JP2021056838A - 個別設計生産品用の設計データ作成装置、作成方法および作成システム - Google Patents

Abstract

【課題】ユーザに負担をかけずに、ユーザの動作を反映した質の高いオーダーメイド製品の設計を実現することができる個別設計生産品用の設計データ作成装置、作成方法および作成システムを提供する。【解決手段】設計データ作成装置２が、被対象物であるユーザ11に行わせる複数の動作または姿勢のうち、基本となる複数の基本動作または姿勢を指示する基本指示に基づく、ユーザ11の基本動作または姿勢を含む複数の基本画像データ503を記憶する記憶部５と、複数の基本画像データ503から、ユーザ11の個別設計生産品を設計するための基本動作または姿勢を反映させた基本三次元形状データ505を生成する三次元形状データ生成部33と、基本三次元形状データ505に基づき、個別設計生産品のための基本設計データ509を作成する基本設計データ作成部35と、を備える。【選択図】図１

Description

本発明は、個別設計生産品用の設計データ作成装置、作成方法および作成システムに関する。

従来、人や動物が利用する生産品であって、個々の体型やサイズに合わせて個別設計する生産品（以下、オーダーメイド製品ともいう）を製作する際に、例えば初めに利用者の身体を測定して、その測定情報を基に個々の生産品の設計を行っている。

例えば特許文献１には、設計データ作成専用のサイズ測定装置であって、測定センサを有する衣服形状のサイズ測定装置をユーザが装着し、測定センサの特性変化に基づいて、身体の形状およびサイズを特定する技術が開示されている。

特許文献２には、服を脱いだ状態でぴったりフィットしたボディ・スーツを着用したユーザが、与えられた指令に従って動作または姿勢をとり、特定の動作または姿勢に対してカメラにより取り込まれた画像シーケンスの各々から２Ｄ形状データを抽出し、当該２Ｄ形状データを３Ｄサイズ／形状に統合して身体サイズを測定する技術が開示されている。

特許文献３には、３Ｄボディスキャナで身体をスキャンし、サイズ情報をサーバに蓄積することが開示されている。

特許文献４には、撮影された画像から身体情報の形状を特定し、画面中に表示される部分的な身体情報が占める割合によって、身体情報の寸法情報を推定したり、画面上における、寸法が既知である比較対象物の寸法情報との比率を求め、その比率に基づいて、画像内に表示された部分的な身体的特徴の寸法情報を特定したりすることで、３Ｄモデリング情報を作成する技術が開示されている。

特開２０１８−１４１７１７号公報 特許第６３９２７５６号公報 特開２０１８−１２４９４６号公報 特許第６１７３９８４号公報

特許文献１や特許文献２の測定技術では、ユーザは測定のために通常の衣服から特定の衣服に着替える必要があるので、特定の衣服に費用が掛かったり、測定場所が限定されたりする。さらに、ユーザが特定の衣服への着替えを負担と感じ、着替えることがオーダーメイドで設計を依頼しようとする動機づけの阻害要因ともなり得る。

また、特許文献１では、ユーザが直立状態でサイズ測定を行う。特許文献２では、測定部を検出しやすくするため、例えば両腕を開いて肘から先を上方向に曲げる「サボテン」姿勢でサイズ測定を行う。特許文献３では、身体をスキャンすることが開示されているのみで、スキャンする際にユーザが複数の動作または姿勢をとることについて記載がない。特許文献４でも、画像を撮影する際にユーザが複数の動作または姿勢をとることについてについて記載がない。

このように特許文献１〜４では、１つの動作または姿勢のみから設計データを作成するので、動作中の身体の変化を設計データに反映できず、サイズ測定時の動作または姿勢では身体にフィットするが、その他の状態では身体にフィットしない設計になってしまう問題があった。例えば衣服の設計では、ユーザが座ったりかがんだりといった日常的に発生する動作をしたときに身体にフィットする衣服を製作することができなかった。さらに、例えば、仕事用や趣味用、スポーツ用など、衣服を使用するシーンに合わせて、特定用途向けの衣服を設計することができなかった。

本発明は、このような事情に鑑みたものであり、ユーザに負担をかけずに、ユーザの動作を反映した質の高いオーダーメイド製品の設計を実現することができる個別設計生産品用の設計データ作成装置、作成方法および作成システムを提供する。

本発明はかかる課題を解決するため、被対象物に行わせる複数の動作または姿勢のうち、基本となる複数の基本動作または姿勢を指示する基本指示に基づく、前記被対象物の前記基本動作または姿勢を含む複数の基本画像データを記憶する記憶部と、前記複数の基本画像データから、前記被対象物の個別設計生産品を設計するための前記基本動作または姿勢を反映させた基本三次元形状データを生成する三次元形状データ生成部と、前記基本三次元形状データに基づき、前記個別設計生産品のための基本設計データを作成する基本設計データ作成部と、を備える、個別設計生産品用の設計データ作成装置を提供する。

前記作成装置では、前記記憶部が、前記個別設計生産品を特定用途向けに設計するための特定動作または姿勢を指示する特定指示に基づく、前記被対象物の前記特定動作または姿勢を含む特定画像データをさらに記憶し、前記三次元形状データ生成部により前記特定画像データから生成された、前記特定用途向けの個別設計生産品を設計するための前記特定動作または姿勢を反映させた特定三次元形状データに基づき、前記基本設計データを前記特定用途向けに補正した特定設計データを作成する特定設計データ作成部と、を備える場合がある。

前記作成装置では、前記基本画像データが、連続計測された三次元画像データである場合がある。

前記作成装置では、前記基本三次元形状データが前記被対象物の着衣状態のデータであり、前記基本三次元形状データから、前記被対象物の裸体状態の基本三次元体型データを推定する三次元体型推定部を備える場合がある。

前記作成装置では、少なくとも１つの部分データベースが、複数のユーザに対してそれぞれ作成した、前記個別設計生産品の一部分の基本三次元形状データと、前記一部分の基本三次元形状データにそれぞれ関連付けられた一部分の基本設計データとを含み、複数の前記一部分の基本三次元形状データの中から、前記被対象物の前記個別設計生産品のための前記基本三次元形状データの一部分と類似する前記一部分の基本三次元形状データを抽出する蓄積データ部分比較部を備え、前記基本設計データ作成部が、抽出した前記一部分の基本三次元形状データに関連付けられた前記一部分の基本設計データを利用して、前記被対象物の前記個別設計生産品のための前記基本設計データを作成する場合がある。

また本発明は、被対象物に行わせる複数の動作または姿勢のうち、基本となる複数の基本動作または姿勢を指示する基本指示ステップと、前記基本指示に基づく前記被対象物の前記基本動作または姿勢を含む複数の基本画像データを取得する基本画像データ取得ステップと、前記複数の基本画像データから個別設計生産品のための前記基本動作または姿勢を反映させた基本三次元形状データを生成する基本三次元形状データ生成ステップと、前記基本三次元形状データに基づき前記個別設計生産品のための基本設計データを作成する基本設計データ作成ステップと、を含む、個別設計生産品用の設計データ作成方法を提供する。

前記作成方法において、前記個別設計生産品を特定用途向けに設計するための特定動作または姿勢を指示する特定指示ステップと、前記特定指示に基づく前記被対象物の前記特定動作または姿勢を含む特定画像データを取得する特定画像データ取得ステップと、前記特定画像データから、前記特定用途向けの個別設計生産品を設計するための前記特定動作または姿勢を反映させた特定三次元形状データを生成する特定三次元形状データ生成ステップと、前記個別設計生産品の特定三次元形状データに基づき、前記基本設計データを前記特定用途向けに補正した特定設計データを作成する特定設計データ作成ステップと、をさらに含む場合がある。

前記作成方法において、前記基本画像データが、連続計測された三次元画像データである場合がある。

前記作成方法において、前記基本三次元形状データが前記被対象物の着衣状態のデータであり、前記基本三次元形状データから、前記被対象物の裸体状態の基本三次元体型データを推定する三次元体型推定ステップを含み、前記基本三次元体型データに基づき、前記基本設計データを作成する場合がある。

また本発明は、被対象物に行わせる複数の動作または姿勢のうち、基本となる複数の基本動作または姿勢を指示する基本指示に基づく、前記被対象物の前記基本動作または姿勢を含む複数の基本画像データを記憶する記憶部と、前記複数の基本画像データから、前記被対象物の個別設計生産品を設計するための前記基本動作または姿勢を反映させた基本三次元形状データを生成する三次元形状データ生成部と、前記基本三次元形状データに基づき、前記個別設計生産品のための基本設計データを作成する基本設計データ作成部と、を備える、設計データ作成装置、および、前記基本画像データを連続計測された三次元画像データとして取得する連続計測型三次元画像データ取得装置、を備える、個別設計生産品用の設計データ作成システムを提供する。

前記作成システムでは、前記記憶部が、前記個別設計生産品を特定用途向けに設計するための特定動作または姿勢を指示する特定指示に基づく、前記被対象物の前記特定動作または姿勢を含む特定画像データをさらに記憶し、前記設計データ作成装置が、前記三次元形状データ生成部により前記特定画像データから生成された、特定用途向けの個別設計生産品を設計するための特定動作または姿勢を反映させた特定三次元形状データに基づき、前記基本設計データを前記特定用途向けに補正した特定設計データを作成する特定設計データ作成部と、を備える場合がある。

前記作成システムでは、前記基本三次元形状データが前記被対象物の着衣状態のデータであり、前記設計データ作成装置が、前記基本三次元形状データから、前記被対象物の裸体状態の基本三次元体型データを推定する三次元体型推定部を備える場合がある。

本発明の個別設計生産品用の設計データ作成装置、作成方法および作成システムによれば、オーダーメイド製品の設計時に身体等を測定する際のユーザの負担を軽減し、ユーザの日常動作時や特定用途での動作時にも身体にフィットするオーダーメイド製品の設計データを作成することができる。

本発明の設計データ作成装置を含む設計データ作成システムの概略構成の好適な一実施形態を示すブロック図である。 本発明の設計データ作成装置を含む設計データ作成システムおよび設計データ作成方法において、処理の流れの好適な一実施形態を示すフローチャートである。 図２の処理に対して、裸体状態の三次元体型を推定する工程を追加した処理の流れの好適な一実施形態を示すフローチャートである。 本発明の連続計測型三次元画像データ取得装置の概略構成の好適な一実施形態を示すブロック図である。 本発明の連続計測型三次元画像データ取得装置を利用して撮影を行う撮影空間の好適な一実施形態を示す概略図である。 本発明の連続計測型三次元画像データ取得装置で取得した画像データの一例を示す図である。 （ａ）オーダーメイド製品を依頼するユーザの衣服を着用した状態を示す図、および、（ｂ）同ユーザの衣服を透過させた裸体の状態を示す図である。 本発明の設計データ作成装置の記憶部に保存される部分データベースの好適な一実施形態を示すブロック図である。 部分データベースに格納されるデータの好適な一実施形態を示す説明図である。 本発明の設計データ作成装置を含む設計データ作成システムを利用して撮影を行う撮影空間の好適な一実施例を示す概略図である。 オーダーメイドのパンツを作製する際に必要となる下半身のサイズ項目の好適な一実施例を示す概略図である。 オーダーメイドのパンツを作製する際の、基本指示によるユーザの動作または姿勢の好適な一実施例を示す概略図である。 （ａ）オーダーメイドのゴルフ用パンツを作製する際に、基本指示に基づいて作成した基本設計データから起こした型紙の好適な一実施形態を示す概略図で、（ｂ）同様に特定指示に基づいて作成した特定設計データから起こした型紙の好適な一実施例を示す概略図である。 オーダーメイドのゴルフ用パンツを作製する際の、特定指示によるユーザの動作または姿勢の好適な一実施例を示す概略図であり、（ａ）ゴルフクラブを構えたときの動作または姿勢、（ｂ）スウィングしたときの動作または姿勢である。 被対象物であるユーザの手の指先を閉じた状態を示す概略図である。 被対象物であるユーザの手の指先を開き、小指を折り曲げた状態を示す概略図である。 被対象物であるユーザの耳を示す概略図である。

以下、図面を参照して、本発明の個別設計生産品用の設計データ作成装置、作成方法および作成システムの好ましい実施形態について説明する。

＜全体構成＞
図１は本実施形態の設計データ作成装置２を含む設計データ作成システム１の全体構成を示すブロック図である。

本実施形態の設計データ作成システム１を実現するための主要な構成として、設計データ作成装置２、画像データ取得装置７および指示部８が含まれる。画像データ取得装置７および指示部８は、それぞれ設計データ作成装置２に接続される。これらは、物理的に接続されてもよいし、ワイヤレス通信で接続されたり、図示しないインターネット等の通信インフラである通信網を介して接続されてもよい。画像データ取得装置７は、個別設計生産品（以下、オーダーメイド製品ともいう）を使用するユーザ11（図７を参照）の画像データを取得する。指示部８は、ユーザ11に対して、設計データの作成に必要な動作または姿勢をとるように指示を伝える手段である。

設計データ作成装置２は、主要な構成要素として、制御部３、画像データ入力部４、記憶部５および操作部６を備える。画像データ入力部４は、画像データ取得装置７が取得した画像データを、設計データ作成装置２に取り込む。記憶部５は、プログラム512の他、設計データの作成に必要な種々のデータを記憶する。制御部３は、記憶部５に記憶されたプログラム512の指令により、画像データ入力部４から取り込まれた画像データと、記憶部５に記憶されたデータとを用いて所定の処理を行い、設計データを作成する。操作部６は、図示しない表示部上のタッチセンサで構成したり、マウスやキーボードで構成される。

制御部３は、例えば、基本指示作成部31と、特定指示作成部32と、三次元形状データ生成部33と、三次元体型推定部34と、基本設計データ作成部35と、特定設計データ作成部36と、蓄積データ部分比較部37とを備えることができる。

記憶部５は、例えば、基本指示データ501と、特定指示データ502と、基本画像データ503と、特定画像データ504と、基本三次元形状データ505と、特定三次元形状データ506と、基本三次元体型データ507と、特定三次元体型データ508と、基本設計データ509と、特定設計データ510と、ヒアリングデータ511と、プログラム512とを記憶することができる。記憶部５は、さらに、第１部分データベース71、第２部分データベース72および第３部分データベース73等の少なくとも１つの部分データベースを記憶することもできる（図８を参照）。

記憶部５は、例えばインストールにより記憶されるプログラム512を含む。設計データ作成装置２のハードウェア構成は、いわゆる一般的なものであって、コンピュータである制御部３が中央演算処理装置（ＣＰＵ）を備え、ＲＯＭ（Read Only Memory）やハードディスク等の記憶部５に記憶されたプログラム512を実行する。プログラム512は、コンピュータである制御部５に、基本指示作成部31、特定指示作成部32、三次元形状データ生成部33、三次元体型推定部34、基本設計データ作成部35、特定設計データ作成部36および蓄積データ部分比較部37の機能を実行させる。設計データ作成装置２は、例えば、デスクトップ型ＰＣやノート型ＰＣ、タブレット端末、スマートフォン等を使用することができる。

基本指示作成部31は、プログラム512の指令により、基本指示データ501を作成し、記憶部５に記憶させる。基本指示データ501は、ユーザ11に行わせる複数の動作または姿勢のうち、基本となる複数の基本動作または姿勢を指示する基本指示を含む。基本指示は、ユーザ11が、オーダーメイド製品を使用時に、通常または日常的にとり得る一般的な動作または姿勢である基本動作または姿勢を指示するものである。基本指示データ501は、オーダーメイド製品の種別毎に、原則として全ユーザに共通のものとすることができる。基本指示データ501は、記憶部５に記憶されたヒアリングデータ511を基に作成することができる。

ヒアリングデータ511は、ユーザ11からヒアリングする等して取得した、オーダーメイド製品の設計データを作成するために必要な事項に関する情報である。当該情報は例えば、ユーザ11が希望するオーダーメイド製品の用途やデザイン、材料等に関する情報であったり、ユーザ11の職業や趣味等に関する情報を含むことができる。ヒアリングデータ511は、例えば、ユーザ11や、店員、設計者等が、設計データ作成装置２の操作部６を操作して入力し、制御部３が記憶部５に記憶させる。ヒアリングデータ511は、ユーザ11毎に管理される。

画像データ取得装置７は、ユーザ11の身体の一部、および／または、全身の、具体的な形状を取得するために使用される。画像データ取得装置７は、画像データを取得できるものであれば特に限定されない。画像データは、静止画データであってもよいし、動画データであってもよい。後述する、連続計測された三次元画像データとして取得する連続計測型三次元画像データ取得装置10（図４を参照）の場合、ユーザ11の動作を連続的に三次元スキャンすることにより、例えば、動作中の筋肉の変化による表面形状の変化をすべて取得することができる。画像データ取得装置７は、所定のカメラ装置の他、カメラ付スマートフォンやカメラ付タブレット端末とすることもできる。

制御部３は、プログラム512の指令により、画像データ入力部４が取り込んだ基本画像データ503を、記憶部５に記憶させる。基本画像データ503は、基本指示に基づくユーザ11の基本動作または姿勢を含む。

三次元形状データ生成部33は、プログラム512の指令により、記憶部５に記憶された基本画像データ503を読み出し、当該基本画像データ503を基に、ユーザ11の個別設計生産品を設計するための基本動作または姿勢を反映させた基本三次元形状データ505を作成する。基本画像データ503からの基本三次元形状データ505の生成は、当業者に周知の手段によって行うことができる。

基本画像データ503の画像が、ユーザ11が衣服を着用したままの画像である場合、上記の基本三次元形状データ505は、衣服も含めたユーザ11の身体の形状のデータである。この場合、三次元体型推定部34が、プログラム512の指令により、記憶部５に記憶された基本三次元形状データ505を読み出し、当該基本三次元形状データ505を基に、基本三次元体型データ507を作成するようにしてもよい。基本三次元体型データ507は、ユーザ11が基本動作または姿勢を行った際の、裸体の状態の身体の形状やサイズを推定して作成したデータである。三次元体型推定部34を設けることで、ユーザ11が、裸に近い格好になるように衣服を脱いだり、体型が分かるようなタイツや専用スーツ等に着替えたりする、ユーザ11に掛かる負担を、回避することができる。

基本設計データ作成部35は、プログラム512の指令により、記憶部５に記憶された基本三次元形状データ505または基本三次元体型データ507を読み出し、当該基本三次元形状データ505または基本三次元体型データ507を基に、基本設計データ509を作成する。基本設計データ509は、例えば、オーダーメイド製品が衣服である場合、衣服のパターンデータである。基本設計データ509の基本となるデザインは、あらかじめ選択できるようにしてもよいし、一度基本的なデザインのパターンを起こして、当該パターンのディテールを調整するようにしてもよい。

特定指示作成部32は、プログラム512の指令により、特定指示データ502を作成し、記憶部５に記憶させる。特定指示データ502は、ユーザ11に対して、前記個別設計生産品を特定用途向けに設計するための特定動作または姿勢を指示する特定指示を含む。特定指示は、ユーザ11が、オーダーメイド製品を使用する特定の用途やシーンにおいてとり得る特別な動作または姿勢である特定動作または姿勢を指示するものである。特定指示データ502も、記憶部５に記憶されたヒアリングデータ511を基に作成することができる。

制御部３は、プログラム512の指令により、画像データ入力部４が取り込んだ特定画像データ504を、記憶部５に記憶させる。特定画像データ504は、特定指示に基づくユーザ11の特定動作または姿勢を含む。

三次元形状データ生成部33は、プログラム512の指令により、記憶部５に記憶された特定画像データ504を読み出し、当該特定画像データ504を基に、特定用途向けの個別設計生産品を設計するための特定動作または姿勢を反映させた特定三次元形状データ506を作成する。特定画像データ504からの特定三次元形状データ506の生成は、当業者に周知の手段によって行うことができる。

特定画像データ504の画像が、ユーザ11が衣服を着用したままの画像である場合、上記の特定三次元形状データ506は、衣服も含めたユーザ11の身体の形状のデータである。特定三次元形状データ506により基本設計データ509の補正部分やそのサイズを特定できれば、基本三次元形状データ505の場合と異なり、特定三次元体型データ508を作成する必要はない。しかしながら、必要に応じて、三次元体型推定部34が、プログラム512の指令により、記憶部５に記憶された特定三次元形状データ506を読み出し、当該特定三次元形状データ506を基に、特定三次元体型データ508を作成するようにしてもよい。特定三次元体型データ508は、ユーザ11が特定動作または姿勢を行った際の、裸体の状態での身体の形状やサイズを推定して作成したデータである。

特定設計データ作成部36は、プログラム512の指令により、記憶部５に記憶された特定三次元形状データ506または特定三次元体型データ508を読み出し、当該特定三次元形状データ506または特定三次元体型データ508を基に、基本設計データ509を特定用途向けに補正した特定設計データ510を作成する。特定設計データ510は、例えば、オーダーメイド製品が衣服である場合、衣服の補正後パターンデータである。

指示部８は、設計データ作成装置２で作成された指示に基づき、ユーザ11に対して動作または姿勢の指示を出す。指示部８は、ユーザ11に対して動作または姿勢の指示を伝えることができれば、その具体的な態様は特に限定されない。指示部８がユーザ11に対して動作または姿勢の指示を出す方法は、例えば、映像や音声によって行うものとすることができ、映像のみ、音声のみ、またはこれらの組み合わせとすることができる。指示部８は、例えば、タブレット端末等のデバイスで構成することができる。

指示部８による指示は、上記の基本指示だけとすることもできる。基本指示を出して、基本設計データ509を作成完了後に、上記の特定指示が出されてもよい。また、基本指示を出すタイミングと特定指示を出すタイミングとを混在させてもよい。指示部８による指示の出し方については、ユーザ11の希望に合わせて決定するようにしてもよいし、設計者がヒアリングデータ511に基づいて特定指示の要否や基本指示と特定指示との組み合わせを決定するようにしてもよい。

基本指示作成部31および特定指示作成部32は、プログラム512の指令により、基本指示および特定指示を出す順番を決定する。基本指示および特定指示を出すタイミングは、一つの指示を出してから所定時間経過後に次の指示を出すようにすることができる。別なタイミングとして、ユーザ11が指示された動作または姿勢を行ったことを確認後に、次の指示を出すようにすることができる。この場合、ユーザ11の動作または姿勢を検知するために、当業者に周知の画像解析技術を用いることができる。ユーザ11の動作または姿勢が、指示と異なる場合には、「動作または姿勢が違います」といった指示や、「もっと腕を伸ばしてください」といった指示等、ユーザ11の動作または姿勢を修正するための追加指示を、基本指示作成部31および特定指示作成部32が作成するようにしてもよい。

基本設計データ509および特定設計データ510は、ユーザ11が次回以降にオーダーメイド製品を依頼する際にも利用することができる。例えば、基本設計データ509を、別の特定用途向けのオーダーメイド製品の設計のために利用することができる。これにより、基本指示を省けるので、ユーザ11の負担を大きく軽減することができる。

＜設計データ作成方法の流れ＞
本実施形態の設計データ作成システム１および設計データ作成装置２が実行する設計データ作成方法の流れについて、図２および図３に示す本発明の設計データ作成方法の好適な一実施形態を示すフローチャートを用いて説明する。

まず、ユーザ11に行わせる複数の動作または姿勢のうち、基本となる複数の基本動作または姿勢をユーザ11に指示するために基本指示作成部31により作成された基本指示を、設計データ作成装置２から指示部８に伝え、指示部８が基本指示を出す（基本指示ステップＳ１０１、Ｓ２０１）。

次に、制御部３が画像データ入力部４を制御して、基本指示に基づくユーザ11の基本動作または姿勢を含む複数の基本画像データ503を取得する（基本画像データ取得ステップＳ１０２、Ｓ２０２）。

三次元形状データ生成部33が、複数の基本画像データ503からユーザ11の個別設計生産品を設計するための基本動作または姿勢を反映させた基本三次元形状データ505を生成する（基本三次元形状データ生成ステップＳ１０３、Ｓ２０３）。裸体状態の三次元体型推定を行わない場合、制御部３は、例えば基本設計データ509を作成するための採寸データを取得できるだけの十分な基本三次元形状データ505が得られたか判断し（ステップＳ１０４）、十分な基本三次元形状データ505が得られていなければ、ステップＳ１０１に戻る。十分な基本三次元形状データ505が得られていれば、ステップＳ１０５に進む。ステップＳ１０５では、基本設計データ作成部35が、基本三次元形状データ505に基づき個別設計生産品のための基本設計データ509を作成する（基本設計データ作成ステップ）。

裸体状態の三次元体型推定を行う場合、ステップＳ２０３の後、三次元体型推定部34が、ユーザ11の着衣状態のデータである基本三次元形状データ505から、ユーザ11の裸体状態の基本三次元体型データ507を推定する（三次元体型推定ステップＳ２０３１）。制御部３は、例えば基本設計データ509を作成するための採寸データを取得できるだけの基本三次元体型が十分推定されたか判断し（ステップＳ２０４）、十分推定されていなければ、ステップＳ２０１に戻る。基本三次元体型が十分推定されていれば、ステップＳ２０５に進む。ステップＳ２０５では、基本設計データ作成部35が、基本三次元体型データ507に基づき、基本設計データ509を作成する。

基本設計に加え、特定用途向けの設計を行う場合、前記個別設計生産品を特定用途向けに設計するための特定動作または姿勢をユーザ11に指示するために特定指示作成部32により作成された特定指示を、設計データ作成装置２から指示部８に伝え、指示部８が特定指示を出す（特定指示ステップＳ１０６、Ｓ２０６）。

次に、制御部３が画像データ入力部４を制御して、特定指示に基づくユーザ11の特定動作または姿勢を含む特定画像データ504を取得する（特定画像データ取得ステップＳ１０７、Ｓ２０７）。

三次元形状データ生成部33が、特定画像データ504から、特定用途向けの個別設計生産品を設計するための特定動作または姿勢を反映させた特定三次元形状データ506を生成する（特定三次元形状データ生成ステップＳ１０８、Ｓ２０８）。裸体状態の三次元体型推定を行わない場合、制御部３は、例えば特定設計データ510を作成するための採寸データを取得できるだけの十分な特定三次元形状データ506が得られたか判断し（ステップＳ１０９、Ｓ２０９）、十分な特定三次元形状データ506が得られていなければ、ステップＳ１０６、Ｓ２０６に戻る。十分な特定三次元形状データ506が得られていれば、ステップＳ１１０、Ｓ２１０に進む。ステップＳ１１０、Ｓ２１０では、特定設計データ作成部36が、特定画像データ504から生成された個別設計生産品の特定三次元形状データ506に基づき、基本設計データ509を特定用途向けに補正した特定設計データ510を作成する（特定設計データ作成ステップ）。

特に図示しないが、特定指示に基づく設計データの作成においても、裸体状態の三次元体型推定を行ってもよい。ステップＳ２０８の後、三次元体型推定部34が、ユーザ11の着衣状態のデータである特定三次元形状データ506から、ユーザ11の裸体状態の特定三次元体型データ508を推定する（特定三次元体型データ作成ステップ）。制御部３は、例えば特定設計データ510を作成するための採寸データを取得できるだけの特定三次元体型が十分推定されたか判断し、十分推定されていなければ、ステップＳ２０６に戻る。特定三次元体型が十分推定されていれば、ステップＳ２１０に進む。ステップＳ２１０では、特定設計データ作成部36が、特定三次元体型データ508に基づき、基本設計データ509を特定用途向けに補正した特定設計データ510を作成する（特定設計データ作成ステップ）。

上述のように、ユーザ11の動作または姿勢を修正するための追加指示を出すステップを、画像データを取得する際に（ステップＳ１０１、Ｓ１０７、Ｓ２０１、Ｓ２０７）、挿入するようにしてもよい。

設計データ作成は、基本設計データ509の作成で完了とすることもできる。図２および図３では基本指示を出して、基本設計データ509を作成完了後に、特定指示が出されているが、基本指示を出すタイミングと特定指示を出すタイミングとを混在させてもよい。

以上のように、基本画像データ503および特定画像データ504を取得後、設計データ作成装置２の制御部３により、基本三次元形状データ505の生成から、特定三次元形状データ506の生成、基本三次元体型データ507の作成および特定三次元体型データ508の作成を自動で行い、最終的に自動で基本設計データ509および特定設計データ510を作成することができる。

＜連続計測型三次元画像データ取得装置＞
画像データ取得装置７として、ユーザ11の動作を連続的に三次元スキャンする連続計測型三次元画像データ取得装置10を利用することができる。連続計測型三次元画像データ取得装置10を利用することで、ユーザ11の動作中の筋肉の変化等の身体的変化による表面形状の変化をすべて捉えることができる。このような連続計測型三次元画像データ取得装置10の構成について説明する。

図４は、連続計測型三次元画像データ取得装置10の構成を示すブロック図である。連続計測型三次元画像データ取得装置10は、少なくとも１つのカメラ61と、カメラコントロール部62と、マスタークロック供給部63と、撮影全体コントロール部64と、三次元データ作成部65とを備える。カメラコントロール部62は、撮影データ記憶部621と、ＣＰＵ622とを備える。

連続的に三次元スキャンするためには、全てのカメラ61で同時に撮影が行われないと、正しい三次元データを作成することができない。本実施形態の連続計測型三次元画像データ取得装置10は、全てのカメラ61で同時に撮影を行うために、以下の構成としている。

カメラコントロール部62は、カメラ61毎に用意される。図４中では、カメラ61を１つのみ図示しているが、図５に示すように複数のカメラ61を撮影空間21内に設置することが好ましい。撮影データ記憶部621は、カメラ61で撮影された撮影データを記憶する。カメラコントロール部62は、汎用ソフトウェアと汎用ＣＰＵを利用することもできるし、専用のＩＣ回路を利用してもよい。

マスタークロック供給部63は、カメラ61毎に用意したＣＰＵ622および撮影全体コントロール部64にマスタークロックを供給し、すべてのＣＰＵ622の時刻が同一時間になるように撮影直前に時刻補正を行う。または、複数のカメラ61のうちいずれか一つをマスターとしてもよい。

時刻補正の完了後、撮影全体コントロール部64は、各カメラコントロール部62に、同一の撮影開始時刻、撮影間隔および撮影時間長さを通知する。このとき、撮影全体コントロール部64は、撮影開始時刻を現在時刻よりも後の時刻として通知する。これにより、各カメラ61への情報伝達時間の違いが原因で撮影開始がずれることを防ぐことができる。撮影間隔は、撮影開示時刻を基準にして撮影時刻を決定するもので、撮影間隔が例えば100msecである場合、撮影開始時刻から100msec毎に撮影が行われる。

従来、電気的な信号をすべての機器に同時に送り込んだり、ネットワーク機能を使用して命令を同時配信したりしていた。しかしながら、これらの構成では、信号や命令を受信した後の処理遅延が、各カメラで別々に起こることが原因で、撮影タイミングのずれが生じる可能性が高い。本実施形態では、特別な装置や配線を使用することなく、内部の時計をほぼ同時刻になるまで繰り返し調整し、時刻ベースで撮影を行うことで、撮影タイミングのずれを抑制することができる。高精度のタイミングで同時に撮影することにより、三次元データの精度を向上することができる。撮影時間が長くなるほど、小さな誤差の積み重ねの影響が大きくなるので、撮影タイミングのずれが、三次元データの精度に大きな影響を及ぼす。

撮影間隔を１回の撮影処理時間に加算してバッファ時間を持たせるように設定することができる。これにより、撮影処理に遅延が発生したときにも、バッファ時間で復旧が行われれば、次の撮影処理時に、当該遅延の影響を受けることなく撮影を行うことができる。

例えば、実際の撮影時間を50msec〜70msecとしたときに、100msec間隔で撮影するように設定することで、50msec〜30msecのバッファ時間が、各撮影処理に付加される。カメラコントロール部62のＯＳ（オペレーティングシステム）のスケジューラやその他の影響により１回の撮影処理が遅延しても、その撮影処理がバッファ時間内に終了すれば次の撮影処理に影響が及ばず、全てのカメラが同時刻に撮影処理を行うことができる。また、撮影処理の遅延が複数回の撮影処理に及ぼすような長い場合でも、撮影タイミングの時刻は不変であるため、遅延回復後の撮影には影響が及ばない。

次に、撮影開始時刻になると、各カメラコントロール部62の制御により、各カメラ61が撮影を行う。撮影は撮影間隔毎に行われ、撮影された画像データがカメラコントロール部62の撮影データ記憶部621に記憶される。

指定された撮影時間長さ分の撮影が終了すると、撮影した画像データは、動画データまたは複数の静止画データとして、カメラコントロール部62から撮影全体コントロール部64に送信され、三次元データ作成部65まで伝達される。撮影した画像データは、カメラコントロール部62から直接三次元データ作成部65に伝達してもよい。また、ネットワーク回線や、カメラコントロール部62の処理能力に余裕があり、撮影間隔に影響が出なければ、逐次、撮影した画像データを逐次撮影全体コントロール部に送信するようにしてもよい。

三次元データ作成部65は、複数のカメラ61において同一タイミングで撮影された複数の画像データから、三次元データを作成する。三次元データは、全ての画像データを使用して作成してもよいし、任意のタイミングで撮影した画像を、ポージングを参考にする等して抽出し、作成するようにしてもよい。

連続計測型三次元画像データ取得装置10により計測された三次元データから、少なくとも１つの三次元データを、設計データ作成装置２の画像データ入力部４に入力する。連続した複数の三次元データを比較し、最大や最小の断面の面積になっている動作または姿勢を利用して最大の外周の形を設計データの作成に利用することができる。特定の筋肉が最大や最小の隆起をしている動作または姿勢の三次元データや、一つの動作の中で時間的に長い部分を占めている形状の三次元データ等を利用することもできる。このような連続計測により作成した三次元データの利用により、従来行われていなかった、時間軸を持った形状の変化を反映した設計データの作成を実現することができる。

カメラ61は、三次元形状を直接スキャンする三次元スキャナカメラとすることもできる。この場合、一連の動作中の三次元形状を連続してキャプチャできるように、１回の計測時間が短いことが要求される。

図６は、本実施形態の連続計測型三次元画像データ取得装置10により取得した画像データの一例を示す。連続計測型三次元画像データ取得装置10が、ユーザ11が手のひら12をカメラに向けて前方向に徐々に動かす様子を撮影した。図６（ａ）、（ｂ）および（ｃ）は、任意の撮影時刻における画像データを選択して抽出したものである。

図７（ａ）は、ユーザ11が衣服13を着用した状態のモデル図であり、図７（ｂ）は、ユーザ11の衣服13を透過させた裸体15の状態のモデル図である。設計データ作成装置２の三次元体型推定部34は、三次元データの色情報から衣服13の部分と素肌14の部分とを判別し、裸体状態の推定が必要な三次元データのエリアを特定する。自動識別した衣服13の部分について、素肌14の部分のデータを基にして衣服13を着用した部分の裸体15の状態の身体の形状やサイズを推定する。また、衣服13を着用した部分の形状からも、裸体15の状態の推定を行うようにしてもよい。

以上のように、連続計測型三次元画像データ取得装置10により計測された三次元データからも、制御部３により、最終的に自動で基本設計データ509および特定設計データ510を作成することができる。

＜蓄積データを活用した設計データの作成＞
基本設計データ作成部35および特定設計データ作成部36が基本設計データ509および特定設計データ510を作成する際に、例えば記憶部５に記憶された少なくとも１つの部分データベースに含まれる、例えば過去の蓄積データを参照するようにしてもよい。「部分データベース」の「部分」とは、オーダーメイド製品の一部分である。これにより、オーダーメイド製品の製作効率を向上し、生産コストを低減することができる。

図８に示すように、記憶部５は、第１部分データベース71、第２部分データベース72および第３部分データベース73等の少なくとも１つの部分データベースを記憶する。少なくとも１つの部分データベースの記憶媒体は、記憶部５以外であってもよく、例えば、設計データ作成装置２と有線で接続されたハードディスクや、ネットワーク回線で接続されたＰＣ、通信網を介して接続されたサーバ等とすることができる。

図９に示すように、第１部分データベース71は、第１ユーザに対して、例えば過去に作成された基本三次元形状データの第１部分の情報を含む、11基本三次元形状データ111を格納する。「11基本三次元形状データ」の「11」の前者の数字は第１部分であること、後者の数字は第１ユーザであることを示している。11基本三次元形状データ111には、例えば過去に11基本三次元形状データ111に基づいて作成された、第１部分の11基本設計データ112が関連付けられている。同様に、第１部分データベース71は、第２ユーザに対して作成された、第１部分の12基本三次元形状データ121と、12基本三次元形状データ121に関連付けられた12基本設計データ122とを格納する。さらに、第１部分データベース71は、第３ユーザに対して作成された、第１部分の13基本三次元形状データ131と、13基本三次元形状データ131に関連付けられた13基本設計データ132とを格納する。

同様に、第２部分データベース72は、複数のユーザに対してそれぞれ作成した、オーダーメイド製品の一部分の基本三次元形状データ211，221，231と、基本三次元形状データ211，221，231にそれぞれ関連付けられた一部分の基本設計データ212，222，232とを格納する。第３部分データベース73についても同様である。

部分データベースの数、および、オーダーメイド製品の一部分の基本三次元形状データの数は、少なくとも１つ以上であり、特に限定されない。

第１部分の蓄積データを参照する場合、蓄積データ部分比較部37は、ブログラム512の指令により、記憶部５に記憶されたユーザ11の基本三次元形状データ505を読み出し、第１部分データベース71に格納された複数の一部分の基本三次元形状データ111，121，131の中から、基本三次元形状データ505の第１部分と類似する一部分の基本三次元形状データ111，121，131を抽出する。第２部分の蓄積データを参照する場合も同様である。

抽出された一部分の基本三次元形状データにはそれぞれ、例えば過去に、当該一部分の基本三次元形状データの元となる基本三次元形状データに基づいて作成された基本設計データに含まれる、一部分の基本設計データが関連付けられている。したがって、上記工程により、ユーザ11の基本三次元形状データ505から、ユーザ11の身体にフィットする第１部分および第２部分の一部分の基本設計データを特定することができる。

例えば、第１部分については第１ユーザの11基本設計データ112が特定され、第２部分については第２ユーザの22基本設計データ222が特定された場合、基本設計データ作成部35は、プログラム512の指令により、11基本設計データ112および22基本設計データ222を利用して、ユーザ11のオーダーメイド製品の基本設計データ509を作成する。

第１部分および第２部分のみでオーダーメイド製品の全体を構成するようにしてもよい。この場合、蓄積された例えば過去の設計データを組み合わせるだけで、ユーザ11の身体にフィットしたオーダーメイド製品の設計データを作成することができる。また、オーダーメイド製品の一部を第１部分および第２部分で構成し、第１部分および第２部分については蓄積データを参照し、その他の部分は前述のようにカスタマイズして設計データを作成してもよい。

ユーザ11の基本三次元形状データ505に類似した、蓄積データの一部分の基本三次元形状データを抽出して基本設計データ509を作成する方法として、機械学習を利用することができる。例えば、過去の基本三次元形状データの特徴量と過去の基本設計データの特徴量との相関をコンピュータに学習させて学習モデルを構築し、ユーザ11の基本三次元形状データ505からユーザ11の基本設計データ509を作成するアルゴリズムを生成することができる。

上記では基本三次元形状データを利用したが、同様な方法で、基本三次元体型データを利用することもできる。同じく、特定三次元形状データまたは特定三次元体型データを利用してもよい。例えば、蓄積データ部分比較部37が、ユーザ11の特定三次元形状データ506または特定三次元体型データ508の一部分に類似する、例えば過去の特定三次元形状データまたは特定三次元体型データを抽出して、特定設計データ作成部36がユーザ11の特定設計データ510を作成するようにしてもよい。

本実施形態の設計データ作成システム１、設計データ作成装置２および設計データ作成方法を応用することができる実施例について説明する。下記実施例において、設計データ作成装置２、画像データ取得装置７および指示部８の具体的な動作は、上記の実施形態で述べた通りである。

＜衣服用パターンの作成＞
（一般例）
まず、来店したユーザ11に対し、オーダーメイドの衣服用パターンの作成に必要な事項に関する情報をヒアリングする。当該情報は、例えばオーダーメイド製品が衣服である場合、衣服自体や衣服の使用態様に関する情報とすることができる。衣服自体に関する情報は、例えば、パンツ、シャツ、スーツまたはワンピース等の衣服の種別や、ゆったり、タイト、派手、地味、シンプルまたは体型を隠したい等のユーザ11が希望する衣服のデザイン、肌に優しい、速乾性またはノンアイロン仕様等のユーザ11が希望する衣服の生地等に関する情報を含むことができる。衣服の使用態様に関する情報は、例えば、仕事用または趣味用等の用途や、オフィスワーカー、営業職、立ち仕事または主婦等のユーザ11の職業に関する情報、テニス、ゴルフ、読書または散歩等のユーザ11の趣味に関する情報等を含むことができる。

次に、ユーザ11の身体の画像を取得する。画像を取得するための撮影は、例えば、図１０に示すような撮影空間21で行うことができる。撮影空間21には、本発明の設計データ作成システム１のうち、画像データ取得装置７および指示部８が備えられている。

図１０に示す撮影空間21は、例えば、アパレル店舗の試着室等である。撮影空間21には、画像データ取得装置７として１つ以上のカメラが設置されている。カメラ７は、例えば、ユーザ11の正面、後ろ、右側および左側に設置すると、より短時間でユーザ11の身体のサイズ測定を行うことができるので好ましい。必要に応じて、ユーザ11の斜め上や斜め下にカメラ７を設置してもよい。カメラ７の設置方法は、特に限定されず、壁等に固定してもよいし、三脚等を使用してもよい。

撮影空間21には、ユーザ11に対して、動作または姿勢の指示を出す指示部８が設置される。撮影空間21にはさらに、ユーザ11自身の動作または姿勢を確認することができる確認手段22を設置してもよい。確認手段22は、例えば、鏡である。また、確認手段22は、カメラ７で取得した画像データを表示するディスプレイであってもよい。ユーザ11は、確認手段22により、自身の動作または姿勢を確認できるので、指示部８からの指示に対して、適切な動作または姿勢をとることができる。

上記撮影空間21の構成は一例であり、画像データ取得装置７および指示部８を備えていれば、具体的な構成は特に限定されない。例えば、ユーザ11の多機能型携帯情報端末である通信機能を備えたスマートフォンやタブレット端末等を用いて、これらにインストールされたアプリケーションソフトウェアにより、画像データ取得装置７の機能、および、必要に応じて指示部８の機能を実装することができる。

ユーザ11は、例えばスマートフォンにより、少なくとも身体の一部を撮影する。ユーザ11は、動作または姿勢を変えて、動画撮影を行ってもよいし、撮影角度を変えて複数枚の写真を撮影してもよい。ヒアリングデータ511は、アプリケーションソフトウェアの実行により、ユーザ11に質問事項に回答させることで、取得することができる。上述のように、基本指示作成部31および特定指示作成部32が、ヒアリングデータ511に基づき、それぞれ基本指示データ501および特定指示データ502を作成する。作成された基本指示および特定指示を、アプリケーションソフトウェアを介して、ユーザ11に映像および／または音声で提供することができる。取得した画像データ503，504は、例えばスマートフォンの通信機能により、設計データ作成装置２に送信される。

このような構成によれば、ユーザ11は、店舗に行かずに、自身の画像データ503，504を送信するだけで身体のサイズを測定することができるので、ユーザ11はより手軽にオーダーメイドの衣服を依頼することができ、店舗はオーダーメイドの衣服の受注を増加させることが期待できる。

図１０の撮影空間21の場合に戻り、説明する。ユーザ11が撮影空間21内に入り、撮影を開始する。指示部８は、ユーザ11がとるべき基本動作または姿勢を含む複数の基本指示を出す。基本指示としては、例えば、直立で腕を体に沿わせた姿勢や、腕を横に広げた姿勢、肘を曲げた姿勢、腕を上に上げた姿勢等、基本的な動作に伴う姿勢を指示するとよい。基本指示はさらに、腰を曲げて物を拾うような動作や、膝を曲げてしゃがむ動作、椅子に座る動作、ゆっくり歩く動作等、日常的にとり得る動作を指示するようにしてもよい。指示部８が出す指示の方法としては、とるべき動作または姿勢と同じ動作または姿勢の人物や図を映像で映してもよいし、音声で「腕を真横に広げてください」等のアナウンスをしてもよい。

設計データ作成装置２の三次元形状データ生成部33は、取得したユーザ11の基本画像データ503を基に、ユーザ11の個別設計生産品を設計するための基本動作または姿勢を反映させた基本三次元形状データ505を生成する。

ユーザ11が通常の衣服を着用して撮影を行った場合、基本三次元形状データ503は、衣服を含んだ形状のデータである。そこで、必要に応じて、三次元体型推定部34が、衣服を含まないユーザ11の裸体状態の身体サイズを含む基本三次元体型データ507を生成する。以下、特定三次元体型データ508とまとめて、三次元形状データ505，506に基づく三次元体型データ507，508の生成方法について説明する。

直立姿勢の基本画像データ503からは、例えば、腕における肘の位置が特定できない場合がある。これに対し、基本指示によりユーザ11が肘を曲げた状態の画像を取得できれば、肘の位置を決定したり、肘を曲げたときの二の腕の形状を特定することができる。この場合、肩から肘までの距離や、二の腕の形状変化を正確に反映した衣服パターンを作製することができるので、腕を曲げたときのツッパリ感を抑制した動きやすい衣服を作製することができる。

例えば、腕の太さのサイズ測定に関しては、袖口から出る腕や手首の太さや、服の張り具合等から、袖に隠れた腕部分の実際の直径を推定することができる。

三次元体型データ507，508の生成には、複数の動作または姿勢を含む画像データを必要とするが、直立姿勢のみからでは不明であった身体の各部位の長さや太さ、形状を特定することができる。指示部８は、あらかじめ決めた所定の枚数、撮影時間またはデータ量等の画像データの取得が完了した時点で指示を出すのを終了するようにしてもよい。また、制御部３が、三次元体型データ507，508が十分に生成できたと判断するまで、画像データ503，504の取得を続けるようにしてもよい。

生成する三次元体型データ507，508は、体の一部分についてのみ生成してもよい。ユーザ11の希望に合わせる等して、例えば、下半身のみ、または上半身のみについて三次元体型データ507，508を生成してもよい。また、三次元体型データ507，508はある程度の誤差を許容してよい。

例えば図１１は、下半身のみの図を示す。図１１に示すようにサイズを特定する各部位の項目を任意にあらかじめ設定し、取得した画像データ503，504を基に、裸体状態の身体の推定サイズを各項目に設定することで、三次元体型データ507，508とすることができる。また、特定の項目の推定サイズデータから、その他の部位の形状を推定するようにしてもよい。これらの項目の設定を細かくするほど、精緻なデータを生成することができる。制御部３は、オーダーメイド衣服の作製に必要なすべての部位で推定サイズを生成完了したことをもって、撮影を終了させることができる。

このような裸体状態の三次元体型の推定は、例えば機械学習を用いて実施することもできる。例えば、衣服を着用した状態の三次元形状データと、衣服を着用していない状態の三次元体型データとを含むデータセットを教師データとして機械学習モデルを構築し、衣服を着用した状態の三次元形状データ505，506から、三次元体型データ507，508を推定できるようにすることができる。

制御部３が、サイズ測定が不十分な部位があると判断した場合、基本および特定指示作成部31，32は、当該部位の形状を特定するのに適した動作または指示を作成し、指示部８は、当該指示をユーザ11に行うことができる。例えば、膝から足首までの長さを特定したい場合は椅子に座る姿勢を指示する等、各部位のサイズを測定するために有効な動作または姿勢をあらかじめ決めておくとよい。サイズ測定が不十分な部位があると判断した場合の処理は、基本指示に基づく三次元形状データ505，506または三次元体型データ507，508の生成が一通り終了した時点で、制御部３により、および／または、設計者や店員により、不足するデータの有無を確認して実行するようにしてもよい。

基本指示に基づくデータ作成に戻り、続きの設計データ作成について説明する。基本三次元形状データ505または基本三次元体型データ507の生成が完了した後、当該基本三次元形状データ505または基本三次元体型データ507を基に、基本設計データ509としての衣服パターンデータを作成する。これら三次元のデータから衣服パターンデータを作成する手段として、既知のソフトウェアを利用することができる。例えば、まず、三次元のデータを二次元のデータに変換し、二次元のデータから衣服パターンを起こすことができる。衣服パターンの作成は、あらかじめ用意した標準サイズのパターンデータを、ユーザ11の基本三次元形状データ505または基本三次元体型データ507に合わせて補正することによって行うこともできる。

以上の工程により、基本指示を基に、ユーザ11の通常の日常的な動作による身体の形状変化を衣服のサイズに反映して、そのユーザ11にとってフィット性が高く、より質の高いオーダーメイドの基本衣服パターンデータ509を自動で作成することができる。

特定用途向けの衣服を作成するために、特定指示を基に、基本指示に基づく基本衣服パターンデータとしての基本設計データ509に補正を加え、特定衣服パターンデータとしての特定設計データ510を作成することもできる。特定指示作成部32は、ヒアリングデータ511に基づき、衣服が利用されるシーン等に応じて、当該シーンでとり得る動作または姿勢をユーザ11に指示する。特定指示に基づく特定画像データを基に、本発明の実施形態の設計データ作成方法にしたがって、最終的に特定衣服パターンデータ510を自動で作成する。

特定指示の内容の例について説明する。例えば、仕事中に着用するオーダーメイドのシャツを依頼するユーザ11の場合で、ヒアリングデータ511に、オフィスで主にパソコン作業に従事することが登録されている場合、指示部８は、椅子に座り、パソコンを操作する動作または姿勢をとるように、ユーザ11に対して特定指示を出す。これにより、両腕が前方に出た状態の特定画像データ504を取得し、例えば肩の背中側の部分がつっぱらないようにするため、当該部分に余裕を持たせるように基本衣服パターンデータ509を補正して、特定衣服パターンデータ510を作成する。また、例えば、ヒアリングデータ511に、座る時間が長いとの情報が登録されている場合、座った状態の特定画像データ504から、腰回りの状態を特定し、ウエストやヒップの部分に余裕を持たせるように基本衣服パターンデータ509を補正して、特定衣服パターンデータ510を作成することができる。

オーダーメイドのゴルフウェアを依頼するユーザ11の場合、指示部８は、例えば、ゴルフのスウィングの動作または姿勢をとるように、ユーザ11に対して特定指示を出す。これにより、例えば、ゴルフクラブを構えたときにはヒップの部分が突き出るので、当該部分に余裕を持たせるように基本衣服パターンデータ509を補正して、特定衣服パターンデータ510を作成する。また、スウィングするときに肩の部分が動きやすいように、当該部分に余裕を持たせるように基本衣服パターンデータ509を補正して、特定衣服パターンデータ510を作成することができる。

上記の特定指示の内容および補正の例は一例であり、特にこれらに限定されない。その他の特定用途の例として、キャビンアテンダントやショップ店員等の立ち仕事向け、営業や配達員等の外回りの仕事向け、家事向け、野球やテニス等のスポーツ向け等が挙げられる。

特定指示作成部32は、例えば、ヒアリングデータ511に登録されたデータ中のキーワードに基づいて、自動で特定指示を作成することができる。また、設計者や店員が、操作部６により、その場で指示内容を入力し、特定指示作成部32が特定指示を作成するようにしてもよい。指示内容は、ユーザ11の希望に応じて、決定してもよい。これにより、より特殊な用途に合わせた特定衣服パターンデータ510を作成したり、ユーザ11の好みをより反映した特定衣服パターンデータ510を作成することができる。

以上のように、設計データ作成装置２によれば、画像データ503，504を取得後、基本三次元形状データ505の生成から、特定三次元形状データ506の生成、基本三次元体型データ507の作成、および、必要であれば特定三次元体型データ508の作成を自動で行い、最終的に自動で基本衣服パターンデータ509を補正して、特定衣服パターンデータ510を作成することができる。

作成された特定衣服パターンデータ510は、さらに、例えばユーザ11の好みのデザインにしたがって最終調整を行う等して、衣服パターンデータとして完成される。完成した衣服パターンデータは、縫製工場に送られ、オーダーメイド衣服が作製される。

一度仮縫いまで行った衣服をユーザ11に試着させ、微修正を行った場合、修正後の衣服パターンデータを記憶部５に記憶させておくことで、次回のオーダー以降に、より適切な衣服パターンデータとして利用することができる。これにより、次回のオーダー以降に、サイズ測定の手間を省いてコストおよび時間を抑えることができるので、ユーザ11にとっては負担が軽減され、店舗や設計者にとっては受注の増加が期待できる。

（ゴルフ用パンツの作成）
より具体的な衣服パターンの作成例として、ゴルフ用パンツのパターンデータの作成例について説明する。基本指示作成部31および特定指示作成部32は、ヒアリングデータ511にゴルフ用途向けのパンツであること等が登録されている場合に、それぞれ基本指示を含む基本指示データ501および特定指示を含む特定指示データ502を作成する。ゴルフのプレイ中、例えばスウィングするときには、普段の日常的な動作または姿勢に比べ、ヒップの部分が突き出るとか、腰の部分が大きくひねられるといった、ゴルフのプレイに特有の身体の形状変化がみられる。したがって、指示部８が、ゴルフのプレイ中にとり得る動作または姿勢をとるように、ユーザ11に指示を出すことにより、ゴルフに特有の身体の形状変化を反映した、ゴルフ用パンツのパターンデータを作成することができる。

パンツの作製のために必要な採寸データは、例えば、図１１に示すように、脇丈Ｓ、股下寸Ｌ（股下Ｌａ、Ｌｂ）、ウエスト回りＷ、ヒップ回りＨ、太腿回りＵ（第１太腿回りＵ１、第２太腿回りＵ２、第３太腿回りＵ３）、膝回りＫ、ふくらはぎ回りＣ（第１ふくらはぎ回りＣ１、第２ふくらはぎ回りＣ２、第３ふくらはぎ回りＣ３）、および足首回りＡに関するデータである。

基本指示作成部31は、上記の採寸データを取得するため、例えば、図１２に示す動作または姿勢をユーザ11にとらせる基本指示を作成する。図１２において、（ａ）は直立姿勢、（ｂ）は横に体側を伸ばす、（ｃ）は前屈、（ｄ）は膝を横に曲げる、および、（ｅ）は椅子に座る、といった動作または姿勢を示す。ユーザ11は指示部８が出す上記基本指示にしたがって同じ動作または姿勢をとり、画像データ取得装置７がそれらを撮影する。

三次元形状データ生成部33は、画像データ入力部４に入力され、記憶部５に記憶された基本画像データ503を基に、ユーザ11の個別設計生産品を設計するための基本動作または姿勢を反映させた基本三次元形状データ505を生成する。当該基本三次元形状データ505は衣服を含んだ形状のデータであるので、上記の採寸データを取得するために、三次元体型推定部34が、基本三次元形状データ505から裸体状態の身体のサイズを推定し、裸体状態の形状データを含む基本三次元体型データ507を作成する。

基本三次元形状データ505から裸体状態の身体のサイズを推定する例について説明する。

図１２（ａ）の動作または姿勢において、衣服151のしわの入り方や張り具合から、ウエストＷおよびヒップＨの長さを推定することができる。

図１２（ｂ）の動作または姿勢において、ウエストＷの位置に屈曲部ができるので、ウエストＷの位置を特定することができる。

図１２（ｃ）の動作または姿勢において、前屈姿勢によりヒップＨの位置が分かり、股下寸Ｌを特定することができる。

図１２（ｄ）の動作または姿勢において、膝を横に曲げることにより、膝Ｋの位置が明らかになり、ウエストＷから膝Ｋまでの長さ（股下Ｌａ）と、膝Ｋから足首Ａまでの長さ（股下Ｌｂ）とを特定することができる。

図１２（ｅ）の動作または姿勢において、椅子152に座った状態で、股下Ｌａおよび股下Ｌｂを特定することができる。また、太腿Ｕの形状が分かるので、太腿回りＵ１，Ｕ２，Ｕ３の長さを計測することができる。

図１２（ｄ）および（ｅ）の動作または姿勢によれば、足首Ａがパンツの裾の下から露出するので、足首回りＡの長さを特定することができる。また、ふくらはぎＣの形状は、衣服151のしわの入り方から推測することができ、足首回りＡの長さを基に、ふくらはぎ回りＣ１，Ｃ２，Ｃ３の長さを推測することができる。

基本三次元形状データ505の生成、および、基本三次元体型データ507の作成において、使用する基本画像データ503は、動画データから、各部位の特徴が出る瞬間の画像を取り出した静止画データとすることができる。各部位の特徴が出る瞬間の画像を取り出す工程は、人手で行うこともできるし、ソフトウェアを使用してアルゴリズムにより行うこともできる。上記の採寸データの測定や推測例は、あくまでも一例であり、これらに特に限定されない。それぞれの動作または姿勢の際に各部位を何度も計測することで、各採寸データの計測値の誤差をより小さくすることができる。

三次元体型推定部34は、例えば上記のような各部位の計測により、基本三次元形状データ505を基にユーザ11の裸体状態の体型を推定した計測値を反映させた、基本三次元体型データ507を作成する。基本設計データ作成部35は、基本三次元体型データ507を基に、例えば図１３（ａ）に示す形状を含むパンツパターンデータとしての基本設計データ509を作成する。図１３（ａ）は、計測したユーザ11の脇丈Ｓ、股下寸Ｌ（股下Ｌａ、Ｌｂ）、ウエストＷ、ヒップＨ、第１〜第３太腿回りＵ１，Ｕ２，Ｕ３、膝回りＫ、第１〜第３ふくらはぎ回りＣ１，Ｃ２，Ｃ３、および足首回りＡに合うサイズとしたパンツパターンデータから起こしたパンツパターン型紙17の模式図である。

ゴルフ用途向けのパンツの設計データを作成するために、指示部８はさらに、ユーザ11に対して特定指示を出す。本実施例では、特定指示作成部32は、例えば、ゴルフクラブを構えたときや、スウィングしたときの動作または姿勢を指示する特定指示を作成する。ユーザ11が当該特定指示にしたがって動作を行うと、例えば図１４（ａ）示すようなゴルフクラブを構えたときの動作または姿勢、および、図１４（ｂ）に示すようなスウィングしたときの動作または姿勢を含む特定画像データ504が取得される。特定指示に基づく特定設計データ510の作成では、例えば、三次元形状データ生成部33が、当該特定画像データ504の中から特徴となる衣服の動きを抽出して、特定三次元形状データ506を作成する。特定設計データ作成部36が、当該特定三次元形状データ506から、基本設計データ509に対して補正が必要とされる部位を修正し、特定設計データ510を作成する。すなわち、画像データ503，504を取得後、自動で特定設計データ510までの作成を行うことができる。

本実施例では、例えば、図１４（ａ）のようにゴルフクラブを構えたときのヒップＨのラインに着目し、この姿勢のときに、ヒップＨの部分の衣服が突っ張らないようにパンツパターンデータ509を補正する。図１４（ｂ）は、パンツパターン型紙17に対して、ヒップ部分181に余裕を持たせるように補正した補正後パンツパターンデータとしての特定設計データ510から起こした、補正後パンツパターン型紙18の模式図である。このようにヒップＨの部分に着目するかどうかは、設計者が経験を活かして決定してもよいし、制御部３が、特定画像データ504や特定三次元形状データ506、特定三次元体型データ508から、特徴となる部分を自動で抽出して決定するようにしてもよい。

本実施形態の設計データ作成システム１、設計データ作成装置２および設計データ作成方法を応用することができる、さらなる実施例について説明する。下記実施例において、設計データ作成装置２、画像データ取得装置７および指示部８の具体的な動作は、上記の実施形態および実施例１で述べた通りである。

＜蓄積データを利用した衣服用パターンの作成＞
（ゴルフ用パンツの作成）
例えば、実施例１で述べた衣服用パターンの作成例において、実施形態で述べた蓄積データを活用した設計データの作成方法を利用することができる。

実施例１で述べたゴルフ用パンツの作製を例に説明する。作製するパンツは、例えば、第１部分としてのウエスト部分と、第２部分としてのヒップ部分と、第３部分としての太腿回り部分と、第４部分としての膝回り部分と、第５部分としてのふくらはぎ回り部分と、第６部分としての足首回り部分とに分けられる。

第１部分から第６部分の部分毎に用意された部分データベースには、例えば過去に作成した、一部分の基本三次元形状データ、基本三次元体型データ、特定三次元形状データ、および／または、特定三次元体型データの情報と、これらの各データから作成された一部分の基本設計データまたは特定基本設計データが、各データと関連付けられて格納されている。

実施例１と同様にして基本画像データ503からユーザ11の基本三次元形状データ505および基本三次元体型データ506が生成される。蓄積データ部分比較部37は、第１部分から第６部分毎に、各部分データベースに格納された複数の一部分の基本三次元体型データの中から、ユーザ11の基本三次元体型データ506の各部分と類似する一部分の基本三次元体型データを抽出する。

第１部分から第６部分の部分毎に、抽出された一部分の基本三次元体型データに関連付けられた一部分の基本設計データが特定される。基本設計データ作成部35は、特定された第１部分から第６部分の一部分の基本設計データを組み合わせて、基本設計データ509としてのパンツパターンデータを作成する。当該パンツパターンデータから、図１１（ａ）のパンツパターン型紙17が作製される。特定された第１部分から第６部分の一部分の基本設計データ毎に作成された型紙を組み合わせて、パンツパターン型紙17を作成するようにしてもよい。

実施例１と同様にして特定画像データ504からユーザ11の特定三次元形状データ506が生成される。例えば制御部３により、ユーザ11のゴルフ用パンツの特徴部分として、例えば、第１部分から第６部分のうち、第２部分のヒップ部分が特定される。蓄積データ部分比較部37は、第２部分データベースに格納された複数の一部分の特定三次元形状データの中から、ユーザ11の特定三次元形状データ506の第２部分と類似する一部分の特定三次元形状データを抽出する。

第２部分について、抽出された一部分の特定三次元形状データに関連付けられた一部分の特定設計データが特定される。特定設計データ作成部36は、特定された第２部分の一部分の特定設計データを、基本設計データ509の第２部分と入れ替えて、特定設計データ510としての補正後パンツパターンデータを作成する。当該補正後パンツパターンデータから、図１１（ｂ）の補正後パンツパターン型紙18が作成される。基本設計データ509を作成せずに、特定された第１部分および第３部分から第６部分の一部分の基本設計データと、特定された第２部分の一部分の特定設計データとを組み合わせて、ユーザ11の特定用途向けの特定設計データ510を作成してもよい。各部分の一部分の基本設計データおよび特定設計データ毎に作成された型紙を組み合わせて、補正後パンツパターン型紙18を作製してもよい。

以上のように、本実施形態の設計データ作成装置２は、被対象物であるユーザ11に行わせる複数の動作または姿勢のうち、基本となる複数の基本動作または姿勢を指示する基本指示に基づく、ユーザ11の基本動作または姿勢を含む複数の基本画像データ503を記憶する記憶部５と、複数の基本画像データ503から、ユーザ11の個別設計生産品を設計するための基本動作または姿勢を反映させた基本三次元形状データ505を生成する三次元形状データ生成部33と、基本三次元形状データ505に基づき、個別設計生産品のための基本設計データ509を作成する基本設計データ作成部35と、を備える。

本実施形態の設計データ作成方法は、被対象物であるユーザ11に行わせる複数の動作または姿勢のうち、基本となる複数の基本動作または姿勢をユーザ11に指示する基本指示ステップＳ１０１，Ｓ２０１と、基本指示に基づくユーザ11の基本動作または姿勢を含む複数の基本画像データ503を取得する基本画像データ取得ステップＳ１０２，Ｓ２０２と、複数の基本画像データ503から個別設計生産品のための基本動作または姿勢を反映させた基本三次元形状データ505を生成する基本三次元形状データ生成ステップＳ１０３，２０３と、基本三次元形状データ505に基づき個別設計生産品のための基本設計データ509を作成する基本設計データ作成ステップＳ１０５，Ｓ２０５と、を含む。

これらの場合、ユーザ11の日常的な動作時の身体の形状を計測することができるので、ユーザ11が日常的な動作を行った際のフィット性を向上するオーダーメイド製品のための基本設計データ509を作成することができる。また、複数の基本画像データ503を使用することにより、日常的な複数の動作におけるより正確な身体サイズを反映し、設計データの品質を向上することができる。例えば、基本画像データ503が動画データである場合、設計データの作成に十分な複数の画像を短時間で取得することができる。

本実施形態の設計データ作成装置２は、記憶部５が、前記個別設計生産品を特定用途向けに設計するための特定動作または姿勢を指示する特定指示に基づく、ユーザ11の特定動作または姿勢を含む特定画像データ504をさらに記憶し、三次元形状データ生成部33により特定画像データ504から生成された、特定用途向けの個別設計生産品を設計するための特定動作または姿勢を反映させた特定三次元形状データ506に基づき、基本設計データ509を特定用途向けに補正した特定設計データ510を作成する特定設計データ作成部36と、を備えることができる。

本実施形態の設計データ作成方法は、前記個別設計生産品を特定用途向けに設計するための特定動作または姿勢をユーザ11に指示する特定指示ステップＳ１０６，Ｓ２０６と、特定指示に基づくユーザ11の特定動作または姿勢を含む特定画像データ504を取得する特定画像データ取得ステップＳ１０７，Ｓ２０７と、特定画像データ504から、特定用途向けの個別設計生産品を設計するための特定動作または姿勢を反映させた特定三次元形状データ506を作成する特定三次元形状データ生成ステップＳ１０８，Ｓ２０８と、特定三次元形状データ506に基づき、基本設計データ509を特定用途向けに補正した特定設計データ510を作成する特定設計データ作成ステップＳ１１０，２１０と、をさらに含むことができる。

これらの場合、ユーザ11の日常動作に加え、特定用途での動作時にも身体にフィットするオーダーメイド製品の設計データを作成することができる。

本実施形態の設計データ作成装置２では、基本画像データ503が、連続計測された三次元画像データであってもよい。

本実施形態の設計データ作成方法では、基本画像データ503が、連続計測された三次元画像データであってもよい。

これらの場合、動作中の筋肉の変化等の身体的変化による表面形状の変化をすべて捉えることができるので、従来行われていなかった、時間軸を持った形状の変化を反映した設計データの作成を実現することができる。

本実施形態の設計データ作成装置２は、基本三次元形状データ505がユーザ11の着衣状態のデータであり、基本三次元形状データ505から、ユーザ11の裸体状態の基本三次元体型データ507を推定する三次元体型推定部34を備えることができる。

本実施形態の設計データ作成方法は、基本三次元形状データ505がユーザ11の着衣状態のデータであり、基本三次元形状データ505から、ユーザ11の裸体状態の基本三次元体型データ507を推定する三次元体型推定ステップＳ２０３１を含み、基本三次元体型データ507に基づき、基本設計データ509を作成することができる。

これらの場合、例えば、ユーザ11が普段の衣服を着用した状態で画像データの取得を行うことができ、衣服を脱いだり、専用の測定スーツを着用する必要がないので、オーダーメイドによる設計時に身体等を測定する際のユーザ11の負担を軽減することができる。

本実施形態の設計データ作成装置２は、少なくとも１つの部分データベース71，72，73が、複数のユーザに対してそれぞれ作成した、個別設計生産品の一部分の基本三次元形状データ111，121，131と、一部分の基本三次元形状データ111，121，131にそれぞれ関連付けられた一部分の基本設計データ112，122，132とを含み、複数の前記一部分の基本三次元形状データ111，121，131の中から、ユーザ11の個別設計生産品のための基本三次元形状データ505の一部分と類似する一部分の基本三次元形状データ111，121，131を抽出する蓄積データ部分比較部37を備え、基本設計データ作成部35が、抽出した一部分の基本三次元形状データ111，121，131に関連付けられた一部分の基本設計データ112，122，132を利用して、ユーザ11の個別設計生産品のための基本設計データ509を作成することができる。

この場合、基本設計データ509の作成効率を向上し、オーダーメイド製品の生産コストの低減および短納期を実現することができる。例えば、オーダーメイド製品が衣服である場合、部分毎に作製された既存の型紙を組み合わせて全体の型紙を作製することで、型紙作製のコストの削減や、型紙作製の時間の短縮を実現することができる。

本実施形態の設計データ作成システム１は、被対象物であるユーザ11に行わせる複数の動作または姿勢のうち、基本となる複数の基本動作または姿勢を指示する基本指示に基づく、ユーザ11の基本動作または姿勢を含む複数の基本画像データ503を含む基本指示データ501を記憶する記憶部５と、複数の基本画像データ503から、ユーザ11の個別設計生産品を設計するための基本動作または姿勢を反映させた基本三次元形状データ505を生成する三次元形状データ生成部33と、基本三次元形状データ505に基づき、個別設計生産品のための基本設計データ509を作成する基本設計データ作成部35と、を備える、設計データ作成装置２、および、基本画像データ503を連続計測された三次元画像データとして取得する連続計測型三次元画像データ取得装置10を備える。

本実施形態の設計データ作成システム１では、記憶部５が、前記個別設計生産品を特定用途向けに設計するための特定動作または姿勢を指示する特定指示に基づく、ユーザ11の特定動作または姿勢を含む特定画像データ504をさらに記憶し、設計データ作成装置２が、三次元形状データ生成部33により特定画像データ504から生成された、特定用途向けの個別設計生産品を設計するための特定動作または姿勢を反映させた特定三次元形状データ506に基づき、基本設計データ509を特定用途向けに補正した特定設計データ510を作成する特定設計データ作成部36と、を備えることができる。

本実施形態の設計データ作成システム１では、基本三次元形状データ505がユーザ11の着衣状態のデータであり、設計データ作成装置２が、基本三次元形状データ505から、ユーザ11の裸体状態の基本三次元体型データ507を推定する三次元体型推定部34を備えることができる。

以上のような設計データ作成システム１も、上記の設計データ作成装置２および設計データ作成方法と同様の効果を奏することができる。

以上、本発明の実施形態に基づいて説明したが、本発明は種々の変形実施をすることができる。例えば、上記の実施例で述べた例はあくまでも一例であり、本発明は、その他種々の用途に応用可能である。

例えば、上記実施例では、特に下半身の測定によるパンツの作製例について述べたが、本発明は、下半身のみでなく、全身に対して適用することができる。当然のごとく、例えば上半身の測定による上着等の作製も可能である。本発明はさらに、身体の各バーツにも適用することができ、例えば、手81（図１５および図１６）や耳（図１７）等に対して、適用することができる。例えば手81に対しては、図１５に示すように指先82を閉じた状態や、図１６に示すように指先82を開いたり指83を折り曲げた状態の画像データ等から、ユーザ11の手にフィットした手袋等を作製するための設計データを自動で作成することができる。このように、本発明は身体のあらゆる部分に対して適用することができる。

例えば、本発明の設計データ作成装置２、当該設計データ作成装置２を含む設計データ作成システム１および設計データ作成方法は、義手や義足の身体との接合部分の設計データ作成に有用である。義手や義足と身体とが接続する体側の筋肉の変化を、設計データ作成装置２で計測することにより、動作中の身体の変化を考慮した接合部分の設計を行うことができるので、義手や義足のフィット性や機能性を向上することができる。

また、本発明の設計データ作成装置２、当該設計データ作成装置２を含む設計データ作成システム１および設計データ作成方法は、例えば、靴の設計データ作成に有用である。歩行中は、足に体重が掛かったり抜けたりを常に繰り返すため、足の形状が大きく変化する。歩行動作中の足の形状を本発明の設計データ作成装置２で計測することで、足の変化する形状をとらえることができるので、直立時の姿勢で計測する従来の方法では得られない三次元形状を基に靴の設計を行うことができる。こうした設計により、靴のフィット性を向上することができる。

上記実施例で述べた画像データ取得装置７が、連続計測型三次元画像データ取得装置10であると、一連の動作中の身体の変化をより反映したオーダーメイド製品を製作することができる。

オーダーメイド製品を使用する対象としてのユーザ11は、人に限定されることなく、動物であってもよい。

１ 設計データ作成システム
２ 設計データ作成装置
３ 制御部
31 三次元形状データ生成部
32 三次元体型推定部
33 基本指示作成部
34 特定指示作成部
35 基本設計データ作成部
36 特定設計データ作成部
37 蓄積データ部分比較部
４ 画像データ入力部
５ 記憶部
501 基本指示データ
502 特定指示データ
503 基本画像データ
504 特定画像データ
505 基本三次元形状データ
506 特定三次元形状データ
507 基本三次元体型データ
508 特定三次元体型データ
509 基本設計データ（基本衣服パターンデータ）
510 特定設計データ（特定衣服パターンデータ）
511 ヒアリングデータ
512 プログラム
６ 操作部
７ 画像データ取得装置（カメラ）
８ 指示部
10 連続計測型三次元画像データ取得装置
11 ユーザ（被対象物）
17 パンツパターン型紙
18 補正後パンツパターン型紙
21 撮影空間
61 カメラ
62 カメラコントロール部
621 撮影データ記憶部
622 ＣＰＵ
63 マスタークロック供給部
64 撮影全体コントロール部
65 三次元データ作成部
71，72，73 部分データベース
111，121，131 部分データベースに含まれる一部分の基本三次元形状データ
112，122，132 部分データベースに含まれる一部分の基本設計データ

Claims (12)

1. 被対象物に行わせる複数の動作または姿勢のうち、基本となる複数の基本動作または姿勢を指示する基本指示に基づく、前記被対象物の前記基本動作または姿勢を含む複数の基本画像データを記憶する記憶部と、
   前記複数の基本画像データから、前記被対象物の個別設計生産品を設計するための前記基本動作または姿勢を反映させた基本三次元形状データを生成する三次元形状データ生成部と、
   前記基本三次元形状データに基づき、前記個別設計生産品のための基本設計データを作成する基本設計データ作成部と、
   を備える、個別設計生産品用の設計データ作成装置。
2. 前記記憶部が、前記個別設計生産品を特定用途向けに設計するための特定動作または姿勢を指示する特定指示に基づく、前記被対象物の前記特定動作または姿勢を含む特定画像データをさらに記憶し、
   前記三次元形状データ生成部により前記特定画像データから生成された、前記特定用途向けの個別設計生産品を設計するための前記特定動作または姿勢を反映させた特定三次元形状データに基づき、前記基本設計データを前記特定用途向けに補正した特定設計データを作成する特定設計データ作成部と、
   を備える、請求項１に記載の設計データ作成装置。
3. 前記基本画像データが、連続計測された三次元画像データである、請求項１または２に記載の設計データ作成装置。
4. 前記基本三次元形状データが前記被対象物の着衣状態のデータであり、前記基本三次元形状データから、前記被対象物の裸体状態の基本三次元体型データを推定する三次元体型推定部を備える、請求項１〜３のいずれか１項に記載の設計データ作成装置。
5. 少なくとも１つの部分データベースが、複数のユーザに対してそれぞれ作成した、前記個別設計生産品の一部分の基本三次元形状データと、前記一部分の基本三次元形状データにそれぞれ関連付けられた一部分の基本設計データとを含み、
   複数の前記一部分の基本三次元形状データの中から、前記被対象物の前記個別設計生産品のための前記基本三次元形状データの一部分と類似する前記一部分の基本三次元形状データを抽出する蓄積データ部分比較部を備え、
   前記基本設計データ作成部が、抽出した前記一部分の基本三次元形状データに関連付けられた前記一部分の基本設計データを利用して、前記被対象物の前記個別設計生産品のための前記基本設計データを作成する、前記請求項１〜４のいずれか１項に記載の設計データ装置。
6. 被対象物に行わせる複数の動作または姿勢のうち、基本となる複数の基本動作または姿勢を指示する基本指示ステップと、
   前記基本指示に基づく前記被対象物の前記基本動作または姿勢を含む複数の基本画像データを取得する基本画像データ取得ステップと、
   前記複数の基本画像データから個別設計生産品のための前記基本動作または姿勢を反映させた基本三次元形状データを生成する基本三次元形状データ生成ステップと、
   前記基本三次元形状データに基づき前記個別設計生産品のための基本設計データを作成する基本設計データ作成ステップと、
   を含む、個別設計生産品用の設計データ作成方法。
7. 前記個別設計生産品を特定用途向けに設計するための特定動作または姿勢を指示する特定指示ステップと、
   前記特定指示に基づく前記被対象物の前記特定動作または姿勢を含む特定画像データを取得する特定画像データ取得ステップと、
   前記特定画像データから、前記特定用途向けの個別設計生産品を設計するための前記特定動作または姿勢を反映させた特定三次元形状データを生成する特定三次元形状データ生成ステップと、
   前記個別設計生産品の特定三次元形状データに基づき、前記基本設計データを前記特定用途向けに補正した特定設計データを作成する特定設計データ作成ステップと、
   をさらに含む、請求項６に記載の設計データ作成方法。
8. 前記基本画像データが、連続計測された三次元画像データである、請求項６または７に記載の設計データ作成方法。
9. 前記基本三次元形状データが前記被対象物の着衣状態のデータであり、前記基本三次元形状データから、前記被対象物の裸体状態の基本三次元体型データを推定する三次元体型推定ステップを含み、前記基本三次元体型データに基づき、前記基本設計データを作成する、請求項６〜８のいずれか１項に記載の設計データ作成方法。
10. 被対象物に行わせる複数の動作または姿勢のうち、基本となる複数の基本動作または姿勢を指示する基本指示に基づく、前記被対象物の前記基本動作または姿勢を含む複数の基本画像データを記憶する記憶部と、
    前記複数の基本画像データから、前記被対象物の個別設計生産品を設計するための前記基本動作または姿勢を反映させた基本三次元形状データを生成する三次元形状データ生成部と、
    前記基本三次元形状データに基づき、前記個別設計生産品のための基本設計データを作成する基本設計データ作成部と、
    を備える、設計データ作成装置、および、
    前記基本画像データを連続計測された三次元画像データとして取得する連続計測型三次元画像データ取得装置、
    を備える、個別設計生産品用の設計データ作成システム。
11. 前記記憶部が、前記個別設計生産品を特定用途向けに設計するための特定動作または姿勢を指示する特定指示に基づく、前記被対象物の前記特定動作または姿勢を含む特定画像データをさらに記憶し、
    前記設計データ作成装置が、
    前記三次元形状データ生成部により前記特定画像データから生成された、特定用途向けの個別設計生産品を設計するための特定動作または姿勢を反映させた特定三次元形状データに基づき、前記基本設計データを前記特定用途向けに補正した特定設計データを作成する特定設計データ作成部と、
    を備える、請求項１０に記載の設計データ作成システム。
12. 前記基本三次元形状データが前記被対象物の着衣状態のデータであり、
    前記設計データ作成装置が、前記基本三次元形状データから、前記被対象物の裸体状態の基本三次元体型データを推定する三次元体型推定部を備える、請求項１０または１１に記載の設計データ作成システム。
    

Images