JP2021052965A - 上映施設 - Google Patents
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Abstract
【課題】安価に設置することが可能な上映施設を提供する。【解決手段】上映施設1は、その構成要素として、各装置の動作制御を行う制御装置100と、映像コンテンツの映像情報を上映する上映装置200と、映像コンテンツの音声情報を出力するヘッドフォン(音声出力装置)300と、映像コンテンツを視聴している視聴者を撮影する撮影装置400と、映像コンテンツを視聴している視聴者の周辺状況を変化させる周辺状況変更装置500と、映像コンテンツを視聴している視聴者の生体情報を取得する生体情報取得装置600と、を備える。【選択図】図1
Description
本開示は、映像コンテンツを上映する上映施設に関する。
従来、映像コンテンツを上映する施設として、例えば映画館がある。近年では、単に映像コンテンツを上映するだけではなく、映像に同期化させて椅子を動かし、または水、風、煙といった効果を提供する、4D映画館と呼ばれる施設が運営されている。
例えば、特許文献1には、4D効果を提供できる上映施設椅子において、自己が希望する4D効果を各自で設定可能な上映施設椅子が開示されている。特許文献1に記載の上映施設椅子では、例えば椅子の肘掛け部分に設けられたコントローラにより、4D効果を設定するように構成されている。
ところで、近年、動画配信サイト等で良質な映像コンテンツが配信されるようになったことに関連して、映画館で映画を鑑賞せず、自宅で動画配信サイトを鑑賞する視聴者が増加しており、映画館の稼働率が低下している。この背景として、既存の映画館の料金が高く、視聴者が、その金額に見合った映像コンテンツの視聴ができないと感じていると考えられる。
一方、映画館を設置するためには、一定以上の広さを有するスペースを確保し、防音設備、上映設備を設置する必要があり、映画館を設置するための設置コストは非常に高額である。しかしながら、前述のように動画配信サイトを鑑賞する視聴者が増加していることにより、映画館で映画を鑑賞する視聴者が減少しているため、映画館の運用コストが事業として割に合わなくなってきており、近年、映画館が減少してきている。そのため、特許文献1に記載の上映施設のような高付加価値の映画館の設備より、安価に映像コンテンツを上映する機会を提供することが可能な上映施設が望まれていた。
そこで、本開示では、安価に設置することが可能な上映施設について説明する。
本開示の一態様における上映施設は、映像情報と音声情報とから構成される映像コンテンツを上映する上映施設であって、映像情報を上映する上映装置と、映像コンテンツを視聴する視聴者が装着し、音声情報を出力する音声出力装置と、視聴者を撮影して画像情報を生成する撮影装置と、視聴者の生体情報を取得する生体情報取得装置と、上映装置を制御し、撮影装置及び生体情報取得装置を制御して画像情報及び生体情報を取得する制御装置と、を備える。
本開示によれば、上映施設において、視聴者はワイヤレスヘッドフォン等で構成される音声出力装置を用いて音声情報を聞くことで映像コンテンツを視聴する。そのため、上映施設を設置する際に防音設備を設置する必要がない。これにより、上映施設を安価に設置することが可能になる。
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではない。また、実施形態に示される構成要素のすべてが、本開示の必須の構成要素であるとは限らない。
<構成>
図1は、本開示の実施形態に係る上映施設1を示すブロック構成図である。この上映施設1は、映画等の映像コンテンツを上映し、視聴者に映像コンテンツを視聴する機会を提供する施設である。映像コンテンツは、映像情報と音声情報とから構成されており、この上映施設1では、上映装置で映像情報を上映し、視聴者が装着するワイヤレスヘッドフォンで音声情報を出力するように構成されている。
図1は、本開示の実施形態に係る上映施設1を示すブロック構成図である。この上映施設1は、映画等の映像コンテンツを上映し、視聴者に映像コンテンツを視聴する機会を提供する施設である。映像コンテンツは、映像情報と音声情報とから構成されており、この上映施設1では、上映装置で映像情報を上映し、視聴者が装着するワイヤレスヘッドフォンで音声情報を出力するように構成されている。
また、この上映施設1では、視聴者が映像コンテンツを視聴しているとき、視聴者の視聴している状態を撮影し、撮影した画像情報を取得する。さらに、ワイヤレスヘッドフォンには、視聴者の生体情報を取得する生体情報取得装置が取り付けられ、視聴者の生体情報を取得する。これらの画像情報及び生体情報は、視聴者の周辺状況を変化させるために使用される。視聴者の周辺状況とは、限定ではなく例として、視聴者周辺の温度や湿度、色あいや明るさ、または匂いである。
さらに、この上映施設1では、これらの画像情報及び生体情報を分析することにより、視聴者の表情を分析して視聴者の喜怒哀楽のような感情や、映像コンテンツの視聴に対して集中している度合いを示す情報を取得し、例えば、A/Bテストのようなマーケティング手法を用いて映像コンテンツを評価する手法として使用される。
上映施設1は、制御装置100と、上映装置200と、ヘッドフォン(音声出力装置)300と、撮影装置400と、周辺状況変更装置500と、生体情報取得装置600と、ネットワークNWとを有している。制御装置100と、上映装置200と、ヘッドフォン300と、撮影装置400と、周辺状況変更装置500とは、ネットワークNWを介して相互に接続される。また、ヘッドフォン300と生体情報取得装置600とは一体の装置として相互に通信可能に構成されている。
ネットワークNWは、通信を行うための通信網であり、限定ではなく例として、インターネット、イントラネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、ワイヤレスLAN(Wireless LAN:WLAN)、ワイヤレスWAN(Wireless WAN:WWAN)、仮想プライベートネットワーク(Virtual Private Network:VPN)等を含む通信網により構成されている。また、ネットワークNWのその他の構成として、各装置間を無線または有線で接続してもよく、無線で接続する場合、通信プロトコルとして例えば、Z−Wave(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等が使用されてもよく、有線で接続する場合、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等により接続してもよい。
制御装置100は、映像コンテンツの映像情報を上映装置200に上映させ、音声情報をヘッドフォン300に出力させる制御を行う装置であり、映像情報と音声情報とを同期させるように制御を行う。上映する映像コンテンツは、上映施設1の管理者により選択されてもよく、制御装置100が所定の条件により自動選択してもよい。また、上映施設1の管理者、または映像コンテンツの制作者や権利者により、所定の時間に上映するように設定され、その設定に従って制御装置100が上映するように制御してもよい。このような映像コンテンツを上映するため、制御装置100では、上映施設1に来場した視聴者を管理してもよく、視聴者の識別情報(例えば、会員ID)や、視聴者の性別、年齢等の属性情報を格納する会員DB(視聴者属性情報記憶部)を備えてもよく、視聴者をセグメントごとに分類してもよい。
また、制御装置100は、撮影装置400の動作制御を行い、映像コンテンツを視聴している視聴者を撮影装置400に撮影させ、撮影した画像情報を取得する。さらに、制御装置100は、映像コンテンツを視聴している視聴者の生体情報を生体情報取得装置600から取得する。さらにまた、制御装置100は、取得した画像情報及び生体情報に基づき、周辺状況変更装置500を制御して周辺状況を変更させる制御を行う。
制御装置100では、周辺状況変更装置500に周辺状況を変更させるため、撮影装置400及び生体情報取得装置600から取得した画像情報及び生体情報の分析を行う。制御装置100による画像情報の分析は、例えば、画像情報から1または複数の視聴者の顔を識別し、識別した視聴者ごとに顔の表情の分析を行い、視聴者の視聴状態を示す視聴情報を取得することにより行う。視聴者の視聴状態とは、例えば視聴者の感情を示す情報、または視聴者が映像コンテンツの視聴に対して集中している度合いを示す情報であるが、これに限られない。
また、制御装置100では、画像情報及び生体情報の分析結果に基づき、周辺状況変更装置500に周辺状況を変更させるための動作制御を行う。
この制御装置100は、限定ではなく例として、各種Webサービスを提供するコンピュータ(デスクトップ、ラップトップ、タブレットなど)や、サーバ装置を含む装置等により構成されている。なお、サーバ装置は、単体で動作するサーバ装置に限られず、ネットワークNWを介して通信を行うことで協調動作する分散型サーバシステムや、クラウドサーバでもよい。
上映装置200は、制御装置100の制御により、映像コンテンツの映像情報を受信して上映を行う装置であり、限定ではなく例として、発光することにより映像情報を上映する、フレームの縁にLED素子を配列したLEDパネルや、発光層が有機化合物により構成された有機ELディスプレイにより構成されている。この上映装置200を構成するLEDパネルは、例えば複数のLEDパネルを並列に配置して数100インチ程度の大型ビジョンとして構成し、一度に大人数の視聴者により視聴が可能になっている。なお、上映施設1に設けられる上映装置200は1つに限られず、上映施設1に複数の上映装置200が設けられ、それぞれ異なる映像コンテンツが上映されてもよい。
ヘッドフォン300は、上映施設1において映像コンテンツを視聴する視聴者の耳を覆うように装着され、制御装置100の制御により、映像コンテンツの音声情報を無線通信により受信して音声として出力する装置である。このヘッドフォン300から出力される音声は、上映装置200に上映される映像と同期するように構成されている。なお、前述のように複数の上映装置200が設けられ、それぞれ異なる映像コンテンツが上映されている場合、上映されている映像コンテンツに対応する音声情報が出力されるように構成されており、複数の音声情報が出力されるチャネルから選択可能に構成してもよい。なお、ヘッドフォン300は、映像コンテンツの音声情報を無線通信により受信して音声として出力する音声出力装置としての構成であれば他の装置により構成してもよく、例えば、ワイヤレスイヤフォンにより構成してもよい。
なお、上映施設1では、複数の視聴者がヘッドフォン300を使用するため、それぞれのヘッドフォン300による通信が干渉しないように、周知技術である干渉防止技術を用いてヘッドフォン300が使用される。
撮影装置400は、制御装置100の制御により、上映施設1において映像コンテンツを視聴している視聴者を撮影する装置であり、限定ではなく例として、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等の撮像装置と、撮影した画像をデジタル信号からなる画像情報に変換するA/D変換装置とを備えるデジタルカメラ等により構成されている。この撮影装置400は、制御装置100の制御により、上映施設1における撮影する方向を変更するように構成してもよく、広範囲を撮影可能にするために撮影方向を適宜動かせるように構成してもよい。
この撮影装置400は、映像コンテンツを視聴している視聴者を動画として撮影し、または所定の時間間隔で静止画として撮影し、動画または静止画の画像情報への変換を行っている。また、撮影装置400は、撮影した画像情報を制御装置100へ送信する。なお、上映施設1に設けられる撮影装置400は1つに限られず、上映施設1に複数の撮影装置400が設けられてもよい。
周辺状況変更装置500は、制御装置100の制御により、上映施設1において映像コンテンツを視聴している視聴者の周辺状況を変化させる装置である。この周辺状況変更装置500は、限定ではなく例として、視聴者の周辺状況である温度や湿度を変化させる空調装置により構成されている。例えば、画像情報及び生体情報の分析結果から、視聴者が周辺の温度や湿度に不満を感じており、映像コンテンツを視聴している視聴者の周辺の温度や湿度を変化させると制御装置100が判定した場合、空調装置が動作して視聴者の周辺の温度や湿度を変化する。
周辺状況変更装置500の他の構成例として、限定ではなく例として、視聴者の周辺状況である色あいや明るさを変化させる照明装置により構成されている。例えば、画像情報及び生体情報の分析結果から、視聴者が周辺の色あいや明るさに不満を感じており、映像コンテンツを視聴している視聴者の周辺の色あいや明るさを変化させると制御装置100が判定した場合、照明装置が動作して視聴者の周辺の色あいや明るさを変化する。
さらに、周辺状況変更装置500の他の構成例として、限定ではなく例として、芳香剤を噴霧することにより、視聴者の周辺状況である匂いを変化させる噴霧装置により構成されている。例えば、画像情報及び生体情報の分析結果から、視聴者が周辺の匂いに不満を感じており、映像コンテンツを視聴している視聴者の周辺の匂いを変化させると制御装置100が判定した場合、噴霧装置が動作して視聴者の周辺の匂いを変化する。
生体情報取得装置600は、映像コンテンツを視聴している視聴者の生体情報を取得する装置であり、限定ではなく例として、電極等を備えるセンサにより構成されている。生体情報とは、例えば、視聴者の体温、脳波、心拍数といった情報である。そのため、生体情報取得装置600は、体温計、脳波計、または心拍計の機能を備えている。
また、生体情報取得装置600は、限定ではなく例として、ヘッドフォン300における視聴者の身体、例えば耳の周辺の皮膚に接触する位置に設けられ、視聴者がヘッドフォン300を装着することで視聴者の生体情報を取得できるように、ヘッドフォン300と一体に動作するように構成されている。すなわち、生体情報取得装置600が取得した生体情報は、ヘッドフォン300を介して制御装置100に取得されるように構成されている。本実施形態では、生体情報取得装置600がヘッドフォン300に設けられる構成について説明するが、生体情報取得装置600はこのような構成に限られず、例えば視聴者が腕に装着するリストバンド等により構成してもよい。
図2は、図1の上映施設1の外観の例を示す鳥瞰図である。図2に示す上映施設1は、例えば映画館のように映像コンテンツの上映を行うスペースと共に、飲食やその他の作業も可能となっている、いわゆるカフェスペースも併設されており、多目的スペースを構成している施設である。
図2に示す上映施設1には、映像コンテンツの上映を行う上映スペースJと、カフェスペースRとが設けられている。上映スペースJには、上映装置200が設けられている。この上映装置200が映像コンテンツの映像情報を上映する正面側には、映像コンテンツを視聴者Uが視聴するために着座する席Sが設けられている。席Sは、図2には数人が着座可能なソファとして示しているが、上映装置200が上映する映像コンテンツを視聴可能なものであればどのような席でもよい。視聴者Uは、前述のように映像コンテンツを視聴する際にヘッドフォン300を装着するが、上映スペースJの近傍に設けられているカウンターCで所定の手続きを行うことによりヘッドフォン300を借り受けて装着する。
カフェスペースRには、飲食するため、またはその他の作業をするための席Tが設けられている。カフェスペースRの利用者は、席Tに着座して飲食やその他の行為(例えば、PC操作)が可能である。上映スペースJの視聴者はヘッドフォン300を装着して映像コンテンツを視聴するため、上映施設1の空間全体には映像コンテンツの音声は出力されていない(一般的な飲食店のように、低い音量によるいわゆるBGMが流されていてもよい)。そのため、カフェスペースRの利用者は、映像コンテンツの音声を気にすることなく飲食やその他の行為が可能である。なお、カフェスペースRの利用者も、ヘッドフォン300を装着することで、上映装置200が上映する映像コンテンツを視聴可能な運用としてもよい。
上映施設1は、図2に示すように、映画館のような閉鎖空間とは限られず、例えばコンビニエンスストアのイートインコーナーや、イベントスペースのような商業施設の空間であってもよい。また、飲食店内や、ホテルのラウンジ、マンションのような集合住宅の共有スペースのように、一定の静音性が確保されているスペースにこのような上映施設1を設けてもよい。さらに、パチンコやパチスロ店のような遊技施設や、ゲームセンター、アミューズメント施設のように、一定の雑音がある施設にこのような上映施設1を設けてもよい。
図3は、図1の上映施設1の構成例を示す模式図である。図3に示す上映施設1は、図2に示す上映スペースJの席Sに着座している視聴者Uの状況を示したものであり、視聴者Uの正面に上映装置200が設けられ、映像コンテンツの映像情報が上映されている。視聴者Uは、ヘッドフォン300を装着しており、ヘッドフォン300から映像コンテンツの音声情報が出力されている。
図3に示す例では、上映装置200の上方に撮影装置400が設けられており、上映装置200が上映する映像コンテンツを視聴している視聴者を撮影している。なお、撮影装置400の配置位置は上映装置200の上方に限られず、視聴者Uを撮影可能な位置であればどのような位置であってもよく、撮影方向も制御装置100の制御により可動であってもよい。また、図3に示す例では、視聴者Uの後方に周辺状況変更装置500が設けられており、映像コンテンツを視聴している視聴者Uの周辺状況を変化させる。周辺状況変更装置500の配置位置も視聴者Uの後方に限られず、周辺状況変更装置500を構成する装置によって最適な位置に配置してもよい。例えば、周辺状況変更装置500が空調装置や照明装置として構成されている場合は、上映施設1の上方に配置してもよい。
図4は、図1のヘッドフォン300の外観の例を示す斜視図である。ヘッドフォン300は、映像コンテンツを視聴する視聴者が音声情報を聞くために頭部から両耳を挟むようにして装着する装置であり、両耳をそれぞれ覆う一対の耳収容部310と、一対の耳収容部310を支持すると共に視聴者Uの頭部を適度な圧力で押圧することで耳収容部310を視聴者Uの耳に装着させるアーム部320とから構成されている。なお、ヘッドフォン300はこのような構成に限られず、例えば、アーム部320を備えずに耳収容部310が視聴者Uの耳たぶに係止するように装着するような構成であってもよい。
図4に示すように、一対の耳収容部310の内側における、視聴者Uの耳の周辺の皮膚に接触する位置には、生体情報取得装置600が設けられている。生体情報取得装置600が取得する生体情報により、耳収容部310における位置は特定の位置に限られず、耳収容部310内に複数設けられてもよい。また、生体情報取得装置600が取得する生体情報の種類により、視聴者Uの皮膚に直接接触するように配置してもよく、視聴者Uの皮膚から離隔するように配置してもよい。なお、このような構成であるため、ヘッドフォン300にはイヤーパッドを装着しないで使用することが望ましいが、イヤーパッドを装着することを妨げるものではない。
図5は、図1の制御装置100における視聴者Uの顔を認識する例を示す模式図である。制御装置100では、撮影装置400から取得した画像情報IMから視聴者Uの顔を示す顔画像Fを識別して認識する。制御装置100では、顔画像Fを識別する手法として、限定ではなく例として、公知技術である顔認識の手法が用いられる。この顔認識の手法は、例えば、制御装置100にデータベースとして保有している顔情報のデータベースと、画像情報IM内の物体を照合し、眉、目、鼻、口のような各パーツと、その物体の輪郭の位置関係とから顔であるか否かを判定することにより行われる。
画像情報IMから視聴者Uの顔を認識すると、図5に示す顔画像Fから、視聴者Uごとに表情の分析を行う。制御装置100では、図5に示す顔画像Fから、視聴者Uの表情を分析して視聴者の感情等を読み取るため、限定ではなく例として、公知技術であるFACS(Facial Action Coding System:顔面動作符号化システム)等の手法が用いられる。このFACSは、顔の表情筋のそれぞれにアクションユニットと呼ばれるコードが割り振られ、顔の表情筋の動きに応じて変化するアクションユニットの強度やバランスに対応してそのときの感情を特定する手法であり、人の感情を認識するための人工知能技術である。
制御装置100では、例えばこのFACSが用いられ、映像コンテンツの開始からの経過時間やシーンごとに、視聴者Uの感情を示す情報や、視聴者の集中度合いが取得される。取得された視聴情報は、上映されていた映像コンテンツに紐づけられ、時系列になるように視聴情報DB123に格納される。
また、制御装置100では、視聴者Uの識別情報や属性情報が格納されている会員DBの情報に基づき、視聴者Uの顔画像Fから視聴者Uを識別し、視聴者Uの識別情報や属性情報と紐づけて分析を行ってもよい。このような構成にすることにより、視聴者Uの属性ごと、例えば30代男性の嗜好、といった属性に紐づいて分析が可能である。また、上映施設1に複数の上映装置200が設けられ、それぞれ異なる映像コンテンツが上映されている場合に、視聴者Uの属性ごとにどのような映像コンテンツが好まれるか、といった分析も可能である。
さらに、制御装置100では、会員DBの情報に基づき、視聴者Uの識別情報や属性情報と紐づけて分析を行い、上映装置200に上映させる映像コンテンツの制御を行ってもよい。例えば、映像コンテンツが多言語に対応している場合や、映像コンテンツのセリフや字幕のリアルタイムな翻訳が可能である場合、視聴者Uの識別情報や属性情報に基づいて上映する映像コンテンツの言語を適切な言語で(翻訳して)表示してもよく、当該言語への翻訳テロップを表示してもよい。このような構成にすることにより、視聴者Uの満足度を向上させることが可能である。
図6は、図1の制御装置100における映像コンテンツ、視聴情報及び生体情報の間の紐付けの例を示すタイムチャートである。図6に示すタイムチャートは、左から、映像コンテンツをシーンごとに時系列に表示したタイムチャートCTと、視聴者の感情を示すタイムチャートT1と、視聴者の集中度合いを示すタイムチャートT2とから構成されている。
タイムチャートCTには、例えば映像コンテンツの各シーンの時間帯が、開始時間からの経過時間のタイムチャートとして表示されている。タイムチャートT1には、当該映像コンテンツを視聴したある視聴者の感情を示す情報、例えば「楽しい」、「驚き」といった情報が、タイムチャートCTに紐づけて格納されている。タイムチャートT2には、当該映像コンテンツを視聴したある視聴者の当該映像コンテンツへの集中度合いを示す情報、例えば最も集中している状態を100とした際の集中度合いの値として「35」、「40」、「60」といった数値情報が、タイムチャートCTに紐づけて格納されている。このようなタイムチャートが、視聴者の人数分格納されている。これにより、各視聴者の視聴状態を映像コンテンツのシーンに対応付けて把握することが出来る。
<処理の流れ>
図7を参照しながら、上映施設1の処理の流れの一例について説明する。図7は、図1の上映施設1の動作を示すフローチャートである。
図7を参照しながら、上映施設1の処理の流れの一例について説明する。図7は、図1の上映施設1の動作を示すフローチャートである。
視聴者が図2に示すような上映施設1に来場すると、ステップS101の処理として、制御装置100では、上映施設1に来場した視聴者の情報を会員DBを参照することで取得し、現在来場している視聴者として保持する。
ステップS102の処理として、上映施設1に来場した視聴者が所定の手続きを行うことにより、ヘッドフォン300が視聴者に貸与される。視聴者は、借り受けたヘッドフォン300を装着し、図2に示す席Sに着座する。
ステップS103の処理として、上映装置200では、映像コンテンツの映像情報の上映が開始される。また、ヘッドフォン300では、映像コンテンツの音声情報が出力される。視聴者は、映像コンテンツの視聴を開始する。
ステップS104の処理として、生体情報取得装置600では、ヘッドフォン300を装着している視聴者から生体情報が取得される。
ステップS105の処理として、撮影装置400では、映像コンテンツを視聴している視聴者を撮影し、画像情報を取得する。
ステップS106の処理として、制御装置100では、撮影装置400から画像情報が取得され、視聴者の表情が分析されて読み取られた視聴者の感情を示す情報や、視聴者の集中度合いを示す情報である視聴情報が取得される。また、制御装置100では、生体情報取得装置600から生体情報が取得される。取得されたこれらの情報は、図6に示すタイムチャートのように、映像コンテンツ、視聴情報及び生体情報の間で紐付けされる。
ステップS107の処理として、周辺状況変更装置500では、画像情報及び生体情報の分析結果に基づいて制御装置100の制御により、上映施設1において映像コンテンツを視聴している視聴者の周辺状況が変化される。例えば、視聴者の周辺状況である温度や湿度、色あいや明るさ、または匂いが変化される。
<効果>
以上のように、本実施形態に係る上映施設では、視聴者はワイヤレスヘッドフォンを装着して映像コンテンツの音声情報を取得する。これにより、上映施設を設置する際に、外部に音声が漏れるのを防止するための防音設備を設置する必要がなくなる。これにより、上映施設を安価に設置することが可能になる。
以上のように、本実施形態に係る上映施設では、視聴者はワイヤレスヘッドフォンを装着して映像コンテンツの音声情報を取得する。これにより、上映施設を設置する際に、外部に音声が漏れるのを防止するための防音設備を設置する必要がなくなる。これにより、上映施設を安価に設置することが可能になる。
また、上映装置を、発光することにより映像情報を上映する、LEDパネルや有機ELディスプレイにより構成施したことにより、映画館のように別途映写室を設ける必要がない。また、このような構成により、上映施設全体を暗くしなくても視聴者が映像情報を視聴することが可能になるので、上映施設全体を暗くするために密閉空間にする必要がなくなる。さらに、関係法令により定められた、非常時に視聴者が避難することを可能にするための避難経路の確保も容易になる。これにより、上映施設を安価に設置することが可能になる。
また、上映施設に設けられた撮影装置で、映像コンテンツを視聴する視聴者を撮影し、画像情報を生成する。また、映像コンテンツを視聴している視聴者の生体情報を、ワイヤレスヘッドフォンから取得する。これにより、上映施設における利用者の状況を把握することが可能になる。
さらに、上映施設に設けられた周辺状況変更装置で、取得した画像情報及び生体情報に基づき、視聴者の周辺状況を変化させる。例えば、視聴者の周辺状況である温度や湿度、色あいや明るさ、または匂いが変化される。これにより、映像コンテンツを視聴している視聴者にとって快適な上映施設を提供することが可能になる。
以上、開示に係る実施形態について説明したが、これらはその他の様々な形態で実施することが可能であり、種々の省略、置換および変更を行なって実施することが出来る。これらの実施形態および変形例ならびに省略、置換および変更を行なったものは、特許請求の範囲の技術的範囲とその均等の範囲に含まれる。
1 上映施設、100 制御装置、200 上映装置、300 ヘッドフォン(音声出力装置)、400 撮影装置、500 周辺状況変更装置、600 生体情報取得装置、NW ネットワーク
Claims (17)
- 映像情報と音声情報とから構成される映像コンテンツを上映する上映施設であって、
前記映像情報を上映する上映装置と、
前記映像コンテンツを視聴する複数の視聴者が装着し、前記音声情報を出力する音声出力装置と、
前記視聴者を撮影して画像情報を生成する撮影装置と、
前記視聴者の生体情報を取得する生体情報取得装置と、
前記上映装置を制御し、前記撮影装置及び前記生体情報取得装置を制御して前記画像情報及び前記生体情報を取得する制御装置と、を備える上映施設。 - 前記生体情報取得装置は、前記音声出力装置における前記視聴者の身体に接触する位置に設けられ、前記視聴者が前記音声出力装置を装着することで前記視聴者の生体情報を取得する、請求項1に記載の上映施設。
- 前記撮影装置は、前記上映装置側に設けられ、複数の前記視聴者が前記映像コンテンツを視聴している状態の顔を撮影し、
前記制御装置は、前記画像情報から複数の前記視聴者を識別し、識別した前記視聴者ごとに前記視聴者の視聴状態を示す視聴情報を取得する、請求項1または請求項2に記載の上映施設。 - 前記制御装置は、識別した前記視聴者ごとの前記視聴情報と、前記生体情報とを紐付けて取得する、請求項3に記載の上映施設。
- 前記制御装置は、識別した前記視聴者ごとに顔の表情を分析して前記視聴情報を取得する、請求項4に記載の上映施設。
- 前記視聴情報は、前記視聴者の感情を示す情報を含み、
前記制御装置は、識別した前記視聴者ごとに顔の表情を分析して前記視聴者の感情を判定し、前記視聴情報を取得する、請求項5に記載の上映施設。 - 前記視聴情報は、前記視聴者が前記映像コンテンツの視聴に対して集中している度合いを示す情報を含み、
前記制御装置は、識別した前記視聴者ごとに顔の表情を分析して前記視聴者の集中度合いを判定し、前記視聴情報を取得する、請求項5に記載の上映施設。 - 前記制御装置は、前記視聴者の属性情報が格納された視聴者属性情報記憶部を備え、識別した前記視聴者ごとに前記視聴者の属性情報を読み取り、前記視聴者の属性情報との紐付けを行って前記視聴情報を取得する、請求項3から請求項7のいずれか1項に記載の上映施設。
- 前記制御装置は、前記視聴者の属性情報に対応させて前記視聴者をセグメントごとに分類し、前記視聴情報を取得する、請求項8に記載の上映施設。
- 前記音声出力装置は、前記映像コンテンツを視聴する前記視聴者が装着するワイヤレスヘッドフォンまたはワイヤレスイヤフォンである、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の上映施設。
- 前記生体情報取得装置は、前記視聴者の体温、脳波、または心拍数のうちのいずれか1つまたは複数の値を前記視聴者の生体情報として取得する、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の上映施設。
- 前記上映装置は、発光することにより前記映像情報を上映するLEDパネルまたは有機ELディスプレイにより構成される、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の上映施設。
- 前記視聴者の周辺状況を変化させる周辺状況変更装置を備え、
前記制御装置は、前記画像情報及び前記生体情報に基づき、前記周辺状況変更装置を制御する、請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の上映施設。 - 前記周辺状況変更装置は、前記制御装置の制御により、前記視聴者の周辺の温度または湿度のうちのいずれか1つまたは双方を変化させる空調装置により構成される、請求項13に記載の上映施設。
- 前記周辺状況変更装置は、前記制御装置の制御により、前記視聴者の周辺の色あいまたは明るさのうちのいずれか1つまたは双方を変化させる照明装置により構成される、請求項13に記載の上映施設。
- 前記周辺状況変更装置は、前記制御装置の制御により、芳香剤を噴霧することにより前記視聴者の周辺の匂いを変化させる噴霧装置により構成される、請求項13に記載の上映施設。
- 前記制御装置は、前記画像情報及び前記生体情報に基づき、前記上映装置に上映させる前記映像コンテンツの言語を変更する、請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の上映施設。
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JP2019177760A JP2021052965A (ja) | 2019-09-27 | 2019-09-27 | 上映施設 |
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JP2019177760A JP2021052965A (ja) | 2019-09-27 | 2019-09-27 | 上映施設 |
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Publication Number | Publication Date |
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Family
ID=75271653
Family Applications (1)
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JP2019177760A Pending JP2021052965A (ja) | 2019-09-27 | 2019-09-27 | 上映施設 |
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JP (1) | JP2021052965A (ja) |
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2019
- 2019-09-27 JP JP2019177760A patent/JP2021052965A/ja active Pending
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