JP2021011522A - 重金属類吸着剤およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 有害物混じり土壌及び廃棄物焼却灰から溶出する重金属類を吸着して不溶化剤として作用する、より信頼性の高い重金属類吸着剤およびその製造方法を提供することである。【解決手段】 本発明に係る重金属類吸着剤は、有害物混じり土壌及び廃棄物焼却灰から溶出する重金属類を吸着して不溶化剤として作用する重金属類吸着剤であって、火山灰層から採掘され、粘土鉱物であるアロフェンが含有されているみそ土と、マグネシウムと、アルミニウムまたは鉄の少なくともいずれかとを含む金属混合物と、を備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、自然由来土壌、工場跡地等及び廃棄物焼却灰から溶出する重金属類を吸着して不溶化剤として作用する重金属類吸着剤、不溶化剤およびその製造方法に関し、より特定的には、みそ土を用いた重金属類吸着剤およびその製造方法に関する。
一般的に、種々の可燃物を焼却した際に、燃焼灰および溶融飛灰が発生するが、それらには多くの有害金属類が含まれている。また、様々な工場からの廃棄物にも有害金属類が含まれており、工場跡地等から排出される有害物で汚染された土壌にも有害金属類が含まれている。さらに、土木建設工事の際に排出される土壌にも、天然に由来する有害金属類が含まれている。これらの有害金属類を吸着することによって不溶化し、溶出量を環境基準値以下に抑制する環境修復剤が普及されている。
従来、可燃物の焼却で発生する焼却灰および工場からの廃棄物は、最終処分場に埋め立て処分していたが、最近は、最終処分場が廃棄物によって満杯になりつつあり、最終処分場を新規に拡充することも社会情勢から非常に困難になっている。
また、当該廃棄物は、セメント原料用資材として処理されることもあるが、セメント原料として処理することについてもセメントの需要バランスが崩れつつあるため限度がある。さらに、これらの廃棄物の処分法には、多額の経費が必要であることも大きな問題となっている。
土木工事現場および建設工事現場において、有害金属類(例えば、第二種特定有害物質・重金属)が含まれ、環境基準に適合しない汚染土壌が排出されることがある。これらの汚染土壌には、アスファルトまたはコンクリートで被覆させることによって、人体への悪影響を防止する舗装措置方法が採用されたり、汚染土壌の周囲を環境基準に適合する土壌で覆い被せる被覆工法が採用されたりしている。また、汚染土壌を汚染されていない土壌で埋戻す土壌入替え措置方法、および汚染土壌に薬剤を注入することによって有害物質を不溶化するという措置方法等が採られている。
都市ごみ焼却灰および産業廃棄物焼却灰の場合、当該焼却灰に含有されている有害金属の溶出量を環境基準以下に制御する方法として、有害金属類に対する吸着機能を有する薬剤等を添加・混合し、有害金属類を吸着することによって不溶化する。さらに、環境基準に適合する砂利および土壌等と混ぜ合わせる方法も採られている。
工事現場で発生する汚染土壌および天然に由来する有害金属類を含む掘削土については、当該現場で、不溶化・シ−リング処理して保管する場合には、使用されるシ−リング材の品質、機能、価格、および量の確保が重要となる。
このような状況の下、様々な技術が提案されている。
特許文献1に開示されている「ヒ素除去用吸着剤およびこれを用いたヒ素イオンを含有する被処理水の処理方法」では、コスト低廉な火山灰質土壌(黒ボク・軽石等)に属する疑似グライ化黄褐色森林土(秋田県田沢湖町)、黄褐色森林土(茨城県つくば市)、硫酸酸性質グライ土(茨城県美浦村)、鹿沼土(栃木県鹿沼市)、黒ボク土(茨城県美浦村)、黒ボク土(茨城県つくば市)をヒ素除去用吸着剤として用いることが提案されている。
特許文献2に開示されている「焼却灰中の鉛の不溶化剤及びその不溶化方法」では、各種可燃物を焼却処理して発生する焼却灰中に含まれる鉛を不溶化するため、鉛の吸着能力を有するアロフェンを10%以上含有するアロフェン含有火山灰を焼却灰中に混ぜる方法が提案されている。
特許文献3に開示されている「汚水の土壌浄化処理装置及びその改良方法並びに土壌浄化処理方法」では、乾燥状態のアロフェン含有量が20〜50質量%で形成されている土壌層を用いて、外部から地中に断続的に供給された汚水を土壌浄化処理する方法が提案されている。
特許文献4に開示されている「重金属類の溶出抑制方法」では、処理対象物100部に対し、軽焼マグネシア部を1〜30重量部、アロフェンを20質量%の範囲で添加、混合して重金属類の溶出を抑制する方法が提案されている。本方法は、汚染の程度の高い土壌等の処理対象物に対しても、少ない添加量で重金属類の溶出を十分に抑制することができ、低コストであり、処理対象物のpHの上昇幅が小さく、固化処理物の容積の過度の増大を避けることができる。
特許文献5に開示されている「汚染残土の不溶化処理方法」では、汚染残土に汚染物質を不溶化する不溶化材溶液を散布し、不溶化材溶液の自然流下により、盛土或いは埋め立てされた汚染残土に不溶化材溶液を浸透させる。また、不溶化材溶液の自然流下により、盛土或いは埋め立てた汚染残土層の下部に不溶化材の濃度が高い層を形成させる。その結果、汚染残土の仮置き場所の確保やその汚染対策の特段の必要をなくし、地下水などへの汚染物質の溶出防止を高い信頼性をもって実現することができる。
特許文献6に開示されている「焼却灰の処理方法」では、都市ごみ焼却灰又は災害廃棄物焼却灰とセメントに不溶化材を添加した混合物を混練し、都市ごみ焼却灰又は災害廃棄物焼却灰に含まれている水分を滲出させつつ、造粒固化して、所望の性質を有する再生土砂に加工する焼却灰の処理方法が提案されている。
非特許文献1では、軽石や火山灰など火山噴出物に由来する土壌に見られるアロフェンは、巨大な比表面積を有しており、またアロフェンの有する表面電荷は、鉱物表面が接する溶液のpH、共存する特異吸着イオン種等によって大きく変化するため、陰イオンも陽イオンも吸着することが開示されている。
非特許文献2では、堆積土砂の湖内移動が進められている貯水池において、アロフェンを用いて濁水凝集処理に関する現地試験を行った結果、凝集効果が確認されたことが開示されている。
非特許文献3では、汚染土のうち、鉛、ヒ素などの重金属により汚染された土壌については、汚染物質の土壌からの完全除去が現状の技術では困難な部分も多いため、不溶化材として火山灰土を用いることが開示されている。不溶化材として火山灰土を用いて実験した結果、添加量が増すほどヒ素の不溶化に対して効果的であり、相対的に比較すると、腐植層よりも下層土の方がヒ素不溶化に対してより効果的であり、火山灰材料10%の添加でヒ素溶出量は約60%以上が制御されたことが開示されている。
非特許文献4では、大山倉吉軽石層の黒ボク、ミソ土、及び鹿沼土について、北川法によりアロフェン含有量を定量分析した結果、黒ボク17重量%、ミソ土52重量%、鹿沼土(栃木県鹿沼市)53重量%であることが開示されている。
非特許文献5では、大山火山灰は噴火によって順序よく降下堆積しており、鳥取県内だけではなく、北陸、信州、北関東の各地で見出されている。鳥取県内の堆積量は40km〜60kmと推察されていることが開示されている。
このように、アロフェンを含む土壌を用いて有害金属類を吸着することによって、廃棄物焼却灰に含まれる有害重金属の溶出防止を図っている。
特開2001‐62289号公報 特開2016‐77940号公報 特開2015‐150543号公報 特開2012‐55815号公報 特開2015‐24348号公報 特開2015‐54276号公報
福士圭介・鈴木正哉著、報文「天然産アロフェン表面酸/塩基特性の表面錯形成モデリングによる解析」産業技術総合研究所深部地質環境研究センタ−粘土科学、2004年43巻4号 海野仁・箱石憲昭著、報文「天然由来の火山灰質凝集材を用いた濁水凝集処理に関する現地実験」土木技術資料55−11(2013) 谷茂・窪田洋司・三浦光通・高橋徹著、報文「重金属汚染土の火山灰土による不溶化特性―評価手法の検討―」独立行政法人農業工学研究所造構部・(株)東京ソイルリサーチつくば総合試験所・(株)環境研究センタ−環境調査事業部 北川靖夫著、報文「土壌中のアロフェンおよび非晶質無機成分の定量に関する研究」農業技術研究所報告.B,土壌肥料、1977−02年 山元孝広著、報文「大山倉吉テフラの降灰シミュレーション」地質調査総合センタ−研究資料集NO.635、2016年
しかしながら、近年は、環境問題について人々の関心が益々寄せられ、様々な業界において、より一層環境問題に取り組まなければならず、各々環境基準に適合するように、さらなる信頼性の向上が求められている。より具体的には、廃棄物焼却灰から溶出する重金属類を吸着して不溶化剤として作用する、より信頼性の高い重金属類吸着剤が求められている。
それ故に、本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであって、本発明の目的の1つは、廃棄物焼却灰から溶出する重金属類を吸着して不溶化剤として作用する、より信頼性の高い重金属類吸着剤およびその製造方法を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、少なくとも以下のような構成を備え、もしくは手順を実行する。なお、以下の説明において、本発明の理解を容易にするために図面に示されている符号等を付記する場合があるが、本発明の各構成要素は、図面に示されているものに限定されるものではなく、当業者が技術的に理解しうる範囲にまで広く解釈されるべきものである。
本発明の一局面に係る重金属類吸着剤は、廃棄物焼却灰から溶出する重金属類を吸着して不溶化剤として作用する重金属類吸着剤であって、火山灰層から採掘され、粘土鉱物であるアロフェンが含有されているみそ土と、マグネシウムと、アルミニウムまたは鉄の少なくともいずれかとを含む金属混合物と、を備える。
また、好ましくは、前記みそ土と前記金属混合物とは、50重量%〜85重量%:50重量%〜15重量%であることを特徴とする。
また、好ましくは、前記マグネシウムは、前記アルミニウムまたは前記鉄の少なくともいずれかよりも多いことを特徴とする。
また、好ましくは、前記マグネシウムと前記アルミニウムまたは前記鉄の少なくともいずれかとは、80重量%:20重量%であることを特徴とする。
また、好ましくは、前記火山灰層は、大山倉吉軽石層であることを特徴とする。
また、本発明の一局面に係る重金属類吸着剤の製造方法は、廃棄物焼却灰から溶出する重金属類を吸着して不溶化剤として作用する重金属類吸着剤の製造方法であって、粘土鉱物であるアロフェンが含有されているみそ土を火山灰層から採掘し、前記採掘したみそ土の含水率を10%〜20%に維持しつつ、かつ含有されるアロフェンの中空ボール状の立体構造を維持するように解砕し、前記解砕したみそ土に含まれる黒ボク、軽石塊、および植物の破片を除去し、マグネシウムとアルミニウムまたは鉄の少なくともいずれかとを混合する。
以上のように、本発明によれば、廃棄物焼却灰から溶出する重金属類を吸着して不溶化剤として作用する、より信頼性の高い重金属類吸着剤およびその製造方法を実現することができる。
本発明の一実施形態に係る重金属類吸着剤の製造方法100を示すフローチャートである。
以下、本発明の各実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施形態は、あくまで、本発明を実施するための具体的な一例を挙げるものであって、本発明を限定的に解釈させるものではない。
図1は、本発明の一実施形態に係る重金属類吸着剤の製造方法100を示すフローチャートである。図1において、重金属類吸着剤の製造方法100は、みそ土取得工程110と、みそ土解砕・分級工程120と、金属混合工程130とを含む。
<みそ土取得工程>
みそ土取得工程110において、具体的には、本発明に係る重金属類吸着剤の主材料となるみそ土を火山灰層から採掘することによって取得する。ここで、みそ土とは、火山灰層に堆積している粘土鉱物であって、アロフェンを多く含むことを特徴とする。
本発明に係る重金属類吸着剤の主材料となるみそ土は、本発明において非常に重要な材料であって、特定の火山灰層から堆積しているみそ土を採掘して適用することが好ましい。例えば、鳥取県倉吉市〜北栄町に分布する大山倉吉火山灰層(概ね、北緯35度、東経134度を中心に半径5kmの円形状(78.5km)の範囲)は、大山の噴火によって順序よく火山灰が降下堆積しており、厚さ数mの黒ボク土と厚さ10m程度のみそ土とで構成されているため、重金属類吸着剤の主材料としてのみそ土に関して量的に非常に恵まれていると言える。
ここでは、黒ボク土とみそ土との境界は比較的明白であることから、上層の黒ボク土を取り除いてから下層のみそ土を採掘することができる。みそ土は、20mm以下の粒子で、主として、アロフェン、イモゴライト、鉄・アルミニウム(腐植複合体)が含まれているが、黒ボク、軽石塊、植物の破片等も混在している。みそ土に含まれている黒ボク土や軽石塊(斜方輝石、普通角閃石、および黒雲母等)は、それぞれ呈色が異なっており肉眼でも簡単に判断できるため、みそ土を採掘する際には、これらの黒ボク土や軽石塊が少ない領域を選択することが好ましい。なお、上層の黒ボク土は土壌改良材として利用される場合もある。
また、黒ボク土の下層に堆積しているみそ土を採掘する際、黒ボク土が30容積%以下でカサ比重0.8(粗充填)を目安として採掘し、その後、採掘場所ごとに野積して余分な水分を取り除くが、みそ土の粒子同士が密着せず、各粒子が壊れない程度に湿潤状態を保持して次工程に進む。
<みそ土解砕・分級工程>
みそ土解砕・分級工程120において、みそ土取得工程110にて取得したみそ土を解砕・分級する。火山灰層に堆積しているみそ土は、多量の水分を含む上層の黒ボクの下層にあるため、湿潤状態を維持しており、乾燥状態にはなり難い。上述したように火山灰層から採掘する際には、湿潤状態のみそ土を採掘して工場へ搬送する。当該工場内では、搬送されたみそ土に含まれるアロフェンの中空ボ−ル状の立体構造を破壊しないように、当該みそ土を解砕・分級する。
ここで、アロフェンは、珪素とアルミニウムが不完全ながら一定の結合をした準晶質に該当し、単位粒子は外径35〜55Åの中空ボ−ル状の立体構造をもち、比表面積が大きく、その表面に電荷を有しているため、物理的、化学的吸着力を有している。このアロフェンの立体構造を壊さず、アロフェンの特性を失わないように、みそ土を解砕・分級することが重要である。そして、みそ土の有する正負の荷電を保持した状態で次の工程に進む。
なお、みそ土解砕・分級工程120においては、さらに、みそ土に混在している黒ボク、軽石塊、および植物の破片等の異物を除去することが好ましい。これによって、みそ土におけるアロフェン含有比率を高めることができる。また、アロフェンの粒子が均一に含まれるように攪拌する。
みそ土解砕・分級工程120において、典型的には、解砕機および/または分級機を用いて、みそ土を解砕・分級するが、簡易な撹拌装置または振動テ−ブル等を用いて解砕し、篩目5mmの篩を通過させることによって、草木の根、黒ボク土の塊や軽石類の異物を除去する。
みそ土解砕・分級工程120において、みそ土を乾燥状態にするとアロフェンの中空ボ−ル状立体構造が破壊されやすくなるため、みそ土取得工程110において取得したみそ土は、天日乾燥させて、乾燥後の含水量(10〜20%)を維持したまま、解砕・分級することが好ましい。さらに、みそ土に含まれるイモゴライト、鉄・アルミニウム(腐植複合体)も正負の荷電を有しており、乾燥・粉砕するとその特性を失う可能性がある。
<金属混合工程>
金属混合工程130において、みそ土解砕・分級工程120にて処理されたみそ土に金属混合物を混合する。具体的に、みそ土に混合する金属混合物とは、マグネシウムとアルミニウムとを含むものである。以下、マグネシウムとアルミニウムとの金属混合物として、説明するが、金属混合物は、これに限定されるものではなく、アルミニウムの一部または全部を鉄に換えても良く、同様の結果が得られる。ただし、マグネシウムとアルミニウム(鉄、またはアルミニウムと鉄との混合物)とを混合する割合は、マグネシウムの方を多くする必要があり、60重量%〜90重量%:40重量%〜10重量%が好ましく、80重量%:20重量%が最適である。
また、マグネシウムとアルミニウムとの金属混合物と、みそ土解砕・分級工程120にて処理されたみそ土とを混合する割合は、50重量%〜85重量%:50重量%〜15重量%が好ましい。金属混合物とみそ土とを当該混合割合の範囲において混合することによって生成された重金属類吸着剤(試料)を用いて、有害重金属類に対する吸着性能を測定した。
<実施例>
下記(1)M50、(2)M70、(3)M80、(4)M85の4種類の重金属類吸着剤(試料)を用いて有害重金属類に対する吸着性能を測定した。
(1)M50
マグネシウムとアルミニウムとの金属混合物:50重量%
みそ土:50重量%
(2)M70
マグネシウムとアルミニウムとの金属混合物:30重量%
みそ土:70重量%
(3)M80
マグネシウムとアルミニウムとの金属混合物:20重量%
みそ土:80重量%
(4)M85
マグネシウムとアルミニウムとの金属混合物:15重量%
みそ土:85重量%
測定方法としては、4種類の重金属類吸着剤(試料)について、溶液100mlに含まれる有害重金属類(四価セレン、六価セレン、六価クロム、ホウ素、フッ素、砒素、カドミウム、鉛)の初期濃度(ml/L)を測定し、各試料(g)を混入して24時間振とうさせた後、平衡濃度(ml/L)を測定する。そして、各測定結果に基づいて、有害重金属類に対する吸着量(率)を算出する。
以下に、測定結果および算出結果を示す。
[表1:四価セレン]
Figure 2021011522
[表2:六価セレン]
Figure 2021011522
[表3:六価クロム]
Figure 2021011522
[表4:ホウ素]
Figure 2021011522
[表5:フッ素]
Figure 2021011522
[表6:砒素]
Figure 2021011522
[表7:カドミウム]
Figure 2021011522
[表8:鉛]
Figure 2021011522
上述のように、溶液量100mlに対して、試料M50、M70、M80、およびM85を、それぞれ0.05g、0.10g、および0.50g混合して重金属類の吸着量(率)を算出したところ、0.05gの微小混合であったとしても一定の効果が見られた。
例えば、有害物混じり土壌及び廃棄物焼却灰に含まれる有害重金属として、四価セレンが多く含まれている場合には、試料M50で示される重金属類吸着剤を微量(溶液量100mlに対して0.05g程度)用いても構わないし、試料M85で示される重金属類吸着剤を少量(溶液量100mlに対して0.50g程度)用いても構わない。いずれを用いても99%以上の四価セレンを吸着させることができる。
また、有害物混じり土壌及び廃棄物焼却灰に含まれる有害重金属として、ホウ素が多く含まれている場合には、試料M50で示される重金属類吸着剤を少量(溶液量100mlに対して0.50g程度)用いるか、試料M70で示される重金属類吸着剤を用いることが好ましい。
このように、重金属の種類に応じて、試料M50、M70、M80、およびM85のいずれかを用いて、適切な量を混合すれば、より効率的に重金属を吸着させることができる。
以上のように、本発明の一実施形態に係る重金属類吸着剤および当該重金属類吸着剤の製造方法100によれば、有害物混じり土壌及び廃棄物焼却灰から溶出する重金属類を吸着して不溶化剤として作用する、より信頼性の高い重金属類吸着剤を実現することができる。
さらに、上記実施例における試料において、金属混合物とみそ土とを混合する割合は、試料M50では、50重量%:50重量%、試料M70では、30重量%:70重量%、試料M80では、20重量%:80重量%、試料M85では、15重量%:85重量%であったが、そのうち、金属混合物に含まれるマグネシウムとアルミニウム(または鉄)とを混合する割合は、一定(1:1)としていたが、マグネシウムは、アルミニウム(または鉄)よりも多いことが好ましい。
みそ土と混合する金属混合物として、マグネシウムと鉄との混合割合が異なる5種類の試料を用いて有害重金属類に対する吸着性能を測定した。
(1)Fe:Mg=1:9
(2)Fe:Mg=2:8
(3)Fe:Mg=3:7
(4)Fe:Mg=4:6
(5)Fe:Mg=5:5
測定方法としては、FeとMgとの混合割合に応じた5種類の金属混合物について、溶液100mlに含まれる有害重金属類(フッ素、ホウ素、四価セレン、六価セレン、六価クロム)の初期濃度(ml/L)を測定し、各金属混合物(g)を混入して24時間振とうさせた後、平衡濃度(ml/L)を測定する。そして、各測定結果に基づいて、有害重金属類に対する吸着量(率)を算出する。
以下に、測定結果および算出結果を示す。
[表9:フッ素]
Figure 2021011522
[表10:ホウ素]
Figure 2021011522
[表11:四価セレン]
Figure 2021011522
[表12:六価セレン]
Figure 2021011522
[表13:六価クロム]
Figure 2021011522
上述のように、鉄:マグネシウムを1:9〜5:5の割合で混合すれば、高い吸着率で有害重金属類(フッ素、ホウ素、四価セレン、六価セレン、六価クロム)を吸着することができた。より詳細には、フッ素は、マグネシウムの割合を多くし過ぎても(鉄:マグネシウム=1:9)、吸着率が上昇する傾向にあるが、その他は、マグネシウムの割合を多くし過ぎると(鉄:マグネシウム=1:9)、吸着率が低下する傾向にある。
それぞれ有害重金属類に応じて、最も吸着率が高くなる際の、鉄とマグネシウムとの混合割合は異なるものの、概ね、鉄:マグネシウムを2:8の割合で混合すれば、いずれの有害重金属類に対しても最も高い吸着率近郊での効果が期待できる。
以上、本発明の各実施形態についての具体的な説明を行った。上記説明は、あくまで一実施形態としての説明であって、本発明の範囲はこの一実施形態に留まらず、当業者が把握可能な範囲にまで広く解釈されるものである。
本発明は、重金属類を吸着して不溶化剤として作用する重金属類吸着剤等に利用可能であって、特に、汚染土壌や廃棄物焼却灰に含まれる有害金属類の溶出防止策等に有用である。
火山国である日本には、大山倉吉軽石層土壌に類似するものは大量に埋蔵していると予想される。大山倉吉軽石層粘土(アロフェン)が、ヒ素、鉛、カドミニウム、セレン、フッ素、ホウ素、水銀、クロムが含まれる汚染土壌から、これら元素の溶出量の低減・防止を可能とする環境保全・修復剤として活用できれば、人々の健康維持、環境保全、および生態系の保持に貢献でき、我が国にとって大きな利益を生むことが期待される。
本発明は、各種製造業等の廃棄物や建設・木工事に伴って排出される環境基準に適合しない掘削土から溶出の恐れがある多くの有害金属元素に対応が可能であり、比較的安価な経費で処理できることから、廃棄物処理業だけでなく土木建設業、製造業等広い分野での利用普及が期待できる。
100 重金属類吸着剤の製造方法
110 みそ土取得工程
120 みそ土解砕・分級工程
130 金属混合工程

Claims (6)

  1. 有害物混じり土壌及び廃棄物焼却灰から溶出する重金属類を吸着して不溶化剤として作用する重金属類吸着剤であって、
    火山灰層から採掘され、粘土鉱物であるアロフェンが含有されているみそ土と、
    マグネシウムと、アルミニウムまたは鉄の少なくともいずれかとを含む金属混合物と、を備える、重金属類吸着剤。
  2. 前記みそ土と前記金属混合物とは、50重量%〜85重量%:50重量%〜15重量%であることを特徴とする、請求項1に記載の重金属類吸着剤。
  3. 前記マグネシウムは、前記アルミニウムまたは前記鉄の少なくともいずれかよりも多いことを特徴とする、請求項1または2に記載の重金属類吸着剤。
  4. 前記マグネシウムと前記アルミニウムまたは前記鉄の少なくともいずれかとは、80重量%:20重量%であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の重金属類吸着剤。
  5. 前記火山灰層は、大山倉吉軽石層であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の重金属類吸着剤。
  6. 有害物混じり土壌及び廃棄物焼却灰から溶出する重金属類を吸着して不溶化剤として作用する重金属類吸着剤の製造方法であって、
    粘土鉱物であるアロフェンが含有されているみそ土を火山灰層から採掘し、
    前記採掘したみそ土の含水率を10%〜20%に維持しつつ、かつ含有されるアロフェンの中空ボール状の立体構造を維持するように解砕し、
    前記解砕したみそ土に含まれる黒ボク、軽石塊、および植物の破片を除去し、
    マグネシウムとアルミニウムまたは鉄の少なくともいずれかとを混合する、重金属類吸着剤の製造方法。

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