JP2021064987A - 防振装置および防振装置用抑止線 - Google Patents

防振装置および防振装置用抑止線 Download PDF

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Abstract

【課題】架空線の振動を効率よく抑制することができる技術を提供する。【解決手段】架空線の振動を抑制する防振装置であって、複数の素線が撚り合わされて設けられる抑止線と、抑止線の両端部に設けられる重錘と、抑止線の両端部の間に設けられ、架空線を把持する把持部と、を有し、複数の素線の少なくとも一対が面接触している防振装置。【選択図】図1

Description

本開示は、防振装置および防振装置用抑止線に関する。
架空線にゆるやかな風が吹きつけると、架空線の風下側にカルマン渦が発生し、架空線が振動する。架空線の振動を抑制するため、例えば、特許文献1では、架空線に取り付ける防振装置が提案されている。
特公昭60−18168号公報
本開示の目的は、架空線の振動を効率よく抑制することができる技術を提供することである。
本開示の一態様によれば、
架空線の振動を抑制する防振装置であって、
複数の素線が撚り合わされて設けられる抑止線と、
前記抑止線の両端部に設けられる重錘と、
前記抑止線の前記両端部の間に設けられ、前記架空線を把持する把持部と、を有し、
前記複数の素線の少なくとも一対が面接触している防振装置が提供される。
本開示の他の態様によれば、
架空線の振動を抑制する防振装置であって、
複数の素線が撚り合わされて設けられる抑止線と、
前記抑止線の両端部に設けられ、前記架空線を把持する把持部と、
前記抑止線の前記両端部の間に設けられる重錘と、を有し、
前記複数の素線の少なくとも一対が面接触している防振装置が提供される。
本開示のさらに他の態様によれば、
架空線の振動を抑制する防振装置であって、
複数の素線が撚り合わされて設けられる添え線と、
前記添え線の両端に設けられ、一方が前記架空線を把持し、他方が前記架空線または他の添え線を把持する一対の把持部と、を有し
前記添え線の張力が、前記架空線の張力よりも低く、
前記複数の素線の少なくとも一対が面接触している防振装置が提供される。
本開示のさらに他の態様によれば、
架空線の振動を抑制する防振装置用抑止線であって、
複数の素線が撚り合わされて設けられ、
前記複数の素線の少なくとも一対が面接触している防振装置用抑止線が提供される。
本開示によれば、架空線の振動を効率よく抑制することができる。
図1は、本開示の第1実施形態に係る防振装置10の斜視図である。 図2は、本開示の第1実施形態に係る抑止線12の長手方向に垂直な断面図である。 図3は、本開示の第1実施形態の変形例1に係る抑止線30の長手方向に垂直な断面図である。 図4は、本開示の第1実施形態の変形例2に係る抑止線40の長手方向に垂直な断面図である。 図5は、本開示の第1実施形態の変形例4に係る抑止線50の長手方向に垂直な断面図である。 図6は、本開示の第1実施形態の変形例5に係る抑止線60の長手方向に垂直な断面図である。 図7は、本開示の第1実施形態の変形例6に係る抑止線70の長手方向に垂直な断面図である。 図8は、本開示の第2実施形態に係る防振装置80の斜視図である。 図9は、本開示の第3実施形態に係る防振装置90の概略構成図である。 図10は、従来の防振装置に用いられる抑止線100の長手方向に垂直な断面図である。
[本開示の実施形態の説明]
<発明者の得た知見>
まず、発明者等が得た知見について説明する。
架空線にゆるやかな風が吹きつけると、架空線の風下側にカルマン渦が発生し、架空線が振動する。この振動は微風振動と呼ばれる。微風振動は、架空線の疲労や金具類の摩耗を発生させる恐れがある。したがって、架空線には振動を抑制する防振装置が取り付けられている。架空線の振動を抑制する防振装置としては、例えば、ダブルトーショナルダンパが例示される。
ダブルトーショナルダンパ等の防振装置には、抑止線と、重錘とが設けられている。架空線が風を受けて振動すると、抑止線および重錘が共振する。抑止線は、重錘の振動によって捻じれ振動するように構成されている。抑止線の捻じれ振動によって、抑止線を構成する素線同士が摩擦する。抑止線を構成する素線同士の摩擦によって、架空線の振動エネルギーを熱エネルギーへと変換し、架空線の振動を抑制することができる。
図10は、従来の防振装置に用いられる抑止線100の長手方向に垂直な断面図である。図10に示すように、従来の防振装置に用いられる抑止線100は、長手方向に垂直な断面が円形で互いに外接する素線101を撚り合わせたものであった。この場合、素線101同士の接触面積が小さいため、架空線の振動エネルギーを熱エネルギーに変換する効率が不充分となる恐れがあった。
また、架空線を長径間に渡って張る場合、あるいは高張力で張る場合には、微風振動が発生しやすい。したがって、架空線の振動をより効率よく抑制する防振装置が望まれていた。
本発明者等は、上述のような事象に対して鋭意研究を行った。その結果、抑止線を構成する素線同士を面接触させることによって、従来の防振装置と比較して、効率よく振動を抑制できることを見出した。
本開示は、発明者等が見出した上記知見に基づくものである。
<本開示の実施態様>
次に、本開示の実施態様を列記して説明する。
[1]本開示の一態様に係る防振装置は、
架空線の振動を抑制する防振装置であって、
複数の素線が撚り合わされて設けられる抑止線と、
前記抑止線の両端部に設けられる重錘と、
前記抑止線の前記両端部の間に設けられ、前記架空線を把持する把持部と、を有し、
前記複数の素線の少なくとも一対が面接触している。
この構成によれば、架空線の振動を効率よく抑制することができる。
[2]上記[1]に記載の防振装置において、
前記複数の素線の少なくとも一対は、長手方向に垂直な断面が円形で互いに外接する一対の素線同士の接触面積よりも大きな面積で接触している。
この構成によれば、架空線の振動を効率よく抑制することができる。
[3]上記[1]または[2]に記載の防振装置において、
前記抑止線は、心線と、前記心線の外周部に撚り合わされて設けられる複数の外周線と、を有し、
前記抑止線を長手方向に垂直な断面で見た際に、前記心線の外周面の少なくとも一部は凸の円弧面であり、前記複数の外周線の少なくともいずれかの内周面は凹の円弧面であり、
前記凸の円弧面と、前記凹の円弧面とが面接触している。
この構成によれば、抑止線が捻じれ振動する際に、架空線の振動エネルギーを効率よく熱エネルギーに変換することができる。
[4]上記[3]に記載の防振装置において、
前記心線の長手方向に垂直な断面が円形である。
この構成によれば、防振装置を容易に製造することができる。
[5]上記[1]から[4]のいずれか1つに記載の防振装置において、
前記抑止線は、心線と、前記心線の外周部に撚り合わされて設けられる複数の外周線と、を有し、
前記抑止線を長手方向に垂直な断面で見た際に、前記複数の外周線のそれぞれが、前記抑止線の径方向に沿った側面を有し、前記複数の外周線のそれぞれの前記側面が、隣り合う他の外周線の前記側面と面接触している。
この構成によれば、抑止線が径方向に振動する際に、架空線の振動エネルギーを効率よく熱エネルギーに変換することができる。
[6]上記[1]から[5]のいずれか1つに記載の防振装置において、
前記複数の素線の少なくとも一対が圧縮されて面接触している。
この構成によれば、防振装置を容易に製造することができる。
[7]上記[1]から[6]のいずれか1つに記載の防振装置において、
前記複数の素線の表面の少なくとも面接触している面が粗面である。
この構成によれば、素線の表面の摩擦係数を大きくし、架空線の振動エネルギーを効率よく熱エネルギーに変換することができる。
[8]上記[1]から[7]のいずれか1つに記載の防振装置において、
前記複数の素線の面接触している面の算術平均粗さRaが、前記複数の素線の面接触していない面の算術平均粗さRaより大きい。
この構成によれば、抑止線への異物の付着を抑制することができる。
[9]上記[1]から[8]のいずれか1つに記載の防振装置において、
前記抑止線が相互に接触するように複数設けられる。
この構成によれば、防振装置の強度を向上させることができる。
[10]本開示の他の態様に係る防振装置は、
架空線の振動を抑制する防振装置であって、
複数の素線が撚り合わされて設けられる抑止線と、
前記抑止線の両端部に設けられ、前記架空線を把持する把持部と、
前記抑止線の前記両端部の間に設けられる重錘と、を有し、
前記複数の素線の少なくとも一対が面接触している。
この構成によれば、1つの防振装置で2本の架空線の振動を抑制することができる。
[11]本開示のさらに他の態様に係る防振装置は、
架空線の振動を抑制する防振装置であって、
複数の素線が撚り合わされて設けられる添え線と、
前記添え線の両端に設けられ、一方が前記架空線を把持し、他方が前記架空線または他の添え線を把持する一対の把持部と、を有し
前記添え線の張力が、前記架空線の張力よりも低く、
前記複数の素線の少なくとも一対が面接触している。
この構成によれば、幅広い周波数の振動を抑制することができる。
[12]本開示の一態様に係る防振装置用抑止線は、
架空線の振動を抑制する防振装置用抑止線であって、
複数の素線が撚り合わされて設けられ、
前記複数の素線の少なくとも一対が面接触している。
この構成によれば、架空線の振動を効率よく抑制することができる。
[本開示の実施形態の詳細]
次に、本開示の一実施形態を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
<本開示の第1実施形態>
(1)防振装置
まず、本実施形態の防振装置10について説明する。
図1は、本実施形態の防振装置10の斜視図である。図1に示すように、本実施形態の防振装置10は、例えば、抑止線12と、重錘13と、把持部14とを有している。
本実施形態の防振装置10は、架空線11に取り付けられている。本明細書において、「架空線」とは、架空送電線や架空地線を意味する。
なお、本明細書において、抑止線12等の「長手方向」とは、抑止線12等の中心軸に沿った方向を意味し、「軸方向」と言い換えることができる。また、抑止線12等の「周方向」とは、抑止線12等の長手方向に垂直な断面における、抑止線12等の外周または内周に沿った方向を意味する。また、抑止線12等の「径方向」とは、抑止線12等の中心軸に垂直な方向を意味する。また、抑止線12等の長手方向から見た際に、鉛直方向を「上下」、水平方向を「左右」というものとする。
抑止線12は、複数の素線20が撚り合わされて設けられている。抑止線12を構成する複数の素線20としては、例えば、アルミ覆鋼線または亜鉛めっき鋼線を用いることができる。これらの素線20を用いることで、抑止線12の強度を向上させることができる。
重錘13は、例えば、なす形状の質量体であり、抑止線12の両端部にそれぞれ設けられている。重錘13は、抑止線12に接続する接続部15を有している。重錘13は、抑止線12の長手方向から見た際に、抑止線12から左右それぞれ異なる向きに突出するように接続されている。重錘13を左右どちらの方向に突出させるかは、抑止線12の撚り方向によって定める。すなわち、重錘13は、重錘13の自重によって、抑止線12に撚り方向と同じ向きの捻じりモーメントを加える向きに突出するように接続されている。抑止線12に撚り方向と同じ向きの捻じりモーメントを加えることで、抑止線12が捻じれ振動する際に、架空線11の振動エネルギーを効率よく熱エネルギーに変換することができる。
ここで、本明細書における抑止線12等の「捻じれ振動」について説明する。抑止線12等に捻じりモーメントを加えると、抑止線12等は軸を中心として捻じりモーメントに比例した角度(捻じれ角ともいう)だけ捻じれる。捻じりモーメントを除くと、抑止線12等は周方向にばね作用を示し、反対方向に捻じれる。このように、抑止線12等の捻じれ角が周期的に変化する振動のことを、本明細書では「捻じれ振動」といい、「回転振動」と言い換えることができる。
把持部14は、抑止線12の両端部の間、好ましくは抑止線12の長手方向の中央部に設けられている。把持部14は、架空線11を把持するように構成されている。把持部14は、抑止線12と架空線11とが平行になるように、架空線11を把持している。把持部14は、例えば、架空線11を両側から挟む一対の金具16と、一対の金具16を固定するボルト17とを有している。一対の金具16の一方は、抑止線12を支持する支持部18を有している。
把持部14は、架空線11の長手方向から見た際に、把持部14が架空線11の鉛直方向に対して所定の角度θで傾くように、架空線11を把持している。すなわち、架空線11の長手方向から見た際に、架空線11の中心と、抑止線12の中心とを結ぶ線が、架空線11の鉛直方向に対して所定の角度θで傾いている。この場合、防振装置10の自重によって、把持部14が架空線11に捻じりモーメントを加える。把持部14が架空線11に捻じりモーメントを加えることで、架空線11が捻じれ振動する際に、架空線11の振動エネルギーを効率よく熱エネルギーに変換することができる。
また、架空線11に連続して複数の防振装置10を取り付ける場合、把持部14が架空線11に加える捻じりモーメントの向きが、逆向きに交互になるように防振装置10を取り付けることが好ましい。把持部14が架空線11に加える捻じりモーメントの向きを逆向きに交互にすることで、架空線11に過度の捻じりモーメントが加わることを抑制できる。これにより、架空線11に加わる負荷を低減しながら、安定的に複数の防振装置10を架空線11に取り付けることが可能となる。
ここで、本実施形態の抑止線12について詳しく説明する。抑止線12を構成する複数の素線20の少なくとも一対は、互いに面接触している。素線20同士が面接触することで、抑止線12が振動する際に摩擦する面積が大きくなる。そのため、架空線11の振動エネルギーを効率よく熱エネルギーに変換することができる。すなわち、架空線11の振動を効率よく抑制することができる。
抑止線12を構成する複数の素線20は、例えば、重錘13と把持部14との間において互いに面接触している。すなわち、複数の素線20は、抑止線12が振動する際に素線20同士が摩擦する箇所で面接触している。そのため、架空線11の振動エネルギーを効率よく熱エネルギーに変換することができる。
なお、本明細書において、「面接触」とは、例えば、長手方向に垂直な断面が円形で互いに外接する一対の素線同士の接触面積よりも大きな面積で接触していることを意味する。
抑止線12を構成する複数の素線20は、従来の防振装置に用いられる抑止線100を構成する素線101同士の接触面積よりも大きな面積で接触している。そのため、架空線11の振動エネルギーを効率よく熱エネルギーに変換することができる。
図2は、本実施形態に係る抑止線12の長手方向に垂直な断面図である。図2に示すように、本実施形態に係る抑止線12は、例えば、心線21と、複数の外周線22とを有している。
心線21は外周面23を有している。抑止線12を長手方向に垂直な断面で見た際に、心線21の外周面23の少なくとも一部は、凸の円弧面になっている。ここでいう「凸の円弧面」とは、径方向に突出し、円弧状に湾曲した面のことをいい、凸の円筒面と言い換えることができる。また、「円弧状」とは、真円の円弧だけでなく楕円の円弧の形状であってもよい。
本実施形態では、心線21は、例えば、長手方向に垂直な断面が円形である、いわゆる丸線である。心線21にいわゆる丸線を用いることで、防振装置10を容易に製造することができる。
本実施形態では、例えば、6本の外周線22が、心線21の外周部を囲むように撚り合わされて設けられている。外周線22の長手方向に垂直な断面は、例えば、いわゆる扇形状になっており、外周線22は、内周面24と、側面25と、外周面26とを有している。
外周線22の内周面24は凹の円弧面となっている。ここでいう「凹の円弧面」とは、径方向に凹み、円弧状に湾曲した面のことをいい、凹の円筒面と言い換えることができる。心線21の外周面23と、外周線22の内周面24とは、抑止線12の周方向に沿って互いに面接触している。また、心線21の外周面23と、外周線22の内周面24とが接触している面は、心線21の長手方向に沿って螺旋状に存在している。心線21の外周面23と、外周線22の内周面24とがこのように面接触していることで、例えば、抑止線12が捻じれ振動する際に、心線21の外周面23と、外周線22の内周面24とが摩擦するため、架空線11の振動エネルギーを効率よく熱エネルギーに変換することができる。
外周線22の側面25は、抑止線12の径方向に沿っており、周方向に隣り合う他の外周線22の側面25と面接触している。周方向に隣り合う外周線22の側面25同士がこのように面接触していることで、例えば、抑止線12が径方向に振動する際に、外周線22の側面25同士が互いに摩擦するため、架空線11の振動エネルギーを効率よく熱エネルギーに変換することができる。
外周線22の外周面26は、例えば、凸の円弧面になっている。外周線22の外周面26は、凸の円筒面と言い換えることができる。外周線22の外周面26が凸の円弧面になっていることで、外周線22の外周面26に、雨や雪等の異物が付着することを抑制できる。
(2)防振装置の動作
次に、本実施形態の防振装置10の動作について説明する。
本実施形態の防振装置10は、架空線11が風を受けて振動した場合、例えば、後述する3つの振動によって、架空線11の振動を抑制することができる。3つの振動とは、抑止線12の径方向の振動と、抑止線12の捻じれ振動と、架空線11の捻じれ振動である。
(2−1)抑止線12の径方向の振動
架空線11が風を受けて振動すると、把持部14を介して抑止線12が共振し、抑止線12は径方向に振動することがある。抑止線12が径方向に振動すると、抑止線12を構成する素線20は、他の素線20と擦れながら運動する。抑止線12を構成する素線20同士の摩擦によって、素線20同士の接触面で熱エネルギーが発生する。熱エネルギーの発生に伴い、架空線11の振動エネルギーが消費される。これにより、架空線11の振動を抑制することが可能となる。
隣り合う外周線22の側面25同士は、径方向に沿って互いに面接触しており、振動方向と面の方向が一致または近くなることがある。そのため、外周線22の側面25は、摩擦による熱エネルギーの発生が特に大きくなる。すなわち、抑止線12が径方向に振動する際に、隣り合う外周線22の側面25同士が径方向に沿って互いに面接触していることで、架空線11の振動エネルギーを効率よく熱エネルギーに変換することができる。
(2−2)抑止線12の捻じれ振動
また、架空線11が風を受けて振動すると、把持部14および抑止線12を介して重錘13も共振し、重錘13は抑止線12の長手方向から見た際の上下方向(図1に示したA方向)に振動することがある。重錘13は、抑止線12の長手方向から見た際に、抑止線12から左右それぞれ異なる向きに突出するように接続されているため、偏心している。そのため、重錘13は、抑止線12に対して、周方向(図1に示したB方向)に捻じりモーメントを加える。したがって、重錘13が上下方向に振動すると、抑止線12は周方向に捻じれ振動する。抑止線12が周方向に捻じれ振動すると、抑止線12を構成する素線20は、他の素線20と擦れながら運動する。抑止線12を構成する素線20同士の摩擦によって、素線20同士の接触面で熱エネルギーが発生する。熱エネルギーの発生に伴い、架空線11の振動エネルギーが消費される。これにより、架空線11の振動を抑制することが可能となる。
心線21の外周面23と、外周線22の内周面24とは、周方向に沿って面接触しており、振動方向と面の方向が一致または近くなることがある。そのため、心線21の外周面23と、外周線22の内周面24とは、摩擦による熱エネルギーの発生が特に大きくなる。すなわち、抑止線12が周方向に捻じれ振動する際に、心線21の外周面23と、外周線22の内周面24とが周方向に沿って面接触していることで、架空線11の振動エネルギーを効率よく熱エネルギーに変換することができる。
また、複数の外周線22は撚り合わせて設けられているため、隣り合う外周線22の側面25同士が接触している面は、抑止線12の長手方向に沿って螺旋状に存在している。この場合、抑止線12に撚り方向と同じ方向の捻じりモーメントが加わると、隣り合う外周線22の側面25同士が摩擦し、熱エネルギーが発生する。そのため、抑止線12が捻じれ振動する際に、架空線11の振動エネルギーを効率よく熱エネルギーに変換することができる。
また、重錘13が、重錘13の自重によって、抑止線12に対して加える捻じりモーメントの方向は、抑止線12の撚り方向と一致している。この場合、重錘13が抑止線12に対して加える捻じれモーメントによって、抑止線12の撚りが強まる。そのため、抑止線12が捻じれ振動する際に、架空線11の振動エネルギーを効率よく熱エネルギーに変換することができる。
(2−3)架空線11の捻じれ振動
また、架空線11が風を受けて振動すると、把持部14も共振する。把持部14は、架空線11の長手方向から見た際に、把持部14が架空線11の鉛直方向に対して所定の角度θで傾くように、架空線11を把持している。すなわち、架空線11の長手方向から見た際に、架空線11の中心と、抑止線12の中心とを結ぶ線が、架空線11の鉛直方向に対して所定の角度θで傾いている。そのため、把持部14は、架空線11に対して、周方向(図1に示したC方向)に捻じりモーメントを加える。したがって、把持部14が振動すると、架空線11は捻じれ振動することがある。架空線11が捻じれ振動すると、架空線11を構成する素線は、他の素線と擦れながら運動する。架空線11を構成する素線同士の摩擦によって、素線同士の接触面で熱エネルギーが発生する。熱エネルギーの発生に伴い、架空線11の振動エネルギーが消費される。これにより、架空線11の振動を抑制することが可能となる。
本実施形態の防振装置10は、上述の3つの振動によって、架空線11の振動エネルギーを効率よく熱エネルギーに変換し、架空線11の振動を効率よく抑制することができる。
また、上述の3つの振動は、共振周波数がそれぞれ異なっている。そのため、本実施形態の防振装置10は、上述の3つの振動の組み合わせによって、幅広い周波数の振動を効率よく抑制することができる。
(3)本実施形態に係る効果
本実施形態によれば、以下に示す1つまたは複数の効果を奏する。
(a)本実施形態では、抑止線12を構成する素線20の少なくとも一対が面接触している。そのため、抑止線12が振動する際に、素線20同士が摩擦する面積が、従来の防振装置に用いられる抑止線100と比較して大きい。
ここで、従来の防振装置に用いられる抑止線100は、図10に示したように、長手方向に垂直な断面が円形で互いに外接する素線101を撚り合わせたものであった。この場合、素線101同士の接触面積が小さいため、架空線11の振動エネルギーを熱エネルギーに変換する効率が不充分となる恐れがあった。
これに対し、本実施形態の抑止線12を構成する複数の素線20同士は、従来の防振装置に用いられる抑止線100を構成する素線101同士の接触面積よりも大きな面積で接触している。そのため、架空線11の振動エネルギーを効率よく熱エネルギーに変換することができる。熱エネルギーへの変換により、架空線11の振動エネルギーを消費することができる。その結果、架空線11の振動を効率よく抑制することができる。
(b)本実施形態では、心線21の外周面23と、外周線22の内周面24とが、周方向に沿って面接触している。そのため、抑止線12が周方向に捻じれ振動する際に、素線20同士が摩擦する面積を大きくし、架空線11の振動エネルギーを効率よく熱エネルギーに変換することができる。熱エネルギーへの変換により、架空線11の振動エネルギーを消費することができる。その結果、架空線11の振動を効率よく抑制することができる。
(c)本実施形態では、隣り合う外周線22の側面25同士が、径方向に沿って互いに面接触している。そのため、抑止線12が径方向に振動する際に、素線20同士が摩擦する面積を大きくし、架空線11の振動エネルギーを効率よく熱エネルギーに変換することができる。熱エネルギーへの変換により、架空線11の振動エネルギーを消費することができる。その結果、架空線11の振動を効率よく抑制することができる。
(4)第1実施形態の変形例
上述の実施形態は、必要に応じて、以下に示す変形例のように変更することができる。以下、上述の実施形態と異なる要素についてのみ説明し、上述の実施形態で説明した要素と実質的に同一の要素には、同一の符号を付してその説明を省略する。
(4−1)第1実施形態の変形例1
図3は、本変形に係る抑止線30の長手方向に垂直な断面図である。図3に示すように、本変形の抑止線30は、心線31と、複数の外周線32とを有している。
心線31の長手方向に垂直な断面は、例えば、多角形、より具体的には、例えば、六角形である。心線31は複数の平坦面33を有している。心線31の平坦面33は、心線31の外周面と言い換えることができる。心線31の長手方向に垂直な断面における、心線31の平坦面33の法線の方向は、心線31の径方向と等しいまたは近くなっている。また、心線31の平坦面33は、心線31の長手方向に沿って螺旋状に存在している。心線31の平坦面33の螺旋の向きは、後述する複数の外周線32の撚り方向と等しいまたは近くなっている。
本変形例では、例えば、6本の外周線32が、心線31の外周部を囲むように撚り合わされて設けられている。外周線32の長手方向に垂直な断面は、例えば、いわゆる扇形状になっており、外周線32は、平坦面34と、側面35と、外周面36とを有している。
外周線32の平坦面34は、外周線32の内周面と言い換えることができる。外周線32の平坦面34は、抑止線30の長手方向に沿って螺旋状に存在している。外周線32の平坦面34は、心線31の平坦面33と、互いに面接触している。これにより、架空線11の振動エネルギーを効率よく熱エネルギーに変換することができる。すなわち、心線31の平坦面33および外周線32の平坦面34が接触している面の方向と、抑止線30が振動する方向とが一致することがあるため、架空線11の振動エネルギーを効率よく熱エネルギーに変換することができる。
(4−2)第1実施形態の変形例2
図4は、本変形に係る抑止線40の長手方向に垂直な断面図である。図4に示すように、本変形の抑止線40は、心線41と、複数の外周線42とを有している。本変形の抑止線40を構成する複数の素線43の少なくとも一対は、圧縮されて面接触している。
本変形例では、抑止線40を構成する複数の素線43のうち、重錘13と把持部14との間の少なくとも一部が圧縮されていればよい。
また、抑止線40が振動する際に、抑止線40を構成する素線43が、他の素線43と擦れながら運動できる程度に、複数の素線43は圧縮されている。
このような抑止線40は、例えば、心線41の外周部に、複数の外周線42を撚り合わせた後、心線41および外周線42を圧縮することによって形成できる。この場合、心線41および外周線42に、いわゆる丸線を用いた場合でも、素線43同士を面接触させることができるため、防振装置を容易に製造することができる。
(4−3)第1実施形態の変形例3
例えば、抑止線12を構成する複数の素線20の表面のうち少なくとも面接触している面を粗面としてもよい。なお、例えば、複数の素線20の表面の全体を粗面としてもよい。このような素線20は、例えば、サンドブラスト加工によって形成することができる。この場合、素線20の表面の摩擦係数が大きくなるため、架空線11の振動エネルギーを効率よく熱エネルギーに変換することができる。
また、抑止線12を構成する複数の素線20において、素線20同士が面接触している面の算術平均粗さRaを、素線20同士が面接触していない面の算術平均粗さRaより大きくしてもよい。このような抑止線12は、例えば、サンドブラスト加工された複数の素線20を撚り合わせた後、抑止線12の外周面をバフ研磨することによって形成できる。この場合、素線20同士が面接触している面の摩擦係数が大きくなるため、架空線11の振動エネルギーを効率よく熱エネルギーに変換することができる。また、素線20同士が面接触していない、抑止線12の外周面等に、雨や雪等の異物が付着することを抑制できる。
(4−4)第1実施形態の変形例4
図5は、本変形に係る抑止線50の長手方向に垂直な断面図である。図5に示すように、本変形例に係る抑止線50は、複数の抑止線12を有している。複数の抑止線12は、相互に接触するように設けられている。複数の抑止線12は、互いに平行になるように設けられてもよいし、撚り合わされて設けられてもよい。この場合、複数の抑止線12が相互に接触し、素線20同士が摩擦する面積が大きくなるため、架空線11の振動エネルギーを効率よく熱エネルギーに変換することができる。また、抑止線12を構成する複数の素線20に、線径の小さい素線を用いる場合であっても、簡便に防振装置の強度を向上させることができる。
(4−5)第1実施形態の変形例5
図6は、本変形例に係る抑止線60の長手方向に垂直な断面図である。図6に示すように、本変形の抑止線60は、例えば、8本の外周線22が心線21の外周部を囲むように撚り合わされて設けられている。なお、心線21は、例えば、いわゆる丸線である。この場合、第1実施形態と同様の効果が得られる。また、第1実施形態と比べて、外周線22の本数が多いため、隣り合う外周線22の側面25同士が接触している面積の総和が大きくなる。これにより、架空線11の振動エネルギーをより効率よく熱エネルギーに変換することができる。
(4−6)第1実施形態の変形例6
図7は、本変形例に係る抑止線70の長手方向に垂直な断面図である。図7に示すように、本変形の抑止線70は、例えば、8本の外周線32が心線31の外周部を囲むように撚り合わされて設けられている。なお、心線31の長手方向に垂直な断面は、例えば、多角形、より具体的には、例えば、八角形である。この場合、第1実施形態の変形例1と同様の効果が得られる。また、第1実施形態の変形例1と比べて、外周線32の本数が多いため、隣り合う外周線32の側面35同士が接触している面積の総和が大きくなる。これにより、架空線11の振動エネルギーをより効率よく熱エネルギーに変換することができる。
<本開示の第2実施形態>
続いて、本開示の第2実施形態について、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
図8は、本実施形態の防振装置80の斜視図である。図8に示すように、本実施形態の防振装置80は、例えば、抑止線12と、把持部14と、重錘13とを有している。
本実施形態の抑止線12は複数の素線20が撚り合わされて設けられている。第1実施形態と同じように、抑止線12を構成する複数の素線20の少なくとも一対は、互いに面接触している。
把持部14は、抑止線12の両端部に設けられ、架空線11を把持するように構成されている。重錘13は、把持部14の間、好ましくは抑止線12の長手方向の中央部に設けられている。
本実施形態の防振装置80は、重錘13を1つ、把持部14を2つ有している点で、第1実施形態の防振装置10とは異なる。そのため、本実施形態の防振装置80は、2本の異なる架空線11の間に取り付けることができる。
本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。また、1つの防振装置80で2本の異なる架空線11の振動を抑制することができる。そのため、少ない防振装置80の数でも、効率よく振動抑制の効果を発揮することができる。このような防振装置80は、例えば、複導体送電線の振動を抑制する際に、好適に用いることができる。
<本開示の第3実施形態>
続いて、本開示の第3実施形態について、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
図9は、本実施形態の防振装置90の概略構成図である。図9に示すように、本実施形態の防振装置90は、例えば、添え線19と、一対の把持部14とを有している。
本実施形態の防振装置90は、重錘13が設けられていない点で、第1実施形態の防振装置10とは異なる。本実施形態の防振装置90においては、添え線19が、第1実施形態における重錘13および抑止線12の機能を発揮する。
添え線19は、複数の素線20が撚り合わされて設けられている。添え線19の張力は、架空線11の張力よりも低く、添え線19は架空線11よりも若干弛んでいる。添え線19を構成する複数の素線20の少なくとも一対は、一対の把持部14の間において、互いに面接触している。
一対の把持部14は、添え線19の両端部にそれぞれ設けられている。把持部14の一方は架空線11を把持するように構成されている。把持部14の他方は、架空線11または他の添え線19を把持するように構成されている。「他の添え線19」とは、後述する複数の防振装置90を組み合わせて用いる際に隣り合う他の防振装置90が有する添え線19を意味する。
また、把持部14は、絶縁体(図示せず)を介して架空線11を把持するのが好ましい。これにより、本実施形態の防振装置90を、例えば、架空送電線に取り付けた場合に、添え線19への分流の発生を抑制することができる。
本実施形態の防振装置90は、複数組み合わせて用いることができる。その場合、一方の把持部14が架空線11を把持し、他方の把持部14が他の添え線19を把持するように防振装置90を取り付けることができる。この時、他方の把持部14が他の添え線19を把持する位置を調整することで、他の添え線19の共振周波数を調整することができる。したがって、防振装置90を複数組み合わせて用いることで、幅広い周波数の振動を抑制することができる。
本実施形態においては、添え線19が、第1実施形態における重錘13および抑止線12の機能を発揮する。そのため、第1実施形態と同様の効果が得られる。また、防振装置90を複数組み合わせて用いることで、幅広い周波数の振動を抑制することができる。
<本開示の他の実施形態>
以上、本開示の実施形態について具体的に説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
例えば、上述の第1実施形態において、複数の外周線22のすべての長手方向に垂直な断面が扇形状である場合について説明したが、複数の外周線22の少なくともいずれかの内周面24が凸の円弧面であってもよい。心線21の外周面23と、複数の外周線22の少なくともいずれかの内周面24とは、抑止線12の周方向に沿って互いに面接触している。これにより、抑止線12が捻じれ振動する際に、架空線11の振動エネルギーを効率よく熱エネルギーに変換することができる。
また、上述の実施形態では、抑止線を構成する心線が1本の素線からなる場合について説明したが、抑止線を構成する心線は、複数の素線を撚り合わせて構成してもよい。この場合、抑止線の強度を向上させることができる。
また、上述の実施形態では、抑止線を構成する外周線が、例えば、6本または8本の素線を撚り合わせて設けられる場合について説明したが、外周線は、5本以下、7本、または9本以上の素線を撚り合わせて設けてもよい。
また、上述の実施形態における外周線の外周部に、さらに複数の素線を撚り合わせることによって、外周線を多層構造としてもよい。この場合、抑止線の強度を向上させることができる。
<本開示の好ましい態様>
以下、本開示の好ましい態様を付記する。
(付記1)
本開示の一態様によれば、
架空線の振動を抑制する防振装置であって、
複数の素線が撚り合わされて設けられる抑止線と、
前記抑止線の両端部に設けられる重錘と、
前記抑止線の前記両端部の間に設けられ、前記架空線を把持する把持部と、を有し、
前記複数の素線の少なくとも一対が面接触している防振装置が提供される。
(付記2)
付記1に記載の防振装置であって、
前記複数の素線の少なくとも一対は、長手方向に垂直な断面が円形で互いに外接する一対の素線同士の接触面積よりも大きな面積で接触している。
(付記3)
付記1または付記2に記載の防振装置であって、
前記抑止線は、心線と、前記心線の外周部に撚り合わされて設けられる複数の外周線と、を有し、
前記抑止線を長手方向に垂直な断面で見た際に、前記心線の外周面の少なくとも一部は凸の円弧面であり、前記複数の外周線の少なくともいずれかの内周面は凹の円弧面であり、
前記凸の円弧面と、前記凹の円弧面とが面接触している。
(付記4)
付記3に記載の防振装置であって、
前記心線の長手方向に垂直な断面が円形である。
(付記5)
付記1から付記4のいずれか1つに記載の防振装置であって、
前記抑止線は、心線と、前記心線の外周部に撚り合わされて設けられる複数の外周線と、を有し、
前記抑止線を長手方向に垂直な断面で見た際に、前記複数の外周線のそれぞれが、前記抑止線の径方向に沿った側面を有し、前記複数の外周線のそれぞれの前記側面が、隣り合う他の外周線の前記側面と面接触している。
(付記6)
付記1から付記5のいずれか1つに記載の防振装置であって、
前記複数の素線の少なくとも一対が圧縮されて面接触している。
(付記7)
付記1から付記6のいずれか1つに記載の防振装置であって、
前記複数の素線の表面の少なくとも面接触している面が粗面である。
(付記8)
付記1から付記7のいずれか1つに記載の防振装置であって、
前記複数の素線の面接触している面の算術平均粗さRaが、前記複数の素線の面接触していない面の算術平均粗さRaより大きい。
(付記9)
付記1から付記8のいずれか1つに記載の防振装置であって、
前記抑止線が相互に接触するように複数設けられる。
(付記10)
付記1から付記9のいずれか1つに記載の防振装置であって、
前記抑止線は、アルミ覆鋼線または亜鉛めっき鋼線の少なくともいずれかを含む。
(付記11)
付記1から付記10のいずれか1つに記載の防振装置であって、
前記抑止線は、心線と、前記心線の外周部に撚り合わされて設けられる複数の外周線と、を有し、
前記抑止線を長手方向に垂直な断面で見た際に、前記心線は複数の平坦面を有し、
前記心線の前記平坦面の法線の方向は、前記心線の径方向と等しく、
前記複数の外周線の少なくともいずれかの内周面は平坦面であり、
前記複数の外周線の前記内周面が、前記心線の前記平坦面と面接触している。
(付記12)
本開示の他の態様によれば、
架空線の振動を抑制する防振装置であって、
複数の素線が撚り合わされて設けられる抑止線と、
前記抑止線の両端部に設けられ、前記架空線を把持する把持部と、
前記抑止線の前記両端部の間に設けられる重錘と、を有し、
前記複数の素線の少なくとも一対が面接触している防振装置が提供される。
(付記13)
本開示のさらに他の態様によれば、
架空線の振動を抑制する防振装置であって、
複数の素線が撚り合わされて設けられる添え線と、
前記添え線の両端に設けられ、一方が前記架空線を把持し、他方が前記架空線または他の添え線を把持する一対の把持部と、を有し
前記添え線の張力が、前記架空線の張力よりも低く、
前記複数の素線の少なくとも一対が面接触している防振装置が提供される。
(付記14)
本開示のさらに他の態様によれば、
架空線の振動を抑制する防振装置用抑止線であって、
複数の素線が撚り合わされて設けられ、
前記複数の素線の少なくとも一対が面接触している防振装置用抑止線が提供される。
10 防振装置
11 架空線
12 抑止線
13 重錘
14 把持部
15 接続部
16 金具
17 ボルト
18 支持部
19 添え線
20 素線
21 心線
22 外周線
23 外周面
24 内周面
25 側面
26 外周面
30 抑止線
31 心線
32 外周線
33 平坦面
34 平坦面
35 側面
36 外周面
40 抑止線
41 心線
42 外周線
43 素線
50 抑止線
60 抑止線
70 抑止線
80 防振装置
90 防振装置
100 抑止線
101 素線

Claims (12)

  1. 架空線の振動を抑制する防振装置であって、
    複数の素線が撚り合わされて設けられる抑止線と、
    前記抑止線の両端部に設けられる重錘と、
    前記抑止線の前記両端部の間に設けられ、前記架空線を把持する把持部と、を有し、
    前記複数の素線の少なくとも一対が面接触している防振装置。
  2. 前記複数の素線の少なくとも一対は、長手方向に垂直な断面が円形で互いに外接する一対の素線同士の接触面積よりも大きな面積で接触している請求項1に記載の防振装置。
  3. 前記抑止線は、心線と、前記心線の外周部に撚り合わされて設けられる複数の外周線と、を有し、
    前記抑止線を長手方向に垂直な断面で見た際に、前記心線の外周面の少なくとも一部は凸の円弧面であり、前記複数の外周線の少なくともいずれかの内周面は凹の円弧面であり、
    前記凸の円弧面と、前記凹の円弧面とが面接触している請求項1または請求項2に記載の防振装置。
  4. 前記心線の長手方向に垂直な断面が円形である請求項3に記載の防振装置。
  5. 前記抑止線は、心線と、前記心線の外周部に撚り合わされて設けられる複数の外周線と、を有し、
    前記抑止線を長手方向に垂直な断面で見た際に、前記複数の外周線のそれぞれが、前記抑止線の径方向に沿った側面を有し、前記複数の外周線のそれぞれの前記側面が、隣り合う他の外周線の前記側面と面接触している請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の防振装置。
  6. 前記複数の素線の少なくとも一対が圧縮されて面接触している請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の防振装置。
  7. 前記複数の素線の表面のうち少なくとも面接触している面が粗面である請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の防振装置。
  8. 前記複数の素線の面接触している面の算術平均粗さRaが、前記複数の素線の面接触していない面の算術平均粗さRaより大きい請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の防振装置。
  9. 前記抑止線が相互に接触するように複数設けられる請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の防振装置。
  10. 架空線の振動を抑制する防振装置であって、
    複数の素線が撚り合わされて設けられる抑止線と、
    前記抑止線の両端部に設けられ、前記架空線を把持する把持部と、
    前記抑止線の前記両端部の間に設けられる重錘と、を有し、
    前記複数の素線の少なくとも一対が面接触している防振装置。
  11. 架空線の振動を抑制する防振装置であって、
    複数の素線が撚り合わされて設けられる添え線と、
    前記添え線の両端に設けられ、一方が前記架空線を把持し、他方が前記架空線または他の添え線を把持する一対の把持部と、を有し
    前記添え線の張力が、前記架空線の張力よりも低く、
    前記複数の素線の少なくとも一対が面接触している防振装置。
  12. 架空線の振動を抑制する防振装置用抑止線であって、
    複数の素線が撚り合わされて設けられ、
    前記複数の素線の少なくとも一対が面接触している防振装置用抑止線。
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