JP2021058854A - 歯科用ユニットの水配管の洗浄装置、それを含む洗浄システム、及び洗浄方法 - Google Patents

Abstract

【課題】本発明の目的は、優れた洗浄効果の得られる水配管洗浄装置を提供することである。【解決手段】前記課題は、本発明の気相及び洗浄液を含む密閉された洗浄液貯水槽；気体開閉バルブ及びその下流に流量調整バルブを有する気体送気管；前記気体送気管の流量調整バルブより上流で気体送気管から分岐して洗浄液貯水槽に気体を供給する、安全弁を有する分岐送気管；及び前記気体送気管の流量調整バルブより下流に、前記洗浄液貯水槽からに洗浄液を供給する、安全弁を有する洗浄液送液管；を含む歯科用ユニットの水配管の洗浄装置であって、前記気体送気管と洗浄液送液管との結合部分において、水配管を洗浄するための洗浄用ミストを発生させる、歯科用ユニットの水配管の洗浄装置によって解決することができる。【選択図】図１

Description

本発明は、歯科用ユニットの水配管の洗浄装置、それを含む洗浄システム、及び洗浄方法に関する。本発明によれば、歯科用ユニットの水配管を容易に洗浄することができる。

歯科用ユニットには、患者の口腔内部へ水（一般的には、水道水）を噴射するためのインスツルメント（例えば、エアタービン、マイクロモーター、又はシリンジ）が設けられている。患者の口腔内部を処理する前記の水、すなわち、口腔処置用水（一般的には、水道水）を供給するための水配管が、前記のインスツルメントに設けられている。従来、この水配管の管内を洗浄するためには、歯科用ユニットの口腔処置用水の供給側の固定配管を外して、そこに洗浄液の供給装置を接続し、ポンプ等の動力を利用して水配管内部に洗浄液を通過させ、それにより水配管内部を洗浄した後、更に、洗浄液を流し落とすために各種液体を水配管内部に通過させて洗浄している。このような洗浄方法は、特別に訓練された専門の作業者、多くの器具、及び大量の洗浄液を必要とするばかりでなく、多大の時間及び費用を必要としている。そのことが歯科用ユニットの水配管内部の頻繁な洗浄の障害となり、ひいては歯科用ユニットの水配管内部の微生物汚染による患者及び歯科医の微生物感染の危険性を高めていた。従って、特別に訓練された専門の作業者を必要とせずに、歯科医が自分で簡単に操作することができ、しかも優れた洗浄効果の得られる水配管洗浄装置の開発が求められていた。

特開２００３−３３７４１号公報

本発明者らは、操作が簡単で、優れた洗浄効果が得られる歯科用ユニット用の水配管洗浄装置を開発した（特許文献１）。しかしながら、その洗浄効果は十分ではなかった。
本発明の目的は、優れた洗浄効果の得られる水配管洗浄装置を提供することである。

本発明者は、優れた洗浄効果の得られる水配管洗浄装置について、鋭意研究した結果、驚くべきことに、気体送気管に流量調整バルブを有することにより、優れた洗浄効果が得られることを見出した。
本発明は、こうした知見に基づくものである。
従って、本発明は、
［１］気相及び洗浄液を含む密閉された洗浄液貯水槽；気体開閉バルブ及びその下流に流量調整バルブを有する気体送気管；前記気体送気管の流量調整バルブより上流で気体送気管から分岐して洗浄液貯水槽に気体を供給する、安全弁を有する分岐送気管；及び前記気体送気管の流量調整バルブより下流に、前記洗浄液貯水槽からに洗浄液を供給する、安全弁を有する洗浄液送液管；を含む歯科用ユニットの水配管の洗浄装置であって、前記気体送気管と洗浄液送液管との結合部分において、水配管を洗浄するための洗浄用ミストを発生させる、歯科用ユニットの水配管の洗浄装置、
［２］［１］に記載の歯科用ユニットの水配管の洗浄装置を含む、歯科用ユニットの水配管の洗浄システムであって、前記気体開閉バルブの上流に気体供給手段を有し、前記気体送気管の下流に、口腔処置用水と洗浄用ミストとの歯科用ユニットへの供給を切り替える切替バルブを有する、歯科用ユニットの水配管の洗浄システム、
［３］前記歯科用ユニットの、うがい用給水装置及び／又は歯科用インスツルメントに、洗浄用ミスト及び／又は口腔処置用水の検出器を有する、［２］に記載の歯科用ユニットの水配管の洗浄システム、
［４］［２］又は［３］に記載の洗浄システムを含む歯科用ユニット、
［５］［２］又は［３］に記載の歯科用ユニットの水配管の洗浄システムを用いる洗浄方法であって、前記洗浄用ミストのうがい用給水装置及び／又は歯科用インスツルメントへの供給を確認後に、口腔処置用水の供給に切り替えることを特徴とする、洗浄方法、
［６］［３］に記載の歯科用ユニットの水配管の洗浄システムを用いる洗浄方法であって、前記洗浄用ミストのうがい用給水装置及び／又は歯科用インスツルメントへの供給を前記検出器によって検出し、口腔処置用水の供給に切り替えることを特徴とする、洗浄方法、及び
［７］前記洗浄液が、着色された洗浄液であるか、又はアルコールを含む洗浄液である、［５］又は［６］に記載の洗浄方法、
に関する。

本発明の歯科用ユニットの水配管の洗浄装置によれば、簡便に洗浄力に優れたミストを作製することができる。また、本発明の歯科用ユニットの水配管の洗浄装置によれば、洗浄装置の使用中であっても、安全に、洗浄液を洗浄液貯水槽に供給することができる。本発明の歯科用ユニットの水配管の洗浄システムによれば、簡便に、口腔処置用水と洗浄用ミストとの歯科用ユニットへの供給を切り替えることができる。更に本発明の歯科用ユニットの水配管の洗浄システムによれば、洗浄用ミストから口腔処置用水への切り替えを自動的に行い、簡便に歯科用ユニットの水配管を洗浄することができる。

本発明の歯科用ユニットの水配管の洗浄装置、歯科用ユニットの水配管の洗浄システム、及び歯科用ユニットの模式図である。 蓋５を閉じた場合（Ａ）及び蓋６を開けた場合（Ｂ）の分岐送気管の安全弁の模式図である。 蓋５を閉じた場合（Ａ）及び蓋６を開けた場合（Ｂ）の洗浄液送液管の安全弁の模式図である。

［１］歯科用ユニットの水配管の洗浄装置
本発明の歯科用ユニットの水配管の洗浄装置は、気相及び洗浄液を含む密閉された洗浄液貯水槽；気体開閉バルブ及びその下流に流量調整バルブを有する気体送気管；前記気体送気管の流量調整バルブより上流で気体送気管から分岐して洗浄液貯水槽に気体を供給する、安全弁を有する分岐送気管；及び前記気体送気管の流量調整バルブより下流に、前記洗浄液貯水槽からに洗浄液を供給する、安全弁を有する洗浄液送液管；を含む歯科用ユニットの水配管の洗浄装置であって、前記気体送気管と洗浄液送液管との結合部分において、水配管を洗浄するための洗浄用ミストを発生させる。

以下、添付図面に沿って本発明の特定の態様を説明する。歯科用ユニットの水配管に、本発明の歯科用ユニットの水配管の洗浄システムの一態様を取り付けた状態を図１に模式的に示す。
《洗浄液貯水槽》
前記洗浄液貯水槽２は、洗浄液３及び気相４を含み、密閉されている。通常、気相が上層に存在し、下層に洗浄液が存在している。
洗浄液貯水槽の密閉手段は特に限定されるものではないが、例えば洗浄液貯水槽の洗浄液投入口を蓋５によって閉じることにより、洗浄液貯水槽を密閉することができる。すなわち、洗浄液貯水槽は、使用時には蓋等によって密閉され、気相に圧を印加することができる。一方、蓋を開けて、洗浄液投入口から洗浄液を洗浄液貯水槽へ供給することができる。

《気体送気管》
前記気体送気管６は、気体開閉バルブ７を有し、その下流に流量調整バルブ８を有する。気体開閉バルブを開くことにより、気体を気体送気管に供給することができる。
気体は、特に限定されるものではないが、好ましくは、圧縮気体である。気体の種類も本発明の効果が得られる限りにおいて、特に限定されるものではないが、好ましくは不活性ガスであり、例えば空気、アルゴン、又は窒素を挙げることができるが、費用の観点から好ましくは空気である。

気体送気管は、流量調整バルブ８を有する。流量調整バルブによって、気体送気管中の気体の流量を調整し、後述の洗浄液送液管から洗浄用ミストを効率的に発生させることができる。
流量調整バルブの構造は、特に限定されるものではないが、グローブバルブ、又はニードルバルブを用いることができる。

《分岐送気管》
分岐送気管９は、気体開閉バルブ７と流量調整バルブ８との間の気体送気管から分岐して、洗浄液貯水槽に気体を供給する。供給される気体は、洗浄液貯水槽の気相４に供給される。気体は、図１に示されるように、直接気相に供給されてもよいが、例えば洗浄液３の液相（下層）に供給され、泡として上層の気相に供給されるようにすることもできる。最終的に気相に気体が供給されることによって、下層の洗浄液に圧を印加することができる。

前記分岐送気管９は、安全弁１０を有する。安全弁を有さない場合、気体開閉バルブ７が開いた状態で、蓋を開けて洗浄液を洗浄液貯水槽に追加することができない。蓋を開けると、洗浄液貯水槽の正圧により気体が噴き出すためである。安全弁１０は、気体が洗浄液貯水槽に供給されている際に蓋を開けても、気体が噴き出すことを防止することができる。すなわち、安全弁を有することにより、圧縮気体が洗浄液貯水槽へ供給されることを一時的に停止し、気体開閉バルブ７が開いた状態であっても、蓋を開けて洗浄液を洗浄液貯水槽に投入することができる。

具体的な、分岐送気管の安全弁について、図２を用いて、説明する。洗浄装置を作動させる状態では、安全弁が開いて圧縮気体が洗浄液貯水槽に供給されている必要がある。このとき、気体の圧力によって安全弁が洗浄液貯水槽側に押されて、安全弁が閉じると気体が洗浄液貯水槽に供給されない。そのため、洗浄装置を作動させる状態の場合、図２Ａに示すように、蓋５によって、安全弁１０を機械的に気体送気管の側に押す。それによって、安全弁１０と分岐送気管との間に気体の通過する空間（隙間）を形成させ、気体が洗浄液貯水槽に供給される（図２Ａ）。一方、蓋５を開けた場合、図２Ｂに示すように、蓋５による安全弁１０の押し込みがなくなり、安全弁として作動し、圧縮気体の洗浄液貯水槽への供給を停止させる。これによって、蓋を開けた場合、気体が噴き出すことを防止することができる。

分岐送気管は、前記気体送気管の流量調整バルブより上流で気体送気管から分岐する。流量調整バルブより上流で分岐することにより、一定の圧を気相に印加することができる。

《洗浄液送液管》
前記洗浄液送液管１１は、前記流量調整バルブ８より下流の気体送気管６に、前記洗浄液貯水槽２から洗浄液３を供給する。すなわち、洗浄液送液管は、前記流量調整バルブより下流で、気体送気管に結合する。
気体送気管と洗浄液送液管との結合部において、洗浄液送液管から気体送気管に供給される洗浄液は、流量調整バルブで流量を調整された気体により、洗浄ミストとなる。流量調整バルブで、気体の流量を調整することによって、歯科用ユニットの水配管を洗浄するための最適な洗浄ミストを作製することができる。

前記洗浄液送液管は、安全弁１２を有する。安全弁を有さない場合、蓋を開けると、気体が気体送気管を流れているため、気体送気管から洗浄液送液管に気体が逆流する。従って、気体が供給されている際に、蓋を開けて洗浄液を洗浄液貯水槽に追加することができない。安全弁１２は、気体が洗浄液貯水槽に供給されている際に蓋を開けても、気体が洗浄液送液管を逆流することを防止することができる。すなわち、安全弁１０及び１２を有することにより、気体の逆流を防ぎ、気体が洗浄液貯水槽に供給されているときであっても、蓋を開けて洗浄液を洗浄液貯水槽に投入することができる。

具体的な、洗浄液送液管の安全弁について、図３を用いて、説明する。洗浄装置を作動させる状態では、図３Ａに示すように、洗浄液貯水槽からの洗浄液の圧力により、安全弁１２が気体送気管の側に押され、洗浄液の通過する空間（隙間）が形成され、洗浄液が気体送気管に供給される（図３Ａ）。一方、蓋を開けた場合、図３Ｂに示すように、洗浄液貯水槽の上方の気体は大気圧になる。そして、逆に気体送気管から、気体の圧力が印加されるため、安全弁１２が作動し、安全弁と洗浄液送液管との空間が閉鎖され、洗浄液の気体送気管への供給を停止させる。

（洗浄用ミスト）
本発明の洗浄装置においては、洗浄用ミストを作製することによって、効率的に歯科用ユニットの水配管を洗浄することができる。洗浄液が液相の状態で、水配管を洗浄すると、配管壁付近の流速が遅く、十分な洗浄効果を得るためには大量の洗浄液を高速で流す必要がある。しかし、洗浄用ミストの状態とすることによって、ミストが高速で水配管を通過するため、効率よく汚れ及び細菌等を除去することができる。

また、最適な洗浄用ミストを作製するために、流量調整バルブが分岐送気管より下流に存在することが重要である。流量調整バルブが、分岐送気管より下流にあることにより、洗浄液貯水槽の気相には一定の圧が印加され、一定量の洗浄液が、気体送気管と洗浄液送液管との結合部に供給される。この一定量の洗浄液に対して、流量調整バルブによって気体の圧力（流量）を調整することによって、気体送気管に、洗浄液送液管からの洗浄液が引き込まれ、歯科用ユニットの水配管を洗浄するための最適な洗浄ミストを作製することができる。

［２］歯科用ユニットの水配管の洗浄システム
本発明の歯科用ユニットの水配管の洗浄システムは、本発明の洗浄装置を含み、前記気体開閉バルブの上流に気体供給手段を有し、前記気体送気管の下流に、口腔処置用水と洗浄用ミストとの歯科用ユニットへの供給を切り替える切替バルブを有する。本発明の歯科用ユニットの水配管の洗浄システムは、好ましくは、前記歯科用ユニットの、うがい用給水装置及び／又は歯科用インスツルメントに、洗浄用ミスト及び／又は口腔処置用水の検出器を有する。

《気体供給手段》
前記気体供給手段としては、気体送気管に気体を供給できる限りにおいて、特に限定されるものではないが、例えば圧縮気体供給源１３を挙げることができる。圧縮気体供給源から、気体開閉バルブ７を介して、気体送気管に気体を供給することができる。気体の種類も本発明の効果が得られる限りにおいて、特に限定されるものではないが、好ましくは不活性ガスであり、例えば空気、アルゴン、又は窒素を挙げることができるが、費用の観点から好ましくは空気である。
また、気体供給手段として、歯科用ユニットの口腔処置用圧縮空気供給手段を用いることもできる。すなわち、歯科用ユニットの空気配管に口腔処置用圧縮空気を供給するための口腔処置用圧縮空気供給手段を、気体送気管に気体を供給する気体供給手段として用いることができる。具体的には、口腔処置用圧縮空気供給手段を、送気管１４に結合することによって、気体供給手段として用いることができる。

《切替バルブ》
本発明の洗浄システムは、気体送気管の下流に切替バルブ１５を有する。切替バルブは、歯科用ユニットの水配管の洗浄装置からの洗浄用ミストの歯科用ユニットの水配管への供給と、歯科用ユニットの口腔処置用水供給源からの処置用水（例えば、水道水）の水配管への供給とを切り替えるバルブである。前記切替バルブにより、洗浄用ミストから処置用水への切り替え、及び処置用水から洗浄用ミストへの切り替えを、容易に実施し、水配管の洗浄効率を向上させることができる。

《検出器》
本発明の洗浄システムは、歯科用ユニットのうがい用給水装置及び／又は歯科用インスツルメントに検出器を有していてもよい。検出器は、うがい用給水装置及び／又は歯科用インスツルメントに、前記洗浄用ミスト及び／又は処置用水が到達することを検出することができる。検出器を用いて洗浄用ミスト又は処置用水を検出することによって、例えば自動的に洗浄用ミストから処置用水への切り替えを行うことができる。
検出器は、洗浄用ミスト及び／又は処置用水を検出することができる限りにおいて、特に限定されるものではないが、色の検出センサー又はアルコールの検出センサーを有する検出器が挙げられる。色の検出センサーを用いる場合、洗浄用ミストに色を付与しておき、光透過度を検知するセンサー、又は画像センサーなどによって、色を検知することができる。また、アルコールセンサーを用いる場合、洗浄液にアルコールを含有させ、洗浄用ミスト中のアルコールを、アルコールセンサーで検出することができる。

検出器の設置場所は、洗浄用ミスト及び／又は処置用水が、うがい用給水装置及び／又は歯科用インスツルメントに到達したことを検出できる限りにおいて限定されるものではないが、図１に示すようにうがい用給水装置及び歯科用インスツルメントの配管の出口が好ましい.

［３］歯科用ユニット
本発明の歯科用ユニットは、本発明の洗浄システムを含む。例えば、図１に示すように、既存の歯科用ユニットに、本発明の洗浄システムを追加することもできる。また、歯科用ユニットに、あらかじめ洗浄システムを組み込むこともできる。
本発明の歯科用ユニットは、本発明の洗浄システムを含むこと以外は、従来の歯科用ユニットを、制限なく用いることができる。

［４］歯科用ユニットの水配管の洗浄方法
本発明の歯科用ユニットの水配管の洗浄方法の実施態様は、本発明の歯科用ユニットの水配管の洗浄システムを用い、前記洗浄用ミストのうがい用給水装置及び／又は歯科用インスツルメントへの供給を確認後に、口腔処置用水の供給に切り替えることを特徴とする。本発明の洗浄方法は、具体的には、（１）洗浄用ミストによって歯科用ユニットの水配管を洗浄する工程、及び（２）洗浄用ミストを口腔処置用水に切り替える工程、及び（３）口腔処置用水によって歯科用ユニットの水配管を洗浄する工程を含む。

例えば、洗浄液として着色された洗浄液を用いることによって、洗浄用ミストが着色される。着色された洗浄用ミストが、うがい用給水装置及び／又は歯科用インスツルメントの出口に達したことは、例えば目視で着色された洗浄用ミストを確認することができる。目視で洗浄用ミストを確認した後に、切替バルブ１５によって洗浄用ミストから口腔処置用水に切り替え、口腔処置用水によって歯科用ユニットの水配管を洗浄する。着色された洗浄用ミストが、口腔処置用水に置き換わり、透明になることにより、口腔処置用水によるフラッシングが完了したことを、目視で確認できる。

洗浄液の着色に用いる色素は、患者及び歯科用ユニットに悪影響を与えない限りにおいて、特に限定されるものではないが、例えば食用色素を用いることができる。食用色素としては、例えば食用黄色４号、食用黄色５号、食用赤色２号、食用赤色３号、食用青色１号、もしくは食用青色２号などの合成色素、又はクチナシ黄色素、ベニバナ黄色素、クチナシ赤色素、ベニコウジ色素、クチナシ青色素、スピルリナ色素、又はカラメル色素などの天然色素が挙げられる。色素の量も、洗浄液が着色される限りにおいて、特に限定されるものではなく、色素に応じて適宜調整することができる。

本発明の歯科用ユニットの水配管の洗浄方法の別の実施態様は、本発明の歯科用ユニットの水配管の洗浄システムを用い、前記洗浄用ミストのうがい用給水装置及び／又は歯科用インスツルメントへの供給を前記検出器によって検出し、口腔処置用水の供給に切り替えることを特徴とする。本発明の洗浄方法は、具体的には、（１）洗浄用ミストによって歯科用ユニットの水配管を洗浄する工程、及び（２）洗浄用ミストを、うがい用給水装置及び／又は歯科用インスツルメントの検出器によって検出する工程、（３）検出シグナルを切替バルブに送信し、洗浄用ミストから口腔処置用水に切り替える工程、及び（４）口腔処置用水によって歯科用ユニットの水配管を洗浄する工程を含む。

例えば、洗浄液として着色された洗浄液を用いる場合、着色された洗浄用ミストが、うがい用給水装置及び／又は歯科用インスツルメントの出口に達したことを、光透過度を検知するセンサー又は画像センサーなどを有する検出器によって、検知することができる。検出器によって、洗浄用ミストを検出した後に、すぐに又は一定の時間後に、検出シグナルを切替バルブ１５に送信し、洗浄用ミストから口腔処置用水に切り替えることができる。歯科用ユニットの水配管への供給水が口腔処置用水に置換され、歯科用ユニットの水配管が洗浄される。着色された洗浄用ミストが、口腔処置用水に置き換わり、透明になることにより、口腔処置用水によるフラッシングが完了したことを、検出器で検出することができる。そして、検出器での検出後、すぐに、又は一定時間後に口腔処置用水の供給を停止し、水配管の洗浄を終了することができる。

洗浄液としてアルコールを含む洗浄液を用いる場合も、検出器として、アルコールセンサーを有する検出器を用いることを除いては、前記の色を検出する検出器と同じように、本発明の洗浄方法を実施することができる。

本発明の歯科用ユニットの水配管の洗浄装置は、歯科用ユニットの水配管の効率的な洗浄に用いることができる。

１・・・洗浄装置；
２・・・洗浄液貯液槽；
３・・・洗浄液；
４・・・気相；
５・・・蓋；
６・・・気体送気管；
７・・・気体開閉バルブ；
８・・・流量調整バルブ；
９・・・分岐送気管；
１０・・・安全弁；
１１・・・洗浄液送液管；
１２・・・安全弁；
１３・・・気体供給源；
１４・・・送気管；
１５・・・切替バルブ；
１６・・・口腔処置用水供給源；
１７・・・歯科用ユニット水配管；
１８・・・口腔処置用水バルブ；
１９・・・歯科ユニット；
２０・・・診療台；
２１・・・うがい用給水装置；
２２・・・歯科用インスツルメント；
２３・・・うがい用検出器；
２４・・・インスツルメント用検出器；

Claims (7)

1. 気相及び洗浄液を含む密閉された洗浄液貯水槽；
   気体開閉バルブ及びその下流に流量調整バルブを有する気体送気管；
   前記気体送気管の流量調整バルブより上流で気体送気管から分岐して洗浄液貯水槽に気体を供給する、安全弁を有する分岐送気管；及び
   前記気体送気管の流量調整バルブより下流に、前記洗浄液貯水槽からに洗浄液を供給する、安全弁を有する洗浄液送液管；
   を含む歯科用ユニットの水配管の洗浄装置であって、
   前記気体送気管と洗浄液送液管との結合部分において、水配管を洗浄するための洗浄用ミストを発生させる、歯科用ユニットの水配管の洗浄装置。
2. 請求項１に記載の歯科用ユニットの水配管の洗浄装置を含む、歯科用ユニットの水配管の洗浄システムであって、
   前記気体開閉バルブの上流に気体供給手段を有し、前記気体送気管の下流に、口腔処置用水と洗浄用ミストとの歯科用ユニットへの供給を切り替える切替バルブを有する、歯科用ユニットの水配管の洗浄システム。
3. 前記歯科用ユニットの、うがい用給水装置及び／又は歯科用インスツルメントに、洗浄用ミスト及び／又は口腔処置用水の検出器を有する、請求項２に記載の歯科用ユニットの水配管の洗浄システム。
4. 請求項２又は３に記載の洗浄システムを含む歯科用ユニット。
5. 請求項２又は３に記載の歯科用ユニットの水配管の洗浄システムを用いる洗浄方法であって、
   前記洗浄用ミストのうがい用給水装置及び／又は歯科用インスツルメントへの供給を確認後に、口腔処置用水の供給に切り替えることを特徴とする、洗浄方法。
6. 請求項３に記載の歯科用ユニットの水配管の洗浄システムを用いる洗浄方法であって、
   前記洗浄用ミストのうがい用給水装置及び／又は歯科用インスツルメントへの供給を前記検出器によって検出し、口腔処置用水の供給に切り替えることを特徴とする、洗浄方法。
7. 前記洗浄液が、着色された洗浄液であるか、又はアルコールを含む洗浄液である、請求項５又は６に記載の洗浄方法。

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