以下、本発明の一実施形態を説明する。
まず、図1〜図6を参照して、本発明の一実施形態による判定方法を実行可能な判定システム100の構成について説明する。
判定システム100は、スイッチの照明透過部によって表される記号の輝度ムラを判定するように構成されている。スイッチは、たとえば車両(図示省略)の車室内に設置可能に構成され、ユーザによって操作される操作面を有する。スイッチの操作面には照明透過部が設けられ、その照明透過部によって表される記号によりスイッチの機能がユーザに報知されるようになっている。この判定システム100による輝度ムラの判定が行われるスイッチの記号の一例としては、スイッチ51〜55の記号Si1〜Si5(図2〜図6参照)を挙げることができる。
スイッチ51では、図2に示すように、操作面に照明透過部51aが設けられ、内部に光源(図示省略)が設けられている。照明透過部51aは、スピーカの形状を模した図形状に形成されている。そして、スイッチ51は、スピーカスイッチであり、イルミネーションオン時に照明透過部51aによって表される記号Si1が点灯されるようになっている。記号Si1は、スイッチ51内の光源から照明透過部51aを介して外部に出射される光によって構成される。
スイッチ52では、図3に示すように、操作面に照明透過部52aおよび52bが設けられ、内部に光源(図示省略)が設けられている。照明透過部52aは、シートの形状を模した図形状に形成され、照明透過部52bは、ファンの形状を模した図形状に形成されている。そして、スイッチ52は、シートベンチレーションスイッチであり、イルミネーションオン時に照明透過部52aおよび52bによって表される記号Si2が点灯されるようになっている。記号Si2は、スイッチ52内の光源から照明透過部52aおよび52bを介して外部に出射される光によって構成される。
スイッチ53では、図4に示すように、操作面に照明透過部53aおよび53bが設けられ、内部に光源(図示省略)が設けられている。照明透過部53aおよび53bは、格納状態のドアミラーの形状を模した図形状に形成されている。そして、スイッチ53は、ドアミラー格納スイッチであり、イルミネーションオン時に照明透過部53aおよび53bによって表される記号Si3が点灯されるようになっている。記号Si3は、スイッチ53内の光源から照明透過部53aおよび53bを介して外部に出射される光によって構成される。
スイッチ54では、図5に示すように、操作面に照明透過部54aおよび54bが設けられ、内部に光源(図示省略)が設けられている。照明透過部54aは、英文字「O」の形状を模した文字状に形成され、照明透過部54bは、英文字「K」の形状を模した文字状に形成されている。そして、スイッチ54は、決定スイッチであり、イルミネーションオン時に照明透過部54aおよび54bによって表される記号Si4が点灯されるようになっている。記号Si4は、スイッチ54内の光源から照明透過部54aおよび54bを介して外部に出射される光によって構成される。
スイッチ55では、図6に示すように、操作面に照明透過部55a〜55gが設けられ、内部に光源(図示省略)が設けられている。照明透過部55aは、英文字「P」の形状を模した文字状に形成され、照明透過部55bは、英文字「O」の形状を模した文字状に形成され、照明透過部55cは、英文字「W」の形状を模した文字状に形成され、照明透過部55dは、英文字「E」の形状を模した文字状に形成され、照明透過部55eは、英文字「R」の形状を模した文字状に形成されている。また、照明透過部55fおよび55gは、照明透過部55fが切欠を有する円形状に形成されるとともに、照明透過部55gがその切欠に配置される棒状に形成されており、全体で電源マークの図形状に形成されている。そして、スイッチ55は、パワースイッチであり、イルミネーションオン時に照明透過部55a〜55gによって表される記号Si5が点灯されるようになっている。記号Si5は、スイッチ55内の光源から照明透過部55a〜55gを介して外部に出射される光によって構成される。
上記で例示したように、判定システム100により輝度ムラが判定される記号は、図形および文字を含んでいる。記号における図形は、複数の構成要素によって構成されている場合があり、その場合には、各構成要素が独立した1つのものとして認識される場合と、複数の構成要素の組合せで1つのものと認識される場合とがある。
たとえば、記号Si1(図2参照)は図形のみであり、その図形は1つの構成要素によって構成されている。記号Si2(図3参照)は図形のみであり、その図形は2つの構成要素によって構成され、その2つの構成要素は個別のものと認識される。具体的には、記号Si2の図形は、シートの図形とファンの図形との組合せと認識される。記号Si3(図4参照)は図形のみであり、その図形は2つの構成要素によって構成され、その2つの構成要素の組合せで1つのものと認識される。具体的には、記号Si3の図形は、全体で格納状態のドアミラーの図形と認識される。記号Si4(図5参照)は文字のみであり、各文字は個別のものと認識される。記号Si5(図6参照)は図形および文字の組合せであり、図形は2つの構成要素によって構成され、その2つの構成要素の組合せで1つのものと認識され、各文字は個別のものと認識される。なお、記号Si5の図形は、全体で電源マークの図形と認識される。
判定システム100は、図1に示すように、撮像装置1および判定装置2を備え、スイッチの照明透過部によって表される記号の輝度ムラをその記号の撮像画像に基づいて判定するように構成されている。
撮像装置1は、判定対象のスイッチの記号を点灯させた状態で撮像するように構成されている。すなわち、撮像装置1は、照明透過部から光が出射されている状態の記号を撮像するようになっている。具体的に、撮像装置1は、記号を含む操作面の所定領域を撮像し、その撮像結果(撮像画像)を判定装置2に送信するように構成されている。なお、撮像装置1による記号の撮像は、車両に設置される前のスイッチ単独の状態で行われるようにしてもよいし、車両に組み付けられた状態のスイッチに対して行われるようにしてもよい。
判定装置2は、撮像装置1により撮像された撮像画像に基づいて記号の輝度ムラを判定するように構成されている。具体的に、判定装置2は、判定対象のスイッチが撮像された撮像画像に対して後述する判定方法を行うことにより、記号における輝度ムラの有無を判定するように構成されている。この判定装置2は、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、画像処理部24とを含んでいる。
制御部21は、演算処理を実行することにより判定装置2を制御するように構成されている。記憶部22には、撮像装置1により撮像された撮像画像などが格納されている。通信部23は、撮像装置1と通信するために設けられ、撮像装置1から撮像画像を受信するように構成されている。画像処理部24は、撮像画像に対して各種処理を施すように構成されている。
−判定方法−
次に、図7〜図11を参照して、本実施形態による判定方法について説明する。この判定方法は、判定対象のスイッチの照明透過部によって表される記号の輝度ムラを、撮像装置1により撮像された撮像画像に基づいて判定するものである。なお、判定方法は、たとえば判定対象のスイッチ毎(撮像画像毎)に行われる。
まず、図7のステップS1において、画像処理部24(図1参照)により、撮像画像における各セル(各画素)の輝度情報が算出される。この撮像画像は、判定対象のスイッチの記号を含む操作面が撮像装置1によって撮影された画像である。なお、撮像画像において、操作面の照明透過部以外の部分と対応する領域のセルは、操作面の照明透過部と対応する領域のセルに比べて、輝度が非常に低くなっている。
次に、ステップS2において、画像処理部24により、撮像画像において記号と対応する領域(照明透過部と対応する領域)のセルの輝度情報が抽出される。たとえば、算出された輝度情報を用いて操作面の照明透過部と照明透過部以外の部分とを区分可能であり、操作面の照明透過部以外の部分と対応する領域のセルに関する輝度情報が取り除かれる。
次に、ステップS3において、制御部21(図1参照)により、抽出された記号と対応する領域のセルの平均輝度が算出される。たとえば、操作面の照明透過部と対応する領域の各セルの輝度情報に基づいてその領域の平均輝度を算出し、平均輝度を100として領域の各セルを輝度情報に応じてスコア化する。このため、記号と対応する領域において、平均輝度よりも輝度が高いセルには100よりも高いスコアが割り当てられ、平均輝度よりも輝度が低いセルには100よりも低いスコアが割り当てられる。図11は、スイッチ53(図4参照)の撮像画像から記号Si3(図4参照)が抽出された後に、記号Si3と対応する領域のセルがスコア化された状態における、照明透過部53b(図4参照)と対応する領域Rを拡大して示した図である。領域Rの各セルCには平均輝度に対するスコアが表示され、領域Rの周囲のセル(照明透過部以外の部分と対応する領域のセル)Cは輝度情報が除去されてブランクになっている。なお、領域Rの全てのセルCのスコアが100よりも低いが、記号Si3と対応する領域の平均輝度が100であることから、この場合、照明透過部53a(図4参照)と対応する領域にスコアが100よりも高いセルがある。
次に、ステップS4において、制御部21により、記号と対応する領域の中から低輝度セルが検出される。たとえば、記号と対応する領域において、スコアが所定値未満(たとえば、80未満)のセルが低輝度セルとして検出される。図11の例では、領域Rの全てのセルCが低輝度セルとして検出され、この場合には、照明透過部53aと対応する領域に低輝度セルとして検出されないセルが存在する。
次に、ステップS5において、制御部21により、低輝度セルが集まっているか否かが判断される。たとえば、低輝度セルが2行2列の4セル以上集合している場合(低輝度セルが田の字状に集合している場合)に、低輝度セルが集まっていると判断される。そして、低輝度セルが集まっていると判断された場合には、ステップS6に移る。その一方、低輝度セルが集まっていないと判断された場合(低輝度セルが無い場合や低輝度セルが分散されている場合)には、ステップS10に移る。
次に、ステップS6において、制御部21により、記号全体で輝度ムラが判定される。この輝度ムラの判定は以下の式(1)を用いて行われる。
式(1)において、Saは、記号と対応する領域の面積(記号全体の面積)であり、Sadは、記号と対応する領域における低輝度セルの面積(低輝度面積)である。また、aとbとcとは、それぞれ予め設定された係数である。このため、式(1)では、記号全体の面積に対する低輝度面積の割合と低輝度面積の大きさとが輝度ムラの有無を判定するための特徴量として設定されており、ユーザが受ける刺激の強度がウェーバー−フェヒナーの法則を用いて感覚量に置き換えられている。式(1)の第1項は、記号全体の面積に対する低輝度面積の割合を刺激の強度とした場合の感覚量に相当し、式(1)の第2項は、低輝度面積の大きさを刺激の強度とした場合の感覚量に相当する。
上記した式(1)は、以下の式(2)に変換可能である。そして、たとえば、式(2)のFa>0の場合には、記号全体で輝度ムラ有りと判定され、式(2)のFa≦0の場合には、記号全体で輝度ムラ無しと判定される。
次に、ステップS7において、制御部21により、記号全体で輝度ムラ有りと判定されたか否かが判断される。そして、記号全体で輝度ムラ有りと判定された場合には、ステップS8に移る。その一方、記号全体で輝度ムラ無しと判定された場合には、図10のステップS31に移る。
次に、ステップS8において、記号が図形および文字の組合せであるか否かが判断される。この判断は、たとえばユーザによって行われる。そして、記号が図形および文字の組合せではないと判断された場合(記号が図形または文字のみからなる場合)には、ステップS9に移る。その一方、記号が図形および文字の組合せであると判断された場合には、図8のステップS11に移る。なお、記号が図形または文字のみからなる場合の一例としては、記号Si1(図2参照)、記号Si2(図3参照)、記号Si3(図4参照)および記号Si4(図5参照)を挙げることができ、記号が図形および文字の組合せである場合の一例としては、記号Si5(図6参照)を挙げることができる。
そして、記号全体で輝度ムラ有りと判定され、記号が図形または文字のみからなる場合(ステップS8:No)には、記号を分割して再検討を行うまでもないことから、ステップS9において、記号に輝度ムラが有ると判定される。その後、エンドに移る。
また、低輝度セルが無い場合や低輝度セルが分散されている場合(ステップS5:No)には、ステップS10において、記号に輝度ムラが無いと判定される。その後、エンドに移る。
次に、記号全体で輝度ムラ有りと判定され、記号が図形および文字の組合せである場合(ステップS8:Yes)には、記号を分割して再検討が行われる。まず、記号に含まれる文字について1文字ずつ輝度ムラが判定される。なお、記号に含まれる文字の一例としては、図5の「OK」および図6の「POWER」を挙げることができる。
具体的には、図8のステップS11において、制御部21により、1文字についての輝度ムラが判定される。この輝度ムラの判定は以下の式(3)を用いて行われる。なお、判定対象の文字は、たとえばユーザによって指定される。
式(3)において、Scは、判定対象の1文字と対応する領域の面積であり、Scdは、判定対象の1文字と対応する領域における低輝度セルの面積である。そして、たとえば、式(3)のFc>0の場合には、1文字について輝度ムラ有りと判定され、式(3)のFc≦0の場合には、1文字について輝度ムラ無しと判定される。
次に、ステップS12において、制御部21により、1文字について輝度ムラ有りと判定されたか否かが判断される。そして、1文字について輝度ムラ有りと判定された場合には、図7のステップS9において、記号に輝度ムラが有ると判定される。その一方、1文字について輝度ムラ無しと判定された場合には、ステップS13に移る。
次に、ステップS13において、記号に含まれる文字を全て判定したか否かが判断される。この判断は、たとえばユーザによって行われる。そして、記号に含まれる文字が全て判定されたと判断された場合には、記号に含まれる図形について判定するために、ステップS14に移る。その一方、記号に含まれる文字において判定されていない文字があると判断された場合には、残りの文字の輝度ムラを判定するために、ステップS11に戻る。すなわち、記号における少なくとも1文字で輝度ムラ有りと判定された場合に図7のステップS9に移り、記号における全ての文字で輝度ムラ無しと判定された場合にステップS14に移る。なお、記号における各文字は、本発明の「判定対象部」の一例である。
次に、ステップS14において、図形が分離された複数の構成要素を有するか否かが判断される。この判断は、たとえばユーザによって行われる。そして、図形が複数の構成要素を有しないと判断された場合(図形が1つの構成要素によって構成されている場合)には、ステップS15に移る。その一方、図形が複数の構成要素を有すると判断された場合には、ステップS19に移る。なお、図形が1つの構成要素によって構成されている場合の一例としては、図2のようなスピーカの図形を挙げることができ、図形が複数の構成要素を有する場合の一例としては、図3のようなシートベンチレーションの図形、図4のような格納状態のドアミラーの図形、および、図6のような電源マークの図形を挙げることができる。
次に、ステップS15において、判定対象の図形が線対称であるか否かが判断される。この判断は、たとえばユーザによって行われる。そして、図形が線対称であると判断された場合には、ステップS16に移る。その一方、図形が線対称ではないと判断された場合には、ステップS17に移る。なお、図形が線対称である場合の一例としては、図2のようなスピーカの図形を挙げることができる。また、線対称の図形には、図2のスピーカの図形のように上下対称な図形に加えて、左右対称な図形も含まれる。
次に、ステップS16において、制御部21により、線対称の図形を対称軸で分割してそれぞれについて輝度ムラが判定される。この輝度ムラの判定は以下の式(4)および(5)を用いて行われる。
式(4)において、Sfaは、判定対象の図形の対称軸に対する一方側と対応する領域の面積であり、Sfadは、判定対象の図形の対称軸に対する一方側と対応する領域における低輝度セルの面積である。そして、たとえば、式(4)のFfa>0の場合には、図形の一方側について輝度ムラ有りと判定され、式(4)のFfa≦0の場合には、図形の一方側について輝度ムラ無しと判定される。
式(5)において、Sfbは、判定対象の図形の対称軸に対する他方側と対応する領域の面積であり、Sfbdは、判定対象の図形の対称軸に対する他方側と対応する領域における低輝度セルの面積である。そして、たとえば、式(5)のFfb>0の場合には、図形の他方側について輝度ムラ有りと判定され、式(5)のFfb≦0の場合には、図形の他方側について輝度ムラ無しと判定される。
そして、図形の一方側について輝度ムラ有りと判定された場合、および、図形の他方側について輝度ムラ有りと判定された場合には、図形について輝度ムラ有りと判定される。なお、図形の一方側について輝度ムラ無しと判定され、かつ、図形の他方側について輝度ムラ無しと判定された場合には、図形について輝度ムラ無しと判定される。
また、図形が線対称ではない場合(ステップS15:No)には、ステップS17において、制御部21により、図形について輝度ムラが判定される。この輝度ムラの判定は以下の式(6)を用いて行われる。
式(6)において、Sfは、判定対象の図形と対応する領域の面積であり、Sfdは、判定対象の図形と対応する領域における低輝度セルの面積である。そして、たとえば、式(6)のFf>0の場合には、図形について輝度ムラ有りと判定され、式(6)のFf≦0の場合には、図形について輝度ムラ無しと判定される。
次に、ステップS18において、制御部21により、図形について輝度ムラ有りと判定されたか否かが判断される。そして、図形について輝度ムラ有りと判定された場合には、図7のステップS9において、記号に輝度ムラが有ると判定される。その一方、図形について輝度ムラ無しと判定された場合には、図7のステップS10において、記号に輝度ムラが無いと判定される。なお、記号における図形、図形が線対称である場合における図形の対称軸に対する一方側および他方側は、本発明の「判定対象部」の一例である。
また、図形が複数の構成要素を有する場合(ステップS14:Yes)には、ステップS19において、各構成要素が独立した1つのものとして認識されるか否かが判断される。この判断は、たとえばユーザによって行われる。そして、各構成要素が独立した1つのものとして認識されると判断された場合(単独で1つのものとして認識される場合)には、ステップS20に移る。その一方、各構成要素が独立した1つのものとして認識されないと判断された場合(組合せで1つのものとして認識される場合)には、図9のステップS25に移る。なお、単独で1つのものとして認識される場合の一例としては、図3のようなシートベンチレーションを構成するシートの図形およびファンの図形を挙げることができ、組合せで1つのものとして認識される場合の一例としては、図4のような格納状態のドアミラーの図形、および、図6のような電源マークの図形を挙げることができる。
次に、ステップS20において、判定対象の構成要素が線対称であるか否かが判断される。判定対象の構成要素は、たとえばユーザによって指定され、その構成要素が線対称であるか否かは、たとえばユーザによって判断される。そして、構成要素が線対称であると判断された場合には、ステップS21に移る。その一方、構成要素が線対称ではないと判断された場合には、ステップS22に移る。なお、線対称の構成要素には、上下対称な構成要素および左右対称な構成要素が含まれる。
次に、ステップS21において、制御部21により、線対称の構成要素を対称軸で分割してそれぞれについて輝度ムラが判定される。この輝度ムラの判定は以下の式(7)および(8)を用いて行われる。
式(7)において、Sfpaは、判定対象の構成要素の対称軸に対する一方側と対応する領域の面積であり、Sfpadは、判定対象の構成要素の対称軸に対する一方側と対応する領域における低輝度セルの面積である。そして、たとえば、式(7)のFfpa>0の場合には、構成要素の一方側について輝度ムラ有りと判定され、式(7)のFfpa≦0の場合には、構成要素の一方側について輝度ムラ無しと判定される。
式(8)において、Sfpbは、判定対象の構成要素の対称軸に対する他方側と対応する領域の面積であり、Sfpbdは、判定対象の構成要素の対称軸に対する他方側と対応する領域における低輝度セルの面積である。そして、たとえば、式(8)のFfpb>0の場合には、構成要素の他方側について輝度ムラ有りと判定され、式(8)のFfpb≦0の場合には、構成要素の他方側について輝度ムラ無しと判定される。
そして、構成要素の一方側について輝度ムラ有りと判定された場合、および、構成要素の他方側について輝度ムラ有りと判定された場合には、構成要素について輝度ムラ有りと判定される。なお、構成要素の一方側について輝度ムラ無しと判定され、かつ、構成要素の他方側について輝度ムラ無しと判定された場合には、構成要素について輝度ムラ無しと判定される。
また、構成要素が線対称ではない場合(ステップS20:No)には、ステップS22において、制御部21により、構成要素について輝度ムラが判定される。この輝度ムラの判定は以下の式(9)を用いて行われる。
式(9)において、Sfpは、判定対象の構成要素と対応する領域の面積であり、Sfpdは、判定対象の構成要素と対応する領域における低輝度セルの面積である。そして、たとえば、式(9)のFfp>0の場合には、構成要素について輝度ムラ有りと判定され、式(9)のFfp≦0の場合には、構成要素について輝度ムラ無しと判定される。
次に、ステップS23において、制御部21により、構成要素について輝度ムラ有りと判定されたか否かが判断される。そして、構成要素について輝度ムラ有りと判定された場合には、図7のステップS9において、記号に輝度ムラが有ると判定される。その一方、構成要素について輝度ムラ無しと判定された場合には、ステップS24に移る。
次に、ステップS24において、記号に含まれる図形の構成要素を全て判定したか否かが判断される。この判断は、たとえばユーザによって行われる。そして、図形における全ての構成要素が判定されたと判断された場合には、図7のステップS10において、記号に輝度ムラが無いと判定される。その一方、図形を構成する構成要素において判定されていないものがあると判断された場合には、残りの構成要素の輝度ムラを判定するために、ステップS20に戻る。すなわち、図形の構成要素の少なくとも1つで輝度ムラ有りと判定された場合に図7のステップS9に移り、図形の構成要素の全てで輝度ムラ無しと判定された場合に図7のステップS10に移る。なお、記号の図形における構成要素、構成要素が線対称である場合における構成要素の対称軸に対する一方側および他方側は、本発明の「判定対象部」の一例である。
また、各構成要素が独立した1つのものとして認識されない場合(ステップS19:No)には、図9のステップS25において、制御部21により、構成要素毎に平均輝度を算出して低輝度セルの再検出が行われる。たとえば、図4に示すような格納状態のドアミラーの図形の場合には、照明透過部53aおよび53b(図4参照)と対応する領域毎に平均輝度が算出されて低輝度セルが再検出される。具体的には、照明透過部53aと対応する領域では、その領域内の各セルの輝度情報に基づいて平均輝度が算出され、その平均輝度を用いてその領域内の各セルをスコア化して低輝度セルが検出される。また、照明透過部53bと対応する領域では、その領域内の各セルの輝度情報に基づいて平均輝度が算出され、その平均輝度を用いてその領域内の各セルをスコア化して低輝度セルが検出される。このため、たとえば低輝度セルの集合であった領域R(図11参照)においてこの再計算が行われると、記号全体での平均輝度に対して領域Rの平均輝度が低いことから、領域Rにおいて低輝度セルが検出されにくくなる。
次に、ステップS26において、判定対象の構成要素が線対称であるか否かが判断される。判定対象の構成要素は、たとえばユーザによって指定され、その構成要素が線対称であるか否かは、たとえばユーザによって判断される。そして、構成要素が線対称であると判断された場合には、ステップS27に移る。その一方、構成要素が線対称ではないと判断された場合には、ステップS28に移る。なお、線対称の構成要素には、上下対称な構成要素および左右対称な構成要素が含まれる。
次に、ステップS27において、制御部21により、線対称の構成要素を対称軸で分割してそれぞれについて輝度ムラが判定される。この輝度ムラの判定は以下の式(10)および(11)を用いて行われる。
式(10)において、Sfpraは、判定対象の構成要素の対称軸に対する一方側と対応する領域の面積であり、Sfpradは、判定対象の構成要素の対称軸に対する一方側と対応する領域における再計算後の低輝度セルの面積である。そして、たとえば、式(10)のFfpra>0の場合には、構成要素の一方側について輝度ムラ有りと判定され、式(10)のFfpra≦0の場合には、構成要素の一方側について輝度ムラ無しと判定される。
式(11)において、Sfprbは、判定対象の構成要素の対称軸に対する他方側と対応する領域の面積であり、Sfprbdは、判定対象の構成要素の対称軸に対する他方側と対応する領域における再計算後の低輝度セルの面積である。そして、たとえば、式(11)のFfprb>0の場合には、構成要素の他方側について輝度ムラ有りと判定され、式(11)のFfprb≦0の場合には、構成要素の他方側について輝度ムラ無しと判定される。
そして、構成要素の一方側について輝度ムラ有りと判定された場合、および、構成要素の他方側について輝度ムラ有りと判定された場合には、構成要素について輝度ムラ有りと判定される。なお、構成要素の一方側について輝度ムラ無しと判定され、かつ、構成要素の他方側について輝度ムラ無しと判定された場合には、構成要素について輝度ムラ無しと判定される。
また、構成要素が線対称ではない場合(ステップS26:No)には、ステップS28において、制御部21により、構成要素について輝度ムラが判定される。この輝度ムラの判定は以下の式(12)を用いて行われる。
式(12)において、Sfprは、判定対象の構成要素と対応する領域の面積であり、Sfprdは、判定対象の構成要素と対応する領域における再計算後の低輝度セルの面積である。そして、たとえば、式(12)のFfpr>0の場合には、構成要素について輝度ムラ有りと判定され、式(12)のFfpr≦0の場合には、構成要素について輝度ムラ無しと判定される。
次に、ステップS29において、制御部21により、構成要素について輝度ムラ有りと判定されたか否かが判断される。そして、構成要素について輝度ムラ有りと判定された場合には、図7のステップS9において、記号に輝度ムラが有ると判定される。その一方、構成要素について輝度ムラ無しと判定された場合には、ステップS30に移る。
次に、ステップS30において、記号に含まれる図形の構成要素を全て判定したか否かが判断される。この判断は、たとえばユーザによって行われる。そして、図形における全ての構成要素が判定されたと判断された場合には、図7のステップS10において、記号に輝度ムラが無いと判定される。その一方、図形を構成する構成要素において判定されていないものがあると判断された場合には、残りの構成要素の輝度ムラを判定するために、ステップS26に戻る。すなわち、図形の構成要素の少なくとも1つで輝度ムラ有りと判定された場合に図7のステップS9に移り、図形の構成要素の全てで輝度ムラ無しと判定された場合に図7のステップS10に移る。なお、記号の図形における構成要素、構成要素が線対称である場合における構成要素の対称軸に対する一方側および他方側は、本発明の「判定対象部」の一例である。
また、記号全体で輝度ムラ無しと判定された場合(図7のステップS7:No)には、記号を分割して再検討を行うために、図10のステップS31において、記号が図形および文字の組合せであるか否かが判断される。この判断は、たとえばユーザによって行われる。そして、記号が図形および文字の組合せではないと判断された場合(記号が図形または文字のみからなる場合)には、ステップS32に移る。その一方、記号が図形および文字の組合せであると判断された場合には、図8のステップS11に移る。
次に、ステップS32において、記号が文字のみからなるか否かが判断される。この判断は、たとえばユーザによって行われる。そして、記号が文字のみからなると判断された場合には、ステップS33に移る。その一方、記号が図形のみからなると判断された場合には、図8のステップS14に移る。
次に、ステップS33において、制御部21により、1文字についての輝度ムラが判定される。この輝度ムラの判定は上記した式(3)を用いて行われる。なお、判定対象の文字は、たとえばユーザによって指定される。そして、たとえば、式(3)のFc>0の場合には、1文字について輝度ムラ有りと判定され、式(3)のFc≦0の場合には、1文字について輝度ムラ無しと判定される。
次に、ステップS34において、制御部21により、1文字について輝度ムラ有りと判定されたか否かが判断される。そして、1文字について輝度ムラ有りと判定された場合には、図7のステップS9において、記号に輝度ムラが有ると判定される。その一方、1文字について輝度ムラ無しと判定された場合には、ステップS35に移る。
次に、ステップS35において、記号に含まれる文字を全て判定したか否かが判断される。この判断は、たとえばユーザによって行われる。そして、記号に含まれる文字が全て判定されたと判断された場合には、図7のステップS10において、記号に輝度ムラが無いと判定される。その一方、記号に含まれる文字において判定されていない文字があると判断された場合には、残りの文字の輝度ムラを判定するために、ステップS33に戻る。なお、記号における各文字は、本発明の「判定対象部」の一例である。
−効果−
本実施形態では、上記のように、照明透過部によって表される記号の構成および形状に応じて複数の判定対象部に分割して、複数の判定対象部毎に輝度ムラを判定することにより、記号の輝度ムラを適切に判定することができる。
具体的には、記号全体で輝度ムラ無しと判定され、記号が文字のみからなる場合には、記号の文字列が分割されて1文字ずつ輝度ムラの判定が行われる。そして、記号に含まれる文字において1文字でも輝度ムラ有りと判定された場合には、記号に輝度ムラが有ると判定される。なお、記号に含まれる全ての文字で輝度ムラ無しと判定された場合には、記号に輝度ムラが無いと判定される。
また、記号全体で輝度ムラ無しと判定され、記号が図形のみからなる場合には、記号の図形が分割されて構成要素毎に輝度ムラの判定が行われる。そして、記号の図形を構成する構成要素において1つでも輝度ムラ有りと判定された場合には、記号に輝度ムラが有ると判定される。なお、記号の図形を構成する全ての構成要素で輝度ムラ無しと判定された場合には、記号に輝度ムラが無いと判定される。
また、記号全体で輝度ムラ無しと判定され、記号が図形および文字の組合せである場合には、記号の文字列を分割して1文字ずつの輝度ムラの判定、および、記号の図形を分割して構成要素毎の輝度ムラの判定が行われる。そして、記号に含まれる文字において1文字でも輝度ムラ有りと判定された場合、および、記号の図形を構成する構成要素において1つでも輝度ムラ有りと判定された場合には、記号に輝度ムラが有ると判定される。なお、記号に含まれる全ての文字で輝度ムラ無しと判定され、かつ、記号の図形を構成する全ての構成要素で輝度ムラ無しと判定された場合には、記号に輝度ムラが無いと判定される。
また、記号全体で輝度ムラ有りと判定され、記号が図形および文字の組合せである場合には、記号の文字列を分割して1文字ずつの輝度ムラの判定、および、記号の図形を分割して構成要素毎の輝度ムラの判定が行われる。そして、記号に含まれる文字において1文字でも輝度ムラ有りと判定された場合、および、記号の図形を構成する構成要素において1つでも輝度ムラ有りと判定された場合には、記号に輝度ムラが有ると判定される。なお、記号に含まれる全ての文字で輝度ムラ無しと判定され、かつ、記号の図形を構成する全ての構成要素で輝度ムラ無しと判定された場合には、記号に輝度ムラが無いと判定される。
このように、記号の文字を1文字ずつ判定すること、および、記号の図形を構成要素毎に判定することによって、記号全体でのみ判定する場合に比べて、輝度ムラの判定精度の向上を図ることができる。
また、図形の構成要素が線対称である場合に、構成要素を対称軸で分割してそれぞれについて輝度ムラを判定することによって、構成要素全体(分割前の構成要素)で判定する場合に比べて、輝度ムラ有りと判定されやすくすることができる。つまり、図形の構成要素が線対称である場合には、輝度ムラによって対称形状の一部が欠けていると、ユーザの経験等に基づく知識(スキーマ)が働いて、その欠けている部分を補完しようとするため、ユーザが輝度ムラに気付きやすいので、輝度ムラ有りと判定されやすくしている。
また、各構成要素が独立した1つのものとして認識されない場合(複数の構成要素の組合せで1つのものとして認識される場合)に、構成要素毎に平均輝度を算出して低輝度セルの再検出を行うことによって、独立した1つのものと認識されない構成要素の輝度ムラの判定が必要以上に厳しくなるのを抑制することができる。すなわち、組合せで1つのものと認識される構成要素については、全体で認識されれば個別に正確に認識される必要性が低いので、単独で1つのものと認識される構成要素の場合に比べて、構成要素の輝度ムラの判定が緩くされて輝度ムラ有りと判定されにくくなっている。
なお、記号全体で輝度ムラ有りと判定され、記号が図形または文字のみからなる場合には、記号を分割して再検討を行うまでもなく、記号に輝度ムラが有ると判定される。
−他の実施形態−
なお、今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、スイッチに設けられた照明透過部によって表される記号の輝度ムラが判定される例を示したが、これに限らず、スイッチ以外に設けられた照明透過部によって表される記号の輝度ムラが判定されるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、車両に設置されるスイッチの記号の輝度ムラが判定される例を示したが、これに限らず、車両以外に設置されるスイッチの記号の輝度ムラが判定されるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、低輝度セルが集まっているか否かを制御部21が判断する例を示したが、これに限らず、低輝度セルが集まっているか否かをユーザが判断するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、記号が図形および文字の組合せであるか否か、および、記号が文字のみからなるか否かをユーザが判断する例を示したが、これに限らず、判定対象の記号に関する情報が判定装置に予め格納されている場合には、記号が図形および文字の組合せであるか否か、および、記号が文字のみからなるか否かを制御部が判断するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、判定対象の文字の指定、および、全ての文字を判定したか否かの判断をユーザが行う例を示したが、これに限らず、記号に含まれる文字に関する情報が判定装置に予め格納されている場合には、判定対象の文字の指定、および、全ての文字を判定したか否かの判断を制御部が行うようにしてもよい。
また、上記実施形態では、図形が複数の構成要素を有するか否かの判断、各構成要素が独立した1つのものとして認識されるか否かの判断、判定対象の構成要素の指定、全ての構成要素を判定したか否かの判断、および、構成要素(図形)が線対称であるか否かの判断を、ユーザが行う例を示したが、これに限らず、記号に含まれる図形に関する情報が判定装置に予め格納されている場合には、図形が複数の構成要素を有するか否かの判断、各構成要素が独立した1つのものとして認識されるか否かの判断、判定対象の構成要素の指定、全ての構成要素を判定したか否かの判断、および、構成要素(図形)が線対称であるか否かの判断を、制御部が行うようにしてもよい。