〔1.概要〕
図1は、ゲームシステム1の全体的な構成の例を示す図である。図2は、端末装置2のハードウェア構成の例を示す図である。図3は、端末装置2の機能的構成の例を示す図である。
図1に示すゲームシステム1は、複合ゲーム4をプレーヤへ提供するコンピュータネットワークシステムである。複合ゲーム4には、アイドル育成ゲーム4Aおよびリズムゲーム4Bが含まれている。
アイドル育成ゲーム4Aは、プレーヤ(遊技者)が仮想の人物(以下、「キャラクタ」と記載する。)をアイドルとして育成するシミュレーションゲームである。一方、リズムゲーム4Bは、楽曲のリズムに合わせてプレーヤがアクションすることによって進行する音楽ゲームである。さらに、リズムゲーム4Bの進行中、楽曲に合わせてキャラクタに歌唱およびダンスなどを行わせることができる。
すなわち、複合ゲーム4によると、プレーヤは、キャラクタを介してアイドル育成ゲーム4Aおよびリズムゲーム4Bを複合的に楽しむことができる。
さらに、アイドル育成ゲーム4Aにおけるキャラクタの育成の度合およびリズムゲーム4Bにおけるプレーヤの成績(プレイの上手さの評価)などに応じてキャラクタが楽曲の途中に特別なパフォーマンス(以下、「スペシャルパフォーマンス」と記載する。)を行うことがある。つまり、スペシャルパフォーマンスを報奨の1つとして提供することによって、プレーヤがアイドル育成ゲーム4Aでキャラクタを育成するモチベーションおよびリズムゲーム4Bで好成績を収めるモチベーションの両方を高めることができる。
ゲームシステム1は、端末装置2およびサーバ3などによって構成される。端末装置2とサーバ3とは、インターネット、携帯電話網、またはWi-Fiなどの通信回線を介して通信することができる。
サーバ3は、複合ゲーム4のアプリケーション2Pを記憶しており、端末装置2からの要求に応じてアプリケーション2Pを端末装置2へ送信する。サーバ3として、例えば、アプリケーションストアのクラウドサーバまたはアプリケーション2Pのメーカのウェブサーバが用いられる。
端末装置2は、アプリケーション2Pをサーバ3からダウンロードし、実行する。端末装置2として、スマートフォン、タブレットコンピュータ、またはパーソナルコンピュータなどが用いられる。以下、スマートフォンが端末装置2として用いられる場合を例に説明する。
端末装置2は、図2に示すように、メインプロセッサ2A、フラッシュメモリ2B、メインメモリ2C、ベースバンドプロセッサ2D、無線LANチップ2E、ディスプレイ2F、タッチパネル2G、操作ボタン2H、デジタルカメラ2J、および音声システム2Kなどによって構成される。
メインプロセッサ2Aは、端末装置2のメインのCPU(Central Processing Unit)であって、メインメモリ2Cにロードされたコンピュータプログラムを実行する。特に本実施形態では、アプリケーション2Pを実行する。
フラッシュメモリ2Bには、種々のアプリケーションがインストールされる。アプリケーション2Pも、サーバ3からダウンロードされるとフラッシュメモリ2Bにインストールされる。
メインメモリ2Cは、端末装置2のメインのRAM(Random Access Memory)であって、オペレーティングシステムおよびアプリケーション2Pなどのコンピュータプログラムがロードされる。
ベースバンドプロセッサ2Dは、いわゆる第4世代または第5世代などの規格に基づいて携帯電話の基地局を介して他の装置と通信する。
無線LANチップ2Eは、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11などの規格に基づいてWi-Fi用の基地局を介して他の装置と通信する。
ディスプレイ2Fおよびタッチパネル2Gによってタッチパネルディスプレイが構成される。ディスプレイ2Fは、OLED(Organic Light-Emitting Diode)ディスプレイまたは液晶ディスプレイなどのフラット型のディスプレイであって、後述する種々の画面を表示する。タッチパネル2Gは、プレーヤによってタッチされた位置を検知しメインプロセッサ2Aへ通知する。
操作ボタン2Hは、ディスプレイ2Fに表示される画面をいわゆるホーム画面に切り換えるためのボタンである。また、操作ボタン2Hは、デジタルカメラ2Jのシャッタまたはスリープモードの解除のボタンとしても用いられる。
デジタルカメラ2Jは、写真または動画像を撮影し、写真または動画像の電子データを生成する。
音声システム2Kは、サウンドボード、マイクロフォン、およびスピーカなどによって構成され、音声をキャプチャして音声データを生成したり、音声データに基づいて音声を再生したりする。
アプリケーション2Pによると、図3に示すメニュー処理部21、育成処理部22、ユニット編成部23、セッティング処理部24、楽曲再生処理部25、ノーツ処理部26、動画像再生処理部27、開始可否判別部28、スペシャルパフォーマンス処理部29、キャラクタデータ記憶部2M1、カードデータ記憶部2M2、ユニットデータ記憶部2M3、楽曲データ記憶部2M4、動画像データ記憶部2M5、ノーツ再生データ記憶部2M6、ノーツ設定データ記憶部2M7、およびパフォーマンスデータ記憶部2M8などが端末装置2に実現される。
以下、複合ゲーム4の具体例を、図3に示す各部の機能およびプレーヤの操作などとともに説明する。
〔2.アイドル育成ゲーム4Aおよびリズムゲーム4Bの共通の事項〕
図4は、キャラクタ5のアバタの外観の例を示す図である。図5は、キャラクタデータ記憶部2M1の例を示す図である。図6は、カード41の例を示す図である。図7は、カードデータ6Bの例を示す図である。図8は、メニュー画面7Aの例を示す図である。
複合ゲーム4には、図4のような、育成の対象であるキャラクタとして複数のキャラクタ5が、予め用意されている。各キャラクタ5にはキャラクタ名および顔情報が予め設定されている。
「キャラクタ名」は、キャラクタ5の名前である。本実施形態では、ファーストネームのみがキャラクタ名として用いられるが、フルネームが用いられてもよい。
「顔情報」は、キャラクタ5の顔を再現するための情報であって、無表情のときの輪郭、肌の色、髪型、髪の色のほか、目、鼻、口、耳、眉などのパーツそれぞれの形状および位置である。なお、顔情報のフォーマットは、動画像を再生する方法に依存する。例えば、3次元モデルをレンダリングすることによって再生する場合は、顔の3次元モデルを構成する各ポリゴンの頂点の位置および顔のテクスチャなどが顔情報として用いられる。この場合においても、さらに、2次元のイラストを顔情報に含めておいてもよい。
以下、各キャラクタ5を「キャラクタ5a」、「キャラクタ5b」、「キャラクタ5c」、…と区別して記載することがある。
キャラクタデータ記憶部2M1には、図5に示すように、キャラクタ5ごとに、キャラクタ名および顔情報を示すキャラクタデータ6Aが記憶されている。以下、キャラクタ5a、5b、5c、…のキャラクタデータ6Aをそれぞれ「キャラクタデータ6Aa」、「キャラクタデータ6Ab」、「キャラクタデータ6Ac」…と区別して記載することがある。
各キャラクタ5には、さらに、図6のような仮想のカード41が複数枚ずつ予め用意されている。以下、各カード41を「カード41a」、「カード41b」、「カード41c」、…と区別して記載することがある。図6の例では、キャラクタ5ごとに2枚または3枚のカード41が用意されているが、もっと多くのカード41が用意されていても構わない。
プレーヤは、これらのカード41のうちの幾つかの所定のカード41をデフォルトで与えられる。そして、アイドル育成ゲーム4Aを進行させる過程において特定の条件を満たすと、その条件に応じて残りのカード41のいずれかを取得することができる。
カードデータ記憶部2M2には、図7に示すように、カード41それぞれのカードデータ6Bが記憶されている。以下、カード41a、41b、41c、…それぞれのカードデータ6Bを「カードデータ6Ba」、「カードデータ6Bb」、「カードデータ6Bc」、…と区別して記載することがある。
カードデータ6Bには、カードコード、カード画像、キャラクタ名、属性、経験値Ka、現レベルKb、ダンス値Kc、ボーカル値Kd、パフォーマンス値Ke、バックコーラス値Kf、レアリティ値Kg、および所有フラグなどが示される。
「カードコード」は、カード41の識別するためのユニークなコードである。「カード画像」および「キャラクタ名」は、それぞれ、カード41に対応するキャラクタ5の上半身の画像および名前である。例えば、カードデータ6Baは、カード41aのカードデータ6Bであって、「C001」がカードコードとして示され、キャラクタ5aすなわちArtherの上半身の画像がカード画像として示され、「Arther」という文字列がキャラクタ名として示される。カード画像は、上半身の画像ではなく全身の画像であってもよい。
経験値Kaは、経験の度合を表わし、レッスンの受講、課外活動への取組み、またはフェスティバルでの競争などのイベントの結果に応じて上がる。
現レベルKbは、アイドルとしての現在のレベルであって、経験値Kaが所定の値を上回るごとに上がる。ただし、現レベルKbは上限値までしか上げることができず、上限値はレアリティ値Kgごとに予め決まっている。本実施形態では、上限値=10×(1+Kg)、である。したがって、例えばカード41aの上限値は、カード41aのレアリティ値Kgが「2」なので、10×(1+2)=30、である。
ダンス値Kc、ボーカル値Kd、パフォーマンス値Ke、およびバックコーラス値Kfは、それぞれ、ダンス、ボーカル、パフォーマンス、およびバックコーラスの才能(スキル、能力)の高さを表わす値である。なお、「ボーカル」は、一般にサイドボーカル(バックコーラス)を含むことがあるが、本実施形態では特にリードボーカルを意味する。また、「パフォーマンス」は一般にリードボーカル、バックコーラス、およびダンスを含むことがあるが、本実施形態では、特に派手な振舞いを意味する。また、アドリブ的な振舞いもパフォーマンスに含まれる。
フェスティバルでの競争は、フェスティバルへの出演者同士がダンス、ボーカル、パフォーマンス、またはバックコーラスの上手さを競い合う。相手よりもダンス値Kc、ボーカル値Kd、パフォーマンス値Ke、またはバックコーラス値Kfが高いほど勝利する確率が高い。
例えば、カード41aのキャラクタ5とカード41cのキャラクタ5とがボーカルの上手さを勝負した場合は、カード41a、41cそれぞれのボーカル値Kdが「1488」、「414」なので、カード41aのキャラクタ5のほうが勝利しやすい。
「属性」は、ダンス、ボーカル、パフォーマンス、およびバックコーラスのうちの最も優れた才能である。つまり、特技である。属性ごとに異なる色または模様が予め対応付けられており、カード画像を表示する際に反映される(図11参照)。
レアリティ値Kgは、カード41の希少性の高さを表わす。レアリティ値Kgが大きいほど希少性が高い。つまり、レアリティ値Kgは、入手の困難性を表わしている。本実施形態において、レアリティ値Kgの最大値は「5」であり、最小値は「1」である。プレーヤにデフォルトで与えられるカード41は、原則として、いずれもレアリティ値Kgが「1」のものである。
つまり、レアリティ値Kgは、カード41の元々の価値を表わしている。一方、経験値Ka、現レベルKb、ダンス値Kc、ボーカル値Kd、パフォーマンス値Ke、およびバックコーラス値Kfは、カード41の使用による価値を表わしている
「所有フラグ」は、プレーヤによって所有されているか否かを示すフラグであって、「1」であれば所有されていることを意味し、「0」であれば所有されていないことを意味する。
なお、カードデータ6Bに示される幾つかの要素は、スペシャルパフォーマンスを行わせるための要件の1つとして参照される。これについては、後述する。
これらのカード41は、すべてユニークなものである。しかも、上述の通りキャラクタ5ごとに複数枚のカード41が用意されており、カード画像ごとに表情、ポーズ、および衣装などが異なる。プレーヤは、自分のお気に入りのキャラクタ5のカード41を他のキャラクタ5のカード41よりも優先的に収集したり、キャラクタ5を問わずレアリティ値Kgが低いカード41を高いカード41よりも優先的に収集したり、自分なりの楽しみ方でカード41を収集することができる。
アプリケーション2Pが起動しまたは所定の操作が行われると、メニュー処理部21(図3参照)は、図8のようなメニュー画面7Aをディスプレイ2Fに表示させる。
プレーヤは、アイドル育成ゲーム4Aをプレイする場合は、レッスンボタン7A1、課外活動ボタン7A2、またはフェスティバルボタン7A3をタップする。すると、後述するように、育成処理部22などによってアイドル育成ゲーム4Aが実行される。
一方、リズムゲーム4Bをプレイする場合は、リズムゲームボタン7A4をタップする。すると、後述するように、楽曲再生処理部25およびノーツ処理部26などによってリズムゲーム4Bが実行される。
〔3.アイドル育成ゲーム4A〕
アイドル育成ゲーム4Aにおいて、プレーヤは、自分が所有するカード41の中から所定の枚数(例えば、5枚)以内のカード41を選択し、選択したカード41のキャラクタ5に歌またはダンスなどのレッスンを受けさせたり、課外活動に取り組ませたり、フェスティバルへ出演させたりすることによって、選択したカード41のレベルなどを向上させることができる。ただし、同じキャラクタ5のカード41を複数同時に選択することは、できない。
育成処理部22は、プレーヤによる操作に応じて、レッスンの受講、課外活動への取組み、およびフェスティバルでの競争の各イベントをシミュレートする。
具体的には、育成処理部22は、プレーヤによって選択された1枚または複数枚のカード41それぞれのキャラクタ5がレッスンを受講したり、課外活動に取り組んだり、フェスティバルで競争したりする様子を、それぞれのキャラクタ5の画像および音声をディスプレイ2Fによって表示しまたは音声システム2Kによって再生することによって、仮想的に再現する。
そして、育成処理部22は、再現したイベントの結果に応じて、選択されたカード41それぞれのカードデータ6Bに示される経験値Ka、ダンス値Kc、ボーカル値Kd、パフォーマンス値Ke、またはバックコーラス値Kfを上げる。
なお、アイドル育成ゲーム4Aとして既存のアイドル育成ゲームを用いてもよい。例えば、Happy Elements株式会社のゲーム「あんさんぶるスターズ!」を用いてもよい。具体的には、このゲームでは4つの才能のうちダンス値Kc、ボーカル値Kd、およびパフォーマンス値Keが採用されているので、バックコーラス値Kdに関する要素をこのゲームに拡張して用いてもよい。
〔4.リズムゲーム4Bおよび音楽ライブ〕
プレーヤは、自分が所有するカード41の中から所定の枚数のカード41を選択し、選択したカード41のキャラクタ5を1つのユニット(グループ)として音楽ライブ(コンサート)に出演させ、このユニットのダンス、ボーカル、パフォーマンス、およびバックコーラスを視聴することができる。プレーヤは、カード41を選択する際に、音楽ライブのステージでのメンバのデフォルトの配列(以下、「初期配列」と記載する。)も指定する。初期配列における真ん中のメンバ(以下、「センタ」と記載する。)がメインボーカルを担当し、他のメンバがバックコーラスを担当する。アイドル育成ゲーム4Aにおけるレッスン等と同様、同じキャラクタ5のカード41を複数選択することはできない。さらに、プレーヤは、音楽ライブを視聴しながらリズムゲーム4Bを楽しむことができる。なお、本実施形態では、スペシャルパフォーマンスもセンタが担当するものとする。
以下、音楽ライブの再現およびリズムゲーム4Bの仕組みを、所定の枚数が5枚でありかつプレーヤが管理することができるユニットの数が4つである場合を例に説明する。
(A) 主要なデータ
図9は、ユニットデータ記憶部2M3の例を示す図である。図10は、ユニット編成画面7Bの例を示す図である。図11は、カード一覧画面7Cの例を示す図である。図12は、ユニット編成画面7Bの例を示す図である。図13は、ユニット編成画面7Bの例を示す図である。図14は、ユニットデータ記憶部2M3の例を示す図である。
ユニットデータ記憶部2M3(図3参照)には、図9のように、ユニットごとに、ユニットコード、ユニット名、およびメンバカードコードを示すユニットデータ6Cが記憶されている。以下、1番目、2番目、…それぞれのユニットのユニットデータ6Cを「ユニットデータ6Ca」、「ユニットデータ6Cb」、…と区別して記載することがある。
「ユニットコード」は、ユニットを識別するためのコードである。「ユニット名」は、ユニットの名前であって、プレーヤが任意に付けることができる。「メンバカードコード」は、ユニットを構成する5枚のカード41それぞれのカードコードを、初期配列の順に並べたものである。
ただし、ユニット名が未だ決まっていない場合は、ユニットデータ6Cにはユニット名として「Null」が示され、メンバが未だ決まっていない場合は、メンバカードコードとして「Null」が示される。
プレーヤは、音楽ライブに出演させるユニットが既に望み通りに編成されている場合は、メニュー画面7A(図8参照)において直ちにリズムゲームボタン7A4をタップすればよい。しかし、未だ編成されていない場合は、ユニット編成ボタン7A5をタップする。
ユニット編成ボタン7A5がタップされると、ユニット編成部23は、ユニットを編成するための処理を次のように実行する。
ユニット編成部23は、図10のようなユニット編成画面7Bをディスプレイ2Fに表示させる。ユニット編成画面7Bには、ユニットごとにユニットボタン7B1が配置されている。さらに、5つのメンバ領域7B2が設けられている。
いずれかのユニットボタン7B1がプレーヤによって選択されると、ユニット編成部23は、選択されたユニットボタン7B1に対応するユニット(以下、「被選択ユニット」と記載する。)のユニットデータ6C(図9参照)をユニットデータ記憶部2M3から読み出す。読み出したユニットデータ6Cに示されるメンバカードコードに含まれる5つのカードコードそれぞれのカードデータ6B(図7参照)をカードデータ記憶部2M2から読み出す。
そして、ユニット編成部23は、読み出した5つのカードデータ6Bそれぞれに基づいて、5つのカード41それぞれのカード画像およびダンス値Kcなどを初期配列の順に5つのメンバ領域7B2に1組ずつ配置する。ただし、読み出したユニットデータ6CのメンバカードコードがNullである場合つまり未編成である場合は、図10のようにメンバ領域7B2に「未設定」という文字列を配置する。
ここでプレーヤは、被選択ユニットのメンバを次のように指定する。初期配列の最も左の位置のメンバを指定する場合は、プレーヤは、5つのメンバ領域7B2のうちのその位置に対応するメンバ領域7B2すなわちメンバ領域7B2aを選択する。
すると、ユニット編成部23は、図11のようなカード一覧画面7Cをディスプレイ2Fに表示させる。カード一覧画面7Cには、プレーヤが所有するカード41を見せるための所有カード領域7C1が設けられている。各所有カード領域7C1には、プレーヤが所有するカード41ごとのカード画像、現レベルKb、上限値、ダンス値Kc、ボーカル値Kd、パフォーマンス値Ke、バックコーラス値Kf、およびレアリティ値Kgが配置される。レアリティ値Kgは、星形のマークの個数によって表わされる。後述する各画面においても、同様である。
図11の例では、6枚のカード41のカード画像などが配置されているが、プレーヤがカード41を7枚以上所有する場合は、カード一覧画面7Cをスクロールさせることによって、カード画像を一部ずつ表示させることができる。
プレーヤは、初期配置の最も左の位置のメンバとして指定したいカード41をカード一覧画面7Cの中から見つけ、そのカード41を、そのカード41のカード画像が配置されている所有カード領域7C1をタップして選択する。例えば、カード41a(図6参照)を選択する場合は、所有カード領域7C1aをタップする。
すると、ユニット編成部23は、図12のように、そのカード41のカード画像などがメンバ領域7B2aに配置された状態で、ユニット編成画面7Bをディスプレイ2Fに表示させる。
他の位置のメンバを指定する場合も同様に、プレーヤは上述のように操作を行い、ユニット編成部23は上述のように処理を行う。
すなわち、例えば、初期配置における左から2番目の位置のメンバを指定する場合は、プレーヤは、メンバ領域7B2bを選択する。すると、ユニット編成部23は、カード一覧画面7Cをディスプレイ2Fに表示させる。プレーヤは、その位置のメンバとして指定したいカード41を選択する。すると、ユニット編成部23は、そのカード41のカード画像などがメンバ領域7B2bに配置された状態でユニット編成画面7Bをディスプレイ2Fに表示させる。
さらに、プレーヤは、ユニット名領域7B3をタップする。すると、ユニット編成部23は、ソフトウェアキーボードをユニット編成画面7Bの下部にオーバラップさせて表示させる。ここで、プレーヤは、被選択ユニットのユニット名をソフトウェアキーボードによって入力する。
このようにして被選択ユニットのメンバおよびユニット名がすべて指定されまたは入力された結果、ユニット編成画面7Bには、図13に示すように、5つのメンバ領域7B2それぞれに、プレーヤによって指定されたカード41のカード画像およびダンス値Kcなどが配置され、ユニット名領域7B3にユニット名が示される。
そのほか、実力評価領域7B5には、ダンス、ボーカル、パフォーマンス、およびバックコーラスそれぞれの総合力値が示される。各総合力値は、被選択ユニットの5枚のカード41それぞれのカードデータ6Bに示されるダンス値Kcの合計値、ボーカル値Kdの合計値、パフォーマンス値Keの合計値、およびバックコーラス値Kfの合計値である。さらに、これら4つの合計値の合計値がユニット総合力値Paとして示される。
そして、プレーヤが保存ボタン7B4をタップすると、ユニット編成部23は、ユニット編成画面7Bに配置されている5つのカード画像のカード41それぞれのカードコードが配列順にメンバカードコードとして示され、かつ、ユニット名領域7B3のユニット名が示されるように、被選択ユニットのユニットデータ6Cを更新する。例えば、4番目のユニットについてカード41が選択されユニット名が入力された場合は、図14のようにユニットデータ6Cdを更新する。
1〜5番目の位置それぞれのメンバを指定する順番は、任意である。特に、メインボーカルおよびスペシャルパフォーマンスを3番目の位置のメンバが担当するので、プレーヤは、3番目の位置のメンバを最初に選択してもよい。メインボーカルとスペシャルパフォーマンスとを別々のメンバが担当できるようにリズムゲーム4Bを構成してもよいが、この場合の例については、後述する。
図15は、楽曲データ記憶部2M4の例を示す図である。図16は、動画像データ記憶部2M5の例を示す図である。
楽曲データ記憶部2M4には、図15に示すように、楽曲ごとに楽曲データ6Dが記憶されている。以下、各楽曲の楽曲データ6Dを「楽曲データ6D1」、「楽曲データ6D2」、…と区別して記載することがある。
楽曲データ6Dは、楽曲のインストルメンタルパート(楽器のみの演奏音)、メインボーカルパート(メインボーカルのみの歌声)、およびバックコーラスパート(バックコーラスのみの歌声)それぞれを再現するための音声データが含まれ、楽曲名(楽曲の名前)およびテンポ(60秒当たりの拍数)が対応付けられている。メインボーカルパートの音声データおよびバックコーラスパートの音声データは、キャラクタ5ごとに1つずつ用意されている。キャラクタ5ごとの声優が実際に歌う音声を録音することによって用意してもよいし、公知の人工音声技術によって用意してもよい。
動画像データ記憶部2M5には、図16に示すように、楽曲ごとに動画像データ6Eが記憶されている。以下、各楽曲の動画像データ6Eを「動画像データ6E1」、「動画像データ6E2」、…と区別して記載することがある。
動画像データ6Eは、5人のキャラクタ5が楽曲に合わせて歌ったり踊ったりする動画像を再生するためのデータである。動画像データ6Eは、公知のアニメーション用の2DCG(2 Dimension Computer Graphics)エディタまたは公知の3DCGエディタによって作成される。動画像データ6Eのフォーマットは、動画像を再生する方法に依存する。
例えば、3次元モデルをレンダリングすることによって動画像を再生する場合は、動画像データ6Eには、5人の人間それぞれのモデルの全身の3次元データ、ステージでの各モデルのデフォルト(楽曲の演奏前)のポジションおよび楽曲の演奏中における各モデルの動作を表わす動作データ、ステージおよび周囲を再現するための環境データ、ならびに音楽ライブを仮想的に撮影するビデオカメラの時刻ごとの位置、撮影方向、および撮影範囲などを示すカメラデータなどが含まれる。3次元データには、3次元構造(例えば、各ポリゴンの各頂点の位置)のデータだけでなく表面のテクスチャのデータなどが含まれている。なお、各モデルの3次元モデルの顔の部分に被選択ユニットの各キャラクタ5の顔情報(図5参照)を適用することによって、各キャラクタ5の3次元モデルが得られる。
ノーツ再生データ記憶部2M6には、楽曲ごとにノーツ再生データ6F(図25参照)が記憶されている。ノーツ再生データ6Fの内容および使い方については、後に説明する。なお、「ノーツ」は、リズムゲームにおける打撃の対象であるマークであって、楽曲に合わせて画面上を一直線に流れるように移動する。
ノーツ設定データ記憶部2M7には、ノーツ設定データ6Gが記憶されている。ノーツ設定データ6Gは、ノーツのスピード、加速度、および量を示すデータである。デフォルトでは、スピード、加速度、および量としてそれぞれ「遅」、「ゼロ」、および「少」が示される。なお、ノーツ設定データ6Gに示されるスピードは、ノーツの初速度である。加速度および量の詳細については、後に順次、説明する。
(B) リズムゲーム4Bの開始前のセッティング
図17は、条件選択画面7Dの例を示す図である。図18は、ノーツ設定画面7Eである。
プレーヤは、音楽ライブに出演させるユニット(以下、「出演ユニット」と記載する。)が所望の通りに編成されていれば、メニュー画面7A(図8参照)においてリズムゲームボタン7A4をタップする。すると、リズムゲーム4Bのセッティングのための処理がセッティング処理部24(図3参照)によって次のように実行される。
セッティング処理部24は、図17のような条件選択画面7Dをディスプレイ2Fに表示させる。
ユニット画像領域7D1には、いずれかの1つのユニットがカレントユニットとして選択され、カレントユニットのユニット画像が配置される。ユニット画像領域7D1の外には、カレントユニットのユニット名ならびにダンス、ボーカル、パフォーマンス、およびバックコーラスそれぞれの総合力値が配置される。
ユニット画像は、予め用意された、お揃いの衣装を着た5人のキャラクタが並んだ画像(以下、「集合画像」と記載する。)の顔の部分に、カレントユニットの各キャラクタ5の顔の画像を合成することによって得られる。
例えば、セッティング処理部24は、カレントユニットのユニットデータ6C(図14参照)からメンバカードコードに含まれる5つのカードコードを抽出し、抽出した各カードコード対応するカードデータ6B(図7参照)を読み出す。そして、読み出した各カードデータ6Bのカード画像の顔の部分を集合画像に合成する。または、キャラクタデータ6A(図5参照)の顔情報に基づいて各キャラクタ5の顔の画像を生成し集合画像に合成してもよい。
ユニット名は、そのユニットデータ6Cに示されるものである。各総合力値は、上述の通り、これらのカードデータ6Bに示されるダンス値Kcの合計、ボーカル値Kdの合計、パフォーマンス値Keの合計、およびバックコーラス値Kfの合計である。
デフォルトでは、1番目のユニットがカレントユニットとして選択される。セッティング処理部24は、プレーヤがユニット画像領域7D1を上へフリックするごとに、2番目、3番目、…のユニットをカレントユニットとして新たに選択し、ユニット画像等が配置し直されるように条件選択画面7Dを順次更新する。一方、プレーヤが下へフリックするごとに、4番目、3番目、…のユニットをカレントユニットとして新たに選択し、ユニット画像等が配置し直されるように条件選択画面7Dを順次更新する。図17の例では、4番目のユニットのユニット画像等が配置されている。
楽曲領域7D2には、楽曲データ記憶部2M4に楽曲データ6D(図15参照)が記憶されている楽曲ごとの楽曲名が配置される。プレーヤは、これらの楽曲の中から聴きたい楽曲を、その楽曲の楽曲名をタップすることによって選択する。以下、プレーヤが聴きたい楽曲を「リクエスト曲」と記載する。すべての楽曲名を一度に配置しきれない場合は、プレーヤは楽曲領域7D2をスクロールさせることによって、楽曲名を一部ずつ表示させることができる。
さらに、プレーヤは、リズムゲーム4Bの難易度を次のように設定することができる。プレーヤが設定ボタン7D3をタップすると、セッティング処理部24は、図18のようなノーツ設定画面7Eをディスプレイ2Fに表示させる。
スピード調整ボタン7E1a、7E1b、および7E1cは、ノーツのスピードを指定するためのボタンであって、それぞれ、スピードVa、Vb、Vcに対応する。ただし、0<Va<Vb<Vc、である。
加速度調整ボタン7E2a、7E2b、および7E2cは、ノーツの加速度を指定するためのボタンであって、それぞれ、加速度Ra、Rb、Rcに対応する。ただし、Ra<Rb<Rc、であり、Ra=0、である。
ノーツ量調整ボタン7E3a、7E3b、および7E3cは、ノーツの量を指定するためのボタンであって、それぞれ、「少」、「中」、および「多」に対応する。
プレーヤは、ノーツのスピード、加速度、および量のそれぞれを、対応するボタンをタップすることによって指定する。そして、確定ボタン7E4をタップする。
すると、セッティング処理部24は、指定されたスピード、加速度、および量が示されるようにノーツ設定データ6Gを更新する。そして、条件選択画面7Dを再び表示させる。例えば、プレーヤがスピード調整ボタン7E1c、加速度調整ボタン7E2a、およびノーツ量調整ボタン7E3aをタップし確定ボタン7E4をタップした場合は、スピード、加速度、および量としてそれぞれVc、Ra、および「少」が示されるようにノーツ設定データ6Gが更新される。
(C) リズムゲーム4Bのルール
図19は、リズムゲーム画面7Fの例を示す図である。図20は、リズムゲーム画面7Fの例を示す図である。図21は、ノーツ70が等速度で移動する様子の例を示すである。図22は、ノーツ70が加速しながら移動する様子の例を示す図である。図23は、評価メッセージ7F4の例を示す図である。図24は、ノーツ70のバリエーションの例を示す図である。
出演ユニットおよびリクエスト曲が選択され、必要に応じてスピード、加速度、および量が指定されたら、リズムゲーム4Bが開始される。リズムゲーム4Bの処理を説明する前に、リズムゲーム4Bのルールについて説明する。
リズムゲーム4Bは、原則として、リクエスト曲の演奏中に実行される。リズムゲーム4Bの実行中、ディスプレイ2Fには、図19のようなリズムゲーム画面7Fが表示される。
楽曲インジケータ7F1は、リクエスト曲の演奏の進捗の度合を表わす。リクエスト曲の演奏が開始される前、楽曲インジケータ7F1は真っ白であるが、リクエスト曲全体の演奏時間に対する演奏済の部分の時間の割合に応じて、左から徐々に図20のように所定の色(例えば、青色)に着色されていく。
ノーツ発射源7F2は、ノーツ70(図21〜図24参照)が発射される円形の源である。基準カーブ7F3は、その中心がノーツ発射源7F2の中心と共通である円弧である。基準カーブ7F3の半径の長さは、距離Lrである。
基準カーブ7F3の上に、7つの打撃マーク79が等間隔に配置されている。各打撃マーク79の形は菱形であるが、より好ましくは、正方形である。打撃マーク79の一方の対角線の延長線がノーツ発射源7F2の中心を通る。以下、各打撃マーク79を左から順に「打撃マーク79a」、「打撃マーク79b」、…、「打撃マーク79g」と区別して記載することがある。
ノーツ70は、多重円(例えば、三重円)のマークであって、ノーツ発射源7F2から発射されると徐々に大きくなりながら移動し、いずれかの打撃マーク79の真上を通過する。図21に示すように等速度で移動することもあれば、図22に示すように徐々に速度を上げて移動することもある。また、通過する際にノーツ70の中心と打撃マーク79の中心とが一瞬、重なる。
なお、図21および図22では、楽曲インジケータ7F1およびスコアインジケータ7F6など一部のオブジェクトを省略している。後に順次説明する図23、図24、図28においても同様である。
プレーヤは、ノーツ70がいずれかの打撃マーク79を通過している間にノーツ70を原則としてタップすることによって打撃する。ノーツ70の中心と打撃マーク79の中心とができるだけ近い状態で打撃したほうがよい。打撃した時点の両中心の距離Dが短いほど高く評価され、より高いポイントがプレーヤに与えられるからである。1つのノーツ70について1回しか打撃することができない。2回目以降の打撃は、無効である。または、1つのノーツ70について2回以上打撃した場合は、原則として失敗したものとみなしてもよい。
例えば、距離Dが所定の距離D1(例えば、3ドット)未満であれば、「PERFECT」と評価され5点が与えられる。または、距離Dが所定の距離D1以上かつ所定の距離D2(例えば、5ドット)未満であれば、「GREAT」と評価され2点が与えられる。または、距離Dが所定の距離D2以上かつ所定の距離D3(例えば、7ドット)未満であれば、「GOOD」と評価され1点が与えられる。「PERFECT」、「GREAT」、および「GOOD」と評価された場合は、打撃に成功したものとみなされる。しかし、距離Dが所定の距離D3以上であれば、打撃に失敗したものとみなされ(つまり、「MISS」と評価され)、ポイントが与えられない。距離Dが所定の距離D3以上になっても打撃が行われなかった場合も「MISS」と評価され、ポイントが与えられない。
また、打撃した際に、評価を表わす評価メッセージ7F4がリズムゲーム画面7Fに現われる。例えば、距離Dが所定の距離D1未満であれば図23(A)のように「PERFECT」という文字列が評価メッセージ7F4として現われる。または、距離Dが所定の距離D3以上であれば図23(B)のように「MISS」という文字列が評価メッセージ7F4として現われる。
2つのノーツ70が同時に発射され、互いに同じスピードでノーツ発射源7F2から離れながら、図24(A)に示すように互いに異なる方向へ進むことがある。または、2つ以上のノーツ70が1つずつ連続的に発射され、図24(B)に示すように連結して進むことも、ある。
図24(C)に示すように、ノーツ70に「>>>」のマークが付いている場合は、プレーヤは、ノーツ70をタップする代わりに右方向へフリックすることによって打撃しなければならない。または、「<<<」のマークが付いている場合は、左方向へフリックすることによって打撃しなければならない。
また、所定の回数連続してプレーヤがPERFECTを獲得したり、PERFECTの累計が所定の回数に達したり、後述するコンボの回数が所定の値に達したりするなど、所定の要件を満たした場合は、ボーナスポイントがポイントとしてプレーヤに与えられる。この際に、図20のように「スコア20%UP!」のようなボーナス通知メッセージ7F5が現われる。そのほか、出演ユニットのカード41の才能の高さ(ダンス値Kc、ボーカル値Kd、パフォーマンス値Ke、バックコーラス値Kf)に応じたボーナスポイントが与えられることもある。
スコアインジケータ7F6、コンボカウンタ7F7、およびボルテージインジケータ7F8は、いずれもリズムゲーム4Bにおけるプレーヤの成績(プレイの上手さの評価)を表わす。
スコアインジケータ7F6は、リズムゲーム4Bが開始されてからプレーヤが獲得したポイントの合計である総スコアSaをプレーヤの成績の1つとして表わす。獲得したポイントには、ボーナスポイントも含まれる。リズムゲーム4Bが開始される前、総スコアSaはゼロであり、スコアインジケータ7F6は真っ白だが、リズムゲーム4Bが開始された後、総スコアSaが増えるにつれて、左から徐々に、図20のようにスコアインジケータ7F6が所定の色(例えば、赤色)に着色されていく。
ところで、リクエスト曲として演奏される楽曲によってもノーツ設定データ6Gに設定されている内容によっても、発射されるノーツ70の総数が異なるので、満点も異なる。そこで、リクエスト曲およびノーツ設定データ6Gに基づいて満点が予め算出され、スコアインジケータ7F6は、満点に対する総スコアSaの割合に応じて着色されていく。
コンボカウンタ7F7は、コンボ回数Caをプレーヤの成績の1つとして表わす。「コンボ」は打撃を連続で成功させることであって、「コンボ回数」は、打撃を連続で成功させた回数である。よって、打撃に失敗すると、コンボ回数Caはゼロにリセットされる。
ボルテージインジケータ7F8は、音楽ライブを視聴する仮想の観客のボルテージ(興奮度)の高さであるボルテージ度数Uaをプレーヤの成績の1つとして表わす。ボルテージインジケータ7F8は、横一列の多数のセルからなり、ボルテージ度数Uaに応じた個数分のセルが、図20に示すように左から着色される。ボルテージ度数Uaが所定の最大値のときに、すべてのセルが着色された状態になる。
ボルテージ度数Uaのデフォルト値はゼロである。ボルテージ度数Uaは、打撃に成功すると所定の量だけ上がり、失敗すると所定の量だけ下がる。ただし、所定の最大値よりも高くならず、ゼロよりも低くならない。つまり、ボルテージ度数Uaが所定の最大値であるときに打撃に成功しても、ボルテージ度数Uaは上がらない。また、ボルテージ度数Uaがゼロであるときに打撃に失敗しても、ボルテージ度数Uaは下がらない。ボルテージ度数Uaの上がる量は、「PERFECT」、「GREAT」、「GOOD」の順に多くなるように定めてもよい。
(D) リクエスト曲の再生
プレーヤは、条件選択画面7D(図17参照)において出演ユニットおよびリクエスト曲を選択し、必要に応じてスピード、加速度、および量を指定したら、決定ボタン7D4をタップする。すると、カレントユニットが出演ユニットとして選択され、リズムゲーム4Bが開始される。リズムゲーム4Bの処理には、主にリクエスト曲の再生、ノーツ70の制御、およびポイント等の演算が含まれる。リクエスト曲の再生は、楽曲再生処理部25(図3参照)によって次のように行われる。
リズムゲーム4Bが開始される前に、出演ユニットの5枚のカード41のカードコードおよび各カード41のキャラクタ名が楽曲再生処理部25、動画像再生処理部27、開始可否判別部28、およびスペシャルパフォーマンス処理部29に通知される。
楽曲再生処理部25は、条件選択画面7Dで選択された楽曲すなわちリクエスト曲の楽曲データ6D(図15参照)を楽曲データ記憶部2M4から検索する。その楽曲データ6Dの中からインストルメンタルパートの音声データ、出演ユニットのセンタのキャラクタ5のメインボーカルパートの音声データ、および出演ユニットの他のキャラクタ5それぞれのバックコーラスパートの音声データを読み出す。
そして、楽曲再生処理部25は、これらの読み出した音声データをデコードし、楽器、メインボーカル、およびバックコーラスそれぞれの音声を同期させて音声システム2Kによって出力する。なお、音声システム2Kにデコード機能が備わっている場合は、デコードを音声システム2Kに行わせてもよい。
(E) ノーツ70の制御およびポイント等の処理
図25は、ノーツ再生データ6Fの例を示す図である。
リズムゲームボタン7A4がタップされると、ノーツ処理部26は、上述のルールおよびリクエスト曲のノーツ再生データ6Fに基づいて、ノーツ70の制御およびポイント等の演算の処理を実行する。
ところで、ノーツ再生データ6Fは、前述の通り、楽曲ごとに用意され、ノーツ再生データ記憶部2M6に記憶されている。ノーツ再生データ6Fには、図25のように、リズムゲーム4Bの実行中かつ楽曲の演奏中に発射される各ノーツ70に関する情報が示される。
「グループコード」は、1つまたは複数のノーツ70からなるグループを識別する識別子である。「タイプ」は、グループの種類であって、次のようなものがある。
「ノーマル」、「右フリック」、および「左フリック」の各グループは、1つのノーツ70のみからなる。ノーマルのグループのノーツ70は、図21〜図23に示したような形態であって、タップによって打撃される。右フリックのグループのノーツ70は、図24(C)に示したような形態であって、右フリックによって打撃される。左フリックのグループのノーツ70は、左フリックによって打撃される。
「ダブル」および「i連」の各グループは、複数のノーツ70からなるグループである。なお「i」は、2以上の整数である。ダブルのグループのノーツ70の個数は「2」であって、2つのノーツ70が同時に発射され、図24(A)に示したように互いに同じスピードで別々の方向へ進み、タップによって打撃される。i連のグループのノーツ70の個数は「i」であって、i個のノーツ70が1つずつ1拍ごとに発射され、図24(B)に示したように連なって進み、タップによって打撃される。
「発射方向」は、そのグループの各ノーツ70が発射される方向である。「1」、「2」、…、「7」の各値は、それぞれ、ノーツ発射源7F2から打撃マーク79a、打撃マーク79b、…、打撃マーク79gへの方向を意味する。そのグループのタイプがダブルである場合は、値が2つ示されるが、1つ目の値が左側のノーツ70の発射方向を表わし、2つ目の値が右側のノーツ70の発射方向を表わす。または、そのグループのタイプがi連である場合は、値がi個示されるが、i個目の値が、i番目に発射されるノーツ70の発射方向を表わす。
「発射条件」は、そのグループのノーツ70を発射するか否かを決めるための条件であって、全体のノーツの量を調整するために用いられる。発射条件として「少」、「中」、および「多」のうちのいずれか1つまたは複数が示されている。上述の通り、ノーツ設定データ6Gにも、ノーツの量として「少」、「中」、および「多」のうちの1つが設定されている。ノーツ設定データ6Gに示される量が発射条件に含まれる場合は、そのグループのノーツ70が発射される。
したがって、例えば、グループコードが「N001」であるグループについては、発射条件に「少」、「中」、および「多」のすべてが含まれるので、ノーツ設定データ6Gに示される量に関わらずノーツ70が発射される。しかし、「N004」であるグループについては、発射条件に「多」のみが含まれるので、ノーツ設定データ6Gに示される量が「多」の場合にのみノーツ70が発射される。
「到達時刻」は、そのグループの1番目のノーツ70の中心がそのノーツ70の発射方向の打撃マーク79の中心と重なる時刻である。到達時刻は、楽曲の開始時を基準とする。後述する他の時刻も同様である。以下、「ノーツ70が打撃マーク79に到達する」とは、ノーツ70および打撃マーク79それぞれの中心が重なることを意味する。また、ノーツ70は、ノーツ発射源7F2から発射される時点において、その中心がノーツ発射源7F2の中心と重なっているものとする。各グループの到達時刻は、楽曲のリズムおよびテンポに合うように設定されている。
そのグループの2番目以降のノーツ70の到達時刻は、1拍当たりの時間に基づいて算出することができる。すなわち、k番目のノーツ70の到達時刻は、1番目のノーツ70の到達時刻+(60[秒]/テンポ)×(k−1)、である。
図3に戻って、ノーツ処理部26は、リクエスト曲のノーツ再生データ6Fをノーツ再生データ記憶部2M6から読み出し、ノーツ設定データ記憶部2M7からノーツ設定データ6Gを読み出す。読み出したノーツ再生データ6Fおよびノーツ設定データ6Gに基づいて前述の方法で、発射すべきノーツ70を特定する。
ノーツ処理部26は、特定したノーツ70が到達時刻にオンタイムで打撃マーク79に到達するように、そのノーツ70を発射すべき時刻(以下、「発射時刻」と記載する。)を算出する。発射時刻は、ノーツ再生データ6Fに示されるそのノーツ70の到達時刻ならびにノーツ設定データ6Gに示されるスピードおよび加速度などに基づいて公知の計算方法で算出される。計算方法の一例は、次の通りである。
一般に、初速度Vおよび加速度Rで移動する物体は、時間Tの間に(1)式の距離X、移動する。
そのノーツ70がノーツ発射源7F2から発射されて打撃マーク79に到達するまでに移動する距離は、基準カーブ7F3の半径の長さすなわち距離Lrである。そのノーツ70の初速度(スピード)および加速度は、ノーツ設定データ6Gに設定されている。そこで、これらの値を(1)式に代入し、Tの解を求めれば、そのノーツ70がノーツ発射源7F2から発射されてから打撃マーク79に到達するまでに掛かる所要時間が算出される。
例えば、そのノーツ設定データ6Gにスピードおよび加速度としてそれぞれVb、Rcが設定されている場合は、
を満たすTが所要時間として算出される。
ノーツ処理部26は、このような方法で所要時間を算出し、特定した各ノーツ70の到達時刻から所要時間だけ遡った時刻を各ノーツ70の発射時刻として算出する。ただし、i連のグループのノーツ70の場合は、1番目のノーツ70の発射時刻だけ、このような方法で算出し、2番目以降のノーツ70の発射時刻は、リクエスト曲の1拍分の時間を足すことによって算出すればよい。
スピードと加速度との組合せの個数が限られているので、組合せごとの所要時間を予め求めておいてもよい。
そして、ノーツ処理部26は、特定した各ノーツ70がリズムゲーム画面7Fの中で移動する様子を表わす動画像を生成する。つまり、特定した各ノーツ70がそれぞれの発射時刻にノーツ発射源7F2から、ノーツ再生データ6Fに示されるそれぞれの発射方向へ、ノーツ設定データ6Gに設定されているスピードで発射され、ノーツ設定データ6Gに設定されている加速度で加速しながら進み、打撃マーク79を通過する様子を表わす動画像を、生成する。
さらに、ノーツ処理部26は、楽曲インジケータ7F1ないしメニューボタン7F9および打撃マーク79の動画像を生成する。そして、上述のルールに基づいて、発射された各ノーツ70に対する打撃を評価し、その結果に応じて総スコアSa、コンボ回数Ca、およびボルテージ度数Uaを更新する。これらの値が更新されるのに合わせて、スコアインジケータ7F6、コンボカウンタ7F7、およびボルテージインジケータ7F8(図19、図20参照)の画像を更新する。また、打撃が行われた際の効果を表わす動画像も生成する。
リクエスト曲の演奏が開始されまたは1つ目のノーツ70が打撃マーク79を通過してから所定の時間(例えば、30秒)が経過した以降にボルテージ度数Uaがゼロになった場合は、ノーツ処理部26は、ゲームオーバのメッセージを表示させ、リズムゲーム4Bを終了させる。そして、メニュー処理部21によってメニュー画面7A(図19、図20参照)が表示される。メニューボタン7F9がタップされた場合もリズムゲーム4Bが終了されメニュー画面7Aが表示される。
(F)動画像の再生
図26は、動画像7Vの例を示す図である。
楽曲再生処理部25およびノーツ処理部26による処理と並行して、音楽ライブの様子を表わす動画像が動画像再生処理部27によって次のように再生される。
動画像再生処理部27は、決定ボタン7D4(図17参照)がタップされると、リクエスト曲の動画像データ6E(図16参照)を動画像データ記憶部2M5から読み出す。読み出した動画像データ6Eに含まれる5つのモデルそれぞれの3次元データを、出演ユニットの5人のキャラクタ5それぞれの顔情報に合わせて更新する。これにより、5人のキャラクタ5それぞれの3次元モデルが得られる。顔情報は、キャラクタデータ6A(図5参照)に示されている。後述する、スペシャルパフォーマンスの再現の処理においても、同様である。
動画像再生処理部27は、環境データに基づいてステージおよび周囲の3次元モデルを算出し、5人のキャラクタ5それぞれの3次元モデルをそれぞれの動作データに基づいて配置して動作させる。これらの3次元モデルを、カメラデータに示される仮想のビデオカメラの時刻ごとの位置、撮影方向、および撮影範囲に従ってレンダリングすることによって、音楽ライブの動画像を生成する。
以下、ノーツ処理部26によって生成された動画像を「リズムゲーム動画像7V1」と記載する。また、動画像再生処理部27が生成した、音楽ライブの動画像を「ライブ動画像7V2」と記載する。
そして、動画像再生処理部27は、リズムゲーム動画像7V1およびライブ動画像7V2を、両者をリクエスト曲と同期させ、かつ、図26に示すようにリズムゲーム動画像7V1およびライブ動画像7V2それぞれを下位のレイヤおよび上位のレイヤとして合成し、ディスプレイ2Fに表示させる。これにより、両動画像がマージされた動画像7Vが再現される。
なお、リズムゲーム4Bが終了するのに伴って、動画像再生処理部27は、リズムゲーム動画像7V1を生成するのを終了する。そして、上述の通り、メニュー画面7Aがメニュー処理部21によってディスプレイ2Fに表示される。
〔5.スペシャルパフォーマンス〕
図27は、スペシャルパフォーマンスデータ6Hの例を示す図である。図28は、ノーツ発射源7F2の変化の様子の例を示す図である。図29は、選出処理の流れの例を示すフローチャートである。図30は、スペシャルパフォーマンス動画像7V3の1コマの例を示す図である。
パフォーマンスデータ記憶部2M8(図3参照)には、図27に示すように、スペシャルパフォーマンスデータ6Hが複数、記憶されている。スペシャルパフォーマンスデータ6Hは、5人のキャラクタ5が楽曲に合わせてスペシャルパフォーマンスを行う動画像を再生するためのデータである。
スペシャルパフォーマンスは、上述の通り楽曲の途中で行われるが、本実施形態では、楽曲の間奏後に4〜16小節程度、行われる。また、スペシャルパフォーマンスの長さは、楽曲ごとに決められている。
スペシャルパフォーマンスデータ6Hのフォーマットは、動画像データ6E(図16参照)のフォーマットと同様である。つまり、スペシャルパフォーマンスデータ6Hは、環境データ、カメラデータ、ならびに各メンバの3次元データおよび動作データを含む。ただし、スペシャルパフォーマンスにおいてセンタのみが登場する場合は、センタ以外のメンバの3次元データおよび動作データは含まれていなくてもよい。
1つの楽曲ごとに、カード41を問わず共通に使用される3つの共通パフォーマンスデータ6H1がスペシャルパフォーマンスデータ6Hとして用意されている。さらに、特定のカード41のためだけに使用されるユニークパフォーマンスデータ6H2が、そのカード41のカードコードおよび適用要件と対応付けられてスペシャルパフォーマンスデータ6Hとして用意されていることがある。「適用要件」は、そのユニークパフォーマンスデータ6H2を使用することが許可されるための要件である。複数の特定のカード41それぞれについてユニークパフォーマンスデータ6H2が1つずつ用意されていてもよい。これらのスペシャルパフォーマンスデータ6H(共通パフォーマンスデータ6H1、ユニークパフォーマンスデータ6H2)それぞれによって再現されるスペシャルパフォーマンスの内容は、相違する。
例えば、「BREAKTHROUGH!」という楽曲名の楽曲には、3つの共通パフォーマンスデータ6H1a、6H1b、6H1cが共通パフォーマンスデータ6H1として用意されている。さらに、ユニークパフォーマンスデータ6H2aがカード41p(図6、図7参照)のユニークパフォーマンスデータ6H2として用意されている。ユニークパフォーマンスデータ6H2aには、カード41tのカードコードおよび「現レベルKb≧55」という適用要件が対応付けられている。ユニークパフォーマンスデータ6H2aによって再現されるスペシャルパフォーマンスの内容は、共通パフォーマンスデータ6H1a〜6H1cによってそれぞれ再現されるスペシャルパフォーマンスの内容よりも高度であり、または、カード41tのキャラクタ5の特徴または個性(例えば、身体の特徴的な動作)が表われている。
スペシャルパフォーマンスへ移行するための所定の要件(以下、「移行要件」と記載する。)が満たされると、スペシャルパフォーマンスが再現される。移行要件が満たされるか否かは、開始可否判別部28によって判別される。移行要件は、例えば次の5つの要件がすべて満たされることである。
要件_A:出演ユニットの5枚のカード41それぞれのレアリティ値Kgの合計が閾値Kt1(例えば、15)以上であること。
要件_B:出演ユニットのセンタのレアリティ値Kgが閾値Kt2(例えば、3)以上であること。
要件_C:出演ユニットのユニット総合力値Paが閾値Pt(例えば、100000)以上であること。
要件_D:リクエスト曲が間奏に入る時点においてボルテージ度数Uaが閾値Ut(例えば、ボルテージの最大値の80%)以上であること。
要件_E:チャンスタイムにおいて所定の回数Ct(例えば、16回)以上、打撃に成功すること。
「チャンスタイム」は、リクエスト曲の間奏の開始時から所定の長さの時間帯である。例えば、間奏の開始時から15秒間の時間帯である。または、間奏の開始時から間奏の終了時までの時間帯であってもよい。なお、要件_Eを満たし得るように、チャンスタイム中にノーツ70がCt個以上発射されるように各楽曲のノーツ再生データ6F(図25参照)が設定されている。
要件_A、要件_B、および要件_Cが満たされるか否かは、リズムゲーム4Bが開始される時点で既に決まっている。
そこで、開始可否判別部28は、リズムゲーム4Bが開始されてからリクエスト曲が間奏に入るまでの間に、要件_A、要件_B、および要件_Cが満たされるか否かを判別する。
すなわち、開始可否判別部28は、出演ユニットの5枚のカード41それぞれのカードデータ6B(図7参照)に示されるレアリティ値Kgの合計を算出し、閾値Kt1以上であれば、要件_Aが満たされると判別する。センタのカード41のカードデータ6Bに示されるレアリティ値Kgが閾値Kt2以上であれば、要件_Bが満たされると判別する。これら5つのカードデータ6Bに示されるダンス値Kc、ボーカル値Kd、パフォーマンス値Ke、バックコーラス値Kfの合計値をユニット総合力値Paとして算出し、ユニット総合力値Paが閾値Pt以上であれば、要件_Cが満たされると判別する。
なお、ダンス、ボーカル、パフォーマンス、およびバックコーラスのすべてが5枚のカード41のいずれかの属性と一致する場合(つまり、出演ユニットのメンバに4つの属性すべてが含まれる場合)は、開始可否判別部28は、特例として、要件_Cを緩和する。例えば、「Pa×α」が閾値Pt以上であれば要件_Cが満たされると判別してもよい。ただし、α>1、であって、例えば「1.5」である。図13には、属性がダンスであるカード41、ボーカルであるカード41、パフォーマンスであるカード41、およびバックコーラスであるカード41が少なくとも1枚ずつ、選択されている。このような場合に、特例が適用される。
要件_A、要件_B、および要件_Cのすべてが満たされると判別した場合は、開始可否判別部28は、さらに、リクエスト曲が間奏に入る数秒前(例えば、2秒前)においてボルテージ度数Uaが閾値Ut以上であるか否かをチェックする。そして、閾値Ut以上である場合は、要件_Dが満たされると判別する。なお、以前にボルテージ度数Uaが閾値Ut以上であることがあっても、リクエスト曲が間奏に入る数秒前において閾値Ut以上でなければ、要件_Dが満たされないと判別する。
要件_Dが満たされると判別した場合は、開始可否判別部28は、次のように、チャンスタイムの間、要件_Eを満たすことを目標としてプレーヤに打撃を行わせる。開始可否判別部28は、チャンスタイムに突入したことをノーツ処理部26へ通知する。
すると、ノーツ処理部26は、図28(A)のように、ノーツ発射源7F2の外枠を太くし、かつ、白抜きにする。プレーヤがノーツ70の打撃に成功するごとに、図28(B)のように、時計の12時の位置から時計回りに所定の角度(例えば、11.25°)の分ずつ順に外枠を着色する。これにより、例えばチャンスタイム中に打撃に6回成功すると、図28(B)に示すように外枠が着色される。
チャンスタイムの間は、さらに、プレーヤの緊張感を高めるために、他の時間帯よりも背景の画面の輝度を上げまたは音量を上げてもよい。
開始可否判別部28は、チャンスタイム中に打撃に成功した回数をカウントする。そして、成功した回数が所定の回数Ctに達したら、すなわち、ノーツ発射源7F2が図28(C)のような状態になったら、要件_Eが満たされると判別する。
そして、開始可否判別部28は、チャンスタイムが終了するまでに要件_A〜要件_Eのすべてが満たされると判別することができれば、移行要件が満たされると判別する。
移行要件が満たされると開始可否判別部28によって判別されると、動画像再生処理部27およびノーツ処理部26それぞれの処理が一時的に停止されるとともに、スペシャルパフォーマンスを再現する処理がスペシャルパフォーマンス処理部29によって次のように実行される。
スペシャルパフォーマンス処理部29は、リクエスト曲に対応するスペシャルパフォーマンスデータ6Hの中からスペシャルパフォーマンスで使用するものを1つ、例えば図29に示す手順で選出する。
スペシャルパフォーマンス処理部29は、リクエスト曲に対応するスペシャルパフォーマンスデータ6Hの中から、出演ユニットのセンタのカード41に対応するユニークパフォーマンスデータ6H2を検索する(図29の#181)。見つかったら(#182でYES)、そのユニークパフォーマンスデータ6H2に示される適用要件をそのカード41が満たしているか否かを判別する(#183)。
例えば、その適用要件が「現レベルKb≧55」であれば、スペシャルパフォーマンス処理部29は、そのユニークパフォーマンスデータ6H2に示される現レベルKbが55以上であるか否かをチェックし、55以上であれば適用要件を満たしていると判別する。
そして、適用要件を満たしていると判別した場合は(#184でYES)、スペシャルパフォーマンス処理部29は、そのユニークパフォーマンスデータ6H2を選出する(#185)。
適用要件を満たしていないと判別した場合(#184でNO)およびそのようなユニークパフォーマンスデータ6H2が見つからなかった場合は(#182でNO)、スペシャルパフォーマンス処理部29は、3つの共通パフォーマンスデータ6H1のうちの1つを選出する(#186)。
例えば、スペシャルパフォーマンス処理部29は、3つの共通パフォーマンスデータ6H1の中からランダムに1つを選出する。または、所定のルールに従って選出する。例えば、出演ユニットのカード41すべての現レベルKbの合計が閾値Kb1未満であれば1つ目の共通パフォーマンスデータ6H1を選出し、閾値Kb1以上かつ閾値Kb2未満であれば2つ目の共通パフォーマンスデータ6H1を選出し、閾値Kb1以上であれが3つ目の共通パフォーマンスデータ6H1を選出する。この場合は、3つ目、2つ目、1つ目の順に高度なパフォーマンスが再現されるように各共通パフォーマンスデータ6H1が設定されているのが望ましい。
スペシャルパフォーマンス処理部29は、選出したスペシャルパフォーマンスデータ6Hに含まれるモデルそれぞれの3次元データを、出演ユニットのキャラクタ5それぞれの顔情報に合わせて更新する。これにより、キャラクタ5それぞれの3次元モデルが得られる。
スペシャルパフォーマンス処理部29は、スペシャルパフォーマンスデータ6Hに含まれる環境データに基づいてステージおよび周囲の3次元モデルを算出し、キャラクタ5それぞれの3次元モデルをそれぞれの動作データに基づいて配置して動作させる。ただし、スペシャルパフォーマンスにセンタのみが登場する場合は、センタについてのみ上記の処理を行う。
そして、スペシャルパフォーマンス処理部29は、これらの3次元モデルを、カメラデータに示される仮想のビデオカメラの時刻ごとの位置、撮影方向、および撮影範囲に従ってレンダリングすることによって、図30に示すようなコマ(フレーム)を有するスペシャルパフォーマンスの動画像を生成する。
以下、スペシャルパフォーマンス処理部29によって生成された動画像を「スペシャルパフォーマンス動画像7V3」と記載する。図30には、センタのキャラクタ5が、通常とは異なる振付でソロのパートを歌う様子を例示しているが、スペシャルパフォーマンス動画像7V3には、そのほか、通常は行わないパフォーマンスをキャラクタ5が行う様子が表われる。
そして、動画像再生処理部27は、スペシャルパフォーマンス動画像7V3をリクエスト曲と同期させてディスプレイ2Fに表示させる。図30の通り、リズムゲーム画面7F(図19、図20参照)およびリズムゲーム動画像7V1(図26参照)はスペシャルパフォーマンス動画像7V3にマージされない。
このように、移行要件が満たされるとリズムゲーム4Bが一時的に停止し、スペシャルパフォーマンスが再現される。よって、プレーヤは、リズムゲーム4Bへの集中から一時的に解放され、スペシャルパフォーマンスをゆっくりと鑑賞することができる。
一方、移行要件が満たされていないと開始可否判別部28によって判別された場合は、スペシャルパフォーマンス処理部29による処理が行われることなく、動画像再生処理部27およびノーツ処理部26それぞれの処理が継続される。
ところで、スペシャルパフォーマンスが再現される間、リズムゲーム4Bが停止するので、プレーヤは、リズムゲーム4Bが停止しなければ本来行うべき打撃を行うことができないので、スペシャルパフォーマンスがなければ取得できるポイントを取得できない。そこで、スペシャルパフォーマンスが再現された場合は、本来行うべき打撃によって生じるすべてのポイントを総スコアSaに加算してもよい。
〔6.リズムゲーム4Bの再開〕
スペシャルパフォーマンスが終了したら、ノーツ処理部26は、ノーツ70の制御、ポイント等の処理、およびリズムゲーム動画像7V1の生成を再開し、動画像再生処理部27は、ライブ動画像7V2の生成およびリズムゲーム動画像7V1およびライブ動画像7V2のマージ等を再開する。これにより、音楽ライブの様子を背景にリズムゲーム4Bが再開される。
この際に、ノーツ処理部26はリクエスト曲のノーツ再生データ6F(図25参照)に従い、動画像再生処理部27はリクエスト曲の動画像データ6E(図16参照)に従うが、スペシャルパフォーマンスの時間帯の部分はスキップし、スペシャルパフォーマンスの終了時刻からの部分に従う。これにより、スペシャルパフォーマンスが再現されなかった場合の流れに合流することができる。
楽曲再生処理部25によるリクエスト曲の再生の処理が終わると、ノーツ処理部26および動画像再生処理部27もそれぞれの処理を終了する。リズムゲーム4Bの成績(例えば、総スコアSa、コンボ回数Ca、およびボルテージ度数Uaそれぞれの最終値およびゲーム中の最高値)を表示させる。そして、メニュー処理部21によってメニュー画面7A(図8参照)が再びディスプレイ2Fに表示される。
なお、リズムゲーム4Bの結果を出演ユニットの各カード41に反映させてもよい。例えば、リズムゲーム4Bの終了時の総スコアSa、コンボ回数Ca、またはボルテージ度数Uaに応じた値を、各カード41の経験値Kaに加算してもよい。または、スペシャルパフォーマンスを再生することができた場合に、所定の値を各カード41の経験値Kaに加算してもよい。
〔7.まとめ〕
図31〜図32は、アプリケーション2Pによる全体的な処理の流れの例を示すフローチャートである。
次に、端末装置2がアプリケーション2Pに基づいて行う全体的な処理の流れを、図31〜図32のフローチャートを参照しながら説明する。
端末装置2は、アプリケーション2Pを起動すると、メニュー画面7A(図8参照)を表示する(図31の#101)。レッスンボタン7A1、課題活動ボタン7A2、またはフェスティバルボタン7A3がタップされると(#102でYES)、プレーヤによる操作に応じて、対象のカード41のキャラクタ5の育成をシミュレートする(#103)。すなわち、レッスンボタン7A1がタップされた場合は、そのキャラクタ5がレッスンを受講するのをシミュレートする。課題活動ボタン7A2がタップされた場合は、そのキャラクタ5が課外活動に取り組むのをシミュレートする。フェスティバルボタン7A3がタップされた場合は、フェスティバルでの競争をシミュレートする。そして、そのカード41のカードデータ6B(図7参照)を更新する。
または、ユニット編成ボタン7A5がタップされると(#104でYES)、端末装置2は、ユニットのメンバを編成するための処理を行う(#105)。すなわち、ユニット編成画面7B(図10、図12、図13参照)およびカード一覧画面7C(図11参照)を表示し、ユニット編成画面7Bおよびカード一覧画面7Cに対する操作に応じて、対象のユニット(被選択ユニット)のユニットデータ6C(図9、図14参照)を更新する。
または、リズムゲームボタン7A4がタップされると(#106でYES)、端末装置2は、リズムゲーム4Bおよび音楽ライブの条件を受け付ける処理を行う(#107)。すなわち、条件選択画面7D(図17参照)を表示し、リクエスト曲および出演ユニットを受け付ける。さらに、必要に応じて、ノーツ設定画面7E(図18参照)を表示し、ノーツのスピード(初速度)、加速度、および量の選択を受け付け、ノーツ設定データ6Gを更新する。
そして、決定ボタン7D4がタップされると、端末装置2は、ステップ#107で受け付けた(条件選択画面7Dでプレーヤが選択した)リクエスト曲の再生、ノーツ70の制御、および音楽ライブの動画像の再生などを開始する(#108〜#110)。つまり、リズムゲーム4Bおよび音楽ライブを開始する。
リズムゲーム4Bおよび音楽ライブにおいて、リクエスト曲は、リクエスト曲の楽曲データ6D(図15参照)に基づいて再生される。ノーツ70は、ノーツ設定データ6Gおよびリクエスト曲のノーツ再生データ6Fに基づいて、リクエスト曲と同期してリズムゲーム画面7F(図19〜図24参照)の中で発射され移動する。また、プレーヤによるノーツ70の打撃の結果に応じて総スコアSa、コンボ回数Ca、およびボルテージ度数Uaが更新される。音楽ライブの動画像は、リクエスト曲の動画像データ6E(図16参照)およびキャラクタデータ6A(図5参照)に基づいて生成される。そして、リズムゲーム動画像7V1(リズムゲーム画面7Fの中のノーツ70その他のオブジェクトの動画像)とライブ動画像7V2(音楽ライブの動画像)とが合成され、リクエスト曲と同期して動画像7Vとして表示される(図26参照)。
リズムゲーム4Bおよび音楽ライブの開始時からリクエスト曲の間奏の直前または数秒前までの間に、端末装置2は、要件_A、要件_B、および要件_Cが満たされているか否かを判別する(#111)。
リズムゲーム4Bの途中でメニューボタン7F9がタップされた場合(#112でYES)、および、リズムゲーム4Bが開始されまたは1つ目のノーツ70が打撃マーク79を通過してから所定の時間が経過した後にボルテージ度数Uaがゼロになった場合は(#113でYES)、端末装置2は、リズムゲーム4Bおよび音楽ライブを終了してメニュー画面7Aを再び表示する(#101)。
端末装置2は、リクエスト曲の再生個所が間奏の開始時の数秒前(例えば、2秒前)に到達し(#114でYES)、かつ、要件_A、要件_B、および要件_Cがすべて満たされるとステップ#111において判別していれば(#115でYES)、要件_Dが満たされるか否かを判別する(#116)。具体的には、間奏の開始時の数秒前においてボルテージ度数Uaが閾値Ut以上であれば、要件_Dが満たされると判別する。
端末装置2は、要件_Dが満たされると判別すると(図32の#117)、チャンスタイムの間(リクエスト曲の間奏の開始時から所定の長さの時間帯)、図28に示したようにノーツ発射源7F2の形態を変更するとともに、プレーヤが成功した打撃の回数をカウントする(#118)。そして、カウントした回数に基づいて、要件_Eが満たされるか否かを判別する(#119)。具体的には、カウントした回数が所定の回数Ctに達したら、要件_Eが満たされると判別する。
端末装置2は、要件_Eが満たされると判別すると(#120でYES)、スペシャルパフォーマンスを次のように提供する。
端末装置2は、リクエスト曲に対応する複数のスペシャルパフォーマンスデータ6Hの中からスペシャルパフォーマンスに使用するものを1つ、選出する(#121)。選出する方法は、前に図29で説明した通りである。
リクエスト曲の間奏が終了すると、端末装置2は、ノーツ70の制御等を一時的に停止するとともに(#122)、動画像データ6Eに基づいて動画像を生成する処理を一時的に停止する(#123)。そして、ステップ#121で選出したスペシャルパフォーマンスデータ6Hに基づいてスペシャルパフォーマンス動画像7V3(図30参照)を生成し表示する(#124)。つまり、リズムゲーム4Bを一時的に停止し、音楽ライブの通常の動画像の代わりにスペシャルパフォーマンスの動画像を提供する。
そして、スペシャルパフォーマンスの動画像が終わったら、端末装置2は、リズムゲーム4Bおよび音楽ライブの通常の動画像の提供を再開する(#125、#126)。なお、この際に、楽曲データ6D、動画像データ6E、およびノーツ再生データ6Fは、それぞれ、スペシャルパフォーマンス直後の時刻からの部分が用いられる。
再開後も、スペシャルパフォーマンス前と同様に、端末装置2は、メニューボタン7F9がタップされた場合(#130でYES)、および、ボルテージ度数Uaがゼロになった場合に(#131でYES)、リズムゲーム4Bおよび音楽ライブを終了してメニュー画面7Aを再び表示する(#101)。リクエスト曲が最後まで演奏されたら(#132でYES)、メニュー画面7Aを表示する(#101)。
または、要件_A、要件_B、および要件_Cのうちの少なくとも1つが満たされないとステップ#111において判別した場合(#115でNO)、端末装置2は、ステップ#118〜#119のチャンスタイムに関する処理も、ステップ#121〜126のスペシャルパフォーマンスに関する処理も、行わない(#127、#128)。要件_Dが満たされないとステップ#116で判別した場合も(#117でNO)、同様である。そして、原則としてメニューボタン7F9がタップされまたはボルテージ度数Uaがゼロにならない限り、リクエスト曲が最後まで演奏されるまでリズムゲーム4Bおよび音楽ライブを継続する(#130〜#132)。
または、要件_Eが満たされないとステップ#119において判別した場合は(#120でYES)、端末装置2は、ステップ#121〜126のスペシャルパフォーマンスに関する処理を行わない(#129)。そして、原則としてメニューボタン7F9がタップされまたはボルテージ度数Uaがゼロにならない限り、リクエスト曲が最後まで演奏されるまでリズムゲーム4Bおよび音楽ライブを継続する(#130〜#132)。
メニュー画面7Aにおいて終了ボタン7A6がタップされると(#133でYES)、端末装置2は、アプリケーション2Pを終了させる。
本実施形態によると、アイドル育成ゲーム4Aを継続してプレイするモチベーションを、育成のシミュレーションのアップデート以外の方法によってプレーヤに与えることができる。
具体的には、本実施形態では、育成の既存のシミュレーションをアップデートしたり育成の新たなシミュレーションを取り入れたりするのではなく、リズムゲーム4B、すなわち、育成ゲームとは異なるジャンルのゲームを取り入れている。しかも、リズムゲーム4Bを単に取り入れるのではなく、アイドル育成ゲーム4Aでプレーヤが育成したキャラクタ5がリズムゲーム4Bの進行に合わせてリズムゲーム4Bの楽曲を演奏する様子が再生される。
したがって、アイドル育成ゲーム4Aへのリズムゲーム4Bの親和性が従来よりも向上し、プレーヤは、キャラクタ5との一体感を感じながら音楽ライブを楽しむことができる。
さらに、アイドル育成ゲーム4Aおよびリズムゲーム4Bのそれぞれで一定の要件をクリアすれば、キャラクタ5によるスペシャルパフォーマンスが報奨として再生される。
したがって、プレーヤは、俊敏な操作が苦手であってもスペシャルパフォーマンスを目標にリズムゲーム4Bに集中しようとする意識が働く。スペシャルパフォーマンスの最中は、リズムゲーム4Bが停止するので、目標を達成したらリラックスしてスペシャルパフォーマンスを鑑賞することができる。そして、アイドル育成ゲーム4Aに関する要件を満たすことも必要なので、アイドル育成ゲーム4Aを継続するモチベーションを従来よりも高めることができる。
なお、このように、プレーヤが育成したキャラクタ5による音楽ライブおよびスペシャルパフォーマンスが、アイドル育成ゲーム4Aを継続するモチベーションをプレーヤに与えるので、リズムゲーム4Bの難易度は低くても構わない。プレーヤは、俊敏な操作が苦手な場合および早くスペシャルパフォーマンスを鑑賞したい場合は、ノーツ70のスピード、加速度、および量を調整することによって、難易度を低く設定することができる。
このようなプレーヤのために、デフォルトでは、難易度が最も低くなるようにノーツ70のスピード、加速度、および量が設定されているのが望ましい。
〔8.変形例〕
(a)センタおよびスペシャルパフォーマの分担
図33は、ユニット編成画面7BXの例を示す図である。図34は、ユニット編成画面7BXのグレーアウト時の例を示す図である。
本実施形態では、出演ユニットのセンタのカード41のキャラクタ5がメインボーカルおよびスペシャルパフォーマンスの両方を担当したが、異なる2枚のカード41それぞれのキャラクタ5が担当することができるように、例えば次のように複合ゲーム4を構成してもよい。以下、スペシャルパフォーマンスを行うメンバを「スペシャルパフォーマ」と記載する。
図3のユニット編成部23は、図13などに示したユニット編成画面7Bの代わりに、図33のようなユニット編成画面7BXを表示させる。ユニット編成画面7BXには、パフォーマ設定ボタン7B6が配置されている。
プレーヤがパフォーマ設定ボタン7B6をタップすると、ユニット編成部23は、図34のように、メンバ領域7B2がプレーヤに注目されるように、メンバ領域7B2以外の部分をグレーアウトしてユニット編成画面7BXを表示させ直す。プレーヤは、スペシャルパフォーマを担当させるキャラクタ5を、そのキャラクタ5に対応するメンバ領域7B2をタップすることによって選択する。
すると、ユニット編成部23は、グレーアウトを解除した状態でユニット編成画面7BXを表示させ直す。この際に、選択されたキャラクタ5のカード41のカード画像の上に所定の画像を、他のカード41と区別するために重ねてもよい。例えば、「SP」のような文字列を重ねてもよい。
さらに、ユニット編成部23は、被選択ユニットのユニットデータ6C(図9、図14参照)のメンバカードコードの中のスペシャルパフォーマのカードコードの先頭または末尾に「SP」のような所定の識別子を付す。
開始可否判別部28は、図31のステップ#111において要件_B(出演ユニットのセンタのレアリティ値Kgが閾値Kt2以上であること)の代わりに、要件_B’(出演ユニットのスペシャルパフォーマのレアリティ値Kgが閾値Kt2以上であること)が満たされるか否かを判別する。
スペシャルパフォーマンス処理部29は、図29のステップ#181において、リクエスト曲に対応するスペシャルパフォーマンスデータ6Hの中から、出演ユニットのスペシャルパフォーマのカード41に対応するユニークパフォーマンスデータ6H2を検索する。ステップ#183において、そのユニークパフォーマンスデータ6H2に示される適用要件をスペシャルパフォーマのカード41が満たしているか否かを判別する。そして、スペシャルパフォーマンスを行う3次元モデルを、スペシャルパフォーマの顔画像に合わせて更新し、動画像を生成する。
(b)移行要件
本実施形態では、要件_A〜要件_Eの組合せが移行要件(スペシャルパフォーマンスを提供するための要件)として用いられた。
要件_A〜要件_Cは、出演ユニットに関する要件であって、特に出演ユニットのカード41のレアリティ値Kgまたはユニット総合力値Paに関する要件であったが、経験値Kaまたは現レベルKbに関する要件であってもよい。例えば、センタの現レベルKbが所定のレベル以上であることを要件_Bに追加してもよいし、要件_Bの代わりに用いてもよい。または、経験値Kaないしレアリティ値Kgのいずれかを任意に選択し要件を設定してもよい。例えば、要件_Bを、出演ユニットのセンタの現レベルKbおよびレアリティ値Kgがそれぞれ閾値Kb3(例えば、30)以上および閾値Kt2(例えば、3)以上である、と設定してもよい。いずれにせよ、価値が高いほど移行要件が満たされやすいように、出演ユニットに関する要件が定められる。つまり、育成が進んでいるほど移行要件が満たされやすいように、または、希少性が高いほど移行要件が満たされやすいように、出演ユニットに関する要件が定められる。
要件_Dは、リクエスト曲の開始時から間奏の数秒前までの時間帯における成績に関する要件であって、特にボルテージ度数Uaに関する要件であったが、総スコアSaまたはコンボ回数Caに関する要件であってもよい。いずれにせよ、この時間帯における成績が良いほど移行要件が満たされやすいように、この時間帯における成績に関する要件が定められる。
要件_Eは、チャンスタイムにおける成績に関する要件であって、特に打撃の成功回数に関する要件であったが、コンボ数またはボルテージに関する要件であってもよい。いずれにせよ、チャンスタイムにおける成績が良いほど移行要件が満たされやすいように、チャンスタイムにおける成績に関する要件が定められる。移行要件に含まれるのは、要件_Dおよび要件_Eのうちのいずれか一方だけであってもよい。
本実施形態では、要件_A〜要件_Eの5つすべてが満たされる場合に移行要件が満たされると判別されたが、5つのうち所定の個数(例えば、3つ)以上の要件が満たされれば移行要件が満たされると判別されるようにしてもよい。
または、出演ユニットの価値およびプレーヤによるリズムゲーム4Bのプレイの成績のそれぞれを50点満点で算出し、両点数の合計が所定の点数以上であれば、移行要件が満たされると判別されるようにしてもよい。
(c)スペシャルパフォーマンス
本実施形態では、キャラクタ5の3次元モデルを動作させることによってスペシャルパフォーマンスの動画像を生成した。つまり、視覚的なスペシャルパフォーマンスを提供した。視覚的なスペシャルパフォーマンスの代わりに、アドリブのようなまたは変則的な歌詞、音程、またはリズムによる音声をスペシャルパフォーマンスとして提供してもよい。またはアカペラをスペシャルパフォーマンスとして提供してもよい。つまり、聴覚的なスペシャルパフォーマンスを提供してもよい。または、視覚的なスペシャルパフォーマンスおよび聴覚的なスペシャルパフォーマンスの両方を提供してもよい。これらの場合は、スペシャルパフォーマンスデータ6H(図27参照)に、スペシャルパフォーマンス用の音声データを含めておけばよい。
または、キャラクタ5の3次元モデルを動作させる代わりに、実写の動画像を再生することによってスペシャルパフォーマンスを提供してもよい。
本実施形態では、1枚のカード41のキャラクタ5のみによるスペシャルパフォーマンスを再現したが、複数枚のカード41それぞれのキャラクタ5が協力して行うスペシャルパフォーマンスを再現してもよい。さらに、複数枚のカード41の組合せに応じたスペシャルパフォーマンスデータ6Hを用意しておき、このスペシャルパフォーマンスデータ6Hを優先的に用いてスペシャルパフォーマンスを再現してもよい。
(d)サポートメンバ
図35は、ユニット編成画面7BYの例を示す図である。
プレーヤが所有するカード41の中からサポートメンバをさらに選択し、音楽ライブをサポートさせることができるようにしてもよい。
この場合は、ユニット編成部23は、ユニット編成画面7Bの代わりに図35のようなユニット編成画面7BYを表示させる。プレーヤは、3つのサポートメンバ領域7B7を順次タップする。すると、ユニット編成部23は、被選択ユニットのメンバの選択の場合と同様に、カード一覧画面7C(図11参照)を表示させ、サポートメンバのカード41をプレーヤに選択させる。そして、被選択ユニットのユニットデータ6C(図9、図14参照)のメンバカードコードの末尾に、サポートメンバとして選択された3枚のカード41それぞれのカードコードを追記する。
または、条件選択画面7D(図17参照)からカード一覧画面7Cを呼び出してサポートメンバを選択できるように構成してもよい。この場合は、音楽ライブごとにサポートメンバを変えることが、より簡単になる。
サポートメンバが音楽ライブのスタッフ(例えば、演出家またはプロデューサ)として音楽ライブをサポートする場合は、スペシャルパフォーマンス処理部29は、サポートメンバの作業の特性が現われるようにスペシャルパフォーマンスを再現する。この場合は、カード41ごとに、スペシャルパフォーマンスに変化を加えるためのデータを変化データとして予め用意しておき、サポートメンバとして選択されたカード41の変化データに基づいてスペシャルパフォーマンスを再現すればよい。
または、サポートメンバがバックダンサとして音楽ライブをサポートする場合は、スペシャルパフォーマンス処理部29は、サポートメンバとして選択されたカード41のキャラクタ5が登場するようにスペシャルパフォーマンスを再現する。この場合は、スペシャルパフォーマンスデータ6Hにサポートメンバごとの3次元データおよび動作データを含ませておき、これらのデータに基づいてスペシャルパフォーマンスを再現すればよい。
(e)ゲームシステム1全体の構成
本実施形態では、図3に示した各機能をすべて端末装置2に設けたが、一部の機能を他の装置に設けてもよい。例えば、キャラクタデータ記憶部2M1ないしパフォーマンスデータ記憶部2M8の各記憶部をサーバ3に設けてもよい。
この場合は、端末装置2は、アイドル育成ゲーム4A、リズムゲーム4B、音楽ライブ、またはスペシャルパフォーマンスのために必要なデータを適宜、サーバ3からダウンロードする。また、プレーヤの操作に応じて更新したデータを適宜、サーバ3へアップロードする。このように構成すれば、プレーヤは、自分の所有する複数台の端末装置2のうちの1台において獲得しまたは育成したカード41を、他の1台で使用して複合ゲーム4を楽しむことができる。
さらに、開始可否判別部28をサーバ3に設けてもよい。この場合は、要件_Dを満たしたか否かを判断するための情報として、リクエスト曲が間奏に入る時点におけるボルテージ度数Uaを端末装置2からサーバ3へ通知する。チャンスタイムの処理が行われる場合は、さらに、要件_Eを判断するための情報として、チャンスタイム中、打撃に成功するごとに、その旨を端末装置2からサーバ3へ通知する。
さらに、アイドル育成ゲーム4Aにおけるシミュレーション、リズムゲーム4Bにおけるノーツの制御および成績(総スコアSa、コンボ回数Ca、ボルテージ度数Ua)の算出、ならびに動画像7Vおよびスペシャルパフォーマンス動画像7V3の生成をサーバ3に行わせてもよい。この場合は、端末装置2は、各画面に対してなされた操作の内容をサーバ3へ通知する。サーバ3は、動画像7Vおよびリクエスト曲を端末装置2へストリーミング配信する。移行要件が満たされるか否かを判別し、満たされる場合は、スペシャルパフォーマンス動画像7V3を端末装置2へストリーミング配信する。サーバ3は、これらの処理をコンピュータプログラムを実行することに実行する。端末装置2は、動画像7Vおよびスペシャルパフォーマンス動画像7V3を表示し、リクエスト曲を再生する。
または、他のプレーヤが獲得しまたは育成したカード41のカードデータ6Bを端末装置2にインポートしてリズムゲーム4B、音楽ライブ、およびスペシャルパフォーマンスのために使用できるように構成してもよい。カードデータ6Bのやり取りは、サーバ3などの他の装置を介して行ってもよいし、P2P(Peer To Peer)で行ってもよい。
(f)その他
本実施形態では、リクエスト曲の間奏の時間帯にチャンスタイムの処理を実行したが、スペシャルパフォーマンスの前の時間帯であれば、他の時間帯であってもよい。リクエスト曲が例えば前から順にイントロ、Aメロ、Bメロ、サビ、およびアウトロによって構成され、スペシャルパフォーマンスをサビで再現する場合は、Bメロの時間帯にチャンスタイムの処理を実行してもよい。
本実施形態では、ダンス、ボーカル、パフォーマンス、およびバックコーラスをキャラクタ5の才能として例示したが、他の才能であってもよい。例えば、バックコーラスの代わりにラップ(rap)、スキャット(scat)、または楽器の演奏であってもよい。または、才能は3つ以下であってもよいし、5つ以上であってもよい。
本実施形態では、キャラクタデータ6A(図5参照)をキャラクタ5ごとに用意したが、カード41ごとに用意してもよい。すると、キャラクタデータ6Aの個数が増えるので開発者の負担が大きくなるが、例えば同じキャラクタ5のカード41であってもレアリティ値Kgが高いものほど大人っぽい顔の顔情報を用意するなど、きめ細かな再現を行うことができる。楽曲データ6D(図15参照)のボーカルパートデータおよびバックコーラスパートデータも同様に、キャラクタ5ごとではなくカード41ごとに、レアリティ値Kgが高いものほど上手な歌声が再現されるように用意してもよい。
本実施形態では、1つのキャラクタ5に対してカード41を複数枚、用意したが、1枚のみ用意してもよい。カード41を収集する楽しみが若干、損なわれるが、キャラクタ5とカード41との関連性がシンプルになり、複合ゲーム4を簡単化することができる。
ただし、この場合は、要件_A(出演ユニットの5枚のカード41それぞれのレアリティ値Kgの合計が閾値Kt1以上であること)および要件_B(出演ユニットのセンタのレアリティ値Kgが閾値Kt2以上であること)の代わりに、レアリティ値Kg以外の要素に関する要件を用いるのが望ましい。例えば、要件_Aおよび要件_Bの代わりにそれぞれ要件_A’(出演ユニットの5枚のカード41それぞれの現レベルKbの合計が閾値Kt3以上であること)および要件_B’(出演ユニットのセンタの現レベルKbが閾値Kt4以上であること)を用いる。
本実施形態では、楽曲の歌のパートがメインボーカルおよびバックコーラスの2つである場合を例に説明したが、5つであってもよい。5つである場合は、各キャラクタ5の5つそれぞれのパートの音声データが含まれるように楽曲データ6Dを用意しておき、所定のルールに基づいて初期配列に応じてパートが割り当てられるようにすればよい。
本実施形態では、ユニットのメンバが5人である場合を例に説明したが、1〜4人であってもよいし、6人以上であってもよい。
本実施形態では、リズムゲーム4Bの難易度は、ノーツ70のスピード、加速度、および量を調整することによって設定されたが、打撃が成功したか否かを判別する際の閾値(距離D1〜D3)を変更することによって設定できるようにしてもよい。
その他、ゲームシステム1、端末装置2、複合ゲーム4の全体または各部の構成、処理の内容、処理の順序、データの構成、画面の構成などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
本発明の一形態に係るコンピュータプログラムは、再生される楽曲である再生曲に合わせてプレーヤがアクションを行う音楽ゲームを提供する音楽ゲーム手段、育成ゲームにおいて仮想的に育成されかつ複数の才能のうちのいずれか1つが特技として設定されているキャラクタが、前記育成ゲームにおいて仮想的に育成されかつ前記複数の才能のうちのいずれか1つが特技として設定されている1または複数のサブキャラクタとともにライブを行う様子を表わす第一の動画像を、前記音楽ゲーム手段によって前記音楽ゲームが提供されている間、ディスプレイに表示させる第一の表示処理手段、前記キャラクタが特別なパフォーマンスを行う様子を表わす第二の動画像を、前記プレーヤによる前記音楽ゲームのプレイの評価が一定以上であるいう第一の要件が満たされかつ前記育成ゲームにおいて前記キャラクタおよび前記1または複数のサブキャラクタそれぞれの価値の合計が一定以上であるという第二の要件が満たされる場合に前記ディスプレイに表示させる第二の表示処理手段としてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムであって、前記複数の才能のすべてが前記キャラクタおよび前記1または複数のサブキャラクタのそれぞれの前記特技のいずれかと一致する場合に、前記第二の要件を緩和させ、前記育成ゲームにおいて、希少性の異なる複数の仮想のカードが前記キャラクタおよび前記1または複数のサブキャラクタのそれぞれに対して用意されており、前記キャラクタおよび前記1または複数のサブキャラクタそれぞれの前記価値として、前記プレーヤが前記複数の仮想のカードの中から前記キャラクタおよび前記1または複数のサブキャラクタそれぞれについて選択したものの前記希少性の高さを用いる。