JP2021040354A - 複合蓄電システム - Google Patents
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Abstract
【課題】容量型電池パックとパワー型電池パックを並列にした構成で、短い時間で極力充電電力を大きくするような制御を提供できる。【解決手段】例えば、容量型電池パックとパワー型電池パックを、容量型電池パックスィッチとパワー型電池パックスィッチを介して並列に繋ぐ複合蓄電システムにおいて、複合蓄電システムに充電をする際に、容量型電池パックスィッチおよびパワー型電池パックスィッチをオンとして充電を開始し、容量型電池パックまたはパワー型電池パックのどちらかに流れる電流が放電側になったときに、放電側となった電池パックのスィッチをオフにする複合蓄電システム。【選択図】図5
Description
本発明は電気的な負荷に電力を供給する電池の複合システムである。
電気自動車には充電時間を短くする急速充電がある。この急速充電は、30分程度の充電で電池を充電率80%まで充電する。
現状の急速充電では30分もの時間を要するため、ドライバーにとって充電時間が煩わしく、電気自動車普及の妨げの要因になっている。もし現状の急速充電器を用い5分のみ充電を打ち切ったとしても、現状電気自動車に搭載されている容量型電池(kWh重視型)は充電Cレートが低くせいぜい容量[kWh]の2倍程度の充電パワーしか出せない。現状10kWhの容量型電池を搭載したコミュータ電気自動車(一回の充電による航続距離約100km)では最大で20kWの充電パワーとなり、5分では1.65kWhの充電エネルギーで、およそ16.5kmの走行しかできない。1分では約1.65kmの走行しかできない。これを解決するためには、電池容量[kWh]を更に多く搭載することが考えられるが、電池代が高くなり普及の妨げとなりかねない。また容量型電池の充電Cレートを大きくする対策もあるが、解決に時間を要する。
電気自動車の運用として、5分未満の駐車または停車中に10km程度の充電をすることで、少ない電池容量[kWh]の車でも、ユーザーに充電時間の煩わしさを意識させることなく一日の航続距離を確保できるように、かつ低コスト(搭載電池容量kWhの小さい)としたい。この解決策の一つには、容量は小さくとも充電パワーの大きな電池(パワー型電池)を搭載しておき、5分未満の充電で稼げる充電エネルギー[kWh]を稼ぐ構成が考えられる。例えば、8kWhの容量型電池(最大充電レート2C)と、2kWhのパワー型電池(最大充電レート20C)を組み合わせたシステム(一回の充電で約100km走行)だと、理論上最大16kW+40kWの充電パワーを受け付けることができ、例え1分の充電であっても0.93kWh(およそ9.3km走行)が可能となる。5分の充電だとパワー型電池の容量kWhが規定されているため3.33kWhの充電エネルギーとなるが、それでも約33.3kmもの走行が可能となる。また、もし1.2t車で24kWhの容量型電池を積んだ車両の例だと、最初の5分で4kWh(約32km走行)、最初の1分で0.8kWh(約6.4km走行)充電である。この車両に2kWhのパワー型電池を積んだ場合、最初の5分で約6kwh(パワー型電池が充電しきるため6kWhであり、約48km走行)、最初の1分で1.47kWh(約11.7km走行)充電となる。
しかしこの例では、2つの電池それぞれに対して最大電流を充電したベストケースであり、かつ2つの電池に充電器を繋いだ場合の例に過ぎない。2つの電池に充電器を繋いだ場合、コストが高くなる。そこで、2つの電池を並列にスィッチを解して接続した低コストシステムを想定し、急速充電する場合を考える。
2つの電池を並列に接続する場合には、各電池の電位が違う場合、横流(循環電流)が発生する。この横流は電力損失を招きやすいため、この横流を防止するスィッチ制御特許があった。
特許文献1は循環電流防止(以下、横流と呼ぶ)に着目した特許であり、思想的に急速充電を意識したものではないためそのまま急速充電には適用するのは難しい。これは、電池電位が違ったとしても、充電電流が更に印加されるため、回路方程式として必ずしも横流が発生するとは限らないためである。
本発明の目的は、容量型電池パックとパワー型電池パックを並列にした構成で、短い時間で極力充電電力を大きくするような制御を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明の特徴は、例えば以下の通りである。
容量型電池パックとパワー型電池パックを、容量型電池パックスィッチとパワー型電池パックスィッチを介して並列に繋ぐ複合蓄電システムにおいて、複合蓄電システムに充電をする際に、容量型電池パックスィッチおよびパワー型電池パックスィッチをオンとして充電を開始し、容量型電池パックまたはパワー型電池パックのどちらかに流れる電流が放電側になったときに、放電側となった電池パックのスィッチをオフにする複合蓄電システム。
容量型電池パックとパワー型電池パックを、容量型電池パックスィッチとパワー型電池パックスィッチを介して並列に繋ぐ複合蓄電システムにおいて、複合蓄電システムを充電器で充電する際に、充電器側に電流指令値を送る場合にて、容量型電池パックとパワー型電池パックの開放電圧値および直流抵抗値により、容量型電池パックとパワー型電池パックを並列繋ぎにした場合の電流推定値を求め、容量型電池パックとパワー型電池パックいずれの電流値推定も充電と見積もられるならば容量型電池パックスィッチおよびパワー型電池パックスィッチをオンにして、電流指令値をmin(容量型電池パックとパワー型電池パックの電流推定値の和、充電器の最大充電電流)とし、もし容量型電池パックとパワー型電池パックのいずれかで放電となる電流推定値ならば、放電と推定される電池パック側のスィッチをオフとして充電電流指令値をmin(オンとなる電池パック側の最大電流値,(オンとなる電池パックの最大電圧-オンとなる電池パックの開放電圧)/オンとなる電池パック直流抵抗)と設定する複合蓄電システム。
本発明により、容量型電池パックとパワー型電池パックを並列にした構成で、短い時間で極力充電電力を大きくするような制御を提供できる。上記した以外の課題、構成及び効果は以下の実施形態の説明により明らかにされる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されることなく、本発明の技術的な概念の中で種々の変形例や応用例をもその範囲に含むものである。例えば、以下に説明する実施例は、ビルマネージメントシステム、船、鉄道、電動飛行機にも適用できる。
本実施例では、容量型電池パック22とパワー型電池パック21を、容量型電池パックスィッチ24とパワー型電池パックスィッチ23を介して並列に繋ぐ複合蓄電システムにおいて、複合蓄電システムに充電をする際に、容量型電池パックスィッチ24およびパワー型電池パックスィッチ23をオンとして充電を開始し、容量型電池パック22またはパワー型電池パック21のどちらかに流れる電流が放電側になったときに、放電側となった電池パックのスィッチをオフにしている。また、本実施例では、充電器にスィッチを介して容量型電池パック22とパワー型電池パック21を並列に接続し、コントローラにてスィッチを制御する構成において、容量型電池パック22とパワー型電池パック21に電流計を儲け、各々の電流の極性が逆になったときに、放電側となる電池パックのスィッチを切り離している。また、本実施例では、コントローラから充電器へトータルの充電電流を指令し、各電池パックへの電流が電池の最大Cレートに以下になるように制御している。
従来の急速充電器で電気自動車などを充電する際、30分にもおよぶ充電時間が必要であり、例えば1分程度の急速充電打ち切りならば数km程度しか走行できない。急速充電器で最初の数分で10kmにも及ぶ充電を実現するため、従来の容量型電池パック22にパワー型電池パック21を並列に繋ぎ、低コストとするためスィッチによる並列結合とした複合蓄電システムを考慮した場合、最初の数分で充電量最大となる充電制御が不明であった。それに対して、上記により、急速充電モードにて充電電流を最大化することにより例え1分の電気自動車充電であっても0.93kWhもの充電(およそ9.3km走行)が可能になり、一回のフル充電ではせいぜい100kmしか走れない電気自動車でも、充電時間を意識させることなく一日に100km以上も走行させることが可能となる。
図1に本発明の形態を示す。図1は、電気自動車10であり、モータジェネレータ11、インバータ12、電池部13、ECU14、ECU14と電池部13およびインバータ12への情報をやり取りする通信線15、急速充電器16、充電コネクタ17で構成される。
電気自動車10は、電池部13からインバータ12へ電力を供給し、モータジェネレータ11を回して走行する。回生時にはモータジェネレータ11で発電した電力はインバータで整流され電池部13に充電される。なお、図1ではモータジェネレータ11内でモータとジェネレータ同じものを使う図になっているが、モータとジェネレータは別になっていても良い。急速充電器16は充電コネクタ17を介して電気自動車10に接続され、電力線18は電池部13に接続される。また通信線15を介してECU14と急速充電器16は接続され、ECU14より電池部13に充電する電流指令を急速充電器16に指令する。ここで急速充電器16と充電コネクタ17は汎用の急速充電規格のものを用いても良いし、無線給電システムを用いても構わない。
次に電池部13の構成を図2に記す。電池部13は、パワー型電池パック21、持続力を保持するための容量型電池パック22、パワー型電池パックスィッチ23、容量型電池パックスィッチ24から構成される。ECU14は、パワー型電池パックスィッチ23(以下、単にスイッチと呼ぶ場合がある)、容量型電池パックスィッチ24(以下、単にスイッチと呼ぶ場合がある)のオンオフ指令を出し、パワー型電池パック21と容量型電池パック22の電流、電圧情報を読み取り、急速充電器16に電流指令値を送る。ここでECU14にて容量型電池パック22とパワー型電池パック21両方の情報を得、スィッチ制御をやる構成であるが、ECU14と別途コントローラを用意する構成であっても構わない。
次にスィッチのシーケンスを説明する。ここでの思想としては、最初の5分という短い時間以下の充電で最大となるような電力を充電できるようにすることである。また制約条件としては容量型電池パック22、パワー型電池パック21の充電電流を規定以下にすることである。ここで、特許文献1で説明した横流の考えについて述べる。横流とは2つの並列接続している電池電圧が揃っていない場合、高い電圧の方の電池から低い電池電圧の電池に放電する現象である。この場合、低い電池電圧に充電される電流は充電器より充電される電流より大きい。この場合、熱損失の面で考えると、低い電池電圧の電池の発熱量、即ち熱損失が、電池単独時の充電より高いことを意味する。そして低い電池電圧の電池の電流が大きく、充電可能なCレートを超える恐れもある。このため、横流が起こった場合には、放電となる電池側のスィッチを遮断する方が充電という意味では効率が良く、かつ最大充電電流も抑えられ好ましい。
次に、スィッチ遮断後は、接続された方の電池が充電されていき、電池電圧が高くなり、電池電圧が揃ってくる。電池電圧が揃った場合には、並列にしても横流が発生しなく、かつ2つの電池に充電した方がトータルで見た充電電力が大きいため、並列に戻す。以上の思想のフローを図3で説明する。
まずステップ31(両方のスィッチオン指令ステップ)で両方のスィッチをオンにする。次にステップ32(電流計測ステップ)にて容量型電池パック22とパワー型電池パック21の電流を計測する。そしてステップ33(横流判断)にて横流が発生したかどうかを判定し、横流が発生していないならば、ステップ34(充電終了判断)に処理を移し、横流が発生するとステップ35に処理を移す。ここで横流の定義は様々であるが、ここでは「全体として充電しているのにも関わらず、片方の電池パックが充電、もう片方の電池パックが放電」と定義する。ステップ33の横流の判断として、パワー型電池パック21、または容量型電池パック22のどちらかが放電であるとする。ステップ34は充電終了とする。この充電終了とは、ドライバーが充電を打ち切ったかまたは、満充電になった状態とする。ステップ34で、充電終了でないならステップ32に処理を移し、充電終了ならば図3のフローを終了する。
次にステップ35(放電となる電池パックのスィッチオフステップ)では、ステップ32で計測した電流を元に、放電している方の電池パックをスィッチオフとし、ステップ36に処理を移す。ステップ36(電池電流・電圧計測ステップ)では容量型電池パック22の電流、電圧とパワー型電池パック21の電流、電圧を計測しステップ37に処理を移す。
ステップ37(横流発生判断)では、並列接続した際に、横流が発生するかしないかを判断し、横流が発生すると判断される場合には、ステップ31に処理を移し、そうでないならステップ38に処理を移す。横流判断は、並列接続した時の推定電流ip(パワー型電池パック21)、ic(容量型電池パック22)の符号が違うことで判断される。ip、icは、回路方程式より、パワー型電池パック21の直流抵抗rp、容量型電池パック22の直流抵抗rc、パワー型電池パック21の開放電圧(分極込み)vp、容量型電池パック22の開放電圧(分極込み)vcより式1として計算される。
R=rc×rp/(rc+rp)、Vb=(rc×vp+rp×vc)/(rp+rc)
Ic=(Vb-Vc)/rc、Ip=(Vb-Vp)/rc …(式1)
Ic=(Vb-Vc)/rc、Ip=(Vb-Vp)/rc …(式1)
ここで、rc、 rpは予めテーブルで保持するか、前回スィッチオフとなるタイミングでの電流電圧差より推定した値を用いても良い。vp、vcは開放電圧(分極込み)のため、端子電圧より電流×直流抵抗として計算すれば良い。
次に、ステップ38(充電終了判断)にて充電終了かどうかを判断し、充電終了なら図3のフローは終了させ、そうでないならステップ36に処理を移す。
なおステップ31からステップ34、ステップ35からステップ38は順番を入れ替えても良い。図3のフローは図1のECU14のプログラムとして実装されるかまたは、別途用意したコントローラ内部のプログラムとして実装する。
以上のフローでは充電器への電流指令を絞らない場合であり、次に電流指令を積極的に制御するフローを記す。電流指令を絞った場合、小さな電圧差でも横流が発生し易くなるためスィッチ制御も重要な要素となる。この考え方としては、極力並列にしてできるだけ充電電流を最大化するように、かつは電流制限の値の低い容量型電池電流を最大充電電流となるようにする。この考え方を図4で説明する。
図4では、求めた容量型電池パック22の電流推定値およびパワー型電池パック21の電流推定値の和が充電器の最大電流を超えた場合、容量型電池パック22の開放電圧+容量型電池パック22の電流×容量型電池パック22の直流抵抗=パワー型電池パック21の開放電圧+パワー型電池パック21の電流×パワー型電池パック21の直流抵抗と最大電流=パワー型電池パック21の電流+容量型電池パック22の電流となる直線の交点としている。
図4は、横軸は容量型電池パック22の電流ic41、縦軸はパワー型電池パック21の電流ip42とした制約条件ic≦Icmax43、 ip≦Ipmax44、 並列時の電圧条件Vc+rcic=Vp+rpip45となる図を示したものである。41は容量型電池電流軸(+が充電側)、42はパワー型電池電流軸(+が充電側)、43は容量型電池パック22の最大電流、44はパワー型電池パック21の最大電流、45は電圧が等しくなる条件直線、46は電流合計直線、47は最大・横流制約条件領域、である。
トータルの電流IはI=ic+ip46となるため、図4の制約条件のハッチング長方形47と電圧条件の交点48がIを最大化するポイントとなる。即ち、icを最大化するかまたは、ipを最大化するように電流指令を制御すれば、充電電流が最大化できる。どちらが最大化するかは、図4の交点48の値により判定して切り替えれば良い。充電器の電流Iに上限があった場合には、I=ic+ipとVc+rcic=Vp+rpipの交点が制約条件の長方形の最大・横流制約条件領域47の範囲にあるならば、両方のスィッチをオンにして充電器の最大電流Imaxを充電すれば良い。電流が負(放電となり横流)の解が出た場合には電流負となる側のスィッチを切り離せば良い。電池電圧が最大電圧Vmaxの場合には図4の制約条件長方形の最大・横流制約条件領域47がVc+rcic≦Vmax、Vp+rpip≦Vmaxとなるように調整すれば良いことになる。
以上のフローを図5で説明する。まずはステップ51(直流抵抗・開放電圧計測ステップ)にて、各容量型電池パック22、パワー型電池パック21の直流抵抗と開放電圧を測定する。この方法としては、まず各電池パックの電圧を測定し、次に両方の電池のスィッチをオンにして、充電器の電流を微小な値に設定した後の電流、電圧差から求める。ここで直流抵抗は予めテーブルで設定した値を用いても良い。
次に、ステップ52(各電池パック推定電流計算ステップ)にて、推定電流を計算する。まず式2として計算した、充電電流推定値ip_candとic_cand、式3として計算した充電電流推定値ip_cand2、 ic_cand2を用いる。式2の値は図4の制約条件である最大・横流制約条件領域47と電圧が等しくなる条件直線45の交点候補である。式3の値は電流合計直線46と電圧が等しくなる条件45の交点である。
ip_cand =(Vc-Vp)/rp+rc ×min[Icmax, (Vmax-Vc)/rc]/rp
ic_cand=(Vp-Vc)/rc+rp×min(Ipmax, (Vmax-Vp)/rp)/rc …(式2)
ic_cand=(Vp-Vc)/rc+rp×min(Ipmax, (Vmax-Vp)/rp)/rc …(式2)
Vc+rcic=Vp+rpip、Imax=ic+ipの交点をic_cand2, ip_cand2 …(式3)
もしステップ53(充電器最大電流判断)でip_cand+ic_cand≦Imax、 ステップ54(容量型電池パック22の横流判断)でic_cand>0、ステップ56(パワー型電池パック21の横流判断)の判定で ip_cand>0となったならば、充電器の電流指令値をip_cand+ic_candとして、両方のスィッチをオンにすることになる。実際にはImaxの制限がかかるため、ステップ58(両電池の充電指令ステップ)の指令とする。ステップ58まででは、放電側となった電池パックのスィッチをオフにした後、再び容量型電池パック22とパワー型電池パック21を並列に繋いだ場合に、容量型電池パック22およびパワー型電池パック21の直流抵抗と電圧とにより容量型電池パック22およびパワー型電池パック21共に充電と見積もられる場合に、再び容量型電池パック22とパワー型電池パック21を容量型電池パックスィッチ24とパワー型電池パックスィッチ23を介して並列に繋いでいる。
ステップ53では、容量型電池パック22とパワー型電池パック21を並列繋ぎにした場合の電流推定値として、パワー型電池パック21の電圧≦(複合蓄電システムの電圧上限-パワー型電池パック21の開放電圧)/パワー型電池パック21の直流抵抗の制約と容量型電池パック22の電圧≦(複合システムの電圧上限-容量型電池パック22の開放電圧)/容量型電池パック22の直流抵抗)および各電池の最大電流以下の制約との元、容量型電池パック22の開放電圧+容量型電池パック22の電流×容量型電池パック22の直流抵抗=パワー型電池パック21の開放電圧+パワー型電池パック21の電流×パワー型電池パック21の直流抵抗と容量型電池パック22の電流=容量型電池パック22の上限電流となる直線、または、パワー型電池パック21の電流=パワー型電池パック21の上限電流となる直線、のいずれかの交点としている。
もしステップ53でip_cand+ic_cand≦Imaxとなり、ステップ54で ic_cand≦0となったならば、ステップ55(パワー型電池パック21の充電ステップ)の容量型電池パック22をオフ、パワー型電池パック21をオン、充電器の電流指令をmin(Ipmax, (Vmax-Vp)/rp)とする。
もしステップ53でip_cand+ic_cand≦Imaxとなり、 ステップ54で ic_cand>0、ステップ56でip_cand≦0となったならば、ステップ57(容量型電池パック22の充電ステップ)のパワー型電池パック21をオフ、容量型電池パック22をオン、充電器の電流指令をmin[Icmax, (Vmax-Vc)/rc]とする。
もしステップ53でip_cand+ic_cand≦Imaxとなり、 ステップ54で ic_cand>0、ステップ56でip_cand≦0となったならば、ステップ57(容量型電池パック22の充電ステップ)のパワー型電池パック21をオフ、容量型電池パック22をオン、充電器の電流指令をmin[Icmax, (Vmax-Vc)/rc]とする。
もしステップ53でip_cand+ic_cand>Imaxとなったならば、最大電流Imaxで充電器を設定するが、横流判定が必要となり、式3での充電電流候補より更に横流を判断する。この処理がステップ59(容量型電池パック22の横流判断)、ステップ501に相当する。
もし、ic_cand2、 ip_cand2両方が制約条件長方形47内ならば、両方の電池パックをオンにして、充電器の電流指令をImaxとする。即ちステップ58でIc_cand2≦0となったならば、ステップ55の容量型電池パック22をオフ、パワー型電池パック21をオンにして、充電器の電流指令をmin[Ipmax, (Vmax-Vp)/rp]とする。もしステップ59でic_cand2>0、ステップ501でip_cand2≦0となったならば、ステップ57のパワー型電池パック21をオフ、容量型電池パック22をオン、充電器の電流指令をmin[Icmax, (Vmax-Vc)/rc]とする。
ステップ57、ステップ58、ステップ55では、容量型電池パック22とパワー型電池パック21を、容量型電池パックスィッチ24とパワー型電池パックスィッチ23を介して並列に繋ぐ複合蓄電システムにおいて、複合蓄電システムを充電器で充電する際に、充電器側に電流指令値を送る場合にて、容量型電池パック22とパワー型電池パック21の開放電圧値および直流抵抗値により、容量型電池パック22とパワー型電池パック21を並列繋ぎにした場合の電流推定値を求め、容量型電池パック22とパワー型電池パック21いずれの電流値推定も充電と見積もられるならば容量型電池パックスィッチ24およびパワー型電池パックスィッチ23をオンにして、電流指令値をmin(容量型電池パック22とパワー型電池パック21の電流推定値の和、充電器の最大充電電流)とし、もし容量型電池パック22とパワー型電池パック21のいずれかで放電となる電流推定値ならば、放電と推定される電池パック側のスィッチをオフとして充電電流指令値をmin(オンとなる電池パック側の最大電流値,(オンとなる電池パックの最大電圧-オンとなる電池パックの開放電圧)/オンとなる電池パック直流抵抗)と設定している。
ステップ57、ステップ58、ステップ55終了後、ステップ502(充電終了判断)にて充電終了かどうかを判断する。充電が終了していないならステップ51に処理を戻し、終了ならば図5のフローを終了する。ステップ51に戻った場合での直流抵抗と開放電圧の測定は、スィッチの状態はそのままとして、電流電圧だけを測定し、前回スィッチ変化があった場合には電流、電圧差より直流抵抗を計算する。そうでないならば直流抵抗は前回の推定値もしくはテーブルで参照した値として開放電圧を電圧-直流抵抗×電流とする。
なおステップ55にて、パワー型電池の電流をmin[Ipmax, (Vmax-Vp)/rp]とする一定値制御の具体的方法について述べる。これは値min[Ipmax, (Vmax-Vp)/rp]とする制御になるが、これはIpmaxとするか定電圧Vmaxとする制御かとなる。前者の方は問題がないが、後者にて定電圧指令コマンドの無い充電器だとフィードバック制御、電流指令値=前回の電流指令値+Gain×(Vmax-パワー型電池電圧)とする。Gainは不安定にならない予め与えられた正の定数を用いる。
同様にステップ57では、容量型電池パック22の電流をmin[Icmax, (Vmax-Vc)/rc]とする一定値制御でもIpmaxとするか定電圧Vmaxとする制御かとなる。前者の方は問題がないが、後者にて定電圧指令コマンドの無い充電器だとフィードバック制御、電流指令値=前回の電流指令値+Gain×(Vmax-容量型電池パック22の電圧)とする。Gainは不安定にならない予め与えられた正の定数を用いる。
ステップ58では、充電器の電流指令でmin(ip_cand+ic_cand,Imax)とする制御となるが、各電池電流が最大値を超える可能性もある。この場合には「電流指令値=電流指令値前回値+Gain1×(パワー型電池パック21の電流最大値-パワー型電池パック21の電流測定値)+Gain2×(容量型電池パック22の-容量型電池パック22の電流測定値)としてフィードバック制御をかける。Gain1、 Gain2の値は不安定にならない予め与えられた正の定数を用いる。
最後に本特許における容量型電池パック22とパワー型電池パック21の定義を述べる。ここでは最大電流、トータルの容量[kWh]でわける。トータルの電池パック容量としては、容量型電池パック22>パワー型電池パック21容量となる関係とする。最大電流としては、トータルの容量型電池パック22の最大電流>トータルのパワー型電池パック21の最大電流とする。ここでトータルとは、1パックの最大電流が100Aだったとしても2並列ならば200Aと換算するという意味である。
図1中に搭載されている電池部13内の電池は既存のEVに搭載されているオリビン鉄リチウムイオン電池やニッケル・マンガン・コバルトのリチウムイオンを用いても良いし、別途半固体のリチウムイオン電池、鉛電池、ニッケル水素電池を用いても良い。
10 電気自動車、11 モータジェネレータ、12 インバータ、13 電池部
14 ECU、15 通信線、16 急速充電器、17 充電コネクタ、18 電力線
21 パワー型電池パック、22 容量型電池パック
23 パワー型電池パックスィッチ、24 容量型電池パックスィッチ
14 ECU、15 通信線、16 急速充電器、17 充電コネクタ、18 電力線
21 パワー型電池パック、22 容量型電池パック
23 パワー型電池パックスィッチ、24 容量型電池パックスィッチ
Claims (5)
- 容量型電池パックとパワー型電池パックを、容量型電池パックスィッチとパワー型電池パックスィッチを介して並列に繋ぐ複合蓄電システムにおいて、
前記複合蓄電システムに充電をする際に、前記容量型電池パックスィッチおよび前記パワー型電池パックスィッチをオンとして充電を開始し、容量型電池パックまたはパワー型電池パックのどちらかに流れる電流が放電側になったときに、放電側となった電池パックのスィッチをオフにする複合蓄電システム。 - 請求項1の複合蓄電システムにおいて、
放電側となった電池パックのスィッチをオフにした後、再び前記容量型電池パックと前記パワー型電池パックを並列に繋いだ場合に、前記容量型電池パックおよび前記パワー型電池パックの直流抵抗と電圧とにより前記容量型電池パックおよび前記パワー型電池パック方共に充電と見積もられる場合に、再び前記容量型電池パックと前記パワー型電池パックを前記容量型電池パックスィッチと前記パワー型電池パックスィッチを介して並列に繋ぐ複合蓄電システム。 - 容量型電池パックとパワー型電池パックを、容量型電池パックスィッチとパワー型電池パックスィッチを介して並列に繋ぐ複合蓄電システムにおいて、
前記複合蓄電システムを充電器で充電する際に、前記充電器側に電流指令値を送る場合にて、前記容量型電池パックと前記パワー型電池パックの開放電圧値および直流抵抗値により、前記容量型電池パックと前記パワー型電池パックを並列繋ぎにした場合の電流推定値を求め、
前記容量型電池パックと前記パワー型電池パックいずれの電流値推定も充電と見積もられるならば容量型電池パックスィッチおよびパワー型電池パックスィッチをオンにして、前記電流指令値をmin(前記容量型電池パックと前記パワー型電池パックの電流推定値の和、前記充電器の最大充電電流)とし、
もし前記容量型電池パックと前記パワー型電池パックのいずれかで放電となる電流推定値ならば、放電と推定される電池パック側のスィッチをオフとして充電電流指令値をmin(オンとなる電池パック側の最大電流値,(オンとなる電池パックの最大電圧-オンとなる電池パックの開放電圧)/オンとなる電池パック直流抵抗)と設定する複合蓄電システム。 - 請求項3の複合蓄電システムにおいて、
前記容量型電池パックと前記パワー型電池パックを並列繋ぎにした場合の電流推定値として、
前記パワー型電池パックの電圧≦(前記複合蓄電システムの電圧上限-前記パワー型電池パックの開放電圧)/前記パワー型電池パックの直流抵抗の制約と前記容量型電池パックの電圧≦(前記複合蓄電システムの電圧上限-前記容量型電池パックの開放電圧)/前記容量型電池パック直流抵抗)および各電池の最大電流以下の制約との元、前記容量型電池パックの開放電圧+前記容量型電池パックの電流×前記容量型電池パックの直流抵抗=前記パワー型電池パックの開放電圧+前記パワー型電池パックの電流×前記パワー型電池パックの直流抵抗と前記容量型電池パックの電流=前記容量型電池パックの上限電流となる直線、または、前記パワー型電池パックの電流=前記パワー型電池パックの上限電流となる直線、のいずれかの交点とする複合蓄電システム。 - 請求項4の複合蓄電システムにおいて、
求めた前記容量型電池パックの電流推定値および前記パワー型電池パックの電流推定値の和が前記充電器の最大電流を超えた場合、前記容量型電池パックの開放電圧+前記容量型電池パックの電流×前記容量型電池パックの直流抵抗=前記パワー型電池パックの開放電圧+前記パワー型電池パックの電流×前記パワー型電池パックの直流抵抗と最大電流=前記パワー型電池パックの電流+前記容量型電池パックの電流となる直線の交点とする複合蓄電システム。
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JP2017217882A JP2021040354A (ja) | 2017-11-13 | 2017-11-13 | 複合蓄電システム |
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---|---|---|---|
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WO2012164630A1 (ja) * | 2011-06-03 | 2012-12-06 | トヨタ自動車株式会社 | 蓄電システム |
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- 2018-10-10 WO PCT/JP2018/037709 patent/WO2019093048A1/ja active Application Filing
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