JP2021068667A - 金属ピン - Google Patents

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隆介 長谷
悟士 山本
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悟士 山本
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裕人 佐藤
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Abstract

【課題】破損を抑制することができる金属ピンを提供する。【解決手段】金属ピンは、導電板と監視基板とを電気的に接続する金属ピンであって、導電板と電気的に接続される第1接続部と、第1接続部からY軸方向に沿って延び、X軸方向における幅がZ軸方向における幅よりも大きい第1延在部と、第1延在部の第1接続部とは反対側の端部からY軸方向に沿って延び、X軸方向における幅がZ軸方向における幅よりも小さい第2延在部と、第2延在部の第1延在部側とは反対側に設けられ、監視基板と電気的に接続される第2接続部と、を備える。【選択図】図5

Description

本発明の一側面は、金属ピンに関する。
導電性を有する層を介して積層された複数のバイポーラ電池(蓄電モジュール)を備える蓄電装置が知られている(特許文献1参照)。各蓄電モジュールは、セパレータを介して複数のバイポーラ電極を積層してなる積層体を備えている。積層体の側面には、積層方向に隣り合うバイポーラ電極間を封止する封止体が設けられており、バイポーラ電極間に形成された内部空間に電解液が収容されている。
特開2007−122977号公報
上述したような蓄電装置では、各蓄電モジュールの電圧が監視されることがある。一般に、電圧を監視する監視基板は、蓄電装置の外部に設けられる。このため、各蓄電モジュールの電圧を監視基板に伝達するために、蓄電モジュールと監視基板とを電気的に接続するための接続部材が必要となる。このような接続部材として金属ピンを用いることが考えられる。ところで、例えば監視基板の交換容易性を確保するために、金属ピンの接続部に対して監視基板を着脱可能な構成を実現したい場合がある。この場合、監視基板の着脱時に金属ピンに応力が発生し得る。また、金属ピンの形状は、蓄電モジュールと監視基板との位置関係に基づいて定められるが、製造上のばらつき等により、上記位置関係と金属ピンの形状との間にずれが生じ、当該ずれに起因して金属ピンに応力が発生し得る。このような応力は、金属ピンの破損の原因となり得る。
そこで、本発明の一側面は、破損を抑制することができる金属ピンを提供することを目的とする。
本発明の一側面に係る金属ピンは、第1部材と第2部材とを電気的に接続する金属ピンであって、第1部材と電気的に接続される第1接続部と、第1接続部から第1方向に沿って延び、第1方向に垂直な第2方向における幅が第1方向及び第2方向に垂直な第3方向における幅よりも大きい第1延在部と、第1延在部の第1接続部とは反対側の端部から第1方向に沿って延び、第2方向における幅が第3方向における幅よりも小さい第2延在部と、第2延在部の第1延在部側とは反対側に設けられ、第2部材と電気的に接続される第2接続部と、を備える。
上記金属ピンは、第1方向に沿って延びる第1延在部及び第2延在部を有している。第2方向における幅が第3方向における幅よりも大きくされた第1延在部により、金属ピンに生じる第3方向における応力を吸収することができる。さらに、第3方向における幅が第2方向における幅よりも大きくされた第2延在部により、金属ピンに生じる第2方向における応力を吸収することができる。従って、上記金属ピンによれば、第2方向又は第3方向への曲げ変形によって生じる応力を適切に吸収することができる。その結果、金属ピンの破損を抑制することができる。
第1延在部は、第3方向に屈曲する屈曲部を有してもよい。この場合、屈曲部により、第1方向における応力を吸収することが可能となる。従って、金属ピンの破損を好適に抑制することができる。
第2延在部は、第2方向に屈曲する屈曲部を有してもよい。この場合、屈曲部により、第1方向における応力を吸収することが可能となる。従って、金属ピンの破損を好適に抑制することができる。
第1延在部及び第2延在部は、共通の板状部材によって一体的に形成されていてもよい。この場合、元々平板状の板状部材に対する加工処理(曲げ加工等)によって、第1延在部及び第2延在部を有する金属ピンを容易に製造することができる。
第1延在部と第2延在部とは、第2方向における第1延在部の幅内において第1方向に沿って互いに重なる領域を有してもよい。この場合、第1延在部と第2延在部とが重なる領域を設けることによって、矩形状の金属板を用いることができるため、金属ピンの製造コストを低減できる。
第2延在部の第3方向における端部には、凹部が設けられていてもよい。この場合、第2延在部において凹部が設けられた部分の断面積を凹部が設けられていない部分の断面積よりも小さくすることができる。このように断面積が小さい部分を設けることにより、第1方向周りの曲げ(捻り)変形により金属ピンに生じる応力を好適に吸収することができる。
第1部材は、第3方向に積層された複数の蓄電モジュールを含む蓄電装置において、互いに隣り合う蓄電モジュール間又は積層端に位置する導電部材であり、第2部材は、複数の蓄電モジュールの各々の電圧を監視するために、各導電部材に対応する複数の接続端子を有する監視基板であってもよい。この場合、各導電部材と監視基板に設けられた各接続端子とが各金属ピンを介して電気的に接続されることになる。ここで、第1延在部の第3方向(すなわち、蓄電モジュールの積層方向)における幅が、第1延在部の第2方向における幅よりも小さいことにより、金属ピンの第1延在部を隣り合う蓄電モジュール間に容易に挿入することができる。
第2接続部は、第3方向に沿った接触面を有してもよい。この場合、第3方向に積層された複数の導電部材に対応して第3方向に配列される複数の金属ピンの第2接続部の接触面を、第3方向に沿った同一平面上に位置させることが可能となる。これにより、各金属ピンの第2接続部の接触面と導通(接触)させるための複数の接続端子を備える1枚の回路基板によって、上記監視基板を構成することができる。すなわち、ワイヤーハーネス及びコネクタを用いない構成において、1枚の回路基板によって複数の蓄電モジュールの電圧を監視可能な構成を実現できる。
第2接続部は、接触面を監視基板の接続端子に向けて付勢する付勢部を有してもよい。この場合、接触面が付勢部によって監視基板の接続端子に押し付けられるため、金属ピンの第2接続部の接触面と監視基板の接続端子との間の接圧を好適に確保することができる。
第2接続部は、互いに対向する一対の接触面を有してもよい。この場合、両面に接続端子が設けられた監視基板を一対の接触面で挟み込むことにより、金属ピンの第2接続部の接触面と監視基板の接続端子との導通をより確実に図ることが可能となる。
第2接続部は、第2延在部の第1延在部とは反対側の端部から第2方向に沿って延びており、接触面は、第1方向に垂直な面であってもよい。この場合、監視基板を第1方向に垂直な平面に沿うように配置することが可能となるため、複数の蓄電モジュール、複数の金属ピン、及び監視基板を含む蓄電装置の第1方向における寸法を小型化することができる。
第2延在部と第2接続部とを接続し、監視基板を収容する収容部材に対して固定される角部を更に備えてもよい。この場合、角部によって、監視基板を収容する収容部材に対して金属ピンを適切に固定することができる。その結果、振動等による金属ピンと監視基板との分離を好適に抑制できる。
第2延在部の第3方向における端部には、凹凸形状が設けられていてもよい。上記構成によれば、第3方向を鉛直方向(重力方向)に一致させると共に凹凸形状が設けられた第2延在部の端部を下方に配置することにより、蓄電モジュールから電解液が漏れ出た場合に、当該電解液を第2延在部における凹凸形状が設けられた部分で落下させ易くすることができる。これにより、当該電解液が監視基板へと伝わることを抑制することができ、トラッキング及び監視基板の腐食等の発生を抑制することができる。
第2延在部には、第2方向に貫通すると共に第3方向に延びる貫通孔が設けられていてもよい。上記構成によれば、第3方向を鉛直方向(重力方向)に一致させることにより、上述した蓄電モジュールからの電解液の漏液が生じた場合に、当該電解液を第2延在部における貫通孔が設けられた部分で下方に移動させ易くすることができる。すなわち、当該電解液が監視基板へと伝わる前に、当該電解液を下方に落下させ易くすることができる。これにより、当該電解液が監視基板へと伝わることを抑制することができ、トラッキング及び監視基板の腐食等の発生を抑制することができる。
本発明の一側面によれば、破損を抑制することができる金属ピンを提供することができる。
図1は、一実施形態に係る蓄電装置を示す概略斜視図である。 図2は、図1のII−II線に沿った概略断面図である。 図3は、図2に示された断面の一部を拡大した図である。 図4は、図1に示された蓄電モジュールの内部構成を示す概略断面図である。 図5は、金属ピンを示す斜視図である。 図6は、金属ピンの製造方法の一例を説明するための図である。 図7は、金属ピンの第2接続部を示す斜視図である。 図8は、監視基板を示す斜視図である。 図9は、監視基板の一方の主面側から見た平面図である。 図10は、監視基板の他方の主面側から見た平面図である。 図11は、監視基板の一部を拡大した図である。 図12(a)は、スロットの拡大斜視図であり、図12(b)は、図12(a)に示されるスロットの一部を拡大した図である。 図13(a),(b)は、スロットに金属ピンが収容された状態を示す図である。 図14は、ケースを示す斜視図である。 図15(a)は、本体の平面図であり、図15(b)は、本体の斜視図である。 図16(a)は、図15(b)の一部を拡大した図であり、図16(b)は、図16(a)の底面図である。 図17は、図14の要部拡大斜視図である。 図18(a)は、カバーの斜視図であり、図18(b)は、カバーの平面図である。 図19(a)〜(c)は、ケースがスロットに装着されるときの金属ピンの動作を説明するための図である。 図20は、ケースがスロットに装着された状態を示す概略拡大図である。 図21は、第1変形例に係る蓄電装置の一部を示す模式斜視図である。 図22は、第1変形例に係る蓄電モジュールと監視基板との関係を示す模式平面図である。 図23は、第2変形例に係る蓄電装置の一部を示す模式斜視図である。 図24は、第3変形例に係る金属ピンを示す斜視図である。 図25は、第4変形例に係る金属ピンの要部拡大図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態が詳細に説明される。図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号が用いられ、重複する説明は省略される。
(蓄電装置の概要)
図1は、一実施形態に係る蓄電装置を示す概略斜視図である。図2は、図1のII−II線に沿った概略断面図である。図3は、図2に示された断面の一部を拡大した図である。図1及び図2に示される蓄電装置1は、例えば、フォークリフト、ハイブリッド自動車、又は電気自動車等の各種車両のバッテリとして用いられる。蓄電装置1は、モジュール積層体2と、拘束部材3と、複数の金属ピン100と、監視装置50とを備えている。
モジュール積層体2は、複数の蓄電モジュール4と、複数の導電板5と、を含む。複数の蓄電モジュール4は、積層方向D1(第1方向)に沿って積層(配列)されており、互いに直列に接続される。蓄電モジュール4は、バイポーラ電池等の電池であり、積層方向D1から見て矩形状を呈している。蓄電モジュール4は、例えばニッケル水素二次電池及びリチウムイオン二次電池等の二次電池、又は電気二重層キャパシタである。以下の説明では、蓄電モジュール4としてニッケル水素二次電池を例示する。また以下では、積層方向D1の一方側を上側と称し、積層方向D1の他方側を下側と称し、積層方向D1から見ることを平面視と称する場合がある。
積層方向D1において互いに隣り合う2つの蓄電モジュール4の間には導電板5が位置しており、これらの蓄電モジュール4は、導電板5を介して互いに電気的に接続されている。導電板5は、積層方向D1において互いに隣り合う2つの蓄電モジュール4の間と、積層端に位置する蓄電モジュール4の外側面と、にそれぞれ配置されている。積層方向D1の一端(本実施形態では積層下端)に位置する導電板5には、負極端子6が接続されている。積層方向D1の他端(本実施形態では積層上端)に位置する導電板5には、正極端子7が接続されている。負極端子6及び正極端子7は、例えば導電板5の縁部から積層方向D1と交差する方向D2(第2方向)に引き出されている。このような負極端子6及び正極端子7を設けることにより、蓄電装置1の充放電が容易に実施可能になる。本実施形態では、積層方向D1と方向D2とは、互いに直交している。
導電板5は、蓄電装置1における放熱板としても機能し得る。導電板5は、例えば蓄電モジュール4において発生した熱を放出し得る。導電板5には、複数の流路5aと、複数(本実施形態では、2つ)の溝5bと、が設けられている。流路5aは、空気等の冷媒を流通させるための貫通孔である。流路5aは、例えば、積層方向D1と方向D2とにそれぞれ交差する方向D3(第3方向)に延在する。複数の流路5aは方向D2に沿って配列されている。溝5bは、方向D2における導電板5の両端に設けられている。溝5bの数は1つでもよく、この場合、溝5bは監視装置50側の一端に設けられる。溝5bは、例えば、方向D3における導電板5の一端から他端まで延在している。積層上端の導電板5と積層下端の導電板5とには、流路5aが設けられなくてもよい。本実施形態では、方向D3は、積層方向D1と方向D2とのそれぞれに対して直交している。
図3に示されるように、導電板5は、積層方向D1において互いに向かい合う壁部5c及び壁部5dと、壁部5c及び壁部5dを連結する複数の隔壁5eと、を備えている。隔壁5eは、壁部5cと壁部5dとの間に立設されている。壁部5c、壁部5d、及び複数の隔壁5eによって、複数の流路5a及び複数の溝5bが画成される。以下では説明の便宜上、2つの蓄電モジュール4のうち、上側に位置する蓄電モジュール4(第1蓄電モジュール)を「蓄電モジュール4A」と称し、下側に位置する蓄電モジュール4(第2蓄電モジュール)を「蓄電モジュール4B」と称する場合がある。加えて、蓄電モジュール4A,4Bの両方に接する導電板5を「第1導電板5A」と称し、蓄電モジュール4Aを介して第1導電板5Aの反対側に位置する導電板5を「第2導電板」と称する場合がある。
図1及び図2の例では、積層方向D1から見た導電板5の面積は、蓄電モジュール4の面積よりも小さいが、これに限られない。例えば放熱性の向上の観点から、平面視にて、導電板5の面積は、蓄電モジュール4の面積と同じであってもよく、蓄電モジュール4の面積よりも大きくてもよい。
拘束部材3は、モジュール積層体2に対して積層方向D1に沿った拘束荷重を付加する部材である。拘束部材3は、モジュール積層体2を積層方向D1に挟む一対のエンドプレート8と、一対のエンドプレート8同士を締結する締結ボルト9及びナット10と、を含んでいる。エンドプレート8は、積層方向D1から見た蓄電モジュール4及び導電板5の面積よりも一回り大きい面積を有する矩形の金属板である。エンドプレート8の内側面には、電気絶縁性を有する絶縁板Fが設けられている。絶縁板Fにより、エンドプレート8と導電板5との間が絶縁されている。
エンドプレート8の縁部には、モジュール積層体2よりも外側の位置に挿通孔8aが設けられている。締結ボルト9は、一方のエンドプレート8の挿通孔8aから他方のエンドプレート8の挿通孔8aに向かって通され、他方のエンドプレート8の挿通孔8aから突出した締結ボルト9の先端部分には、ナット10が螺合されている。これにより、蓄電モジュール4及び導電板5が一対のエンドプレート8によって挟持されてモジュール積層体2としてユニット化されるとともに、モジュール積層体2に対して積層方向D1に拘束荷重が付加される。
複数の金属ピン100は、モジュール積層体2と監視装置50とを電気的接続するための接続部材であり、積層方向D1に沿って配置されると共に方向D2に沿って延在する。金属ピン100は、対応する導電板5に固定される第1接続部110(第1端子とも呼称する)と、監視装置50に接続される第2接続部140(第2端子もしくは外部端子とも呼称する)とを有する。このため、モジュール積層体2と監視装置50とは、ワイヤーハーネス及びコネクタ等を介することなく、金属ピン100を介して電気的に接続される。第1接続部110は、方向D2において金属ピン100の一端に位置し、例えば壁部5dの表面に固定される。金属ピン100は、導電性接着剤などを介して壁部5dに固定されてもよいし、壁部5dに溶着もしくは溶接されてもよい。第2接続部140は、方向D2において金属ピン100の他端に位置する。金属ピン100の具体的な形状、金属ピン100と監視装置50との接続態様等の説明については後述する。以下では説明の便宜上、複数の金属ピン100のうち、第1導電板5Aに接続される金属ピン100を「第1金属ピン」と称し、上述した第2導電板に接続される金属ピン100を「第2金属ピン」と称する場合がある。
監視装置50は、蓄電装置1に含まれるモジュール積層体2の状態を監視する装置である。監視装置50は、例えば、各蓄電モジュール4の状態を監視するための回路基板(後述する監視基板200)を含む。監視装置50の詳細については後述する。
(蓄電モジュール)
次に、蓄電モジュール4の構成について詳細に説明する。図4は、図1に示された蓄電モジュールの内部構成を示す概略断面図である。図4に示されるように、複数の蓄電モジュール4のそれぞれは、電極積層体11と、電極積層体11を封止する封止体12と、を備えている。電極積層体11は、複数のセパレータ13と、複数のバイポーラ電極14と、負極終端電極18と、正極終端電極19と、を有している。本実施形態では、電極積層体11の積層方向はモジュール積層体2の積層方向D1と一致している。電極積層体11は、積層方向D1に延びる側面11aを有している。
セパレータ13は、例えばシート状に形成されている。セパレータ13としては、ポリエチレン(PE)及びポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂からなる多孔質フィルム、並びに、ポリプロピレン及びメチルセルロース等からなる織布又は不織布等が例示される。セパレータ13は、フッ化ビニリデン樹脂化合物で補強されてもよい。セパレータ13は、袋状であってもよい。
負極終端電極18、複数のバイポーラ電極14、及び正極終端電極19(複数の電極)は、その順で積層方向D1に沿って積層されている。積層方向D1において互いに隣り合う2つのバイポーラ電極14の間、積層方向D1において互いに隣り合う負極終端電極18とバイポーラ電極14との間、及び、積層方向D1において互いに隣り合う正極終端電極19とバイポーラ電極14との間のそれぞれには、セパレータ13が配置される。複数のバイポーラ電極14のそれぞれは、電極板15と、正極16と、負極17と、を含んでいる。電極板15は、例えばニッケルからなる金属箔、又はニッケルメッキ鋼板からなり、矩形状を呈している。電極板15は、上面15aと、上面15aと反対側の下面15bと、を含む。電極板15の周縁部15cは、正極活物質及び負極活物質が塗工されていない未塗工領域である。
正極16は、電極板15の上面15aに設けられる。正極16は、正極活物質を上面15aに塗工することによって形成された正極活物質層である。正極16を構成する正極活物質としては、例えば水酸化ニッケルが挙げられる。負極17は、電極板15の下面15bに設けられる。負極17は、負極活物質を下面15bに塗工することによって形成された負極活物質層である。負極17を構成する負極活物質としては、例えば水素吸蔵合金が挙げられる。本実施形態では、平面視にて、電極板15の下面15bにおける負極17の形成領域は、電極板15の上面15aにおける正極16の形成領域よりも一回り大きい。
電極積層体11において、一のバイポーラ電極14の正極16は、セパレータ13を挟んで積層方向D1に隣り合う一方のバイポーラ電極14の負極17と向かい合っている。電極積層体11において、一のバイポーラ電極14の負極17は、セパレータ13を挟んで積層方向D1に隣り合う他方のバイポーラ電極14の正極16と向かい合っている。
負極終端電極18は、積層方向D1における電極積層体11の一端11bに配置されている。負極終端電極18は、電極板15と、電極板15の下面15bに設けられた負極17とを含んでいる。負極終端電極18の負極17は、セパレータ13を介して積層方向D1の一端に位置するバイポーラ電極14の正極16と向かい合っている。負極終端電極18の電極板15の上面15aには、蓄電モジュール4に隣接する一方の導電板5が接触している。
正極終端電極19は、積層方向D1における電極積層体11の一端11bとは反対側の他端11cに配置されている。正極終端電極19は、電極板15と、電極板15の上面15aに設けられた正極16とを含んでいる。正極終端電極19の正極16は、セパレータ13を介して積層方向D1の他端に位置するバイポーラ電極14の負極17と向かい合っている。正極終端電極19の電極板15の下面15bには、蓄電モジュール4に隣接する他方の導電板5が接触している。
封止体12は、セパレータ13及びバイポーラ電極14を封止するシール材であり、例えば矩形の筒状に形成されている。封止体12は、絶縁性を有する樹脂材料により形成されている。封止体12を構成する樹脂材料としては、例えばポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、又は変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE)等が挙げられる。封止体12は、電極積層体11の周囲に設けられ、電極積層体11内に内部空間Vを形成するとともに、内部空間Vを封止している。具体的には、封止体12は、積層方向D1に延びる電極積層体11の側面11aにおいて電極板15の周縁部15cを保持するとともに、側面11aを取り囲むように構成されている。封止体12は、積層方向D1において互いに隣り合う2つのバイポーラ電極14の間を封止している。
封止体12は、複数の一次封止体21と、二次封止体22と、を有している。一次封止体21は、電極板15の周縁部15cにおいて、電極板15の全周(全辺)にわたって連続的に設けられている。二次封止体22は、複数の一次封止体21を外側から取り囲むように設けられている。二次封止体22は、電極積層体11及び複数の一次封止体21の周囲に設けられ、蓄電モジュール4の外壁(筐体)を構成している。二次封止体22は、樹脂の射出成形によって形成され、積層方向D1に沿って電極積層体11の全長にわたって延在している。二次封止体22は、積層方向D1を軸方向として延在する筒状(環状)を呈している。二次封止体22は、例えば、射出成形時の熱によって一次封止体21の外縁部側の端面に溶着(接合)されている。
二次封止体22は、一次封止体21とともに、積層方向D1において互いに隣り合う2つのバイポーラ電極14の間、積層方向D1において互いに隣り合う負極終端電極18とバイポーラ電極14との間、及び、積層方向D1において互いに隣り合う正極終端電極19とバイポーラ電極14との間をそれぞれ封止している。これにより、2つのバイポーラ電極14の間、負極終端電極18とバイポーラ電極14との間、及び、正極終端電極19とバイポーラ電極14との間には、それぞれ気密に仕切られた内部空間Vが形成されている。各内部空間Vには、例えば水酸化カリウム水溶液等のアルカリ水溶液からなる電解液(不図示)が収容されている。電解液は、セパレータ13、正極16及び負極17内に含浸されている。
(金属ピン)
次に、図1,2,4に加えて、図5〜図7を参照して、金属ピン100の構成について詳細に説明する。図5は、金属ピン100を示す斜視図である。図6は、金属ピン100の製造方法の一例を説明するための図である。図7は、金属ピン100の第2接続部140を示す斜視図である。図5〜図7では、説明の便宜上、XYZ座標系を図示している。本実施形態の金属ピン100の使用態様(すなわち、図2に示されるように各金属ピン100が配置される場合)において、Y軸方向(金属ピン100の説明における第1方向)は方向D2に対応し、X軸方向(金属ピン100の説明における第2方向)は方向D3に対応し、Z軸方向(金属ピン100の説明における第3方向)は積層方向D1に対応する。
金属ピン100は、金属製の導電部材である。金属ピン100は、互いに隣り合う蓄電モジュール4の間又はモジュール積層体2の積層端に位置する導電板5(導電部材、第1部材)と、複数の蓄電モジュール4の各々の電圧を監視するための複数の接続端子221,222(図8〜図11参照、詳細は後述)を有する監視基板200(第2部材)と、を電気的に接続する部材である。具体的には、1つの金属ピン100によって、1つの導電板5と当該導電板5に対応する1組の接続端子221,222とが電気的に接続される。
図5に示されるように、金属ピン100は、例えば一定の厚みを有する平坦な金属板に対して切削加工、曲げ加工等を行うことにより得られる。金属ピン100は、第1接続部110と、第1延在部120と、第2延在部130と、第2接続部140と、を備えている。
第1接続部110は、金属ピン100の一端部に相当し、対応する導電板5と電気的に接続される部分である。上述したとおり、本実施形態では、第1接続部110は、導電板5の壁部5dの表面に固定される。
第1延在部120は、第1接続部110からY軸方向に沿って延びる部分である。なお、本実施形態では、第1接続部110は、第1延在部120の一部(第1延在部120の端部)と見做すこともできる。第1延在部120のX軸方向における幅は、第1延在部120のZ軸方向における幅よりも大きい。具体的には、第1延在部120は、金属ピン100の主面がX軸方向及びY軸方向に沿っている板状部分である。すなわち、第1延在部120の大部分(具体的には、後述する屈曲部121を除いた部分)において、金属ピン100の板厚方向がZ軸方向と一致している。
第1延在部120は、Z軸方向に屈曲する屈曲部121を有する。本実施形態では一例として、屈曲部121は、Y軸方向における第1延在部120の略中央部に形成されている。屈曲部121は、第1延在部120の第1接続部110側の部分120aと、第1延在部120の第2延在部130側の部分120bと、を接続している。ここでは一例として、屈曲部121は、部分120aの主面の高さ位置に対して部分120bの主面の高さ位置がずれるように、部分120a及び部分120bを接続している。ただし、屈曲部121の位置及び形状は、上記形態に限定されない。例えば、屈曲部121は、後述する屈曲部131のようにV字状に形成されてもよい。この場合、部分120aの主面の高さ位置と部分120bの主面の高さ位置とは一致してもよい。
第2延在部130は、第1延在部120の第1接続部110とは反対側の端部からY軸方向に沿って更に延びる部分である。第2延在部130のX軸方向における幅は、第2延在部130のZ軸方向における幅よりも小さい。具体的には、第2延在部130は、金属ピン100の主面がY軸方向及びZ軸方向に沿っている板状部分である。すなわち、第2延在部130の大部分(具体的には、後述する屈曲部131を除いた部分)において、金属ピン100の板厚方向がX軸方向と一致している。
第2延在部130は、X軸方向に屈曲する屈曲部131を有する。本実施形態では一例として、屈曲部131は、Y軸方向における第2延在部130の中央部よりも第1延在部120側に形成されている。屈曲部131は、Z軸方向から見てV字状に屈曲している。ただし、屈曲部131の位置及び形状は、上記形態に限定されない。
第2延在部130のZ軸方向における端部130a(本実施形態では、積層方向D1における下側の端部)には、凹部132が設けられている。凹部132は、例えば、第2延在部130の端部130aの一部を切り欠くことによって形成される。本実施形態では、凹部132は、屈曲部131よりも第2接続部140側に設けられており、Y軸方向に一定の幅を有している。なお、凹部132は設けられなくてもよい。
第2延在部130の端部130aには、凹凸形状部133が設けられている。具体的には、端部130aのうち凹部132が形成されていない部分において、複数の突起133aが連続的(周期的)に形成された凹凸形状部133が設けられている。本実施形態では、凹凸形状部133は、凹部132よりも第1延在部120側に形成されている。また、凹凸形状部133の一部は、屈曲部131に設けられている。ただし、凹凸形状部133が形成される位置は上記に限られない。例えば、凹凸形状部133は、屈曲部131以外の部分のみに設けられてもよいし、屈曲部131のみに設けられてもよい。また、凹凸形状部133は、凹部132よりも第2接続部140側に設けられてもよい。なお、凹凸形状部133は設けられなくてもよい。
第2延在部130の端部130aの高さ位置(Z軸方向における位置)は一定であるのに対して、第2延在部130の端部130aとは反対側の端部130b(本実施形態では、積層方向D1における上側の端部)の高さ位置は、屈曲部131の始点位置(屈曲部131の第1延在部120側の端部)から第2接続部140側に向かって変化している。具体的には、端部130bの位置は、屈曲部131の始点位置から第2接続部140側に向かって、徐々に積層方向D1における上方に移動している。言い換えれば、第2延在部130のZ軸方向における幅(すなわち、端部130aから端部130bまでの長さ)は、屈曲部131の始点位置から第2接続部140側に向かうにつれて、幅w1から幅w2(>w1)まで徐々に増大している。幅w2は、第1延在部120のX軸方向における幅と一致している。
第1延在部120と第2延在部130とは、X軸方向における第1延在部120の幅内においてY軸方向に沿って互いに重なる領域Aを有する。すなわち、領域Aには、X軸方向における第1延在部120の幅内において、第1延在部120の一部及び第2延在部130の一部が形成されている。第2延在部130の第1延在部120側の端部130cが、領域Aの第1接続部110側の端部に相当し、第1延在部120の第1接続部110とは反対側の端部120c(すなわち、Y軸方向において第1接続部110から最も離れた位置にある端部)が、領域Aの第2接続部140側の端部に相当する。本実施形態では、領域Aにおける第1延在部120のX軸方向の幅は、領域A以外の領域における第1延在部120のX軸方向の幅の略半分とされている。
上述したような第1延在部120及び第2延在部130を含む金属ピン100は、例えば、共通の板状部材によって一体的に形成されている。図6に示されるように、一例として、金属ピン100は、1枚の矩形板状の金属板MPに対する加工処理(切削加工及び曲げ加工等)によって製造され得る。具体的には、金属板MPは、第2延在部130の端部130cに対応する切断ラインCL1に沿って切断されると共に、第1延在部120の端部120cに対応する切断ラインCL2に沿って切断される。また、上述した凹部132及び凹凸形状部133が形成されるように、金属板MPの一方の端部(第2延在部130の端部130aに対応する端部)の一部が切除される。具体的には、凹部132に対応する部分MP1と、凹凸形状部133に対応する部分MP2(すなわち、隣り合う突起133aそれぞれの間に形成される空間に対応する部分)と、が切除される。また、上述したように、第2延在部130のZ軸方向における幅が屈曲部131の始点位置から第2接続部140側に向かうにつれて徐々に増大する形状となるように、金属板MPの他方の端部(第2延在部130の端部130bに対応する端部)の一部(部分MP3)が切除される。また、金属板MPの切断ラインCL1よりも右側(Y軸正方向側)の部分が、金属板MPのX軸方向における略中央位置において、金属板MPの延在方向(Y軸方向)に沿った軸周りに略90度折り曲げられる。これにより、上述した形状(すなわち、領域Aにおける第1延在部120のX軸方向における幅が、領域A以外の領域における第1延在部120のX軸方向における幅の略半分となる形状)が形成される。さらに金属板MPを所定の位置で折り曲げることにより、屈曲部121、屈曲部131、及び後述する第2接続部140が形成される。以上の加工処理により、共通の板状部材(金属板MP)から、第1延在部120及び第2延在部130を含む金属ピン100が製造される。
第2接続部140は、第2延在部130の第1延在部120側とは反対側に設けられる部分である。第2接続部140は、金属ピン100の他端部に相当する。第2接続部140は、例えば対応する接続端子221,222と面接触することによって電気的に接続される。第2接続部140は、角部150を介して、第2延在部130の第1延在部120とは反対側の端部に接続されている。角部150は、金属ピン100の延在方向をY軸方向からX軸方向へと変化させるように、略90度で屈曲する部分である。角部150の外側部分(すなわち、角部150のうち最も金属ピン100の他端部側に位置する面)は、監視基板200を収容する収容部材(本実施形態では、スロット300の庇部312及び裏板部313)に方向D2及び方向D3(後述する図13(b)を参照)に押し当てられることにより、当該収容部材に対して固定される。
図7に示されるように、第2接続部140は、第1部分141と、第2部分142と、第3部分143と、第4部分144と、第5部分145と、を有する。第1部分141は、角部150からX軸方向に沿って延びる部分である。すなわち、第1部分141は、角部150を介して第2延在部130と接続される部分である。第1部分141は、角部150から離れる方向に延びている。第2部分142は、第1部分141の端部(角部150側の端部とは反対側の端部)に接続され、Y軸方向に沿って延びる部分である。第2部分142は、第1部分141の上記端部から、第1接続部110に近づく方向へと延びている。第3部分143は、第2部分142の端部(第2部分142側の端部とは反対側の端部)に接続され、X軸方向に沿って延びる部分である。第3部分143は、第2部分142の上記端部から、第2延在部130に近づく方向へと延びている。第4部分144は、第3部分143の端部(第2部分142側の端部とは反対側の端部)に接続され、Y軸方向に沿って延びる部分である。第4部分144は、第3部分143の上記端部から、第1接続部110に近づく方向へと延びている。第5部分145は、第4部分144の端部(第3部分143側の端部とは反対側の端部)に接続され、X軸方向に沿って延びる部分である。第5部分145は、第4部分144の上記端部から、第2延在部130から離れる方向へと延びている。第2接続部140は、上述した第1部分141〜第5部分145により、Z軸方向から見て略S字状に屈曲する形状をなしている。
第1部分141には、Y軸方向において第1延在部120側へと屈曲する屈曲部141aが形成されている。屈曲部141aの頂部が第3部分143に接触することにより、第3部分143が第1部分141に対して支持される。第3部分143と第5部分145とは、Y軸方向に互いに対向している。そして、第3部分143における第5部分145と対向する面には、監視基板200の一方の接続端子221と接続するための接触面143aが形成されている。接触面143aは、X軸方向及びZ軸方向に沿って延びており、かつ、Y軸方向に対して交差する面又は垂直な面である。本実施形態では一例として、接触面143aは、第3部分143における第5部分145と対向する面に対してエンボス加工等を行うことにより形成された凸状部の頂面である。また、図5に示されるように、第5部分145における第3部分143と対向する面には、監視基板200の他方の接続端子222と接続するための接触面145aが形成されている。接触面145aは、接触面143aと同様の形状を有しており、Y軸方向において接触面143aと対向する位置に設けられている。このため、接触面145aも、X軸方向及びZ軸方向に沿って延びており、かつ、Y軸方向に対して交差する面又は垂直な面である。これにより、監視基板200における1組の接続端子221,222が設けられた部分(以下「被挿入部分」という。)が第3部分143と第5部分145との間に挿入された際に、当該接続端子221が接触面143aに接触すると共に、当該接続端子222が接触面145aに接触する。
ここで、第3部分143と第5部分145との間に被挿入部分が接触面143aと当接するように挿入される際には、第3部分143が第1部分141に向けて押圧される。このとき、屈曲部141a及び第2部分142は潰れるように弾性変形する。このとき、屈曲部141a及び第2部分142の復元力が働くことにより、第3部分143が被挿入部分に向けて押圧される。すなわち、屈曲部141a及び第2部分142は、接触面143aを接続端子221に向けて付勢する付勢部として機能する。また、第5部分145が別の部材(本実施形態では、後述する突出部440)によって被挿入部分に向けて押圧される場合には、接触面145aも接続端子222に向けて押し当てられる。
(監視装置)
次に、監視装置50の構成について詳細に説明する。図1及び図2に示されるように、監視装置50は、蓄電装置1に含まれる各蓄電モジュール4の状態を監視する装置である。例えば、監視装置50は、各蓄電モジュール4の電圧(端子電圧)を常時もしくは間欠的に計測することによって、各蓄電モジュール4の状態を監視する。監視装置50は、外部基台30と、外部基台30上に配置される複合ケース40とを有する。外部基台30は、複合ケース40が固定される部材である。すなわち、外部基台30は、複合ケース40に含まれる各構成要件(例えば、後述する監視基板200、スロット300、ケース400等)が配置される部材である。外部基台30は、方向D2においてモジュール積層体2に対して離間している。外部基台30は、例えば、積層方向D1及び方向D3に沿って延在する主面30aを有する樹脂製の板状部材(樹脂基板)である。主面30aは、方向D2において蓄電モジュール4側と反対側に位置する。外部基台30は、例えばボルト等の固定部材31を介して一対のエンドプレート8に固定される。本実施形態では、外部基台30の主面30aは、蓄電モジュール4において積層方向D1及び方向D3に沿った側面4aに対して並行もしくは略並行である。このため、外部基台30は、側面4aの延在方向に延在していると言える。
外部基台30には、方向D2に沿って延在する複数の貫通孔30bが設けられる。各貫通孔30bは、積層方向D1に沿って配置されている。積層方向D1及び方向D3において、貫通孔30bの寸法は、導電板5に接合される金属ピン100の寸法よりも大きい。このため、各貫通孔30bには、対応する金属ピン100が挿通できる。貫通孔30bに挿通された金属ピン100の第2接続部140は、方向D2において外部基台30を挟んでモジュール積層体2の反対側に位置する。すなわち、第2接続部140は、方向D2において主面30a上に位置する。
複合ケース40は、複数種類のケースの集合体である。本実施形態では、複合ケース40は、外部基台30に固定されるスロット300と、スロット300に対して着脱可能に装着されると共に監視基板200を収容するケース400とを有する。以下では、監視基板200、スロット300、及びケース400の構成について、順に説明する。監視基板200、スロット300、及びケース400の説明においては、上述した積層方向D1並びに方向D2,D3を適宜利用する。
(監視基板)
図8〜図11を参照して、監視基板200の構成について詳細に説明する。図8は、監視基板200を示す斜視図である。図9は、監視基板200の一方の主面211側から見た平面図である。図10は、監視基板200の他方の主面212側から見た平面図である。図11は、監視基板200の一部を拡大した図である。
監視基板200は、積層された複数の蓄電モジュール4の各々の電圧(端子電圧)を監視(計測)するための回路基板である。図8〜図11に示されるように、監視基板200は、基板本体である基板部210を有する。基板部210は、略矩形板状に形成されており、互いに反対側に位置する主面211,212を有する。基板部210には、監視基板200をケース400(収容部材)に固定するための固定部材(ネジ等)を挿通させるための貫通孔210a(本実施形態では一例として、2つの貫通孔210a)が設けられている。また、基板部210の一端部(後述する端部210cとは反対側の端部)における一方の角部には、矩形状の切り欠き210bが設けられている。ただし、基板部210の形状は上記形態に限定されない。例えば、貫通孔210aの個数及び位置は必要に応じて適宜変更されてもよいし、切り欠き210bの位置及び形状も必要に応じて変更されてもよい。また、貫通孔210a及び切り欠き210bは、不要な場合には省略されてもよい。
図8及び図9に示されるように、基板部210の主面211には、主面211の一の縁部(基板部210の一の端部210cに沿った部分)に沿って所定間隔(図11における間隔d1)で配列された複数(本実施形態では8つ)の接続端子221が設けられている。接続端子221は、主面211に露出するように設けられている。これにより、基板部210の厚さ方向(すなわち、主面211,212に垂直な方向であり、以下単に「厚さ方向」という。)から、面接触によって接続端子221と電気的な接続を図ることが可能となっている。一例として、接続端子221は、厚さ方向から見て矩形状をなしている。接続端子221は、金属ピン100の第2接続部140の接触面143aと電気的に接続される。
図10に示されるように、基板部210の主面212にも、主面212の一の縁部(端部210cに沿った部分)に沿って所定間隔(図11における間隔d1)で配列された複数(8つ)の接続端子222が設けられている。接続端子222は、接続端子221と同様に、主面212に露出するように設けられている。これにより、厚さ方向から、面接触によって接続端子222と電気的な接続を図ることが可能となっている。接続端子222は、厚さ方向から見て、接続端子221と同様の形状(本実施形態では矩形状)をなしている。接続端子222は、金属ピン100の第2接続部140の接触面145aと電気的に接続される。
図9及び図10に示されるように、主面211,212の縁部(端部210cに沿った部分)において、隣り合う接続端子221,222それぞれの間には、厚さ方向に貫通する空間Sが形成されるように、凹部230が設けられている。本実施形態では、各凹部230は、基板部210の端部210cの一部を矩形状に切り欠いた形状をなしている。これにより、厚さ方向から見て、隣り合う接続端子221,222の間に、矩形状の空間Sが形成されている。
各接続端子222は、各接続端子221の反対側に位置している。すなわち、厚さ方向から見て、各接続端子221と各接続端子222とは、互いに重なっている。厚さ方向において互いに重なる位置に配置された接続端子221,222のペアは、同一の金属ピン100と電気的に接続される。本実施形態では、基板部210に8組の接続端子221,222のペアが形成されており、8つの金属ピン(すなわち、8つの導電板5)と電気的な接続を図ることが可能となっている。
具体的には、図2及び図3に示されるように、積層方向D1に積層された複数(8つ)の導電板5のそれぞれが金属ピン100の第1接続部110に接続され、各金属ピン100の第2接続部140(接触面143a,145a)が、対応する接続端子221,222のペアに接続される。より具体的には、上述した金属ピン100の第2接続部140の第3部分143と第5部分145との間に、監視基板200の接続端子221,222が設けられた部分が挿入される(図7及び図19(c)も参照)。これにより、基板部210の主面211が第3部分143に対向し、接続端子221が第3部分143の接触面143aに面接触する。また、基板部210の主面212が第5部分145に対向し、接続端子222が第5部分145の接触面145aに面接触する。この際、上述したように弾性変形可能な第3部分143と第5部分145とによって、監視基板200の接続端子221,222が設けられた部分が挟持される。これにより、接触面143a,145aと接続端子221,222との間の接圧が適切に確保される。
ここで、複数の接続端子221(又は複数の接続端子222)の配置間隔(図11における間隔d1)は、積層方向D1における複数の蓄電モジュール4の配置間隔(すなわち、複数の導電板5の配置間隔)と等しくなるように設定されている。これにより、監視基板200に設けられた各接続端子221,222と各接続端子221,222に接続される各部材(本実施形態では、隣り合う蓄電モジュール4間に配置される導電板5)との間の位置関係が、接続端子221,222と導電板5との各ペア間で共通化される。例えば、図2に示されるように、複数の接続端子221,222の配列方向と積層方向D1とが一致するように監視基板200を配置した場合に、互いに対応する接続端子221,222と導電板5とが、同一の高さ位置に配置されることになる。これにより、各接続端子221,222と各導電板5とを電気的に接続するための各導電部材の規格(形状、寸法等)を共通化することができる。すなわち、共通の金属ピン100を全てのペア(接続端子221,222と導電板5とのペア)について用いることができる。その結果、導電部材(金属ピン100)の製造コストを低減することができ、監視基板200を用いた電圧計測に係るコストを低減することができる。
監視基板200は、基板部210に実装された計測回路240を有する。計測回路240は、例えば、ECU(Electronic Control Unit)等によって構成される。計測回路240は、隣り合う接続端子間の電圧を計測する。具体的には、計測回路240は、各接続端子221,222と電気的に接続されている。計測回路240は、各接続端子221,222を介して、各導電板5の電位(すなわち、当該導電板5に隣接する蓄電モジュール4の正極終端電極19又は負極終端電極18の電位)に関する電圧信号を取得する。そして、計測回路240は、当該電圧信号に基づいて、隣り合う接続端子間の電位差(すなわち、隣り合う導電板5間の蓄電モジュール4の端子電圧に相当する電位差)を算出することにより、各蓄電モジュール4の端子電圧を導出する。
次に、図11を参照して、接続端子221と凹部230との位置関係について説明する。なお、接続端子222と凹部230との位置関係についても、図11に接続端子221と凹部230との位置関係と同様である。
図11に示されるように、接続端子221の外側(すなわち、端部210c側)の端部221aは、端部210cに沿っている。接続端子221の端部221aとは反対側の端部221bは、凹部230の底部230bよりも外側(すなわち、端部210c側)に位置している。つまり、接続端子221の端部221aから端部221bまでの長さL1は、凹部230の深さL2(すなわち、端部210cから凹部230の底部230bまでの長さ)よりも小さい。また、接続端子221の端部221a,221bとを接続する端部221c(すなわち、凹部230の深さ方向に沿った端部)は、凹部230の側端部230aから離間している。これにより、隣り合う接続端子221間の距離W(すなわち、互いに対向する端部221c間の距離)は、凹部230の幅(互いに対向する側端部230a同士の距離)よりも大きくなっている。
また、監視基板200がケース400に収容された状態において、各凹部230により形成される各空間Sには、絶縁性の隔壁450(詳細は後述)が配置(挿入)される。隔壁450は、接続端子221の端部221bよりも奥側(すなわち、凹部230の底部230bに近い側)まで挿入される。すなわち、監視基板200がケース400に収容された状態において、厚さ方向から見て、接続端子221の端部221bは、空間Sに配置される隔壁450の監視基板200側の端部(すなわち、底部230bに対向する端部)よりも外側(すなわち、端部210c側)に位置している。
(スロット)
図12(a)は、スロットの拡大斜視図である。図12(b)は、図12(a)に示されるスロットの一部を拡大した図である。図12(a)では、スロットの一部が省略されている。図13(a),(b)は、スロットに金属ピンが収容された状態を示す図である。図12(a),(b)及び図13(a),(b)に示されるスロット300は、複数の金属ピン100の外部端子である第2接続部140を収容及び支持する構造体(第2ケースもしくは支持部)であり、外部基台30の主面30aに固定される。スロット300は、監視基板200の接続端子221,222及びケース400の一部が挿入される構造体でもある。このため、スロット300は、監視基板200とケース400とが差し込まれる差込口304を有する。本実施形態では、スロット300は、外部基台30と一体的に形成される樹脂部材であり、複数の第1端子ガイド部301と、第1端子ガイド部301に隣り合う一対の第2端子ガイド部302と、第1端子ガイド部301及び第2端子ガイド部302を接続する接続部303とを有する。以下では、外部基台30がエンドプレート8に固定された状態であって、スロット300が金属ピン100の第2接続部140を収容した状態を前提として、スロット300の各構成要件を説明する。
複数の第1端子ガイド部301のそれぞれは、対応する金属ピン100の第2接続部140を、スロット300内における所定位置に誘導するガイドであり、外部基台30の主面30a上に設けられる。第1端子ガイド部301が設けられることによって、貫通孔30bを通過して主面30a上に位置する金属ピン100の第2接続部140は、スロット300の内部における所定位置に誘導されて収容される。複数の第1端子ガイド部301のそれぞれは、隔壁311(第2隔壁)と、隔壁311に一体化する庇部312と、隔壁311及び庇部312に一体化する裏板部313を有する。なお、複数の第1端子ガイド部301は、互いに同一形状を有する。
隔壁311は、差込口304を区画すると共に絶縁性を示す部分であり、外部基台30の主面30aから方向D2に沿って立設する。スロット300に金属ピン100の第2接続部140が収容されるとき、隔壁311は、隣り合う第2接続部140同士の間に配置される。これにより、隔壁311は、積層方向D1において隣り合う2つの貫通孔30bを仕切り、隣り合う第2接続部140同士を分離し、且つ、積層方向D1における金属ピン100の第2接続部140の移動を規制する機能を有する。方向D3における隔壁311の一端は、接続部303に接触している。積層方向D1において、隔壁311と貫通孔30bとは交互に配置される。よって、積層方向D1において2つの隔壁311に挟まれる第2接続部140は、積層方向D1の一方側及び他方側に沿った移動が規制される。積層方向D1に沿った隔壁311の厚さは、例えば、積層方向D1において隣り合う2つの貫通孔30bの間隔の半分以上である。方向D2に沿った隔壁311の高さは、例えば、開放状態における方向D2に沿った金属ピン100の第2接続部140の寸法と、方向D2に沿った庇部312の厚さとの合計よりも高い。方向D3に沿った隔壁311の長さは、例えば、方向D3に沿った貫通孔30bの長さより短いが、これに限られない。
庇部312は、方向D2における金属ピン100の第2接続部140の移動を規制すると共に当該第2接続部140を支持する部分であり、隔壁311の先端側から積層方向D1における一方側(上側)に向かって延在する。庇部312は、方向D2において隔壁311に隣接する貫通孔30bに重なり、且つ、絶縁性を示す。第2接続部140がスロット300に収容されるとき、庇部312は、方向D2から見て第2接続部140の全体を覆う。方向D3における庇部312の一端は、隔壁311と同様に、接続部303に接触している。方向D3における庇部312の他端には、方向D2において貫通孔30bに向かう突出部312aが設けられる。突出部312aは、方向D3における第2接続部140の移動を規制する部分であり、第2接続部140に係止可能な係止部として機能する。突出部312aが設けられることによって、スロット300内に収容された第2接続部140が、スロット300外へ露出することを防止できる。方向D2に沿った突出部312aの突出量は、例えば、金属ピン100の構成材料である金属板MPの厚さより大きければよい。当該突出量の最大値は、例えば金属板MPの厚さの数倍程度である。この場合、第2接続部140の機能を阻害することなく、第2接続部140に対する露出防止機能を良好に発揮できる。方向D2に沿った庇部312の厚さは、積層方向D1に沿った隔壁311の厚さよりも大きいが、これに限られない。方向D3に沿った庇部312の長さは、方向D3に沿った隔壁311の長さと同一であるが、これに限られない。
上述したように、複数の第1端子ガイド部301は、互いに同一形状を有する。このため、各庇部312は、スロット300内に収容された各第2接続部140を同一平面上(積層方向D1及び方向D3に沿って延在する平面上)にて支持する。また、積層方向D1において、庇部312と、当該庇部312に一体化する隔壁311とは別の隔壁311との間には、ケース400の一部が入り込むための隙間S1が設けられる。隙間S1にケース400の一部(例えば、後述する隔壁450)が入り込むことによって、積層方向D1に沿ったスロット300とケース400とのがたつきを低減できる。また、隔壁311及び庇部312が、ケース400に対するガイド部材として機能する。
裏板部313は、方向D3における金属ピン100の第2接続部140の移動を規制すると共に隔壁311及び庇部312を補強する部分であり、外部基台30の主面30aから方向D2に沿って立設する。裏板部313は、方向D3における隔壁311の一端及び庇部312の一端に一体化しており、絶縁性を示す。裏板部313もまた、隔壁311及び庇部312と同様に、接続部303に接触している。積層方向D1において、例えば裏板部313の一端は隔壁311と一致し、裏板部313の他端は庇部312と一致する。
一対の第2端子ガイド部302のそれぞれは、第1端子ガイド部301と同様の機能を奏するガイド部材であり、例えば積層方向D1において第1端子ガイド部301よりも他方側(下側)に設けられる。第2端子ガイド部302のそれぞれは、隔壁321と、庇部322と、裏板部323とを有する。隔壁321及び裏板部323は、第1端子ガイド部301の隔壁311及び裏板部313と、それぞれ同様の形状を有する。一方、各庇部322は、第1端子ガイド部301の庇部312と異なり、結合部324を介して一体化される。結合部324は、方向D3において裏板部323を挟んで貫通孔30bの反対側に位置しており、ボルト等の固定部材を挿入可能な開口324aが設けられる。各庇部322には、庇部312と同様に突出部が設けられてもよい。
積層方向D1において、庇部322と、当該庇部322に一体化する隔壁321とは別の隔壁321との間には、ケース400の一部が入り込むための隙間S2が設けられる。加えて積層方向D1において、庇部322と、当該庇部322の隣に位置する第1端子ガイド部301の隔壁311との間には、隙間S1,S2と同様の隙間S3が設けられる。このため、隔壁321及び庇部322もまた、ケース400に対するガイド部材として機能する。
接続部303は、第1端子ガイド部301及び第2端子ガイド部302を一体化すると共に、第1端子ガイド部301を補強する部分である。接続部303は、方向D3において裏板部313,323を挟んで貫通孔30bの反対側に位置する板状部分331と、方向D3において板状部分331を挟んで第1端子ガイド部301の反対側に位置する複数の補強部分332とを有する。板状部分331は、各第1端子ガイド部301及び各第2端子ガイド部302に接触する部分である。補強部分332は、第1端子ガイド部301及び板状部分331の破損を防ぐために設けられ、例えば積層方向D1から見て三角形状等の多角形状を有する。
(ケース)
図14は、ケースを示す斜視図である。図14に示されるように、ケース400は、監視基板200を収容する構造体であり、スロット300に対して着脱可能に構成される。ケース400は、外部基台30及びスロット300とは別の構造体である。ケース400がスロット300から脱離されることによって、例えば、ケース400への監視基板200の収容、並びに、ケース400からの監視基板200の取り出しが容易化する。ケース400の少なくとも一部は、例えば絶縁性を示す樹脂の成形物である。
ケース400は、本体401と、本体401に装着されると共に監視基板200を固定するカバー402と、本体401及びカバー402によって画成され、監視基板200の接続端子221,222を露出させる開口部403とを有する。本体401は、例えば樹脂製であり、絶縁性及び弾性を示す。監視基板200に対する蓄電装置1の外部で発生するノイズの影響を低減する観点から、カバー402は、例えば金属製である。開口部403は、方向D3における本体401とカバー402との縁によって画成される部分であり、方向D3におけるケース400の一端に位置する。ケース400がスロット300に装着されるとき、開口部403は、スロット300の差込口304(図12を参照)と組み合わされる部分である。ケース400がスロット300に装着されるとき、開口部403には、金属ピン100の第2接続部140及びスロット300の一部が挿入される。すなわち、開口部403は、金属ピン100及びスロット300に対する差込口としても機能する。図示しないが、ケース400は、本体401及びカバー402によって画成され、監視基板200の電源端子を露出させる別の開口部を有する。当該別の開口部は、例えば監視基板200の電源端子と外部装置とを接続するための配線等が挿通される部分であり、方向D3において開口部403の反対側に設けられる。
次に、図14に加えて、図15〜17を参照しながら本体401の構造について詳細に説明する。図15(a)は、本体の平面図であり、図15(b)は、本体の斜視図である。図16(a)は、図15(b)の一部を拡大した図であり、図16(b)は、図16(a)の底面図である。図17は、図14の要部拡大斜視図である。
図15(a),(b)に示されるように、本体401は、底板411と、底板411の縁411aから立設する側壁412〜414と、側壁412,414をつなぐと共に縁411aから立設する接続壁415と、少なくとも接続壁415を補強する補強部416と、底板411から突出する段差部417とを有する。側壁412,413は、積層方向D1において互いに対向している。側壁414及び接続壁415と、段差部417とは、方向D3において互いに対向している。
底板411は、側壁412〜414、接続壁415、補強部416及び段差部417に対する土台となる平板部分である。ケース400がスロット300に装着されるとき、底板411は外部基台30の主面30aに接触する。平面視にて、底板411は、矩形の一頂点及びその周辺を欠落させることによって形成される六角形状を有する。欠落した部分は、平面視にて略矩形状を有する。欠落した頂点は、例えば側壁412,414が延長したときの交点に相当する。本実施形態では、ケース400に監視基板200が載置されたとき、底板411は、監視基板200に対して離間する。
側壁412は、ケース400がスロット300に装着されたときに積層方向D1における一方側(上側)に位置する部分であり、平面視にて方向D3に沿って延在する。方向D3において、側壁412の一端側は段差部417に一体化し、側壁412の他端側は接続壁415に一体化している。側壁412は、頂面412a、内周面412b、外周面412c、凹部412d、凸部412e、及び張出部412fを有する。内周面412bは、補強部416及び段差部417に接触している。このため側壁412は、補強部416によって補強されていると言える。凹部412dは、方向D2において頂面412aから底板411に向かって窪んでおり、方向D3において段差部417側に位置する。このため方向D2において、凹部412dの底は、頂面412aよりも底板411側に位置する。凸部412eは、外周面412cから積層方向D1に沿って突出している。凸部412eは、カバー402に対する掛止部(フック)として機能する。平面視にて、凹部412dと凸部412eとは、積層方向D1において並んでいるが、これに限られない。張出部412fは、方向D3において段差部417の第1立設部431(詳細は後述)よりも外側に張り出す部分であり、底板411に対して離間している。張出部412fは、後述する突出部440を保護するために設けられる。
側壁413は、ケース400がスロット300に装着されたときに積層方向D1における他方側(下側)に位置する部分であり、平面視にて方向D3に沿って延在する。方向D3において、側壁413の一端側は段差部417に一体化し、側壁413の他端側は側壁414に一体化している。方向D3に沿った側壁413の寸法は、方向D3に沿った側壁412の寸法よりも長い。側壁413は、頂面413a、内周面413b、外周面413c、第1凹部413d、第2凹部413e、凸部413f、及び張出部413gを有する。第1凹部413dは、方向D2において頂面413aから底板411に向かって窪んでおり、方向D3において段差部417側に位置する。第2凹部413eは、第1凹部413dと同様に頂面413aから底板411に向かって窪んでおり、方向D3において側壁414側に位置する。第2凹部413eの窪み量は、第1凹部413dの窪み量よりも小さいが、これに限られない。凸部413fは、外周面413cから積層方向D1に沿って突出している。凸部413fは、凸部412eと同様に、カバー402に対する掛止部として機能する。平面視にて、第1凹部413dと凸部413fとは、積層方向D1において並んでいるが、これに限られない。張出部413gは、方向D3において段差部417の第1立設部431(詳細は後述)よりも外側に張り出す部分であり、底板411に対して離間している。張出部412fは、後述する突出部440を保護するために設けられる。
側壁414は、ケース400がスロット300に装着されたときに方向D3においてスロット300から最も離れる部分であり、平面視にて積層方向D1に沿って延在する。積層方向D1において、側壁414の一端側は接続壁415に一体化し、側壁414の他端側は側壁413に一体化している。側壁414は、頂面414a、内周面414b、外周面414c、第1凹部414d、第2凹部414e、第1凸部414f及び第2凸部414gを有する。第1凹部414dは、方向D2において頂面414aから底板411に向かって窪んでおり、積層方向D1において側壁413側に位置する。第1凹部414dは、側壁413の第2凹部413eにつながっており、第1凹部414dの底と第2凹部413eの底とは同一平面上に位置する。第2凹部414eは、上記別の開口部を画成する部分であり、第1凹部414dと同様に頂面414aから底板411に向かって窪んでいる。第2凹部414eは、積層方向D1において第1凹部414dよりも側壁412側に位置する。上記別の開口部に配線等を良好に挿通させる観点から、第2凹部414eの窪み量は、第1凹部414dの窪み量よりも大きく、且つ、積層方向D1における第2凹部414eの長さは、積層方向D1における第1凹部414dの長さよりも長い。第1凸部414fは、外周面414cから方向D3に沿って突出しており、積層方向D1において第1凹部414dと第2凹部414eとの間に位置する。第2凸部414gは、外周面414cから方向D3に沿って突出しており、積層方向D1において第2凹部414eと接続壁415との間に位置する。第1凸部414f及び第2凸部414gは、凸部412e,413fと同様に、カバー402に対する掛止部として機能する。
本実施形態では、頂面412a,413a,414aは、互いに同一平面上に位置するが、これに限られない。また、側壁412の凹部412dと側壁413の第1凹部413dとは積層方向D1において並んでおり、且つ、凹部412dの窪み量と第1凹部413dの窪み量とは互いに等しいが、これに限られない。
接続壁415は、側壁412から積層方向D1に沿って延在する第1接続部分421と、方向D3に沿って側壁414から第1接続部分421へ延在する第2接続部分422とを有する。第1接続部分421の頂面421aと、第2接続部分422の頂面422aとは、互いに同一平面上に位置しており、側壁412の頂面412aよりも底板411側に位置する。本実施形態では、頂面421a,422aは、方向D2において側壁412の凹部412dよりも底板411側に位置するが、これに限られない。
補強部416は、方向D3において接続壁415の第1接続部分421から段差部417に向かって延在する部分であり、底板411から突出する。補強部416は、方向D3において第1接続部分421と側壁412の凹部412dとの間に位置するが、これに限られない。補強部416の頂面416aは、方向D2において側壁412の凹部412dよりも底板411側であって、第1接続部分421の頂面421aよりも底板411側に位置するが、これに限られない。補強部416は、側壁412と接続壁415とに一体化している。
段差部417は、ケース400がスロット300に装着されたときにスロット300に差し込まれる、もしくは接触し得る部分である。段差部417は、方向D2に沿って底板411から立設する第1立設部431と、第1立設部431の先端から方向D3に沿って開口部403に向かって延在する延設部432と、方向D2に沿って延設部432から立設する第2立設部433とを有する。第1立設部431は、底板411の縁411aから立設すると共に平面視にて積層方向D1に延在する。積層方向D1における第1立設部431の一端は側壁412に一体化しており、積層方向D1における第1立設部431の他端は側壁413に一体化している。延設部432は、底板411と並行に延在する平坦な板状部分である。延設部432は、平面視にて積層方向D1に延在しており、側壁412の張出部412fと、側壁413の張出部413gとに一体化している。方向D2において、延設部432は、補強部416の頂面416aと、側壁412の凹部412dの底との間に位置するが、これに限られない。第2立設部433は、方向D3において延設部432の最も外側に位置する部分からカバー402に向かって延在する。第2立設部433は、平面視にて積層方向D1に延在しており、側壁412の張出部412fと、側壁413の張出部413gとに一体化している。第2立設部433の頂面433aは、監視基板200の載置部として機能し、方向D2において、第1接続部分421の頂面421aと、側壁412の凹部412dの底との間に位置するが、これに限られない。第2立設部433の外周面433bには、複数の突出部440と、複数の隔壁450(複数の第1隔壁)とが設けられる。
図15(a),(b)及び図16(a),(b)に示されるように、複数の突出部440のそれぞれは、方向D3において第2立設部433の外周面433bから開口部403に向かって突出する部分である。複数の突出部440は、積層方向D1において並んで配置される。隣り合う2つの突出部440同士は、互いに離間する。図17に示されるように、突出部440は、方向D2において監視基板200の接続端子222の下方に設けられており、当該接続端子222に対向すると共に離間している。また、ケース400がスロット300に装着されるとき、複数の突出部440は、スロット300の差込口304に差し込まれる。このとき、突出部440は、金属ピン100の第2接続部140に対するガイドとして機能する(詳細は後述する)。
複数の突出部440は、互いに同一形状を有する。また、各突出部440と、監視基板200の接続端子222との方向D2に沿った間隔は、一定である。複数の突出部440のそれぞれは、方向D3において外周面433bからケース400の外側へ延在する側面441〜443、方向D3における先端面444、及び側面443と先端面444とをつなぐ接続面445を有する。
側面441は、方向D3において延設部432の底面432aから開口部403へ延在する面であり、積層方向D1及び方向D3に沿って延在する。このため、側面441と底面432aとは、互いに一体化している。側面442は、積層方向D1における側面441の他端(下方端)から方向D2に沿って立設する面であり、方向D2,D3に沿って延在する。側面443は、方向D2において側面441の反対側に位置する面であり、積層方向D1及び方向D3に沿って延在する。方向D2において、側面443は、第2立設部433の頂面433aよりも底板411側に位置する。本体401に監視基板200が載置されるとき、側面443は、方向D2において監視基板200の接続端子222に対向する対向面になる。
先端面444は、方向D3において側面441の先端から方向D2に沿って立設する面であり、積層方向D1及び方向D2に沿って延在する。先端面444が設けられる領域においては、方向D3に沿った突出部440の突出量は一定であるが、これに限られない。接続面445は、方向D3において側面443から開口部403に向かって延在する面であり、側面443と先端面444とを接続する。本体401に監視基板200が載置されるとき、接続面445の一部は、方向D2において監視基板200の接続端子222に対向する対向面であってもよい。接続面445が設けられる領域においては、方向D3に沿った突出部440の突出量は、連続的に変化する。当該領域では、先端面444に近いほど突出部440の突出量が大きい。換言すると、ケース400においては、方向D3に沿った突出部440の突出量は、方向D2においてカバー402に近いほど小さい。この場合、ケース400をスロット300に装着するとき、接続面445は、金属ピン100の第2接続部140に含まれる第5部分145を側面443上に誘導するためのガイド機能を良好に発揮できる(詳細は後述する)。接続面445は、積層方向D1から見て円弧形状を呈する湾曲面であるが、これに限られない。接続面445は、傾斜面でもよい。
複数の隔壁450のそれぞれは、開口部403を区画する部分であり、突出部440と同様に、方向D3において第2立設部433の外周面433bから開口部403に向かって立設する。複数の隔壁450は、積層方向D1において並び、且つ、隣り合う突出部440同士の間に配置される。すなわち、隔壁450は、隣り合う突出部440同士を区画する機能を有する。隣り合う2つの隔壁450同士は互いに離間し、突出部440と隔壁450とは、積層方向D1において交互に配置される。複数の隔壁450のそれぞれは、対応する突出部440に一体化している。突出部440と隔壁450とを一体化することにより、突出部440と隔壁450の強度が向上する。
監視基板200が本体401に載置されるとき、監視基板200の複数の接続端子221において隣り合う接続端子221同士の間には、複数の隔壁450のうち対応する隔壁450が配置される。このとき、複数の隔壁450のそれぞれは、監視基板200に設けられる凹部230にて形成される空間Sに配置され、且つ、積層方向D1において接続端子221と隔壁450とは、交互に配置される。
複数の隔壁450のそれぞれは、方向D3において外周面433bからケース400の外側へ延在する側面451〜454、及び先端面455を有する。側面451は、方向D3において延設部432の底面432aから開口部403へ延在する面であり、積層方向D1及び方向D3に沿って延在する。このため、側面451と底面432aとは、互いに一体化しており、且つ、同一平面上に位置する。加えて側面451は、突出部440の側面441とも一体化している。側面452は、積層方向D1において側面451の他端(下方端)から方向D2に沿って立設する面であり、方向D2,D3に沿って延在する。側面452の一部は突出部440に一体化しており、側面452の他部は突出部440よりも方向D2においてカバー402側へ延在している。側面453は、積層方向D1において側面452の反対側に位置する面であり、方向D2,D3に沿って延在する。側面452,453は、互いに同一形状を有する。
側面453は、側面452に一体化する突出部440とは異なる別の突出部440に対して離間している。このため、側面453と別の突出部440との間には、スロット300の一部が入り込むための隙間S11が設けられる。例えば、ケース400がスロット300に装着されるとき、スロット300の隔壁311が隙間S11に入り込む。なお、ケース400において突出部440と側壁413との間には、隙間S11と同様にスロット300の一部が入り込むための隙間S12が設けられる。
側面454は、方向D2において側面451の反対側に位置する面であり、積層方向D1及び方向D3に沿って延在する。図17に示されるように、開口部403を隙間なく区画する観点から、側面454は、カバー402に当接している。このため方向D2において、側面454は、第2立設部433の頂面433a、突出部440の側面443等よりもカバー402側に位置する。方向D2において、側面454と、側壁412〜414の頂面412a〜414aとは、同一平面上に位置するが、これに限られない。
先端面455は、方向D3における側面451の先端から方向D2に沿って立設する面であり、積層方向D1及び方向D2に沿って延在する。先端面455は、突出部440よりも方向D3において開口部403側に位置する。すなわち、隔壁450は、方向D2において突出部440よりも開口部403側に突出している。先端面455と側面454とによって形成される角部456は、丸まった形状を有するが、これに限られない。
次に、図17に加えて、図18(a),(b)を参照しながらカバー402の構造について詳細に説明する。図18(a)は、カバーの斜視図であり、図18(b)は、カバーの平面図である。
図18(a),(b)に示されるように、カバー402は、天板461と、天板461の縁461aから立設する側壁462〜464と、天板461から方向D3に沿って突出する突出部465とを有する。側壁462は、ケース400がスロット300に装着されたときに積層方向D1における一方側(上側)に位置する部分であり、平面視にて方向D3に沿って延在する。側壁463は、ケース400がスロット300に装着されたときに積層方向D1における他方側(下側)に位置する部分であり、平面視にて方向D3に沿って延在する。側壁462,463は、積層方向D1において互いに対向している。側壁464は、方向D3において天板461を挟んで突出部465の反対側に位置する部分であり、平面視にて積層方向D1に沿って延在する。
天板461は、側壁462〜464、及び突出部465に対する土台として機能し、本体401に載置される監視基板200を覆う部材である。天板461は、平面視にて略矩形状を有する。カバー402が本体401に装着されるとき、側壁462は本体401の側壁412の外周面412cの少なくとも一部を覆い、側壁463は側壁413の外周面413cの少なくとも一部を覆い、側壁464は側壁414の外周面414cの少なくとも一部を覆う。側壁462,463には、開口462a,463aがそれぞれ設けられる。カバー402が本体401に装着されるとき、開口462aには凸部412eが入り込み、開口463aには凸部413fが入り込む(図14を参照)。これにより、カバー402が本体401から外れにくくなる。なお、側壁414には第1凸部414f、第2凸部414gに対応する開口が設けられる(図示しない)。
突出部465は、方向D3に沿って開口部403側に突出する部分であり、天板461に一体化している。突出部465には、開口465aが設けられる。ケース400がスロット300に装着されるとき、開口465aは、スロット300の開口324a(図12(a)を参照)に重なる位置に設けられる。例えば、開口465aと開口324aとを挿通する固定部材を用いることによって、ケース400がスロット300から脱離することを防止できる。
カバー402には、方向D2において本体401側に窪むと共に監視基板200を支持する陥没部471〜474が設けられる。陥没部471は、積層方向D1における一端であって、方向D3における突出部465側に設けられる。陥没部472は、積層方向D1における一端であって、方向D3における側壁464側に設けられる。陥没部473は、積層方向D1における他端であって、方向D3における突出部465側に設けられる。陥没部474は、積層方向D1における他端であって、方向D3における側壁464側に設けられる。平面視にて、陥没部471,472は側壁462から積層方向D1に沿って延在し、陥没部473,474は側壁463から積層方向D1に沿って延在し、陥没部471,473は積層方向D1において並んでおり、陥没部472,474は積層方向D1において並んでいる。カバー402が本体401に装着されるとき、陥没部471の一部は側壁412の凹部412dに収容され、陥没部472の一部は接続壁415上に載置され、陥没部473の一部は側壁413の第1凹部413dに収容され、陥没部474の一部は側壁413の第2凹部413e及び側壁414の第1凹部414d上に載置される。
陥没部471,472,474には、方向D2に沿った開口471a,472a,474aがそれぞれ設けられる。ケース400に監視基板200が収容されるとき、開口471a,474aは、対応する監視基板200の貫通孔210aにそれぞれ重なる。例えば、開口471aと一方の貫通孔210aとを挿通する固定部材、並びに、開口474aと他方の貫通孔210aとを挿通する固定部材を用いることによって、ケース400に収容される監視基板200の位置を良好に固定できる。監視基板200は、上記固定部材を介して陥没部471,473,474に固定及び支持されることにより、スロット300に対して良好な位置を保つことができる。ケース400がスロット300に装着されるとき、開口472aは、外部基台30に設けられる開口(図示しない)に重なる。例えば、開口472aと上記開口とを挿通する固定部材を用いることによって、スロット300に装着されるケース400を外部基台30上に固定できる。
次に、図19(a)〜(c)及び図20を参照しながら、ケース400がスロット300に装着されるときにおける、金属ピン100の動作について説明する。図19(a)〜(c)は、ケースがスロットに装着されるときの金属ピンの動作を説明するための図である。図20は、ケースがスロットに装着された状態を示す概略拡大図である。図20においては、ケース400のカバー402が省略されている。
図19(a)に示されるように、ケース400をスロット300に装着するにあたって、スロット300に収容される金属ピン100の第2接続部140と、ケース400に収容される監視基板200の接続端子221,222とが、方向D3において互いに対向した状態にて、方向D3に沿ってケース400をスロット300側へ移動させる。これにより図19(b)に示されるように、金属ピン100の第2接続部140に含まれる第5部分145は、ケース400の突出部440に当接する。具体的には、第5部分145は、突出部440の接続面445に当接する。ここで上述したように、方向D3における突出部440の突出量は方向D2においてカバー402に近いほど小さく、且つ、接続面445は湾曲面である。このような接続面445に当接した第5部分145は、ケース400がスロット300側へ移動するにしたがって、突出部440の上方に位置する監視基板200側へ誘導される。また、第2接続部140における付勢部である屈曲部141a及び第2部分142は、接続端子221と庇部312との間に位置すると共に、接続端子221に押圧される。また、屈曲部141a及び第2部分142の移動は、庇部312によって規制されている。このとき、屈曲部141a及び第2部分142は、接続端子221とスロット300の庇部312とによって圧縮される。このため、屈曲部141a及び第2部分142は接続端子221に向けて第3部分143を付勢する。すなわち、第3部分143の接触面143aが接続端子221に押し当てられる。これにより、接触面143aと接続端子221との間の接圧が確保されるので、金属ピン100と監視基板200とが、良好に導通する。
そして図19(c)に示されるように、ケース400がスロット300に装着されたとき、金属ピン100の第2接続部140は、方向D2において、スロット300の庇部312と、ケース400の突出部440との間、もしくは、庇部322と突出部440との間に挟まれる。また、第2接続部140の第5部分145は、監視基板200の接続端子222と、接続端子222に対する対向面である側面443との間に位置し、且つ、接続端子222と側面443との両方に当接する。本実施形態では、第5部分145と接続端子222、並びに、第5部分145と側面443とのそれぞれは、互いに隙間なく接触している。このため、第5部分145の接触面145aと接続端子222との間の接圧が確保される。
図20に示されるように、ケース400がスロット300に装着されたとき、金属ピン100の第2接続部140は、積層方向D1においてスロット300の隔壁311とケース400の側壁412との間、積層方向D1において隔壁311とケース400の隔壁450との間、積層方向D1においてスロット300の隔壁321とケース400の隔壁450との間、もしくは、積層方向D1においてスロット300の隔壁321とケース400の側壁413との間に位置する(図12(a)、図15(a)も参照)。スロット300に設けられる複数の隔壁311,321のそれぞれは、例えばケース400に設けられる隙間S11もしくは隙間S12(図15(a)を参照)に入り込んでいる。一方、隔壁450は、例えばスロット300に設けられる隙間S1〜S3のいずれか(図12(a)を参照)に入り込んでいる。このため、第2接続部140は、積層方向D1において、隔壁311と側壁412、隔壁311,450、隔壁321,450、もしくは隔壁321と側壁413とによって挟まれる。ここで上述したように、第2接続部140は、方向D2においてスロット300の庇部312とケース400の突出部440、もしくは、庇部322と突出部440とによって挟まれる。加えて、第2接続部140は、方向D3において裏板部313もしくは裏板部323と、突出部312aとによって挟まれる。したがって、ケース400がスロット300に装着されたとき、各第2接続部140の移動は、積層方向D1及び方向D2,D3のいずれも規制される。
ケース400がスロット300に装着されたとき、方向D2に沿った各庇部312と対応する接続端子221、並びに、方向D2に沿った各突出部440と対応する接続端子222との間隔は、一定である。このため、複数の金属ピン100において、各第2接続部140は、監視基板200、スロット300及びケース400によって、同一平面上にて支持される。
(蓄電装置の作用効果)
以上に説明した本実施形態に係る蓄電装置1によれば、第1導電板5Aと監視基板200とは、複数の金属ピン100に含まれる第1金属ピンによって電気的に接続される。このため、第1導電板5Aと監視基板200とは、ワイヤーハーネス及びコネクタを用いることなく電気的な接続が可能になるので、蓄電装置1の小型化が可能になる。加えて、上記第1金属ピンの第2端子である第2接続部140は、監視基板200に含まれる一対の接続端子221,222(以下、単に「第1接続端子」とする)に面接触するので、第2接続部140と第1接続端子との導通が取りやすく、且つ、振動等による第2接続部140と第1接続端子との分離を抑制できる。さらには、第2接続部140はスロット300(特に、庇部312)によって支持されるので、振動等による第2接続部140の位置ずれを抑制できる。このため、上記第1金属ピンを介した第1導電板5Aと監視基板200との導通を良好に維持できるので、監視基板200による蓄電モジュール4の監視精度もまた向上可能になる。
加えて、本実施形態ではワイヤーハーネス及びコネクタを用いなくてもよいので、蓄電装置1の部品点数と、蓄電装置1の組み立てに要する工程数とを低減できる。このため、蓄電装置1の低コスト化を実現できる。
本実施形態では、第2接続部140は、屈曲部141a及び第2部分142によって構成され、上記第1接続端子とスロット300の庇部312との間に位置し、且つ、接触面143aを上記第1接続端子に向けて付勢する付勢部を有する。このため、第2接続部140の上記付勢部が接触面143aを第1接続端子に押し付けるので、振動等による第1接続端子と接触面143aとの分離を良好に抑制できる。
本実施形態では、蓄電装置1は、積層方向D1において蓄電モジュール4を介して第1導電板5Aの反対側に位置する第2導電板と、方向D2に延在する上記第1金属ピンとは別の第2金属ピンと、をさらに備え、第2金属ピンは、第2導電板に固定される第1接続部110(第3端子)と、上記第1接続端子とは異なる監視基板200の接続端子221,222(第2接続端子)に面接触する第2接続部140(第4端子)を有し、スロット300は、第1金属ピンの第2接続部140と、第2金属ピンの第2接続部140とを同一平面上にて支持する。このため、複数の金属ピン100を単一の構造体であるスロット300にて支持できるので、蓄電装置1の大型化を良好に抑制できると共に、各金属ピン100と監視基板200とを容易に導通できる。
本実施形態では、蓄電装置1は、方向D2において蓄電モジュール4A,4Bに対して離間し、監視基板200及びスロット300が配置される外部基台30をさらに備える。このため、第1金属ピンと監視基板200とを導通するとき、例えば蓄電モジュール4A,4Bが干渉することを防止できる。
(金属ピンの作用効果)
以上述べた金属ピン100は、Y軸方向に沿って延びる第1延在部120及び第2延在部130を有している。そして、X軸方向における幅がZ軸方向における幅よりも大きくされた第1延在部120により、金属ピン100に生じるZ軸方向における応力を吸収することができる。さらに、Z軸方向における幅がX軸方向における幅よりも大きくされた第2延在部130により、金属ピン100に生じるX軸方向における応力を吸収することができる。従って、金属ピン100によれば、X軸方向又はZ軸方向への曲げ変形によって生じる応力を適切に吸収することができる。その結果、金属ピン100の破損を抑制することができる。
また、第1延在部120は、Z軸方向に屈曲する屈曲部121を有している。屈曲部121により、Y軸方向における応力を吸収することが可能となる。具体的には、Y軸方向に金属ピン100を引っ張る力、又は収縮させる力が働いた場合に、屈曲部121が一定範囲で伸縮することができるため、金属ピン100に生じるY軸方向における応力をある程度吸収することができる。従って、屈曲部121によれば、金属ピン100の破損を好適に抑制することができる。
また、第2延在部130は、X軸方向に屈曲する屈曲部131を有している。屈曲部131により、Y軸方向における応力を吸収することが可能となる。具体的には、上述した屈曲部121と同様に、Y軸方向に金属ピン100を引っ張る力、又は収縮させる力が働いた場合に、屈曲部131が一定範囲で伸縮することができるため、金属ピン100に生じるY軸方向における応力をある程度吸収することができる。従って、屈曲部131によれば、金属ピン100の破損を好適に抑制することができる。なお、Y軸方向における応力を吸収するために、本実施形態のように屈曲部121及び屈曲部131の両方が設けられてもよいし、屈曲部121及び屈曲部131のいずれか一方のみが設けられてもよい。
また、第1延在部120及び第2延在部130は、共通の板状部材(本実施形態では、図6に示される金属板MP)によって一体的に形成されている。元々平板状の金属板MPに対する加工処理(曲げ加工等)によって、第1延在部120及び第2延在部130を有する金属ピン100を容易に製造することができる。
また、第1延在部120と第2延在部130とは、X軸方向における第1延在部120の幅内においてY軸方向に沿って互いに重なる領域Aを有している。第1延在部120と第2延在部130とが重なる領域Aを設けることによって、矩形状の金属板を用いることができるため、金属ピン100の製造コストを低減できる。
また、第2延在部130のZ軸方向における端部130aには、凹部132が設けられている。この場合、第2延在部130において凹部132が設けられた部分の断面積を凹部132が設けられていない部分の断面積よりも小さくすることができる。このように、凹部132によって断面積が小さい部分を設けることにより、Y軸方向周りの曲げ(捻り)変形により金属ピン100に生じる応力を好適に吸収することができる。
また、金属ピン100により接続される第1部材及び第2部材は、導電板5及び監視基板200である。この場合、各導電板5と監視基板200に設けられた各接続端子(各組の接続端子221,222)とが各金属ピン100を介して電気的に接続されることになる。ここで、第1延在部120のZ軸方向(すなわち、積層方向D1)における幅が、第1延在部120のX軸方向における幅よりも小さいことにより、金属ピン100の第1延在部120及び第1接続部110を隣り合う蓄電モジュール4間に容易に挿入することができる。
また、第2接続部140は、Z軸方向に沿った接触面143a,145aを有している。この場合、Z軸方向(積層方向D1)に積層された複数の導電板5に対応してZ軸方向に配列される複数の金属ピン100の第2接続部140の接触面143a,145aを、Z軸方向に沿った同一平面上に位置させることが可能となる。これにより、各金属ピン100の第2接続部140の接触面143a,145aと導通(接触)させるための複数の接続端子(複数組の接続端子221,222)を備える1枚の回路基板によって、監視基板200を構成することができる。すなわち、ワイヤーハーネス及びコネクタを用いない構成において、1枚の回路基板によって複数の蓄電モジュール4の電圧を監視可能な構成を実現できる。
また、第2接続部140は、接触面143a,145aを監視基板200の接続端子221,222に向けて付勢する付勢部を有している。上述したとおり、本実施形態では、第3部分143及び第5部分145が、付勢部として機能する。この場合、接触面143a,145aが付勢部によって監視基板200の接続端子221,222に押し付けられるため、金属ピン100の第2接続部140の接触面143a,145aと監視基板200の接続端子221,222との間の接圧を好適に確保することができる。
また、第2接続部140は、互いに対向する一対の接触面143a,145aを有している。この場合、両面に接続端子221,222が設けられた監視基板200を一対の接触面143a,145aで挟み込むことにより、金属ピン100の第2接続部140の接触面143a,145aと監視基板200の接続端子221,222との導通をより確実に図ることが可能となる。
また、第2接続部140は、第2延在部130の第1延在部120とは反対側の端部からX軸方向に沿って延びている。また、接触面143a,145aは、Y軸方向に垂直な面(すなわち、XZ平面に平行な面)である。この場合、監視基板200をY軸方向に垂直な平面(XZ平面)に沿うように配置することが可能となる。すなわち、図1及び図2に示されるように、モジュール積層体2の側面において、積層方向D1及び方向D3に平行となるように監視基板200を配置することが可能となる。これにより、Y軸方向(すなわち、方向D2)における蓄電装置1の寸法を小型化することができる。
また、金属ピン100は、角部150を備えている。角部150によって、監視基板200を収容する収容部材(本実施形態では、スロット300の庇部312に対して金属ピン100を適切に固定することができる。その結果、振動等による金属ピン100と監視基板200との分離を好適に抑制できる。
また、第2延在部130のZ軸方向における端部130aには、凹凸形状部133が設けられている。上記構成によれば、Z軸方向を鉛直方向(重力方向)に一致させると共に凹凸形状部133が設けられた端部130aを下方に配置することにより、蓄電モジュール4から電解液が漏れ出た場合に、当該電解液を第2延在部130における凹凸形状部133で落下させ易くすることができる。これにより、当該電解液が監視基板200へと伝わることを抑制することができ、トラッキング及び監視基板200の腐食等の発生を抑制することができる。
(監視基板の作用効果)
以上述べた監視基板200では、各蓄電モジュール4の両端(すなわち、蓄電モジュール4の両側に配置された導電板5)を、各金属ピン100を介して、隣り合う接続端子221のペアに電気的に接続することにより、計測回路240によって各蓄電モジュール4の電圧を計測することができる。また、隣り合う接続端子221の間に、厚さ方向に貫通する空間Sを形成する凹部230が設けられていることにより、隣り合う接続端子221間の短絡を抑制することができる。特に、本実施形態における使用態様においては、隣り合う接続端子221間の電位差は、蓄電モジュール4一つ分の端子電圧に相当し、比較的大きい。このため、凹部230によって隣り合う接続端子221同士を分離することは、短絡による不具合の発生を防止する上で極めて有効である。隣り合う接続端子222間についても同様のことがいえる。
また、図11に示されるように、厚さ方向から見て、接続端子221の端部221bは、凹部230の底部230bよりも外側に位置している(L2>L1)。これにより、凹部230が設けられない場合よりも、隣り合う接続端子221間の延面距離を長くすることができる。具体的には、凹部230が設けられない場合(すなわち、隣り合う接続端子221間に主面211が形成されている場合)には、隣り合う接続端子221間の延面距離は、隣り合う側端部230a同士の距離Wとなる。一方、本実施形態のように凹部230が設けられている場合には、隣り合う接続端子221間の延面距離は、「W+2×(L2−L1)」となる。従って、本実施形態によれば、凹部230が設けられない場合と比較して、「2×(L2−L1)」だけ沿面距離を長くすることができる。そして、沿面距離を長くすることにより、隣り合う接続端子221間の短絡を効果的に抑制することができる。隣り合う接続端子222間についても同様のことがいえる。
また、接続端子は、主面211とは反対側の面(主面212)にも露出している。すなわち、本実施形態では、接続端子221とは反対側において、主面212に露出する接続端子222が設けられている(図10参照)。なお、金属ピン100との導通を図る上では、監視基板200は少なくとも接続端子221,222の一方を備えていればよい。一方、本実施形態のように監視基板200が接続端子221,222の両方を備えている場合には、厚さ方向における基板部210の両面において、接続端子221,222との導通を図ることが可能となる。その結果、主面211側及び主面212側から接続端子221,222を挟持するように構成された金属ピン100を用いることで、金属ピン100と接続端子221,222との導通をより確実に図ることが可能となる。
また、監視基板200(基板部210)は、例えば、主面211,212上に導体パターンが設けられたプリント基板であってもよい。また、各接続端子221,222は、上記導体パターンによって形成されていてもよい。この場合、接続端子221,222をプリント配線によって安価に形成することができるため、監視基板200の製造コストを低減することができる。
また、本実施形態では、上述した監視基板200と、当該監視基板200を収容するケース400と、によって、監視基板モジュール(回路基板モジュール)が構成される。そして、ケース400は、凹部230により形成される空間Sに配置される絶縁性の隔壁450を有する(図11参照)。このような回路基板モジュールによれば、隣り合う接続端子221,222が、隔壁450によって空間的に分離されるため、隣り合う接続端子221,222間の短絡を一層効果的に抑制することができる。さらに、厚さ方向から見て、接続端子221の端部221bは、凹部230により形成される空間Sに配置される隔壁450の監視基板200側の端部よりも外側に位置している(図11参照)。この場合、隔壁450によって、隣り合う接続端子221同士が互いに完全に遮蔽されるため、隣り合う接続端子221間の短絡をさらに効果的に抑制することができる。
(ケースの作用効果)
以上述べた蓄電装置1に含まれるケース400によれば、本体401に含まれる突出部440は、監視基板200が本体401に載置されるときに接続端子222に対向する側面443と、側面443から開口部403に向かって延在する湾曲面である接続面445と、を有する。監視基板200が収容されたケース400の開口部403に金属ピン100の外部端子である第2接続部140を挿入するとき、当該第2接続部140の第5部分145が突出部440の接続面445に当接すると、第5部分145は、接続面445につながる側面443に誘導される。これにより、第5部分145が監視基板200の接続端子222に接触しやすくなる。このように、本体401の突出部440が金属ピン100の第2接続部140(特に、第5部分145)に対するガイドとして機能することによって、蓄電モジュール4と監視基板200とを容易に電気的接続することが可能になる。
本実施形態では、突出部440の突出量は、本体401とカバー402とが重なる積層方向D1においてカバー402に近いほど小さい。このため、本体401の突出部440が金属ピン100に対するガイドとして良好に機能する。
本実施形態では、ケース400と、金属ピン100の第2接続部140を収容し、開口部403及び突出部440が差し込まれる差込口304を有する第2ケースであるスロット300と、を備える複合ケース40が用いられる。このような複合ケース40を用いることによって、金属ピン100の第2接続部140と、監視基板200の接続端子221,222とを良好に保護できる。
本実施形態では、第2ケースであるスロット300は、複数の第2接続部140を収容し、且つ、隣り合う第2接続部140同士を区画する隔壁311を有する。このため、開口部403及び突出部440が差込口304に差し込まれるとき、例えば複数の第2接続部140が一つの接続端子221もしくは一つの接続端子222に接続することを抑制できる。
本実施形態では、スロット300は、第2接続部140を支持する支持部となる庇部312を有する。このため、例えば開口部403及び突出部440が差込口304に差し込まれるときなどに金属ピン100が設定した位置から外れることを抑制できる。
加えて、上記ケース400によれば、本体401は、開口部403を区画すると共に絶縁性を示す複数の隔壁450を有し、監視基板200が本体401に載置されるとき、複数の接続端子221において隣り合う接続端子221同士の間には、複数の隔壁450のうち対応する隔壁450が配置される。これにより、隣り合う接続端子221同士は、上記隔壁450の存在によって、開口部403において異なる区画内に位置する。このため、隣り合う接続端子221同士の間におけるトラッキング現象の発生を防止可能である。加えて、隣り合う接続端子222同士も、上記隔壁450の存在によって、開口部403において異なる区画内に位置する。このため、隣り合う接続端子222同士の間におけるトラッキング現象の発生を防止可能である。
本実施形態では、監視基板200は、隣り合う接続端子221同士の間に設けられ、監視基板200の主面211に垂直な方向である方向D2に貫通する空間Sを形成する凹部230を有し、隔壁450は、監視基板200が本体401に載置されるとき、空間Sに配置される。このため、隣り合う接続端子221同士の間には凹部230が設けられるので、監視基板200の表面に付着した水分等に起因したトラッキング現象が発生しにくくなる。加えて、上記隔壁450が空間S内に位置することによって、当該隔壁450によるトラッキング現象の発生防止機能を良好に発揮できる。
本実施形態では、複数の隔壁450は、本体401に設けられるときにカバー402に当接する。このため、隔壁450はカバー402に支持されるので、隔壁450の耐衝撃性を向上できる。
本実施形態では、ケース400と、電極積層体11及び監視基板200を接続する複数の金属ピン100の外部端子である第2接続部140を収容し、開口部403及び複数の隔壁450が差し込まれる差込口304を有する第2ケースであるスロット300と、を備える複合ケース40が用いられる。このような複合ケース40を用いることによって、金属ピン100の第2接続部140と、監視基板200の接続端子221,222とを良好に保護できる。
本実施形態では、スロット300は、差込口304を区画すると共に絶縁性を示す複数の隔壁311を有し、スロット300が複数の金属ピン100の第2接続部140を収容するとき、複数の金属ピン100において隣り合う第2接続部140同士の間には、複数の隔壁311のうち対応する隔壁311が配置される。このため、差込口304に収容される第2接続部140の位置を隔壁311によって制限できる。このため、スロット300とケース400とを連結したとき、複数の第2接続部140が、監視基板200における一つの接続端子221,222に接触することを防止できる。
以下では、上記実施形態の各変形例について説明する。以下の変形例において、上記実施形態と重複する箇所の説明は省略する。したがって以下では、上記実施形態と異なる箇所を主に説明する。
(蓄電装置の変形例)
図21は、第1変形例に係る蓄電装置の一部を示す模式斜視図である。図21に示されるように、蓄電装置1Aに含まれる各蓄電モジュール4Cの封止体12Aの表面には、方向D2に沿って突出する構造体600が設けられる。第1変形例では、蓄電モジュール4Cにおいて積層方向D1及び方向D3に沿った側面4aには、構造体600が設けられる。各構造体600は、対応する金属ピン100の第2接続部140を支持する支持部である(金属ピン100は図示しない)。各構造体600は、積層方向D1において互いに重なっており、且つ、互いに同一形状を有する。構造体600は、対応する封止体12Aと同時に成形される樹脂部分であり、平面視にて略U字形状を有する。各構造体600は、上記実施形態における蓄電装置1のスロット300の代替物である。このため図示しないが、監視基板200が金属ピン100に接続されるとき、各構造体600は、監視基板200を収容するケースに収容される。
構造体600は、封止体12Aの表面(すなわち、側面4a)に設けられる基部601と、基部601の一端から突出する突出部602と、突出部602の先端から基部601と並行に延在する張出部603とを備える。基部601と張出部603とのそれぞれは方向D3に沿って延在する一方、突出部602は方向D2に沿って延在している。張出部603は、上記実施形態にて示されるスロット300の庇部312と同様の機能を奏する。図示しないが、基部601と、突出部602と、張出部603とによって画成される空間Oには、金属ピンの第2接続部140が収容される。なお、構造体600は、基部601を有さなくてもよい。
図22は、第1変形例に係る蓄電モジュールと監視基板との関係を示す模式平面図である。図22に示されるように、蓄電モジュール4Cが監視基板200に電気的に接続されるとき、監視基板200は、構造体600によって画成される空間Oに向かって挿入される。このとき、監視基板200は、蓄電モジュール4Cの側面4aの延在方向に延在している。
以上に説明した第1変形例に係る蓄電装置1Aにおいても、図示しない導電板と、監視基板200とは、ワイヤーハーネス及びコネクタを用いることなく金属ピン100を用いて電気的な接続が可能になる。このため、第1変形例においても、上記実施形態と同様の作用効果が奏される。また、蓄電装置1Aは、図1等に示される外部基台30及びスロット300を有さない。加えて第1変形例では、蓄電モジュール4Cが監視基板200に電気的に接続されるとき、監視基板200は、蓄電モジュール4Cの側面4aの延在方向に延在している。このため上記実施形態と比較して、蓄電装置1Aの大型化を良好に抑制できる作用効果が奏される。さらには、第1変形例では、監視基板200を収容するケースの形状は、構造体600の形状に合わせて適宜変更される。このため、当該ケースの形状を簡略化できるので、蓄電装置1Aの製造コストも低減になる。
図23は、第2変形例に係る蓄電装置の一部を示す模式斜視図である。図23に示されるように、蓄電装置1Bは、エンドプレート8に装着される接続部材35、金属ピン100の第2接続部140を支持すると共にケース400が配置される外部基台36、及び接続部材35と外部基台36とを連結する連結部材37A,37Bを有する。接続部材35は、積層方向D1に沿って延在する板状部材である。接続部材35の一端は一方のエンドプレート8に固定されており、接続部材35の他端は他方のエンドプレート8に固定されている。接続部材35は、蓄電モジュール4Dにおいて積層方向D1及び方向D3に沿って延在する側面4aに対して並行に延在する。なお、第2変形例に係る金属ピン100は、上記実施形態の金属ピン100と比較して、屈曲部が一つ多いこと以外は同一である。
外部基台36は、側面4aに対して交差する方向に延在する主面36aを有する板状部材である。第2変形例では、外部基台36は、側面4aに対して直交する。外部基台36は、複数の開口38と、各開口38に対応して設けられる複数の支持部39とを有する。開口38は、対応する金属ピン100の第2接続部140が挿通するために設けられる。支持部39は、対応する第2接続部140を支持及び保護するために設けられる。また、支持部39が設けられることによって、隣り合う第2接続部140同士が接触することを防止できる。加えて、ケース400に収容される監視基板(図示しない)が金属ピン100に接続されるとき、支持部39は、金属ピン100及びケース400の少なくとも一方を支持する。この場合、ケース400は、方向D2に沿って支持部39側へ移動することによって、上記監視基板と金属ピン100との接続がなされる。よって第2変形例では上記第1変形例とは異なり、上記監視基板は、外部基台36と同様に側面4aに対して交差もしくは直交する。
支持部39は、外部基台36の主面36aから立設する隔壁39aと、隔壁39aの先端から積層方向D1に沿って延在する庇部39bとを有する。庇部39bの耐久性を向上する観点から、隔壁39aは、方向D3から見てL字形状を有するが、これに限られない。庇部39bは、方向D3において対応する開口38に重なるように、積層方向D1に沿って延在する。支持部39は、ケース400に対するガイド部材としても機能する。このため、ケース400に収容される上記監視基板が金属ピン100に接続されるとき、当該監視基板は支持部39に誘導されて差し込まれる。
連結部材37A,37Bは、積層方向D1から見てL字形状を有する部材である。連結部材37Aは積層方向D1において一方のエンドプレート8側に位置し、連結部材37Bは積層方向D1において他方のエンドプレート8側に位置する。
以上に説明した第2変形例に係る蓄電装置1Bにおいても、図示しない導電板と、ケース400に含まれる監視基板(不図示)とは、ワイヤーハーネス及びコネクタを用いることなく金属ピン100を用いて電気的な接続が可能になる。このため、第2変形例においても、上記実施形態と同様の作用効果が奏される。また、上記監視基板は、蓄電モジュール4Cの側面4aに対して交差もしくは直交して延在し、且つ、支持部39に差し込まれる。この場合、上記監視基板を支持部39に差し込みやすくなる。
(金属ピンの変形例)
図24は、第3変形例に係る金属ピン100Aを示す斜視図である。金属ピン100Aは、角部150を有さない点において金属ピン100と相違している。すなわち、金属ピン100Aでは、第2接続部140の第1部分141、第3部分143、及び第5部分145が、第2延在部130と同様に、YZ平面に沿っている。このような金属ピン100Aによっても、接触面143a,145aがZ軸方向に沿う構造を実現できる。すなわち、Z軸方向(積層方向D1)に積層された複数の導電板5に対応してZ軸方向に配列される複数の金属ピン100Aの第2接続部140の接触面143a,145aを、Z軸方向に沿った同一平面上に位置させることが可能となる。これにより、1枚の回路基板によって、監視基板200を構成することができる。ただし、この場合には、監視基板200は、YZ平面に沿うように配置されることになる。すなわち、モジュール積層体2の側面(方向D2を向く側面)において、監視基板200は、積層方向D1及び方向D2に平行となるように配置される。このため、複数の金属ピン100を用いる場合と比較すると、方向D2における蓄電装置の寸法が大型化してしまうというデメリットがある。その一方で、監視基板200を積層方向D1及び方向D2に平行となるように配置した場合には、監視基板200を積層方向D1及び方向D3に平行に配置する場合と比較して、モジュール積層体2の側面(方向D2を向く側面)において、監視基板200(及び監視基板200を収容するケース)によって覆われるスペースを減らすことができる。これにより、モジュール積層体2の側面(方向D2を向く側面)に各種部材(例えば、蓄電モジュール4等と接続される配線部材等)を配置するためのスペースを確保できるというメリットがある。
図25は、第4変形例に係る金属ピン100Bの要部拡大図である。金属ピン100Bは、第2延在部130の一部(ここでは一例として、凹凸形状部133が設けられた部分)に、X軸方向(第2延在部130の板厚方向)に貫通すると共にZ軸方向に延びる貫通孔134が設けられている点で、金属ピン100と相違している。一例として、金属ピン100Bの第2延在部130には、複数の矩形状の貫通孔134が設けられている。上記構成によれば、Z軸方向を鉛直方向(重力方向)に一致させることにより、蓄電モジュール4からの電解液の漏液が生じた場合に、当該電解液を第2延在部130における貫通孔134が設けられた部分で下方に移動させ易くすることができる。すなわち、当該電解液が監視基板200へと伝わる前に、当該電解液を下方に落下させ易くすることができる。これにより、当該電解液が監視基板200へと伝わることを抑制することができ、トラッキング及び監視基板200の腐食等の発生を抑制することができる。また、金属ピン100Bのように、貫通孔134がY軸方向において凹凸形状部133と重なる位置に設けられている場合には、貫通孔134及び凹凸形状部133の両方によって効率的に電解液を下方に落下させることができる。
以上、本発明の一側面に係る実施形態及び変形例について説明したが、本発明の一側面は、上述した実施形態及び変形例に限定されない。上記実施形態と上記各変形例とは、互いに適宜組み合わされてもよい。例えば、上記第2変形例と上記第3変形例とが組み合わされてもよい。この場合、外部基台に開口部が設けられなくとも、金属ピンを介した導電板と監視装置との電気的接続を実現できる。
上記実施形態及び上記変形例では、監視装置は外部基台を備えているが、これに限られない。監視装置は、例えば電極積層体等を収容する筐体に設けられてもよい。この場合、例えば筐体の一部にスロットが設けられ、当該スロットにケースが装着されてもよい。もしくは、筐体に対してスロットが装着され、且つ、当該スロットにケースが装着されてもよい。あるいは、監視装置は、例えばジャンクションボックスに設けられてもよいし、ジャンクションボックスに装着されてもよい。
上記実施形態及び上記変形例では、ケースの本体に設けられる突出部は、先端面を有しているが、これに限られない。例えば、当該突出部は、先端面を有さなくてもよい。この場合、接続面は、監視基板に対向する対向面と、突出部の先端とをつなぐ面であればよい。これにより、ケースがスロットに装着されるとき、金属ピンに含まれる第2接続部の第5部分は、接続面によって所定位置へ良好に誘導される。
上記実施形態及び上記変形例では、ケースの本体に突出部及び隔壁の両方が設けられるが、これに限られない。例えば、ケースの本体に突出部及び隔壁の一方が設けられ、ケースのカバーに突出部及び隔壁の他方が設けられてもよい。この場合、突出部と隔壁とは、互いに一体化していない。もしくは、ケースのカバーに突出部及び隔壁の両方が設けられてもよい。カバーに隔壁が設けられる場合、当該隔壁は本体に当接してもよい。これにより、カバーに設けられる隔壁の耐衝撃性を向上できる。もしくは、ケースの本体及びカバーの両方に隔壁が設けられなくてもよい。この場合、スロットのみに隔壁が設けられてもよい。
上記実施形態及び上記変形例では、監視基板の接続端子はプリント配線によって形成されるが、これに限られない。例えば、基板部に導電性部材が装着されることによって、接続端子が形成されてもよい。具体例としては、銅等からなる金属プレートもしくは合金プレートを基板部に嵌め込むことによって、接続端子が形成されてもよい。
上記実施形態及び上記変形例では、金属ピンの第3部分と第5部分とのそれぞれに接触面が設けられるが、これに限られない。例えば、第3部分と第5部分の一方にのみ接触面が設けられてもよい。
1,1B…蓄電装置、4,4C,4D…蓄電モジュール、4A…蓄電モジュール(第1蓄電モジュール)、4B…蓄電モジュール(第2蓄電モジュール)、5…導電板(第1部材、導電部材、第2導電板)、5A…第1導電板、8…エンドプレート、11…電極積層体、12,12A…封止体、14…バイポーラ電極、30,36…外部基台、30a…主面、30b…貫通孔、35…接続部材、37A,37B…連結部材、38…開口、39…支持部、39a…隔壁、39b…庇部、40…複合ケース、50…監視装置、100,100A,100B…金属ピン、110…第1接続部(第1端子、第3端子)、120…第1延在部、121,131…屈曲部、130…第2延在部、130a…端部、132…凹部、133…凹凸形状部、134…貫通孔、140…第2接続部(第2端子、第4端子、外部端子)、143a,145a…接触面、150…角部、200…監視基板(回路基板、第2部材)、211,212…主面、221,222…接続端子、221b…端部、230…凹部、230b…底部、240…計測回路、300…スロット、301…第1端子ガイド部、302…第2端子ガイド部、303…接続部、304…差込口、311,321…隔壁、312,322…庇部、312a…突出部、313,323…裏板部、324…結合部、324a…開口、400…ケース(収容部材)、401…本体、402…カバー、403…開口部、411…底板、412〜414…側壁、415…接続壁、416…補強部、417…段差部、431…第1立設部、432…延設部、433…第2立設部、433a…頂面、433b…外周面、440…突出部、441,442…側面、443…側面(対向面)、444…先端面、445…接続面、450…隔壁、451〜454…側面、455…先端面、461…天板、462〜464…側壁、471〜474…陥没部、471a,472a,474a…開口、600…構造体、601…基部、602…突出部、603…張出部、A…領域、D1…積層方向(第1方向)、D2…方向(第2方向)、D3…方向(第3方向)、S…空間、S1〜S3,S11,S12…隙間、V…内部空間。

Claims (14)

  1. 第1部材と第2部材とを電気的に接続する金属ピンであって、
    前記第1部材と電気的に接続される第1接続部と、
    前記第1接続部から第1方向に沿って延び、前記第1方向に垂直な第2方向における幅が前記第1方向及び前記第2方向に垂直な第3方向における幅よりも大きい第1延在部と、
    前記第1延在部の前記第1接続部とは反対側の端部から前記第1方向に沿って延び、前記第2方向における幅が前記第3方向における幅よりも小さい第2延在部と、
    前記第2延在部の前記第1延在部側とは反対側に設けられ、前記第2部材と電気的に接続される第2接続部と、を備える金属ピン。
  2. 前記第1延在部は、前記第3方向に屈曲する屈曲部を有する、請求項1に記載の金属ピン。
  3. 前記第2延在部は、前記第2方向に屈曲する屈曲部を有する、請求項1又は2に記載の金属ピン。
  4. 前記第1延在部及び前記第2延在部は、共通の板状部材によって一体的に形成されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の金属ピン。
  5. 前記第1延在部と前記第2延在部とは、前記第2方向における前記第1延在部の幅内において前記第1方向に沿って互いに重なる領域を有する、請求項4に記載の金属ピン。
  6. 前記第2延在部の前記第3方向における端部には、凹部が設けられている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の金属ピン。
  7. 前記第1部材は、前記第3方向に積層された複数の蓄電モジュールを含む蓄電装置において、互いに隣り合う前記蓄電モジュール間又は積層端に位置する導電部材であり、
    前記第2部材は、前記複数の蓄電モジュールの各々の電圧を監視するために、各前記導電部材に対応する複数の接続端子を有する監視基板である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の金属ピン。
  8. 前記第2接続部は、前記第3方向に沿った接触面を有する、請求項7に記載の金属ピン。
  9. 前記第2接続部は、前記接触面を前記監視基板の前記接続端子に向けて付勢する付勢部を有する、請求項8に記載の金属ピン。
  10. 前記第2接続部は、互いに対向する一対の前記接触面を有する、請求項8又は9に記載の金属ピン。
  11. 前記第2接続部は、前記第2延在部の前記第1延在部とは反対側の端部から前記第2方向に沿って延びており、
    前記接触面は、前記第1方向に垂直な面である、請求項8〜10のいずれか一項に記載の金属ピン。
  12. 前記第2延在部と前記第2接続部とを接続し、前記監視基板を収容する収容部材に対して固定される角部を更に備える、請求項11に記載の金属ピン。
  13. 前記第2延在部の前記第3方向における端部には、凹凸形状が設けられている、請求項7〜12のいずれか一項に記載の金属ピン。
  14. 前記第2延在部には、前記第2方向に貫通すると共に前記第3方向に延びる貫通孔が設けられている、請求項7〜13のいずれか一項に記載の金属ピン。
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