JP2021035917A - 免疫再構築促進剤、及び移植片対宿主病(gvhd)治療剤 - Google Patents

免疫再構築促進剤、及び移植片対宿主病(gvhd)治療剤 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、移植後のポリクローナルな免疫再構築を促進させる方法を提供すること、さらにポリクローナルな免疫再構築を促進させることにより難治性GVHDを含むGVHDを効果的に治療する方法を提供することを課題とする。【解決手段】上記課題を解決するための本発明は、MEK阻害剤を有効成分として含む、移植後の免疫再構築促進剤である。上記移植は、造血幹細胞移植であることが好ましく、また、上記MEK阻害剤は、トラメチニブ、コビメチニブ、ビニメチニブ、及びセルメチニブからなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましい。また、上記課題を解決するための本発明は、MEK阻害剤を有効成分として含む、移植片対宿主病(GVHD)治療剤も含む。【選択図】なし

Description

本発明は、免疫再構築促進剤、及び移植片対宿主病(GVHD)治療剤に関する。
同種造血幹細胞移植は難治性造血器腫瘍に治癒をもたらし得る魅力的治療法だが、致死的合併症も多い。特に重篤な合併症である移植片対宿主病(Graft−versus−Host Disease:GVHD)を抑制しつつ、抗腫瘍免疫(Graft−versus−Tumor Effects:GVT効果)や抗ウイルス免疫を温存する方法は未だ確立されているとはいえない。実際GVHDを抑制・治療するために複数の免疫抑制剤が投与された患者では、GVT効果や抗ウイルス免疫の弱体化により、造血器腫瘍の再発や致死的な日和見感染症を招くことがあり、臨床現場では大きなアンメットニーズとなっている(非特許文献1参照)。これに対して本発明者らは、以前に、細胞内MAPK経路の一つRAS/MEK/ERK経路の選択的遮断薬であるMEK阻害剤がGVT効果や抗ウイルス免疫を温存しつつ、GVHDの発症を抑制することを示した(非特許文献2及び3参照)。
一方、同種造血幹細胞移植におけるもう一つの問題として、難治性GVHDがある。移植後早期に発症する急性GVHDの重症度はgrade I/II/III/IVの4段階に分類され、積極的治療を要するのはgrade II/III/IVである。日本では、血縁・非血縁を合わせて年間約3500例の同種造血幹細胞移植が行われ、そのうちの約35%がgrade II/III/IVの急性GVHDを発症することが知られている(非特許文献4参照)。一般にGVHDのトリガーとなるのはドナーのT細胞であるが、その増悪にはB細胞やNK細胞、マクロファージなども関与する。そのため、急性増悪を来したGVHDの約40%は、副腎皮質ステロイドを始めとした複数の免疫抑制剤の併用にもなお抵抗性を示す難治性GVHDに至る(非特許文献5及び6参照)。このような難治性GVHD患者の長期生存率は30%程度と不良だが、有効な治療方法は未だ確立されていない。
N Engl J Med,2017,377,p.2167−2179 Blood,2013,121(23),p.4617−4626 JCI,Insight,2016,1(10),e86331 Biol Blood Marrow Transplant,2016,22, 744e751 Blood,1998,92,p.2288−2293 Biol Blood Marrow Transplant,2013,19, 1183e1189
このような中、本発明者らは難治性GVHDを含む、造血幹細胞移植後の種々の問題を解決するためには、移植後の免疫再構築という観点が重要であると考えた。即ち、移植後、多様性を持ったポリクローナルな免疫の再構築の遅れが生じることが、移植後合併症や腫瘍の再発に繋がると考えられることから、造血幹細胞移植後のポリクローナルな免疫再構築を促進させる方法を見出すことが上記問題を解決することに繋がると考え研究を進めた。そこで、本発明は、造血幹細胞移植後のポリクローナルな免疫再構築を促進させる方法を提供すること、さらにポリクローナルな免疫再構築を促進させることにより難治性GVHDを含むGVHDを効果的に治療する方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明者らは、造血幹細胞移植の際に各種薬剤を投与し、生着するT細胞の多様性に与える影響を評価した。その結果、MEK阻害剤が、移植後のポリクローナルな免疫再構築を促進する優れた効果を有することを見出し、本発明を完成させた。即ち、本発明の要旨は、以下のとおりである。
[1]MEK阻害剤を有効成分として含む、造血幹細胞移植後の免疫再構築促進剤。
[2]上記MEK阻害剤が、トラメチニブ、コビメチニブ、ビニメチニブ、及びセルメチニブからなる群より選択される少なくとも1種である、[1]に記載の免疫再構築促進剤。
[3]上記移植時及び/又は移植後GVHDを発症している期間内に投与される、[1]又は[2]に記載の免疫再構築促進剤。
[4]免疫抑制剤と併用される、[1]から[3]のいずれかに記載の免疫再構築促進剤。
[5]上記免疫抑制剤が、カルシニューリン阻害剤である、[4]に記載の免疫再構築促進剤。
[6]MEK阻害剤を有効成分として含む、移植片対宿主病(GVHD)治療剤。
[7]上記MEK阻害剤が、トラメチニブ、コビメチニブ、ビニメチニブ、及びセルメチニブからなる群より選択される少なくとも1種である、[6]に記載のGVHD治療剤。
[8]造血幹細胞移植後のGVHDを治療することを特徴とする、[6]又は[7]に記載のGVHD治療剤。
[9]移植時及び/又は移植後GVHDを発症している期間内に投与される、[6]から[8]のいずれかに記載のGVHD治療剤。
[10]免疫抑制剤抵抗性の患者に対して用いられる、[6]から[9]のいずれかに記載のGVHD治療剤。
[11]上記免疫抑制剤が、カルシニューリン阻害剤である、[10]に記載のGVHD治療剤。
本発明によると、造血幹細胞移植の際又は移植後に、MEK阻害剤を含む免疫再構築促進剤を投与することで、多様なT細胞の生着が可能となり、移植後のポリクローナルな免疫再構築を促進することができる。また、MEK阻害剤は、免疫再構築を促進することにより、GVHD、特に難治性GVHD(治療抵抗性のGVHD)の治療薬として効果を奏することが期待できる。なお、GVHDは、免疫抑制剤による免疫再構築障害(skewing)によって起こる合併症とみることもでき、MEK阻害剤は、同障害を軽減することでGVHDの治療に効果を奏すると考えられる。特にGVHDを生じた個体では免疫再構築の障害(skewing)がみられる、すなわちドナー由来の特定のT細胞クローンが脾臓、肺等で病的に増生することも本研究で本発明者らが明らかにしたが、MEK阻害剤はそのような病的な単一クローンの増生を抑制することができる。したがって、本発明の免疫再構築促進剤及びGVHD治療剤は、既存の免疫抑制剤との併用も可能であり、優れた効果を奏する。
図1は、同種造血幹細胞移植のGVHDモデルにおけるMEK阻害剤投与の効果を示す図である(体重、生存率)。 図2は、異種造血幹細胞移植のGVHDモデルにおけるMEK阻害剤投与の効果を示す図である(T細胞生着率)。 図3は、異種造血幹細胞移植のGVHDモデルにおけるMEK阻害剤投与の効果を示す図である(生存率)。 図4は、異種造血幹細胞移植のGVHDモデルにおけるMEK阻害剤投与の効果を示す図である(各臓器に生着したT細胞のTCRレパトア解析)。 図5は、異種造血幹細胞移植のGVHDモデルにおける、GVHD発症後のMEK阻害剤投与の効果を示す図である(体重及びGVHDスコア)。 図6は、異種造血幹細胞移植のGVHDモデルにおける、GVHD発症後のMEK阻害剤投与の効果を示す図である(脾臓に生着したT細胞のTCRレパトア解析)。 図7は、異種造血幹細胞移植のGVHDモデルにおける、GVHD発症後のMEK阻害剤投与の効果を示す図である(肝臓に生着したT細胞のTCRレパトア解析)。 図8は、異種造血幹細胞移植のGVHDモデルにおける、GVHD発症後のMEK阻害剤投与の効果を示す図である(肺に生着したT細胞のTCRレパトア解析)。
以下、本発明の免疫再構築促進剤、GVHD治療剤について詳細に説明する。なお、本明細書における実験は、特に明記しない限り、当業者に公知の一般的実験書に記載の方法又はそれに準じた方法により行うことができる。また、本明細書中で使用される用語は、特に言及しない限り、当該技術分野で通常用いられる意味で解釈される。
<免疫再構築促進剤>
本発明の免疫再構築促進剤は、造血幹細胞移植後の免疫再構築の促進のために用いられるものであり、MEK阻害剤を有効成分として含むことを特徴とする。特に、造血幹細胞移植の際又は造血幹細胞移植後に本発明の免疫再構築促進剤を投与することで、ドナー由来の多様なT細胞の生着が可能となり、移植後のポリクローナルな免疫再構築を促進することができる。また、本発明の免疫再構築促進剤の有効成分であるMEK阻害剤は、このようにポリクローナルな免疫再構築を促進することにより、GVHD、特に難治性GVHD(治療抵抗性のGVHD)の治療効果を奏することも期待できる。
[移植後の免疫再構築]
本発明の免疫再構築促進剤は、造血幹細胞移植後の免疫再構築の促進のため、移植を受けるホスト(患者)に対して用いられる。つまり、造血幹細胞移植前に大量抗がん剤投与や全身放射線照射等を行ってホストの免疫系を破壊し、ドナーからの造血幹細胞移植によりホストの免疫系を再構築することが必要となるような場合に用いられる。ここで、「造血幹細胞移植」としては、造血幹細胞を含む移植であれば特に限定されないが、主に骨髄移植、臍帯血移植、末梢血幹細胞移植等のことを指す。
本発明において免疫再構築とは、造血幹細胞移植を受けた患者の免疫系が正常に機能するレベルに再構築されることをいう。具体的には、移植を受けた患者においてドナー由来のポリクローナルなT細胞が生着することをいう。本実施例でも示すとおり、造血幹細胞移植において本発明の免疫再構築促進剤を用いると、ホストに生着するT細胞の、T細胞受容体(TCR)レパトアを多様とすることができ、そのことは、当業者に公知の方法によるTCRレパトア解析技術により確認することができる。免疫再構築においては、さらにドナーの造血幹細胞からT細胞のみならずB細胞、NK細胞、マクロファージ等の種々の免疫担当細胞が分化誘導され、正常な免疫システムが機能するようになることが望ましい。
[MEK阻害剤]
本発明の免疫再構築促進剤が有効成分として含むMEK阻害剤は、Raf/MEK/ERKシグナル伝達経路(MAPK経路)に存在するリン酸化酵素MEK(マイトジェン活性化蛋白質(MAP)キナーゼ/細胞外シグナル制御キナーゼ(ERK)キナーゼ)の作用を阻害することで、MAPK経路を遮断することが知られている物質である。
胸腺を出たT細胞は免疫記憶を持たないナイーブT細胞と特定の抗原に反応するメモリーT細胞とに分けられ、ナイーブT細胞からメモリーT細胞へと機能分化する。造血幹細胞移植でGVHDを惹起するのはアロ反応性を持ったドナーのナイーブT細胞、抗ウイルス免疫を担うのはメモリーT細胞で、GVHDの抑制にはナイーブT細胞の抑制が肝要である。T細胞内のMEK/ERK経路はナイーブT細胞で選択的に活性化されるため、MEK阻害剤で同経路を抑制すると、ナイーブT細胞の抑制を介してGVHDが抑制される(非特許文献2参照)。しかし日和見感染症など、移植後の合併症を回避し長期生存を得るには、GVHDの抑制のみでは不十分で、多様な抗原に対する特異性を持ったポリクローナルT細胞の生着・回復が必要である。本件、造血幹細胞移植後に関する各種分子標的薬の作用、特にMEK阻害剤の作用はこれまで未知であった。今回MEK阻害剤が移植後の免疫再構築を促進することを確認した。
MEK阻害剤としては、上記MEKの作用を阻害することでMAPK経路を遮断する効果を奏するものであれば特に限定されないが、例えば、トラメチニブ(Trametinib)、コビメチニブ(Cobimetinib)、ビニメチニブ(Binimetinib)、セルメチニブ(Selumetinib)、レファメティニブ(Refametinib)、ピマセルチブ(Pimasertib)、U0126、MEK162/ARRY−162、AZD8330/ARRY−424704、GDC−0973/RG7420、GDC−0623/RG7421/XL518、CIF/RG7167/RO4987655、CK127/RG7304/RO5126766、E6201、TAK−733、PD−0325901、AS703988/MSC2015103B、WX−554、CI−1040/PD184352、AS703026、PD318088、PD98059、SL327、並びにこれらの薬学的に許容される塩及び溶媒和物が挙げられる。これらうち、トラメチニブ、コビメチニブ、ビニメチニブ、セルメチニブ並びにこれらの薬学的に許容される塩及び溶媒和物が好ましく、トラメチニブ、コビメチニブ、セルメチニブ並びにこれらの薬学的に許容される塩及び溶媒和物がより好ましく、トラメチニブ並びにこの薬学的に許容される塩及び溶媒和物がさらに好ましい。本発明の免疫再構築促進剤において、これらのMEK阻害剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
薬学的に許容できる塩としては、特に限定されないが、例えば、アルカリ金属(カリウム、ナトリウム等)の塩、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)の塩、アンモニウム塩、薬学的に許容される有機アミン(テトラメチルアンモニウム、トリエチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、シクロペンチルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、ピペリジン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、リジン、アルギニン、N−メチル−D−グルカミン等)の塩、無機酸塩(塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩等)、有機酸塩(酢酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、グルクロン酸塩、グルコン酸塩等)が挙げられる。
溶媒和物に含まれる溶媒は、薬学上許容されるものであれば特に限定されず、例えば、水、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−ペンタノール、酢酸、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸、ギ酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ヘプタン、ペンタン、ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、エチレングリコール、テトラヒドロフラン、アニソール、クメン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
本発明の免疫再構築促進剤は、必須成分であるMEK阻害剤に加えて、薬学的に許容される担体、賦形剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、矯味剤、矯臭剤、界面活性剤、香料、着色剤、抗酸化剤、隠蔽剤、静電気防止剤、流動化剤、湿潤剤等の添加剤を含んでもよい。
[免疫抑制剤との併用]
本発明の免疫再構築促進剤は、免疫抑制剤と併用することができる。本発明における免疫抑制剤としては、MEK阻害剤以外の免疫抑制剤であり、例えば、カルシニューリン阻害薬(FK−506(タクロリムス)、シクロスポリン、シクロスポリンA等)、ステロイド薬(プレドニゾロン等)、代謝拮抗薬(ミコフェノール酸モフェチル、ミゾリビン等)、mTOR阻害薬(エベロリムス等)、アルキル化剤(シクロフォスファミド等)、プリン拮抗薬(アザチオプリン)、葉酸拮抗薬(メトトレキサート等)、広範な抗体、レセプターアゴニスト、レセプターアンタゴニスト等が挙げられる。これらのうち、本発明の免疫再構築促進剤との併用効果に優れる観点から、カルシニューリン阻害薬が好ましく、中でもFK−506(タクロリムス)がより好ましい。
本発明の免疫再構築促進剤と免疫抑制剤との併用の例としては、(i)造血幹細胞移植時に、免疫抑制剤及び本発明の免疫再構築促進剤を投与する場合、(ii)造血幹細胞移植時に免疫抑制剤を投与し、その後GVHDの症状を示した場合に、本発明の免疫再構築促進剤を投与する場合、(iii)造血幹細胞移植時に免疫抑制剤を投与し、その後GVHDの症状を示した場合に、他の1種以上の免疫抑制剤をさらに投与してもGVHDの症状が治まらない場合に(難治性GVHD)、本発明の免疫再構築促進剤を投与する場合、(iv)造血幹細胞移植後、免疫再構築が進まず、繰り返し日和見感染症を来す場合等が挙げられる。
[免疫再構築促進剤の調製方法]
本発明の免疫再構築促進剤は、必須成分であるMEK阻害剤、薬学的に許容される担体に加えて、必要に応じて医薬品に通常用いられる添加剤等を混合し、常法に従って調製することができる。
[投与対象]
本発明の免疫再構築促進剤の投与対象は、移植患者であり、特に大量抗癌剤投与や全身放射線照射でホストの免疫系を破壊した後に、ドナーからの造血幹細胞移植でホストの免疫系を再構築することが必要となる患者である。臓器移植の種類としては、主に骨髄移植、臍帯血移植、末梢血幹細胞移植等の造血幹細胞移植を指す。
[用法、用量]
本発明の免疫再構築促進剤を、造血幹細胞移植の際、又は移植後に投与することで、多様なT細胞の生着が可能となり、移植後のポリクローナルな免疫再構築を促進することができる。本発明の免疫再構築促進剤の具体的な投与タイミングとしては、移植時に加え、移植後GVHDを発症している期間内(移植後に急性GVHDを発症している期間内、移植後に慢性GVHDを発症している期間内)等が挙げられる。急性GVHDは移植後100日程度までの間に発症することが多く、慢性GVHDは移植後数年、即ち2〜3年程度まで継続することが多い。なお、具体的な投与のタイミングは、患者の状態に応じて決定することとなるが、急性GVHDの患者に対しては、移植後急性GVHDの症状が認められる期間内においてであり、通常は移植後2週間ないし移植後100日程度の間となる場合が多い。また、慢性GVHDの患者に対しては、移植後慢性GVHDの症状が認められる期間内であり、通常は移植後100日ないし移植後2〜3年程度の間となる場合が多い。移植時に投与する場合は、本発明の免疫再構築促進剤を単独で投与してもよいし、他の免疫抑制剤と併用してもよい。移植後に投与するタイミングとしては、GVHDの症状が出る前でも、出た後でもよい。本発明の免疫再構築促進剤は、GVHDの症状が出た後に投与しても、効果を奏することが実験的に示されている(実施例参照)。マウスの系では、本発明の免疫再構築促進剤が慢性GVHDに効果を奏することは確認している。また、本発明の免疫再構築促進剤は、免疫抑制剤を1種又は2種以上使用してもGVHDの症状が治まらない難治性GVHDに対しても、用いることができる。
本発明の免疫再構築促進剤の投与方法としては、特に限定されず、全身投与又は局所投与のいずれであってもよく、例えば、経口投与、皮内投与、筋肉注射、皮下投与、静脈注射、点滴投与、腹腔内投与等が挙げられる。これらの投与方法の中でも、本発明の効果が得られやすいという観点から、経口投与が好ましい。
本発明の免疫再構築促進剤の投与量は、ホスト(患者)の年齢、体重、投与開始時におけるGVHDの有無・程度等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、MEK阻害剤の量換算として0.1〜100.0mg/50kg/日が挙げられ、0.5〜50.0mg/50kg/日が好ましく、1.0〜30.0mg/50kg/日がより好ましく、2.0〜1.0mg/50kg/日がさらに好ましい。投与頻度は、例えば1〜3日に1回、1日に1〜2回が好ましい。
造血幹細胞移植において本発明の免疫再構築促進剤を用いると、ポリクローナルなT細胞の生着が促進される。具体的には、本実施例でも示すとおり、造血幹細胞移植において本発明の免疫再構築促進剤を用いると、ホストに生着するT細胞の、T細胞受容体(TCR)レパトアを多様とすることができる。なお、本発明の免疫再構築促進剤を用いず、GVHDの症状を呈する条件では、ある特定のT細胞単一クローンの増生が確認されるが、本発明の免疫再構築促進剤を用いると、このような単一クローンの増生が起こらず、多様なT細胞クローンを生着させることができる。
<移植片対宿主病(GVHD)治療剤>
本発明の移植片対宿主病(GVHD)治療剤は、MEK阻害剤を有効成分として含む。本発明のGVHD治療剤は、MEK阻害剤を有効成分として含むことで、造血幹細胞移植において、ホストのポリクローナルな免疫再構築を促進させることにより、GVHDを効果的に治療することができる。特に、造血幹細胞移植後、急性憎悪を来したGVHDで、副腎皮質ステロイドをはじめとした複数の免疫抑制剤の併用にもなお抵抗性を示すような難治性GVHDに対しても、効果を奏することが期待できる。
本発明の移植片対宿主病(GVHD)治療剤は、MEK阻害剤を有効成分として含み、組成物としては、上述の本発明の免疫再構築促進剤と同じである。有効成分であるMEK阻害剤やその他の成分、免疫抑制剤との併用、調製方法、用法・用量についての具体的内容は、免疫再構築促進剤の項における説明をそのまま適用できる。
<免疫再構築促進方法、GVHDの予防/治療方法>
本発明は、有効量のMEK阻害剤を投与することを含む、移植後の免疫再構築促進方法、GVHDの予防/治療方法も含む。具体的な本発明の免疫再構築促進方法、GVHDの予防/治療方法は以下のとおりである。
[1]有効量のMEK阻害剤を投与することを含む、造血幹細胞移植後の免疫再構築促進方法。
[2]上記MEK阻害剤が、トラメチニブ、コビメチニブ、ビニメチニブ、及びセルメチニブからなる群より選択される少なくとも1種である、[1]に記載の免疫再構築促進方法。
[3]上記移植時〜移植後1年の間に有効量のMEK阻害剤が投与される、[1]又は[2]に記載の免疫再構築促進方法。
[4]免疫抑制剤の投与を受ける患者を対象とする、[1]から[3]のいずれかに記載の免疫再構築促進方法。
[5]上記免疫抑制剤が、カルシニューリン阻害剤である、[4]に記載の免疫再構築促進方法。
[6]有効量のMEK阻害剤を投与することを含む、移植片対宿主病(GVHD)の予防/治療方法。
[7]上記MEK阻害剤が、トラメチニブ、コビメチニブ、ビニメチニブ、及びセルメチニブからなる群より選択される少なくとも1種である、[6]に記載のGVHDの予防/治療方法。
[8]造血幹細胞移植後のGVHDを治療することを特徴とする、[6]又は[7]に記載のGVHDの予防/治療方法。
[9]移植時〜移植後1年の間に有効量のMEK阻害剤が投与される、[6]から[8]のいずれかに記載のGVHDの予防/治療方法。
[10]免疫抑制剤抵抗性の患者を対象とする、[6]から[9]のいずれかに記載のGVHDの予防/治療方法。
[11]上記免疫抑制剤が、カルシニューリン阻害剤である、[10]に記載のGVHDの予防/治療方法。
本発明の、有効量のMEK阻害剤を投与することを含む、造血幹細胞移植後の免疫再構築促進方法、GVHDの予防/治療方法は、それぞれ上述の免疫再構築促進剤、GVHD治療剤を患者に投与する方法であると言い換えることもできる。具体的な内容については、それぞれ上述の免疫再構築促進剤、GVHD治療剤の項の説明をそのまま適用できる。
以下の実施例にて本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
1.同種移植によるGVHDモデル(マウスGVHDモデル)
全身放射線照射(TBI 10Gy)を受けたBDF1マウスに、C57BL/6マウスのT細胞除去骨髄(TCDBM)5x10個/匹とT細胞 1x10個/匹を輸注(移植)して、マウスGVHDモデルを作成した。C57BL/6マウスの骨髄は大腿骨および脊椎から採取し、MACSTM CD90.2 Microbeads, mouse(Miltenyi Biotec社製)を用いてT細胞を含めた骨髄細胞以外の細胞を除去した。T細胞は脾臓内リンパ球からEASYSEPTM mouse T cell isolation kit(STEMCELL社製)を用いて単離した。本モデルに移植日または移植から10日後よりMEK阻害剤トラメチニブの連日経口投与を行った(0.1mg/kg)。図1に移植後の体重変化(A)及び生存率(B)を示す。各群はそれぞれn=16である。なお、マウスを用いた本実験においては、移植から10日後にはGVHDをすでに発症している。
図1Aに示すとおり、放射線照射を受けたBDF1マウスにC57BL/6マウスの骨髄(TCDBM)とT細胞を輸注(移植)すると、BDF1マウスはGVHDによる腸管障害のため、激しい体重の減少を起こし、移植後20日経過すると移植時の体重の70%程度にまで減少し、その後も減少が続いた。生存率も、移植後20日で約70%、移植後30日で約50%、60日で約25%となった。それに対して、トラメチニブを投与した場合には、体重減少が顕著に抑制され、移植後20日を経過しても移植時の体重の80〜90%を維持できていた。また、生存率も高く、移植後20日で約90%、移植後30日で約70%、移植後60日でも約60〜70%であった。また、トラメチニブの投与時期は、移植時(day0)と移植後10日目(day10)で大きな差は見られず、移植後に投与しても十分なGVHD抑制効果が見られることがわかった。なお、TCDBMのみを移植したマウスでは、移植後数日は体重減少が見られるものの、その後は徐々に回復し、10日目以降は移植時よりも体重が増加した。移植後60日でもマウス生存率は100%であった。
2.異種移植によるGVHDモデル
(1)MEK阻害剤投与の効果(ヒト末梢血リンパ球の生着率、生存率)
T・B・NK細胞を欠損した重度免疫不全マウス(NOJマウス)にヒト末梢血リンパ球(hPBMC)1×10個/匹を輸注して、異種移植によるGVHDモデルを作成した。hPBMC移植後よりMEK阻害剤トラメチニブ0.1mg/kgを連日経口投与し、移植後17日目にhPBMCのマウス末梢血への生着を、移植後30日目に各臓器における生着を、いずれもフローサイトメトリーで解析した。その結果、トラメチニブの投与によりhPBMCの生着が促進され(図2)、しかしGVHDによる消耗と死亡は軽減され、生存率を有意に向上させることができた(図3)。各群はそれぞれn=13である。
(2)MEK阻害剤投与の効果(T細胞レパトア解析)
上記(1)の実験において、肝臓、脾臓、肺に浸潤したヒトT細胞について、次世代シークエンサーMiseqを用いたT細胞受容体(T−cell receptor:TCR)のレパトア解析を行い、生着したヒトT細胞の多様性を評価した(図4)。具体的には組織に浸潤したヒトT細胞TCRのV領域、J領域およびCDR3領域の遺伝子につき、各レパトアに特異的なprimerを用いたunbiased PCR法を行い、各レパトア遺伝子の頻度を変えることなく増幅した。その上でソフトウェアRepertoire Genesisを用いて各レパトアの頻度を算出した。各サンプルにおける有効評価リード数は、10もしくは10リード以上であった。GVHDを発症したマウスの肝臓、脾臓、肺では共通の単一クローンのみが増加しており、GVHDを惹起するT細胞クローンである可能性が高いと考えられた。一方、ポリクローナルなT細胞の生着は抑制されていた(skewing)。しかし、トラメチニブを投与したマウスでは、同じ単一クローンの増生はみられず、その一方で多様性を持ったポリクローナルT細胞の生着が確認された。この結果から、GVHDとは移植後の免疫再構築障害(skewing)による合併症で、MEK阻害剤は同障害を軽減することでGVHDを抑制すると考えられた。なお、図4の3Dグラフにおける底面はTCRα鎖のJ領域(横軸)とV領域(縦軸)の多様性を、各barの高さは各T細胞クローンの頻度を表している。図中、Indexの数値はSimpson’s index(シンプソン多様度指数)であり、レパトアの多様性を表す。Simpson’s indexの算出は、Simpson,E.H.(1949).Measurement of diversity. Nature,163,688.に記載の方法に従って行った。Indexの数値が大きいほどレパトアの多様性が高いことを示している。
(3)GVHD発症後のMEK阻害剤投与の効果(体重、GVHDスコア)
上記と同様のNOJマウスに、放射線照射後(TBI 2Gy)、hPBMC3×10cells/匹を輸注して、異種移植によるGVHDモデルを作成した。hPBMC移植後14日目よりMEK阻害剤トラメチニブを0.1mg/kg投与した。無投薬マウスはday14までにGVHD徴候(GVHDスコア:マウスの姿勢、活動性、毛並み、下痢、脱毛、皮膚異常の有無により、無症状である0点から重篤である12点までで評価)を発症したが、トラメチニブ投与マウスでこれらの徴候はその後軽快した(図5)。
(4)GVHD発症後のMEK阻害剤投与の効果(T細胞レパトア解析)
上記(3)の実験において、脾臓、肝臓、肺に浸潤したヒトT細胞についてday14とday28のTCRレパトアを解析した。結果を図6(脾臓)、図7(肝臓)、図8(肺)に示す。図6〜8に示すとおり、無投薬マウスに比してトラメチニブ投与マウスでは、TCRレパトアの多様性が温存された。特筆すべきことに、この作用は既存の免疫抑制剤カルシニューリン阻害剤(タクロリムス)ではみられなかった。トラメチニブは、既存の免疫抑制剤カルシニューリン阻害剤(タクロリムス)では得られない効果、即ち移植後のポリクローナルな免疫再構築を促進させる効果を奏することがわかった。このことから、トラメチニブは、免疫再構築の障害を是正することで、治療抵抗性(難治性)のGVHDの治療薬となり得ると考えられる。なお、各図中のIndexの数値は、Simpson’s index(シンプソン多様度指数)であり、レパトアの多様性を表す。
上記と同様の効果は、トラメチニブのみならずコビメチニブでも確認できており、上記はMEK阻害剤全般に敷衍できる。トラメチニブ等のMEK阻害剤が既発症例・難治例の治療薬としても有用であれば、その用途は大きく広がり、重症GVHDに苦しむ多くの患者に福音をもたらし、造血幹細胞移植の長期予後は大きく改善すると期待される。また、トラメチニブ及びコビメチニブは、欧米や日本において、悪性黒色腫に対して保険収載され、その安全性も担保されていることから、薬事承認までの開発過程を加速できるという優位性もある。
本発明によると、造血幹細胞移植の際又は移植後にMEK阻害剤を含む免疫再構築促進剤を投与することで、多様なT細胞の生着が可能となり、移植後のポリクローナルな免疫再構築を促進することができる。また、MEK阻害剤は、免疫再構築を促進することにより、GVHD、特に難治性GVHD(治療抵抗性のGVHD)の治療薬として効果を奏することが期待できる。なお、GVHDは、免疫抑制剤による免疫再構築障害(skewing)によって起こる合併症であると言うこともでき、MEK阻害剤は、同障害を軽減することでGVHDの治療に効果を奏すると考えられる。特にGVHD発症個体では、生理的な免疫再構築が障害され(skewing)、ドナー由来の特定のT細胞クローンが脾臓、肺等で病的に増生することも本研究により本発明者らが明らかにした。MEK阻害剤はそのような病的な単一クローンの増生を抑制することができる。したがって、本発明の免疫再構築促進剤及びGVHD治療剤は、既存の免疫抑制剤との併用も可能であり、優れた効果を奏する。

Claims (11)

  1. MEK阻害剤を有効成分として含む、造血幹細胞移植後の免疫再構築促進剤。
  2. 上記MEK阻害剤が、トラメチニブ、コビメチニブ、ビニメチニブ、及びセルメチニブからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の免疫再構築促進剤。
  3. 上記移植時及び/又は移植後GVHDを発症している期間内に投与される、請求項1又は2に記載の免疫再構築促進剤。
  4. 免疫抑制剤と併用される、請求項1から3のいずれか1項に記載の免疫再構築促進剤。
  5. 上記免疫抑制剤が、カルシニューリン阻害剤である、請求項4に記載の免疫再構築促進剤。
  6. MEK阻害剤を有効成分として含む、移植片対宿主病(GVHD)治療剤。
  7. 上記MEK阻害剤が、トラメチニブ、コビメチニブ、ビニメチニブ、及びセルメチニブからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項6に記載のGVHD治療剤。
  8. 造血幹細胞移植後のGVHDを治療することを特徴とする、請求項6又は7に記載のGVHD治療剤。
  9. 移植時及び/又は移植後GVHDを発症している期間内に投与される、請求項6から8のいずれか1項に記載のGVHD治療剤。
  10. 免疫抑制剤抵抗性の患者に対して用いられる、請求項6から9のいずれか1項に記載のGVHD治療剤。
  11. 上記免疫抑制剤が、カルシニューリン阻害剤である、請求項10に記載のGVHD治療剤。
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