JP2021054383A - 波による海面表層水の深海移送装置 - Google Patents

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【課題】 波を利用して、表層の暖かい海水を、数百メートルの深さの深海へ送り込み、海水面の温度を下げ、延いては大気の温度を下げ、地球温暖化を解消しようとするものである。【解決手段】 波が乗り上げ易い側面形状を持つフロートを海面に浮かべ、そのフロートの中心部に窪んだ空間を設け、その窪みの中心の底に数百メートルのホースを垂下できる貫通した接続部を持ち、波が乗り越えた時に、窪みの空間を海水が満たし、その海水の重力で、垂下したホースの先端から深海に海水を送り込み拡散させる。【選択図】図1

Description

本発明は、波を利用して、海面の暖かい表層水を深海に送り込み、地球温暖化を解消しようとする装置に関するものである。
近年、地球の温暖化によって、様々な分野でその弊害が顕著になりつつある。地球の温暖化とは、気温の上昇であり、主に大気の温度が上昇していることになる。
海洋は、地球の表面積の約3/4を占め、平均水深が4000m近くあり、海水は、冷たくなる程比重が増して重くなる為、0℃近くになる最深部まで、深さと共に温度が下がる、安定した状態が維持されていることが知られている。
大気の温度が海面より低い海域では、冷やされた海水が、その密度に対応する深さまで沈み込み、大気と海面で活発な熱交換が行なわれ、大気は温められている。
一方、大気の温度が海面より高い海域では、暖かい大気と、太陽によって温められた表面の海水は、増々軽くなって海面を覆い、大気との熱交換が緩慢になっているが、風波による撹拌が及ぶ表層によって、大気は冷却されている。
すでに公知の知見を基に、地球を俯瞰しながら、空と海についての理解を深めてみると、まず、地球を覆っている大気の総重量:Maは、気圧は大気の重力であるので、
海面上1平方米当たり鉛直上方にある大気の質量 = 気圧の平均値(1013.25hPa:便宜上1atmとする)/9.8:G(標準重力加速度)
を得て、地球の表面積(4×π×6366:地球の半径の二乗)kmを掛けることで、大気全体の重さを求めることができる。単位を調整して計算した結果、
Ma=5.27×1018kgの概算が得られる。
一方、海洋に存在する海水の総重量:Moは、
Mo=地球の表面積(4×π×6366)km×0.708:海の占有比率<注1>×3792m:平均水深<注> × 1025.1kg/m:20℃の海水の比重を便宜上使用
この式から計算すると(注1は、Wikipediaより引用)、
Mo= 1.40× 1021kgの概算値が得られる。
これらから、海洋全体および大気圏全体の熱容量を比較すると、
海洋/大気の熱容量比 = (Mo× 3.97J/g℃:20℃の海水の比熱)/(Ma × 1.006J/g℃:20℃の空気の定圧比熱) ≒ 1048 が求められる(20℃の値を代表値として用いている)。
即ち、海洋は大気圏の1000倍以上の熱容量を持っており、このことは、大気圏全体を、海水全体で冷却し、2℃気温を下げても、海洋は平均2/1000℃未満の温度上昇しか招かないことを意味している。
海水は、0℃近くに冷やされ、或いは氷結時に塩分濃度が高くなって、比重を増し、両極近くで海底へ沈み込むことが知られている。沈み込んだ海水は、深層海流となって海底を流れ、地球の自転や風の影響を受けて、赤道近くや南アメリカ大陸の西岸などで湧昇し、好漁場を形成していることが知られている。
しかし、表層の暖かい海水を沈み込ませる仕組みを、地球は備えていない。
従って、人為的に、暖かい表層水を深海へ沈み込ませることができれば、海面の水温を下げるとともに、それに伴う大きな効果が期待できる。
解決しようとする課題は、世界中、どの海にも存在する波を利用して、表層の暖かい海水を、数百メートルの深さの深海へ送り込み、海水面の温度を下げ、延いては大気の温度を下げ、地球温暖化を解消しようとするものである。
本発明は、波が乗り上げ易い側面形状を持つフロートを海面に浮かべ、そのフロートの中心部に窪んだ空間を設け、その窪みの中心の底に数百メートルのホースを垂下できる貫通した接続部を持ち、波が乗り越えた時に、窪みの空間を海水が満たし、その海水の重力で、垂下したホースの先端から深海に海水を送り込み拡散させる装置である。拡散させるのは、沈み込ませた海水が暖水塊となって上昇しないようにする為である。期待する効果に対応する相当数の本発明装置を、様々な海域に設置する。
本発明の効果は、まず、海面の温度を下げ、それに触れる海面上の大気の温度を下げることができる。海面が大気と接触して上昇した水温は、その海水の量の約3000倍の体積の大気から、熱交換で奪った熱量によるものである(空気1グラムの体積は773cc(22.4l/molを28.966g/molで除算)であり、海水の比熱が空気の約4倍(3.97J/g℃:20℃の海水の比熱を、1.006J/g℃:20℃の空気の定圧比熱で除算)であることから、それらの積が、3051.8倍となる)。外洋では、波高50cm以上の波が、20秒に1回程度は発生しているので、1日当たりでは可也の量の海水を、動力なしで深部に送り込めることになる。
また、海面で大気に触れて二酸化炭素が溶け込み、酸性化した海水の除去にも役立つ。
その他、海面温度を下げることで、海面からの蒸散量を減らし、台風などの暴風や豪雨を軽減させることができる。また、計画的に本発明装置を配置すれば、台風の進路や規模をも制御することも夢ではないと期待できる。
更に、海は、地球の巨大な熱のバッファ装置とも言われているとおり、人類にとって不要で弊害をもたらす熱を海洋に蓄え、過去に何度かあったとされる全球凍結のような、未来に起こるかも知れない寒冷化に備える一助にもできるのではないかと期待できる。
図1は本発明装置の形状を示した断面図である。
本発明の装置は、遠洋にも設置する必要があることから、荒天の荒波にも耐える堅牢性や耐久性、故障しない構造や、故障しても洋上でメンテナンスが行えるシンプルな作りが求められる。
図1は、本発明装置の1実施例の断面図であって、フロート1は、内部を発泡スチロール等で満たし、ビニールや強化した布等の外被で覆った浮体、(または、外殻をポリエチレン等の樹脂で成形し、内部は空洞にして浮力を確保した浮体)である。このフロート1は、上部を窪ませたポケット2を持つ構造で、ポケット2の上部は、網で覆いゴミ等の進入を防いでいる。フロート1は、なだらかに傾斜した側面を持ち、裾の下部は水没した状態にあり、波を乗り上げ易くしている。フロート1の基本形は円盤状にすることで、全方位の波に対応する。大きさは可搬性を考慮した、直径2m程である。フロート1上部に設けたポケット2の底にホース用継手3を設け、それにホース4を接続して海底に垂らし、その先端に拡散器5が付いている。この継手3の取り付け位置は、ポケット2が空のフロート1が浮いた状態で、海面から高さh(図1)まで上に上げることができる。ポケット2は約12リットルの容積があり、直径約30cm、深さ約16.5cmの大きさで、フロート1全体の高さは、50cm程度である。hは、ホースの最下部の水圧と、海面近くの海水をホース4に満たした時に釣り合う、海面からの水面の位置で、このhより高くポケット2内に海水が満ちていないと、ホース4の先端から深海へ海水を拡散できない。
このhは、以下の方法で求めることができる。
海面の海水の密度をσt、水深200mの海水の密度をσbとし、海面から水深200mまで、密度がリニアに変化しているとした時(温度が急激に変化する温度躍層や、塩分濃度の異なる水塊等が有ることが知られているので、実際はリニアではあるとは限らないが)水深200mの水圧P(数1)は、
Figure 2021054383
ホース4内は海面近くの海水で満たされるので、σtとPから、 h=P/σt―200 が得られる。
黒潮域で、σt:1021kg/m(約29℃)、σb:1024.5kg/mの場合の高さhを求めると、P=20455kg/mからh=0.342mが得られる。この例では、200m長のホースを使用した場合、34.2cm以上海面より高くないと、表層の海水を深海に送り込めないことになる。
ホース4は、内径25mm程度の、柔軟性と耐久性を備えた素材(本例の場合、糸を編み込んだPVC)でできており、長さは200mである。
拡散器5は、ホース4の先端に取り付け、直径約25cmの円錐形状で、円錐の斜めの側面に多数の穴を空け、それらの穴から海水を横方向に放散させる。また、本発明装置を安定化するための錘でもあり、底面の下部にロープ等の係留索を連結できるアイを備えている。
海底にアンカー等を沈め、本発明装置をロープ等で係留できる場合以外では、風波や潮流で漂流することになる。これを防ぐために、ソーラーパネルやGPS、コンピューター等を装備し、フロート下部に舵を取り付け、帆に受ける風や、電動モーターでスクリューを廻して推進力を得、定位置付近に留まれるよう制御する装置を備える。
1 フロート
2 ポケット
3 継手
4 ホース
5 拡散器
h 水面の高さ

Claims (1)

  1. 波が乗り上げ易い側面形状を持つフロートを海面に浮かべ、そのフロートの中心部に窪んだ空間を設け、その窪みの中心の底に数百メートルのホースを垂下できる貫通した接続部を持ち、波が乗り越えた時に、窪みの空間を海水が満たし、その海水の重力で、垂下したホースの先端から深海に海水を送り込み拡散させることを特徴とする、海面表層水の深海移送装置。
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