JP2021029266A - 体重支援型歩行補助装置およびその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】装着者は歩行動作の支持脚期においても膝関節部にかかる自己の体重による重量負担を格段と軽減させることが可能な体重支援型歩行補助装置およびその制御方法を提案する。【解決手段】体重支援型歩行補助装置を装着する装着者は、座部に臀部を支持した状態で歩行動作をする際、歩行動作の支持脚期に装着者の自重による膝関節部への荷重を低減させる一方、当該歩行動作の遊脚期に靴部が歩行面に接触しないように、各フレーム長を調節するとともに、股関節部および膝関節部の動作に応じて股関節連結部および膝関節連結部を自由に回動させるようにした。【選択図】図1

Description

本発明は、体重支援型歩行補助装置およびその制御方法に関し、特に膝変形性関節症患者のための体重支援型歩行補助装置およびその制御方法に適用して好適なものである。
近年、わが国は、高齢化社会を迎えて加齢変化を基盤とした変性疾患が確実に増加しており、整形外科疾患において変形性関節症は最も多い疾患の一つとなっている。このうち変形性膝関節症は、主に老化に伴う膝軟骨の磨耗により引き起こされ、膝関節の疼痛や炎症、拘縮などの症状が生じ、徐々に膝関節の変形が進行して歩行障害に発展することになるため、QOL(Quality of Life)を大きく下げてしまう。
変形性膝関節症の進行を抑制したり改善するためには、変形に対する矯正を行うことが効果的であると言われているが、十分な自己治癒には至らないことが多く、最終的には外科手術が施される。一方、高位脛骨骨切り術や人工関節置換などの外科手術では、合併症に起因するリスクや精神的及び身体的負担が大きいため、身体への侵襲を伴わない新たな手法の開発が求められている。
近年、ヒト細胞を培養した培養組織を病変部に移植する再生医療が進展している。変形性膝関節症を患う患者に対して、膝関節部の内部空間に幹細胞等を外部から注入して軟骨細胞を再生させながら治療することが可能である。
このような再生医療による治療を膝関節部に施した後、日常生活において非侵襲に自然治療又は再生細胞治療の促進を行うことができる膝関節矯正具製造装置及び膝関節矯正具製造方法が本発明から提案されている(特許文献1参照)。
国際公開2018/051898号
ところで、膝関節部への軟骨細胞を移植した後、損傷した膝関節部の軟骨が移植軟骨と一体化するまでの期間は、膝関節への負荷を減らす必要がある。特に膝関節部には患者自身の体重がかかるため、治療後に患者が歩行する際にも膝関節部にはなるべく体重がかからないことが望ましい。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、装着者が歩行動作の際に膝関節部にかかる重量負担を格段と軽減させることが可能な体重支援型歩行補助装置およびその制御方法を提案するものである。
かかる課題を解決するため本発明においては、装着者の臀部を支える座部と、装着者の脚部の内側に沿って配置された大腿フレームおよび下腿フレームと、座部の下側と大腿フレームの一端とを連結し、装着者の股関節部の動作に伴い回動可能な股関節連結部と、大腿フレームの他端と下腿フレームの一端とを連結し、装着者の膝関節部の動作に伴い回動可能な膝関節連結部と、下腿フレームの他端に接合され、装着者の足部に装着される靴部と、靴部に搭載され、装着者の足裏部への圧力分布を検出する床反力センサと、大腿フレームおよび下腿フレームのいずれか一方または両方のフレーム長を伸縮自在に調節するフレーム長調節部と、を備え、フレーム長調節部は、床反力センサの検出結果に基づいて、歩行動作の支持脚期に装着者の自重による膝関節部への荷重を低減させる一方、当該歩行動作の遊脚期に靴部が歩行面に接触しないように、各フレーム長を調節するようにした。
このように、体重支援型歩行補助装置を装着する装着者は、座部に臀部を支持した状態で歩行動作をする際、歩行動作の支持脚期に装着者の自重による膝関節部への荷重を低減させる一方、当該歩行動作の遊脚期に靴部が歩行面に接触しないように、各フレーム長を調節するとともに、股関節部および膝関節部の動作に応じて股関節連結部および膝関節連結部を自由に回動させることができる。この結果、装着者は歩行動作の支持脚期においても膝関節部にかかる自己の体重による重量負担を格段と軽減させることができる。
また本発明においては、フレーム長調節部は、大腿フレームおよび下腿フレームのいずれか一方または両方について、装着者の膝関節部の症状改善に向けた矯正方向への遷移状態に合わせて、大腿フレームおよび下腿フレームのいずれか一方を選択的に調節し、または両方の伸縮割合を調整しながら同時に調節するようにした。
この結果、装着者は大腿フレームおよび下腿フレームのいずれか一方または両方についてフレーム長を伸縮させることができるため、膝関節部への重量負担を最適な状態に合わせながら低減させることができる。
さらに本発明においては、座部に搭載され、装着者の臀部への圧力分布を検出する座面反力センサをさらに備え、フレーム長調節部は、床反力センサおよび座面反力センサの各検出結果に基づいて、歩行動作の支持脚期に装着者の自重による膝関節部への荷重を低減させる一方、当該歩行動作の遊脚期に靴部が歩行面に接触しないように、各フレーム長を調節するようにした。
この結果、体重支援型歩行補助装置では、装着者の足裏部への圧力分布のみならず、装着者の臀部への圧力分布に基づいて、大腿フレームおよび下腿フレームのいずれか一方または両方についてフレーム長を伸縮させることができるため、膝関節部への重量負担を最適な状態に高い精度で合わせながら低減させることができる。
さらに本発明においては、フレーム長調節部は、モータ出力軸の回転運動を直線運動に変換する直動変換機構を有し、当該直動変換機構の直線運動に応じて、大腿フレームおよび下腿フレームのいずれか一方または両方のフレーム長を可変させるようにした。
このように体重支援型歩行補助装置では、大腿フレームおよび下腿フレームの各フレームに沿って直動変換機構を駆動させるようにして、高精度かつ高剛性化を維持しながら各フレームの長さを調節することができる。
さらに本発明においては、装着者の臀部を座部で支えつつ、当該装着者の脚部の内側に沿って大腿フレームおよび下腿フレームを配置し、当該装着者の足部に下腿フレームの他端に接合された靴部を装着しておき、さらに装着者の股関節部の動作に伴い座部の下側と大腿フレームの一端とを連結する股関節連結部を回動可能にするとともに、装着者の膝関節部の動作に伴い大腿フレームの他端と下腿フレームの一端とを連結する膝関節連結部を回動可能にしておき、靴部において装着者の足裏部への圧力分布を検出する第1ステップと、大腿フレームおよび下腿フレームのいずれか一方または両方のフレーム長を伸縮自在に調節する第2ステップと、第2ステップによる検出結果に基づいて、歩行動作の支持脚期に装着者の自重による膝関節部への荷重を低減させる一方、当該歩行動作の遊脚期に靴部が歩行面に接触しないように、各フレーム長を調節する第3ステップとを備えるようにした。
このように、体重支援型歩行補助装置を装着する装着者は、座部に臀部を支持した状態で歩行動作をする際、歩行動作の支持脚期に装着者の自重による膝関節部への荷重を低減させる一方、当該歩行動作の遊脚期に靴部が歩行面に接触しないように、各フレーム長を調節するとともに、股関節部および膝関節部の動作に応じて股関節連結部および膝関節連結部を自由に回動させることができる。この結果、装着者は歩行動作の支持脚期においても膝関節部にかかる自己の体重による重量負担を格段と軽減させることができる。
以上のように本発明によれば、装着者が歩行動作の際に膝関節部にかかる重量負担を格段と軽減させることが可能な体重支援型歩行補助装置およびその制御方法を実現できる。
本実施の形態による体重支援型歩行補助装置の構成を示す概念図である。 図1に示す股関節連結部の剛性構造の説明に供する略線図である。 図1に示す靴部の剛性構造の説明に供する略線図である。 フレーム長調節部を構成する調節機構部の構成を示す略線的な概念図である。 図1に示す体重支援型歩行補助装置の制御系システムの構成を示すブロック図である。 体重支援型歩行補助装置を装着した装着者による歩行動作の説明に供する略線図である。 歩行動作時における左右の床反力センサの検出結果を示すグラフである。 歩行分析結果としての歩行パラメータの説明に供するグラフである。 歩行分析結果としての歩行パラメータの説明に供するグラフである。
以下、図面について、本発明の一実施の形態を詳細する。
(1)本発明による体重支援型歩行補助装置の構成
図1は本実施の形態における体重支援型歩行補助装置1を示し、装着者の臀部を支える座部2と、装着者の脚部の内側に沿って配置された大腿フレーム3および下腿フレーム4と、下腿フレーム4の他端に接合され、装着者の足部に装着される靴部5とを有する。
大腿フレーム3及び下腿フレーム4は、例えばステンレス等の金属またはカーボンファイバ(炭素繊維)等により細長い板状に形成されたフレーム本体を有し、軽量かつ高い剛性をもつようになされている。
座部2の下側と大腿フレーム3の一端との間には、装着者の股関節部の動作に伴い回動可能な股関節連結部10が連結されている。この股関節連結部10は、一端が座部2の下側に固定されたシートクランプ2Aの他端に当該シートクランプ2Aの突出方向と垂直に所定径の第1貫通穴2Bが形成されるとともに、大腿フレーム3の一端3Aにその長手方向と垂直に当該第1貫通穴2Bと同一径の第2貫通穴3Bが形成され、当該第1貫通穴2Bおよび第2貫通穴3Bを同軸(矢印A軸)中心かつ同径のシャフト10Aが回動自在に掛合された構造を有する。
このシートクランプ2Aと大腿フレーム3の一端3Aとシャフト10Aは、第1貫通穴2Bおよび第2貫通穴3Bにグリス等の潤滑剤を介してシャフト10Aが嵌め込まれることにより、図2に示すように、鉛直方向に対する強い剛性を確保すると同時にシートクランプ2Aと大腿フレーム3の一端3AとをA軸を中心とする回動自在性を担保し得る。
また大腿フレーム3の他端3Cと下腿フレーム4の一端4Aとの間には、装着者の膝関節部の動作に伴い回動可能な膝関節連結部11が連結されている。この膝関節連結部11は、大腿フレーム3の他端3Cにその長手方向と垂直に所定径の第3貫通穴3Dが形成されるとともに、下腿フレーム4の一端4Aにその長手方向と垂直に当該第3貫通穴3Dと同一径の第4貫通穴4Bが形成され、当該第3貫通穴3Dおよび第4貫通穴4Bを同軸(矢印B軸)中心かつ同径のシャフト11Aが回動自在に掛合された構造を有する。
この大腿フレーム3の他端3Cと下腿フレーム4の一端4Aとシャフト11Aは、第3貫通穴3Dおよび第4貫通穴4Bにグリス等の潤滑剤を介してシャフト11Aが嵌め込まれることにより、鉛直方向に対する強い剛性を確保すると同時に大腿フレーム3の他端3Cと下腿フレーム4の一端4AとをB軸を中心とする回動自在性を担保し得る。
なお後述するように、大腿フレーム3および下腿フレーム4には、それぞれフレーム長を伸縮自在に調整する調節機構部20(図4)がフレーム長調節部30(図5)の構成要素として内蔵されている。
さらに下腿フレーム4の他端4Cには、装着者の足部に装着される靴部5が接合されている。靴部5は、装着者の足部を包み込む短靴5Aと、当該短靴5Aの内側面に接合された比較的剛性の高い金属部材からなる固定締結部6とを有する(図3)。固定締結部6は、下腿フレーム4の他端4Cが植立するように接合された板状のボトムプレート6Aと、当該ボトムプレート6Aの側面に板状のプレート締結具6Bが直角関係を保って複数のボルト(図示せず)により締結されている。このプレート締結具6Bに短靴5Aの内側面が接合されて一体化されるようになされている。
なお、固定締結部6において、ボトムプレート6Aおよびプレート締結部6Bは別体で互いに締結する構成でなくても、金属部材として一体に成形されるようにしてもよい。
大腿フレーム3および下腿フレーム4には、それぞれカフ7および8が取り付けられ(図1)、装着者の大腿部および下腿部をそれぞれ周囲から巻き付けて強固に締結し得るようになされている。
このように体重支援型歩行補助装置1において、装着者は座部2に臀部を支持した状態で歩行動作をする際、歩行動作の支持脚期に装着者の自重による膝関節部への荷重を低減させることが可能となる。
(2)本発明によるフレーム長調節部の構成
図1との対応部分に同一符号を付した図4において、大腿フレーム3および下腿フレーム4には、それぞれフレーム長を伸縮自在に調節可能な調節機構部20がフレーム長調節部30(図5)の構成要素として内蔵された構造に関する略線的な概念図を示す。
この調節機構部20は、中空サーボモータからなるアクチュエータ21と当該アクチュエータ21の出力軸の回転運動を直線運動に変換するボールねじ(直動変換機構)22とを有し、当該ボールねじ22の直線運動に応じて、大腿フレーム3および下腿フレーム4のそれぞれフレーム長を可変させる。
大腿フレーム3において、ボールねじ22のナット部22Aが膝関節連結部11側(3C)に固定されるとともに、当該ボールねじ22のねじ軸部22Bが座部2側(3A)に固定され、フレーム筐体同士が摺動しながらスライドして大腿フレーム3自体のフレーム長を伸縮するようになされている。
同様に下腿フレーム4において、ボールねじ22のナット部22Aが靴部5側に固定されるとともに、当該ボールねじ22のねじ軸部22Bが膝関節連結部11側(4A)に固定され、フレーム筐体同士が摺動しながらスライドして下腿フレーム4自体のフレーム長を伸縮するようになされている。
このようにフレーム長調節部30(図5)の調節機構部20は、大腿フレーム3および下腿フレーム4の各フレームに沿って直動変換機構を駆動させるようにして、高精度かつ高剛性化を維持しながら各フレームの長さを調節することができる。
実際に大腿フレーム3および下腿フレーム4の各フレーム長を調節する場合、装着者の膝関節と膝関節連結部11の回動中心とが常に位置合わせされることを基準とするようになされている。この基準を維持しながら、後述するように、歩行動作のフェーズに応じて各フレーム長を調節すれば、装着者の膝関節に余分な重量負担がかかるのを回避することができる。
(3)体重支援型歩行補助装置の内部システム構成
図5に本実施の形態による体重支援型歩行補助装置1の制御系システムの構成を示す。制御系システムはフレーム長調節部30に設けられている。フレーム長調節部30は、上述したボールねじ(直動変換機構)22およびアクチュエータ21を含む調節機構部20と、システム全体の統括制御を司る制御部31と、データ格納部32とを有する。
靴部5の足底には、インソール型の床反力センサ40が設けられ、装着者の足裏面にかかる荷重に対する反力(足裏部への圧力分布)を検出する。この床反力センサ40は、足裏面にかかる荷重を前足部(つま先部)と後足部(踵部)とに分割して独立して測定可能である。
この床反力センサ40は、例えば、印加された荷重に応じた電圧を出力する圧電素子、または、荷重に応じて静電容量が変化するセンサなどからなり、体重移動に伴う荷重変化、および装着者の脚と地面との接地の有無をそれぞれ検出することができる。
靴部5は、靴構造以外に、床反力センサ40とMCU(Micro Control Unit)からなる床反力制御部41とを有する。床反力センサ40の出力を変換器42を介して電圧変換した後、LPF(Low Pass Filter)43を介して高域周波数帯を遮断してから床反力制御部41に入力される。
この床反力制御部41は、床反力センサ40の検知結果に基づいて、装着者の体重移動に伴う荷重変化や接地の有無を求め、これを床反力データとしてフレーム長調節部30の制御部31に送出する。制御部31は、受信した床反力データをデータ格納部32の基準パラメータデータベースに格納する。
制御部31は、床反力データに基づく足裏に係る荷重遷移状態と、データ格納部32の基準パラメータデータベースに格納された基準パラメータの荷重遷移状態とを比較することにより、装着者の歩行動作のフェーズを特定する。
制御部31は、特定した歩行動作のフェーズについて、歩行の状態を遊脚期と支持脚期とにフェーズ分割して捉えて、調節機構部20を駆動制御する。遊脚期は足が地面から離れ下腿を振り出す動作の期間である。支持脚期は足が地面に接地し自重を支えている期間である。
装着者の歩行中は足部の後足部(踵部)から着地するため、後足部側の床反力が前足部(つま先部)側の床反力に先行して上昇する。離床時は足部の後足部が先に離れてから、追って前足部が離れるため、前足部側の床反力が後足部側の床反力より後に減少する。
これらを利用して、制御部31は、靴底部における前足部側の床反力と後足部側の床反力の情報(荷重を表す床反力データ)に基づいてフェーズを判定する。後足部側の床反力が上昇した際に、遊脚期から支持脚期に切り替わり、前足部側の床反力が減少した際に支持脚期から遊脚期に切り替わると判定する。
フレーム長調節部30において、制御部31は、床反力センサ40の検出結果に基づいて、歩行動作の支持脚期に装着者の自重による膝関節部への荷重を低減させるように、大腿フレーム3および下腿フレーム4の調節機構部20をそれぞれ駆動制御して、各フレーム長を調節する。
これと同時に、制御部31は、床反力センサ40の検出結果に基づいて、歩行動作の遊脚期に靴部5が歩行面に接触しないように、大腿フレーム3および下腿フレーム4の調節機構部20をそれぞれ駆動制御して、各フレーム長を調節する。
その際、制御部31は、大腿フレーム3および下腿フレーム4のいずれか一方または両方について、装着者の膝関節部の症状改善に向けた矯正方向への遷移状態に合わせて、大腿フレーム3および下腿フレーム4のいずれか一方を選択的に調節し、または両方の伸縮割合を調整しながら同時に調節するようにしてもよい。
この結果、装着者は大腿フレーム3および下腿フレーム4のいずれか一方または両方についてフレーム長を伸縮させることができるため、膝関節部への重量負担を最適な状態に合わせながら低減させることができる。
(4)体重支援型歩行補助装置を装着した装着者による歩行動作実験
実際に、装着者が左脚に本実施の形態における体重支援型歩行補助装置1を装着しない場合と当該装置を装着した場合とで、図6(A)および(B)に示すように、10〔m〕の距離を前後3〔m〕の余裕を持たせて6回ずつ歩行させた際の実験結果について説明する。なお、この実験では装着者の右脚についても、床反力センサ40を靴底部(インソール)に搭載した靴部5を履かせて、両方の足から床反力をそれぞれ検出し得るようにした。
装着者の体重が57〔kg〕の場合に、(i)左右の床反力センサ40の検出結果(装着者の足裏部への圧力分布)、(ii)歩容パラメータ(歩行速度、歩行周期における左右のスタンス割合、左右のステップ時間)および(iii)対称性指数の3項目について評価した。
(i)左右の床反力センサ40の検出結果については、装着者の膝関節の負担を大幅に低減できたことが確認された。図7に示すように、体重支援型歩行補助装置1を装着していない右脚(w/o device)に対して、当該装置を装着している左脚(with device)が3分の1以下に低減されている。このことは体重支援型動作補助装置1が部分的に装着者に対する体重サポート機能を十分果たしていると言い得る。
(ii)歩容パラメータについては、図8(A)および(B)に示すように、装着者が体重支援型動作補助装置を左脚に装着しない場合(w/o device)と当該装置1を左脚に装着する場合(with device)とで、歩行周期における左右のスタンス割合を計測した。なお、装着者の右脚には常に体重支援型動作補助装置1は装着しないものとする。
この結果、体重支援型動作補助装置1の装着の有無にかかわらず、歩行周期における左右のスタンス割合は特に差異がないことが確認できた。また歩行速度についても、図8(C)に示すように、体重支援型動作補助装置1の装着に有無にかかわらず、特に差異がないことが確認された。
また左右のステップ時間については、図9(A)および(B)に示すように、装着者が体重支援型動作補助装置1を左脚に装着しない場合(w/o device)と当該装置1を左脚に装着する場合(with device)との差が0.09 [s]であった。当該装置1を装着した場合の左脚のステップ時間が0.09〔s〕短縮されている(図9(A))。
対称性指数SI(Symmetry Index)は、右足のスタンスをX=StanceRight、左足のスタンスをX=StanceLeftとすると、次式(1)のように示される。
……(1)
対称性指数SIは、図9(C)に示すように、装着者が体重支援型動作補助装置1を左脚に装着しない場合(w/o device)に対して、当該装置1を左脚に装着する場合(with device)に1.31〔%〕増加したことが確認された。この原因は装置自体の重量に起因して左脚の振り出しが遅延したものと推測される。
(5)本実施の形態の動作
以上の構成において、本実施の形態による体重支援型歩行補助装置1では、装着者が座部2に臀部を支持した状態で歩行動作をする際、フレーム長調節部30は、歩行動作のフェーズごとに、床反力センサ40により検出された装着者の足裏部への圧力分布に基づいて、大腿フレーム3および下腿フレーム4のフレーム長を調節する。
すなわちフレーム長調節部30は、装着者の膝関節と膝関節連結部11の回動中心とが常に位置合わせされることを基準に、歩行動作の支持脚期に装着者の自重による膝関節部への荷重を低減させる一方、当該歩行動作の遊脚期に靴部5が歩行面に接触しないように、大腿フレーム3および下腿フレーム4のフレーム長をそれぞれ調節する。
この結果、体重支援型歩行補助装置1では、装着者は股関節部および膝関節部の動作に応じて股関節連結部10および膝関節連結部11を自由に回動させながら歩行動作するとともに、当該歩行動作の支持脚期においても膝関節部にかかる自己の体重による重量負担を格段と軽減させることができる。
なお、本実施の形態による体重支援型歩行補助装置1は、股関節連結部10および膝関節連結部11をともに電動駆動しない構造であり、駆動用アクチュエータを搭載する必要がない分、装置全体として軽量化を図ることが可能となる。
(6)他の実施の形態
なお上述のように本実施の形態においては、体重支援型歩行補助装置1では、フレーム長調節部30は床反力センサ40の検出結果装着者の足裏部への圧力分布に基づいて、大腿フレーム3および下腿フレーム4のフレーム長を調節するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、装着者の臀部への圧力分布も加えて各フレーム長を調節するようにしてもよい。
すなわち、体重支援型歩行補助装置1の座部2に座面反力センサ(図示せず)を搭載しておき、装着者が座部2に臀部を支持した際に当該臀部への圧力分布を検出するように構成しておく。フレーム長調節部30は、床反力センサ40および座面反力センサの各検出結果に基づいて、歩行動作の支持脚期に装着者の自重による膝関節部への荷重を低減させる一方、当該歩行動作の遊脚期に靴部が歩行面に接触しないように、各フレーム長を調節する。
この結果、体重支援型歩行補助装置1では、装着者の足裏部への圧力分布のみならず、装着者の臀部への圧力分布に基づいて、大腿フレーム3および下腿フレーム4のいずれか一方または両方についてフレーム長を伸縮させることができるため、膝関節部への重量負担を最適な状態に高い精度で合わせながら低減させることができる。
また本実施の形態においては、装着者の歩行動作のフェーズを特定する際、片方(右または左)の脚にのみ体重支援型歩行補助装置1を装着して当該脚における足裏部への圧力分布に基づいて、大腿フレーム3および下腿フレーム4のフレーム長を調節するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、装着者の両脚における左右両方の足裏部への圧力分布に基づいて各フレーム長を調節するようにしてもよい。
この結果、左右の足裏部への圧力分布に基づいて、双方の足裏部にかかる荷重バランスに応じた重心位置を求めることができる。このように装着者の左右の足のどちら側に重心が偏っているかを求めることができるため、歩行動作のフェーズ判定をより高い精度で行うことが可能となる。
さらに、股関節連結部10に絶対角度センサ(図示せず)を搭載して、大腿フレーム3の鉛直方向に対する絶対角度を計測したり、膝関節連結部11に回転角度センサ(図示せず)を搭載して、装着者の動作に応じた膝関節角度を計測するようにしてもよい。股関節角度や膝関節角度を求めて床反力と合わせることにより、歩行動作のフェーズ判定をさらに高い精度で行うことが可能となる。
さらに本実施の形態においては、フレーム長調節部30を構成する調節機構部20として、ボールねじ(直動変換機構)22およびアクチュエータ22を適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、大腿フレーム3および下腿フレーム4のフレーム長に沿った長手方向を回転軸として回転−直動変換が可能な機構であれば、種々の機構のものを適用することができる。
1…体重支援型歩行補助装置、2…座部、3…大腿フレーム、4…下腿フレーム、5…靴部、10…股関節連結部、11…膝関節連結部、20…調節機構部、30…フレーム長調節部、31…制御部、32…データ格納部、40…床反力センサ、41…床反力制御部。

Claims (8)

  1. 装着者の臀部を支える座部と、
    前記装着者の脚部の内側に沿って配置された大腿フレームおよび下腿フレームと、
    前記座部の下側と前記大腿フレームの一端とを連結し、前記装着者の股関節部の動作に伴い回動可能な股関節連結部と、
    前記大腿フレームの他端と前記下腿フレームの一端とを連結し、前記装着者の膝関節部の動作に伴い回動可能な膝関節連結部と、
    前記下腿フレームの他端に接合され、前記装着者の足部に装着される靴部と、
    前記靴部に搭載され、前記装着者の足裏部への圧力分布を検出する床反力センサと、
    前記大腿フレームおよび前記下腿フレームのいずれか一方または両方のフレーム長を伸縮自在に調節するフレーム長調節部と、
    を備え、前記フレーム長調節部は、前記床反力センサの検出結果に基づいて、歩行動作の支持脚期に前記装着者の自重による前記膝関節部への荷重を低減させる一方、当該歩行動作の遊脚期に前記靴部が歩行面に接触しないように、前記各フレーム長を調節する
    ことを特徴とする体重支援型歩行補助装置。
  2. 前記フレーム長調節部は、前記大腿フレームおよび前記下腿フレームのいずれか一方または両方について、前記装着者の膝関節部の症状改善に向けた矯正方向への遷移状態に合わせて、前記大腿フレームおよび前記下腿フレームのいずれか一方を選択的に調節し、または両方の伸縮割合を調整しながら同時に調節する
    ことを特徴とする請求項1に記載の体重支援型歩行補助装置。
  3. 前記座部に搭載され、前記装着者の臀部への圧力分布を検出する座面反力センサをさらに備え、
    前記フレーム長調節部は、前記床反力センサおよび前記座面反力センサの各検出結果に基づいて、歩行動作の支持脚期に前記装着者の自重による前記膝関節部への荷重を低減させる一方、当該歩行動作の遊脚期に前記靴部が歩行面に接触しないように、前記各フレーム長を調節する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の体重支援型歩行補助装置。
  4. 前記フレーム長調節部は、モータ出力軸の回転運動を直線運動に変換する直動変換機構を有し、当該直動変換機構の直線運動に応じて、前記大腿フレームおよび前記下腿フレームのいずれか一方または両方のフレーム長を可変させる
    ことを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載の体重支援型歩行補助装置。
  5. 装着者の臀部を座部で支えつつ、当該装着者の脚部の内側に沿って大腿フレームおよび下腿フレームを配置し、当該装着者の足部に前記下腿フレームの他端に接合された靴部を装着しておき、さらに前記装着者の股関節部の動作に伴い前記座部の下側と前記大腿フレームの一端とを連結する股関節連結部を回動可能にするとともに、前記装着者の膝関節部の動作に伴い前記大腿フレームの他端と前記下腿フレームの一端とを連結する膝関節連結部を回動可能にしておき、
    前記靴部において前記装着者の足裏部への圧力分布を検出する第1ステップと、
    前記大腿フレームおよび前記下腿フレームのいずれか一方または両方のフレーム長を伸縮自在に調節する第2ステップと、
    前記第2ステップによる検出結果に基づいて、歩行動作の支持脚期に前記装着者の自重による前記膝関節部への荷重を低減させる一方、当該歩行動作の遊脚期に前記靴部が歩行面に接触しないように、前記各フレーム長を調節する第3ステップと
    を備えることを特徴とする体重支援型歩行補助装置の制御方法。
  6. 前記第3ステップでは、前記大腿フレームおよび前記下腿フレームのいずれか一方または両方について、前記装着者の膝関節部の症状改善に向けた矯正方向への遷移状態に合わせて、前記大腿フレームおよび前記下腿フレームのいずれか一方を選択的に調節し、または両方の伸縮割合を調整しながら同時に調節する
    ことを特徴とする請求項5に記載の体重支援型歩行補助装置の制御方法。
  7. 前記座部において前記装着者の臀部への圧力分布を検出する第4ステップをさらに備え、
    前記第3ステップでは、前記第2ステップおよび前記第4ステップによる各検出結果に基づいて、歩行動作の支持脚期に前記装着者の自重による前記膝関節部への荷重を低減させる一方、当該歩行動作の遊脚期に前記靴部が歩行面に接触しないように、前記各フレーム長を調節する
    ことを特徴とする請求項5または6に記載の体重支援型歩行補助装置の制御方法。
  8. 前記第3ステップでは、モータ出力軸の回転運動を直線運動に変換する直動変換機構の直線運動に応じて、前記大腿フレームおよび前記下腿フレームのいずれか一方または両方のフレーム長を可変させる
    ことを特徴とする請求項5から7までのいずれかに記載の体重支援型歩行補助装置の制御方法。
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