<第1実施形態>
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1〜図14を参照し、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口(入球口)63,64,65a等を有する遊技盤13(図5参照)が前面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図2参照)や、後述する上皿17から球発射ユニット112aへ球を案内する球送りユニット112b、上記球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール112c(図2参照)等が取り付けられている。なお、球発射ユニット112a、球送りユニット112b及び発射レール112cの詳細については、図2を参照して後述し、遊技盤13の詳細については、図5を参照して後述する。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球送りユニット112b(図2参照)を介して球発射ユニット112a(図2参照)へと1球ずつ案内される。また、上皿17の上面の正面視左側には、枠ボタン22が設けられている。
枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図5参照)で表示される演出を変化させるために遊技者により押下操作されるボタンである。
なお、第1実施形態では、枠ボタン22を押下操作されるボタンとして構成したが、枠ボタン22に代えて、遊技者によりパチンコ機10に対して所定方向(例えば、パチンコ機10に対して、前方、後方、右方および左方)に傾倒操作可能な、操作レバーにより構成してもよい。そして、操作レバーが傾倒操作された方向に基づいて後述する第3図柄表示装置81(図5参照)の演出が決定されたりしてもよい。
また、枠ボタン22を上皿17の側面視正面側に配置するように構成しているが、枠ボタン22の配置位置は、遊技者が押下操作可能な位置であれば如何様な配置位置でも良く、例えば、上皿17の上面側に配置してもよいし、後述する下皿50の近傍(上面又は側面)に配置してもよい。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や後述する第3図柄表示装置81(図5参照)で表示される所定演出時等における遊技状態又は演出状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、発光ダイオード(ライト・エミッティング・ダイオード(Light Emitting Diode)。以下、「LED」と略す。)等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。
パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時や後述する第3図柄表示装置81(図5参照)で表示される所定演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前の状態(即ち、「リーチ表示」中)である旨が報知される。また、前面枠14の正面視左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
右側の電飾部32下部左側において、遊技盤13正面視下部右側に設けられた貼着スペースK1(図5参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(Acrylonitrile Butadiene Styrene。以下、「ABS」と略す。)樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット。図示せず。)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。
なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112a(図7参照)の駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。
操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、バネ等の弾性部材(図示せず)によって右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口(図示せず)が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、例えば、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「ドル箱」と称される)を置いた状態で行われる。
次に、図2を参照して、外枠11及び内枠12に対する前面枠14の施錠を解除して、該前面枠14が開放されたパチンコ機10について説明する。図2は、外枠11及び内枠12から前面枠14を開放した状態のパチンコ機10の正面図である。上述したように、遊技ホールの管理者等によって外枠11及び内枠12に対する前面枠14の施錠が解除(解錠)され、該前面枠14が内枠12に設けられたヒンジ19を軸として正面手前側に開閉された場合に、図2で示す状態となる。
前面枠14が開放された内枠12の正面視右側下部には、上述した球発射ユニット112aと、球送りユニット112bと、発射レール112cとがそれぞれ設けられている。
球発射ユニット112aは、発射レール112cの基端部(発射位置)に存在する球を、遊技盤13の後述する内レール61及び外レール62(図5参照)によって形成された遊技領域に向けて発射するための装置であり、発射槌と、発射ソレノイドと、電磁石(ともに図示せず)とを備えている。この発射ソレノイド及び電磁石は、所定条件(例えば、操作ハンドル51の操作等)が整っている場合に、後述する発射制御装置(図9参照)によって駆動制御され、電磁石によって発射ソレノイドを励磁し、発射ソレノイドの先端部に設けられた発射槌を、発射レール112cの基端部(発射位置)に存在する球と衝突させることで、該球を遊技盤13の遊技領域に向けて発射するように構成されている。
球送りユニット112bは、上皿17に貯留された球を1球ずつ発射レール112cの基端部(発射位置)に案内するためのものであり、球発射ユニット112a及び発射レール112cのパチンコ機10正面側を被覆するように内枠12に取着されている。この球送りユニット112bには、開閉板と、該開閉板を駆動する駆動ソレノイド(ともに図示せず)とが備えられ、上述した球発射ユニット112aの発射ソレノイド(図示せず)の駆動と連動して駆動ソレノイドを駆動させることで、発射レール112cの基端部に上皿17に貯留されている球が1球ずつ案内される。
発射レール112cは、該発射レール112cの基端部(発射位置)に球送りユニット112bから案内された球を1球貯留するとともに、球発射ユニット112aにより発射された球を後述する内レール61及び外レール62(図5参照)に案内するためのものである。この発射レール112cは、該発射レール112cの先端部が内レール61及び外レール62で形成された案内流路(図5参照)へ向くように内枠12に固定されている。第1実施形態のパチンコ機10では、操作ハンドル51の操作に伴って球発射ユニット112a及び球送りユニット112bが駆動されることで、発射レール112cの基端部(発射位置)に存在する球が、発射レール112cの先端部から後述する内レール61及び外レール62の案内流路を介して遊技領域へと発射される。
発射レール112cの上部位置には、遊技盤13側に盤側シール400が貼着されているとともに、内枠12側に枠側シール410が貼着されている。また、パチンコ機10の遊技の制御を司る主制御装置110(図6参照)には主基板シール420が貼着されている。
ここで、図3を参照して、盤側シール400、枠側シール410および主基板シール420について説明する。図3(a)は、遊技盤13に貼着される前の盤側シール400の正面図であり、図3(b)は、内枠12に貼着される前の枠側シール410の正面図であり、図3(c)は、主制御装置110(図6参照)に貼着される前の主基板シール420の正面図である。
まず、図3(a)で示すように、盤側シール400には、遊技盤13固有の遊技機製造番号(以下、「遊技盤番号」と称する場合がある)等の固有情報を2次元コードで現したクイック・レスポンス・コード(Quick Response Code。以下、「QRコード」(登録商標。以下、省略。)と称する。)である盤表QRコード401及び盤裏QRコード402がそれぞれ印刷されている。
この盤表QRコード401と盤裏QRコード402とは、同一の2次元コードであり、上述した遊技盤番号(例えば、AA−B 111111)や、製造メーカ名(例えば、製造メーカA)、機種名(例えば、○○○○)等の各データが符号化されており、後述する読み取り装置600(図9参照)によって上記各データを読み取り可能に構成されている。
上述したように、この盤側シール400には、該盤側シール400を遊技盤13に貼付した場合に、遊技盤13の正面側に位置する盤表QRコード401と、遊技盤13の背面側(裏面側)に位置する盤裏QRコード402とが1のシールにそれぞれ印刷されている。このように構成することで、遊技盤13の正面側と背面側とにそれぞれ遊技盤番号を示すQRコードを付したい場合、1の盤側シール400を遊技盤13の正面視右側下部から背面視左側下部(図7参照)に亘って貼付することで実現することができ、遊技盤13の正面側と背面側とでシールの貼り間違え等の発生を未然に防止することができる。
また、この盤側シール400は、遊技盤13に貼着した盤側シール400を遊技盤13から剥がそうとした場合に、該盤側シール400が部分的に断裂する切れ目(ミシン目。図3(a)における点線斜線。)が設けられている。このように構成することで、遊技盤13に貼着した盤側シール400を遊技盤13から剥がそうとした場合、上記切れ目によって盤側シール400が断裂するため、盤側シール400を遊技盤13から綺麗に剥がすことができず、盤側シール400を他の遊技盤に張り替えるといった不正行為を防止できる。
上記切れ目は、2次元コードが記された部位には施されないように構成されている。これは、2次元コードが記された部位に切れ目を設けてしまうと、該切れ目によって2次元コードの内容が変更されたり、適切に読み取りが行われないおそれがある。よって、盤側シール400の盤表QRコード401及び盤裏QRコード402が印刷された部位以外の箇所に上記切れ目を設け、後述する読み取り装置600(図9参照)による誤読を防ぎつつ、不正交換等の不正行為を防止することができる。
この盤側シール400には、パチンコ機10の製造過程において生成された遊技盤13固有の盤表QRコード401及び盤裏QRコード402が印刷され、該盤側シール400が遊技盤13の正面視右側下部(裏面視左側下部。図7参照。)に貼着される。
次いで、図3(b)で示すように、枠側シール410には、内枠12固有の遊技機製造番号(以下、「枠番号」と称する場合がある)等の固有情報を2次元コードで現した枠表QRコード411及び枠裏QRコード412がそれぞれ印刷されている。
この枠表QRコード411と枠裏QRコード412とは、同一の2次元コードであり、上述した枠番号(例えば、AA−Y 900001)や、製造メーカ名(例えば、製造メーカA)、枠名(例えば、××枠)等の各データが符号化されており、盤表QRコード401及び盤裏QRコード402と同様、後述する読み取り装置600(図9参照)によって上記各データを読み取り可能に構成されている。
上述したように、この枠側シール410には、盤側シール400と同様、枠側シール410を内枠12に貼付した場合に、内枠12の正面側に位置する枠表QRコード411と、内枠12の背面側(裏面側)に位置する枠裏QRコード412と1のシールにそれぞれ印刷されている。このように構成することで、内枠12の正面側と背面側とにそれぞれ枠番号を示すQRコードを付したい場合、1の枠側シール410を内枠12の正面視右側下部から背面視左側下部(図6参照)に亘って貼付することで実現することができ、内枠12の正面側と背面側とでシールの貼り間違え等の発生を未然に防止することができる。
また、この枠側シール410は、盤側シール400と同様、内枠12に貼着した枠側シール410を内枠12から剥がそうとした場合に、該枠側シール410が部分的に断裂する切れ目(ミシン目)が設けられている。このように構成することで、内枠12に貼着した枠側シール410を内枠12から剥がそうとした場合、上記切れ目によって枠側シール410が断裂するため、枠側シール410を内枠12から綺麗に剥がすことができず、枠側シール410を他の内枠に張り替えるといった不正行為を防止できる。
上記切れ目は、盤側シール400と同様、2次元コードが記された部位には施されないように構成されている。これは、2次元コードが記された部位に切れ目を設けてしまうと、該切れ目によって2次元コードの内容が変更されたり、適切に読み取りが行われないおそれがある。よって、枠側シール410の枠表QRコード411及び枠裏QRコード412が印刷された部位以外の箇所に上記切れ目を設け、後述する読み取り装置600(図9参照)による誤読を防ぎつつ、不正交換等の不正行為を防止することができる。
この枠側シール410には、盤側シール400と同様、パチンコ機10の製造過程において生成された内枠12固有の枠表QRコード411及び枠裏QRコード412が印刷され、該枠側シール410が内枠12の正面視右側下部(裏面視左側下部。図6参照。)に貼着される。
次いで、図3(c)で示すように、主基板シール420には、後述する主制御装置110(図6参照)固有の遊技機製造番号(以下、「主基板番号」と称する場合がある)等の固有情報を2次元コードで現した主基板QRコード421が印刷されている。
この主基板QRコード421は、上述した主基板番号(例えば、AA−B 111111)や、製造メーカ名(例えば、製造メーカA)、機種名(例えば、○○○○)等の各データが符号化されており、盤表QRコード401、盤裏QRコード402、枠表QRコード411及び枠裏QRコード412と同様、後述する読み取り装置600(図9参照)によって上記各データを読み取り可能に構成されている。
また、この主基板シール420は、盤側シール400及び枠側シール410と同様、主制御装置110の基板ボックス100(図8参照)に貼着した主基板シール420を基板ボックス100から剥がそうとした場合に、該主基板シール420が部分的に断裂する切れ目(ミシン目)が設けられている。このように構成することで、基板ボックス100に貼着した主基板シール420を基板ボックス100から剥がそうとした場合、上記切れ目によって主基板シール420が断裂するため、主基板シール420を基板ボックス100から綺麗に剥がすことができず、主基板シール420を他の基板ボックスに張り替えるといった不正行為を防止できる。
上記切れ目は、盤側シール400及び枠側シール410と同様、2次元コードが記された部位には施されないように構成されている。これは、2次元コードが記された部位に切れ目を設けてしまうと、該切れ目によって2次元コードの内容が変更されたり、適切に読み取りが行われないおそれがある。よって、主基板シール420の主基板QRコード421が印刷された部位以外の箇所に上記切れ目を設け、後述する読み取り装置600(図9参照)による誤読を防ぎつつ、不正交換等の不正行為を防止することができる。
この主基板シール420には、パチンコ機10の製造過程において生成された主制御装置110(図6参照)固有の主基板QRコード421が印刷され、該主基板シール420が主制御装置110の基板ボックス100(図8参照)の正面視右側に貼着される。
なお、上述した盤表QRコード401及び枠表QRコード411、若しくは、盤裏QRコード402及び枠裏QRコード412、又は、主基板QRコード421の読み取り方法等については、図11において後述する。
このように、遊技盤13、内枠12及び主制御装置110(図6参照)において、盤側シール400、枠側シール410及び主基板シール420を貼着し、それぞれのシール400,410,420に、遊技機製造番号(即ち、遊技盤番号、枠番号および主基板番号)が2次元コード化された盤表QRコード401および盤裏QRコード402、枠表QRコード411および枠裏QRコード412、並びに、主基板QRコード421(以下、盤表QRコード401、盤裏QRコード402、枠表QRコード411、枠裏QRコード412及び主基板QRコード421を総称して、「各QRコード401等」と称する場合がある)をそれぞれ印刷し、後述する読み取り装置600(図9参照)によって上記各QRコード401等を読み取って照合することで、内枠12に対して正しい遊技盤13又は主制御装置110が取り付けられているか否かを瞬時に判別可能となる。よって、製造時に工場における作業員、又は、遊技ホールの管理者等の目視によって各遊技機製造番号の確認を行う場合と比べて、確認ミスの発生を防ぎつつ、パチンコ機10の確認作業を容易化することができる。
また、前面枠14を内枠12から開放した場合に、盤側シール400の盤表QRコード401と、枠側シール410の枠表QRコード411とがパチンコ機10の正面側に読み取り可能に露出するように構成されている。このように構成することで、新規に遊技盤13のみを購入し、遊技ホールに設置済みの内枠12に対して該遊技盤13を取り付けた場合に、前面枠14を開放した状態で後述する読み取り装置600(図9参照)によって盤表QRコード401と枠表QRコード411とを直ちに読み取ることが可能となり、遊技盤13と内枠12との照合作業を簡易に行うことができ、作業効率の向上を図ることができる。
図2に戻って説明を続ける。内枠12の正面視右側上部および右側下部には、遊技盤13を固定するための上部クランプ12aと下部クランプ12bとがそれぞれ設けられている。上部クランプ12a及び下部クランプ12bは、内枠12に対して遊技盤13を固定するための固定具であって、遊技盤13を固定する固定位置(図2参照)と、該固定を解除する解除位置(図4参照)とに変位可能に構成されている。
この上部クランプ12a及び下部クランプ12bは、前面枠14の閉鎖(施錠)状態では、前面枠14によって操作不能に構成され、前面枠14が開放された状態で操作可能な状態となる。従って、遊技ホールの管理者等は、遊技盤13をパチンコ機10から取り外したい場合に、先に前面枠14を開放し、その後、上部クランプ12a及び下部クランプ12bを固定位置から解除位置へ操作することで、内枠12に固定された遊技盤13が内枠12の前方側へと取り外される。
ここで、図4を参照して、内枠12から遊技盤13を取り外した状態について説明する。図4は、図2の状態から遊技盤13を取り外した状態におけるパチンコ機10の正面図である。
上述したように、遊技盤13は、内枠12から前面枠14を開放した状態において、上部クランプ12a及び下部クランプ12bを操作することで、内枠12から取り外しが可能に構成されている。従って、新規に遊技盤13のみを購入してパチンコ機10の機種変更を行う場合、遊技ホールの管理者等は、まず、内枠12から前面枠14を開放し、図2の状態とする。そして、その状態で上部クランプ12a及び下部クランプ12bを固定位置から解除位置へと操作して、内枠12から遊技盤13を取り外し、図4の状態とする。この状態では、内枠12に貼付された枠側シール410のみがパチンコ機10に残存することとなる。
次いで、新規購入した遊技盤13を内枠12に取り付ける場合、まず、新規購入した遊技盤13の正面視左側(図5参照)を、内枠12の正面視左側の上下にそれぞれ設けられた板バネ部12cに当接させる。そして、遊技盤13の正面視左側と板バネ部12cとを当接させた状態で、遊技盤13の正面視左側を基部として遊技盤13全体を内枠12側へ回動させ、遊技盤13の正面視下部を内枠12に設けられた載置部12dへ乗せた状態とする。この状態から、遊技盤13を内枠12側へ押し込むことで、解除位置であった上部クランプ12a及び下部クランプ12bが固定位置へと変化して遊技盤13をそれぞれ係止することで、内枠12に対して遊技盤13が取り付け固定される。
次に、図5を参照して、遊技盤13の構成について説明する。図5は、遊技盤13の正面図である。図5に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成される。
一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図2参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図5の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図5の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図5の右側上部)には、発光手段である複数のLED37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37(以下、「特別図柄表示装置37」と称する場合がある)が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110(図6参照)で行われる各制御に応じた第1図柄の変動表示(以下、第1図柄の変動表示を「動的表示」という)がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。
複数のLED37aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる変動中であるか否かを点灯状態により示すことによって動的表示を行ったり、動的表示終了後の停止図柄として、その始動入賞に対して行われる抽選の結果に応じた図柄を点灯状態により示したり、第1入球口64に入球された球のうち動的表示が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64への入球(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37における動的表示と同期させながら、第3図柄の変動演出を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、第2入球口67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示(以下、第2図柄の変動表示を「可変表示」という)するLEDで構成される第2図柄表示装置83(以下、「普通図柄表示装置83」と称する場合がある)とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は17インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114(図9参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列(図示せず)が表示される。
第2図柄表示装置83は、球が第2入球口67を通過する毎に表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる可変表示を行うものである。パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における可変表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に第1入球口64の電動役物64aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2入球口67の保留球数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84(以下、「普通図柄表示装置83」と称する場合がある)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の上方に左右対称に配設されている。そして、第2図柄保留ランプ84の点灯された数により、保留数を表示する。
なお、第2図柄の可変表示は、第1実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37又は第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67の通過は、第1入球口64と同様に、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図6参照)で大当たりの抽選がなされる。そして、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示されると共に、第3図柄表示装置81にて変動演出が実行される。第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64には、その第1入球口64へ球が入球する開口部を覆う2枚の羽根を有する電動役物64aが設けられている。電動役物64aは、2枚の羽根を開閉することによって、第1入球口64を開放状態(拡大状態)または閉鎖状態(縮小状態)とする。通常時において、第1入球口64は、電動役物64aの羽根が閉じた(羽根が上方に起立した)閉鎖状態となっており、球が第1入球口64へ入球できない、または、入球しづらい状態となっている。
一方、第2図柄表示装置83における可変表示が「○」の図柄で停止すると、第1入球口64の電動役物64aが所定時間だけ作動される。電動役物64aが作動されている間、電動役物64aの羽根が上方に起立した状態から。略V字形(逆ハの字形)に可動した状態となり、第1入球口64が開放状態となる。第1入球口64が開放状態になると、球が第1入球口64へ入球できる状態、または、閉鎖状態に比して球が入球しやすい状態となる。つまり、第2図柄表示装置83における可変表示の結果として「○」の図柄で停止して当たりとなり、第1入球口64が開放状態となった場合に、第1入球口64へ球が入球して大当たり抽選が多く行える状態とすることができる。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の大入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110(図6参照)での抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている大入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この大入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その大入賞口65aが所定時間開放される。この大入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態(大当たり状態)の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、大入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大入賞口ソレノイド(図示せず)とを備えている。大入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大入賞口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が大入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。大入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、大入賞口65aが所定時間開放され、その大入賞口65aの開放中に、球が大入賞口65a内へ入賞することを契機として大入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
可変表示装置ユニット80の左方および右方には、それぞれ、第2入球口67が設けられている。第2入球口67には、球が通過するための貫通孔(図示せず)が上下方向に設けられている。遊技領域に発射された球が、第2入球口67を通過すると、貫通孔に設けられた第2入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、そのオンに起因して主制御装置110(図6参照)で、第2図柄(普通図柄ともいう)の当たり抽選が行われる。
第2入球口67を通過した球に対して行われた第2図柄(普通図柄)の抽選の結果、当たりと判定された場合には、第2図柄表示装置83における可変表示を経て「○」の図柄が停止表示された後に、第1入球口64の電動役物64aが作動する。これにより、第1入球口64へ球が入球することを困難としている電動役物64aの羽根が略垂直に起立した状態から略V字形(逆ハの字形)に可動して、所定時間だけ球が第1入球口64へ入球できる状態、または、閉鎖状態に比して球が入球しやすい状態となる。
さらに、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口(入球口)63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
遊技盤13の右下側の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
右側の貼着スペースK1の右側には、盤側シール400が貼付され、盤表QRコード401全体が遊技盤13の正面側から読み取り可能な位置に設けられている。上述したように、この盤側シール400は、遊技盤13の正面側に盤表QRコード401が位置すると共に、遊技盤13の背面側(裏面側)に盤裏QRコード402が位置するように、遊技盤13(パチンコ機10)の製造段階で貼付される。このように構成することで、遊技盤13の正面側からでも背面側からでも遊技盤13の遊技盤番号を読み取り装置600(図9参照)で読み取ることが可能となり、遊技ホールの管理者等による遊技盤番号の照合作業を容易に行うことができる。
次に、図6乃至図8を参照して、パチンコ機10及び遊技盤13の背面構成について説明する。図6は、パチンコ機10の背面図であり、遊技盤13の背面図であり、図7は、遊技盤13の背面図であり、図8は、主制御装置110の基板ボックス100の正面図である。
図6に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのマイクロ・プロセッシング・ユニット(Micro−Processing Unit。以下、「MPU」と略す)、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜103に収納されている。基板ボックス100〜103は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、それぞれ、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、それぞれ、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、各封印ユニット又は各封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。なお、主制御装置110の基板ボックス100については、図8において後述する。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図7参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、主制御装置110にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図7参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
払出ユニット93の上部であって、パチンコ機10の背面側最上部には、該パチンコ機10と、後述する遊技ホールのホールコンピュータ500(図9参照)とを電気的に接続する外部端子板300が設けられている。この外部端子板300には、パチンコ機10における遊技情報(例えば、大当たり情報、遊技状態情報、第1入球口64への入賞情報等)をホールコンピュータ500に出力するための複数の出力端子(図示せず)が設けられており、該出力端子とホールコンピュータ500とを接続することで、ホールコンピュータによりパチンコ機10の遊技状態等を把握することが可能となる。
ここで、図6で示すように、払出制御装置111の背面視左側の内枠12背面には、枠側シール410が貼付されている。この枠側シール410には、パチンコ機10の背面側(裏面側)に枠裏QRコード412が位置するように、パチンコ機10の製造段階で貼付される。
また、図7で示すように、遊技盤13の背面視左側下部には、盤側シール400が貼付され、盤裏QRコード402全体が遊技盤13(パチンコ機10)の背面側から読み取り可能な位置に設けられている。この盤側シール400には、遊技盤13の背面側(裏面側)に盤裏QRコード402が位置するように、遊技盤13(パチンコ機10)の製造段階で貼付される。
さらに、図8で示すように、主制御装置110の基板ボックス100の上面やや右側には、主基板シール420が貼付され、主基板QRコード421全体が遊技盤13(パチンコ機10)の背面側から読み取り可能な位置に設けられている。上述したように、この主基板シール420は、遊技盤13(パチンコ機10)の背面側(裏面側)に主基板QRコード421が位置するように、遊技盤13(パチンコ機10)の製造段階で貼付される。
このように構成することで、パチンコ機10の背面側から、遊技盤13の遊技盤番号と、内枠12の枠番号と、主制御装置110の主基板番号とを後述する読み取り装置600(図9参照)で読み取ることが可能となり、遊技ホールへの設置時における遊技ホールの管理者等による遊技盤番号、枠番号および主基板番号の照合作業を容易に行うことができる。また、パチンコ機10の製造段階においても、パチンコ機10の背面側に位置する盤裏QRコード402、枠裏QRコード412及び主基板QRコード421を照合することで、例えば、製造ラインにおけるパチンコ機10の搬送時等において、該パチンコ機10の背面側から読み取り装置による遊技盤番号、枠番号および主基板番号の照合工程を行うことができるので、生産効率の向上及び設備コストの削減をすることができる。
また、従来、遊技盤13や主制御装置110の不正交換は、遊技ホールに設置されたパチンコ機10の遊技盤13又は主制御装置110を交換することで行われる場合や、遊技ホールへ新規にパチンコ機10又は遊技盤13を設置する前の流通過程において主制御装置110を交換することで行われる場合がある。
従って、遊技ホールの管理者等は、不正対策のため、遊技ホール内に設定される(設置されている)パチンコ機10、遊技盤13又は主制御装置110を、遊技ホールへの設置時や、遊技ホールへの設置後に定期的にチェックする必要があり、特に、遊技価値の付与等の遊技の制御を行う主制御基板(図示せず)を有する主制御装置110が不正に交換されているか否かの確認作業は、重要な不正対策となる。
しかしながら、遊技ホールには、パチンコ機10を含む多数(多い場合は1000台超)の遊技機が設置されており、上記確認作業による作業負担が増大してしまうおそれがある。
そこで、遊技ホールにおいて、パチンコ機10全体を新規に設置する場合や、遊技盤13のみを新規に設置する場合に、後述する読み取り装置600(図9参照)を用いて、各QRコード401等の読み取りが行われ、読み取った各QRコード401等が示す遊技機製造番号が、後述する読み取り装置600(ホールコンピュータ500)に記憶される盤枠対応データ(図11参照)と照合され、パチンコ機10又は遊技盤13が正規品か否かや、遊技ホールにおける設置場所が適切か否かが判定(認証)される。これにより、パチンコ機10又は遊技盤13の搬送途中において当該パチンコ機10又は遊技盤13が不正品に差し替えられた場合であっても、後述する読み取り装置600を用いて各QRコード401等を読み取ることで、その不正品の判定が容易となる。
次に、図9及び図10を参照して、本パチンコ機10と、該パチンコ機10と通信可能に接続されるホールコンピュータ500と、該ホールコンピュータ500と通信可能に接続される読み取り装置600と、上記ホールコンピュータ500及び各製造メーカMA〜MCのデータサーバ701〜703との電気的構成について説明する。
図9は、パチンコ機10、ホールコンピュータ500及び読み取り装置600の電気的構成を示すブロック図であって、主にパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図であり、図10は、ホールコンピュータ500及び読み取り装置600の電気的構成を示すブロック図である。
まず、図9で示すように、パチンコ機10の主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したリード・オンリー・メモリー(Read Only Memory。以下、「ROM」と略す)202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるランダム・アクセス・メモリー(Random Access Memory。以下、「RAM」と略す。)203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37(図6参照)、第2図柄表示装置83(図6参照)、第2図柄保留ランプ84(図6参照)、大入賞口(図示せず)の開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大入賞口ソレノイドや、電動役物64a(図6参照)を駆動するための電動役物用ソレノイドなどからなるソレノイド(図示せず)が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ(図示せず)や、RAM消去スイッチ122が接続され、MPU201は各種スイッチから出力される信号や、RAM消去スイッチ122より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。主制御装置110のMPU201は、パチンコ機10の電源投入時にRAM消去信号SG2が入力された場合に、RAM203に記憶されるバックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111のRAM213に記憶されるバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを、払出制御装置111に対して送信する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチ217が接続されている。なお、該賞球検出スイッチ217は、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるように球発射ユニット112a及び球送りユニット112b(図2参照)を制御するものである。球発射ユニット112aは、上述したように図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出や連続予告演出といった第3図柄表示装置81にて行われる演出の表示態様の設定などを制御するものである。
演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、及び、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。第1実施形態では、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ一方向にのみコマンドが送信されるように構成され、音声ランプ制御装置113から主制御装置110へコマンド送信ができないように構成されている。一方、音声ランプ制御装置113と表示制御装置114とは、互いにコマンドの送受信が可能に構成されている。
また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示される演出のステージを変更したり、「スーパーリーチ」演出態様等の背面画像を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御すると共に、表示制御装置114へ枠ボタン22の押下に基づいた表示を第3図柄表示装置81に表示させるように指示する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出や、連続予告演出を制御するものである。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111のNMI端子へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理(図示せず)を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理を正常に実行し完了することができる。
外部端子板300は、主制御装置110の入出力ポート205と接続されて、主制御装置110からの出力信号が入力可能に構成される。また、外部端子板300は、上述した各種出力端子(図示せず)を有し、その各種出力端子が遊技ホールのホールコンピュータ500とそれぞれ接続されている。外部端子板300は、各種出力端子を介して、主制御装置110から入力された出力信号をホールコンピュータ500に対して出力可能に構成されている。即ち、主制御装置110は、遊技状態の変化等、遊技に関する各種情報をこの外部端子板300を介してホールコンピュータ500に出力するように構成されており、ホールコンピュータ500では、入力された上記各種出力信号を判別することで、パチンコ機10の遊技状態等を把握して、不正な遊技等が行われていないか否かを監視できる。
ホールコンピュータ500は、読み取り装置600と双方向通信可能に有線接続されている。なお、ホールコンピュータ500と読み取り装置600との接続は、有線接続に限定されることはなく、赤外線や無線LAN等を用いた無線通信によって行ってもよい。
読み取り装置600は、上述した各QRコード401等を読み取り可能に構成されており、読み取った各QRコード401等の情報の判定結果に基づくエラー信号をホールコンピュータ500へ出力可能に構成されている。なお、ホールコンピュータ500及び読み取り装置600の詳細については、図10において後述する。
なお、図9で示すように、主制御装置110、音声ランプ制御装置113、表示制御装置114および上記各制御装置110,113,114に関連する装置(部品)が遊技盤13に搭載されている。また、払出制御装置111、電源装置115および上記各装置111,115に関連する装置(部品)が内枠12に搭載されている。
次いで、図10で示すように、遊技ホールのホールコンピュータ500には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU501が搭載されている。MPU501には、該MPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
また、ホールコンピュータ500のMPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、MPU501によって演算された演算結果を記憶する不揮発性のハードディスクドライブ(Hard Disk Drive。以下、「HDD」と略す。)506と、上述したパチンコ機10の外部端子板300(図9参照)や、読み取り装置600と接続されるほか、製造メーカMA〜MCの各データサーバ701〜703(図11参照)と接続される。
ホールコンピュータ500のHDD506は、遊技ホールに設置される遊技機(即ち、パチンコ機10およびスロットマシン)の設置位置に対して、設置されている遊技盤13の遊技盤番号、設置されている内枠12の枠番号、及び、設置されている主制御装置110の主基板番号が対応付けられた対応データ(以下、「盤枠対応データ」と称する)を記憶する対応データ記憶部506aが設けられている。
このホールコンピュータ500の対応データ記憶部506aには、遊技ホールにおける設置位置に関するデータ(以下、「設置位置データ」と称する場合がある)と、各製造メーカMA〜MCから送信された遊技盤番号、枠番号および主基板番号の組み合わせに関するデータ(以下、「組み合わせデータ」と称する場合がある)との対応付けを記憶する不揮発性の記憶部である。この対応データ記憶部506aには、パチンコ機10又は遊技盤13の購入時に、組み合わせデータが購入元の製造メーカMA〜MCから送信され、上記設置位置データに対して組み合わせデータが対応付けて記憶される。
ここで、図11を参照して、ホールコンピュータ500の対応データ記憶部506a(後述する読み取り装置600の対応データ記憶部603aも同等)に記憶される、遊技ホールにおける設置位置とパチンコ機10(遊技盤13、内枠12および主制御装置110)との対応関係について説明する。図11は、上記盤枠対応データの一例を模式的に示した図である。
図11で示すように、盤枠対応データは、欄左側の設置位置データである遊技ホールの設置位置における識別番号(以下、「設置位置番号」と称する)が設けられている。そして、その設置位置番号に対して、遊技盤13の識別番号である遊技盤番号と、内枠12の識別番号である枠番号と、主制御装置110の識別番号である主基板番号とが対応付けられている。
具体的には、例えば、設置位置番号「1」に対して、遊技盤番号「AA(製造メーカを示す識別記号。以下同様。)−B(盤/枠の盤を示す識別記号。以下同様。) 111111」が対応付けられるとともに、枠番号「AA−Y(盤/枠の枠を示す識別記号。以下同様。) 900001」が対応付けられ、さらに、主基板番号「AA−B 111111」が対応付けられている。また、設置位置番号「2」に対して、遊技盤番号「AA−B 111112」が対応付けられるとともに、枠番号「AA−Y 900002」が対応付けられ、さらに、主基板番号「AA−B 111112」が対応付けられている。・・・そして、設置位置番号「n(nは自然数)」に対して、遊技盤番号「XX−B 111xxx」が対応付けられるとともに、枠番号「YY−Y 900yyy」が対応付けられ、さらに、主基板番号「XX−B 111xxx」が対応付けられている。なお、新規購入時において、原則、遊技盤番号と主基板番号とは同一となるように出荷されるが、遊技ホールへの設置後において、主制御装置110の故障等によって主制御装置110のみが交換された場合、遊技盤番号と主基板番号とが異なる場合がある。
なお、第1実施形態では、各製造メーカMA〜MCから送信される組み合わせデータ(即ち、遊技盤番号、枠番号および主基板番号)は、暗号化された状態で各製造メーカMA〜MCから送信されるとともに、上記対応データ記憶部506aに記憶された状態においても該組み合わせデータは暗号化された状態のまま記憶される。そして、この対応データ記憶部506aに記憶された設置位置データと暗号化されたままの組み合わせデータと盤枠対応データが読み取り装置600に送信され、読み取り装置600の対応データ記憶部603aに記憶される。
そして、パチンコ機10の購入時に、製造メーカMA〜MCによって、ホールコンピュータ500を介さずに、直接、読み取り装置600の復号鍵603bに組み合わせデータを複合するための復号化情報を記憶しておく。その状態において、読み取り装置600によって各QRコード401等が読み取られた場合、復号鍵603bに記憶された復号化情報よって、組み合わせデータが復号化され、読み取った各QRコード401等との照合が可能となる。
従って、ホールコンピュータ500では、製造メーカMA〜MCから送信された組み合わせデータの内容を認識できないとともに、遊技ホールにおいて組み合わせデータの改変(改竄)等した場合に、組み合わせデータを適正に復号化できなくなるため、遊技ホールによる組み合わせデータの改変(改竄)が実質的に不能に構成される。このように構成することで、遊技ホール主導による不正な遊技盤13(主制御装置110)の交換等の不正行為をした場合に、各QRコード401等を読み取ることで、容易に該不正行為を認識することができる。従って、例えば、監督官庁等により、定期的に読み取り装置600での各QRコード401等の読み取り作業を義務化及び報告させることで、遊技ホールによる不正行為を早期に発覚させることができ、健全な遊技環境を構築することができる。
図10に戻って、説明を続ける。読み取り装置600には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU601が搭載されている。MPU601には、該MPU601により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM602と、ワークメモリ等として使用されるRAM603とを有している。
読み取り装置600のRAM603は、ホールコンピュータ500のRAM503と同様、設置位置データ及び組み合わせデータで構成された盤枠対応データを記憶する対応データ記憶部603aが設けられているとともに、該対応データ記憶部603aに記憶される暗号化された組み合わせデータを復号化する復号化情報を記憶可能な復号鍵603bが設けられている。
読み取り装置600の対応データ記憶部603aは、ホールコンピュータ500の対応データ記憶部506aと同様、設置位置データと組み合わせデータとの盤枠対応データを記憶する記憶部である。この対応データ記憶部603aには、パチンコ機10又は遊技盤13の購入時に、ホールコンピュータ500の対応データ記憶部506aに盤枠対応データが記憶された場合に、該盤枠対応データがホールコンピュータ500から読み取り装置600に送信され、この対応データ記憶部603aに記憶される。
復号鍵603bは、上記対応データ記憶部603aに記憶される暗号化された組み合わせデータを復号化させるための復号化情報を記憶するメモリである。この復号鍵603bには、パチンコ機10又は遊技盤13の購入時に、購入元の製造メーカMA〜MCに読み取り装置600自体を預け、製造メーカMA〜MCによって、ホールコンピュータ500を介さず、直接、復号化情報が該復号鍵603bとして記憶される(書き込まれる)。また、復号鍵603bは、各製造メーカMA〜MCごとに対応してそれぞれ復号化情報を記憶可能に構成される。このように構成することで、各製造メーカMA〜MCによってそれぞれ書き込まれた復号化情報を個別に管理することが可能となる。
なお、上記暗号化および復号化のアルゴリズムは任意である。例えば、AES方式やDES方式の共通鍵暗号方式や、RSA暗号方式や楕円曲線暗号方式等の公開鍵方式等が例示される。
この読み取り装置600のMPU601には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン604を介して入出力ポート605が接続されている。入出力ポート605には、読み取り装置600の操作者によって操作可能な操作部610と、該読み取り装置600による読み取り結果等を表示可能な表示部611とが接続されている。
操作部610には、読み取り装置600の操作者により操作可能なレバー(図示せず)が設けられている。操作者により読み取り装置600のレバーが操作された場合に、後述する第1QRスキャン部607及び第2QRスキャン部609によってQRコードの読み取り処理が実行される(図14のS206参照)。第1実施形態では、この操作部610が操作され、後述する第1QRスキャン部607及び第2QRスキャン部609によって2のQRコード401等が読み取られた場合、上述した復号鍵603bに記憶される復号化情報によって対応データ記憶部603aに記憶される組み合わせデータが復号化され、読み取った情報と組み合わせデータに記憶される内容とが一致しているか否かの判別処理が実行される(図14のS208参照)。
表示部611は、上記読み取り処理(図14のS206参照)によって読み取られた内容に基づいて上記判別処理(図14のS208参照)の判別結果を表示する表示装置である。読み取った内容が正常であれば、遊技盤13と内枠12との組み合わせが正常である旨の表示(例えば、「組み合わせ正常」のメッセージ表示)がなされる一方、読み取った内容が異常であれば、遊技盤13と内枠12との組み合わせが異常である旨の表示(例えば、「組み合わせ異常」のメッセージ表示)がなされる。
また、読み取り装置600のMPU601は、第1QR用回路606を介して第1QRスキャン部607が接続されているとともに、第2QR用回路608を介して第2QRスキャン部609が接続されている。
この第1QR用回路606及び第1QRスキャン部607によって1のQRコードの読み取り機能が果たされ、第2QR用回路608及び第2QRスキャン部609によって上記1のQRコード以外の他のQRコードの読み取り機能が果たされる。具体的には、MPU601は、操作部610が操作されたことに応じて、まず、第1QR用回路606と第2QR用回路608とに読み取り開始信号を入力し、第1QRスキャン部607及び第2QRスキャン部609のそれぞれによるQRコードの読み取りを許可する。この場合に、QRコードの読み取りは、2のQRコードに対して第1QRスキャン部607と第2QRスキャン部609とを近接させて非接触の状態で行われる。そして、第1QRスキャン部607及び第2QRスキャン部609でそれぞれ読み取った各QRコードが示す各種情報(遊技盤番号や枠番号等)は、それぞれ、第1QR用回路606又は第2QR用回路608を介してMPU601に入力される。
ここで、図12を参照して、パチンコ機10又は遊技盤13を新規で購入した場合における遊技ホールにおける確認作業について説明する。図12は、複数のパチンコ機10及び1のホールコンピュータ500が設置された遊技ホールと、各製造メーカMA〜MCとの構成の一例を示した模式図である。
上述したように、遊技ホールのホールコンピュータ500は、各製造メーカMA〜MCにそれぞれ設けられたデータサーバ701〜703と電気的に接続されている。そして、遊技ホールは、購入情報(製造メーカ情報や機種名情報)に基づいて、設置位置データを作成するとともに、該購入情報に基づいて、各製造メーカMA〜MCのデータサーバ701〜703に対して組み合わせデータの送信を要求する。このとき、読み取り装置600の復号鍵603bには、購入情報に基づく復号化情報が記憶されている。
各製造メーカMA〜MCのデータサーバ701〜703は、ホールコンピュータ500から組み合わせデータの送信要求を受信した場合、購入情報に応じて暗号化された組み合わせデータをホールコンピュータ500に対して送信する。
組み合わせデータを受信したホールコンピュータ500は、受信した組み合わせデータを、暗号化された状態のまま設置位置データと対応付けて盤枠対応データを生成してホールコンピュータ500の対応データ記憶部506a(図10参照)に記憶するとともに、該盤枠対応データを読み取り装置600に送信する。そして、盤枠対応データを受信した読み取り装置600は、該盤枠対応データを読み取り装置600の対応データ記憶部603aに記憶する。
次いで、パチンコ機10又は遊技盤13の新規購入時における確認作業として、パチンコ機10又は遊技盤13を各設置位置に設置した場合に、例えば、パチンコ機10の正面側から確認作業を行うときは、まず、前面枠14(図2参照)を開放した状態で読み取り装置600によって盤表QRコード401及び枠表QRコード411を読み取る。そして、読み取り装置600によって2つのQRコード401,402が正しく読み取れた場合に、読み取り装置600内の復号鍵603bによって対応データ記憶部603aに記憶される盤枠対応データのうち、組み合わせデータが復号化され、該復号化された組み合わせデータと、読み取り装置600で読み取った2のQRコード401,402が示す組み合わせとが正しいか否かの判定が行われる。
上記判定の結果、遊技盤13と内枠12との組み合わせが正しければ、読み取り装置600の表示部611(図10参照)にその旨が表示される。一方、遊技盤13と内枠12との組み合わせが正しくなければ、上記表示部611にその旨が表示されるとともに、ホールコンピュータ500に向けてエラー信号が出力される。エラー信号を受信したホールコンピュータ500は、モニタに対するエラー表示や警報音の出力等のエラー処理を行うことで、遊技盤13と内枠12との組み合わせが適切でないことを遊技ホールの管理者等に把握可能とさせる。
このように、パチンコ機10又は遊技盤13の新規購入時に、該パチンコ機10又は遊技盤13を遊技ホールに設置した場合に、読み取り装置600を盤表QRコード401及び枠表QRコード411、又は、盤裏QRコード402及び枠裏QRコード412に近づけて操作部610を1回操作するだけで、盤表QRコード401及び枠表QRコード411を読み取り装置600で読み取ることができて、内枠12と遊技盤13との組み合わせが適切か否かを正確に把握することができる。よって、軽微な作業で内枠12と遊技盤13との遊技機製造番号の確認を行うことができるとともに、確認ミスの発生を防止することができる。
また、読み取り装置600による読み取り時に、暗号化された組み合わせデータが復号化されて読み取り結果との判別が可能となり、ホールコンピュータ500による組み合わせデータの改変(改竄)が不能に構成される。このように構成することで、遊技ホール主導による不正な遊技盤13(主制御装置110)の交換等の不正行為をした場合に、各QRコード401等を読み取ることで、容易に上記不正行為を認識することができる。従って、例えば、監督官庁等により、定期的に読み取り装置600での各QRコード401等の読み取り作業を義務化及び報告させることで、遊技ホールによる不正行為を早期に発覚させることができ、健全な遊技環境を構築することができる。
なお、第1実施形態では、読み取り装置600において各QRコード等401を読み込んだ場合に、遊技ホールにおける設置位置の判定を行わないように構成されている。これは、遊技ホールでは、新台入れ替えが頻繁に行われ、パチンコ機10等の設置位置が随時変更される可能性があるため、設置位置とパチンコ機10の遊技盤13及び内枠12との整合性まで随時行うと、その照合作業等の負荷が増加してしまい、作業負担が増加してしまうおそれがあるためである。
次に、図13のフローチャートを参照して、ホールコンピュータ500内のMPU501により実行される一処理であるメイン処理を説明する。図13は、このメイン処理を示すフローチャートである。ホールコンピュータ500におけるメイン処理は、該ホールコンピュータ500の電源投入後、繰り返し実行されるように構成されている。
ホールコンピュータ500のメイン処理では、パチンコ機10等の新規購入時に、購入したパチンコ機10等の組み合わせデータの送信要求を各製造メーカMA〜MCのデータサーバ701〜703に対して行う。また、各製造メーカMA〜MCのデータサーバ701〜703から組み合わせデータを受信した場合に、該組み合わせデータをホールコンピュータ500で記憶しつつ読み取り装置600へ送信する処理を実行する。また、読み取り装置600から読み取り結果と復号化した組み合わせデータとが異なる場合に出力されるエラー信号を受信した場合に、該エラー信号に基づく処理を実行する。
ホールコンピュータ500のメイン処理では、まず、パチンコ機10又は遊技盤13の新規購入における処理を実行すべきか否かを判断する(S101)。判別の結果、新規購入時における処理タイミングであれば(S101:Yes)、次いで、パチンコ機10又は遊技盤13を新規購入した各製造メーカMA〜MCに対して、購入したパチンコ機10又は遊技盤13に対応する組み合わせデータの送信要求を行い(S102)、処理をS103へ移行する。この送信要求は、製造メーカMA〜MCに対して送信すべき組み合わせデータがあるか否かを問い合わせるのみでよく、各製造メーカMA〜MCのデータサーバ701〜703は、ホールコンピュータ500からの送信要求を受信した場合、購入履歴等に基づいて送信すべき組み合わせデータが存在するか否かを判別し、送信すべき組み合わせデータが存在する場合に、ホールコンピュータ500に対して組み合わせデータを送信するように構成されている。一方、新規購入時における処理タイミングでなければ(S101:No)、S102の処理をスキップして、処理をS103へ移行する。
S103の処理では、各製造メーカMA〜MCのデータサーバ701〜703から、購入したパチンコ機10又は遊技盤13に関する遊技盤13(主制御装置110)と内枠12との対応関係を示した組み合わせデータを受信したか否かを判別する(S103)。判別の結果、組み合わせデータを受信していれば(S103:Yes)、遊技ホールにおいて購入情報に基づいて独自に作成された設置位置データ(即ち、設置位置番号等)と、受信した組み合わせデータ(即ち、遊技盤番号、枠番号および主基板番号)とを対応付け、対応付けられた設置位置データと組み合わせデータとで構成される盤枠対応データを対応データ記憶部506aに記憶する(S104)。そして、該対応データ記憶部506aに記憶される盤枠対応データを読み取り装置600へ送信して(S105)、処理をS106へ移行する。一方、S103の処理において、データサーバ701〜703から組み合わせデータを受信していないと判別された場合は(S103:No)、S104及びS105の処理をスキップして、処理をS106へ移行する。
S106の処理では、読み取り装置600からエラー情報(エラー信号)が入力されたか否かを判別する(S106)。判別の結果、読み取り装置600からエラー情報が入力されていれば(S106:Yes)、ホールコンピュータ500に備え付けられたモニタ(図示せず)に遊技盤13と内枠12との組み合わせが間違っていることを示すエラー表示を表示したり、警報音の出力等を行うエラー処理を実行し(S107)、処理をS101(メイン処理の先頭)へ以降して、メイン処理を繰り返し実行する。一方、S106の処理において、エラー情報が入力されていなければ(S106:No)、S107の処理をスキップして、処理をS101へ移行する。
次に、図14のフローチャートを参照して、読み取り装置600内のMPU601により実行される一処理であるメイン処理を説明する。図14は、このメイン処理を示すフローチャートである。読み取り装置600におけるメイン処理は、該読み取り装置600の電源投入後、繰り返し実行されるように構成されている。
読み取り装置600のメイン処理では、ホールコンピュータ500から盤枠対応データを受信した場合に読み取り装置600の対応データ記憶部603aに該盤枠対応データを記憶する。また、各製造メーカMA〜MCによって復号化情報が入力された場合に読み取り装置600の復号鍵603bに該復号化情報を記憶させる。さらに、読み取り装置600の操作部610が操作された場合に第1QRスキャン部607及び第2QRスキャン部609によって各QRコード(即ち、盤表QRコード401及び枠表QRコード411、又は、盤裏QRコード402及び枠裏QRコード412。以下、同様。)401等の読み取り処理を行う。そして、2つのQRコード401等が読み取れた場合に復号鍵603bを用いて対応データ記憶部603aに記憶される盤枠対応データのうち、組み合わせデータを復号化し、各QRコード401等から読み取ったデータと復号化した組み合わせデータとが一致するか否かの判別を行って、該データが一致していない場合にエラー処理を行う。
この読み取り装置600のメイン処理では、まず、ホールコンピュータ500から盤枠対応データを受信したか否かを判別する(S201)。判別の結果、盤枠対応データを受信していれば(S201:Yes)、受信した盤枠対応データを読み取り装置600の対応データ記憶部603aに記憶させ(S202)、処理をS203へ移行する。一方、S201の処理において、盤枠対応データを受信していなければ(S201:No)、S202の処理をスキップして、処理をS203へ移行する。
次いで、S203の処理では、復号化情報が入力されたか否かを判別する(S203)。判別の結果、復号化情報が入力された場合は(S203:Yes)、入力された復号化情報を各製造メーカMA〜MC別に復号鍵603bに記憶させ(S204)、処理をS205へ移行する。一方、S203の処理において、復号化情報が入力されていなければ(S203:No)、S204の処理をスキップして、処理をS205へ移行する。
ここで、製造メーカMA〜MC別に、復号化情報が異なるように構成されている。即ち、遊技盤13と内枠12との組み合わせデータと、該組み合わせデータを暗号化した場合における復号化情報とは、製造メーカMA〜MCごとに固有に生成され、1の製造メーカMA〜MCにおける暗号化された組み合わせデータは、他の製造メーカMA〜MCによって生成された復号化情報では復号化不能に構成される。このように構成することで、暗号化された組み合わせデータのセキュリティ性能を向上し、組み合わせデータの改竄等を抑制することができる。
次に、S205の処理では、遊技ホールの管理者等によって読み取り装置600の操作部610が操作されたか否かを判別する(S205)。判別の結果、操作部610が操作されていなければ(S205:No)、処理をS201(メイン処理の先頭)へ移行して、メイン処理を繰り返し実行する一方、操作部610が操作された場合は(S205:Yes)、S206からS210までの処理を行い、QRコードの読み取りおよび復号化、並びに、一致判定を行う。
S206の処理では、第1QRスキャン部607及び第2QRスキャン部609によって2のQRコード401等の読み取り処理を実行し(S206)、次いで、読み取った各QRコード401等が2つとも正常に読み取れたか否かを判別する(S207)。判別の結果、2のQRコード401等が正常に読み取れていない場合(S207:No)、即ち、いずれかのQRコード401等の汚れや破損等によって少なくとも1のQRコード401等が正常に読み取れない場合には、以降の処理をスキップして、処理をS201(メイン処理の先頭)へ移行し、メイン処理を繰り返し実行する。この場合、各QRコード等が正常に読み取れなかった旨を読み取り装置600の表示部611に表示する。一方、2のQRコード401等が正常に読み取れた場合は(S207:Yes)、復号鍵603bに記憶される復号化情報に基づいて、対応データ記憶部603aに記憶される組み合わせデータを復号化し(S208)、次いで、2のQRコード401等から読み取った遊技盤13と内枠12との組み合わせと、復号化した組み合わせデータとが一致するか否かを判別する(S209)。
なお、主制御装置110の基板ボックス100に貼付された主基板シール420の読み取りおよび判定は、読み取り装置600によって、盤側シール400および枠側シール410による読み取り処理が行われた後、所定時間以内(例えば、10秒以内)に、主基板シール420を単独で読み取ることで、遊技盤13、内枠12および主制御装置110の組み合わせが照合可能に構成される。具体的には、例えば、盤側シール400及び枠側シール410による読み取り処理が行われた後、10秒以内であれば、読み取り装置600によって主基板シール420のQRコード421を単独であっても読み取り可能となり、10秒以内に読み取ったQRコードと、それ以前に読み取った各QRコード401等の内容とが一致するか否かを判定可能に構成する。そして、一致する場合には、正常である旨の報知及び/又は通信を行う一方、不一致の場合には、組み合わせ異常が発生している旨の報知及び/又は通信を行うように構成する。
以上、説明したように、第1実施形態のパチンコ機10、ホールコンピュータ500及び読み取り装置600によれば、遊技盤13、内枠12及び主制御装置110において、それぞれの遊技機製造番号(即ち、遊技盤番号、枠番号および主基板番号)を2次元コード化して、盤側シール400、枠側シール410及び主基板シール420に、盤表QRコード401、盤裏QRコード402、枠表QRコード411、枠裏QRコード412及び/又は主基板QRコード421をそれぞれ印刷し、読み取り装置600によって上記各QRコード401等を読み取って遊技盤13、内枠12および主制御装置110の組み合わせ照合することで、内枠12に対して正しい遊技盤13又は主制御装置110が取り付けられているか否かを瞬時に判別可能となる。よって、遊技ホールの管理者等の人の目視によって遊技機製造番号の確認を行う場合と比べて、確認ミスの発生を防ぎつつ、正確かつ容易にパチンコ機10の確認作業を行うことができる。
また、前面枠14を内枠12から開放した場合に、盤側シール400の盤表QRコード401と、枠側シール410の枠表QRコード411とがパチンコ機10の正面側に読み取り可能に露出するように構成されている。このように構成することで、新規に遊技盤13のみを購入し、遊技ホールに設置済みの内枠12に対して該遊技盤13を取り付けた場合に、前面枠14を開放した状態で後述する読み取り装置600によって盤表QRコード401と枠表QRコード411とを直ちに読み取ることが可能となる。即ち、内枠12を開放して、パチンコ機10の裏面等を確認することなく、パチンコ機10の前面側から遊技盤13と内枠12との照合作業を簡易に行うことができ、作業効率の向上を図ることができる。
さらに、パチンコ機10の製造段階においても、パチンコ機10の背面側に位置する盤裏QRコード402、枠裏QRコード412及び主基板QRコード421を照合することで、例えば、製造ラインの片側のみに読み取り装置を設けて遊技盤番号、枠番号および主基板番号の照合工程を行うことができ、生産効率を向上及び設備コストの削減をすることができる。
また、遊技ホールにおいて、パチンコ機10全体を新規に設置する場合や、遊技盤13のみを新規に設置する場合に、読み取り装置600を用いて、各QRコード401等の読み取りが行われ、読み取った各QRコード401等が示す遊技機製造番号が読み取り装置600に記憶される盤枠対応データと照合され、パチンコ機10又は遊技盤13が正規品か否かや、遊技ホールにおける設置場所が適切か否かが判定(認証)される。これにより、パチンコ機10又は遊技盤13の搬送途中において当該パチンコ機10又は遊技盤13が不正品に差し替えられた場合であっても、読み取り装置600を用いて各QRコード401等を読み取ることで、その不正品の判定が容易となる。
さらに、読み取り装置600による読み取り時に、2のQRコード401等が正常に読み取れたことを条件に暗号化された組み合わせデータが復号化されて読み取り結果との判別が可能に構成されているため、2のQRコード401等が正常に読み取れない場合には、組み合わせデータを復号化しないように構成される。即ち、ホールコンピュータ500による組み合わせデータの改変が実質的に不能に構成される。このように構成することで、遊技ホール主導による不正な遊技盤13(主制御装置110)の交換等の不正行為をした場合に、各QRコード401等を読み取ることで、容易に上記不正行為を認識することができる。従って、例えば、監督官庁等により、定期的に読み取り装置600での各QRコード401等の読み取り作業を義務化及び報告させることで、遊技ホールによる不正行為を早期に発覚させることができ、健全な遊技環境を構築することができる。
また、盤側シール400又は枠側シール410には、1のシールに、パチンコ機10の正面側に位置する盤表QRコード401又は枠表QRコード411と、パチンコ機10の背面側(裏面側)に位置する盤裏QRコード402又は枠裏QRコード412とがそれぞれ印刷されている。このように構成することで、パチンコ機10の正面側と背面側とにそれぞれ遊技機製造番頭等を示すQRコードを貼付したい場合、1の盤側シール400又は枠側シール410をパチンコ機10の正面視右側下部から背面視左側下部に亘って貼付することで、パチンコ機10の正面側と背面側とでシールの貼り間違え等の発生を未然に防止することができる。
さらに、盤側シール400、枠側シール410及び主基板シール420は、上記各シール400,410,420に貼着した場所から剥がそうとした場合に、該各シール400,410,420が部分的に断裂する切れ目(ミシン目)が設けられている。このように構成することで、貼着した各シール400,410,420を貼着場所から剥がそうとした場合、上記切れ目によって断裂するため、各シール400,410,420を綺麗に剥がすことができず、各シール400,410,420を他のパチンコ機に張り替えるといった不正行為を防止できる。
また、各シール400,410,420切れ目は、2次元コードが記された部位には施されないように構成されている。これは、2次元コードが記された部位に切れ目を設けてしまうと、該切れ目によって2次元コードの内容が変更されたり、適切に読み取りが行われないおそれがある。よって、各シール400,410,420の各QRコード401等が印刷された部位以外の箇所に上記切れ目を設け、読み取り装置600による誤読を防ぎつつ、不正交換等の不正行為を防止することができる。
さらに、盤表QRコード401及び枠表QRコード411、又は、盤裏QRコード402及び枠裏QRコード412を近接(隣接)して設けることで、読み取り装置600で一括して各QRコード401等を読み取ることが可能となり、遊技ホールの管理者等による確認作業を効率的に行うことができる。
<第2実施形態>
次に、図15を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10、ホールコンピュータ500及び読み取り装置600について説明する。図15は、第2実施形態における複数のパチンコ機10及び1のホールコンピュータ500が設置された遊技ホールと、各製造メーカMA〜MCとの構成の一例を示した模式図である。
図15で示すように、第2実施形態のパチンコ機10では、盤側シール400が遊技盤13の正面視右上上部に貼付されているとともに、枠側シール410が内枠12の正面視右側上部に貼付されている。
第1実施形態のパチンコ機10では、遊技盤13の正面視右側下部および裏面視左側下部に盤側シール400を貼付するとともに、内枠12の正面視右側下部および裏面視左側下部に枠側シール410を貼付して、パチンコ機10の正面側および裏面側からそれぞれ遊技盤13と内枠12との組み合わせを読み取り装置600で読み取り可能に構成されていた。
ここで、遊技盤13は、内枠12に対して前側から嵌め込んで設置される場合に、内枠12の正面視左側の上下にそれぞれ設けられた板バネ部12cに遊技盤13の正面視左側を当接させ、遊技盤13の正面視左側と板バネ部12cとを当接させた状態で、遊技盤13の正面視左側を基部として遊技盤13全体を内枠12側へ回動させ、遊技盤13の正面視下部を内枠12に設けられた載置部12dへ乗せた状態とする。そして、この状態から、遊技盤13を内枠12側へ押し込むことで、解除位置であった上部クランプ12a及び下部クランプ12bが固定位置へと変化して遊技盤13を固定することで、内枠12に対して遊技盤13が取り付け固定される。
この場合に、内枠12の載置部12dに遊技盤13を載置した状態で該遊技盤13を内枠12に対して押し込むため、遊技盤13自体の荷重によって遊技盤13の下部と内枠12の載置部12dとが当接しながら擦れるため、盤側シール400および枠側シール410がそれぞれ破損してしまうおそれがある。
そこで、第2実施形態では、盤側シール400を遊技盤13の正面視右側上部に貼付するとともに、枠側シール410を内枠12の正面視右側上部に貼付するように構成する。また、内枠12は、遊技盤13を嵌め込むことが可能となるように、内枠12に遊技盤13を固定する際に、遊技盤13と内枠12との間に若干の隙間を有するように構成されている。よって、遊技盤13を内枠12に対して嵌め込む場合に、盤側シール400と枠側シール410とに対して遊技盤13の荷重がかからない状態で該遊技盤13を内枠12に嵌め込むことができ、盤側シール400と枠側シール410とを擦れ難くして、該各シール400,410を破損し難くすることができる。
また、盤表QRコード401と枠表QRコード411との位置が、遊技ホールの島設備(図示せず)に設置されて前面枠14を開放した状態で、人の目線の高さに位置させることで、遊技ホールの管理者等による確認作業時に、各QRコード401等を認知し易くし、確認作業の作業効率を向上させることができる。
その他、第2実施形態におけるパチンコ機10、ホールコンピュータ500及び読み取り装置600は、第1実施形態と同一の構成によって、同一の効果を奏する。
<第3実施形態>
次に、図16から図18を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10、ホールコンピュータ500及び読み取り装置600aについて説明する。
第1実施形態では、遊技盤13側に1のQRコード401等を設けるとともに、内枠12側にも1のQRコード411等を設け、2のQRコード401,411等を同時に読み取ることが可能な読み取り装置600によって該QRコード401,411等を読み取り、遊技盤13と内枠12との組み合わせが正常か否かを判別していた。
この場合に、2のQRコード401,411等を同時に読み取れる専用の読み取り装置600を事前に用意しておかなければならず、読み取り装置600の購入コストが必要であった。
また、2のQRコード401,411等が同時に正常に読み取れたか否かの判別処理が必要となり、読み取り作業時の制御処理が煩雑になるおそれがある。
そこで、第3実施形態のパチンコ機10、ホールコンピュータ500及び読み取り装置600aでは、遊技盤13の正面側において、該遊技盤13の遊技盤番号を符号化した部分的な(上半分の)QRコードを構成する盤表上側QRコード401aを設けるとともに、内枠12の正面側において、該内枠12の枠番号を符号化した部分的な(下半分の)QRコードを構成する枠表下側QRコード411aを設ける。そして、盤表上側QRコード401aと枠表下側QRコード411aとを組み合わせることで、1のQRコードを形成するように構成する。
また、同様に、遊技盤13の裏面側において、該遊技盤13の遊技盤番号を符号化した部分的な(上半分の)QRコードを構成する盤裏上側QRコード402aを設けるとともに、内枠12の裏面側において、該内枠12の枠番号を符号化した部分的な(下半分の)QRコードを構成する枠裏下側QRコード412aを設ける。そして、盤裏上側QRコード402aと枠裏下側QRコード412aとを組み合わせることで、1のQRコードを形成するように構成する。
このように構成することで、1のQRコードを読み取ることが可能な汎用の読み取り装置600aによって、遊技盤13と内枠12との組み合わせを読み取ることができるので、2のQRコードを読み取る等の専用の読み取り装置が不要となる。また、1のQRコードを読み取って、遊技盤13と内枠12との組み合わせが正常か否かを認識することができるので、2のQRコードを同時に読み取る等の煩雑な制御が不要となり、読み取り装置600aにおける制御負担を軽減することができる。
ここで、図16を参照して、第3実施形態の盤側シール400aおよび枠側シール410aについて説明する。図16(a)は、第3実施形態における盤側シール400aの正面図であり、図16(b)は、第3実施形態における枠側シール410aの正面図である。
図16(a)で示すように、第3実施形態の盤側シール400aには、遊技盤13固有の遊技盤番号等の固有情報を2次元コードで現したQRコードの上側半分を構成する盤表上側QRコード401a及び盤裏上側QRコード402aがそれぞれ印刷されている。
この盤表上側QRコード401aと盤裏上側QRコード402aとは、同一の2次元コードであり、上述した遊技盤番号(例えば、AA−B 111111)や、製造メーカ名(例えば、製造メーカA)、機種名(例えば、○○○○)等の各データが符号化されており、後述する枠表下側QRコード411a又は枠裏下側QRコード412aと組み合わされて1のQRコードを構成することで、1のQRコードを読み取る汎用の読み取り装置600a(図17参照)によって上記各データを読み取り可能に構成されている。
また、この盤側シール400aには、該盤側シール400aを遊技盤13に貼付した場合に、遊技盤13の正面側に位置する盤表上側QRコード401aと、遊技盤13の背面側(裏面側)に位置する盤裏上側QRコード402aとが1のシールにそれぞれ印刷されている。このように構成することで、遊技盤13の正面側と背面側とにそれぞれ遊技盤番号を示す部分的なQRコードを貼付したい場合、1の盤側シール400aを遊技盤13の正面視右側下部から背面視左側下部(図示せず)に亘って貼付することで実現することができ、遊技盤13の正面側と背面側とでシールの貼り間違え等の発生を未然に防止することができる。
次いで、図16(b)で示すように、第3実施形態の枠側シール410aには、内枠12固有の枠番号等の固有情報を2次元コードで現したQRコード下側半分を構成する枠表下側QRコード411a及び枠裏下側QRコード412aがそれぞれ印刷されている。
この枠表下側QRコード411aと枠裏下側QRコード412aとは、同一の2次元コードであり、上述した枠番号(例えば、AA−Y 900001)や、製造メーカ名(例えば、製造メーカA)、枠名(例えば、××枠)等の各データが符号化されており、上述した盤表上側QRコード401a又は盤裏上側QRコード402aと組み合わされて1のQRコードを構成することで、汎用の読み取り装置600a(図17参照)によって上記各データを読み取り可能に構成されている。
この枠側シール410aには、該枠側シール410aを内枠12に貼付した場合に、内枠12の正面側に位置する枠表下側QRコード411aと、内枠12の背面側(裏面側)に位置する枠裏下側QRコード412aとが1のシールにそれぞれ印刷されている。このように構成することで、内枠12(パチンコ機10)の正面側と背面側とにそれぞれ枠番号を示す部分的なQRコードを貼付したい場合、1の枠側シール410aを内枠12の正面視右側下部から背面視左側下部(図示せず)に亘って貼付することで実現することができ、内枠12の正面側と背面側とでシールの貼り間違え等の発生を未然に防止することができる。
次に、図17を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10又は遊技盤13を新規で購入した場合における確認作業について説明する。図17は、第3実施形態における複数のパチンコ機10及び1のホールコンピュータ500が設置された遊技ホールと、各製造メーカMA〜MCとの構成の一例を示した模式図である。
図17で示すように、第3実施形態では、遊技盤13に貼付された盤側シール400aの盤表上側QRコード401aと内枠12に貼付された枠側シール410aの枠表下側QRコード411aとで1のQRコードを形成し、該QRコードが1のQRコードを読み取る機能のみを有する読み取り装置600aによって読み取り可能に構成される。よって、2のQRコードを同時に読み取る等の専用の読み取り装置を用いず、1のQRコードを読み取ることが可能な読み取り装置600aによって遊技盤13の遊技盤番号と内枠12の枠番号とを読み取ることが可能となる。
次に、図18のフローチャートを参照して、第3実施形態の読み取り装置600a内のMPU601により実行される一処理であるメイン処理を説明する。図18は、第3実施形態のメイン処理を示すフローチャートである。第3実施形態の読み取り装置600aのメイン処理では、読み取り装置600aの操作部610が操作された場合に1のスキャン部(図示せず)によって1のQRコード(即ち、盤表上側QRコード401a及び枠表下側QRコード411aで構成される1のQRコード、又は、盤裏上側QRコード402a及び枠裏下側QRコード412aで構成される1のQRコード)の読み取り処理を行う。そして、1のQRコードが読み取れた場合に、復号鍵603bを用いて対応データ記憶部603aに記憶される盤枠対応データのうち、組み合わせデータを復号化し、QRコードから読み取ったデータと復号化した組み合わせデータとが一致するか否かの判別を行って、該データが一致していない場合にエラー処理を行う。
第3実施形態の読み取り装置600aのメイン処理では、第1実施形態と同様、S201〜S205の処理を行う。そして、S205の処理において、遊技ホールの管理者等によって操作部610が操作されたか否かを判別する(S205)。判別の結果、操作部610が操作されていなければ(S205:No)、このメイン処理を終了する一方、操作部610が操作された場合は(S205:Yes)、1のスキャン部(図示せず)によって、1のQRコードの読み取り処理を実行する(S206)。そして、復号鍵603bに記憶される復号化情報に基づいて、対応データ記憶部603aに記憶される組み合わせデータを復号化し(S208)、次いで、1のQRコードから読み取った遊技盤13と内枠12との遊技機製造番号の組み合わせと、復号化した組み合わせデータとが一致するか否かを判別する(S209)。このように、1のQRコードを読み取って、遊技盤13と内枠12との遊技機製造番号の組み合わせが正常か否かを認識することができるので、2のQRコードを同時に読み取る等の煩雑な制御が不要となり、読み取り装置600aにおける制御負担を軽減することができる。
以上、説明したように、第3実施形態のパチンコ機10、ホールコンピュータ500及び読み取り装置600aによれば、遊技盤13の正面側(裏面側)において、該遊技盤13の遊技盤番号を符号化した部分的な(上半分の)QRコードを構成する盤表上側QRコード401a(盤裏上側QRコード402a)を設けるとともに、内枠12の正面側(裏面側)において、該内枠12の枠番号を符号化した部分的な(下半分の)QRコードを構成する枠表下側QRコード411a(枠裏下側QRコード412a)を設ける。そして、盤表上側QRコード401a及び枠表下側QRコード411a(盤裏上側QRコード402a及び枠裏下側QRコード412a)を組み合わせることで、1のQRコードを形成するように構成する。
このように構成することで、2のQRコードを読み取る等の特殊な読み取り装置が不要となり、1のQRコードを読み取ることが可能な読み取り装置600aによって、遊技盤13の盤表上側QRコード401a及び枠表下側QRコード411aで構成されるQRコード、又は、盤裏上側QRコード402a及び枠裏下側QRコード412aで構成されるQRコードを読み取ることが可能となる。よって、特殊な読み取り装置を準備するためのコストを削減することができる。
また、1のQRコードを読み取って、遊技盤13と内枠12との組み合わせが正常か否かを認識することができるので、2のQRコードを同時に読み取る等の煩雑な制御が不要となり、読み取り装置600aにおける制御負担を軽減することができる。
その他、第3実施形態におけるパチンコ機10、ホールコンピュータ500及び読み取り装置600aは、第1実施形態又は第2実施形態と同一の構成によって、同一の効果を奏する。
<第4実施形態>
次に、図19を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10、ホールコンピュータ500及び読み取り装置600について説明する。
第1実施形態の読み取り装置600では、遊技盤13と内枠12との各遊技機製造番号を読み取って、遊技盤13と内枠12との組み合わせが一致しているか否かの判別を行っていた。
これに対し、第4実施形態の読み取り装置600では、遊技盤13と内枠12との各遊技機製造番号が一致していると判別された場合に、続けて主制御装置110の主基板番号を読み取らせ、該主基板番号が遊技盤番号と一致してない場合には、ホールコンピュータ500にエラー信号を出力するように構成する。このように構成することで、遊技盤13と内枠12と主制御装置110との組み合わせが適切か否かを判別して、内枠12に対して正しい遊技盤13および主制御装置110が取り付けられているか否かを瞬時に判別可能となる。よって、遊技盤13に対して主制御装置110が不正に交換されていた場合であっても、パチンコ機10に対する不正行為を早期に発見することができる。
ここで、図19のフローチャートを参照して、第4実施形態の読み取り装置600内のMPU601により実行される一処理であるメイン処理を説明する。図19は、第4実施形態のメイン処理を示すフローチャートである。第4実施形態の読み取り装置600のメイン処理では、読み取ったQRコードの内容と復号化した組み合わせデータとが一致するか否かの判別を行って、一致している場合には、次いで、主基板QRコード421を読み取ったか否かの確認を行い、主基板QRコード421を読み取った場合には、読み込んだ主基板番号と先に読み込んだ遊技盤番号とが一致しているか否かを判別を行って、該データが一致していない場合にエラー処理を行う。
第4実施形態の読み取り装置600のメイン処理では、第1実施形態と同様、S201〜S209の処理を行う。そして、S209の処理において、2のQRコードから読み取った遊技盤13と内枠12との組み合わせが、復号化した組み合わせデータと一致していると判別された場合は(S209:Yes)、遊技盤13と内枠12との組み合わせは正常であるので、次いで、主基板QRコード421を読み取ったか否かの判別を行う(S211)。ここで、主基板QRコード421には、主制御装置110である旨の主基板情報が含まれており、遊技盤13に対応するQRコードと区別可能に構成されている。そして、S211の処理では、主基板QRコード421が読み取れるまで所定時間(例えば、「20秒」)待機し、その間に、主基板QRコード421が読み取れられた場合には(S211:Yes)、読み取った主基板QRコード421が示す主基板番号と、S206の処理で読み取った遊技盤番号とが一致しているか否かの判別を行う(S212)。なお、上記所定時間を超えた場合は、例えば、漏れなくエラー信号を出力するように構成することで、遊技盤13と内枠12と主制御装置110との組み合わせの正当性を確実に行うことができる。
S212の処理の結果、読み取った主基板QRコード421が示す主基板番号と、S206の処理で読み取った遊技盤番号とが一致していれば(S212:Yes)、遊技盤13と内枠12と主制御装置110との組み合わせは正常であるので、S210の処理を行わず、処理をS201へ移行して、メイン処理を繰り返し実行する。一方、読み取った主基板QRコード421が示す主基板番号と、S206の処理で読み取った遊技盤番号とが一致していなければ(S212:No)、遊技盤13と主制御装置110との組み合わせが間違っているため、エラー信号をホールコンピュータ500に送信し(S210)、処理をS201へ移行する。
このように、読み取ったパチンコ機10における遊技盤13と内枠12と主制御装置110といずれかの組み合わせが間違っていた場合に、読み取り装置600からホールコンピュータ500にエラー信号を送信することで、ホールコンピュータ500において遊技盤13と内枠12と主制御装置110との組み合わせの間違いを直ちに認識することができる。
その他、第4実施形態におけるパチンコ機10、ホールコンピュータ500及び読み取り装置600は、第1実施形態乃至第3実施形態と同一の構成によって、同一の効果を奏する。
<第5実施形態>
次に、図20から図42を参照して、第5実施形態におけるパチンコ機10、ホールコンピュータ500及び読み取り装置600について説明する。
第1実施形態のパチンコ機10では、パチンコ機10の前面枠14を内枠12から開放した状態において、遊技盤13に貼付されている盤側シール400の盤表QRコード401と、内枠12に貼付されている枠側シール410の枠表QRコード411とを、該パチンコ機10の正面側に露出させて、内枠12が外枠11に固定されている状況において、読み取り装置600によってパチンコ機10の正面側から盤表QRコード401及び枠表QRコード411を読み込み可能に構成されている。また、パチンコ機10の内枠12を外枠11から開放した状態において、遊技盤13に貼付されている盤側シール400の盤裏QRコード402と、内枠12に貼付されている枠側シール410の枠裏QRコード412と、主制御装置110の基板ボックス100に貼付されている主基板シール420の主基板QRコード421とを、該パチンコ機10の正面側に露出させて、内枠12を外枠11に対して回動させて該内枠12の裏面側がパチンコ機10の正面側を向いた状況において、読み取り装置600によってパチンコ機10の正面側から盤裏QRコード402、枠裏QRコード412及び主基板QRコード421を読み込み可能に構成されている。
この場合、主制御装置110の貼付されている主基板シール420を読み込むためには、内枠12と外枠11との施錠を解除して、内枠12を外枠11に対して回動させる必要があり、パチンコ機10における遊技盤13、内枠12および主制御装置110のすべての組み合わせが正しいか否かを判別するためには、前面枠14の施錠の解除のみならず内枠12の施錠を解除しなければならず、前面枠14の施錠の解除のみでは、パチンコ機10における遊技盤13、内枠12および主制御装置110のすべての組み合わせが正しいか否かを判別することができなかった。
これに対し、第5実施形態のパチンコ機10では、遊技盤13に裏面視認用窓部13aを形成する。また、主制御装置110に貼付する主基板シール420に主基板表QRコード421a及び主基板裏QRコード422(以下、主基板表QRコード421a及び主基板裏QRコード422を、「主QRコード421a,422」と称する場合がある)を設け、盤側シール400及び枠側シール410と同様、主制御装置110の基板ボックス100に貼付した場合に、主基板表QRコード421aが主制御装置110の裏面側(即ち、パチンコ機10の正面側)に位置するとともに、主基板裏QRコード422が主制御装置110の表面側(即ち、パチンコ機10の裏面側)に位置するように構成する。そして、内枠12を外枠11に施錠した状態において、該裏面視認用窓部13aから遊技盤13の裏面側に設置されている主制御装置110の主基板表QRコード421a全体が視認可能な位置に主基板シール420を貼付するように構成する。このように構成することで、前面枠14を内枠12から開放した状態において、盤表QRコード401、枠表QRコード411及び主基板表QRコード421aを読み込み可能にする。
また、第5実施形態では、盤側シール400の盤表QRコード401若しくは盤裏QRコード402(以下、盤表QRコード401と盤裏QRコード402とを総称して、「盤QRコード401,402」と称する場合がある)、枠側シール410の枠表QRコード411若しくは枠裏QRコード412、又は、主基板シール420の主基板表QRコード421a若しくは主基板裏QRコード422(以下、盤QRコード401,402、枠QRコード411,412及び主QRコード421a,422を総称して、単に「QRコード401,402,411,412,421a,422」と称する場合がある)を読み取り装置600でそれぞれ読み取った場合に、読み取り装置600においていずれのQRコード401,402,411,412,421a,422を読み取ったかを、読み取り装置600の表示部611の背景色を異ならせて表示するよう、各QRコード401,402,411,412,421a,422の符号化情報をそれぞれ構成する。また、各QRコード401,402,411,412,421a,422を読み込んだとき、現在読み取っているQRコード401,402,411,412,421a,422を読み込んだ場合に表示される表示色を重畳(加法混色)させて、いずれのQRコード401,402,411,412,421a,422を読み込んでいる状態か否かを識別可能に構成する。
さらに、第5実施形態では、各QRコード401,402,411,412,421a,422の近傍(第5実施形態では、各QRコード401,402,411,412,421a,422の各上方)に、各QRコード401,402,411,412,421a,422の遊技盤番号、枠番号又は主基板番号を示す遊技盤番号情報403、枠番号情報413及び主基板番号情報423(以下、遊技盤番号情報403、枠番号情報413及び主基板番号情報423を総称して、「番号情報403,413,423」と称する場合がある)をそれぞれ印刷(表示)する。また、読み取り装置600は、操作部610に対する1の操作によって、各QRコード401,402,411,412,421a,422を読み取るとともに、上記番号情報403,413,423を同時に読み取るように構成されている。そして、QRコード401,402,411,412,421a,422か番号情報403,413,423のいずれか一方を正常に読み取れていれば、即ち、番号情報403,413,423を読み取れていなくてもQRコード401,402,411,412,421a,422が読み取れている場合、或いは、QRコード401,402,411,412,421a,422を読み取れていなくも番号情報403,413,423を読み取れている場合には、遊技盤番号、枠番号または主基板番号を正常に読み取れたものとして処理を実行する。
以下、第5実施形態におけるパチンコ機10、ホールコンピュータ500及び読み取り装置600等について、第1実施形態乃至第4実施形態におけるパチンコ機10、ホールコンピュータ500及び読み取り装置600等と相違する点を中心に説明する。以下の説明では、第1実施形態乃至第4実施形態と同一の要素に同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
まず、図20から図22を参照して、第5実施形態におけるパチンコ機10の正面側の構成について説明する。図20は、第5実施形態における外枠11および内枠12から前面枠14を開放した状態のパチンコ機10の正面図であり、図21は、第5実施形態の盤側シール400、枠側シール410及び主基板シール420の正面図であり、図22は、第5実施形態の遊技盤13の正面図である。第5実施形態において、第1実施形態乃至第4実施形態等と異なる点は、主に、遊技盤13において裏面視認用窓部13aが設けられている点と、該裏面視認用窓部13aから主制御装置110に貼付された主基板表QRコード421aがパチンコ機10の正面側から視認可能に構成されている点である。
第5実施形態のパチンコ機10において、前面枠14には、該前面枠14を内枠12に対して施錠した場合に、後述する遊技盤13の裏面視認用窓部13aに対応する位置に窓被覆部14dが設けられている。この窓被覆部14dによって、前面枠14が内枠12に対して施錠された場合に、裏面視認用窓部13aがパチンコ機10の正面側から視認不能又は困難に構成される一方、前面枠14が内枠12から解錠されて開放された場合に、裏面視認用窓部13aがパチンコ機10の正面側から視認可能となるように構成される。
また、第5実施形態のパチンコ機10において、遊技盤13は、透明性を有する樹脂(例えば、ポリカーボネート)から構成されている。そして、該遊技盤13の表面側全体(即ち、パチンコ機10の正面側)には、所定の装飾が印刷若しくは配置され、遊技盤13の裏面側が視認困難若しくは不可に構成されている。
一方、遊技盤13の正面視右下部分には、装飾が印刷又は配置されず、該遊技盤13の裏面側が視認可能な裏面視認用窓部13aが形成されている。この裏面視認用窓部13aは、前面枠14が内枠12及び外枠11に施錠されている状態(即ち、前面枠14閉鎖状態)では、該前面枠14の下部によって被覆されて、パチンコ機10の正面側からは該裏面視認用窓部13aが視認できないように構成される。一方、前面枠14が内枠12及び外枠11から解錠されて前面枠14が内枠12及び外枠11から回動された状態(即ち、前面枠14開放状態)では、この裏面視認用窓部13aが露出して、パチンコ機10の正面側から視認可能となることで、該裏面視認用窓部13aによって遊技盤13の裏面側が視認可能となるように構成されている。これにより、遊技を行う遊技者からは各QRコード401,411,421aを視認不可にすることでパチンコ機10の装飾性の低下を抑制することができつつ、製造メーカの担当者や遊技ホールの関係者による確認時には、裏面視認用窓部13aから遊技盤13の裏面側が視認可能となる。
第5実施形態のパチンコ機10では、遊技盤13の裏面側の配置として、裏面視認用窓部13aの位置に対応する位置に、主制御装置110に貼付された主基板シール420に設けられた主基板表QRコード421a及び後述する主基板番号情報423(図21(c)参照)が位置するように構成されている。よって、前面枠14を内枠12及び外枠11から解錠して回動させた状態において、パチンコ機10の正面側から主基板表QRコード421a及び主基板番号情報423が視認でき、読み取り装置600によって該主基板表QRコード421a及び主基板番号情報423読み取ることが可能に構成されている。
上記した第1実施形態のパチンコ機10では、主制御装置110に貼付された主基板シール420の主基板QRコード421を読み取り装置600によって読み取ろうとした場合に、内枠12を外枠11から解錠してパチンコ機10(遊技盤13)の裏面側を露出させた状態にしなければ主基板QRコード421を読み取ることができない。
これに対し、第5実施形態では、内枠12を外枠11に施錠した状態で(即ち、内枠12を外枠11から解錠させることなく)、パチンコ機10の正面側から主基板表QRコード421a(及び主基板番号情報423)を読み取ることが可能に構成されているので、前面枠14を解錠するのみで(内枠12を解錠することなく)、盤表QRコード401、枠表QRコード411及び主基板表QRコード421a(及び主基板番号情報423)を読み取ることができ、パチンコ機10における遊技盤13、内枠12及び主制御装置110の組み合わせが適正か否かの確認作業を効率化することができる。
また、主制御装置110に貼着されて裏面視認用窓部13aから視認可能な主基板シール420の主基板表QRコード421aが、遊技盤13に貼着された盤側シール400の盤表QRコード401、及び、内枠12に貼着された枠側シール410の枠表QRコード411(以下、盤表QRコード401、枠表QRコード411及び主基板表QRコード421aを総称して、「表QRコード401,411,421a」と称する場合がある)と鉛直線上に重なるように配置される。これにより、製造メーカの担当者や遊技ホールの関係者が内枠12を施錠した状態で確認作業を行う場合に、各表QRコード401,411,421aの位置を把握し易くなるとともに、確認作業を効率化することができる。
ここで、図21を参照して、第5実施形態の盤側シール400、枠側シール410及び主基板シール420(以下、盤側シール400、枠側シール410及び主基板シール420を総称して、「シール400,410,420」と称する場合がある)の詳細について説明する。図21(a)は、第5実施形態の遊技盤13に貼着される前の盤側シール400の正面図であり、図21(b)は、第5実施形態の内枠12に貼着される前の枠側シール410の正面図であり、図21(c)は、後述する主制御装置110(図25参照)に貼着される前の主基板シール420の正面図である。第5実施形態において、第1実施形態乃至第4実施形態と異なる点は、主基板シール420において、主基板表QRコード421aと主基板裏QRコード422とが設けられている点と、各シール400,410,420において、貼付されている部品の情報を示す遊技盤番号情報403、枠番号情報413及び主基板番号情報423が設けられている点である。
まず、図21(a)で示すように、盤側シール400には、遊技盤13固有の遊技盤番号等の固有情報を2次元コードで現した盤表QRコード401及び盤裏QRコード402がそれぞれ印刷されている。
第5実施形態の盤QRコード401,402には、固有情報として、後述する読み取り装置600で読み込んだ場合に、該読み取り装置600の表示部611の背景色に対して緑色を重畳(加法混色)させるための符号化情報が含まれている。なお、読み取り装置600によって盤QRコード401,402が読み取られた場合における表示部611の背景色の詳細については、図27において後述する。
また、盤側シール400には、盤QRコード401,402の近傍(第5実施形態では、盤QRコード401,402の各上方)に遊技盤番号そのものを示した遊技盤番号情報403がそれぞれ印刷(表示)されている。この遊技盤番号情報403は、盤側シール400を遊技盤13に貼着した場合に、遊技盤13を正視した際に該遊技盤番号情報403を正視できるように盤QRコード401,402の上方側近傍にそれぞれ印刷される。
次いで、図21(b)で示すように、枠側シール410には、内枠12固有の枠番号等の固有情報を2次元コードで現した枠表QRコード411及び枠裏QRコード412がそれぞれ印刷されている。
第5実施形態の枠QRコード411,412には、固有情報として、後述する読み取り装置600で読み込んだ場合に、該読み取り装置600の表示部611の背景色に対して青色を重畳(加法混色)させるための符号化情報が含まれている。なお、読み取り装置600によって枠QRコード411,412が読み取られた場合における表示部611の背景色の詳細については、図27において後述する。
また、枠側シール410には、盤側シール400と同様、枠QRコード411,412の近傍(第5実施形態では、枠QRコード411,412の各上方)に枠番号そのものを示した枠番号情報413がそれぞれ印刷(表示)されている。この枠番号情報413は、枠側シール410を内枠12に貼着した場合に、内枠12を正視した際に該枠番号情報413を正視できるように枠QRコード411,412の上方側近傍にそれぞれ印刷される。
次いで、図21(c)で示すように、主基板シール420には、主制御装置110固有の主基板番号等の固有情報を2次元コードで現した主基板表QRコード421a及び主基板裏QRコード422がそれぞれ印刷されている。
第5実施形態の主QRコード421a,422には、固有情報として、後述する読み取り装置600で読み込んだ場合に、該読み取り装置600の表示部611の背景色に対して赤色を重畳(加法混色)させるための符号化情報が含まれている。なお、読み取り装置600によって主QRコード421a,422が読み取られた場合における表示部611の背景色の詳細については、図27において後述する。
また、主基板シール420には、盤側シール400及び枠側シール410と同様、主QRコード421a,422の近傍(第5実施形態では、主QRコード421a,422の各上方)に主基板番号そのものを示した主基板番号情報423がそれぞれ印刷(表示)されている。この主基板番号情報423は、主基板シール420を主制御装置110に貼着した場合に、主制御装置110を正視した際に該主基板番号情報423を正視できるように主QRコード421a,422の上方側近傍にそれぞれ印刷される。
さらに、この主基板シール420には、盤側シール400及び枠側シール410と同様、主制御装置110に貼着した主基板シール420を主制御装置110から剥がそうとした場合に、該主基板シール420が部分的に断裂する切れ目(ミシン目。図21(c)における点線斜線。)が設けられている。このように構成することで、主制御装置110に貼着した主基板シール420を主制御装置110から剥がそうとした場合、上記切れ目によって主基板シール420が断裂するため、主基板シール420を主制御装置110から綺麗に剥がすことができず、主基板シール420を他の主制御装置110に張り替えるといった不正行為を防止できる。
また、主基板シール420は、主制御装置110の基板ボックス100のボックスベースとボックスカバーとに亘って(跨って)貼着されているため、基板ボックス100を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100を無理に開封しようとすると、主基板シール420がボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、主基板シール420を確認することで、基板ボックス100が開封されたかどうかを知ることができる。即ち、主基板シール420が封印シールの機能を兼ねている。このため、別途、封印シールを用意して基板ボックス100に貼着する必要性がなくなり、パチンコ機10における部品点数を少なくすることができる。
第5実施形態の各QRコード401,402,411,412,421a,422の各上方、各QRコード401,402,411,412,421a,422にそれぞれ対応する番号情報403,413,423がそれぞれ印刷(表示)され、後述する読み取り装置600の操作部610(それぞれ図26参照)に対する1の操作によって、各QRコード401,402,411,412,421a,422を読み取るとともに、各番号情報403,413,423を同時に読み取り可能に構成されている。そして、QRコード401,402,411,412,421a,422か番号情報403,413,423のいずれか一方を正常に読み取れていれば、遊技盤番号、枠番号または主基板番号を正常に読み取れたものとして処理を実行可能に構成されている。このように構成することで、QRコード401,402,411,412,421a,422か番号情報403,413,423のいずれか一方が汚れていたり破損して正常に読み込めない場合や、遊技ホールの照明環境が薄暗い影響により、QRコード401,402,411,412,421a,422が読み取り難い場合であっても、他方の番号情報403,413,423若しくはQRコード401,402,411,412,421a,422が読み取れた場合に、遊技盤番号、枠番号または主基板番号を正常に読み取れたものとして処理を実行可能に構成することで、パチンコ機10における遊技盤13、内枠12及び主制御装置110の組み合わせが適正か否かの確認作業を効率化することができる。
なお、各QRコード401,402,411,412,421a,422を読み取れる情報と、各番号情報403,413,423で読み取れる情報とを同一の内容となるように構成してもよい。具体的には、各QRコード401,402,411,412,421a,422に符号化されている各種情報を、各番号情報403,413,423において表記するように構成してもよいし、各番号情報403,413,423で表示されている情報と、各QRコード401,402,411,412,421a,422に符号化されている情報とを同一の内容となるように構成してもよい。
次いで、図22に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に成型加工した樹脂製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成される。
上述したように、第5実施形態の遊技盤13には、遊技盤13の正面視右下部分であって、盤側シール400の鉛直上方側の近傍に裏面視認用窓部13aが形成されている。この裏面視認用窓部13aには、装飾等が施されておらず、透明樹脂によって形成されているので、遊技盤13の正面側から該裏面視認用窓部13aから遊技盤13裏面側を視認することができる。そして、遊技盤13の裏面側において、裏面視認用窓部13aが位置する部分に、主制御装置110に貼着された主基板シール420の主基板表QRコード421a及び主基板番号情報423が位置するように配置することで、遊技盤13(パチンコ機10)の正面側から、表QRコード401,411,421a、並びに、遊技盤番号情報403、枠番号情報413及び主基板番号情報423(いずれも図21参照)、が読み取り装置600によって読み取り可能に構成される。
また、遊技盤13に貼着された盤側シール400の盤表QRコード401(、及び、内枠12に貼着された枠側シール410の枠表QRコード411)と、主制御装置110に貼着された主基板シール420の主基板表QRコード421aとが近接しているため、遊技盤13(、内枠12及び)主制御装置110の組み合わせが適正か否かの確認作業を効率化することができる。
次に、図23から図25を参照して、第5実施形態におけるパチンコ機10の背面側(裏面側)の構成について説明する。図23は、第5実施形態におけるパチンコ機10の背面図であり、図24は、第5実施形態における遊技盤13の背面図であり、図25は、第5実施形態における遊技盤13の背面側に取り付けられる主制御装置110の(パチンコ機10の裏面側から見た場合の)正面図である。第5実施形態において、第1実施形態乃至第4実施形態と異なる点は、主制御装置110の基板ボックス100のボックスベース及びボックスカバーに亘って主基板シール420が貼着されている点と、主制御装置110が遊技盤13の裏面に対して背面視やや左側に位置する点である。
図23乃至図25で示すように、パチンコ機10の背面側には、主制御装置110が配設されている。第5実施形態における主制御装置110は、第1実施形態の主制御装置110より、遊技盤13に対して背面視やや左側に位置するように配設され(図23参照)、主制御装置110の正面視(パチンコ機10の背面視)左下側(図25参照)に貼着された主基板シール420の主基板裏QRコード422が、遊技盤13の背面視左下側(図24参照)に貼着された盤側シール400の盤裏QRコード402、及び、内枠12の背面視左下側(図23参照)に貼着された枠側シール410の枠裏QRコード412(以下、盤裏QRコード402,枠裏QRコード412及び主基板裏QRコード422を総称して、「裏QRコード402,412,422」と称する場合がある)と鉛直線上に重なるように配置される。これにより、製造メーカの担当者や遊技ホールの関係者が内枠12を開放した状態で確認作業を行う場合に、各裏QRコード402,412,422の位置を把握し易くなるとともに、遊技盤13、内枠12及び主制御装置110の確認作業を効率化することができる。
さらに、盤側シール400の盤裏QRコード402と、枠側シール410の枠裏QRコード412とのパチンコ機10の背面方向に部品が配置されず、パチンコ機10の背面側から盤裏QRコード402及び枠裏QRコード412が露出した状態で配置される(図23参照)。これにより、カバー等の他の部品を取り外すことなく各裏QRコード402,412,422を読み取り装置600によって読み取ることが可能となり、遊技盤13、内枠12及び主制御装置110の確認作業を効率化することができる。
次に、図26を参照して、第5実施形態のパチンコ機10と、該パチンコ機10と通信可能に接続されるホールコンピュータ500と、該ホールコンピュータ500と通信可能に構成される読み取り装置600と、上記ホールコンピュータ500及び各製造メーカMA〜MCのデータサーバ701〜703との電気的構成について説明する。第5実施形態において、第1実施形態乃至第4実施形態と異なる点は、読み取り装置600において盤側シール400の遊技盤番号情報403、枠側シール410の枠番号情報413、及び、主基板シール420の主基板番号情報423を読み取ることが可能な番号用回路621及び番号スキャン部622が設けられている点である。
第5実施形態の読み取り装置600のMPU601には、第1QR用回路606を介して第1QRスキャン部607が接続されているとともに、番号用回路621を介して番号スキャン部622が接続されている。
この第1QR用回路606及び第1QRスキャン部607によって盤側シール400に設けられた盤QRコード401,402、枠側シール410に設けられた枠QRコード411,412、又は、主基板シール420に設けられた主QRコード421a,322の読み取り機能が果たされ、番号用回路621及び番号スキャン部622によって上述した遊技盤番号情報403、枠番号情報413又は主基板番号情報423の読み取り機能が果たされる。
第5実施形態では、読み取り装置600の操作部610の1回の操作により、1のQRコード401,402,411,412,421a,422と、該QRコード401,402,411,412,421a,422に付随する(の近傍に位置する)番号情報403,413,423とが同時に読み込まれる処理が実行される。そして、その読み取り処理において、少なくとも、QRコード401,402,411,412,421a,422と番号情報403,413,423とのいずれか一方が正常に読み取れた場合に、MPU601は、読み取り処理が正常に完了したものとして、読み取った遊技盤番号、枠番号又は主基板番号に基づく処理(即ち、読み取った情報と組み合わせデータに記憶される内容とが一致しているか否かの判別処理)を実行する。
製造メーカの担当者や遊技ホールの関係者は、遊技盤13、内枠12および主制御装置110の組み合わせの確認処理を行う場合に、読み取り装置600によって1のパチンコ機10における遊技盤13、内枠12及び主制御装置110のすべてを読み取り、読み取った遊技盤13、内枠12及び主制御装置110の組み合わせが正常であるとき、該1のパチンコ機10での認証作業が完了したものとして、次のパチンコ機(例えば、隣接するパチンコ機10)の読み取り作業を行う。従って、1のパチンコ機10の確認作業において、例えば、遊技盤13、内枠12及び主制御装置110の少なくともいずれか1つを読み取ることなく、次のパチンコ機の読み取り作業を行ってしまった場合、1のパチンコ機10における遊技盤13、内枠12及び主制御装置110の組み合わせが正常でないため、読み取りエラー(組み合わせ異常)となってしまい、再び1のパチンコ機10の読み取り作業を行わなければならない。
しかしながら、製造メーカの営業者や遊技ホールの関係者は、確認作業中において、1のパチンコ機10におけるいずれのQRコード401,402,411,412,421a,422を読み取ったか否かを忘れてしまった場合、1のパチンコ機10における確認作業の途中で(完結させることなく)次のパチンコ機の確認作業を行ってしまうことで、読み取りエラーを発生させて作業効率が低下するおそれがある。
そこで、第5実施形態のパチンコ機10では、読み取り装置600でQRコード401,402,411,412,421a,422、又は、番号情報403,413,423を読み取った場合に、該読み取り装置600の表示部611の背景色をそれぞれ異ならせるとともに、読み取ったQRコード401,402,411,412,421a,422,又は、番号情報403,413,423の組み合わせに応じて表示部611の背景色を変化させるように、各QRコード401,402,411,412,421a,422の符号化情報、及び、番号情報403,413,423の印刷内容が設定されている。そして、1のパチンコ機10において遊技盤13に対応する盤QRコード401,402又は遊技盤番号情報403、内枠12に対応する枠QRコード411,412又は枠番号情報413、並びに、主制御装置110に対応する主QRコード421a,422又は主基板番号情報423のすべてを正常に読み込んで、1のパチンコ機10における遊技盤13、内枠12及び主制御装置110の組み合わせが正常であった場合には、読み取り装置600の表示部611における背景色を特定の色(第5実施形態では、「白」)で表示し、製造メーカの営業者や遊技ホールの関係者に1のパチンコ機10における確認作業が完結したことを報知可能に構成されている。
ここで、図27を参照して、盤QRコード401,402又は遊技盤番号情報403、枠QRコード411,412又は枠番号情報413、及び、主QRコード421a,422又は主基板番号情報423を読み取り装置600で読み取った場合に、読み取り装置600の表示部611で表示される背景色について説明する。図27は、盤QRコード401,402若しくは遊技盤番号情報403、枠QRコード411,412若しくは枠番号情報413、又は、主QRコード421a,422若しくは主基板番号情報423を読み込んだ場合に、読み取り装置600の表示部611の背景色に表示される表示色の一例を示した模式図である。
図27で示すように、内枠12に貼付されている枠側シール410の枠QRコード411,412及び枠番号情報413には、該枠QRコード411,412、又は、枠番号情報413を読み取り装置600において正常に読み取れた場合に、該読み取り装置600の表示部611の背景色を、加法混色して「白」を表示するための三原色の一つである「青」を含む色で表示させるように枠QRコード411,412の符号化情報及び枠番号情報413が設定されている。
また、遊技盤13に貼付されている盤側シール400の盤QRコード401,402及び遊技盤番号情報403には、該盤QRコード401,402、又は、遊技盤番号情報403を読み取り装置600において正常に読み取れた場合に、該読み取り装置600の表示部611の背景色を、加法混色して「白」を表示するための三原色の一つである「緑」を含む色で表示させるように盤QRコード401,402の符号化情報及び遊技盤番号情報403が設定されている。
また、主制御装置110の基板ボックス100に貼付されている主基板シール420の主QRコード421a,422及び主基板番号情報423には、該主QRコード421a,422、又は、主基板番号情報423を読み取り装置600において正常に読み取れた場合に、該読み取り装置600の表示部611の背景色を、加法混色により「白」を表示するための三原色の一つである「赤」を含む色で表示させるように主QRコード421a,422の符号化情報及び主基板番号情報423が設定されている。
即ち、読み取り装置600で各QRコード401,402,411,412,421a,422、又は、番号情報403,413,423を読み取った場合、読み取った内容に基づいて該読み取り装置600の表示部611の背景色が加法混色によって変化する。具体的には、枠QRコード411,412又は枠番号情報413のみを読み取っている状態では、表示部611の背景色が「青」で表示され、盤QRコード401,402又は遊技盤番号情報403のみを読み取っている状態では、表示部611の背景色が「緑」で表示され、主QRコード421a,422又は主基板番号情報423のみを読み取っている状態では、表示部611の背景色が「赤」で表示される。
また、枠QRコード411,412又は枠番号情報413、及び、盤QRコード401,402又は遊技盤番号情報403をそれぞれ読み取っている状態では、表示部611の背景色が、「青」と「緑」とを組み合わせて加法混色した「水色」で表示され、枠QRコード411,412又は枠番号情報413、及び、主QRコード421a,422又は主基板番号情報423をそれぞれ読み取っている状態では、表示部611の背景色が、「青」と「赤」とを組み合わせて加法混色により「紫」で表示され、盤QRコード401,402又は遊技盤番号情報403、及び、主QRコード421a,422又は主基板番号情報423をそれぞれ読み取っている状態では、表示部611の背景色が、「緑」と「赤」とを組み合わせて加法混色により「黄色」で表示される。
そして、枠QRコード411,412又は枠番号情報413、盤QRコード401,402又は遊技盤番号情報403、及び、主QRコード421a,422又は主基板番号情報423のすべてをそれぞれ読み取っている状態では、表示部611の背景色が、「青」と「緑」と「赤」とを組み合わせて加法混色により「白」で表示される。
このように構成することで、製造メーカの営業者や遊技ホールの関係者が読み取り装置600によって1のパチンコ機10における遊技盤13、内枠12及び主制御装置110の組み合わせが正常か否かの確認作業を行う場合に、読み取り装置600の表示部611の背景色を確認することで、確認作業が適正に完了したか否かや、いずれの確認作業が終了若しくは未実行か否かを表示部611の背景色を確認することで可能となる。よって、例えば、読み取り装置600において文字等を表示する機能を有していない場合であっても、確認作業の実行状況を製造メーカの担当者や遊技ホールの関係者に認識させることが可能となり、確認作業を効率化するとともに、読み取り装置600の構成を簡易なものとすることができる。
なお、上記確認作業において、製造メーカの担当者がパチンコ機10における遊技盤13、内枠12及び主制御装置110の組み合わせを確認する場合、自身が保有する携帯端末(例えば、スマートフォン)において、製造メーカのデータサーバのサイトにアクセスし、該サイトにおいて所定の認証情報を入力してログインをした状態において確認作業が行われる。この場合、携帯端末における所定の操作(例えば、サイトをブラウザ上で表示した状態での読み取り処理実行)によって、各QRコード401,402,411,412,421a,422、及び、番号情報403,413,423の読み取り機能を使用し、各QRコード401,402,411,412,421a,422、及び、番号情報403,413,423を読み取れた場合に、上記読み取り装置600の表示部611と同様、読み取った内容に応じて携帯端末の表示部(ブラウザ)の背景色を変化させる。このように構成することで、専用のアプリを開発することなく、データサーバ上にサイトを運営するのみで上記確認作業を行うことができ、低コストで上記システムを構築することができる。
次に、図28のフローチャートを参照して、第5実施形態における読み取り装置600内のMPU601により実行される一処理であるメイン処理を説明する。図28は、このメイン処理を示すフローチャートである。第5実施形態における読み取り装置600のメイン処理では、読み取り装置600の操作部610が操作された場合に、各QRコード401,402,411,412,421a,422、又は、番号情報403,413,423の読み取り処理(S206)が実行される。
図28で示すように、S205の処理において、読み取り装置600の操作部610がオン(操作)された場合に(S205:Yes)、各QRコード401,402,411,412,421a,422、又は、各番号情報403,413,423を読み取って、読み取った各QRコード401,402,411,412,421a,422、又は、各番号情報403,413,423に応じた制御を行うための読み取り処理が実行され(S206)、その後、処理をS209へ移行する。
ここで、図29を参照して、メイン処理内で実行される上記読み取り処理(S206)について説明する。図29は、第5実施形態の読み取り装置600のMPU601により実行される読み取り処理(S206)を示すフローチャートである。第5実施形態の読み取り処理(S206)では、各QRコード401,402,411,412,421a,422、又は、各番号情報403,413,423を読み取れた場合に、その時点で既に読み取り済みの各QRコード401,402,411,412,421a,422、又は、各番号情報403,413,423と、今回読み取った各QRコード401,402,411,412,421a,422、又は、各番号情報403,413,423に基づいて、表示部611の背景色を設定する。
第5実施形態の読み取り処理(S206)では、まず、枠番号が読み取れたか否か、即ち、少なくとも、枠QRコード411,412又は枠番号情報413のいずれか一方が正常に読み取れたか否かを判別する(S251)。判別の結果、枠番号が読み取れていなければ(S251:No)、処理をS259へ移行する。一方、枠番号が読み取れた場合、即ち、少なくとも、枠QRコード411,412又は枠番号情報413のいずれか一方が正常に読み取れていた場合は(S251:Yes)、現時点で他のQRコード401,402,421a,422、又は、番号情報403,423が読み取れているか否かを確認すべく、S252の処理に移行する。
S252の処理では、遊技盤番号が読み取り済みか否か、即ち、少なくとも、盤QRコード401,402又は遊技盤番号情報403のいずれか一方が正常に読み取り済みか否かを判別する(S252)。判別の結果、遊技盤番号が読み取り済みでなければ(S252:No)、次いで、主基板番号が読み取り済みか否か、即ち、少なくとも、主QRコード421a,422又は主基板番号情報423のいずれか一方が正常に読み取り済みか否かを判別する(S253)。判別の結果、主基板番号が読み取り済みでなければ(S253:No)、現時点では枠番号のみが読み取れている状態であるので、読み取り装置600の表示部611の背景色を「青」で表示し(S254)、この読み取り処理(S206)を終了して、メイン処理に戻る。一方、主基板番号が読み取り済みである場合は(S253:Yes)、現時点で枠番号と主基板番号とを読み取れている状態であるので、読み取り装置600の表示部611の背景色を「青」と「赤」との加法混色である「紫」で表示し(S255)、この読み取り処理(S206)を終了して、メイン処理に戻る。
一方、S252の処理において、遊技盤番号を読み取り済みであると判別された場合は(S252:Yes)、次いで、主基板番号が読み取り済みか否かを判別する(S256)。判別の結果、主基板番号が読み取り済みでなければ(S256:No)、現時点で枠番号と遊技盤番号とを読み取れている状態であるので、読み取り装置600の表示部611の背景色を「青」と「緑」との加法混色である「水色」で表示し(S257)、この読み取り処理(S206)を終了して、メイン処理に戻る。一方、主基板番号が読み取り済みである場合は(S256:Yes)、現時点で1のパチンコ機10における遊技盤13、内枠12及び主制御装置110を読み取った状態であるので、読み取り装置600の表示部611の背景色を、「青」と「緑」と「赤」との加法混色である「白」で表示し(S258)、この読み取り処理(S206)を終了して、メイン処理に戻る。
なお、S251の処理で読み取った枠番号と、S252において読み取り済みであると判別された遊技盤番号、又は、S253若しくはS256において読み取り済みであると判別された主基板番号との組み合わせが正常であるか否かは、メイン処理(図28参照)のS209において判別され、組み合わせが正常でない場合には、エラー信号をホールコンピュータ500に送信するとともに、読み取り装置600の表示部611においても読み取りエラーである旨を示す背景色(例えば、背景色を「灰色」)を表示する。
次に、S259の処理において、遊技盤番号が読み取れたか否か、即ち、少なくとも、盤QRコード401,402又は遊技盤番号情報403のいずれか一方が正常に読み取れたか否かを判別する(S259)。判別の結果、遊技盤番号が読み取れていなければ(S259:No)、処理をS267へ移行する。一方、遊技盤番号が読み取れた場合、即ち、少なくとも、盤QRコード401,402又は遊技盤番号情報403のいずれか一方が正常に読み取れていた場合は(S259:Yes)、現時点で他のQRコード411,412,421a,422、又は、番号情報413,423が読み取れているか否かを確認すべく、S260の処理に移行する。
S260の処理では、枠番号が読み取り済みか否か、即ち、少なくとも、枠QRコード411,412又は枠番号情報413のいずれか一方が正常に読み取り済みか否かを判別する(S260)。判別の結果、枠番号が読み取り済みでなければ(S260:No)、次いで、主基板番号が読み取り済みか否か、即ち、少なくとも、主QRコード421a,422又は主基板番号情報423のいずれか一方が正常に読み取り済みか否かを判別する(S261)。判別の結果、主基板番号が読み取り済みでなければ(S261:No)、現時点では遊技盤番号のみが読み取れている状態であるので、読み取り装置600の表示部611の背景色を「緑」で表示し(S262)、この読み取り処理(S206)を終了して、メイン処理に戻る。一方、主基板番号が読み取り済みである場合は(S261:Yes)、現時点で遊技盤番号と主基板番号とを読み取れている状態であるので、読み取り装置600の表示部611の背景色を「緑」と「赤」との加法混色である「黄色」で表示し(S263)、この読み取り処理(S206)を終了して、メイン処理に戻る。
一方、S260の処理において、枠番号を読み取り済みであると判別された場合は(S260:Yes)、次いで、主基板番号が読み取り済みか否かを判別する(S264)。判別の結果、主基板番号が読み取り済みでなければ(S264:No)、現時点で遊技盤番号と枠番号とを読み取れている状態であるので、読み取り装置600の表示部611の背景色を「緑」と「青」との加法混色である「水色」で表示し(S265)、この読み取り処理(S206)を終了して、メイン処理に戻る。一方、主基板番号が読み取り済みである場合は(S264:Yes)、現時点で1のパチンコ機10における遊技盤13、内枠12及び主制御装置110を読み取った状態であるので、読み取り装置600の表示部611の背景色を、「青」と「緑」と「赤」との加法混色である「白」で表示し(S266)、この読み取り処理(S206)を終了して、メイン処理に戻る。
なお、S259の処理で読み取った遊技盤番号と、S260において読み取り済みであると判別された枠番号、又は、S261若しくはS264において読み取り済みであると判別された主基板番号との組み合わせが正常であるか否かは、メイン処理(図28参照)のS209において判別され、組み合わせが正常でない場合には、エラー信号をホールコンピュータ500に送信するとともに、読み取り装置600の表示部611においても読み取りエラーである旨を示す背景色(例えば、背景色を「灰色」)を表示する。
次に、S267の処理において、主基板番号が読み取れたか否か、即ち、少なくとも、主QRコード421a,422又は主基板番号情報423のいずれか一方が正常に読み取れたか否かを判別する(S267)。判別の結果、主基板番号が読み取れていなければ(S267:No)、この読み取り処理(S206)を終了して、メイン処理に戻る。一方、主基板番号が読み取れた場合、即ち、少なくとも、主QRコード421a,422又は主基板番号情報423のいずれか一方が正常に読み取れていた場合は(S267:Yes)、現時点で他のQRコード401,402,411,412、又は、番号情報403,413が読み取れているか否かを確認すべく、S268の処理に移行する。
S268の処理では、枠番号が読み取り済みか否か、即ち、少なくとも、枠QRコード411,412又は枠番号情報413のいずれか一方が正常に読み取り済みか否かを判別する(S268)。判別の結果、枠番号が読み取り済みでなければ(S268:No)、次いで、遊技盤番号が読み取り済みか否か、即ち、少なくとも、盤QRコード401,402又は遊技盤番号情報403のいずれか一方が正常に読み取り済みか否かを判別する(S269)。判別の結果、遊技盤番号が読み取り済みでなければ(S269:No)、現時点では主基板番号のみが読み取れている状態であるので、読み取り装置600の表示部611の背景色を「赤」で表示し(S270)、この読み取り処理(S206)を終了して、メイン処理に戻る。一方、遊技盤番号が読み取り済みである場合は(S269:Yes)、現時点で主基板番号と遊技盤番号とを読み取れている状態であるので、読み取り装置600の表示部611の背景色を「赤」と「緑」との加法混色である「黄色」で表示し(S271)、この読み取り処理(S206)を終了して、メイン処理に戻る。
一方、S268の処理において、枠番号を読み取り済みであると判別された場合は(S268:Yes)、次いで、遊技盤番号が読み取り済みか否かを判別する(S272)。判別の結果、遊技盤番号が読み取り済みでなければ(S272:No)、現時点で主基板番号と枠番号とを読み取れている状態であるので、読み取り装置600の表示部611の背景色を「赤」と「青」との加法混色である「紫」で表示し(S273)、この読み取り処理(S206)を終了して、メイン処理に戻る。一方、遊技盤番号が読み取り済みである場合は(S272:Yes)、現時点で1のパチンコ機10における遊技盤13、内枠12及び主制御装置110を読み取った状態であるので、読み取り装置600の表示部611の背景色を、「青」と「緑」と「赤」との加法混色である「白」で表示し(S274)、この読み取り処理(S206)を終了して、メイン処理に戻る。
なお、S267の処理で読み取った主基板番号と、S268において読み取り済みであると判別された枠番号、又は、S269若しくはS272において読み取り済みであると判別された遊技盤番号との組み合わせが正常であるか否かは、メイン処理(図28参照)のS209において判別され、組み合わせが正常でない場合には、エラー信号をホールコンピュータ500に送信するとともに、読み取り装置600の表示部611においても読み取りエラーである旨を示す背景色(例えば、背景色を「灰色」)を表示する。
このように、読み取り装置600によって読み取ったQRコード401,402,411,412,421a,422、又は、番号情報403,413,423に応じて、表示部611の背景色を、読み取った内容を識別して報知するとともに、1のパチンコ機10における各QRコード401,402,411,412,421a,422、又は、各番号情報403,413,423をすべて正常に読み取った場合には、その旨を識別可能に報知するように構成する。このように構成することで、1のパチンコ機10における遊技盤13、内枠12及び主制御装置110の組み合わせが正常か否かの確認作業を行う場合に、読み取り装置600の表示部611の背景色を確認することで、確認作業が適正に完了したか否かや、いずれの確認作業が終了若しくは未実行か否かを表示部611の背景色を確認することで可能となる。よって、確認作業の実行状況を製造メーカの担当者や遊技ホールの関係者に認識させることが可能となり、確認作業を効率化することができる。
次に、図30を参照して、第5実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。図30は、主に主制御装置110の電気的構成を示すブロック図である。
図30で示すように、主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置111,113へ各種の制御コマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110から払出制御装置111又は音声ランプ制御装置113へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、大当たり抽選や特別図柄表示装置37(以下、「第1図柄表示装置37」と称する場合がある)および第3図柄表示装置81における動的表示および変動演出の設定、普通図柄表示装置83(以下、「第2図柄表示装置83」と称する場合がある)における可変表示の表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタを格納するカウンタ用バッファ203cが設けられている。
また、ROM202は、大当たり乱数テーブル202a、大当たり種別テーブル202b、保留数テーブル202c、停止パターンテーブル202d、変動パターンテーブル202eを少なくとも格納している。RAM203に格納された各種カウンタと、ROM202に格納された各種テーブルとによって、主制御装置110は、上記の主要な制御を実行する。
ここで、図31を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、大当たり抽選や、特別図柄表示装置37の動的表示の設定、および第3図柄表示装置81の変動演出の設定、普通図柄表示装置83における可変表示の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。また、各種カウンタの説明の中で、図32乃至図37を参照して、主制御装置110のROM202に格納された各種テーブルについても説明する。
大当たり抽選や、特別図柄表示装置37の動的表示の設定、および、第3図柄表示装置81の変動演出の設定には、大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の停止種別の選択に使用する大当たり種別カウンタC2と、変動演出の演出態様の選択に使用する停止パターン選択カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。
また、普通図柄表示装置83の抽選には、普図当たりカウンタC4が用いられ、普図当たりカウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後「0」に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図38参照)の実行間隔である「4ミリ秒」間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図43参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファ203cに適宜格納される。詳細については後述するが、RAM203には、第1特別図柄に関する4つの保留エリア(第1保留第1〜第4エリア)からなる第1保留球格納エリア203dと、第2特別図柄に関する4つの保留エリア(第2保留第1〜第4エリア)からなる第2保留球格納エリア203eとが設けられており、これらの各エリアには、第1入球口又は第2始動口(図示せず)の入球タイミングに合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。大当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、「0〜899」)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、「0〜899」の値を取り得るカウンタの場合は「899」)に達した後「0」に戻る構成となっている。特に、大当たり乱数カウンタC1の更新が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれ、その初期値から大当たり乱数カウンタC1の更新が行われる。
第1初期値乱数カウンタCINI1は、大当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、大当たり乱数カウンタC1が「0〜899」の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、「0〜899」の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図38参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図43参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
大当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(第1実施形態では、タイマ割込処理(図38参照)毎に1回)更新される。そして、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、第1入球口64(第1特別図柄)に対応して設けられたRAM203の第1保留球格納エリア203dに設けられた第1保留第1〜第4エリアのいずれかの第1保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1に格納される。また、球が第2始動口(図示せず)に入賞(始動入賞)したタイミングで、第2始動口(第2特別図柄)に対応して設けられたRAM203の第2保留球格納エリア203eに設けられた第2保留第1〜第4エリアのいずれかの第2保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203e1に格納される。
大当たり乱数カウンタC1が大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される大当たり乱数テーブル202aによって設定されており、保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1,203e1に格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、大当たりと判定される。
ここで、図32を参照して、大当たり乱数テーブル202aの詳細について説明する。図32は、ROM202に記憶される大当たり乱数テーブル202aの一例を模式的に示した模式図である。大当たり乱数テーブル202aは、パチンコ機10の遊技状態が、「通常遊技状態」又は「時間短縮状態」である特別図柄の低確率状態(「確率変動状態」ではない期間)の場合に使用される低確率状態用と、パチンコ機10の遊技状態が、低確率状態より大当たりとなる確率の高い特別図柄の高確率状態である「確率変動状態(確変中)」の場合に使用される高確率状態用との2種類に分けられる。そして、低確率状態用と高確率状態用とのそれぞれに含まれる大当たりとなる乱数の数が異なって設定されている。このように、大当たりとなる乱数の数を異ならせることにより、低確率状態と高確率状態とで、大当たりとなる確率が変更される。
第1実施形態のパチンコ機10では、低確率状態の場合に大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値(大当たり乱数値)の数は3個で、その値「7,307,582」が、大当たり乱数テーブル202aに格納されている。つまり、低確率状態(即ち、「通常遊技状態」及び「時間短縮状態」)における特別図柄の大当たり確率は、3/900=1/300となるように設定されている。
一方で、高確率状態の場合に大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値)の数は9個で、その値「28,122,298,390,486,567,656,750,866」が、大当たり乱数テーブル202aに格納されている。つまり、高確率状態(即ち、「確率変動状態」)における特別図柄の大当たり確率は、9/900=1/100となるように設定されている。
なお、第1実施形態では、大当たり乱数テーブル202aに格納されている低確率状態用の大当たり乱数値と、高確率状態用の大当たり乱数値とで、重複した値とならないように、それぞれ大当たり乱数値を設定している。ここで、パチンコ機10の状況にかかわらず大当たり乱数値となる値が存在すれば、その値が外部から予測されやすくなるので、不正に大当たりを引き当てられる可能性が高くなる恐れがある。これに対して、第1実施形態のように、状況に応じて(即ち、パチンコ機10が高確率状態か低確率状態か、に応じて)、大当たりとなる乱数の値を変えることで、大当たりとなる乱数の値が予測され難くすることができるので、不正に対する抑制を図ることができる。
図31に戻って、説明を続ける。大当たり種別カウンタC2は、大当たりとなった場合の大当たり種別を決定するものであり、所定の範囲(例えば、「0〜99」)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、「0〜99」の値を取り得るカウンタの場合は「99」)に達した後に「0」に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(第1実施形態では、タイマ割込処理(図38参照)毎に1回)更新される。そして、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、第1入球口64(第1特別図柄)に対応して設けられたRAM203の第1保留球格納エリア203dに設けられた第1保留第1〜第4エリアのうち大当たり乱数カウンタC1が格納される第1保留エリアと同じ第1保留エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203d2に格納される。また、球が第2始動口(図示せず)に入賞(始動入賞)したタイミングで、第2始動口(第2特別図柄)に対応して設けられたRAM203の第2保留球格納エリア203eに設けられた第2保留第1〜第4エリアのうち大当たり乱数カウンタC1が格納される第2保留エリアと同じ第2保留エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203e2に格納される。
ここで、例えば、第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203e内の1の保留エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数でなければ、即ち、ハズレとなる乱数であれば、変動演出における変動パターンや、停止図柄の種別(以下「停止種別」と称す)は、ハズレ時のものとなる。一方で、第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203e内の1の保留エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数であれば、変動演出における変動パターンや停止種別は大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の変動パターンおよび停止種別は、同じ保留エリアに格納された大当たり種別カウンタC2の値が示す大当たり種別に対応して決定される。
第1実施形態のパチンコ機10における大当たり種別カウンタC2の値は、「0〜99」の範囲のループカウンタとして構成されている。この大当たり種別カウンタC2とROM202に格納された大当たり種別テーブル202bとに基づいて、大当たり種別が決定される。この大当たり種別テーブル202bには、第1特別図柄の第1抽選遊技で参照される特図1用大当たり種別テーブル202b1と、第2特別図柄の第2抽選遊技で参照される特図2用大当たり種別テーブル202b2とが設けられている。
ここで、図33(a)及び図33(b)を参照して、特図1用大当たり種別テーブル202b1及び特図2用大当たり種別テーブル202b2について説明する。図33(a)は、ROM202に記憶される第1特別図柄に対応する特図1用大当たり種別テーブル202b1の一例を模式的に示した図であり、図33(b)は、同じくROM202に記憶される第2特別図柄に対応する特図2用大当たり種別テーブル202b2の一例を模式的に示した図である。図33(a)及び図33(b)に示すように、大当たり種別テーブル202bは、特別図柄の種別と、該特別図柄の種別に応じた大当たり種別と、大当たり種別カウンタC2の値とを対応付けたテーブルである。
大当たり種別としては、上述したように、最大ラウンド数が10ラウンドの大当たり後に、特別図柄の変動演出において次回大当たりが発生するまでの間、特別図柄の大当たり確率及び普通図柄の当たり確率が共に高確率状態となる「10R確変大当たり」である「確変A」と、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たり後に、特別図柄の変動演出において次回大当たりが発生するまでの間、特別図柄の大当たり確率及び普通図柄の当たり確率が共に高確率状態となる「4R確変大当たり」である「確変B」と、最大ラウンド数が10ラウンドの大当たり後に、特別図柄の変動演出が100回実行されるまでの間、普通図柄の当たり確率が高確率状態となるが、特別図柄の大当たり確率が低確率状態(所謂、時短100回)となる「時間短縮状態」へ移行する「10R時短大当たり」である「時短A」と、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たり後に、特別図柄の変動演出が50回実行されるまでの間、普通図柄の当たり確率が高確率状態となるが、特別図柄の大当たり確率が低確率状態(所謂、時短50回)となる「時間短縮状態」へ移行する「4R時短大当たり」である「時短B」とがある。
特図1用大当たり種別テーブル202b1及び特図2用大当たり種別テーブル202b2では、それぞれ、各大当たり種別に対して、その大当たり種別を決定する大当たり種別カウンタC2の取り得る値が対応付けられている。
図33(a)の特図1用大当たり種別テーブル202b1の例では、「10R確変大当たり」である「確変A」に対して大当たり種別カウンタC2の値「0〜19」が対応付けられ、同じく「4R確変大当たり」である「確変B」に対して大当たり種別カウンタC2の値「20〜79」が対応付けられ、「4R時短大当たり」である「時短B」に対して大当たり種別カウンタC2の値「80〜99」が対応付けられている。
第1実施形態における第1特別図柄の当否抽選において、第1保留球格納エリア203dのいずれかの第1保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1に格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値であった場合に、同じ第1保留エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203d2に格納された大当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別が特図1用大当たり種別テーブル202b1から決定される。
例えば、大当たり種別カウンタC2の値が「15」であれば、大当たり種別として「10R確変大当たり」に対応する「確変A」が決定され、大当たり種別カウンタC2の値が「35」であれば、大当たり種別として「4R確変大当たり」に対応する「確変B」が決定され、大当たり種別カウンタC2の値が「95」であれば、大当たり種別として「4R時短大当たり」に対応する「時短B」が決定される。
即ち、第1特別図柄の第1抽選遊技(即ち、第1入球口64への入球に基づく抽選)において大当たりに当選した場合には、「確変A」の大当たり種別が20%の割合で選択され、「確変B」の大当たり種別が60%の割合で選択され、「時短B」の大当たり種別が20%の割合で均等に選択されるように構成されている。即ち、第1特別図柄の第1抽選遊技では、「確変B」の大当たり種別が最も選択され易く構成されている一方、「時短A」の大当たり種別は選択され得ないように構成されている。
また、図33(b)の特図2用大当たり種別テーブル202b2の例では、「10R確変大当たり」である「確変A」に対して大当たり種別カウンタC2の値「0〜79」が対応付けられ、「10R時短大当たり」である「時短A」に対して大当たり種別カウンタC2の値「80〜99」が対応付けられている。
第1実施形態における第2特別図柄の当否抽選において、第1特別図柄の当否抽選と同様、第2保留球格納エリア203eのいずれかの保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203e1に格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値であった場合に、同じ保留エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203e2に格納された大当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別が特図2用大当たり種別テーブル202b2から決定される。
例えば、大当たり種別カウンタC2の値が「10」であれば、大当たり種別として「10R確変大当たり」に対応する「確変A」が決定され、大当たり種別カウンタC2の値が「85」であれば、大当たり種別として「10R時短大当たり」に対応する「時短A」が決定される。
即ち、第2特別図柄の第2抽選遊技(即ち、第2始動口への入球に基づく抽選)において大当たりに当選した場合には、「確変A」の大当たり種別が80%の割合で選択され、「時短A」の大当たり種別が20%の割合で選択されるように構成されている。よって、第2特別図柄の第2抽選遊技では、「確変A」の大当たり種別が最も選択され易く構成されている一方、「確変B」及び「時短B」の大当たり種別は選択され得ないように構成されている。
従って、第1実施形態のパチンコ機10では、第1特別図柄による抽選遊技より、第2特別図柄による抽選遊技の方が、遊技者にとって遊技価値が大きいため、遊技者は、如何にして第2特別図柄による抽選を受けるか、即ち、第1入球口64に入球させるより第2始動口64bへ入球させるかという遊技性が生まれ、遊技にバリエーションを設け、遊技の興趣が高められている。
なお、大当たりとなった場合にそれぞれの大当たり種別が選択される確率は、機種によって適宜設定される。そして、その設定された確率に応じて、大当たり種別テーブル202bにて、各大当たり種別に対して対応付けられる大当たり種別カウンタC2の値が規定される。特に、同一の製造メーカから大当たり確率又は/及び大当たり種別の選択確率が異なるパチンコ機10が販売され、遊技盤13のみが遊技ホールに納入される場合があり、遊技盤13の見た目のみでは、上記確率違いを認識し難い場合がある。このような場合に、上述した読み取り装置600によって、遊技盤13、内枠12及び主制御装置110の組み合わせが正常か否かを各QRコード401,402,411,412,421a,422、又は、番号情報403,413,423を読み取ることで、その確認作業の効率を向上することができる。
また、大当たり種別が選択される確率は、パチンコ機10の遊技状態に応じて変更されてもよい。この場合、各遊技状態に対応する大当たり種別テーブル202bを用意し、それぞれの大当たり種別テーブル202bにおいて、各大当たり種別に対して対応付ける大当たり種別カウンタC2の値の数を変更すればよい。
図31に戻って、各種カウンタの説明を続ける。停止パターン選択カウンタC3は、例えば「0〜99」の範囲内で順に「1」ずつ加算され、最大値(つまり「99」)に達した後「0」に戻る構成となっている。
第1実施形態では、保留されている変動演出の保留数と停止パターン選択カウンタC3の値とによって、第3図柄表示装置81で表示される大当たり時およびハズレ時の変動演出の大まかな演出態様が選択される。具体的には、「リーチ表示」が発生しない「非リーチ(ショート)」演出態様又は「非リーチ(ロング)」演出態様と、「リーチ表示」として「ノーマルリーチ」の変動要素のみが実行される「ノーマルリーチ」演出態様と、該「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して「スーパーリーチ」の変動要素が実行される「スーパーリーチ」演出態様と、同じく「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して「スペシャルリーチ」の変動要素が実行される「スペシャルリーチ」演出態様との5つの演出態様が選択される。
ここで、各演出態様について詳細に説明する。演出態様の中で、「非リーチ(ショート)」演出態様と「非リーチ(ロング)」演出態様とは、第3図柄表示装置81の主表示領域の各表示領域にて「高速変動」の変動要素が行われた後に、該左表示領域及び右表示領域に同一の第3図柄が停止せずに「リーチ表示」を発生しない演出態様である。
「高速変動」の変動要素とは、第3図柄表示装置81の主表示領域で行われる変動演出において、各図柄列に表示される第3図柄が、表示画面縦方向下方に高速にスクロールされている変動要素をいう。この「高速変動」では、遊技者によって第3図柄の表示内容を明確に認識できないように第3図柄を変動させ、前回停止表示された変動演出の停止結果を不規則に混ぜる(シャッフルする)演出として実行される。
第1実施形態のパチンコ機10では、「高速変動」の変動要素が行われた後、特定の演出態様(「非リーチ(ショート)」演出態様)を除いて「低速変動」の変動要素が行われるように構成されている。「低速変動」の変動要素とは、第3図柄表示装置81の主表示領域で行われる変動演出において、上記「高速変動」の変動要素後、遊技者に視認可能な速度で第3図柄を低速にスクロールしている変動要素をいう。この「低速変動」の変動要素では、遊技者に第3図柄の表示内容を認識させながら、左図柄列→右図柄列→中図柄列の順に第3図柄を停止表示する。左図柄列及び右図柄列において同一の第3図柄が停止した場合は「リーチ表示」が発生したとして「ノーマルリーチ」の変動要素へと発展する一方、左図柄列及び右図柄列において異なる第3図柄が停止した場合は、中図柄列を停止表示して、その変動演出を終了するように構成されている(後述する「疑似連」に発展する場合は除く)。
従って、「非リーチ(ロング)」演出態様では、「高速変動」の変動要素が行われた後に「低速変動」の変動要素が行われて、各図柄列がそれぞれ順番に停止し、1の変動演出が終了する。一方、「非リーチ(ショート)」演出態様では、「高速変動」が行われた後に「低速変動」の変動要素が行われず、該「高速変動」の変動要素の終了後、各図柄列が同時に停止し、1の変動演出が終了する。
演出態様の中で、「ノーマルリーチ」演出態様とは、主表示領域の各図柄列の変動演出において、左図柄列及び右図柄列に同一の第3図柄が停止した直後に「ノーマルリーチ」の変動要素が実行され、他の「リーチ表示」、即ち、「スーパーリーチ」の変動要素や「スペシャルリーチ」の変動要素に発展しない「リーチ表示」の演出態様の1つである。この「ノーマルリーチ」の変動要素では、上述したように、主表示領域の左図柄列(左表示領域)及び右図柄列(右表示領域)に停止表示している第3図柄が通常時より拡大して表示される。また、中図柄列(中表示領域)の第3図柄が低速で表示画面縦方向下方へスクロールして、遊技者により該中表示領域の第3図柄が視認可能な状態で表示される。さらに、この「ノーマルリーチ」の変動要素では、主表示領域の拡大表示に伴って、副表示領域が消去される(図示せず)。
演出態様の中で、「スーパーリーチ」演出態様とは、「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して「スーパーリーチ」の変動要素が実行される「リーチ表示」の演出態様の1つである。この「スーパーリーチ」演出態様において、「スーパーリーチ」の変動要素の実行中は、「ノーマルリーチ」の変動要素の表示状態から、コクピット表示領域が消去され、この「リーチ表示」の発生要因であった第3図柄のリーチ形成図柄が表示画面の表示領域左上に縮小表示される。そして、主表示領域の背景表示が「ノーマルリーチ」の変動要素から変化すると共に、複数のキャラクタ図柄を現出させて「バトル演出(例えば、キックボクシング)」を行う(図示せず)。
第1実施形態では、その「バトル演出」の結果(勝敗)に基づいて、変動演出の当否を示唆するように構成されている。具体的には、例えば、上記「バトル演出」において、遊技者側のキャラクタ図柄が敵側のキャラクタ図柄に勝利した場合には、その変動演出が「大当たり表示」となることを示唆し、遊技者側のキャラクタ図柄が敵側のキャラクタ図柄に負けた場合には、その変動演出が「ハズレ表示」となることを示唆するように構成されている。
演出態様の中で、「スペシャルリーチ」演出態様とは、「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して「スペシャルリーチ」の変動要素が実行される「リーチ表示」の演出態様の1つである。この「スペシャルリーチ」演出態様において、「スペシャルリーチ」の変動要素の実行中は、上記「スーパーリーチ」の変動要素と同様、「ノーマルリーチ」の変動要素の表示状態から、コクピット表示領域が消去され、この「リーチ表示」の発生要因であった第3図柄のリーチ形成図柄が表示画面の表示領域左上に縮小表示される。そして、主表示領域の背景表示が「ノーマルリーチ」の変動要素から変化すると共に、「スーパーリーチ」の変動要素とは異なる複数のキャラクタを現出させて「競争演出(例えば、自動車レース)」を行う(図示せず)。
第1実施形態では、その「競争演出」の結果(勝敗)に基づいて、変動演出の当否を示唆するように構成されている。具体的には、例えば、上記「競争演出」において、遊技者側のキャラクタ図柄が敵側のキャラクタ図柄に勝利した場合には、その変動演出が「大当たり表示」となることを示唆し、遊技者側のキャラクタ図柄が敵側のキャラクタ図柄に負けた場合には、その変動演出が「ハズレ表示」となることを示唆するように構成されている。
停止パターン選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(第1実施形態では、タイマ割込処理(図38参照)毎に1回)更新される。そして、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、第1入球口64(第1特別図柄)に対応して設けられたRAM203の第1保留球格納エリア203dに設けられた第1保留第1〜第4エリアのうち大当たり乱数カウンタC1が格納される第1保留エリアの停止パターン選択カウンタ格納エリア203d3に格納される。また、球が第2始動口に入賞(始動入賞)したタイミングで、第2始動口(第2特別図柄)に対応して設けられたRAM203の第2保留球格納エリア203eに設けられた第2保留第1〜第4エリアのうち大当たり乱数カウンタC1が格納される第2保留エリアの停止パターン選択カウンタ格納エリア203e3に格納される。
第1実施形態のパチンコ機10では、変動演出の当否と、現在の遊技状態と、現在保留中の変動演出の数(保留球数)とに応じて、停止パターン選択カウンタC3の値を参照する停止パターンテーブル202dが異なるように構成されている。即ち、停止パターンテーブル202dは、複数種類設けられ、待機中の変動演出の数(保留球数)等によって選択されるように構成されている。
また、第1実施形態では、変動演出の詳細な変動パターンを決定する場合に、まず、ROM202に備えられた保留数テーブル202cに基づいて、変動演出の当否と、現在の遊技状態と、現在の変動演出の数(保留球数)とに対応したいずれかの停止パターンテーブル202dが選択される。そして、選択された停止パターンテーブル202dと停止パターン選択カウンタC3の値とに基づいて変動演出の大まかな演出態様を選択する。その後、選択された演出態様と後述する変動種別カウンタCS1の値とに基づいて、変動演出の詳細な変動パターン(変動時間)が決定される。
この複数種類設けられた停止パターンテーブル202dは、各停止パターンテーブル202d毎に演出態様が選択される停止パターン選択カウンタC3の乱数値の範囲が異なるように設定されている。この停止パターンテーブル202dが複数用意されているのは、変動演出の当否、遊技状態及び保留球数に応じて変動演出の演出態様の選択比率を変更するためである。即ち、(1)取得した第3図柄の変動演出において大当たりが発生するか、(2)現在のパチンコ機10の遊技状態が「確率変動状態」、「時間短縮状態」又は「通常遊技状態」であるか、及び、(3)保留されている変動演出の保留球数がいくつあるか、に応じて、演出態様の選択比率を変更するためである。
これは、第1の理由として、各演出態様毎に大当たりとなる期待度を変化させるためである。即ち、大当たり抽選に当選した場合と大当たり抽選にハズレた場合とで、「非リーチ」演出態様、「ノーマルリーチ」演出態様、「スーパーリーチ」演出態様、及び、「スペシャルリーチ」演出態様の選択する割合を異ならせるように構成することで、各演出態様毎に大当たりとなる期待度を変化させる。具体的には、例えば、大当たり抽選に当選した場合に「スーパーリーチ」演出態様や「スペシャルリーチ」演出態様を選択し易く構成し、大当たり抽選に当選しなかった場合には、「非リーチ」演出態様や「ノーマルリーチ」演出態様を選択し易く構成する。このように構成することで、「スーパーリーチ」演出態様や「スペシャルリーチ」演出態様は、大当たりし易い演出とすることができ、「ノーマルリーチ」演出態様や「非リーチ」演出態様は、大当たりし難い演出若しくは大当たりしない演出とすることができ、各演出態様毎の大当たり期待度を差別化することができる。従って、変動演出に大当たりし易い演出が現出した場合に、その大当たりし易い演出が行われている間、大当たりが発生する可能性が高いことを遊技者に示唆し、遊技の興趣を高めている。
第1実施形態のパチンコ機10では、取得した抽選結果が大当たりである場合には、大当たりし易い演出を選択し易く、かつ、大当たりし難い演出を選択し難い停止パターンテーブル202dに基づいて変動演出の演出態様を選択するように構成する。一方、取得した抽選結果がハズレである場合には、大当たりし易い演出を選択し難く、かつ、大当たりし難い演出を選択し易い停止パターンテーブル202dするように構成する。これにより、変動演出において第3図柄の抽選結果を遊技者に報知する場合に、大当たりし易い演出が実行されている場合にはその変動演出で大当たりが発生し易く、大当たりし難い演出が実行されている場合にはその変動演出で大当たりが発生し難くし、演出態様ごとに大当たり期待値に差を設けることで、その変動演出の実行中に遊技の興趣を高めることができる。
また、第2の理由として、第1特別図柄の変動演出の待機回数が上限に達している状態における第1入球口64への入球、又は、第2特別図柄の変動演出の待機回数が上限に達している状態における第2始動口への入球に基づく無駄球(所謂、オーバーフロー入賞による無抽選)を極力削減するためである。具体的に説明すると、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動演出の待機回数はそれぞれ最大4回と上限が設けられていると共に、変動演出は少なくとも一定時間が実行されることから、「確率変動状態」における第2始動口へ球が入球し易い遊技状態では、第2特別図柄の最大保留球数に到達し易い。これらの遊技状態において、長い変動時間の変動演出を選択すると、第2特別図柄の最大保留球数に到達した状態での第2始動口への入球が頻発し、折角、第2始動口へ入球したにもかかわらず、第2特別図柄の抽選契機を取得できない。また、「通常遊技状態」においても、第1特別図柄の最大保留球数に到達している状態で、長い変動時間の変動演出を選択すると、その変動演出の実行中は第1特別図柄の保留球数が消化されないため、その間に第1入球口64への入球が発生しても、第1特別図柄の抽選契機を取得できない。このような状態になると、遊技者は、第1入球口64へ球を入球させても遊技価値が得られないと判断し、変動演出が消化されて再び保留球数を取得できる状態になるまで球の発射を停止して遊技を中断してしまう。遊技が中断されると、パチンコ機10の稼働率が低下してしまい、遊技場(ホール)の経営に影響を与えてしまう。
そこで、第1実施形態のパチンコ機10では、第3図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の最大保留球数へ到達し易い遊技状態や、最大保留球数に近い(又は一致する)保留球数では、比較的短い変動時間が選択され易い停止パターンテーブル202dに基づいて変動演出の演出態様を選択するように構成されている。これにより、第3図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の最大保留球数に到達している状態での第1入球口64又は第2始動口への入球を防止することができる。
さらに、第3の理由として、実行時間を長く設定して、変動演出の終了を遅らせることで、変動演出が実行されている状態を長く維持するためである。具体的に説明すると、変動演出の保留球数が少ない(無い)場合に、実行中の変動演出の変動時間内に新たに第1入球口64又は第2始動口のいずれかに球を入球させないと、次の変動演出を開始することができず、第3図柄表示装置81でデモ画面等を表示しなければいけない。遊技者は、球を発射して遊技を行っているにもかかわらず第3図柄表示装置81において変動演出が行われない場合、遊技者が求めている大当たりの抽選に係る興趣を得ることができず、遊技に興醒めしてしまう。また、遊技者は、第3図柄表示装置81において変動演出が行われていないことで、第1入球口64又は第2始動口へ球が入球し難いパチンコ機10であると認識し、遊技価値を得難い台と判断して、そのパチンコ機10での遊技を止めてしまうおそれがある。
そこで、第1実施形態のパチンコ機10では、変動演出の保留球数が少ない場合に、比較的長い変動時間が選択され易い停止パターンテーブル202dに基づいて変動演出の演出態様を選択するように構成されている。これにより、第3図柄表示装置81において変動演出が行われていない状況を起こり難く構成し、第3図柄表示装置81における変動演出の実行状態を長く維持することができる。
ここで、図34を参照して、保留数テーブル202cの詳細について説明する。図34は、保留数テーブル202cを模式的に示した図である。上述したように、第1実施形態のパチンコ機10では、第1入球口64又は第2始動口に球が入球したことに基づいて変動演出を行う場合に、該変動演出の当否と、その時点における遊技状態と、同じくその時点における特図1及び特図2の変動演出の合計保留数とに基づいて保留数テーブル202cを参照し、いずれかの停止パターンテーブル202d1〜202d3を選択するように構成されている。そして、選択された停止パターンテーブル202d1〜202d3のいずれかと停止パターン選択カウンタC3の値とに基づいて変動演出の大まかな演出態様が決定される。
具体的には、図34の保留数テーブル202cで示すように、左打ち遊技が行われる「通常遊技状態」のハズレ抽出時であって合計保留球数が「1個〜3個」の場合、又は、右打ち遊技が行われる「確率変動状態」若しくは「時間短縮状態」のハズレ抽出時であって合計保留球数が「1個」の場合には、停止パターンテーブル202dのAテーブル202d1(図35(a)参照)が選択される。
また、左打ち遊技が行われる「通常遊技状態」のハズレ抽出時であって保留球数が「4個〜8個」の場合、又は、右打ち遊技が行われる「確率変動状態」若しくは「時間短縮状態」のハズレ抽出時であって保留球数が「2個〜8個」の場合には、停止パターンテーブル202dのBテーブル202d2(図35(b)参照)が選択される。
さらに、大当たりの当選時には、いずれの遊技状態(即ち、「通常遊技状態」、「確率変動状態」若しくは「時間短縮状態」)、及び、いずれの保留球数(即ち、1個〜8個)であっても、停止パターンテーブル202dのCテーブル202d3(図35(c)参照)が選択される。
即ち、いずれかの大当たりに当選した場合は、その時点での保留球数や遊技状態に関係なく、大当たりの種別のみに基づいて停止パターンテーブル202d(Cテーブル202d3)が選択され、大当たりに当選しなかった場合(即ち、ハズレ時)にのみ、その時点での保留球数や遊技状態に基づいて停止パターンテーブル202d(Aテーブル202d1又はBテーブル202d2)が選択される。
なお、大当たりに当選した場合においても、保留球数に応じて停止パターンテーブル202dが異なるように構成してもよい。例えば、大当たりに当選した場合に保留球数が多いとき、比較的短い変動パターンが選ばれ易い停止パターンテーブル202d(例えば、「高速変動」の変動要素が5秒間の「スーパーリーチ」演出態様や「スペシャルリーチ」演出態様等)を選択し得るように構成してもよい。
この場合、「リーチ表示」が実行される各演出態様において、「高速変動」の変動要素の部分の時間のみが10秒間から5秒間のみに変更された演出態様を選択するように構成する。このように構成することで、例えば、第1特別図柄の最大保留球数が4回ある状態で変動演出を開始する場合に、「高速変動」の変動要素が5秒間で行われたとしても、該5秒間の「高速変動」の変動要素が終了した時点(5秒間の「高速変動」の変動要素と認識した時点)では、その変動演出において「リーチ表示」が発生することがある。そのため、5秒間の「高速変動」の変動要素が行われた場合であっても、「非リーチ(ショート)」演出態様以外の「リーチ表示」が実行される演出態様が実行されるように構成することで、5秒間の「高速変動」の変動要素の実行時点では該変動演出が大当たりとなるかハズレとなるか分からなくできる。
ここで、図35を参照して、各停止パターンテーブル202dについて説明する。図35(a)は、停止パターンテーブル202dのAテーブル202d1の一例を模式的に示した図であり、図35(b)は、停止パターンテーブル202dのBテーブル202d2の一例を模式的に示した図であり、図35(c)は、停止パターンテーブル202dのCテーブル202d3の一例を模式的に示した図である。
図35(a)で示すように、停止パターンテーブル202dのAテーブル202d1では、「非リーチ(ロング)」演出態様別に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「0」〜「74」に設定され、「ノーマルリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「75」〜「94」に設定され、「スーパーリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「95」〜「97」に設定され、「スペシャルリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「98」,「99」に設定されている。なお、Aテーブル202d1では、「非リーチ(ショート)」演出態様に対して停止パターン選択カウンタC3の値が割り振られておらず、該「非リーチ(ショート)」演出態様は選択されないように設定されている。
次に、図35(b)で示すように、停止パターンテーブル202dのBテーブル202d2では、「非リーチ(ショート)」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「0」〜「74」に設定され、「ノーマルリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「75」〜「94」に設定され、「スーパーリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「95」〜「97」に設定され、「スペシャルリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「98,99」に設定されている。なお、Bテーブル202d2では、「非リーチ(ロング)」演出態様に対して停止パターン選択カウンタC3の値が割り振られておらず、該「非リーチ(ロング)」演出態様は選択されないように設定されている。
即ち、Aテーブル202d1では、「非リーチ(ロング)」演出態様が75%、「ノーマルリーチ」演出態様が20%、「スーパーリーチ」演出態様が3%、「スペシャルリーチ」演出態様が2%、の選択割合となるように設定されている。また、Bテーブル202d2では、「非リーチ(ショート)」演出態様が75%、「ノーマルリーチ」演出態様が20%、「スーパーリーチ」演出態様が3%、「スペシャルリーチ」演出態様が2%、の選択割合となるように設定されている。
よって、Aテーブル202d1では、「非リーチ(ロング)」演出態様が選択され、Bテーブル202d2では、「非リーチ(ロング)」演出態様の代わりに「非リーチ(ショート)」演出態様が選択されるように構成されている。
従って、Aテーブル202d1は、Bテーブル202d2と比べて選択される変動演出の変動時間が比較的長くなり易いと言える。換言すれば、Bテーブル202d2は、Aテーブル202d1と比べて選択される変動演出の変動時間が短くなり易いといえる。
なお、Aテーブル202d1及びBテーブル202d2との「ノーマルリーチ」演出態様、「スーパーリーチ」演出態様及び「スペシャルリーチ」演出態様の選択割合は同等に設定されている。
このように、ハズレの抽選結果が抽出された場合に、保留中の変動演出の保留球数に基づいて、変動演出の演出態様を選択するように構成する。例えば、変動演出の保留球数が多い場合には、変動演出時間が短い「非リーチ(ショート)」演出態様を選択する。これにより、変動演出の保留球数が多い場合に、実行される変動演出の実行時間を短くし、変動演出の実行回数を多くすることで、変動演出の実行効率を高めることができる。
また、例えば、変動演出の保留球数が少ない場合には、第1入球口64又は第2始動口への球の入球時間を確保するために、「非リーチ(ショート)」演出態様より変動演出時間が長い「非リーチ(ロング)」演出態様を選択する。これにより、「非リーチ(ショート)」演出態様が選択される場合より変動演出時間の長い「非リーチ(ロング)」演出態様を行うことができるので、第1入球口64又は第2始動口への球の入球時間を確保し易くなり、第3図柄表示装置81における変動演出の実行時間中に新たな始動入賞が発生する可能性を高くすることで、変動演出が実行されている状況を維持することができる。
なお、第1実施形態では、ハズレの変動演出における演出態様に選択において、変動演出の保留球数に基づいて選択される停止パターンテーブル202dが異なるように構成されているが、第1入球口64又は第2始動口の球の入球時に基づく変動演出の決定と、該入球に基づく変動演出の開始時に基づく変動演出の決定とで、実質的に同一の演出態様が選択されるように構成されている。
具体的には、ハズレの変動演出である場合は、変動演出の保留球数に基づいて、Aテーブル202d1又はBテーブル202d2のいずれか一方が選択されるように構成されているが、Aテーブル202d1とBテーブル202d2とでは、「非リーチ(ロング)」演出態様又は「非リーチ(ショート)」演出態様に割り振られた停止パターン選択カウンタC3の値が同一であり、また、他の演出態様に割り振られた停止パターン選択カウンタC3の値もそれぞれ同一に設定されている。
即ち、変動演出の保留球数に基づいて、「非リーチ(ロング)」演出態様が選択されるか、「非リーチ(ショート)」演出態様が選択されるかが異なるのみであるので、実質的同一の演出態様が選択される。よって、始動入賞時に選択される演出態様と、変動開始時に選択される演出態様とは、遊技状態が遷移(例えば、保留球数が増加)した場合であっても、実質的に同一の演出態様が選択される。その結果、始動入賞時に選択された演出態様に基づいて先読み予告を行った場合であっても、該先読み予告の対象となった変動演出において、該先読み予告の内容に対して齟齬が発生しない演出を実行することができる。
次に、図35(c)で示すように、停止パターンテーブル202dのCテーブル202d3では、「ノーマルリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「0」〜「4」に設定され、「スーパーリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「5」〜「39」に設定され、「スペシャルリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「40」〜「99」に設定されている。なお、Cテーブル202d3では、大当たり時に選択される停止パターンテーブル202dであり、必ず「リーチ表示」が発生するので、各「非リーチ」演出態様は選択されない。
即ち、Cテーブル202d3では、「ノーマルリーチ」演出態様が5%、「スーパーリーチ」演出態様が35%、「スペシャルリーチ」演出態様が60%、の選択割合となるように設定されている。
よって、大当たり当選時の変動演出において、「スペシャルリーチ」演出態様>「スーパーリーチ」演出態様>「ノーマルリーチ」演出態様の順で選択割合が高く、ハズレ時の変動演出において、「ノーマルリーチ」演出態様>「スーパーリーチ」演出態様>「スペシャルリーチ」演出態様の順で選択割合が高くなるように設定されている。従って、各「リーチ表示」の現出時における大当たり期待度は、「スペシャルリーチ」演出態様>「スーパーリーチ」演出態様>「ノーマルリーチ」演出態様の順に大当たりの表示結果が現出する可能性が高くなるように構成される。これにより、変動演出の演出態様の種類によって遊技者に大当たりへの期待度を示すことができ、遊技者が実行された変動演出の演出態様に応じて大当たりへの高揚感を味わうことができる。
以上より、変動演出の当否と、その時点における遊技状態と、その時点における変動演出の保留球数とに基づいて、実行する変動演出の演出態様を決定することにより、遊技が行われている状況に基づいて変動演出の実行時間を短くし、変動演出の実行回数を多くすることで、変動演出の実行効率を高める演出態様を選択することができる。
なお、変動演出の保留球数が多い場合(例えば、「4」個)に、「リーチ表示」が選択されたとき、各「リーチ表示」の「高速変動」の演出要素が短縮された停止パターンテーブル202dを設けてもよい。また、変動演出の保留球数が多い場合に、各演出態様において「低速変動」の演出要素を省略した停止パターンテーブル202dを設けてもよい。さらに、変動演出の保留球数に応じて、各演出態様の選択率が全く異なる停止パターンテーブル202dを設けてもよい。ただし、変動演出の保留球数に応じて各演出態様の選択率が異なるような場合は、先読み予告を行う上で、先読み予告実行決定時における保留球数と、該先読み予告の対象となった変動演出の実行時における保留球数とが異なる場合がある。このような場合、先読み予告の内容と変動演出の内容との整合性を保つ処理が必要となるため、処理が煩雑となる。
図31に戻って、説明を続ける。変動種別カウンタCS1は、例えば「0〜9」の範囲内で順に「1」ずつ加算され、最大値(つまり「9」)に達した後「0」に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1の値は、後述するタイマ割込処理(図38参照)が1回実行される毎に1回更新され、メイン処理(図43参照)内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、第1入球口64(第1特別図柄)に対応して設けられたRAM203の第1保留球格納エリア203dに設けられた第1保留第1〜第4エリアのうち大当たり乱数カウンタC1が格納される第1保留エリアの変動種別カウンタ格納エリア203d4に格納される。また、球が第2始動口に入賞(始動入賞)したタイミングで、第2始動口(第2特別図柄)に対応して設けられたRAM203の第2保留球格納エリア203eに設けられた第2保留第1〜第4エリアのうち大当たり乱数カウンタC1が格納される第2保留エリアの変動種別カウンタ格納エリア203e4に格納される。
この変動種別カウンタCS1は、変動演出の詳細な変動パターンの決定に用いられる。即ち、主制御装置110のMPU201は、停止パターンテーブル202d及び停止パターン選択カウンタC3によって選択された演出態様において、変動種別カウンタCS1の値と、ROM202に格納された変動パターンテーブル202eとによって、詳細な変動パターンを決定する。変動パターンの決定は、具体的には、変動演出の変動時間の決定である。音声ランプ制御装置113および表示制御装置114は、変動種別カウンタCS1により決定された変動パターン(変動時間)に基づいて、第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様を決定し、また予告演出実行の有無や予告演出の実行態様を決定する。
このように、主制御装置110のMPU201は、変動演出の大まかな変動パターンを選択して変動時間のみを決定する。このように構成することで、主制御装置110のMPU201において、変動演出を実行するために必要な詳細な予告抽選等の制御を行う必要がなくなるので、変動演出に関するMPU201の処理を軽減することができる。また、主制御装置110において変動演出の全変動パターンのコマンドを用意する必要がなくなり、主制御装置110のROM容量を削減することができる。
また、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114において、主制御装置110で決定された変動時間(大まかな変動パターン)に基づいて、変動演出における詳細な変動パターンを決定することで、変動演出を選択する自由度を高めるができる。さらに、遊技状態が刻々と変化するパチンコ機10において、該変化に対応して随時、変動演出の演出内容の選択又は変更することが可能となり、遊技状態に応じて適切な演出を実行することができる。
ここで、図36及び図37を参照して、変動パターンテーブル202eの詳細について説明する。本パチンコ機10は、変動パターンテーブル202eとして、第1特別図柄および第2特別図柄のハズレ時であってすべての遊技状態で共通的に用いられるハズレ用変動パターンテーブル202e1と、第1特別図柄および第2特別図柄の大当たり時であってすべての遊技状態で共通的に用いられる大当たり用変動パターンテーブル202e2とが用意されている。
具体的には、ハズレ時の演出態様として、「非リーチ(ロング)」演出態様が決定された場合に参照される「E0:非リーチ(ロング)」用と、「非リーチ(ショート)」演出態様が決定された場合に参照される「E1:非リーチ(ショート)」用と、「ノーマルリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E2:ノーマルリーチ」用と、「スーパーリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E3:スーパーリーチ」用と、「スペシャルリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E4:スペシャルリーチ」用とに区分けされている。また、大当たり時の演出態様として、「ノーマルリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E5:ノーマルリーチ」用と、「スーパーリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E6:スーパーリーチ」用と、「スペシャルリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E7:スペシャルリーチ」用とに区分けされている。そして、その区分けされたグループに対してそれぞれ変動種別カウンタCS1の値が対応付けされている。
第1実施形態では、第1特別図柄に対応する第1保留球格納エリア203d、又は、第2特別図柄に対応する第2保留球格納エリア203eのある保留エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値(大当たり乱数値)ではない場合、即ち、ハズレとなる値であった場合に、保留数テーブル202cを参照して、その時点での遊技状態と、その時点での保留球数と、に基づいて停止パターンテーブル202dを選択し、同じ保留エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値と上記停止パターンテーブル202dとに基づいて演出態様を選択する。そして、選択された演出態様に基づいてハズレ用変動パターンテーブル202e1の中で参照するグループ(群)を決定する。そのハズレ用変動パターンテーブル202e1のグループ(群)において、同保留エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターン(変動時間)が、その保留エリアに保留された変動演出における変動パターンとして決定される。
ここで、変動パターンを構成する各変動要素について説明する。変動要素とは、1の変動演出の一部分を構成するものであり、各変動要素を組み合わせて1の変動演出が構成される。第1実施形態のパチンコ機10では、変動要素として、「高速変動」の変動要素、「低速変動」の変動要素、「疑似変動」の変動要素、「ノーマルリーチ」の変動要素、「スーパーリーチ」の変動要素、「スペシャルリーチ」の変動要素および「再変動」の変動要素が設けられている。
「高速変動」の変動要素とは、遊技者によって第3図柄の内容を明確に認識できないように高速にスクロール変動する変動要素である。この「高速変動」の変動要素は、「非リーチ(ショート)」演出態様が選択された場合は、変動演出の冒頭に「5秒」行われ、「非リーチ(ショート)」以外の変動要素(例えば、「非リーチ(ロング)」)の演出態様が選択された場合は、変動演出の冒頭に「10秒」行われる。なお、この「高速変動」の変動要素が終了した場合、後述する「低速変動」の変動要素が開始(実行)されるか、或いは、そのまま変動演出が終了するように構成されている。
「低速変動」の変動要素とは、「10秒」の「高速変動」の変動要素の実行後に開始され、第3図柄を視認可能にスクロール変動して「リーチ表示」を発生するか否かを見せる変動要素である。この「低速変動」の変動要素は、「非リーチ(ショート)」演出態様が選択された場合は実行されず、「非リーチ(ショート)」演出態様以外の演出態様(例えば、「非リーチ(ロング)」演出態様)が選択された場合は、「高速変動」の変動要素の後に「5秒」行われる。即ち、「非リーチ(ショート)」演出態様では、「高速変動」の変動要素が行われた後、主表示領域の各図柄列が「低速変動」の変動要素を経由せずに急速に停止(所謂、ビタ止まり)するように構成されている。なお、この「低速変動」の変動要素が終了した場合は、後述する「疑似変動」の変動要素が開始(実行)されるか、後述する「ノーマルリーチ」の変動要素が開始(実行)されるか、或いは、そのまま変動演出が終了するように構成されている。
従って、第1実施形態のパチンコ機10では、「非リーチ(ロング)」演出態様は、「10秒」の「高速変動」の変動要素と「5秒」の「低速変動」の変動要素とを含む変動パターンで変動演出が構成される。また、「非リーチ(ショート)」演出態様は、「5秒」の「高速変動」の変動要素のみの変動パターンで変動演出が構成される。
「疑似変動」の変動要素とは、1回の変動演出の中で変動演出の開始が複数回(疑似停止が1回)発生する変動要素である。具体的には、第3図柄表示装置81の各図柄列にて「高速変動」の変動要素が開始されて「低速変動」の変動要素に切り替わり、その後に全図柄列における変動演出が終了されて所定の停止結果(例えば、疑似連チャンス目「677」)が表示されるという単位の演出が行われる変動要素である。この「疑似変動」の変動要素は、「低速変動」の変動要素後に、上記所定の停止結果が停止することで、その停止結果から再び「高速変動」の変動要素が始まって、あたかももう1回変動演出が開始されたかのような演出が実行される。
この「疑似変動」の変動要素は、「低速変動」の変動要素の実行後に所定の停止結果(所謂、疑似連チャンス目)が現出し、再び2回目の「高速変動」の変動要素が実行され、その後、「ノーマルリーチ」の変動要素に発展する変動要素である。即ち、「疑似変動」の変動要素は、疑似連チャンス目が表示される疑似的な変動停止(以下、「疑似停止」という)が1回行われ、その後、その疑似停止において所定の停止結果が現出して、再度、「高速変動」の変動要素を開始する変動要素である。第1実施形態のパチンコ機10では、この「疑似変動」の変動要素の終了後は、少なくとも「ノーマルリーチ」の変動要素に必ず発展するように構成されている。この「疑似変動」の変動要素は、「低速変動」の変動要素後に「10秒」行われる。
なお、第1実施形態では、「疑似変動」の変動要素において、疑似停止の回数を1回としたが、疑似停止の回数を2回以上行われる「疑似変動」の変動要素を実行するように構成してもよい。また、「疑似変動」の変動要素の発生前に、疑似連チャンス目が停止するか否かの演出を行う変動要素(所謂、「疑似ガセ」の変動要素)を行うように構成してもよい。この「疑似ガセ」の変動要素では、「低速変動」の変動要素の実行後に所定の停止結果が現出するか否かの演出(例えば、上記所定の停止結果を形成する図柄が有効ライン上を往復変動して停止するか否かの演出)を行い、その演出にて上記所定の停止結果が現出せず、「疑似変動」の変動要素まで発展しないように構成してもよい。この「疑似ガセ」の変動要素を設けることで、該「疑似ガセ」の変動要素の終了後、「ノーマルリーチ」の変動要素に発展するか、或いは、「ハズレ表示」が現出(例えば、「687」)してそのまま変動演出が終了するかの遊技性を付与することができる。
「ノーマルリーチ」の変動要素は、「低速変動」の変動要素又は「疑似変動」の変動要素(以下、「「低速変動」の変動要素又は「疑似変動」の変動要素」を総称して、「低速変動等」の変動要素という場合がある)において左図柄列及び右図柄列にリーチ形成図柄が停止表示した場合に、中図柄列の変動結果によって大当たりが発生するか否かを見せる変動要素である。この「ノーマルリーチ」の変動要素は、「低速変動等」の変動要素後に「5秒」行われる。
第1実施形態のパチンコ機10では、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行後は、直接「ハズレ表示」を現出するパターンと、直接「大当たり表示」を現出するパターンと、「スーパーリーチ」の変動要素に発展するパターンと、「スペシャルリーチ」の変動要素に発展するパターンと、一旦、仮の「ハズレ表示」を現出させた後に「再変動」の変動要素を実行するパターンと、が用意されている。
「スーパーリーチ」の変動要素は、「ノーマルリーチ」の変動要素において「ハズレ表示」が停止せずに中図柄列の変動が継続された場合に発展して実行され、主表示領域において「バトル演出」を行って大当たりが発生するか否かを見せる変動要素である。この「スーパーリーチ」の変動要素は、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行後に「10秒」行われる。
第1実施形態のパチンコ機10では、「スーパーリーチ」の変動要素の実行後は、直接「ハズレ表示」を現出するパターンと、直接「大当たり表示」を現出するパターンと、一旦、仮の「ハズレ表示」を現出させた後に「再変動」の変動要素を実行するパターンと、が用意されている。
「スペシャルリーチ」の変動要素は、「ノーマルリーチ」の変動要素において「ハズレ表示」が停止せずに中図柄列の変動が継続された場合に発展して実行され、主表示領域において「競争演出」を行って大当たりが発生するか否かを見せる変動要素である。この「スペシャルリーチ」の変動要素は、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行後に「20秒」行われる。
第1実施形態のパチンコ機10では、「スペシャルリーチ」の変動要素の実行後は、直接「ハズレ表示」を現出するパターンと、直接「大当たり表示」を現出するパターンと、一旦、仮の「ハズレ表示」を現出させた後に「再変動」するパターンと、が用意されている。
なお、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行後に「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素に発展するように構成されているが、この構成に代えて、「低速変動」後にリーチ形成図柄が停止した場合に、「ノーマルリーチ」の変動要素を経由せず、いきなり「スーパーリーチ」の変動要素や「スペシャルリーチ」の変動要素に発展するように構成してもよい。また、「スーパーリーチ」の変動要素の実行後に「スペシャルリーチ」の変動要素が行われるように構成してもよい。
「再変動」の変動要素は、いずれかの「リーチ表示」において一旦「ハズレ表示」が現出した後に発展して実行され、「大当たり表示」を現出する変動要素である。この「再変動」の変動要素は、いずれかの「リーチ表示」後に「5秒」行われる。
第1実施形態のパチンコ機10では、「再変動」の変動要素の実行後は、「大当たり表示」が現出するパターンが用意されている。
また、この「再変動」の変動要素は、大当たりに当選した場合にのみ発生するように構成されている。即ち、「ハズレ表示」の場合には、「再変動」の変動要素は実行されないように構成されている。これは、「再変動」の変動要素は、仮に停止表示された「ハズレ表示」をいずれかの「大当たり表示」に変更する変動要素であるため、大当たりに当選していない「ハズレ表示」の場合に行ってしまうと、演出上の齟齬が発生してしまう。よって、この「再変動」の変動要素は、大当たり用の変動パターンテーブル202eでのみ選定され、ハズレ用の変動パターンテーブル202eでは選定されないように構成されている。
図36で示すように、ハズレ時に参照されるハズレ用変動パターンテーブル202e1において、「E0:非リーチ(ロング)」には、全体の変動時間が「15秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』の1つの変動パターン(変動時間。以下、「変動パターン」を「変動時間」と置き換えることは当然に可能である。)が用意されている。なお、以下、図36および図37の変動パターンに関する各変動要素の説明において、説明の便宜上、「の変動要素」という言葉を省略して説明する。
図36で示す例では、「E0:非リーチ(ロング)」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」+「低速変動」』に対して「0〜9」となっており、『「高速変動(長)」+「低速変動」』のみを選択可能に設定されている。
即ち、ハズレ抽選時にいずれの遊技状態でも変動演出の実行時に参照されるハズレ用変動パターンテーブル202e1において「非リーチ(ロング)」演出態様が選択された場合、変動種別カウンタCS1がとり得るすべての値(「0〜9」)に対して『「高速変動(長)」+「低速変動」』が対応付けられている。つまり、変動演出における「非リーチ(ロング)」演出態様の場合は、変動パターンとして必ず『「高速変動(長)」+「低速変動」』が選択される。
なお、図36で示すように、第1実施形態のパチンコ機10において、「低速変動」は、「疑似変動」の前半部分であって、チャンス目発展図柄が現出して、さらにチャンス目図柄が現出するか否かを示す「疑似連」の演出の変動時間と同一に構成されており、音声ランプ制御装置113側で「低速変動」を「疑似変動」に置き換えることが可能に構成されている。
具体的には、例えば、主制御装置110において、『「高速変動(長)」+「低速変動」』が選択され、その旨が音声ランプ制御装置113に伝達された場合に、音声ランプ制御装置113は、第3図柄表示装置81の変動演出において、伝達された通りに『「高速変動(長)」+「低速変動」』か、『「高速変動(長)」+「疑似変動」』を選択して実行することが可能に構成されている。このように構成することで、主制御装置110が選択する変動時間の種類以上の演出を実行することが可能となり、演出のバリエーションを豊富にしつつ、主制御装置110で記憶する変動時間数を少なくし、ROM202の記憶容量の削減を実現できる。
次いで、ハズレ用変動パターンテーブル202e1において、「E1:非リーチ(ショート)」には、全体の変動時間が「5秒」の『「高速変動(短)」のみ』の1つの変動パターンが用意されている。
図36で示す例では、「E1:非リーチ(ショート)」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(短)」のみ』に対して「0〜9」となっており、『「高速変動(短)」のみ』だけを選択可能に設定されている。
即ち、ハズレ抽選時にいずれの遊技状態でも変動演出の実行時に参照されるハズレ用変動パターンテーブル202e1において「非リーチ(ショート)」演出態様が選択された場合、変動種別カウンタCS1がとり得るすべての値(「0〜9」)に対して『「高速変動(短)」のみ』が対応付けられている。つまり、変動演出における「非リーチ(ショート)」演出態様の場合は、変動パターンとして必ず『「高速変動(短)」のみ』が選択される。
次いで、ハズレ用変動パターンテーブル202e1において、「E2:ノーマルリーチ」には、全体の変動時間が「20秒」の『「高速変動(長)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」』と、全体の変動時間が「30秒」の『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」』との2つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
図36の示す例では、「E2:ノーマルリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」』に対して「0〜6」、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」』に対して「7〜9」、となっている。
即ち、ハズレ時の「ノーマルリーチ」演出態様では、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」』の変動パターンが70%、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」』の変動パターンが30%、の割合で選択されるように設定されている。従って、ハズレ時に選択される「ノーマルリーチ」の演出要素を含む変動演出では、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」』の変動パターンが選択され易く(70%)なっている。
次いで、ハズレ用変動パターンテーブル202e1において、「E3:スーパーリーチ」には、全体の変動時間が「30秒」の『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」』と、全体の変動時間が「40秒」の『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」』との2つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
図36の示す例では、「E4:スーパーリーチ」演出態様における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」』に対して「0〜7」、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」』に対して「8,9」、となっている。
即ち、ハズレ時の「スーパーリーチ」演出態様では、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」』の変動パターンが80%、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」』の変動パターンが20%、の割合で選択されるように設定されている。従って、ハズレ時に選択される「スーパーリーチ」演出態様では、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」』の変動パターンが選択され易くなっている。
次いで、ハズレ用変動パターンテーブル202e1において、「E4:スペシャルリーチ」には、全体の変動時間が「40秒」の『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スペシャルリーチ」』と、全体の変動時間が「50秒」の『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「スペシャルリーチ」』との2つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
図36の示す例では、「E4:スペシャルリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スペシャルリーチ」』に対して「0〜8」、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「スペシャルリーチ」』に対して「9」、となっている。
即ち、ハズレ時の「スペシャルリーチ」演出態様では、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スペシャルリーチ」』の変動パターンが90%、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「疑似変動」+「スペシャルリーチ」』の変動パターンが10%、の割合で選択されるように設定されている。従って、ハズレ時に選択される「スペシャルリーチ」演出態様では、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スペシャルリーチ」』の変動パターンが選択され易くなっている。
なお、ハズレ時の変動パターンは、変動種別カウンタCS1のみを使用して選択するものとしたが、複数の変動種別カウンタを併用して選択(予告表示の有無等を選択)しても良い。
次に、図37を参照して、大当たり用変動パターンテーブル202e2について説明する。図37は、ROM202に記憶される大当たり用変動パターンテーブル202e2の一例を模式的に示した図である。大当たり用変動パターンテーブル202e2は、選択された演出態様に基づいてグループ(群)に区分けされている。
具体的には、演出態様として、「ノーマルリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E5:ノーマルリーチ」用と、「スーパーリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E6:スーパーリーチ」用と、「スペシャルリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E7:スペシャルリーチ」用とに区分けされている。そして、その区分けされたグループに対してそれぞれ変動種別カウンタCS1の値が対応付けされている。
大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値(大当たり乱数値)であった場合に、同じ保留エリアに格納された大当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別と、その始動入賞時点での遊技状態と、に基づいて停止パターンテーブル202dを選択し、同じ保留エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値と上記停止パターンテーブル202dとに基づいて演出態様を選択する。そして、その演出態様に基づいて大当たり用変動パターンテーブル202e2の中で参照するグループ(群)を決定する。その大当たり用変動パターンテーブル202e2のグループ(群)において、同保留エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンが、その保留エリアに保留された変動演出における変動パターンとして決定される。
大当たり用変動パターンテーブル202e2において、「E5:ノーマルリーチ」には、全体の変動時間が「20秒」の『「高速変動(長)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」』と、全体の変動時間が「25秒」の『「高速変動(長)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」+「再変動」』と、全体の変動時間が「30秒」の『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」』と、全体の変動時間が「35秒」の『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」+「再変動」』との4つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
図37で示す例では、「E5:ノーマルリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」』に対して「0」、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」+「再変動」』に対して「1,2」、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」』に対して「3〜5」、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」+「再変動」』に対して「6〜9」、となっている。
即ち、大当たり時の「ノーマルリーチ」演出態様では、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」』の変動パターンが10%、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」+「再変動」』の変動パターンが20%、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」』の変動パターンが30%、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」+「再変動」』の変動パターンが40%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、大当たり時に選択される「ノーマルリーチ」演出態様では、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」+「再変動」』の変動パターンが選択され易く(全体の40%)なっている。ただし、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」』や、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」+「再変動」』、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」』も選択されるように構成することで、どの変動パターンからでも大当たりを期待できる遊技性を提供できる。
大当たり用変動パターンテーブル202e2において、「E6:スーパーリーチ」には、全体の変動時間が「30秒」の『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」』と、全体の変動時間が「35秒」の『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」+「再変動」』と、全体の変動時間が「40秒」の『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」』と、全体の変動時間が「45秒」の『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」+「再変動」』との4つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
図37で示す例では、「E6:スーパーリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」』に対して「0,1」、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」+「再変動」』に対して「2〜4」、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」』に対して「5,6」、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」+「再変動」』に対して「7〜9」、となっている。
即ち、大当たり時の「スーパーリーチ」演出態様では、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」』の変動パターンが20%、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」+「再変動」』の変動パターンが30%、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」』の変動パターンが20%、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」+「再変動」』の変動パターンが30%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、大当たり時に選択される「スーパーリーチ」演出態様では、「再変動」の演出要素を含む変動パターン(即ち、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」+「再変動」』や、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」+「再変動」』)が選択され易く(全体の60%)なっている。ただし、「再変動」の演出要素を含まない変動パターン(即ち、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」』や『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」』)も選択されるように構成することで、どの変動パターンからでも大当たりを期待できる遊技性を提供できる。
大当たり用変動パターンテーブル202e2において、「E7:スペシャルリーチ」には、全体の変動時間が「40秒」の『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スペシャルリーチ」』と、全体の変動時間が「45秒」の『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スペシャルリーチ」+「再変動」』と、全体の変動時間が「50秒」の『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「スペシャルリーチ」』と、全体の変動時間が「55秒」の『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「スペシャルリーチ」+「再変動」』との4つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
図37で示す例では、「E7:スペシャルリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スペシャルリーチ」』に対して「0〜2」、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スペシャルリーチ」+「再変動」』に対して「3,4」、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「スペシャルリーチ」』に対して「5〜7」、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「スペシャルリーチ」+「再変動」』に対して「8,9」、となっている。
即ち、大当たり時の「スペシャルリーチ」演出態様では、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スペシャルリーチ」』の変動パターンが30%、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スペシャルリーチ」+「再変動」』の変動パターンが20%、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「スペシャルリーチ」』の変動パターンが30%、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「スペシャルリーチ」+「再変動」』の変動パターンが20%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、大当たり時に選択される「スーパーリーチ」演出態様では、「再変動」の演出要素を含まない変動パターン(即ち、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」』や、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」』)が選択され易く(全体の60%)なっている。ただし、「再変動」の演出要素を含む変動パターン(即ち、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」+「再変動」』や『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」+「再変動」』)も選択されるように構成することで、どの変動パターンからでも大当たりを期待できる遊技性を提供できる。
このように、大当たりに当選している場合には、比較的長い変動パターンが選択され易いように構成することで、大当たりが発生する変動演出の演出内容を充実させることで遊技の興趣を向上することができる。また、大当たりに当選していない場合、即ち、ハズレの場合には、比較的短い変動パターンが選択され易いように構成することで、ハズレ時の変動演出の演出内容を短くして、変動演出を効率よく消化することができる。
なお、大当たり時の変動パターンは、変動種別カウンタCS1のみを使用して決定するものとしたが、他の複数の変動種別カウンタを使用して決定するように構成しても良い。例えば、大当たりや「リーチ表示」の開始を予告する予告演出を変動開始前や変動演出中に付加するか否かが、他の変動種別カウンタにより決定されても良いし、リーチが成立した場合に、最後に停止する第3図柄を何図柄ずらして停止させる(例えば、1図柄ずれた前後ハズレ等)かを他の変動種別カウンタにより決定されてもよい。
また、大当たり用変動パターンテーブル202e2において、ハズレ用変動パターンテーブル202e1で選択され得る変動パターンと共通の変動パターンが選択され得るように構成したが、大当たり用変動パターンテーブル202e2でのみ選択される固有の変動パターンを設けるように構成してもよい。また、大当たり種別とは無関係に変動パターンが選択され得るように構成したが、所定の大当たり種別(例えば、「確率変動状態」を発生させ得る大当たり種別)でのみ選択される固有の変動パターンを設けるように構成してもよい。
さらに、主制御装置110で選択される演出態様の中で、疑似停止回数(チャンス目図柄停止回数)が2回以上行われる「疑似変動」の変動要素が実行される演出態様を設けてもよい。また、「疑似変動」の変動要素を実行せず、「低速変動」の変動要素においてチャンス目図柄を現出させて、「疑似連」演出に発展させるように構成してもよい。
図31に戻って、説明を続ける。普図当たりカウンタC4は、例えば「0〜99」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり「99」)に達した後「0」に戻るループカウンタとして構成されている。また、普図当たりカウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該普図当たりカウンタC4の初期値として読み込まれる。
なお、第2初期値乱数カウンタCINI2は、普図当たりカウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=「0〜99」)、タイマ割込処理(図38参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図43参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
普図当たりカウンタC4の値は、例えば定期的(第1実施形態では、タイマ割込処理(図38参照)毎に1回)更新され、球が第2入球口67(以下、「スルーゲート67」と称する場合がある)を通過したことが検知されたタイミングで、RAM203の普図保留球格納エリア203gに設けられた普図保留第1〜第4エリアのいずれかの普図保留エリアに格納される。そして、普図保留球格納エリア203gに格納された順に順次普図保留球実行エリア203hにデータをシフトし、該普図保留球実行エリア203hに格納されている普図当たりカウンタC4の値に対して当たり判定を行う。
普通図柄の当たりとなる乱数の値は、遊技状態毎に主制御装置110のROM202に格納される普図当たり乱数テーブル(図示せず)によって設定(例えば、低確率状態で「1/10」、高確率状態で「9/10」)されており、普図保留球実行エリア203hに格納されている普図当たりカウンタC4の値が、普図当たり乱数テーブルによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、当たりと判定される。そして、遊技状態に応じて主制御装置110のROM202に格納される普図変動テーブル(図示せず)が参照されて、普通図柄の可変表示時間(例えば、「3秒」又は「0.5秒」)が設定され、普通図柄表示装置83において該可変表示時間の経過後、停止図柄(普通図柄)として「○」の図柄が点灯表示される。その後、遊技状態に応じて主制御装置110のROM202に格納される普通電役開放テーブル(図示せず)が参照されて、電動役物64a(以下、「普通電役64a」と称する場合がある)の回動板の開放時間(例えば、「0.5秒」又は「5秒」)が設定され、該開放時間の間、回動板が回動作動し、その間、回動板の上面を球が転動可能に構成される。
一方、普図保留球実行エリア203hに格納されている普図当たりカウンタC4の値が、普図当たり乱数テーブルによって設定された当たりとなる乱数の値と一致しない場合には、ハズレと判定される。そして、遊技状態に応じて普図変動テーブルが参照されて可変表示時間(例えば、「3秒」又は「0.5秒」)が設定され、普通図柄表示装置83において該可変表示時間の経過後、停止図柄(普通図柄)として「×」の図柄が点灯表示される。
第1実施形態のパチンコ機10では、普通図柄の当否確率、普通図柄の可変表示時間および普通電役64aの回動板の開放時間のバリエーションが各遊技状態に応じてそれぞれ異なるように構成される。具体的には、例えば、「時短機能」を有さない「通常遊技状態」では、普通図柄の当否確率が低確率であって、普通図柄の可変表示時間が長時間であり、回動板の開放時間が短時間となるように設定されている。また、「時間機能」を有する「確率変動状態」又は「時間短縮状態」では、普通図柄の当否確率が高確率であって、普通図柄の可変表示時間が短時間であり、回動板の開放時間が長時間となるように設定されている。
このように、主制御装置110のRAM203には種々のカウンタ等が設けられていると共に、主制御装置110のROM202には各種テーブルが設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値と上述した各テーブル202a〜202eとに応じて大当たり抽選や特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における動的表示および変動演出の設定、普通図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図30に戻って、説明を続ける。主制御装置110のRAM203は、図9に図示したカウンタ用バッファ203cのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、インプット/アウトプット(Input/Output。以下、「I/O」と略す。)等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図43参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図42参照)において実行される。なお、MPU201のノンマスカブル割込(Non−Maskable Interrupt。以下、「NMI」と略す。)端子には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図44参照)が即座に実行される。
RAM203は、さらに、第1保留球数カウンタ203a、第2保留球数カウンタ203b、第1保留球格納エリア203d、第2保留球格納エリア203e、保留球実行エリア203f、普図保留球格納エリア203g、普図保留球実行エリア203hを少なくとも有している。
第1保留球数カウンタ203aは、「4ミリ秒」毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図38参照)の中で検出される第1入球口64への入球(以下、第1入球口64又は第2始動口への球の入球を「始動入賞」という場合がある)に基づいて、特別図柄表示装置37で行われる第1特別図柄の動的表示(第3図柄表示装置81で行われる第1特別図柄に対応する第3図柄の変動演出)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
この第1保留球数カウンタ203aは、電源投入後のRAM203の初期設定処理(図42のS1713)によって、初期値として「0」が設定される。そして、第1入球口64への始動入賞が検出されて第1特別図柄に関する動的表示(変動演出)の保留球数が増加する毎に、最大値「4」まで1加算される(図39のS1203参照)。一方、第1保留球数カウンタ203aは、第1特別図柄の動的表示(変動演出)が実行される毎に1減算される(図40のS1308参照)。
第2保留球数カウンタ203bは、第1保留球数カウンタ203aと同様、「4ミリ秒」毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図38参照)の中で検出される第2始動口への始動入賞に基づいて、特別図柄表示装置37で行われる第2特別図柄の動的表示(第3図柄表示装置81で行われる第2特別図柄に対応する第3図柄の変動演出)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
この第2保留球数カウンタ203bは、第1保留球数カウンタ203aと同様、電源投入後のRAM203の初期設定処理(図42のS1713)によって、初期値として「0」が設定される。そして、第2始動口への始動入賞が検出されて第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)の保留球数が増加する毎に、最大値「4」まで1加算される(図39のS1207参照)。一方、第2保留球数カウンタ203bは、第2特別図柄の動的表示(変動演出)が実行される毎に1減算される(図40のS1305参照)。
この第1保留球数カウンタ203aの値(即ち、第1特別図柄の保留球数)又は第2保留球数カウンタ203bの値(即ち、第2特別図柄の保留球数)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図39のS1210参照)。保留球数コマンドは、始動入賞が検出されて第1保留球数カウンタ203a又は第2保留球数カウンタ203bが1加算される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から保留球数コマンドを受信することによって、主制御装置110に保留された第1特別図柄又は第2特別図柄の動的表示(変動演出)の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113において、主制御装置110へアクセスすることなく各特別図柄の動的表示(変動演出)の保留回数を管理することができる。また、始動入賞が検出される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ保留球数コマンドを送信することにより、音声ランプ制御装置113において管理される各特別図柄の動的表示(変動演出)の保留球数が、ノイズ等の影響によって主制御装置110に保留された実際の動的表示(変動演出)の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、その内部で管理する保留球数が変化する度に、表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81のコクピット表示領域に保留図柄を表示する。
また、第1実施形態では、主制御装置110が音声ランプ制御装置113に対して保留球数コマンドを送信する場合、その保留球数コマンドにおいて、1加算された第1保留球数カウンタ203a又は第2保留球数カウンタ203bの値だけでなく、その第1保留球数カウンタ203a又は第2保留球数カウンタ203bの加算の契機となった上記始動入賞に伴い、カウンタ用バッファ203c(図31参照)より取得される大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値も含める。
つまり、始動入賞があった場合に、主制御装置110にてカウンタ用バッファ203cより取得した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値が、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に伝えられる。
音声ランプ制御装置113では、保留球数コマンドにより伝えられた大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値を、その各値に基づく変動演出が実行される前に先読みし、当該変動演出がどうなるか(大当たりとなるか否か、変動時間はどうなるか等)をその変動演出の実行前に判断する。そして、その先読みによる判断結果に基づき、各種の演出の実行を決定したり、「保留変化予告」の演出内容及び実行時期(タイミング)を決定できるようになっている。
なお、変動演出の保留球数を示す保留球数コマンドと、大当たり乱数カウンタC1等の値を示すコマンドとを別々に送信するように構成してもよい。保留球数コマンドとは別の大当たり乱数カウンタC1等の値を示すコマンドとしては、第1入球口64又は第2始動口への球の入球タイミングで保留球数コマンドを生成すると共に、該入球に基づく変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドに類するコマンド(事前変動パターンコマンド及び事前停止種別コマンド)を生成し、音声ランプ制御装置113へ送信するように構成してもよい。この場合に、事前変動パターンコマンド及び事前停止種別コマンドの生成のプログラムに関し、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドのプログラムを流用することで、プログラムの作成を容易にすることができる。
第1保留球格納エリア203dは、上述したように、第1入球口64への始動入賞の検出に伴ってカウンタ用バッファ203cより取得した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値をそれぞれ記憶するためのメモリである。MPU201は、タイマ割込処理(図38参照)の中で、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)したことを検出すると、カウンタ用バッファ203cから各カウンタC1〜C3,CS1の値を取得し、第1保留球格納エリア203dに格納する。第1保留球格納エリア203dは、第1特別図柄の一の始動入賞に対応するデータ(カウンタC1〜C3,CS1の各値)が、最大4回分まで記憶(保留)できるように、4つの保留エリア(第1保留第1〜第4エリア)を有している(図31参照)。
第2保留球格納エリア203eは、上述したように、第2始動口への始動入賞の検出に伴ってカウンタ用バッファ203cより取得した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値をそれぞれ記憶するためのメモリである。MPU201は、タイマ割込処理(図38参照)の中で、球が第2始動口へ入賞(始動入賞)したことを検出すると、カウンタ用バッファ203cから各カウンタC1〜C3,CS1の値を取得し、第2保留球格納エリア203eに格納する。第2保留球格納エリア203eは、第2特別図柄の一の始動入賞に対応するデータ(カウンタC1〜C3,CS1の各値)が、最大4回分まで記憶(保留)できるように、4つの保留エリア(第2保留第1〜第4エリア)を有している(図31参照)。
保留球実行エリア203fは、上述したように、実行を開始する、或いは、実行中の第1特別図柄又は第2特別図柄の大当たり抽選や、特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の動的表示および変動演出の設定等の処理において参照すべきデータ(カウンタC1〜C3,CS1の各値)を記憶するためのメモリである。
MPU201は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出の実行開始タイミングであることを検出すると、第1特別図柄又は第2特別図柄の大当たり抽選や、特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の動的表示および変動演出の設定等の処理を実行するために、上述した第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203eに記憶されている各始動入賞に対応するデータ(カウンタC1〜C3,CS1の各値)のうち、第2保留球格納エリア203eに第2特別図柄に関する始動入賞に対応するデータが記憶されている場合は、該データの一の始動入賞に対応するデータを、この保留球実行エリア203fへシフトする。一方、第2保留球格納エリア203eに第2特別図柄に関する始動入賞に対応するデータが記憶されておらず、第1保留球格納エリア203dに第1特別図柄に関する始動入賞に対応するデータが記憶されている場合は、該データの一の始動入賞に対応するデータを、この保留球実行エリア203fへシフトする。
即ち、第1実施形態のパチンコ機10では、第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)が優先的に実行され、第1特別図柄に関する動的表示(変動演出)は、第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)が保留されていないことを条件に実行されるように構成されている。なお、第1実施形態におけるシフトとは、一の領域に記憶されているデータを別の領域へ移動させることを示す。
ここで、再び図31を参照して、第1保留球格納エリア203d、第2保留球格納エリア203eおよび保留球実行エリア203fの詳細について説明する。第1保留球格納エリア203d、第2保留球格納エリア203eおよび保留球実行エリア203fは、第1特別図柄又は第2特別図柄の大当たり抽選や特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の動的表示および変動演出の設定等を行うために、主制御装置110のMPU201により使用される。
上述したように、第1特別図柄又は第2特別図柄の大当たり抽選や特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の動的表示および変動演出の設定には、大当たり抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別の決定に使用する大当たり種別カウンタC2と、変動演出の演出態様の決定に使用する停止パターン選択カウンタC3と、変動パターンの決定に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。第1保留球格納エリア203dは、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)した場合にMPU201によってカウンタ用バッファ203cから取得される上記カウンタC1〜C3,CS1の各値をそれぞれ記憶し、第2保留球格納エリア203eは、球が第2始動口へ入賞(始動入賞)した場合にMPU201によってカウンタ用バッファ203cから取得される上記カウンタC1〜C3,CS1の各値を記憶する。
第1保留球格納エリア203dは、4つの保留エリア(第1保留第1〜第4エリア)で構成されている。4つの保留エリア(第1保留第1〜第4エリア)にはそれぞれ、大当たり乱数カウンタC1の値を格納する大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1と、大当たり種別カウンタC2の値を格納する大当たり種別カウンタ格納エリア203d2と、停止パターン選択カウンタC3の値を格納する停止パターン選択カウンタ格納エリア203d3と、変動種別カウンタCS1の値を格納する変動種別カウンタ格納エリア203d4とが設けられている。
また、第2保留球格納エリア203eは、第1保留球格納エリア203dと同様、4つの保留エリア(第2保留第1〜第4エリア)で構成されている。4つの保留エリア(第2保留第1〜第4エリア)にはそれぞれ、第1保留球格納エリア203dと同様、大当たり乱数カウンタC1の値を格納する大当たり乱数カウンタ格納エリア203e1と、大当たり種別カウンタC2の値を格納する大当たり種別カウンタ格納エリア203e2と、停止パターン選択カウンタC3の値を格納する停止パターン選択カウンタ格納エリア203e3と、変動種別カウンタCS1の値を格納する変動種別カウンタ格納エリア203e4とが設けられている。
なお、第1実施形態では、大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1,203e1と、大当たり種別カウンタ格納エリア203d2,203e2と、停止パターン選択カウンタ格納エリア203d3,203e3と、変動種別カウンタ格納エリア203d4,203e4とを1つの保留球格納エリア203d,203eの中にそれぞれまとめて設けているが、各カウンタC1〜C3,CS1毎に保留球格納エリアを複数設けるようにしてもよい。
上述した通り、第1保留球格納エリア203dには、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで取得されるデータ(各カウンタC1〜C3,CS1の各値)が最大4回分まで記憶されるが、その場合、4つの保留エリア(第1保留第1〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番にデータが記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い第1入球口64への始動入賞に対応するデータが記憶され、第1保留第1エリアには、時間的に最も古い第1入球口64への始動入賞に対応するデータが記憶されることになる。
また、第2保留球格納エリア203eには、球が第2始動口へ入賞(始動入賞)したタイミングで取得されるデータ(各カウンタC1〜C3,CS1の各値)が最大4回分まで記憶されるが、その場合、4つの保留エリア(第2保留第1〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番にデータが記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い第2始動口への始動入賞に対応するデータが記憶され、第2保留第1エリアには、時間的に最も古い第2始動口への始動入賞に対応するデータが記憶されることになる。
一方、保留球実行エリア203fは、1つのエリアのみで構成されている。この保留球実行エリア203fには、第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203eと同様に、大当たり乱数カウンタC1の値を格納する大当たり乱数カウンタ格納エリア203f1と、大当たり種別カウンタC2の値を格納する大当たり種別カウンタ格納エリア203f2と、停止パターン選択カウンタC3の値を格納する停止パターン選択カウンタ格納エリア203f3、変動種別カウンタCS1の値を格納する変動種別カウンタ格納エリア203f4とが設けられている。
MPU201は、変動演出の実行開始タイミングになったことを判断すると、第2保留球格納エリア203eの第2保留第1エリアにデータ(各カウンタC1〜C3,CS1の各値)が記憶されている場合は、該第2保留第1エリアに記憶されているデータを、この保留球実行エリア203fの各エリア203f1〜203f4にそれぞれシフトする。一方、MPU201は、変動演出の実行開始タイミングとなった場合に、第2保留球格納エリア203eの第2保留第1エリアにデータが記憶されておらず、第1保留球格納エリア203dの第1保留第1エリアにデータが記憶されているとき、該第1保留第1エリアに記憶されているデータを、この保留球実行エリア203fの各エリア203f1〜203f4にそれぞれシフトする。
そして、保留球実行エリア203fにシフトされたデータを、変動開始処理(図41参照)において参照し、その参照データと遊技状態とに基づいて大当たり抽選を行うと共に、その抽選結果に対応する変動パターン及び停止種別を決定する。特別図柄表示装置37では、主制御装置110の制御により、この決定された変動パターンおよび停止種別に基づいて、動的表示が行われる。
また、ここで決定された変動パターン及び停止種別は、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドによって、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114へ通知される。そして、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114の制御によって、第3図柄表示装置81では、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドにより通知された変動パターンおよび停止種別に基づいて、変動演出が行われる。
データのシフトの詳細について説明する。MPU201は、変動演出の実行開始タイミングとなったことを判断すると、第2保留球格納エリア203eの第2保留第1エリアにデータが格納されているか否かを判断する。判断の結果、第2保留第1エリアにデータが格納されていると判断された場合は、第2保留第1エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203e1の乱数値を、保留球実行エリア203fの大当たり乱数カウンタ格納エリア203f1へシフトする。同様に、第2保留第1エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203e2の乱数値を、大当たり種別カウンタ格納エリア203f2へシフトし、第2保留第1エリアの停止パターン選択カウンタ格納エリア203e3の乱数値を、停止パターン選択カウンタ格納エリア203f3へシフトし、第2保留第1エリアの変動種別カウンタ格納エリア203e4の乱数値を、変動種別カウンタ格納エリア203f4へシフトする。
そして、保留球実行エリア203fへのデータのシフトが終了すると、第2保留第1エリアが空き状態となるため、第2保留球格納エリア203eの各エリア(第2〜第4)に記憶(保留)されているデータを、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3)に詰めるシフト処理を行う。なお、第1実施形態では、第2保留球格納エリア203eにおいて、データが記憶(保留)されている第2保留エリア(第1〜第4)についてのみデータのシフトを行う。
ここで、第2保留球格納エリア203e内の各保留エリアに対して行われるデータシフトについて説明する。例えば、変動演出の開始判断が行われた時の第2保留球数カウンタ203bの値が「4」であり、第2保留球格納エリア203eの全エリア(第1〜第4)にデータが記憶されているとする。この状態で、第2保留第1エリアのデータが、保留球実行エリア203fへシフトされ、第2保留第1エリアが空き状態となると、MPU201は、他のエリア(第2〜第4)のデータをそれぞれ、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3)にシフトする。すなわち、第2保留第2エリアのデータを、第2保留第1エリアへシフトし、第2保留第3エリアのデータを、第2保留第2エリアへシフトし、第2保留第4エリアのデータを、第2保留第3エリアへシフトする。
また、例えば、変動演出の開始判断が行われた時の第2保留球数カウンタ203bの値が「2」であれば、MPU201は、第2保留第2エリアのデータのみを、第2保留第1エリアへシフトして、データのシフトを終了する。上述したように、第1実施形態では、データが記憶(保留)されていない第2保留エリア(第3〜第4)については、データのシフト処理を行わないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
なお、データの有無に関わらず、第2保留エリア(第2〜第4)の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、第2保留エリア(第2〜第4)にデータが記憶(保留)されているか否かの判定が不用となるので、プログラムの作成を容易とすることができる。
一方、MPU201は、変動演出の実行開始タイミングとなったときに、第2保留球格納エリア203eの第2保留第1エリアにデータが格納されていないと判断された場合は、次いで、第1保留球格納エリア203dの第1保留第1エリアにデータが格納されているか否かを判断する。判断の結果、第1保留第1エリアにデータが格納されていれば、該第1保留第1エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1の乱数値を、保留球実行エリア203fの大当たり乱数カウンタ格納エリア203f1へシフトする。同様に、第1保留第1エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203d2の乱数値を、大当たり種別カウンタ格納エリア203f2へシフトし、第1保留第1エリアの停止パターン選択カウンタ格納エリア203d3の乱数値を、停止パターン選択カウンタ格納エリア203f3へシフトし、第1保留第1エリアの変動種別カウンタ格納エリア203d4の乱数値を、変動種別カウンタ格納エリア203f4へシフトする。
そして、保留球実行エリア203fへのデータのシフトが終了すると、第1保留第1エリアが空き状態となるため、第1保留球格納エリア203dの各エリア(第2〜第4)に記憶(保留)されているデータを、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3)に詰めるシフト処理を行う。なお、第1実施形態では、第1保留球格納エリア203dにおいて、データが記憶(保留)されている第1保留エリア(第1〜第4)についてのみデータのシフトを行う。
ここで、第1保留球格納エリア203d内の各保留エリアに対して行われるデータシフトについて説明する。例えば、変動演出の開始判断が行われた時の第1保留球数カウンタ203aの値が「4」であり、第1保留球格納エリア203dの全エリア(第1〜第4)にデータが記憶されているとする。この状態で、第1保留第1エリアのデータが、保留球実行エリア203fへシフトされ、第1保留第1エリアが空き状態となると、MPU201は、他のエリア(第2〜第4)のデータをそれぞれ、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3)にシフトする。すなわち、第1保留第2エリアのデータを、第1保留第1エリアへシフトし、第1保留第3エリアのデータを、第1保留第2エリアへシフトし、第1保留第4エリアのデータを、第1保留第3エリアへシフトする。
また、例えば、変動演出の開始判断が行われた時の第1保留球数カウンタ203aの値が「2」であれば、MPU201は、第1保留第2エリアのデータのみを、第1保留第1エリアへシフトして、データのシフトを終了する。上述したように、第1実施形態では、データが記憶(保留)されていない第1保留エリア(第3〜第4)については、データのシフト処理を行わないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
なお、データの有無に関わらず、第1保留エリア(第2〜第4)の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、第1保留エリア(第2〜第4)にデータが記憶(保留)されているか否かの判定が不用となるので、プログラムの作成を容易とすることができる。
次いで、普図保留球格納エリア203gおよび普図保留球実行エリア203hの詳細について説明する。普図保留球格納エリア203gおよび普図保留球実行エリア203hは、普通図柄の当たり抽選や普通図柄表示装置83の可変表示の設定等を行うために、主制御装置110のMPU201により使用される。
普図保留球格納エリア203gは、スルーゲート67への球の通過の検出に伴ってカウンタ用バッファ203cより取得した普図当たりカウンタC4を記憶するためのメモリである。MPU201は、タイマ割込処理(図38参照)の中で、球がスルーゲート67を通過したことを検出すると、カウンタ用バッファ203cから普図当たりカウンタC4の値を取得し、普図保留球格納エリア203gに格納する。普図保留球格納エリア203gは、普通図柄の一の保留球に対応するデータ(普図当たりカウンタC4の値)が、最大4回分まで記憶(保留)できるように、4つの保留エリア(普図保留第1〜第4エリア)を有している(図31参照)。
普図保留球実行エリア203hは、実行を開始する、或いは、実行中の普通図柄の当たり抽選や可変表示の処理において参照すべきデータ(普図当たりカウンタC4の値)を記憶するためのメモリである。
MPU201は、普通図柄の可変表示の実行開始タイミングであることを検出すると、普通図柄の当たり抽選や普通図柄表示装置83の可変表示の設定等の処理を実行するために、上述した普図保留球格納エリア203gに記憶されているデータ(普図当たりカウンタC4の値)のうち、一のデータをこの普図保留球実行エリア203hへシフトする。なお、第1実施形態におけるシフトとは、一の領域に記憶されているデータを別の領域へ移動させることを示す。
上述したように、普通図柄の当たり抽選や普通図柄表示装置83の可変表示の設定には、普通図柄の当たり抽選に使用する普図当たりカウンタC4が用いられる。普図保留球格納エリア203gは、球がスルーゲート67を通過した場合にMPU201によってカウンタ用バッファ203cから取得される普図当たりカウンタC4の値を記憶する。
また、上述した通り、普図保留球格納エリア203gには、球がスルーゲート67を通過したタイミングで取得されるデータ(普図当たりカウンタC4の値)が最大4回分まで記憶されるが、その場合、4つの保留エリア(普図保留第1〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番にデータが記憶される。つまり、エリア番号が小さいエリアほど、時間的に古いスルーゲート67への球の通過に対応するデータが記憶され、普図保留第1エリアには、時間的に最も古いスルーゲート67への球の通過に対応するデータが記憶されることになる。
一方、普図保留球実行エリア203hは、1つのエリアのみで構成されている。この普図保留球実行エリア203hには、普図保留球格納エリア203gと同様に、普図当たりカウンタC4の値を格納する普図当たり乱数カウンタ格納エリア(図示せず)が設けられている。
MPU201は、普通図柄の可変表示の実行タイミングになったことを判断すると、普図保留球格納エリア203gの普図保留第1エリアに記憶されているデータを、この普図保留球実行エリア203hにシフトする。
そして、普図保留球実行エリア203hにシフトされたデータを、普図変動処理(図38のS1111参照)において参照し、その参照データと遊技状態とに基づいて、当たり抽選を行うと共に、可変表示の内容を決定する。普通図柄表示装置83では、主制御装置110の制御により、この決定された内容に基づいて、可変表示が行われる。
データのシフトの詳細について説明する。MPU201は、普通図柄の可変表示の実行開始タイミングとなったことを判断すると、普図保留球格納エリア203gの普図保留第1エリアの普図当たり乱数カウンタ格納エリア(図示せず)の乱数値を、普図保留球実行エリア203hの普図当たり乱数カウンタ格納エリア(図示せず)へシフトする。
そして、普図保留球実行エリア203hへのデータのシフトが終了すると、普図保留第1エリアが空き状態となるため、普図保留球格納エリア203gの各エリア(第2〜第4)に記憶(保留)されているデータを、エリア番号が1小さいエリア(第1〜第3)に詰めるシフト処理を行う。なお、第1実施形態では、普図保留球格納エリア203gにおいて、データが記憶(保留)されている普図保留エリア(第1〜第4)についてのみデータのシフトを行う。
ここで、普図保留球格納エリア203g内の各保留エリアに対して行われるデータシフトについて説明する。例えば、普通図柄の可変表示の開始判断が行われた時の普通図柄の保留数が4個であり、普図保留球格納エリア203gの全エリア(第1〜第4)にデータが記憶されているとする。この状態で、普図保留第1エリアのデータが、普図保留球実行エリア203hへシフトされ、普図保留第1エリアが空き状態となると、MPU201は、他のエリア(第2〜第4)のデータをそれぞれ、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3)にシフトする。すなわち、普図保留第2エリアのデータを、普図保留第1エリアへシフトし、普図保留第3エリアのデータを、普図保留第2エリアへシフトし、普図保留第4エリアのデータを、普図保留第3エリアへシフトする。
また、例えば、普通図柄の可変表示の開始判断が行われた時の普通図柄の保留数2個であれば、MPU201は、普図保留第2エリアのデータのみを、普図保留第1エリアへシフトして、データのシフトを終了する。上述したように、第1実施形態では、データが記憶(保留)されていない普図保留エリア(第3〜第4)については、データのシフト処理を行わないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
なお、データの有無に関わらず、普図保留エリア(第2〜第4)の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、普図保留エリア(第2〜第4)にデータが記憶(保留)されているか否かの判定が不用となるので、プログラムの作成を容易とすることができる。
次に、図38から図44のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理(図42参照)と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理(図43参照)と、定期的(第5実施形態では、「4ミリ秒」周期)に起動されるタイマ割込処理(図38参照)と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理(図44参照)とがある。ここでは、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理(図38参照)を説明し、その後立ち上げ処理(図42参照)とメイン処理(図43参照)とNMI割込処理(図44参照)とを説明する。
図38は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば「4ミリ秒」毎に繰り返し実行される定期処理である。MPU201がこのタイマ割込処理を実行することによって、定期的に実行すべき各種の処理が行われる。
このタイマ割込処理では、まず、外部出力処理を実行する(S1101)。タイマ割込処理やメイン処理では、各種処理に基づいて、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等へ送信すべきコマンド等を生成し、RAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦記憶する。S1101の外部出力処理では、このコマンド送信用リングバッファに記憶されたコマンド等の出力データを、サブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する。
例えば、後述する始動入賞処理(図39参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、特図変動処理(図40参照)や特図変動処理の一処理である変動開始処理(図41)で設定された変動パターンコマンド、停止種別コマンド、確定コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。その他、後述のS1112の発射制御処理において球の発射を行う場合に設定された球発射信号を、払出制御装置111を介して発射制御装置112に送信する。
次に、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1102)、次いで、第1特別図柄又は第2特別図柄に基づく大当たり時における処理等を実行する当たり処理を実行する(S1103)。
次いで、普通電役64aの回動板の駆動制御処理を実行する普通電役制御処理を実行する(S1104)。簡単に説明すると、球がスルーゲート67を通過したことを条件に普通図柄表示装置83にて普通図柄の可変表示が実施され、普通図柄の可変表示の結果、普通図柄の当たり図柄(例えば、「○」図柄)が現出して当たり状態になると、普通電役64aの回動板を所定時間開放駆動する。
次いで、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S1105)。即ち、主制御装置110に接続されている第1始動口スイッチ、第2始動口スイッチ、大入賞口スイッチ、及び、各種スイッチ208の状態を読み込むと共に、当該スイッチ208の状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。また、入賞検知情報に基づいて払出制御装置111に対して送信すべき獲得球数に対応する賞球コマンドをRAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する。これにより、次に実行されるタイマ割込処理のS1101の処理によって、賞球コマンドが払出制御装置111に向けて送信される。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S1106)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(第5実施形態では、「899」)に達した際、「0」にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ203c領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(第5実施形態では、「99」)に達した際、「0」にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するカウンタ用バッファ203c領域に格納する。
さらに、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1及び普図当たりカウンタC4の更新を実行する(S1107)。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1及び普図当たりカウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(第5実施形態では、それぞれ、「899」,「99」,「99」,「199」,「99」)に達した際、それぞれ「0」にクリアする。また、大当たり乱数カウンタC1又は普図当たりカウンタC4が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1又は第2初期値乱数カウンタCINI2の値を当該大当たり乱数カウンタC1又は普図当たりカウンタC4の初期値として読み込み、その初期値を大当たり乱数カウンタC1又は普図当たりカウンタC4に設定する。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ203c領域に格納する。
次に、第1入球口64又は第2始動口への入賞に伴う始動入賞処理を実行し(S1108)、次いで、スルーゲート67への球の通過に伴って普通図柄の当否および可変表示の内容等を決定するゲート通過処理を実行する(S1109)。なお、始動入賞処理の詳細は、図39を参照して後述する。
ゲート通過処理(S1109)を実行した後は、上記始動入賞処理(S1108)の処理内容に基づいて特別図柄表示装置37による特別図柄の動的表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特図変動処理を実行する(S1110)。なお、特図変動処理(S1110)の詳細は図40を参照して後述する。
次いで、上記ゲート通過処理(S1109)の処理内容に基づいて普通図柄表示装置83による普通図柄の可変表示を行うための処理を実行する普図変動処理を実行する(S1111)。普図変動処理(S1111)では、後述する時短カウンタの値に応じて、普通図柄の抽選確率が高確率(例えば、9/10)か低確率(1/10)のいずれかで行われる。
普図変動処理(S1111)を実行した後は、発射制御処理を実行し(S1112)、さらに、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S1113)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理(S1112)は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。そして、球の発射がオンである場合、発射制御装置112へ球発射信号を送信するために、その球発射信号の情報を、RAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する。これにより、次に実行されるタイマ割込処理のS1101の処理によって、球発射信号が払出制御装置111を介して発射制御装置112へ送信される。
次に、図39のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図38参照)の一処理である始動入賞処理(S1108)を説明する。図39は、この始動入賞処理(S1108)を示すフローチャートである。始動入賞処理は、第1入球口64又は第2始動口(以下、第1入球口64と第2始動口とを総称して、「始動口64」と称する場合がある)への球の入賞の有無を判断し、入賞があった場合は、各カウンタC1〜C3,CS1の値を入賞した始動口64に対応する第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203eに格納する(保留する)処理を実行する。また、保留する各カウンタC1〜C3,CS1の値を保留球数と合わせて音声ランプ制御装置113へ送信するための処理を実行する。
この始動入賞処理(S1108)では、まず、球が第1入球口64(特図1入賞口)に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S1201)。ここでは、スイッチ読み込み処理(図38のS1105参照)において読み込んだ、第1入球口64への入球(入賞)を検出する第1始動口スイッチ(図示せず)の出力信号に基づいて、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理(図38参照)にわたって検出する。
球が第1入球口64に入賞した(始動入賞があった)と判別されると(S1201:Yes)、次いで、第1保留球数カウンタ203aの値(主制御装置110において保留されている第1特別図柄の動的表示(変動演出)の作動保留球数N1)が上限値(第5実施形態では、「4」)未満であるか否かを判別する(S1202)。そして、第1入球口64への入賞があっても作動保留球数N1<4でなければ(S1202:No)、この始動入賞処理(S1108)を終了し、タイマ割込処理(図38参照)へ戻る。
一方、作動保留球数N1<4であれば(S1202:Yes)、第1保留球数カウンタ203aの値(作動保留球数N1)を1加算する(S1203)。そして、今回、第1特別図柄に対応する第1入球口64への入賞であるので、第1保留球格納エリア203dを各乱数値C1〜C3,CS1の格納先として設定し(S1204)、処理をS209へ移行する。
S1201の処理において、球が第1入球口64へ入賞していないと判別された場合(S1201:No)、次いで、球が第2始動口に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S1205)。ここでは、第1入球口64と同様、スイッチ読み込み処理(図38のS1105参照)において読み込んだ、第2始動口への入球(入賞)を検出する第2始動口スイッチ(図示せず)の出力信号に基づいて、第2始動口への入球を3回のタイマ割込処理(図38参照)にわたって検出する。
球が第2始動口に入賞した(始動入賞があった)と判別されると(S1205:Yes)、次いで、第2保留球数カウンタ203bの値(主制御装置110において保留されている第2特別図柄の動的表示(変動演出)の作動保留球数N2)が上限値(第5実施形態では、「4」)未満であるか否かを判別する(S1206)。そして、第2始動口への入賞がないか(S1205:No)、或いは、第2始動口への入賞があっても作動保留球数N2<4でなければ(S1206:No)、この始動入賞処理(S1108)を終了して、タイマ割込処理(図38参照)へ戻る。
一方、作動保留球数N2<4であれば(S1206:Yes)、第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N2)を1加算する(S1207)。そして、今回、第2特別図柄に対応する第2始動口への入賞であるので、第2保留球格納エリア203eを各乱数値C1〜C3,CS1の格納先として設定し(S1208)、処理をS1209へ移行する。
S1209の処理では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値をカウンタ用バッファ203c(図31参照)から読み出し、S1204又はS1208で格納先として設定された第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203eに設けられた第1保留第1〜第4エリア又は第2保留第1〜第4エリアのうち、第1保留球格納エリア203dが格納先として指定されている場合は第1保留球数カウンタ203aで示される値に対応するエリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1、大当たり種別カウンタ格納エリア203d2、停止パターン選択カウンタ格納エリア203d3及び変動種別カウンタ格納エリア203d4に各々保留(格納)する(S1209)。また、第2保留球格納エリア203eが格納先として指定されている場合は第2保留球数カウンタ203bで示される値に対応するエリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203e1、大当たり種別カウンタ格納エリア203e2、停止パターン選択カウンタ格納エリア203e3及び変動種別カウンタ格納エリア203e4に各々保留(格納)する(S1209)。
具体的には、例えば、第1入球口64への入賞に基づいてS1204の処理において第1保留球格納エリア203dが格納先として設定され、また、S1203の処理による加算後の第1保留球数カウンタ203aの値が「1」であれば、第1保留第1エリアの各格納エリアにそれぞれカウンタC1〜C3,CS1の値が保留される。また、加算後の第1保留球数カウンタ203aの値が「2」であれば第1保留第2エリアの各格納エリアに、加算後の第1保留球数カウンタ203aの値が「3」であれば第1保留第3エリアの各格納エリアに、加算後の第1保留球数カウンタ203aの値が「4」であれば第1保留第4エリアの各格納エリアに、各々カウンタC1〜C3,CS1の値が保留される。
また、例えば、第2始動口への入賞に基づいてS1208の処理において第2保留球格納エリア203eが格納先として設定され、また、S1207の処理による加算後の第2保留球数カウンタ203bの値が「1」であれば、第2保留第1エリアの各格納エリアにそれぞれカウンタC1〜C3,CS1の値が保留される。また、加算後の第2保留球数カウンタ203bの値が「2」であれば第2保留第2エリアの各格納エリアに、加算後の第2保留球数カウンタ203bの値が「3」であれば第2保留第3エリアの各格納エリアに、加算後の第2保留球数カウンタ203bの値が「4」であれば第2保留第4エリアの各格納エリアに、各々カウンタC1〜C3,CS1の値が保留される。
次に、S1203又はS1207の処理による加算後の第1保留球数カウンタ203a又は第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N1又は作動保留球数N2)と、S1209の処理により第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203eに格納(保留)した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値を含む保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信するために、該保留球数コマンドをRAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する(S1210)。これにより、次に実行されるタイマ割込処理(図38参照)のS101の外部出力処理によって、保留球数コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信される。S1210の処理を終えると、タイマ割込処理(図38参照)に戻る。
なお、S1210の処理において保留球数コマンドに含める各カウンタC1〜C3,CS1の値は、S1209の処理によりカウンタ用バッファ203cから読み出した値そのものを用いてもよいし、S1209の処理において第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203eに格納(保留)された値を読み出したものを用いてもよい。
次に、図40を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図38参照)の一処理である特図変動処理(S1110)について説明する。図40は、この特図変動処理(S1110)を示すフローチャートである。この特図変動処理(S1110)は、特別図柄表示装置37における動的表示や第3図柄表示装置81にて行う変動演出に関する制御を行うものである。
この特図変動処理(S1110)では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S1301)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81及び特別図柄表示装置37で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S1301:Yes)、そのまま特図変動処理(S1110)を終了し、タイマ割込処理(図38参照)に戻る。
大当たり中でなければ(S1301:No)、特別図柄表示装置37の表示態様が動的表示中であるか否かを判別し(S1302)、特別図柄表示装置37の表示態様が動的表示中でなければ(S1302:No)、次いで、特別図柄表示装置37における動的表示が停止後、所定時間経過したか否かを判別する(S1303)。その結果、動的表示の停止後、所定時間経過していなければ(S1303:No)、タイマ割込処理(図38参照)へ戻る。これにより、動的表示(変動演出)における停止図柄が所定時間だけ特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者に対して、その停止図柄を視認させることができる。
一方、S1303の処理の結果、動的表示の停止後、所定時間経過していれば(S1303:Yes)、第2保留球数カウンタ203bの値(主制御装置110において保留されている第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)の作動保留球数N2)が「0」よりも大きいか否かを判別する(S1304)。その結果、第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N2)が「0」でなければ(S1304:Yes)、第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)の実行開始タイミングであると判断し、まず、第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N2)を1減算する(S1305)。これは、後述する変動開始処理(S1310)によって、保留されていた第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)のうち1の動的表示(変動演出)の実行が開始されるため、第2特別図柄に関する保留球数が1つ減少するためである。
次いで、第2保留球格納エリア203eに格納されたデータをシフト処理する(S1306)。このデータシフト処理は、第2保留球格納エリア203eの第2保留第1〜第4エリアに格納されているデータを保留球実行エリア203fへ向けて順にシフトさせる処理であって、第2保留第1エリア→保留球実行エリア203f、第2保留第2エリア→第2保留第1エリア、第2保留第3エリア→第2保留第2エリア、第2保留第4エリア→第2保留第3エリアといった具合に、各エリア内のデータがシフトされる。
一方、S1304の処理において、第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N2)が「0」であると判別されると(S1304:No)、次に、第1保留球数カウンタ203aの値(主制御装置110において保留されている第1特別図柄に関する動的表示(変動演出)の作動保留球数N1)が「0」よりも大きいか否かを判別する(S1307)。その結果、第1保留球数カウンタ203aの値(作動保留球数N1)が「0」でなければ(S1307:Yes)、第1特別図柄に関する動的表示(変動演出)の実行開始タイミングであると判断し、まず、第1保留球数カウンタ203aの値(作動保留球数N1)を1減算する(S1308)。これは、後述する変動開始処理(S1310)によって、保留されていた第1特別図柄に関する動的表示(変動演出)のうち1の動的表示(変動演出)の実行が開始されるため、保留球数が1つ減少するためである。
次いで、第1保留球格納エリア203dに格納されたデータをシフト処理する(S1309)。このデータシフト処理は、第1保留球格納エリア203dの第1保留第1〜第4エリアに格納されているデータを保留球実行エリア203fへ向けて順にシフトさせる処理であって、第1保留第1エリア→保留球実行エリア203f、第1保留第2エリア→第1保留第1エリア、第1保留第3エリア→第1保留第2エリア、第1保留第4エリア→第1保留第3エリアといった具合に、各エリア内のデータがシフトされる。
S1306又はS1309のデータシフト処理の後は、データシフト処理により保留球実行エリア203fに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81に対する変動開始処理を実行し(S1310)、タイマ割込処理(図38参照)に戻る。なお、変動開始処理(S1310)については、図41を参照して後述する。
S1307の処理において、第1保留球数カウンタ203aの値(作動保留球数N1)が「0」であると判別されると(S1307:No)、第3図柄表示装置81においてデモ演出が行われている状態であるか否か、即ち、デモ中であるか否かを判別する(S1311)。この判別処理では、音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114にデモコマンドを送信した後、第1保留球数カウンタ203a又は第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N1又は作動保留球数N2)のいずれかの値が「0」より大きいと判断されるまでの間をデモ中として判別する。
そして、デモ中ではないと判別された場合は(S1311:No)、音声ランプ制御装置113へ送信すべきデモコマンドを設定して(S1312)、タイマ割込処理(図38参照)に戻る。一方、デモ中であると判別された場合は(S1311:Yes)、そのままタイマ割込処理(図38参照)に戻る。S1312の処理で設定されたデモコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図38のS1101参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
音声ランプ制御装置113は、デモコマンドを受信すると、表示用デモコマンドを表示制御装置114へ送信し、表示制御装置114は、表示用デモコマンドの受信に基づいて、第3図柄表示装置81にデモ演出を表示するように制御を行う。
ここで、デモコマンドが設定されるのは、上述したように、変動停止後、所定時間が経過したときに保留球が1つも存在しない場合である。よって、変動停止後、所定時間経過しても変動演出が開始されない場合は、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示される。
なお、S1311の処理においてデモ中ではない(S1311:No)と判断された場合に、さらに、変動停止後、前記所定時間よりも長い第2の所定時間が経過したか否かを判断する処理を実行し、変動停止後、第2の所定時間が経過したことをもってS1312の処理を実行してデモコマンドを設定するようにしてもよい。これにより、変動停止後、保留球が1つも存在しない場合に、すぐにデモ演出を開始することなく、比較的長い時間、その停止した変動演出の停止図柄を遊技者に見せることができる。
S1302の処理において、特別図柄表示装置37の表示態様が動的表示中であると判別されると(S1302:Yes)、動的表示時間(変動時間)が経過したか否かを判別する(S1313)。特別図柄表示装置37の動的表示中の表示時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この動的表示時間(変動時間)が経過していなければ(S1313:No)、特別図柄表示装置37の表示を更新して(S1314)、タイマ割込処理(図38参照)に戻る。
第5実施形態では、特別図柄表示装置37のLED37aにおいて、動的表示が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、LED37aの表示態様が設定される。
一方、特別図柄表示装置37における動的表示の動的表示時間(変動時間)が経過していれば(S1313:Yes)、特別図柄表示装置37に対して、停止図柄に対応した表示態様を設定する(S1315)。停止図柄は、図41を参照して後述する変動開始処理(S1310)によって予め設定される。変動開始処理では、S1306又はS1309の処理によって保留球実行エリア203fに格納された大当たり乱数カウンタC1の値に応じて大当たりか否かが決定され、大当たりである場合には、大当たり種別カウンタC2の値により、大当たり時におけるラウンド数と、大当たり後に発生し得る遊技状態とが決定される。
S1315の処理で停止図柄に対応した特別図柄表示装置37の表示態様が設定されると、第3図柄表示装置81における変動演出の停止図柄を、特別図柄表示装置37におけるLED37aの表示と同調して確定表示させるために、確定コマンドを設定して(S1316)、処理をS1317へ移行する。確定コマンドは、第3図柄表示装置81にて実行中の変動演出を確定表示させるためコマンドである。音声ランプ制御装置113は、この確定コマンドを受信すると、表示制御装置114に対して表示用確定コマンドを送信する。表示制御装置114は、表示用確定コマンドを受信することによって、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出を停止して、停止図柄を確定表示させるように構成されている。
S1317の処理では、「時短機能」が付加されている遊技状態か否かを判別するために、RAM203に設けられた時短カウンタ(図示せず)の値が「0」よりも大きいか否かを判別する(S1317)。この時短カウンタは、大当たり処理において、大当たり種別「確変A」又は「確変B」と判別された場合に「10000」がセットされ、大当たり種別「時短A」と判別された場合に「100」がセットされ、大当たり種別「時短B」と判別された場合に「50」がセットされるように構成されている。なお、大当たり種別「確変A」又は「確変B」と判別された場合に、回数ではなく、次回大当たりが発生するまで「時短機能」が有効となるように設定してもよい。
S1317の処理において、時短カウンタの値が「0」でなければ(S1317:Yes)、「時短機能」が付加されている遊技状態であり、いずれかの特別図柄の動的表示(変動演出)が1回終了したので、時短カウンタの値を1減算し(S1318)、この特図変動処理(S1110)を終了し、タイマ割込処理(図38参照)に戻る。ここで、S1318の処理により、時短カウンタの値が「0」となった場合、遊技状態を「時間短縮状態」から「通常遊技状態」へと遷移させるとともに、音声ランプ制御装置113等に対して遊技状態が変化(「時間短縮状態」が終了、「通常遊技状態」へ変化等)することを示す遊技状態コマンドを送信する。一方、S1317の処理において、時短カウンタの値が「0」であれば(S1317:No)、「時短機能」が付加されていないため、S1318の処理をスキップして、この特図変動処理(S1110)を終了し、タイマ割込処理(図38参照)に戻る。
上記遊技状態コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理(図38参照)のS1101の処理で、該遊技状態コマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、遊技状態コマンドを受信すると、それに基づき表示用遊技状態コマンドを生成して、表示制御装置114へ送信する。
次に、図41を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特図変動処理(S1110)の一処理である変動開始処理(S1310)について説明する。図41は、変動開始処理(S1310)を示したフローチャートである。この変動開始処理(S1310)は、遊技状態に応じて保留球実行エリア203fに格納された各種カウンタの値に基づき、大当たり又はハズレの抽選(大当たり抽選)を行うと共に、特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる動的表示および変動演出の動的パターン(変動パターン及び停止種別)等を決定する。
変動開始処理(S1310)では、まず、遊技状態を判別するために、現在の遊技状態が特別図柄の高確率状態、即ち、「確率変動状態」中であるか否かを判別する(S1321)。判別の結果、「確率変動状態」中でなければ(S1321:No)、遊技状態が「通常遊技状態」又は「時間短縮状態」であり、特別図柄の大当たり確率が低確率状態であるので、低確率状態用の大当たり乱数テーブル202aを設定し(S1322)、処理をS1324へ移行する。一方、「確率変動状態」中であると判別された場合は(S1323:Yes)、特別図柄の大当たり確率が高確率状態であるので、高確率状態用の大当たり乱数テーブル202aを設定し(S1323)、処理をS1324へ移行する。
S1324の処理では、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値と、S1322又はS1323において設定された大当たり乱数テーブル202a(図32参照)とに基づいて大当たりか否かを判別する大当たり抽選(当否判定)処理を行う(S1324)。
第5実施形態のパチンコ機10では、大当たりか否かは大当たり乱数カウンタC1の値とその時々の遊技状態(モード)との関係に基づいて判別される。上述した通り、大当たり乱数テーブル202aにおいて、パチンコ機10の取りうる遊技状態(モード)が通常の低確率状態(「通常遊技状態」又は「時間短縮状態」)にある場合には、「7,307,582」が大当たり乱数値として規定される。また、パチンコ機10の取りうる遊技状態(モード)が高確率状態(「確率変動状態」)にある場合には「28,122,298,390,486,567,656,750,866」が大当たり乱数値として規定される。
S1324の処理では、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値と、これら大当たり乱数テーブル202aにて規定される大当たり乱数値とを比較して、それらが一致する場合に、大当たりであると判別する。S1324の処理の結果、大当たりであると判別された場合(S1324:Yes)、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり種別カウンタC2の値と、第1特別図柄に対応する特図1用大当たり種別テーブル202b1(図33(a)参照)又は第2特別図柄に対応する特図2用大当たり種別テーブル202b2(図33(b)参照)とに基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S1325)。
この処理では、大当たり種別テーブル202bによって、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別、即ち、最大ラウンド数が10ラウンドの大当たり後に「確率変動状態」へ移行する「10R確変大当たり」に対応する「確変A」か、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たり後に「確率変動状態」へ移行する「4R確変大当たり」に対応する「確変B」か、最大ラウンド数が10ラウンドの大当たり後に「時間短縮状態」へ移行する「10R時短大当たり」に対応する「時短A」か、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たり後に「時間短縮状態」へ移行する「4R時短大当たり」に対応する「時短B」か、が判別される。そして、判別された大当たり種別に基づいて、特別図柄表示装置37における大当たり時の表示態様(LED37aの表示態様)が設定される。
具体的には、保留球実行エリア203fに格納されているデータが第1保留球格納エリア203dからシフトされたデータであった場合、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり種別カウンタC2の値と、特図1用大当たり種別テーブル202b1(図33(a)参照)とに基づいて大当たり種別が決定される。また、保留球実行エリア203fに格納されているデータが第2保留球格納エリア203eからシフトされたデータであった場合、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり種別カウンタC2の値と、特図2用大当たり種別テーブル202b2(図33(b)参照)とに基づいて大当たり種別が決定される。
次に、大当たり時の変動パターンを決定し(S1326)、S1329の処理へ移行する。具体的には、S1325で決定された大当たり種別(表示態様)と、保留球実行エリア203fに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値とに基づいて大まかな演出態様を選択し、その選択された大まかな演出態様の中から変動種別カウンタCS1の値に基づいて具体的な動的表示(変動演出)の動的時間(変動時間)が決定される。この大当たり時の変動パターンの決定では、まず、その大当たり種別(表示態様)とに応じて、使用する停止パターンテーブル202dを選択する。
具体的には、例えば、S1325の処理において大当たり種別として「10R確変大当たり」に対応する「確変A」が設定された場合は、「確変A」用に設けられた停止パターンテーブル202d(例えば、確変A用停止パターンテーブル)において、保留球実行エリア203fに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に対応付けられた演出態様を選択する。また、大当たり種別として「4R確変大当たり」に対応する「確変B」が設定された場合は、「確変B」用に設けられた停止パターンテーブル202d(例えば、確変B用停止パターンテーブル)において、保留球実行エリア203fに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に対応付けられた演出態様を選択する。また、大当たり種別として「10R時短大当たり」に対応する「時短A」が設定された場合は、「時短A」用に設けられた停止パターンテーブル202d(例えば、時短A用停止パターンテーブル)において、保留球実行エリア203fに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に対応付けられた演出態様を選択する。また、大当たり種別として「4R時短大当たり」に対応する「時短B」が設定された場合は、「時短B」用に設けられた停止パターンテーブル202d(例えば、時短B用停止パターンテーブル)において、保留球実行エリア203fに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に対応付けられた演出態様を選択する。
そして、S1326の処理において設定された演出態様毎に設けられた変動パターンテーブル202eのグループにおいて、保留球実行エリア203fに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。そして、予め規定された変動パターンと変動時間との関係に基づいて、変動時間が設定される。
一方、S1324の処理で大当たりではないと判別された場合には(S1324:No)、ハズレ時の表示態様を設定する(S1327)。S1327の処理では、特別図柄表示装置37の表示態様をハズレ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、保留球実行エリア203fに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値と第1保留球数カウンタ203a又は(及び)第2保留球数カウンタ203bの値と現在の遊技状態とに基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる演出態様として、「非リーチ(ショート)」演出態様、「非リーチ(ロング)」演出態様、「ノーマルリーチ」演出態様、「スーパーリーチ」演出態様、「スペシャルリーチ」演出態様のいずれかを設定する。
第5実施形態では、パチンコ機10の遊技状態が「確率変動状態」であるか、「時間短縮状態」であるか、「通常遊技状態」であるかに応じて、各演出態様に対応する停止パターン選択カウンタC3の値の範囲が異なるように停止パターンテーブル202dが設定されている。
次に、ハズレ時の変動パターンを決定し(S1328)、S1329の処理へ移行する。S1328の処理では、特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81において、ハズレ図柄で停止表示するまでの変動時間が決定される。具体的には、S1327の処理において決定されたハズレ時の表示態様(演出態様)毎に設けられた変動パターンテーブル202eのグループにおいて、保留球実行エリア203fに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。そして、予め規定された変動パターンと変動時間との関係に基づいて、変動時間が設定される。
このように、大当たり時における演出態様および変動パターンの設定処理と、ハズレ時における演出態様および変動パターンの設定処理とを、同じ乱数値C3,CS1を用いて同じ判定プログラムによって判定して決定することで、プログラムを共通化することができ、開発時における開発工数を削減することができる。
S1329の処理では、S1326及びS1328の処理によって決定された変動パターンの応じた変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113を介してその変動パターンに応じた変動時間を表示制御装置114へ通知する変動パターンコマンドを設定する(S1329)。具体的には、例えば、大当たり抽選に当選し、該大当たりが「10R確変大当たり」に対応する「確変A」であって、さらに、「25秒」の「スーパーリーチ」の変動パターンが選択されていた場合は、大当たり・「確変A」・「25秒」の「スーパーリーチ」を示す変動パターンコマンドが設定される。また、大当たり抽選にハズレて、さらに、「25秒」の「スーパーリーチ」の変動パターンが選択されていた場合は、ハズレ・「25秒」の「スーパーリーチ」を示す変動パターンコマンドが設定される。このように、変動演出が同じ変動時間であっても、変動パターンコマンドに変動演出の当否と大まかな変動パターンの内容も併せて設定することで、音声ランプ制御装置113は、当否を含む演出態様の内容と変動時間とを把握して、それらの情報を基により詳細は変動演出の変動パターンを決定することができる。
また、S1325又はS1327の処理で設定された停止種別を、音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定し(S1330)、特図変動処理(図40参照)へ戻る。具体的には、例えば、大当たりに当選し、その大当たりの内容が「10R確変大当たり」である「確変A」であれば、具体的な第3図柄の停止態様(例えば、「7」図柄等)は特定せずに、「確変A」であることを示す停止種別コマンドを設定する。また、大当たりに当選し、その大当たりの内容が「4R時短大当たり」である「時短B」であれば、具体的な第3図柄の停止態様(例えば、「4」図柄等)は特定せずに、「時短B」であることを示す停止種別コマンドを設定する。
一方、大当たりに当選せず、さらに、「スーパーリーチ」演出態様が選択されていれば、具体的な第3図柄の停止態様(例えば、「787」等)は特定せずに、ハズレ時の「スーパーリーチ」演出態様であることを示す停止種別コマンドを設定する。また、大当たりに当選せず、さらに、「ノーマルリーチ」演出態様が選択されていれば、具体的な第3図柄の停止態様(例えば、「737」等)は特定せずに、ハズレ時の「ノーマルリーチ」演出態様であることを示す停止種別コマンドを設定する。さらに、大当たりに当選せず、さらに、「非リーチ」演出態様が選択されていれば、具体的な第3図柄の停止態様(例えば、「258」等)は特定せずに、ハズレ時の「非リーチ」演出態様であることを示す停止種別コマンドを設定する。
このように、停止種別コマンドに変動演出の当否に基づいた大まかな停止種別を設定することで、音声ランプ制御装置113(表示制御装置114)は、当否に基づいた停止種別を把握して、それらの情報を基により詳細は変動演出の停止結果を決定することができる。
これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理(図38参照)のS1101の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、変動パターンコマンドや停止種別コマンドを受信すると、それに基づき表示用変動パターンコマンドや表示種別コマンドを生成して、表示制御装置114へ送信する。
次に、図42を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図42は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。
立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1701)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(第5実施形態では、「1秒」)を実行する(S1702)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S1703)。
その後は、RAM消去スイッチ122(図6参照)がオンされているか否かを判別し(S1704)、オンされていれば(S1704:Yes)、処理をS1711へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S1704:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1705)、記憶されていなければ(S1705:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS1711へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1705:Yes)、RAM判定値を算出し(S1706)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S1707:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS1711へ移行する。
なお、図43のS1806でも説明するが、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S1711の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S1711)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S1712,S1713)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAM203の初期化処理(S1712,S1713)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S1712,S1713)を実行する。RAM203の初期化処理(S1712,S1713)では、RAM203の使用領域を「0」クリアし(S1712)、その後、RAM203に初期値を設定する(S1713)。RAM203の初期化処理の実行後は、S1710の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S1704:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S1705:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S1707:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S1708)。そして、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S1709)、S1710の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S1710の処理では、割込みを許可する(S1710)。その後、後述するメイン処理(図43参照)に移行する。
次に、図43を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図43は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では、大別してカウンタの更新処理と電源断時処理とが実行される。
メイン処理では、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1801)。そして、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1801:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1802,S1803)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1802)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(第5実施形態では「899」、「99」)に達した際、「0」にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ203c領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1107(図38参照)の処理と同一の方法によって実行し(S1803)、S1801の処理へ移行する。
ここで、このメイン処理が実行されている間、図38を参照して説明したタイマ割込処理が所定時間間隔(第5実施形態では、「4ミリ秒」)で起動され実行される。タイマ割込処理では、遊技の状態に応じて異なる処理が実行される。例えば、大当たり中には、可変入賞装置65の開閉を制御する実行が行われ、スルーゲート67への球の通過があれば、普通図柄表示装置83による普通図柄の可変表示に関する表示制御が行われる。また、特別図柄表示装置37での動的表示を開始する場合に実行される大当たり抽選では、高確率状態か低確率状態かによって、取得した大当たり乱数カウンタC1と比較する大当たり乱数値の数が異なってくる。よって、1回のタイマ割込処理の実行にかかる時間は、遊技の状態に応じて変化することになる。従って、一のタイマ割込処理が終了してから次のタイマ割込処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく、その時々の遊技の状態に応じて変化する。
メイン処理の一処理である上記のS1802,S1803の処理は、このタイマ割込処理の残余時間の中で実行されることになる。つまり、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新が繰り返し実行されることになるので、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、大当たり乱数カウンタC1の初期値、普図当たりカウンタC4の初期値)とをランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。特に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2とをランダムに更新することによって、これらを更新の初期値として使用する大当たり乱数カウンタC1及び普図当たりカウンタC4の更新に、ランダム性を持たせることができる。
また、S1801の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1801:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、後述する図42のNMI割込処理が実行されたので、S1804以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1804)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1805)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1806)、RAM203のアクセスを禁止して(S1807)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1801の処理は、タイマ割込処理(図38参照)の残余時間内に行われるS1802とS1803の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。これにより、主制御装置110のメイン処理において、タイマ割込処理による各種設定が終了し、また、各カウンタCINI1,CINI2,CS1の更新が終わったタイミングで、電源断の発生情報を確認している。よって、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理(図42参照)の終了後、処理をS1801の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1801の処理から開始することができる。
従って、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S1701)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1801の処理から開始することができる。その結果、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
第5実施形態では、定期的に実行する処理をタイマ割込処理(図38参照)で実行し、メイン処理(図43参照)において、タイマ割込処理の残余時間に各カウンタCINI1,CINI2,CS1の更新を実行する場合について説明したが、タイマ割込処理にて実行していた処理の一部または全部を、メイン処理の中で所定時間(例えば、「4ミリ秒」)毎に実行するように構成してもよい。例えば、第5実施形態においてタイマ割込処理にて実行していた賞球計数信号,払出異常信号読み込み処理(S1102)、大当たり処理(S1103)、普通電役制御処理(S1104)及びスイッチ読み込み処理(S1105)、始動入賞処理(S1108)、ゲート通過処理(S1109)、特図変動処理(S1110)、普図変動処理(S1111)、発射制御処理(S1112)の一部または全部を、タイマ割込処理ではなく、メイン処理の中で「4ミリ秒」毎に実行するように構成してもよい。
この場合、メイン処理(図43参照)の中で所定時間(「4ミリ秒」)経過したか否かを判断するステップを設け、所定時間経過したと判断された場合のみ、所定時間毎に実行する処理を実行し、各カウンタCINI1,CINI2,CS1の更新は、所定時間の経過の有無にかかわらず実行するようにしてもよい。これにより、各カウンタCINI1,CINI2,CS1の更新は、所定時間毎に実行する処理の残余時間に実行されることになるが、所定時間毎に実行する処理は、遊技の状態に応じてその実行にかかる時間が変化するため、このように構成した場合であっても、各カウンタCINI1,CINI2,CS1をランダムに更新することができる。
次いで、図42を参照して、停電等の発生した場合に主制御装置110において実行されるNMI割込処理について説明する。図42は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。
このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。NMI端子に停電信号SG1が入力されたMPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S1901)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
以上、説明したように、第5実施形態では、内枠12を外枠11に施錠した状態で(即ち、内枠12を外枠11から解錠させることなく)、パチンコ機10の正面側から裏面視認用窓部13aによって主基板表QRコード421a(及び主基板番号情報423)を読み取ることが可能に構成されているので、外枠11及び内枠12から前面枠14を解錠するのみで(内枠12を解錠することなく)、盤表QRコード401、枠表QRコード411及び主基板表QRコード421a(及び主基板番号情報423)を読み取ることができる。よって、パチンコ機10における遊技盤13、内枠12及び主制御装置110の組み合わせが適正か否かの確認作業を効率化することができる。
また、第5実施形態では、主制御装置110に貼着されて裏面視認用窓部13aから視認可能な主基板シール420の主基板表QRコード421aが、遊技盤13に貼着された盤側シール400の盤表QRコード401、及び、内枠12に貼着された枠側シール410の枠表QRコード411と鉛直線上に重なるように配置される。これにより、製造メーカの担当者や遊技ホールの関係者が内枠12を施錠した状態で確認作業を行う場合に、各表QRコード401,411,421aの位置を把握し易くなるとともに、確認作業を効率化することができる。
さらに、第5実施形態では、主制御装置110は、第1実施形態の主制御装置110より、遊技盤13に対して背面視やや左側に位置するように配設され、主制御装置110の正面視(パチンコ機10の背面視)左下側に貼着された主基板シール420の主基板裏QRコード422が、遊技盤13の背面視左下側に貼着された盤側シール400の盤裏QRコード402、及び、内枠12の背面視左下側に貼着された枠側シール410の枠裏QRコード412と鉛直線上に重なるように配置される。これにより、製造メーカの担当者や遊技ホールの関係者が内枠12を開放した状態で確認作業を行う場合に、各裏QRコード402,412,422の位置を把握し易くなるとともに、遊技盤13、内枠12及び主制御装置110の確認作業を効率化することができる。
また、盤側シール400の盤裏QRコード402と、枠側シール410の枠裏QRコード412とのパチンコ機10の背面方向に部品が配置されず、パチンコ機10の背面側から盤裏QRコード402及び枠裏QRコード412が露出した状態で配置される(図23参照)。これにより、カバー等の他の部品を取り外すことなく各裏QRコード402,412,422を読み取り装置600によって読み取ることが可能となり、遊技盤13、内枠12及び主制御装置110の確認作業を効率化することができる。
さらに、第5実施形態では、各QRコード401,402,411,412,421a,422の各上方、各QRコード401,402,411,412,421a,422にそれぞれ対応する番号情報403,413,423がそれぞれ印刷(表示)され、読み取り装置600の操作部610に対する1の操作によって、各QRコード401,402,411,412,421a,422を読み取るとともに、各番号情報403,413,423を同時に読み取り可能に構成されている。そして、QRコード401,402,411,412,421a,422か番号情報403,413,423のいずれか一方を正常に読み取れていれば、遊技盤番号、枠番号または主基板番号を正常に読み取れたものとして処理を実行可能に構成されている。このように構成することで、QRコード401,402,411,412,421a,422か番号情報403,413,423のいずれか一方が汚れていたり破損して正常に読み込めない場合や、遊技ホールの照明環境が薄暗い影響により、QRコード401,402,411,412,421a,422が読み取り難い場合であっても、他方の番号情報403,413,423若しくはQRコード401,402,411,412,421a,422が読み取れた場合に、遊技盤番号、枠番号または主基板番号を正常に読み取れたものとして処理を実行可能に構成することで、QRコード401,402,411,412,421a,422又は番号情報403,413,423のいずれか一方が破損や汚れ等で正常に読み取れない状況であっても、パチンコ機10における遊技盤13、内枠12及び主制御装置110の組み合わせが適正か否かの確認作業を効率化することができる。また、人間の知覚では内容を認識し難い各QRコード401,402,411,412,421a,422が読み取り装置600で読み取れない場合に、人間の知覚で読み取ることが可能な番号情報403,413,423を読み取ったり、該番号情報403,413,423が読み取り装置600で読み取れない場合は、該番号情報403,413,423を読み取り装置600に対して直接入力することで処理を実行可能に構成することで、パチンコ機10における遊技盤13、内枠12及び主制御装置110の組み合わせが適正か否かの確認作業を効率化することができる。
また、第5実施形態では、主基板シール420は、主制御装置110の基板ボックス100のボックスベースとボックスカバーとに亘って(跨って)貼着されているため、基板ボックス100を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100を無理に開封しようとすると、主基板シール420がボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、主基板シール420を確認することで、基板ボックス100が開封されたかどうかを知ることができる。即ち、主基板シール420が封印シールの機能を兼ねている。このため、別途、封印シールを用意して基板ボックス100に貼着する必要性がなくなり、パチンコ機10における部品点数を少なくすることができる。
さらに、第5実施形態では、読み取り装置600でQRコード401,402,411,412,421a,422、又は、番号情報403,413,423を読み取った場合に、該読み取り装置600の表示部611の背景色をそれぞれ異ならせるとともに、読み取ったQRコード401,402,411,412,421a,422,又は、番号情報403,413,423の組み合わせに応じて表示部611の背景色を変化させるように、各QRコード401,402,411,412,421a,422の符号化情報、及び、番号情報403,413,423の印刷内容が設定されている。そして、1のパチンコ機10において遊技盤13に対応する盤QRコード401,402又は遊技盤番号情報403、内枠12に対応する枠QRコード411,412又は枠番号情報413、並びに、主制御装置110に対応する主QRコード421a,422又は主基板番号情報423のすべてを正常に読み込んで、1のパチンコ機10における遊技盤13、内枠12及び主制御装置110の組み合わせが正常であった場合には、読み取り装置600の表示部611における背景色を特定の色(第5実施形態では、「白」)で表示し、製造メーカの営業者や遊技ホールの関係者に1のパチンコ機10における確認作業が完結したことを報知可能に構成されている。このように構成することで、製造メーカの営業者や遊技ホールの関係者が読み取り装置600によって1のパチンコ機10における遊技盤13、内枠12及び主制御装置110の組み合わせが正常か否かの確認作業を行う場合に、読み取り装置600の表示部611の背景色を確認することで、確認作業が適正に完了したか否かや、いずれの確認作業が終了若しくは未実行か否かを表示部611の背景色を確認することで可能となる。よって、例えば、読み取り装置600において文字等を表示する機能を有していない場合であっても、確認作業の実行状況を製造メーカの担当者や遊技ホールの関係者に認識させることが可能となり、確認作業を効率化するとともに、読み取り装置600の構成を簡易なものとすることができる。
また、第5実施形態では、裏面視認用窓部13aは、前面枠14が内枠12及び外枠11に施錠されている状態(即ち、前面枠14閉鎖状態)では、該前面枠14の下部によって被覆されて、パチンコ機10の正面側からは該裏面視認用窓部13aが視認できないように構成される。一方、前面枠14が内枠12及び外枠11から解錠されて前面枠14が内枠12及び外枠11から回動された状態(即ち、前面枠14開放状態)では、この裏面視認用窓部13aが露出して、パチンコ機10の正面側から視認可能となることで、該裏面視認用窓部13aによって遊技盤13の裏面側が視認可能となるように構成されている。これにより、遊技を行う遊技者からは各QRコード401,411,421aを視認不可にすることでパチンコ機10の装飾性の低下を抑制することができつつ、製造メーカの担当者や遊技ホールの関係者による確認時には、裏面視認用窓部13aから遊技盤13の裏面側が視認可能となり、確認作業を効率化することができる。
その他、第5実施形態におけるパチンコ機10、ホールコンピュータ500及び読み取り装置600は、第1実施形態乃至第4実施形態と同一の構成によって、同一の効果を奏する。
<第6実施形態>
次に、図45乃至図47を参照して、第6実施形態におけるパチンコ機10について説明する。
第1実施形態のパチンコ機10では、外枠11、内枠12及び前面枠14を残した状態で、所定の遊技仕様で遊技を実行可能な所定機種の遊技盤13を、他の遊技仕様で遊技を実行可能な他機種の遊技盤13と交換して機種変更可能に構成されている。
これに対し、第6実施形態のパチンコ機10では、機種変更時に交換可能な部品として第2盤面装置24を設け、機種変更をする場合に、遊技盤13と第2盤面装置24とをともに交換可能に構成する。そして、交換可能な第2盤面装置24に、第2盤面側シール430を貼着し、1のパチンコ機10において、遊技盤13、内枠12、主制御装置110及び第2盤面装置24の組み合わせが正常か否かを読み取り装置600によって読み取り可能に構成する。
以下、第6実施形態におけるパチンコ機10、ホールコンピュータ500及び読み取り装置600等について、第1実施形態乃至第5実施形態におけるパチンコ機10、ホールコンピュータ500及び読み取り装置600等と相違する点を中心に説明する。以下の説明では、第1実施形態乃至第5実施形態と同一の要素に同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
まず、図45及び図46を参照して、第6実施形態におけるパチンコ機10の構成について説明する。図45は、第6実施形態におけるパチンコ機10の正面図であって、図45(a)は、内枠12及び外枠11に対して前面枠14が施錠された状態のパチンコ機10の正面図であり、図45(b)は、内枠12及び外枠11から前面枠14が解錠されて該前面枠14が内枠12及び外枠11に対して開放された状態を示した正面図である。また、図46は、第6実施形態におけるパチンコ機10の右側面図であって、図46(a)は、前面枠14を内枠12及び外枠11に対して施錠した状態を示した右側面図であり、図46(b)は、前面枠14を内枠12及び外枠11から解錠して90度回動させた状態を示した図である。
まず、図45(a)及び図45(b)で示すように、第6実施形態のパチンコ機10には、該パチンコ機10の上部側に第2盤面装置24が設けられ、内枠12及び外枠11に対して第2盤面装置24が組付け固定されている。この第2盤面装置24には、その正面側にパチンコ機10の機種名ロゴが形成されているとともに、該機種名ロゴの正面視下部に、内蔵されるモータによって変位可能な可動パネル25が設けられている。
可動パネル25は、いずれの文字も表示されていない通常状態面(図45参照)と、所定の文字が形成された複数の文字面(図示せず)とで構成され、遊技の実行結果や遊技状態に応じてその駆動状態が変位するように構成されている。具体的には、例えば、「通常遊技状態」等の常態では、上記通常状態面がパチンコ機10の正面側を向くように構成される一方、第3図柄表示装置81における「リーチ表示」の実行中には、実行中の演出に関する所定の示唆内容(例えば、「激熱」)を表示した文字面がパチンコ機10の正面側を向くように構成されたり、大当たり状態中や「確率変動状態」中には、その状態に関する示唆内容(例えば、「LUCKY!」や、「確変中」等)を表示した文字面がパチンコ機10の正面側を向くように構成される。
ここで、図46(a)及び図46(b)で示すように、第2盤面装置24は、該第2盤面装置24の下側部分が内枠12(遊技盤13及び外枠11)によって固定されており、前面枠14の施錠時は、第2盤面装置24の下側部分全体が前面枠14によって覆われる一方、前面枠14を内枠12から解錠して開放した場合には、第2盤面装置24の下側部分全体がパチンコ機10の正面側に露出するように構成されている。これにより、前面枠14を施錠した状態で遊技を行う遊技者からは後述する第2盤面側シール430を視認不可にすることでパチンコ機10の装飾性の低下を抑制することができつつ、製造メーカの担当者や遊技ホールの関係者による確認時には、前面枠14を解錠させて開放させることで第2盤面装置24に貼着された第2盤面側シール430が視認可能となる。
第2盤面装置24の正面視右下部分には、第2盤面表QRコード431及び第2盤面裏QRコード432(図46参照)が印刷された第2盤面側シール430が貼着されている。第2盤面側シール430には、第2盤面装置24固有の第2盤面装置製造番号(以下、「第2盤面番号」と称する場合がある)等の固有情報を2次元コードで現した第2盤面表QRコード431及び第2盤面裏QRコード432(図47参照)がそれぞれ印刷されている。パチンコ機10を正面側から見た場合に、第2盤面装置24の正面視右下側に貼着された第2盤面側シール430の第2盤面表QRコード431と、遊技盤13の正面視右下側に貼着された盤側シール400の盤表QRコード401と、内枠12の正面視右下側に貼着された枠側シール410の枠表QRコード411と、主制御装置110の背面視右下側(正面視左下側)に貼着された主基板シール420の主基板表QRコード421aとが鉛直線上に重なるように配置される。また、パチンコ機10を裏面側から見た場合に、第2盤面装置24の裏面視左下側に貼着された第2盤面側シール430の第2盤面裏QRコード432と、遊技盤13の裏面視左下側に貼着された盤側シール400の盤裏QRコード402と、内枠12の裏面視左下側に貼着された枠側シール410の枠裏QRコード412と、主制御装置110の正面視左下側(背面視右下側)に貼着された主基板シール420の主基板裏QRコード422とが鉛直線上に重なるように配置される。これにより、製造メーカの担当者や遊技ホールの関係者が遊技盤13、内枠12、主制御装置110及び第2盤面装置24の組み合わせの確認作業を行う場合に、各QRコード401,411,421a,431の位置を把握し易くなるとともに、遊技盤13、内枠12、主制御装置110及び第2盤面装置24の確認作業を効率化することができる。
この第2盤面側シール430に印刷された第2盤面表QRコード431と第2盤面裏QRコード432とは、同一の2次元コードであり、上述した第2盤面番号(例えば、AA−D 111111)や、製造メーカ名(例えば、製造メーカA)、第2盤面名(例えば、○○○○)等の各データが符号化されており、読み取り装置600(図9参照)によって上記各データを読み取り可能に構成されている。
ここで、図47を参照して、第2盤面装置24に対する第2盤面側シール430の貼着態様について説明する。図47(a)は、第6実施形態における第2盤面装置24の正面図であり、図47(b)は、第2盤面装置24の右側面図である。
上述したように、この第2盤面側シール430は、第2盤面装置24に貼着した場合に、第2盤面装置24の正面側(図47(a)における手前側、図47(b)における左側)に位置する第2盤面表QRコード431と、第2盤面装置24の背面側(図47(a)では図示せず、図47(b)における右側)に位置する第2盤面裏QRコード432とが1のシール(即ち、第2盤面側シール430)にそれぞれ印刷されている。このように構成することで、第2盤面装置24の正面側と背面側とにそれぞれ第2盤面番号を示すQRコードを付したい場合、1の第2盤面側シール430を第2盤面装置24の正面視右側下部から背面視左側下部に亘って貼付することで実現することができ、第2盤面装置24の正面側と背面側とでシールの貼り間違え等の発生を未然に防止することができる。
また、第2盤面装置24の機種名ロゴ及び可動パネル25が設けられた部位は、パチンコ機10の正面側に座る遊技者が視認し易いようにパチンコ機10の正面側に所定角度傾斜して形成されている。このため、読み取り装置600で第2盤面装置24に貼着された第2盤面表QRコード431を読み取ろうとした場合、第2盤面装置24の筐体と読み取り装置600の筐体とが干渉して、読み取り装置600を読み取り対象に対して正対できない場合があり、読み取り装置600による読み取り作業をし難いおそれがある。そこで、第6実施形態では、第2盤面表QRコード431に対して読み取り装置600を正対させずに斜め方向から読み取り作業を行った場合であっても、各セルに生じるズレや歪みを補正するためのアライメントパターンを有する第2盤面表QRコード431に用いることで、第2盤面装置24の筐体と読み取り装置600の筐体とが干渉して第2盤面表QRコード431に対して読み取り装置600を正対できない場合であっても、第2盤面表QRコード431を正常に読み取ることができるように構成されている。このように構成することで、第2盤面装置24の設計自由度を高めることができるとともに、第2盤面側シール430の貼着位置の自由度を高めることができる。
その他、第6実施形態におけるパチンコ機10、ホールコンピュータ500及び読み取り装置600は、第1実施形態乃至第5実施形態と同一の構成によって、同一の効果を奏する。
<第7実施形態>
次に、図48及び図49を参照して、第7実施形態におけるパチンコ機10について説明する。
第1実施形態のパチンコ機10では、外枠11、内枠12及び前面枠14を残した状態で、所定の遊技仕様で遊技を実行可能な所定機種の遊技盤13を、他の遊技仕様で遊技を実行可能な他機種の遊技盤13と交換して機種変更可能に構成されている。
これに対し、第7実施形態のパチンコ機10では、賞球データ等を貯留して遊技を行うことが可能であって、所定個数の球を該パチンコ機10の中に予め用意し、その球をパチンコ機10内で循環させて遊技を行うように構成する。そして、該パチンコ機10の前面枠14を前面上部枠14aと前面下部枠14bとに分離可能に構成し、機種変更をする場合に、遊技盤13と前面上部枠14aとをともに交換可能に構成する。そして、交換可能な前面上部枠14aに、前面枠QRコード441が印刷された前面上部側シール440を貼着し、1のパチンコ機10において、遊技盤13、内枠12、主制御装置110および前面上部枠14aの組み合わせが正常か否かを読み取り装置600によって読み取り可能に構成する。
以下、第7実施形態におけるパチンコ機10、ホールコンピュータ500及び読み取り装置600等について、第1実施形態乃至第6実施形態におけるパチンコ機10、ホールコンピュータ500及び読み取り装置600等と相違する点を中心に説明する。以下の説明では、第1実施形態乃至第4実施形態と同一の要素に同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
まず、図47を参照して、第7実施形態のパチンコ機10の外観構成およびカードサンド装置71について説明する。図47は、パチンコ機10及びカードサンド装置71の正面図である。
カードサンド装置71は、遊技ホールに設置された各パチンコ機10と1対1に対応させて設けられ、対応するパチンコ機10の左側側部(又は右側側部)に設置されて、該パチンコ機10と接続される。パチンコ機10は、対応するカードサンド装置71に投入された紙幣の金額、又は、該カードサンド装置71に挿入された会員カード(図示せず)に記録されている貯蓄データ(残額)の範囲内で、遊技者に球を貸し出す。遊技者は、この貸し出された球(貸球)と、遊技によって払い出された球(賞球)とを所持球として、パチンコ機10において遊技を行うことができる。
ここで、第7実施形態のパチンコ機10は、遊技で使用する球を島設備から供給を受けたり、遊技に使用した球を島設備に排出したりするのではなく、所定個数(第1実施形態では50個)の球をパチンコ機10の中に予め用意し、該パチンコ機10内でその球を循環させて遊技に使用する、いわゆる機内循環式(または封入式)のパチンコ遊技機として構成されている。この機内循環式のパチンコ機10は、従来の払出装置を有しておらず、遊技者へ直接的に球の貸し出しや払い出しを行わずに、貸球や賞球を数値化して(得点として)遊技者に付与する。
この機内循環式のパチンコ機10は、従来の島設備、即ち、該島設備に設置された各パチンコ機10から球を回収し、回収した球を洗浄して、再び各パチンコ機10へ振り分けるといった大がかりな機構を備えた島設備を不要とすることができる。よって、パチンコ機10を導入するホールにおいて、島設備にかかるコストを低減することができる。また、島設備を点検・保守するために該島設備に設置されたパチンコ機10を全て止める必要がなく、パチンコ機10毎に点検・保守を行うことができるので、パチンコ機10の稼働率を上げることができる。
また、第7実施形態のパチンコ機10では、磁石によって引き寄せられない非磁性の球、例えば、オーステナイト系ステンレス鋼球を遊技球(以下、単に「球」と称す)として使用する。これにより、遊技者が磁石を用いて球の流下方向を変更するような不正行為や、後述する遊技領域に球を流下させずに保持させて、遊技領域が開放された場合に球に対して何らかの細工を施すような不正行為が行われないようにしている。
パチンコ機10は、図47に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図47参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側(前方側)へ開閉可能に支持されている。内枠12を閉じた場合、その内枠12は外枠11に対して施錠される。
内枠12は合成樹脂、具体的にはABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂により構成されている。ABS樹脂は、材料コストが安価で、メッキ等ののりが良く装飾性に優れ、耐衝撃性が大きいので、内枠12の構成材料として好適である。
また、内枠12は、正面視下部、即ち、遊技盤13が装着される領域の下側において、正面手前側(前方側)に張り出した前面下部枠14bを有している。この前面下部枠14bの内部に、球を遊技盤13の前面領域(遊技領域)に発射する球発射ユニット112aと、その球発射ユニット112aから発射された直後の球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール112cと、遊技盤13の前面領域から回収された球を貯留して球発射ユニット112aに供給する供給通路(図示せず)とが、主に配設されている(図49参照)。なお、第7実施形態において、パチンコ機10は機内循環式のパチンコ機であるため、一般的なパチンコ遊技機とは異なり、内枠12には、球を貯留するための上皿および下皿が省略されている。
前面下部枠14bは樹脂製(例えば、ABS樹脂)のカバーによって覆われており、そのカバーはパチンコ機10の正面側から開閉不能および取外不能に構成されている。これにより、少なくとも供給通路(図示せず)に貯留されている球に遊技者が触れられないように構成されており、供給通路に貯留されたパチンコ機10で使用する球に対して、遊技者が何らかの不正行為(例えば、球を交換したり、球に油を塗って遊技領域における球の動きを変化させたりする等の不正行為)を行えないようにすることができる。
前面下部枠14bの正面視中央部には、遊技者の所持球やカード残高、獲得した所持球等を表示した状況表示装置85が配設されている。なお、この状況表示装置85の詳細については後述する。
前面下部枠14bの正面視右下側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。
操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
内枠12において遊技盤13が装着される領域の前面側には、その前面を覆う前面上部枠(「ガラス枠」ともいう)14aが設けられている。前面上部枠14aを支持するために、内枠12において遊技盤13が装着される領域の正面視左側の上下2カ所に、金属製のヒンジ19が取り付けられている。そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面上部枠14aが正面手前側(前方側)へ開閉可能に支持されている。前面上部枠14aを閉じた場合、その前面上部枠14aは内枠12に対して施錠される。
内枠12には、その内枠12の開閉軸および前面上部枠14aの開閉軸から離間した側の端部(正面視右端部)の正面視中央下部において、施錠装置を構成するシリンダ錠20が配設されている。外枠11に対する内枠12の施錠と、内枠12に対する前面上部枠14aの施錠とは、このシリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。具体的には、鍵穴21に差し込んだ鍵を左方向に回した場合は、内枠12の施錠が解錠される。一方、鍵穴21に差し込んだ鍵を右方向に回した場合は、前面上部枠14aの施錠が解錠される。
前面上部枠14aは、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面上部枠14aの裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット(図示せず)が配設され、そのガラスユニットを介して内枠12に装着された遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面上部枠14aには、その周囲に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。例えば、窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面上部枠14aの正面視(図47参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
前面上部枠14aの下部に設けられた前面下部枠14bには、その略中央の位置に操作部23が設けられている。操作部23は、遊技者による操作指示を受け付ける入力装置であり、ジョイスティック23aと、ジョイスティック23aの正面視左側に配設された操作ボタン23bと、ジョイスティック23aの正面視右側に配設された操作ボタン23cとによって構成されている。遊技者からジョイスティック23a、操作ボタン23b,23cが操作されると、パチンコ機10は、第3図柄表示装置81にて実行される各種演出において表示される画像を変更することで、遊技者に対して大当たりとなる期待感を高めている。これにより、遊技者が遊技に積極的に参加できるようになっている。
ここで、前面下部枠14bに操作部23を設けることによって、以下の効果を得ることができる。即ち、第7実施形態におけるパチンコ機10は、機内循環式のパチンコ機であるので、通常のパチンコ機では設けられていない、供給通路といった球を機内で循環させるための機構を有している。従来、パチンコ機を入れ替える場合、パチンコ機全体を島設備から取り外して入れ替えていたが、機内循環式パチンコ機では、球を機内で循環させる機構を有しているので、パチンコ機1台の単価が通常のパチンコ機よりも高く、結果としてパチンコ機の入れ替えに要するコストが高くなる。
パチンコ機の各機種・型式において大きく異なるのは、遊技盤13および前面上部枠14aの形状である。そこで、外枠11や、球を機内で循環させるための機構を含む内枠12、共通通路を覆うとともに操作部23を備えた前面下部枠14bを、各機種や型式で共通化し、パチンコ機を入れ替える場合は、前面上部枠14aと遊技盤13とを交換するようにすれば、外枠11、内枠12および前面下部枠14bを各機種・型式で使い回すことができるので、パチンコ機の入れ替えに係るコストを低く抑えることができる。
そして、このようにパチンコ機を入れ替える場合、第7実施形態のように操作部23を前面下部枠14bに設けていれば、パチンコ機を入れ替えるときに操作部23を前面下部枠14bに残した状態で、前面上部枠14aと遊技盤13と併せて交換することができる。よって、機種・型式毎に、操作部23にかかるコストを削減することができる。
パチンコ機10の正面視左側には、カードサンド装置71が配置されている。このカードサンド装置71には、紙幣を投入するための紙幣投入口72及び会員カードやゲストカード(図示せず)を挿入するためのカード挿入口73が配設されている。
会員カードは、遊技ホールに会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体であり、ゲストカードは、遊技ホールに会員登録していない一般の遊技者に対して発行される遊技用記録媒体である。会員カード及びゲストカードは、ICカードで構成されており、遊技者所有の遊技価値(例えば、カード残高(金額データ)など)を記録している。
ゲストカードは、カードサンド装置71の内部に常時備えられており、会員カードを有しない遊技者に対し会員カードの代替的役割を担うものであって、会員カードがカード挿入口73に挿入されていない状態で遊技者が紙幣投入口72へ紙幣を投入した場合に、カードサンド装置71に備えられているゲストカードに紙幣に応じた金額データが記録されるように構成されている。なお、ゲストカードの機能は、会員カードと会員ID以外の機能と同一であるので、以下ではゲストカードに関する説明を省略する。
なお、本実施形態では、カードサンド装置71の内部に会員カード又はゲストカードが備えられていない状態では、遊技者による紙幣の投入が禁止されるエラー状態となるように構成されている。このように構成することで、カードサンド装置71に会員カード又はゲストカードが挿入されていなければ、紙幣投入口72に紙幣を投入することができない。そして、該エラー状態が解除されて正常な状態でのみカードサンド装置71に遊技者が紙幣を投入できるように構成されるので、該紙幣に応じた金額データを必ず会員カードに記録することができる。カードサンド装置71の内部に会員カード又はゲストカードが備えられていないエラー状態は、遊技者により会員カードがカード挿入口73に投入されるか、遊技ホールのスタッフによりゲストカードがカード挿入口73に投入されることで解消されるように構成される。
紙幣投入口72の下方には、貸出球を得るための球貸ボタン74が配設されている。遊技者により球貸ボタン74が操作されると、会員カードに金額データが存在する限りにおいて、カードサンド装置71に予め設定されている貸出金額単位毎に、同じく予め設定されている貸出レートに応じて、貸出球が使用可能玉としてパチンコ機10に加算(記憶)される。
具体的には、例えば、カードサンド装置71において、貸出金額単位が500円と設定され、かつ、貸出レートが1玉4円と設定されている状況において、遊技者により球貸ボタン74が操作された場合は、125玉の貸球が遊技者に貸し出される。また、貸出金額単位が500円と設定され、かつ、貸出レートが1玉2円と設定されている状況において遊技者により球貸ボタン74が操作された場合は、250玉の貸球が遊技者に貸し出される。さらに、貸出金額単位が500円と設定され、かつ、貸出レートが1玉1円と設定されている状況において遊技者により球貸ボタン74が操作された場合は、500玉の貸球が遊技者に貸し出される。
貸出レートは、事前にホールコンピュータ500(図26参照)からカードサンド装置71に対して送信され、設定される。例えば、カードサンド装置71に電源が入れられると、カードサンド装置71の電源が投入されたことを示す信号がホールコンピュータ500へ送信され、該信号を受信したホールコンピュータ500は、当該カードサンド装置71に対し、当該カードサンド装置71に対応する貸出レートに係るレート信号を送信する。そして、当該レート信号を受信したカードサンド装置71は、当該レート信号により特定される貸出レートを、カードサンド装置71内のRAM(図示せず)の所定エリアに記憶することで、貸出レートを設定する。この設定された貸出レート(球単価)は、状況表示装置85に表示される。遊技者は、状況表示装置85に表示された貸出レートを確認することで、カードサンド装置71に対応するパチンコ機10における貸出球の球単価(交換レート)を知ることができる。
また、貸出金額単位も事前にホールコンピュータ500(図26参照)からカードサンド装置71に対して送信され、設定される。例えば、カードサンド装置71に電源が入れられると、カードサンド装置71の電源が投入されたことを示す信号がホールコンピュータ500へ送信され、該信号を受信したホールコンピュータ500は、当該カードサンド装置71に対し、上述したレート信号を当該カードサンド装置71へ送信するとともに、
当該カードサンド装置71に対応する貸出金額単位に係る金額単位信号を送信する。そして、当該金額単位信号を受信したカードサンド装置71は、当該金額単位信号により特定される貸出金額単位を、カードサンド装置71内のRAM(図示せず)の所定エリアに記憶することで、貸出金額単位を設定する。この設定された貸出金額単位は、状況表示装置85に表示される。遊技者は、状況表示装置85に表示された貸出金額単位を確認することで、カードサンド装置71に対応するパチンコ機10における貸出金額単位を知ることができる。
球貸ボタン74の下方(図47下側)には、カード挿入口73に挿入されている会員カードの返却を求めるための返却ボタン75が配設されている。第7実施形態では、カードサンド装置71は、返却ボタン75が押下されると、その時点において状況表示装置85に表示されている獲得した賞球数(所持球数)をパチンコ機10から受け取って所定の交換レート(貸出レートと同一)でポイント換算し、この換算されたポイントを会員カードに貯蓄データとして累積加算する。そして、累積加算された貯蓄データを記憶した会員カードをカード挿入口73から排出する。
所定の交換レートでポイント換算する例として、例えば、1000玉の共有可能玉がある場合は、1玉4円交換の設定が施されたカードサンド装置71においては、1000玉×4円=4000ポイントが、会員カードに加算される。また、1玉2円交換の設定が施されたカードサンド装置71においては、1000玉×2円=2000ポイントが、会員カードに加算される。さらに、1玉1円交換の設定が施されたカードサンド装置71においては、1000玉×1円=1000ポイントが、会員カードに加算される。
カードサンド装置71には、また、各種ランプとして、カード利用可能ランプ76と、貸出可能ランプ77aと、エラー表示ランプ77bとが設けられている。
カード利用可能ランプ76は、カード挿入口73へ会員カードが投入可能か否かを報知するためのランプである。カードサンド装置71は、カード挿入口73へ会員カードが投入可能である状態にある場合に、カード利用可能ランプ76を点灯する。遊技者は、カード利用可能ランプ76の点灯状態により、カードサンド装置71に会員カードが投入可能か否かを判断できる。
なお、カードサンド装置71は、電源投入後、貸出レート及び貸出金額単位が設定され、且つ、所持球数の計数が可能な状態となったことを示す計数許可信号を受信するまでの間、カード利用可能ランプ76を点灯させず、会員カードの受付を許可しない待機状態となっている。つまり、ホールコンピュータ500からのレート信号及び金額単位信号がカードサンド装置71に対する貸出許可信号の役割を果たしていると共に、計数許可信号がカードサンド装置71に対する貸出許可信号の役割を果たしている。そして、カードサンド装置71は、貸出レート及び貸出金額単位の設定が完了し、さらに、所持球数の計数が可能となったと判断すると、カード利用可能ランプ76を点灯して、会員カードが受付可能となった旨を遊技者に報知する。
貸出可能ランプ77aは、球の貸し出しが可能であるか否かを遊技者に報知するためのランプである。貸出可能ランプ77aは、球の貸し出しが可能な場合に点灯される。通常時、カードサンド装置71は貸出可能ランプ77aを非点灯とする。そして、カード挿入口73へ会員カードが投入され、その会員カードが不正なものではなく、正当なものであると確認された場合に限り、カードサンド装置71は貸出可能ランプ77aを点灯し、遊技者に球の貸し出しが可能であることを報知する。一方、カード挿入口73に会員カードを投入しても、その会員カードの正当性が確認できない場合は、カードサンド装置71は貸出可能ランプ77aを非点灯のままとし、また、遊技者からの球の貸出要求を拒否する。また、紙幣投入口72への紙幣の受付も不許可とする。これにより、カード挿入口73に投入した会員カードでは球の貸し出しが行なえず、更に、現金を基に球の貸し出しを受けることができないことを、遊技者に通知することができる。この場合、遊技者は、遊技ホールの店員を呼び、会員カードに記憶されたデータが破壊されていないか確認を行ってもらう等の対応を行うことができる。
このように、本パチンコ機10では、球を使用して遊技を行うためには、カード挿入口73に正当な会員カードを投入するか、会員カードを挿入しない状態で紙幣投入口72に現金を投入することが必須となる。
エラー表示ランプ77bは、所定のエラー時に点灯するランプである。カードサンド装置71は、内部で所定のエラーを検出した場合にエラー表示ランプ77bを点灯する。例えば、カード挿入口73に投入された会員カードが正当なものではなく、不正なものであると確認された場合は、エラー表示ランプ77bを点灯する。遊技ホールの店員は、エラー表示ランプ77bの点灯を確認することによって、カードサンド装置71において所定のエラーが発生したことを認識することができる。これにより、遊技ホールの店員は、カードサンド装置71に生じたエラーに対して、必要な措置を講ずることができる。
次に、図49を参照して、第7実施形態における外枠11及び内枠12に対する前面上部枠14a及び前面下部枠14bの施錠を解除して、該前面上部枠14a及び前面下部枠14bが開放されたパチンコ機10と、パチンコ機10から前面上部枠14a及び遊技盤13が取り外された状態について説明する。図49(a)は、外枠11及び内枠12から前面上部枠14a及び前面下部枠14bを開放した状態のパチンコ機10の正面図であり、図49(a)の状態から前面上部枠14aおよび遊技盤13を取り外した状態のパチンコ機10の正面図である。
第7実施形態の前面上部枠14aの背面側左上部には、前面上部側シール440が貼着されている。この前面上部側シール440には、前面上部枠14a固有の前面上部枠製造番号(以下、「前面枠番号」と称する場合がある)等の固有情報を2次元コードで現した前面枠QRコード441が印刷されている。この前面枠QRコード441は、上記前面枠番号(例えば、AA−Z 111111)や、製造メーカ名(例えば、製造メーカA)、枠名(例えば、○○枠)等の各データが符号化されており、読み取り装置600(図26参照)によって上記各データを読み取り可能に構成される。
第7実施形態では、前面上部枠14aを内枠12から開放した状態において、上記前面上部側シール440の前面枠QRコード441が露出し、読み取り装置600によって読み取り可能となるとともに、遊技盤13(パチンコ機10)の正面側から、盤表QRコード401、枠表QRコード411および主基板表QRコード421aが読み取り装置600によって読み取り可能に構成される。これにより、内枠12を外枠11に施錠した状態で(即ち、内枠12を外枠11から解錠させることなく)、外枠11及び内枠12から前面上部枠14a及び前面下部枠14bを解錠するのみで(内枠12を解錠することなく)、盤表QRコード401、枠表QRコード411、主基板表QRコード421a及び前面枠QRコード441を読み取ることができる。よって、パチンコ機10における遊技盤13、内枠12、主制御装置110及び前面上部枠14aの組み合わせが適正か否かの確認作業を効率化することができる。
また、第7実施形態の遊技盤13の正面視右上部には、パチンコ機10の背面側からパチンコ機10の前面側を視認可能な前面視認用窓部13bが形成されている。この前面視認用窓部13bは、装飾が印刷又は配置されず、透明樹脂によって形成されているので、前面上部枠14aが内枠12に施錠されている状態で、内枠12が外枠11から解錠されて回動された場合に、パチンコ機10(内枠12)の裏面側から前面上部枠14aに貼着された前面上部側シール440の前面枠QRコード441が視認可能となるように形成されている。これにより、内枠12から前面上部枠14aを解錠させることなく、パチンコ機10の裏面側から前面上部側シール440の前面枠QRコード441を読み取り装置600によって読み取り可能に構成されるとともに、パチンコ機10(内枠12)の裏面側から、盤裏QRコード402、枠裏QRコード412及び主基板裏QRコード422が読み取り装置600によって読み取り可能に構成される。これにより、製造メーカの担当者や遊技ホールの関係者が前面上部枠14aを内枠12に対して施錠した状態で、内枠12のみを外枠11から解錠した状態で、盤裏QRコード402、枠裏QRコード412、主基板裏QRコード422および前面枠QRコード441を読み取ることができる。よって、パチンコ機10における遊技盤13、内枠12、主制御装置110及び前面上部枠14aの組み合わせが適正か否かの確認作業を効率化することができる。
また、第7実施形態では、パチンコ機10を裏面側から見た場合に、主制御装置110の正面視(パチンコ機10の背面視)左下側(図25参照)に貼着された主基板シール420の主基板裏QRコード422と、遊技盤13の背面視左下側(図24参照)に貼着された盤側シール400の盤裏QRコード402と、内枠12の背面視左下側(図23参照)に貼着された枠側シール410の枠裏QRコード412と、前面上部枠14aに貼着された前面上部側シール440の前面枠QRコード441とが鉛直線上に重なるように配置される。これにより、製造メーカの担当者や遊技ホールの関係者が内枠12を開放した状態で確認作業を行う場合に、各QRコード402,412,422,441の位置を把握し易くなるとともに、遊技盤13、内枠12、主制御装置110及び前面上部枠14aの確認作業を効率化することができる。
<第8実施形態>
次に、図50を参照して、第8実施形態におけるパチンコ機10について説明する。
第5実施形態では、前面枠14を開放した状態において、遊技盤13に設けられた盤表QRコード401と、内枠12に設けられた枠表QRコード411とをパチンコ機10の正面側から読み取り装置600によって読み取り可能に構成するとともに、遊技盤13に裏面視認用窓部13aを形成し、該裏面視認用窓部13aから遊技盤13の裏面側に設置されている主制御装置110の主基板表QRコード421a全体が視認可能な位置に主基板シール420を貼付するように構成し、前面枠14の開放状態において、盤表QRコード401、枠表QRコード411及び主基板表QRコード421aを読み取り装置600によって読み取り可能に構成している。
これに対し、第8実施形態では、前面枠14において、盤表QRコード401及び枠表QRコード411に対応する位置に前面側裏面視認用窓部14eを設け、前面枠14を内枠12に対して施錠した状態(即ち、遊技者が遊技を行える状態)において、前面側裏面視認用窓部14eを介して、遊技盤13に貼付された盤側シール400に設けられた盤表QRコード401と、内枠12に貼付された枠側シール410に設けられた枠表QRコード411とを、読み取り装置600で読み取り可能に構成する。また、前面枠14において窓被覆部14dを設けず、主制御装置110の基板ボックス100に貼付された主基板シール420に設けられた主基板表QRコード421aを、読み取り装置600で読み取り可能に構成する。
以下、第8実施形態におけるパチンコ機10、ホールコンピュータ500及び読み取り装置600等について、第1実施形態乃至第7実施形態におけるパチンコ機10、ホールコンピュータ500及び読み取り装置600等と相違する点を中心に説明する。以下の説明では、第1実施形態乃至第7実施形態と同一の要素に同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
図50は、第8実施形態におけるパチンコ機10の正面図である。第8実施形態において、第5実施形態等と異なる点は、主に、前面枠14に前面側裏面視認用窓部14eを設け、前面枠14を内枠12に対して施錠した状態において、前面側裏面視認用窓部14eを介して盤表QRコード401及び枠表QRコード411を、パチンコ機10の正面側から読み取り可能に構成されている点と、前面枠14において窓被覆部14dを設けず、主制御装置110の基板ボックス100に貼付された主基板シール420に設けられた主基板表QRコード421aを、遊技盤13の裏面視認用窓部13a及びガラスユニット16を介して読み取り装置600で読み取り可能に構成されている点である。
図50に示すように、前面枠14の正面視右側下部には、透明樹脂で形成された前面側裏面視認用窓部14eが設けられている。この前面側裏面視認用窓部14eは、遊技盤13に貼付された盤側シール400の盤表QRコード401と、内枠12に貼付された枠側シール410の枠表QRコード411とのパチンコ機10正面側に設けられており、パチンコ機10の正面側から、前面側裏面視認用窓部14eを介して盤表QRコード401及び枠表QRコード411が読み取り装置600によって読み取り可能に構成されている。
また、上述したように、第8実施形態のパチンコ機10では、前面枠14において、第5実施形態のような窓被覆部14dが設けられておらず、遊技盤13に設けられた裏面視認用窓部13aを介して、主制御装置110の基板ボックス100に貼付された主基板シール420の主基板表QRコード421aが読み取り装置600によって読み取り可能に構成されている。
このように構成することで、前面枠14が内枠12に対して施錠されている状態であっても、パチンコ機10の正面側から盤表QRコード401、枠表QRコード411及び主基板表QRコード421aを読み取り装置600によって読み取ることが可能となるとともに、パチンコ機10の機種名ロゴ(例えば、○〇物語)や遊技盤13の盤面表示、又は、第3図柄表示装置81に表示される図柄等の識別情報等を確認しながら確認作業を行うことができる。よって、確認作業におけるパチンコ機10に対する解錠操作を不要にすることができるので、パチンコ機10における遊技盤13、内枠12及び主制御装置110の組み合わせが適正か否かの確認作業を効率化することができる。
以上、各実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記各実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、上記各実施形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
また、以下に示す変形例のいずれかの構成に対して、上記各実施形態の各構成を組み合わせて構成することは当然に可能である。さらに、以下に示す変形例のいずれかの構成に対して、他の1又は複数の変形例の各構成を組み合わせて構成することは当然に可能である。これらの場合、各構成を適用したことによるさらなる効果を奏することができる。以下、第1実施形態における説明で使用した部品の符番を基に説明するが、他の実施形態における同種類又は近似した部品の符番に置き換えることは当然に可能である。
<変形例1>
上記各実施形態では、マトリックス型の2次元コードである「QRコード」を用いて遊技盤13、内枠12及び主制御装置110の遊技機製造番号等を記し、各QRコード401等を読み取って照合していた。これに対し、1次元コードであるバーコードや、他のマトリックス型の2次元コード、或いは、スタック型の2次元コードによって遊技機製造番号等を記し、上記コードを読み取って照合するように構成してもよい。例えば、マトリックス型の他の2次元コードであれば、「Veri Code(登録商標)」や、「DataMatrix(登録商標) Code」、「Micro QR Code」、「Maxi Code」、「Code1」、或いは、「Aztec(登録商標) Code」等を用いてもよい。また、スタック型の2次元コードであれば、「PDF417」や、「Micro pdf417」、「Code49」、「Code16K」等を用いてもよい。
<変形例2>
上記各実施形態では、QRコードを用いて遊技機製造番号等を符号化していた。これに対し、他の符号化識別情報によって遊技機製造番号等を符号化するように構成してもよい。具体的には、例えば、赤、青、緑の3色の並び順を画像認識することでコード変換する「カラービット」符号化情報や、所定のデザインに、人の目視では分からないように特定情報であるデジタルマークを埋め込んで印刷し、該デザインを専用の読み取りソフトを有する読み取り装置で読み込むことで、デザインに埋め込まれたデジタルマークが示す特定情報を認識する電子透かし技術である「デジタルマーク」符号化情報を用いて遊技機製造番号等を符号化してもよい。このように構成することで、QRコード等の2次元コードと比べて、パチンコ機10の装飾性を向上することができる。
<変形例3>
上記各実施形態では、2次元コードであるQRコードを用いて遊技機製造番号等を符号化して、該符号化情報を読み取って遊技盤13及び内枠12の組み合わせの照合を行っていた。これに対し、遊技盤13および内枠12の遊技機製造番号等を記憶したICタグを遊技盤13及び内枠12にそれぞれ埋め込み、RFID(Radio Frequency IDentifier)技術を用いて、遊技盤13及び内枠12の組み合わせの照合を行うように構成してもよい。RFIDは、遮蔽時の通信や複数同時通信が可能かつ容易であるため、遊技盤13及び内枠12の取り付け場所の自由度が増し、パチンコ機10の設計自由度を向上することができる。
<変形例4>
上記第1実施形態では、盤側シール400において盤表QRコード401と盤裏QRコード402とを1のシール400で構成していた。これに対し、遊技盤13の正面側と裏面側とでそれぞれ分離した別々のシールを貼付するように構成してもよい。また、枠側シール410も、内枠12の正面側と裏面側とでそれぞれ分離した別々のシールを貼付するように構成してもよい。このように構成することで、各シール400,410の貼付場所の自由度を向上することができる。なお、パチンコ機10の正面側に貼付する盤側シール及び枠側シール、又は、パチンコ機10の裏面側に貼付する盤側シール及び枠側シールを、それぞれ近接した位置に貼付することで、2のQRコードを同時に読み込める読み取り装置600を用いた場合には、パチンコ機10の正面側又は裏面側からの確認作業をし易くすることができる。
<変形例5>
上記第1実施形態では、主制御装置110の主基板シール420を、盤側シール400および枠側シール410と離れた位置に貼付していた。これに対し、主基板シール420を、盤側シール400及び枠側シール410の近傍に貼付するように構成してもよい。即ち、主基板シール420を主制御装置110の基板ボックス100に貼付する場合に、盤側シール400および枠側シール410が貼付されている場所の近傍となるように貼付する。このように構成することで、例えば、3つのQRコードを同時に読み取れる読み取り装置等を用いて、パチンコ機10における確認作業を瞬時に行うことが可能となる。
<変形例6>
上記各実施形態では、盤側シール400、枠側シール410および主基板シール420にQRコードを印刷していた。これに対し、遊技盤13、内枠12又は主制御装置110の基板ボックス100に直接QRコードを印刷形成するように構成してもよい。このように構成することで、シールの貼り間違え等を未然に防止できる。
<変形例7>
上記各実施形態では、主制御装置110の基板ボックス100に主基板シール420を貼付するように構成していた。これに対し、主制御装置110の主制御基板(図示せず)に直接QRコードを貼付又は印刷するように構成してもよい。封印ユニット等によってセキュリティ対策が施されている主制御基板に直接QRコードを貼付又は印刷することで、QRコードの偽造等を行い難く構成し、主基板シール420の張り替え等の不正行為の発生を抑制することができる。
<変形例8>
上記各実施形態では、パチンコ機10の正面側および裏面側にそれぞれ遊技機製造番号等を読み取ることができるQRコードを設け、いずれの方向からも上記遊技機製造番号等を読み取ることが可能に構成されていた。これに対し、1の方向のみ(例えば、裏面側のみ)に遊技機製造番号等を読み取ることができるQRコードを設けるように構成してもよい。
<変形例9>
上記各実施形態において、内枠12における枠裏QRコード412が設けられた枠側シール410を内枠12自体に貼付するように構成していた。これに対し、払出制御装置111に枠側シール410を貼付するように構成してもよい。また、遊技盤13に貼付する盤側シール400として、主制御装置110の基板ボックス100に盤側シール400を貼付するように構成してもよい。即ち、主基板シール420を設けず、該主基板シール420の代替として盤側シール400を主制御装置110の基板ボックス100に貼付する。このように構成することで、各制御装置110,111に貼付されたQRコードを読み取ることで、遊技盤13(主制御装置110)と内枠12との照合を行うように構成してもよい。なお、この場合、遊技盤13と主制御装置110とが常に一致(一体化)し、主制御装置110の交換が行われないことが前提となる。
<変形例10>
上記第1実施形態では、2のQRコード401,411等を同時に読み取るように構成していた。これに対し、1のQRコード401,411等を1つずつ読み取るように構成してもよい。具体的には、例えば、先に内枠12のQRコードを読み込んだ後、内枠12のQRコードであることを条件に所定時間(例えば、10秒以内)の計測が開始され、該所定時間以内に遊技盤13のQRコードを読み取り、一致していない場合、或いは、所定時間以内に読み取らない場合に、エラー信号を出力するように構成してもよい。このように構成することで、2のQRコードを同時に読み取ることができる専用の読み取り装置600を用いずに汎用の読み取り装置で遊技盤13と内枠12との照合作業を行うことができる。なお、所定時間を超えた場合に、エラー信号を出力せずに、先に読み込んだQRコードを消去する等の初期化処理を行うように構成してもよい。
<変形例11>
上記各実施形態では、パチンコ機10に付された2次元コードを読み取り装置600で読み込んで、遊技盤番号、枠番号および主基板番号を認証するように構成されていた。これに対し、島設備に遊技機の設置位置情報(遊技ホールにおける遊技機の設置位置に関する情報)等を符号化した2次元コードを付し、該2次元コードとパチンコ機10に付された2次元コードとで、遊技ホールにおける設置位置と、遊技盤13、内枠12及び主制御装置110とが適切か否かの認証を行えるように構成してもよい。具体的には、例えば、遊技ホールは、パチンコ機10の購入時に、遊技ホールにおけるパチンコ機10の設置位置を予め記憶(入力)する。そして、入力された設置位置に対してパチンコ機10が適切に設置されているか否かを、設置位置情報等を符号化した2次元コードとパチンコ機10に付された2次元コードと照合することで、不正にパチンコ機10又はその部品が交換されていないか否かを把握することが可能となる。
<変形例12>
上記各実施形態では、各QRコード401等によって遊技機製造番号等を符号化した2次元コードを付し、該QRコード401等を読み取り装置600で読み取ることによって、該QRコード401等が示す遊技機製造番号等を認識することが可能に構成されていた。これに対し、遊技機製造番号等を暗号化した2次元コードで各QRコード401等を構成し、読み取り装置600で該QRコード401等を読み取った段階では、暗号化された遊技機製造番号等が読み取られるのみであり、読み取り装置600内で記憶される復号鍵等によって初めて読み取ったQRコード401等の内容が復号化されて、遊技機製造番号等が認識可能となるように構成してもよい。このように構成することで、復号鍵を記憶した専用の読み取り装置600でなければ遊技機製造番号等を正確に読み取ることを不能とすることができ、遊技機製造番号等の偽造等の不正行為を防止することができる。
<変形例13>
上記各実施形態では、読み取り装置600において読み取ったデータと組み合わせデータとの一致判定を行っていた。これに対し、読み取り装置600では、QRコードの読み取り処理を行い、読み取ったデータをホールコンピュータ500に送信し、ホールコンピュータ500において読み取りデータと組み合わせデータとの一致判定を行うように構成してもよい。このように構成することで、読み取り装置600における組み合わせデータの記憶、及び、読み取りデータと組み合わせデータとの一致判定等の制御処理が不要となり、読み取り装置600を簡易な構成にすることができる。
<変形例14>
上記各実施形態では、盤表QRコード401及び枠表QRコード411、又は、盤裏QRコード402及び枠裏QRコード412を隣接した位置にそれぞれ設けていた。これに対し、盤表QRコード401又は盤裏QRコード402に対して、所定距離内(例えば、10cm以内)に枠表QRコード411又は枠裏QRコード412を設けるように構成してもよい。このように構成することで、盤表QRコード401又は盤裏QRコード402に対して近接した位置に枠表QRコード411又は枠裏QRコード412を設けることで、盤表QRコード401及び枠表QRコード411、又は、盤裏QRコード402及び枠裏QRコード412を認識し易くするとともに、盤側シール400又は枠側シール410の貼付位置の自由度が増すため、パチンコ機10の設計自由度を向上することができる。
<変形例15>
上記各実施形態では、各製造メーカMA〜MCのデータサーバ701〜703とホールコンピュータ500とを通信可能に構成し、データサーバ701〜703で生成した組み合わせデータや復号化情報を、ホールコンピュータ500へ出力するように構成していた。これに対し、データサーバ701〜703で生成した組み合わせデータや復号化情報を、USBメモリ等に一旦出力し、該USBメモリをホールコンピュータ500や読み取り装置600に接続することで、組み合わせデータ及び復号化情報をホールコンピュータ500又は読み取り装置600に入力するように構成してもよい。
<変形例16>
上記各実施形態では、読み取り装置600によって遊技盤13と内枠12との組み合わせが間違っていることが判明した場合に、ホールコンピュータ500にエラー信号を出力するように構成していた。これに対し、読み取り装置600によって遊技盤13と内枠12との組み合わせが間違っていることが判明した場合に、製造メーカMA〜MCのデータサーバ701〜703にも、遊技盤13と内枠12との組み合わせが間違っている旨を通報するように構成してもよい。このように構成することで、遊技ホール主導による遊技盤13の不正交換等が行われた場合、製造メーカMA〜MCによって上記不正行為を認識することができるので、遊技ホール主導による不正行為を抑制できる。
<変形例17>
上記各実施形態では、パチンコ機10を新規で購入した場合、読み取り装置600を製造メーカMA〜MCに預け、製造メーカMA〜MCにおいて読み取り装置600の復号鍵603bに復号化情報を記憶するように構成していた。これに対し、まず、読み取り装置600の公開鍵である暗号キーを、ホールコンピュータ500を介してデータサーバ701〜703に送信する。また、該暗号キーによって暗号化された情報を復号可能な復号キーを秘密鍵として読み取り装置600が管理する。そして、データサーバ701〜703は、その暗号キーによって、組み合わせ情報を暗号化し、暗号化した組み合わせ情報を、ホールコンピュータ500を介して読み取り装置600に送信する。そして、読み取り装置600は、自身が保有する復号キーに基づいて暗号化された組み合わせ情報を復号化する。このように構成することで、ホールコンピュータ500では、データサーバ701〜703で生成された組み合わせ情報の内容を把握することができないので、遊技ホール主導による不正行為を防止することができる。
<変形例18>
上記実施形態では、QRコード401,402,411,412,421a,422、及び、番号情報403,413,423の確認作業において、製造メーカの担当者がパチンコ機10における遊技盤13、内枠12及び主制御装置110の組み合わせを確認する場合、自身が保有する携帯端末(例えば、スマートフォン)において、製造メーカのデータサーバのサイトにアクセスし、該サイトにおいて所定の認証情報を入力してログインをした状態において確認作業が行えるように構成している。これに対し、携帯単発に専用のアプリをインストールし、該アプリ上(内)でQRコード401,402,411,412,421a,422、及び、番号情報403,413,423の確認作業を行えるように構成してもよい。このように構成することで、予めアプリ内に遊技盤番号、枠番号、主基板番号等を記憶しておくことで、製造メーカのデータサーバとデータ通信できないような状況でも確認作業を行うことができる。
<変形例19>
上記実施形態では、遊技盤13に裏面視認用窓部13aを形成して、遊技盤13の正面側から主基板表QRコード421aを読み取り可能に構成している。これに対し、遊技盤13の一部分(一側部)に切り欠きを設け、該切り欠き部分に対応する位置に主基板表QRコード421aが位置するように構成してもよい。
<変形例20>
上記実施形態では、QRコード401,402,411,412,421a,422、及び、番号情報403,413,423の少なくともいずれか一方を読み取れた場合に、番号情報が正常に読み取れたと判断して、組み合わせが正常か否かの判別処理を行うように構成している。これに対し、QRコード401,402,411,412,421a,422と、番号情報403,413,423とのいずれも正常に読み取れた場合に、番号情報が正常に読み取れたと判断して、組み合わせが正常か否かの判別処理を行うように構成してもよい。このように構成することで、QRコード401,402,411,412,421a,422と、番号情報403,413,423のいずれか一方が偽造される等の不正行為が行われた場合に、組み合わせ異常とみなすことができ、不正行為の抑止効果を高めることができる。
<変形例21>
上記実施形態では、島設備に設置されている1のパチンコ機10の各QRコード401,402,411,412,421a,422、又は、番号情報403,413,423を読み取って、1のパチンコ機10における遊技盤13、内枠12及び主制御装置110の組み合わせが正常か否かを判別するように構成し、1のパチンコ機10における確認作業の途中(例えば、盤表QRコード401のみ)を読み取った後に、島設備に設置されている隣のパチンコ機10に設けられたQRコード411等を読み取った場合には、組み合わせが不適切なものと判断している。これに対し、島設備に設置されている1のパチンコ機10と隣方向のパチンコ機10との所定の遊技部品(例えば、遊技盤13)に関するQRコード401,402,411,412,421a,422のみを連続的に読み取り、島設備に設置されているすべてのパチンコ機10の所定の遊技部品を読み取った後、該所定の遊技部品と異なる他の遊技部品(例えば、内枠12)に関するQRコード401,402,411,412,421a,422を連続的に読み取って確認作業を行えるように構成してもよい。この場合に、島設備の所定の一端側から他端側に連続的に所定の遊技部品に関する401,402,411,412,421a,422のみを連続的に読み取った後、島設備の一端側に戻って、同じく一端側から他端側に連続的に所定の遊技部品と異なる他の遊技部品に関するQRコード401,402,411,412,421a,422を連続的に読み取ってもよいし、島設備の所定の一端側から他端側に連続的に所定の遊技部品に関する401,402,411,412,421a,422のみを連続的に読み取った後、島設備の他端側から一端側に連続的に所定の遊技部品と異なる他の遊技部品に関するQRコード401,402,411,412,421a,422を連続的に読み取ってもよい。また、既に、所定の島設備において遊技盤13のみの機種変更の場合、該島設備における各パチンコ機10の内枠12の枠番号を過去の確認作業において読み取り装置600によって読み取り済みである状況において、該島設備における各遊技盤13の盤表QRコード401及び主制御装置110の主基板表QRコード421aを連続的に読み取り、過去の確認作業において読み取っていた各内枠12の枠番号とそれぞれ照合できるように構成してもよい。このように構成することで、確認作業を単純化及び省力化(移動量削減等)して、作業効率を向上することができるとともに、製造メーカの担当者がこの確認作業を行った場合には、島設備に設置されているパチンコ機10に関する機種構成(他メーカのパチンコ機の内容)を把握することができるので、該機種構成に基づく営業活動に資するデータを入手することが可能となる。なお、前面枠14にQRコードを設けて確認作業を行う場合に、所定の島設備に設置された複数のパチンコ機10の各前面枠14に設けられたQRコードを、島設備の所定の一端側から他端側に連続的に読み込み、その後、島設備の一端側から他端側に連続的に前面枠14以外の他の遊技部品と異なる他の遊技部品に関するQRコード401,402,411,412,421a,422を連続的に読み取ってもよい。
<変形例22>
上記実施形態では、確認作業において、1のパチンコ機10の各QRコード401,402,411,412,421a,422、又は、番号情報403,413,423を読み取って、1のパチンコ機10における遊技盤13、内枠12及び主制御装置110の組み合わせが正常か否かを判別するように構成し、1のパチンコ機10における確認作業の途中(例えば、盤表QRコード401のみ)を読み取った後に、島設備に設置されている隣のパチンコ機10に設けられたQRコード411等を読み取った場合には、組み合わせが不適切なものと判断している。これに対し、1のパチンコ機10の各QRコード401,402,411,412,421a,422、又は、番号情報403,413,423を読み取るとともに、隣のパチンコ機10の各QRコード401,402,411,412,421a,422、又は、番号情報403,413,423を読み取ることによってパチンコ機10における組み合わせ、及び、島設置における設置位置が適正か否かを判別するように構成してもよい。この場合、島設備に設置されているパチンコ機10の位置関係を予め把握しておく必要がある。このように構成することで、島設備に設置したパチンコ機10が適正な位置に設置されているか否かと、1のパチンコ機10における遊技盤13、内枠12及び主制御装置110の組み合わせが正常か否かを同時に確認することができる。
<変形例23>
上記実施形態では、機内循環式のパチンコ機10を採用した場合、機種変更する際に遊技盤13と前面上部枠14aとを交換可能に構成している。これに対し、前面上部枠14aを機種間において共通的に使用して遊技盤13のみを交換可能に構成する場合は、前面上部枠14aに前面上部側シール440を貼着しないように構成してもよい。機種変更の際に交換対象でない前面上部枠14aに前面上部側シール440を貼着しないことで、前面上部枠14aに対する確認作業が不要となり、確認作業を軽減することができる。
<変形例24>
上記実施形態では、QRコード401,402,411,412,421a,422、又は、番号情報403,413,423を読み取り装置600によって読み取った場合に、読み取り装置600の表示部611の背景色を読み取った内容に応じて変化して、いずれの遊技部品を読み取ったか否かを報知している。これに対し、QRコード401,402,411,412,421a,422、又は、番号情報403,413,423を読み取り装置600で読み取った場合に、表示部611に読み取った内容を文字表示したり、読み取った内容に応じて音声メッセージを出力するように構成してもよい。音声を出力する場合、読み取った内容に応じて音声を重畳して出力してもよい。例えば、遊技盤13を読み取った場合に「ド」の音を出力し、内枠12を読み取った場合に「ミ」の音を出力し、主制御装置110を読み取った場合に「ソ」の音を出力し、すべての読み取った場合に、「ドミソ」の和音を出力するように構成してもよい。
<変形例25>
上記実施形態では、QRコード401,402,411,412,421a,422、又は、番号情報403,413,423を読み取り装置600で正常に読み取れた場合に、読み取り装置600の表示部611の背景色を変化するように構成している。これに対し、QRコード401,402,411,412,421a,422、又は、番号情報403,413,423が正常に読み込めたこと(認識できたこと)を、読み取り装置600をバイブ機能によって振動させたり、読み取り音を出力して、QRコード401,402,411,412,421a,422、又は、番号情報403,413,423が正常に読み取れたか否かを報知するように構成してもよい。
<変形例26>
上記実施形態では、機内循環式のパチンコ機10を採用した場合、遊技盤13、前面上部枠14a、内枠12及び主制御装置110に各シール400,410,420,440を貼着するように構成している。これに対し、遊技盤13、前面上部枠14a、内枠12及び主制御装置110のほかに、前面下部枠14bに対してもQRコードが印刷されたシールを貼着し、該QRコードを読み取り装置600で読み取ることで、遊技盤13、前面上部枠14a、前面下部枠14b、内枠12及び主制御装置110の組み合わせが正常か否かを確認可能に構成してもよい。
<変形例27>
上記実施形態では、読み取り装置600によってQRコード401,402,411,412,421a,422、又は、番号情報403,413,423を読み取った場合に、加法混色によって読み取り装置600の背景色を変化させるように構成している。これに対し、読み取り装置600によってQRコード401,402,411,412,421a,422、又は、番号情報403,413,423を読み取った場合に、減法混色によって読み取り装置600の背景色を変化させるように構成してもよい。この場合、読み取った際に表示される表示色は、イエロー、シアン、マゼンダの3色を用いると好適に減法混色による表示色を実現することができる。
<変形例28>
上記実施形態では、平面形状の部分(平坦部分)に各シール400,410,420,430,440を貼着して読み取り装置600によって各QRコード401,402,411,412,421,421a,422,431,432,441を読み取るように構成している。これに対し、各遊技部品の所定の凹凸を有する部分や、曲面形状を有する部分、或いは、パチンコ機10が設置されている鉛直方向に対して所定角度(例えば、30度)で傾斜した傾斜面にQRコードを印刷又は貼付して、読み取り装置600によって読み取るように構成してもよい。QRコードには、斜めから読み取り作業を行った場合であっても各セルに生じるズレや歪みを補正するためのアライメントパターンを有しているため、多少の凹凸や歪みがあった場合であっても読み取り装置600によってQRコードを読み取ることができる。このように構成することで、各遊技部品の設計自由度を高めることができるとともに、QRコードの配置位置の自由度を高めることができる。
<変形例29>
上記実施形態では、読み取り装置600によって各QRコード401,402,411,412,421,421a,422,431,432,441、又は、番号情報403,413,423を読み取って、パチンコ機10における部品の組み合わせが正常か否かを判別している。これに対し、識別情報を記憶したICチップを各部品に設け、該ICチップを読み取り装置600によって読み取ることでパチンコ機10における部品の組み合わせが正常か否かを判別するように構成してもよい。
上記実施形態では、主制御装置110から各コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信され、その音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して表示の指示がなされるよう構成したが、主制御装置110から表示制御装置114に直接コマンドを送信するものとしてもよい。また、表示制御装置114に音声ランプ制御装置113を接続して、表示制御装置114から各音声の出力とランプの点灯を指示するコマンドを音声ランプ制御装置113に送信するよう構成してもよい。さらに、音声ランプ制御装置113と表示制御装置114とを1の制御装置として構成するものとしてもよい。これらを1つの制御装置とすることで、部品点数が削減でき、パチンコ機のコスト増加を抑制することができる。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。さらに、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<A群:遊技盤と内枠とにそれぞれ符号化情報>
パチンコ機等の遊技機を設置する遊技ホールにおいて、設置済みの遊技機を異なる新規遊技機に変更する際、遊技機全体を新規に購入して設置する場合のほか、枠部材等の遊技機の汎用部品を残しつつ、遊技機毎に異なる遊技盤等の専用部品のみを購入し、該専用部品を汎用部品に設置する場合がある。
これら汎用部品および専用部品には、それぞれ、該汎用部品又は専用部品の不正交換等の不正対策のために、それぞれ固有の管理番号(例えば、遊技盤番号や枠番号)が付されており、遊技ホールへの設置前に監督官庁に対して汎用部品および専用部品の管理番号の組み合わせを申請する必要がある。そして、遊技ホールの管理者等は、該遊技ホールに設置される遊技機を変更した場合に、設置位置において汎用部品および専用部品が適切に設置されているか否かの確認作業を行う(例えば、特許文献1(特開2002−66088号公報))。
しかしながら、上記遊技機では、上記確認作業の効率を高める必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
A群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技機に関する確認作業の効率を高めることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
より詳細に説明すると、仮に、上記申請内容と遊技ホールの設置状況とが異なっていた場合、遊技ホールには業務停止等の行政処分がなされる場合がある。従って、遊技ホールの管理者等は、該遊技ホールに設置される遊技機を変更した場合に、設置位置において汎用ユニットおよび専用ユニットが適切に設置されているか否かの確認作業を行わなければならない。
上記確認作業は、例えば、遊技ホールの管理者等が、汎用ユニットに付された管理番号(即ち、枠番号)と専用ユニットに付された管理番号(即ち、遊技盤番号)とをそれぞれ視認して、監督官庁への申請したリストの内容と汎用ユニット及び専用ユニットの設置位置とが正しいか否かの確認を行う(例えば、特許文献1(特開2002−66088号公報))。
しかしながら、上記確認作業は、管理者等の目視によって行われているため、汎用ユニットに対して専用ユニットが付け間違えていた場合であっても、確認ミスによってその付け間違いが見逃されるおそれがある。また、遊技ホールには多数の遊技機が設置されているため、上記確認作業に対する工数が嵩んでしまい、上記確認ミスが頻発してしまうおそれがある。
A群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技機の確認作業を容易に行うことができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技ホールに設けられた島設備に取り付け固定され、複数の機種において使用可能に構成された汎用部品(例えば、内枠12)と、
該汎用部品に取り付け可能であって、機種固有の遊技を行うことが可能に構成された専用部品(例えば、遊技盤13又は主制御装置110)と、により構成される遊技機において、
前記汎用部品は、
読取装置によって読み取り可能であって、前記汎用部品を特定可能な汎用情報(例えば、枠表QRコード411又は枠裏QRコード412)、を有し、
前記専用部品は、
前記読取装置によって読み取り可能であって、前記専用部品を特定可能な専用情報(例えば、盤表QRコード401若しくは盤裏QRコード402又は主基板QRコード421)、を有する
ことを特徴とする遊技機A0。
遊技機A0によれば、複数の機種において使用可能に構成された汎用部品が遊技ホールに設けられた島設備に取り付けられ、機種固有の遊技を行うことが可能に構成された専用部品が、汎用部品に取り付け可能に構成される。ここで、汎用部品に、読取装置によって読み取り可能であって、汎用部品を特定可能な汎用情報が設けられ、専用部品に、読取装置によって読み取り可能であって、専用部品を特定可能な専用情報が設けられる。これにより、汎用部品と専用部品との組み合わせを人による目視でなく読取装置によって判定することができ、迅速かつ正確に遊技機の整合性を判定できる。よって、汎用情報と専用情報との確認ミスといったヒューマンエラーを防止しつつ、遊技機の確認作業を容易に行うことができる、という効果がある。
遊技機A0において、
前記汎用情報と前記専用情報とを近接して設ける
ことを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、遊技機A0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、汎用情報と専用情報とが近接して設けられる。これにより、読取装置によって汎用情報と専用情報とを読み取る場合に、汎用情報と専用情報とが近接していることから、両情報を読み取り易くなり、読取装置の読み取り作業の作業効率が向上し、遊技機の確認作業を容易に行うことができる、という効果がある。
なお、「近接」とは、汎用情報に対して専用情報を隣接(近隣・接触・密着)した位置に設ける場合や、専用情報を汎用情報から所定距離内(例えば、10cm以内等)に設ける場合等が例示される。
遊技機A0又はA1において、
前記汎用情報は、
遊技機前面側に配置される前側汎用情報表示(例えば、枠表QRコード411)と、
遊技機裏面側に配置される裏側汎用情報表示(例えば、枠裏QRコード412)と、を備え、
前記専用情報は、
遊技機前面側に配置される前側専用情報表示(例えば、盤表QRコード401)と、
遊技機裏面側に配置される裏側専用情報表示(例えば、盤裏QRコード402)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機A1。
遊技機A2によれば、遊技機A0又はA1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、汎用情報として、遊技機前面側に前側汎用情報表示が配置され、遊技機裏面側に裏側汎用情報表示が配置される。また、専用情報として、遊技機前面側に前側専用情報表示が配置され、遊技機裏面側に裏側専用情報表示が配置される。これにより、遊技機の前面側からでも裏面側からでも汎用情報と専用情報とを読取装置によって読み取ることが可能となり、読取装置の読み取り作業の作業効率が向上し、遊技機の確認作業を容易に行うことができる、という効果がある。
遊技機A2において、
前記前側汎用情報表示および前記裏側汎用情報表示は、それぞれ同一の内容を示すものであり、
前記前側専用情報表示および前記裏側専用情報表示は、それぞれ同一の内容を示すものである
ことを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前側汎用情報表示と裏側汎用情報表示とがそれぞれ同一の内容を示すとともに、前側専用情報表示と裏側専用情報表示とがそれぞれ同一の内容を示すように構成される。これにより、遊技機の前面側からでも裏面側からでも読取装置によって同一の内容を読み取ることが可能となり、作業効率を向上して、遊技機の確認作業を容易に行うことができる、という効果がある。
遊技機A0からA3のいずれかにおいて、
前面側に遊技媒体による遊技が行われる遊技領域を形成する板体(例えば、遊技盤13)、を備え、
前記専用情報は、
前記読取装置によって読み取り可能であって、前記板体を特定可能な板体情報表示(例えば、盤表QRコード401又は盤裏QRコード402)である
ことを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A0からA3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、板体の前面側に遊技媒体による遊技が行われる遊技領域が形成され、専用情報として、読取装置によって読み取り可能であって、板体を特定可能な板体情報表示が設けられている。これにより、同一の読取装置によって汎用部品と板体との確認作業を行うことができ、遊技機の確認作業を容易に行うことができる、という効果がある。
遊技機A0からA3のいずれかにおいて、
遊技の制御を行う制御手段(例えば、主制御装置110)、を備え、
前記専用情報は、
前記読取装置によって読み取り可能であって、前記制御手段を特定可能な制御情報表示(例えば、主基板QRコード421)である
ことを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A0からA3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、制御手段により遊技の制御が行われ、専用情報として、読取装置によって読み取り可能であって、制御手段を特定可能な制御情報表示が設けられている。これにより、同一の読取装置によって汎用部品と制御手段との確認作業を行うことができ、遊技機の確認作業を容易に行うことができる、という効果がある。
遊技機A1からA5のいずれかにおいて、
前記前側汎用情報表示および前記裏側汎用情報表示は、1の汎用部品用シール(例えば、枠側シール410)にそれぞれ設け、
該汎用部品用シールは、
前記前側汎用情報表示が前記汎用部品の前面側を向くとともに、前記裏側汎用情報表示が前記汎用部品の裏面側を向くように前記汎用部品に貼付される
ことを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A1からA5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前側汎用情報表示および裏側汎用情報表示が、1の汎用部品用シールにそれぞれ設けられる。そして、前側汎用情報表示が汎用部品の前面側を向くとともに、裏側汎用情報表示が汎用部品の裏面側を向くように、汎用部品用シールが汎用部品に貼付される。これにより、1の汎用部品用シールを汎用部品に貼付するのみで、汎用部品の前面側と裏面側とでそれぞれ汎用部品を特定可能な情報を読み取ることが可能となる。よって、1の汎用部品の前面側と裏面側とにそれぞれ情報を設ける場合に、シールの貼り間違えの発生を未然に防止できる、という効果がある。
遊技機A1からA6のいずれかにおいて、
前記前側専用情報表示および前記裏側専用情報表示は、1の専用部品用シール(例えば、盤側シール400)にそれぞれ設け、
該専用部品用シールは、
前記前側専用情報表示が前記専用部品の前面側を向くとともに、前記裏側専用情報表示が前記専用部品の裏面側を向くように前記専用部品に貼付される
ことを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A1からA6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前側専用情報表示および裏側専用情報表示が、1の専用部品用シールにそれぞれ設けられる。そして、前側専用情報表示が専用部品の前面側を向くとともに、裏側専用情報表示が専用部品の裏面側を向くように、専用部品用シールが専用部品に貼付される。これにより、1の専用部品用シールを専用部品に貼付するのみで、専用部品の前面側と裏面側とでそれぞれ専用部品を特定可能な情報を読み取ることが可能となる。よって、1の専用部品の前面側と裏面側とにそれぞれ情報を設ける場合に、シールの貼り間違えの発生を未然に防止できる、という効果がある。
遊技機A6又はA7において、
前記汎用部品用シール又は前記専用部品用シールは、
前記汎用部品又は前記専用部品に貼付された後、前記汎用部品又は前記専用部品から剥がそうとした場合に、前記汎用部品用シール又は前記専用部品用シールの粘着力に基づいて前記汎用部品用シール又は前記専用部品用シールが部分的に損壊する脆弱部(例えば、切れ目)を有する
ことを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A6又はA7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、汎用部品又は専用部品に汎用部品用シール又は専用部品用シールを貼付した後、その汎用部品又は専用部品から汎用部品用シール又は専用部品用シールを剥がそうとした場合、汎用部品用シール又は専用部品用シールに設けられた脆弱部により、汎用部品用シール又は専用部品用シールの粘着力に基づいて汎用部品用シール又は専用部品用シールが部分的に損壊される。これにより、汎用部品又は専用部品に一度貼付された汎用部品用シール又は専用部品用シールを他の汎用部品又は専用部品に張り替えるといった不正行為を抑制することができる、という効果がある。
遊技機A8において、
前記脆弱部は、
前記汎用部品用シール又は前記専用部品用シールの一部分を断裂させた切れ目であり、
前記汎用部品用シール又は前記専用部品用シールは、
前記汎用情報又は前記専用情報が位置する情報表示部と、
該情報表示部以外の部位である余白部と、を備え、
前記切れ目は、
前記情報表示部には設けられず、前記余白部に設けられる
ことを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、脆弱部に設けられた切れ目により、汎用部品用シール又は専用部品用シールの一部分が断裂されている。また、汎用部品用シール又は専用部品用シールに設けられた情報表示部により、汎用情報又は専用情報が位置し、その情報表示部以外の部位が余白部とされる。そして、切れ目を、情報表示部には設けず、余白部に設ける。これにより、情報表示部に位置する汎用情報又は専用情報の内容が切れ目によって改変されないようにしつつ、汎用部品用シール又は専用部品用シールを剥がそうとした場合に、部分的に断裂させることが可能となる。よって、読取装置による誤読を防ぎつつ、不正交換等の不正行為を防止することができる、という効果がある。
遊技機A6からA9のいずれかにおいて、
前記汎用部品は、
前記専用部品を前記汎用部品に取り付ける場合に、前記専用部品の下部を載置する載置部(例えば、載置部12d)、を備え、
前記専用部品は、
該専用部品を前記汎用部品に取り付ける場合に、前記載置部と当接する当接部(例えば、遊技盤13の下部)、を備え、
前記汎用部品用シールは、前記載置部以外の部位に貼付されるとともに、
前記専用部品用シールは、前記当接部以外の部位に貼付される
ことを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、遊技機A6からA9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、汎用部品に設けられた載置部により、専用部品を汎用部品に取り付ける場合に、専用部品の下側が載置される。また、専用部品に設けられた当接部により、専用部品を汎用部品に取り付ける場合に、載置部と当接される。そして、汎用部品用シールが載置部以外の部位に貼付されるとともに、専用部品用シールが当接部以外の部位に貼付される。これにより、専用部品を汎用部品に取り付ける場合に、専用部品の荷重によって専用部品と汎用部品とが擦れる部位に汎用部品用シール及び専用部品用シールを貼付せず、該擦れる部位以外の部位に汎用部品用シール及び専用部品用シールを貼付することで、汎用部品用シールと専用部品用シールとを擦れ難くして、各シールを破損し難くすることができる、という効果がある。特に、各シールに脆弱部が設けられている場合に、該遊技機A8の構成は好適に作用する。
遊技機A0からA10のいずれかにおいて、
前記汎用情報と前記専用情報とを組み合わせて、前記読取装置によって読み取り可能な1の合成情報を形成する
ことを特徴とする遊技機A11。
遊技機A11によれば、遊技機A0からA10の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、汎用情報と専用情報とを組み合わせて、読取装置によって読み取り可能な1の合成情報が形成される。これにより、読取装置によって1の読み取り操作(処理)で汎用情報と専用情報とを読み取ることが可能となる。よって、汎用部品と専用部品との確認作業をより簡易なものとし、作業効率を向上することができる、という効果がある。
遊技機A0からA11のいずれかにおいて、
前記汎用情報又は前記専用情報は、
前記汎用部品を特定するための汎用特定情報、又は、前記専用部品を特定するための専用特定情報を暗号化した暗号化情報として表示する
ことを特徴とする遊技機A12。
遊技機A12によれば、遊技機A0からA11の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、汎用部品を特定するための汎用特定情報、又は、専用部品を特定するための専用特定情報が、暗号化された暗号化情報で汎用情報又は専用情報として表示される。これにより、例えば、暗号化情報を復号化する手段(例えば、復号化情報である復号鍵等)を有する読取装置等でなければ汎用特定情報又は専用特定情報を復号化できないように構成することができる。その結果、復号鍵等を有する読取装置でなければ、暗号化されたままの汎用情報又は専用情報の復号化を不能にすることで、汎用特定情報又は専用特定情報の偽造を困難にし、汎用部品に対する専用部品の不正交換等を抑制することができる、という効果がある。
<B群:読み取り装置の制御>
パチンコ機等の遊技機を設置する遊技ホールにおいて、設置済みの遊技機を異なる新規遊技機に変更する際、遊技機全体を新規に購入して設置する場合のほか、枠部材等の遊技機の汎用部品を残しつつ、遊技機毎に異なる遊技盤等の専用部品のみを購入し、該専用部品を汎用部品に設置する場合がある。
これら汎用部品および専用部品には、それぞれ、該汎用部品又は専用部品の不正交換等の不正対策のために、それぞれ固有の管理番号(例えば、遊技盤番号や枠番号)が付されており、遊技ホールへの設置前に監督官庁に対して汎用部品および専用部品の管理番号の組み合わせを申請する必要がある。そして、遊技ホールの管理者等は、該遊技ホールに設置される遊技機を変更した場合に、設置位置において汎用部品および専用部品が適切に設置されているか否かの確認作業を行う(例えば、特許文献1(特開2002−66088号公報))。
しかしながら、上記遊技機では、上記確認作業の効率を高める必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
B群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技機の確認作業を容易に行うことができる読取装置を提供することを目的とする。
より詳細に説明すると、仮に、上記申請内容と遊技ホールの設置状況とが異なっていた場合、遊技ホールには業務停止等の行政処分がなされる場合がある。従って、遊技ホールの管理者等は、該遊技ホールに設置される遊技機を変更した場合に、設置位置において汎用ユニットおよび専用ユニットが適切に設置されているか否かの確認作業を行わなければならない。
上記確認作業は、例えば、遊技ホールの管理者等が、汎用ユニットに付された管理番号(即ち、枠番号)と専用ユニットに付された管理番号(即ち、遊技盤番号)とをそれぞれ視認して、監督官庁への申請したリストの内容と汎用ユニット及び専用ユニットの設置位置とが正しいか否かの確認を行う。
しかしながら、上記確認作業は、管理者等の目視によって行われているため、汎用ユニットに対して専用ユニットが付け間違えていた場合であっても、確認ミスによってその付け間違いが見逃されるおそれがある。また、遊技ホールには多数の遊技機が設置されているため、上記確認作業に対する工数が嵩んでしまい、上記確認ミスが頻発してしまうおそれがある。
B群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技機の確認作業を容易に行うことができる読取装置を提供することを目的とする。
遊技ホールに設置された遊技機に対して使用可能な読取装置において、
前記遊技機は、
複数の機種において使用可能に構成された汎用部品(例えば、内枠12)と、
該汎用部品に取り付け可能であって、機種固有の遊技を行うことが可能に構成された専用部品(例えば、遊技盤13)と、を備え、
前記汎用部品は、
該汎用部品を特定可能な汎用情報(例えば、枠表QRコード411又は枠裏QRコード412)、を有し、
前記専用部品は、
該専用部品を特定可能な専用情報(例えば、盤表QRコード401又は盤裏QRコード402)、を有し、
前記読取装置は、
前記汎用部品と前記専用部品との組み合わせに関する組み合わせ情報を記憶する記憶手段(例えば、対応データ記憶部603a)と、
前記汎用情報と前記専用情報とをそれぞれ読み取り可能な読み取り手段(例えば、第1QRスキャン部607又は/及び第2QRスキャン部609)と、
該読み取り手段によって読み取られた前記汎用情報および前記専用情報に基づく読み込み情報と、前記記憶手段に記憶される前記組み合わせ情報とを判定する判定手段(例えば、メイン処理のS209)と、
該判定手段による判定結果に基づく出力を行う出力手段(例えば、表示部611又はエラー信号)と、を備えている
ことを特徴とする読取装置B0。
読取装置B0によれば、読取装置が遊技ホールに設置された遊技機に対して使用可能に構成される。そして、遊技機に設けられる汎用部品が、複数の機種において使用可能に構成され、同じく遊技機に設けられる専用部品が、汎用部品に取り付け可能であって、機種固有の遊技を行うことが可能に構成される。また、汎用部品には、その汎用部品を特定可能な汎用情報が設けられ、専用部品には、その専用部品を特定可能な専用情報が設けられる。ここで、読取装置に設けられた記憶手段により、汎用部品と専用部品との組み合わせに関する組み合わせ情報が記憶され、同じく読取装置に設けられた読み取り手段により、汎用情報と専用情報とをそれぞれ読み取り可能に構成される。また、その読み取り手段によって読み取られた汎用情報および専用情報に基づく読み取り情報と、記憶手段に記憶される組み合わせ情報とが、読取装置に設けられた判定手段により判定される。そして、読取装置に設けられた出力手段により、判定手段による判定結果に基づく出力が行われる。これにより、汎用部品と専用部品との組み合わせを人による目視でなく読取装置によって判定することができ、その判定結果を出力することで、迅速かつ正確に遊技機の整合性を判定できる。よって、読取装置による確認作業によって、汎用情報と専用情報との確認ミスといったヒューマンエラーを防止しつつ、遊技機の確認作業を容易に行うことができる、という効果がある。
読取装置B0において、
操作手段(例えば、操作部610)、を備え、
前記読み取り手段は、
前記操作手段の1の操作に基づいて、前記汎用情報と前記専用情報とをそれぞれ読み取る複数読み取り手段(第1QRスキャン部607及び第2QRスキャン部609)、を備えている
ことを特徴とする読取装置B1。
読取装置B1によれば、読取装置B0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、操作手段が設けられ、読み取り手段に設けられた複数読み取り手段により、操作手段の1の操作に基づいて、汎用情報と専用情報とがそれぞれ読み取られる。これにより、操作手段を1回操作するのみで、汎用情報および専用情報を読取装置で読み取ることができて、汎用部品と専用部品との組み合わせが適切か否かを正確に把握することができる。よって、軽微な作業で汎用部品と専用部品との組み合わせの整合性を確認できるとともに、確認ミスの発生を防止することができる、という効果がある。また、例えば、1の遊技機における汎用情報と、他の遊技機における専用情報とを読み取ることを防ぐことができる、という効果がある。
読取装置B0又はB1において、
前記記憶手段は、
前記組み合わせ情報を暗号化した暗号化情報を記憶する暗号化記憶手段と、
該暗号化記憶手段に記憶される前記暗号化情報を復号化する復号化情報を記憶する復号化記憶手段(例えば、復号鍵603b)と、を備え、
前記判定手段は、
前記複数読み取り手段によって前記汎用情報および前記専用情報が読み取られた場合に、前記復号化記憶手段に記憶される前記復号化情報に基づいて、前記暗号化記憶手段に記憶される前記暗号化情報を復号化する復号化実行手段(例えば、メイン処理のS208)と、
該復号化実行手段によって復号化された前記組み合わせ情報と、前記読み取り手段によって読み取られた前記読み込み情報とを判定する復号化後判定手段(例えば、メイン処理のS209)と、を備えている
ことを特徴とする読取装置B2。
読取装置B2によれば、読取装置B0又はB1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段に設けられた暗号化記憶手段により、組み合わせ情報を暗号化した暗号化情報が記憶される。また、同じく記憶手段に設けられた復号化記憶手段により、暗号化記憶手段に記憶される暗号化情報を復号化する復号化情報が記憶される。ここで、複数読み取り手段によって汎用情報および専用情報が読み取られた場合に、判定手段に記憶された復号化実行手段により、復号化記憶手段に記憶される復号化情報に基づいて、暗号化記憶手段に記憶される暗号化情報が復号化される。そして、同じく判定手段に設けられた復号化後判定手段により、復号化実行手段によって復号化された組み合わせ情報と、読み取り手段によって読み取られた読み込み情報とが判定される。これにより、汎用情報と専用情報とを共に読み込めた場合にのみ、記憶手段に記憶される暗号化された組み合わせ情報が復号化されて読み込み情報との判定が可能となるため、記憶手段に記憶される組み合わせ情報の改竄が不能に構成される。よって、不正な専用部品の交換等の不正行為が行われた場合に、汎用情報および専用情報を読取装置で読み取ることで、容易に上記不正行為を認識することができる。従って、例えば、定期的に読取装置での汎用情報および専用情報の読み取り作業を義務化及び報告させることで、上記不正行為を早期に発覚させることができ、健全な遊技環境を構築することができる、という効果がある。
読取装置B2において、
前記復号化実行手段は、
前記読み取り手段によって前記汎用情報および前記専用情報を共に正常に読み取れた場合に、前記復号化記憶手段に記憶される前記復号化情報に基づいて、前記暗号化記憶手段に記憶される前記暗号化情報を復号化する
ことを特徴とする読取装置B3。
読取装置B3によれば、読取装置B2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、読み取り手段によって汎用情報および専用情報を共に正常に読み取れた場合に、復号化実行手段により、復号化記憶手段に記憶される復号化情報に基づいて、暗号化記憶手段に記憶される暗号化情報が復号化される。これにより、汎用情報および専用情報を共に正常に読み取れない場合には、暗号化された組み合わせ情報が復号化されないことから、汎用情報又は専用情報のいずれか一方でも改竄等の不正行為が行われた場合に、組み合わせ情報と読み込み情報との判定を正常に行うことが不能となる。このように構成することで、不正な専用部品の交換等の不正行為が行われた場合に、汎用情報および専用情報を読み取ることで、容易に上記不正行為を認識することができる。従って、例えば、定期的に読取装置での汎用情報および専用情報の読み取り作業を義務化及び報告させることで、上記不正行為を早期に発覚させることができ、健全な遊技環境を構築することができる、という効果がある。
読取装置B0において、
操作手段(例えば、操作部610)、を備え、
前記読み取り手段は、
前記操作手段の1の操作に基づいて、1の前記汎用情報又は前記専用情報を読み取る単独読み取り手段(例えば、読み取り装置600a)、を備え、
前記判定手段は、
1の前記汎用情報又は前記専用情報を読み取った後、所定条件が成立するまでに他方の前記専用情報又は前記汎用情報を読み取った場合に、前記読み込み情報と前記組み合わせ情報とを判定する
ことを特徴とする読取装置B4。
読取装置B4によれば、読取装置B0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、操作手段が設けられ、読み取り手段に設けられた単独読み取り手段により、操作手段の1の操作に基づいて、1の汎用情報又は専用情報が読み取られる。そして、1の汎用情報又は専用情報を読み取った後に、所定条件が成立するまでに他方の専用情報又は汎用情報を読み取った場合に、判定手段により、読み込み情報と組み合わせ情報とが判定される。よって、例えば、2の情報を読み取り可能な読取装置でなくても、1の情報を読み取ることが可能な読取装置を用いた場合であっても、汎用部品と専用部品との確認作業を行うことが可能となる。これにより、汎用情報と専用情報とを1の操作で読み取る等の特殊な読取装置が不要となり、1の汎用情報又は専用情報を読み取ることができる読取装置であれば汎用情報と専用情報との読み取りが可能となる。よって、特殊な読取装置を準備するためのコストを削減することができる、という効果がある。
なお、所定条件とは、例えば、所定時間(期間)が経過するまでや、所定の操作(例えば、操作部のオフ操作や電源オフ等)が行われる場合が例示される。
読取装置B4において、
前記記憶手段は、
前記組み合わせ情報を暗号化した暗号化情報を記憶する暗号化記憶手段と、
該暗号化記憶手段に記憶される前記暗号化情報を復号化する復号化情報を記憶する復号化記憶手段(例えば、復号鍵603b)と、を備え、
前記単独読み取り手段は、
前記汎用情報又は前記専用情報のいずれか一方を読み込んでからの所定期間(例えば、10秒)を計数する時間計数手段、を備え、
前記判定手段は、
前記時間計数手段によって前記所定期間が経過する前に、前記単独読み取り手段によって他方の前記専用情報又は前記汎用情報が読み取られた場合に、前記復号化記憶手段に記憶される前記復号化情報に基づいて、前記暗号化記憶手段に記憶される前記暗号化情報を復号化する復号化実行手段(例えば、メイン処理のS208)と、
該復号化実行手段によって復号化された前記組み合わせ情報と、前記読み取り手段によって読み取られた前記読み込み情報とを判定する復号化後判定手段(例えば、メイン処理のS209)と、を備えている
ことを特徴とする読取装置B5。
読取装置B5によれば、読取装置B4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段に設けられた暗号化記憶手段により、組み合わせ情報を暗号化した暗号化情報が記憶される。また、同じく記憶手段に設けられた復号化記憶手段により、暗号化記憶手段に記憶される暗号化情報を復号化する復号化情報が記憶される。そして、単独読み取り手段に設けられた時間計数手段により、汎用情報又は専用情報のいずれか一方を読み込んでからの所定期間が計数される。ここで、時間計数手段によって所定期間が経過する前に、単独読み取り手段によって他方の専用情報および汎用情報が読み取られた場合に、判定手段に設けられた復号化実行手段により、復号化記憶手段に記憶される復号化情報に基づいて、暗号化記憶手段に記憶される暗号化情報が復号化される。そして、同じく判定手段に設けられた復号化後判定手段により、復号化実行手段によって復号化された組み合わせ情報と、読み取り手段によって読み取られた読み込み情報とが判定される。これにより、1の汎用情報又は専用情報を読み取った後に、所定期間経過前の他方の専用情報又は汎用情報を読み込めた場合にのみ、記憶手段に記憶される暗号化された組み合わせ情報が復号化されて読み込み情報との判定が可能となるため、記憶手段に記憶される組み合わせ情報の改竄が不能に構成される。よって、不正な専用部品の交換等の不正行為が行われた場合に、汎用情報および専用情報を読取装置で読み取ることで、容易に上記不正行為を認識することができる。従って、例えば、定期的に読取装置での汎用情報および専用情報の読み取り作業を義務化及び報告させることで、上記不正行為を早期に発覚させることができ、健全な遊技環境を構築することができる、という効果がある。なお、所定期間を、読み取り作業で要する期間程度に設定することで、1の汎用情報又は専用情報を読み取った後、いつまでも次の専用情報又は汎用情報の読み取り待ちの状態とせずに、他の処理を実行させることができる。
読取装置B2からB5のいずれかにおいて、
前記遊技機における前記汎用情報又は前記専用情報は、
前記汎用部品を特定するための汎用特定情報、又は、前記専用部品を特定するための専用特定情報を暗号化した読込暗号化情報として表示され、
前記読取装置は、
前記読み取り手段によって前記読込暗号化情報である前記汎用情報および前記専用情報を読み込んだ場合に、前記復号化記憶手段に記憶される前記復号化情報に基づいて、前記読込暗号化情報を復号化する読込復号化手段、を備えている
ことを特徴とする読取装置B6。
読取装置B6によれば、読取装置B2からB5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技機における汎用情報又は専用情報が、汎用部品を特定するための汎用特定情報、又は、専用部品を特定するための専用特定情報を暗号化した読込暗号化情報として表示される。そして、読取装置に設けられた読込復号化手段により、読み取り手段によって読込暗号化情報である汎用情報又は専用情報を読み込んだ場合に、復号化記憶手段に記憶される復号化情報に基づいて、読込暗号化情報が復号化される。これにより、読込暗号化情報を復号化する復号化記憶手段を有した読取装置でなければ読込暗号化情報である汎用情報又は専用情報を復号化できないように構成することができ、暗号化されたままの汎用情報又は専用情報の流用を不能にすることで、汎用情報又は専用情報の偽造等の不正行為を防止することができる、という効果がある。
読取装置B0からB6のいずれかにおいて、
前記遊技機は、
遊技の制御を行う制御手段(例えば、主制御装置110)と、
前記制御手段を特定可能な制御情報(例えば、主基板QRコード421)と、を備え、
前記記憶手段は、
前記汎用部品と前記専用部品と前記制御手段との組み合わせに関する全組み合わせ情報を記憶する全組み合わせ記憶手段(例えば、対応データ記憶部603a)、を備え、
前記読取装置は、
前記制御情報を読み取り可能な制御読み取り手段と、
該制御読み取り手段によって読み取られた前記制御情報に基づく読み込み情報と、前記読み取り手段によって読み取られた前記汎用情報および前記専用情報に基づく読み込み情報との全読み込み情報と、前記全組み合わせ記憶手段に記憶される前記全組み合わせ情報とを判定する全組み合わせ判定手段と、を備え、
前記出力手段は、
該全組み合わせ判定手段による判定結果を出力する
ことを特徴とする読取装置B7。
読取装置B7によれば、読取装置B0からB6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技機に設けられた制御手段により、遊技の制御が行われ、同じく遊技機に設けられた制御情報により、制御手段が特定可能に構成される。ここで、記憶手段に設けられた全組み合わせ記憶手段により、汎用部品と専用部品と制御手段との組み合わせに関する全組み合わせ情報が記憶される。また、読取装置に設けられた制御読み取り手段により、制御情報が読み取り可能に構成される。ここで、制御読み取り手段によって読み取られた制御情報に基づく読み込み情報と、読み取り手段によって読み取られた汎用情報および専用情報に基づく読み込み情報との全読み込み情報と、全組み合わせ記憶手段に記憶される前組み合わせ情報とが、読取装置に設けられた全組み合わせ判定手段により判定される。そして、出力手段により、全組み合わせ判定手段による判定結果が出力される。これにより、汎用部品と専用部品と制御手段との組み合わせを人による目視でなく読取装置によって判定することができ、その判定結果を出力することで、迅速かつ正確に遊技機の整合性を判定できる。よって、読取装置による確認作業によって、汎用情報と専用情報と制御情報との確認ミスといったヒューマンエラーを防止しつつ、遊技機の確認作業を容易に行うことができる、という効果がある。
読取装置B0からB7のいずれかにおいて、
該読取装置は、
遊技ホールにおいて前記遊技機を管理する管理装置と通信可能に構成され、
前記出力手段は、
前記判定手段の判定結果を前記管理装置へ出力する管理用出力手段、を備えている
ことを特徴とする読取装置B8。
読取装置B8によれば、読取装置B0からB7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、読取装置が、遊技ホールにおいて遊技機を管理する管理装置と通信可能に構成され、出力手段に設けられた管理用出力手段により、判定手段の判定結果が管理装置へ出力される。これにより、読取装置において遊技機の固有情報を読み取ることで、不正な専用部品の交換等の不正行為を遊技ホールの管理装置で早期に発覚させることができ、該不正行為への対応を直ちに行うことができる、という効果がある。
読取装置B0からB8のいずれかにおいて、
該読取装置は、
遊技機の製造メーカが有するサーバ装置と通信可能に構成され、
前記出力手段は、
前記判定手段の判定結果を前記サーバ装置へ出力するサーバ用出力手段、を備えている
ことを特徴とする読取装置B9。
読取装置B9によれば、読取装置B0からB8の奏する効果に加え、次の効果を奏する、即ち、読取装置が、遊技機の製造メーカが有するサーバ装置と通信可能に構成され、出力手段に設けられたサーバ用出力手段により、判定手段の判定結果がサーバ装置へ出力される。これにより、読取装置において遊技機の固有情報を読み取ることで、不正な専用部品の交換等の不正行為を製造メーカのサーバ装置で早期に発覚させることができる。よって、例えば、遊技ホール主導により専用部品の交換等の不正行為が行われた場合であっても、製造メーカで上記不正行為を把握することができ、製造メーカ側から遊技ホールに指摘して是正させることができ、健全な遊技環境を構築することができる、という効果がある。
<C群:読み取り装置とホールコンピュータ>
パチンコ機等の遊技機を設置する遊技ホールにおいて、設置済みの遊技機を異なる新規遊技機に変更する際、遊技機全体を新規に購入して設置する場合のほか、枠部材等の遊技機の汎用部品を残しつつ、遊技機毎に異なる遊技盤等の専用部品のみを購入し、該専用部品を汎用部品に設置する場合がある。
これら汎用部品および専用部品には、それぞれ、該汎用部品又は専用部品の不正交換等の不正対策のために、それぞれ固有の管理番号(例えば、遊技盤番号や枠番号)が付されており、遊技ホールへの設置前に監督官庁に対して汎用部品および専用部品の管理番号の組み合わせを申請する必要がある。そして、遊技ホールの管理者等は、該遊技ホールに設置される遊技機を変更した場合に、設置位置において汎用部品および専用部品が適切に設置されているか否かの確認作業を行う(例えば、特許文献1(特開2002−66088号公報))。
しかしながら、上記遊技機では、上記確認作業の効率を高める必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
C群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技機に関する確認作業の効率を高めることが可能な遊技システムを提供することを目的とする。
より詳細に説明すると、仮に、上記申請内容と遊技ホールの設置状況とが異なっていた場合、遊技ホールには業務停止等の行政処分がなされる場合がある。従って、遊技ホールの管理者等は、該遊技ホールに設置される遊技機を変更した場合に、設置位置において汎用ユニットおよび専用ユニットが適切に設置されているか否かの確認作業を行わなければならない。
上記確認作業は、例えば、遊技ホールの管理者等が、汎用ユニットに付された管理番号(即ち、枠番号)と専用ユニットに付された管理番号(即ち、遊技盤番号)とをそれぞれ視認して、監督官庁への申請したリストの内容と汎用ユニット及び専用ユニットの設置位置とが正しいか否かの確認を行う(例えば、特許文献1(特開2002−66088号公報))。
しかしながら、流通過程における専用部品の不正な交換や、遊技ホールへの設置時における専用部品の不正な交換等の不正行為が行われている状況において、人の目視によって汎用部品および専用部品の確認を行った場合に、確認ミスによって上記不正行為を見逃してしまうおそれがある。
C群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、専用部品の不正交換等の不正行為を発見し易い遊技システムを提供することを目的とする。
固有情報が付された遊技機と、
該遊技機を設置する遊技ホールに設けられた管理装置と、
該管理装置と通信可能に構成されるとともに、前記遊技機の前記固有情報を読み取り可能な読取装置と、
前記遊技機を製造する製造メーカ(例えば、製造メーカMA〜MC)に設けられたサーバ装置(例えば、データサーバ701〜703)と、で構成された遊技システムであって、
前記サーバ装置は、
製造した前記遊技機の前記固有情報に関する固有データを生成する固有データ生成手段、を備え、
前記管理装置は、
前記固有データ生成手段によって生成された前記固有データを入力可能な入力手段と、
該入力手段によって入力された前記固有データを、前記読取装置に送信する送信手段と、を備え、
前記読取装置は、
前記送信手段によって送信された前記固有データを記憶する固有データ記憶手段(例えば、対応データ記憶部603a)と、
前記遊技機の前記固有情報を読み取り可能な読み取り手段(例えば、第1QRスキャン部607又は第2QRスキャン部609)と、
該読み取り手段によって読み取られた前記固有情報と、前記固有データ記憶手段に記憶される前記固有データとを判定する判定手段(例えば、メイン処理のS209)と、
該判定手段の判定結果を出力する出力手段(例えば、表示部611又はエラー信号)と、を備えている
ことを特徴とする遊技システムC0。
遊技システムC0によれば、遊技機に固有情報が付され、その遊技機を設置する遊技ホールに管理装置が設けられ、読取装置により、管理装置と通信可能に構成されるとともに、遊技機の固有情報が読み取り可能に構成され、遊技機を製造する製造メーカにサーバ装置が設けられている。ここで、サーバ装置に設けられた固有データ生成手段により、製造した遊技機の固有情報に関する固有データが生成される。そして、管理装置に設けられた入力手段により、固有データ生成手段によって生成された固有データが入力可能に構成され、同じく管理装置に設けられた送信手段により、入力手段によって入力された固有データが、読取装置に送信される。次いで、読取装置に設けられた固有データ記憶手段により、送信手段によって送信された固有データが記憶され、同じく読取装置に設けられた読み取り手段により、遊技機の固有情報が読み取り可能に構成される。また、読取装置に設けられた判定手段により、読み取り手段によって読み取られた固有情報と、固有データ記憶手段に記憶される固有データとが判定され、同じく読取装置に設けられた出力手段により、判定手段の判定結果が出力される。これにより、製造メーカから提供された固有データと読取装置によって読み取られた固有情報との判定を遊技機の確認作業を人による目視でなく読取装置によって判定することができ、その判定結果を出力することで、迅速かつ正確に遊技機の固有情報が正当なものか否かを確認できる。よって、不正な遊技機の設置等の不正行為が行われた場合に、遊技機の固有情報を読取装置で読み取ることで、容易に上記不正行為を認識することができる。従って、例えば、定期的に読取装置での遊技機の固有情報の読み取り作業を義務化及び報告させることで、上記不正行為を早期に発覚させることができ、健全な遊技環境を構築することができる、という効果がある。
遊技システムC0において、
前記遊技機は、
遊技ホールに設けられた島設備に取り付け固定され、複数の機種において使用可能に構成された汎用部品(例えば、内枠12)と、
該汎用部品に取り付け可能であって、機種固有の遊技を行うことが可能に構成された専用部品(例えば、遊技盤13)と、を備え、
前記汎用部品は、
前記読み取り手段によって読み取り可能な前記固有情報であって、前記汎用部品を特定可能な汎用情報(例えば、枠表QRコード411又は枠裏QRコード412)、を有し、
前記専用部品は、
前記読み取り手段によって読み取り可能な前記固有情報であって、前記専用部品を特定可能な専用情報(例えば、盤表QRコード401又は盤裏QRコード402)、を有し、
前記固有データ生成手段は、
前記固有データとして、前記汎用情報と前記専用情報との組み合わせ情報を生成する
ことを特徴とする遊技システムC1。
遊技システムC1によれば、遊技システムC0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技機には、遊技ホールに設けられた島設備に取り付け固定され、複数の機種において使用可能に構成される汎用部品と、その汎用部品に取り付け可能であって、機種固有の遊技を行うことが可能に構成された専用部品とが設けられる。そして、汎用部品に、読み取り手段によって読み取り可能な固有情報であって、汎用部品を特定可能な汎用情報が設けられる。また、専用部品に、読み取り手段によって読み取り可能な固有情報であって、専用部品を特定可能な専用情報が設けられる。ここで、固有データ生成手段により、固有データとして、汎用情報と専用情報との組み合わせ情報が生成される。これにより、読取装置によって汎用情報と専用情報とを読み取ることができ、遊技機における汎用部品と専用部品との組み合わせの確認作業を容易に行うことができる、という効果がある。
遊技システムC1において、
前記遊技機は、
前記汎用情報と前記専用情報とを近接して設ける
ことを特徴とする遊技システムC2。
遊技システムC2によれば、遊技システムC1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技機において、汎用情報と専用情報とが近接して設けられる。これにより、これにより、読取装置によって汎用情報と専用情報とを読み取る場合に、汎用情報と専用情報とが近接していることから、両情報を読み取り易くなり、読取装置の読み取り作業の作業効率が向上し、遊技機の確認作業を容易に行うことができる、という効果がある。
なお、「近接」とは、汎用情報に対して専用情報を隣接(近隣・接触・密着)した位置に設ける場合や、専用情報を汎用情報から所定距離内(例えば、10cm以内等)に設ける場合等が例示される。
遊技システムC1又はC2において、
前記汎用情報は、
遊技機前面側に配置される前側汎用情報表示(例えば、枠表QRコード411)と、
遊技機裏面側に配置される裏側専用情報表示(例えば、枠裏QRコード412)と、を備え、
前記専用情報は、
遊技機前面側に配置される前側専用情報表示(例えば、盤表QRコード401)と、
遊技機裏面側に配置される裏側専用情報表示(例えば、盤裏QRコード402)と、を備えている
ことを特徴とする遊技システムC3。
遊技システムC3によれば、遊技システムC1又はC2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、汎用情報として、遊技機前面側に前側汎用情報表示が配置され、遊技機裏面側に裏側専用情報表示が配置される。また、専用情報として、遊技機前面側に前側専用情報表示が配置され、遊技機裏面側に裏側専用情報表示が配置される。これにより、遊技機の前面側からでも裏面側からでも汎用情報と専用情報とを読取装置によって読み取ることが可能となり、読取装置の読み取り作業の作業効率が向上し、遊技機の確認作業を容易に行うことができる、という効果がある。
遊技システムC0からC3のいずれかにおいて、
前記サーバ装置は、
前記固有データ生成手段によって生成される前記固有データを暗号化した暗号化情報を生成する暗号化生成手段と、
該暗号化生成手段によって生成された前記暗号化情報を復号化するための復号化情報を生成する復号化生成手段と、を備え、
前記読取装置は、
前記暗号化生成手段によって生成された前記暗号化情報を記憶する暗号化記憶手段(例えば、対応データ記憶部603a)と、
前記復号化生成手段によって生成された前記復号化情報を記憶する復号化記憶手段(例えば、復号鍵603b)と、
前記読み取り手段によって前記固有情報が読み取られる場合に、前記復号化記憶手段に記憶される前記復号化情報に基づいて、前記暗号化記憶手段に記憶される前記暗号化情報を復号化する復号化実行手段(例えば、メイン処理のS208)と、を備え、
前記判定手段は、
前記読み取り手段によって読み取られた前記固有情報と、前記復号化実行手段によって復号化された前記暗号化情報に基づく前記固有データとを判定する復号化後判定手段(例えば、メイン処理のS209)、を備えている
ことを特徴とする遊技システムC4。
遊技システムC4によれば、遊技システムC0からC3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、サーバ装置に設けられた暗号化生成手段により、固有データ生成手段によって生成される固有データを暗号化した暗号化情報が生成される。また、同じくサーバ装置に設けられた復号化生成手段により、暗号化生成手段によって生成された暗号化情報を復号化するための復号化情報が生成される。そして、読取装置に設けられた暗号化記憶手段により、暗号化生成手段によって生成された暗号化情報が記憶され、復号化記憶手段により、復号化生成手段によって生成された復号化情報が記憶される。ここで、読み取り手段によって固有情報が読み取られる場合に、復号化実行手段により、復号化記憶手段に記憶される復号化情報に基づいて、暗号化記憶手段に記憶される暗号化情報が復号化される。そして、判定手段に設けられた復号化後判定手段により、読み取り手段によって読み取られた固有情報と、復号化実行手段によって復号化された暗号化情報に基づく固有データとが判定される。これにより、読取装置において固有情報を読み込めた場合にのみ、暗号化記憶手段に記憶される暗号化された固有データが復号化されて読み込み情報との判定が可能となるため、汎用情報又は専用情報のいずれか一方でも改竄等の不正行為が行われた場合に、組み合わせ情報と読み込み情報との判定を正常に行うことが不能となる。このように構成することで、不正な専用部品の交換等の不正行為が行われた場合に、固有情報を読取装置で読み取ることで、容易に上記不正行為を認識することができる。従って、例えば、定期的に読取装置での固有情報の読み取り作業を義務化及び報告させることで、上記不正行為を早期に発覚させることができ、健全な遊技環境を構築することができる、という効果がある。
遊技システムC4において、
前記復号化実行手段は、
前記読み取り手段によって前記固有情報を正常に読み取れた場合に、前記復号化記憶手段に記憶される前記復号化情報に基づいて、前記暗号化記憶手段に記憶される前記暗号化情報を復号化する
ことを特徴とする遊技システムC5。
遊技システムC5によれば、遊技システムC4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、読み取り手段によって固有情報を正常に読み取れた場合に、復号化実行手段により、復号化記憶手段に記憶される復号化情報に基づいて、暗号化記憶手段に記憶される暗号化情報が復号化される。これにより、固有情報を正常に読み取れない場合には、暗号化された固有データが復号化されないことから、固有情報の改竄等の不正行為が行われて、正常に固有情報を読み込めない場合、固有データと読み込み情報との判定を正常に行うことが不能となる。このように構成することで、不正な専用部品の交換等の不正行為が行われた場合に、固有情報を読み取ることで、容易に上記不正行為を認識することができる。従って、例えば、定期的に読取装置での固有情報の読み取り作業を義務化及び報告させることで、上記不正行為を早期に発覚させることができ、健全な遊技環境を構築することができる、という効果がある。
遊技システムC4又はC5において、
前記復号化情報は、
前記サーバ装置および前記読取装置のみで記憶する
ことを特徴とする遊技システムC6。
遊技システムC6によれば、遊技システムC4又はC5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、復号化情報がサーバ装置および読取装置のみで記憶される。即ち、管理装置では復号化情報が記憶されない。これにより、遊技ホールの管理装置では、製造メーカで生成した復号化情報が記憶されず、固有データを復号化することができないため、遊技ホールにおいて固有データの改変(改竄)等した場合に、暗号化された固有データを適正に復号化できなくすることができる。よって、例えば、読取装置を製造メーカが適切に管理することで、遊技ホールによる固有データの改変(改竄)が実質的に不能に構成される。このように構成することで、遊技ホール主導による不正な専用部品の交換等の不正行為をした場合に、固有情報を読み取ることで、容易に該不正行為を認識することができる。従って、例えば、監督官庁等により、定期的に読取装置での固有情報の読み取り作業を義務化及び報告させることで、遊技ホールによる不正行為を早期に発覚させることができ、健全な遊技環境を構築することができる、という効果がある。
遊技システムC4からC6のいずれかにおいて、
前記遊技機における前記汎用情報又は前記専用情報は、
前記汎用部品を特定するための汎用特定情報、又は、前記専用部品を特定するための専用特定情報を暗号化した読込暗号化情報として表示され、
前記読取装置は、
前記読み取り手段によって前記読込暗号化情報である前記汎用情報および前記専用情報を読み込んだ場合に、前記復号化記憶手段に記憶される前記復号化情報に基づいて、前記読込暗号化情報を復号化する読込復号化手段、を備えている
ことを特徴とする遊技システムC7。
遊技システムC7によれば、遊技システムC4からC6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技機における汎用情報又は専用情報が、汎用部品を特定するための汎用特定情報、又は、専用部品を特定するための専用特定情報を暗号化した読込暗号化情報として表示される。そして、読取装置に設けられた読込復号化手段により、読み取り手段によって読込暗号化情報である汎用情報又は専用情報を読み込んだ場合に、復号化記憶手段に記憶される復号化情報に基づいて、読込暗号化情報が復号化される。これにより、読込暗号化情報を復号化する復号化記憶手段を有した読取装置でなければ読込暗号化情報である汎用情報又は専用情報を復号化できないように構成することができる。よって、例えば、読取装置を製造メーカが適切に管理することで、遊技ホールによる固有データの改変(改竄)が実質的に不能に構成される。このように構成することで、遊技ホール主導による不正な専用部品の交換等の不正行為をした場合に、固有情報を読み取ることで、容易に該不正行為を認識することができる。従って、例えば、監督官庁等により、定期的に読取装置での固有情報の読み取り作業を義務化及び報告させることで、遊技ホールによる不正行為を早期に発覚させることができ、健全な遊技環境を構築することができる、という効果がある。
遊技システムC0からC7のいずれかにおいて、
前記出力手段は、
前記判定手段の判定結果を前記管理装置へ出力する管理用出力手段、を備えている
ことを特徴とする遊技システムC8。
遊技システムC8によれば、遊技システムC0からC7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、出力手段に設けられた管理用出力手段により、判定手段の判定結果が管理装置へ出力される。これにより、読取装置において遊技機の固有情報を読み取ることで、不正な専用部品の交換等の不正行為を遊技ホールの管理装置で早期に発覚させることができ、該不正行為への対応を直ちに行うことができる、という効果がある。
遊技システムC0からC8のいずれかにおいて、
前記読取装置は、
前記サーバ装置と通信可能に構成され、
前記出力手段は、
前記判定手段の判定結果を前記サーバ装置へ出力するサーバ用出力手段、を備えている
ことを特徴とする遊技システムC9。
遊技システムC9によれば、遊技システムC0からC8の奏する効果に加え、次の効果を奏する、即ち、読取装置が、サーバ装置と通信可能に構成され、出力手段に設けられたサーバ用出力手段により、判定手段の判定結果がサーバ装置へ出力される。これにより、読取装置において遊技機の固有情報を読み取ることで、不正な専用部品の交換等の不正行為を製造メーカのサーバ装置で早期に発覚させることができる。よって、例えば、遊技ホール主導により専用部品の交換等の不正行為が行われた場合であっても、製造メーカで上記不正行為を把握することができ、製造メーカ側から遊技ホールに指摘して是正させることができ、健全な遊技環境を構築することができる、という効果がある。
遊技システムC8又はC9のいずれかにおいて、
前記管理装置は、
前記サーバ装置と通信可能に構成され、
前記管理用出力手段から出力された前記判定手段の判定結果を前記サーバ装置へ出力する管理側サーバ用出力手段、を備えている
ことを特徴とする遊技システムC10。
遊技システムC10によれば、遊技システムC8又はC9の奏する効果に加え、次の効果を奏する、即ち、管理装置が、サーバ装置と通信可能に構成され、管理側サーバ用出力手段により、管理用出力手段から出力された判定手段の判定結果がサーバ装置へ出力される。これにより、読取装置において遊技機の固有情報を読み取ることで、不正な専用部品の交換等の不正行為を、管理装置を介して製造メーカのサーバ装置で早期に発覚させることができる。よって、遊技ホールにおける専用部品と汎用部品との設置ミスが発生した場合に、製造メーカで上記ミスを把握することができ、製造メーカ側から遊技ホールに指摘して是正させることができ、健全な遊技環境を構築することができる、という効果がある。
遊技システムC0からC10のいずれかにおいて、
前記管理装置は、
遊技ホールにおける前記遊技機の設置位置に関する情報である位置情報を記憶する位置記憶手段と、
該位置記憶手段に記憶された前記位置情報を、前記読取装置に出力する位置情報出力手段と、を備え、
前記遊技機が設置される島設備は、前記位置情報を特定可能な位置情報表示、を有し、
前記読取装置は、
該位置情報出力手段から出力された前記位置情報を記憶する端末側位置記憶手段と、
前記読み取り手段によって前記固有情報を読み取った場合に、前記固有情報と前記固有データ記憶手段に記憶される前記固有データとを判定するとともに、前記固有情報と前記位置情報表示とを読み取った場合に、前記固有情報と前記位置情報とを判定する複合判定手段と、を備えている
ことを特徴とする遊技システムC11。
遊技システムC11によれば、遊技システムC0からC10の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、管理装置に設けられた位置記憶手段により、遊技ホールにおける遊技機の設置位置に関する情報である位置情報が記憶され、同じく管理装置に設けられた位置情報出力手段により、位置記憶手段に記憶された位置情報が、読取装置に出力される。また、遊技機が設置される島設備において、位置情報を特定可能な位置情報表示が設けられる。そして、読取装置に設けられた端末側位置記憶手段により、位置情報出力手段から出力された位置情報が記憶される。ここで、複合判定手段により、読み取り手段によって固有情報を読み取った場合に、固有情報と固有データ記憶手段に記憶される固有データとが判定されるとともに共に、固有情報と位置情報表示とを読み取った場合に、固有情報と位置情報とが判定される。これにより、製造メーカから提供された固有データと読取装置によって読み取られた固有情報との判定を遊技機の確認作業を人による目視でなく読取装置によって判定できるとともに、遊技機の固有情報と島設備に位置情報表示とを読取装置によって読み取らせることで、遊技ホールにおける設置位置が適切か否かを併せて判定させることができる。よって、ヒューマンエラーによる遊技機の設置ミス等を防止することができる、という効果がある。
遊技システムC0からC11のいずれかにおいて、
前記管理装置は、
前記製造メーカから購入した前記遊技機の購入情報を前記サーバ装置へ出力する購入情報出力手段、を備え、
前記固有データ生成手段は、
前記購入情報出力手段から出力された前記購入情報に基づいて前記固有データを生成する
ことを特徴とする遊技システムC12。
遊技システムC12によれば、遊技システムC0からC11の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、管理装置に設けられた購入情報出力手段により、製造メーカから購入した遊技機の購入情報がサーバ装置へ出力される。そして、サーバ装置の固有データ生成手段により、購入情報出力手段から出力された購入情報に基づいて固有データが生成される。これにより、遊技ホールにおいて遊技機の購入情報を製造メーカ側に出力することで、購入情報に基づいた固有データを入手することができる。よって、管理装置側で遊技機の固有情報を入力するといった作業が不要になるとともに、購入情報に基づいた正確な固有データを入手することができるので、遊技機の確認作業を正確に行うことができる、という効果がある。
なお、購入情報に基づく固有データとして、汎用部品と専用部品とをセットで新規に購入した場合には、新たな汎用部品及び専用部品であるため、新たな固有データが生成される。一方、専用部品のみを新規に購入した場合には、新たな専用部品と、遊技ホールに設置済みであって、該専用部品を取り付けるべき汎用部品とに基づく固有データが生成されるように構成される。
遊技システムC1からC12のいずれかにおいて、
前記読取装置は、
遊技ホールの管理者等によって操作可能な操作手段(例えば、操作部610)、を備え、
前記読み取り手段は、
前記操作手段の1の操作に基づいて、前記汎用情報と前記専用情報とをそれぞれ読み取る複数読み取り手段(第1QRスキャン部607及び第2QRスキャン部609)、を備えている
ことを特徴とする遊技システムC13。
遊技システムC13によれば、遊技システムC1からC12の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、読取装置に設けられた操作手段が、遊技ホールの管理者等によって操作可能に構成され、読み取り手段に設けられた複数読み取り手段により、操作手段の1の操作に基づいて、汎用情報と専用情報とがそれぞれ読み取られる。これにより、読取装置の操作手段を1回操作するのみで、汎用情報および専用情報を読取装置で読み取ることができて、汎用部品と専用部品との組み合わせが適切か否かを正確に把握することができる。よって、軽微な作業で汎用部品と専用部品との組み合わせの整合性を確認できるとともに、確認ミスの発生を防止することができる、という効果がある。
<D群:読み込んだ情報を組み合わせた態様で報知>
パチンコ機等の遊技機を設置する遊技ホールにおいて、設置済みの遊技機を異なる新規遊技機に変更する際、遊技機全体を新規に購入して設置する場合のほか、枠部材等の遊技機の汎用部品を残しつつ、遊技機毎に異なる遊技盤等の専用部品のみを購入し、該専用部品を汎用部品に設置する場合がある。
これら汎用部品および専用部品には、それぞれ、該汎用部品又は専用部品の不正交換等の不正対策のために、それぞれ固有の管理番号(例えば、遊技盤番号や枠番号)が付されており、遊技ホールへの設置前に監督官庁に対して汎用部品および専用部品の管理番号の組み合わせを申請する必要がある。そして、遊技ホールの管理者等は、該遊技ホールに設置される遊技機を変更した場合に、設置位置において汎用部品および専用部品が適切に設置されているか否かの確認作業を行う(例えば、特許文献1(特開2002−66088号公報))。
しかしながら、上記遊技機では、上記確認作業の効率を高める必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
D群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技機に関する確認作業の効率を高めることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技ホールに設けられた島設備に取り付け固定され、複数の機種において使用可能に構成された汎用部品(例えば、内枠12及び外枠11)と、
前記汎用部品に取り付け可能であって、機種固有の遊技を行うことが可能に構成された専用部品(例えば、遊技盤13又は主制御装置110)と、を備えた遊技機において、
前記汎用部品は、
所定の読み取り機能を有する読み取り手段(例えば、読み取り装置600)によって読み取り可能であって、前記汎用部品を特定可能な汎用情報(例えば、枠表QRコード411及び枠裏QRコード412)、を有し、
前記専用部品は、
前記読み取り手段によって読み取り可能であって、前記専用部品を特定可能な専用情報(例えば、盤表QRコード401、盤裏QRコード402、主基板表QRコード421a又は主基板裏QRコード422)、を有し、
前記汎用情報および前記専用情報は、
前記読み取り手段によって前記汎用情報又は前記専用情報が読み取られた場合に、前記読み取り手段において、読み取った前記汎用情報又は前記専用情報に関する情報を識別して報知させる識別報知情報(例えば、盤表QRコード401を読み取り装置600で読み取った場合に)、を備えている
ことを特徴とする遊技機D0。
遊技機D0によれば、複数の機種において使用可能に構成された汎用部品が遊技ホールに設けられた島設備に取り付けられ、機種固有の遊技を行うことが可能に構成された専用部品が、汎用部品に取り付け可能に構成される。ここで、汎用部品に、所定の読み取り機能を有する読み取り手段によって読み取り可能であって、汎用部品を特定可能な汎用情報が設けられ、専用部品に、読み取り手段によって読み取り可能であって、専用部品を特定可能な専用情報が設けられる。そして、汎用情報および専用情報に、読み取り手段によって汎用情報又は専用情報が読み取られた場合に、読み取り手段において、読み取った汎用情報又は専用情報に関する情報を識別して報知させる識別報知情報が設けられる。これにより、汎用部品および専用部品の組み合わせを確認する確認作業を行う際に、読み取り手段の報知態様を確認することで上記確認作業の進行状況を把握することが可能となる。よって、汎用部品および専用部品を有する遊技機に関する確認作業の効率を高めることができる、という効果がある。
遊技機D0において、
前記識別報知情報は、
前記読み取り手段によって前記汎用情報又は前記専用情報が読み取られた場合に、前記読み取り手段において、読み取った前記汎用情報又は前記専用情報に対応する表示を行わせる識別表示情報、を有する
ことを特徴とする遊技機D1。
遊技機D1によれば、遊技機D0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、識別報知情報としての識別表示情報により、読み取り手段によって汎用情報又は専用情報が読み取られた場合に、読み取り手段において、読み取った汎用情報又は専用情報に対応する表示を行わせる。これにより、汎用部品および専用部品の組み合わせを確認する確認作業を行う際に、読み取り手段の表示内容を確認することで上記確認作業の進行状況を把握することが可能となる。よって、汎用部品および専用部品を有する遊技機に関する確認作業の効率を高めることができる、という効果がある。
遊技機D1において、
前記識別表示情報は、
前記読み取り手段によって複数の前記汎用情報又は前記専用情報が読み取られた場合に、前記読み取り手段において、前記汎用情報又は前記専用情報を単体で読み取った場合に表示される第1表示態様(例えば、枠表QRコード411を読み取った場合に「青」を表示)と異なる第2表示態様(例えば、枠表QRコード411と盤表QRコード401とを読み取った場合に「水色」を表示)を表示させる
ことを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、識別表示情報により、読み取り手段によって複数の汎用情報又は専用情報が読み取られた場合に、読み取り手段において、汎用情報又は専用情報を単体で読み取った場合に表示される第1表示態様と異なる第2表示態様が表示される。これにより、汎用部品および専用部品の組み合わせを確認する確認作業を行う際に、いずれの汎用情報又は専用情報を読み取っている状態か否かを認識可能となる。よって、汎用部品および専用部品を有する遊技機に関する確認作業の効率を高めることができる、という効果がある。
遊技機D2において、
前記第2表示態様は、
前記第1表示態様を組み合わせた場合に表示される混合表示(例えば、加法混色である「水色」、「黄色」「紫」又は「白」)で表示させる
ことを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1表示態様を組み合わせた場合に表示される混合表示で第2表示態様を表示させる。これにより、汎用部品および専用部品の組み合わせを確認する確認作業を行う際に、汎用部品又は専用部品の単体のみを読み取っているのか複数の汎用部品又は専用部品を読み取っている状態か否かを認識可能となる。よって、汎用部品および専用部品を有する遊技機に関する確認作業の効率を高めることができる、という効果がある。
遊技機D3において、
前記混合表示は、
1の該遊技機において読み取り可能な前記汎用情報及び前記専用情報のすべてを前記読み取り手段によって読み取られた場合に、色彩を加法的に混合した特定表示(例えば、「白」)で表示させる
ことを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、1の遊技機において読み取り可能な汎用情報及び専用情報のすべてが読み取り手段によって読み取られた場合に、混合表示として、色彩を加法的に混合した特定表示を表示させる。これにより、汎用部品および専用部品の組み合わせを確認する確認作業を行う際に、特定表示が表示されるか否かで1の遊技機における汎用部品又は専用部品のすべてを読み取ったか否かを認識可能となる。よって、汎用部品および専用部品を有する遊技機に関する確認作業の効率を高めることができる、という効果がある。
遊技機D0からD4のいずれかにおいて、
前記汎用部品は、
前記島設備に取り付け固定可能な固定部材(例えば、外枠11)と、
前記固定部材に取り付けられる本体部材(例えば、内枠12)と、
前記本体部材に対して開閉可能に取り付けられる前面部材(例えば、前面枠14)と、を備え、
前記専用部品は、
遊技の主要な制御を実行する制御手段(例えば、主制御装置110)と、
前記制御手段が取り付けられた取付部材(例えば、遊技盤13)と、を備え、
前記汎用情報は、少なくとも、
前記本体部材に設けられた本体汎用情報(例えば、枠表QRコード411及び枠裏QRコード412)、を備え、
前記専用情報は、少なくとも、
前記制御手段に設けられた制御専用情報(例えば、主基板表QRコード421a及び主基板裏QRコード422)と、
前記取付部材に設けられた取付専用情報(例えば、盤表QRコード401及び盤裏QRコード402)と、を備え、
前記汎用情報および前記専用情報は、
前記固定部材に前記前面部材が取り付けられて、遊技者が遊技を行うことができる状態において、遊技者によって視認不能又は視認困難な位置に設けられる
ことを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D0からD4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、汎用部品として、固定部材が島設備に固定可能に構成され、本体部材が固定部材に取り付けられ、前面部材が本体部材に開閉可能に取り付けられる。また、専用部品として、制御手段により遊技の主要な制御が実行され、取付部材に制御手段が取り付けられる。そして、汎用情報として、少なくとも、本体部材に本体汎用情報が設けられる。また、専用情報として、少なくとも、制御手段に制御専用情報が設けられ、取付部材に取付専用情報が設けられる。ここで、固定部材に前面部材が取り付けられて、遊技者が遊技を行うことができる状態において、汎用情報および専用情報が、遊技者によって視認不能又は視認困難な位置に設けられる。これにより、遊技を行う遊技者からは汎用情報及び専用情報を視認不能又は視認困難にすることで遊技機の装飾性の低下を抑制することができる、という効果がある。
遊技機D0からD5のいずれかにおいて、
前記汎用情報および前記専用情報は、
互いに関連性を有する位置に設けられる
ことを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D0からD5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、汎用情報および専用情報が、互いに関連性を有する位置に設けられる。これにより、汎用部品および専用部品の組み合わせを確認する確認作業を行う際に、汎用情報および専用情報の位置を把握し易くなり、汎用部品および専用部品を有する遊技機に関する確認作業の効率を高めることができる、という効果がある。
なお、「互いに関連性を有する位置」とは、汎用情報および専用情報がそれぞれ近傍に配置される位置や、汎用情報および専用情報の位置関係が一直線上や一定の範囲内に配置される場合等が例示される。
<E群:QRコードと番号情報とを共に読み取り>
パチンコ機等の遊技機を設置する遊技ホールにおいて、設置済みの遊技機を異なる新規遊技機に変更する際、遊技機全体を新規に購入して設置する場合のほか、枠部材等の遊技機の汎用部品を残しつつ、遊技機毎に異なる遊技盤等の専用部品のみを購入し、該専用部品を汎用部品に設置する場合がある。
これら汎用部品および専用部品には、それぞれ、該汎用部品又は専用部品の不正交換等の不正対策のために、それぞれ固有の管理番号(例えば、遊技盤番号や枠番号)が付されており、遊技ホールへの設置前に監督官庁に対して汎用部品および専用部品の管理番号の組み合わせを申請する必要がある。そして、遊技ホールの管理者等は、該遊技ホールに設置される遊技機を変更した場合に、設置位置において汎用部品および専用部品が適切に設置されているか否かの確認作業を行う(例えば、特許文献1(特開2002−66088号公報))。
しかしながら、上記遊技機では、上記確認作業の効率を高める必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
E群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技機に関する確認作業の効率を高めることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技ホールに設けられた島設備に取り付け固定され、複数の機種において使用可能に構成された汎用部品(例えば、内枠12及び外枠11)と、
前記汎用部品に取り付け可能であって、機種固有の遊技を行うことが可能に構成された専用部品(例えば、遊技盤13又は主制御装置110)と、を備えた遊技機において、
前記汎用部品は、
所定の読み取り機能を有する読み取り手段(例えば、読み取り装置600)によって読み取り可能であって、前記汎用部品を特定可能な汎用情報(例えば、枠表QRコード411及び枠裏QRコード412)、を有し、
前記専用部品は、
前記読み取り手段によって読み取り可能であって、前記専用部品を特定可能な専用情報(例えば、盤表QRコード401、盤裏QRコード402、主基板表QRコード421a又は主基板裏QRコード422)、を有し、
前記汎用情報および前記専用情報は、
所定の第1形態情報表示(例えば、盤表QRコード401、盤裏QRコード402、主基板表QRコード421a又は主基板裏QRコード422)と、
該第1形態情報表示と異なる表示形態であって、かつ、前記第1形態情報表示が前記読み取り手段によって読み取られた場合に示される読み取り情報と同等の情報を示す第2形態情報表示(例えば、遊技盤番号情報403、枠番号情報413又は主基板番号情報423)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機E0。
遊技機E0によれば、複数の機種において使用可能に構成された汎用部品が遊技ホールに設けられた島設備に取り付けられ、機種固有の遊技を行うことが可能に構成された専用部品が、汎用部品に取り付け可能に構成される。ここで、汎用部品に、所定の読み取り機能を有する読み取り手段によって読み取り可能であって、汎用部品を特定可能な汎用情報が設けられ、専用部品に、読み取り手段によって読み取り可能であって、専用部品を特定可能な専用情報が設けられる。そして、汎用情報及び専用情報として、所定の第1形態情報表示と、その第1形態情報表示と異なる表示形態であって、かつ、第1形態情報表示が読み取り手段によって読み取られた場合に示される読み取り情報と同等の情報を示す第2形態情報表示とが設けられる。これにより、読み取り手段によって第1形態情報表示又は第2形態情報表示のいずれか一方が読み取れた場合に、読み取り情報が正常に読み取れたものとして処理を実行可能に構成することで、第1形態情報表示又は第2形態情報表示のいずれか一方が破損や汚れ等で正常に読み取れない状況であっても、他方の第2形態情報表示又は第1形態情報表示を読み取ることで確認作業を行うことができるので、汎用部品および専用部品を有する遊技機に関する確認作業の効率を高めることができる、という効果がある。
遊技機E0において、
前記第1形態情報表示及び前記第2形態情報表示は、
前記読み取り手段に対する1の読み取り操作によって読み取り可能な範囲にともに配置される
ことを特徴とする遊技機E1。
遊技機E1によれば、遊技機E0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1形態情報表示及び第2形態情報表示が、読み取り手段に対する1の読み取り操作によって読み取り可能な範囲にともに配置される。これにより、読み取り手段に対する1の操作によって第1形態情報表示及び第2形態情報表示を読み取ることが可能となり、第1形態情報表示又は第2形態情報表示のいずれか一方が読み取れた場合に、読み取り情報が正常に読み取れたものとして処理を実行可能となる。よって、読み取り手段に対する1の操作で、第1形態情報表示又は第2形態情報表示のいずれか一方が破損や汚れ等で正常に読み取れない状況であっても、他方の第2形態情報表示又は第1形態情報表示を読み取ることで確認作業を行うことができるので、簡易な操作で汎用部品および専用部品を有する遊技機に関する確認作業の効率を高めることができる、という効果がある。
遊技機E0又はE1において、
前記第1形態情報表示は、
人の知覚によって識別困難な識別困難情報(例えば、符号化情報であるQRコード)であり、
前記第2形態情報表示は、
人の知覚によって識別可能な識別可能情報(例えば、文字、数字又は記号等の組み合わせ情報)である
ことを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E0又はE1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1形態情報表示が、人の知覚によって識別困難な識別困難情報で構成され、第2形態情報表示が、人の知覚によって識別可能な識別可能情報で構成される。これにより、例えば、いずれの第1形態情報表示及び第2形態情報表示が汚れや破損によって読み取り手段では読み取れないような状況であっても、人の知覚で識別可能な第2形態情報表示を読み取り手段に直接入力することで処理を実行可能に構成することで、遊技機における汎用部品および専用部品の組み合わせが適正か否かの確認作業を効率化することができる、という効果がある。
遊技機E0からE2のいずれかにおいて、
前記汎用情報および前記専用情報は、
互いに関連性を有する位置に設けられる
ことを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E0からE2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、汎用情報および専用情報が、互いに関連性を有する位置に設けられる。これにより、汎用部品および専用部品の組み合わせを確認する確認作業を行う際に、汎用情報および専用情報の位置を把握し易くなり、汎用部品および専用部品を有する遊技機に関する確認作業の効率を高めることができる、という効果がある。
なお、「互いに関連性を有する位置」とは、汎用情報および専用情報がそれぞれ近傍に配置される位置や、汎用情報および専用情報の位置関係が一直線上や一定の範囲内に配置される場合等が例示される。
遊技機E0からE3のいずれかにおいて、
前記汎用部品は、
前記島設備に取り付け固定可能な固定部材(例えば、外枠11)と、
前記固定部材に取り付けられる本体部材(例えば、内枠12)と、
前記本体部材に対して開閉可能に取り付けられる前面部材(例えば、前面枠14)と、を備え、
前記専用部品は、
遊技の主要な制御を実行する制御手段(例えば、主制御装置110)と、
前記制御手段が取り付けられた取付部材(例えば、遊技盤13)と、を備え、
前記汎用情報は、少なくとも、
前記本体部材に設けられた本体汎用情報(例えば、枠表QRコード411及び枠裏QRコード412)、を備え、
前記専用情報は、少なくとも、
前記制御手段に設けられた制御専用情報(例えば、主基板表QRコード421a及び主基板裏QRコード422)と、
前記取付部材に設けられた取付専用情報(例えば、盤表QRコード401及び盤裏QRコード402)と、を備え、
前記汎用情報および前記専用情報は、
前記固定部材に前記前面部材が取り付けられて、遊技者が遊技を行うことができる状態において、遊技者によって視認不能又は視認困難な位置に設けられる
ことを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E0からE3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、汎用部品として、固定部材が島設備に固定可能に構成され、本体部材が固定部材に取り付けられ、前面部材が本体部材に開閉可能に取り付けられる。また、専用部品として、制御手段により遊技の主要な制御が実行され、取付部材に制御手段が取り付けられる。そして、汎用情報として、少なくとも、本体部材に本体汎用情報が設けられる。また、専用情報として、少なくとも、制御手段に制御専用情報が設けられ、取付部材に取付専用情報が設けられる。ここで、固定部材に前面部材が取り付けられて、遊技者が遊技を行うことができる状態において、汎用情報および専用情報が、遊技者によって視認不能又は視認困難な位置に設けられる。これにより、遊技を行う遊技者からは汎用情報及び専用情報を視認不能又は視認困難にすることで遊技機の装飾性の低下を抑制することができる、という効果がある。
<F群:一方側から盤・枠・主を読み取り可能な構成>
パチンコ機等の遊技機を設置する遊技ホールにおいて、設置済みの遊技機を異なる新規遊技機に変更する際、遊技機全体を新規に購入して設置する場合のほか、枠部材等の遊技機の汎用部品を残しつつ、遊技機毎に異なる遊技盤等の専用部品のみを購入し、該専用部品を汎用部品に設置する場合がある。
これら汎用部品および専用部品には、それぞれ、該汎用部品又は専用部品の不正交換等の不正対策のために、それぞれ固有の管理番号(例えば、遊技盤番号や枠番号)が付されており、遊技ホールへの設置前に監督官庁に対して汎用部品および専用部品の管理番号の組み合わせを申請する必要がある。そして、遊技ホールの管理者等は、該遊技ホールに設置される遊技機を変更した場合に、設置位置において汎用部品および専用部品が適切に設置されているか否かの確認作業を行う(例えば、特許文献1(特開2002−66088号公報))。
しかしながら、上記遊技機では、上記確認作業の効率を高める必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
F群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技機に関する確認作業の効率を高めることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技ホールに設けられた島設備に取り付け固定され、複数の機種において使用可能に構成された少なくとも2以上の汎用部品(例えば、前面枠14、内枠12及び外枠11)と、
前記汎用部品に取り付け可能であって、機種固有の遊技を行うことが可能に構成された専用部品(例えば、遊技盤13又は主制御装置110)と、
少なくとも、前記汎用部品同士を施錠する施錠手段(例えば、シリンダ錠20)と、を備えた遊技機において、
前記汎用部品は、
所定の読み取り機能を有する読み取り手段(例えば、読み取り装置600)によって読み取り可能であって、前記汎用部品を特定可能な汎用情報(例えば、枠表QRコード411及び枠裏QRコード412)、を有し、
前記専用部品は、
前記読み取り手段によって読み取り可能であって、前記専用部品を特定可能な専用情報(例えば、盤表QRコード401、盤裏QRコード402、主基板表QRコード421a又は主基板裏QRコード422)、を有し、
前記汎用情報および前記専用情報は、
前記施錠手段による1の施錠を解錠した場合に、すべての前記汎用情報および前記専用情報を前記読み取り手段によって読み取り可能な位置に配置される
ことを特徴とする遊技機F0。
遊技機F0によれば、複数の機種において使用可能に構成された少なくとも2以上の汎用部品が遊技ホールに設けられた島設備に取り付けられ、機種固有の遊技を行うことが可能に構成された専用部品が、汎用部品に取り付け可能に構成される。また、施錠手段により、少なくとも、汎用部品同士が施錠される。ここで、汎用部品に、所定の読み取り機能を有する読み取り手段によって読み取り可能であって、汎用部品を特定可能な汎用情報が設けられ、専用部品に、読み取り手段によって読み取り可能であって、専用部品を特定可能な専用情報が設けられる。そして、汎用情報および専用情報が、施錠手段による1の施錠を解錠した場合に、すべての汎用情報および専用情報を読み取り手段によって読み取り可能な位置に配置される。これにより、汎用部品および専用部品を有する遊技機に関する確認作業の効率を高めることができる、という効果がある。
遊技機F0において、
前記専用部品は、
遊技の主要な制御を実行する制御手段(例えば、主制御装置110)と、
前記制御手段が取り付けられた取付部材(例えば、遊技盤13)と、を備え、
前記取付手段は、
所定方向から前記取付手段を見た場合に、該取付手段における前記所定方向と反対側を視認可能に構成された視認可能手段(例えば、裏面視認用窓部13a又は前面視認用窓部13b)、を備え、
一部の前記汎用情報又は/及び前記専用情報は、
前記施錠手段による1の施錠を解錠した場合に、前記視認可能手段を介して前記読み取り手段によって読み取り可能な位置に配置される
ことを特徴とする遊技機F1。
遊技機F1によれば、遊技機F0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、専用部品として、制御手段により遊技の主要な制御が実行され、取付部材に制御手段が取り付けられる。また、取付手段に設けられた視認可能手段により、所定方向から取付手段を見た場合に、その取付手段における所定方向と反対側が視認可能に構成される。そして、施錠手段による1の施錠を解錠した場合に、一部の汎用情報又は/及び専用情報が、視認可能手段を介して読み取り手段によって読み取り可能な位置に配置される。これにより、所定方向からすべての汎用情報および専用情報を読み取り手段によって読み取ることが可能となり、汎用部品および専用部品を有する遊技機に関する確認作業の効率を高めることができる、という効果がある。
遊技機F1において、
前記制御手段は、
前記取付手段の遊技機背面側に取り付けられ、
前記専用情報は、
前記制御手段に設けられた制御専用情報(例えば、主基板表QRコード421a及び主基板裏QRコード422)、を備え、
前記視認可能手段は、
遊技機の正面側から前記制御専用情報を読み取り可能な位置に形成される
ことを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F0又はF1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、制御手段が、取付手段の遊技機背面側に取り付けられ、専用情報としての制御専用情報が、制御手段に設けられる。そして、視認可能手段が、遊技機の正面側から制御専用情報を読み取り可能な位置に形成される。これにより、遊技機の正面側から取付手段の背面側に取り付けられた制御専用情報を読み取り手段によって読み取ることが可能となり、汎用部品および専用部品を有する遊技機に関する確認作業の効率を高めることができる、という効果がある。
遊技機F0からF2のいずれかにおいて、
前記汎用部品は、
前記島設備に取り付け固定可能な固定部材(例えば、外枠11)と、
前記固定部材に取り付けられる本体部材(例えば、内枠12)と、
前記本体部材に対して開閉可能に取り付けられる前面部材(例えば、前面枠14)と、を備え、
前記汎用情報は、
前記前面部材に設けられた前面汎用情報(例えば、前面枠QRコード441)、を備え、
前記視認可能手段は、
遊技機の背面側から前記前面汎用情報を読み取り可能な位置に形成される
ことを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F0からF2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、汎用部品として、固定部材が島設備に固定可能に構成され、本体部材が固定部材に取り付けられ、前面部材が本体部材に開閉可能に取り付けられる。また、汎用情報として、前面汎用情報が前面部材に設けられる。そして、視認可能手段が、遊技機の背面側から前面汎用情報を読み取り可能な位置に形成される。これにより、遊技機の背面側から取付手段の前面側に配置された前面汎用情報を読み取り手段によって読み取ることが可能となり、汎用部品および専用部品を有する遊技機に関する確認作業の効率を高めることができる、という効果がある。
遊技機F0からF3のいずれかにおいて、
前記汎用情報および前記専用情報は、
互いに関連性を有する位置に設けられる
ことを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F0からF3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、汎用情報および専用情報が、互いに関連性を有する位置に設けられる。これにより、汎用部品および専用部品の組み合わせを確認する確認作業を行う際に、汎用情報および専用情報の位置を把握し易くなり、汎用部品および専用部品を有する遊技機に関する確認作業の効率を高めることができる、という効果がある。
なお、「互いに関連性を有する位置」とは、汎用情報および専用情報がそれぞれ近傍に配置される位置や、汎用情報および専用情報の位置関係が一直線上や一定の範囲内に配置される場合等が例示される。
遊技機F3又はF4において、
前記汎用情報および前記専用情報は、
前記固定部材に前記前面部材が取り付けられて、遊技者が遊技を行うことができる状態において、遊技者によって視認不能又は視認困難な位置に設けられる
ことを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F3又はF4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、固定部材に前面部材が取り付けられて、遊技者が遊技を行うことができる状態において、汎用情報および専用情報が、遊技者によって視認不能又は視認困難な位置に設けられる。これにより、遊技を行う遊技者からは汎用情報及び専用情報を視認不能又は視認困難にすることで遊技機の装飾性の低下を抑制することができる、という効果がある。
遊技ホールに設けられた島設備に取り付け固定され、複数の機種において使用可能に構成された汎用部品(例えば、内枠12及び外枠11)と、
前記汎用部品に取り付け可能であって、機種固有の遊技を行うことが可能に構成された専用部品(例えば、遊技盤13又は主制御装置110)と、を備えた遊技機において、
前記汎用部品は、
所定の読み取り機能を有する読み取り手段(例えば、読み取り装置600)によって読み取り可能であって、前記汎用部品を特定可能な汎用情報(例えば、枠表QRコード411及び枠裏QRコード412)、を有し、
前記専用部品は、
前記読み取り手段によって読み取り可能であって、前記専用部品を特定可能な専用情報(例えば、盤表QRコード401、盤裏QRコード402、主基板表QRコード421a又は主基板裏QRコード422)、を有し、
前記汎用情報および前記専用情報は、
遊技機正面側から前記読み取り手段によって読み取り可能な位置に設けられる
ことを特徴とする遊技機F6。
遊技機F6によれば、複数の機種において使用可能に構成された汎用部品が遊技ホールに設けられた島設備に取り付けられ、機種固有の遊技を行うことが可能に構成された専用部品が、汎用部品に取り付け可能に構成される。ここで、汎用部品に、所定の読み取り機能を有する読み取り手段によって読み取り可能であって、汎用部品を特定可能な汎用情報が設けられ、専用部品に、読み取り手段によって読み取り可能であって、専用部品を特定可能な専用情報が設けられる。そして、汎用情報および専用情報が、遊技機正面側から読み取り手段によって読み取り可能な位置に設けられる。これにより、例えば、汎用部品同士を施錠する施錠手段を解錠等することなく、遊技機正面側から汎用情報および専用情報を読み取り手段によって読み取ることが可能となり、汎用部品および専用部品を有する遊技機に関する確認作業の効率を高めることができる、という効果がある。
<G群:第2盤面付きの遊技機>
パチンコ機等の遊技機を設置する遊技ホールにおいて、設置済みの遊技機を異なる新規遊技機に変更する際、遊技機全体を新規に購入して設置する場合のほか、枠部材等の遊技機の汎用部品を残しつつ、遊技機毎に異なる遊技盤等の専用部品のみを購入し、該専用部品を汎用部品に設置する場合がある。
これら汎用部品および専用部品には、それぞれ、該汎用部品又は専用部品の不正交換等の不正対策のために、それぞれ固有の管理番号(例えば、遊技盤番号や枠番号)が付されており、遊技ホールへの設置前に監督官庁に対して汎用部品および専用部品の管理番号の組み合わせを申請する必要がある。そして、遊技ホールの管理者等は、該遊技ホールに設置される遊技機を変更した場合に、設置位置において汎用部品および専用部品が適切に設置されているか否かの確認作業を行う(例えば、特許文献1(特開2002−66088号公報))。
しかしながら、上記遊技機では、上記確認作業の効率を高める必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
G群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技機に関する確認作業の効率を高めることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技ホールに設けられた島設備に取り付け固定され、複数の機種において使用可能に構成された汎用部品(例えば、内枠12及び外枠11)と、
前記汎用部品に取り付け可能であって、機種固有の遊技を行うことが可能に構成された第1専用部品(例えば、遊技盤13又は主制御装置110)と、
前記第1専用部品と異なる部品であって、遊技に関する演出を実行可能な第2専用部品(例えば、第2盤面装置24)と、を備えた遊技機において、
前記汎用部品は、
所定の読み取り機能を有する読み取り手段(例えば、読み取り装置600)によって読み取り可能であって、前記汎用部品を特定可能な汎用情報(例えば、枠表QRコード411及び枠裏QRコード412)、を有し、
前記第1専用部品は、
前記読み取り手段によって読み取り可能であって、前記第1専用部品を特定可能な第1専用情報(例えば、盤表QRコード401、盤裏QRコード402、主基板表QRコード421a又は主基板裏QRコード422)、を有し、
前記第2専用部品は、
前記読み取り手段によって読み取り可能であって、前記第2専用部品を特定可能な第2専用情報(例えば、第2盤面表QRコード431又は第2盤面裏QRコード432)、を有する
ことを特徴とする遊技機G0。
遊技機G0によれば、複数の機種において使用可能に構成された汎用部品が遊技ホールに設けられた島設備に取り付けられ、機種固有の遊技を行うことが可能に構成された第1専用部品が、汎用部品に取り付け可能に構成され、第1専用部品と異なる第2専用部品が、遊技に関する演出を実行可能に構成される。ここで、汎用部品に、所定の読み取り機能を有する読み取り手段によって読み取り可能であって、汎用部品を特定可能な汎用情報が設けられ、第1専用部品に、読み取り手段によって読み取り可能であって、第1専用部品を特定可能な第1専用情報が設けられ、第2専用部品に、読み取り手段によって読み取り可能であって、第2専用部品を特定可能な第2専用情報が設けられる。これにより、汎用部品と第1専用部品と第2専用部品との組み合わせを人による目視でなく読み取り手段によって判定することができ、迅速かつ正確に遊技機の整合性を判定できる。よって、汎用情報と第1専用情報と第2専用部品との確認ミスといったヒューマンエラーを防止しつつ、汎用部品、第1専用部品及び第2専用部品を有する遊技機に関する確認作業の効率を高めることができる、という効果がある。
遊技機G0において、
前記汎用部品は、
前記島設備に取り付け固定可能な固定部材(例えば、外枠11)と、
前記固定部材に取り付けられる本体部材(例えば、内枠12)と、
前記本体部材に対して開閉可能に取り付けられる前面部材(例えば、前面枠14)と、を備え、
前記第1専用部品は、
遊技の主要な制御を実行する制御手段(例えば、主制御装置110)と、
前記制御手段が取り付けられた取付部材(例えば、遊技盤13)と、を備え、
前記汎用情報は、少なくとも、
前記本体部材に設けられた本体汎用情報(例えば、枠表QRコード411及び枠裏QRコード412)、を備え、
前記第1専用情報は、少なくとも、
前記制御手段に設けられた制御専用情報(例えば、主基板表QRコード421a及び主基板裏QRコード422)と、
前記取付部材に設けられた取付専用情報(例えば、盤表QRコード401及び盤裏QRコード402)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機G1。
遊技機G1によれば、遊技機G0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、汎用部品として、固定部材が島設備に固定可能に構成され、本体部材が固定部材に取り付けられ、前面部材が本体部材に開閉可能に取り付けられる。また、第1専用部品として、制御手段により遊技の主要な制御が実行され、取付部材に制御手段が取り付けられる。そして、汎用情報として、少なくとも、本体部材に本体汎用情報が設けられる。また、第1専用情報として、少なくとも、制御手段に制御専用情報が設けられ、取付部材に取付専用情報が設けられる。これにより、汎用部品と第1専用部品と第2専用部品との組み合わせを人による目視でなく本体部材の本体汎用情報、制御手段の制御専用情報、取付部材の取付専用情報、及び、第2専用部品の第2専用情報を読み取り手段によってそれぞれ読み取って判定することができ、迅速かつ正確に遊技機の整合性を判定できる。よって、汎用情報と第1専用情報と第2専用部品との確認ミスといったヒューマンエラーを防止しつつ、汎用部品、第1専用部品及び第2専用部品を有する遊技機に関する確認作業の効率を高めることができる、という効果がある。
遊技機G0又はG1において、
前記汎用情報は、
遊技機正面側に配置される正面側汎用情報(例えば、枠表QRコード411)と、
遊技機背面側に配置される背面側専用情報(例えば、枠裏QRコード412)と、を備え、
前記第1専用情報は、
遊技機正面側に配置される正面側専用情報(例えば、盤表QRコード401及び主基板表QRコード421a)と、
遊技機背面側に配置される背面側専用情報(例えば、盤裏QRコード402及び主基板裏QRコード422)と、を備え、
前記第2専用情報は、
遊技機正面側に配置される正面側第2情報(例えば、第2盤面表QRコード431)と、
遊技機背面側に配置される背面側第2情報(例えば、第2盤面裏QRコード432)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G0又はG1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、汎用情報として、遊技機正面側に正面側汎用情報が配置され、遊技機背面側に背面側汎用情報が配置される。また、第1専用情報として、遊技機正面側に正面側専用情報が配置され、遊技機背面側に背面側専用情報が配置される。さらに、第2専用情報として、遊技機正面側に正面側第2情報が配置され、遊技機背面側に背面側第2情報が配置される。これにより、遊技機の正面側からでも背面側からでも汎用情報と第1専用情報と第2専用情報とを読み取り手段によってそれぞれ読み取って判定することができ、迅速かつ正確に遊技機の整合性を判定できる。よって、汎用情報と第1専用情報と第2専用部品との確認ミスといったヒューマンエラーを防止しつつ、汎用部品、第1専用部品及び第2専用部品を有する遊技機に関する確認作業の効率を高めることができる、という効果がある。
遊技機G2おいて、
前記正面側汎用情報および前記背面側汎用情報は、それぞれ同一の内容を示すものであり、
前記正面側専用情示および前記背面側専用情報は、それぞれ同一の内容を示すものであり、
前記正面側第2情報および前記背面側第2情報は、それぞれ同一の内容を示すものである
ことを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、正面側汎用情報と背面側汎用情報とがそれぞれ同一の内容を示すとともに、正面専用情報と背面側専用情報とがそれぞれ同一の内容を示すように構成される。また、正面側第2情報と背面側第2情報とがそれぞれ同一の内容を示すように構成される。これにより、遊技機の正面側からでも背面側からでも読み取り手段によって同一の内容を読み取ることが可能となり、作業効率を向上して、遊技機の確認作業を容易に行うことができる、という効果がある。
遊技機G1からG3のいずれかにおいて、
前記正面側汎用情報および前記背面側汎用情報は、1の汎用部品用シール(例えば、枠側シール410)にそれぞれ設け、
前記汎用部品用シールは、
前記正面側汎用情報が前記汎用部品の正面側を向くとともに、前記背面側汎用情報が前記汎用部品の背面側を向くように前記汎用部品に貼付される
ことを特徴とする遊技機G4。
遊技機G4によれば、遊技機G1からG3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、正面側汎用情報および背面側汎用情報が、1の汎用部品用シールにそれぞれ設けられる。そして、正面側汎用情報が汎用部品の正面側を向くとともに、背面側汎用情報が汎用部品の背面側を向くように、汎用部品用シールが汎用部品に貼付される。これにより、1の汎用部品用シールを汎用部品に貼付するのみで、汎用部品の正面側と背面側とでそれぞれ汎用部品を特定可能な情報を読み取ることが可能となる。よって、1の汎用部品の正面側と背面側とにそれぞれ情報を設ける場合に、シールの貼り間違えの発生を未然に防止できる、という効果がある。
遊技機G1からG4のいずれかにおいて、
前記正面側専用情報および前記背面側専用情報表示は、1の専用部品用シール(例えば、盤側シール400)にそれぞれ設け、
前記専用部品用シールは、
前記正面側専用情報が前記専用部品の正面側を向くとともに、前記背面側専用情報が前記専用部品の背面側を向くように前記専用部品に貼付される
ことを特徴とする遊技機G5。
遊技機G5によれば、遊技機G1からG4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、正面側専用情報および背面側専用情報が、1の専用部品用シールにそれぞれ設けられる。そして、正面側専用情報が専用部品の正面側を向くとともに、背面側専用情報が専用部品の背面側を向くように、専用部品用シールが専用部品に貼付される。これにより、1の専用部品用シールを専用部品に貼付するのみで、専用部品の正面側と背面側とでそれぞれ専用部品を特定可能な情報を読み取ることが可能となる。よって、1の専用部品の正面側と背面側とにそれぞれ情報を設ける場合に、シールの貼り間違えの発生を未然に防止できる、という効果がある。
遊技機G1からG5のいずれかにおいて、
前記正面側第2情報および前記背面側第2情報表示は、1の第2専用部品用シール(例えば、第2盤面側シール430)にそれぞれ設け、
前記第2専用部品用シールは、
前記正面側第2情報が前記第2専用部品の正面側を向くとともに、前記背面側第2情報が前記第2専用部品の背面側を向くように前記第2専用部品に貼付される
ことを特徴とする遊技機G6。
遊技機G6によれば、遊技機G1からG5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、正面側第2情報および背面側第2情報が、1の第2専用部品用シールにそれぞれ設けられる。そして、正面側第2情報が第2専用部品の正面側を向くとともに、背面側第2情報が第2専用部品の背面側を向くように、第2専用部品用シールが第2専用部品に貼付される。これにより、1の第2専用部品用シールを第2専用部品に貼付するのみで、第2専用部品の正面側と背面側とでそれぞれ第2専用部品を特定可能な情報を読み取ることが可能となる。よって、1の第2専用部品の正面側と背面側とにそれぞれ情報を設ける場合に、シールの貼り間違えの発生を未然に防止できる、という効果がある。
遊技機G0からG6のいずれかにおいて、
前記第2専用部品は、
複数の機種間で共通的に使用可能に構成される
ことを特徴とする遊技機G7。
遊技機G7によれば、遊技機G0からG6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2専用部品が、複数の機種間で共通的に使用可能に構成される。これにより、機種変更の際に、複数の機種間で使用可能な汎用部品と第2専用部品に対して、機種固有である第1専用部品のみを交換する場合において、汎用部品と第1専用部品と第2専用部品との組み合わせを人による目視でなく読み取り手段によって判定することができ、迅速かつ正確に遊技機の整合性を判定できる。よって、汎用情報と第1専用情報と第2専用部品との確認ミスといったヒューマンエラーを防止しつつ、汎用部品、第1専用部品及び第2専用部品を有する遊技機に関する確認作業の効率を高めることができる、という効果がある。
<H群:封入式>
パチンコ機等の遊技機を設置する遊技ホールにおいて、設置済みの遊技機を異なる新規遊技機に変更する際、遊技機全体を新規に購入して設置する場合のほか、枠部材等の遊技機の汎用部品を残しつつ、遊技機毎に異なる遊技盤等の専用部品のみを購入し、該専用部品を汎用部品に設置する場合がある。
これら汎用部品および専用部品には、それぞれ、該汎用部品又は専用部品の不正交換等の不正対策のために、それぞれ固有の管理番号(例えば、遊技盤番号や枠番号)が付されており、遊技ホールへの設置前に監督官庁に対して汎用部品および専用部品の管理番号の組み合わせを申請する必要がある。そして、遊技ホールの管理者等は、該遊技ホールに設置される遊技機を変更した場合に、設置位置において汎用部品および専用部品が適切に設置されているか否かの確認作業を行う(例えば、特許文献1(特開2002−66088号公報))。
しかしながら、上記遊技機では、上記確認作業の効率を高める必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
H群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技機に関する確認作業の効率を高めることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技に使用可能な遊技媒体の数を計数する遊技媒体計数手段(例えば、賞球データ)と、
前記遊技媒体計数手段により計数された遊技媒体に基づいて遊技を行う遊技実行手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
前記遊技実行手段による遊技結果に基づいて遊技者に遊技媒体を付与する遊技媒体付与手段(例えば、第1入球口64への球の入賞に基づいて賞球データを付与)と、
前記遊技実行手段を有し、遊技ホールに設けられた島設備に取り付け固定され、複数のメーカで製造された機種において使用可能に構成された汎用部品(例えば、内枠12、外枠11又は前面下部枠14b)と、
前記汎用部品に取り付け可能であって、1の製造メーカで製造された機種固有の遊技を行うことが可能に構成された専用部品(例えば、遊技盤13、主制御装置110又は前面上部枠14a)と、を備えた遊技機において、
前記汎用部品は、
所定の読み取り機能を有する読み取り手段(例えば、読み取り装置600)によって読み取り可能であって、前記汎用部品を特定可能な汎用情報(例えば、枠表QRコード411及び枠裏QRコード412)、を有し、
前記専用部品は、
前記読み取り手段によって読み取り可能であって、前記専用部品を特定可能な専用情報(例えば、盤表QRコード401、盤裏QRコード402、主基板表QRコード421a、主基板裏QRコード422及び前面枠QRコード441)、を有する
ことを特徴とする遊技機H0。
遊技機H0によれば、遊技媒体計数手段によって遊技に使用可能な遊技媒体の数が計数され、遊技実行手段により、遊技媒体計数手段により計数された遊技媒体に基づいて遊技が行われ、遊技媒体付与手段により、遊技実行手段による遊技結果に基づいて遊技者に遊技媒体が付与される。また、遊技実行手段を有し、複数の製造メーカで製造された機種において使用可能に構成された汎用部品が遊技ホールに設けられた島設備に取り付けられ、1の製造メーカで製造された機種固有の遊技を行うことが可能に構成された専用部品が、汎用部品に取り付け可能に構成される。ここで、汎用部品に、所定の読み取り機能を有する読み取り手段によって読み取り可能であって、汎用部品を特定可能な汎用情報が設けられ、専用部品に、読み取り手段によって読み取り可能であって、専用部品を特定可能な専用情報が設けられる。これにより、複数の製造メーカで共通的に汎用部品を使用可能に構成して、遊技機にかかるコストを低減しつつ、複数の製造メーカで共通的に使用される汎用部品と、1の製造メーカで製造される専用部品との組み合わせを人による目視でなく読み取り手段によって判定することができ、迅速かつ正確に遊技機の整合性を判定できる。よって、汎用情報と専用情報との確認ミスといったヒューマンエラーを防止しつつ、汎用部品及び専用部品を有する遊技機に関する確認作業の効率を高めることができる、という効果がある。
遊技機H0において、
前記汎用部品は、
前記島設備に取り付け固定可能な固定部材(例えば、外枠11)と、
前記固定部材に取り付けられる本体部材(例えば、内枠12)と、を備え、
前記専用部品は、
遊技の主要な制御を実行する制御手段(例えば、主制御装置110)と、
前記制御手段が取り付けられた取付部材(例えば、遊技盤13)と、
前記本体部材に対して開閉可能に取り付けられる前面部材(例えば、前面枠14)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機H1。
遊技機H1によれば、遊技機H0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、汎用部品として、固定部材が島設備に固定可能に構成され、本体部材が固定部材に取り付けられる。また、専用部品として、制御手段により遊技の主要な制御が実行され、取付部材に制御手段が取り付けられ、前面部材が本体部材に対して開閉可能に取り付けられる。これにより、複数の製造メーカで共通的に固定部材と本体部材とを使用可能に構成して、遊技機にかかるコストを低減しつつ、複数の製造メーカで共通的に使用される固定部材及び本体部材と、1の製造メーカで製造される制御手段、取付部材及び前面部材との組み合わせを人による目視でなく読み取り手段によって判定することができ、迅速かつ正確に遊技機の整合性を判定できる。よって、汎用情報と専用情報との確認ミスといったヒューマンエラーを防止しつつ、汎用部品及び専用部品を有する遊技機に関する確認作業の効率を高めることができる、という効果がある。
遊技機H0において、
前記汎用部品は、
前記島設備に取り付け固定可能な固定部材(例えば、外枠11)と、
前記固定部材に取り付けられる本体部材(例えば、内枠12)と、
前記本体部材に対して開閉可能に取り付けられる前面部材(例えば、前面枠14)と、を備え、
前記専用部品は、
遊技の主要な制御を実行する制御手段(例えば、主制御装置110)と、
前記制御手段が取り付けられた取付部材(例えば、遊技盤13)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機H2。
遊技機H2によれば、遊技機H0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、汎用部品として、固定部材が島設備に固定可能に構成され、本体部材が固定部材に取り付けられ、前面部材が本体部材に開閉可能に取り付けられる。また、専用部品として、制御手段により遊技の主要な制御が実行され、取付部材に制御手段が取り付けられる。これにより、複数の製造メーカで共通的に固定部材と本体部材と前面部材を使用可能に構成して、遊技機にかかるコストを低減しつつ、複数の製造メーカで共通的に使用される固定部材、本体部材及び前面部材と、1の製造メーカで製造される制御手段及び取付部材との組み合わせを人による目視でなく読み取り手段によって判定することができ、迅速かつ正確に遊技機の整合性を判定できる。よって、汎用情報と専用情報との確認ミスといったヒューマンエラーを防止しつつ、汎用部品及び専用部品を有する遊技機に関する確認作業の効率を高めることができる、という効果がある。
遊技機H1又はH2において、
前記汎用情報は、
遊技機正面側に配置される正面側汎用情報(例えば、枠表QRコード411、前面枠QRコード441)と、
遊技機背面側に配置される背面側専用情報(例えば、枠裏QRコード412、前面枠QRコード441)と、を備え、
前記専用情報は、
遊技機正面側に配置される正面側専用情報(例えば、盤表QRコード401、主基板表QRコード421a及び前面枠QRコード441)と、
遊技機背面側に配置される背面側専用情報(例えば、盤裏QRコード402、主基板裏QRコード422及び前面枠QRコード441)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機H3。
遊技機H3によれば、遊技機H1又はH2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、汎用情報として、遊技機正面側に正面側汎用情報が配置され、遊技機背面側に背面側汎用情報が配置される。また、専用情報として、遊技機正面側に正面側専用情報が配置され、遊技機背面側に背面側専用情報が配置される。これにより、遊技機の正面側からでも背面側からでも汎用情報と専用情報とを読み取り手段によってそれぞれ読み取って判定することができ、迅速かつ正確に遊技機の整合性を判定できる。よって、汎用情報と専用情報との確認ミスといったヒューマンエラーを防止しつつ、汎用部品及び専用部品を有する遊技機に関する確認作業の効率を高めることができる、という効果がある。
遊技機H3において、
前記正面側汎用情報および前記背面側汎用情報は、それぞれ同一の内容を示すものであり、
前記正面側専用情示および前記背面側専用情報は、それぞれ同一の内容を示すものである
ことを特徴とする遊技機H4。
遊技機H4によれば、遊技機H0からH3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、正面側汎用情報と背面側汎用情報とがそれぞれ同一の内容を示すとともに、正面専用情報と背面側専用情報とがそれぞれ同一の内容を示すように構成される。これにより、遊技機の正面側からでも背面側からでも読み取り手段によって同一の内容を読み取ることが可能となり、作業効率を向上して、遊技機の確認作業を容易に行うことができる、という効果がある。
遊技機H1からH4のいずれかにおいて、
前記汎用情報又は前記専用情報は、
前記前面部材の遊技機背面側に設けられた前面部材情報(例えば、前面枠QRコード441)、を備え、
前記取付手段は、
遊技機背面側から前記取付手段を見た場合に、遊技機正面側を視認可能に構成された視認可能手段(例えば、前面視認用窓部13b)、を備え、
前記前面部材情報は、
遊技機背面側から前記視認可能手段を介して前記読み取り手段によって読み取り可能な位置に配置される
ことを特徴とする遊技機H5。
遊技機H5によれば、遊技機H1からH4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、汎用情報又は専用情報として、前面部材情報が、前面部材の遊技機背面側に設けられる。また、取付手段に設けられた視認可能手段により、遊技機背面側から取付手段を見た場合に、遊技機正面側を視認可能に構成される。そして、前面部材情報が、遊技機背面側から視認可能手段を介して読み取り手段によって読み取り可能な位置に配置される。これにより、遊技機の背面側から取付手段の前面側に配置された前面部材情報を読み取り手段によって読み取ることが可能となり、汎用部品および専用部品を有する遊技機に関する確認作業の効率を高めることができる、という効果がある。
遊技機H0からH5のいずれかにおいて、
前記汎用情報および前記専用情報は、
互いに関連性を有する位置に設けられる
ことを特徴とする遊技機H6。
遊技機H6によれば、遊技機H0からH5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、汎用情報および専用情報が、互いに関連性を有する位置に設けられる。これにより、汎用部品および専用部品の組み合わせを確認する確認作業を行う際に、汎用情報および専用情報の位置を把握し易くなり、汎用部品および専用部品を有する遊技機に関する確認作業の効率を高めることができる、という効果がある。
遊技機H1からH6のいずれかにおいて、
前記汎用情報および前記専用情報は、
前記固定部材に前記前面部材が取り付けられて、遊技者が遊技を行うことができる状態において、遊技者によって視認不能又は視認困難な位置に設けられる
ことを特徴とする遊技機H7。
遊技機H7によれば、遊技機H1の製造メーカで製造からH6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、固定部材に前面部材が取り付けられて、遊技者が遊技を行うことができる状態において、汎用情報および専用情報が、遊技者によって視認不能又は視認困難な位置に設けられる。これにより、遊技を行う遊技者からは汎用情報及び専用情報を視認不能又は視認困難にすることで遊技機の装飾性の低下を抑制することができる、という効果がある。
<I群:連続的に盤を読み取った後、連続的に枠を読み取って確認>
パチンコ機等の遊技機を設置する遊技ホールにおいて、設置済みの遊技機を異なる新規遊技機に変更する際、遊技機全体を新規に購入して設置する場合のほか、枠部材等の遊技機の汎用部品を残しつつ、遊技機毎に異なる遊技盤等の専用部品のみを購入し、該専用部品を汎用部品に設置する場合がある。
これら汎用部品および専用部品には、それぞれ、該汎用部品又は専用部品の不正交換等の不正対策のために、それぞれ固有の管理番号(例えば、遊技盤番号や枠番号)が付されており、遊技ホールへの設置前に監督官庁に対して汎用部品および専用部品の管理番号の組み合わせを申請する必要がある。そして、遊技ホールの管理者等は、該遊技ホールに設置される遊技機を変更した場合に、設置位置において汎用部品および専用部品が適切に設置されているか否かの確認作業を行う(例えば、特許文献1(特開2002−66088号公報))。
しかしながら、上記遊技機では、上記確認作業の効率を高める必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
I群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技機に関する確認作業の効率を高めることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技ホールに設けられた島設備に取り付け固定され、複数の機種において使用可能に構成された汎用部品(例えば、内枠12及び外枠11)と、
前記汎用部品に取り付け可能であって、機種固有の遊技を行うことが可能に構成された専用部品(例えば、遊技盤13又は主制御装置110)と、を備えた遊技機において、
前記汎用部品は、
所定の読み取り機能を有する読み取り手段(例えば、読み取り装置600)によって読み取り可能であって、前記汎用部品を特定可能な汎用情報(例えば、枠表QRコード411及び枠裏QRコード412)、を有し、
前記専用部品は、
前記読み取り手段によって読み取り可能であって、前記専用部品を特定可能な専用情報(例えば、盤表QRコード401、盤裏QRコード402、主基板表QRコード421a又は主基板裏QRコード422)、を有し、
前記汎用情報および前記専用情報は、
島設備に設置されている所定の遊技機における所定の前記汎用情報又は前記専用情報が読み取られた後に、他の遊技機における前記所定の前記汎用情報又は前記専用情報が読み取られ、その後、島設備に設置されている所定の遊技機における前記所定の前記汎用情報又は前記専用情報以外の他の前記汎用情報又は前記専用情報が読み取られた後、他の遊技機における前記他の前記汎用情報又は前記専用情報が読み取られることを可能に構成されている
ことを特徴とする遊技機I0。
遊技機I0によれば、複数の機種において使用可能に構成された汎用部品が遊技ホールに設けられた島設備に取り付けられ、機種固有の遊技を行うことが可能に構成された専用部品が、汎用部品に取り付け可能に構成される。ここで、汎用部品に、所定の読み取り機能を有する読み取り手段によって読み取り可能であって、汎用部品を特定可能な汎用情報が設けられ、専用部品に、読み取り手段によって読み取り可能であって、専用部品を特定可能な専用情報が設けられる。そして、汎用情報および専用情報が、島設備に設置されている所定の遊技機における所定の汎用情報又は専用情報が読み取られた後、他の遊技機における所定の汎用情報又は専用情報が読み取られ、その後、島設備に設置されている所定の遊技機における所定の汎用情報又は専用情報以外の他の汎用情報又は専用情報が読み取られた後、他の遊技機における他の汎用情報又は専用情報が読み取られることが可能に構成されている。これにより、例えば、島設備に設置されている複数の遊技機の確認作業を行う場合に、1の遊技機における汎用情報を読み取った後に他の遊技機における汎用情報を読み取って、連続的に汎用情報を読み取った後、1の遊技機における専用情報を読み取った後に他の遊技機における専用情報を読み取って、連続的に専用情報を読み取って各遊技機における汎用部品および専用部品の組み合わせを確認することができるように構成することで、島設備に設置された遊技機における確認作業を単純化することができるので、汎用部品および専用部品を有する遊技機に関する確認作業の効率を高めることができる、という効果がある。
遊技機I0において、
前記汎用情報および前記専用情報は、
島設備に設置されている所定の遊技機における所定の前記汎用情報又は前記専用情報が読み取られた後に、所定方向(例えば、右隣り)に設置されている他の遊技機における前記所定の前記汎用情報又は前記専用情報が読み取られ、その後、島設備に設置されている所定の遊技機における前記所定の前記汎用情報又は前記専用情報以外の他の前記汎用情報又は前記専用情報が読み取られた後、前記所定方向に設置されている他の遊技機における前記他の前記汎用情報又は前記専用情報が読み取られることを可能に構成されている
ことを特徴とする遊技機I1。
遊技機I1によれば、遊技機I0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、汎用情報および専用情報が、島設備に設置されている所定の遊技機における所定の汎用情報又は専用情報が読み取られた後、所定方向に設置されている他の遊技機における所定の汎用情報又は専用情報が読み取られ、その後、島設備に設置されている所定の遊技機における所定の汎用情報又は専用情報以外の他の汎用情報又は専用情報が読み取られた後、所定方向に設置されている他の遊技機における他の汎用情報又は専用情報が読み取られることが可能に構成されている。これにより、例えば、島設備に設置されている複数の遊技機の確認作業を行う場合に、1の遊技機における汎用情報を読み取った後に所定方向に設置されている他の遊技機における汎用情報を読み取って、連続的に汎用情報を読み取った後、所定の遊技機における専用情報を読み取った後に所定方向に設置されている他の遊技機における専用情報を読み取って、連続的に専用情報を読み取って各遊技機における汎用部品および専用部品の組み合わせを確認することができるように構成することで、島設備に設置された遊技機における確認作業を単純化することができるので、汎用部品および専用部品を有する遊技機に関する確認作業の効率を高めることができる、という効果がある。
遊技機I0において、
前記汎用情報および前記専用情報は、
島設備に設置されている所定の遊技機における所定の前記汎用情報又は前記専用情報が読み取られた後に、所定方向(例えば、右隣り)に設置されている他の遊技機における前記所定の前記汎用情報又は前記専用情報が読み取られ、その後、島設備に設置されている所定の遊技機における前記所定の前記汎用情報又は前記専用情報以外の他の前記汎用情報又は前記専用情報が読み取られた後、前記所定方向と反対方向に設置されている他の遊技機における前記他の前記汎用情報又は前記専用情報が読み取られることを可能に構成されている
ことを特徴とする遊技機I2。
遊技機I2によれば、遊技機I0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、汎用情報および専用情報が、島設備に設置されている所定の遊技機における所定の汎用情報又は専用情報が読み取られた後、所定方向に設置されている他の遊技機における所定の汎用情報又は専用情報が読み取られ、その後、島設備に設置されている所定の遊技機における所定の汎用情報又は専用情報以外の他の汎用情報又は専用情報が読み取られた後、所定方向と反対方向に設置されている他の遊技機における他の汎用情報又は専用情報が読み取られることが可能に構成されている。これにより、例えば、島設備に設置されている複数の遊技機の確認作業を行う場合に、1の遊技機における汎用情報を読み取った後に所定方向に設置されている他の遊技機における汎用情報を読み取って、連続的に汎用情報を読み取った後、所定の遊技機における専用情報を読み取った後に所定方向と反対方向に設置されている他の遊技機における専用情報を読み取って、連続的に専用情報を読み取って各遊技機における汎用部品および専用部品の組み合わせを確認することができるように構成することで、島設備に設置された遊技機における確認作業を単純化するとともに、確認作業時の移動量を少なくすることができるので、汎用部品および専用部品を有する遊技機に関する確認作業の効率を高めることができる、という効果がある。
遊技機I0からI2のいずれかにおいて、
前記汎用部品は、
前記島設備に取り付け固定可能な固定部材(例えば、外枠11)と、
前記固定部材に取り付けられる本体部材(例えば、内枠12)と、
前記本体部材に対して開閉可能に取り付けられる前面部材(例えば、前面枠14)と、を備え、
前記専用部品は、
遊技の主要な制御を実行する制御手段(例えば、主制御装置110)と、
前記制御手段が取り付けられた取付部材(例えば、遊技盤13)と、を備え、
前記汎用情報は、少なくとも、
前記本体部材に設けられた本体汎用情報(例えば、枠表QRコード411及び枠裏QRコード412)、を備え、
前記専用情報は、少なくとも、
前記制御手段に設けられた制御専用情報(例えば、主基板表QRコード421a及び主基板裏QRコード422)と、
前記取付部材に設けられた取付専用情報(例えば、盤表QRコード401及び盤裏QRコード402)と、を備え、
前記汎用情報および前記専用情報は、
前記固定部材に前記前面部材が取り付けられて、遊技者が遊技を行うことができる状態において、遊技者によって視認不能又は視認困難な位置に設けられる
ことを特徴とする遊技機I3。
遊技機I3によれば、遊技機I0からI2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、汎用部品として、固定部材が島設備に固定可能に構成され、本体部材が固定部材に取り付けられ、前面部材が本体部材に開閉可能に取り付けられる。また、専用部品として、制御手段により遊技の主要な制御が実行され、取付部材に制御手段が取り付けられる。そして、汎用情報として、少なくとも、本体部材に本体汎用情報が設けられる。また、専用情報として、少なくとも、制御手段に制御専用情報が設けられ、取付部材に取付専用情報が設けられる。ここで、固定部材に前面部材が取り付けられて、遊技者が遊技を行うことができる状態において、汎用情報および専用情報が、遊技者によって視認不能又は視認困難な位置に設けられる。これにより、遊技を行う遊技者からは汎用情報及び専用情報を視認不能又は視認困難にすることで遊技機の装飾性の低下を抑制することができる、という効果がある。
遊技機I0からI3のいずれかにおいて、
前記汎用情報および前記専用情報は、
互いに関連性を有する位置に設けられる
ことを特徴とする遊技機I4。
遊技機I4によれば、遊技機I0からI3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、汎用情報および専用情報が、互いに関連性を有する位置に設けられる。これにより、汎用部品および専用部品の組み合わせを確認する確認作業を行う際に、汎用情報および専用情報の位置を把握し易くなり、汎用部品および専用部品を有する遊技機に関する確認作業の効率を高めることができる、という効果がある。
なお、「互いに関連性を有する位置」とは、汎用情報および専用情報がそれぞれ近傍に配置される位置や、汎用情報および専用情報の位置関係が一直線上や一定の範囲内に配置される場合等が例示される。
遊技機I0からI4のいずれかにおいて、
所定の前記汎用情報と所定の前記専用情報とを近接して設ける
ことを特徴とする遊技機I5。
遊技機I5によれば、遊技機I0からI4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定の汎用情報と所定の専用情報とが近接して設けられる。これにより、読み取り手段によって所定の汎用情報と所定の専用情報とを読み取る場合に、所定の汎用情報と所定の専用情報とが近接していることから、両情報を読み取り易くなり、読み取り手段の読み取り作業の作業効率が向上し、汎用部品および専用部品を有する遊技機に関する確認作業の効率を高めることができる、という効果がある。
なお、「近接」とは、汎用情報に対して専用情報を隣接(近隣・接触・密着)した位置に設ける場合や、専用情報を汎用情報から所定距離内(例えば、10cm以内等)に設ける場合等が例示される。
<J群:読み取り装置の筐体と干渉する部材近傍にQRコード設置>
パチンコ機等の遊技機を設置する遊技ホールにおいて、設置済みの遊技機を異なる新規遊技機に変更する際、遊技機全体を新規に購入して設置する場合のほか、枠部材等の遊技機の汎用部品を残しつつ、遊技機毎に異なる遊技盤等の専用部品のみを購入し、該専用部品を汎用部品に設置する場合がある。
これら汎用部品および専用部品には、それぞれ、該汎用部品又は専用部品の不正交換等の不正対策のために、それぞれ固有の管理番号(例えば、遊技盤番号や枠番号)が付されており、遊技ホールへの設置前に監督官庁に対して汎用部品および専用部品の管理番号の組み合わせを申請する必要がある。そして、遊技ホールの管理者等は、該遊技ホールに設置される遊技機を変更した場合に、設置位置において汎用部品および専用部品が適切に設置されているか否かの確認作業を行う(例えば、特許文献1(特開2002−66088号公報))。
しかしながら、上記遊技機では、上記確認作業の効率を高める必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
J群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技機に関する確認作業の効率を高めることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技ホールに設けられた島設備に取り付け固定され、複数の機種において使用可能に構成された汎用部品(例えば、内枠12及び外枠11)と、
前記汎用部品に取り付け可能であって、機種固有の遊技を行うことが可能に構成された専用部品(例えば、遊技盤13又は主制御装置110)と、を備えた遊技機において、
前記汎用部品は、
所定の読み取り機能を有する読み取り手段(例えば、読み取り装置600)によって読み取り可能であって、前記汎用部品を特定可能な汎用情報(例えば、枠表QRコード411及び枠裏QRコード412)、を有し、
前記専用部品は、
前記読み取り手段によって読み取り可能であって、前記専用部品を特定可能な専用情報(例えば、盤表QRコード401、盤裏QRコード402、主基板表QRコード421a又は主基板裏QRコード422)、を有し、
前記汎用情報又は前記専用情報は、
所定の誤差補正手段(例えば、アライメントパターン)、を備えている
ことを特徴とする遊技機J0。
遊技機J0によれば、複数の機種において使用可能に構成された汎用部品が遊技ホールに設けられた島設備に取り付けられ、機種固有の遊技を行うことが可能に構成された専用部品が、汎用部品に取り付け可能に構成される。ここで、汎用部品に、所定の読み取り機能を有する読み取り手段によって読み取り可能であって、汎用部品を特定可能な汎用情報が設けられ、専用部品に、読み取り手段によって読み取り可能であって、専用部品を特定可能な専用情報が設けられる。そして、汎用情報又は専用情報が、所定の誤差補正手段を有している。これにより、例えば、読み取り手段の筐体が遊技機における所定の部品と干渉して、汎用情報又は専用情報に対して読み取り手段を正対できないような場合であっても、汎用情報又は専用情報に設けられた誤差補正手段により、汎用情報又は専用情報を読み取ることが可能となる。よって、汎用部品又は専用部品を有する遊技機に関する確認作業の効率を高めることができる、という効果がある。
遊技機J0において、
前記汎用部品又は前記専用部品は、
所定の平坦部と、
前記平坦部近傍に設けられ、前記平坦部から傾斜した(膨出した)傾斜部(膨出部)と、を備え、
少なくとも1の前記汎用情報又は前記専用情報は、
前記平坦部に設けられる
ことを特徴とする遊技機J1。
遊技機J1によれば、遊技機J0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、汎用部品又は専用部品に、所定の平坦部と、その平坦部近傍に設けられて、該平坦部から傾斜した傾斜部とが設けられる。そして、少なくとも1の汎用情報又は専用情報が、平坦部に設けられる。これにより、汎用情報又は専用情報が設けられた平坦部の近傍に傾斜部が設けられ、例えば、読み取り手段の筐体が傾斜部と干渉してしまって、汎用情報又は専用情報に対して読み取り手段を正対できないような場合であっても、汎用情報および専用情報に設けられた誤差補正手段により、汎用情報又は専用情報を読み取ることが可能となる。よって、汎用部品および専用部品を有する遊技機に関する確認作業の効率を高めることができる、という効果がある。
なお、「平坦部近傍」とは、例えば、平坦部から所定距離(例えば、10cm)以内の範囲や、平坦部から連続して設けられる場合、平坦部に近接して設けられる場合が例示される。
遊技機J0又はJ1において、
前記汎用部品又は前記専用部品は、
所定の曲面部、を備え、
少なくとも1の前記汎用情報又は前記専用情報は、
前記曲面部に設けられる
ことを特徴とする遊技機J2。
遊技機J2によれば、遊技機J0又はJ1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、汎用部品又は専用部品に、所定の曲面部が設けられる。そして、少なくとも1の汎用情報又は専用情報が、曲面部に設けられる。これにより、汎用情報又は専用情報が曲面部に設けられ、例えば、読み取り手段に対して汎用情報又は専用情報全体を正対できないような場合であっても、汎用情報および専用情報に設けられた誤差補正手段により、汎用情報又は専用情報を読み取ることが可能となる。よって、汎用部品および専用部品を有する遊技機に関する確認作業の効率を高めることができる、という効果がある。
遊技機J0からJ2のいずれかにおいて、
前記汎用部品又は前記専用部品は、
所定の凹凸部、を備え、
少なくとも1の前記汎用情報又は前記専用情報は、
前記凹凸部に設けられる
ことを特徴とする遊技機J3。
遊技機J3によれば、遊技機J0からJ2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、汎用部品又は専用部品に、所定の凹凸部が設けられる。そして、少なくとも1の汎用情報又は専用情報が、凹凸部に設けられる。これにより、汎用情報又は専用情報が凹凸部に設けられても、汎用情報又は専用情報に設けられた誤差補正手段により、汎用情報又は専用情報を読み取ることが可能となる。よって、汎用部品および専用部品を有する遊技機に関する確認作業の効率を高めることができる、という効果がある。
遊技機J0からJ3のいずれかにおいて、
前記汎用部品は、
前記島設備に取り付け固定可能な固定部材(例えば、外枠11)と、
前記固定部材に取り付けられる本体部材(例えば、内枠12)と、
前記本体部材に対して開閉可能に取り付けられる前面部材(例えば、前面枠14)と、を備え、
前記専用部品は、
遊技の主要な制御を実行する制御手段(例えば、主制御装置110)と、
前記制御手段が取り付けられた取付部材(例えば、遊技盤13)と、を備え、
前記汎用情報は、少なくとも、
前記本体部材に設けられた本体汎用情報(例えば、枠表QRコード411及び枠裏QRコード412)、を備え、
前記専用情報は、少なくとも、
前記制御手段に設けられた制御専用情報(例えば、主基板表QRコード421a及び主基板裏QRコード422)と、
前記取付部材に設けられた取付専用情報(例えば、盤表QRコード401及び盤裏QRコード402)と、を備え、
前記汎用情報および前記専用情報は、
前記固定部材に前記前面部材が取り付けられて、遊技者が遊技を行うことができる状態において、遊技者によって視認不能又は視認困難な位置に設けられる
ことを特徴とする遊技機J4。
遊技機J4によれば、遊技機J0からJ3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、汎用部品として、固定部材が島設備に固定可能に構成され、本体部材が固定部材に取り付けられ、前面部材が本体部材に開閉可能に取り付けられる。また、専用部品として、制御手段により遊技の主要な制御が実行され、取付部材に制御手段が取り付けられる。そして、汎用情報として、少なくとも、本体部材に本体汎用情報が設けられる。また、専用情報として、少なくとも、制御手段に制御専用情報が設けられ、取付部材に取付専用情報が設けられる。ここで、固定部材に前面部材が取り付けられて、遊技者が遊技を行うことができる状態において、汎用情報および専用情報が、遊技者によって視認不能又は視認困難な位置に設けられる。これにより、遊技を行う遊技者からは汎用情報及び専用情報を視認不能又は視認困難にすることで遊技機の装飾性の低下を抑制することができる、という効果がある。
遊技機J0からJ3のいずれかにおいて、
前記汎用部品は、
前記島設備に取り付け固定可能な固定部材(例えば、外枠11)と、
前記固定部材に取り付けられる本体部材(例えば、内枠12)と、を備え、
前記専用部品は、
遊技の主要な制御を実行する制御手段(例えば、主制御装置110)と、
前記制御手段が取り付けられた取付部材(例えば、遊技盤13)と、
前記本体部材に対して開閉可能に取り付けられる前面部材(例えば、前面枠14)と、を備え、
前記汎用情報は、少なくとも、
前記本体部材に設けられた本体汎用情報(例えば、枠表QRコード411及び枠裏QRコード412)、を備え、
前記専用情報は、少なくとも、
前記制御手段に設けられた制御専用情報(例えば、主基板表QRコード421a及び主基板裏QRコード422)と、
前記取付部材に設けられた取付専用情報(例えば、盤表QRコード401及び盤裏QRコード402)と、
前記前面部材に設けられた前面専用情報(例えば、前面枠QRコード441)と、を備え、
前記汎用情報および前記専用情報は、
前記固定部材に前記前面部材が取り付けられて、遊技者が遊技を行うことができる状態において、遊技者によって視認不能又は視認困難な位置に設けられる
ことを特徴とする遊技機J5。
遊技機J5によれば、遊技機J0からJ3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、汎用部品として、固定部材が島設備に固定可能に構成され、本体部材が固定部材に取り付けられ。また、専用部品として、制御手段により遊技の主要な制御が実行され、取付部材に制御手段が取り付けられ、前面部材が本体部材に開閉可能に取り付けられる。そして、汎用情報として、少なくとも、本体部材に本体汎用情報が設けられる。また、専用情報として、少なくとも、制御手段に制御専用情報が設けられ、取付部材に取付専用情報が設けられ、前面部材に前面専用情報が設けられる。ここで、固定部材に前面部材が取り付けられて、遊技者が遊技を行うことができる状態において、汎用情報および専用情報が、遊技者によって視認不能又は視認困難な位置に設けられる。これにより、遊技を行う遊技者からは汎用情報及び専用情報を視認不能又は視認困難にすることで遊技機の装飾性の低下を抑制することができる、という効果がある。
遊技機J0からJ5のいずれかにおいて、
前記専用部品は、
前記汎用部品に取り付け可能であって、複数の機種間で遊技に関する演出を実行可能な共通部品(例えば、第2盤面装置24)、を備えている
ことを特徴とする遊技機J6。
遊技機J6によれば、遊技機J0からJ5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、専用部品としての共通部品が、汎用部品に取り付け可能であって、複数の機種間で遊技に関する演出を実行可能に構成されている。これにより、汎用部品と共通部品を含む専用部品との組み合わせを人による目視でなく読み取り手段によって判定することができ、迅速かつ正確に遊技機の整合性を判定できる。よって、汎用情報、並びに、専用情報及び共通部品の確認ミスといったヒューマンエラーを防止しつつ、汎用部品、専用部品及び共通部品を有する遊技機に関する確認作業の効率を高めることができる、という効果がある。
遊技機J0からJ6のいずれかにおいて、
前記汎用情報および前記専用情報は、
互いに関連性を有する位置に設けられる
ことを特徴とする遊技機J7。
遊技機J7によれば、遊技機J0からJ6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、汎用情報および専用情報が、互いに関連性を有する位置に設けられる。これにより、汎用部品および専用部品の組み合わせを確認する確認作業を行う際に、汎用情報および専用情報の位置を把握し易くなり、汎用部品および専用部品を有する遊技機に関する確認作業の効率を高めることができる、という効果がある。
なお、「互いに関連性を有する位置」とは、汎用情報および専用情報がそれぞれ近傍に配置される位置や、汎用情報および専用情報の位置関係が一直線上や一定の範囲内に配置される場合等が例示される。
なお、上記遊技機A0〜A12のいずれかの構成に対して、上記読取装置B0〜B9,遊技システムC0〜C13,遊技機D0〜D6,E0〜E4,F0〜F6,G0〜G7,H0〜H7,I0〜I5,J0〜J7のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記読取装置B0〜B9のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A12,遊技システムC0〜C13,遊技機D0〜D6,E0〜E4,F0〜F6,G0〜G7,H0〜H7,I0〜I5,J0〜J7のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技システムC0〜C13のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A12,読取装置B0〜B9,遊技機D0〜D6,E0〜E4,F0〜F6,G0〜G7,H0〜H7,I0〜I5,J0〜J7のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機D0〜D6のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A12,上記読取装置B0〜B9,遊技システムC0〜C13,遊技機E0〜E4,F0〜F6,G0〜G7,H0〜H7,I0〜I5,J0〜J7のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機E0〜E4のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A12,上記読取装置B0〜B9,遊技システムC0〜C13,遊技機D0〜D6,F0〜F6,G0〜G7,H0〜H7,I0〜I5,J0〜J7のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機F0〜F6のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A12,上記読取装置B0〜B9,遊技システムC0〜C13,遊技機D0〜D6,E0〜E4,G0〜G7,H0〜H7,I0〜I5,J0〜J7のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機G0〜G7のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A12,上記読取装置B0〜B9,遊技システムC0〜C13,遊技機D0〜D6,E0〜E4,F0〜F6,H0〜H7,I0〜I5,J0〜J7のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機H0〜H7のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A12,上記読取装置B0〜B9,遊技システムC0〜C13,遊技機D0〜D6,E0〜E4,F0〜F6,G0〜G7,I0〜I5,J0〜J7のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機I0〜I5のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A12,上記読取装置B0〜B9,遊技システムC0〜C13,遊技機D0〜D6,E0〜E4,F0〜F6,G0〜G7,H0〜H7,J0〜J7のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機J0〜J7のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A12,上記読取装置B0〜B9,遊技システムC0〜C13,遊技機D0〜D6,E0〜E4,F0〜F6,G0〜G7,H0〜H7,I0〜I5のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
これらの場合、各構成を適用したことによるさらなる効果を奏することができる。
遊技機A0からA12,読取装置B0からB9,遊技システムC0からC13、遊技機D0からD6、E0からE4、F0からF6、G0からG7、H0からH7、I0からI5、J0からJ7のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A0からA12,読取装置B0からB9,遊技システムC0からC13、遊技機D0からD6、E0からE4、F0からF6、G0からG7、H0からH7、I0からI5、J0からJ7のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(大入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A0からA12,読取装置B0からB9,遊技システムC0からC13、遊技機D0からD6、E0からE4、F0からF6、G0からG7、H0からH7、I0からI5、J0からJ7のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。