JP2021044923A - 温度評価システム、モータ駆動システム、温度評価方法及びプログラム - Google Patents

温度評価システム、モータ駆動システム、温度評価方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】電機子巻線の温度に相当する温度評価値を容易に算出することができる温度評価システム、モータ駆動システム、温度評価方法及びプログラムを提供する。【解決手段】温度評価システム2は、取得部21と、評価部22と、を備える。取得部21は、巻線電流測定値Id、Iqを取得する。巻線電流測定値Id、Iqは、モータ6の電機子巻線61に流れる電流の測定値である。評価部22は、取得部21で取得された巻線電流測定値Id、Iqに基づいて温度評価値twを算出する。温度評価値twは、電機子巻線61の温度に相当する値である。【選択図】図1

Description

本開示は一般に温度評価システム、モータ駆動システム、温度評価方法及びプログラムに関し、より詳細には、モータの電機子巻線の温度に相当する温度評価値を算出する温度評価システム、モータ駆動システム、温度評価方法及びプログラムに関する。
特許文献1に記載のモータ制御装置は、モータ電流指令信号入力端子にモータ電流指令信号を入力し、所要の電流値の電流をモータに流す。モータ制御装置は、モータ電流検出のためのシャント抵抗を備えている。モータ定格電流がモータに流れている時はモータの過負荷を検出せず、モータ定格電流を越えてモータ電流が大きくなるにしたがって過負荷検出時間は小さくなる。
特公平06−052969号公報
本開示は、電機子巻線の温度に相当する温度評価値を容易に算出することができる温度評価システム、モータ駆動システム、温度評価方法及びプログラムを提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る温度評価システムは、取得部と、評価部と、を備える。前記取得部は、巻線電流測定値を取得する。前記巻線電流測定値は、モータの電機子巻線に流れる電流の測定値である。前記評価部は、前記取得部で取得された前記巻線電流測定値に基づいて温度評価値を算出する。前記温度評価値は、前記電機子巻線の温度に相当する値である。
本開示の一態様に係るモータ駆動システムは、前記温度評価システムと、電流制御部と、を備える。前記電流制御部は、前記温度評価値と判定閾値との比較結果に基づいて前記電機子巻線に流れる電流を制御する。
本開示の一態様に係る温度評価方法は、取得ステップと、評価ステップと、を備える。前記取得ステップでは、巻線電流測定値を取得する。前記巻線電流測定値は、モータの電機子巻線に流れる電流の測定値である。前記評価ステップでは、前記取得ステップで取得された前記巻線電流測定値に基づいて温度評価値を算出する。前記温度評価値は、前記電機子巻線の温度に相当する値である。
本開示の一態様に係るプログラムは、前記温度評価方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
本開示は、電機子巻線の温度に相当する温度評価値を容易に算出することができるという利点がある。
図1は、一実施形態に係るモータ駆動システムのブロック図である。 図2は、同上のモータ駆動システムの動作例を示すフローチャートである。
以下、実施形態に係る温度評価システム及びモータ駆動システムについて、図面を用いて説明する。ただし、下記の実施形態は、本開示の様々な実施形態の1つに過ぎない。下記の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、下記の実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
(1)概要
本実施形態のモータ駆動システム1は、図1に示すように、温度評価システム2と、電流制御部3と、を備えている。温度評価システム2は、取得部21と、評価部22と、を備えている。取得部21は、巻線電流測定値Id、Iqを取得する。巻線電流測定値Id、Iqは、モータ6の電機子巻線(図1では「巻線」と表記)61に流れる電流の測定値である。評価部22は、取得部21で取得された巻線電流測定値Id、Iqに基づいて温度評価値twを算出する。温度評価値twは、電機子巻線61の温度に相当する値である。温度評価値twの単位は、例えば、℃である。温度評価値twが電機子巻線61の実際の温度に近いほど、温度評価値twの算出精度が高いと言える。
本実施形態の温度評価システム2では、温度評価値twを容易に算出することができる。すなわち、巻線電流測定値Id、Iqは測定等により比較的取得しやすいパラメータなので、温度評価システム2により温度評価値twを容易に算出することができる。特に、温度センサをモータ6に組み込むことは、モータ6の構造上の制限により困難な場合があるのに対して、電流センサ55等を電機子巻線61の周囲に設置して巻線電流測定値Id、Iqを測定することは容易である。また、評価部22は、温度センサの測定値を用いることなく温度評価値twを算出することができる。そのため、モータ6に温度センサを組み込む必要がない。これにより、モータ6周りの構成を簡略化できる。
モータ駆動システム1の電流制御部3は、温度評価値twと判定閾値との比較結果に基づいて電機子巻線61に流れる電流を制御する。
本実施形態のモータ駆動システム1では、温度評価値twに基づいて電機子巻線61に流れる電流(以下、電機子電流Iaと称す)を制御することで、電機子巻線61の温度を制御することができる。これにより、電機子巻線61が高温に晒される可能性を低減できる。
(2)構成
以下、モータ駆動システム1及び温度評価システム2の構成についてより詳細に説明する。
モータ駆動システム1は、1以上のプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムを、コンピュータシステムのプロセッサが実行することにより、モータ駆動システム1及び温度評価システム2の少なくとも一部の機能が実現される。プログラムは、メモリに記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
モータ6は、例えば、永久磁石同期モータである。モータ6は、電機子巻線61を有している。本実施形態の電機子巻線61は、銅線である。モータ駆動システム1は、モータ6の動作を制御する。より詳細には、モータ駆動システム1は、電機子巻線61に流れる励磁電流(d軸電流)とトルク電流(q軸電流)とを独立に制御するベクトル制御によりモータ6の動作を制御する。モータ駆動システム1は、電機子巻線61に流れる電流を制御することで、モータ6の動作を制御する。
図1に、モータ駆動システム1の外部の構成として、モータ6と、電源51と、整流回路52と、平滑コンデンサ53と、インバータ54と、電流センサ55と、モータ回転測定部56と、を図示している。なお、これらのうち少なくとも一部がモータ駆動システム1の構成に含まれていてもよい。
電源51は、例えば、交流電源である。また、電源51は、例えば、商用電源である。電源51は、電機子巻線61に供給される電力を出力する。より詳細には、電源51は、整流回路52、平滑コンデンサ53及びインバータ54を介して電機子巻線61に電力を供給する。すなわち、電源51は、交流電力を整流回路52に出力する。
整流回路52は、例えば、ダイオードブリッジで構成されている。整流回路52は、電源51から供給される交流電力を整流して直流電力として出力する。
平滑コンデンサ53は、整流回路52とインバータ54との間の高電位側(正極側)の配線と低電位側(負極側)の配線との間に電気的に接続されている。平滑コンデンサ53は、整流回路52から出力された直流電力を平滑化してインバータ54に出力する。
インバータ54は、電源51から整流回路52及び平滑コンデンサ53を介して供給される電力を所望の電圧の電力に変換してモータ6に供給する。所望の電圧は、モータ駆動システム1からの指令(後述の電圧指令値Vd、Vq)に対応する電圧である。モータ駆動システム1からの指令により、インバータ54からモータ6に供給される電流の大きさが指定される。
モータ6の電機子巻線61には、インバータ54から供給される電流が流れる。モータ6の回転子は、インバータ54から電機子巻線61に供給される電流の大きさに応じた回転数で回転する。
電流センサ55は、モータ6の電機子巻線61に流れる電流(電機子電流Ia)を測定する。つまり、電流センサ55は、インバータ54から電機子巻線61に供給される電流を測定する。電流センサ55は、例えば、2つ(図1では1つのみを図示)のシャント抵抗551と、測定部552と、を有している。シャント抵抗551は、インバータ54とモータ6との間の3相の電路のうち少なくとも2相の電路に、1つずつ接続されている。電流センサ55は、少なくとも2相の電路に流れる電流を測定する。一例として、U相の電路及びW相の電路に1つずつ、シャント抵抗551が接続されている。測定部552は、各シャント抵抗551の両端の電圧を測定し、測定した電圧をシャント抵抗551の電気抵抗値で除することにより、U相の電路に流れる電流及びW相の電路に流れる電流を算出する。電機子電流Iaの測定値は、U相電流の測定値Iu及びV相電流の測定値Ivとして電流センサ55から出力される。
なお、電流センサ55として、例えば、ホール素子電流センサを用いてもよい。
モータ回転測定部56は、モータ6(回転子)の回転角θ1を測定する。モータ回転測定部56としては、例えば、光電式エンコーダ又は磁気式エンコーダを採用することができる。
モータ駆動システム1は、温度評価システム2と電流制御部3とに加えて、第1の座標変換器41と、第2の座標変換器42と、微分器43と、上位部44と、を更に備えている。
微分器43は、モータ回転測定部56で測定されたモータ6の回転角θ1を時間微分して、モータ6の角速度ω1(回転子の角速度)を算出する。
第2の座標変換器42は、電流センサ55から出力されるU相電流の測定値Iu及びV相電流の測定値Ivを、モータ回転測定部56で測定されたモータ6の回転角θ1に基づいて座標変換し、巻線電流測定値Id、Iqを算出する。巻線電流測定値Idは励磁電流の測定値であり、巻線電流測定値Iqはトルク電流の測定値である。すなわち、第2の座標変換器42は、3相電流に対応する測定値Iu、Ivを、励磁成分(d軸電流)に対応する巻線電流測定値Idと、トルク成分(q軸電流)に対応する巻線電流測定値Iqとに変換する。
第1の座標変換器41は、電流制御部3から出力される後述の電圧指令値Vd、Vqを、モータ回転測定部56で測定されたモータ6の回転角θ1に基づいて座標変換し、3相電圧の指令値Vu、Vv及びVwを算出する。すなわち、第1の座標変換器41は、d軸電圧に対応する電圧指令値Vdと、q軸電圧に対応する電圧指令値Vqとを、3相電圧に対応する指令値Vu、Vv、Vwに変換する。指令値VuはU相電圧に、指令値VvはV相電圧に、指令値VwはW相電圧に対応する。
上位部44は、電流制御部3に電流指令値Id、Iqを出力する。電流指令値Idはd軸電流の指令値である。電流指令値Iqはq軸電流の指令値である。上位部44は、電流指令値Id、Iqを、例えば、ユーザの操作に応じて生成する。すなわち、モータ駆動システム1に対するユーザの操作により、モータ6の回転数が指定され、上位部44は、指定された回転数に応じた電流指令値Id、Iqを生成する。
温度評価システム2は、取得部21と評価部22とに加えて、パラメータ設定部23と、3つのフィルタ24と、を備えている。
3つのフィルタ24はそれぞれ、例えば、ローパスフィルタである。3つのフィルタ24のうち1つは、第2の座標変換器42で算出された巻線電流測定値Idの高周波成分を減衰させて、取得部21に出力する。3つのフィルタ24のうち別の1つは、第2の座標変換器42で算出された巻線電流測定値Iqの高周波成分を減衰させて、取得部21に出力する。3つのフィルタ24のうち残りの1つは、電流制御部3から出力された後述の電圧指令値Vdの高周波成分を減衰させて、取得部21に出力する。
3つのフィルタ24は、温度評価値twのノイズ成分を減衰させる。つまり、巻線電流測定値Id、Iq及び電圧指令値Vdのノイズ成分(高周波成分)を減衰させることで、巻線電流測定値Id、Iq及び電圧指令値Vdに基づいて評価部22で算出される温度評価値twのノイズ成分が減衰する。電流制御部3は、3つのフィルタ24でノイズ成分を減衰させられた後の温度評価値twに基づいて電機子電流Iaを制御する。
取得部21は、巻線電流測定値Id、Iqと、電圧指令値Vdと、モータ6の角速度ω1(測定値)と、を取得する。巻線電流測定値Id、Iqはそれぞれ、第2の座標変換器42からフィルタ24を介して取得部21に入力される。電圧指令値Vdは、電流制御部3からフィルタ24を介して取得部21に入力される。角速度ω1は、微分器43から取得部21に入力される。取得部21は、巻線電流測定値Id、Iqと電圧指令値Vdと角速度ω1とを評価部22に出力する。
パラメータ設定部23は、メモリを含んでいる。パラメータ設定部23は、モータ6の電機子巻線61のd軸インダクタンスの値Lq、銅の温度が20℃のときの銅の電気抵抗の温度係数α20及び、銅の温度が20℃のときの銅の電気抵抗値R20を記憶している。パラメータ設定部23は、記憶しているd軸インダクタンスの値Lq、温度係数α20及び電気抵抗値R20を評価部22に出力する。
評価部22は、電機子巻線61の電気抵抗値Rtと温度評価値twとの関係式を用いて温度評価値twを算出する。つまり、評価部22は、電気抵抗値Rtの温度依存性を利用して温度評価値twを算出する。評価部22は、抵抗算出部221と、温度算出部222と、を有している。
抵抗算出部221は、取得部21で取得された巻線電流測定値Id、Iqと、電圧指令値Vdと、モータ6の角速度ω1(速度)と、q軸インダクタンスの値Lqと、に基づいて、電機子巻線61の電気抵抗値Rtを算出する。dq軸座標上でのd軸電圧が電圧指令値Vdに等しいと仮定すると、電圧指令値Vdは次の[数1]で表される。抵抗算出部221は、例えば、[数1]を電気抵抗値Rtについて解いた[数2]により電気抵抗値Rtを算出する。
Figure 2021044923
Figure 2021044923
ここで、Ldはd軸インダクタンスの値である。pは微分演算子である。すなわち、p=d/dtである。[数1]から[数2]を導出する際に、p×Ld=0と近似した。
温度算出部222は、温度係数α20と、電気抵抗値R20と、抵抗算出部221で算出された電気抵抗値Rtと、に基づいて、電機子巻線61の温度に相当する温度評価値twを算出する。より詳細には、温度算出部222は、電気抵抗値Rtと電機子巻線61の温度(温度評価値tw)との間に成り立つ次の[数3]を温度評価値twについて解いた[数4]により温度評価値twを算出する。算出された温度評価値twは、電流制御部3に出力される。
Figure 2021044923
Figure 2021044923
なお、[数2]及び[数4]より、温度評価値twは、[数5]で表される。
Figure 2021044923
以上のように、評価部22は、巻線電流測定値Id、Iqに加えて、電気抵抗値R20に更に基づいて温度評価値twを算出する。電気抵抗値R20は、電機子巻線61の温度が所定の温度(ここでは、20℃)の場合の電機子巻線61の電気抵抗値である。また、評価部22は、電機子巻線61に印加される電圧(電圧指令値Vd)に更に基づいて温度評価値twを算出する。そして、評価部22は、算出した温度評価値twを電流制御部3に出力する。
ここで、パラメータ設定部23に記憶されたパラメータであるq軸インダクタンスの値Lq、温度係数α20及び電気抵抗値R20を、適宜変更することができる。すなわち、パラメータ設定部23は、温度評価値twの算出に係るパラメータを設定するための設定入力を受け付ける。そのため、仕様の異なる複数種類のモータ6が有る場合に、モータ6の種類に応じてパラメータ設定部23でパラメータを設定することで、各モータ6に係る温度評価値twを共通の構成の温度評価システム2により算出することができる。設定入力は、例えば、モータ駆動システム1の製造時に実行される。すなわち、モータ駆動システム1の製造時に、パラメータ設定部23のメモリに各パラメータが記憶される。例えば、電機子巻線61がアルミ線の場合は、温度係数α20及び電気抵抗値R20はアルミニウムの温度係数及び電気抵抗値に設定される。電機子巻線61が銅線の場合は、温度係数α20及び電気抵抗値R20は銅の温度係数及び電気抵抗値に設定される。また、モータ駆動システム1の製造時に測定されたd軸インダクタンスの値Lqがパラメータ設定部23に記憶(設定)される。
複数種類のモータ6において電機子巻線61の材質が同じであれば、複数種類のモータ6において温度係数α20は同じであり、電気抵抗値R20も同じであるとみなすことができる。よって、これらの複数種類のモータ6において共通のパラメータを利用できる。
電流制御部3は、判定部31と、電流FB(フィードバック)部32と、閾値設定部33と、を有している。
閾値設定部33は、メモリを含んでいる。閾値設定部33は、判定閾値(第1の閾値Th1)を記憶している。閾値設定部33は、記憶している第1の閾値Th1を判定部31に出力する。第1の閾値Th1は、例えば、105℃である。
判定部31は、温度評価値twと第1の閾値Th1との比較結果に基づいて、モータ6の保護の要否を判定する。より詳細には、判定部31は、例えば、温度評価値twが第1の閾値Th1を超えている場合に、制限信号Sig1を電流FB部32に出力する。電流FB部32は、制限信号Sig1が入力されると、モータ6の電機子巻線61に流れる電流(電機子電流Ia)を制限する。これにより、モータ6を過熱から保護することができる。また、判定部31は、温度評価値twが第1の閾値Th1以下の場合に、制限信号Sig1を電流FB部32に出力しない。
本開示において、「電機子巻線61に流れる電流を制限する」とは、電機子巻線61に電流が流れなくする(電機子電流Iaを0にする)ことと、電機子巻線61に流れる電流を低下させることと、を含む。
電流制御部3が電機子巻線61に流れる電流を制限することで、電機子巻線61の温度が第1の閾値Th1と比較して大きい状態で電機子電流Iaが流れ続ける可能性を低減できる。一例として、電流制御部3は、温度評価値twが第1の閾値Th1を超えた時間の長さを問わず、温度評価値twが第1の閾値Th1を超えると直ちに電機子巻線61に流れる電流を制限すればよい。
ここで、閾値設定部33に記憶された判定閾値(第1の閾値Th1)を、適宜変更することができる。すなわち、閾値設定部33は、判定閾値を設定するための設定入力を受け付ける。そのため、モータ6の使用条件等に応じて判定閾値を設定できる。設定入力は、例えば、モータ駆動システム1の製造時に実行される。すなわち、モータ駆動システム1の製造時に、閾値設定部33のメモリに判定閾値が記憶される。
電流FB部32は、巻線電流測定値Id、Iqをフィードバックすることにより、電圧指令値Vd、Vqを生成する。より詳細には、電流FB部32には、第2の座標変換器42から出力された巻線電流測定値Id、Iqと、上位部44から出力された電流指令値Id、Iqと、が入力される。判定部31から電流FB部32に制限信号Sig1が入力されていないときは、電流FB部32は、次のような処理を行う。すなわち、電流FB部32は、巻線電流測定値Idと電流指令値Idとの差分が所定範囲内に収束し、かつ、巻線電流測定値Iqと電流指令値Iqとの差分が所定範囲内に収束するように電圧指令値Vd、Vqを定める。一方で、判定部31から電流FB部32に制限信号Sig1が入力されているときは、電流FB部32は、電機子巻線61に流れる電流が制限されるように電圧指令値Vd、Vqを定める。具体例として、電流FB部32は、電圧指令値Vd、Vqをそれぞれ0に定めることにより、電機子巻線61に電流が流れなくする。
電流FB部32から出力された電圧指令値Vd、Vqは、第1の座標変換器41で3相電圧の指令値Vu、Vv及びVwに変換され、インバータ54に出力される。
インバータ54は、指令値Vu、Vv及びVwに応じた3相電圧をモータ6の電機子巻線61に供給する。モータ6は、インバータ54から供給された電力(3相電圧)により駆動され、回転動力を発生させる。
ここで、評価部22は、温度評価値twを第1の周期ごとに算出する。電流制御部3は、電機子巻線61に流れる電流(電機子電流Ia)の制御値を第2の周期ごとに更新する。第1の周期は、第2の周期よりも長い。第2周期は、要するに、電機子電流Iaの制御周期である。電機子巻線61に流れる電流(電機子電流Ia)の制御値とは、電機子電流Iaを制御するために算出される値である。本実施形態では、電流制御部3で算出される制御値は、電圧指令値Vd、Vqである。電流制御部3は、評価部22から入力された最新の温度評価値twに基づいて電機子電流Iaを制御する。
電機子電流Iaの制御においては、例えば、数μs〜10μs程度の周期(第2の周期)で制御することが要求される。一方で、第2の周期程度の期間では、電機子巻線61の温度上昇は僅かなので、第1の周期を第2の周期ほど短くする必要性は低い。第1の周期は、例えば、1ms〜10ms程度である。第1の周期が第2の周期よりも長いので、評価部22における温度評価値twを算出する処理の処理量を抑制できる。第1の周期は、モータ駆動システム1における他の構成(例えば、モータ6の状態を表示する表示灯)の制御周期と一致していてもよい。
また、温度評価システム2の3つのフィルタ24は、温度評価値twの算出周期である第1の周期と比較して短い周期に対応した高周波成分を減衰させるように構成されている。
なお、電流制御部3は、巻線電流測定値Id、Iqのうち第2の周期と比較して短い周期に対応した高周波成分を減衰させるフィルタを有していてもよい。
(3)動作例
次に、モータ駆動システム1の動作例について図2を参照して説明する。
まず、モータ駆動システム1の温度評価システム2は、温度評価値twを算出する。すなわち、温度評価システム2の取得部21は、巻線電流測定値Id、Iqを取得し(ステップST1)、評価部22は、取得部21で取得された巻線電流測定値Id、Iqに基づいて温度評価値twを算出する(ステップST2)。
次に、電流制御部3の判定部31は、温度評価値twと第1の閾値Th1とを比較する(ステップST3)。温度評価値twが第1の閾値Th1以下の場合は(ステップST3:NO)、電流制御部3は、インバータ54からモータ6の電機子巻線61への電流の供給を継続させることで、モータ6の動作を継続させる。一方で、温度評価値twが第1の閾値Th1を超えている場合は(ステップST3:YES)、電流制御部3は、インバータ54からモータ6の電機子巻線61への電流の供給を停止させることで、モータ6の動作を停止させる(ステップST4)。
(4)小括
以上説明した本実施形態の温度評価システム2では、温度評価値twを容易に算出することができる。
また、本実施形態のモータ駆動システム1では、温度評価値twに基づいて電機子電流Iaを制御することで、電機子巻線61の温度を制御することができる。これにより、電機子巻線61が高温に晒される可能性を低減できる。また、モータ6を過負荷から保護することができる。また、電機子巻線61の温度又は温度評価値twによらずに電機子電流Iaを制御する場合と比較して、温度評価値twに基づいて電機子電流Iaを制御することで、電機子巻線61の温度管理をより精度良く行える。また、モータ駆動システム1に限らず、電機子電流Iaをフィードバックしてモータ制御を行うシステムは、電機子電流Iaを測定する電流センサ55等の構成を有している。そのため、このようなシステムをモータ駆動システム1の構成として採用することで、電流センサ等の構成を新たに追加することなく温度評価値twを算出できる。すなわち、システムのハードウェアの追加を抑制しつつ、温度評価値twを算出できる。
また、本実施形態の巻線電流測定値Idは、励磁電流(d軸電流)の測定値であり、巻線電流測定値Iqは、トルク電流(q軸電流)の測定値である。本実施形態のモータ駆動システム1では、モータ6の制御方法として、電機子巻線61に供給される励磁電流(d軸電流)とトルク電流(q軸電流)とを独立に制御するベクトル制御を採用している。そのため、ベクトル制御のために巻線電流測定値Id、Iqを算出する構成と、温度評価値twを算出するために巻線電流測定値Id、Iqを算出する構成と、を共通化することができる。これにより、モータ駆動システム1の構成を簡略化することができる。
また、電流制御部3は、温度評価値twが第1の閾値Th1を超えると、電機子電流Iaを制限する。よって、電機子巻線61の温度が比較的高温である状態で電機子巻線61への通電を開始した場合に、温度評価値twが第1の閾値Th1を超えると、直ちに電機子電流Iaを制限することができる。これにより、例えば、電機子電流Iaの測定値に応じて遮断時間を設定し遮断時間が経過すると電機子電流Iaを遮断(制限)するような比較例とは異なって、遮断時間の経過を待たずに電機子電流Iaを制限できる。これにより、モータ6が高温に晒される可能性を更に低減できる。なお、上記比較例において、遮断時間は、電機子電流Iaの測定値が大きいほど短い時間に設定される。
また、上記比較例において、遮断時間はモータ6を確実に保護するために余裕を持って設定される(つまり、比較的短い時間に設定される)ことが一般的である。具体的には、電機子巻線61の温度が比較的高温である状態で電機子巻線61への通電を開始した場合であってもモータ6が高温に晒される時間を短縮できるように遮断時間が設定される。つまり、電機子巻線61の温度が不明なので、高温の状態を基準として遮断時間が短めに設定される。しかし、遮断時間が短いほど、電機子巻線61に流せる電流が小さい電流に制限されてしまう。これに対して、本実施形態では、電機子巻線61の温度に相当する温度評価値twに基づいて電機子巻線61に流す電流の制限の有無が決定される。そのため、電機子巻線61の温度が許容範囲内である限り(具体的には、温度評価値twが第1の閾値Th1以下である限り)、電機子巻線61に通電し続けることができる。したがって、本実施形態では、電機子巻線61により大きな電流を流せる。
(5)変形例
以下、実施形態の変形例について説明する。実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
(5−1)変形例1
実施形態のモータ駆動システム1は、温度評価値twが第1の閾値Th1を超えている場合に、電機子巻線61に電流が流れなくする。これに対して、本変形例1のモータ駆動システム1は、温度評価値twが第1の閾値Th1を超えている場合に、電機子巻線61に流れる電流を低下させる。
より詳細には、判定部31は、温度評価値twが第1の閾値Th1を超えている場合に、制限信号Sig1を電流FB部32に出力する。電流FB部32は、制限信号Sig1が入力されると、上位部44から出力された電流指令値Iqを、より小さい値に変更する。電流FB部32は、変更後の電流指令値Iqに基づいて電圧指令値Vd、Vqを定める。これにより、電機子巻線61に流れる電流が低下するので、電機子巻線61の温度上昇を抑制できる。
本変形例1によれば、温度評価値twが第1の閾値Th1を超えている場合であっても、モータ6の動作を継続させることができる。
(5−2)変形例2
本変形例2において、閾値設定部33は、第1の閾値Th1に加えて、第2の閾値を記憶している。すなわち、判定閾値は、第1の閾値Th1と、第2の閾値と、を含む。電流制御部3は、温度評価値twと第1の閾値Th1及び第2の閾値のうち少なくとも一方との比較結果に基づいて電機子巻線61に流れる電流(電機子電流Ia)を制御する。
第2の閾値は、第1の閾値Th1よりも小さい値である。電流制御部3は、例えば、第1の閾値Th1に関する第1の条件と、第2の閾値に関する第2の条件と、のうち少なくとも一方が満たされると、電機子電流Iaを制限する。第1の条件は、温度評価値twが第1の閾値Th1を超えるという条件である。第1の条件では、温度評価値twが第1の閾値Th1を超えた時間の長さを問わない。そのため、電流制御部3は、温度評価値twが第1の閾値Th1を超えると直ちに電機子電流Iaを制限する。第2の条件は、温度評価値twが第2の閾値を所定時間(第2の時間)以上継続して超えるという条件である。所定時間は、例えば、数秒である。
本変形例2によれば、第2の条件が満たされた場合に電機子電流Iaを制限するので、電機子巻線61の温度が第2の閾値を超えた状態で比較的大きな電機子電流Iaが流れ続ける可能性を低減できる。これにより、例えば、電機子巻線61の周囲温度の上昇を抑制できる。また、第1の条件が満たされた場合に電機子電流Iaを制限するので、電機子巻線61を高温から保護することができる。
なお、第2の時間は、温度評価値twによって変化してもよい。例えば、温度評価値twが大きいほど、第2の時間が短くなってもよい。
また、第1の条件も、第2の条件と同様に、時間に依存する条件であってもよい。すなわち、第1の条件は、温度評価値twが第1の閾値Th1を所定時間(第1の時間)以上継続して超えるという条件であってもよい。第1の時間は、第2の時間と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
また、電流制御部3は、第2の条件を判断に用いず、第1の条件が満たされた場合に電機子電流Iaを制限してもよい。あるいは、電流制御部3は、第1の条件を判断に用いず、第2の条件が満たされた場合に電機子電流Iaを制限してもよい。
また、電流制御部3は、第1の条件と第2の条件とに加えて、さらに多くの条件に基づいて電機子電流Iaを制限してもよい。また、判定閾値が第1の閾値Th1と第2の閾値とに加えて更に多くの閾値を含んでいてもよい。
(5−3)変形例3
本変形例3において、電流制御部3は、温度評価値twと判定閾値(第1の閾値Th1)との比較結果に基づいて電機子巻線61に流れる電流(電機子電流Ia)を制限し、その後、所定の条件が満たされると、電機子巻線61に流れる電流の制限を解除する。すなわち、電機子巻線61の温度上昇に伴って電機子電流Iaを制限した後、すぐに制限を解除すると、電機子巻線61の温度が再び許容可能な温度以上に上昇する可能性があるので、所定の条件が満たされるまで電流制御部3が電機子電流Iaの制限を継続する。これにより、電機子巻線61が高温に晒される可能性を更に低減できる。また、電機子電流Iaの制限と制限の解除とが短期間に繰り返される可能性を低減できる。
所定の条件の一例は、ある時間が経過することである。ある時間は、例えば、数分である。
所定の条件の別の一例は、温度評価値twが所定の値以下となることである。所定の値は、第1の閾値Th1よりも小さい値である。つまり、電機子電流Iaの制限を判断する際の第1の閾値Th1と、制限の解除を判断するための所定の値との間にヒステリシスを持たせてもよい。
(6)実施形態のその他の変形例
以下、実施形態のその他の変形例を列挙する。以下の変形例は、適宜組み合わせて実現されてもよい。また、以下の変形例は、上述の各変形例と適宜組み合わせて実現されてもよい。
温度評価システム2及びモータ駆動システム1と同様の機能は、方法、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。
一態様に係る温度評価方法は、取得ステップと、評価ステップと、を備える。取得ステップでは、巻線電流測定値Id、Iqを取得する。巻線電流測定値Id、Iqは、モータ6の電機子巻線61に流れる電流の測定値である。評価ステップでは、取得ステップで取得された巻線電流測定値Id、Iqに基づいて温度評価値twを算出する。温度評価値twは、電機子巻線61の温度に相当する値である。
一態様に係るプログラムは、上記の温度評価方法を1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
本開示におけるモータ駆動システム1は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示におけるモータ駆動システム1としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
また、モータ駆動システム1における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることはモータ駆動システム1に必須の構成ではなく、モータ駆動システム1の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。例えば、温度評価システム2と電流制御部3とが個別の筐体に設けられていてもよい。さらに、モータ駆動システム1の少なくとも一部の機能、例えば、評価部22の一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
反対に、実施形態において、複数の装置に分散されているモータ駆動システム1の少なくとも一部の機能が、1つの筐体内に集約されていてもよい。
パラメータ設定部23は、例えば、ディップスイッチ等のスイッチを有していてもよい。パラメータ設定部23は、スイッチの接点を切り替えることで、温度係数α20等のパラメータを変更可能に構成されていてもよい。
また、閾値設定部33は、例えば、ディップスイッチ等のスイッチを有していてもよい。閾値設定部33は、スイッチの接点を切り替えることで、判定閾値(第1の閾値Th1等)を変更可能に構成されていてもよい。
フィルタ24は、評価部22と判定部31との間に配置されていてもよい。すなわち、フィルタ24は、温度評価値twのノイズ成分(高周波成分)を直接減衰させてもよい。
あるいは、フィルタ24は、抵抗算出部221と温度算出部222との間に配置されていてもよい。すなわち、フィルタ24は、抵抗算出部221で算出された電気抵抗値Rtのノイズ成分(高周波成分)を減衰させることで、間接的に温度評価値twのノイズ成分(高周波成分)を減衰させてもよい。
評価部22は、電圧指令値Vdに代えて、電機子巻線61に印加される電圧の測定値(d軸電圧)に基づいて温度評価値twを算出してもよい。電機子巻線61に印加される電圧を測定するための電圧センサは、モータ駆動システム1の構成に含まれていてもよいし、含まれていなくてもよい。
評価部22が電気抵抗値Rtを算出することは必須ではなく、評価部22は、巻線電流測定値Id、Iq等から直接的に温度評価値twを算出してもよい。例えば、評価部22は、実施形態で挙げた[数5]により温度評価値twを算出してもよい。
温度評価システム2は、温度評価値twを電流制御部3だけでなく他の構成へ出力してもよい。また、モータ駆動システム1は、温度評価値twに関する判定結果を他の構成に出力してもよい。判定結果は、例えば、温度評価値twが第1の閾値Th1を超えたか否かの情報である。温度評価値tw及び判定結果は、例えば、サーバコンピュータ又はパーソナルコンピュータへ出力されてもよいし、モータ駆動システム1のメモリに記憶されてもよい。また、モータ駆動システム1は、判定結果を報知する報知部を備えていてもよい。報知部は、例えば、音又は光により判定結果を報知する。
(まとめ)
以上説明した実施形態等から、以下の態様が開示されている。
第1の態様に係る温度評価システム(2)は、取得部(21)と、評価部(22)と、を備える。取得部(21)は、巻線電流測定値(Id、Iq)を取得する。巻線電流測定値(Id、Iq)は、モータ(6)の電機子巻線(61)に流れる電流の測定値である。評価部(22)は、取得部(21)で取得された巻線電流測定値(Id、Iq)に基づいて温度評価値(tw)を算出する。温度評価値(tw)は、電機子巻線(61)の温度に相当する値である。
上記の構成によれば、巻線電流測定値(Id、Iq)は測定等により比較的取得しやすいパラメータなので、温度評価システム(2)により温度評価値(tw)を容易に算出することができる。
また、第2の態様に係る温度評価システム(2)では、第1の態様において、評価部(22)は、電機子巻線(61)の温度が所定の温度の場合の電機子巻線(61)の電気抵抗値(R20)に更に基づいて温度評価値(tw)を算出する。
上記の構成によれば、電機子巻線(61)の温度が所定の温度の場合の電機子巻線(61)の電気抵抗値(R20)は定数である。そのため、評価部(22)が電気抵抗値(R20)に代えてモータ(6)の設置環境等により変化するパラメータを用いる場合と比較して、温度評価値(tw)の算出精度が低下する可能性を低減できる。
また、第3の態様に係る温度評価システム(2)では、第1又は2の態様において、評価部(22)は、電機子巻線(61)に印加される電圧(電圧指令値(Vd))に更に基づいて温度評価値(tw)を算出する。
上記の構成によれば、電機子巻線(61)に印加される電圧(電圧指令値(Vd))は比較的取得しやすいパラメータなので、温度評価システム(2)により温度評価値(tw)を容易に算出することができる。
また、第4の態様に係る温度評価システム(2)は、第1〜3の態様のいずれか1つにおいて、パラメータ設定部(23)を更に備える。パラメータ設定部(23)は、温度評価値(tw)の算出に係るパラメータを設定するための設定入力を受け付ける。
上記の構成によれば、パラメータが互いに異なる複数種類のモータ(6)が有る場合に、モータ(6)の種類に応じてパラメータを設定することで、各モータ(6)に係る温度評価値(tw)を共通の構成の温度評価システム(2)により算出することができる。
また、第5の態様に係る温度評価システム(2)は、第1〜4の態様のいずれか1つにおいて、フィルタ(24)を更に備える。フィルタ(24)は、温度評価値(tw)のノイズ成分を減衰させる。
上記の構成によれば、温度評価値(tw)の算出精度を向上させることができる。
また、第6の態様に係る温度評価システム(2)では、第1〜5の態様のいずれか1つにおいて、巻線電流測定値(Id、Iq)は、励磁電流の測定値と、トルク電流の測定値と、を含む。
上記の構成によれば、巻線電流測定値(Id、Iq)を測定等により容易に取得することができる。
第1の態様以外の構成については、温度評価システム(2)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
また、第7の態様に係るモータ駆動システム(1)は、第1〜6の態様のいずれか1つに係る温度評価システム(2)と、電流制御部(3)と、を備える。電流制御部(3)は、温度評価値(tw)と判定閾値との比較結果に基づいて電機子巻線(61)に流れる電流を制御する。
上記の構成によれば、温度評価値(tw)に基づいて電機子巻線(61)に流れる電流を制御することで、電機子巻線(61)の温度を制御することができる。
また、第8の態様に係るモータ駆動システム(1)では、第7の態様において、判定閾値は、第1の閾値(Th1)と、第1の閾値(Th1)とは異なる第2の閾値と、を含む。電流制御部(3)は、温度評価値(tw)と第1の閾値(Th1)及び第2の閾値のうち少なくとも一方との比較結果に基づいて電機子巻線(61)に流れる電流を制御する。
上記の構成によれば、判定閾値が1つの閾値のみを含む場合と比較して、電機子巻線(61)に流れる電流をより細かに制御できる。
また、第9の態様に係るモータ駆動システム(1)では、第7又は8の態様において、評価部(22)は、温度評価値(tw)を第1の周期ごとに算出する。電流制御部(3)は、電機子巻線(61)に流れる電流の制御値を第2の周期ごとに更新する。第1の周期は、第2の周期よりも長い。
上記の構成によれば、第1の周期が第2の周期よりも長いので、評価部(22)における温度評価値(tw)を求める処理の処理量を抑制できる。
また、第10の態様に係るモータ駆動システム(1)では、第7〜9の態様のいずれか1つにおいて、電流制御部(3)は、温度評価値(tw)と判定閾値との比較結果に基づいて電機子巻線(61)に流れる電流を制限し、その後、所定の条件が満たされると、電機子巻線(61)に流れる電流の制限を解除する。
上記の構成によれば、電機子巻線(61)の温度が上昇して電流制御部(3)が電機子巻線(61)に流れる電流を制限してから、所定の条件が満たされるまでの間の時間を、電機子巻線(61)の温度が低下するための時間として確保できる。そのため、電機子巻線(61)の温度が比較的高い状態で電流制御部(3)が電機子巻線(61)に流れる電流の制限を解除する可能性を低減させることができる。
また、第11の態様に係るモータ駆動システム(1)は、第7〜10の態様のいずれか1つにおいて、閾値設定部(33)を更に備える。閾値設定部(33)は、判定閾値を設定するための設定入力を受け付ける。
上記の構成によれば、モータ(6)の使用条件等に応じて判定閾値を設定できる。
また、第12の態様に係る温度評価方法は、取得ステップと、評価ステップと、を備える。取得ステップでは、巻線電流測定値(Id、Iq)を取得する。巻線電流測定値(Id、Iq)は、モータ(6)の電機子巻線(61)に流れる電流の測定値である。評価ステップでは、取得ステップで取得された巻線電流測定値(Id、Iq)に基づいて温度評価値(tw)を算出する。温度評価値(tw)は、電機子巻線(61)の温度に相当する値である。
上記の構成によれば、温度評価値(tw)を容易に算出することができる。
また、第13の態様に係るプログラムは、第12の態様に係る温度評価方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
上記の構成によれば、温度評価値(tw)を容易に算出することができる。
上記態様に限らず、実施形態に係る温度評価システム(2)及びモータ駆動システム(1)の種々の構成(変形例を含む)は、方法及びプログラムにて具現化可能である。
1 モータ駆動システム
2 温度評価システム
21 取得部
22 評価部
23 パラメータ設定部
24 フィルタ
3 電流制御部
33 閾値設定部
6 モータ
61 電機子巻線
Id、Iq 巻線電流測定値
20 電気抵抗値
Th1 第1の閾値
tw 温度評価値
Vd 電圧指令値

Claims (13)

  1. モータの電機子巻線に流れる電流の測定値である巻線電流測定値を取得する取得部と、
    前記取得部で取得された前記巻線電流測定値に基づいて前記電機子巻線の温度に相当する温度評価値を算出する評価部と、を備える、
    温度評価システム。
  2. 前記評価部は、前記電機子巻線の温度が所定の温度の場合の前記電機子巻線の電気抵抗値に更に基づいて前記温度評価値を算出する、
    請求項1に記載の温度評価システム。
  3. 前記評価部は、前記電機子巻線に印加される電圧に更に基づいて前記温度評価値を算出する、
    請求項1又は2に記載の温度評価システム。
  4. 前記温度評価値の算出に係るパラメータを設定するための設定入力を受け付けるパラメータ設定部を更に備える、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の温度評価システム。
  5. 前記温度評価値のノイズ成分を減衰させるフィルタを更に備える、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の温度評価システム。
  6. 前記巻線電流測定値は、励磁電流の測定値と、トルク電流の測定値と、を含む、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の温度評価システム。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の温度評価システムと、
    前記温度評価値と判定閾値との比較結果に基づいて前記電機子巻線に流れる電流を制御する電流制御部と、を備える、
    モータ駆動システム。
  8. 前記判定閾値は、第1の閾値と、前記第1の閾値とは異なる第2の閾値と、を含み、
    前記電流制御部は、前記温度評価値と前記第1の閾値及び前記第2の閾値のうち少なくとも一方との比較結果に基づいて前記電機子巻線に流れる電流を制御する、
    請求項7に記載のモータ駆動システム。
  9. 前記評価部は、前記温度評価値を第1の周期ごとに算出し、
    前記電流制御部は、前記電機子巻線に流れる電流の制御値を第2の周期ごとに更新し、
    前記第1の周期は、前記第2の周期よりも長い、
    請求項7又は8に記載のモータ駆動システム。
  10. 前記電流制御部は、前記温度評価値と前記判定閾値との比較結果に基づいて前記電機子巻線に流れる電流を制限し、その後、所定の条件が満たされると、前記電機子巻線に流れる電流の制限を解除する、
    請求項7〜9のいずれか一項に記載のモータ駆動システム。
  11. 前記判定閾値を設定するための設定入力を受け付ける閾値設定部を更に備える、
    請求項7〜10のいずれか一項に記載のモータ駆動システム。
  12. モータの電機子巻線に流れる電流の測定値である巻線電流測定値を取得する取得ステップと、
    前記取得ステップで取得された前記巻線電流測定値に基づいて前記電機子巻線の温度に相当する温度評価値を算出する評価ステップと、を備える、
    温度評価方法。
  13. 請求項12に記載の温度評価方法を、1以上のプロセッサに実行させるための、
    プログラム。
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