JP2021056025A - ラマン分光センサ - Google Patents

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Norihiko Toda
典彦 戸田
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【課題】測定対象物が特定の物質であるか否かの判定を手軽に行う。【解決手段】測定対象物1に試験光を照射する光源2と、試験光により測定対象物1で生じる散乱光の内、レイリー散乱光を遮断してラマン散乱光を通過させる帯域通過フィルタ4と、帯域通過フィルタ4を通過したラマン散乱光を複数の波長成分に分光するアレイ導波路回折格子10と、複数の波長成分に分光された光を受光する受光部6と、受光部6が検出した光強度からラマン散乱光の所定の波数における光強度ピークの有無を判定する判定部7とを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、ラマン分光センサに関し、例えば、ダイヤモンドなどの宝石の真贋を判定する簡易なセンサに関する。
ラマン分光装置は、物質にレーザ光を照射し、そのレーザ光とは異なる波長位置に現れる、非弾性散乱スペクトルを測定するものである。この非弾性散乱スペクトルは分子振動によるものなので、ラマン分光装置を用いて、分子レベルの構造を解析することができる。このラマン分光法の応用先の一つとして、宝石の判別・判定が挙げられる。特に、ダイヤモンドは高価であることから、現場で高精度に真贋判定を行う方法が求められている。
ところで、一般的なラマン分光装置は、据え置き型で、小さいものでもハンドヘルド型が主流である。特許文献1には、ベルトコンベヤ上を流れてくるダイヤモンドの原石に放射線(レーザ光)を照射し、ラマンスペクトルによりダイヤモンドの原石を選別する方法が開示されている。特許文献2には、天然・人工ダイヤモンドの真贋判定について、可視域での分光法を用いた判定方法が記載されている。
特表平2-085749号公報 特開平11-352068号公報
表1は、ダイヤモンドとその模造品の物理特性を一覧表示したものである。
Figure 2021056025
モアッサナイトが市場に出回るまでは、ダイヤモンドとそれ以外の結晶とでは屈折率や熱伝導率の差が大きく、比較的小型で簡便な装置(ハンディタイプ)で真贋判定を行うことができた。このような装置は、一般にダイヤモンドチェッカという名称で安価に手に入れられる。しかしながら、モアッサナイト(シリコンカーバイド)は、屈折率や熱伝導率がダイヤモンドに近いので、従来のダイヤモンドチェッカではダイヤモンドか否かの判別困難(若しくは不可能)である。このため、モアッサナイトが単結晶成長可能となって、宝飾品市場に出回った当初は混乱をきたした。
そこで、厳密な判定には、赤外分光やラマン分光などの光学評価やX線回折による構造解析で判定する必要があった。しかしながら、これらの装置は、大型・高価で専門の知識も必要である。加えて、ダイヤモンド(測定対象物)の真贋判定が多く行われている場所が宝飾店や質屋の店先である。実際のところ、大型の装置や高価な装置は、販売価格への上乗せ、オペレート人員の人件費や、店舗面積を考えると安易に導入することはできない。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、測定対象物が特定の物質であるか否かの判定を手軽に行うことができるラマン分光センサを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明のラマン分光センサは、測定対象物に試験光を照射する光源と、前記試験光により前記測定対象物で生じる散乱光の内、レイリー散乱光を遮断してラマン散乱光を通過させる帯域通過フィルタと、前記帯域通過フィルタを通過したラマン散乱光を複数の波長成分に分光するアレイ導波路回折格子と、前記複数の波長成分に分光された光を受光して、光強度を検出する受光部と、前記光強度から前記ラマン散乱光の所定の波数における光強度ピークの有無を判定する判定部と、を有することを特徴とする。なお、括弧内の符号や文字は、実施形態において付した符号等であって、本発明を限定するものではない。
本発明によれば、測定対象物が特定の物質であるか否かの判定を手軽に行うことができる。
本発明の第1実施形態であるラマン分光センサの構成図である。 ラマン分光センサで使用されるアレイ導波路回折格子の構成を示す図である。 アレイ導波路回折格子の波長−透過率特性を示す図である。 ダイヤモンドを受光部が検知したときの分光特性の一例を示す図である。 本発明の第2実施形態で使用されるレーザ光源の波長を変えた場合に、アレイ導波路回折格子が出力するラマンシフトのスペクトル強度を示す図である。 ラマンシフト量とレーザ光源の波長との関係を示す図である。 本発明の比較例であるラマン分光装置の構成図である。 本発明の比較例で使用される通常の分光器を用いたラマンシフトのスペクトル強度を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「実施形態」と称する)につき詳細に説明する。なお、各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
(構成の説明)
図1は、本発明の第1実施形態であるラマン分光センサの構成図である。
ラマン分光センサ100は、レーザ光源2と、ミラー3と、BPF(Band Pass Filter)4と、レンズ5と、アレイ導波路回折格子10と、受光部6と、判定部7とを備える。
レーザ光源2は、波長λのレーザ光をミラー3に照射する。レーザ光の波長λは、後記するように、測定対象物1が発生する散乱光のラマンスペクトルを検出可能な波数を入射できる波長を選択する。ミラー3は、レーザ光を測定対象物(試料)1に照射する。レーザ光は、弾性散乱であるレイリー散乱を避けるために、通常、試料表面に対して斜めに入射する。BPF4は、レイリー散乱光を遮断し、ラマン散乱光のみ通過させる非弾性散乱透過フィルタである。これにより、受光部6での、ベースライン上昇が回避される。レンズ5は、BPF4を通過したラマン散乱光を集光し、アレイ導波路回折格子10の入力端に照射する。
アレイ導波路回折格子10は、入射したラマン散乱光λinを分光し、分光したそれぞれの光を複数の出射口から出射する。受光部6は、フォトダイオードアレイであり、アレイ導波路回折格子10が出射したそれぞれの波長(波数)λ〜λの強度を検出する。
図2は、アレイ導波路回折格子の構成を示す図である。
アレイ導波路回折格子10は、入力側スラブ導波路11と、アレイ導波路12と、出力側スラブ導波路13と、出力導波路14とから構成される。入力側スラブ導波路11は、入射した光を同位相でアレイ導波路12に入射させる。言い換えれば、入力側スラブ導波路11は、入射光をアレイ導波路12にコリメートさせるレンズとして機能する。
アレイ導波路12は、光路長が異なる複数(例えば、8本)の導波路から構成されている。アレイ導波路12は、各導波路の光路長が一定の長さΔLだけ異なるため、出力端では光路長に応じた位相差が生じる。このとき、アレイ導波路12から出射する出射光が干渉によって互いに強め合うためには、(式1)を満たす必要がある。
nΔL+ndsinθ=mλ (式1)
ここで、θ:回折角、m:回折次数、λ:波長である。
出力側スラブ導波路13では、入射した光が互いに干渉する。アレイ導波路12で生じる位相差は、伝搬する波長毎によって異なるため、アレイ導波路12の後端部における回折角(波面の傾き)は波長毎に変化する。出力側スラブ導波路13では、光は波面の向きに応じて伝搬するため、波長毎に異なる出力導波路14に集光する。つまり、出力側スラブ導波路13では、光は多重干渉により、同じ位相条件が成立する出力導波路14で結合する。言い換えれば、出力側スラブ導波路13は、集光用レンズとして機能する。
これらの機能により、アレイ導波路回折格子10は、ΔLだけ異なった長さのアレイ導波路12を伝搬する際の位相ずれを利用して波長の分光を行う。
図3は、アレイ導波路回折格子の波長−透過率特性を示す図である。横軸は波長であり、縦軸は透過率[dB]である。図では、8つの波長λ〜λの内、4つの波長λ〜λのみの出力特性を描いている。
出力波長位置λ〜λは、以下のアレイ導波路回折格子10を表す以下の(式2)(式3)を用いて設計可能である。
ΔL=c/(N・νFSR) (式2)
m=nΔL/λ (式3)
ここで、ΔL:光路長差、c:光速、N:アレイでの群屈折率、νFSR:波形周期(FSR:Free Spectral Range)、m:回折次数、n:アレイの実効屈折率、λ:中心波長である。
受光部6は、例えば、8個(チャンネル)のフォトダイオードアレイである。受光部6は、アレイ導波路回折格子10が分光した出射光を入射し、チャンネル1、チャンネル2・・・、チャンネル8それぞれで光強度を出力する。
図4は、受光部が検知した分光特性の一例を示す図である。
図の横軸は受光部6のチャンネルを示し、縦軸は強度を示す。測定対象物1のスペクトルピークが得られる場合には、中央部のチャンネル(例えば、チャンネル2からチャンネル7までの何れか又は複数のチャンネル)で最高強度が測定され、外側のチャンネル(例えば、チャンネル1又はチャンネル8)でベースラインの値が出力される。つまり、中央部のチャンネルでは、測定対象物1で生じた所定の波数のラマン散乱光を受光し、外側のチャンネルでは、所定の波数以外の光(ベースラインを規定する光)を受光する。
判定部7は、中央部のチャンネルの強度と外側のベースラインとの強度比からスペクトルピークの有無を判定する。より高精度な判定が求められる場合、大型の装置で判定済みのダイヤモンドを校正用に用意し、直前に試料の真贋・装置の動作を確認しておくとよい。判定結果(ピークの有無)は、表示部8(図4)を設け、例えば緑の発光ダイオードの点灯で“真(ピーク有り)”、消灯で“偽(ピーク無し)”、の状態で、使用者に知らせるようにすれば、ラマン分光の知識がなくても簡便に、ダイヤモンドの真贋判定を行うことができる。
ところで、測定対象物1の物質が決まっており、かつ測定対象物1以外の物質を同定する必要がない場合、ラマン分光センサ100は、スペクトルピークの有無を判定できれば十分である。例えばダイヤモンドの真贋を判定する場合、ダイヤモンドか否かを判定できれば足りる。つまり、偽物がモアッサナイトであってもジルコニアやホワイトサファイアであっても、これらの判定まで行う必要がない。
つまり、ダイヤモンドの真贋判定の場合、スペクトルピークの値とベースラインの値との差分が所定値よりも大きいか否かを判定すればいい。このため、受光部6は、少なくともラマン散乱を受ける波長と、ラマン散乱を受けない波長との2つのチャンネルが必要である。ラマン散乱を受ける波長と、ラマン散乱を受けない波長との差は、少なくともラマン散乱光の帯域幅だけ必要である。
本実施形態のラマン分光センサ100は、測定対象物1のラマンスペクトルピークを検出するために、アレイ導波路回折格子10を用いている。ラマン分光センサ100は、判定・判別にラマン分光を適用するにあたり、広範囲なピークを測定するのではなく、測定対象物のピークを検出(真)、測定対象物のピークが得られない(偽)のみを判定することにより、装置を扱いやすく安価に提供できる。
(第2実施形態)
前記第1実施形態のラマン分光センサ100は、特定の物質(例えば、ダイヤモンド)の真贋判定専用であったが、他の物質の判定も行うことができる。
本実施形態のラマン分光センサ102(不図示)では、アレイ導波路回折格子10を固定し、レーザ光源2を交換したり、波長を変化させたりするものとする。これが可能である理由は、ラマン散乱が波数の相対値として検出されることに起因する。
ラマン分光法の原理は、
ラマンシフト(cm−1)=|(光源の波数)−(散乱光の波数)| (式4)
で表現される。例えば、2000cm−1にピークを持つ物質を測定する場合、理論上はどの波長のレーザ光源2を使用しても、2000cm−1離れた位置にラマン散乱光のピークが出る。
図5は、本発明の第1実施形態で使用されるアレイ導波路回折格子を用いたラマンシフトのスペクトル強度を示す図である。
アレイ導波路回折格子10及び受光部6(図1)で検出できる波長λ〜λを固定し、レーザ光源2の波長λを選べば、2000cm−1でも、4000cm−1でも、6000cm−1であっても同じ分光器(アレイ導波路回折格子10)、受光部6の構成で測定が可能となる。
図6は、ラマンシフト量とレーザ光源の波長との関係を示す図である。横軸は、ラマンシフト[cm−1]であり、縦軸はレーザ光源波長[nm]である。但し、測定中心波長を1.55μmとしている。
例えば、2000cm−1のピークを検出するためには、波長λ01=1183nmのレーザ光源2を選択し、4000cm−1のピークを検出するためには、波長λ02=957nmのレーザ光源2を選択し、6000cm−1のピークを検出するためには、波長λ03=803nmのレーザ光源2を選択すればよい。つまり、アレイ導波路回折格子10の回折波長λ〜λを固定してもレーザ光源2の波長λを変えれば広い範囲で測定可能である。但し、レーザ光源2の交換と同時にBPF4(図1)の交換及びレンズ5(図1)の再設計は必須である。
表2にダイヤモンドとモアッサナイト、ジルコニア等の一般的なダイヤモンド模造品のラマン分光スペクトル位置を示す。
Figure 2021056025
ダイヤモンドは、炭素の結合により1332cm−1の位置にピークが生じる。モアッサナイト、ジルコニア、ホワイトサファイアなどはこの位置にピークを持たない。よって、1332cm−1の位置のラマンピークの有無を測定できれば、ダイヤモンドとそれ以外の判別は可能となる。なお、カーボンもこの位置にスペクトルを持つが、黒色不透明なので、測定するまでもなく、肉眼で容易に判別できる。また、カーボンは、ピーク形状がブロードであることでも区別可能である。
(比較例)
図7は、本発明の比較例であるラマン分光装置の構成図である。
ラマン分光装置101は、レーザ光源2と、ミラー3と、2つのレンズ21,22と、非弾性散乱透過フィルタとしてのBPF23と、分光器30と、制御装置24とを備える。分光器30は、固体撮像素子31と、回折格子32と、石英窓33とを備える。
前記第1,2実施形態と同様に、ミラー3は、レーザ光源2が出射した波長λ0のレーザ光を測定対象物1に照射する。測定対象物1を反射(散乱)した光は、レンズ21、BPF23、レンズ22を介して分光器30に導入される。
分光器30は、石英窓33から入射した光を回折格子32で分光し、分光された光を固体撮像素子31が各波長の光強度として検出するように構成されている。分光器30は、レーザ光源2の波長λ0に対して、固体撮像素子31の受光波長範囲を広く(例えば、可視光域であれば400nmから800nm程度)設定している。制御装置24は、固体撮像素子31が検出した光強度のデータを用いて、全体のスペクトル(出力特性)を表示・記録する。なお、このような構成のラマン分光装置101は、据え置き型で、小さいものでもハンドヘルド型が主流である。
図8は、本発明の比較例で使用される通常の分光器を用いたラマンシフトのスペクトル強度を示す図である。
ラマン分光装置101を用いて、試料の測定(未知の試料の定性評価)を行うと、複数のラマンシフト(例えば、2000cm−1、4000cm−1、6000cm−1)を検出できてしまう。
しかしながら、前記第1実施形態のラマン分光センサ100は、分光器30の代わりに、アレイ導波路回折格子10を用いている。これにより、ラマン分光センサ100は、簡易にラマンスペクトルのピークの有無のみを検出している。また、特定の物質(例えば、ダイヤモンド)のピークを検出すれば構わないので、受光部6は、少なくともピークを検出するフォトダイオードとベースラインを検出するフォトダイオードの2つが必要である。
また、前記第2実施形態のラマン分光センサ102(不図示)は、ラマンシフトの波数は、物質固有であることを利用して、レーザ光源2の波長をλ01,λ02,λ03と変えることにより、物質の変更に伴うラマンシフトの波数変化に対応している。つまり、ラマン分光センサ102(不図示)は、アレイ導波路回折格子10を有する検出器は、ラマン分光センサ100のままで、レーザ光源2を変えることにより測定対象物を多種類に選択することができる。
言い換えれば、ラマン分光センサ102によれば、分光装置であるアレイ導波路回折格子と受光部(フォトダイオードアレイ)の構造を同じ設計で半導体製造のCMOSプロセスで大量生産し、レーザ光源、バンドパスフィルターを交換、レンズを再設計することにより、安価に種々の波数のラマン分光が測定可能となる。これにより、多種類の測定が可能となるため、今まで説明した宝石だけでなく、ラマンピークが検出できる材料であれば、食品・繊維の調達原料(受け入れ検査)や工業製品塗装後の品質(出荷検査)にも利用することができる。
(変形例)
本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような変形が可能である。
(1)前記第1実施形態のラマン分光センサ100の受光部6は、少なくともピークを検出するフォトダイオードとベースラインを検出するフォトダイオードの2つ使用していた。ベースラインの値は、アレイ導波路回折格子10の入力光にラマン散乱を除くBPFを介して測定しても構わない。このような構成であれば、受光部6は、単一のフォトダイオードで足りる。
1 測定対象物
2 レーザ光源
3 ミラー
4,23 BPF(非弾性散乱透過フィルタ)
5,21,22 レンズ
6 受光部
7 判定部
8 表示部
10 アレイ導波路回折格子
11 入力側スラブ導波路
12 アレイ導波路
13 出力側スラブ導波路
14 出力導波路
24 制御装置
30 分光器
31 固体撮像素子
32 回折格子
33 石英窓
100,102 ラマン分光センサ
101 ラマン分光装置

Claims (5)

  1. 測定対象物に試験光を照射する光源と、
    前記試験光により前記測定対象物で生じる散乱光の内、レイリー散乱光を遮断してラマン散乱光を通過させる帯域通過フィルタと、
    前記帯域通過フィルタを通過した前記ラマン散乱光を複数の波長成分に分光するアレイ導波路回折格子と、
    前記複数の波長成分に分光された光を受光する受光部と、
    前記受光部が検出した光強度から前記ラマン散乱光の所定の波数における光強度ピークの有無を判定する判定部と、
    を有することを特徴とするラマン分光センサ。
  2. 請求項1に記載のラマン分光センサであって、
    前記受光部は、前記所定の波数の位置に配設されている第1フォトダイオードと、前記所定の波数から前記ラマン散乱光の帯域幅だけ離間している波数の位置に配設されている第2フォトダイオードとを備えている
    ことを特徴とするラマン分光センサ。
  3. 測定対象物に試験光を照射する光源と、
    前記試験光により前記測定対象物で生じる散乱光の内、レイリー散乱光を遮断する帯域通過フィルタと、
    前記帯域通過フィルタを通過した光を分光するアレイ導波路回折格子と、
    前記アレイ導波路回折格子で回折した所定の波数のラマン散乱光と該所定の波数以外の光とを分離して受光する受光部と、
    前記所定の波数のラマン散乱光の光強度と、前記所定の波数以外の光の光強度との比から光強度ピークの有無を判定する判定部と、
    を有することを特徴とするラマン分光センサ。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載のラマン分光センサであって、
    前記アレイ導波路回折格子は、第1の測定対象物に第1波長の試験光を照射したときに、第1ラマン散乱光を回折するものであり、
    前記光源は、第2の測定対象物に第2波長の試験光を照射したときに、前記アレイ導波路回折格子が前記第1ラマン散乱光と同一の波数の第2ラマン散乱光を分光する波長の試験光を出射する
    ことを特徴とするラマン分光センサ。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載のラマン分光センサであって、
    前記光源と前記測定対象物との間に配設されるミラーをさらに備える
    ことを特徴とするラマン分光センサ。
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