以下、図面を用いて、本発明に係る遊技台(例えば、パチンコ機100等の弾球遊技機やスロット機等の回胴遊技機)について詳細に説明する。
<全体構成>
まず、図1を用いて、本発明の第1実施形態に係るパチンコ機100の全体構成について説明する。同図はパチンコ機100を前方側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
パチンコ機100は、所定条件が成立すると遊技者が利益を獲得することができる遊技台であって、外枠102と、内枠104と、前面枠扉106と、上部演出ユニットDUと、発射装置と、遊技盤200、をその前面(遊技者側)に備える。前面枠扉106には、下部ユニットUUが設けられている。
図2は、外枠102と上部演出ユニットDUを示す斜視図である。
外枠102は、遊技機設置営業店に設けられた設置場所(島設備等)へと固定させるための縦長方形状から成る枠部材である。すなわち、図2に示すように、左側板1021、右側板1022、天板1023、地板1024で組み立てられたものである。天板1023には、固定ボードFMが取り付けられている。この固定ボートFMは、上部演出ユニットDUを外枠102に固定するためのものであるが、固定ボートFMの左端部分には、上側ヒンジ受け部FM1が設けられている。また、地板1024の上には、装飾パネル1025が設けられ、外枠102の前側下端部は、この装飾パネル1025によって覆われ、意匠性が高められている。装飾パネル1025の奥には、下部スピーカ121が配置されており、左端の奥にはバスレフ型スピーカ123も配置されている。また、装飾パネル1025の上縁部の左側部分には、下ヒンジ軸1026aが設けられた下側ヒンジベース1026が取り付けられている。
図2に示す上部演出ユニットDUは外枠102に取り付けられる前の状態であり、上部演出ユニットDUの本体部DU0からは、先端に第1コネクタcn1が設けられたハーネスhnが延びている。図2では、第1コネクタcn1は未結合である。上部演出ユニットDUの本体部DU0には、中央に半球形状のレンズで覆われた第1表示部DU1が設けられ、その両脇にスピーカDU2が配置さられている。また、上部演出ユニットDUの左端には、押下すると遊技店の店員を呼び出すことができる呼出ボタンDU3が設けられ、右端には、第2表示部DU4が設けられている。第1表示部DU1では、遊技中に演出表示が行われる。例えば、通常時は非表示であって、大当り確定時や大当り遊技中、あるいは後述する小当りラッシュ中に表示が行われる。また、第1表示部DU1では、非遊技中には、大当り回数や確変状態の継続回数や遊技回数等の遊技履歴表示が行われる。遊技履歴表示は、遊技中にも表示されるものであってもよいし、遊技中に演出表示から切り替えられるものであってもよい。一方、右端の第2表示部DU4では、エラー表示が行われる。
図3は、内枠104を示す斜視図である。図3(a)は、左斜め前方から内枠104を見た場合の斜視図であり、同図(b)は、右斜め前方から内枠104を見た場合の斜視図である。
内枠104は、施錠機能付きで且つ、ヒンジ機構を介して外枠102に回動自在に装着された縦長方形状の遊技機基軸体となる扉部材である。内枠104の、前側左上部には上ヒンジ軸1041が設けられ、前側左下部には下ヒンジ受け部1042が設けられている。上ヒンジ軸1041は、図2に示す上側ヒンジ受け部FM1に下方から挿入され、図2に示す下ヒンジ軸1026aが、下ヒンジ受け部1042の孔(不図示)に挿入され、内枠104は、外枠102に対して回動自在になる。遊技店の店員は、この内枠104を開閉操作することが可能であり、内枠104が開いたことを検出する内枠開放センサが設けられている。
また、上ヒンジ軸1041が設けられた箇所には、前面枠扉106用の上ヒンジ受け部1043が設けられている。さらに、内枠104には、前面枠扉106用の下ヒンジ軸1044aが設けられた下側ヒンジベース1044が取り付けられている。
内枠104は、内枠ベース1040によって枠状に形成され、内枠ベース1040の内側に空間部114を有する。この空間部114に臨むように、所定の固定部材を用いて、遊技盤200が内枠104に着脱自在に装着されている。内枠104に対する遊技盤200の取付構造は、様々な構造を採用可能であるが、例えば、内枠104の左側(ヒンジ機構が設けられている側)に遊技盤200の左側部を挿入し、ここを回動中心として遊技盤200を回動させつつ遊技盤200の右側部を内枠104に押圧し、セットする構造を採用可能であり、このような構造であれば作業性を向上できる場合がある。
遊技盤200は、板状の本体となる遊技板201に各種の部品が取り付けられたユニットである。図3に示す遊技板201には、外レール202と内レール204が取り付けられており、遊技球が転動可能な遊技領域124の盤面方向が区画形成されている。外レール202は、左レール2021と右レール2022から構成されている。遊技領域124のうち、外レール202と内レール204との間の領域は発射された遊技球を案内する案内領域201aを形成している。遊技領域124の前後方向は、遊技板201の前面と後述する透明板部材118とで区画形成されている。以下の説明では、遊技領域124以外の領域を非遊技領域と呼ぶ場合がある。遊技領域124と非遊技領域とは外レール202を境界として区別することができる。また、遊技球の発射強度を最大にした状態で遊技球が通過する領域よりも内側の領域は少なくとも遊技領域124と呼ぶことができる。遊技領域124は、遊技領域124内に演出装置等が存在することで遊技球が通過しない領域を含む場合がある。遊技中に遊技球が流下する点で遊技領域124を流下領域と呼び、メンテナンスやアクシデントを除いて遊技中に遊技球が流下しない点で非遊技領域を非流下領域と呼ぶ場合がある。遊技領域124は、その全域を流下領域と呼ぶことも可能であるが、演出装置等の存在により遊技球が流下することがない領域は非流下領域と呼んでもよい。なお、遊技領域124は、遊技盤200を内枠104に装着した後、後述する透明板部材118越しに観察することができる。
また、遊技板201の左上隅には、ここでは不図示の第2コネクタcn2(図37参照)が配置されており、その第2コネクタcn2を前側から覆うようにハーネスカバー1045が設けられている。
遊技板201は、例えば、樹脂により形成され、その表面(正面)は、パチンコ機100のキャラクタ等を表示した装飾面を構成する。装飾面は、例えば、パチンコ機100のキャラクタ等を印刷したシートを貼り付けることで形成してもよい。
遊技板201の右下方には振動センサ(不図示)が配設されている。振動センサで検出された場合、エラー処理(例えば、図2に示す上部演出ユニットDUの第2表示部DU4におけるエラー表示や、音による報知、遊技の継続を不能とする遊技停止等)を行うことができる。振動センサは磁気センサ等、他の不正検出センサであってもよい。
さらに、遊技板201には、装飾図柄表示装置208とアウト口240が配置されている。図3では、装飾図柄表示装置208とアウト口240を模式的に示している。装飾図柄表示装置208は、遊技領域124の略中央に相当する位置に設けられたものである。装飾図柄表示装置208は、装飾図柄ならびに演出に用いる様々な表示を行うための表示装置であり、本実施形態では液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)によって構成する。この装飾図柄表示装置208は、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cおよび演出表示領域208dの4つの表示領域に分割し、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208bおよび右図柄表示領域208cはそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、演出表示領域208dは演出に用いる画像を表示する。さらに、各表示領域208a、208b、208c、208dの位置や大きさは、装飾図柄表示装置208の表示画面内で自由に変更することを可能としている。なお、装飾図柄表示装置208として液晶表示装置を採用しているが、液晶表示装置でなくとも、種々の演出や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、有機EL(ElectroLuminescence)表示装置、リール(ドラム)式表示装置、リーフ式表示装置、プラズマディスプレイ、プロジェクタを含む他の表示デバイスを採用してもよい。
遊技板201には、これらの他、図示省略しているが、普通図柄表示装置、第1特別図柄表示装置、第2特別図柄表示装置、普通図柄保留ランプ、第1特別図柄保留ランプ、第2特別図柄保留ランプ、高確中ランプ、電サポ中ランプ、右打ちランプ、ラウンド表示ランプが配設されている。なお、以下、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」と称する場合がある。また、本実施形態では、光源をLEDとするものもランプと称する(以下においても同じ)。
普図表示装置は、普図の表示を行うための表示装置であり、本実施形態では縦2つのLEDによって構成する。第1特図表示装置および第2特図表示装置は、特図の表示を行うための表示装置であり、本実施形態ではそれぞれ上下2段、合計8つのLEDによって構成する。
普図保留ランプは、保留している普図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、本実施形態では、普図変動遊技を所定数(例えば、4つ)まで保留することを可能としている。第1特図保留ランプは、保留している特図変動遊技の数を示すためのランプであり、本実施形態では、特図変動遊技を所定数(例えば、4つ)まで保留することを可能としている。また、第2特図保留ランプは、保留している特図変動遊技の数を示すためのランプであり、本実施形態では、特図変動遊技を所定数(例えば、4つ)まで保留することを可能としている。
また、高確中ランプは、遊技状態が大当りが発生し易い高確率状態であること、または高確率状態になることを示すためのランプである。電サポ中ランプは、普図の変動表示時間が短縮されるとともに、後述する電動チューリップ(電チュー)の羽根部材が長時間開放しやすい電サポ状態であることを示すためのランプである。右打ち表示ランプは、大当り遊技状態、確変状態及び電サポ状態であって、遊技者が右打ちすることでその恩恵を得られる状態となったことを示すためのランプである。ラウンド表示ランプは、大当りとなった場合に、当該大当りに係る大当り遊技におけるラウンド数を示すためのランプである。
さらに、遊技板201には、図示省略しているが、普図始動口が配置されている。普図始動口は、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる、遊技領域124の所定の領域を球が通過したか否かを判定するための装置で構成しており、本実施形態では遊技板201の右側に1つ配設している。普図始動口を通過した球は、遊技島側に排出することはないが、入球した場合に所定の個数(例えば、1個)の賞球を払い出すとともに、入球した遊技球をパチンコ機100の裏側に誘導して遊技島側に排出するようにしてもよい。球が普図始動口を通過したことを所定の球検出センサが検出した場合、パチンコ機100は、普図表示装置による普図変動遊技を開始する。
また、遊技板201には、図示省略しているが、第1特図始動口が1つ配設されている。第1特図始動口は、遊技領域124の中央下部に相当する位置に配設されている。この第1特図始動口への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、4個)の球を賞球として球貯留皿126(図1等参照)に排出するとともに、第1特図表示装置による特図変動遊技を開始する。第1特図始動口に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
また、遊技板201には、図示省略しているが、アタッカユニットも配設されている。アタッカユニットは、遊技領域124の右下部に相当する位置に配設されている。このアタッカユニットにも電チュータイプの第1特図始動口が別途設けられている。以下、遊技領域124の中央下部に設けられた第1特図始動口を第1特図始動口(固定)と称し、アタッカユニットに別途設けられた電チュータイプの第1特図始動口を第1特図始動口(可変)と称して両者を区別する場合がある。
また、アタッカユニットには、第1特図始動口(可変)の他に、第2特図始動口や、複数の可変入賞口(アタッカ)も設けられている。中央下部に設けられた第1特図始動口(固定)は、その配置上、右打ちした場合には、遊技球の入球が困難な構成となっている。一方、左側からであれば第1特図始動口(固定)を狙うこともできる。したがって、中央下部に設けられた第1特図始動口(固定)は、左打ちを行うことで入球を期待することができる始動口である。
さらに、遊技板201には、図示省略しているが、複数の一般入賞口、複数個の円盤状の打球方向変換部材(風車)、複数個の遊技釘も配設されている。一般入賞口に入球すると所定の球検出センサ(図示省略)が検出し、一般入賞口に入賞したとして、後述する払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、4個)の球を賞球として球貯留皿126(図1等参照)に排出する。なお、一般入賞口に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
図3において模式的に示したアウト口240は、遊技領域124の最下部に設けられたものであり、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球をパチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのものである。
このパチンコ機100では、遊技者が球貯留皿126に貯留している球を発射レールの発射位置に供給し、遊技者の操作ハンドルの操作量に応じた強度で発射モータを駆動し、発射杆および発射槌によって外レール202、内レール204を通過させて遊技領域124に打ち出す。そして、遊技領域124の上部に到達した球は、打球方向変換部材や遊技釘等によって進行方向を変えながら下方に流下し、各種の入賞口や始動口に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなく、または普図始動口を通過するのみでアウト口240に到達する。また、本実施形態では、遊技板201よりも裏側に、遊技領域124から排出されるすべての遊技球を受け入れる裏球通路2011(図40参照)が設けられている。この裏球通路2011には、遊技球の通過を検出するアウト球検出センサが設けられている。なお、アウト球検出センサは、遊技板201側に設けられていてもよい。本実施形態では、遊技領域124から排出されるすべての遊技球(アウト口240から排出された遊技球と各種入賞口に入賞した遊技球とを含む)は、この裏球通路2011を通ってパチンコ機100外に排出されるように構成されているが、アウト口240から排出された遊技球のみがアウト球検出センサを通過するようにしてもよい。
また、内枠104の、遊技板201よりも下側の部分には、発射装置110と、球発射ハンドル134が取り付けられている。発射装置110は、球発射ハンドル134が遊技者に操作されることによって、遊技球を遊技領域124へ向けて発射する。なお、発射装置110は、遊技者に球発射ハンドル134が継続的に発射操作されている間は、所定の発射期間(例えば0.6秒)の経過ごとに遊技球を遊技領域124へ向けて発射する。図3に示す発射ハンドル134の軸固定部分は、装飾カバー1046によって覆われている。
また、図3(a)に示すように、内枠ベース1040の左側板1040Lには、凹部空間DSが形成されており、その凹部空間DSには、下方に向けて開口した開口ohが設けられている。また、内枠ベース1040よりも後ろ側には、裏機構ベース1047が配置されている。
図4は、前面枠扉106を示す図である。図4(a)は、左斜め前方から前面枠扉106を見た場合の斜視図であり、同図(b)は、右斜め前方から前面枠扉106を見た場合の斜視図である。
前面枠扉106は、施錠機能付きで且つ開閉自在となるようにパチンコ機100の前面側となる内枠104の前面に対しヒンジ機構を介して装着され、枠状に構成されることでその内側を開口部とした扉部材である。図4(a)に示すように、前面枠扉106の、後側左上部には上ヒンジ軸1061が設けられ、同図(b)に示すように、後側左下部には下ヒンジ受け部1062が設けられている。上ヒンジ軸1061は、図3に示す上ヒンジ受け部1043の切り欠きに嵌め込まれ、同じく図3に示す下ヒンジ軸1044aが、下ヒンジ受け部1062の孔(不図示)に挿入され、前面枠扉106は、内枠104に対して回動自在になる。遊技店の店員は、この前面枠扉106も開閉操作することが可能であり、前面枠扉106が開いたことを検出する扉開放センサも設けられている。
前面枠扉106の前面側には、左枠ランプ122Lおよび右枠ランプ122Rが取り付けられている。
また、この前面枠扉106には、開口部にガラス製又は樹脂製の透明板部材118が設けられている。前面枠扉106における、開口部よりも下の部分(以下、この部分を「下側ベース部」という。)1060には、図1に示すように、下部ユニットUUが取り付けられる。図1に示す下部ユニットUUには、中央に演出ボタン136が配置されている。演出ボタン136には、演出ボタン136を発光させるボタンランプが内蔵されている。演出ボタン136の右側には、複数の遊技球が貯留可能で且つ発射装置110へと遊技球を案内させる通路が設けられている球貯留皿126が配置されている。図4に示すように、この球貯留皿126は、下側ベース部1060の左側の上方に設けられたものである。また、下側ベース部1060には球抜き通路1266が設けられており、この球抜き通路1266の上端は球貯留皿126につながっている。また、下側ベース部1060における、球貯留皿126の右横には、球流しボタン131が設けられている。この球流しボタン131については、詳しくは後述する。なお、図1では、球流しボタン131は演出ボタン136に隠れて見えない。
さらに、下側ベース部1060の右側の上方には、操作パネルOPが設けられている。図1に示すように、前面枠扉106に下部ユニットUUが取り付けられた状態では、この操作パネルOPは、演出ボタン136よりも右側に位置する。操作パネルOPには、遊技店に設置されたカードユニット(CRユニット)に対して球貸し指示を行う球貸操作ボタン140が設けられている。また、球貸操作ボタン140の右横には、カードユニットに対して遊技者の残高の返却指示を行う返却操作ボタン141も設けられている。さらに、操作パネルOPには、十字キーや決定ボタンが配置された操作キーユニット190も配置されている。操作パネルOPについての、より詳しい説明は後述する。また、下側ベース部1060における、操作パネルOPの左横には、球貯留皿126に貯留された遊技球を遊技者の操作によって球貯留皿126から排出させる球抜ボタン130が配設されている。
また、図4(a)に示すように、前面枠扉106の左側面には、切り欠きCSが設けられている。この切り欠きCSは、内枠104に前面枠扉106が取り付けられた状態では、内枠104に形成された凹部空間DSにつながるものである。
図5は、図1のパチンコ機100を裏側から見た背面図である。
パチンコ機100の背面上部には、上方に開口した開口部を有し、遊技球を一時的に貯留するための球タンク150と、この球タンク150の下方に位置し、球タンク150の底部に形成した連通孔を通過して落下する球を背面右側に位置する払出装置152に導くためのタンクレール154とを配設している。
払出装置152は、筒状の部材からなり、その内部には、不図示の払出モータとスプロケットと払出センサとを備えている。この払出装置152は、着脱自在なものであり、所定位置に装着されると、タンクレール154の下流端に接続する。
スプロケットは、払出モータによって回転可能に構成されており、タンクレール154を通過して払出装置152内に流下した遊技球を一時的に滞留させると共に、払出モータを駆動して所定角度だけ回転することにより、一時的に滞留した遊技球を払出装置152の下方へ1個ずつ送り出すように構成している。すなわち、払出装置152は、遊技球に駆動力を与えてその遊技球を搬送する球送り装置の一種である。
払出センサは、スプロケットが送り出した遊技球の通過を検知するためのセンサであり、遊技球が通過しているときにハイまたはローの何れか一方の信号を、遊技球が通過していないときはハイまたはローの何れか他方の信号を払出制御部600(図6参照)へ出力する。この払出センサを通過した遊技球は、不図示の球レールを通過してパチンコ機100の前面側に配設した球貯留皿126に到達するように構成しており、パチンコ機100は、所定の付与条件が成立したことに基づいて遊技者にその付与条件に応じた量の遊技価値(遊技球)をこの構成により付与する(払い出す)。
払出装置152の図中左側には、遊技全般の制御処理を行う主制御部300(図6参照)を構成する主基板156を収納する主基板ケース158、主制御部300が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第1副制御部400(図6参照)を構成する第1副基板160を収納する第1副基板ケース162、第1副制御部400が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第2副制御部500(図6参照)を構成する第2副基板164を収納する第2副基板ケース166、遊技球の払出に関する制御処理を行う払出制御部600(図6参照)を構成するとともに遊技店員の操作によってエラーを解除するエラー解除スイッチ168を備える払出基板170を収納する払出基板ケース172、遊技球の発射に関する制御処理を行う発射制御部630(図6参照)を構成する発射基板174を収納する発射基板ケース176、各種電気的遊技機器に電源を供給する電源制御部660(図6参照)を構成するとともに遊技店員の操作によって電源をオンオフする電源スイッチ178と電源投入時に操作されることによってRAMクリア信号を主制御部300に出力するRAMクリアスイッチ180とを備える電源基板182を収納する電源基板ケース184、および払出制御部600とカードユニットとの信号の送受信を行うCRインターフェース部186を配設している。
球タンク150や、タンクレール154や、払出装置152や、主基板156、第1副基板160、第2副基板164等の各種基板は、図3(a)にも示した裏機構ベース1047に取り付けられたものである。
また、本実施形態では、主基板156上に、設定変更キー192と、設定変更ボタン194及び役物比率・設定表示器196が設けられている。本実施形態では、電源投入時にRAMクリアスイッチ180が押下されることを条件に設定変更キー192が操作されると、少なくとも大当り確率が異なる複数の設定からいずれかに設定することができる設定変更モードに移行することができる。設定変更モードにおいては、現在の設定が役物比率・設定表示器196に表示され、店員は、これを確認しながら設定変更ボタン194を押下することにより設定の変更を行うことができる。なお、電源投入時にRAMクリアスイッチ180の押下がなくとも、電源投入時に設定変更キー192が操作された場合に設定変更可能な構成としてもよい。
役物比率・設定表示器196は、主基板156に実装されるとともに主基板ケース158の内部に配置される7セグLED基板であり、店員に視認可能な態様で取り付けられている。役物比率・設定表示器196は、図13(A)に示すように、2ケタの7セグLEDが上下に配置されるとともに、右側に1ケタの7セグLEDがモジュール化されたものであり、役物比率モニタは、役物比率(YH)及び連続役物比率(RY)を報知するインジケータであり、設定モニタは、現在の設定を確認するためのモニタである。役物比率・設定表示器196は、例えば、赤色の単色LEDにより構成されているが、赤・緑・オレンジの3色により発光可能なものとしてもよいし、フルカラーLEDであってもよい。なお、役物比率・設定表示器196のうちの少なくとも一部を、例えば、遊技盤200に設けて遊技者に視認可能としてもよい。
また、本実施形態では、第1副基板ケース162の背面に、ディップスイッチ基板198が配設されている。ディップスイッチ基板198の詳細については後述する。
次に、図6を用いて、このパチンコ機100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の機能ブロック図を示したものである。パチンコ機100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」という)に応じて主に演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、主制御部300が送信するコマンドに応じて主に遊技球の払出しに関する制御を行う払出制御部600と、遊技球の発射制御を行う発射制御部630と、パチンコ機100に供給される電源を制御する電源制御部660とを備えて構成されている。
まず、パチンコ機100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えている。基本回路302には、CPU304と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、プログラム処理の異常を監視するWDT314と、乱数値生成回路(カウンタ回路)318(この回路には2つのカウンタを内蔵しているものとする)とを搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400や第2副制御部500についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器316bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、乱数値生成回路318は、水晶発振器316aが出力するクロック信号を受信する度に0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している。なお、乱数値生成回路318は、基本回路302に内蔵したものとしているが、基本回路302に対して接続されるものであってもよい。
また、基本回路302には、所定の球検出センサ、例えば各始動口、入賞口、可変入賞口を通過する遊技球を検出するセンサや球貯留皿満タンセンサを含む各種センサ320が出力する信号を受信し、増幅結果や基準電圧との比較結果を基本回路302におけるCPU304や乱数値生成回路318等に出力するためのセンサ回路322と、所定の図柄表示装置、例えば第1特図表示装置212や第2特図表示装置214の表示制御を行うための駆動回路324と、所定の図柄表示装置、例えば普図表示装置210の表示制御を行うための駆動回路326と、各種状態表示部328(例えば、普図保留ランプ216、特図1保留ランプ218、特図2保留ランプ220、高確中ランプRK、電サポ中ランプRD、右打ちランプRM、ラウンド表示ランプRR等)の表示制御を行うための駆動回路330と、所定の可動部材、例えば、普通電動役物としての第1特図始動口(可変)の羽根部材を駆動する駆動手段や、特別電動役物としての可変入賞口の扉部材を駆動する駆動手段等を含む各種ソレノイド332を制御するための駆動回路334と、を接続している。本例では水晶発振器316aと乱数値生成回路318とが別に設けられているが、水晶発振器316aは乱数値生成回路318に含まれていてもよい。
なお、第1特図始動口に球が入賞したことを球検出センサが検出した場合には、センサ回路322は球を検出したことを示す信号を基本回路302における乱数値生成回路318に出力する。この信号を受信した乱数値生成回路318は、第1特図始動口に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、特図1に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。また、乱数値生成回路318は、第2特図始動口に球が入賞したことを示す信号を受信した場合も同様に、第2特図始動口に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、特図2に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。
さらに、基本回路302には、情報出力回路336を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路336を介し、図示しない外部端子板を経由して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路350にパチンコ機100の各種の遊技情報(例えば、大当り回数や確変状態の継続回数や遊技回数等)を出力する。本実施形態のパチンコ機100では、上述のごとく、上部演出ユニットDUの第1表示部DU1に、各種の遊技情報に基づく遊技履歴表示を表示する。なお、上部演出ユニットDUの第1表示部DU1に表示される遊技履歴表示は、外部のホールコンピュータから送信されてくる情報に基づく表示であってもよい。
また、主制御部300には、電源制御部660から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路338を設けており、この電圧監視回路338は、電源の電圧値が所定の値(本例では9V)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
また、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340を設けており、CPU304は、この起動信号出力回路340から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースと、払出制御部600にコマンドを送信するための出力インタフェースとをそれぞれ備えており、この構成により、第1副制御部400および払出制御部600との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300と払出制御部600との情報通信は双方向の通信である。主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。ただし、主制御部300と第1副制御部400との情報通信が双方向通信により行われるように構成してもよい。また、払出制御部600は、主制御部300にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、払出制御部600から主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成してもよい。
次に、パチンコ機100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主に主制御部300が送信したコマンド等に基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えている。基本回路402には、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412と、シリアル通信制御回路424とを搭載している。この基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、基本回路402には、制御プログラムや各種演出データを記憶するためのROM406が接続されている。なお、ROM406は、制御プログラムと各種演出データとを別々のROMに記憶させてもよい。また、ROM406が基本回路402に備えらえた構成であってもよい。シリアル通信制御回路424は、遊技盤用ランプ442の制御を行うための遊技盤用ランプ駆動回路440と、遊技台枠用ランプ452の制御を行うための遊技台枠用ランプ駆動回路450とを接続し、遊技盤用ランプ駆動回路440及び遊技台枠用ランプ駆動回路450との間でシリアル通信による点灯制御を行う。
また、基本回路402には、スピーカDU2,121,123(およびアンプ)の制御を行うための音源IC(S−ROM)416と、図3(a)に示す上部の第1演出可動ユニット7、後方側に隠れている第2演出可動ユニット8といった各種演出装置のモータ等の駆動制御を行うための駆動回路422と、センサ回路428と、スピーカDU2,121,123から出力される音量を調整する音量スイッチ163と、を接続している。センサ回路428は、各種演出装置等の現在位置を検出する各種可動体センサ430や、演出ボタン136や操作キーユニット190を構成する各種ボタンの押下を検出するボタンセンサ426からの検出信号を基本回路402に出力する。なお、音量調整ボタン1903(図14参照)の押下をボタンセンサ426が検出した場合には、検出信号は音量スイッチ163に出力される。
次に、パチンコ機100の第2副制御部500について説明する。第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えている。基本回路502は、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのメモリ508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ512と、CPU504からの信号に基づいてROM506に記憶された画像データ等を読み出してVRAM518のワークエリアを使用して表示画像を生成して装飾図柄表示装置208に画像を表示するVDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)516と、を搭載している。基本回路502のCPU504は、水晶発振器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、基本回路502には、第2副制御部500の全体を制御するための制御プログラムおよびデータ、画像表示用のデータ等が記憶されたROM506が接続されている。本実施形態では、一時的記憶領域としてメモリ508を用いており、メモリ508は、電源が遮断されても記憶状態を保持可能な記録媒体(例えば、EEPROMやフラッシュメモリ等)によって構成されている。これにより、例えば、大当り履歴に関する表示を表示するための情報を、主制御部300において初期化されたり設定変更が行われた場合にも保持することができる。なお、電源が遮断されると記憶情報が揮発するRAMを用いるようにしてもよい。
次に、パチンコ機100の払出制御部600、発射制御部630、電源制御部660について説明する。払出制御部600は、主に主制御部300が送信したコマンド等の信号に基づいて払出装置152の払出モータ602を制御するとともに、払出センサ604が出力する制御信号に基づいて賞球または貸球の払出しが完了したか否かを検出する。また払出制御部600は、インタフェース部606を介して、パチンコ機100とは別体で設けられたカードユニット608との通信を行う。また、払出制御部600は、所定個数(例えば、10個)の賞球の払出しが行われたことを示す賞球情報や、所定個数(例えば、25個)の貸球の払出しが行われたことを示す貸球情報等を、図示しない外部端子板を経由して、情報入力回路350に出力する。また、払出制御部600には、枠センサ605が接続されている。枠センサ605には、内枠104が開いたことを検出する内枠開放センサや、前面枠扉106が開いたことを検出する前面枠扉センサ等が含まれており、内枠104や前面枠扉106が開放されている場合にはこれらのセンサが検知し、開放信号を出力する。払出制御部600は、枠センサ605からの開放信号を出力すると、主制御部300に扉開放情報を出力する。
発射制御部630は、払出制御部600が出力する、発射許可または停止を指示する制御信号や、球発射ハンドル134内に設けた発射強度出力回路が出力する、遊技者による球発射ハンドル134の操作量に応じた発射強度を指示する制御信号に基づいて発射装置110の制御や、球貯留皿126から発射装置110に球を供給する球送り装置634の制御を行う。
電源制御部660は、パチンコ機100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して主制御部300、第1副制御部400等の各制御部や払出装置152等の各装置に供給する。さらに、電源制御部660は、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えば、コンデンサ)を備えている。なお、本実施形態では、電源制御部660から払出制御部600と第2副制御部500に所定電圧の電源を供給し、払出制御部600から主制御部300と第2副制御部500と発射制御部630に所定電圧の電源を供給しているが、各制御部や各装置に他の電源経路で所定電圧の電源を供給してもよい。
次に、図7(a)〜(d)を用いて、パチンコ機100の第1特図表示装置212、第2特図表示装置214、装飾図柄表示装置208、普図表示装置210が停止表示する特図および普図の種類について説明する。
特図1始動口に球が入球したことを球検出センサである第1始動口センサが検出したことを条件として特図1変動遊技が開始され、特図2始動口に球が入球したことを球検出センサである第2始動口センサが検出したことを条件として特図2変動遊技が開始される。特図1変動遊技が開始されると、第1特図表示装置212は、8つのランプのうちの一部のランプ(例えば、左から1番目の下段のランプ)を点滅させる「特図1の変動表示」(特図変動遊技)を行う。また、特図2変動遊技が開始されると、第2特図表示装置214は、8つのランプのうちの一部のランプ(例えば、右から1番目の下段のランプ)を点滅させる「特図2の変動表示」(特図変動遊技)を行う。そして、特図1の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、第1特図表示装置212は特図1の停止図柄態様を停止表示し、特図2の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、第2特図表示装置214は特図2の停止図柄態様を停止表示する。以下、この「特図1又は2の変動表示」を開始してから特図1又は2の停止図柄態様を停止表示するまでの変動表示を特図の変動表示と称することがある。この特図の変動表示は複数回、連続して行われることがある。
また、本実施形態では、特図1と特図2とで一方の特図が他方の特図の変動表示を行っているか否かにかかわらず、特図の変動表示を開始する仕様(このような仕様のパチンコ機を、「同時変動機」などと呼ばれる場合がある。)とされている。
図7(a)は、特図1の停止図柄態様の一例を示したものである。この図7(a)には、「特図A」から「特図D」の4種類の特図が示されている。図7(a)においては、図中の白抜きの部分が消灯するランプを示し、黒塗りの部分が点灯するランプを示している。
本実施形態では、特図1の停止図柄態様として、2種類の大当り図柄(「特図A」及び「特図B」)が用意されている。「特図A」は6ラウンド(R)通常大当り図柄であり、「特図A」が停止表示されると第1可変入賞口が開放する大当り遊技状態に移行し、当該大当り遊技が終了した後、制御状態が特図低確率普図高確率状態になる。また、「特図B」は6R確変大当り図柄であり、「特図B」が停止表示されると第1可変入賞口が開放する大当り遊技状態に移行し、大当り遊技が終了した後、制御状態が特図高確率普図低確率状態になる。なお、本実施形態では、2種類の大当り図柄を用意しているが、3種類以上の大当り図柄を用意してもよいことは言うまでもない。また、一部のラウンドで実質的に入賞が困難(例えば、短開放により入賞が困難)な大当りを用意してもよい。
本実施形態のパチンコ機100では、特図変動遊技における大当りか否かの決定はハードウェア乱数の抽選によって行い、通常大当りとするか確変大当りとするかの決定はソフトウェア乱数の抽選によって行う。通常大当りと確変大当りの違いは、次回の特図変動遊技で、大当りに当選する確率が高い(確変大当り)か低い(通常大当り)かの違いである。以下、この大当りに当選する確率が高い状態のことを特図高確率状態(以下、「特図確変」または単に「確変」という場合がある)と称し、その確率が低い状態のことを特図低確率状態と称する。なお、本実施形態では、後述するように、特図低確率状態と特図高確率状態とで大当り確率にほとんど差はなく、特図低確率状態と特図高確率状態とで特図の変動時間が大きく異なるように構成されている。また、大当り遊技の終了後に時短状態(電サポ状態)に移行する場合がある。ここで、電サポ状態とは、特図変動遊技における大当りを終了してから、次の大当りを開始するまでの時間を短くする等して、遊技者の有利度が非電サポ状態より高い所定状態のことをいう。また、時短状態のことを普図高確率状態(以下、「普図確変」という場合がある)と称し、時短状態でない状態のことを普図低確率状態と称する。このように、電サポ状態(時短状態)は、大当り遊技の終了を条件に開始される。なお、厳密にいえば、「電サポ状態」はあくまでも普図がらみの状態であり、「時短状態」は特図がらみの状態または普図および特図がらみの状態である。主制御部300のRAM308には時短フラグが用意されており、その時短フラグがオンに設定されていると、電サポ状態であり、普図高確率状態である。普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、普図変動遊技に当選しやすくなる(普図確変)。例えば、普図変動遊技の当選確率が、普図低確率状態(非電サポ状態)では0/100(すなわち、必ずはずれとなる。)であるのに対し、普図高確率状態(電サポ状態)では100/100(すなわち、必ず当りとなる。)に上昇する。また、電サポ状態の方が、非電サポ状態に比べて普図変動遊技の変動時間は短くなる(普図変短)。例えば、非電サポ状態では10秒の普図変動遊技の変動時間が電サポ状態では2秒に短縮される。また、電サポ状態では、非電サポ状態に比べて、特図1始動口(可変)の羽根部材の1回の開放における開放時間が長くなりやすい(電チュー開放期間延長)。例えば、非電サポ状態では0.5秒の電チュー開放期間が電サポ状態では2秒に延長される。さらに、電サポ状態では非電サポ状態に比べて、羽根部材は多く開きやすい(電チュー開放回数増加)。例えば、普図始動口への1回の入賞につき非電サポ状態では1回しか開かない羽根部材が、電サポ状態では2回開く(2秒開放して1秒閉鎖してまた2秒開放)。電チュー開放期間延長や電チュー開放回数増加により、特図1始動口(可変)に入球する確率が高まる。なお、時短フラグは、大当り遊技中にはオフに設定される。したがって、大当り遊技中には、非電サポ状態が維持される。これは、特に大当り遊技において賞球数の少ない電チューに遊技球が拾われてしまい、第1可変入賞口あるいは第2可変入賞口(これらの可変入賞口を「アタッカ」という場合がある。)への遊技球の入賞が減ってしまうと遊技者に不利益が生じる場合があるからである。なお、本実施形態では、電サポ状態(時短状態)では、普図確変、普図変短、電チュー開放期間延長、および電チュー開放回数増加の総てが行われるが、これらのうちの少なくともいずれか一つが行われれば、遊技者の有利度が高い状態になり、電サポ状態(時短状態)としてもよい。あるいは、特図1始動口(可変)231に入球する確率が高まる、電チュー開放期間延長または電チュー開放回数増加のうちのいずか一方が行われれば、電サポ状態(時短状態)としてもよい。非電サポ状態では、電サポ状態よりも遊技球が特図1始動口(可変)に進入し難い。上述のごとく、特図1始動口(可変)は、遊技球が進入し難い入賞困難状態と遊技球が進入しやすい入賞容易状態とに変化するものである。この特図1始動口(可変)は、入り口が、電サポ状態では非電サポ状態よりも長期間にわたって入賞容易状態となる。本実施形態では、「特図A」が停止表示されると、その後に行われる大当り遊技終了後、特図変動遊技が50回行われる間、電サポ状態が維持され、51回目には非電サポ状態(普図低確率状態)に移行する。一方、電サポ無しの大当り(「特図B」)に当選した場合には、大当り遊技終了後に電サポ状態に移行しない。
このように、本実施形態では、「特図A」が停止表示されると、大当り遊技が終了した後、制御状態が特図低確率普図高確率状態になる。また、「特図B」が停止表示されると、大当り遊技が終了した後、制御状態が特図高確率普図低確率状態になる。
また、本実施形態では、特図1について、大当り図柄の他に小当り図柄(「特図C」)も用意されている。「特図C」で小当りした場合は、図柄の停止後に第2可変入賞口の扉部材が0.06秒の開放を12回行う。なお、扉部材の開放時間及び開放回数は適宜設定することができる。小当り遊技では、第2可変入賞口に遊技球が所定球数(例えば10球)進入してしまうと、あるいは所定量の遊技価値(所定球数)を獲得してしまうと、小当り遊技が終了し、それ以降の扉部材の開放は行われない。小当り遊技中には、特図低確率普図低確率状態へ移行する。小当りは、小当り遊技前後で制御状態が変化しない当りであり、小当り遊技終了後には小当り遊技開始前の制御状態に復帰する。
なお、本実施形態では、上述したように、同時変動機であるので、特図1で小当りとなって小当り遊技に移行する場合に、特図2が変動表示中である状況が起こりうる。この場合は、特図1で小当りとなると特図2の変動表示が中断され、当該小当りに係る小当り遊技が終了すると特図2の変動表示が再開される。また、特図1で大当りとなって大当り遊技に移行する場合に特図2が変動表示中である状況や、特図2で大当りとなって大当り遊技に移行する場合に特図1が変動表示中である状況が起こりうるが、この場合は、一方の特図で大当りとなると他方の特図の変動表示は強制的に終了され、変動表示の結果が破棄されてはずれの結果が表示されることとなる。
さらに、本実施形態では、ハズレ図柄として1種類の停止図柄が用意されている。「特図D」はハズレ図柄である。
図7(b)は、特図2の停止図柄態様の一例を示したものである。この図7(b)には、「特図a」から「特図d」の5種類の特図が示されており、そのうち3種類の特図が大当り図柄(「特図a」〜「特図c」)となっている。「特図a」は6R通常大当り図柄であり、「特図a」が停止表示されると第1可変入賞口が開放する大当り遊技状態に移行し、当該大当り遊技が終了した後、制御状態が特図低確率普図高確率状態になる。また、「特図b」は6R確変大当り図柄であり、「特図b」が停止表示されると第1可変入賞口が開放する大当り遊技状態に移行し、大当り遊技が終了した後、制御状態が特図高確率普図低確率状態になる。「特図c」は、10R確変大当り図柄であって、「特図c」が停止表示されると第1可変入賞口が開放する大当り遊技状態に移行し、当該大当り遊技が終了した後、制御状態が特図高確率普図低確率状態になる。なお、一部のラウンドで実質的に入賞が困難(例えば、短開放により入賞が困難)な大当りを用意してもよい。また、特図2では、3種類の大当り図柄を用意しているが、3種類以上の大当り図柄を用意してもよい。
また、特図2でも、大当り図柄の他に小当り図柄(「特図d」)が用意されている。「特図d」で小当りした場合は、図柄の停止後に第2可変入賞口の扉部材が0.06秒の開放を1回だけ行う。ここで、特図1の小当り図柄(「特図C」)と比較すると、特図2で小当り(「特図d」が停止表示)した場合よりも、特図1で小当り(特図C」が停止表示)した場合の方が、第2可変入賞口により多くの遊技球が入球しやすく、より多くの出球を獲得することができるようになっている。換言すれば、特図2の小当りでは出球を与えず、特図1の小当りで出球を与えるといったゲーム性になる。なお、扉部材の開放時間及び開放回数は適宜設定することができる。
図7(c)は装飾図柄の一例を示したものである。本実施形態の装飾図柄には、「装飾1」〜「装飾10」の10種類がある。特図1始動口(固定)、特図1始動口(可変)あるいは特図2始動口に球が入賞したこと、すなわち、特図1始動口(固定)あるいは特図1始動口(可変)に球が入球したことを第1始動口センサが検出したこと、もしくは特図2始動口に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件にして、装飾図柄表示装置208の左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cの各図柄表示領域に、「装飾1」→「装飾2」→「装飾3」→・・・・「装飾9」→「装飾10」→「装飾1」→・・・の順番で表示を切り替える「装飾図柄の変動表示」を行う場合がある。すなわち、装飾図柄表示装置208は、第1特図表示装置212および第2特図表示装置214とは別に、装飾図柄を変動表示するものである。そして、装飾図柄の組合せである停止図柄態様を停止表示する。なお、本実施形態では、特図1が主として変動表示が行われる通常遊技状態及び電サポ状態においては、特図1の変動表示に合わせて装飾図柄の変動表示が行われ、特図2が主として変動表示が行われる確変状態では、特図2の変動表示に合わせて装飾図柄の変動表示が行われる。一方で、通常遊技状態及び電サポ状態では、特図2の変動表示が行われても装飾図柄の変動表示は行われず、後述する第4図柄や第2特図表示装置214においてのみ図柄変動表示が行われ、確変状態では、特図1の変動表示が行われても装飾図柄の変動表示は行われず、第4図柄や第1特図表示装置212においてのみ図柄変動表示が行われる。
通常遊技状態あるいは電サポ状態において第1特図表示装置212で6R確変大当りを確定報知する場合、確変状態において第2特図表示装置214で10R確変大当りであることを確定報知する場合以外の態様で大当り又は小当りを報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに、「装飾3−装飾3−装飾3」及び「装飾7−装飾7−装飾7」以外の同じ数字の装飾図柄が3つ並んだ装飾図柄の組み合わせ(例えば、「装飾1−装飾1−装飾1」や「装飾4−装飾4−装飾4」等)を停止表示する。また、通常遊技状態あるいは電サポ状態において第1特図表示装置212で6R確変大当り(「特図B」)を確定報知する場合、確変状態において第2特図表示装置214で10R確変大当り(「特図c」)であることを確定報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに、「装飾3−装飾3−装飾3」又は「装飾7−装飾7−装飾7」を停止表示する。また、「特図D」あるいは「特図e」のハズレ図柄を報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに、これまで説明した装飾図柄の組合せ以外の装飾図柄の組合せ(例えば、ばらけ目)を停止表示する。
以下、装飾図柄表示装置208において、この「装飾図柄の変動表示」を開始してから装飾図柄の停止図柄態様を停止表示するまでの表示を装飾図柄の変動表示(「装飾図柄変動表示」という場合もある。)と称することがある。装飾図柄の変動表示は、第2副制御部500が制御することによって行われる。
図7(d)は普図の停止図柄態様の一例を示したものである。本実施形態の普図の停止表示態様には、当り図柄である「普図A」と、はずれ図柄である「普図B」の2種類がある。普図始動口を球が通過したことを球検出センサであるゲートセンサが検出したことに基づいて、普図表示装置210は、上下に並んだ2つのLEDを交互に点灯させる「普図の変動表示」(普図変動遊技)を行う。そして、変動時間が経過した後に、当り図柄である「普図A」とはずれ図柄である「普図B」の内のいずれか一方の図柄を停止表示する。この図7(d)においても、図中の白抜きの部分が消灯するランプの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するランプの場所を示している。
以下、この「普図の変動表示」を開始してから普図の停止図柄態様を停止表示するまでの表示を普図の変動表示と称することがある。
<主制御部メイン処理>
次に、図8を用いて、図6に示す主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
図6に示す主制御部300のRAM308には、特図乱数値、特図ラウンド決定乱数値、特図電サポ決定乱数値、および特図図柄決定乱数値等が記憶される。また、このRAM308には、これら各種の乱数値を生成する乱数カウンタが設けられている。さらに、RAM308には、特図の保留数、特図当選乱数値、および各種の判定(抽選)結果等が記憶される。以下、RAM308における特図の保留数を記憶する領域を特図保留数記憶領域と称することがある。またさらに、RAM308には、当否判定(抽選)の開始を保留することができる最大数(この例では4つ)の領域に区分けされた特図用の始動情報記憶部が用意されているとともに、普図用の乱数値記憶領域も用意されている。特図用の始動情報記憶部には、後述するように、複数種類の始動情報を1セットにしてこれらの始動情報が入賞順(保留順)に1セットずつ1領域ごとに格納される。
上述したように、図6に示す主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って図8に示す主制御部メイン処理を実行する。
ステップS101では、初期設定1を行う。この初期設定1では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定(仮設定)、割込マスクの設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT314への動作許可及び初期値の設定等を行う。なお、本実施形態では、WDT314に、初期値として32.8msに相当する数値を設定する。
ステップS103では、WDT314のカウンタの値をクリアし、WDT314による時間計測を再始動する。
ステップS105では、低電圧信号がオンであるか否か、すなわち、電圧監視回路338が、電源制御部660が第2副制御部500を介して主制御部300に供給している電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を出力しているか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(CPU304が電源の遮断を検知した場合)にはステップS103に戻り、低電圧信号がオフの場合(CPU304が電源の遮断を検知していない場合)にはステップS107に進む。なお、電源が投入された直後で未だ上記所定の値(9V)に達しない場合にもステップS103に戻り、供給電圧がその所定の値以上になるまで、ステップS105は繰り返し実行される。
ステップS107では、初期設定2を行う。この初期設定2では、後述する主制御部タイマ割込処理を定期毎に実行するための周期を決める数値をカウンタタイマ312に設定する処理、I/O310の所定のポート(例えば試験用出力ポート、第1副制御部400への出力ポート)からクリア信号を出力する処理、RAM308への書き込みを許可する設定等を行う。
ステップS109では、電源の遮断前(電断前)の状態に復帰するか否かの判定を行い、電断前の状態に復帰しない場合(主制御部300の基本回路302を初期状態にする場合)には初期化処理を実行するべくステップS113以降の処理に進む。
電断前の状態に復帰すると判定しない場合は(ステップS109;No)、その要因が図5に示す電源基板182に設けたRAMクリアスイッチ180が遊技店の店員などにより操作されたものであるか否かを判定する(ステップS113)。すなわち、RAMクリアスイッチ180が操作された場合に送信されるRAMクリア信号がオン(操作があったことを示す)であるか否かを判定する。RAMクリア信号がオンと判定された場合は(ステップS113;Yes)、設定変更キー192がON側に操作されているか否かを判定する(ステップS115)、設定変更キー192がON側に操作されていると判定した場合は(ステップS115;Yes)、設定変更処理を実行する(ステップS117)。
設定変更処理が実行されると、役物比率・設定表示器196における設定モニタに対応する7セグが「1」を示して点滅し、設定変更可能であることが示される。この状態で、設定変更ボタン194が押下操作されるごとに、設定モニタの7セグがインクリメントし、設定モニタに対応する7セグが「6」を示している状態で設定変更ボタン194が押下操作されると「1」に戻るようになっている。本実施形態では、少なくとも大当り確率の異なる設定1〜6のうちからいずれかを選択可能とされており、所望とする設定に変更した後で設定変更キー192をOFF側に操作することで、設定が確定する。このとき、設定モニタに表示されている設定値は消去される。その後、設定が確定した後は、設定変更ボタン194を操作することにより設定値を設定モニタに一定時間(例えば、5秒間)再表示させることができる。なお、本実施形態では、設定値を役物比率・設定表示器196の設定モニタに表示させるようにしたが、例えば、装飾図柄表示装置208に表示させたり、音声出力により報知するようにしてもよい。また、本実施形態では、設定1〜6の6段階設定としているが、6段階設定以外であってもよいし、設定変更を行わないものであってもよい。また、本実施形態では、設定モニタに表示される設定の初期値を「1」としたが、電源が遮断される前の設定値が保持され、保持された設定値が表示されるようにしてもよい。
また、ステップS113において、RAMクリア信号がONであると判定しなかった場合(ステップS113;No)や、ステップS115において設定変更キー192がON側に操作されていると判定しなかった場合は(ステップS115;No)、ステップS117の設定変更処理を実行することなく、ステップS119に移行する。
ステップS119では、基本回路302を初期状態にすべく初期化処理を実行する(ステップS119)。ここでは、RAMクリア信号がONである場合、RAM308に設けた電源ステータス記憶領域に記憶した電源ステータスの情報を読み出し、この電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報でない場合、RAM308の所定の領域(例えば全ての領域)に記憶している1バイトデータを初期値が0である1バイト構成のレジスタに全て加算することによりチェックサムを算出し、算出したチェックサムの結果が特定の値(例えば0)であるか否か(チェックサムの結果が正常であるか否か)を判定し、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)以外である場合(チェックサムの結果が異常である場合)には、パチンコ機100を初期状態にすべく初期化処理を実行する。この初期化処理では、割込禁止の設定、スタックポインタへのスタック初期値の設定(本設定)、RAM308の全ての記憶領域の初期化などを行う。なお、本実施形態では、初期化が行われた場合であっても設定変更処理(ステップS117)で設定された設定値は保持される。さらにここで、主制御部300のRAM308に設けられた送信情報記憶領域に正常復帰コマンド及びステップS117で選択された設定を示す設定コマンドをセットする。この正常復帰コマンドは、主制御部300の初期化処理(ステップS119)が行われたことを表すコマンドであり、後述する復電コマンドと同じく、主制御部300のタイマ割込処理におけるステップS233において、第1副制御部400へ送信される。
ステップS121では、割込禁止の設定を行った後、基本乱数初期値更新処理を行う。この基本乱数初期値更新処理では、普図当選乱数カウンタ、および特図乱数値カウンタの初期値をそれぞれ生成するための2つの初期値生成用乱数カウンタを更新する。例えば、普図当選乱数値として取り得る数値範囲が0〜99とすると、RAM308に設けた普図当選乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が100であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。他の初期値生成用乱数カウンタ、乱数カウンタもそれぞれ同様に更新する。主制御部300は、所定の周期ごとに開始するタイマ割込処理を行っている間を除いて、このステップS121の処理を繰り返し実行する。
一方、ステップS111では、復電時処理を行う。この復電時処理では、電断時にRAM308に設けられたスタックポインタ退避領域に記憶しておいたスタックポインタの値を読み出し、スタックポインタに再設定(本設定)する。また、電断時にRAM308に設けられたレジスタ退避領域に記憶しておいた各レジスタの値を読み出し、各レジスタに再設定した後、割込許可の設定を行う。以降、CPU304が、再設定後のスタックポインタやレジスタに基づいて制御プログラムを実行する結果、パチンコ機100は電源断時の状態に復帰する。すなわち、電断直前にタイマ割込処理(後述)に分岐する直前に行った(ステップS121内の所定の)命令の次の命令から処理を再開する。また、図6に示す主制御部300における基本回路302に搭載されているRAM308には、送信情報記憶領域が設けられている。このステップS111では、その送信情報記憶領域に、復電コマンドをセットする。この復電コマンドは、電源断時の状態に復帰したことを表すコマンドであり、後述する、主制御部300のタイマ割込処理におけるステップS233において、第1副制御部400へ送信される。
<主制御部タイマ割込処理>
次に、図9を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
図6に示す主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約4msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
ステップS201では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
ステップS203では、WDT314のカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDT314を定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行う。
ステップS205では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、各種の球検出センサを含む図6に示す各種センサ320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ320ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。球検出センサの検出信号を例にして説明すれば、前々回のタイマ割込処理(約4ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前回検出信号記憶領域から読み出し、この情報をRAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前々回検出信号記憶領域に記憶し、前回のタイマ割込処理(約2ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた今回検出信号記憶領域から読み出し、この情報を上述の前回検出信号記憶領域に記憶する。また、今回検出した各々の球検出センサの検出信号を、上述の今回検出信号記憶領域に記憶する。
また、ステップS205では、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域の各記憶領域に記憶した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を比較し、各々の球検出センサにおける過去3回分の検出信号の有無の情報が入賞判定パターン情報と一致するか否かを判定する。一個の遊技球が一つの球検出センサを通過する間に、約2msという非常に短い間隔で起動を繰り返すこの主制御部タイマ割込処理は何回か起動する。このため、主制御部タイマ割込処理が起動する度に、上述のステップS205では、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号を確認することになる。この結果、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記憶領域それぞれに、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号が記憶される。すなわち、遊技球が球検出センサを通過し始めたときには、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りになる。本実施形態では、球検出センサの誤検出やノイズを考慮して、検出信号無しの後に検出信号が連続して2回記憶されている場合には、入賞があったと判定する。図6に示す主制御部300のROM306には、入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)が記憶されている。このステップS205では、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、予め定めた入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)と一致した場合に、一般入賞口、第1可変入賞口、第2可変入賞口、第1特図始動口(固定)、第1特図始動口(可変)、および第2特図始動口への入球、または普図始動口の通過があったと判定する。すなわち、一般入賞口、これらの可変入賞口、これらの始動口への入球があったと判定する。例えば、第1特図始動口(固定)への入球を検出する第1始動口センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致した場合には、第1特図始動口(固定)へ入賞があった、すなわち所定領域を通過する遊技媒体を検出したと判定し、以降の第1特図始動口(固定)への入賞に伴う処理を行うが、過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致しなかった場合には、以降の第1特図始動口(固定)への入賞に伴う処理を行わずに後続の処理に分岐する。なお、主制御部300のROM306には、入賞判定クリアパターン情報(本実施形態では、前々回検出信号有り、前回検出信号無し、今回検出信号無しであることを示す情報)が記憶されている。入賞が一度あったと判定した後は、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、その入賞判定クリアパターン情報に一致するまで入賞があったとは判定せず、入賞判定クリアパターン情報に一致すれば、次からは上記入賞判定パターン情報に一致するか否かの判定を行う。
ステップS207およびステップS209では、基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理を行う。これらの基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理では、上記ステップS121で行った初期値生成用乱数カウンタの値の更新を行い、次に主制御部300で使用する、普図当選乱数値および特図乱数値それぞれを生成するための乱数カウンタを更新する。例えば、普図当選乱数値として取り得る数値範囲が0〜99とすると、RAM308に設けた普図当選乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が100であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。また、取得した値に1を加算した結果、乱数カウンタが一周していると判定した場合にはそれぞれの乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタの値を取得し、乱数カウンタの記憶領域にセットする。例えば、0〜99の数値範囲で変動する普図当選乱数値生成用の乱数カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算した結果が、RAM308に設けた所定の初期値記憶領域に記憶している前回設定した初期値と等しい値(例えば7)である場合に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタから値を初期値として取得し、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタにセットすると共に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するために、今回設定した初期値を上述の初期値記憶領域に記憶しておく。また、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するための上述の初期値記憶領域とは別に、特図乱数生成用の乱数カウンタが1周したことを判定するための初期値記憶領域をRAM308に設けている。
ステップS211では、演出乱数更新処理を行う。この演出乱数更新処理では、主制御部300で使用する演出用乱数値を生成するための乱数カウンタを更新する。
ステップS213では、タイマ更新処理を行う。このタイマ更新処理では、普図表示装置210に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための普図表示図柄更新タイマ、第1特図表示装置212、第2特図表示装置214に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図表示図柄更新タイマ、所定の入賞演出時間、所定の開放時間、所定の閉鎖時間、所定の終了演出期間などを計時するためのタイマなどを含む各種タイマを更新する。
ステップS215では、入賞口カウンタ更新処理を行う。この入賞口カウンタ更新処理では、入賞口や始動口に入賞があった場合に、RAM308に各入賞口ごと、あるいは各始動口ごとに設けた賞球数記憶領域の値を読み出し、1を加算して、元の賞球数記憶領域に設定する。
また、ステップS217では、入賞受付処理を行う。入賞受付処理では、所定の条件が満足されていれば、複数種類の始動情報を取得する。ここで取得された複数種類の始動情報は、RAM308に設けた始動情報記憶部の、入賞順(保留順)に応じた空いている領域に、1セットの始動情報として記憶される。
ステップS217に続いて実行されるステップS219では、払出要求数送信処理を行う。図6に示す払出制御部600に出力する出力予定情報および払出要求情報は1バイトで構成しており、ビット7にストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット6に電源投入情報(オンの場合、電源投入後一回目のコマンド送信であることを示す)、ビット4〜5に暗号化のための今回加工種別(0〜3)、およびビット0〜3に暗号化加工後の払出要求数を示すようにしている。
ステップS221では、普図状態更新処理を行う。この普図状態更新処理は、普図の状態に対応する複数の処理のうちの1つの処理を行う。例えば、普図変動表示の途中(上述する普図表示図柄更新タイマの値が1以上)における普図状態更新処理では、普図表示装置210を構成する2つのLEDの交互点滅を行う点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、普図表示装置210は普図の変動表示(普図変動遊技)を行う。
また、普図変動表示時間が経過したタイミング(普図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、当りフラグがオンの場合には、当り図柄の表示態様となるように普図表示装置210を構成する2つのLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、当りフラグがオフの場合には、ハズレ図柄の表示態様となるように普図表示装置210を構成する2つのLEDの点灯・消灯駆動制御を行う。また、主制御部300のRAM308には、普図状態更新処理に限らず各種の処理において各種の設定を行う設定領域が用意されている。ここでは、上記点灯・消灯駆動制御を行うとともに、その設定領域に普図停止表示中であることを示す設定を行う。この制御を行うことで、普図表示装置210は、当り図柄(図7(d)に示す普図A)およびハズレ図柄(図7(d)に示す普図B)いずれか一方の図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)、その表示を維持するためにRAM308に設けた普図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された図柄が所定期間停止表示され、普図変動遊技の結果が遊技者に報知される。
また、普図変動遊技の結果が当りであれば、後述するように、普図当りフラグがオンされる。この普図当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、RAM308の設定領域に普図作動中を設定するとともに、所定の開放期間(例えば2秒間)、第1特図始動口(可変)の羽根部材の開閉駆動用のソレノイド(図6に示す各種ソレノイド332の一部)に、羽根部材を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(羽根開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば500m秒間)、アタッカユニットに設けられた第1特図始動口(可変)の羽根部材の開閉駆動用のソレノイド(図6に示す各種ソレノイド332の一部)に、羽根部材を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。
また、所定の閉鎖期間が終了したタイミング(羽根閉鎖時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定する。さらに、普図変動遊技の結果がハズレであれば、後述するように、普図ハズレフラグがオンされる。この普図ハズレフラグがオンの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理でも、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定する。普図非作動中の場合における普図状態更新処理では、何もせずに次のステップS223に移行するようにしている。
ステップS223では、普図関連抽選処理を行う。この普図関連抽選処理では、普図変動遊技および第1特図始動口(可変)の開閉制御を行っておらず(普図の状態が非作動中)、且つ、保留している普図変動遊技の数が1以上である場合に、上述の乱数値記憶領域に記憶している普図当選乱数値に基づいた乱数抽選により普図変動遊技の結果を当選とするか、不当選とするかを決定する当り判定をおこない、当選とする場合にはRAM308に設けた当りフラグにオンを設定する。不当選の場合には、当りフラグにオフを設定する。なお、当り判定の結果に関わらず、所定の乱数カウンタの値を普図タイマ乱数値として取得し、取得した普図タイマ乱数値に基づいて複数の変動時間のうちから普図表示装置210に普図を変動表示する時間を1つ選択し、この変動表示時間を、普図変動表示時間として、RAM308に設けた普図変動時間記憶領域に記憶する。なお、保留している普図変動遊技の数は、RAM308に設けた普図保留数記憶領域に記憶するようにしており、当り判定をするたびに、保留している普図変動遊技の数から1を減算した値を、この普図保留数記憶領域に記憶し直すようにしている。また当り判定に使用した乱数値を消去する。
続いて、特図先読み処理(ステップS224)が実行される。特図先読み処理では、主制御部300は、特図1および特図2のそれぞれにおいて増加した始動情報を先読みして、当否判定処理よりも前に停止図柄や変動時間を事前判定し、事前判定結果(特図先読み結果)をRAM308内の先読み結果記憶部に記憶する。
次いで、特図1および特図2それぞれについての特図状態更新処理を行うが、最初に、特図2についての特図状態更新処理(特図2状態更新処理)を行う(ステップS225)。この特図2状態更新処理では、特図2の状態に応じて、次の複数の処理のうちの1つの処理を行う。
例えば、特図2変動表示の途中(上述の特図2表示図柄更新タイマの値が1以上)における特図2状態更新処理では、特図2表示装置214を構成する8つのLEDのうちの所定のLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、特図2表示装置214は特図2の変動表示(特図2変動遊技)を行う。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で回転開始設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶してから処理を終了する。また、RAM308に設けられた時短回数記憶部に記憶された時短回数が1以上であれば、その時短回数から1を減算する。
また、主制御部300のRAM308には、10R大当りフラグ、6R大当りフラグ、小当りフラグ、はずれフラグ、特図確率変動フラグ、および普図確率変動フラグ等のフラグが用意されている。これらのフラグは、後述する特図2関連抽選処理において、決定した停止図柄に基づいてオンまたはオフに設定される。特図2変動表示時間が経過したタイミング(特図2表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、例えば、10R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグがオフの場合には図7(b)に示す特図c、6R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグはオフの場合には特図b、6R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグはオフ、普図確率変動フラグはオンの場合には特図a、小当りフラグがオンの場合には特図d、ハズレフラグがオンの場合には特図eそれぞれの態様となるように、特図2表示装置214を構成するLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、RAM308の設定領域に特図2停止表示中であることを表す設定を行う。この制御を行うことで、特図2表示装置214は、10R確変大当り図柄(特図e)、6R確変大当り図柄(特図b)、6R通常大当り図柄(特図a)、小当り図柄(特図d)、ハズレ図柄(特図e)のいずれか一つの図柄の確定表示を行う。なお、同時変動機である本実施形態に係るパチンコ機100では、特図2の変動表示中に特図1の変動表示が行われている場合があるが、特図2変動表示時間が経過したタイミングで大当り図柄が停止表示される場合には、特図1の抽選結果のいかんにかかわらず、特図2の大当り図柄表示のタイミングで特図1では抽選結果が破棄されてはずれ図柄が停止表示されることとなる。また、特図2の変動表示中に特図1の変動表示が行われている場合において、特図2変動表示時間が経過したタイミングで小当り図柄が停止表示される場合には、特図2の小当り図柄表示のタイミングで特図1の変動表示時間の進行が中断されることとなり、その結果、特図1の変動表示が開始してから特図1の図柄が停止表示されるまでの時間は、特図2の小当り図柄の停止表示から小当り遊技の終了までの時間だけ延ばされることとなる。
さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500ms)その表示を維持するために、RAM308に設けた特図2停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された特図2が所定期間停止表示され、特図2変動遊技の結果が遊技者に報知される。また、RAM308に設けられた時短回数記憶部に記憶された時短回数が0であって時短フラグがオンであれば、時短フラグをオフにする。さらに、大当り遊技中(特別遊技状態中)にも、時短フラグをオフにする。
また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で回転停止設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶するとともに、変動表示を停止する図柄が特図2であることを示す特図2識別情報を、後述するコマンドデータに含める情報としてRAM308に追加記憶してから処理を終了する。
また、特図2変動遊技の結果が大当りであれば、後述するように、大当りフラグがオンされる。この大当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図2停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図2状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図2作動中を設定するとともに、所定の入賞演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208による大当りを開始することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するためにRAM308に設けた特図2待機時間管理用タイマの記憶領域に入賞演出期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で入賞演出設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
また、所定の入賞演出期間が終了したタイミング(特図2待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、所定の開放期間(例えば29秒間、または第1可変入賞口に所定球数(例えば10球)の遊技球の入賞を検出するまで)第1可変入賞口の扉部材の開閉駆動用のソレノイド(図6に示す各種ソレノイド332の一部)に、扉部材を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で大入賞口開放設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(扉開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば1.5秒間)第1可変入賞口の扉部材の開閉駆動用のソレノイド(図6に示す各種ソレノイド332の一部)に、扉部材を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で大入賞口閉鎖設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
また、扉部材の開放・閉鎖制御を所定回数(本例示形態では、10ラウンド又は6ラウンド)繰り返し、終了したタイミングで開始する特図2状態更新処理では、所定の終了演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208による大当りを終了することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するように設定するために、RAM308に設けた演出待機時間管理用タイマの記憶領域に演出待機期間を示す情報を設定する。また、普図確率変動フラグがオンに設定されていれば、この大当り遊技の終了と同時に、RAM308に設けられた時短回数記憶部に時短回数(例えば、50回)をセットするともに、RAM308に設けられた時短フラグをオンにする。なお、その普図確率変動フラグがオフに設定されていれば、時短回数記憶部に時短回数をセットすることもなく、また時短フラグをオンにすることもない。また、特図確率変動フラグがオンに設定されていれば、大当り遊技の終了と同時、RAM308に設けられた確変フラグをオンにする。
ここにいう時短とは、特図変動遊技における大当りを終了してから、次の大当りを開始するまでの時間を短くするため、パチンコ機が遊技者にとって有利な状態になることをいう。時短フラグがオンに設定されていると、普図高確率状態(普図確変)である。普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、普図変動遊技で当りになる確率が高い。また、普図高確率状態の方が、普図低確率状態に比べて普図変動遊技の変動時間は短くなる(普図変短)。さらに、普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、特図1始動口(可変)の一対の羽根部材の1回の開放における開放時間が長くなり易い(電チュー開延)。加えて、普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、一対の羽根部材は多く開き易い。これらの普図確変、普図変短、電チュー開延のいずれかが設定される状態を電サポ(電動チューリップによる始動口入賞サポート)状態という。
また、上述のごとく、時短フラグは、大当り遊技中(特別遊技状態中)にはオフに設定される。したがって、大当り遊技中には、普図低確率状態が維持される。これは、大当り遊技中に普図高確率状態であると、大当り遊技中に第1可変入賞口に所定の個数、遊技球が入球するまでの間に特図1始動口(可変)に多くの遊技球が入球し、大当り中に獲得することができる遊技球の数(出球数)が多くなってしまい射幸性が高まってしまうという問題があり、これを解決するためのものである。なお、本実施形態では、特図1始動口(可変)への入賞に対する賞球数が「1」であるので、実質的に大当り遊技中の出球数が多くなることがないので、大当り遊技中においても時短フラグをオンのままにしてもよい。
さらに、コマンド設定送信処理(ステップS233)で終了演出設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
また、所定の終了演出期間が終了したタイミング(演出待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図2非作動中を設定する。
以上、第1可変入賞口を用いた大当り遊技の例について説明したが、第2可変入賞口を用いた小当り遊技についても同様である。
さらに、特図2変動遊技の結果がはずれであれば、はずれフラグがオンにされる。このはずれフラグがオンの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図2停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図2状態更新処理でも、RAM308の設定領域に特図2非作動中を設定する。特図2非作動中の場合における特図2状態更新処理では、何もせずに次のステップS227に移行するようにしている。
続いて、特図1についての特図状態更新処理(特図1状態更新処理)を行う(ステップS227)。この特図1状態更新処理では、特図1の状態に応じて、上述の特図2状態更新処理で説明した各処理を行う。この特図1状態更新処理で行う各処理は、上述の特図2状態更新処理で説明した内容の「特図2」を「特図1」と読み替えた処理と同様であるため、その説明は省略する。なお、特図2状態更新処理と特図1状態更新処理の順番は逆でもよい。
ステップS225およびステップS227における特図状態更新処理が終了すると、今度は、特図1および特図2それぞれについての特図関連抽選処理を行う。特図2関連抽選処理(ステップS229)は、特図2の変動遊技を行っておらず、特図2の状態が非作動中であり、特図1及び特図2のいずれの大当り遊技中でもなく、かつ保留している特図2変動遊技の数が1以上であることを開始条件として、特図2乱数値記憶領域内の最先の特図2当選乱数値および特図2乱数値を用いて実行される。特図1関連抽選処理は、特図1の変動遊技を行っておらず、特図1の状態が非作動中であり、特図1及び特図2のいずれの大当り遊技中でもなく、かつ保留している特図1変動遊技の数が1以上であることを開始条件として、特図1乱数値記憶領域内の最先の特図1当選乱数値および特図1乱数値を用いて実行される。すなわち、本実施形態では、特図1は、特図2が変動遊技中であるか否かにかかわらず、変動遊技を開始することができ、特図2は、特図1が変動遊技中であるか否かにかかわらず、変動遊技を開始することができるように構成されている(同時変動機)。
装飾図柄表示装置208による、特図変動遊技の当否判定の結果の報知は、第1副制御部400によって行われ、本実施形態では、確変状態においては、特図2始動口への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知が、特図1始動口(固定)、特図1始動口(可変)への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知よりも優先して行われ、通常遊技状態及び時短状態においては、特図1始動口(固定)、特図1始動口(可変)への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知が、特図2始動口への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知よりも優先して行われる。しかしながら、確変状態における特図1変動遊技の抽選結果が大当りとなる場合には、特図2始動口への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知と並行して、または、一旦特図2始動口への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知を中断して特図1始動口(固定)、特図1始動口(可変)への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知が実行される場合がある。また、通常遊技状態及び時短状態における特図2変動遊技の抽選結果が大当りとなる場合には、特図1始動口(固定)、特図1始動口(可変)への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知と並行して、または、特図1始動口(固定)、特図1始動口(可変)への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知を中断して特図2始動口への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知が実行される場合がある。
ステップS229の特図2関連抽選処理の場合には、主制御部300は、特図2乱数値記憶領域内の最先の(最も過去に記憶された)保留位置から特図2始動情報(特図2当選乱数値および特図2乱数値の組)を取得し、取得した特図2始動情報内の特図2当選乱数値およびRAM308内の特図確率変動フラグの値などに基づいて、ROM306に記憶された当否判定用テーブルを用いて大当りとするか、小当りとするか、あるいははずれとするかの決定(当否判定)を行う。次いで、主制御部300は、取得した特図2始動情報内の特図2乱数値および決定した当否判定結果などに基づいて、ROM306に記憶された特図決定用テーブルを用いて特図2の変動表示後に停止表示する図柄(停止図柄)の決定を行う。次いで、主制御部300は、例えば、決定した当否判定結果、停止図柄、当該当否判定時の特図2保留数、取得した特図変動時間決定用乱数値等に基づいて、ROM306に記憶された各種テーブルを用いて特図2の変動表示時間(タイマ番号)の決定を行う。
主制御部300は、特図2乱数値記憶領域から最先の特図2始動情報を取り出した後、当該最先の特図2始動情報を特図2乱数値記憶領域から消去するとともに、特図2保留数記憶領域の特図2保留数を1減算する。このとき、特図2乱数値記憶領域から取り出した特図2始動情報をRAM308に設けた一時領域に記憶し、この一時領域に記憶している特図2始動情報に基づいて上述の決定を行うようにしてもよい。
以上のような特図2関連抽選処理(ステップS229)の後に、特図1関連抽選処理(ステップS231)が同様にして行われる。なお、特図1関連抽選処理と特図2関連抽選処理の順番は逆でもよい。
以上の説明では、前述の特図状態更新処理および特図関連抽選処理を特図1および特図2でそれぞれ独立して行うことで、複数の特図を同時に変動させるように構成したが、これに限定されるものではなく、一方の特図の状態に応じて他方の特図の保留に関する抽選処理や変動遊技を行わないものとしてもよい。本実施形態では、後述するように、複数の特図を同時に変動させる場合には、通常遊技状態及び時短状態では、特図1の変動表示に合わせた演出表示を装飾図柄表示装置208に行わせる一方で特図2の変動表示に関しては演出表示を行わず、確変状態では、特図2の変動表示に合わせた演出表示を装飾図柄表示装置208に行わせる一方で特図1の変動表示に関しては演出表示を行わないようにしたが、装飾図柄表示装置208にそれぞれの特図の抽選結果を表示する複数の領域を設けるか、またはそれぞれの特図の抽選結果を表示する複数の装飾図柄表示装置を設けて、それぞれの抽選結果を別箇に表示しても良い。また、複数の特図に関する変動が同時に行われている場合に、先に変動を停止した特図の抽選結果が後に変動を停止する特図の抽選結果に影響を与えても良い。
ステップS231の次のステップS233では、コマンド設定送信処理を行う。このコマンド設定送信処理では、各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。なお、第1副制御部400に送信する出力予定情報は例えば16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(本例示形態では、基本コマンド、入賞口入賞コマンド、アウト球コマンド、発射位置コマンド、特図変動開始コマンド、特図変動停止コマンド、特図停止種別コマンド(特図1及び特図2の変動開始時に送信されるコマンドであって、特図1と特図2のいずれかが先に停止表示するかを特定するコマンド)、特図当り開始コマンド、特図当り終了コマンド、大入賞口開放コマンド、大当りラウンド数指定コマンド、復電コマンド、RAMクリアコマンド、先読み結果情報コマンド、設定コマンドなどコマンドの種類を特定可能な情報)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成している。
具体的には、ストローブ情報は上述のコマンド送信処理でオンまたはオフになるようにしている。また、コマンド種別が特図変動開始コマンドの場合であればコマンドデータに、各種大当りフラグ、小当りフラグ、はずれフラグ、特図関連抽選処理で選択したタイマ番号などを示す情報を含み、さらに本実施形態では、特図変動開始コマンドがセットされるに際し、停止図柄を特定可能な停止図柄情報が含まれる。特図変動停止コマンドの場合であれば、各種大当りフラグ、小当りフラグ、はずれフラグの値などを含み、大当りラウンド数指定コマンドの場合であれば大当りラウンド数などを含むようにしている。コマンド種別が基本コマンドを示す場合は、コマンドデータにデバイス情報、特図1始動口(固定)への入賞の有無、特図1始動口(可変)への入賞の有無、特図2始動口への入賞の有無、第1可変入賞口への入賞の有無、第2可変入賞口への入賞の有無などを含む。先読み結果情報コマンドの場合であれば、特図1および特図2の種別、先読み数記憶領域に記憶された先読み数、先読み結果記憶部に記憶された停止図柄等の情報をコマンドデータに含む。設定コマンドの場合であれば、設定の情報などを含む。
また、上述の回転開始設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、各種大当りフラグ、小当りフラグ、はずれフラグの値、特図1関連抽選処理および特図2関連抽選処理で選択したタイマ番号、保留している特図1変動遊技または特図2変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の回転停止設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、各種大当りフラグ、小当りフラグ、はずれフラグの値などを示す情報を設定する。
上述の入賞演出設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、入賞演出期間中に装飾図柄表示装置208・各種ランプ(442,452)・スピーカDU2,121,123に出力する演出制御情報、保留している特図1変動遊技または特図2変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の終了演出設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、演出待機期間中に装飾図柄表示装置208・各種ランプ(442,452)・スピーカDU2,121,123に出力する演出制御情報、保留している特図1変動遊技または特図2変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の大入賞口開放設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している大当りラウンド数、保留している特図1変動遊技または特図2変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の大入賞口閉鎖設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している大当りラウンド数、保留している特図1変動遊技または特図2変動遊技の数などを示す情報を設定する。
また、このステップS233では一般コマンド特図保留増加処理も行われる。この一般コマンド特図保留増加処理では、コマンドデータにRAM308の送信用情報記憶領域に記憶している特図識別情報(特図1または特図2を示す情報)、予告情報(事前予告情報、偽事前予告情報、または事前予告無情報のいずれか)を設定する。
第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
ステップS233の次のステップS235では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路336を介して、上部演出ユニットDUと、パチンコ機100とは別体の情報入力回路350とにそれぞれ出力する。
ステップS235の次のステップS237では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、ステップS205において信号状態記憶領域に記憶した各種センサの信号状態を読み出して、所定のエラーの有無、例えば前面枠扉開放エラーの有無または球貯留皿満タンエラーの有無などを監視する。前面枠扉開放エラーまたは球貯留皿満タンエラーを検出した場合には、第1副制御部400に送信すべき送信情報に、前面枠扉開放エラーの有無または球貯留皿満タンエラーの有無を示すデバイス情報を設定する。また、各種ソレノイド332を駆動して第1特図始動口(可変)や、第1可変入賞口や第2可変入賞口の開閉を制御したり、駆動回路324、326、330を介して普図表示装置210、特図1表示装置212、特図2表示装置214、各種状態表示部328などに出力する表示データを、I/O310の出力ポートに設定する。また、払出要求数送信処理(ステップS219)で設定した出力予定情報をI/O310の出力ポートを介して払出制御部600に出力する。
ステップS237の次のステップS239では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS243に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS241に進む。ステップS241では、タイマ割込終了処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップS201で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定したり、割込許可の設定などを行い、その後、図8に示す主制御部メイン処理に復帰する。一方、ステップS243では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行い、その後、HALT状態となる。
次に、図9に示される主制御部タイマ割込処理における普図関連抽選処理(ステップS223)、特図2関連抽選処理(ステップS229)及び特図1関連抽選処理(ステップS231)で用いられる判定用テーブルについて、図10を参照しながら説明する。ここで、図10(a)は、普図当否判定用テーブルの内容の一例を示す図であり、図10(b)は、特図1・2当否判定用テーブルの内容の一例を示す図であり、図10(c)は、特図決定用振分けテーブルの内容の一例を示す図である。
図10(a)に示す普図当否判定用テーブルは、普図当否判定時に用いられる普図用の当否判定用テーブルである。なお、このテーブルは、主制御部300のROM306に記憶されている。図10(a)に示すように、この当否判定用テーブルが用いられた場合、普図低確率状態では、当りとなる値は存在せず、すなわち、当りの確率は0%であり、普図高確率状態では、乱数の取りうる範囲は0〜65535であって、当りとなる値は0〜65535となっている。すなわち、当りの確率は65536/65536(つまり、100%)である。なお、普図低確率状態(時短非作動時)においては、一定の確率(例えば、1%)で当りとなるようにしてもよいし、普図高確率状態(時短作動時)においては、一定の確率(例えば、1%)ではずれとなるようにしてもよい。
図10(b)に示す特図1・2当否判定用テーブルは、特図1及び特図2の当否判定を行う際に参照されるテーブルであって、設定1〜6のいずれであるか、特図低確率状態であるか特図高確率状態であるかによって参照するレコードを選択する。なお、このテーブルも、主制御部300のROM306に記憶されている。
設定1の特図低確率状態では、特図1及び特図2の大当り抽選の当否判定の結果として329/65536の確率(約1/200)で大当りが選択され、特図高確率状態では、特図1及び特図2の大当り抽選の当否判定の結果として330/65536の確率(約1/199)で大当りが選択される。
設定2の特図低確率状態では、特図1及び特図2の大当り抽選の当否判定の結果として341/65536の確率(約1/193)で大当りが選択され、特図高確率状態では、特図1及び特図2の大当り抽選の当否判定の結果として342/65536の確率(約1/192)で大当りが選択される。
設定3の特図低確率状態では、特図1及び特図2の大当り抽選の当否判定の結果として363/65536の確率(約1/181)で大当りが選択され、特図高確率状態では、特図1及び特図2の大当り抽選の当否判定の結果として364/65536の確率(約1/180)で大当りが選択される。
設定4の特図低確率状態では、特図1及び特図2の大当り抽選の当否判定の結果として375/65536の確率(約1/175)で大当りが選択され、特図高確率状態では、特図1及び特図2の大当り抽選の当否判定の結果として377/65536の確率(約1/174)で大当りが選択される。
設定5の特図低確率状態では、特図1及び特図2の大当り抽選の当否判定の結果として451/65536の確率(約1/146)で大当りが選択され、特図高確率状態では、特図1及び特図2の大当り抽選の当否判定の結果として452/65536の確率(約1/145)で大当りが選択される。
設定6の特図低確率状態では、特図1及び特図2の大当り抽選の当否判定の結果として701/65536の確率(約1/94)で大当りが選択され、特図高確率状態では、特図1及び特図2の大当り抽選の当否判定の結果として703/65536の確率(約1/93)で大当りが選択される。
また、設定1〜6のいずれにかかわらず、また、特図高確率状態であるか特図低確率状態であるかにかかわらず、特図1の大当り抽選の当否判定の結果として6580/65536の確率(約1/10)で12回開閉の小当りが選択され、特図1の大当り抽選の当否判定の結果として6580/65536の確率(約1/10)で1回開閉の小当りが選択される。なお、特図1で小当りが発生しないようにして、特図2でのみ小当り(12回開放の小当りと1回開閉の小当り)が発生するようにしてもよい。また、小当りの確率を設定毎に異ならせるようにしてもよい。
このように、本実施形態では、設定1〜6のいずれにおいても、特図高確率状態における大当り確率の方が特図低確率状態における大当り確率よりもわずかに高いが、ほとんど同じ確率と同視しうるように設定されている。また、本実施形態では、設定により大当り確率が異なっており、設定が高いほど大当りがしやすく、設定が低いほど大当りがし難くなっている。したがって、設定が低いほど、大当りとなり難いが、確変状態に移行した場合には、高設定よりも小当りの発生回数が多くなる傾向があり、異なるゲーム性を持たせることができる場合がある。
本実施形態では、いずれの設定においても、特図高確率状態と特図低確率状態とで大当り確率がほとんど同じに設定されているが、大きく異なる点として、特図2の変動表示時間が挙げられる。本実施形態では、特図高確率状態における特図2の変動時間は、例えば、1〜5秒の変動時間が選択されるようになっている。特図高確率状態では、右打ちした場合には、第2特図始動口へ多数の遊技球が入球しやすくなっており、特図2の変動表示を多数行うことができ、その結果、小当りの発生頻度が高くなるような仕組みとなっている。本実施形態では、特図高確率状態では小当りの発生頻度が高まる状態ということができるため、「小当りラッシュ」という場合がある。また、保留されている特図2の図柄変動表示が4つ(満タン)である状態において、全ての特図2の図柄変動表示を消化するのにかかる時間よりも特図1の1回の図柄変動表示を消化するのにかかる時間の方が長いので、特図1で大当りが発生しにくいようになっている。一方、特図低確率状態における特図2の変動時間は、例えば、580秒の変動時間が選択されるようになっている。したがって、特図低確率状態では、右打ちすれば特図2始動口への入球頻度も小当り確率も変わらないものの、特図2の変動表示の結果が表示されるまでの時間がおよそ10分毎ということになるので、右打ちしても、遊技者にとっては実質的に不利益となる。なお、特図低確率状態における、特図2の変動時間は、はずれ及び小当りにあっては580秒に設定されているが、大当りとなる場合の変動時間は、それよりも短く、例えば、227秒に設定されている。
図10(c)は、特図決定用振分けテーブルの一例を示すものであり、上述したようにして特図1あるいは特図2の当否判定結果に基づいて、停止図柄を決定する。なお、このテーブルも、主制御部300のROM306に記憶されている。この特図決定用振分けテーブルは、当否判定結果ごとに特図の停止図柄態様(図7(a)、同図(b)参照)に対応した乱数範囲が規定されている。
まず、特図1当否判定の結果が大当りであれば、「特図A」と「特図B」からいずれか一方が選択される。上述したように、「特図A」は、第1可変入賞口が開放する6R通常大当りであり、「特図B」は、第1可変入賞口が開放する6R確変大当りである。各選択率は設定に関係なく1/2ずつとなっている。
また、特図1当否判定の結果が小当りであれば、「特図C」が選択される。上述したように、「特図C」は、第2可変入賞口が最大で12回の短開放を繰り返す小当りである。
次に、特図2当否判定の結果が大当りであれば、「特図a」〜「特図c」のうちいずれか一つが選択される。上述したように、「特図a」は、第1可変入賞口が開放する6R通常大当りであり、「特図b」は、第1可変入賞口が開放する6R確変大当りであり、「特図c」は、第1可変入賞口が開放する10R確変大当りである。各選択率は、設定に関係なく、「特図a」は60/100、「特図b」は5/100、「特図c」は35/100となっている。
また、特図2当否判定の結果が小当りであれば、「特図d」が選択される。上述したように、「特図d」は、第2可変入賞口が1回短開放する小当りである。
次に、第1副制御部400の処理について説明する。図11(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。まず、図11(a)のステップS301では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS301で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS301の次のステップS303では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS305の処理に移行する。ステップS305では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS305の次のステップS307では、コマンド処理を行う。第1副制御部400のCPU404は、主制御部300からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップS307の次のステップS309では、演出制御処理を行う。例えば、ステップS307で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。
ステップS309の次のステップS311では、チャンスボタン制御処理を行う。チャンスボタン制御処理では、演出ボタン136や操作キーユニット190の操作を検出し、その検出結果に応じて、ステップS309で更新した演出データを演出ボタン136や操作キーユニット190の操作に応じた演出データに変更する処理を行う。
ステップS311の次のステップS313では、音制御処理を行う。音制御処理では、ステップS309で読み出した演出データの中に音源IC416への命令がある場合には、この命令を音源IC416に出力する。
ステップS313の次のステップS315では、ランプ制御処理を行う。ランプ制御処理では、ステップS309で読み出した演出データの中に各種ランプ442,452への命令がある場合には、この命令を遊技盤用ランプ駆動回路440及び遊技台枠用ランプ駆動回路450に出力する。
ステップS315の次のステップS317では、可動体制御処理を行う。例えば、ステップS309で読み出した演出データの中に、後述する、図40に示す第一の可動体91や第二の可動体92や第三の可動体93への命令がある場合には、この命令を駆動回路422に出力する。
ステップS317の次のステップS319では、情報送信処理を行う。情報送信処理では、ステップS309で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行う。その後、ステップS303に戻る。
図11(b)は、第1副制御部400のCPU404が実行する第1副制御部コマンド受信割込処理(ストローブ割込処理)のフローチャートである。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が主制御部300からのストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS331では、主制御部300から受信したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
図11(c)は、第1副制御部400のCPU404が実行する第1副制御部タイマ割込処理のフローチャートである。第1副制御部400は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。第1副制御部タイマ割込処理のステップS341では、第1副制御部メイン処理のステップS303において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。したがって、ステップS303において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
ステップS341の次のステップS343では、第1副制御部メイン処理の情報送信処理(ステップS319)で設定された第2副制御部500への制御コマンドの送信や、その他演出用乱数値の更新処理等を行う。
次に、第2副制御部500の処理について説明する。図12(a)は、第2副制御部500の図示しないCPUが実行するメイン処理のフローチャートである。まず、図12(a)のステップS401では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS401で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM(不図示)内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS401の次のステップS403では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS405の処理に移行する。ステップS405では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS405の次のステップS407では、コマンド処理を行う。第2副制御部500のCPUは、第1副制御部400からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップS407の次のステップS409では、演出制御処理を行う。例えば、ステップS407で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データ(装飾図柄表示装置208による演出データ)をROM(不図示)から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。
ステップS409の次のステップS411では、画像制御処理を行う。画像制御処理では、ステップS409で読み出した演出データの中にVDP516への命令がある場合には、この命令をVDP516に出力する(詳細は後述)。その後、ステップS403に戻る。
図12(b)は、第2副制御部500のCPUが実行するコマンド受信割込処理のフローチャートである。このコマンド受信割込処理は、第2副制御部500が第1副制御部400からのストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS431では、第1副制御部400から受信したコマンドを未処理コマンドとしてRAMに設けたコマンド記憶領域に記憶する。
図12(c)は、第2副制御部500のCPUが実行するタイマ割込処理のフローチャートである。第2副制御部500は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。タイマ割込処理のステップS441では、第2副制御部メイン処理のステップS403において説明したRAMのタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。したがって、ステップS403において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。ステップS441の次のステップS443では、その他演出用乱数値の更新処理等を行う。
図12(d)は、第2副制御部メイン処理のステップS411における画像制御処理のフローチャートである。ステップS451では、画像データ(後述するムービーデータやテクスチャデータ)の転送指示を行う。ここでは、CPU504は、まず、VRAM518のフレームバッファ1とフレームバッファ2の描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていないフレームバッファに記憶された1フレームの画像が装飾図柄表示装置208に表示される。次に、CPU504は、VDP516のアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてROM座標(ROM506の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM518の転送先アドレス)などを設定した後、ROM506からVRAM518への画像データの転送開始を指示する命令を設定する。VDP516は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをROM506からVRAM518に転送する。その後、VDP516は、転送終了割込信号をCPU504に対して出力する。
ステップS451の次のステップS453では、VDP516からの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合は(ステップS453:Yes)、ステップS455に進み、そうでない場合は(ステップS453:No)、転送終了割込信号が入力されるのを待つ。
ステップS455では、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、CPU504は、ステップS451でVRAM518に転送した画像データに基づいてVRAM518のフレームバッファ1または2に表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM518の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)など)をVDP516に指示する。VDP516は、アトリビュートレジスタに格納された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。
ステップS455の次のステップS457では、描画指示を行う。この描画指示では、CPU504は、VDP516に画像の描画開始を指示する。VDP516は、CPU504の指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。
ステップS457の次のステップS459では、画像の描画終了に基づくVDP516からの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が入力された場合は、(ステップS459:Yes)、ステップS461に進み、そうでない場合は(ステップS459:No)、生成終了割込み信号が入力されるのを待つ。
ステップS461では、RAM508の所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタをインクリメント(+1)して処理を終了する。
次に、図13を参照して役物比率・設定表示器196及びディップスイッチ基板198の具体的構成について説明する。ここで、図13(A)は、役物比率・設定表示器196の具体的構成の一例を示す図であり、図13(B)は、ディップスイッチ基板198の具体的構成の一例を示す図である。
役物比率・設定表示器196は、上述したように、役物比率モニタと設定モニタとを有して構成されており、役物比率モニタは、連続役物比率(RY)及び役物比率(YH)を表示し、設定モニタは、現在の設定値を表示している。
ここで、連続役物比率とは、獲得する遊技球(すなわち、セーフ球)の数のうち役物が連続して作動する場合における当該役物の作動によるもの(すなわち、大当り遊技中において第1可変入賞口が開放して入賞したことにより獲得する遊技球の数)の割合のことをいう。なお、アウト球の数に対する第1可変入賞口への入賞により獲得する遊技球の数の割合であってもよい。また、役物比率とは、獲得する遊技球(すなわち、セーフ球)の数のうち役物の作動によるもの(すなわち、第1特図始動口(可変)、第1可変入賞口及び第2可変入賞口が開放して入賞したことにより獲得する遊技球の数)の割合のことをいう。なお、アウト球の数に対する第1可変入賞口、第2可変入賞口、第1特図始動口(固定)、第1特図始動口(可変)、第2特図始動口及び一般入賞口への入賞により獲得する遊技球の数の割合であってもよい。
本実施形態では、連続役物比率を算出した結果、連続役物比率が60%を超えていると判定した場合は、連続役物比率を表示する2ケタの7セグLEDを点滅表示させ、その後に、セキュリティ信号(RY)を出力する。ここで、セキュリティ信号(RY)は、連続役物比率が60%を超えた場合に出力されるエラー信号であり、情報出力回路336を介してパチンコ機100外に出力される。なお、主基板156に実装可能な試験端子から出力されてもよい。これにより、遊技機の型式申請試験を円滑に行わせることができる場合がある。
また、役物比率を算出した結果、役物比率が70%を超えていると判定した場合は、役物比率を表示する2ケタの7セグLEDを点滅表示させ、その後に、セキュリティ信号(YH)を出力する。ここで、セキュリティ信号(YH)は、役物比率が70%を超えた場合に出力されるエラー信号であり、情報出力回路336を介してパチンコ機100外に出力される。
なお、本実施形態では、連続役物比率あるいは役物比率が正常値の上限を超えた場合には、所定の7セグLEDを点滅させるようにしたが、例えば、発光色を変化させるようにしてもよい。
図13(B)に示すように、ディップスイッチ基板198には、8つのディップスイッチが配設されている。各ディップスイッチは、第1副基板160に接続されており、電源投入時に各ディップスイッチの位置を読み取り、演出の出現確率を変更することができ、例えば、設定示唆を実行する頻度や、予告の出現率や、演出モードの突入率等を設定することができる。
なお、以上説明したパチンコ機100では、第2可変入賞口のアタッタは大当り遊技では開放せず、小当り遊技でのみ開放したが、第2可変入賞口のアタッタが開放する大当りを用意してもよい。例えば、特図2の大当りとして、第1可変入賞口のアタッタではなく、第2可変入賞口のアタッタが開放する、3R大当り(実質1R大当り)や、6R大当り等を用意してもよい。
また、特図1と特図2の両方に小当りが用意されていたが、特図2にのみ小当りを設けてもよい。すなわち、特図2に限って、第2可変入賞口が、最大で或る回数(例えば、12回)の短開放を繰り返す小当りと、1回しか短開放しない小当りを設けてもよい。こうすることで、特図高確率普図低確率状態では、特図1始動口(可変)が入賞容易状態にならず、第1可変入賞口のアタッカが入賞困難状態であって、第2可変入賞口のアタッカも入賞困難状態であれば、右打ちされた遊技球の多くは、第2特図始動口に入球し、特図2変動遊技において大当りあるいは小当りを獲得することができる。特に、大当り遊技の当選確率よりも小当り遊技の当選確率の方が高い(例えば、およそ10倍程度高い)ことから、第2可変入賞口が最大で或る回数(例えば、12回)の短開放を繰り返す小当りに当選しやすく、この小当り遊技で出球を稼ぐことが期待できる。
次いで、図1及び図4に示す球貯留皿126について説明する。
図14は、下部ユニットUUが取り付けられた前面枠扉106を左斜め上方から見た斜視図である。なお、図14に示す前面枠扉106からは、図3に示す左枠ランプ122Lおよび右枠ランプ122Rが取り外されている。
図14には、下部ユニットUUの中央に配置された演出ボタン136、その演出ボタン136の右斜め上に配置された球抜ボタン130が図示されている。また、右側に配置された操作パネルOPには、十字キー1901、決定ボタン1902、音量調整ボタン1903、および光量調整ボタン1904が配置された操作キーユニット190、球貸操作ボタン140、返却操作ボタン141が図示されている。
また、下部ユニットUUの左側には、球貯留皿126が図示され、球貯留皿126と演出ボタン136の間に球流しボタン131も図示されている。
球貯留皿126は、下側ベース部1060に取り付けられた皿構成部材128と、皿用可動部材129で構成されている。
下側ベース部1060には、球払出口1271や戻り球口1272も設けられている。球払出口1271からは、賞球や貸球が払い出される。戻り球口1272には、図3に示す発射装置110から発射された遊技球のうち遊技領域124に到達しなかった遊技球が戻ってくる。球払出口1271と戻り球口1272とでは、球払出口1271の方が高い位置に設けられている。
図15(a)は、皿構成部材128を後方側から示す斜視図であり、図の右手前側が後方側になる。また、図の左側が下流側になる。
皿構成部材128は、前面壁128fと、第1傾斜面1281と、第2傾斜面1282を有する。第1傾斜面1281と第2傾斜面1282は連続している。第1傾斜面1281の方が第2傾斜面1282よりも高い位置にあり、第1傾斜面1281の下端が第2傾斜面1282の上端につながっている。したがって、球貯留皿126における遊技球の流れは、第1傾斜面1281から第2傾斜面1282に向かうことになる。以下の説明では、球貯留皿126における遊技球の流れを基準にして上流側、下流側と称する。また、第2傾斜面1282は第1傾斜面1281よりも傾斜が緩いが、その逆で、第1傾斜面1281が第2傾斜面1282よりも傾斜が緩くてもよい。球払出口1271から払い出される遊技球は、第1傾斜面1281に払い出される。球払出口1271は、球貯留皿126の上流端部に設けられたものであり、球払出口1271に近いほど上流側ともいえ、球払出口1271から離れるほど下流側ともいえる。
図15(a)に示す右側から左側に向かう矢印は、図15(a)が下側ベース部1060側から示す図であるため、図14では左側から右側に向かう矢印になるが、球貯留皿126において遊技球が流れる方向(上流側から下流側に向かう方向)を表す矢印になる。
第2傾斜面1282における下流側の下側ベース部1060側には、切欠部1283が設けられている。この切欠部1283の大きさは、遊技球よりも大きい。
図14に示す球貯留皿126では、この切欠部1283がシャッタ部1291で完全に塞がれている。シャッタ部1291は、左右方向に移動可能な皿用可動部材129に設けられたものである。図14には、皿用可動部材129が初期位置にあるときのシャッタ部1291が示されている。
図15(b)は、同図(a)に示した皿構成部材128と同じく、皿用可動部材129を後方側から示す斜視図であり、図の右手前側が後方側になり、図の左側が下流側になる。
図15(b)に示すように、皿用可動部材129は、移動方向に延在したステー部1290の上流側にシャッタ部1291が設けられている。なお、ステー部1290の前方側には、取付突起1290aと、2つの摺動突起1290bが設けられている。
シャッタ部1291は、前側部分1291fと後側部分1291bの間が段差Bp1になっている。すなわち、前側部分1291fは第2傾斜面1282と同じ高さ位置にあるが、後側部分1291bは、前側部分1291fより一段下がった高さ位置になる。戻り球口1272から戻される遊技球は、この後側部分1291bに戻される。
図15(b)に示すようにシャッタ部1291の後側部分1291bは下流側に向かって下方へ傾斜している。
さらに、図15(a)に示すように、皿構成部材128には、下流側に向かって下方へ傾斜しながら続く球通路1284が設けられている。なお、球通路1284は、皿構成部材128の一部1286と、皿構成部材128とは別の通路部材1284aとで構成されている。
図15(c)は、図14と同じように初期位置にあるときの皿用可動部材129および皿構成部材128を下流側から示す斜視図であり、図の左手前側が下流側になる。また、この図15(c)では、図の右側が後方側になる。
図15(c)に示すように、皿用可動部材129が初期位置にあるときには、シャッタ部1291の後側部分1291bから球通路1284につながった状態になる。この球通路1284は、発射装置110につながる通路である。
なお、図15(a)や同図(c)に示すように、球通路1284の前側にも段差Bp2が設けられており、その段差Bp2よりも前側にある遊技球は、球通路1284に落下する。
球貯留皿126に貯留された遊技球のうち下流側の遊技球は、この球通路1284に一列に並ぶ。図14に示す、演出ボタン136の右斜め上に配置された球抜ボタン130を押下すると、球通路1284の下流側から遊技球が排出される。
さらに、皿用可動部材129には、可動片1292が設けられている。この可動片1292は、シャッタ部1291の後側部分1291bから下側ベース部1060に沿って立ち上がったものである。可動片1292には、第2傾斜面1282よりも上方に突出した作用部1292aが設けられている。
図15(a)に示すように、第2傾斜面1282の下側ベース部1060側の端部には前方側に凹んだ可動領域前溝1285が設けられている。この可動領域前溝1285は、第1傾斜面1281の、第2傾斜面1282側(下流側)端部まで延在している。下側ベース部1060にも、この可動領域前溝1285に対応して後方側に凹んだ可動領域後溝1273(図16参照)が設けられている。可動領域後溝1273は、図15(b)に示す作用部1292aの幅w分だけ、可動領域前溝1285よりも下流側に延長されている。可動片1292は、皿用可動部材129の移動に合わせて、可動領域前溝1285と可動領域後溝1273によって形成された空間内を移動する。
以上の説明では、シャッタ部1291と可動片1292は一体のものであったが、別体のものであってもよい。
図16は、皿用可動部材129が可動する様子を段階的に示す図である。この図16では、下部ユニットUUが取り付けられた前面枠扉106を、真上より少し前方側から見たときの斜視図になっている。図16では、球貯留皿126における遊技球の流れは、左側から右側になる。
図16(a)は、皿用可動部材129が初期位置にあるときの様子を示す図である。すなわち、図16(a)に示す皿用可動部材129は、図14や図15に示す皿用可動部材129と同じ状態であり、第2傾斜面1282における切欠部1283は、皿用可動部材129のシャッタ部1291で完全に塞がれている。すなわち、シャッタ部1291が全閉状態である。また、可動片1292は、可動領域前溝1285と可動領域後溝1273によって形成された空間の最も下流側に位置し、その作用部1292aは、切欠部1283の上流端に位置している。
皿用可動部材129は、球貯留皿126と演出ボタン136の間に設けられた球流しボタン131を一番奥まで押下すると、初期位置から最大移動位置まで移動する。
図16(b)は、皿用可動部材129が初期位置と最大移動位置のちょうど中間になる中間位置にあるときの様子を示す図である。
皿用可動部材129のシャッタ部1291は、上流側(図では左側)に移動しており、第2傾斜面1282における切欠部1283は、上流側の半分しか、シャッタ部1291で塞がれておらず、下流側(図では右側)の半分には開口が形成されている。すなわち、シャッタ部1291が半分開いている状態である。この開口の大きさは、遊技球の大きさよりも大きく、遊技球は、この開口から下方へ排出される。すなわち、球流しボタン131を押下した場合であっても、シャッタ部1291が移動して開口の大きさが遊技球の大きさよりも大きくなれば、球貯留皿126に貯留されていた遊技球が、その開口から排出されるようになる。なお、開口の奥には、球抜き通路1266(図17参照)の一部が見えている。
また、可動片1292は、可動領域前溝1285と可動領域後溝1273によって形成された空間のちょうど中間位置に位置している。
図16(b)に示す状態から球流しボタン131をさらに押下すると、皿用可動部材129は最大移動位置まで移送する。
図16(c)は、皿用可動部材129が最大移動位置にあるときの様子を示す図である。
この図16(c)では、シャッタ部1291はさらに上流側(図では左側)に移動しており、第2傾斜面1282における切欠部1283から完全に外れた位置にある。すなわち、シャッタ部1291が全開状態である。このため、切欠部1283全体が開口になっており、遊技球が排出される。なお、ここでも、開口の奥に、球抜き通路1266(図17参照)の一部が見えている。
また、可動片1292は、可動領域前溝1285と可動領域後溝1273によって形成された空間の最も上流側に位置している。すなわち、可動片1292は、これ以上、上流側に移動することはできない。図16(c)に示す可動片1292の作用部1292aは、第1傾斜面1281と第2傾斜面1282の境界brに位置している。すなわち、作用部1292aは、第1傾斜面1281の下流端に位置している。なお、皿用可動部材129を最大移動位置まで移動させると、作用部1292aが、その境界brよりもさらに上流側まで移動するようにしてもよいし、反対に、その境界brの手前までしか移動しないようにしてもよい。
図17は、球流しボタン131が押下されると皿用可動部材129が可動する仕組みを示した図であり、同図(a)は、球流しボタン131が押下される前の状態を前方側から示した図である。すなわち、図17(a)に示す球流しボタン131は初期位置にあり、同図(a)は、図16(a)に示す、皿用可動部材129が初期位置にあるときの状態を示した図である。一方、図17(b)は、球流しボタン131が一番奥まで押下された状態を前方側から示した図である。すなわち、図17(b)に示す球流しボタン131は最大押下位置にあり、同図(b)は、図16(c)に示す、皿用可動部材129が最大移動位置にあるときの状態を示した図である。
図17には、球流しボタン131と、皿用可動部材129の他、可動ベース部材1260、引張りバネ1263、ボタンベース1264、回動レバー1265、球抜き通路1266が示されている。
可動ベース部材1260は、球流しボタン131が、ボタンベース1264を介して取り付けられているボタン部分1261と、皿用可動部材129が取り付けられている可動領域部分1262を有する。
ボタンベース1264は、球流しボタン131の押下方向に延在したものであり、上端は球流しボタン131に固定されている。また、ボタンベース1264の下端には被係止部1264aが設けられ、中間位置には連動突起1264bが設けられている。ボタンベース1264は、可動ベース部材1260のボタン部分1261に上方から上下方向に移動可能に挿入されている。
引張りバネ1263の上端は、可動ベース部材1260におけるボタン部分1261の上端に係止され、下端は、ボタンベース1264の下端に設けられた被係止部1264aに係止されている。この結果、押下する手を球流しボタン131から離すと、この引張りバネ1263の作用により、球流しボタン131は初期位置に復帰する。
回動レバー1265は三角形状の部材であり、一つの頂点(図では左上の頂点)近傍に回動中心軸1265aが設けられている。残り二つの頂点近傍それぞれには、短い長孔が設けられている。回動中心軸1265aは、可動ベース部材1260のボタン部分1261に回動可能に取り付けられている。ボタンベース1264に設けられた連動突起1264bは、ボタン部分1261に形成された縦溝1261a(図17(b)参照)を貫通し、先端部分は、回動レバー1265に設けられた一方の短い長孔に挿入され、回動レバー1265に取り付けられている。また、皿用可動部材129におけるステー部1290(図15(b)参照)の前方側の下流端に設けられた取付突起1290aは、ボタン部分1261に形成された横溝1261bを貫通し、先端部分は、回動レバー1265のもう一方の短い長孔に挿入され、取付突起1290aは、回動レバー1265の下端部分に取り付けられている。
可動ベース部材1260の可動領域部分1262は、ボタン部分1261から上流側に延在した部分であり、この可動領域部分1262に、上流側と下流側を結ぶ可動溝1262aが形成されている。可動溝1262aには、皿用可動部材129のステー部1290に設けられた2つの摺動突起1290bが挿入されている。これら2つの摺動突起1290bは、図17(a)では、1つの摺動突起1290bしか見えていないが可動溝1262aの下流側に位置している。一方、図17(b)では、これら2つの摺動突起1290bが可動溝1262aの上流側に位置している。
球流しボタン131が押下されはじめると(図17(b)に示す矢印P参照)、ボタンベース1264に設けられた連動突起1264bが縦溝1261aに沿って下がり、回動レバー1265は、回動中心軸1265aを中心に、図17では時計回りの方向(図17(b)に示す矢印RM参照)に回動を開始する。回動レバー1265の下端部分に取り付けられていた、皿用可動部材129の取付突起1290aは、この回動レバー1265の回動によって、横溝1261bに案内されて、上流側に向かって移動を開始する。この結果、皿用可動部材129は、2つの摺動突起1290bが可動溝1262aに案内されて上流側に移動し、図16(b)を用いて説明したように、シャッタ部1291も上流側に移動し切欠部1283に開口が形成されるとともに、可動片1292も上流側に移動する。
球流しボタン131を最大押下位置まで押下すると、図17(b)に示すように、皿用可動部材129は上流端となる最大移動位置まで移動し、図16(c)を用いて説明したように、シャッタ部1291は切欠部1283から完全に外れた位置まで移動し、切欠部1283全体が開口になるとともに、可動片1292も上流端まで移動する。図17に示す球抜き通路1266は、切欠部1283に形成される開口からつながった通路であり、球抜き通路1266を通過した遊技球は、パチンコ機100の外(例えば、遊技球収集容器(俗称、ドル箱))へ排出される。
なお、上述のごとく、押下する手を球流しボタン131から離すと、引張りバネ1263の作用により、球流しボタン131は初期位置に復帰し、皿用可動部材129は、図17(a)に示す状態になる。
続いて、可動片1292の作用について説明する。なお、可動片1292の作用とは、厳密には、可動片1292に設けられた、第2傾斜面1282よりも上方に突出した作用部1292aの作用になる。
図18は、球貯留皿126に滞留している一つの遊技球に可動片1292が接触する様子を段階的に示す図である。この図18では、球貯留皿126を中心に、真上より少し前方側から見たときの状態を示しており、右側には球流しボタン131が示されている(図22まで同じ)。また、図18では、球貯留皿126における遊技球の流れは、左側から右側になる(図22まで同じ)。
図18(a)は、皿用可動部材129が初期位置にあるときの状態を示す図であり、切欠部1283はシャッタ部1291で完全に塞がれている。また、可動片1292は、可動領域前溝1285と可動領域後溝1273によって形成された空間(以下、可動空間SKという。)の最も下流側に位置し、その作用部1292aは、切欠部1283の上流端に位置している。この例では、一つの遊技球B1が、第2傾斜面1282における上流側の下側ベース部1060側、すなわち可動空間SKにかかる位置に滞留している。より詳しくは、可動空間SKのうち、上流側と下流側の中間となる中間位置にかかる位置に滞留している。遊技球にホコリや油成分が付着していると、傾斜面であっても、遊技球はこのように滞留してしまうことがある。
図18(b)では、球流しボタン131が押下され、可動片1292は、可動空間SKの最も下流側の位置から上流側に向けて移動し、中間位置に到達している。中間位置には、一つの遊技球B1が滞留しており、可動片1292はその遊技球B1に接触する。可動片1292が遊技球B1に接触すると、球流しボタン131から手を離す。すなわち、皿用可動部材129が最大移動位置に到達する前に、球流しボタン131の押下操作を終了する。球流しボタン131の押下操作を終了すると、皿用可動部材129は初期位置に戻る。
図18(c)は、皿用可動部材129が初期位置に戻ったときの状態を示す図である。可動片1292が遊技球B1に接触すると、接触した可動片1292によって遊技球B1には外力が付与され、滞留していた遊技球B1が動く。遊技球B1が少しでも動けば、あとは第2傾斜面1282における傾斜によって、遊技球B1は下流側へ流下する。図18(c)には、下流側へ流下する遊技球B1が示されている。
図18(c)から続く同図(d)に示すように、切欠部1283はシャッタ部1291で完全に塞がれており、遊技球B1は、シャッタ部1291の上を通って球通路1284に落下し、球通路1284を流下する。
図19は、球貯留皿126の上流側に滞留している一つの遊技球に可動片1292が接触する様子を段階的に示す図である。
図19(a)は、図18(a)と同じく、皿用可動部材129が初期位置にあるときの状態を示す図であり、切欠部1283はシャッタ部1291で完全に塞がれている。また、可動片1292は、可動空間SKの最も下流側に位置している。この例では、一つの遊技球B2が、可動空間SKの最も上流側となる上流端位置にかかる位置に滞留している。図19(a)に示す遊技球B2は、ちょうど、第1傾斜面1281と第2傾斜面1282の境界brに位置している。したがって、遊技球B2は、第2傾斜面1282の上流端に位置しているとも言えるし、第1傾斜面1281の下流端に位置しているとも言える。上述のごとく、遊技球にホコリや油成分が付着していると、傾斜面であっても、遊技球は滞留してしまうことがあるが、傾斜角度が変わる境界brであると、第1傾斜面1281と第2傾斜面1282の間に遊技球が挟まれ、滞留してしまうこがある。
図19(b)では、球流しボタン131が最大押下位置まで押下され、皿用可動部材129は最大移動位置まで移動する。この結果、切欠部1283全体が開口になるとともに、可動片1292は、可動空間SKの上流端位置まで到達しており、可動片1292は遊技球B2に接触する。可動片1292が遊技球B2に接触しても、球流しボタン131を最大押下位置まで押し続けたままにすると、皿用可動部材129は最大移動位置に留まった状態になる。
図19(c)は、皿用可動部材129が最大移動位置に留まった状態を示す図である。
可動片1292が遊技球B2に接触すると、接触した可動片1292によって遊技球B2には外力が付与され、上流側で滞留していた遊技球B2が動く。遊技球B2が少しでも動けば、ここでも第2傾斜面1282における傾斜によって、遊技球B2は下流側へ流下する。
図19(c)から続く同図(d)では、切欠部1283全体が開口になったままであり、流下する遊技球B2は、球通路1284に流入する前に、この開口に落下する。開口に落下した遊技球B2は、開口の奥側に一部が見えている球抜き通路1266を通って、パチンコ機100の外へ排出される。
可動片1292が移動する領域(可動空間SK)は、切欠部1283よりも上流側になる。したがって、可動片1292は、滞留している遊技球B2に切欠部1283よりも上流側で接し、外力を付与する。このため、可動片1292が接触して流下してきた遊技球B2は、シャッタ部1291が移動して開口の大きさが遊技球の大きさよりも大きくなったままであれば、その開口に落下する。
図20は、球貯留皿126に二つの遊技球が滞留している場合の例を段階的に示す図である。
図20(a)は、図18(a)と同じく、皿用可動部材129が初期位置にあるときの状態を示す図であり、切欠部1283はシャッタ部1291で完全に塞がれている。また、可動片1292は、可動空間SKの最も下流側に位置している。この例でも、図18(a)と同じく、一つの遊技球B3が、可動空間SKの中間位置にかかる位置に滞留している。この位置は、第2傾斜面1282の上流側の位置である。また、球貯留皿126における遊技球の流れる方向で見た場合、二つ目の遊技球B4は、一つ目の遊技球B3と、ほぼ同じレベルの位置に滞留している。すなわち、二つ目の遊技球B4も、第2傾斜面1282の上流側の位置に滞留している。
図20(b)では、球流しボタン131が押下され、可動片1292は、可動空間SKの中間位置に到達しており、可動片1292は遊技球B3に接触する。可動片1292が遊技球B3に接触すると、球流しボタン131から手を離す。
図20(c)では、接触した可動片1292によって外力が付与された遊技球B3が動き出し、動いた先に滞留していた二つ目の遊技球B4に衝突している。可動片1292が接触した遊技球B3と、その遊技球B3が衝突した遊技球B4はともに、第2傾斜面1282における傾斜によって下流側へ流下する。この例に示すように、可動片1292の可動領域から離れた位置に滞留している遊技球B4であっても流下させることができる場合がある。なお、可動片1292が接触した遊技球B3よりも下流側に滞留している遊技球であっても、可動片1292が接触した遊技球B3によって流下させることができる場合がある。
図21は、可動片1292が接触した遊技球よりも上流側に遊技球が滞留している場合の例を段階的に示す図である。以下、図20に示す例との相違点を中心に説明する。
この例でも、図20(a)と同じく、一つの遊技球B5が、可動空間SKの中間位置にかかる位置に滞留している。二つ目の遊技球B6は、一つ目の遊技球B5よりも上流側となる、球貯留皿126の上流端に滞留している。すなわち、一つ目の遊技球B5は、第2傾斜面1282の上流側の位置に滞留しており、二つ目の遊技球B6は、第1傾斜面1281の上流端に滞留している。
図21(b)では、球流しボタン131が押下され、可動片1292は、上流側に向かって移動し、可動空間SKの中間位置において遊技球B5に接触する。この例でも、可動片1292が遊技球B5に接触すると、球流しボタン131から手を離す。
上流側に移動する可動片1292によって、上流側に向けての外力が付与された遊技球B5が、図21(c)では上流側へ動き出し、球貯留皿126の上流端に滞留していた二つ目の遊技球B6に衝突している。可動片1292が接触した遊技球B5と、その遊技球B5が衝突した遊技球B6はともに、第1傾斜面1281における傾斜によって下流側へ流下し、その後、第2傾斜面1282における傾斜によってさらに下流側へ流下する。この例に示すように、可動片1292の可動領域(可動空間SK)よりも上流側の位置に滞留している遊技球B6であっても流下させることができる場合がある。
図22は、球貯留皿126での球噛みを可動片1292で解消する例を段階的に示す図である。
図22(a)に示す球貯留皿126には、多くの遊技球が貯留されているが、遊技球は、球通路1284の上流端部分までしかきておらず、球通路1284の下流側に向かって1列に並んだ状態ではない。これは、球貯留皿126内で球噛みが生じており、遊技球どうしが引っかかって下流側へ流下することができない状態にある。
図22(b)では、球流しボタン131が半分程度押下され、可動片1292は、可動空間SKの中間位置付近に到達している。球流しボタン131を半分程度押下したら、球流しボタン131から手を離す。図22(b)に示す可動片1292は、貯留されている遊技球に埋もれながらも、その中を移動し、複数の遊技球に接触して外力を付与している。また、シャッタ部1291も上流側に移動し、このシャッタ部1291も複数の遊技球の底に接触して外力を付与している。これらの結果、球貯留皿126内での球噛みが解消される。
図22(c)では、球噛みが解消され、貯留されていた遊技球は球通路1284の下流側まで流れ込み、図22(c)に示す球通路1284には、遊技球が1列に並んでいる。
なお、球噛みがなかなか解消されない場合には、球流しボタン131を複数回連続ですばやく押下するように操作して、可動片1292を高速で往復動させてもよい。
また、押下していた球流しボタン131から手を離すことで可動片1292は下流側へ向かって移動する。この下流側へ向かって移動する可動片1292によっても、遊技球に接触することで、外力を付与することができ、遊技球を動かすことができる。特に、下流側へ向かう外力を付与することができ、遊技球を下流側へより勢いよく流下させることが可能になる。
さらに、可動片1292は下流側へ向かって移動する際には、作用部1292aが第2傾斜面1282よりも低くなるように下降し、上流側へ向かって移動する際のみ、作用部1292aが第2傾斜面1282よりも突出するようにしてもよいし、これとは反対に、可動片1292が上流側へ向かって移動する際には、作用部1292aが第2傾斜面1282よりも低くなるように下降し、下流側へ向かって移動する際のみ、作用部1292aが第2傾斜面1282よりも突出するようにしてもよいし
以上説明した皿用可動部材129は、滞留している遊技球に外力を付与する駆動部の一例であり、移動して位置を変化するものであったが、上記駆動部としては、位置は変化せず、振動するものであってもよいし、回転するものであってもよい。また、姿勢が変化するものであってもよい。さらには、球貯留皿126における球載置面となる底面の一部又は全部が、可動(例えば、昇降)したり、振動したり、回転したりするものであってもよいし、その底面の一部又は全部の傾斜角度が変化したりするものであってもよい。また、上記駆動部としては、滞留している遊技球に必ずしも接触するものでなくてもよく、例えば、滞留している遊技球から離れた位置から風を吹き付けるものであってもよい。
また、下部ユニットUUを、前面枠扉106とは別に開閉可能にしてもよい。さらに、球貯留皿126の他に、第二の球貯留皿を設け、第二の球貯留皿にも、皿用可動部材129と同じ部材を設けてもよい。この第二の球貯留皿は、球貯留皿126よりも上流に配置されるものであってもよいし、下流に配置されるものであってもよいし、同レベルに配置されるものであってもよい。
以上の記載によれば、
『 球貯留皿[例えば、球貯留皿126]と、
操作部[例えば、球流しボタン131]と、
前記操作部が操作されると駆動する駆動部[例えば、皿用可動部材129あるいは可動片1292]と、
を備えた遊技台であって、
前記駆動部は、前記球貯留皿に設けられたものであり、
前記駆動部は、前記球貯留皿に貯留されている或る遊技球[例えば、遊技球B1〜B6]に駆動すること[例えば、移動したり、回転したり、振動したり、流体を吐出したりすること]で外力を付与するものである、
ことを特徴とする遊技台。』
について説明した。
前記操作部を操作することで、前記球貯留皿に滞留する遊技球を、遊技者が手で触れることなく、前記駆動部からの外力によって下流側に流れ出す契機を与えることができ、衛生的であるとともに遊技者が遊技に集中することができる。
なお、前記球貯留皿は、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段を備え、前記発射手段から発射された遊技球のうち前記遊技領域に到達しなかった遊技球が戻ってくる皿であってもよいし、賞球が払い出される皿であってもよいし、貸球が払い出される皿であってもよい。また、貯留された遊技球を排出可能な皿であってもよく、例えば、他の皿へ排出可能な皿であってもよいし、遊技球収集容器(いわゆるドル箱)へ排出可能な皿であってもよい。すなわち、前記球貯留皿は、いわゆる上皿であってもよいし、いわゆる下皿であってもよいし、上皿の機能と下皿の機能が合わさった皿(上皿兼下皿)であってもよい。
前記駆動部は、前記操作部が操作されると、振動するものであってもよいし、回転するものであってもよいし、姿勢変化するものであってもよいし、流体を吐出するものであってもよい。あるいは、或る動作(例えば、上下方向の動作または/および左右方向の動作)を行うものであってもよい。
また、
『 前記駆動部は、前記操作部が操作されると、前記或る遊技球に非接触な位置[例えば、初期位置]から接触する位置に移動し、該或る遊技球に接触することで外力を付与するものである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
すなわち、前記駆動部は、可動部であってもよい。
また、
『 前記球貯留皿は、開閉する球抜き開口[例えば、切欠部1283]が設けられたものであり、
前記球抜き開口は、前記駆動部が駆動することで閉じた状態[例えば、シャッタ部1291が閉じた状態]から開いた状態[例えば、シャッタ部1291が開いた状態]に変化するものである[例えば、図16]、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
また、
『 前記駆動部は、前記球抜き開口よりも前記球貯留皿における上流側で、前記或る遊技球に外力を付与するものである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
なお、前記球貯留皿における上流側とは、前記球貯留皿を遊技球が流下する流下方向における上流側のことであってもよい(以下においても同じ。)。前記流下方向は、前記球貯留皿における下面(床面)の高さ位置の変化によって決まり、一般的に高い位置から低い位置に向かう方向が流下方向になる(以下においても同じ。)。
前記球貯留皿は、前記流下方向上流側に、球払出口を有するものであってもよい。前記球払出口からは賞球や貸球が払い出される。前記球払出口に近いほど上流側ともいえ、該球払出口から離れるほど下流側ともいえる(以下においても同じ。)。なお、前記球貯留皿は、前記球払出口とは別に、戻り球口を有するものであってもよい。前記戻り球口は、前記球払出口よりも前記流下方向下流側に設けられていてもよい。
遊技領域へ遊技球を発射する発射手段を備え、前記球貯留皿は、下流側が前記発射手段につながったものであってもよい。
また、
『 前記駆動部における駆動には、前記或る遊技球に外力を付与する部位[例えば、可動片1292あるいは作用部1292a]が、前記球貯留皿における上流側から下流側に向かって移動すること[例えば、押下していた球流しボタン131から手を離すことで移動すること]が含まれる、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
なお、前記駆動部における駆動は、前記或る遊技球に外力を付与する部位が、前記球貯留皿における上流側から下流側に向かって移動することのみであってもよい。
外力を付与する部位が上流側から下流側に向かって移動することで、前記或る球に下流側へ移動する外力を付与することができる。
また、
『 前記駆動部における駆動には、前記或る遊技球に外力を付与する部位[例えば、可動片1292あるいは作用部1292a]が、前記球貯留皿における下流側から上流側に向かって移動すること[例えば、球流しボタン131を押下することで移動すること]が含まれる、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
なお、前記駆動部における駆動は、前記或る遊技球に外力を付与する部位が、前記球貯留皿における下流側から上流側に向かって移動することのみであってもよい。
外力を付与する部位が下流側から上流側に向かって移動することで、前記或る球に上流側へ一旦移動する外力を付与することができ、該或る球は、自身よりも上流側で滞留している遊技球にぶつかって、該遊技球とともに最終的には下流側へ流下していくことになる。
前記駆動部は、前記操作部が操作されると、前記球貯留皿における上流側と下流側の間で往復移動し、前記或る遊技球に接触することで外力を付与するものであってもよい。
また、
『 前記駆動部は、直接接触していない遊技球[例えば、遊技球B4や遊技球B6]に対しても駆動することで外力を付与することができる場合があるものである[例えば、図20や図21に示す例]、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
すなわち、前記或る遊技球には、前記駆動部が直接接触する遊技球の他、直接は接触することができない遊技球も含まれる。これは、直接接触することで外力を付与された遊技球を介して、直接は接触することができない遊技球にも外力を付与することができるからである。
また、
『 前記球貯留皿は、第一の傾斜部[例えば、第1傾斜面1281]と第二の傾斜部[例えば、第2傾斜面1282]を有するものであり、
前記第二の傾斜部は、前記第一の傾斜部よりも傾斜が緩い傾斜部であり[例えば、図15(a)]、
前記駆動部は、前記第二の傾斜部に貯留される或る遊技球[例えば、遊技球B1や遊技球B2]に駆動することで外力を付与するものである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
続いて、同じ遊技島に設置された、従来のパチンコ機100’と、図1に示すパチンコ機100を比較して説明する。
図23は、同じ遊技島に設置された、従来のパチンコ機100’と、本実施形態のパチンコ機100を正面(遊技者側)から示す図である。この図23には、左側2つに本実施形態のパチンコ機100,100が設置されており、右端に従来のパチンコ機100’が1台設置されている。図24は、図23に示す、2台の本実施形態のパチンコ機100,100と1台の従来のパチンコ機100’を真上から見た図(平面図)であり、図の下側が遊技者側になる。
各パチンコ機100,100,100’の上にはデータ表示器DDが配置されている。図23に示すように、左側2つの本実施形態のパチンコ機100では、上部演出ユニットDUによってデータ表示器DDは隠されてしまっているため、右端の従来のパチンコ機100’の上に配置されたデータ表示器DDを参照しながら説明する。
データ表示器DDには、中央にLEDディスプレイDD1が配置されており、そのLEDディスプレイDD1の左側には呼出ボタンDD2が設けられ、反対側の右側には表示切替ボタンDD3が設けられている。LEDディスプレイDD1には、外部のホールコンピュータから送信されてきた遊技情報に基づく遊技履歴表示が表示される。例えば、大当り回数や確変状態の継続回数や遊技回数等を表す表示が表示される。呼出ボタンDD2は、押下すると遊技店の店員を呼び出すことができる。表示切替ボタンDD3は、押下すると、LEDディスプレイDD1に表示されている表示内容や表示態様を切り替えることができる。例えば、当日の遊技情報に基づく遊技履歴表示が表示されている状態で表示切替ボタンDD3が操作されると、表示される遊技履歴表示が当日の遊技情報に基づく表示から前日の遊技情報に基づく表示に切り替わる。あるいは、表示態様が数値表示で表示されている状態で表示切替ボタンDD3が操作されると、グラフ表示の表示態様に切り替わる。
上述のごとく、左側2つの本実施形態のパチンコ機100では、上部演出ユニットDUによってデータ表示器DDは隠されてしまっており、正面視では、そのデータ表示器DDのLEDディスプレイDD1を視認することは困難である。しかしながら、本実施形態のパチンコ機100によれば、上部演出ユニットDUの本体部DU0に設けられた第1表示部DU1に遊技履歴表示が表示されるため、LEDディスプレイDD1が視認困難であっても何ら支障はない。また、本実施形態のパチンコ機100では、上部演出ユニットDUによって、呼出ボタンDD2及び表示切替ボタンDD3は操作困難である。しかしながら、本実施形態のパチンコ機100によれば、上部演出ユニットDUの本体部DU0に呼出ボタンDU3が設けられている。また、上部演出ユニットDUでは、第1表示部DU1を覆う、中央の半球形状のレンズを押下可能であり、このレンズを押下することで、第1表示部DU1に表示されている表示内容や表示態様を切り替えることができる。したがって、呼出ボタンDD2及び表示切替ボタンDD3が操作困難であっても何ら支障はない。なお、チャンスボタン136を押下することでも第1表示部DU1に表示されている表示内容や表示態様を切り替えることができるようにしてもよいし、上部演出ユニットDUに、表示切替専用のボタンを設けてもよい。
パチンコ機とパチンコ機との間にはそれぞれ、球貸機BRl,BRm,BRrが設置されている。これらの球貸機BRl,BRm,BRrはいずれも、縦に細長い直方体状の球貸機本体BRBの前面に、ここでは図示省略されているが、硬貨投入口、カード挿入口、硬貨返却口、貸出表示ランプ、球取出筒等が設けられている。球取出筒は、下方に向けて開口した上下動可能な筒体であって、開口に手を当てて球取出筒を上昇させることで貸球が開口から手の上に供給される仕組みになっている。
ここで、左側2つの本実施形態のパチンコ機100と、右端の従来のパチンコ機100’とを比較してみると、本実施形態のパチンコ機100は、従来のパチンコ機100’に比べて、内枠104の厚さがあり(前後方向の長さが長く)、内枠104の前面は、球貸機本体BRBの前面よりも遊技者側に位置していることがわかる。
いずれの球貸機BRl,BRm,BRrも、回動部BR0と第1関節通路部BR1を有する。回動部BR0は、球貸機本体BRBに対して不図示の縦方向の回動軸を中心に回動可能なものである。すなわち、回動部BR0は、水平方向に回動可能なものである。この回動部BR0に第1関節通路部BR1が着脱可能に取り付けられており、回動部BR0が水平方向に回動することで、第1関節通路部BR1も水平方向に回動する。
左端の本実施形態のパチンコ機100の左横に設置された球貸機BRl(左側の球貸機BRl)では、回動部BR0は遊技者側(紙面手前側)を向いている。一方、中央の本実施形態のパチンコ機100の左横に設置された球貸機BRm(中央の球貸機BRm)では、回動部BR0は、中央のパチンコ機100の方を向いており、右端の従来のパチンコ機100’の左横に設置された球貸機BRr(右側の球貸機BRr)では、回動部BR0は右端の従来のパチンコ機100’の方を向いている。
また、第1関節通路部BR1は、回動部BR0に対して上下方向に首振り可能であるが、いずれの球貸機BRl,BRm,BRrに取り付けられている第1関節通路部BR1も水平姿勢である。したがって、左側の球貸機BRlに取り付けられている第1関節通路部BR1は、遊技者側(紙面手前側)を向いた水平姿勢であり、中央の球貸機BR2に取り付けられている第1関節通路部BR1は、中央のパチンコ機100の方を向いた水平姿勢であり、右側の球貸機BRrに取り付けられている第1関節通路部BR1は、右端の従来のパチンコ機100’の方を向いた水平姿勢である。
また、従来のパチンコ機100’の左横に設置された右側の球貸機BRrでは、回動部BR0と第1関節通路部BR1の他に、第2関節通路部BR2も有する。第2関節通路部BR2は、第1関節通路部BR1に着脱可能に取り付けられている。この第2関節通路部BR2は、第1関節通路部BR1に対して上下方向に首振り可能であり、右側の球貸機BRrに取り付けられている第2関節通路部BR2は、下向きに傾斜した姿勢である。なお、本実施形態のパチンコ機100の左横に設置された球貸機(左側の球貸機BRlおよび中央の球貸機BRm)では、第2関節通路部BR2が第1関節通路部BR1から取り外されている。
第1関節通路部BR1の内径は遊技球が1球通過できる大きさしかなく、第1関節通路部BR1の全長は遊技球数個分の長さである。第2関節通路部BR2の内径も遊技球が1球通過できる大きさしかなく、第2関節通路部BR2の全長は第1関節通路部BR1の全長よりもはるかに長く、従来のパチンコ機100’の球貯留皿126’の位置まで延在している。第1関節通路部BR1にしても第2関節通路部BR2にしても、内部では、遊技球が1列に整列された状態である。上述のごとく、第2関節通路部BR2は下向きに傾斜した姿勢であるが、第2関節通路部BR2の先端に設けられた下向きの球供給口BR21は、球貯留皿126’が設けられた高さ位置よりもかなり高い位置までしか球貯留皿126’に近付けていない。このため、図23に示す従来のパチンコ機100’では、第2関節通路部BR2の球供給口BR21から供給された遊技球が球貯留皿126’内に落下した勢いで跳ね返り、球貯留皿126’から飛び出してしまっている。
図25は、図23及び図24に示す中央の本実施形態のパチンコ機100と、その左横に設置された中央の球貸機BRmを左斜め前方から示す斜視図である。
図25に示す本実施形態のパチンコ機100の左横に設置された球貸機BRmでは、そのパチンコ機100側を向いた水平姿勢の第1関節通路部BR1の先端部分が、内枠ベース1040の左側板1040Lに設けられた凹部空間DS内に入り込んでおり、その先端部分に設けられた下向きの球供給口BR11は、開口ohの真上に位置している。
図26は、図25に示すA−A’線で断面したときの様子を示す図である。すなわち、内枠ベース1040の左側板1040Lに設けられた凹部空間DSの高さ方向中央位置よりやや上方で断面し下側を見たときの図である。この図26では、下側が遊技者側(前側)になり、上側が裏側(後ろ側)になる。
図26には、内枠ベース1040の左側板1040Lに設けられた凹部空間DSの一部と、開口ohが示されている。その開口ohの上には、第1関節通路部BR1の先端部分に設けられた球供給口BR11が位置している。その球供給口BR11からは、貸球である遊技球Bが供給されている。また、開口ohの中には、傾斜部1048aが見えている。この傾斜部1048aは、後ろ側に向かうにつれて下方へ傾斜しており、球供給口BR11から供給された貸球を案内するものである。詳しくは後述するように、パチンコ機100の内部には、開口ohと球貯留皿126をつなぐ球通路が設けられており、凹部空間DS内に供給された貸球は、開口ohからその球通路を通って球貯留皿126に到達する。図26には、遊技球がある程度貯留された球貯留皿126が示されている。
なお、ここでの例では、球貸機BRmの真横に、凹部空間DSが位置し、開口ohも位置していることから、第1関節通路部BR1は真横を向いた姿勢であったが、凹部空間DSや開口ohが、球貸機BRmよりも前側であってもよいし、後ろ側であってもよい。前側である場合には、第1関節通路部BR1は斜め前方を向いた姿勢になり、後ろ側である場合には、第1関節通路部BR1は斜め後方を向いた姿勢になる。
図27は、前面枠扉106を全開まで開いた状態のパチンコ機100を真上から見た図(平面図)であり、図の下側が遊技者側になる。
図27には、2台のパチンコ機100が示されている。いずれのパチンコ機100も、本実施形態のパチンコ機100である。左側に示すパチンコ機100では、図24の中央に示されたパチンコ機100と同じく、前面枠扉は完全に閉じられ、前面枠扉106に取り付けられた下部ユニットUUの一部が見えている。この左側のパチンコ機100の凹部空間DSには、図24の中央に示されたパチンコ機100と同じく、左側から球貸機BRの第1関節通路部BR1の先端部分が入り込んでいる。
一方、図27の右側に示すパチンコ機100は、下部ユニットUUが取り付けられた前面枠扉106が全開状態にされている。全開状態になった前面枠扉106は、内枠に対して略90度開いた状態である。前面枠扉106が全開状態になっても、内枠104は前側を向いており、左側に示すパチンコ機100の内枠104と同じ状態である。したがって、内枠104の左側面に設けられた開口oh(図25参照)の位置も、前面枠扉106が開いた状態と閉じた状態では変化はない。図27の右側に示すパチンコ機100の凹部空間DSにも、左側から球貸機BRの第1関節通路部BR1の先端部分が入り込んでおり、その先端部分に設けられた球供給口BR11(図26参照)は開口ohの真上に位置している。したがって、遊技店の店員が前面枠扉106を開放して、パチンコ機100のメンテナンス作業等(例えば、遊技板201における球詰まりの解消等)を行う場合に、開口ohの位置が、前面枠扉106を開放しても維持されるため、島設備に設置された球貸機BRに対して、開口ohが移動して過度に接触することなくパチンコ機100のメンテナンス作業を行うことができる。また、2点鎖線で示すように第1関節通路部BR1が遊技者側を向いた状態で、前面枠扉106が開放された場合であっても、第1関節通路部BR1と前面枠扉106は干渉することはなく、遊技店の店員は、第1関節通路部BR1の方向を気にすることなく、前面枠扉106の開閉操作を行うことができる。
図28(a)は、内枠104の内部構造の一部を示す斜視図である。この図28(a)では、紙面左手前側が遊技者側(前側)になり、紙面右奥側が裏側(後ろ側)になる。
図28(a)では、開口ohは図示されていないが、開口ohと球貯留皿126をつなぐ球通路が示されている。球通路は、第1球通路1048と第2球通路1049で構成されている。
図28(b)は、図28(a)から、第1球通路1048と第2球通路1049と、球貯留皿126を構成する皿構成部材128を抜き出し、位置関係をそのままにこれら3つの部材のみを示した図である。
第1球通路1048は、内枠ベース1040の左側板1040Lに嵌め込まれたカバー部材1048cと樋ベース1048gを合わせることで形成されている。すなわち、カバー部材1048cは内枠104の外周面に配置され、樋ベース1048gは内枠104の内部に配置され、カバー部材1048cの内周面と樋ベース1048gの内周面で囲まれた空間を遊技球が通過する。
第2球通路1049は、後ろ側から前側に延在する中継通路部1049r、および下側ベース部1060に設けられた球払出口1271(図28(a)参照)と中継通路部1049rの前端を結ぶ排出通路1049dによって形成されている。すなわち、中継通路部1049rと排出通路1049dを接続することで第2球通路1049になる。
図29(a)は、図28(b)に示す球通路の構成から、樋ベース1048gを取り除いた状態を示す図である。
図29(a)には、カバー部材1048cの内周面の構造が示されている。カバー部材1048cの内周面には、複数本のリブrb1が、遊技球の通過方向に間隔をあけて設けられている。また、カバー部材1048cの下端には、第2球通路1049に向かうほど下方へ傾斜した案内リブrb2も設けられている。
図29(b)は、図28(b)に示す球通路の構成から、カバー部材1048cを取り除いた状態を示す図である。
図26を用いて説明した傾斜部1048aは、樋ベース1048gに設けられたものであり、図29(b)に示されている。また、図29(b)には、ここでは不図示の球供給口BR11から供給された貸球である遊技球Bが、開口ohに入ってから球通路を通過して球貯留皿126に到達するまでの軌跡を矢印で表している。凹部空間DSの前側に供給された遊技球Bは、傾斜部1048aに案内されて後ろ側に向かう。
図30(a)は、図29(b)に示す球通路の構成を、左側面側から見た斜視図である。この図30(a)では、図の右側が遊技者側(前側)になり、左側が裏側(後ろ側)になる。先の図29(b)には、内枠104の内部側から見たときの球通路の構成が示されていたが、図30(a)には、内枠104の外側から見たときの球通路の構成が示されている。
図30(a)には、樋ベース1048gの内周面の構造が示されている。樋ベース1048gの内周面には、下方向に延びた球通過空間bsが後ろ側に設けられている。球通過空間bsの入口(上端)に接続した傾斜部1048aは、この球通過空間bsに遊技球を案内するものである。凹部空間DS内に供給された貸球は、開口ohからこの球通過空間bsに入り込み、下方へ落下する。樋ベース1048gの内周面における球通過空間bsの部分には、複数本のリブrb3が、遊技球の通過方向に間隔をあけて設けられている。樋ベース1048gとカバー部材1048cが合わさると、このリブrb3とリブrb3の間に対向するように、図29(a)に示すカバー部材1048cに設けられたリブrb1は位置することになる。この結果、球通過空間bsを通過する貸球は、樋ベース1048gのリブrb3と、カバー部材1048cのリブrb1に当たることで、落下する勢いが弱められ、球通過空間bsを通過して行く。
図30(a)に示すように、球通過空間bsの出口(下端)近傍には、中継通路部1049rに設けられた合流口1049jが位置している。球通過空間bsの出口を通過した貸球は、図29(a)に示す、カバー部材1048cの下端に設けられた案内リブrb2に案内されて、この合流口1049jから、中継通路部1049r内に入り込む。
中継通路部1049rは、前側に向かうほど下方へ傾斜しており、中継通路部1049rに接続した排出通路1049dも、前側、すなわちここでは不図示の球払出口1271(図28(a)参照)に向かうほど下方へ傾斜している。したがって、合流口1049jから中継通路部1049r内に入り込んだ貸球は、排出通路1049dを経由して球払出口1271から球貯留皿126に到達する。
中継通路部1049rの後端からは、図3に示す払出装置152によって払い出された遊技球が流下してくる。払出装置152によって払い出された遊技球も、中継通路部1049rの傾斜を利用して中継通路部1049rの内を通過し、排出通路1049dを経由して球払出口1271から球貯留皿126に到達する。
図30(b)は、図28(b)に示す球通路の構成を、左側面側から見た斜視図である。したがって、図30(a)では取り除かれていたカバー部材1048cが、図30(b)には示されている。
図30(b)に示すように、凹部空間DS内に設けられた開口ohの形状は矩形であり、この図では、その開口ohの大きさをわかりやすくするために、開口ohの大きさに合わせて灰色の表示がなされている。
第1球通路1048では、開口ohが最も大きく、傾斜部1048aで徐々に狭められ、球通過空間bsの部分の内径が最も狭くなっている。
図31は、球貸機BRの第1関節通路部BR1を固定する機構の例を示した図である。
図31(a)に示す例では、内枠ベース1040の左側板1040Lに嵌め込まれるカバー部材1048cに回動レバーLvが設けられている。この回動レバーLvは、カバー部材1048cの表面に沿って回動自在であり、回動中心とは反対側の先端が下向きの状態では、凹部空間DSから離れているが、図31(a)に示すように、先端が上向きの状態では、凹部空間DSに重なる。第1関節通路部BR1の先端部分が凹部空間DS内に入り込んだ状態で、回動レバーLvを先端が上向きの状態になるよう回動させると(図31(a)中の矢印参照)、回動レバーLvは、第1関節通路部BR1に当接し、第1関節通路部BR1を、凹部空間DSを画定する後ろ側の縁DSbとの間で挟み込み、第1関節通路部BR1の先端部分は、凹部空間DS内に固定される。
図31(b)に示す例では、凹部空間DSの前端側にシャッタ部材Shが設けられている。このシャッタ部材Shは、進退自在なものであり、凹部空間DSの前端側から後方に向かって送り出され、送り出した後は、前端側に引き戻すことが可能である。図31(b)では、シャッタ部材Shが、凹部空間DS内に入り込んだ、第1関節通路部BR1の先端部分に当接するまで送り出されている(図31(b)中の矢印参照)。第1関節通路部BR1は、このシャッタ部材Shと、凹部空間DSを画定する後ろ側の縁DSbとの間で挟み込まれ、第1関節通路部BR1の先端部分は、凹部空間DS内に固定される。
第1関節通路部BR1の先端部分を固定する機構としては、ここで説明した機構に限られることなく、様々な機構を適用することができるが、先端部分を固定することで、凹部空間DSに設けられた開口ohに貸球を確実に送り込むことができる。
以上の記載では、
『 扉体[例えば、前面枠扉106]と、
前記扉体に設けられた、遊技球を貯留可能な球貯留皿[例えば、球貯留皿126]と、
を備えた遊技台であって、
開口[例えば、開口oh]と、
前記開口と前記球貯留皿の間に設けられた第一の球通路[例えば、第1球通路1048]と、
を備え、
前記開口へ進入した遊技球が前記第一の球通路を通って前記球貯留皿に到達可能に構成されており、
前記開口は、前記扉体を開けた状態であっても該扉体を閉めた状態であっても位置が変わらない箇所に設けられたものである[例えば、図27]、
ことを特徴とする遊技台。』
について説明した。
この遊技台によれば、遊技店員が前記扉体を開放して遊技台のメンテナンス作業を行う場合に、前記開口の位置が維持されるため、島設備に設置された球貸機に対して前記開口が移動して過度に接触することなく遊技台のメンテナンス作業を行うことができる。
ここで、前記第一の球通路は、一端が前記開口に接続し他端が前記球貯留皿に接続したものであってもよいし、一端が前記開口に接続し前記球貯留皿に接続した部材に他端が接続したものであってもよいし、前記開口に接続した部材に一端が接続し他端が前記球貯留皿に接続したものであってもよいし、前記開口に接続した部材に一端が接続し前記球貯留皿に接続した部材に他端が接続したものであってもよい。
なお、遊技球を貯留可能な球貯留皿[例えば、球貯留皿126]を備えた遊技台であって、開口[例えば、開口oh]と、前記開口と前記球貯留皿の間に設けられた第一の球通路[例えば、第1球通路1048]と、を備え、前記開口へ進入した遊技球が前記第一の球通路を通って前記球貯留皿に到達可能に構成されている、ことを特徴とする遊技台。であってもよい。従来の遊技台では、遊技店の島設備に設置された球貸機から排出される遊技球を球貯留皿で直接受けていたが、球貯留皿へ落ちた遊技球が他の遊技球や球貯留皿の底部に接触して跳ねて球貯留皿から飛び出してしまう問題があったのに対し、この遊技台によれば、球貸機から排出される遊技球を前記開口で受けることができ、球貸機から排出される遊技球が飛び出すことなく球貯留皿に貯留することができる場合がある。
また、
『 遊技球を払い出す払出装置[例えば、払出装置152]と、
前記払出装置から払い出された遊技球を前記球貯留皿まで案内する第二の球通路[例えば、第2球通路1049]と、
を備え、
前記第一の球通路は、前記第二の球通路の途中[例えば、合流口1049j]に接続した球通路であり、
前記開口へ進入した遊技球が前記第一の球通路を通った後、前記第二の球通路に途中から合流し該第二の球通路に案内されて前記球貯留皿に到達可能に構成されている[例えば、図29(b)に示す矢印]、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
この遊技台によれば、前記第一の球通路と前記第二の球通路とで前記球貯留皿への出口を共通にすることができ、スペースを有効に活用することができる。また、貸球と払出球が合流することで球の勢いを減少させて球跳ねを低減できる。
また、
『 前記開口は、遊技台の側面[例えば、左側板1040L]に設けられたものである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
この遊技台によれば、島設備に設置された球貸機に近い位置に前記開口が設けられ、貸し出された遊技球を該開口に迅速に導くことができる。
また、
『 外枠[例えば、外枠102]と、
前記外枠に対して回動可能に取り付けられた内枠[例えば、内枠104]と、
を備え、
前記扉体[例えば、前面枠扉106]は、前記内枠に対して開閉可能に取り付けられたものであり、
前記開口は、前記内枠の側面[例えば、内枠ベース1040の左側板1040L]に設けられたものである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
また、
『 前記開口[例えば、開口oh]は、前記第一の球通路における最も狭い内径[例えば、球通過空間bsの内径]よりも大きなものである[例えば、図30(b)に示す灰色の表示]、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
この遊技台によれば、球貸機のノズルを受け入れやすくするとともに、球貸機から排出された遊技球を前記開口から前記第一の球通路へ集約させやすくすることができる。
続いて、上部演出ユニットDUについて詳述する。
図32は、図1に示すパチンコ機100の左側面図である。この図32では、右側が遊技者側(前側)になり、左側が裏側(後ろ側)になる。
上部演出ユニットDUの最前端部DUFは、第1表示部DU1を覆う、中央の半球形状のレンズの一部になる。一方、下部ユニットUUが取り付けられた前面枠扉106の最前端部106Fは、下部ユニットUUの最前端部になり、演出ボタン136の下方部分になる。
図32から明らかなように、上部演出ユニットDUの最前端部DUFは、下部ユニットUUが取り付けられた前面枠扉106の最前端部106Fよりも、前側に突出している(図中の1点鎖線参照)。また、上部演出ユニットDUの最前端部DUFは、内枠104の最前端部に対しても、前側に突出している。
なお、上部演出ユニットDUを取り外せば、最も前方に突出しているのは、下部ユニットUUが取り付けられた前面枠扉106の最前端部106F、すなわち下部ユニットUUの最前端部になる。
図33は、上部演出ユニットDUが取り付けられた外枠102を斜め下から見上げた斜視図である。
図33には、外枠102を構成する、左側板1021、右側板1022、天板1023、および固定ボードFMが示されている。固定ボードFMは、天板1023の下面1023bにネジ止めされている。
図33では、固定ボードFMの前端部分に、左右方向に間隔をあけて2つの固定ボルトfbの頭部が示され、後ろ側に、左右方向に間隔をあけて3つの係止部lcが示されている。
なお、この図33では、上部演出ユニットDUの本体部DU0から延びる、先端に第1コネクタcn1が設けられたハーネスhnが示されている。
図34は、外枠102に上部演出ユニットDUを固定する仕組みを説明するための図である。
図34(a)は、図33と同じように、外枠102を斜め下から見上げた斜視図であり、同図(b)は、外枠102に取り付けられた固定ボードFMを前側の斜め上方から見下ろした斜視図である。この図34(b)では、紙面左手前が遊技者側(前側)になる。
図34(a)に示す上部演出ユニットDUの下面には、左右方向に間隔をあけ2つのボルト孔bh1が設けられ、後ろ側には、左右方向に間隔をあけて3つの突起部ptが設けられている。一方、固定ボードFMには、前端部分に、左右方向に間隔をあけ2つのボルト孔bh2が設けられ、後ろ側には、左右方向に間隔をあけて3つの係止部lcが設けられている。図34(b)に示すように、係止部lcは門形であって、係止空間を有する。
上部演出ユニットDUを外枠102に固定するにあたって、まず、上部演出ユニットDUを前側から固定ボードFMの上面に沿わせてスライドさせる。3つの突起部ptと3つの係止部lcはそれぞれ1対1の関係で対応付けられており、上部演出ユニットDUを前側からスライドさせていくことで、3つの突起部ptそれぞれが、固定ボードFMに設けられた3つの門形の係止部lcそれぞれの係止空間内に挿入され(図34(b)に示す矢印参照)、上部演出ユニットDUの後ろ側は、固定ボードFMに係止される。上部演出ユニットDUの後ろ側が固定ボードFMに係止されると、固定ボードFMのボルト孔bh2と上部演出ユニットDU下面のボルト孔bh1は一致した状態になる。図34(a)において1点鎖線で示すように、固定ボルトfbを、下方から固定ボードFMのボルト孔bh2に挿入し、さらに上部演出ユニットDU下面のボルト孔bh1に螺合するまで固定ボルトfbを締め込む。こうすることで、上部演出ユニットDUの前端部分が固定ボードFMにボルト止めされ、上部演出ユニットDUが外枠102にしっかりと固定される。
図35は、内枠104の回動範囲と固定ボルトfbとの関係を示す図である。この図35は、上部演出ユニットDUが固定ボードFMに取り付けられた外枠102の右側面を示す図であるが、上部演出ユニットは図示省略され、固定ボルトfbは表示されている。また、図35には、内枠104自体は図示していないが、1点鎖線で、内枠104の回動範囲を表している。
図35(a)では、固定ボルトfbが、しっかりと奥までねじ込まれており、図示省略した上部演出ユニットは、固定ボードFMにしっかりとボルト固定された状態である。この状態であれば、1点鎖線で示す内枠104の回動範囲よりも上に固定ボルトfbの頭部が位置しており、内枠104の開閉操作を行っても、内枠104が固定ボルトfbに引っかかることはない。
一方、図35(b)では、固定ボルトfbがゆるみ、図示省略した上部演出ユニットがぐらついてしまっている状態である。図33等に示す上部演出ユニットDUは、遊技者が触れる位置に設けられたものであり、呼出ボタンDU3が操作されたり、第1表示部DU1を覆う、中央の半球形状のレンズが押下されると、固定ボルトfbにゆるみが生じる場合がある。図35(b)に示す状態では、固定ボルトfbの頭部が1点鎖線で示す内枠104の回動範囲に入り込んでおり、内枠104の開閉操作を行おうとすると、内枠104が固定ボルトfbに引っかかってしまい、遊技店員は、固定ボルトfbがゆるんでいることに気が付く。したがって、本実施形態のパチンコ機100では、上部演出ユニットDUがぐらついていることを、内枠104の開閉操作を行った遊技店員に気付かせることがき、ぐらつきが早期に解消される場合がある。
図36は、前面枠扉106を取り外した状態のパチンコ機100の上方部分を斜め下方から見上げた斜視図であり、図37は、図36に示す状態のパチンコ機を、遊技板201の左上隅に設けられた第2コネクタcn2が見えるように側面に沿って断面したときの図である。
図36に示す内枠104は、閉まった状態である。この内枠104からは、図3に示すハーネスカバー1045が取り外され、図33等に示す、先端に第1コネクタcn1が設けられたハーネスhnが示されている。ハーネスhnは、上部演出ユニットDUの本体部DU0から延びるものであって、その本体部DU0に設けられた、第1表示部DU1や第2表示部DU4への画像信号や、スピーカDU2への音声信号や、呼出ボタンDU3からの出力信号を送受信する各種の信号線を束ねたものである。図37に示すように、ユニットである遊技盤200の前側、すなわち遊技板201の前面には、第2コネクタcn2が配置されている。この第2コネクタcn2から延びる不図示のハーネスは、図5に示す第1副基板160や第2副基板164に接続している。図36や図37に示す第1コネクタcn1は、第2コネクタcn2に結合している。なお、第2コネクタcn2が非結合のときにその第2コネクタcn2を前方から覆うコネクタカバーを設けてもよい。
また、図36には、上部演出ユニットDUを外枠102に固定する固定ボルトfbが、閉まった状態の内枠104よりも前側に見えており、内枠104を閉めたまま、固定ボルトfbを操作することが可能である。本実施形態のパチンコ機100では、内枠104を閉めたまま、第1コネクタcn1を遊技板201側の第2コネクタcn2から取り外し、固定ボルトfbを緩めて、上部演出ユニットDUを手前側に引けば、上部演出ユニットDUを取り外すことができ、上部演出ユニットDUを簡単に取り替えることができてメンテナンス性が良好である。
図38は、内枠104を開いた状態のパチンコ機100を真上から見た図(平面図)であり、図の下側が遊技者側になる。
図38には、2台のパチンコ機100が示されている。いずれのパチンコ機100も、本実施形態のパチンコ機100である。左側に示すパチンコ機100では、内枠104は完全に閉じられている。
一方、図38の右側に示すパチンコ機100は、内枠104が60度を超える角度まで開いており、一見すると、左側のパチンコ機100の下部ユニットUUに当接しているように見えるが、下部ユニットUUと内枠104は上下方向にズレており、内枠104をさらに開くことができる。
図中の2点鎖線は、内枠104に上部演出ユニットDUが取り付けられており、内枠104とともに回動した場合の、上部演出ユニットDUの位置を表すものである。左側のパチンコ機100の上部演出ユニットDUの本体部DU0に干渉してしまうことがわかる。本実施形態のパチンコ機100では、上部演出ユニットDUは、外枠102に取り付けられており回動することはなく、内枠104の開閉操作を行っても、左側のパチンコ機100の上部演出ユニットDUの本体部DU0に干渉することもない。
なお、右側に示すパチンコ機100の左横に設置された球貸機では、第1関節通路部BR1が回動部BR0から取り外されており、内枠104の回動に支障をきたすことはない。
ここで、先に説明した図27についてもう一度説明する。図27には、前面枠扉106を全開まで開いた状態のパチンコ機100を真上から見た様子が示されている。図27中の2点鎖線は、前面枠扉106に上部演出ユニットDUが取り付けられており、前面枠扉106とともに回動した場合の、上部演出ユニットDUの位置を表すものである。ここでも、左側のパチンコ機100の上部演出ユニットDUの本体部DU0に干渉してしまうことがわかる。上述のごとく、本実施形態のパチンコ機100では、上部演出ユニットDUは、外枠102に取り付けられており、前面枠扉106の開閉操作を行っても、左側のパチンコ機100の上部演出ユニットDUの本体部DU0に干渉することもない。
図39は、別実施形態のパチンコ機を示す図である。
図39を用いた説明では、これまで説明した構成要素の名称と同じ名称の構成要素には、これまで用いた符号と同じ符号を付して説明し、重複する説明は省略する。
図39に示すパチンコ機100は、外枠102に対して内枠104が回動し、内枠104は途中まで開いた状態である。また、その内枠104に対して前面枠扉106も回動し、前面枠扉106も途中まで開いた状態である。
このパチンコ機100では、上部演出ユニットDUが内枠104の上面に固定されている。したがって、外枠102に対して内枠104を回動させた場合、上部演出ユニットDUは内枠104とともに回動する。このため、内枠104を開いていくと、その内枠104に固定されている上部演出ユニットDUは、図38において2点鎖線で示すように左側のパチンコ機100の上部演出ユニットDUに干渉することになる。しかしながら、内枠104は、60度の角度までは、左側のパチンコ機100の上部演出ユニットDUに干渉することなく開くことができ、図1に示すパチンコ機100に比べれば、メンテナンス等の作業性は劣るものの、メンテナンス等の作業を行うことは十分に可能である。
また、上部演出ユニットDUは、固定ボルトfbによって内枠104に固定されている。固定ボルトfbが、しっかりと奥までねじ込まれ太状態であれば、前面枠扉106の回動範囲よりも上に固定ボルトfbの頭部が位置しており、前面枠扉106の開閉操作を行っても、前面枠扉106が固定ボルトfbに引っかかることはない。一方、固定ボルトfbがゆるみ、上部演出ユニットDUがぐらついてしまっている状態では、固定ボルトfbの頭部が前面枠扉106の回動範囲に入り込み、前面枠扉106の開閉操作を行おうとすると、前面枠扉106が固定ボルトfbに引っかかってしまい、遊技店員は、固定ボルトfbがゆるんでいることに気が付く。したがって、図39に示すパチンコ機100では、上部演出ユニットDUがぐらついていることを、前面枠扉106の開閉操作を行った遊技店員に気付かせることがき、ぐらつきが早期に解消される場合がある。
さらに、上部演出ユニットDUが内枠104の上面に固定されている場合であっても、遊技板201の前面に第2コネクタcn2(図37参照)を配置しておく。内枠104に固定された上部演出ユニットDUでも、図36に示す例と同じように、先端に第1コネクタcn1が設けられたハーネスhnが、本体部DU0から延びており、その第1コネクタcn1は、遊技板201前面の第2コネクタcn2に結合される。
以上の記載では、
『 遊技盤[例えば、遊技盤200]と、
遊技者が触れる位置に設けられた演出ユニット[例えば、上部演出ユニットDU]と、
を備えた遊技台であって、
前記遊技盤は、遊技者側になる前側にコネクタ[例えば、第2コネクタcn2]が設けられたものであり、
前記演出ユニットは、ハーネス[例えば、ハーネスhn]を介して前記コネクタに接続されたものである、
ことを特徴とする遊技台。』
について説明した。
この遊技台によれば、前記遊技盤を取り付けた状態のまま、前記コネクタとの結合を解除すれば、前記演出ユニットを着脱することができ、該演出ユニットのメンテナンスや交換を容易に行うことが可能になる。
また、
『 外枠[例えば、外枠102]と、
前記外枠に対して回動可能に取り付けられた内枠[例えば、内枠104]と、
を備え、
前記遊技盤[例えば、遊技盤200]は、前記内枠に取り付けられたものであり、
前記演出ユニット[例えば、上部演出ユニットDU]は、前記外枠に取り付けられたものである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
この遊技台によれば、前記演出ユニットが前記内枠に取り付けられている場合に比べて、該内枠を大きく開けることができ、遊技台のメンテナンス性が向上する場合がある。
また、
『 前記演出ユニットを前記外枠に固定するための固定部材[例えば、固定ボルトfb]を備え、
前記固定部材は、前記演出ユニットを前記外枠に第一の固定力[例えば、完全に締め込んだときの固定力]で固定することが可能なものであり、
前記固定部材は、前記演出ユニットを前記外枠に第二の固定力[例えば、少し緩んだときの固定力]で固定することが可能なものであり、
前記第一の固定力は、前記第二の固定力よりも強い固定力であり、
前記固定部材は、前記演出ユニットを前記外枠に前記第一の固定力で固定している状態では、回動する前記内枠と干渉するものではなく[例えば、図35(a)]、
前記固定部材は、前記演出ユニットを前記外枠に前記第二の固定力で固定している状態では、回動する前記内枠と干渉するものである[例えば、図35(b)]、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
この遊技台によれば、前記固定部材の固定力が低下していることを、前記内枠の回動時に遊技店員に気付かせることができる。
また、
『 前記内枠に対して回動可能に取り付けられた扉体[例えば、前面枠扉106]を備え、
前記演出ユニットは、最前端部[例えば、第1表示部DU1を覆う、中央の半球形状のレンズの一部DUF]が、前記内枠の最前端部よりも前側に位置したものであり、
前記演出ユニットは、前記最前端部が、前記扉体の最前端部[例えば、演出ボタン136の下方部分106F]よりも前側に位置したものである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
この遊技台によれば、前記演出ユニットの最前端部を遊技者側に近づけて迫力ある演出を行うことができるとともに、前記扉体や前記内枠を大きく開いた状態で遊技台のメンテナンス作業を行うことができる場合がある。
また、
『 外枠[例えば、外枠102]と、
前記外枠に対して回動可能に取り付けられた内枠[例えば、内枠104]と、
を備え、
前記遊技盤[例えば、遊技盤200]は、前記内枠に取り付けられたものであり、
前記演出ユニット[例えば、上部演出ユニットDU]も、前記内枠に取り付けられたものである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
前記演出ユニットを前記内枠に取り付けることで、前記外枠を他社間で共通仕様として統一化することが可能になり、外枠のコストダウンを図ることができる。なお、前記演出ユニットが前記内枠に取り付けられたものであっても、該内枠を、メンテナンス等の作業を行うには十分な程度まで開くことができる。
また、
『 前記内枠に対して回動可能に取り付けられた扉体[例えば、前面枠扉106]と、
前記演出ユニットを前記内枠に固定するための固定部材[例えば、固定ボルトfb]と、
を備え、
前記固定部材は、前記演出ユニットを前記内枠に第一の固定力[例えば、完全に締め込んだときの固定力]で固定することが可能なものであり、
前記固定部材は、前記演出ユニットを前記内枠に第二の固定力[例えば、少し緩んだときの固定力]で固定することが可能なものであり、
前記第一の固定力は、前記第二の固定力よりも強い固定力であり、
前記固定部材は、前記演出ユニットを前記内枠に前記第一の固定力で固定している状態では、回動する前記扉体と干渉するものではなく、
前記固定部材は、前記演出ユニットを前記内枠に前記第二の固定力で固定している状態では、回動する前記扉体と干渉するものである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
また、
『 前記内枠に対して回動可能に取り付けられた扉体[例えば、前面枠扉106]を備え、
前記演出ユニットは、最前端部[例えば、第1表示部DU1を覆う、中央の半球形状のレンズの一部DUF]が、前記内枠の最前端部よりも前側に位置したものであり、
前記演出ユニットは、前記最前端部が、前記扉体の最前端部[例えば、演出ボタン136の下方部分106F]よりも前側に位置したものである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
また、
『 前記演出ユニットは、店員呼び出しボタン[例えば、呼出ボタンDU3]を有するものである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
この遊技台によれば、島設備の店員呼び出しボタンを押すよりも店員を呼び出しやすくすることができる。
また、
『 前記演出ユニットは、遊技履歴を報知可能な報知手段[例えば、第1表示部DU1]を有するものである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
この遊技台によれば、島設備の報知手段よりも報知内容を確認しやすくすることができる。
続いて、内枠104の内部構造について詳述する。
図40は、図1に示すパチンコ機100の右側面断面図である。この図40は、パチンコ機100の左右方向中央部を右側面に沿って断面した図であり、左側が遊技者側(前側)になり、右側が裏側(後ろ側)になる。
図40に示す内枠104の内部構造は、明りょうにするために簡略化して示している。図40には、透明板部材118と遊技板201が示されている。透明板部材118と遊技板201の間には遊技領域形成部材1240が設けられている。図40では、遊技領域形成部材1240が設けられる領域をます状のハッチングで示している。遊技領域形成部材1240は、遊技板201の前面に配置された各種の部材であり、例えば、外レール202や内レール204、遊技釘、アタッカユニット等の入賞口ユニット、各種ランプ等があげられる。遊技板201と遊技領域形成部材1240と後述する裏ベース200fを合わせたものが遊技盤200に相当する。
遊技板201の裏面には、裏球通路2011が設けられている。裏球通路2011は、遊技板201の裏面に位置する部分からさらに下方に延在しており、遊技板201の裏面に位置する部分と、遊技板201よりも下方に延在した部分とに分けられる。また、裏球通路2011の下端は球排出樋2012に接続している。すなわち、内枠104の内部には、裏球通路2011と、球排出樋2012が設けられている。球排出樋2012は、後ろ側に向かって延在し、後端には、遊技島側へ遊技球を排出する下方を向いた排出口2013が設けられている。
図41は、パチンコ機100の底面を示す底面図であり、内枠104の底面104bが示されている。この図41では、下側が遊技者側(前側)になり、上側が裏側(後ろ側)になる。
図41には、内枠104の底面104bに、排出口2013が示されている。
遊技領域124から排出されるすべての遊技球(例えば、特図始動口および一般入賞口や可変入賞口に入賞した遊技球や、アウト口240から排出された遊技球)は、図40に示す裏球通路2011を通って球排出樋2012へ流れ込み、パチンコ機100外に排出される。図40では、球排出樋2012の排出口2013から遊技球Bが排出されている様子が示されている。
また、図40には、裏ベース200fが示されている。この裏ベース200fは、遊技板291の裏側に取り付けられたものであって、内枠104の内部に位置する部材になる。裏ベース200fの後面には、図5に示す、第1副基板ケース162、第2副基板ケース166、および主基板ケース158が取り付けられている。
裏ベース200fの内側には、第一の可動体91と第二の可動体92が配置されている。図40に示す第一の可動体91と第二の可動体92は前後方向に重なっており、第一の可動体91が前側に位置し、第二の可動体92が後側に位置する。図40に示す第二の可動体92は、正面視では、第一の可動体91に隠され視認困難である。ここでは、それぞれの可動機構を図示省略しているが、第一の可動体91は上下方向に移動可能なものであり、第二の可動体92は前後方向に移動可能なものである。第一の可動体91は、図3等に示す装飾図柄表示装置208であってよいし、それ以外の表示装置であってもよいし、表示装置以外の演出手段であってもよいが、ここでの説明は、装飾図柄表示装置208として説明する。したがって、図40に示す第一の可動体91は、遊技領域124の略中央に相当する位置にある。また、第二の可動体92も、表示装置であってよいし、表示装置以外の演出手段であってもよいが、ここでの説明は、演出表示装置として説明する。この第二の可動体92は、第一の可動体91とほぼ同じ大きさであるが、第一の可動体91よりも大きくてもよいし、小さくてもよい。図40に示す第一の可動体91と第二の可動体92は、それぞれの初期位置に位置している状態である。初期位置に位置した第一の可動体91は、遊技盤200の外縁200e(図3(b)も参照)よりも内側であって、遊技板201よりも後ろ側に位置した状態にあることになる。また、初期位置に位置した第二の可動体92も同じく、遊技盤200の外縁200eよりも内側であって、遊技板201よりも後ろ側に位置した状態にあることになる。
さらに、遊技板201の裏側であって遊技領域124の下方側の右端となる位置には、第三の可動体93が配置されている。第三の可動体93も、表示装置であってよいし、表示装置以外の演出手段であってもよいが、ここでの説明は、表示装置以外の演出手段として説明する。図40に示す第三の可動体93も、初期位置に位置している状態である。第三の可動体93の初期位置は、遊技領域の下側右端であって、裏球通路2011とは前後方向に重ならない位置になる。また、第一の可動体91の移動領域からも外れた位置になる。図40に示す第三の可動体93と遊技板201は、前後方向に重なった状態にある。遊技板201は全体が透明であり、遊技板201越しに第三の可動体93を視認可能である。また、この図40では、第三の可動体93の全部と遊技板201が前後方向に重なっているが、例えば、第三の可動体93の一部が、遊技盤200の外縁200eよりはみ出していてもよく、この場合には、第三の可動体93の一部と遊技盤200が前後方向に重なることになる。第三の可動体93は、右下がりのハッチングが施された基部930と、図40では、その基部930の上半分に収納されている第1可動部931と、基部930の下半分に収納されている第2可動部932とを有する。図40に示す第三の可動体93の状態は、第三の可動体93の初期状態になる。
内枠104には、遊技盤200を前方および後方に投影した投影領域から外れた位置に収容部104sが設けられている。
図42は、遊技盤200を前方および後方に投影した投影領域から外れた位置を説明するための図である。この図42では、左手前側が遊技者側(前側)になり、右奥側が裏側(後ろ側)になる。
図42には、板状の本体となる遊技板201に、左レール2021や右レール2022や内レール204、裏ベース200f等の各種の部品が取り付けられたユニットである遊技盤200が示されている。なお、この図42でも、遊技板201の前側に取り付けられた各種の部品の多くを図示省略している。投影領域PSは、遊技盤200の最大外形を前方及び後方に正投影した領域である。図42では、点線で囲まれた領域が投影領域PSの一部になる。投影領域PSは、遊技盤200よりも前方及び後方それぞれに無限に続く領域である。図43では、2点鎖線の矢印がそのことを表している。
投影領域PSから外れた位置とは、遊技盤200よりも前方及び後方それぞれに無限に続く投影領域PSの外側になる位置、すなわちその投影領域PSを取り囲む位置のことである。別の言い方をすれば、遊技盤200の最大外形の外縁200eよりも遊技盤200の盤面方向外側の位置ともいえる。図40に示す収容部104sは、遊技盤200の外縁200eのうちの下縁200bよりも遊技盤200の盤面方向下側に設けられている。より詳しく説明すれば、図40に示すように、収容部104sは、遊技盤200の下縁200bよりも下側であって、遊技板201よりも後ろ側になる位置に設けられている。この収容部104sは、図40に示す、第一の可動体91〜第三の可動体93が配置された空間(遊技板201と主基板ケース158等の基板ケースが取り付けられている部分との間の空間、すなわち裏ベース200f内の空間)と繋がっている。収容部104sの下端部分には、球排出樋2012が配置されている。
図43は、パチンコ機100の左右方向中央部を右側面に沿って断面したときの斜視図である。この図43における断面の仕方は、図40における断面の仕方と同じである。この図43では、遊技盤200と、主基板ケース158等の基板ケースは図示省略されている。また、第一の可動体91、第二の可動体92、および第三の可動体93も図示省略されている。
図43には、収容部104sの下端部分に前側から後側に延在した球排出樋2012が示されている。
また、図40に示すように、収容部104sには、前後方向にハーネス104hが通っている。このハーネス104hは、下部ユニットUUに設けられている演出手段(例えば、演出ボタン136に内蔵されたボタンランプ等)と副制御基板(例えば、第1副基板160)を結ぶ信号線や、発射装置110と発射基板174を結ぶ信号線等を束ねたものである。
図44は、図1に示すパチンコ機100の上下方向中央部を水平面に沿って断面した様子を上から見た図であり、下側が遊技者側(前側)になり、上側が裏側(後ろ側)になる。
この図44では、遊技盤200と、主基板ケース158等の基板ケースは図示省略されている。また、第一の可動体91、第二の可動体92、および第三の可動体93も図示省略されている。
図44には、収容部104sの左端部に前後方向に延在したハーネス104hが示されている。また、収容部104sの左右方向中央付近に球排出樋2012も示されている。
図45は、第一の可動体91、第二の可動体92、および第三の可動体93の動作を段階的に説明する図であり、図46は、図45の続きを示す図である。
図45(a)に示す内枠104は、図40に示すパチンコ機100における内枠104の状態と同じ状態であり、第一の可動体91、第二の可動体92、および第三の可動体93のいずれの可動体も、それぞれの初期位置に位置している。上述のごとく、第一の可動体91は装飾図柄表示装置208であり、第二の可動体92は演出表示装置であり、第三の可動体93は、表示装置以外の演出手段である。
また、図45(a)の左側および図46(a)の左側には、パチンコ機100の正面に座った遊技者の目eyが示されている。上述のごとく遊技板201は全体が透明なものであり、パチンコ機100の正面に座った遊技者は、灰色で示す領域を視認可能である。したがって、遊技板201よりも奥側かつ下方の収容部104sの内部は、上側部分の一部のみが視認可能であり、少なくとも下半分は視認不可能である。なお、収容部104sの内部全体を視認不可能にしてもよい。
図45(a)から続く同図(b)では、初期位置にあった第一の可動体91が下方へ移動し、第一の可動体91の下側部分は、収容部104sに収容されている。第一の可動体91の移動領域は、遊技盤200の左右方向中央部分になる。収容部104s内を前側から後側に延在する球排出樋2012は、収容部104sに収容された第一の可動体91の下端よりもさらに下方に設けられており、移動してきた第一の可動体91と接触することはない。また、上述のごとく、ハーネス104hは、収容部104sの左端部に前後方向に延在したものであり、このハーネス104hも、移動してきた第一の可動体91と接触することはない。図45(a)に示す第一の可動体91では、収容部104sに収容された下側部分のうち下半分は視認不可能であり、視認可能な部分のみ画像を表示してもよいし、あるいは、全体を非表示としてもよい。一方、全体で表示を行い視認不可能な部分に表示された表示を遊技者に推測させるようにしてもよい。
図45(b)から続く同図(c)では、初期位置にあった第二の可動体92が前方へ移動し、下方へ移動した第一の可動体91の前後方向の位置と同じ位置に到達している。すなわち、第二の可動体92と第一の可動体91は前後方向の位置が一致している。しかも両者は接触しており、第二の可動体92と第一の可動体91は合体して1枚の表示パネルを形成している。
図45(d)は、同図(c)に示す第二の可動体92と第一の可動体91を正面から見た図である。第二の可動体92と第一の可動体91にわたって、殿様のキャラクタが表示されている。すなわち、図45(d)では、上方の第二の可動体92に、殿様のキャラクタの上半身が表示され、下方の第一の可動体91に、殿様のキャラクタの下半身が表示されている。また、上方の第二の可動体92には装飾図柄も表示され、下方の第一の可動体91の上端部分にはリーチの文字も表示されている。ここでの、第二の可動体92から第一の可動体91にかけての演出表示は、スーパーリーチの演出表示である。
なお、図45(d)には、同図(c)に示す第三の可動体93も模式的に示されており、第二の可動体92と第一の可動体91と第三の可動体93を正面から見たときの位置関係がわかる。
図45(c)から続く同図(e)では、前進した位置にあった第二の可動体92が初期位置まで後退し、同図(b)に示す状態と同じ状態に戻っている。
図45(e)から続く同図(f)では、下方へ移動した第一の可動体91が初期位置まで上昇し、同図(a)に示す状態と同じ状態に戻っている。
以上説明した、第一の可動体91および第二の可動体92の動作は、スーパーリーチ発展時の演出動作であったが、パチンコ機100の電源投入時に実行される初期動作においても行われる動作である。
なお、この図45では、第三の可動体93は初期位置で初期状態のままであったが、第一の可動体91や第二の可動体92とともに動作を行ってもよい。
図45(f)から続く図46(g)では、今度は、第三の可動体93が動作を開始する。それまで初期位置で初期状態にあった第三の可動体93は、第2可動部932が下方へ移動する。下方へ移動した第2可動部932は、収容部104sに入り込む。ただし、下方へ移動した第2可動部932は、収容部104sの上側部分までしか入り込んでいないため、視認可能である。
図46(g)から続く同図(h)では、第2可動部932が上昇し、第2可動部932は基部930の下半分に収納され、第三の可動体93は初期状態に戻る。
図46(h)から続く同図(i)では、第三の可動体93全体が下方へ向けての移動を開始し、第三の可動体93全体が収容部104sに収容される。収容部104sに全体が収容された第三の可動体93は、上側の一部のみが視認可能である。収容部104s内を前側から後側に延在する球排出樋2012は、収容部104sに全体が収容された第三の可動体93よりもさらに下方に設けられており、移動してきた第三の可動体94と接触することはない。また、上述のごとく、ハーネス104hは、収容部104sの左端部に前後方向に延在したものであり、反対側になる右端で移動する第三の可動体93と接触することはない。第三の可動体93全体が収容部104sに収容されることで、内枠104を回動して遊技店員がメンテナンス作業を行うことができる。
図46(i)から続く同図(j)では、第三の可動体93は、収容部104sに全体が収容された状態のまま第1可動部931が上昇し、第1可動部931は、収容部104sから抜け出す。
図46(j)から続く同図(k)では、第1可動部931が下降し、第1可動部931は基部930の上半分に収納され、第三の可動体93は、収容部104s内で初期状態に戻る。この後、第三の可動体93全体が上昇し、第三の可動体93は初期位置に戻る。
以上説明した、第三の可動体93の動作は、演出動作であったが、パチンコ機100の電源投入時に実行される初期動作においても行われる動作である。
なお、この図46では、第一の可動体91も第二の可動体92も初期位置に位置したままであったが、第一の可動体91または第二の可動体92、あるいは第一の可動体91および第二の可動体92は、第三の可動体93とともに動作を行ってもよい。
また、収容部104sが遊技盤200よりも下方側に設けられていたため、第一の可動体91や第二の可動体92や第三の可動体93は下方向に移動するものであったが、上方向、右方向、左方向のうちの少なくともいずれかの方向に移動するようにしてもよい。
また、第一の可動体91も第二の可動体92も第三の可動体93も、遊技板201よりも後ろ側に配置され、遊技板201よりも後ろ側を移動領域にするものであったが、これらの可動体91〜93は、遊技板201もしくは遊技盤200よりも前側に配置され、遊技板201もしくは遊技盤200よりも前側を移動領域にするものであってもよい。あるいは、これらの可動体91〜93は、遊技板201もしくは遊技盤200の外側を経由して、遊技板201もしくは遊技盤200の後ろ側から前側に移動するものであってもよいし、遊技板201もしくは遊技盤200の前側から後ろ側に移動するものであってもよい。さらには、遊技板201に切り欠きや貫通孔を設けておき、これらの可動体91〜93は、遊技板201の切り欠きや貫通孔を通って、遊技板201の後ろ側から前側に移動するものであってもよいし、遊技板201の前側から後ろ側に移動するものであってもよい。
さらに、第一の可動体91も第二の可動体92も第三の可動体93も、投影領域PS内に初期位置が設けられていたが、投影領域PSから外れた位置を初期位置にしてもよい。例えば、一部又は全部が収容部104sに収容された位置を初期位置にしてもよい。この場合には、演出動作や初期動作によって、投影領域PS内に位置した状態になる場合があることになる。
また、第一の可動体91や第二の可動体92は、可動表示手段であったが、収容部104sに収容された位置で、何らかの表示(例えば、予告表示、先読み予告表示、エラー表示、保留アイコンの表示、変動アイコンの表示、打ち方指示表示、ボタン表示など)を表示してもよい。
さらに、投影領域PS内を経由して遊技盤200に対して第一の位置から第二の位置に移動するようにしてもよい。すなわち、投影領域PSから外れた位置(例えば、遊技盤200よりも下方の位置)から投影領域PS内に入り、その投影領域PS内の或る位置(例えば、遊技盤200の前方の位置)に移動するようにしてもよい。また、投影領域PS内を経由せずに遊技盤200に対して第一の位置から第二の位置に移動するようにしてもよい。すなわち、投影領域PSから外れた位置(例えば、遊技盤200よりも下方の位置)から投影領域PS内に入らずに投影領域PS外を経由して投影領域PS内の或る位置(例えば、遊技盤200の前方の位置)に移動するようにしてもよい。ここでの説明では、第一の可動体91や第二の可動体92や第三の可動体93は、上方向、下方向、右方向、左方向、前方向、後方向のうちの少なくともいずれかの方向に移動するようにしてもよいことになる。
以上の記載では、
『 遊技盤[例えば、遊技盤200]と、
可動体[例えば、第一の可動体91あるいは第三の可動体93]と、
を備えた遊技台であって、
前記可動体は、少なくとも一部が、前記遊技盤を前方および後方に投影した領域(以下、「第一の領域」という。)[例えば、投影領域PS]から外れた位置(以下、「第一の位置」という。)[例えば、収容部104sに収容される位置]に移動可能なものである[例えば、図45(c)あるいは図46(i)]、
ことを特徴とする遊技台。』
この遊技台によれば、斬新な可動体の動作演出を行うことができる場合がある。
なお、遊技盤[例えば、遊技盤200]と、可動体[例えば、第一の可動体91あるいは第三の可動体93]と、を備えた遊技台であって、前記可動体は、少なくとも一部が、前記遊技盤の外縁[例えば、外縁200e]よりも該遊技盤の盤面方向外側の位置(以下、「第一の位置」という。)[例えば、収容部104sに収容される位置]に移動可能なものである[例えば、図45(c)あるいは図46(i)]、ことを特徴とする遊技台。であってもよい。
また、
『 前記可動体は、前記遊技台の電源が投入されると初期動作を実行するものであり、
前記可動体は、少なくとも一部が、前記初期動作における少なくとも一部の動作において前記第一の位置[例えば、収容部104sに収容される位置]に位置するものである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
この遊技台によれば、初期動作で前記可動体が前記第一の位置に移動することを遊技店員が確認することができる。
また、
『 前記可動体は、前記第一の領域[例えば、投影領域PS]に位置した状態(以下、「第一の状態」という。)になる場合があるものである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
なお、前記遊技盤の外縁[例えば、外縁200e]よりも内側であって、該遊技盤よりも前側又は後ろ側に位置した状態になる場合があってもよい。
また、前記第一の状態には、前記遊技盤と前記可動体の少なくとも一部が、前後方向に重なった状態が含まれる。
また、
『 前記可動体は、前記遊技台の電源が投入されると初期動作を実行するものであり、
前記可動体は、前記初期動作における少なくとも一部の動作において、前記第一の位置から少なくとも一部が移動して前記第一の状態[例えば、図40に示す状態]になるものである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
この遊技台によれば、前記可動体が前記遊技盤の外縁よりも内側に位置する状態で電源を切ることによって該可動体を該遊技盤の外縁よりも内側に収容する操作をすることなく、遊技盤の着脱やメンテナンスを行うことができる。
また、
『 外枠[例えば、外枠102]と、
前記外枠に対して回動可能に取り付けられた内枠[例えば、内枠104]と、
を備え、
前記遊技盤[例えば、遊技盤200]は、前記内枠に取り付けられたものであり、
前記内枠は、前記第一の位置に位置する前記可動体を収容可能な収容部[例えば、収容部104s]を有するものである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
この遊技台によれば、前記可動体が前記第一の位置に位置する状態であっても前記内枠を回動して遊技店員がメンテナンス作業を行うことができる。
また、
『 前記収容部[例えば、収容部104s]は、前記可動体と接触しない位置[例えば、さらに下方の位置]に球通路[例えば、球排出樋2012]が設けられたものである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
この遊技台によれば、前記収容部内のデッドスペースを有効活用することができる。
また、
『 前記収容部[例えば、収容部104s]は、前記可動体と接触しない位置[例えば、左端の位置]にハーネス[例えば、ハーネス104h]が設けられたものである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
この遊技台によっても、前記収容部内のデッドスペースを有効活用することができる。
また、
『 前記可動体[例えば、第三の可動体93]は、可動部[例えば、第1可動部931,第2可動部932]を有するものであり、
前記可動部は、少なくとも一部が、前記第一の位置[例えば、収容部104sに収容される位置]に移動可能なものである[例えば、図46(g)]、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
この遊技台によれば、斬新な可動部の動作演出を行うことができる。
なお、ここでの“前記遊技盤の外縁よりも該遊技盤の盤面方向外側の位置”は、前記第一の位置と異なる位置であってもよいし、一部が重なる位置であってもよい。
また、
『 前記遊技盤[例えば、遊技盤200]は、遊技板[例えば、遊技板201]を有するものであり、
前記第一の位置は、前記遊技板よりも前側又は後ろ側の位置[例えば、後ろ側になる、収容部104sに収容される位置]である、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
図47は、本発明を適用可能な封入式のパチンコ機の正面図である。
図47に示す封入式のパチンコ機100hでは、所定数の遊技媒体(例えば、遊技球)を遊技台内部で循環させる。すなわち、発射手段101hから遊技領域102hに発射された遊技媒体が、遊技領域102hから排出されて再び発射手段101hへ供給可能としている。また、遊技媒体の数(賞球、貸球、総持玉数等)の情報や、その他の情報を表示する表示手段103hが遊技台前面の遊技領域102hの下方に配設されており、図1に示す、遊技者が接触可能な球貯留皿126は設けられていない。なお、遊技者が接触不能な球貯留皿は別途設けられており、図14〜図22を用いて説明した球貯留皿の技術も適用することができ、遊技者が接触不能なことから、特に大きな効果を期待することができる。
以上説明したように、図47に示すパチンコ機100hは、球を封入し、封入した球をパチンコ機内で循環させて使用するものであって、封入した球を発射球として使用し、球の払出はクレジットによって実行されるものであってもよい。
なお、本発明の実施の形態に記載された作用および効果は、本発明から生じる最も好適な作用および効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用および効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。また、以上説明した、実施形態や実施例や変形例や各種の例や付記等の記載それぞれにのみ含まれている構成要件であっても、その構成要件を他の、実施形態や実施例や変形例や各種の例や付記等に適用してもよい。すなわち、適用させることを妨げる要因がない限りは、実施形態や実施例や変形例や各種の例や付記等の記載それぞれにのみ含まれている構成要件を他の、実施形態や実施例や変形例や各種の例や付記等に適用しても、一つのまとまりのある技術的思想として成り立つ。