JP2021040126A - 希土類磁石 - Google Patents

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Kazuya Yokota
和哉 横田
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Tetsuya Shoji
哲也 庄司
紀次 佐久間
Noritsugu Sakuma
紀次 佐久間
三宅 隆
Takashi Miyake
隆 三宅
庸介 原嶋
Yosuke Harashima
庸介 原嶋
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Hisazumi Akai
久純 赤井
直輝 川島
Naoki Kawashima
直輝 川島
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Keiichi Tamai
敬一 玉井
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Abstract

【課題】Ndの一部がCeで置換されていても、Feの一部のCo置換で、高温での飽和磁化向上を享受できる希土類磁石を提供する。【解決手段】(Nd(1−x−y)LaxCey)2(Fe(1−z)Coz)14Bで表される組成を有する磁性相を備え、有限温度での実測値に基づいてKuzminの式で算出した絶対零度での飽和磁化及びキュリー温度と、第一原理計算で算出した絶対零度での飽和磁化及びキュリー温度とをそれぞれデータ同化し、そのデータ同化したデータ群を用いて機械学習して得られた絶対零度での飽和磁化M(x、y、z、T=0)とキュリー温度を、再度、Kuzminの式に適用して、有限温度での飽和磁化が関数M(x、y、z、T)で表されるとき、前記原子比の式のx、y、及びzが、M(x、y、z、T)>M(x、y、z=0、T)及び400≦T≦453を満足する範囲である、希土類磁石。【選択図】なし

Description

本開示は、希土類磁石に関する。本開示は、特に、RFe14B型(Rは希土類元素)の結晶構造を有する単相の磁性相を備える希土類磁石に関する。
希土類磁石のうち、RFe14B型の結晶構造を有する磁性相を備える希土類磁石は、高性能永久磁石として知られている。しかし、近年、永久磁石に対する性能向上要求が一層高まっており、特に、高温での飽和磁化の一層の向上が求められている。
一般に、高温での飽和磁化とキュリー温度とは密接な関係があると考えられている。そのため、高温での飽和磁化を向上させることを目的に、RFe14B型の結晶構造を有する磁性相を備える希土類磁石において、Feの一部をCoで置換して、キュリー温度を上昇させる試みがなされている。しかし、Feの一部をCoで置換することにより、RFe14B型の結晶構造の安定性が損なわれる場合があるという報告もある。
例えば、非特許文献1には、RFe14B型の結晶構造を有する磁性相において、Rとして実質的にCeのみが選択されており、かつ、Feの一部がCoで置換されていると、その磁性相の結晶構造の安定性が損なわれることが開示されている。
Eric J. Skoug et al., "Crystal structure and magnetic properties of Ce2Fe14−xCoxB alloys" Journal of Alloys and Compounds 574 (2013) 552−555.
Fe14B型の結晶構造を有する磁性相を備える希土類磁石において、優れた磁気特性を得やすいことから、Rとして実質的にNdのみが選択されていることが多い。そのため、Ndの使用量が世界的に増大し、Ndの価格が高騰しつつある。そこで、Ndの一部が安価なCeで置換される試みがなされている。しかし、非特許文献1に開示されているように、RFe14B型の結晶構造を有する磁性相にCeとCoが共存すると、磁性相の結晶構造の安定性が損なわれ、その結果、高温での磁性相の飽和磁化が低下する場合がある。
一般に、RFe14型の結晶構造を有する磁性相において、鉄系元素として実質的にFeのみが選択され、RとしてNdが選択され、そのNdの一部が安価なCeで置換されていると、その置換により、室温及び高温の両方で、磁性相の飽和磁化が低下する。そのため、飽和磁化の低下が許容できる範囲で、Ndの一部がCeで置換されていることが多い。本明細書において、特に断りのない限り、「高温」とは、400〜453Kの範囲の温度を意味する。
一方、非特許文献1に開示されたRFe14型の結晶構造を有する磁性相のように、Rとして実質的にCeのみが選択され、鉄系元素としてFeが選択され、そのFeの一部がCoで置換されていると、その置換により、高温で、磁性相の飽和磁化が低下する。このことから、RFe14型の結晶構造を有する磁性相において、Ndの一部がCeで置換され、Feの一部がCoで置換されると、それらの置換により、Ndの一部がCeで置換されたことに起因する以上に、高温での飽和磁化が低下することになる。これは、Ndの一部がCeで置換されることによって、Feの一部が、Feと比べて高価なCoで置換されていても、高温での飽和磁化を向上させることができないばかりか、却って、高温での飽和磁化を低下させてしまうことを意味する。
このことから、RFe14B型の結晶構造を有する磁性相を備える希土類磁石において、Ndの一部がCeで置換されていても、Feの一部のCo置換で、高温での飽和磁化向上を享受できる希土類磁石が求められている、という課題を本発明者らは見出した。
本開示の希土類磁石は、上記課題を解決するためになされたものである。すなわち、本開示は、RFe14B型の結晶構造を有する磁性相を備える希土類磁石において、Ndの一部がCeで置換されていても、Feの一部のCo置換で、高温での飽和磁化向上を享受できる希土類磁石を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく、鋭意検討を重ね、本開示の希土類磁石を完成させた。本開示の希土類磁石は、次の態様を含む。
〈1〉原子比の式(Nd(1−x−y)LaCe(Fe(1−z)Co14Bで表される組成を有する単相の磁性相を備え、
前記原子比の式のx、y、及びzが、下記式(1)〜(3)の関係を満足し、かつ、下記式(1)の材料パラメタsが0.50〜0.70を満足し、かつ、
前記原子比の式のx、y、及びzが、M(x、y、z、T)>M(x、y、z=0、T)及び400≦T≦453を満足する範囲である、
希土類磁石。
〈2〉前記材料パラメタsが0.58〜0.62を満足する、〈1〉項に記載の希土類磁石。
〈3〉前記材料パラメタsが0.60を満足する、〈1〉項に記載の希土類磁石。
〈4〉前記原子比の式のx、y、及びzが、M(x、y、z、T)>M(x、y、z=0、T)及びT=453を満足する範囲である、〈1〉〜〈3〉項のいずれか一項に記載の希土類磁石。
〈5〉前記原子比の式のx、y、及びzが、それぞれ、0.03≦x≦0.50、0.03≦y≦0.50、及び0.05≦z≦0.40を満足する、〈1〉〜〈4〉項のいずれか一項に記載の希土類磁石。
〈6〉前記材料パラメタsが0.60であり、M(x、y、z、T=453)−M(x、y、z=0、T=453)で表される値が、0.02〜0.24である、〈1〉項に記載の希土類磁石。
〈7〉前記磁性相の体積率が、前記希土類磁石全体に対して、90.0〜99.0%である、〈1〉〜〈6〉項のいずれか一項に記載の希土類磁石。
本開示の希土類磁石によれば、Nd、La及びCe並びにCoの含有割合を所定の範囲にして、原子半径の大きいLaによって、CeとCoの共存で過剰に縮小した磁性相の結晶構造を適正に拡大することができる。その結果、RFe14B型の結晶構造を有する単相の磁性相を備える希土類磁石において、Ndの一部がCeで置換されていても、Feの一部のCo置換で、高温での飽和磁化向上を享受できる希土類磁石を提供することができる。なお、本開示の希土類磁石の磁性相が単相であるのは、Nd、La及びCe並びにCoの含有割合の決定に、第一原理計算を用いているためである。詳細は後述する。
図1は、飽和磁化予測方法を示すフローチャートである。 図2Aは、表2の組成1の磁性相について、絶対温度と飽和磁化の関係を示すグラフである。 図2Bは、図2Aに示したグラフに、第一原理計算で算出したM(T=0)及びTを追記したグラフである。 図2Cは、図2Bに示したグラフに、データ同化で得られたM(T=0)及びTを追記したグラフである。 図3は、本開示の希土類磁石の金属組織の典型例を示す説明図である。 図4は、式(1)〜(3)について、T=453及び1−x−y=0.33を満足するときの飽和磁化を、Laの含有割合xとCoの含有割合zの関係で示すグラフである。 図5は、式(1)〜(3)について、T=453及びx=0.03を満足するときの飽和磁化を、Ceの含有割合yとCoの含有割合zの関係で示すグラフである。 図6は、表5のデータ群について、x、y、及びzそれぞれの関係を示す。
以下、本開示の希土類磁石の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は、本開示の希土類磁石を限定するものではない。
上述したように、RFe14B型の結晶構造を有する磁性相に、Nd及びCe並びにCoが共存すると、磁性相の結晶構造安定性が損なわれ、高温での飽和磁化が低下することが懸念される。
X線回折(XRD)を用いて、表1に示す組成の磁性化合物の格子定数を求めると、NdFe14BのNdの一部がCeで置換された場合、あるいは、Feの一部がCoで置換された場合には、結晶定数が減少し、結晶構造が縮小していることを確認できる。一方、NdFe14BのNdの一部がLaで置換された場合、結晶定数が増加し、結晶構造が拡大していることを確認できる。
このことから、理論に拘束されないが、本発明者は、次のことを知見した。
Ndと比べてCeは原子半径が小さく、Feと比べてCoは原子半径が小さい。そのため、RFe14B型の結晶構造を有する磁性相において、CeとCoの合計含有割合が過度に上昇すると、結晶中の原子間距離が過度に接近し、RFe14B型の結晶構造を維持することが、特に高温において困難になる。その結果、高価なCoを含有しても、高温での飽和磁化向上を享受することが難しくなる。
このように、結晶中の原子間距離が過度に接近している場合に、磁性相中のNdの一部を、Ndよりも原子半径の大きいLaで、さらに置換すれば、RFe14B型の結晶構造の安定に寄与する。その結果、Coの含有による高温での飽和磁化向上を回復できる。また、Ndと比べてLaは安価であるため、好都合である。
しかし、磁性相中のLaの含有割合が過剰であると、原子半径の大きいLaによって結晶構造の破壊を招き、却って、RFe14B型の結晶構造を不安定にし、その結果、Coの含有による高温での飽和磁化向上を損なう懸念がある。
これらのことから、Nd、La及びCe並びにCoの含有割合を所定の範囲にすることによって、Ndの一部がCeで置換されている場合であっても、Laによって、Coによる高温での飽和磁化向上を享受できることを、本発明者らは知見した。
上記の知見に基づく、本開示の希土類磁石の構成要件を次に説明する。
《希土類磁石》
本開示の希土類磁石は、RFe14B型の結晶構造を有する磁性相を備える。以下、本開示の希土類磁石の磁性相について説明する。
〈磁性相〉
本開示の希土類磁石は、単相の磁性相を備える。単相とは、磁性相を構成する元素が実質的に均一に分布して、RFe14B型の結晶構造をなしていること意味する。例えば、走査透過型電子顕微鏡のエネルギー分散型X線分光分析機(STEM−EDX:Scanning Transmission Electron Microscope−Energy Dispersive X−ray Spectrometry)を用いて、磁性相中の希土類元素を面分析したとき、単相の磁性相は、一つの領域として認識できる。一方、単相でない磁性相は、複数の領域として認識できる。単相でない磁性相としては、例えば、コア/シェル構造を有する磁性相等が挙げられる。
本開示の希土類磁石は、単相の磁性相を備えるため、磁性相を構成する元素の含有割合の範囲の決定に際しては、第一原理計算を用いることができる。
本開示の希土類磁石の磁性相は、原子比の式(Nd(1−x−y)LaCe(Fe(1−z)Co14Bで表される組成を有する。Ndはネオジム、Laはランタン、Ceはセリウム、Feは鉄、Coはコバルト、そして、Bはホウ素である。以下、これらの元素について説明する。
〈Nd〉
Ndは、本開示の希土類磁石の磁性相に必須の元素である。Ndによって、室温及び高温において、磁性相は高い飽和磁化を発現する。また、室温において、磁性相は、高い異方性磁界を有する。
〈Ce〉
Ceは、本開示の希土類磁石の磁性相に必須の元素である。磁性相中のNdの一部は、Ceで置換されている。Ndと比べてCeは原子半径が小さい。そのため、Ceは磁性相の結晶構造を縮小する。Ceは、3価又は4価をとり得る。後述する第一原理計算では、Ceは4価であるとして扱われている。しかし、3価と4価が混在している実測値とデータ同化していること、Kuzminの式の材料パラメタsは、3価と4価のCeが混在していることを考慮している値であることから、Ceの含有割合の範囲の決定に際しては、適正に相補されている。
〈La〉
Laは、本開示の希土類磁石の磁性相に必須の元素である。磁性相中のNdの一部はLaで置換されている。磁性相中にCeとCoが共存することによって、磁性相の結晶構造が過剰に縮小することを、Ndと比べて原子半径の大きいLaが緩和する。
〈Fe〉
Feは、本開示の希土類磁石の磁性相に必須の元素である。Feは、他の元素とともに磁性相を構成し、その磁性相が、高い飽和磁化を発現する。
〈Co〉
Coは、本開示の希土類磁石の磁性相に必須の元素である。磁性相中のFeの一部がCoで置換されて、スレータポーリング則により、自発磁化の増大が生じ、磁性相の異方性磁界及び飽和磁化が向上する。また、磁性相中のFeの一部がCoで置換されて、磁性相のキュリー点が上昇し、高温での飽和磁化も向上する。
〈B〉
Bは、本開示の希土類磁石の磁性相に必須の元素である。Bは、他の元素と磁性相を構成し、その磁性相が、高い飽和磁化を発現する。
これらの元素以外に、本開示の希土類磁石の磁性相は、微量の不可避的不純物元素を含有してもよい。不可避的不純物元素とは、希土類磁石の原材料に含まれる不純物元素、あるいは、製造工程で混入してしまう不純物元素等、その含有を回避することが避けられない、あるいは、回避するためには著しい製造コストの上昇を招くような不純物元素のことをいう。製造工程で混入してしまう不純物元素等には、製造上の都合により、磁気特性に影響を与えない範囲で含有させる元素を含む。また、不可避的不純物元素は、本開示の希土類磁石の磁気特性に実質的に影響を与えないため、後述する第一原理計算等の算出値に影響を与えることはない。
〈磁性相を構成する元素の含有割合x、y、及びz〉
原子比の式(Nd(1−x−y)LaCe(Fe(1−z)Co14Bのx、y、及びzは、次の式(1)〜(3)を満足する。
上記式(1)は、磁性相について、有限温度での飽和磁化を、絶対零度での飽和磁化とキュリー温度で表す、Kuzminの式である。有限温度とは、絶対零度以外の絶対温度である。上記式(2)及び(3)は、Kuzmin式で算出した絶対零度での飽和磁化及びキュリー温度と、第一原理計算で算出した絶対零度での飽和磁化及びキュリー温度とをそれぞれデータ同化し、そのデータ群を機械学習して得られた関数で表したものである。上記式(1)〜(3)の詳細については、後述する「《飽和磁化予測方法》」で説明する。
上記式(2)及び(3)を、再度、上記式(1)に代入すれば、有限温度T(絶対零度以外の絶対温度T)での飽和磁化は、x、y及びz並びにTの関数M(x、y、z、T)で表される。すなわち、本開示の希土類磁石の磁性相の飽和磁化は、磁性相の組成と有限温度(絶対零度以外の絶対温度)の関数で表される。
上記式(1)の材料パラメタsは、磁性相について経験的に知られている無次元定数である。本開示の希土類磁石の磁性相は、R(Fe、Co)14B型の結晶構造を有するため、材料パラメタsは、0.50〜0.70である。また、材料パラメタsは、0.52以上、0.54以上、0.56以上、又は0.58以上であってもよく、0.68以下、0.66以下、0.64以下、又は0.62以下であってもよい。さらに、材料パラメタsは、0.60であってもよい。なお、上記式(1)で、μは真空の透磁率であり、式(1)で示される単位系では、μは1.26×10−6NA−2である。
本開示の希土類磁石の磁性相においては、x、y、及びzは、M(x、y、z、T)>M(x、y、z=0、T)及び400≦T≦453を満足する範囲である。上述したように、M(x、y、z、T)は、本開示の希土類磁石の磁性相について、有限温度での飽和磁化を、組成(x、y及びz)と有限温度(T)の関数として表したものである。一方、M(x、y、z=0、T)は、Coを含有しない(z=0)希土類磁石の磁性相について、有限温度での飽和磁化を、組成(x、y、z=0)と有限温度(T)の関数として表したものである。
本開示の希土類磁石は、RFe14B型の結晶構造を有する磁性相を備える希土類磁石において、Ndの一部がCeで置換されていても、Feの一部のCo置換で、高温での飽和磁化向上を享受できるものである。RFe14B型の結晶構造を有する磁性相を備える希土類磁石において、鉄系元素がすべてFeである(Feの一部がCoで置換されていない)場合には、Ndの一部がCe及びLa等の軽希土類元素で置換されると、室温及び高温の両方で飽和磁化が低下する。本開示の希土類磁石は、Ndの一部がCe及びLa等の軽希土類元素で置換され、室温及び高温の両方で飽和磁化が低下することは許容し、高価なCoの含有によって、高温での飽和磁化向上を享受するものである。したがって、本開示の希土類磁石の磁性相は、Laの含有割合xとCeの含有割合yが、それぞれ、0以外のある値であるとき、Coを含有しないとき(z=0)よりも、Coを含有したとき(zが0以外)に、飽和磁化が大きくなる。したがって、x、y、及びzは、M(x、y、z、T)>M(x、y、z=0、T)を満足する。
M(x、y、z、T)−M(x、y、z=0、T)を定義し、これを「利得」とすると、本開示の希土類磁石の磁性相のx、y、及びZは、利得がある(利得が0T(テスラ)超である)ことを満足する。利得は、0.01T以上、0.02T以上、又は0.03T以上であってよい。利得の上限は高いほど良いが、実質的には、利得は、0.50T以下、0.40T以下、0.30T以下、又は0.24T以下であってよい。
本開示の希土類磁石の磁性相は、高温で利得があるため、有限温度T(K:ケルビン)では、400≦T≦453を満足する。Tは、410K以上、420K以上、430K以上、438以上、443以上、又は448以上であってもよい。また、T=453であってもよい。
上述したように、x、y、及びzは、所定の材料パラメタs及び有限温度Tで、M(x、y、z、T)>M(x、y、z=0、T)を満足する範囲であるが、好ましくは、これに加えて、0.03≦x≦0.50、0.03≦y≦0.50、及び0.05≦z≦0.40を満足してもよい。例えば、特定の材料パラメタs(s=0.6)及び特定の有限温度(T=453K)であるとき、0.03≦x≦0.50、0.03≦y≦0.50、及び0.05≦z≦0.40を満足すれば、特定の利得範囲0.02T〜0.24Tをすべて満足する。このとき、本開示の希土類磁石の組成は、上述したx、y、及びzの範囲だけで表される。すなわち、本開示の希土類磁石の組成は、x、y、及びzの直交座標系で、0.03≦x≦0.50、0.03≦y≦0.50、及び0.05≦z≦0.40で示される直方体領域で表される。本開示の希土類磁石の組成は、x、y、及びzが次の範囲であってもよい。すなわち、xが0.03以上、0.10以上、0.15以上、0.20以上、又は0.25以上であってよく、0.50以下、0.45以下、0.40以下、0.35以下、又は0.30以下であってよい。yが0.03以上、0.10以上、0.15以上、0.20以上、又は0.25以上であってよく、0.50以下、0.45以下、0.40以下、0.35以下、又は0.30以下であってよい。zが0.05以上、0.10以上、0.15以上、又は0.20以上であってよく、0.40以下、0.35以下、0.30以下、又は0.25以下であってよい。
〈磁性相の体積率〉
本開示の希土類磁石の組織について、図面を用いて説明する。図3は、本開示の希土類磁石の金属組織の典型例を示す説明図である。本開示の希土類磁石100は、磁性相110を備える。そして、本開示の希土類磁石100は、粒界相120を備えてもよいが、これに限られない。
磁性相110は、RFe14B型の結晶構造を有する。また、磁性相110は単相である。「単相」については上述したとおりである。
本開示の希土類磁石100において、そのすべてが磁性相110であってもよいが、磁性相110の体積率は、本開示の希土類磁石100全体に対して、典型的には、90.0〜99.0%である。磁性相110の体積率は、90.5%以上、91.0%以上、92.0%以上、93.0%以上、94.0%以上、94.5%以上、又は95.0%以上であってもよく、98.5%以下、98.0%以下、97.5%以下、97.0%以下、96.5%以下、又は96.0%以下であってよい。
本開示の希土類磁石100において、磁性相110の体積率が100%でない場合には、その残部は、典型的には、粒界相120である。本開示の希土類磁石100が粒界相120を備える場合には、磁性相110、粒界相120、及び本開示の希土類磁石100全体それぞれで、x、y、及びzは、ほぼ同一である。一方、希土類元素の合計含有量(Nd、La、及びCeそれぞれの合計含有量)は、磁性相110においてよりも、粒界相120において多い。このことから、RFe14B型の結晶構造を有する磁性相を備える希土類磁石においては、粒界相は、希土類元素リッチ相又はRリッチ相と呼ばれる。
本開示の希土類磁石100の磁性相110の体積率が100%である場合には、本開示の希土類磁石100の全体組成(磁性相110と粒界相120の合計)は、原子比の式(Nd(1−x−y)LaCe(Fe(1−z)Co(100−p−q)(ただし、p=11.76、q=5.88、及び100−p−q=82.36)で表される。なお、不可避的不純物元素Mを含める場合、本開示の希土類磁石100の全体組成は、原子比の式(Nd(1−x−y)LaCe(Fe(1−z)Co(100−p−q−r)(ただし、p=11.76、q=5.88、100−p−q−r=82.36、及びr=0〜1.0)で表される。ただし、磁性相110に存在可能な不可避的不純物は非常に微量であり、不可避的不純物が比較的多い場合には、不可避的不純物の多くは、粒界相120に存在する(磁性相の体積率が100%とならない)。
本開示の希土類磁石100が粒界相120を備える場合には、上述したように、磁性相110においてよりも、粒界相120において、希土類元素の合計含有量(Nd、La、及びCeの合計含有量)が多い。したがって、本開示の希土類磁石100の磁性相110の体積率が100%でない場合には、本開示の希土類磁石100の全体組成(磁性相110と粒界相120の合計)は、原子比の式(Nd(1−x−y)LaCe(Fe(1−z)Co(100−p−q)(ただし、p=12〜20、q=5〜8、及びp+q+(100−p−q)=100)で表される。なお、不可避的不純物元素Mを含める場合、本開示の希土類磁石100の全体組成は、原子比の式(Nd(1−x−y)LaCe(Fe(1−z)Co(100−p−q−r)(ただし、p=12〜20、q=5〜8、r=0〜1.0、及びp+q+r+(100−p−q−r)=100)で表される。なお、上述したように、不可避的不純物の多くは、粒界相120に存在していると考えられる。
磁性材料において、その磁性材料中の磁性相の大きさは、その磁性相の飽和磁化の大きさに影響を与えない。このことから、本開示の希土類磁石100において、磁性相110の飽和磁化は、組成(x、y、及びz)と有限温度(T)の関数で表される。
一方、本開示の希土類磁石100の飽和磁化と、本開示の希土類磁石100の磁性相110の飽和磁化には、次の関係がある。本開示の希土類磁石100の飽和磁化={本開示の希土類磁石の磁性相110の飽和磁化M(x、y、z、T)}/{(本開示の希土類磁石100の磁性相110の体積率%)/100}。
《製造方法》
本開示の希土類磁石の製造方法は、RFe14B型(Rは希土類元素)の結晶構造を有する単相の磁性相を形成できるものである限りにおいて、特に制限されない。このような製造方法としては、例えば、本開示の希土類磁石の原材料をアーク溶解した溶湯を凝固させる方法、金型鋳造法、急冷凝固法(ストリップキャスト法)、及び超急冷凝固法(液体急冷法)等が挙げられる。なお、超急冷とは、1×10〜1×10K/秒の速度で溶湯を冷却することを意味する。このような方法で得た鋳塊又は薄帯等について、不活性ガス雰囲気中で、973〜1573K、1〜100時間の均一化熱処理をしてもよい。均一化熱処理によって、磁性相中の構成元素がより均一に分布する。また、アモルファスを含む材料から、熱処理によって、RFe14B型(Rは希土類元素)の結晶構造を有する単相の磁性相を得てもよい。
バルク体とする方法についても、特に制限はない。上述の方法で得た鋳塊又は薄帯等を粉砕して磁粉とし、その磁粉を樹脂バインダで固めてボンド磁石としてもよいし、その磁粉を焼結して焼結磁石としてもよい。磁粉中の磁性相の大きさが1〜500μmであるときには、無加圧焼結法を用いることができる。磁粉中の磁性相の大きさが1〜900nmであるときには、加圧焼結法を用いることができる。
ボンド磁石とする場合、焼結磁石とする場合のいずれにおいても、本開示の希土類磁石に異方性を付与してもよい。異方性を付与すると飽和磁化は向上するが、飽和磁化が組成と温度の関数であることに変わりはない(組成と温度が同じであるなら、異方性の付与分だけ飽和磁化が向上する)ためである。異方性の付与方法についても、特に制限はない。磁粉中の磁性相の大きさが1〜500μmであるときには、磁場成形法を用いてよい。磁場成形法とは、ボンド磁石を成形するときに、その成形を磁場中で成形すること、あるいは、無加圧焼結前に、圧粉体を磁場中で成形することを意味する。磁粉中の磁性相の大きさが1〜900nmであるときには、熱間塑性加工法を用いることができる。熱間塑性加工法とは、10〜70%の圧縮率で加圧焼結体を熱間塑性加工することを意味する。
上述したように、磁性相が単相であれば、磁性相の大きさに関係なく、飽和磁化が決まるため、上述したような様々な製造方法を選択することができる。
《飽和磁化予測方法》
本開示の希土類磁石は、RFe14B型の結晶構造を有する単相の磁性相を備える。このことから、磁性相の組成の決定には、次に説明する飽和磁化予測方法(以下、「本開示の飽和磁化予測方法」ということがある。)を用いることができる。本開示の飽和磁化予測方法の理解を深めるため、まず、磁性相の結晶構造を特定しない場合について説明した後、磁性相がRFe14B型の結晶構造を有する場合について説明する。なお、本開示の飽和磁化予測方法は、第一原理計算を用いていることから、磁性相の結晶構造の特定の有無にかかわらず、磁性相は単相である。
本開示の飽和磁化予測方法について、図面を用いて説明する。図1は、本開示の飽和磁化の予測方法を示すフローチャートである。本開示の飽和磁化予測方法50は、第1ステップ10、第2ステップ20、及び第3ステップ30を有する。以下、各ステップについて説明する。
〈第1ステップ〉
第1ステップでは、Kuzminの式に、磁性相の有限温度での飽和磁化の実測データを代入して、磁性相について、絶対零度での飽和磁化及びキュリー温度を算出する。以下、このステップについて詳述する。
予め、磁性相の有限温度TKでの飽和磁化M(T)を実測しておく。そして、その実測データを次の式(1−1)に示すKuzminの式に代入して、磁性相について、絶対零度での飽和磁化M(T=0)及びキュリー温度Tを算出する。なお、有限温度とは、絶対零度以外の任意の絶対温度を意味する。
絶対零度での飽和磁化M(T=0)及びキュリー温度Tの算出方法としては、例えば、次のような方法が挙げられる。ある組成の磁性相について、複数有限温度Tでの飽和磁化M(T)を測定しておき、回帰分析により、その組成の磁性相について、絶対零度での飽和磁化M(T=0)及びキュリー温度Tを算出する。同様の手順で、複数の組成の磁性相について、絶対零度での飽和磁化M(T=0)及びキュリー温度Tを算出することが好ましい。
回帰分析方法としては、周知の方法を用いることができる。回帰分析方法としては、単回帰分析、重回帰分析、及び最小二乗法等が挙げられ、これらを組み合わせてもよい。この中で、特に最小二乗法が好ましい。
磁性相においては、絶対零度から温度が上昇すると、飽和磁化は非線形的に低下し、キュリー温度で飽和磁化は0になる。温度と飽和磁化の関係は、Kuzminの式で近似できることが知られている。
Kuzminの式中の材料パラメタsは、磁性相について経験的に知られている無次元定数である。
希土類磁石の磁性相として、例えば、ThMn12型の結晶構造を有する磁性相が知られている。ThMn12型の結晶構造を有する磁性相の材料パラメタsは、0.5〜0.7である。
希土類磁石の磁性相として、例えば、R(Fe、Co)14B型(ただし、Rは希土類元素)の結晶構造を有する磁性相が知られている。R(Fe、Co)14B型の結晶構造を有する磁性相の材料パラメタsは0.50〜0.70である。R(Fe、Co)14B型の結晶構造を有する磁性相の材料パラメタsは、0.52以上、0.54以上、0.56以上、又は0.58以上であってもよく、0.68以下、0.66以下、0.64以下、又は0.62以下であってもよい。また、R(Fe、Co)14B型の結晶構造を有する磁性相の材料パラメタsは、0.60であってもよい。
希土類磁石の磁性相として、例えば、ThZn17型の結晶構造を有する磁性相が知られている。ThZn17型の結晶構造を有する磁性相の材料パラメタsは0.5〜0.7である。
フェライト磁石の磁性相として、スピネル型の結晶構造を有する磁性相が知られている。スピネル型の結晶構造を有する磁性相の材料パラメタsは0.5〜0.7である。
Kuzminの式において、μは真空の透磁率であり、式(1−1)で示される単位系では、μは1.26×10−6NA−2である。
実測するデータ数が多いほど、本開示の飽和磁化予測方法で得られる飽和磁化の精度は向上するが、実測するデータ数が多くなると、データ採取の工数が多くなる。したがって、実測するデータ数は、要求される予測精度との兼ね合いで、適宜決定すればよい。
実測値を採取するための試料は、磁性材料を製造する周知の方法を用いることができる。磁性材料において、その磁性材料中の磁性相の大きさは、その磁性相の飽和磁化の大きさに影響を与えないためである。また、磁性材料には、一般的に、磁性相以外の相を含むが、磁性相の飽和磁化は、(試料での飽和磁化の実測値)/{(試料での磁性相の体積率(%))/100}で求めるためである。試料での磁性相の体積率(%)は、試料全体に対する磁性相の体積率(%)である。磁性相中での組成ばらつきを抑制するためには、磁性材料の原材料をアーク溶解して凝固し鋳塊を得て、その鋳塊を均一化熱処理した後、それを粉砕して用いることが好ましい。そして、粉砕した得た磁粉のM−H曲線を振動試料型磁力計(VSM:Vibrating Sample Magnetometer)等を用いて測定する。そして、M−H曲線から、飽和漸近則によって試料全体(磁粉全体)の飽和磁化を算出し、その算出値を、{(磁性相の体積率(%))/100}で除し、磁性相の飽和磁化の値を得る。
〈第2ステップ〉
第2ステップでは、第1ステップで算出した磁性相の絶対零度での飽和磁化及びキュリー温度と、第一原理計算で算出した磁性相の絶対零度での飽和磁化及びキュリー温度とをそれぞれデータ同化して、磁性相の絶対零度での飽和磁化及びキュリー温度それぞれについて、磁性相を構成する元素の存在割合の関数で表した予測モデル式を機械学習で導出する。以下、このステップについて、詳述する。
第一原理計算で、磁性相の絶対零度での飽和磁化M(T=0)及びキュリー温度Tをそれぞれ算出する。第一原理計算では、局所磁気モーメント間の交換相互作用を計算し、その計算結果をハイゼンベルクモデルに適用することによって、キュリー温度Tを得ることができる。そして、第1ステップで算出した磁性相の絶対零度での飽和磁化M(T=0)及びキュリー温度Tと、第一原理計算で算出した磁性相の絶対零度での飽和磁化M(T=0)及びキュリー温度Tそれぞれとをデータ同化する。データ同化とは、統計的推定論を用いて、実測値に基づくM(T=0)及びT(第1ステップで算出したM(T=0)及びT)と、数値計算に基づくM(T=0)及びT(第2ステップで算出したM(T=0)及びT)との差を、小さくすることを意味する。データ同化の方法としては、周知の手法を用いることができる。データ同化の方法としては、例えば、最適内挿法、カルマンフィルター、3次元変分法、及び4次元変分法等を挙げることができ、これらを組み合わせてもよい。
そして、データ同化したM(T=0)及びT(データ同化によるデータ群)に基づいて、磁性相の絶対零度での飽和磁化及びキュリー温度それぞれについて、機械学習を用いて、磁性相を構成する元素の存在割合の関数で表した予測モデル式を導出する。
第一原理計算は量子力学に基づく計算であるため、第一原理計算で算出した飽和磁化M(T=0)は、磁性相を構成する元素の存在割合(原子比)の関数で表されている。このことから、第1ステップで算出した飽和磁化M(T=0)及びキュリー温度Tと、第一原理計算で算出した飽和磁化M(T=0)及びキュリー温度Tとをそれぞれデータ同化し、これらに基づいて機械学習して導出した予測モデル式は、磁性相を構成する元素の存在割合の関数で表される。
機械学習の技法としては、周知の技法を用いることができ、例えば、決定木学習、相関ルール学習、ニューラルネットワーク学習、正則化法、回帰法、深層学習、帰納理論プログラミング、サポートベクターマシン、クラスタリング、ベイジアンネットワーク、強化学習、表現学習、及びエクストリーム・ラーニング・マシン等が挙げられる。これらを組み合わせてもよい。これらの中で、特に、非線形で回帰できるような技法が好ましい。
機械学習の実行には、汎用のソフトウェアを使用することができ、例えば、R,Python、IBM(登録商標) SPSS(登録商標) Modeler、 及びMATLAB(登録商標)等が挙げられる。これらの中で、特に、R,Pythonは汎用性が高く好ましい。
〈第3ステップ〉
第3ステップでは、第2ステップで作成した、磁性相の絶対零度での飽和磁化及びキュリー温度それぞれについての予測モデル式を、上述の式(1−1)に示すKuzminの式に適用して、磁性相での有限温度での飽和磁化を算出する。以下、このステップについて詳述する。
上述した、式(1−1)に示したKuzminの式は、磁性相について、絶対零度での飽和磁化M(T=0)及び有限温度での飽和磁化M(T)並びにキュリー温度Tとの関係を示す式である。そのため、絶対零度での飽和磁化及びキュリー温度それぞれについての予測モデル式を、式(1−1)に適用すれば、絶対零度での飽和磁化の予測モデル式を、有限温度での飽和磁化の予測モデル式に拡張することができる。
〈磁性相が(Nd、La、Ce)(Fe、Co)14B型の結晶構造を有する態様〉
上述した、第1ステップ、第2ステップ、及び第3ステップを含む、本開示の飽和磁化予測方法に関し、磁性相が、(Nd、La、Ce)(Fe、Co)14B型の結晶構造を有する態様について説明する。
〈磁性相の組成〉
(Nd、La、Ce)(Fe、Co)14B型の結晶構造を有する磁性相の組成は、例えば、原子比の式(Nd(1−x−y)LaCe(Fe(1−z)Co14Bで表すことができる。x、y、及びzは、それぞれ、0≦x≦1、0≦y≦1、及び0≦z≦1を満足する。そして、x+yは、0≦x+y≦1を満足する。xが0であるとは、磁性相が、Laを含有しないことを意味する。xが1であるとは、磁性相が、希土類元素として、Nd及びCeを含有せず、Laのみを含有することを意味する。yが0であるとは、磁性相が、Ceを含有しないことを意味する。yが1であるとは、磁性相が、希土類元素として、Nd及びLaを含有せず、Ceのみを含有することを意味する。zが0であるとは、磁性相が、Coを含有しないことを意味する。zが1であるとは、磁性相が、鉄系元素として、Coのみを含有し、Feを含有しないことを意味する。
Kuzminの式は、次の式(1−2)に示すように、x、y、及びzの関数で表される。また、材料パラメタsは0.50〜0.70である。そして、材料パラメタsは、0.52以上、0.54以上、0.56以上、又は0.58以上であってもよく、0.68以下、0.66以下、0.64以下、又は0.62以下であってもよい。さらに、材料パラメタsは、0.60であってもよい。なお、μは真空の透磁率であり、式(1−2)で示される単位系では、μは1.26×10−6NA−2である。
機械学習で導出される絶対零度での飽和磁化は、下記式(2)で示すように、x、y、及びzの関数M(x、y、z、T=0)で表される。すなわち、機械学習で導出される絶対零度での飽和磁化は、磁性相を構成する元素の存在割合x、y、及びzの関数で表される。なお、μは真空の透磁率であり、式(1−2)及び式(2)で示される単位系では、μは1.26×10−6NA−2である。
機械学習で導出されるキュリー温度は、下記式(3)で示すように、x、y、及びzの関数T(x、y、z)で表される。すなわち、機械学習で導出されるキュリー温度は、磁性相を構成する元素の存在割合x、y、及びzの関数で表される。
次に、磁性相の組成が(Nd(1−x−y)LaCe(Fe(1−z)Co14Bで表すことができる場合に関し、第1ステップ、第2ステップ、及び第3ステップのそれぞれについて説明する。
第1ステップにおいて、例えば、表2に示す組成の磁性相について、上記式(1−2)に飽和磁化の実測値を代入して、絶対零度での飽和磁化M(T=0)及びキュリー温度Tを算出する。
飽和磁化を測定するための試料は、RFe14B型(Rは希土類元素)の結晶構造を有する単相の磁性相を形成できるものである限りにおいて、特に制限されない。このような製造方法としては、例えば、原材料をアーク溶解した溶湯を凝固させる方法、金型鋳造法、急冷凝固法(ストリップキャスト法)、及び超急冷凝固法(液体急冷法)等が挙げられる。なお、超急冷とは、1×10〜1×10K/秒の速度で溶湯を冷却することを意味する。これらの方法で得た鋳塊又は薄帯等を、不活性ガス雰囲気中で、973〜1573K、1〜100時間の均一化熱処理をしてもよい。均一化熱処理により、磁性相の構成元素は、より均一に存在することができる。また、アモルファスを含む材料から、熱処理によって、RFe14B型(Rは希土類元素)の結晶構造を有する単相の磁性相を得てもよい。このようにして得た鋳塊又は薄帯等を粉砕し、粉砕して得た磁粉の飽和磁化を振動試料型磁力計(VSM:Vibrating Sample Magnetometer)等を用いて測定する。磁性相中での組成ばらつきを抑制するため、粉砕前又は粉砕後に、上述した均一化熱処理をすることが好ましい。
磁性相中での組成ばらつきを特に抑制するためには、磁性材料の原材料をアーク溶解して凝固し鋳塊を得て、その鋳塊を均一化熱処理した後、それを粉砕して用いることが好ましい。均一化熱処理は、粉砕後に行ってもよい。そして、粉砕して得た磁粉の飽和磁化を振動試料型磁力計(VSM:Vibrating Sample Magnetometer)等を用いて測定する。
表2においては、3種類の組成について、Kuzminの式から絶対零度での飽和磁化M(T=0)及びキュリー温度Tを算出しているが、これに限られない。できるだけ多くの種類の組成について、Kuzminの式から絶対零度での飽和磁化M(T=0)及びキュリー温度Tを算出した方が、飽和磁化の予測精度が向上する。しかし、それには、多くの飽和磁化の実測値が必要になり、実測値採取の工数が増大する。このことから、磁性相の組成の種類数は、予測精度と実測値採取の工数のバランスから、適宜決定すればよい。
また、表2においては、1種類の組成について、4つの実測値から回帰して、Kuzminの式から絶対零度での飽和磁化M(T=0)及びキュリー温度Tを算出しているが、これに限られない。できるだけ多くの実測値を用いて回帰した方が、飽和磁化の予測精度が向上する。しかし、それには、多くの飽和磁化の実測値が必要になり、実測値採取の工数が増大する。このことから、1種類の磁性相の組成について、飽和磁化の実測値の数は、予測精度と実測値採取の工数のバランスから、適宜決定すればよい。
第2ステップにおいて、例えば、表3に示す組成の磁性相について、第一原理計算により、絶対零度での飽和磁化M(T=0)及びキュリー温度Tをそれぞれ算出する。なお、表3において、「−」は該当する組成について、第一原理計算により、絶対零度での飽和磁化M(T=0)及びキュリー温度Tそれぞれを算出しなかったことを意味する。
そして、第2ステップにおいては、第1ステップで算出した絶対零度での飽和磁化M(T=0)及びキュリー温度Tと、第2ステップで算出した第一原理計算を用いた絶対零度での飽和磁化M(T=0)及びキュリー温度Tとをそれぞれデータ同化する。すなわち、表1に示したM(T=0)及びTと、表3で示したM(T=0)をデータ同化する。データ同化した結果を表4に示す。なお、表4において、「−」は該当する組成について、データ同化しなかったことを意味する。
表4において、組成1、組成2及び組成3以外のM(T=0)及びT(組成4以降のM(T=0)及びT)は、データ同化によって、相補的につながれたデータである。また、表3において、組成1のM(T=0)及びTは、第1ステップで算出されたデータを相補的に修正したデータである。表4に示したM(T=0)及びT(データ同化によるデータ群)は、実測値から算出したデータと第一原理計算で算出したデータとを同化して得られたデータ群である。そのため、データ同化によるデータ群は、第一原理計算だけで得たデータ群よりも精度が高い。
さらに、第2ステップでは、データ同化したデータ群を用いて、機械学習により、磁性相を構成する元素の関数で表した絶対零度での飽和磁化M(x、y、z、T=0)及びT(x、y、z)を導出する。M(x、y、z、T=0)及びT(x、y、z)は、具体的には、上記式(2)及び式(3)で表される。
表2〜表4について、図面を用いて、さらに説明する。図2Aは、表2の組成1の磁性相について、絶対温度と飽和磁化の関係を示すグラフである。図2Bは、図2Aに示したグラフに、第一原理計算で算出したM(T=0)及びTそれぞれを追記したグラフである。図2Cは、図2Bに示したグラフに、データ同化で得られたM(T=0)及びキュリー温度Tそれぞれを追記したグラフである。
図2Aに示したように、4点の実測値から式(1−2)の回帰曲線が求まり、その回帰曲線から、Kuzminの式で算出したM(T=0)及びTが求まる。一方、図2Bに示したように、第一原理計算で算出したM(T=0)及びTと、Kuzminの式で算出したM(T)及びTとは誤差がある。しかし、その誤差は、データ同化により縮小される。具体的には、第一原理計算で算出したM(T)と4点の実測値とをデータ同化して、そのデータ同化曲線から、M(T=0)及びTを得る。これを、すべての組成についての第一原理計算で算出したM(T=0)及びTに関して行う。なお、表2及び表3の組成1のように、その組成での実測値がある場合には、その実測値とその組成での第一原理計算で算出したM(T=0)及びTそれぞれとをデータ同化する。この場合、実測値のあるすべての組成についてデータ同化する必要はない。すなわち、実測値のある少なくとも一つの組成についてデータ同化すればよい。例えば、表4の場合には、組成1についてのみデータ同化している。一方、組成4〜組成7のように、その組成での実測値がない場合には、その組成での第一原理計算で算出したM(T=0)及びTと実測値のある組成のデータとを同化する。
第3ステップでは、第2ステップで導出した予測モデル式、すなわち、上記式(2)及び上記式(3)を、上記式(1−2)に適用して、絶対零度での飽和磁化M(x、y、z、T=0)を有限温度での飽和磁化M(x、y、z、T)に拡張する。これにより、x、y、及びzで表される任意の組成を有する磁性相について、有限温度での飽和磁化を予測することができる。
図1で説明した、第1ステップ10、第2ステップ20、及び第3ステップ30を、コンピュータプログラム言語で記述して、飽和磁化予測シミュレーションプログラムとし、それをコンピュータ装置で実行することができる。このとき、図1について、「本開示の飽和磁化予測方法50」は、「本開示の飽和磁化予測シミュレーションプログラム60」に読み替えることができる。
機械学習に適応していれば、プログラム言語に特に制限はない。プログラム言語としては、Python、Java(登録商標)、R、C++、C、Scala、及びJulia等が挙げられる。これらの言語を組み合わせて用いてもよい。特に、Pythonを用いる場合には、機械学習に必要な周知の各種モジュールを用いることができる。
第1ステップの実測データは、入力装置を用いて入力される。入力装置としては、キーボード等、周知の装置を使用することができる。入力装置には、飽和磁化及び/又は温度等を感知するセンサから、インターフェースを介して自動的に入力することができる装置を含む。また、第1ステップ、第2ステップ、及び第3ステップで実行される計算は、CPU装置を用いて実行することができる。CPU装置としては、本開示の飽和磁化予測シミュレーションプログラムを記述しているプログラム言語を実行できるものであれば、特に制限はない。そして、第1ステップ、第2ステップ、及び第3ステップを経て得られた有限温度での飽和磁化は、出力装置を用いて出力することができる。出力装置としては、ディスプレイ装置等、周知の装置を使用することができる。
本開示の飽和磁化予測シミュレーションプログラムは、そのプログラムコードが記録媒体に記録されていてもよいし、紙媒体等にプリントアウトされていてもよい。記録媒体としては、周知の媒体を使用することができる。記録媒体としては、半導体記録媒体、磁気記録媒体、及び光磁気記録媒体等が挙げられる。これらを組み合わせてもよい。
以下、本開示の希土類磁石を実施例により、さらに具体的に説明する。なお、本開示の希土類磁石は、以下の実施例で用いた条件に限定されるものではない。
(Nd(1−x−y)LaCe(Fe(1−z)Co14Bで表される組成を有する磁性相を備える希土類磁石について、次のことを行った。すなわち、表5に示す、実施例1及び実施例2並びに比較例1及び比較例2の実測値を用いて、上述した第1ステップ、第2ステップ、及び第3ステップを経て、式(1)〜式(3)を得た。
飽和磁化の実測値を求めるに際しては、次の手順で試料を準備し、その試料の飽和磁化を測定した。
表5に示した組成になるように配合した原材料をアーク溶解して凝固した鋳塊を準備した。鋳塊はアルゴンガス雰囲気で、1373Kで12時間にわたり熱処理した。鋳塊中の磁性相の大きさは、80〜120μmであった。また、鋳塊を高周波誘導結合プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)発光分光分析法で成分分析し、R(Fe、Co)14Bの化学量論比との差異から磁性相の体積率(%)を求めた。
熱処理後の鋳塊を粉砕して磁粉を得た。その磁粉について、振動試料型磁力計(VSM:Vibrating Sample Magnetometer)を用いてM−H曲線を測定した。M−H曲線から飽和漸近則により試料全体(磁粉全体)の飽和磁化を算出し、その算出値を、{(磁性相の体積率(%))/100}で除し、磁性相の飽和磁化の値を得た。
本開示の希土類磁石は、x、y、及びzが、M(x、y、z、T)>M(x、y、z=0、T)を満足するため、表5において、上述した利得が0超であれば、実施例である。
図4は、式(1)〜(3)について、T=453及び1−x−y=0.33を満足するときの飽和磁化を、Laの含有割合xとCoの含有割合zの関係で示すグラフである。図4から、実施例1、3及び4〜6の453Kでの飽和磁化は、比較例3、5及び7〜8の453Kでの飽和磁化よりも高いことを理解できる。
図5は、式(1)〜(3)について、T=453及びx=0.03を満足するときの飽和磁化を、Ceの含有割合yとCoの含有割合zの関係で示すグラフである。図5から、453Kにおいて、実施例2〜3及び9の飽和磁化は、Ndの一部がLa及びCeで置換されておらず、かつ、Feの一部がCoで置換されていない比較例1の飽和磁化(1.27T(テスラ))よりも大きいことが理解できる。
図6は、表5のデータ群について、x、y、及びzそれぞれの関係を示す。図6から、表5のデータ群においては、0.03≦x≦0.50、0.03≦y≦0.50、及び0.05≦z≦0.40を満足する組成を有する磁性相の利得が0超であることを理解できる。
これらの結果から、本開示の希土類磁石の効果を確認できた。
10 第1ステップ
20 第2ステップ
30 第3ステップ
50 本開示の飽和磁化予測方法
60 本開示の飽和磁化予測シミュレーションプログラム
100 本開示の希土類磁石
110 磁性相
120 粒界相

Claims (7)

  1. 原子比の式(Nd(1−x−y)LaCe(Fe(1−z)Co14Bで表される組成を有する単相の磁性相を備え、
    前記原子比の式のx、y、及びzが、下記式(1)〜(3)の関係を満足し、かつ、下記式(1)の材料パラメタsが0.50〜0.70を満足し、かつ、
    前記原子比の式のx、y、及びzが、M(x、y、z、T)>M(x、y、z=0、T)及び400≦T≦453を満足する範囲である、
    希土類磁石。
  2. 前記材料パラメタsが0.58〜0.62を満足する、請求項1に記載の希土類磁石。
  3. 前記材料パラメタsが0.60を満足する、請求項1に記載の希土類磁石。
  4. 前記原子比の式のx、y、及びzが、M(x、y、z、T)>M(x、y、z=0、T)及びT=453を満足する範囲である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の希土類磁石。
  5. 前記原子比の式のx、y、及びzが、それぞれ、0.03≦x≦0.50、0.03≦y≦0.50、及び0.05≦z≦0.40を満足する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の希土類磁石。
  6. 前記材料パラメタsが0.60であり、M(x、y、z、T=453)−M(x、y、z=0、T=453)で表される値が、0.02〜0.24である、請求項1に記載の希土類磁石。
  7. 前記磁性相の体積率が、前記希土類磁石全体に対して、90.0〜99.0%である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の希土類磁石。
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