JP2021023132A - コンバイン - Google Patents
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Abstract
Description
そして、逆転のための駆動構造を逆転用油圧モータとすることにより、駆動手段そのものを小型なものとし、かつ、逆転用油圧モータの配設位置を、逆転用動力の入力箇所よりも、駆動用入力軸の軸線方向で搬送装置に近い側にすることで、搬送装置から離れる側への張り出しを抑制して、より一層コンパクトに構成し易い。
また、逆転のための駆動構造として逆転用油圧モータを用いたことで、比較的大きな出力を有した構造のものを得やすい。
尚、本実施形態での説明における前後方向及び左右方向は、特段の説明がない限り、次のように記載している。つまり、本発明を適用したコンバインにおいて、走行機体の作業走行時における前進側の進行方向(図1,2における矢印F参照)が「前」、後進側への進行方向(図1,2における矢印B参照)が「後」、その前後方向での前向き姿勢を基準としての右側に相当する方向(図2における矢印R参照)が「右」、同様に左側に相当する方向(図2における矢印L参照)が「左」である。
図1及び図2に示すように、全稈投入型コンバインは、車体フレーム1の下側に左右一対の前輪1F,1F(前走行装置に相当する)、及び左右一対の後輪1R,1R(後走行装置に相当する)を備えて自走機体を構成している。
車体フレーム1の前方に刈取処理装置2(刈取部に相当する)を備え、刈取処理装置2の後方側に刈り取った作物を後方搬送する搬送装置3を備えている。搬送装置3は、車体フレーム1に対して水平横軸心周りで後端側を支持され、前端側が上下昇降作動するように支持されている。
車体フレーム1の前部に運転キャビン10(運転部に相当する)を備え、その後方側に脱穀装置4(脱穀部に相当する)、及びグレンタンク5を夫々備え、最後部に排ワラ処理装置16を備えている。
前記後輪1Rは、上下揺動軸心周りで操向操作可能な後車軸1bを備えた操向車輪によって構成してある。この後輪1Rは、その左右方向幅及び直径が前記前輪1Fよりも小さく設定されたタイヤ車輪で構成され、後車軸1bの水平横軸心周りで回動する。
図1乃至図3に示すように、車体フレーム1に搭載した脱穀装置4の前方に刈取処理装置2を設けてある。
この刈取処理装置2は、植立茎稈などの作物穂先側を掻き込む掻き込みリール20や、株元側を切断する刈取装置21、及び刈り取った作物を刈幅方向の中央部に寄せ集める横送りオーガ22を備えている。つまり、掻き込みリール20で穂先側を引き起こし、刈取装置21で作物を刈り取り、横送りオーガ22で刈幅方向の中央部に寄せて、刈幅方向の中央部に位置する後続の搬送装置3の入口に送り込むように構成されている。掻き込みリール20は、リール昇降シリンダ23の伸縮操作で、刈取装置21に対する相対高さを変更可能に構成されている。
搬送装置3は、前後が開放された角筒状のフィードケース30の内部に、前後方向に沿って回動するフィードコンベアとして用いられる無端搬送体31が装備されている。フィードケース30の入口に送り込まれた刈取作物を無端搬送体31に載せて後方上方へ向けて搬送するように構成されている。
搬送装置3による作物搬送方向は、脱穀装置4内における扱胴40の扱胴回転軸心に沿う前後方向である。
無端搬送体31は、駆動用入力軸32を支軸として回転駆動される駆動用回転体33と、従動軸34に支持されて回転駆動される従動側ドラム35と、にわたって巻回されている。
フィードケース30よりも横外側で、駆動用入力軸32の左側端部には、エンジン11の動力が伝達される動力伝達箇所として、伝動用プーリ36が設けられている。この伝動用プーリ36に、後述する動力伝達機構42を介して伝達されるエンジン11の動力によって、駆動用入力軸32が正転方向に回動し、搬送される作物が刈取部から脱穀部へ向かうように無端搬送体31が駆動される。
駆動用入力軸32を、動力伝達機構42から伝達される正転方向とは逆の、逆転方向へ駆動するための逆転用油圧モータ60を備えた逆転機構6について説明する。
図3乃至図6に示すように、駆動用入力軸32の動力伝達箇所である伝動用プーリ36に動力を伝達可能な動力伝達機構42は、伝動ベルトを用いてエンジン11の動力を脱穀装置4に伝え、脱穀装置4の扱胴40や唐箕41などの各装置を駆動するように構成されている。この動力伝達機構42には、伝動用プーリ36よりも動力伝動方向での伝動上手側の位置に、伝動用プーリ36に対する動力を伝達する入り状態(伝動状態)と、伝動用プーリ36に対する動力を解除する切り状態(非伝動状態)と、に切り換え操作可能なテンションクラッチ43が備えられている。
図3に示すように、入力ギヤ39は、フィードケース30の上下方向幅よりも寸法の大きい外径を有しており、図3に仮想線で示すようにフィードケース30が最大高さまで上昇した状態でも、入力ギヤ39のギヤ外周部分がフィードケース30の外側に位置するように大径に形成されている。
このモータ出力ギヤ61のスライド操作は、運転キャビン10内に備えた正逆転操作具62の操作で行う。正逆転操作具62の入り操作に基づいて、シフター(図示せず)がモータ出力ギヤ61を出力軸60a上でスライドさせ、入力ギヤ39の外周ギヤ部分に噛合する逆転伝動状態に操作する。正逆転操作具62を切り操作すると、シフター(図示せず)がモータ出力ギヤ61を出力軸60a上でスライドさせ、入力ギヤ39の外周ギヤ部分から離れた位置に移動させ、噛合を解除する伝動解除状態に操作する。
この逆転機構6では、駆動用入力軸32に対する逆転動力の入力箇所が、入力ギヤ39の存在する位置であり、逆転用油圧モータ60は、逆転動力の入力箇所である入力ギヤ39よりも、駆動用入力軸32の軸線方向で搬送装置3のフィードケース30が存在する側に位置している。
駆動用入力軸32には、無端搬送体31を駆動するための駆動用回転体33の他に、刈取処理装置2に動力を伝達するための刈取部駆動機構26が連係されている。
刈取部駆動機構26は、搬送装置3を挟んで逆転用動力の入力箇所である入力ギヤ39とは反対側で、動力伝達機構42からの回転動力が伝達される動力伝達箇所であるところの伝動用プーリ36と、その伝動用プーリ36に近い側の搬送装置3の側縁に相当する左側壁部30Lと、の間に、動力伝達機構42からの動力を刈取処理装置2へ伝えるための伝動スプロケット37が駆動用入力軸32と一体回転可能に設けられている。
この伝動スプロケット37に巻回された伝動チェーン38が、刈取処理装置2に備えた中継軸24に備えた受動スプロケット25にも巻回されている。つまり、伝動スプロケット37と、受動スプロケット25と、その伝動スプロケット37と受動スプロケット25にわたって巻回された伝動チェーン38と、を備えた刈取部駆動機構26を用いて、駆動用入力軸32に伝えられた動力を刈取処理装置2へ伝達可能に構成してある。
図1及び図2に示されるように、刈取処理装置2側で発生した藁屑や雑草などの夾雑物が、搬送装置3の上面側に堆積することを回避するための上部カバー27が、フィードケース30の前端側上部に設けられている。
この上部カバー27は、フィードケース30の上面の傾斜よりも急角度で立ち上がる扁平板状のものであり、夾雑物が多く堆積する前に左右に脱落し易くしたものである。
実施の形態では、逆転用油圧モータ60に備えたモータ出力ギヤ61が、出力軸60a上をスライド移動して、入力ギヤ39の外周ギヤ部分に噛合する構造のものを例示したが、必ずしもこの構造に限定されるものではない。
例えば、入力ギヤ39にモータ出力ギヤ61を常時噛合させていて、出力軸60aとモータ出力ギヤ61との間に、適宜に動力を断続可能なクラッチ機構部分を介在させるなど、任意の動力断続構造を採用することができる。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
26 刈取部駆動機構
32 駆動用入力軸
39 入力ギヤ
42 動力伝達機構
43 クラッチ装置
60 逆転用油圧モータ
61 モータ出力ギヤ
64 カバー
Claims (4)
- 刈取部から脱穀部に向けて作物を搬送する搬送装置と、
搬送される作物が前記刈取部から前記脱穀部へ向かうように、前記搬送装置の駆動用入力軸に対して正転方向の回転動力を伝達する動力伝達機構と、
前記駆動用入力軸の一端側に前記正転方向とは逆方向の逆転用動力を入力して前記搬送装置を逆転駆動する逆転用油圧モータと、が備えられ、
前記逆転用油圧モータが、前記駆動用入力軸の前記一端側に対する逆転用動力の入力箇所よりも、前記駆動用入力軸の軸線方向で前記搬送装置に近い側に配設されているコンバイン。 - 前記駆動用入力軸上における逆転用動力の入力箇所に、前記逆転用油圧モータからの動力が伝達される入力ギヤが設けられ、
前記入力ギヤに対する動力伝達用の出力ギヤが前記逆転用油圧モータに設けられ、
前記出力ギヤが、前記入力ギヤに対して噛合する逆転伝動状態と、噛合解除された伝動解除状態と、に切り換え操作可能に構成されている請求項1記載のコンバイン。 - 前記動力伝達機構に、前記駆動用入力軸に対して前記正転方向の回転動力を伝達するクラッチ入り状態と、回転動力の伝達を解除するクラッチ切り状態と、に入り切り操作可能なクラッチ装置を備え、
前記逆転用油圧モータが、前記クラッチ装置のクラッチ切り状態で逆転用動力の伝達が可能であるように構成されている請求項1又は2記載のコンバイン。 - 前記逆転用油圧モータが、前記駆動用入力軸に対する出力回転数を変更可能に構成されている請求項1〜3のいずれか一項記載のコンバイン。
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