演出を選択し易く、かつ、大当たりし難い演出を選択し難い停止パターンテーブル202dに基づいて変動演出の演出態様を選択するように構成する。一方、取得した抽選結果がハズレである場合には、大当たりし易い演出を選択し難く、かつ、大当たりし難い演出を選択し易い停止パターンテーブル202dするように構成する。これにより、変動演出において第3図柄の抽選結果を遊技者に報知する場合に、大当たりし易い演出が実行されている場合にはその変動演出で大当たりが発生し易く、大当たりし難い演出が実行されている場合にはその変動演出で大当たりが発生し難くし、演出態様ごとに大当たり期待値に差を設けることで、その変動演出の実行中に遊技の興趣を高めることができる。
また、第2の理由として、第1特別図柄の変動演出の待機回数が上限に達している状態における第1始動口64aへの入球、又は、第2特別図柄の変動演出の待機回数が上限に達している状態における第2始動口64bへの入球に基づく無駄球(所謂、オーバーフロー入賞による無抽選)を極力削減するためである。具体的に説明すると、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動演出の待機回数はそれぞれ最大4回と上限が設けられていると共に、変動演出は少なくとも一定時間が実行されることから、「確率変動状態」における第2始動口64bへ球が入球し易い遊技状態では、第2特別図柄の最大保留球数に到達し易い。これらの遊技状態において、長い変動時間の変動演出を選択すると、第2特別図柄の最大保留球数に到達した状態での第2始動口64bへの入球が頻発し、折角、第2始動口64bへ入球したにもかかわらず、第2特別図柄の抽選契機を取得できない。また、「通常遊技状態」においても、第1特別図柄の最大保留球数に到達している状態で、長い変動時間の変動演出を選択すると、その変動演出の実行中は第1特別図柄の保留球数が消化されないため、その間に第1始動口64aへの入球が発生しても、第1特別図柄の抽選契機を取得できない。このような状態になると、遊技者は、第1始動口64aへ球を入球させても遊技価値が得られないと判断し、変動演出が消化されて再び保留球数を取得できる状態になるまで球の発射を停止して遊技を中断してしまう。遊技が中断されると、パチンコ機10の稼働率が低下してしまい、遊技場(ホール)の経営に影響を与えてしまう。
そこで、第1実施形態のパチンコ機10では、第3図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の最大保留球数へ到達し易い遊技状態や、最大保留球数に近い(又は一致する)保留球数では、比較的短い変動時間が選択され易い停止パターンテーブル202dに基づいて変動演出の演出態様を選択するように構成されている。これにより、第3図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の最大保留球数に到達している状態での第1始動口64a又は第2始動口64bへの入球を防止することができる。
さらに、第3の理由として、実行時間を長く設定して、変動演出の終了を遅らせることで、変動演出が実行されている状態を長く維持するためである。具体的に説明すると、変動演出の保留球数が少ない(無い)場合に、実行中の変動演出の変動時間内に新たに第1始動口64a又は第2始動口64bのいずれかに球を入球させないと、次の変動演出を開始することができず、第3図柄表示装置81でデモ画面等を表示しなければいけない。遊技者は、球を発射して遊技を行っているにもかかわらず第3図柄表示装置81において変動演出が行われない場合、遊技者が求めている大当たりの抽選に係る興趣を得ることができず、遊技に興醒めしてしまう。また、遊技者は、第3図柄表示装置81において変動演出が行われていないことで、第1始動口64a又は第2始動口64bへ球が入球し難いパチンコ機10であると認識し、遊技価値を得難い台と判断して、そのパチンコ機10での遊技を止めてしまうおそれがある。
そこで、第1実施形態のパチンコ機10では、変動演出の保留球数が少ない場合に、比較的長い変動時間が選択され易い停止パターンテーブル202dに基づいて変動演出の演出態様を選択するように構成されている。これにより、第3図柄表示装置81において変動演出が行われていない状況を起こり難く構成し、第3図柄表示装置81における変動演出の実行状態を長く維持することができる。
ここで、図12を参照して、保留数テーブル202cの詳細について説明する。図12は、保留数テーブル202cを模式的に示した図である。上述したように、第1実施形態のパチンコ機10では、第1始動口64a又は第2始動口64bに球が入球したことに基づいて変動演出を行う場合に、該変動演出の当否と、その時点における遊技状態と、同じくその時点における特図1及び特図2の変動演出の合計保留数とに基づいて保留数テーブル202cを参照し、いずれかの停止パターンテーブル202d1〜202d3を選択するように構成されている。そして、選択された停止パターンテーブル202d1〜202d3のいずれかと停止パターン選択カウンタC3の値とに基づいて変動演出の大まかな演出態様が決定される。
具体的には、図12の保留数テーブル202cで示すように、左打ち遊技が行われる「通常遊技状態」のハズレ抽出時であって合計保留球数が「1個〜3個」の場合、又は、右打ち遊技が行われる「確率変動状態」若しくは「時間短縮状態」のハズレ抽出時であって合計保留球数が「1個」の場合には、停止パターンテーブル202dのAテーブル202d1(図13(a)参照)が選択される。
また、左打ち遊技が行われる「通常遊技状態」のハズレ抽出時であって保留球数が「4個〜8個」の場合、又は、右打ち遊技が行われる「確率変動状態」若しくは「時間短縮状態」のハズレ抽出時であって保留球数が「2個〜8個」の場合には、停止パターンテーブル202dのBテーブル202d2(図13(b)参照)が選択される。
さらに、大当たりの当選時には、いずれの遊技状態(即ち、「通常遊技状態」、「確率変動状態」若しくは「時間短縮状態」)、及び、いずれの保留球数(即ち、1個〜8個)であっても、停止パターンテーブル202dのCテーブル202d3(図13(c)参照)が選択される。
即ち、いずれかの大当たりに当選した場合は、その時点での保留球数や遊技状態に関係なく、大当たりの種別のみに基づいて停止パターンテーブル202d(Cテーブル202d3)が選択され、大当たりに当選しなかった場合(即ち、ハズレ時)にのみ、その時点での保留球数や遊技状態に基づいて停止パターンテーブル202d(Aテーブル202d1又はBテーブル202d2)が選択される。
なお、大当たりに当選した場合においても、保留球数に応じて停止パターンテーブル202dが異なるように構成してもよい。例えば、大当たりに当選した場合に保留球数が多いとき、比較的短い変動パターンが選ばれ易い停止パターンテーブル202d(例えば、「高速変動」の変動要素が5秒間の「スーパーリーチ」演出態様や「スペシャルリーチ」演出態様等)を選択し得るように構成してもよい。
この場合、「リーチ表示」が実行される各演出態様において、「高速変動」の変動要素の部分の時間のみが10秒間から5秒間のみに変更された演出態様を選択するように構成する。このように構成することで、例えば、第1特別図柄の最大保留球数が4回ある状態で変動演出を開始する場合に、「高速変動」の変動要素が5秒間で行われたとしても、該5秒間の「高速変動」の変動要素が終了した時点(5秒間の「高速変動」の変動要素と認識した時点)では、その変動演出において「リーチ表示」が発生することがある。そのため、5秒間の「高速変動」の変動要素が行われた場合であっても、「非リーチ(ショート)」演出態様以外の「リーチ表示」が実行される演出態様が実行されるように構成することで、5秒間の「高速変動」の変動要素の実行時点では該変動演出が大当たりとなるかハズレとなるか分からなくできる。
ここで、図13を参照して、各停止パターンテーブル202dについて説明する。図13(a)は、停止パターンテーブル202dのAテーブル202d1の一例を模式的に示した図であり、図13(b)は、停止パターンテーブル202dのBテーブル202d2の一例を模式的に示した図であり、図13(c)は、停止パターンテーブル202dのCテーブル202d3の一例を模式的に示した図である。
図13(a)で示すように、停止パターンテーブル202dのAテーブル202d1では、「非リーチ(ロング)」演出態様別に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「0」〜「74」に設定され、「ノーマルリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「75」〜「94」に設定され、「スーパーリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「95」〜「97」に設定され、「スペシャルリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「98」,「99」に設定されている。なお、Aテーブル202d1では、「非リーチ(ショート)」演出態様に対して停止パターン選択カウンタC3の値が割り振られておらず、該「非リーチ(ショート)」演出態様は選択されないように設定されている。
次に、図13(b)で示すように、停止パターンテーブル202dのBテーブル202d2では、「非リーチ(ショート)」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「0」〜「74」に設定され、「ノーマルリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「75」〜「94」に設定され、「スーパーリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「95」〜「97」に設定され、「スペシャルリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「98,99」に設定されている。なお、Bテーブル202d2では、「非リーチ(ロング)」演出態様に対して停止パターン選択カウンタC3の値が割り振られておらず、該「非リーチ(ロング)」演出態様は選択されないように設定されている。
即ち、Aテーブル202d1では、「非リーチ(ロング)」演出態様が75%、「ノーマルリーチ」演出態様が20%、「スーパーリーチ」演出態様が3%、「スペシャルリーチ」演出態様が2%、の選択割合となるように設定されている。また、Bテーブル202d2では、「非リーチ(ショート)」演出態様が75%、「ノーマルリーチ」演出態様が20%、「スーパーリーチ」演出態様が3%、「スペシャルリーチ」演出態様が2%、の選択割合となるように設定されている。
よって、Aテーブル202d1では、「非リーチ(ロング)」演出態様が選択され、Bテーブル202d2では、「非リーチ(ロング)」演出態様の代わりに「非リーチ(ショート)」演出態様が選択されるように構成されている。
従って、Aテーブル202d1は、Bテーブル202d2と比べて選択される変動演出の変動時間が比較的長くなり易いと言える。換言すれば、Bテーブル202d2は、Aテーブル202d1と比べて選択される変動演出の変動時間が短くなり易いといえる。
なお、Aテーブル202d1及びBテーブル202d2との「ノーマルリーチ」演出態様、「スーパーリーチ」演出態様及び「スペシャルリーチ」演出態様の選択割合は同等に設定されている。
このように、ハズレの抽選結果が抽出された場合に、保留中の変動演出の保留球数に基づいて、変動演出の演出態様を選択するように構成する。例えば、変動演出の保留球数が多い場合には、変動演出時間が短い「非リーチ(ショート)」演出態様を選択する。これにより、変動演出の保留球数が多い場合に、実行される変動演出の実行時間を短くし、変動演出の実行回数を多くすることで、変動演出の実行効率を高めることができる。
また、例えば、変動演出の保留球数が少ない場合には、第1始動口64a又は第2始動口64bへの球の入球時間を確保するために、「非リーチ(ショート)」演出態様より変動演出時間が長い「非リーチ(ロング)」演出態様を選択する。これにより、「非リーチ(ショート)」演出態様が選択される場合より変動演出時間の長い「非リーチ(ロング)」演出態様を行うことができるので、第1始動口64a又は第2始動口64bへの球の入球時間を確保し易くなり、第3図柄表示装置81における変動演出の実行時間中に新たな始動入賞が発生する可能性を高くすることで、変動演出が実行されている状況を維持することができる。
なお、第1実施形態では、ハズレの変動演出における演出態様に選択において、変動演出の保留球数に基づいて選択される停止パターンテーブル202dが異なるように構成されているが、第1始動口64a又は第2始動口64bへの球の入球時に基づく変動演出の決定と、該入球に基づく変動演出の開始時に基づく変動演出の決定とで、実質的に同一の演出態様が選択されるように構成されている。
具体的には、ハズレの変動演出である場合は、変動演出の保留球数に基づいて、Aテーブル202d1又はBテーブル202d2のいずれか一方が選択されるように構成されているが、Aテーブル202d1とBテーブル202d2とでは、「非リーチ(ロング)」演出態様又は「非リーチ(ショート)」演出態様に割り振られた停止パターン選択カウンタC3の値が同一であり、また、他の演出態様に割り振られた停止パターン選択カウンタC3の値もそれぞれ同一に設定されている。
即ち、変動演出の保留球数に基づいて、「非リーチ(ロング)」演出態様が選択されるか、「非リーチ(ショート)」演出態様が選択されるかが異なるのみであるので、実質的同一の演出態様が選択される。よって、始動入賞時に選択される演出態様と、変動開始時に選択される演出態様とは、遊技状態が遷移(例えば、保留球数が増加)した場合であっても、実質的に同一の演出態様が選択される。その結果、始動入賞時に選択された演出態様に基づいて先読み予告を行った場合であっても、該先読み予告の対象となった変動演出において、該先読み予告の内容に対して齟齬が発生しない演出を実行することができる。
次に、図13(c)で示すように、停止パターンテーブル202dのCテーブル202d3では、「ノーマルリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「0」〜「4」に設定され、「スーパーリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「5」〜「39」に設定され、「スペシャルリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「40」〜「99」に設定されている。なお、Cテーブル202d3では、大当たり時に選択される停止パターンテーブル202dであり、必ず「リーチ表示」が発生するので、各「非リーチ」演出態様は選択されない。
即ち、Cテーブル202d3では、「ノーマルリーチ」演出態様が5%、「スーパーリーチ」演出態様が35%、「スペシャルリーチ」演出態様が60%、の選択割合となるように設定されている。
よって、大当たり当選時の変動演出において、「スペシャルリーチ」演出態様>「スーパーリーチ」演出態様>「ノーマルリーチ」演出態様の順で選択割合が高く、ハズレ時の変動演出において、「ノーマルリーチ」演出態様>「スーパーリーチ」演出態様>「スペシャルリーチ」演出態様の順で選択割合が高くなるように設定されている。従って、各「リーチ表示」の現出時における大当たり期待度は、「スペシャルリーチ」演出態様>「スーパーリーチ」演出態様>「ノーマルリーチ」演出態様の順に大当たりの表示結果が現出する可能性が高くなるように構成される。これにより、変動演出の演出態様の種類によって遊技者に大当たりへの期待度を示すことができ、遊技者が実行された変動演出の演出態様に応じて大当たりへの高揚感を味わうことができる。
以上より、変動演出の当否と、その時点における遊技状態と、その時点における変動演出の保留球数とに基づいて、実行する変動演出の演出態様を決定することにより、遊技が行われている状況に基づいて変動演出の実行時間を短くし、変動演出の実行回数を多くすることで、変動演出の実行効率を高める演出態様を選択することができる。
なお、変動演出の保留球数が多い場合(例えば、「4」個)に、「リーチ表示」が選択されたとき、各「リーチ表示」の「高速変動」の演出要素が短縮された停止パターンテーブル202dを設けてもよい。また、変動演出の保留球数が多い場合に、各演出態様において「低速変動」の演出要素を省略した停止パターンテーブル202dを設けてもよい。さらに、変動演出の保留球数に応じて、各演出態様の選択率が全く異なる停止パターンテーブル202dを設けてもよい。ただし、変動演出の保留球数に応じて各演出態様の選択率が異なるような場合は、先読み予告を行う上で、先読み予告実行決定時における保留球数と、該先読み予告の対象となった変動演出の実行時における保留球数とが異なる場合がある。このような場合、先読み予告の内容と変動演出の内容との整合性を保つ処理が必要となるため、処理が煩雑となる。
図9に戻って、説明を続ける。変動種別カウンタCS1は、例えば「0〜9」の範囲内で順に「1」ずつ加算され、最大値(つまり「9」)に達した後「0」に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1の値は、後述するタイマ割込処理(図20参照)が1回実行される毎に1回更新され、メイン処理(図25参照)内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、球が第1始動口64aに入賞(始動入賞)したタイミングで、第1始動口64a(第1特別図柄)に対応して設けられたRAM203の第1保留球格納エリア203dに設けられた第1保留第1〜第4エリアのうち大当たり乱数カウンタC1が格納される第1保留エリアの変動種別カウンタ格納エリア203d4に格納される。また、球が第2始動口64bに入賞(始動入賞)したタイミングで、第2始動口64b(第2特別図柄)に対応して設けられたRAM203の第2保留球格納エリア203eに設けられた第2保留第1〜第4エリアのうち大当たり乱数カウンタC1が格納される第2保留エリアの変動種別カウンタ格納エリア203e4に格納される。
この変動種別カウンタCS1は、変動演出の詳細な変動パターンの決定に用いられる。即ち、主制御装置110のMPU201は、停止パターンテーブル202d及び停止パターン選択カウンタC3によって選択された演出態様において、変動種別カウンタCS1の値と、ROM202に格納された変動パターンテーブル202eとによって、詳細な変動パターンを決定する。変動パターンの決定は、具体的には、変動演出の変動時間の決定である。音声ランプ制御装置113および表示制御装置114は、変動種別カウンタCS1により決定された変動パターン(変動時間)に基づいて、第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様を決定し、また予告演出実行の有無や予告演出の実行態様を決定する。
このように、主制御装置110のMPU201は、変動演出の大まかな変動パターンを選択して変動時間のみを決定する。このように構成することで、主制御装置110のMPU201において、変動演出を実行するために必要な詳細な予告抽選等の制御を行う必要がなくなるので、変動演出に関するMPU201の処理を軽減することができる。また、主制御装置110において変動演出の全変動パターンのコマンドを用意する必要がなくなり、主制御装置110のROM容量を削減することができる。
また、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114において、主制御装置110で決定された変動時間(大まかな変動パターン)に基づいて、変動演出における詳細な変動パターンを決定することで、変動演出を選択する自由度を高めるができる。さらに、遊技状態が刻々と変化するパチンコ機10において、該変化に対応して随時、変動演出の演出内容の選択又は変更することが可能となり、遊技状態に応じて適切な演出を実行することができる。
ここで、図14及び図15を参照して、変動パターンテーブル202eの詳細について説明する。本パチンコ機10は、変動パターンテーブル202eとして、第1特別図柄および第2特別図柄のハズレ時であってすべての遊技状態で共通的に用いられるハズレ用変動パターンテーブル202e1と、第1特別図柄および第2特別図柄の大当たり時であってすべての遊技状態で共通的に用いられる大当たり用変動パターンテーブル202e2とが用意されている。
図14は、ROM202に記憶される第1特別図柄および第2特別図柄における抽選で共通的に使用されるハズレ用変動パターンテーブル202e1の一例を模式的に示した図である。図14に示すように、ハズレ用変動パターンテーブル202e1は、選択された演出態様に基づいてグループ分けされている。
具体的には、ハズレ時の演出態様として、「非リーチ(ロング)」演出態様が決定された場合に参照される「E0:非リーチ(ロング)」用と、「非リーチ(ショート)」演出態様が決定された場合に参照される「E1:非リーチ(ショート)」用と、「ノーマルリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E2:ノーマルリーチ」用と、「スーパーリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E3:スーパーリーチ」用と、「スペシャルリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E4:スペシャルリーチ」用とに区分けされている。また、大当たり時の演出態様として、「ノーマルリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E5:ノーマルリーチ」用と、「スーパーリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E6:スーパーリーチ」用と、「スペシャルリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E7:スペシャルリーチ」用とに区分けされている。そして、その区分けされたグループに対してそれぞれ変動種別カウンタCS1の値が対応付けされている。
第1実施形態では、第1特別図柄に対応する第1保留球格納エリア203d、又は、第2特別図柄に対応する第2保留球格納エリア203eのある保留エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値(大当たり乱数値)ではない場合、即ち、ハズレとなる値であった場合に、保留数テーブル202cを参照して、その時点での遊技状態と、その時点での保留球数と、に基づいて停止パターンテーブル202dを選択し、同じ保留エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値と上記停止パターンテーブル202dとに基づいて演出態様を選択する。そして、選択された演出態様に基づいてハズレ用変動パターンテーブル202e1の中で参照するグループ(群)を決定する。そのハズレ用変動パターンテーブル202e1のグループ(群)において、同保留エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターン(変動時間)が、その保留エリアに保留された変動演出における変動パターンとして決定される。
ここで、変動パターンを構成する各変動要素について説明する。変動要素とは、1の変動演出の一部分を構成するものであり、各変動要素を組み合わせて1の変動演出が構成される。第1実施形態のパチンコ機10では、変動要素として、「高速変動」の変動要素、「低速変動」の変動要素、「疑似変動」の変動要素、「ノーマルリーチ」の変動要素、「スーパーリーチ」の変動要素、「スペシャルリーチ」の変動要素および「再変動」の変動要素が設けられている。
「高速変動」の変動要素とは、遊技者によって第3図柄の内容を明確に認識できないように高速にスクロール変動する変動要素である。この「高速変動」の変動要素は、「非リーチ(ショート)」演出態様が選択された場合は、変動演出の冒頭に「5秒」行われ、「非リーチ(ショート)」以外の変動要素(例えば、「非リーチ(ロング)」)の演出態様が選択された場合は、変動演出の冒頭に「10秒」行われる。なお、この「高速変動」の変動要素が終了した場合、後述する「低速変動」の変動要素が開始(実行)されるか、或いは、そのまま変動演出が終了するように構成されている。
「低速変動」の変動要素とは、「10秒」の「高速変動」の変動要素の実行後に開始され、第3図柄を視認可能にスクロール変動して「リーチ表示」を発生するか否かを見せる変動要素である。この「低速変動」の変動要素は、「非リーチ(ショート)」演出態様が選択された場合は実行されず、「非リーチ(ショート)」演出態様以外の演出態様(例えば、「非リーチ(ロング)」演出態様)が選択された場合は、「高速変動」の変動要素の後に「5秒」行われる。即ち、「非リーチ(ショート)」演出態様では、「高速変動」の変動要素が行われた後、主表示領域Dmの各図柄列Z1〜Z3が「低速変動」の変動要素を経由せずに急速に停止(所謂、ビタ止まり)するように構成されている。なお、この「低速変動」の変動要素が終了した場合は、後述する「疑似変動」の変動要素が開始(実行)されるか、後述する「ノーマルリーチ」の変動要素が開始(実行)されるか、或いは、そのまま変動演出が終了するように構成されている。
従って、第1実施形態のパチンコ機10では、「非リーチ(ロング)」演出態様は、「10秒」の「高速変動」の変動要素と「5秒」の「低速変動」の変動要素とを含む変動パターンで変動演出が構成される。また、「非リーチ(ショート)」演出態様は、「5秒」の「高速変動」の変動要素のみの変動パターンで変動演出が構成される。
「疑似変動」の変動要素とは、1回の変動演出の中で変動演出の開始が複数回(疑似停止が1回)発生する変動要素である。具体的には、第3図柄表示装置81の各図柄列Z1〜Z3にて「高速変動」の変動要素が開始されて「低速変動」の変動要素に切り替わり、その後に全図柄列Z1〜Z3における変動演出が終了されて所定の停止結果(例えば、疑似連チャンス目「677」)が表示されるという単位の演出が行われる変動要素である。この「疑似変動」の変動要素は、「低速変動」の変動要素後に、上記所定の停止結果が停止することで、その停止結果から再び「高速変動」の変動要素が始まって、あたかももう1回変動演出が開始されたかのような演出が実行される。
この「疑似変動」の変動要素は、「低速変動」の変動要素の実行後に所定の停止結果(所謂、疑似連チャンス目)が現出し、再び2回目の「高速変動」の変動要素が実行され、その後、「ノーマルリーチ」の変動要素に発展する変動要素である。即ち、「疑似変動」の変動要素は、疑似連チャンス目が表示される疑似的な変動停止(以下、「疑似停止」という)が1回行われ、その後、その疑似停止において所定の停止結果が現出して、再度、「高速変動」の変動要素を開始する変動要素である。第1実施形態のパチンコ機10では、この「疑似変動」の変動要素の終了後は、少なくとも「ノーマルリーチ」の変動要素に必ず発展するように構成されている。この「疑似変動」の変動要素は、「低速変動」の変動要素後に「10秒」行われる。
なお、第1実施形態では、「疑似変動」の変動要素において、疑似停止の回数を1回としたが、疑似停止の回数を2回以上行われる「疑似変動」の変動要素を実行するように構成してもよい。また、「疑似変動」の変動要素の発生前に、疑似連チャンス目が停止するか否かの演出を行う変動要素(所謂、「疑似ガセ」の変動要素)を行うように構成してもよい。この「疑似ガセ」の変動要素では、「低速変動」の変動要素の実行後に所定の停止結果が現出するか否かの演出(例えば、上記所定の停止結果を形成する図柄が有効ラインL1(図6(a)参照)上を往復変動して停止するか否かの演出)を行い、その演出にて上記所定の停止結果が現出せず、「疑似変動」の変動要素まで発展しないように構成してもよい。この「疑似ガセ」の変動要素を設けることで、該「疑似ガセ」の変動要素の終了後、「ノーマルリーチ」の変動要素に発展するか、或いは、「ハズレ表示」が現出(例えば、「687」)してそのまま変動演出が終了するかの遊技性を付与することができる。
「ノーマルリーチ」の変動要素は、「低速変動」の変動要素又は「疑似変動」の変動要素(以下、「「低速変動」の変動要素又は「疑似変動」の変動要素」を総称して、「低速変動等」の変動要素という場合がある)において左図柄列Z1及び右図柄列Z3にリーチ形成図柄が停止表示した場合に、中図柄列Z2の変動結果によって大当たりが発生するか否かを見せる変動要素である。この「ノーマルリーチ」の変動要素は、「低速変動等」の変動要素後に「5秒」行われる。
第1実施形態のパチンコ機10では、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行後は、直接「ハズレ表示」を現出するパターンと、直接「大当たり表示」を現出するパターンと、「スーパーリーチ」の変動要素に発展するパターンと、「スペシャルリーチ」の変動要素に発展するパターンと、一旦、仮の「ハズレ表示」を現出させた後に「再変動」の変動要素を実行するパターンと、が用意されている。
「スーパーリーチ」の変動要素は、「ノーマルリーチ」の変動要素において「ハズレ表示」が停止せずに中図柄列Z2の変動が継続された場合に発展して実行され、主表示領域Dmにおいて「バトル演出」を行って大当たりが発生するか否かを見せる変動要素である。この「スーパーリーチ」の変動要素は、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行後に「10秒」行われる。
第1実施形態のパチンコ機10では、「スーパーリーチ」の変動要素の実行後は、直接「ハズレ表示」を現出するパターンと、直接「大当たり表示」を現出するパターンと、一旦、仮の「ハズレ表示」を現出させた後に「再変動」の変動要素を実行するパターンと、が用意されている。
「スペシャルリーチ」の変動要素は、「ノーマルリーチ」の変動要素において「ハズレ表示」が停止せずに中図柄列Z2の変動が継続された場合に発展して実行され、主表示領域Dmにおいて「競争演出」を行って大当たりが発生するか否かを見せる変動要素である。この「スペシャルリーチ」の変動要素は、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行後に「20秒」行われる。
第1実施形態のパチンコ機10では、「スペシャルリーチ」の変動要素の実行後は、直接「ハズレ表示」を現出するパターンと、直接「大当たり表示」を現出するパターンと、一旦、仮の「ハズレ表示」を現出させた後に「再変動」するパターンと、が用意されている。
なお、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行後に「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素に発展するように構成されているが、この構成に代えて、「低速変動」後にリーチ形成図柄が停止した場合に、「ノーマルリーチ」の変動要素を経由せず、いきなり「スーパーリーチ」の変動要素や「スペシャルリーチ」の変動要素に発展するように構成してもよい。また、「スーパーリーチ」の変動要素の実行後に「スペシャルリーチ」の変動要素が行われるように構成してもよい。
「再変動」の変動要素は、いずれかの「リーチ表示」において一旦「ハズレ表示」が現出した後に発展して実行され、「大当たり表示」を現出する変動要素である。この「再変動」の変動要素は、いずれかの「リーチ表示」後に「5秒」行われる。
第1実施形態のパチンコ機10では、「再変動」の変動要素の実行後は、「大当たり表示」が現出するパターンが用意されている。
また、この「再変動」の変動要素は、大当たりに当選した場合にのみ発生するように構成されている。即ち、「ハズレ表示」の場合には、「再変動」の変動要素は実行されないように構成されている。これは、「再変動」の変動要素は、仮に停止表示された「ハズレ表示」をいずれかの「大当たり表示」に変更する変動要素であるため、大当たりに当選していない「ハズレ表示」の場合に行ってしまうと、演出上の齟齬が発生してしまう。よって、この「再変動」の変動要素は、大当たり用の変動パターンテーブル202eでのみ選定され、ハズレ用の変動パターンテーブル202eでは選定されないように構成されている。
図14で示すように、ハズレ時に参照されるハズレ用変動パターンテーブル202e1において、「E0:非リーチ(ロング)」には、全体の変動時間が「15秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』の1つの変動パターン(変動時間。以下、「変動パターン」を「変動時間」と置き換えることは当然に可能である。)が用意されている。なお、以下、図14および図15の変動パターンに関する各変動要素の説明において、説明の便宜上、「の変動要素」という言葉を省略して説明する。
図14で示す例では、「E0:非リーチ(ロング)」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」+「低速変動」』に対して「0〜9」となっており、『「高速変動(長)」+「低速変動」』のみを選択可能に設定されている。
即ち、ハズレ抽選時にいずれの遊技状態でも変動演出の実行時に参照されるハズレ用変動パターンテーブル202e1において「非リーチ(ロング)」演出態様が選択された場合、変動種別カウンタCS1がとり得るすべての値(「0〜9」)に対して『「高速変動(長)」+「低速変動」』が対応付けられている。つまり、変動演出における「非リーチ(ロング)」演出態様の場合は、変動パターンとして必ず『「高速変動(長)」+「低速変動」』が選択される。
なお、図14で示すように、第1実施形態のパチンコ機10において、「低速変動」は、「疑似変動」の前半部分であって、チャンス目発展図柄が現出して、さらにチャンス目図柄が現出するか否かを示す「疑似連」の演出の変動時間と同一に構成されており、音声ランプ制御装置113側で「低速変動」を「疑似変動」に置き換えることが可能に構成されている。
具体的には、例えば、主制御装置110において、『「高速変動(長)」+「低速変動」』が選択され、その旨が音声ランプ制御装置113に伝達された場合に、音声ランプ制御装置113は、第3図柄表示装置81の変動演出において、伝達された通りに『「高速変動(長)」+「低速変動」』か、『「高速変動(長)」+「疑似変動」』を選択して実行することが可能に構成されている。このように構成することで、主制御装置110が選択する変動時間の種類以上の演出を実行することが可能となり、演出のバリエーションを豊富にしつつ、主制御装置110で記憶する変動時間数を少なくし、ROM202の記憶容量の削減を実現できる。
次いで、ハズレ用変動パターンテーブル202e1において、「E1:非リーチ(ショート)」には、全体の変動時間が「5秒」の『「高速変動(短)」のみ』の1つの変動パターンが用意されている。
図14で示す例では、「E1:非リーチ(ショート)」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(短)」のみ』に対して「0〜9」となっており、『「高速変動(短)」のみ』だけを選択可能に設定されている。
即ち、ハズレ抽選時にいずれの遊技状態でも変動演出の実行時に参照されるハズレ用変動パターンテーブル202e1において「非リーチ(ショート)」演出態様が選択された場合、変動種別カウンタCS1がとり得るすべての値(「0〜9」)に対して『「高速変動(短)」のみ』が対応付けられている。つまり、変動演出における「非リーチ(ショート)」演出態様の場合は、変動パターンとして必ず『「高速変動(短)」のみ』が選択される。
次いで、ハズレ用変動パターンテーブル202e1において、「E2:ノーマルリーチ」には、全体の変動時間が「20秒」の『「高速変動(長)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」』と、全体の変動時間が「30秒」の『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」』との2つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
図14の示す例では、「E2:ノーマルリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」』に対して「0〜6」、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」』に対して「7〜9」、となっている。
即ち、ハズレ時の「ノーマルリーチ」演出態様では、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」』の変動パターンが70%、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」』の変動パターンが30%、の割合で選択されるように設定されている。従って、ハズレ時に選択される「ノーマルリーチ」の演出要素を含む変動演出では、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」』の変動パターンが選択され易く(70%)なっている。
次いで、ハズレ用変動パターンテーブル202e1において、「E3:スーパーリーチ」には、全体の変動時間が「30秒」の『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」』と、全体の変動時間が「40秒」の『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」』との2つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
図14の示す例では、「E4:スーパーリーチ」演出態様における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」』に対して「0〜7」、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」』に対して「8,9」、となっている。
即ち、ハズレ時の「スーパーリーチ」演出態様では、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」』の変動パターンが80%、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」』の変動パターンが20%、の割合で選択されるように設定されている。従って、ハズレ時に選択される「スーパーリーチ」演出態様では、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」』の変動パターンが選択され易くなっている。
次いで、ハズレ用変動パターンテーブル202e1において、「E4:スペシャルリーチ」には、全体の変動時間が「40秒」の『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スペシャルリーチ」』と、全体の変動時間が「50秒」の『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「スペシャルリーチ」』との2つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
図14の示す例では、「E4:スペシャルリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スペシャルリーチ」』に対して「0〜8」、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「スペシャルリーチ」』に対して「9」、となっている。
即ち、ハズレ時の「スペシャルリーチ」演出態様では、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スペシャルリーチ」』の変動パターンが90%、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「疑似変動」+「スペシャルリーチ」』の変動パターンが10%、の割合で選択されるように設定されている。従って、ハズレ時に選択される「スペシャルリーチ」演出態様では、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スペシャルリーチ」』の変動パターンが選択され易くなっている。
なお、ハズレ時の変動パターンは、変動種別カウンタCS1のみを使用して選択するものとしたが、複数の変動種別カウンタを併用して選択(予告表示の有無等を選択)しても良い。
次に、図15を参照して、大当たり用変動パターンテーブル202e2について説明する。図15は、ROM202に記憶される大当たり用変動パターンテーブル202e2の一例を模式的に示した図である。大当たり用変動パターンテーブル202e2は、選択された演出態様に基づいてグループ(群)に区分けされている。
具体的には、演出態様として、「ノーマルリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E5:ノーマルリーチ」用と、「スーパーリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E6:スーパーリーチ」用と、「スペシャルリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E7:スペシャルリーチ」用とに区分けされている。そして、その区分けされたグループに対してそれぞれ変動種別カウンタCS1の値が対応付けされている。
大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値(大当たり乱数値)であった場合に、同じ保留エリアに格納された大当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別と、その始動入賞時点での遊技状態と、に基づいて停止パターンテーブル202dを選択し、同じ保留エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値と上記停止パターンテーブル202dとに基づいて演出態様を選択する。そして、その演出態様に基づいて大当たり用変動パターンテーブル202e2の中で参照するグループ(群)を決定する。その大当たり用変動パターンテーブル202e2のグループ(群)において、同保留エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンが、その保留エリアに保留された変動演出における変動パターンとして決定される。
大当たり用変動パターンテーブル202e2において、「E5:ノーマルリーチ」には、全体の変動時間が「20秒」の『「高速変動(長)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」』と、全体の変動時間が「25秒」の『「高速変動(長)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」+「再変動」』と、全体の変動時間が「30秒」の『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」』と、全体の変動時間が「35秒」の『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」+「再変動」』との4つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
図15で示す例では、「E5:ノーマルリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」』に対して「0」、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」+「再変動」』に対して「1,2」、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」』に対して「3〜5」、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」+「再変動」』に対して「6〜9」、となっている。
即ち、大当たり時の「ノーマルリーチ」演出態様では、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」』の変動パターンが10%、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」+「再変動」』の変動パターンが20%、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」』の変動パターンが30%、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」+「再変動」』の変動パターンが40%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、大当たり時に選択される「ノーマルリーチ」演出態様では、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」+「再変動」』の変動パターンが選択され易く(全体の40%)なっている。ただし、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」』や、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」+「再変動」』、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」』も選択されるように構成することで、どの変動パターンからでも大当たりを期待できる遊技性を提供できる。
大当たり用変動パターンテーブル202e2において、「E6:スーパーリーチ」には、全体の変動時間が「30秒」の『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」』と、全体の変動時間が「35秒」の『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」+「再変動」』と、全体の変動時間が「40秒」の『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」』と、全体の変動時間が「45秒」の『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」+「再変動」』との4つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
図15で示す例では、「E6:スーパーリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」』に対して「0,1」、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」+「再変動」』に対して「2〜4」、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」』に対して「5,6」、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」+「再変動」』に対して「7〜9」、となっている。
即ち、大当たり時の「スーパーリーチ」演出態様では、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」』の変動パターンが20%、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」+「再変動」』の変動パターンが30%、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」』の変動パターンが20%、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」+「再変動」』の変動パターンが30%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、大当たり時に選択される「スーパーリーチ」演出態様では、「再変動」の演出要素を含む変動パターン(即ち、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」+「再変動」』や、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」+「再変動」』)が選択され易く(全体の60%)なっている。ただし、「再変動」の演出要素を含まない変動パターン(即ち、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」』や『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」』)も選択されるように構成することで、どの変動パターンからでも大当たりを期待できる遊技性を提供できる。
大当たり用変動パターンテーブル202e2において、「E7:スペシャルリーチ」には、全体の変動時間が「40秒」の『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スペシャルリーチ」』と、全体の変動時間が「45秒」の『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スペシャルリーチ」+「再変動」』と、全体の変動時間が「50秒」の『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「スペシャルリーチ」』と、全体の変動時間が「55秒」の『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「スペシャルリーチ」+「再変動」』との4つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
図15で示す例では、「E7:スペシャルリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スペシャルリーチ」』に対して「0〜2」、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スペシャルリーチ」+「再変動」』に対して「3,4」、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「スペシャルリーチ」』に対して「5〜7」、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「スペシャルリーチ」+「再変動」』に対して「8,9」、となっている。
即ち、大当たり時の「スペシャルリーチ」演出態様では、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スペシャルリーチ」』の変動パターンが30%、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スペシャルリーチ」+「再変動」』の変動パターンが20%、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「スペシャルリーチ」』の変動パターンが30%、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「スペシャルリーチ」+「再変動」』の変動パターンが20%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、大当たり時に選択される「スーパーリーチ」演出態様では、「再変動」の演出要素を含まない変動パターン(即ち、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」』や、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」』)が選択され易く(全体の60%)なっている。ただし、「再変動」の演出要素を含む変動パターン(即ち、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」+「再変動」』や『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」+「再変動」』)も選択されるように構成することで、どの変動パターンからでも大当たりを期待できる遊技性を提供できる。
このように、大当たりに当選している場合には、比較的長い変動パターンが選択され易いように構成することで、大当たりが発生する変動演出の演出内容を充実させることで遊技の興趣を向上することができる。また、大当たりに当選していない場合、即ち、ハズレの場合には、比較的短い変動パターンが選択され易いように構成することで、ハズレ時の変動演出の演出内容を短くして、変動演出を効率よく消化することができる。
なお、大当たり時の変動パターンは、変動種別カウンタCS1のみを使用して決定するものとしたが、他の複数の変動種別カウンタを使用して決定するように構成しても良い。例えば、大当たりや「リーチ表示」の開始を予告する予告演出を変動開始前や変動演出中に付加するか否かが、他の変動種別カウンタにより決定されても良いし、リーチが成立した場合に、最後に停止する第3図柄を何図柄ずらして停止させる(例えば、1図柄ずれた前後ハズレ等)かを他の変動種別カウンタにより決定されてもよい。
また、大当たり用変動パターンテーブル202e2において、ハズレ用変動パターンテーブル202e1で選択され得る変動パターンと共通の変動パターンが選択され得るように構成したが、大当たり用変動パターンテーブル202e2でのみ選択される固有の変動パターンを設けるように構成してもよい。また、大当たり種別とは無関係に変動パターンが選択され得るように構成したが、所定の大当たり種別(例えば、「確率変動状態」を発生させ得る大当たり種別)でのみ選択される固有の変動パターンを設けるように構成してもよい。
さらに、主制御装置110で選択される演出態様の中で、疑似停止回数(チャンス目図柄停止回数)が2回以上行われる「疑似変動」の変動要素が実行される演出態様を設けてもよい。また、「疑似変動」の変動要素を実行せず、「低速変動」の変動要素においてチャンス目図柄を現出させて、「疑似連」演出に発展させるように構成してもよい。
図8に戻って、説明を続ける。上述したように、主制御装置110のROM202には、第1特別図柄又は第2特別図柄の抽選遊技において大当たりに当選した場合に、可変入賞装置(大入賞口)65の開放制御のために参照される大入賞口開放テーブル202fが格納されている。
ここで、図16を参照して、大入賞口開放テーブル202fについて説明する。図16は、ROM202に記憶される大入賞口開放テーブル202fの一例を模式的に示した模式図である。大入賞口開放テーブル202fは、第1特別図柄又は第2特別図柄の大当たり時に参照され、各特別図柄の大当たりを発生した大当たり種別に基づいて、可変入賞装置(大入賞口)65の開放態様(回数、最大開放時間、最大入賞個数)が規定されている。
第1実施形態の大入賞口開放テーブル202fは、大当たりに当選した大当たり種別に基づいて区分けされている。具体的には、大当たり種別「確変A」に当選した場合に参照される「確変A」用と、大当たり種別「確変B」に当選した場合に参照される「確変B」用と、大当たり種別「時短A」に当選した場合に参照される「時短A」用と、大当たり種別「時短B」に当選した場合に参照される「時短B」用とで、可変入賞装置65の開放態様が変更される。
図16で示すように、大当たり種別「確変A」に当選した場合に設定される可変入賞装置65の開放回数は「10回」であり、該可変入賞装置65の1の開放における最大開放時間は「30秒」であって、かつ、最大入賞個数は「10個」となり、可変入賞装置65への球の入賞に基づいて払い出される賞球数は「10個」となるように規定されている。
また、該大当たり種別「確変A」による大当たりの終了後の移行遊技状態は、特別図柄の大当たり確率が高確率状態であるとともに、普通図柄の当たり確率も高確率状態となり、かつ、次の特別図柄の大当たりが発生するまでの間、「時短機能」が付与されて(以下、「次回まで」と称する場合がある)、第2始動口64bに対する入賞補助機能が作動する「確率変動状態」へと移行する。
次いで、大当たり種別「確変B」に当選した場合に設定される可変入賞装置65の開放回数は「4回」であり、該可変入賞装置65の1の開放における最大開放時間は「30秒」であって、かつ、最大入賞個数は「10個」となり、可変入賞装置65への球の入賞に基づいて払い出される賞球数は「10個」となるように規定されている。即ち、大当たり種別「確変B」では、大当たりにおいて付与される遊技価値として、大当たり種別「確変A」で付与され得る大当たりの遊技価値より少ない遊技価値が付与され得る。
また、該大当たり種別「確変B」による大当たりの終了後の移行遊技状態は、大当たり種別「確変A」と同様、特別図柄の大当たり確率が高確率状態であるとともに、普通図柄の当たり確率も高確率状態となり、かつ、次回まで「時短機能」が付与されて、第2始動口64bに対する入賞補助機能が作動する「確率変動状態」へと移行する。即ち、大当たり種別「確変B」は、該大当たり遊技終了後の遊技状態が大当たり種別「確変A」と同等であるものの、大当たり種別「確変A」より大当たりにおいて得られる遊技価値が少なくなるように設定されているため、遊技者は、大当たり種別「確変B」よりは大当たり種別「確変A」に当選させることを目指して遊技を行う。
次いで、大当たり種別「時短A」に当選した場合に設定される可変入賞装置65の開放回数は「10回」であり、該可変入賞装置65の1の開放における最大開放時間は「30秒」であって、かつ、最大入賞個数は「10個」となり、可変入賞装置65への球の入賞に基づいて払い出される賞球数は「10個」となるように規定されている。即ち、大当たり種別「時短A」では、大当たりにおいて付与される遊技価値として、大当たり種別「確変A」で付与され得る大当たりの遊技価値と同等の遊技価値が付与され得る。
また、該大当たり種別「時短A」による大当たりの終了後の移行遊技状態は、特別図柄の大当たり確率が低確率状態である一方、普通図柄の当たり確率が第1所定期間の間、高確率状態となる「時間短縮状態」へと移行する。具体的には、大当たり種別「時短A」の大当たり遊技状態終了後、特別図柄の動的表示(変動演出)が100回実行されるまでの間、普通図柄の当たり確率が高確率状態となり、かつ、普通電役64cの開放時間が長時間(即ち、3秒)となり、第2始動口64bに対する入賞補助機能が作動する。
次いで、大当たり種別「時短B」に当選した場合に設定される可変入賞装置65の開放回数は「10回」であり、該可変入賞装置65の1の開放における最大開放時間は「30秒」であって、かつ、最大入賞個数は「10個」となり、可変入賞装置65への球の入賞に基づいて払い出される賞球数は「10個」となるように規定されている。即ち、大当たり種別「時短B」では、大当たり種別「時短A」より大当たりにおいて得られる遊技価値が少なくなるように設定されているため、遊技者は、大当たり種別「時短B」よりは大当たり種別「時短A」に当選させることを目指して遊技を行う。
また、該大当たり種別「時短B」による大当たりの終了後の移行遊技状態は、特別図柄の大当たり確率が低確率状態である一方、普通図柄の当たり確率が上記第1期間より短い第2所定期間の間、高確率状態となる「時間短縮状態」へと移行する。具体的には、大当たり種別「時短B」の大当たり遊技状態終了後、特別図柄の動的表示(変動演出)が50回実行されるまでの間、普通図柄の当たり確率が高確率状態となり、かつ、普通電役64cの開放時間が長時間(即ち、3秒)となり、第2始動口64bに対する入賞補助機能が作動する。
このように、当選した大当たり種別毎に払い出され得る賞球数が異なることで、当選した大当たり種別に応じて直接的に付与される遊技価値に違いを生じさせることができる。また、当選した大当たり種別毎に、大当たり遊技後に移行する遊技状態が変化することで、当選した大当たり種別に基づく大当たりの終了後の遊技性に違いを生じさせることができる。その結果、特別図柄の抽選遊技において、いずれの大当たり種別に当選するか否かの遊技性を生み、遊技の興趣を向上することができる。
なお、大当たり種別に基づく可変入賞装置65の開放態様等(回数、最大開放時間、最大入賞個数、賞球数および移行遊技状態)は、上記実施形態に限定されるものではなく、適宜変更可能である。具体的には、大当たり種別毎に開放回数を同一に構成してもよいし、大当たり種別毎に最大開放時間を変更するように構成してもよいし、最大入賞個数を変更するように構成してよい。また、大当たり種別毎に別々の遊技状態に移行する必要はなく、複数の大当たり種別で共通的な遊技状態に移行するように構成してもよい。
また、大当たり遊技中は、一旦「通常遊技状態」と同等の遊技状態、即ち、普通図柄の当たり確率が低確率状態であって、該普通図柄の可変表示時間も長時間であり、かつ、普通電役64cの開放時間も短時間の状態、に遷移(移行)するように構成されている。このように構成することで、大当たり遊技中は、可変入賞装置65の開放以外による遊技価値の付与(例えば、普通電役64cの長い開放)が行われ難くすることができ、各遊技状態と大当たり中との出玉率の計算を分けて計算することが可能となる。その結果、遊技仕様の設計時における出玉率の計算が容易になり、遊技仕様の設計工数を削減することができる。
さらに、大当たり遊技における1のラウンドにおいて、可変入賞装置65の開放および閉鎖が複数回行われるように構成してもよい。具体的には、例えば、1のラウンドにおいて、可変入賞装置65の開放が開始された後、最大開放時間未満の所定秒数(例えば、「5秒」)で一旦閉鎖され、所定の閉鎖時間(例えば、「1秒」)後に、再び、可変入賞装置65が開放され、最大開放時間の経過又は最大入賞個数の入賞によって再び閉鎖するように構成してもよい。このように構成することで、大当たり遊技における遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる。
また、可変入賞装置65以外の他の大入賞口を設け、1の大当たりにおいて可変入賞装置65及び他の大入賞口をそれぞれ開放させるように構成してもよい。具体的には、例えば、1の大当たりにおいて、まず、1のラウンドの開始に伴って可変入賞装置65を開放して、該ラウンドの終了とともに可変入賞装置65を閉鎖(所謂、インターバル)し、該閉鎖後に直ちに次のラウンドの開始に伴って他の大入賞口を開放して、該ラウンドの終了とともに他の大入賞口を閉鎖し、それ以降、ラウンド毎に可変入賞装置65及び他の大入賞口を交互に(迅速に)開閉するように構成する。このように構成することで、大当たり遊技中における可変入賞装置65等が閉鎖されている状態(即ち、インターバル時間)を少なくすることができ、迅速な遊技価値の付与を実現できる。
図9に戻って、説明を続ける。普図当たりカウンタC4は、例えば「0〜99」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり「99」)に達した後「0」に戻るループカウンタとして構成されている。また、普図当たりカウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該普図当たりカウンタC4の初期値として読み込まれる。
なお、第2初期値乱数カウンタCINI2は、普図当たりカウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=「0〜99」)、タイマ割込処理(図20参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図25参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
普図当たりカウンタC4の値は、例えば定期的(第1実施形態では、タイマ割込処理(図20参照)毎に1回)更新され、球がスルーゲート67を通過したことが検知されたタイミングで、RAM203の普図保留球格納エリア203gに設けられた普図保留第1〜第4エリアのいずれかの普図保留エリアに格納される。そして、普図保留球格納エリア203gに格納された順に順次普図保留球実行エリア203hにデータをシフトし、該普図保留球実行エリア203hに格納されている普図当たりカウンタC4の値に対して当たり判定を行う。
普通図柄の当たりとなる乱数の値は、遊技状態毎に主制御装置110のROM202に格納される普図当たり乱数テーブル202gによって設定(例えば、低確率状態で「1/10」、高確率状態で「9/10」)されており、普図保留球実行エリア203hに格納されている普図当たりカウンタC4の値が、普図当たり乱数テーブル202gによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、当たりと判定される。そして、遊技状態に応じて主制御装置110のROM202に格納される普図変動テーブル202hが参照されて、普通図柄の可変表示時間(例えば、「3秒」又は「0.5秒」)が設定され、普通図柄表示装置83において該可変表示時間の経過後、停止図柄(普通図柄)として「○」の図柄が点灯表示される。その後、遊技状態に応じて主制御装置110のROM202に格納される普通電役開放テーブル202iが参照されて、普通電役64cの回動板の開放時間(例えば、「0.5秒」又は「5秒」)が設定され、該開放時間の間、回動板が回動作動し、その間、回動板の上面を球が転動可能に構成される。
一方、普図保留球実行エリア203hに格納されている普図当たりカウンタC4の値が、普図当たり乱数テーブル202gによって設定された当たりとなる乱数の値と一致しない場合には、ハズレと判定される。そして、遊技状態に応じて普図変動テーブル202hが参照されて可変表示時間(例えば、「3秒」又は「0.5秒」)が設定され、普通図柄表示装置83において該可変表示時間の経過後、停止図柄(普通図柄)として「×」の図柄が点灯表示される。
第1実施形態のパチンコ機10では、普通図柄の当否確率、普通図柄の可変表示時間および普通電役64cの回動板の開放時間のバリエーションが各遊技状態に応じてそれぞれ異なるように構成される。具体的には、例えば、「時短機能」を有さない「通常遊技状態」では、普通図柄の当否確率が低確率であって、普通図柄の可変表示時間が長時間であり、回動板の開放時間が短時間となるように設定されている。また、「時間機能」を有する「確率変動状態」又は「時間短縮状態」では、普通図柄の当否確率が高確率であって、普通図柄の可変表示時間が短時間であり、回動板の開放時間が長時間となるように設定されている。
このように、主制御装置110のRAM203には種々のカウンタ等が設けられていると共に、主制御装置110のROM202には各種テーブルが設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値と上述した各テーブル202a〜202gとに応じて大当たり抽選や特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における動的表示および変動演出の設定、普通図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図8に戻って、説明を続ける。上述したように、主制御装置110のROM202には、製造番号記憶部202jが設けられている。製造番号記憶部202jは、パチンコ機10の製造時において、パチンコ機10固有の製造番号SN(図18参照)が格納される。この製造番号記憶部202jに記憶される製造番号SNは、該パチンコ機10の製造時に対に発行される認証カード500に格納される製造番号SNと同一の情報が書き込まれる。第1実施形態のパチンコ機10では、パチンコ機10の電源投入時に実行される立ち上げ処理(図28参照)において、製造番号記憶部202jに記憶される製造番号に関するデータに基づいて製造番号コマンドを生成し、暗号化装置300に送信されるように構成されている(図28のS714参照)。
電源投入時に主制御装置110から出力された製造番号コマンドを受信した暗号化装置300は、該製造番号コマンドが示す製造番号SNに基づいてワーク鍵(Work Key。以下、ワーク鍵に対して「Kw」を付する場合がある。図18参照。)を生成し(図27のS1002参照)、該ワーク鍵Kwを後述する暗号化装置300のRAM303に設けられたワーク鍵記憶部303aに格納する。第1実施形態のパチンコ機10では、主制御装置110から払出制御装置111又は音声ランプ制御装置113に対して制御コマンドが送信される都度、暗号化装置300においてワーク鍵記憶部303aに格納されるワーク鍵Kwを使用して後述するスクランブル鍵(Scramble Key。以下、スクランブル鍵に対して「Ks」を付する場合がある。図18参照。)を暗号化するように構成されている。なお、主制御装置110から払出制御装置111又は音声ランプ制御装置113に対して送信される制御コマンドの暗号化および復号化については、図17及び図18において後述する。
主制御装置110のRAM203は、図9に図示したカウンタ用バッファ203cのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、インプット/アウトプット(Input/Output。以下、「I/O」と略す。)等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図25参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図24参照)において実行される。なお、MPU201のノンマスカブル割込(Non−Maskable Interrupt。以下、「NMI」と略す。)端子には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図26参照)が即座に実行される。
RAM203は、さらに、第1保留球数カウンタ203a、第2保留球数カウンタ203b、第1保留球格納エリア203d、第2保留球格納エリア203e、保留球実行エリア203f、普図保留球格納エリア203g、普図保留球実行エリア203hを少なくとも有している。
第1保留球数カウンタ203aは、「4ミリ秒」毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図20参照)の中で検出される第1始動口64aへの入球(以下、第1始動口64a又は第2始動口64bへの球の入球を「始動入賞」という場合がある)に基づいて、特別図柄表示装置37で行われる第1特別図柄の動的表示(第3図柄表示装置81で行われる第1特別図柄に対応する第3図柄の変動演出)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
この第1保留球数カウンタ203aは、電源投入後のRAM203の初期設定処理(図24のS713)によって、初期値として「0」が設定される。そして、第1始動口64aへの始動入賞が検出されて第1特別図柄に関する動的表示(変動演出)の保留球数が増加する毎に、最大値「4」まで1加算される(図21のS203参照)。一方、第1保留球数カウンタ203aは、第1特別図柄の動的表示(変動演出)が実行される毎に1減算される(図22のS308参照)。
第2保留球数カウンタ203bは、第1保留球数カウンタ203aと同様、「4ミリ秒」毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図20参照)の中で検出される第2始動口64bへの始動入賞に基づいて、特別図柄表示装置37で行われる第2特別図柄の動的表示(第3図柄表示装置81で行われる第2特別図柄に対応する第3図柄の変動演出)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
この第2保留球数カウンタ203bは、第1保留球数カウンタ203aと同様、電源投入後のRAM203の初期設定処理(図24のS713)によって、初期値として「0」が設定される。そして、第2始動口64bへの始動入賞が検出されて第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)の保留球数が増加する毎に、最大値「4」まで1加算される(図21のS207参照)。一方、第2保留球数カウンタ203bは、第2特別図柄の動的表示(変動演出)が実行される毎に1減算される(図22のS305参照)。
この第1保留球数カウンタ203aの値(即ち、第1特別図柄の保留球数)又は第2保留球数カウンタ203bの値(即ち、第2特別図柄の保留球数)は、保留球数コマンドによって暗号化装置300を介して音声ランプ制御装置113に通知される(図21のS210参照)。保留球数コマンドは、始動入賞が検出されて第1保留球数カウンタ203a又は第2保留球数カウンタ203bが1加算される毎に、主制御装置110から暗号化装置300を介して音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
ここで、第1実施形態のパチンコ機10では、主制御装置110からサブ制御装置111,113に対して送信される各制御コマンドが、暗号化装置300(図7参照)によって、暗号化、かつ、多重化された上で各サブ制御装置111,113に多重化コマンドとして送信されるように構成されている。そして、多重化コマンドを受信したサブ制御装置111,113は、該多重化コマンドを復号化装置400(図7参照)に対して送信し、該復号化装置400は、受信した多重化コマンドを分離(処理)した上で、カード挿入孔410(図2参照)に挿入されている認証カード500(図3参照)に記憶されている情報(マスター鍵Km、ワーク鍵Kw、有効期限情報ED(ともに図18参照))に基づいて制御コマンドに復号化(認証)し、該制御コマンドを多重化コマンドの送信元であるサブ制御装置111,113に送信する。復号化装置400から制御コマンドを受信したサブ制御装置111,113は、該制御コマンドに基づいて各種処理を実行可能に構成されている。
このように構成することで、主制御装置110と、カード挿入孔410(図2参照)に挿入されている認証カード500とが整合しない(ペアリングに成功しない)場合に、サブ制御装置111,113では正常な制御コマンドを受信することができないため、例えば、主制御装置110が不正行為によって改造されてしまった場合や、遊技機メーカーが意図しない販売先への不正転売が行われてしまった場合に、払出モータ216による賞球の払い出しや、第3図柄表示装置81における変動演出等を実行させないようにすることができる。よって、遊技機メーカーが意図しない不正行為や不正転売が行われた場合に、パチンコ機10において正常な遊技を行うことができないようにすることで、不正行為による遊技ホールの不利益や、遊技機メーカーが管理できない状況が発生することを抑制することができる。
ここで、図17及び図18を参照して、暗号化装置300及び復号化装置400の詳細な構成と、主制御装置110からサブ制御装置111,113に向けて送信される制御コマンドに対する暗号化処理および復号化処理の詳細について説明する。図17は、主に暗号化装置300と復号化装置400との電気的構成を示すブロック図であり、図18は、主制御装置110から出力された遊技の実行指示である各種制御コマンド(Control Command。以下、制御コマンドに対して「CC」を付する場合がある。)が、暗号化装置300によって暗号化された後、サブ制御装置111,113を介して復号化装置400によって復号化されて、音声ランプ制御装置113又は払出制御装置111に届くまでの流れを説明するための図である。ここから、主に、図17において暗号化装置300及び復号化装置400の電気的構成を説明しながら、図18を参照して制御コマンドCCに対する暗号化かつ多重化、及び、分離かつ復号化の具体的な流れ(処理)について説明する。
図17で示すように、暗号化装置300は、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU301が搭載されている。MPU301は、該MPU301により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM302と、そのROM302内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM303と、主制御装置110と電気的に接続された入力ポート304と、サブ制御装置111,113と電気的に接続された出力ポート305とを有している。
入力ポート304の入力側には、主制御装置110の出力側が接続されており、暗号化装置300は、主制御装置110によって決定されたサブ制御装置111,113の実行内容を指示する制御コマンドCCを受信する。入力ポート304の出力側には、暗号化装置300のMPU301が接続されている。MPU301は、出力ポート305の入力側が接続され、該出力ポート305の出力側には、払出制御装置111および音声ランプ制御装置113が接続されている。
なお、パチンコ機10は、大当たりの抽選確率や1回の大当たりで払い出される賞球数が異なる機種であって、主制御装置110および音声ランプ制御装置113以外の少なくとも1以上の装置(第3図柄表示装置81、払出制御装置111、表示制御装置114、暗号化装置300および/または復号化装置400)が全く同じ仕様の機種があるので、上記装置は共通部品化されコスト低減が図られている。特に、暗号化装置300は、主制御装置110から出力された制御コマンドを、暗号化かつ多重化する機能を有していればよく、また、復号化装置400は、サブ制御装置111,113から受信した多重化コマンドを、カード挿入孔410(図2参照)に挿入されている認証カード500(図3参照)を利用して分離かつ復号化し、送信元のサブ制御装置111,113に出力(返信)する機能を有していればよいため、仕様が異なる機種間若しくは遊技機メーカー間でも共通部品化することでコスト低減が図られる。この場合、各機種間(遊技機メーカー)でスクランブル鍵Ksとマスター鍵Kmを共通化する必要がある。
暗号化装置300のMPU301は、主制御装置110から入力された制御コマンドCCを、暗号化かつ多重化するための各種制御を実行するものである。
暗号化装置300のROM302には、MPU301にて実行される各種制御プログラムの他、固定値データとして、スクランブル鍵記憶部302a、マスター鍵記憶部302bが少なくとも格納されている。
スクランブル鍵記憶部302aは、主制御装置110から送信(出力)された制御コマンドCCを暗号化した暗号化制御コマンド(Encryption Control Command。以下、暗号化制御コマンドに対して「ECC」を付する場合がある。図18参照。)を生成するためのスクランブル鍵Ksが記憶されている。第1実施形態では、暗号化装置300のスクランブル鍵Ksは、パチンコ機10の製造時においてスクランブル鍵記憶部302aに格納される。
暗号化装置300のスクランブル鍵Ksは、平文である制御コマンドCCを所定の手順で変換、演算及び/又は入れ替え等の処理を行って、該制御コマンドCCの内容(遊技に関する指示(制御)内容)を損なうことなく元の状態とは異なる乱雑な状態とした暗号化制御コマンドECCを生成するための所定ビット長(例えば、256ビット)のバイナリデータで構成される。また、このスクランブル鍵Ksは、後述する復号化装置400のRAM403の暗号化スクランブル鍵記憶部403bに記憶される暗号化スクランブル鍵EKsを復号化したスクランブル鍵Ksと共通の共通鍵(秘密鍵。以下、同様。)である。
第1実施形態のパチンコ機10では、暗号化装置300に予め記憶されるスクランブル鍵Ksによって暗号化された暗号化制御コマンドECCは、後述するRAM303の暗号化制御コマンド記憶部303bに一旦格納される(図28のS1101参照)。なお、暗号化された暗号化制御コマンドECCは、暗号化(ランダム化)されたままでは意味を成さないため、仮に、暗号化制御コマンドECCをサブ制御装置111,113が受信した場合は、該サブ制御装置111,113では、制御コマンドCCの内容を読み取ることができないため、所定のエラー処理(例えば、異常が発生していることを示す第3図柄表示装置81による異常表示、音声出力装置226による警報音出力、及び/又は、ランプ表示装置227による異常点灯等)が実行される。
マスター鍵記憶部302bは、後述するRAM303のワーク鍵記憶部303aに記憶されるワーク鍵Kwを暗号化した暗号化ワーク鍵(Encryption Work Key。以下、暗号化ワーク鍵に対して「EKw」を付する場合がある。図18参照。)を生成するためのマスター鍵Kmが記憶されている。なお、このマスター鍵Kmは、スクランブル鍵Ksと同様、パチンコ機10の製造時においてマスター鍵記憶部302bに格納される。
マスター鍵Kmは、平文であるワーク鍵Kwを、スクランブル鍵Ksとは異なる所定の手順で変換、演算及び/又は入れ替え等の処理を行って、該ワーク鍵Kwの内容を損なうことなく元の状態とは異なる乱雑な状態とした暗号化ワーク鍵EKwを生成するための所定ビット長(例えば、256ビット)のバイナリデータで構成される。また、このマスター鍵Kmは、該パチンコ機10と対(ペア)となる認証カード500のマスター鍵記憶部501bに記憶されるマスター鍵Kmと共通の共通鍵(秘密鍵)である。なお、ワーク鍵Kwにおける暗号化を、スクランブル鍵Ksと同一又は同等の手順で変換、演算及び/又は入れ替え等の処理を行うように構成してもよい。
第1実施形態のパチンコ機10では、暗号化装置300のマスター鍵Kmによって暗号化された暗号化ワーク鍵EKwは、後述するRAM303の暗号化ワーク鍵記憶部303dに一旦格納される(図28のS1103参照)。なお、暗号化された暗号化ワーク鍵EKwは、暗号化(ランダム化)されたままでは意味を成さないため、仮に、暗号化ワーク鍵EKwによって後述する暗号化スクランブル鍵(Encryption Scramble Key。以下、暗号化スクランブル鍵に対して「EKs」を付する場合がある。図18参照。)を復号化しようとしても、該暗号化スクランブル鍵EKsを復号化することができないように構成されている。
RAM303には、ワーク鍵記憶部303a、暗号化制御コマンド記憶部303b、暗号化スクランブル鍵記憶部303c、暗号化ワーク鍵記憶部303d、多重化コマンド記憶部303eが少なくとも設けられている。
ワーク鍵記憶部303aは、ROM302の暗号化スクランブル鍵記憶部303cに記憶されるスクランブル鍵Ksを暗号化するためのワーク鍵Kwを記憶するためのエリアである。このワーク鍵記憶部303aには、パチンコ機10の電源投入時に主制御装置110から送信される製造番号コマンドを受信した場合に、該製造番号コマンドが示す製造番号SNに基づいて生成されたワーク鍵Kwが格納される(図27のS1002及びS1003参照)。ワーク鍵記憶部303aに記憶されたワーク鍵Kwは、パチンコ機10の電源断されるまで保持される。
ワーク鍵記憶部303aに格納(記憶)されたワーク鍵Kwは、平文であるスクランブル鍵Ksを、スクランブル鍵Ks及びマスター鍵Kmとは異なる所定の手順で変換、演算及び/又は入れ替え等の処理を行って、該スクランブル鍵Ksの内容を損なうことなく元の状態とは異なる乱雑な状態とした暗号化スクランブル鍵EKsを生成するための所定のビット長(例えば、256ビット)のバイナリデータで構成される。また、ワーク鍵記憶部303aに格納されるワーク鍵Kwは、該パチンコ機10と対(ペア)となる認証カード500の製造番号記憶部501aに記憶される製造番号SNと整合するデータが格納される。
第1実施形態のパチンコ機10では、ワーク鍵記憶部303aに格納されるワーク鍵Kwによって暗号化された暗号化スクランブル鍵EKsは、後述する暗号化スクランブル鍵記憶部303cに一旦格納される(図28のS1102参照)。なお、暗号化された暗号化スクランブル鍵EKsは、暗号化ワーク鍵EKwと同様、暗号化(ランダム化)されたままでは意味を成さないため、仮に、暗号化スクランブル鍵EKsによって暗号化制御コマンドECCを復号化しようとしても、該暗号化制御コマンドECCを復号化することができないように構成されている。
このように、暗号化装置300において、パチンコ機10の電源断されるごとに、その都度、ワーク鍵Kwを生成するように構成することで、パチンコ機10の電源断中に主制御装置110が不正交換された場合に、パチンコ機10の電源を立ち上げた際、正常にワーク鍵Kwを生成できないようにすることができる。
暗号化制御コマンド記憶部303bは、上述したように、主制御装置110から送信された制御コマンドCCを、スクランブル鍵記憶部302aに記憶されるスクランブル鍵Ksによって暗号化した暗号化制御コマンドECCを一時的に記憶するためのエリアである。スクランブル鍵Ksによって暗号化された暗号化制御コマンドECCは、この暗号化制御コマンド記憶部303bに格納され(図28のS1101参照)、その後、該暗号化制御コマンドECCに対して暗号化スクランブル鍵EKs及び暗号化ワーク鍵EKwを多重化した多重化コマンド(Multiplexing Encryption Control Command。以下、多重化コマンドに対して「MECC」を付する場合がある。図18参照。)を生成するために用いられる。暗号化制御コマンドECCが記憶された暗号化制御コマンド記憶部303bは、該暗号化制御コマンドECCを用いて多重化コマンドMECCが生成された場合に、その後、その内容がクリア(初期化)される(図28のS1106参照)。
なお、第1実施形態では、1の制御コマンドCCに関する暗号化および多重化について説明するが、主制御装置110から同時期に(間断なく、連続して)複数の制御コマンドCC(例えば、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンド等)が送信されてきた場合には、RAM303に設けられたコマンド受信用バッファ(図示せず)によって各制御コマンドCCを一旦保持し、先に受信した制御コマンドCCに対して暗号化及び多重化が完了するまで後に受信した制御コマンドCCをコマンド受信用バッファに保持して、先に受信した制御コマンドCCに対する暗号化及び多重化が完了した後、コマンド受信用バッファに保持された後に受信した制御コマンドCCに対して暗号化及び多重化が順次実行されるように構成してもよい。
暗号化スクランブル鍵記憶部303cは、上述したように、ワーク鍵Kwによって暗号化された暗号化スクランブル鍵EKsを一時的に記憶するためのエリアである。ワーク鍵Kwによって暗号化された暗号化スクランブル鍵EKsは、この暗号化スクランブル鍵記憶部303cに格納され(図28のS1102参照)、その後、暗号化制御コマンドECCと同様、多重化コマンドMECCを生成するために用いられる。暗号化スクランブル鍵EKsが記憶された暗号化スクランブル鍵記憶部303cは、該暗号化スクランブル鍵EKsを用いて多重化コマンドMECCが生成された場合に、その後、その内容がクリア(初期化)される(図28のS1106参照)。
暗号化ワーク鍵記憶部303dは、上述したように、マスター鍵記憶部302bに記憶されるマスター鍵Kmによって暗号化された暗号化ワーク鍵EKwを一時的に記憶するためのエリアである。マスター鍵Kmによって暗号化された暗号化ワーク鍵EKwは、この暗号化ワーク鍵記憶部303dに格納され(図28のS1103参照)、その後、暗号化制御コマンドECC及び暗号化スクランブル鍵EKsと同様、多重化コマンドMECCを生成するために用いられる。暗号化ワーク鍵EKwが記憶された暗号化ワーク鍵記憶部303dは、該暗号化ワーク鍵EKwを用いて多重化コマンドMECCが生成された場合に、その後、その内容がクリア(初期化)される(図28のS1106参照)。
多重化コマンド記憶部303eは、暗号化制御コマンド記憶部303bに記憶される暗号化制御コマンドECCに対して、暗号化スクランブル鍵記憶部303cに記憶される暗号化スクランブル鍵EKs、及び、暗号化ワーク鍵記憶部303dに記憶される暗号化ワーク鍵EKwを埋め込んで(多重化して)生成した多重化コマンドMECCを記憶するためのエリアである。第1実施形態のパチンコ機10では、多重化の方式として、例えば、複数のデータに異なる符号を乗算して信号を合成して送信する符号分割多重化(Code Division Multiplexing。CDM。)によって多重化コマンドMECCが生成される。
MPU301は、暗号化制御コマンド記憶部303bに記憶された暗号化制御コマンドECCに対して、暗号化スクランブル鍵記憶部303cに記憶された暗号化スクランブル鍵EKs、及び、暗号化ワーク鍵記憶部303dに記憶された暗号化ワーク鍵EKwを上記方式により多重化して多重化コマンドMECCを生成し、多重化コマンド記憶部303eに格納する(図28のS1104及びS1105参照)。そして、多重化コマンド記憶部303eに格納された多重化コマンドMECCは、暗号化されていない(非暗号化されている)宛先情報(例えば、2バイトのコマンドであった場合に、上位バイトの最上位ビットを含む上位2ビット)に基づいて払出制御装置111または音声ランプ制御装置113へ送信される(図27のS1007参照)。このように、制御コマンドCCのうち、送信先である宛先情報が非暗号化されていることによって、制御対象のサブ制御装置111,113に対して適式に多重化コマンドMECCを送信することができる。
なお、暗号化制御コマンドECCに対して暗号化スクランブル鍵EKs及び暗号化ワーク鍵EKwが多重化された多重化コマンドは、そのままでは意味を成さないため、該多重化コマンドMECCを受信したサブ制御装置111,113では、多重化コマンドMECCのままでは制御コマンドCCに基づく制御を実行することができないように構成されている。
次いで、図17で示すように、復号化装置400は、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU401が搭載されている。MPU401には、少なくとも、該MPU401により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM402と、そのROM4022内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM403とが内蔵されている。また、MPU401は、入出力ポート404と電気的に接続されるとともに、該入出力ポート404を介してカード挿入孔410内に設けられたカード読取部411と電気的に接続されている。入出力ポート404は、復号化装置400内のMPU401と入出力可能に接続されているとともに、復号化装置400外の払出制御装置111及び音声ランプ制御装置113とそれぞれコマンドの入出力が可能に接続されている。
復号化装置400のMPU401は、サブ制御装置111,113から受信した多重化コマンドMECCを分離化、かつ、復号化するための各種制御を実行するとともに、復号化した制御コマンドCCを、送信元であるサブ制御装置111,113に対して送信(返信)するための制御を実行するものである。
復号化装置400のROM402には、多重化コマンドMECCを分離化するプログラム等のMPU401で実行される各種プログラムの他、各種固定値データが格納されている。
RAM403には、暗号化制御コマンド記憶部403a、暗号化スクランブル鍵記憶部403b、暗号化ワーク鍵記憶部403c、送信コマンドバッファ403dが少なくとも設けられている。なお、サブ制御装置111,113から送信された多重化コマンドMECCは、RAM403に設けられた図示しない受信コマンドバッファに格納されるように構成されている。
暗号化制御コマンド記憶部403aは、サブ制御装置111,113から送信された多重化コマンドMECCを分離化した場合に生成(抽出)される暗号化制御コマンドECCを一時的に記憶するためのエリアである。復号化装置400において多重化コマンドMECCから分離化された暗号化制御コマンドECCは、この暗号化制御コマンド記憶部403aに格納され(図35のS3101参照)、その後、復号化装置400において暗号化スクランブル鍵EKsから復号化されたスクランブル鍵Ksによって復号化されて、制御コマンドCCが取得(抽出、生成)される。暗号化制御コマンドECCが記憶された暗号化制御コマンド記憶部403aは、該暗号化制御コマンドECCが復号化されて制御コマンドCCが取得(抽出、生成)された場合に、その後、その内容がクリア(初期化)される(図35のS3111参照)。
第1実施形態において、復号化装置400において多重化コマンドMECCから分離化された暗号化制御コマンドECCは、暗号化装置300のスクランブル鍵Ksによって暗号化された暗号化制御コマンドECCと同等のものであり、暗号化装置300及び復号化装置400の共通鍵(秘密鍵)であるスクランブル鍵Ksによって復号化することができる。そして、復号化装置400においてスクランブル鍵Ksによって暗号化制御コマンドECCを復号化することにより、制御コマンドCCが生成(取得、抽出)される(図35のS3110参照)。なお、上記暗号化制御コマンドECCは、宛先情報以外の部分が暗号化されており、スクランブル鍵Ksによって、上記宛先情報以外の部分が復号化される。
暗号化スクランブル鍵記憶部403bは、サブ制御装置111,113から送信された多重化コマンドMECCを分離化した場合に生成(抽出)される暗号化スクランブル鍵EKsを一時的に記憶するためのエリアである。復号化装置400において多重化コマンドMECCから分離化された暗号化スクランブル鍵EKsは、この暗号化スクランブル鍵記憶部403bに格納され(図35のS3101参照)、その後、復号化装置400において暗号化ワーク鍵EKwから復号化されたワーク鍵Kwによって復号化されて、スクランブル鍵Ksが取得(抽出、生成)される。暗号化スクランブル鍵EKsが記憶された暗号化スクランブル鍵記憶部403bは、該暗号化スクランブル鍵EKsが復号化されてスクランブル鍵Ksが取得(抽出、生成)された場合に、その後、その内容がクリア(初期化)される(図35のS3111参照)。
第1実施形態において、復号化装置400において多重化コマンドMECCから分離化された暗号化スクランブル鍵EKsは、暗号化装置300のワーク鍵Kwによって暗号化された暗号化スクランブル鍵EKsと同等のものであり、復号化装置400において暗号化ワーク鍵EKwから認証カード500のマスター鍵Kmによって復号化されたワーク鍵Kwによって復号化することができる。そして、復号化装置400においてワーク鍵Kwによって暗号化スクランブル鍵EKsを復号化することにより、スクランブル鍵Ksが生成(取得、抽出)され(図35のS3109参照)、復号化装置400において暗号化制御コマンドECCを復号化することが可能となる。
暗号化ワーク鍵記憶部403cは、サブ制御装置111,113から送信された多重化コマンドMECCを分離化した場合に生成(抽出)される暗号化ワーク鍵EKwを一時的に記憶するためのエリアである。復号化装置400において多重化コマンドMECCから分離化された暗号化ワーク鍵EKwは、この暗号化ワーク鍵記憶部403cに格納され(図35のS3101参照)、その後、復号化装置400においてパチンコ機10の製造時に対となって発行された正規の認証カード500から読み取られたマスター鍵Kmによって復号化されて、ワーク鍵Kwが取得(抽出、生成)される。暗号化ワーク鍵EKwが記憶された暗号化ワーク鍵記憶部403cは、該暗号化ワーク鍵EKwが復号化されてワーク鍵Kwが取得(抽出、生成)された場合に、その後、その内容がクリア(初期化)される(図35のS3111参照)。
第1実施形態において、復号化装置400において多重化コマンドMECCから分離化された暗号化ワーク鍵EKwは、暗号化装置300のマスター鍵Kmによって暗号化された暗号化ワーク鍵EKwと同等のものであり、暗号化装置300及び認証カード500の共通鍵(秘密鍵)であるマスター鍵Kmによって復号化することができる。そして、復号化装置400においてマスター鍵Kmによって暗号化ワーク鍵EKwを復号化することにより、ワーク鍵Kwが生成(取得、抽出)され(図35のS3106参照)、復号化装置400において暗号化スクランブル鍵EKsを復号化することが可能となる。
また、第1実施形態では、多重化コマンドMECCに基づいて制御コマンドCCを復号化する過程において、先に(最初に)復号化されるワーク鍵Kwが示す情報と、カード挿入孔410(図2参照)に挿入されている認証カード500の後述する製造番号記憶部501aに記憶される製造番号SNとが整合するか否かが判別され(図35のS3107参照)、復号化装置400において復号化されたワーク鍵Kwが示す情報と、カード挿入孔410に挿入されている認証カード500の製造番号記憶部501aに記憶される製造番号SNとが整合する場合は、以降の復号化処理が実行されて制御コマンドCCが生成される一方、復号化装置400において復号化されたワーク鍵Kwが示す情報と、カード挿入孔410に挿入されている認証カード500の後述する製造番号記憶部501aに記憶される製造番号SNとが整合しない場合には、主制御装置110(パチンコ機10)と認証カード500とのペアリングが異なっていることを示す不一致コマンドを生成し(図35のS3108参照)、制御コマンドCCを生成しないように構成されている。
このように構成することで、主制御装置110で記憶する製造番号SNから生成されるワーク鍵Kwと認証カード500に記憶される製造番号SNとが一致しない場合に、制御コマンドCCを正常に復号化させないことで、パチンコ機10における遊技制御を実行させず、パチンコ機10と認証カード500とのペアリング(整合)が異なっていることを遊技ホールの関係者又は遊技者に示唆することが可能となる。
送信コマンドバッファ403eは、サブ制御装置111,113から送信された多重化コマンドMECCの復号化結果を示すコマンドを一時的に格納するためのエリアである。この送信コマンドバッファ403eに格納されたコマンド(第1実施形態では、制御コマンドCC、後述する期限切れコマンドまたは不一致コマンド)は、該コマンドが示す宛先情報に基づいてサブ制御装置111,113へ送信される。
次いで、図17で示すように、復号化装置400のカード挿入孔410には、認証カード500のICチップ501内に格納されている各種データを読み取り可能なカード読取部411が設けられている。このカード読取部411は、復号化装置400のMPU401からの読み取り指示に基づいて、認証カード500のICチップ501内に格納された後述する製造番号記憶部501a、マスター鍵記憶部501b又は有効期限情報記憶部501cから情報をそれぞれ読み取って、その読み取り結果を入出力ポート404を介してMPU401に出力するように構成されている。
認証カード500のICチップ501には、製造番号SNが格納された製造番号記憶部501aと、マスター鍵Kmが格納されたマスター鍵記憶部501bと、有効期限情報EDが格納された有効期限情報記憶部501cとが設けられている。製造番号記憶部501aの製造番号SN、及び、マスター鍵記憶部501bのマスター鍵Kmは、パチンコ機10の製造時において、主制御装置110に記憶される製造番号SN、および、暗号化装置300のマスター鍵Kmと対になって(対応する情報が)記憶される。また、パチンコ機10の製造時において、有効期限情報記憶部501cに認証カード500が有効に読み取り可能な期限を示す有効期限情報EDが格納される。このように、認証カード500のICチップ501内に上記各種情報を格納することで、磁気ストライプでカードを作成した場合に比べ、磁気不良による読み込みエラーやスキミング等の不正行為を抑制することが可能となる。
第1実施形態では、復号化装置400において多重化コマンドMECCが受信された場合に、カード読取部411によってカード挿入孔410に挿入中の認証カード500の内容が読み取られ、多重化コマンドMECCを分離化及び復号化するために用いられる。具体的には、復号化装置400のMPU401は、サブ制御装置111,113から多重化コマンドMECCを受信した場合に、まず、認証カード500の有効期限情報記憶部501cに格納される有効期限情報EDが有効期限内か否かを判別する(図35のS3104参照)。有効期限情報EDが有効期限内であった場合は、その後の復号化処理を実行する一方、有効期限情報EDが有効期限内でなかった場合、即ち、遊技機メーカーが設定した有効期限を超えていた場合には、その後の復号化処理を行わず、制御コマンドCCを生成する代わりに期限切れコマンドを生成して(図35のS3105参照)、サブ制御装置111,113に対して送信する。
また、復号化装置400のMPU401は、有効期限情報EDが有効期限内であった場合、次いで、認証カード500のマスター鍵記憶部501bに格納されるマスター鍵によって暗号化ワーク鍵記憶部403cに記憶される暗号化ワーク鍵EKwを復号化し(図35のS3106参照)、復号化されたワーク鍵Kw、即ち、主制御装置110に記憶される製造番号SNから生成したワーク鍵Kwと、認証カード500の製造番号記憶部501aに格納される製造番号SNとの整合が取れているか否かを判別する(図35のS3107)。復号化したワーク鍵Kwと認証カード500の製造番号記憶部501aに格納される製造番号SNとの整合性がとれている場合は、パチンコ機10と認証カード500とのペアリングが正常であるので、その後の復号化処理を実行する一方、復号化したワーク鍵Kwと認証カード500の製造番号記憶部501aに格納される製造番号SNとの整合性がとれていない場合、即ち、パチンコ機10と認証カード500とのペアリングが一致していない場合には、その後の復号化処理を行わず、制御コマンドCCを生成する代わりに不一致コマンドを生成して(図35のS3108参照)、サブ制御装置111,113に対して送信する。
上述したように、暗号化装置300では、スクランブル鍵Ksとマスター鍵Kmとを予め記憶する一方、ワーク鍵Kwを暗号化装置300独自では生成できず、主制御装置110が記憶する製造番号SNが取得できない限りワーク鍵Kwを生成できないように構成する。また、復号化装置400では、いずれの鍵Ks,Kw,Kmも独自では生成できず、スクランブル鍵Ksに関しては、サブ制御装置111,113を介して暗号化装置300から送信される多重化コマンドMECCに含まれる暗号化スクランブル鍵EKsをワーク鍵Kwによって復号化して初めて取得でき、また、ワーク鍵Kwに関しては、サブ制御装置111,113を介して暗号化装置300から送信される多重化コマンドMECCに含まれる暗号化ワーク鍵EKwをマスター鍵Kmによって復号化して初めて取得でき、マスター鍵Kmに関しては、認証カード500に記憶されるマスター鍵Kmが取得できない限りマスター鍵Kmを生成できないように構成する。
このように構成することで、主制御装置110と認証カード500のペアリングが一致していない場合、かつ、暗号化装置300及び復号化装置400を介して制御コマンドCCを受信した場合にのみ、サブ制御装置111,113において主制御装置110から送信された制御コマンドCCに基づいた遊技制御を実行することが可能となる。即ち、主制御装置110、暗号化装置300、復号化装置400及び認証カード500の整合性がどれか一つでも取れない場合は、パチンコ機10において遊技を正常に実行することができないようにすることができる。その結果、不正行為や不正転売が行われた場合に、パチンコ機10において正常な遊技を行うことができないようにすることで、不正行為による遊技ホールの不利益や、遊技機メーカーが管理できない状況が発生することを抑制することができる。
図8に戻って、説明を続ける。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から出力されて、暗号化装置300によって暗号化かつ多重化された保留球数コマンドを示す多重化コマンドを受信した場合に、該多重化コマンドを復号化装置400に出力し、該復号化装置400及び認証カード500によって正常に復号化された保留球数コマンド(制御コマンド)を受信することによって、主制御装置110に保留された第1特別図柄又は第2特別図柄の動的表示(変動演出)の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113において、主制御装置110へアクセスすることなく各特別図柄の動的表示(変動演出)の保留回数を管理することができる。また、始動入賞が検出される毎に、主制御装置110から暗号化装置300及び復号化装置400を介して音声ランプ制御装置113へ保留球数コマンドを送信することにより、音声ランプ制御装置113において管理される各特別図柄の動的表示(変動演出)の保留球数が、ノイズ等の影響によって主制御装置110に保留された実際の動的表示(変動演出)の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、その内部で管理する保留球数が変化する度に、表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81のコクピット表示領域Dbに保留図柄を表示する。
また、第1実施形態では、主制御装置110が暗号化装置300及び復号化装置400を介して音声ランプ制御装置113に対して保留球数コマンドを送信する場合、その保留球数コマンドにおいて、1加算された第1保留球数カウンタ203a又は第2保留球数カウンタ203bの値だけでなく、その第1保留球数カウンタ203a又は第2保留球数カウンタ203bの加算の契機となった上記始動入賞に伴い、カウンタ用バッファ203c(図9参照)より取得される大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値も含める。
つまり、始動入賞があった場合に、主制御装置110にてカウンタ用バッファ203cより取得した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値が、保留球数コマンドによって暗号化装置300及び復号化装置400を介して音声ランプ制御装置113に伝えられる。
音声ランプ制御装置113では、正常に復号化された保留球数コマンドにより伝えられた大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値を、その各値に基づく変動演出が実行される前に先読みし、当該変動演出がどうなるか(大当たりとなるか否か、変動時間はどうなるか等)をその変動演出の実行前に判断する。そして、その先読みによる判断結果に基づき、各種の演出の実行を決定したり、「保留変化予告」の演出内容及び実行時期(タイミング)を決定できるようになっている。
なお、変動演出の保留球数を示す保留球数コマンドと、大当たり乱数カウンタC1等の値を示すコマンドとを別々に送信するように構成してもよい。保留球数コマンドとは別の大当たり乱数カウンタC1等の値を示すコマンドとしては、第1始動口64a又は第2始動口64bへの球の入球タイミングで保留球数コマンドを生成すると共に、該入球に基づく変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドに類するコマンド(事前変動パターンコマンド及び事前停止種別コマンド)を生成し、音声ランプ制御装置113へ送信するように構成してもよい。この場合に、事前変動パターンコマンド及び事前停止種別コマンドの生成のプログラムに関し、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドのプログラムを流用することで、プログラムの作成を容易にすることができる。
第1保留球格納エリア203dは、上述したように、第1始動口64aへの始動入賞の検出に伴ってカウンタ用バッファ203cより取得した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値をそれぞれ記憶するためのメモリである。MPU201は、タイマ割込処理(図20参照)の中で、球が第1始動口64aへ入賞(始動入賞)したことを検出すると、カウンタ用バッファ203cから各カウンタC1〜C3,CS1の値を取得し、第1保留球格納エリア203dに格納する。第1保留球格納エリア203dは、第1特別図柄の一の始動入賞に対応するデータ(カウンタC1〜C3,CS1の各値)が、最大4回分まで記憶(保留)できるように、4つの保留エリア(第1保留第1〜第4エリア)を有している(図9参照)。
第2保留球格納エリア203eは、上述したように、第2始動口64bへの始動入賞の検出に伴ってカウンタ用バッファ203cより取得した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値をそれぞれ記憶するためのメモリである。MPU201は、タイマ割込処理(図20参照)の中で、球が第2始動口64bへ入賞(始動入賞)したことを検出すると、カウンタ用バッファ203cから各カウンタC1〜C3,CS1の値を取得し、第2保留球格納エリア203eに格納する。第2保留球格納エリア203eは、第2特別図柄の一の始動入賞に対応するデータ(カウンタC1〜C3,CS1の各値)が、最大4回分まで記憶(保留)できるように、4つの保留エリア(第2保留第1〜第4エリア)を有している(図9参照)。
保留球実行エリア203fは、上述したように、実行を開始する、或いは、実行中の第1特別図柄又は第2特別図柄の大当たり抽選や、特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の動的表示および変動演出の設定等の処理において参照すべきデータ(カウンタC1〜C3,CS1の各値)を記憶するためのメモリである。
MPU201は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出の実行開始タイミングであることを検出すると、第1特別図柄又は第2特別図柄の大当たり抽選や、特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の動的表示および変動演出の設定等の処理を実行するために、上述した第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203eに記憶されている各始動入賞に対応するデータ(カウンタC1〜C3,CS1の各値)のうち、第2保留球格納エリア203eに第2特別図柄に関する始動入賞に対応するデータが記憶されている場合は、該データの一の始動入賞に対応するデータを、この保留球実行エリア203fへシフトする。一方、第2保留球格納エリア203eに第2特別図柄に関する始動入賞に対応するデータが記憶されておらず、第1保留球格納エリア203dに第1特別図柄に関する始動入賞に対応するデータが記憶されている場合は、該データの一の始動入賞に対応するデータを、この保留球実行エリア203fへシフトする。
即ち、第1実施形態のパチンコ機10では、第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)が優先的に実行され、第1特別図柄に関する動的表示(変動演出)は、第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)が保留されていないことを条件に実行されるように構成されている。なお、第1実施形態におけるシフトとは、一の領域に記憶されているデータを別の領域へ移動させることを示す。
ここで、再び図9を参照して、第1保留球格納エリア203d、第2保留球格納エリア203eおよび保留球実行エリア203fの詳細について説明する。第1保留球格納エリア203d、第2保留球格納エリア203eおよび保留球実行エリア203fは、第1特別図柄又は第2特別図柄の大当たり抽選や特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の動的表示および変動演出の設定等を行うために、主制御装置110のMPU201により使用される。
上述したように、第1特別図柄又は第2特別図柄の大当たり抽選や特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の動的表示および変動演出の設定には、大当たり抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別の決定に使用する大当たり種別カウンタC2と、変動演出の演出態様の決定に使用する停止パターン選択カウンタC3と、変動パターンの決定に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。第1保留球格納エリア203dは、球が第1始動口64aへ入賞(始動入賞)した場合にMPU201によってカウンタ用バッファ203cから取得される上記カウンタC1〜C3,CS1の各値をそれぞれ記憶し、第2保留球格納エリア203eは、球が第2始動口64bへ入賞(始動入賞)した場合にMPU201によってカウンタ用バッファ203cから取得される上記カウンタC1〜C3,CS1の各値を記憶する。
第1保留球格納エリア203dは、4つの保留エリア(第1保留第1〜第4エリア)で構成されている。4つの保留エリア(第1保留第1〜第4エリア)にはそれぞれ、大当たり乱数カウンタC1の値を格納する大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1と、大当たり種別カウンタC2の値を格納する大当たり種別カウンタ格納エリア203d2と、停止パターン選択カウンタC3の値を格納する停止パターン選択カウンタ格納エリア203d3と、変動種別カウンタCS1の値を格納する変動種別カウンタ格納エリア203d4とが設けられている。
また、第2保留球格納エリア203eは、第1保留球格納エリア203dと同様、4つの保留エリア(第2保留第1〜第4エリア)で構成されている。4つの保留エリア(第2保留第1〜第4エリア)にはそれぞれ、第1保留球格納エリア203dと同様、大当たり乱数カウンタC1の値を格納する大当たり乱数カウンタ格納エリア203e1と、大当たり種別カウンタC2の値を格納する大当たり種別カウンタ格納エリア203e2と、停止パターン選択カウンタC3の値を格納する停止パターン選択カウンタ格納エリア203e3と、変動種別カウンタCS1の値を格納する変動種別カウンタ格納エリア203e4とが設けられている。
なお、第1実施形態では、大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1,203e1と、大当たり種別カウンタ格納エリア203d2,203e2と、停止パターン選択カウンタ格納エリア203d3,203e3と、変動種別カウンタ格納エリア203d4,203e4とを1つの保留球格納エリア203d,203eの中にそれぞれまとめて設けているが、各カウンタC1〜C3,CS1毎に保留球格納エリアを複数設けるようにしてもよい。
上述した通り、第1保留球格納エリア203dには、球が第1始動口64aへ入賞(始動入賞)したタイミングで取得されるデータ(各カウンタC1〜C3,CS1の各値)が最大4回分まで記憶されるが、その場合、4つの保留エリア(第1保留第1〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番にデータが記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い第1始動口64aへの始動入賞に対応するデータが記憶され、第1保留第1エリアには、時間的に最も古い第1始動口64aへの始動入賞に対応するデータが記憶されることになる。
また、第2保留球格納エリア203eには、球が第2始動口64bへ入賞(始動入賞)したタイミングで取得されるデータ(各カウンタC1〜C3,CS1の各値)が最大4回分まで記憶されるが、その場合、4つの保留エリア(第2保留第1〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番にデータが記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い第2始動口64bへの始動入賞に対応するデータが記憶され、第2保留第1エリアには、時間的に最も古い第2始動口64bへの始動入賞に対応するデータが記憶されることになる。
一方、保留球実行エリア203fは、1つのエリアのみで構成されている。この保留球実行エリア203fには、第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203eと同様に、大当たり乱数カウンタC1の値を格納する大当たり乱数カウンタ格納エリア203f1と、大当たり種別カウンタC2の値を格納する大当たり種別カウンタ格納エリア203f2と、停止パターン選択カウンタC3の値を格納する停止パターン選択カウンタ格納エリア203f3、変動種別カウンタCS1の値を格納する変動種別カウンタ格納エリア203f4とが設けられている。
MPU201は、変動演出の実行開始タイミングになったことを判断すると、第2保留球格納エリア203eの第2保留第1エリアにデータ(各カウンタC1〜C3,CS1の各値)が記憶されている場合は、該第2保留第1エリアに記憶されているデータを、この保留球実行エリア203fの各エリア203f1〜203f4にそれぞれシフトする。一方、MPU201は、変動演出の実行開始タイミングとなった場合に、第2保留球格納エリア203eの第2保留第1エリアにデータが記憶されておらず、第1保留球格納エリア203dの第1保留第1エリアにデータが記憶されているとき、該第1保留第1エリアに記憶されているデータを、この保留球実行エリア203fの各エリア203f1〜203f4にそれぞれシフトする。
そして、保留球実行エリア203fにシフトされたデータを、変動開始処理(図23参照)において参照し、その参照データと遊技状態とに基づいて大当たり抽選を行うと共に、その抽選結果に対応する変動パターン及び停止種別を決定する。特別図柄表示装置37では、主制御装置110の制御により、この決定された変動パターンおよび停止種別に基づいて、動的表示が行われる。
また、ここで決定された変動パターン及び停止種別は、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドによって、暗号化装置300及び復号化装置400を介して音声ランプ制御装置113や表示制御装置114へ通知される。そして、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114の制御によって、第3図柄表示装置81では、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドにより通知された変動パターンおよび停止種別に基づいて、変動演出が行われる。
データのシフトの詳細について説明する。MPU201は、変動演出の実行開始タイミングとなったことを判断すると、第2保留球格納エリア203eの第2保留第1エリアにデータが格納されているか否かを判断する。判断の結果、第2保留第1エリアにデータが格納されていると判断された場合は、第2保留第1エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203e1の乱数値を、保留球実行エリア203fの大当たり乱数カウンタ格納エリア203f1へシフトする。同様に、第2保留第1エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203e2の乱数値を、大当たり種別カウンタ格納エリア203f2へシフトし、第2保留第1エリアの停止パターン選択カウンタ格納エリア203e3の乱数値を、停止パターン選択カウンタ格納エリア203f3へシフトし、第2保留第1エリアの変動種別カウンタ格納エリア203e4の乱数値を、変動種別カウンタ格納エリア203f4へシフトする。
そして、保留球実行エリア203fへのデータのシフトが終了すると、第2保留第1エリアが空き状態となるため、第2保留球格納エリア203eの各エリア(第2〜第4)に記憶(保留)されているデータを、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3)に詰めるシフト処理を行う。なお、第1実施形態では、第2保留球格納エリア203eにおいて、データが記憶(保留)されている第2保留エリア(第1〜第4)についてのみデータのシフトを行う。
ここで、第2保留球格納エリア203e内の各保留エリアに対して行われるデータシフトについて説明する。例えば、変動演出の開始判断が行われた時の第2保留球数カウンタ203bの値が「4」であり、第2保留球格納エリア203eの全エリア(第1〜第4)にデータが記憶されているとする。この状態で、第2保留第1エリアのデータが、保留球実行エリア203fへシフトされ、第2保留第1エリアが空き状態となると、MPU201は、他のエリア(第2〜第4)のデータをそれぞれ、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3)にシフトする。すなわち、第2保留第2エリアのデータを、第2保留第1エリアへシフトし、第2保留第3エリアのデータを、第2保留第2エリアへシフトし、第2保留第4エリアのデータを、第2保留第3エリアへシフトする。
また、例えば、変動演出の開始判断が行われた時の第2保留球数カウンタ203bの値が「2」であれば、MPU201は、第2保留第2エリアのデータのみを、第2保留第1エリアへシフトして、データのシフトを終了する。上述したように、第1実施形態では、データが記憶(保留)されていない第2保留エリア(第3〜第4)については、データのシフト処理を行わないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
なお、データの有無に関わらず、第2保留エリア(第2〜第4)の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、第2保留エリア(第2〜第4)にデータが記憶(保留)されているか否かの判定が不用となるので、プログラムの作成を容易とすることができる。
一方、MPU201は、変動演出の実行開始タイミングとなったときに、第2保留球格納エリア203eの第2保留第1エリアにデータが格納されていないと判断された場合は、次いで、第1保留球格納エリア203dの第1保留第1エリアにデータが格納されているか否かを判断する。判断の結果、第1保留第1エリアにデータが格納されていれば、該第1保留第1エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1の乱数値を、保留球実行エリア203fの大当たり乱数カウンタ格納エリア203f1へシフトする。同様に、第1保留第1エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203d2の乱数値を、大当たり種別カウンタ格納エリア203f2へシフトし、第1保留第1エリアの停止パターン選択カウンタ格納エリア203d3の乱数値を、停止パターン選択カウンタ格納エリア203f3へシフトし、第1保留第1エリアの変動種別カウンタ格納エリア203d4の乱数値を、変動種別カウンタ格納エリア203f4へシフトする。
そして、保留球実行エリア203fへのデータのシフトが終了すると、第1保留第1エリアが空き状態となるため、第1保留球格納エリア203dの各エリア(第2〜第4)に記憶(保留)されているデータを、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3)に詰めるシフト処理を行う。なお、第1実施形態では、第1保留球格納エリア203dにおいて、データが記憶(保留)されている第1保留エリア(第1〜第4)についてのみデータのシフトを行う。
ここで、第1保留球格納エリア203d内の各保留エリアに対して行われるデータシフトについて説明する。例えば、変動演出の開始判断が行われた時の第1保留球数カウンタ203aの値が「4」であり、第1保留球格納エリア203dの全エリア(第1〜第4)にデータが記憶されているとする。この状態で、第1保留第1エリアのデータが、保留球実行エリア203fへシフトされ、第1保留第1エリアが空き状態となると、MPU201は、他のエリア(第2〜第4)のデータをそれぞれ、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3)にシフトする。すなわち、第1保留第2エリアのデータを、第1保留第1エリアへシフトし、第1保留第3エリアのデータを、第1保留第2エリアへシフトし、第1保留第4エリアのデータを、第1保留第3エリアへシフトする。
また、例えば、変動演出の開始判断が行われた時の第1保留球数カウンタ203aの値が「2」であれば、MPU201は、第1保留第2エリアのデータのみを、第1保留第1エリアへシフトして、データのシフトを終了する。上述したように、第1実施形態では、データが記憶(保留)されていない第1保留エリア(第3〜第4)については、データのシフト処理を行わないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
なお、データの有無に関わらず、第1保留エリア(第2〜第4)の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、第1保留エリア(第2〜第4)にデータが記憶(保留)されているか否かの判定が不用となるので、プログラムの作成を容易とすることができる。
次いで、普図保留球格納エリア203gおよび普図保留球実行エリア203hの詳細について説明する。普図保留球格納エリア203gおよび普図保留球実行エリア203hは、普通図柄の当たり抽選や普通図柄表示装置83の可変表示の設定等を行うために、主制御装置110のMPU201により使用される。
普図保留球格納エリア203gは、スルーゲート67への球の通過の検出に伴ってカウンタ用バッファ203cより取得した普図当たりカウンタC4を記憶するためのメモリである。MPU201は、タイマ割込処理(図20参照)の中で、球がスルーゲート67を通過したことを検出すると、カウンタ用バッファ203cから普図当たりカウンタC4の値を取得し、普図保留球格納エリア203gに格納する。普図保留球格納エリア203gは、普通図柄の一の保留球に対応するデータ(普図当たりカウンタC4の値)が、最大4回分まで記憶(保留)できるように、4つの保留エリア(普図保留第1〜第4エリア)を有している(図9参照)。
普図保留球実行エリア203hは、実行を開始する、或いは、実行中の普通図柄の当たり抽選や可変表示の処理において参照すべきデータ(普図当たりカウンタC4の値)を記憶するためのメモリである。
MPU201は、普通図柄の可変表示の実行開始タイミングであることを検出すると、普通図柄の当たり抽選や普通図柄表示装置83の可変表示の設定等の処理を実行するために、上述した普図保留球格納エリア203gに記憶されているデータ(普図当たりカウンタC4の値)のうち、一のデータをこの普図保留球実行エリア203hへシフトする。なお、第1実施形態におけるシフトとは、一の領域に記憶されているデータを別の領域へ移動させることを示す。
上述したように、普通図柄の当たり抽選や普通図柄表示装置83の可変表示の設定には、普通図柄の当たり抽選に使用する普図当たりカウンタC4が用いられる。普図保留球格納エリア203gは、球がスルーゲート67を通過した場合にMPU201によってカウンタ用バッファ203cから取得される普図当たりカウンタC4の値を記憶する。
また、上述した通り、普図保留球格納エリア203gには、球がスルーゲート67を通過したタイミングで取得されるデータ(普図当たりカウンタC4の値)が最大4回分まで記憶されるが、その場合、4つの保留エリア(普図保留第1〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番にデータが記憶される。つまり、エリア番号が小さいエリアほど、時間的に古いスルーゲート67への球の通過に対応するデータが記憶され、普図保留第1エリアには、時間的に最も古いスルーゲート67への球の通過に対応するデータが記憶されることになる。
一方、普図保留球実行エリア203hは、1つのエリアのみで構成されている。この普図保留球実行エリア203hには、普図保留球格納エリア203gと同様に、普図当たりカウンタC4の値を格納する普図当たり乱数カウンタ格納エリア(図示せず)が設けられている。
MPU201は、普通図柄の可変表示の実行タイミングになったことを判断すると、普図保留球格納エリア203gの普図保留第1エリアに記憶されているデータを、この普図保留球実行エリア203hにシフトする。
そして、普図保留球実行エリア203hにシフトされたデータを、普図変動処理(図20のS111参照)において参照し、その参照データと遊技状態とに基づいて、当たり抽選を行うと共に、可変表示の内容を決定する。普通図柄表示装置83では、主制御装置110の制御により、この決定された内容に基づいて、可変表示が行われる。
データのシフトの詳細について説明する。MPU201は、普通図柄の可変表示の実行開始タイミングとなったことを判断すると、普図保留球格納エリア203gの普図保留第1エリアの普図当たり乱数カウンタ格納エリア(図示せず)の乱数値を、普図保留球実行エリア203hの普図当たり乱数カウンタ格納エリア(図示せず)へシフトする。
そして、普図保留球実行エリア203hへのデータのシフトが終了すると、普図保留第1エリアが空き状態となるため、普図保留球格納エリア203gの各エリア(第2〜第4)に記憶(保留)されているデータを、エリア番号が1小さいエリア(第1〜第3)に詰めるシフト処理を行う。なお、第1実施形態では、普図保留球格納エリア203gにおいて、データが記憶(保留)されている普図保留エリア(第1〜第4)についてのみデータのシフトを行う。
ここで、普図保留球格納エリア203g内の各保留エリアに対して行われるデータシフトについて説明する。例えば、普通図柄の可変表示の開始判断が行われた時の普通図柄の保留数が4個であり、普図保留球格納エリア203gの全エリア(第1〜第4)にデータが記憶されているとする。この状態で、普図保留第1エリアのデータが、普図保留球実行エリア203hへシフトされ、普図保留第1エリアが空き状態となると、MPU201は、他のエリア(第2〜第4)のデータをそれぞれ、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3)にシフトする。すなわち、普図保留第2エリアのデータを、普図保留第1エリアへシフトし、普図保留第3エリアのデータを、普図保留第2エリアへシフトし、普図保留第4エリアのデータを、普図保留第3エリアへシフトする。
また、例えば、普通図柄の可変表示の開始判断が行われた時の普通図柄の保留数2個であれば、MPU201は、普図保留第2エリアのデータのみを、普図保留第1エリアへシフトして、データのシフトを終了する。上述したように、第1実施形態では、データが記憶(保留)されていない普図保留エリア(第3〜第4)については、データのシフト処理を行わないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
なお、データの有無に関わらず、普図保留エリア(第2〜第4)の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、普図保留エリア(第2〜第4)にデータが記憶(保留)されているか否かの判定が不用となるので、プログラムの作成を容易とすることができる。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、少なくとも、上述した暗号化装置300と、特別図柄表示装置37と、普通図柄表示装置83と、普通図柄保留ランプ84とが接続されている。
また、入出力ポート205には、可変入賞装置65や普通電役64cの他、その他の駆動装置(図示せず)を駆動させるためのその他ソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
さらに、入出力ポート205には、検出装置として、可変入賞装置65に設けられて、該可変入賞装置65に入賞した球を検知する大入賞口スイッチ等の図示しないスイッチ群やセンサ群などからなるその他スイッチ208と、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ122とが接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ122より出力されるRAM消去信号に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図26参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチ217が接続されている。さらに、払出制御装置111は、賞球検出スイッチ217によって検出された賞球の検知結果を示す賞球検知信号や、異常な球の払い出しが行われた場合に該払出異常を示す払出異常信号を主制御装置110に出力可能に構成されている。なお、該賞球検出スイッチ217は、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。また、払出制御装置111から主制御装置110に向けて出力する賞球検知信号や払出異常信号等のフィードバック制御に使用する信号は、暗号化装置300によって暗号化されず、直接、主制御装置110に対して入力される。このように構成することで、遊技の実行を指示するコマンドのみを暗号化し、遊技が適切に行われているか否かを検知する信号を暗号化しないことで、主制御装置110における遊技指示に対する遊技結果の検証を迅速に行うことが可能となる。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さになるように球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出や連続予告演出、「キャラクタ選択」演出といった第3図柄表示装置81にて行われる演出の表示態様の設定などを制御するものである。
演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、暗号化装置300、復号化装置400、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、及び、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。第1実施形態では、暗号化装置300から音声ランプ制御装置113へ一方向にのみコマンドが送信されるように構成され、音声ランプ制御装置113から暗号化装置300(主制御装置110側)へコマンド送信ができないように構成されている。一方、音声ランプ制御装置113と表示制御装置114及び復号化装置400とは、互いにコマンドの送受信が可能に構成されている。
また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示される演出のステージを変更したり、「スーパーリーチ」演出態様等の背面画像を変更したり、「キャラクタ選択」演出における選択キャラクタを変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御すると共に、表示制御装置114へ枠ボタン22の押下に基づいた表示を第3図柄表示装置81に表示させるように指示する。即ち、音声ランプ制御装置113独自で生成する制御コマンドは、暗号化装置300による暗号化及び多重化が行われず、また、復号化装置400を介して分離化及び復号化もされず、直接、各装置114等に出力される。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252を有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111のNMI端子へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理(図26参照)を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理を正常に実行し完了することができる。
ここで、図19を参照して、音声ランプ制御装置113の詳細な電気的構成について説明する。図19は、主に音声ランプ制御装置113の電気的構成を示すブロック図である。音声ランプ制御装置113のROM222には、MPU221にて実行される各種制御プログラムの他、固定値データとして、大当たり乱数テーブル222a、大当たり種別テーブル222b、停止パターンテーブル222c、変動パターンテーブル222dが少なくとも格納されている。これらのテーブル222a〜222dは、いずれも主制御装置110のROM202に設けられた大当たり乱数テーブル202a、大当たり種別テーブル202b、停止パターンテーブル202d、変動パターンテーブル202eと同じものである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110において始動入賞に伴いカウンタ用バッファ203cより取得され、保留球数コマンドによって送信された大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3および変動種別カウンタCS1の各値と、大当たり乱数テーブル222a、大当たり種別テーブル222b、停止パターンテーブル222cおよび変動パターンテーブル222dとに基づいて、先読み処理を実行可能に構成されている。
そして、この先読み処理によって、その先読み処理の対象となった保留中の変動演出が、結果としてどのような演出となるか(大当たりとなるか否か、「リーチ表示」となるか否か等)をその変動演出の実行前に判断して、各種の演出の実行を決定したり、コクピット表示領域Dbに表示される保留図柄の表示態様を変化させる「保留変化予告」の演出内容(及び実行時期(タイミング))を決定したりする制御を実行する。
RAM223には、変動開始フラグ223a、サブ第1保留球数カウンタ223b、サブ第2保留球数カウンタ223c、第1保留情報格納エリア223d、第2保留情報格納エリア223e、実行情報格納エリア223fが少なくとも設けられている。
変動開始フラグ223aは、オン状態で特別図柄の変動演出を開始すべきことを示すフラグである。この変動開始フラグ223aは、電源投入時に初期値としてオフに設定され、主制御装置110から出力された停止種別コマンドを受信した場合にオンされる(図32のS2305参照)。そして、第3図柄表示装置81における特別図柄の変動演出の設定がなされるときにオフされる(図33のS2402参照)。
音声ランプ制御装置113のMPU221は、この変動開始フラグ223aがオンされたことを契機として、待機中の変動演出が存在する場合に、該待機中の変動演出を実行させるための変動演出処理(図33参照)を行う。
サブ第1保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の第1保留球数カウンタ203aと同様に、第3図柄表示装置81(特別図柄表示装置37)で実行され得る第1特別図柄の変動演出(動的表示)であって、主制御装置110において保留されている第1特別図柄の変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている第1保留球数カウンタ203aの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から暗号化装置300及び復号化装置400を介して送信されるコマンド(保留球煤コマンド)に基づいて保留球数を格納・更新し、サブ第1保留球数カウンタ223bにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、音声ランプ制御装置113は、第1始動口64aへの入球によって第1特別図柄の変動演出の保留球数が追加されて主制御装置110において第1保留球数カウンタ203aの値が加算された場合に、主制御装置110より暗号化装置300及び復号化装置400を介して送信される第1保留球数コマンドを受信すると、その第1保留球数コマンドに含まれる、主制御装置110の第1保留球数カウンタ203aの加算後の値(即ち、主制御装置110に保留された第1特別図柄の変動演出の保留球数)をサブ第1保留球数カウンタ223bに格納する。
また、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110において第1保留球数カウンタ203aの値が減算される場合に主制御装置110から暗号化装置300及び復号化装置400を介して送信される第1特別図柄の変動演出に対応する特図1変動パターンコマンド及び特図1停止種別コマンドを受信し、それらの受信に伴って第3図柄表示装置81で第1特別図柄の変動演出の態様を設定する場合に、サブ第1保留球数カウンタ223bの値を1減算(更新)する。このように、第1保留球数カウンタ203aの更新にあわせて主制御装置110から暗号化装置300及び復号化装置400を介して送信されるコマンドに従って、音声ランプ制御装置113ではサブ第1保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の第1保留球数カウンタ203aと同期させながら、サブ第1保留球数カウンタ223bの値を更新することができる。
サブ第2保留球数カウンタ223cは、主制御装置110の第2保留球数カウンタ203bと同様に、第3図柄表示装置81(特別図柄表示装置37)で実行され得る第2特別図柄の変動演出(動的表示)であって、主制御装置110において保留されている第2特別図柄の変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている第2保留球数カウンタ203bの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から暗号化装置300及び復号化装置400を送信されるコマンドに基づいて保留球数を格納・更新し、サブ第2保留球数カウンタ223cにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、音声ランプ制御装置113は、第2始動口64bへの入球によって第2特別図柄の変動演出の保留球数が追加されて主制御装置110において第2保留球数カウンタ203bの値が加算された場合に、主制御装置110より暗号化装置300及び復号化装置400を介して送信される第2保留球数コマンドを受信すると、その第2保留球数コマンドに含まれる、主制御装置110の第2保留球数カウンタ203bの加算後の値(即ち、主制御装置110に保留された第2特別図柄の変動演出の保留球数)をサブ第2保留球数カウンタ223cに格納する。
また、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110において第2保留球数カウンタ203bの値が減算される場合に主制御装置110から暗号化装置300及び復号化装置400を介して送信される第2特別図柄の変動演出に対応する特図2変動パターンコマンド及び特図2停止種別コマンドを受信し、それらの受信に伴って第3図柄表示装置81で第2特別図柄の変動演出の態様を設定する場合に、サブ第2保留球数カウンタ223cの値を1減算(更新)する。このように、第2保留球数カウンタ203bの更新にあわせて主制御装置110から暗号化装置300及び復号化装置400を介して送信されるコマンドに従って、音声ランプ制御装置113ではサブ第2保留球数カウンタ223cの値を更新するので、主制御装置110の第2保留球数カウンタ203bと同期させながら、サブ第2保留球数カウンタ223cの値を更新することができる。
サブ第1保留球数カウンタ223b又はサブ第2保留球数カウンタ223cの値は、第3図柄表示装置81における保留図柄及び実行図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、第1保留球数コマンド又は第2保留球数コマンドの受信に応じてそのコマンドにより示される保留球数をサブ第1保留球数カウンタ223b又はサブ第2保留球数カウンタ223cに格納したり、特図1変動パターンコマンド及び特図1停止種別コマンド、又は、特図2変動パターンコマンド及び特図2停止種別コマンドの受信に応じて、サブ第1保留球数カウンタ223b又はサブ第2保留球数カウンタ223cの値を更新したりするタイミングで、格納後もしくは更新後のサブ第1保留球数カウンタ223b及びサブ第2保留球数カウンタ223cの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用第1保留球数コマンド又は表示用第2保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用第1保留球数コマンド又は表示用第2保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113のサブ第1保留球数カウンタ223b及びサブ第2保留球数カウンタ223cの値分の保留図柄と、実行中の変動演出を示す実行図柄とを第3図柄表示装置81のコクピット表示領域Db(図6(b)参照)に表示するように、画像の描画を制御する。
上述したように、サブ第1保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の第1保留球数カウンタ203aと同期しながら、その値が変更され、また、サブ第2保留球数カウンタ223cは、主制御装置110の第2保留球数カウンタ203bと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81のコクピット表示領域Db(図6(b)参照)に表示される保留図柄の数も、主制御装置110の第1保留球数カウンタ203a又は第2保留球数カウンタ203bの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動演出が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
第1保留情報格納エリア223dは、保留されている第1特別図柄の変動演出等を行うための情報、即ち、主制御装置110において始動入賞に伴いカウンタ用バッファ203cより取得され、第1保留球数コマンドによって送信された第1特別図柄の変動演出に関する大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値とを格納するためのエリアである。
音声ランプ制御装置113は、第1保留情報格納エリア223dに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値と、ROM222に格納された各テーブル222a〜222dとを用いて、第1特別図柄の変動演出を実行するように構成されている。
第2保留情報格納エリア223eは、保留されている第2特別図柄の変動演出等を行うための情報、即ち、主制御装置110において始動入賞に伴いカウンタ用バッファ203cより取得され、第2保留球数コマンドによって送信された第2別図柄の変動演出に関する大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値とを格納するためのエリアである。
音声ランプ制御装置113は、第2保留情報格納エリア223eに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値と、ROM222に格納された各テーブル222a〜222dとを用いて、第2特別図柄の変動演出を実行するように構成されている。
実行情報格納エリア223fは、第3図柄表示装置81で実行中の第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出の情報、即ち、主制御装置110において始動入賞に伴いカウンタ用バッファ203cより取得され、保留球数コマンドによって送信された大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値とを格納するためのエリアである。
音声ランプ制御装置113のMPU221は、変動演出の実行開始タイミングであることを検出すると、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出の設定等を実行するために、上述した第1保留情報格納エリア223dの第1保留情報格納第1エリア、又は、第2保留情報格納エリア223eの第2保留情報格納第2エリアに記憶されている変動演出を行うための情報(カウンタC1〜C3,CS1等の各値)を、この実行情報格納エリア223fへシフトする。
ここで、第1保留情報格納エリア223d、第2保留情報格納エリア223e及び実行情報格納エリア223fの詳細について説明する。第1保留情報格納エリア223dは、第1保留情報格納第1〜第4エリアの4つのエリアを有している。各第1保留情報格納第1〜第4エリアには、それぞれ、大当たり乱数カウンタC1の値が格納される大当たり乱数カウンタ格納エリアと、大当たり種別カウンタC2の値が格納される大当たり種別カウンタ格納エリアと、停止パターン選択カウンタC3の値が格納される停止パターン選択カウンタ格納エリアと、変動種別カウンタCS1の値が格納される変動種別カウンタ格納エリアとが少なくとも設けられている。
また、第2保留情報格納エリア223eは、第1保留情報格納エリア223dと同様、第2保留情報格納第1〜第4エリアの4つのエリアを有している。各第2保留情報格納第1〜第4エリアには、それぞれ、大当たり乱数カウンタC1の値が格納される大当たり乱数カウンタ格納エリアと、大当たり種別カウンタC2の値が格納される大当たり種別カウンタ格納エリアと、停止パターン選択カウンタC3の値が格納される停止パターン選択カウンタ格納エリアと、変動種別カウンタCS1の値が格納される変動種別カウンタ格納エリアとが少なくとも設けられている。
さらに、実行情報格納エリア223fには、現在実行中の第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出に対応する大当たり乱数カウンタC1の値が格納される大当たり乱数カウンタ格納エリアと、大当たり種別カウンタC2の値が格納される大当たり種別カウンタ格納エリアと、停止パターン選択カウンタC3の値が格納される停止パターン選択カウンタ格納エリアと、変動種別カウンタCS1の値が格納される変動種別カウンタ格納エリアとが少なくとも設けられている。
具体的には、実行情報格納エリア223fが、現在実行中の第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出に対応するエリアである。
また、第1保留情報格納第1エリアが、保留された第1特別図柄の変動演出のうち時間的に1番目に保留された第1特別図柄の変動演出に対応するエリアであり、第1保留情報格納第2エリアが、保留された第1特別図柄の変動演出のうち時間的に2番目に古く保留された第1特別図柄の変動演出に対応するエリアであり、第1保留情報格納第3エリアが、保留された第1特別図柄の変動演出のうち時間的に3番目に古く保留された第1特別図柄の変動演出に対応するエリアであり、第1保留情報格納第4エリアが、保留された第1特別図柄の変動演出のうち時間的に4番目に古く保留された第1特別図柄の変動演出に対応するエリアである。
さらに、第2保留情報格納第1エリアが、保留された第2特別図柄の変動演出のうち時間的に1番目に保留された第2特別図柄の変動演出に対応するエリアであり、第2保留情報格納第2エリアが、保留された第2特別図柄の変動演出のうち時間的に2番目に古く保留された第2特別図柄の変動演出に対応するエリアであり、第2保留情報格納第3エリアが、保留された第2特別図柄の変動演出のうち時間的に3番目に古く保留された第2特別図柄の変動演出に対応するエリアであり、第2保留情報格納第4エリアが、保留された第2特別図柄の変動演出のうち時間的に4番目に古く保留された第2特別図柄の変動演出に対応するエリアである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より暗号化装置300及び復号化装置400を介して保留球数コマンドを受信すると、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値と、対応する特別図柄とを、保留球数コマンドより抽出する。そして、音声ランプ制御装置113は、抽出した各カウンタC1〜C3,CS1の値をそれぞれ、対応する第1保留情報格納第1〜第4エリア又は第2保留情報格納第1〜第4エリアのうち該保留球数コマンドに含まれる保留球数に対応するエリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア、大当たり種別カウンタ格納エリア、停止パターン選択カウンタ格納エリア、変動種別カウンタ格納エリアに格納する。
具体的には、保留球数コマンドに含まれる保留球数がX(1≦X≦4)であって、第1特別図柄に対応するものであれば、その時点で保留されている第1特別図柄の変動演出の数はXであり、その保留球数コマンドに含まれる各カウンタC1〜C3,CS1の値は、保留された第1特別図柄の変動演出のうち時間的にX番目に保留された第1特別図柄の変動演出に対応したものとなるので、第1保留情報格納第Xエリアの各カウンタ格納エリアに対応するカウンタC1〜C3,CS1の値を格納する。このとき、主制御装置110では、保留球数コマンドに含めた各カウンタC1〜C3,CS1の値を第1保留球格納エリア203dの第1保留第Xエリアに格納する。つまり、主制御装置110の第1保留第Xエリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1と同じ値が、第1保留情報格納第Xエリアに格納されることになる。
一方、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より暗号化装置300及び復号化装置400を介して変動演出の開始を意味する変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドを受信すると、第1保留情報格納エリア223d又は第2保留情報格納エリア223eに格納された情報を、実行情報格納エリア223fに対してシフトする処理を実行する。つまり、第2特別図柄に関する保留情報が存在する場合は、時間的に1番目に保留された第2特別図柄の変動演出の実行が開始されるので、その1番目に保留された第2特別図柄の変動演出に対応する第2保留情報格納第1エリアの各格納エリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、現在実行中の変動演出に対応する実行情報格納エリア223fの各格納エリアに移動させる。一方、第2特別図柄に関する保留情報が存在せず、第1特別図柄に関する保留情報のみが存在する場合は、時間的に1番目に保留された第1特別図柄の変動演出の実行が開始されるので、その1番目に保留された第1特別図柄の変動演出に対応する第1保留情報格納第1エリアの各格納エリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、現在実行中の変動演出に対応する実行情報格納エリア223fの各格納エリアに移動させる。
また、第2保留情報格納第1エリアの各格納エリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を実行情報格納エリア223fの各格納エリアに移動させた場合は、第2保留情報格納第2エリアの各格納エリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、第2保留情報格納第1エリアの各格納エリアに移動させ、第2保留情報格納第3エリアの各格納エリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、第2保留情報格納第2エリアの各格納エリアに移動させ、第2保留情報格納第4エリアの各格納エリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、第2保留情報格納第3エリアの各格納エリアに移動させる。
さらに、第1保留情報格納第1エリアの各格納エリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を実行情報格納エリア223fの各格納エリアに移動させた場合は、第1保留情報格納第2エリアの各格納エリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、第1保留情報格納第1エリアの各格納エリアに移動させ、第1保留情報格納第3エリアの各格納エリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、第1保留情報格納第2エリアの各格納エリアに移動させ、第1保留情報格納第4エリアの各格納エリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、第1保留情報格納第3エリアの各格納エリアに移動させる。
これにより、実行情報格納エリア223fには、主制御装置110の保留球実行エリア203fに格納された各カウンタC1〜C3,CS1と同じ値が格納されることになる。また、第1保留情報格納第1〜第4エリア及び第2保留情報格納第1〜第4エリアには、それぞれ、主制御装置110の第1保留球格納エリア203dの第1保留第1〜第4エリア、及び、第2保留球格納エリア203eの第2保留第1〜第4エリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1と同じ値が格納されることになる。つまり、音声ランプ制御装置113には、主制御装置110にて実行中および保留中の第1特別図柄及び第2特別図柄の変動演出に対応する各カウンタC1〜C3,CS1が、実行情報格納エリア223f並びに第1保留情報格納エリア223d及び第2保留情報格納エリア223eに格納される。
音声ランプ制御装置113では、上述した「保留変化予告」等の先読み処理を行う場合に、サブ第1保留球数カウンタ223b及びサブ第2保留球数カウンタ223cから保留されている第1特別図柄及び第2特別図柄の変動演出の数(保留球数)を把握する。そして、その保留球数に基づき、第1保留情報格納第1〜第4エリア及び第2保留情報格納第1〜第4エリアのうち、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出が保留されているエリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を先読みし、その変動演出において大当たりとなるか否かや、変動時間等が判定される。
具体的には、例えば、サブ第1保留球数カウンタ223bの値が「1」であって、サブ第2保留球数カウンタ223cの値が「0」であれば、第1特別図柄の変動演出の保留球数が1回であって第2特別図柄の変動演出の保留球数が0回であるので、第1保留情報格納第1エリアについて、格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を先読みし、判定を行う。また、サブ第1保留球数カウンタ223bの値が「0」であって、サブ第2保留球数カウンタ223cの値が「4」であれば、第1特別図柄の変動演出の保留球数が0回であって第2特別図柄の変動演出の保留球数が4回であるので、第2保留情報格納第4エリアについて、格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を先読みし、判定を行う。
パチンコ機10は、主制御装置110から暗号化装置300を介して音声ランプ制御装置113へ一方向にのみコマンドが送信されるように構成されており、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110のRAM203等にアクセスすることはできない。これに対し、音声ランプ制御装置113は、第1保留情報格納エリア223d及び第2保留情報格納エリア223eを設けて、主制御装置110にて保留された第1特別図柄及び第2特別図柄の変動演出に対応する各カウンタC1〜C3,CS1を音声ランプ制御装置113にも格納するので、この第1保留情報格納エリア223d及び第2保留情報格納エリア223eに格納された各カウンタC1〜C3,CS1を参照することで、先読み処理を音声ランプ制御装置113にて実行できるようになっている。即ち、保留された第1特別図柄又は/及び第2特別図柄の変動演出が実行された場合に、その変動演出の結果がどのようになるか(大当たりとなるか否か、変動時間はどうなるか等)を変動演出の実行前に判断して、各種の演出の実行を決定することができる。
なお、第1保留情報格納エリア223d又は第2保留情報格納エリア223e、および、実行情報格納エリア223fにおける上述のシフト処理は、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドを受信したときの保留球数(変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドの受信に基づく更新が行われる前のサブ第1保留球数カウンタ223b及びサブ第2保留球数カウンタ223cの値)に基づいて、第1保留情報格納第1〜第4エリア及び第2保留情報格納第1〜第4エリアのうち保留されている変動演出に対応するエリアについてのみデータの移動(シフト)を行う。
例えば、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドを受信したときの更新前のサブ第1保留球数カウンタ223bの値が「4」であり、第1保留情報格納エリア223dの全エリア(第1保留情報格納第1〜第4エリア)にデータが記憶されているとする。この場合、第1保留情報格納第1エリアのデータを実行情報格納エリア223fへシフトし、第2保留情報格納第2エリアのデータを第1保留情報格納第1エリアへシフトし、第1保留情報格納第3エリアのデータを第1保留情報格納第2エリアへシフトし、第1保留情報格納第4エリアのデータを第1保留情報格納第3エリアへシフトする。
一方、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドを受信したときの更新前のサブ第1保留球数カウンタ223bの値が「2」であれば、第1保留情報格納第1エリアのデータを実行情報格納エリア223fへシフトし、第1保留情報格納第2エリアのデータを第1保留情報格納第1エリアへシフトして、データのシフトを終了する。上述したように、本実施形態では、変動演出が保留されていない第1保留情報格納第3,第4エリアについては、データのシフト処理を行わないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
なお、データの有無に関わらず、第1保留情報格納第1〜第4エリア又は第2保留情報格納第1〜第4エリアの各データを、エリア番号が1小さいエリア(実行情報格納エリア223f又は第1保留情報格納第1〜第3エリア若しくは第2保留情報格納第1〜第3エリア)にそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、第1保留情報格納第1〜第4エリア又は第2保留情報格納第1〜第4エリアの各々のエリアについて、データが記憶(保留)されているか否かの判定を不用とするので、プログラムの作成を容易とすることができる。
音声ランプ制御装置113のRAM223は、その他、主制御装置110より暗号化装置300を介して受信したコマンド、または、復号化装置400より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。
コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ制御装置113のコマンド受信処理(図31参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド受信処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における特別図柄の変動演出や、「保留変化予告」等の連続予告演出を制御するものである。
次に、図20から図26のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理(図24参照)と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理(図25参照)と、定期的(第1実施形態では、「4ミリ秒」周期)に起動されるタイマ割込処理(図20参照)と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理(図26参照)とがある。ここでは、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理(図20参照)を説明し、その後立ち上げ処理(図24参照)とメイン処理(図25参照)とNMI割込処理(図26参照)とを説明する。
図20は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば「4ミリ秒」毎に繰り返し実行される定期処理である。MPU201がこのタイマ割込処理を実行することによって、定期的に実行すべき各種の処理が行われる。
このタイマ割込処理では、まず、外部出力処理を実行する(S101)。タイマ割込処理やメイン処理では、各種処理に基づいて、暗号化装置300及び復号化装置400を介して払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等へ送信すべきコマンド等を生成し、RAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦記憶する。S101の外部出力処理では、このコマンド送信用リングバッファに記憶されたコマンド等の出力データを、サブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する。
例えば、後述する始動入賞処理(図21参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、特図変動処理(図22参照)や特図変動処理の一処理である変動開始処理(図23)で設定された変動パターンコマンド、停止種別コマンド、確定コマンド等を暗号化装置300及び復号化装置400を介して音声ランプ制御装置113に送信する。その他、後述のS112の発射制御処理において球の発射を行う場合に設定された球発射信号を、暗号化装置300及び復号化装置400、並びに、払出制御装置111を介して発射制御装置112に送信する。
次に、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S102)、次いで、第1特別図柄又は第2特別図柄に基づく大当たり時における処理等を実行する当たり処理を実行する(S103)。
次いで、普通電役64cの回動板の駆動制御処理を実行する普通電役制御処理を実行する(S104)。簡単に説明すると、球がスルーゲート67を通過したことを条件に普通図柄表示装置83にて普通図柄の可変表示が実施され、普通図柄の可変表示の結果、普通図柄の当たり図柄(例えば、「○」図柄)が現出して当たり状態になると、普通電役64cの回動板を所定時間開放駆動する。
次いで、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S105)。即ち、主制御装置110に接続されている第1始動口スイッチ、第2始動口スイッチ、大入賞口スイッチ、及び、各種スイッチ208の状態を読み込むと共に、当該スイッチ208の状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。また、入賞検知情報に基づいて暗号化装置300及び復号化装置400を介して払出制御装置111に対して送信すべき獲得球数に対応する賞球コマンドをRAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する。これにより、次に実行されるタイマ割込処理のS101の処理によって、賞球コマンドが暗号化装置300及び復号化装置400を介して払出制御装置111に向けて送信される。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S106)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(第1実施形態では、「899」)に達した際、「0」にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ203c領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(第1実施形態では、「99」)に達した際、「0」にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するカウンタ用バッファ203c領域に格納する。
さらに、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1及び普図当たりカウンタC4の更新を実行する(S107)。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1及び普図当たりカウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(第1実施形態では、それぞれ、「899」,「99」,「99」,「199」,「99」)に達した際、それぞれ「0」にクリアする。また、大当たり乱数カウンタC1又は普図当たりカウンタC4が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1又は第2初期値乱数カウンタCINI2の値を当該大当たり乱数カウンタC1又は普図当たりカウンタC4の初期値として読み込み、その初期値を大当たり乱数カウンタC1又は普図当たりカウンタC4に設定する。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ203c領域に格納する。
次に、第1始動口64a又は第2始動口64bへの入賞に伴う始動入賞処理を実行し(S108)、次いで、スルーゲート67への球の通過に伴って普通図柄の当否および可変表示の内容等を決定するゲート通過処理を実行する(S109)。なお、始動入賞処理の詳細は、図21を参照して後述する。
ゲート通過処理(S109)を実行した後は、上記始動入賞処理(S108)の処理内容に基づいて特別図柄表示装置37による特別図柄の動的表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特図変動処理を実行する(S110)。なお、特図変動処理(S110)の詳細は図22を参照して後述する。
次いで、上記ゲート通過処理(S109)の処理内容に基づいて普通図柄表示装置83による普通図柄の可変表示を行うための処理を実行する普図変動処理を実行する(S111)。普図変動処理(S111)では、後述する時短カウンタの値に応じて、普通図柄の抽選確率が高確率(例えば、9/10)か低確率(1/10)のいずれかで行われる。
普図変動処理(S111)を実行した後は、発射制御処理を実行し(S112)、さらに、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S113)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理(S112)は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。そして、球の発射がオンである場合、発射制御装置112へ球発射信号を送信するために、その球発射信号の情報を、RAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する。これにより、次に実行されるタイマ割込処理のS101の処理によって、球発射信号が暗号化装置300、復号化装置400及び払出制御装置111を介して発射制御装置112へ送信される。
次に、図21のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図20参照)の一処理である始動入賞処理(S108)を説明する。図21は、この始動入賞処理(S108)を示すフローチャートである。始動入賞処理は、第1始動口64a又は第2始動口64b(以下、第1始動口64aと第2始動口64bとを総称して、「始動口64a,64b」と称する場合がある)への球の入賞の有無を判断し、入賞があった場合は、各カウンタC1〜C3,CS1の値を入賞した始動口64a,64bに対応する第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203eに格納する(保留する)処理を実行する。また、保留する各カウンタC1〜C3,CS1の値を保留球数と合わせて音声ランプ制御装置113へ送信するための処理を実行する。
この始動入賞処理(S108)では、まず、球が第1始動口64aに入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S201)。ここでは、スイッチ読み込み処理(図20のS105参照)において読み込んだ、第1始動口64aへの入球(入賞)を検出する第1始動口スイッチ(図示せず)の出力信号に基づいて、第1始動口64aへの入球を3回のタイマ割込処理(図20参照)にわたって検出する。
球が第1始動口64aに入賞した(始動入賞があった)と判別されると(S201:Yes)、次いで、第1保留球数カウンタ203aの値(主制御装置110において保留されている第1特別図柄の動的表示(変動演出)の作動保留球数N1)が上限値(第1実施形態では、「4」)未満であるか否かを判別する(S202)。そして、第1始動口64aへの入賞があっても作動保留球数N1<4でなければ(S202:No)、この始動入賞処理(S108)を終了し、タイマ割込処理(図20参照)へ戻る。
一方、作動保留球数N1<4であれば(S202:Yes)、第1保留球数カウンタ203aの値(作動保留球数N1)を1加算する(S203)。そして、今回、第1特別図柄に対応する第1始動口64aへの入賞であるので、第1保留球格納エリア203dを各乱数値C1〜C3,CS1の格納先として設定し(S204)、処理をS209へ移行する。
S201の処理において、球が第1始動口64aへ入賞していないと判別された場合(S201:No)、次いで、球が第2始動口64bに入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S205)。ここでは、第1始動口64aと同様、スイッチ読み込み処理(図20のS105参照)において読み込んだ、第2始動口64bへの入球(入賞)を検出する第2始動口スイッチ(図示せず)の出力信号に基づいて、第2始動口64bへの入球を3回のタイマ割込処理(図20参照)にわたって検出する。
球が第2始動口64bに入賞した(始動入賞があった)と判別されると(S205:Yes)、次いで、第2保留球数カウンタ203bの値(主制御装置110において保留されている第2特別図柄の動的表示(変動演出)の作動保留球数N2)が上限値(第1実施形態では、「4」)未満であるか否かを判別する(S206)。そして、第2始動口64bへの入賞がないか(S205:No)、或いは、第2始動口64bへの入賞があっても作動保留球数N2<4でなければ(S206:No)、この始動入賞処理(S108)を終了して、タイマ割込処理(図20参照)へ戻る。
一方、作動保留球数N2<4であれば(S206:Yes)、第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N2)を1加算する(S207)。そして、今回、第2特別図柄に対応する第2始動口64bへの入賞であるので、第2保留球格納エリア203eを各乱数値C1〜C3,CS1の格納先として設定し(S208)、処理をS209へ移行する。
S209の処理では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値をカウンタ用バッファ203c(図9参照)から読み出し、S204又はS208で格納先として設定された第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203eに設けられた第1保留第1〜第4エリア又は第2保留第1〜第4エリアのうち、第1保留球格納エリア203dが格納先として指定されている場合は第1保留球数カウンタ203aで示される値に対応するエリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1、大当たり種別カウンタ格納エリア203d2、停止パターン選択カウンタ格納エリア203d3及び変動種別カウンタ格納エリア203d4に各々保留(格納)する(S209)。また、第2保留球格納エリア203eが格納先として指定されている場合は第2保留球数カウンタ203bで示される値に対応するエリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203e1、大当たり種別カウンタ格納エリア203e2、停止パターン選択カウンタ格納エリア203e3及び変動種別カウンタ格納エリア203e4に各々保留(格納)する(S209)。
具体的には、例えば、第1始動口64aへの入賞に基づいてS204の処理において第1保留球格納エリア203dが格納先として設定され、また、S203の処理による加算後の第1保留球数カウンタ203aの値が「1」であれば、第1保留第1エリアの各格納エリアにそれぞれカウンタC1〜C3,CS1の値が保留される。また、加算後の第1保留球数カウンタ203aの値が「2」であれば第1保留第2エリアの各格納エリアに、加算後の第1保留球数カウンタ203aの値が「3」であれば第1保留第3エリアの各格納エリアに、加算後の第1保留球数カウンタ203aの値が「4」であれば第1保留第4エリアの各格納エリアに、各々カウンタC1〜C3,CS1の値が保留される。
また、例えば、第2始動口64bへの入賞に基づいてS208の処理において第2保留球格納エリア203eが格納先として設定され、また、S207の処理による加算後の第2保留球数カウンタ203bの値が「1」であれば、第2保留第1エリアの各格納エリアにそれぞれカウンタC1〜C3,CS1の値が保留される。また、加算後の第2保留球数カウンタ203bの値が「2」であれば第2保留第2エリアの各格納エリアに、加算後の第2保留球数カウンタ203bの値が「3」であれば第2保留第3エリアの各格納エリアに、加算後の第2保留球数カウンタ203bの値が「4」であれば第2保留第4エリアの各格納エリアに、各々カウンタC1〜C3,CS1の値が保留される。
次に、S203又はS207の処理による加算後の第1保留球数カウンタ203a又は第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N1又は作動保留球数N2)と、S209の処理により第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203eに格納(保留)した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値を含む保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信するために、該保留球数コマンドをRAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する(S210)。これにより、次に実行されるタイマ割込処理(図20参照)のS101の外部出力処理によって、保留球数コマンドが暗号化装置300及び復号化装置400を介して音声ランプ制御装置113に対して送信される。S210の処理を終えると、タイマ割込処理(図20参照)に戻る。
なお、S210の処理において保留球数コマンドに含める各カウンタC1〜C3,CS1の値は、S209の処理によりカウンタ用バッファ203cから読み出した値そのものを用いてもよいし、S209の処理において第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203eに格納(保留)された値を読み出したものを用いてもよい。
次に、図22を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図20参照)の一処理である特図変動処理(S110)について説明する。図22は、この特図変動処理(S110)を示すフローチャートである。この特図変動処理(S110)は、特別図柄表示装置37における動的表示や第3図柄表示装置81にて行う変動演出に関する制御を行うものである。
この特図変動処理(S110)では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S301)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81及び特別図柄表示装置37で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S301:Yes)、そのまま特図変動処理(S110)を終了し、タイマ割込処理(図20参照)に戻る。
大当たり中でなければ(S301:No)、特別図柄表示装置37の表示態様が動的表示中であるか否かを判別し(S302)、特別図柄表示装置37の表示態様が動的表示中でなければ(S302:No)、次いで、特別図柄表示装置37における動的表示が停止後、所定時間経過したか否かを判別する(S303)。その結果、動的表示の停止後、所定時間経過していなければ(S303:No)、タイマ割込処理(図20参照)へ戻る。これにより、動的表示(変動演出)における停止図柄が所定時間だけ特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者に対して、その停止図柄を視認させることができる。
一方、S303の処理の結果、動的表示の停止後、所定時間経過していれば(S303:Yes)、第2保留球数カウンタ203bの値(主制御装置110において保留されている第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)の作動保留球数N2)が「0」よりも大きいか否かを判別する(S304)。その結果、第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N2)が「0」でなければ(S304:Yes)、第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)の実行開始タイミングであると判断し、まず、第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N2)を1減算する(S305)。これは、後述する変動開始処理(S310)によって、保留されていた第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)のうち1の動的表示(変動演出)の実行が開始されるため、第2特別図柄に関する保留球数が1つ減少するためである。
次いで、第2保留球格納エリア203eに格納されたデータをシフト処理する(S306)。このデータシフト処理は、第2保留球格納エリア203eの第2保留第1〜第4エリアに格納されているデータを保留球実行エリア203fへ向けて順にシフトさせる処理であって、第2保留第1エリア→保留球実行エリア203f、第2保留第2エリア→第2保留第1エリア、第2保留第3エリア→第2保留第2エリア、第2保留第4エリア→第2保留第3エリアといった具合に、各エリア内のデータがシフトされる。
一方、S304の処理において、第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N2)が「0」であると判別されると(S304:No)、次に、第1保留球数カウンタ203aの値(主制御装置110において保留されている第1特別図柄に関する動的表示(変動演出)の作動保留球数N1)が「0」よりも大きいか否かを判別する(S307)。その結果、第1保留球数カウンタ203aの値(作動保留球数N1)が「0」でなければ(S307:Yes)、第1特別図柄に関する動的表示(変動演出)の実行開始タイミングであると判断し、まず、第1保留球数カウンタ203aの値(作動保留球数N1)を1減算する(S308)。これは、後述する変動開始処理(S310)によって、保留されていた第1特別図柄に関する動的表示(変動演出)のうち1の動的表示(変動演出)の実行が開始されるため、保留球数が1つ減少するためである。
次いで、第1保留球格納エリア203dに格納されたデータをシフト処理する(S309)。このデータシフト処理は、第1保留球格納エリア203dの第1保留第1〜第4エリアに格納されているデータを保留球実行エリア203fへ向けて順にシフトさせる処理であって、第1保留第1エリア→保留球実行エリア203f、第1保留第2エリア→第1保留第1エリア、第1保留第3エリア→第1保留第2エリア、第1保留第4エリア→第1保留第3エリアといった具合に、各エリア内のデータがシフトされる。
S306又はS309のデータシフト処理の後は、データシフト処理により保留球実行エリア203fに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81に対する変動開始処理を実行し(S310)、タイマ割込処理(図20参照)に戻る。なお、変動開始処理(S310)については、図23を参照して後述する。
S307の処理において、第1保留球数カウンタ203aの値(作動保留球数N1)が「0」であると判別されると(S307:No)、第3図柄表示装置81においてデモ演出が行われている状態であるか否か、即ち、デモ中であるか否かを判別する(S311)。この判別処理では、音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114にデモコマンドを送信した後、第1保留球数カウンタ203a又は第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N1又は作動保留球数N2)のいずれかの値が「0」より大きいと判断されるまでの間をデモ中として判別する。
そして、デモ中ではないと判別された場合は(S311:No)、音声ランプ制御装置113へ送信すべきデモコマンドを設定して(S312)、タイマ割込処理(図20参照)に戻る。一方、デモ中であると判別された場合は(S311:Yes)、そのままタイマ割込処理(図20参照)に戻る。S312の処理で設定されたデモコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図20のS101参照)の中で、暗号化装置300及び復号化装置400を介して音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
音声ランプ制御装置113は、デモコマンドを受信すると、表示用デモコマンドを表示制御装置114へ送信し、表示制御装置114は、表示用デモコマンドの受信に基づいて、第3図柄表示装置81にデモ演出を表示するように制御を行う。
ここで、デモコマンドが設定されるのは、上述したように、変動停止後、所定時間が経過したときに保留球が1つも存在しない場合である。よって、変動停止後、所定時間経過しても変動演出が開始されない場合は、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示される。
なお、S311の処理においてデモ中ではない(S311:No)と判断された場合に、さらに、変動停止後、前記所定時間よりも長い第2の所定時間が経過したか否かを判断する処理を実行し、変動停止後、第2の所定時間が経過したことをもってS312の処理を実行してデモコマンドを設定するようにしてもよい。これにより、変動停止後、保留球が1つも存在しない場合に、すぐにデモ演出を開始することなく、比較的長い時間、その停止した変動演出の停止図柄を遊技者に見せることができる。
S302の処理において、特別図柄表示装置37の表示態様が動的表示中であると判別されると(S302:Yes)、動的表示時間(変動時間)が経過したか否かを判別する(S313)。特別図柄表示装置37の動的表示中の表示時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この動的表示時間(変動時間)が経過していなければ(S313:No)、特別図柄表示装置37の表示を更新して(S314)、タイマ割込処理(図20参照)に戻る。
第1実施形態では、特別図柄表示装置37の特別LED群37bにおいて、動的表示が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、特別LED群37bの表示態様が設定される。
一方、特別図柄表示装置37における動的表示の動的表示時間(変動時間)が経過していれば(S313:Yes)、特別図柄表示装置37に対して、停止図柄に対応した表示態様を設定する(S315)。停止図柄は、図23を参照して後述する変動開始処理(S310)によって予め設定される。変動開始処理では、S306又はS309の処理によって保留球実行エリア203fに格納された大当たり乱数カウンタC1の値に応じて大当たりか否かが決定され、大当たりである場合には、大当たり種別カウンタC2の値により、大当たり時におけるラウンド数と、大当たり後に発生し得る遊技状態とが決定される。
S315の処理で停止図柄に対応した特別図柄表示装置37の表示態様が設定されると、第3図柄表示装置81における変動演出の停止図柄を、特別図柄表示装置37における特別LED群37bの表示と同調して確定表示させるために、確定コマンドを設定して(S316)、処理をS317へ移行する。確定コマンドは、第3図柄表示装置81にて実行中の変動演出を確定表示させるためコマンドである。音声ランプ制御装置113は、この確定コマンドを受信すると、表示制御装置114に対して表示用確定コマンドを送信する。表示制御装置114は、表示用確定コマンドを受信することによって、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出を停止して、停止図柄を確定表示させるように構成されている。
S317の処理では、「時短機能」が付加されている遊技状態か否かを判別するために、RAM203に設けられた時短カウンタ(図示せず)の値が「0」よりも大きいか否かを判別する(S317)。この時短カウンタは、大当たり処理において、大当たり種別「確変A」又は「確変B」と判別された場合に「10000」がセットされ、大当たり種別「時短A」と判別された場合に「100」がセットされ、大当たり種別「時短B」と判別された場合に「50」がセットされるように構成されている。なお、大当たり種別「確変A」又は「確変B」と判別された場合に、回数ではなく、次回大当たりが発生するまで「時短機能」が有効となるように設定してもよい。
S317の処理において、時短カウンタの値が「0」でなければ(S317:Yes)、「時短機能」が付加されている遊技状態であり、いずれかの特別図柄の動的表示(変動演出)が1回終了したので、時短カウンタの値を1減算し(S318)、この特図変動処理(S110)を終了し、タイマ割込処理(図20参照)に戻る。ここで、S318の処理により、時短カウンタの値が「0」となった場合、遊技状態を「時間短縮状態」から「通常遊技状態」へと遷移させるとともに、音声ランプ制御装置113等に対して遊技状態が変化(「時間短縮状態」が終了、「通常遊技状態」へ変化等)することを示す遊技状態コマンドを送信する。一方、S317の処理において、時短カウンタの値が「0」であれば(S317:No)、「時短機能」が付加されていないため、S318の処理をスキップして、この特図変動処理(S110)を終了し、タイマ割込処理(図20参照)に戻る。
上記遊技状態コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理(図20参照)のS101の処理で、該遊技状態コマンドが暗号化装置300及び復号化装置400を介して音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、遊技状態コマンドを受信すると、それに基づき表示用遊技状態コマンドを生成して、表示制御装置114へ送信する。
次に、図23を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特図変動処理(S110)の一処理である変動開始処理(S310)について説明する。図23は、変動開始処理(S310)を示したフローチャートである。この変動開始処理(S310)は、遊技状態に応じて保留球実行エリア203fに格納された各種カウンタの値に基づき、大当たり又はハズレの抽選(大当たり抽選)を行うと共に、特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる動的表示および変動演出の動的パターン(変動パターン及び停止種別)等を決定する。
変動開始処理(S310)では、まず、遊技状態を判別するために、現在の遊技状態が特別図柄の高確率状態、即ち、「確率変動状態」中であるか否かを判別する(S321)。判別の結果、「確率変動状態」中でなければ(S321:No)、遊技状態が「通常遊技状態」又は「時間短縮状態」であり、特別図柄の大当たり確率が低確率状態であるので、低確率状態用の大当たり乱数テーブル202aを設定し(S322)、処理をS324へ移行する。一方、「確率変動状態」中であると判別された場合は(S323:Yes)、特別図柄の大当たり確率が高確率状態であるので、高確率状態用の大当たり乱数テーブル202aを設定し(S323)、処理をS324へ移行する。
S324の処理では、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値と、S322又はS323において設定された大当たり乱数テーブル202a(図10参照)とに基づいて大当たりか否かを判別する大当たり抽選(当否判定)処理を行う(S324)。
第1実施形態のパチンコ機10では、大当たりか否かは大当たり乱数カウンタC1の値とその時々の遊技状態(モード)との関係に基づいて判別される。上述した通り、大当たり乱数テーブル202aにおいて、パチンコ機10の取りうる遊技状態(モード)が通常の低確率状態(「通常遊技状態」又は「時間短縮状態」)にある場合には、「7,307,582」が大当たり乱数値として規定される。また、パチンコ機10の取りうる遊技状態(モード)が高確率状態(「確率変動状態」)にある場合には「28,122,298,390,486,567,656,750,866」が大当たり乱数値として規定される。
S324の処理では、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値と、これら大当たり乱数テーブル202aにて規定される大当たり乱数値とを比較して、それらが一致する場合に、大当たりであると判別する。S324の処理の結果、大当たりであると判別された場合(S324:Yes)、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり種別カウンタC2の値と、第1特別図柄に対応する特図1用大当たり種別テーブル202b1(図11(a)参照)又は第2特別図柄に対応する特図2用大当たり種別テーブル202b2(図11(b)参照)とに基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S325)。
この処理では、大当たり種別テーブル202bによって、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別、即ち、最大ラウンド数が10ラウンドの大当たり後に「確率変動状態」へ移行する「10R確変大当たり」に対応する「確変A」か、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たり後に「確率変動状態」へ移行する「4R確変大当たり」に対応する「確変B」か、最大ラウンド数が10ラウンドの大当たり後に「時間短縮状態」へ移行する「10R時短大当たり」に対応する「時短A」か、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たり後に「時間短縮状態」へ移行する「4R時短大当たり」に対応する「時短B」か、が判別される。そして、判別された大当たり種別に基づいて、特別図柄表示装置37における大当たり時の表示態様(特別LED群37bの表示態様)が設定される。
具体的には、保留球実行エリア203fに格納されているデータが第1保留球格納エリア203dからシフトされたデータであった場合、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり種別カウンタC2の値と、特図1用大当たり種別テーブル202b1(図11(a)参照)とに基づいて大当たり種別が決定される。また、保留球実行エリア203fに格納されているデータが第2保留球格納エリア203eからシフトされたデータであった場合、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり種別カウンタC2の値と、特図2用大当たり種別テーブル202b2(図11(b)参照)とに基づいて大当たり種別が決定される。
次に、大当たり時の変動パターンを決定し(S326)、S329の処理へ移行する。具体的には、S325で決定された大当たり種別(表示態様)と、保留球実行エリア203fに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値とに基づいて大まかな演出態様を選択し、その選択された大まかな演出態様の中から変動種別カウンタCS1の値に基づいて具体的な動的表示(変動演出)の動的時間(変動時間)が決定される。この大当たり時の変動パターンの決定では、まず、その大当たり種別(表示態様)とに応じて、使用する停止パターンテーブル202dを選択する。
具体的には、例えば、S325の処理において大当たり種別として「10R確変大当たり」に対応する「確変A」が設定された場合は、「確変A」用に設けられた停止パターンテーブル202d(例えば、確変A用停止パターンテーブル)において、保留球実行エリア203fに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に対応付けられた演出態様を選択する。また、大当たり種別として「4R確変大当たり」に対応する「確変B」が設定された場合は、「確変B」用に設けられた停止パターンテーブル202d(例えば、確変B用停止パターンテーブル)において、保留球実行エリア203fに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に対応付けられた演出態様を選択する。また、大当たり種別として「10R時短大当たり」に対応する「時短A」が設定された場合は、「時短A」用に設けられた停止パターンテーブル202d(例えば、時短A用停止パターンテーブル)において、保留球実行エリア203fに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に対応付けられた演出態様を選択する。また、大当たり種別として「4R時短大当たり」に対応する「時短B」が設定された場合は、「時短B」用に設けられた停止パターンテーブル202d(例えば、時短B用停止パターンテーブル)において、保留球実行エリア203fに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に対応付けられた演出態様を選択する。
そして、S326の処理において設定された演出態様毎に設けられた変動パターンテーブル202eのグループにおいて、保留球実行エリア203fに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。そして、予め規定された変動パターンと変動時間との関係に基づいて、変動時間が設定される。
一方、S324の処理で大当たりではないと判別された場合には(S324:No)、ハズレ時の表示態様を設定する(S327)。S327の処理では、特別図柄表示装置37の表示態様をハズレ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、保留球実行エリア203fに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値と第1保留球数カウンタ203a又は(及び)第2保留球数カウンタ203bの値と現在の遊技状態とに基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる演出態様として、「非リーチ(ショート)」演出態様、「非リーチ(ロング)」演出態様、「ノーマルリーチ」演出態様、「スーパーリーチ」演出態様、「スペシャルリーチ」演出態様のいずれかを設定する。
第1実施形態では、パチンコ機10の遊技状態が「確率変動状態」であるか、「時間短縮状態」であるか、「通常遊技状態」であるかに応じて、各演出態様に対応する停止パターン選択カウンタC3の値の範囲が異なるように停止パターンテーブル202dが設定されている。
次に、ハズレ時の変動パターンを決定し(S328)、S329の処理へ移行する。S328の処理では、特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81において、ハズレ図柄で停止表示するまでの変動時間が決定される。具体的には、S327の処理において決定されたハズレ時の表示態様(演出態様)毎に設けられた変動パターンテーブル202eのグループにおいて、保留球実行エリア203fに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。そして、予め規定された変動パターンと変動時間との関係に基づいて、変動時間が設定される。
このように、大当たり時における演出態様および変動パターンの設定処理と、ハズレ時における演出態様および変動パターンの設定処理とを、同じ乱数値C3,CS1を用いて同じ判定プログラムによって判定して決定することで、プログラムを共通化することができ、開発時における開発工数を削減することができる。
S329の処理では、S326及びS328の処理によって決定された変動パターンの応じた変動時間に基づいて、暗号化装置300、復号化装置400及び音声ランプ制御装置113を介してその変動パターンに応じた変動時間を表示制御装置114へ通知する変動パターンコマンドを設定する(S329)。具体的には、例えば、大当たり抽選に当選し、該大当たりが「10R確変大当たり」に対応する「確変A」であって、さらに、「25秒」の「スーパーリーチ」の変動パターンが選択されていた場合は、大当たり・「確変A」・「25秒」の「スーパーリーチ」を示す変動パターンコマンドが設定される。また、大当たり抽選にハズレて、さらに、「25秒」の「スーパーリーチ」の変動パターンが選択されていた場合は、ハズレ・「25秒」の「スーパーリーチ」を示す変動パターンコマンドが設定される。このように、変動演出が同じ変動時間であっても、変動パターンコマンドに変動演出の当否と大まかな変動パターンの内容も併せて設定することで、音声ランプ制御装置113は、当否を含む演出態様の内容と変動時間とを把握して、それらの情報を基により詳細は変動演出の変動パターンを決定することができる。
また、S325又はS327の処理で設定された停止種別を、暗号化装置300、復号化装置400及び音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定し(S330)、特図変動処理(図25参照)へ戻る。具体的には、例えば、大当たりに当選し、その大当たりの内容が「10R確変大当たり」である「確変A」であれば、具体的な第3図柄の停止態様(例えば、「7」図柄等)は特定せずに、「確変A」であることを示す停止種別コマンドを設定する。また、大当たりに当選し、その大当たりの内容が「4R時短大当たり」である「時短B」であれば、具体的な第3図柄の停止態様(例えば、「4」図柄等)は特定せずに、「時短B」であることを示す停止種別コマンドを設定する。
一方、大当たりに当選せず、さらに、「スーパーリーチ」演出態様が選択されていれば、具体的な第3図柄の停止態様(例えば、「787」等)は特定せずに、ハズレ時の「スーパーリーチ」演出態様であることを示す停止種別コマンドを設定する。また、大当たりに当選せず、さらに、「ノーマルリーチ」演出態様が選択されていれば、具体的な第3図柄の停止態様(例えば、「737」等)は特定せずに、ハズレ時の「ノーマルリーチ」演出態様であることを示す停止種別コマンドを設定する。さらに、大当たりに当選せず、さらに、「非リーチ」演出態様が選択されていれば、具体的な第3図柄の停止態様(例えば、「258」等)は特定せずに、ハズレ時の「非リーチ」演出態様であることを示す停止種別コマンドを設定する。
このように、停止種別コマンドに変動演出の当否に基づいた大まかな停止種別を設定することで、音声ランプ制御装置113(表示制御装置114)は、当否に基づいた停止種別を把握して、それらの情報を基により詳細は変動演出の停止結果を決定することができる。
これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理(図20参照)のS101の処理で、これらのコマンドが暗号化装置300において多重化された上で音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、多重化コマンドを受信すると、まず、復号化装置400に対して多重化コマンドを送信し、復号化装置400から復号化された変動パターンコマンドや停止種別コマンドを受信すると、それに基づき表示用変動パターンコマンドや表示種別コマンドを生成して、表示制御装置114へ送信する。
次に、図24を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図24は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。
立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S701)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111、暗号化装置300および復号化装置400等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(第1実施形態では、「1秒」)を実行する(S702)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S703)。
その後は、RAM消去スイッチ122(図2参照)がオンされているか否かを判別し(S704)、オンされていれば(S704:Yes)、処理をS711へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S704:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S705)、記憶されていなければ(S705:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS711へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S705:Yes)、RAM判定値を算出し(S706)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S707:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS711へ移行する。
なお、図25のS806でも説明するが、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S711の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S711)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S712,S713)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAM203の初期化処理(S712,S713)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S712,S713)を実行する。RAM203の初期化処理(S712,S713)では、RAM203の使用領域を「0」クリアし(S712)、その後、RAM203に初期値を設定する(S713)。RAM203の初期化処理の実行後は、S710の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S704:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S705:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S707:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S708)。そして、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S709)、S710の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S710の処理では、割込みを許可する(S710)。その後、暗号化装置300に対してROM202の製造番号記憶部202jに格納される製造番号SN(図18参照)を示す製造番号コマンドを送信する(S714)。製造番号コマンドを受信した暗号化装置300は、該製造番号コマンドが示す製造番号SNに基づいてワーク鍵Kwを生成し(図27のS1002参照)、該ワーク鍵Kwをワーク鍵記憶部303aに格納する(図27のS1003参照)。そして、後述するメイン処理(図25参照)に移行する。このように、パチンコ機10(主制御装置110)の電源がオンされるごとに暗号化装置300に対して製造番号SNに関するデータを送信し、暗号化装置300では、受信した製造番号SNに基づいて制御コマンドを暗号化する際に使用するワーク鍵Kwを生成することで、電源断中に主制御装置110が不正交換された場合に、該不正行為後の遊技を正常に実行できないようにすることができる。
次に、図25を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図25は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では、大別してカウンタの更新処理と電源断時処理とが実行される。
メイン処理では、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S801)。そして、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S801:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S922,S923)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S802)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(第1実施形態では「899」、「99」)に達した際、「0」にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ203c領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S107(図20参照)の処理と同一の方法によって実行し(S923)、S921の処理へ移行する。
ここで、このメイン処理が実行されている間、図20を参照して説明したタイマ割込処理が所定時間間隔(第1実施形態では、「4ミリ秒」)で起動され実行される。タイマ割込処理では、遊技の状態に応じて異なる処理が実行される。例えば、大当たり中には、可変入賞装置65の開閉を制御する実行が行われ、スルーゲート67への球の通過があれば、普通図柄表示装置83による普通図柄の可変表示に関する表示制御が行われる。また、特別図柄表示装置37での動的表示を開始する場合に実行される大当たり抽選では、高確率状態か低確率状態かによって、取得した大当たり乱数カウンタC1と比較する大当たり乱数値の数が異なってくる。よって、1回のタイマ割込処理の実行にかかる時間は、遊技の状態に応じて変化することになる。従って、一のタイマ割込処理が終了してから次のタイマ割込処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく、その時々の遊技の状態に応じて変化する。
メイン処理の一処理である上記のS802,S803の処理は、このタイマ割込処理の残余時間の中で実行されることになる。つまり、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新が繰り返し実行されることになるので、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、大当たり乱数カウンタC1の初期値、普図当たりカウンタC4の初期値)とをランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。特に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2とをランダムに更新することによって、これらを更新の初期値として使用する大当たり乱数カウンタC1及び普図当たりカウンタC4の更新に、ランダム性を持たせることができる。
また、S801の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S801:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、後述する図26のNMI割込処理が実行されたので、S804以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S804)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S805)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S806)、RAM203のアクセスを禁止して(S807)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S801の処理は、タイマ割込処理(図20参照)の残余時間内に行われるS802とS803の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。これにより、主制御装置110のメイン処理において、タイマ割込処理(図20参照)による各種設定が終了し、また、各カウンタCINI1,CINI2,CS1の更新が終わったタイミングで、電源断の発生情報を確認している。よって、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理(図24参照)の終了後、処理をS801の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS801の処理から開始することができる。
従って、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S701)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S801の処理から開始することができる。その結果、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
第1実施形態では、定期的に実行する処理をタイマ割込処理(図20参照)で実行し、メイン処理(図25参照)において、タイマ割込処理(図20参照)の残余時間に各カウンタCINI1,CINI2,CS1の更新を実行する場合について説明したが、タイマ割込処理(図20参照)にて実行していた処理の一部または全部を、メイン処理(図25参照)の中で所定時間(例えば、「4ミリ秒」)毎に実行するように構成してもよい。例えば、第1実施形態においてタイマ割込処理(図20参照)にて実行していた賞球計数信号,払出異常信号読み込み処理(S102)、大当たり処理(S103)、普通電役制御処理(S104)及びスイッチ読み込み処理(S105)、始動入賞処理(S108)、ゲート通過処理(S109)、特図変動処理(S110)、普図変動処理(S111)、発射制御処理(S112)の一部または全部を、タイマ割込処理(図20参照)ではなく、メイン処理(図25参照)の中で「4ミリ秒」毎に実行するように構成してもよい。
この場合、メイン処理(図25参照)の中で所定時間(「4ミリ秒」)経過したか否かを判断するステップを設け、所定時間経過したと判断された場合のみ、所定時間毎に実行する処理を実行し、各カウンタCINI1,CINI2,CS1の更新は、所定時間の経過の有無にかかわらず実行するようにしてもよい。これにより、各カウンタCINI1,CINI2,CS1の更新は、所定時間毎に実行する処理の残余時間に実行されることになるが、所定時間毎に実行する処理は、遊技の状態に応じてその実行にかかる時間が変化するため、このように構成した場合であっても、各カウンタCINI1,CINI2,CS1をランダムに更新することができる。
次いで、図26を参照して、停電等の発生した場合に主制御装置110において実行されるNMI割込処理について説明する。図26は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。
このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。NMI端子に停電信号SG1が入力されたMPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S901)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
一方、暗号化装置300および復号化装置400については所謂バックアップ機能を設けず、パチンコ機10の電源断された場合に、それまで保持していた内容をクリアし、電源が立ち上がるたびに、初期化状態から立ち上がるように構成されている。特に、暗号化装置300は、主制御装置110で記憶される製造番号SNに基づいて制御コマンドの暗号化時に用いられるワーク鍵Kwを生成するものであり、該ワーク鍵Kwが電源断後も保持されてしまうと、例えば、電源断中に主制御装置110が不正交換等されてしまった際に、バックアップされたワーク鍵Kwによって制御コマンドの暗号化が可能となってしまう。そこで、制御コマンドの暗号化および復号化に用いられる暗号化装置300及び復号化装置400は、電源が入り切りされるごとに初期化を行ってワーク鍵Kwを改めて主制御装置110から製造番号SNを取得して生成するように構成する。このように構成することで、ワーク鍵Kwがバックアップされることに基づく不正行為を未然に防止することができる。
次に、図27及び図28を参照して、暗号化装置300内のMPU301により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU301の処理としては、大別して、メイン処理(図27参照)と、該メイン処理の中で実行される暗号化および多重化処理(図28参照)とがある。図27は、暗号化装置300内のMPU301により実行されるメイン処理を示すフローチャートである。なお、暗号化装置300では、パチンコ機10の電源投入に伴い、初期設定処理等を行う立ち上げ処理が実行され、その立ち上げ処理の終了後に上記メイン処理(図27参照)が実行されるように構成されている。
暗号化装置300におけるメイン処理では、まず、主制御装置110から製造番号SNを示す製造番号コマンドを受信したか否かを判別する(S1001)。主制御装置110から製造番号コマンドを受信していない場合は(S1001:No)、S1001の処理を繰り返し、S1002以降の処理を実行しないように構成されている。即ち、暗号化装置300における電源投入時に行われる立ち上げ処理後に実行されるメイン処理において、主制御装置110から製造番号コマンドを受信しない限り、その後の制御コマンドCCの暗号化処理を実行することができないように構成されている。
S1001の処理において、主制御装置110から製造番号コマンドを受信したと判別された場合は(S1001:Yes)、該製造番号コマンドに含まれる製造番号SNに基づいてワーク鍵Kwを生成し(S1002)、該ワーク鍵Kwをワーク鍵記憶部303aに格納して(S1003)、処理をS1004へ移行する。
このように構成することで、暗号化装置300において、正規の主制御装置110から送信される製造番号コマンドに含まれる製造番号SNに基づくワーク鍵Kwを生成しない限り、制御コマンドCCに関する暗号化及び多重化処理を実行することができないため、不正な主制御装置に交換し、さらに、暗号化装置300に不正なワーク鍵Kwを記憶させるとともに、認証カード500にも該不正な製造番号(ワーク鍵Kw)を記憶させることに基づく不正認証による遊技の実行を未然に防止することができる。
S1004の処理では、主制御装置110から制御コマンドCCを受信したか否かを判別する(S1004)。判別の結果、主制御装置110から制御コマンドCCを受信している場合は(S1004:Yes)、該制御コマンドCCに対する暗号化及び多重化を行う暗号化および多重化処理を行い(S1005)、その後、処理をS1004へ移行して、S1004〜S1007の処理を繰り返し実行する。なお、暗号化および多重化処理(S1005)の詳細については、図28を参照して後述する。
S1004の処理において、主制御装置110から制御コマンドCCを受信していない場合は(S1004:No)、次いで、多重化コマンド記憶部303eに多重化コマンドMECCが記憶(格納)されているか否かを判別する(S1006)。判別の結果、多重化コマンド記憶部303eに多重化コマンドMECCが記憶されていない場合は(S1006:No)、処理をS1004へ移行して、S1004〜S1007の処理を繰り返し実行する。
一方、S1006の処理において、多重化コマンド記憶部303eに多重化コマンドMECCが記憶されている場合は(S1006:Yes)、該多重化コマンドMECCの非暗号化部分である宛先情報に基づいて、該多重化コマンドMECCをサブ制御装置111,113に向けて送信する(S1007)。なお、S1007の処理の実行後は、処理をS1004へ移行して、S1004〜S1007の処理を繰り返し実行する。
次いで、図28を参照して、暗号化装置300内のMPU301により実行されるメイン処理(図27参照)の一処理である暗号化および多重化処理(S1005)について説明する。図28は、この暗号化および多重化処理(S1005)を示すフローチャートである。上述したように、この暗号化および多重化処理(S1005)は、主制御装置110より制御コマンドCCを受信した場合に実行される。
暗号化および多重化処理(S1005)では、まず、制御コマンドCCにおける宛先情報以外の部分を、スクランブル鍵記憶部302aに格納されるスクランブル鍵Ksによって暗号化して暗号化制御コマンドECCを生成して、該暗号化制御コマンドECCを暗号化制御コマンド記憶部303bに格納する(S1101)。
次いで、スクランブル鍵Ksを、ワーク鍵記憶部303aに記憶されるワーク鍵Kwによって暗号化して暗号化スクランブル鍵EKsを生成して、該暗号化スクランブル鍵EKsを暗号化スクランブル鍵記憶部303cに格納する(S1102)。
次いで、ワーク鍵記憶部303aに記憶されるワーク鍵Kwを、マスター鍵記憶部302bに格納されるマスター鍵Kmによって暗号化して暗号化ワーク鍵EKwを生成して、該暗号化ワーク鍵EKwを暗号化ワーク鍵記憶部303dに格納する(S1103)。
そして、上記S1101の処理で生成して暗号化制御コマンド記憶部303bに記憶される暗号化制御コマンドECCに対して、上記S1102の処理で生成して暗号化スクランブル鍵記憶部303cに記憶される暗号化スクランブル鍵EKs、及び、上記S1103の処理で生成して暗号化ワーク鍵記憶部303dに記憶される暗号化ワーク鍵EKwを埋め込んで多重化して、多重化コマンドMECCを生成し(S1104)、該多重化コマンドMECCを多重化コマンド記憶部303eに格納する(S1105)。
S1105の処理の後は、暗号化制御コマンド記憶部303bに記憶される暗号化制御コマンドECC、暗号化スクランブル鍵記憶部303cに記憶される暗号化スクランブル鍵EKs、及び、暗号化ワーク鍵記憶部303dに記憶される暗号化ワーク鍵EKwをそれぞれクリア(初期化)して(S1106)、この暗号化および多重化処理(S1005)を終了する。暗号化および多重化処理(S1005)の終了後は、メイン処理(図27参照)に戻る。
このように、1の制御コマンドCCの受信に基づいて多重化コマンドMECCを生成するごとに、暗号化制御コマンド記憶部303b、暗号化スクランブル鍵記憶部303cおよび暗号化ワーク鍵記憶部303dをクリアすることで、次に受信した制御コマンドCCに基づく多重化コマンドMECCを生成する場合に、先に受信した制御コマンドCCに基づく情報を消去しておくことができる。よって、各制御コマンドCCの受信毎に該制御コマンドCCのみに対応する多重化コマンドMECCを確実に生成することができる。
次に、図29から図33を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理(図29参照)と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理(図30参照)とがある。
まず、図29を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図29は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S2001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S2115の電源断処理(図30参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S2002)。図30を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると、S2115の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S2115の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S2002:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS2115の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S2003)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S2006の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S2003:Yes)、S2004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S2003:No)、S2008へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S2003:Yes)、S2004へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS2115の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S2003:No)、S2008へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S2002:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S2115の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS2004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S2004の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S2004)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が「0」クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S2005:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S2006)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S2005:No)、RAM223の異常を報知して(S2007)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S2008の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S2008)。電源断フラグはS2116の電源断処理の実行時にオンされる(図30のS2115参照)。つまり、電源断フラグは、S2116の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS2008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS2116の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S2008:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAM223の作業エリアをクリアし(S2009)、RAM223の初期値を設定した後(S2010)、割込み許可を設定して(S2011)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS2008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS2004からS2006の処理を経由してS2008の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S2008:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS2009をスキップして、処理をS2010へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S2010)、割込み許可を設定して(S2011)、メイン処理へ移行する。
なお、S2009のクリア処理をスキップするのは、S2004からS2006の処理を経由してS2008の処理へ至った場合には、S2004の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図30を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図30は、このメイン処理を示したフローチャートである。
メイン処理が実行されると、まず、前回S2101の処理が実行されてから「1ミリ秒」以上が経過したか否かが判別され(S2101)、「1ミリ秒」以上経過していなければ(S2101:No)、S2102〜S2109の処理を行わずにS2110の処理へ移行する。S2101の処理で、「1ミリ秒」経過したか否かを判別するのは、S2102〜S2109が短い周期(「1ミリ秒」以内)で処理する必要がないものであるのに対して、S2110の変動演出処理やS2111のコマンド受信処理は、短い周期で実行する方が好ましい処理であるからである。S2111の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S2110の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド受信処理によって受信されたコマンドに基づき、復号化装置400に向けた多重化コマンドの送信や、復号化装置400から受信した制御コマンドに基づく変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S2101の処理において、前回S2101の処理が実行されてから「1ミリ秒」以上経過していると判断される場合は(S2101:Yes)、S2102の処理へ移行する。なお、S2101の処理が、図29に示す立ち上げ処理の後初めて実行された場合は、そのままS2102の処理へ移行する。
S2102の処理では、S2103〜S2112の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S2102)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS2107の処理で編集されるランプの点灯態様になるように各ランプの出力を設定し(S2103)、その後電源投入報知処理を実行する(S2104)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば、「30秒」)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS2105の処理へ移行する。
次いで、S2105の処理では、後述するS2111のコマンド受信処理(S2206のコマンド判定処理)によって設定される大当たりに関する演出を実行する大当たり演出処理を行い(S2105)、S2106の処理へ移行する。
次いで、S2116の処理では、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S2116)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22の有効期間において、該枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、上記有効期間に枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。
枠ボタン入力監視・演出処理(S2106)が終わると、次いで、ランプ編集処理を実行し(S2107)、その後音編集・出力処理を実行する(S2108)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S2108の処理後、液晶演出実行管理処理を実行し(S2109)、S2110の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から暗号化装置300及び復号化装置400を介して送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動演出に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS2107のランプ編集処理が実行され、また、S2108の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動演出に要する時間と同期した時間で実行される。
S2110の処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を表示させるために、主制御装置110から暗号化装置300及び復号化装置400を介して受信した変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドに基づいて変動演出を開始するための処理である変動演出処理を実行する。そして、変動演出処理の後、主制御装置110から暗号化装置300を介して受信したコマンド(即ち、多重化コマンド)、または、復号化装置400から受信した制御コマンドに応じた処理を行うコマンド受信処理を行い(S2111)、S2112の処理へ移行する。このコマンド受信処理の詳細については、図31を参照して後述する。
S2112では、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられた各種カウンタを更新するカウンタ更新処理を実行する(S2112)。例えば、変動演出の詳細な変動パターンを決定するカウンタの更新が、このカウンタ更新処理の中で行われる。該カウンタの更新は、所定の範囲(本実施形態では、「0〜99」)内で順に1ずつ加算され、最大値(「99」)に達した後「0」に戻すことによって行われる。
S2112の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S2113)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S2113の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S2113:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S2115)、電源断処理を実行する(S2116)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S2117)、その後、処理を無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S2113の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S2113:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S2114)、RAM223が破壊されていなければ(S2114:No)、S2101の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S2114:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。
ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼び、パチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図31を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド受信処理(S2111)について説明する。図31は、このコマンド受信処理(S2111)を示したフローチャートである。このコマンド受信処理(S2111)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図30参照)の中で実行され、上述したように、暗号化装置300若しくは復号化装置400、または、表示制御装置114から受信したコマンドを判定して、該コマンドに基づく処理を実行する。
コマンド受信処理(S21111)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域に、暗号化装置300から多重化コマンドMECC以外のコマンド、例えば、多重化前の暗号化制御コマンドECC等を受信しているか否かを判別する(S2201)。判別の結果、多重化コマンドMECC以外のコマンドを受信していなければ(S2201:No)、S2202の処理をスキップして、処理をS2203へ移行する。一方、多重化コマンドMECC以外のコマンドを受信していた場合は(S2201:Yes)、暗号化装置300から正常時では受信しない異常なコマンドの受信であるので、音声出力装置226やランプ表示装置227、第3図柄表示装置81において、コマンド受信異常が発生していることを遊技ホールや遊技者に対して示唆する異常報知を実行し(S2202)、処理をS2203へ移行する。
第1実施形態のパチンコ機10では、音声ランプ制御装置113(払出制御装置111も同様)において、主制御装置110から送信される制御コマンドCCは、暗号化装置300を介して必ず暗号化及び多重化されて多重化コマンドMECCとして受信されるように構成されているので、暗号化装置300(主制御装置110側)から多重化コマンドMECC以外のコマンドを受信した場合は、暗号化装置300又は主制御装置110において何らかの異常(配線異常、暗号化又は多重化処理異常、暗号化装置300の不正交換等)が発生している可能性がある。よって、暗号化装置300から多重化コマンドMECC以外のコマンドを受信した場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227、第3図柄表示装置81において、コマンド受信異常が発生していることを遊技ホールや遊技者に対して示唆する異常報知を実行することで、上記異常状態を早期に発見することが可能となる。
次いで、S2203の処理では、暗号化装置300から多重化コマンドMECCを受信したか否かを判別する(S2203)。判別の結果、暗号化装置300から多重化コマンドMECCを受信していない場合は(S2203:No)、S2204の処理をスキップして、処理をS2205へ移行する。一方、暗号化装置300から多重化コマンドMECCを受信している場合は(S2203:Yes)、該多重化コマンドMECCを復号化装置400に向けて送信し(S2204)、処理をS2205へ移行する。
多重化コマンドMECCを受信した復号化装置400は、認証カード500に記憶されるマスター鍵Kmを使用して、該多重化コマンドMECCの分離化および復号化に関する各処理を実行する。復号化装置400における多重化コマンドMECCの分離化および復号化に関する処理は、図34及び図35において後述する。
次いで、S2205の処理では、復号化装置400から多重化コマンドMECCが復号化された制御コマンドCCを受信したか否かを判別する(S2205)。判別の結果、復号化装置400から制御コマンドCCを受信していなければ(S2205:No)、S2206の処理をスキップして、処理をS2207へ移行する。一方、復号化装置400から制御コマンドCCを受信している場合は(S2205:Yes)、該制御コマンドCCの内容を判定して該制御コマンドCCに基づく各種制御を実行するコマンド判定処理を行い(S2206)、処理をS2207へ移行する。
S2207の処理では、その他の受信したコマンド(例えば、表示制御装置114から受信したコマンド等)に基づく各種処理を実行し(S2207)、このコマンド受信処理(S2111)を終了し、メイン処理(図30参照)に戻る。
ここで、図32を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S2206)について説明する。図32は、このコマンド判定処理(S2206)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S2206)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド受信処理(図31参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から暗号化装置300及び復号化装置400を介して受信した制御コマンドCCを判定する。
コマンド判定処理(S2206)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域に記憶される未処理のコマンドのうち復号化装置400より受信した最初のコマンドを読み出して解析し、復号化装置400より変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S2301)。そして、変動パターンコマンドを受信したと判別された場合(S2301:Yes)、該変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出する(2302)。
ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動演出処理(図33参照)において、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定する場合に用いられる。その後、このコマンド判定処理(S2206)を終了して、コマンド受信処理(図31参照)に戻る。
S2301の処理において、変動パターンコマンドを受信していないと判別された場合(S2301:No)、次いで、復号化装置400より停止種別コマンドを受信したか否かを判別する(S2303)。そして、停止種別コマンドを受信したと判別された場合(S2303:Yes)、該停止種別コマンドから停止種別を抽出する(S2303)。
ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述する変動演出処理(図33参照)において、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定する場合に用いられる。その後、変動演出が開始されることを示す変動開始フラグ223aをオンに設定して(S2305)、このコマンド判定処理(S2206)を終了して、コマンド受信処理(図31参照)に戻る。
なお、停止種別コマンドは、変動演出を開始する場合に主制御装置110が暗号化装置300及び復号化装置400を介して変動パターンコマンドを送信後、その変動パターンコマンドによって変動パターンが示された変動演出の停止種別を示すものとして、主制御装置110より暗号化装置300及び復号化装置400を介して必ず送信されるコマンドである。S23051の処理によって変動開始フラグ223aをオンに設定することにより、後に実行される変動演出処理(図33参照)において、先に保留球数コマンドに含まれる各カウンタC1等の値に基づいて抽出された変動演出の変動パターン種別と、受信した変動パターンコマンドより抽出した変動演出の変動パターン種別とが一致するか否かの判定を行う。また、先に保留球数コマンドに含まれる各カウンタC1等の値に基づいて抽出された変動演出の停止種別と、受信した停止種別コマンドより抽出した変動演出の停止種別とが一致するか否かの判定を行う。それらの判定の結果、1の変動演出において、保留球数コマンドに基づく変動パターンと変動パターンコマンドに基づく変動パターンとが一致していない場合、又は、保留球数コマンドに基づく停止種別と停止種別コマンドに基づく停止種別とが一致していない場合は、何らかの異常(例えば、ノイズによるコマンド受信異常)が発生していると判断し、異常を示すためのエラー処理を行うように構成されている。
S2303の処理の結果、停止種別コマンドを受信していないと判別された場合(S2303:No)、次いで、主制御装置110より暗号化装置300及び復号化装置400を介して確定コマンドを受信したか否かを判別する(S2306)。確定コマンドは、第3図柄表示装置81にて実行中の変動演出を確定表示させるためコマンドである。この確定コマンドを受信したと判別された場合は(S2306:Yes)、表示制御装置114に対して確定コマンドの受信を通知するための表示用確定コマンドを設定して(S2307)、このコマンド判定処理(S2206)を終了して、コマンド受信処理(図31参照)に戻る。
S2306の処理の結果、確定コマンドを受信していないと判別された場合は(S2306:No)、次いで、復号化装置400から正常に復号化されていないコマンド、例えば、暗号化制御コマンドECCのままでコマンドを受信したか否かを判別する(S2308)。判別の結果、復号化装置400から正常に復号化されていないコマンドを受信している場合は(S2308:Yes)、復号化装置400から正常時では受信しない異常なコマンドの受信であるので、音声出力装置226やランプ表示装置227、第3図柄表示装置81において、コマンド受信異常が発生していることを遊技ホールや遊技者に対して示唆する異常報知を実行し(S2202)、このコマンド判定処理(S2206)を終了して、コマンド受信処理(図31参照)に戻る。
第1実施形態のパチンコ機10では、音声ランプ制御装置113(払出制御装置111も同様)において、主制御装置110から暗号化装置300及び復号化装置400を介して受信する制御コマンドCCは、パチンコ機10と認証カード500とのペアリングが正規(正常)な場合は、復号化装置400において多重化コマンドMECCが必ず分離化および復号化された上で受信されるように構成されている。よって、復号化装置400から正常に復号化されていないコマンドを受信した場合は、復号化装置400等において何らかの異常(配線異常、分離化又は復号化異常、復号化装置400の不正交換、認証カード500の不具合(例えば、カード読み取りエラー)等)が発生している可能性がある。このため、復号化装置400から正常に復号化されていないコマンドを受信した場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227、第3図柄表示装置81において、コマンド受信異常が発生していることを遊技ホールや遊技者に対して示唆する異常報知を実行することで、上記異常状態を早期に発見することが可能となる。
S2310の処理では、その他の制御コマンドCCに対応する各種処理を行い(S2310)、このコマンド判定処理(S2206)を終了して、コマンド受信処理(図31参照)に戻る。
次に、図33を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動演出処理(S2110)について説明する。図33は、この変動演出処理(S2110)を示したフローチャートである。この変動演出処理(S2110)は、メイン処理(図30参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるための各種処理を実行する。
変動演出処理(S2110)では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223aがオンか否かを判別する(S2401)。そして、変動開始フラグ223aがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S2401:No)、主制御装置110より暗号化装置300及び復号化装置400を介して少なくとも停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動演出処理(S2110)を終了して、メイン処理(図30参照)に戻る。
一方、変動開始フラグ223aがオンであると判別された場合(S2401:Yes)、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドをともに受信しているので、変動演出を開始すべく、変動開始フラグ223aをオフし(S2402)、次いで、第2保留情報格納エリア223eに変動演出に関するデータが記憶されているか否かを判別する(S2403)。判別の結果、第2保留情報格納エリア223eに変動演出に関するデータが記憶されていれば(S2403:Yes)、第2保留情報格納エリア223eに設けられた第2保留情報格納第1エリアに含まれるデータを実行情報格納エリア223fへシフトする(S2404)。そして、第2保留情報格納エリア223eに設けられた第2保留情報格納第2〜第4エリアに含まれるデータを第2保留情報格納第1〜第3エリアへシフトして(S2405)、サブ第2保留球数カウンタ223cの値を1減算し(S2406)、処理をS1410へ移行する。
つまり、この場合は、保留された第2特別図柄の変動演出が1つ減り、時間的に1番目に保留された第2特別図柄の変動演出の実行が開始されるので、その1番目に保留された変動演出に対応する第2保留情報第1エリアの各格納エリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、実行中の変動演出に対応する実行情報格納エリア223fの各格納エリアに移動させる。また、第2保留情報格納第2エリアの各格納エリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、第2保留情報格納第1エリアの各格納エリアに移動させ、第2保留情報格納第3エリアの各格納エリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、第2保留情報格納第2エリアの各格納エリアに移動させ、第2保留情報格納第4エリアの各格納エリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、第2保留情報格納第3エリアの各格納エリアに移動させる。
これにより、実行情報格納エリア223fには、主制御装置110の保留球実行エリア203fに格納された各カウンタC1〜C3,CS1と同じ値が格納されることになり、第2保留情報格納第1〜第4エリアには、それぞれ、主制御装置110の第2保留球格納エリア203eの第2保留第1〜第4エリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1と同じ値が格納されることになる。
一方、S2403の処理において、第2保留情報格納エリア223eに変動演出に関するデータが記憶されていないと判別された場合は(S2403:No)、今回実行する変動演出は第1特別図柄に関するものであるので、第1保留情報格納エリア223dに設けられた第1保留情報格納第1エリアに含まれるデータを実行情報格納エリア223fへシフトする(S2407)。そして、さらに、第1保留情報格納エリア223dに設けられた第1保留情報格納第2〜第4エリアに含まれるデータを第1保留情報格納第1〜第3エリアへシフトして(S2408)、サブ第1保留球数カウンタ223bの値を1減算し(S2409)、処理をS2410へ移行する。
つまり、この場合は、保留された第1特別図柄の変動演出が1つ減り、時間的に1番目に保留された第1特別図柄の変動演出の実行が開始されるので、その1番目に保留された変動演出に対応する第1保留情報第1エリアの各格納エリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、実行中の変動演出に対応する実行情報格納エリア223fの各格納エリアに移動させる。また、第1保留情報格納第2エリアの各格納エリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、第1保留情報格納第1エリアの各格納エリアに移動させ、第1保留情報格納第3エリアの各格納エリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、第1保留情報格納第2エリアの各格納エリアに移動させ、第1保留情報格納第4エリアの各格納エリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、第1保留情報格納第3エリアの各格納エリアに移動させる。
これにより、実行情報格納エリア223fには、主制御装置110の保留球実行エリア203fに格納された各カウンタC1〜C3,CS1と同じ値が格納されることになり、第1保留情報格納第1〜第4エリアには、それぞれ、主制御装置110の第1保留球格納エリア203dの第1保留第1〜第4エリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1と同じ値が格納されることになる。
次いで、S2410の処理では、S2406又はS2409の処理で更新されたサブ第1保留球数カウンタ223b又はサブ第2保留球数カウンタ223cの値と保留表示情報格納エリアに格納された保留変化情報とを表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定し(S2410)、処理をS2411へ移行する。
S2410で設定された表示用保留球数コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図30のS2102参照)により表示制御装置114に対して暗号化装置300及び復号化装置400を介さず直接送信される。これにより、表示用保留球数コマンドを受信した表示制御装置114では、保留球数に応じた保留図柄および実行図柄を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行するとともに、保留図柄および実行図柄を表示する際に、決定された「保留変化予告」の表示態様で保留図柄および実行図柄を表示させるように表示制御を行う。
S2411の処理では、実行情報格納エリア223fに記憶される各カウンタC1〜C3,CS1の値に基づいて、今から実行する変動演出の変動パターンを取得し、第3図柄表示装置81において変動演出を表示させるために、取得した変動パターンに基づいて表示用変動パターンコマンドを設定して(S2411)、処理をS2412へ移行する。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図30のS2102参照)により表示制御装置114に対して暗号化装置300及び復号化装置400を介さず直接送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで第3図柄表示装置81に第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御を開始する。
次いで、S2412の処理において、実行情報格納エリア223fに記憶される各カウンタC1〜C3,CS1の値に基づいて、今から実行する変動演出の停止種別を取得し、取得した変動演出の停止種別に基づいて表示用停止種別コマンドを設定して(S2412)、この変動演出処理(S2110)を終了して、メイン処理(図30参照)に戻る。
ここで設定された表示用停止種別コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図30のS2102参照)により表示制御装置114に対して暗号化装置300及び復号化装置400を介さず直接送信される。表示制御装置114では、S1411の処理により設定された表示用変動パターンコマンドによって実行される変動演出を確定表示させる場合に、この表示用停止種別コマンドにて示される停止種別に対応する停止図柄を設定する。
次に、図34及び図35を参照して、復号化装置400内のMPU401により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU401の処理としては、大別して、メイン処理(図34参照)と、該メイン処理の中で実行される分離および復号化処理(図35参照)とがある。図34は、復号化装置400内のMPU401により実行されるメイン処理を示すフローチャートである。なお、復号化装置400では、パチンコ機10の電源投入に伴い、初期設定処理等を行う立ち上げ処理が実行され、その立ち上げ処理の終了後に上記メイン処理(図34参照)が実行されるように構成されている。
復号化装置400におけるメイン処理では、まず、サブ制御装置111,113から多重化コマンドMECCを受信したか否かを判別する(S3001)。判別の結果、サブ制御装置111,113から多重化コマンドMECCを受信している場合は(S3001:Yes)、該多重化コマンドMECCに対する分離化及び復号化を行う分離および復号化処理を行い(S3002)、その後、処理をS3001へ移行して、S3001〜S30004の処理を繰り返し実行する。なお、分離及び復号化処理(S3002)の詳細については、図35を参照して後述する。
S3001の処理において、サブ制御装置111,113から多重化コマンドMECCを受信していない場合は(S3001:No)、次いで、送信コマンドバッファ403dにコマンドが記憶(格納)されているか否かを判別する(S3003)。判別の結果、送信コマンドバッファ403dにコマンドが記憶されていない場合は(S3003:No)、処理をS3001へ移行して、S3001〜S30004の処理を繰り返し実行する。
一方、S3003の処理において、送信コマンドバッファ403dにコマンドが記憶されている場合は(S3003:Yes)、該コマンドの宛先情報に基づいて、該コマンドをサブ制御装置111,113に向けて送信する(S3004)。なお、S3004の処理の実行後は、処理をS3001へ移行して、S3001〜S3004の処理を繰り返し実行する。
次いで、図35を参照して、復号化装置400内のMPU401により実行されるメイン処理(図34参照)の一処理である分離及び復号化処理(S3002)について説明する。図35は、この分離および復号化処理(S3002)を示すフローチャートである。上述したように、この分離および復号化処理(S3002)は、サブ制御装置111,113より多重化コマンドMECCを受信した場合に実行される。
分離および復号化処理(S3002)では、まず、サブ制御装置111,113から受信した多重化コマンドMECCを、所定の手順で暗号化制御コマンドECC、暗号化スクランブル鍵EKs、及び、暗号化ワーク鍵EKwに分離して、暗号化制御コマンドECCを暗号化制御コマンド記憶部403aに、暗号化スクランブル鍵EKsを暗号化スクランブル鍵記憶部403bに、暗号化ワーク鍵EKwを暗号化ワーク鍵記憶部403cにそれぞれ格納して(S3101)、処理をS3102へ移行する。
次いで、S3102の処理では、認証カード500が復号化装置400のカード挿入孔410に挿入されているか否かを判別する(S3102)。ここで、認証カード500がカード挿入孔410に挿入されていない場合は(S3102:No)、少なくとも、暗号化されている暗号化ワーク鍵EKwを復号化することができないため、S3103〜S3110の処理をスキップして、処理をS3111へ移行する。
一方、S3102の処理において、認証カード500がカード挿入孔410に挿入されている場合は(S3102:Yes)、まず、認証カード500に記憶(格納)されている製造番号SN、マスター鍵Kmおよび有効期限情報EDを読み込み(S3103)、認証カード500から読み込んだ有効期限情報EDが有効期限内か否かを判別する(S3104)。判別の結果、認証カード500から読み込んだ有効期限情報EDが有効期限内でない場合、即ち、認証カード500を発行した際に設定した有効期限を超えていた場合は(S3104:No)、カード挿入孔410に挿入されている認証カード500による制御コマンドCCの復号化を行わず(S3106〜S3110をスキップして)、認証カード500の有効期限が切れていることを示す期限切れコマンドを送信コマンドバッファ403dに設定して(S3105)、処理をS3111へ移行する。S3105の処理で送信コマンドバッファ403dに設定された期限切れコマンドは、メイン処理のコマンド送信処理(図34のS3004)で、宛先情報とは無関係に、払出制御装置111および音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
払出制御装置111又は音声ランプ制御装置113は、期限切れコマンドを受信すると、認証カード500の有効期限が切れていることを認識して遊技に関する処理を制限(停止、規制)するように構成されている。具体的には、例えば、払出制御装置111においては、払出モータ216の動作停止や、賞球検出スイッチ217の検出停止を行う。また、音声ランプ制御装置113においては、音声出力装置226やランプ表示装置227、第3図柄表示装置81において、有効期限が切れていることを遊技ホールや遊技者に対して示唆する異常報知を実行する。このように、認証カード500の有効期限が切れていた場合に、送信元であるサブ制御装置111,113を含む他のサブ制御装置111,113に対しても期限切れコマンドを送信することで、パチンコ機10における遊技を正常に実行させないとともに、認証カード500の有効期限が切れていることを報知することができる。
このように構成することで、パチンコ機10の製造時に、遊技機メーカーが該パチンコ機10とペア(対)で発行している認証カード500の有効性が消滅している場合に、暗号化された暗号化制御コマンドECCを復号化させずに制御コマンドCCを生成しないことで、有効期限が切れた認証カード500では正常な遊技を行うことができないようにすることができる。よって、設置期間を超えたパチンコ機10において正常な遊技を行わせないことで、遊技機メーカーがパチンコ機10の流通態様を管理し、該パチンコ機10を管理できない状況が発生することを抑制することができる。
S3104の処理において、認証カード500から読み込んだ有効期限情報EDが有効期限内であると判別された場合は(S3104:Yes)、次いで、暗号化ワーク鍵記憶部403cに記憶される暗号化ワーク鍵EKwを、認証カード500から読み込んだマスター鍵Kmによって復号化し、ワーク鍵Kwを取得(抽出、生成)する(S3105)。そして、復号化したワーク鍵Kwと、認証カード500から読み込んだ製造番号SNとが整合するか否かを判別する(S3107)。
上述したように、復号化されたワーク鍵Kwは、主制御装置110に記憶される製造番号SNから生成したものであって、正規の認証カード500に記憶される製造番号SNは、主制御装置110に記憶される製造番号SNと同等(同一)となるように設定されている。よって、復号化したワーク鍵Kwと、認証カード500から読み込んだ製造番号SNとの整合が取れない場合は(S3107:No)、パチンコ機10と認証カード500との対応関係が不整合であるので、この場合もカード挿入孔410に挿入されている認証カード500による制御コマンドCCの復号化を行わず(S3109及びS3110の処理をスキップして)、パチンコ機10と認証カード500との整合性が取れていないことを示す不一致コマンドを送信コマンドバッファ403dに設定して(S3108)、処理をS3111に移行する。S3108の処理で送信コマンドバッファ403dに設定された不一致コマンドは、メイン処理のコマンド送信処理(図34のS3004)で、宛先情報とは無関係に、払出制御装置111および音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
払出制御装置111又は音声ランプ制御装置113は、不一致コマンドを受信すると、パチンコ機10と認証カード500との認証が一致していないことを認識して、期限切れコマンドを受信した場合と同様、遊技に関する処理を制限(停止、規制)するように構成されている。具体的には、例えば、払出制御装置111においては、払出モータ216の動作停止や、賞球検出スイッチ217の検出停止を行う。また、音声ランプ制御装置113においては、音声出力装置226やランプ表示装置227、第3図柄表示装置81において、有効期限が切れていることを遊技ホールや遊技者に対して示唆する異常報知を実行する。このように、パチンコ機10と認証カード500との整合性が取れていない場合に、送信元であるサブ制御装置111,113を含む他のサブ制御装置111,113に対しても不一致コマンドを送信することで、パチンコ機10における遊技を正常に実行させないとともに、認証カード500の有効期限が切れていることを報知することができる。
このように構成することで、パチンコ機10の製造時に、遊技機メーカーが該パチンコ機10とペア(対)で発行している認証カード500が、該パチンコ機10と対応しない場合に、暗号化された暗号化制御コマンドECCを復号化させずに制御コマンドCCを生成しないことで、パチンコ機10と認証カード500との組み合わせが一致しない場合に該パチンコ機10において正常な遊技を行うことができないようにすることができる。よって、主制御装置110が不正行為によって改造されてしまった場合や、遊技機メーカーが意図しない販売先への不正転売が行われてしまった場合に、遊技機メーカーが正規に発行した認証カード500をパチンコ機10に挿入していない際には、第3図柄表示装置81における変動演出等を実行させないようにすることができる。よって、遊技機メーカーが意図しない不正行為や不正転売が行われた場合に、パチンコ機10において正常な遊技を行うことができないようにすることで、不正行為による遊技ホールの不利益や、遊技機メーカーが管理できない状況が発生することを抑制することができる。
また、多重化コマンドMECCの復号化処理において、最も先に復号化されるワーク鍵Kwが一致するか否かを判別し、不一致であると判別された場合に、以降の復号化処理を実行させないことで、制御コマンドCCが復号化されることを確実に防止することができるとともに、処理負担を軽減することができる。
S3107の処理において、復号化したワーク鍵Kwと、認証カード500から読み込んだ製造番号SNとの整合が取れた場合は(S3107:Yes)、パチンコ機10と認証カード500とのペアリングが適正であるので、暗号化スクランブル鍵記憶部403bに記憶される暗号化スクランブル鍵EKsを、上記S3106の処理で復号化したワーク鍵Kwによって復号化し、スクランブル鍵Ksを取得(抽出、生成)する(S3109)。次いで、暗号化制御コマンド記憶部403aに記憶される暗号化制御コマンドECCを、上記S3109の処理で復号化したスクランブル鍵Ksによって復号化し、制御コマンドCCを取得(抽出、生成)し、該制御コマンドCCを送信コマンドバッファ403dに格納する(S3110)。S3110の処理の後は、S3111に移行する。S3110の処理で送信コマンドバッファ403dに設定された制御コマンドCCは、メイン処理のコマンド送信処理(図34のS3004)で、宛先情報に基づいて多重化コマンドMECCの送信元であるサブ制御装置111,113のみに向けて送信される。
復号化装置400から復号化された制御コマンドCCを受信したサブ制御装置111,113は、該制御コマンドCCに基づいて各種遊技制御を実行する。
S3111の処理では、暗号化制御コマンド記憶部403aに記憶される暗号化制御コマンドECC、暗号化スクランブル鍵記憶部403bに記憶される暗号化スクランブル鍵EKs、及び、暗号化ワーク鍵記憶部403cに記憶される暗号化ワーク鍵EKwをそれぞれクリア(初期化)して(S3111)、この分離および復号化処理(S3002)を終了して、メイン処理(図34参照)に戻る。このように、1の多重化コマンドMECCの受信に基づいて分離化および復号化を行う場合に、該分離化および復号化の結果を示す何らかのコマンドを生成(抽出)するごとに暗号化制御コマンド記憶部403a、暗号化スクランブル鍵記憶部403b及び暗号化ワーク鍵記憶部403cを初期化することで、次の多重化コマンドMECCを分離化および復号化する際に、前回受信した多重化コマンドMECCの内容が混在してしまうことを未然に防止し、多重化コマンドMECCの分離化および多重化を適切に行うことが可能となる。
以上、説明したように、第1実施形態のパチンコ機10によれば、パチンコ機10の製造時に、遊技機メーカーが該パチンコ機10とペア(対)で発行している認証カード500が、該パチンコ機10と対応しない場合に、暗号化及び多重化された多重化コマンドMECCを復号化させずに制御コマンドCCを正常に取得(抽出、生成)しないことで、パチンコ機10と認証カード500との組み合わせが一致しない場合に該パチンコ機10において正常な遊技を行うことができないようにすることができる。よって、主制御装置110が不正行為によって改造されてしまった場合や、遊技機メーカーが意図しない販売先への不正転売が行われてしまった場合に、遊技機メーカーが正規に発行した認証カード500をパチンコ機10に挿入していない際には、第3図柄表示装置81における変動演出等を実行させないようにすることができる。よって、遊技機メーカーが意図しない不正行為や不正転売が行われた場合に、パチンコ機10において正常な遊技を行うことができないようにすることで、不正行為による遊技ホールの不利益や、遊技機メーカーが管理できない状況が発生することを抑制することができる。
また、第1実施形態のパチンコ機10によれば、認証カード500には、有効期限が設定可能に構成されており、上述した有効期限情報記憶部501c(図17参照)に記憶される有効期限情報ED(図18参照)が有効期限内か否かによって、マスター鍵記憶部501b(図17参照)に記憶されるマスター鍵Km(図18参照)による復号化が可能か否かを設定可能に構成されている。そして、有効期限情報EDを遊技機メーカーのデータサーバ510によって更新可能に構成することで、遊技ホールにおいて設置されたパチンコ機10が有効期限を越えて設定された場合であっても、該パチンコ機10における正常な動作を実行不能に構成することで、設置期限を越えたパチンコ機10における遊技を実行させず、法令遵守を徹底することが可能となる。
さらに、第1実施形態のパチンコ機10によれば、認証カード500は、パチンコ機10の販売時に遊技ホールに対して遊技機メーカーが貸与し、パチンコ機10を他の遊技ホール等に中古機として転売(売却)する場合には、該認証カード500を遊技機メーカーに一旦返却し、認証カード500の登録データを一旦取り消すように運用する。そして、返却された認証カード500の有効期限情報ED(図18参照)等を更新(延長)する等して認証カード500を転売先のパチンコ機10で利用可能な状態で再発行して、パチンコ機10の売却先(転売先)である遊技ホールへ貸与する。このように認証カード500を運用することで、転売先の遊技ホールに設置されたパチンコ機10に対する不正行為が行われた場合には、パチンコ機10において正常な遊技を行うことができないようにすることができる。よって、遊技ホールへの転売における輸送時に不正改造が行われた場合や、転売先の遊技ホールにおいて悪意ある第三者による不正行為によって主制御装置110等が改変若しくは改造された場合に、パチンコ機10が正常に動作しないようにすることができ、パチンコ機10に対する不正行為に基づく意図しない遊技価値の付与や遊技の実行を抑制することができる。また、パチンコ機10の中古機としての流通形態を遊技機メーカー側で把握することができるので、パチンコ機10のメンテナンスやアフターフォロー、さらには、新規営業先として営業活動を行い易くすることができる。
また、第1実施形態のパチンコ機10によれば、暗号化装置300および復号化装置400については所謂バックアップ機能を設けず、パチンコ機10の電源断された場合に、それまで保持していた内容をクリアし、電源が立ち上がるたびに、初期化状態から立ち上がるように構成されている。特に、暗号化装置300は、主制御装置110で記憶される製造番号SNに基づいて制御コマンドの暗号化時に用いられるワーク鍵Kwを生成するものであり、該ワーク鍵Kwが電源断後も保持されてしまうと、例えば、電源断中に主制御装置110が不正交換等されてしまった際に、バックアップされたワーク鍵Kwによって制御コマンドの暗号化が可能となってしまう。そこで、制御コマンドの暗号化および復号化に用いられる暗号化装置300及び復号化装置400は、電源が入り切りされるごとに初期化を行ってワーク鍵Kwを改めて主制御装置110から製造番号SNを取得して生成するように構成する。このように構成することで、ワーク鍵Kwがバックアップされることに基づく不正行為を未然に防止することができる。
さらに、第1実施形態のパチンコ機10によれば、暗号化装置300において、正規の主制御装置110から送信される製造番号コマンドに含まれる製造番号SNに基づくワーク鍵Kwを生成しない限り、制御コマンドCCに関する暗号化及び多重化処理を実行することができないため、不正な主制御装置に交換し、さらに、暗号化装置300に不正なワーク鍵Kwを記憶させるとともに、認証カード500にも該不正な製造番号(ワーク鍵Kw)を記憶させることに基づく不正認証による遊技の実行を未然に防止することができる。
また、第1実施形態のパチンコ機10によれば、サブ制御装置111,113において、主制御装置110から送信される制御コマンドCCは、暗号化装置300を介して必ず暗号化及び多重化されて多重化コマンドMECCとして受信されるように構成されているので、暗号化装置300(主制御装置110側)から多重化コマンドMECC以外のコマンドを受信した場合は、暗号化装置300又は主制御装置110において何らかの異常(配線異常、暗号化又は多重化処理異常、暗号化装置300の不正交換等)が発生している可能性がある。よって、暗号化装置300から多重化コマンドMECC以外のコマンドを受信した場合に、所定の異常処理を実行することで、遊技を停止したり、上記異常状態を早期に発見することが可能となる。
さらに、第1実施形態のパチンコ機10によれば、サブ制御装置111,113において、主制御装置110から暗号化装置300及び復号化装置400を介して受信する制御コマンドCCは、パチンコ機10と認証カード500とのペアリングが正規(正常)な場合は、復号化装置400において多重化コマンドMECCが必ず分離化および復号化された上で受信されるように構成されている。よって、復号化装置400から正常に復号化されていないコマンドを受信した場合は、復号化装置400等において何らかの異常(配線異常、分離化又は復号化異常、復号化装置400の不正交換、認証カード500の不具合(例えば、カード読み取りエラー)等)が発生している可能性がある。このため、復号化装置400から正常に復号化されていないコマンドを受信した場合に、所定の異常処理を実行することで、遊技を停止したり、上記異常状態を早期に発見することが可能となる。
また、第1実施形態のパチンコ機10によれば、多重化コマンドMECCの復号化処理において、最も先に復号化されるワーク鍵Kwが一致するか否かを判別し、不一致であると判別された場合に、以降の復号化処理を実行させないことで、制御コマンドCCが復号化されることを確実に防止することができるとともに、処理負担を軽減することができる。
<第2実施形態>
次いで、図36から図49を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10及び遊技ホールDについて説明する。第1実施形態におけるパチンコ機10では、遊技ホールDにおいて遊技者が直接パチンコ機10において遊技を行う場合について説明した。
これに対し、第2実施形態では、遊技ホールDの一部であるバーチャルホール700に設置しているパチンコ機10を、所定の伝送経路(例えば、インターネットやアドホックネットワーク、或いは、専用回線を利用するコンピュータネットワーク。以下、伝送経路に関し「インターネット」を例示して説明する場合がある。)を介して遊技ホールDのホールコンピュータ600にアクセスして遊技ホール外から操作可能に構成するとともに、該パチンコ機10における遊技結果(遊技状態)をビデオカメラ701によって撮影して遊技ホールD外に出力可能に構成する。遊技者(以下、「ユーザ」と称する場合がある)自身が保有する端末装置(例えば、パーソナルコンピュータ。以下、「PC」を付する場合がある。)を使用して、上記伝送経路介して遊技ホールD外から遊技ホールDのホールコンピュータ600にアクセスし、パチンコ機10を操作して遊技を行うことができるように構成するとともに、ビデオカメラ701で撮影された遊技結果をユーザ自身の端末装置PCによって表示可能に構成する。そして、該パチンコ機10での遊技結果をユーザのアカウントごとにホールコンピュータ600にそれぞれ記憶し、該遊技結果に基づいて所望の景品交換可能に構成する。このように構成することで、パチンコ機10における遊技を遊技ホールDに直接赴かなくても行うことができ、さらに、遊技ホールDに赴いて上記遊技結果に基づいて所定の景品を取得することができ、パチンコ機10における遊技を多様化することができる。
以下、第2実施形態におけるパチンコ機10及び遊技ホールD等について、第1実施形態におけるパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の説明では、第1実施形態と同一の要素に同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
図36を参照して、第2実施形態における遊技機メーカーAで製造されたパチンコ機10が遊技ホールDに設置された場合における使用態様について説明する。図36は、第2実施形態における遊技機メーカーAと遊技ホールDとにおけるパチンコ機10及び認証カード500の流れと、インターネットを介して遊技ホールDのホールコンピュータ600とユーザの端末装置PCとがインターネットを介して接続可能に構成されていることとを説明するための模式図である。
図36で示すように、遊技機メーカーAで製造されたパチンコ機10a〜10dには、第1実施形態と同様、データサーバ510によって生成された固有の製造番号SNが付与され、パチンコ機10a〜10dの各主制御装置110と、認証カード500a〜500dの各ICチップ501とに同一の(対応する)製造番号SNがそれぞれ記憶される(書き込まれる)。
そして、遊技機メーカーAから遊技ホールDに対してパチンコ機10a〜10dが販売された場合、遊技ホールDに設置されたパチンコ機10a〜10dに対して、該パチンコ機10a〜10dに対応する認証カード500a〜500dを挿入することで、遊技ホールDにおいてパチンコ機10a〜10dが正常に動作可能な状態となる。
遊技ホールDには、遊技者が該遊技ホールDに実際に赴いてパチンコ機10a,10bにおいて遊技を行う場所と、ユーザX〜Zが自身の端末装置PCx〜PCzによってインターネットを介して遊技ホールD外からホールコンピュータ600にアクセスしてパチンコ機10c,10dにおいて遊技を行うことが可能なバーチャルホール700とが設けられている。
このバーチャルホール700において、各パチンコ機10c,10dの遊技態様を撮影可能な各ビデオカメラ701c,701dが設けられている。このビデオカメラ701c,701dは、パチンコ機10c,10dの前面側(遊技盤13の盤面)を撮影し、球発射ユニット112aから発射された球が遊技盤13の盤面上を流下する様子や、第1始動口64a等の入賞口に入賞する様子、第3図柄表示装置81における変動演出の内容等を撮影した映像をホールコンピュータ600及びインターネットを介してユーザX〜Zの端末装置PCx〜PCzに対してライブで送信可能に構成されている(図42参照)。この撮影映像の詳細については、図48において後述する。
なお、このバーチャルホール700の営業時間は、遊技ホールDにおいて遊技者が赴いて遊技を行う場合と同等の接続可能時間(例えば、午前9時〜午後10時30分)が設定され、インターネットを介してユーザが端末装置PCにおいて遊技を行う場合、上記接続可能時間内にバーチャルホール700に設置されているパチンコ機10を選択して遊技を行うことが可能となる一方、上記接続可能時間を超えた場合は、バーチャルホール700のパチンコ機10を選択することができず、該パチンコ機10において遊技を実行できないように構成されている。
また、このバーチャルホール700に設置されたパチンコ機10c,10dは、遊技ホールDへ実際に赴いた遊技者は遊技を行うことができないように構成されている。これは、例えば、インターネットを介してパチンコ機10cにおいてユーザXが遊技を行っている場合に、遊技ホールDに赴いた遊技者が該パチンコ機10cの遊技を行ってしまうと、1のパチンコ機10cに対して複数の遊技者(ユーザ)が存在してしまい、遊技結果等をいずれの遊技者(ユーザ)に対して払い出せばよいか判然とせず、無用な混乱をきたしてしまうおそれがあるからである。
遊技ホールDに設置されている各パチンコ機10a〜10dは、該遊技ホールDに設置されたホールコンピュータ600とそれぞれ電気的に接続されている。このホールコンピュータ600は、各パチンコ機10a〜10dで行われる遊技の結果(特別図柄の変動演出回数、大当たり回数、賞球払出数、第1始動口64aへの入賞数、大当たり遊技状態、「確率変動状態」等)等を集約してそれぞれ管理(把握)可能に構成されるとともに、インターネットを介して遊技ホールD外からユーザX〜Zが保有する端末装置PCx〜PCzによりアクセス可能に構成されている。
ここで、図37を参照して、第2実施形態における遊技ホールDにおける各設備の電気的構成について説明する。図37は、主に、遊技ホールDのホールコンピュータ600の電気的構成を示すブロック図である。第2実施形態の遊技ホールDには、少なくとも、インターネットを介して遊技ホールD外と通信可能に構成されたホールコンピュータ600と、該ホールコンピュータ600とデータの送受信が可能に構成されたパチンコ機10a〜10dと、バーチャルホール700に設置されたパチンコ機10c,10dの遊技態様をそれぞれ個別に撮影可能なビデオカメラ701c,701dとが設けられている。
パチンコ機10a〜10dは、上述したように、ホールコンピュータ600と電気的に接続され、該パチンコ機10a〜10dにおける遊技結果や遊技状態をホールコンピュータ600に出力可能に構成されている。また、バーチャルホール700に設置されたパチンコ機10c,10dは、ホールコンピュータ600からの指示に基づいて、所定の発射強度で遊技領域に向けて球の発射が可能に構成されている。具体的には、遊技者によって操作ハンドル51が回動された場合のように、ホールコンピュータ600からの発射強度を示す発射指示(コマンド)に基づいて、該発射指示に応じた発射強度で遊技領域に向けて球を発射可能に構成されている。
ビデオカメラ701c,701dは、ホールコンピュータ600と電気的に接続され、バーチャルホール700に設置されたパチンコ機10c,10dをそれぞれ個別に撮影可能に構成されている。具体的には、ホールコンピュータ600からの撮影指示(コマンド)に基づいて、対応するパチンコ機10c,10d(例えば、パチンコ機10cに対してはビデオカメラ701c、パチンコ機10dに対してはビデオカメラ701d)の前面側(遊技盤13の盤面)をそれぞれ撮影するとともに、同じくホールコンピュータ600からの拡縮指示(コマンド)に基づいて、撮影映像の拡大又は縮小が可能に構成されている。ビデオカメラ701c,701dによって撮影された映像は、ホールコンピュータ600に向けて送信される。
ホールコンピュータ600は、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU601が搭載されている。MPU601には、該MPU601により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM602と、そのROM602内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM603と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
ホールコンピュータ600のRAM603は、会員情報記憶部603aと、遊技実行データ記憶部603bとを少なくとも有している。
会員情報記憶部603aは、遊技ホールD外からインターネットを介してバーチャルホール700に設置されているパチンコ機10c,10dで遊技を行うユーザごとの個人情報等を含むアカウント情報(Identifiication Information。以下、「ID情報」と称する場合がある。)や遊技履歴情報、遊技結果情報等をそれぞれ記憶するためのエリアである。
遊技実行データ記憶部603bは、バーチャルホール700に設置されているパチンコ機10c,10dにおいて遊技を行っているユーザのアカウント情報(ID情報)や、パチンコ機10c,10dで遊技を行うための情報や遊技結果情報をそれぞれ記憶するためのエリアである。
ここで、図38を参照して、第2実施形態のホールコンピュータ600のRAM603内に設けられた会員情報記憶部603aと遊技実行データ記憶部603bとの詳細について説明する。図38は、第2実施形態の会員情報記憶部603a、及び、遊技実行データ記憶部603bの構成を模式的に示した図である。
図38で示すように、会員情報記憶部603aは、インターネットを介してホールコンピュータ600に接続し、会員情報を登録したユーザ毎にそれぞれ形成され、各ユーザのアカウント情報をそれぞれ記憶する会員ID情報603a1と、各ユーザが遊技を行った履歴をそれぞれ記憶する遊技履歴情報603a2と、バーチャルホール700に設置されているパチンコ機10c,10dにおいて遊技を行うために各ユーザが保持する遊技ポイントをそれぞれ記憶する保持遊技ポイント603a3と、各ユーザがパチンコ機10c,10dで遊技を行った結果、取得した付与ポイントをそれぞれ記憶する保持付与ポイント603a4と、を少なくとも有している。
具体的には、例えば、ユーザXが会員登録した場合に、ユーザX情報として、該ユーザXを示す会員ID情報603a1と、該ユーザXが行った遊技履歴を示す遊技履歴情報603a2と、該ユーザXがバーチャルホール700に設置されたパチンコ機10c,10dで遊技を行うための遊技ポイントを示す保持遊技ポイント603a3と、該ユーザXがバーチャルホール700に設置されたパチンコ機10c,10dで遊技を行った結果、付与された付与ポイントを示す保持付与ポイント603a4とが形成される。ユーザY又はユーザZが会員登録した場合も同様に、会員ID情報603a1、遊技履歴情報603a2、保持遊技ポイント603a3、保持付与ポイント603a4がそれぞれ形成される。
第2実施形態では、バーチャルホール700に設置されている所定のパチンコ機10で遊技を行って、その遊技結果として付与ポイントが与えられた場合、同一のパチンコ機10でのみ付与ポイントに基づく遊技を行うことが可能に構成されている。具体的には、ユーザが獲得した付与ポイントは、パチンコ機10の遊技終了時に上記保持付与ポイント603a4に格納(加算)される場合に、遊技履歴情報603a2と紐づいて記憶される。そして、ユーザがパチンコ機10において再び遊技を行う場合に、遊技履歴情報603a2に記憶されている情報に基づいて、該ユーザが保持している付与ポイントが当該パチンコ機10で取得されたものか否かが判別され、該パチンコ機10で獲得した付与ポイントである場合には、該付与ポイントに基づいて遊技(球の発射)が可能となる一方、該パチンコ機10で獲得した付与ポイントではない場合には、該付与ポイントでの当該パチンコ機10の遊技(球の発射)をすることができず、遊技ポイントでのみ遊技が可能となるように構成されている。
遊技実行データ記憶部603bは、バーチャルホール700に設置されたパチンコ機10c,10dで遊技を行うユーザの各種情報を記憶するためのものであり、各パチンコ機10c,10dごとに対応するように、第1実行データ記憶部、第2実行データ記憶部、第3実行データ記憶部、・・・、第X(Xは、バーチャルホール700に設置されているパチンコ機10の台数を示す)実行データ記憶部がそれぞれ設けられている。具体的には、例えば、パチンコ機10cに対しては遊技実行データ記憶部603bの第1実行データ記憶部が対応し、パチンコ機10dに対しては遊技実行データ記憶部603bの第2実行データ記憶部が対応するように構成されている。
上記各実行データ記憶部には、それぞれ、パチンコ機10c,10dで遊技を行っているユーザのアカウント情報を記憶する実行会員ID情報603b1と、パチンコ機10c,10dで遊技を行っているユーザが現在保有している遊技ポイントを記憶する実行遊技ポイント603b2と、パチンコ機10c,10dで遊技を行っているユーザが現在獲得した付与ポイントを記憶する実行付与ポイント603b3とを少なくとも有している。
第2実施形態において、ユーザが遊技ホールD外からインターネットを介してホールコンピュータ600にアクセスし、バーチャルホール700に設置されているパチンコ機10c,10dにおいて遊技を行う際に、まず、遊技を行うパチンコ機10c,10dに対応する遊技実行データ記憶部603bの第1〜第X実行データ記憶部に、会員情報記憶部603aに記憶される上記ユーザの各種情報が対応する実行データ記憶部に格納される。そして、該実行データ記憶部に格納された各種情報に基づいてパチンコ機10c,10dにおいて遊技が可能となる。バーチャルホール700において遊技ホールD外から遊技を行う場合の詳細な流れについては、図40において後述する。
図37に戻って、説明を続ける。ホールコンピュータ600のMPU601には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン604を介して入出力ポート605が接続されている。入出力ポート605には、少なくとも、上述したパチンコ機10a〜10dと、ビデオカメラ701c,71dと、インターネット回線とが接続されている。
ここで、図39を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10およびホールコンピュータ600の電気的構成について説明する。図39は、主に、パチンコ機10とホールコンピュータ600との電気的構成を示したブロック図である。
第2実施形態のパチンコ機10には、内枠12に外部入出力端子800が設けられている。外部入出力端子800は、少なくとも、パチンコ機10の主制御装置110と払出制御装置111と電気的に接続されている。具体的には、外部入出力端子800に対して、主制御装置110からは遊技に関する各種遊技情報が入力可能に構成されている。また、払出制御装置111に対しては、該払出制御装置111からの賞球の払い出し数に関する賞球払出情報や球の発射数に関する発射数情報が入力可能に構成されるとともに、ホールコンピュータ600からの球の発射を指示する発射指示情報が出力可能に構成されている。
また、外部入出力端子800は、ホールコンピュータ600とも電気的に接続されている。上述した主制御装置110から各種遊技情報が外部入出力端子800に入力された場合、該各種遊技情報をホールコンピュータ600に対して出力するように構成されている。また、払出制御装置111から賞球払出情報や発射数情報が外部入出力端子800に入力された場合、該賞球払出情報や発射数情報をホールコンピュータ600に対して出力するように構成されている。さらに、ホールコンピュータ600から発射指示情報が外部入出力端子800に入力された場合、該発射指示情報を払出制御装置111に対して出力するように構成されている。
次に、図40乃至図42を参照して、ユーザの端末装置(例えば、パソコン)PCによって遊技ホールDのバーチャルホール700に設置されたパチンコ機10で遊技を行う場合の流れとその表示内容について説明する。図40は、第2実施形態におけるパチンコ機10及びビデオカメラ701、ホールコンピュータ600、並びに、ユーザの端末装置PCの情報の授受を示す図である。また、図41は、ユーザの端末装置PCのモニタ900に表示されるバーチャルホールを示すトップ画面を例示した図であり、図42は、ユーザの端末装置PCのモニタ900に表示されるバーチャルホールにおける遊技実行画面を例示した図である。ここから、主に、図40において端末装置PC、ホールコンピュータ600、並びに、パチンコ機10及びビデオカメラ701における情報の送受信を説明しながら、随時、図41及び図42を参照して、端末装置PCのモニタ900に表示される表示内容について説明する。
まず、図40で示すように、遊技ホール外のユーザが、遊技ホールのバーチャルホール700に設置されたパチンコ機10で遊技を行いたい場合、まず、ユーザ自身が保有する端末装置PCからインターネットを介してホールコンピュータ600にアクセスし、遊技ホールが運営する遊技サイト上でユーザのアカウント情報やパスワード等を登録する会員登録の手続きを行う(図44のS4102参照)。会員登録が完了した場合、ホールコンピュータ600の会員情報記憶部603aにユーザのアカウント情報等が記憶される。
そして、上記遊技サイトのログイン画面上(図示せず)でアカウント情報およびパスワードを入力し、該アカウント情報及びパスワードが正常に認証された場合は、ホールコンピュータ600の会員情報記憶部603aに記憶されるユーザのアカウント情報に対応した会員ID情報、遊技履歴情報、保持遊技ポイント、保持付与ポイント等のユーザ情報がユーザの端末装置PC宛に送信される(図44のS4105参照)。そして、ユーザ情報を受信した端末装置PCのモニタ900には、該ユーザ情報に基づく会員ID情報や保持遊技ポイント、保持付与ポイント等が表示された「バーチャルホール画面」の初期画面(トップ画面)が表示される(図示せず)。
ユーザは、ログイン状態において、保持遊技ポイント(同一のパチンコ機10での遊技の場合は機種限定付与ポイント)が少なくとも「0」以上の値が残存している場合は、バーチャルホール700に設置されているパチンコ機10における遊技を実行することが可能となる。一方、保持遊技ポイントが「0」の場合は、図41で後述する「遊技機選択画面」に移行することができず、バーチャルホール700に設置されているパチンコ機10を選択できず、遊技を実行することができない。
ここで、ユーザは、保持遊技ポイントが「0」の場合、或いは、保持遊技ポイントを増加させたい場合は、ユーザの端末装置PCからホールコンピュータ600に対して、自身保有のクレジットカード等を用いたオンライン決済によって、所定数(例えば、1ポイント=1円換算で、1000ポイント、2000ポイント、3000ポイント、5000ポイント又は10000ポイント)の遊技ポイントの購入要求を行い、ホールコンピュータ600の会員情報記憶部603aで記憶される保持遊技ポイントに購入分の遊技ポイントが付与(追加)され、保持遊技ポイントを増加可能に構成されている(図44のS4108参照)。ユーザによって購入された遊技ポイントは、直ちに、該ユーザに対応する会員情報記憶部603aの保持遊技ポイント603a3に加算され(反映され)、該保持遊技ポイント603a3を用いて遊技を行うことが可能となる。
次いで、ユーザは、ログイン状態であることを条件に、「バーチャルホール画面」に表示される後述する「機種選択ボタン」を選択(クリック)した場合、図41で示す「遊技機選択画面」が端末装置PCのモニタ900に表示される。ユーザは、端末装置PCを操作して、この「遊技機選択画面」上において表示され、バーチャルホール700に設置されている複数のパチンコ機10の中から、遊技を行うパチンコ機10を選定可能に構成され(図41参照)、「遊技機選択画面」上において所定のパチンコ機10が選択された場合は、該パチンコ機10に対応する機種選択要求がホールコンピュータ600に対して送信される。
図41で示す「遊技機選択画面」では、画面左上に「ホール名表示(ここでは、「バーチャルホール」と表現している)」が表示され、また、画面上部中央やや右側にユーザの会員ID情報に対応する「アカウント画像」が表示され、さらに、画面上部右側にバーチャルホール700での遊技を終了したい場合にユーザにより選択(クリック。以下、同様。)可能な「ログアウトボタン」が表示される。また、「遊技機選択画面」において、上記「ホール名表示」、「アカウント画像」および「ログアウトボタン」の下方部分には、ユーザにより選択可能な「トップボタン」と、「機種選択ボタン」と、「景品一覧ボタン」とが表示されている。なお、これら「ホール名表示」、「アカウント画像」および「ログアウトボタン」、並びに、「トップボタン」と、「機種選択ボタン」と、「景品一覧ボタン」は、「トップボタン」、「機種選択ボタン」又は「景品一覧ボタン」のいずれが選択された場合でも、モニタ900の画面上に固定(ヘッダー)表示され続けるように構成されている。
「トップボタン」は、「機種選択ボタン」が選択された場合に表示される「機種選択画面(図41参照)」や、「景品一覧ボタン」が選択された場合に表示される「景品選択画面(図示せず)」が表示されている状態において、該「トップボタン」を選択することで、直ちに「バーチャルホール画面」の初期画面(トップ画面)に戻るためのボタンである。
「機種選択ボタン」は、バーチャルホール700に設置されたパチンコ機10の中から遊技を行うパチンコ機10を選択することができる「遊技機選択画面」を表示させるためのボタンである。この「機種選択ボタン」が選択された場合、図41で示す「遊技機選択画面」が表示される。この「遊技機選択画面」では、各パチンコ機10ごとにそれぞれ、該パチンコ機10の全体像を示す「機種全体画像」と、該パチンコ機10の大当たり確率(確変時大当たり確率)や、確変割合、確変継続条件等の遊技仕様を示す「スペック画像」と、現在、他のユーザが遊技しているか否かや、過去の遊技履歴(大当たり回数、連荘回数、及び、大当たり後の特別図柄の変動回数等)を示す「状態画像」と、該パチンコ機10で遊技を行う場合に選択される「プレイボタン」とが組み合わされて表示される。なお、「遊技機選択画面」を下方向にスクロールさせることで、バーチャルホール700に設置されているすべてのパチンコ機10に対応する「機種全体画像」、「スペック画像」および「状態画像」が表示可能に構成されている。
ここで、「プレイボタン」画像が、黒色で「プレイ」と表示されているパチンコ機10は、現在、いずれのユーザも遊技を行っていなく、該パチンコ機10において遊技が実行可能な状態であってユーザが選択可能な状態を示している。一方、「プレイボタン」画像が、白色に反転して「プレイ中」と表示されているパチンコ機10は、他のユーザによって現在遊技が行われている状態であり、ユーザが選択不能な状態を示している。よって、ユーザがバーチャルホール700に設置されているパチンコ機10で遊技を行いたい場合、「プレイボタン」画像が黒色で「プレイ」と表示されているパチンコ機10を選択した場合のみ、遊技を行うことができる。
この「遊技機選択画面」上において遊技を行うパチンコ機10を選択した場合、ホールコンピュータ600に対して機種選択要求を送信し、ホールコンピュータ600は、機種選択要求に応じたパチンコ機10の使用状況を確認する。確認の結果、パチンコ機10側が遊技の未実行状態(他のユーザの未選択状態)であることが確認された場合は、該パチンコ機10がいずれのユーザによっても遊技が行われていないので、パチンコ機10からホールコンピュータ600に対して遊技許可信号が出力されるとともに、ビデオカメラ701がオンされて該パチンコ機10の状態を撮影した映像情報の送信が開始される(図45のS4204〜S4209参照)。
図40で示すように、パチンコ機10から遊技許可信号および映像情報を受信したホールコンピュータ600は、ログイン中であって、機種選択要求を送信したユーザの端末装置PCに対してインターネットを介して、パチンコ機10に対応するビデオカメラ701から受信した映像情報を送信する。ホールコンピュータ600からの映像情報を受信したユーザの端末装置PCは、該映像情報に基づいて端末装置PCのモニタ900に現在のパチンコ機10の状態を映し出す(以下、「遊技実行画面」と称する場合がある。後述する図42参照。)。即ち、ユーザは、この「遊技実行画面」上において、自身の端末装置PCによって、バーチャルホール700に設置されているパチンコ機10の状態を確認しながらパチンコ機10を遠隔操作(例えば、球の発射)が可能な状態となる。
このとき、このパチンコ機10においてユーザが過去に遊技を行い、獲得した付与ポイントがある場合は、該パチンコ機10で獲得した付与ポイント(以下、「機種限定付与ポイント」と称する場合がある)を含むすべての付与ポイント(以下、「全付与ポイント」と称する場合がある)と、ユーザが保持する遊技ポイントとがホールコンピュータ600から端末装置PCに対して送信される(図45のS4206参照)。一方、パチンコ機10においてユーザが過去に遊技を行っていない場合や、獲得した付与ポイントがない場合は、全付与ポイントと、ユーザが保持する遊技ポイントとがホールコンピュータ600から端末装置PCに対して送信される(図45のS4205参照)。
第2実施形態では、過去にバーチャルホール700に設置されている複数のパチンコ機10における遊技で獲得した全付与ポイントのうち、1のパチンコ機10で獲得した機種限定付与ポイントは、該パチンコ機10における再遊技時に使用することができ、他のパチンコ機10では、該機種限定付与ポイントを使用することができないように構成されている。このように構成することで、機種限定付与ポイントを獲得したパチンコ機10の稼働を促進するとともに、機種限定付与ポイントが存在しない場合には遊技ポイントの購入を促進させることができる。なお、遊技ポイントと機種限定付与ポイントとがともに存在する場合は、機種限定付与ポイントが先に消化されるように構成されている。
そして、ユーザの端末装置PCのモニタ900において「遊技実行画面」が表示されている状態において、図42で後述する「発射ボタン画像」がユーザにより選択(クリック)等された場合、端末装置PCからインターネットを介してホールコンピュータ600に対して球の発射強度を含む遊技実行要求が送信され、該遊技実行要求を受信したホールコンピュータ600は、該ホールコンピュータ600が記憶する該ユーザの遊技ポイント又は機種限定付与ポイントが存在する場合にのみ、該遊技実行要求に応じたパチンコ機10に対して、発射強度を含む遊技実行要求を送信する(図46のS4305参照)。
発射強度を含む遊技実行要求を受信したパチンコ機10は、該遊技実行要求に応じた発射強度で球を1球発射し(図49のS5002参照)、球を1発発射したことを示す遊技の実行結果を示す実行結果情報をホールコンピュータ600に対して送信する(図49のS5003参照)。実行結果情報を受信したホールコンピュータ600は、遊技実行データ記憶部603bの実行遊技ポイント603b2又は機種限定付与ポイントに対応する実行付与ポイント603b3を「1」減算する(図46のS4308又はS4309参照)。このとき、発射した球がいずれかの入賞口64a等に入賞した場合に、パチンコ機10から賞球数に応じた遊技価値コマンド(付与ポイント)がホールコンピュータ600に対して送信され(図49のS5005参照)、該遊技価値コマンドを受信したホールコンピュータ600は、遊技実行データ記憶部603bの実行付与ポイント603b3に該遊技価値コマンドに対応した付与ポイントを加算する(図46のS4311参照)。
なお、実行結果情報を受信したホールコンピュータ600は、インターネットを介してユーザの端末装置PCに対して実行結果情報を送信し(図40において図示せず)、該実行結果情報を受信した端末装置PCは、「遊技ポイント画像」の値、又は、機種限定付与ポイントが存在する場合は「付与ポイント画像」の値を更新(即ち、1減算)する。また、遊技価値コマンドを受信したホールコンピュータ600は、インターネットを介してユーザの端末装置PCに対して遊技価値コマンドを送信し(図40において図示せず)、該遊技価値コマンドを受信した端末装置PCは、該遊技価値コマンドに応じて「付与ポイント画像」の値を更新(例えば、10加算)する。
次いで、「バーチャルホール画面」のトップ画面(図示せず)や図41に示す「遊技機選択画面」においてユーザにより「ログアウトボタン」が選択(クリック)された場合、或いは、図42で後述する「遊技実行画面」においてユーザにより「ログアウトボタン」が選択(クリック)された場合は、端末装置PCからインターネットを介してホールコンピュータ600に対して遊技終了要求が送信される。遊技終了要求を受信したホールコンピュータ600は、ユーザがバーチャルホール700のパチンコ機10で遊技を行っている場合には、該パチンコ機10およびビデオカメラ701に対して遊技終了要求を送信する。遊技終了要求を受信したパチンコ機10は、該パチンコ機10におけるその後の遊技を終了し、同じく遊技終了要求を受信したビデオカメラ701は、該ビデオカメラ701の電源をオフして、ホールコンピュータ600に対する映像情報の送信を停止する(図47のS4404及びS4405参照)。また、ホールコンピュータ600は、上記パチンコ機10に対応して遊技実行データ記憶部603bに記憶されている実行遊技ポイント603b2及び実行付与ポイント603b3を、実行会員ID情報603b1に基づいて遊技履歴情報603a2と紐づけて会員情報記憶部603aの保持遊技ポイント603a3及び保持付与ポイント603a4にそれぞれ格納するとともに(図47のS4403参照)、上記パチンコ機10に対応する遊技実行データ記憶部603bの内容をクリアする(図47のS4404参照)。これにより、ユーザの端末装置PCでは、上記パチンコ機10における「遊技実行画面」の映像が非表示となる。
なお、遊技終了要求をホールコンピュータ600が受信した際に、ユーザがバーチャルホール700のパチンコ機10で遊技を行っていない場合には(機種選択していない場合には)、パチンコ機10に対して遊技終了要求を送信せず、また、ビデオカメラ701に対する電源断の指示を行わず、遊技実行データ記憶部603bに記憶されているデータを、会員ID情報に基づいて会員情報記憶部603aに格納する。
次いで、「バーチャルホール画面」に表示される「景品一覧ボタン」がユーザにより選択(クリック)した場合に、ユーザが保有する保持付与ポイントに応じて交換可能な各種景品の一覧が表示された「景品一覧画面」が表示される(図示せず)。この「景品一覧画面」に表示される各種景品は、ユーザが保持する付与ポイントでのみ交換が可能であり、ユーザが保持する遊技ポイントでは交換不可に設定されている。
なお、第2実施形態では、ユーザが遊技ホールDに直接赴いた場合も、ユーザが保持する付与ポイントによって該遊技ホールDに予め用意されている景品と交換することが可能に構成されている。遊技ホールDに直接赴いて景品交換する場合は、予め会員が保持する会員カード(図示せず)とホールコンピュータ600の会員情報記憶部603aのデータとが対応するように設定されており、ホールコンピュータ600と電気的に接続された会員カード読取機(図示せず)に会員カードを挿入することで、会員情報記憶部603aの保持付与ポイント603a4が読み込まれ、該保持付与ポイント603a4が所望の景品を交換するために必要な付与ポイントを有している場合にのみ景品交換が行われ、該景品に対応する付与ポイントが保持付与ポイント603a4から減算される。
ここで、図42を参照して、バーチャルホール700に設置されているパチンコ機10で遊技を行う場合に、ユーザの端末装置PCのモニタ900において表示される「遊技実行画面」について説明する。図42に示す「遊技実行画面」では、画面左上部分に選択したパチンコ機10の機種名が表示される「機種名画像」が表示され、画面右上部分にユーザの「アカウント画像」と「ログアウトボタン」が表示されている。「アカウント画像」及び「ログアウトボタン」は、「遊技機選択画面」で表示されていたものと同等の機能を有する。なお、この「遊技実行画面」において「ログアウトボタン」が選択(クリック)された場合、選択中かつ実行中の遊技が強制的に終了して「バーチャルホール画面」に移行するように構成されている。
この「遊技実行画面」では、画面中央部分においてユーザが選択したパチンコ機10の現在の遊技盤13の盤面を映し出した「盤面画像」が表示されている。この「盤面画像」の左側上部分には、このパチンコ機10における先の大当たり終了から行われた特別図柄の変動演出の実行回数を示す「ゲーム数画像」と、該パチンコ機10における本日の接続可能時間内における大当たり回数を示す「大当たり回数画像」と、同じく本日の接続可能時間内において「確率変動状態」を発生した大当たりの回数を示す「確変回数画像」と、が表示されている。
図42の状態では、「ゲーム数画像」が「150回」であり、「大当たり回数画像」が「12回」であり、「確変回数画像」が「7回」である状態を示している。即ち、このパチンコ機10において、先の大当たり終了後からの特別図柄の変動回数が「150回」行われ、本日の大当たりが「12回」発生し、「確率変動状態」を発生した大当たりが「7回」発生したことを示している。
これら「ゲーム数画像」、「大当たり回数画像」および「確変回数画像」は、当該事象(即ち、特別図柄の1の変動演出の停止、大当たり発生または確変大当たり発生)が発生する都度、各画像の表示数がカウントアップするように構成されている。なお、「ゲーム数画像」は、大当たりが発生した場合に初期化(0クリア)され、「大当たり回数画像」及び「確変回数画像」は、当日の接続可能時間が満了した場合に初期化(0クリア)されるように構成されている。
「盤面画像」の左側中央部分には、該「盤面画像」で表示されているパチンコ機10での球の発射をユーザがすべて行う「マニュアルプレイボタン」と、該パチンコ機10での球の発射を継続して自動で行う「セミオートプレイボタン」と、該パチンコ機10での球の発射を継続しいて自動で行うとともに、「リーチ表示」や大当たりのオープニング及びエンディングが発生した場合に球の発射を一時停止したり、遊技状態に応じた発射強度(例えば、「通常遊技状態」における左打ち遊技と「確率変動状態」における右打ち遊技等)を自動で行う「オートプレイボタン」と、が表示されている。そして、パチンコ機10で遊技(球の発射)を行うユーザは、上記「マニュアルプレイボタン」、「セミオートボタン」又は「オートプレイボタン」のいずれか1を選択して、該パチンコ機10における遊技を行うように構成されている。なお、選択されていないボタンは、全体が白色で文字色が黒色で表示される一方、選択されているボタンは、非選択の状態から反転して、全体が黒色で文字色が白色で表示される。
図42の状態では、「マニュアルプレイボタン」が選択されている状態を示している。よって、このパチンコ機10で球の発射を行う場合は、後述する「発射ボタン」や「発射強度画像」をユーザ自ら選択(クリック)し、その都度操作を行うことで球の発射(遊技)が行われることを示している。
「盤面画像」の右側上部分には、ユーザが現在保有している遊技ポイントを示す「遊技ポイント画像」と、同じくユーザが現在保有している機種限定付与ポイントを示す「機種限定付与ポイント画像」と、が表示されている。
第2実施形態では、上述した「機種選択画面」上において、遊技を行うパチンコ機10が選択された場合に、会員情報記憶部603aの保持遊技ポイント603a3に記憶されているユーザが保持している遊技ポイントが遊技実行データ記憶部603bの実行遊技ポイント603b2に記憶され、該実行遊技ポイント603b2に記憶された遊技ポイントの値が「遊技ポイント画像」に表示される。この「遊技ポイント画像」に表示されている遊技ポイントが「0」以上である場合、「盤面画像」で表示されているパチンコ機10において球の発射が可能な状態となる。一方、「遊技ポイント画像」に表示されている遊技ポイントが「0」である場合、後述する「機種限定付与ポイント画像」が「0」以上の場合を除き、「盤面画像」で表示されているパチンコ機10において球の発射が不可な状態となる。
同じく「機種選択画面」上において、遊技を行うパチンコ機10が選択された場合に、会員情報記憶部603aの保持付与ポイント603a4に記憶されているユーザが保持している付与ポイントのうち、当該パチンコ機10においてユーザが獲得した機種限定付与ポイントが遊技実行データ記憶部603bの実行付与ポイント603b3に記憶され、該実行付与ポイント603b3に記憶された機種限定付与ポイントの値が「機種限定付与ポイント画像」に表示される。
図42が示す状態では、「遊技ポイント画像」に「2,500発」と表示され、「機種限定付与ポイント画像」に「0発」が表示された状態を示している。即ち、バーチャルホール700で設置されているパチンコ機10において2500発の球が発射可能な状態であるとともに、当該パチンコ機10において過去に獲得した賞球の残り値が0発である状態を示している。
第2実施形態では、「盤面画像」で表示されているパチンコ機10で遊技を行い、その遊技結果としていずれかの入賞口64a等に球が入賞して賞球を獲得した場合、この「機種限定付与ポイント画像」に値が加算(カウントアップ)される。なお、第2実施形態において、「機種限定付与ポイント画像」に表示されている機種限定付与ポイントで球の発射を行うことができるように構成されている。即ち、「機種限定付与ポイント画像」に表示されている機種限定付与ポイントは、当該パチンコ機10において獲得した賞球の積算値を示し、該機種限定付与ポイントでは、当該パチンコ機10において遊技を行うことはできるものの、他のパチンコ機10では遊技を行うことができず、上述した景品交換は行うことができるように構成されている。
「盤面画像」の右側下部分には、該「盤面画像」で表示されているパチンコ機10で球を発射する場合に、発射される球の発射強度を10段階のレベルメーターで示す「発射強度画像」と、該「発射強度画像」に連動して変化する「ハンドルアイコン画像」と、ユーザによって選択(クリック)された回数に応じて、上記「発射強度画像」で示す発射強度に応じた強さで「盤面画像」で表示されるパチンコ機10で球を発射させる「発射ボタン画像」と、が表示されている。第2実施形態では、例えば、「発射強度画像」が1段階目を示している状態では、遊技盤13の遊技領域に球が届きファール球とならない程度の発射強度で球を発射し、「発射強度画像」が10段階目を示している状態では、所謂、右打ち遊技となるような発射強度で球を発射するように構成されている。即ち、いずれの段階を設定した場合でも、ファール球とならないため、ファール球が発生した場合における処理が不要となり、パチンコ機10及びホールコンピュータ600の制御負担を軽減することができる。
図42で示す状態では、「発射強度画像」においてユーザにより5段階目の発射強度が選択されている状態を示している。この状態において、上述した「マニュアルプレイボタン」が選択されている場合は、ユーザにより「発射ボタン画像」が選択(クリック)されたとき、「セミオートプレイボタン」又は「オートプレイボタン」が選択されている場合は、該「セミオートプレイボタン」又は「オートプレイボタン」が非選択とならない限り(即ち、「マニュアルプレイボタン」が選択されるまで)、10段階中5段階目の発射強度で「盤面画像」で表示されているパチンコ機10において球が発射される。
なお、バーチャルホール700に設置されているパチンコ機10では、実際のパチンコ機10での球の発射間隔と同様、「0.6秒」間隔で球が発射される。よって、例えば、「マニュアルプレイボタン」が選択されている場合に、「0.6秒」以内に「発射ボタン画像」が連続して複数回(例えば、3回)操作された場合、該複数回の操作に応じた数の球(例えば、3発)が「0.6秒」間隔で発射され、「セミオートプレイボタン」又は「オートプレイボタン」が選択されている場合は、「0.6秒」間隔で球が発射される。
「盤面画像」の左側下部分には、該「盤面画像」で表示されているパチンコ機10での遊技を終了する「遊技終了ボタン」と、この「遊技実行画面」における操作の方法や、よくある質問をまとめた一覧(所謂、FAQ等)が表示された「ヘルプ画面(図示せず)」に移行する「ヘルプボタン」と、が表示されている。このパチンコ機10で遊技を行っているユーザによって、上記「遊技終了ボタン」が押下された場合に、現在、「遊技ポイント画像」に表示されている遊技ポイントが、実行遊技ポイント603b2から保持遊技ポイント603a3に格納されて、該実行遊技ポイント603b2の値がクリアされる。また、「機種限定付与ポイント画像」に表示されている機種限定付与ポイントが、実行付与ポイント603b3から保持付与ポイント603a4に記憶されている機種限定付与ポイント以外の付与ポイントに対して加算(格納)されて、該実行付与ポイント603b3の値がクリアされる。
このように、遊技ホールDの一部であるバーチャルホール700に設置しているパチンコ機10を、インターネットを介して遊技ホールDのホールコンピュータ600にアクセスして遊技ホール外から操作可能に構成するとともに、該パチンコ機10における遊技結果をビデオカメラ701によって撮影して遊技ホールD外に出力可能に構成する。また、ユーザ自身が保有する端末装置PCを使用して、インターネットを介して遊技ホールD外から遊技ホールDのホールコンピュータ600にアクセスし、パチンコ機10を操作して遊技を行うことができるように構成するとともに、ビデオカメラ701で撮影された遊技結果をユーザ自身の端末装置PCによって表示可能に構成する。そして、該パチンコ機10での遊技結果をユーザのアカウントごとにホールコンピュータ600にそれぞれ記憶し、該遊技結果に基づいて所望の景品交換可能に構成する。このように構成することで、パチンコ機10における遊技を遊技ホールDに直接赴かなくても行うことができ、さらに、遊技ホールDに赴いて上記遊技結果に基づいて所定の景品を取得することができ、パチンコ機10における遊技を多様化することができる。
次に、図43乃至図48を参照して、遊技ホールDのホールコンピュータ600内のMPU601により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU601の処理としては、大別してメイン処理(図43参照)がある。図43は、ホールコンピュータ600内のMPU601により実行されるメイン処理を示すフローチャートである。なお、ホールコンピュータ600では、ホールコンピュータ600の電源投入時に、初期設定処理等を行う立ち上げ処理が実行され、その立ち上げ処理の終了後に上記メイン処理(図43参照)が実行されるように構成されている。
ホールコンピュータ600におけるメイン処理では、まず、ユーザの端末装置PCからのアクセスに伴うユーザの会員登録処理や認証処理、遊技ポイントの購入要求に対する処理を実行するアカウント処理を行う(S4001)。このアカウント処理(S4001)については、図44において後述する。
S4001の処理の後は、上記アカウント処理(S4001)においてログイン中のユーザの端末装置PCからの機種選択要求に基づくホールコンピュータ600内での遊技ポイント及び付与ポイントの設定処理や、パチンコ機10に対応するビデオカメラ701の起動処理を行う機種選択処理を行う(S4002)。この機種選択処理(S4002)については、図45において後述する。
S4002の処理の後は、上記機種選択処理(S4002)によってユーザによって選択されたパチンコ機10における遊技に関する処理を実行する遊技実行処理を行う(S4003)。この遊技実行処理(S4003)については、図46において後述する。
S4003の処理の後は、ログイン中(アカウント認証済み)のユーザの端末装置PCからの遊技終了要求に応じて遊技ポイント及び付与ポイントの格納処理や、ビデオカメラ701の電源オフ等の処理を実行する遊技終了処理を行う(S4004)。この遊技終了処理(S4004)については、図47において後述する。
S4004の処理の後は、ユーザの端末装置PCや、ユーザが保有する会員カードを介して遊技ホールDの会員カード読取機からの景品交換要求に基づく処理を実行する景品交換処理を行う(S4005)。この景品交換処理(S4005)については、図48において後述する。S4005の処理の後は、処理をS4001に移行して、S4001〜S4005の処理を繰り返し実行する。
次に、図44を参照して、ホールコンピュータ600内のMPU601により実行されるメイン処理(図43参照)の一処理であるアカウント処理(S4001)について説明する。図44は、このアカウント処理(S4001)を示すフローチャートである。上述したように、このアカウント処理(S4001)では、ユーザの端末装置PCからのアクセスに伴うユーザの会員登録処理や認証処理、遊技ポイントの購入要求に対する処理を実行する。
アカウント処理(S4001)では、まず、インターネットを介してユーザの端末装置PCから会員登録要求を受信したか否かを判別する(S4101)。判別の結果、ユーザの端末装置PCから会員登録要求を受信している場合は(S4101:Yes)、ユーザが入力するアカウント(個人)情報に基づいて新規会員ID情報や端末装置PCの情報等を会員情報記憶部603aに記憶する会員登録設定処理を行い(S4102)、このアカウント処理(S4001)を終了して、メイン処理(図43参照)に戻る。これにより、ホールコンピュータ600の会員情報記憶部603aにユーザのアカウント情報が設定(記憶)され、バーチャルホール700に設置されたパチンコ機10における遊技が実行可能となる。
S4101の処理の判別の結果、ユーザの端末装置PCから会員登録要求を受信していない判別された場合は(S4101:No)、次いで、ユーザの端末装置PCからログイン要求を受信したか否かを判別する(S4103)。判別の結果、ユーザの端末装置PCからログイン要求を受信している場合は(S4103:Yes)、該ログイン要求に基づくアカウント認証が正常か否かを判別する(S4104)。
S4104の判別の結果、アカウント認証が正常でない場合、即ち、会員情報記憶部603aに登録(記憶)されているユーザの情報と、今回のログイン要求の際にユーザにより入力された情報とが一致しない場合は(S4104:No)、会員登録されたユーザからのログイン要求ではない、或いは、入力情報のミスであるので、S4105の処理を行わずに、このアカウント処理(S4001)を終了して、メイン処理(図43参照)に戻る。一方、アカウント認証が正常であると判別された場合は(S4104:Yes)、事前に会員登録されているユーザからのログイン要求であるので、会員情報記憶部603aに記憶される遊技ポイント及び付与ポイント、即ち、保持遊技ポイント603a3及び保持付与ポイント603a4を、ログイン要求のあったユーザの端末装置PCに対して送信して(S4105)、このアカウント処理(S4001)を終了して、メイン処理(図43参照)に戻る。これにより、ユーザの端末装置PCのモニタ900において、ユーザが保持している遊技ポイントおよび付与ポイントが表示される。
S4103の判別の結果、ユーザの端末装置PCからのログイン要求を受信していない場合は(S4103:No)、次いで、ユーザの端末装置PCから遊技ポイントの購入要求を受信したか否かを判別する(S4106)。判別の結果、ユーザの端末装置PCから遊技ポイントの購入要求を受信している場合は(S4106:Yes)、アカウント認証済み(ログイン中)か否かを判別し(S4107)、アカウント認証済みでない場合には(S4107:No)、遊技ポイントを購入するユーザが特定されていないため、S4108の処理をスキップして、このアカウント処理(S4001)を終了して、メイン処理(図43参照)に戻る。一方、アカウント認証済みであると判別された場合は(S4107:Yes)、該遊技ポイントの購入要求に含まれる購入額に応じた遊技ポイントを会員情報記憶部603aの保持遊技ポイント603a3に加算して(S4108)、このアカウント処理(S4001)を終了して、メイン処理(図43参照)に戻る。なお、S4106の処理において、ユーザの端末装置PCから遊技ポイントの購入要求を受信していない場合は(S4106:No)、このアカウント処理(S4001)を終了して、メイン処理(図43参照)に戻る。
次に、図45を参照して、ホールコンピュータ600内のMPU601により実行されるメイン処理(図43参照)の一処理である機種選択処理(S4002)について説明する。図45は、この機種選択処理(S4002)を示すフローチャートである。上述したように、この機種選択処理(S4002)では、上記アカウント処理(S4001)においてログイン中のユーザの端末装置PCからの機種選択要求に基づくホールコンピュータ600内での遊技ポイント及び付与ポイントの設定処理や、パチンコ機10に対応するビデオカメラ701の起動処理を行う機種選択処理を行う。
機種選択処理(S4002)では、まず、ユーザの端末装置PCから機種選択要求を受信したか否かを判別する(S4201)。判別の結果、ユーザの端末装置PCから機種選択要求を受信していなければ(S4201:No)、このまま機種選択処理(S4002)を終了して、メイン処理(図43参照)に戻る。一方、ユーザの端末装置PCから機種選択要求を受信している場合は(S4201:Yes)、次いで、該端末装置PCのアカウント認証が済んでいるか否か、即ち、ログイン中に機種選択されたか否かを判別する(S4202)。
S4202の判別の結果、端末装置PCのアカウント認証が済んでいない場合は(S4202:No)、ログイン中の機種選択要求ではないので、この機種選択処理(S4002)を終了して、メイン処理(図43参照)に戻る。この場合、ユーザにログインを促すログイン画面に移行する。一方、S4202の処理において、端末装置PCのアカウント認証が済んでいると判別された場合は(S4202:Yes)、ログイン中の機種選択要求であるので、次いで、該機種選択要求があったパチンコ機10における遊技が可能か否かを確認するために、該パチンコ機10が他のユーザによって遊技されていないか(未使用中であるか)否かを判別する(S4203)。
S4203の判別の結果、機種選択要求があったパチンコ機10が他のユーザによって使用されておらず、未使用中であると判別された場合は(S4203:Yes)、該パチンコ機10において遊技を行うため、まず、過去に当該パチンコ機10で獲得した付与ポイントがあるか否かを判別する(S4204)。この判別は、当該ユーザの会員情報記憶部603aに記憶される遊技履歴情報603a2と保持付与ポイント603a4とを参照して判別を行う。判別の結果、過去に当該パチンコ機10で獲得した付与ポイントがなければ(S4204:No)、該パチンコ機10において使用可能な付与ポイントが存在しないので、会員情報記憶部603aの保持遊技ポイント603a3に記憶される遊技ポイントのみを、当該パチンコ機10に対応する遊技実行データ記憶部603bの実行遊技ポイント603b2に格納し(S4205)、処理をS4207へ移行する。これにより、ユーザは、遊技実行データ記憶部603bに記憶される遊技ポイントに基づいて、該パチンコ機10において球の発射が可能な状態となる。
一方、S4204の処理において、過去に当該パチンコ機10で獲得した付与ポイントが存在すると判別された場合は(S4204:Yes)、会員情報記憶部603aの保持遊技ポイント603a3を遊技実行データ記憶部603bの実行遊技ポイント603b2に格納するとともに、保持付与ポイント603a4に記憶される付与ポイントのうち、該パチンコ機10で獲得した機種限定付与ポイントを遊技実行データ記憶部603bの実行付与ポイント603b3に格納して(S4206)、処理をS4207へ移行する。これにより、ユーザは、遊技実行データ記憶部603bに記憶される機種限定付与ポイント及び遊技ポイントに基づいて、該パチンコ機10において球の発射が可能な状態となる。
次いで、S4207の処理では、遊技実行データ記憶部に記憶される各データ(即ち、実行付与ポイント603b3及び実行遊技ポイント603b2)を含む遊技実行画面のデータをユーザの端末装置PCに対して送信し(S4207)、該パチンコ機10に対応する(を撮影する)ビデオカメラ701の電源をオンして(S4208)、該ビデオカメラ701が撮影した該パチンコ機10の映像データをユーザの端末装置PCに対して送信を開始し(S4209)、この機種選択処理(S4002)を終了して、メイン処理(図43参照)に戻る。これにより、遊技実行画面のデータを受信したユーザの端末装置PCのモニタ900において、該パチンコ機10の「盤面画像」、「遊技ポイント画像」および「付与ポイント画像」等を含む遊技実行画面が表示される。
次に、図46を参照して、ホールコンピュータ600内のMPU601により実行されるメイン処理(図43参照)の一処理である遊技実行処理(S4003)について説明する。図46は、この遊技実行処理(S4003)を示すフローチャートである。上述したように、この遊技実行処理(S4003)では、上記機種選択処理(S4002)によってユーザによって選択されたパチンコ機10における遊技に関する処理を実行する。
遊技実行処理(S4003)では、まず、機種選択画面においてユーザにより遊技を行うパチンコ機10の機種選択済みか否かを判別する(S4301)。判別の結果、ユーザにより遊技を行うパチンコ機10の機種が選択されていない場合は(S4301:No)、この遊技実行処理(S4003)を終了して、メイン処理(図43参照)に戻る。一方、ユーザにより遊技を行うパチンコ機10の機種が選択されている場合は(S4301:Yes)、次いで、遊技実行画面においてユーザの端末装置PCから遊技実行要求、即ち、「マニュアルプレイボタン」選択時に「発射ボタン画像」が選択されたか、或いは、「セミオートプレイボタン」又は「オートプレイボタン」選択時に前回の球の発射から「0.6秒」経過したか否かを判別する(S4302)。判別の結果、遊技実行画面においてユーザの端末装置PCから遊技実行要求がない場合、即ち、「マニュアルプレイボタン」選択時に「発射ボタン画像」が選択されていない場合、或いは、「セミオートプレイボタン」又は「オートプレイボタン」選択時に前回の球の発射から「0.6秒」経過していない場合は(S4302:No)、パチンコ機10において球を発射させないために、S4303〜S4305の処理をスキップして、処理をS4306へ移行する。
一方、S4302の判別の結果、遊技実行画面においてユーザの端末装置PCから遊技実行要求、即ち、「マニュアルプレイボタン」選択時に「発射ボタン画像」が選択された場合、或いは、「セミオートプレイボタン」又は「オートプレイボタン」選択時に前回の球の発射から「0.6秒」経過した場合は(S4302:Yes)、次に、実行付与ポイント603b3に機種限定付与ポイントが記憶されているか否か(S4303)、或いは、実行付与ポイント603b3に機種限定ポイントが記憶されていない場合は(S4303:No)、実行遊技ポイント603b2に遊技ポイントが記憶されているか否かを判別する(S4304)。
判別の結果、S4303の処理において実行付与ポイント603b3に機種限定付与ポイントが記憶されている場合(S4303:Yes)、又は、S4304の処理において実行遊技ポイント603b2に遊技ポイントが記憶されている場合は(S4304:Yes)、該パチンコ機10において球の発射が可能な状態であるので、「発射強度画像」で選択されている発射強度に対応する発射強度データを含む遊技実行指示(要求)をパチンコ機10に対して送信して(S4305)、処理をS4306へ移行する。これにより、機種限定付与ポイントが遊技ポイントより優先的に使用されつつ、発射強度データを含む遊技実行要求を受信したパチンコ機10は、該発射強度に対応した強さで球を1球発射する。
なお、S4303の処理において実行付与ポイント603b3に機種限定ポイントが記憶されていない場合(S4303:No)、かつ、S4304の処理において実行遊技ポイント603b2に遊技ポイントが記憶されていない場合は(S4304:No)、該パチンコ機10において球の発射が不可な状態であるので、S4305の処理をスキップして、処理をS4306へ移行する。これにより、機種限定付与ポイントがない場合や、遊技ポイントがない場合、パチンコ機10において球を発射させることができないので、機種限定付与ポイント又は遊技ポイントを保有しないユーザによるパチンコ機10での遊技を実行させないようにすることができる。
S4306の処理では、遊技実行要求を送信したパチンコ機10から遊技の実行結果(即ち、球を1球発射した)を示す実行結果情報を受信したか否かを判別する(S4306)。判別の結果、実行結果情報を受信している場合は(S4306:Yes)、上記遊技実行要求に対して球を1球発射したということなので、次いで、遊技実行データ記憶部603bの実行付与ポイント603b3に機種限定付与ポイントが記憶されているか否かを判別する(S4307)。判別の結果、実行付与ポイント603b3に機種限定付与ポイントが記憶されていない場合は(S4307:No)、ユーザが機種限定付与ポイントを保有していないため、遊技実行データ記憶部603bの実行遊技ポイント603b2を「1」減算し(S4308)、処理をS4310へ移行する。一方、実行付与ポイント603b3に機種限定付与ポイントが記憶されていれば(S4307:Yes)、ユーザが保有する遊技ポイントより機種限定付与ポイントを優先的に消化させるため、遊技実行データ記憶部603bの実行付与ポイント603b3を「1」減算し(S4309)、処理をS43100へ移行する。これにより、ユーザが機種限定付与ポイントを保有している場合は、該機種限定付与ポイントが優先的に使用され、機種限定付与ポイントが保有していない場合は、遊技ポイントが使用されて、パチンコ機10における球の発射結果に基づいてユーザが保有する各ポイントが減算される。
なお、S4306の処理において、遊技実行要求を送信したパチンコ機10から遊技の実行結果情報を受信していない場合は(S4306:No)、S4307〜S4309の処理をスキップして、処理をS4310へ移行する。
S4310の処理では、遊技実行要求を送信したパチンコ機10から、発射した球が所定の入賞口64a等に入賞したに基づいて送信される遊技価値データを受信したか否かを判別する(S4310)。判別の結果、該パチンコ機10から遊技価値データを受信している場合は(S4310:Yes)、該遊技価値データに含まれる賞球数に応じた付与ポイント(機種限定付与ポイント)を、遊技実行データ記憶部603bの実行付与ポイント603b3に加算して(S4311)、この遊技実行処理(S4003)を終了し、メイン処理(図43参照)に戻る。一方、上記パチンコ機10から遊技価値データを受信していない場合は(S4310:No)、S4311の処理をスキップして、この遊技実行処理(S4003)を終了し、メイン処理(図43参照)に戻る。これにより、パチンコ機10で獲得した賞球に応じた付与ポイントがホールコンピュータ600において記憶される。
次に、図47を参照して、ホールコンピュータ600内のMPU601により実行されるメイン処理(図43参照)の一処理である遊技終了処理(S4004)について説明する。図47は、この遊技終了処理(S4004)を示すフローチャートである。上述したように、この遊技終了処理(S4004)では、ログイン中(アカウント認証済み)のユーザの端末装置PCからの遊技終了要求に応じて遊技ポイント及び付与ポイントの格納処理や、ビデオカメラ701の電源オフ等の処理を実行する。
遊技終了処理(S4004)では、まず、ユーザの端末装置PCのアカウント認証が済んでいるか否か、即ち、ログイン中か否かを判別する(S4401)。判別の結果、端末装置PCのアカウント認証が済んでいない場合は(S4401:No)、ログイン中ではないので、この遊技終了処理(S4004)を終了して、メイン処理(図43参照)に戻る。
一方、S4401の処理において、端末装置PCのアカウント認証が済んでいると判別された場合は(S4401:Yes)、次いで、ユーザの端末装置PCから遊技終了要求を受信したか否かを判別する(S4402)。判別の結果、ユーザの端末装置PCから遊技終了要求を受信していない場合は(S4402:No)、ユーザが遊技を終了する意思が示されていないので、S4403〜S4406の処理をスキップして、この遊技終了処理(S4004)、メイン処理(図43参照)に戻る。
S4402の処理において、ユーザの端末装置PCから遊技終了要求を受信している場合は(S4402:Yes)、ユーザが実行中のパチンコ機10における遊技の終了意思を示している。よって、これまでの該パチンコ機10における遊技を保存するべく、まず、遊技実行データ記憶部603bの実行遊技ポイント603b2を会員情報記憶部603aの保持遊技ポイント603a3に格納するとともに、遊技実行データ記憶部603bの実行付与ポイント603b3を会員情報記憶部603aの保持付与ポイント603a4に格納(加算)し(S4403)、処理をS4404へ移行する。これにより、該パチンコ機10で実行していた遊技において残存している遊技ポイントと、獲得した付与ポイント(機種限定付与ポイント)がホールコンピュータ600に記憶(保存)される。
次いで、S4404の処理では、遊技実行データ記憶部603bに記憶されていた遊技ポイントと付与ポイント、即ち、実行遊技ポイント603b2と実行付与ポイント603b3との内容をクリア(初期化)して(S4404)、処理をS4405へ移行する。これにより、該パチンコ機10に関する遊技ポイントおよび付与ポイントがクリアされるので、該パチンコ機10において遊技を所望する次のユーザが、該パチンコ機10で遊技を行う際に、前回、このパチンコ機10で遊技を行っていたユーザの保有していた遊技ポイント及び獲得した付与ポイントが重複して使用されることを未然に防止することができる。
S4405の処理では、ユーザの端末装置PCに対して、パチンコ機10に対応するビデオカメラ701から受信している映像データの送信を停止し(S4405)、次いで、該ビデオカメラ701の電源をオフして(S4406)、この遊技終了処理(S4004)を終了し、メイン処理(図43参照)に戻る。これにより、ユーザの端末装置PCにおいてパチンコ機10の「盤面画像」の映像表示が終了し、「バーチャルホール画面」が表示されることとなる。
次に、図48を参照して、ホールコンピュータ600内のMPU601により実行されるメイン処理(図43参照)の一処理である景品交換処理(S4005)について説明する。図48は、この景品交換処理(S4005)を示すフローチャートである。上述したように、この景品交換処理(S4005)では、ユーザの端末装置PCや、ユーザが保有する会員カードを介して遊技ホールDの会員カード読取機からの景品交換要求に基づく処理を実行する。
景品交換処理(S4005)では、まず、ユーザの端末装置PCのアカウント認証が済んでいるか否か、即ち、ログイン中か否かを判別する(S4501)。判別の結果、端末装置PCのアカウント認証が済んでいない場合は(S4501:No)、S4502〜S4505の処理をスキップして、処理をS4506に移行する。一方、端末装置PCのアカウント認証が済んでいる場合は(S4501:Yes)、次いで、ユーザの端末装置PCから所定の景品交換要求を受信したか否かを判別する(S4502)。判別の結果、端末装置PCから所定の景品交換要求を受信している場合は(S4502:Yes)、該端末装置PCに対応する会員情報記憶部603aの保持付与ポイント603a4に、景品交換要求の対象となっている景品に対応する分以上の付与ポイントが存在しているか否かを判別する(S4503)。
S4503の判別の結果、端末装置PCに対応する会員情報記憶部603aの保持付与ポイント603a4に、景品交換要求の対象となっている景品に対応する分以上の付与ポイントが存在している場合は(S4503:Yes)、ユーザの景品交換要求に対応する景品の交換が可能な状態であるので、会員情報記憶部603aの保持付与ポイント603a4から景品交換要求の対象となっている景品に対応する分の付与ポイントを減算し(S4504)、該景品の発送処理(例えば、景品交換要求があったことを知らせる通知メールの送信、ホール関係者等への通知、対象景品のリストアップ、発送伝票の印刷等)を行って(S4505)、処理をS4506へ移行する。遊技ホールDの従業員は、ホールコンピュータ600からの通知に基づいて、景品交換要求のあった景品をリストから選定して箱詰めし、該箱に対して発送伝票を貼付した上で発送を行う。これにより、遊技ホールDにユーザが赴かなくても、配送先(例えば、自宅)でも所望の景品を取得することができる。
なお、S4502の処理において、ユーザの端末装置PCから景品交換要求を受信していない場合(S4502:No)、又は、S4503の処理において、端末装置PCに対応する会員情報記憶部603aの保持付与ポイント603a4に、景品交換要求の対象となっている景品に対応する分以上の付与ポイントが存在していない場合は(S4503:No)、S4504及びS4505の処理をスキップして、処理をS4506へ移行する。
S4506の処理では、遊技ホールD内のホールコンピュータ600に接続されている接続端末(即ち、会員カード読取機)から景品交換要求を受信したか否かを判別する(S4506)。判別の結果、ホールコンピュータ600に接続されている接続端末から景品交換要求を受信している場合は(S4506:Yes)、会員カードに紐づいた遊技者(ユーザ)に対応する会員情報記憶部603aの保持付与ポイント603a4に、景品交換要求の対象となっている景品に対応する分以上の付与ポイントが存在しているか否かを判別する(S4507)。
S4507の判別の結果、会員カードに紐づいた遊技者に対応する会員情報記憶部603aの保持付与ポイント603a4に、景品交換要求の対象となっている景品に対応する分以上の付与ポイントが存在している場合は(S4507:Yes)、遊技者(ユーザ)の景品交換要求に対応する景品の交換が可能な状態であるので、会員情報記憶部603aの保持付与ポイント603a4から景品交換要求の対象となっている景品に対応する分の付与ポイントを減算し(S4508)、景品交換の対象となる景品情報を示す(が印刷された)レシートの発券処理を行って(S4509)、この景品交換処理(S4005)を終了して、メイン処理(図43参照)に戻る。これにより、ユーザの端末装置PCによって獲得した付与ポイントで、遊技ホールDに直接赴いて景品交換することも可能となり、ユーザ(遊技者)が遊技ホールDに赴く動機付けとなる。
なお、S4506の処理において、ホールコンピュータ600に接続されている接続端末から景品交換要求を受信していない場合(S4502:No)、又は、S4507の処理において、会員カードに紐づいた遊技者に対応する会員情報記憶部603aの保持付与ポイント603a4に、景品交換要求の対象となっている景品に対応する分以上の付与ポイントが存在していない場合は(S4507:No)、S4508及びS4509の処理をスキップして、この景品交換処理(S4005)を終了して、メイン処理(図43参照)に戻る。
次に、図49を参照して、バーチャルホール700に設置されているパチンコ機10の払出制御装置111内のMPU211により実行されるコマンド送受信処理について説明する。図49は、このコマンド送受信処理を示すフローチャートである。払出制御装置111のMPU211では、電源投入時において立ち上げ処理(図示せず)、該立ち上げ処理の終了後、メイン処理(図示せず)が繰り返し行われるように構成され、コマンド送受信処理は、メイン処理の一処理として実行される。このコマンド送受信処理では、ホールコンピュータ600から外部入出力端子800を介して払出制御装置111に向けて送信された遊技実行要求(指示)を受信した場合に、該遊技実行要求に基づいて球の発射を行うとともに、パチンコ機10において賞球が発生した場合に、外部入出力端子800を介してホールコンピュータ600に対して賞球情報を含む遊技価値データを送信する。
払出制御装置111のコマンド送受信処理では、まず、ホールコンピュータ600から遊技実行要求を受信したか否かを判別する(S5001)。判別の結果、ホールコンピュータ600から遊技実行要求を受信している場合は(S5001:Yes)、遊技実行要求に含まれる発射強度に対応した球の発射強度で球を発射させる発射制御コマンドを設定し(S5002)、球を1球発射したことを示す遊技実行結果コマンドを設定して(S5003)、処理をS5004へ移行する。
S5002の処理で設定された発射制御コマンドは、メイン処理の中で発射制御装置112に対して送信され、該発射制御コマンドを受信した発射制御装置112は、該発射制御コマンドに含まれる発射強度に応じて球発射ユニット112aを駆動して、球を1球発射する。
また、S5003の処理で設定された遊技実行結果コマンドは、メイン処理の中で外部入出力端子800を介してホールコンピュータ600に向けて送信され、該遊技実行結果コマンドを受信したホールコンピュータ600は、対応するユーザの遊技実行データ記憶部603bの実行遊技ポイント603b2又は実行付与ポイント603b3の減算処理を実行する。
なお、S5001の処理において、ホールコンピュータ600から遊技実行要求を受信していない場合は(S5001:No)、S5002及びS5003の処理をスキップして、処理をS5004へ移行する。
次いで、S5004の処理では、発射された球がいずれかの入賞口64a等に入賞して賞球が発生したか否かを判別する(S5004)。判別の結果、賞球が発生している場合は(S5004:Yes)、該賞球数に応じた遊技価値コマンドを設定して(S5005)、このコマンド送受信処理を終了して、メイン処理に戻る。
S5005の処理で設定された遊技価値コマンドは、メイン処理の中で外部入出力端子800を介してホールコンピュータ600に向けて送信され、該遊技価値コマンドを受信したホールコンピュータ600は、対応するユーザの遊技実行データ記憶部603bの実行付与ポイント603b3に、遊技価値コマンドに含まれる賞球数を加算する。
なお、S5004の処理において、賞球が発生していない場合は(S5004:No)、S5005の処理をスキップして、このコマンド送受信処理を終了して、メイン処理に戻る。
以上、説明したように、第2実施形態では、遊技ホールDの一部であるバーチャルホール700に設置しているパチンコ機10を、インターネット等の伝送経路を介して遊技ホールDのホールコンピュータ600にアクセスして遊技ホール外から操作可能に構成するとともに、該パチンコ機10における遊技結果(遊技状態)をビデオカメラ701によって撮影して遊技ホールD外に出力可能に構成する。また、ユーザ自身が保有する端末装置PCを使用して、上記伝送経路介して遊技ホールD外から遊技ホールDのホールコンピュータ600にアクセスし、パチンコ機10を操作して遊技を行うことができるように構成するとともに、ビデオカメラ701で撮影された遊技結果をユーザ自身の端末装置PCによって表示可能に構成する。そして、該パチンコ機10での遊技結果をユーザのアカウントごとにホールコンピュータ600にそれぞれ記憶し、該遊技結果に基づいて所望の景品交換可能に構成する。このように構成することで、パチンコ機10における遊技を遊技ホールDに直接赴かなくても行うことができ、さらに、遊技ホールDに赴いて上記遊技結果に基づいて所定の景品を取得することができ、パチンコ機10における遊技を多様化することができる。
また、第2実施形態では、「発射強度画像」が1段階目を示している状態では、遊技盤13の遊技領域に球が届きファール球とならない程度の発射強度で球を発射し、「発射強度画像」が10段階目を示している状態では、所謂、右打ち遊技となるような発射強度で球を発射するように構成されている。即ち、いずれの段階を設定した場合でも、ファール球とならないため、ファール球が発生した場合における処理が不要となり、パチンコ機10及びホールコンピュータ600の制御負担を軽減することができる。
さらに、第2実施形態では、過去にバーチャルホール700に設置されている複数のパチンコ機10における遊技で獲得した全付与ポイントのうち、1のパチンコ機10で獲得した機種限定付与ポイントは、該パチンコ機10における再遊技時に使用することができ、他のパチンコ機10では、該機種限定付与ポイントを使用することができないように構成されている。このように構成することで、機種限定付与ポイントを獲得したパチンコ機10の稼働を促進するとともに、機種限定付与ポイントが存在しない場合には遊技ポイントの購入を促進させることができる。
その他、第2実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態と同一の構成によって、同一の効果を奏する。
<第3実施形態>
次いで、図50から図57を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10及び遊技ホールDについて説明する。第2実施形態におけるパチンコ機10及び遊技ホールDでは、バーチャルホール700に設置されたパチンコ機10を、遊技ホールD外からユーザの端末装置PCによってホールコンピュータ600を介して遊技可能に構成し、該パチンコ機10で獲得した付与ポイントに基づいて景品交換可能に構成する一方、該付与ポイントでは、遊技ホールDのバーチャルホール700に設置されているパチンコ機10以外のパチンコ機10、即ち、遊技ホールDに直接赴いて遊技を行うことが可能なパチンコ機10で遊技を行うことができないように構成している。
これに対し、第3実施形態のパチンコ機10及び遊技ホールDでは、遊技ホールDに設置されているすべてのパチンコ機10を、該遊技ホールD外からアクセス可能に構成して、ユーザの端末装置PCから遊技ホールDに設置されているすべてのパチンコ機10での遊技を実行可能に構成する。また、遊技ホールDに直接赴いた遊技者も、該遊技ホールDに設置されているすべてのパチンコ機10での遊技を実行可能にする。さらに、端末装置PCでの遊技によって獲得した付与ポイントを、該付与ポイントを獲得したパチンコ機10に限り、遊技ホールDに直接赴いて遊技を行うことが可能に構成するとともに、遊技ホールDに直接赴いて遊技を行って獲得した付与ポイントも、該付与ポイントを獲得したパチンコ機10に限り、端末装置PCから遊技を行うことを可能に構成されている。
以下、第3実施形態におけるパチンコ機10及び遊技ホールDについて、第1実施形態及び第2実施形態におけるパチンコ機10及び遊技ホールDと相違する点を中心に説明する。以下の説明では、第1実施形態及び第2実施形態と同一の要素に同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
図50を参照して、第3実施形態における遊技機メーカーAで製造されたパチンコ機10が遊技ホールDに設置された場合における使用態様について説明する。図50は、第3実施形態における遊技機メーカーAと遊技ホールDとにおけるパチンコ機10及び認証カード500の流れと、インターネットを介して遊技ホールDのホールコンピュータ600とユーザの端末装置PCとがインターネットを介して接続可能に構成されていることとを説明するための模式図である。
図50で示すように、遊技機メーカーAで製造されたパチンコ機10a〜10cには、第2実施形態と同様、データサーバ510によって生成された固有の製造番号SNが付与され、パチンコ機10a〜10cの各主制御装置110と、認証カード500a〜500cの各ICチップ501とに同一の(対応する)製造番号SNがそれぞれ記憶される(書き込まれる)。
そして、遊技機メーカーAから遊技ホールDに対してパチンコ機10a〜10cが販売された場合、遊技ホールDに設置されたパチンコ機10a〜10cに対して、該パチンコ機10a〜10cに対応する認証カード500a〜500cを挿入することで、遊技ホールDにおいてパチンコ機10a〜10cが正常に動作可能な状態となる。
遊技ホールDに設置されたパチンコ機10a〜10cは、遊技者が該遊技ホールDに実際に赴いて遊技が行うことが可能に構成されるとともに、ユーザX〜Zが自身の端末装置PCx〜PCzによってインターネットを介して遊技ホールD外からホールコンピュータ600にアクセスして遊技を行うことが可能に構成されている。
第3実施形態の遊技ホールDにおいて、各パチンコ機10a〜10cには、それぞれの遊技態様を撮影可能な各ビデオカメラ701a〜701cが設けられている。このビデオカメラ701a〜701cは、第2実施形態と同様、パチンコ機10a〜10cの前面側(遊技盤13の盤面)を撮影し、球発射ユニット112aから発射された球が遊技盤13の盤面上を流下する様子や、第1始動口64a等の入賞口に入賞する様子、第3図柄表示装置81における変動演出の内容等を撮影した映像をホールコンピュータ600及びインターネットを介してユーザX〜Zの端末装置PCx〜PCzに対してライブで送信可能に構成されている(図50参照)。
なお、この遊技ホールDに直接赴いて遊技を行う場合の営業時間と、インターネットを介してアクセスして遊技を行うことが可能な接続可能時間とは、同一の時間で設定されている(例えば、午前9時〜午後10時30分)。即ち、インターネットを介してパチンコ機10で遊技を行う場合、上記接続可能時間内に遊技ホールDに設置されているパチンコ機10を選択して遊技を行うことが可能となる一方、上記接続可能時間を超えた場合は、遊技ホールDのパチンコ機10を選択することができず、該パチンコ機10において遊技を実行できないように構成されている。
また、遊技ホールDへ実際に赴いた遊技者によって遊技が行われているパチンコ機10は、インターネットを介して端末装置PCによって遊技を行うことができないように構成されている。同様に、インターネットを介して端末装置PCによって遊技が実行されているパチンコ機10は、遊技ホールDへ実際に赴いた遊技者によって遊技を行うことができないように構成されている。これは、例えば、インターネットを介してパチンコ機10においてユーザが遊技を行っている場合に、遊技ホールDに赴いた遊技者が該パチンコ機10の遊技を行ってしまうと、1のパチンコ機10に対して複数の遊技者(ユーザ)が存在してしまい、遊技結果等をいずれの遊技者(ユーザ)に対して払い出せばよいか判然とせず、無用な混乱をきたしてしまうおそれがあるからである。
ここで、図51を参照して、第3実施形態における遊技ホールDにおける各設備の電気的構成について説明する。図51は、主に、遊技ホールDのホールコンピュータ600の電気的構成を示すブロック図である。第3実施形態の遊技ホールDには、少なくとも、インターネットを介して遊技ホールD外と通信可能に構成されたホールコンピュータ600と、該ホールコンピュータ600とデータの送受信が可能に構成されたパチンコ機10a〜10cと、遊技ホールDに設置されたパチンコ機10a〜10cの遊技態様をそれぞれ個別に撮影可能なビデオカメラ701a〜701cとが設けられている。
パチンコ機10a〜10cは、上述したように、ホールコンピュータ600と電気的に接続され、該パチンコ機10a〜10cにおける遊技結果や遊技状態をホールコンピュータ600に出力可能に構成されている。また、パチンコ機10a〜10cは、ホールコンピュータ600からの指示に基づいて、所定の発射強度で遊技領域に向けて球の発射が可能に構成されている。具体的には、遊技者によって操作ハンドル51が回動された場合のように、ホールコンピュータ600からの発射強度を示す発射指示(コマンド)に基づいて、該発射指示に応じた発射強度で遊技領域に向けて球を発射可能に構成されている。
ビデオカメラ701a〜701cは、ホールコンピュータ600と電気的に接続され、遊技ホールDに設置されたすべてのパチンコ機10a〜10cをそれぞれ個別に撮影可能に構成されている。具体的には、ホールコンピュータ600からの撮影指示(コマンド)に基づいて、対応するパチンコ機10a〜10c(例えば、パチンコ機10aに対してはビデオカメラ701a、パチンコ機10bに対してはビデオカメラ701b、パチンコ機10cに対してはビデオカメラ701c)の前面側(遊技盤13の盤面)をそれぞれ撮影するとともに、同じくホールコンピュータ600からの拡縮指示(コマンド)に基づいて、撮影映像の拡大又は縮小が可能に構成されている。ビデオカメラ701a〜701cによって撮影された映像は、ホールコンピュータ600に向けて送信される。
ホールコンピュータ600のRAM603に設けられた会員情報記憶部603aは、遊技ホールD外からインターネットを介して遊技ホールDに設置されているパチンコ機10a〜10cで遊技を行うユーザごとの個人情報等を含むアカウント情報や遊技履歴情報、遊技結果情報等をそれぞれ記憶するためのエリアである。
遊技実行データ記憶部603bは、遊技ホールDに設置されているパチンコ機10a〜10cにおいて遊技を行っているユーザのアカウント情報(ID情報)や、パチンコ機10a〜10cで遊技を行うための情報や遊技結果情報をそれぞれ記憶するためのエリアである。
ここで、図52を参照して、第3実施形態のホールコンピュータ600のRAM603内に設けられた会員情報記憶部603aと遊技実行データ記憶部603bとの詳細について説明する。図52は、第3実施形態の会員情報記憶部603a、及び、遊技実行データ記憶部603bの構成を模式的に示した図である。
図52で示すように、会員情報記憶部603aは、インターネットを介してホールコンピュータ600に接続し、会員情報を登録したユーザ毎にそれぞれ形成され、各ユーザのアカウント情報をそれぞれ記憶する会員ID情報603a1と、各ユーザが遊技を行った履歴をそれぞれ記憶する遊技履歴情報603a2と、遊技ホールDに設置されているパチンコ機10において遊技を行うために各ユーザが保持する遊技ポイントをそれぞれ記憶する保持遊技ポイント603a3と、各ユーザがパチンコ機10で遊技を行った結果、取得した機種限定付与ポイントを機種ごとに遊技履歴情報603a2と関連づけてそれぞれ記憶する機種限定保持付与ポイント603a4と、を少なくとも有している。
具体的には、例えば、ユーザXが会員登録した場合に、ユーザX情報として、該ユーザXを示す会員ID情報603a1と、該ユーザXが行った遊技履歴を示す遊技履歴情報603a2と、該ユーザXが遊技ホールDに設置されたパチンコ機10で遊技を行うための遊技ポイントを示す保持遊技ポイント603a3と、該ユーザXが遊技ホールDに設置されたパチンコ機10で遊技を行った結果、付与された機種限定付与ポイントを該ユーザの遊技履歴情報603a2と関連付けて記憶する機種限定保持付与ポイントを含む全付与ポイントを記憶する保持付与ポイント603a4とが形成される。ユーザY又はユーザZが会員登録した場合も同様に、会員ID情報603a1、遊技履歴情報603a2、保持遊技ポイント603a3、保持付与ポイント603a4がそれぞれ形成される。
第3実施形態では、インターネットを介して遊技ホールDに設置されている所定のパチンコ機10で遊技を行って、その遊技結果と付与される機種限定付与ポイントが与えられた場合、同一のパチンコ機10でのみ当該機種限定付与ポイントに基づく遊技を行うことが可能に構成されている。具体的には、ユーザがインターネットを介して遊技したことに基づいて獲得した機種限定付与ポイントは、パチンコ機10の遊技終了時に上記機種限定保持付与ポイント603a4に格納(加算)される場合に、遊技履歴情報603a2と紐づいて記憶される。そして、ユーザ又は遊技者がパチンコ機10において、インターネットを介して、あるいは、遊技ホールDに直接赴いて、再び遊技を行う場合に、遊技履歴情報603a2に記憶されている情報に基づいて、該ユーザ又は遊技者が保持している機種限定付与ポイントが当該パチンコ機10で取得されたものか否かが判別され、該パチンコ機10で獲得した機種限定付与ポイントである場合には、該機種限定付与ポイントに基づいて遊技(球の発射)が可能となる一方、該パチンコ機10で獲得した機種限定付与ポイントではない場合には、該機種限定付与ポイントでの当該パチンコ機10の遊技(球の発射)をすることができず、遊技ポイントでのみ遊技が可能となるように構成されている。このように構成することで、インターネットを介してパチンコ機10で獲得した機種限定付与ポイントを、遊技ホールDに直接赴いて遊技を行う際に、当該パチンコ機10限定ではあるものの使用することができるので、パチンコ機10における遊技を多様化することができる。なお、遊技ホールDに直接赴いて遊技を行って獲得した付与ポイントは、遊技終了時に遊技ポイントとして計上され、他のパチンコ機10でも使用可能に構成される。
遊技実行データ記憶部603bは、遊技ホールDに設置されたパチンコ機10で遊技を行うユーザの各種情報を記憶するためのものであり、各パチンコ機ごとに対応するように、第1実行データ記憶部、第2実行データ記憶部、第3実行データ記憶部、・・・、第X(Xは、遊技ホールDに設置されているパチンコ機10の台数を示す)実行データ記憶部がそれぞれ設けられている。具体的には、例えば、パチンコ機10aに対しては遊技実行データ記憶部603bの第1実行データ記憶部が対応し、パチンコ機10bに対しては遊技実行データ記憶部603bの第2実行データ記憶部が対応し、・・・、パチンコ機10Xに対しては遊技実行データ記憶部603bの第X実行データ記憶部が対応するように構成されている。
上記各実行データ記憶部には、それぞれ、パチンコ機10で遊技を行っているユーザ又は遊技者のアカウント情報を記憶する実行会員ID情報603b1と、パチンコ機10で遊技を行っているユーザ又は遊技者が現在保有している遊技ポイントを記憶する実行遊技ポイント603b2と、パチンコ機10で遊技を行っているユーザ又は遊技者が現在獲得した機種限定付与ポイントを記憶する機種限定実行付与ポイント603b3とを少なくとも有している。
第3実施形態において、ユーザが遊技ホールD外からインターネットを介してホールコンピュータ600にアクセスし、遊技ホールDに設置されているパチンコ機10において遊技を行う際、又は、遊技ホールDに直接赴いてパチンコ機10において遊技を行う際に、まず、遊技を行うパチンコ機10に対応する遊技実行データ記憶部603bの第1〜第X実行データ記憶部に、会員情報記憶部603aに記憶される上記ユーザ又は遊技者の各種情報が対応する実行データ記憶部に格納される。そして、該実行データ記憶部に格納された各種情報に基づいてパチンコ機10において遊技が可能となる。
次に、図53を参照して、ユーザの端末装置PCによって遊技ホールDに設置されたパチンコ機10で遊技を行う場合、及び、遊技ホールDに直接赴いてパチンコ機10で遊技を行う場合の流れとその表示内容について説明する。図53は、第3実施形態におけるパチンコ機10及びビデオカメラ701、ホールコンピュータ600、並びに、ユーザの端末装置PCの情報の授受を示す図である。なお、第3実施形態では、景品交換に関する処理の流れは、図54において後述する。また、会員登録に関する処理、ログイン要求に基づく処理、遊技ポイント購入に関する処理、インターネットを介した遊技終了に関する処理は、第2実施形態と同等であるので、その図示又は説明を省略する。
図53で示すように、ユーザは、ログイン状態であることを条件に、「バーチャルホール画面」に表示される「機種選択ボタン」を選択(クリック)した場合、「遊技機選択画面」(図41参照)が端末装置PCのモニタ900に表示される。ユーザは、端末装置PCを操作して、この「遊技機選択画面」上において表示され、遊技ホールDに設置されている複数のパチンコ機10の中から、遊技を行うパチンコ機10を選定可能に構成され、「遊技機選択画面」上において所定のパチンコ機10が選択された場合は、該パチンコ機10に対応する機種選択要求がホールコンピュータ600に対して送信される。
この「遊技機選択画面」上において遊技を行うパチンコ機10を選択した場合、ホールコンピュータ600に対して機種選択要求を送信し、ホールコンピュータ600は、機種選択要求に応じたパチンコ機10の使用状況を確認する。確認の結果、パチンコ機10側が遊技の未実行状態(他のユーザ及び遊技者の未選択状態)であることが確認された場合は、該パチンコ機10がいずれのユーザ及び遊技者によっても遊技が行われていないので、パチンコ機10からホールコンピュータ600に対して遊技許可信号が出力されるとともに、ビデオカメラ701がオンされて該パチンコ機10の状態を撮影した映像情報の送信が開始される。このとき、遊技ホールDにおける該パチンコ機10の状態は、第3図柄表示装置81において「遊技中」という表示がなされ、遊技ホールDに直接赴いた遊技者による遊技が実行できない旨が示唆される。
図53で示すように、パチンコ機10から遊技許可信号および映像情報を受信したホールコンピュータ600は、ログイン中であって、機種選択要求を送信したユーザの端末装置PCに対してインターネットを介して、パチンコ機10に対応するビデオカメラ701から受信した映像情報を送信する。ホールコンピュータ600からの映像情報を受信したユーザの端末装置PCは、該映像情報に基づいて端末装置PCのモニタ900に現在のパチンコ機10の「遊技実行画面」を表示する。ユーザは、この「遊技実行画面」上において、自身の端末装置PCによって、遊技ホールDに設置されているパチンコ機10の状態を確認しながらパチンコ機10を遠隔操作(例えば、球の発射)が可能な状態となる。
このとき、このパチンコ機10においてユーザが過去に遊技を行い、獲得した機種限定付与ポイントがある場合は、該パチンコ機10で獲得した機種限定付与ポイントと、ユーザが保持する遊技ポイントとがホールコンピュータ600から端末装置PCに対して送信される(図55のS4105参照)。なお、パチンコ機10においてユーザが過去に遊技を行っていない場合や、獲得した機種限定付与ポイントがない場合は、ユーザが保持する遊技ポイントのみがホールコンピュータ600から端末装置PCに対して送信される。
第3実施形態では、インターネットを介して過去に遊技ホールDに設置されている複数のパチンコ機10における遊技で獲得した全付与ポイントのうち、1のパチンコ機10で獲得した機種限定付与ポイントは、該パチンコ機10において、インターネットを介して再遊技をする場合、及び、遊技ホールDに直接赴いて遊技を行う場合に使用することができ、他のパチンコ機10では、該機種限定付与ポイントを使用することができないように構成されている。このように構成することで、機種限定付与ポイントを獲得したパチンコ機10の稼働を促進するとともに、機種限定付与ポイントが存在しない場合には遊技ポイントの購入を促進させることができる。なお、遊技ポイントと機種限定付与ポイントとがともに存在する場合は、機種限定付与ポイントが先に消化されるように構成されている。
そして、ユーザの端末装置PCのモニタ900において「遊技実行画面」が表示されている状態において、「発射ボタン画像」がユーザにより選択(クリック)等された場合、端末装置PCからインターネットを介してホールコンピュータ600に対して球の発射強度を含む遊技実行要求が送信される。その後、該遊技実行要求を受信したホールコンピュータ600は、該ホールコンピュータ600が記憶する該ユーザの遊技ポイント又は機種限定付与ポイントが存在する場合にのみ、該遊技実行要求に応じたパチンコ機10に対して、発射強度を含む遊技実行要求を送信する。
発射強度を含む遊技実行要求を受信したパチンコ機10は、該遊技実行要求に応じた発射強度で球を1球発射し(図56のS5002参照)、球を1発発射したことを示す遊技の実行結果を示す実行結果情報をホールコンピュータ600に対して送信する(図56のS5003参照)。実行結果情報を受信したホールコンピュータ600は、遊技実行データ記憶部603bの実行遊技ポイント603b2又は機種限定実行付与ポイント603b3を「1」減算する。このとき、発射した球がいずれかの入賞口64a等に入賞した場合に、パチンコ機10から賞球数に応じた遊技価値コマンド(付与ポイント)がホールコンピュータ600に対して送信され(図56のS5005参照)、該遊技価値コマンドを受信したホールコンピュータ600は、遊技実行データ記憶部603bの機種限定実行付与ポイント603b3に該遊技価値コマンドに対応した機種限定付与ポイントを加算する。
なお、実行結果情報を受信したホールコンピュータ600は、インターネットを介してユーザの端末装置PCに対して実行結果情報を送信し(図53において図示せず)、該実行結果情報を受信した端末装置PCは、「遊技ポイント画像」の値、又は、機種限定付与ポイントが存在する場合は「付与ポイント画像」の値を更新(即ち、1減算)する。また、遊技価値コマンドを受信したホールコンピュータ600は、インターネットを介してユーザの端末装置PCに対して遊技価値コマンドを送信し(図53において図示せず)、該遊技価値コマンドを受信した端末装置PCは、該遊技価値コマンドに応じて「付与ポイント画像」の値を更新(例えば、10加算)する。
次いで、第3実施形態では、遊技ホールDに遊技者が直接赴いて遊技を行う場合、遊技者が保持する会員カード(図示せず)を各パチンコ機10ごとにそれぞれ設けられたカードサンド(図示せず)に挿入することで該パチンコ機10において遊技を実行可能に構成されている。具体的には、該会員カードに記憶される会員ID情報に基づいて、ホールコンピュータ600の会員情報記憶部603aとの認証が行われ、該会員カードの認証が正常に行われた場合、会員情報記憶部603aに記憶される遊技ポイントおよび機種限定付与ポイントが存在することを条件に、パチンコ機10での球の発射が可能となる。パチンコ機10での遊技の実行中は、その遊技結果が会員カードに蓄積される。そして、パチンコ機10で遊技者が遊技を終了する場合に、会員カードを排出することで、遊技中に獲得した機種限定付与ポイントや残存する遊技ポイントが、ホールコンピュータ600の会員情報記憶部603aに格納(加算)される。
次に、図54を参照して、ユーザ又は遊技者が獲得した機種限定付与ポイントに基づいて、遊技機メーカーAに対してノベルティグッズの交換を要求する場合の流れについて説明する。図54、第3実施形態における遊技機メーカーAのデータサーバ、ホールコンピュータ600、並びに、ユーザの端末装置PCの情報の授受を示す図である。
第3実施形態では、ユーザは、該ユーザ又は遊技者が所定のパチンコ機10で獲得した機種限定付与ポイントに応じて、端末装置PCから遊技機メーカーAに対して、該遊技機メーカーAが作製する上記パチンコ機10に関連するグッズ(所謂、ノベルティグッズ)を直接交換することができるように構成されている。
図54で示すように、ユーザがホールコンピュータ600にログイン中である場合に、ホールコンピュータ600は、ユーザの端末装置PCからノベルティグッズの交換要求を受信した場合、該ノベルティグッズの交換に必要な分以上の機種限定付与ポイントをユーザが保有しているか否かを判別し、ユーザがノベルティグッズの交換に必要な分以上の機種限定付与ポイントを保有している場合には、遊技機メーカーAに対して、ノベルティグッズの交換要求を送信する。ノベルティグッズの交換要求を受信した遊技機メーカーAは、該交換要求に応じたノベルティグッズの在庫があることを条件に、ホールコンピュータ600に対して、ノベルティグッズの配送予定等を送信するとともに、該ノベルティグッズの発送手続き(例えば、発送伝票の印刷や箱詰め等)を行う。遊技機メーカーAから配送予定等を受信したホールコンピュータ600は、ノベルティグッズに応じた機種限定付与ポイントの減算処理を行い、ユーザの端末装置PCに対して、ノベルティグッズの配送予定を送信する。
このように構成することで、ユーザは、遊技ホールDに赴かなくても、また、遊技機メーカーAのサイトで直接現金によってノベルティ商品を購入しなくても、遊技ホールDに設置されたパチンコ機10で獲得した機種限定ポイントに基づいてノベルティグッズを入手することができる。また、所望のノベルティグッズを獲得するために、ユーザに対して上記パチンコ機10での遊技意欲を向上させ、該パチンコ機10の稼働を促進させることができる。さらに、遊技ホールDにおいて、ノベルティグッズの在庫を抱える必要がなくなるとともに、多種多様な景品交換の態様を実現することができる。なお、機種限定付与ポイントでノベルティグッズを交換する場合に、通常の付与ポイントで景品交換を行う場合より優遇された交換率でノベルティグッズを交換できるように構成してもよい。
次に、図55を参照して、第3実施形態のホールコンピュータ600内のMPU601により実行されるメイン処理(図43参照)の一処理であるアカウント処理(S4001)について説明する。図55は、このアカウント処理(S4001)を示すフローチャートである。第3実施形態のアカウント処理(S4001)では、遊技ホールDにおいて遊技者が遊技を行っている場合、該遊技者に対応するアカウントでは、端末装置PCで遊技を実行させないように構成されている。反対に、インターネットを介して端末装置PCでユーザが遊技を行っている場合に、遊技ホールDでは、該ユーザに対応する会員カードでは、遊技ホールDにおいて遊技を実行させないように構成されている。このように構成することで、複数のパチンコ機10を一人の遊技者(ユーザ)が掛け持ちして遊技を行う所謂掛け持ち遊技を未然に防止することができる。また、掛け持ち遊技を未然に防止することで、例えば、1のパチンコ機10で大当たりして球を発射しなければいけない状況において、他のパチンコ機10で遊技ポイントを喪失してしまった状況において、該大当たりを発生したパチンコ機10で球を発射できずに大当たりの遊技価値を取得できないような状況を未然に防止することができる。なお、第3実施形態のアカウント処理(S4001)において、第2実施形態と同一の処理については、その説明を省略する。
第3実施形態のアカウント処理(S4001)において、S4104の判別の結果、アカウント認証が正常であると判別された場合は(S4104:Yes)、次いで、遊技ホールDに設置されているいずれかのパチンコ機10に付随するカードサンドに、S4104の処理で判別されたユーザに対応する会員カードが挿入されているか否かを判別する(S4151)。判別の結果、遊技ホールDに設置されているいずれかのパチンコ機10に付随するカードサンドに、S4104の処理で判別されたユーザに対応する会員カードが挿入されている場合は(S4151:Yes)、既に遊技ホールDにおいて、S4104の処理で判別されたユーザの会員カードが挿入され、いずれかのパチンコ機10で遊技が行われているので、所謂掛け持ち遊技をさせないため、S4105の処理をスキップし、このアカウント処理(S4001)を終了して、メイン処理(図43参照)に戻る。一方、S4151の判別の結果、遊技ホールDに設置されているいずれかのパチンコ機10に付随するカードサンドに、S4104の処理で判別されたユーザに対応する会員カードが挿入されていない場合は(S4151:No)、遊技ホールDのパチンコ機において上記ユーザに対応する遊技者によって遊技が行われていないため、パチンコ機10における遊技を実行可能にするため、処理をS4105へ移行する。
また、S4106の処理の判別の結果、ユーザの端末装置PCから遊技ポイントの購入要求を受信していない場合は(S4106:No)、次いで、パチンコ機10に付随するカードサンドに会員カードが挿入されたことを示す会員カード挿入情報を受信したか否かを判別する(S4152)。判別の結果、パチンコ機10に付随するカードサンドから会員カード挿入情報を受信している場合は(S4152:Yes)、次いで、会員カードに予め設定されている暗証番号が正常に入力されたか否かを判別する(S4153)。カードサンドに挿入された会員カードの暗証番号が遊技者によって正常に入力されていない場合は(S4153:No)、該暗証番号を入力した遊技者が会員カードの正規な会員ではない可能性があるので、S4154及びS4155の処理を行わずに、このアカウント処理(S4001)を終了して、メイン処理(図43参照)に戻る。
一方、S4153の判別の結果、カードサンドに挿入された会員カードの暗証番号が正常に入力された場合は(S4153:Yes)、次いで、上記会員カードに対応するユーザによって端末装置PCからアカウント認証が行われているか否かを判別する(S4154)。判別の結果、上記会員カードに対応するユーザによって端末装置PCからアカウント認証が行われている場合は(S4154:Yes)、既にインターネットを介してS4153の処理で判別された会員カードを挿入した遊技者に対応するユーザによっていずれかのパチンコ機10で遊技が行われているので、所謂掛け持ち遊技をさせないため、S4155の処理をスキップし、このアカウント処理(S4001)を終了して、メイン処理(図43参照)に戻る。一方、S4154の判別の結果、上記会員カードに対応するユーザによって端末装置PCからアカウント認証が行われていない場合は(S4154:No)、インターネットを介して上記会員カードの遊技者に対応するユーザによって遊技が行われていないため、パチンコ機10における遊技を実行可能にするため、処理をS4155へ移行する。
S4155の処理では、会員情報記憶部603aに記憶される遊技ポイントと、該パチンコ機10に対応する機種限定付与ポイント、即ち、保持遊技ポイント603a3及び機種限定保持付与ポイント603a4を、会員カードが挿入されたパチンコ機10に付随するカードサンドに対して送信し(S4155)、このアカウント処理(S4001)を終了して、メイン処理(図43参照)に戻る。
S4152の処理において、パチンコ機10に付随するカードサンドから会員カード挿入情報を受信していないと判別された場合は(S4152:No)、次いで、パチンコ機10に付随するカードサンドから会員カードが排出されて遊技ポイント及び機種限定付与ポイントに関する情報を受信したか否かを判別する(S4156)。判別の結果、パチンコ機10に付随するカードサンドから会員カードが排出されて遊技ポイント及び機種限定付与ポイントに関する情報を受信していない場合は(S4156:No)、このアカウント処理(S4001)を終了して、メイン処理(図43参照)に戻る。一方、パチンコ機10に付随するカードサンドから会員カードが排出されて遊技ポイント及び機種限定付与ポイントに関する情報を受信している場合は(S4156:Yes)、受信した遊技ポイント及び機種限定付与ポイントを、会員カードに対応する遊技者(ユーザ)の会員情報記憶部603aの保持遊技ポイント603a3および保持付与ポイント603a4に格納(加算)して(S4157)、このアカウント処理(S4001)を終了して、メイン処理(図43参照)に戻る。
このように構成することで、遊技ホールDに直接赴いて会員情報記憶部603aに記憶されているデータに基づいて遊技を実行可能にするとともに、インターネットを介してユーザの端末装置PCから、遊技ホールDに設置されたパチンコ機10において会員情報記憶部603aに記憶されているデータに基づいて遊技を実行可能にしつつ、複数のパチンコ機10を一人の遊技者(ユーザ)が掛け持ちして遊技を行う所謂掛け持ち遊技を未然に防止することができる。
次に、図56を参照して、遊技ホールDに設置されているパチンコ機10の払出制御装置111内のMPU211により実行されるコマンド送受信処理について説明する。図56は、第3実施形態のコマンド送受信処理を示すフローチャートである。第3実施形態のコマンド送受信処理では、パチンコ機10に付随するカードサンドに会員カードが挿入された場合に、該会員カードに対応する遊技者(ユーザ)が保持する遊技ポイント又は機種限定付与ポイントに基づいて球の発射を実行する。また、発射された球がいずれかの入賞口64a等に入賞した場合に、該入賞に基づく賞球を機種限定付与ポイントとして加算する。さらに、会員カードの排出要求があった場合に、その時点で遊技者が保有する遊技ポイント及び機種限定付与ポイントをホールコンピュータ600に対して送信する処理を実行する。
第3実施形態のコマンド送受信処理では、まず、インターネットを介してユーザの端末装置PCによって、遊技ホールDに設置されたいずれかのパチンコ機10で遊技を行っているか否かを判別する(S5051)。判別の結果、インターネットを介してユーザの端末装置PCによって、遊技ホールDに設置されたいずれかのパチンコ機10で遊技を行っている場合は(S5051:Yes)、S5001〜S5005の処理を実行して、端末装置PCによる遊技に関する処理を実行し、処理をS5052に移行する。一方、S5051の処理において、インターネットを介してユーザの端末装置PCによって、遊技ホールDに設置されたいずれかのパチンコ機10で遊技を行っていないと判別された場合は(S5051:No)、S5001〜S5005の処理をスキップして、処理をS5052へ移行する。
S5052の処理では、パチンコ機10に付随するカードサンドに会員カードが挿入されているか否かを判別する(S5052)。判別の結果、パチンコ機10に付随するカードサンドに会員カードが挿入されていない場合は(S5052:No)、S5053の処理をスキップして、このコマンド送受信処理を終了し、メイン処理に戻る。一方、パチンコ機10に付随するカードサンドに会員カードが挿入されている場合は(S5052:Yes)、該会員カードを挿入した遊技者が保有する遊技ポイント又は機種限定付与ポイントによる遊技を実行するために、会員カード遊技処理を実行し(S5053)、その後、このコマンド送受信処理を終了し、メイン処理に戻る。
ここで、図57を参照して、パチンコ機10の払出制御装置111内のMPU211により実行されるコマンド送受信処理の一処理である会員カード遊技処理(S5053)について説明する。図57は、この会員カード遊技処理(S5053)を示すフローチャートである。この会員カード遊技処理(S5053)では、会員カードに対応する遊技者が保有する遊技ポイント又は機種限定付与ポイントによる遊技を実行するとともに、会員カードがカードサンドから排出される場合には、その時点で遊技者が保有する遊技ポイント及び機種限定付与ポイントをホールコンピュータ600に対して送信する処理を実行する。
会員カード遊技処理(S5053)では、まず、パチンコ機10において球の発射条件が成立しているか否かを判別する(S5101)。発射条件とは、例えば、球発射ユニット112aが正常に駆動するか否かや、発射すべき球が存在するか否か、或いは、何らかの異常によって球が正常に発射することができない状態か否か等を判別することにより判定する。判別の結果、パチンコ機10において球の発射条件が成立していない場合は(S5101:No)、球を正常に発射できない状態であるので、S5102〜S5107の処理をスキップして、処理をS5108へ移行する。一方、S5101の処理において、パチンコ機10において球の発射条件が成立していると判別された場合は(S5101:Yes)、球が発射可能な状態なので、次に、会員カードに格納されている機種限定付与ポイントが「0」より大きい値か否かと、該機種限定付与ポイントを獲得したパチンコ機10と当該パチンコ機10とが一致しているか否かを順次判別する(S5102及びS5103)。
判別の結果、会員カードに格納されている機種限定付与ポイントが「0」より大きい値であって、かつ、該機種限定付与ポイントを獲得したパチンコ機10と当該パチンコ機10とが一致している場合は(S5102:Yes、及び、S5103:Yes)、遊技者保有の機種限定付与ポイントにより球を発射可能な状態であるので、まず、機種限定付与ポイントを「1」減算し(S5104)、現在、遊技者が把持している操作ハンドル51の回動操作量に応じた発射制御コマンドを設定して(S5105)、処理をS5108へ移行する。
S5105の処理で設定された発射制御コマンドは、メイン処理の中で発射制御装置112に対して送信され、該発射制御コマンドを受信した発射制御装置112は、該発射制御コマンドに含まれる発射強度に応じて球発射ユニット112aを駆動して、球を1球発射する。
一方、会員カードに格納されている機種限定付与ポイントが「0」より大きくない場合、即ち、機種限定付与ポイントが「0」の場合(S5102:No)、或いは、会員カードに格納されている機種限定付与ポイントが「0」より大きくても、該機種限定付与ポイントを獲得したパチンコ機10と当該パチンコ機10とが一致していない場合は(S5102:Yes→S5103:No)、機種限定付与ポイントによって球が発射できない状態であるので、次いで、会員カードに格納されている遊技ポイントが「0」より大きい値か否かを判別する(S5106)。
S5106の判別の結果、会員カードに格納されている遊技ポイントが「0」より大きい値であれば(S5106:Yes)、遊技者保有の遊技ポイントにより球を発射可能な状態であるので、遊技ポイントを「1」減算し(S5107)、処理をS5105へ移行し、発射制御装置112に対して発射制御コマンドを設定する処理を実行する。一方、会員カードに格納されている遊技ポイントが「0」より大きくない場合、即ち、遊技ポイントが「0」の場合は(S5107:No)、遊技ポイントによって球が発射できない状態であるので、S5107及びS5105の処理を行わず、処理をS5108へ移行する。
S5108の処理では、S5105の処理に基づいて発射された球がいずれかの入賞口64a等に入賞したことで所定の賞球が発生したか否かを判別する(S5108)。判別の結果、いずれかの入賞口64a等に球が入賞したことで所定の賞球が発生していた場合は(S5108:Yes)、該賞球数に応じた付与ポイントを機種限定付与ポイントに加算して(S5109)、処理をS5110へ移行する。これにより、パチンコ機10で獲得した賞球を機種限定付与ポイントとして遊技者が保有し、該機種限定付与ポイントによる遊技を行うことができる。なお、S5108の処理において、いずれの入賞口64a等にも球が入賞しておらず、賞球が発生していないと判別された場合は(S5108:No)、S5109の処理をスキップして、処理をS5110へ移行する。
S5110の処理では、遊技者によって、パチンコ機10に付随するカードサンドから会員カードの排出要求があったか否かを判別する(S5110)。判別の結果、会員カードの排出要求があった場合は(S5110:Yes)、パチンコ機10における遊技の終了意思を遊技者が示しているので、現在、遊技者が保有し、会員カードに格納されている遊技ポイントと機種限定付与ポイントとを含めた情報をホールコンピュータ600に向けて送信し(S5111)、この会員カード遊技処理(S5053)を終了して、メイン処理に戻る。一方、会員カードの排出要求がない場合は(S5110:No)、S5111の処理をスキップして、この会員カード遊技処理(S5053)を終了して、メイン処理に戻る。これにより、パチンコ機10での遊技終了時に、パチンコ機10で獲得した機種限定付与ポイントと残存している遊技ポイントとをホールコンピュータ600で管理しておくことが可能となる。
以上、説明したように、第3実施形態では、パチンコ機10及び遊技ホールDでは、遊技ホールDに設置されているすべてのパチンコ機10を、該遊技ホールD外からアクセス可能に構成して、ユーザの端末装置PCから遊技ホールDに設置されているすべてのパチンコ機10での遊技を実行可能に構成する。また、遊技ホールDに直接赴いた遊技者も、該遊技ホールDに設置されているすべてのパチンコ機10での遊技を実行可能にする。さらに、端末装置PCでの遊技によって獲得した付与ポイントを、該付与ポイントを獲得したパチンコ機10に限り、遊技ホールDに直接赴いて遊技を行うことが可能に構成するとともに、遊技ホールDに直接赴いて遊技を行って獲得した付与ポイントも、該付与ポイントを獲得したパチンコ機10に限り、端末装置PCから遊技を行うことを可能に構成する。このように構成することで、パチンコ機10における遊技を遊技ホールDに直接赴かなくても行うことができ、また、インターネットを介して端末装置PCからでも同様の遊技を行うことができ、さらに、遊技ホールDに赴いて上記遊技結果に基づいて所定の景品を取得することができるので、パチンコ機10における遊技を多様化することができる。
また、第3実施形態では、遊技ホールDに直接赴いて会員情報記憶部603aに記憶されているデータに基づいて遊技を実行可能にするとともに、インターネットを介してユーザの端末装置PCから、遊技ホールDに設置されたパチンコ機10において会員情報記憶部603aに記憶されているデータに基づいて遊技を実行可能にしつつ、複数のパチンコ機10を一人の遊技者(ユーザ)が掛け持ちして遊技を行う所謂掛け持ち遊技を未然に防止することができる。
さらに、第3実施形態では、ユーザがインターネットを介して遊技したことに基づいて獲得した機種限定付与ポイントは、パチンコ機10の遊技終了時に上記機種限定保持付与ポイント603a4に格納(加算)される場合に、遊技履歴情報603a2と紐づいて記憶される。そして、ユーザ又は遊技者がパチンコ機10において、インターネットを介して、あるいは、遊技ホールDに直接赴いて、再び遊技を行う場合に、遊技履歴情報603a2に記憶されている情報に基づいて、該ユーザ又は遊技者が保持している機種限定付与ポイントが当該パチンコ機10で取得されたものか否かが判別され、該パチンコ機10で獲得した機種限定付与ポイントである場合には、該機種限定付与ポイントに基づいて遊技(球の発射)が可能となる一方、該パチンコ機10で獲得した機種限定付与ポイントではない場合には、該機種限定付与ポイントでの当該パチンコ機10の遊技(球の発射)をすることができず、遊技ポイントでのみ遊技が可能となるように構成されている。このように構成することで、インターネットを介してパチンコ機10で獲得した機種限定付与ポイントを、遊技ホールDに直接赴いて遊技を行う際に、当該パチンコ機10限定ではあるものの使用することができるので、パチンコ機10における遊技を多様化することができる。
その他、第3実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態又は第2実施形態と同一の構成によって、同一の効果を奏する。
<第4実施形態>
次いで、図58から図62を参照して、第4実施形態について説明する。第3実施形態におけるパチンコ機10及び遊技ホールDでは、ユーザの端末装置PCによってインターネットを介して遊技ホールDに設置してあるパチンコ機10で遊技を実行可能に構成し、インターネットを介した遊技に基づいて獲得した機種限定付与ポイントを、遊技ホールDに直接赴いて遊技を行う際、遊技ホールDの当該パチンコ機10に限定して使用可能となるように構成している。
これに対し、第4実施形態のパチンコ機10及び遊技ホールDでは、ユーザの端末装置PCによってインターネットを介して遊技ホールDに設置してあるパチンコ機10で遊技を実行し、該遊技に基づいて獲得した遊技ポイントを、遊技ホールDに直接赴いて遊技を行う際、該遊技ホールDに設置してあるすべてのパチンコ機10で使用可能に構成されている。
以下、第4実施形態について、第1実施形態乃至第3実施形態におけると相違する点を中心に説明する。以下の説明では、第1実施形態乃至第3実施形態と同一の要素に同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
図58を参照して、第4実施形態のホールコンピュータ600のRAM603内に設けられた会員情報記憶部603aと遊技実行データ記憶部603bとの詳細について説明する。図58は、第4実施形態の会員情報記憶部603a、及び、遊技実行データ記憶部603bの構成を模式的に示した図である。
図58で示すように、会員情報記憶部603aは、インターネットを介してホールコンピュータ600に接続し、会員情報を登録したユーザ毎にそれぞれ形成され、各ユーザのアカウント情報をそれぞれ記憶する会員ID情報603a1と、遊技ホールDに設置されているパチンコ機10において遊技を行うために各ユーザが保持する遊技ポイントをそれぞれ記憶する保持遊技ポイント603a3と、を少なくとも有している。なお、第4実施形態では、第3実施形態における遊技履歴情報603a2と、保持付与ポイント603a4とが設けられていない。
第4実施形態では、インターネットを介して遊技ホールDに設置されている所定のパチンコ機10で遊技を行って、その遊技結果として、購入する遊技ポイントと同種のポイントである遊技ポイントが付与されるように構成されている。購入した、或いは、獲得した遊技ポイントは、遊技ホールDに設置されているすべてのパチンコ機10で使用可能に構成されている。具体的には、ユーザがインターネットを介して遊技したことに基づいて獲得した遊技ポイントは、パチンコ機10の遊技終了時に上記保持遊技ポイント603a3に格納(加算)される。そして、ユーザ又は遊技者がパチンコ機10において、インターネットを介して、あるいは、遊技ホールDに直接赴いて、再び遊技を行う場合に、該ユーザ又は遊技者が保持している遊技ポイントに基づいて遊技(球の発射)が可能となる。このように構成することで、インターネットを介してパチンコ機10で獲得した遊技ポイントを、遊技ホールDに直接赴いて遊技を行う際に、パチンコ機10における遊技を多様化することができる。なお、遊技ホールDに直接赴いて遊技を行って獲得した遊技ポイントは、遊技終了時に遊技ポイントとして計上され、他のパチンコ機10、又は、インターネットを介して端末装置PCでも使用可能に構成される。
遊技実行データ記憶部603bは、遊技ホールDに設置されたパチンコ機10で遊技を行うユーザの各種情報を記憶するためのものであり、各パチンコ機ごとに対応するように、第1実行データ記憶部、第2実行データ記憶部、第3実行データ記憶部、・・・、第X(Xは、遊技ホールDに設置されているパチンコ機10の台数を示す)実行データ記憶部がそれぞれ設けられている。具体的には、例えば、パチンコ機10aに対しては遊技実行データ記憶部603bの第1実行データ記憶部が対応し、パチンコ機10bに対しては遊技実行データ記憶部603bの第2実行データ記憶部が対応し、・・・、パチンコ機10Xに対しては遊技実行データ記憶部603bの第X実行データ記憶部が対応するように構成されている。
上記各実行データ記憶部には、それぞれ、パチンコ機10で遊技を行っているユーザ又は遊技者のアカウント情報を記憶する実行会員ID情報603b1と、パチンコ機10で遊技を行っているユーザ又は遊技者が現在保有している遊技ポイントを記憶する実行遊技ポイント603b2と、を少なくとも有している。なお、第4実施形態では、第3実施形態における機種限定実行付与ポイント603b3が設けられていない。
第4実施形態において、ユーザが遊技ホールD外からインターネットを介してホールコンピュータ600にアクセスし、遊技ホールDに設置されているパチンコ機10において遊技を行う際、又は、遊技ホールDに直接赴いてパチンコ機10において遊技を行う際に、まず、遊技を行うパチンコ機10に対応する遊技実行データ記憶部603bの第1〜第X実行データ記憶部に、会員情報記憶部603aに記憶される上記ユーザ又は遊技者の各種情報が対応する実行データ記憶部に格納される。そして、該実行データ記憶部に格納された各種情報に基づいてパチンコ機10において遊技が可能となる。
このように、第4実施形態のホールコンピュータ600では、第3実施形態のように遊技ポイントと付与ポイントとを分けて計数せず、遊技ポイントとして一括して記憶するように構成されている。このように構成することで、遊技ポイントと付与ポイントとを分けて計数する必要がない、また、遊技履歴情報603a2に紐づけて機種限定付与ポイントを管理する制御が不要となるので、ホールコンピュータ600における処理負担を軽減することができる。また、第4実施形態では、第3実施形態のように、ROM602の遊技履歴情報603a2及び保持付与ポイント603a4、並びに、RAM603の機種限定実行付与ポイント603b3を設ける必要がなくなるので、遊技ポイントと付与ポイントとをそれぞれ記憶させるための記憶容量を低く抑えることができたり、ROM602及び/又はRAM603のメモリ容量を小さくすることができたり、他の情報等を記憶させる領域を大きくすることができる。
次に、図59を参照して、ユーザの端末装置PCによって遊技ホールDに設置されたパチンコ機10で遊技を行う場合、及び、遊技ホールDに直接赴いてパチンコ機10で遊技を行う場合の流れとその表示内容について説明する。図59は、第4実施形態におけるパチンコ機10及びビデオカメラ701、ホールコンピュータ600、並びに、ユーザの端末装置PCの情報の授受を示す図である。なお、第4実施形態では、会員登録に関する処理、ログイン要求に基づく処理、遊技ポイント購入に関する処理、インターネットを介した遊技終了に関する処理、景品交換に関する処理は、第2実施形態又は第3実施形態と同等であるので、その説明(又は図示)を省略する。
図59で示すように、ユーザは、ログイン状態であることを条件に、「バーチャルホール画面」に表示される「機種選択ボタン」を選択(クリック)した場合、「遊技機選択画面」(図41参照)が端末装置PCのモニタ900に表示される。ユーザは、端末装置PCを操作して、この「遊技機選択画面」上において表示され、遊技ホールDに設置されている複数のパチンコ機10の中から、遊技を行うパチンコ機10を選定可能に構成され、「遊技機選択画面」上において所定のパチンコ機10が選択された場合は、該パチンコ機10に対応する機種選択要求がホールコンピュータ600に対して送信される。
この「遊技機選択画面」上において遊技を行うパチンコ機10を選択した場合、ホールコンピュータ600に対して機種選択要求を送信し、ホールコンピュータ600は、機種選択要求に応じたパチンコ機10の使用状況を確認する。確認の結果、パチンコ機10側が遊技の未実行状態(他のユーザ及び遊技者の未選択状態)であることが確認された場合は、該パチンコ機10がいずれのユーザ及び遊技者によっても遊技が行われていないので、パチンコ機10からホールコンピュータ600に対して遊技許可信号が出力されるとともに、ビデオカメラ701がオンされて該パチンコ機10の状態を撮影した映像情報の送信が開始される。このとき、遊技ホールDにおける該パチンコ機10の状態は、第3図柄表示装置81において「遊技中」という表示がなされ、遊技ホールDに直接赴いた遊技者による遊技が実行できない旨が示唆される。
図53で示すように、パチンコ機10から遊技許可信号および映像情報を受信したホールコンピュータ600は、ログイン中であって、機種選択要求を送信したユーザの端末装置PCに対してインターネットを介して、パチンコ機10に対応するビデオカメラ701から受信した映像情報を送信する。ホールコンピュータ600からの映像情報を受信したユーザの端末装置PCは、該映像情報に基づいて端末装置PCのモニタ900に現在のパチンコ機10の「遊技実行画面」を表示する。ユーザは、この「遊技実行画面」上において、自身の端末装置PCによって、遊技ホールDに設置されているパチンコ機10の状態を確認しながらパチンコ機10を遠隔操作(例えば、球の発射)が可能な状態となる。
このとき、ユーザが保持する遊技ポイントがホールコンピュータ600から端末装置PCに対して送信される。
そして、ユーザの端末装置PCのモニタ900において「遊技実行画面」が表示されている状態において、「発射ボタン画像」がユーザにより選択(クリック)等された場合、端末装置PCからインターネットを介してホールコンピュータ600に対して球の発射強度を含む遊技実行要求が送信される。その後、該遊技実行要求を受信したホールコンピュータ600は、該ホールコンピュータ600が記憶する該ユーザの遊技ポイントが存在する場合にのみ、該遊技実行要求に応じたパチンコ機10に対して、発射強度を含む遊技実行要求を送信する。
発射強度を含む遊技実行要求を受信したパチンコ機10は、該遊技実行要求に応じた発射強度で球を1球発射し、球を1発発射したことを示す遊技の実行結果を示す実行結果情報をホールコンピュータ600に対して送信する。実行結果情報を受信したホールコンピュータ600は、遊技実行データ記憶部603bの実行遊技ポイント603b2を「1」減算する。このとき、発射した球がいずれかの入賞口64a等に入賞した場合に、パチンコ機10から賞球数に応じた遊技価値コマンド(付与ポイント)がホールコンピュータ600に対して送信され、該遊技価値コマンドを受信したホールコンピュータ600は、遊技実行データ記憶部603bの実行遊技ポイント603b2に該遊技価値コマンドに対応した遊技ポイントを加算する。
なお、実行結果情報を受信したホールコンピュータ600は、インターネットを介してユーザの端末装置PCに対して実行結果情報を送信し(図59において図示せず)、該実行結果情報を受信した端末装置PCは、「遊技ポイント画像」の値を更新(即ち、1減算)する。また、遊技価値コマンドを受信したホールコンピュータ600は、インターネットを介してユーザの端末装置PCに対して遊技価値コマンドを送信し(図59において図示せず)、該遊技価値コマンドを受信した端末装置PCは、該遊技価値コマンドに応じて「遊技ポイント画像」の値を更新(例えば、10加算)する。なお、第4実施形態では、「付与ポイント画像」が表示されないように構成されている。
第4実施形態では、遊技ホールDに遊技者が直接赴いて遊技を行う場合、遊技者が保持する会員カード(図示せず)を各パチンコ機10ごとにそれぞれ設けられたカードサンド(図示せず)に挿入することで該パチンコ機10において遊技を実行可能に構成されている。具体的には、該会員カードに記憶される会員ID情報に基づいて、ホールコンピュータ600の会員情報記憶部603aとの認証が行われ、該会員カードの認証が正常に行われた場合、会員情報記憶部603aに記憶される遊技ポイントが存在することを条件に、パチンコ機10での球の発射が可能となる。パチンコ機10での遊技の実行中は、その遊技結果が会員カードに蓄積される。そして、パチンコ機10で遊技者が遊技を終了する場合に、会員カードを排出することで、残存する遊技ポイントがホールコンピュータ600の会員情報記憶部603aに格納(加算)される。
次に、図60を参照して、第4実施形態のホールコンピュータ600内のMPU601により実行されるメイン処理(図43参照)の一処理であるアカウント処理(S4001)について説明する。図60は、このアカウント処理(S4001)を示すフローチャートである。第4実施形態のアカウント処理(S4001)では、インターネットを介して、又は、遊技ホールDに直接赴いて、パチンコ機10で遊技を行う場合に、ホールコンピュータ600が管理する遊技ポイントに基づいて遊技を行う。なお、第4実施形態のアカウント処理(S4001)において、第2実施形態又は第3実施形態と同一の処理については、その説明を省略する。
第4実施形態のアカウント処理(S4001)のS4151において、遊技ホールDに設置されているいずれかのパチンコ機10に付随するカードサンドに、S4104の処理で判別されたユーザに対応する会員カードが挿入されていない場合は(S4151:No)、遊技ホールDのパチンコ機において上記ユーザに対応する遊技者によって遊技が行われていないため、パチンコ機10における遊技を実行可能にするため、会員情報記憶部603aの保持遊技ポイント603a3に記憶される遊技ポイントを、ユーザの端末装置PCに対して送信し(S4171)、このアカウント処理(S4001)を終了して、メイン処理(図43参照)に戻る。
また、S4154の処理において、上記会員カードに対応するユーザによって端末装置PCからアカウント認証が行われていない場合は(S4154:No)、インターネットを介して上記会員カードの遊技者に対応するユーザによって遊技が行われていないため、パチンコ機10における遊技を実行可能にするため、会員情報記憶部603aの保持遊技ポイント603a3に記憶される遊技ポイントを、会員カードが挿入されたパチンコ機10に付随するカードサンドに対して送信し(S4172)、このアカウント処理(S4001)を終了して、メイン処理(図43参照)に戻る。
さらに、S4152の処理において、パチンコ機10に付随するカードサンドから会員カード挿入情報を受信していないと判別された場合は(S4152:No)、次いで、パチンコ機10に付随するカードサンドから会員カードが排出されて遊技ポイントに関する情報を受信したか否かを判別する(S4173)。判別の結果、パチンコ機10に付随するカードサンドから会員カードが排出されて遊技ポイントに関する情報を受信していない場合は(S4173:No)、このアカウント処理(S4001)を終了して、メイン処理(図43参照)に戻る。一方、パチンコ機10に付随するカードサンドから会員カードが排出されて遊技ポイントに関する情報を受信している場合は(S4173:Yes)、受信した遊技ポイントを、会員カードに対応する遊技者(ユーザ)の会員情報記憶部603aの保持遊技ポイント603a3に格納(加算)して(S4174)、このアカウント処理(S4001)を終了して、メイン処理(図43参照)に戻る。
このように構成することで、遊技ホールDに直接赴いて会員情報記憶部603aに記憶されている遊技ポイントに基づいて遊技を実行可能にするとともに、インターネットを介してユーザの端末装置PCから、遊技ホールDに設置されたパチンコ機10において会員情報記憶部603aに記憶されている遊技ポイントに基づいて遊技を実行可能にしつつ、複数のパチンコ機10を一人の遊技者(ユーザ)が掛け持ちして遊技を行う所謂掛け持ち遊技を未然に防止することができる。
次に、図61を参照して、ホールコンピュータ600内のMPU601により実行されるメイン処理(図43参照)の一処理である遊技実行処理(S4003)について説明する。図61は、第4実施形態の遊技実行処理(S4003)を示すフローチャートである。第4実施形態の遊技実行処理(S4003)では、機種選択処理(S4002。図45参照)によってユーザによって選択されたパチンコ機10において遊技ポイントに基づいて遊技に関する処理を実行する。
第4実施形態の遊技実行処理(S4003)のS4302において、遊技実行画面においてユーザの端末装置PCから遊技実行要求、即ち、「マニュアルプレイボタン」選択時に「発射ボタン画像」が選択された場合、或いは、「セミオートプレイボタン」又は「オートプレイボタン」選択時に前回の球の発射から「0.6秒」経過した場合は(S4302:Yes)、次に、第2実施形態のように機種限定付与ポイントの有無を判別することなく、実行遊技ポイント603b2に遊技ポイントが記憶されているか否かを判別する(S4304)。
判別の結果、S4304の処理において実行遊技ポイント603b2に遊技ポイントが記憶されている場合は(S4304:Yes)、該パチンコ機10において球の発射が可能な状態であるので、「発射強度画像」で選択されている発射強度に対応する発射強度データを含む遊技実行指示(要求)をパチンコ機10に対して送信して(S4305)、処理をS4306へ移行する。これにより、遊技ポイントが使用され、発射強度データを含む遊技実行要求を受信したパチンコ機10は、該発射強度に対応した強さで球を1球発射する。
一方、S4304の処理において実行遊技ポイント603b2に遊技ポイントが記憶されていない場合は(S4304:No)、該パチンコ機10において球の発射が不可な状態であるので、S4305の処理をスキップして、処理をS4306へ移行する。これにより、遊技ポイントがない場合、パチンコ機10において球を発射させることができないので、遊技ポイントを保有しないユーザによるパチンコ機10での遊技を実行させないようにすることができる。
また、第4実施形態の遊技実行処理(S4003)のS4306において、実行結果情報を受信している場合は(S4306:Yes)、上記遊技実行要求に対して球を1球発射したということなので、第2実施形態のように機種限定付与ポイントの有無を判別することなく、遊技実行データ記憶部603bの実行遊技ポイント603b2を「1」減算し(S4308)、処理をS4310へ移行する。これにより、パチンコ機10における球の発射結果に基づいてユーザが保有する遊技ポイントが減算される。
なお、S4306の処理において、遊技実行要求を送信したパチンコ機10から遊技の実行結果情報を受信していない場合は(S4306:No)、S4308の処理をスキップして、処理をS4310へ移行する。
また、第4実施形態の遊技実行処理(S4003)のS4310の処理において、パチンコ機10から遊技価値データを受信している場合は(S4310:Yes)、該遊技価値データに含まれる賞球数に応じた遊技ポイントを、遊技実行データ記憶部603bの実行遊技ポイント603b2に加算して(S4351)、この遊技実行処理(S4003)を終了し、メイン処理(図43参照)に戻る。一方、上記パチンコ機10から遊技価値データを受信していない場合は(S4310:No)、S4351の処理をスキップして、この遊技実行処理(S4003)を終了し、メイン処理(図43参照)に戻る。これにより、パチンコ機10で獲得した賞球に応じた遊技ポイントがホールコンピュータ600において記憶される。
次に、図62を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10の払出制御装置111内のMPU211により実行されるコマンド送受信処理の一処理である会員カード遊技処理(S5053)について説明する。図62は、第4実施形態の会員カード遊技処理(S5053)を示すフローチャートである。第4実施形態の会員カード遊技処理(S5053)では、第2実施形態のように付与ポイントの有無を判別することなく、会員カードに対応する遊技者が保有する遊技ポイントによる遊技を実行するとともに、会員カードがカードサンドから排出される場合には、第2実施形態のように付与ポイントの有無を判別することなく、その時点で遊技者が保有する遊技ポイントをホールコンピュータ600に対して送信する処理を実行する。
第4実施形態の会員カード遊技処理(S5053)のS5101において、パチンコ機10において球の発射条件が成立していると判別された場合は(S5101:Yes)、球が発射可能な状態なので、次に、会員カードに格納されている遊技与ポイントが「0」より大きい値か否かを判別する(S5151)。
判別の結果、会員カードに格納されている遊技与ポイントが「0」より大きい値である場合(S5151:Yes)、遊技者保有の遊技ポイントにより球を発射可能な状態であるので、まず、球1発分の遊技価値が異なる複数の遊技モードに応じて遊技ポイントを減算し(S5152)、現在、遊技者が把持している操作ハンドル51の回動操作量に応じた発射制御コマンドを設定して(S5105)、処理をS5108へ移行する。
ここで、遊技モードとは、上述したように、球1発分の遊技価値がそれぞれ異なる状態であり、第4実施形態では、球1発分の遊技価値が4遊技ポイントである「4円モード」と、球1発分の遊技価値が2遊技ポイントである「2円モード」と、球1発分の遊技価値が1遊技ポイントである「1円モード」との3つの遊技モードが設定可能に構成されている。この遊技モードは、遊技ホールDにおける遊技では、遊技者がパチンコ機10で遊技を開始する前に、パチンコ機10に付随するカードサンドに設けられた所定の操作手段によって遊技者自ら設定可能に構成されている。また、インターネットを介して端末装置PCによる遊技では、「遊技実行画面」において、ユーザ自ら設定可能に構成されている。
具体的には、例えば、遊技者(ユーザ)が「4円モード」を設定している場合は、球を1発発射するごとに遊技ポイントが「4」減算され、遊技者(ユーザ)が「2円モード」を設定している場合は、球を1発発射するごとに遊技ポイントが「2」減算され、遊技者(ユーザ)が「1円モード」を設定している場合は、球を1発発射するごとに遊技ポイントが「1」減算されるように構成されている。
このように構成することで、遊技者(ユーザ)が自らパチンコ機10で行う遊技のレートを設定することができるので、遊技者(ユーザ)が所望する遊技を実行可能に構成して、パチンコ機10において多様な遊技を実行することができる。
次いで、第4実施形態の会員カード遊技処理(S5053)のS5108において、いずれかの入賞口64a等に球が入賞したことで所定の賞球が発生していた場合は(S5108:Yes)、該賞球数と遊技モードとに応じた分の遊技ポイントを加算して(S5153)、処理をS5110へ移行する。これにより、パチンコ機10で獲得した賞球を遊技モードに応じた遊技ポイントとして遊技者が保有し、該遊技ポイントによる遊技を行うことができる。なお、S5108の処理において、いずれの入賞口64a等にも球が入賞しておらず、賞球が発生していないと判別された場合は(S5108:No)、S5153の処理をスキップして、処理をS5110へ移行する。
第4実施形態の会員カード遊技処理(S5053)のS5110において、会員カードの排出要求があった場合は(S5110:Yes)、パチンコ機10における遊技の終了意思を遊技者が示しているので、現在、遊技者が保有し、会員カードに格納されている遊技ポイントを含めた情報をホールコンピュータ600に向けて送信し(S5154)、この会員カード遊技処理(S5053)を終了して、メイン処理に戻る。一方、会員カードの排出要求がない場合は(S5110:No)、S5154の処理をスキップして、この会員カード遊技処理(S5053)を終了して、メイン処理に戻る。これにより、パチンコ機10での遊技終了時に、パチンコ機10で獲得し、残存している遊技ポイントとをホールコンピュータ600で管理しておくことが可能となる。
以上、説明したように、第4実施形態では、第3実施形態のように遊技ポイントと付与ポイントとを分けて計数せず、遊技ポイントとして一括して記憶するように構成されている。このように構成することで、遊技ポイントと付与ポイントとを分けて計数する必要がない、また、遊技履歴情報603a2に紐づけて機種限定付与ポイントを管理する制御が不要となるので、ホールコンピュータ600における処理負担を軽減することができる。また、第4実施形態では、第3実施形態のように、ROM602の遊技履歴情報603a2及び保持付与ポイント603a4、並びに、RAM603の機種限定実行付与ポイント603b3を設ける必要がなくなるので、遊技ポイントと付与ポイントとをそれぞれ記憶させるための記憶容量を低く抑えることができたり、ROM602及び/又はRAM603のメモリ容量を小さくすることができたり、他の情報等を記憶させる領域を大きくすることができる。
また、第4実施形態では、遊技ホールDにおける遊技では、遊技者がパチンコ機10で遊技を開始する前に、パチンコ機10に付随するカードサンドに設けられた所定の操作手段によって遊技者自ら設定可能に構成されている。また、インターネットを介して端末装置PCによる遊技では、「遊技実行画面」において、ユーザ自ら設定可能に構成されている。このように構成することで、遊技者(ユーザ)が自らパチンコ機10で行う遊技のレートを設定することができるので、遊技者(ユーザ)が所望する遊技を実行可能に構成して、パチンコ機10において多様な遊技を実行することができる。
<第5実施形態>
次に、及び図64を参照して、第5実施形態について説明する。第4実施形態では、パチンコ機10において、主制御装置110と認証カード500とによって該パチンコ機10が遊技機メーカーAから正規に販売されたものであるか否かを認証するように構成している。
これに対し、第5実施形態では、インターネットを介して端末装置PCでパチンコ機10において遊技を行う場合に、パチンコ機10側からホールコンピュータ600及びインターネットを介して端末装置PCに製造番号SNに関するデータを送信し、パチンコ機10側から製造番号SNに関するデータを受信した端末装置PCは、インターネットを介して遊技機メーカーAのデータサーバに対して、受信した製造番号SNに関するデータの整合性を確認するように構成されている。
以下、第5実施形態について、第1実施形態乃至第4実施形態におけると相違する点を中心に説明する。以下の説明では、第1実施形態乃至第4実施形態と同一の要素に同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
図63を参照して、第5実施形態における遊技機メーカーAで製造されたパチンコ機10が遊技ホールDに設置された場合における使用態様について説明する。図63は、第5実施形態における遊技機メーカーAと遊技ホールDとにおけるパチンコ機10及び認証カード500の流れと、遊技ホールDのホールコンピュータ600とユーザの端末装置PCとがインターネットを介して接続可能に構成されているとともに、ユーザの端末装置PCと遊技機メーカーAのデータサーバとがインターネットを介して接続可能に構成されていることとを説明するための模式図である。
図63で示すように、第5実施形態では、遊技機メーカーAのデータサーバがインターネットに接続され、ユーザの端末装置PCと通信可能に構成されている。そして、ユーザの端末装置PCが遊技ホールDに設置されたパチンコ機10で遊技を行う場合に、該パチンコ機10から製造番号SNに関するデータがインターネットを介して端末装置PCに送信される。製造番号SNに関するデータを受信した端末装置PCは、インターネットを介して遊技機メーカーAのデータサーバに対して、受信した製造番号SNが正規な(有効な)データか否かを問い合わせる。そして、遊技機メーカーAのデータサーバは、問い合わせのあった製造番号SNと、該データサーバで管理しているパチンコ機10の製造番号SNとの整合性を判別し、その判別結果を、インターネットを介して問い合わせのあった端末装置PCに対して送信可能に構成されている。
ここで、図64を参照して、ユーザの端末装置PCによって遊技ホールDに設置されたパチンコ機10で遊技を行う場合の流れについて説明する。図64は、第5実施形態における遊技機メーカーAのデータサーバ、パチンコ機10及びビデオカメラ701、ホールコンピュータ600、並びに、ユーザの端末装置PCの情報の授受を示す図である。なお、第5実施形態では、景品交換に関する処理の流れは、図54において後述する。また、会員登録に関する処理、ログイン要求に基づく処理、遊技ポイント購入に関する処理、インターネットを介した遊技終了に関する処理、景品交換に関する処理は、第2実施形態乃至第4実施形態のいずれかと同等であるので、その図示や説明を省略する。
図64で示すように、ユーザは、ログイン状態であることを条件に、「バーチャルホール画面」に表示される「機種選択ボタン」を選択(クリック)した場合、「遊技機選択画面」(図41参照)が端末装置PCのモニタ900に表示される。ユーザは、端末装置PCを操作して、この「遊技機選択画面」上において表示され、遊技ホールDに設置されている複数のパチンコ機10の中から、遊技を行うパチンコ機10を選定可能に構成され、「遊技機選択画面」上において所定のパチンコ機10が選択された場合は、該パチンコ機10に対応する機種選択要求がホールコンピュータ600に対して送信される。
この「遊技機選択画面」上において遊技を行うパチンコ機10を選択した場合、ホールコンピュータ600に対して機種選択要求を送信し、ホールコンピュータ600は、機種選択要求に応じたパチンコ機10の使用状況を確認する。確認の結果、パチンコ機10側が遊技の未実行状態(他のユーザ及び遊技者の未選択状態)であることが確認された場合は、該パチンコ機10がいずれのユーザ及び遊技者によっても遊技が行われていないので、パチンコ機10からホールコンピュータ600に対して遊技許可信号が出力されるとともに、ビデオカメラ701がオンされて該パチンコ機10の状態を撮影した映像情報の送信が開始される。このとき、遊技ホールDにおける該パチンコ機10の状態は、第3図柄表示装置81において「遊技中」という表示がなされ、遊技ホールDに直接赴いた遊技者による遊技が実行できない旨が示唆される。
図64で示すように、パチンコ機10から遊技許可信号および映像情報を受信したホールコンピュータ600は、ログイン中であって、機種選択要求を送信したユーザの端末装置PCに対してインターネットを介して、パチンコ機10に対応するビデオカメラ701から受信した映像情報を送信する。ホールコンピュータ600からの映像情報を受信したユーザの端末装置PCは、該映像情報に基づいて端末装置PCのモニタ900に現在のパチンコ機10の「遊技実行画面」を表示する。ユーザは、この「遊技実行画面」上において、自身の端末装置PCによって、遊技ホールDに設置されているパチンコ機10の状態を確認しながらパチンコ機10を遠隔操作(例えば、球の発射)が可能な状態となる。
このとき、第5実施形態では、パチンコ機10から、ホールコンピュータ600及びインターネットを介して、ユーザの端末装置PCに対して該パチンコ機10の製造番号SN(又は/及び遊技ホールD情報。以下、同様。)に関するデータが送信される。パチンコ機10からの製造番号SNに関するデータを受信した端末装置PCは、インターネットを介して遊技機メーカーAのデータサーバに、受信した製造番号SNに関するデータが正規に遊技機メーカーAから販売されたパチンコ機10か否かの問い合わせ(認証)を行う。端末装置PCから製造番号SNに関するデータを受信した遊技機メーカーAのデータサーバは、データサーバ自身が管理するパチンコ機10の販売先遊技ホールと製造番号SNと、受信した製造番号SNに関するデータとが整合しているか否かの認証を行い、その認証結果を問い合わせ結果として、インターネットを介して、製造番号SNに関するデータを送信した端末装置PCに対して送信する。
具体的には、製造番号SNの整合が取れていれば、正規に販売されたパチンコ機10である旨を示す正規情報を端末装置PCに対して送信する一方、製造番号SNの整合が取れていなければ、正規に販売されていないパチンコ機10である旨を示す非正規情報を端末装置PCに対して送信する。端末装置PCは、正規情報を受信した場合に、遊技機メーカーAで正規に販売されたパチンコ機10である旨の報知を行い、遊技を行おうとしているパチンコ機10が遊技機メーカーAの管理下で正規に販売されたパチンコ機10であることを認識することができる。一方、非正規情報を受信した場合は、遊技機メーカーAで正規に販売されたパチンコ機10でない旨の報知を行い、遊技を行おうとしているパチンコ機10が遊技機メーカーAの管理外で流通したパチンコ機10であることを認識することができる。この場合に、正規情報を受信しているパチンコ機10における遊技で獲得した付与ポイントは、遊技ホールDにおける遊技で使用することができ、また、遊技ホールD又は遊技機メーカーAにおける景品交換も可能に設定される一方、非正規情報を受信しているパチンコ機10における遊技で獲得した付与ポイントは、遊技ホールDにおける遊技で使用することができず、また、遊技ホールD又は遊技機メーカーAにおける景品交換を不可に構成する。このように構成することで、遊技機メーカーAの管理下で正規に販売されたパチンコ機10でのみ、インターネットを介した遊技を正常に行うことが可能となり、パチンコ機10における遊技を多様化しつつ、遊技機メーカーAが管理するパチンコ機10での遊技を奨励することができる。その結果、遊技機メーカーが意図しない不正行為や不正転売が行われた場合に、パチンコ機10において正常な遊技を行うことができないようにすることで、不正行為による遊技ホールの不利益や、遊技機メーカーが管理できない状況が発生することを抑制することができる。
以上、上記各実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記各実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、上記各実施形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
また、以下に示す変形例のいずれかの構成に対して、上記各実施形態の各構成を組み合わせて構成することは当然に可能である。さらに、以下に示す変形例のいずれかの構成に対して、他の1又は複数の変形例の各構成を組み合わせて構成することは当然に可能である。これらの場合、各構成を適用したことによるさらなる効果を奏することができる。
<変形例1:暗号化装置又は復号化装置の組み込み>
上記実施形態では、主制御装置110、払出制御装置111及び音声ランプ制御装置113の他に、暗号化装置300及び復号化装置400を設け、主制御装置110から送信される制御コマンドCCを、暗号化装置300を介してサブ制御装置111,113に暗号化かつ多重化して多重化コマンドMECCとして送信し、サブ制御装置113から受信した多重化コマンドMECCを復号化装置400に対して送信し、該復号化装置400において多重化コマンドMECCを分離および復号化して制御コマンドCCを抽出して、送信元のサブ制御装置111,113に対して送信するように構成している。これに対し、主制御装置110内に暗号化装置300の機能を組み込んだり、サブ制御装置111,113内に復号化装置400の機能を組み込むように構成してもよい。このように構成することで、暗号化装置300及び/又は復号化装置400を主制御装置110及び/又はサブ制御装置111,113と別装置で構成する場合よりもパチンコ機10における部品点数を少なくし、パチンコ機10にかかるコストを低減することができる。
<変形例2:枠に復号化装置又は/及び暗号化装置を配置>
上記実施形態では、遊技盤13の裏面側に暗号化装置300及び復号化装置400を搭載している。これに対し、少なくとも、枠側(外枠11、内枠12又は前面枠14)に復号化装置400を搭載するように構成してもよいし、枠側に暗号化装置300及び復号化装置400を共に搭載するように構成してもよい。このように構成することで、遊技盤13のみをパチンコ機10から交換する所謂板替えの場合に、復号化装置400(暗号化装置300及び復号化装置400)に要する部品点数を少なくすることができる。よって、遊技盤13に暗号化装置300及び復号化装置400を搭載する場合よりもパチンコ機10における部品点数を少なくし、パチンコ機10にかかるコストを低減することができる。
<変形例3:暗号化の方式>
上記実施形態では、所謂共通鍵暗号方式で制御コマンドCCの暗号化及び復号化を行っている。これに対し、公開鍵暗号化方式を使用して、制御コマンドCCを暗号化及び復号化するように構成してもよい。
<変形例4:最上流側で暗号化、最下流側で復号化>
上記実施形態では、制御コマンドCCの流れにおける最上流側である主制御装置110から出力される制御コマンドCCを暗号化し、該制御コマンドCCの流れの最下流側の装置(例えば、発射制御装置112や表示制御装置114)より上流側にあるサブ制御装置111,113において復号化した制御コマンドCCを受信可能に構成している。これに対し、主制御装置110から出力されて暗号化された制御コマンドCCを、制御コマンドCCの流れの最下流側の装置において復号化した制御コマンドCCを受信可能に構成し、該最下流側の装置より上流側に配置されているサブ制御装置111,113では、暗号化された制御コマンドCCを、最下流側の装置に対して復号化せずに送信するように構成してもよい。
<変形例5:暗号化するコマンドと暗号化しないコマンド>
上記実施形態では、主制御装置110からサブ制御装置111,113に向けて送信される制御コマンドCCのすべてを暗号化かつ多重化するように構成している。これに対し、主制御装置110から送信される制御コマンドCCのうち、遊技に関する重要度に応じて、暗号化する制御コマンドと、暗号化しない制御コマンドとを区別して送信するように構成してもよい。具体的には、例えば、遊技に関する重要度が高いコマンド、即ち、賞球数を示す賞球コマンドや発射制御コマンド、変動演出を実行させる変動パターンコマンド及び停止種別コマンド等は、遊技結果に重大な影響を及ぼすため、暗号化してサブ制御装置111,113に対して送信するように構成する。一方、遊技に関する重要度が低いコマンド、即ち、デモコマンドや確定コマンドは、遊技結果に大きな影響を及ぼさないため、暗号化せずにサブ制御装置111,113に送信するように構成する。また、不正行為が行われた場合に、遊技の実行を停止したり、不正行為が行われたことを報知するためのエラーコマンドも、迅速に該不正行為に対処する必要があるので、暗号化せずに、サブ制御装置111,113に対して送信する。このように構成することで、サブ制御装置111,113において、遊技に関する重要度が低い制御コマンドCCの復号化処理を実行する必要がなくなるので、サブ制御装置111,113における制御負担を軽減することができる。また、不正行為が行われた場合に、該不正行為に対して直ちに対処することが可能となるので、不正行為に対する各処理を確実に実行することができる。
<変形例6:暗号化された制御コマンドを受信する制御装置と、暗号化されていない制御コマンドを受信する制御装置>
上記実施形態では、払出制御装置111とサブ制御装置113とのいずれに対する制御コマンドCCも暗号化かつ多重化して送信するように構成している。これに対し、暗号化された制御コマンドCCを受信する制御装置と、暗号化されていない制御コマンドCCを受信する制御装置とを区別して構成してもよい。具体的には、例えば、遊技者に対して遊技価値を払い出す払出制御装置111に対する制御コマンドCCは、暗号化かつ多重化して該払出制御装置111に送信するように構成する一方、遊技結果を報知する機能のみであって、遊技者に対する遊技価値に影響しない音声ランプ制御装置113に対する制御コマンドCCは、暗号化(多重化)せずに該音声ランプ制御装置113に送信するように構成する。このように構成することで、少なくとも、音声ランプ制御装置113において制御コマンドCCの復号化処理を実行する必要がなくなるので、音声ランプ制御装置113及び復号化装置400における制御負担を軽減することができる。
<変形例7:封入式パチンコ>
上記実施形態では、上皿から球を導入して、該球を発射させ、その球が所定の入賞口に入賞した場合に、該入賞に基づく賞球を払い出し、いずれの入賞口にも入賞しなかった球は、アウト口66から島設備に球を排出するパチンコ機10を使用している。これに対し、上皿から導入された球が所定の入賞口に入賞した場合、及び、アウト口66を通過した場合に、再び、上皿に循環させてパチンコ機内で球を循環させる機能を有した所謂封入式パチンコ機10を使用してもよい。封入式パチンコ機は、球の発射計数や賞球計数を常時数値化して管理する機能を有しているので、特に、インターネットを介してユーザの端末装置PCからの遠隔操作に基づいて遊技を行う場合に適している。
<変形例8:メダルレススロット>
同様に、実際のメダルを遊技者に使用させず、クレジットに記憶されたメダル枚数に基づく電子的な情報に基づいて遊技を行う所謂メダルレスのスロットマシンを使用してもよい。
<変形例9:パチンコ機に対する操作で認証可能>
上記実施形態では、遊技ホールDでホールコンピュータ600に記憶される遊技ポイント等で遊技を行う場合、遊技者が保有する会員カードをパチンコ機10に付随するカードサンドに挿入し、所定の認証を行った上で遊技者を特定し、該遊技者が保有する遊技ポイント等に基づく遊技を実行可能に構成している。これに対し、遊技者の所持物である会員カード等を使わずにパチンコ機10において遊技者を認証する認証機能を設け、該パチンコ機10における認証が正常に行われたに基づいて遊技者を特定し、該遊技者が保有する遊技ポイント等に基づく遊技を実行可能に構成してもよい。このように構成することで、カードサンドの設備が不要となり、遊技ホールDにおける運営費や管理費を低減することができる。パチンコ機10における認証方法としては、例えば、パスワードによる認証や、指紋認証、顔認証、静脈認証等の生体認証がある。
<変形例10:認証カードではない認証方法>
上記実施形態では、遊技機メーカーAが発行した認証カード500をパチンコ機10の復号化装置400のカード挿入孔410に挿入し、該認証カード500が遊技機メーカーAの管理下で正規に発行されている場合に、パチンコ機10において、暗号化された制御コマンドCCを正常に復号化することができるように構成している。これに対し、認証カード500以外の所定の認証方法でパチンコ機10が遊技機メーカーAから正規に流通したものであることを認証するように構成してもよい。具体的には、例えば、パチンコ機10の位置情報(所謂、GPS)機能を搭載し、パチンコ機10の電源投入時に該位置情報をホールコンピュータ600を介して遊技機メーカーAに送信するように構成することでパチンコ機10を管理してもよいし、また、遊技ホールDの店舗情報を事前に遊技機メーカーAのデータサーバに登録しておくとともに、パチンコ機10に販売先情報をデータサーバに登録しておき、パチンコ機10の電源投入時に販売先情報をホールコンピュータ600に出力し、販売先情報を受信したホールコンピュータ600は、該販売先情報と店舗情報とを含む認証情報を遊技機メーカーAに送信する。そして、該認証情報を受信した遊技機メーカーAのデータサーバは、認証情報が正常であれば、ホールコンピュータ600を介してパチンコ機10に遊技許可情報を送信し、該遊技許可情報を受信することに基づいてパチンコ機10において正常な遊技を実行可能に構成する。
<変形例11:認証タイミング>
上記実施形態では、パチンコ機10の電源投入時に、復号化装置400は、多重化コマンドMECCの受信毎に認証カード500のマスター鍵Kmを読み込んで復号化するように構成されている。これに対し、復号化装置400は、電源投入時に認証カード500のマスター鍵Kmを読み込んで、パチンコ機10の電源が断されるまで、該マスター鍵Kmによって復号化を行うように構成してもよい。さらに、遊技状態が変更される都度や、所定時間ごと、所定遊技実行ごと(例えば、変動回数100回ごと)に、マスター鍵Kmを読み込むように構成してもよい。このように構成することで、多重化コマンドMECCの受信ごとにマスター鍵Kmを読み込む必要がなくなるので、復号化装置400の制御負担を軽減することができる。
<変形例12:多重化種類>
上記実施形態では、多重化コマンドMECCの生成方法として、制御コマンドCCに対して暗号化スクランブル鍵EKs及び暗号化ワーク鍵EKwを乗算してコマンドを合成するという、複数のデータに異なる符号を乗算して信号を合成して送信する符号分割多重化を採用している。これに対し、複数のデータ(即ち、暗号化制御コマンドECC、暗号化スクランブル鍵EKs及び暗号化ワーク鍵EKw。以下、同様。)に異なる周波数を割り当てる周波数分割多重化(Frequency Division Multiplexing。FDM。)、或いは、複数のデータに異なるタイミングを割り当てる時分割多重化(Time Division Multiplexing。TDM。)によって多重化コマンドMECCを生成するように構成してもよい。
<変形例13:連続する複数コマンドに対して復号鍵を分けて送信>
上記実施形態では、1の制御コマンドCCごとに暗号化および復号化するように構成している。これに対し、1の事象(例えば、始動入賞)に対して連続して送信されるように構成されている複数の制御コマンドCC(例えば、変動パターンコマンド及び停止種別コマンド、又は、保留球数コマンドと先読みコマンド)において、後に出力される制御コマンドCCに先に出力された制御コマンドCCの復号鍵を含ませるように構成してもよい。このように構成することで、不正行為の抑止効果を高めることができる。
<変形例14:主制御装置が直接管理している装置に対するコマンドも暗号化>
上記実施形態では、主制御装置110からサブ制御装置111,113に対して送信する制御コマンドCCに対して暗号化および復号化を行うように構成されている。これに対し、主制御装置110が直接管理する装置、即ち、特別図柄表示装置37や普通図柄表示装置83、可変入賞装置65に対する指示(信号)に対しても暗号化および復号化するように構成してもよい。このように構成することで、不正行為の抑止効果を高めることができる。
<変形例15:コマンド受信毎にワーク鍵を認証カードの製造番号から生成>
上記実施形態では、主制御装置110から暗号化装置300に対して製造番号コマンドを送信し、暗号化装置300は該製造番号コマンドの受信に基づいてワーク鍵Kwを生成して、該パチンコ機10の電源が断されるまでの間、生成したワーク鍵Kwに基づいて制御コマンドCCを暗号化するように構成している。これに対し、主制御装置110から暗号化装置300に対して、制御コマンドCCの生成ごとに製造番号に関する情報を送信し、暗号化装置300は、制御コマンドCCの受信ごとに主制御装置110から送信される製造番号に関する情報に基づいてワーク鍵を生成するように構成してもよい。このように構成することで、パチンコ機10の電源が投入された後に主制御装置110が不正に交換された場合、パチンコ機10で正常な遊技を実行できなくすることができ、不正行為の抑止効果を高めることができる。
<変形例16:同時期受信の復号化順>
上記実施形態では、復号化装置400は、複数のサブ制御装置111,113から多重化コマンドMECCを受信可能に構成し、受信順に応じて多重化コマンドMECCを復号化するように構成している。これに対し、複数の多重化コマンドMECCを複数のサブ制御装置111,113からそれぞれ同時期に受信した場合に、所定の優先順に従って多重化コマンドMECCを復号化するように構成してもよい。所定の優先順としては、例えば、遊技価値を付与に関与する処理を実行する払出制御装置111からの多重化コマンドMECCを、遊技価値の付与に直結する処理を実行しない音声ランプ制御装置113からの多重化コマンドMECCより優先的に処理するように構成してもよい。このように構成することで、遊技価値の付与に関する制御を迅速に行うことが可能となる。また、バックアップ機能を有さない音声ランプ制御装置113からの多重化コマンドMECCを、バックアップ機能を有する払出制御装置111より優先的に処理するように構成してもよい。このように構成することで、多重化コマンドMECC及び復号化された制御コマンドCCの送受信間に電源が断された場合であっても、各サブ制御装置111,113で整合のとれた制御を実行することが可能となる。
<変形例17:暗号化装置の接続方法>
主制御装置110及び暗号化装置300の接続方式と、暗号化装置300及びサブ制御装置111,113の接続方式とを異なるように構成してもよい。具体的には、例えば、主制御装置110と暗号化装置300との接続コネクタの接続ピン数を16ピンで構成する一方、暗号化装置300とサブ制御装置111,113との接続コネクタの接続ピン数を24ピンで構成し、主制御装置110とサブ制御装置111,113とを直接接続することができないように構成する。このように構成することで、不正行為の抑止効果を高めることができる。
<変形例18:サブ制御装置は復号化装置からのコマンドでのみ処理実行>
サブ制御装置111,113は、復号化装置400から送信されたコマンドでのみ各種制御を実行し、他の装置(例えば、主制御装置110又は暗号化装置300)から制御コマンドCCを受信した場合は、該制御コマンドCCによっては各種制御を実行しないように構成してもよい。具体的には、例えば、復号化装置400からサブ制御装置111,113に対して復号化した制御コマンドCCを送信する場合に、送信元の復号化装置400の情報を含め、サブ制御装置111,113は、送信元の情報を判別して、送信元が復号化装置400である場合にのみ、制御コマンドCCを正常なものとみなして制御を実行する。このように構成することで、不正行為の抑止効果を高めることができる。
<変形例19:複数のコマンドを多重化>
上記実施形態では、1の制御コマンドCCごとに暗号化かつ多重化を行って多重化コマンドMECCを生成している。これに対し、複数(例えば、2)の制御コマンドCCをまとめて1の多重化コマンドMECCを生成するように構成してもよい。具体的には、例えば、1の事象(例えば、始動入賞)に基づいて連続して生成(送信)される制御コマンドCCを受信した暗号化装置300は、その2つの制御コマンドCCをそれぞれ暗号化するとともに多重化して、1の多重化コマンドMECCを送信する。このように構成することで、不正行為の抑止効果を高めることができる。
<変形例20:音声ランプ制御装置と表示制御装置間でやりとりされるコマンドを暗号化・復号化>
上記実施形態では、主制御装置110とサブ制御装置111,113との間でやりとりされる制御コマンドCCを暗号化かつ復号化するように構成している。これに対し、サブ制御装置111,113とその下流側の制御装置(所謂、サブサブ制御装置。発射制御装置112や表示制御装置114)との間でやりとりされる制御コマンドに対して暗号化かつ復号化するように構成してもよい。このように構成することで、不正行為の抑止効果を高めることができる。
<変形例21:主制御装置からのコマンドで暗号化装置および復号化装置を初期化(立ち上げ)>
上記実施形態では、パチンコ機10の電源投入時に、主制御装置110と暗号化装置300および復号化装置400とはそれぞれ個別に立ち上げ処理を実行し、それぞれ立ち上がるように構成されている。これに対し、パチンコ機10の電源投入時に、主制御装置110から暗号化装置及び/又は復号化装置400に立ち上げコマンドを送信し、該立ち上げコマンドを受信するまで暗号化装置300及び/又は復号化装置400が正常に立ち上がらないように構成してもよい。このように構成することで、不正行為の抑止効果を高めることができる。
<変形例22:付与ポイントの限定使用>
上記実施形態では、ユーザに付与された付与ポイントを、遊技を行ったパチンコ機10での使用という制限を課して使用可能に構成している。これに対し、他の使用条件を付して付与ポイントを使用可能に構成してもよい。具体的には、例えば、付与ポイントを取得したパチンコ機10で遊技を継続する場合のみ当該付与ポイントを使用可能に構成してもよいし、付与ポイントを取得した当日や所定期間(例えば、1週間)のみ当該付与ポイントを使用可能に構成してもよいし、付与ポイントを獲得したパチンコ機10と同一型式のパチンコ機で使用可能に構成してもよいし、付与ポイントを獲得したパチンコ機10を製造した遊技機メーカーが販売したパチンコ機で使用可能に構成してもよい。このように構成することで、多様な遊技性を実現することで遊技の興趣向上を図ることができる。
<変形例23:発射ボタン画像の連続操作で発射間隔内の操作無効>
上記実施形態では、インターネットを介して端末装置PCからパチンコ機10において球を発射させる際に、「マニュアルプレイボタン」が選択されている場合に、「0.6秒」以内に「発射ボタン画像」が連続して複数回(例えば、3回)操作された場合、該複数回の操作に応じた数の球(例えば、3発)が「0.6秒」間隔で発射されるように構成している。これに対し、「0.6秒」以内に「発射ボタン画像」が連続して複数回(例えば、3回)操作された場合に、最初の操作に基づく球を1球発射し、その他の操作に基づく球の発射をさせないように(無効化するように)構成してもよい。このように構成することで、ユーザの操作ミスによって「発射ボタン画像」を連続操作してしまった場合でも、球を1球しか発射しないことで、端末装置PCを介した遊技の操作性を向上することができる。
<変形例24:遊技ホールの営業時間外もバーチャルホールで遊技可能>
上記実施形態では、遊技ホールDに直接赴いてパチンコ機10で遊技を行うことが可能な営業時間と、インターネットを介して端末装置PCによってパチンコ機10で遊技を行うことが可能な接続可能時間とを同一の時間に設定されている。これに対し、遊技ホールDに直接赴いてパチンコ機10で遊技を行うことが可能な営業時間と、インターネットを介して端末装置PCによってパチンコ機10で遊技を行うことが可能な接続可能時間とをずらすように構成してもよい。具体的には、例えば、遊技ホールDの営業時間を9時から22時に設定する一方、バーチャルホール700の営業時間を12時から24時に設定する。このように構成することで、多様な遊技性を実現することで遊技の興趣向上を図ることができる。
<変形例25>
上記実施形態では、主制御装置110、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、暗号化装置300、復号化装置400、ホールコンピュータ600又は端末装置PCにおけるそれぞれの電気的接続を、それぞれ有線接続により構成している。これに対し、主制御装置110、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、暗号化装置300、復号化装置400、ホールコンピュータ600又は端末装置PCにおけるそれぞれの電気的接続の一部又は全部を、それぞれ無線通信により行うように構成してもよい。このように構成することで、無線通信可能な各種装置間の配線構成を検討しなくてもよいので、配線設計を易化することできる。
<変形例26>
上記実施形態では、復号化装置400に設けられたカード挿入孔410に対して認証カード500を挿入して、該認証カード500に格納されている各種情報に基づいて、サブ制御装置111,113から送信された多重化コマンドMECCを分離および復号化するように構成されている。ここで、復号化装置400のカード挿入孔410に挿入された認証カード500の抜き取りを規制、制限又は禁止するような構成にしてもよい。具体的には、例えば、カード挿入孔410に認証カード500が挿入された場合に、該認証カード500が抜き取られないようにロックする機構を設け、遊技機メーカーAが保有する専用の治具で操作、又は、復号化装置400の一部若しくは全部を破壊しなければ、認証カード500をカード挿入孔410から抜き取り不能に構成してもよい。これにより、認証カード500に対する不正改造や転用を抑制し、認証カード500が悪用されてしまうことを抑制することができる。
<変形例27>
また、カード挿入孔410に一旦挿入された後、その後、抜き取られた認証カード500を使用不能となるような構成にしてもよい。具体的には、例えば、カード挿入孔410に一度挿入し、その後、抜き取った場合に、該抜き取られた認証カード500のいずれかの情報の有効性を喪失させる(即ち、有効期限情報EDの有効性を喪失させたり、製造番号SN若しくはマスター鍵Kmにアクセスできなくなる)ように構成してもよい。
<変形例28>
上記実施形態では、バーチャルホール700に設置されたパチンコ機10における遊技で獲得した付与ポイントを、バーチャルホール700に設置されているパチンコ機10で使用したり、遊技ホールDに直接赴かなくても景品交換可能に構成している。これに対し、バーチャルホール700に設置されたパチンコ機10における遊技で獲得した付与ポイントは、遊技ホールDに直接赴いて遊技を行う場合のみ使用可能としたり、遊技ホールDに直接赴かないと景品交換できないように構成してもよい。このように構成することで、遊技者が遊技ホールDに直接赴く動機付けができ、遊技ホールDにおける集客効果を高めることができる。
<変形例29>
上記実施形態では、バーチャルホール700に設置されたパチンコ機10で獲得した付与ポイントと、遊技ホールDにおいてパチンコ機10で遊技して獲得した付与ポイントも、同等の価値で遊技および景品交換可能に構成されている。これに対し、バーチャルホール700における遊技で獲得した付与ポイントと、遊技ホールDにおける遊技で獲得した付与ポイントとに差を設けるように構成してもよい。具体的には、例えば、バーチャルホール700における遊技で獲得した付与ポイントは、遊技ホールDにおける遊技では半分の価値で使用できるように構成したり、バーチャルホール700における遊技で獲得した付与ポイントは、遊技ホールDにおける遊技で獲得した付与ポイントより景品交換の交換率が1/3程度となるように構成してもよい。このように構成することで、遊技ホールDにおける遊技とバーチャルホール700における遊技とに差を設け、遊技を多様化することができる。
<変形例30>
上記実施形態では、バーチャルホール700及び遊技ホールDのパチンコ機10における遊技で獲得した付与ポイントを、パチンコ機10で使用可能に構成している。これに対し、バーチャルホール700及び/又は遊技ホールDにスロットマシンを設置し、バーチャルホール700及び遊技ホールDのパチンコ機10における遊技で獲得した付与ポイントを、上記スロットマシンでも使用可能となるように構成してもよい。この場合、パチンコ機10における遊技で獲得した付与ポイントをスロットマシンで使用する際、メダル1枚使用するために球5発分を要するように設定する(メダル1枚につき、球5発使用可能に設定する)。このように構成することで、多様な遊技性を実現することで遊技の興趣向上を図ることができる。
<変形例31>
上記実施形態では、主制御装置110と認証カード500のペアリングが一致しない場合に、暗号化かつ多重化された制御コマンドCCを正常に分離および復号化できないように構成している。これに対し、主制御装置110に認証カード500を判別する機能を設け、主制御装置110と認証カード500のペアリングが一致しない場合に、主制御装置110が正常に制御されないように構成してもよい。具体的には、主制御装置110が認証カード500を読み込むことができるように構成し、主制御装置110と認証カード500のペアリングが一致しないときは、主制御装置110において当否乱数を取得しないように構成したり、主制御装置110から制御コマンドCCを出力しないように構成したり、異常状態とみなして異常報知したり遊技停止するように構成してもよい。
<変形例32>
上記実施形態では、遊技機メーカーAが発行した認証カード500をカード挿入孔410に挿入して主制御装置110と認証カード500との整合性を判別するように構成している。これに対し、パチンコ機10にパスワードを入力可能な入力装置を設け、遊技機メーカーAが発行したパスワードを入力装置に入力することで認証を行えるように構成してもよい。
<変形例33>
上記実施形態では、パチンコ機10電源投入時に主制御装置110から暗号化装置300に対して製造番号SNを送信するとともに、制御コマンドCCの受信ごとに認証カード500を読み込んで、制御コマンドCCの暗号化および復号化を行うように構成している。これに対し、パチンコ機10の電源投入時に、ホールコンピュータ600を介して遊技機メーカーAのデータサーバと通信をし、正規なパチンコ機10か否かを認証するように構成してもよい。このように構成することで、認証カード500等の構成が不要となり、パチンコ機10における部品コストを低減させることができる。
<変形例34>
認証カード500の有効期限を遊技ホールDの関係者に報知するように構成してもよい。具体的には、例えば、パチンコ機10の電源投入時に認証カード500の有効期限情報EDを読み込んで、パチンコ機10の第3図柄表示装置81やホールコンピュータ600で該有効期限又は有効期限までの残り期間を報知するように構成してもよい。
<変形例35>
上記実施形態では、遊技ホールDにバーチャルホール700を設け、インターネットを介してユーザの端末装置PCにおいて、バーチャルホール700に設置されているパチンコ機10を遊技可能に構成している。これに対し、遊技機メーカーAがバーチャルホールを設け、インターネットを介してユーザの端末装置PCにおいて、バーチャルホールに設置されているパチンコ機10を遊技可能に構成してもよい。このように構成することで、パチンコ機10が正規品かどうかの認証を不要にすることができる。この場合、遊技ホールDの営業を阻害しないように、例えば、遊技ホールDに設置前のパチンコ機10の宣伝広告(プロモーション)として、遊技ホールDに設置される前までバーチャルホールの営業を行ったり、遊技ホールDに設置可能な期間である検定期間を超えた検定切れのパチンコ機10をバーチャルホールに設置して営業を行うように構成してもよい。
<変形例36>
上記実施形態では、端末装置PCによってパチンコ機10で遊技が実行されている場合、遊技ホールDにおいて該パチンコ機10では、第3図柄表示装置81やランプ表示装置2227等で、端末装置PCによる遊技が実行中であって遊技ができない旨を示唆する遊技実行中報知を行うように構成している。これに対し、端末装置PCで遊技を行っている場合に、ビデオカメラ701で撮影される範囲であって、遊技に使用される表示装置(即ち、第3図柄表示装置81や遊技状態を報知するランプ表示装置227の一部等)では、上記遊技実行中報知を行わず、ビデオカメラ701で撮影されない範囲、若しくは、通常の遊技では使用されない表示装置(例えば、度数表示部41や異常報知用のランプ)で上記遊技実行中報知を行うように構成してもよい。このように構成することで、遊技ホールDと端末装置PCとでともに遊技可能な遊技ホールDにおいて、端末装置PCで遊技を行っているユーザは、遊技ホールDで遊技を行っている状態と同等の表示内容を視認しながら遊技を行うことができるとともに、遊技ホールDの遊技者は、該パチンコ機10で遊技を行うことができないことを認識することが可能となる。なお、第3図柄表示装置81において、インターネットを介して遊技を実行している状態であることを表示するように構成してもよい。
<変形例37>
ビデオカメラ701の撮影アングルを、パチンコ機10の正面に遊技者が立ち塞がった場合や椅子に座った場合であっても、該遊技者によって阻害されることなく遊技に使用される遊技装置を撮影可能となるように構成してもよい。このように構成することで、遊技ホールDで遊技者がパチンコ機10の前に存在している場合であっても、端末装置PCで遊技を行っているユーザは、遊技ホールDで遊技を行っている状態と同等の表示内容を視認しながら遊技を行うことができる。
<変形例38>
上記実施形態では、認証カード500に、製造番号SN、マスター鍵Km及び有効期限情報EDを格納し、多重化コマンドMECCを復号化装置400が受信するごとに、上記各データによって該多重化コマンドMECCを復号化している。これに対し、認証カード500にパチンコ機10の店舗情報を格納するとともに、復号化装置400に位置情報機能(所謂、GPS)を搭載し、認証カード500の店舗情報が本来設置されるべき位置情報である場合には、認証カード500の有効性を維持する一方、認証カード500の店舗情報が本来設置されるべき位置情報ではない場合や、位置情報を検知できない場合は、認証カード500の有効性を喪失させるように構成してもよい。このように構成することで、遊技機メーカーAが管理する正規の販売先であれば、有効な認証カード500を用いて多重化コマンドMECCを復号化できる一方、遊技機メーカーAが把握していない設置場所である場合には、認証カード500の有効性を喪失させて、多重化コマンドMECCを復号化させないようにすることができる。よって、遊技機メーカーAによって適正に管理されたパチンコ機10のみを正常に稼働させることができるので、不正行為の抑止効果の向上を図ることができる。
<変形例39>
上記実施形態では、端末装置PCからの発射指示に応じてパチンコ機10が球を発射した場合に、必ずファール球とならない発射強度で球を発射するように構成している。これに対し、端末装置PCからの発射指示に応じてパチンコ機10で球を発射する場合に、ファール球となり得る発射強度(例えば、遊技者が操作ハンドル51を操作し得る全範囲)で球を発射可能に構成し、万一、ファール球となった場合、ファール球(遊技領域まで到達しなかった球)が発生したことを検知(例えば、内レール61と外レール62との間を、球が遊技領域側(即ち、上昇方向)に向かう場合は検知せず、球が遊技領域と反対側(即ち、流下方向)に向かう場合に検知)するファール球検知スイッチを設けるように構成してもよい。このファール球検知スイッチによって球が検知された場合、発射指示に応じて適式に球を発射できなかったということなので、遊技者が保持する遊技ポイントを復元(例えば、ファール球1球に対して、遊技ポイントを「1」復元)する。このように構成することで、ファール球が発生した場合でも、遊技者が遊技に使用した球を適式に処理することができ、遊技者に不測の不利益を被らせることを防止することができる。
なお、ファール球検知スイッチは、ファール球を回収して機外(若しくは上皿)に排出するファール球回収通路を超えた直後(即ち、ファール球としてファール球回収通路に回収される直前)の位置に設けることで、効率よくファール球を検知することが可能となる。また、遊技球が発射された場合に、球を発射した時点では、遊技に使用した球とみなさず、遊技領域(例えば、戻り球防止部材68を超えた部分)に到達した場合に、遊技者が保有する遊技ポイントを減算するように構成してもよい。このように構成することで、ファール球が発生した場合に、遊技者が保有する遊技ポイントが減算又は加算されることなく適式に遊技ポイントを計数することが可能となる。この場合に、戻り球防止部材68に球が通過したか否かの検知スイッチを設け、検知スイッチによって球が減算された場合に遊技者が保有する遊技ポイントを減算する一方、球が発射されたにもかかわらず検知スイッチによって球が検出されなかった場合には、ファール球が発生したものとみなして、遊技者が保有する遊技ポイントを減算しないように構成する。このように構成することで、ファール球か否かの検知処理及び遊技ポイントの加減算処理が不要となるので、コスト及び処理負担を軽減することができる。また、球が連なった状態(所謂、連球)で戻り球防止部材68の1回の開閉動作で2つ以上の球が該戻り球防止部材68を超えた場合に、発射球とアウト球との差分に基づいて遊技ポイントを減算してもよいし、戻り球防止部材68において連球を検知可能なスイッチを設けて、遊技ポイントを更新するように構成してもよい。
<変形例40>
上記実施形態では、端末装置PCからの発射指示に応じてパチンコ機10が球を発射した場合に、必ずファール球とならない発射強度で球を発射するように構成している。これに対し、操作ハンドル51における経年劣化等を要因とした機能低下(例えば、発射ソレノイドの駆動槌先端部分の破損や、ソレノイドを構成する電磁石と駆動槌との位置ずれによる駆動力の低下等)により、物理的に操作ハンドル51の操作に基づく発射強度が低下して、ファール球が発生し得てしまうような場合に、端末装置PCによる遊技を行う際に、球発射ユニット112aによる発射強度若しくは発射速度(可変抵抗器の抵抗値)と、操作ハンドル51(可変抵抗器の抵抗値)による標準的な発射強度若しくは発射速度(例えば、工場出荷時における各発射強度の基準発射強度)と、現実に発射された球の発射強度若しくは発射速度(到達位置)とをそれぞれ検知し、その検知結果に応じた演算を行って、発射性能を補填(増強、調整)するように構成してもよい。発射強度を検知する場合は、発射ソレノイドの発射槌に加わる衝撃力を検知してもよいし、発射速度を検知する場合は、誘導レールを通過する球の発射速度を検知可能な速度センサで検知してもよい。このように構成することで、端末装置PCによる遊技を行う場合でも、球を遊技領域に到達させ易くしてファール球を発生し難く構成し、ファール球に関する処理を軽減し、パチンコ機10及びホールコンピュータ600の制御負担を軽減することができる。なお、発射された発射強度若しくは発射速度が基準発射強度若しくは基準発射速度よりも強い若しくは速い場合には、発射強度若しくは発射速度を減少(例えば、操作ハンドル51の回動量を最大にした場合に(右打ちした場合に)、返しゴム69に当たる(到達する)程度)させるように構成してもよい。このように構成することで、遊技部品の耐久性の低下を抑制することができる。さらに、発射された発射強度若しくは発射速度が基準発射強度若しくは基準発射速度よりも強い若しくは速い場合に、発射強度若しくは発射強度を減少させる際、ファール球とならない発射強度若しくは発射速度までは減少させるが、それ以下には調整しないように構成してもよい。
<変形例41>
上記実施形態では、端末装置PCによる遊技を行う際に、遊技者が保持する遊技ポイントに基づいてパチンコ機10において球を発射可能に構成し、パチンコ機10において球を発射した場合に該遊技ポイントを減算するように構成している。これに対し、端末装置PCで遊技を行う際に、遊技者が保持する遊技ポイントに基づいてパチンコ機10において球を発射可能に構成しつつ、パチンコ機10において球を発射するとともに発射球数信号をホールコンピュータに外部出力し、該発射された球がいずれかの入賞口64a等の各スイッチ又はアウト口66のアウトスイッチによって検知されてアウト球信号がホールコンピュータに外部出力された場合に、遊技ポイントを減算するように構成してもよい。このように構成することで、例えば、遊技領域で球が詰まってしまう現象(所謂、ブドウ状態)が発生した場合に、いずれかの入賞口64a等又はアウト口66に球が流入して遊技が適式に実行されたこと基づいて遊技ポイントを適式に処理し、球を発射したことのみで遊技者の遊技ポイントが減少されてしまうことを防止することができる。遊技領域で球が詰まってしまう現象との判別時間は、発射された球が所定期間(例えば、1分)経過してもアウト球として計数されない場合に、ブドウ現象が発生したものとみなして発射分の遊技価値を遊技ポイントに復元するように構成してもよい。また、遊技者による発射が終了した後の第2所定期間(例えば、2分)経過した段階で、発射した球の数とアウト球として検知された球の数とが一致しない場合に、遊技領域に球が詰まっているものと認識して、所定のエラー処理(例えば、球詰まりが発生していることを示唆するエラー報知、遊技機振動、ホールコンピュータに対してエラー出力等)を行うように構成してもよい。
<変形例42>
上記実施形態では、端末装置PCによってパチンコ機10において遊技が実行されている場合に、アカウント管理によって遊技ホールDにおいて他のパチンコ機10における遊技を実行できないように構成している。これに対し、端末装置PCによってパチンコ機10において遊技が実行されている場合等に、該パチンコ機10において球を発射できないように構成して、該パチンコ機10における遊技を実行不能に構成してもよい。具体的には、例えば、端末装置PCによってパチンコ機10において遊技が実行されている場合に、該パチンコ機10において操作ハンドル51を物理的に回動不能にするロック機構を作動させ、操作ハンドル51を回動不能に構成してもよいし、操作ハンドル51を回動操作された場合でも、該回動に基づく操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器の抵抗値が変化しないように構成して球の発射を不能化してもよいし、操作ハンドル51が回動操作された場合でも、該ハンドル51の操作に基づいては発射制御装置112に対して球発射信号を出力しない若しくは球発射信号に基づく処理を規制するように構成してもよい。また、パチンコ機10の電源オフ時に発射を規制するように構成してもよいし、前面枠14が内枠12(外枠11)に対して開放されている場合や内枠12が外枠11に対して開放されている場合に、発射を規制するように構成してもよい。さらに、発射ソレノイドに球を送る球送り機構による球送り動作を規制するように構成してもよい。また、発射ソレノイドの駆動槌の先端部分にストッパを突出させ、駆動槌自体の駆動を制限するように構成してもよい。さらに、主制御装置110と発射制御装置112との間に発射規制基板を設け、球発射信号が発射規制基板を通過するように構成し、発射を規制する場合に、発射規制基板によって主制御装置110から出力された球発射信号を発射制御装置112に出力しないように構成してもよい。このように構成することで、端末装置PCによってパチンコ機10において遊技が実行されている場合に、遊技ホールDにおける該パチンコ機10に対する遊技を実行不能にして、端末装置PCにおける遊技と遊技ホールDにおける遊技とが同時に実行されてしまうことを防止し、パチンコ機10等の制御負担の軽減および遊技者を混乱させる事態を防止することができる。また、パチンコ機10において遊技が実行できないような状況(即ち、電源オフ時や、前面枠14又は内枠12の開放時等)に発射を規制することで、遊技が実行できない状況にも関わらず球が発射されてしまうことを未然に防止し、遊技ポイントを適切に管理することができる。さらに、遊技が実行できない状況において球の発射を規制することで、前面枠14又は内枠12の開放中等に球を発射させて不正入賞させる等の不正行為を未然に防止することができ、パチンコ機10のセキュリティ性能を向上することができる。さらに、発射を規制する場合に、主制御装置110やサブ制御装置112等は、発射ソレノイドや球送り機構等の駆動を制約して発射を規制している場合であっても、正常に発射制御自体を実行するように構成することで、主制御装置110等において発射規制の制御を設ける必要がないので、主制御装置110等の処理負担の軽減、若しくは、プログラム構成を簡易なものにすることが可能となる。
上記実施形態において、各特別図柄の抽選において、「10R確変大当たり」、「4R確変大当たり」、「10R時短大当たり」、「4R時短大当たり」のいずれかの大当たりが付与されるように構成されている。これに対し、上記大当たりとは異なる大当たり(例えば、所謂「突然確変大当たり(2R確変大当たり)」)や、大当たりとは異なる「小当たり」の抽選を行うように構成してもよい。このように構成することで、大当たり又は小当たりに当選した場合に、遊技者に付与される遊技価値を異ならせることで、遊技にバリエーションを設け、多様な遊技性を実現することで遊技の興趣向上を図ることができる。
特に、特別図柄の抽選において「小当たり」を設けた場合、小当たりに当選したときには、「潜伏確率変動状態」が付与される大当たりと同様又は近似した可変入賞装置65等の開閉態様(即ち、「5R潜伏確変大当たり」であれば、該「5R潜伏確変大当たり」と同様に5回可変入賞装置65の開閉動作を実行する「5R小当たり」等)とすることで、遊技者に「通常遊技状態」か「潜伏確率変動状態」かを識別困難とする。このように構成することで、いずれの遊技状態かを推測させる遊技性が生まれ、遊技の興趣向上を図ることができる。
なお、「小当たり」とは、可変入賞装置65等の開閉が実行されるが、「10R確変大当たり」や「5R潜伏確変大当たり」と異なり、遊技状態の移行が実行されない抽選結果である。
上記各実施形態では、大当たり終了後に、次回の大当たりが発生するまで「確率変動状態」を維持する所謂ループタイプの遊技仕様で構成している。これに対し、「確率変動状態」として、大当たり終了後の特別図柄の変動回数が所定回数到達するまで「確率変動状態」が維持される一方、所定回数終了後に該「確率変動状態」が終了する所謂STタイプの遊技仕様で構成してもよい。
上記実施形態では、主制御装置110から各コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信され、その音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して表示の指示がなされるよう構成したが、主制御装置110から表示制御装置114に直接コマンドを送信するものとしてもよい。また、表示制御装置114に音声ランプ制御装置113を接続して、表示制御装置114から各音声の出力とランプの点灯を指示するコマンドを音声ランプ制御装置113に送信するよう構成してもよい。さらに、音声ランプ制御装置113と表示制御装置114とを1の制御装置として構成するものとしてもよい。これらを1つの制御装置とすることで、部品点数が削減でき、パチンコ機のコスト増加を抑制することができる。
上記実施形態では、第1始動口64a又は第2始動口64bへの入球(始動入賞)を契機として保留され実行される第3図柄(特別図柄)の変動演出中に大当たりとなる変動演出があるか否かを、実行図柄及び保留図柄において「保留変化予告」を行う場合について説明した。これに対し、スルーゲート67を球が通過したこと(始動入賞)を契機として保留され実行される普通図柄の可変表示の中に当たり(「○」の図柄で停止)となるものがあるか否かを、普通図柄保留ランプ84や第3図柄表示装置81等を用いて、第3図柄の変動演出中に大当たりとなる変動演出があるか否かとあわせて、又は、その代わりに、遊技者に報知してもよい。これにより、保留中の普通図柄の可変表示の中に、又は、実行中および保留中の普通図柄の可変表示の中に、当たりとなる可変表示があるか否かを遊技者が把握できる。よって、普通図柄の可変表示の実行前に普通図柄が当たりとなるか否かを推測できる。遊技機の中には、普通図柄の当たりの有無にて遊技性を高めているものがあり、そのような遊技機において特に有効である。
上記実施形態では、デモ演出が「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄を停止表示させるものである場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、数字の付された主図柄または数字の付されていない主図柄からなる第3図柄を、半透明状態で停止表示させるものであってもよい。また、第3図柄を表示させずに背面画像だけを変化させるものであってもよい。また、変動演出で用いられる第3図柄や背面画像とは全く異なるキャラクタや背面画像を表示させるものであってもよい。
上記実施形態では、変動演出が行われる第3図柄表示装置81にて連続予告演出の1形態である「保留変化予告」を実行する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、パチンコ機10に第3図柄表示装置81とは別の第4図柄表示装置を設け、第3図柄表示装置81で実行される変動演出と合わせて、第4図柄表示装置に第4図柄を表示させることによって、「保留変化予告」又は「保留変化予告」とは異なって複数の変動演出に跨って実行される連続予告演出(以下、「保留変化予告」を含めて「連続予告演出」という)を実行してもよい。この場合、第4図柄表示装置の制御を表示制御装置114で行ってもよいし、音声ランプ制御装置113で行ってもよい。また、各種演出に応じて作動する各可動役物とは異なる役物をパチンコ機10に設け、その役物を変動演出と合わせて所定の態様で作動させることによって、連続予告演出を実行してもよい。また、音声ランプ制御装置113の制御により、パチンコ機10の音声出力装置226から連続予告演出用の音声を出力させることによって、連続予告演出を実行してもよいし、パチンコ機10の電飾部29〜33を変動演出と合わせて点灯または点滅させることによって、連続予告演出を実行してもよい。
これにより、第3図柄表示装置81(および特別図柄表示装置37)において変動演出(動的表示)が行われる度に、連続して第4図柄表示装置に図柄が表示されたり、役物が所定の態様で作動したり、音声出力装置226から音声が出力されたり、若しくは、電飾部29〜33が点灯または点滅することによって、遊技者に対して大当たりの期待感を持たせることができる。また、遊技者は、通常、変動演出が行われる第3図柄表示装置81を注視して遊技を継続して行うが、第3図柄表示装置81とは別の第4図柄表示装置による図柄の表示、役物の作動、音声出力装置226からの音声出力、若しくは電飾部29〜33の点灯・点滅によって連続予告演出が行われるので、遊技者に対して、通常とは異なる演出が行われたことを容易に認識させることができる。また、連続予告演出を、第4図柄表示装置による図柄の表示、役物の作動、音声出力装置226からの音声出力、または電飾部29〜33の点灯・点滅といった簡単な制御で容易に連続予告演出を行わせることができる。
また、連続予告演出を音声出力装置226からの音声出力や、電飾部29〜33の点灯または点滅によって行えば、その連続予告演出の制御は音声ランプ制御装置113によって行われるので、始動入賞時における当否判定や変動開始時の抽選処理を主制御装置110に行わせ、連続予告演出を音声ランプ制御装置113に行わせ、変動演出を表示制御装置114に行わせることで、パチンコ機10により連続予告演出を行う場合、それぞれの制御装置に各処理を分担させることができる。よって、1つの制御装置に負荷が集中するのを防ぐことができるので、各制御装置のMPUに求められる性能を低く抑えることができる。
なお、第3図柄表示装置81における連続予告演出用の図柄の表示、第4図柄表示装置における連続予告演出用の図柄の表示、役物の所定の態様での作動、音声出力装置226からの音声出力、及び、電飾部29〜33の点灯または点滅のうち、少なくとも2以上を組み合わせ、それぞれを連動させて制御することにより、連続予告演出を実行してもよい。これにより、より多彩な連続予告演出を実行させることができる。また、連続予告演出の実行方法(第3図柄表示装置81による表示、第4図柄表示装置による表示、役物の作動、音声出力装置226からの音声出力、電飾部29〜33の点灯または点滅、又は、それらの組み合わせ)を変えることで、連続予告演出終了後の遊技状態(「10R確変大当たり」、「10R潜伏確変大当たり」、「10R時短大当たり」、「5R潜伏確変大当たり」、「5R時短大当たり」、外れ)に応じて選定される連続予告演出態様を複数用意してもよい。
上記実施形態において、主制御装置110は、第1始動口64a又は第2始動口64bへの入賞(始動入賞)があった場合に、「1」加算された保留球数を音声ランプ制御装置113へ通知する保留球数コマンドに対して、該始動入賞に伴いカウンタ用バッファ203cより取得された各カウンタC1〜C3,CS1をそのまま含めて、音声ランプ制御装置113へ送信する場合について説明したが、保留球数コマンドに含めるカウンタの種類は、カウンタC1〜C3,CS1の一部であってもよいし、その他のカウンタの値を含めてもよい。また、主制御装置110より音声ランプ制御装置113に対して始動入賞に伴って取得した各カウンタの値を通知する場合に、これらの各カウンタの値を示す情報を保留球数コマンドに含めて通知するのではなく、保留球数コマンドとは別のコマンドに各カウンタの値を示す情報を含めて、これらの値を音声ランプ制御装置113に対して通知してもよい。別のコマンドとしては、始動入賞に伴って取得した各カウンタの値を音声ランプ制御装置113へ通知する専用のコマンドであってもよいし、変動パターンコマンドや停止図柄コマンド等、別の情報を音声ランプ制御装置113へ通知するためのコマンドに、始動入賞に伴って取得した各カウンタの値が加えられたものであってもよい。別のコマンドとして、始動入賞に伴って取得した各カウンタの値を音声ランプ制御装置113へ通知する場合、該コマンドに、その通知する各カウンタの値が、いずれの保留回数に対応する変動演出に係るものであるかを示す情報を含めてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113は、該コマンドに含まれる保留回数に関する情報に基づいて、その保留回数に対応する保留情報第1〜第4エリアのいずれかのエリアに、該コマンドに含まれる各カウンタの値を格納することができる。
上記実施形態においては、第1始動口64aおよび第2始動口64bへの入賞、並びに、スルーゲート67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、第1始動口64a又は第2始動口64bへの入賞に基づく変動演出の保留球数を、第3図柄表示装置81の一部において、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしてもよく、特別図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留球数を通知するように構成してもよい。
また、上記実施形態に示すように、第3図柄の変動表示である変動演出は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、横方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、図柄の変動表示としては、図柄の変動演出に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
上記各実施形態では、変動演出を実行する場合に、全図柄列Z1〜Z3を遊技者が視認不可な程度に高速にスクロールする高速変動を表示させる場合について説明したが、この高速変動の表示に代えて、全図柄列Z1〜Z3をそれぞれ視認不可な程度に縮小して表示したり、全図柄列Z1〜Z3をそれぞれ多数の白い点がランダムに表示されるスノーノイズ状の画像として表示してもよい。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。さらに、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機、管理装置又は遊技システムに加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<A群:遊技機においてメーカー発行認証カードで認証して遊技可能>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて遊技球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられ、遊技球の流下方向を変更可能な流下方向変更手段が配置された複数の入球口のいずれかへ遊技球が入球することに基づいて所定の遊技価値をそれぞれ付与するとともに、特定の入球口への入賞に基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において当たり等の有利状態に当選した場合に、入球手段に遊技球を入球可能にして、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されている(例えば、特許文献1(特開2017−112444号公報))。
しかしながら、上記遊技機では、不正行為の抑止効果を高める必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
A群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、不正行為の抑止効果を高めることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
所定の遊技媒体(例えば、球)を用いた遊技を行うための遊技機において、
遊技の制御を行う主制御手段(例えば、主制御装置110)と、
前記主制御手段に固有に割り当てられた固有情報(例えば、製造番号SN)を記憶する固有情報記憶手段(例えば、製造番号記憶部202j)と、
前記主制御手段から出力された制御情報(制御コマンドCC)に基づいて各種制御を実行可能な副制御手段(例えば、払出制御装置111又は音声ランプ制御装置113)と、
前記固有情報記憶手段に記憶された前記固有情報を判別する固有情報判別手段(例えば、復号化装置400及び認証カード500)と、
前記固有情報判別手段によって前記固有情報が正常でないと判別された場合に、前記制御情報に基づく各種制御の実行を規制する規制手段(例えば、暗号化された制御コマンドCCを復号化しない)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機A0。
遊技機A0によれば、所定の遊技媒体を用いて遊技が行われ、主制御手段により、遊技の制御が行われ、その主制御手段に固有に割り当てられた固有情報が、固有情報記憶手段に記憶される。また、副制御手段により、主制御手段から出力された制御情報に基づいて各種制御が実行可能に構成される。ここで、固有情報判別手段により、固有情報記憶手段に記憶された固有情報が判別され、固有情報判別手段によって固有情報が正常でないと判別された場合に、規制手段により、制御情報に基づく各種制御の実行が規制される。これにより、例えば、主制御手段が不正行為によって改造されてしまった場合に、固有情報が異なることで遊技機における各種制御が規制されるようにすることができ、不正行為の抑止効果を高めることができる、という効果がある。
なお、「各種制御の実行を規制する」とは、例えば、制御情報を正常に受信させないことで各種制御を実行させない場合や、制御情報を破棄することで各種制御を実行させない場合、或いは、遊技を停止又は中止することで各種制御を実行させない場合等が例示される。
遊技機A0において、
前記固有情報判別手段は、
前記固有情報記憶手段に記憶される前記固有情報に対応する対応情報(例えば、製造番号記憶部501a及びマスター鍵記憶部501b)を記憶する対応情報記憶手段(例えば、認証カード500のICチップ501)と、
前記固有情報と前記対応情報との対応関係が正常か否かを判別する対応関係判別手段(例えば、分離および復号化処理(S3002))と、を備え、
前記副制御手段は、
前記対応関係判別手段によって前記固有情報と前記対応情報との対応関係が正常であると判別された場合に、前記制御情報に基づく各種制御を実行する
ことを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、遊技機A0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、固有情報判別手段に設けられた対応情報記憶手段により、固有情報記憶手段に記憶される固有情報に対応する対応情報が記憶され、同じく固有情報判別手段に設けられた対応関係判別手段により、固有情報と対応情報との対応関係が正常か否か判別される。そして、対応関係判別手段によって固有情報と対応情報との対応関係が正常であると判別された場合に、副制御手段により、制御情報に基づく各種制御が実行される。これにより、主制御手段に記憶される固有情報と、固有情報判別手段に記憶される対応情報との対応関係が正常である場合に、規制手段によって制御情報の実行が規制されることなく、各種制御を実行することができる。よって、正規な主制御手段及び固有情報判別手段であれば、正常に遊技を行うことができる一方、例えば、主制御手段が不正行為によって改造されてしまった場合に、固有情報が異なることで遊技機における各種制御が規制されるようにすることができ、不正行為の抑止効果を高めることができる、という効果がある。
遊技機A1において、
前記副制御手段は、
前記対応関係判別手段によって前記固有情報と前記対応情報との対応関係が正常でないと判別された場合に、前記規制手段によって前記制御情報に基づく各種制御を実行させない
ことを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、対応関係判別手段によって固有情報と対応情報との対応関係が正常でないと判別された場合に、副制御手段において、規制手段によって制御情報に基づく各種制御が実行されない。これにより、主制御手段に記憶される固有情報と、固有情報判別手段に記憶される対応情報との対応関係が正常でない場合に、規制手段によって制御情報の実行が規制され、各種制御を実行することができない。よって、例えば、主制御手段が不正行為によって改造されてしまった場合に、固有情報が異なることで遊技機における各種制御が規制されるようにすることができ、不正行為の抑止効果を高めることができる、という効果がある。
遊技機A1又はA2において、
前記主制御手段から出力される前記制御情報を、前記固有情報を基づいて加工情報に加工する加工手段(例えば、暗号化装置300)と、
前記加工手段によって加工された前記加工情報を、前記対応情報に基づいて前記制御情報に復元する復元手段(例えば、分離および復号化処理(S3002)のS3106〜S3110)と、を備え、
前記副制御手段は、
前記加工情報に基づいて前記制御情報と同等の各種制御を実行しない
ことを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A1又はA2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、加工手段により、主制御手段から出力される制御情報が、固有情報に基づいて加工情報に加工され、復元手段により、加工手段によって加工された加工情報が、対応情報に基づいて制御情報に復元される。そして、副制御手段が、加工情報に基づいて制御情報と同等の各種制御を実行しないように構成される。即ち、主制御手段に記憶される固有情報と、固有情報判別手段に記憶される対応情報との対応関係が正常でない場合に、加工情報とされた制御情報を復元することができないため、副制御手段は、制御情報と同等の各種制御を実行することができない。これにより、例えば、主制御手段が不正行為によって改造されてしまった場合に、固有情報が異なることで遊技機における各種制御を正常に実行させないようにすることができ、不正行為の抑止効果を高めることができる、という効果がある。
遊技機A0からA3のいずれかにおいて、
前記固有情報記憶手段に記憶される前記固有情報を書き換え不能に構成する
ことを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A0からA3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、固有情報記憶手段に記憶される固有情報が書き換え不能に構成されている。これにより、不正行為によって固有情報が書き換えられることによる規制手段による規制が突破されることを未然に防止することができ、不正行為の抑止効果を高めることができる、という効果がある。
遊技機A1からA4のいずれかにおいて、
前記固有情報判別手段は、
前記対応情報記憶手段に記憶される前記対応情報の有効性を設定可能な有効設定手段(例えば、認証カード500の有効期限情報記憶部501c)、を備えている
ことを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A1からA4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、固有情報判別手段に設けられた有効設定手段により、対応情報記憶手段に記憶される態様情報の有効性が設定可能に構成される。これにより、例えば、対応情報の有効性を時限的にすることで、固有情報と対応情報との対応関係が正常か否かの管理効果を高めることができ、不正行為の抑止効果を高めることができる、という効果がある。
遊技機A3からA5のいずれかにおいて、
前記加工手段は、
前記主制御手段から出力された前記制御情報を前記加工情報に加工して、前記副制御手段に出力し、
前記副制御手段は、
前記加工手段により出力された前記加工情報を、前記復元手段に対して該加工情報を出力し、
前記復元手段は、
前記副制御手段により出力された前記加工情報を、前記対応情報に基づいて前記制御情報に復元して、復元した前記制御情報を前記副制御手段に出力する
ことを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A3からA5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、加工手段により、主制御手段から出力された制御情報が加工情報に加工されて、副制御手段に出力される。また、副制御手段により、加工手段により出力された加工情報が、復元手段に対して出力される。そして、復元手段により、副制御手段により出力された加工情報が、対応情報に基づいて制御情報に復元され、復元された制御情報が副制御手段へ出力される。これにより、主制御手段から出力された制御情報が、加工手段、副制御手段および復元手段を経て正常な制御情報として副制御手段に到達するので、例えば、加工手段、副制御手段又は復元手段のいずれか1が不正行為によって不正交換されてしまった場合に、制御情報を正常に加工させず、遊技機における各種制御を正常に実行させないようにすることができる。その結果、不正行為の抑止効果を高めることができる、という効果がある。
遊技機A3からA6のいずれかにおいて、
前記副制御手段は、
所定の遊技処理を実行する第1副制御手段(例えば、払出制御装置111)と、
前記第1副制御手段と異なる遊技処理を実行する第2副制御手段(例えば、音声ランプ制御装置113)と、を備え、
前記主制御手段は、
前記制御情報に出力先の前記副制御手段を示す出力先情報を含め、
前記加工手段は、
前記出力先情報以外の部分を加工する
ことを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A3からA6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、副制御手段としての第1副制御手段により、所定の遊技処理が実行され、同じく副制御手段としての第2副制御手段により、第1副制御手段と異なる遊技処理が実行される。ここで、主制御手段により、制御情報に出力先の前記副制御手段を示す出力先情報が含められ、加工手段により、出力先情報以外の部分が加工される。これにより、制御情報を加工する場合に、出力先情報以外の部分が加工される一方、出力先情報は加工されないようにすることで、加工情報に含められる出力先情報によって出力すべき副制御手段に正確に加工情報を出力することができる、という効果がある。
遊技機A3から遊技機A7のいずれかにおいて、
前記主制御手段は、
所定の異常状態を検出可能な異常検出手段と、
前記異常検出手段によって前記所定の異常状態が検出された場合に、該異常状態を示す異常情報を出力する異常情報出力手段と、を備え、
前記加工手段は、
前記異常情報出力手段によって出力された前記異常情報を加工せずに前記副制御手段へ出力する
ことを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A3からA7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段に設けられた異常検出手段により、所定の異常状態が検出可能に構成され、異常検出手段によって所定の異常状態が検出された場合に、同じく主制御手段に設けられた異常情報出力手段により、その異常状態を示す異常情報が出力される。ここで、加工手段により、異常情報出力手段によって出力された異常情報が加工せずに副制御手段へ出力される。これにより、所定の異常状態が発生した場合に、少なくとも復元手段による処理を経ることなく副制御手段に該異常状態を伝達することができ、副制御手段によって異常状態に関する制御を迅速に行うことができる、という効果がある。
<B群:使用制限付き付与ポイント>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて遊技球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられ、遊技球の流下方向を変更可能な流下方向変更手段が配置された複数の入球口のいずれかへ遊技球が入球することに基づいて所定の遊技価値をそれぞれ付与するとともに、特定の入球口への入賞に基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において当たり等の有利状態に当選した場合に、入球手段に遊技球を入球可能にして、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されている(例えば、特許文献1(特開2017−148264号公報))。
しかしながら、上記遊技機では、遊技の興趣向上を図る必要があるが、この点について未だ改良の余地がある。
B群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
所定の遊技媒体(例えば、球)を用いた遊技を行うための遊技機において、
前記遊技媒体を用いた遊技の結果、所定の付与遊技価値(例えば、賞球)を付与する遊技価値付与手段(例えば、払出制御装置111)と、
前記遊技価値付与手段によって付与された前記付与遊技価値を使用することにより遊技を行う遊技実行手段(例えば、賞球として払い出された球を発射)と、
所定条件が成立する場合に、前記遊技実行手段によって付与された前記付与遊技価値の使用を規制する使用規制手段(例えば、機種限定付与ポイントの他機種での使用を制限)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機B0。
遊技機B0によれば、所定の遊技媒体を用いて遊技が行われ、遊技価値付与手段により、遊技媒体を用いた遊技の結果、所定の付与遊技価値が付与される。また、遊技実行手段により、遊技価値付与手段によって付与された付与遊技価値を使用することにより遊技が行われ、所定条件が成立する場合に、使用規制手段により、遊技実行手段によって付与された付与遊技価値の使用が規制される。これにより、所定条件が成立するか否かによって、付与された付与遊技価値を遊技機で使用可能か否かを異ならせ、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機B0において、
前記使用規制手段は、
前記付与遊技価値が付与された遊技機以外の遊技機での使用を規制する他機規制手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、遊技機B0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、使用規制手段に設けられた他機規制手段により、付与遊技価値が付与された遊技機以外の遊技機での使用が規制される。これにより、付与遊技価値が付与された遊技機での遊技を促進することができ、該遊技機の稼働率を向上することができる、という効果がある。
遊技機B0又はB1において、
前記使用規制手段は、
前記付与遊技価値が付与された遊技機で継続して遊技を行う場合以外の使用を規制する非継続規制手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B0又はB1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、使用規制手段に設けられた非継続規制手段により、付与遊技価値が付与された遊技機で継続して遊技を行う場合以外の使用が規制される。これにより、付与遊技価値が付与された遊技機での継続した遊技を促進することができ、該遊技機の稼働率を向上することができる、という効果がある。
遊技機B0からB2のいずれかにおいて、
前記使用規制手段は、
前記付与遊技価値が付与された当日に遊技を行う場合以外の使用を規制する当日以降規制手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B0からB2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、使用規制手段に設けられた当日以降規制手段により、付与遊技価値が付与された当日に遊技を行う場合以外の使用が規制される。これにより、付与遊技価値が付与された当日の遊技を促進させることができ、遊技機の稼働率を向上することができる、という効果がある。
遊技機B0からB3のいずれかにおいて、
前記使用規制手段は、
前記付与遊技価値が付与された遊技機と同種類の遊技機以外の遊技機での使用を規制する他種規制手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B0からB3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、使用規制手段に設けられた他種規制手段により、付与遊技価値が付与された遊技機と同種類の遊技機以外の遊技機での使用が規制される。これにより、付与遊技価値が付与された遊技機及び同種類の遊技機での遊技を促進させることができ、遊技機の稼働率を向上することができる、という効果がある。
遊技機B0からB4のいずれかにおいて、
前記遊技価値付与手段によって付与された前記付与遊技価値を記憶する付与遊技価値記憶手段(例えば、保持付与ポイント603a4)と、
遊技者が所定の方式(例えば、現金投入)によって購入した購入遊技価値(例えば、遊技ポイント)を記憶する購入遊技価値記憶手段(例えば、保持遊技ポイント603a3)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B0からB4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、付与遊技価値記憶手段により、遊技価値付与手段によって付与された付与遊技価値が記憶され、購入遊技価値記憶手段により、遊技者が所定の方式によって購入した購入遊技価値が記憶される。これにより、遊技者が遊技によって獲得した付与遊技価値と遊技者が購入した購入遊技価値とを分けて管理することができ、遊技者が保有する遊技価値の使用形態を多様化することが可能となり、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機B5において、
前記使用規制手段によって前記付与遊技価値の使用が規制されていない場合に、前記付与遊技価値記憶手段に前記付与遊技価値が記憶されているとともに、前記購入遊技価値記憶手段に前記購入遊技価値が記憶されているとき、前記付与遊技価値記憶手段に記憶される前記付与遊技価値を優先的に使用して遊技を行う優先使用手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、使用規制手段によって付与遊技価値の使用が規制されていない場合に、付与遊技価値記憶手段に付与遊技価値が記憶されているとともに、購入遊技価値記憶手段に購入遊技価値が記憶されているとき、優先使用手段により、付与遊技価値記憶手段に記憶される付与遊技価値が優先的に使用されて遊技が行われる。これにより、付与遊技価値と購入遊技価値がともに存在する場合に、使用規制がされ得る付与遊技価値を優先的に使用することで、遊技態様を多様化することが可能となり、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機B5又はB6において、
前記付与遊技価値が付与された遊技機に関連する景品を、前記付与遊技価値記憶手段に記憶される前記付与遊技価値によって交換可能に構成される
ことを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B5又はB6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、付与遊技価値が付与された遊技機に関連する景品が、付与遊技価値記憶手段に記憶される付与遊技価値によって交換可能に構成される。これにより、遊技者が遊技機に関連する景品と交換を希望する場合、該遊技機による付与遊技価値の獲得を目指して該景品に関連する遊技機での遊技を促進させることができ、遊技機の稼働率を向上することができる、という効果がある。
遊技機B5からB7のいずれかにおいて、
前記付与遊技価値が付与された遊技機に関連する景品を、前記購入遊技価値記憶手段に記憶される前記購入遊技価値では交換不可に構成される
ことを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B5からB7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、付与遊技価値が付与された遊技機に関連する景品が、購入遊技価値記憶手段に記憶される購入遊技価値によっては交換不可に構成される。これにより、遊技者が遊技機に関連する景品と交換を希望する場合、該遊技機による付与遊技価値の獲得を目指して該景品に関連する遊技機での遊技を促進させることができ、遊技機の稼働率を向上することができる、という効果がある。
<C群:暗号化するコマンドと暗号化しないコマンド>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて遊技球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられ、遊技球の流下方向を変更可能な流下方向変更手段が配置された複数の入球口のいずれかへ遊技球が入球することに基づいて所定の遊技価値をそれぞれ付与するとともに、特定の入球口への入賞に基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において当たり等の有利状態に当選した場合に、入球手段に遊技球を入球可能にして、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されている(例えば、特許文献1(特開2017−112444号公報))。
しかしながら、上記遊技機では、不正行為の抑止効果を高める必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
C群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、不正行為の抑止効果を高めることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
所定の遊技媒体(例えば、球)を用いた遊技を行うための遊技機において、
遊技の制御を行う主制御手段(例えば、主制御装置110)と、
前記主制御手段から出力された制御情報(制御コマンドCC)に基づいて各種制御を実行可能な副制御手段(例えば、払出制御装置111又は音声ランプ制御装置113)と、
前記主制御手段から出力される前記制御情報のうち、所定の第1制御情報を所定の第1所定条件(例えば、主制御装置110の製造番号SN)に基づいて加工情報に加工して前記副制御手段へ出力する加工出力手段(例えば、暗号化装置300)と、
前記第1制御情報と異なる第2制御情報を加工せずに前記副制御手段へ出力する非加工出力手段と、
前記加工出力手段によって加工されて出力された前記加工情報を、前記第1所定条件と関連する第2所定条件(例えば、認証カード500の製造番号SN)に基づいて前記第1制御情報に復元する復元手段(例えば、復号化装置400)と、を備え、
前記副制御手段は、
前記加工情報に基づいて前記第1制御情報と同等の各種制御を実行しない
ことを特徴とする遊技機C0。
遊技機C0によれば、所定の遊技媒体を用いて遊技が行われ、主制御手段により、遊技の制御が行われ、副制御手段により、主制御手段から出力された制御情報に基づいて各種制御が実行可能に構成される。ここで、加工出力手段により、主制御手段から出力される制御情報のうち、所定の第1制御情報が所定の第1所定条件に基づいて加工情報に加工されて副制御手段へ出力され、非加工手段により、第1制御情報と異なる第2制御情報が加工されずに副制御手段へ出力される。そして、復元手段により、加工出力手段によって加工されて出力された加工情報が、第1所定条件と関連する第2所定条件に基づいて第1制御情報に復元され、副制御手段が、加工情報に基づいて第1制御情報と同等の各種制御を実行しないように構成される。即ち、第1所定条件と第2所定条件が関連しない場合に、加工情報とされた制御情報を復元することができないため、副制御手段は、第1制御情報と同等の各種制御を実行することができない。これにより、例えば、制御情報の重要度に応じて加工有無を分け、第2制御情報に関する各種制御は制御負担を増やすことなく迅速に行いつつ、第1所定条件と第2所定条件とが関連しない場合に、副制御手段において、加工された第1制御情報に関する各種制御を正常に実行させないようにすることができ、第1制御情報の安全性を高め、不正行為の抑止効果を高めることができる、という効果がある。
遊技機C0において、
前記加工出力手段は、
前記主制御手段から出力される前記制御情報のうち、遊技価値の付与に関連する遊技価値関連情報を前記加工情報に加工して出力する
ことを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、遊技機C0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、加工出力手段により、主制御手段から出力される制御手段のうち、遊技価値の付与に関連する遊技価値関連情報が加工情報に加工されて出力される。これにより、遊技価値に関連する制御情報を加工情報に加工するとともに、第1所定条件と第2所定条件とが関連しない場合に、副制御手段において加工された遊技価値関連情報に関する各種制御を正常に実行させないようにすることができ、遊技価値関連情報の安全性を高め、不正行為の抑止効果を高めることができる、という効果がある。
遊技機C0又はC1において、
前記非加工出力手段は、
前記主制御手段から出力される前記制御情報のうち、遊技価値の付与に関連しない非遊技価値関連情報を加工せずに出力する
ことを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C0又はC1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、非加工出力手段により、主制御手段から出力される制御情報のうち、遊技価値の付与に関連しない非遊技価値関連情報が加工せずに出力される。これにより、遊技価値の付与に関連しない非遊技価値関連情報に関する各種制御は制御負担を増やすことなく迅速に行いつつ、第1所定条件と第2所定条件とが関連しない場合に、副制御手段において、加工された第1制御情報(遊技価値関連情報)に関する各種制御を正常に実行させないようにすることができ、第1制御情報の安全性を高め、不正行為の抑止効果を高めることができる、という効果がある。
遊技機C0からC2のいずれかにおいて、
前記主制御手段に固有に割り当てられた前記第1所定条件としての固有情報(例えば、製造番号SN)を記憶する固有情報記憶手段(例えば、製造番号記憶部202j)と、
前記固有情報記憶手段に記憶される前記固有情報に対応する前記第2所定条件としての対応情報(例えば、製造番号記憶部501a及びマスター鍵記憶部501b)を記憶する対応情報記憶手段(例えば、認証カード500のICチップ501)と、を備え、
前記加工出力手段は、
前記主制御手段から出力される前記第1制御情報を、前記固有情報に基づいて前記加工情報に加工し、
前記復元手段は、
前記加工情報を、前記対応情報に基づいて前記第1制御情報に復元する
ことを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C0からC2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、固有情報記憶手段により、主制御手段に固有に割り当てられた第1所定条件としての固有情報が記憶され、対応情報記憶手段により、固有情報記憶手段に記憶される固有情報に対応する第2所定条件としての対応情報が記憶される。ここで、加工出力手段により、主制御手段から出力される第1制御情報が、固有情報に基づいて加工情報に加工され、復元手段により、加工情報が、対応情報に基づいて第1制御情報に復元される。これにより、即ち、主制御手段に記憶される固有情報と、固有情報判別手段に記憶される対応情報との対応関係が正常でない場合に、加工情報とされた第1制御情報を復元することができないため、副制御手段は、第1制御情報と同等の各種制御を実行することができない。これにより、例えば、主制御手段が不正行為によって改造されてしまった場合に、固有情報が異なることで遊技機における各種制御を正常に実行させないようにすることができ、不正行為の抑止効果を高めることができる、という効果がある。
遊技機C3において、
前記固有情報と前記対応情報との対応関係が正常か否かを判別する対応関係判別手段(例えば、分離および復号化処理(S3002))と、を備え、
前記復元手段は、
前記対応関係判別手段によって前記固有情報と前記対応情報との対応関係が正常であると判別された場合に、前記加工情報を前記第1制御情報に復元する
ことを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、対応関係判別手段により、固有情報と対応情報との対応関係が判別される。そして、対応関係判別手段によって固有情報と対応情報との対応関係が正常であると判別された場合に、復元手段により、加工情報が第1制御情報に復元される。これにより、例えば、主制御手段が不正行為によって改造されてしまった場合に、固有情報が異なることで遊技機における第1制御情報に基づく各種制御を正常に実行させないようにすることができ、不正行為の抑止効果を高めることができる、という効果がある。
遊技機C3又はC4において
前記復元手段は、
前記対応関係判別手段によって前記固有情報と前記対応情報との対応関係が正常でないと判別された場合に、前記加工情報を第1制御情報に復元しない
ことを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C3又はC4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、対応関係判別手段によって固有情報と対応情報との対応関係が正常でないと判別された場合に、復元手段により、加工情報が第1制御情報に復元されない。これにより、例えば、主制御手段が不正行為によって改造されてしまった場合に、固有情報が異なることで遊技機における第1制御情報に基づく各種制御を正常に実行させないようにすることができ、不正行為の抑止効果を高めることができる、という効果がある。
遊技機C3からC5のいずれかにおいて、
前記主制御手段は、
少なくとも前記第1制御情報を前記加工出力手段に対して出力し、
前記加工出力手段は、
前記主制御手段から出力された前記第1制御情報を前記加工情報に加工して、前記副制御手段に出力し、
前記副制御手段は、
前記加工出力手段により出力された前記加工情報を、前記復元手段に対して出力し、
前記復元手段は、
前記副制御手段により出力された前記加工情報を、前記対応情報に基づいて前記第1制御情報に復元して、復元した前記制御情報を前記副制御手段に出力する
ことを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C3からC5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段により、少なくとも第1制御情報が加工出力手段に対して出力され、加工出力手段により、主制御手段から出力された第1制御情報が加工情報に加工されて、副制御手段に出力される。そして、副制御手段により、加工出力手段により出力された加工情報が、復元手段に対して出力され、復元手段により、副制御手段により出力された加工情報が、対応情報に基づいて第1制御情報に復元され、復元された第1制御情報が副制御手段へ出力される。これにより、主制御手段から出力された第1制御情報が、加工手段、副制御手段および復元手段を経て正常な第1制御情報として副制御手段に到達するので、例えば、加工手段、副制御手段又は復元手段のいずれか1が不正行為によって不正交換されてしまった場合に、第1制御情報を正常に加工させず、遊技機における第1制御情報に基づく各種制御を正常に実行させないようにすることができる。その結果、不正行為の抑止効果を高めることができる、という効果がある。
遊技機C3からC6のいずれかにおいて、
前記副制御手段は、
所定の遊技処理を実行する第1副制御手段(例えば、払出制御装置111)と、
前記第1副制御手段と異なる遊技処理を実行する第2副制御手段(例えば、音声ランプ制御装置113)と、を備え、
前記主制御手段は、
前記第1制御情報に出力先の前記副制御手段を示す出力先情報を含め、
前記加工手段は、
前記出力先情報以外の部分を加工する
ことを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C3からC6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、副制御手段としての第1副制御手段により、所定の遊技処理が実行され、同じく副制御手段としての第2副制御手段により、第1副制御手段と異なる遊技処理が実行される。ここで、主制御手段により、第1制御情報に出力先の前記副制御手段を示す出力先情報が含められ、加工手段により、出力先情報以外の部分が加工される。これにより、第1制御情報を加工する場合に、出力先情報以外の部分が加工される一方、出力先情報は加工されないようにすることで、加工情報に含められる出力先情報によって出力すべき副制御手段に正確に加工情報を出力することができる、という効果がある。
遊技機C3から遊技機C7のいずれかにおいて、
前記主制御手段は、
所定の異常状態を検出可能な異常検出手段と、
前記異常検出手段によって前記所定の異常状態が検出された場合に、該異常状態を示す異常情報を出力する異常情報出力手段と、を備え、
前記加工手段は、
前記異常情報出力手段によって出力された前記異常情報を加工せずに前記副制御手段へ出力する
ことを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技機C3からC7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段に設けられた異常検出手段により、所定の異常状態が検出可能に構成され、異常検出手段によって所定の異常状態が検出された場合に、同じく主制御手段に設けられた異常情報出力手段により、その異常状態を示す異常情報が出力される。ここで、加工手段により、異常情報出力手段によって出力された異常情報が加工せずに副制御手段へ出力される。これにより、所定の異常状態が発生した場合に、少なくとも復元手段による処理を経ることなく副制御手段に該異常状態を伝達することができ、副制御手段によって異常状態に関する制御を迅速に行うことができる、という効果がある。
<D群:暗号化する制御装置と暗号化しない制御装置>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて遊技球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられ、遊技球の流下方向を変更可能な流下方向変更手段が配置された複数の入球口のいずれかへ遊技球が入球することに基づいて所定の遊技価値をそれぞれ付与するとともに、特定の入球口への入賞に基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において当たり等の有利状態に当選した場合に、入球手段に遊技球を入球可能にして、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されている(例えば、特許文献1(特開2017−112444号公報))。
しかしながら、上記遊技機では、不正行為の抑止効果を高める必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
D群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、不正行為の抑止効果を高めることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
所定の遊技媒体(例えば、球)を用いた遊技を行うための遊技機において、
遊技の制御を行う主制御手段(例えば、主制御装置110)と、
前記主制御手段から出力された制御情報に基づいて各種制御(制御コマンドCC)を実行可能な少なくとも2以上の副制御手段(例えば、払出制御装置111又は音声ランプ制御装置113)と、
前記主制御手段から出力される前記制御情報のうち、少なくとも1の前記副制御手段に対する第1制御情報を所定の第1所定条件(例えば、主制御装置110の製造番号SN)に基づいて加工情報に加工して出力する加工出力手段(例えば、暗号化装置300)と、
他の前記副制御手段に対する第2制御情報を加工せずに出力する非加工出力手段と、
前記加工出力手段によって加工されて出力された前記加工情報を、前記第1所定条件と関連する第2所定条件(例えば、認証カード500の製造番号SN)に基づいて前記第1制御情報に復元する復元手段(例えば、復号化装置400)と、を備え、
前記副制御手段は、
前記加工情報に基づいて前記第1制御情報と同等の各種制御を実行しない
ことを特徴とする遊技機D0。
遊技機D0によれば、所定の遊技媒体を用いて遊技が行われ、主制御手段により、遊技の制御が行われ、少なくとも2以上の副制御手段により、主制御手段から出力された制御情報に基づいて各種制御が実行可能に構成される。ここで、加工出力手段により、主制御手段から出力される制御情報のうち、少なくとも1の副制御手段に対する第1制御情報が所定の第1所定条件に基づいて加工情報に加工されて出力され、非加工手段により、他の副制御手段に対する第2制御情報が加工されずに出力される。そして、復元手段により、加工出力手段によって加工されて出力された加工情報が、第1所定条件と関連する第2所定条件に基づいて第1制御情報に復元され、副制御手段が、加工情報に基づいて第1制御情報と同等の各種制御を実行しないように構成される。即ち、第1所定条件と第2所定条件が関連しない場合に、1の副制御手段に対して出力されて加工情報とされた第1制御情報を復元することができないため、1の副制御手段は、第1制御情報と同等の各種制御を実行することができない。これにより、例えば、副制御手段の重要度に応じて加工有無を分け、他の副制御手段に対する第2制御情報に関する各種制御は制御負担を増やすことなく迅速に行いつつ、第1所定条件と第2所定条件とが関連しない場合に、1の副制御手段において、該副制御手段に対する第1制御情報に関する各種制御を正常に実行させないようにすることができ、第1制御情報の安全性を高め、不正行為の抑止効果を高めることができる、という効果がある。
遊技機D0において、
前記副制御手段は、
前記主制御手段から出力された前記第1制御情報に基づいて、遊技価値の付与に関連する制御(例えば、球の払い出し)を実行する払出制御手段(例えば、払出制御装置111)、を備え、
前記加工出力手段は、
前記払出制御手段に対する前記第1制御情報を前記加工情報に加工して出力する
ことを特徴とする遊技機D1。
遊技機D1によれば、遊技機D0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、副制御手段としての払出制御手段により、主制御手段から出力された第1制御情報に基づいて、遊技価値の付与に関連する制御が実行される。そして、加工出力手段により、払出制御手段に対する第1制御情報が加工情報に加工されて出力される。これにより、遊技価値に関連する制御を実行する払出制御手段に対する第1制御情報を加工情報に加工するとともに、第1所定条件と第2所定条件とが関連しない場合に、払出制御手段において加工された第1制御情報に関する各種制御を正常に実行させないようにすることができ、遊技価値の付与に関連する第1制御情報の安全性を高め、不正行為の抑止効果を高めることができる、という効果がある。
遊技機D0又はD1において、
前記副制御手段は、
前記主制御手段から出力された前記第2制御情報に基づいて、遊技価値の付与に直接関連しない制御(例えば、変動演出の実行)を実行するサブ制御手段(例えば、音声ランプ制御装置113)、を備え、
前記非加工出力手段は、
前記サブ制御手段に対する前記第2制御情報を加工せずに出力する
ことを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D0又はD1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、副制御手段としてのサブ制御手段により、主制御手段から出力された第2制御情報に基づいて、遊技価値の付与に直接関連しない制御が実行される。そして、非加工出力手段により、サブ制御手段に対する第2制御情報が加工せずに出力される。これにより、遊技価値の付与に直接関連しないサブ制御手段に対する第2制御情報に関する各種制御は制御負担を増やすことなく迅速に行いつつ、第1所定条件と第2所定条件とが関連しない場合に、副制御手段において、加工された第1制御情報に関する各種制御を正常に実行させないようにすることができ、第1制御情報の安全性を高め、不正行為の抑止効果を高めることができる、という効果がある。
遊技機D0からD2のいずれかにおいて、
前記主制御手段に固有に割り当てられた前記第1所定条件としての固有情報(例えば、製造番号SN)を記憶する固有情報記憶手段(例えば、製造番号記憶部202j)と、
前記固有情報記憶手段に記憶される前記固有情報に対応する前記第2所定条件としての対応情報(例えば、製造番号記憶部501a及びマスター鍵記憶部501b)を記憶する対応情報記憶手段(例えば、認証カード500のICチップ501)と、を備え、
前記加工出力手段は、
前記主制御手段から出力される前記第1制御情報を、前記固有情報に基づいて前記加工情報に加工し、
前記復元手段は、
前記加工情報を、前記対応情報に基づいて前記第1制御情報に復元する
ことを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D0からD2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、固有情報記憶手段により、主制御手段に固有に割り当てられた第1所定条件としての固有情報が記憶され、対応情報記憶手段により、固有情報記憶手段に記憶される固有情報に対応する第2所定条件としての対応情報が記憶される。ここで、加工出力手段により、主制御手段から出力される第1制御情報が、固有情報に基づいて加工情報に加工され、復元手段により、加工情報が、対応情報に基づいて第1制御情報に復元される。これにより、即ち、主制御手段に記憶される固有情報と、固有情報判別手段に記憶される対応情報との対応関係が正常でない場合に、加工情報とされた第1制御情報を復元することができないため、副制御手段は、第1制御情報と同等の各種制御を実行することができない。これにより、例えば、主制御手段が不正行為によって改造されてしまった場合に、固有情報が異なることで遊技機における各種制御を正常に実行させないようにすることができ、不正行為の抑止効果を高めることができる、という効果がある。
遊技機D3において、
前記固有情報と前記対応情報との対応関係が正常か否かを判別する対応関係判別手段(例えば、分離および復号化処理(S3002))と、を備え、
前記復元手段は、
前記対応関係判別手段によって前記固有情報と前記対応情報との対応関係が正常であると判別された場合に、前記加工情報を前記第1制御情報に復元する
ことを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、対応関係判別手段により、固有情報と対応情報との対応関係が判別される。そして、対応関係判別手段によって固有情報と対応情報との対応関係が正常であると判別された場合に、復元手段により、加工情報が第1制御情報に復元される。これにより、例えば、主制御手段が不正行為によって改造されてしまった場合に、固有情報が異なることで遊技機における第1制御情報に基づく各種制御を正常に実行させないようにすることができ、不正行為の抑止効果を高めることができる、という効果がある。
遊技機D3又はD4において
前記復元手段は、
前記対応関係判別手段によって前記固有情報と前記対応情報との対応関係が正常でないと判別された場合に、前記加工情報を第1制御情報に復元しない
ことを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D3又はD4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、対応関係判別手段によって固有情報と対応情報との対応関係が正常でないと判別された場合に、復元手段により、加工情報が第1制御情報に復元されない。これにより、例えば、主制御手段が不正行為によって改造されてしまった場合に、固有情報が異なることで遊技機における第1制御情報に基づく各種制御を正常に実行させないようにすることができ、不正行為の抑止効果を高めることができる、という効果がある。
遊技機D3からD5のいずれかにおいて、
前記主制御手段は、
少なくとも前記第1制御情報を前記加工出力手段に対して出力し、
前記加工出力手段は、
前記主制御手段から出力された前記第1制御情報を前記加工情報に加工して、前記副制御手段に出力し、
前記副制御手段は、
前記加工出力手段により出力された前記加工情報を、前記復元手段に対して出力し、
前記復元手段は、
前記副制御手段により出力された前記加工情報を、前記対応情報に基づいて前記第1制御情報に復元して、復元した前記制御情報を前記副制御手段に出力する
ことを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D3からD5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段により、少なくとも第1制御情報が加工出力手段に対して出力され、加工出力手段により、主制御手段から出力された第1制御情報が加工情報に加工されて、副制御手段に出力される。そして、副制御手段により、加工出力手段により出力された加工情報が、復元手段に対して出力され、復元手段により、副制御手段により出力された加工情報が、対応情報に基づいて第1制御情報に復元され、復元された第1制御情報が副制御手段へ出力される。これにより、主制御手段から出力された第1制御情報が、加工手段、副制御手段および復元手段を経て正常な第1制御情報として副制御手段に到達するので、例えば、加工手段、副制御手段又は復元手段のいずれか1が不正行為によって不正交換されてしまった場合に、第1制御情報を正常に加工させず、遊技機における第1制御情報に基づく各種制御を正常に実行させないようにすることができる。その結果、不正行為の抑止効果を高めることができる、という効果がある。
遊技機D3からD6のいずれかにおいて、
前記主制御手段は、
前記第1制御情報に出力先の前記副制御手段を示す出力先情報を含め、
前記加工手段は、
前記出力先情報以外の部分を加工する
ことを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、遊技機D3からD6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段により、第1制御情報に出力先の前記副制御手段を示す出力先情報が含められ、加工手段により、出力先情報以外の部分が加工される。これにより、第1制御情報を加工する場合に、出力先情報以外の部分が加工される一方、出力先情報は加工されないようにすることで、加工情報に含められる出力先情報によって出力すべき副制御手段に正確に加工情報を出力することができる、という効果がある。
遊技機D3から遊技機D7のいずれかにおいて、
前記主制御手段は、
所定の異常状態を検出可能な異常検出手段と、
前記異常検出手段によって前記所定の異常状態が検出された場合に、該異常状態を示す異常情報を出力する異常情報出力手段と、を備え、
前記加工手段は、
前記異常情報出力手段によって出力された前記異常情報を加工せずに前記副制御手段へ出力する
ことを特徴とする遊技機D8。
遊技機D8によれば、遊技機D3からD7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段に設けられた異常検出手段により、所定の異常状態が検出可能に構成され、異常検出手段によって所定の異常状態が検出された場合に、同じく主制御手段に設けられた異常情報出力手段により、その異常状態を示す異常情報が出力される。ここで、加工手段により、異常情報出力手段によって出力された異常情報が加工せずに副制御手段へ出力される。これにより、所定の異常状態が発生した場合に、少なくとも復元手段による処理を経ることなく副制御手段に該異常状態を伝達することができ、副制御手段によって異常状態に関する制御を迅速に行うことができる、という効果がある。
<E群:認証カードの抜き取り防止>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて遊技球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられ、遊技球の流下方向を変更可能な流下方向変更手段が配置された複数の入球口のいずれかへ遊技球が入球することに基づいて所定の遊技価値をそれぞれ付与するとともに、特定の入球口への入賞に基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において当たり等の有利状態に当選した場合に、入球手段に遊技球を入球可能にして、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されている(例えば、特許文献1(特開2017−112444号公報))。
しかしながら、上記遊技機では、不正行為の抑止効果を高める必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
E群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、不正行為の抑止効果を高めることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
所定の遊技媒体(例えば、球)を用いた遊技を行うための遊技機において、
遊技の制御を行う主制御手段(例えば、主制御装置110)と、
前記主制御手段に固有に割り当てられた固有情報(例えば、製造番号SN)を記憶する固有情報記憶手段(例えば、製造番号記憶部202j)と、
前記主制御手段から出力された制御情報(制御コマンドCC)に基づいて各種制御を実行可能な副制御手段(例えば、払出制御装置111又は音声ランプ制御装置113)と、
前記固有情報記憶手段に記憶された前記固有情報を判別する固有情報判別手段(例えば、復号化装置400及び認証カード500)と、
前記固有情報判別手段を判別可能状態とする判別可能手段(例えば、カード挿入孔410)と、
前記固有情報判別手段によって前記固有情報が正常でないと判別された場合に、前記制御情報に基づく各種制御の実行を規制する規制手段(例えば、暗号化された制御コマンドCCを復号化しない)と、
前記判別可能手段で前記判別可能状態とされた前記固有情報判別手段を、判別不可な判別不可状態となることを困難若しくは不可とする判別不可状態困難手段(例えば、カード挿入孔410に挿入された認証カード500を抜き取り不能にする構成)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機E0。
遊技機E0によれば、所定の遊技媒体を用いて遊技が行われ、主制御手段により、遊技の制御が行われ、その主制御手段に固有に割り当てられた固有情報が、固有情報記憶手段に記憶される。また、副制御手段により、主制御手段から出力された制御情報に基づいて各種制御が実行可能に構成される。ここで、固有情報判別手段により、固有情報記憶手段に記憶された固有情報が判別され、判別可能手段により、固有情報判別手段が判別可能状態とされる。また、固有情報判別手段によって固有情報が正常でないと判別された場合に、規制手段により、制御情報に基づく各種制御の実行が規制される。そして、判別不可情報困難手段により、判別可能手段で判別可能状態とされた固有情報判別手段が、判別不可な判別不可状態となることを困難若しくは不可とされる。これにより、例えば、主制御手段が不正行為によって改造されてしまった場合に、固有情報が異なることで遊技機における各種制御が規制されるようにすることができつつ、固有情報判別手段が判別不可状態となることを防止して、該固有情報判別手段に対する不正行為も抑制することができる。よって、不正行為の抑止効果を高めることができる、という効果がある。
なお、「各種制御の実行を規制する」とは、例えば、制御情報を正常に受信させないことで各種制御を実行させない場合や、制御情報を破棄することで各種制御を実行させない場合、或いは、遊技を停止又は中止することで各種制御を実行させない場合等が例示される。
遊技機E0において、
前記判別不可状態困難手段は、
前記判別可能手段において前記判別可能状態とされた前記固有情報判別手段を、前記判別可能手段から分離困難若しくは分離不可にする分離困難手段(例えば、認証カード500の抜き取りロック機能)、を備えている
ことを特徴とする遊技機E1。
遊技機E1によれば、遊技機E0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別不可状態困難手段に設けられた分離困難手段により、判別可能手段において判別可能状態とされた固有情報判別手段が、該判別可能手段から分離困難若しくは分離不可とされる。これにより、固有情報判別手段が判別不可状態となることを防止して、該固有情報判別手段に対する不正行為も抑制することができる。よって、不正行為の抑止効果を高めることができる、という効果がある。
遊技機E0又はE1において、
前記判別不可状態困難手段は、
前記判別可能手段において前記判別可能状態とされた前記固有情報判別手段を前記判別不可状態にしようとした場合に、該遊技機の一部を破損させて痕跡を残存させる破損痕跡手段(例えば、認証カード500をカード挿入孔410から無理やり取り出そうとした場合に、カード挿入孔410又は復号化装置400の一部を破壊)、を備えている
ことを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E0又はE1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別可能手段において判別可能状態とされた固有情報判別手段を判別不可状態にしようとした場合に、判別不可状態困難手段に設けられた破損痕跡手段により、遊技機の一部が破損されて痕跡が残存される。これにより、仮に固有情報判別手段を無理やり判別不可状態とした場合に、遊技機の一部が破損されてその痕跡が残存されるので、固有情報判別手段を一旦、判別可能状態とした後、判別不可状態にしたか否かを認識することができる。その結果、固有情報判別手段が判別不可状態とされることの抑止効果を高め、不正行為の抑止効果を高めることができる、という効果がある。
遊技機E0からE2のいずれかにおいて、
前記固有情報判別手段は、
前記固有情報記憶手段に記憶される前記固有情報に対応する対応情報(例えば、製造番号記憶部501a及びマスター鍵記憶部501b)を記憶する対応情報記憶手段(例えば、認証カード500のICチップ501)と、
前記固有情報と前記対応情報との対応関係が正常か否かを判別する対応関係判別手段(例えば、分離および復号化処理(S3002))と、を備え、
前記副制御手段は、
前記対応関係判別手段によって前記固有情報と前記対応情報との対応関係が正常であると判別された場合に、前記制御情報に基づく各種制御を実行する
ことを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E0からE2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、固有情報判別手段に設けられた対応情報記憶手段により、固有情報記憶手段に記憶される固有情報に対応する対応情報が記憶され、同じく固有情報判別手段に設けられた対応関係判別手段により、固有情報と対応情報との対応関係が正常か否か判別される。そして、対応関係判別手段によって固有情報と対応情報との対応関係が正常であると判別された場合に、副制御手段により、制御情報に基づく各種制御が実行される。これにより、主制御手段に記憶される固有情報と、固有情報判別手段に記憶される対応情報との対応関係が正常である場合に、規制手段によって制御情報の実行が規制されることなく、各種制御を実行することができる。よって、正規な主制御手段及び固有情報判別手段であれば、正常に遊技を行うことができる一方、例えば、主制御手段が不正行為によって改造されてしまった場合に、固有情報が異なることで遊技機における各種制御が規制されるようにすることができ、不正行為の抑止効果を高めることができる、という効果がある。
遊技機E3において、
前記副制御手段は、
前記対応関係判別手段によって前記固有情報と前記対応情報との対応関係が正常でないと判別された場合に、前記規制手段によって前記制御情報に基づく各種制御を実行させない
ことを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、対応関係判別手段によって固有情報と対応情報との対応関係が正常でないと判別された場合に、副制御手段において、規制手段によって制御情報に基づく各種制御が実行されない。これにより、主制御手段に記憶される固有情報と、固有情報判別手段に記憶される対応情報との対応関係が正常でない場合に、規制手段によって制御情報の実行が規制され、各種制御を実行することができない。よって、例えば、主制御手段が不正行為によって改造されてしまった場合に、固有情報が異なることで遊技機における各種制御が規制されるようにすることができ、不正行為の抑止効果を高めることができる、という効果がある。
遊技機E3又はE4において、
前記主制御手段から出力される前記制御情報を、前記固有情報を基づいて加工情報に加工する加工手段(例えば、暗号化装置300)と、
前記加工手段によって加工された前記加工情報を、前記対応情報に基づいて前記制御情報に復元する復元手段(例えば、分離および復号化処理(S3002)のS3106〜S3110)と、を備え、
前記副制御手段は、
前記加工情報に基づいて前記制御情報と同等の各種制御を実行しない
ことを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E3又はE4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、加工手段により、主制御手段から出力される制御情報が、固有情報に基づいて加工情報に加工され、復元手段により、加工手段によって加工された加工情報が、対応情報に基づいて制御情報に復元される。そして、副制御手段が、加工情報に基づいて制御情報と同等の各種制御を実行しないように構成される。即ち、主制御手段に記憶される固有情報と、固有情報判別手段に記憶される対応情報との対応関係が正常でない場合に、加工情報とされた制御情報を復元することができないため、副制御手段は、制御情報と同等の各種制御を実行することができない。これにより、例えば、主制御手段が不正行為によって改造されてしまった場合に、固有情報が異なることで遊技機における各種制御を正常に実行させないようにすることができ、不正行為の抑止効果を高めることができる、という効果がある。
遊技機E0からE5のいずれかにおいて、
前記固有情報記憶手段に記憶される前記固有情報を書き換え不能に構成する
ことを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E0からE5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、固有情報記憶手段に記憶される固有情報が書き換え不能に構成されている。これにより、不正行為によって固有情報が書き換えられることによる規制手段による規制が突破されることを未然に防止することができ、不正行為の抑止効果を高めることができる、という効果がある。
遊技機E3からE6のいずれかにおいて、
前記固有情報判別手段は、
前記対応情報記憶手段に記憶される前記対応情報の有効性を設定可能な有効設定手段(例えば、認証カード500の有効期限情報記憶部501c)、を備えている
ことを特徴とする遊技機E7。
遊技機E7によれば、遊技機E3からE6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、固有情報判別手段に設けられた有効設定手段により、対応情報記憶手段に記憶される態様情報の有効性が設定可能に構成される。これにより、例えば、対応情報の有効性を時限的にすることで、固有情報と対応情報との対応関係が正常か否かの管理効果を高めることができ、不正行為の抑止効果を高めることができる、という効果がある。
遊技機E5からE7のいずれかにおいて、
前記加工手段は、
前記主制御手段から出力された前記制御情報を前記加工情報に加工して、前記副制御手段に出力し、
前記副制御手段は、
前記加工手段により出力された前記加工情報を、前記復元手段に対して該加工情報を出力し、
前記復元手段は、
前記副制御手段により出力された前記加工情報を、前記対応情報に基づいて前記制御情報に復元して、復元した前記制御情報を前記副制御手段に出力する
ことを特徴とする遊技機E8。
遊技機E8によれば、遊技機E5からE7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、加工手段により、主制御手段から出力された制御情報が加工情報に加工されて、副制御手段に出力される。また、副制御手段により、加工手段により出力された加工情報が、復元手段に対して出力される。そして、復元手段により、副制御手段により出力された加工情報が、対応情報に基づいて制御情報に復元され、復元された制御情報が副制御手段へ出力される。これにより、主制御手段から出力された制御情報が、加工手段、副制御手段および復元手段を経て正常な制御情報として副制御手段に到達するので、例えば、加工手段、副制御手段又は復元手段のいずれか1が不正行為によって不正交換されてしまった場合に、制御情報を正常に加工させず、遊技機における各種制御を正常に実行させないようにすることができる。その結果、不正行為の抑止効果を高めることができる、という効果がある。
<F群:ホールコン×遊技機>
従来より、遊技場(例えば、遊技ホール)に設置されて、遊技媒体(例えば、球)を使用することで遊技を行う遊技機(例えば、パチンコ機)と、該遊技機において遊技者が行った遊技結果を個別に蓄積して管理する管理装置(例えば、ホールコンピュータ)と、を備える遊技システムがある(例えば、特許文献1(特開2013−138711号公報))。
しかしながら、上記遊技システムでは、不正行為の抑止効果を高める必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
F群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、不正行為の抑止効果を高めることが可能な遊技システムを提供することを目的とする。
遊技場に設置され、所定の遊技媒体(又は遊技媒体情報。例えば、球又はメダル数情報。)を使用することにより遊技を実行可能な遊技機(例えば、パチンコ機10)と、
予め登録されることで遊技者を個々に識別するための会員情報を記憶する会員情報記憶手段(例えば、会員ID情報603a1)と、前記遊技機で行われた遊技に基づいて付与された遊技価値(又は遊技者が所定の方式で購入した遊技価値)等の遊技価値情報を、前記会員情報記憶手段に記憶された前記会員情報に対応付けて記憶する個別遊技価値記憶手段(例えば、保持遊技ポイント603a3及び/又は保持付与ポイント603a4、又は、実行遊技ポイント603b2及び/又は実行付与ポイント603b3)と、を有する管理装置(例えば、ホールコンピュータ600)と、を備えた遊技システムにおいて、
前記管理装置は、
前記会員情報記憶手段に記憶される前記会員情報に対応する前記個別遊技価値記憶手段に前記遊技価値情報が記憶されている場合に、該遊技価値情報に基づいて前記遊技機において遊技可能とする遊技許可手段(例えば、実行遊技ポイント603b2及び/又は実行付与ポイント603b3に基づいて球の発射が可能)、を備えている
ことを特徴とする遊技システムF0。
遊技システムF0によれば、遊技場に設置された遊技機が、所定の遊技媒体を使用することにより遊技が実行可能に構成される。また、管理装置において、会員情報記憶手段により、予め登録されることで遊技者を個々に識別するための会員情報が記憶され、個別遊技価値記憶手段により、遊技機で行われた遊技に基づいて付与された遊技価値等の遊技価値情報が、会員情報記憶手段に記憶された会員情報に対応付けて記憶される。ここで、管理装置に設けられた遊技許可手段により、会員情報記憶手段に記憶される会員情報に対応する個別遊技価値記憶手段に遊技価値情報が記憶されている場合に、その遊技価値情報に基づいて遊技機において遊技可能に構成される。これにより、管理装置において遊技者保有の遊技価値情報を集中的に管理し、該遊技価値情報に基づいて遊技機における遊技が可能か否かを選別することができるので、不正行為の抑止効果を高めることができる、という効果がある。
遊技システムF0において、
前記遊技許可手段は、
前記個別遊技価値記憶手段に前記遊技価値情報が記憶されている場合に、前記遊技機に対して遊技を実行させる遊技実行情報(例えば、遊技実行指示)を出力可能な実行情報出力手段、を備え、
前記遊技機は、
前記実行情報出力手段から前記遊技実行情報が出力された場合に、前記遊技媒体を使用して遊技を実行する遊技実行手段(例えば、球の発射)と、
前記遊技実行手段によって遊技が実行されたことを示す実行結果情報を、前記管理装置に対して出力する実行結果出力手段(例えば、実行結果情報の出力)と、を備え、
前記管理装置は、
前記実行結果出力手段から前記実行結果情報が出力された場合に、前記個別遊技価値記憶手段に記憶される前記遊技価値情報を減少(例えば、1減算)する遊技価値情報減少手段、を備えている
ことを特徴とする遊技システムF1。
遊技システムF1によれば、遊技システムF0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、個別遊技価値記憶手段に遊技価値情報が記憶されている場合に、遊技許可手段に設けられた実行情報出力手段により、遊技機に対して遊技を実行させる遊技実行情報を出力可能に構成されている。そして、遊技機において、遊技実行手段により、実行情報出力手段から遊技実行情報が出力された場合に、遊技媒体を使用して遊技が実行され、実行結果出力手段により、遊技実行手段によって遊技が実行されたことを示す実行結果情報が、管理装置に対して出力される。ここで、管理装置に設けられた遊技価値情報減少手段により、実行結果出力手段から実行結果情報が出力された場合に、個別遊技価値記憶手段に記憶される遊技価値情報が更新される。これにより、管理装置で記憶する遊技価値情報に基づいて遊技機における遊技を可能にしつつ、遊技機において遊技が実行された場合に遊技価値情報を減少することで、管理装置において遊技者保有の遊技価値情報を集中的に管理することができるので、不正行為の抑止効果を高めることができる、という効果がある。
遊技システムF1において、
前記遊技機は、
前記遊技実行情報に基づいて前記遊技媒体を使用して遊技を実行した結果、所定の付与遊技価値が付与された場合に、該付与遊技価値を示す付与遊技価値情報(例えば、遊技価値データ)を、前記管理装置に対して出力する付与遊技価値出力手段、を備え、
前記管理装置は、
前記付与遊技価値出力手段から前記付与遊技価値情報が出力された場合に、前記個別遊技価値記憶手段に記憶される前記遊技価値情報を増加させる遊技価値増加手段、を備えている
ことを特徴とする遊技システムF2。
遊技システムF2によれば、遊技システムF1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技機に設けられた付与遊技価値出力手段により、遊技実行情報に基づいて遊技媒体を使用して遊技を実行した結果、所定の付与遊技価値が付与された場合に、その付与遊技価値を示す付与遊技価値情報が、管理装置に対して出力される。そして、管理装置に設けられた遊技価値増加手段により、付与遊技価値出力手段から付与遊技価値情報が出力された場合に、個別遊技価値記憶手段に記憶される遊技価値情報が増加される。これにより、管理装置で記憶する遊技価値情報に基づいて遊技機における遊技を可能にしつつ、遊技機において遊技が実行された結果、付与遊技価値が付与された場合に遊技価値情報を増加することで、管理装置において遊技者保有の遊技価値情報を集中的に管理することができるので、不正行為の抑止効果を高めることができる、という効果がある。
遊技システムF2において、
前記個別遊技価値記憶手段は、
前記遊技価値増加手段によって増加された前記遊技価値情報を付与遊技価値として記憶する付与遊技価値記憶手段(例えば、保持付与ポイント603a4)と、
遊技者が所定の方式(例えば、現金投入)によって購入した前記遊技価値情報を購入遊技価値(例えば、遊技ポイント)として記憶する購入遊技価値記憶手段(例えば、保持遊技ポイント603a3)と、を備えている
ことを特徴とする遊技システムF3。
遊技システムF3によれば、遊技システムF2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、個別遊技価値記憶手段に設けられた付与遊技価値記憶手段により、遊技価値増加手段によって増加された遊技価値情報が付与遊技価値として記憶され、同じく個別遊技価値記憶手段に設けられた購入遊技価値記憶手段により、遊技者が所定の方式によって購入した遊技価値情報が購入遊技価値として記憶される。これにより、遊技者が遊技によって獲得した付与遊技価値と遊技者が購入した購入遊技価値とを分けて管理することができ、遊技者が保有する遊技価値の使用形態を多様化することが可能となり、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技システムF3において、
前記付与遊技価値記憶手段に前記付与遊技価値が記憶されているとともに、前記購入遊技価値記憶手段に前記購入遊技価値が記憶されているとき、前記付与遊技価値記憶手段に記憶される前記付与遊技価値を優先的に使用する優先使用手段、を備えている
ことを特徴とする遊技システムF4。
遊技システムF4によれば、遊技システムF3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、付与遊技価値記憶手段に付与遊技価値が記憶されているとともに、購入遊技価値記憶手段に購入遊技価値が記憶されているとき、優先使用手段により、付与遊技価値記憶手段に記憶される付与遊技価値が優先的に使用される。これにより、付与遊技価値と購入遊技価値がともに存在する場合に、使用規制がされ得る付与遊技価値を優先的に使用することで、遊技態様を多様化することが可能となり、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技システムF3又はF4において、
前記管理装置は、
前記会員情報記憶手段に記憶される前記会員情報に登録された遊技者が遊技を行った遊技機等の遊技履歴情報を記憶する遊技履歴記憶手段(例えば、遊技履歴情報603a2)と、
前記遊技履歴記憶手段に記憶される前記遊技履歴情報に基づいて、前記付与遊技価値記憶手段に記憶される前記付与遊技価値情報の使用を規制する使用規制手段(例えば、機種限定付与ポイントの他機種での使用を制限)と、を備えている
ことを特徴とする遊技システムF5。
遊技システムF5によれば、遊技システムF3又はF4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、管理装置に設けられた遊技履歴記憶手段により、会員情報記憶手段に記憶される会員情報に登録された遊技者が遊技を行った遊技機等の遊技履歴情報が記憶され、使用規制手段により、遊技履歴記憶手段に記憶される遊技履歴情報に基づいて、付与遊技価値記憶手段に記憶される付与遊技価値情報の使用が規制される。これにより、遊技者が保有する付与遊技価値情報と購入遊技価値情報との使用態様を異ならせることで、遊技者が保有する遊技価値の使用形態を多様化することが可能となり、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
<G群:ネット×ホールコン×遊技機>
従来より、遊技場(例えば、遊技ホール)に設置されて、遊技媒体(例えば、球)を使用することで遊技を行う遊技機(例えば、パチンコ機)と、該遊技機において遊技者が行った遊技結果を個別に蓄積して管理する管理装置(例えば、ホールコンピュータ)と、を備える遊技システムがある(例えば、特許文献1(特開2013−138711号公報))。
しかしながら、上記遊技システムでは、遊技者の利便性を高める必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
G群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技者の利便性を高めることが可能な遊技システムを提供することを目的とする。
遊技場に設置され、所定の遊技媒体(又は遊技媒体情報。例えば、球又はメダル数情報。)を使用することにより遊技を実行可能な遊技機(例えば、パチンコ機10)と、
予め登録されることで遊技者を個々に識別するための会員情報を記憶する会員情報記憶手段(例えば、会員ID情報603a1)と、前記遊技機で行われた遊技に基づいて付与された遊技価値(又は遊技者が所定の方式で購入した遊技価値)等の遊技価値情報を、前記会員情報記憶手段に記憶された前記会員情報に対応付けて記憶する個別遊技価値記憶手段(例えば、保持遊技ポイント603a3及び/又は保持付与ポイント603a4、又は、実行遊技ポイント603b2及び/又は実行付与ポイント603b3)と、を有する管理装置(例えば、ホールコンピュータ600)と、
前記遊技機の映像を撮影する撮影手段(例えば、ビデオカメラ701)と、
前記遊技場外から所定の伝送経路(例えば、インターネット回線)を経て前記管理装置と通信可能に構成された端末手段(例えば、端末装置PC)と、を備えた遊技システムにおいて、
前記管理装置は、
前記撮影手段によって撮影された前記遊技機の遊技機映像を前記端末手段に出力可能な映像出力手段、を備え、
前記端末手段は、
前記映像出力手段によって出力された前記遊技機映像を表示可能な表示手段(例えば、モニタ900)と、
前記管理装置に対して前記遊技機において遊技を実行させる外部実行情報を出力する外部実行情報出力手段(例えば、「発射ボタン画像」)、を備え、
前記管理装置は、
前記外部実行情報出力手段から前記外部実行情報が出力された場合に、前記会員情報記憶手段に記憶される前記会員情報に対応する前記個別遊技価値記憶手段に記憶される前記遊技価値情報に基づいて、前記遊技機に対して遊技を実行させる遊技実行情報(例えば、遊技実行指示)を出力可能な実行情報出力手段、を備え、
前記遊技機は、
前記実行情報出力手段から前記遊技実行情報が出力された場合に、前記遊技媒体を使用して遊技を実行する遊技実行手段(例えば、球の発射)と、
前記遊技実行手段によって遊技が実行されたことを示す実行結果情報を、前記管理装置に対して出力する実行結果出力手段(例えば、実行結果情報の出力)と、を備え、
前記管理装置は、
前記実行結果出力手段から前記実行結果情報が出力された場合に、前記個別遊技価値記憶手段に記憶される前記遊技価値情報を減少(例えば、1減算)する遊技価値情報減少手段、を備えている
ことを特徴とする遊技システムG0。
遊技システムG0によれば、遊技場に設置された遊技機が、所定の遊技媒体を使用することにより遊技が実行可能に構成される。また、管理装置において、会員情報記憶手段により、予め登録されることで遊技者を個々に識別するための会員情報が記憶され、個別遊技価値記憶手段により、遊技機で行われた遊技に基づいて付与された遊技価値等の遊技価値情報が、会員情報記憶手段に記憶された会員情報に対応付けて記憶される。さらに、撮影手段により、遊技機の映像が撮影され、端末手段が、遊技場外から所定の伝送経路を経て管理装置と通信可能に構成される。ここで、管理装置に設けられた映像出力手段により、撮影手段によって撮影された遊技機の遊技機映像が端末手段に出力可能に構成される。また、端末手段に設けられた表示手段により、映像出力手段によって出力された遊技機画像が表示可能に構成され、同じく端末手段に設けられた外部実行情報出力手段により、管理装置に対して遊技機において遊技を実行させる外部実行情報が出力される。そして、外部実行情報出力手段から外部実行情報が出力された場合に、管理装置に設けられた実行情報出力手段により、会員情報記憶手段に記憶される会員情報に対応する個別遊技価値記憶手段に記憶される遊技価値情報に基づいて、遊技機に対して遊技を実行させる遊技実行情報が出力可能に構成される。ここで、実行情報出力手段から遊技実行情報が出力された場合に、遊技機に設けられた遊技実行手段により、遊技媒体を使用して遊技が実行され、実行結果出力手段により、遊技実行手段によって遊技が実行されたことを示す実行結果情報が、管理装置に対して出力される。そして、実行結果出力手段から実行結果情報が出力された場合に、管理装置に設けられた遊技価値情報減少手段により、個別遊技価値記憶手段に記憶される遊技価値情報が減少される。これにより、遊技機外から端末手段によって遊技機における遊技を実行することが可能となり、遊技の実行場所を多様化することで、遊技者の利便性を高めることができる、という効果がある。
遊技システムG0において、
前記遊技機は、
予め定められた範囲内の強度で前記遊技媒体を使用可能な範囲内使用手段(例えば、複数段階の発射強度で球を発射)、を備え、
前記外部実行情報出力手段は、
前記範囲内使用手段で使用される範囲内のいずれかの強度を指定して、前記外部実行情報を、前記管理装置を介して前記遊技機に対して出力する範囲内出力手段、を備え、
前記遊技実行手段は、
前記外部実行情報で指定された強度に応じて前記遊技媒体を使用する強度対応使用手段、を備えている
ことを特徴とする遊技システムG1。
遊技システムG1によれば、遊技システムG0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技機に設けられた範囲内使用手段により、予め定められた範囲内の強度で遊技媒体が使用可能に構成される。また、外部実行情報出力手段に設けられた範囲内出力手段により、範囲内使用手段で使用される範囲内のいずれかの強度を指定して、外部実行情報が、管理装置を介して遊技機に対して出力される。そして、遊技実行手段に設けられた強度対応使用手段により、外部実行情報で指定された強度に応じて遊技媒体が使用される。これにより、遊技場外の端末装置から遊技者の意思に応じて遊技媒体の使用強度を指定することが可能となり、遊技の実行場所および遊技態様を多様化することができ、遊技者の利便性を高めることができる、という効果がある。
遊技システムG1において、
前記遊技機は、
複数の遊技装置(例えば、第1始動口64aや可変入賞装置65等)が配設されて遊技媒体が流下可能な遊技領域、を備え、
前記遊技実行手段は、
最も弱い強度の前記外部実行情報が出力された場合に、少なくとも前記遊技領域に到達するように前記遊技媒体を使用する
ことを特徴とする遊技システムG2。
遊技システムG2によれば、遊技システムG1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技機に、複数の遊技装置が配設されて遊技媒体が流下可能な遊技領域が設けられる。そして、最も弱い強度の外部実行情報が出力された場合に、遊技実行手段により、少なくとも遊技領域に到達するように遊技媒体が使用される。これにより、遊技場外から端末装置によって遊技機において遊技が行われる場合、いずれの強度が指定された場合でも遊技媒体が必ず遊技領域に到達するため、所謂ファール球が発生した場合における処理が不要となり、遊技機および管理装置の制御負担を軽減することができる、という効果がある。
遊技システムG2において、
前記範囲内出力手段は、
前記遊技領域に設けられたすべての前記遊技装置に対して前記遊技媒体を流下可能に構成される
ことを特徴とする遊技システムG3。
遊技システムG3によれば、遊技システムG2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、範囲内出力手段により、遊技領域に設けられたすべての遊技装置に対して遊技媒体が流下可能に構成される。これにより、すべての遊技装置に対して遊技媒体を到達させることが可能となり、遊技機外の端末手段からでも遊技場における遊技と同等の遊技を実行することができる。その結果、遊技の実行場所を多様化することで、遊技者の利便性を高めることができる、という効果がある。
遊技システムG2又はG3において、
前記範囲内出力手段は、
前記遊技領域に設けられた前記遊技装置の数以上の段階の強度で前記外部実行情報を出力可能に構成される
ことを特徴とする遊技システムG4。
遊技システムG4によれば、遊技システムG2又はG3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、範囲内出力手段により、遊技領域に設けられた遊技装置の数以上の段階の強度で外部実行情報が出力可能に構成される。これにより、遊技装置の数以上の段階の強度で遊技領域に向けて遊技媒体を使用することが可能となり、遊技の実行態様を多様化することで、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技システムG0からG4のいずれかにおいて、
前記遊技機は、
前記遊技実行情報に基づいて前記遊技媒体を使用して遊技を実行した結果、所定の付与遊技価値が付与された場合に、該付与遊技価値を示す付与遊技価値情報(例えば、遊技価値データ)を、前記管理装置に対して出力する付与遊技価値出力手段、を備え、
前記管理装置は、
前記付与遊技価値出力手段から前記付与遊技価値情報が出力された場合に、前記個別遊技価値記憶手段に記憶される前記遊技価値情報を増加させる遊技価値増加手段、を備えている
ことを特徴とする遊技システムG5。
遊技システムG5によれば、遊技システムG0からG4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技機に設けられた付与遊技価値出力手段により、遊技実行情報に基づいて遊技媒体を使用して遊技を実行した結果、所定の付与遊技価値が付与された場合に、その付与遊技価値を示す付与遊技価値情報が、管理装置に対して出力される。そして、管理装置に設けられた遊技価値増加手段により、付与遊技価値出力手段から付与遊技価値情報が出力された場合に、個別遊技価値記憶手段に記憶される遊技価値情報が増加される。これにより、管理装置で記憶する遊技価値情報に基づいて遊技機における遊技を可能にしつつ、遊技機において遊技が実行された結果、付与遊技価値が付与された場合に遊技価値情報を増加することで、管理装置において遊技者保有の遊技価値情報を集中的に管理することができるので、不正行為の抑止効果を高めることができる、という効果がある。
遊技システムG0からG5のいずれかにおいて、
前記管理装置は、
前記個別遊技価値記憶手段に記憶される前記遊技価値情報を、前記端末手段に対して出力する遊技価値情報出力手段、を備え、
前記端末手段は、
前記遊技価値情報出力手段によって前記遊技価値情報が出力された場合に、前記表示手段に前記遊技価値情報を表示する
ことを特徴とする遊技システムG6。
遊技システムG6によれば、遊技システムG0からG5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、管理装置に設けられた遊技価値情報出力手段により、個別遊技価値記憶手段に記憶される遊技価値情報が、端末手段に対して出力される。そして、端末手段において、遊技価値出力手段によって遊技価値情報が出力された場合に、表示手段に遊技価値情報が表示される。これにより、端末手段において、遊技者自身が保有する遊技価値情報を確認しながら、遊技機外から遊技機における遊技を実行することが可能となり、遊技の実行場所を多様化することで、遊技者の利便性を高めることができる、という効果がある。
<H群:ホール又はネットでアクセスされている遊技機は他方からのアクセスを禁止>
従来より、遊技場(例えば、遊技ホール)に設置されて、遊技媒体(例えば、球)を使用することで遊技を行う遊技機(例えば、パチンコ機)と、該遊技機において遊技者が行った遊技結果を個別に蓄積して管理する管理装置(例えば、ホールコンピュータ)と、を備える遊技システムがある(例えば、特許文献1(特開2013−138711号公報))。
しかしながら、上記遊技システムでは、遊技者の利便性を高める必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
H群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技者の利便性を高めることが可能な遊技システムを提供することを目的とする。
遊技場に設置され、遊技者によって所定の遊技媒体(又は遊技媒体情報。例えば、球又はメダル数情報。)を使用することにより遊技を実行可能な遊技機(例えば、パチンコ機10)と、
予め登録されることで遊技者を個々に識別するための会員情報を記憶する会員情報記憶手段(例えば、会員ID情報603a1)と、前記遊技機で行われた遊技に基づいて付与された遊技価値(又は遊技者が所定の方式で購入した遊技価値)等の遊技価値情報を、前記会員情報記憶手段に記憶された前記会員情報に対応付けて記憶する個別遊技価値記憶手段(例えば、保持遊技ポイント603a3及び/又は保持付与ポイント603a4、又は、実行遊技ポイント603b2及び/又は実行付与ポイント603b3)と、を有する管理装置(例えば、ホールコンピュータ600)と、
前記遊技機の映像を撮影する撮影手段(例えば、ビデオカメラ701)と、
前記遊技場外から所定の伝送経路(例えば、インターネット回線)を経て前記管理装置と通信可能に構成された端末手段(例えば、端末装置PC)と、を備えた遊技システムにおいて、
前記管理装置は、
前記撮影手段によって撮影された前記遊技機の遊技機映像を前記端末手段に出力可能な映像出力手段、を備え、
前記端末手段は、
前記映像出力手段によって出力された前記遊技機映像を表示可能な表示手段(例えば、モニタ900)と、
前記管理装置に対して前記遊技機において遊技を実行させる外部実行情報を出力する外部実行情報出力手段(例えば、「発射ボタン画像」)、を備え、
前記管理装置は、
前記外部実行情報出力手段から前記外部実行情報が出力された場合に、前記会員情報記憶手段に記憶される前記会員情報に対応する前記個別遊技価値記憶手段に記憶される前記遊技価値情報に基づいて、前記遊技機に対して遊技を実行させる遊技実行情報(例えば、遊技実行指示)を出力可能な実行情報出力手段、を備え、
前記遊技機は、
前記実行情報出力手段から前記遊技実行情報が出力された場合に、前記遊技媒体を使用して遊技を実行する遊技実行手段(例えば、球の発射)、を備え、
前記遊技場において遊技者により前記遊技機で遊技が実行されている場合、該遊技機に対する前記端末手段による遊技の実行を規制する端末側実行規制手段、を備えている
ことを特徴とする遊技システムH0。
遊技システムH0によれば、遊技場に設置された遊技機が、遊技者によって所定の遊技媒体を使用することにより遊技が実行可能に構成される。また、管理装置において、会員情報記憶手段により、予め登録されることで遊技者を個々に識別するための会員情報が記憶され、個別遊技価値記憶手段により、遊技機で行われた遊技に基づいて付与された遊技価値等の遊技価値情報が、会員情報記憶手段に記憶された会員情報に対応付けて記憶される。さらに、撮影手段により、遊技機の映像が撮影され、端末手段が、遊技場外から所定の伝送経路を経て管理装置と通信可能に構成される。ここで、管理装置に設けられた映像出力手段により、撮影手段によって撮影された遊技機の遊技機映像が端末手段に出力可能に構成される。また、端末手段に設けられた表示手段により、映像出力手段によって出力された遊技機画像が表示可能に構成され、同じく端末手段に設けられた外部実行情報出力手段により、管理装置に対して遊技機において遊技を実行させる外部実行情報が出力される。そして、外部実行情報出力手段から外部実行情報が出力された場合に、管理装置に設けられた実行情報出力手段により、会員情報記憶手段に記憶される会員情報に対応する個別遊技価値記憶手段に記憶される遊技価値情報に基づいて、遊技機に対して遊技を実行させる遊技実行情報が出力可能に構成される。ここで、実行情報出力手段から遊技実行情報が出力された場合に、遊技機に設けられた遊技実行手段により、遊技媒体を使用して遊技が実行される。そして、遊技場において遊技者により遊技機で遊技が実行されている場合、端末側実行規制手段により、該遊技機に対する端末手段による遊技の実行が規制される。これにより、遊技場と端末手段とでそれぞれ遊技を行うことが可能な遊技機において、遊技場で遊技者が遊技を行っている場合は、端末手段によって遊技を実行することを規制することができ、1の遊技機において遊技場と端末手段とでともに遊技が行われる状況を未然に防止しつつ、遊技の実行場所を多様化することで、遊技者の利便性を高めることができる、という効果がある。
遊技システムH0において、
前記端末側実行規制手段は、
前記遊技場において遊技者により前記遊技機で遊技が実行されている場合に、該遊技機において遊技ができない旨を示す端末側遊技実行不可表示(例えば、「プレイ中表示」)を前記表示手段に表示する
ことを特徴とする遊技システムH1。
遊技システムH1によれば、遊技システムH0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技場において遊技者により遊技機で遊技が実行されている場合に、端末側実行規制手段により、該遊技機において遊技ができない旨を示す端末側遊技実行不可表示が表示手段に表示される。これにより、遊技場で遊技者が遊技を行っている場合は、端末手段の表示手段において該遊技機において遊技が実行できない旨を認識することができ、1の遊技機において遊技場と端末手段とでともに遊技が行われる状況を未然に防止しつつ、遊技の実行場所を多様化することで、遊技者の利便性を高めることができる、という効果がある。
遊技システムH0又はH1において、
前記端末手段において遊技者により前記遊技機で遊技が実行されている場合、該遊技機に対する前記遊技場における遊技の実行を規制する遊技場側実行規制手段、を備えている
ことを特徴とする遊技システムH2。
遊技システムH2によれば、遊技システムH0又はH1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、端末手段において遊技者により遊技機で遊技が実行されている場合、遊技場側実行規制手段により、該遊技機に対する遊技場における遊技の実行が規制される。これにより、遊技場と端末手段とでそれぞれ遊技を行うことが可能な遊技機において、端末手段で遊技者が遊技を行っている場合は、遊技場における該遊技機に対する遊技を実行することを規制することができ、1の遊技機において遊技場と端末手段とでともに遊技が行われる状況を未然に防止しつつ、遊技の実行場所を多様化することで、遊技者の利便性を高めることができる、という効果がある。
遊技システムH2において、
前記遊技場側実行規制手段は、
前記端末手段において遊技者により前記遊技機で遊技が実行されている場合に、該遊技機において遊技ができない旨を示す遊技機側実行不可表示を該遊技機において表示する
ことを特徴とする遊技システムH3。
遊技システムH3によれば、遊技システムH2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、端末手段において遊技者により遊技機で遊技が実行されている場合に、遊技場側実行規制手段により、該遊技機において遊技が実行できない旨を示す遊技機側実行不可表示が遊技機において表示される。これにより、端末手段で遊技者が遊技を行っている場合は、遊技機において該遊技機で遊技が実行できない旨を認識することができ、1の遊技機において遊技場と端末手段とでともに遊技が行われる状況を未然に防止しつつ、遊技の実行場所を多様化することで、遊技者の利便性を高めることができる、という効果がある。
遊技システムH2又はH3において、
前記遊技場側実行規制手段は、
前記端末手段において遊技者により前記遊技機で遊技が実行されている場合に、該遊技機において遊技媒体の使用を禁止する使用禁止手段(例えば、球の発射を禁止)、を備えている
ことを特徴とする遊技システムH4。
遊技システムH4によれば、遊技システムH2又はH3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、端末手段において遊技者により遊技機で遊技が実行されている場合に、遊技場側実行規制手段に設けられた使用禁止手段により、該遊技機において遊技媒体の使用が禁止される。これにより、端末手段で遊技者が遊技を行っている場合は、遊技機において遊技媒体を使用して遊技を行うことができないように構成することができ、1の遊技機において遊技場と端末手段とでともに遊技が行われる状況を未然に防止しつつ、遊技の実行場所を多様化することで、遊技者の利便性を高めることができる、という効果がある。
遊技システムH0からH4のいずれかにおいて、
前記遊技機は、
前記遊技実行手段によって遊技が実行されたことを示す実行結果情報を、前記管理装置に対して出力する実行結果出力手段(例えば、実行結果情報の出力)、を備え、
前記管理装置は、
前記実行結果出力手段から前記実行結果情報が出力された場合に、前記個別遊技価値記憶手段に記憶される前記遊技価値情報を減少(例えば、1減算)する遊技価値情報減少手段、を備えている
ことを特徴とする遊技システムH5。
遊技システムH5によれば、遊技システムH0からH4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、実行情報出力手段から遊技実行情報が出力された場合に、遊技機に設けられた遊技実行手段により、遊技媒体を使用して遊技が実行され、実行結果出力手段により、遊技実行手段によって遊技が実行されたことを示す実行結果情報が、管理装置に対して出力される。そして、実行結果出力手段から実行結果情報が出力された場合に、管理装置に設けられた遊技価値情報減少手段により、個別遊技価値記憶手段に記憶される遊技価値情報が減少される。これにより、遊技機外から端末手段によって遊技機における遊技を実行することが可能となり、遊技の実行場所を多様化することで、遊技者の利便性を高めることができる、という効果がある。
遊技システムH0からH5のいずれかにおいて、
前記遊技機は、
前記遊技実行情報に基づいて前記遊技媒体を使用して遊技を実行した結果、所定の付与遊技価値が付与された場合に、該付与遊技価値を示す付与遊技価値情報(例えば、遊技価値データ)を、前記管理装置に対して出力する付与遊技価値出力手段、を備え、
前記管理装置は、
前記付与遊技価値出力手段から前記付与遊技価値情報が出力された場合に、前記個別遊技価値記憶手段に記憶される前記遊技価値情報を増加させる遊技価値増加手段、を備えている
ことを特徴とする遊技システムH6。
遊技システムH6によれば、遊技システムH0からH5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技機に設けられた付与遊技価値出力手段により、遊技実行情報に基づいて遊技媒体を使用して遊技を実行した結果、所定の付与遊技価値が付与された場合に、その付与遊技価値を示す付与遊技価値情報が、管理装置に対して出力される。そして、管理装置に設けられた遊技価値増加手段により、付与遊技価値出力手段から付与遊技価値情報が出力された場合に、個別遊技価値記憶手段に記憶される遊技価値情報が増加される。これにより、管理装置で記憶する遊技価値情報に基づいて遊技機における遊技を可能にしつつ、遊技機において遊技が実行された結果、付与遊技価値が付与された場合に遊技価値情報を増加することで、管理装置において遊技者保有の遊技価値情報を集中的に管理することができるので、不正行為の抑止効果を高めることができる、という効果がある。
遊技システムH0からH6のいずれかにおいて、
前記管理装置は、
前記個別遊技価値記憶手段に記憶される前記遊技価値情報を、前記端末手段に対して出力する遊技価値情報出力手段、を備え、
前記端末手段は、
前記遊技価値情報出力手段によって前記遊技価値情報が出力された場合に、前記表示手段に前記遊技価値情報を表示する
ことを特徴とする遊技システムH7。
遊技システムH7によれば、遊技システムH0からH6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、管理装置に設けられた遊技価値情報出力手段により、個別遊技価値記憶手段に記憶される遊技価値情報が、端末手段に対して出力される。そして、端末手段において、遊技価値出力手段によって遊技価値情報が出力された場合に、表示手段に遊技価値情報が表示される。これにより、端末手段において、遊技者自身が保有する遊技価値情報を確認しながら、遊技機外から遊技機における遊技を実行することが可能となり、遊技の実行場所を多様化することで、遊技者の利便性を高めることができる、という効果がある。
<I群:1の会員がネット又はホールで遊技している場合は、他方からの掛け持ち遊技を防止>
従来より、遊技場(例えば、遊技ホール)に設置されて、遊技媒体(例えば、球)を使用することで遊技を行う遊技機(例えば、パチンコ機)と、該遊技機において遊技者が行った遊技結果を個別に蓄積して管理する管理装置(例えば、ホールコンピュータ)と、を備える遊技システムがある(例えば、特許文献1(特開2013−138711号公報))。
しかしながら、上記遊技システムでは、遊技者の不正行為を抑制する必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
I群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技者の不正行為を抑制することが可能な遊技システムを提供することを目的とする。
遊技場に設置され、遊技者によって所定の遊技媒体(又は遊技媒体情報。例えば、球又はメダル数情報。)を使用することにより遊技を実行可能な少なくとも2以上の遊技機(例えば、パチンコ機10)と、
予め登録されることで遊技者を個々に識別するための会員情報を記憶する会員情報記憶手段(例えば、会員ID情報603a1)と、前記遊技機で行われた遊技に基づいて付与された遊技価値(又は遊技者が所定の方式で購入した遊技価値)等の遊技価値情報を、前記会員情報記憶手段に記憶された前記会員情報に対応付けて記憶する個別遊技価値記憶手段(例えば、保持遊技ポイント603a3及び/又は保持付与ポイント603a4、又は、実行遊技ポイント603b2及び/又は実行付与ポイント603b3)と、を有する管理装置(例えば、ホールコンピュータ600)と、
前記遊技機の映像を撮影する撮影手段(例えば、ビデオカメラ701)と、
前記遊技場外から所定の伝送経路(例えば、インターネット回線)を経て前記管理装置と通信可能に構成された端末手段(例えば、端末装置PC)と、を備えた遊技システムにおいて、
前記管理装置は、
前記撮影手段によって撮影された前記遊技機の遊技機映像を前記端末手段に出力可能な映像出力手段、を備え、
前記端末手段は、
前記映像出力手段によって出力された前記遊技機映像を表示可能な表示手段(例えば、モニタ900)と、
前記管理装置に対して前記遊技機において遊技を実行させる外部実行情報を出力する外部実行情報出力手段(例えば、「発射ボタン画像」)、を備え、
前記管理装置は、
前記外部実行情報出力手段から前記外部実行情報が出力された場合に、前記会員情報記憶手段に記憶される前記会員情報に対応する前記個別遊技価値記憶手段に記憶される前記遊技価値情報に基づいて、前記遊技機に対して遊技を実行させる遊技実行情報(例えば、遊技実行指示)を出力可能な実行情報出力手段、を備え、
前記遊技機は、
前記実行情報出力手段から前記遊技実行情報が出力された場合に、前記遊技媒体を使用して遊技を実行する遊技実行手段(例えば、球の発射)、を備え、
前記遊技場において、前記会員情報記憶手段に記憶される所定の第1会員情報に対応する前記個別遊技価値記憶手段に記憶される前記遊技価値情報に基づいて所定の第1遊技機で遊技が行われている場合に、前記端末手段において前記第1会員情報に対応する前記個別遊技価値記憶手段に記憶される前記遊技価値情報に基づいて前記第1遊技機と異なる第2遊技機における遊技の実行を規制する端末側複数遊技規制手段、を備えている
ことを特徴とする遊技システムI0。
遊技システムI0によれば、遊技場に設置された少なくとも2以上の遊技機が、遊技者によって所定の遊技媒体を使用することにより遊技が実行可能に構成される。また、管理装置において、会員情報記憶手段により、予め登録されることで遊技者を個々に識別するための会員情報が記憶され、個別遊技価値記憶手段により、遊技機で行われた遊技に基づいて付与された遊技価値等の遊技価値情報が、会員情報記憶手段に記憶された会員情報に対応付けて記憶される。さらに、撮影手段により、遊技機の映像が撮影され、端末手段が、遊技場外から所定の伝送経路を経て管理装置と通信可能に構成される。ここで、管理装置に設けられた映像出力手段により、撮影手段によって撮影された遊技機の遊技機映像が端末手段に出力可能に構成される。また、端末手段に設けられた表示手段により、映像出力手段によって出力された遊技機画像が表示可能に構成され、同じく端末手段に設けられた外部実行情報出力手段により、管理装置に対して遊技機において遊技を実行させる外部実行情報が出力される。そして、外部実行情報出力手段から外部実行情報が出力された場合に、管理装置に設けられた実行情報出力手段により、会員情報記憶手段に記憶される会員情報に対応する個別遊技価値記憶手段に記憶される遊技価値情報に基づいて、遊技機に対して遊技を実行させる遊技実行情報が出力可能に構成される。ここで、実行情報出力手段から遊技実行情報が出力された場合に、遊技機に設けられた遊技実行手段により、遊技媒体を使用して遊技が実行される。そして、遊技場において、会員情報記憶手段に記憶される所定の第1会員情報に対応する個別遊技価値記憶手段に記憶される遊技価値情報に基づいて所定の第1遊技機で遊技が行われている場合に、端末側複数遊技規制手段により、端末手段において第1会員情報に対応する個別遊技価値記憶手段に記憶される遊技価値情報に基づいて第1遊技機と異なる第2遊技機における遊技の実行が規制される。これにより、1の遊技者によって、遊技場と端末手段とによる所謂掛け持ち遊技の実行を未然に防止することができるので、遊技者の不正行為を抑制することができる、という効果がある。
遊技システムI0において、
前記個別遊技価値記憶手段は、
遊技者によって入力される所定の認証処理が実行された場合に、前記遊技価値情報を使用可能に構成され、
前記端末側複数遊技規制手段は、
前記遊技場において、前記会員情報記憶手段に記憶される所定の第1会員情報に対応する前記個別遊技価値記憶手段に記憶される前記遊技価値情報に基づいて所定の第1遊技機で遊技が行われている場合に、前記端末手段において前記認証処理を実行しない
ことを特徴とする遊技システムI1。
遊技システムI1によれば、遊技システムI0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者によって入力される所定の認証処理が実行された場合に、個別遊技価値記憶手段により、遊技価値情報が使用可能に構成される。そして、遊技場において、会員情報記憶手段に記憶される所定の第1会員情報に対応する個別遊技価値記憶手段に記憶される遊技価値情報に基づいて所定の第1遊技機で遊技が行われている場合に、端末側複数遊技規制手段により、端末手段において認証処理が実行されない。これにより、1の遊技者によって、遊技場と端末手段とによる所謂掛け持ち遊技の実行を未然に防止することができるので、遊技者の不正行為を抑制することができる、という効果がある。
遊技システムI0又はI1において、
前記端末手段において、前記会員情報記憶手段に記憶される所定の第1会員情報に対応する前記個別遊技価値記憶手段に記憶される前記遊技価値情報に基づいて所定の第1遊技機で遊技が行われている場合に、前記遊技場において前記第1会員情報に対応する前記個別遊技価値記憶手段に記憶される前記遊技価値情報に基づいて前記第1遊技機と異なる第2遊技機における遊技の実行を規制する遊技場側複数遊技規制手段、を備えている
ことを特徴とする遊技システムI2。
遊技システムI2によれば、遊技システムI0又はI1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、端末手段において、会員情報記憶手段に記憶される所定の第1会員情報に対応する個別遊技価値記憶手段に記憶される遊技価値情報に基づいて所定の第1遊技機で遊技が行われている場合に、遊技場側複数遊技規制手段により、遊技場において第1会員情報に対応する個別遊技価値記憶手段に記憶される遊技価値情報に基づいて第1遊技機と異なる第2遊技機における遊技の実行が規制される。これにより、1の遊技者によって、遊技場と端末手段とによる所謂掛け持ち遊技の実行を未然に防止することができるので、遊技者の不正行為を抑制することができる、という効果がある。
遊技システムI2において、
前記個別遊技価値記憶手段は、
遊技者によって入力される所定の認証処理が実行された場合に、前記遊技価値情報を使用可能に構成され、
前記遊技場側複数遊技規制手段は、
前記端末手段において、前記会員情報記憶手段に記憶される所定の第1会員情報に対応する前記個別遊技価値記憶手段に記憶される前記遊技価値情報に基づいて所定の第1遊技機で遊技が行われている場合に、前記遊技場において前記認証処理を実行しない
ことを特徴とする遊技システムI3。
遊技システムI3によれば、遊技システムI2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者によって入力される所定の認証処理が実行された場合に、個別遊技価値記憶手段により、遊技価値情報が使用可能に構成される。そして、端末手段において、会員情報記憶手段に記憶される所定の第1会員情報に対応する個別遊技価値記憶手段に記憶される遊技価値情報に基づいて所定の第1遊技機で遊技が行われている場合に、遊技場側複数遊技規制手段により、遊技場において認証処理が実行されない。これにより、1の遊技者によって、遊技場と端末手段とによる所謂掛け持ち遊技の実行を未然に防止することができるので、遊技者の不正行為を抑制することができる、という効果がある。
遊技システムI0からI3のいずれかにおいて、
前記遊技機は、
前記遊技実行手段によって遊技が実行されたことを示す実行結果情報を、前記管理装置に対して出力する実行結果出力手段(例えば、実行結果情報の出力)、を備え、
前記管理装置は、
前記実行結果出力手段から前記実行結果情報が出力された場合に、前記個別遊技価値記憶手段に記憶される前記遊技価値情報を減少(例えば、1減算)する遊技価値情報減少手段、を備えている
ことを特徴とする遊技システムI4。
遊技システムI4によれば、遊技システムI0からI3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、実行情報出力手段から遊技実行情報が出力された場合に、遊技機に設けられた遊技実行手段により、遊技媒体を使用して遊技が実行され、実行結果出力手段により、遊技実行手段によって遊技が実行されたことを示す実行結果情報が、管理装置に対して出力される。そして、実行結果出力手段から実行結果情報が出力された場合に、管理装置に設けられた遊技価値情報減少手段により、個別遊技価値記憶手段に記憶される遊技価値情報が減少される。これにより、遊技機外から端末手段によって遊技機における遊技を実行することが可能となり、遊技の実行場所を多様化することで、遊技者の利便性を高めることができる、という効果がある。
遊技システムI0からI4のいずれかにおいて、
前記遊技機は、
前記遊技実行情報に基づいて前記遊技媒体を使用して遊技を実行した結果、所定の付与遊技価値が付与された場合に、該付与遊技価値を示す付与遊技価値情報(例えば、遊技価値データ)を、前記管理装置に対して出力する付与遊技価値出力手段、を備え、
前記管理装置は、
前記付与遊技価値出力手段から前記付与遊技価値情報が出力された場合に、前記個別遊技価値記憶手段に記憶される前記遊技価値情報を増加させる遊技価値増加手段、を備えている
ことを特徴とする遊技システムI5。
遊技システムI5によれば、遊技システムI0からI4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技機に設けられた付与遊技価値出力手段により、遊技実行情報に基づいて遊技媒体を使用して遊技を実行した結果、所定の付与遊技価値が付与された場合に、その付与遊技価値を示す付与遊技価値情報が、管理装置に対して出力される。そして、管理装置に設けられた遊技価値増加手段により、付与遊技価値出力手段から付与遊技価値情報が出力された場合に、個別遊技価値記憶手段に記憶される遊技価値情報が増加される。これにより、管理装置で記憶する遊技価値情報に基づいて遊技機における遊技を可能にしつつ、遊技機において遊技が実行された結果、付与遊技価値が付与された場合に遊技価値情報を増加することで、管理装置において遊技者保有の遊技価値情報を集中的に管理することができるので、不正行為の抑止効果を高めることができる、という効果がある。
遊技システムI0からI5のいずれかにおいて、
前記管理装置は、
前記個別遊技価値記憶手段に記憶される前記遊技価値情報を、前記端末手段に対して出力する遊技価値情報出力手段、を備え、
前記端末手段は、
前記遊技価値情報出力手段によって前記遊技価値情報が出力された場合に、前記表示手段に前記遊技価値情報を表示する
ことを特徴とする遊技システムI6。
遊技システムI6によれば、遊技システムI0からI5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、管理装置に設けられた遊技価値情報出力手段により、個別遊技価値記憶手段に記憶される遊技価値情報が、端末手段に対して出力される。そして、端末手段において、遊技価値出力手段によって遊技価値情報が出力された場合に、表示手段に遊技価値情報が表示される。これにより、端末手段において、遊技者自身が保有する遊技価値情報を確認しながら、遊技機外から遊技機における遊技を実行することが可能となり、遊技の実行場所を多様化することで、遊技者の利便性を高めることができる、という効果がある。
<J群:端末装置とメーカーサーバとで認証カードが正しいか認証>
従来より、遊技場(例えば、遊技ホール)に設置されて、遊技媒体(例えば、球)を使用することで遊技を行う遊技機(例えば、パチンコ機)と、該遊技機において遊技者が行った遊技結果を個別に蓄積して管理する管理装置(例えば、ホールコンピュータ)と、を備える遊技システムがある(例えば、特許文献1(特開2013−138711号公報))。
しかしながら、上記遊技システムでは、遊技者の不正行為を抑制する必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
J群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技者の不正行為を抑制することが可能な遊技システムを提供することを目的とする。
遊技場に設置され、所定の遊技媒体(又は遊技媒体情報。例えば、球又はメダル数情報。)を使用することにより遊技を実行可能な遊技機(例えば、パチンコ機10)と、
予め登録されることで遊技者を個々に識別するための会員情報を記憶する会員情報記憶手段(例えば、会員ID情報603a1)と、前記遊技機で行われた遊技に基づいて付与された遊技価値(又は遊技者が所定の方式で購入した遊技価値)等の遊技価値情報を、前記会員情報記憶手段に記憶された前記会員情報に対応付けて記憶する個別遊技価値記憶手段(例えば、保持遊技ポイント603a3及び/又は保持付与ポイント603a4、又は、実行遊技ポイント603b2及び/又は実行付与ポイント603b3)と、を有する管理装置(例えば、ホールコンピュータ600)と、
前記遊技機の映像を撮影する撮影手段(例えば、ビデオカメラ701)と、
前記遊技場外から所定の伝送経路(例えば、インターネット回線)を経て前記管理装置と通信可能に構成された端末手段(例えば、端末装置PC)と、
前記伝送経路を経て前記端末装置と通信可能に構成された判別装置(例えば、遊技機メーカーAのデータサーバ)と、を備えた遊技システムにおいて、
前記管理装置は、
前記撮影手段によって撮影された前記遊技機の遊技機映像を前記端末手段に出力可能な映像出力手段、を備え、
前記端末手段は、
前記映像出力手段によって出力された前記遊技機映像を表示可能な表示手段(例えば、モニタ900)と、
前記管理装置に対して前記遊技機において遊技を実行させる外部実行情報を出力する外部実行情報出力手段(例えば、「発射ボタン画像」)、を備え、
前記管理装置は、
前記外部実行情報出力手段から前記外部実行情報が出力された場合に、前記会員情報記憶手段に記憶される前記会員情報に対応する前記個別遊技価値記憶手段に記憶される前記遊技価値情報に基づいて、前記遊技機に対して遊技を実行させる遊技実行情報(例えば、遊技実行指示)を出力可能な実行情報出力手段、を備え、
前記遊技機は、
前記実行情報出力手段から前記遊技実行情報が出力された場合に、前記遊技媒体を使用して遊技を実行する遊技実行手段(例えば、球の発射)と、
前記遊技実行手段によって遊技が実行されたことを示す実行結果情報を、前記管理装置に対して出力する実行結果出力手段(例えば、実行結果情報の出力)と、
前記判別装置により該遊技機に固有に割り当てられた固有情報(例えば、製造番号SN)を記憶する固有情報記憶手段(例えば、製造番号記憶部202j)と、
前記固有情報記憶手段に記憶される前記固有情報に関する固有情報関連情報を、前記管理装置に対して出力する遊技機側固有関連出力手段(例えば、製造番号SNに関するデータをホールコンピュータ600に出力)と、を備え、
前記管理装置は、
前記実行結果出力手段から前記実行結果情報が出力された場合に、前記個別遊技価値記憶手段に記憶される前記遊技価値情報を減少(例えば、1減算)する遊技価値情報減少手段と、
前記遊技機側固有関連出力手段から前記固有情報関連情報が出力された場合に、前記端末装置に対して前記固有情報関連情報を出力する管理側固有関連出力手段(例えば、端末装置PCに対して製造番号SNに関するデータを送信)と、を備え、
前記端末装置は、
前記管理側固有関連出力手段から前記固有情報関連情報が出力された場合に、前記判別装置に対して前記固有情報関連情報を出力する端末側固有関連出力手段(例えば、遊技機メーカーAのデータサーバに対して製造番号SNに関するデータを送信)、を備え、
前記判別装置は、
前記端末側固有関連出力手段から前記固有情報関連情報が出力された場合に、該判別装置が前記遊技機に割り当てた前記固有情報と前記固有情報関連情報とを判別する判別手段(例えば、端末装置PCから送信された製造番号SNに関するデータと、データサーバがパチンコ機10に割り当てた製造番号SNが一致するか否か)と、
前記判別手段によって判別された判別結果を、前記端末装置に出力する判別結果出力手段(例えば、端末装置PCに対して製造番号SNの一致又は不一致を示すデータを送信)と、を備えている
ことを特徴とする遊技システムJ0。
遊技システムJ0によれば、遊技場に設置された遊技機が、所定の遊技媒体を使用することにより遊技が実行可能に構成される。また、管理装置において、会員情報記憶手段により、予め登録されることで遊技者を個々に識別するための会員情報が記憶され、個別遊技価値記憶手段により、遊技機で行われた遊技に基づいて付与された遊技価値等の遊技価値情報が、会員情報記憶手段に記憶された会員情報に対応付けて記憶される。さらに、撮影手段により、遊技機の映像が撮影され、端末手段が、遊技場外から所定の伝送経路を経て管理装置と通信可能に構成される。また、判別装置により、伝送経路を経て端末装置と通信可能に構成される。ここで、管理装置に設けられた映像出力手段により、撮影手段によって撮影された遊技機の遊技機映像が端末手段に出力可能に構成される。また、端末手段に設けられた表示手段により、映像出力手段によって出力された遊技機画像が表示可能に構成され、同じく端末手段に設けられた外部実行情報出力手段により、管理装置に対して遊技機において遊技を実行させる外部実行情報が出力される。そして、外部実行情報出力手段から外部実行情報が出力された場合に、管理装置に設けられた実行情報出力手段により、会員情報記憶手段に記憶される会員情報に対応する個別遊技価値記憶手段に記憶される遊技価値情報に基づいて、遊技機に対して遊技を実行させる遊技実行情報が出力可能に構成される。ここで、実行情報出力手段から遊技実行情報が出力された場合に、遊技機に設けられた遊技実行手段により、遊技媒体を使用して遊技が実行され、実行結果出力手段により、遊技実行手段によって遊技が実行されたことを示す実行結果情報が、管理装置に対して出力される。また、判別装置によって遊技機に固有に割り当てられた固有情報が固有情報記憶手段に記憶され、遊技機側固有関連出力手段により、固有情報記憶手段に記憶される固有情報に関する固有情報関連情報が、管理装置に対して出力される。そして、実行結果出力手段から実行結果情報が出力された場合に、管理装置に設けられた遊技価値情報減少手段により、個別遊技価値記憶手段に記憶される遊技価値情報が減少され、遊技機側固有関連出力手段から固有情報関連情報が出力された場合に、管理側固有関連出力手段により、端末装置に対して固有情報関連情報が出力される。ここで、管理側固有関連出力手段により固有情報関連情報が出力された場合に、端末装置に設けられた端末側固有関連出力手段により、判別装置に対して固有情報関連情報が出力される。そして、端末側固有関連出力手段から固有情報関連情報が出力された場合に、判別装置に設けられた判別手段により、判別装置が遊技機に割り当てた固有情報と固有情報関連情報とが判別され、判別結果出力手段により、判別手段によって判別された判別結果が、端末装置に対して出力される。これにより、端末装置において、遊技を行う遊技機に関し、判別装置によって正規に固有情報が割り当てられた遊技機か否かを判別することが可能となり、非正規な遊技機における遊技を抑制することができるので、不正行為の抑止効果を高めることができる、という効果がある。
遊技システムJ0において、
前記端末装置は、
前記判別結果出力手段によって出力された前記判別結果として前記固有情報と前記固有情報関連情報との整合が取れている旨を受信した場合に、正規の前記遊技機である旨を示す正規表示を行う正規表示手段(例えば、遊技機メーカーAによって正規に流通したパチンコ機10である旨を示す表示)、を備えている
ことを特徴とする遊技システムJ1。
遊技システムJ1によれば、遊技システムJ0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別結果出力手段によって出力された判別結果として固有情報と固有情報関連情報との整合が取れている旨を受信した場合に、端末装置に設けられた正規表示手段により、正規の遊技機である旨を示す正規表示が行われる。これにより、端末装置において、遊技を行う遊技機に関し、判別装置によって正規に固有情報が割り当てられた遊技機である旨が表示された上でユーザが安心して遊技を行うことができ、不正行為の抑止効果を高めることができる、という効果がある。
遊技システムJ0又はJ1において、
前記端末装置は、
前記判別結果出力手段によって出力された前記判別結果として前記固有情報と前記固有情報関連情報との整合が取れていない旨を受信した場合に、非正規の前記遊技機である旨を示す非正規表示を行う非正規表示手段(例えば、遊技機メーカーAによって正規に流通したパチンコ機10ではない旨を示す表示)、を備えている
ことを特徴とする遊技システムJ2。
遊技システムJ2によれば、遊技システムJ0又はJ1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別結果出力手段によって出力された判別結果として固有情報と固有情報関連情報との整合が取れていない旨を受信した場合に、端末装置に設けられた非正規表示手段により、非正規の遊技機である旨を示す非正規表示が行われる。これにより、端末装置において、遊技を行う遊技機に関し、判別装置によって正規に固有情報が割り当てられていない遊技機である旨が表示されることで、非正規な遊技機における遊技を抑制することができるので、不正行為の抑止効果を高めることができる、という効果がある。
遊技システムJ0からJ2において、
前記遊技機は、
前記遊技実行情報に基づいて前記遊技媒体を使用して遊技を実行した結果、所定の付与遊技価値が付与された場合に、該付与遊技価値を示す付与遊技価値情報(例えば、遊技価値データ)を、前記管理装置に対して出力する付与遊技価値出力手段、を備え、
前記管理装置は、
前記付与遊技価値出力手段から前記付与遊技価値情報が出力された場合に、前記個別遊技価値記憶手段に記憶される前記遊技価値情報を増加させる遊技価値増加手段と、
前記判別手段によって前記固有情報と前記固有情報関連情報との整合が取れていない場合に、該整合が取れていない前記遊技機において付与されて前記個別情報記憶手段に記憶された前記付与遊技価値情報の使用を規制する使用規制手段(例えば、製造番号SNが一致しないパチンコ機10で獲得した付与ポイントの使用を禁止)と、を備えている
ことを特徴とする遊技システムJ3。
遊技システムJ3によれば、遊技システムJ0からJ2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技機において、遊技実行情報に基づいて遊技媒体を使用して遊技を実行した結果、所定の付与遊技価値が付与された場合に、付与遊技価値出力手段により、付与遊技価値を示す付与遊技価値情報が、管理装置に対して出力される。そして、管理装置において、付与遊技価値出力手段から付与遊技価値情報が出力された場合に、遊技価値増加手段により、個別遊技価値付与記憶手段に記憶される遊技価値情報が増加される。ここで、判別手段によって固有情報と固有情報関連情報との整合が取れていない場合に、使用規制手段により、整合が取れていない遊技機において付与されて個別情報記憶手段に記憶された付与遊技価値情報の使用が規制される。これにより、判別装置によって正規に固有情報が割り当てられていない遊技機における遊技で獲得した付与遊技価値情報の使用を規制することができ、不正行為の抑止効果を高めることができる、という効果がある。
遊技システムJ3において、
前記使用規制手段は、
前記付与遊技価値が付与された遊技機以外の遊技機での使用を規制する他機規制手段、を備えている
ことを特徴とする遊技システムJ4。
遊技システムJ4によれば、遊技システムJ3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、使用規制手段に設けられた他機規制手段により、付与遊技価値が付与された遊技機以外の遊技機での使用が規制される。これにより、付与遊技価値が付与された遊技機での遊技を促進することができ、該遊技機の稼働率を向上することができる、という効果がある。
遊技システムJ3又はJ4において、
前記使用規制手段は、
前記付与遊技価値が付与された遊技機で継続して遊技を行う場合以外の使用を規制する非継続規制手段、を備えている
ことを特徴とする遊技システムJ5。
遊技システムJ5によれば、遊技システムJ3又はJ4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、使用規制手段に設けられた非継続規制手段により、付与遊技価値が付与された遊技機で継続して遊技を行う場合以外の使用が規制される。これにより、付与遊技価値が付与された遊技機での継続した遊技を促進することができ、該遊技機の稼働率を向上することができる、という効果がある。
遊技システムJ0からJ5のいずれかにおいて、
前記管理装置は、
前記個別遊技価値記憶手段に記憶される前記遊技価値情報を、前記端末手段に対して出力する遊技価値情報出力手段、を備え、
前記端末手段は、
前記遊技価値情報出力手段によって前記遊技価値情報が出力された場合に、前記表示手段に前記遊技価値情報を表示する
ことを特徴とする遊技システムJ6。
遊技システムJ6によれば、遊技システムJ0からJ5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、管理装置に設けられた遊技価値情報出力手段により、個別遊技価値記憶手段に記憶される遊技価値情報が、端末手段に対して出力される。そして、端末手段において、遊技価値出力手段によって遊技価値情報が出力された場合に、表示手段に遊技価値情報が表示される。これにより、端末手段において、遊技者自身が保有する遊技価値情報を確認しながら、遊技機外から遊技機における遊技を実行することが可能となり、遊技の実行場所を多様化することで、遊技者の利便性を高めることができる、という効果がある。
<K群:ネット遊技中の発射不能>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて遊技球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられ、遊技球の流下方向を変更可能な流下方向変更手段が配置された複数の入球口のいずれかへ遊技球が入球することに基づいて所定の遊技価値をそれぞれ付与するとともに、特定の入球口への入賞に基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において当たり等の有利状態に当選した場合に、入球手段に遊技球を入球可能にして、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されている(例えば、特許文献1(特開2017−112444号公報))。
しかしながら、上記遊技機では、遊技を適式かつ正常に行う必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
K群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技を適式かつ正常に行うことが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技球を発射可能な発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な入球手段(例えば、第1始動口64a)と、
前記入球手段への遊技球の入球に基づいて遊技者に所定の遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段(例えば、賞球の払い出し)と、を備えた遊技機において、
所定条件(例えば、端末装置PCによってインターネット回線を使用しての遊技の実行)を判別する所定条件判別手段と、
前記所定条件判別手段により前記所定条件が成立していると判別された場合に、前記発射手段による遊技球の発射を規制する発射規制手段(例えば、操作ハンドル51の回動をロック、可変抵抗器の電圧変化を検出しない、発射制御指示を出力しない等)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機K0。
遊技機K0によれば、遊技球を発射可能な発射手段と、前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な入球手段と、前記入球手段への遊技球の入球に基づいて遊技者に所定の遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段と、を備えた遊技機であって、所定条件を判別する所定条件判別手段と、前記所定条件判別手段により前記所定条件が成立していると判別された場合に、前記発射手段による遊技球の発射を規制する発射規制手段と、を備えている。これにより、所定条件が成立(例えば、端末装置PCによってインターネット回線を使用しての遊技の実行)している場合に、発射手段による遊技球の発射を規制することができるので、所定条件成立時における遊技機での重複した遊技の実行を規制することができ、遊技を適式かつ正常に行うことができる、という効果がある。
なお、「遊技球の発射を規制する」とは、例えば、遊技球の発射を禁止する場合や、遊技球の発射数を通常時より制限する場合等、規制されていない通常時における遊技球の発射態様を変化させる事象が例示される。
遊技機K0において、
遊技者によって操作可能な操作手段(例えば、操作ハンドル51)と、
前記操作手段に対する遊技者の操作態様を検知可能な操作態様検知手段(例えば、可変抵抗器)と、を備え、
前記発射規制手段は、
前記操作手段に対する操作を規制する操作規制手段(例えば、操作ハンドル51のロック機構)、を備えている
ことを特徴とする遊技機K1。
遊技機K1によれば、遊技機K0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者によって操作可能な操作手段と、前記操作手段に対する遊技者の操作態様を検知可能な操作態様検知手段と、を備え、前記発射規制手段は、前記操作手段に対する操作を規制する操作規制手段、を備えている。これにより、所定条件が成立(例えば、端末装置PCによってインターネット回線を使用しての遊技の実行)している場合に、操作手段に対する遊技者の操作を規制することで、発射手段による遊技球の発射を規制することができるので、所定条件成立時における遊技機での重複した遊技の実行を規制することができ、遊技を適式かつ正常に行うことができる、という効果がある。
遊技機K1において、
前記操作手段は、
遊技者による所定方向への回動操作可能な回動操作手段(例えば、操作ハンドル51の回動機構)、を備え、
前記操作規制手段は、
前記回動操作手段の前記所定方向への回動操作を規制することで、前記発射手段による遊技球の発射を規制する
ことを特徴とする遊技機K2。
遊技機K2によれば、遊技機K1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記操作手段は、遊技者による所定方向への回動操作可能な回動操作手段、を備え、前記操作規制手段は、前記回動操作手段の前記所定方向への回動操作を規制することで、前記発射手段による遊技球の発射を規制する。これにより、所定条件が成立(例えば、端末装置PCによってインターネット回線を使用しての遊技の実行)している場合に、回動操作手段の所定方向への回動操作を規制することで、発射手段による遊技球の発射を規制することができるので、所定条件成立時における遊技機での重複した遊技の実行を規制することができ、遊技を適式かつ正常に行うことができる、という効果がある。
遊技機K0において、
遊技者によって操作可能な操作手段(例えば、操作ハンドル51)と、
前記操作手段に対する遊技者の操作態様を検知可能な操作態様検知手段(例えば、可変抵抗器)と、を備え、
前記発射規制手段は、
前記操作態様検知手段による前記操作手段に対する検知を規制する操作態様検知規制手段(例えば、可変抵抗器による検知をしない)、を備えている
ことを特徴とする遊技機K3。
遊技機K3によれば、遊技機K0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者によって操作可能な操作手段と、前記操作手段に対する遊技者の操作態様を検知可能な操作態様検知手段と、を備え、前記発射規制手段は、前記操作態様検知手段による前記操作手段に対する検知を規制する操作態様検知規制手段、を備えている。これにより、所定条件が成立(例えば、端末装置PCによってインターネット回線を使用しての遊技の実行)している場合に、操作態様検知手段による操作手段に対する検知を規制することで、発射手段による遊技球の発射を規制することができるので、所定条件成立時における遊技機での重複した遊技の実行を規制することができ、遊技を適式かつ正常に行うことができる、という効果がある。
遊技機K3において、
前記操作態様検知手段は、
前記操作手段の操作量を電気的に検出する操作量検出手段(例えば、可変抵抗器の抵抗値の変化)、を備え、
前記操作態様検知規制手段は、
前記操作量検出手段による前記操作手段の操作量の検出内容を変更することで、前記発射手段による遊技球の発射を規制する
ことを特徴とする遊技機K4。
遊技機K4によれば、遊技機K0からK3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記操作態様検知手段は、前記操作手段の操作量を電気的に検出する操作量検出手段、を備え、前記操作態様検知規制手段は、前記操作量検出手段による前記操作手段の操作量の検出内容を変更することで、前記発射手段による遊技球の発射を規制する。これにより、所定条件が成立(例えば、端末装置PCによってインターネット回線を使用しての遊技の実行)している場合に、操作量検出手段による操作手段の操作量の検出内容を変更することで、発射手段による遊技球の発射を規制することができるので、所定条件成立時における遊技機での重複した遊技の実行を規制することができ、遊技を適式かつ正常に行うことができる、という効果がある。
遊技機K0において、
遊技者によって操作可能な操作手段(例えば、操作ハンドル51)と、
前記操作手段に対する遊技者の操作態様を検知可能な操作態様検知手段(例えば、可変抵抗器)と、
前記操作態様検知手段による検知結果に基づいて前記発射手段に対して発射指示を出力可能な発射制御手段(例えば、発射制御装置112)と、を備え、
前記発射規制手段は、
前記発射制御手段による前記発射指示を規制する発射指示規制手段(例えば、発射指示信号を出力しない)、を備えている
ことを特徴とする遊技機K5。
遊技機K5によれば、遊技機K0からK4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者によって操作可能な操作手段と、前記操作手段に対する遊技者の操作態様を検知可能な操作態様検知手段と、前記操作態様検知手段による検知結果に基づいて前記発射手段に対して発射指示を出力可能な発射制御手段と、を備え、前記発射規制手段は、前記発射制御手段による前記発射指示を規制する発射指示規制手段、を備えている。これにより、所定条件が成立(例えば、端末装置PCによってインターネット回線を使用しての遊技の実行)している場合に、発射制御手段による発射指示を規制することで、発射手段による遊技球の発射を規制することができるので、所定条件成立時における遊技機での重複した遊技の実行を規制することができ、遊技を適式かつ正常に行うことができる、という効果がある。
遊技機K0からK5のいずれかにおいて、
所定の伝送経路(例えば、インターネット回線)を介して遊技場外から遊技可能に構成された遊技機において、
前記発射規制手段は、
遊技場外から遊技が実行されている場合に、前記発射手段による遊技球の発射を規制する
ことを特徴とする遊技機K6。
遊技機K6によれば、遊技機K0からK5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定の伝送経路を介して遊技場外から遊技可能に構成された遊技機であって、前記発射規制手段は、遊技場外から遊技が実行されている場合に、前記発射手段による遊技球の発射を規制する。これにより、所定の伝送経路を介して遊技場外から遊技機において遊技が実行されている場合に、発射手段による遊技球の発射を規制することができるので、遊技場外と遊技場内との重複した遊技の実行を規制することができ、遊技を適式かつ正常に行うことができる、という効果がある。
<L群:物理的摩耗における発射調整>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて遊技球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられ、遊技球の流下方向を変更可能な流下方向変更手段が配置された複数の入球口のいずれかへ遊技球が入球することに基づいて所定の遊技価値をそれぞれ付与するとともに、特定の入球口への入賞に基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において当たり等の有利状態に当選した場合に、入球手段に遊技球を入球可能にして、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されている(例えば、特許文献1(特開2017−112444号公報))。
しかしながら、上記遊技機では、遊技を適式かつ正常に行う必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
L群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技を適式かつ正常に行うことが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技球を発射可能な発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な入球手段(例えば、第1始動口64a)と、
前記入球手段への遊技球の入球に基づいて遊技者に所定の遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段(例えば、賞球の払い出し)と、を備えた遊技機において、
前記発射手段によって発射された遊技球の発射強度を検出可能な発射強度検出手段(例えば、球発射ユニット112aによって発射された球の発射強度を検出)と、
前記発射強度検出手段によって検出された遊技球の発射強度に基づいて、前記発射手段による遊技球の発射強度を調整可能な発射強度調整手段(例えば、可変抵抗器の抵抗値と、球発射ユニット112aによって発射された球の到達位置と、該抵抗値による標準的な発射強度とを判別して、その判別結果に応じて発射強度を調整)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機L0。
遊技機L0によれば、遊技球を発射可能な発射手段と、前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な入球手段と、前記入球手段への遊技球の入球に基づいて遊技者に所定の遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段と、を備えた遊技機であって、前記発射手段によって発射された遊技球の発射強度を検出可能な発射強度検出手段と、前記発射強度検出手段によって検出された遊技球の発射強度に基づいて、前記発射手段による遊技球の発射強度を調整可能な発射強度調整手段と、を備えている。これにより、発射手段による発射強度を、実際に発射手段によって発射された遊技球の発射強度に基づいて調整することができるので、例えば、発射手段が物理的に摩耗する等、工場出荷時の正常な発射強度と異なってしまった場合であっても、発射手段による遊技球の発射強度を調整することで、遊技を適式かつ正常に行うことができる、という効果がある。
遊技機L0において、
前記発射強度調整手段は、
前記発射手段によって遊技球が発射された場合の基準発射強度を記憶する基準発射強度記憶手段(例えば、工場出荷時における各発射強度の基準発射強度)と、
前記発射強度検出手段によって検出された遊技球の発射強度と、前記基準発射強度記憶手段に記憶される前記基準発射強度とを判別する発射強度判別手段(例えば、実際に発射された球の発射強度と基準発射強度とを比較判別)と、を備え、
前記発射強度判別手段による判別結果に基づいて、前記発射手段による発射強度を調整する
ことを特徴とする遊技機L1。
遊技機L1によれば、遊技機L0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記発射強度調整手段は、前記発射手段によって遊技球が発射された場合の基準発射強度を記憶する基準発射強度記憶手段と、前記発射強度検出手段によって検出された遊技球の発射強度と、前記基準発射強度記憶手段に記憶される前記基準発射強度とを判別する発射強度判別手段と、を備え、前記発射強度判別手段による判別結果に基づいて、前記発射手段による発射強度を調整する。これにより、発射手段による発射強度を、実際に発射手段によって発射された遊技球の発射強度と基準発射強度とを判別して発射手段による発射強度を調整することができるので、例えば、発射手段が物理的に摩耗する等、工場出荷時の正常な発射強度と異なってしまった場合であっても、発射手段による遊技球の発射強度を調整することで、遊技を適式かつ正常に行うことができる、という効果がある。
遊技機L1において、
前記発射強度調整手段は、
前記発射強度判別手段によって前記発射強度検出手段によって検出された遊技球の発射強度が前記基準発射強度記憶手段に記憶される前記基準発射強度より弱いと判別された場合に、前記発射手段による発射強度を増強する
ことを特徴とする遊技機L2。
遊技機L2によれば、遊技機L1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記発射強度調整手段は、前記発射強度判別手段によって前記発射強度検出手段によって検出された遊技球の発射強度が前記基準発射強度記憶手段に記憶される前記基準発射強度より弱いと判別された場合に、前記発射手段による発射強度を増強する。これにより、発射手段による発射強度を、実際に発射手段によって発射された遊技球の発射強度が基準発射強度より弱い場合に発射手段による発射強度を増強することで、例えば、発射手段が物理的に摩耗してしまって遊技球が遊技領域に到達しないような現象(所謂、ファール球)の発生を抑制することができるので、遊技を適式かつ正常に行うことができる、という効果がある。
遊技機L2において、
前記発射強度調整手段は、
前記発射強度判別手段によって前記発射強度検出手段によって検出された遊技球の発射強度が前記基準発射強度記憶手段に記憶される前記基準発射強度より弱いと判別された場合に、前記発射手段による発射強度を、少なくとも遊技領域に到達し得る発射強度に増強する
ことを特徴とする遊技機L3。
遊技機L3によれば、遊技機L2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記発射強度調整手段は、前記発射強度判別手段によって前記発射強度検出手段によって検出された遊技球の発射強度が前記基準発射強度記憶手段に記憶される前記基準発射強度より弱いと判別された場合に、前記発射手段による発射強度を、少なくとも遊技領域に到達し得る発射強度に増強する。これにより、発射手段による発射強度を、実際に発射手段によって発射された遊技球の発射強度が基準発射強度より弱い場合に、発射手段による発射強度を少なくとも遊技領域に到達し得る発射強度に増強することで、遊技球が遊技領域に到達しないような現象(所謂、ファール球)の発生を抑制することができるので、遊技を適式かつ正常に行うことができる、という効果がある。
遊技機L2又はL3において、
前記発射強度調整手段は、
前記発射強度判別手段によって前記発射強度検出手段によって検出された遊技球の発射強度が前記基準発射強度記憶手段に記憶される前記基準発射強度より強いと判別された場合に、前記発射手段による発射強度を、遊技領域の最も遠い部分(例えば、返しゴム69)に到達する程度に発射強度に減少させる
ことを特徴とする遊技機L4。
遊技機L4によれば、遊技機L0からL3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記発射強度調整手段は、前記発射強度判別手段によって前記発射強度検出手段によって検出された遊技球の発射強度が前記基準発射強度記憶手段に記憶される前記基準発射強度より強いと判別された場合に、前記発射手段による発射強度を、遊技領域の最も遠い部分に到達する程度に発射強度に減少させる。これにより、発射手段による発射強度を、実際に発射手段によって発射された遊技球の発射強度が基準発射強度より強い場合に、発射手段による発射強度を遊技領域の最も遠い部分に到達する程度に減少させることで、遊技部品の耐久性の低下を抑制することができるので、遊技を適式かつ正常に行うことができる、という効果がある。
遊技機L2からL4のいずれかにおいて、
前記発射強度調整手段は、
前記発射強度判別手段によって前記発射強度検出手段によって検出された遊技球の発射強度が前記基準発射強度記憶手段に記憶される前記基準発射強度より強いと判別された場合に、前記発射手段による発射強度を、少なくとも遊技領域に到達し得る発射強度を下限に減少する
ことを特徴とする遊技機L5。
遊技機L5によれば、遊技機L2からL4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記発射強度調整手段は、前記発射強度判別手段によって前記発射強度検出手段によって検出された遊技球の発射強度が前記基準発射強度記憶手段に記憶される前記基準発射強度より強いと判別された場合に、前記発射手段による発射強度を、少なくとも遊技領域に到達し得る発射強度を下限に減少する。これにより、発射手段による発射強度を、実際に発射手段によって発射された遊技球の発射強度が基準発射強度より強い場合に、発射手段による発射強度を少なくとも遊技領域に到達し得る発射強度を下限に減少することで、遊技球が遊技領域に到達しないような現象(所謂、ファール球)の発生を抑制することができるので、遊技を適式かつ正常に行うことができる、という効果がある。
遊技機L0からL5のいずれかにおいて、
遊技場内で遊技が実行されている場合に、前記発射強度調整手段による前記発射手段による発射強度の調整を行わない
ことを特徴とする遊技機L6。
遊技機L6によれば、遊技機L0からL5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技場内で遊技が実行されている場合に、前記発射強度調整手段による前記発射手段による発射強度の調整を行わない。これにより、遊技場内で遊技を行う遊技者は、自身の調整によって発射手段による遊技球の発射を行うことができるので、遊技を適式かつ正常に行うことができる、という効果がある。
遊技機L0からL6のいずれかにおいて、
所定の伝送経路(例えば、インターネット回線)を介して遊技場外から遊技可能に構成された遊技機において、
前記発射強度調整手段は、
遊技場外から遊技が実行されている場合に、前記発射手段による発射強度を調整する
ことを特徴とする遊技機L7。
遊技機L7によれば、遊技機L0からL6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定の伝送経路を介して遊技場外から遊技可能に構成された遊技機であって、前記発射強度調整手段は、遊技場外から遊技が実行されている場合に、前記発射手段による発射強度を調整する。これにより、所定の伝送経路を介して遊技場外から遊技機において遊技が実行されている場合に、発射手段による遊技球の発射強度を調整することができるので、遊技場外から遊技を行う際に発射手段の発射性能を適式化することができ、遊技を適式かつ正常に行うことができる、という効果がある。
<M群:ファール球検知>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて遊技球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられ、遊技球の流下方向を変更可能な流下方向変更手段が配置された複数の入球口のいずれかへ遊技球が入球することに基づいて所定の遊技価値をそれぞれ付与するとともに、特定の入球口への入賞に基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において当たり等の有利状態に当選した場合に、入球手段に遊技球を入球可能にして、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されている(例えば、特許文献1(特開2017−112444号公報))。
しかしながら、上記遊技機では、遊技を適式かつ正常に行う必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
M群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技を適式かつ正常に行うことが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技者が保有する遊技価値情報を記憶する遊技価値情報記憶手段(例えば、遊技ポイント、又は、クレジット記憶手段)と、
遊技に使用しようとした遊技価値を計数する使用価値計数手段(例えば、球発射ユニット112aによって発射された球数を計数、又は、ベット数加算)と、
遊技に使用しようとして使用されなかった遊技価値を計数する未使用価値計数手段(例えば、ファール球となった球数を計数、又は、ベット数減算)と、を備え、
前記使用価値計数手段および前記未使用価値計数手段によって計数された遊技価値を前記遊技価値情報記憶手段に反映する
ことを特徴とする遊技機M0。
遊技機M0によれば、遊技者が保有する遊技価値情報を記憶する遊技価値情報記憶手段と、遊技に使用しようとした遊技価値を計数する使用価値計数手段と、遊技に使用しようとして使用されなかった遊技価値を計数する未使用価値計数手段と、を備え、前記使用価値計数手段および前記未使用価値計数手段によって計数された遊技価値を前記遊技価値情報記憶手段に反映する。これにより、遊技に使用しなかった遊技価値を遊技価値情報記憶手段に適式に反映させるとともに、実際の遊技に使用された遊技価値を遊技価値情報記憶手段に反映させることで、遊技者が保有する遊技価値を適式に管理することができ、遊技を適式かつ正常に行うことができる、という効果がある。
遊技機M0において、
遊技球を発射可能な発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な入球手段(例えば、第1始動口64a)と、
前記入球手段が配設された遊技領域と、を備え、
前記使用価値計数手段は、
前記発射手段によって発射された遊技球を計数し、
前記未使用価値計数手段は、
前記発射手段によって発射されたにも関わらず、前記遊技領域に到達しなかった遊技球を計数する
ことを特徴とする遊技機M1。
遊技機M1によれば、遊技機M0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球を発射可能な発射手段と、前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な入球手段と、前記入球手段が配設された遊技領域と、を備え、前記使用価値計数手段は、前記発射手段によって発射された遊技球を計数し、前記未使用価値計数手段は、前記発射手段によって発射されたにも関わらず、前記遊技領域に到達しなかった遊技球を計数する。これにより、発射手段によって発射されたにも関わらず遊技領域に到達しなかった遊技球を遊技価値情報記憶手段に適式に反映させるとともに、発射手段によって遊技領域に到達して実際の遊技に使用された遊技球を遊技価値情報記憶手段に反映させることで、遊技者が保有する遊技価値を適式に管理することができ、遊技を適式かつ正常に行うことができる、という効果がある。
遊技機M0又はM1において、
前記未使用価値計数手段は、
所定方向への遊技球の動きを計数する一方、前記所定方向と反対側への遊技球の動きを計数しない検出手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機M2。
遊技機M2によれば、遊技機M0又はM1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記未使用価値計数手段は、所定方向への遊技球の動きを計数する一方、前記所定方向と反対側への遊技球の動きを計数しない検出手段、を備えている。これにより、所定方向への遊技球の動きのみを計数することで、発射手段から発射された遊技球のうち、所定方向へ向かう遊技球のみを遊技に使用されなかった遊技球として計数することができ、発射手段によって発射されたにも関わらず遊技領域に到達しなかった遊技球を遊技価値情報記憶手段に適式に遊技価値情報記憶手段に反映させることで、遊技者が保有する遊技価値を適式に管理することができ、遊技を適式かつ正常に行うことができる、という効果がある。
遊技機M2において、
前記所定方向は、
前記発射手段から前記遊技領域へ向かう方向と反対方向である
ことを特徴とする遊技機M3。
遊技機M3によれば、遊技機M2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記所定方向は、前記発射手段から前記遊技領域へ向かう方向と反対方向である。これにより、発射手段から遊技領域へ向けて発射されたにも関わらず遊技領域へ到達せずに発射手段側へ向かう遊技球を、遊技に使用されなかった遊技球として計数することができ、発射手段によって発射されたにも関わらず遊技領域に到達しなかった遊技球を遊技価値情報記憶手段に適式に遊技価値情報記憶手段に反映させることで、遊技者が保有する遊技価値を適式に管理することができ、遊技を適式かつ正常に行うことができる、という効果がある。
遊技機M0において、
遊技球を発射可能な発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な入球手段(例えば、第1始動口64a)と、
前記入球手段が配設された遊技領域と、
前記発射手段から発射された遊技球が前記遊技領域に到達したか否かを検出する到達検出手段(例えば、戻り球防止部材68に設けられたスイッチ)と、を備え、
前記使用価値計数手段は、
前記到達検出手段によって前記遊技領域に到達した遊技球を計数し、
前記未使用価値計数手段は、
前記到達検出手段によって前記遊技領域に到達しなかった遊技球を計数する
ことを特徴とする遊技機M4。
遊技機M4によれば、遊技機M0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球を発射可能な発射手段と、前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な入球手段と、前記入球手段が配設された遊技領域と、前記発射手段から発射された遊技球が前記遊技領域に到達したか否かを検出する到達検出手段と、を備え、前記使用価値計数手段は、前記到達検出手段によって前記遊技領域に到達した遊技球を計数し、前記未使用価値計数手段は、前記到達検出手段によって前記遊技領域に到達しなかった遊技球を計数する。これにより、発射手段によって発射されたにも関わらず遊技領域に到達しなかった遊技球を遊技価値情報記憶手段に適式に反映させるとともに、発射手段によって遊技領域に到達して実際の遊技に使用された遊技球を遊技価値情報記憶手段に反映させることで、遊技者が保有する遊技価値を適式に管理することができ、遊技を適式かつ正常に行うことができる、という効果がある。
遊技機M4において、
前記遊技領域の入り口部分に設けられた戻り防止手段(例えば、戻り球防止部材68)、を備え、
前記到達検出手段は、
前記戻り防止手段に設けられる
ことを特徴とする遊技機M5。
遊技機M5によれば、遊技機M4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記遊技領域の入り口部分に設けられた戻り防止手段、を備え、前記到達検出手段は、前記戻り防止手段に設けられる。これにより、発射手段によって発射されたにも関わらず戻り防止手段を通過して遊技領域に到達しなかった遊技球を遊技価値情報記憶手段に適式に反映させるとともに、発射手段によって戻り防止手段を通過して遊技領域に到達して実際の遊技に使用された遊技球を遊技価値情報記憶手段に反映させることで、遊技者が保有する遊技価値を適式に管理することができ、遊技を適式かつ正常に行うことができる、という効果がある。
<N群:ブドウ対策>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて遊技球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられ、遊技球の流下方向を変更可能な流下方向変更手段が配置された複数の入球口のいずれかへ遊技球が入球することに基づいて所定の遊技価値をそれぞれ付与するとともに、特定の入球口への入賞に基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において当たり等の有利状態に当選した場合に、入球手段に遊技球を入球可能にして、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されている(例えば、特許文献1(特開2017−112444号公報))。
しかしながら、上記遊技機では、遊技を適式かつ正常に行う必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
N群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技を適式かつ正常に行うことが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技者が保有する遊技価値情報を記憶する遊技価値情報記憶手段(例えば、遊技ポイント)と、
遊技に使用した使用遊技価値(例えば、発射球数)を計数する使用価値計数手段(例えば、球発射ユニット112aによって発射された球数を計数)と、
遊技として使用された結果の使用済み遊技価値(例えば、アウト球数)を計数する結果価値計数手段(例えば、アウトスイッチによって検知された球数を計数)と、
前記使用価値計数手段によって計数された前記使用遊技価値と、前記結果価値計数手段によって計数された前記使用済み遊技価値とを判別する判別手段(例えば、発射球数とアウト球数との一致判定)と、
前記判別手段によって、前記使用済み遊技価値が前記使用遊技価値より少ない場合に、その差分を前記遊技価値情報記憶手段に反映する反映手段(例えば、発射球数とアウト球数とが一致しない場合に、その差分の遊技ポイントを復元)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機N0。
遊技機N0によれば、遊技者が保有する遊技価値情報を記憶する遊技価値情報記憶手段と、遊技に使用した使用遊技価値を計数する使用価値計数手段と、遊技として使用された結果の使用済み遊技価値を計数する結果価値計数手段と、前記使用価値計数手段によって計数された前記使用遊技価値と、前記結果価値計数手段によって計数された前記使用済み遊技価値とを判別する判別手段と、前記判別手段によって、前記使用済み遊技価値が前記使用遊技価値より少ない場合に、その差分を前記遊技価値情報記憶手段に反映する反映手段と、を備えている。これにより、使用遊技済み価値が使用遊技価値より少ない場合、即ち、遊技として使用したにも関わらず使用済み遊技価値として計数されずにどこかに滞留している現象(所謂、ブドウ現象)が発生した場合に、その滞留分(差分)を遊技者が保有する遊技価値に反映させることができ、遊技者が保有する遊技価値に損失が生じることを抑制し、遊技を適式かつ正常に行うことができる、という効果がある。
遊技機N0において、
遊技球を発射可能な発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な入球手段(例えば、第1始動口64a)と、
前記入球手段が配設された遊技領域と、
前記遊技領域を流下した遊技球が、該遊技領域外へ排出する排出手段(例えば、アウト口66(各始動口に流入した球を含む))と、を備え、
前記使用価値計数手段は、
前記発射手段によって発射された遊技球を計数し、
前記使用済み価値計数手段は、
前記排出手段から排出される遊技球を計数する
ことを特徴とする遊技機N1。
遊技機N1によれば、遊技機N0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球を発射可能な発射手段と、前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な入球手段と、前記入球手段が配設された遊技領域と、前記遊技領域を流下した遊技球が、該遊技領域外へ排出する排出手段と、を備え、前記使用価値計数手段は、前記発射手段によって発射された遊技球を計数し、前記使用済み価値計数手段は、前記排出手段から排出される遊技球を計数する。これにより、排出手段から排出される遊技球が発射手段により発射された遊技球より少ない場合、即ち、遊技として使用したにも関わらず排出手段から排出されずにどこかに滞留している現象(所謂、ブドウ現象)が発生した場合に、その滞留分(差分)を遊技者が保有する遊技価値に反映させることができる。その結果、遊技者が保有する遊技価値に損失が生じることを抑制し、遊技者が保有する遊技価値を適式に管理することができ、遊技を適式かつ正常に行うことができる、という効果がある。
遊技機N1において、
前記発射手段から発射された遊技球が前記遊技領域に到達したか否かを検出する到達検出手段(例えば、戻り球防止部材68に設けられたスイッチ)と、
前記発射手段から発射されたにもかかわらず前記到達検出手段によって検出されなかった遊技球に対応する遊技価値を前記遊技価値情報記憶手段に反映する戻り分反映手段(例えば、ファール球を遊技ポイントに復元(から減算しない))と、を備えている
ことを特徴とする遊技機N2。
遊技機N2によれば、遊技機N1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記発射手段から発射された遊技球が前記遊技領域に到達したか否かを検出する到達検出手段と、前記発射手段から発射されたにもかかわらず前記到達検出手段によって検出されなかった遊技球に対応する遊技価値を前記遊技価値情報記憶手段に反映する戻り分反映手段と、を備えている。これにより、発射手段によって発射されたにも関わらず遊技領域に到達しなかった遊技球を遊技価値情報記憶手段に適式に反映させることで、遊技者が保有する遊技価値を適式に管理することができ、遊技を適式かつ正常に行うことができる、という効果がある。
遊技機N2において、
前記遊技領域の入り口部分に設けられた戻り防止手段(例えば、戻り球防止部材68)、を備え、
前記到達検出手段は、
前記戻り防止手段に設けられる
ことを特徴とする遊技機N3。
遊技機N3によれば、遊技機N2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記遊技領域の入り口部分に設けられた戻り防止手段、を備え、前記到達検出手段は、前記戻り防止手段に設けられる。これにより、発射手段によって発射されたにも関わらず戻り防止手段を通過して遊技領域に到達しなかった遊技球を遊技価値情報記憶手段に適式に反映させることで、遊技者が保有する遊技価値を適式に管理することができ、遊技を適式かつ正常に行うことができる、という効果がある。
遊技機N0からN3のいずれかにおいて、
前記反映手段は、
前記使用価値計数手段によって計数されたにもかかわらず、所定期間(例えば、1分)の間、前記使用済み価値計数手段によって計数されない場合に、前記使用済み遊技価値と前記使用遊技価値との差分を前記遊技価値情報記憶手段に反映する
ことを特徴とする遊技機N4。
遊技機N4によれば、遊技機N0からN3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記反映手段は、前記使用価値計数手段によって計数されたにもかかわらず、所定期間(例えば、1分)の間、前記使用済み価値計数手段によって計数されない場合に、前記使用済み遊技価値と前記使用遊技価値との差分を前記遊技価値情報記憶手段に反映する。これにより、所定期間の間、使用価値計数手段によって計数されたにもかかわらず使用済み価値記憶手段によって計数されない場合、遊技として使用したにも関わらず使用済み遊技価値として計数されずにどこかに滞留している現象(所謂、ブドウ現象)が発生している蓋然性が高いので、その滞留分(差分)を遊技者が保有する遊技価値に反映させることができ、遊技者が保有する遊技価値に損失が生じることを抑制し、遊技を適式かつ正常に行うことができる、という効果がある。
遊技機N0からN4のいずれかにおいて、
前記使用価値計数手段によって計数が終了してから第2所定期間(例えば、2分)経過した後、前記使用価値計数手段によって計数された前記使用遊技価値と前記使用済み遊技価値とが一致しない場合に、所定の異常時処理を実行する異常時処理手段(例えば、球詰まりが発生していることを示唆するエラー報知、遊技機振動、ホールコンピュータに対してエラー出力等)、を備えている
ことを特徴とする遊技機N5。
遊技機N5によれば、遊技機N0からN4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記使用価値計数手段によって計数が終了してから第2所定期間経過した後、前記使用価値計数手段によって計数された前記使用遊技価値と前記使用済み遊技価値とが一致しない場合に、所定の異常時処理を実行する異常時処理手段、を備えている。これにより、
使用価値計数手段による計数が終了しているにもかかわらず、第2所定期間の間、使用遊技価値と使用済み遊技価値とが一致しない場合に、遊技として使用したにも関わらず使用済み遊技価値として計数されずにどこかに滞留している現象(所謂、ブドウ現象)が発生している蓋然性が高いので、該現象の発生に基づく異常時処理を実行して、遊技を適式かつ正常に行うことができる、という効果がある。
<O群:ネット遊技中の表示>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて遊技球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられ、遊技球の流下方向を変更可能な流下方向変更手段が配置された複数の入球口のいずれかへ遊技球が入球することに基づいて所定の遊技価値をそれぞれ付与するとともに、特定の入球口への入賞に基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において当たり等の有利状態に当選した場合に、入球手段に遊技球を入球可能にして、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されている(例えば、特許文献1(特開2017−112444号公報))。
しかしながら、上記遊技機では、遊技を適式かつ正常に行う必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
O群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技を適式かつ正常に行うことが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技を行うことが可能に構成され、
遊技結果を示唆可能な遊技結果示唆手段(例えば、第3図柄表示装置81やランプ表示手段の一部)を備えた遊技機において、
遊技を行っている旨を示す遊技実行中示唆手段(例えば、度数表示部41や上記ランプ表示装置227の一部以外の部分)、を備え、
前記遊技実行中示唆手段は、
前記遊技結果示唆手段と異なる部分に配置される
ことを特徴とする遊技機O0。
遊技機O0によれば、遊技を行うことが可能に構成され、遊技結果を示唆可能な遊技結果示唆手段を備えた遊技機であって、遊技を行っている旨を示す遊技実行中示唆手段、を備え、前記遊技実行中示唆手段は、前記遊技結果示唆手段と異なる部分に配置される。これにより、遊技の内容を阻害しない部分で遊技が実行されている旨を示すことができるので、遊技結果を遊技者に適式に示唆するとともに、遊技が行われている旨を適式に示すことができ、遊技を適式かつ正常に行うことができる、という効果がある。
遊技機O0において、
前記遊技結果示唆手段は、
遊技として所定の抽選結果を表示可能な表示手段(例えば、第3図柄表示装置81)、を備え、
前記遊技実行中示唆手段は、
前記表示手段と異なる部分に配置される
ことを特徴とする遊技機O1。
遊技機O1によれば、遊技機O0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記遊技結果示唆手段は、遊技として所定の抽選結果を表示可能な表示手段、を備え、前記遊技実行中示唆手段は、前記表示手段と異なる部分に配置される。これにより、遊技として所定の抽選結果を示す表示手段の表示内容を阻害しない部分で遊技が実行されている旨を示すことができるので、所定の抽選結果を遊技者に適式に示唆するとともに、遊技が行われている旨を適式に示すことができ、遊技を適式かつ正常に行うことができる、という効果がある。
遊技機O0又はO1において、
前記遊技結果示唆手段は、
所定の遊技状態を示す遊技状態表示手段(例えば、ランプ表示装置227の一部)、を備え、
前記遊技実行中示唆手段は、
前記遊技状態表示手段と異なる部分に配置される
ことを特徴とする遊技機O2。
遊技機O2によれば、遊技機O0又はO1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記遊技結果示唆手段は、所定の遊技状態を示す遊技状態表示手段、を備え、前記遊技実行中示唆手段は、前記遊技状態表示手段と異なる部分に配置される。これにより、所定の遊技状態を示す遊技状態表示手段の表示内容を阻害しない部分で遊技が実行されている旨を示すことができるので、遊技機における遊技状態を遊技者に適式に示唆するとともに、遊技が行われている旨を適式に示すことができ、遊技を適式かつ正常に行うことができる、という効果がある。
遊技機O0からO2のいずれかにおいて、
遊技者が保有する遊技価値を表示可能な遊技価値表示手段(例えば、度数表示部41)、を備え、
前記遊技実行中示唆手段は、
前記遊技価値表示手段で遊技を行っている旨を表示する
ことを特徴とする遊技機O3。
遊技機O3によれば、遊技機O0からO2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者が保有する遊技価値を表示可能な遊技価値表示手段、を備え、前記遊技実行中示唆手段は、前記遊技価値表示手段で遊技を行っている旨を表示する。これにより、遊技の結果や遊技状態等を遊技者に示唆する部分ではなく、遊技結果等と直接関係のない(間接的な)遊技価値表示手段において遊技を行っている旨を表示することで、遊技の内容を阻害しない部分で遊技が実行されている旨を示すことができるので、遊技結果を遊技者に適式に示唆するとともに、遊技が行われている旨を適式に示すことができ、遊技を適式かつ正常に行うことができる、という効果がある。
遊技機O0からO3のいずれかにおいて、
遊技機の異常状態を表示可能な異常状態表示手段(例えば、ランプ表示装置227における異常報知部分)、を備え、
前記遊技実行中示唆手段は、
前記異常状態表示で遊技を行っている旨を表示する
ことを特徴とする遊技機O4。
遊技機O4によれば、遊技機O0からO3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技機の異常状態を表示可能な異常状態表示手段、を備え、前記遊技実行中示唆手段は、前記異常状態表示で遊技を行っている旨を表示する。これにより、遊技の結果や遊技状態等を遊技者に示唆する部分ではなく、遊技結果等の示唆と直接関係のない(間接的な)異常状態表示手段において遊技を行っている旨を表示することで、遊技の内容を阻害しない部分で遊技が実行されている旨を示すことができるので、遊技結果を遊技者に適式に示唆するとともに、遊技が行われている旨を適式に示すことができ、遊技を適式かつ正常に行うことができる、という効果がある。
遊技機O0からO4のいずれかにおいて、
遊技の実行態様を撮影可能な撮影手段(例えば、ビデオカメラ701)と、
前記撮影手段によって撮影された映像を遊技場外へ伝送可能な伝送経路(例えば、インターネット回線)と、によって、遊技場外から遊技可能に構成された遊技機において、
前記遊技実行中示唆手段は、
前記撮影手段で撮影される範囲外に配置される
ことを特徴とする遊技機O5。
遊技機O5によれば、遊技機O0からO4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技の実行態様を撮影可能な撮影手段と、前記撮影手段によって撮影された映像を遊技場外へ伝送可能な伝送経路と、によって、遊技場外から遊技可能に構成された遊技機であって、前記遊技実行中示唆手段は、前記撮影手段で撮影される範囲外に配置される。これにより、遊技場外から遊技が行われている場合に、遊技の内容を阻害しない部分で遊技が実行されている旨を示すことができるとともに、遊技場内の遊技者に対して遊技が実行されている旨を示唆することができるので、遊技結果を遊技場外から遊技を行う遊技者に適式に示唆するとともに、遊技場内の遊技者に遊技が行われている旨を適式に示すことができ、1の遊技機における重複した遊技を抑制し、遊技を適式かつ正常に行うことができる、という効果がある。
遊技機O5において、
前記遊技実行中示唆手段は、
前記伝送経路を介して遊技場外から遊技が行われている場合に、遊技を行っている旨を表示する
ことを特徴とする遊技機O6。
遊技機O6によれば、遊技機O5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記遊技実行中示唆手段は、前記伝送経路を介して遊技場外から遊技が行われている場合に、遊技を行っている旨を表示する。遊技場外から遊技が行われている場合に、遊技の内容を阻害しない部分で遊技が実行されている旨を示すことができるとともに、遊技場内の遊技者に対して遊技が実行されている旨を示唆することができるので、遊技結果を遊技場外から遊技を行う遊技者に適式に示唆するとともに、遊技場内の遊技者に遊技が行われている旨を適式に示すことができ、1の遊技機における重複した遊技を抑制し、遊技を適式かつ正常に行うことができる、という効果がある。
なお、上記遊技機又は遊技システムA0〜A8のいずれかの構成に対して、上記遊技機又は遊技システムB0〜B8,C0〜C5,D0〜D6,E0〜E8,F0〜F5,G0〜G6,H0〜H7,I0〜I6,J0〜J6,K0〜K6,L0〜L7,M0〜M5,N0〜N5,O0〜O6のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機又は遊技システムB0〜B8のいずれかの構成に対して、上記遊技機又は遊技システムA0〜A8,C0〜C5,D0〜D6,E0〜E8,F0〜F8,G0〜G7,H0〜H6,I0〜I6,J0〜J6,K0〜K6,L0〜L7,M0〜M5,N0〜N5,O0〜O6のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機又は遊技システムC0〜C5のいずれかの構成に対して、上記遊技機又は遊技システムA0〜A8,B0〜B8,D0〜D6,E0〜E8,F0〜F8,G0〜G7,H0〜H6,I0〜I6,J0〜J6,K0〜K6,L0〜L7,M0〜M5,N0〜N5,O0〜O6のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機又は遊技システムD0〜D6のいずれかの構成に対して、上記遊技機又は遊技システムA0〜A8,B0〜B8,C0〜C5,E0〜E8,F0〜F8,G0〜G7,H0〜H6,I0〜I6,J0〜J6,K0〜K6,L0〜L7,M0〜M5,N0〜N5,O0〜O6のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機又は遊技システムE0〜E8のいずれかの構成に対して、上記遊技機又は遊技システムA0〜A8,B0〜B8,C0〜C5,D0〜D6,F0〜F8,G0〜G7,H0〜H6,I0〜I6,J0〜J6,K0〜K6,L0〜L7,M0〜M5,N0〜N5,O0〜O6のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機又は遊技システムF0〜F8のいずれかの構成に対して、上記遊技機又は遊技システムA0〜A8,B0〜B8,C0〜C5,D0〜D6,E0〜E8,G0〜G7,H0〜H6,I0〜I6,J0〜J6,K0〜K6,L0〜L7,M0〜M5,N0〜N5,O0〜O6のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機又は遊技システムG0〜G7のいずれかの構成に対して、上記遊技機又は遊技システムA0〜A8,B0〜B8,C0〜C5,D0〜D6,E0〜E8,F0〜F8,H0〜H6,I0〜I6,J0〜J6,K0〜K6,L0〜L7,M0〜M5,N0〜N5,O0〜O6のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機又は遊技システムH0〜H6のいずれかの構成に対して、上記遊技機又は遊技システムA0〜A8,B0〜B8,C0〜C5,D0〜D6,E0〜E8,F0〜F8,G0〜G7,I0〜I6,J0〜J6,K0〜K6,L0〜L7,M0〜M5,N0〜N5,O0〜O6のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機又は遊技システムI0〜I6のいずれかの構成に対して、上記遊技機又は遊技システムA0〜A8,B0〜B8,C0〜C5,D0〜D6,E0〜E8,F0〜F8,G0〜G7,H0〜H6,J0〜J6,K0〜K6,L0〜L7,M0〜M5,N0〜N5,O0〜O6のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機又は遊技システムJ0〜J6のいずれかの構成に対して、上記遊技機又は遊技システムA0〜A8,B0〜B8,C0〜C5,D0〜D6,E0〜E8,F0〜F8,G0〜G7,H0〜H6,I0〜I6,K0〜K6,L0〜L7,M0〜M5,N0〜N5,O0〜O6のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機又は遊技システムK0〜K6のいずれかの構成に対して、上記遊技機又は遊技システムA0〜A8,B0〜B8,C0〜C5,D0〜D6,E0〜E8,F0〜F8,G0〜G7,H0〜H6,I0〜I6,J0〜J6,L0〜L7,M0〜M5,N0〜N5,O0〜O6のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機又は遊技システムL0〜L7のいずれかの構成に対して、上記遊技機又は遊技システムA0〜A8,B0〜B8,C0〜C5,D0〜D6,E0〜E8,F0〜F8,G0〜G7,H0〜H6,I0〜I6,J0〜J6,K0〜K6,M0〜M5,N0〜N5,O0〜O6のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機又は遊技システムM0〜M5のいずれかの構成に対して、上記遊技機又は遊技システムA0〜A8,B0〜B8,C0〜C5,D0〜D6,E0〜E8,F0〜F8,G0〜G7,H0〜H6,I0〜I6,J0〜J6,K0〜K6,L0〜L7,N0〜N5,O0〜O6のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機又は遊技システムN0〜N5のいずれかの構成に対して、上記遊技機又は遊技システムA0〜A8,B0〜B8,C0〜C5,D0〜D6,E0〜E8,F0〜F8,G0〜G7,H0〜H6,I0〜I6,J0〜J6,K0〜K6,L0〜L7,M0〜M5,O0〜O6のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機又は遊技システムO0〜O6のいずれかの構成に対して、上記遊技機又は遊技システムA0〜A8,B0〜B8,C0〜C5,D0〜D6,E0〜E8,F0〜F8,G0〜G7,H0〜H6,I0〜I6,J0〜J6,K0〜K6,L0〜L7,M0〜M5,N0〜N5のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
これらの場合、各構成を適用したことによるさらなる効果を奏することができる。
遊技機又は遊技システムA0からA8,B0からB8,C0からC5、D0からD6、E0からE8、F0からF8、G0からG7、H0からH6、I0からI6、J0からJ6、K0からK6、L0からL7、M0からM5、N0からN5、O0からO6のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機又は遊技システムA0からA8,B0からB8,C0からC5、D0からD6、E0からE8、F0からF8、G0からG7、H0からH6、I0からI6、J0からJ6、K0からK6、L0からL7、M0からM5、N0からN5、O0からO6のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(大入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機又は遊技システムA0からA8,B0からB8,C0からC5、D0からD6、E0からE8、F0からF8、G0からG7、H0からH6、I0からI6、J0からJ6、K0からK6、L0からL7、M0からM5、N0からN5、O0からO6のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
10 パチンコ機(遊技機)
41 度数表示部(遊技実行中示唆手段の一部、遊技価値表示手段の一部)
51 操作ハンドル(操作手段の一部、回動操作手段の一部)
64a 第1始動口(遊技装置の一部、入球手段の一部)
65 可変入賞装置(遊技装置の一部)
66 アウト口(排出手段の一部)
68 戻り球防止部材(戻り防止手段の一部)
81 第3図柄表示装置(遊技結果示唆手段の一部、表示手段の一部)
110 主制御装置(主制御手段の一部)
111 払出制御装置(副制御手段の一部、第1副制御手段の一部、遊技価値付与手段の一部、払出制御手段の一部)
112 発射制御装置(発射制御手段の一部)
112a 球発射ユニット(発射手段の一部)
113 音声ランプ制御装置(副制御手段の一部、第2副制御手段の一部、サブ制御手段の一部)
202i 製造番号記憶部(固有情報記憶手段の一部)
227 ランプ表示装置(遊技状態表示手段の一部、遊技実行中示唆手段の一部、異常状態表示手段の一部)
300 暗号化装置(加工手段の一部、加工出力手段の一部)
400 復号化装置(固有情報判別手段の一部)
411 カード挿入孔(判別可能手段の一部)
500 認証カード(固有情報判別手段の一部)
501 ICチップ(対応情報記憶手段の一部)
501a 製造番号記憶部(対応情報の一部)
501b マスター鍵記憶部(対応情報の一部)
501c 有効期限情報記憶部(有効設定手段の一部)
600 ホールコンピュータ(管理装置の一部)
603a2 遊技履歴情報(遊技履歴記憶手段の一部)
603a1 会員情報記憶部(会員情報記憶手段の一部)
603a3 保持遊技ポイント(購入遊技価値記憶手段の一部、個別遊技価値記憶手段の一部)
603a4 保持付与ポイント(付与遊技価値記憶手段の一部、個別遊技価値記憶手段の一部)
603b2 実行遊技ポイント(個別遊技価値記憶手段の一部)
603b3 実行付与ポイント(個別遊技価値記憶手段の一部)
701 ビデオカメラ(撮影手段の一部)
900 モニタ(表示手段の一部)
PC 端末装置(端末手段の一部)
CC 制御コマンド(制御情報の一部)
SN 製造番号(固有情報の一部)
S3002 分離および復号化処理(対応関係判別手段の一部)
S3106〜S3110 (復元手段の一部)

Claims (1)

  1. 遊技者が保有する遊技価値情報を記憶する遊技価値情報記憶手段と、
    遊技に使用した使用遊技価値を計数する使用価値計数手段と、
    遊技として使用された結果の使用済み遊技価値を計数する結果価値計数手段と、
    前記使用価値計数手段によって計数された前記使用遊技価値と、前記結果価値計数手段によって計数された前記使用済み遊技価値とを判別する判別手段と、
    前記判別手段によって、前記使用済み遊技価値が前記使用遊技価値より少ない場合に、その差分を前記遊技価値情報記憶手段に反映する反映手段と、を備えている
    ことを特徴とする遊技機。
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