JP2021050197A - イメージングプローブ、造影剤、生体内の蛍光を検出する方法、およびイメージングプローブの製造方法 - Google Patents

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公平 曽我
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Kyohei Okubo
喬平 大久保
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雅和 梅澤
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Abstract

【課題】本発明の一実施形態は、分散媒中での安定性および血中での滞留性に優れるイメージングプローブを提供することに関する。【解決手段】本発明の一実施態様であるイメージングプローブは、第一の部分を有するポリマーと、発する蛍光の少なくとも一部の波長が900〜1700nmの範囲にある蛍光色素とを含み、前記第一の部分が、式(1)で示される構造を有し、式中R1は、炭素数1〜4のアルカンジイル基である。【選択図】なし

Description

本発明は、イメージングプローブ、造影剤、生体内の蛍光を検出する方法、およびイメージングプローブの製造方法に関する。
蛍光イメージングは、顕微鏡による細胞、組織切片等の観察や、生体(in vivo)イメージング等に頻繁に用いられており、その簡便性や、放射性物質の取り扱いに関する規制を受けないなど、場所を選ばず使用可能であることから、臨床での利用も広がりつつある。特にin vivoで腫瘍を蛍光造影することができれば、例えば、がんの手術中に蛍光を発する部分を検出することで、腫瘍の場所を確認しながら切除範囲を決めることができるため、非常に有用である。
蛍光イメージングでは、体の深部の血管や組織・臓器等を明瞭に観察するため、可視光より生体透過性の高い波長700〜900nmの近赤外領域を利用することが注目されており、中でも波長800〜900nmの蛍光を発するインドシアニングリーンを用いた臨床応用が進められている。しかし、この波長領域では光の散乱が依然として大きいため、結果として観察される像に、haze(かすみ)が生じる。このため、生体組織の光損失を考慮すると、より明瞭に深部を観察するためには波長900〜1700nmの近赤外領域の光を利用することが望ましく、この波長領域で蛍光を発するプローブが切望されている。
波長900〜1700nmの近赤外領域で蛍光を発するプローブとして、半導体ナノ粒子やカーボンナノチューブ等の金属・無機ナノ物質が知られているが(特許文献1)、これらの物質を生体に用いた場合には、生体毒性が懸念される。そこで、波長900〜1700nmの近赤外領域で蛍光を発する蛍光色素(有機分子)を用いたプローブの開発が行われている(特許文献2)。
特開2014−178155号公報 米国特許出願公開第2015/0056142号明細書
しかしながら、本発明者が鋭意検討したところ、前記特許文献2に記載されているような従来のポリマーミセル状のプローブは、緩衝液や生理食塩水等の分散媒中での安定性および血中での滞留性に改良の余地があった。
本発明の一実施形態は、分散媒中での安定性および血中での滞留性に優れるイメージングプローブを提供する。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討した。その結果、以下の構成を有することにより前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の構成例は以下の通りである。
〔1〕 第一の部分を有するポリマーと、発する蛍光の少なくとも一部の波長が900〜1700nmの範囲にある蛍光色素とを含み、前記第一の部分が、式(1)で示される構造を有する、イメージングプローブ。
Figure 2021050197
〔式(1)中、R1は、炭素数1〜4のアルカンジイル基である。〕
〔2〕 前記第一の部分が式(2)で示される構造を有する、〔1〕に記載のイメージングプローブ。
Figure 2021050197
〔式(2)中、R1は独立に、炭素数1〜4のアルカンジイル基であり、nは2〜400の整数である。〕
〔3〕 前記第一の部分のヒルデブラント溶解度パラメータが19.8〜30.0MPa0.5である、〔1〕または〔2〕に記載のイメージングプローブ。
〔4〕 前記R1が炭素数2または3のアルカンジイル基である、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のイメージングプローブ。
〔5〕 第一の部分を有するポリマーと、発する蛍光の少なくとも一部の波長が900〜1700nmの範囲にある蛍光色素とを含み、前記第一の部分と前記蛍光色素との、ハンセン溶解度パラメータに基づく相対的エネルギー差が1.1以下である、イメージングプローブ。
〔6〕 前記ポリマーがさらに第二の部分を有し、該第二の部分と前記蛍光色素との、ハンセン溶解度パラメータに基づく相対的エネルギー差が1.1を超え、3.00以下である、〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載のイメージングプローブ。
〔7〕 前記ポリマーがさらに第二の部分を有し、該第二の部分がポリアルキレングリコール構造を有する、〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載のイメージングプローブ。
〔8〕 前記ポリアルキレングリコール構造におけるアルキレンの炭素数が2または3である、〔7〕に記載のイメージングプローブ。
〔9〕 前記蛍光色素がカチオン性化合物である、〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載のイメージングプローブ。
〔10〕 前記蛍光色素がポリメチン骨格を有する、〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載のイメージングプローブ。
〔11〕 体積平均粒径が1〜400nmである、〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載のイメージングプローブ。
〔12〕 前記イメージングが血管造影または腫瘍造影である、〔1〕〜〔11〕のいずれかに記載のイメージングプローブ。
〔13〕 〔1〕〜〔12〕のいずれかに記載のイメージングプローブを含む造影剤。
〔14〕 下記工程(A)、(B)および(C)を含む、生体内の蛍光を検出する方法。
工程(A):〔1〕〜〔12〕のいずれかに記載のイメージングプローブ、または、〔13〕に記載の造影剤を被検体に投与する工程
工程(B):前記工程(A)後のイメージングプローブを体内に含む被検体に、前記蛍光色素の励起光を照射する工程
工程(C):被検体から発せられる波長900〜1700nmの蛍光を検出する工程
〔15〕 下記工程(D)および(E)を含む、〔1〕〜〔12〕のいずれかに記載のイメージングプローブの製造方法。
工程(D):ポリマーと蛍光色素とを、水および有機溶媒を含む液に溶解または分散させる工程
工程(E):前記有機溶媒を蒸発させ、前記ポリマーおよび前記蛍光色素を含むイメージングプローブを水系媒体中で形成させる工程
本発明の一実施形態によれば、分散媒中での安定性(輝度を長期(例えば24時間)に亘り維持することができる)および血中での滞留性に優れるイメージングプローブを得ることができる。また、本発明の一実施形態では、従来のポリマーミセル状のプローブと比べ、同量の色素を用いた場合であっても、高輝度のプローブを得ることができ、しかもその輝度を長期に亘り維持することができる。さらに、本発明の一実施形態では、体液や生体組織内などでも蛍光を発することができ、血管や腫瘍の造影が可能なイメージングプローブも得ることができる。
図1は、実施例1で作成したプローブ1の蛍光スペクトルである。 図2は、実施例2で作成したプローブ2の蛍光スペクトルである。 図3は、実施例3で作成したプローブ3の蛍光スペクトルである。 図4は、実施例4で作成したプローブ4の蛍光スペクトルである。 図5は、実施例5で作成したプローブ5の蛍光スペクトルである。 図6は、実施例1で作成したプローブ1の吸収スペクトルである。 図7は、実施例2で作成したプローブ2の吸収スペクトルである。 図8は、実施例3で作成したプローブ3の吸収スペクトルである。 図9は、実施例4で作成したプローブ4の吸収スペクトルである。 図10は、実施例5で作成したプローブ5の吸収スペクトルである。 図11は、実施例1で得られたプローブ1の水分散液を用いたin vivoイメージングで観察されたマウスの写真である。該写真はマウスを横方向から撮影したものである。 図12は、実施例2で得られたプローブ2の水分散液を用いたin vivoイメージングで観察されたマウスの写真である。該写真はマウスを上方から撮影したものである。
以下、本発明に係る好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下に記載された実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形例も含むものとして理解されるべきである。なお、本明細書において、数値範囲を表す「A〜B」等の記載は、「A以上、B以下」と同義であり、AおよびBをその数値範囲内に含む。
≪イメージングプローブ≫
本発明の一実施形態に係るイメージングプローブ(以下「本プローブ」ともいう。)は、イメージング用プローブでもあり、第一の部分を有するポリマーと、発する蛍光の少なくとも一部の波長が900〜1700nmの範囲にある蛍光色素(以下この蛍光色素を「蛍光色素A」ともいう。)とを含み、下記要件(I)または(II)を満たす。なお、以下では、要件(I)を満たす本プローブを本プローブIともいい、要件(II)を満たす本プローブを本プローブIIともいう。
要件(I):前記第一の部分が、下記式(1)で示される構造を有する
要件(II):前記第一の部分と前記蛍光色素Aとの、ハンセン溶解度パラメータに基づく相対的エネルギー差が1.1以下である
本プローブは、その発する蛍光の少なくとも一部の波長が、900〜1700nmの範囲にあることが好ましく、生体透過性が高く、より明瞭に深部の血管や組織・臓器等を観察することができる等の点から、発する蛍光の波長の少なくとも一部は、好ましくは1000nm以上、より好ましくは1030nm以上、さらに好ましくは1060nm以上の範囲にあることが望ましく、好ましくは1700nm以下、より好ましくは1500nm以下、さらに好ましくは1200nm以下、さらに好ましくは1150nm以下の範囲にあることが望ましい。
また、生体透過性が高く、より明瞭に深部の血管や組織・臓器等を観察することができる等の点から、本プローブは、前記波長範囲に、発光する蛍光の極大(蛍光のピークトップ)があることが好ましい。
前記蛍光は実施例に記載の方法で測定することができる。
本プローブを生体(in vivo)イメージングに用いる場合、体内を透過する波長の光で励起する必要があり、通常、相対的に蛍光のピークとなる波長よりも短い波長の光で励起する。励起波長は、具体的には、好ましくは700nm以上、より好ましくは750nm以上、さらに好ましくは800nm以上であり、好ましくは1700nm未満、より好ましくは1500nm未満、さらに好ましくは1200nm未満である。
本プローブは、in vivoイメージングなどにそのまま使用できる等の点から、本プローブを水系媒体に溶解または分散させた液とすることが好ましい。この場合、前記ポリマーと蛍光色素Aとが一体となり、蛍光色素Aの流出を抑制できる等の点から、ミセル構造を有することが好ましい。該ミセル構造の確認は、公知の方法で行うことができ、例えば、動的光散乱法、静的光散乱法、小角X線散乱法が挙げられる。
前記ミセル構造は、前記ポリマーのうち、より疎水性の強い部分が内側を向き、より親水性の強い部分が外側を向くように配列した前記ポリマーが、蛍光色素Aを内包するような構造のミセル構造(ミセル粒子)であることが好ましい。
従来のポリマーミセル状のプローブは、分散媒中で輝度を長期に亘り維持することができず、血中での滞留性にも劣っていたが、本プローブは、ミセル構造を有していても、分散媒中での安定性および血中での滞留性に優れる。
なお、本明細書において、血中滞留性が高いことは、ある物質を血液内に投与した後、血中からその物質を長時間検出できる等の事実から確認でき、このように長時間検出できるのは、その物質が血中を長期間にわたり循環しているためであると推測される。生体適合性が低い物質は、肝臓や脾臓等の細網内皮系組織により異物と認識され、トラップされるため、血中を長期間循環することができず(血中滞留性が低く)、血管造影性が低下する。また、生体適合性が低い物質は、後述するEPR効果による腫瘍蓄積性も低下するため腫瘍造影性も低下する。
一般的に、体積平均粒径が400nmを超える粒子は、異物と認識されやすく、血中滞留性が低下する傾向にある。また、一次粒径が400nm以下であっても血中での安定性が低い粒子は凝集しやすく、このため、血中滞留性が低下する。
本プローブは、通常、分散媒中に分散させた分散液として好適に使用される。
該分散媒としては、例えば、下記水系媒体、緩衝液、生理食塩水が挙げられる。
該緩衝液としては特に制限されず、被検体に投与する際などに用いられる従来公知の緩衝液が挙げられ、具体的には、D−PBS(ダルベッコリン酸緩衝溶液)、HEPES緩衝液が挙げられる。
本プローブは、通常、粒子状であり、好ましくはミセル構造を有する(ミセル粒子である)。
このような粒子状の本プローブの大きさは特に制限されないが、その体積平均粒径は、好ましくは1nm以上、より好ましくは5nm以上、特に好ましくは10nm以上であり、好ましくは400nm以下、より好ましくは300nm以下、より好ましくは200nm以下、さらに好ましくは100nm以下、特に好ましくは80nm以下である。
体積平均粒径の測定方法は特に制限されず、例えば実施例に記載の方法で測定できる。
腫瘍組織では、正常組織に比べ血管の透過性が著しく高まっているため、血管から高分子や微粒子が腫瘍組織へ漏れ出しやすい。また、腫瘍組織では、組織から組織液を取り除く働きを持つリンパ系が発達しておらず、腫瘍組織に到達した物質は除かれることなく蓄積しやすい。このような特性をEPR効果(Enhanced Permeability and Retention:血管透過性・滞留性亢進)という。
本プローブの体積平均粒径が前記範囲にあると、EPR効果により本プローブは腫瘍組織に到達し、蓄積しやすいため、腫瘍イメージングに好適である。前記体積平均粒径が100nm以下であると、脾臓や肝臓等における本プローブの蓄積を低減できる。また、前記体積平均粒径が10nm以上であると、腎臓によるクリアランスを低減でき、体内における滞留時間を伸ばすことができるため、長期における体内イメージングを容易に行うことができる。
本プローブの用途は特に制限されず、様々なイメージングに用いることができ、特に、血管、生体組織、臓器、腫瘍などの病巣の造影に好適に使用される。本プローブは生体毒性が低いと考えられることから、前記イメージングは、好ましくはin vitroまたはin vivoでの細胞、組織、臓器、器官等の造影であり、本発明の効果がより発揮される等の点から、さらに好ましくは血管造影または腫瘍造影である。このような造影は、疾患の発見や進行過程、細胞活動や薬物の影響、病気の進行、治癒状態などの生体内プロセスの体外からのモニタリング、非侵襲的なイメージングに活用することができる。また、疾患研究、創薬、治験開発等に用いることもできる。なお、前記イメージングは、多重イメージングであってもよい。
<ポリマー>
前記ポリマーは、第一の部分を有する。
本プローブIで用いるポリマー(以下「ポリマーX」ともいう。)は、前記第一の部分が、下記式(1)で示される構造を有する。
本プローブIIで用いるポリマー(以下「ポリマーY」ともいう。)は、前記第一の部分が、該部分と蛍光色素Aとのハンセン溶解度パラメータに基づく相対的エネルギー差が1.1以下である部分を有する。
以下では、ポリマーXとポリマーYとを総合して、本ポリマーともいう。ポリマーXとポリマーYとは同一のポリマーであることが好ましい。
本プローブに含まれる本ポリマーは、2種以上であってもよいが、通常1種である。
本ポリマーは、前記第一の部分に加えて、第二の部分を有することが好ましい。
なお、前記第一の部分は、前記第二の部分より疎水性が強い部分である。
本ポリマーは、前記第一の部分および前記第二の部分のいずれか一方を主鎖に有し、他方を側鎖に有してもよいし、前記第一の部分および前記第二の部分の両方を主鎖または側鎖に有してもよい。高輝度のプローブを得ることができる等の点から、前記第一の部分および前記第二の部分の両方を主鎖に有することが好ましい。
本ポリマーはブロックコポリマーであることが好ましく、前記第一の部分および第二の部分における「部分」は、該ブロックコポリマーを構成するセグメント(ポリマー鎖)であることが好ましい。該セグメントとは、ブロックコポリマーを構成する、同じ単位の繰り返しから形成されるポリマー鎖のことをいう。
前記第一の部分および第二の部分はそれぞれ、1種のセグメントを有していてもよく、2種以上のセグメントを有していてもよい。
下記式(1)で示される構造のセグメント(ポリマー鎖)は、例えば、下記式(2)で表され、前記第一の部分は、下記式(2)で示される構造を有することが好ましい。
前記第二の部分は、ポリアルキレングリコール構造(アルキレングリコールを繰り返し単位とするセグメント(ポリマー鎖))を有することが好ましい。
本ポリマーは、前記第一の部分を1つ有していてもよく、2つ以上有していてもよい。また、本ポリマーは、前記第二の部分を1つ有していてもよく、2つ以上有していてもよい。本ポリマーが2つ以上の部分を有する場合、該部分は、同一の部分であってもよく、異なる部分であってもよい。
また、本ポリマーは、前記第一の部分および前記第二の部分以外に、その他の部分を有していてもよい。
本ポリマーとしては特に制限されず、例えば、第一の部分−第二の部分、第一の部分−第二の部分−第一の部分、第二の部分−第一の部分−第二の部分、第一の部分−第二の部分−その他の部分、第一の部分−その他の部分−第二の部分、その他の部分−第一の部分−第二の部分の順番で結合したポリマーが挙げられる。また、テトラブロック以上のポリマーであってもよい。これらの中では、蛍光色素Aを保持しやすく、製造が容易である等の点から、第一の部分−第二の部分、第二の部分−第一の部分−第二の部分、第一の部分−第二の部分−その他の部分の順番で結合したポリマーが好ましい。
本ポリマーの分子量は特に制限されないが、数平均分子量(Mn)は、好ましくは1,000以上、より好ましくは2,000以上、さらに好ましくは4,000以上であり、好ましくは100,000以下、より好ましくは50,000以下、さらに好ましくは25,000以下である。
Mnが前記範囲にあると、血中滞留性と、腫瘍への蓄積性が向上するため好ましい。
本発明におけるMnは、ゲル浸透クロマトグラフィーで測定することができる。
本ポリマーは、従来公知の方法で合成して得てもよく、市販品を用いてもよい。
[第一の部分]
前記ポリマーXの第一の部分は、前記要件(I)を満たし、前記要件(II)を満たすことが好ましい。
また、前記ポリマーYの第一の部分は、前記要件(II)を満たし、前記要件(I)を満たすことが好ましい。
つまり、前記ポリマーXおよびYの第一の部分は、同一の部分であることが好ましい。
なお、前記第一の部分は、下記第二の部分と結合する、下記その他の部分と結合する、または、末端構造と結合する。この場合の末端構造の好適例としては、下記ヒドロキシ酸由来の末端構造が挙げられる。
前記第一の部分は、ブロックコポリマーを構成するセグメント(ポリマー鎖)であることが好ましく、この場合、該第一の部分のMnは特に制限されないが、好ましくは800以上、より好ましくは1,500以上、さらに好ましくは2,500以上、さらに好ましくは3,500以上であり、好ましくは50,000以下、より好ましくは10,000以下、さらに好ましくは6,000以下である。
前記第一の部分のMnが前記範囲にあると、蛍光色素Aの保持性が高まり、分散媒中または生体内中で蛍光色素Aのプローブからの漏出を容易に抑制することができる。また、前記第一の部分のMnが前記範囲にあると、体内における安定性が高く、長期間輝度を維持できる。さらに、前記第一の部分のMnが前記範囲にあると、生体内において、細網内皮系によるプローブの捕捉を抑制できたり、プローブの血中滞留性の向上が見込めるため好ましい。
前記第一の部分は、疎水性であることが好ましい。該部分は、前記第二の部分よりも疎水性が強い部分であれば特に制限されないが、常温(25℃)、1気圧下において、純水100gに対して溶解する前記第一の部分(第一の部分からなるポリマー)の量が、1g未満であることが好ましい。
前記ポリマーXは、その第一の部分が、下記式(1)で示される構造を有することを特徴とし、前記ポリマーYは、その第一の部分が、下記式(1)で示される構造を有することが好ましい。
Figure 2021050197
前記式(1)中のR1は、炭素数1〜4のアルカンジイル基である。
前記第一の部分は、前記R1が炭素数2または3のアルカンジイル基である構造を有することが好ましく、前記R1が−CH(CH3)−である構造を有することがさらに好ましい。
前記第一の部分は、輝度が高く、しかもその輝度を長期に亘り維持することができるプローブを容易に得ることができる等の点から、前記式(1)で示される構造を2種以上有することが好ましい。この場合、前記R1が炭素数2または3のアルカンジイル基である構造と、前記R1が炭素数1のアルカンジイル基である構造とを有することが好ましく、前記R1が−CH(CH3)−である構造と、前記R1が−CH2−である構造とを有することが特に好ましい。
前記式(1)で示される構造は、生体毒性が低いポリマーを容易に得ることができる等の点から、前記R1を満たすようなヒドロキシ酸を用いて形成することが好ましく、この場合、例えば、グリコール酸、乳酸、2−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸およびγ−ヒドロキシ酪酸から選択される少なくとも一種の化合物を用いて形成することができる。
前記第一の部分中の式(1)で示される構造の位置や数は特に制限されない。前記第一の部分は、式(1)で示される構造を、式(1)で示される構造を繰り返し単位とするポリマー鎖に含んでもよいし、繰り返し単位としてではなく、ポリマー主鎖や側鎖の末端等のポリマーの構造の一部分として含んでもよい。
前記第一の部分が、式(1)で示される構造を、繰り返し単位としてではなく、ポリマー主鎖や側鎖の末端等のポリマーの構造の一部分として含む場合、式(1)で示される構造は、前記第一の部分中のいずれかの位置に少なくとも1つ含まれればよい。例えば、式(1)で示される構造を前記第一の部分の末端に1つ有する場合、該式(1)で示される構造が最も蛍光色素Aに近接すると考えられる。
前記第一の部分は、蛍光色素との相溶性が高く、高輝度のプローブを得ることができる等の点から、式(1)で示される構造を、式(1)で示される構造を繰り返し単位とするポリマー鎖に含むこと、つまり、前記第一の部分は、下記式(2)で示される構造を有することが好ましい。
また、前記第一の部分は、蛍光色素との相溶性が高く、高輝度のプローブを得ることができる等の点から、下記式(2)で示される構造のみからなることが好ましい。
Figure 2021050197
前記式(2)中のR1は独立に、炭素数1〜4のアルカンジイル基であり、nは2〜400の整数である。前記式(2)中のR1は、前記R1が炭素数2または3のアルカンジイル基である構造を有することが好ましく、前記R1が−CH(CH3)−である構造を有することがさらに好ましい。
前記第一の部分は、輝度が高く、しかもその輝度を長期に亘り維持することができるプローブを容易に得ることができる等の点から、前記式(2)で示される構造を2種以上有することが好ましい。この場合、前記R1が炭素数2または3のアルカンジイル基である構造と、前記R1が炭素数1のアルカンジイル基である構造とを有することが好ましく、前記R1が−CH(CH3)−である構造と、前記R1が−CH2−である構造とを有することが特に好ましい。
前記式(2)で示される構造は、生体毒性が低いポリマーを容易に得ることができる等の点から、前記R1を満たすようなヒドロキシ酸を用いて形成することが好ましく、この場合、例えば、グリコール酸、乳酸、2−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸およびγ−ヒドロキシ酪酸から選択される少なくとも一種の化合物を用いて形成することができる。
前記式(2)におけるn(前記第一の部分における式(1)で示される構造の繰り返し単位数)は、好ましくは3以上、より好ましくは6以上、さらに好ましくは12以上であり、好ましくは200以下、より好ましくは100以下である。
本ポリマー中の式(2)で示される構造の含有量は、本ポリマーの総重量に対して、好ましくは15〜90質量%、より好ましくは30〜80質量%、さらに好ましくは50〜75質量である。
前記第一の部分のヒルデブラント溶解度パラメータは、好ましくは19.8MPa0.5以上、より好ましくは20.0MPa0.5以上であり、好ましくは30.0MPa0.5以下、より好ましくは25.0MPa0.5以下である。
第一の部分のヒルデブラント溶解度パラメータが前記範囲にあると、蛍光色素A、特にカチオン性化合物である蛍光色素A、さらにはポリメチン骨格を有する蛍光色素Aとの親和性が高く、分散媒中における安定性に優れるプローブを容易に得ることができる。
ヒルデブラント溶解度パラメータ(δ)は、後述するハンセン溶解度パラメータのδD、δPおよびδHを用いて、以下の式より算出できる。
δ2=δD2+δP2+δH2
・ハンセン溶解度パラメータに基づく相対的エネルギー差
ハンセン溶解度パラメータ(Hansen solubility parameter, HSP)は、Charles M. Hansenが1967年に博士論文で発表した、物質の溶解性の予測に用いられる値である。HSPは「分子間の相互作用が似ている2つの物質は、互いに溶解しやすい」との考えに基づいており、以下の3つのパラメータ(単位:MPa0.5)で構成されている。
δD・・・分子間の分散力によるエネルギー
δP・・・分子間の双極子相互作用によるエネルギー
δH・・・分子間の水素結合によるエネルギー
これら3つのパラメータは、3次元空間(ハンセン空間)における座標とみなすことができる。2つの物質の該座標間の距離が近ければ近いほど互いに親和性が高く、溶解しやすいと考えられる。
ハンセン溶解度パラメータにおけるδD、δPおよびδHを算出する方法は特に制限されず、化学構造をソフトウェアに入力して算出してもよく、実験的に算出してもよいが、後述する実施例のように化学構造をソフトウェアに入力して算出することが好ましい。測定する対象がポリマー(鎖)である場合、該ポリマー(鎖)を構成するユニットの化学構造をソフトウェアに入力する。
ハンセン溶解度パラメータ算出に用いるソフトウェアとしては特に制限されないが、後述する実施例のようにHSP解析ソフト(Hansen Solubility Parameter in Practice(HSPiP)、4th Edition4.0.07)が好ましい。
前記第一の部分と蛍光色素Aとの、ハンセン溶解度パラメータに基づく相対的エネルギー差(RED)は、Rb/Raによって定義される。
bは、前記第一の部分のHSPと蛍光色素AのHSPとの距離であり、以下の式で算出できる。また、Raは、蛍光色素Aの相互作用半径である。
b={4(δDa−δDb2+(δPa−δPb2+(δHa−δHb21/2
前記δDa、δPaおよびδHaはそれぞれ、蛍光色素Aのハンセン溶解度パラメータにおけるδD、δPおよびδHを意味し、前記δDb、δPbおよびδHbはそれぞれ、前記第一の部分のハンセン溶解度パラメータにおけるδD、δPおよびδHを意味する。
蛍光色素AのHSP(δDa、δPaおよびδHa)ならびに相互作用半径Raは、蛍光色素Aの化学構造をソフトウェア[例:HSP解析ソフト(HSPiP、4th Edition4.0.07)]に入力して算出してもよいし、以下の方法により実験的に求めてもよい。
蛍光色素Aを種々の溶媒に添加し、それぞれの溶解度を評価する。各溶媒のHSPをハンセン空間にプロットすると、溶解度の高い溶媒は近い場所に集まり、ハンセンの溶解球を構成する。この球の中心を、蛍光色素AのHSP(δDa、δPa、δHa)とし、この球の半径を相互作用半径Raとする。
溶媒のHSPは、ソフトウェアを用いて算出してもよいし、ソフトウェアに内蔵された値を用いてもよく、文献値を用いてもよいが、後述する実施例で用いたHSP解析ソフト(HSPiP、4th Edition4.0.07)に内蔵された値を用いることが好ましい。
蛍光色素Aの溶媒への溶解度の評価方法は特に制限されないが、蛍光色素Aと溶媒とを混合した後の液における沈殿物の有無または沈殿物の量の大小で行ってもよい。沈殿物は目視で確認してもよいし、定量してもよいが、後述する実施例のように目視で確認することが好ましい。複数の濃度水準で蛍光色素Aと溶媒とを混合し、どの濃度まで溶解したかをスコア化し、溶解度の指標としてもよい。濃度水準は、蛍光色素Aの種類によって適宜決定すればよいが、3水準以上に設定することが好ましい。例えば、高濃度、中濃度、低濃度の3水準となるように蛍光色素Aと溶媒とを混合し、すべての濃度で不溶であったものを溶解性スコア0、低濃度でのみ溶解したものをスコア1、低濃度および中濃度で溶解したものをスコア2、すべての濃度で溶解したものをスコア3とし、スコア3の溶媒のみをハンセンの溶解球を構成するものとすることができる。
前記第一の部分と蛍光色素Aとの相対的エネルギー差を用いると、前記第一の部分と蛍光色素Aとが互いに高い親和性を有するかどうか(溶解しやすいかどうか)を、以下の方法により予測することができる。
蛍光色素Aは相互作用半径Raという値を有しており、蛍光色素AのHSPの座標を中心とした半径Raの球(ハンセンの溶解球)内に、前記第一の部分のHSPがあれば互いに親和性が高いと予測できる。そして、前記第一の部分と蛍光色素Aとの相対的エネルギー差が1.1以下であれば、前記第一の部分のHSPが半径Raの球の内側、表面上、または球の外側近傍にあるので、前記第一の部分と蛍光色素Aは互いに親和性が高いと予測できる。一方、相対的エネルギー差が1.1より大きい場合は、前記第一の部分のHSPが半径Raの球の外側の離れた位置にあるので、前記第一の部分と蛍光色素Aは親和性が低いと予測することができる。
前記第一の部分と、蛍光色素Aとの相対的エネルギー差は、好ましくは1.1以下、より好ましくは1.0以下、さらに好ましくは0.6以下であり、該差は、小さければ小さいほど好ましいが、通常0.1以上である。
該相対的エネルギー差が前記範囲にあると、前記第一の部分と、蛍光色素Aは互いに親和性が高いと考えられ、分散媒や血中において、本ポリマーの蛍光色素Aの保持性が向上し、分散媒中での安定性および血中での滞留性に優れるプローブを容易に得ることができる。また、本ポリマーが蛍光色素Aを取り込みやすくなることにより、高輝度で、しかもその輝度を長期に亘り維持することができるプローブを容易に得ることができると考えられる。
[第二の部分]
本プローブIは、そこに含まれる第一の部分の構造が重要であるため、また、本プローブIIは、そこに含まれる第一の部分と蛍光色素とのHSPの関係が重要であるため、前記本ポリマーの第二の部分は特に制限されない。
なお、前記第二の部分は、前記第一の部分と結合する、下記その他の部分と結合する、または、末端構造と結合する。この場合の末端構造の好適例としては、水酸基が挙げられる。
前記第二の部分は、親水性であることが好ましい。このような親水性の第二の部分は、前記第一の部分よりも親水性が強い部分であれば特に制限されないが、常温(25℃)、1気圧下において、純水100gに対して溶解する前記第二の部分(第二の部分からなるポリマー)の量が5g以上であることが好ましい。
前記第二の部分は、ポリアルキレングリコール構造(−(AO)m−[Aは独立に、好ましくは炭素数2または3のアルカンジイル基であり、mは、好ましくは下記Mnを満たす整数である。]で示される構造)を有することが好ましい。また、前記第二の部分は、得られるプローブの生体適合性を高め、血中滞留性を向上させる観点から、ポリアルキレングリコール構造のみからなることが好ましい。
前記第二の部分に含まれるポリアルキレングリコール構造は、1種単独であってもよく、2種以上であってもよい。
前記ポリアルキレングリコール構造におけるアルキレンの炭素数は、生体毒性、親水性、製造容易性等を考慮すると、好ましくは2または3、さらに好ましくは2である。すなわち、前記ポリアルキレングリコール構造としては、ポリエチレングリコール構造が好ましい。ポリエチレングリコール構造を有すると、生体内での細網内皮系による捕捉を抑えることができ、血中滞留性をより高めることができる。
前記第二の部分のMnは特に制限されないが、好ましくは500以上、さらに好ましくは1,000以上であり、好ましくは50,000以下、さらに好ましくは10,000以下である。
Mnが前記範囲にあると、生体内での細網内皮系による捕捉を抑えることができ、血中滞留性をより高めることができるため好ましい。
前記第一の部分のMnと第二の部分のMnとの比(第一の部分のMn/第二の部分のMn)は、好ましくは0.3以上、より好ましくは0.8以上、さらに好ましくは1.3以上であり、好ましくは5.0以下、より好ましくは4.0、さらに好ましくは3.0以下である。
該比が前記範囲にあると、分散媒や血中において、本ポリマーの蛍光色素Aの保持性が向上し、分散媒中または血中での蛍光色素のプローブからの漏出をより抑制することができる。また、生体内の細網内皮系によるプローブの捕捉を抑えることができ、血中滞留性に優れるプローブを容易に得ることができる。また、前記比を満たすポリマーは蛍光色素Aを取り込みやすくなるため、高輝度で、しかもその輝度を長期に亘り維持することができるプローブを容易に得ることができると考えられる。
本ポリマー中のアルキレングリコール構造の含有量は、本ポリマーの総重量に対して、好ましくは10〜85質量%、より好ましくは20〜70質量%、さらに好ましくは25〜50質量である。
前記第二の部分のヒルデブラント溶解度パラメータは、好ましくは5.0MPa0.5以上、より好ましくは10.0MPa0.5以上であり、好ましくは40MPa0.5以下、より好ましくは25MPa0.5以下である。
第二の部分のヒルデブラント溶解度パラメータが前記範囲にあると、該第二の部分を有するポリマーがミセル構造を有する場合に、蛍光色素Aを取り込みやすくなる。
第二の部分のヒルデブラント溶解度パラメータは、前記第一の部分と同様にして算出することができる。
前記第二の部分と蛍光色素Aとの相対的エネルギー差は、例えば1.1超、好ましくは1.11以上、さらに好ましくは1.12以上であり、好ましくは3.00以下、さらに好ましくは2.50以下である。
該相対的エネルギー差が前記範囲にあると、前記第二の部分と蛍光色素Aとは互いに親和性が低いと考えられ、これにより、蛍光色素Aはより前記第一の部分に近づきやすく、本ポリマーがミセル構造を有する場合に、蛍光色素Aを取り込みやすくなると考えられる。
該相対的エネルギー差は、前記第一の部分と蛍光色素Aとの相対的エネルギー差と同様にして算出することができる。
[その他の部分]
前記その他の部分としては特に制限されないが、例えば、抗原、抗体、タンパク質等のリガンドと結合可能な部分が挙げられる。該リガンドと結合可能な部分としては、例えば、アミノ基、アルデヒド基、カルボキシ基、トシル基、メルカプト基、ヒドロキシ基およびエポキシ基などからなる群より選ばれる少なくとも1つの官能基を有する部分、または、該官能基自体が挙げられる。
このようなその他の部分を有する本ポリマーの一例として、前記第二の部分に官能基を付与したポリマーが挙げられる。このようなポリマーを用いると、水性媒体中において、第一の部分を内側に、第二の部分を外側に向け、内部に蛍光色素Aを含むミセル構造を形成し、ミセル外側に位置する官能基を抗体等のリガンドと反応させることで、ミセル外側にリガンドを有するイメージングプローブを作製することができる。このようなプローブは、抗原抗体反応等により、特定の分子周辺に集積させることができるため、特定の分子をターゲットにした蛍光造影が可能になる。
また、前記その他の部分としては、前記第一の部分および前記第二の部分のいずれにも属さないポリマーブロック鎖も挙げられる。
前記その他の部分のMnは特に制限されないが、前記第一の部分のMnおよび前記第二の部分のMnよりも小さいことが好ましい。
<蛍光色素A>
蛍光色素Aは、発する蛍光の少なくとも一部の波長が900〜1700nmの範囲にある色素であれば特に制限されない。前記蛍光色素Aは、本プローブの発光波長が蛍光色素A自体の発光波長と同様の波長範囲となるような蛍光を発することができる蛍光色素であることが好ましい。
本プローブに用いられる蛍光色素Aは、2種以上であってもよいが、通常は1種である。
蛍光色素Aは、その発する蛍光の少なくとも一部の波長が900〜1700nmの範囲にあればよいが、生体透過性が高く、より明瞭に深部の血管や組織・臓器等を観察する場合に容易に用いることができる等の点から、その発する蛍光の波長の少なくとも一部は、好ましくは1000nm以上、より好ましくは1030nm以上、さらに好ましくは1060nm以上の範囲にあることが望ましく、好ましくは1700nm以下、より好ましくは1500nm以下、さらに好ましくは1200nm以下、さらに好ましくは1150nm以下の範囲にあることが望ましい。
また、生体透過性が高く、より明瞭に深部の血管や組織・臓器等を観察することができる等の点から、蛍光色素Aは、前記波長範囲に、発光する蛍光の極大(蛍光のピークトップ)があることが好ましい。
蛍光色素Aの発光する蛍光の波長は、(株)堀場製作所製のFluorolog−NIR等の近赤外蛍光分光度計等で測定することができる。
蛍光色素Aは、非水溶性の蛍光色素であることが好ましい。
ここで、非水溶性であるとは、常温(25℃)、1気圧下において、純水100gに対する蛍光色素の溶解度が1g未満であることをいう。
溶解度が前記範囲内にあると、蛍光色素Aの含有量が多い本プローブを容易に得ることができ、水系媒体中に本プローブを分散させても蛍光色素Aの浸出(脱落)が少なく、安定した高い蛍光強度を示すイメージングプローブ分散液を容易に得ることができる。
蛍光色素Aは、本ポリマー、特にポリマーXの第一の部分との結合力を高め、蛍光色素Aの水系媒体中への浸出(脱落)をより抑制できる等の点から、カチオン性化合物であることが好ましい。
このようなカチオン性化合物としては、例えば、チオピリリウムイオン、ベンゾ[cd]インドリウムカチオンなどを含む化合物が挙げられる。
蛍光色素Aとしては、高い蛍光強度を示す等の点から、ポリメチン骨格を有する化合物が好ましく、ポリメチン骨格の両末端に複素環を含む基を有する化合物がより好ましく、下記式(A)で表される化合物が特に好ましい。
Figure 2021050197
前記R4およびR5はそれぞれ独立して、複素環を含む炭素数1〜30の有機基である。該有機基としては、R4およびR5の結合する炭素原子に複素環が結合した基が好ましく、R4またはR5の一方の複素環を構成するヘテロ原子が正電荷を帯びていることが好ましい。複素環としては、チオピラン環、ベンゾ[cd]インドール環等が挙げられる。
前記R6は独立して、ハロゲン原子または炭素数1〜12の炭化水素基であり、好ましくはハロゲン原子または炭素数1〜6の炭化水素基である。
前記nは1〜4の整数であり、好ましくは1または2である。
蛍光色素Aとしては、4−[2−[2−クロロ−3−[(2,6−ジフェニル−4H−チオピラン−4−イリデン)エチリデン]−1−シクロヘキセン−1−イル]エテニル]−2,6−ジフェニルチオピリリウムテトラフルオロボレート(IR−1061、シグマアルドリッチ社製)、1−ブチル−2−[2−[3−[(1−ブチル−6−クロロベンゾ[cd]インドール−2(1H)−イリデン)エチリデン]−2−クロロ−1−シクロヘキセン−1−イル]エテニル]−6−クロロベンゾ[cd]インドリウムテトラフルオロボレート(IR−1048、シグマアルドリッチ社製)、4−[2−[3−[(2,6−ジフェニル−4H−チオピラン−4−イリデン)エチリデン]−2−フェニル−1−シクロヘキセン−1−イル]エテニル]−2,6−ジフェニルチオピリリウムテトラフルオロボレート(IR−1040、シグマアルドリッチ社製)、1−ブチル−2−[2−[3−[(1−ブチル−6−クロロベンゾ[cd]インドール−2(1H)−イリデン)エチリデン]−2−クロロ−5−メチル−1−シクロヘキセン−1−イル]エテニル]−6−クロロベンゾ[cd]インドリウムテトラフルオロボレート(IR−1050、シグマアルドリッチ社製)等が挙げられる。
本プローブ中に含まれる蛍光色素Aの含有量は、本ポリマー100質量部に対し、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.005質量部以上、さらに好ましくは0.01質量部以上であり、好ましくは3.0質量部以下、より好ましくは2.0質量部以下、さらに好ましくは1.0質量部以下である。
蛍光色素Aの含有量が多くなれば、本プローブの蛍光強度が増加する傾向にあるが、蛍光色素Aの含有量があまりに多くなると、消光現象によって、得られる本プローブの蛍光強度が飽和・低下する場合がある。このため、蛍光強度やコストなどを考慮すると、蛍光色素Aの含有量は前記範囲にあることが好ましい。
≪イメージングプローブの製造方法≫
本プローブの製造方法は特に制限されないが、下記工程(D)および(E)を含む方法が好ましい。
工程(D):本ポリマーと蛍光色素とを、水および有機溶媒を含む液に溶解または分散させる工程
工程(E):前記有機溶媒を蒸発させ、前記ポリマーおよび前記蛍光色素を含むイメージングプローブを水系媒体中で形成させる工程
<工程(D)>
工程(D)は、本ポリマーと蛍光色素Aとを、水と有機溶媒を含む液に溶解または分散させる工程である。
前記有機溶媒としては特に制限されないが、水より沸点が低い溶媒であることが好ましく、下記工程(E)の温度範囲程度の温度で蒸発するような溶媒であることがより好ましい。また、非極性、極性のいずれの有機溶媒であってもよいが、水と任意の割合で混和する極性溶媒が好ましい。
このような有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノールなどのアルコール類;テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、ジオキサンなどのエーテル類、アセトンなどのケトン類、アセトニトリルなどのニトリル類;ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンが挙げられ、用いる蛍光色素Aの種類等に応じて1種または2種以上が用いられる。これらの中でも、蛍光色素Aの溶解度が高いことから、ニトリル類が好ましく、アセトニトリルがさらに好ましい。
本ポリマーがミセル構造を形成し、該ミセル構造中に蛍光色素Aを容易に取り込むことができ、本ポリマーを容易に製造できる等の点から、前記工程(D)で用いる水の量は、有機溶媒1質量部に対し、好ましくは0.5〜20質量部、さらに好ましくは2〜10質量部である。
水と有機溶媒とを含む液中での本ポリマーの濃度は、水と有機溶媒との合計100質量部に対して、好ましくは0.001〜5質量部、より好ましくは0.01〜4質量部、さらに好ましくは0.1〜3質量部である。
溶解または分散させる際の蛍光色素Aの濃度は、水と有機溶媒との合計100質量部に対して、好ましくは0.00005〜0.5質量部、より好ましくは0.0001〜0.1質量部、さらに好ましくは0.00015〜0.05質量部である。
このような濃度で本ポリマーと蛍光色素Aとを用いることで、用いる蛍光色素Aのロスが少なく、輝度の高い本プローブを容易に得ることができる。
溶解または分散させる方法は特に制限されないが、スターラー等の公知の機器を用いて行うことができる。
工程(D)を行う温度は制限されず、室温で行ってもよいし、必要に応じて30〜50℃程度に加温してもよい。
<工程(E)>
工程(E)は、前記有機溶媒を蒸発させ、本プローブを水系媒体中で形成させる工程である。
工程(E)により、例えば、有機溶媒が蒸発して媒体が水系媒体になることで、本ポリマーの第一の部分が内側に向き、第二の部分が外側に向いたミセル構造が形成され、その内部に蛍光色素Aを含むミセルを形成でき、このミセルが水系媒体中に分散した分散液を得ることができる。
前記水系媒体としては、水および有機溶媒の合計100質量%に対する水の含有量が、好ましくは95質量%以上、より好ましくは99質量%以上である媒体が挙げられる。該水の含有量は100質量%であってもよい。
つまり、前記有機溶媒を蒸発させる際には、水および有機溶媒の合計100質量%に対する有機溶媒の含有量が、好ましくは5質量%以下、より好ましくは1質量%以下となるように有機溶媒を蒸発させることが望ましい。
工程(E)で形成される水系媒体中の本プローブの濃度(前記分散液中の本プローブの濃度)は、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.2〜7質量%である。
本プローブの濃度が前記範囲にある分散液は、生体(in vivo)イメージングなどの所望の用途にそのまま用いることができるため好ましい。
工程(E)の温度は特に制限されないが、好ましくは0〜50℃、より好ましくは10〜40℃、さらに好ましくは20〜30℃である。温度を前記範囲とすることで、効率よく有機溶媒を蒸発させることができる。
工程(E)にかける時間(有機溶媒を蒸発させる時間)は、用いる有機溶媒の種類などにより適宜決定すればよいが、好ましくは10分〜3日、より好ましくは1時間〜2日、さらに好ましくは10〜24時間である。
工程(E)は、攪拌しながら行うことが好ましく、この際には、スターラー等の公知の機器を用いることができる。
なお、工程(E)は、本プローブの分散媒を別の媒体に置換する工程を含んでもよい。このように置換する方法としては、遠心分離、透析、限外濾過等が挙げられる。これらの中でも、簡便かつ短時間で置換できる等の点で限外濾過が好ましい。
工程(E)では、基本的には、用いた蛍光色素Aのほぼ全てを含む本プローブを得ることができるように、用いる蛍光色素Aの量を調整してもよいが、工程(E)で得られた分散媒中の遊離の蛍光色素Aを、フィルターなどを用いて除去する工程を含んでもよい。
<造影剤>
本発明の一実施形態に係る造影剤は、前記本プローブを含む。造影剤とは、例えば、画像診断において、撮像する画像にコントラストをつけたり、特定の組織を強調するために被検体に投与される医薬用組成物を意味する。
前記造影剤中の本プローブの含有量は、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.2〜7質量%である。該造影剤に用いる本プローブは、1種単独であってもよく、2種以上であってもよい。
前記造影剤は、本プローブ以外に、水、アルコール、生理食塩水等の溶媒の他、マンニトール等の注射剤等に一般に用いられる成分、または造影剤に一般的に用いられている公知の成分を含んでいてもよい。また、前記工程(E)で得られた成分を、前記造影剤として用いてもよい。
≪生体内の蛍光を検出する方法≫
本発明の一実施形態に係る生体内の蛍光を検出する方法は、下記工程(A)、(B)および(C)を含む。
工程(A):本プローブまたは前記造影剤を被検体に投与する工程
工程(B):本プローブを体内に含む被検体に、前記蛍光色素Aの励起光を照射する工程
工程(C):被検体から発せられる波長900〜1700nmの蛍光を検出する工程
〈工程(A)〉
工程(A)における投与方法は、対象に応じて、任意の好適な手段を採用すればよい。例えば、(a)経口投与、(b)非経口投与が挙げられる。用いる本プローブのロスが少なく、効率良く蛍光を検出できることから、(b)非経口投与が好ましい。
(a)経口投与としては、本プローブの分散液を直接経口投与してもよいし、本プローブと、当該技術分野で周知の薬学的に許容し得る担体等とを含む混合物を投与してもよい。該混合物の剤形は特に限定されず、例えば、ピル、糖衣剤、カプセル、液剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、懸濁剤が挙げられる。
本プローブを経口投与する際には賦形剤を用いてもよい。好適に用いられる賦形剤としては特に限定されないが、例えば、ラクトース、スクロース、マンニトール、ソルビトール等の糖、トウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントガム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等のセルロース調製物、ポリビニルピロリドン(PVP)が挙げられる。
また、本プローブを経口投与する際には崩壊剤を用いてもよい。前記崩壊剤としては特に限定されないが、例えば、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、アルギン酸もしくはその塩(例:アルギン酸ナトリウム)が挙げられる。
前記カプセルとしては、ゼラチン製のプッシュフィットカプセルや、ゼラチンおよび可塑剤(例:グリセロールまたはソルビトール)で作製されたシールされたソフトカプセルであってもよい。
前記プッシュフィットカプセルは、充填剤(例:ラクトース)、結合剤(例:デンプン)、滑沢剤(例:タルク、ステアリン酸マグネシウム)、安定化剤等を含んでもよい。
前記ソフトカプセルにおいて本プローブは、好適な液体、例えば、脂肪油、流動パラフィン、液体ポリエチレングリコールなどに溶解または懸濁していてもよい。
経口投与する際の本プローブの使用量は、かかる投与に適した投薬量であることが好ましい。
(b)非経口投与としては、経口以外の投与、例えば、注射器、注入ポンプ、チューブ等を用いた投与、皮膚上投与、経粘膜投与、吸入投与、バッカル投与、直腸投与、膣内投与、尿道内投与、眼内投与、鼻腔内投与、点耳が挙げられる。用いる本プローブのロスが少なく、効率良く蛍光を検出できることから、注射器を用いた投与が好ましい。
注射器や注入ポンプ等を用いた投与としては、例えば、皮下注射、腹腔内注射、静脈内注射、筋肉内注射、皮内注射、眼窩内注射、テノン氏嚢内注射、脊髄内注射、胸骨内注射等(注入ポンプ送達を含む)が挙げられる。これらの投与の際には、必要により賦形剤等を用い、本プローブを懸濁液として用いればよい。好適な賦形剤としては特に限定されないが、例えば、水、食塩水、デキストロース、マンニトール、ラクトース、レシチン、アルブミン、グルタミン酸ナトリウム、塩酸システインが挙げられる。さらに、所望により、少量の無毒性補助物質、例えば、湿潤剤、緩衝液、吸収増強剤等を用いてもよい。
経粘膜投与の際には、透過すべき障壁に適した浸透剤を用いてもよい。
バッカル投与の際には、慣用の手法で製剤された、本プローブを含む、錠剤またはロゼンジ剤の形態をとってもよい。
吸入投与の際には、本プローブは、加圧パック(pressurized pack)またはネブライザーから、好適なプロペラント、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素または他の好適なガスとともに投与してもよい。
加圧エアゾールとして投与する場合、投薬量は、計量された量を放出するためのバルブを用いて制御してもよい。
吸入器やインサフレーター等を用いて投与する場合には、粉末基剤(例:ラクトース、デンプン等の粉末(混合物))を用いてもよい。
非経口投与では、本プローブを、直腸組成物、例えば、坐剤または保持浣腸等の形態としてもよい。この場合、例えば、慣用の坐剤基剤(例:ココアバター、他のグリセリド)を用いてもよい。
非経口投与は、局部・局所投与であってもよく、局部・局所投与としては、例えば、腎臓または心臓領域における直接注射やデポ移植が挙げられる。
<工程(B)>
励起光を被検体に照射する方法は特に限定されず、光源を用いて被検体の外側から照射してもよく、本プローブとは別に被検体に投与した発光物質を発光させることにより本プローブに照射してもよいが、励起光の強度を調整できる等の利点があることから、被検体の外側から照射することが好ましい。
被検体の外から励起光を照射するための、光源としては特に限定されず、種々のレーザー(例:イオンレーザー、色素レーザー:半導体レーザー)、ハロゲン光源、キセノン光源などの通常の励起光光源を用いてもよい。
励起光は、所望により、種々の光学フィルターを使用して最適な励起波長のみを照射してもよい。
励起光の波長としては、生体透過性が高く、深部を鮮明に観察できる点から、好ましくは700nm以上、より好ましくは750nm以上、さらに好ましくは800nm以上であり、好ましくは1700nm未満、より好ましくは1500nm未満、さらに好ましくは1200nm未満である。
<工程(C)>
工程(C)では、被検体から発せられる、具体的には、本プローブから発せられる波長900〜1700nmの範囲の蛍光を検出できればよく、その方法としては特に制限されない。この検出の際には、種々の光学フィルターを使用して、所望の波長の光のみを検出してもよい。
蛍光を検出するための検出器は特に限定されないが、例えば、CCDカメラを用いることができる。より具体的には、InGaAs−CCDカメラを用いることができる。また、光学CT装置、内視鏡、眼底カメラ等を使用してもよい。
検出した蛍光は、蛍光情報としてデータ処理し、このデータを元に記録可能な蛍光イメージを作成してもよい。
前記蛍光イメージは、具体的には、標的組織を含む広い領域に励起光を照射して、CCDカメラで蛍光を検出し、得られた蛍光情報をイメージ処理することにより作成してもよい。
前記蛍光を検出した後、生体内を観察する工程(D)を工程(C)の後に行ってもよい。前記観察は、肉眼で行ってもよいし、顕微鏡等の器具を用いてもよい。
工程(B)および工程(C)は専用装置で連続的に行ってもよい。このような装置としては特に限定されないが、(株)島津製作所製、SAI−1000を好適に使用できる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。なお、実施例において「部」とは、質量部を示す。
[実施例1]PLGA−PEGブロック共重合体(PLGA鎖のMn:4,500)を含むプローブの作製
20mLのスクリュー管に、水83.4部、アセトニトリル(富士フイルム和光純薬(株)製)14.7部、ポリ(乳酸−co−グリコール酸)−ポリ(エチレングリコールブロック共重合体(PLGA−PEGブロック共重合体、シグマアルドリッチ社製:品番764825、PLGA鎖のMn:4,500、PEG鎖のMn:2,000)0.209部を仕込み、ポリマーを溶解させた。次いで、0.1mg/mLのIR−1061(シグマアルドリッチ社製)のアセトニトリル溶液1.64部を投入した。その後、室温で18時間撹拌してアセトニトリルを自然蒸発させることで得られた分散液を、0.2μmのフィルター(メルクミリポア社製)に通した後、限外濾過(Amicon Ultra(メルクミリポア社製)、NMWL:10kDa)により分散媒を水に置換・濃縮することで、プローブ1の水分散液(濃度:6質量%)を得た。
なお、得られたプローブ1中に含まれるIR−1061の含有量は、ポリマー100質量部に対し、0.1質量部であった。
[実施例2]PLLA−PEGブロック共重合体を含むプローブの作製
PLGA−PEGブロック共重合体の代わりに、ポリ乳酸−ポリエチレングリコールブロック共重合体(PLLA−PEGブロック共重合体、日油(株)製:品番SUNBRIGHT ME−020LA050、PLLA鎖のMn:5,000、PEG鎖のMn:2,000)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、プローブ2の水分散液(濃度:6質量%)を得た。
[実施例3]PLGA−PEGブロック共重合体(PLGA鎖のMn:1,000)を含むプローブの作製
PLGA−PEGブロック共重合体(品番764825)の代わりに、PLGA−PEGブロック共重合体(Nanosoft Polymers社製:品番SKU2753、PLGA鎖のMn:1,000、PEG鎖のMn:2,000)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、プローブ3の水分散液(濃度:6質量%)を得た。
[実施例4]PLGA−PEGブロック共重合体(PLGA鎖のMn:2,000)を含むプローブの作製 PLGA−PEGブロック共重合体(品番764825)の代わりに、PLGA−PEGブロック共重合体(Nanosoft Polymers社製:品番SKU2753、PLGA鎖のMn:2,000、PEG鎖のMn:2,000)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、プローブ4の水分散液(濃度:6質量%)を得た。
[実施例5]PLGA−PEGブロック共重合体(PLGA鎖のMn:5,000)を含むプローブの作製 PLGA−PEGブロック共重合体(品番764825)の代わりに、PLGA−PEGブロック共重合体(Nanosoft Polymers社製:品番SKU2753、PLGA鎖のMn:5,000、PEG鎖のMn:5,000)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、プローブ5の水分散液(濃度:6質量%)を得た。
[比較例1]
PLGA−PEGブロック共重合体(品番764825)の代わりに、ポリスチレン−ポリエチレングリコールブロック共重合体(PSt−PEGブロック共重合体、Polymer Source社製:商品名PEG−b−PSt、PSt鎖のMn:1,600、PEG鎖のMn:5,000)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、プローブ6の水分散液(濃度:6質量%)を得た。
[比較例2]
PLGA−PEGブロック共重合体(品番764825)の代わりに、ポリカプロラクトン−ポリエチレングリコールブロック共重合体(PCL−PEGブロック共重合体、Polymer Source社製:商品名PEG−b−PCL、PCL鎖のMn:5,000、PEG鎖のMn:5,000)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、プローブ7の水分散液(濃度:6質量%)を得た。
[比較例3]
PLGA−PEGブロック共重合体(品番764825)の代わりに、N−(メチルポリオキシエチレン オキシカルボニル)−1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(Nof America社製:商品名Sunbright DSPE−020CN、PEG鎖のMn:2,000)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、プローブ8の水分散液(濃度:6質量%)を得た。
[体積平均粒径測定]
実施例1〜5および比較例2で得られたプローブを水で0.3質量%に希釈し、該希釈液中に含まれるプローブの体積平均粒径を(株)堀場製作所製の散乱式粒子径分布測定装置(LB−550、粒子屈折率:1.45、分散媒屈折率:1.333、25℃)を用いて測定した。結果を表1に示す。
[蛍光スペクトル測定]
実施例および比較例で得られたプローブを水で0.3質量%に希釈し、該希釈液2mLを入れた石英セルを、Fluorolog−3((株)堀場製作所製)に設置後、450Wキセノンランプを用い、波長980nmの励起光を照射し、検出器DSS−IGA20Lを用いて、波長1000〜1500nmにおける各プローブの蛍光スペクトルを測定した。実施例および比較例で得られたプローブが発する蛍光の極大波長はいずれも1100nm付近にあった。なお、プローブ1〜5の蛍光スペクトルを図1〜5に示す。
[吸収スペクトル測定]
実施例で得られたプローブを水で0.3質量%に希釈し、該希釈液2mLを入れた石英セルを、UV−VIS−NIR spectrophotometer V−770(日本分光(株)製)に設置後、各プローブの吸収スペクトルを測定した。プローブ1〜5の吸収スペクトルを図6〜10に示す。
[輝度測定]
実施例1〜5および比較例2で得られたプローブの水分散液100μLと、D−PBS(ダルベッコリン酸緩衝溶液)1.9mLとを混合し、混合直後(初期)、混合してから37℃で1日(24時間)インキュベーションした後、および、混合してから37℃で4日(96時間)インキュベーションした後に、前記[蛍光スペクトル測定]の項目に記載の方法で蛍光スペクトルを測定し、発光波長1106nmにおける蛍光強度(輝度)をそれぞれ求めた。それぞれ、初期輝度、1日後の輝度および4日後の輝度という。「1日後の輝度/初期輝度×100」[%]に基づいて、輝度の維持率(1日後)を算出し、「4日後の輝度/初期輝度×100」[%]に基づいて、輝度の維持率(4日後)を算出した。結果を表1に示す。
また、D−PBSの代わりに4%BSA(ウシ血清アルブミン)/D−PBSを用いた以外は同様にして測定した輝度の結果も表1に示す。
Figure 2021050197
初期輝度が高いほど高輝度プローブであることを示しており、輝度の維持率が高いほど体内に投与できる緩衝液中での安定性が高いことを示している。実施例1〜5のプローブは、長期間蛍光を維持でき、安定性が高いことがわかった。また、体内の環境を模した4%BSA/D−PBS中においても、実施例1〜5のプローブは、比較例2のプローブに比べて長期間蛍光を維持でき、安定性が高いことがわかった。
輝度の維持率が高いプローブは、体内における安定性も高く、体内においても長期間輝度を維持できると考えられる。
[ポリマーの第一の部分のHSPの算出]
実施例および比較例で用いたポリマーの下記表2に記載の部分(実施例1および2については、この部分が第一の部分である)の化学構造(該部分がポリマー鎖である場合、そのポリマー鎖を構成するユニット)をHSP解析ソフト(HSPiP、4th Edition4.0.07)に導入し、下記表2に記載の部分のHSPを算出した。得られたδDb、δPb、δHbからヒルデブラント溶解度パラメータδを算出した。結果を表2に示す。なお、表2中の、δDb、δPb、δHbおよびδの単位はMPa0.5である。
Figure 2021050197
なお、実施例および比較例で用いたポリマーの第二の部分(PEG鎖)のヒルデブラント溶解度パラメータは、18.5程度である。
[蛍光色素のハンセン溶解度パラメータ(HSP)の算出]
10mLのスクリュー管に、10mgの蛍光色素(IR−1061)を量り取り、そこに5mLの有機溶剤を入れて、ボルテックスミキサーで30秒間分散させた。シャープ(株)製の卓上型超音波処理機UT−206を用い、周波数37kHz、出力100%の条件で、前記分散後の液を30秒間間接超音波処理し、2mg/mLのIR−1061溶液または分散液を調製した。この溶液または分散液2mLを、2mLのエッペンドルフチューブに移し、卓上型遠心機(ビーエム機器(株)製、Force Mini)で30秒間遠心分離を行った後、目視で沈殿物の有無を確認した。沈殿物がなく完全に溶解していたものを「AA(溶解)」、沈殿物があったものを「BB(不溶)」と判断した。
以上の沈殿物の有無の確認を、下記表3に記載の30種類の有機溶剤を用い、それぞれ3つの蛍光色素濃度(2mg/mL、0.2mg/mL、0.04mg/mL)の溶液または分散液に対して行った。
いずれの濃度でも「BB」であったものを溶解性スコア0とし、0.04mg/mLの濃度でのみ「AA」であったものを溶解性スコア1とし、0.04mg/mLおよび0.2mg/mLの濃度で「AA」であったものを溶解性スコア2とし、全ての濃度で「AA」であったものを溶解性スコア3とした。結果を表3に示す。
Figure 2021050197
次に、溶解性スコア3の溶剤がハンセンの溶解球の内側に位置するように、HSP解析ソフト(HSPiP、4th Edition4.0.07)を用いて解析を行ったところ、IR−1061のHSPは、δDa=18.8MPa0.5、δPa=12.3MPa0.5、δHa=5.7MPa0.5、半径Ra=6.4と算出された。なお、溶剤のHSPはHSP解析ソフト(HSPiP、4th Edition4.0.07)に内蔵された数値を使用した。
[ポリマーの前記表2に記載の部分と蛍光色素とのハンセン溶解度パラメータに基づく相対的エネルギー差の算出]
ポリマーの前記表2に記載の部分のHSPと蛍光色素(IR−1061)のHSPとの間の距離Rbは、以下の式で算出した。
b={4(δDa−δDb2+(δPa−δPb2+(δHa−δHb21/2
ポリマーの前記表2に記載の部分と蛍光色素とのハンセン溶解度パラメータに基づく相対的エネルギー差は、Rb/Raにより算出した。結果を表4に示す。
表4より、実施例1〜5で用いたポリマーの前記表2に記載の部分(ポリマーの第一の部分)と蛍光色素とのハンセン溶解度パラメータに基づく相対的エネルギー差は1.1以下であり、比較例1〜3で用いたポリマーの前記表2に記載の部分と蛍光色素とのハンセン溶解度パラメータに基づく相対的エネルギー差は1.1より大きかった。したがって、実施例1〜5で用いたポリマーの第一の部分と蛍光色素とは、互いに親和性が高いと考えられる。このため、実施例1〜5で製造したプローブ1〜5は、蛍光色素と親和性の高いポリマーの第一の部分が内側を向き、第二の部分が外側を向くように配列し、蛍光色素を内包しているような構造のミセル構造(ミセル粒子)であると推測される。
一方、比較例1〜3で用いたポリマーの前記表2に記載の部分と蛍光色素とは、互いに親和性が低いと考えられる。
なお、実施例および比較例で用いたポリマーの第二の部分(PEG鎖)と蛍光色素Aとの相対的エネルギー差は、1.12であった。
[血管造影]
実施例および比較例で得られたプローブの水分散液1mLと、10×D−PBS(富士フイルム和光純薬(株)製)0.12mLと、水0.08mLとを混合し、プローブのD−PBS分散液(濃度:5質量%)を得た。得られた分散液を、マウスの尾静脈に100μL注射投与し、投与4時間後に、(株)島津製作所製のSAI−1000(Filter:1050nm long pass filter、光照射強度:5W、露光時間:500msec)を用いて、in vivoイメージングを行った。この際に、血管が非常に良く観察された場合をAAA、血管が良く観察された場合をAA、血管が観察された場合をA、血管が観察されなかった場合をBと評価した。結果を表4に示す。
Figure 2021050197
[腫瘍造影]
実施例1〜5で得られたプローブの水分散液1mLと、10×D−PBS(富士フイルム和光純薬(株)製)0.12mLと、水0.08mLとを混合し、プローブのD−PBS分散液(濃度:5質量%)を得た。4週齢の雌性BALB/Cマウス(日本エスエルシー(株)製)の背部における任意の部位の皮下に、マウス由来結腸がん細胞(colon−26)を1.2×106cell/mouseで注射投与し、14日間がん細胞を定着させた担癌マウスを作製した。担癌マウスの尾静脈に、得られた分散液を注射投与し、投与直後および投与24時間後に、(株)島津製作所製のSAI−1000(Filter:1050nm long pass filter、光照射強度:3W(投与直後)、8W(投与24時間後)、露光時間:500msec)を用いてin vivoイメージングを行った。
実施例1〜5で得られたプローブ1〜5の結果を代表して、実施例1で得られたプローブ1の水分散液を用いた結果を図11に、実施例2で得られたプローブ2の水分散液を用いた結果を図12に示す。
図11の上2枚(近赤外画像)は、近赤外領域での蛍光イメージングを行った写真であり、図11の下2枚(可視画像)は可視光下での写真である。投与直後には背部の血管に蛍光が検出された。投与24時間後には腫瘍(Tumor)および肝臓(Liver)付近のみに蛍光が検出され、腫瘍および肝臓にプローブ1が蓄積されていることが確認された。
図12の上2枚(近赤外画像)は、近赤外領域での蛍光イメージングを行った写真であり、図12の下2枚(可視画像)は可視光下での写真である。投与直後には背部の血管に蛍光が検出された。投与24時間後には腫瘍(Tumor)および肝臓(Liver)付近のみに蛍光が検出され、腫瘍および肝臓にプローブ2が蓄積されていることが確認された。
また、実施例3〜5で得られたプローブ3〜5でも同様の結果が得られた。
実施例で得られたプロ−ブは、血管造影が可能なだけでなく、腫瘍造影も可能であることがわかった。

Claims (15)

  1. 第一の部分を有するポリマーと、
    発する蛍光の少なくとも一部の波長が900〜1700nmの範囲にある蛍光色素とを含み、
    前記第一の部分が、式(1)で示される構造を有する、イメージングプローブ。
    Figure 2021050197
    〔式(1)中、R1は、炭素数1〜4のアルカンジイル基である。〕
  2. 前記第一の部分が式(2)で示される構造を有する、請求項1に記載のイメージングプローブ。
    Figure 2021050197
    〔式(2)中、R1は独立に、炭素数1〜4のアルカンジイル基であり、nは2〜400の整数である。〕
  3. 前記第一の部分のヒルデブラント溶解度パラメータが19.8〜30.0MPa0.5である、請求項1または2に記載のイメージングプローブ。
  4. 前記R1が炭素数2または3のアルカンジイル基である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のイメージングプローブ。
  5. 第一の部分を有するポリマーと、
    発する蛍光の少なくとも一部の波長が900〜1700nmの範囲にある蛍光色素とを含み、
    前記第一の部分と前記蛍光色素との、ハンセン溶解度パラメータに基づく相対的エネルギー差が1.1以下である、イメージングプローブ。
  6. 前記ポリマーがさらに第二の部分を有し、該第二の部分と前記蛍光色素との、ハンセン溶解度パラメータに基づく相対的エネルギー差が1.1を超え、3.00以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のイメージングプローブ。
  7. 前記ポリマーがさらに第二の部分を有し、該第二の部分がポリアルキレングリコール構造を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載のイメージングプローブ。
  8. 前記ポリアルキレングリコール構造におけるアルキレンの炭素数が2または3である、請求項7に記載のイメージングプローブ。
  9. 前記蛍光色素がカチオン性化合物である、請求項1〜8のいずれか1項に記載のイメージングプローブ。
  10. 前記蛍光色素がポリメチン骨格を有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載のイメージングプローブ。
  11. 体積平均粒径が1〜400nmである、請求項1〜10のいずれか1項に記載のイメージングプローブ。
  12. 前記イメージングが血管造影または腫瘍造影である、請求項1〜11のいずれか1項に記載のイメージングプローブ。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載のイメージングプローブを含む造影剤。
  14. 下記工程(A)、(B)および(C)を含む、生体内の蛍光を検出する方法。
    工程(A):請求項1〜12のいずれか1項に記載のイメージングプローブ、または、請求項13に記載の造影剤を被検体に投与する工程
    工程(B):前記工程(A)後のイメージングプローブを体内に含む被検体に、前記蛍光色素の励起光を照射する工程
    工程(C):被検体から発せられる波長900〜1700nmの蛍光を検出する工程
  15. 下記工程(D)および(E)を含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載のイメージングプローブの製造方法。
    工程(D):ポリマーと蛍光色素とを、水および有機溶媒を含む液に溶解または分散させる工程
    工程(E):前記有機溶媒を蒸発させ、前記ポリマーおよび前記蛍光色素を含むイメージングプローブを水系媒体中で形成させる工程
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