JP2021027671A - インバータ装置 - Google Patents

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透典 小林
Sukenori Kobayashi
透典 小林
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【課題】減磁の発生を最小限に抑えるとともに過電圧を防止することが可能な技術を提供する。【解決手段】インバータ装置1は、バッテリ2に接続されたコンタクタ14と、コンタクタ14を介してバッテリ2に接続された直流コンデンサ13と、複数のスイッチング素子を含み、直流コンデンサ13の後段に配されて三相交流を出力する電力変換部11と、電力変換部11のスイッチング素子をオンオフするためのゲート信号を出力する制御部12と、を備える。制御部12は、電力変換部11の出力に接続されたモータ3の回生動作時に緊急停止するに際して、コンタクタ14のコンタクタ開放後に電力変換部11にベタオン処理を行わせるための短絡指令を出力する。ベタオン処理は、減磁率を所定値以下に抑えるタイミングで行われる。【選択図】図1

Description

本発明は、インバータ装置に関する。
地球環境への負荷を低減するために、EV(Electric Vehicle)/HEV(Hybrid Electric Vehicle)システムの開発が進められている。
EV/HEVシステムでは、バッテリからの電力がコンタクタを介して接続されたインバータに供給され、該インバータによりモータが制御される。
ここで、モータとしては、永久磁石同期電動機を例示することができる。
一般に、EV/HEVシステムにおけるモータのインバータ駆動システムには、急激な負荷の変動等により通常の動作が困難である際に、バッテリとインバータの平滑コンデンサである直流コンデンサとの間のコンタクタを開放して緊急停止する動作モードが存在する。
当該動作モードによれば、コンタクタよりも後段の回路素子等の保護が可能である。
しかしながら、永久磁石界磁型の場合には巻線界磁型とは異なり、モータの回生動作中に緊急停止すると、界磁をなくすことができず、電気的に回生動作を止めることが困難であるため、モータで生じた回生電流がインバータを通じて直流コンデンサに集中してしまう。
また、誘起電圧が高いモータは、通常動作時には、弱め界磁制御等を行うことで端子電圧が上がらないように制御されているが、コンタクタの開放時には、インバータのゲートオフによる電流制御が停止すると弱め界磁制御を行うことができず、端子電圧が上昇してしまう。
このような平滑コンデンサである直流コンデンサへの回生電流の流入又は端子電圧の上昇によって、直流コンデンサの電圧が急激に上昇すると、その耐電圧の範囲を瞬時的又は所定時間以上超過した電圧が印加されることで素子等が破壊されるおそれがある。
また、電圧の上昇を遅らせるために直流コンデンサの静電容量を増加させると、コンデンサの体積が増加し、インバータ全体の体積が増加してしまう。
従来技術の一例である特許文献1には、インバータを構成する上段側スイッチング素子の全て又は下段側スイッチング素子の全てをオンする三相短絡処理を実行する、いわゆるベタオン処理を行う場合に、三相短絡処理の開始後における三相同期電動機の各相電流絶対値の最大値が最小となるタイミングで三相短絡処理を開始する技術が開示されている。
従来技術の一例である特許文献2には、ベタオン処理を行う場合に、ベタオン処理実行前に移行期間を設け、この移行期間において、三相短絡処理後に三相同期電動機の各相電流が過渡的に上昇することを抑制できるように制御する技術が開示されている。
特開2017−189029号公報 特開2019−4670号公報
しかしながら、上記の特許文献1に記載の従来技術では、電流振幅値にのみ着目しているため、モータに用いられる永久磁石の減磁を抑えることができない、という問題があった。
他方で、上記の特許文献2に記載の従来技術では、ベタオン処理を定められた時間に行うことが担保されていないため、ベタオン処理の実行の遅延によりコンデンサへの充電期間が短縮されず、過電圧を防止することができない、という問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、減磁の発生を最小限に抑えるとともに過電圧を防止することが可能な技術を提供することを目的とする。
上述の課題を解決して目的を達成する本発明は、バッテリに接続されたコンタクタと、前記コンタクタを介して前記バッテリに接続された直流コンデンサと、複数のスイッチング素子を含み、前記直流コンデンサの後段に配されて三相交流を出力する電力変換部と、前記電力変換部の前記スイッチング素子をオンオフするためのゲート信号を出力する制御部と、を備え、前記制御部は、前記電力変換部の出力に接続されたモータの回生動作時に緊急停止するに際して、前記コンタクタのコンタクタ開放後に前記電力変換部にベタオン処理を行わせるための短絡指令を出力し、前記ベタオン処理は、減磁率を所定値以下に抑えるタイミングで行われるインバータ装置である。
上記構成のインバータ装置において、前記制御部は、前記電力変換部の出力側の電流情報及び電圧情報と、前記モータの回転角情報及び負荷情報とに基づいて、前記ゲート信号を出力するインバータ制御部と、前記回転角情報及び負荷情報と、予め行ったシミュレーション情報とに基づいて、短絡するタイミングを含む短絡指令を生成する短絡指令生成部と、前記回転角情報及び前記負荷情報と前記ベタオン処理時の減磁率との関係を予めシミュレーションした結果であるシミュレーション情報を記憶するシミュレーション結果記憶部と、を備えることが好ましい。
上記構成のインバータ装置においては、前記シミュレーション情報が多次元配列であることが好ましい。
本発明によれば、減磁の発生を最小限に抑えるとともに過電圧を防止することが可能な技術を提供することができる、という効果を奏する。
実施形態に係るインバータ装置と、インバータ装置に接続される構成と、を示す図である。 図1に示す制御部の構成を示すブロック図である。 ベタオン処理時のインバータ制御部の動作を示すフローチャートである。 モータ温度及び回転子の回転数を一定として、三相の電流の経時変化についてシミュレーションした結果を示す図である。 無負荷状態から負荷状態及び三相短絡状態を経て再び無負荷状態となる際のトルク、線間電圧及び電流の経時変化を示す図である。 所定温度且つ所定のモータ回転数において、短絡実行時の磁極位置である短絡位相が異なる場合における誘起電圧減少率の差異を示す図である。 図1に示すインバータ装置についてシミュレーションを行う際のモデル図である。 モータの固定子の位相の経時変化を示す図である。
本発明の実施形態について図面を参照して以下に説明する。
ただし、本発明は、以下の実施形態の記載によって限定解釈されるものではない。
<実施形態>
図1は、本実施形態に係るインバータ装置1と、インバータ装置1に接続される構成と、を示す図である。
図1には、インバータ装置1と、インバータ装置1の入力側に接続された直流の電圧で電力を供給するバッテリ2と、インバータ装置1の出力側に接続されたPM(永久磁石同期回転モータ:Permanent magnet synchronous Motor)であるモータ3と、モータ3に接続されて回転角を検出するレゾルバ(R:Resolver)である回転角センサ4と、が示されている。
図1に示すインバータ装置1は、電流変換部11と、制御部12と、直流コンデンサ13と、コンタクタ14と、を備える。
電流変換部11は、バッテリ2の直流を三相交流に変換してモータ3に出力するインバータ回路を備える。
電力変換部11のインバータ回路は、上段側スイッチング素子群11Pと、下段側スイッチング素子群11Nと、を備える。
上段側スイッチング素子群11Pは、スイッチング素子111と、スイッチング素子112と、スイッチング素子113と、を備える。
下段側スイッチング素子群11Nは、スイッチング素子114と、スイッチング素子115と、スイッチング素子116と、を備える。
スイッチング素子111及びスイッチング素子114は、U相に対して設けられた直列回路である。
スイッチング素子112及びスイッチング素子115は、V相に対して設けられた直列回路である。
スイッチング素子113及びスイッチング素子116は、W相に対して設けられた直列回路である。
なお、インバータ装置1の外部には、制御部12に対してトルク指令信号及びコンタクタ開放指令信号を出力する上位の制御部20が設けられる。
コンタクタ開放指令信号は、コンタクタ14の接続と非接続とを切り替えるよう出力される信号である。
なお、スイッチング素子111,112,113,114,115,116には、逆導通用のダイオードがスイッチング素子の逆耐圧保護のために設けられているが、スイッチング素子に内蔵されたダイオード又は寄生して存在するダイオードを、定格電流電圧上問題ない範囲において、逆導通用のダイオードとして用いてもいい。
また、図1においては、スイッチング素子111,112,113,114,115,116としてIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を例示しているが、これに限定されるものではなく、スイッチング素子111,112,113,114,115,116は、ケイ素又は炭化ケイ素等を用いたMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)であってもよい。
制御部12は、電流変換部11のスイッチング素子111,112,113,114,115,116の各々をオンオフするためのゲート信号を生成して出力する。
また、制御部12は、後述するように、電力変換部11の出力に接続されたモータ3の回生動作時に緊急停止するに際して、コンタクタ14のコンタクタ開放後に電力変換部11にベタオン処理を行わせるようにゲート信号を出力する。
直流コンデンサ13は、コンタクタ14を介してバッテリ2に接続されており、電流変換部11とコンタクタ14との間に配された平滑コンデンサである。
コンタクタ14は、バッテリ2に接続され、上位の制御部20からのコンタクタ開放指令信号により、接続と非接続とが切り替えられる電磁接触器である。
図2は、図1に示す制御部12の構成を示すブロック図である。
図2に示す制御部12は、インバータ制御部121と、短絡指令生成部122と、シミュレーション結果記憶部123と、を備える。
インバータ制御部121は、電流変換部11の出力側の図示しない電流センサからの電流情報及び図示しない電圧センサからの電圧情報と、回転角センサ4からの回転角情報と、負荷変動状態等を含む負荷情報と、に基づいて、電流変換部11のスイッチング素子111,112,113,114,115,116のゲート信号を生成し、負荷情報に基づいて、急激な負荷の変動等により通常動作が困難である際には、緊急停止する動作モードに切り替える。
このように急激な負荷の変動等により通常動作が困難である際には、緊急停止する動作モードに切り替えることにより、電力変換部11に含まれる各種素子及び直流コンデンサ13の保護が可能である。
インバータ制御部121は、MPU(Micro-Processing Unit)及びCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを含む構成により実現することができる。
短絡指令生成部122は、回転角センサ4からの回転角情報と、負荷変動状態等を含む負荷情報と、シミュレーション結果記憶部123からのシミュレーション情報と、に基づいて、短絡指令を生成して出力する。
ここで、短絡指令には、短絡するタイミング、すなわち時間の情報が含まれる。
そして、インバータ制御部121は、当該短絡指令に基づいて電流変換部11のスイッチング素子111,112,113,114,115,116のゲート信号を生成して、短絡指令に基づくタイミングでベタオン処理を行わせるようにゲート信号を出力する。
短絡指令生成部122は、MPU及びCPU等のプロセッサを含む構成により実現することができる。
シミュレーション結果記憶部123は、回転角情報及び負荷情報と後述するベタオン処理時の誘起電圧との関係をシミュレーションして、回転角情報及び負荷情報とベタオン処理時の減磁率との関係として記憶する記憶部である。
この減磁率は、シミュレーションで算出した誘起電圧に基づいて算出される。
また、シミュレーション情報は、多次元配列であることが好ましい。
シミュレーション結果記憶部123は、半導体メモリ及び磁気ディスク等の記録媒体により実現することができる。
ここで、シミュレーション結果記憶部123に記憶されるシミュレーション情報を得るために予め実行するシミュレーションについて以下に説明する。
上述のように、急激な負荷の変動等により通常動作が困難になると、制御部12は、図示しない上位の制御装置からコンタクタ14を開放すべき指令を受け、上位の制御部20がコンタクタ開放指令信号を出力してコンタクタ14をまず開放し、コンタクタ14の開放後にベタオン処理を行う。
短絡指令生成部122は、その後、回転角センサ4からの磁極位置情報、現在のモータ回転数及び短絡する直前の負荷状況から、後述する事前のシミュレーションにより得られたシミュレーション情報に基づき、ベタオンを実行した際に減磁の影響を最小限とするようにベタオン処理のタイミングを決定する。
また、ベタオン処理の実行のタイミングにおいては、ベタオン処理を行うために割り込みを行う。
図3は、ベタオン処理時のインバータ制御部121の動作を示すフローチャートである。
インバータ制御部121は、コンタクタ14の開放後にベタオン処理を開始する。
ベタオン処理を開始すると、インバータ制御部121は、回転角情報から現在の位相を検出(S1)する。
次に、インバータ制御部121は、三相短絡を開始する回転子位置までの時間を算出(S2)し、三相短絡を開始する位相を選択(S3)し、選択した位相まで待機(S4)するようにインバータ装置1の制御を行う。
その後、インバータ制御部121は、選択した位相の状態で、三相短絡を実行(S5)し、処理を終了する。
図8は、モータ3の固定子の位相の経時変化を示す図である。
図8に示すように、位相の検出とゲート信号の出力とに起因して、三相短絡の開始時にはズレを生じる。
そこで、ここでは、現在の回転数情報から三相短絡を開始すべき位相となる位置までの時間を算出して、第1候補時及び第2候補時のうち、ずれの小さい方で三相短絡させる。
ここで、ずれの大きさの判定は、{(短絡したい位相位置[deg]−現在の位相位置[deg])/(回転数[rpm]*4/60*360)}/キャリア周期[s]により計算した値の余りの値とキャリア半周期との大小関係により行う。
余りの値がキャリア半周期よりも小さい場合には、第1候補時で三相短絡を開始し、小さくない場合には第2候補時で三相短絡を開始する。
ここで、三相短絡を実行する際には、タイミングによっては以下に説明するように減磁が生じてしまう。
図4は、モータ温度及び回転子の回転数を一定として、三相の電流の経時変化についてシミュレーションした結果を示す図である。
図4に示すように、ベタオン処理の実行直後には大きな電流が流れるが、その後電流は減衰し、所定の電流値となる。
ベタオン処理の実行時の電流にはd軸電流が含まれ、磁石温度及び磁界の状態にもよるが、一般に、d軸電流が所定のしきい値を超えて流れると減磁が生じてしまう。
従って、ベタオン処理の実行直後のd軸電流が、この所定のしきい値を超えなければ、減磁は生じないことになる。
減磁には、短絡直前における磁気飽和及び磁石にかかる反磁界等が影響する。
そのため、ベタオン処理の実行時の最初の電流は、モータ温度、短絡直前の負荷状況及びベタオン処理の実行タイミングによって変化する。
ここで、短絡直前の負荷状況は、具体的にはd軸電流、q軸電流及びモータの回転数であり、ベタオン処理の実行タイミングは、具体的には、モータの誘起電圧の位相として現れる磁極位置によって表される。
図5は、無負荷状態から負荷状態及び三相短絡状態を経て再び無負荷状態となる際のトルク、線間電圧及び電流の経時変化を示す図である。
図5に示すように、三相短絡の前後の線間電圧について比較すると、三相短絡後では三相短絡前よりも線間電圧が小さくなり、これは短絡による減磁の影響であるといえる。
図6は、所定温度且つ所定のモータ回転数において、短絡実行時の磁極位置である短絡位相が異なる場合における誘起電圧減少率の差異を示す図である。
図6に示すように、誘起電圧減少率は、短絡時の磁極位置に応じて異なる。
そのため、モータ温度及び短絡直前の負荷状況を考慮するとともに、短絡時の磁極位置を制御することで、誘起電圧減少率を制御することが可能である。
そこで、本実施形態においては、事前のシミュレーションにより、誘起電圧の減少率から減磁の影響が最小となる位相、すなわち誘起電圧の減少を最小とすることができるベタオン処理時の位相が特定され、シミュレーション結果記憶部123がこのシミュレーション結果をシミュレーション情報として記憶する。
そして、短絡指令生成部122は、短絡指令を生成する際に、このシミュレーション情報をシミュレーション結果記憶部123から受け取り、ベタオン処理の実行タイミングを決定し、短絡するタイミングが含まれる短絡指令を生成してインバータ制御部121に出力する。
実際にベタオン処理を実行する際には、インバータ制御部121が上記条件にてキャリア周波数毎に行っているPWM(Pulse Width Modulation)制御の中で、タイミング検出及び切替作業が実行される。
まず、短絡指令生成部122は、キャリア周波数割り込みによって、コンタクタ開放条件又はゲート遮断条件の要求の有無の監視を行う。
このとき、コンタクタ開放条件又はゲート遮断条件の要求がある場合には、短絡指令生成部122は、Nアームである下段側スイッチング素子群11Nのベタオン処理の準備を開始する。
なお、コンタクタ開放条件又はゲート遮断条件の要求がない場合には、要求の有無の監視を続ける。
ここで、誘起電圧は、回転角センサ4からの回転角情報に基づいて推定されたものである。
そして、ベタオン処理のタイミング、すなわち短絡のタイミングは、事前のシミュレーションで得られた、短絡時に減磁が最小限となるタイミングである。
短絡指令生成部122は、現在の磁極位置及び現在のモータ回転数から次回のキャリア周波数割り込みが発生するように時間を設定し、短絡指令を出力する。
そして、短絡指令が入力されたインバータ制御部121は、短絡指令に基づいてベタオン処理を行うようにゲート信号を生成して出力する。
次に、上述した事前のシミュレーションについて以下に説明する。
このシミュレーションは、以下の手順により行われる。
まず、有限要素法による電磁界解析により、モータ固定子の電流と電圧との関係について、数値解析を行う。
ここで、電磁界解析に用いるソフトウェアとしては、JMAG(登録商標)を例示することができるが、これに限定されるものではなく、二次元断面モデル又は三次元モデルでの有限要素法による電磁界解析に対応していれば、これ以外のソフトウェアを用いてもよい。
なお、時間変化を伴う、二次元断面モデル形状又は三次元での有限要素法の電磁界解析に対応したその他のソフトウェアによる解析でも、同様の結果を得ることが可能である。
また、用いることのできるソフトウェアには次の要件を列挙することができる。
第1に、磁束を生じさせる要素である、電流要素、磁性体要素、永久磁石要素及びその他磁束に影響を及ぼす要素の時間軸上又は位置上の変動、磁束を生じさせる各要素の時間軸又は位置上の変動によって生じる空間磁束分布の時間変化、又はこの空間磁束分布の時間変化によって電流要素に生じる誘導起電力を模擬することが可能なものであることを要する。
第2には、永久磁石要素に関し、初期の着磁、及び外部磁界による磁束密度変化、特にある一定以上の逆磁界に伴う減磁の模擬に対応していることを要する。
第3には、各要素若しくは全要素一括の温度、又は
各要素に係る位置の時間変化率である回転速度をパラメータとして、指定可能であり、変化可能であることを要する。
また、その他、一般的な電磁界解析において含まれる、各要素の外部磁界−磁束の関係が、磁性体に対しては非線形な関係を指定可能であり、空気及び非磁性体に対しては線形の関係を指定可能であることを要する。
また、電流要素について、温度に対して線形又は非線形又は不変の電気抵抗の影響を模擬できることを要する。
また、電流要素には、ある時刻における電流値又は電圧値、及びそれらの拘束関係式(例えば、ある時間にて開放または短絡状態とする)を式の矛盾が生じない範囲で指定可能であることを要する。
図7は、図1に示すインバータ装置1についてシミュレーションを行う際のモデル図である。
図7には、電流源CS1の端子Uと固定子FS(FEM−STATOR)のコイルCUの端子との間に配されたスイッチSW1と、電流源CS1の端子Vと固定子FSのコイルCVの端子との間に配されたスイッチSW2と、電流源CS1の端子Wと固定子FSのコイルCWの端子との間に配されたスイッチSW3と、一端がスイッチSW1と固定子FSのコイルCUの端子との間に接続されたスイッチSW7と、一端がスイッチSW2と固定子FSのコイルCVの端子との間に接続されたスイッチSW8と、一端がスイッチSW3と固定子FSのコイルCWの端子との間に接続されたスイッチSW9と、が示され、スイッチSW7,SW8,SW9の他端は互いに接続されて接地されている。
また、図7に示すように固定子FS(FEM−STATOR)の前段では各相に対する電圧計Vが設けられている。
電流源CS1は三相電流源であり、電流源CS1からの電流の振幅位相を変えることで、電流指令値に対するテーブルを用意する。
なお、SW1,SW2,SW3とSW7,SW8,SW9は、ベタオンする前のインバータ(電流源)から電流を流している状態から、ベタオンした状態に切り替えることを模擬したスイッチを示す。
すなわち、インバータから電流を流しているときには、SW1,SW2,SW3はオンし、SW7,SW8,SW9はオフする。
他方で、ベタオンしたときには、SW1,SW2,SW3をオフし、SW7,SW8,SW9をオンする。
この数値解析は、モータ温度及び回転速度を所定値に定めた上で、行われる。
この数値解析を行う電磁界解析に用いるソフトウェアでは、モータ固定子の各端子に対し、外部に簡易的な三相電流源等の電気回路が接続され、その電流の条件下で、モータ固定子の各々のコイルに生じる電圧を特定することが可能である。
また、この電磁界解析に用いるソフトウェアにおいては、回転子の永久磁石について、初期状態における磁束密度、及び各温度における外部磁界と永久磁石磁束密度との関係のテーブルを解析条件として用いることができる。
ここで、初期状態は、外部磁界H_ex=0と表し、初期状態における磁束密度はB_(mag_0)と表し、各温度における外部磁界はH_exと表し、永久磁石磁束密度はB_magと表す。
このとき、永久磁石にかかる外部磁界が、所定の一定の制限値H_(ex_lim)以上逆方向となる場合に、その外部磁界が0となると、永久磁石の磁束密度は、もとの磁束密度より低くなるため、減磁が生じる。
なお、永久磁石にかかる外部磁界が、所定の一定の制限値以上逆方向となる場合には、H_ex<H_(ex_lim)<0と表される。
この減磁に関する特性は、温度の影響も受ける。
この電磁界解析においては、減磁の影響に関しても評価することが可能である。
減磁が生じた場合には、特性の変動が確認される。
短絡の実行の模擬は、具体的には定常状態となるまで電流源を一定時間接続後、所定の電気角の条件で電流源を切り離し、固定子の巻き線を短絡することにより行う。
U相、V相及びW相の各電流源の振幅及び位相、又はある時刻における電流値は、所定のd軸電流値及びq軸電流値を基に、dq−3相変換、すなわち逆Park変換を施した後にモータ電気角を用いて逆Clarke変換を行うことにより、あるd軸電流及びq軸電流に関連付けられた値として与えられる。
また、短絡の実行から所定の一定時間を経た後、短絡した端子を開放し、電圧が定常化した際の各固定子の端子に生じる誘起電圧の確認を行う。
減磁が生じた場合の誘起電圧は、短絡を実行しない場合、すなわち電流源を接続しない場合と同様の誘起電圧と比較して、一定の所定値以上の減少が生じる。
この誘起電圧の減少率が、一定の所定値未満となる範囲を短絡実行の範囲として設定する。
次に、事前のシミュレーションによる減磁を最小限とするタイミングの推定、及びキャリア周波数割り込みの設定について説明する。
まず、d軸電流、q軸電流、モータ温度及びモータ回転数と、特定された短絡位相θ_ssとの関係についてテーブルを作成して準備する。
異なるd軸電流とq軸電流の組み合わせに対して、短絡位相θ_sを変化させることで、d軸電流の負方向のピーク値Id_pkがシミュレーションで取得される。
この短絡位相θ_sは、三相の対称性より、いずれかの相が0°以上120°以下であれば同等としてU相が120以上240°以下であるときで検証される。
この結果に基づいて、ピーク値Id_pkを最小にする短絡位相θ_sが特定される。
これを特定された短絡位相θ_ssと表す。
モータ回転数を変えてこのような処理を繰り返すことで、複数のモータ回転数に対するテーブルが作成される。
なお、温度条件を考慮する場合には、モータ回転数を固定して温度を変化させて上記と同様の処理を行うことでテーブルが作成される。
次に、短絡実行時について説明する。
まず、インバータ制御部121が、Nアームである下段側スイッチング素子群11Nを短絡するベタオン処理の指令、すなわち短絡指令を受けると、現在の電流検出値よりd軸電流及びq軸電流を算出して事前に作成した上記のテーブルを参照し、現在の電気角より大きい範囲で、特定された短絡位相θ_ssから最小値を選択する。
そして、選択した電気角を現在の角速度により除し、短絡実行までの時間が導出される。
そして、導出した短絡実行までの時間に基づき、PWM駆動信号の生成に用いるキャリア周波数によるタイマー割り込みを短絡実行までの時間に変更する。
そして、短絡実行の時間に到達すると、インバータ制御部121は、割り込み指令により全ての相についてNアームである下段側スイッチング素子群11Nをオンする信号を生成する。
以上説明したように、本実施形態によれば、減磁の発生を最小限に抑えるとともに過電圧を防止することが可能な技術を提供することができる。
1 インバータ装置
2 バッテリ
3 モータ
4 回転角センサ
11 電流変換部
11P 上段側スイッチング素子群
11N 下段側スイッチング素子群
12 制御部
13 直流コンデンサ
14 コンタクタ
20 上位の制御部
111,112,113,114,115,116 スイッチング素子
121 インバータ制御部
122 短絡指令生成部
123 シミュレーション結果記憶部

Claims (3)

  1. バッテリに接続されたコンタクタと、
    前記コンタクタを介して前記バッテリに接続された直流コンデンサと、
    複数のスイッチング素子を含み、前記直流コンデンサの後段に配されて三相交流を出力する電力変換部と、
    前記電力変換部の前記スイッチング素子をオンオフするためのゲート信号を出力する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記電力変換部の出力に接続されたモータの回生動作時に緊急停止するに際して、前記コンタクタのコンタクタ開放後に前記電力変換部にベタオン処理を行わせるための短絡指令を出力し、
    前記ベタオン処理は、減磁率を所定値以下に抑えるタイミングで行われるインバータ装置。
  2. 前記制御部は、
    前記電力変換部の出力側の電流情報及び電圧情報と、前記モータの回転角情報及び負荷情報とに基づいて、前記ゲート信号を出力するインバータ制御部と、
    前記回転角情報及び負荷情報と、予め行ったシミュレーション情報とに基づいて、短絡するタイミングを含む短絡指令を生成する短絡指令生成部と、
    前記回転角情報及び前記負荷情報と前記ベタオン処理時の減磁率との関係を予めシミュレーションした結果であるシミュレーション情報を記憶するシミュレーション結果記憶部と、を備える請求項1に記載のインバータ装置。
  3. 前記シミュレーション情報が多次元配列であることを特徴とする請求項2に記載のインバータ装置。
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