JP2021032247A - 車両用学習システム、車両用制御装置、および車両用学習装置 - Google Patents

車両用学習システム、車両用制御装置、および車両用学習装置 Download PDF

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洋介 橋本
章弘 片山
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章弘 片山
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Yuta Oshiro
裕太 大城
和紀 杉江
Kazuki Sugie
和紀 杉江
尚哉 岡
Naoya Oka
尚哉 岡
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Abstract

【課題】様々な状況で写像の出力が正しい値となるかを検証することができるようにした車両用習システムを提供する。【解決手段】車両内の記憶装置76には、実用写像データ76aと評価写像データ76bとが搭載されており、CPU72は、それら各写像データによって規定される写像に基づき失火の有無を判定する。CPU72は、2つの判定結果が不一致となる場合、不一致となったときの評価写像データ76bによって規定される写像への入力データや、その時の位置データPgps等をデータ解析センター120に送信する。データ解析センター120では、評価写像データ76bによる判定結果の妥当性を判定し、位置データPgpsに応じた誤出力率の分布を作成し、同分布に基づき評価写像データ76bの再学習を実行する。【選択図】図1

Description

本発明は、車両用学習システム、車両用制御装置、および車両用学習装置に関する。
たとえば下記特許文献1には、回転速度の変化量である回転変動量を入力とし、内燃機関の複数の気筒のそれぞれで失火が生じたか否かを示す値を出力するニューラルネットワークを備えた装置が提案されている。
特開平4−91348号公報
ところで、一般に機械学習によって学習された学習済みモデルの信頼性を高めるうえでは、様々な状況における訓練データを用いて学習させておく必要がある。しかし、車両に搭載する以前においては、実際に車両に搭載された場合に生じうる様々な状況について必ずしも十分な訓練データを得られるとは限らない。そして、十分な訓練データが得られない場合には、上記ニューラルネットワークが車両に搭載された場合に様々な状況で正しい値を出力するか否かを、検証することが困難である。
以下、上記課題を解決するための手段およびその作用効果について記載する。
1.車両に搭載される第1実行装置と、車載装置とは別の第2実行装置と、記憶装置と、を備え、前記記憶装置には、車載センサの検出値に基づく入力データを入力とし車両の既定の状態に関する情報を有した出力値を出力する写像を規定するデータであって機械学習によって学習されたデータを含む写像データが記憶されており、前記入力データを取得する取得処理と、前記取得処理によって取得された前記入力データを前記写像の入力として前記出力値を算出する算出処理と、前記出力値に対応する変数とは別の所定の変数と前記出力値の精度との関係を評価する関係評価処理と、を前記第1実行装置および前記第2実行装置の協働により実行し、少なくとも前記取得処理は、前記第1実行装置によって実行され、少なくとも前記関係評価処理は、前記第2実行装置によって実行される車両用学習システムである。
上記構成では、車両の走行に伴って第1実行装置によって取得される入力データに基づく写像の出力値の精度と、出力値に対応する変数とは別の所定の変数との関係が、第2実行装置によって評価される。そのため、車両の運転に伴って生じる様々な状況において、所定の変数が出力値の精度に与える影響を検証できる。
なお、第2実行装置が車載装置とは別の装置であることは、第2実行装置が車両に搭載される装置ではないことを意味する。
2.前記所定の変数は、前記入力データに対応する変数とは別の変数を含む上記1記載の車両用学習システムである。
上記構成では、入力データに対応する変数とは別の変数と、写像の出力値の精度との関係を評価することから、上記別の変数を写像への入力変数に含めるべきか、上記別の変数の値によって利用する写像を分割すべきか、上記別の変数の値に応じて利用する写像を分割する場合のその分割の仕方が妥当か等について、検証できる。
3.前記写像は、前記入力データが入力されて前記出力値を出力する関数近似器によって構成され、前記第2実行装置は、前記関係評価処理の評価結果に基づき、前記写像データを更新する更新処理を実行し、前記更新処理は、前記所定の変数の値に応じて利用する前記写像データを各別のデータに分割する分割処理を含む上記1または2記載の車両用学習システムである。
所定の変数が出力値の精度に影響を与える場合、精度を向上させる上では、仮に所定の変数が関数近似器への入力変数に含まれていなかったのであれば、これを新たに入力変数に追加することが考えられる。また仮に所定の変数が関数近似器への入力変数に含まれていた場合であれば、たとえば関数近似器がニューラルネットワークである場合には中間層の層数を増加させるなど、入力次元数以外で関数近似器の構造を複雑化することにより、所定の変数が出力値に与える影響をより高精度に把握できるようにすることが考えられる。しかし、それらは、いずれも、写像の構造を複雑化させることとなり、出力値の算出に必要な演算の負荷が大きくなるおそれがある。
そこで上記構成では、利用する写像を所定の変数の値に応じて各別の写像に分割する分割処理を実行することにより、所定の変数の値と出力値との関係に対する感度についての利用する各写像に対する要求を軽減することができ、ひいては写像の構造が複雑化することを抑制しつつも出力値の精度を高めることができる。
4.前記写像は、前記入力データが入力されて前記出力値を出力する関数近似器によって構成され、前記記憶装置は、前記写像データとして複数のデータを記憶しており、前記算出処理は、前記所定の変数の値に応じて前記出力値の算出に利用する前記写像データを選択する選択処理を含み、前記第2実行装置は、前記関係評価処理の評価結果に基づき、前記写像データを更新する更新処理を実行し、前記更新処理は、前記所定の変数の値と前記写像データとの関係を変更する変更処理を含む上記1または2記載の車両用学習システムである。
所定の変数が出力値の精度に影響を与える場合、精度を向上させる上では、所定の変数を関数近似器の入力変数したり、入力変数に含めるか否かにかかわらずたとえば関数近似器がニューラルネットワークである場合には中間層の層数を増加させるなどが考えられる。しかし、それらは、いずれも、写像の構造を複雑化させることとなり、出力値の算出に必要な演算の負荷が大きくなるおそれがある。
これに対し上記構成では、利用する写像を所定の変数の値に応じて選択することにより、所定の変数の値にかかわらず単一の写像を用いる場合と比較して、出力値の算出のための演算負荷を軽減しつつも出力値の精度を向上させることができる。しかも、上記構成では、車両の走行に伴って算出される出力値の精度と所定の変数の値との関係の検証に基づき、所定の変数の値と出力値の算出に利用される写像データとの関係を変更することにより、利用する写像と所定の変数の値との関係をより適切なものに更新することができる。
5.前記第2実行装置は、前記関係評価処理の評価結果に基づき、前記写像データを更新する更新処理を実行し、前記更新処理は、前記所定の変数を、前記写像への入力変数に追加する追加処理を含む上記1または2記載の車両用学習システムである。
所定の変数の値によって出力値の精度が影響を受ける場合には、所定の変数の値と出力値との相関が大きいと考えられる。そこで上記構成では、追加処理を実行することにより、関係評価処理による評価結果に基づき相関が大きいと判定される場合には、入力変数に所定の変数を追加することができる。そして、これにより、写像の出力値を所定の変数の値に基づき算出することができ、ひいては、所定の変数を入力変数としない場合と比較して、出力値を高精度に算出できる。
6.前記所定の変数は、前記車両の位置情報を示す変数である位置情報変数を含む上記3〜5のいずれか1つに記載の車両用学習システムである。
地域によって車両のおかれた状況が異なり、様々な要因により出力値の精度に影響を与えることが懸念される。そこで上記構成では、位置情報変数と、出力値の精度との関係を評価することにより、地域に特有の様々な要因によって出力値の精度が変化するか否かを検証でき、ひいてはその検証結果に応じて写像データを更新できる。
7.前記車両は、内燃機関を備え、前記車載センサの検出値は、前記内燃機関の状態を検出するものであり、前記既定の状態は、前記内燃機関の状態である上記3〜6のいずれか1つに記載の車両用学習システムである。
8.前記所定の変数は、前記内燃機関の吸入空気の温度を示す吸気温度変数を含む上記7記載の車両用学習システムである。
吸気温によって内燃機関の燃焼室における混合気の燃焼状態等が変化する。そこで上記構成では、出力値の精度との関係の評価対象に吸気温を含めることにより、吸気温によって出力値の精度が変化するか否かを検証でき、ひいてはその検証結果に応じて写像データを更新できる。
9.前記所定の変数は、前記車両が位置する地点における大気圧を示す変数である大気圧変数を含む上記7または8記載の車両用学習システムである。
大気圧に応じて排気通路内の圧力が異なることなどから、大気圧は、燃焼室内の混合気の燃焼状態に影響を与えうる。そこで上記構成では、出力値の精度との関係の評価対象に大気圧を含めることにより、大気圧によって出力値の精度が変化するか否かを検証でき、ひいてはその検証結果に応じて写像データを更新できる。
10.前記所定の変数は、前記車両に搭載される内燃機関のクランク軸の回転速度を示す変数である回転速度変数を含む上記7記載の車両用学習システムである。
内燃機関の制御は、通常、回転速度と負荷とによって規定される動作点に応じてなされることなどから、回転速度に応じて内燃機関の燃焼制御は異なったものとなる傾向がある。そこで上記構成では、出力値の精度との関係の評価対象に回転速度を含めることにより、回転速度によって出力値の精度が変化するか否かを検証でき、ひいてはその検証結果に応じて写像データを更新できる。
11.前記写像は、第2写像であり、前記写像データは、第2写像データであり、前記入力データは、第2入力データであり、前記出力値は、第2出力値であり、前記取得処理は、第2取得処理であり、前記算出処理は、第2算出処理であり、前記記憶装置は、前記車載センサの検出値に基づく第1入力データを入力とし前記既定の状態に関する情報を有した出力値である第1出力値を出力する第1写像を規定するデータである第1写像データを記憶しており、前記第1実行装置および前記第2実行装置の協働により、前記車載センサの検出値に基づく前記第1入力データを取得する第1取得処理と、前記第1取得処理によって取得された前記第1入力データを前記第1写像の入力として前記第1出力値を算出する第1算出処理と、前記第1出力値と前記第2出力値とが整合するか否かを判定する整合性判定処理と、前記整合性判定処理による判定結果に基づき、前記第2出力値の妥当性を判定する妥当性判定処理と、が実行され、前記関係評価処理は、前記所定の変数の値に対する前記妥当性判定処理によって妥当性に欠けると判定される頻度分布を求める処理を含む上記1〜10のいずれか1つに記載の車両用学習システムである。
上記構成では、第1出力値と第2出力値とが整合するか否かの判定処理を通じて、第2出力値の妥当性を判定することができる。そして上記構成では、妥当性に欠けると判定されるものの頻度分布を求めることにより、所定の変数と出力値の精度との関係を適切に評価できる。
12.前記第1実行装置は、前記第1取得処理、前記第1算出処理、前記第2取得処理、前記第2算出処理、前記整合性判定処理、および前記整合性判定処理によって整合しないと判定されるときの前記第2入力データを送信する車両側送信処理を実行し、前記第2実行装置は、前記車両側送信処理によって送信されたデータを受信する車両外受信処理、前記関係評価処理、および前記更新処理を実行する上記11記載の車両用学習システムである。
13.前記第2実行装置は、前記関係評価処理の評価結果に基づき、前記写像データを更新する更新処理と、前記更新処理によって更新した前記第1写像データを送信する更新データ送信処理と、を実行し、前記第1実行装置は、前記更新データ送信処理によって送信されたデータを受信する更新データ受信処理を実行する上記12記載の車両用学習システムである。
上記構成では、更新データ受信処理により、車両側で第2写像データを更新することが可能となる。
14.上記12または13記載の前記第1実行装置および前記記憶装置を備える車両用制御装置である。
15.上記12または13記載の前記第2実行装置を備える車両用学習装置である。
第1の実施形態にかかる車両用学習システムの構成を示す図。 同実施形態にかかる制御装置が実行する処理の手順を示す流れ図。 同実施形態にかかる制御装置が実行する処理の手順を示す流れ図。 (a)および(b)は、同実施形態にかかるシステムが実行する処理の手順を示す流れ図。 同実施形態にかかる送信データを示す図。 (a)および(b)は、同実施形態にかかるシステムが実行する処理の手順を示す流れ図。 同実施形態にかかる写像データの分割処理を例示する図。 同実施形態にかかる写像データの分割処理を例示する図。 同実施形態にかかる写像データの分割処理を例示する図。 第2の実施形態にかかる選択処理の手順を示す流れ図。 (a)および(b)は、同実施形態にかかるシステムが実行する処理の手順を示す流れ図。 (a)および(b)は、それぞれ更新前後の評価写像データの領域分割を示す図。 (a)および(b)は、第3の実施形態にかかるシステムが実行する処理の手順を示す流れ図。 第4の実施形態にかかる車両用学習システムが実行する処理を示すブロック図。 第5の実施形態にかかる車両用学習システムが実行する処理を示すブロック図。 第6の実施形態にかかる車両用学習システムが実行する処理を示すブロック図。 第7の実施形態にかかる車両用学習システムが実行する処理を示すブロック図。
<第1の実施形態>
以下、車両用学習システムにかかる第1の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1に示す車両VC1に搭載された内燃機関10において、吸気通路12には、スロットルバルブ14が設けられている。吸気通路12から吸入された空気は、吸気バルブ16が開弁することによって各気筒#1〜#4の燃焼室18に流入する。燃焼室18には、燃料噴射弁20によって燃料が噴射される。燃焼室18において、空気と燃料との混合気は、点火装置22の火花放電によって燃焼に供され、燃焼によって生じたエネルギは、クランク軸24の回転エネルギとして取り出される。燃焼に供された混合気は、排気バルブ26の開弁に伴って、排気として、排気通路28に排出される。排気通路28には、酸素吸蔵能力を有した触媒30が設けられている。なお、吸気通路12と排気通路28とは、EGR通路32によって接続されており、EGR通路32の流路断面積は、EGRバルブ34によって調整される。
内燃機関10のクランク軸24には、トルクコンバータ50を介して変速装置54の入力軸56が連結可能となっている。トルクコンバータ50は、ロックアップクラッチ52を備えており、ロックアップクラッチ52が締結状態となることにより、クランク軸24と入力軸56とが連結される。変速装置54の出力軸58には、駆動輪60が機械的に連結されている。
クランク軸24には、クランク軸24の複数個の回転角度のそれぞれを示す歯部42が設けられたクランクロータ40が結合されている。なお、本実施形態では、34個の歯部42を例示している。クランクロータ40には、基本的には、10°CA間隔で歯部42が設けられているものの、隣接する歯部42間の間隔が30°CAとなる箇所である欠け歯部44が1箇所設けられている。これは、クランク軸24の基準となる回転角度を示すためのものである。
制御装置70は、内燃機関10を制御対象とし、その制御量であるトルクや排気成分比率等を制御するために、スロットルバルブ14や、燃料噴射弁20、点火装置22、EGRバルブ34等の内燃機関10の操作部を操作する。また、制御装置70は、トルクコンバータ50を制御対象とし、その制御量であるロックアップクラッチ52の係合状態を制御するためにロックアップクラッチ52を操作する。また、制御装置70は、変速装置54を制御対象とし、その制御量であるギア比を制御するために変速装置54を操作する。なお、図1には、スロットルバルブ14、燃料噴射弁20、点火装置22、EGRバルブ34、ロックアップクラッチ52、および変速装置54のそれぞれの操作信号MS1〜MS6を記載している。
制御装置70は、制御量の制御に際し、欠け歯部44を除き10°CA毎に設けられた歯部42間の角度間隔毎のパルスを出力するクランク角センサ80の出力信号Scrや、エアフローメータ82によって検出される吸入空気量Ga、吸気温センサ84によって検出される吸気通路12に吸入される吸気の温度(吸気温Ta)を参照する。また、制御装置70は、排気温センサ86によって検出される触媒30に流入する排気の温度(排気温Tex)や、触媒30の上流側に設けられた上流側空燃比センサ88によって検出される上流側空燃比Afu、触媒30の下流側に設けられた下流側空燃比センサ90によって検出される下流側空燃比Afdを参照する。また、制御装置70は、水温センサ92によって検出される内燃機関10の冷却水の温度(水温THW)や、シフト位置センサ94によって検出される変速装置54のシフト位置Vsft、大気圧センサ96によって検出される大気圧Paを参照する。また、制御装置70は、車速センサ98によって検出される車両VC1の走行速度(車速V)や、加速度センサ100によって検出される車両VC1の上下方向の加速度Gy、全地球測位システム(GPS102)による位置データPgpsを参照する。
制御装置70は、CPU72、ROM74、電気的に書き換え可能な不揮発性メモリである記憶装置76、通信機77および周辺回路78を備え、それらがローカルネットワーク79によって通信可能とされたものである。なお、周辺回路78は、内部の動作を規定するクロック信号を生成する回路や、電源回路、リセット回路等を含む。また、記憶装置76には、実用写像データ76aおよび評価写像データ76bが記憶されている。ここで、実用写像データ76aは、内燃機関10の失火を監視するために実際に利用しているデータである。これに対し、評価写像データ76bは、その信頼性の評価の対象となるデータであり、内燃機関10の失火を監視するために利用されているものではない。なお、評価写像データ76bは、機械学習による学習がある程度なされた状態で制御装置70に実装される。
制御装置70は、ROM74に記憶されたプログラムをCPU72が実行することによって、上記制御量の制御を実行する。たとえば、CPU72は、上流側空燃比Afuが目標値となるように、燃料噴射弁20を操作する。またたとえば、CPU72は、内燃機関10の運転状態に応じて、EGR通路32を介して排気通路28から吸気通路12に流入する排気の流量(EGR量)を開ループ制御すべく、EGRバルブ34を操作する。また、ROM74には、失火検出プログラム74aや、再学習サブプログラム74bが記憶されている。ここで、再学習サブプログラム74bは、評価写像データ76bの再学習を実行するためのプログラムである。
上記通信機77は、車両VC1の外部のネットワーク110を介してデータ解析センター120と通信するための機器である。
データ解析センター120は、複数の車両VC1,VC2,…から送信されるデータを解析する。データ解析センター120は、CPU122、ROM124、記憶装置126、通信機127、および周辺回路128を備えており、それらがローカルネットワーク129によって通信可能とされるものである。ROM124には、複数の車両VC1,VC2,…から送信されたデータに基づき、評価写像データ76bを再学習させる処理を規定する再学習メインプログラム124aが記憶されている。また、記憶装置126には、複数の車両VC1,VC2,…から送信された、評価写像データ76bによって規定される写像を再学習させるためのデータである再学習用データ126aが記憶されている。
図2に、ROM74に記憶された失火検出プログラム74aをCPU72が実行することによって実現される処理の一部を示す。図2に示す処理は、実用写像データ76aを利用した処理である。図2に示す処理は、たとえば所定周期で繰り返し実行される。なお、以下では、先頭に「S」が付与された数字によって、各処理のステップ番号を表現する。
図2に示す一連の処理において、CPU72は、まず、微小回転時間T30を取得する(S10)。微小回転時間T30は、クランク軸24が30°CA回転するのに要する時間であり、クランク角センサ80の出力信号Scrに基づき、CPU72によって算出される。次にCPU72は、S10の処理において取得した最新の微小回転時間T30を、微小回転時間T30[0]とし、より過去の値ほど、微小回転時間T30[m]の変数「m」を大きい値とする(S12)。すなわち、「m=1,2,3,…」として、S12の処理がなされる直前における微小回転時間T30[m−1]を微小回転時間T30[m]とする。これにより、たとえば、図2の処理が前回実行されたときにS10の処理により取得された微小回転時間T30は、微小回転時間T30[1]となる。なお、微小回転時間T30[0],T30[1],T30[2],…のうち、時系列的に隣り合う微小回転時間T30同士は、互いに隣接する30°CAの角度間隔の回転に要する時間を示しており、それら角度間隔は重複した部分を持たない。
次に、CPU72は、S10の処理において取得された微小回転時間T30が、気筒#1〜#4のいずれかの圧縮上死点前30°CAから圧縮上死点までの角度間隔の回転に要する時間であるか否かを判定する(S14)。そしてCPU72は、圧縮上死点までの角度間隔の回転に要する時間であると判定する場合(S14:YES)、圧縮上死点となった気筒の失火の有無を判定すべく、判定対象となる気筒#iの回転変動量Δω(i)に、「T30[0]−T30[6]」を代入する(S16)。すなわち、失火の判定対象となる気筒の圧縮上死点前30°CAから圧縮上死点までの角度間隔の回転に要する時間から、失火の判定対象となる気筒の1つ前に圧縮上死点となる気筒の圧縮上死点前30°CAから圧縮上死点までの角度間隔の回転に要する時間を減算することによって、回転変動量Δωを定量化する。
次に、CPU72は、回転変動量Δω(i)が、規定量Δωth以上であるか否かを判定する(S18)。この処理は、失火の判定対象となる気筒において失火が生じたか否かを判定する処理である。ここで、CPU72は、規定量Δωthを、内燃機関10の動作点を規定する回転速度NEおよび充填効率ηに基づき可変設定する。
詳しくは、回転速度NEおよび充填効率ηを入力変数とし規定量Δωthを出力変数とするマップデータが記憶装置76に予め記憶された状態でCPU72により規定量Δωthがマップ演算される。なお、マップデータとは、入力変数の離散的な値と、入力変数の値のそれぞれに対応する出力変数の値と、の組データである。またマップ演算は、たとえば、入力変数の値がマップデータの入力変数の値のいずれかに一致する場合、対応するマップデータの出力変数の値を演算結果とするのに対し、一致しない場合、マップデータに含まれる複数の出力変数の値の補間によって得られる値を演算結果とする処理とすればよい。
ちなみに、回転速度NEは、CPU72によりクランク角センサ80の出力信号Scrに基づき算出される。ここで、回転速度NEは、圧縮上死点の出現間隔(本実施形態では180°CA)よりも大きい角度間隔だけクランク軸24が回転する際の回転速度の平均値である。回転速度NEは、クランク軸24の1回転以上の回転角度だけクランク軸24が回転する際の回転速度の平均値とすることが望ましい。なお、ここでの平均値は、単純平均に限らず、たとえば、指数移動平均処理でもよく、要は、圧縮上死点の出現間隔程度で変動する高次成分が除去された低周波成分が算出されるものとすればよい。また、充填効率ηは、CPU72により、回転速度NEおよび吸入空気量Gaに基づき算出される。
S16,S18の処理は、実用写像データ76aを用いた処理である。すなわち、実用写像データ76aは、微小回転時間T30[0]と微小回転時間T30[6]とを入力とし、判定対象となる気筒において失火が生じたか否かに応じた論理値を出力値として出力する写像を規定している。なお、ここでの論理値は、回転変動量Δω(i)が規定量Δωth以上である旨の命題が真であるか偽であるかに関する値である。
CPU72は、規定量Δωth以上であると判定する場合(S18:YES)、気筒#iにおいて失火が生じたと判定する(S20)。次に、CPU72は、気筒#iの失火カウンタCN(i)をインクリメントする(S22)。そしてCPU72は、失火カウンタCN(i)が初期化されている状態でS18の処理が最初に実行されてから所定期間が経過することと、後述のS28の処理がなされてから所定期間が経過することとの論理和が真であるか否かを判定する(S24)。そしてCPU72は、論理和が真であると判定する場合(S24:YES)、失火カウンタCN(i)が閾値CNth以上であるか否かを判定する(S26)。CPU72は、閾値CNth未満であると判定する場合(S26:NO)、失火カウンタCN(i)を初期化する(S28)。
これに対し、CPU72は、閾値CNth以上であると判定する場合(S26:YES)、図1に示す警告灯104を操作して、異常が生じた旨をユーザに報知する(S30)。
なお、CPU72は、S28,S30の処理が完了する場合や、S14,S24の処理において否定判定する場合には、図2に示す一連の処理を一旦終了する。
図3に、ROM74に記憶された失火検出プログラム74aをCPU72が実行することにより実現される処理の一部の手順を示す。図3に示す処理は、評価写像データ76bを用いた処理である。
図3に示す一連の処理において、CPU72は、まず、微小回転時間T30(1),T30(2),…T30(24)、回転速度NEおよび充填効率ηを取得する(S40)。ここで、微小回転時間T30(1),T30(2),…は、図2の微小回転時間T30[1],T30[2]…とは異なるものであり、特に、微小回転時間T30(1),T30(2),…は、カッコの中の数字が大きいほど、より後の値であることを示す。なお、微小回転時間T30(1)〜T30(24)のそれぞれは、720°CAの回転角度領域を30°CAで等分割した24個の角度間隔のそれぞれにおける回転時間である。
次にCPU72は、評価写像データ76bによって規定される写像の入力変数x(1)〜x(26)に、S40の処理によって取得した値を代入する(S42)。詳しくは、CPU72は、「s=1〜24」として、入力変数x(s)に微小回転時間T30(s)を代入する。すなわち、入力変数x(1)〜x(24)は、微小回転時間T30の時系列データとなる。また、CPU72は、入力変数x(25)に回転速度NEを代入し、入力変数x(26)に充填効率ηを代入する。
次にCPU72は、評価写像データ76bによって規定される写像に、入力変数x(1)〜x(26)を入力することによって、失火変数P(1)〜P(5)の値を算出する(S44)。ここで、「i=1〜4」とすると、失火変数P(i)は、気筒#iにおいて失火が生じた確率が高い場合に低い場合よりも大きい値となる変数である。また、失火変数P(5)は、気筒#1〜#4のいずれにおいても失火が生じていない確率が高い場合に低い場合よりも大きい値となる変数である。
詳しくは、評価写像データ76bによって規定される写像は、中間層が1層のニューラルネットワークである。上記ニューラルネットワークは、係数w(1)ji(j=0〜n,i=0〜26)と、係数w(1)jiによって規定される線形写像の出力のそれぞれを非線形変換する非線形写像としての活性化関数h1(x)と、を含む。本実施形態では、活性化関数h1(x)として、ハイパボリックタンジェントを例示する。ちなみに、w(1)j0等は、バイアスパラメータであり、入力変数x(0)は、「1」と定義されている。
また、上記ニューラルネットワークは、係数w(2)kj(k=1〜5,j=0〜n)と、係数w(2)kjによって規定される線形写像の出力である原型変数y(1)〜y(5)のそれぞれを入力として、失火変数P(1)〜P(5)を出力するソフトマックス関数と、を含む。
次にCPU72は、失火変数P(1)〜P(5)のうちの最大となるものを特定する(S46)。そしてCPU72は、最大となる失火変数P(q)が失火変数P(1)〜P(4)のいずれかであるか、それとも失火変数P(5)であるかを判定する(S48)。そしてCPU72は、失火変数P(1)〜P(4)のいずれかであると判定する場合(S48:YES)、気筒#qにおいて失火が生じたと判定する(S50)。
なお、CPU72は、S50の処理が完了する場合や、S48の処理において否定判定する場合には、図3に示した一連の処理を一旦終了する。
図4に、本実施形態にかかる評価写像データ76bの再学習に関する処理の一部の手順を示す。図4(a)に示す処理は、図1に示すROM74に記憶されている再学習サブプログラム74bをCPU72が実行することにより実現される。また、図4(b)に示す処理は、ROM124に記憶されている再学習メインプログラム124aをCPU122が実行することにより実現される。
図4(a)に示す一連の処理において、CPU72は、まず、評価写像データ76bの信頼性の検証期間であるか否かを判定する(S60)。具体的には、本実施形態では、以下の期間を検証期間としている。
(ア)水温THWが所定温度以下の期間:水温THWが低い場合には、燃焼が不安定となりやすく、失火の検出精度を高めることが水温THWが高い場合と比較して困難であることから、この期間を検証期間に含める。
(イ)吸気温Taが規定温度以下の期間:吸気温Taが低い場合には、燃焼が不安定となりやすく、失火の検出精度を高めることが吸気温Taが高い場合と比較して困難であることから、この期間を検証期間に含める。
(ウ)触媒30の暖機処理の実行期間:触媒30の暖機処理の実行期間においては、燃焼効率を低下させた燃焼をすることから、燃焼が不安定化しやすく、失火の検出精度を高めることが触媒30の暖機後と比較して困難であることから、この期間を検証期間に含める。
(エ)充填効率ηが所定値以下である期間:軽負荷においては負荷が高い場合と比較して、燃焼が不安定化し易く、失火の検出精度を高めることが中、高負荷と比較して困難であることから、この期間を検証期間に含める。
(オ)回転速度NEの所定時間当たりの変化量ΔNEが所定値以上となる期間:過渡運転時には、定常運転時と比較して、失火の検出精度が低下しやすいことから、この期間を検証期間に含める。
CPU72は、検証期間であると判定する場合(S60:YES)、フラグFが「1」であるか否かを判定する(S62)。ここで、フラグFは、図2に示す処理による失火の判定結果と、図3に示す処理による失火の判定結果とが不一致となる場合に「1」となり、一致する場合に「0」となる。CPU72は、フラグFが「0」であると判定する場合(S62:NO)、図2に示す処理による失火の判定結果と、図3に示す処理による失火の判定結果とが不一致であるか否かを判定する(S64)。CPU72は、同一の燃焼サイクルにおける図2のS18の処理による4回の判定結果と、図3のS46の処理による判定結果とが不整合の場合に、不一致と判定する。すなわち、CPU72は、たとえばS18の処理において、気筒#1の回転変動量Δω(1)が規定量Δωth以上であると判定されたにもかかわらず、S46の処理において、P(5)が選択された場合に不一致と判定する。
CPU72は、不一致と判定する場合(S64:YES)、フラグFに「1」を代入する(S66)。次にCPU72は、カウンタCをインクリメントする(S68)。
これに対し、CPU72は、フラグFが「1」であると判定する場合(S62:YES)、図2に示す処理による失火の判定結果と、図3に示す処理による失火の判定結果とが一致するか否かを判定する(S70)。そして、CPU72は、不一致と判定する場合(S70:NO)、S68の処理に移行する一方、一致すると判定する場合(S70:YES)、フラグFに「0」を代入する(S72)。そして、CPU72は、カウンタCが、最大値C0よりも大きいか否かを判定する(S74)。そしてCPU72は、最大値C0よりも大きいと判定する場合(S74:YES)、最大値C0を、現在のカウンタCの値に更新するとともに、回転時間集合GrT30およびエクストラ情報集合GrEを更新する(S76)。
詳しくは、回転時間集合GrT30は、図5に示すように、3燃焼サイクル分の微小回転時間T30(1)〜T30(72)の集合である。ただし、微小回転時間T30(49)〜T30(72)が、直近のS70の処理によって、図2の示す処理による失火の判定結果と図3に示す処理による失火の判定結果とが一致したと判定された燃焼サイクルに対応するように更新される。ここで、最大値C0が「2」以上の場合、微小回転時間T30(1)〜T30(24)と、微小回転時間T30(25)〜T30(48)とは、いずれも、図2の処理による失火の判定結果と図3に示す処理による失火の判定結果とが不一致となった燃焼サイクルに対応する。なお、最大値C0の初期値は、ゼロである。
また、エクストラ情報集合GrEは、回転速度NE、充填効率η、燃焼制御モード値MC、吸気温Ta、大気圧Pa、変速装置54のシフト位置Vsft、係合状態値Vrc、車両VC1の走行する路面の状態を示す変数の値(路面状態値SR)、および車両VC1の位置を示す変数である位置変数の値(位置データPgps)からなる。ここで、係合状態値Vrcは、ロックアップクラッチ52の係合状態を示す変数の論理値であり、締結状態である場合に「1」となり、そうではない場合に「0」となる。また、路面状態値SRは、車両VC1が走行する路面の凹凸が顕著である場合に「1」となり、そうではない場合に「0」となる。なお、路面状態値SRは、加速度Gyの絶対値の所定期間における平均値が所定以上である場合に「1」とすればよい。エクストラ情報集合GrEを構成する各データは、S70の処理において肯定判定された燃焼サイクルの前の燃焼サイクルにおける値であることが望ましい。
図4に戻り、CPU72は、S76の処理が完了する場合や、S74の処理において否定判定する場合には、カウンタCを初期化する(S78)。そして、CPU72は、S68,S78の処理が完了する場合や、S60,S64の処理において否定判定する場合には、トリップの終了時であるか否かを判定する(S80)。ここで、トリップとは、車両の走行許可信号がオン状態である1回の期間のことである。本実施形態において、走行許可信号は、イグニッション信号に相当する。CPU72は、トリップの終了時であると判定する場合(S80:YES)、通信機77を操作して、失火変数P(1)〜P(5)のうちの最大となるものに関する情報「q」、最大値C0、回転時間集合GrT30、およびエクストラ情報集合GrEをデータ解析センター120に送信する(S82)。そして、CPU72は、最大値C0を初期化し(S84)、図4(a)に示す一連の処理を一旦終了する。なお、CPU72は、S80の処理において否定判定する場合にも、図4(a)に示す一連の処理を一旦終了する。
これに対し、図4(b)に示すように、CPU122は、失火変数P(1)〜P(5)のうちの最大となるものに関する情報「q」や、最大値C0、回転時間集合GrT30、およびエクストラ情報集合GrEを受信する(S90)。そしてCPU122は、図1に示す表示装置112に、回転時間集合GrT30によって表現されるクランク軸24の回転挙動に関する波形データを表示するとともに、最大値C0や、エクストラ情報集合GrEを表示する(S92)。これは、熟練者が失火が生じているか否かを判断可能な情報を熟練者に提供する処理である。すなわち、熟練者であれば、波形データを視認することによって、失火が生じていたのか否かを高精度に判断することができる。そしてその際、エクストラ情報集合GrEの情報を参照することにより、失火が生じていたのか否かの判断がより確実なものとなる。これにより、熟練者は、失火が生じていたのか否かの判断に基づき、評価写像データ76bを用いた失火判定が誤判定であったか否かを判断できる。
CPU122は、図1に示すインターフェース114を熟練者が操作することによって判断結果が入力されると、これを取得する(S94)。そして、CPU122は、インターフェース114の操作によって入力された判断結果が、評価写像データ76bを用いた失火判定の方が誤判定である旨の判断であるか否かを判定する(S96)。そしてCPU122は、誤判定である旨の判断である場合(S96:YES)、S90の処理によって受信したデータのうち、微小回転時間T30(25)〜T30(48)と、エクストラ情報集合GrEと、熟練者による失火であるか否かの判断結果とを、再学習用データ126aとして記憶する(S98)。再学習用データ126aは、車両VC1のみならず、内燃機関10と同一仕様の内燃機関を搭載した他の車両VC2,…から受信したデータに基づくデータを含む。
なお、CPU122は、S96の処理において否定判定する場合や、S98の処理を完了する場合、図4(b)に示す一連の処理を一旦終了する。
上記処理により、評価写像データ76bが誤判定する場合の入力データと、それに関連するデータとが再学習用データ126aとして、記憶装置126に蓄積される。そして、CPU122は、再学習用データ126aが所定量以上となることにより、図6に示す処理を実行する。
図6は、本実施形態にかかる評価写像データ76bの再学習に関する処理の一部の手順を示す。図6(a)に示す処理は、図1に示すROM74に記憶されている再学習サブプログラム74bをCPU72が実行することにより実現される。また、図6(b)に示す処理は、ROM124に記憶されている再学習メインプログラム124aをCPU122が実行することにより実現される。なお、以下では、評価写像データ76bの再学習に関する処理の時系列に従って、図6に示す処理を説明する。
図6(b)に示す一連の処理において、CPU122は、まず、再学習用データ126aを、対応する車両の送信時に位置する地域別に分類し、それら分類した地域毎に、評価写像データ76bによって規定される写像の出力が誤出力であったデータ数を計測することによって、地域別の誤出力分布データを作成する(S100)。なお、誤出力であったデータは、S96の処理において誤判定と判定されたデータである。本実施形態では、地域を、国や国よりも小さい区切りによって定義する。たとえば、国土面積が所定以下である場合、韓国、台湾等、国を、一つの区切りとする。これに対し、国土面積が大きい中国等の場合、たとえばチベット自治区、四川省等、国を分割する省等を、1つの区切りとする。
この処理は、地域毎の車両VCのおかれた状況の相違によって、失火の判定精度に相違が生じることがあるか否かを検証するためのものである。すなわち、たとえば内燃機関10に供給される燃料の性状の地域性や、何らかの想定できていない地域性によって、特定の地域における評価写像データ76bを用いた判定処理の精度が他の地域と比較して低くなることがあるか否かを検証する。
そして、CPU122は、S100の処理によって分割された地域のうち、誤出力率が閾値Rth1以上となる地域があるか否かを判定する(S102)。そしてCPU122は、閾値Rth1以上となる地域があると判定する場合(S102:YES)、評価写像データ76bを利用する地域を、閾値Rth1以上となる地域とそれ以外の地域とに分割する(S104)。すなわち、閾値Rth1以上となる地域において利用される評価写像データ76bと、それ以外の地域において利用される評価写像データ76bとを、各別に更新することを決定する。
図7に、領域A1において誤出力率が閾値Rth1以上となることを例示する。その場合、CPU122は、領域A1において利用して且つ領域A1以外では利用しない、領域A1専用の評価写像データ76bを生成することを決定する。
図6に戻り、CPU122は、S104の処理が完了する場合や、S102の処理において否定判定する場合、再学習用データ126aを構成するデータを、吸気温Taおよび大気圧Paによって区画された領域に分類し、分類された領域毎に、誤出力したデータ数を計測することによって、誤出力分布データを作成する(S106)。なお、ここで、すでにS104の処理を実行している場合には、S102の処理において閾値Rth1以上と判定される地域と、それ以外の地域とで、各別に、吸気温Taおよび大気圧Paによって区画された領域における誤出力分布データを作成する。
この処理は、吸気温Taや大気圧Paの相違によって、失火の判定精度に相違が生じるか否かを検証するためのものである。すなわち、吸気温Taが低い場合には高い場合と比較して、内燃機関10の燃焼が不安定になりやすいことから、失火の検出精度が低下するか否かを検証する。また、大気圧Paが異なると排気通路28内の圧力が異なることとなり、EGRバルブ34の開口度が同一であっても、EGR通路32を介して排気通路28から吸気通路12に流入する排気の流量が異なることとなる。そのため、本実施形態のように、EGR通路32を介して排気通路28から吸気通路12に流入する排気の流量を開ループ制御すべくEGRバルブ34を操作する場合には、大気圧Paに応じてEGR通路32を介して排気通路28から吸気通路12に流入する排気の流量が変化し、燃焼状態が異なることとなる。そして、燃焼状態によって失火の検出精度が低下するか否かを検証する。
そして、CPU122は、吸気温Taおよび大気圧Paによって分割された領域のうち、誤出力率が閾値Rth2以上となる領域があるか否かを判定する(S108)。そして、CPU122は、閾値Rth2以上となる領域があると判定する場合(S108:YES)、評価写像データ76bを利用する領域を、閾値Rth2以上となる領域と、それ以外の領域とに分割する(S110)。すなわち、閾値Rth2以上となる領域において利用される評価写像データ76bと、それ以外の領域において利用される評価写像データ76bとを、各別に更新することを決定する。
たとえば、図8に示すように、吸気温Taおよび大気圧Paによって分割された領域のうち、領域A2について、それ以外の領域とは別に評価写像データ76bを更新することを決定する。なお、S102の処理で肯定判定された地域において、S108の処理で肯定判定される領域がある場合、S102の処理で肯定判定された地域においてS108の処理で肯定判定される領域とそれ以外の領域とのそれぞれと、S102の処理において肯定判定された地域以外とにおいて、評価写像データ76bを各別に更新することを決定すればよい。これにより、たとえば、図7に例示する領域A1専用の評価写像データ76bは、図8に例示する領域A2専用のデータと、領域A2以外の領域専用のデータとに分割される。
図6に戻り、CPU122は、S110の処理が完了する場合や、S108の処理において否定判定する場合には、再学習用データ126aを構成するデータを、回転速度NEおよび燃焼制御モードによって分割された領域に分類し、分類された領域毎に、誤出力したデータ数を計測することによって、誤出力分布データを作成する(S112)。そして、CPU122は、回転速度NEおよび燃焼制御モードによって分割された領域のうち、誤出力率が閾値Rth3以上となる領域があるか否かを判定する(S114)。
この処理は、回転速度NEや燃焼制御モードによって、失火の判定精度に相違が生じることがあるか否かを検証するためのものである。すなわち、たとえば触媒30の暖機制御モードにおいては、燃焼効率を落として排気温度を高める制御がなされることなどから、そうした制御を行わない場合と比較して燃焼が不安定化し易いことに起因して失火の判定精度が低下するか否かを検証する。また、たとえば回転速度NEが低い場合には、クランク軸24の慣性エネルギが小さいことから回転が不安定化し易く、また、回転速度NEおよび充填効率ηに基づき各種操作部が操作されることなどから、回転速度NEに応じて失火の判定精度が低下するか否かを検証する。
図9に、本実施形態における、回転速度NEおよび燃焼制御モードによって分割された領域を例示する。本実施形態では、燃焼制御モード値MCにより、アイドル運転のモード、触媒30の暖機制御モード、およびそれ以外のモードに分割されており、且つ、それ以外のモードは、低回転領域とそれ以外の領域とに分割されている。
なお、すでにS104の処理を実行している場合、CPU122は、S102の処理において閾値Rth1以上と判定される地域とそれ以外の地域とで、各別に、誤出力分布データを作成する。また、すでにS110の処理を実行している場合には、CPU122は、S108の処理において閾値Rth2以上と判定される領域とそれ以外の領域とで、各別に、誤出力分布データを作成する。
図6に戻り、CPU122は、図9に示した領域のうちの閾値Rth3以上となる領域があると判定する場合(S114:YES)、閾値Rth3以上となる領域について、シフト位置Vsft、係合状態値Vrc、充填効率η、および路面状態値SR毎に、誤出力分布を検討する(S116)。
この処理は、変速装置54の変速比や、ロックアップクラッチ52の係合状態、充填効率η、車両VC1が走行する路面の凹凸の有無に応じて、失火の判定精度に相違が生じることがあるか否かを検証するためのものである。すなわち、変速装置54の変速比やロックアップクラッチ52の係合状態に応じて、クランク軸24から変速装置54の出力軸58までの慣性モーメントが異なることから、クランク軸24の回転挙動が異なるものとなり、所定の慣性モーメントにおいて失火の判定精度が低下することがあるか否かを検証する。また、路面の凹凸によってクランク軸24の回転挙動が変化することから、凹凸が顕著な場合には、フラットな路面を走行する場合と比較して、失火の判定精度が大きく低下するか否かを検証する。また、充填効率ηが小さい場合には大きい場合と比較して、燃焼室18における燃焼エネルギが小さいことに起因してクランク軸24の回転挙動が不安定となりやすいことから、失火の判定精度が大きく低下するか否かを検証する。
そして、CPU122は、評価写像データ76bを利用する領域を、誤出力率が閾値Rth3以上となった領域と、それ以外の領域とに分割する(S118)。具体的には、閾値Rth3以上となる領域において用いられる評価写像データ76bと、それ以外の領域で用いられる評価写像データ76bとを各別に更新することを決定する。
図9には、アイドル運転モードでも触媒暖機制御モードでもない領域であって、低回転の領域において、充填効率ηが所定値η1以下であって、シフト位置Vsftが所定の位置であって、係合状態値Vrcが所定値であって、路面状態値SRが「1」である領域A3の場合、誤出力率が閾値Rth3を超えることを例示した。なお、領域A3が図7に例示した領域A1において存在する場合、たとえば、領域A1専用の評価写像データ76bを、領域A3専用のデータと、それ以外のデータとに分割するものとすればよい。また、たとえば、領域A3が図8において例示した領域A2に存在する場合、たとえば領域A2専用の評価写像データ76bを、領域A3専用のデータと、それ以外のデータとに分割するものとすればよい。さらにたとえば、領域A3が、図7に例示した領域A1のうち図8に例示した領域A2に存在する場合、たとえば、領域A1および領域A2の双方に属する専用の評価写像データ76bを、領域A3専用のデータと、それ以外のデータとに分割するものとすればよい。
図6に戻り、CPU122は、S118の処理が完了する場合や、S114の処理において否定判定する場合には、S104,S110,S118の処理によって分割された領域毎の評価写像データ76bを再学習する(S120)。すなわち、たとえば領域A1において用いる評価写像データ76bを更新する場合、CPU122は、再学習用データ126aのうち、領域A1において送信されたデータのみを用いて評価写像データ76bを更新する。またたとえば、領域A1に属して且つ領域A2に属する場合に利用する評価写像データ76bを更新する場合、再学習用データ126aのうち、領域A1に位置する車両の運転環境が領域A2に属する場合に送信されたデータのみを用いて評価写像データ76bを更新する。なお、CPU122は、S102,S108,S114のそれぞれの処理において否定判定する場合には、再学習用データ126aの全てを用いて評価写像データ76bを更新する。
具体的には、CPU72は、該当する再学習用データ126aを訓練データとして選択的に用いて、評価写像データ76bの学習済みパラメータである係数w(1)ji,w(2)kjを更新する。すなわち、CPU72は、訓練データのうちの微小回転時間T30や回転速度NE、充填効率ηを入力変数x(1)〜x(26)として失火変数P(1)〜P(5)を算出する一方、熟練者による失火であるか否かの判断結果に関するデータに基づき教師データを生成する。たとえば、熟練者の判断が気筒#1が失火である旨の判断であれば、P(1)=1且つ、P(2)〜P(5)=0とする。またたとえば、熟練者の判断が正常である旨の判断であれば、P(1)〜P(4)=0且つP(5)=1とする。そして、教師データと、ニューラルネットワークが出力した失火変数P(1)〜P(5)との差の絶対値が小さくなるように、周知の手法にて係数w(1)ji,w(2)kjを更新する。
なお、データ解析センター120における失火変数P(1)〜P(5)の算出処理には、係数w(1)ji,w(2)kjの情報や活性化関数h1、およびニューラルネットワークの出力層にソフトマックス関数が用いられる旨の情報が必要である。これについては、たとえば、図6(b)の処理に先立ってCPU122から制御装置70に、これらに関するデータを送信する指示を出してもよいし、またたとえば、記憶装置126に予め記憶しておいてもよい。
そして、CPU122は、通信機127を操作して、更新した係数w(1)ji,w(2)kjを再学習済みのパラメータとして、車両VC1,VC2,…のうちの対象となるものに送信する(S122)。すなわち、たとえば更新された評価写像データ76bのうち、図7に例示する領域A1専用の係数w(1)ji,w(2)kjについては、車両VC1,VC2,…のうちの領域A1に位置するものに選択的に送信する。なお、CPU122は、S122の処理が完了する場合、図6(b)に示す一連の処理を一旦終了する。
一方、図6(a)に示すように、CPU72は、データ解析センター120から再学習済みパラメータの送信があるか否かを判定する(S130)。そしてCPU72は、再学習済みのパラメータがあると判定する場合(S130:YES)、係数w(1)ji,w(2)kjを受信し(S132)、記憶装置76に記憶されている評価写像データ76bを更新する(S134)。
なお、CPU72は、S134の処理が完了する場合や、S130の処理において否定判定する場合には、図6(a)に示す一連の処理を一旦終了する。
ここで、本実施形態の作用および効果について説明する。
CPU72は、実用写像データ76aに基づき、図2に示した処理を実行して内燃機関10の失火の有無を監視し、失火が頻繁に生じる場合、これに対処すべく報知処理を実行する。また、CPU72は、評価写像データ76bに基づき、図3に示した処理を実行して評価写像データ76bによる失火判定を実行する。そしてCPU72は、評価写像データ76bを用いた失火判定結果と、実用写像データ76aを用いた失火判定結果とが整合するか否かを判定し、整合しないと判定する場合、評価写像データ76bによる失火判定のための入力データに加えて、位置データPgpsや吸気温Ta、大気圧Pa等をデータ解析センター120に送信する。これは、評価写像データ76bの学習が十分ではないおそれがあるための処理である。
これに対しCPU122は、CPU72から送信されてきた入力データ等を表示装置112に表示する。これにより、熟練者は、クランク軸24の回転挙動を示す波形データ等に基づき、失火が生じていたのか否かを判断し、それに基づき、評価写像データ76bを用いた失火の有無の判定が誤判定であったか否かを判断する。CPU122は、熟練者の判断結果が、評価写像データ76bを用いた失火の有無の判定が誤判定である旨の判断である場合、車両側から送信されてきたデータの少なくとも一部を、再学習用データ126aとして、記憶装置126に記憶する。
そしてCPU122は、再学習用データ126aが所定量以上となると、位置データPgpsや、吸気温Ta、大気圧Pa等によって区画される領域のうち、特定の領域において、評価写像データ76bを用いた判定処理の精度が特に低いか否かを判定する。そして、特に低い領域がある場合、CPU122は、同領域に関する訓練データのみを用いて評価写像データ76bを更新することによって、その領域に入る場合に利用する専用の評価写像データ76bを生成する。これにより、評価写像データ76bによって規定される写像の構造を複雑化することなく、失火の判定精度を向上させることができる。
すなわち、たとえば図7に例示した領域A1において失火の判定精度が特に低い場合、判定精度を低下させる事情として、領域A1に特有の事情があると考えられる。これに対し、単に、再学習用データ126aを多量に蓄積し、それらすべてを用いて再学習をしたとしても、評価写像データ76bの構造を複雑化することなく失火の判定精度を向上させることは必ずしも容易ではない。これは、領域A1に失火の判定精度を低下させる特有の事情があるのであれば、領域A1とそれ以外の領域とで係数w(1)ji,w(2)kjの最適値が異なりうるからである。もっとも、たとえば中間層の層数を増加させたり、さらには評価写像データ76bによって規定される写像への入力に位置データPgpsを加える等の入力の次元数の増加を図ったりすれば、領域A1とそれ以外の領域との双方において失火の判定精度を高めることができる可能性はある。しかし、その場合、評価写像データ76bによって規定される写像の構造が複雑化し、同写像を用いた失火の判定処理にかかる演算負荷が大きくなる。これに対し、本実施形態では、失火の判定精度が低い領域がある場合、その領域において用いられる専用の評価写像データ76bを生成することにより、評価写像データ76bによって規定される写像の構造を複雑化することなく、失火の判定精度を高めることができる。
そして、CPU122は、更新した係数w(1)ji,w(2)kjを、再学習済みデータとして車両VC1,VC2,…のうちの該当するものに送信する。たとえば、CPU122は、領域A1専用の係数w(1)ji,w(2)kjについては、領域A1に位置する車両に送信する。これにより、領域A1に位置する車両においては、領域A1において評価精度を高めた評価写像データ76bへと評価写像データ76bが更新される。
その後、図4の処理によって不一致が生じたときの熟練者の判断で、評価写像データ76bの方が実用写像データ76aよりも信頼性が高いことが判明する場合には、更新された係数w(1)ji,w(2)kjが送信された車両において、更新後の評価写像データ76bを実用写像データ76aとして失火の監視に利用することが可能となる。さらに、複数の車両VC1,VC2,…に搭載された生のデータによる学習済みモデル(写像データ)を、新たに開発した同一気筒数の内燃機関を備えた車両に搭載される制御装置に始めから実用写像データとして搭載することも可能となる。
<第2の実施形態>
以下、第2の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、評価写像データ76bが、低回転用写像データと、高回転用写像データとからなり、それらを用いた失火判定の精度を評価する。
図10に、評価写像データ76bの選択処理の手順を示す。図10に示す処理は、ROM74に記憶された失火検出プログラム74aをCPU72がたとえば所定周期で繰り返し実行することにより実現される。
図10に示す一連の処理において、CPU72は、回転速度NEが所定速度NEth以上であるか否かを判定する(S124)。そしてCPU72は、所定速度NEth以上であると判定する場合(S124:YES)、評価写像データ76bのうちの、高回転用写像データを選択する(S126)。高回転用写像データは、回転速度NEが所定速度NEth以上であるときの入力変数x(1)〜x(26)を訓練データとして学習されたデータである。これに対し、CPU72は、所定速度NEth未満であると判定する場合(S124:NO)、評価写像データ76bのうちの、低回転用写像データを選択する(S128)。低回転用写像データは、回転速度NEが所定速度NEth未満であるときの入力変数x(1)〜x(26)を訓練データとして学習されたデータである。
なお、CPU72は、S126,S128の処理が完了する場合、図10に示す一連の処理を一旦終了する。
図11に、本実施形態にかかる評価写像データ76bの再学習に関する処理の一部の手順を示す。図11(a)に示す処理は、図1に示すROM74に記憶されている再学習サブプログラム74bをCPU72が実行することにより実現される。また、図11(b)に示す処理は、ROM124に記憶されている再学習メインプログラム124aをCPU122が実行することにより実現される。なお、図11に示す処理において、図6に示した処理に対応する処理については、便宜上、同一のステップ番号を付与している。
図11(b)に示す一連の処理において、CPU122は、まず、再学習用データ126aを、回転速度NE別に分類し、それら分類した回転速度NE毎に、誤判定したデータ数を計測することによって、回転速度NEに対する誤出力分布データを作成する(S140)。なお、ここで誤出力分布を定義するための回転速度NEは、所定速度NEth以上であるか否かの2値的なものよりも粒度が小さいものとする。次に、CPU72は、回転速度NEで分割された複数の領域のうち誤出力率が閾値Rth4以上となる領域があるか否かを判定する(S142)。
CPU72は、閾値Rth4以上の領域があると判定する場合(S142:YES)、評価写像データ76bを分割する領域を変更する(S144)。すなわち、たとえば閾値Rth4以上となる領域が所定速度NEth未満の領域の一部である場合、所定速度NEth未満の領域を、閾値Rth4以上となる領域とそれ以外とに分割する。
CPU72は、S144の処理が完了する場合、S120,S122の処理を実行する一方、S142の処理において否定判定する場合、図11(b)に示す一連の処理を一旦終了する。
図12に、本実施形態にかかる評価写像データ76bの更新例を示す。
図12(a)は、更新前の評価写像データ76bの利用領域の分割を示しており、所定速度NEth以上であるか否かに応じて、高回転用写像データおよび低回転用写像データのいずれか1つを失火の判定に利用する。これに対し、図12(b)は、更新後の評価写像データ76bの利用領域の分割を示しており、回転速度NEに応じて3つの写像データのいずれか1つを失火の判定に利用する。この例は、所定速度NEth付近において、高回転用写像データを用いた失火判定と、低回転用写像データを用いた失火判定との双方において、誤出力率が閾値Rth4以上となったために、中回転用写像データを新たに追加したものである。
このように、本実施形態によれば、回転速度NEに応じて複数の写像のいずれか1つを利用する設定において、回転速度NEに応じていずれを用いるかの設定自体が、失火の判定精度を高く維持するうえで不満足である場合、回転速度NEと失火判定に利用する写像との対応関係自体を変更する。これにより、失火判定に利用する写像を回転速度NEによって分割する際、より適切な分割を見出すことができる。
<第3の実施形態>
以下、第3の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、評価写像データ76bによって規定される写像への入力変数x(1)〜x(26)となっていない変数について、その変数によって分割された領域の一部で誤出力率が顕著となる場合、その変数を入力変数に追加する。
図13に、本実施形態にかかる評価写像データ76bの再学習に関する処理の一部の手順を示す。図13(a)に示す処理は、図1に示すROM74に記憶されている再学習サブプログラム74bをCPU72が実行することにより実現される。また、図13(b)に示す処理は、ROM124に記憶されている再学習メインプログラム124aをCPU122が実行することにより実現される。なお、図13に示す処理において、図6に示した処理に対応する処理については、便宜上、同一のステップ番号を付与している。
図13(b)に示す一連の処理において、CPU122は、まず、再学習用データ126aを、吸気温Ta毎に分類し、それら分類した吸気温Ta毎に、誤判定したデータ数を計測することによって、吸気温Taに対する誤出力分布データを作成する(S150)。次に、CPU72は、吸気温Taで分割された複数の領域のうち誤出力率が閾値Rth5以上となる領域があるか否かを判定する(S152)。CPU72は、閾値Rth5以上の領域があると判定する場合(S152:YES)、評価写像データ76bによって規定される写像への入力変数に吸気温に関する変数を追加する(S154)。すなわち、入力変数を26次元から27次元に変更する。
CPU72は、S154の処理が完了する場合、S120,S122の処理を実行する。なお、本実施形態におけるS120の処理においては、再学習用データ126aの全てを訓練データとして用いる。さらに、たとえば内燃機関10と同一仕様の内燃機関のクランク軸24にダイナモメータ等を接続し、所定の条件で燃料噴射弁20からの燃料噴射を停止しつつ内燃機関10を稼働することにより失火を生じさせつつテストベンチ上で訓練データを生成し、同訓練データを追加的に用いてもよい。
<第4の実施形態>
以下、第4の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態にかかる実用写像データ76aおよび評価写像データ76bは、複数の気筒#1〜#4のそれぞれにおける混合気の空燃比を互いに等しい空燃比に制御すべく燃料噴射弁20を操作した際の実際の空燃比同士のばらつきであるインバランスを示す変数であるインバランス変数Inbの値を出力する写像を規定するデータである。
図14に、本実施形態にかかる車両用学習システムが実行する処理を示す。図14に示す処理は、ROM74に記憶されたプログラムをCPU72が実行することにより実現される処理と、ROM124に記憶されたプログラムをCPU122が実行することにより実現される処理とである。
インバランス検出処理M10(1)は、実用写像データ76aを用いてインバランス変数Inb(1)の値を算出する処理である。インバランス検出処理M10(1)は、上流側空燃比Afuの所定時間当たりの変化量に基づき、インバランス変数Inb(1)がリッチ側の値を示すときのその値を算出する処理を含む。また、インバランス検出処理M10(1)は、微小回転時間T30の変動に基づき、インバランス変数Inb(1)がリーン側の値を示すときのその値を算出する処理を含む。
インバランス検出処理M10(2)は、評価写像データ76bを用いてインバランス変数Inb(2)の値を算出する処理である。インバランス検出処理M10(2)は、微小回転時間T30(1)〜T30(24)からなる時系列データと、その期間における上流側空燃比Afuの時系列データとを入力とし、インバランス変数Inb(2)の値を出力するニューラルネットワークを用いてインバランス変数Inb(2)の値を算出する処理である。
再学習用サブ処理M12は、インバランス変数Inb(1)とインバランス変数Inb(2)との差の絶対値が所定値以上となる場合、実用写像データ76aを用いた判定結果と評価写像データ76bを用いた判定結果とが整合していないと判定する処理を含む。また、再学習用サブ処理M12は、所定のデータをデータ解析センター120に送信する処理を含む。ここで、送信対象とするデータは、不整合が生じたときのインバランス変数Inb(2)の算出に用いた微小回転時間T30および上流側空燃比Afuに加えて、それらと時系列的に隣り合う微小回転時間T30の時系列データと上流側空燃比Afuの時系列データとを含む。これは、クランク軸24の回転挙動や上流側空燃比Afuの挙動に基づき、熟練者がインバランス変数Inb(2)が正しい値であるか否かをより正確に判断できるようにするためのものである。
また、送信対象とするデータは、不整合が生じたときの内燃機関10の動作点を示す変数である動作点変数の値としての回転速度NEおよび充填効率ηを含む。動作点変数の値は、熟練者がインバランス変数Inb(2)が正しい値であるか否かをより正確に判断できるようにするためのデータであるとともに、動作点に応じてインバランス変数Inb(2)の精度に相違が生じるか否かを検証するためのデータである。
また、送信対象とするデータは、燃焼制御モード値MCを含む。本実施形態では、燃焼制御モード値MCとして、目標空燃比の値に応じたモードや、触媒30の再生処理のために排気温度を上昇させる制御をするモードと、それ以外のモードとを識別するものを例示する。これは、それら燃焼制御モードの相違によって、気筒間の実際の空燃比のばらつきがクランク軸24の回転挙動や上流側空燃比Afuに与える影響が異なることに鑑みたものである。そのため、燃焼制御モード値MCは、熟練者がインバランス変数Inb(2)が正しい値であるか否かをより正確に判断できるようにするためのデータであるとともに、その値によってインバランス変数Inb(2)の精度に相違が生じるか否かを検証するためのデータである。
また、送信対象となるデータは、吸気温Ta、大気圧Pa、シフト位置Vsft、係合状態値Vrc、路面状態値SRおよび位置データPgpsを含む。これらのデータの意義については、上記第1の実施形態と同様である。
CPU122は、再学習処理M14として、図4(b)および図6(b)に準じた処理を実行する。なお、図4の処理に準じた処理としては、データ解析センター120においてインバランス変数Inbの値として適切であるとする値と評価写像データ76bによって規定される写像の出力値との差の絶対値が所定値以上である場合に誤出力とする処理を含む。また、本実施形態では、地域別の誤出力率の評価に続いて、動作点変数によって区画される領域毎の誤出力率の評価を行う例を示す。図14には、位置データPgpsに基づく誤出力率の相違から、領域A4に位置する車両における誤出力率が閾値以上となり、領域A4の中でも、動作点変数によって区画される領域が領域A5に入る場合に、誤出力率が特に大きくなる場合を例示した。詳しくは、領域A5においては、燃焼制御モード値MC、吸気温Ta、大気圧Pa、シフト位置Vsft、係合状態値Vrcおよび路面状態値SRによって区画される所定の領域において、誤出力率が特に大きくなる例を示した。そのため、CPU122は、領域A4専用の評価写像データ76bを、領域A5であって且つ所定の領域に入る場合と、それ以外とで各別のデータに更新する。
<第5の実施形態>
以下、第5の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態にかかる実用写像データ76aおよび評価写像データ76bは、触媒30の劣化度合いを示す劣化変数RDの値を出力する写像を規定するデータである。
図15に、本実施形態にかかる車両用学習システムが実行する処理を示す。図15に示す処理は、ROM74に記憶されたプログラムをCPU72が実行することにより実現される処理と、ROM124に記憶されたプログラムをCPU122が実行することにより実現される処理とである。
触媒劣化検出処理M20(1)は、実用写像データ76aを用いて劣化変数RD(1)の値を算出する処理である。触媒劣化検出処理M20(1)は、下流側空燃比Afdがリーンからリッチに反転したタイミングにおいて、触媒30に流入する排気中に酸素が過剰に存在するようにアクティブ制御を実行し、下流側空燃比Afdがリッチからリーンに反転するまでにおける触媒30への酸素の流入量に基づき劣化変数RD(1)の値を算出する処理である。
触媒劣化検出処理M20(2)は、評価写像データ76bを用いて劣化変数RD(2)の値を算出する処理である。触媒劣化検出処理M20(2)は、触媒30の上流側空燃比Afuの時系列データ、下流側空燃比Afdの時系列データ、回転速度NE、充填効率ηおよび触媒30の温度(触媒温度Tcat)を入力とし、劣化変数RD(2)を出力するニューラルネットワークによって、劣化変数RD(2)の値を算出する処理である。なお、触媒温度Tcatは、たとえば、排気温Texの1次遅れ処理値とすればよい。
再学習用サブ処理M22は、同一トリップにおいて算出された劣化変数RD(1)の値と劣化変数RD(2)の値との差の絶対値が所定値以上となる場合、実用写像データ76aを用いた判定結果と評価写像データ76bを用いた判定結果とが整合していないと判定する処理を含む。また、再学習用サブ処理M22は、所定のデータをデータ解析センター120に送信する処理を含む。ここで、送信対象とするデータは、不整合が生じたときの劣化変数RDの算出に用いた入力変数の値を含む。また、送信対象とするデータは、不整合が生じたときの劣化変数RDの算出に用いた上流側空燃比Afuおよび下流側空燃比Afdに時系列的に隣り合う上流側空燃比Afuの時系列データおよび下流側空燃比Afdの時系列データを含む。これは、データ解析センター120において、上流側空燃比Afuや下流側空燃比Afdの挙動に基づき、劣化変数RD(2)が正しい値であるか否かをより正確に判断できるようにするためのものである。
また、送信対象には、吸入空気量Gaが含まれる。これは、下流側空燃比Afdの挙動が、吸入空気量Gaの影響を受けやすいため、吸入空気量Gaの値によって劣化変数RD(2)の精度が大きく低下するか否かを検証するためである。
また、送信対象には、充填効率ηの所定時間における極大値と極大値との差である変化量Δηが含まれる。これは、充填効率ηの変動によって燃焼室18において燃焼対象となる混合気の空燃比が変化することから、変化量Δηによって劣化変数RD(2)の精度が大きく低下するか否かを検証するためである。
また、送信対象には、位置データPgpsが含まれる。これは、地域によって、燃料中のアルコール濃度等、燃料性状が異なることから、地域によって劣化変数RD(2)の値の精度が大きく低下するか否かを検証するためである。
CPU122は、再学習処理M24として、図4(b)および図6(b)に準じた処理を実行する。なお、図4の処理に準じた処理としては、データ解析センター120において劣化変数RDの値として適切であるとする値と評価写像データ76bによって規定される写像の出力値との差の絶対値が所定値以上である場合に誤出力とする処理を含む。また、本実施形態では、地域別の誤出力率の評価に続いて、吸入空気量Gaによって区画される領域毎の誤出力率の評価を行う例を示す。図15には、位置データPgpsに基づく誤出力率の相違から、領域A6に位置する車両における誤出力率が閾値以上となり、領域A6において、吸入空気量Gaによって区画された3つの領域のうちの1つの領域A7において、誤出力率が特に大きくなる場合を例示した。詳しくは、領域A7においては、変化量Δηが所定量以上の領域において、誤出力率が特に大きくなる例を示した。そのため、CPU122は、領域A6専用の評価写像データ76bを、吸入空気量Gaによって区画された3つの領域のうちの領域A7において変化量Δηが所定量以上である場合と、それ以外とで各別に更新する。
<第6の実施形態>
以下、第6の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、触媒30として、粒子状物質(PM)を捕集するフィルタを搭載したものを例示し、実用写像データ76aおよび評価写像データ76bを、フィルタに堆積されたPM量であるPM堆積量DPMを出力する写像を規定するデータとする。
図16に、本実施形態にかかる車両用学習システムが実行する処理を示す。図16に示す処理は、ROM74に記憶されたプログラムをCPU72が実行することにより実現される処理と、ROM124に記憶されたプログラムをCPU122が実行することにより実現される処理とである。
堆積量推定処理M30(1)は、実用写像データ76aを用いてPM堆積量DPM(1)を算出する処理である。堆積量推定処理M30(1)は、回転速度NEおよび充填効率ηと、PM堆積量DPMのベース値との関係を定めるマップデータと、点火時期aigとPM堆積量DPMの補正量との関係を定めるマップデータと、水温THWとPM堆積量DPMの補正量との関係を定めるマップデータとによって、PM堆積量DPM(1)を算出する処理である。
堆積量推定処理M30(2)は、評価写像データ76bを用いてPM堆積量DPM(2)を算出する処理である。堆積量推定処理M30(2)は、回転速度NE、充填効率η、上流側空燃比Afu、触媒温度Tcat、点火時期aig、および水温THWを入力とし、PM堆積量DPM(2)の変化量を出力するニューラルネットワークを用いて、PM堆積量DPM(2)を算出する処理である。
再学習用サブ処理M32は、PM堆積量DPM(1)とPM堆積量DPM(2)との差の絶対値が所定値以上となる場合、実用写像データ76aを用いた判定結果と評価写像データ76bを用いた判定結果とが整合していないと判定する処理を含む。また、再学習用サブ処理M32は、内燃機関10の始動後、不整合が生じた時点までの期間におけるPM堆積量DPM(2)の算出に用いた入力データからなる時系列データ等を送信対象として送信する処理を含む。ここで、時系列データを送信するのは、データ解析センター120において、時系列データに基づきPM堆積量DPMを算出し、PM堆積量DPM(2)の妥当性を判定するためである。
上記送信対象とするデータは、燃焼制御モード値MCを含む。本実施形態では、燃焼制御モード値MCとして、目標空燃比の値に応じたモードと、フィルタの再生処理のために排気温度を上昇させる制御をするモードと、それ以外のモードとを識別するものを例示する。これは、それら燃焼制御モードの相違によって、PM堆積量DPM(2)の推定精度が変化するか否かを検証するためである。
また、送信対象とするデータは、内燃機関10の始動時からの経過時間Tsを含む。これは、始動後間もないときには、燃料がシリンダ壁面等に付着しやすく、PMが発生しやすいことから、始動後間もない期間とそれ以外とでPM堆積量DPM(2)の推定精度に相違が生じるか否かを検証するためである。
また、送信対象とするデータは、位置データPgpsおよび吸気温Taを含む。これらについては、再学習用サブ処理M12によってそれらデータを送信する理由と同様である。
CPU122は、再学習処理M34として、図4(b)および図6(b)に準じた処理を実行する。なお、図4の処理に準じた処理としては、データ解析センター120においてPM堆積量DPMの値として適切であるとする値と評価写像データ76bによって規定される写像の出力値との差の絶対値が所定値以上である場合に誤出力とする処理を含む。また、本実施形態では、地域別の誤出力率の評価に続いて、経過時間Tsによって区画される領域毎の誤出力率の評価を行う例を示す。図16には、位置データPgpsに基づく誤出力率の相違から、領域A8に位置する車両における誤出力率が閾値以上となり、領域A8において、経過時間Tsが所定時間Ts1以下の領域A9において、誤出力率が特に大きくなる場合を例示した。また、図16には、経過時間Tsが所定時間Ts1よりも大きい領域であっても、燃焼制御モード値MCが所定値となる領域A9については、誤出力率が特に大きくなる例を示した。そのため、CPU122は、領域A8専用の評価写像データ76bを、経過時間Tsが所定時間Ts1以下の領域と、所定時間Ts1よりも大きい領域であって燃焼制御モード値MCが所定値である領域と、それ以外とのそれぞれで各別のデータに更新する。
<第7の実施形態>
以下、第7の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態にかかる実用写像データ76aおよび評価写像データ76bは、触媒30の温度(触媒温度Tcat)を出力する写像を規定するデータである。
図17に、本実施形態にかかる車両用学習システムが実行する処理を示す。図17に示す処理は、ROM74に記憶されたプログラムをCPU72が実行することにより実現される処理と、ROM124に記憶されたプログラムをCPU122が実行することにより実現される処理とである。
触媒温度推定処理M40(1)は、実用写像データ76aを用いて触媒温度Tcat(1)を算出する処理である。触媒温度推定処理M40(1)は、排気温Texを入力とする1次遅れフィルタ処理を実行し、その出力値を触媒温度Tcat(1)とする処理である。
触媒温度推定処理M40(2)は、評価写像データ76bを用いて触媒温度Tcat(2)を算出する処理である。触媒温度推定処理M40(2)は、排気温Tex、回転速度NE、充填効率η、および上流側空燃比Afuのそれぞれの時系列データと、触媒温度Tcat(2)の前回値とを入力とするニューラルネットワークによって、触媒温度Tcat(2)を算出する処理である。
再学習用サブ処理M42は、触媒温度Tcat(1)と触媒温度Tcat(2)との差の絶対値が所定値以上となる場合、実用写像データ76aを用いた判定結果と評価写像データ76bを用いた判定結果とが整合していないと判定する処理を含む。また、再学習用サブ処理M42は、データ解析センター120にデータを送信する処理を含む。
送信対象とするデータは、内燃機関10の始動後、不整合が生じた時点までの期間における触媒温度Tcat(2)の算出に用いた入力データからなる時系列データを含む。ここで、時系列データを送信するのは、データ解析センター120において、触媒温度Tcatを時系列データによって算出し、触媒温度Tcat(2)の妥当性を判定するためである。
送信対象とするデータは、燃焼制御モード値MCを含む。本実施形態では、燃焼制御モード値MCとして、目標空燃比の値に応じたモードと、触媒30の再生処理のために排気温度を上昇させる制御をするモードと、それ以外のモードとを識別するものを例示する。これは、それら燃焼制御モードの相違による触媒温度Tcat(2)の推定精度の影響を検証するためである。
また、送信対象とするデータは、吸入空気量Gaを含む。これは、吸入空気量Gaによって触媒30と空気との熱交換が異なることから、吸入空気量Gaによる触媒温度Tcat(2)の推定精度の影響を検証するためである。
また、送信対象とするデータは、車速Vを含む。これは、走行風による触媒温度Tcat(2)の推定精度の影響を検証するためである。また、送信対象とするデータは、吸気温Taを含む。ここで、吸気温Taは、外気の温度の代用である。これは、外気温に応じて触媒30と外気との熱勾配が変化することから、外気温による触媒温度Tcat(2)の推定精度の影響を検証するためである。
CPU122は、再学習処理M44として、図4(b)および図6(b)に準じた処理を実行する。なお、図4の処理に準じた処理としては、データ解析センター120において触媒温度Tcatの値として適切であるとする値と評価写像データ76bによって規定される写像の出力値との差の絶対値が所定値以上である場合に誤出力とする処理を含む。また、本実施形態では、吸入空気量Gaによって3つの領域に分割した領域毎の誤出力率の評価を最初に行う例を示す。図13には、吸入空気量Gaによって分割された3つの領域のうちの1つの領域A11において、車速Vが所定速度以上であって且つ吸気温Taが所定温度以下の場合に、誤出力率が特に大きくなる場合を例示した。そのため、CPU122は、領域A11において車速Vが所定速度以上であって且つ吸気温Taが所定温度以下の場合に専用の評価写像データ76bを更新する。
<対応関係>
上記実施形態における事項と、上記「課題を解決するための手段」の欄に記載した事項との対応関係は、次の通りである。以下では、「課題を解決するための手段」の欄に記載した解決手段の番号毎に、対応関係を示している。[1,2,6〜10]第1実行装置は、CPU72およびROM74に対応し、第2実行装置は、CPU122およびROM124に対応する。記憶装置は、記憶装置76に対応する。写像データは、評価写像データ76bに対応する。取得処理は、S40の処理に対応する。関係評価処理は、S100,S102,S106,S108,S112,S114,S116の処理に対応する。所定の変数の値は、図6における、位置データPgps、吸気温Ta、大気圧Pa、燃焼制御モード値MC、シフト位置Vsft、係合状態値Vrc、充填効率η、および路面状態値SRや、図11の回転速度NE、図13の吸気温Ta等に対応する。[3]関数近似器は、ニューラルネットワークに対応し、更新処理は、S104,S110,S118,S120の処理に対応し、分割処理は、S104,S110,S118の処理に対応する。[4]関数近似器は、ニューラルネットワークに対応し、更新処理は、S120,S144の処理に対応し、変更処理は、S144の処理に対応する。[5]更新処理は、S120,S154の処理に対応し、追加処理は、S154の処理に対応する。[11]第1写像データは、実用写像データ76aに対応し、第1取得処理は、S10の処理に対応し、第1算出処理は、S16,S18の処理に対応する。整合性判定処理は、S64,S70の処理に対応する。妥当性判定処理は、S92〜S96の処理に対応する。[12]車両側送信処理は、S82の処理に対応し、車両外受信処理は、S90の処理に対応する。[13]更新データ送信処理は、S122の処理に対応し、更新データ受信処理は、S132の処理に対応する。[14]車両用制御装置は、制御装置70に対応する。[15]車両用学習装置は、データ解析センター120に対応する。
<その他の実施形態>
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態および以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・「車両の既定の状態について」
写像の出力に情報が含まれる車両の既定の状態としては、上記実施形態において例示したものに限らない。たとえば、内燃機関の状態としては、以下のものでもよい。
(a)空燃比センサの応答性の劣化に関する状態
この場合、第1写像データとしての実用写像データ76aを用いた劣化判定処理には、通常の空燃比フィードバック制御から外れて空燃比をリーンおよびリッチに交互に大きく変化させるアクティブ制御を利用してもよい。そして、実用写像データ76aを、アクティブ制御によって上流側空燃比Afuがリッチからリーンへ、またはリーンからリッチへと反転するまでの所要時間等に基づき、劣化変数の値を算出するデータとすればよい。また、第2写像データとしての評価写像データ76bは、噴射量の時系列データと、上流側空燃比Afuの時系列データとを入力とし、劣化の有無を示す劣化変数の値を出力するニューラルネットワークを規定するデータとすればよい。その場合、第2写像による劣化変数の値の算出処理を、アクティブ制御を実行していないときに行ってもよい。また、車両からデータ解析センター120に送信するデータのうち入力データ以外のデータに、回転速度NEや充填効率ηを含めてもよい。これにより、データ解析センター120において、誤出力率の高い動作点変数があるか否かを検証することができる。
(b)触媒の酸素吸蔵量に関する状態
この場合、第1写像データとしての実用写像データ76aを、上流側空燃比Afuの平均値と下流側空燃比Afdの平均値との差を入力変数とし、酸素吸蔵量を示す変数である吸蔵量変数の値を出力変数とするマップデータとすればよい。また、第2写像データとしての評価写像データ76bは、酸素と過不足なく反応する燃料量に対する実際の燃料量の過不足量および触媒の温度の所定期間における積算値と、吸蔵量変数の前回値とを入力とし、吸蔵量変数の値を出力するニューラルネットワークを規定するデータとすればよい。また、車両からデータ解析センター120に送信するデータのうち入力データ以外のデータに、触媒30内の流体の流量を含めてもよい。これにより、データ解析センター120において、誤出力率の高い流量があるか否かを検証することができる。
(c)内燃機関のノッキングの有無に関する状態
この場合、第1写像データとしての実用写像データ76aを、ノッキングセンサの検出値の積算値と、判定値との大小比較によって、ノッキングであるか否かを示す論理値を出力する写像を規定するデータとすればよい。また、第2写像データしての評価写像データ76bは、ノッキングセンサの検出値の時系列データを入力とし、燃焼室18内の圧力のピーク値を出力するニューラルネットワークを規定するデータとしてもよい。その場合、ピーク値が閾値以上である場合に、ノッキングが生じたと判定すればよい。また、車両からデータ解析センター120に送信するデータのうち、入力データ以外のデータに、たとえば回転速度NEおよび充填効率ηを含めてもよい。これによれば、CPU122において、誤出力率が高い動作点領域があるか否かを検証することができる。
(d)燃料噴射弁20に供給される燃料の温度に関する状態
この場合、第1写像データとしての実用写像データ76aを、回転速度NE、充填効率ηおよび水温THWを入力変数とし、燃料の温度を出力変数とするマップデータとすればよい。また、第2写像データとしての評価写像データ76bは、回転速度NE、充填効率η、燃料噴射弁20による燃料の噴射量、吸気温Ta、車速V、燃料の温度の前回値を入力とし、燃料の温度を出力するニューラルネットワークを規定する写像とすればよい。また、車両からデータ解析センター120に送信するデータを、内燃機関10の始動時からの、ニューラルネットワークの出力値および入力データとすればよい。これにより、データ解析センター120において燃料の温度の時間推移を推定することが可能となる。さらに送信するデータに、たとえば点火時期や、水温THW等を含めてもよい。これによれば、CPU122において、点火時期や水温THWによって区画される特定の領域において誤出力率が高くなるか否かを検証することができる。もっとも、内燃機関10の始動時からの、ニューラルネットワークの出力値および入力データを送信するのみであっても、データ解析センター120において、動作点変数によって分割された特定の領域において誤出力率が高くなるか否かを検証することはできる。
(e)パージシステムの異常の有無
この場合、燃料タンク内の燃料蒸気を捕集するキャニスタと、キャニスタと吸気通路との間のパージ経路の流路断面積を調整するパージバルブとを備えたパージシステムにおいて、パージ経路に穴がある場合に異常であると判定する写像が考えられる。この場合、第1写像データとしての実用写像データ76aは、パージバルブを開弁してキャニスタ内の圧力を低下させた後、パージバルブを閉弁させた際の圧力の上昇速度が閾値以上である場合に異常がある旨の論理値を出力する写像を規定するデータとすればよい。また、第2写像データとしての評価写像データ76bは、キャニスタ内の圧力の時系列データと大気圧Paとを入力とし、穴の有無に応じた出力値を出力するニューラルネットワークを規定するデータとすればよい。また、車両からデータ解析センター120に送信するデータを、ニューラルネットワークの出力値および入力データに加えて、燃料タンク内の燃料残量とすればよい。これにより、燃料残量が出力値の精度に与える影響を検証できる。
(f)EGR率
ここで、EGR率は、吸気通路12から燃焼室18に流入する流体の流量に対するEGR通路32から吸気通路12に流入した流体の流量の割合である。この場合、第1写像データとしての実用写像データ76aは、回転速度NEおよび充填効率ηを入力変数とし、EGR率を出力変数とするマップデータとすればよい。また第2写像データとしての評価写像データ76bは、回転速度NE、充填効率η、吸気通路12内の圧力、および吸入空気量Gaを入力変数とし、EGR率を出力するニューラルネットワークを規定するデータとすればよい。
この場合、車両からデータ解析センター120に送信するデータには、たとえば、不整合が生じたときのEGR率の算出に用いた入力データに加えて、大気圧Paや吸気温Ta、水温THWを含めてもよい。これにより、大気圧Paや吸気温Ta、水温THWが出力値の精度に与える影響を検証できる。
(g)ブローバイガス送出路の漏れの有無に関する状態
ここでは、内燃機関10のクランクケースと吸気通路12とを接続するブローバイガス送出路を備えることが前提となる。この場合、ブローバイガス送出路に圧力センサを設け、第1写像としての実用写像データ76aは、圧力センサによって検出される圧力と、回転速度NEおよび充填効率ηに基づく判定値との大小比較に基づき、異常の有無を示す値を出力するデータとすればよい。また、第2写像データとしての評価写像データ76bは、回転速度NE、充填効率η、および吸入空気量Gaとスロットルバルブ14を通過する吸気量との差を入力変数とし、異常の有無を示す値を出力するニューラルネットワークを規定するデータとすればよい。
この場合、車両からデータ解析センター120に、不整合が生じたときの異常の有無を示す値の算出に用いた入力データを送信することにより、たとえば、動作点変数が出力値の精度に与える影響を検証できる。
なお、車両の既定の状態としては、内燃機関の状態に限らない。たとえば下記「車両について」の欄に記載したように、回転電機を備える車両においては、回転電機に供給される電力を蓄えるバッテリの状態であってもよい。
・「車両側送信処理について」
(a)失火の場合
図4の処理では、3燃焼サイクル分の微小回転時間T30の時系列データを送信したが、これに限らない。たとえば、実用写像データ76aを用いた判定結果と評価写像データ76bを用いた判定結果とが整合しないときの微小回転時間T30(25)〜T30(48)と、整合しないと判定される状態から整合していると判定される状態に移行した際の微小回転時間T30(49)〜T30(72)との2燃焼サイクル分の時系列データであってもよい。
図4の処理では、実用写像データ76aを用いた判定結果と評価写像データ76bを用いた判定結果とが整合しないときの微小回転時間T30(25)〜T30(48)に加えて、整合しないと判定される状態から整合していると判定される状態に移行した際の微小回転時間T30(49)〜T30(72)を送信したが、これに限らない。たとえば、整合していると判定されている状態における微小回転時間T30の時系列データと、整合していると判定される状態から整合していないと判定される状態に移行した際の微小回転時間T30の時系列データとを送信してもよい。
送信対象とする時系列データのうちの整合していると判定される状態に移行した際の微小回転時間T30の時系列データとしては、1燃焼サイクル分の時系列データに限らない。たとえば、「第2写像データについて」の欄に記載したように、1度の入力による出力値が1つの気筒の失火変数の値のみを出力する場合等であって、入力データ自体、1燃焼サイクルより短い期間における微小回転時間T30の時系列データである場合には、それに応じた量の時系列データとしてもよい。もっとも、写像への入力変数を構成する微小回転時間T30の時系列データと、整合していると判定される状態に移行した際の微小回転時間T30の時系列データとが、同一の長さを有する区間内の微小回転時間T30であることも必須ではない。
図4の処理では、1トリップに1度、整合しないと連続して判定された回数が最大となるときに対応する3燃焼サイクル分の微小回転時間T30の時系列データを送信したが、これに限らない。たとえば、1トリップに1度、整合しないと連続して判定された回数が最大となるときに対応する、整合しないと連続して判定された期間における微小回転時間T30の全てと、整合しないと判定される状態から整合していると判定される状態に移行した際の微小回転時間T30の1燃焼サイクル分の時系列データとを送信してもよい。またたとえば、整合しないと判定される期間における微小回転時間T30の全てと、それら期間のそれぞれについての整合しないと判定される状態から整合していると判定される状態に移行した際の微小回転時間T30の1燃焼サイクル分の時系列データとを1トリップに1度送信してもよい。
送信対象とするデータのうち写像への入力データおよび微小回転時間T30以外のデータとしては、エクストラ情報集合GrEにて例示したものに限らない。また、写像への入力データおよび微小回転時間T30以外のデータを送信対象とすること自体必須ではない。
(b)全般
送信対象とされる、整合しないと判定されるときの第2写像データによって規定される第2写像の出力値に関するデータとしては、第2写像の出力値自体に限らない。たとえば、図4の処理において、実用写像データ76aによって規定される写像の出力値としてもよい。この場合、たとえばS92〜S94の処理において、熟練者が、実用写像データ76aによって規定される写像の出力値が正しいと判断する場合、S96の処理において肯定判定すればよい。もっとも、こうしたデータを送信しなくても、入力データを送信することにより、データ解析センター120側において、評価写像データ76bによって規定される写像の出力値を算出することはできる。
・「第1写像、第1写像データについて」
図1、図14〜図17においては、第1写像データとしての実用写像データ76aとして、機械学習を用いることなく、判定値等を適合したデータを例示したが、これに限らない。たとえば、第2写像データとしての評価写像データ76bによって規定されるものよりも入力変数の次元が小さいニューラルネットワークを規定するデータとしてもよい。もっとも、第1写像の入力の次元数が、第2写像の入力の次元数よりも小さいことも必須ではない。たとえば入力の次元数は同一であって且つ中間層の層数が第2写像の層数よりも小さいものであってもよい。またたとえば入力の次元数および中間層の層数とも第2写像と同一であって、活性化関数が互いに異なるものであってもよい。
また、機械学習によって学習された学習済みモデルとしての関数近似器としては、ニューラルネットワークに限らない。たとえば、状態に関する情報を3値以上の値によって表現する場合には回帰式等を用いてもよく、また、正常、異常の判定値を出力する場合には、識別関数であってもよい。なお、ここでの回帰式は、上記ニューラルネットワークにおいて中間層を除いたものと同等のもののみならず、たとえばカーネル関数を用いたものであってもよい。また、識別関数は、上記回帰式の出力を独立変数とするロジスティックジグモイド関数の出力値を、出力値とするものとすればよい。
・「第2写像データについて」
(a)全般
第2写像データとしての評価写像データ76bとしては、中間層が1層のニューラルネットワークを規定するデータに限らない。たとえば、第2写像データとしては、中間層が2層以上のニューラルネットワークを規定するデータであってもよい。また活性化関数h1としては、ハイパボリックタンジェントに限らず、たとえばロジスティックジグモイド関数やReLUであってもよい。なお、ReLUは、入力値と「0」とのうちの小さくない方の値を出力する関数である。
また、機械学習によって学習された学習済みモデルとしての関数近似器としては、ニューラルネットワークに限らない。たとえば、状態に関する情報を3値以上の値によって表現する場合には回帰式等を用いてもよく、また、正常、異常の判定値を出力する場合には、識別関数であってもよい。なお、ここでの回帰式は、上記ニューラルネットワークにおいて中間層を除いたものと同等のもののみならず、たとえばカーネル関数を用いたものであってもよい。また、識別関数は、上記回帰式の出力を独立変数とするロジスティックジグモイド関数の出力値を、出力値とするものとすればよい。
(b)失火検出の場合
ニューラルネットワークの出力層のノードの数、すなわち次元を「(気筒数)+1」とするものに限らない。たとえば、気筒数に等しい個数とし、各出力値のうちの閾値を超えたものがある場合に失火があると判定してもよい。またたとえば、ニューラルネットワークの1度の出力に基づく失火の有無の判定対象となる気筒を1つとし、出力層のノードの数を1個としてもよい。なお、その場合、出力層はロジスティックジグモイド関数等によって出力値の取りうる値の範囲が規格化されることが望ましい。
・「分割処理について」
上記実施形態において、分割によって誤出力率が閾値を下回る領域を1つの共通の領域としてもよい。すなわち、たとえば図7の領域A1内における図8の領域A2以外の領域については、誤出力率が閾値Rth1未満となるのであれば、領域A1内における領域A2専用の評価写像データ76bと、それ以外の全領域における評価写像データ76bとの2つについてのみ、各別に更新してもよい。
またたとえば、誤出力率の分布を作成する順序としては、上記実施形態において例示したものに限らない。さらに、たとえばいくつかの変数の値によって領域を分割した際に誤出力率が閾値以上となるか否かをそれぞれ判定し、最終的に閾値以上となる領域とならない領域との合計数が最小となるものを採用してもよい。
上記構成では、位置データPgpsに基づく誤出力率の分類を、国または、国を細分化した規定の地域を単位として実行したが、これに限らない。たとえば、全てを国単位としてもよく、またたとえば国よりも大きい地域を単位としてもよい。逆に、全てを国を細分化した地域を単位としてもよい。
さらに、たとえば、統計的な手法を用いて分割をしてもよい。これはたとえば、K−means等のクラスタリング手法を用いて実行すればよい。またたとえば、それぞれの平均値が誤出力分布の中央となるガウス分布の線形結合である混合ガウス分布によって誤出力分布を近似し、これを用いて領域を分割してもよい。すなわち、混合ガウス分布における混合係数、平均値、および分散を、誤出力した位置データPgpsに基づき学習し、1つのガウス分布の値が他よりも大きくなる領域毎に、領域を分割してもよい。なお、統計的な手法の適用対象は、位置データPgpsに基づく誤出力率の分類に限らず、たとえば、吸気温Ta等の環境変数の値に基づく誤出力率の分類や、燃焼制御モード値MC等の運転状態変数の値に基づく誤出力率の分類を対象としてもよい。
上記実施形態では、誤出力率が閾値以上となる領域の割合がどうなる場合に分割処理を実行するかについて特に触れなかったが、閾値以上となる領域の割合が大きい場合にはその変数の値が誤出力率の低下にさほど寄与していない可能性があることから、割合が所定値以下の場合に分割処理を実行することが望ましい。また、分割処理に際して参照する誤出力率の分布を、誤出力した絶対数の割合として定量化する代わりに、分割された領域を階級とした、各階級の相対的な誤出力率を示すヒストグラムとしてもよい。
・「変更処理について」
図12においては、利用する写像データを領域毎に分割する際の領域をより細分化する変更処理を例示したが、これに限らない。たとえば、分割数自体は固定したまま、領域間の境界を変更してもよい。もっとも、これに限らず、たとえば分割数を削減する変更をすることも可能である。
・「追加処理について」
追加処理としては、吸気温Taを追加する処理に限らない。
・「更新処理について」
たとえば、図12のS154の処理を実行しつつも、S106の処理を実行する等、分割処理と追加処理との双方を実行してもよい。
・「整合性判定処理について」
S60の処理の検証期間としては、上記実施形態において例示したものに限らない。
図4の処理では、検証期間に限って、実用写像データ76aに基づく失火判定結果と、評価写像データ76bに基づく失火判定結果との一致、不一致を判定したが、これに限らず、たとえば常時行ってもよい。
・「再学習済みのパラメータについて」
図6、図11および図13においては、更新されたパラメータである再学習済みのパラメータを、ネットワーク110を介して各車両VC1,VC2,…に送信したがこれに限らない。たとえば、車両の販売店に送信し、各車両VC1,VC2,…が販売店に入庫した際に記憶装置76内のデータを更新してもよい。その場合であっても、再学習済みのパラメータによって更新された評価写像データ76bの信頼性をさらに評価し、更新することが可能となる。
もっとも、再学習に用いるデータを提供した車両に再学習済みのパラメータを提供すること自体必須ではない。再学習済みのパラメータを用いて評価写像データ76bを更新し、更新された評価写像データ76bを、新規に開発された車両に実装するのみであってもよい。その場合、内燃機関10の状態に関する情報を示す出力値を出力する写像の場合、新規に開発された車両に搭載される内燃機関の排気量は、再学習のためのデータを送信した車両に搭載される内燃機関の排気量との差が、所定量以下となるものであることが望ましい。なお、上記実施形態のように、評価写像データが、各気筒において失火が生じた確率に応じた失火変数を出力するものである場合には、新規に開発された車両に搭載される内燃機関の気筒数は、再学習のためのデータを送信した車両に搭載される内燃機関の気筒数と同一とすることが望ましい。
さらに、図6、図11および図13において、再学習済みのパラメータを用いて、評価写像データ76bを更新した後、これによって、実用写像データ76aを上書きしてもよい。
・「表示装置について」
上記実施形態では、データ解析センター120に表示装置112を配置したが、これに限らず、記憶装置126等が配置されている拠点とは別の拠点に配置してもよい。
・「妥当性判定処理について」
図4においては、評価写像データ76bを用いて算出した失火変数P(j)の算出に用いた入力データと、関連するデータとを表示装置112に表示することによって、誤判定であるか否かを熟練者が評価することとしたが、これに限らない。たとえば、実用写像データ76aによって規定される写像よりも失火の判定精度が高い写像データを用いて評価してもよい。これは、たとえば、S90の処理において受信した回転時間集合TrT30およびエクストラ情報集合GrEの全ての要素を入力変数とするか、それ以上の要素を入力変数とし、失火変数を出力変数とするニューラルネットワークとしてもよい。その場合、中間層の層数を、評価写像データ76bによって規定されるニューラルネットワークの中間層の層数よりも大きくすることが望ましい。
もっとも、評価写像データ76bや実用写像データ76aによって規定される写像よりも精度が高い主体を用いて、評価写像データ76bによって規定される写像の判定結果の妥当性を判断すること自体、必須ではない。たとえば、評価写像データ76bによって規定される判定結果と、2つ以上の他の写像による判定結果との多数決によって、評価写像データ76bによって規定される写像の判定結果の妥当性を判断してもよい。また、たとえば上記2つ以上の他の写像による判定結果の1つを、写像による判定結果に代えて、熟練者による判断としてもよい。
図4の処理では、説明の便宜上、S82の処理が実行される都度、S92の処理を実行したが、これに限らない。たとえば不一致と判定されたデータが所定量蓄積された時点でS92の処理を実行してもよい。またたとえば不一致とされたデータを都度蓄積し、熟練者からの要求に応じてS92の処理を実行してもよい。
・「写像の出力値の妥当性の判定処理について」
第1写像データとしての実用写像データ76aによって規定される写像の出力値と整合しているか否かの判定処理の後、整合していないとされる場合に、他の手段を用いて妥当性を判定するものに限らない。たとえば、実用写像データ76aによって規定される写像の出力値または同写像よりも精度の高い写像の出力値と評価写像データ76bによって規定される写像の出力値との整合性の判定処理によって、整合しないと判定される場合に、評価写像データ76bによって規定される写像の出力値が妥当ではないと判定してもよい。
また、たとえば、車載センサに評価写像データ76bによって規定される写像の出力値に関する変数の値を検出するものを含め、その検出値を教師データとして出力値と整合しているか否かを判定し、整合しないと判定される場合に、同写像の出力値が妥当ではないと判定してもよい。これは、たとえば「車両の既定の状態について」の(c)に記載した燃焼室18内の圧力のピーク値を出力する写像が評価写像データ76bによって規定される写像である場合、燃焼室18内の圧力を検出するセンサを車載センサに含めることにより実現できる。
・「更新処理について」
上記実施形態では、ある領域においてのみ使用する評価写像データ76bを学習する際には、その領域の訓練データのみを用いたが、これに限らない。たとえば、図7の領域A1以外の領域で使用する評価写像データ76bの再学習に際して、領域A1の訓練データを所定割合混ぜてもよい。
・「環境変数について」
評価写像データ76bによって規定される写像の出力値の精度との関係が検証される環境変数としては、上記実施形態において例示したものに限らない。たとえば、車両VC1の周囲の天候や、風速を示す変数であってもよい。特に、触媒温度Tcat等については、触媒30の放熱条件が天候や風速の影響を受けるため、それらの変数を用いることが有効である。なお、天候を示す変数の値や風速を示す変数の値については、車両VC1から送信してもよいが、これに代えて、データ解析センター120において、車両VC1の位置データPgpsに基づき、天候に関する情報等を提供する機関から取得してもよい。
・「運転状態を示す変数について」
評価写像データ76bによって規定される写像の出力値の精度との関係が検証される運転状態を示す変数としては、上記実施形態において例示したものに限らない。特に、燃焼制御モード値MCについては、上述した区分に限らず、たとえば、上記実施形態の1つで用いた区分を別の実施形態において適用してもよい。
・「第1写像データによって規定される写像の出力値に基づく操作処理について」
上記実施形態では、第1写像データによって規定される写像の出力値に基づき所定のハードウェアを操作する操作処理として、車両に搭載されている警告灯104を操作する報知処理を例示したが、報知処理としては、これに限らない。たとえばユーザの携帯端末に、異常が生じた旨の情報を表示させるために通信機77を操作する処理としてもよい。
操作処理としては、報知処理に限らない。たとえば、内燃機関10の燃焼室18内の混合気の燃焼を制御するための操作部を、失火が生じた旨の情報に応じて操作する処理であってもよい。また、たとえば図14に記載したように、評価写像データ76bがインバランス異常の有無の判定結果を出力する写像の場合、インバランス異常を抑制するように燃料噴射弁を操作する処理としてもよい。また、たとえば図16に記載したように、評価写像データ76bがPM量を出力する写像の場合、フィルタの温度を上昇させるための内燃機関10の操作部を操作することによって、PMを燃焼除去する処理としてもよい。また、たとえば図17に記載したように、評価写像データ76bが触媒30の温度を出力する写像の場合、触媒30の温度を上昇させるための内燃機関の操作部を操作する処理であってもよい。なお、この場合の操作処理は、たとえば触媒の再生処理とすればよい。
・「第1実行装置および第2実行装置の役割分担について」
たとえば、第1写像データとしての実用写像データ76aについては記憶装置76に記憶するものの、第2写像データとしての評価写像データ76bを記憶装置126に記憶しておき、CPU122によって、図3の処理を実行してもよい。その場合、図4の処理を、たとえば次のように変更すればよい。
1.CPU72側から、CPU122側に、評価写像データ76bによって規定される写像への入力データを送信する。CPU122側からCPU72側に、同写像の出力値を送信する。CPU72において、実用写像データ76aによって規定される写像の出力値と評価写像データ76bによって規定される写像の出力値とが整合しているか否かを判定する。CPU72は、整合していないと判定する場合に、関連するデータを送信する。
2.CPU72側からCPU122側に、評価写像データ76bによって規定される写像への入力データに加えて、実用写像データ76aによって規定される写像の出力値を送信する。CPU122において、実用写像データ76aによって規定される写像の出力値と評価写像データ76bによって規定される写像の出力値とが整合しているか否かを判定する。なお、CPU122は、整合していないと判定する場合、CPU72に対し、入力データ以外の関連するデータを送信するように要求してもよい。
さらに、第2写像データとしての評価写像データ76bのみならず、第1写像データとしての実用写像データ76aについても記憶装置126に記憶してもよい。その場合、CPU72側からCPU122側に、実用写像データ76aによって規定される写像への入力データおよび評価写像データ76bによって規定される写像への入力データを送信すればよい。
また、たとえば、第2実行装置を、CPU122およびROM124に加えて、携帯端末が備えるCPUおよびROMによって構成してもよい。これは、たとえば、上記第1の実施形態において、図3の処理を携帯端末によって実行してその結果を制御装置70に送信することによって実現できる。
・「車両用学習装置について」
データ解析センター120に代えて携帯端末を用いて車両用学習装置を構成してもよい。これは、たとえば携帯端末の記憶装置に、「妥当性判定処理について」の欄に記載した実用写像データよりも精度の高い写像を規定するデータ等を記憶しておき、携帯端末によって図4(b)に準じた処理および図6(b)の処理を実行することなどにより実現できる。なお、その場合、車両VC1のユーザの携帯端末には、車両VC1に関するデータのみが送信されるものとしてもよい。
・「第1実行装置や第2実行装置の構成について」
第1実行装置や第2実行装置としては、CPU72(102)とROM74(104)とを備えて、ソフトウェア処理を実行するものに限らない。たとえば、上記実施形態においてソフトウェア処理されたものの少なくとも一部を、ハードウェア処理する専用のハードウェア回路(たとえばASIC等)を備えてもよい。すなわち、第1実行装置や第2実行装置は、以下の(a)〜(c)のいずれかの構成であればよい。(a)上記処理の全てを、プログラムに従って実行する処理装置と、プログラムを記憶するROM等のプログラム格納装置とを備える。(b)上記処理の一部をプログラムに従って実行する処理装置およびプログラム格納装置と、残りの処理を実行する専用のハードウェア回路とを備える。(c)上記処理の全てを実行する専用のハードウェア回路を備える。ここで、処理装置およびプログラム格納装置を備えたソフトウェア実行装置や、専用のハードウェア回路は複数であってもよい。
・「記憶装置について」
上記実施形態では、評価写像データ76bや実用写像データ76aが記憶される記憶装置76と、再学習サブプログラム74bが記憶される記憶装置であるROM74とを別の記憶装置としたが、これに限らない。またたとえば、再学習用データ126aが記憶される記憶装置126と、再学習メインプログラム124aが記憶される記憶装置であるROM124とを別の記憶装置としたが、これに限らない。
・「内燃機関について」
上記実施形態では、燃料噴射弁として、燃焼室18内に燃料を噴射する筒内噴射弁を例示したがこれに限らない。たとえば吸気通路12に燃料を噴射するポート噴射弁であってもよい。またたとえば、ポート噴射弁と筒内噴射弁との双方を備えてもよい。
内燃機関としては、火花点火式内燃機関に限らず、たとえば燃料として軽油などを用いる圧縮着火式内燃機関等であってもよい。
内燃機関が駆動系を構成すること自体必須ではない。たとえば、車載発電機にクランク軸が機械的に連結され、駆動輪60とは動力伝達が遮断されたいわゆるシリーズハイブリッド車に搭載されるものであってもよい。
・「車両について」
車両としては、車両の推進力を生成する装置が内燃機関のみとなる車両に限らず、たとえば「内燃機関について」の欄に記載したシリーズハイブリッド車以外にも、パラレルハイブリッド車や、シリーズ・パラレルハイブリッド車であってもよい。さらに、内燃機関を搭載しない電気自動車であってもよい。
・「そのほか」
クランク軸と駆動輪との間に介在する駆動系装置としては、有段の変速装置に限らず、たとえば無段変速装置であってもよい。
10…内燃機関、12…吸気通路、14…スロットルバルブ、16…吸気バルブ、18…燃焼室、20…燃料噴射弁、22…点火装置、24…クランク軸、26…排気バルブ、28…排気通路、30…触媒、32…EGR通路、34…EGRバルブ、40…クランクロータ、42…歯部、44…欠け歯部、50…トルクコンバータ、52…ロックアップクラッチ、54…変速装置、56…入力軸、58…出力軸、60…駆動輪、70…制御装置、72…CPU、74…ROM、74a…失火検出プログラム、74b…再学習サブプログラム、76…記憶装置、76b…評価写像データ、77…通信機、78…周辺回路、79…ローカルネットワーク、80…クランク角センサ、82…エアフローメータ、84…吸気温センサ、86…排気温センサ、88…上流側空燃比センサ、90…下流側空燃比センサ、92…水温センサ、94…シフト位置センサ、96…大気圧センサ、98…車速センサ、100…加速度センサ、102…GPS、104…警告灯、110…ネットワーク、112…表示装置、114…インターフェース、120…データ解析センター、122…CPU、124…ROM、124a…再学習メインプログラム、126…記憶装置、126a…再学習用データ、127…通信機、128…周辺回路、129…ローカルネットワーク。

Claims (15)

  1. 車両に搭載される第1実行装置と、車載装置とは別の第2実行装置と、記憶装置と、を備え、
    前記記憶装置には、車載センサの検出値に基づく入力データを入力とし車両の既定の状態に関する情報を有した出力値を出力する写像を規定するデータであって機械学習によって学習されたデータを含む写像データが記憶されており、
    前記入力データを取得する取得処理と、前記取得処理によって取得された前記入力データを前記写像の入力として前記出力値を算出する算出処理と、前記出力値に対応する変数とは別の所定の変数と前記出力値の精度との関係を評価する関係評価処理と、を前記第1実行装置および前記第2実行装置の協働により実行し、
    少なくとも前記取得処理は、前記第1実行装置によって実行され、
    少なくとも前記関係評価処理は、前記第2実行装置によって実行される車両用学習システム。
  2. 前記所定の変数は、前記入力データに対応する変数とは別の変数を含む請求項1記載の車両用学習システム。
  3. 前記写像は、前記入力データが入力されて前記出力値を出力する関数近似器によって構成され、
    前記第2実行装置は、前記関係評価処理の評価結果に基づき、前記写像データを更新する更新処理を実行し、
    前記更新処理は、前記所定の変数の値に応じて利用する前記写像データを各別のデータに分割する分割処理を含む請求項1または2記載の車両用学習システム。
  4. 前記写像は、前記入力データが入力されて前記出力値を出力する関数近似器によって構成され、
    前記記憶装置は、前記写像データとして複数のデータを記憶しており、
    前記算出処理は、前記所定の変数の値に応じて前記出力値の算出に利用する前記写像データを選択する選択処理を含み、
    前記第2実行装置は、前記関係評価処理の評価結果に基づき、前記写像データを更新する更新処理を実行し、
    前記更新処理は、前記所定の変数の値と前記写像データとの関係を変更する変更処理を含む請求項1または2記載の車両用学習システム。
  5. 前記第2実行装置は、前記関係評価処理の評価結果に基づき、前記写像データを更新する更新処理を実行し、
    前記更新処理は、前記所定の変数を、前記写像への入力変数に追加する追加処理を含む請求項1または2記載の車両用学習システム。
  6. 前記所定の変数は、前記車両の位置情報を示す変数である位置情報変数を含む請求項3〜5のいずれか1項に記載の車両用学習システム。
  7. 前記車両は、内燃機関を備え、
    前記車載センサの検出値は、前記内燃機関の状態を検出するものであり、
    前記既定の状態は、前記内燃機関の状態である請求項3〜6のいずれか1項に記載の車両用学習システム。
  8. 前記所定の変数は、前記内燃機関の吸入空気の温度を示す吸気温度変数を含む請求項7記載の車両用学習システム。
  9. 前記所定の変数は、前記車両が位置する地点における大気圧を示す変数である大気圧変数を含む請求項7または8記載の車両用学習システム。
  10. 前記所定の変数は、前記車両に搭載される内燃機関のクランク軸の回転速度を示す変数である回転速度変数を含む請求項7記載の車両用学習システム。
  11. 前記写像は、第2写像であり、
    前記写像データは、第2写像データであり、
    前記入力データは、第2入力データであり、
    前記出力値は、第2出力値であり、
    前記取得処理は、第2取得処理であり、
    前記算出処理は、第2算出処理であり、
    前記記憶装置は、前記車載センサの検出値に基づく第1入力データを入力とし前記既定の状態に関する情報を有した出力値である第1出力値を出力する第1写像を規定するデータである第1写像データを記憶しており、
    前記第1実行装置および前記第2実行装置の協働により、前記車載センサの検出値に基づく前記第1入力データを取得する第1取得処理と、前記第1取得処理によって取得された前記第1入力データを前記第1写像の入力として前記第1出力値を算出する第1算出処理と、前記第1出力値と前記第2出力値とが整合するか否かを判定する整合性判定処理と、前記整合性判定処理による判定結果に基づき、前記第2出力値の妥当性を判定する妥当性判定処理と、が実行され、
    前記関係評価処理は、前記所定の変数の値に対する前記妥当性判定処理によって妥当性に欠けると判定される頻度分布を求める処理を含む請求項3〜10のいずれか1項に記載の車両用学習システム。
  12. 前記第1実行装置は、前記第1取得処理、前記第1算出処理、前記第2取得処理、前記第2算出処理、前記整合性判定処理、および前記整合性判定処理によって整合しないと判定されるときの前記第2入力データを送信する車両側送信処理を実行し、
    前記第2実行装置は、前記車両側送信処理によって送信されたデータを受信する車両外受信処理、前記関係評価処理、および前記更新処理を実行する請求項11記載の車両用学習システム。
  13. 前記第2実行装置は、前記更新処理によって更新した前記第1写像データを送信する更新データ送信処理を実行し、
    前記第1実行装置は、前記更新データ送信処理によって送信されたデータを受信する更新データ受信処理を実行する請求項12記載の車両用学習システム。
  14. 請求項12または13記載の前記第1実行装置および前記記憶装置を備える車両用制御装置。
  15. 請求項12または13記載の前記第2実行装置を備える車両用学習装置。
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