JP2021025694A - 機械式ハンマリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ハンマーで打撃される部分を長期的に適正な位置に保持することができるうえ、該打撃部分を簡易に取り替えることが可能な機械式ハンマリング装置を提供する。【解決手段】 廃熱ボイラーの水管群1に先端面を当接させた状態で保持されるノッキングロッド10と、該ノッキングロッド10を囲むように装着されるスプリング20と、該スプリング20及び該ノッキングロッド10を収容するガイドパイプ30と、該10ノッキングロッドの該先端面とは反対側の被打撃面を打撃するハンマー40とからなる1組又は複数組のユニットで構成される機械式ハンマリング装置であって、ノッキングロッド10の先端部に設けられている第1係合部11と、ガイドパイプ30においてハンマー40が位置する側の端部に設けられている第2係合部31とによってスプリング20が圧縮された状態で挟み込まれている。【選択図】 図1
Description
本発明は、廃熱ボイラーの水管群を定期的に振動させて該水管群の表面に付着したダストを除去する機械式ハンマリング装置に関する。
加熱炉から排出される燃焼排ガスは熱エネルギーを有しているため、この熱エネルギーを蒸気の形態で回収する廃熱ボイラーが該燃焼排ガスの流路上に設けられている。該廃熱ボイラーにおいては、内部に設けた水管群において燃焼排ガスとボイラー水とを熱交換させることで上記熱エネルギーの回収が行われるが、該燃焼排ガスには、ダスト、ばいじんなどの固形分(以下、これらをまとめてダストと称する)が含まれているため、水管群の表面にダストが付着して熱交換効率が低下することがあった。そこで、水管群には機械式ハンマリング装置が付随して設けられており、該機械式ハンマリング装置で水管群を定期的に振動させることで、付着したダストを除去することが行われている。
この機械式ハンマリング装置は、水管群に取り付けられている被打撃部と、この被打撃部を直接打撃するハンマーとから一般的に構成されており、例えば該ハンマーの腕部を支持する軸が回転することで、ハンマーの先端部が自重により落下して被打撃部に衝突する構造になっている。このハンマーの衝突により被打撃部が振動するので、該被打撃部が取り付けられている水管群に振動が伝わり、該水管群の表面に付着したダストを除去することができる。
例えば特許文献1には、回転軸と共に回転する連結部材に回転可能に取り付けられているハンマーと、該ハンマーによって打撃される被打撃部としての電極板用当て板とからなる機械式ハンマリング装置が開示されている。また、特許文献2には、中間部が軸支されたアームを有するハンマーと、該アームのハンマー側とは反対側の端部に対して係合と離間とを繰り返しながら円周軌道上を回転するローラと、該ローラの離間により落下する該ハンマーによって打撃される打軸とからなる機械式ハンマリング装置が開示されている。
機械式ハンマリング装置では、水管群に付着したダストを効果的に除去するため、ハンマーの衝突により生ずる被打撃部の振動が確実に水管群に伝わるように設置する必要がある。そのため、特許文献1や2の機械式ハンマリング装置では、水管群に被打撃部を溶接等により固定している。しかしながら、この場合は、ハンマーによる衝撃が繰り返されるうちに溶接等の結合部に割れなどが生じて被打撃部が脱落することがあった。また、被打撃部が溶接により水管群に固定されている場合は、被打撃部の被打撃面が摩耗した時に該被打撃部を簡易に取り替えることができなかった。
本発明は上記の従来の機械式ハンマリング装置が抱える問題点に鑑みてなされたものであり、ハンマーで直接打撃される被打撃部を長期間に亘って適正な位置に保持することができるうえ、該被打撃部を簡易に取り替えることが可能な機械式ハンマリング装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明に係る機械式ハンマリング装置は、廃熱ボイラーの水管群に先端面を当接させた状態で保持されるノッキングロッドと、該ノッキングロッドを囲むように装着されるスプリングと、該スプリング及び該ノッキングロッドを収容するガイドパイプと、該ノッキングロッドの該先端面とは反対側の被打撃面を打撃するハンマーとからなる1組又は複数組のユニットで構成される機械式ハンマリング装置であって、前記ノッキングロッドの先端部に設けられている第1係合部と、前記ガイドパイプにおいて前記ハンマーが位置する側の端部に設けられている第2係合部とによって前記スプリングが圧縮された状態で挟み込まれていることを特徴としている。
本発明によれば、被打撃部を簡易に取り替えることができるうえ、該被打撃部を常に適正な位置に保持できるので、ハンマーの衝突により生じた振動を水管群に確実に伝えることができる。よって、廃熱ボイラーの熱回収効率及び稼働率を共に高めることが可能になる。
以下、本発明の機械式ハンマリング装置の実施形態について図面を参照しながら説明する。この本発明の実施形態の機械式ハンマリング装置は、図1に示すように、廃熱ボイラーの水管群1の補強部2に先端面を当接させた状態で保持される金属製の円柱体からなるノッキングロッド10と、該ノッキングロッド10を囲むように同芯軸状に装着される螺旋形状の圧縮コイルばねからなるスプリング20と、該スプリング20及び該ノッキングロッド10を収容する水平横向きに保持された金属製の円筒状のガイドパイプ30と、該ノッキングロッド10の該先端面とは反対側の被打撃面を打撃するハンマー40とからなる1組又は複数組のユニットで構成されている。なお、図1には1組のユニットで構成された機械式ハンマリング装置が例示されている。
上記1組又は複数組のユニットの各々において、上記ノッキングロッド10及びガイドパイプ30には、それぞれスプリング20の両端部に係合する第1係合部11及び第2係合部31が設けられており、これら第1係合部11及び第2係合部31によって、該ガイドパイプ30内においてスプリング20は圧縮された状態で挟み込まれている。
具体的には、上記ノッキングロッド10は、上記先端部に上記スプリング20の一端部が係合する第1係合部11が設けられている。この第1係合部11は、金属製の環状部材をその中心軸を含む面で2分割した二つ割リングからなるのが好ましい。この場合、該二つ割リングの内周部が嵌装されるように、ノッキングロッド10の先端部の外周面には周方向に延在する第1溝部が全周に亘って設けられているのが好ましい。また、該二つ割リングの外径は、ガイドパイプ30の内径より僅かに小さいサイズになっているのが好ましい。これにより、該二つ割リングを該ノッキングロッド10の第1溝部に嵌装した状態で該ガイドパイプ30内に収容することができるうえ、ガイドパイプ30内において該二つ割リングがノッキングロッド10の第1溝部から脱落するのを防ぐことができる。
一方、ガイドパイプ30において、ハンマー40が位置する側の端部には、上記スプリング20の他端部が係合する第2係合部31が設けられている。この第2係合部31は、金属製の棒状部材を環状に湾曲させた弾性部材からなるスナップリングからなるのが好ましい。この場合、該スナップリングの外周部が嵌装されるように、ガイドパイプ30の上記ハンマー側端部の内周面には、周方向に延在する第2溝部が全周に亘って設けられているのが好ましい。
このように、ガイドパイプ30内に収容されるスプリング20は、二つ割リング等の第1係合部11及びスナップリング等の第2係合部31でそれぞれ係止されているので、ノッキングロッド10がガイドパイプ30のハンマー40側の開口部から飛び出ないようにすることができる。また、ノッキングロッド10の先端面は、ハンマー40によって打撃されていない非打撃時においてはスプリング20の付勢力によって水管群1の補強部2に当接した状態が維持されるので、その後の該ハンマー40による打撃の際に衝撃をしっかりと水管群1の補強部2へ伝搬させることができる。
なお、上記スナップリング等の第2係合部31とスプリング20の他端部との間に、環状の介在部材22を設けるのが好ましい。これにより、スプリング20が伸長する付勢力をスナップリングに対して周方向に均一にかかるようにすることができる。また、ノッキングロッド10の先端部とは反対側の端部に、ハンマー40がより確実に衝突するように、ノッキングロッド10の外径よりも大きな外径を有する金属製の円板状部材12を設けるのが好ましい。
次に、上記した本発明の実施形態の機械式ハンマリング装置の取り付け方法について説明する。先ず、ノッキングロッド10の先端部側から第2係合部31としてのスナップリング、環状の介在部材22、及びスプリング20をこの順に装着すると共に、ノッキングロッド10の先端部の第1溝部に第1係合部11としての二つ割リングを嵌め込む。この状態で、ノッキングロッド10をその先端部からガイドパイプ30のハンマー側開口部に挿し込み、該ノッキングロッド10の先端面を水管群1の補強部2に当接させる。
次に、スプリング20を水管群1側に押し込んで圧縮させたまま、ガイドパイプ30の内周面に予め設けられている第2溝部にスナップリングを嵌装する。これにより、スプリング20が伸長する付勢力によってノッキングロッド10の先端面が常に水管群1の補強部2を押圧する状態が維持される。これにより、ノッキングロッド10の先端部とは反対側の端部の位置及び角度が、上記の非打撃時に同じ位置に保持されるので、その後の打撃の瞬間にはノッキングロッド10の先端面とは反対側の被打撃面にハンマー40を確実に衝突させることができる。なお、スプリング20には、上記のように二つ割リングとスナップリングとで挟み込んだ時に圧縮力が生じるような適切な長さのものを選定しておく。上記のノッキングロッド10やスプリング20を交換するときは、上記スナップリングをガイドパイプ30から外すだけで簡単にノッキングロッド10をスプリング20と共にガイドパイプ30から引き抜くことができる。
[参考例]
参考例として図2に示す構造の機械式ハンマリング装置を用いて廃熱ボイラーの水管群のダスト除去を行った。この参考例の機械式ハンマリング装置は、棒状のノッキングロッド110と、該ノッキングロッド110を収容するガイドパイプ130と、該ノッキングロッド110を打撃するハンマー140とからなるユニットが30組連なった構造を有しており、各ユニットにおいて、ノッキングロッド110及びガイドパイプ130の該ハンマー140側の端部同士がスプリング120で係合されている。
参考例として図2に示す構造の機械式ハンマリング装置を用いて廃熱ボイラーの水管群のダスト除去を行った。この参考例の機械式ハンマリング装置は、棒状のノッキングロッド110と、該ノッキングロッド110を収容するガイドパイプ130と、該ノッキングロッド110を打撃するハンマー140とからなるユニットが30組連なった構造を有しており、各ユニットにおいて、ノッキングロッド110及びガイドパイプ130の該ハンマー140側の端部同士がスプリング120で係合されている。
この参考例の機械式ハンマリング装置は、スプリング120の両端部がノッキングロッド110の第1係合部111及びガイドパイプ130の第1係合部131に単に引っかけているだけであるため、ハンマー140の衝突の衝撃によってスプリング120が外れることがあった。また、上記の引っかかっている部分はスプリング120を形成する細長い金属線状体であるため強度が低く、その部分が頻繁に折損することがあり、その度にスプリング120を交換する必要があった。さらに、ノッキングロッド110がハンマー140の衝撃による反動でガイドパイプ130の外側に飛び出ようとした際、スプリング120が伸びきって戻らなくなり、ノッキングロッド110を適正な位置に保持できなくなることがあった。
このノッキングロッド110が不適正な位置にあるときにハンマー140が作動することがあり、この場合は、ノッキングロッド110の側部がハンマー140によって打撃されることになるので、ガイドパイプ130が破損したり、ノッキングロッド110がガイドパイプ130から脱落したりする問題が生じ、ダスト除去の効果が得られない事態がしばしば発生し、その補修のため稼働率も低下した。具体的には、上記の30組のユニットで構成される機械式ハンマリング装置1基当たりが有する30本のノッキングロッド110のうち、半分においてノッキングロッド110が適正な位置に保持されないトラブルが生じたため、それらのガイドパイプ130が約半年で破損した。破損したガイドパイプ130の補修費用として、機械式ハンマリング装置1基当たり平均1,000千円/回の出費となった。なお、廃熱ボイラーに設置した複数の機械式ハンマリング装置の中では、優先度の高い区画にあるもので且つ作業を進めやすいものに絞って補修したところ、廃熱ボイラー1基あたり年間10,000千円程度の補修費用を要した。
[実施例]
図2に示す構造のものに代えて図1に示す構造の機械式ハンマリング装置を用いた以外は上記参考例と同様にして廃熱ボイラーの水管群のダストを除去した。その結果、1年以上に亘ってノッキングロッド10がガイドパイプ30内において適正な位置に保持されたため、ノッキングロッド10の摩耗の補修や交換等の軽微で簡易な保全作業で済んだので、補修費用を上記参考例に比べて年間5,000千円以上削減できた。さらに、安定的にダストを除去することができたため、上記参考例に比べてボイラーの熱回収効率が上昇し、稼働率を高めることも可能になった。
図2に示す構造のものに代えて図1に示す構造の機械式ハンマリング装置を用いた以外は上記参考例と同様にして廃熱ボイラーの水管群のダストを除去した。その結果、1年以上に亘ってノッキングロッド10がガイドパイプ30内において適正な位置に保持されたため、ノッキングロッド10の摩耗の補修や交換等の軽微で簡易な保全作業で済んだので、補修費用を上記参考例に比べて年間5,000千円以上削減できた。さらに、安定的にダストを除去することができたため、上記参考例に比べてボイラーの熱回収効率が上昇し、稼働率を高めることも可能になった。
1 水管群
2 補強部
10、110 ノッキングロッド
11、111 第1係合部
20、120 スプリング
30、130 ガイドパイプ
31、131 第2係合部
40、140 ハンマー
2 補強部
10、110 ノッキングロッド
11、111 第1係合部
20、120 スプリング
30、130 ガイドパイプ
31、131 第2係合部
40、140 ハンマー
Claims (2)
- 廃熱ボイラーの水管群に先端面を当接させた状態で保持されるノッキングロッドと、該ノッキングロッドを囲むように装着されるスプリングと、該スプリング及び該ノッキングロッドを収容するガイドパイプと、該ノッキングロッドの該先端面とは反対側の被打撃面を打撃するハンマーとからなる1組又は複数組のユニットで構成される機械式ハンマリング装置であって、
前記ノッキングロッドの先端部に設けられている第1係合部と、前記ガイドパイプにおいて前記ハンマーが位置する側の端部に設けられている第2係合部とによって前記スプリングが圧縮された状態で挟み込まれていることを特徴とする機械式ハンマリング装置。 - 前記第1係合部は前記ノッキングロッドの外周面に設けられた周方向に延在する第1溝部に嵌装される二つ割リングからなり、前記第2係合部は前記ガイドパイプの内周面に設けられた周方向に延在する第2溝部に嵌装されるスナップリングからなることを特徴とする、請求項1に記載の機械式ハンマリング装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019143610A JP2021025694A (ja) | 2019-08-05 | 2019-08-05 | 機械式ハンマリング装置 |
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JP2010513034A (ja) * | 2006-12-14 | 2010-04-30 | フォスター ホイーラー エナージア オサケ ユキチュア | 衝撃つち打ちデバイス |
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2019
- 2019-08-05 JP JP2019143610A patent/JP2021025694A/ja active Pending
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