JP2021059304A - タイヤ・ホイール組立体 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、電磁誘導方式を用いた自動給電において、高い受電効率を達成することができる、タイヤ・ホイール組立体を提供することを目的とする。【解決手段】本発明のタイヤ・ホイール組立体は、トレッド部を有するタイヤと、リム部を有するホイールとを備え、前記タイヤは、前記リム部に装着され、前記タイヤ・ホイール組立体は、受電コイルを備え、前記トレッド部の踏面に、タイヤ赤道面上をタイヤ周方向に延びる周方向主溝を有する。【選択図】図5
Description
本発明は、タイヤ・ホイール組立体に関するものである。
近年、電気エネルギーを動力に用いる車両として電気自動車の開発が盛んに行われている(例えば、特許文献1)。特に、本格的に実用化されつつある自動運転技術においては、エンジンを用いるよりも電気モータを用いた方が、車両操作に対する反応が良いことから、電気自動車を用いた自動運転技術の開発が進められている。
タイヤ・ホイール組立体が備える受電装置へと給電を行う給電方式として、有線を用いた方式である架線方式、並びに、ワイヤレス方式である電磁誘導方式及び電界結合方式等が提案されている。
その中でも、電磁誘導方式は、路面側に設置した送電コイル(1次コイル)に電流を流すことで、例えば路面に対して垂直な方向に磁束を発生させ、その磁束が車両側の受電コイル(2次コイル)を通ることにより、受電コイルに電流が流れて、送電コイルから受電コイルへと電気エネルギーの供給を行うものである。電磁誘導方式は、受電効率が高いため、特に注目されている技術である。
本発明は、電磁誘導方式を用いた自動給電において、高い受電効率を達成することができる、タイヤ・ホイール組立体を提供することを目的とする。
本発明の要旨構成は、以下の通りである。
(1)本発明のタイヤ・ホイール組立体は、
トレッド部を有するタイヤと、リム部を有するホイールとを備え、
前記タイヤは、前記リム部に装着され、
前記タイヤ・ホイール組立体は、受電コイルを備え、
前記トレッド部の踏面に、タイヤ赤道面上をタイヤ周方向に延びる周方向主溝を有することを特徴とする。
ここで、「踏面」とは、タイヤ・ホイール組立体に規定内圧を充填し、最大負荷荷重を負荷した際に、路面と接することとなる接地面のタイヤ周方向全域にわたる面をいう。
また、「周方向主溝」とは、タイヤ周方向に延びる溝であって、タイヤ・ホイール組立体に規定内圧を充填し、無負荷とした際の溝幅(開口幅)が2mm以上のものをいう。
(1)本発明のタイヤ・ホイール組立体は、
トレッド部を有するタイヤと、リム部を有するホイールとを備え、
前記タイヤは、前記リム部に装着され、
前記タイヤ・ホイール組立体は、受電コイルを備え、
前記トレッド部の踏面に、タイヤ赤道面上をタイヤ周方向に延びる周方向主溝を有することを特徴とする。
ここで、「踏面」とは、タイヤ・ホイール組立体に規定内圧を充填し、最大負荷荷重を負荷した際に、路面と接することとなる接地面のタイヤ周方向全域にわたる面をいう。
また、「周方向主溝」とは、タイヤ周方向に延びる溝であって、タイヤ・ホイール組立体に規定内圧を充填し、無負荷とした際の溝幅(開口幅)が2mm以上のものをいう。
上記「ホイール」の「リム部」とは、タイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではJATMA(日本自動車タイヤ協会)のJATMA YEAR BOOK、欧州ではETRTO(The European Tyre and Rim Technical Organisation)のSTANDARDS MANUAL、米国ではTRA(The Tire and Rim Association,Inc.)のYEAR BOOK等に記載されているまたは将来的に記載される、適用サイズにおける標準リム(ETRTOのSTANDARDS MANUALではMeasuring Rim、TRAのYEAR BOOKではDesign Rim)を指す(即ち、上記の「ホイール」の「リム部」には、現行サイズに加えて将来的に上記産業規格に含まれ得るサイズも含む。「将来的に記載されるサイズ」の例としては、ETRTO 2013年度版において「FUTURE DEVELOPMENTS」として記載されているサイズを挙げることができる。)が、上記産業規格に記載のないサイズの場合は、タイヤのビード幅に対応した幅のリムをいう。
また、「規定内圧」とは、上記JATMA等に記載されている、適用サイズ・プライレーティングにおける単輪の最大負荷能力に対応する空気圧(最高空気圧)を指し、上記産業規格に記載のないサイズの場合は、「規定内圧」は、タイヤを装着する車両毎に規定される最大負荷能力に対応する空気圧(最高空気圧)をいうものとする。
また、「最大負荷荷重」とは、上記最大負荷能力に対応する荷重をいうものとする。
また、「規定内圧」とは、上記JATMA等に記載されている、適用サイズ・プライレーティングにおける単輪の最大負荷能力に対応する空気圧(最高空気圧)を指し、上記産業規格に記載のないサイズの場合は、「規定内圧」は、タイヤを装着する車両毎に規定される最大負荷能力に対応する空気圧(最高空気圧)をいうものとする。
また、「最大負荷荷重」とは、上記最大負荷能力に対応する荷重をいうものとする。
(2)上記(1)では、前記周方向主溝の溝幅は、トレッド幅TWの2%以上であることが好ましい。
ここで、「トレッド幅」とは、タイヤ・ホイール組立体に規定内圧を充填し、無負荷とした際の、接地端(上記接地面のタイヤ幅方向両端)間のタイヤ幅方向距離をいうものとする。
ここで、「トレッド幅」とは、タイヤ・ホイール組立体に規定内圧を充填し、無負荷とした際の、接地端(上記接地面のタイヤ幅方向両端)間のタイヤ幅方向距離をいうものとする。
(3)上記(1)又は(2)では、前記周方向主溝の溝深さは、トレッド部の厚さの15%以上であることが好ましい。
ここで、「トレッド部の厚さ」とは、トレッドゴムに加えて、ベルト、カーカスプライ、インナーライナー等の他の部材も含めた、タイヤ外表面から内表面までの厚さをいい、トレッド表面のうち、タイヤ幅方向において最もタイヤ赤道面に近い位置で、タイヤ径方向に測ったトレッド部の厚さをいうものとする。
なお、周方向主溝の溝幅や溝深さは、タイヤ・ホイール組立体に規定内圧を充填し、無負荷とした際の溝幅(開口幅)や溝深さ(最大深さ)をいう。
以下、特に断りのない限り、寸法等は、上記タイヤ・ホイール組立体に規定内圧を充填し、無負荷とした際の寸法等をいう。
ここで、「トレッド部の厚さ」とは、トレッドゴムに加えて、ベルト、カーカスプライ、インナーライナー等の他の部材も含めた、タイヤ外表面から内表面までの厚さをいい、トレッド表面のうち、タイヤ幅方向において最もタイヤ赤道面に近い位置で、タイヤ径方向に測ったトレッド部の厚さをいうものとする。
なお、周方向主溝の溝幅や溝深さは、タイヤ・ホイール組立体に規定内圧を充填し、無負荷とした際の溝幅(開口幅)や溝深さ(最大深さ)をいう。
以下、特に断りのない限り、寸法等は、上記タイヤ・ホイール組立体に規定内圧を充填し、無負荷とした際の寸法等をいう。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかでは、
前記踏面に前記周方向主溝を1本のみ有し、
前記周方向主溝の溝幅の幅方向中心は、車両装着外側に位置することが好ましい。
前記踏面に前記周方向主溝を1本のみ有し、
前記周方向主溝の溝幅の幅方向中心は、車両装着外側に位置することが好ましい。
(5)あるいは、上記(1)〜(3)のいずれかでは、
前記踏面に前記周方向主溝を1本のみ有し、
前記周方向主溝の溝幅の幅方向中心は、車両装着内側に位置することも好ましい。
前記踏面に前記周方向主溝を1本のみ有し、
前記周方向主溝の溝幅の幅方向中心は、車両装着内側に位置することも好ましい。
本発明によれば、電磁誘導方式を用いた自動給電において、高い受電効率を達成することができる、タイヤ・ホイール組立体を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に例示説明する。
<無線受電システム>
図1は、本発明の一実施形態にかかるタイヤ・ホイール組立体を有する、無線受電システムを、タイヤ幅方向断面により概略的に示す、概略図である。無線受電システム1は、外部の送電装置から無線により(すなわちワイヤレスで)送電された電力を受電するように構成されたシステムである。先に無線受電システムの外部の構成について説明すると、送電装置40は、送電コイル(1次コイル)41を備えている。送電装置40は、道路等の路面に設置され、あるいは路面の近傍に位置するように埋設されている。送電コイル41は、電力源から供給された交流電流に基づき、交流磁界を発生させる。送電コイル41は、全体を環状に構成され、路面の上方に向けて交流磁界を発生するように、当該環の軸方向が路面と略垂直となるように配置されている。ただし、図面では、送電コイル41は、模式化されている。送電装置40が備える送電コイル41は、例えば、フェライトコア等のコアに巻き回され、全体を環状に構成されたものであるが、これに限られず、コイルばね、空芯コイル等、交流磁界を発生可能な任意のコイルとすることができる。
図1に示すように、無線受電システム1は、本発明の一実施形態にかかるタイヤ・ホイール組立体3を備えている。無線によって供給される電力を受電する受電装置30は、タイヤ・ホイール組立体3の収容部(収容部は、タイヤ・ホイール組立体3の内部の空間である)に収容されている。以下、タイヤ・ホイール組立体3について説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかるタイヤ・ホイール組立体を有する、無線受電システムを、タイヤ幅方向断面により概略的に示す、概略図である。無線受電システム1は、外部の送電装置から無線により(すなわちワイヤレスで)送電された電力を受電するように構成されたシステムである。先に無線受電システムの外部の構成について説明すると、送電装置40は、送電コイル(1次コイル)41を備えている。送電装置40は、道路等の路面に設置され、あるいは路面の近傍に位置するように埋設されている。送電コイル41は、電力源から供給された交流電流に基づき、交流磁界を発生させる。送電コイル41は、全体を環状に構成され、路面の上方に向けて交流磁界を発生するように、当該環の軸方向が路面と略垂直となるように配置されている。ただし、図面では、送電コイル41は、模式化されている。送電装置40が備える送電コイル41は、例えば、フェライトコア等のコアに巻き回され、全体を環状に構成されたものであるが、これに限られず、コイルばね、空芯コイル等、交流磁界を発生可能な任意のコイルとすることができる。
図1に示すように、無線受電システム1は、本発明の一実施形態にかかるタイヤ・ホイール組立体3を備えている。無線によって供給される電力を受電する受電装置30は、タイヤ・ホイール組立体3の収容部(収容部は、タイヤ・ホイール組立体3の内部の空間である)に収容されている。以下、タイヤ・ホイール組立体3について説明する。
≪タイヤ・ホイール組立体≫
図1に示すように、本発明の一実施形態にかかるタイヤ・ホイール組立体3は、タイヤ10と、リム部21を有するホイール20とを備える。タイヤ10は、ホイール20のリム部21に装着されている。以下、タイヤ10及びホイール20について、順にそれぞれ説明する。
図1に示すように、本発明の一実施形態にかかるタイヤ・ホイール組立体3は、タイヤ10と、リム部21を有するホイール20とを備える。タイヤ10は、ホイール20のリム部21に装着されている。以下、タイヤ10及びホイール20について、順にそれぞれ説明する。
(タイヤ)
まず、タイヤ10の一例の構成について説明する。図2は、タイヤ10のタイヤ幅方向断面図である。図2に示すように、このタイヤ10は、一対のビード部11と、該ビード部11に連なる一対のサイドウォール部12と、該一対のサイドウォール部12に連なるトレッド部13と、を有している。
まず、タイヤ10の一例の構成について説明する。図2は、タイヤ10のタイヤ幅方向断面図である。図2に示すように、このタイヤ10は、一対のビード部11と、該ビード部11に連なる一対のサイドウォール部12と、該一対のサイドウォール部12に連なるトレッド部13と、を有している。
この例では、ビード部11は、ビードコア11Aと、ビードフィラ11Bとを有している。ビードコア11Aは、この例では、周囲をゴムにより被覆された複数のビードワイヤを備える。ビードワイヤは、この例では、スチールコードによって形成されている。ビードフィラ11Bは、ゴム等で構成され、ビードコア11Aのタイヤ径方向外側に位置している。この例では、ビードフィラ11Bは、タイヤ径方向外側に向けて厚みが減少する断面略三角形状の形状をなしている。一方で、本発明では、タイヤ10は、ビードコア11Aやビードフィラ11Bを有しない構造とすることもできる。
本発明では、ビードワイヤは非磁性材料によって形成することもできる。ビードワイヤを非磁性材料により形成することで、送電コイル41から受電コイル31に到達する磁界がビードワイヤによって妨げられることがないようにすることができるからである。ここで、非磁性材料とは、磁性材料以外の材料を指し、当該磁性材料としては、強磁性を示す材料(強磁性体)を指す。従って、非磁性材料には、透磁率が小さい、常磁性体及び反磁性体が含まれる。非磁性材料として、例えば、ポリエステル及びナイロン等の熱可塑性樹脂、ビニルエステル樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂、並びにその他の合成樹脂を含む、樹脂材料を用いることができる。樹脂材料には、更に、補強繊維として、ガラス、カーボン、グラファイト、アラミド、ポリエチレン、及びセラミック等の繊維を含ませることができる。非磁性材料として、樹脂に限らず、ゴム、ガラス、カーボン、グラファイト、アラミド、ポリエチレン、及びセラミック等を含む、任意の非金属材料を用いることができる。さらに、非磁性材料として、アルミ等の常磁性体、又は銅等の反磁性体を含む、金属材料を用いることができる。
図2に示すように、タイヤ10は、一対のビード部11にトロイダル状に跨るカーカス14を有している。カーカス14の端部側はビードコア11Aに係止されている。具体的には、カーカス14は、ビードコア11A間に配置されたカーカス本体部14Aと、ビードコア11Aの周りにタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側へ折り返されてなるカーカス折返し部14Bと、を有している。カーカス折返し部14Bのタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側への延在長さは、適宜設定することができる。また、カーカス14は、カーカス折返し部14Bを有しない構造とすることもでき、あるいはカーカス折返し部14Bをビードコア11Aに巻き付けた構造とすることもできる。
カーカス14は、1枚以上のカーカスプライによって構成することができる。例えば、カーカス14は、タイヤの赤道面CLにおいてタイヤ径方向に積層して配置された2枚のカーカス層によって構成することができる。本実施形態では、カーカス14のカーカス層を構成するカーカスコードは、非磁性材料(この例では有機繊維)で構成されている。あるいは、カーカス14を構成するカーカスコードをスチールコードで構成することもできる。
非磁性材料には、透磁率が小さい、常磁性体及び反磁性体が含まれる。非磁性材料として、例えば、ポリエステル及びナイロン等の熱可塑性樹脂、ビニルエステル樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂、並びにその他の合成樹脂を含む、樹脂材料を用いることができる。樹脂材料には、更に、補強繊維として、ガラス、カーボン、グラファイト、アラミド、ポリエチレン、及びセラミック等の繊維を含ませることができる。非磁性材料として、樹脂に限らず、ゴム、ガラス、カーボン、グラファイト、アラミド、ポリエチレン、及びセラミック等を含む、任意の非金属材料を用いることができる。さらに、非磁性材料として、アルミ等の常磁性体、又は銅等の反磁性体を含む、金属材料を用いることができる。
本発明では、カーカスコードにスチールコードを用いることもできるが、非磁性材料からなるカーカスコードを用いることが好ましい。送電コイル41から受電コイル31に到達する磁界がカーカス14によって妨げられることがないようにすることができ、ひいては、受電効率を向上させることができるからである。なお、本実施形態において、カーカス14は、ラジアル構造とされるが、これに限られず、バイアス構造とすることもできる。
非磁性材料には、透磁率が小さい、常磁性体及び反磁性体が含まれる。非磁性材料として、例えば、ポリエステル及びナイロン等の熱可塑性樹脂、ビニルエステル樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂、並びにその他の合成樹脂を含む、樹脂材料を用いることができる。樹脂材料には、更に、補強繊維として、ガラス、カーボン、グラファイト、アラミド、ポリエチレン、及びセラミック等の繊維を含ませることができる。非磁性材料として、樹脂に限らず、ゴム、ガラス、カーボン、グラファイト、アラミド、ポリエチレン、及びセラミック等を含む、任意の非金属材料を用いることができる。さらに、非磁性材料として、アルミ等の常磁性体、又は銅等の反磁性体を含む、金属材料を用いることができる。
本発明では、カーカスコードにスチールコードを用いることもできるが、非磁性材料からなるカーカスコードを用いることが好ましい。送電コイル41から受電コイル31に到達する磁界がカーカス14によって妨げられることがないようにすることができ、ひいては、受電効率を向上させることができるからである。なお、本実施形態において、カーカス14は、ラジアル構造とされるが、これに限られず、バイアス構造とすることもできる。
カーカス14のクラウン部のタイヤ径方向外側には、ベルト15及びトレッドゴムが設けられている。ベルト15は、例えば、タイヤ径方向に積層された複数層のベルト層によって構成することができる。本実施形態では、ベルト15のベルト層を構成するベルトコードは、非磁性材料(この例では有機繊維)で構成されている。あるいは、ベルト15を構成するベルトコードには、スチールコードを用いることもできる。
非磁性材料には、透磁率が小さい、常磁性体及び反磁性体が含まれる。非磁性材料として、例えば、ポリエステル及びナイロン等の熱可塑性樹脂、ビニルエステル樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂、並びにその他の合成樹脂を含む、樹脂材料を用いることができる。樹脂材料には、更に、補強繊維として、ガラス、カーボン、グラファイト、アラミド、ポリエチレン、及びセラミック等の繊維を含ませることができる。非磁性材料として、樹脂に限らず、ゴム、ガラス、カーボン、グラファイト、アラミド、ポリエチレン、及びセラミック等を含む、任意の非金属材料を用いることができる。さらに、非磁性材料として、アルミ等の常磁性体、又は銅等の反磁性体を含む、金属材料を用いることができる。
本発明では、ベルト15を構成するベルトコードとして、スチールコードを用いることもできるが、非磁性材料からなるベルトコードを用いることが好ましい。送電コイル41から受電コイル31に到達する磁界がベルト15によって妨げられることがないようにすることができ、ひいては、受電効率を向上させることができるからである。なお、本発明において、ベルト層の層数やベルトコードの傾斜角度、各ベルト層のタイヤ幅方向の幅等は、特に限定されず、適宜設定することができる。
非磁性材料には、透磁率が小さい、常磁性体及び反磁性体が含まれる。非磁性材料として、例えば、ポリエステル及びナイロン等の熱可塑性樹脂、ビニルエステル樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂、並びにその他の合成樹脂を含む、樹脂材料を用いることができる。樹脂材料には、更に、補強繊維として、ガラス、カーボン、グラファイト、アラミド、ポリエチレン、及びセラミック等の繊維を含ませることができる。非磁性材料として、樹脂に限らず、ゴム、ガラス、カーボン、グラファイト、アラミド、ポリエチレン、及びセラミック等を含む、任意の非金属材料を用いることができる。さらに、非磁性材料として、アルミ等の常磁性体、又は銅等の反磁性体を含む、金属材料を用いることができる。
本発明では、ベルト15を構成するベルトコードとして、スチールコードを用いることもできるが、非磁性材料からなるベルトコードを用いることが好ましい。送電コイル41から受電コイル31に到達する磁界がベルト15によって妨げられることがないようにすることができ、ひいては、受電効率を向上させることができるからである。なお、本発明において、ベルト層の層数やベルトコードの傾斜角度、各ベルト層のタイヤ幅方向の幅等は、特に限定されず、適宜設定することができる。
図2に示すように、タイヤ10は、インナーライナー16を有している。インナーライナー16は、タイヤ10の内面を覆うように配置されている。インナーライナー16は、タイヤの赤道面CLにおいてタイヤ径方向に積層された1層以上のインナーライナー層によって構成することができる。インナーライナー16は、例えば、空気透過性の低いブチル系ゴムで構成される。ブチル系ゴムには、例えばブチルゴム、及びその誘導体であるハロゲン化ブチルゴムが含まれる。インナーライナー16は、ブチル系ゴムに限られず、他のゴム組成物、樹脂、又はエラストマで構成することもできる。
本発明では、サイドウォール部12にサイド補強ゴム(図示せず)を有していても良い。サイド補強ゴムは、例えば断面三日月状の形状とすることができる。これにより、タイヤのパンク時にサイド補強ゴムが荷重を肩代わりして走行することができる。また、本発明では、サイドウォール部12を構成するゴム又はサイド補強ゴムに、フェライト等の、透磁率が大きい(例えば強磁性体の)磁性材料を含んでいても良い。これにより、送電コイル41から受電コイル31に到達する磁界が、サイドウォール部12よりもタイヤ幅方向外側に存在する金属及び他の磁界の影響によって減衰しにくくすることができ、ひいては、受電効率を向上させることができる。
タイヤは、乗用車用タイヤとすることが好ましく、乗用車用ラジアルタイヤとすることがより好ましい。
上述の各例において、タイヤ10は、タイヤ10の断面幅SWが165(mm)未満である場合は、タイヤ10の断面幅SWと外径ODとの比SW/ODは、0.26以下であり、タイヤ10の断面幅SWが165(mm)以上である場合には、タイヤ10の断面幅SW(mm)及び外径OD(mm)は、
OD(mm)≧2.135×SW(mm)+282.3(mm)
(以下、「関係式(1)」と称する)
を満たすことが好ましい。
上記比SW/OD又は関係式(1)を満たすことにより、タイヤ10の外径ODに対してタイヤ10の断面幅SWが相対的に小さくなり、空気抵抗を低減し、また、断面幅が狭い分、車両スペースを確保することができ、特にタイヤの車両装着内側近傍に駆動部品の設置スペースを確保することができる。
また、上記比SW/OD又は関係式(1)を満たすことにより、タイヤ10の断面幅SWに対してタイヤ10の外径ODが相対的に大きくなり、転がり抵抗を低減し、また、タイヤ10の大径化によって車輪軸が高くなり、床下のスペースが拡大されるため、車両のトランク等のスペースや、駆動部品の設置スペースを確保することができる。
以上のように、上記比SW/OD又は関係式(1)を満たすことにより、給電された電気エネルギーに対して低燃費性を達成することができ、また、車両スペースを大きく確保することもできる。
また、タイヤ10は、タイヤ10の断面幅SW(mm)及び外径OD(mm)が、
OD(mm)≧−0.0187×SW(mm)2+9.15×SW(mm)−380(mm)
(以下、「関係式(2)」と称する)
を満たすことが好ましい。
上記関係式(2)を満たすことにより、タイヤ10の外径ODに対してタイヤの断面幅SWが相対的に小さくなり、空気抵抗を低減し、また、断面幅が狭い分、車両スペースを確保することができ、特にタイヤ10の車両装着内側近傍に駆動部品の設置スペースを確保することができる。
また、上記関係式(2)を満たすことにより、タイヤ10の断面幅SWに対してタイヤの外径ODが相対的に大きくなり、転がり抵抗を低減し、また、タイヤ10の大径化によって車輪軸が高くなり、床下のスペースが拡大されるため、車両のトランク等のスペースや、駆動部品の設置スペースを確保することができる。
以上のように、上記関係式(2)を満たすことにより、給電された電気エネルギーに対して低燃費性を達成することができ、また、車両スペースを大きく確保することもできる。
上述の各例では、タイヤ10は、上記比SW/OD及び/又は関係式(2)を満たすことが好ましく、あるいは、上記関係式(1)及び/又は関係式(2)を満たすことが好ましい。
OD(mm)≧2.135×SW(mm)+282.3(mm)
(以下、「関係式(1)」と称する)
を満たすことが好ましい。
上記比SW/OD又は関係式(1)を満たすことにより、タイヤ10の外径ODに対してタイヤ10の断面幅SWが相対的に小さくなり、空気抵抗を低減し、また、断面幅が狭い分、車両スペースを確保することができ、特にタイヤの車両装着内側近傍に駆動部品の設置スペースを確保することができる。
また、上記比SW/OD又は関係式(1)を満たすことにより、タイヤ10の断面幅SWに対してタイヤ10の外径ODが相対的に大きくなり、転がり抵抗を低減し、また、タイヤ10の大径化によって車輪軸が高くなり、床下のスペースが拡大されるため、車両のトランク等のスペースや、駆動部品の設置スペースを確保することができる。
以上のように、上記比SW/OD又は関係式(1)を満たすことにより、給電された電気エネルギーに対して低燃費性を達成することができ、また、車両スペースを大きく確保することもできる。
また、タイヤ10は、タイヤ10の断面幅SW(mm)及び外径OD(mm)が、
OD(mm)≧−0.0187×SW(mm)2+9.15×SW(mm)−380(mm)
(以下、「関係式(2)」と称する)
を満たすことが好ましい。
上記関係式(2)を満たすことにより、タイヤ10の外径ODに対してタイヤの断面幅SWが相対的に小さくなり、空気抵抗を低減し、また、断面幅が狭い分、車両スペースを確保することができ、特にタイヤ10の車両装着内側近傍に駆動部品の設置スペースを確保することができる。
また、上記関係式(2)を満たすことにより、タイヤ10の断面幅SWに対してタイヤの外径ODが相対的に大きくなり、転がり抵抗を低減し、また、タイヤ10の大径化によって車輪軸が高くなり、床下のスペースが拡大されるため、車両のトランク等のスペースや、駆動部品の設置スペースを確保することができる。
以上のように、上記関係式(2)を満たすことにより、給電された電気エネルギーに対して低燃費性を達成することができ、また、車両スペースを大きく確保することもできる。
上述の各例では、タイヤ10は、上記比SW/OD及び/又は関係式(2)を満たすことが好ましく、あるいは、上記関係式(1)及び/又は関係式(2)を満たすことが好ましい。
上述の各例において、タイヤ10は、ビードフィラ11Bのタイヤ幅方向断面積S1が、ビードコア11Aのタイヤ幅方向断面積S2の1倍以上8倍以下であると、好適である。これにより、給電効率と低燃費性を好適に両立させることができる。
なお、カーカスをタイヤ幅方向内側及び外側から挾持する、挟み込みビードコア構造である場合には、当該カーカスの幅方向内側及び外側のビードコアの合計体積をS2とする。
ビードフィラ11Bの断面積S1を上記の範囲とすることにより、高剛性部材であるビードフィラの体積を小さくして、タイヤの縦バネ係数を低減し、乗り心地性を向上させることができる。また、ビードフィラを軽量化して、タイヤを軽量化することもでき、従って、タイヤの転がり抵抗値がさらに低減される。
特に、上記関係式(1)又は関係式(2)を満たす、狭幅・大径タイヤにおいては、ベルトの張力剛性が高く、タイヤサイド部の張力剛性がベルト対比で低くなるため、上記のようにビードフィラの断面積S1を所定の範囲とすることによる縦バネ係数の低減効果が非常に高くなる。
ここで、ビードフィラ11Bのタイヤ幅方向断面積S1を、ビードコア11Aのタイヤ幅方向断面積S2の8倍以下とすることで、高剛性部材であるビードフィラの体積が大きくなり過ぎないようにし、タイヤの縦バネ係数が大きくなり過ぎないようにして、乗り心地性の低下を抑制することができる。
一方で、ビードフィラ11Bのタイヤ幅方向断面積S1を、ビードコア11Aのタイヤ幅方向断面積S2の1倍以上とすることで、ビード部の剛性を確保して、横バネ係数が低下しな過ぎないようにして、操縦安定性を確保することができる。
なお、カーカスをタイヤ幅方向内側及び外側から挾持する、挟み込みビードコア構造である場合には、当該カーカスの幅方向内側及び外側のビードコアの合計体積をS2とする。
ビードフィラ11Bの断面積S1を上記の範囲とすることにより、高剛性部材であるビードフィラの体積を小さくして、タイヤの縦バネ係数を低減し、乗り心地性を向上させることができる。また、ビードフィラを軽量化して、タイヤを軽量化することもでき、従って、タイヤの転がり抵抗値がさらに低減される。
特に、上記関係式(1)又は関係式(2)を満たす、狭幅・大径タイヤにおいては、ベルトの張力剛性が高く、タイヤサイド部の張力剛性がベルト対比で低くなるため、上記のようにビードフィラの断面積S1を所定の範囲とすることによる縦バネ係数の低減効果が非常に高くなる。
ここで、ビードフィラ11Bのタイヤ幅方向断面積S1を、ビードコア11Aのタイヤ幅方向断面積S2の8倍以下とすることで、高剛性部材であるビードフィラの体積が大きくなり過ぎないようにし、タイヤの縦バネ係数が大きくなり過ぎないようにして、乗り心地性の低下を抑制することができる。
一方で、ビードフィラ11Bのタイヤ幅方向断面積S1を、ビードコア11Aのタイヤ幅方向断面積S2の1倍以上とすることで、ビード部の剛性を確保して、横バネ係数が低下しな過ぎないようにして、操縦安定性を確保することができる。
上述の各例において、タイヤ10は、ビードフィラ11Bのタイヤ径方向中央位置におけるタイヤ幅方向の幅をBFWとし、ビードコア11Aのタイヤ幅方向の最大幅をBDWとするとき、
0.1≦BFW/BDW≦0.6
を満たすことが好ましい。
これにより、給電効率と低燃費性を好適に両立させることができる。
比BFW/BDWを0.6以下とすることにより、ビードフィラ高さを維持しつつもビードフィラの体積を減少させて、タイヤ回転方向に対する剛性を確保しつつも、縦バネ係数を低減させて、乗り心地性を向上させ、また、タイヤを軽量化することができる。
一方で、比BFW/BDWを0.1以上とすることにより、ビード部の剛性を確保して、横バネ係数を維持し、操縦安定性をより確保することができる。
0.1≦BFW/BDW≦0.6
を満たすことが好ましい。
これにより、給電効率と低燃費性を好適に両立させることができる。
比BFW/BDWを0.6以下とすることにより、ビードフィラ高さを維持しつつもビードフィラの体積を減少させて、タイヤ回転方向に対する剛性を確保しつつも、縦バネ係数を低減させて、乗り心地性を向上させ、また、タイヤを軽量化することができる。
一方で、比BFW/BDWを0.1以上とすることにより、ビード部の剛性を確保して、横バネ係数を維持し、操縦安定性をより確保することができる。
上述の各例において、タイヤ10は、ビードフィラ11Bのタイヤ径方向の高さをBFHとし、タイヤのセクションハイト(タイヤ断面高さ)をSHとするとき、
0.1≦BFH/SH≦0.5
を満たすことが好ましい。
これにより、給電効率と低燃費性を好適に両立させることができる。
上記比BFH/SHを0.5以下とすることにより、高剛性部材であるビードフィラの径方向高さを小さくして、タイヤの縦バネ係数を効果的に低減し、乗り心地性を向上させることができる。
一方で、上記比BFH/SHを0.1以上とすることにより、ビード部の剛性を確保して、横バネ係数を維持し、操縦安定性をより確保することができる。
ここで、タイヤセクションハイトSHとは、タイヤをリムに組み込み、タイヤを装着する車両毎に規定される内圧を充填したときの無負荷状態でのタイヤの外径とリム径との差の1/2をいうものとする。
0.1≦BFH/SH≦0.5
を満たすことが好ましい。
これにより、給電効率と低燃費性を好適に両立させることができる。
上記比BFH/SHを0.5以下とすることにより、高剛性部材であるビードフィラの径方向高さを小さくして、タイヤの縦バネ係数を効果的に低減し、乗り心地性を向上させることができる。
一方で、上記比BFH/SHを0.1以上とすることにより、ビード部の剛性を確保して、横バネ係数を維持し、操縦安定性をより確保することができる。
ここで、タイヤセクションハイトSHとは、タイヤをリムに組み込み、タイヤを装着する車両毎に規定される内圧を充填したときの無負荷状態でのタイヤの外径とリム径との差の1/2をいうものとする。
ビードフィラ11Bのタイヤ径方向の高さBFHは、45mm以下とすることが好ましい。これにより、給電効率と低燃費性を好適に両立させることができる。
上述の各例において、タイヤ10は、タイヤ最大幅部におけるサイドウォール部12のゲージTs(この断面で、タイヤ最大幅部のタイヤ表面上の点における接線の法線方向に計測する)と、ビードコア11Aのタイヤ径方向中心位置におけるビード幅Tb(ビード部11のタイヤ幅方向の幅)との比Ts/Tbが、15%以上60%以下であると、好適である。これにより、給電効率と低燃費性を好適に両立させることができる。
なお、「タイヤ最大幅部」とは、リムにタイヤを組み込み、無負荷状態としたときの、タイヤ幅方向断面内の最大幅位置をいうものとする。
ゲージTsはゴム、補強部材、インナーライナーなどすべての部材の厚みの合計となる。
比Ts/Tbを上記の範囲とすることにより、タイヤ荷重時の曲げ変形の大きいタイヤ最大幅部における剛性を適度に低下させて、縦バネ係数を低減して乗り心地性を向上させることができる。
すなわち、上記比Ts/Tbが60%超であると、タイヤ最大幅部におけるサイドウォール部12のゲージが大きくなり、サイドウォール部12の剛性が高くなって縦バネ係数が高くなってしまうおそれがある。一方で、上記比Ts/Tbが15%未満であると、横バネ係数が低下し過ぎて、操縦安定性が確保できなくなるおそれがある。
なお、「タイヤ最大幅部」とは、リムにタイヤを組み込み、無負荷状態としたときの、タイヤ幅方向断面内の最大幅位置をいうものとする。
ゲージTsはゴム、補強部材、インナーライナーなどすべての部材の厚みの合計となる。
比Ts/Tbを上記の範囲とすることにより、タイヤ荷重時の曲げ変形の大きいタイヤ最大幅部における剛性を適度に低下させて、縦バネ係数を低減して乗り心地性を向上させることができる。
すなわち、上記比Ts/Tbが60%超であると、タイヤ最大幅部におけるサイドウォール部12のゲージが大きくなり、サイドウォール部12の剛性が高くなって縦バネ係数が高くなってしまうおそれがある。一方で、上記比Ts/Tbが15%未満であると、横バネ係数が低下し過ぎて、操縦安定性が確保できなくなるおそれがある。
上述の各例において、タイヤ10は、タイヤ最大幅部におけるサイドウォール部12のゲージTsが、1.5mm以上であることが好ましい。これにより、給電効率と低燃費性を好適に両立させることができる。
ゲージTsを1.5mm以上とすることにより、タイヤ最大幅部における剛性を適度に保って、横バネ係数の低下を抑え、操縦安定性をより確保することができる。
ゲージTsを1.5mm以上とすることにより、タイヤ最大幅部における剛性を適度に保って、横バネ係数の低下を抑え、操縦安定性をより確保することができる。
上述の各例において、タイヤ10は、ビードコア11Aの径Tbc(ビードコアのタイヤ幅方向の最大幅)が、3mm以上16mm以下であることが好ましい。これにより、給電効率と低燃費性を好適に両立させることができる。
Tbcを3mm以上とすることにより、リムフランジ上での曲げ剛性及びねじれ剛性を確保しつつ、軽量化を実現することができ、一方で、Tbcを16mm以下とすることにより、重量増大を抑えつつ、操縦安定性を確保することができる。
またビードコアがカーカスによって複数の小ビードコアに分割されている構造の場合には、全小ビードコアのうち幅方向最内側端部と最外側端部の距離をTbcとすればよい。
Tbcを3mm以上とすることにより、リムフランジ上での曲げ剛性及びねじれ剛性を確保しつつ、軽量化を実現することができ、一方で、Tbcを16mm以下とすることにより、重量増大を抑えつつ、操縦安定性を確保することができる。
またビードコアがカーカスによって複数の小ビードコアに分割されている構造の場合には、全小ビードコアのうち幅方向最内側端部と最外側端部の距離をTbcとすればよい。
上述の各例において、タイヤ10は、タイヤを装着する車両毎に規定される最大荷重を負荷した際、タイヤ10の接地面積が、8000mm2以上であることが好ましい。これにより、タイヤの転がり抵抗値の低減とタイヤ重量の低減とを両立させることができ、給電効率と低燃費性を好適に両立させることができる。また、タイヤ軸力を確保して車両の安定性や安全性を高めることができる。
上述の各例において、タイヤ10は、ベルトコードのヤング率が40000MPa以上であることが好ましい。これにより、カーカス構造やベルト剛性を適切化して、高内圧でも使用可能なタイヤの強度を確保することができる。また、給電効率と低燃費性を好適に両立させることができる。
上述の各例において、タイヤ10は、インナーライナー16の厚さが0.6mm以上であることが好ましい。これにより、高内圧状態での空気漏れを抑制することができる。また、給電効率と低燃費性を好適に両立させることができる。
上述の各例において、タイヤ10は、タイヤ最大幅部におけるサイドウォール部12のゲージTsと、カーカスコードの径Tcとの比Ts/Tcが、4以上12以下であると、好適である。これにより、給電効率と低燃費性を好適に両立させることができる。
比Ts/Tcを上記の範囲とすることにより、タイヤ荷重時の曲げ変形の大きいタイヤ最大幅部における剛性を適度に低下させて、縦バネ係数を低減して乗り心地性を向上させることができる。
すなわち、上記比Ts/Tcを12以下とすることで、タイヤ最大幅部におけるサイドウォール部4のゲージが大きくなり過ぎないようにして、この部分の剛性が高くなって縦バネ係数が高くなるのを抑制することができる。一方で、上記比Ts/Tcを4以上とすることで、横バネ係数が低下し過ぎないようにして、操縦安定性を確保することができる。
比Ts/Tcを上記の範囲とすることにより、タイヤ荷重時の曲げ変形の大きいタイヤ最大幅部における剛性を適度に低下させて、縦バネ係数を低減して乗り心地性を向上させることができる。
すなわち、上記比Ts/Tcを12以下とすることで、タイヤ最大幅部におけるサイドウォール部4のゲージが大きくなり過ぎないようにして、この部分の剛性が高くなって縦バネ係数が高くなるのを抑制することができる。一方で、上記比Ts/Tcを4以上とすることで、横バネ係数が低下し過ぎないようにして、操縦安定性を確保することができる。
上述の各例において、タイヤ10は、タイヤ最大幅部における、カーカスコードの表面からタイヤ外面までのタイヤ幅方向の距離をTaとするとき、距離Taとカーカスコードの径Tcとの比Ta/Tcが2以上8以下であることが好ましい。これにより、給電効率と低燃費性を好適に両立させることができる。
上記比Ta/Tcを8以下とすることにより、タイヤ最大幅部におけるサイドウォール部12のゲージを小さくして、サイドウォール部12の剛性を低下させて、縦バネ係数を低減し、乗り心地性をより向上させることができる。一方で、上記比Ta/Tcを2以上とすることにより、横バネ係数を確保して、より操縦安定性が確保することができる。
なお、「Ta」は、タイヤ最大幅部において、幅方向最外側のカーカスコードの表面からタイヤ外面までのタイヤ幅方向の距離をいう。
すなわち、カーカス折り返し部14Bがタイヤ最大幅部より径方向外側まで延びている場合には、カーカス折り返し部14Bをなす部分のカーカスコード14cの表面からタイヤ外面までのタイヤ幅方向の距離をTaとする。
上記比Ta/Tcを8以下とすることにより、タイヤ最大幅部におけるサイドウォール部12のゲージを小さくして、サイドウォール部12の剛性を低下させて、縦バネ係数を低減し、乗り心地性をより向上させることができる。一方で、上記比Ta/Tcを2以上とすることにより、横バネ係数を確保して、より操縦安定性が確保することができる。
なお、「Ta」は、タイヤ最大幅部において、幅方向最外側のカーカスコードの表面からタイヤ外面までのタイヤ幅方向の距離をいう。
すなわち、カーカス折り返し部14Bがタイヤ最大幅部より径方向外側まで延びている場合には、カーカス折り返し部14Bをなす部分のカーカスコード14cの表面からタイヤ外面までのタイヤ幅方向の距離をTaとする。
上述の各例において、タイヤ10は、カーカスコード14cの径Tcが、0.2mm以上1.2mm以下であることが好ましい。これにより、給電効率と低燃費性を好適に両立させることができる。
Tcを0.8mm以下とすることにより、縦バネ係数を低減して乗り心地性を向上させることができ、一方で、Tcを0.4mm以上とすることにより、横バネ係数を大きくして操縦安定性を確保することができる。
Tcを0.8mm以下とすることにより、縦バネ係数を低減して乗り心地性を向上させることができ、一方で、Tcを0.4mm以上とすることにより、横バネ係数を大きくして操縦安定性を確保することができる。
図5は、本発明の一実施形態にかかるタイヤ・ホイール組立体のタイヤのトレッドパターンを示す展開図である。
図5に示すように、タイヤ10は、トレッド部13の踏面13aに、タイヤ赤道面CL上をタイヤ周方向に延びる周方向主溝17を有している。
図示例のように、周方向主溝17は、タイヤ周方向に真っ直ぐ延びていることが最も好ましい。一方で、周方向主溝17は、ジグザグ状又は湾曲しながらタイヤ周方向に延びていても良い。この場合、給電効率を向上させるために、周方向主溝17は、タイヤ赤道面CL上においては、タイヤ周方向に真っ直ぐ連続して延びる溝部分を有する(シースルー部分(接地時に踏み込み側から蹴り出し側を見た際に、溝壁に遮られることなく蹴り出し側を見ることができる部分)を有する)ことが好ましい。
周方向主溝17の溝幅(開口幅)は、トレッド幅TWの2%以上であることが好ましい。受電効率をより向上させることができるからである。同様の理由により、周方向主溝17の溝幅は、トレッド幅TWの4%以上であることがより好ましい。一方で、陸部の剛性を確保して耐摩耗性を向上させる観点からは、周方向主溝17の溝幅は、トレッド幅TWの20%以下であることが好ましい。同様の理由により、周方向主溝17の溝幅は、トレッド幅TWの15%以下であることがより好ましい。
特には限定されないが、周方向主溝17の溝幅(開口幅)は、3mm以上であることが好ましい。受電効率をより向上させることができるからである。同様の理由により、特には限定されないが、周方向主溝17の溝幅は、5mm以上であることがより好ましい。一方で、陸部の剛性を確保して耐摩耗性を向上させる観点からは、特には限定されないが、周方向主溝17の溝幅は、30mm以下とすることが好ましい。同様の理由により、周方向主溝17の溝幅は、20mm以下であることがより好ましい。
周方向主溝17の溝深さは、トレッド部の厚さの15%以上であることが好ましい。受電効率をより向上させることができるからである。同様の理由により、周方向主溝17の溝深さは、トレッド部の厚さの20%以上であることがより好ましい。一方で、陸部の剛性を確保して耐摩耗性を向上させる観点からは、周方向主溝17の溝深さは、トレッド部の厚さの70%以下とすることが好ましい。同様の理由により、周方向主溝17の溝深さは、トレッド部の厚さの50%以下であることがより好ましい。
特には限定されないが、周方向主溝17の溝深さ(最大深さ)は、2mm以上であることが好ましい。受電効率をより向上させることができるからである。同様の理由により、特には限定されないが、周方向主溝17の溝深さは、3mm以上であることが好ましい。一方で、陸部の剛性を確保して耐摩耗性を向上させる観点からは、特には限定されないが、周方向主溝17の溝深さは、10mm以下とすることが好ましい。同様の理由により、特には限定されないが、周方向主溝17の溝深さは、8mm以下であることが好ましい。
トレッド部の厚さは、特には限定されないが、25mm以下とすることが好ましい。燃費性を向上させつつ、受電効率を向上させることができるからである。同様の理由により、トレッド部の厚さは、20mm以下であることがより好ましい。一方で、特には限定されないが、耐摩耗性を確保する観点からは、トレッド部の厚さは、8mm以上とすることが好ましい。同様の理由により、トレッド部の厚さは、10mm以上であることがより好ましい。
図示例では、トレッド部13の踏面13aに、1本のみの周方向主溝17を有している。図6は、トレッドパターンの他の例を示す展開図である。図6に示すように、トレッド部13の踏面13aに、2本以上の周方向主溝17、18を設けることもできる。図6に示す例では、このタイヤ10は、トレッド部13の踏面13aに、タイヤ赤道面CL上を延びる周方向主溝17の他に、タイヤ赤道面CLを境界とするタイヤ幅方向各半部に1本ずつの周方向主溝18を有している(合計3本)が、タイヤ赤道面CL上を延びる周方向主溝17に加えて、タイヤ幅方向のいずれかの半部にのみ、1本のみの周方向主溝18を設けても(合計2本)良い。
図5に示す例では、トレッド部13の踏面13aには、タイヤ幅方向に延びる幅方向溝を有していないが、1本以上の幅方向溝を設けることもできる。また、図5に示す例では、トレッド部13の踏面13aには、タイヤ周方向に延びる周方向サイプや、タイヤ幅方向に延びる幅方向サイプを有していないが、1本以上の周方向サイプ及び/又は1本以上の幅方向サイプを設けることもできる。なお、幅方向溝は、タイヤ幅方向に延びる溝であって、タイヤ・ホイール組立体に規定内圧を充填し、無負荷とした際の溝幅(開口幅)が2mm以上のものをいう。周方向サイプは、タイヤ周方向に延び、タイヤ・ホイール組立体に規定内圧を充填し、無負荷とした際の溝幅(開口幅)が2mm未満のものをいう。幅方向サイプは、タイヤ・ホイール組立体に規定内圧を充填し、無負荷とした際の溝幅(開口幅)が2mm未満のものをいう。
幅方向溝の溝幅(開口幅)は、排水性能とコーナリング性能を両立させるために、特には限定されないが、例えば1〜15mmとすることができる。また、幅方向溝の溝深さ(最大深さ)は、摩耗性能と操縦安定性能を両立させるために、特には限定されないが、例えば2〜10mmとすることができる。同様の理由により、幅方向溝の溝深さは、3〜8mmであることがより好ましい。
なお、タイヤの踏面において、タイヤ周方向一方側から他方側に向かって、途中で分断されずに繋がっている溝を周方向溝(周方向主溝を含む)とし、それ以外の溝を幅方向溝とする。
トレッド部13の踏面13a全体のネガティブ率は、特には限定されないが、8〜40%とすることができる。トレッド部13の踏面13a全体のネガティブ率を8%以上とすることで排水性をより高めることができ、一方で、トレッド部13の踏面13a全体のネガティブ率を40%以下とすることで耐摩耗性をより高めることができる。同様の理由により、トレッド部13の踏面13a全体のネガティブ率は、15〜35%であることがより好ましい。
図5に示すように、タイヤ10は、トレッド部13の踏面13aに、タイヤ赤道面CL上をタイヤ周方向に延びる周方向主溝17を有している。
図示例のように、周方向主溝17は、タイヤ周方向に真っ直ぐ延びていることが最も好ましい。一方で、周方向主溝17は、ジグザグ状又は湾曲しながらタイヤ周方向に延びていても良い。この場合、給電効率を向上させるために、周方向主溝17は、タイヤ赤道面CL上においては、タイヤ周方向に真っ直ぐ連続して延びる溝部分を有する(シースルー部分(接地時に踏み込み側から蹴り出し側を見た際に、溝壁に遮られることなく蹴り出し側を見ることができる部分)を有する)ことが好ましい。
周方向主溝17の溝幅(開口幅)は、トレッド幅TWの2%以上であることが好ましい。受電効率をより向上させることができるからである。同様の理由により、周方向主溝17の溝幅は、トレッド幅TWの4%以上であることがより好ましい。一方で、陸部の剛性を確保して耐摩耗性を向上させる観点からは、周方向主溝17の溝幅は、トレッド幅TWの20%以下であることが好ましい。同様の理由により、周方向主溝17の溝幅は、トレッド幅TWの15%以下であることがより好ましい。
特には限定されないが、周方向主溝17の溝幅(開口幅)は、3mm以上であることが好ましい。受電効率をより向上させることができるからである。同様の理由により、特には限定されないが、周方向主溝17の溝幅は、5mm以上であることがより好ましい。一方で、陸部の剛性を確保して耐摩耗性を向上させる観点からは、特には限定されないが、周方向主溝17の溝幅は、30mm以下とすることが好ましい。同様の理由により、周方向主溝17の溝幅は、20mm以下であることがより好ましい。
周方向主溝17の溝深さは、トレッド部の厚さの15%以上であることが好ましい。受電効率をより向上させることができるからである。同様の理由により、周方向主溝17の溝深さは、トレッド部の厚さの20%以上であることがより好ましい。一方で、陸部の剛性を確保して耐摩耗性を向上させる観点からは、周方向主溝17の溝深さは、トレッド部の厚さの70%以下とすることが好ましい。同様の理由により、周方向主溝17の溝深さは、トレッド部の厚さの50%以下であることがより好ましい。
特には限定されないが、周方向主溝17の溝深さ(最大深さ)は、2mm以上であることが好ましい。受電効率をより向上させることができるからである。同様の理由により、特には限定されないが、周方向主溝17の溝深さは、3mm以上であることが好ましい。一方で、陸部の剛性を確保して耐摩耗性を向上させる観点からは、特には限定されないが、周方向主溝17の溝深さは、10mm以下とすることが好ましい。同様の理由により、特には限定されないが、周方向主溝17の溝深さは、8mm以下であることが好ましい。
トレッド部の厚さは、特には限定されないが、25mm以下とすることが好ましい。燃費性を向上させつつ、受電効率を向上させることができるからである。同様の理由により、トレッド部の厚さは、20mm以下であることがより好ましい。一方で、特には限定されないが、耐摩耗性を確保する観点からは、トレッド部の厚さは、8mm以上とすることが好ましい。同様の理由により、トレッド部の厚さは、10mm以上であることがより好ましい。
図示例では、トレッド部13の踏面13aに、1本のみの周方向主溝17を有している。図6は、トレッドパターンの他の例を示す展開図である。図6に示すように、トレッド部13の踏面13aに、2本以上の周方向主溝17、18を設けることもできる。図6に示す例では、このタイヤ10は、トレッド部13の踏面13aに、タイヤ赤道面CL上を延びる周方向主溝17の他に、タイヤ赤道面CLを境界とするタイヤ幅方向各半部に1本ずつの周方向主溝18を有している(合計3本)が、タイヤ赤道面CL上を延びる周方向主溝17に加えて、タイヤ幅方向のいずれかの半部にのみ、1本のみの周方向主溝18を設けても(合計2本)良い。
図5に示す例では、トレッド部13の踏面13aには、タイヤ幅方向に延びる幅方向溝を有していないが、1本以上の幅方向溝を設けることもできる。また、図5に示す例では、トレッド部13の踏面13aには、タイヤ周方向に延びる周方向サイプや、タイヤ幅方向に延びる幅方向サイプを有していないが、1本以上の周方向サイプ及び/又は1本以上の幅方向サイプを設けることもできる。なお、幅方向溝は、タイヤ幅方向に延びる溝であって、タイヤ・ホイール組立体に規定内圧を充填し、無負荷とした際の溝幅(開口幅)が2mm以上のものをいう。周方向サイプは、タイヤ周方向に延び、タイヤ・ホイール組立体に規定内圧を充填し、無負荷とした際の溝幅(開口幅)が2mm未満のものをいう。幅方向サイプは、タイヤ・ホイール組立体に規定内圧を充填し、無負荷とした際の溝幅(開口幅)が2mm未満のものをいう。
幅方向溝の溝幅(開口幅)は、排水性能とコーナリング性能を両立させるために、特には限定されないが、例えば1〜15mmとすることができる。また、幅方向溝の溝深さ(最大深さ)は、摩耗性能と操縦安定性能を両立させるために、特には限定されないが、例えば2〜10mmとすることができる。同様の理由により、幅方向溝の溝深さは、3〜8mmであることがより好ましい。
なお、タイヤの踏面において、タイヤ周方向一方側から他方側に向かって、途中で分断されずに繋がっている溝を周方向溝(周方向主溝を含む)とし、それ以外の溝を幅方向溝とする。
トレッド部13の踏面13a全体のネガティブ率は、特には限定されないが、8〜40%とすることができる。トレッド部13の踏面13a全体のネガティブ率を8%以上とすることで排水性をより高めることができ、一方で、トレッド部13の踏面13a全体のネガティブ率を40%以下とすることで耐摩耗性をより高めることができる。同様の理由により、トレッド部13の踏面13a全体のネガティブ率は、15〜35%であることがより好ましい。
また、例えば図6に示したように、トレッド部の踏面に、タイヤ赤道面上に位置せずにタイヤ周方向に延びる周方向主溝をさらに有することも好ましい。そのタイヤ赤道面上ではない位置を通過する磁束がトレッドゴムによって妨げられないようにして、受電効率をさらに向上させ得るからである。
なお、タイヤ赤道面上に位置しない周方向主溝は、タイヤ幅方向半部のタイヤ幅方向中心上に位置していても良く、該中心よりタイヤ幅方向内側に位置していても良く、該中心よりタイヤ幅方向外側に位置していても良い。
なお、タイヤ赤道面上に位置しない周方向主溝は、タイヤ幅方向半部のタイヤ幅方向中心上に位置していても良く、該中心よりタイヤ幅方向内側に位置していても良く、該中心よりタイヤ幅方向外側に位置していても良い。
ところで、図10は、周方向主溝及びその周辺を示すタイヤ幅方向部分断面図である。
図10に示す例では、タイヤ10は、トレッド部13の踏面13aに、トレッド端(上記接地端)と、タイヤ赤道面CL上をタイヤ周方向に延びる周方向主溝17とにより区画される、ショルダー陸部19を有している。そして、周方向主溝17により区画されるショルダー陸部19の壁面のなす傾斜角度θ1は、周方向主溝17によりタイヤ幅方向内側で区画される陸部の壁面のなす傾斜角度θ2より大きい。
上記「傾斜角度」とは、上記状態におけるタイヤ幅方向断面視において、周方向主溝の溝底(最も溝の深い箇所)からタイヤ径方向に溝深さhの20%及び80%の点に対応する点の線分が、上記周方向主溝の位置での上記踏面の法線方向に対してなす傾斜角度をいうものとする。
この構成によれば、ショルダー陸部の形状が、断面視で、タイヤ径方向外側から内側に向かってタイヤ幅方向の幅の広がり方がより大きい形状となるため、ショルダー陸部の剛性が高まり、ショルダー部の耐摩耗性を向上させることができる。よって、タイヤのショルダー部の摩耗を抑制することができる。
なお、タイヤのタイヤ幅方向両側において上記傾斜角度θ1を上記傾斜角度θ2より大きくすることもでき、タイヤ10のタイヤ幅方向一方の半部のみにおいて上記傾斜角度θ1を上記傾斜角度θ2より大きくすることもできる。なお、この場合、当該一方の半部でショルダー部の摩耗を抑制することができる。
ここで、傾斜角度の差θ1−θ2は、0°超50°以下とすることが好ましい。差θ1−θ2を0°より大きくとすることにより、ショルダー陸部の形状による剛性の向上によってショルダー部の耐摩耗性をより一層向上させることができ、一方で、差θ1−θ2を50°以下とすることにより、周方向主溝の体積が大きくならないようにして、ショルダー陸部の剛性を確保してショルダー部の耐摩耗性をより一層向上させることができるからである。同様の理由により、差θ1−θ2は、1〜30°とすることがより好ましい。同様の理由により、差θ1−θ2は、2〜15°とすることがより好ましい。
図10に示す例では、タイヤ10は、トレッド部13の踏面13aに、トレッド端(上記接地端)と、タイヤ赤道面CL上をタイヤ周方向に延びる周方向主溝17とにより区画される、ショルダー陸部19を有している。そして、周方向主溝17により区画されるショルダー陸部19の壁面のなす傾斜角度θ1は、周方向主溝17によりタイヤ幅方向内側で区画される陸部の壁面のなす傾斜角度θ2より大きい。
上記「傾斜角度」とは、上記状態におけるタイヤ幅方向断面視において、周方向主溝の溝底(最も溝の深い箇所)からタイヤ径方向に溝深さhの20%及び80%の点に対応する点の線分が、上記周方向主溝の位置での上記踏面の法線方向に対してなす傾斜角度をいうものとする。
この構成によれば、ショルダー陸部の形状が、断面視で、タイヤ径方向外側から内側に向かってタイヤ幅方向の幅の広がり方がより大きい形状となるため、ショルダー陸部の剛性が高まり、ショルダー部の耐摩耗性を向上させることができる。よって、タイヤのショルダー部の摩耗を抑制することができる。
なお、タイヤのタイヤ幅方向両側において上記傾斜角度θ1を上記傾斜角度θ2より大きくすることもでき、タイヤ10のタイヤ幅方向一方の半部のみにおいて上記傾斜角度θ1を上記傾斜角度θ2より大きくすることもできる。なお、この場合、当該一方の半部でショルダー部の摩耗を抑制することができる。
ここで、傾斜角度の差θ1−θ2は、0°超50°以下とすることが好ましい。差θ1−θ2を0°より大きくとすることにより、ショルダー陸部の形状による剛性の向上によってショルダー部の耐摩耗性をより一層向上させることができ、一方で、差θ1−θ2を50°以下とすることにより、周方向主溝の体積が大きくならないようにして、ショルダー陸部の剛性を確保してショルダー部の耐摩耗性をより一層向上させることができるからである。同様の理由により、差θ1−θ2は、1〜30°とすることがより好ましい。同様の理由により、差θ1−θ2は、2〜15°とすることがより好ましい。
一例として、トレッド部13の踏面13aの幅方向溝のネガティブ率は、トレッド部13の踏面13aの周方向主溝17のネガティブ率より小さいことが好ましい。
「幅方向溝のネガティブ率」とは、トレッド踏面の面積に対する、1本以上の幅方向溝の溝面積の総和の割合をいい、幅方向溝を有しない場合は、幅方向溝のネガティブ率を0%とする。「周方向主溝のネガティブ率」とは、トレッド踏面の面積に対する、1本以上の周方向主溝の溝面積の総和の割合をいう。
タイヤ10は、トレッド部13の踏面13aに、1本以上(例えば1本)のタイヤ周方向に延びる周方向主溝17と、1本以上のタイヤ幅方向に延びる幅方向溝とを有することができる。幅方向溝は、トレッド端からタイヤ幅方向内側に延びていても良い。
これによれば、幅方向溝によるタイヤ転動時の打音を低減して、タイヤの静音性を向上させることができる。また、周方向主溝と幅方向溝との両方のネガティブ率を小さくする場合と比べて、排水性の低下を抑制することもできる。また、周方向主溝と幅方向溝との両方のネガティブ率を大きくする場合と比べて、耐摩耗性の低下を抑制することができる。
周方向主溝のネガティブ率に対する、幅方向溝のネガティブ率の比は、0〜70%とすることが好ましい。幅方向溝を有しない場合(ネガティブ率が0%の場合)は、タイヤ転動時の打音がしなくなり、静音性が特に向上する。上記比を0%超とすることにより、排水性の低下をより抑制することができ、一方で、上記比を70%以下とすることにより、タイヤの静音性をより一層向上させることができるからである。同様の理由により、上記比は、10〜60%とすることがさらに好ましい。
この場合、特には限定されないが、周方向主溝のネガティブ率は、摩耗性能と排水性能を両立させるために、例えば8〜30%とすることができる。また、特には限定されないが、操縦安定性能と排水性能を両立させるために、幅方向溝のネガティブ率は、1〜21%とすることができる。
ここで、幅方向溝のネガティブ率を上記のように小さくするためには、幅方向溝の溝幅を小さく(特には限定されないが例えば15mm以下)とすることもでき、あるいは、例えばタイヤ周方向のピッチ長を大きく(特には限定されないが例えば10mm以上)することもできる。なお、非対称パターンとすることもでき、例えばタイヤ赤道面CLを境界とする一方のタイヤ幅方向半部においては、幅方向溝の溝幅を小さく(特には限定されないが例えば14mm以下)し、他方のタイヤ幅方向半部においては、幅方向溝のタイヤ周方向のピッチ長を大きく(特には限定されないが例えば11mm以上)することもできる。
「幅方向溝のネガティブ率」とは、トレッド踏面の面積に対する、1本以上の幅方向溝の溝面積の総和の割合をいい、幅方向溝を有しない場合は、幅方向溝のネガティブ率を0%とする。「周方向主溝のネガティブ率」とは、トレッド踏面の面積に対する、1本以上の周方向主溝の溝面積の総和の割合をいう。
タイヤ10は、トレッド部13の踏面13aに、1本以上(例えば1本)のタイヤ周方向に延びる周方向主溝17と、1本以上のタイヤ幅方向に延びる幅方向溝とを有することができる。幅方向溝は、トレッド端からタイヤ幅方向内側に延びていても良い。
これによれば、幅方向溝によるタイヤ転動時の打音を低減して、タイヤの静音性を向上させることができる。また、周方向主溝と幅方向溝との両方のネガティブ率を小さくする場合と比べて、排水性の低下を抑制することもできる。また、周方向主溝と幅方向溝との両方のネガティブ率を大きくする場合と比べて、耐摩耗性の低下を抑制することができる。
周方向主溝のネガティブ率に対する、幅方向溝のネガティブ率の比は、0〜70%とすることが好ましい。幅方向溝を有しない場合(ネガティブ率が0%の場合)は、タイヤ転動時の打音がしなくなり、静音性が特に向上する。上記比を0%超とすることにより、排水性の低下をより抑制することができ、一方で、上記比を70%以下とすることにより、タイヤの静音性をより一層向上させることができるからである。同様の理由により、上記比は、10〜60%とすることがさらに好ましい。
この場合、特には限定されないが、周方向主溝のネガティブ率は、摩耗性能と排水性能を両立させるために、例えば8〜30%とすることができる。また、特には限定されないが、操縦安定性能と排水性能を両立させるために、幅方向溝のネガティブ率は、1〜21%とすることができる。
ここで、幅方向溝のネガティブ率を上記のように小さくするためには、幅方向溝の溝幅を小さく(特には限定されないが例えば15mm以下)とすることもでき、あるいは、例えばタイヤ周方向のピッチ長を大きく(特には限定されないが例えば10mm以上)することもできる。なお、非対称パターンとすることもでき、例えばタイヤ赤道面CLを境界とする一方のタイヤ幅方向半部においては、幅方向溝の溝幅を小さく(特には限定されないが例えば14mm以下)し、他方のタイヤ幅方向半部においては、幅方向溝のタイヤ周方向のピッチ長を大きく(特には限定されないが例えば11mm以上)することもできる。
他の一例として、トレッド部13の踏面13aの幅方向溝のネガティブ率は、トレッド部13の踏面13aの周方向主溝17のネガティブ率より大きい又は等しいことも好ましい。
タイヤ10は、トレッド部13の踏面13aに、1本以上(例えば1本)のタイヤ周方向に延びる周方向主溝と、1本以上のタイヤ幅方向に延びる幅方向溝とを有し、例えば幅方向溝は、トレッド端からタイヤ幅方向内側に延びていることができる。
これによれば、幅方向溝による排水性を大きく確保して、ハイドロプレーニング性能(特にコーナリング時のハイドロプレーニング性能)を向上させることができる。また、周方向主溝と幅方向溝の両方のネガティブ率を大きくする場合と比べて、タイヤの耐摩耗性を確保することができる。また、周方向主溝と幅方向溝の両方のネガティブ率を小さくする場合と比べて、タイヤの排水性を向上させることができる。
周方向主溝のネガティブ率に対する、幅方向溝のネガティブ率の比は、100〜200%とすることが好ましい。上記比を100%以上とすることにより、タイヤのコーナリング時のハイドロプレーニング性能をより向上させることができ、一方で、上記比を200%以下とすることにより、タイヤの耐摩耗性をより向上させることができるからである。同様の理由により、上記比は、110〜180%とすることがさらに好ましい。
この場合、特には限定されないが、周方向主溝のネガティブ率は、摩耗性能と排水性能を両立させるために、例えば3〜30%とすることができる。また、特には限定されないが、操縦安定性能と排水性能を両立させるために、幅方向溝のネガティブ率は、3〜60%とすることができる。
ここで、幅方向溝のネガティブ率を相対的に大きくするためには、例えば幅方向溝を湾曲した形状とすることにより延在長さを確保することができ、あるいは、例えば幅方向溝の溝幅を大きく(特には限定されないが例えば1mm以上)とすることもできる。あるいは、タイヤ周方向のピッチ長を小さく(特には限定されないが例えば50mm以下)することもできる。なお、非対称パターンとすることもでき、例えばタイヤ赤道面CLを境界とする一方のタイヤ幅方向半部に、1本の周方向主溝が配置され、他方のタイヤ幅方向半部には、周方向主溝を有さず、上記一方の半部では、幅方向溝のピッチ長さを(他方の半部より)小さくし、また、上記他方の半部では、幅方向溝を湾曲した形状とすることにより延在長さを確保することができる。
タイヤ10は、トレッド部13の踏面13aに、1本以上(例えば1本)のタイヤ周方向に延びる周方向主溝と、1本以上のタイヤ幅方向に延びる幅方向溝とを有し、例えば幅方向溝は、トレッド端からタイヤ幅方向内側に延びていることができる。
これによれば、幅方向溝による排水性を大きく確保して、ハイドロプレーニング性能(特にコーナリング時のハイドロプレーニング性能)を向上させることができる。また、周方向主溝と幅方向溝の両方のネガティブ率を大きくする場合と比べて、タイヤの耐摩耗性を確保することができる。また、周方向主溝と幅方向溝の両方のネガティブ率を小さくする場合と比べて、タイヤの排水性を向上させることができる。
周方向主溝のネガティブ率に対する、幅方向溝のネガティブ率の比は、100〜200%とすることが好ましい。上記比を100%以上とすることにより、タイヤのコーナリング時のハイドロプレーニング性能をより向上させることができ、一方で、上記比を200%以下とすることにより、タイヤの耐摩耗性をより向上させることができるからである。同様の理由により、上記比は、110〜180%とすることがさらに好ましい。
この場合、特には限定されないが、周方向主溝のネガティブ率は、摩耗性能と排水性能を両立させるために、例えば3〜30%とすることができる。また、特には限定されないが、操縦安定性能と排水性能を両立させるために、幅方向溝のネガティブ率は、3〜60%とすることができる。
ここで、幅方向溝のネガティブ率を相対的に大きくするためには、例えば幅方向溝を湾曲した形状とすることにより延在長さを確保することができ、あるいは、例えば幅方向溝の溝幅を大きく(特には限定されないが例えば1mm以上)とすることもできる。あるいは、タイヤ周方向のピッチ長を小さく(特には限定されないが例えば50mm以下)することもできる。なお、非対称パターンとすることもでき、例えばタイヤ赤道面CLを境界とする一方のタイヤ幅方向半部に、1本の周方向主溝が配置され、他方のタイヤ幅方向半部には、周方向主溝を有さず、上記一方の半部では、幅方向溝のピッチ長さを(他方の半部より)小さくし、また、上記他方の半部では、幅方向溝を湾曲した形状とすることにより延在長さを確保することができる。
一例として、タイヤ10は、例えば、トレッド部13の踏面13aに、1本以上の(例えば1本の)タイヤ周方向に延びる周方向主溝を有する。ここで、車両装着時内側となるトレッド部13の踏面13aのタイヤ幅方向一方の半部の周方向主溝のネガティブ率は、車両装着時外側となるトレッド部13の踏面13aのタイヤ幅方向他方の半部の周方向主溝のネガティブ率より小さいことが好ましい。例えば、周方向主溝は、タイヤ赤道面CL上に位置し、溝幅の中心がタイヤ赤道面からタイヤ幅方向他方側(車両装着時外側)の半部にオフセットして配置されることができる。
これによれば、通常摩耗し易い(特にネガティブキャンバ時)車両装着時内側の陸部の剛性を確保して、タイヤの耐摩耗性を向上させることができる。また、車両装着時外側及び車両装着時内側の両方のネガティブ率を小さくする場合と比べて、タイヤの排水性の低下を抑制することができる。また、車両装着時外側及び車両装着時内側の両方のネガティブ率を大きくする場合と比べて、タイヤの耐摩耗性の低下を抑制することができる。
ここで、タイヤ幅方向他方の半部(車両装着時外側)のネガティブ率に対する、タイヤ幅方向一方の半部(車両装着時内側)のネガティブ率のネガティブ比は、20〜99%とすることが好ましい。上記ネガティブ比を20%以上とすることにより、より一層車両装着時内側の陸部の剛性を確保して、タイヤの耐摩耗性をより向上させることができ、一方で、上記ネガティブ比を99%以下とすることにより、車両装着時内側の排水性も確保することができるからである。同様の理由により、上記ネガティブ比は、30〜90%とすることがより好ましい。
この場合、特には限定されないが、タイヤ幅方向他方の半部(車両装着時外側)のネガティブ率は、例えば8〜40%とすることができる。また、特には限定されないが、タイヤ幅方向一方の半部(車両装着時内側)のネガティブ率は、例えば2〜39%とすることができる。
なお、タイヤ赤道面上に周方向主溝を有していれば、周方向主溝の本数は、1本でも2本以上でも良い。
これによれば、通常摩耗し易い(特にネガティブキャンバ時)車両装着時内側の陸部の剛性を確保して、タイヤの耐摩耗性を向上させることができる。また、車両装着時外側及び車両装着時内側の両方のネガティブ率を小さくする場合と比べて、タイヤの排水性の低下を抑制することができる。また、車両装着時外側及び車両装着時内側の両方のネガティブ率を大きくする場合と比べて、タイヤの耐摩耗性の低下を抑制することができる。
ここで、タイヤ幅方向他方の半部(車両装着時外側)のネガティブ率に対する、タイヤ幅方向一方の半部(車両装着時内側)のネガティブ率のネガティブ比は、20〜99%とすることが好ましい。上記ネガティブ比を20%以上とすることにより、より一層車両装着時内側の陸部の剛性を確保して、タイヤの耐摩耗性をより向上させることができ、一方で、上記ネガティブ比を99%以下とすることにより、車両装着時内側の排水性も確保することができるからである。同様の理由により、上記ネガティブ比は、30〜90%とすることがより好ましい。
この場合、特には限定されないが、タイヤ幅方向他方の半部(車両装着時外側)のネガティブ率は、例えば8〜40%とすることができる。また、特には限定されないが、タイヤ幅方向一方の半部(車両装着時内側)のネガティブ率は、例えば2〜39%とすることができる。
なお、タイヤ赤道面上に周方向主溝を有していれば、周方向主溝の本数は、1本でも2本以上でも良い。
他の一例として、タイヤ10は、トレッド部13の踏面13aに、1本以上の(例えば1本の)タイヤ周方向に延びる周方向主溝を有する。ここで、車両装着時内側となるトレッド部13の踏面13aのタイヤ幅方向一方の半部の周方向主溝のネガティブ率は、車両装着時外側となるトレッド部13の踏面13aのタイヤ幅方向他方の半部の周方向主溝のネガティブ率より大きい。例えば、周方向主溝は、タイヤ赤道面CL上に位置し、溝幅の中心がタイヤ赤道面からタイヤ幅方向一方側(車両装着時外側)の半部にオフセットして配置されることができる。
これによれば、通常接地長が長くなる(特にネガティブキャンバ時)(特に前輪として用いる場合)車両装着時内側の溝面積を確保して、タイヤの直進時のハイドロプレーニング性能を向上させることができる。また、車両装着時外側及び車両装着時内側の両方のネガティブ率を大きくする場合と比べて、タイヤの耐摩耗性の低下を抑制することができる。なお、車両装着時外側及び車両装着時内側の両方のネガティブ率を小さくする場合と比べて、タイヤの排水性の低下を抑制することができる。
ここで、タイヤ幅方向一方の半部(車両装着時内側)のネガティブ率に対する、タイヤ幅方向他方の半部(車両装着時外側)のネガティブ率のネガティブ比は、20〜99%とすることが好ましい。上記ネガティブ比を20%以上とすることにより、より一層車両装着時内側の溝面積を確保して、タイヤの直進時のハイドロプレーニング性能をより向上させることができ、一方で、上記ネガティブ比を99%以下とすることにより、タイヤの耐摩耗性も確保することができるからである。同様の理由により、上記ネガティブ比は、30〜90%とすることがより好ましい。
この場合、特には限定されないが、タイヤ幅方向他方の半部(車両装着時外側)のネガティブ率は、例えば2〜40%とすることができる。また、特には限定されないが、タイヤ幅方向一方の半部(車両装着時内側)のネガティブ率は、例えば8〜41%とすることができる。
なお、タイヤ赤道面上に周方向主溝を有していれば、周方向主溝の本数は、1本でも2本以上でも良い。
これによれば、通常接地長が長くなる(特にネガティブキャンバ時)(特に前輪として用いる場合)車両装着時内側の溝面積を確保して、タイヤの直進時のハイドロプレーニング性能を向上させることができる。また、車両装着時外側及び車両装着時内側の両方のネガティブ率を大きくする場合と比べて、タイヤの耐摩耗性の低下を抑制することができる。なお、車両装着時外側及び車両装着時内側の両方のネガティブ率を小さくする場合と比べて、タイヤの排水性の低下を抑制することができる。
ここで、タイヤ幅方向一方の半部(車両装着時内側)のネガティブ率に対する、タイヤ幅方向他方の半部(車両装着時外側)のネガティブ率のネガティブ比は、20〜99%とすることが好ましい。上記ネガティブ比を20%以上とすることにより、より一層車両装着時内側の溝面積を確保して、タイヤの直進時のハイドロプレーニング性能をより向上させることができ、一方で、上記ネガティブ比を99%以下とすることにより、タイヤの耐摩耗性も確保することができるからである。同様の理由により、上記ネガティブ比は、30〜90%とすることがより好ましい。
この場合、特には限定されないが、タイヤ幅方向他方の半部(車両装着時外側)のネガティブ率は、例えば2〜40%とすることができる。また、特には限定されないが、タイヤ幅方向一方の半部(車両装着時内側)のネガティブ率は、例えば8〜41%とすることができる。
なお、タイヤ赤道面上に周方向主溝を有していれば、周方向主溝の本数は、1本でも2本以上でも良い。
図9は、接地形状を示す平面図である。図11は、図19の場合の作用効果について説明するための図である。図9に示すように、タイヤ・ホイール組立体に規定内圧を充填し、最大負荷荷重を負荷した際の接地面において、該接地面のタイヤ幅方向中心における接地長LCに対する、タイヤ幅方向端からトレッド幅方向内側に接地幅Wの10%離間したタイヤ幅方向位置における接地長LEの比である矩形率は50%以上であることが好ましい。
ここで、「接地幅」とは、タイヤ・ホイール組立体に規定内圧を充填し、最大負荷荷重を負荷した際の、上記接地端間のタイヤ幅方向距離をいう。
図11に模式的に示すように、矩形率が小さい場合(破線で示している)、タイヤと路面との間に空間ができて、その間に水や異物等が入り込んで磁束を妨げ、受電効率を低下させてしまうが、矩形率を上記の範囲とすることにより(実線で示している)、タイヤと路面との間の空間をなくして、水や異物等により磁束が妨げられないようにして、受電効率を向上させることができる。
よって、電磁誘導方式を用いた自動給電において、高い受電効率を達成することができる。さらに、矩形率が50%以上であると、エネルギーロスも小さくなるため、燃費性も向上する。
受電効率をより一層向上させ、燃費性をより向上させる観点から、上記矩形率は、60%以上であることがより好ましく、70%以上であることがさらに好ましく、80%以上であることが最も好ましい。一方で、耐摩耗性を向上させる観点からは、上記矩形率は、110%以下であることが好ましい。
上記矩形率を50%以上(好ましくは60%以上、70%以上、80%以上)とするためには、ショルダー部の周方向剛性を適度に低下させることが好ましい。例えば、タイヤ幅方向端からトレッド幅方向内側に接地幅Wの10%離間したタイヤ幅方向位置を含むタイヤ幅方向領域において、ベルト補強層を配置しない、又は、ベルト補強層の層数を他の領域より少なくする、ベルト層の層数を他の領域より少なくすることができる。
ここで、「接地幅」とは、タイヤ・ホイール組立体に規定内圧を充填し、最大負荷荷重を負荷した際の、上記接地端間のタイヤ幅方向距離をいう。
図11に模式的に示すように、矩形率が小さい場合(破線で示している)、タイヤと路面との間に空間ができて、その間に水や異物等が入り込んで磁束を妨げ、受電効率を低下させてしまうが、矩形率を上記の範囲とすることにより(実線で示している)、タイヤと路面との間の空間をなくして、水や異物等により磁束が妨げられないようにして、受電効率を向上させることができる。
よって、電磁誘導方式を用いた自動給電において、高い受電効率を達成することができる。さらに、矩形率が50%以上であると、エネルギーロスも小さくなるため、燃費性も向上する。
受電効率をより一層向上させ、燃費性をより向上させる観点から、上記矩形率は、60%以上であることがより好ましく、70%以上であることがさらに好ましく、80%以上であることが最も好ましい。一方で、耐摩耗性を向上させる観点からは、上記矩形率は、110%以下であることが好ましい。
上記矩形率を50%以上(好ましくは60%以上、70%以上、80%以上)とするためには、ショルダー部の周方向剛性を適度に低下させることが好ましい。例えば、タイヤ幅方向端からトレッド幅方向内側に接地幅Wの10%離間したタイヤ幅方向位置を含むタイヤ幅方向領域において、ベルト補強層を配置しない、又は、ベルト補強層の層数を他の領域より少なくする、ベルト層の層数を他の領域より少なくすることができる。
また、一例として、タイヤ・ホイール組立体に規定内圧を充填し、無負荷とした状態における、タイヤ幅方向断面視で、トレッド端TEからタイヤ幅方向内側にトレッド幅TWの1/8離間したトレッド表面上の点を1/8点(点P)とするとき、上記の状態において、上記1/8点(点P)でのトレッド部13の厚さT2は、タイヤ赤道面CL上でのトレッド部13の厚さT1より小さいことが好ましい。
これによれば、(例えば送電コイル41の環が路面に対して斜めに配置されているような場合)上記1/8点を通る磁束がトレッドゴムによって受電コイル31に届くのが妨げられにくくなり、受電効率を向上させることができる。また、タイヤ幅方向全域にわたってトレッド厚さを小さくする場合と比べて、タイヤの耐摩耗性も確保することができる。なお、送電コイル41や受電コイル31の配置は、少なくとも一部の磁束が上記1/8点を通り得るような配置であれば、上記の作用効果を得ることができる。
また、タイヤ10は、タイヤ赤道面CLを境界とするタイヤ幅方向の両側の半部で、上記の状態において、上記1/8点(点P)でのトレッド部13の厚さT2は、タイヤ赤道面CL上でのトレッド部13の厚さT1より小さくすることもでき、あるいは、いずれかの半部のみにおいて、上記の状態において、上記1/8点(点P)でのトレッド部13の厚さT2が、タイヤ赤道面CL上でのトレッド部13の厚さT1より小さくすることもできる。
ここで、タイヤ赤道面上でのトレッド部の厚さT1に対する、上記1/8点でのトレッド部の厚さT2の比T2/T1は、60〜99%であることが好ましい。上記比T2/T1を60%以上とすることにより、タイヤの耐摩耗性を向上させることができ、一方で、上記比T2/T1を99%以下とすることにより、受電効率をより一層向上させることができるからである。同様の理由により、比T2/T1は、65〜95%とすることがより好ましい。
また、トレッド部の厚さは、タイヤ赤道面CLから上記1/8点(点P)に向かって漸減することも好ましい。タイヤ幅方向の剛性段差を生じさせないようにしつつも、受電効率を向上させることができるからである。
なお、タイヤ赤道面CLから上記1/8点(点P)の間において、トレッドの厚さに段差部を設けて、上記厚さT2を上記厚さT1より小さくすることもできる。この場合、周方向主溝を境界として段差を設けること(すなわち、1つの陸部内では段差を有しないこと)が好ましい。
ここで、上記の場合、タイヤ赤道面上でのトレッド部の厚さT1は、8〜25mmであることが好ましい。厚さT1を8mm以上とすることにより、タイヤの耐摩耗性を向上させることができ、一方で、厚さT1を25mm以下とすることにより、燃費性を向上させ、また、タイヤ赤道面を通過する磁束がトレッドゴムによって妨げられる量を低減して受電効率を向上させることができるからである。
また、上記の場合、上記1/8点でのトレッド部の厚さT2は、5〜24mmであることが好ましい。厚さT2を5mm以上とすることにより、タイヤの耐摩耗性を向上させることができ、一方で、厚さT2を24mm以下とすることにより、燃費性を向上させ、また、上記1/8点を通過する磁束がトレッドゴムによって妨げられる量を低減して受電効率を向上させることができるからである。
なお、この場合、タイヤ赤道面上でのトレッド部の厚さT1は、溝が無いと仮定した仮想線を引いて考えるものとし、上記の1/8点に溝を有する場合も、溝が無いと仮定した場合の仮想線を引いて考えるものとする。
また、上記T1とT2との関係に言及する場合、トレッド部の厚さは、当該位置でのトレッド踏面をなす線(又は仮想線)の法線方向に図った厚さとする。
タイヤ赤道面CLを境界とするトレッド幅方向半部間で上記1/8点(点P)でのトレッド部の厚さが異なる場合、車両装着時内側での上記1/8点(点P)でのトレッド部の厚さが、車両装着時外側での上記1/8点(点P)でのトレッド部の厚さより小さい場合には、路面から外方斜めに発生し、車両装着時内側での上記1/8点(点P)を通過する磁束について、上記の作用効果を効率的に得ることができ、一方で、車両装着時外側での上記1/8点(点P)でのトレッド部の厚さが、車両装着時内側での上記1/8点(点P)でのトレッド部の厚さより小さい場合には、路面から内方斜めに発生し、車両装着時外側での上記1/8点(点P)を通過する磁束について、上記の作用効果を効率的に得ることができる。
これによれば、(例えば送電コイル41の環が路面に対して斜めに配置されているような場合)上記1/8点を通る磁束がトレッドゴムによって受電コイル31に届くのが妨げられにくくなり、受電効率を向上させることができる。また、タイヤ幅方向全域にわたってトレッド厚さを小さくする場合と比べて、タイヤの耐摩耗性も確保することができる。なお、送電コイル41や受電コイル31の配置は、少なくとも一部の磁束が上記1/8点を通り得るような配置であれば、上記の作用効果を得ることができる。
また、タイヤ10は、タイヤ赤道面CLを境界とするタイヤ幅方向の両側の半部で、上記の状態において、上記1/8点(点P)でのトレッド部13の厚さT2は、タイヤ赤道面CL上でのトレッド部13の厚さT1より小さくすることもでき、あるいは、いずれかの半部のみにおいて、上記の状態において、上記1/8点(点P)でのトレッド部13の厚さT2が、タイヤ赤道面CL上でのトレッド部13の厚さT1より小さくすることもできる。
ここで、タイヤ赤道面上でのトレッド部の厚さT1に対する、上記1/8点でのトレッド部の厚さT2の比T2/T1は、60〜99%であることが好ましい。上記比T2/T1を60%以上とすることにより、タイヤの耐摩耗性を向上させることができ、一方で、上記比T2/T1を99%以下とすることにより、受電効率をより一層向上させることができるからである。同様の理由により、比T2/T1は、65〜95%とすることがより好ましい。
また、トレッド部の厚さは、タイヤ赤道面CLから上記1/8点(点P)に向かって漸減することも好ましい。タイヤ幅方向の剛性段差を生じさせないようにしつつも、受電効率を向上させることができるからである。
なお、タイヤ赤道面CLから上記1/8点(点P)の間において、トレッドの厚さに段差部を設けて、上記厚さT2を上記厚さT1より小さくすることもできる。この場合、周方向主溝を境界として段差を設けること(すなわち、1つの陸部内では段差を有しないこと)が好ましい。
ここで、上記の場合、タイヤ赤道面上でのトレッド部の厚さT1は、8〜25mmであることが好ましい。厚さT1を8mm以上とすることにより、タイヤの耐摩耗性を向上させることができ、一方で、厚さT1を25mm以下とすることにより、燃費性を向上させ、また、タイヤ赤道面を通過する磁束がトレッドゴムによって妨げられる量を低減して受電効率を向上させることができるからである。
また、上記の場合、上記1/8点でのトレッド部の厚さT2は、5〜24mmであることが好ましい。厚さT2を5mm以上とすることにより、タイヤの耐摩耗性を向上させることができ、一方で、厚さT2を24mm以下とすることにより、燃費性を向上させ、また、上記1/8点を通過する磁束がトレッドゴムによって妨げられる量を低減して受電効率を向上させることができるからである。
なお、この場合、タイヤ赤道面上でのトレッド部の厚さT1は、溝が無いと仮定した仮想線を引いて考えるものとし、上記の1/8点に溝を有する場合も、溝が無いと仮定した場合の仮想線を引いて考えるものとする。
また、上記T1とT2との関係に言及する場合、トレッド部の厚さは、当該位置でのトレッド踏面をなす線(又は仮想線)の法線方向に図った厚さとする。
タイヤ赤道面CLを境界とするトレッド幅方向半部間で上記1/8点(点P)でのトレッド部の厚さが異なる場合、車両装着時内側での上記1/8点(点P)でのトレッド部の厚さが、車両装着時外側での上記1/8点(点P)でのトレッド部の厚さより小さい場合には、路面から外方斜めに発生し、車両装着時内側での上記1/8点(点P)を通過する磁束について、上記の作用効果を効率的に得ることができ、一方で、車両装着時外側での上記1/8点(点P)でのトレッド部の厚さが、車両装着時内側での上記1/8点(点P)でのトレッド部の厚さより小さい場合には、路面から内方斜めに発生し、車両装着時外側での上記1/8点(点P)を通過する磁束について、上記の作用効果を効率的に得ることができる。
あるいは、タイヤ・ホイール組立体3に規定内圧を充填し、無負荷とした状態における、タイヤ幅方向断面視で、トレッド端TEからタイヤ幅方向内側にトレッド幅TWの1/8離間したトレッド表面上の点を1/8点(点P)とするとき、上記の状態において、タイヤ赤道面CL上でのトレッド部13の厚さT1は、上記1/8点(点P)でのトレッド部13の厚さT2より小さいことも好ましい。
これによれば、(例えば、送電コイル41の環が路面に対して平行にされているような場合)タイヤ赤道面を通る磁束がトレッドゴムによって受電コイル31に届くのが妨げられにくくなり、受電効率を向上させることができる。また、タイヤ幅方向全域にわたってトレッド厚さを小さくする場合と比べて、タイヤの耐摩耗性も確保することができる。
なお、送電コイル41や受電コイル31の配置は、少なくとも一部の磁束がタイヤ赤道面を通り得るような配置であれば、上記の作用効果を得ることができる。
また、タイヤ10は、タイヤ赤道面CLを境界とするタイヤ幅方向の両側の半部に対し、上記の状態において、タイヤ赤道面CL上でのトレッド部13の厚さT1は、上記1/8点(点P)でのトレッド部13の厚さT2より小さくすることもでき、あるいは、いずれかの半部のみにおいて、上記の状態において、タイヤ赤道面CL上でのトレッド部13の厚さT1が、上記1/8点(点P)でのトレッド部13の厚さT2より小さくすることもできる。
ここで、タイヤ赤道面上でのトレッド部の厚さT1に対する、上記1/8点でのトレッド部の厚さT2の比T2/T1は、100〜120%であることが好ましい。上記比T2/T1を100%以上とすることにより、タイヤの耐摩耗性を向上させることができ、一方で、上記比T2/T1を120%以下とすることにより、受電効率をより一層向上させることができるからである。同様の理由により、比T2/T1は、103〜115%とすることがより好ましい。
また、トレッド部の厚さは、タイヤ赤道面CLから上記1/8点(点P)に向かって漸増することも好ましい。タイヤ幅方向の剛性段差を生じさせないようにしつつも、受電効率を向上させることができるからである。
なお、タイヤ赤道面CLから上記1/8点(点P)の間において、トレッドの厚さに段差部を設けて、上記厚さT1を上記厚さT2より小さくすることもできる。この場合、周方向主溝を境界として段差を設けること(すなわち、1つの陸部内では段差を有しないこと)が好ましい。
上記の場合において、タイヤ赤道面上でのトレッド部の厚さT1は、8〜25mmであることが好ましい。厚さT1を8mm以上とすることにより、タイヤの耐摩耗性を向上させることができ、一方で、厚さT1を25mm以下とすることにより、燃費性を向上させ、また、タイヤ赤道面を通過する磁束がトレッドゴムによって妨げられる量を低減して受電効率を向上させることができるからである。
また、上記の場合において、上記1/8点でのトレッド部の厚さT2は、8〜30mmであることが好ましい。厚さT2を8mm以上とすることにより、タイヤの耐摩耗性を向上させることができ、一方で、厚さT2を30mm以下とすることにより、燃費性を向上させ、また、上記1/8点を通過する磁束がトレッドゴムによって妨げられる量を低減して受電効率を向上させることができるからである。
タイヤ赤道面CLを境界とするトレッド幅方向半部間で上記1/8点(点P)でのトレッド部の厚さが異なる場合、車両装着時内側での上記1/8点(点P)でのトレッド部の厚さが、車両装着時外側での上記1/8点(点P)でのトレッド部の厚さより小さい場合には、路面から外方斜めに発生し、車両装着時内側での上記1/8点(点P)を通過する磁束について、上記の作用効果を効率的に得ることができ、一方で、車両装着時外側での上記1/8点(点P)でのトレッド部の厚さが、車両装着時内側での上記1/8点(点P)でのトレッド部の厚さより小さい場合には、路面から内方斜めに発生し、車両装着時外側での上記1/8点(点P)を通過する磁束について、上記の作用効果を効率的に得ることができる。
これによれば、(例えば、送電コイル41の環が路面に対して平行にされているような場合)タイヤ赤道面を通る磁束がトレッドゴムによって受電コイル31に届くのが妨げられにくくなり、受電効率を向上させることができる。また、タイヤ幅方向全域にわたってトレッド厚さを小さくする場合と比べて、タイヤの耐摩耗性も確保することができる。
なお、送電コイル41や受電コイル31の配置は、少なくとも一部の磁束がタイヤ赤道面を通り得るような配置であれば、上記の作用効果を得ることができる。
また、タイヤ10は、タイヤ赤道面CLを境界とするタイヤ幅方向の両側の半部に対し、上記の状態において、タイヤ赤道面CL上でのトレッド部13の厚さT1は、上記1/8点(点P)でのトレッド部13の厚さT2より小さくすることもでき、あるいは、いずれかの半部のみにおいて、上記の状態において、タイヤ赤道面CL上でのトレッド部13の厚さT1が、上記1/8点(点P)でのトレッド部13の厚さT2より小さくすることもできる。
ここで、タイヤ赤道面上でのトレッド部の厚さT1に対する、上記1/8点でのトレッド部の厚さT2の比T2/T1は、100〜120%であることが好ましい。上記比T2/T1を100%以上とすることにより、タイヤの耐摩耗性を向上させることができ、一方で、上記比T2/T1を120%以下とすることにより、受電効率をより一層向上させることができるからである。同様の理由により、比T2/T1は、103〜115%とすることがより好ましい。
また、トレッド部の厚さは、タイヤ赤道面CLから上記1/8点(点P)に向かって漸増することも好ましい。タイヤ幅方向の剛性段差を生じさせないようにしつつも、受電効率を向上させることができるからである。
なお、タイヤ赤道面CLから上記1/8点(点P)の間において、トレッドの厚さに段差部を設けて、上記厚さT1を上記厚さT2より小さくすることもできる。この場合、周方向主溝を境界として段差を設けること(すなわち、1つの陸部内では段差を有しないこと)が好ましい。
上記の場合において、タイヤ赤道面上でのトレッド部の厚さT1は、8〜25mmであることが好ましい。厚さT1を8mm以上とすることにより、タイヤの耐摩耗性を向上させることができ、一方で、厚さT1を25mm以下とすることにより、燃費性を向上させ、また、タイヤ赤道面を通過する磁束がトレッドゴムによって妨げられる量を低減して受電効率を向上させることができるからである。
また、上記の場合において、上記1/8点でのトレッド部の厚さT2は、8〜30mmであることが好ましい。厚さT2を8mm以上とすることにより、タイヤの耐摩耗性を向上させることができ、一方で、厚さT2を30mm以下とすることにより、燃費性を向上させ、また、上記1/8点を通過する磁束がトレッドゴムによって妨げられる量を低減して受電効率を向上させることができるからである。
タイヤ赤道面CLを境界とするトレッド幅方向半部間で上記1/8点(点P)でのトレッド部の厚さが異なる場合、車両装着時内側での上記1/8点(点P)でのトレッド部の厚さが、車両装着時外側での上記1/8点(点P)でのトレッド部の厚さより小さい場合には、路面から外方斜めに発生し、車両装着時内側での上記1/8点(点P)を通過する磁束について、上記の作用効果を効率的に得ることができ、一方で、車両装着時外側での上記1/8点(点P)でのトレッド部の厚さが、車両装着時内側での上記1/8点(点P)でのトレッド部の厚さより小さい場合には、路面から内方斜めに発生し、車両装着時外側での上記1/8点(点P)を通過する磁束について、上記の作用効果を効率的に得ることができる。
また、タイヤ・ホイール組立体の内圧は、120〜200kPaであることが好ましい。内圧を200kPa以下とすることにより、接地面積が大きくなる。そのため、路面の送電コイル41からの磁束が、トレッドゴムを介して受電コイル31へと届く領域を増大させることができる。接地面積が小さい場合、タイヤと路面との間に空間ができて、その間に水や異物等が入り込んで磁束を妨げ、受電効率を低下させてしまうが、接地面積が大きくなることにより、タイヤと路面との間の空間をなくして、水や異物等により磁束が妨げられないようにして、受電効率を向上させることができる。また、内圧を200kPa以下とすることにより、タイヤのサイドウォール部が撓みやすくなって、受電コイルと送電コイルとの距離を近づけることができ、これによっても受電効率を向上させることができる。また、本実施形態のタイヤ・ホイール組立体によれば、内圧を120kPa以上としており、転がり抵抗を低減して燃費性を向上させることもできる。
ここで、上記内圧は、140〜180kPaであることがより好ましい。燃費性をより一層向上させつつ、受電効率をより一層向上させることができるからである。
また、上記内圧は、150〜170kPaであることがさらに好ましい。燃費性をさらに向上させつつ、受電効率をさらに向上させることができるからである。
上記SW及びODの関係式(1)及び/又は(2)は、上記の内圧を充填した際に満たしていることが好ましい。
ここで、上記内圧は、140〜180kPaであることがより好ましい。燃費性をより一層向上させつつ、受電効率をより一層向上させることができるからである。
また、上記内圧は、150〜170kPaであることがさらに好ましい。燃費性をさらに向上させつつ、受電効率をさらに向上させることができるからである。
上記SW及びODの関係式(1)及び/又は(2)は、上記の内圧を充填した際に満たしていることが好ましい。
あるいは、タイヤ・ホイール組立体の内圧は、200kPa超400kPa以下であることも好ましい。内圧を200kPa超とすることにより、転がり抵抗を低減して燃費性を向上させることができる。また、内圧を400kPa以下とすることにより、接地面積が大きくなる。接地面積が小さい場合、タイヤと路面との間に空間ができて、その間に水や異物等が入り込んで磁束を妨げ、受電効率を低下させてしまうが、接地面積が大きくなることにより、タイヤと路面との間の空間をなくして、水や異物等により磁束が妨げられないようにして、受電効率を向上させることができる。また、内圧を400kPa以下とすることにより、タイヤのサイドウォール部が撓みやすくなって、受電コイルと送電コイルとの距離を近づけることができ、これによっても受電効率を向上させることができる。
ここで、上記内圧は、260〜350kPaであることがより好ましい。受電効率をより一層向上させつつも、燃費性をより一層向上させることができる。また、上記内圧は、300〜320kPaであることがさらに好ましい。受電効率をさらに向上させつつも、燃費性をさらに向上させることができる。
上記SW及びODの関係式(1)及び/又は(2)は、上記の内圧を充填した際に満たしていることが好ましい。
ここで、上記内圧は、260〜350kPaであることがより好ましい。受電効率をより一層向上させつつも、燃費性をより一層向上させることができる。また、上記内圧は、300〜320kPaであることがさらに好ましい。受電効率をさらに向上させつつも、燃費性をさらに向上させることができる。
上記SW及びODの関係式(1)及び/又は(2)は、上記の内圧を充填した際に満たしていることが好ましい。
(ホイール)
次に、ホイール20の構成について説明する。図3は、本発明の一実施形態にかかるホイール20の幅方向断面図である。
次に、ホイール20の構成について説明する。図3は、本発明の一実施形態にかかるホイール20の幅方向断面図である。
図3に示すように、ホイール20は、円筒状のリム部21と、リム部21の径方向内側に設けられ、車両2のハブ2Aに支持固定されるディスク部22と、を有している。
リム部21は、ホイールの幅方向外側から、一対のフランジ23(インナーフランジ23A、アウターフランジ23B)と、一対のビードシート24(インナービードシート24A、アウタービードシート24B)と、ウェル25と、を備えている。ビードシート24には、タイヤ10のビード部11が装着される。フランジ23は、タイヤ10のビード部11を側面から支えるために、ビードシート24からホイールの径方向外側且つホイールの幅方向外側に延びている。ウェル25は、タイヤの脱着を容易にさせるために、一対のビードシート24の間でホイールの径方向内側に向かって凹形状を呈している。ウェル25は、底部と、該底部とビードシート24とを接続する傾斜面と、を有している。さらに、ビードシート24には、ホイールの幅方向内側に一対のハンプ26(インナーハンプ26A、アウターハンプ26B)が設けられている。ハンプ26は、タイヤのビードがウェル25に落ちるのを防ぐために、ホイールの径方向外側に突出している。
リム部21は、例えば、非磁性材料で構成することができる。
非磁性材料には、透磁率が小さい、常磁性体及び反磁性体が含まれる。非磁性材料として、例えば、ポリエステル及びナイロン等の熱可塑性樹脂、ビニルエステル樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂、並びにその他の合成樹脂を含む、樹脂材料を用いることができる。樹脂材料には、更に、補強繊維として、ガラス、カーボン、グラファイト、アラミド、ポリエチレン、及びセラミック等の繊維を含ませることができる。非磁性材料として、樹脂に限らず、ゴム、ガラス、カーボン、グラファイト、アラミド、ポリエチレン、及びセラミック等を含む、任意の非金属材料を用いることができる。さらに、非磁性材料として、アルミ等の常磁性体、又は銅等の反磁性体を含む、金属材料を用いることができる。これにより、送電コイル41から受電コイル31に到達する磁界がリム部21によって妨げられることがないようにすることができ、ひいては、受電効率を向上させることができる。
非磁性材料には、透磁率が小さい、常磁性体及び反磁性体が含まれる。非磁性材料として、例えば、ポリエステル及びナイロン等の熱可塑性樹脂、ビニルエステル樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂、並びにその他の合成樹脂を含む、樹脂材料を用いることができる。樹脂材料には、更に、補強繊維として、ガラス、カーボン、グラファイト、アラミド、ポリエチレン、及びセラミック等の繊維を含ませることができる。非磁性材料として、樹脂に限らず、ゴム、ガラス、カーボン、グラファイト、アラミド、ポリエチレン、及びセラミック等を含む、任意の非金属材料を用いることができる。さらに、非磁性材料として、アルミ等の常磁性体、又は銅等の反磁性体を含む、金属材料を用いることができる。これにより、送電コイル41から受電コイル31に到達する磁界がリム部21によって妨げられることがないようにすることができ、ひいては、受電効率を向上させることができる。
さらに、ホイール20のリム部21には、タイヤ10を装着した際に、タイヤ10の内腔に空気等の気体を充填するためのバルブ27が設けられている。バルブ27は、例えば、上述した樹脂材料で構成することができる。バルブ27を上述した非磁性材料で構成することで、送電コイル41から受電コイル31に到達する磁界がバルブ27によって妨げられることがないようにすることができる。
ディスク部22は、その径方向内端部を構成する円環状の取付部22Aと、取付部22Aからホイールの径方向外側に延在している複数本のスポーク22Bと、を有する。取付部22Aは、車両2のハブ2A(図1、図3参照)に結合固定される部位であって、ハブ2Aと取付部22Aを固定するボルト等を挿入するために、ホイールの幅方向に貫通する取付孔を有している。スポーク22Bのホイールの径方向外側の端部は、リム部21のホイール径方向内側の面の端部に、一体に結合されている。
ディスク部22は、例えば、金属又はフェライト等の透磁率が大きい(例えば強磁性体の)磁性材料を含むものとすることができる。これにより、送電コイル41から受電コイル31に到達する磁界が、タイヤ・ホイール組立体3よりも外側に存在する金属及び他の磁界の影響によって減衰しにくくすることができ、受電効率を向上させることができる。例えば、ディスク部22を樹脂材料で構成した場合には、ホイール20の軽量化を図ることもできる。
ホイール20のディスク部22は、スポーク22Bのホイールの幅方向外側を覆うホイールカバー28をさらに備えている。ホイールカバー28は、例えば、金属又はフェライト等の透磁率が大きい(例えば強磁性体の)磁性材料を含むものとすることができる。これにより、送電コイル41から受電コイル31に到達する磁界が、タイヤ・ホイール組立体3よりも外側に存在する金属及び他の磁界の影響によって減衰しにくくすることができ、受電効率を向上させることができる。
ホイール20は、リム部21のタイヤ径方向内側に、即ち、リム部21及びディスク部22で囲まれた空間に、タイヤ10のタイヤ径方向外側から無線によって供給される電力を受け付ける受電装置30(図1、図4参照)を収容する、収容部を備える。例えば、受電装置30が車両2のハブ2Aに取り付けられている場合、ホイール20が車両2のハブ2Aに取り付けられることで、受電装置30がホイール20の収容部に収容される。
<受電コイル>
図1に戻って、受電装置30は、例えば、車両2のハブ2Aに取り付けられるが、これに限られず、ドライブシャフト2B等、車両2のハブ2Aにホイール20が取り付けられた状態で、受電装置30がホイール20のリム部21のタイヤ径方向内側に収容される、任意の位置に取り付けることができる。この例では、受電装置30は、タイヤ10やホイール20の回転に対して非回転であるように構成されている。
本実施形態では、受電コイル(2次コイル)31は、ウェル25の底部の外周面に取り付けられており、4個の受電コイル31が周上に等間隔(間隔d(mm))に配置されている。従って、この例では、受電コイル31は、タイヤ10やホイール20の回転に対して共に回転するように構成されている。このとき、受電コイル31は、タイヤ10やホイール20の回転と共に周上の位置が変わることになるが、受電コイル31は、タイヤ・ホイール組立体3が送電装置40の上方に位置している状態で、少なくとも或るタイヤ回転角度において、送電コイル41と対向するように配置される。これによって、タイヤ10が送電コイル41の上の路面に位置し、送電コイル41と受電コイル31とが対向する際に、送電コイル41が発生した交流磁界に基づいて、受電コイル31に起電力が発生し、電流が流れて給電される。受電コイル31は、全体を環状に構成されたものであり、当該環の軸方向が路面と略垂直となるように配置されている。受電コイル31は、例えば、フェライトコア等のコアに巻き回され、全体を環状に構成されたものであるが、これに限られず、コイルばね、空芯コイル等、交流磁界に基づいて起電力を発生可能な任意のコイルとすることができる。
ここで、受電コイル31は、タイヤ10が送電コイル41の上の路面に位置した際に、送電コイル41に対向し得る位置であれば良く、例えば、ウェル25の底部の内周面に取り付けることもでき、あるいは、リム部21の他の部分の内周面又は外周面に取り付けることもできる。この場合も、受電コイル31は、タイヤ10やホイール20の回転と共に回転する。あるいは、タイヤ・ホイール組立体3の内部に取り付けることもできる。この場合、受電コイル31を、タイヤ10やホイール20の回転に対して非回転であるように構成することもできるし、例えばホイール20に固定されたタイヤ内腔内に突出する中子を設けることにより当該中子に受電コイル31を取りつけて、受電コイル31を、タイヤ10やホイール20の回転と共に回転するように構成することもできる。
また、受電コイル31の個数は、特に限定されるものではなく、例えば1個の周上に連続した受電コイル31を用いた場合には、タイヤ10が送電コイル41の上の路面に位置した場合に、タイヤの転動中に連続的な給電が可能となるし、あるいは、複数個に分割することにより、受電コイル31のサイズの総和を低減すれば受電コイル31による重量増を抑えて、燃費性を向上させることができる。本実施形態では、上記4個の受電コイル31に対応して、4個の受電装置30が含まれているが、受電装置30の個数も、受電コイル31の個数等に応じた任意の個数とすることができるし、受電装置30の個数を受電コイル31の個数と異なるものとすることもできる。
図1に戻って、受電装置30は、例えば、車両2のハブ2Aに取り付けられるが、これに限られず、ドライブシャフト2B等、車両2のハブ2Aにホイール20が取り付けられた状態で、受電装置30がホイール20のリム部21のタイヤ径方向内側に収容される、任意の位置に取り付けることができる。この例では、受電装置30は、タイヤ10やホイール20の回転に対して非回転であるように構成されている。
本実施形態では、受電コイル(2次コイル)31は、ウェル25の底部の外周面に取り付けられており、4個の受電コイル31が周上に等間隔(間隔d(mm))に配置されている。従って、この例では、受電コイル31は、タイヤ10やホイール20の回転に対して共に回転するように構成されている。このとき、受電コイル31は、タイヤ10やホイール20の回転と共に周上の位置が変わることになるが、受電コイル31は、タイヤ・ホイール組立体3が送電装置40の上方に位置している状態で、少なくとも或るタイヤ回転角度において、送電コイル41と対向するように配置される。これによって、タイヤ10が送電コイル41の上の路面に位置し、送電コイル41と受電コイル31とが対向する際に、送電コイル41が発生した交流磁界に基づいて、受電コイル31に起電力が発生し、電流が流れて給電される。受電コイル31は、全体を環状に構成されたものであり、当該環の軸方向が路面と略垂直となるように配置されている。受電コイル31は、例えば、フェライトコア等のコアに巻き回され、全体を環状に構成されたものであるが、これに限られず、コイルばね、空芯コイル等、交流磁界に基づいて起電力を発生可能な任意のコイルとすることができる。
ここで、受電コイル31は、タイヤ10が送電コイル41の上の路面に位置した際に、送電コイル41に対向し得る位置であれば良く、例えば、ウェル25の底部の内周面に取り付けることもでき、あるいは、リム部21の他の部分の内周面又は外周面に取り付けることもできる。この場合も、受電コイル31は、タイヤ10やホイール20の回転と共に回転する。あるいは、タイヤ・ホイール組立体3の内部に取り付けることもできる。この場合、受電コイル31を、タイヤ10やホイール20の回転に対して非回転であるように構成することもできるし、例えばホイール20に固定されたタイヤ内腔内に突出する中子を設けることにより当該中子に受電コイル31を取りつけて、受電コイル31を、タイヤ10やホイール20の回転と共に回転するように構成することもできる。
また、受電コイル31の個数は、特に限定されるものではなく、例えば1個の周上に連続した受電コイル31を用いた場合には、タイヤ10が送電コイル41の上の路面に位置した場合に、タイヤの転動中に連続的な給電が可能となるし、あるいは、複数個に分割することにより、受電コイル31のサイズの総和を低減すれば受電コイル31による重量増を抑えて、燃費性を向上させることができる。本実施形態では、上記4個の受電コイル31に対応して、4個の受電装置30が含まれているが、受電装置30の個数も、受電コイル31の個数等に応じた任意の個数とすることができるし、受電装置30の個数を受電コイル31の個数と異なるものとすることもできる。
この例では、受電装置30は、電力変換回路32、蓄電部33、及び制御部34を備えている。電力変換回路32は、受電コイル31に生じた電力を直流電力に変換し、導電線等を介して、蓄電部33、あるいは、車両2が備える他の車載装置に直流電力を供給する。蓄電部33は、受電コイル31に生じた電力を蓄える。蓄電部33は、例えば、キャパシタであるが、これに限られず、蓄電池等の任意の蓄電装置とすることができる。蓄電部33がキャパシタである場合、蓄電池に比べて短時間で充放電を行うことができる。そのため、キャパシタである蓄電部33は、道路に設けられた送電装置40の上を車両2が走行する際に受電コイル31に生じた電力を蓄積するような高い即応性を求められる状況において、有利である。制御部34は、受電装置30の各機能を制御するための処理を提供する1つ以上のプロセッサを含んでいてもよい。制御部34は、制御手順を規定したプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)等の汎用のプロセッサ又は各機能の処理に特化した専用のプロセッサとすることができる。制御部34には、プログラム等を記憶する記憶手段、及び外部の電子機器と有線又は無線で通信をする通信手段等の受電装置30の制御に用いられる任意の手段を含むことができる。
なお、本実施形態のように、受電コイル31がタイヤ10やホイール20の回転と共に回転するように構成されている場合には、受電コイル31に生じた電力を、例えばスリップリングを介して、上記電力変換回路32等に送電することができる。あるいは、受電コイル31に生じた電力を、(有線で)第1中継コイルへと送電し、該第1中継コイルに流れる電流により発生する磁界が第2中継コイルを通ることで第2中継コイルに電流が流れ、第2中継コイルから上記電力変換回路32等に送電することもできる。この場合、第1中継コイル、第2中継コイルもタイヤ10やホイール20の回転と共に回転するように構成され、上記の例の場合、中継コイルは、一例としてウェル25の外周面に取り付けることができる。
一方で、受電コイル31がタイヤ10やホイール20の回転に対して非回転である場合(例えば、受電コイル31をハブ2Aに取り付けた場合等)には、受電コイル31から直接、上記蓄電部33等に送電することができる。この場合は、特に、カーカス14が上記の非磁性材料からなり、ベルトコードが上記の非磁性材料からなり、ホイール20のリム部21が上記非磁性材料からなることが、受電効率の低下を抑制する観点から好ましい。
なお、本実施形態のように、受電コイル31がタイヤ10やホイール20の回転と共に回転するように構成されている場合には、受電コイル31に生じた電力を、例えばスリップリングを介して、上記電力変換回路32等に送電することができる。あるいは、受電コイル31に生じた電力を、(有線で)第1中継コイルへと送電し、該第1中継コイルに流れる電流により発生する磁界が第2中継コイルを通ることで第2中継コイルに電流が流れ、第2中継コイルから上記電力変換回路32等に送電することもできる。この場合、第1中継コイル、第2中継コイルもタイヤ10やホイール20の回転と共に回転するように構成され、上記の例の場合、中継コイルは、一例としてウェル25の外周面に取り付けることができる。
一方で、受電コイル31がタイヤ10やホイール20の回転に対して非回転である場合(例えば、受電コイル31をハブ2Aに取り付けた場合等)には、受電コイル31から直接、上記蓄電部33等に送電することができる。この場合は、特に、カーカス14が上記の非磁性材料からなり、ベルトコードが上記の非磁性材料からなり、ホイール20のリム部21が上記非磁性材料からなることが、受電効率の低下を抑制する観点から好ましい。
図4は、本発明の一実施形態にかかる変形例のタイヤ・ホイール組立体を有する、無線受電システムを、タイヤ幅方向断面により概略的に示す、概略図である。
図4に示す例では、タイヤ・ホイール組立体1は、インホイールモータ4を備える。インホイールモータ4には、受電装置30が取り付けられている。
図4に示すように、受電装置30は、タイヤ10やホイール20が回転する際に、非回転であるように(図示例ではハブ2Aのカバー等)に取り付けることもできる。
この場合は、特に、受電装置30(受電コイル31)を、路面と対向する位置に1個のみ配置することができる。一方で、図1に示したように、受電装置30が、タイヤ10及びホイール20が回転と共に回転するような位置に取り付けられた場合、1個又は複数個の受電装置30(受電コイル31)を、ホイール20の周方向に連続的又は断続的に設置することが好ましい。
図4に示す例では、タイヤ・ホイール組立体1は、インホイールモータ4を備える。インホイールモータ4には、受電装置30が取り付けられている。
図4に示すように、受電装置30は、タイヤ10やホイール20が回転する際に、非回転であるように(図示例ではハブ2Aのカバー等)に取り付けることもできる。
この場合は、特に、受電装置30(受電コイル31)を、路面と対向する位置に1個のみ配置することができる。一方で、図1に示したように、受電装置30が、タイヤ10及びホイール20が回転と共に回転するような位置に取り付けられた場合、1個又は複数個の受電装置30(受電コイル31)を、ホイール20の周方向に連続的又は断続的に設置することが好ましい。
以下、本実施形態にかかるタイヤ・ホイール組立体の作用効果について説明する。
図7は、本発明の一実施形態にかかるタイヤ・ホイール組立体の作用効果について説明するための模式図である。
上述したように、送電コイル41からの磁束は、路面から上方へ(本例では路面と略垂直に)発せられる。本実施形態では、タイヤ10は、トレッド部13の踏面13aに、タイヤ赤道面CL上をタイヤ周方向に延びる周方向主溝17を有しているため、図7に模式的に示すように、送電コイル41から発生する磁束の多くが、タイヤ赤道面CL上の周方向主溝17を通過して、受電コイル31を通過する。これらの磁束は、周方向主溝17の部分(空気)を通過するため、溝を有しない部分(トレッドゴム)を通過する場合と比べて、受電コイル31へ到達しようとする磁束が妨げられにくくなり、より多くの磁束が受電コイル31へと到達することができるようになる。
従って、本実施形態のタイヤ・ホイール組立体によれば、電磁誘導方式を用いた自動給電において、高い受電効率を達成することができる。
図8は、別の例のタイヤ・ホイール組立体の作用効果について説明するための模式図である。この例では、送電コイル41が斜めに配置され、受電コイル31が送電コイル41に対向するように配置されている。すなわち、送電コイル41の環の軸方向と、受電コイル31の環の軸方向とが略平行となるように互いに配置されている。このような場合でも、上記と同様に、より多くの磁束が受電コイル31へと到達することができるようになり、電磁誘導方式を用いた自動給電において、高い受電効率を達成することができる。
なお、送電コイル41の環の軸と受電コイル31の環の軸とが略平行でなくとも、磁束の少なくとも一部がタイヤ赤道面付近を通過する場合には、上記の作用効果を得ることができるため、高い受電効率を達成することが可能である。
図7は、本発明の一実施形態にかかるタイヤ・ホイール組立体の作用効果について説明するための模式図である。
上述したように、送電コイル41からの磁束は、路面から上方へ(本例では路面と略垂直に)発せられる。本実施形態では、タイヤ10は、トレッド部13の踏面13aに、タイヤ赤道面CL上をタイヤ周方向に延びる周方向主溝17を有しているため、図7に模式的に示すように、送電コイル41から発生する磁束の多くが、タイヤ赤道面CL上の周方向主溝17を通過して、受電コイル31を通過する。これらの磁束は、周方向主溝17の部分(空気)を通過するため、溝を有しない部分(トレッドゴム)を通過する場合と比べて、受電コイル31へ到達しようとする磁束が妨げられにくくなり、より多くの磁束が受電コイル31へと到達することができるようになる。
従って、本実施形態のタイヤ・ホイール組立体によれば、電磁誘導方式を用いた自動給電において、高い受電効率を達成することができる。
図8は、別の例のタイヤ・ホイール組立体の作用効果について説明するための模式図である。この例では、送電コイル41が斜めに配置され、受電コイル31が送電コイル41に対向するように配置されている。すなわち、送電コイル41の環の軸方向と、受電コイル31の環の軸方向とが略平行となるように互いに配置されている。このような場合でも、上記と同様に、より多くの磁束が受電コイル31へと到達することができるようになり、電磁誘導方式を用いた自動給電において、高い受電効率を達成することができる。
なお、送電コイル41の環の軸と受電コイル31の環の軸とが略平行でなくとも、磁束の少なくとも一部がタイヤ赤道面付近を通過する場合には、上記の作用効果を得ることができるため、高い受電効率を達成することが可能である。
ここで、周方向主溝の溝幅は、トレッド幅TWの2%以上であることが好ましい。上記の効果をタイヤ幅方向に大きく得ることができ、受電効率をより向上させることができるからである。
また、周方向主溝の溝深さは、トレッド部の厚さの15%以上であることが好ましい。上記の効果をタイヤ径方向に大きく得ることができ、受電効率をさらに向上させることができるからである。
また、踏面に周方向主溝を1本のみ有し、周方向主溝の溝幅の幅方向中心は、車両装着外側に位置することが好ましい。摩耗量が大きくなりがちな(特にネガティブキャンバ時)車両装着時内側のネガティブ率を小さくして剛性を確保し、耐摩耗性をより向上させることができるからである。
また、踏面に周方向主溝を1本のみ有し、周方向主溝の溝幅の幅方向中心は、車両装着内側に位置することも好ましい。接地長が長くなりがちな車両装着時内側のネガティブ率を大きくして排水性を確保し、直進時のハイドロプレーニング性能をより向上させることができるからである。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に何ら限定されるものではない。例えば、本発明において、車両2は、自動車であるものとして説明したが、この限りではない。車両2には、乗用車、トラック、バス、及び二輪車等の自動車に加え、トラクター等の農業用車両、ダンプカー等の工事用又は建設用車両、電動自転車、並びに電動車いす等の、モータ等の動力源によってホイール及びタイヤを駆動させる任意の車両が含まれてもよい。また、車両自体が電動で駆動するものの他、車両内で電力を使用するための給電としても良い。
また、例えば、本発明において、タイヤは、空気が充填されるものとして説明したが、この限りではない。例えば、タイヤには、窒素等の気体を充填することができる。また、例えば、タイヤには、気体に限らず、液体、ゲル状物質、又は粉粒体等を含む、任意の流体を充填することができる。
また、例えば、本発明において、タイヤは、インナーライナーを備えるチューブレスタイヤであるものとして説明したが、この限りではない。例えば、タイヤは、チューブを備えるチューブタイプタイヤであってもよい。
また、例えば、本発明においては、タイヤは、非空気入りタイヤとすることもできる。この場合も、送電コイルと対向し得る位置に受電コイルを配置すればよい。
本発明は、特に、接地幅が120mm以上であるタイヤとすることが好ましい。
1:無線受電システム、 2:車両、
2A:ハブ、 2B:ドライブシャフト、
3:タイヤ・ホイール組立体、 4:インホイールモータ、
10:タイヤ、 11:ビード部、
12:サイドウォール部、 13:トレッド部、
14:カーカス、 14A:カーカス本体部、 14B:カーカス折り返し部、
15:ベルト、 16:インナーライナー、
17:周方向主溝、 18:周方向主溝、
20:ホイール、 21:リム部、
22:ディスク部、 22A:取付部、 22B:スポーク、
23:フランジ、 24:ビードシート、 25:ウェル、
26:ハンプ、 27:バルブ、 28:ホイールカバー、
30:受電装置、 31:受電コイル、
32:電力変換回路、 33:蓄電部、 34:制御部、
40:送電装置、 41:送電コイル
2A:ハブ、 2B:ドライブシャフト、
3:タイヤ・ホイール組立体、 4:インホイールモータ、
10:タイヤ、 11:ビード部、
12:サイドウォール部、 13:トレッド部、
14:カーカス、 14A:カーカス本体部、 14B:カーカス折り返し部、
15:ベルト、 16:インナーライナー、
17:周方向主溝、 18:周方向主溝、
20:ホイール、 21:リム部、
22:ディスク部、 22A:取付部、 22B:スポーク、
23:フランジ、 24:ビードシート、 25:ウェル、
26:ハンプ、 27:バルブ、 28:ホイールカバー、
30:受電装置、 31:受電コイル、
32:電力変換回路、 33:蓄電部、 34:制御部、
40:送電装置、 41:送電コイル
Claims (5)
- トレッド部を有するタイヤと、リム部を有するホイールとを備えた、タイヤ・ホイール組立体であって、
前記タイヤは、前記リム部に装着され、
前記タイヤ・ホイール組立体は、受電コイルを備え、
前記トレッド部の踏面に、タイヤ赤道面上をタイヤ周方向に延びる周方向主溝を有することを特徴とする、タイヤ・ホイール組立体。 - 前記周方向主溝の溝幅は、トレッド幅TWの2%以上である、請求項1に記載のタイヤ・ホイール組立体。
- 前記周方向主溝の溝深さは、トレッド部の厚さの15%以上である、請求項1又は2に記載のタイヤ・ホイール組立体。
- 前記踏面に前記周方向主溝を1本のみ有し、
前記周方向主溝の溝幅の幅方向中心は、車両装着外側に位置する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のタイヤ・ホイール組立体。 - 前記踏面に前記周方向主溝を1本のみ有し、
前記周方向主溝の溝幅の幅方向中心は、車両装着内側に位置する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のタイヤ・ホイール組立体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019186388A JP2021059304A (ja) | 2019-10-09 | 2019-10-09 | タイヤ・ホイール組立体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019186388A JP2021059304A (ja) | 2019-10-09 | 2019-10-09 | タイヤ・ホイール組立体 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2021059304A true JP2021059304A (ja) | 2021-04-15 |
Family
ID=75381699
Family Applications (1)
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JP2019186388A Pending JP2021059304A (ja) | 2019-10-09 | 2019-10-09 | タイヤ・ホイール組立体 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2021059304A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023105827A1 (ja) * | 2021-12-10 | 2023-06-15 | 株式会社ブリヂストン | 乗用車用空気入りラジアルタイヤ |
WO2023105828A1 (ja) * | 2021-12-10 | 2023-06-15 | 株式会社ブリヂストン | 乗用車用空気入りラジアルタイヤ |
-
2019
- 2019-10-09 JP JP2019186388A patent/JP2021059304A/ja active Pending
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WO2023105827A1 (ja) * | 2021-12-10 | 2023-06-15 | 株式会社ブリヂストン | 乗用車用空気入りラジアルタイヤ |
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