JP2021039997A - 被加工物の加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】板状の被加工物を加工する際に用いられる新たな被加工物の加工方法を提供する。【解決手段】板状の被加工物に設定された加工予定領域で被加工物を加工する際に用いられる被加工物の加工方法であって、加工予定領域を覆うことができる大きさの金属板を被加工物の上面側に載せて加工予定領域を金属板で覆う金属板配置ステップと、金属板に吸収される波長のレーザービームを金属板の上面側から金属板の加工予定領域を覆う部分に照射するレーザービーム照射ステップと、を含み、レーザービーム照射ステップでは、レーザービームにより金属板の加工予定領域を覆う部分を加工するとともに、金属板から伝導する熱により被加工物の加工予定領域を加工する。【選択図】図3

Description

本発明は、板状の被加工物に設定された加工予定領域で被加工物を加工する際に用いられる被加工物の加工方法に関する。
可視域で透明なケイ酸塩ガラスやサファイア等の材料で構成される板状の被加工物を加工するために、例えば、被加工物を透過する波長のレーザービームを被加工物の任意の領域に集めて多光子吸収を生じさせ、この領域を改質することがある(例えば、特許文献1参照)。
多光子吸収によって改質された領域は、他の領域に比べて脆いので、例えば、被加工物に小さな力を加えるだけで、この改質された領域を起点に被加工物を破断できる。また、多光子吸収によって改質された領域と他の領域との化学的な性質が異なる場合には、改質された領域をエッチング等の方法によって優先的に除去することもできる。
特開2002−192370号公報
ところが、上述の方法では、レーザービームを集中させた小さな領域だけが改質されるので、厚い被加工物をその厚み方向の全体で加工する際には、厚み方向の複数の領域に対して順にレーザービームを集中させなくてはならない。つまり、上述の方法では、厚い被加工物を必ずしも効率良く加工できなかった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、板状の被加工物を加工する際に用いられる新たな被加工物の加工方法を提供することである。
本発明の一態様によれば、板状の被加工物に設定された加工予定領域で該被加工物を加工する際に用いられる被加工物の加工方法であって、該加工予定領域を覆うことができる大きさの金属板を該被加工物の上面側に載せて該加工予定領域を該金属板で覆う金属板配置ステップと、該金属板に吸収される波長のレーザービームを該金属板の上面側から該金属板の該加工予定領域を覆う部分に照射するレーザービーム照射ステップと、を含み、該レーザービーム照射ステップでは、該レーザービームにより該金属板の該加工予定領域を覆う部分を加工するとともに、該金属板から伝導する熱により該被加工物の該加工予定領域を加工する被加工物の加工方法が提供される。
本発明の一態様において、該レーザービーム照射ステップでは、該被加工物の光の吸収率に比べて該金属板の光の吸収率が高い波長の該レーザービームを照射すると良い。
また、本発明の一態様において、該レーザービーム照射ステップでは、該被加工物の該加工予定領域を加工して形成される溝又は孔の表面が該金属板の溶融物により被覆される条件で該レーザービームを照射しても良い。
また、本発明の一態様では、該被加工物として、100μm以上の厚みのサファイア基板を用いることがある。
本発明の一態様にかかる被加工物の加工方法では、被加工物の加工予定領域を金属板で覆った後に、金属板に吸収される波長のレーザービームを金属板の加工予定領域を覆う部分に照射して、金属板の加工予定領域を覆う部分をレーザービームによって加工するとともに、被加工物の加工予定領域を金属板から伝導する熱によって加工する。
すなわち、本発明の一態様にかかる被加工物の加工方法では、金属板の加工予定領域を覆う部分を光の吸収によって加工し、被加工物の加工予定領域を熱の伝導によって加工する。そのため、被加工物の厚み方向に広い領域を一度に精度良く加工できる。
レーザー加工装置の構成例を示す斜視図である。 図2(A)は、チャックテーブルによって被加工物が保持された様子を示す断面図であり、図2(B)は、被加工物の分割予定ラインが金属板によって覆われた様子を示す断面図である。 図3(A)は、金属板にレーザービームが照射される様子を模式的に示す断面図であり、図3(B)は、加工後の被加工物の状態を模式的に示す断面図である。 図4(A)は、変形例にかかる被加工物の加工方法で金属板にレーザービームが照射される様子を模式的に示す断面図であり、図4(B)は、加工後の被加工物の状態を模式的に示す断面図である。
添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。図1は、本実施形態にかかる被加工物の加工方法で用いられるレーザー加工装置2の構成例を示す斜視図である。なお、以下の説明で用いられるX軸方向(加工送り方向)、Y軸方向(割り出し送り方向)、及びZ軸方向(高さ方向)は、互いに垂直である。
図1に示すように、レーザー加工装置2は、各構成要素を支持する基台4を備えている。基台4の上面4aには、水平移動機構(加工送り機構、割り出し送り機構)6が配置されている。水平移動機構6は、基台4の上面に固定されY軸方向に対して概ね平行な一対のY軸ガイドレール8を備えている。Y軸ガイドレール8には、Y軸移動テーブル10がスライド可能に取り付けられている。
Y軸移動テーブル10の下面側には、ナット部(不図示)が設けられている。このY軸移動テーブル10のナット部には、Y軸ガイドレール8に対して概ね平行なY軸ボールネジ12が螺合されている。Y軸ボールネジ12の一端部には、Y軸パルスモータ14が連結されている。Y軸パルスモータ14でY軸ボールネジ12を回転させれば、Y軸移動テーブル10は、Y軸ガイドレール8に沿ってY軸方向に移動する。
Y軸移動テーブル10の上面には、X軸方向に対して概ね平行な一対のX軸ガイドレール16が設けられている。X軸ガイドレール16には、X軸移動テーブル18がスライド可能に取り付けられている。X軸移動テーブル18の下面側には、ナット部(不図示)が設けられている。
このX軸移動テーブル18のナット部には、X軸ガイドレール16に対して概ね平行なX軸ボールネジ20が螺合されている。X軸ボールネジ20の一端部には、X軸パルスモータ22が連結されている。X軸パルスモータ22でX軸ボールネジ20を回転させれば、X軸移動テーブル18は、X軸ガイドレール16に沿ってX軸方向に移動する。
X軸移動テーブル18の上面側には、円柱状のテーブル基台24が配置されている。また、テーブル基台24の上部には、被加工物11の保持に使用されるチャックテーブル(保持テーブル)26が配置されている。テーブル基台24の下部には、モータ等の回転駆動源(不図示)が連結されている。
この回転駆動源から発生する力によって、チャックテーブル26は、Z軸方向に対して概ね平行な回転軸の周りに回転する。また、テーブル基台24及びチャックテーブル26は、上述した水平移動機構6によって、X軸方向及びY軸方向に移動する(加工送り、割り出し送り)。
本実施形態で用いられる被加工物11は、例えば、可視域で透明なケイ酸塩ガラスやサファイア等のセラミックスを用いて円盤状に形成され、円形の上面11aと、上面11aとは反対側に位置する円形の下面11b(図2(A)等参照)と、を含む。この被加工物11の厚みは、代表的には、100μm以上である。また、この被加工物11には、例えば、分割予定ライン(加工予定領域)11c(図2(A)等参照)が設定されている。
被加工物11をレーザー加工装置2で加工する際には、その下面11b側に、被加工物11よりも大きな径のテープ(ダイシングテープ)13が貼付される。また、テープ13の外周部分に、環状のフレーム15が接着される。すなわち、被加工物11は、テープ13を介してフレーム15に支持された状態でチャックテーブル26へと搬入される。
なお、本実施形態では、可視域で透明な材料を用いて形成された円盤状の被加工物11を用いるが、被加工物11の材質、形状、構造、大きさ等に制限はない。例えば、他のセラミックス、半導体、樹脂、金属等の材料を用いて形成される基板を被加工物11として用いることもできる。
同様に、被加工物11には、LED(Light Emitting Diode)やIC(Integrated Circuit)等のデバイスが形成されていても良い。また、加工の際に被加工物11を適切に保持できるようであれば、被加工物11の下面11bには、必ずしもテープ13を貼付しなくて良い。
チャックテーブル26の上面の一部は、例えば、多孔質材で構成されており、被加工物11を保持するための保持面26aになる。この保持面26aは、X軸方向及びY軸方向に対して概ね平行に形成されており、チャックテーブル26の内部に設けられた吸引路(不図示)等を介して吸引源(不図示)に接続されている。また、チャックテーブル26の周囲には、被加工物11を支持する環状のフレーム15を固定する4個のクランプ28が設けられている。
水平移動機構6のY軸方向の一方側の領域には、Y軸方向に対して概ね垂直な面30aを持つ支持構造30が設けられている。この支持構造30の面30aには、レーザービーム照射ユニット32の一部が配置されている。レーザービーム照射ユニット32は、例えば、基台4に固定されたレーザー発振器(不図示)と、支持構造30の面30aに固定された筒状のハウジング34と、ハウジング34のY軸方向の端部に設けられた照射ヘッド36と、を含む。
レーザー発振器は、レーザー発振に適したNd:YAG等のレーザー媒質を含み、例えば、被加工物11を透過する波長のレーザービーム19(図3(A)等参照)を生成してハウジング34側に放射する。ハウジング34は、レーザービーム照射ユニット32を構成する光学系の一部を収容しており、レーザー発振器から放射されたレーザービーム19を照射ヘッド36へと導く。なお、この光学系は、主に、ミラーやレンズ等の光学部品によって構成される。
照射ヘッド36には、レーザービーム照射ユニット32を構成する光学系の別の一部が設けられている。例えば、この照射ヘッド36は、ハウジング34から導かれたレーザービーム19の進路をミラー(不図示)等で下向きに変え、集光用のレンズ(不図示)で所定の高さに集光する。
照射ヘッド36のX軸方向の一方側の領域には、レーザービーム照射ユニット32のハウジング34に固定された撮像ユニット38が配置されている。撮像ユニット38は、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサやCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等を含み、チャックテーブル26によって保持された被加工物11の上面11a側を撮像する際に用いられる。
基台4の上部は、各構成要素を収容できるカバー(不図示)によって覆われている。このカバーの側面には、ユーザーインターフェースとなるタッチパネル式のディスプレイ(入出力ユニット)40が配置されている。例えば、被加工物11を加工する際に適用される種々の条件は、ディスプレイ40を介してレーザー加工装置2に入力される。また、撮像ユニット38で生成された画像は、ディスプレイ40に表示される。
水平移動機構6、レーザービーム照射ユニット32、撮像ユニット38、ディスプレイ40等の構成要素は、それぞれ、制御ユニット(不図示)に接続されている。制御ユニットは、被加工物11の加工に必要な一連の工程に合わせて、上述した各構成要素を制御する。
制御ユニットは、代表的には、CPU(Central Processing Unit)等の処理装置や、フラッシュメモリ等の記憶装置を含むコンピュータによって構成される。記憶装置に記憶されたソフトウェアに従い処理装置等を動作させることによって、制御ユニットの機能が実現される。
本実施形態にかかる被加工物の加工方法では、まず、上述したレーザー加工装置2のチャックテーブル26によって被加工物11を保持する(保持ステップ)。図2(A)は、チャックテーブル26によって被加工物11が保持された様子を示す断面図である。具体的には、例えば、下面11bに貼付されたテープ13を介して被加工物11をチャックテーブル26の保持面26aに載せる。
そして、このチャックテーブル26の保持面26aに吸引源の負圧を作用させる。これにより、被加工物11はチャックテーブル26によって保持され、上面11aが上方に露出する。なお、テープ13に接着されたフレーム15は、4個のクランプ28によって固定される。
被加工物11をチャックテーブル26で保持した後には、この被加工物11の分割予定ライン11cを金属板で覆う(金属板配置ステップ)。図2(B)は、被加工物11の分割予定ライン11cが金属板17によって覆われた様子を示す断面図である。金属板17は、例えば、レーザービーム19を吸収するステンレス鋼やアルミニウム等の金属を用いて被加工物11と同程度の大きさの円盤状に形成され、円形の上面17aと、上面17aとは反対側に位置する円形の下面17bと、を含む。
本実施形態では、この金属板17の下面17bと被加工物11の上面11aとが接触するように、被加工物11の上面11a側に金属板17を載せる。なお、被加工物11の上面11aと金属板17の下面17bとは、必ずしも密着していなくて良い。
また、金属板17の大きさ、形状、構造、材質等に大きな制限はない。例えば、金属板17は、少なくとも分割予定ライン11cを覆うことができる大きさ、形状を有していれば良い。
一方で、金属板17の厚みは、レーザービーム19を十分に吸収できる範囲内で適切に調整される。具体的には、例えば、被加工物11の厚みの1/50〜1/10程度の厚みの金属板17を用いると良い。被加工物11の厚みが1mm程度の場合には、金属板17の厚みは20μm〜100μm程度になる。
また、金属板17は、ある程度に熱伝導率の低い材質で形成されることが望ましい。熱伝導率の低い材質で金属板17を形成すると、レーザービーム19の被照射部に熱が溜まり易いので、被加工物11の厚み方向の加工に有利になる。
金属板17は、複数の金属板を重ねたものでも良い。具体的には、例えば、ステンレス鋼でなる金属板と、銅でなる金属板と、アルミニウムでなる金属板と、を重ねて得られるもの等を金属板17として用いることができる。なお、複数の金属板を重ねたものを金属板17として用いる場合には、レーザービーム19が最も吸収され易い材質の金属板を最上部に配置すると良い。これにより、被加工物11をより効率的に精度良く加工できる。
被加工物11の分割予定ライン11cを金属板17で覆った後には、被加工物11を透過し、金属板17に吸収される波長のレーザービーム19を金属板17の上面17a側から金属板17の分割予定ライン11cを覆う部分に照射する(レーザービーム照射ステップ)。つまり、被加工物11の光の吸収率に比べて金属板17の光の吸収率が高い波長のレーザービーム19を金属板17に照射する。
図3(A)は、金属板17にレーザービーム19が照射される様子を模式的に示す断面図であり、図3(B)は、加工後の被加工物11の状態を模式的に示す断面図である。金属板17にレーザービーム19を照射する際には、水平移動機構6でチャックテーブル26を分割予定ライン11cに沿って移動させながら、図3(A)に示すように、照射ヘッド36から下方にレーザービーム19を照射する。
なお、本実施形態では、金属板17の分割予定ライン11cを覆う部分(分割予定ライン11cの直上の領域)にレーザービーム19が集光するように、レーザービーム照射ユニット32の各部の状態が調整される。ただし、レーザービーム19は、必ずしも金属板17に集光しなくて良い。
これにより、図3(B)に示すように、金属板17の分割予定ライン11cを覆う部分にレーザービーム19を照射して、金属板17のレーザービーム19が照射された部分(被照射部)を加工できる。具体的には、金属板17の分割予定ライン11cを覆う部分がレーザービーム19によってアブレーションされ、この金属板17に開口17cが形成される。
レーザービーム19が金属板17の被照射部に吸収されると、この被照射部には、熱が発生する。被照射部で発生した熱の一部は、被加工物11の上面11a側に伝導して被加工物11を加工する。具体的には、被加工物11の分割予定ライン11cが金属板17から伝導する熱によってアブレーションされ、被加工物11の分割予定ライン11cに溝又は孔11dが形成される。
例えば、1mmの厚みのサファイア基板を被加工物11として用い、50μmの厚みのステンレス板を金属板17として用い、レーザービーム19の波長を1064nm、レーザービーム19の出力を500W、集光用レンズの焦点距離を100mm、金属板17の上面17aでのレーザービーム19の直径を10μmとする場合には、この被加工物11を貫通する100μmの直径の孔を形成できた。ただし、具体的な条件はこの限りではない。
以上のように、本実施形態にかかる被加工物の加工方法では、被加工物11の分割予定ライン(加工予定領域)11cを金属板17で覆った後に、金属板17に吸収される波長のレーザービーム19を金属板17の分割予定ライン11cを覆う部分に照射して、金属板17の分割予定ライン11cを覆う部分をレーザービーム19によって加工するとともに、被加工物11の分割予定ライン11cを金属板17から伝導する熱によって加工する。
すなわち、本実施形態にかかる被加工物の加工方法では、金属板17の分割予定ライン11cを覆う部分を光の吸収によって加工し、被加工物11の分割予定ライン11cを熱の伝導によって加工する。そのため、被加工物11の厚み方向に広い領域を一度に精度良く加工できる。被加工物11を加工した後には、この被加工物11から金属板17を除去すると良い。もちろん、被加工物11に金属板17をそのまま残すこともできる。
なお、本発明は、上述した実施形態の記載に制限されず種々変更して実施可能である。例えば、レーザービーム19によって金属板17が溶融する現象を利用して、被加工物11に形成される溝又は孔11dの表面を金属板17の溶融物によって被覆することもできる。
図4(A)は、変形例にかかる被加工物の加工方法で金属板17にレーザービーム19が照射される様子を模式的に示す断面図であり、図4(B)は、加工後の被加工物11の状態を模式的に示す断面図である。なお、変形例にかかる被加工物の加工方法の多くの部分は、上述した実施形態にかかる被加工物の加工方法と共通している。よって、以下では、主に相違点について説明し、共通する部分の詳細な説明を省略する。
変形例にかかる被加工物の加工方法では、上述した実施形態のレーザー加工装置2と同様のレーザー加工装置が使用される。ただし、この変形例で使用されるレーザー加工装置は、図4(A)等に示すように、チャックテーブル26とは異なるチャックテーブル(保持テーブル)52を備えている。なお、図4(A)等では、上述した実施形態のレーザー加工装置2と同等の構成要素に同じ符号を付している。
チャックテーブル52は、例えば、樹脂や金属等の材料を用いて板状に形成されており、保持面52aに開口する吸引溝52bを有している。この吸引溝52bは、被加工物11の分割予定ライン(加工予定領域)11cが配置される領域に設けられている。また、吸引溝52bは、第1吸引源54に接続されている。
吸引溝52bによって区画されたチャックテーブル52の各領域には、保持面52aに開口する吸引孔52cが設けられている。吸引孔52cは、第2吸引源56に接続されている。そのため、第2吸引源56が生成する負圧を吸引孔52cに作用させることで、被加工物11の分割予定ライン11cで囲まれた領域を吸引できる。
変形例にかかる被加工物の加工方法では、まず、レーザー加工装置のチャックテーブル52によって被加工物11を保持する(保持ステップ)。具体的には、図4(A)等に示すように、吸引溝52bの上方に分割予定ライン11cを配置するように、被加工物11をチャックテーブル52に載せる。
なお、この変形例では、被加工物11の下面11bにテープ13を貼付しない。つまり、被加工物11の下面11bをチャックテーブル52の保持面52aに接触させる。そして、チャックテーブル52の吸引孔52cに第2吸引源56の負圧を作用させる。これにより、被加工物11はチャックテーブル52によって保持され、上面11aが上方に露出する。
被加工物11をチャックテーブル52で保持した後には、この被加工物11の分割予定ライン11cを金属板17で覆う(金属板配置ステップ)。その後、被加工物11を透過し、金属板17に吸収される波長のレーザービーム19を金属板17の上面17a側から金属板17の分割予定ライン11cを覆う部分に照射する(レーザービーム照射ステップ)。
つまり、被加工物11の光の吸収率に比べて金属板17の光の吸収率が高い波長のレーザービーム19を金属板17に照射する。なお、金属板17にレーザービーム19を照射する際には、チャックテーブル52の吸引溝52bに第1吸引源54の負圧を作用させておく。
その結果、図4(A)に示すように、金属板17の分割予定ライン11cを覆う部分がレーザービーム19によってアブレーションされ、この金属板17に開口17cが形成される。また、被加工物11の分割予定ライン11cが金属板17から伝導する熱によってアブレーションされ、被加工物11の分割予定ライン11cに溝又は孔11dが形成される。
この変形例では、チャックテーブル52の吸引溝52bに第1吸引源54の負圧を作用させているので、レーザービーム19によって溶融する金属板17の溶融物が吸引溝52b側(下方)に吸引される。これにより、被加工物11の溝又は孔11dの表面を、金属板17の溶融物17dによって覆うことができる。
すなわち、第1吸引源54の負圧が吸引溝52bに作用する条件の下でレーザービーム19を照射することにより、被加工物11の溝又は孔11dの表面は、金属板17の溶融物17dによって被覆される。この現象を利用することで、例えば、被加工物11を貫通する貫通電極等を形成できる。
なお、変形例でも、金属板17として、複数の金属板を重ねて得られるものを用いることができる。また、例えば、金属板17を構成する複数の金属板の材質や厚み、熱伝導率等を調整することにより、溝又は孔11dの表面を覆う溶融物17dの組成を制御することもできる。
その他、上述した実施形態や変形例にかかる構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて変更して実施できる。
11 :被加工物
11a :上面
11b :下面
11c :分割予定ライン(加工予定領域)
11d :溝又は孔
13 :テープ(ダイシングテープ)
15 :フレーム
17 :金属板
17a :上面
17b :下面
17c :開口
17d :溶融物
19 :レーザービーム
2 :レーザー加工装置
4 :基台
4a :上面
6 :水平移動機構(加工送り機構、割り出し送り機構)
8 :Y軸ガイドレール
10 :Y軸移動テーブル
12 :Y軸ボールネジ
14 :Y軸パルスモータ
16 :X軸ガイドレール
18 :X軸移動テーブル
20 :X軸ボールネジ
22 :X軸パルスモータ
24 :テーブル基台
26 :チャックテーブル(保持テーブル)
26a :保持面
28 :クランプ
30 :支持構造
30a :面
32 :レーザービーム照射ユニット
34 :ハウジング
36 :照射ヘッド
38 :撮像ユニット
40 :ディスプレイ(入出力ユニット)
52 :チャックテーブル(保持テーブル)
52a :保持面
52b :吸引溝
52c :吸引孔
54 :第1吸引源
56 :第2吸引源

Claims (4)

  1. 板状の被加工物に設定された加工予定領域で該被加工物を加工する際に用いられる被加工物の加工方法であって、
    該加工予定領域を覆うことができる大きさの金属板を該被加工物の上面側に載せて該加工予定領域を該金属板で覆う金属板配置ステップと、
    該金属板に吸収される波長のレーザービームを該金属板の上面側から該金属板の該加工予定領域を覆う部分に照射するレーザービーム照射ステップと、を含み、
    該レーザービーム照射ステップでは、該レーザービームにより該金属板の該加工予定領域を覆う部分を加工するとともに、該金属板から伝導する熱により該被加工物の該加工予定領域を加工することを特徴とする被加工物の加工方法。
  2. 該レーザービーム照射ステップでは、該被加工物の光の吸収率に比べて該金属板の光の吸収率が高い波長の該レーザービームを照射することを特徴とする請求項1に記載の被加工物の加工方法。
  3. 該レーザービーム照射ステップでは、該被加工物の該加工予定領域を加工して形成される溝又は孔の表面が該金属板の溶融物により被覆される条件で該レーザービームを照射することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の被加工物の加工方法。
  4. 該被加工物として、100μm以上の厚みのサファイア基板を用いることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の被加工物の加工方法。
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