JP2021016111A - スピーカーキャビネット並びにスピーカーシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】 パッシブラジエータで発生する振動を抑制し、製造が容易で、かつ、小型化を図っても低音域の音声再生が改善するスピーカーキャビネット並びにスピーカーシステムを提供する。【解決手段】 スピーカーキャビネットは、その筐体の内部にスピーカーユニットと第1および第2のパッシブラジエータのぞれぞれの振動板に共通して作用する音響容量である背面空間を規定し、背面空間とは隔てられて筐体の内側に規定されそれぞれ独立した第1ならびに第2のキャビティを有し、第1および第2のパッシブラジエータのそれぞれの振動板の一方面が背面空間に臨み、かつ、それぞれの他方面が第1ならびに第2のキャビティにそれぞれ臨み、かつ、第1と第2のキャビティとを隔てる隔壁を間に挟んで第1および第2のパッシブラジエータの振動板が機械的に略同軸上において逆相で振動するように配置される。【選択図】 図2

Description

本発明は、スピーカーキャビネット、並びに、このスピーカーキャビネットを用いたスピーカーシステムに関する。
音声を再生するスピーカーを取り付けるディスプレイ等の音響機器においては、スピーカーを取り付けるのに要する空間を小型化することが要望されている。一方で、小型のスピーカーシステムにおいて、キャビネットの体積が小さくなると、キャビネットが動電型スピーカーの振動板の背面側に規定する音響容量が小さくなり、それ以上の周波数で平坦な再生音圧周波数特性を得ることができる最低共振周波数f0[Hz]が上昇してしまい、その結果、低音域が不足して十分な音声再生能力が得られない、という問題を生じる場合がある。
したがって、従来には、これらの問題を解決するために様々なスピーカーシステムが提案されている。動電型スピーカーを備えるスピーカーシステムでは、代表的には、密閉型キャビネット、バスレフ型キャビネット、等が存在し、あるいは、ドロンコーン、あるいは、パッシブラジエータを備えるスピーカーシステムがある。スピーカーキャビネットは、スピーカーユニットが取り付けられた筐体の内部にスピーカーユニットの振動板に作用する音響容量である背面空間を規定する。スピーカーキャビネットは、背面空間を密閉すれば密閉型キャビネットとなるが、パッシブラジエータを備えれば、バスレフダクトを備えるバスレフ型のように、パッシブラジエータから低音域を再生するパッシブラジエータ型のスピーカーシステムを構成することができる。
また、従来のドロンコーン、あるいは、パッシブラジエータを備えるスピーカーシステムでは、様々な工夫を加えて改善を図ろうとするものがある。重量の大きいパッシブラジエータの振動板が振動すると、その慣性力の反作用でスピーカーキャビネットに生じる振動は比較的に大きくなりやすい。全体の重量が軽い小型のスピーカーシステムの場合には、パッシブラジエータの振動で、設置したスピーカーシステムが動いてしまうという問題が生じる場合もある。
例えば、従来には、2つのパッシブラジエータを機械的に対抗するように配置して、互いに逆相的に振動することで振動を抑制できる構成のスピーカーシステムが開示されている。従来には、スピーカーユニットが取り付けられたスピーカーキャビネットに複数のパッシブラジエータを取り付けるものとして、直方体キャビネットの第1の対向面にスピーカーユニットが対設され、第2の対向面にはパッシブ振動板が対設されているスピーカーシステムが開示されている(特許文献1)。
また、従来には、同等の実効振動面積と実効振動質量をもつ複数個のドライバユニットと、同等の実効振動面積と実効振動質量をもつ複数個のパッシブラジエータと、これらを取り付けるケルトン型キャビネットとを備え、前記ドライバユニットとその音の放射方向側に配置された前記パッシブラジエータとは密閉されたキャビティで結合され、前記各ドライバユニットが前記キャビネットの互いに対向する略鉛直面に取り付けられ、前記各パッシブラジエータが前記キャビネットの外側の互いに対向する略鉛直面に取り付けられ、前記各ドライバユニットを同位相で駆動したことを特徴とする低音再生スピーカーが開示されている(特許文献2)。
また、外面を備え、内部容積を囲み、更に前記外面に筐体開口部を備えた音響筐体と、各々が第1の放射表面を備え、該第1の放射表面が前記筐体内部容積に臨むように取り付けられた第1の音響ドライバ及び第2の音響ドライバと、キャビティ開口を有する三次元構造を備え、前記内部容積から隔てられ、前記筐体内にキャビティを形成する前記筐体開口部内に取り付けられたパッシブ放射器モジュールと、各々が2つの対向面を有する振動素子を備え、前記表面の1つが前記キャビティに臨むように前記モジュール内に取り付けられた第1のパッシブ放射器及び第2のパッシブ放射器と、前記第1の音響ドライバ及び前記第1のパッシブ放射器を備えた第1のチャンバと、前記第2の音響ドライバ及び前記第2のパッシブ放射器を備えた第2のチャンバとの間に設けられた前記筐体内のバッフル構造と、を備えることを特徴とする音響デバイスが開示されている(特許文献3、特許文献4)。
実開昭56−2690号公報 特許第3144230号公報 特許第4468364号公報 特開2013−102409号公報
2つのパッシブラジエータを機械的に対抗するように配置して、互いに逆相的に振動することで振動を抑制するにも、特許文献3または4に開示されるようなスピーカーキャビネットは、製造が難しく、製造コストが高くなり易いという問題がある。対抗した2つのパッシブラジエータの前面容積を共有する配置とされているが、これらの2つのパッシブラジエータのバラツキにより動作が異なって、それぞれのパッシブラジエータが放射する音波の圧力が相互に影響する場合がある。その結果、再生音質の改善および製造コストの低減を両立させるには、従来技術では不十分な点がある。
本発明は、上記の従来技術が有する問題を解決するためになされたものであり、その目的は、スピーカーキャビネット、並びに、このスピーカーキャビネットを用いたスピーカーシステムに関し、パッシブラジエータで発生する振動を抑制し、製造が容易で、かつ、小型化を図っても低音域の音声再生が改善するスピーカーキャビネット、並びに、これらのスピーカーキャビネットを用いたスピーカーシステムを提供することにある。
本発明のスピーカーキャビネットは、その筐体の内部にスピーカーユニットと第1パッシブラジエータおよび第2パッシブラジエータのぞれぞれの振動板に共通して作用する音響容量である背面空間を規定するスピーカーキャビネットであって、背面空間とは隔てられて筐体の内側に規定され、筐体の外側空間に連通するそれぞれ独立した第1キャビティならびに第2キャビティを有し、第1パッシブラジエータおよび第2パッシブラジエータのそれぞれの振動板の一方面が背面空間に臨み、かつ、それぞれの他方面が第1キャビティならびに第2キャビティにそれぞれ臨み、かつ、第1キャビティと第2キャビティとを隔てる隔壁を間に挟んで第1パッシブラジエータの振動板および第2パッシブラジエータの振動板が機械的に略同軸上において逆相で振動するように、第1パッシブラジエータを取り付ける第1取付部と第2パッシブラジエータを取り付ける第2取付部とが配置される。
好ましくは、本発明のスピーカーキャビネットは、筐体のスピーカーユニットが取り付けられるスピーカーユニット取付部が、第1取付部および第2取付部と略同軸上に配置される。
また、本発明のスピーカーキャビネットは、第1キャビティならびに第2キャビティにそれぞれ連通する第1開口ならびに第2開口が、筐体の外面において離隔するように設けられている。
また、好ましくは、本発明のスピーカーキャビネットは、筐体が、スピーカーユニットが取り付けられるバフル部材と、第1取付部が形成される第1部材と、隔壁を形成する隔壁部材と、第2取付部が形成される第2部材と、を少なくとも含み、これらが連結されて構成されている。
また、本発明のスピーカーシステムは、上記のいずれかのスピーカーキャビネットと、スピーカーユニットと、第1取付部に取り付けられる第1パッシブラジエータと、第2取付部に取り付けられる第2パッシブラジエータと、を含む。
以下、本発明の作用について説明する。
本発明のスピーカーキャビネットは、その筐体の内部にスピーカーユニットと第1パッシブラジエータおよび第2パッシブラジエータのぞれぞれの振動板に共通して作用する音響容量である背面空間を規定するスピーカーキャビネットである。スピーカーキャビネットは、背面空間とは隔てられて筐体の内側に規定され、筐体の外側空間に連通するそれぞれ独立した第1キャビティならびに第2キャビティを有する。第1パッシブラジエータおよび第2パッシブラジエータのそれぞれの振動板の一方面が背面空間に臨み、かつ、それぞれの他方面が第1キャビティならびに第2キャビティにそれぞれ臨むようになる。そして、第1キャビティと第2キャビティとを隔てる隔壁を間に挟んで第1パッシブラジエータの振動板および第2パッシブラジエータの振動板が機械的に略同軸上において逆相で振動するように、第1パッシブラジエータを取り付ける第1取付部と第2パッシブラジエータを取り付ける第2取付部とが配置される。
本発明のスピーカーシステムは、このスピーカーキャビネットと、スピーカーユニットと、第1取付部に取り付けられる第1パッシブラジエータと、第2取付部に取り付けられる第2パッシブラジエータと、を含む。スピーカーキャビネットは、筐体のスピーカーユニットが取り付けられるスピーカーユニット取付部が、第1取付部および第2取付部と略同軸上に配置されるのが好ましい。
このスピーカーキャビネットにおいて、第1パッシブラジエータの振動板および第2パッシブラジエータの振動板は、機械的に略同軸上において逆相で振動するように配置されるので、パッシブラジエータを備えるスピーカーキャビネットで生じる振動を抑制することができる。しかも、第1パッシブラジエータの振動板および第2パッシブラジエータの振動板は、第1キャビティと第2キャビティとを隔てる隔壁を間に挟んで配置されるので、小型化を図っても低音域の音声再生が改善する。したがって、スピーカーユニットの駆動の反作用により、スピーカーキャビネットの振動を抑制し、スピーカーシステム全体の再生音質に好ましい影響を与えることができる。
ここで、第1キャビティならびに第2キャビティにそれぞれ連通する第1開口ならびに第2開口は、筐体の外面において離隔するように設けられているのが好ましい。第1開口ならびに第2開口が離隔している方が、隔壁を間に挟んで第1キャビティと第2キャビティとを隔てる効果を高めることができるからである。その結果、スピーカーシステムの再生音質にさらに好ましい影響を与えることができる。
スピーカーキャビネットの筐体は、前記スピーカーユニットが取り付けられるバフル部材と、前記第1取付部が形成される第1部材と、前記隔壁を形成する隔壁部材と、前記第2取付部が形成される第2部材と、を少なくとも含むようにすればよい。バフル部材と、第1部材と、第2部材と、を連結して構成すれば、背面空間を規定するとともに、隔壁が第1キャビティと第2キャビティとを隔てて2つのパッシブラジエータを機械的に対抗するように配置することができる。
本発明のスピーカーキャビネット並びにこれらのスピーカーキャビネットを用いたスピーカーシステムは、パッシブラジエータで発生する振動を抑制し、製造が容易で、かつ、小型化を図っても低音域の音声再生が改善して、好ましい音声再生が可能になる。
本発明の好ましい実施形態によるスピーカーシステムについて説明する図である。(実施例1) 本発明の好ましい実施形態によるスピーカーシステムの内部構造について説明する図である。(実施例1) 本発明の好ましい実施形態によるスピーカーシステムの音圧周波数特性について説明するグラフである。(実施例1) 本発明の他の好ましい実施形態によるスピーカーシステムについて説明する図である。(実施例2)
以下、本発明の好ましい実施形態によるスピーカーキャビネット並びにスピーカーシステムについて説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
図1〜図2は、本発明の好ましい実施形態によるスピーカーキャビネット10を用いるスピーカーシステム1について説明する図である。具体的には、図1はスピーカーシステム1の斜視図であり、図2(a)はA−A’断面斜視図、図2(b)はB−B’断面斜視図である。
本実施例のスピーカーユニット2は、振動板の呼び口径が4cmの小型の動電型スピーカーである。また、本実施例のスピーカーキャビネット10は、略円筒形状の外形形状を有するキャビネットである。スピーカーキャビネット10の外形寸法は、直径約6cm、全高約6cmであり、背面空間20の体積が約70mlと小型のキャビネットである。もちろん、スピーカーキャビネット10の外形形状は、本実施例の形状、プロポーションに限定されない。
スピーカーキャビネット10の筐体は、樹脂でそれぞれ形成された略円筒形状のバフル部材11、第1部材12、隔壁部材13、第2部材14および底部材15を連結して構成されている。バフル部材11は、略円筒形状の天面に当たる天板部分を構成し、スピーカーユニット2が取り付けられるスピーカーユニット取付孔を備える。また、バフル部材11の天板部分には、後述する第1開口23と、第2開口24とが現れている。
スピーカーシステム1は、スピーカーキャビネット10に取り付けられるスピーカーユニット2と、第1パッシブラジエータ3と、第2パッシブラジエータ4と、を備えるパッシブラジエータ型のスピーカーシステムである。第1パッシブラジエータ3からの放射音は、第1開口23から放射される。また、第2パッシブラジエータ4からの放射音は、第1開口23からは離隔した第2開口24から放射される。第1パッシブラジエータ3並びに第2パッシブラジエータ4は、図2に示すようにスピーカーキャビネット10の内部に取り付けられて、図1に示すように外観視されない。
スピーカーユニット2は、コーン形状の振動板と、ボイスコイルを覆うように取り付けられて振動板として音波を放射するドーム形状のダストキャップと、を備える。スピーカーユニット2の振動板の一方面は、スピーカーキャビネット10の筐体の内側に規定される背面空間20に臨んでいる。また、スピーカーユニット2の振動板の他方面は、スピーカーキャビネット10の筐体の外側空間に臨み、音波を外側空間に放射する。したがって、背面空間20の空気は、スピーカーユニット2の振動板に対して音響容量として作用する。
また、背面空間20の空気は、第1パッシブラジエータ3および第2パッシブラジエータ4のぞれぞれの振動板に共通する音響容量として作用する。背面空間20は、図2(b)に図示するように、スピーカーユニット2の振動板の他方面ならびに第1パッシブラジエータ3の振動板の一方面に臨む部分である背面空間20aと、スピーカーキャビネット10の底面側に形成されて第2パッシブラジエータ4の振動板の一方面に臨む部分である背面空間20bと、これらを繋ぐ管状の空間として形成される背面空間20cならびに背面空間20dと、を含む。
スピーカーキャビネット10は、筐体の内部に背面空間20とは隔てられて筐体の内側に規定されるそれぞれ独立した第1キャビティ21ならびに第2キャビティ22を有する。第1キャビティ21ならびに第2キャビティ22は、図2(a)に図示するように、それぞれバフル部材11の第1開口23ならびに第2開口24から筐体の外側空間に連通する空間である。スピーカーキャビネット10の筐体の内部において、第1キャビティ21ならびに第2キャビティ22は、これらを隔てる隔壁16を間に挟んで分離されている。
第1キャビティ21は、第1パッシブラジエータ3の振動板の他方面が臨む内部空間であり、第1パッシブラジエータ3からの放射音は、第1キャビティ21と第1開口23を通じて外側空間に放射される。また、第2キャビティ22は、第2パッシブラジエータ4の振動板の他方面が臨む内部空間であり、第2パッシブラジエータ4からの放射音は、第2キャビティ22と第2開口24を通じて外側空間に放射される。
第1パッシブラジエータ3は、振動板の周囲を振動板が振動可能に柔軟に支持するエッジと、エッジの外径側を固定する固定部を備える。第1パッシブラジエータ3の固定部は、樹脂で形成された略円筒形状の第1部材12に形成された第1取付部に取り付けられている。第1部材12はバフル部材11と連結して、背面空間20を構成する背面空間20aと、第1キャビティ21と、その第1開口23に連通する部分と、第2キャビティ22の第2開口24に連通する部分と、を規定する。
第2パッシブラジエータ4は、第1パッシブラジエータ3と同一の構成を有し、振動板の周囲を振動板が振動可能に柔軟に支持するエッジと、エッジの外径側を固定する固定部を備える。第2パッシブラジエータ4の固定部は、樹脂で形成された略円筒形状の第2部材14に形成された第2取付部に取り付けられている。第2部材14は底部材15と連結して、背面空間20を構成する背面空間20bを規定する。また、第2部材14は隔壁部材13と連結して、第2キャビティ22と、その第2開口24に連通する部分を規定する。隔壁部材13および第2部材14は、背面空間20cならびに背面空間20dも規定する。
隔壁16を備える隔壁部材13は、第1部材12と第2部材14との間に挟まれるように連結される。また、第1部材12の第1パッシブラジエータ3を取り付ける第1取付部と、第2部材14の第2パッシブラジエータ4を取り付ける第2取付部と、は、第1キャビティ21と第2キャビティ22とを隔てる隔壁16を間に挟んで同軸上に配置される。また、背面空間20aおよび背面空間20bは、背面空間20cならびに背面空間20dにより繋がれていて、スピーカーユニット2と第1パッシブラジエータ3および第2パッシブラジエータ4のぞれぞれの振動板に共通して作用する音響容量となる背面空間20を構成する。
その結果、このスピーカーシステム1では、第1パッシブラジエータ3の振動板および第2パッシブラジエータ4の振動板が、機械的に略同軸上において逆相で振動するように配置されることになる。第1パッシブラジエータ3および第2パッシブラジエータ4は、共通する構成を有しているので、これらの振動板が機械的に略同軸上において逆相で振動すると、機械的な振動を打ち消し合うことになる。したがって、スピーカーシステム1のキャビネット10で発生する振動を抑制することができる。重量の大きいパッシブラジエータの振動板が振動すると、その慣性力の反作用でスピーカーキャビネットに生じる振動は比較的に大きくなりやすいが、本実施例のスピーカーシステム1では、スピーカーキャビネット10に生じる振動は、格段に小さくなる。
図3は、スピーカーシステム1の音圧周波数特性について説明するグラフ(横軸:周波数、縦軸:音圧レベルSPL)である。本実施例のスピーカーシステム1は、内容積が小さい小型のスピーカーキャビネット10であるので、定期限界周波数が200Hz以上になっているが、第1パッシブラジエータ3および第2パッシブラジエータ4を備えるので、このような小型のスピーカーキャビネットとしては低音域である50H以上の再生音圧レベルが高くなっている。したがって、小型化を図っても低音再生能力に優れるスピーカーシステムを実現できる。
本実施例のスピーカーキャビネット10は、樹脂でそれぞれ形成された略円筒形状のバフル部材11、第1部材12、隔壁部材13、第2部材14および底部材15を順番に連結すれば構成できるようになっている。スピーカーキャビネット1は、スピーカーユニット1が取り付けられるスピーカーユニット取付部がバフル部材11に設けられ、第1パッシブラジエータ3を取り付ける第1部材12の第1取付部と、第2パッシブラジエータ4を取り付ける第2部材14の第2取付部と略同軸上に配置されるようにすればよい。それぞれの部材は、図1または図2に図示する上下方向に分離して抜く金型に樹脂を流し込んで射出成形すればよいので、比較的に容易にスピーカーキャビネット10を構成することができる。
また、このスピーカーシステム1では、第1パッシブラジエータ3からの放射音は、第1キャビティ21と第1開口23を通じて外側空間に放射され、第2パッシブラジエータ4からの放射音は、第2キャビティ22と第2開口24を通じて外側空間に放射される。そもそも第1キャビティ21ならびに第2キャビティ22は、これらを隔てる隔壁16を間に挟んで分離されている。また、第1開口23と第2開口24とは、筐体の外面において離隔するように設けられている。対抗したパッシブラジエータの前面容積を共有する配置とされていないので、例えそれぞれのパッシブラジエータがまったく同一ではなく、性能的にバラついていても、放射する音波の圧力が相互に影響しない利点がある。
図4は、本発明の他の好ましい実施形態によるスピーカーキャビネット10aを用いるスピーカーシステム1aについて説明する斜視図である。本実施例は、先の実施例の場合とはスピーカーキャビネットの構成の相違を示す場合である。具体的には、スピーカーユニット2は共通し、本実施例のスピーカーキャビネット10aは、直方体形状の外形形状を有するキャビネットである。したがって、共通する構成には共通する図番号を付し、共通する説明と、スピーカーキャビネット10aの内部の図示は省略する。
スピーカーシステム1aでは、スピーカーユニット2はスピーカーキャビネット10aの天板17に取り付けられている点で先の実施例に共通する。ただし、スピーカーキャビネット10aでは、第1キャビティ21に連通する第1開口23が天板17ではなく側板18に現れるように設けられ、第2キャビティ22に連通する第2開口24が別の側板19に現れるように設けられている。
スピーカーキャビネット10aの内側では、いずれも図示しないが、隔壁16が第1キャビティ21と第2キャビティ22とを隔てている。第1パッシブラジエータ3の振動板および第2パッシブラジエータ4の振動板が、機械的に略同軸上において逆相で振動するように配置されて、スピーカーキャビネット10aに生じる振動は格段に小さくすることができる。
第1パッシブラジエータ3の振動板および第2パッシブラジエータ4の振動板は、機械的に略同軸上において逆相で振動するように配置されていれば、例えば図4に図示する横方向に振動するように内部で配置してもよい。その場合には、つまり、スピーカーユニット2が取り付けられるスピーカーユニット取付部が、第1取付部および前記第2取付部と略同軸上に配置されていない。
スピーカーシステム1aでは、場合によっては、第2キャビティ22に連通する第2開口24は、第1開口23と十分に離隔していれば側板18に現れるように設けられてもよい。対抗したパッシブラジエータの前面容積を共有する配置とされていないので、それぞれの第1パッシブラジエータ3および第2パッシブラジエータ4が放射する音波が相互に影響しない利点がある。
本発明のスピーカーキャビネット並びにこれらのスピーカーキャビネットを用いたスピーカーシステムは、家庭用のステレオ再生、もしくはマルチチャンネルサラウンド再生に限られず、車載用のオーディオ機器や、映画館等の音響再生設備にも適用が可能である。
1、1a スピーカーシステム
2 スピーカーユニット
3、4 パッシブラジエータ
10、10a スピーカーキャビネット
11 バフル部材
12 第1部材
13 隔壁部材
14 第2部材
15 底部材
16 隔壁
20 背面空間
21 第1キャビティ
22 第2キャビティ
23 第1開口
24 第2開口

Claims (5)

  1. その筐体の内部にスピーカーユニットと第1パッシブラジエータおよび第2パッシブラジエータのぞれぞれの振動板に共通して作用する音響容量である背面空間を規定するスピーカーキャビネットであって、
    該背面空間とは隔てられて該筐体の内側に規定され、該筐体の外側空間に連通するそれぞれ独立した第1キャビティならびに第2キャビティを有し、
    該第1パッシブラジエータおよび該第2パッシブラジエータのそれぞれの該振動板の一方面が該背面空間に臨み、かつ、それぞれの他方面が該第1キャビティならびに該第2キャビティにそれぞれ臨み、かつ、該第1キャビティと該第2キャビティとを隔てる隔壁を間に挟んで該第1パッシブラジエータの該振動板および該第2パッシブラジエータの該振動板が機械的に略同軸上において逆相で振動するように、該第1パッシブラジエータを取り付ける第1取付部と該第2パッシブラジエータを取り付ける第2取付部とが配置される、
    スピーカーキャビネット。
  2. 前記筐体の前記スピーカーユニットが取り付けられるスピーカーユニット取付部が、前記第1取付部および前記第2取付部と略同軸上に配置される、
    請求項1に記載のスピーカーキャビネット。
  3. 前記第1キャビティならびに前記第2キャビティにそれぞれ連通する第1開口ならびに第2開口が、前記筐体の外面において離隔するように設けられている、
    請求項1または2に記載のスピーカーキャビネット。
  4. 前記筐体が、前記スピーカーユニットが取り付けられるバフル部材と、前記第1取付部が形成される第1部材と、前記隔壁を形成する隔壁部材と、前記第2取付部が形成される第2部材と、を少なくとも含み、これらが連結されて構成されている、
    請求項1から3のいずれかに記載のスピーカーキャビネット。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載のスピーカーキャビネットと、前記スピーカーユニットと、前記第1取付部に取り付けられる第1パッシブラジエータと、前記第2取付部に取り付けられる第2パッシブラジエータと、を含むスピーカーシステム。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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