JP2021046822A - タービン、および、その製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】静翼の冷却を的確に行うことが容易に実現可能なタービン等を提供する。【解決手段】実施形態のタービンは、タービンロータ20とタービン車室とタービン段落40とを備える。タービン車室は、外部車室が内部車室を介してタービンロータ20を収容している。タービン段落40は、複数の静翼41が内部車室の内部に配置された静翼翼列、および、内部車室の内部において複数の動翼42がタービンロータ20に配置された動翼翼列を含む。タービンは、CO2を含む作動媒体が内部車室の内部に導入されることによってタービンロータ20が回転する共に、CO2を含む冷却媒体CFが静翼41に導入されて冷却されるように構成されている。内部車室は、冷却媒体CFが流れる冷却孔H31が形成されていると共に、冷却孔H31には、冷却媒体CFの流量を調整する流量調整機構50が設けられている。【選択図】図3
Description
本発明の実施形態は、タービン、および、その製造方法に関する。
超臨界CO2セミクローズサイクルの火力発電システムは、燃焼器、タービン、排熱回収熱交換器、冷却熱交換器、および、圧縮機を備え、超臨界状態のCO2が作動媒体として主に用いられる。
具体的には、本サイクルでは、燃焼器において作動媒体が加熱された後に、タービンに導かれる。そして、タービンにおいて作動媒体が膨張し仕事を行うことによりタービンロータを回転させることで、発電機を駆動させる。タービンから排出された作動媒体は、排熱回収熱交換器へ導かれ、燃焼器へ導入する作動媒体との間において熱交換が行われた後に、冷却熱交換器へ導かれる。冷却熱交換器へ導かれた作動媒体は、冷却水との間で熱交換が行われて冷却された後に、圧縮機へ導かれる。圧縮機へ導かれた作動媒体は、加圧された後に、排熱回収熱交換器へ導かれ、上述したように、タービンから排出された作動媒体との間で熱交換が行なわれた後に、燃焼器へ導入される。本サイクルでは、臨界点状態下で圧縮することによって、圧縮動力を削減し、高効率を実現可能である。
本サイクルにおいて、燃焼器は、純酸素を用いて燃料を燃焼させることによって加熱を行う。そして、燃焼によって生じた水蒸気を冷却熱交換器で冷却して液体にすることで分離し回収する。このため、本サイクルでは、CO2が循環する。この一方で、燃焼によって生じたCO2は、圧縮機で圧縮された後、パイプラインやECR等に回収されて貯蔵される。したがって、本サイクルでは、CO2を大気に放出せずに、分離して貯蔵することが可能である。
本サイクルにおいて、高効率化を実現するためには、燃焼温度および圧力のそれぞれについて、高温化および高圧化のそれぞれが必要である。このため、タービンを構成するタービン車室は、高圧条件に対応するために、二重車室構造が採用されている。また、高効率化のために、タービンは、複数のタービン段落を備える多段式が採用されている。さらに、タービン車室、および、タービン内部部品(動翼、静翼、タービンロータ等など)を冷却するために、冷却媒体が必要である。
一般的な冷却が行われるガスタービン設備では、タービンと圧縮機とが一体で構成されている。そして、圧縮機の各段落から抽気した冷却空気を冷却媒体としてタービンの各タービン段落に供給することによって冷却が行われている。冷却空気は、タービン車室の内部および外部に設けられた経路を介して、各タービン段落に供給される。特に、後方側に位置するタービン段落を構成する静翼を冷却する場合は、圧縮機およびタービン車室に設けた開口部に配管等を接続することによって冷却が行われる。
この一方で、上述した超臨界CO2セミクローズサイクルの火力発電システムでは、タービンと圧縮機とが一体でなく、別体で構成されている。そして、タービンを構成するタービン車室は、高圧条件に対応するために、肉厚が厚い二重車室構造が採用されている。このため、二重車室構造のタービン車室を貫通するように複数のタービン段落のそれぞれに冷却供給構造を設けることは容易でないので、たとえば、一つの開口部を介してCO2を冷却媒体(冷却CO2)として供給する構造が採用されている。冷却媒体は、二重車室構造のタービン車室の内部に設けられた複数のタービン段落の静翼に供給される。
上述した超臨界CO2セミクローズサイクルの火力発電システムでは、タービンに冷却媒体として導入される媒体の圧力は、タービンに作動媒体として導入される媒体の圧力よりも高い。このため、初段のタービン段落より後段に位置するタービン段落の静翼へ供給する冷却媒体の圧力が、高すぎる場合がある。これに対応するために複数の静翼のそれぞれにオリフィスを設けることが考えられるが、この場合には、最適条件を満たすために必要なオリフィス径が極めて小さくなる。その結果、高い加工精度でオリフィスを作製することが困難になると共に、極めて小さいオリフィスの孔が運転時に閉塞する可能性が高まる。したがって、冷却媒体を供給前に減圧する必要がある。また、作動媒体が流れるタービン通路部における圧力と、冷却媒体の圧力との間の圧力差が大きい場合には、静翼の取り付け構造を強固な構造にする必要がある。その結果、機器が大型化する場合がある。
上記のような事情等により、超臨界CO2セミクローズサイクルの火力発電システムでは、静翼の冷却を的確に行うことが困難な場合がある。
本発明が解決しようとする課題は、静翼の冷却を的確に行うことが容易に実現可能な、タービン、および、その製造方法を提供することである。
実施形態のタービンは、タービンロータとタービン車室とタービン段落とを備える。タービン車室は、外部車室が内部車室を介してタービンロータを収容している。タービン段落は、複数の静翼が内部車室の内部に配置された静翼翼列、および、内部車室の内部において複数の動翼がタービンロータに配置された動翼翼列を含む。タービンは、CO2を含む作動媒体が内部車室の内部に導入されることによってタービンロータが回転すると共に、CO2を含む冷却媒体が静翼に導入されて冷却されるように構成されている。内部車室は、冷却媒体が流れる冷却孔が形成されていると共に、冷却孔には、冷却媒体の流量を調整する流量調整機構が設けられている。
<第1実施形態>
第1実施形態にかかる火力発電システム1について図1を用いて説明する。
第1実施形態にかかる火力発電システム1について図1を用いて説明する。
図1に示すように、本実施形態の火力発電システム1は、燃焼器11、タービン12、発電機13、再生熱交換器14、熱交換器15、水分離装置16、および、圧縮機17を備え、超臨界CO2セミクローズサイクルを構成するように各部が設けられている。
燃焼器11においては、酸素供給系統11aから酸素が供給されると共に、燃料系統11bから燃料(メタンなど)が供給される。燃焼器11では、燃料が酸素と反応して燃焼が生ずる。
タービン12においては、燃焼器11の燃焼によって過熱された超臨界の媒体(CO2+H2O)が作動媒体として作動媒体供給系統12aを介して供給される。タービン12では、作動媒体が膨張し仕事を行うことによって、タービンロータ(図示省略)が回転する。その作動媒体は、作動媒体排気系統12bを介してタービン12から排気される。
発電機13は、タービン12のタービンロータ(図示省略)に接続されている。このため、タービン12においてタービンロータが回転することによって、発電機13が駆動し、発電が行われる。
再生熱交換器14においては、タービン12から排気された媒体と、圧縮機17から排出された媒体との間の熱交換が行われる。再生熱交換器14は、高温再生熱交換器141と低温再生熱交換器142とを有する。再生熱交換器14では、タービン12から排気された媒体が、高温再生熱交換器141と低温再生熱交換器142とを順次流れることによって冷却される。これと共に、再生熱交換器14では、圧縮機17から排出された媒体が、低温再生熱交換器142と高温再生熱交換器141とを順次流れることによって加熱される。
熱交換器15においては、再生熱交換器14から排出された媒体と、冷却水との間で熱交換が行われる。これにより、再生熱交換器14から排出された媒体は、冷却され、再生熱交換器14から排出された媒体に含まれる水蒸気が凝縮される。
水分離装置16においては、熱交換器15から排出された媒体が供給される。水分離装置16では、その供給された媒体から、熱交換器15での凝縮によって生じた水(液相水)を分離する。その分離した水は、水分離装置16から水排出系統16aを介して外部へ排出される。このため、水分離装置16では、高純度のCO2が得られる。
圧縮機17においては、高純度のCO2である媒体が水分離装置16から供給され、その供給された媒体が加圧されて超臨界流体になる。圧縮機17で加圧された媒体のうち、一部は、CO2排出系統17aを介して、外部へ排出される。具体的には、燃焼器11における燃焼で増加したCO2の量に相当するCO2が、CO2排出系統17aを介して排出される。そして、圧縮機17で加圧された媒体のうち、残部は、上述したように、再生熱交換器14において低温再生熱交換器142と高温再生熱交換器141とを順次流れる。
低温再生熱交換器142を通過した媒体の一部は、冷却媒体(冷却CO2)としてタービン冷却系統12cを介してタービン12に供給される。低温再生熱交換器142を通過した媒体の残部は、燃焼器11に導かれた後に、上述したように、作動媒体として作動媒体供給系統12aを介してタービン12に供給される。
第1実施形態にかかる火力発電システム1を構成するタービン12の詳細に関して、図2、図3、および、図4を用いて説明する。図2と図3とのそれぞれは、鉛直方向zと第1水平方向xとによって規定される鉛直面(xz面)における断面を示しており、図3は、図2において破線で囲った部分Aを拡大して示している。図4は、水平面(xy面)において第1水平方向xに直交する第2水平方向yと、鉛直方向zとによって規定される鉛直面(yz面)における断面を示しており、図2のB−B部分を示している。
図2、図3、および、図4に示すように、タービン12は、タービンロータ20とタービン車室30とタービン段落40とを備える。
タービン12は、図2に示すように、多段式の軸流タービンであって、作動媒体供給系統12a(図1参照)を構成する作動媒体導入管311を介して、CO2を含む作動媒体Fがタービン車室30の内部に導入され、タービンロータ20の回転軸AXに沿った軸方向(x)に並ぶ複数のタービン段落40において仕事を行う。その後、作動媒体排気系統12bを構成する排気管312を介して、作動媒体Fが外部へ排出される。
また、タービン12は、タービン冷却系統12c(図1参照)を構成する冷却媒体導入管313を介して、CO2を含む冷却媒体CFがタービン車室30の内部に導入されることによって、少なくとも、タービン段落40の静翼41が冷却されるように構成されている。
本実施形態のタービン12を構成する各部の詳細に関して順次説明する。
タービンロータ20は、図2に示すように、回転軸AXが第1水平方向xに沿うように、軸受60に回転可能に支持されている。タービンロータ20には、複数のロータディスク21が外周面に設けられている。複数のロータディスク21は、回転軸AXに沿った軸方向(x)に並ぶように配列されている。また、タービンロータ20の外周面には、バランスピストン22が設けられている。図示を省略しているが、タービンロータ20は、発電機(図示省略)に連結されている。
タービン車室30は、図2に示すように、二重車室構造であって、内部車室31と外部車室32とを有する。
タービン車室30において、内部車室31は、図2に示すように、第1内部車室部31aおよび第2内部車室部31bを含み、第1内部車室部31aと第2内部車室部31bとが回転軸AXに沿った軸方向(x)に並ぶように設置されている。
第1内部車室部31aは、バランスピストン22、および、複数のタービン段落40のうち前段側のタービン段落40を構成するロータディスク21を囲うように、タービンロータ20の周囲に設置されている。そして、第1内部車室部31aには、冷却室R31aが形成されている。冷却室R31aは、タービンロータ20の周りを回転方向Rに囲うリング状の空間である。
第2内部車室部31bは、複数のタービン段落40のうち後段側のタービン段落40を構成するロータディスク21を囲うように、タービンロータ20の周囲に設置されている。そして、第2内部車室部31bには、排気室R31bが形成されている。排気室R31bは、タービンロータ20の周りを回転方向Rに囲うリング状の空間である。
タービン車室30において、外部車室32は、内部車室31を介して、タービンロータ20を収容するように構成されている。
また、タービン車室30においては、内部車室31の内周面とタービンロータ20の外周面、および、外部車室32の内周面とタービンロータ20の外周面との間との間を密封するために、シール部材35が設けられている。
タービン段落40は、図2に示すように、複数の静翼41で構成された静翼翼列、および、複数の動翼42で構成された動翼翼列を含む。
静翼翼列を構成する複数の静翼41は、内部車室31の内部に設けられている。複数の静翼41は、内部車室31の内部においてタービンロータ20の周りを囲うように、回転方向Rに配列されている。動翼翼列を構成する複数の動翼42は、内部車室31の内部においてタービンロータ20の周りを囲うように、回転方向Rに配列されている。
タービン段落40は、静翼翼列と、静翼翼列の下流側において隣接する動翼翼列とによって構成されており、複数が回転軸AXに沿った軸方向に並んでいる。複数のタービン段落40のうち初段から第3段までのタービン段落40は、内部車室31のうち第1内部車室部31aの内部に設けられている。そして、複数のタービン段落40のうち第4段から第5段までのタービン段落40は、内部車室31のうち第2内部車室部31bの内部に設けられている。
タービン段落40においては、静翼41の内周面とタービンロータ20の外周面との間および動翼42の内周面とタービンロータ20の外周面との間を密封するために、適宜、シールフィン43が設けられている。
タービン段落40においては、静翼41の内周面とタービンロータ20の外周面との間および動翼42の内周面とタービンロータ20の外周面との間を密封するために、適宜、シールフィン43が設けられている。
作動媒体導入管311は、図2に示すように、タービン車室30の上方から外部車室32と内部車室31とを貫通するように径方向に延在する部分と、タービンロータ20の周りを回転方向Rに囲うリング状の部分とが連結されている。作動媒体導入管311において径方向に延在する部分の一部、および、タービンロータ20の周りを囲う部分は、冷却室R31aの内部に収容されている。作動媒体導入管311は、作動媒体Fを初段のタービン段落40に導入するように、初段のタービン段落40に連通している。
排気管312は、図2に示すように、タービン車室30の下方から外部車室32と内部車室31とを貫通するように径方向に延在している。排気管312は、最終段のタービン段落40から排気室R31bに排気された作動媒体Fをタービン車室30の外部へ排出するように、排気室R31bに連通している。
冷却媒体導入管313は、図2に示すように、タービン車室30の下方から外部車室32と内部車室31とを貫通するように径方向に延在している。冷却媒体導入管313は、冷却媒体CFを冷却室R31aに導入するように、冷却室R31aに連通している。
図2および図3に示すように、内部車室31を構成する第1内部車室部31aには、冷却媒体CFが流れる冷却孔H31が形成されている。
冷却孔H31は、冷却室R31aとタービン段落40の静翼41との間を連通するように構成されている。本実施形態では、冷却孔H31は、タービンロータ20の回転軸AXに沿った軸方向(x)に貫通する第1冷却孔部H311と、タービンロータ20の径方向において静翼41と第1冷却孔部H311との間を連通させる第2冷却孔部H312とを含む。冷却孔H31のうち、第1冷却孔部H311は、冷却媒体CFが導入される一方の開口とは反対側に位置する他方の開口がプラグ33で塞がれている。
図2および図3では、冷却孔H31が冷却室R31aと第2段のタービン段落40を構成する静翼41との間を連通する部分を示している。図2および図3では図示を省略しているが、図4に示すように、第2段のタービン段落40に連通する冷却孔H31_2が冷却孔H31として形成されている他に、初段のタービン段落40に連通する冷却孔H31_1および第3段のタービン段落40に連通する冷却孔H31_3が冷却孔H31として形成されている。
図4に示すように、本実施形態では、初段のタービン段落40に対して2つの冷却孔H31_1が形成されている。初段のタービン段落40に対して形成された2つの冷却孔H31_1は、タービンロータ20の回転方向Rにおいて等しいピッチで並ぶように第1内部車室部31aに形成されている、ここでは、2つの冷却孔H31_1は、回転軸AXを介して対向するように設けられている。初段のタービン段落40に対して形成された2つの冷却孔H31_1と同様に、第2段のタービン段落40に対しても2つの冷却孔H31_2が形成されており、第3段のタービン段落40に対しても2つの冷却孔H31_3が形成されている。
本実施形態では、タービン段落40を構成する複数の静翼41のそれぞれに対して冷却孔H31を形成していない。つまり、一つのタービン段落40に対して冷却孔H31が形成される数が、タービン段落40を構成する複数の静翼41の数よりも少なくなるように、冷却孔H31が第1内部車室部31aに形成されている。
上記の冷却孔H31には、図2および図3に示すように、冷却媒体CFの流量を調整するために流量調整機構50が設けられている。流量調整機構50は、冷却孔H31において冷却媒体CFが冷却室R31aから導入される入口部分に設けられている。この他に、流量調整機構50は、冷却孔H31において冷却媒体CFが静翼41へ排出される出口部分に設置されている。
図3では図示を省略しているが、図4に示すように、第2段のタービン段落40に連通する冷却孔H31_2に流量調整機構50が設置されている他に、初段のタービン段落40に連通する冷却孔H31_1および第3段のタービン段落40に連通する冷却孔H31_3においても流量調整機構50が設置されている。
流量調整機構50は、たとえば、オリフィスであって、初段から第3段のタービン段落40のそれぞれに応じて冷却媒体CFの流量が適正量になるように、オリフィスの絞り径が調整されている。
本実施形態では、流量調整機構50は、冷却孔H31から着脱自在に構成されていることが好ましい。たとえば、流量調整機構50は、外周面に雄ネジ部が形成されたオリフィスであって、冷却孔H31において形成された雌ネジ部に、そのオリフィスが捻り込まれることで取り付けられるように構成されていることが好ましい。これにより、流量調整機構50の交換を容易に実行可能である。
上記のタービン12における冷却媒体CFの流れに関して説明する。
冷却媒体CFは、まず、図2に示すように、冷却媒体導入管313を介して冷却室R31aの内部に導入される。冷却室R31aにおいて、冷却媒体CFは、作動媒体導入管311における作動媒体Fよりも圧力が高い状態であって、温度が低い状態である。
冷却室R31aに導入された冷却媒体CFは、第1内部車室部31aに形成された冷却孔H31(H31_1〜H31_3,図4参照)を介して、初段から第3段のタービン段落40を構成する静翼41に導入される。
本実施形態では、冷却媒体CFは、冷却孔H31の入口部分に設けられた流量調整機構50を通過して、冷却孔H31の内部に供給される。そして、冷却媒体CFは、冷却孔H31の出口部分に設けられた流量調整機構50を通過する。冷却孔H31の出口から出た冷却媒体CFは、回転方向Rに並ぶ複数の静翼41の外周側に形成された環状流路H32を介して、回転方向Rに並ぶ複数の静翼41のそれぞれに供給される(図4参照)。静翼41は、中空構造であって、内部に冷却媒体CFが流れる冷却流路が形成されており、その冷却流路を冷却媒体CFが流れることによって、複数の静翼41のそれぞれが冷却される。静翼41の冷却で利用された冷却媒体CFは、内部車室31の内部において作動媒体Fが流れる通路に排出され、作動媒体Fに混合された状態で、排気室R31bに排出される。
本実施形態では、冷却孔H31には、冷却媒体CFの流量を調整する流量調整機構50が設けられているので、流量調整機構50によって冷却媒体CFの流量が適正量になるように調整が可能である。したがって、複数のタービン段落40のそれぞれにおいて静翼41を的確に冷却することができる。
本実施形態では、流量調整機構50であるオリフィスは、複数の静翼41に対して個別に設置されていない。本実施形態では、一つのタービン段落40に対して設置された流量調整機構50の数は、一つのタービン段落40を構成する複数の静翼41の数よりも少ない。このため、流量調整機構50を構成するオリフィスにおいては、最適な冷却流量にするために必要な絞り径(オリフィス径)を著しく小さくする必要がない。その結果、加工において許容される許容範囲を広くすることができ、異物による閉塞が発生することを抑制可能である。また、流量調整機構50によって冷却媒体CFと作動媒体Fとの圧力差が小さくなるように調整可能であるので、静翼41の取付構造を強固にする必要がなくなり、機器の大型化を抑制することができる。
さらに、本実施形態では、初段から第3段のタービン段落40のそれぞれに対して冷却孔H31_1,H31_2,H31_3が2つずつ形成されている。初段のタービン段落40に対して形成された2つの冷却孔H31_1は、タービンロータ20の回転方向Rにおいて等しいピッチで並ぶように設けられている。第2段のタービン段落40に対して形成された2つの冷却孔H31_2および、第3段のタービン段落40に対して形成された2つの冷却孔H31_3も同様に、タービンロータ20の回転方向Rにおいて等しいピッチで並ぶように設けられている。このため、本実施形態では、タービン段落40において回転方向Rに並ぶ複数の静翼41のそれぞれに対して、より均等に冷却媒体CFを供給することができる。その結果、静翼41の冷却を、より効率的かつ的確に実行することができる。
上記の内部車室31のうち冷却孔H31を含む第1内部車室部31aを製造する工程に関して、図5A、図5B、および、図5Cを用いて説明する。図5A、図5B、および、図5Cにおいては、第1内部車室部31aの上半部分を示している。
図5Aに示すように、まず、第1内部車室部31aの形状に対応する鋳物を形成する。
本実施形態では、第1内部車室部31aを構成する金属材料の溶融物を鋳型に流し込んだ後に、冷却し固化させることによって、第1内部車室部31aの鋳物を形成する。
つぎに、図5Bに示すように、第1内部車室部31aの鋳物に冷却孔H31を形成する。
本実施形態では、第1冷却孔部H311を機械加工によって第1内部車室部31aに形成する。回転軸AXに沿った軸方向における長さが第1冷却孔部H311よりも冷却室R31aの方が短い場合には、上記の機械加工で用いる加工機(加工ツール)が冷却室R31aの内部に入らない場合がある(図2参照)。このため、第1内部車室部31aにおいて第1冷却孔部H311を形成する部分のうち冷却室R31aが位置する側に対して反対側に位置する側から加工機を用いて機械加工を開始することによって、第1冷却孔部H311の作製を実行する。
そして、第2冷却孔部H312を機械加工によって第1内部車室部31aに形成する。ここでは、タービンロータ20の径方向において内側から外側へ加工することによって、第1冷却孔部H311に連通するように第2冷却孔部H312を形成する(図2参照)。これにより、第1冷却孔部H311と第2冷却孔部H312とによって構成された冷却孔H31を形成する。
つぎに、図5Cに示すように、第1冷却孔部H311のうち冷却媒体CFが導入される一方の開口とは反対側に位置する他方の開口をプラグ33で塞ぐ(図3参照)。
このように、本実施形態では、簡便な手法によって、第1内部車室部31aに冷却孔H31を形成可能である。
上記実施形態の変形例に関して、図6を用いて説明する。図6に示すように、冷却孔H31の内面に耐腐食コーティング60を形成してもよい。ここでは、耐腐食コーティング61は、第1内部車室部31aによりも耐腐食性に優れる材料で形成されている。たとえば、耐腐食コーティング60の材料は、ニッケルを主成分としたメッキである。
この他に、上記の実施形態では、初段から第3段のタービン段落40のそれぞれに対して冷却孔H31(H31_1,H31_2,H31_3)が2つずつ形成されている場合に関して説明したが、これに限らない。一つのタービン段落40に対して3つ以上の冷却孔H31を形成してもよい。また、初段から第3段のタービン段落40よりも後段のタービン段落40に冷却媒体CFを供給するように、冷却孔H31を形成してもよい。
<第2実施形態>
第2実施形態にかかる火力発電システムを構成するタービン12に関して、図7を用いて説明する。図7は、図3と同様に、鉛直面(xz面)における断面を拡大して示している。
第2実施形態にかかる火力発電システムを構成するタービン12に関して、図7を用いて説明する。図7は、図3と同様に、鉛直面(xz面)における断面を拡大して示している。
図7に示すように、本実施形態では、冷却孔H31の形態が上記の第1実施形態の場合(図3参照)と異なる。この点および関連する点を除き、本実施形態は、第1実施形態の場合と同様である。このため、重複する内容に関しては、適宜、説明を省略する。
冷却孔H31は、図7に示すように、第1冷却孔部H311と第2冷却孔部H312とを備え、冷却室R31aとタービン段落40の静翼41との間を連通するように構成されている。本実施形態では、第1冷却孔部H311は、タービンロータ20の回転軸AXに沿った軸方向(x)に延在しているが、第1実施形態の場合と異なり、軸方向(x)に貫通しておらず、プラグ33(図3参照)で塞がれていない。第2冷却孔部H312は、タービンロータ20の径方向において静翼41と第1冷却孔部H311との間を連通させるように構成されている。
上記の冷却孔H31を含む第1内部車室部31aを製造する工程に関して、図8A、図8B、および、図8Cを用いて説明する。図8A、図8B、および、図8Cにおいては、第1内部車室部31aの上半部分を示している。
図8Aに示すように、まず、第1内部車室部31aの鋳型70(砂型)に冷却孔H31の形状で形成されたセラミックスコア71を設置する。
そして、セラミックスコア71を設置した鋳型70を用いて鋳込みを実施することによって、図8Bに示すように、セラミックスコア71を有する第1内部車室部31aの鋳物を形成する。
つぎに、図8Cに示すように、第1内部車室部31aの鋳物からセラミックスコア71を除去する。ここでは、アルカリ性溶液を用いてセラミックスコア71を溶解することによって、第1内部車室部31aに冷却孔H31が形成する。
このように、本実施形態では、簡便な手法によって、第1冷却孔部H311と第2冷却孔部H312とを備える冷却孔H31を第1内部車室部31aに形成可能である。なお、セラミックスコア71およびアルカリ性溶液の材料の一例は、下記である。
・セラミックスコア71の材料例:ケイ素酸化物を主成分としたアルミナやジルコニアの酸化物を添加した混合物
・アルカリ性溶液の材料例:水酸化ナトリウム水溶液
・セラミックスコア71の材料例:ケイ素酸化物を主成分としたアルミナやジルコニアの酸化物を添加した混合物
・アルカリ性溶液の材料例:水酸化ナトリウム水溶液
<第3実施形態>
第3実施形態にかかる火力発電システムを構成するタービン12に関して、図9を用いて説明する。図9は、図7と同様に、鉛直面(xz面)における断面を拡大して示している。
第3実施形態にかかる火力発電システムを構成するタービン12に関して、図9を用いて説明する。図9は、図7と同様に、鉛直面(xz面)における断面を拡大して示している。
図9に示すように、本実施形態では、冷却孔H31の形態が上記の第2実施形態の場合(図7参照)と異なる。この点および関連する点を除き、本実施形態は、第2実施形態の場合と同様である。このため、重複する内容に関しては、適宜、説明を省略する。
冷却孔H31は、図9に示すように、第1冷却孔部H311と第2冷却孔部H312とを備え、冷却室R31aとタービン段落40の静翼41との間を連通するように構成されている。本実施形態では、第2実施形態の場合と異なり、配管80の管路が冷却孔H31として設けられている。
上記の冷却孔H31を含む第1内部車室部31aを製造する工程に関して、図10A、図10B、および、図10Cを用いて説明する。図10A、図10B、および、図10Cにおいては、第1内部車室部31aの上半部分を示している。
図10Aに示すように、まず、第1内部車室部31aの鋳型70(砂型)に、管路が冷却孔H31を構成する配管80を設置する。
そして、配管80を設置した鋳型70を用いて鋳込みを実施することによって、図10Bに示すように、配管80を有する第1内部車室部31aの鋳物を形成する。
つぎに、図10Cに示すように、第1内部車室部31aの鋳物が含む配管80のうち不要な部分を切断して除去する。
このように、本実施形態では、簡便な手法によって、第1冷却孔部H311と第2冷却孔部H312とを備える冷却孔H31を第1内部車室部31aに形成可能である。なお、配管80は、耐腐食性が高い材料で形成されていることが好ましい。これにより、配管80の内部において腐食物が発生しにくいので、中空構造の静翼41の内部に腐食物などの異物が混入することを抑制可能であって、冷却不良が発生することを防止可能である。配管80の材料の一例は、下記である。
・配管80の材料例:オーステナイト系ステンレス鋼
・配管80の材料例:オーステナイト系ステンレス鋼
<その他>
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…火力発電システム、11…燃焼器、11a…酸素供給系統、11b…燃料系統、12…タービン、12a…作動媒体供給系統、12b…作動媒体排気系統、12c…タービン冷却系統、13…発電機、14…再生熱交換器、15…熱交換器、16…水分離装置、16a…水排出系統、17…圧縮機、17a…CO2排出系統、20…タービンロータ、21…ロータディスク、22…バランスピストン、30… タービン車室、31…内部車室、31a…第1内部車室部、31b…第2内部車室部、32…外部車室、33…プラグ、35…シール部材、40…タービン段落、41…静翼、42…動翼、43…シールフィン、50…流量調整機構、60…軸受、61…耐腐食コーティング、70…鋳型、71…セラミックスコア、80…配管、141…高温再生熱交換器、142…低温再生熱交換器、311…作動媒体導入管、312…排気管、313…冷却媒体導入管、AX…回転軸、CF…冷却媒体、F…作動媒体、H31…冷却孔、H31_1…冷却孔、H31_2…冷却孔、H31_3… 冷却孔、H311…第1冷却孔部、H312…第2冷却孔部、R…回転方向、R31a…冷却室、R31b…排気室
Claims (6)
- タービンロータと、
外部車室が内部車室を介して前記タービンロータを収容しているタービン車室と、
複数の静翼が前記内部車室の内部に配置された静翼翼列、および、前記内部車室の内部において複数の動翼が前記タービンロータに配置された動翼翼列を含むタービン段落と
を備え、CO2を含む作動媒体が前記内部車室の内部に導入されることによって前記タービンロータが回転する共に、CO2を含む冷却媒体が前記静翼に導入されて冷却されるように構成されているタービンであって、
前記内部車室は、前記冷却媒体が流れる冷却孔が形成されていると共に、前記冷却孔には、前記冷却媒体の流量を調整する流量調整機構が設けられている、
タービン。 - 前記タービン段落は、複数であって、前記タービンロータの回転軸に沿った軸方向に前記複数のタービン段落が設けられており、
前記冷却孔は、前記複数のタービン段落のそれぞれに対して複数が形成されており、
前記複数のタービン段落のそれぞれに対して形成された前記複数の冷却孔は、前記タービンロータの回転方向において等しいピッチで並ぶように前記内部車室に形成されている、
請求項1に記載のタービン。 - 前記複数の冷却孔の内面に耐腐食コーティングが形成されている、
請求項1または2に記載のタービン。 - 請求項1から3のいずれかに記載のタービンを構成する内部車室の製造方法であって、
前記タービンロータの回転軸に沿った軸方向に貫通する第1冷却孔部を機械加工によって前記内部車室に形成し、前記タービンロータの径方向において前記静翼と前記第1冷却孔部との間を連通させる第2冷却孔部を機械加工によって前記内部車室に形成した後に、前記第1冷却孔部のうち前記冷却媒体が導入される一方の開口とは反対側に位置する他方の開口をプラグで塞ぐことによって、前記冷却孔を前記内部車室に形成する工程
を有する、
内部車室の製造方法。 - 請求項1から3のいずれかに記載のタービンを構成する内部車室の製造方法であって、
前記内部車室の鋳型に前記冷却孔の形状で形成されたセラミックスコアを設置した状態で鋳込みを実施した後に、アルカリ性溶液を用いて前記セラミックスコアを溶解することによって、前記冷却孔を前記内部車室に形成する工程
を有する、
内部車室の製造方法。 - 請求項1から3のいずれかに記載のタービンを構成する内部車室の製造方法であって、
前記内部車室の鋳型に配管を設置した状態で鋳込みを実施することによって、前記配管の管路を前記冷却孔として前記内部車室に形成する工程
を有する、
内部車室の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019170034A JP2021046822A (ja) | 2019-09-19 | 2019-09-19 | タービン、および、その製造方法 |
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JP2021046822A true JP2021046822A (ja) | 2021-03-25 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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2019
- 2019-09-19 JP JP2019170034A patent/JP2021046822A/ja active Pending
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