JP2021015151A - 撮像装置および撮像装置の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 交換レンズとの間で防振に関する通信を行うことができない場合にも、交換レンズの補正残りを効果的に補正できる撮像装置を提供する。【解決手段】 撮像光学系を駆動させて振れ補正を行うレンズ装置を着脱可能な撮像装置は、撮像光学系を通過した光束による像を撮像する撮像素子と、撮像装置の振れを検出する振動検出部と、撮像素子で異なる時刻に取得した複数の画像を用いて、像の動きの状態を検出する動き検出部と、振動検出部の出力と動き検出部の出力に基づいて、撮像装置に装着されているレンズ装置の像振れ補正特性を同定する制御部と、制御部で同定された像振れ補正特性と振動検出部の出力を用いて、振れ補正の補正残り分の像振れを撮像素子の撮像面にて抑制する補正部と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、撮像装置および撮像装置の制御方法に関する。
近年、例えばレンズ交換式のカメラシステムにおいては、交換レンズ、カメラ本体共に独立した防振機構を備えたものが知られている。この種のカメラシステムでは、カメラ本体と交換レンズ間で通信を行うことにより、両者それぞれの防振機構の性能を有効に活用することも提案されている(特許文献1参照)。
例えば、交換レンズとカメラ本体間の通信規格が制定される前に発売された交換レンズを使用する場合、カメラ本体と交換レンズの間で防振に関する通信を行うことができないことがある。この場合、交換レンズが行う防振に対して影響を与えるおそれがあるためにカメラ本体側の防振制御に制限がかかってしまい、結果としてカメラシステムで撮像された画像にぶれ残りが生じうる。
また、上記の通信規格が制定される前に発売された交換レンズの防振特性は、振動検出技術や防振制御技術の向上の影響で、他の交換レンズやカメラ本体の防振特性より劣る場合がある。このような交換レンズがカメラ本体に装着された場合、交換レンズの防振特性以上の防振を行えず、カメラ本体が持つ防振特性を十分活かすことができないという事象が生じる。
本発明は、上記の状況に鑑みてなされたものであって、交換レンズとの間で防振に関する通信を行うことができない場合にも、交換レンズの補正残りを効果的に補正できる撮像装置を提供する。
本発明の一実施形態は、撮像光学系を駆動させて振れ補正を行うレンズ装置を着脱可能な撮像装置であって、撮像光学系を通過した光束による像を撮像する撮像素子と、撮像装置の振れを検出する振動検出部と、撮像素子で異なる時刻に取得した複数の画像を用いて、像の動きの状態を検出する動き検出部と、振動検出部の出力と動き検出部の出力に基づいて、撮像装置に装着されているレンズ装置の像振れ補正特性を同定する制御部と、制御部で同定された像振れ補正特性と振動検出部の出力を用いて、振れ補正の補正残り分の像振れを撮像素子の撮像面にて抑制する補正部と、を備える。
本発明の一実施形態の撮像装置によれば、交換レンズとの間で防振に関する通信を行うことができない場合にも、交換レンズの補正残りを効果的に補正できる。
以下、本発明の実施形態を図面などに基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1(A)は、第1実施形態のカメラシステム100の構成の概要を示す図であり、図1(B)は、カメラシステム100の回路構成例を示すブロック図である。図1において、同一の要素には共通の符号を付して示す。
図1(A)は、第1実施形態のカメラシステム100の構成の概要を示す図であり、図1(B)は、カメラシステム100の回路構成例を示すブロック図である。図1において、同一の要素には共通の符号を付して示す。
本実施形態のカメラシステム100は、撮像装置の一例であるカメラ本体1と、カメラ本体1に装着される交換レンズ2とを備える。交換レンズ2は、レンズ装置の一例であって、カメラ本体1に対して着脱可能である。カメラ本体1と交換レンズ2は、電気接点11を介して電気的に接続され、カメラ本体1に交換レンズ2を装着した状態では両者の間で通信が可能である。本実施形態では、カメラ本体1がいわゆるミラーレスカメラである例を示すが、カメラ本体1はクイックリターンミラーを有する一眼レフレックスカメラであってもよい。
カメラ本体1は、カメラシステム制御部5、撮像素子6、画像処理部7、メモリ部8、表示部9、操作検出部10、像振れ補正部14、振れ検出部15、シャッタ機構16、シャッタ駆動部17を含む。
一方、交換レンズ2は、撮像光学系3、レンズシステム制御部12、レンズ駆動部13、振れ検出部18を含む。
一方、交換レンズ2は、撮像光学系3、レンズシステム制御部12、レンズ駆動部13、振れ検出部18を含む。
最初に、交換レンズ2の構成要素について説明する。
カメラシステム100において、被写体からの光束は、交換レンズ2の撮像光学系3を通過してカメラ本体1の撮像素子6に入射する。撮像光学系3は、複数のレンズを有し、レンズ駆動部13の動作により、撮像光学系3における焦点調節、絞り駆動、像振れ補正などが行われる。交換レンズ2におけるレンズ駆動などの制御はレンズシステム制御部12で行われる。
カメラシステム100において、被写体からの光束は、交換レンズ2の撮像光学系3を通過してカメラ本体1の撮像素子6に入射する。撮像光学系3は、複数のレンズを有し、レンズ駆動部13の動作により、撮像光学系3における焦点調節、絞り駆動、像振れ補正などが行われる。交換レンズ2におけるレンズ駆動などの制御はレンズシステム制御部12で行われる。
交換レンズ2の像振れ補正量は、振れ検出部18によって検出された被写体像の像振れ量に基づいて算出され、レンズシステム制御部12に送られる。振れ検出部18は、例えば、交換レンズ2の内部に配置されたジャイロセンサであり、撮像光学系3の光軸4の方向(z方向)と、光軸4に直交する平面上の第1の方向(x方向)および第2の方向(y方向)とにおける交換レンズ2の振れを検出する。第1の方向および第2の方向は、光軸4に対していずれも直交し、かつ第1の方向と第2の方向が互いに直交する関係にある。
続いて、カメラ本体1の構成要素について説明する。
撮像素子6は、撮像光学系3を通過した光束による被写体の像を光電変換して撮像を行う。レリーズボタンから撮像指示を受けると、撮像素子6は被写体の像を撮像して画像信号を出力する。撮像指示に応じて出力された画像信号は、画像処理部7で画像処理され、その後にメモリ部8において画像を記録される。メモリ部8は、インターフェースを介して接続される外付けの記憶媒体に画像を記録させるものでもよく、内蔵のメモリやハードディスク等に画像を記録させるものでもよい。
撮像素子6は、撮像光学系3を通過した光束による被写体の像を光電変換して撮像を行う。レリーズボタンから撮像指示を受けると、撮像素子6は被写体の像を撮像して画像信号を出力する。撮像指示に応じて出力された画像信号は、画像処理部7で画像処理され、その後にメモリ部8において画像を記録される。メモリ部8は、インターフェースを介して接続される外付けの記憶媒体に画像を記録させるものでもよく、内蔵のメモリやハードディスク等に画像を記録させるものでもよい。
また、撮像素子6は、撮像指示を受けていないときにもライブビュー表示のための画像を所定のフレームレートで撮像する。ライブビュー表示のための画像は、画像処理部7およびカメラシステム制御部5を介して表示部9で動画として表示される。図1(A)に示すように、表示部9は、カメラ本体1の背面部に設けられた背面表示パネル9aと、表示素子をファインダ内に組み込んだ電子ビューファインダ9bとを有する。ライブビュー表示は、背面表示パネル9aおよび電子ビューファインダ9bのいずれで行われてもよい。
また、画像処理部7は、後述するように、被写体像の移動量を検出するためのベクトル演算を行う機能を担う。画像処理部7は、動き検出部の一例である。
操作検出部10は、撮影者からの各種操作(例えばレリーズスイッチや電源ボタンの操作など)を検出する。
操作検出部10は、撮影者からの各種操作(例えばレリーズスイッチや電源ボタンの操作など)を検出する。
像振れ補正部14は、撮像光学系3の光軸4に直交する方向(xy方向)に撮像素子6を移動させ、撮影者の手振れ等によるカメラ振れに起因する像振れを撮像面側で補正する機能を担う。像振れ補正部14は、補正部の一例である。
振れ検出部15は、振動検出部の一例であって、カメラ本体1の内部に配置されたジャイロセンサである。振れ検出部15は、撮像光学系3の光軸4の方向(z方向)と、光軸4に直交する平面上の第1の方向(x方向)および第2の方向(y方向)とにおけるカメラ本体1の像振れを検出する。光軸4と、第1の方向および第2の方向の関係は、振れ検出部18の場合と同様である。
シャッタ機構16は、撮像素子6の被写体側の前面に配置され、主に静止画撮像時に撮像素子6の撮像面への光の入射(すなわち、撮像素子6の露光)を機械的に制御する。シャッタ機構16は、シャッタ駆動部17により駆動制御される。
カメラシステム制御部5は、カメラ本体1の統括的な制御を担うプロセッサである。例えば、カメラ本体1の各要素の制御は、いずれもカメラシステム制御部5を介して行われる。また、カメラ本体1と交換レンズ2との通信も、カメラシステム制御部5によって制御される。
また、カメラシステム制御部5は、撮像素子6の光軸4に対する移動量を制御する機能を担う。例えば、カメラシステム制御部5は、振れ検出部15により検出されたカメラシステム100の振れに基づいて、被写体像の像振れを低減するための目標位置を演算する。そして、カメラシステム制御部5は、演算された目標位置に撮像素子6が移動するように、像振れ補正部14の駆動部(例えば、コイル)への通電を制御する。
ここで、交換レンズ2が防振に関する通信規格に対応する機種である場合、カメラシステム100での防振は以下のように行われる。この場合、カメラ本体1は、装着された交換レンズ2と、カメラシステム制御部5を介して防振に関する通信を行うことができる。カメラシステム制御部5は、カメラ本体1と交換レンズ2のそれぞれに適切な像振れ補正量を割り振る。これにより、カメラ本体1と交換レンズ2が協調して振れ補正を行い、カメラシステム100の防振が実現される。
一方、交換レンズ2が防振に関する通信規格に非対応の機種である場合、カメラ本体1は、装着された交換レンズ2と、カメラシステム制御部5を介して防振に関する通信を行うことはできない。この場合、本実施形態のカメラ本体1は、以下のようにしてカメラ本体1の像振れ補正量を求める。
まず、カメラシステム制御部5は、画像処理部7で検出した背景ベクトルと、振れ検出部15の出力とから、カメラ本体1に現在装着されている交換レンズ2の像振れ補正特性を同定する。次に、同定されたレンズ側の像振れ補正特性に基づき、カメラシステム制御部5は、カメラ本体1側に割り振る像振れ補正値を算出する。この場合の処理例の詳細については後述する。
また、カメラシステム制御部5は、不揮発性の記憶媒体である記憶部5aを内部に有している。この記憶部5aには、交換レンズ2の像振れ補正特性情報が、交換レンズごとにそれぞれ格納されている。交換レンズ2の像振れ補正特性情報は、例えば、後述の像振れ補正特性のカーブを示す情報であり、交換レンズ2の機種名の情報と紐付けされた状態で格納されている。なお、像振れ補正特性情報は、レンズの設計値に基づいて予め算出された後述の基本カーブ(64)であってもよく、カメラシステム制御部5が求めたレンズ側の像振れ補正特性を適宜格納したものでもよい。
図2は、カメラ本体1と交換レンズ2の像振れ検出部の能力に関する説明図である。図2の横軸は時間を示し、図2の縦軸は像振れの角速度を示す。
通常、カメラ本体1や交換レンズ2の像振れ検出にはジャイロセンサが用いられ、従来のジャイロセンサの場合、図2に示す実線の波形21のような角速度波形が検出される。しかし、この波形21には温度ドリフトの影響による低周波成分が波形に重畳している。つまり、波形21によると、本来は存在しない低周波成分を低周波の像振れとして検出してしまう。このように、本来は存在しない低周波成分が像振れ検出部の角速度信号に混在すると、後段の処理で角度を算出するために行われる積分処理結果に大きな誤差を生む要因となってしまう。
そこで、上記の不要な低周波成分を除去するために、検出した角速度波形にハイパスフィルタ処理を行うと、図2に示す破線の波形22のように、温度ドリフトの影響が少ない角速度波形を得ることができる。しかし、ハイパスフィルタ処理を行う場合、低周波域にある波形がDC(直流)成分も含め全てカットされてしまうため、実際にジャイロセンサが低周波の角速度を受けたとしても、その低周波成分を検出することはできない。このようにして検出から漏れてしまう低周波成分が、補正残りとして像振れを起こす原因となる。
近年においては、ジャイロセンサの温度ドリフト性能が向上し、上記のようなハイパスフィルタ処理が不要となり、あるいはきわめて低い時定数のハイパスフィルタ処理が可能となっている。かかる事情から、従来では検出できなかった低周波成分をジャイロセンサで検出できるようになってきている。
すなわち、近年のジャイロセンサは、波形21のような角速度波形ではなく、ハイパスフィルタ処理なしに、またはきわめて低い時定数のハイパスフィルタ処理により、低周波成分の検出漏れの少ない状態で波形22のような角速度波形を検出しうる。
すなわち、近年のジャイロセンサは、波形21のような角速度波形ではなく、ハイパスフィルタ処理なしに、またはきわめて低い時定数のハイパスフィルタ処理により、低周波成分の検出漏れの少ない状態で波形22のような角速度波形を検出しうる。
ここで、カメラ本体1の振れ検出部15に適用されるジャイロセンサは、ハイパスフィルタ処理なしに、またはきわめて低い時定数のハイパスフィルタ処理により、低周波成分の検出漏れの少ない状態で波形22のような角速度波形を検出できるものとする。
一方、交換レンズ2の振れ検出部18に適用されるジャイロセンサの検出特性は、交換レンズ2ごとに相違する。例えば、交換レンズ2が古い機種である場合、振れ検出部18のジャイロセンサが波形21に示すような検出特性を持つことも想定される。
一方、交換レンズ2の振れ検出部18に適用されるジャイロセンサの検出特性は、交換レンズ2ごとに相違する。例えば、交換レンズ2が古い機種である場合、振れ検出部18のジャイロセンサが波形21に示すような検出特性を持つことも想定される。
図3は、画像処理部7で行われるベクトル演算による補正残りの検出方法を説明するための図である。
図3(A)は、任意の時刻tでの画像を示し、図3(B)は、時刻t+Δtでの画像を示す。図3(A)、(B)には動きのある主被写体Sが撮像されているものとする。図3(C)は、図3(A)、(B)の画像からベクトルを検出した図を示している。ここで、ベクトル演算とは、2つの別時刻の画像から特徴点の移動方向と距離を求める演算である。ベクトル演算の具体的な演算方法は既知であるため、詳細な説明は割愛する。
図3(A)、(B)の各画像と、図3(C)で検出されているベクトルを対比すると、大きく分けて2種類のベクトルがあることが分かる。1つ目のベクトルは、画像内の主被写体S(ここでは人物)の動き等、実際に動いた被写体像から検出される動きベクトル31である。2つ目のベクトルは、実際には動いていない被写体像(背景等)から検出される背景ベクトル32である。図3(C)において、動きベクトル31は実線の矢印で示し、背景ベクトル32は破線の矢印で示す。
例えば、カメラ本体1の像振れ補正部14が作動せず、交換レンズ2による像振れ補正のみが作動している場合、画像処理部7で検出される背景ベクトル32は、交換レンズ2による像振れ補正の補正残りを示したものに相当する。よって、カメラ本体1は、背景ベクトル32を用いることで、交換レンズ2による像振れ補正の補正残りを画像に基づいて検出できる。
図4は、第1実施形態におけるカメラシステム100の動作例を示すフローチャートである。
図4の例では、静止画撮像時における撮影準備開始から撮影終了までの処理を説明する。また、図4に示す処理は、撮影者によるカメラシステム100の撮影準備動作(例えばレリーズスイッチの半押し操作(S1 ON)やカメラシステム100の電源投入)に応じて開始される。なお、撮影準備動作が行われる期間は、第1の期間の一例である。
図4の例では、静止画撮像時における撮影準備開始から撮影終了までの処理を説明する。また、図4に示す処理は、撮影者によるカメラシステム100の撮影準備動作(例えばレリーズスイッチの半押し操作(S1 ON)やカメラシステム100の電源投入)に応じて開始される。なお、撮影準備動作が行われる期間は、第1の期間の一例である。
また、図4の例では、カメラ本体1に装着される交換レンズ2は、防振に関する通信規格に非対応の機種であることを前提として説明を行う。また、電気接点11を介した通信により、交換レンズ2からカメラ本体1に対しては、交換レンズ2の機種名の情報が予め通知されているものとする。
ステップS401にて、カメラシステム制御部5は、装着されている交換レンズ2から通知された交換レンズ2の機種名の情報に基づき、交換レンズ2の機種名と紐付けされた像振れ補正特性のカーブを示す情報を記憶部5aから読み出して設定する。この像振れ補正特性のカーブについては後述するが、ここでは交換レンズ2が初回の使用であって、後述の基本カーブ64の情報が読み出されるものとする。
ステップS402にて、カメラシステム制御部5は、カメラシステム100の像振れ補正機能がONになっているかを判断する。像振れ補正機能がONになっていると判断された場合、処理はステップS403に移行する。一方、像振れ補正機能がOFFになっていると判断された場合、図4の処理は終了する。この場合、カメラシステム制御部5は、像振れ補正機能OFF時の撮像処理(不図示)に移行するが、この動作説明は割愛する。
ステップS403にて、カメラシステム制御部5は、カメラ本体1の像振れ補正部14による像振れ補正機能(以下、IISとも称する)をOFFに設定し、交換レンズ2の像振れ補正機能(以下、OISとも称する)をONに設定する。
このとき、カメラシステム制御部5は、OISをS1 ON時の補正設定(以下、S1防振とも称する)とする。S1防振においては、静止画撮像の露光中に行われる補正設定(以下、S2防振とも称する)よりも像振れ補正量が小さく設定されている。その理由は、撮影準備段階で最大限の像振れ補正量で補正を行ってしまった場合に、露光中の像振れ補正量が足りなくなることを防ぐためである。なお、交換レンズ2におけるS1防振に対するS2防振の像振れ補正量の割合は、予め決定されているものとする。
ステップS404にて、画像処理部7は、ライブビュー表示のために被写体を撮像した動画像から背景ベクトルを検出する。そして、カメラシステム制御部5は、画像処理部7で得られた背景ベクトルから交換レンズ2の補正残りを検出する。
ここで、交換レンズ2の補正残りとは、実際には交換レンズ2の振れ検出部18では検出されてはいるが、OIS内のハイパスフィルタ処理によって補正の対象から漏れてしまった低周波成分の振れである。より具体的には、交換レンズ2におけるハイパスフィルタのカットオフ周波数fc以下の低周波成分の振れが該当する。
ステップS405にて、カメラシステム制御部5は、ステップS404で検出した交換レンズ2の補正残りと、カメラ本体1の振れ検出部15の出力に基づき、交換レンズ2の像振れ補正特性を同定する。そして、カメラシステム制御部5は、同定されたレンズ側の像振れ補正特性に基づき、IISの像振れ補正値を算出する。
以下、図5、図6を参照しつつ、カメラシステム制御部5による交換レンズ2の像振れ補正特性の同定処理について説明する。
図5(A)は、カメラ本体1で検出される像振れ量の波形の例を示す図であり、縦軸は時間を示し、横軸は像振れ量を示す。図5(B)は、交換レンズ2による補正残り量の波形の例を示す図であり、縦軸は時間を示し、横軸は補正残り量を示す。
また、図6(A)は、カメラ本体1の像振れ量と交換レンズ2の補正残りの周波数−ゲイン特性例を示す図であり、縦軸はゲインを示し、横軸は周波数を示す。図6(B)は、交換レンズ2の像振れ補正特性の例を示す図であり、縦軸はIIS抑振率を示し、横軸は周波数を示す。
また、図6(A)は、カメラ本体1の像振れ量と交換レンズ2の補正残りの周波数−ゲイン特性例を示す図であり、縦軸はゲインを示し、横軸は周波数を示す。図6(B)は、交換レンズ2の像振れ補正特性の例を示す図であり、縦軸はIIS抑振率を示し、横軸は周波数を示す。
まず、カメラシステム制御部5は、振れ検出部15より取得したカメラ本体1の像振れ量の波形の中から、ステップS405で検出した交換レンズ2の補正残りの波形と同じ周波数帯の波形を抽出する。これにより、補正残りが起こっている周波数帯において、本来カメラシステム100が補正すべき像振れ補正量を把握することができる。
図5(A)に示す波形51は、振れ検出部15より取得したカメラ本体1の像振れ量の波形である。この波形51から交換レンズ2の補正残りの波形と同じ周波数帯の波形を抽出するためには、交換レンズ2で使われているハイパスフィルタと同じカットオフ周波数fcでローパスフィルタをかければよい。OISではハイパスフィルタのカットオフ周波数fc以下の像振れ量は補正対象から外れて残る。したがって、交換レンズ2の補正残りは、像振れ量に対して交換レンズ2のカットオフ周波数fcでローパスフィルタをかけた結果と略同等であるといえる。なお、交換レンズ2のカットオフ周波数fcは、例えば交換レンズ2の仕様などに基づいて特定できる。
波形51に交換レンズ2で使われているハイパスフィルタと同じカットオフ周波数fcのローパスフィルタをかけると、図5(A)に示す波形52のような低周波域のみの像振れ量波形を得ることができる。この波形52は、補正残りのある周波数帯においてカメラシステム100が補正すべき像振れ補正量を表した波形と等価となる。なお、OISは、ハイパスフィルタ処理のためこの周波数帯の像振れ補正がほとんどできないことから、波形52は、図5(B)に示した交換レンズ2の補正残りの波形53と略相似形状となる。
次に、カメラシステム制御部5は、振れ検出部15より取得した像振れ量の波形と交換レンズ2の補正残りの波形に高速フーリエ変換処理を行い、周波数−ゲイン特性を求める。これにより、2つの波形の各周波数におけるゲインを比較できるようになる。なお、ゲインを取得する方法は高速フーリエ変換に限定されることなく、他の公知の周波数変換手法(例えば離散フーリエ変換)によるものでもよい。
ここで、図6(A)に示すカーブ61はカメラ本体1の振れ波形のゲイン特性、カーブ62は交換レンズ2の補正残り波形のゲイン特性をそれぞれ表している。この二つのカーブは、カットオフ周波数fcより低い周波数域では両カーブともほぼ同じ軌跡を有する。しかし、カットオフ周波数fcより高い周波数域では、カーブ61に対しカーブ62のゲインは小さくなる。この相違は、カットオフ周波数fcより高い周波数であれば、交換レンズ2のOISによって像振れ補正が行われることによる。
一方、図6(B)は、交換レンズ2の像振れ補正特性を表した図である。図6の縦軸のIIS抑振率は、交換レンズ2の補正残り波形のゲインをカメラ本体1の振れ波形のゲインで除したものである。カメラ本体1の像振れ量波形のゲインは、本来カメラシステム100が補正すべき像振れ補正量を表している。交換レンズ2の補正残り波形のゲインは、IISが補正すべき補正量を表している。つまり、IIS抑振率は、カメラシステム100本来の補正量に対するIISの補正量の割合を示すものになる。
図6(B)に示すカーブ63は、図6(A)のゲインのカーブ61、62より求めたIIS抑振率のカーブである。カーブ63において、カットオフ周波数fc以下の領域ではOISは働かずIISで補正することになるため、この領域でのIIS抑振率はほぼ1になる。また、カーブ63において、カットオフ周波数fcより大きい領域ではOISが働くことでIISによる像振れ補正量が減る。そのため、カットオフ周波数fcより大きい領域でのIIS抑振率は周波数が高くなるにつれて下がる。
図6(B)に示すカーブ63は、撮影準備動作中(撮影準備開始から撮影開始指示まで)にカメラシステム100に入力された像振れ量によって作成される。撮影準備動作の時間が交換レンズ2のカットオフ周波数fcの時定数より長い場合は、カットオフ周波数fc以下の周波数帯でIIS抑振率を得ることができ、カーブ63を取得することができる。
しかし、撮影準備動作の時間が交換レンズ2のカットオフ周波数fcの時定数より短い場合、カットオフ周波数fcを含む時定数以下の周波数帯でIIS抑振率を正しく得ることができない。この場合には、カットオフ周波数fc以降の周波数帯で正しいIIS抑振率のカーブを取得することができない。
このため、今回のケースのように交換レンズ2を初めてカメラ本体1に装着して使用する場合、ステップS401においてカメラシステム制御部5は、記憶部5aに予め格納されている像振れ補正特性の基本カーブ64を読み出して取得する。この基本カーブ64は、交換レンズ2の設計値に基づいて算出されたカーブであり、撮影準備動作の時間が交換レンズ2のカットオフ周波数fcの時定数を超えるまで使用される。
撮影準備動作の時間が交換レンズ2のカットオフ周波数fcの時定数を超えた場合、カメラシステム制御部5は、IIS抑振率のカーブを更新する指示を出す。これにより、記憶部5aに格納されている像振れ補正特性の基本カーブ64の情報は、今回の撮影準備動作中に作成されたカーブ63の情報に更新される。そして、現在装着されている交換レンズ2を次回以降使用するときには、更新されたカーブ63を使用することができる。
つまり、基本カーブ64がカーブ63に更新済みである場合には、上記のステップS401において記憶部5aから更新済みの補正特性カーブ(カーブ63)が読み出される。この場合においても、必要に応じて補正特性カーブの情報がさらに更新されてもよい。なお、IIS抑振率は交換レンズ2毎に別の値になるため、IIS抑振率の値は各々の交換レンズ2の像振れ補正特性を表した値となる。
以上のように、カメラシステム制御部5は、カメラ本体1の振れ検出部15より取得したカメラ本体1の像振れ量波形に、像振れ補正特性のカーブ63のような特性を持ったフィルタを乗算することで、IISの像振れ補正量を求めることができる。
図4に戻って、ステップS406にて、カメラシステム制御部5は、操作検出部10が撮影開始指示であるレリーズスイッチの全押し操作(S2 ON)を検出したかを判断する。S2 ONを検出したと判断された場合、処理はステップS407に移行し、S2 ONを検出していないと判断された場合、処理はステップS403に戻る。
ステップS407にて、カメラシステム制御部5は、IISの補正設定を前述のS2防振の設定に変更する。その後、カメラシステム制御部5は、振れ検出部15より取得したカメラ本体1の像振れ量と、ステップS405で同定した交換レンズ2の像振れ補正特性を用いてIISの像振れ補正量を求める。そして、像振れ補正部14は、IISの像振れ補正量に基づいて撮像素子6を移動させてカメラ本体1の像振れ補正を実行する。これにより、交換レンズ2での補正残りに相当する振れが抑制される。
ステップS408にて、レンズシステム制御部12は、カメラシステム制御部5からの指示に応じて、交換レンズ2のOISの補正設定を前述のS2防振の設定に切り替える。
ステップS409にて、撮像素子6は、レリーズスイッチの全押し操作に応じて開始された画像の露光を完了させる。
ステップS410にて、カメラシステム制御部5は、操作検出部10が連続撮影の指示を検出しているかを判断する。連続撮影の指示を検出していると判断した場合、処理はステップS407に戻る。一方、連続撮影の指示を検出していないと判断した場合、処理はステップS411に移行する。
ステップS411にて、カメラシステム制御部5は、操作検出部10がS1 ONの解除を検出したかを判断する。S1 ONの解除を検出した場合、撮影完了となって図4の処理は終了する。一方、S1 ONの解除を検出していない場合、処理はステップS403に戻る。
以上で、図4のフローチャートの説明を終了する。
以上で、図4のフローチャートの説明を終了する。
第1実施形態によれば、カメラ本体1は、画像処理部7で検出した交換レンズ2の補正残りと、カメラ本体1の振れ検出部15の出力に基づき、交換レンズ2の像振れ補正特性を同定する。そして、カメラ本体1は、同定されたレンズ側の像振れ補正特性に基づき、IISの像振れ補正値を算出する。これにより、カメラ本体1と交換レンズ2の間で防振に関する通信を行うことができない場合にも、交換レンズ2の補正残りをカメラ本体1側で効果的に補正できる。例えば、カメラシステム100において、交換レンズ2が防振に関する通信規格に非対応の機種である場合の振れ補正に有効である。
(第2実施形態)
第2実施形態では、カメラ本体1が動画撮影中に防振特性の同定処理を行う例を説明する。
なお、第2実施形態および後述する第3実施形態においてカメラシステム100およびその要素の基本構成は第1実施形態と同様であるので、重複説明は省略する。
第2実施形態では、カメラ本体1が動画撮影中に防振特性の同定処理を行う例を説明する。
なお、第2実施形態および後述する第3実施形態においてカメラシステム100およびその要素の基本構成は第1実施形態と同様であるので、重複説明は省略する。
動画撮影の場合には常に画像を取得し続けるため、記録用の動画の撮影中であってもカメラシステム制御部5は画像処理部7から背景ベクトルの取得が順次可能である。そのため、第2実施形態におけるカメラシステム100の動作例は、図7のようになる。
図7に示す第2実施形態の処理は、撮影者によるカメラシステム100の電源投入に応じて開始される。第2実施形態のカメラシステム100は、電源投入後に動画撮影の待機状態となり、動画撮影の開始指示に応じて記録用の動画撮影を実行する。ここで、第2実施形態における動画撮影の待機状態は、第1実施形態の撮影準備状態に相当する。
図7に示すステップS401〜S405の処理は、図4の処理と同様であるため重複説明は割愛する。なお、第2実施形態においては、動画撮影の待機状態における補正設定をS1防振と称し、動画撮影中における補正設定をS2防振と称する。
図7において、ステップS405が終了すると、処理はステップS701に移行する。
図7において、ステップS405が終了すると、処理はステップS701に移行する。
ステップS701にて、カメラシステム制御部5は、操作検出部10が動画撮影の開始指示を検出したかを判断する。動画撮影の開始指示を検出したと判断された場合、カメラシステム制御部5は撮像素子6を駆動させて動画の撮影を実行させる。これと同時に、処理はステップS407、S408に順次移行する。
一方、動画撮影の開始指示を検出していないと判断された場合、処理はステップS403に戻る。この場合、OISの補正設定は、動画撮影の待機状態のS1防振が継続される。
図7に示すステップS407、S408の処理は、図4の処理と同様であるため重複説明は割愛する。図7において、ステップS408が終了すると、処理はステップS702に移行する。
一方、動画撮影の開始指示を検出していないと判断された場合、処理はステップS403に戻る。この場合、OISの補正設定は、動画撮影の待機状態のS1防振が継続される。
図7に示すステップS407、S408の処理は、図4の処理と同様であるため重複説明は割愛する。図7において、ステップS408が終了すると、処理はステップS702に移行する。
ステップS702にて、画像処理部7は、動画撮影の指示に応じて得られた動画像から背景ベクトルを検出する。カメラシステム制御部5は、ステップS404と同様に、画像処理部7で得られた背景ベクトルから交換レンズ2の補正残りを検出する。
ステップS702の場合、IISはONになっているため、ステップS405で取得した交換レンズ2の像振れ補正特性のカーブによる補正がかかっている。
しかし、撮影準備時間が交換レンズ2のカットオフ周波数fcの時定数を超えずに像振れ補正特性の基本カーブを使用している場合には、図5(B)の波形53のような補正残り波形が生じうる。一例として、電源投入直後にそのまま動画撮影を開始した場合が相当する。その他にも、更新後の像振れ補正特性カーブであってもIISで補正残りが十分に補正しきれていない場合にも同様に補正残り波形が生じうる。
しかし、撮影準備時間が交換レンズ2のカットオフ周波数fcの時定数を超えずに像振れ補正特性の基本カーブを使用している場合には、図5(B)の波形53のような補正残り波形が生じうる。一例として、電源投入直後にそのまま動画撮影を開始した場合が相当する。その他にも、更新後の像振れ補正特性カーブであってもIISで補正残りが十分に補正しきれていない場合にも同様に補正残り波形が生じうる。
ステップS703にて、カメラシステム制御部5は、ステップS405と同様に、ステップS702で検出した交換レンズ2の補正残りと、カメラ本体1の振れ検出部15の出力に基づき、交換レンズ2の像振れ補正特性を同定する。そして、カメラシステム制御部5は、同定されたレンズ側の像振れ補正特性に基づき、IISの像振れ補正値を算出する。
まず、カメラシステム制御部5は、カメラ本体1の振れ検出部15より取得したカメラ本体1の像振れ量波形の中から、交換レンズ2の補正残り波形と同じ周波数帯の波形を抽出する。この処理に関してはステップS405と同様なので割愛する。
次に、カメラシステム制御部5は、カメラ本体1の像振れ量波形と交換レンズ2の補正残り波形に高速フーリエ変換処理を行い周波数−ゲイン特性を求める。この際、OISの補正設定はS2防振となっているため、S1防振時よりもOISの像振れ補正量は大きくなっている。よって、ステップS702で取得した交換レンズ2の補正残り波形をそのまま使用してゲインのカーブを取得すると、以下の事象が生じる。すなわち、図6(A)で交換レンズ2の補正残り波形のゲイン特性を表しているカーブ62よりも、特にカットオフ周波数fcより高い周波数帯域でゲインの大きさが小さくなる。しかし、交換レンズ2毎にS1防振に対するS2防振の像振れ補正量の割合は予め決まっている。そのため、ステップS702で取得した交換レンズ2の補正残り波形でゲインのカーブを取得する場合、S1防振に対するS2防振の像振れ補正量の割合を用いてS1防振でのゲインのカーブに修正すればよい。
その後、カメラシステム制御部5は、図6(A)に示すカメラ本体1の像振れ波形のゲインカーブ(61)と、交換レンズ2の補正残り波形のゲインカーブ(62)から、IIS抑振率を求め、交換レンズ2の像振れ補正特性のカーブを取得する。
ここで取得されるカーブは、動画撮影の開始からカメラシステム100に入力された像振れ量によって作成される。入力の時間が交換レンズ2のカットオフ周波数fcの時定数より長い場合は、カットオフ周波数fc以降の周波数でのIIS抑振率を得てカーブを取得できるため、カメラシステム制御部5は、IIS抑振率のカーブを更新する指示を出す。これにより、記憶部5に格納されている像振れ補正特性のカーブの情報は、ステップS703で作成されたカーブの情報に更新される。
一方、入力の時間が交換レンズ2のカットオフ周波数fcの時定数より短い場合、カットオフ周波数fcを含む時定数以下の周波数帯でIIS抑振率を正しく得ることができない。この場合には、カットオフ周波数fc以降の周波数帯で正しいIIS抑振率のカーブを取得することができないので、記憶部5に格納されている交換レンズ2の像振れ補正特性のカーブは更新されない。
最後に、カメラシステム制御部5は、交換レンズ2の像振れ補正特性のカーブを用いてIISの像振れ補正量を求める。この処理方法はステップS405と同様であるため詳細は割愛する。その後、処理はステップS704に移行する。
ステップS704にて、カメラシステム制御部5は、操作検出部10が動画撮影の完了指示を検出しているかを判断する。動画撮影の完了指示を検出していると判断した場合、撮影完了となって図7の処理は終了する。一方、動画撮影の完了指示を検出していないと判断した場合、処理はステップS702に戻る。
以上で、図7のフローチャートの説明を終了する。
第2実施形態によれば、記録用の動画撮影中においても交換レンズ2の像振れ補正特性を同定することができ、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
第2実施形態によれば、記録用の動画撮影中においても交換レンズ2の像振れ補正特性を同定することができ、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第3実施形態)
第3実施形態では、カメラ本体1の撮像素子6が露光中の非破壊読み出しに対応している場合の動作例を説明する。
撮像素子6の非破壊読み出しが可能である場合には、カメラ本体1が露光中であってもカメラシステム制御部5は画像処理部7から背景ベクトルを順次取得することが可能である。つまり、第3実施形態では、カメラ本体1が露光中であっても交換レンズ2の像振れ補正特性を同定することが可能である。そのため、第3実施形態におけるカメラシステム100の動作例は、図8のようになる。
第3実施形態では、カメラ本体1の撮像素子6が露光中の非破壊読み出しに対応している場合の動作例を説明する。
撮像素子6の非破壊読み出しが可能である場合には、カメラ本体1が露光中であってもカメラシステム制御部5は画像処理部7から背景ベクトルを順次取得することが可能である。つまり、第3実施形態では、カメラ本体1が露光中であっても交換レンズ2の像振れ補正特性を同定することが可能である。そのため、第3実施形態におけるカメラシステム100の動作例は、図8のようになる。
図8の例では、第1実施形態の図4の処理と相違する部分を説明し、重複部分の説明はいずれも割愛する。図8に示すステップS401〜S408の処理は、図4の処理と同様であるため重複説明は割愛する。図8において、ステップS408が終了すると、処理はステップS801に移行する。
ステップS801にて、画像処理部7は、撮影開始の指示に応じて得られた画像から背景ベクトルを検出する。カメラシステム制御部5は、ステップS404と同様に、画像処理部7で得られた背景ベクトルから交換レンズ2の補正残りを検出する。
ステップS801の場合、IISはONになっているため、ステップS405で取得した交換レンズ2の像振れ補正特性のカーブによる補正がかかっている。
しかし、撮影準備時間が交換レンズ2のカットオフ周波数fcの時定数を超えずに像振れ補正特性の基本カーブを使用している場合には、図5(B)の波形53のような補正残り波形が生じうる。その他にも、更新後の像振れ補正特性カーブであってもIISで補正残りが十分に補正しきれていない場合にも同様に補正残り波形が生じうる。
しかし、撮影準備時間が交換レンズ2のカットオフ周波数fcの時定数を超えずに像振れ補正特性の基本カーブを使用している場合には、図5(B)の波形53のような補正残り波形が生じうる。その他にも、更新後の像振れ補正特性カーブであってもIISで補正残りが十分に補正しきれていない場合にも同様に補正残り波形が生じうる。
ステップS802にて、カメラシステム制御部5は、ステップS405と同様に、ステップS702で検出した交換レンズ2の補正残りと、カメラ本体1の振れ検出部15の出力に基づき、交換レンズ2の像振れ補正特性を同定する。そして、カメラシステム制御部5は、同定されたレンズ側の像振れ補正特性に基づき、IISの像振れ補正値を算出する。
なお、ステップS802の処理の説明は、第2実施形態のステップS703と同様であるため重複説明を割愛する。
なお、ステップS802の処理の説明は、第2実施形態のステップS703と同様であるため重複説明を割愛する。
ステップS803にて、カメラシステム制御部5は、レリーズスイッチの全押し操作に応じて開始された画像の露光が完了したかを判断する。露光が完了したと判断された場合、処理はステップS410に移行する。なお、ステップS410でYesの場合には、引き続きステップS411に処理が移行する。一方、露光が完了していないと判断された場合、処理はステップS801に戻る。
図8に示すステップS410、S411の処理は、図4の処理と同様であるため重複説明は割愛する。以上で、図8のフローチャートの説明を終了する。
第3実施形態によれば、撮影指示に応じた静止画の露光中においても交換レンズ2の像振れ補正特性を同定することができ、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
第3実施形態によれば、撮影指示に応じた静止画の露光中においても交換レンズ2の像振れ補正特性を同定することができ、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(その他の実施形態)
上記の各実施形態では、カメラ本体1の像振れ補正部14による像振れ補正機能をIISとして説明した。しかし、カメラ本体1における撮像面での像振れの補正は、交換レンズ2の光軸4に対して垂直な平面内に撮像素子6を移動させる構成に限定されない。例えば、撮像素子6で得られる画像の切り出し範囲を変更する制御を行うことで、カメラ本体1での像振れを補正してもよい。この場合、撮像素子6からの画像の読み出し範囲を変更してもよく、後段の画像処理部7で画像をトリミングすることで切り出し範囲を制御してもよい。これらの場合、撮像素子6または画像処理部7が補正部として機能しうる。
上記の各実施形態では、カメラ本体1の像振れ補正部14による像振れ補正機能をIISとして説明した。しかし、カメラ本体1における撮像面での像振れの補正は、交換レンズ2の光軸4に対して垂直な平面内に撮像素子6を移動させる構成に限定されない。例えば、撮像素子6で得られる画像の切り出し範囲を変更する制御を行うことで、カメラ本体1での像振れを補正してもよい。この場合、撮像素子6からの画像の読み出し範囲を変更してもよく、後段の画像処理部7で画像をトリミングすることで切り出し範囲を制御してもよい。これらの場合、撮像素子6または画像処理部7が補正部として機能しうる。
上記の実施形態では、交換レンズ2の像振れ補正特性情報を、カメラシステム制御部5の記憶部5aに格納する例を説明した。しかし、交換レンズ2の像振れ補正特性情報の格納先は上記に限定されず、例えば、メモリ部8に像振れ補正特性情報を格納してもよい。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
1 カメラ本体
2 交換レンズ
3 撮像光学系
5 カメラシステム制御部
5a 記憶部
6 撮像素子
7 画像処理部
13 レンズ駆動部
14 像振れ補正部
15 振れ検出部
100 カメラシステム
2 交換レンズ
3 撮像光学系
5 カメラシステム制御部
5a 記憶部
6 撮像素子
7 画像処理部
13 レンズ駆動部
14 像振れ補正部
15 振れ検出部
100 カメラシステム
Claims (8)
- 撮像光学系を駆動させて振れ補正を行うレンズ装置を着脱可能な撮像装置であって、
前記撮像光学系を通過した光束による像を撮像する撮像素子と、
前記撮像装置の振れを検出する振動検出部と、
前記撮像素子で異なる時刻に取得した複数の画像を用いて、前記像の動きの状態を検出する動き検出部と、
前記振動検出部の出力と前記動き検出部の出力に基づいて、前記撮像装置に装着されている前記レンズ装置の像振れ補正特性を同定する制御部と、
前記制御部で同定された前記像振れ補正特性と前記振動検出部の出力を用いて、前記振れ補正の補正残り分の像振れを前記撮像素子の撮像面にて抑制する補正部と、
を備えることを特徴とする撮像装置。 - 前記制御部は、撮像指示を受け付ける前の第1の期間に前記像振れ補正特性を同定し、
前記補正部は、前記撮像指示を受け付けた後の第2の期間に、前記第1の期間で同定された前記像振れ補正特性と前記動き検出部の出力を用いて、前記補正残り分の像振れを抑制する
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。 - 前記制御部は、第1の期間において前記補正部を動作させずに、前記振動検出部の出力と前記動き検出部の出力に基づいて前記レンズ装置の像振れ補正特性を同定する
ことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。 - 前記動き検出部は、画像の背景ベクトルを検出し、
前記制御部は、前記背景ベクトルと前記動き検出部の出力に基づいて、前記レンズ装置の像振れ補正特性を同定する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の撮像装置。 - 前記補正部は、前記撮像光学系の光軸と垂直な平面において前記撮像素子の位置を移動させる
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の撮像装置。 - 前記補正部は、前記撮像素子で得られる画像の切り出し範囲を変更する制御を行う
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の撮像装置。 - 前記制御部は、同定した前記像振れ補正特性を前記レンズ装置と紐づけて記憶媒体に記憶させる
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の撮像装置。 - 撮像光学系を駆動させて振れ補正を行うレンズ装置を着脱可能な撮像装置の制御方法であって、
前記撮像装置は、
前記撮像光学系を通過した光束による像を撮像する撮像素子と、
前記撮像装置の振れを検出する振動検出部と、を備え、
前記撮像素子で異なる時刻に取得した複数の画像を用いて、前記像の動きの状態を検出する動き検出工程と、
前記振動検出部の出力と前記動き検出工程で検出された前記動きの状態に基づいて、前記撮像装置に装着されている前記レンズ装置の像振れ補正特性を同定する制御工程と、
前記制御工程で同定された前記像振れ補正特性と前記振動検出部の出力を用いて、前記振れ補正の補正残り分の像振れを前記撮像素子の撮像面にて抑制する補正工程と、
を有することを特徴とする撮像装置の制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019128530A JP2021015151A (ja) | 2019-07-10 | 2019-07-10 | 撮像装置および撮像装置の制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Family Applications (1)
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JP2019128530A Pending JP2021015151A (ja) | 2019-07-10 | 2019-07-10 | 撮像装置および撮像装置の制御方法 |
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