JP2021028118A - 液体噴射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ミストの付着に起因する液体噴射ヘッドの不具合を低減する。【解決手段】液体噴射装置100Aは、開口O1が形成された中空の筐体242Aと、液体を噴射するノズルNが設けられたノズル面617を有し、ノズルNが開口O1から露出するように、開口O1の内周面42との間に隙間Aを空けて筐体242Aに保持される液体噴射ヘッド26Aと、筐体242Aの内部空間S1に設けられ、液体噴射ヘッド26Aが液体を噴射することで筐体242Aの外で発生し、隙間Aから筐体242Aの内部空間S1へ流入したミストを回収する多孔質部材71A,71Bと、筐体242Aの内部空間S1に気体を供給口31から供給する供給部28と、を備える。【選択図】図2
Description
本発明は、液体噴射装置に関する。
インク等の液体を複数のノズルから噴射する液体噴射ヘッドが従来から提案されている。特許文献1には、ノズルの開口に連通する圧力発生室が形成され、圧電素子の駆動によって生じる圧力発生室内の圧力変化に基づいて、ノズルからインク等の液体を噴射する液体噴射ヘッドが開示されている。このような液体噴射ヘッドは、液体噴射装置内で往復移動を行うキャリッジに収容される。
液体噴射ヘッドの容易な交換を実現するために、キャリッジと当該液体噴射ヘッドとの間に隙間を設けることが想定される。しかし、キャリッジの内部に隙間からインクのミストを含む外気が流入し、例えば、キャリッジ内部に配置された配線部材や液体噴射ヘッド等の電気的な要素にミストが付着することにより、液体噴射ヘッドに電気的な接続不良などの不具合が発生するという問題がある。
本願の液体噴射装置は、開口が形成された中空の筐体と、液体を噴射するノズルが設けられたノズル面を有し、前記ノズルが前記開口から露出するように、前記開口の内周面との間に隙間を空けて前記筐体に保持される液体噴射ヘッドと、前記筐体の内部空間に設けられ、前記液体噴射ヘッドが液体を噴射することで前記筐体の外で発生し、前記隙間から前記筐体の前記内部空間へ流入したミストを回収するミスト回収部と、前記筐体の前記内部空間に気体を供給口から供給する供給部と、を備えることを特徴とする。
本願の液体噴射装置は、開口が形成された中空の筐体と、液体を噴射するノズルを有し、前記ノズルが前記開口から露出するように、前記開口の内周面との間に隙間を空けて前記筐体に保持される液体噴射ヘッドと、前記筐体の内部空間に設けられ、前記液体噴射ヘッドが液体を噴射することで前記筐体の外で発生し、前記隙間から前記筐体の前記内部空間へ流入したミストを回収するミスト回収部と、前記筐体の前記内部空間に設けられ、前記ミスト回収部へ向けて気体を送風するファンと、を備えることを特徴とする。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。かかる実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。なお、以下の各図においては、各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各部材の尺度を実際とは異ならせている。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る液体噴射装置100Aの構成を示す概略構成図である。まず、図1を参照し、本実施形態に係る液体噴射装置100Aの概略構成について説明する。
図1は、実施形態1に係る液体噴射装置100Aの構成を示す概略構成図である。まず、図1を参照し、本実施形態に係る液体噴射装置100Aの概略構成について説明する。
実施形態1の液体噴射装置100Aは、液体の例示であるインクを媒体12に噴射するインクジェット方式の印刷装置である。媒体12は、典型的には印刷用紙であるが、樹脂フィルムまたは布帛等の任意の材質の印刷対象を媒体12として利用してもよい。図1に例示される通り、液体噴射装置100Aには、インクを貯留する液体容器14が設置される。例えば液体噴射装置100Aに着脱可能なカートリッジ、可撓性のフィルムで形成された袋状のインクパック、または、インクを補充可能なインクタンクが液体容器14として利用される。色彩が相違する複数種のインクが液体容器14には貯留される。
図1に例示される通り、液体噴射装置100Aは、制御ユニット20と、搬送機構22と、移動機構24と、液体噴射ヘッド26Aと、供給部28と、筐体242Aとを具備する。制御ユニット20は、例えばCPU(Central Processing Unit)またはFPGA(Field Programmable Gate Array)等の処理回路と半導体メモリー等の記憶回路とを含み、液体噴射装置100Aの各要素を統括的に制御する。具体的には、制御ユニット20は、例えば搬送機構22と移動機構24と液体噴射ヘッド26Aと供給部28とを制御する。
液体噴射装置100Aが具備する液体噴射ヘッド26Aの個数は任意である。図1では、液体噴射装置100Aが2つの液体噴射ヘッド26Aを具備する構成を例示する。筐体242Aは、2つの液体噴射ヘッド26Aを±X方向に沿って並ぶようにして保持する略箱型の構造体である。筐体242Aは、例えばキャリッジである。なお、液体容器14を液体噴射ヘッド26Aと共に筐体242Aに搭載した構成も採用され得る。また、複数の部材を接着、溶着、または、ネジ等の締結具により固定することで筐体242Aを形成する構成も採用され得る。
搬送機構22は、制御ユニット20による制御のもとで媒体12を+Y方向に搬送する。移動機構24は、筐体242Aが固定された搬送ベルト244を具備し、制御ユニット20による制御のもとで、筐体242Aを+X方向および−X方向に往復移動させる。即ち、本実施形態における液体噴射装置100Aは、所謂シリアル型の液体噴射装置である。±X方向は、媒体12が搬送される+Y方向に交差する方向であり、典型的には+Y方向に直交する。
液体噴射ヘッド26Aは、液体容器14から供給されるインクを制御ユニット20による制御のもとで噴射孔としての複数のノズルN(図2参照)から媒体12に噴射する。各液体噴射ヘッド26Aにおいては、±Y方向に沿って複数のノズルNが配列する。搬送機構22による媒体12の搬送と筐体242Aの反復的な往復とに並行して液体噴射ヘッド26Aが媒体12にインクを噴射することで、媒体12の表面に所望の画像が形成される。なお、X−Y平面に垂直な方向を以下では±Z方向と表記する。X−Y平面は、例えば、媒体12の表面に平行な平面である。また、液体噴射ヘッド26Aによるインクの噴射方向が+Z方向に相当する。インクの噴射方向は、重力方向または重力方向に交差する方向であるが、本実施形態においては重力方向に相当する。ここで、方向を示す矢印の先端側を(+)方向とし、方向を示す矢印の基端側を(−)方向とする。なお、本実施形態では、各方向(X、Y、Z)の関係を直交とするが、各構成の配置関係が必ずしも直交するものに限定されるものではない。なお、本実施形態における+X方向は、「所定方向」の一例であり、+Z方向は、「重力方向」の一例である。
次に、図2および図3を用いて、液体噴射ヘッド26Aおよび筐体242Aについて詳細に説明する。図2は、図1のB−B’線における筐体242Aの断面図である。図3は、−Z方向から見た筐体242Aの平面図である。なお、図3は、後述する上面部43、供給管30、等の図示を省略している。
筐体242Aは、相互に対向する底面部41および上面部43と、底面部41および上面部43を連結する側面部45とを含む中空の構造体である。底面部41は、筐体242Aのうち媒体12に対向する部分である。筐体242Aの内部には、底面部41と上面部43と側面部45とで囲まれた空間である内部空間S1が形成される。筐体242Aの内部空間S1に液体噴射ヘッド26Aが収容される。なお、本実施形態では、筐体242Aの底面部41と上面部43と側面部45とで囲まれた空間を内部空間S1として例示するが、筐体242Aの内部に形成される空間であれば内部空間S1の具体的な態様は任意である。
本実施形態の液体噴射ヘッド26Aは、ノズルNからインクを噴射する液体噴射部61と、液体噴射部61を駆動する駆動回路63と、液体噴射部61および駆動回路63を収容する収容体65とを含む。液体噴射部61は、流路形成部612と複数の圧電素子614とノズル板616とを具備する。+Z方向から見た液体噴射ヘッド26Aの外形は、略長方形である。流路形成部612は、不図示の複数の圧力室を含むインクの流路を形成する。ノズル板616は、複数の圧力室にそれぞれ連通する複数のノズルNが設けられたノズル面617を+Z方向側の面に有する。圧電素子614は、圧力室毎に配置され、駆動回路63から供給される駆動信号に応じて変形する。圧電素子614の変形により圧力室内の圧力が変化することで、圧力室内のインクがノズルNから噴射される。なお、本実施形態における±Z方向は、「ノズル面に垂直な方向」の一例でもある。
収容体65は、相互に対向する底面部651および上面部653と、底面部651および上面部653を連結する側面部655とを含む中空の構造体である。底面部651は、収容体65のうち媒体12に対向する部分である。収容体65の内部には、底面部651と上面部653と側面部655とで囲まれた空間である収容空間S2が形成される。なお、本実施形態では、収容体65の底面部651と上面部653と側面部655とで囲まれた空間を収容空間S2として例示するが、収容体65の内部に形成される空間であれば収容空間S2の具体的な態様は任意である。また、図3に示す通り、収容体65には、+Y方向の側面部655から+Y方向へ突出するフランジ27Aと、−Y方向の側面部655から−Y方向へ突出するフランジ27Bとが設けられている。各フランジ27A,27Bには、後述するネジ80が挿入される不図示の貫通孔が1つ設けられる。
収容体65の底面部651には開口O2が形成される。収容体65の開口O2内にノズル板616が露出するように液体噴射部61が収容体65に設置される。一方で、収容体65の上面部653には連通孔Hが形成される。連通孔Hは、筐体242Aの内部空間S1に位置し、収容空間S2と内部空間S1とを連通させる。以上の通り、収容空間S2は密閉されないから、圧電素子614の変形による収容空間S2内の圧力の変動を低減できる。したがって、収容空間S2内の圧力変動に起因してノズルNの吐出特性に発生する誤差を低減することができる。特に近年の印刷装置の高スループット化への要求に応えるため、ノズルNが高密度化・多数化するとともに、搭載する液体噴射ヘッド26Aの個数も増加する傾向にある。ノズルNの高密度化・多数化により、複数のノズルNのうちインクを噴射するノズルNの総数に応じた収容空間S2内の圧力変動が大きくなり、高精度で安定した噴射を妨げる一因となる。また、搭載する液体噴射ヘッド26Aの個数が増加することは、液体噴射ヘッド26Aの交換作業が煩雑化する要因となるため、交換作業の容易化が更に求められている。
また、連通孔Hは、駆動回路63と制御ユニット20とを電気的に接続する配線部材68を挿通するための貫通孔でもある。本実施形態における配線部材68は、例えばFFC(フレキシブルフラットケーブル)が採用され、筐体242Aに設けられた不図示の貫通孔を通じて、筐体242Aの外部に設けられた制御ユニット20に接続される。即ち、配線部材68は、制御ユニット20から供給される電気信号を液体噴射ヘッド26Aの駆動回路63へ伝達する配線である。なお、配線部材68として、COF基板(Chip On Film)、FPC(フレキシブルプリント基板)、リジッド基板、ケーブル等を採用してもよい。また、配線部材68は、液体噴射ヘッド26Aと電気的に接続される部材であればよくて、必ずしも連通孔Hおよび筐体242Aに設けられた貫通孔に挿通されている必要はない。即ち、配線部材68が、複数の配線部材同士が接続されて構成されており、複数の配線部材の一部が、連通孔Hおよび筐体242Aに設けられた貫通孔に挿通されていなくてもよい。
筐体242Aの底面部41には、各液体噴射ヘッド26Aに対応して2つの開口O1が形成される。図2に例示される通り、液体噴射ヘッド26Aは、ノズルNが筐体242Aの開口O1から露出するように筐体242Aに保持される。具体的には、収容体65の底面部651が筐体242Aの外部に位置するように液体噴射ヘッド26Aが筐体242Aに収容される。筐体242Aの底面部41には、フランジ27A,27Bに設けられた前述の貫通孔に対応して不図示の貫通孔が形成されており、底面部41とフランジ27A,27Bの両方の貫通孔にネジ80が挿入されて締結されることにより、液体噴射ヘッド26Aが筐体242Aに固定される。液体噴射ヘッド26Aは、開口O1の内周面42の±X方向側に設けられた長辺と、収容体65の側面部655との間に隙間Aをあけて、当該筐体242Aに保持される。隙間Aは、±X方向に沿って複数設けられており、本実施形態においては各液体噴射ヘッド26Aに対応して2つずつ、計4つ設けられている。隙間Aは、内部空間S1と外部とを連通させる隙間である。なお、開口O1の内周面42の±Y方向側に設けられた短辺と、収容体65の側面部655との間にも隙間は形成されるが、当該隙間は、フランジ27A,27Bと±Z方向に重なるため、フランジ27A,27Bによって塞がれている。
隙間Aは、開口O1の内周面42と収容体65の側面部655との間の空間である。筐体242Aにおける開口O1の内周面42と液体噴射ヘッド26Aとの間に隙間Aが形成されることにより、液体噴射ヘッド26Aが隙間なく開口O1に挿入される構成と比較して、液体噴射ヘッド26Aを容易に交換することができる。また、隙間Aが形成されることにより、隙間がない構成と比較して、筐体242Aに対して液体噴射ヘッド26Aの位置、特に±X方向および±Y方向における位置を容易に調整することができる。
また、液体噴射ヘッド26Aからインクを媒体12に噴射して画像の形成を行う際にインクが霧状になったインクミストが筐体242Aの外部、具体的には媒体12と筐体242Aの底面部41との間で発生する場合があるが、筐体242Aの内部空間S1と外部とは当該隙間Aを介して連通するため、筐体242Aの内部空間S1にインクミストを含む外気が流入してしまう。以降、インクミストを単にミストと呼ぶ。上述した通り、収容空間S2が連通孔Hを介して内部空間S1に連通するから、液体噴射部61、駆動回路63および配線部材68が内部空間S1に流入したミストを含む外気の影響を受けるという問題がある。具体的には、内部空間S1に流入したミストが筐体242Aの内部に配置された液体噴射ヘッド26Aや配線部材68等の電気的な要素に付着することにより、液体噴射ヘッド26Aに電気的な接続不良などの不具合が発生し得る。
そこで、本実施形態では、内部空間S1に流入するミストによる液体噴射ヘッド26Aの不具合を低減するために、供給部28および多孔質部材71A,71Bを利用する。図2および図3を用いて、供給部28と多孔質部材71A,71Bについて説明する。なお、多孔質部材71A,71Bは、「ミスト回収部」の一例である。
供給部28は、筐体242Aの外部から筐体242Aの内部空間S1に空気等の気体を供給する。つまり、筐体242Aの外部から筐体242Aの内部空間S1に気体が供給されるため、筐体242Aの内部空間S1は、大気圧、即ち筐体242Aの外部の気圧に対して正圧となり、隙間Aから流入するミストを含む外気の量を低減する。本実施形態における供給部28から供給される気体は、例えば水蒸気量が4g/m3以下の気体である。なお、水蒸気量は、3g/m3以下であることがより好ましく、1g/m3以下であれば更に好ましい。例えばドライエアー(乾燥空気)が乾燥気体として利用される。乾燥気体を利用することで、筐体242Aの内部空間S1の湿度を低減させることができる。
図2に示される通り、本実施形態における供給部28は、気体を送出するポンプ等の送出機32と、送出機32が送出する気体を除湿する除湿機33と、送出機32に接続される2つの供給管30A,30Bと、を含んで構成される。供給管30A,30Bは、チューブ等によって構成され、筐体242Aの上面部43に形成された連通孔に挿入される。供給管30Aは、2つの液体噴射ヘッド26Aおよび2つの開口O1に対して+X方向に配置され、筐体242Aの内部空間S1に開口する供給口31Aを有している。一方、供給管30Bは、2つの液体噴射ヘッド26Aおよび2つの開口O1に対して−X方向に配置され、筐体242Aの内部空間S1に開口する供給口31Bを有している。以降、供給管30A,30Bのことを単に供給管30と呼び、供給口31A,31Bを単に供給口31と呼ぶことがある。供給口31が設けられている供給管30の先端部分は、筐体242Aの上面部43から内部空間S1側に突出している。供給部28から送出された気体は、供給管30を介して供給口31から筐体242Aの内部空間S1に重力方向へ向かって供給される。なお、供給管30は、例えば筐体242Aの側面部45に形成された連通孔に挿入される構成でもよい。
多孔質部材71A,71Bは、筐体242Aの内部空間S1に設けられ、隙間Aから筐体242Aの内部空間S1に流入したミストを回収する。多孔質部材71A,71Bは、ミストを吸収かつ保持可能な多孔質の部材であり、底面部41に載置される。以降、多孔質部材71A,71Bを単に多孔質部材71と呼ぶことがある。多孔質部材71は、例えばスポンジ等から構成される。多孔質部材71Aは、2つの液体噴射ヘッド26Aおよび2つの開口O1に対して+X方向に配置され、多孔質部材71Bは、2つの液体噴射ヘッド26Aおよび2つの開口O1に対して−X方向に配置されている。なお、本実施形態における多孔質部材71Aは「第1のミスト回収部」の一例であり、多孔質部材71Bは「第2のミスト回収部」の一例である。
図2および図3に示される通り、供給口31Aは多孔質部材71Aに対向するように配置され、供給口31Bは多孔質部材71Bに対向するように配置されている。
ここで、本明細書における「供給口31と多孔質部材71とが対向する」の意義について、図4Aおよび図4Bを用いて詳細に説明する。なお、多孔質部材71はミスト回収部の一例であることから、「供給口31と多孔質部材71とが対向する」の意義は、「供給口31とミスト回収部とが対向する」の意義と同義である。図4Aは、±Z方向に対して直交する方向、換言すればX−Y平面に沿う方向から見た供給口31と多孔質部材71との位置関係を示す図であり、図4Bは、−Z方向から見た供給口31と多孔質部材71との位置関係を示す図である。
供給口31の開口の中心を通り、供給口31の開口面に垂直な方向、換言すれば本実施形態における±Z方向に延びる軸を中心軸Cとする。図4Aおよび図4Bに示される通り、供給口31の噴射幅Wと、供給口31の噴射角度Θと、±Z方向における供給口31と多孔質部材71との距離Kとの間には、以下の式(1)の関係が成り立つ。
W=2×K×tan(Θ/2) …(1)
なお、噴射角度Θは、供給口31から噴射された気体が供給口31を中心に放射状に広がる角度を意味し、噴射幅Wは、供給口31から噴射された気体が多孔質部材71に到達するときの広がり幅、換言すれば供給口31と多孔質部材71との距離Kでの広がり幅を意味する。また、供給口31と多孔質部材71との距離Kは、「供給口とミスト回収部との距離」の一例である。
W=2×K×tan(Θ/2) …(1)
なお、噴射角度Θは、供給口31から噴射された気体が供給口31を中心に放射状に広がる角度を意味し、噴射幅Wは、供給口31から噴射された気体が多孔質部材71に到達するときの広がり幅、換言すれば供給口31と多孔質部材71との距離Kでの広がり幅を意味する。また、供給口31と多孔質部材71との距離Kは、「供給口とミスト回収部との距離」の一例である。
供給口31から噴射される気体は、±Z方向から平面視して、中心軸Cを中心とした噴射幅Wを直径とする円周内の領域Rに噴射される。したがって、±Z方向からの平面視で、多孔質部材71の少なくとも一部が領域Rと重なるように配置されていれば、供給口31から噴射される気体によって筐体242A内に流入して浮遊するミストを多孔質部材71へ吹き付けることができるので、ミストを効率良く回収することができる。
つまり、本明細書における「供給口31と多孔質部材71とが対向する」とは、±Z方向からの平面視で多孔質部材71の少なくとも一部が、式(1)で示された噴射幅Wを直径とする円周内の領域Rと重なるように配置されていることを意味しており、必ずしも±Z方向からの平面視で多孔質部材71が供給口31に対して重なっていなくてもよい。ただし、多孔質部材71によるミストの回収効率を上げるためには、±Z方向からの平面視で多孔質部材71と供給口31とが重なっていることが望ましい。また、多孔質部材71によるミストの回収効率を上げるために、±Z方向からの平面視において、多孔質部材71の外形の全てが、領域Rと重なっていることが更に望ましい。
なお、噴射角度Θは、90度以内であることが望ましい。このような構成によれば、供給口31から噴射された気体を集中的に多孔質部材71へ送風することができ、効率的にミストを回収することができる。さらに、噴射角度Θを60度以内とすれば、より効率的に多孔質部材71にミストを回収することができるので望ましい。また、ミストを効率良く回収するためには、±Z方向から見て、多孔質部材71の外形が、供給口31の面積よりも大きいことが望ましい。
図2および図3に示す通り、多孔質部材71は、ノズル面617に垂直な方向である±Z方向から見て、液体噴射ヘッド26Aおよび配線部材68と重ならないように配置されている。本実施形態では、多孔質部材71と供給口31は対向する位置に配置されているので、多孔質部材71と供給口31との間に液体噴射ヘッド26Aおよび配線部材68が配置されない。そのため、供給口31から噴射された気体が直接、液体噴射ヘッド26Aおよび配線部材68に吹き付けられない。
次に、図5を用いて、筐体242Aが移動機構24により移動している状態である移動状態における供給口31から供給された気体および隙間Aから流入したミストを含む外気の流れについて説明する。図5は、図2に対応する図であり、筐体242Aが+X方向へ移動している移動状態における図1のB−B’線断面図である。
まず、隙間Aを介して流入するミストを含む外気の流れについて説明する。図5は、隙間Aを介して流入するミストを含む外気の流れを二点鎖線の矢印で示している。筐体242Aが+X方向へ移動すると、筐体242Aの+X方向側の側面部45に外気がぶつかる。すると、側面部45にぶつかった外気は、側面部45に沿って+Z方向および−Z方向の両方向に分岐して移動する。−Z方向へ移動した外気は、側面部45の−Z方向の端部、換言すれば側面部45と上面部43との交差する部分を経由して、上面部43に沿って−X方向へ移動する。一方、+Z方向へ移動した外気は、側面部45の+Z方向の端部、換言すれば側面部45と底面部41との交差する部分を経由して、底面部41と、液体噴射ヘッド26Aの収容体65およびノズル面617と、に沿って−X方向へ移動する。そして、底面部41および液体噴射ヘッド26Aに沿って−X方向へ移動する外気の一部は、複数の隙間Aが設けられているそれぞれの位置まで差し掛かる度に、各隙間Aを介して筐体242Aの内部空間S1に流入する。即ち、底面部41および液体噴射ヘッド26Aに沿って−X方向へ移動する外気の流量は、当該外気が隙間Aの位置に差し掛かる度に減少する。
以上のことから分かるように、±X方向に沿って並ぶ複数の隙間Aのうち、筐体242Aが移動する方向側に設けられた隙間Aから流入する外気の量が、筐体242Aが移動する方向とは反対方向側に設けられた隙間Aから流入する外気の量よりも多くなる。換言すれば、隙間Aが設けられている位置が筐体242Aの移動方向に設けられた側面部45に対して近いほど、隙間Aから流入する外気の量が多くなる。本実施形態の筐体242Aは、+X方向および−X方向の両方向へ往復移動するから、筐体242Aが+X方向へ移動する場合は、4つの隙間Aのうち、+X方向側に設けられた隙間Aから流入する外気の量が多くなり、筐体242Aが−X方向へ移動する場合は、−X方向側に設けられた隙間Aから流入する外気の量が多くなる。
次に、供給口31から供給された気体の流れについて説明する。図5は、供給部28から供給される気体の流れを実線の矢印で示している。供給部28は、送出機32から送風された気体を供給管30を介して供給口31から噴射する。供給口31から噴射された気体は、多孔質部材71に向かって+Z方向に噴射される。供給口31から噴射された気体は、筐体242A内の内部空間S1に流入し浮遊するミストを巻き込んで多孔質部材71にぶつかる。多孔質部材71にぶつかったミストは、多孔質部材71に吸収および保持される。また、供給口31から噴射された気体の一部は、多孔質部材71にぶつかることで、筐体242Aの内部空間S1の中央へ移動する。図5の破線の矢印は、多孔質部材71にぶつかった後の気体の流れを示している。供給口31Aから噴射された気体の一部は、多孔質部材71Aにぶつかった後、−X方向へ移動する。一方、供給口31Bから噴射された気体の一部は、多孔質部材71Bにぶつかった後、+X方向へ移動する。そして、多孔質部材71Aにぶつかった気体の一部は、筐体242Aの内部空間S1の中央で多孔質部材71Bとぶつかった気体とぶつかることで、浮遊するミストを巻き込みながら+X方向へ移動し、供給口31Aから噴射された気体の流れに乗って再度、多孔質部材71Aにぶつかる。また、多孔質部材71Bにぶつかった気体の一部は、筐体242Aの内部空間S1の中央で多孔質部材71Aとぶつかった気体とぶつかることで、浮遊するミストを巻き込みながら−X方向へ移動し、供給口31Bから噴射された気体の流れに乗って再度、多孔質部材71Bにぶつかる。そして、再度、多孔質部材71にぶつけられた気体に巻き込まれたミストは、多孔質部材71に吸収および保持される。このように、供給口31から噴射された気体は、図5の破線の矢印のように筐体242Aの内部空間S1を循環するようにして移動する。以上のように、内部空間S1内のミストを多孔質部材71によって回収することができるので、内部空間S1内に浮遊するミストの量を低減することができる。また、内部空間S1を循環する気体の一部は、隙間Aから放出されるため、ミストが外部から内部空間S1に進入することを低減できる。
また、図2および図5に示す通り、供給口31と多孔質部材71との距離Kは、ノズル面617に垂直な方向である±Z方向における筐体242Aの寸法L以下である。具体的には、供給口31と多孔質部材71との距離Kは、中心軸Cに沿う方向である±Z方向における供給口31と多孔質部材71との距離であり、筐体242Aの寸法Lは、ノズル面617に垂直な方向である±Z方向における筐体242Aの上面部43の+Z方向側の面と底面部41の−Z方向側の面との距離である。供給口31と多孔質部材71との距離Kが短いと、供給口31から噴射された気体が多孔質部材71にぶつかって筐体242Aの内部空間S1に気流を発生させやすくなる。そのため、筐体242A内に浮遊するミストを当該気流で巻き込むことで、内部空間S1の広範囲に浮遊するミストを多孔質部材71で回収しやすくなる。
なお、供給口31と多孔質部材71との距離Kは、ノズル面617に垂直な方向である±Z方向における筐体242Aの寸法Lの半分以下であるのが望ましい。このような構成によれば、供給口31から噴射された気体が多孔質部材71にぶつかる勢いを強くすることができるため、筐体242Aの内部空間S1に気流を発生させやすくなる。さらに、供給口31と多孔質部材71との距離Kを、筐体242Aの寸法Lの1/3以下にすれば、筐体242Aの内部空間S1に気流をより発生させやすくなる。
以上述べたように、本実施形態に係る液体噴射装置100Aによれば、以下の効果を得ることができる。
実施形態1に係る液体噴射装置100Aは、筐体242Aの内部空間S1に供給口31から気体を供給する供給部28と、筐体242Aの内部空間S1に設けられ、隙間Aから内部空間S1に流入したミストを回収する多孔質部材71と、を備える。実施形態1の構成によれば、筐体242Aの外部から筐体242Aの内部空間S1に気体を供給しているため、内部空間S1を筐体242Aの外部の気圧である大気圧に対して正圧とし、隙間Aからミストを含む外気が流入する量を低減することができる。さらに、ミストを含む外気が隙間Aから流入してしまったとしても、内部空間S1に浮遊するミストを多孔質部材71に吸収かつ保持することができる。したがって、液体噴射ヘッド26Aの容易な交換を実現しながら、液体噴射ヘッド26Aや配線部材68等の電気的要素へのミストの付着に起因する液体噴射ヘッド26Aの電気的な接続不良などの不具合を低減することができる。
また、供給口31は、多孔質部材71と対向する位置に配置されている。そのため、筐体242A内に流入して浮遊するミストを、供給口31から噴射される気体によって多孔質部材71へ吹き付けることができるので、ミストを効率良く回収することができる。
また、多孔質部材71は、ノズル面617に垂直な方向である±Z方向からの平面視において、液体噴射ヘッド26Aおよび配線部材68と重ならないように配置されている。多孔質部材71と供給口31は対向する位置に配置されているので、多孔質部材71と供給口31との間に液体噴射ヘッド26Aおよび配線部材68が配置されない。そのため、供給口31から噴射された気体が直接、液体噴射ヘッド26Aおよび配線部材68に吹き付けられない。したがって、液体噴射ヘッド26Aや配線部材68等の電気的な要素にミストが付着するのを低減することができる。
さらに、供給口31は、重力方向である+Z方向へ気体を噴射しているため、供給口31からの噴射による気体の流れだけではなく、重力の力も利用してミストを多孔質部材71に回収することができる。その結果、ミストの回収効率を向上させることができる。
また、供給口31と多孔質部材71との距離Kは、ノズル面617に垂直な方向である±Z方向における筐体242Aの寸法L以下である。供給口31と多孔質部材71との距離Kが短いので、供給口31から噴射された気体が多孔質部材71にぶつかって筐体242Aの内部空間S1に気流を発生させやすくなる。その結果、筐体242A内に浮遊するミストを当該気流で巻き込むことで、内部空間S1の広範囲に浮遊するミストを多孔質部材71で回収しやすくなる。
±Z方向からの平面視において、供給口31Aおよび多孔質部材71Aは、2つの開口O1に対して+X方向側に配置され、供給口31Bおよび多孔質部材71Bは、2つの開口O1に対して−X方向側に配置されている。そのため、2つの開口O1に対して±X方向における一方側のみに供給口31および多孔質部材71が設けられている構成に比べて、筐体242Aの内部空間S1の広範囲に気流を発生させることができ、内部空間S1に浮遊するミストを多孔質部材71で効率良く回収することができる。
さらに、本実施形態では、筐体242Aが+X方向および−X方向に往復移動するため、4つの隙間Aのうち、最も+X方向に配置された隙間Aと、最も−X方向に配置された隙間Aからミストが流入しやすくなる。換言すれば、2つの開口O1の±X方向における両端部分からの内部空間S1へのミストの流入量が多くなる。これに対し、供給口31Aおよび多孔質部材71Aが、最も+X方向に配置された隙間Aに対して+X方向側に配置され、供給口31Bおよび多孔質部材71Bが、最も−X方向に配置された隙間Aに対して−X方向側に配置されている、換言すれば、供給口31および多孔質部材71が、±X方向における2つの開口O1の両外側に配置されているため、ミストを多孔質部材71で効率良く回収することができる。
(実施形態2)
本発明の実施形態2を説明する。なお、以下の各例示において機能が実施形態1と同様である要素については、実施形態1の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜省略する。
本発明の実施形態2を説明する。なお、以下の各例示において機能が実施形態1と同様である要素については、実施形態1の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜省略する。
上述した実施形態1では、筐体242Aは、液体噴射ヘッド26Aを2つ保持している。また、ノズル面617に垂直な方向である±Z方向から見た液体噴射ヘッド26Aの外形は、略長方形である。
本実施形態の筐体242Bは、液体噴射ヘッド26Bを1つ保持している。また、ノズル面617に垂直な方向である±Z方向から見た液体噴射ヘッド26Bの外形は、長方形ではない非長方形の形状をしている。
この点が、本実施形態と実施形態1との主な相違点である。
本実施形態の筐体242Bは、液体噴射ヘッド26Bを1つ保持している。また、ノズル面617に垂直な方向である±Z方向から見た液体噴射ヘッド26Bの外形は、長方形ではない非長方形の形状をしている。
この点が、本実施形態と実施形態1との主な相違点である。
図6は、図3に対応する図であり、実施形態2に係る筐体242Bの平面図である。筐体242Bは、液体噴射ヘッド26Bを1つ保持している。液体噴射ヘッド26Bの外形は、±Z方向から見て非長方形の形状である。なお、特に図示しないが、±Z方向から見た液体噴射ヘッド26Bの外形の形状は、台形や平行四辺形であってもよく、図6に例示された形状に限定されない。
図6の破線の長方形P1は、±Z方向からの平面視において、液体噴射ヘッド26Bの外形を内包する最小面積の長方形である。本実施形態における供給口31および多孔質部材71は、±Z方向からの平面視において、液体噴射ヘッド26Bと重ならないようにして長方形P1の内側に配置される。
実施形態2においても実施形態1と同様の効果を奏する。実施形態2の構成によれば、±Z方向からの平面視において、供給口31および多孔質部材71が長方形P1の内側に配置されるので、供給口31および多孔質部材71が長方形P1の外側に配置される構成に比べ、X−Y平面における筐体242Bの大型化を抑制することができる。
(実施形態3)
本発明の実施形態3を説明する。
上述した実施形態1の液体噴射装置100Aは、供給部28と、筐体242A内に設けられた多孔質部材71とを備えている。
本実施形態の液体噴射装置100Bは、ファン35と、容器72とを筐体242C内に備えており、供給部28を備えていない。
この点が、本実施形態と実施形態1との主な相違点である。
本発明の実施形態3を説明する。
上述した実施形態1の液体噴射装置100Aは、供給部28と、筐体242A内に設けられた多孔質部材71とを備えている。
本実施形態の液体噴射装置100Bは、ファン35と、容器72とを筐体242C内に備えており、供給部28を備えていない。
この点が、本実施形態と実施形態1との主な相違点である。
図7は、図2に対応する図であり、実施形態3に係る筐体242Cの断面図である。図8は、実施形態3に係る容器72の斜視図である。筐体242Cの内部空間S1には、内部に液体を貯留可能な凹形状の容器72と、筐体242Cの内部空間S1の気体を容器72へ向けて送風するファン35と、が設けられている。容器72は、「ミスト回収部」の一例である。容器72は、底部76と、底部76から−Z方向へ延びる側壁部75とを有し、底部76と側壁部75によって画定された凹形状の空間を内部に有する。容器72は、筐体242Cの底面部41の−Z方向側の面に載置される。なお、底部76を備えることなく、筐体242Cの底面部41の−Z方向側の面に−Z方向へ延びる側壁部75を直接配置することで、容器72を構成してもよい。
図7に示す通り、ファン35と容器72は対向する位置に配置されている。そして、図7の矢印で示す通り、ファン35から送風された気体は、内部空間S1に浮遊するミストを巻き込みながら容器72の底部76へと吹き付けられる。ミストを含む気体が底部76へ吹き付けられることで、底部76でミストが液状化し、容器72に液状化したミストが貯留される。以降、容器72に貯留される液状化したミストを単に「液体」と呼ぶことがある。また、ミストを効率良く回収するため、±Z方向からの平面視で、容器72の外形がファン35の外形よりも大きいことが望ましい。なお、本実施形態における「ファン35と容器72とが対向する」の意義は、実施形態1で説明した「供給口31と多孔質部材71とが対向する」の意義と同義である。
図8に示す通り、容器72の内部は、側壁部75に設けられた開口を介して排出路73と連通している。排出路73は、容器72の外に設けられた不図示の廃液容器へ連通しており、容器72の内部に貯留された液体を容器72の外へ排出する。そのため、容器72に貯留された液体が溢れだすことを抑制することができる。なお、廃液容器は、筐体242Cの内部空間S1の適当な位置に設けられていてもよいし、筐体242Cの外に設けられていてもよい。また、例えば、排出路73を、液体噴射ヘッド26AのメンテナンスのためにノズルNから排出されたインク、換言すれば廃液を回収する廃液容器と連通するようにしても構わない。また、底部76に開口を設け、この開口を介して、排出路73と容器72の内部とが連通するような構成でもよい。なお、容器72に排出路73を設けず、容器72を筐体242Cに対して着脱可能な構成とし、容器72内に貯留された液体の量が増加したら容器72を交換することで容器72から液体が溢れだすのを防止するようにしてもよい。
実施形態3では、以下の効果を奏する。
ファン35から送風された気体が内部空間S1に浮遊するミストを巻き込みながら容器72の底部76へと吹き付けられるため、容器72でミストが液状化し、容器72内に液体が貯留、換言すれば回収される。したがって、液体噴射ヘッド26Aや配線部材68等の電気的要素へのミストの付着に起因する液体噴射ヘッド26Aの不具合を低減することができる。また、本実施形態では、実施形態1の供給部28の代わりにファン35を利用しているため、実施形態1に比べて比較的安価な構成とすることができる。
ファン35から送風された気体が内部空間S1に浮遊するミストを巻き込みながら容器72の底部76へと吹き付けられるため、容器72でミストが液状化し、容器72内に液体が貯留、換言すれば回収される。したがって、液体噴射ヘッド26Aや配線部材68等の電気的要素へのミストの付着に起因する液体噴射ヘッド26Aの不具合を低減することができる。また、本実施形態では、実施形態1の供給部28の代わりにファン35を利用しているため、実施形態1に比べて比較的安価な構成とすることができる。
また、容器72は、容器72の内部に貯留された液体を容器72の外へ排出する排出路73と連通しているため、容器72に貯留された液状化したミストが溢れだすことを抑制することができる。
(実施形態4)
本発明の実施形態4を説明する。
上述した実施形態1の液体噴射装置100Aは、液体噴射ヘッド26Aを保持する筐体242Aが+X方向および−X方向に往復移動しながら液体噴射ヘッド26AのノズルNからインクを噴射することで画像形成を行う、所謂シリアル型の液体噴射装置である。
本実施形態の液体噴射装置100Cは、所謂ラインヘッドを形成するように複数の液体噴射ヘッド26Aを保持する筐体242Dを備え、移動機構24を備えていない。
この点が、本実施形態と実施形態1との主な相違点である。
本発明の実施形態4を説明する。
上述した実施形態1の液体噴射装置100Aは、液体噴射ヘッド26Aを保持する筐体242Aが+X方向および−X方向に往復移動しながら液体噴射ヘッド26AのノズルNからインクを噴射することで画像形成を行う、所謂シリアル型の液体噴射装置である。
本実施形態の液体噴射装置100Cは、所謂ラインヘッドを形成するように複数の液体噴射ヘッド26Aを保持する筐体242Dを備え、移動機構24を備えていない。
この点が、本実施形態と実施形態1との主な相違点である。
図9は、図1に対応する図であり、実施形態4に係る液体噴射装置100Cの構成を示す概略構成図である。図10は、図3に対応する図であり、実施形態4に係る筐体242Dの平面図である。なお、図10では、開口O1および隙間Aの図示を省略している。
図9に示す通り、液体噴射装置100Cは、複数の液体噴射ヘッド26Aを保持する筐体242Dを備える。具体的には、筐体242Dは、±Z方向からの平面視で外形が略長方形である液体噴射ヘッド26Aを4つ保持している。なお、筐体242Dが保持する液体噴射ヘッド26Aの数は任意である。筐体242Dは、複数の液体噴射ヘッド26Aを±X方向に沿って千鳥状に配置するようにして、複数の液体噴射ヘッド26Aを保持している。ここで、液体噴射ヘッド26Aを±X方向に沿って千鳥状に配置するとは、±X方向に並設された液体噴射ヘッド26Aを交互に±Y方向にずらして配置することである。複数の液体噴射ヘッド26Aは、媒体12の搬送方向である+Y方向に直交する±X方向における媒体12の全幅に亘るようにして配置されることで、ラインヘッドを形成する。
図10の破線の長方形P2Aは、±Z方向からの平面視において、複数の液体噴射ヘッド26Aの外形を内包する最小面積の長方形である。本実施形態における供給口31および多孔質部材71は、±Z方向からの平面視において、複数の液体噴射ヘッド26Aと重ならないようにして長方形P2Aの内側に配置される。
実施形態4においても実施形態1と同様の効果を奏する。実施形態4の構成によれば、±Z方向からの平面視において、供給口31および多孔質部材71が長方形P2Aの内側に配置されるので、供給口31および多孔質部材71が長方形P2Aの外側に配置される構成に比べ、X−Y平面における筐体242Dの大型化を抑制することができる。
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、上記実施形態以外にも様々な変形例が考えられる。以下、変形例を挙げて説明する。
(変形例1)
本発明の実施形態4の変形例1を説明する。
上述した実施形態4では、±Z方向からの平面視で外形が略長方形である液体噴射ヘッド26Aを、±X方向に沿って千鳥状に並べてラインヘッドを形成している。
本変形例では、±Z方向からの平面視で外形が非長方形である液体噴射ヘッド26Bを、±X方向に沿って並べてラインヘッドを形成している。
この点が、本変形例と実施形態4との主な相違点である。
本発明の実施形態4の変形例1を説明する。
上述した実施形態4では、±Z方向からの平面視で外形が略長方形である液体噴射ヘッド26Aを、±X方向に沿って千鳥状に並べてラインヘッドを形成している。
本変形例では、±Z方向からの平面視で外形が非長方形である液体噴射ヘッド26Bを、±X方向に沿って並べてラインヘッドを形成している。
この点が、本変形例と実施形態4との主な相違点である。
図11は、図10に対応する図であり、実施形態4の変形例1に係る筐体242Eの平面図である。なお、図11では、開口O1および隙間Aの図示を省略している。
図11に示す通り、筐体242Eは、複数の液体噴射ヘッド26Bを保持する。具体的には、筐体242Eは、±Z方向からの平面視で外形が非長方形である液体噴射ヘッド26Bを4つ保持している。なお、筐体242Eが保持する液体噴射ヘッド26Bの数は任意である。筐体242Eは、複数の液体噴射ヘッド26Bを±X方向に沿って配置するようにして、複数の液体噴射ヘッド26Bを保持している。隣り合う複数の液体噴射ヘッド26Bは、±Y方向から見て、互いの一部が重なるようにして配置されている。複数の液体噴射ヘッド26Bは、媒体12の搬送方向である+Y方向に直交する±X方向における媒体12の全幅に亘るようにして配置されることで、ラインヘッドを形成する。
図11の破線の長方形P2Bは、±Z方向からの平面視において、複数の液体噴射ヘッド26Bの外形を内包する最小面積の長方形である。本実施形態における供給口31および多孔質部材71は、±Z方向からの平面視において、複数の液体噴射ヘッド26Bと重ならないようにして長方形P2Bの内側に配置される。
変形例1においても実施形態4と同様の効果を奏する。
(変形例2)
本発明の実施形態4の変形例2を説明する。
上述した実施形態4では、±Z方向からの平面視で外形が略長方形である液体噴射ヘッド26Aを、±X方向に沿って千鳥状に並べてラインヘッドを形成している。
本変形例では、±Z方向からの平面視で外形が台形である液体噴射ヘッド26Cを、±X方向に沿って並べてラインヘッドを形成している。
この点が、本変形例と実施形態4との主な相違点である。
本発明の実施形態4の変形例2を説明する。
上述した実施形態4では、±Z方向からの平面視で外形が略長方形である液体噴射ヘッド26Aを、±X方向に沿って千鳥状に並べてラインヘッドを形成している。
本変形例では、±Z方向からの平面視で外形が台形である液体噴射ヘッド26Cを、±X方向に沿って並べてラインヘッドを形成している。
この点が、本変形例と実施形態4との主な相違点である。
図12は、図10に対応する図であり、実施形態4の変形例2に係る筐体242Fの平面図である。なお、図12では、開口O1および隙間Aの図示を省略している。
図12に示す通り、筐体242Fは、複数の液体噴射ヘッド26Cを保持する。具体的には、筐体242Fは、±Z方向からの平面視で外形が台形である液体噴射ヘッド26Cを3つ保持している。なお、筐体242Fが保持する液体噴射ヘッド26Cの数は任意である。筐体242Fは、複数の液体噴射ヘッド26Cを±X方向に沿って配置するようにして、複数の液体噴射ヘッド26Cを保持している。隣り合う液体噴射ヘッド26Cは、±Y方向から見て、互いの一部が重なるようにして配置されている。つまり、隣り合う液体噴射ヘッド26Cは、互いがX−Y平面の面内方向で180度回転して配置されている。複数の液体噴射ヘッド26Cは、媒体12の搬送方向である+Y方向に直交する±X方向における媒体12の全幅に亘るようにして配置されることで、ラインヘッドを形成する。
図12の破線の長方形P2Cは、±Z方向からの平面視において、複数の液体噴射ヘッド26Cの外形を内包する最小面積の長方形である。本実施形態における供給口31および多孔質部材71は、±Z方向からの平面視において、複数の液体噴射ヘッド26Cと重ならないようにして長方形P2Cの内側に配置される。
変形例2においても実施形態4と同様の効果を奏する。
(変形例3)
本発明の実施形態4の変形例3を説明する。
上述した実施形態4では、±Z方向からの平面視で外形が略長方形である液体噴射ヘッド26Aを、±X方向に沿って千鳥状に並べてラインヘッドを形成している。
本変形例では、±Z方向からの平面視で外形が平行四辺形である液体噴射ヘッド26Dを、±X方向に沿って並べてラインヘッドを形成している。
この点が、本変形例と実施形態4との主な相違点である。
(変形例3)
本発明の実施形態4の変形例3を説明する。
上述した実施形態4では、±Z方向からの平面視で外形が略長方形である液体噴射ヘッド26Aを、±X方向に沿って千鳥状に並べてラインヘッドを形成している。
本変形例では、±Z方向からの平面視で外形が平行四辺形である液体噴射ヘッド26Dを、±X方向に沿って並べてラインヘッドを形成している。
この点が、本変形例と実施形態4との主な相違点である。
図13は、図10に対応する図であり、実施形態4の変形例3に係る筐体242Gの平面図である。なお、図13では、開口O1および隙間Aの図示を省略している。
図13に示す通り、筐体242Gは、複数の液体噴射ヘッド26Dを保持する。具体的には、筐体242Gは、±Z方向からの平面視で外形が平行四辺形である液体噴射ヘッド26Dを3つ保持している。なお、筐体242Gが保持する液体噴射ヘッド26Dの数は任意である。筐体242Gは、複数の液体噴射ヘッド26Dを±X方向に沿って配置するようにして、複数の液体噴射ヘッド26Dを保持している。隣り合う液体噴射ヘッド26Dは、±Y方向から見て、互いの一部が重なるようにして配置されている。複数の液体噴射ヘッド26Dは、媒体12の搬送方向である+Y方向に直交する±X方向における媒体12の全幅に亘るようにして配置されることで、ラインヘッドを形成する。
図13の破線の長方形P2Dは、±Z方向からの平面視において、複数の液体噴射ヘッド26Dの外形を内包する最小面積の長方形である。本実施形態における供給口31および多孔質部材71は、±Z方向からの平面視において、複数の液体噴射ヘッド26Dと重ならないようにして長方形P2Dの内側に配置される。
変形例3においても実施形態4と同様の効果を奏する。
(変形例4)
上記の各実施形態では、ミスト回収部として多孔質部材71又は容器72を利用したが、ミスト回収部の構成は特にこれらに限定されない。例えば、板金等の導電性を有した金属(電極)であり、板金に電圧を印加して帯電させることでミストを静電力で吸着させることでミストを効率的に回収可能な部材をミスト回収部として利用してもよい。また、ミスト回収部の組合せは任意であり、例えば、実施形態3以外に容器72を使ってもよいし、実施形態3に多孔質部材71を使ってもよい。
上記の各実施形態では、ミスト回収部として多孔質部材71又は容器72を利用したが、ミスト回収部の構成は特にこれらに限定されない。例えば、板金等の導電性を有した金属(電極)であり、板金に電圧を印加して帯電させることでミストを静電力で吸着させることでミストを効率的に回収可能な部材をミスト回収部として利用してもよい。また、ミスト回収部の組合せは任意であり、例えば、実施形態3以外に容器72を使ってもよいし、実施形態3に多孔質部材71を使ってもよい。
(変形例5)
上記の各実施形態では、供給口31は、2つ設けられていたが、特にこれらに限定されない。供給口31は、筐体242A〜242G内に1つ以上設けられていればよく、供給口31が設けられる数は任意である。
上記の各実施形態では、供給口31は、2つ設けられていたが、特にこれらに限定されない。供給口31は、筐体242A〜242G内に1つ以上設けられていればよく、供給口31が設けられる数は任意である。
(変形例6)
上記の実施形態3では、ファン35は、2つ設けられていたが、特にこれらに限定されない。ファン35は、筐体242C内に1つ以上設けられていればよく、ファン35が設けられる数は任意である。
上記の実施形態3では、ファン35は、2つ設けられていたが、特にこれらに限定されない。ファン35は、筐体242C内に1つ以上設けられていればよく、ファン35が設けられる数は任意である。
(変形例7)
上記の各実施形態では、ミスト回収部は、2つ設けられていたが、特にこれらに限定されない。ミスト回収部は、筐体242A〜242G内に1つ以上設けられていればよく、ミスト回収部が設けられる数は任意である。
上記の各実施形態では、ミスト回収部は、2つ設けられていたが、特にこれらに限定されない。ミスト回収部は、筐体242A〜242G内に1つ以上設けられていればよく、ミスト回収部が設けられる数は任意である。
(変形例8)
上記の各実施形態では、隣り合う液体噴射ヘッド同士の間にミスト回収部および供給口31は設けられていないが、隣り合う液体噴射ヘッド同士の間にミスト回収部および供給口31を設けてもよい。
上記の各実施形態では、隣り合う液体噴射ヘッド同士の間にミスト回収部および供給口31は設けられていないが、隣り合う液体噴射ヘッド同士の間にミスト回収部および供給口31を設けてもよい。
(変形例9)
上記の実施形態3では、隣り合う液体噴射ヘッド同士の間にミスト回収部およびファン35は設けられていないが、隣り合う液体噴射ヘッド同士の間にミスト回収部およびファン35を設けてもよい。
上記の実施形態3では、隣り合う液体噴射ヘッド同士の間にミスト回収部およびファン35は設けられていないが、隣り合う液体噴射ヘッド同士の間にミスト回収部およびファン35を設けてもよい。
(変形例10)
上記の各実施形態では、供給部28が除湿機33を有することで乾燥気体を供給口31から噴射していたが、供給部28の構成は特にこれに限定されない。例えば、供給部28が除湿機33を有さない構成とし、供給部28から供給される気体が乾燥気体でない構成でもよい。
上記の各実施形態では、供給部28が除湿機33を有することで乾燥気体を供給口31から噴射していたが、供給部28の構成は特にこれに限定されない。例えば、供給部28が除湿機33を有さない構成とし、供給部28から供給される気体が乾燥気体でない構成でもよい。
(変形例11)
上記の各実施形態では、乾燥気体としてドライエアーを例示したが、乾燥気体はドライエアーに限定されない。例えば窒素等の不活性ガスを乾燥気体として利用してもよい。供給部28の構成は、乾燥気体の種類に応じて適宜に変更し得る。
上記の各実施形態では、乾燥気体としてドライエアーを例示したが、乾燥気体はドライエアーに限定されない。例えば窒素等の不活性ガスを乾燥気体として利用してもよい。供給部28の構成は、乾燥気体の種類に応じて適宜に変更し得る。
(変形例12)
上記の各実施形態では、収容体65の上面部653に連通孔Hが形成される構成を例示したが、内部空間S1において収容体65に形成されれば連通孔Hの位置は任意である。
上記の各実施形態では、収容体65の上面部653に連通孔Hが形成される構成を例示したが、内部空間S1において収容体65に形成されれば連通孔Hの位置は任意である。
(変形例13)
上記の各実施形態では、収容体65の内部に液体噴射部61および駆動回路63が収容されたが、液体噴射ヘッド26A〜26Dにおいて収容体65を省略してもよい。
上記の各実施形態では、収容体65の内部に液体噴射部61および駆動回路63が収容されたが、液体噴射ヘッド26A〜26Dにおいて収容体65を省略してもよい。
(変形例14)
上記の各実施形態では、圧力室内の液体をノズルNから噴射させる駆動素子は、前述の各形態で例示した圧電素子614に限定されない。例えば、加熱により圧力室の内部に気泡を発生させて圧力を変動させる発熱素子を駆動素子として利用することも可能である。以上の例示から理解される通り、駆動素子は、圧力室内の液体をノズルNから噴射させる要素、典型的には圧力室の内部に圧力を付与する要素として包括的に表現され、動作方式や具体的な構成の如何は不問である。
上記の各実施形態では、圧力室内の液体をノズルNから噴射させる駆動素子は、前述の各形態で例示した圧電素子614に限定されない。例えば、加熱により圧力室の内部に気泡を発生させて圧力を変動させる発熱素子を駆動素子として利用することも可能である。以上の例示から理解される通り、駆動素子は、圧力室内の液体をノズルNから噴射させる要素、典型的には圧力室の内部に圧力を付与する要素として包括的に表現され、動作方式や具体的な構成の如何は不問である。
(変形例15)
上記の各実施形態で例示した液体噴射装置100A〜100Cは、印刷に専用される機器のほか、ファクシミリ装置やコピー機等の各種の機器に採用され得る。もっとも、本発明の液体噴射装置の用途は印刷に限定されない。例えば、色材の溶液を噴射する液体噴射装置は、液晶表示パネル等の表示装置のカラーフィルターを形成する製造装置として利用される。また、導電材料の溶液を噴射する液体噴射装置は、配線基板の配線や電極を形成する製造装置として利用される。また、生体に関する有機物の溶液を噴射する液体噴射装置は、例えばバイオチップを製造する製造装置として利用される。
上記の各実施形態で例示した液体噴射装置100A〜100Cは、印刷に専用される機器のほか、ファクシミリ装置やコピー機等の各種の機器に採用され得る。もっとも、本発明の液体噴射装置の用途は印刷に限定されない。例えば、色材の溶液を噴射する液体噴射装置は、液晶表示パネル等の表示装置のカラーフィルターを形成する製造装置として利用される。また、導電材料の溶液を噴射する液体噴射装置は、配線基板の配線や電極を形成する製造装置として利用される。また、生体に関する有機物の溶液を噴射する液体噴射装置は、例えばバイオチップを製造する製造装置として利用される。
以下に、実施形態から導き出される内容を記載する。
本願の液体噴射装置は、開口が形成された中空の筐体と、液体を噴射するノズルが設けられたノズル面を有し、前記ノズルが前記開口から露出するように、前記開口の内周面との間に隙間を空けて前記筐体に保持される液体噴射ヘッドと、前記筐体の内部空間に設けられ、前記液体噴射ヘッドが液体を噴射することで前記筐体の外で発生し、前記隙間から前記筐体の前記内部空間へ流入したミストを回収するミスト回収部と、前記筐体の前記内部空間に気体を供給口から供給する供給部と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、筐体の内部空間に気体を供給しているため、内部空間を大気圧に対して正圧とし、隙間からミストを含む外気が流入する量を低減することができる。さらに、ミストを含む外気が隙間から流入してしまったとしても、内部空間に浮遊するミストをミスト回収部に回収することができる。したがって、液体噴射ヘッドや配線部材等の電気的要素へのミストの付着に起因する液体噴射ヘッドの電気的な接続不良などの不具合を低減することができる。
上記の液体噴射装置では、前記供給口は、前記ミスト回収部と対向する位置に配置されていることを特徴とする。
この構成によれば、筐体内に流入して浮遊するミストを、供給口から噴射される気体によってミスト回収部へ吹き付けることができるので、ミストを効率良く回収することができる。
上記の液体噴射装置では、前記液体噴射ヘッドと接続される配線部材を備え、前記ノズル面に垂直な方向から見て、前記ミスト回収部は、前記液体噴射ヘッドおよび前記配線部材と重ならないことを特徴とする。
この構成によれば、ミスト回収部と供給口との間に液体噴射ヘッドおよび配線部材が配置されない。そのため、供給口から噴射された気体が直接、液体噴射ヘッドおよび配線部材に吹き付けられない。したがって、液体噴射ヘッドや配線部材等の電気的な要素にミストが付着するのを低減することができる。
上記の液体噴射装置では、前記供給口は、重力方向に沿って前記筐体の前記内部空間へ気体を供給することを特徴とする。
この構成によれば、供給口からの噴射による気体の流れだけではなく、重力の力も利用してミストを回収することができる。その結果、ミストの回収効率を向上させることができる。
上記の液体噴射装置では、前記液体噴射ヘッドと接続される配線部材を備え、前記供給口は、重力方向に沿って前記筐体の前記内部空間へ気体を供給し、重力方向から見て、前記ミスト回収部は、前記液体噴射ヘッドおよび前記配線部材と重ならないことを特徴とする。
この構成によれば、ミスト回収部と供給口との間に液体噴射ヘッドおよび配線部材が配置されない。そのため、供給口から噴射された気体が直接、液体噴射ヘッドおよび配線部材に吹き付けられない。したがって、液体噴射ヘッドや配線部材等の電気的な要素にミストが付着するのを低減することができる。さらに、供給口からの噴射による気体の流れだけではなく、重力の力も利用してミストを回収することができる。その結果、ミストの回収効率を向上させることができる。
上記の液体噴射装置では、前記供給口と前記ミスト回収部との距離は、前記ノズル面に垂直な方向における前記筐体の寸法以下であることを特徴とする。
この構成によれば、供給口とミスト回収部との距離が短いので、供給口から噴射された気体がミスト回収部にぶつかって筐体の内部空間に気流を発生させやすくなる。その結果、筐体内に浮遊するミストを当該気流で巻き込むことで、内部空間の広範囲に浮遊するミストを回収しやすくなる。
上記の液体噴射装置では、前記ミスト回収部は、第1のミスト回収部と、第2のミスト回収部と、を含み、前記第1のミスト回収部は、前記ノズル面に垂直な方向から見て、前記開口に対して所定方向に配置され、前記第2のミスト回収部は、前記ノズル面に垂直な方向から見て、前記開口に対して前記所定方向の反対方向に配置されていることを特徴とする。
この構成によれば、開口に対して所定方向における一方側のみにミスト回収部が設けられている構成に比べて、筐体の内部空間の広範囲に気流を発生させることができるので、内部空間に浮遊するミストを効率良く回収することができる。
上記の液体噴射装置では、前記筐体は、前記所定方向および前記所定方向の反対方向に往復移動することを特徴とする。
この構成によれば、開口の所定方向の端部と、所定方向の反対方向の端部からの内部空間へのミストの流入量が多くなる。これに対し、供給口およびミスト回収部が、開口に対して所定方向およびその反対方向に配置されているため、ミストを効率良く回収することができる。
上記の液体噴射装置では、前記液体噴射ヘッドの外形は、前記ノズル面に垂直な方向から見て、長方形ではなく、前記ミスト回収部は、前記ノズル面に垂直な方向から見て、前記液体噴射ヘッドの外形を内包する最小面積の長方形の内側に配置されることを特徴とする。
この構成によれば、筐体の大型化を抑制することができる。
上記の液体噴射装置では、前記液体噴射ヘッドを含む複数の液体噴射ヘッドを備え、前記ミスト回収部は、前記ノズル面に垂直な方向から見て、複数の前記液体噴射ヘッドの外形を内包する最小面積の長方形の内側に配置されることを特徴とする。
この構成によれば、筐体の大型化を抑制することができる。
本願の液体噴射装置は、開口が形成された中空の筐体と、液体を噴射するノズルを有し、前記ノズルが前記開口から露出するように、前記開口の内周面との間に隙間を空けて前記筐体に保持される液体噴射ヘッドと、前記筐体の内部空間に設けられ、前記液体噴射ヘッドが液体を噴射することで前記筐体の外で発生し、前記隙間から前記筐体の前記内部空間へ流入したミストを回収するミスト回収部と、前記筐体の前記内部空間に設けられ、前記ミスト回収部へ向けて気体を送風するファンと、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、ファンから送風された気体が内部空間に浮遊するミストを巻き込みながらミスト回収部へと吹き付けられるため、比較的安価な構成でミストを回収できる。したがって、液体噴射ヘッドや配線部材等の電気的要素へのミストの付着に起因する液体噴射ヘッドの不具合を低減することができる。
上記の液体噴射装置では、前記ミスト回収部は、多孔質部材であることを特徴とする。
この構成によれば、筐体の内部空間に浮遊するミストを多孔質部材で吸収かつ保持することができる。
上記の液体噴射装置では、前記ミスト回収部は、液体を貯留可能な凹形状の容器であることを特徴とする。
この構成によれば、液状化したミストを容器内に貯留することができる。
上記の液体噴射装置では、前記容器の内部は、前記容器内に貯留された液体を前記容器の外へ排出する排出路と連通していることを特徴とする。
この構成によれば、容器に貯留された液体が溢れだすことを抑制することができる。
12…媒体、14…液体容器、20…制御ユニット、22…搬送機構、24…移動機構、26A〜26D…液体噴射ヘッド、27A,27B…フランジ、28…供給部、30,30A,30B…供給管、31,31A,31B…供給口、32…送出機、33…除湿機、35…ファン、41…底面部、42…内周面、43…上面部、45…側面部、61…液体噴射部、63…駆動回路、65…収容体、68…配線部材、71,71A,71B…多孔質部材、72…容器、73…排出路、75…側壁部、76…底部、80…ネジ、100A〜100C…液体噴射装置、242A〜242G…筐体、244…搬送ベルト、612…流路形成部、614…圧電素子、616…ノズル板、617…ノズル面、651…底面部、653…上面部、655…側面部、A…隙間、C…中心軸、H…連通孔、K…距離、L…寸法、N…ノズル、O1…開口、O2…開口、P1,P2A,P2B,P2C,P2D…長方形、R…領域、S1…内部空間、S2…収容空間、W…噴射幅。
Claims (14)
- 開口が形成された中空の筐体と、
液体を噴射するノズルが設けられたノズル面を有し、前記ノズルが前記開口から露出するように、前記開口の内周面との間に隙間を空けて前記筐体に保持される液体噴射ヘッドと、
前記筐体の内部空間に設けられ、前記液体噴射ヘッドが液体を噴射することで前記筐体の外で発生し、前記隙間から前記筐体の前記内部空間へ流入したミストを回収するミスト回収部と、
前記筐体の前記内部空間に気体を供給口から供給する供給部と、
を備えることを特徴とする液体噴射装置。 - 前記供給口は、前記ミスト回収部と対向する位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
- 前記液体噴射ヘッドと接続される配線部材を備え、
前記ノズル面に垂直な方向から見て、前記ミスト回収部は、前記液体噴射ヘッドおよび前記配線部材と重ならないことを特徴とする請求項2に記載の液体噴射装置。 - 前記供給口は、重力方向に沿って前記筐体の前記内部空間へ気体を供給することを特徴とする請求項2又は3の何れか一項に記載の液体噴射装置。
- 前記液体噴射ヘッドと接続される配線部材を備え、
前記供給口は、重力方向に沿って前記筐体の前記内部空間へ気体を供給し、
重力方向から見て、前記ミスト回収部は、前記液体噴射ヘッドおよび前記配線部材と重ならないことを特徴とする請求項2に記載の液体噴射装置。 - 前記供給口と前記ミスト回収部との距離は、前記ノズル面に垂直な方向における前記筐体の寸法以下であることを特徴とする請求項2乃至5の何れか一項に記載の液体噴射装置。
- 前記ミスト回収部は、第1のミスト回収部と、第2のミスト回収部と、を含み、
前記第1のミスト回収部は、前記ノズル面に垂直な方向から見て、前記開口に対して所定方向に配置され、
前記第2のミスト回収部は、前記ノズル面に垂直な方向から見て、前記開口に対して前記所定方向の反対方向に配置されていることを特徴とする請求項2乃至6の何れか一項に記載の液体噴射装置。 - 前記筐体は、前記所定方向および前記所定方向の反対方向に往復移動することを特徴とする請求項7に記載の液体噴射装置。
- 前記液体噴射ヘッドの外形は、前記ノズル面に垂直な方向から見て、長方形ではなく、
前記ミスト回収部は、前記ノズル面に垂直な方向から見て、前記液体噴射ヘッドの外形を内包する最小面積の長方形の内側に配置されることを特徴とする請求項2乃至6の何れか一項に記載の液体噴射装置。 - 前記液体噴射ヘッドを含む複数の液体噴射ヘッドを備え、
前記ミスト回収部は、前記ノズル面に垂直な方向から見て、複数の前記液体噴射ヘッドの外形を内包する最小面積の長方形の内側に配置されることを特徴とする請求項2乃至6の何れか一項に記載の液体噴射装置。 - 開口が形成された中空の筐体と、
液体を噴射するノズルを有し、前記ノズルが前記開口から露出するように、前記開口の内周面との間に隙間を空けて前記筐体に保持される液体噴射ヘッドと、
前記筐体の内部空間に設けられ、前記液体噴射ヘッドが液体を噴射することで前記筐体の外で発生し、前記隙間から前記筐体の前記内部空間へ流入したミストを回収するミスト回収部と、
前記筐体の前記内部空間に設けられ、前記ミスト回収部へ向けて気体を送風するファンと、
を備えることを特徴とする液体噴射装置。 - 前記ミスト回収部は、多孔質部材であることを特徴とする請求項1乃至11の何れか一項に記載の液体噴射装置。
- 前記ミスト回収部は、液体を貯留可能な凹形状の容器であることを特徴とする請求項1乃至11の何れか一項に記載の液体噴射装置。
- 前記容器の内部は、前記容器内に貯留された液体を前記容器の外へ排出する排出路と連通していることを特徴とする請求項13に記載の液体噴射装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019147219A JP2021028118A (ja) | 2019-08-09 | 2019-08-09 | 液体噴射装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2019147219A JP2021028118A (ja) | 2019-08-09 | 2019-08-09 | 液体噴射装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2021028118A true JP2021028118A (ja) | 2021-02-25 |
Family
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---|---|---|---|
JP2019147219A Pending JP2021028118A (ja) | 2019-08-09 | 2019-08-09 | 液体噴射装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2021028118A (ja) |
-
2019
- 2019-08-09 JP JP2019147219A patent/JP2021028118A/ja active Pending
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