JP2021019666A - 消火泡生成装置及び消火泡生成装置ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】小型、軽量で安価に製造することができる消火泡生成装置を提供する。【解決手段】消火泡生成装置は、水W、消火剤液L及び圧縮空気Aを混合することにより消火泡Fを生成する混合部1と、混合部1に消火剤液Lを供給する消火剤液供給部2と、混合部1に圧縮空気Aを供給する圧縮空気供給部3とを備えている。混合部1は、有圧水供給源からの有圧水が供給される給水口1aと、混合部1内で生成された消火泡を吐出する泡吐出口1bとを備え、消火剤液供給部2は、消火剤液Lを収容する消火剤液容器2aと、消火剤液容器2a内の消火剤液Lを混合部1に所要の圧力で送る空気圧駆動ポンプ2bと、圧縮空気供給源からの圧縮空気を空気圧駆動ポンプ2bに導入する導入管2cとを備え、圧縮空気供給部3は、圧縮空気供給源からの圧縮空気を混合部1に導入する空気導入管3aを備えている。【選択図】図2
Description
本発明は、消火泡生成装置、および、この消火泡生成装置をキャリアーに搭載してユニット化した可搬式の消火泡生成装置ユニットに関する。
水、消火剤液及び圧縮空気を混合することにより圧縮空気泡(消火泡)を生成する消火泡生成装置は、CAFS(Compressed Air Foam System)装置と称されている。CAFS装置で生成される消火泡(Compressed Air Foam)は、水に比べて表面積が大きく、水分の気化熱を有効に利用した効率的な冷却消火を可能にすると共に、少ない水量での消火を可能にする。
例えば特許文献1に記載されているように、この種のCAFS装置は、一般に、水、消火剤液及び圧縮空気を混合する混合部と、混合部に水を加圧供給する水ポンプと、混合部に圧縮空気を供給するエアーコンプレッサと、混合部に消火剤液を加圧供給する消火剤液ポンプとを備えている。水ポンプ、エアーコンプレッサ及び消火剤液ポンプは、それぞれ専用の駆動源を備えている場合もあるが、消防車両に搭載されるCAFS装置では、水ポンプ及びエアーコンプレッサを車両走行用エンジンにPTO(Power Take Off device)を介して連結して、車両走行用エンジンの駆動力を駆動源として用いるようにしている。消火剤液ポンプは、通常、電動モータで駆動される。
特許文献2もCAFS装置を開示しているが、このCAFS装置では、車両走行用エンジンから排出される排ガスを圧縮空気に変換して混合部に供給している。
従来のCAFS装置は、混合部に水を加圧供給する水ポンプ、混合部に圧縮空気を供給するエアーコンプレッサ、および、モータ駆動の消火剤液ポンプを装備しているため、装置全体として大型・重量化する傾向がある。CAFS装置は、効果的な消火作業を行うために、できるだけ火災発生区域に近い位置に配置して作動させるのが好ましいが、大型・重量化したCAFS装置は、配置スペースの確保や移動運搬等の面で制約を受けることが多い。例えば、CAFS装置を船舶火災の消火に用いる場合、大型・重量化したCAFS装置では、船舶内の限られたスペース内で配置に必要なスペースを確保することが難しく、また、船舶内の狭い通路等を通って火災発生区域の近くまで移動させることが難しくなることが多い。また、船舶内の駐車スペースでは、車両間隔をできるだけ詰めて駐車するため、通路や車両間のスペースが狭く、大型・重量化したCAFS装置では、配置に必要なスペースを確保することや、駐車スペース内での移動が難しくなることが多い。さらに、大型・重量化したCAFS装置は、製造コストが高くなるため、費用面からも、船舶内に常備できる台数に制約がある。そして、これらの事状により、船舶内での迅速な消火作業が妨げられる可能性がある。
本発明の課題は、小型、軽量で安価に製造することができる消火泡生成装置を提供することである。
本発明の他の課題は、小型、軽量、安価で運搬が容易な消火泡生成装置ユニットを提供することである。
上記課題を解決するため、本発明は、水、消火剤液及び圧縮空気を混合することにより消火泡を生成する混合部と、前記混合部に消火剤液を供給する消火剤液供給部と、前記混合部に圧縮空気を供給する圧縮空気供給部とを備えた消火泡生成装置であって、前記混合部は、装置外部の有圧水供給源から有圧水が供給される給水口と、該混合部内で生成された消火泡を吐出する泡吐出口とを備え、前記消火剤液供給部は、消火剤液を収容する消火剤液容器と、前記消火剤液容器内の消火剤液を前記混合部に所要の圧力で送る空気圧駆動又は水圧駆動のポンプと、前記有圧水供給源からの有圧水または装置外部の圧縮空気供給源からの圧縮空気を前記ポンプに導入する導入管とを備え、前記圧縮空気供給部は、前記圧縮空気供給源からの圧縮空気を前記混合部に導入する空気導入管を備えていることを特徴とする消火泡生成装置を提供する。
前記ポンプが空気圧駆動のポンプである場合、前記消火剤液供給部の前記導入管は、前記圧縮空気供給部の前記空気導入管に分岐接続されていてもよい。また、前記圧縮空気供給部の前記空気導入管に空気流量調整弁が介装されていてもよい。さらに、前記混合部に、前記有圧水の供給量を調整する水量調整弁が設けられていてもよい。
本発明の消火泡生成装置は、船舶に配備され、または、消防車両に搭載され、あるいは、有圧水供給源としての消火栓や圧縮空気供給源としての空気取出口等が設けられている建築物(ビル、工場、倉庫等)内に配備することができる。例えば、本発明の消火泡生成装置は、船舶用途では、船舶に装備された前記有圧水供給源からの有圧水と船舶に装備された前記圧縮空気供給源からの圧縮空気により作動して消火泡を生成することができる。
また、上記課題を解決するため、本発明は、上記構成の消火泡生成装置をキャリアーに搭載してユニット化した可搬式の消火泡生成装置ユニットを提供する。
前記キャリアーは、キャスター付きの基台部と、前記基台部の一端から上方に延びた背面部と、前記背面部に設けられたハンドルとを含むものであってもよい。また、前記キャリアーは、ショルダーストラップが設けられているものであってもよい。
本発明の消火泡生成装置ユニットにおいて、前記混合部の前記給水口及び前記泡吐出口の双方が、前記キャリアーの正面側、側面側、背面側及び上面側のうち、何れか一の面側に設けられていることが好ましい。また、前記消火泡生成装置の上部側に、消火用ホースの収納スペースが設けられていることが好ましい。
さらに、本願は下記の発明を含む:
水、消火剤液及び圧縮空気を混合することにより消火泡を生成する混合部と、前記混合部に消火剤液を供給する消火剤液供給部と、前記混合部に圧縮空気を供給する圧縮空気供給部とを備えた消火泡生成装置を、キャリアーに搭載してユニット化した可搬式の消火泡生成装置ユニットであって、
前記混合部は、装置外部の有圧水供給源から有圧水が供給される給水口と、該混合部内で生成された消火泡を吐出する泡吐出口とを備え、前記圧縮空気供給部は、装置外部の圧縮空気供給源からの圧縮空気を前記混合部に導入する空気導入管を備え、
前記混合部の前記給水口及び前記泡吐出口の双方が、前記キャリアーの正面側、側面側、背面側及び上面側のうち、何れか一の面側に設けられていることを特徴とする消火泡生成装置ユニット。
水、消火剤液及び圧縮空気を混合することにより消火泡を生成する混合部と、前記混合部に消火剤液を供給する消火剤液供給部と、前記混合部に圧縮空気を供給する圧縮空気供給部とを備えた消火泡生成装置を、キャリアーに搭載してユニット化した可搬式の消火泡生成装置ユニットであって、
前記混合部は、装置外部の有圧水供給源から有圧水が供給される給水口と、該混合部内で生成された消火泡を吐出する泡吐出口とを備え、前記圧縮空気供給部は、装置外部の圧縮空気供給源からの圧縮空気を前記混合部に導入する空気導入管を備え、
前記混合部の前記給水口及び前記泡吐出口の双方が、前記キャリアーの正面側、側面側、背面側及び上面側のうち、何れか一の面側に設けられていることを特徴とする消火泡生成装置ユニット。
本発明によれば、小型、軽量で安価に製造することができる消火泡生成装置を提供することができる。
また、本発明によれば、小型、軽量、安価で運搬が容易な消火泡生成装置ユニットを提供することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。
図1及び図2は第1の実施形態に係る消火泡生成装置の全体構成を示し、図3はその配管系統を示している。この実施形態の消火泡生成装置(以下、「CAFS装置」という。)は、船舶火災の消火に用いられる船舶用CAFS装置であり、水W、消火剤液L及び圧縮空気Aを混合することにより消火泡Fを生成する混合部1と、混合部1に消火剤液Lを供給する消火剤液供給部2と、混合部1に圧縮空気Aを供給する圧縮空気供給部3とを備え、船舶に装備された有圧水供給源から供給される有圧水Wと、船舶に装備された圧縮空気供給源から供給される圧縮空気Aにより作動して消火泡Fを生成する。
混合部1は、管状形態をなし、一端側に給水口1a、他端側に泡吐出口1bを有すると共に、一端側の給水口1aから他端側の泡吐出口1bに向かって、逆止弁1c、水量調整弁としての水量調整コック1d、液供給口1e、空気供給口1fが順次に設けられている。一端側の給水口1aは、船舶内の所要個所に配置された消火栓に給水ホース等(図示省略)で接続され、他端側の泡吐出口1bには、消火泡放出ノズルを備えた消火用ホース(図示省略)が接続される。また、液供給口1eには、消火剤液供給部2が接続され、空気供給口1fには、圧縮空気供給部3が接続される。
圧縮空気供給部3は、船舶に装備された圧縮空気供給源からの圧縮空気を混合部1に導入する空気導入管3aを備えている。空気導入管3aの一端は、船舶内の所要箇所に配置された開閉式の圧縮空気取出し口3bに接続され、空気導入管3aの他端は、逆止弁3eを介して混合部1の空気供給口1fに接続される。また、空気導入管3aには、一端側から他端側に向かって、エアーレギュレータ3c、空気流量調整弁3dが順次に介装されている。尚、エアーレギュレータ3cを省略して、後述する導入管2cに空気流量調整弁を介装するようにしてもよい。また、空気導入管3aの最上流部(エアーレギュレータ3cよりも上流側の部位、エアーレギュレータ3cを省略する場合は、後述する分岐管2c1よりも上流側の部位)に圧縮空気の開閉弁を設けてもよい。
消火剤液供給部2は、消火剤液Lを収容する消火剤液容器2aと、消火剤液容器2a内の消火剤液Lを混合部1に所要の圧力で圧送する消火剤液ポンプとしての空気圧駆動ポンプ2bと、船舶に装備された圧縮空気供給源からの圧縮空気を空気圧駆動ポンプ2bに導入する導入管2cとを備えている。この実施形態において、導入管2cは、圧縮空気供給部3の空気導入管3aに分岐管2c1で分岐接続され、導入管2cには、空気導入管3aと共通の圧縮空気取出し口3bから圧縮空気が供給される。導入管2cの分岐接続位置は、例えば、エアーレギュレータ3cと空気流量調整弁3dとの間の位置である。また、空気圧駆動ポンプ2bには、吸入管2b1と吐出管2b2が接続され、吸入管2b1の先端は消火剤液容器2a内の消火剤液L中に在り、吐出管2b2の先端は逆止弁2dを介して混合部1の液供給口1eに接続される。この実施形態では、空気圧駆動ポンプ2bとして、空気圧駆動ダイヤフラムポンプを用いている。また、この実施形態では、空気圧駆動ポンプ2bから吐出される消火剤液Lの流量が所定流量よりも過量であった場合に、過量分の消火剤液Lを吐出管2b2から消火剤液容器2aに戻す液戻し部2eを設けている。この液戻し部2eは、例えば、図2に示すように、オリフィス絞り2e1と、オリフィス絞り2e1を通る消火剤液Lを消火剤液容器2aに戻す戻し管2e2とで構成することができる。
消火作業を行う場合には、混合部1の給水口1aを、船舶内の所要個所に配置された消火栓に給水ホース等を介して接続し、圧縮空気供給部3の空気導入管3aを、船舶内の所要個所に配置された圧縮空気取出し口3bに接続する。また、混合部1の泡吐出口1bに、消火泡放出ノズルを備えた消火用ホースを接続する。そして、混合部1の水量調整コック1dを操作して、混合部1に有圧水を供給すると共に、圧縮空気取出し口3bを開いて(空気導入管3aに上述した圧縮空気の開閉弁を設ける場合は、該開閉弁も開いて)、消火剤液供給部2および圧縮空気供給部3に圧縮空気を導入する。
船舶に装備された有圧水供給源から供給される有圧水は、船舶に設置された水配管を経由して消火栓から流出し、給水ホース等を通って、給水口1aから混合部1の内部に流入する。また、船舶に装備された圧縮空気源から供給される圧縮空気は、船舶に設置された空気配管4を経由して圧縮空気取出し口3bから流出し、圧縮空気供給部3の空気導入管3aを通って、空気供給口1fから混合部1の内部に流入する。混合部1の内部に流入する圧縮空気の圧力はエアーレギュレータ3cによって所定圧力に制御され、混合部1の内部に流入する圧縮空気の流量は空気流量調整弁3dによって所定流量に制御される。また、圧縮空気取出し口3bから流出する圧縮空気の一部は、エアーレギュレータ3cの下流側に介装された分岐管2c1から消火剤液供給部2の導入管2cに流入し、導入管2cを通って空気圧駆動ポンプ2bに流入する。
空気圧駆動ポンプ2bは、導入管2cを介して導入される所定圧力の圧縮空気によって作動し、消火剤液容器2a内の消火剤液Lを吸入管2b1を介して吸入すると共に、吸入した消火剤液Lを一定の流量及び圧力で吐出管2b2に吐出する。そして、吐出管2b2に吐出された消火剤液Lは、吐出管2b2を通って、液供給口1eから混合部1の内部に流入する。その際、空気圧駆動ポンプ2bから吐出される消火剤液Lの流量が所定流量よりも過量である場合は、上述のように、過量分の消火剤液Lが液戻し部2eから消火剤液容器2a内に戻される。
上記のようにして、船舶に装備された有圧水供給源から供給される有圧水と、消火剤液供給部2から加圧供給される所定流量の消火剤液Lと、船舶に装備された圧縮空気供給源から圧縮空気供給部3を介して供給される所定流量の圧縮空気とが、混合部1内で混合されることにより消火泡が生成される。そして、混合部1内で生成された消火泡は、混合部1の泡吐出口1bから消火用ホースに吐出され、消火用ホースの先端部に設けられた消火泡放出ノズルから外部に放出する。混合部1内で生成される消火泡の発泡倍率は、混合部1に供給する有圧水の流量を水量調整コック1dで調整することによって、消火に適した適正倍率に調整することができる。あるいは、混合部1に供給する有圧水の流量を一定にし、混合部1に供給する圧縮空気の流量を空気流量調整弁3dで調整することによって、消火に適した適正な発泡倍率に調整することもできる。
この実施形態のCAFS装置は、船舶に装備された有圧水供給源から供給される有圧水と、船舶に装備された圧縮空気供給源から供給される圧縮空気により作動して消火泡を生成することができる。より具体的には、この実施形態のCAFS装置は、船舶に装備された有圧水供給源からの有圧水を混合部1に供給し、消火剤液供給部2により消火剤液Lを混合部1に加圧供給し、船舶に装備された圧縮空気供給源からの圧縮空気を圧縮空気供給部3を介して混合部1に供給し、有圧水、消火剤液L及び圧縮空気を混合部1内で混合することにより消火泡を生成する。しかも、混合部1に消火剤液Lを加圧供給する手段として空気圧駆動ポンプ2bを用い、船舶に装備された圧縮空気供給源からの圧縮空気を空気圧駆動ポンプ2bの駆動源として利用する。そして、このような構成を有することにより、この実施形態のCAFS装置は、混合部に水を加圧供給する水ポンプ、混合部に圧縮空気を供給するエアーコンプレッサ、および、消火剤液ポンプの駆動源(駆動モータ等)を装備する必要がなく、全体として小型・軽量な構造にすることができ、また、安価に製造することができる。そのため、この実施形態のCAFS装置は、配置に必要なスペースが少なく、船舶内の限られたスペース内でも配置スペースを容易に確保することができ、また、船舶内の狭い通路や車を満載した駐車スペース内での移動も比較的容易である。これにより、CAFS装置をできるだけ火災発生区域に近い位置に配置して作動させて、効果的な消火作業を行うことが可能となる。また、安価であることから、複数台のCAFS装置を船舶内に常備し、例えば、船舶内の各階や駐車スペース等にそれぞれCAFS装置を常備しておくことにより、より迅速な消火作業を行うことが可能となる。さらに、この実施形態のCAFS装置は、電気機器を用いずに構成することができるので、電気配線がなく、消火作業中の漏電の心配もない。
図4及び図5は、上述した第1の実施形態のCAFS装置をキャスター付きのキャリアー5に搭載してユニット化した、第2の実施形態に係る可搬式の消火泡生成装置ユニット(以下、「CAFS装置ユニット」という。)を示している。
キャリアー5は、金属製や樹脂製等のフレーム材(パイプ材や中実材等)で形成され、基台部5aと、基台部5aの背面側の背面部5bと、基台部5aの両側面側の側面部5cと、背面部5bに設けられたハンドル(取手)5dとを備えている。基台部5aの下部には、キャスター5a1が背面側に、ストッパスタンド5a2が正面側に、それぞれ設けられている。この実施形態において、基台部5aの一部(周囲部分)および背面部5bは第1フレーム材51で構成され、基台部5aの一部(中央部分)および側面部5cの一部(中央部分)は第2フレーム材52で構成され、側面部5cの一部(正面側及び上側部分)は第3フレーム材53で構成されている。また、図5(a)に示すように、ハンドル5dは、背面部5bの両側部にそれぞれ設けられたスライドブッシュ5b1と固定具5b2により、上下方向の位置を自在に調整して、背面部5bに固定できるようになっている。
CAFS装置を構成する混合部1、消火液容器2aおよび空気圧駆動ポンプ2bは、基台5a上に配置され、適宜の固定手段で基台5a上に固定される。そして、導入管2c、吸入管2b1、吐出管2b2、空気導入管3a等の配管部品が上記の機器に接続された状態でキャリアー5内に配置される(図示省略)。CAFS装置をキャリアー5に搭載した状態で、CAFS装置の上部側に形成されるスペースSは、消火用ホースの収容スペースとして利用することができる。
図6に示すように、この実施形態において、混合部1は、給水口1aと泡吐出口1bとが同じ方向を向くように形成されている。同図に示す例では、給水口1aを含む部分と水量調整コック1dを含む部分とがエルボ1gで接続され、水量調整コック1dを含む部分と泡吐出口1bを含む部分とがエルボ1hで接続されている。これにより、混合部1の形態は全体としてU字形又はコ字形になり、U字形又はコ字形の一端側の給水口1aと他端側の泡吐出口1bとが同じ方向(同図で右方向)を向くようになる。そして、このような形態の混合部1が、図4(a)に示すように、給水口1aおよび泡吐出口1bの双方がキャリアー5の正面側を向き、かつ、給水口1aが上側、泡吐出口1bが下側に位置する姿勢で、基台2a上に固定されている。
この実施形態のCAFS装置ユニットは、前述した小型・軽量で安価な第1の実施形態のCAFS装置をキャスター付きのキャリアー5に搭載してユニット化し、手押し走行可能にしたものであり、小型・軽量、安価で、配置に必要なスペースが少なく、可搬性に優れ、船舶内でのより迅速で効果的な消火作業を可能にする。また、混合部1の給水口1aおよび泡吐出口1bの双方がキャリアー5の正面側に設けられているので、キャリアー5の背面側または側面側を船舶内の壁面に接近させた状態で、CAFS装置ユニットを配置することができ、これにより、船舶内の限られたスペースを有効利用することができる。また、混合部1は、給水口1aを上側、泡吐出口1bを下側にして設置されているので、消火作業後に混合部1内に残った排液を泡吐出口1bから速やかに排出することができる。
尚、混合部1は、給水口1aおよび泡吐出口1bの双方がキャリアー5の側面側、背面側、または、上面側を向くように設置してもよい。
また、図6に示す混合部1では、エルボ1hの下流側に液供給口1eと空気供給口1fを設けているが、エルボ1hの上流側(水量調整コック1dの下流側)に液供給口1eと空気供給口1fを設けるようにしてもよい。そうすることにより、水、消火剤液及び圧縮空気がエルボ1hの上流側で混合され、その混合流体がエルボ1hを通過する際の流路抵抗で効果的に攪拌混合されて、消火泡の生成効率が高められる。また、図6に示す混合部1において、液供給口1eと空気供給口1fとの位置関係は、液供給口1eが上流側、空気供給口1fが下流側であり、有圧水に消火剤液が混合された後、圧縮空気が混合される構成になっているが、液供給口1eと空気供給口1fを、有圧水の流れ方向に対して同位置に配置し、有圧水に消火剤液と圧縮空気を同時に混合する構成にしてもよい。
図7は、第3の実施形態に係る可搬式のCAFS装置ユニットを示している。この実施形態のCAFS装置ユニットが第2の実施形態のCAFS装置ユニットと異なる点は、ハンドル5dを背面部5bに対して起伏動可能にすると共に、背面部5bの側にショルダーストラップ5sを設けて、手押し走行方式と背負い方式とを選択可能にした点にある。ハンドル5dの両端部は、背面部5bの両側部にそれぞれ設けられた枢軸ピン5b3に回動自在に装着されており、ハンドル5dは、背面部5bに対して起伏する方向に回動させることができる。同図に示すように、ハンドル5dを枢軸ピン5b3回りに伏方向に回動させて背面部5bに重ねると、背負い方式になる。作業者は背中を背面部5bにあてがい、ショルダーストラップ5sを肩にかけてCAFS装置ユニットを背負い、火災発生区域又はその近くの位置まで移動することができる。そして、その位置で、CAFS装置ユニットを背負ったまま、あるいは、CAFS装置ユニットを床等に載置して、消火活動を行うことができる。一方、ハンドル5dを枢軸ピン5b3回りに起方向に回動させ、保持具5b4に嵌めて保持すると、第2の実施形態のCAFS装置ユニットと同様の手押し走行方式になる。このように、この実施形態のCAFS装置ユニットは、手押し走行方式と背負い方式とを選択可能なものであるが、キャスター5a1とハンドル5dを省略して、背負い方式専用にしてもよい。その他の事項は第2の実施形態のCAFS装置ユニットに準じるので、重複する説明を省略する。
図8は、消火剤液供給部2の消火剤液ポンプとして水圧駆動ポンプ2b’を用いたCAFS装置の構成例を示している。水圧駆動ポンプ2b’は、船舶に装備された有圧水供給源から供給される有圧水によって駆動される。例えば、有圧水供給源から供給される有圧水の一部は、混合部1の逆止弁1cよりも上流側の部位で導入管2c’に分岐され、導入管2c’を介して水圧駆動ポンプ2b’に供給される。その他の事項は、第1の実施形態のCAFS装置に準じるので、重複する説明を省略する。
本発明のCAFS装置及びCAFS装置ユニットは、船舶用途に限らず、消防車両に搭載することもできる(消防車両用途)。消防車両に消火水ポンプとエアーコンプレッサが装備されている場合は、消火水ポンプを有圧水供給源として用い、エアーコンプレッサを圧縮空気供給源として用いることができる。消防車両にエアーコンプレッサが装備されていない場合は、消火水ポンプを有圧水供給源として用い、作業者が携帯する空気ボンベや可搬式のエアーコンプレッサ等を圧縮空気供給源として用いることができる。また、建築物(ビル、工場、倉庫等)に消火栓や圧縮空気取出口等が装備されている場合は、消防車両に装備されている消火水ポンプ等を用いずに、上記の消火栓や圧縮空気取出口を有圧水供給源や圧縮空気供給源として用いることができる。また、本発明のCAFS装置及びCAFS装置ユニットは、消火栓や圧縮空気取出口等が装備されている建築物(ビル、工場、倉庫等)に常備するようにしてもよい。
1 混合部
1a 給水口
1b 泡吐出口
1d 水量調整コック
2 消火剤液供給部
2a 消火剤液容器
2b 空気圧駆動ポンプ
2b’水圧駆動ポンプ
2c 導入管
2c’ 導入管
2c1 分岐管
3 圧縮空気供給部
3a 空気導入管
3d 空気流量調整弁
5 キャリアー
5a 基台部
5a1 キャスター
5b 背面部
5d ハンドル
5s ショルダーストラップ
1a 給水口
1b 泡吐出口
1d 水量調整コック
2 消火剤液供給部
2a 消火剤液容器
2b 空気圧駆動ポンプ
2b’水圧駆動ポンプ
2c 導入管
2c’ 導入管
2c1 分岐管
3 圧縮空気供給部
3a 空気導入管
3d 空気流量調整弁
5 キャリアー
5a 基台部
5a1 キャスター
5b 背面部
5d ハンドル
5s ショルダーストラップ
Claims (10)
- 水、消火剤液及び圧縮空気を混合することにより消火泡を生成する混合部と、前記混合部に消火剤液を供給する消火剤液供給部と、前記混合部に圧縮空気を供給する圧縮空気供給部とを備えた消火泡生成装置であって、
前記混合部は、装置外部の有圧水供給源から有圧水が供給される給水口と、該混合部内で生成された消火泡を吐出する泡吐出口とを備え、
前記消火剤液供給部は、消火剤液を収容する消火剤液容器と、前記消火剤液容器内の消火剤液を前記混合部に所要の圧力で送る空気圧駆動又は水圧駆動のポンプと、前記有圧水供給源からの有圧水または装置外部の圧縮空気供給源からの圧縮空気を前記ポンプに導入する導入管とを備え、
前記圧縮空気供給部は、前記圧縮空気供給源からの圧縮空気を前記混合部に導入する空気導入管を備えていることを特徴とする消火泡生成装置。 - 前記ポンプが空気圧駆動ポンプであり、前記消火剤液供給部の前記導入管は、前記圧縮空気供給部の前記空気導入管に分岐接続されていることを特徴とする請求項1に記載の消火泡生成装置。
- 前記圧縮空気供給部の前記空気導入管に空気流量調整弁が介装されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の消火泡生成装置。
- 前記混合部に、前記有圧水の供給量を調整する水量調整弁が設けられていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の消火泡生成装置。
- 船舶火災の消火に用いられる請求項1から4の何れか1項に記載の消火泡生成装置であって、船舶に装備された前記有圧水供給源からの有圧水と船舶に装備された前記圧縮空気供給源からの圧縮空気により作動することを特徴とする消火泡生成装置。
- 請求項1から5の何れか1項に記載の消火泡生成装置をキャリアーに搭載してユニット化した可搬式の船舶用消火泡生成装置ユニット。
- 前記キャリアーは、キャスター付きの基台部と、前記基台部の一端から上方に延びた背面部と、前記背面部に設けられたハンドルとを含むことを特徴とする請求項6に記載の消火泡生成装置ユニット。
- 前記キャリアーにショルダーストラップが設けられていることを特徴とする請求項6又は7に記載の消火泡生成装置ユニット。
- 前記混合部の前記給水口及び前記泡吐出口の双方が、前記キャリアーの正面側、側面側、背面側及び上面側のうち、何れか一の面側に設けられていることを特徴とする請求項6から8の何れか1項に記載の消火泡生成装置ユニット。
- 前記船舶用消火泡生成装置の上部側に、消火用ホースの収納スペースが設けられていることを特徴とする請求項6から9の何れか1項に記載の船舶用消火泡生成装置ユニット。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2019136258A JP2021019666A (ja) | 2019-07-24 | 2019-07-24 | 消火泡生成装置及び消火泡生成装置ユニット |
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JP2021019666A true JP2021019666A (ja) | 2021-02-18 |
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-
2019
- 2019-07-24 JP JP2019136258A patent/JP2021019666A/ja active Pending
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