JP2021051298A - 偏光膜の製造方法、および偏光フィルムの製造方法 - Google Patents

偏光膜の製造方法、および偏光フィルムの製造方法 Download PDF

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拓馬 黒田
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汐海 八木
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勝則 高田
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Abstract

【課題】任意の成分を偏光膜に簡便かつ十分に含有させることができる、偏光膜の製造方法を提供すること。【解決手段】ポリビニルアルコール系フィルムを長手方向に搬送しながら、前記ポリビニルアルコール系フィルムに、少なくとも、染色工程、架橋工程、および延伸工程を施して、水を含有する偏光膜を製造する工程(I−1)と、得られた水を含有する偏光膜に、偏光膜の水分率が20重量%以上である状態で、液体を塗布する工程を施して、液体中の成分が含侵した偏光膜を製造する工程(I−2)と、得られた液体中の成分が含侵した偏光膜に、乾燥工程を施して、乾燥後の偏光膜を製造する工程(I−3)を含む偏光膜の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、偏光膜の製造方法、および偏光フィルムの製造方法に関する。
従来、液晶表示装置や有機EL表示装置等の各種画像表示装置に用いる偏光膜(偏光子)としては、高透過率と高偏光度を兼ね備えていることから、染色処理された(ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を含有する)ポリビニルアルコール系フィルムが用いられている。当該偏光膜は、ポリビニルアルコール系フィルムに、浴(処理浴)中にて、例えば、染色、架橋、延伸等の各処理を施した後に、乾燥することにより製造される。また前記偏光膜は、通常、その片面または両面にトリアセチルセルロース等の保護フィルムが接着剤を用いて貼合された偏光フィルム(偏光板)として用いられている。
偏光膜の製造方法としては、例えば、特許文献1〜2では、亜鉛、銅、アルミニウム等を含む金属塩等の成分を処理浴に添加することで、偏光膜にこれら成分を含有させ、偏光膜の耐久特性を向上させることが開示されている。また、特許文献3〜4では、有機チタン化合等の成分を処理浴に添加する、偏光膜の製造方法が開示されている。
国際公開第2016/117659号 特開2006−047978号公報 特開2008−46257号公報 特開平6−172554号公報
しかしながら、偏光膜の製造方法において、上記のような成分を処理浴に添加する場合、その使用量が膨大になること、処理液の廃液処理が必要となること等の問題があった。
本発明は、以上のような事情に鑑み、任意の成分を偏光膜に簡便かつ十分に含有させることができる、偏光膜の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記の偏光膜の製造方法で得られた偏光膜を用いた偏光フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、偏光膜の製造方法であって、ポリビニルアルコール系フィルムを長手方向に搬送しながら、前記ポリビニルアルコール系フィルムに、少なくとも、染色工程、架橋工程、および延伸工程を施して、水を含有する偏光膜を製造する工程(I−1)と、得られた水を含有する偏光膜に、偏光膜の水分率が20重量%以上である状態で、液体を塗布する工程を施して、液体中の成分が含侵した偏光膜を製造する工程(I−2)と、得られた液体中の成分が含侵した偏光膜に、乾燥工程を施して、乾燥後の偏光膜を製造する工程(I−3)を含む偏光膜の製造方法、に関する。
また、本発明は、偏光膜の製造方法であって、長尺状の熱可塑性樹脂基材の片側に、ポリビニルアルコール系樹脂を含むポリビニルアルコール系樹脂層を形成して積層体を準備する工程(II−0)と、得られた積層体を長手方向に搬送しながら、前記積層体に、少なくとも、空中補助延伸処理工程、染色処理工程、および水中延伸処理工程を施して、水を含有する偏光膜を有する積層体を製造する工程(II−1)と、得られた水を含有する偏光膜を有する積層体に、偏光膜の水分率が20重量%以上である状態で、液体を塗布する工程を施して、液体中の成分が含侵した偏光膜を有する積層体を製造する工程(II−2)と、得られた液体中の成分が含侵した偏光膜を有する積層体に、乾燥処理工程を施して、乾燥後の偏光膜を製造する工程(II−3)を含む偏光膜の製造方法、に関する。
また、本発明は、前記偏光膜の製造方法で得られた偏光膜の少なくとも片面に、接着剤層を介して透明保護フィルムを貼り合わせる工程を含む偏光フィルムの製造方法、に関する。
本発明の偏光膜の製造方法における効果の作用メカニズムの詳細は不明な部分があるが、以下のように推定される。ただし、本発明は、この作用メカニズムに限定して解釈されなくてもよい。
本発明の偏光膜の製造方法は、ポリビニルアルコール系フィルムを長手方向に搬送しながら、前記ポリビニルアルコール系フィルムに、少なくとも、染色工程、架橋工程、および延伸工程を施して、水を含有する偏光膜を製造する工程(I−1)と、得られた水を含有する偏光膜に、偏光膜の水分率が20重量%以上である状態で、液体を塗布する工程を施して、液体中の成分が含侵した偏光膜を製造する工程(I−2)と、得られた液体中の成分が含侵した偏光膜に、乾燥工程を施して、乾燥後の偏光膜を製造する工程(I−3)を含む。あるいは、本発明の偏光膜の製造方法は、長尺状の熱可塑性樹脂基材の片側に、ポリビニルアルコール系樹脂を含むポリビニルアルコール系樹脂層を形成して積層体を準備する工程(II−0)と、得られた積層体を長手方向に搬送しながら、前記積層体に、少なくとも、空中補助延伸処理工程、染色処理工程、および水中延伸処理工程を施して、水を含有する偏光膜を有する積層体を製造する工程(II−1)と、得られた水を含有する偏光膜を有する積層体に、偏光膜の水分率が20重量%以上である状態で、液体を塗布する工程を施して、液体中の成分が含侵した偏光膜を有する積層体を製造する工程(II−2)と、得られた液体中の成分が含侵した偏光膜を有する積層体に、乾燥処理工程を施して、乾燥後の偏光膜を製造する工程(II−3)を含む。従前の偏光膜の製造方法では、ポリビニルアルコール系フィルムに、少なくとも、染色工程、架橋工程、および延伸工程を施した後、続いて、乾燥工程が施される。あるいは、従前の偏光膜の製造方法では、長尺状の熱可塑性樹脂基材の片側に、ポリビニルアルコール系樹脂を含むポリビニルアルコール系樹脂層を形成して積層体を準備する工程と、得られた積層体に、少なくとも、空中補助延伸処理工程、染色処理工程、および水中延伸処理工程を施した後、続いて、乾燥処理工程が施される。一方、本発明の偏光膜の製造方法では、上記のように、水を含有する偏光膜、または水を含有する偏光膜を有する積層体を製造する。当該水を含有する偏光膜、または水を含有する偏光膜を有する積層体における偏光膜は、偏光膜の水分率が20重量%以上である状態で、液体を塗布する工程が施されるため、当該水を含有する偏光膜に、液体に含まれる任意の成分を簡便かつ十分に含侵させることができる。
<偏光膜の製造方法>
本発明の偏光膜の製造方法は、ポリビニルアルコール系フィルムを長手方向に搬送しながら、前記ポリビニルアルコール系フィルムに、少なくとも、染色工程、架橋工程、および延伸工程を施して、水を含有する偏光膜を製造する工程(I−1)と、得られた水を含有する偏光膜に、偏光膜の水分率が20重量%以上である状態で、液体を塗布する工程を施して、液体中の成分が含侵した偏光膜を製造する工程(I−2)と、得られた液体中の成分が含侵した偏光膜に、乾燥工程を施して、乾燥後の偏光膜を製造する工程(I−3)を含む。
<水を含有する偏光膜を製造する工程(I−1)>
本発明の偏光膜の製造方法は、ポリビニルアルコール系フィルムを長手方向に搬送しながら、前記ポリビニルアルコール系フィルムに、少なくとも、染色工程、架橋工程、および延伸工程を施して、水を含有する偏光膜を製造する工程(I−1)を含む。
前記ポリビニルアルコール(PVA)系フィルムは、可視光領域において透光性を有し、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を分散吸着するものを特に制限なく使用できる。また、通常、原反として用いる、PVA系フィルムは、厚さが1〜100μm程度であることが好ましく、1〜50μm程度であることがより好ましく、幅が100〜5000mm程度であることが好ましい。
前記ポリビニルアルコール系フィルムの材料としては、ポリビニルアルコールまたはその誘導体が挙げられる。前記ポリビニルアルコールの誘導体としては、例えば、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール;エチレン、プロピレン等のオレフィン;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和カルボン酸、およびそのアルキルエステル、アクリルアミド等で変性したもの等が挙げられる。前記ポリビニルアルコールは、平均重合度が100〜10,000程度であることが好ましく、1,000〜10,000程度であることがより好ましく、1,500〜4,500程度であることがさらに好ましい。また、前記ポリビニルアルコールは、ケン化度が80〜100モル%程度であることが好ましく、95モル%〜99.95モル程度であることがより好ましい。なお、前記平均重合度および前記ケン化度は、JIS K 6726に準じて求めることができる。
前記ポリビニルアルコール系フィルムには、可塑剤や界面活性剤等の添加剤を含有していてもよい。前記可塑剤としては、例えば、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の、ポリオールおよびその縮合物等が挙げられる。前記添加剤の使用量は、特に制限はないが、例えば、ポリビニルアルコール系フィルム中、20重量%以下程度が好適である。
<染色工程>
前記染色工程は、ポリビニルアルコール系フィルムを、染色浴に浸漬する処理工程であり、ポリビニルアルコール系フィルムに、ヨウ素または二色性染料等の二色性物質を吸着・配向させることができる。前記染色液は、通常、ヨウ素水溶液であることが好ましく、ヨウ素および溶解助剤としてヨウ化物を含有する。なお、前記ヨウ化物としては、ヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化錫、ヨウ化チタン等が挙げられる。これらの中でも、ヨウ化カリウムが好適である。
前記染色浴中、ヨウ素の濃度は、0.01〜1重量%程度であることが好ましく、0.02〜0.5重量%程度であることがより好ましい。前記染色浴中、前記ヨウ化物の濃度は、0.01〜10重量%程度であることが好ましく、0.05〜5重量%程度であることがより好ましい。
前記染色浴の温度は、10〜50℃程度であることが好ましく、15〜45℃程度であることがより好ましい。また、前記染色浴への浸漬時間は、ポリビニルアルコール系フィルムの染色の程度が染色浴の温度の影響を受けるため一概に決定できないが、10〜300秒間程度であることが好ましく、20〜240秒間程度であることがより好ましい。前記染色工程は1回だけ実施されてもよく、必要に応じて複数回実施されてもよい。
<架橋工程>
前記架橋工程は、前記染色工程にて染色されたポリビニルアルコール系フィルムを、ホウ素化合物を含む処理浴(架橋浴)中に浸漬する処理工程であり、ホウ素化合物によりポリビニルアルコール系フィルムが架橋して、ヨウ素分子または染料分子が当該架橋構造に吸着できる。前記ホウ素化合物としては、例えば、ホウ酸、ホウ酸塩、ホウ砂等が挙げられる。前記架橋浴は、水溶液が一般的であるが、例えば、水との混和性のある有機溶媒および水の混合溶液であってもよい。また、前記架橋浴は、ヨウ化カリウム等のヨウ化物を含むことができる。
前記架橋浴中、前記ホウ素化合物の濃度は、1〜15重量%程度であることが好ましく、1.5〜10重量%程度であることがより好ましく、2〜5重量%程度であることがより好ましい。また、前記架橋浴にヨウ化カリウム等のヨウ化物を使用する場合、前記架橋浴中、ヨウ化カリウム等のヨウ化物の濃度は、1〜15重量%程度であることが好ましく、1.5〜10重量%程度であることがより好ましい。
前記架橋浴の温度は、20〜70℃程度であることが好ましく、30〜60℃程度であることがより好ましい。また、前記架橋浴への浸漬時間は、ポリビニルアルコール系フィルムの架橋の程度が架橋浴の温度の影響を受けるため一概に決定できないが、5〜300秒間程度であることが好ましく、10〜200秒間程度であることがより好ましい。前記架橋工程は1回だけ実施されてもよく、必要に応じて複数回実施されてもよい。
<延伸工程>
前記延伸工程は、ポリビニルアルコール系フィルムを、少なくとも一方向に所定の倍率に延伸する処理工程である。一般には、ポリビニルアルコール系フィルムを、搬送方向(長手方向)に1軸延伸する。前記延伸の方法は特に制限されず、湿潤延伸法と乾式延伸法のいずれも採用できる。前記延伸工程は1回だけ実施されてもよく、必要に応じて複数回実施されてもよい。前記延伸工程は、偏光膜の製造において、いずれの段階で行われてもよい。
前記湿潤延伸法における処理浴(延伸浴)は、通常、水、または水との混和性のある有機溶媒および水の混合溶液等の溶媒を用いることができる。前記延伸浴は、ヨウ化カリウム等のヨウ化物を含むことができる。前記延伸浴にヨウ化カリウム等のヨウ化物を使用する場合、当該延伸浴中、ヨウ化カリウム等のヨウ化物の濃度は、1〜15重量%程度であることが好ましく、2〜10重量%程度であることがより好ましい。また、前記処理浴(延伸浴)には、架橋度を向上するために前記ホウ素化合物を含むことができ、この場合、当該延伸浴中、前記ホウ素化合物の濃度は、1〜15重量%程度であることが好ましく、1.5〜10重量%程度であることがより好ましい。
前記延伸浴の温度は、25〜80℃程度であることが好ましく、40〜75℃程度であることがより好ましい。また、前記延伸浴への浸漬時間は、ポリビニルアルコール系フィルムの延伸の程度が延伸浴の温度の影響を受けるため一概に決定できないが、10〜800秒間程度であることが好ましく、30〜500秒間程度であることがより好ましい。なお、前記湿潤延伸法における延伸処理は、前記染色工程、前記架橋工程、後述する膨潤工程、および後述する洗浄工程のいずれか1つ以上の処理工程とともに施してもよい。
前記乾式延伸法としては、例えば、ロール間延伸方法、加熱ロール延伸方法、圧縮延伸方法等が挙げられる。なお、前記乾式延伸法は、後述する乾燥工程とともに施してもよい。
前記ポリビニルアルコール系フィルムに施される総延伸倍率(累積の延伸倍率)は、目的に応じ適宜設定できるが、2〜7倍程度であることが好ましく、3〜6.8倍程度であることがより好ましく、3.5〜6.5倍程度であることがさらに好ましい。
前記水を含有する偏光膜を製造する工程では、前記ポリビニルアルコール系フィルムに、前記染色工程、前記架橋工程、および前記延伸工程を施すほか、膨潤工程を施してもよく、洗浄工程を施してもよい。
<膨潤工程>
前記膨潤工程は、ポリビニルアルコール系フィルムを、膨潤浴中に浸漬する処理工程であり、ポリビニルアルコール系フィルムの表面の汚れやブロッキング剤等を除去でき、また、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで染色ムラを抑制できる。前記膨潤浴は、通常、水、蒸留水、純水等の水を主成分とする媒体が用いられる。前記膨潤浴は、常法に従って、界面活性剤、アルコール等が適宜に添加されていてもよい。
前記膨潤浴の温度は、10〜60℃程度であることが好ましく、15〜45℃程度であることがより好ましい。また、前記膨潤浴への浸漬時間は、ポリビニルアルコール系フィルムの膨潤の程度が膨潤浴の温度の影響を受けるため一概に決定できないが、5〜300秒間程度であることが好ましく、10〜200秒間程度であることがより好ましい。前記膨潤工程は1回だけ実施されてもよく、必要に応じて複数回実施されてもよい。
<洗浄工程>
前記洗浄工程は、ポリビニルアルコール系フィルムを、洗浄浴中に浸漬する処理工程であり、ポリビニルアルコール系フィルムの表面等に残存する異物を除去できる。前記洗浄浴は、通常、水、蒸留水、純水等の水を主成分とする媒体が用いられる。また、前記洗浄浴にヨウ化カリウム等のヨウ化物を使用することができ、この場合、前記洗浄浴中、ヨウ化カリウム等のヨウ化物の濃度は、1〜10重量%程度であることが好ましく、2〜4重量%程度であることがより好ましく、1.6〜3.8重量%程度であることがさらに好ましい。
前記洗浄浴の温度は、5〜50℃程度であることが好ましく、10〜40℃程度であることがより好ましく、15〜30℃程度であることがさらに好ましい。また、前記洗浄浴への浸漬時間は、ポリビニルアルコール系フィルムの洗浄の程度が洗浄浴の温度の影響を受けるため一概に決定できないが、1〜100秒間程度であることが好ましく、2〜50秒間程度であることがより好ましく、3〜20秒間程度であることがさらに好ましい。前記膨潤工程は1回だけ実施されてもよく、必要に応じて複数回実施されてもよい。
さらに、前記膨潤工程、前記染色工程、前記架橋工程、前記延伸工程および前記洗浄工程における各処理浴には、亜鉛塩、pH調整剤、pH緩衝剤、その他塩類のような添加剤を含有していてもよい。前記亜鉛塩としては、例えば、塩化亜鉛、ヨウ化亜鉛等のハロゲン化亜鉛;硫酸亜鉛、酢酸亜鉛等の無機亜鉛塩等が挙げられる。前記pH調整剤としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸等の強酸や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の強塩基が挙げられる。前記pH緩衝剤としては、例えば、酢酸、シュウ酸、クエン酸等のカルボン酸およびその塩や、リン酸、炭酸のような無機弱酸およびその塩が挙げられる。前記その他塩類としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化バリウム等の塩化物、硝酸ナトリウム、硝酸カリウムのような硝酸塩、硫酸ナトリウム、硫酸カリウムのような硫酸塩、およびアルカリ金属、アルカリ土類金属の塩等が挙げられる。
<液体中の成分が含侵した偏光膜を製造する工程(I−2)>
本発明の偏光膜の製造方法は、上記で得られた水を含有する偏光膜に、偏光膜の水分率が20重量%以上である状態で、液体を塗布する工程を施して、液体中の成分が含侵した偏光膜を製造する工程(I−2)を含む。ここで、前記液体中の成分は、通常、溶液に含まれる溶質である。また、溶質は、溶媒に溶解や分散等できる物質であればよく、単体の化合物としては、気体状物質、液状物質、固体状物質のいずれであってもよい。なお、溶質が、液状物質(例えば、25℃、1気圧の条件下)の場合、液状物質そのもの(液状物質自体)が、液体および液体中の成分であってもよい。
前記工程(I−2)において、液体に含まれる成分を含侵させ易く、偏光膜の厚み方向への浸透をよりさせやすくするという観点から、偏光膜の水分率が22重量%以上である状態であることが好ましく、偏光膜の水分率が25重量%以上である状態であることがより好ましく、そして、搬送時のシワを防止する観点から、偏光膜の水分率が70重量%以下である状態であることが好ましく、偏光膜の水分率が60重量%以下である状態であることがより好ましい。
前記液体を塗布する工程における塗布(塗工)方法としては、従前の塗布(塗工)方法が適用でき、例えば、ロールコート法、スピンコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、ダイコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ナイフコート法(コンマコート法等)等のコーティング方法等が挙げられる。なお、偏光膜の塗布面は、片面であってもよく、両面であってもよい。
前記液体中の成分は、前記水を含有する偏光膜に成分を含侵させ易い観点から、水溶性の化合物であってもよい。なお、上記の水溶性の化合物とは、25℃での水100gへの溶解性が、1g以上であるものという。
前記液体中の成分としては、例えば、亜鉛塩(塩化亜鉛、ヨウ化亜鉛等のハロゲン化亜鉛;硫酸亜鉛、酢酸亜鉛等の無機亜鉛塩等);有機チタン化合物(チタンアルコキシド、チタンキレート、チタンキレートアンモニウム塩、チタンキレートアシレート等)、有機ジルコニウム(ジルコニルアルコキシド、ジルコニルキレート、ジルコニルキレートアンモニウム塩、ジルコニルアシレート)、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、金属ハロゲン化物等が挙げられる。
また、前記液体中の成分としては、ラジカル捕捉機能を有する化合物(ラジカル捕捉剤ともいう)が挙げられる。前記ラジカル捕捉機能を有する化合物は、偏光膜のポリビニルアルコールが加熱にて生じるラジカルを捕捉して、ポリエン化を抑制できるため、偏光膜の熱に対する耐久性を向上できる。前記ラジカル捕捉機能を有する化合物としては、ポリエン化を容易に抑制できる観点から、例えば、ニトロキシラジカル、またはニトロキシド基を有する化合物であることが好ましい。
前記ニトロキシラジカル、またはニトロキシド基を有する化合物としては、例えば、以下の構造の有機基を有する化合物等が挙げられる。
Figure 2021051298
(一般式(1)中、Rは、オキシラジカルを表し、RからRは、独立して、水素原子、または炭素原子数が1〜10のアルキル基を表し、nは0または1を表す。)なお、一般式(1)中の、点線部の左は任意の有機基を示す。
上記の有機基を有する化合物としては、例えば、以下の一般式(2)〜(5)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2021051298
(一般式(2)中、R〜R、およびnは、上記と同様であり、Rは水素原子、または炭素原子数が1〜10のアルキル基、アシル基、もしくはアリール基を表す。)
Figure 2021051298
(一般式(3)中、RからR、およびnは、上記と同様であり、RおよびRは、独立して、水素原子、または炭素原子数が1〜10のアルキル基、アシル基、もしくはアリール基を表す。)
Figure 2021051298
(一般式(4)中、RからR、およびnは、上記と同様であり、RからR11は、独立して、水素原子、または炭素原子数が1〜10のアルキル基、アシル基、アミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、もしくはアリール基を表す。)
Figure 2021051298
(一般式(5)中、RからR、およびnは、上記と同様であり、R12は、水素原子、または炭素原子数が1〜10のアルキル基、アミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、もしくはアリール基を表す。)
前記一般式(1)〜(5)中、RからRは、入手容易性の観点から、炭素原子数が1〜6のアルキル基であることが好ましく、炭素原子数が1〜3のアルキル基であることがより好ましい。また、前記一般式(2)中、入手容易性の観点から、Rは水素原子、または炭素原子数が1〜10のアルキル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。また、前記一般式(3)中、入手容易性の観点から、RおよびRは独立して水素原子、または炭素原子数が1〜10のアルキル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。また、前記一般式(4)中、入手容易性の観点から、RからR11は、水素原子、または炭素原子数が1〜10のアルキル基であることが好ましい。また、前記一般式(5)中、入手容易性の観点から、R12は、ヒドロキシ基、アミノ基、またはアルコキシ基であることが好ましい。前記一般式(1)〜(5)中、nは、入手容易性の観点から、1であることが好ましい。
また、前記ニトロキシラジカル、またはニトロキシド基を有する化合物としては、例えば、以下の化合物等が挙げられる。
Figure 2021051298
(一般式(6)中、Rは、水素原子、または炭素原子数が1〜10のアルキル基、アシル基、もしくはアリール基を表す。)
Figure 2021051298
Figure 2021051298
また、前記液体中の成分としては、架橋機能を有する化合物(架橋剤ともいう)が挙げられる。前記架橋機能を有する化合物は、偏光膜のポリビニルアルコールの水酸基と反応して、架橋構造を形成し、偏光膜の加湿に対する耐久性を向上できる。前記架橋機能を有する化合物としては、加湿耐久性向上の観点から、例えば、イソシアネート基、イソシアネート誘導官能基、エポキシ基、カルボニル基、アジリジン環、ビニルエーテル基、ビニルスルホン基、オキサゾリン基を有する有機化合物の他、有機チタン化合物(チタンアルコキシド、チタンキレート、チタンキレートアンモニウム塩、チタンキレートアシレート等)などが挙げられる。
また、前記液体中の成分としては、可塑性付与の機能を有する化合物(可塑剤ともいう)が挙げられる。前記可塑性付与の機能を有する化合物は、偏光膜に可塑性を付与することで、押し込みの力によって生じる打痕などの品質上の不具合を軽減できる。前記可塑性付与の機能を有する化合物としては、例えば、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、その他エチレングリコール誘導体、グリセリンなどが挙げられる。
また、前記液体中の成分としては、染料系化合物(染料ともいう)が挙げられる。前記染料系化合物は、偏光膜の色相調整やパターン印刷など特性を付与できる。前記染料系化合物としては、例えば、アゾ化合物、アントラキノン系、キノフタロン系化合物などが挙げられる。
前記液体は、上記の塗布(塗工)形式に影響を受けるため一概に決定できないが、効率良く液体中の成分を浸透させるという観点から、液体中の成分の濃度が、0.1重量%以上であることが好ましく、1.0重量%以上であることがより好ましく、そして、液体中の成分の析出による品質不具合を防止する観点から、30重量%以下であることが好ましく、20重量%以下であることがより好ましい。
前記溶媒としては、水;メタノール、エタノール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、その他エチレングリコール誘導体、グリセリン、ジメチルスルホキシド等の水溶性溶媒等が挙げられる。
前記工程(I−1)後から前記工程(I−2)開始までの時間(実機製造における偏光膜の搬送時間)は、水を含有する偏光膜中に含まれる水分を保持する観点、あるいは、生産性の観点から、温度が15℃〜35℃程度、好ましくは温度が20℃〜30℃程度で、300秒以下であることが好ましく、180秒以下であることがより好ましく、60秒以下であることがさらに好ましく、10秒以下であることがよりさらに好ましい。
また、前記工程(I−2)では、必要に応じ、前記水を含有する偏光膜に、液体を塗布する工程を施した後、液体の一部を含侵させて、残りの液体を除去する工程を施してもよい。液体の除去方法としては、ウエスやスポンジロール等による拭き取り除去方法、吸引除去方法、送風による除去方法、バーやグラビアロールによる掻き取り除去方法等が挙げられる。
<乾燥後の偏光膜を製造する工程(I−3)>
本発明の偏光膜の製造方法は、上記で得られた液体中の成分が含侵した偏光膜に、乾燥工程を施して、乾燥後の偏光膜を製造する工程(I−3)を含む。
前記乾燥工程は、上記で得られた液体中の成分が含侵した偏光膜を、乾燥して偏光膜を得る工程であり、乾燥により所望の水分率を有する偏光膜が得られる。前記乾燥は、任意の適切な方法で行われ、例えば、自然乾燥、送風乾燥、加熱乾燥が挙げられる。
前記乾燥の温度は、20〜150℃程度であることが好ましく、25〜100℃程度であることがより好ましい。また、前記乾燥の時間は、偏光膜の乾燥の程度が乾燥の温度の影響を受けるため一概に決定できないが、10〜600秒間程度であることが好ましく、30〜300秒間程度であることがより好ましい。前記乾燥工程は1回だけ実施されてもよく、必要に応じて複数回実施されてもよい。
前記乾燥後の偏光膜は、可塑性が消失することに伴う打痕などの品質不具合を防止する観点から、水分率が、10重量%以上であることが好ましく、12重量%以上であることがより好ましく、そして、偏光度等の光学特性を向上させる観点から、水分率が、20重量%以下であることが好ましく、16重量%以下であることがより好ましい。なお、前記乾燥後の偏光膜は、後述する厚みが8μm程度以下の乾燥後の偏光膜の場合、可塑性が消失することに伴う打痕などの品質不具合を防止する観点から、水分率が、2重量%以上であることが好ましく、3重量%以上であることがより好ましく、そして、偏光度等の光学特性を向上させる観点から、水分率が、20重量%以下であることが好ましく、10重量%以下であることがより好ましい。
前記乾燥後の偏光膜は、厚みが、1〜30μm程度であることが好ましく、5〜25μm程度であることがより好ましく、5〜20μmであることがさらに好ましい。とくに、厚みが8μm程度以下の乾燥後の偏光膜を得るためには、前記ポリビニルアルコール系フィルムとして、熱可塑性樹脂基材上に製膜されたポリビニルアルコール系樹脂層を含む積層体を用いる、以下の薄型の偏光膜の製造方法が適用できる。
<偏光膜(薄型の偏光膜)の製造方法>
偏光膜(薄型の偏光膜)の製造方法は、長尺状の熱可塑性樹脂基材の片側に、ポリビニルアルコール系樹脂を含むポリビニルアルコール系樹脂層を形成して積層体を準備する工程(II−0)と、得られた積層体を長手方向に搬送しながら、前記積層体に、少なくとも、空中補助延伸処理工程、染色処理工程、および水中延伸処理工程を施して、水を含有する偏光膜を有する積層体を製造する工程(II−1)と、得られた水を含有する偏光膜を有する積層体に、偏光膜の水分率が20重量%以上である状態で、液体を塗布する工程を施して、液体中の成分が含侵した偏光膜を有する積層体を製造する工程(II−2)と、得られた液体中の成分が含侵した偏光膜を有する積層体に、乾燥処理工程を施して、乾燥後の偏光膜を製造する工程(II−3)を含む。
<積層体を準備する工程(II−0)>
本発明の偏光膜(薄型の偏光膜)の製造方法は、長尺状の熱可塑性樹脂基材の片側に、ポリビニルアルコール系樹脂(PVA系樹脂)を含むポリビニルアルコール系樹脂層(PVA系樹脂層)を形成して積層体を準備する工程(II−0)を含む。
前記積層体を作製する方法としては、任意の適切な方法が採用され、例えば、前記熱可塑性樹脂基材の表面に、前記PVA系樹脂を含む塗布液を塗布し、乾燥することに方法が挙げられる。前記熱可塑性樹脂基材の厚みは、20〜300μm程度であることが好ましく、50〜200μm程度であることがより好ましい。前記PVA系樹脂層の厚みは、3〜40μm程度であることが好ましく、3〜20μm程度であることがより好ましい。
前記熱可塑性樹脂基材は、水を吸収して延伸応力を大幅に低下させ、高倍率に延伸することができる観点から、吸水率が0.2%程度以上であることが好ましく、0.3%程度以上であることがより好ましい。一方、前記熱可塑性樹脂基材は、熱可塑性樹脂基材の寸法安定性が著しく低下して、得られる偏光膜の外観が悪化する等の不具合を防止することができる観点から、吸水率が3%程度以下であることが好ましく、1%程度以下であることがより好ましい。なお、前記吸水率は、例えば、前記熱可塑性樹脂基材の構成材料に変性基を導入することにより調整することができる。前記吸水率は、JIS K 7209に準じて求められる値である。
前記熱可塑性樹脂基材は、PVA系樹脂層の結晶化を抑制しながら、積層体の延伸性を十分に確保することができる観点から、ガラス転移温度(Tg)が120℃程度以下であることが好ましい。さらに、水による熱可塑性樹脂基材の可塑化と、水中延伸を良好に行うことを考慮すると、前記ガラス転移温度(Tg)が100℃程度以下であることがより好ましく、90℃程度以下であることがさらに好ましい。一方、熱可塑性樹脂基材のガラス転移温度は、塗布液を塗布・乾燥する際に、熱可塑性樹脂基材が変形する等の不具合を防止して、良好な積層体を作製することができる観点から、60℃程度以上であることが好ましい。なお、前記ガラス転移温度は、例えば、前記熱可塑性樹脂基材の構成材料に変性基を導入する、結晶化材料を用いて加熱する、ことにより調整することができる。前記ガラス転移温度(Tg)は、JIS K 7121に準じて求められる値である。
前記熱可塑性樹脂基材の構成材料としては、任意の適切な熱可塑性樹脂が採用され得る。前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート系樹脂等のエステル系樹脂、ノルボルネン系樹脂等のシクロオレフィン系樹脂、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、これらの共重合体樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ノルボルネン系樹脂、非晶質(非晶性)のポリエチレンテレフタレート系樹脂が好ましく、さらに、熱可塑性樹脂基材は延伸性に極めて優れるとともに、延伸時の結晶化が抑制され得る観点から、非晶質(非晶性)ポリエチレンテレフタレート系樹脂が好ましく用いられる。非晶質(非晶性)のポリエチレンテレフタレート系樹脂としては、ジカルボン酸としてイソフタル酸および/またはシクロヘキサンジカルボン酸を含む共重合体や、グリコールとしてシクロヘキサンジメタノールやジエチレングリコールを含む共重合体が挙げられる。
前記熱可塑性樹脂基材は、PVA系樹脂層を形成する前に、表面処理(例えば、コロナ処理等)を施してもよいし、熱可塑性樹脂基材上に易接着層を形成してもよい。このような処理を行うことにより、熱可塑性樹脂基材とPVA系樹脂層との密着性を向上させることができる。また、前記熱可塑性樹脂基材は、PVA系樹脂層を形成する前に、延伸されていてもよい。
前記塗布液は、PVA系樹脂を溶媒に溶解させた溶液である。前記溶媒としては、例えば、水、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、各種グリコール類、トリメチロールプロパン等の多価アルコール類、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン等のアミン類が挙げられ、水が好ましい。これらは単独で、または、二種以上組み合わせて用いることができる。前記塗布液のPVA系樹脂濃度は、熱可塑性樹脂基材に密着した均一な塗布膜を形成することができる観点から、溶媒100重量部に対して、3〜20重量部程度であることが好ましい。
前記塗布液には、延伸によるポリビニルアルコール分子の配向性を向上させる観点から、ハロゲン化物が配合されていることが好ましい。前記ハロゲン化物としては、任意の適切なハロゲン化物が採用でき、例えば、ヨウ化物および塩化ナトリウム等が挙げられる。前記ヨウ化物としては、例えば、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化リチウム等が挙げられ、ヨウ化カリウムが好ましい。前記塗布液中の前記ハロゲン化物の濃度は、PVA系樹脂100重量部に対して、5〜20重量部程度であることが好ましく、10〜15重量部程度であることがより好ましい。
また、前記塗布液には、添加剤を配合してもよい。前記添加剤としては、例えば、エチレングリコールやグリセリン等の可塑剤;非イオン界面活性剤等の界面活性剤等が挙げられる。
前記塗布液の塗布方法としては、任意の適切な方法を採用することができ、例えば、ロールコート法、スピンコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、ダイコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ナイフコート法(コンマコート法等)等が挙げられる。また、前記塗布液の乾燥温度は、50℃程度以上であることが好ましい。
<水を含有する偏光膜を有する積層体を製造する工程(II−1)>
本発明の偏光膜(薄型の偏光膜)の製造方法は、上記で得られた積層体を長手方向に搬送しながら、前記積層体に、少なくとも、空中補助延伸処理工程、染色処理工程、および水中延伸処理工程を施して、水を含有する偏光膜を有する積層体を製造する工程(II−1)を含む。
前記空中補助延伸処理工程は、熱可塑性樹脂基材の結晶化を抑制しながら延伸することができるため、積層体を高倍率に延伸することができる。前記空中補助延伸処理工程の延伸方法は、固定端延伸(例えば、テンター延伸機を用いて延伸する方法)でもよいし、自由端延伸(例えば、周速の異なるロール間に積層体を通して一軸延伸する方法)でもよいが、高い光学特性を得る観点から、自由端延伸が好ましい。
前記空中補助延伸処理工程における延伸倍率は、2〜3.5倍程度であることが好ましい。前記空中補助延伸処理は、一段階で行ってもよいし、多段階で行ってもよい。多段階で行う場合、延伸倍率は、各段階の延伸倍率の積である。
前記空中補助延伸処理工程における延伸温度は、熱可塑性樹脂基材の形成材料、延伸方式等に応じて、任意の適切な値に設定することができ、例えば、熱可塑性樹脂基材のガラス転移温度(Tg)以上であることが好ましく、前記ガラス転移温度(Tg)+10℃以上であることがより好ましく、前記ガラス転移温度(Tg)+15℃以上であることがさらに好ましい。一方、延伸温度の上限は、PVA系樹脂の結晶化が急速に進むのを抑制して、結晶化による不具合(例えば、延伸によるPVA系樹脂層の配向を妨げる)を抑制することができる観点から、170℃程度であることが好ましい。
必要に応じて、前記空中補助延伸処理工程の後、染色処理工程や水中延伸処理工程の前に、不溶化処理工程を施してもよい。前記不溶化処理工程は、代表的には、ホウ酸水溶液にPVA系樹脂層を浸漬することにより行う。不溶化処理工程を施すことにより、PVA系樹脂層に耐水性を付与し、水に浸漬した時のPVAの配向低下を防止することができる。当該ホウ酸水溶液の濃度は、水100重量部に対して、1〜5重量部程度であることが好ましい。不溶化処理浴の液温は、20〜50℃程度であることが好ましい。
前記染色処理工程は、PVA系樹脂層をヨウ素で染色することにより行う。当該吸着方法としては、例えば、ヨウ素を含む染色液にPVA系樹脂層(積層体)を浸漬させる方法、PVA系樹脂層に当該染色液を塗工する方法、当該染色液をPVA系樹脂層に噴霧する方法等が挙げられ、ヨウ素を含む染色液にPVA系樹脂層(積層体)を浸漬させる方法が好ましい。
前記染色浴におけるヨウ素の配合量は、水100重量部に対して、0.05〜0.5重量部程度であることが好ましい。ヨウ素の水に対する溶解度を高めるため、ヨウ素水溶液に前記ヨウ化物を配合することが好ましい。前記ヨウ化物の配合量は、水100重量部に対して、0.1〜10重量部程度であることが好ましく、0.3〜5重量部程度であることがより好ましい。染色浴の液温は、PVA系樹脂の溶解を抑制するため、20〜50℃程度であることが好ましい。また、浸漬時間は、PVA系樹脂層の透過率を確保する観点から、5秒〜5分程度であることが好ましく、30秒〜90秒程度であることがより好ましい。良好な光学特性を有する偏光膜を得る観点から、ヨウ素水溶液におけるヨウ素およびヨウ化物の含有量の比が、1:5〜1:20程度であることが好ましく、1:5〜1:10程度であることがより好ましい。
必要に応じて、前記染色処理工程の後、水中延伸処理工程の前に、架橋処理工程を施してもよい。前記架橋処理工程は、代表的には、ホウ酸水溶液にPVA系樹脂層を浸漬させることにより行う。架橋処理工程を施すことにより、PVA系樹脂層に耐水性を付与し、後の水中延伸で、高温の水中へ浸漬した際のPVAの配向低下を防止することができる。当該ホウ酸水溶液のホウ酸濃度は、水100重量部に対して、1〜5重量部程度であることが好ましい。また、架橋処理工程を行う場合、さらに、架橋浴には前記ヨウ化物を配合することが好ましい。前記ヨウ化物を配合することにより、PVA系樹脂層に吸着させたヨウ素の溶出を抑制することができる。前記ヨウ化物の配合量は、水100重量部に対して、1〜5重量部程度であることが好ましい。架橋浴(ホウ酸水溶液)の液温は、20〜50℃程度であることが好ましい。
前記水中延伸処理工程は、積層体を延伸浴に浸漬させて行う。水中延伸処理工程によれば、上記熱可塑性樹脂基材やPVA系樹脂層のガラス転移温度(代表的には、80℃程度)よりも低い温度で延伸でき、PVA系樹脂層を、その結晶化を抑えながら、高倍率に延伸することができる。前記水中延伸処理工程の延伸方法は、固定端延伸(たとえば、テンター延伸機を用いて延伸する方法)でもよいし、自由端延伸(たとえば、周速の異なるロール間に積層体を通して一軸延伸する方法)でもよいが、高い光学特性を得る観点から、自由端延伸が好ましい。
前記水中延伸処理工程は、ホウ酸水溶液中に積層体を浸漬させて行うこと(ホウ酸水中延伸)が好ましい。延伸浴としてホウ酸水溶液を用いることで、PVA系樹脂層に、延伸時にかかる張力に耐える剛性と、水に溶解しない耐水性とを付与することができる。ホウ酸水溶液のホウ酸濃度は、水100重量部に対して、1〜10重量部であることが好ましく、2.5〜6重量部であることがより好ましい。また、前記延伸浴(ホウ酸水溶液)には、ヨウ化物を配合してもよい。延伸浴の液温は、40〜85℃程度であることが好ましく、60℃〜75℃程度であることがより好ましい。積層体の延伸浴への浸漬時間は、15秒〜5分程度であることが好ましい。
前記水中延伸処理工程における延伸倍率は、1.5倍程度以上であることが好ましく、3倍程度以上であることがより好ましい。
なお、積層体の総延伸倍率は、積層体の元長に対して、5倍程度以上であることが好ましく、5.5倍程度以上であることがより好ましい。
前記水中延伸処理工程の後、洗浄処理工程を施すことが好ましい。前記洗浄処理工程は、代表的には、ヨウ化カリウム水溶液にPVA系樹脂層を浸漬させることにより行う。
さらに、前記染色処理工程、前記水中延伸処理工程、前記不溶化処理工程、前記架橋処理工程、および前記洗浄処理工程における各処理浴には、亜鉛塩、pH調整剤、pH緩衝剤、その他塩類のような添加剤を含有していてもよい。前記亜鉛塩としては、例えば、塩化亜鉛、ヨウ化亜鉛等のハロゲン化亜鉛;硫酸亜鉛、酢酸亜鉛等の無機亜鉛塩等が挙げられる。前記pH調整剤としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸等の強酸や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の強塩基が挙げられる。前記pH緩衝剤としては、例えば、酢酸、シュウ酸、クエン酸等のカルボン酸およびその塩や、リン酸、炭酸のような無機弱酸およびその塩が挙げられる。前記その他塩類としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化バリウム等の塩化物、硝酸ナトリウム、硝酸カリウムのような硝酸塩、硫酸ナトリウム、硫酸カリウムのような硫酸塩、およびアルカリ金属、アルカリ土類金属の塩等が挙げられる。
<液体中の成分が含侵した偏光膜を有する積層体を製造する工程(II−2)>
本発明の偏光膜(薄型の偏光膜)の製造方法は、上記で得られた水を含有する偏光膜を有する積層体に、偏光膜の水分率が20重量%以上である状態で、液体を塗布する工程を施して、液体中の成分が含侵した偏光膜を有する積層体を製造する工程(II−2)を含む。当該工程(II−2)では、上述した液体中の成分が含侵した偏光膜を製造する工程(I−2)をすべて適用することができる。ただし、前記液体は、偏光膜の面に塗布(塗工)する。
前記工程(II−2)において、液体に含まれる成分を含侵させ易く、偏光膜の厚み方向への浸透をよりさせやすくするという観点から、偏光膜の水分率が22重量%以上である状態であることが好ましく、偏光膜の水分率が25重量%以上である状態であることがより好ましく、そして、搬送時のシワを防止する観点から、偏光膜の水分率が70重量%以下である状態であることが好ましく、偏光膜の水分率が60重量%以下である状態であることがより好ましい。
前記工程(II−1)後から前記工程(II−2)開始までの時間(実機製造における偏光膜を有する積層体の搬送時間))は、水を含有する偏光膜中に含まれる水分を保持する観点、あるいは、生産性の観点から、温度が15℃〜35℃程度、好ましくは温度が20℃〜30℃程度で、300秒以下であることが好ましく、180秒以下であることがより好ましく、60秒以下であることがさらに好ましく、10秒以下であることがよりさらに好ましい。
<乾燥後の偏光膜を製造する工程(II−3)>
本発明の偏光膜(薄型の偏光膜)の製造方法は、上記で得られた液体中の成分が含侵した偏光膜を有する積層体に、乾燥処理工程を施して、乾燥後の偏光膜を製造する工程(II−3)を含む。
前記乾燥処理工程は、任意の適切な方法で行われ、例えば、自然乾燥、送風乾燥、加熱乾燥が挙げられる。また、前記乾燥処理工程は、ゾーン全体を加熱して行うゾーン加熱により行ってもよく、搬送ロールを加熱する(いわゆる加熱ロールを用いる)ことにより行ってもよい。加熱ロールを用いて乾燥させることにより、効率的に積層体の加熱カールを抑制して、外観に優れた偏光膜を製造することができ、また、積層体を平らな状態に維持しながら乾燥できるので、カールだけでなくシワの発生も抑制することができる。また、乾燥処理工程の際、幅方向に収縮させることにより、得られる偏光膜の光学特性を向上させることができる観点から、乾燥処理工程による積層体の幅方向の収縮率は、1〜10%程度であることが好ましく、2〜8%程度であることがより好ましい。
搬送ロールの加熱温度(加熱ロールの温度)、加熱ロールの数、加熱ロールとの接触時間等を調整することにより、乾燥条件を制御することができる。加熱ロールの温度は、60〜120℃程度であることが好ましく、65〜100℃程度であることがより好ましく、70〜80℃であることがさらに好ましい。熱可塑性樹脂の結晶化度を良好に増加させて、カールを良好に抑制することができる観点から、搬送ロールは、通常2個〜40個程度、好ましくは4個〜30個程度設けられる。積層体と加熱ロールとの接触時間(総接触時間)は、1〜300秒程度であることが好ましく、1〜20秒であることがより好ましく、1〜10秒であることがさらに好ましい。
加熱ロールは、加熱炉内に設けてもよいし、通常の製造ライン(室温環境下)に設けてもよい。好ましくは、送風手段を備える加熱炉内に設けられる。加熱ロールによる乾燥と熱風乾燥とを併用することにより、加熱ロール間での急峻な温度変化を抑制することができ、幅方向の収縮を容易に制御することができる。熱風乾燥の温度は、30〜100℃程度であることが好ましい。また、熱風乾燥時間は、1〜300秒程度であることが好ましい。
<偏光フィルムの製造方法>
本発明の偏光フィルムの製造方法は、前記偏光膜の製造方法で得られた偏光膜の少なくとも片面に、接着剤層を介して透明保護フィルムを貼り合わせる工程を含む。
前記透明保護フィルムは、特に制限されず、偏光フィルムに用いられている各種の透明保護フィルムを用いることができる。前記透明保護フィルムを構成する材料としては、例えば、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性等に優れる熱可塑性樹脂が用いられる。前記熱可塑性樹脂としては、例えば、トリアセチルセルロール等のセルロールエステル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ナイロンや芳香族ポリアミド等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、シクロ系ないしはノルボルネン構造を有する環状ポリオレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂)、ポリアリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、およびこれらの混合物があげられる。また、前記透明保護フィルムは、(メタ)アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化性樹脂または紫外線硬化型樹脂から形成される硬化層を用いることができる。これらの中でも、セルロールエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂が好適である。
前記透明保護フィルムの厚さは、適宜に決定しうるが、一般には強度や取扱性等の作業性、薄層性等の観点から、1〜500μm程度であることが好ましく、1〜300μm程度あることがより好ましく、5〜100μm程度であることがさらに好ましい。
前記透明保護フィルムを、前記偏光膜の両面に貼り合わせる場合、その両面の透明保護フィルムは、同じものであってもよく、異なっていてもよい。
前記透明保護フィルムは、正面位相差が40nm以上および/または、厚み方向位相差が80nm以上の位相差を有する位相差板を用いることができる。正面位相差は、通常、40〜200nmの範囲に、厚み方向位相差は、通常、80〜300nmの範囲に制御される。前記透明保護フィルムとして位相差板を用いる場合には、当該位相差板が透明保護フィルムとしても機能するため、薄型化を図ることができる。
前記位相差板としては、例えば、高分子素材を一軸または二軸延伸処理してなる複屈折性フィルム、液晶ポリマーの配向フィルム、液晶ポリマーの配向層をフィルムにて支持したもの等が挙げられる。位相差板の厚さは特に制限されないが、20〜150μm程度が一般的である。なお、位相差を有しない透明保護フィルムに前記位相板を貼り合わせて使用してもよい。
前記透明保護フィルムには、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、可塑剤、離型剤、着色防止剤、難燃剤、帯電防止剤、顔料、着色剤等の任意の適切な添加剤を含んでいてもよい。
前記透明保護フィルムの偏光膜を貼り合わせない面には、ハードコート層、反射防止層、スティッキング防止層、拡散層やアンチグレア層等の機能層を設けることができる。なお、上記ハードコート層、反射防止層、スティッキング防止層、拡散層やアンチグレア層等の機能層は、保護フィルムそのものに設けることができるほか、別途、保護フィルムとは別体のものとして設けることもできる。
前記偏光膜と前記透明保護フィルム、あるいは前記偏光膜と前記機能層は、通常、粘着剤層または接着剤層を介して貼り合わされる。
前記粘着剤層を形成する粘着剤としては、偏光フィルムに用いられている各種の粘着剤を適用でき、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、ポリビニルアルコール系粘着剤、ポリビニルポロリドン系粘着剤、ポリアクリルアミド系粘着剤、セルロース系粘着剤等が挙げられる。これらの中でも、アクリル系粘着剤が好適である。
粘着剤層を形成する方法としては、例えば、前記粘着剤を剥離処理したセパレータ等に塗布し、乾燥して粘着剤層を形成した後に、偏光膜等に転写する方法、または前記粘着剤を偏光膜等に塗布し、乾燥して粘着剤層を形成する方法等が例示できる。前記粘着剤層の厚さは、特に制限されず、例えば、1〜100μm程度であり、2〜50μm程度であることが好ましい。
前記接着剤層を形成する接着剤としては、偏光フィルムに用いられている各種の接着剤を適用でき、例えば、イソシアネート系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、ゼラチン系接着剤、ビニル系ラテックス系、水系ポリエステル等が挙げられる。これら接着剤は、通常、水溶液からなる接着剤として用いられ、0.5〜60重量%の固形分を含有してなる。
前記接着剤としては、上記の他、紫外線硬化型接着剤、電子線硬化型接着剤等の活性エネルギー線硬化型接着剤が挙げられる。前記活性エネルギー線硬化型接着剤としては、例えば、(メタ)アクリレート系接着剤が挙げられる。前記(メタ)アクリレート系接着剤における硬化性成分としては、例えば、(メタ)アクリロイル基を有する化合物、ビニル基を有する化合物が挙げられる。また、カチオン重合硬化型接着剤としてエポキシ基やオキセタニル基を有する化合物も使用することができる。エポキシ基を有する化合物は、分子内に少なくとも2個のエポキシ基を有するものであれば特に限定されず、一般に知られている各種の硬化性エポキシ化合物を用いることができる。
前記接着剤の塗布は、前記透明保護フィルム側(または前記機能層側)、前記偏光膜側のいずれに行ってもよく、両者に行ってもよい。貼り合わせ後には、乾燥工程を施し、塗布乾燥層からなる接着剤層を形成する。前記乾燥工程の後には、必要に応じ、紫外線や電子線を照射することができる。前記接着剤層の厚さは、特に制限されず、水系接着剤等を用いる場合には、30〜5000nm程度であることが好ましく、100〜1000nm程度であることがより好ましく、紫外線硬化型接着剤、電子線硬化型接着剤等を用いる場合には、0.1〜100μm程度であることが好ましく、0.5〜10μm程度であることがより好ましい。
前記透明保護フィルムと前記偏光膜、あるいは前記偏光膜と前記機能層は、表面改質処理層、易接着剤層、ブロック層、屈折率調整層等の介在層を介して積層されていてもよい。
前記表面改質層を形成する表面改質処理としては、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、プライマー処理、ケン化処理等が挙げられる。
前記易接着層を形成する易接着剤としては、例えば、ポリエステル骨格、ポリエーテル骨格、ポリカーボネート骨格、ポリウレタン骨格、シリコーン系、ポリアミド骨格、ポリイミド骨格、ポリビニルアルコール骨格等を有する各種樹脂を含む形成材が挙げられる。前記易接着層は、通常、保護フィルムに予め設けておき、当該保護フィルムの易接着層側と偏光膜とを、前記粘着剤層または前記接着剤層により積層する。
前記ブロック層は、透明保護フィルム等から溶出されるオリゴマーやイオン等の不純物が偏光膜中に移行(侵入)することを防止するため機能を有する層である。前記ブロック層は、透明性を有し、かつ透明保護フィルム等から溶出される不純物が防止できる層であればよく、ブロック層を形成する材としては、例えば、ウレタンプレポリマー系形成材、シアノアクリレート系形成材、エポキシ系形成材等が挙げられる。
前記屈折率調整層は、前記透明保護フィルムと偏光膜等屈折率の異なる層間での反射に伴う透過率の低下を抑制するために設けられる層である。前記屈折率調整層を形成する屈折率調整材としては、例えば、シリカ系、アクリル系、アクリル−スチレン系、メラミン系等を有する各種樹脂及び添加剤を含む形成剤が挙げられる。
前記偏光フィルムは、偏光度が99.98%以上であることが好ましく、偏光度が99.99%以上であることがより好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
<実施例1>
<偏光膜の製造>
<水を含有する偏光膜の製造(I−1)>
平均重合度が2,400、ケン化度が99.9モル%、厚みが45μmであるポリビニルアルコールフィルムを用意した。ポリビニルアルコールフィルムを、周速比の異なるロール間で、20℃の膨潤浴(水浴)中に30秒間浸漬して膨潤しながら搬送方向に2.2倍に延伸し(膨潤工程)、続いて、30℃の染色浴(ヨウ素濃度が0.03重量%、ヨウ化カリウム濃度が0.3重量%である水溶液)中で30秒間浸漬して染色しながら元のポリビニルアルコールフィルム(搬送方向に全く延伸していないポリビニルアルコールフィルム)を基準にして搬送方向に3.3倍に延伸した(染色工程)。次いで、染色したポリビニルアルコールフィルムを、40℃の架橋浴(ホウ酸濃度が3.0重量%、ヨウ化カリウム濃度が3.0重量%である水溶液)中で28秒間浸漬して元のポリビニルアルコールフィルムを基準にして搬送方向に3.6倍まで延伸した(架橋工程)。さらに、得られたポリビニルアルコールフィルムを、61℃の延伸浴(ホウ酸濃度が4.0重量%、ヨウ化カリウム濃度が5.0重量%である水溶液)中で60秒間浸漬して元のポリビニルアルコールフィルムを基準にして搬送方向に6.0倍まで延伸した(延伸工程)後、20℃の洗浄浴(ヨウ化カリウム濃度が2.0重量%である水溶液)中で5秒間浸漬(洗浄工程)して、水を含有する偏光膜を製造した。
<液体中の成分が含侵した偏光膜の製造(I−2)>
ワイヤーバー(第一理化学株式会社製、No.3)を用いて、上記で得られた水を含有する偏光膜に、液体A(下記化学式(9)で示される化合物10重量%水溶液)を塗布し、25℃、3秒間静置した後、表面に残存する液体Aを拭き取って、液体中の成分が含侵した偏光膜を製造した。ここで、以下の測定方法にて求めた、水を含有する偏光膜の水分率は33.0重量%であった。
Figure 2021051298
[偏光膜中の水分率(重量%)の測定方法]
偏光膜を約0.2g測り取り、120℃で2時間乾燥させ、乾燥後の重量を測定し、偏光膜中の水分率(W)を下記式に基づき算出した。
偏光膜の水分率 W(重量%)={(M―M)/M}×100
:測り取った偏光膜重量(g)
:120℃、2時間乾燥後の偏光膜重量(g)
<乾燥後の偏光膜の製造(I−3)>
上記で得られた液体中の成分が含侵した偏光膜を60℃、4分で乾燥し、乾燥後の偏光膜(以下、単に、偏光膜ともいう)を製造した。上記の測定方法にて求めた、乾燥後の偏光膜の水分率は11.3重量%であった。以下の測定方法にて求めた、偏光膜中の化学式(9)で示される化合物の含有量(M)は0.27重量%であり、単位面積当たりの化学式(9)で示される化合物の含有量(m)は5.8μg/cmであった。また、偏光膜の厚み(T)は18μmであった。
[偏光膜中の化学式(9)で示される化合物の含有量(重量%)の測定方法]
偏光膜約20mgを採取、定量し、水1mL中で加熱溶解させた後、メタノール4.5mLで希釈し、得られた抽出液をメンブレンフィルターでろ過し、ろ液をHPLC(Waters社製 ACQUITY UPLC H−class Bio)を用いて化学式(9)で示される化合物の濃度を測定した。
[偏光膜中の単位面積当たりの化学式(9)で示される化合物の含有量(μg/cm)の測定方法]
単位面積当たりの化学式(9)で示される化合物の含有量(m)を下記式に基づき算出した。
=1.2×T×M(μg/cm
T:偏光膜の厚み(μm)
:偏光膜中の化学式(9)で示される化合物の含有量(重量%)
<偏光フィルムの製造>
接着剤として、アセトアセチル基を含有するポリビニルアルコール樹脂(平均重合度が1,200、ケン化度が98.5モル%、アセトアセチル化度が5モル%)とメチロールメラミンとを重量比3:1で含有する水溶液を用いた。この接着剤を用いて、上記で得られた偏光膜の両面にハードコート層を有する厚み40μmのトリアセチルセルロースフィルム(透湿度が342g/(m・24h)、コニカミノルタ製、商品名「KC4UYW」)をロール貼合機で貼り合わせた後、引き続きオーブン内で加熱乾燥(温度が60℃、時間が4分間)させて、偏光膜の両面に透明保護フィルムが貼り合わせられた偏光フィルムを製造した。
[偏光度の測定方法]
偏光フィルムの偏光度は、分光光度計(日本分光製、製品名「V7100」)を用いて測定することができる。偏光度の具体的な測定方法としては、偏光膜の平行透過率(H0)及び直交透過率(H90)を測定し、式:偏光度(%)={(H0−H90)/(H0+H90)}1/2×100より求めることができる。平行透過率(H0)は、同じ偏光膜2枚を互いの吸収軸が平行となるように重ね合わせて作製した平行型積層偏光膜の透過率の値である。また、直交透過率(H90)は、同じ偏光膜2枚を互いの吸収軸が直交するように重ね合わせて作製した直交型積層偏光膜の透過率の値である。なお、これらの透過率は、JlS Z 8701−1982の2度視野(C光源)により、視感度補正を行ったY値である。
[加熱耐久性評価(A)]
上記で得られた偏光フィルムを、偏光膜の吸収軸が長辺と平行になるように5.0×4.5cmのサイズに切断し、偏光フィルムの画像表示セル側の保護フィルム面に、厚み20μmのアクリル系粘着剤層を介してガラス板(疑似画像表示セル)を貼り合わせ、50℃、0.5MPaで15分間オートクレーブ処理して、積層体を作製した。得られた積層体を、温度110℃の熱風オーブン内に静置し、着色までの時間を目視にて、以下の基準で判定した。
〇:500時間以上着色しなかった。
△:300時間以上500時間未満に着色した。
×:300時間未満に着色した。
<実施例2>
<偏光膜、および偏光フィルムの製造>
洗浄工程後の偏光膜を、25℃、30秒間静置して水を含有する偏光膜を得た後、液体Aを塗布したこと以外は、実施例1と同様の操作にて、偏光膜および偏光フィルムを製造し、上記の測定を行った。結果を表1に示す。
<実施例3>
<偏光膜、および偏光フィルムの製造>
洗浄工程後の偏光膜を、25℃、1分間静置して水を含有する偏光膜を得た後、液体Aを塗布したこと以外は、実施例1と同様の操作にて、偏光膜および偏光フィルムを製造し、上記の測定を行った。結果を表1に示す。
<比較例1>
<偏光膜、および偏光フィルムの製造>
洗浄工程後の偏光膜を、25℃、3分間静置して水を含有する偏光膜を得た後、液体Aを塗布したこと以外は、実施例1と同様の操作にて、偏光膜および偏光フィルムを製造し、上記の測定を行った。結果を表1に示す。
<比較例2>
<偏光膜、および偏光フィルムの製造>
洗浄工程後の偏光膜を、60℃、1分間乾燥した後、液体Aを塗布したこと以外は、実施例1と同様の操作にて、偏光膜および偏光フィルムを製造し、上記の測定を行った。結果を表1に示す。
<実施例4>
<偏光膜、および偏光フィルムの製造>
厚みが30μmであるポリビニルアルコールフィルムを用い、最終的に得られる偏光膜の単体透過率が同程度となるように染色浴のヨウ素濃度を調整したこと以外は、実施例1と同様の操作にて、偏光膜および偏光フィルムを製造し、上記および下記の測定を行った。結果を表2に示す。なお、偏光膜の厚み(T)は12μmであった。
[加熱耐久性評価(B)]
上記で得られた偏光フィルムを、偏光膜の吸収軸が長辺と平行になるように5.0×4.5cmのサイズに切断し、偏光フィルムの画像表示セル側の保護フィルム面に、厚み20μmのアクリル系粘着剤層を介してガラス板(疑似画像表示セル)を貼り合わせ、50℃、0.5MPaで15分間オートクレーブ処理して、積層体を作製した。得られた積層体を、温度105℃の熱風オーブン内に静置し、着色までの時間を目視にて、以下の基準で判定した。
〇:750時間以上着色しなかった。
△:750時間以上500時間未満に着色した。
×:500時間未満に着色した。
<比較例3>
<偏光膜、および偏光フィルムの製造>
洗浄工程後の偏光膜を、60℃、1分間乾燥した後、液体Aを塗布したこと以外は、実施例4と同様の操作にて、偏光膜および偏光フィルムを製造し、上記の測定を行った。結果を表2に示す。
<実施例5>
<偏光膜の製造>
<積層体の製造(準備)(II−0)>
熱可塑性樹脂基材として、長尺状で、吸水率0.75%、Tg約75℃である、非晶質のイソフタル共重合ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み:100μm)を用いた。樹脂基材の片面に、コロナ処理を施した。ポリビニルアルコール(重合度4200、ケン化度99.2モル%)およびアセトアセチル変性PVA(日本合成化学工業社製、商品名「ゴーセファイマーZ410」)を9:1で混合したPVA系樹脂100重量部に、ヨウ化カリウム13重量部を添加し、PVA水溶液(塗布液)を調製した。樹脂基材のコロナ処理面に、上記PVA水溶液を塗布して60℃で乾燥することにより、厚み13μmのPVA系樹脂層を形成し、積層体を製造(準備)した。
<水を含有する偏光膜を有する積層体を製造する工程(II−1)>
得られた積層体を、130℃のオーブン内で周速の異なるロール間で縦方向(長手方向)に2.4倍に自由端一軸延伸した(空中補助延伸処理工程)。次いで、積層体を、液温40℃の不溶化浴(水100重量部に対して、ホウ酸を4重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(不溶化処理工程)。次いで、液温30℃の染色浴(水100重量部に対して、ヨウ素とヨウ化カリウムを1:7の重量比で配合して得られたヨウ素水溶液)に、最終的に得られる偏光膜の単体透過率(Ts)が同程度となるように濃度を調整しながら60秒間浸漬させた(染色処理工程)。次いで、液温40℃の架橋浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを3重量部配合し、ホウ酸を5重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(架橋処理工程)。その後、積層体を、液温70℃のホウ酸水溶液(ホウ酸濃度4.0重量%)に浸漬させながら、周速の異なるロール間で縦方向(長手方向)に総延伸倍率が5.5倍となるように一軸延伸を行った(水中延伸処理工程)。その後、積層体を液温20℃の洗浄浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを4重量部配合して得られた水溶液)に浸漬させて、水を含有する偏光膜を有する積層体を製造した(洗浄処理工程)。
<液体中の成分が含侵した偏光膜を有する積層体の製造(II−2)>
ワイヤーバー(第一理化学株式会社製、No.3)を用いて、上記で得られた水を含有する偏光膜を有する積層体の偏光膜面に、液体A(化学式(9)で示される化合物10重量%水溶液)を塗布し、25℃、3秒間静置した後、表面に残存する液体Aを拭き取って、液体中の成分が含侵した偏光膜を有する積層体を製造した。ここで、上記の測定方法にて求めた、水を含有する偏光膜の水分率は35.5重量%であった。
<乾燥後の偏光膜の製造(II−3)>
95℃に保たれたオーブン中で10分間乾燥した(乾燥処理工程)。このようにして、樹脂基材上に厚み5μmの偏光膜を形成した。上記の測定方法にて求めた、乾燥後の偏光膜の水分率は9.9重量%であった。偏光膜中の化学式(9)で示される化合物の含有量(M)は0.41重量%であり、単位面積当たりの化学式(9)で示される化合物の含有量(m)は2.5μg/cmであった。
<偏光フィルムの製造>
接着剤として、アセトアセチル基を含有するポリビニルアルコール樹脂(平均重合度が1,200、ケン化度が98.5モル%、アセトアセチル化度が5モル%)とメチロールメラミンとを重量比3:1で含有する水溶液を用いた。この接着剤を用いて、上記で得られた偏光膜の樹脂基材と反対面にハードコート層を有する厚み40μmのトリアセチルセルロースフィルム(透湿度が342g/(m・24h)、コニカミノルタ製、商品名「KC4UYW」)をロール貼合機で貼り合わせた後、引き続きオーブン内で加熱乾燥(温度が60℃、時間が4分間)させて、偏光膜の片面に透明保護フィルムが貼り合わせられた偏光フィルムを製造した。次いで、樹脂基材を剥離し、剥離した面に上記接着剤を用いて、上記トリアセチルセルロースフィルムをロール貼合機で貼り合わせた後、引き続きオーブン内で加熱乾燥(温度が60℃、時間が4分間)させて、偏光膜の両面に透明保護フィルムが貼り合わせられた偏光フィルムを製造した。
[加熱耐久性評価(C)]
上記で得られた偏光フィルムを、偏光膜の吸収軸が長辺と平行になるように5.0×4.5cmのサイズに切断し、偏光フィルムの画像表示セル側の保護フィルム面に、厚み20μmのアクリル系粘着剤層を介してガラス板(疑似画像表示セル)を貼り合わせ、50℃、0.5MPaで15分間オートクレーブ処理して、積層体を作製した。得られた積層体を、温度95℃の熱風オーブン内に静置し、着色までの時間を目視にて、以下の基準で判定した。
〇:750時間以上着色しなかった。
△:750時間以上500時間未満に着色した。
×:500時間未満に着色した。
<比較例4>
<偏光膜、および偏光フィルムの製造>
洗浄処理工程後の偏光膜を、95℃、10分間乾燥した後、液体Aを塗布したこと以外は、実施例5と同様の操作にて、偏光膜および偏光フィルムを製造し、上記の測定を行った。結果を表3に示す。
<実施例6>
<偏光膜、および偏光フィルムの製造>
偏光膜の製造において、洗浄浴のヨウ化カリウム濃度が4.0重量%にしたこと、また、液体Aの代わりに、液体B(硫酸亜鉛7水和物10重量%およびオルフィンEXP.4200(日信化学工業株式会社製)0.2重量%を含む水溶液)を使用したこと以外は、実施例1と同様の操作にて、偏光膜および偏光フィルムを製造し、上記および下記の測定を行った。結果を表4に示す。
[偏光膜中の亜鉛の含有量(重量%)の測定]
偏光膜約25mgをテフロン(登録商標)容器に秤量し、酸を加え密栓後、マイクロ波を照射し、最高200℃で加圧酸分解を行った。完全分解後、超純水を加えて50mLに定容し、ICP−MS(Agilent Technologies製のAgilent8800)を用いて亜鉛濃度を測定した。分解装置にはCEM製のMARS5を使用した。
[加熱耐久性評価(D)]
上記で得られた偏光フィルムを、偏光膜の吸収軸が長辺と平行になるように5.0×4.5cmのサイズに切断し、偏光フィルムの画像表示セル側の保護フィルム面に、厚み20μmのアクリル系粘着剤層を介してガラス板(疑似画像表示セル)を貼り合わせ、50℃、0.5MPaで15分間オートクレーブ処理して、積層体を作製した。得られた積層体を、温度105℃の熱風オーブン内に500時間静置し、試験後の試料をクロスニコルに配置して波長700nmの直交透過率(%)を上記分光光度計(V7100)によりそれぞれ測定し、以下の基準で判定した。
〇:加熱赤変なし(105℃500時間の加熱試験前後の波長700nmでの直交透過率の差が1%未満である)。
×:加熱赤変あり(105℃500時間の加熱試験前後の波長700nmでの直交透過率の差が1%以上である)。
<比較例5>
<偏光膜、および偏光フィルムの製造>
洗浄工程後の偏光膜を、60℃、1分間乾燥した後、液体Bを塗布したこと以外は、実施例6と同様の操作にて、偏光膜および偏光フィルムを製造し、上記の測定を行った。結果を表4に示す。
Figure 2021051298
Figure 2021051298
Figure 2021051298
Figure 2021051298
上記の加熱耐久性試験は、偏光膜の膜厚による影響を受けるため、同程度の膜厚を有する偏光膜同士を比較すればよく、実施例の偏光膜の方が、比較例の偏光膜より、液体中の成分を十分に含有しているため、加熱耐久性に優れることが分かる。

Claims (8)

  1. 偏光膜の製造方法であって、
    ポリビニルアルコール系フィルムを長手方向に搬送しながら、前記ポリビニルアルコール系フィルムに、少なくとも、染色工程、架橋工程、および延伸工程を施して、水を含有する偏光膜を製造する工程(I−1)と、
    得られた水を含有する偏光膜に、偏光膜の水分率が20重量%以上である状態で、液体を塗布する工程を施して、液体中の成分が含侵した偏光膜を製造する工程(I−2)と、
    得られた液体中の成分が含侵した偏光膜に、乾燥工程を施して、乾燥後の偏光膜を製造する工程(I−3)を含むことを特徴とする偏光膜の製造方法。
  2. 偏光膜の製造方法であって、
    長尺状の熱可塑性樹脂基材の片側に、ポリビニルアルコール系樹脂を含むポリビニルアルコール系樹脂層を形成して積層体を準備する工程(II−0)と、
    得られた積層体を長手方向に搬送しながら、前記積層体に、少なくとも、空中補助延伸処理工程、染色処理工程、および水中延伸処理工程を施して、水を含有する偏光膜を有する積層体を製造する工程(II−1)と、
    得られた水を含有する偏光膜を有する積層体に、偏光膜の水分率が20重量%以上である状態で、液体を塗布する工程を施して、液体中の成分が含侵した偏光膜を有する積層体を製造する工程(II−2)と、
    得られた液体中の成分が含侵した偏光膜を有する積層体に、乾燥処理工程を施して、乾燥後の偏光膜を製造する工程(II−3)を含むことを特徴とする偏光膜の製造方法。
  3. 前記液体が溶液であり、前記液体中の成分が溶質であることを特徴とする請求項1または2記載の偏光膜の製造方法。
  4. 前記乾燥後の偏光膜は、水分率が20重量%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の偏光膜の製造方法。
  5. 前記液体中の成分は、水溶性の化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の偏光膜の製造方法。
  6. 前記液体中の成分は、ラジカル捕捉剤、架橋剤、可塑剤、および染料からなる群より選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の偏光膜の製造方法。
  7. 前記液体中の成分は、ラジカル捕捉剤であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の偏光膜の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の偏光膜の製造方法で得られた偏光膜の少なくとも片面に、接着剤層を介して透明保護フィルムを貼り合わせる工程を含むことを特徴とする偏光フィルムの製造方法。
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