JP2021041858A - シミュレーション装置およびプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】地上側からの列車走行に対する指示と実際の列車の運行とに違いが生じ得ることを前提とした、列車制御システム全体のシミュレーションを実現する技術を提供すること。【解決手段】シミュレーション装置1は、各列車の位置および速度を含む走行実績に基づく運行管理を模擬することで、各列車への運転操作情報を生成する運行管理SIM部210と、運転操作情報に基づく各列車の走行を模擬することで、走行実績を生成する列車走行SIM部220とを具備し、シミュレーション時刻を進めつつ、運行管理SIM部210と列車走行SIM部220とを交互に繰り返し機能させる。【選択図】図2

Description

本発明は、運行管理および列車の走行を模擬するシミュレーション装置等に関する。
従来から、鉄道の列車運行では、固定閉そくと呼ばれる、1つの閉そく区間に1列車のみの進入を許可する方式が採用されている。この方式では、閉そく区間の入口に信号機を設置し、当該区間への進入許可を信号現示で示したり、列車が在線する閉そく区間の手前までに停止するよう列車の制限速度を現示したりすることで、列車運行の安全性を確保する。
これに対して、近年、より列車間隔を縮小し高密度な列車運行を可能とするために、移動閉そくと呼ばれる、連続的に変化する先行列車の末尾位置に応じて後続列車の停止限界点を設定する方式が提案され、採用されつつある。この方式では、閉そく区間を事前に固定的に定めず、停止限界点までに後続列車が停車可能なように後続列車の位置・制限速度の組み合わせで定義されるブレーキパターン(防護パターン)の随時設定および連続的な更新を行い、この防護パターン内となるように列車の速度を制御することで、安全性を確保しながらも列車間隔を短縮する。
移動閉そく方式では、地上・車上間の通信手段として無線通信を用いた無線式列車制御システムが採用されるのが通常である。例えば、特許文献1のシステムでは、地上側で各列車の位置や速度を連続的に取得・管理し、信号機といった地上設備を介することなく制御情報を各列車に直接に伝送することで、自由度が高く且つ安全な運行管理が可能となる。
特開2018−56736号公報
無線式列車制御システムでは、地上側で、駅間を含めた各列車の具体的な運転操作を指示することが可能である。しかしながら、地上側の運行管理が指示する列車の走行と、実際の列車の走行とには、様々な要因により違いが生じることが避けられない。例えば、指示された運転操作通りの操作を列車側で実施しようとした場合に、運転操作切替のためのタイムラグが発生し、結果として生じる列車状態が、運行管理が想定する状態と異なることがある。また、仮に、カタログ上、同じ形式、性能の列車であっても、使用される個別の編成、車両の加減速度等の性能の違いや、線路状態の違いによって、運行管理側が想定している加減速性能が得られない場合には、走行状態に違いが生じ得る。また、駅の旅客の乗降に起因する着発遅延や、指示の伝達遅延なども、列車の走行に違いが生じる要因となる。
他方、新たな列車制御システムを導入する場合には、正確な効果予測が求められるため、実態に即した効果を事前に検証できれば至便である。そのための一手法として、列車制御システムを模擬したシミュレーションの需要が高まっている。無線式列車制御システムは、従来の固定閉そく式の列車制御システムとは上述した違いがある。このため、特に、地上側からの列車走行に対する指示と実際の列車の運行とに違いが生じ得ることを前提としたシミュレーションの実現が求められている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、地上側からの列車走行に対する指示と実際の列車の運行とに違いが生じ得ることを前提とした、列車制御システム全体のシミュレーションを実現する技術を提供することである。
上記課題を解決するための第1の発明は、
各列車の位置および速度を含む走行実績に基づく運行管理を模擬することで、各列車への運転操作情報を生成する運行管理シミュレーション部(以下「運行管理SIM部」という)と、
前記運転操作情報に基づく各列車の走行を模擬することで、前記走行実績を生成する列車走行シミュレーション部(以下「列車走行SIM部」という)と、
を具備し、シミュレーション時刻を進めつつ、前記運行管理SIM部と前記列車走行SIM部とを交互に繰り返し機能させるシミュレーション装置である。
他の発明として、
コンピュータシステムを、
各列車の位置および速度を含む走行実績に基づく運行管理を模擬することで、各列車への運転操作情報を生成する運行管理シミュレーション部(以下「運行管理SIM部」という)、
前記運転操作情報に基づく各列車の走行を模擬することで、前記走行実績を生成する列車走行シミュレーション部(以下「列車走行SIM部」という)、
として機能させるとともに、シミュレーション時刻を進めつつ、前記運行管理SIM部と前記列車走行SIM部とを交互に繰り返し機能させるためのプログラムを構成してもよい。
第1の発明等によれば、運行管理を行う地上側の列車走行に対する指示と、実際の列車の運行とに違いが生じ得ることを前提とした列車制御システム全体のシミュレーションを実現することができる。つまり、シミュレーション時刻を進めつつ、運行管理SIM部が、列車走行SIM部により生成された走行実績に基づき次の運転操作情報を生成することと、列車走行SIM部が、運行管理SIM部により生成された運転操作情報に基づき各列車の走行を模擬して走行実績を生成することとを繰り返す。地上側の運行管理を模擬して運転操作情報を生成する運行管理SIM部と、運転操作情報に従った実際の列車の走行を模擬する列車走行SIM部とを独立したシミュレーション部とし、シミュレーション時刻を進めつつ交互に機能させることで、運行管理を行う地上側が、随時、模擬した実際の列車の走行を反映しつつ次の運転操作情報を生成するといった列車制御システムのシミュレーションを実現することができる。
第2の発明は、第1の発明において、
前記運転操作情報は、運転操作の種類および運転操作のタイミングを示す情報を少なくとも含み、
前記列車走行SIM部は、前記運転操作情報の内容に部分的な変更を加える変動付与手段、を備え、前記変動付与手段により変更が加えられた前記運転操作情報に基づいて各列車の走行を模擬することで、前記走行実績を生成する、
シミュレーション装置である。
第2の発明によれば、運転操作の種類やタイミングを指示する情報を少なくとも含む運転操作情報に対して、列車走行SIM部が、その内容に部分的な変更を加えることができ、変更が加えられた運転操作情報に基づいて各列車の走行を模擬して走行実績を生成することができる。運転操作情報に加える変更としては、例えば、指示されたタイミングを所定秒数だけ遅らせるといった運転操作のタイミングの変更がある。同じ運転操作情報が与えられても、個別の列車の車両状態や線路状況により実際の列車の走行に違いが生じ得るが、列車走行SIM部において運転操作情報の内容に部分的に変更を加えることにより、指示した運転操作情報、およびそのタイミングと、実際に走行中の列車に有効に働く加減速等、およびそのタイミングとの違いを再現して、より実際に近い列車の走行を模擬することができる。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、
前記運転操作情報は、各列車について、次の停車駅に停車するまでの情報であり、
前記走行実績は、各列車について、直前出発駅を出発してから前記シミュレーション時刻までの情報である、
シミュレーション装置である。
第3の発明によれば、運行管理SIM部が生成する運転操作情報は、各列車について、次の停車駅に停車するまでの情報とすることができる。また、列車走行SIM部が生成する走行実績は、各列車について、直前出発駅を出発してからシミュレーション時刻までの情報とすることができる。これにより、運行管理SIM部と列車走行SIM部との間でやり取りする情報を、列車制御システム全体を模擬する上で、適切な内容および量にすることができる。
第4の発明は、第1〜第3の何れかの発明において、
前記運行管理SIM部は、
前記列車走行SIM部で生成された前記走行実績に基づいて前記各列車の運行予測を行って、前記各列車の予測運転曲線を作成する運行予測手段と、
前記予測運転曲線に従った走行を前記各列車に行わせるための前記運転操作情報を生成する運転操作情報生成手段と、
を備え、
前記列車走行SIM部は、
前記運転操作情報に基づいて前記各列車の走行シミュレーションを行って実績運転曲線を作成する実績運転曲線作成手段と、
前記実績運転曲線に基づいて前記走行実績を生成する走行実績生成手段と、
を備えた、
のシミュレーション装置である。
第4の発明によれば、運行管理SIM部は、列車の具体的な走行を、予測運転曲線として予測し、当該予測運転曲線から運転操作情報を生成することができる。一方、列車走行SIM部は、運転操作情報に基づいて走行シミュレーションを行うことで実績運転曲線を作成し、当該実績運転曲線に基づいて走行実績を生成することができる。
第5の発明は、第4の発明において、
前記運行予測手段は、各列車の予測運転曲線を、当該列車の第1の走行諸元パラメータを用いて作成し、
前記実績運転曲線作成手段は、各列車の実績運転曲線を、当該列車の第2の走行諸元パラメータを用いて作成し、
前記第1の走行諸元パラメータと前記第2の走行諸元パラメータとは、パラメータ値が異なる、
シミュレーション装置である。
第5の発明によれば、パラメータ値が異なる走行諸元パラメータを用いるので、運行管理SIM部が作成する予測運転曲線と、列車走行SIM部が作成する実績運転曲線とに違いが生じ得る。走行諸元パラメータとは、例えば、加減速度や走行抵抗、車両重量、引張力といった車両諸元や、線路諸元である。従って、運行管理SIM部は、理想的或いは標準的な走行諸元パラメータを用いて予測運転曲線を作成し、列車走行SIM部は、列車毎の現実的な走行諸元パラメータを用いて実績運転曲線を作成するといった、走行諸元パラメータの違いを再現して、より現実に近い列車制御システムを模擬することができる。
第6の発明は、第4又は第5の発明において、
前記運行管理SIM部は、
各仮想旅客の出現駅、出現時刻および目標駅が定められた第1の旅客情報に基づいて、各駅の列車の着発遅延を予測する第1の列車遅延・旅客流動予測手段、
を更に備え、
前記運行予測手段は、各列車の予測運転曲線を、前記第1の列車遅延・旅客流動予測手段の予測結果を用いて作成し、
前記列車走行SIM部は、
各仮想旅客の出現駅、出現時刻および目標駅が定められた、前記第1の旅客情報とは一部内容が異なる第2の旅客情報に基づいて、各駅の列車の着発遅延を予測する第2の列車遅延・旅客流動予測手段、
を更に備え、
前記実績運転曲線作成手段は、各列車の走行シミュレーションにおいて、各列車の各駅の出発遅延を、前記第2の列車遅延・旅客流動予測手段の予測結果を用いて模擬することで前記実績運転曲線を作成する、
シミュレーション装置である。
第6の発明によれば、運行管理SIM部および列車走行SIM部のそれぞれにおいて、更に、旅客情報に基づく各駅の列車の着発遅延の予測を行うが、一部内容が異なる旅客情報を用いるので、それぞれの予測結果に違いが生じ得る。着発遅延の予測結果の違いにより、運行管理SIM部が作成する予測運転曲線と、列車走行SIM部が作成する実績運転曲線とに違いが生じ得る。例えば、運行管理SIM部が用いる旅客情報は標準的・平均的な旅客情報とし、列車走行SIM部が用いる旅客情報はランダム要素を含む旅客情報とする等して、運行管理SIM部が予測する旅客流動と、列車走行SIM部が予測する旅客流動とに違いを与え、地上側からの列車走行に対する指示と実際の列車の運行とに違いが生じ得る列車制御システムを模擬することができる。
第7の発明は、第1〜第6の何れかの発明において、
前記運行管理SIM部と前記列車走行SIM部との間に介在し、前記運行管理SIM部が生成した前記運転操作情報を前記列車走行SIM部に利用可能とさせるまでの遅延の制御と、前記列車走行SIM部が生成した前記走行実績を前記運行管理SIM部に利用可能とさせるまでの遅延の制御とを行うことで、少なくとも伝送遅延を含む通信ネットワークを模擬する通信シミュレーション部(以下「通信SIM部」という)、
を更に具備したシミュレーション装置である。
第7の発明によれば、運行管理SIM部と列車走行SIM部との間に介在する通信SIM部によって、運行管理を行う地上側と各列車との間の通信を模擬することができる。つまり、運行管理を行う地上側と各列車の車上装置との間の通信ネットワークとして無線通信を用いる無線式列車制御システムでは、無線通信の安定性や信頼性を考慮する必要があるが、通信ネットワークを模擬する通信SIM部によって、より現実に近い無線式列車制御システム全体のシミュレーションを実現することができる。
シミュレーションの対象となる無線通信システムの全体概要図。 シミュレーン装置の構成図。 制御マップの一例。 運転操作情報の説明図。 シミュレーションの実行手順の概要図。 運行管理SIM部による予測運転曲線の作成の説明図。 列車走行SIM部による実績運転曲線の作成の説明図。 運行管理SIM部による運行履歴の更新の説明図。 シミュレーション装置の機能構成図。 シミュレーション処理のフローチャート。 シミュレーション処理のフローチャート。 シミュレーション結果を示す図。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態によって本発明が限定されるものではなく、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限定されるものでもない。また、図面の記載において、同一要素には同一符号を付す。
[概要]
本実施形態のシミュレーション装置は、コンピュータシステムを用いて、無線式列車制御システムのシミュレーションを行う装置である。図1は、本実施形態のシミュレーション装置のシミュレーション対象となる無線式列車制御システムの全体概要図である。図1に示すように、無線式列車制御システム10は、運行管理装置20と、軌道Rを走行する列車30に搭載される車上装置32とが、通信ネットワーク40を介して無線通信により接続されて構成される。通信ネットワーク40は、例えば、通信エリアが連続して軌道Rを含むように複数の無線基地局を設置することで構成され、一部に有線通信を含んで構成することとしてもよい。
運行管理装置20は、移動閉そく方式による運行管理を行う。すなわち、運行管理装置20は、各列車30の位置および速度を含む列車状態を連続的に管理しており、列車状態に基づいて、各列車30を制御するための運転操作情報を生成して当該列車30の車上装置32に送信する。また、不図示であるが、運行管理装置20は、軌道Rに設置された踏切や転てつ機といった現場設備の動作状態も管理しており、現場設備の制御を含む運行管理を行う。
列車30の車上装置32は、自列車の列車IDや走行位置、走行速度を含む情報を、随時、運行管理装置20に送信する。走行位置や走行速度は、例えば、速度発電機が検出する車軸の回転数の計測値から算出することができる。列車30は、運行管理装置20からの運転操作情報に従った運転士の運転操作によって走行する。
運転操作情報は、運転士に対して運転操作を指示する情報であり、例えば“加速をX1秒行った後、だ行をX2秒行う”といったように、加速(力行)やだ行、ブレーキ(制動)といった運転操作の種類(いわゆるノッチ段数を含む)や、運転操作の開始および終了のタイミングを示す情報を含む。
[装置構成]
図2は、シミュレーション装置1の構成図であり、図1の無線式列車制御システム10のシミュレーションを実現するための機能部および各機能部間の情報のやり取りを示している。図2に示すように、シミュレーション装置1は、シミュレーションを実現するための機能部として、運行管理装置20による運行管理を模擬する運行管理SIM部210と、列車30の走行を模擬する列車走行SIM部220と、通信ネットワーク40を介した無線通信を模擬する無線通信SIM部230とを備える。シミュレーション装置1は、シミュレーション時刻Tを進めながら、運行管理SIM部210による運行管理装置20による運行管理の模擬と、列車走行SIM部220による列車30の走行の模擬とを交互に繰り返し実行することで、無線式列車制御システム10のシミュレーションを実現する。つまり、運行管理装置20による運行計画の作成の模擬と、当該運行計画に従った各列車の走行の模擬とを繰り返すことで、無線式列車制御システム10における列車運行のシミュレーションを実施する。
運行管理SIM部210は、制御マップ作成部212と、運転操作情報生成部218とを有する。
制御マップ作成部212は、第1の列車遅延・旅客流動予測部214と、運行予測部216とを有し、運行履歴324に基づいて、運行計画を示した制御マップ325を作成する。運行履歴324は、各列車30の位置および速度を含む走行実績であり、各列車30の実績運転曲線335の集合である。実績運転曲線335は、列車走行SIM部220により生成される。1つ1つの実績運転曲線335が走行実績であるともいえる。
第1の列車遅延・旅客流動予測部214は、列車ダイヤ321および第1の旅客情報322に基づき、各列車30の各駅での仮想旅客の乗降時間を算出して、遅延を考慮した発時刻を予測する。列車ダイヤ321は、計画ダイヤでもよいし、運転整理がなされた運転整理ダイヤとしてもよい。第1の旅客情報322は、各仮想旅客の出現駅、出現時刻および目標駅が定められた情報であり、例えば、時間帯別の出現駅と目的駅との組み合わせ毎に出現する仮想旅客数を定めたOD(Origin Destination)データである。第1の列車遅延・旅客流動予測部214は、第1の旅客情報322に従って各駅に仮想旅客を出現させ、出現させた仮想旅客の乗車経路を推定する。また、シミュレーション時刻Tが、列車ダイヤ321で定められた列車30の駅への着時刻となると、第1の旅客情報322に基づいて、定められた乗車経路に従って当該列車30に仮想旅客を乗降させ、乗降客数の多少に基づいて乗降時分を算出して、当該列車30の当該駅からの発時刻を予測する。
運行予測部216は、運行履歴324に基づき、各列車30の運行予測を行って各列車30の予測運転曲線を作成する。具体的には、シミュレーション時刻Tが、第1の列車遅延・旅客流動予測部214により予測された発時刻になると、該当する列車30を該当する駅から出発させて、列車ダイヤ321で定められる次の停車駅までの駅間の予測運転曲線を作成する。駅間を走行中の列車30については、運行履歴324に含まれるシミュレーション時刻Tにおける当該列車30の位置および速度から走行を継続したとして、シミュレーション時刻Tから次の停車駅への到着までの予測運転曲線を作成する。
予測運転曲線の作成には、列車別に定められた第1の走行諸元パラメータ323を用いる。第1の走行諸元パラメータ323は、加減速性能や車両重量、引張力、走行抵抗、最小だ行時間といった列車30に関する車両諸元と、軌道Rに関する線路諸元とを含む。
予測運転曲線は、駅間の走行時分が、列車ダイヤ321で定められる当該駅間の走行時分を超えないように作成すればよい。従って、例えば、消費電力量の削減、列車間隔の短縮、踏切の遮断時間の短縮といった様々な評価基準を満たすような予測運転曲線を作成することができる。
制御マップ作成部212が作成する制御マップ325は、運行管理装置20が管理する線区全体における全ての列車30の走行を、駅間も含めて連続的に定めた運行計画の図である。図3に、制御マップ325の一例を示す。図3に示すように、制御マップ325は、横軸を時刻、縦軸を軌道Rに沿った位置として、各列車30の走行を“オビ”で表した図である。図3では、ある駅間における2台の列車30a,30bの走行を定めた制御マップの例を示している。
列車30のオビは、当該列車30の防護範囲の連続的な時間変化を示す帯状の範囲である。オビの先端位置は、列車30の先端位置から、列車30が常用最大ブレーキで停止するまでに要する走行距離(ブレーキ距離)だけ前方の位置であり、列車30の停止限界位置に相当する。ブレーキ距離は列車30の走行速度によって決まるため、列車30の走行速度に応じてオビの形状(長さ)は変化する。オビの後端位置は、列車30の後端位置から、無線通信の通信遅延を考慮した所定の余裕距離だけ後方の位置である。
運行予測部216は、制御マップ325において各列車30のオビが重ならないように運行予測を行って、各列車30の予測運転曲線を作成する。移動閉そく方式では、安全な列車間隔を確保する必要があるが、各列車のオビを重ねないことで、移動閉そく方式の列車運行を実現することができる。運転曲線は、列車の位置と速度との関係を示す速度曲線と、列車の位置と走行時間との関係を示す時間曲線とを含む。また、列車のオビは、時刻と列車の位置との関係を示す曲線である。つまり、一方の曲線から他方の曲線を求めることができ、列車のオビは運転曲線に相当するといえる。
運行予測部216は、各列車30について次の停車駅に到着するまでの予測運転曲線を作成するから、制御マップ作成部212が作成する制御マップ325は、各列車30が次の停車駅に到着するまでのオビを表した図となる。
運転操作情報生成部218は、制御マップ作成部212により作成された制御マップ325に基づいて、予測運転曲線に従った走行を列車30に行わせるための運転操作情報を生成する。予測運転曲線は、制御マップ325と対応関係にあり、制御マップ325から作成されるため、ここでは、制御マップ325から運転操作情報を生成することとして説明する。図4は、ある駅間を走行する列車30に対する運転操作情報の例を示しており、制御マップを参照例として併せて示している。制御マップ325には駅間を走行する列車30のオビが定められている。列車30に対する運転操作情報は、加速(力行)やだ行、減速(ブレーキ)といった運転操作の種類と、その開始および終了のタイミングとを指示する情報である。制御マップ325における列車30のオビは時刻と列車の位置との関係を定めるから、オビから列車30の位置と速度との関係を求め、求めた列車30の位置と速度との関係を実現するための運転操作を決めることができる。図4の例では、駅に停車中の列車30に対して、次駅まで走行するための運転操作情報として、“時刻t1に加速を開始して駅を出発し、時刻t2にだ行に変更し、時刻t3に減速(ブレーキ)を開始する”といった運転操作情報が生成されている。
制御マップ325における各列車30のオビは、当該列車30が次の停車駅に到着するまでを示すから、運転操作情報生成部218が生成する各列車30の運転操作情報は、当該列車30が次の停車駅に到着するまでの運転操作を指示する内容の情報となる。
図2に戻り、列車走行SIM部220は、第2の列車遅延・旅客流動予測部222と、実績運転曲線作成部226とを有する。
第2の列車遅延・旅客流動予測部222は、運行管理SIM部210の第1の列車遅延・旅客流動予測部214と同一処理を行う機能部であり、列車ダイヤ321および第2の旅客情報332に基づき、各列車30の各駅での仮想旅客の乗降時間を算出して、遅延を考慮した発時刻を予測する。第2の旅客情報332は、第1の列車遅延・旅客流動予測部214が用いる第1の旅客情報322と、一部内容が異なる。異なる内容としては、例えば、一部の駅で仮想旅客の出現人数が異なる、一部の仮想旅客の目的駅や乗車経路の推定のための属性が異なる、とすることができる。第1の列車遅延・旅客流動予測部214が用いる第1の旅客情報322と、第2の列車遅延・旅客流動予測部222が用いる第2の旅客情報332とは、一部内容が異なるので、それぞれによって予測される列車の発時刻に違いが生じ得る。第1の旅客情報322を、例えば統計的に平均的な情報とすることで、第1の列車遅延・旅客流動予測部214に定常的な状況を模擬した予測を行わせる。他方、第2の旅客情報332を、例えばランダム的に旅客が多少変化する情報とすることで、第2の列車遅延・旅客流動予測部222に現場で日々変化する状況を模擬した予測を行わせる。これにより、地上側の運行管理装置20の予測と、現場の状況とに違いが生じることを模擬する。
実績運転曲線作成部226は、運行管理SIM部210により生成された運転操作情報に基づいて各列車30の走行シミュレーションを行って実績運転曲線を作成する。具体的には、各列車30について、運転操作情報で指示される運転操作を指示されるタイミングで行ったとして列車を走行させる走行シミュレーションを行って、シミュレーション時刻Tから次の停車駅への到着までの実績運転曲線を作成する。実績運転曲線作成部226による実績運転曲線の作成はシミュレーション時刻Tを少しずつ進めながら繰り返し行われるので、列車30の走行シミュレーションは、直前に作成した実績運転曲線335に含まれるシミュレーション時刻Tにおける当該列車30の位置および速度から走行を継続したとして行う。
また、第1の列車遅延・旅客流動予測部214および第2の列車遅延・旅客流動予測部222それぞれによって予測される列車の発時刻に違いが生じ得るので、実績運転曲線作成部226は、シミュレーション時刻Tが、第2の列車遅延・旅客流動予測部222により予測された発時刻に達し、且つ、運行管理SIM部210により生成された運転操作情報が示す発時刻に達した場合に、列車30を該当する駅から出発させて、運転操作情報に従った実績運転曲線を作成する。
また、実績運転曲線の作成には、列車別に定められた第2の走行諸元パラメータ333を用いる。第2の走行諸元パラメータ333は、運行管理SIM部210の運行予測部216が第1の走行諸元パラメータ323と、その一部内容が異なる。異なる内容としては、例えば、第1の走行諸元パラメータ323を車両共通の公称値(カタログ上の値)とし、第2の走行諸元パラメータ333については、経時変化(例えば重要部検査の直後を公称値とし、重要部検査からの経過日数によって公称値から徐々に変化させる)によって列車毎に異なる車両諸元とする、車両毎のバラツキとして公称値から誤差の範囲でランダムに諸元を変更することで列車毎に異なる車両諸元とする、シミュレーションで模擬したい季節・天候等に応じて異なる線路諸元とする、といったことができる。
また、実績運転曲線作成部226は、マニュアル運転指示情報334に基づき、運行管理SIM部210により生成された運転操作情報の内容に部分的な変更を加え、変更後の運転操作情報に従って実績運転曲線を作成する。マニュアル運転指示情報334は、例えば、“加速(力行)の開始タイミングを1秒遅らせる”といったように、運転操作の開始或いは終了のタイミングを所定秒数だけ変更する、“分岐器の通過時にはだ行する”といったように、特定位置で特定の運転操作を行うように変更する、といった内容とすることができる。
そして、実績運転曲線作成部226が作成した実績運転曲線を走行実績として、運行管理SIM部210が運行履歴324の該当部分を上書き更新する。
無線通信SIM部230は、運行管理SIM部210と列車走行SIM部220との間に介在し、運行管理SIM部210が生成した運転操作情報を列車走行SIM部220に利用可能とさせるまでの遅延の制御と、列車走行SIM部220が生成した走行実績を運行管理SIM部210に利用可能とさせるまでの遅延の制御とを行うことで、少なくとも伝送遅延を含む通信ネットワーク40を模擬する。遅延の制御は、運転操作情報を列車走行SIM部220に出力するまでの時間を変化させたり、走行実績を運行管理SIM部210に出力するまでの時間を変化させることで実現できる。また、運転操作情報や走行実績の情報のうち、各列車1つ1つの情報について、遅延の制御を行うこととしてもよい。遅延の制御がなされることで、運行管理SIM部210は時間的に少し古い走行実績に基づいて制御マップや運転操作情報を生成する必要が生じ、列車走行SIM部220は時間的に少し古い運転操作情報に基づいて実績運転曲線を作成する必要が生じることとなり、より現実に近い無線式列車制御システムを模擬することができるようになる。
また、無線通信SIM部230は、通信失敗も模擬する。具体的には、運行管理SIM部210が生成する運転操作情報、および、列車走行SIM部220が生成する走行実績に、確率的に通信失敗フラグを付加することで、運行管理装置20と各列車30の車上装置32との間の無線通信の失敗を模擬する。
無線式列車制御システム10ではリアルタイムの制御が要求されるので、所定時間以内に正確な情報が伝送されないことを通信の失敗とみなす。運転操作情報および走行実績は列車毎に生成されるので、列車毎に通信失敗フラグを付加するかを決めることで、特定の列車における通信機器の故障等を模擬することにしてもよいし、全ての列車或いは所定範囲に位置する一部列車に通信失敗フラグを付加することで、通信ネットワーク全体或いは一部の通信障害を模擬するようにしてもよい。
そして、例えば、運行管理SIM部210が生成した運転操作情報に通信失敗フラグが付加されたならば、列車走行SIM部220は、運行管理装置20からの情報が受信されないとして、該当する列車30を非常停止(緊急停止)させた後、その旨を走行実績に含めて運行管理SIM部210に出力する。また、列車走行SIM部220が生成した走行実績に通信失敗フラグが付加されたならば、運行管理SIM部210は、全て或いは一部の列車を非常停止(緊急停止)させる指示を運転操作情報に含めて列車走行SIM部220に出力する。このようにすることで、無線通信が失敗した際の列車の挙動を含めた無線式列車制御システム10の動作を模擬することができる。
[実行手順]
シミュレーション装置1では、シミュレーション時刻Tを少しずつ進めながら、運行管理SIM部210と列車走行SIM部220とを交互に機能させることで、無線式列車制御システム10のシミュレーションを行う。図5は、シミュレーション装置1におけるシミュレーションの実行手順の概要図である。図5では、運行管理SIM部210および列車走行SIM部220が行う処理の実行手順を示しており、無線通信SIM部230については省略している。また、図6〜図8は、運行管理SIM部210および列車走行SIM部220それぞれが生成・管理する運転曲線に相当する列車のオビ(制御マップ)の一例である。図6〜図8では、説明のために、駅間の走行中の1台の列車についてのみ示している。
シミュレーション装置1が実施するシミュレーションは、大まかには、運行管理SIM部210が、シミュレーション時刻T以降の各列車30の運転操作情報を生成し、列車走行SIM部220が、生成された運転操作情報に従ってシミュレーション時刻T以降の各列車30の実績運転曲線を作成する。そして、運行管理SIM部210が、作成された各列車30の実績運転曲線を走行実績として運行履歴324を更新した後、シミュレーション時刻Tを進め、次の時刻Tにおいて同様の処理を繰り返す、といった手順で行われる。
具体的には、運行管理SIM部210において、制御マップ作成部212が、運行履歴324に基づき、シミュレーション時刻T以降の制御マップを作成する(ステップS1)。次いで、運転操作情報生成部218が、作成された制御マップに基づいて、各列車30に対する運転操作情報を生成し、列車走行SIM部220に出力する(ステップS3)。ここで生成される運転操作情報は、シミュレーション時刻Tから、当該列車30が次の停車駅に到着するまでの期間についての情報である。
この時点において、運行管理SIM部210が管理している運転曲線(列車のオビ)は、図6に示すようになる。すなわち、運行管理SIM部210は、始発駅の出発から次の停車駅の到着までの各列車の実績運転曲線(オビ)を運行履歴324として管理している。この運行履歴324におけるシミュレーション時刻Tでの位置および速度から走行を継続したとして、シミュレーション時刻T以降の予測運転曲線(オビ)を作成し、作成した予測運転曲線(オビ)に基づいて、シミュレーション時刻T以降の運転操作情報を生成する。
列車走行SIM部220では、運行管理SIM部210から運転操作情報を取得すると(ステップS5)、実績運転曲線作成部226が、マニュアル運転指示情報334に基づき、取得した運転操作情報の部分的な変更を行い(ステップS7)、変更した運転操作情報に従って、各列車30の実績運転曲線を作成する(ステップS9)。ここで作成される実績運転曲線は、シミュレーション時刻Tから、当該列車30が次の停車駅に到着するまでの運転曲線である。そして、直前の発駅の出発から次の停車駅の停車までの実績運転曲線を、走行実績として、運行管理SIM部210に出力する(ステップS11)。
この時点において、列車走行SIM部220が管理している運転曲線(列車のオビ)は、図7に示すようになる。すなわち、列車走行SIM部220は、直前のシミュレーション時刻(T−ΔT)において、直前の発駅から次の停車駅に停車するまでの各列車の実績運転曲線を作成済みであり、この実績運転曲線におけるシミュレーション時刻Tでの位置及び速度から走行を継続したとして、取得した運転操作情報に従って、シミュレーション時刻T以降の運転曲線(オビ)を作成・更新する。
続いて、運行管理SIM部210において、列車走行SIM部220から取得した走行実績によって、運行履歴324を上書き更新する(ステップS13)。すなわち、図8に示すように、列車走行SIM部220から取得した走行実績は、直前のシミュレーション時刻(T−ΔT)において取得した走行実績に対して、シミュレーション時刻T以降の運転曲線を作成・更新した実績運転曲線であるから、運行履歴324において、結果的に、シミュレーション時刻T以降の運転曲線を更新することになる。その後、シミュレーション時刻Tを、所定の微小時間ΔTだけ進めた時刻(T+ΔT)に更新し(ステップS15)、更新後のシミュレーション時刻Tにおいて同様の処理を繰り返す。
[機能構成]
図9は、シミュレーション装置1の機能構成図である。図9によれば、シミュレーション装置1は、操作部102と、表示部104と、音出力部106と、通信部108と、処理部200と、記憶部300とを備えて構成され、一種のコンピュータシステムとして実現される。なお、シミュレーション装置1は、1台のコンピュータで実現してもよいし、複数台のコンピュータを接続して構成することとしてもよい。
操作部102は、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、各種スイッチ等の入力装置で実現され、なされた操作に応じた操作信号を処理部200に出力する。表示部104は、例えば液晶ディスプレイやタッチパネル等の表示装置で実現され、処理部200からの表示信号に基づく各種表示を行う。音出力部106は、例えばスピーカ等の音出力装置で実現され、処理部200からの音信号に基づく各種音出力を行う。通信部108は、例えば無線通信モジュールやルータ、モデム、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等で実現される通信装置であり、所与の通信ネットワークに接続して外部装置とのデータ通信を行う。
処理部200は、CPU(Central Processing Unit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の演算装置や演算回路で実現されるプロセッサーであり、記憶部300に記憶されたプログラムやデータ、操作部102や通信部108からの入力データ等に基づいて、シミュレーション装置1の全体制御を行う。また、処理部200は、機能的な処理ブロックとして、運行管理SIM部210と、列車走行SIM部220と、無線通信SIM部230とを有する。処理部200が有するこれらの各機能部は、処理部200がプログラムを実行することでソフトウェア的に実現することも、専用の演算回路で実現することも可能である。本実施形態では、前者のソフトウェア的に実現することとして説明する。
運行管理SIM部210は、各列車の位置および速度を含む走行実績に基づく運行管理を模擬することで、各列車への運転操作情報を生成する。また、運行管理SIM部210は、制御マップ作成部212と、運転操作情報生成部218とを有する。
制御マップ作成部212は、第1の列車遅延・旅客流動予測部214と、運行予測部216とを有し、運行履歴324に基づいて、予測運転曲線を運行計画の図である制御マップ325として作成する(図3参照)。ここでは、予測運転曲線を作成することとして説明する。
第1の列車遅延・旅客流動予測部214は、各仮想旅客の出現駅、出現時刻および目的駅が定められた第1の旅客情報322に基づいて、各駅の列車の着発遅延を予測する。
運行予測部216は、各列車について、列車走行SIM部220で生成された走行実績に基づき、第1の列車遅延・旅客流動予測部214の予測結果を用いて、当該列車の予測運転曲線を制御マップ325として作成する。つまり、シミュレーション時刻Tが、第1の列車遅延・旅客流動予測部214により予測された発時刻になると、該当する列車30を該当する駅から出発させて、列車ダイヤ321で定められる次の停車駅までの駅間の予測運転曲線を作成する。駅間を走行中の列車30については、運行履歴324に含まれるシミュレーション時刻Tにおける当該列車30の位置および速度から走行を継続したとして、シミュレーション時刻Tから次の停車駅への到着までの予測運転曲線を作成する。
また、運行予測部216は、各列車の予測運転曲線を、当該列車の第1の走行諸元パラメータ323を用いて作成する。第1の走行諸元パラメータ323は、列車別に定められており、加減速性能や車両重量、引張力、走行抵抗、最小だ行時間といった列車30に関する車両諸元と、軌道Rに関する線路諸元とを含む。
予測運転曲線は、駅間の走行時分が、列車ダイヤ321で定められる当該駅間の走行時分を超えないように作成される。このため、運行予測部216は、例えば、消費電力量の削減、列車間隔の短縮、踏切の遮断時間の短縮といった様々な評価基準を満たすような予測運転曲線を作成する。
運転操作情報生成部218は、運行予測部216によって生成された予測運転曲線に従った走行を各列車に行わせるための運転操作情報を生成する。運転操作情報は、加速(力行)やだ行、減速(ブレーキ)といった運転操作の種類と、その開始および終了のタイミングとを指示する情報である。制御マップ325における列車のオビは時刻と列車の位置との関係を定めており、列車の予測運転曲線に相当する。列車のオビから列車の位置と速度との関係を求め、求めた列車の位置と速度との関係を実現するための運転操作を決めることができる(図4参照)。
列車走行SIM部220は、運行管理SIM部210により生成された運転操作情報に基づく各列車の走行を模擬することで、走行実績を生成する。また、列車走行SIM部220は、第2の列車遅延・旅客流動予測部222と、変動付与部224と、実績運転曲線作成部226とを有する。
第2の列車遅延・旅客流動予測部222は、運行管理SIM部210の第1の旅客情報322とは異なる第2の旅客情報332に基づいて、各駅の列車の着発遅延を予測する。第1の旅客情報322とは異なる第2の旅客情報332を用いることから、第2の列車遅延・旅客流動予測部222が予測する各駅の列車の着発遅延は、第1の列車遅延・旅客流動予測部214が予測する着発遅延とは異なり得る。
変動付与部224は、列車別に定められたマニュアル運転指示情報334に従って、運転操作情報の内容に部分的な変更を加える。マニュアル運転指示情報334は、例えば、“加速(力行)の開始タイミングを1秒遅らせる”といったように、運転操作の開始或いは終了のタイミングを所定秒数だけ変更する、“分岐器の通過時には減速する”といったように、特定位置で特定の運転操作を行うように変更する、といった内容とすることができる。
実績運転曲線作成部226は、運転操作情報に基づいて各列車の走行シミュレーションを行って実績運転曲線を作成する。また、実績運転曲線作成部226は、実績運転曲線を、変動付与部224により変更が加えられた運転操作情報に基づいて各列車の走行を模擬することで生成する。また、実績運転曲線作成部226は、実績運転曲線を、各列車30の走行シミュレーションにおいて、各列車30の各駅の出発遅延を、第2の列車遅延・旅客流動予測部222の予測結果を用いて模擬することで作成する。また、実績運転曲線を、第1の走行諸元パラメータ323とはパラメータ値が異なる第2の走行諸元パラメータ333を用いて生成する。これらのことにより、実績運転曲線作成部226が作成する実績運転曲線335は、運行管理SIM部210の運行予測部216が作成する予測運転曲線とは異なり得る。但し、第1の走行諸元パラメータ323と第2の走行諸元パラメータ333との差は、同一列車の走行諸元として所定の誤差範囲内で許容される差である。
そして、実績運転曲線作成部226は、作成した実績運転曲線に基づいて走行実績を生成する。すなわち、各列車の実績運転曲線のうち、当該列車の直前出発駅の出発から次の停車駅までを、走行実績として運行管理SIM部210に出力する。
無線通信SIM部230は、運行管理SIM部210と列車走行SIM部220との間に介在し、運行管理SIM部210が生成した運転操作情報を列車走行SIM部220に利用可能とさせるまでの遅延の制御と、列車走行SIM部220が生成した走行実績を運行管理SIM部210に利用可能とさせるまでの遅延の制御とを行うことで、少なくとも伝送遅延を含む通信ネットワーク40を模擬する。遅延の制御以外の制御としては、通信途絶などの通信失敗を確率的に発生させて模擬する。
記憶部300は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等のIC(Integrated Circuit)メモリやハードディスク等の記憶装置で実現され、処理部200がシミュレーション装置1を統合的に制御するためのプログラムやデータ等を記憶しているとともに、処理部200の作業領域として用いられ、処理部200が実行した演算結果や、操作部102や通信部108からの入力データ等が一時的に格納される。本実施形態では、記憶部300には、シミュレーションプログラム310と、運行管理SIM用情報320と、列車走行SIM用情報330とが記憶される。
シミュレーションプログラム310は、コンピュータシステムであるシミュレーション装置1に、本実施形態の無線式列車制御システム10のシミュレーションを行わせるためのプログラムであって、処理部200が読み出して実行することで、シミュレーション処理(図10,図11参照)が実現される。シミュレーションプログラム310は、処理部200を運行管理SIM部210として機能させるための運行管理SIMプログラム312と、列車走行SIM部220として機能させるための列車走行SIMプログラム314と、無線通信SIM部230として機能させるための無線通信SIMプログラム316とを含む。
運行管理SIM用情報320は、運行管理SIM部210が用いる情報であり、列車ダイヤ321と、第1の旅客情報322と、第1の走行諸元パラメータ323と、運行履歴324と、制御マップ325とを含む。
列車走行SIM用情報330は、列車走行SIM部220が用いる情報であり、列車ダイヤ321と、第2の旅客情報332と、第2の走行諸元パラメータ333と、マニュアル運転指示情報334と、実績運転曲線335とを含む。
[処理の流れ]
図10,図11は、シミュレーション装置1が実行するシミュレーション処理の流れを説明するフローチャートである。図10では、運行管理SIM部210および無線通信SIM部230が行う処理を示し、図11では、無線通信SIM部230および列車走行SIM部220が行う処理を示している。
運行管理SIM部210において、シミュレーション時刻Tを、初期時刻T0に初期設定する(ステップA1)。次いで、第1の列車遅延・旅客流動予測部214が、第1の旅客情報322に基づいて各駅に仮想旅客を出現させる(ステップA3)。そして、駅に停車中の列車について、仮想旅客を乗降させて当該駅の発時刻を予測する(ステップA5)。
続いて、運行予測部216が、駅間を走行中の各列車(発時刻となった列車を含む)について、運行予測を行って、次の停車駅への到着までの予測運転曲線を作成して、制御マップ作成部212が制御マップを作成する(ステップA7)。そして、運転操作情報生成部218が、作成された制御マップ(各列車の予測運転曲線)をもとに、各列車の運転操作情報を生成し、列車走行SIM部220に出力する(ステップA9)。
すると、無線通信SIM部230が、出力された運転操作情報に対して、遅延を生じさせた上で列車走行SIM部220に伝送するかの伝送遅延発生の制御と、無線通信の成否(成功/失敗)を確率演算によって決定し、失敗ならば、当該運転操作情報に通信失敗フラグを付加する通信失敗発生の制御とを行う(ステップB1)。確率演算によって伝送遅延を発生させることを決定した場合には、伝送遅延を模擬するために、伝送遅延の対象とする列車の運転操作情報は破棄し、次回の処理ループ演算で列車走行SIM部220に伝送することとする。前回の処理ループ演算で、次の停車駅までの情報を既に伝送しているため、運転操作情報が破棄された列車については、列車走行SIM部220は、前回の運転操作情報に基づくシミュレーションを行うこととなる。
一方、列車走行SIM部220においても、同様に、シミュレーション時刻Tを、初期時刻T0に初期設定する(ステップB1)。次いで、第2の列車遅延・旅客流動予測部222が、第2の旅客情報332に基づいて各駅に仮想旅客を出現させる(ステップC3)。そして、駅に停車中の列車について、仮想旅客を乗降させて当該駅の発時刻を予測する(ステップC5)。
そして、運行管理SIM部210からの運転操作情報を取得したならば(ステップC7)、取得した運転操作情報に通信失敗フラグが付加されているかを判断し、付加されているならば(ステップC9:YES)、該当する列車を非常停止させ、その旨の通知を運行管理SIM部210に出力した後(ステップC11)、本処理を終了する。
運転操作情報に通信失敗フラグが付加されていないならば(ステップC9:NO)、変動付与部224が、マニュアル運転指示情報334に従って、運転操作情報の内容に部分的な変更を加える(ステップC13)。次いで、実績運転曲線作成部226が、変更が加えられた運転操作情報に従って列車の走行シミュレーションを行って、各列車の実績運転曲線を作成する(ステップC15)。そして、直前出発駅の出発から次の停車駅への停車までの実績運転曲線を走行実績として、運行管理SIM部210に出力する(ステップC17)。
すると、無線通信SIM部230が、出力された走行実績に対して、遅延を生じさせた上で運行管理SIM部210に伝送するかの伝送遅延発生の制御と、無線通信の成否(成功/失敗)を確率演算によって決定し、失敗ならば、当該走行実績に通信失敗フラグを付加する通信失敗発生の制御とを行う(ステップB3)。確率演算によって伝送遅延を発生させることを決定した場合には、伝送遅延を模擬するために、伝送遅延の対象とする列車の走行実績は破棄し、次回の処理ループ演算で運行管理SIM部210に伝送することとする。前回の処理ループ演算で、前回の走行実績を既に伝送しているため、走行実績が破棄された列車については、運行管理SIM部210は、前回の走行実績に基づくシミュレーションを行うこととなる。
そして、運行管理SIM部210において、列車走行SIM部220からの走行実績を取得したならば(ステップA11)、取得した走行実績に通信失敗フラグが付加されているかを判断し、付加されているならば(ステップA13:YES)、全ての列車を非常停止させる通知を列車走行SIM部220に出力した後(ステップA15)、本処理を終了する。列車走行SIM部220では、運行管理SIM部210から非常停止の通知を取得したならば(ステップC19:YES)、全ての列車を非常停止させた後(ステップC21)、本処理を終了する。
運行管理SIM部210において、取得した走行実績に通信失敗フラグが付加されていないならば(ステップA13:NO)、取得した走行実績で運行履歴324を上書き更新する(ステップA17)。
続いて、シミュレーション時刻Tが終了時刻Teに達したかを判断し、達していないならば(ステップA19:NO)、シミュレーション時刻Tを所定の微小時間ΔTだけ進めた後(ステップA21)、ステップA1に戻り、同様の処理を繰り返す。シミュレーション時刻Tが終了時刻Teに達したならば(ステップA19:YES),本処理を終了する。
また、列車走行SIM部220においても同様に、シミュレーション時刻Tが終了時刻Teに達したかを判断し、達していないならば(ステップC23:NO)、シミュレーション時刻Tを所定の微小時間ΔTだけ進めた後(ステップC25)、ステップC1に戻り、同様の処理を繰り返す。シミュレーション時刻Tが終了時刻Teに達したならば(ステップC23:YES)、本処理を終了する。
[シミュレーション結果]
図12は、本実施形態のシミュレーション装置1によるシミュレーション結果である。ある1台の列車をある駅間で走行させるシミュレーションを実施し、その結果として得られた、運行管理SIM部210が作成した運転曲線と、列車走行SIM部220が作成した運転曲線とを示している。運転曲線は、横軸を軌道に沿った位置、縦軸を速度および時間として、位置と速度との関係を示す速度曲線と、位置と時間との関係を示す時間曲線とを示している。
シミュレーション時刻Tを少しずつ進めながらシミュレーションを実施し、各シミュレーション時刻Tにおいて、運行管理SIM部210が求めた予測運転曲線における次の時刻(T+ΔT)の位置および速度をプロットし、これらのプロットを繋いだグラフを、運行管理SIM部が作成した運転曲線として示している。列車走行SIM部220についても同様に、各シミュレーション時刻Tにおいて、列車走行SIM部220が運行管理SIM部210から取得した運転操作情報に従って走行した場合の次の時刻(T+ΔT)における位置および速度をプロットし、これらのプロットを繋いだグラフを、列車走行SIM部220が作成した運転曲線として示している。
また、シミュレーションの実施条件としては、走行諸元パラメータ323,333のパラメータ値の1つである減速度を異ならせ、それ以外のパラメータ値は同じとした。具体的には、運行管理SIM部210が用いる減速度のほうが、列車走行SIM部220が用いる減速度より大きいとした。また、旅客情報322,332は同じとし、列車走行SIM部220におけるマニュアル運転指示情報334は無しとした。
同図の運転曲線を比較すると、発駅を出発後に加速運転を行っている0m〜550m付近までの期間については、両者はほぼ一致している。しかし、その後の、異なるパラメータ値である減速度を用いるだ行運転および減速運転を行っている期間については、両者にずれが生じている。すなわち、運行管理SIM部210が用いる減速度のほうが列車走行SIM部220が用いる減速度より大きいため、列車走行SIM部220が作成した速度曲線に比較して、運行管理SIM部210が作成した速度曲線のほうがブレーキ操作の開始位置が遅れており、また、減速運転の期間で曲線が急激に低下するように変化している。この速度曲線の違いによって、時間曲線にも違いが生じている。つまり、地上側からの列車走行に対する指示(運行管理SIM部210のシミュレーション)と、実際の列車の運行(列車走行SIM部220のシミュレーション)とに違いが生じ得ることとして、シミュレーション装置1では、無線式列車制御システム全体のシミュレーションを実現していることを示している。
[作用効果]
このように、本実施形態によれば、運行管理を行う地上側の列車走行に対する指示と、実際の列車の運行とに違いが生じ得ることを前提とした無線式列車制御システム10全体のシミュレーション装置1を実現することができる。つまり、地上側の運行管理装置20を模擬して運転操作情報を生成する運行管理SIM部210と、運転操作情報に従った実際の列車30の走行を模擬する列車走行SIM部220とを独立したシミュレーション部とし、シミュレーション時刻を進めつつ交互に機能させることで、運行管理装置20が、随時、模擬した実際の列車30の走行を反映しつつ次の運転操作情報を生成するといった、無線式列車制御システム10のシミュレーションを実現することができる。
[変形例]
なお、本発明の適用可能な実施形態は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能なのは勿論である。
例えば、シミュレーション装置1を1台の装置で実現するとして説明したが、本実施形態のシミュレーションを実施するための機能部である運行管理SIM部210、列車走行SIM部220および無線通信SIM部230のそれぞれの機能は、別体のコンピュータシステムにより実現して相互に接続してシミュレーション装置1を構成するようにしても良い。
1…シミュレーション装置
200…処理部
210…運行管理SIM部
212…制御マップ作成部
214…列車遅延・旅客流動予測部
216…運行予測部
218…運転操作情報生成部
220…列車走行SIM部
222…列車遅延・旅客流動予測部
224…変動付与部
226…実績運転曲線作成部
230…無線通信SIM部
300…記憶部
310…シミュレーションプログラム
312…運行管理SIMプログラム
314…列車走行SIMプログラム
316…無線通信SIMプログラム
320…運行管理SIM用情報
321…列車ダイヤ
322…第1の旅客情報
323…第1の走行諸元パラメータ
324…運行履歴
325…制御マップ
330…列車走行SIM用情報
332…第2の旅客情報
333…第2の走行諸元パラメータ
334…マニュアル運転指示情報
335…実績運転曲線
10…無線式列車制御システム
20…運行管理装置
30…列車、32…車上装置
40…通信ネットワーク

Claims (8)

  1. 各列車の位置および速度を含む走行実績に基づく運行管理を模擬することで、各列車への運転操作情報を生成する運行管理シミュレーション部(以下「運行管理SIM部」という)と、
    前記運転操作情報に基づく各列車の走行を模擬することで、前記走行実績を生成する列車走行シミュレーション部(以下「列車走行SIM部」という)と、
    を具備し、シミュレーション時刻を進めつつ、前記運行管理SIM部と前記列車走行SIM部とを交互に繰り返し機能させるシミュレーション装置。
  2. 前記運転操作情報は、運転操作の種類および運転操作のタイミングを示す情報を少なくとも含み、
    前記列車走行SIM部は、前記運転操作情報の内容に部分的な変更を加える変動付与手段、を備え、前記変動付与手段により変更が加えられた前記運転操作情報に基づいて各列車の走行を模擬することで、前記走行実績を生成する、
    請求項1に記載のシミュレーション装置。
  3. 前記運転操作情報は、各列車について、次の停車駅に停車するまでの情報であり、
    前記走行実績は、各列車について、直前出発駅を出発してから前記シミュレーション時刻までの情報である、
    請求項1又は2に記載のシミュレーション装置。
  4. 前記運行管理SIM部は、
    前記列車走行SIM部で生成された前記走行実績に基づいて前記各列車の運行予測を行って、前記各列車の予測運転曲線を作成する運行予測手段と、
    前記予測運転曲線に従った走行を前記各列車に行わせるための前記運転操作情報を生成する運転操作情報生成手段と、
    を備え、
    前記列車走行SIM部は、
    前記運転操作情報に基づいて前記各列車の走行シミュレーションを行って実績運転曲線を作成する実績運転曲線作成手段と、
    前記実績運転曲線に基づいて前記走行実績を生成する走行実績生成手段と、
    を備えた、
    請求項1〜3の何れか一項に記載のシミュレーション装置。
  5. 前記運行予測手段は、各列車の予測運転曲線を、当該列車の第1の走行諸元パラメータを用いて作成し、
    前記実績運転曲線作成手段は、各列車の実績運転曲線を、当該列車の第2の走行諸元パラメータを用いて作成し、
    前記第1の走行諸元パラメータと前記第2の走行諸元パラメータとは、パラメータ値が異なる、
    請求項4に記載のシミュレーション装置。
  6. 前記運行管理SIM部は、
    各仮想旅客の出現駅、出現時刻および目標駅が定められた第1の旅客情報に基づいて、各駅の列車の着発遅延を予測する第1の列車遅延・旅客流動予測手段、
    を更に備え、
    前記運行予測手段は、各列車の予測運転曲線を、前記第1の列車遅延・旅客流動予測手段の予測結果を用いて作成し、
    前記列車走行SIM部は、
    各仮想旅客の出現駅、出現時刻および目標駅が定められた、前記第1の旅客情報とは一部内容が異なる第2の旅客情報に基づいて、各駅の列車の着発遅延を予測する第2の列車遅延・旅客流動予測手段、
    を更に備え、
    前記実績運転曲線作成手段は、各列車の走行シミュレーションにおいて、各列車の各駅の出発遅延を、前記第2の列車遅延・旅客流動予測手段の予測結果を用いて模擬することで前記実績運転曲線を作成する、
    請求項4又は5に記載のシミュレーション装置。
  7. 前記運行管理SIM部と前記列車走行SIM部との間に介在し、前記運行管理SIM部が生成した前記運転操作情報を前記列車走行SIM部に利用可能とさせるまでの遅延の制御と、前記列車走行SIM部が生成した前記走行実績を前記運行管理SIM部に利用可能とさせるまでの遅延の制御とを行うことで、少なくとも伝送遅延を含む通信ネットワークを模擬する通信シミュレーション部(以下「通信SIM部」という)、
    を更に具備した請求項1〜6の何れか一項に記載のシミュレーション装置。
  8. コンピュータシステムを、
    各列車の位置および速度を含む走行実績に基づく運行管理を模擬することで、各列車への運転操作情報を生成する運行管理シミュレーション部(以下「運行管理SIM部」という)、
    前記運転操作情報に基づく各列車の走行を模擬することで、前記走行実績を生成する列車走行シミュレーション部(以下「列車走行SIM部」という)、
    として機能させるとともに、シミュレーション時刻を進めつつ、前記運行管理SIM部と前記列車走行SIM部とを交互に繰り返し機能させるためのプログラム。
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