JP2021065403A - 遊技機 - Google Patents

Abstract

【課題】普通図柄に対応した演出と特別図柄に対応した演出とが可能なものにおいて、遊技者が注目すべき演出を明確にする。【解決手段】遊技機は、普通図柄の先読み演出と特別図柄の先読み演出とを実行可能なものにおいて、始動口への遊技球の入球に基づいて取得される判定情報が複数記憶されている場合、複数の判定情報のうち抽選済みの判定情報を除く判定情報を対象として先に消化されるものから順に特別図柄の先読み演出を実行するか否かの抽選を行ない、先読み演出を実行するとの抽選結果が得られたときには、当該抽選結果が得られた抽選の対象となった判定情報が消化されるまで当該判定情報よりも後に消化される判定情報を対象とした抽選を行なわない。【選択図】図２７

Description

本発明は、弾球遊技機に関する。

従来、この種の遊技機としては、ゲートと、第１始動口と、第２始動口と、第１大入賞口と、内部に特定領域を有する第２大入賞口とを備え、ゲートへの遊技球の入球に基づいて変動表示される普通図柄が当り図柄で停止表示された場合に第２始動口を開放させる補助遊技を実行し、第１始動口または第２始動口への遊技球の入球に基づいて変動表示される第１特別図柄または第２特別図柄が小当り図柄で停止された場合に第２大入賞口を開放させる小当り遊技を実行し、第１特別図柄または第２特別図柄が大当り図柄で停止された場合と小当り遊技中に第２大入賞口に入球した遊技球が特定領域を通過した場合に第１大入賞口を開放させる大当り遊技を実行するもの（いわゆる１種２種混合タイプの遊技機）が知られている。例えば、特許文献１には、普通図柄が特定の当り図柄で停止表示された場合に、第２始動口のロング開放を行なう１種２種混合タイプの遊技機において、ゲートへの遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示の開始に伴って画像表示装置に演出表示（前兆演出）を行なうものが開示されている。この遊技機では、特別図柄が変動表示中に前兆演出を行なう場合には、画像表示装置に縮小画面画像として特別図柄に対応した演出図柄を変動表示しながら前兆演出を行なう。

特開２０１８−９４３８１号公報

しかしながら、上述した特許文献１記載の遊技機では、特別図柄と普通図柄とが同時期に変動表示される場合、第１特別図柄に対応した演出表示と普通図柄に対応した演出表示とが同時期に行なわれるため、遊技者は、どの演出に注目すべきかわからず、混乱するおそれがある。

本発明の遊技機は、普通図柄に対応した先読み演出と特別図柄に対応した先読み演出とが可能なものにおいて、遊技者が注目すべき演出を明確にすることを主目的とする。

本発明の遊技機は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。

本発明の遊技機は、
第１遊技領域に配置された第１始動口と、
前記第１遊技領域とは異なる第２遊技領域に配置された第２始動口と、
前記第２遊技領域に配置され、内部に特定領域を有する大入賞口と、
前記第１遊技領域および前記第２遊技領域のそれぞれに配置された作動ゲートと、
前記作動ゲートへの遊技球の通過に基づいて取得される普通図柄の判定情報を複数記憶可能な普通図柄保留記憶手段と、
前記普通図柄の判定情報に基づいて普通図柄の当否判定を実行する普通図柄当否判定手段と、
前記普通図柄の当否判定結果に基づいて普通図柄の変動表示を実行する普通図柄変動表示手段と、
前記普通図柄変動表示手段により変動表示された普通図柄が当り図柄で停止表示された場合に前記第２始動口を開放する第２始動口開放遊技実行手段と、
前記第１始動口または前記第２始動口への遊技球の入球に基づいて取得される特別図柄の判定情報を複数記憶可能な特別図柄保留記憶手段と、
前記特別図柄の判定情報に基づいて特別図柄の当否判定を実行する特別図柄当否判定手段と、
前記特別図柄の当否判定結果に基づいて特別図柄の変動表示を実行する特別図柄変動表示手段と、
前記特別図柄変動表示手段により変動表示された特別図柄が小当り図柄で停止表示された場合に前記大入賞口を開放させる小当り遊技を実行する小当り遊技実行手段と、
前記特別図柄変動表示手段により変動表示された特別図柄が大当り図柄で停止表示された場合と前記小当り遊技において前記大入賞口に入球した遊技球が前記特定領域を通過した場合に大当り遊技を実行する大当り遊技実行手段と、
を備え、
前記第２始動口への遊技球の入球に基づいて実行される特別図柄の当否判定の方が、前記第１始動口への遊技球の入球に基づいて実行される特別図柄の当否判定よりも小当りと判定する確率が高い遊技機であって、
前記普通図柄当否判定手段による普通図柄の当否判定に先立って、前記普通図柄の判定情報に基づいて普通図柄の先読み判定を実行する普通図柄先読み判定手段と、
前記普通図柄の先読み判定結果に基づいて普通図柄の先読み演出を実行する普通図柄先読み演出実行手段と、
前記特別図柄当否判定手段による特別図柄の当否判定に先立って、前記特別図柄の判定情報に基づいて特別図柄の先読み判定を実行する特別図柄先読み判定手段と、
前記特別図柄の先読み判定結果に基づいて特別図柄の先読み演出を実行する特別図柄先読み演出実行手段と、
を有し、
前記特別図柄先読み演出実行手段は、前記特別図柄保留記憶手段に先読み判定の対象となった複数の判定情報が記憶されている場合、前記複数の判定情報のうち抽選済みの判定情報を除く判定情報を対象として先に消化されるものから順に特別図柄の先読み演出を実行するか否かの抽選を行ない、前記先読み演出を実行するとの抽選結果が得られたときには、当該抽選結果が得られた抽選の対象となった判定情報が消化されるまで当該判定情報よりも後に消化される判定情報を対象とした前記抽選を行なわない、
ことを要旨とする。

この本発明の遊技機では、いわゆる１種２種混合タイプの遊技機において、第１の遊技領域に遊技球を発射させて第１始動口への遊技球の入球を狙いつつ、第１の遊技領域に配置された作動ゲートに遊技球が通過し、変動表示される普通図柄が当り図柄で停止表示されると、第２始動口が開放し、第２の遊技領域に遊技球を発射させて第２始動口に遊技球が入球し、変動表示される特別図柄が小当り図柄で停止表示されると、大入賞口が開放し、開放した大入賞口に入球した遊技球が特定領域を通過すると、大当りが発生する大当りルートを有する。このような遊技機において、普通図柄の先読み判定を実行する普通図柄先読み判定手段と、普通図柄の先読み判定結果に基づいて普通図柄の先読み演出を実行する普通図柄先読み演出実行手段と、特別図柄の先読み判定を実行する特別図柄先読み判定手段と、特別図柄の先読み判定結果に基づいて特別図柄の先読み演出を実行する特別図柄先読み演出実行手段とを備える。そして、特別図柄先読み演出実行手段は、特別図柄保留記憶手段に先読み判定の対象となった複数の判定情報が記憶されている場合、複数の判定情報のうち抽選済みの判定情報を除く判定情報を対象として先に消化されるものから順に特別図柄の先読み演出を実行するか否かの抽選を行ない、先読み演出を実行するとの抽選結果が得られたときには、当該抽選結果が得られた抽選の対象となった判定情報が消化されるまで当該判定情報よりも後に消化される判定情報を対象とした抽選を行なわないものとしている。このように、特別図柄の先読み演出を行なうか否かの抽選の実行を制限することによって特別図柄の先読み演出の実行を制限することで、普通図柄の先読み演出との重複をできる限り避けることができ、遊技者が注目すべき演出を明確にすることができる。

こうした本発明の遊技機において、前記普通図柄先読み演出実行手段は、前記特別図柄先読み演出実行手段よりも優先して先読み演出を実行するものとしてもよい。こうすれば、普通図柄の当選を契機として大当り（役物当り）が発生することへの遊技者の期待感を高めることができ、遊技興趣を向上させることができる。

本発明の遊技機によれば、普通図柄に対応した先読み演出と特別図柄に対応した先読み演出とが可能なものにおいて、遊技者が注目すべき演出を明確にすることができる。

本発明の一実施例としてのパチンコ機１の正面図である。 パチンコ機１が有する遊技盤２０の概略構成図である。 振分装置４０の概略構成図である。 パチンコ機１の電気的な構成を示すブロック図である。 演出表示装置３７の演出表示の一例を示す説明図である。 パチンコ機１の仕様を説明する説明図である。 主制御装置６０のＣＰＵ６０ａにより実行される主制御処理の一例を示すフローチャートである。 始動入賞処理の一例を示すフローチャートである。 普通図柄遊技処理の一例を示すフローチャートである。 普通図柄変動表示関連処理の一例を示すフローチャートである。 普通図柄変動パターンテーブルの一例を示す説明図である。 普通図柄当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。 第２始動口開放パターンテーブルの一例を示す説明図である。 特別図柄遊技処理の一例を示すフローチャートである。 特別図柄遊技処理の一例を示すフローチャートである。 特別図柄変動表示関連処理の一例を示すフローチャートである。 小当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。 小当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。 大当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。 大当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。 演出制御処理の一例を示すフローチャートである。 普通図柄保留関連処理の一例を示すフローチャートである。 特別図柄保留関連処理の一例を示すフローチャートである。 特別図柄変動演出処理の一例を示すフローチャートである。 普通図柄先読み演出処理の一例を示すフローチャートである。 普通図柄先読み演出処理の一例を示すフローチャートである。 特別図柄先読み演出処理の一例を示すフローチャートである。 特別図柄先読み演出処理の一例を示すフローチャートである。 大当り遊技演出の一例と小当り遊技演出の一例とを示す説明図である。 普通図柄先読み演出の一例を示す説明図である。 普通図柄の当りにより開放される第２始動口への遊技球の入球に基づいて第２特別図柄が変動表示する際の演出表示の一例を示す説明図である。 特図先読み演出実行抽選の様子を示す説明図である。

次に、本発明の実施の形態を実施例を用いて説明する。

図１は、本発明の一実施例としてのパチンコ機１の正面図であり、図２は、パチンコ機１が有する遊技盤２０の概略構成図であり、図３は、振分装置４０の概略構成図であり、図４は、パチンコ機１の電気的な構成を示すブロック図である。以下、第１種の遊技性と第２種の遊技性とを併せ持ったいわゆる１種２種混合タイプのパチンコ機に本発明を適用した例を説明する。なお、第１種の遊技性は、始動口への遊技球の入球に基づいて変動表示される特別図柄が所定の大当り図柄で停止表示すると大入賞口を開放する大当り遊技を開始する、いわゆるセブン機タイプの遊技性である。また、第２種の遊技性は、始動口への遊技球の入球に基づいて開放される大入賞口（可変入賞装置）に入球した遊技球が当該大入賞口内に設けられた特定領域（いわゆるＶ領域）を通過することで大当り遊技を開始する、いわゆる羽根物タイプの遊技性である。

［パチンコ機１の外観構成］
本実施例のパチンコ機１は、図１に示すように、前面枠（ガラス枠）３に嵌め込まれたガラス板（透明板）４を介して盤面が視認可能に配置された遊技盤２０と、遊技球を貯留する上受け皿１１および下受け皿１２と、上受け皿１１に貯留されている遊技球を遊技盤２０へ発射するための発射ハンドル１３と、を備える。本実施例のパチンコ機１は、プリペイドカードに対応したＣＲ機であり、当該パチンコ機１の左側には、プリペイドカードの読み書きを行なうためのＣＲユニット５０が設けられている。

前面枠３は、内枠５に嵌め込まれており、左側の上下に設けられたヒンジを支点として内枠５に対して開閉可能となっている。また、内枠５は、外枠２に嵌め込まれており、左側の上下に設けられたヒンジを支点として外枠２に対して開閉可能となっている。前面枠３と内枠５は、略長方形状のプラスティック製の枠体として構成されている。一方、外枠２は、略長方形状の木製の枠体として構成されており、遊技ホールの島設備の島枠に固定される。

前面枠３の上部左右には、遊技の進行に伴って種々の効果音を鳴らしたり遊技者に対して注意喚起するための警告音を鳴らしたりするスピーカ１４が設けられている。また、前面枠３には、遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ（ランプ）１５が複数設けられている。

上受け皿１１には賞球や貸球が払い出されるようになっている。上受け皿１１の上面右部には、ＣＲユニット５０に挿入されたプリペイドカードの残高等を表示する精算表示装置５２が配設され、当該精算表示装置５２には、遊技球の貸し出しを指示する球貸ボタン５３と、ＣＲユニット５０に挿入されているプリペイドカードの精算（返却）を指示する精算ボタン５４と、が設けられている。また、上受け皿１１の上面中央部には、遊技者の操作に応じて各種演出を行なうための演出ボタン１６が配設されている。下受け皿１２は上受け皿１１から溢れた球を受けることができるようになっている。

発射ハンドル１３は、下受け皿１２の右方に設けられており、遊技者により時計回りに回動操作されると、図示しない発射装置が有する発射モータ８３（図４参照）が作動し、発射ハンドル１３の回動操作量に応じた発射威力で遊技球を１球ずつ遊技盤２０へ向けて打ち出す。

［遊技盤２０の構成］
遊技盤２０は、図２に示すように、外レール２１ａと内レール２１ｂとによって囲まれる遊技領域２１が形成されている。この遊技盤２０は、遊技領域２１の略中央部に設けられた演出表示装置３７と、演出表示装置３７の周囲に配置されたワープ入口やワープ樋,ステージ等を含むセンター役物３８と、センター役物３８の左方と右方とにそれぞれ配置された普通図柄作動ゲート２２１，２２２と、センター役物３８の下方に配置された常時開放の第１始動口２３と、右側の普通図柄作動ゲート２２２の下方に配置された開閉式の第２始動口２４と、センター役物３８の右部に設けられた第１大入賞口２５と、第２始動口２４の左下方に配置された第２大入賞口２６と、遊技領域２１の左下部に配置された常時開放の普通入賞口２８と、何れの入賞口にも入らなかった遊技球を回収するためのアウト口２９と、を備える。また、遊技盤２０には、遊技領域２１を流下する遊技球をガイドしたり弾いたりする多数の釘２１ｃが植設されている。

第２始動口２４は、普通電動役物として構成される可変式の入球口であり、左右一対の開閉羽根（開閉部材）２４ｂと、開閉羽根２４ｂを作動させる第２始動口ソレノイド２４ｃ（図４参照）と、を備える。この第２始動口２４は、通常は、開閉羽根２４ｂが直立して遊技球の入球が困難な通常状態とされており、普通図柄が当り図柄で停止表示されて当り遊技（普通図柄当り遊技）が実行されるときに、第２始動口ソレノイド２４ｃによって開閉羽根２４ｂが左右に開くことにより、遊技球の入球が容易な開放状態とされる。第２始動口２４には、遊技球の入球を検知してその入球数をカウントするための第２始動口スイッチ２４ａ（図４参照）が取り付けられている。第２始動口２４は、第２始動口スイッチ２４ａが遊技球の入球を規定数カウントするか、規定数カウントする前に予め定められた最大開放時間が経過すると閉鎖される。

第１大入賞口２５は、特別電動役物として構成される可変式の入球口であり、開閉羽根（開閉部材）２５ｂと、開閉羽根２５ｂを作動させる第１大入賞口ソレノイド２５ｃ（図４参照）と、を備える。この第１大入賞口２５は、通常は、開閉羽根２５ｂによって塞がれて遊技球の入球が不能な閉鎖状態とされており、大当り遊技が実行されるときに、第１大入賞口ソレノイド２５ｃによって開閉羽根２５ｂが右側に開くことで、遊技球を受け入れやすい開放状態とされる。第１大入賞口２５には、遊技球の入球を検知してその入球数をカウントするための第１大入賞口スイッチ２５ａ（図４参照）が取り付けられている。第１大入賞口２５は、第１大入賞口スイッチ２５ａが遊技球の入球を規定数カウントするか、規定数カウントする前に予め定められた最大開放時間が経過すると閉鎖される。大当り遊技は、第１大入賞口２５を開閉するラウンド遊技を複数回に亘って繰り返すことにより実行される。

第２大入賞口２６は、特別電動役物として構成される可変式の入球口であり、スライド式の開閉板（開閉部材）２６ｂと、開閉板２６ｂを作動させる第２大入賞口ソレノイド２６ｃ（図４参照）と、を備える。この第２大入賞口２６は、通常は、開閉板２６ｂが盤面から突き出て遊技球の入球が不能な閉鎖状態とされており、特別図柄が小当り図柄で停止表示されて小当り遊技が実行されるときに、第２大入賞口ソレノイド２６ｃによって開閉板２６ｂが盤面内に引き込まれることにより、遊技球の入球が可能な開放状態とされる。第２大入賞口２６が閉鎖状態にあるときには、右打ちにより流下した遊技球が第２大入賞口２６に入球することなく開閉板２６ｂ上を右から左へと通過する。第２大入賞口２６には、遊技球の入球を検知してその入球数をカウントするための第２大入賞口スイッチ２６ａ（図４参照）が取り付けられている。第２大入賞口２６は、第２大入賞口スイッチ２６ａが遊技球の入球を規定数カウントするか、規定数カウントする前に予め定められた最大開放時間が経過すると閉鎖される。

第２大入賞口２６の内部には、振分装置４０が設けられている。振分装置４０は、図３に示すように、第２大入賞口２６に入球した遊技球を特定領域（Ｖ領域）４３か非特定領域（外れ領域）４４かのいずれかに振り分けるものであり、図示するように、第２大入賞口２６に入球した遊技球が流出するワープ出口４１と、ワープ出口４１の真下に設けられた特定領域４３と、特定領域４３の両サイドに設けられた非特定領域４４と、特定領域４３の入口付近に配置された左右一対の振分羽根４２と、振分羽根４２を作動させる振分ソレノイド４２ｃ（図４参照）と、を備える。振分装置４０は、振分羽根４２が振分ソレノイド４２ｃによって予め定められた開閉パターン（開放時間および閉鎖時間）で開閉を繰り返し、振分羽根４２が閉鎖しているときには、ワープ出口４１から流出した遊技球を振分羽根４２によって非特定領域４４へと誘導し、振分羽根４２が開放しているときには、ワープ出口４１から流出した遊技球を特定領域４３へと誘導する。振分羽根４２の開放時間や閉鎖時間を調整することにより、特定領域４３への遊技球の入球確率を設定することができる。また、振分羽根４２の開閉パターンと第２大入賞口２６の開閉タイミングとの組み合わせによっても、特定領域４３への遊技球の入球確率を設定することができる。なお、特定領域４３には、特定領域４３への遊技球の通過を検知するための特定領域通過スイッチ４３ａ（図４参照）が設けられている。

第１始動口２３は、遊技者が遊技球を遊技領域２１の左側領域（第１遊技領域２１１）に流下させるように発射ハンドル１３を回動操作（いわゆる左打ち）することにより遊技球を入球させることができる。一方、第２始動口２４，第１大入賞口２５および第２大入賞口２６は、左打ちによって遊技球を入球させることは不可能であり、遊技球を遊技領域２１の右側領域（第２遊技領域２１２）に流下させるように発射ハンドル１３を回動操作（いわゆる右打ち）することにより遊技球を入球させることができる。もっとも、第２始動口２４，第１大入賞口２５および第２大入賞口２６は、可変式の入賞口であり、それぞれ、普通図柄が当選した場合，大当りが発生した場合、小当りが発生した場合に開放されてはじめて遊技球が入球可能となる。普通図柄作動ゲート２２１，２２２は、本実施例では、遊技領域２１の左右両側（第１遊技領域２１１および第２遊技領域２１２）に配置されており、左打ちおよび右打ちのいずれによっても、普通図柄作動ゲートに遊技球を通過させることができる。

遊技盤２０の右下部には、第１特別図柄表示装置（第１特図表示装置）３１と、第２特別図柄表示装置（第２特図表示装置）３２と、第１特別図柄保留数表示装置（第１特図保留数表示装置）３３と、第２特別図柄保留数表示装置（第２特図保留数表示装置）３４と、普通図柄表示装置（普図表示装置）３５と、普通図柄保留数表示装置（普図保留数表示装置）３６と、が配置されている。

第１特図表示装置３１および第２特図表示装置３２は、本実施例では、７セグメント表示装置として構成されており、各セグメントの点灯と消灯との組み合わせにより複数種類の表示態様を表現する。第１特図表示装置３１および第２特図表示装置３２は、始動口への遊技球の入球に基づいて表示態様を順次切り替えることにより特別図柄の変動表示を開始し、所定の変動時間が経過したときに予め定められた複数の停止表示態様の何れかで停止表示することにより特別図柄を停止表示する。そして、特別図柄が第１の停止表示態様（所定の大当り図柄）で停止表示されると、大当り遊技が実行され、特別図柄が第２の停止表示態様（所定の小当り図柄）で停止表示されると、小当り遊技が実行される。第１特図表示装置３１は、第１始動口２３への遊技球の入球に基づいて特別図柄を変動表示する第１始動口入球用の表示装置であり、第２特図表示装置３２は、第２始動口２４への遊技球の入球に基づいて特別図柄を変動表示する第２始動口入球用の表示装置である。なお、第１特図表示装置３１により表示される特別図柄を第１特別図柄（第１特図）とも呼び、第２特図表示装置３２により表示される特別図柄を第２特別図柄（第２特図）とも呼ぶ。

なお、特別図柄の変動表示中や大当り遊技中、小当り遊技中に、第１始動口２３に遊技球が入球した場合、第１特別図柄の変動表示を所定数（実施例では４回）まで保留し、現在の変動表示が終了した後に、保留している第１特別図柄の変動表示を順次開始する。第１特別図柄の保留数は、第１特図保留数表示装置３３に表示される。また、特別図柄の変動表示中や大当り遊技中、小当り遊技中に、第２始動口２４に遊技球が入球した場合も、第２特別図柄の変動表示を所定数（例えば、４回）まで保留し、現在の変動表示が終了した後に、保留している第２特別図柄の変動表示を順次開始する。第２特別図柄の保留数は、第２特図保留数表示装置３４に表示される。

普図表示装置３５は、本実施例では、複数の表示部を有するＬＥＤ表示装置として構成されている。普図表示装置３５は、普通図柄作動ゲート２２１，２２２に設けられたゲートスイッチ２２１ａ，２２２ａのいずれかが遊技球を検知したことに基づいて、複数の表示部のそれぞれについて点灯と消灯とを繰り返すことにより普通図柄を変動表示し、所定の変動時間が経過すると、複数の表示部のそれぞれについて点灯あるいは消灯することにより普通図柄を停止表示する。そして、複数の表示部のうち特定の表示部が点灯している場合が当り図柄となり、それ以外の場合が外れ図柄となる。普通図柄が当り図柄で停止表示されると、第２始動口２４が開放される。

なお、本実施例では、普通図柄の変動表示中に遊技球が普通図柄作動ゲート２２１，２２２を通過したときには、普通図柄の変動表示を所定数（例えば、４個）まで保留し、現在の変動表示が終了したときに、保留している普通図柄の変動表示を順次開始する。普通図柄の保留数は、普図保留数表示装置３６に表示される。

演出表示装置３７は、液晶ディスプレイ等により構成される画像表示装置であり、表示画面上で特別図柄に対応する演出図柄（疑似図柄）３７１Ｌ，３７１Ｃ，３７１Ｒの表示（図柄変動演出）の他、リーチ演出や予告演出、先読み演出等の様々な演出表示を行なう。図５は、演出表示装置３７の演出表示の一例を示す説明図である。図示するように、演出表示装置３７の表示画面の中央部には、数字や英字、文字、記号、キャラクタ等からなり特別図柄（第１特別図柄または第２特別図柄）の当否判定の結果を示す左，中，右の３つの演出図柄３７１Ｌ，３７１Ｃ，３７１Ｒが表示される。３つの演出図柄３７１Ｌ，３７１Ｃ，３７１Ｒは、始動口（第１始動口２３または第２始動口２４）に遊技球が入球すると、上から下へスクロールするように変動表示され、所定の変動時間が経過すると、左，右，中の順に停止表示される。右の演出図柄３７１Ｒが停止表示されたときに当該右の演出図柄３７１Ｒが左の演出図柄３７１Ｌと一致しなかったときには、外れ（通常外れ）となる。一方、右の演出図柄３７１Ｒが左の演出図柄３７１Ｌと一致したときには、リーチとなり、リーチ演出に移行する。そして、当該リーチ演出を経て中の演出図柄３７１Ｃが停止表示されたときに当該中の演出図柄３７１Ｃが左右の演出図柄３７１Ｌ，３７１Ｒと一致しなかったときには、外れとなり（リーチ外れ）、中の演出図柄３７１Ｃが左右の演出図柄３７１Ｌ，３７１Ｒと一致したときには、大当りとなる。また、３つの演出図柄３７１Ｌ，３７１Ｃ，３７１Ｒが特定の組み合わせで停止表示されると、小当りとなる。

また、演出表示装置３７の表示画面の隅部（右下）には、図５に示すように、保留図柄３７２や変動中図柄３７３も表示される。保留図柄３７２は、現在の遊技状態が通常状態のときには、第１特別図柄の保留記憶に対応する図柄となる。すなわち、現在の遊技状態が通常状態のときには、第１特別図柄の変動表示中等に第１始動口２３に遊技球が入球する毎に右側から順に１つずつ追加表示され、第１特別図柄の変動表示が開始される毎に始動入球時とは逆側から１つずつ消去される。また、保留図柄３７２は、現在の遊技状態が時短状態のときには、第２特別図柄の保留記憶に対応する図柄となる。すなわち、遊技状態が時短状態のときには、特別図柄の変動表示中等に第２始動口２４に遊技球が入球する毎に右側から順に１つずつ追加表示され、第２特別図柄の変動表示が開始される毎に始動入球時とは逆側から１つずつ消去される。変動中図柄３７３は、変動表示中の特別図柄に対応して表示される図柄である。すなわち、特別図柄の変動表示が開始される際に対応する保留図柄３７２の表示が変動中図柄３７３の表示に変更され、残存する保留図柄３７２の表示が１つずつ左側へシフトされる。なお、変動中図柄３７３は、省略されてもよい。

また、演出表示装置３７の表示画面内には、キャラクタ図柄３７４（「熊の達吉」）も表示される。キャラクタ図柄３７４は、例えば、大当りが発生したことを知らせたり、普通図柄が当選したり小当りが発生したりした際に遊技球の発射すべき方向を知らせたり（例えば、「右打ちしろ！」）、大当りの可能性（信頼度）を示唆したりする場合に用いられる。

また、演出表示装置３７の表示画面内には、遊技者が遊技球を発射すべき方向（発射方向）を示す発射方向表示部３７５も設けられている。発射方向表示部３７５は、遊技状態が左打ち（遊技球が第１遊技領域２１１を流下するように遊技球を発射）を必要とする遊技状態（通常状態）にある場合には、第１表示態様（例えば、「左打ち」の文字，左方向を指す矢印画像）で表示される。一方、発射方向表示部３７５は、遊技状態が右打ち（遊技球が第２遊技領域２１２を流下するように遊技球を発射）を必要とする遊技状態（確変遊技状態または時短遊技状態）にある場合には、第２表示態様（例えば、「右打ち」の文字，右方向を指す矢印画像）で表示される。なお、発射方向表示部３７５は、遊技状態が変化するときに一定時間だけ表示するようにしてもよいし、常時表示するようにしてもよい。また、発射方向表示部３７５は、右打ちを必要とする遊技状態のときにだけ表示するようにしてもよい。

［制御回路の構成］
また、パチンコ機１は、図４に示すように、その制御回路として、主制御装置６０と、払出制御装置７０と、発射制御装置８０と、サブ統合制御装置９０と、演出図柄制御装置９１と、電源基板９５（図示せず）と、を備える。主制御装置６０は、ＣＰＵ６０ａを中心としたマイクロプロセッサとして構成され、ＣＰＵ６０ａの他に、処理プログラムやテーブルを記憶するＲＯＭ６０ｂ，処理プログラムの実行に際してデータを一時的に記憶するＲＡＭ６０ｃ，入出力ポート，通信ポートなどを備える。なお、図示しないが、払出制御装置７０や発射制御装置８０も同様に、ＣＰＵを中心としたマイクロプロセッサとして構成され、ＣＰＵの他に、ＲＯＭ，ＲＡＭ，入出力ポート，通信ポートなどを備える。また、パチンコ機１には外部接続端子板６５が設けられており、外部接続端子板６５により遊技状態や遊技結果を示す信号がホールコンピュータ１００へ送信される。

主制御装置６０は、遊技の基本的な進行の制御を行なうものである。図４に示すように、主制御装置６０には、前面枠３の開放を検知する前面枠開放スイッチ３ａや、内枠５の開放を検知する内枠開放スイッチ５ａ等からの検知信号が裏配線中継端子板６４を介して入力される。また、主制御装置６０には、普通図柄作動ゲート２２１，２２２への遊技球の通過を検知するゲートスイッチ２２１ａ，２２２ａ、第１始動口２３への遊技球の入球を検知する第１始動口スイッチ２３ａや、第２始動口２４への遊技球の入球を検知する第２始動口スイッチ２４ａ、第１大入賞口２５への遊技球の入球を検知する第１大入賞口スイッチ２５ａ、第２大入賞口２６への遊技球の入球を検知する第２大入賞口スイッチ２６ａ、特定領域４３への遊技球の通過を検知する特定領域通過スイッチ４３ａ、普通入賞口２８への遊技球の入球を検知する普通入賞口スイッチ２８ａ等からの検知信号が遊技盤中継端子板６１を介して入力される。一方、主制御装置６０からは、第２始動口ソレノイド２４ｃや第１大入賞口ソレノイド２５ｃ、第２大入賞口ソレノイド２６ｃ、振分ソレノイド４２ｃ等への駆動信号が遊技盤中継端子板６１を介して出力される。また、主制御装置６０からは、第１特図表示装置３１や第２特図表示装置３２、第１特図保留数表示装置３３、第２特図保留数表示装置３４、普図表示装置３５、普図保留数表示装置３６等への表示信号が図柄表示装置中継端子板６２を介して出力される。更に、主制御装置６０からは、ホールコンピュータ１００への信号が裏配線中継端子板６４および外部接続端子板６５を介して出力される。

払出制御装置７０は、賞球や貸球の払い出しに関する制御を司るものである。この払出制御装置７０には、上受け皿１１に払い出す遊技球を貯留するための図示しない球タンクの球切れを検知する球切れスイッチ７６からの検知信号が裏配線中継端子板６４を介して入力され、上受け皿１１に払い出される遊技球を検知する払出スイッチ７４からの検知信号が払出中継端子板７１および裏配線中継端子板６４を介して入力され、下受け皿１２の満杯を検知する満杯スイッチ７５からの検知信号が直接に入力される。一方、払出制御装置７０からは、払出モータ７３への駆動信号が裏配線中継端子板６４および払出中継端子板７１を介して出力される。払出制御装置７０は、主制御装置６０と双方向通信が可能に構成されており、主制御装置６０から送信されるコマンドに従って払出モータ７３を駆動して賞球の払い出しを行なう。払出制御装置７０は、球切れスイッチ７６および満杯スイッチ７５の何れかから検知信号を入力すると、その検知の状況が解消して検知信号を入力しなくなるまで、払出モータ７３を駆動停止し、賞球の払出動作を中断する。

また、払出制御装置７０は、ＣＲユニット端子板５１を介してＣＲユニット５０と通信可能に構成されている。ＣＲユニット端子板５１は精算表示装置５２と双方向通信が可能に構成されており、払出制御装置７０には、精算表示装置５２に設けられた球貸スイッチ５３ａや精算スイッチ５４ａからの検知信号がＣＲユニット端子板５１を介して入力される。なお、球貸スイッチ５３ａは、球貸ボタン５３の操作を検知して検知信号を出力するものであり、精算スイッチ５４ａは、精算ボタン５４の操作を検知して検知信号を出力するものである。払出制御装置７０は、球貸コマンドを入力すると、払出モータ７３を駆動して貸球の払い出しを行なう。また、払出制御装置７０は、発射制御装置８０とも双方向通信が可能に構成され、満杯スイッチ７５から検知信号を入力する等の所定の発射停止条件が成立したときに、発射制御装置８０に対して発射停止コマンドを送信する。

発射制御装置８０は、遊技領域２１への遊技球の発射に関する制御を司るものである。この発射制御装置８０には、発射ハンドル１３の回動操作に応じて出力される回動量信号や、発射停止ボタンの操作を検知する発射停止スイッチ８１からの発射停止信号、遊技者が発射ハンドル１３に触れていることを検知するタッチスイッチ８２からのタッチ信号等が入力される。一方、発射制御装置８０からは、発射モータ８３への駆動信号が出力される。発射制御装置８０は、回動量信号に基づく発射強度で遊技球が遊技領域２１へ発射されるよう発射モータ８３を制御する。なお、発射制御装置８０は、タッチ信号を入力していないときや発射停止コマンドを入力しているときには、発射ハンドル１３の操作に拘わらず発射モータ８３の駆動を停止し、遊技球を発射させない。

サブ統合制御装置９０は、遊技の演出に関する制御を司るものである。サブ統合制御装置９０は、ＣＰＵ９０ａを中心としたマイクロプロセッサとして構成され、ＣＰＵ９０ａの他に、ＲＯＭ９０ｂ，ＲＡＭ９０ｃ，入出力ポート，通信ポートなどを備える。このサブ統合制御装置９０は、演出中継端子板６３を介して主制御装置６０から一方向通信により各種コマンドを受信可能となっており、受信したコマンドに応じた演出制御を行なう。サブ統合制御装置９０には、演出ボタン１６の操作を検知する演出ボタンスイッチ１６ａからの検知信号が入力される。一方、サブ統合制御装置９０からは、スピーカ１４への音声信号や各種ＬＥＤやランプ１５への点灯信号が出力される。また、サブ統合制御装置９０からは、演出図柄制御装置９１への演出表示制御用のコマンドが一方向通信により出力される。演出図柄制御装置９１は、サブ統合制御装置９０からの演出表示制御用のコマンドを受信し、そのコマンドに応じた演出画像が演出表示装置３７に表示されるよう当該演出表示装置３７の表示制御を行なう。

［パチンコ機１の遊技の概要］
次に、こうして構成されたパチンコ機１における遊技の概要について説明する。図６は、パチンコ機１の仕様を説明する説明図である。本実施例のパチンコ機１では、大当り確率は、第１特別図柄，第２特別図柄ともに１／３００である。小当り確率は、第１特別図柄では１／３００であるが、第２特別図柄では１／７となる。第１特別図柄で小当りした場合には、小当り遊技において第２大入賞口２６が３秒間、１回開放し、第２大入賞口２６に入球した遊技球が特定領域４３を通過する確率（Ｖ入賞率）は、約１／３である。一方、第２特別図柄で小当りした場合には、小当り遊技において第２大入賞口２６が３秒間、１回開放し、Ｖ入賞率は、約１／１である。大当り遊技は、特別図柄が大当り図柄で停止表示したときか（図柄当り）、特別図柄が小当り図柄で停止表示され小当り遊技において第２大入賞口２６に入球した遊技球が特定領域４３を通過したとき（役物当り）に実行される。

また、普通図柄の当選確率は、通常状態では、１／１００であるが、時短状態では、１／１（１００％）となる。また、普通図柄が当選したときの第２始動口２４（普通電動役物）の開放パターンは、通常状態では、最大０．２秒間、１回開放されるショート開放パターンと、最大５．５秒間、１回開放されるロング開放パターンとがあり、時短状態では、最大６．０秒間、１回開放される開放パターンがある。

図柄当りを契機に大当り遊技が実行される場合、第１特別図柄，第２特別図柄ともに４ラウンドとなる。一方、役物当りを契機に大当り遊技が実行される場合、第１特別図柄では４ラウンドとなるが、第２特別図柄では４ラウンド（３０％）か８ラウンド（２０％）か１２ラウンド（５０％）かのいずれかがそれぞれの選択率で選択される。

大当り遊技が終了すると、第２始動口２４へ遊技球を入球させるのに遊技者に有利となる時短状態が発生する。時短状態では、普通図柄の当選確率が通常状態（１／１００）よりも高確率（１／１）になると共に普通図柄が当選したときの第２始動口２４の開放時間が通常状態（０．２秒または５．５秒）よりも長時間（６．０秒）となる。したがって、遊技者は、右打ちして第２遊技領域２１２に配置された普通図柄作動ゲート２２２に遊技球を通過させることにより、第２始動口２４を頻繁に開放させることができ、当該第２始動口２４に遊技球を容易に入球させて第２特別図柄を変動表示させることができる。上述したように、本実施例では、第２特別図柄の小当り確率（１／７）は第１特別図柄の小当り確率（１／１００）よりも高く、第２特別図柄で小当りが発生すると、第２大入賞口２６に遊技球を入球させれば、約１／１の確率で大当り（役物当り）が発生する。このため、時短状態においては、遊技者は、右打ちすることにより高確率で役物当りを発生させることができる。

時短状態は、特別図柄（第１特別図柄または第２特別図柄）の変動回数が規定回数に達するまで継続する。時短状態の継続回数は、図柄当りを契機に大当り遊技が実行されて時短状態が発生する場合には、第１特別図柄で図柄当りした場合では、１回（９５％）か１２回（５％）かのいずれかがそれぞれの選択率で選択され、第２特別図柄で図柄当りした場合では、１２回となる。また、役物当りを契機に大当り遊技が実行されて時短状態が発生する場合には、第１特別図柄で役物当りした場合では、６回となり、第２特別図柄で役物当りした場合では、６回（３０％）か１２回（７０％）かのいずれかがそれぞれの選択率で選択される。すなわち、時短状態の継続回数は、第１特別図柄で図柄当りや役物当りした場合よりも第２特別図柄で図柄当りや役物当りした場合の方が平均回数が多くなるように設定される。

本実施例のパチンコ機１では、通常状態において大当りが発生する大当りルートとして、３通りのルートを備える。第１の大当りルートは、左打ちにより第１始動口２３に遊技球が入球し、遊技球の入球に基づいて変動表示される第１特別図柄が大当り図柄で停止表示して大当りが発生するルートである。第２の大当りルートは、左打ちにより第１始動口２３に遊技球が入球し、遊技球の入球に基づいて変動表示される第１特別図柄が小当り図柄で停止表示して小当りが発生し、小当り遊技において開放した第２大入賞口２６に右打ちにより遊技球が入球し、入球した遊技球が特定領域４３を通過して大当りが発生するルートである。第３の大当りルートは、左打ちにより第１遊技領域２１１に配置された普通図柄作動ゲート２２１を遊技球が通過し、遊技球の通過に基づいて変動表示される普通図柄が当り図柄で停止表示して第２始動口２４がロング開放パターンで開放し、ロング開放パターンで開放した第２始動口２４に右打ちにより遊技球が入球し、遊技球の入球に基づいて変動表示される第２特別図柄が小当り図柄で停止表示して小当りが発生し、小当り遊技において開放した第２大入賞口２６に遊技球が入球し、入球した遊技球が特定領域４３を通過して大当りが発生するルートである。

このように、一般的な１種２種混合タイプのパチンコ機が搭載する上述した第１の大当りルートや第２の大当りルートに加えて、第３の大当りルートを備えることで、多様な大当りルートによって遊技者の大当りへの期待感を高めことができ、遊技興趣を向上させることができる。すなわち、上述したように、通常状態における普通図柄の当選確率は、低確率（１／１００）であるが、普通図柄が当選すると、所定の確率で第２始動口２４がロング開放するため、通常状態においても、遊技者は右打ちによって第２始動口２４に遊技球を入球させることが可能である。そして、第２始動口２４に遊技球が入球すると、第２特別図柄が高確率（１／７）で小当り図柄で停止表示して小当り遊技が実行され、小当り遊技において第２大入賞口２６に入球した遊技球が高確率（約１／１）で特定領域４３を通過するため、本実施例のパチンコ機では、通常状態において普通図柄が当選するか否かは遊技者にとって重要な関心事となる。なお、このことから、演出表示として普通図柄での抽選をメインに演出することも考えられる。これならば、比較して当りによる恩恵の高い普通図柄をメインに演出することにより、遊技者が最も関心を寄せている当否の結果に基づいて演出を行なうことができることから、演出力の高い遊技機となる。また、第１特別図柄で大当りするか否かを示す演出図柄、第１特別図柄で小当りするか否かを示す演出図柄、普通図柄でロング開放の当否を示す演出図柄をそれぞれ備えて演出することも考えられる。これならば、あたかも３つの抽選が同時に行われているように見せることができる。なお、普通図柄と特別図柄は独立して抽選を行うものであることから、いずれかが変動している時に他方が変動開始することがある。このことから、変動演出を行なっている際に他方が当選する変動を開始した際は演出を割り込ませるなどの特別演出を備えておくことにより、本実施例の遊技構成特有の演出が可能となる。

［主制御処理］
次に、パチンコ機１の動作、特に主制御装置６０の動作について更に詳細に説明する。図７は、主制御装置６０のＣＰＵ６０ａにより実行される主制御処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、パチンコ機１の電源スイッチが操作されたときに実行される。主制御処理は、パチンコ機１の電源投入に必要な電源投入処理を実行した後（Ｓ１００）、乱数更新処理（Ｓ１１０）と、入賞確認処理（Ｓ１２０）と、始動入賞処理（Ｓ１３０）と、普通図柄遊技処理（Ｓ１４０）と、普通図柄当り遊技処理（Ｓ１５０）と、特別図柄遊技処理（Ｓ１６０）と、小当り遊技処理（Ｓ１７０）と、大当り遊技処理（Ｓ１８０）と、を繰り返し実行することにより行なわれる。なお、本実施例では、Ｓ１１０〜Ｓ１８０の処理に要する時間は約２ｍｓｅｃであり、これらの処理は、約２ｍｓｅｃの間隔で繰り返し実行される。主制御装置６０は、主制御処理の実行により、各種コマンドを担当する制御装置に送信してコマンドに応じた処理を実行させることで、パチンコ機１の全体の遊技を進行させている。

［乱数更新処理］
Ｓ１１０の乱数更新処理は、各種判定用乱数を更新する処理である。判定用乱数としては、例えば、始動口（第１始動口２３または第２始動口２４）への遊技球の入球に基づいて行なわれる当否判定に用いる当否判定用乱数（特別図柄当否判定用乱数）や、当否判定の結果が大当りまたは小当りであった場合に特図表示装置（第１特図表示装置３１または第２特図表示装置３２）に停止表示させる大当り図柄または小当り図柄の決定に用いる当り図柄決定用乱数，当否判定の結果が外れであった場合に特図表示装置（第１特図表示装置３１または第２特図表示装置３２）に停止表示させる外れ図柄の決定に用いる外れ図柄決定用乱数、特別図柄の変動表示パターン（変動時間）の決定に用いる変動パターン決定用乱数、普通図柄作動ゲート２２１，２２２への遊技球の通過に基づいて行なわれる当否判定に用いる普通図柄当否判定用乱数や当否判定の結果が当りであった場合に普図表示装置３５に停止表示させる当り図柄の決定に用いる普通図柄当り図柄決定用乱数などを挙げることができる。乱数更新処理を終了すると、主制御処理に戻って次の入賞確認処理（Ｓ１２０）に進む。

［入賞確認処理］
Ｓ１２０の入賞確認処理は、各種センサ（ゲートスイッチ２２１ａ，２２２ａや第１始動口スイッチ２３ａ、第２始動口スイッチ２４ａ、第１大入賞口スイッチ２５ａ、第２大入賞口スイッチ２６ａ、特定領域通過スイッチ４３ａ、普通入賞口スイッチ２８ａなど）の状態を検出してＲＡＭ６０ｃの所定の状態記憶領域に保存する。そして、上述のスイッチのうち賞球に関わるスイッチ（第１始動口スイッチ２３ａ、第２始動口スイッチ２４ａ、第１大入賞口スイッチ２５ａ、第２大入賞口スイッチ２６ａ、普通入賞口スイッチ２８ａ）により遊技球が検知されたか否かを判定し、検知されたと判定すると、払い出すべき賞球数を演算して賞球情報としてＲＡＭ６０ｃの所定の賞球情報記憶領域に保存する。そして、賞球情報が値０でないときには賞球数指定コマンド（賞球情報）を払出制御装置７０に送信して入賞確認処理を終了する。払出制御装置７０は、賞球数指定コマンドを受信すると、払出モータ７３を駆動して遊技球を１球ずつ払い出すと共に払出スイッチ７４により払い出した遊技球が検知される度に賞球情報（未払いの遊技球数）を値１ずつデクリメントする賞球払出処理を実行する。この賞球払出処理は、賞球情報が値０となるまで繰り返し実行されるが、遊技球の入球が検知されて主制御装置６０から新たな賞球数指定コマンドを受信すると、その賞球情報も値０となるまで処理が繰り返される。入賞確認処理を終了すると、主制御処理に戻って次の始動入賞処理（Ｓ１３０）に進む。

［始動入賞処理］
図８は、始動入賞処理の一例を示すフローチャートである。Ｓ１３０の始動入賞処理では、主制御装置６０のＣＰＵ６０ａは、まず、第１始動口スイッチ２３ａからの検知信号を入力して第１始動口２３に遊技球が入球したか否かを判定する（Ｓ２００）。第１始動口２３に遊技球が入球したと判定すると、現在の第１特別図柄の保留数（第１特図保留数）がその上限数（実施例では、値４）よりも少ないか否かを判定する（Ｓ２０２）。第１特別図柄の保留数が上限数よりも少ないと判定したときには、第１特別図柄の保留数を値１だけインクリメントすると共に第１特図保留数表示装置３３の表示を更新し（Ｓ２０４）、第１特別図柄の判定用乱数を取得してＲＡＭ６０ｃの所定の判定用乱数記憶領域に格納する（Ｓ２０６）。ここで、Ｓ２０６で取得される判定用乱数としては、上述した特別図柄当否判定用乱数や当り図柄決定用乱数、外れ図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数など第１特別図柄の変動遊技の進行に関する情報を挙げることができる。次に、大当りフラグが値０で且つ時短フラグが値０であるか否かを判定する（Ｓ２０８）。ここで、大当りフラグは、大当り遊技中（条件装置が作動中）であるか否かを示すフラグであり、大当り遊技中でなければ値０が設定され、大当り遊技中であれば値１が設定される。また、時短フラグは、現在の遊技状態を示すフラグであり、遊技状態が通常状態であれば値０が設定され、遊技状態が時短状態であれば値１が設定される。大当りフラグが値０で且つ時短フラグが値０であると判定、すなわち条件装置が作動中でなく且つ現在の遊技状態が通常状態である判定すると、第１特別図柄の先読み判定処理を行なう（Ｓ２１０）。第１特別図柄の先読み判定処理は、Ｓ２０６で取得した判定用乱数（大当り判定用乱数や大当り図柄決定用乱数、外れ図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数）に基づいて第１特別図柄を変動表示する直前に行なわれる当否判定に先立って当該判定用乱数に基づいて行なう処理であり、本実施例では、特別図柄当否判定用乱数を用いた当否判定や変動パターン決定用乱数を用いた変動パターン（変動時間）の判定を行なう。先読み判定の結果は、後述する第１特別図柄の先読み演出に用いられる。一方、大当りフラグが値１であると判定、すなわち条件装置が作動中であると判定したり、時短フラグが値１であると判定、すなわち現在の遊技状態が時短状態であると判定すると、第１特別図柄の先読み判定の実行に適さないと判断して、Ｓ２１０の先読み判定処理をスキップする。そして、第１特別図柄保留発生コマンド（第１特図保留発生コマンド）をサブ統合制御装置９０に送信して（Ｓ２１２）、Ｓ２１４の処理に進む。第１特図保留発生コマンドには、演出表示装置３７に保留図柄３７２を表示させるための第１特別図柄の保留数に関する情報が含まれる。また、先読み判定処理が実行された場合には、第１特図保留発生コマンドには、当否判定や変動パターン判定の結果などの先読み判定情報が含まれる。なお、Ｓ２００で第１始動口２３に遊技球が入球していないと判定したり、Ｓ２０２で第１特別図柄の保留数が上限数に達していると判定したりすると、Ｓ２０４〜Ｓ２１２の処理をスキップして次のＳ２１４の処理に進む。

なお、判定用乱数記憶領域を通常の当否判定用の記憶領域と先読み判定用の記憶領域とに分け、取得した判定用乱数をそれぞれの記憶領域に記憶する構成を採用することもできるし、判定用乱数記憶領域に記憶した判定用乱数を大当り判定と先読み判定とで共用する構成を採用することもできる。また、判定用乱数を取得した際にそのまま先読み判定を実行し、その後に、取得した判定用乱数を当否判定のために判定用乱数記憶領域に記憶する構成を採用することもできる。いずれの構成を採用しても、先読み演出のための先読み判定を問題なく実行することができる。

次に、第２始動口スイッチ２４ａからの検知信号を入力して第２始動口２４に遊技球が入球したか否かを判定する（Ｓ２１４）。第２始動口２４に遊技球が入球したと判定すると、現在の第２特別図柄の保留数（第２特図保留数）がその上限数（実施例では、値４）よりも少ないか否かを判定する（Ｓ２１６）。第２特別図柄の保留数が上限数よりも少ないと判定したときには、第２特別図柄の保留数を値１だけインクリメントすると共に第２特図保留数表示装置３４の表示を更新し（Ｓ２１８）、第２特別図柄の判定用乱数を取得してＲＡＭ６０ｃの所定の判定用乱数記憶領域に格納する（Ｓ２２０）。ここで、Ｓ２２０で取得される判定用乱数としては、上述した当否判定用乱数や当り図柄決定用乱数、外れ図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数など第２特別図柄の変動遊技の進行に関する情報を挙げることができる。次に、大当りフラグが値０である（条件装置が作動中でない）か否かを判定する（Ｓ２２２）。大当りフラグが値０であると判定すると、第２特別図柄の先読み判定処理を行なう（Ｓ２２４）。第２特別図柄の先読み判定処理は、Ｓ２２０で取得した判定用乱数（大当り判定用乱数や大当り図柄決定用乱数、外れ図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数）に基づいて第２特別図柄を変動表示する直前に行なわれる当否判定に先立って当該判定用乱数に基づいて行なう処理であり、特別図柄当否判定用乱数を用いた当否判定や変動パターン決定用乱数を用いた変動パターン（変動時間）の判定を行なう。一方、大当りフラグが値１であると判定すると、第２特別図柄の先読み判定の実行に適さないと判断して、Ｓ２２４の先読み判定処理をスキップする。そして、第２特別図柄保留発生コマンド（第２特図保留発生コマンド）をサブ統合制御装置９０に送信して（Ｓ２２６）、Ｓ２２８の処理に進む。第２特図保留発生コマンドには、演出表示装置３７に保留図柄３７２を表示させるための第２特別図柄の保留数に関する情報が含まれる。また、先読み判定処理が実行された場合には、第２特図保留発生コマンドには、当否判定の結果や変動パターン判定の結果などの先読み判定情報が含まれる。なお、Ｓ２１４で第２始動口２４に遊技球が入球していないと判定したり、Ｓ２１６で第２特別図柄の保留数が上限数に達していると判定したりすると、Ｓ２１８〜Ｓ２２６の処理をスキップして次のＳ２２８の処理に進む。

次に、ゲートスイッチ２２１ａ，２２２ａからの検知信号を入力して普通図柄作動ゲート２２１，２２２を遊技球が通過したか否かを判定する（Ｓ２２８）。普通図柄作動ゲート２２１，２２２を遊技球が通過したと判定すると、現在の普通図柄の保留数がその上限数（例えば、値４）よりも少ないか否かを判定する（Ｓ２３０）。普通図柄の保留数が上限数よりも少ないと判定したときには、普通図柄の保留数を値１だけインクリメントすると共に普図保留数表示装置３６の表示を更新し（Ｓ２３２）、普通図柄の判定用乱数を取得してＲＡＭ６０ｃの所定の判定用乱数記憶領域に格納する（Ｓ２３４）。ここで、普通図柄の判定用乱数としては、上述した普通図柄当否判定用乱数などの普通図柄の変動遊技の進行に関する情報を例示することができる。次に、大当りフラグが値０で（条件装置が作動中でなく）且つ時短フラグが値０（通常状態）であるか否かを判定する（Ｓ２３６）。大当りフラグが値０で且つ時短フラグが値０であると判定すると、普通図柄の先読み判定処理を行なう（Ｓ２３８）。普通図柄の先読み判定処理は、Ｓ２３４で取得した判定用乱数（普通図柄当否判定用乱数や普通図柄当り図柄決定用乱数）に基づいて普通図柄を変動表示する直前に行なわれる当否判定に先立って当該判定用乱数に基づいて行なう処理であり、本実施例では、普通図柄当否判定用乱数を用いた当否判定や普通図柄当り図柄決定用乱数当り図柄決定用乱数を用いた確定図柄判定などを行なう。先読み判定の結果は、後述する普通図柄の先読み演出に用いられる。一方、大当りフラグが値１であると判定したり、時短フラグが値１であると判定すると、普通図柄の先読み判定の実行に適さないと判断して、Ｓ２３８の先読み判定処理をスキップする。そして、普通図柄保留発生コマンド（普図保留発生コマンド）をサブ統合制御装置９０に送信して（Ｓ２４０）、始動入賞処理を終了する。普図保留発生コマンドには、普通図柄の保留数に関する情報が含まれる。また、先読み判定処理が実行された場合には、普図保留発生コマンドには、当否判定の結果や当り図柄判定の結果などの先読み判定情報が含まれる。Ｓ２２８で普通図柄作動ゲート２２１，２２２に遊技球が通過していないと判定したり、Ｓ２３０で普通図柄の保留数が上限値に達していると判定したりすると、Ｓ２３２〜Ｓ２４０の処理をスキップして、始動入賞処理を終了する。始動入賞処理を終了すると、主制御処理に戻って次の普通図柄遊技処理（Ｓ１４０）に進む。

本実施例では、上述したように、通常状態における大当りルートとして普通図柄の当選を契機として大当り（役物当り）が発生する第３の大当りルートを有しており、普通図柄が当りか否かも遊技者にとって重要な関心事であることから、通常状態において、第１特別図柄の先読み演出のための先読み判定に加えて、普通図柄の先読み演出のための先読み判定も行なう。

［普通図柄遊技処理］
図９は、普通図柄遊技処理の一例を示すフローチャートである。Ｓ１４０の普通図柄遊技処理では、主制御装置６０のＣＰＵ６０ａは、まず、普通電動役物が作動中（第２始動口２４が開放動作中）であるか否かを判定する（ステップＳ３００）。普通電動役物が作動中であると判定すると、普通図柄遊技処理を終了する。普通図柄遊技処理が終了すると、次のＳ１５０の普通図柄当り遊技処理に進む。一方、普通電動役物が作動中でないと判定すると、普通図柄が変動表示中であるか否か（Ｓ３０２）、普通図柄の確定図柄の表示時間中であるか否か（Ｓ３０４）、をそれぞれ判定する。普通図柄が変動表示中でなく、その確定図柄の表示時間中でもないと判定すると、普通図柄の保留数が値０よりも多いか否かを判定する（Ｓ３０６）。普通図柄の保留数が値０よりも多くない、すなわち値０であると判定すると、普通図柄遊技処理を終了する。一方、普通図柄の保留数が値０よりも多いと判定すると、判定用乱数記憶領域に記憶されている普通図柄判定用乱数のうち最も古いものを読み出し（Ｓ３０８）、普通図柄の変動表示を行なうための普通図柄変動表示関連処理を実行して（Ｓ３１０）、普通図柄遊技処理を終了する。以下、Ｓ３１０の普通図柄変動表示関連処理の詳細について図１０のフローチャートを用いて説明する。

普通図柄変動表示関連処理では、時短フラグが値０であるか否かを判定する（Ｓ３４０）。時短フラグが値０である、すなわち現在の遊技状態が通常状態であると判定すると、取得した普通図柄当否判定用乱数に基づいて低確率用普通図柄当り判定テーブルを用いて当否判定を行ない（Ｓ３４２）、時短フラグが値０でなく値１である、すなわち現在の遊技状態が時短状態であると判定すると、取得した普通図柄当否判定用乱数に基づいて高確率用普通図柄当り判定テーブルを用いて当否判定を行なう（Ｓ３４４）。普通図柄の当否判定は、普通図柄当否判定用乱数と普通図柄当り判定テーブルに含まれる当り値とを比較することにより行い、普通図柄当否判定用乱数が当り値と一致したときには当りと判定し、一致しなかったときには外れと判定する。高確率用普通図柄当り判定テーブルは、低確率用普通図柄当り判定テーブルに比して、当り値が多く、本実施例では、１／１で当りとなるように、すなわち全ての普通図柄当否判定用乱数が当り値となるように定められている。当否判定の結果、当りと判定すると（Ｓ３４６の「ＹＥＳ」）、当り図柄を普通図柄の確定図柄として決定し（Ｓ３４８）、普通図柄の変動表示を開始してから当り図柄で確定表示するまでの普通図柄の変動時間（当り変動パターン）を決定する（Ｓ３５０）。普通図柄の当り図柄は、遊技状態が通常状態である場合には、複数の当り図柄Ａ，Ｂの中から一の図柄が選択され、遊技状態が時短状態である場合には、当り図柄Ａが選択される。ここで、遊技状態が通常状態である場合、普通図柄の当り図柄として当り図柄Ｂが決定されると、普通図柄当り遊技処理において第２始動口２４の開放パターンとしてショート開放パターン（例えば、０．２秒間、１回開放の開放パターン）が決定され、普通図柄の当り図柄として当り図柄Ａが決定されると、普通図柄当り遊技処理において第２始動口２４の開放パターンとしてロング開放パターン（例えば、５．５秒間、１回開放の開放パターン）が決定される。一方、当否判定の結果、外れと判定すると（Ｓ３４６の「ＮＯ」）、外れ図柄を普通図柄の確定図柄として決定し（Ｓ３５２）、普通図柄の変動表示を開始してから外れ図柄で確定表示するまでの普通図柄の変動時間（外れ変動パターン）を決定する（Ｓ３５４）。

ここで、普通図柄の変動時間（変動パターン）は、図１１に例示する普通図柄変動パターンテーブル（普図変動パターンテーブル）を用いて遊技状態と普通図柄の確定図柄（停止図柄）とに基づいて決定される。図示するように、遊技状態が通常状態である場合、変動時間が３０秒の変動パターンが決定され、遊技状態が時短状態である場合、変動時間が１秒の変動パターンが決定される。なお、時短状態では、通常状態に比して、普通図柄の平均変動時間を短くしたが、遊技状態に拘わらず、普通図柄の平均変動時間を同じとしてもよい。

こうして普通図柄の確定図柄と変動パターン（変動時間）とを決定すると、普通図柄の変動表示を開始し（Ｓ３５６）、普通図柄の保留数を値１だけデクリメントすると共に普図保留数表示装置３６の表示を更新し（Ｓ３５８）、普通図柄の変動開始コマンド（普図変動開始コマンド）をサブ統合制御装置９０に送信して（Ｓ３６０）、普通図柄遊技処理を終了する。

図９の普通図柄遊技処理に戻って、普通図柄の変動表示を開始すると、次に普通図柄遊技処理が実行されたときに、主制御装置６０のＣＰＵ６０ａは、Ｓ３０２で普通図柄が変動表示中であると判定するため、次に、Ｓ３５０またはＳ３５４で決定した普通図柄の変動時間が経過したか否かを判定する（Ｓ３１２）。普通図柄の変動時間が経過していないと判定すると、普通図柄遊技処理を一旦終了し、普通図柄の変動時間が経過したと判定すると、普通図柄変動停止コマンド（普図変動停止コマンド）をサブ統合制御装置９０に送信すると共に（Ｓ３１４）、変動表示中の普通図柄の確定図柄を表示する確定図柄表示処理を行なう（Ｓ３１６）。そして、確定図柄表示時間（例えば０．５秒）が経過したか否かを判定する（Ｓ３１８）。確定図柄表示時間が経過していないと判定すると、普通図柄遊技処理を一旦終了する。普通図柄の確定図柄が表示された後に、普通図柄遊技処理が実行されると、Ｓ３０４で確定図柄の表示時間中であると判定するため、再びＳ３１８で確定図柄表示時間が経過したか否かを判定し、確定図柄表示間が経過したと判定すると、確定図柄の表示を終了し（Ｓ３２０）、普通図柄の確定図柄が当り図柄であるか否かを判定する（Ｓ３２２）。普通図柄の確定図柄が当り図柄でなく外れ図柄であると判定すると、普通図柄遊技処理を終了する。一方、普通図柄の確定図柄が当り図柄であると判定すると、時短フラグが値０、すなわち遊技状態が通常状態であるか否か（Ｓ３２４）、普通図柄の当り図柄が当り図柄Ａであるか否か（Ｓ３２６）、をそれぞれ判定する。時短フラグが値０であり且つ普通図柄の当り図柄が当り図柄Ａであると判定すると、普通図柄当り遊技において第２始動口２４がロング開放パターンで開放するため、遊技者に対して右打ちを促すための普通図柄当り遊技演出コマンド（普図当り遊技演出コマンド）をサブ統合制御装置９０に送信する（Ｓ３２８）。普図当り遊技演出コマンドを受信したサブ統合制御装置９０は、演出表示装置３７で普図当り遊技演出が開始されるように演出図柄制御装置９１に制御コマンドを送信する。一方、時短フラグが値０でなく値１、すなわち遊技状態が時短状態であると判定したり、時短フラグが値０であっても、当り図柄が当り図柄Ａでない、すなわち第２始動口２４がショート開放パターンで開放する当り図柄Ｂであると判定すると、Ｓ３２８をスキップする。そして、普通図柄当り遊技を開始するために普通図柄当りフラグ（普図当りフラグ）に値１を設定して（Ｓ３３０）、普通図柄遊技処理を終了する。普通図柄遊技処理を終了すると、次のＳ１５０の普通図柄当り遊技処理に進む。

［普通図柄当り遊技処理］
図１２は、普通図柄当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。Ｓ１５０の普通図柄当り遊技処理では、主制御装置６０のＣＰＵ６０ａは、まず、普図当りフラグが値１であるか否かを判定する（Ｓ４００）。普図当りフラグが値１でなく値０であると判定すると、普通図柄当り遊技処理を終了する。一方、普図当りフラグが値１であると判定すると、第２始動口２４が開放中であるか否かを判定する（Ｓ４０２）。第２始動口２４が開放中でないと判定すると、普通図柄当り遊技演出が実行中であるか否かを判定する（Ｓ４０４）。普通図柄当り遊技演出が実行中であると判定すると、開放待ち時間が経過したか否かを判定する（Ｓ４０６）。開放待ち時間が経過していないと判定すると、普通図柄当り遊技処理を終了する。一方、開放待ち時間が経過したと判定すると、第２始動口２４の開放パターンを設定すると共に（Ｓ４０８）、設定した開放パターンで第２始動口２４が開放するよう第２始動口ソレノイド２４ｃを制御して（Ｓ４１０）、普通図柄当り遊技処理を一旦終了する。また、Ｓ４０４において普通図柄当り遊技演出が実行中でないと判定すると、通常状態において普通図柄が当り図柄Ｂで停止表示された場合であり、普通図柄当り遊技演出が実行されないため、直ちに第２始動口２４の開放パターンを設定すると共に設定した開放パターンで第２始動口２４の開放を開始して（Ｓ４０８，Ｓ４１０）、普通図柄当り遊技処理を一旦終了する。

ここで、第２始動口２４の開放パターンは、図１３に例示する第２始動口開放パターンテーブルを用いて遊技状態と当り図柄とに基づいて決定される。図示するように、遊技状態が通常状態である場合、当り図柄が当り図柄Ａであれば、決定される開放パターンは、最大５．５秒間、１回開放されるロング開放パターンとなり、当り図柄が当り図柄Ｂであれば、決定される開放パターンは、最大０．２秒間、１回開放されるショート開放パターンとなる。一方、遊技状態が時短状態である場合、最大６．０秒間、１回開放されるパターンとなる。

第２始動口２４を開放すると、次に普通図柄当り遊技処理を実行したときに、Ｓ４０２で第２始動口２４が開放中であると判定するため、第２始動口スイッチ２４ａからの検知信号に基づいて第２始動口２４に遊技球が規定数（例えば４個）入球したか否か（Ｓ４１２）、第２始動口２４の開放を開始してからの経過時間がＳ４０８で設定した最大開放時間に達したか否か（Ｓ４１４）、をそれぞれ判定する。第２始動口２４に遊技球が規定数入球しておらず、第２始動口２４の開放を開始してからの経過時間が設定した最大開放時間に達してもいないと判定すると、第２始動口２４の開放を維持したまま普通図柄当り遊技処理を一旦終了する。一方、第２始動口２４に遊技球が規定数入球したと判定したり、第２始動口２４の開放を開始してからの経過時間が設定した最大開放時間に達したと判定すると、第２始動口２４を閉鎖する（Ｓ４１６）。そして、普通図柄当り遊技を終了させるために、普図当りフラグに値０を設定して（Ｓ４１８）、普通図柄当り遊技処理を終了する。普通図柄当り遊技処理を終了すると、次に、Ｓ１６０の特別図柄遊技処理に進む。

［特別図柄遊技処理］
図１４および図１５は、特別図柄遊技処理の一例を示すフローチャートである。Ｓ１６０の特別図柄遊技処理では、主制御装置６０のＣＰＵ６０ａは、まず、大当りフラグが値１である（大当り遊技中である）か否か、小当りフラグが値１である（小当り遊技中である）か否かを判定する（Ｓ５００）。なお、大当りフラグについては前述した。また、小当りフラグは、小当り遊技中であるか否かを示すフラグであり、小当り遊技中でなければ値０が設定され、小当り遊技中であれば値１が設定される。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれかが値１である、すなわち大当り遊技中であるか小当り遊技中であると判定すると、特別図柄遊技処理を終了する。なお、特別遊技処理を終了すると、主制御処理に戻って次の小当り遊技処理（Ｓ１７０）に進む。一方、大当りフラグおよび小当りフラグがいずれも値１でない、すなわち大当り遊技中でも小当り遊技中でもないと判定すると、第１特別図柄および第２特別図柄のいずれかが変動表示中であるか否か（Ｓ５０２）、第１特別図柄および第２特別図柄のいずれかの確定図柄が表示中であるか否か（Ｓ５０４）、をそれぞれ判定する。第１特別図柄および第２特別図柄のいずれかが変動表示中ではなく確定図柄の表示中でもないと判定すると、第２特別図柄の保留数が値０よりも多いか否かを判定する（Ｓ５０６）。第２特別図柄の保留数が値０よりも多いと判定すると、判定用乱数記憶領域に記憶されている第２特別図柄の判定用乱数のうち最も古いものを読み出し（Ｓ５０８）、第２特別図柄の変動表示を行なうための変動表示関連処理を実行する（Ｓ５１０）。

一方、第２特別図柄の保留数が値０であると判定すると、第１特別図柄の保留数が値０よりも多いか否かを判定する（Ｓ５１２）。第１特別図柄の保留数が値０よりも多いと判定すると、判定用乱数記憶領域に記憶されている第１特別図柄の複数の判定用乱数のうち最も古いものを読み出し（Ｓ５１４）、第１特別図柄の変動表示を行なうための変動表示関連処理を実行する（Ｓ５１６）。Ｓ５１２で第１特別図柄の保留数が値０であると判定すると、特別図柄遊技処理を終了する。Ｓ５０６〜Ｓ５１６では、第１特別図柄の保留数と第２特別図柄の保留数がいずれも値０よりも多いときには第２特別図柄の変動表示（保留の消化）が優先して実行される（第２特図優先変動）。この場合、時短状態に移行し、第２特別図柄の保留記憶が発生すると、直ぐに当否判定の順番が回ってくるため、第１特別図柄の保留記憶が残存していても、その消化を待つ必要がない。また、第１特別図柄の変動表示を優先して行なうものとしてもよい（第１特図優先変動）。この場合、第１特別図柄の保留記憶が存在しない状況（右打ちしていれば、第１始動口２３に遊技球が入球しないため）にしてから時短遊技を進めることができるため、一旦、第１特別図柄の保留記憶を消化してしまえば、第２特別図柄の保留記憶のみで時短遊技を進めることができる。また、特別図柄の変動表示を始動口（第１始動口２３，第２始動口２４）への遊技球の入球順に行なうものとしてもよい（入球順変動）。この場合も、第１特図優先変動と同様に、第１特別図柄の保留記憶を消化してから、第２特別図柄の保留記憶のみで時短遊技を進めることができる構成となる。以下、Ｓ５１０の第１特別図柄の変動表示関連処理およびＳ５１６の第２特別図柄の変動表示関連処理の詳細について説明する。第１特別図柄の変動表示関連処理および第２特別図柄の変動表示関連処理は、図１６に示す特別図柄変動表示関連処理を実行することにより行なわれる。

特別図柄変動表示関連処理では、まず、Ｓ５０８またはＳ５１４で取得した当否判定用乱数に基づいて特別図柄の当否判定処理を行ない（Ｓ５６０）、当否判定の結果が大当りであるか否か（Ｓ５６２）、小当りであるか否か（Ｓ５６４）、をそれぞれ判定する。当否判定処理は、当否判定用乱数と図示しない当否判定テーブルに含まれる当り値（大当り値および小当り値）とを比較することにより行ない、当否判定用乱数がいずれかの大当り値と一致したときには大当りと判定し、当否判定用乱数がいずれかの小当り値と一致したときには小当りと判定し、いずれの大当り値および小当り値とも一致しなかったときには外れと判定する。第１特別図柄の当否判定処理と第２特別図柄の当否判定処理は、それぞれ異なる当否判定テーブルが用いられる。本実施例では、第２特別図柄用の当否判定テーブルは、第１特別図柄用の当否判定テーブルと同じ数の大当り値を有し、第１特別図柄用の当否判定テーブルよりも多い小当り値を有する。これにより、大当り確率は、第１特別図柄および第２特別図柄ともに１／３００となり、小当り確率は、第１特別図柄で１／３００となる一方で第２特別図柄で１／７となる。

Ｓ５６２で当否判定処理の結果が大当りであると判定すると、Ｓ５０８またはＳ５１４で取得した当り図柄決定用乱数に基づいて大当り図柄を決定する（Ｓ５６６）。この処理は、当り図柄決定用乱数を用いて大当り遊技の内容（ラウンド数）や大当り遊技終了後の遊技状態の内容が異なる複数の大当り図柄の中から一の図柄を選択することにより行なう。そして、第１特別図柄の変動表示を開始してから決定した大当り図柄で停止表示するまでの特別図柄の変動時間（大当り変動パターン）を決定する（Ｓ５６８）。特別図柄の大当り図柄の決定は、当り図柄決定用乱数と図示しない大当り図柄決定テーブルとを用いて行なう。第１特別図柄の大当り図柄は、４ラウンドの大当り遊技を実行し大当り遊技終了後に特別図柄の変動表示が１回実行されるまで遊技状態を時短状態とする特図１＿大当り図柄Ａと、４ラウンドの大当り遊技を実行し大当り遊技終了後に特別図柄の変動表示が１２回実行されるまで遊技状態を時短状態とする特図１＿大当り図柄Ｂとを有する。特図１＿大当り図柄Ａと特図１＿大当り図柄Ｂは、それぞれ９５％，５％の確率で出現する。また、第２特別図柄の大当り図柄は、４ラウンドの大当り遊技を実行し大当り遊技終了後に特別図柄の変動表示が１２回実行されるまで遊技状態を時短状態とする特図２＿大当り図柄を有する。特図２＿大当り図柄は、１００％の確率で出現する。また、特別図柄の大当り変動パターンの決定は、変動パターン決定用乱数と図示しない大当り変動パターン決定テーブルとを用いて行なう。特別図柄の変動パターンには、変動時間が短時間の通常変動や、変動時間が通常変動よりも長い通常リーチ、変動時間が通常リーチよりも長いロングリーチ、変動時間がロングリーチよりも長いスペシャルリーチ（ＳＰリーチ）が含まれる。大当り変動パターンには、上述の変動パターンのうちＳＰリーチとロングリーチとが含まれ、ＳＰリーチはロングリーチよりも出現率が高い。一方、大当り変動パターンには、通常変動と通常リーチとが含まれない。

Ｓ５６４で当否判定処理の結果が小当りであると判定すると、Ｓ５０８またはＳ５１４で取得した当り図柄決定用乱数に基づいて小当り図柄を決定する（Ｓ５７０）。この処理は、当り図柄決定用乱数を用いて複数の小当り図柄の中から一の図柄を選択することにより行なう。そして、特別図柄の変動表示を開始してから決定した小当り図柄で停止表示するまでの特別図柄の変動時間（小当り変動パターン）を決定する（Ｓ５７２）。特別図柄の小当り図柄の決定は、当り図柄決定用乱数と図示しない小当り図柄決定テーブルとを用いて行なう。第１特別図柄の小当り図柄は、特図１＿小当り図柄を有し、特図１＿小当り図柄は１００％の割合で出現する。特図１＿小当り図柄は、役物当りが発生すると、４ラウンドの大当り遊技を実行し、大当り遊技終了後に特別図柄の変動表示が６回実行されるまで遊技状態を時短状態とする。第２特別図柄の小当り図柄は、特図２＿小当り図柄Ａと特図２＿小当り図柄Ｂと特図２＿小当り図柄Ｃとを有し、特図２＿小当り図柄Ａと特図２＿小当り図柄Ｂと特図２＿小当り図柄Ｃは、それぞれ３０％，２０％，５０％の割合で出現する。特図２＿小当り図柄Ａは、役物当りが発生すると、４ラウンドの大当り遊技を実行し、大当り遊技終了後に特別図柄の変動表示が６回実行されるまで遊技状態を時短状態とする。特図２＿小当り図柄Ｂは、役物当りが発生すると、８ラウンドの大当り遊技を実行し、大当り遊技終了後に特別図柄の変動表示が１２回実行されるまで遊技状態を時短状態とする。特図２＿小当り図柄Ｃは、役物当りが発生すると、１０ラウンドの大当り遊技を実行し、大当り遊技終了後に特別図柄の変動表示が１２回実行されるまで遊技状態を時短状態とする。特別図柄の小当り変動パターンには、ＳＰリーチパターンとロングリーチパターンとが含まれ、ＳＰリーチはロングリーチよりも出現率が高い。一方、小当り変動パターンには、通常変動と通常リーチとが含まれない。

Ｓ５６２で当否判定の結果が大当りでないと判定すると共にＳ５６４で当否判定の結果が小当りでもないと判定すると、外れであるから、Ｓ５０８またはＳ５１４で取得した外れ図柄決定用乱数に基づいて外れ図柄を決定する（Ｓ５７４）。そして、特別図柄の変動表示を開始してから決定した外れ図柄で停止表示するまでの特別図柄の変動時間（外れ変動パターン）を決定する（Ｓ５７６）。特別図柄の外れ変動パターンには、通常変動と通常リーチとロングリーチとＳＰリーチとが含まれ、この順に出現率が高くなっている。また、上述したように、大当り変動パターンおよび小当り変動パターンには、ＳＰリーチとロングリーチとが含まれ、この順に出現率が高くなっている。したがって、ＳＰリーチは、最も当りの可能性（信頼度）が高い変動パターンであり、通常変動や通常リーチは、当りの可能性がない変動パターンであると言える。また、特別図柄の変動パターンは、遊技状態が時短状態である場合には、通常状態である場合に比して、平均変動時間が短くなっている。

変動パターンを決定すると、特別図柄の変動表示を開始し（Ｓ５７８）、特別図柄の保留数を値１だけデクリメントすると共に特図保留数表示装置の表示を更新する（Ｓ５８０）。特別図柄の保留数の更新に伴って今回消化する保留に係る判定用乱数をクリアし、残存する保留に係る判定用乱数をシフトするシフト処理を行なう。そして、特別図柄変動開始コマンド（特図変動開始コマンド）をサブ統合制御装置９０に送信して（Ｓ５８２）、特別図柄変動表示関連処理を終了する。これらの処理は、第１特別図柄の変動表示を開始する際には、第１特別図柄の保留数を値１だけデクリメントすると共に第１特図保留数表示装置３３の表示を更新した後、第１特別図柄変動開始コマンド（第１特図変動開始コマンド）をサブ統合制御装置９０に送信する処理となり、第２特別図柄の変動表示を開始する際には、第２特別図柄の保留数を値１だけデクリメントすると共に第２特図保留数表示装置３４の表示を更新した後、第２特別図柄変動開始コマンド（第２特図変動開始コマンド）をサブ統合制御装置９０に送信する処理となる。特図変動指示コマンドを受信したサブ統合制御装置９０は、演出表示装置３７で図柄変動演出が開始されるように演出図柄制御装置９１に制御コマンドを送信する。なお、特図変動開始コマンドには、当否判定の結果や特別図柄の変動パターン（変動時間）、停止図柄（大当り図柄、小当り図柄または外れ図柄）などが含まれる。

図１４および図１５の特別図柄遊技処理に戻って、特別図柄（第１特別図柄または第２特別図柄）の変動表示が開始された後に特別図柄遊技処理が実行されると、Ｓ５０２で第１特別図柄および第２特別図柄のいずれかが変動表示中と判定するため、主制御装置６０のＣＰＵ６０ａは、変動時間が経過したか否かを判定する（Ｓ５１８）。変動時間はＳ５６８，Ｓ５７２，Ｓ５７６のいずれかで決定した特別図柄の変動パターンに応じて設定されるから、変動時間が経過したか否かは、特別図柄の変動表示が開始されてからの経過時間と、変動パターンに対応する変動時間とを比較することにより行なうことができる。変動時間が経過していないと判定すると、特別図柄遊技処理を一旦終了する。変動時間が経過していると判定すると、特別図柄変動停止コマンド（特図変動停止コマンド）をサブ統合制御装置９０に送信すると共に（Ｓ５２０）、変動表示中の特別図柄を確定表示する（Ｓ５２２）。この処理は、第１特別図柄の変動表示を停止する際には、第１特別図柄変動停止コマンド（第１特図変動停止コマンド）をサブ統合制御装置９０に送信する処理となり、第２特別図柄の変動表示を停止する際には、第２特別図柄変動停止コマンド（第２特図変動停止コマンド）をサブ統合制御装置９０に送信する処理となる。特図変動停止コマンドを受信したサブ統合制御装置９０は、演出表示装置３７で図柄変動演出を終了するように演出図柄制御装置９１に制御コマンドを送信する。そして、確定図柄の表示時間が経過したか否かを判定する（Ｓ５２４）。ここで、確定図柄の表示時間は、実施例では０．５秒に設定される。確定図柄の表示時間が経過していないと判定すると、特別図柄遊技処理を一旦終了する。確定図柄の表示がなされた後に、特別図柄遊技処理が実行されると、Ｓ５０４で確定図柄表示中と判定するため、再びＳ５２４で確定図柄の表示時間が経過したか否かを判定し、確定図柄の表示時間が経過していると判定すると、確定図柄の表示を終了し（Ｓ５２６）、確定図柄が大当り図柄であるか否かを判定する（Ｓ５２８）。

Ｓ５２８で確定図柄が大当り図柄であると判定すると、大当り遊技を開始するために、条件装置の作動を開始すると共に（Ｓ５３０）、役物連続作動装置の作動を開始し（Ｓ５３２）、大当り遊技開始演出コマンドをサブ統合制御装置９０のＣＰＵ９０ａに送信して（Ｓ５３４）、大当りフラグに値１を設定する（Ｓ５３６）。大当り遊技中には、時短機能（開放延長機能）を停止させるために、時短フラグが値１のときには時短フラグを値０とする（Ｓ５３８，Ｓ５４０）。そして、遊技状態指定コマンドをサブ統合制御装置９０に送信して（Ｓ５４２）、特別図柄遊技処理を終了する。なお、遊技状態指定コマンドには、大当りフラグの値や時短フラグの値が含まれる。特別図柄遊技処理を終了すると、主制御処理に戻って次のＳ１７０の小当り遊技処理に進む。

Ｓ５２８で確定図柄が大当り図柄でないと判定すると、確定図柄が小当り図柄であるか否かを判定する（Ｓ５４４）。確定図柄が小当り図柄であると判定すると、小当り遊技を開始するために、小当りフラグに値１を設定し（Ｓ５４６）、確定図柄が小当り図柄でないと判定すると、外れ図柄であるから、Ｓ５４６をスキップする。

次に、時短フラグが値１であるか否かを判定する（Ｓ５４８）。時短フラグが値１でなく値０、すなわち遊技状態が通常状態であると判定すると、Ｓ５４２に進む。一方、時短フラグが値１、すなわち遊技状態が時短状態であると判定すると、時短カウンタを値１だけデクリメントすると共に（Ｓ５５０）、時短カウンタが値０であるか否かを判定する（Ｓ５５２）。ここで、時短カウンタは、時短状態が終了するまでの特別図柄（第１特別図柄および第２特別図柄）の残り変動回数を示すものである。時短カウンタが値０でないと判定すると、時短状態を維持しままＳ５４２に進み、時短カウンタが値０であると判定すると、時短状態を終了させるために、時短フラグに値０を設定する（Ｓ５５４）。そして、遊技状態指定コマンドをサブ統合制御装置９０に送信して（Ｓ５４２）、特別図柄遊技処理を終了する。

［小当り遊技処理］
図１７および図１８は、小当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。Ｓ１７０の小当り遊技処理では、主制御装置６０のＣＰＵ６０ａは、まず、小当りフラグが値１であるか否かを判定する（Ｓ６００）。小当りフラグが値１でなく値０であると判定すると、小当り遊技処理を終了する。小当り遊技処理を終了すると、次のＳ１８０の大当り遊技処理に進む。一方、小当りフラグが値１であると判定すると、小当り遊技開始演出中であるか否か（Ｓ６０２）、第２大入賞口２６が開放中であるか否か（Ｓ６０４）、特定領域４３が有効中であるか否か（Ｓ６０６）、小当り終了演出中であるか否か（Ｓ６０８）、をそれぞれ判定する。Ｓ６０２〜Ｓ６０８のいずれの判定も否定的な判定であれば、小当り遊技開始演出を開始して（Ｓ６１０）、小当り遊技処理を一旦終了する。なお、小当り遊技開始演出は、小当り遊技開始演出コマンドをサブ統合制御装置９０に送信することにより、小当り遊技開始演出コマンドを受信したサブ統合制御装置９０により行なわれる。小当り遊技開始演出を開始すると、次に小当り遊技処理が実行されるときに、Ｓ６０２で小当り遊技開始演出中であると判定されるため、次に、小当り遊技開始演出時間が経過したか否かを判定する（Ｓ６１２）。なお、小当り遊技開始演出時間は、特別図柄が小当り図柄で確定表示されてから（小当り遊技が開始されてから）第２大入賞口２６が開放するまでの開放待ち時間に相当する。小当り遊技開始演出時間が経過していないと判定すると、小当り遊技処理を一旦終了し、小当り遊技開始演出時間が経過したと判定すると、第２大入賞口ソレノイド２６ｃの駆動により第２大入賞口２６を開放すると共に（Ｓ６１４）、特定領域４３を有効化して（Ｓ６１６）、小当り遊技処理を終了する。第２大入賞口２６を開放すると、次に小当り遊技処理が実行されるときに、Ｓ６０４で第２大入賞口２６が開放中であると判定されるため、次に第２大入賞口スイッチ２６ａからの検知信号に基づいて第２大入賞口２６への遊技球の入球数が規定数（実施例では１０個）に達しているか否か（Ｓ６１８）、第２大入賞口２６の開放を開始してからの経過時間（開放時間）が最大開放時間（実施例では１．６秒）に達している否か（Ｓ６２０）、をそれぞれ判定する。なお、小当り遊技は、第２大入賞口２６を１回だけ開放するものに限られず、通じて最大開放時間を限度に複数回開放するものでも構わない。第２大入賞口２６への遊技球の入球数が規定数に達しておらず、第２大入賞口２６の開放時間が最大開放時間にも達していないと判定すると、第２大入賞口２６の開放を維持したまま小当り遊技処理を一旦終了する。一方、第２大入賞口２６への遊技球の入球数が規定数に達したと判定したり、当該入球数が規定数に達していなくても第２大入賞口２６の開放時間が最大開放時間に達したと判定すると、第２大入賞口２６を閉鎖して（Ｓ６２２）、小当り遊技処理を終了する。

第２大入賞口２６を閉鎖すると、次に小当り遊技処理が実行されるときに、Ｓ６０４で第２大入賞口２６が開放中でないと判定され、続くＳ６０６で特定領域４３が有効中であると判定されるため、特定領域通過スイッチ４３ａからの検知信号に基づいて特定領域４３を遊技球が通過したか否かを判定する（Ｓ６２８）。特定領域４３を遊技球が通過しなかったと判定すると、特定領域４３の有効期間が終了したか否かを判定する（Ｓ６３０）。有効期間が終了していないと判定すると、小当り遊技処理を一旦終了し、有効期間が終了したと判定すると、小当り終了演出を開始して（Ｓ６３２）、小当り遊技処理を終了する。小当り終了演出は、小当り終了演出コマンドをサブ統合制御装置９０に送信することにより行なう。特定領域４３の有効期間が終了して小当り終了演出が開始されると、次に小当り遊技処理が実行されるときに、Ｓ６０６で特定領域４３が有効中でないと判定され、続くＳ６０８で小当り終了演出中であると判定されるため、小当り終了演出時間が経過したか否かを判定する（Ｓ６２４）。小当り終了演出時間が経過していないと判定すると、小当り遊技処理を一旦終了し、小当り終了演出時間が経過したと判定すると、小当りフラグに値０を設定して（Ｓ６２６）、小当り遊技処理を終了する。

Ｓ６２８において、特定領域４３を遊技球が通過したと判定すると、小当りから役物当りとなった場合であり、大当り遊技を実行するために、役物連続作動装置の作動を開始する（Ｓ６３４）。次に、第２大入賞口２６が開放中であれば、第２大入賞口２６を閉鎖し（Ｓ６３６，Ｓ６３８）、特定領域４３を無効化する（Ｓ６４０）。続いて、大当りフラグに値１を設定し（Ｓ６４２）、時短フラグが値１であれば、時短フラグに値０を設定する（Ｓ６４４，Ｓ６４６）。そして、小当りフラグに値０を設定すると共に（Ｓ６４８）、遊技状態指定コマンドをサブ統合制御装置９０に送信して（Ｓ６５０）、小当り遊技処理を終了する。小当り遊技処理を終了すると、Ｓ１８０の大当り遊技処理に進む。

［大当り遊技処理］
図１９および図２０は、大当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。Ｓ１８０の大当り遊技処理では、主制御装置６０のＣＰＵ６０ａは、まず、大当りフラグが値１であるか否かを判定する（Ｓ７００）。大当りフラグが値１でなく値０であると判定すると、大当り遊技処理を終了する。一方、大当りフラグが値１であると判定すると、第１大入賞口２５が開放中であるか否かを判定する（Ｓ７０２）。第１大入賞口２５が開放中でないと判定すると、大当り遊技開始演出中であるか否か（Ｓ７０４）、大当り遊技終了演出中であるか否か（Ｓ７０６）、開放間インターバル中であるか否か（Ｓ７０８）、をそれぞれ判定する。Ｓ７０４〜Ｓ７０８のいずれも否定的な判定がなされると、大当り遊技開始演出を開始して（Ｓ７１０）、大当り遊技処理を終了する。大当り遊技開始演出は、大当り遊技開始演出コマンドをサブ統合制御装置９０に送信することにより、大当り遊技開始演出コマンドを受信したサブ統合制御装置９０により行なわれる。大当り遊技開始処理を終了すると、次に大当り遊技処理が実行されたときに、Ｓ７０４で大当り遊技開始演出中であると判定されるため、大当り遊技開始演出時間が経過したか否を判定する（Ｓ７１２）。なお、大当り遊技開始演出時間は、特別図柄が大当り図柄で確定表示されてから（大当り遊技が開始されてから）第１大入賞口２５が開放するまでの開放待ち時間に相当する。大当り遊技開始演出時間が経過していないと判定すると、大当り遊技処理を一旦終了し、大当り遊技開始演出時間が経過したと判定すると、第１大入賞口ソレノイド２５ｃの駆動により第１大入賞口２５を開放して（Ｓ７１４）、大当り遊技処理を終了する。

第１大入賞口２５を開放すると、次に大当り遊技処理が実行されたときに、Ｓ７０２で第１大入賞口２５が開放中であると判定されるため、第１大入賞口スイッチ２５ａからの検知信号に基づいて第１大入賞口２５への遊技球の入球数が規定数（実施例では１０個）に達したか否か（Ｓ７１６）、第１大入賞口２５を開放してからの経過時間（開放時間）が最大開放時間（実施例では２８秒）に達したか否か（Ｓ７１８）、をそれぞれ判定する。第１大入賞口２５への遊技球の入球数が規定数に達しておらず、第１大入賞口２５の開放時間が最大開放時間にも達していないと判定すると、第１大入賞口２５の開放を維持したまま大当り遊技処理を一旦終了する。一方、第１大入賞口２５への遊技球の入球数が規定数に達したと判定したり、当該入球数が規定数に達していなくても第１大入賞口２５の開放時間が最大開放時間に達したと判定すると、第１大入賞口２５を閉鎖し（Ｓ７２０）、今回のラウンド遊技が最終ラウンドであるか否かを判定する（Ｓ７２２）。大当り遊技のラウンド数は、本実施例では、特別図柄変動表示関連処理のＳ５６６で決定された大当り図柄またはＳ５７０で決定された小当り図柄に応じて決定される。今回のラウンド遊技が最終ラウンドであるか否かの判定は、ラウンド遊技の繰り返し回数が決定された回数に達しているか否かを判定することにより行なわれる。今回のラウンド遊技が最終ラウンドでないと判定すると、開放間インターバルを発生させて（Ｓ７２４）、大当り遊技処理を終了する。開放間インターバルが発生すると、次に大当り遊技処理が実行されたときに、Ｓ７０８で開放間インターバル中であると判定されるため、開放間インターバル時間が経過したか否かを判定する（Ｓ７２６）。開放間インターバル時間が経過していないと判定すると、大当り遊技処理を一旦終了し、開放間インターバル時間が経過したと判定すると、再度、第１大入賞口２５を開放して（Ｓ７１４）、大当り遊技処理を終了する。

こうして開放間インターバルを挟んで第１大入賞口２５の開閉するラウンド遊技を繰り返した後、Ｓ７２２で今回のラウンド遊技が最終ラウンドであると判定すると、大当り遊技終了演出を開始して（Ｓ７２８）、大当り遊技処理を終了する。大当り遊技終了演出は、大当り遊技終了演出コマンドをサブ統合制御装置９０に送信することにより、大当り遊技終了演出コマンドを受信したサブ統合制御装置９０に送信により行なわれる。大当り遊技終了演出を開始すると、次に大当り遊技処理が開始されたときに、Ｓ７０６で大当り遊技終了演出中であると判定されるため、大当り遊技終了演出時間が経過したか否かを判定する（Ｓ７３０）。大当り遊技終了演出時間が経過していないと判定すると、大当り遊技処理を一旦終了し、大当り遊技終了演出時間が経過したと判定すると、役物連続作動装置の作動を停止すると共に（Ｓ７３２）、条件装置の作動を停止する（Ｓ７３４）。そして、時短フラグに値１を設定すると共に（Ｓ７３６）、時短状態の継続回数である時短カウンタを設定する時短カウンタ設定処理を行なう（Ｓ７３８）。時短カウンタは、本実施例では、特別図柄変動表示関連処理のＳ５６６で決定された大当り図柄またはＳ５７０で決定された小当り図柄に応じて決定される。そして、大当り遊技終了コマンドをサブ統合制御装置９０に送信すると共に（Ｓ７４０）、遊技状態指定コマンドをサブ統合制御装置９０に送信し（Ｓ７４２）、大当りフラグに値０を設定して（Ｓ７４４）、大当り遊技処理を終了する。

次に、主制御装置６０から各種コマンドを受信したサブ統合制御装置９０の処理について説明する。サブ統合制御装置９０が主制御装置６０から受信するコマンドとしては、上述したように、第１特図保留発生コマンドや第２特図保留発生コマンド、普図保留発生コマンド、普図変動開始コマンド、普図変動停止コマンド、普図当り遊技演出コマンド、第１特図変動開始コマンド、第２特図変動開始コマンド、第１特図変動停止コマンド、第２特図変動停止コマンド、遊技状態指定コマンド、大当り遊技開始演出コマンド、大当り遊技終了演出コマンド、小当り遊技開始演出コマンド、小当り遊技終了演出コマンドなどがある。以下、これらのコマンドを用いて行なわれる演出制御処理について説明する。

［演出制御処理］
図２１は、サブ統合制御装置９０のＣＰＵ９０ａにより実行される演出制御処理の一例を示すフローチャートである。演出制御処理は、図２２に示す普通図柄保留関連処理（Ｓ１０００）と、図２３に示す特別図柄保留関連処理（Ｓ１０１０）と、図２４に示す特別図柄変動演出処理（Ｓ１０２０）と、図２５および図２６に示す普通図柄先読み演出処理（Ｓ１０３０）と、図２７および図２８に示す特別図柄先読み演出処理（Ｓ１０４０）と、を繰り返し実行することにより行なわれる。

また、演出制御処理では、大当り遊技演出や小当り遊技演出なども行なわれる。図２９は、大当り遊技演出の一例と小当り遊技演出の一例とを示す説明図である。なお、図２９（ａ）は、図柄当りした場合の大当り遊技開始演出の一例を示し、図２９（ｂ）は、小当りした場合の小当り遊技開始演出の一例を示す。図２９（ａ）に示すように、３つの演出図柄３７１Ｌ，３７１Ｃ，３７１Ｒが同じ数字で揃うことで大当り（図柄当り）が発生し、キャラクタ図柄３７４（「熊の達吉」）が笑顔になると共に「大当り！」のメッセージが表示され、発射方向表示部３７５が上述した第２表示態様（右打ちを指示する表示態様）で表示される。また、図２９（ｂ）に示すように、３つの演出図柄３７１Ｌ，３７１Ｃ，３７１Ｒが同じ特殊文字（「達吉」）で揃うことで小当りが発生し、キャラクタ図柄３７４（「熊の達吉」）が笑顔になると共に右打ちを促すメッセージが表示され、発射方向表示部３７５が第２表示態様で表示される。

［普通図柄保留関連処理］
図２２の普通図柄保留関連処理では、サブ統合制御装置９０のＣＰＵ９０ａは、まず、始動入賞処理のＳ２４０で主制御装置６０により送信される普図保留発生コマンドを受信したか否かを判定する（Ｓ１１００）。普図保留発生コマンドを受信していないと判定すると、Ｓ１１０８に進む。一方、普図保留発生コマンドを受信したと判定すると、普図保留数を値１だけインクリメントし（Ｓ１１０２）、受信した普図保留発生コマンドに上述した先読み判定情報が含まれているか否かを判定する（Ｓ１１０４）。普図保留発生コマンドに先読み判定情報が含まれていると判定すると、今回発生した普通図柄の保留を未抽選保留に設定して（Ｓ１１０６）、Ｓ１１０８に進む。ここで、普通図柄の未抽選保留とは、現在記憶されている普通図柄の保留のうち、後述する普通図柄先読み演出を実行するか否かの抽選を行なっていない抽選待ちの保留を意味する。一方、普図保留発生コマンドに先読み判定情報が含まれていないと判定すると、Ｓ１１０６をスキップしてＳ１１０８に進む。次に、普通図柄変動表示関連処理のＳ３６０で主制御装置６０により送信される普図変動開始コマンドを受信したか否かを判定する（Ｓ１１０８）。普図変動開始コマンドを受信していないと判定すると、普通図柄保留関連処理を終了し、普図変動開始コマンドを受信したと判定すると、普図保留数を値１だけデクリメントして（Ｓ１１１０）、普通図柄保留関連処理を終了する。

［特別図柄保留関連処理］
図２３の特別図柄保留関連処理では、サブ統合制御装置９０のＣＰＵ９０ａは、まず、始動入賞処理のＳ２１２またはＳ２２６で主制御装置６０により送信される特図保留発生コマンドを受信したか否かを判定する（Ｓ１２００）。特図保留発生コマンドを受信していないと判定すると、Ｓ１２２０に進む。一方、特図保留発生コマンドを受信したと判定すると、特図保留発生コマンドが第１特図保留発生コマンドであるか否かを判定する（Ｓ１２０２）。特図保留発生コマンドが第１特図保留発生コマンドであると判定すると、第１特図保留数を値１だけインクリメントして（Ｓ１２０４）、現在の遊技状態が通常状態であるか否かを判定する（Ｓ１２０６）。Ｓ１２０６の処理は、特別図柄遊技処理のＳ５４２や小当り遊技処理のＳ６５０、大当り遊技処理のＳ７４２で主制御装置６０により送信される遊技状態指定コマンドに含まれる時短フラグの値を調べることにより行なうことができる。現在の遊技状態が通常状態であると判定すると、保留図柄３７２を追加表示することで第１特別図柄の保留表示を更新し（Ｓ１２０８）、現在の遊技状態が通常状態でなく時短状態であると判定すると、Ｓ１２０８をスキップする。続いて、受信した第１特図保留発生コマンドに上述した先読み判定情報が含まれているか否かを判定する（Ｓ１２１０）。第１特図保留発生コマンドに先読み判定情報が含まれていると判定すると、今回発生した第１特別図柄の保留を未抽選保留に設定して（Ｓ１２１２）、Ｓ１２２０に進む。ここで、第１特別図柄の未抽選保留とは、現在記憶されている第１特別図柄の保留のうち、後述する特別図柄先読み演出を実行するか否かの抽選を行なっていない抽選待ちの保留を意味する。一方、第１特図保留発生コマンドに先読み判定情報が含まれていないと判定すると、Ｓ１２１２をスキップしてＳ１２２０に進む。

Ｓ１２０２において受信した特図保留発生コマンドが第１特図保留発生コマンドではなく第２特図保留発生コマンドであると判定すると、第２特図保留数を値１だけインクリメントして（Ｓ１２１４）、現在の遊技状態が時短状態であるか否かを判定する（Ｓ１２１６）。Ｓ１２１６の処理は、Ｓ１２０６の処理と同様に、時短フラグの値を調べることにより行なうことができる。現在の遊技状態が時短状態でなく通常状態であると判定すると、Ｓ１２２０に進み、現在の遊技状態が時短状態であると判定すると、保留図柄３７２を追加表示することで第２特別図柄の保留表示を更新して（Ｓ１２１８）、Ｓ１２２０に進む。

次に、特別図柄変動表示関連処理のＳ５８２で主制御装置６０により送信される特図変動開始コマンドを受信したか否かを判定する（Ｓ１２２０）。特図変動開始コマンドを受信していないと判定すると、特別図柄保留関連処理を終了する。一方、特図変動開始コマンドを受信したと判定すると、受信した特図変動開始コマンドが第１特図変動開始コマンドであるか否かを判定する（Ｓ１２２２）。特図変動開始コマンドが第１特図変動開始コマンドであると判定すると、第１特図保留数を値１だけデクリメントすると共に（Ｓ１２２４）、今回消化する保留の保留図柄３７２の表示を変動中図柄３７３の表示に切り替えると共に残りの保留図柄３７２の表示を１つずつシフトすることで第１特別図柄の保留表示を更新して（Ｓ１２２６）、特別図柄保留関連処理を終了する。一方、特図変動開始コマンドが第１特図変動開始コマンドでなく第２特図変動開始コマンドであると判定すると、第２特図保留数を値１だけデクリメントすると共に（Ｓ１２２８）、今回消化する保留の保留図柄３７２の表示を変動中図柄３７３の表示に切り替えると共に残りの保留図柄３７２の表示を１つずつシフトすることで第２特別図柄の保留表示を更新して（Ｓ１２３０）、特別図柄保留関連処理を終了する。

［特別図柄変動演出処理］
図２４の特別図柄変動演出処理では、サブ統合制御装置９０のＣＰＵ９０ａは、まず、特別図柄変動表示関連処理のＳ５８２で主制御装置６０により送信される特図変動開始コマンドを受信したか否かを判定する（Ｓ１３００）。特図変動開始コマンドを受信していないと判定すると、Ｓ１３１０に進む。一方、特図変動開始コマンドを受信したと判定すると、特別図柄変動演出の演出パターン（特図変動演出パターン）を決定する（Ｓ１３０２）。ここで、特別図柄変動演出は、特別図柄の変動表示に伴って演出表示装置３７にて行なわれる演出であり、３つの演出図柄３７１Ｌ，３７１Ｃ，３７１Ｒの変動表示が行なわれると共に、必要に応じてリーチ演出や予告演出などが実行される。特図変動演出パターンは、図示しない変動演出パターンテーブルを用いて特別図柄の変動パターン（変動時間）に基づいて決定される。こうして特図変動演出パターンを決定すると、後述する普通図柄先読み演出（普図先読み演出）が実行中であるか否かを判定する（Ｓ１３０４）。普図先読み演出が実行中でないと判定すると、特図変動表示を通常表示で実行して（Ｓ１３０６）、Ｓ１３１０に進む。一方、普図先読み演出が実行中であると判定すると、特図変動演出よりも普図先読み演出の実行を優先させるために、特図変動演出を縮小表示で実行して（Ｓ１３０８）、Ｓ１３１０に進む。ここで、本実施例では、通常表示は、３つの演出図柄３７１Ｌ，３７１Ｃ，３７１Ｒを含む演出画像を演出表示装置３７の画面の中央に大きく表示することにより行なわれ、縮小表示は、３つの演出図柄３７１Ｌ，３７１Ｃ，３７１Ｒを含む演出画像を演出表示装置３７の画面の隅に小さく表示することにより行なわれる。なお、普図先読み演出の実行を優先するのは、通常遊技状態において普通図柄で当選することは第２特別図柄で高確率で小当りが発生することと、小当りすると高確率で特定領域に入賞して第１特別図柄よりも価値の高い第２特別図柄での大当り遊技を獲得できることから、普通図柄での当選が最も価値が高い遊技構成のためである。第１特別図柄で大当りした方が価値が高い構成ならば第１特別図柄の先読み演出の実行を優先させればよい。

次に、特図変動演出が実行中であるか否かを判定する（Ｓ１３１０）。特図変動演出が実行中でないと判定すると、特別図柄変動演出処理を終了する。一方、特図変動演出が実行中であると判定すると、特図変動演出の実行途中で普図先読み演出の割り込みが発生したか否かを判定する（Ｓ１３１２）。普図先読み演出の割り込みが発生したと判定すると、特図変動演出よりも普図先読み演出の実行を優先させるために、特図変動演出を縮小表示に切り替え（Ｓ１３１４）、普図先読み演出の割り込みが発生していないと判定すると、Ｓ１３１４をスキップする。そして、特別図柄遊技処理のＳ５２０で主制御装置６０により送信される特図変動停止コマンドを受信したか否かを判定する（Ｓ１３１６）。特図変動停止コマンドを受信していないと判定すると、特別図柄変動演出処理を終了し、特図変動停止コマンドを受信したと判定すると、特図変動演出を終了して（Ｓ１３１８）、特別図柄変動演出処理を終了する。

［普通図柄先読み演出処理］
図２５および図２６の普通図柄先読み演出処理では、サブ統合制御装置９０のＣＰＵ９０ａは、まず、現在の遊技状態が通常状態であるか否かを判定する（Ｓ１４００）。遊技状態が通常状態でなく時短状態であると判定すると、普通図柄先読み演出処理を終了する。一方、遊技状態が通常状態であると判定すると、普通図柄変動表示関連処理のＳ３６０で主制御装置６０により送信される普図変動開始コマンドを受信したか否かを判定する（Ｓ１４０２）。普図変動開始コマンドを受信したと判定すると、変数ｍを値１に設定し（Ｓ１４０４）、変数ｍが現在の普図保留数以下であるか否かを判定する（Ｓ１４０６）。Ｓ１４０２で普図変動開始コマンドを受信していないと判定したり、Ｓ１４０６で変数ｍが現在の普図保留数よりも大きいと判定すると、Ｓ１４２６に進む。一方、Ｓ１４０２で普図変動開始コマンドを受信したと判定し、且つ、Ｓ１４０６で変数ｍが現在の普図保留数以下であると判定すると、記憶されている普通図柄の保留のうち、先に消化されるものから順に数えて第ｍ番目の保留が未抽選保留であるか否かを判定する（Ｓ１４０８）。第ｍ番目の保留が未抽選保留でないと判定すると、変数ｍを値１だけインクリメントして（Ｓ１４１８）、Ｓ１４０６に戻って処理を繰り返す。すなわち、現在の普図保留数の範囲内で次に消化する普通図柄が未抽選保留であるか否かを判定する。

第ｍ番目の保留が未抽選保留であると判定すると、第ｍ番目の保留を抽選対象保留に設定し（Ｓ１４１０）、抽選対象保留について普図先読み演出を実行するか否かの抽選（普図先読み演出実行抽選）を行ない（Ｓ１４１２）、抽選結果が当選しているか否かを判定する（Ｓ１４１４）。本実施例では、抽選対象保留の先読み判定に係る当否判定の結果が当りであり且つ普通図柄の確定図柄が当り図柄Ａ（第２始動口２４をロング開放させる当り図柄）である場合には、抽選対象保留は普図先読み演出実行抽選に当選していると判定する。一方、抽選対象保留の先読み判定に係る当否判定の結果が当りであり且つ普通図柄の確定図柄が当り図柄Ｂ（第２始動口２４をショート開放させる当り図柄）である場合と抽選対象保留の先読み判定に係る当否判定の結果が外れである場合には、乱数抽選を行ない、乱数抽選の結果が当選していれば、抽選対象保留は普図先読み演出実行抽選に当選していると判定する。普図先読み演出実行抽選の抽選結果が当選していないと判定すると、抽選対象保留を未抽選保留から抽選済み保留に変更し（Ｓ１４１６）、変数ｍを値１だけインクメントして（Ｓ１４１８）、Ｓ１４０６に戻って処理を繰り返す。すなわち、現在の普図保留数の範囲内で次に消化する普通図柄の未抽選保留を新たな抽選対象保留に設定し、当該抽選対象保留に対して普図先読み演出実行抽選を行なう。一方、普図先読み演出実行抽選の抽選結果が当選していると判定すると、抽選対象保留を未抽選保留から抽選済み保留に変更し（Ｓ１４２０）、普図先読み演出実行フラグに値１を設定すると共に（Ｓ１４２２）、普図先読みカウンタＸに変数ｍに値１を加えたものを設定する（Ｓ１４２４）。普図先読みカウンタＸは、普図先読み演出実行抽選の当選により普図先読み演出の対象となった保留が消化されるまで（当該保留に基づく普通図柄の変動表示が終了するまで）の普通図柄の残り変動回数を示すものである。

次に、普図先読み演出実行フラグが値１であるか否かを判定する（Ｓ１４２６）。普図先読み演出実行フラグが値１であると判定すると、普図先読み演出の実行タイミングが到来したか否かを判定する（Ｓ１４２８）。普図先読み演出の実行タイミングは、普図先読み演出実行抽選に当選した直後に到来するものとしてもよいし、普図先読み演出実行抽選に当選してから所定時間が経過したときに到来するものとしてもよい。普図先読み演出実行フラグが値１であり且つ普図先読み演出の実行タイミングが到来したと判定すると、普図先読み演出を実行して（Ｓ１４３０）、Ｓ１４３２に進む。Ｓ１４３０の処理は、普図先読み演出の実行を指示する演出コマンドを演出図柄制御装置９１に送信することにより、演出コマンドを受信した演出図柄制御装置９１が演出表示装置３７を制御することにより行なわれる。普図先読み演出は、普図先読みカウンタＸが値０となるまで複数の普通図柄の変動表示に跨がって実行されてもよい。また、普図先読み演出は、普図先読みカウンタＸが値０となるまで普通図柄の変動表示が開始される度に実行されてもよい（ステップアップ演出）。一方、普図先読み演出実行フラグが値１でないと判定したり、普図先読み演出の実行タイミングが到来していないと判定すると、普図先読み演出を実行することなく、Ｓ１４３２に進む。本実施例では、普図先読み演出は、後述する特図先読み演出が実行中であっても、特図先読み演出に割り込んで実行される。

次に、普通図柄遊技処理のＳ３１４で主制御装置６０により送信される普図変動停止コマンドを受信したか否か（Ｓ１４３２）、普図先読み演出実行フラグが値１であるか否か（Ｓ１４３４）、をそれぞれ判定する。普図変動停止コマンドを受信していないと判定したり、普図先読み演出実行フラグが値１でなく値０であると判定すると、普図先読み演出処理を終了する。一方、普図変動停止コマンドを受信し且つ普図先読み演出実行フラグが値１であると判定すると、普図先読みカウンタＸを値１だけデクリメントし（Ｓ１４３６）、普図先読みカウンタＸが値０であるか否かを判定する（Ｓ１４３８）。普図先読みカウンタＸが値０でないと判定すると、普通図柄先読み演出処理を終了し、普図先読みカウンタＸが値０であると判定すると、普図先読み演出実行フラグに値０を設定して（Ｓ１４４０）、普通図柄先読み演出処理を終了する。

［特別図柄先読み演出処理］
図２７および図２８の特別図柄先読み演出処理では、サブ統合制御装置９０のＣＰＵ９０ａは、まず、現在の遊技状態が通常状態であるか否かを判定する（Ｓ１５００）。遊技状態が通常状態でなく時短状態であると判定すると、特別図柄先読み演出処理を終了する。一方、遊技状態が通常状態であると判定すると、特別図柄変動表示関連処理のＳ５８２で主制御装置６０により送信される第１特図変動開始コマンドを受信したか否か（Ｓ１５０２）、特図先読み演出実行フラグが値０であるか否か（Ｓ１５０４）、をそれぞれ判定する。特図先読み演出実行フラグは、特図先読み演出を実行するか否かを示すフラグである。第１特図変動開始コマンドを受信し且つ特図先読み演出実行フラグが値０であると判定すると、変数ｎを値１に設定し（Ｓ１５０６）、変数ｎが現在の第１特図保留数以下であるか否かを判定する（Ｓ１５０８）。Ｓ１５０２で第１特図変動開始コマンドを受信していないと判定したり、Ｓ１５０４で特図先読み演出実行フラグが値１であると判定したり、変数ｎが第１特図保留数よりも大きいと判定すると、Ｓ１５２８に進む。一方、第１特図変動開始コマンドを受信し、特図先読み演出実行フラグが値０であり且つ変数ｎが第１特図保留数以下であると判定すると、記憶されている第１特別図柄の保留のうち、先に消化されるものから順に数えて第ｎ番目の保留が未抽選保留であるか否かを判定する（Ｓ１５１０）。第ｎ番目の保留が未抽選保留でないと判定すると、変数ｎを値１だけインクリメントして（Ｓ１５２０）、Ｓ１５０８に戻って処理を繰り返す。すなわち、現在の第１特図保留数の範囲内で次に消化する第１特別図柄が未抽選保留であるか否かを判定する。

第ｎ番目の保留が未抽選保留であると判定すると、第ｎ番目の保留を抽選対象保留に設定し（Ｓ１５１２）、抽選対象保留について特図先読み演出を実行するか否かの抽選（特図先読み演出実行抽選）を行ない（Ｓ１５１４）、抽選結果が当選しているか否かを判定する（Ｓ１５１６）。本実施例では、抽選対象保留の先読み判定に係る当否判定結果が大当りまたは小当りである場合に、抽選対象保留は特図先読み演出実行抽選に当選していると判定する。一方、抽選対象保留の先読み判定に係る変動パターンが外れの場合には、乱数抽選を行ない、抽選結果が当選していれば、抽選対象保留は特図先読み演出実行抽選に当選していると判定する。なお、抽選対象保留の先読み判定に係る変動パターンが特定の変動パターン（ＳＰリーチ）である場合に、抽選対象保留は特図先読み演出実行抽選に当選していると判定し、抽選対象保留の先読み判定に係る変動パターンが特定の変動パターンでない場合には、乱数抽選を行ない、抽選結果が当選していれば、抽選対象保留は特図先読み演出実行抽選に当選していると判定するものとしてもよい。特図先読み演出実行抽選の抽選結果が当選していないと判定すると、抽選対象保留を未抽選保留から抽選済み保留に変更し（Ｓ１５１８）、変数ｎを値１だけインクメントして（Ｓ１５２０）、Ｓ１５０８に戻って処理を繰り返す。すなわち、現在の第１特図保留数の範囲内で次に消化する第１特別図柄の未抽選保留を新たな抽選対象保留に設定し、当該抽選対象保留に対して特図先読み演出実行抽選を行なう。一方、特図先読み演出実行抽選の抽選結果が当選していると判定すると、抽選対象保留を未抽選保留から抽選済み保留に変更し（Ｓ１５２２）、特図先読み演出実行フラグに値１を設定すると共に（Ｓ１５２４）、特図先読みカウンタＹに変数ｎに値１を加えたものを設定する（Ｓ１５２６）。特図先読みカウンタＹは、特図先読み演出実行抽選の当選により特図先読み演出の対象となった保留が消化されるまで（当該保留に基づく第１特別図柄の変動表示が終了するまで）の第１特別図柄の残り変動回数を示すものである。

ここで、特図先読み演出実行抽選が当選すると、Ｓ１５０８〜Ｓ１５２０の繰り返し処理のループを抜けて特図先読み演出実行フラグに値１が設定されるため、次に特別図柄先読み演出処理が実行されたときには、Ｓ１５０４で否定的な判定がなされ、未抽選保留が残存していても、特図先読み演出実行フラグに値０が設定されるまで、特図先読み演出実行抽選は実行されない。

次に、特図先読み演出実行フラグが値１であるか否かを判定する（Ｓ１５２８）。特図先読み演出実行フラグが値１であると判定すると、特図先読み演出の実行タイミングが到来したか否かを判定する（Ｓ１５３０）。特図先読み演出の実行タイミングは、特図先読み演出実行抽選に当選した直後に到来するものとしてもよいし、特図先読み演出実行抽選に当選してから所定時間が経過したときに到来するものとしてもよい。特図先読み演出実行フラグが値１であり且つ特図先読み演出の実行タイミングが到来したと判定すると、更に普図先読み演出が実行中であるか否かを判定する（Ｓ１５３２）。普図先読み演出が実行中でないと判定すると、特図先読み演出を実行して（Ｓ１５３４）、Ｓ１５３６に進む。Ｓ１５３４の処理は、特図先読み演出の実行を指示する演出コマンドを演出図柄制御装置９１に送信することにより、演出コマンドを受信した演出図柄制御装置９１が演出表示装置３７を制御することにより行なわれる。なお、特図先読み演出は、特図先読みカウンタＹが値０となるまで複数の第１特別図柄の変動表示に跨がって実行されてもよい。また、特図先読み演出は、特図先読みカウンタＹが値０となるまで第１特別図柄の変動表示が開始される度に実行されてもよい（ステップアップ演出）。さらに、特図先読み演出は、保留図柄３７２を演出対象に含めてもよい。すなわち、保留図柄３７２を、通常とは異なる複数の表示態様の中から当り信頼度に応じた表示態様で表示するものとしてもよい。この場合、変動中図柄３７３も演出対象に含めるものとしてもよい。特図先読み演出実行フラグが値１でないと判定したり、普図先読み演出の実行タイミングが到来していないと判定したり、特図先読み演出を実行することなく、Ｓ１５３６に進む。また、特図先読み演出実行フラグが値１であり且つ特図先読み演出の実行タイミングが到来したと判定しても、普図先読み演出が実行中であると判定すると、特図先読み演出を実行しない。

ここで、特図先読み演出実行フラグが値１であって特図先読み演出の実行タイミングが到来したにも拘わらず普図先読み演出が実行中であるときにはＳ１５４３の特図先読み演出を実行しないのは、上述したように、本実施例のパチンコ機１では、第１特別図柄での当選よりも普通図柄での当選の価値が高い遊技構成が採用されているため、特図先読み演出よりも普図先読み演出の実行を優先させるためである。

次に、特別図柄遊技処理のＳ５２０で主制御装置６０により送信される第１特図変動停止コマンドを受信したか否か（Ｓ１５３６）、特図先読み演出実行フラグが値１であるか否か（Ｓ１５３８）、をそれぞれ判定する。第１特図変動停止コマンドを受信していないと判定したり、特図先読み演出実行フラグが値１でないと判定すると、特別図柄先読み演出処理を終了する。一方、第１特図変動停止コマンドを受信し且つ特図先読み演出実行フラグが値１であると判定すると、特図先読みカウンタＹを値１だけデクリメントして（Ｓ１５４０）、特図先読みカウンタＹが値０であるか否かを判定する（Ｓ１５４２）。特図先読みカウンタＹが値０でないと判定すると、特別図柄先読み演出処理を終了し、特図先読みカウンタＹが値０であると判定すると、特図先読み演出実行フラグに値０を設定して（Ｓ１５４４）、特別図柄先読み演出処理を終了する。

特図先読み演出の対象となった保留が消化されると、特図先読みカウンタＹが値０となり、特図先読み演出実行フラグが値０となるため、次に特別図柄先読み演出処理が実行されたときに、Ｓ１５０４で肯定的な判定がなされ、記憶されている保留に未抽選保留が残存していれば、残存している未抽選保留のうち最初に消化される保留が抽選対象保留に設定されて特図先読み演出実行抽選が再開されることとなる。

上述したように、普通図柄先読み演出処理では、未抽選保留が発生すると、順次、未抽選保留に対して普図先読み演出実行抽選を実行するのに対して、特別図柄先読み演出処理では、未抽選保留が発生しても、特図先読み演出実行フラグが値１、すなわち未抽選保留よりも先に消化される抽選済み保留に特図先読み演出の対象となるものがあれば、当該抽選済み保留が消化されるまで特図先読み演出実行抽選を実行しない点で両者は異なる。また、普通図柄先読み演出処理では、普図先読み演出フラグが値１であって普図先読み演出の実行タイミングが到来すると、普図先読み演出を実行するのに対して、特別図柄先読み演出処理では、特図先読み演出実行フラグが値１であって特図先読み演出の実行タイミングが到来しても、普図先読み演出が実行中であるときには特図先読み演出を実行しない点で両者は異なる。

図３０は、普通図柄先読み演出の一例を示す説明図であり、図３１は、普通図柄の当りにより開放される第２始動口への遊技球の入球に基づいて第２特別図柄が変動表示する際の演出表示の一例を示す説明図である。演出表示装置３７において第１特別図柄の変動表示に伴って特図変動演出が行なわれている最中に普通図柄の保留の発生に伴う普図先読み演出が実行される場合、特図変動演出の演出表示よりも普図先読み演出の演出表示が優先され、普図先読み演出の演出表示が演出表示装置３７の画面全体に大きく表示される。このとき、特図変動演出（演出図柄３７１Ｌ，３７１Ｃ，３７１Ｒ）の演出表示は画面の隅に小さく表示される。本実施例では、図３０に示すように、普図先読み演出として、味方キャラクタがオブジェクト（「岩」）の破壊を試みるストーリ演出（「達吉ジャッジ」）が実行され（図３０（ａ）参照）、オブジェクトの破壊に成功する演出結果（成功演出）が表示されると（図３０（ｂ）参照）、「達吉チャンスゾーン」に移行し、オブジェクトの破壊に失敗する演出結果（失敗演出）が表示されると（図示せず）、外れとなる。成功演出の表示は普通図柄が当り図柄Ａで停止表示された場合に行なわれ、普通図柄が当り図柄Ａで停止表示されると、第２始動口２４の開放パターンがロング開放パターンとなる普通図柄当り遊技が実行される。失敗演出の表示は普通図柄が外れ図柄で停止表示されるか当り図柄Ｂで停止表示された場合に行なわれる。普通図柄が当り図柄Ｂで停止表示されると、第２始動口２４の開放パターンがショート開放パターンとなる普通図柄当り遊技が実行される。但し、通常状態において第２始動口２４がショート開放された場合には、遊技者が右打ちしても、第２始動口２４に遊技球を入球させることは殆ど不可能であり、実質的には外れと同じである。また、普図先読み演出が行なわれている最中に第１特別図柄が停止表示されると、特図変動演出が終了し、演出図柄３７１Ｌ，３７１Ｃ，３７１Ｒが停止表示される。

「達吉チャンスゾーン」では、味方キャラクタがボスキャラクタを捜索するストーリ演出（「達吉チャンスゾーン」）が実行され（図３１（ａ）参照）、ボスキャラクタの発見に成功した演出結果（成功演出）が表示されると（図３１（ｂ）参照）、大当りとなり、ボスキャラクタの発見に失敗した検出結果（失敗演出）が表示されると（図示せず）、外れとなる。成功演出の表示は、普通図柄当り遊技においてロング開放した第２始動口２４に遊技球が入球し且つ当該入球に基づいて行なわれる当否判定の結果が大当りまたは小当りであった場合（第２特別図柄が大当り図柄または小当り図柄で停止表示される場合）に行なわれる。一方、失敗演出の表示は、第２始動口２４に遊技球が入球しなかったり、第２始動口２４に遊技球が入球しても当否判定の結果が外れであった場合（第２特別図柄が外れ図柄で停止表示される場合）に行なわれる。ここで、第２特別図柄で小当りが発生すると、本実施例では、小当り遊技において第２大入賞口２６に入球した遊技球が特定領域４３を通過する確率（Ｖ入賞率）は約１／１に設定されているから、実質的に大当り（役物当り）が確定する。なお、本実施例では、普通図柄当り遊技においてロング開放した第２始動口２４に遊技球が入球すると、第２特別図柄が変動表示され、第２特別図柄の変動表示中に第２始動口２４に遊技球が更に入球すると、当該入球は最大４個まで保留される。したがって、通常状態において第２始動口２４がロング開放すると、第２始動口２４に遊技球を入球させることで、第２特別図柄の当否判定のチャンスは最大５回となる。このため、「達吉チャンスゾーン」においては、第２始動口２４への遊技球の入球に基づいて取得される判定用乱数を先読み判定し、保留されている判定用乱数（最大５つの判定用情報）のうちいずれか１つの判定用乱数に大当りまたは小当りが含まれる場合に、成功演出を行ない、いずれの判定用乱数にも大当りまたは小当りが含まれない場合に、失敗演出を行なうものとしてもよい。

このように、本実施例では、通常状態における大当りルートとして、普通図柄が当り図柄Ａで停止表示されることを契機として大当り（役物当り）が発生する第３の大当りルートが設けられているため、普通図柄を先読み判定するものとし、普図先読み演出を、特図変動演出や特図先読み演出よりも優先して実行することで、遊技者の役物当りに対する期待感を高め、遊技興趣を向上させることができる。

図３２は、特図先読み演出実行抽選の様子を示す説明図である。図中、「未」は未抽選保留を示し、「ハ」は特図先読み演出実行抽選に当選しなかった抽選済み保留を示し、「当」は特図先読み演出実行抽選に当選した抽選済み保留を示す。図示するように、特図先読み演出実行抽選は、未抽選保留（先読み判定情報が含まれる保留）が複数発生すると、複数の未抽選保留のうち先に消化される未抽選保留を抽選対象保留として特図先読み演出実行抽選を行なう。そして、特図先読み演出実行抽選に当選しなかった場合には、その抽選対象保留の次に消化される未抽選保留を新たな抽選対象保留として特図先読み演出実行抽選を行なう（図３２（ａ）参照）。一方、特図先読み演出実行抽選に当選した場合には、その抽選対象保留よりも後に消化される未抽選保留が残存していても、抽選対象保留が消化されるまでは、残存している未抽選保留に対して特図先読み演出実行抽選を行なわない（図３２（ｂ）参照）。上述したように、普図先読み演出は特図先読み演出に優先して実行され、特別図柄と普通図柄は各々独立して当否抽選が行われることから、特図先読み演出の途中で普図先読み演出が割り込む場合があるため、特図先読み演出実行抽選の実行を制限して特図先読み演出の実行を制限することで、普通図柄先読み演出との重複をできる限り避けることができ、演出表示の整合性を図ることができる。

以上説明した実施例のパチンコ機１は、いわゆる１種２種混合タイプの遊技機において、通常状態において、普通図柄の当選を契機として大当り（役物当り）が発生する大当りルート（第３の大当りルート）を有し、第１特別図柄の先読み演出（特図先読み演出）に加えて普通図柄の先読み演出（普図先読み演出）を実行可能なものである。このパチンコ機１において、通常状態において、第１特別図柄の保留が複数記憶されている場合、複数の保留のうち抽選済み保留を除く未抽選保留を対象として先に消化されるものから順に特図先読み演出を実行するか否かの抽選（特図先読み演出実行抽選）を行ない、特図先読み演出を実行するとの抽選結果が得られたときには、当該抽選結果が得られた抽選対象保留が消化されるまで当該抽選対象保留よりも後に消化される未抽選保留を対象とした特図先読み演出実行抽選を行なわないものとしている。このように、特図先読み演出実行抽選の実行を制限することによって特図先読み演出の実行を制限することで、普通図柄先読み演出との重複をできる限り避けることができるため、演出表示の整合性を図ると共に、遊技者が注目すべき演出を明確にすることができる。このように、特別図柄にかかる先読み演出をメインで行いつつも、普通図柄の先読み演出を優先して演出を行なう構成の場合に好適な処理となる。

しかも、実施例のパチンコ機１では、普図先読み演出は、特図先読み演出よりも優先して実行されるため、普通図柄の当選を契機として大当り（役物当り）が発生することへの遊技者の期待感を高めることができ、遊技興趣を向上させることができる。

実施例では、遊技ホールの島設備から供給される遊技球を賞球や貸球として上受け皿１１に払い出す構成としたが、いわゆる封入式のパチンコ機であってもよい。封入式のパチンコ機は、内部に封入した遊技球を循環させることにより遊技を行なうものである。また、実施例や変形例のパチンコ機は、いわゆる管理遊技機に適用されてもよい。管理遊技機は、主制御装置への外部からのアクセスを制限するものであり、枠制御装置（実施例の払出制御装置に相当）から主制御装置へは特定情報（遊技の性能に影響を与える情報や、遊技の結果に影響を及ぼす虞のある情報）以外を送信可能とし、枠制御装置はＣＲユニットと接続され、枠制御装置を介してのみ外部と通信可能に構成されたものである。

実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、第１始動口２３が「第１始動口」に相当し、第２始動口２４が「第２始動口」に相当し、第２大入賞口２６が「大入賞口」に相当し、特定領域４３（Ｖ領域）が「特定領域」に相当し、普通図柄作動ゲート２２１，２２２が「作動ゲート」に相当し、始動入賞処理のＳ２２８〜Ｓ２３４の処理を実行する主制御装置６０のＣＰＵ６０ａとＲＡＭ６０ｃとが「普通図柄保留記憶手段」に相当し、普通図柄変動表示関連処理のＳ３４０〜Ｓ３４４の処理を実行する主制御装置６０のＣＰＵ６０ａが「普通図柄当否判定手段」に相当し、普通図柄変動表示関連処理のＳ３５６と普通図柄遊技処理のＳ３０２，Ｓ３１２，Ｓ３１６との処理を実行する主制御装置６０のＣＰＵ６０ａと普通図柄表示装置（普図表示装置）３５とが「普通図柄変動表示手段」に相当し、普通図柄当り遊技処理を実行する主制御装置６０のＣＰＵ６０ａと第２始動口ソレノイド２４ｃとが「第２始動口開放遊技実行手段」に相当し、始動入賞処理のＳ２００〜Ｓ２０６，Ｓ２１４〜Ｓ２２０の処理を実行する主制御装置６０のＣＰＵ６０ａとＲＡＭ６０ｃとが「特別図柄保留記憶手段」に相当し、特別図柄変動表示関連処理のＳ５６０の処理を実行する主制御装置６０のＣＰＵ６０ａが「特別図柄当否判定手段」に相当し、特別図柄変動表示関連処理のＳ５７８と特別図柄遊技処理のＳ５０２，Ｓ５１８，Ｓ５２２との処理を実行する主制御装置６０のＣＰＵ６０ａと第１特別図柄表示装置（第１特図表示装置）３１と第２特別図柄表示装置（第２特図表示装置）３２とが「特別図柄変動表示手段」に相当し、小当り遊技処理を実行する主制御装置６０のＣＰＵ６０ａと第２大入賞口ソレノイド２６ｃとが「小当り遊技実行手段」に相当し、大当り遊技処理を実行する主制御装置６０のＣＰＵ６０ａと第１大入賞口ソレノイド２５ｃとが「大当り遊技実行手段」に相当し、始動入賞処理のＳ２３６，Ｓ２３８の処理を実行する主制御装置６０のＣＰＵ６０ａが「普通図柄先読み判定手段」に相当し、始動入賞処理のＳ２０８，Ｓ２１０の処理を実行する主制御装置６０のＣＰＵ６０ａが「特別図柄先読み判定手段」に相当し、普通図柄先読み演出処理を実行するサブ統合制御装置９０のＣＰＵ９０ａと演出図柄制御装置９１と演出表示装置３７とが「普通図柄先読み演出実行手段」に相当し、特別図柄先読み演出処理を実行するサブ統合制御装置９０のＣＰＵ９０ａと演出図柄制御装置９１と演出表示装置３７とが「特別図柄先読み演出実行手段」に相当する。なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。

以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。

１ パチンコ機、２ 外枠、３ 前面枠、３ａ 前面枠開放スイッチ、４ ガラス板、５ 内枠、５ａ 内枠開放スイッチ、１１ 上受け皿、１２ 下受け皿、１３ 発射ハンドル、１４ スピーカ、１５ 枠側装飾ランプ、１６ 演出ボタン、１６ａ 演出ボタンスイッチ、２０ 遊技盤、２１ 遊技領域、２１ａ 外レール、２１ｂ 内レール、２１ｃ 釘、２３ 第１始動口、２３ａ 第１始動口スイッチ、２４ 第２始動口、２４ａ 第２始動口スイッチ、２４ｂ 開閉羽根、２４ｃ 第２始動口ソレノイド、２５ 第１大入賞口、２５ａ 第１大入賞口スイッチ、２５ｂ 開閉羽根、２５ｃ 第１大入賞口ソレノイド、２６ 第２大入賞口、２６ａ 第２大入賞口スイッチ、２６ｂ 開閉板、２６ｃ 第２大入賞口ソレノイド、２８ 普通入賞口、２８ａ 普通入賞口スイッチ、２９ アウト口、３１ 第１特別図柄表示装置（第１特図表示装置）、３２ 第２特別図柄表示装置（第２特図表示装置）、３３ 第１特別図柄保留数表示装置（第１特図保留数表示装置）、３４ 第２特別図柄保留数表示装置（第２特図保留数表示装置）、３５ 普通図柄表示装置（普図表示装置）、３６ 普通図柄保留数表示装置（普図保留数表示装置）、３７ 演出表示装置、３８ センター役物、４０ 振分装置、４１ ワープ出口、４２ 振分羽根、４２ｃ 振分ソレノイド、４３ 特定領域、４３ａ 特定領域通過スイッチ、４４ 非特定領域、５０ ＣＲユニット、５１ ＣＲユニット端子板、５２ 精算表示装置、５３ 球貸ボタン、５３ａ 球貸スイッチ、５４ 精算ボタン、５４ａ 精算スイッチ、６０ 主制御装置、６０ａ ＣＰＵ、６０ｂ ＲＯＭ、６０ｃ ＲＡＭ、６１ 遊技盤中継端子板、６２ 図柄表示装置中継端子板、６３ 演出中継端子板、６４ 裏配線中継端子板、６５ 外部接続端子板、７０ 払出制御装置、７１ 払出中継端子板、７３ 払出モータ、７４ 払出スイッチ、７５ 満杯スイッチ、７６ 球切れスイッチ、８０ 発射制御装置、８１ 発射停止スイッチ、８２ タッチスイッチ、８３ 発射モータ、９０ サブ統合制御装置、９０ａ ＣＰＵ、９０ｂ ＲＯＭ、９０ｃ ＲＡＭ、９１ 演出図柄表示制御装置、１００ ホールコンピュータ、２２１，２２２ 普通図柄作動ゲート、２２１ａ，２２２ａ ゲートスイッチ、３７１Ｌ，３７１Ｃ，３７１Ｒ 演出図柄、３７２ 保留図柄、３７３ 変動中図柄、３７４ キャラクタ図柄、３７５ 発射方向表示部。

Claims (2)

1. 第１遊技領域に配置された第１始動口と、
   前記第１遊技領域とは異なる第２遊技領域に配置された第２始動口と、
   前記第２遊技領域に配置され、内部に特定領域を有する大入賞口と、
   前記第１遊技領域および前記第２遊技領域のそれぞれに配置された作動ゲートと、
   前記作動ゲートへの遊技球の通過に基づいて取得される普通図柄の判定情報を複数記憶可能な普通図柄保留記憶手段と、
   前記普通図柄の判定情報に基づいて普通図柄の当否判定を実行する普通図柄当否判定手段と、
   前記普通図柄の当否判定結果に基づいて普通図柄の変動表示を実行する普通図柄変動表示手段と、
   前記普通図柄変動表示手段により変動表示された普通図柄が当り図柄で停止表示された場合に前記第２始動口を開放する第２始動口開放遊技実行手段と、
   前記第１始動口または前記第２始動口への遊技球の入球に基づいて取得される特別図柄の判定情報を複数記憶可能な特別図柄保留記憶手段と、
   前記特別図柄の判定情報に基づいて特別図柄の当否判定を実行する特別図柄当否判定手段と、
   前記特別図柄の当否判定結果に基づいて特別図柄の変動表示を実行する特別図柄変動表示手段と、
   前記特別図柄変動表示手段により変動表示された特別図柄が小当り図柄で停止表示された場合に前記大入賞口を開放させる小当り遊技を実行する小当り遊技実行手段と、
   前記特別図柄変動表示手段により変動表示された特別図柄が大当り図柄で停止表示された場合と前記小当り遊技において前記大入賞口に入球した遊技球が前記特定領域を通過した場合に大当り遊技を実行する大当り遊技実行手段と、
   を備え、
   前記第２始動口への遊技球の入球に基づいて実行される特別図柄の当否判定の方が、前記第１始動口への遊技球の入球に基づいて実行される特別図柄の当否判定よりも小当りと判定する確率が高い遊技機であって、
   前記普通図柄当否判定手段による普通図柄の当否判定に先立って、前記普通図柄の判定情報に基づいて普通図柄の先読み判定を実行する普通図柄先読み判定手段と、
   前記普通図柄の先読み判定結果に基づいて普通図柄の先読み演出を実行する普通図柄先読み演出実行手段と、
   前記特別図柄当否判定手段による特別図柄の当否判定に先立って、前記特別図柄の判定情報に基づいて特別図柄の先読み判定を実行する特別図柄先読み判定手段と、
   前記特別図柄の先読み判定結果に基づいて特別図柄の先読み演出を実行する特別図柄先読み演出実行手段と、
   を有し、
   前記特別図柄先読み演出実行手段は、前記特別図柄保留記憶手段に先読み判定の対象となった複数の判定情報が記憶されている場合、前記複数の判定情報のうち抽選済みの判定情報を除く判定情報を対象として先に消化されるものから順に特別図柄の先読み演出を実行するか否かの抽選を行ない、前記先読み演出を実行するとの抽選結果が得られたときには、当該抽選結果が得られた抽選の対象となった判定情報が消化されるまで当該判定情報よりも後に消化される判定情報を対象とした前記抽選を行なわない、
   遊技機。
2. 請求項１に記載の遊技機であって、
   前記普通図柄先読み演出実行手段は、前記特別図柄先読み演出実行手段よりも優先して先読み演出を実行する、
   遊技機。

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