JP2021064350A - システム、方法、及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】医療施設の経営課題に即した精度の高い手術スケジュールを生成する。【解決手段】本発明の一態様に係るシステムは、医療施設において行われた手術の実績を示す手術実績データを教師データとする機械学習によって、手術に要するリソースの推定値を出力するための少なくとも1つの推定モデルを生成する機械学習部と、医療施設において予定された手術に関する条件を少なくとも1つの推定モデルから選択された推定モデルに入力することにより出力される推定値と、医療施設の手術に要するリソースに関する制約条件を示す制約条件データとを、医療施設に対応付けられた所定のスケジュール生成モデルに入力することによって、医療施設において予定された手術のスケジュールを生成するスケジュール生成部と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、医療施設の手術スケジュールを生成するためのシステム、方法、及びプログラムに関する。
病院などの医療施設では、手術室において様々な手術が行われている。医療施設の歳入にとって手術が占める割合は大きい一方で、手術を行うのに必要な人的・物的その他のリソースに要するコストも大きい。そのため、医療施設における手術のスケジュールの作成では、各種のリソースを効率的に利用できるようにすることが重要である。
例えば、特許文献1には、医療オーダシステム、施設と職員のスケジュール管理システム、及びメールシステムと連携して手術スケジュールを設定するシステムが開示されている。当該システムでは、医師等が見積もった手術時間が登録され、これに基づいて手術スケジュールが生成される。
特開2005−216024号公報
しかしながら、手術時間が過小に見積もられていた場合は残業時間が発生し得るし、反対に手術時間が過大に見積もられていた場合は手術が行われずに機会損失となる時間帯が発生し得る。また、医療施設の手術に要するリソースを巡る経営課題は、残業時間の低減、収入の向上、患者の待ち時間短縮等、多岐に渡っている。そのため、医療施設が抱える経営課題に即した手術スケジュールを精度高く作成することが求められる。
そこで、本発明は、医療施設の経営課題に即した精度の高い手術スケジュールを生成することの可能なシステム、方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
本発明の一態様に係るシステムは、医療施設において行われた手術の実績を示す手術実績データを教師データとする機械学習によって、手術に要するリソースの推定値を出力するための少なくとも1つの推定モデルを生成する機械学習部と、医療施設において予定された手術に関する条件を少なくとも1つの推定モデルから選択された推定モデルに入力することにより出力される推定値と、医療施設の手術に要するリソースに関する制約条件を示す制約条件データとを、医療施設に対応付けられた所定のスケジュール生成モデルに入力することによって、医療施設において予定された手術のスケジュールを生成するスケジュール生成部と、を備える。
この態様によれば、手術に要するリソースの推定値(手術時間等)が、医療施設の手術実績データを教師データとする機械学習によって生成される推定モデルにより生成されるため、当該医療施設の傾向が当該推定値に反映され、その精度が向上する。更に、当該推定値と、医療施設の手術に要するリソースの制約条件とを、医療施設に対応付けられたスケジュール生成モデルに入力することにより手術スケジュールが生成される。そのため、医療施設の経営課題に即した手術スケジュールが生成される。
本発明によれば、医療施設の経営課題に即した精度の高い手術スケジュールを生成することの可能なシステム、方法、及びプログラムを提供することが可能となる。
実施形態に係る管理システム1の構成の一例を示す概略図である。 実施形態に係るサポートシステム110の構成の一例を示す概略図である。 手術実績データのデータ構造の一例を示す図である。 実施形態に係るAIモジュール120の構成の一例を示す概略図である。 実施形態に係る管理システム1が実行する動作処理を示すシーケンス図の一例である。 手術スケジュールの一例を示す概略図である。
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。(なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。)
(1)構成
<管理システム1>
図1は、実施形態に係る管理システム1の構成の一例を示す概略図である。管理システム1は、1つ又は複数の医療施設(急性期医療施設を含む)のリソースを管理するためのシステムである。ここで、「リソース」とは、人的リソース(医師、助手、看護師、医療スタッフ等)、物的リソース(手術室等の施設、医療機器等の設備等)、時間的リソース等の任意のリソースを広く含む概念であってよい。
管理システム1は、例えば、インターネット等の任意の通信ネットワークを介して互いに通信可能に接続された、医療施設システム100と、サポートシステム110と、AIモジュール120と、ユーザ端末118とを含む。管理システム1は、複数の医療施設のそれぞれに対して設けられた複数の医療施設システム100を有していてもよい。
<医療施設システム100>
医療施設システム100は、特定の医療施設の管理等のために利用される、1つ又は複数のコンピュータによって構成されるシステムである。ここで、コンピュータは、CPU(Central Processing Unit)などの演算装置及びメモリなどの記憶装置を備えて構成される任意の情報処理装置であってよい。具体的には、医療施設システム100は、例えば、画像アーカイブ通信システム(PACS)と、心臓血管情報システム(CVIS)と、臨床情報システム(CIS)と、放射線情報システム(RIS)と、病院情報システム(HIS)とを含んでもよい。特に、医療施設システム100には、当該医療施設において行われる手術の実績データ(手術実績データ)が蓄積(記憶、保存、格納)される。
<ユーザ端末118>
ユーザ端末118は、医療従事者が利用する、1つ又は複数のコンピュータによって構成される任意の情報処理装置であって、例えば、PC、スマートフォン、ドングル、ビーコン等であってよい。ユーザ端末118は、更に操作部及び表示部を備える。ユーザ端末118は、クライアントモジュール113を介して、サポートシステム110にアクセス可能である。ユーザ端末118は、例えば、医療従事者の管理、医療施設の設備の管理、屋内ジオロケーション、監視、通知などの機能を有していてもよいし、或いはそのような機能へのアクセスを提供してもよい。
<サポートシステム110>
図2は、実施形態に係るサポートシステム110の構成の一例を示す概略図である。サポートシステム110は、手術スケジュールの生成をサポートするための、1つ又は複数のコンピュータによって構成されるシステムである。サポートシステム110は、例えば、通信ゲートウェイ111と、バックエンドDB112と、クライアントモジュール113とを含む。
通信ゲートウェイ111は、例えば、ドメイン固有言語(DSL)フィルタ1111を含む。DSLフィルタ1111は、医療施設システム100から手術実績データを含む各種のデータを取得した上で、当該データのデータクレンジング等を実行した上で、バックエンドDB112に格納することが可能である。医療施設やベンダー毎にデータのフォーマットは異なる場合があり、これにより医療施設を横断的に分析したりモデリングしたりする際に特に困難が生じ得るが、DSLフィルタ1111により、統一及び構造化されえたデータをバックエンドDB112に格納することが可能となる。また、これにより、バックエンドDB112を異なる医療施設間で共有することが可能となり、医療施設間のコラボレーションも可能となる。
バックエンドDB112は、例えば、手術実績データ、及び制約条件データ等を記憶するための、1つ又は複数のコンピュータによって構成されるデータベースである。バックエンドDB112は、通信ゲートウェイ111を介して、各医療施設が有する医療施設システム100等から手術実績データを取得して、これを格納する。また、バックエンドDB112は、各医療施設が有する医療施設システム100等から、制約条件データを取得して、これを格納する。
図3は、手術実績データのデータ構造の一例を示す図である。手術実績データは、手術に関する任意のデータであってよいが、例えば、日付情報、患者に関する情報、手術内容に関連する情報、手術室に関連する情報、及び医療従事者に関連する情報等、を含んでもよい。
日付情報は、例えば、レコードが作成された日付、及びレコードが更新された日付等を含んでもよい。
患者に関する情報は、患者に関する任意の属性情報や身体に関する情報を含んでよく、例えば、患者番号、患者年齢、患者性別、患者身長、患者体重、患者BMI指数等を含んでもよい。
手術内容に関する情報は、手術の内容に関する任意の情報を含んでよく、例えば、手術番号、手術区分、診療科コード、診療科名、診断コード、診断名、院内術式コード、院内術式名、手術位置コード、手術位置名、患者位置コード、患者位置名、手術キャンセル時刻、手術中止時刻、院内麻酔方法コード、院内麻酔方法名、医療器機コード、医療器機名等を含んでもよい。
手術室に関する情報は、手術室に関する任意の情報を含んでよく、例えば、予約時刻、滞在予定時間、手術室コード、手術室名、実績の入室時刻、実績の退室時刻、実績の手術開始時刻、実績の手術修了時刻、実績の麻酔開始時刻、実績の麻酔修了時刻、実績の挿管時刻、実績の抜管時刻等を含んでもよい。
医療従事者に関する情報は、医療従事者に関する任意の情報を含んでもよく、例えば、外科医コード、外科医名、麻酔科医コード、麻酔科医名、麻酔科指導医コード、麻酔科指導医名、主治医コード、主治医名、器械だし看護師コード、器械だし看護師名、外回り看護師コード、外回り看護師名、臨床技師コード、臨床技師名等を含んでもよい。
制約条件データは、医療施設における種々のリソースに関する制約条件を示すデータである。制約条件は、例えば、各種のリソース(手術室等の設備、医療機器等の器具、医療従事者等)の可用性、各種のリソースの数量、医療従事者の勤務体制(医師や麻酔医師の出勤予定や看護師のシフト等)を含んでもよい。
クライアントモジュール113は、ユーザが利用するユーザ端末118に対して、管理システム1と情報を送受信するための環境を提供し、各種のリソースの管理や、手術スケジュールの生成等を実現する。クライアントモジュール113は、例えば、リソース評価部1131、リソース管理部1132、通知部1133等を含む。
リソース評価部1131は、医療従事者の過去の実績等に基づいて、医療従事者個人や医療従事者のチーム編成に対するランク等の評価を算出する。リソース評価部1131は、このような評価をバックエンドDB112等に記憶された手術実績データに含めてもよい。このような医療従事者に対する評価は、手術時間等を含めて、手術に要するリソースに対して与える影響が比較的大きい。したがって、当該評価を手術実績データに含めることにより、当該手術実績データを教師データとする機械学習によって生成される推定モデルの精度が向上する。リソース評価部1131は、リソースの評価方法を複数有していてもよい。
リソース管理部1132は、医療施設の各種のリソースを管理する。リソース管理部1132は、例えば、ユーザ端末118等からの要求に応じて、各種のリソースに関する情報の作成、読み出し、更新、削除等を実行する。
通知部1133は、医療施設の各種のリソースのステータスを監視し、ステータスに変更が生じた場合等に、これをユーザ端末118やAIモジュール120等に、プッシュ通知等の任意の手段によって通知してもよい。
<AIモジュール120>
図3は、実施形態に係るAIモジュール120の構成の一例を示す概略図である。AIモジュール120は、1つ又は複数のコンピュータによって構成されるシステムである。
AIモジュール120は、医療施設における手術実績データに基づいて機械学習を実行することにより手術に要するリソースの利用の傾向や特徴について分析を行った上で、当該分析結果に基づいて手術スケジュールを生成する。このとき、例えば、医療施設が適正化を望む指標を反映させた手術スケジュールを生成するためのアルゴリズムを選択し、当該アルゴリズムによって手術スケジュールを生成することができる。AIモジュール120は、例えば、機械学習モジュール121と、最適化エンジン122と、を含む。
<機械学習モジュール121>
機械学習モジュール121は、機械学習部の一例であって、例えば、推定モデル記憶部1211と、推定モデル生成部1212と、選択部1213と、を含む。
<推定モデル記憶部1211>
推定モデル記憶部1211は、少なくとも1つの推定モデルを記憶する。ここで、各推定モデルは、例えば、手術実績データを教師データとする機械学習によって生成される学習済みモデルであって、手術に関する任意のリソースの推定値を出力するためのモデルである。推定モデルの入力は、予定された手術に関する条件(例えば、患者に関する情報、手術内容に関する情報等)であってよい。推定モデルの出力は、手術実績データの項目を用いて任意に構成可能であってよい。推定モデルの出力は、手術時間の推定値を含んでもよい。更に、推定モデルの出力は、例えば、必要な医療従事者の人数やスキルの推定値、必要な医療機器等の機能や台数の推定値等を含んでもよい。
<推定モデル生成部1212>
推定モデル生成部1212は、様々なアルゴリズムに対して手術実績データを教師データとする機械学習を実行することにより、上述した少なくとも1つの推定モデルを生成し、推定モデル記憶部1211に格納する。当該アルゴリズムの種類は、特に限定されないが、例えば、一般化線形回帰モデル(ポアソン回帰)、線形回帰、ランダムフォレスト、勾配ブーストツリー回帰等であってよい。なお、推定モデル生成部1212は、生成した推定モデルをバックエンドDB112に格納してもよい。また、推定モデル生成部1212は、機械学習を実行した後に、推定モデルに含まれるパラメータの重み(ウェイト)等を適宜調整してもよい。
<選択部1213>
選択部1213は、推定モデル生成部1212が生成した複数の推定モデルから、所定の基準に基づいて、医療施設に適した推定モデルを選択する。選択部1213は、選択した推定モデルをバックエンドDB112に格納してもよい。選択部1213は、例えば、テストデータとしての手術実績データを各推定モデルに入力することにより出力される推定値と、当該テストデータとしての手術実績データに含まれる実績値との間の所定の誤差を評価することにより、医療施設に適した推定モデルを選択してもよい。当該所定の誤差の算出方法は、特に限定されないが、例えば、平均絶対誤差(Mean Absolute Error;MAE)、平均二乗誤差(Mean Square Error;MSE)、平均平方二乗誤差(Root Mean Square Error;RMSE)、及び決定係数R2等であってよい。選択部1213は、例えば、上述した所定の誤差が最小である推定モデルを、医療施設に適した推定モデルとして選択してもよい。
<最適化エンジン122>
最適化エンジン122は、スケジュール生成部の一例であって、例えば、スケジュール生成モデル記憶部1221と、推定値生成処理部1222と、スケジュール生成処理部1223と、を含む。
<スケジュール生成モデル記憶部1221>
スケジュール生成モデル記憶部1221は、少なくとも1つのスケジュール生成モデルを記憶する。各スケジュール生成モデルは、手術に関する特定の指標を適正化するように構成された数学モデルであってよい。当該特定の指標は、手術に関するものであれば特に限定されないが、例えば、手術による残業時間、手術による収入(売上)、及び手術のための待ち時間等であってよい。また、これら指標の「適正化」とは、各指標を医療施設の経営目的に応じた方向に修正することであって、例えば、収入であれば増加、残業時間や待ち時間等であれば減少を、それぞれ意味してもよい。スケジュール生成モデルは、このような特定の指標を適正化(最適化を含む)するような、任意の手法によって構成されることができる。当該手法は、例えばオペレーションズリサーチの分野で採用される任意の手法であってよく、例えば、線型計画法、ラグランジュ緩和、動的計画法、待ち行列理論、PERT、クリティカルパス法(日程計画・日程管理)、AHP(階層的意思決定モデル)、施設配置、巡回セールスマン問題等を含んでもよい。
<推定値生成処理部1222>
推定値生成処理部1222は、予定された手術に関する条件を、選択部1213に選択された推定モデルに入力することにより、各手術の手術時間の推定値を出力させる。予定された手術に関する条件は、バックエンドDB112に格納されていてもよいし、クライアントモジュール113を介してユーザ端末118から取得されてもよい。
<スケジュール生成処理部1223>
スケジュール生成処理部1223は、スケジュール生成モデル記憶部1221に格納されたスケジュール生成モデルを用いて、手術スケジュールを生成する。ここで、各医療施設は、経営課題を踏まえて適正化を希望する指標を特定し、特定した指標を適正化するように構成されたスケジュール生成モデルを選択しておくことが可能である。手術スケジュールの生成に当たって、スケジュール生成処理部1223は、対象となる医療施設に対応付けられたスケジュール生成モデルを選択することができる。これにより、医療施設の経営課題に即した手術スケジュールを生成することが可能となる。なお、スケジュール生成処理部1223は、手術スケジュールに各種の指標(収入、残業時間、待ち時間等)を含めてもよい。なお、医療施設とスケジュール生成モデルとの対応付けを示す情報は、AIモジュール120が記憶してもよいし、バックエンドDB112が記憶してもよい。そして、スケジュール生成処理部1223は、生成された手術スケジュールをバックエンドDB112に格納してもよいし、クライアントモジュール113を介してユーザ端末118に送信してもよい。
(2)動作
図5は、実施形態に係る管理システム1が実行する動作処理を示すシーケンス図の一例である。
クライアントモジュール113は、バックエンドDB112のデータチェックを周期的又は非周期的に繰り返し実行する(S200)。具体的には、クライアントモジュール113は定期的にバックエンドDB112に対して手術実績データに関するデータチェックを行い(S201)、バックエンドDB112は、データチェックの結果として新たな手術実績データの有無を通知する(S202)。このようなデータチェック(S200)は、例えば、時間単位、日単位、曜日単位、週単位、月単位等の任意に設定可能な周期で実行されてもよいし、或いは、クライアントモジュール113がデータチェックを指示する任意の操作や信号を検知したときに実行されてもよい。
医療施設システム100は、任意のタイミングで、手術実績データをバックエンドDB112にアップロードする(S202)。手術実績データのアップロードがあると、クライアントモジュール113によるバックエンドDB112のデータチェック(S204)において、クライアントモジュール113は所定のタイミングでバックエンドDB112に対して手術実績データに関するデータチェックを行い(S205)、バックエンドDB112は、データチェックの結果として新たな手術実績データが有ることを通知する(S206)。
クライアントモジュール113は、新たな手術実績データが有ることを通知された場合、推定モデルを生成等することの要求を機械学習モジュール121に送信する(S207)。機械学習モジュール121は、クライアントモジュール113から当該要求を受信すると、手術実績データをバックエンドDB112に対して要求する(S208)。バックエンドDB112は、機械学習モジュール121から当該要求を受信すると、手術実績データを機械学習モジュール121に送信する(S209)。
機械学習モジュール121は、バックエンドDB112から手術実績データを受信すると、当該手術実績データに基づいて、推定モデルの生成及び選択を実行する(S210)。
具体的には、まず、推定モデル生成部1212は、手術実績データの一部(例えば、80%)を教師データとして、複数の所定のアルゴリズムのそれぞれに対して当該教師データによる機械学習を行い、各アルゴリズムに対応する手術時間を推定するための推定モデルを生成し、推定モデル記憶部1211に格納する。そして、選択部1213は、生成した複数の推定モデルから、医療施設に適した推定モデルを選択する。当該選択においては、例えば、所定の誤差(上述したMAE、MSE、RMSE、R2等)が最小の推定モデルを選択する。
選択部1213は、選択された推定モデルを、バックエンドDB112に格納する(S211)。また、選択部1213は、当該医療施設に適した推定モデルが生成及び選択されたことをクライアントモジュール113に通知する(S212)。
次に、ユーザが手術スケジュールの生成のための所定の操作をユーザ端末118に対して行うと、ユーザ端末118は、スケジュール生成要求をクライアントモジュール113に送信する(S213)。このとき、ユーザは、生成したい手術スケジュールの期間(例えば、一日、数日、一週間、一ヶ月等)と、予定された手術に関する条件を指定する。予定された手術に関する条件は、例えば、手術を受ける患者に関する情報、手術内容に関する情報等を含んでもよい。なお、予定された手術に関する条件は、予め医療施設システム100がバックエンドDB112に格納していてもよい。
クライアントモジュール113は、受信したスケジュール生成要求を最適化エンジン122に転送する(S214)。なお、スケジュール生成要求は、任意のタイミング(例えば、日毎、週毎、月毎等)で自動的に、最適化エンジン122に送信されてもよい。
最適化エンジン122は、スケジュール生成要求を受信すると、バックエンドDB112に対して制約条件データを要求し(S215)、バックエンドDB(112)から当該制約条件データを取得する(S216)。
次に、最適化エンジン122は、手術スケジュールを生成する(S217)。具体的には、まず、推定値生成処理部1222は、予定された手術に関する条件を、選択部1213により選択された推定モデルに入力することにより、手術に要するリソースの推定値の出力を得る。当該推定値は、手術時間の推定値を含んでもよいし、更に、必要な医療従事者の人数やスキルの推定値、必要な医療機器等の機能や台数の推定値等を含んでもよい。
次に、スケジュール生成処理部1223は、推定値生成処理部1222が推定モデルを用いて生成した推定値と、制約条件データとを、スケジュール生成モデル記憶部1221に記憶されたスケジュール生成モデルのうちの所定のスケジュール生成モデルに入力することにより、手術スケジュールを出力させる。ここで、スケジュール生成処理部1223は、スケジュール生成モデル記憶部1221に記憶されたスケジュール生成モデルのうち、対象となる医療施設に対応付けられたスケジュール生成モデルを、当該所定のスケジュール生成モデルとして選択する。医療施設は、例えば、適正化を希望する指標を適正化するように構成されたスケジュール生成モデルを予め選択しておくことが可能である。当該選択の情報は、例えば、バックエンドDB112やAIモジュール120等に記憶されており、スケジュール生成処理部1223は、当該情報を参照して、所定のスケジュール生成モデルを選択する。
スケジュール生成処理部1223は、生成された手術スケジュールを、バックエンドDB112に格納する(S218)。また、スケジュール生成処理部1223は、生成された手術スケジュールをクライアントモジュール113に送信し(S219)、クライアントモジュール113は当該手術スケジュールをユーザ端末118に送信する(S220)。ユーザ端末118は、受信した手術スケジュールを表示する(S221)。
図6は、最適化エンジン122により生成された手術スケジュールの一例を示す概略図である。当該手術スケジュールは、例えば、ユーザ端末118によって表示される。手術スケジュールは、例えば、各手術室において行われる各手術の時間割として構成される。図6に示す例では、ある特定の日における、手術室A〜Eにおいて行われる手術1〜14の時間割としての手術スケジュールが示されている。手術スケジュールは、図6に示した事項の他、必要な医療従事者の人数やスキルの推定値、必要な医療機器等の機能や台数の推定値等を含んでもよい。また、手術スケジュールは、各種の指標(収入、残業時間、待ち時間等)を含んでもよい
上述した実施形態における管理システム1、サポートシステム110、AIモジュール120、機械学習モジュール121、及び最適化エンジン122が含む機能の少なくともいずれかを実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録してもよい。そして、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって、上述した実施形態における管理システム1、サポートシステム110、AIモジュール120、機械学習モジュール121、及び最適化エンジン122実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
1…管理システム、100…医療施設システム、110…サポートシステム、111…通信ゲートウェイ、1111…DSLフィルタ、112…バックエンドDB、113…クライアントモジュール、1131…リソース評価部、1132…リソース管理部、1133…通知部、118…ユーザ端末、120…AIモジュール、121…機械学習モジュール、122…最適化エンジン

Claims (9)

  1. 医療施設において行われた手術の実績を示す手術実績データを教師データとする機械学習によって、手術に要するリソースの推定値を出力するための少なくとも1つの推定モデルを生成する機械学習部と、
    前記医療施設において予定された手術に関する条件を前記少なくとも1つの推定モデルから選択された推定モデルに入力することにより出力される推定値と、前記医療施設の手術に要するリソースに関する制約条件を示す制約条件データとを、前記医療施設に対応付けられた所定のスケジュール生成モデルに入力することによって、前記医療施設において予定された手術のスケジュールを生成するスケジュール生成部と、
    を備える、システム。
  2. 前記機械学習部は、
    複数のアルゴリズムのそれぞれに対して前記手術実績データを教師データとする機械学習を行うことにより、前記少なくとも1つの推定モデルを生成する推定モデル生成部と、
    前記推定モデル生成部により生成された前記少なくとも1つの推定モデルから、所定の基準に基づいて前記選択された推定モデルを選択する選択部と、を含む、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記選択部は、前記推定モデル生成部により生成された前記少なくとも1つの推定モデルのそれぞれに対して前記医療施設において行われた手術の他の手術実績データをテストデータとして入力することにより出力される推定値と、前記他の手術実績データに含まれる実績値との間の所定の誤差を評価することにより、前記選択された推定モデルを選択する、請求項2に記載のシステム。
  4. 前記所定の誤差は、平均絶対誤差(Mean Absolute Error;MAE)、平均二乗誤差(Mean Square Error;MSE)、平均平方二乗誤差(Root Mean Square Error;RMSE)、又は決定係数R2である、請求項3に記載のシステム。
  5. 前記少なくとも1つの推定モデルは、少なくとも手術時間の推定値を出力する、請求項1から4のいずれか一項に記載のシステム。
  6. 前記スケジュール生成部は、各々が手術に関する所定の指標を適正化するように構成された複数の数学モデルのうちから、前記医療施設が適正化することを希望する指標を適正化するように構成された数学モデルを、前記所定のスケジュール生成モデルとして選択する、請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
  7. 前記手術実績データは、患者に関する患者データ、手術内容に関する手術内容データ、手術室に関する手術室データ、及び医療従事者に関する医療従事者データの少なくともいずれかを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
  8. コンピュータが、
    医療施設において行われた手術の実績を示す手術実績データを教師データとする機械学習によって、手術に要するリソースの推定値を出力するための少なくとも1つの推定モデルを生成することと、
    前記医療施設において予定された手術に関する条件を前記少なくとも1つの推定モデルから選択された推定モデルに入力することにより出力される推定値と、前記医療施設の手術に要するリソースに関する制約条件を示す制約条件データとを、前記医療施設に対応付けられた所定のスケジュール生成モデルに入力することによって、前記医療施設において予定された手術のスケジュールを生成することと、
    を実行する方法。
  9. コンピュータを、
    医療施設において行われた手術の実績を示す手術実績データを教師データとする機械学習によって、手術に要するリソースの推定値を出力するための少なくとも1つの推定モデルを生成する機械学習部と、
    前記医療施設において予定された手術に関する条件を前記少なくとも1つの推定モデルから選択された推定モデルに入力することにより出力される推定値と、前記医療施設の手術に要するリソースに関する制約条件を示す制約条件データとを、前記医療施設に対応付けられた所定のスケジュール生成モデルに入力することによって、前記医療施設において予定された手術のスケジュールを生成するスケジュール生成部と、
    として機能させるためのプログラム。
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