以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態のコントローラは、エネルギー管理システムに対応するHEMS100に用いられる。まず、このHEMS100について説明する。なお、ここで、HEMSは、Home Energy Management Systemの略である。
HEMS100は、系統と建物と蓄電装置との電力供給制御を行いつつ、建物における電力を管理する。具体的には、図1に示すように、HEMS100は、系統電力源11、系統電力線12、住宅20、電気自動車30、充放電装置40、気象サーバ51、通信ネットワーク52、HEMSコントローラ60および情報サーバ70を備える。
住宅20は、建物に対応しており、発電装置21、宅内電力線22、電力変換装置23、分電盤24、電力消費機器25および住宅電力計26を備えている。
発電装置21は、例えば、太陽光発電装置であって、住宅20の屋根に配置されている。発電装置21は、太陽光のエネルギーを電気エネルギーに変換して、直流電力を発生させる。この発電装置21によって発生した直流電力は、宅内電力線22を介して、電力変換装置23に供給される。なお、この発電装置21によって発生した直流電力は、充放電装置40に供給されてもよい。
電力変換装置23は、住宅20の外部に配置されている。また、電力変換装置23は、変換制御部231を有する。変換制御部231は、マイコン等を主体として構成されており、CPU、ROM、RAM、I/Oおよびこれらの構成を接続するバスライン等を備えている。そして、電力変換装置23は、後述のHEMSコントローラ60からの信号に基づいて、発電装置21から供給される直流電力を交流電力に変換する。この電力変換装置23によって変換された交流電力は、分電盤24に供給される。さらに、電力変換装置23は、後述のHEMSコントローラ60からの信号に基づいて、分電盤24からの交流電力を直流電力に変換する。この電力変換装置23によって変換された直流電力は、充放電装置40に供給される。
分電盤24は、住宅20の内部に配置されている。また、分電盤24は、系統電力源11から系統電力線12を介して送電される交流電力および発電装置21から電力変換装置23を介して送電される交流電力の供給を受ける。そして、分電盤24は、これらの交流電力を電力消費機器25に供給する。
電力消費機器25は、例えば、テレビ、照明器具、空調装置、冷蔵庫または給湯装置等であって、分電盤24からの交流電力によって動作する。
住宅電力計26は、住宅20の外部に配置されている。また、住宅電力計26は、系統電力源11から系統電力線12を介して分電盤24に送電される電力および分電盤24から系統電力線12に送電される電力を計測する。
電気自動車30は、蓄電装置に対応しており、バッテリ31およびバッテリ制御部32を備えている。
バッテリ31は、充放電可能な二次電池であり、例えば、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池である。また、バッテリ31は、図示しない電気自動車30の車輪を回転させるモータに用いられる。このため、バッテリ31の容量は、比較的大きくなっている。
バッテリ制御部32は、マイコン等を主体として構成されており、CPU、ROM、RAM、I/Oおよびこれらの構成を接続するバスライン等を備えている。また、バッテリ制御部32のROMには、バッテリ制御部32が実行するプログラム、電気自動車30の車両識別番号IDおよび電気自動車30の車種が記憶されている。そして、バッテリ制御部32は、ROMに記憶されているプログラムを実行すると、バッテリ31の電池残量SOCを推定することによって、バッテリ31の監視を行う。例えば、バッテリ制御部32は、図示しない電圧測定器によって測定されるバッテリ31の開放電圧に基づいて、電池残量SOCを推定する。
充放電装置40は、住宅20の外部に配置されており、バッテリ31を充放電させる。具体的には、充放電装置40は、充放電ケーブル41、装置電力計42および充放電制御部43を備えている。なお、ここでは、充放電は、充電および放電の両方を示すものとする。
充放電ケーブル41は、図示しない電気自動車30のインレットに接続される。また、充放電ケーブル41は、バッテリ31と電力の授受を行うための電力線およびバッテリ制御部32と充放電制御部43とが通信するための通信線を有している。
装置電力計42は、充放電装置40内に配置されている。また、装置電力計42は、充放電ケーブル41を介してバッテリ31に供給される電力を計測する。さらに、装置電力計42は、バッテリ31から充放電ケーブル41を介して充放電装置40に供給される電力を計測する。
充放電制御部43は、マイコン等を主体として構成されており、CPU、ROM、RAM、I/Oおよびこれらの構成を接続するバスライン等を備えている。また、充放電制御部43は、バッテリ制御部32と通信するためのインターフェースを備えている。充放電制御部43は、ROMに記憶されているプログラムを実行すると、後述のHEMSコントローラ60からの信号に基づいて、バッテリ31の充放電を制御する。なお、図1において、充放電制御部43、バッテリ制御部32および変換制御部231は、ECUと記載されている。
気象サーバ51は、所定期間ごとの天候および日照量等の推移の予測である気象データDwfを作成する。この作成された気象データDwfは、通信ネットワーク52を介して、HEMSコントローラ60に送信される。
HEMSコントローラ60は、電力取得部、履歴取得部、電力推定部、翌日推定部および電力制御部に対応しており、住宅20の内部に配置されている。また、HEMSコントローラ60は、マイコン等を主体として構成されており、CPU、ROM、RAM、I/Oおよびこれらの構成を接続するバスライン等を備えている。さらに、HEMSコントローラ60は、電力変換装置23の変換制御部231、分電盤24、電力消費機器25および住宅電力計26と通信するためのインターフェースを備えている。また、HEMSコントローラ60は、充放電制御部43と通信するためのインターフェースと、通信ネットワーク52を介して気象サーバ51および後述の情報サーバ70と通信するためのインターフェースとを備えている。
そして、HEMSコントローラ60は、後述するように、住宅20に関する各種情報に基づいて、バッテリ31を充放電させるための信号を充放電制御部43に送信する。また、HEMSコントローラ60は、住宅20に関する各種情報を情報サーバ70に送信する。
情報サーバ70は、HEMSコントローラ60から通信ネットワーク52を介して取得した各種情報を蓄積する。
以上のように、HEMS100は、構成されている。このように構成されているHEMS100は、住宅20の電力を管理する。以下、HEMS100による住宅20の電力管理について説明する。
具体的には、HEMS100による電力管理についての説明のため、便宜上、以下のように用語を定義する。
発電装置21によって発電される電力を発電電力Wpvとする。また、ここでは、直流の場合の発電電力Wpvを直流発電電力Wpv_Dと記載する。さらに、交流の場合の発電電力Wpvを交流発電電力Wpv_Aと記載する。電力消費機器25によって消費される電力を消費電力Whとする。発電電力Wpvが電力消費機器25に使用されるときに余剰する電力を余剰電力Weとする。発電電力Wpvが電力消費機器25およびバッテリ31の充電に使用されるときに不足する電力を不足電力Wiとする。バッテリ31が放電するときに発生する電力を放電電力Wdとする。バッテリ31から充放電装置40および電力変換装置23を介して分電盤24に供給される電力を放電出力Wbaとする。また、ここでは、直流の場合の放電出力Wbaを直流放電出力Wba_Dと記載する。さらに、交流の場合の放電出力Wbaを交流放電出力Wba_Aと記載する。放電電力Wdに対する放電出力Wbaの割合を放電効率ηdとする。また、放電電力Wdに対するバッテリ31から充放電装置40を介して電力変換装置23に供給される電力の割合を電池放電効率とする。さらに、電力変換装置23に供給される電力に対する電力変換装置23から出力される電力の割合を電力変換効率ηtとする。ここでは、放電効率ηdは、この電池放電効率と電力変換効率ηtとが加味された値であり、例えば、電池放電効率と電力変換効率ηtとの乗算値である。なお、ここでは、電力変換装置23と分電盤24との間では、電力の損失がないものとする。
また、過去から現時点までの発電電力Wpvの推移を発電履歴Hpvとする。過去から現時点までの消費電力Whの推移を消費履歴Hhとする。過去から現時点までの放電電力Wdの推移を放電履歴Hdとする。発電電力Wpvによってバッテリ31に充電された電力量の積算値を発電充電量Mpvとする。
さらに、系統電力源11から系統電力線12を介して分電盤24に供給される電力を系統電力とする。系統電力を使用した場合の単位電力あたりの価格を買電価格Cpとする。住宅20からの電力が電力会社等に買い取られるときの単位電力あたりの価格を売電価格Csとする。ここでは、例えば、買電価格Cpおよび売電価格Csは、図2に示すように設定されている。なお、図2において、買電価格Cpは、実線で記載されており、売電価格Csは、一点鎖線で記載されている。
図2に示すように、買電価格Cpは、1日のうちの0時から6時までの時間帯において、最も安くなっている。また、買電価格Cpは、1日のうちの6時から18時までの時間帯において、最も高くなっている。さらに、買電価格Cpは、1日のうちの18時から24時直前までの時間帯において、1日のうちの0時から6時までの時間帯の買電価格Cpよりも高く、6時から18時までの時間帯の買電価格Cpよりも低い価格になっている。売電価格Csは、18時から24時までの時間帯の買電価格Cpより高く、6時から18時までの時間帯よりも安い価格であり、一律になっている。なお、以下、便宜上、1日のうちの0時から6時までの時間帯を安価時間帯TM_minと適宜記載する。また、図において、1日のうちの6時から18時までの時間帯は、高価時間帯TM_maxと記載されている。さらに、図において、1日のうちの18時から24時までの時間帯は、中間時間帯TM_midと記載されている。
次に、図3のフローチャートを参照して、HEMSコントローラ60がプログラムを実行しているときのHEMSコントローラ60の処理を説明する。以下では、便宜上、HEMSコントローラ60のステップS101の処理が開始されてからステップS101の処理に戻るまでの一連の動作の期間をHEMSコントローラ60の制御周期τとする。このHEMSコントローラ60の制御周期τの時間は、例えば、数秒から数分である。
ステップS101において、HEMSコントローラ60は、各種情報を取得する。ここでは、各種情報とは、発電電力Wpv、消費電力Wh、気象データDwfおよび電力会社からの要求である。また、各種情報とは、発電履歴Hpv、消費履歴Hh、放電履歴Hd、現在の制御周期τ直前の発電充電量Mpv、電池残量SOC、車両識別番号ID、電気自動車30の車種および放電効率ηdである。
具体的には、HEMSコントローラ60は、電力変換装置23から発電電力Wpvを取得する。HEMSコントローラ60は、分電盤24から消費電力Whを取得する。また、HEMSコントローラ60は、気象サーバ51から通信ネットワーク52を介して気象データDwfを取得する。HEMSコントローラ60は、電力会社から通信ネットワーク52を介して電力会社の要求を取得する。
さらに、HEMSコントローラ60は、蓄積している発電履歴Hpv、消費履歴Hh、放電履歴Hdおよび現在の制御周期τ直前の発電充電量MpvをHEMSコントローラ60のROMから読み出す。
また、ここでは、充放電制御部43は、充放電ケーブル41に接続されている電気自動車30の電池残量SOC、車両識別番号IDおよび車種をバッテリ制御部32から取得する。なお、電気自動車30が充放電ケーブル41に接続されていないとき、電気自動車30が充放電装置40に接続されていないことを示すために、充放電制御部43は、電気自動車30の電池残量SOCを負の値とみなす。
そして、HEMSコントローラ60は、これらの電池残量SOC、車両識別番号IDおよび車種を充放電制御部43から取得する。さらに、HEMSコントローラ60は、この取得した車両識別番号IDおよび電気自動車30の車種に対応する放電効率ηdをHEMSコントローラ60のROMから読み出す。ここでは、放電出力Wbaと放電効率ηdとの関係は、図4に示すように設定されている。
図4に示すように、放電効率ηdは、放電出力Wbaが大きくなるにつれて、高くなっている。また、放電出力Wbaが大きくなるにつれて、放電電力Wdが大きくなるため、バッテリ31の発熱量が大きくなり、バッテリ31の温度が高くなる。これにより、バッテリ31の放電に寄与しない副反応によって生じる物質がバッテリ31内に堆積されやすくなり、バッテリ31の放電に寄与するイオンの移動がしにくくなる。バッテリ31の放電に寄与するイオンの移動がしにくくなると、バッテリ31の放電に寄与する主反応が進みにくくなる。このため、放電出力Wbaが高出力閾値βより大きい場合において、放電効率ηdは、放電出力Wbaが大きくなるにつれて、低くなっている。なお、放電効率ηdおよび高出力閾値βは、電力変換装置23およびバッテリ31の仕様や特性に基づいて設定されており、車両識別番号IDおよび電気自動車30の車種ごとにそれぞれ異なる。
続いて、図3に示すように、ステップS102において、HEMSコントローラ60は、電力状況を推定する。ここでは、電力状況とは、余剰電力We、不足電力Wi、高負荷時間帯Thおよび翌日発電量Mtである。なお、高負荷時間帯Thは、今後に不足電力Wiおよび放電電力Wdが比較的大きくなると予測される時間帯である。翌日発電量Mtは、HEMSコントローラ60がプログラムを実行するときの日付の翌日に発電装置21が発電する電力量である。
具体的には、HEMSコントローラ60は、以下関係式(1−1)で表されるように、ステップS101にて取得した発電電力Wpvから消費電力Whを減算することによって、余剰電力Weを算出する。なお、ここでは、発電電力Wpvが消費電力Whよりも小さく、余剰電力Weが負の値であるとき、HEMSコントローラ60は、余剰電力Weをゼロとみなす。
また、HEMSコントローラ60は、以下関係式(1−2)で表されるように、消費電力Whから発電電力Wpvを減算することによって、不足電力Wiを算出する。なお、HEMSコントローラ60は、消費電力Whが発電電力Wpvよりも小さく、不足電力Wiが負の値であるとき、不足電力Wiをゼロとみなす。
We=Wpv−Wh (Wpv≧Wh)
We=0 (Wpv<Wh) ・・・(1−1)
Wi=Wh−Wpv (Wpv≦Wh)
Wi=0 (Wpv>Wh) ・・・(1−2)
さらに、HEMSコントローラ60は、ステップS101にて取得した気象データDwf、発電履歴Hpvおよび消費履歴Hhに基づいて、高負荷時間帯Thを予測する。例えば、HEMSコントローラ60は、気象データDwfおよび発電履歴Hpvに基づいて、今後の発電電力Wpvを予測する。また、HEMSコントローラ60は、消費履歴Hhに基づいて、今後の消費電力Whを予測する。さらに、HEMSコントローラ60は、放電履歴Hdに基づいて、今後の放電電力Wdを予測する。そして、HEMSコントローラ60は、これらの予測した発電電力Wpv、消費電力Whおよび放電電力Wdに基づいて、高負荷時間帯Thを予測する。例えば、HEMSコントローラ60は、予測した消費電力Whから予測した発電電力Wpvを減算することによって、不足電力Wiを予測する。また、HEMSコントローラ60は、この予測した不足電力Wiが最も大きい時間帯を高負荷時間帯Thと予測する。または、HEMSコントローラ60は、この予測した不足電力Wiと予測した放電電力Wdとの差が最も大きい時間帯を高負荷時間帯Thと予測する。
また、HEMSコントローラ60は、ステップS101にて取得した気象データDwfに基づいて、翌日発電量Mtを推定する。例えば、HEMSコントローラ60は、気象データDwfに基づいて、所定期間ごとの発電装置21にて発電される電力量の推移の予測である発電予測データを作成する。そして、HEMSコントローラ60は、発電予測データに示される各所定期間ごとの発電される電力量を積算することによって、翌日発電量Mtを推定する。
続いて、ステップS103において、HEMSコントローラ60は、ステップS101にて取得した電力会社からの要求があるか否かを判定する。ここでは、例えば、電力会社からの要求は、電気自動車30のバッテリ31から放電することにより住宅20における系統電力の使用を削減してほしい時間帯、または、系統電力線12に電力を供給してほしい時間帯を示す計画である。したがって、具体的には、HEMSコントローラ60は、現時刻が電気自動車30のバッテリ31から放電することにより住宅20における系統電力の使用を削減してほしい時間帯であるか否かを判定する。また、HEMSコントローラ60は、現時刻が住宅20から系統に電力を供給してほしい時間帯であるか否かを判定する。
そして、現時刻が電気自動車30のバッテリ31から放電することにより住宅20における系統電力の使用を削減してほしい時間帯、または、系統電力線12に電力を供給してほしい時間帯であるとき、処理は、ステップS104に移行する。また、現時刻が電気自動車30のバッテリ31から放電することにより住宅20における系統電力の使用を削減してほしい時間帯、または、系統電力線12に電力を供給してほしい時間帯でないとき、処理は、ステップS105に移行する。
ステップS104において、HEMSコントローラ60は、電力会社からの要求に対応するために、電力の使用パターンを変化させるデマンドレスポンス制御を行う。その後、処理は、ステップS113に移行する。なお、このHEMSコントローラ60によるデマンドレスポンス制御については、後述する。
ステップS105において、HEMSコントローラ60は、ステップS102にて推定した余剰電力Weが余剰閾値We_th以上であるか否かを判定する。なお、余剰閾値We_thは、例えば、電力変換装置23の電力変換効率ηtに基づいて設定される。上記したように、電力変換効率ηtは、電力変換装置23に供給される電力に対する電力変換装置23から出力される電力の割合である。例えば、電力変換効率ηtは、図5に示すように設定されており、電力変換装置23に供給される電力が大きくなるにつれて、高くなっている。また、ここでは、後述するように、ステップS102にてHEMSコントローラ60によって推定された余剰電力Weは、バッテリ31の充電に使用される。したがって、余剰電力Weが比較的小さく、電力変換効率ηtが低い場合に、バッテリ31が充電されると、バッテリ31に供給される電力量が大きくなるため、電力の無駄が多くなる。このため、電力変換効率ηtが比較的低い場合に、余剰電力Weによってバッテリ31が充電されることを避けるために、余剰閾値We_thは、電力変換効率ηtが比較的高くなる電力となるように設定される。
そして、HEMSコントローラ60は、ステップS102にて推定した余剰電力Weが余剰閾値We_th以上であるとき、処理をステップS106に移行させる。また、HEMSコントローラ60は、ステップS102にて推定した余剰電力Weが余剰閾値We_th未満であるとき、処理をステップS107に移行させる。
ステップS106において、余剰電力Weが余剰閾値We_th以上であるため、HEMSコントローラ60は、余剰電力Weによるバッテリ31の充電制御を行う。その後、処理は、ステップS113に移行する。なお、この余剰電力Weによる充電制御については、後述する。
ステップS107において、HEMSコントローラ60は、ステップS102にて推定した翌日発電量Mtが翌日発電閾値Mt_th以上であるか否かを判定する。なお、翌日発電閾値Mt_thは、実験やシミュレーション等により予め設定される。また、翌日発電閾値Mt_thは、電池残量SOCおよび放電履歴Hdに基づいて設定されており、HEMSコントローラ60が実行するときの日付の翌日に、電池残量SOCが十分な量となるように設定されてもよい。例えば、HEMSコントローラ60は、ステップS101にて読み出した放電履歴Hdに基づいて、現在の制御周期τから翌日の余剰電力Weによる充電が開始されるまでの放電電力Wdの予測データを作成する。また、HEMSコントローラ60は、この放電電力Wdの予測データに基づいて、翌日の余剰電力Weによってバッテリ31の充電が開始されるときの電池残量SOCを推定する。これにより、HEMSコントローラ60は、HEMSコントローラ60が実行するときの日付の翌日に、バッテリ31が十分に充電される量となる翌日発電閾値Mt_thを設定する。例えば、翌日の余剰電力Weによってバッテリ31の充電が開始されるときの電池残量SOCが小さいとき、バッテリ31が十分に充電されるための電気量が多くなるので、HEMSコントローラ60は、翌日発電閾値Mt_thを大きく設定する。
そして、HEMSコントローラ60は、ステップS102にて推定した翌日発電量Mtが翌日発電閾値Mt_th以上であるとき、処理をステップS111に移行させる。また、HEMSコントローラ60は、ステップS102にて推定した翌日発電量Mtが翌日発電閾値Mt_th未満であるとき、処理をステップS108に移行させる。
ステップS108において、HEMSコントローラ60は、系統電力によってバッテリ31を充電させる必要があるか否かを判定する。具体的には、HEMSコントローラ60は、現時刻が安価時間帯TM_minである否かを判定する。現時刻が安価時間帯TM_minでないとき、系統電力によってバッテリ31を充電させる必要がなく、処理は、ステップS110に移行する。また、現時刻が安価時間帯TM_minであるとき、系統電力によってバッテリ31を充電させる必要があり、処理は、ステップS109に移行する。
また、HEMSコントローラ60は、ステップS101にて取得した電池残量SOCが電池閾値SOC_th未満であるか否かを判定する。なお、電池閾値SOC_thは、バッテリ31に最低限必要な電池残量SOCであり、バッテリ31の使用環境等に基づいて設定される。
電池残量SOCが電池閾値SOC_th以上であるとき、系統電力によってバッテリ31を充電させる必要がなく、処理は、ステップS110に移行する。また、電池残量SOCが電池閾値SOC_th未満であるとき、系統電力によってバッテリ31を充電させる必要があり、処理は、ステップS109に移行する。
ステップS109において、系統電力によってバッテリ31を充電させる必要があるため、HEMSコントローラ60は、系統電力によるバッテリ31の充電制御を行う。その後、処理は、ステップS113に移行する。なお、この系統電力による充電制御については、後述する。
ステップS110において、HEMSコントローラ60は、ステップS102にて推定した不足電力Wiに基づいて、バッテリ31に対する通常放電制御を行う。その後、処理は、ステップS113に移行する。なお、この通常放電制御については、後述する。
ステップS111において、翌日発電量Mtが翌日発電閾値Mt_th以上であるため、翌日に、発電電力Wpvによりバッテリ31を充電できる可能性が高い。このため、HEMSコントローラ60は、ステップS101にて読み出した発電充電量Mpvを使用して放電可能か否かを判定する。具体的には、HEMSコントローラ60は、発電充電量Mpvがゼロより大きいか否かを判定する。発電充電量Mpvがゼロであるとき、発電充電量Mpvを使用して放電不可能であり、処理は、ステップS108に移行する。また、発電充電量Mpvがゼロより大きいとき、発電充電量Mpvを使用して放電可能であり、処理は、ステップS112に移行する。
ステップS112において、HEMSコントローラ60は、放電出力Wbaを分電盤24から電力消費機器25および系統電力線12に供給させる逆潮流放電制御を行う。なお、この逆潮流放電制御については、後述する。また、ここでは、系統電力源11から系統電力線12を介して分電盤24への電力の流れを順潮流とする。この順潮流に対し、分電盤24から系統電力線12への電力の流れを逆潮流とする。
ステップS113において、HEMSコントローラ60は、発電履歴Hpv、消費履歴Hhおよび放電履歴Hdを更新する。具体的には、HEMSコントローラ60は、ステップS101にて取得した発電電力Wpvを発電履歴Hpvに追加することによって、発電履歴Hpvを更新する。また、HEMSコントローラ60は、ステップS101にて取得した消費電力Whを消費履歴Hhに追加することによって、消費履歴Hhを更新する。さらに、HEMSコントローラ60は、バッテリ31を放電させるときの放電電力Wdおよび放電出力Wbaを放電履歴Hdに追加することによって、放電履歴Hdを更新する。
また、HEMSコントローラ60は、通信ネットワーク52を介して、ステップS101にて取得した各種情報を情報サーバ70に送信する。そして、情報サーバ70は、これらの各種情報を蓄積する。その後、処理は、終了する。
このようにして、HEMSコントローラ60がプログラムを実行しているときのHEMSコントローラ60の処理が行われる。
次に、図6のサブフローチャートを参照して、HEMSコントローラ60のステップS104のデマンドレスポンス制御について説明する。
ステップS201において、HEMSコントローラ60は、電力会社からの要求に対応するために、協力可能電力Waを算出する。例えば、HEMSコントローラ60は、ステップS102にて推定した余剰電力Weがゼロより大きいとき、以下関係式(2−1)に示すように、余剰電力Weと、増加可能放電出力ΔWba_maxとの和を協力可能電力Waにする。また、HEMSコントローラ60は、ステップS102にて推定した不足電力Wiがゼロより大きいとき、以下関係式(2−2)に示すように、増加可能放電出力ΔWba_maxから不足電力Wiを減算した値を協力可能電力Waにする。なお、ここでは、増加可能放電出力ΔWba_maxは、以下関係式(2−3)に示すように、最大放電出力Wba_maxと現在の放電出力Wbaとの差である。また、最大放電出力Wba_maxは、最大放電電力Wd_maxに、この放電出力Wbaに対応する放電効率ηdを乗算した値である。また、最大放電電力Wd_maxは、バッテリ31の放電電力Wdの最大値であり、電池残量SOCおよびバッテリ31の仕様や特性によって設定される。
Wa=We+ΔWba_max ・・・(2−1)
Wa=ΔWba_max−Wi ・・・(2−2)
ΔWba_max=Wba_max−Wba ・・・(2−3)
Wba_max=Wd_max×ηd
続いて、ステップS202において、HEMSコントローラ60は、電力会社により示される協力依頼電力WrおよびステップS201にて算出した増加可能放電出力ΔWba_maxに基づいて、制御動作を決定する。例えば、増加可能放電出力ΔWba_maxが協力依頼電力Wr未満であるとき、HEMSコントローラ60は、バッテリ31から分電盤24に供給する電力の値を増加可能放電出力ΔWba_maxの値に決定する。また、増加可能放電出力ΔWba_maxが協力依頼電力Wr以上であるとき、HEMSコントローラ60は、バッテリ31から分電盤24に供給する電力の値を協力依頼電力Wrの値に決定する。
そして、発電装置21からの直流発電電力Wpv_Dが電力変換装置23によって交流発電電力Wpv_Aに変換される。この交流発電電力Wpv_Aは、分電盤24に供給される。また、HEMSコントローラ60は、バッテリ31を放電させるための信号を充放電制御部43に送信する。このHEMSコントローラ60からの信号により、充放電制御部43は、充放電ケーブル41を介して、バッテリ31を放電させるための信号をバッテリ制御部32に送信する。この充放電制御部43からの信号により、バッテリ制御部32は、バッテリ31を放電させる。また、バッテリ31の放電には電力損失が伴うため、バッテリ31から充放電装置40を介して電力変換装置23に供給される電力は、直流放電出力Wba_Dになる。そして、HEMSコントローラ60は、電力変換装置23に対し、この直流放電出力Wba_Dを交流放電出力Wba_Aに変換させる。この電力変換装置23によって変換された交流放電出力Wba_Aは、上記で決定された値になっており、分電盤24に供給される。
そして、この交流発電電力Wpv_Aと交流放電出力Wba_Aとの和が消費電力Wh未満であるとき、協力可能電力Waがゼロより小さくなる。このため、この交流発電電力Wpv_Aと交流放電出力Wba_Aとの和の全ての電力が電力消費機器25によって消費される。また、この交流発電電力Wpv_Aと交流放電出力Wba_Aとの和が消費電力Wh以上であるとき、協力可能電力Waがゼロより大きくなる。このため、協力可能電力Waが系統電力線12に供給され、逆潮される。
続いて、ステップS203において、HEMSコントローラ60は、発電充電量Mpvを更新する。具体的には、ステップS202にて発電充電量Mpvがゼロより大きい場合、HEMSコントローラ60は、ステップS101にて読み出した発電充電量Mpvから、ステップS202で消費されたバッテリ31の電池残量SOCを減算する。その後、HEMSコントローラ60のステップS104のデマンドレスポンス制御の処理は、終了する。
このようにして、HEMSコントローラ60は、ステップS104のデマンドレスポンス制御を行い、電力会社からの要求に対応する。
そして、図7のサブフローチャートを参照して、HEMSコントローラ60のステップS106の余剰電力Weによる充電制御について、説明する。
ステップS301において、HEMSコントローラ60は、バッテリ31を充電させる必要があるか否かを判定する。具体的には、HEMSコントローラ60は、ステップS101にて取得した電池残量SOCが満充電閾値SOC_max未満であるか否かを判定する。なお、満充電閾値SOC_maxは、バッテリ31が満充電となるときの電池残量SOCであり、バッテリ31の仕様や特性に基づいて設定される。
電池残量SOCが満充電閾値SOC_max未満であるとき、処理は、ステップS302に移行する。また、電池残量SOCが満充電閾値SOC_max以上であるとき、処理は、終了する。
また、HEMSコントローラ60は、電気自動車30が充放電装置40に接続されているか否かを判定する。具体的には、HEMSコントローラ60は、ステップS101にて取得した電池残量SOCがゼロ以上であるか否かを判定する。なお、上記したように、電気自動車30が充放電装置40に接続されていない場合、充放電制御部43は、電池残量SOCを負の値とみなす。このため、電気自動車30が充放電装置40に接続されていない場合、HEMSコントローラ60が充放電制御部43から取得する電池残量SOCは、負の値になる。
電池残量SOCがゼロ以上であるとき、電気自動車30が充放電装置40に接続されており、処理は、ステップS302に移行する。また、電池残量SOCがゼロ未満、すなわち、負の値であるとき、電気自動車30が充放電装置40に接続されていない状態であり、余剰電力Weによる充電制御の処理は、終了する。
ステップS302において、HEMSコントローラ60は、余剰電力Weによって、バッテリ31を充電させる。具体的には、HEMSコントローラ60は、電力変換装置23に対し、充放電装置40を介して、発電装置21からの直流の余剰電力Weをバッテリ31に供給させる。また、HEMSコントローラ60は、バッテリ31を充電させるための信号を充放電制御部43に送信する。このHEMSコントローラ60からの信号により、充放電制御部43は、充放電ケーブル41を介して、バッテリ31を充電させるための信号をバッテリ制御部32に送信する。この充放電制御部43からの信号により、バッテリ制御部32は、バッテリ31を充電させる。これにより、バッテリ31は、発電装置21から充放電装置40を介して供給される直流の余剰電力Weによって充電される。
続いて、ステップS303において、HEMSコントローラ60は、発電充電量Mpvを更新する。具体的には、HEMSコントローラ60は、ステップS302にてバッテリ31が充電された電力量である充電量Mcを推定する。例えば、充放電制御部43は、充放電装置40から充放電ケーブル41を介してバッテリ31に供給される電力を装置電力計42から取得する。また、HEMSコントローラ60は、充放電装置40から充放電ケーブル41を介してバッテリ31に供給される電力を充放電制御部43から取得する。そして、HEMSコントローラ60は、この取得した電力に、電池充電効率ηcbと制御周期τとを乗算することによって、充電量Mcを推定する。なお、電池充電効率ηcbは、バッテリ31に供給される電力量に対するバッテリ31に充電される電力量の割合である。
また、HEMSコントローラ60は、以下関係式(3)に示すように、ステップS101にて読み出した現在の制御周期τ直前の発電充電量Mpvに、この充電量Mcを積算して、現在の制御周期τにおける発電充電量Mpvを推定する。その後、余剰電力Weによる充電制御の処理は、終了する。なお、関係式において、Nは、自然数であり、HEMSコントローラ60の処理の実行回数である。Mpv(N)は、現在の制御周期τにおける発電充電量Mpvである。Mpv(N−1)は、現在の制御周期τの直前における発電充電量Mpvである。Mc(N)は、現在の制御周期τにおける充電量Mcである。
Mpv(N)=Mpv(N−1)+Mc(N) ・・・(3)
このようにして、HEMSコントローラ60は、ステップS106の余剰電力Weによる充電制御を行う。
続いて、図8のサブフローチャートを参照して、HEMSコントローラ60のステップS109の系統電力による充電制御について説明する。
ステップS401において、HEMSコントローラ60は、バッテリ31を充電させる必要があるか否かを再度判定する。具体的には、HEMSコントローラ60は、ステップS101にて取得した電池残量SOCが満充電閾値SOC_max未満であるか否かを判定する。電池残量SOCが満充電閾値SOC_max未満であるとき、バッテリ31の充電をさせる必要があり、処理は、ステップS402に移行する。また、電池残量SOCが満充電閾値SOC_max以上であるとき、バッテリ31の充電をさせる必要がないので、系統電力による充電制御の処理は、終了する。
また、HEMSコントローラ60は、電気自動車30が充放電装置40に接続されているか否かを判定する。具体的には、上記と同様に、HEMSコントローラ60は、ステップS101にて充放電制御部43から取得した電池残量SOCがゼロ以上であるか否かを判定する。なお、上記したように、電気自動車30が充放電装置40に接続されていない場合、充放電制御部43は、電池残量SOCを負の値とみなす。このため、電気自動車30が充放電装置40に接続されていない場合、HEMSコントローラ60が充放電制御部43から取得する電池残量SOCは、負の値になる。
電池残量SOCがゼロ以上であるとき、電気自動車30が充放電装置40に接続されており、処理は、ステップS402に移行する。また、電池残量SOCがゼロ未満、すなわち、負の値であるとき、電気自動車30が充放電装置40に接続されていないので、系統電力による充電制御の処理は、終了する。
ステップS402において、HEMSコントローラ60は、系統電力によって、バッテリ31を充電させる。具体的には、系統電力源11から系統電力線12を介して供給される交流の系統電力が分電盤24から電力変換装置23に供給される。そして、HEMSコントローラ60は、電力変換装置23に対し、この交流の系統電力を直流の系統電力に変換させる。この電力変換装置23によって変換された直流の系統電力は、充放電装置40を介して、バッテリ31に供給される。また、HEMSコントローラ60は、バッテリ31を充電させるための信号を充放電制御部43に送信する。このHEMSコントローラ60からの信号により、充放電制御部43は、充放電ケーブル41を介して、バッテリ31を充電させるための信号をバッテリ制御部32に送信する。この充放電制御部43からの信号により、バッテリ制御部32は、バッテリ31を充電させる。これにより、バッテリ31は、電力変換装置23によって変換された直流の系統電力によって充電される。その後、系統電力による充電制御の処理は、終了する。
このようにして、HEMSコントローラ60は、ステップS109の系統電力による充電制御を行う。
また、図9のサブフローチャートを参照して、HEMSコントローラ60のステップS110の通常放電制御について説明する。
ステップS501において、HEMSコントローラ60は、ステップS102にて推定した不足電力Wiが第1低出力閾値α1未満であるか否かを判定する。なお、この第1低出力閾値α1については、後述する。
不足電力Wiが第1低出力閾値α1未満であるとき、処理は、ステップS502に移行する。また、不足電力Wiが第1低出力閾値α1以上であるとき、処理は、ステップS503に移行する。
不足電力Wiが第1低出力閾値α1未満であるとき、放電出力Wbaが比較的小さくなる。この場合、バッテリ31の放電効率ηdが低い状態でバッテリ31が放電することになるため、放電効率ηdが高い場合と比較して、バッテリ31の放電による電池残量SOCの消費量が大きくなる。バッテリ31の放電による電池残量SOCの消費量が大きくなると、バッテリ31を充電するための電力量が大きくなるため、バッテリ31を充電するための系統電力の使用量が大きくなることがある。これにより、電気料金が高くなる場合がある。
したがって、ステップS502において、放電効率ηdが低い状態でのバッテリ31の放電を避けるため、HEMSコントローラ60は、放電出力Wbaおよび放電電力Wdをゼロにする。そして、HEMSコントローラ60は、バッテリ31の放電をさせない。その後、通常放電制御の処理は、終了する。
ステップS503において、HEMSコントローラ60は、不足電力Wiを補うための放電出力Wbaおよび放電電力Wdを算出する。ここでは、HEMSコントローラ60は、放電出力WbaをステップS102にて推定した不足電力Wiにする。そして、HEMSコントローラ60は、この放電出力Wbaからこの放電出力Wbaに対応する放電効率ηdを除算することによって、放電電力Wdを算出する。
続いて、ステップS504において、HEMSコントローラ60は、ステップS503にて算出した放電電力Wdをバッテリ31に放電させるための信号を充放電制御部43に送信する。このHEMSコントローラ60からの信号により、充放電制御部43は、充放電ケーブル41を介して、バッテリ31を放電させるための信号をバッテリ制御部32に送信する。この充放電制御部43からの信号により、バッテリ制御部32は、バッテリ31を放電させる。これにより、バッテリ31は、ステップS503にてHEMSコントローラ60により算出された直流の放電電力Wdを発生させる。そして、バッテリ31の放電には電力損失が伴うため、バッテリ31から充放電装置40を介して電力変換装置23に供給される電力は、ステップS503にてHEMSコントローラ60により算出された直流放電出力Wba_Dになる。
また、HEMSコントローラ60は、電力変換装置23に対し、ステップS503にて算出した直流放電出力Wba_Dを交流放電出力Wba_Aに変換させる。この変換された交流放電出力Wba_Aは、分電盤24に供給される。分電盤24は、ステップS503にてHEMSコントローラ60にて算出された交流放電出力Wba_Aを電力消費機器25に供給する。これにより、不足電力Wiが補われる。その後、通常放電制御の処理は、終了する。
このようにして、HEMSコントローラ60は、ステップS110の通常放電制御を行う。
そして、図10のサブフローチャートを参照して、HEMSコントローラ60のステップS112の逆潮流放電制御について説明する。
ステップS601において、HEMSコントローラ60は、ステップS102にて推定した不足電力Wiが第1低出力閾値α1未満であるか否かを判定する。不足電力Wiが第1低出力閾値α1未満であるとき、処理は、ステップS602に移行する。また、不足電力Wiが第1低出力閾値α1以上であるとき、処理は、ステップS603に移行する。
不足電力Wiが第1低出力閾値α1未満であるとき、放電出力Wbaが比較的小さくなる。この場合、バッテリ31の放電効率ηdが低い状態でバッテリ31が放電することになるため、放電効率ηdが高い場合と比較して、バッテリ31の放電による電池残量SOCの消費量が大きくなる。バッテリ31の放電による電池残量SOCの消費量が大きくなると、バッテリ31を充電するための電力量が大きくなるため、バッテリ31を充電するための系統電力源11からの電力の使用量が大きくなることがある。これにより、電気料金が高くなる場合がある。
したがって、ステップS602において、放電効率ηdが低い状態でのバッテリ31の放電を避けるため、HEMSコントローラ60は、放電出力Wbaを、第1低出力閾値α1以上、第2低出力閾値α2未満である第1一定値Wn1にする。そして、HEMSコントローラ60は、この放電出力Wbaからこの放電出力Wbaに対応する放電効率ηdを除算することによって、放電電力Wdを算出する。その後、処理は、ステップS605に移行する。
ステップS603において、HEMSコントローラ60は、ステップS102にて推定した不足電力Wiが第1低出力閾値α1以上、第2低出力閾値α2未満であるか否かを判定する。不足電力Wiが第1低出力閾値α1以上、第2低出力閾値α2未満であるとき、処理は、ステップS604に移行する。また、不足電力Wiが第2低出力閾値α2以上であるとき、処理は、ステップS607に移行する。
ステップS604において、放電効率ηdが低い状態でのバッテリ31の放電を避けるため、HEMSコントローラ60は、放電出力Wbaを、第2低出力閾値α2以上、高出力閾値β以下である第2一定値Wn2にする。そして、HEMSコントローラ60は、この放電出力Wbaからこの放電出力Wbaに対応する放電効率ηdを除算することによって、放電電力Wdを算出する。その後、処理は、ステップS605に移行する。
ステップS605において、HEMSコントローラ60は、制御周期τの時間を変更する。具体的には、HEMSコントローラ60は、ステップS110の通常放電制御を経由する制御周期τよりも制御周期τの時間を長くする。例えば、HEMSコントローラ60は、第1遅れ時間ΔT1が所定時間経過したか否かを判定する。ここで、第1遅れ時間ΔT1とは、HEMSコントローラ60がステップS101にて各種情報を取得してからステップS606の処理を開始するまでの時間である。例えば、所定時間は、任意に設定されており、1分から数分である。そして、HEMSコントローラ60は、第1遅れ時間ΔT1が所定時間経過したか否かを判定する。第1遅れ時間ΔT1が所定時間経過したとき、処理は、ステップS606に移行する。また、第1遅れ時間ΔT1が所定時間経過していないとき、第1遅れ時間ΔT1が所定時間経過するまで、ステップS605の処理が継続される。
ステップS606において、HEMSコントローラ60は、ステップS602およびステップS604のいずれかにて算出した放電電力Wdをバッテリ31に放電させるための信号を充放電制御部43に送信する。このHEMSコントローラ60からの信号により、充放電制御部43は、充放電ケーブル41を介して、バッテリ31を放電させるための信号をバッテリ制御部32に送信する。この充放電制御部43からの信号により、バッテリ制御部32は、バッテリ31を放電させる。これにより、バッテリ31は、ステップS602およびステップS604のいずれかにてHEMSコントローラ60により算出された直流の放電電力Wdを発生させる。そして、バッテリ31の放電には電力損失が伴うため、充放電装置40を介して、電力変換装置23に供給される電力は、ステップS602およびステップS604のいずれかにてHEMSコントローラ60により算出された直流放電出力Wba_Dになる。このとき、放電出力Wbaは、HEMSコントローラ60がステップS101にて各種情報をしてから第1遅れ時間ΔT1遅れて出力される。
また、HEMSコントローラ60により、電力変換装置23は、ステップS602にて算出した直流放電出力Wba_Dを交流放電出力Wba_Aに変換する。この変換された交流放電出力Wba_Aは、分電盤24に供給される。分電盤24は、放電出力Wbaのうち、不足電力Wi分の電力を電力消費機器25に供給する。これにより、ステップS602にてHEMSコントローラ60により算出された放電出力Wbaの一部によって、不足電力Wiが補われる。
また、このとき、放電出力Wbaは、不足電力Wiよりも大きい。このため、分電盤24は、放電出力Wbaから不足電力Wiを減算した値の交流電力を系統電力線12に供給する。これにより、ステップS602およびステップS604のいずれかにてHEMSコントローラ60により算出された放電出力Wbaの一部が逆潮流される。その後、処理は、ステップS609に移行する。
ステップS607において、HEMSコントローラ60は、不足電力Wiを補うため、放電出力WbaをステップS102にて推定した不足電力Wiにする。そして、HEMSコントローラ60は、この放電出力Wbaからこの放電出力Wbaに対応する放電効率ηdを除算することによって、放電電力Wdを算出する。
続いて、ステップS608において、HEMSコントローラ60は、ステップS607にて算出した放電電力Wdをバッテリ31に放電させるための信号を充放電制御部43に送信する。充放電制御部43は、このHEMSコントローラ60からの信号に基づいて、充放電ケーブル41を介して、バッテリ31を放電させるための信号を送信する。バッテリ制御部32は、この充放電制御部43からの信号に基づいて、バッテリ31を放電させる。これにより、バッテリ31は、ステップS607にてHEMSコントローラ60により算出された直流の放電電力Wdを発生させる。そして、バッテリ31の放電には電力損失が伴うため、バッテリ31から充放電装置40を介して電力変換装置23に供給される電力は、ステップS607にてHEMSコントローラ60により算出された直流放電出力Wba_Dになる。
ここで、HEMSコントローラ60がステップS101にて各種情報をしてからステップS608の処理を開始するまでの時間を第2遅れ時間ΔT2とする。例えば、第2遅れ時間ΔT2は、数秒から1分程度であり、第1遅れ時間ΔT1に関わる所定時間よりも短くなっている。また、ステップS608において、この第2遅れ時間ΔT2があるために、放電出力Wbaは、HEMSコントローラ60がステップS101にて各種情報をしてから第2遅れ時間ΔT2遅れて出力される。なお、ステップS110の通常放電制御においても同様に、HEMSコントローラ60がステップS101にて各種情報をしてからステップS504の処理を開始するまでの時間も第2遅れ時間ΔT2と同じ時間になっている。
また、HEMSコントローラ60は、電力変換装置23に対し、ステップS607に算出した直流放電出力Wba_Dを交流放電出力Wba_Aに変換させる。この変換された交流放電出力Wba_Aは、分電盤24に供給される。分電盤24は、ステップS607にてHEMSコントローラ60により算出された交流放電出力Wba_Aを電力消費機器25に供給する。これにより、不足電力Wiが補われる。その後、処理は、ステップS609に移行する。
ステップS609において、HEMSコントローラ60は、HEMSコントローラ60は、ステップS101にて読み出した発電充電量Mpvから、ステップS606およびステップS608のいずれかで消費されたバッテリ31の電池残量SOCを減算する。これにより、HEMSコントローラ60は、発電充電量Mpvを更新する。
具体的には、HEMSコントローラ60は、ステップS602、ステップS604およびステップS607のいずれかにて算出した放電電力Wdに、HEMSコントローラ60の制御周期τを乗算した値を算出する。ここでは、HEMSコントローラ60は、この値をステップS606およびステップS608のいずれかで消費されたバッテリ31の電池残量SOCとみなす。そして、HEMSコントローラ60は、以下関係式(4)に示すように、ステップS101にて読み出した発電充電量Mpvから、この値を減算する。なお、Wd(N)は、現在の制御周期τにおける放電電力Wdである。
Mpv(N)=Mpv(N−1)−Wd(N)×τ ・・・(4)
このようにして、HEMSコントローラ60は、ステップS112の逆潮流放電制御を行う。
続いて、第1低出力閾値α1の詳細について説明する。第1低出力閾値α1は、放電効率ηd、車両識別番号IDおよび電気自動車30の車種に基づいて設定される。上記したように、放電効率ηdは、図4に示すように、放電出力Wbaが大きくなるにつれて、高くなる。また、放電出力Wbaが第1低出力閾値α1未満であるとき、放電出力Wbaに対する放電効率ηdの変化率が比較的大きくなっている。放電出力Wbaが第1低出力閾値α1以上であるとき、放電出力Wbaに対する放電効率ηdの変化率が比較的小さくなっており、放電効率ηdは、比較的高くなっている。このように、第1低出力閾値α1は、比較的高い放電効率ηdとなる放電出力Wbaに設定される。
また、上記したように、放電効率ηdは、車両識別番号IDおよび電気自動車30の車種ごとに異なる。このため、ステップS101にてHEMSコントローラ60によって取得された車両識別番号IDおよび電気自動車30の車種ごとに、第1低出力閾値α1が設定される。
また、第1低出力閾値α1は、買電価格Cpおよび売電価格Csに基づいて設定される。ここで、放電出力Wbaが電力消費機器25および系統電力線12に供給されるときにおけるバッテリ31の電池残量SOCの消費量を系統電力によって充電する場合にかかる電気料金を充電料金Fcとする。さらに、放電出力Wbaが電力消費機器25および系統電力線12に供給されるときの売電による料金を売電料金Fdとする。そして、充電料金Fcから売電料金Fdを減算した値は、放電出力Wbaが電力消費機器25および系統電力線12に供給されるときにかかる正味の料金である。この充電料金Fcから売電料金Fdを減算した値を逆潮料金Frとする。また、不足電力Wiを系統電力によって補う場合の電気料金を系統料金Fsとする。そして、第1低出力閾値α1は、逆潮料金Frが系統料金Fsよりも安くなるように設定される。
まず、系統料金Fsは、以下関係式(5−1)に示すように、不足電力Wiに、不足電力Wiを系統電力によって補うときの買電価格Cpを乗算することによって、算出される。なお、以下関係式(5−1)では、不足電力Wiを系統電力によって補うときの買電価格CpがCp1で表されている。
上記したように、逆潮料金Frは、充電料金Fcから売電料金Fdを減算した値であるので、以下関係式(5−2)に示される。
また、充電料金Fcは、以下関係式(5−3)に示すように、バッテリ31の放電電力Wd分の電力を充電するために必要な系統電力に、バッテリ31を充電させるときの買電価格Cpを乗算することによって、算出される。以下、放電電力Wd分の電力を充電するために必要な系統電力を必要電力Wcとする。なお、余剰電力Weを用いてバッテリ31の充電を行う場合、必要電力Wcは、ゼロである。また、以下関係式(5−3)では、バッテリ31を充電させるときの買電価格CpがCp2で表されている。
バッテリ31が充電されるとき、各電力損失が伴うため、必要電力Wcに、電力変換効率ηtおよび電池充電効率ηcbを乗算した値がバッテリ31に充電される電力である。したがって、必要電力Wcに、電力変換効率ηtおよび電池充電効率ηcbを乗算した値が放電電力Wdになる。このため、必要電力Wcは、以下関係式(5−4)に示すように、放電電力Wdを電力変換効率ηtおよび電池充電効率ηcbで除算することによって、算出される。なお、上記したように、電力変換効率ηtは、電力変換装置23に供給される電力に対する電力変換装置23から出力される電力の割合である。また、上記したように、電池充電効率ηcbは、バッテリ31に供給される電力量に対するバッテリ31に充電される電力量の割合である。したがって、この必要電力Wcでは、電力変換装置23の効率およびバッテリ31の効率の両方が加味されて算出されている。
また、売電料金Fdは、分電盤24から系統電力線12に供給された電力に、売電価格Csを乗算することによって、算出される。また、分電盤24から系統電力線12に供給された電力は、放電出力Wbaとしての第1低出力閾値α1から不足電力Wiを減算することによって、算出される。したがって、売電料金Fdは、以下関係式(5−5)に示すように、第1低出力閾値α1から不足電力Wiを減算した値に売電価格Csを乗算することによって表される。
よって、逆潮料金Frが系統料金Fsよりも安くなる場合は、以下関係式(5−6)のように、表される。また、第1低出力閾値α1は、放電電力Wdに放電効率ηdを乗算した値であるため、以下関係式(5−6)を第1低出力閾値α1について整理すると、以下関係式(5−7)が導出される。したがって、第1低出力閾値α1は、以下関係式(5−7)が満たされるように、設定される。
Fs=Wi×Cp1 ・・・(5−1)
Fr=Fc−Fd ・・・(5−2)
Fc=Wc×Cp2 ・・・(5−3)
Wd=Wc×ηt×ηcb
Wc=Wd/(ηt×ηcb) ・・・(5−4)
Fd=(α1−Wi)×Cs ・・・(5−5)
Fs>Fr
Wi×Cp1>Wd/(ηt×ηcb)×Cp2−(α1−Wi)×Cs
・・・(5−6)
ここで、一事例におけるHEMSコントローラ60の処理について、図11−図13のタイムチャートを参照して、説明する。なお、タイムチャートにおいて、矢印方向が各値の正方向になっている。
この事例では、0時から24時までの1日の各電力の変動が想定されている。この事例の初期状態では、発電充電量Mpvは、ゼロになっている。また、HEMSコントローラ60により気象データDwfに基づいて推定される翌日発電量Mtは、翌日発電閾値Mt_th以上になっている。さらに、電気自動車30は、充放電装置40に接続されている。また、HEMSコントローラ60は、電力会社からの要求が示されている計画を取得している。そして、この計画では、電気自動車30のバッテリ31から放電することにより住宅20における系統電力の使用を削減してほしい時間帯、または、系統電力線12に電力を供給してほしい時間帯は、14時から15時までの時間帯である。なお、タイムチャートにおいて、14時から15時までの時間帯がTrと記載されている。
また、HEMSコントローラ60は、気象データDwf、発電履歴Hpvおよび消費履歴Hhに基づいて、高負荷時間帯Thを予測している。そして、この予測では、高負荷時間帯Thは、18時から18時半までの時間帯である。
0時では、消費電力Whは、比較的小さくなっている。また、発電装置21によって発電されないで、発電電力Wpvは、ゼロである。
したがって、0時では、余剰電力Weは、ゼロであり、余剰閾値We_th未満である。また、不足電力Wiは、消費電力Whと同じ値であり、第1低出力閾値α1未満である。さらに、電池残量SOCは、電池閾値SOC_th未満である。
そして、0時は、電気自動車30のバッテリ31から放電することにより住宅20における系統電力の使用を削減してほしい時間帯、および、系統電力線12に電力を供給してほしい時間帯ではない。したがって、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS105に移行する。余剰電力Weが余剰閾値We_th未満であるため、ステップS105にて、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS107に移行する。この事例では、翌日発電量Mtが翌日発電閾値Mt_th以上であるため、ステップS107にて、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS111に移行する。しかし、発電充電量Mpvがゼロであるため、ステップS111にて、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS108に移行する。電池残量SOCが電池閾値SOC_th未満であるため、ステップS108にて、HEMSコントローラ60は、バッテリ31を充電させる必要があると判定する。よって、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS109の系統電力による充電制御に移行する。
この系統電力による充電制御では、電気自動車30が充放電装置40に接続されており、電池残量SOCが満充電閾値SOC_max未満であるため、ステップS401にて、HEMSコントローラ60は、バッテリ31を充電させる必要があると判定する。その後、ステップS402にて、系統電力源11から系統電力線12を介して供給される交流の系統電力が分電盤24から電力変換装置23に供給される。そして、HEMSコントローラ60は、電力変換装置23に対し、この交流の系統電力を直流の系統電力に変換させる。この電力変換装置23によって変換された直流の系統電力は、充放電装置40を介して、バッテリ31に供給される。また、HEMSコントローラ60は、バッテリ31を充電させるための信号を充放電制御部43に送信する。このHEMSコントローラ60からの信号により、充放電制御部43は、充放電ケーブル41を介して、バッテリ31を充電させるための信号をバッテリ制御部32に送信する。この充放電制御部43からの信号により、バッテリ制御部32は、バッテリ31を充電させる。これにより、バッテリ31は、電力変換装置23によって変換された直流の系統電力によって充電される。
したがって、電池残量SOCが増加する。また、系統電力は、バッテリ31の充電に使用されるため、消費電力Whとバッテリ31の充電に使用される電力との和であり、比較的大きくなっている。
0時から3時までの時間帯において、消費電力Whは、0時の消費電力Whと同じ値になっている。また、発電装置21によって発電がされないで、発電電力Wpvは、ゼロである。
したがって、0時から3時までの時間帯において、余剰電力Weは、ゼロであり、余剰閾値We_th未満である。また、不足電力Wiは、消費電力Whと同じ値であり、第1低出力閾値α1未満である。さらに、0時から電池残量SOCが増加しているため、2時に、電池残量SOCは、電池閾値SOC_thになる。また、2時から3時までの時間帯では、電池残量SOCは、電池閾値SOC_thより大きく、満充電閾値SOC_max未満になっている。
そして、0時から3時までの時間帯は、電気自動車30のバッテリ31から放電することにより住宅20における系統電力の使用を削減してほしい時間帯、および、系統電力線12に電力を供給してほしい時間帯ではない。したがって、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS105に移行する。余剰電力Weが余剰閾値We_th未満であるため、ステップS105にて、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS107に移行する。この事例では、翌日発電量Mtが翌日発電閾値Mt_th以上であるため、ステップS107にて、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS111に移行する。しかし、発電充電量Mpvがゼロであるため、ステップS111にて、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS108に移行する。現時間帯が安価時間帯TM_minであるため、ステップS108にて、HEMSコントローラ60は、バッテリ31を充電させる必要があると判定する。よって、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS109の系統電力による充電制御に移行する。
この系統電力による充電制御では、電気自動車30が充放電装置40に接続されており、電池残量SOCが満充電閾値SOC_max未満であるため、ステップS401にて、HEMSコントローラ60は、バッテリ31を充電させる必要があると判定する。その後、ステップS402にて、系統電力源11から系統電力線12を介して供給される交流の系統電力が分電盤24から電力変換装置23に供給される。そして、HEMSコントローラ60は、電力変換装置23に対し、この交流の系統電力を直流の系統電力に変換させる。この電力変換装置23によって変換された直流の系統電力は、充放電装置40を介して、バッテリ31に供給される。また、HEMSコントローラ60は、バッテリ31を充電させるための信号を充放電制御部43に送信する。このHEMSコントローラ60からの信号により、充放電制御部43は、充放電ケーブル41を介して、バッテリ31を充電させるための信号をバッテリ制御部32に送信する。この充放電制御部43からの信号により、バッテリ制御部32は、バッテリ31を充電させる。これにより、バッテリ31は、電力変換装置23によって変換された直流の系統電力によって充電される。
したがって、電池残量SOCが増加する。また、系統電力は、バッテリ31の充電に使用されるため、消費電力Whとバッテリ31の充電に使用される電力との和であり、0時の系統電力と同じ値になっている。
3時から6時までの時間帯において、消費電力Whは、0時の消費電力Whと比較して、大きくなっている。また、発電装置21によって発電がされないで、発電電力Wpvは、ゼロである。
したがって、3時から6時までの時間帯において、余剰電力Weは、ゼロであり、余剰閾値We_th未満である。また、不足電力Wiは、消費電力Whと同じ値であり、第1低出力閾値α1より大きく、第2低出力閾値α2未満である。さらに、電池残量SOCは、電池閾値SOC_thより大きく、満充電閾値SOC_max未満である。
そして、3時から6時までの時間帯は、電気自動車30のバッテリ31から放電することにより住宅20における系統電力の使用を削減してほしい時間帯、および、系統電力線12に電力を供給してほしい時間帯ではない。したがって、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS105に移行する。余剰電力Weが余剰閾値We_th未満であるため、ステップS105にて、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS107に移行する。この事例では、翌日発電量Mtが翌日発電閾値Mt_th以上であるため、ステップS107にて、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS111に移行する。しかし、発電充電量Mpvがゼロであるため、ステップS111にて、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS108に移行する。時間帯が安価時間帯TM_minであるため、ステップS108にて、HEMSコントローラ60は、バッテリ31を充電させる必要があると判定する。よって、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS109の系統電力による充電制御に移行する。
この系統電力による充電制御では、電気自動車30が充放電装置40に接続されており、電池残量SOCが満充電閾値SOC_max未満であるため、ステップS401にて、HEMSコントローラ60は、バッテリ31を充電させる必要があると判定する。その後、ステップS402にて、系統電力源11から系統電力線12を介して供給される交流の系統電力が分電盤24から電力変換装置23に供給される。そして、HEMSコントローラ60は、電力変換装置23に対し、この交流の系統電力を直流の系統電力に変換させる。この電力変換装置23によって変換された直流の系統電力は、充放電装置40を介して、バッテリ31に供給される。また、HEMSコントローラ60は、バッテリ31を充電させるための信号を充放電制御部43に送信する。このHEMSコントローラ60からの信号により、充放電制御部43は、充放電ケーブル41を介して、バッテリ31を充電させるための信号をバッテリ制御部32に送信する。この充放電制御部43からの信号により、バッテリ制御部32は、バッテリ31を充電させる。これにより、バッテリ31は、電力変換装置23によって変換された直流の系統電力によって充電される。
したがって、電池残量SOCが増加する。また、系統電力は、バッテリ31の充電に使用されるため、消費電力Whとバッテリ31の充電に使用される電力との和である。さらに、消費電力Whが0時から3時までの時間帯の消費電力Whと比較して大きくなっているため、系統電力は、0時の系統電力と比較して、大きくなっている。
6時から7時までの時間帯において、消費電力Whは、0時の消費電力Whと同じ値であり、3時から6時までの時間帯と比較して、小さくなっている。また、発電装置21によって発電がされないで、発電電力Wpvは、ゼロである。
したがって、6時から7時までの時間帯において、余剰電力Weは、ゼロであり、余剰閾値We_th未満である。また、不足電力Wiは、消費電力Whと同じ値であり、第1低出力閾値α1未満である。さらに、電池残量SOCは、電池閾値SOC_th以上、満充電閾値SOC_max未満である。
そして、6時から7時までの時間帯は、電気自動車30のバッテリ31から放電することにより住宅20における系統電力の使用を削減してほしい時間帯、および、系統電力線12に電力を供給してほしい時間帯ではない。したがって、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS105に移行する。余剰電力Weが余剰閾値We_th未満であるため、ステップS105にて、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS107に移行する。この事例では、翌日発電量Mtが翌日発電閾値Mt_th以上であるため、ステップS107にて、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS111に移行する。しかし、発電充電量Mpvがゼロであるため、ステップS111にて、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS108に移行する。時間帯が安価時間帯TM_minではなく、電池残量SOCが電池閾値SOC_th以上であるため、ステップS108にて、HEMSコントローラ60は、バッテリ31を充電させる必要がないと判定する。よって、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS110の通常放電制御に移行する。
この通常放電制御では、不足電力Wiが第1低出力閾値α1未満であるため、ステップS502にて、HEMSコントローラ60は、放電出力Wbaおよび放電電力Wdをともにゼロにする。したがって、バッテリ31が放電しないため、電池残量SOCは、変化しない。また、不足電力Wiは、系統電力によって補われる。なお、系統電力によってバッテリ31の充電がされないので、系統電力は、0時から6時までの時間帯の系統電力と比較して、小さくなっている。
7時から7時半までの時間帯において、消費電力Whは、6時から7時までの時間帯の消費電力Whと比較して、大きくなっている。また、発電装置21によって発電がされないで、発電電力Wpvは、ゼロである。
したがって、7時から7時半までの時間帯において、余剰電力Weは、ゼロであり、余剰閾値We_th未満である。また、不足電力Wiは、消費電力Whと同じ値であり、第1低出力閾値α1より大きく、第2低出力閾値α2未満である。さらに、電池残量SOCは、電池閾値SOC_thより大きく、満充電閾値SOC_max未満である。
そして、7時から7時半までの時間帯は、電気自動車30のバッテリ31から放電することにより住宅20における系統電力の使用を削減してほしい時間帯、および、系統電力線12に電力を供給してほしい時間帯ではない。したがって、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS105に移行する。余剰電力Weが余剰閾値We_th未満であるため、ステップS105にて、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS107に移行する。この事例では、翌日発電量Mtが翌日発電閾値Mt_th以上であるため、ステップS107にて、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS111に移行する。しかし、発電充電量Mpvがゼロであるため、ステップS111にて、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS108に移行する。時間帯が安価時間帯TM_minではなく、電池残量SOCが電池閾値SOC_th以上であるため、ステップS108にて、HEMSコントローラ60は、バッテリ31を充電させる必要がないと判定する。よって、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS110の通常放電制御に移行する。
この通常放電制御では、不足電力Wiが第1低出力閾値α1以上であるため、ステップS503にて、HEMSコントローラ60は、放電出力Wbaを不足電力Wiにする。HEMSコントローラ60は、この放電出力Wbaからこの放電出力Wbaに対応する放電効率ηdを除算することによって、放電電力Wdを算出する。そして、ステップS504にて、HEMSコントローラ60は、ステップS503にて算出した放電電力Wdをバッテリ31に放電させるための信号を充放電制御部43に送信する。このHEMSコントローラ60からの信号により、充放電制御部43は、充放電ケーブル41を介して、バッテリ31を放電させるための信号をバッテリ制御部32に送信する。この充放電制御部43からの信号により、バッテリ制御部32は、バッテリ31を放電させる。これにより、バッテリ31は、ステップS503にてHEMSコントローラ60により算出された放電電力Wdを発生させる。このため、電池残量SOCが減少する。また、バッテリ31の放電には電力損失が伴うため、バッテリ31から充放電装置40および電力変換装置23を介して分電盤24に供給される電力は、ステップS503にてHEMSコントローラ60により算出された放電出力Wbaになる。
また、この通常放電制御では、第2遅れ時間ΔT2があるため、図12に示すように、不足電力Wiが第1低出力閾値α1以上になる7時から第2遅れ時間ΔT2遅れて、放電出力Wbaが増加し始める。さらに、放電出力Wbaが不足電力Wi以下で、不足電力Wiに漸近する。また、時間に対する不足電力Wiをプロットした線と、時間に対する放電出力Wbaをプロットした線とが、交差しない。
このとき、分電盤24は、ステップS503にてHEMSコントローラ60により算出された放電出力Wbaを電力消費機器25に供給する。これにより、不足電力Wiが補われる。
図11に示すように、7時半から8時までの時間帯において、消費電力Whは、7時から7時半までの時間帯の消費電力Whと同じ値である。また、発電装置21によって発電がされており、発電電力Wpvは、消費電力Whよりも小さくなっている。
したがって、7時半から8時までの時間帯において、余剰電力Weは、ゼロである。また、不足電力Wiは、消費電力Whから発電電力Wpvを減算した値であり、第1低出力閾値α1より大きく、第2低出力閾値α2未満である。さらに、電池残量SOCは、電池閾値SOC_thより大きく、満充電閾値SOC_max未満である。
そして、7時半から8時までの時間帯は、電気自動車30のバッテリ31から放電することにより住宅20における系統電力の使用を削減してほしい時間帯、および、系統電力線12に電力を供給してほしい時間帯ではない。したがって、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS105に移行する。余剰電力Weが余剰閾値We_th未満であるため、ステップS105にて、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS107に移行する。この事例では、翌日発電量Mtが翌日発電閾値Mt_th以上であるため、ステップS107にて、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS111に移行する。しかし、発電充電量Mpvがゼロであるため、ステップS111にて、HEMSコントローラ60は、処理をステップS108に移行させる。また、時間帯が安価時間帯TM_minではなく、電池残量SOCが電池閾値SOC_th以上であるため、ステップS108にて、HEMSコントローラ60は、バッテリ31を充電させる必要がないと判定する。よって、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS110の通常放電制御に移行する。
この通常放電制御では、不足電力Wiが第1低出力閾値α1以上であるため、ステップS503にて、HEMSコントローラ60は、放電出力Wbaを不足電力Wiにする。また、HEMSコントローラ60は、この放電出力Wbaからこの放電出力Wbaに対応する放電効率ηdを除算することによって、放電電力Wdを算出する。そして、ステップS504にて、HEMSコントローラ60は、ステップS503にて算出した放電電力Wdをバッテリ31に放電させるための信号を充放電制御部43に送信する。このHEMSコントローラ60からの信号により、充放電制御部43は、充放電ケーブル41を介して、バッテリ31を放電させるための信号をバッテリ制御部32に送信する。この充放電制御部43からの信号により、バッテリ制御部32は、バッテリ31を放電させる。これにより、バッテリ31は、このステップS503にてHEMSコントローラ60により算出された放電電力Wdを発生させる。このため、電池残量SOCが減少する。また、バッテリ31の放電には電力損失が伴うため、バッテリ31から充放電装置40および電力変換装置23を介して分電盤24に供給される電力は、ステップS503にてHEMSコントローラ60により算出された放電出力Wbaになる。
また、この通常放電制御では、第2遅れ時間ΔT2があるため、図12に示すように、不足電力Wiが低下し始める7時半から第2遅れ時間ΔT2遅れて、放電出力Wbaが減少し始める。さらに、時間に対する放電出力Wbaをプロットした線は、放電出力Wbaが高い値から低い値に変化する方向に沿って、時間に対する不足電力Wiをプロットした線を通過するように、時間に対する不足電力Wiをプロットした線と交差する。そして、時間に対する放電出力Wbaをプロットした線と時間に対する不足電力Wiをプロットした線と交差した後、放電出力Wbaが不足電力Wi以下で、不足電力Wiに漸近する。また、8時に、不足電力Wiが低下し始める。このとき、時間に対する放電出力Wbaをプロットした線は、時間が進む方向に沿って、時間に対する不足電力Wiをプロットした線を通過するように、時間に対する不足電力Wiをプロットした線と交差する。そして、第2遅れ時間ΔT2があるため、不足電力Wiが低下し始める8時から第2遅れ時間ΔT2遅れて、放電出力Wbaが減少し始める。
また、このとき、分電盤24は、ステップS503にてHEMSコントローラ60により算出された放電出力Wbaを電力消費機器25に供給する。これにより、不足電力Wiが補われる。
8時から10時半までの時間帯および13時から14時までの時間帯では、消費電力Whは、0時の消費電力Whと同じ値になっている。また、10時半から13時までの時間帯では、消費電力Whは、0時のときよりも大きくなっている。
さらに、8時から10時半までの時間帯では、発電装置21によって発電がされており、発電電力Wpvは、消費電力Whより大きく、時間の経過とともに増加する。また、10時半から14時までの時間帯では、発電装置21によって発電がされており、発電電力Wpvは、最大値になっている。
したがって、8時から14時までの時間帯において、不足電力Wiは、ゼロである。また、余剰電力Weは、余剰閾値We_th以上である。さらに、電池残量SOCは、電池閾値SOC_thより大きく、満充電閾値SOC_max未満である。
そして、8時から14時までの時間帯は、電気自動車30のバッテリ31から放電することにより住宅20における系統電力の使用を削減してほしい時間帯、および、系統電力線12に電力を供給してほしい時間帯ではない。したがって、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS105に移行する。余剰電力Weが余剰閾値We_th以上であるため、ステップS105にて、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS106の余剰電力Weによる充電制御に移行する。
この余剰電力Weによる充電制御では、電気自動車30が充放電装置40に接続されており、電池残量SOCが満充電閾値SOC_max未満であるため、HEMSコントローラ60は、バッテリ31を充電させる必要があると判定する。その後、ステップS302にて、HEMSコントローラ60は、電力変換装置23に対し、充放電装置40を介して、発電装置21からの直流の余剰電力Weをバッテリ31に供給させる。また、HEMSコントローラ60は、バッテリ31を充電させるための信号を充放電制御部43に送信する。このHEMSコントローラ60からの信号により、充放電制御部43は、充放電ケーブル41を介して、バッテリ31を充電させるための信号をバッテリ制御部32に送信する。この充放電制御部43からの信号により、バッテリ制御部32は、バッテリ31を充電させる。これにより、バッテリ31は、発電装置21からの直流の余剰電力Weによって充電される。
そして、ステップS303にて、HEMSコントローラ60は、充電量Mcを推定する。また、HEMSコントローラ60は、この推定した充電量Mcを、ステップS101にて読み出した発電充電量Mpvに積算する。したがって、発電充電量Mpvが増加し、電池残量SOCが増加する。なお、8時までは発電充電量Mpvがゼロであるため、8時において、HEMSコントローラ60は、ゼロに充電量Mcを積算して、発電充電量Mpvを算出する。
14時から15時までの時間帯において、消費電力Whは、0時の消費電力Whと同じ値になっている。また、発電装置21によって発電がされており、発電電力Wpvは、10時から10時半までの時間帯の発電電力Wpvと同じ値になっている。
したがって、14時から15時までの時間帯において、不足電力Wiは、ゼロである。また、余剰電力Weは、余剰閾値We_th以上である。さらに、電池残量SOCは、電池閾値SOC_thより大きく、満充電閾値SOC_max未満である。
そして、14時から15時までの時間帯は、電気自動車30のバッテリ31から放電することにより住宅20における系統電力の使用を削減してほしい時間帯である。このため、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS104のデマンドレスポンス制御に移行する。
このデマンドレスポンス制御では、HEMSコントローラ60は、ステップS201にて、上記関係式(2−3)を用いて、増加可能放電出力ΔWba_maxを算出する。また、ここでは、発電電力Wpvが消費電力Whよりも大きいので、HEMSコントローラ60は、上記関係式(2−1)を用いて、余剰電力Weと増加可能放電出力ΔWba_maxとの和を算出する。これにより、HEMSコントローラ60は、協力可能電力Waを算出する。また、この事例では、増加可能放電出力ΔWba_maxが電力会社からの協力依頼電力Wr未満であるとする。したがって、ステップS202では、HEMSコントローラ60は、分電盤24に供給する電力を増加可能放電出力ΔWba_maxに決定する。
そして、発電装置21からの直流発電電力Wpv_Dが電力変換装置23によって交流発電電力Wpv_Aに変換される。この交流発電電力Wpv_Aは、分電盤24に供給される。
また、HEMSコントローラ60は、バッテリ31を放電させるための信号を充放電制御部43に送信する。このHEMSコントローラ60からの信号により、充放電制御部43は、充放電ケーブル41を介して、バッテリ31を放電させるための信号をバッテリ制御部32に送信する。この充放電制御部43からの信号により、バッテリ制御部32は、バッテリ31を放電させる。バッテリ31が放電するとき、発電充電量Mpvが使用されるため、発電充電量Mpvが減少し、電池残量SOCが減少する。さらに、このとき、HEMSコントローラ60は、ステップS203にて、発電充電量Mpvを更新する。また、バッテリ31の放電には電力損失が伴うため、バッテリ31から充放電装置40を介して電力変換装置23に供給される電力は、直流放電出力Wba_Dになる。そして、HEMSコントローラ60は、電力変換装置23に対し、この直流放電出力Wba_Dを交流放電出力Wba_Aに変換させる。この電力変換装置23によって変換された交流放電出力Wba_Aは、上記で決定された値になっており、分電盤24に供給される。
そして、この交流発電電力Wpv_Aと交流放電出力Wba_Aとの和が消費電力Wh以上であるとき、協力可能電力Waがゼロより大きくなる。このため、協力可能電力Waが系統電力線12に供給され、逆潮される。
このようにして、HEMSコントローラ60は、電力会社からの要求に対応する。
15時から17時までの時間帯において、消費電力Whは、0時の消費電力Whと同じ値になっている。また、発電装置21によって発電がされており、発電電力Wpvは、消費電力Whより大きく、時間の経過とともに減少する。
したがって、15時から17時までの時間帯において、不足電力Wiは、ゼロである。また、余剰電力Weは、余剰閾値We_th以上である。さらに、電池残量SOCは、電池閾値SOC_thより大きく、満充電閾値SOC_max未満である。
そして、15時から17時までの時間帯は、電気自動車30のバッテリ31から放電することにより住宅20における系統電力の使用を削減してほしい時間帯、および、系統電力線12に電力を供給してほしい時間帯ではない。したがって、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS105に移行する。余剰電力Weが余剰閾値We_th以上であるため、ステップS105にて、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS106の余剰電力Weによる充電制御に移行する。
この余剰電力Weによる充電制御では、電気自動車30が充放電装置40に接続されており、電池残量SOCが満充電閾値SOC_max未満であるため、HEMSコントローラ60は、バッテリ31を充電させる必要があると判定する。その後、ステップS302にて、HEMSコントローラ60は、電力変換装置23に対し、充放電装置40を介して、発電装置21からの直流の余剰電力Weをバッテリ31に供給させる。また、HEMSコントローラ60は、バッテリ31を充電させるための信号を充放電制御部43に送信する。このHEMSコントローラ60からの信号により、充放電制御部43は、充放電ケーブル41を介して、バッテリ31を充電させるための信号をバッテリ制御部32に送信する。この充放電制御部43からの信号により、バッテリ制御部32は、バッテリ31を充電させる。これにより、バッテリ31は、発電装置21からの直流の余剰電力Weによって充電される。
そして、ステップS303にて、HEMSコントローラ60は、充電量Mcを推定する。また、HEMSコントローラ60は、この推定した充電量Mcを、ステップS101にて読み出した発電充電量Mpvに積算する。したがって、発電充電量Mpvが増加し、電池残量SOCが増加する。
17時から17時半までの時間帯において、消費電力Whは、0時の消費電力Whと同じ値になっている。また、発電装置21によって発電がされており、発電電力Wpvは、消費電力Whよりも小さく、7時半から8時までの時間帯の発電電力Wpvと同じ値になっている。
したがって、17時から17時半までの時間帯において、余剰電力Weは、ゼロであり、余剰閾値We_th未満である。また、不足電力Wiは、消費電力Whから発電電力Wpvを減算した値であり、第1低出力閾値α1未満である。さらに、8時から14時までの時間帯および15時から17時までの時間帯において、余剰電力Weによる充電制御が行われていたため、発電充電量Mpvは、ゼロより大きくなっている。
そして、17時から17時半までの時間帯は、電気自動車30のバッテリ31から放電することにより住宅20における系統電力の使用を削減してほしい時間帯、および、系統電力線12に電力を供給してほしい時間帯ではない。したがって、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS105に移行する。余剰電力Weが余剰閾値We_th未満であるため、ステップS105にて、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS107に移行する。この事例では、翌日発電量Mtが翌日発電閾値Mt_th以上であるため、ステップS107にて、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS111に移行する。発電充電量Mpvがゼロより大きくなっているため、ステップS111にて、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS112の逆潮流放電制御に移行する。
この逆潮流放電制御では、不足電力Wiが第1低出力閾値α1未満であるため、ステップS602にて、HEMSコントローラ60は、放電出力Wbaを第1低出力閾値α1より大きく、第2低出力閾値α2未満である第1一定値Wn1にする。また、HEMSコントローラ60は、この放電出力Wbaからこの放電出力Wbaに対応する放電効率ηdを除算することによって、放電電力Wdを算出する。そして、ステップS606にて、HEMSコントローラ60は、ステップS602にて算出した放電電力Wdをバッテリ31に放電させるための信号を充放電制御部43に送信する。このHEMSコントローラ60からの信号により、充放電制御部43は、充放電ケーブル41を介して、バッテリ31を放電させるための信号をバッテリ制御部32に送信する。この充放電制御部43からの信号により、バッテリ制御部32は、バッテリ31を放電させる。これにより、バッテリ31は、このステップS602にてHEMSコントローラ60により算出された放電電力Wdを発生させる。このため、発電充電量Mpvが減少し、電池残量SOCが減少する。また、バッテリ31の放電には電力損失が伴うため、バッテリ31から充放電装置40および電力変換装置23を介して分電盤24に供給される電力は、ステップS602にてHEMSコントローラ60により算出された放電出力Wbaになる。
また、この逆潮流放電制御では、ステップS605にて、HEMSコントローラ60が制御周期τの時間を長くしており、図13に示すように、不足電力Wiが増加し始める17時から遅れて、放電出力Wbaが増加し始める。ここでは、第1遅れ時間ΔT1が所定時間経過しているかをHEMSコントローラ60が判定しているので、不足電力Wiが増加し始める17時から第1遅れ時間ΔT1遅れて、放電出力Wbaが増加し始める。また、この所定時間は、第2遅れ時間ΔT2よりも長いので、第1遅れ時間ΔT1は、第2遅れ時間ΔT2よりも長くなっている。
このとき、時間に対する放電出力Wbaをプロットした線は、放電出力Wbaが低い値から高い値に変化する方向に沿って、時間に対する不足電力Wiをプロットした線を通過するように、交差する。そして、時間に対する放電出力Wbaをプロットした線と、時間に対する不足電力Wiをプロットした線とが交差した後、放電出力Wbaは、第1一定値Wn1になる。
さらに、このとき、分電盤24は、ステップS602にてHEMSコントローラ60により算出された放電出力Wbaのうち、不足電力Wi分の電力を電力消費機器25に供給する。これにより、ステップS602にてHEMSコントローラ60により算出された放電出力Wbaの一部によって、不足電力Wiが補われる。また、ステップS602にて算出した放電出力Wbaは、不足電力Wiよりも大きい。このため、分電盤24は、ステップS602にて算出した放電出力Wbaから不足電力Wiを減算した値の交流電力を系統電力線12に供給する。これにより、ステップS602にてHEMSコントローラ60により算出された放電出力Wbaの一部が逆潮流される。
図11に示すように、17時半から18時までの時間帯において、消費電力Whは、17時から17時半までの時間帯の消費電力Whと比較して大きくなっている。また、発電装置21によって発電がされており、発電電力Wpvは、17時から17時半までの時間帯の発電電力Wpvと同じ値になっている。
したがって、17時半から18時までの時間帯において、余剰電力Weは、ゼロであり、余剰閾値We_th未満である。また、不足電力Wiは、消費電力Whから発電電力Wpvを減算した値であり、第1低出力閾値α1より大きく、第2低出力閾値α2未満である。さらに、17時半から18時までの時間帯において、発電充電量Mpvは、ゼロより大きくなっている。
そして、17時半から18時までの時間帯は、電気自動車30のバッテリ31から放電することにより住宅20における系統電力の使用を削減してほしい時間帯、および、系統電力線12に電力を供給してほしい時間帯ではない。したがって、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS105に移行する。余剰電力Weが余剰閾値We_th未満であるため、ステップS105にて、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS107に移行する。この事例では、翌日発電量Mtが翌日発電閾値Mt_th以上であるため、ステップS107にて、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS111に移行する。そして、発電充電量Mpvがゼロより大きくなっているため、ステップS111にて、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS112の逆潮流放電制御に移行する。
この逆潮流放電制御では、不足電力Wiが第1低出力閾値α1以上、第2低出力閾値α2未満であるため、ステップS604にて、HEMSコントローラ60は、放電出力Wbaを第2一定値Wn2にする。また、HEMSコントローラ60は、この放電出力Wbaからこの放電出力Wbaに対応する放電効率ηdを除算することによって、放電電力Wdを算出する。そして、ステップS606にて、HEMSコントローラ60は、ステップS604にて算出した放電電力Wdをバッテリ31に放電させるための信号を充放電制御部43に送信する。このHEMSコントローラ60からの信号により、充放電制御部43は、充放電ケーブル41を介して、バッテリ31を放電させるための信号をバッテリ制御部32に送信する。この充放電制御部43からの信号により、バッテリ制御部32は、バッテリ31を放電させる。これにより、バッテリ31は、このステップS604にてHEMSコントローラ60により算出された放電電力Wdを発生させる。このため、発電充電量Mpvが減少し、電池残量SOCが減少する。また、バッテリ31の放電には電力損失が伴うため、バッテリ31から充放電装置40および電力変換装置23を介して分電盤24に供給される電力は、ステップS604にてHEMSコントローラ60により算出された放電出力Wbaになる。
また、この逆潮流放電制御では、ステップS605にて、HEMSコントローラ60の制御周期τの時間を長くしており、図13に示すように、不足電力Wiが増加し始める17時半から遅れて、放電出力Wbaが増加し始める。ここでは、第1遅れ時間ΔT1が所定時間経過しているかをHEMSコントローラ60が判定しているので、不足電力Wiが増加し始める17時半から第1遅れ時間ΔT1遅れて、放電出力Wbaが増加し始める。また、この所定時間は、第2遅れ時間ΔT2よりも長いので、第1遅れ時間ΔT1は、第2遅れ時間ΔT2よりも長くなっている。
このとき、時間に対する放電出力Wbaをプロットした線は、時間が進む方向に沿って、時間に対する不足電力Wiをプロットした線を通過するように、交差する。そして、時間に対する放電出力Wbaをプロットした線と、時間に対する不足電力Wiをプロットした線とが交差してから第1遅れ時間ΔT1が経過した後、放電出力Wbaが第2一定値Wn2になる。
また、このとき、分電盤24は、ステップS604にてHEMSコントローラ60により算出された放電出力Wbaのうち、不足電力Wi分の電力を電力消費機器25に供給する。これにより、ステップS604にてHEMSコントローラ60により算出された放電出力Wbaの一部によって、不足電力Wiが補われる。また、ステップS604にて算出した放電出力Wbaは、不足電力Wiよりも大きい。このため、分電盤24は、ステップS604にて算出した放電出力Wbaから不足電力Wiを減算した値の交流電力を系統電力線12に供給する。これにより、ステップS604にてHEMSコントローラ60により算出された放電出力Wbaの一部が逆潮流される。
18時から18時半までの時間帯は、HEMSコントローラ60が予測した高負荷時間帯Thである。この時間帯の不足電力Wiは、HEMSコントローラ60が予測した通りの値になっており、最大値になっている。また、発電装置21によって発電がされないで、発電電力Wpvは、ゼロである。
したがって、18時から18時半までの時間帯において、余剰電力Weは、ゼロであり、余剰閾値We_th未満である。また、不足電力Wiは、消費電力Whと同じ値であり、第2低出力閾値α2より大きくなっており、高出力閾値βになっている。また、18時から18時半までの時間帯において、発電充電量Mpvは、ゼロより大きくなっている。
そして、18時から18時半までの時間帯は、電気自動車30のバッテリ31から放電することにより住宅20における系統電力の使用を削減してほしい時間帯、および、系統電力線12に電力を供給してほしい時間帯ではない。したがって、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS105に移行する。余剰電力Weが余剰閾値We_th未満であるため、ステップS105にて、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS107に移行する。この事例では、翌日発電量Mtが翌日発電閾値Mt_th以上であるため、ステップS107にて、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS111に移行する。そして、発電充電量Mpvがゼロより大きくなっているため、ステップS111にて、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS112の逆潮流放電制御に移行する。
この逆潮流放電制御では、不足電力Wiが第2低出力閾値α2以上であるため、ステップS607にて、HEMSコントローラ60は、放電出力Wbaを不足電力Wiにする。また、HEMSコントローラ60は、この放電出力Wbaからこの放電出力Wbaに対応する放電効率ηdを除算することによって、放電電力Wdを算出する。そして、ステップS608にて、HEMSコントローラ60は、ステップS607にて算出した放電電力Wdをバッテリ31に放電させるための信号を充放電制御部43に送信する。このHEMSコントローラ60からの信号により、充放電制御部43は、充放電ケーブル41を介して、バッテリ31を放電させるための信号をバッテリ制御部32に送信する。この充放電制御部43からの信号により、バッテリ制御部32は、バッテリ31を放電させる。これにより、バッテリ31は、このステップS607にてHEMSコントローラ60により算出された放電電力Wdを発生させる。このため、発電充電量Mpvが減少し、電池残量SOCが減少する。また、バッテリ31の放電には電力損失が伴うため、バッテリ31から充放電装置40および電力変換装置23を介して分電盤24に供給される電力は、ステップS607にてHEMSコントローラ60により算出された放電出力Wbaになる。
また、この逆潮流放電制御では、第1遅れ時間ΔT1が所定時間になったか否かをHEMSコントローラ60が判定しない。さらに、第2遅れ時間ΔT2があるため、図13に示すように、不足電力Wiが増加し始める18時から第2遅れ時間ΔT2遅れて、放電出力Wbaが増加し始める。
このとき、時間に対する放電出力Wbaをプロットした線は、時間が進む方向に沿って、時間に対する不足電力Wiをプロットした線を通過するように、交差する。そして、時間に対する放電出力Wbaをプロットした線と時間に対する不足電力Wiをプロットした線と交差して、第2遅れ時間ΔT2が経過した後、放電出力Wbaが不足電力Wi以下で、不足電力Wiに漸近する。
また、このとき、分電盤24は、ステップS604にてHEMSコントローラ60により算出された放電出力Wbaを電力消費機器25に供給する。これにより、不足電力Wiが補われる。
図11に示すように、18時半から20時までの時間帯において、消費電力Whは、18時から18時半までの時間帯の消費電力Whと比較して小さく、時間の経過とともに小さくなる。また、発電装置21によって発電がされないで、発電電力Wpvは、ゼロである。
したがって、18時半から20時までの時間帯において、余剰電力Weは、ゼロであり、余剰閾値We_th未満である。また、不足電力Wiは、消費電力Whと同じ値であり、第1低出力閾値α1より大きく、第2低出力閾値α2未満である。さらに、18時半から20時までの時間帯において、発電充電量Mpvは、ゼロより大きくなっている。
そして、18時半から20時までの時間帯は、電気自動車30のバッテリ31から放電することにより住宅20における系統電力の使用を削減してほしい時間帯、および、系統電力線12に電力を供給してほしい時間帯ではない。したがって、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS105に移行する。余剰電力Weが余剰閾値We_th未満であるため、ステップS105にて、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS107に移行する。この事例では、翌日発電量Mtが翌日発電閾値Mt_th以上であるため、ステップS107にて、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS111に移行する。そして、発電充電量Mpvがゼロより大きくなっているため、ステップS111にて、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS112の逆潮流放電制御に移行する。
この逆潮流放電制御では、不足電力Wiが第1低出力閾値α1以上、第2低出力閾値α2未満であるため、ステップS604にて、HEMSコントローラ60は、放電出力Wbaを第2一定値Wn2にする。また、HEMSコントローラ60は、この放電出力Wbaからこの放電出力Wbaに対応する放電効率ηdを除算することによって、放電電力Wdを算出する。そして、ステップS606にて、HEMSコントローラ60は、ステップS604にて算出した放電電力Wdをバッテリ31に放電させるための信号を充放電制御部43に送信する。このHEMSコントローラ60からの信号により、充放電制御部43は、充放電ケーブル41を介して、バッテリ31を放電させるための信号をバッテリ制御部32に送信する。この充放電制御部43からの信号により、バッテリ制御部32は、バッテリ31を放電させる。これにより、バッテリ31は、このステップS604にてHEMSコントローラ60により算出された放電電力Wdを発生させる。このため、発電充電量Mpvが減少し、電池残量SOCが減少する。また、バッテリ31の放電には電力損失が伴うため、バッテリ31から充放電装置40および電力変換装置23を介して分電盤24に供給される電力は、ステップS604にてHEMSコントローラ60により算出された放電出力Wbaになる。
また、この逆潮流放電制御では、ステップS605にて、HEMSコントローラ60が制御周期τの時間を長くしており、図13に示すように、不足電力Wiが減少し始める18時半から遅れて、放電出力Wbaが減少し始める。ここでは、第1遅れ時間ΔT1が所定時間経過しているかをHEMSコントローラ60が判定しているので、不足電力Wiが増加し始める18時半から第1遅れ時間ΔT1遅れて、放電出力Wbaが増加し始める。また、この所定時間は、第2遅れ時間ΔT2よりも長いので、第1遅れ時間ΔT1は、第2遅れ時間ΔT2よりも長くなっている。
このとき、時間に対する放電出力Wbaをプロットした線は、時間が進む方向に沿って、時間に対する不足電力Wiをプロットした線を通過するように、交差する。また、時間に対する不足電力Wiをプロットした線は、不足電力Wiが高い値から低い値に変化する方向に沿って、時間に対する放電出力Wbaをプロットした線と交差する。そして、時間に対する放電出力Wbaをプロットした線と時間に対する不足電力Wiをプロットした線と交差して、第1遅れ時間ΔT1が経過した後、放電出力Wbaが第2一定値Wn2になる。
また、このとき、分電盤24は、ステップS604にてHEMSコントローラ60により算出された放電出力Wbaのうち、不足電力Wi分の電力を電力消費機器25に供給する。これにより、ステップS604にてHEMSコントローラ60により算出された放電出力Wbaの一部によって、不足電力Wiが補われる。また、ステップS604にて算出した放電出力Wbaは、不足電力Wiよりも大きい。このため、分電盤24は、ステップS604にて算出した放電出力Wbaから不足電力Wiを減算した値の交流電力を系統電力線12に供給する。これにより、ステップS604にてHEMSコントローラ60により算出された放電出力Wbaの一部が逆潮流される。
20時から23時までの時間帯において、消費電力Whは、18時半から20時までの時間帯の消費電力Whと比較して小さく、0時の消費電力Whと同じ値である。また、発電装置21によって発電がされないで、発電電力Wpvは、ゼロである。
したがって、20時から23時までの時間帯において、余剰電力Weは、ゼロであり、余剰閾値We_th未満である。また、不足電力Wiは、消費電力Whと同じ値であり、第1低出力閾値α1未満である。さらに、18時半から20時までの時間帯において、発電充電量Mpvは、ゼロより大きくなっている。
そして、20時から23時までの時間帯は、電気自動車30のバッテリ31から放電することにより住宅20における系統電力の使用を削減してほしい時間帯、および、系統電力線12に電力を供給してほしい時間帯ではない。したがって、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS105に移行する。余剰電力Weが余剰閾値We_th未満であるため、ステップS105にて、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS107に移行する。この事例では、翌日発電量Mtが翌日発電閾値Mt_th以上であるため、ステップS107にて、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS111に移行する。そして、発電充電量Mpvは、ゼロより大きくなっているため、ステップS111にて、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS112の逆潮流放電制御に移行する。
この逆潮流放電制御では、不足電力Wiが第1低出力閾値α1未満であるため、ステップS602にて、HEMSコントローラ60は、放電出力Wbaを第1低出力閾値α1より大きく、第2低出力閾値α2未満である第1一定値Wn1にする。また、HEMSコントローラ60は、この放電出力Wbaからこの放電出力Wbaに対応する放電効率ηdを除算することによって、放電電力Wdを算出する。そして、ステップS606にて、HEMSコントローラ60は、ステップS602にて算出した放電電力Wdをバッテリ31に放電させるための信号を充放電制御部43に送信する。このHEMSコントローラ60からの信号により、充放電制御部43は、充放電ケーブル41を介して、バッテリ31を放電させるための信号をバッテリ制御部32に送信する。この充放電制御部43からの信号により、バッテリ制御部32は、バッテリ31を放電させる。これにより、バッテリ31は、このステップS602にてHEMSコントローラ60により算出された放電電力Wdを発生させる。このため、発電充電量Mpvが減少し、電池残量SOCが減少する。また、バッテリ31の放電には電力損失が伴うため、バッテリ31から充放電装置40および電力変換装置23を介して分電盤24に供給される電力は、ステップS602にてHEMSコントローラ60により算出された放電出力Wbaになる。
また、この逆潮流放電制御では、ステップS605にて、HEMSコントローラ60が制御周期τの時間を長くしており、図13に示すように、不足電力Wiが減少し始める20時から遅れて、放電出力Wbaが減少し始める。ここでは、第1遅れ時間ΔT1が所定時間経過しているかをHEMSコントローラ60が判定しているので、不足電力Wiが増加し始める20時から第1遅れ時間ΔT1遅れて、放電出力Wbaが減少し始める。また、この所定時間は、第2遅れ時間ΔT2よりも長いので、第1遅れ時間ΔT1は、第2遅れ時間ΔT2よりも長くなっている。
このとき、時間に対する放電出力Wbaをプロットした線は、時間に対する不足電力Wiをプロットした線と交差しない。そして、不足電力Wiが減少し始める20時から第1遅れ時間ΔT1が経過した後、放電出力Wbaが第1一定値Wn1になる。
また、このとき、分電盤24は、ステップS602にてHEMSコントローラ60により算出された放電出力Wbaのうち、不足電力Wi分の電力を電力消費機器25に供給する。これにより、ステップS602にてHEMSコントローラ60により算出された放電出力Wbaの一部によって、不足電力Wiが補われる。また、ステップS602にて算出した放電出力Wbaは、不足電力Wiよりも大きい。このため、分電盤24は、ステップS602にて算出した放電出力Wbaから不足電力Wiを減算した値の交流電力を系統電力線12に供給する。これにより、ステップS602にてHEMSコントローラ60により算出された放電出力Wbaの一部が逆潮流される。
図11に示すように、23時から24時までの時間帯において、消費電力Whは、20時から23時までの時間帯と同じ値である。また、発電装置21によって発電がされないで、発電電力Wpvは、ゼロである。
したがって、23時から24時までの時間帯において、余剰電力Weは、ゼロであり、余剰閾値We_th未満である。また、不足電力Wiは、消費電力Whであり、第1低出力閾値α1より大きくなっている。しかし、23時に、発電充電量Mpvがゼロになり、23時から24時までの時間帯において、発電充電量Mpvは、ゼロである。
そして、23時から24時までの時間帯は、電気自動車30のバッテリ31から放電することにより住宅20における系統電力の使用を削減してほしい時間帯、および、系統電力線12に電力を供給してほしい時間帯ではない。したがって、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS105に移行する。余剰電力Weが余剰閾値We_th未満であるため、ステップS105にて、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS107に移行する。この事例では、翌日発電量Mtが翌日発電閾値Mt_th以上であるため、ステップS107にて、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS111に移行する。しかし、発電充電量Mpvがゼロであるため、ステップS111にて、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS108に移行する。時間帯が安価時間帯TM_minではなく、電池残量SOCが電池閾値SOC_th以上であるため、ステップS108にて、HEMSコントローラ60は、バッテリ31を充電させる必要がないと判定する。よって、HEMSコントローラ60の処理は、ステップS110の通常放電制御に移行する。
この通常放電制御では、不足電力Wiが第1低出力閾値α1未満であるため、ステップS502にて、HEMSコントローラ60は、放電出力Wbaおよび放電電力Wdをともにゼロにする。したがって、バッテリ31が放電しないため、電池残量SOCは、変化しない。また、不足電力Wiは、系統電力によって補われる。
また、この通常放電制御では、第2遅れ時間ΔT2があるため、図13に示すように、発電充電量Mpvがゼロになる23時から第2遅れ時間ΔT2遅れて、放電出力Wbaが減少し始める。
このとき、時間に対する放電出力Wbaをプロットした線は、放電出力Wbaが高い値から低い値に変化する方向に沿って、時間に対する不足電力Wiをプロットした線を通過するように、時間に対する不足電力Wiをプロットした線と交差する。そして、時間に対する放電出力Wbaをプロットした線と時間に対する不足電力Wiをプロットした線と交差して、第2遅れ時間ΔT2が経過した後、放電出力Wbaは、ゼロになる。
以上に記載したように、HEMSコントローラ60の処理が行われる。そして、このHEMSコントローラ60によって、住宅20の電気料金の上昇を抑制できることについて説明する。
HEMSコントローラ60は、放電出力Wbaを、電力消費機器25および系統電力線12に供給させる。ここで、放電出力Wbaが電力消費機器25および系統電力線12に供給されている状態で不足電力Wiが増加して放電出力Wbaよりも大きくなるとする。このとき、HEMSコントローラ60は、時間に対する放電出力Wbaをプロットした線が、時間が進む方向に沿って時間に対する不足電力Wiをプロットした線を通過するように、放電出力Wbaを制御する。例えば、図13において、時刻が17時半であるとき、時間に対する放電出力Wbaをプロットした線は、時間が進む方向に沿って、時間に対する不足電力Wiをプロットした線を通過するように、交差する。
これにより、放電出力Wbaが電力消費機器25および系統電力線12に供給されるため、バッテリ31の電池残量SOCの消費量を多くすることができる。さらに、時間に対する放電出力Wbaをプロットした線は、時間が進む方向に沿って、時間に対する不足電力Wiをプロットした線を通過するので、放電出力Wbaの出力時間を比較的長くすることができる。バッテリ31の電池残量SOCの消費量を多く、放電出力Wbaの出力時間を比較的長くすることができるので、バッテリ31の電池残量SOCが消費されやすくなる。これにより、発電電力Wpvを用いて、バッテリ31を充電する機会が増加する。このため、発電電力Wpvが消費されやすくなり、発電電力Wpvが無駄になることが抑制される。
また、本実施形態のHEMSコントローラ60では、以下[1]−[9]に説明するような効果も奏する。
[1]HEMSコントローラ60は、不足電力Wiが第1低出力閾値α1未満であるとき、第1低出力閾値α1以上、第2低出力閾値α2未満となる放電出力Wbaを電力消費機器25および系統電力線12に供給させる。例えば、図13において、17時付近から17時半付近までの時間帯および20時付近から23時付近までの時間帯において、第1一定値Wn1となる放電出力Wbaが電力消費機器25および系統電力線12に供給される。
また、HEMSコントローラ60は、不足電力Wiが第1低出力閾値α1以上、第2低出力閾値α2未満であるとき、第2低出力閾値α2以上となる放電出力Wbaを電力消費機器25および系統電力線12に供給させる。例えば、図13において、17時半付近から18時付近までの時間帯および18時半付近から20時付近までの時間帯において、第2一定値Wn2となる放電出力Wbaが電力消費機器25および系統電力線12に供給される。
これにより、HEMSコントローラ60が放電出力Wbaの複雑な制御をする必要がなくなる。
[2]HEMSコントローラ60は、バッテリ31の放電効率ηd、買電価格Cpおよび売電価格Csに基づいて、第1低出力閾値α1を設定する。これにより、HEMSコントローラ60は、電気料金の上昇を抑制する第1低出力閾値α1を設定できる。例えば、HEMSコントローラ60は、上記したように、逆潮料金Frを系統料金Fsよりも安くすることができる。これにより、HEMSコントローラ60は、電気料金の上昇を抑制できる。
[3]HEMSコントローラ60は、車両識別番号IDに基づいて、第1低出力閾値α1を設定する。放電効率ηdは、車両識別番号IDおよび電気自動車30の車種に異なる。このため、車両識別番号IDおよび電気自動車30の車種に対応する第1低出力閾値α1が設定されることによって、放電効率ηdの精度が向上する。放電効率ηdの精度が向上するため、HEMSコントローラ60は、電気料金の上昇を抑制する第1低出力閾値α1を設定しやすくなる。これにより、HEMSコントローラ60は、電気料金の上昇を抑制できる。
[4]上記したように、放電出力Wbaが大きくなるに伴い、放電効率ηdが高くなる。そして、HEMSコントローラ60は、不足電力Wiが第2低出力閾値α2以上であるとき、不足電力Wiとなる放電出力Wbaを電力消費機器25に供給させる。これにより、HEMSコントローラ60は、放電効率ηdが比較的低い場合に、放電出力Wbaを逆潮させ、放電効率ηdが比較的高い場合に、放電出力Wbaを不足電力Wiに追従させることができる。
[5]HEMSコントローラ60は、高出力閾値β以下となる放電出力Wbaを電力消費機器25および系統電力線12に供給させる。これにより、放電効率ηdが比較的高い状態でHEMSコントローラ60は、放電出力Wbaを電力消費機器25および系統電力線12に供給させることができる。
[6]HEMSコントローラ60は、発電履歴Hpv、消費履歴Hhおよび放電履歴Hdを取得する。これにより、HEMSコントローラ60は、今後に不足電力Wiおよび放電電力Wdが比較的大きくなると予測される時間帯である高負荷時間帯Thを予測することができる。例えば、図11において、18時から18時半までの時間帯が高負荷時間帯Thであると予測されている。HEMSコントローラ60は、高負荷時間帯Thを予測することによって、高負荷時間帯Thに優先してバッテリ31を放電させることができる。このため、バッテリ31が電池残量SOCを消費する電力量を大きくすることができる。これにより、発電電力Wpvを用いて、バッテリ31を充電する機会がより増加するため、発電電力Wpvが無駄になることが抑制される。
[7]HEMSコントローラ60は、気象データDwfに基づいて、翌日発電量Mtを推定する。そして、HEMSコントローラ60は、翌日発電量Mtに基づいて、放電出力Wbaを、電力消費機器25および系統電力線12に供給させる。
また、HEMSコントローラ60は、翌日発電量Mtが翌日発電閾値Mt_th未満であるとき、系統電力源11からの電力によって、バッテリ31を充電させる。翌日に、発電電力Wpvによりバッテリ31が充電されにくい状況であるので、バッテリ31を充電させることによって、バッテリ31の電池残量SOCを確保することができる。
さらに、HEMSコントローラ60は、翌日発電量Mtが翌日発電閾値Mt_th以上であるとき、放電出力Wbaを、電力消費機器25および系統電力線12に供給させる。翌日に、発電電力Wpvによりバッテリ31が充電されやすい状況であるので、HEMSコントローラ60は、積極的に、放電出力Wbaを電力消費機器25および系統電力線12に供給させることができる。
[8]HEMSコントローラ60は、発電充電量Mpvを取得する。そして、HEMSコントローラ60は、発電充電量Mpvがゼロより大きいとき、放電出力Wbaを、電力消費機器25および系統電力線12に供給させる。これにより、HEMSコントローラ60は、発電電力Wpvによってバッテリ31に充電された電力を電力消費機器25および系統電力線12に供給させることができる。そして、発電電力Wpvによってバッテリ31に充電された電力が消費されるため、バッテリ31を充電するための系統電力に使用が抑制されて、電気料金を抑制することができる。
[9]HEMSコントローラ60は、電力会社からの要求に基づいて、放電出力Wbaを、系統電力線12に供給させる。これにより、HEMSコントローラ60は、系統電力源11および系統電力線12の電力を安定させることができる。
(他の実施形態)
本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、上記実施形態に対して、適宜変更が可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
本開示に記載の取得部、推定部、制御部およびその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサおよびメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の取得部、推定部、制御部およびその手法は、一つ以上の専用ハードウエア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の取得部、推定部、制御部およびその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサおよびメモリと一つ以上のハードウエア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
(1)上記実施形態では、HEMSコントローラ60は、ステップS303にて、装置電力計42によって測定された電力、電池充電効率ηcbおよび制御周期τに基づいて、充電量Mcを推定する。これに限定されず、HEMSコントローラ60は、ステップS101にて取得した電池残量SOCの変化に基づいて、充電量Mcを推定してもよい。具体的には、充放電制御部43は、ステップS302にてバッテリ31が充電された後の電池残量SOCをバッテリ制御部32から取得する。そして、HEMSコントローラ60は、ステップS303にて、充放電制御部43からステップS302にてバッテリ31が充電された後の電池残量SOCを取得する。そして、HEMSコントローラ60は、ステップS302にてバッテリ31が充電された後の電池残量SOCからステップS101にて取得した電池残量SOCの差を充電量Mcとして推定する。
(2)上記実施形態では、HEMSコントローラ60は、逆潮流放電制御において、不足電力Wiが第1低出力閾値α1未満であるとき、放電出力Wbaを、第1低出力閾値α1以上、第2低出力閾値α2未満である第1一定値Wn1にする。また、HEMSコントローラ60は、逆潮流放電制御において、不足電力Wiが第1低出力閾値α1以上、第2低出力閾値α2未満であるとき、放電出力Wbaを、第2低出力閾値α2以上、高出力閾値β以下である第2一定値Wn2にする。そして、HEMSコントローラ60は、逆潮流放電制御において、不足電力Wiが第2低出力閾値α2以上であるとき、放電出力Wbaを不足電力Wiにする。
これに限定されず、図14に示すように、HEMSコントローラ60は、逆潮流放電制御において、不足電力Wiが第1低出力閾値α1未満であるとき、放電出力Wbaを、第1低出力閾値α1以上、高出力閾値β以下である第1一定値Wn1にする。そして、HEMSコントローラ60は、逆潮流放電制御において、不足電力Wiが第1低出力閾値α1以上であるとき、放電出力Wbaを不足電力Wiにしてもよい。
また、上記実施形態では、2つの低出力閾値である第1低出力閾値α1および第2低出力閾値α2が設定されている。低出力閾値の数は、2つに限定されず、3つ以上設定されてもよい。
(3)上記実施形態では、HEMSコントローラ60は、住宅20の内部に配置されている。これに限定されず、上記実施形態のHEMSコントローラ60に相当するコントローラは、充放電装置40の内部に配置されてもよい。
(4)上記実施形態では、蓄電装置は、電気自動車30である。図15に示すように、蓄電装置は、電気自動車30であることに限定されず、定置式蓄電装置80であってもよい。この場合、HEMS100は、充放電装置40および充放電ケーブル41を備えないで、定置式蓄電装置80が、バッテリ31、バッテリ制御部32、装置電力計42および充放電制御部43を備える。
(5)上記実施形態では、蓄電装置は、電気自動車30としたが、ブラグインハイブリッド自動車であってもよい。
(6)上記実施形態では、ステップS605において、HEMSコントローラ60は、HEMSコントローラ60は、制御周期τの時間を長くする。上記実施形態では、HEMSコントローラ60は、第1遅れ時間ΔT1が所定時間経過したか否かを判定する。これに限定されず、第1遅れ時間ΔT1が所定時間経過したか否かを判定しないで、第1遅れ時間ΔT1が第2遅れ時間ΔT2と同じ時間であってもよい。
(7)上記実施形態では、電力変換装置23は、住宅20の外部に配置されており、直流電力を交流電力に変換し、交流電力を直流電力に変換する。これに対して、充放電装置40内および蓄電装置内に配置されてもよい。この場合、分電盤24からの電力は、充放電装置40を介して電気自動車30のバッテリ31に供給される。また、バッテリ31の放電電力Wdは、充放電装置40を介して分電盤24に供給される。
(まとめ)
第1の観点によれば、コントローラは、建物に備えられる発電装置によって発電される電力である発電電力と、建物に備えられる電力消費機器によって消費される電力である消費電力と、を取得する電力取得部と、発電電力および消費電力に基づいて、建物に不足する電力である不足電力を推定する電力推定部と、建物に備えられる蓄電装置のバッテリから建物に備えられる分電盤に供給される電力である放電出力を電力消費機器および系統電力線に供給させる電力制御部と、を備え、電力制御部は、放電出力が電力消費機器および系統電力線に供給されている状態で不足電力が増加して放電出力よりも大きくなるとき、時間に対する放電出力をプロットした線が、時間が進む方向に沿って、時間に対する不足電力をプロットした線を通過するように、放電出力を制御する。これにより、発電電力が無駄になることを抑制することができる。
第2の観点によれば、電力制御部は、不足電力が低出力閾値未満であるとき、低出力閾値以上となる放電出力を電力消費機器および系統電力線に供給させる。これにより、放電出力の複雑な制御をする必要がなくなる。
第3の観点によれば、電力制御部は、バッテリが放電するときに発生する電力に対する放電出力の割合である放電効率、買電価格および売電価格に基づいて、低出力閾値を設定する。これにより、電気料金の上昇を抑制することができる。
第4の観点によれば、電力制御部は、蓄電装置の識別番号に基づいて、低出力閾値を設定する。これにより、電気料金の上昇を抑制することができる。
第5の観点によれば、電力制御部は、不足電力が低出力閾値以上であるとき、放電出力を系統電力線に供給させないで、不足電力の値となる放電出力を電力消費機器に供給させる。これにより、放電効率が比較的低い場合に、放電出力を逆潮させ、放電効率が比較的高い場合に、放電出力を不足電力に追従させることができる。
第6の観点によれば、電力制御部は、不足電力が低出力閾値未満であるとき、低出力閾値以上、バッテリが放電するときに発生する電力に対する放電出力の割合である放電効率に基づいて設定される高出力閾値以下となる放電出力を電力消費機器および系統電力線に供給させる。放電効率が比較的高い状態で、放電出力を電力消費機器および系統電力線に供給させることができる。
第7の観点によれば、低出力閾値は、第1低出力閾値であり、電力制御部は、不足電力が第1低出力閾値未満であるとき、第1低出力閾値以上、第2低出力閾値未満となる放電出力を電力消費機器および系統電力線に供給させ、不足電力が第1低出力閾値以上、第2低出力閾値未満であるとき、第2低出力閾値以上となる電力消費機器および系統電力線に供給させる。これにより、放電出力の複雑な制御をする必要がなくなる。
第8の観点によれば、電力制御部は、不足電力が第2低出力閾値以上であるとき、放電出力を系統電力線に供給させないで、不足電力の値となる放電出力を電力消費機器に供給させる。これにより、放電効率が比較的低い場合に、放電出力を逆潮させ、放電効率が比較的高い場合に、放電出力を不足電力に追従させることができる。
第9の観点によれば、コントローラは、過去から現時点までの発電電力の推移である発電履歴、過去から現時点までの消費電力の推移である消費履歴および過去から現時点までのバッテリが放電したときに発生した電力の推移である放電履歴を取得する履歴取得部をさらに備える。これにより、発電電力が無駄になることを抑制することができる。
第10の観点によれば、コントローラは、天候および日照量の推移の予測である気象データに基づいて、現時点の翌日の発電装置が発電する電力量である翌日発電量を推定する翌日推定部をさらに備え、電力制御部は、翌日発電量に基づいて、放電出力を、電力消費機器および系統電力線に供給させる。これにより、バッテリの電池残量を確保することができ、積極的に、放電出力を電力消費機器および系統電力線に供給させることができる。
第11の観点によれば、電力制御部は、翌日発電量が翌日発電閾値未満であるとき、系統電力源からの電力によって、バッテリを充電させる。これにより、バッテリの電池残量を確保することができる。
第12の観点によれば、電力制御部は、翌日発電量が翌日発電閾値以上であるとき、放電出力を、電力消費機器および系統電力線に供給させる。これにより、積極的に、放電出力を電力消費機器および系統電力線に供給させることができる。
第13の観点によれば、電力制御部は、発電電力によりバッテリに充電されている電力量である発電充電量がゼロより大きいとき、放電出力を、電力消費機器および系統電力線に供給させる。これにより、電気料金を抑制することができる。
第14の観点によれば、電力制御部は、電力会社からの要求に基づいて、放電出力を、系統電力線に供給させる。これにより、系統電力源および系統電力線の電力を安定させることができる。
第15の観点によれば、エネルギー管理システムは、建物に備えられる発電装置と、建物に備えられる電力消費機器と、建物に備えられる蓄電装置のバッテリと、建物に備えられる分電盤と、発電装置によって発電される電力である発電電力と、電力消費機器によって消費される電力である消費電力と、を取得し、発電電力および消費電力に基づいて、建物に不足する電力である不足電力を推定し、バッテリから分電盤に供給される電力である放電出力を、電力消費機器および系統電力線に供給させるコントローラと、を備え、コントローラは、放電出力が電力消費機器および系統電力線に供給されている状態で不足電力が増加して放電出力よりも大きくなるとき、時間に対する放電出力をプロットした線が、時間が進む方向に沿って、時間に対する不足電力をプロットした線を通過するように、放電出力を制御する。これにより、発電電力が無駄になることを抑制することができる。