JP2021010576A - 心臓モニタシステムおよび同期装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】異なる機器で測定された心音波形と心電図の同期を確保する。【解決手段】心臓モニタシステム10は、心音波形と第1の心電波形とを測定する心音測定デバイス12と、少なくとも二種類の心電波形を含む心電図を取得するとともに、心音測定デバイスから心音波形および第1の心電波形を取得し、心電図と心音波形とを同期させる同期装置16とを有する。同期装置16は、第1の心電波形における波形形状と前記心電図に含まれる少なくとも二種類の心電波形の1つである第2の心電波形における波形形状との間の時間的なずれ量に基づいて第1および第2の心電波形を同期させることにより、心電図と前記心音波形とを同期させる。【選択図】図1
Description
本発明は、心臓をモニタリングする心臓モニタシステムおよびそれに含まれる同期装置に関する。
従来より、心電図と心音とに基づいて心臓をモニタリング(診察)することが行われている。例えば、特許文献1には、心電波形を測定可能な聴診器が開示されている。この聴診器は、心電波形を測定するための電極として、プラス電極、マイナス電極、およびアース電極を備える。このような聴診器によれば、心音波形に同期した心電波形を簡単に測定することができる。
ところで、特許文献1に記載されている聴診器の場合、プラス電極とマイナス電極との間の電位差に基づくため、得られる心電波形は1つである。しかし、精密に心臓をモニタリングするために、心音波形に対応する複数種類の心電波形を含む心電図が要望される可能性がある。例えば、12誘導心電計によって測定された12誘導心電図が要望される場合がある。しかしながら、この場合、聴診器と心電計は別の機器であるため、心音波形と心電図の同期が確保されていない。
そこで、本発明は、異なる機器で測定された心音波形と心電図の同期を確保することを課題とする。
上記技術的課題を解決するために、本発明の一態様によれば、
心音波形と第1の心電波形とを測定する心音測定デバイスと、
少なくとも二種類の心電波形を含む心電図を取得するとともに、前記心音測定デバイスから前記心音波形および前記第1の心電波形を取得し、前記心電図と前記心音波形とを同期させる同期装置と、を有し、
前記同期装置は、前記第1の心電波形における波形形状と前記心電図に含まれる少なくとも二種類の心電波形の1つである第2の心電波形における波形形状との間の時間的なずれ量に基づいて前記第1および第2の心電波形を同期させることにより、前記心電図と前記心音波形とを同期させる、心臓モニタシステムが提供される。
心音波形と第1の心電波形とを測定する心音測定デバイスと、
少なくとも二種類の心電波形を含む心電図を取得するとともに、前記心音測定デバイスから前記心音波形および前記第1の心電波形を取得し、前記心電図と前記心音波形とを同期させる同期装置と、を有し、
前記同期装置は、前記第1の心電波形における波形形状と前記心電図に含まれる少なくとも二種類の心電波形の1つである第2の心電波形における波形形状との間の時間的なずれ量に基づいて前記第1および第2の心電波形を同期させることにより、前記心電図と前記心音波形とを同期させる、心臓モニタシステムが提供される。
また、本発明の別態様によれば、
少なくとも二種類の心電波形を含む心電図、心音波形、および前記心音波形とともに測定された第1の心電波形とを取得し、
前記第1の心電波形における波形形状と前記心電図に含まれる少なくとも二種類の心電波形の1つである第2の心電波形における波形形状との間の時間的なずれ量に基づいて前記第1および第2の心電波形を同期させることにより、前記心電図と前記心音波形とを同期させる、同期装置が提供される。
少なくとも二種類の心電波形を含む心電図、心音波形、および前記心音波形とともに測定された第1の心電波形とを取得し、
前記第1の心電波形における波形形状と前記心電図に含まれる少なくとも二種類の心電波形の1つである第2の心電波形における波形形状との間の時間的なずれ量に基づいて前記第1および第2の心電波形を同期させることにより、前記心電図と前記心音波形とを同期させる、同期装置が提供される。
本発明によれば、異なる機器で測定された心音波形と心電図の同期を確保することができる。
本発明の一態様の心臓モニタシステムは、心音波形と第1の心電波形とを測定する心音測定デバイスと、少なくとも二種類の心電波形を含む心電図を取得するとともに、前記心音測定デバイスから前記心音波形および前記第1の心電波形を取得し、前記心電図と前記心音波形とを同期させる同期装置と、を有し、前記同期装置は、前記第1の心電波形における波形形状と前記心電図に含まれる少なくとも二種類の心電波形の1つである第2の心電波形における波形形状との間の時間的なずれ量に基づいて前記第1および第2の心電波形を同期させることにより、前記心電図と前記心音波形とを同期させる。
この態様によれば、異なる機器で測定された心音波形と心電図の同期を確保することができる。
前記同期装置は、例えば、前記第1の心電波形データのR波と前記第2の心電波形データのR波との間の時間的なずれ量に基づいて、前記第1および第2の心電波形を同期させてもよい。他の波形形状に比べて顕著に発生しやすいR波を用いることにより、ずれ量を正確に算出することができる。
前記心臓モニタシステムは、前記心電図を測定する心電計をさらに有してもよく、また、前記心音測定デバイスおよび前記心電計の少なくとも一方が、前記同期装置に対して無線接続されてもよい。無線接続されることにより、心電計や心音測定デバイスの取り扱いが容易になる。
前記心音測定デバイスが、前記心音波形および前記第1の心電波形とともに、前記心音測定デバイスの識別情報を前記同期装置に送信し、前記心電計が、前記心電図とともに、前記心電計の識別情報を前記同期装置に送信してもよい。受診者に対して、心音測定デバイスと心電計とを対応付けすることができる。
前記同期装置は、前記第1の心電波形の波形形状と発生タイミングが近い第2の心電波形の波形形状との間の時間的なずれ量に基づいて、前記第1および第2の心電波形を同期させてもよい。これにより、第1の心電波形の波形形状とこれに対応する第2の心電波形の波形形状との間の時間的なずれ量を算出することができる。
前記同期装置は、前記心電図と前記心音波形との同期を、所定の時間間隔で繰り返してもよい。これにより、心電図と心音波形を同期した状態で維持することができる。
前記心音測定デバイスが、例えば、前記心音波形を測定するための心音センサと、前記第1の心電波形を測定するための心電センサとを備えるデジタル聴診器であってもよい。
前記心電図が、例えば、12誘導心電図であってもよい。
本発明の別態様の同期装置は、少なくとも二種類の心電波形を含む心電図、心音波形、および前記心音波形とともに測定された第1の心電波形とを取得し、前記第1の心電波形における波形形状と前記心電図に含まれる少なくとも二種類の心電波形の1つである第2の心電波形における波形形状との間の時間的なずれ量に基づいて前記第1および第2の心電波形を同期させることにより、前記心電図と前記心音波形とを同期させる。
この態様によれば、異なる機器で測定された心音波形と心電図の同期を確保することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る心臓モニタシステムの概略図である。
図1に示すように、本実施の形態に係る心臓モニタシステム10は、デジタル聴診器12、心電計14、および同期装置16を含んでいる。本実施の形態の場合、デジタル聴診器12、心電計14、および同期装置16は、電気的に接続されていない互いに独立したデバイスであって、無線通信を介して情報(データ)をやり取りする。
本実施の形態に係るデジタル聴診器12は、心音波形を測定する心音測定デバイスであって、心音波形を測定すると同時に心電波形(第1の心電波形)も測定するように構成されている。
図2は、デジタル聴診器の全体図である。また、図3は、デジタル聴診器のチェストピースの斜視図である。そして、図4は、デジタル聴診器の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、デジタル聴診器12は、チェストピース20と、先端にイヤーチップ22が取り付けられた耳管24と、耳管24とチェストピース20とを接続するY字チューブ26とから構成される。
また、デジタル聴診器12は、図4に示すように、心音波形を測定するための心音センサ30と、第1の心電波形を測定するための心電センサ32とを備える。心音センサ30および心電センサ32は、チェストピース20に内蔵されている。
本実施の形態の場合、心音センサ30は、ピエゾダイヤフラム34と、アンプ/フィルタ回路36とを含んでいる。ピエゾダイヤフラム34は、図3に示すように、チェストピース20の聴診面20a側(受診者に当接する面側)に、シリコンカバー38に覆われた状態で設けられている。
心音センサ30のピエゾダイヤフラム34は、心音によって周期的にたわみ変形(周期的に振動)し、その変形量に対応する電圧信号を出力する。
ピエゾダイヤフラム34から出力された電圧信号を、アンプ/フィルタ回路36が、増幅処理するとともにフィルタ処理する。そして、処理された信号は、心音波形として、すなわち心音センサ30の出力として、アンプ/フィルタ回路36から出力される。
なお、心音センサ30は、ピエゾダイヤフラム34に代わって、心音を集音するマイクを備えてもよい。
心電センサ32は、図4に示すように、第1の電極40A、第2の電極40B、およびアース電極40Cと、これら3つの電極40A〜40Cそれぞれの電位に基づいて第1の心電波形を算出する演算回路42とを備える。これら3つの電極40A〜40Cは、図3に示すように、チェストピース20の聴診面20aに設けられ、受診者に当接する。
演算回路42は、第1の電極40A、第2の電極40B、およびアース電極40Cそれぞれが当接する受診者の部位の電位に基づいて、第1の心電波形として算出する。具体的には、アース電極40Cでの電位を基準電位とし、第1および第2の電極40A、40B間との間の電位差が、第1および第2の電極40A、40B間の心電波形、すなわち第1の心電波形として算出される。
図4に示すように、心音センサ30から出力された心音波形と心電センサ32から出力された第1の心電波形は、MPU(マイクロプロセッサユニット)44によって処理される。具体的には、心音波形および第1の心電波形は、MPU44のA/D変換部44a、44bによってアナログ―デジタル変換(A/D変換)される。例えば、心音波形は、4000Hzのサンプリングレートでサンプリングされ、第1の心電波形は、500Hzのサンプリングレートでサンプリングされる。これにより、図5に示すような心音波形と第1の心電波形とが、同時に測定される、すなわち同期が確保された状態で測定される。
同期が確保された状態の心音波形と第1の心電波形は、記憶デバイス46にデータとして記憶される。例えば、記憶デバイス46は、デジタル聴診器12のチェストピース20に対して着脱可能なメモリーカードである。
また、心音波形は、アンプ48およびスピーカー50によって音声に変換され、その音声が、Y字チューブ26、耳管24、およびイヤーチップ22を介して出力される。
さらに同期が確保された状態の心音波形と第1の心電波形は、無線通信モジュール52を介して、後述する同期装置16に送信される。無線通信モジュール52は、例えばBluetoothなどの無線通信規格に準拠する無線通信モジュールである。
これ以外にも、デジタル聴診器12のチェストピース20には、MPU44などに電力を供給するバッテリ54、デジタル聴診器12を操作するための例えばON/OFFボタンなどの操作ボタン56、および動作状態を示すLED58などが搭載されている。操作ボタン56およびLED58は、図3に示すように、聴診面20aとは反対側のチェストピース20の表面20bに設けられている。
図1に戻って、心電計14は、例えば、12種類の心電波形を含む心電図を測定するためのデバイス、いわゆる12誘導心電計である。
心電計14は、受診者の両手首および両足首に取り付けられる4つの電極(右足首に取り付けられるアース電極を含む)と、胸部に水平に取り付けられる6つ電極と、これらの電極間の電位差に基づいて12種類の心電波形からなる心電図を算出する本体部とから構成されている。
図6は、心電計によって測定された複数種類の心電波形からなる一例の心電図を示している。
図6に示すように、本実施の形態の場合、心電計14は、12種類の心電波形を測定する。双極肢誘導(I、II、III)それぞれの心電波形として、両手首の電極間の電位差、右手首の電極と左足首の電極との間の電位差、左手首の電極と左足首の電極との間の電位差が測定される。単極肢誘導(aVR、aVL、aVF)それぞれの心電波形として、右手首の電極と不関電極との間の電位差、左手首の電極と不関電極との間の電位差、左足首の電極と不関電極との間の電位差が測定される。単極胸部誘導(V1、V2、V3、V4、V5、V6)それぞれの心電波形として、各電極と不関電極との間の電位差が測定される。これらの複数種類の心電波形は、同期が確保された状態である。
また、本実施の形態の場合、心電計14は、測定した心電図を、無線通信モジュール(図示せず)を介して、後述する同期装置16に送信するように構成されている。心電計14の無線通信モジュールは、例えばBluetoothなどのデジタル無線通信規格に準拠する無線通信モジュールである。
図1に戻って、同期装置16は、デジタル聴診器12から互いに同期が確保された状態の心音波形と第1の心電波形を取得するとともに、心電計14から心電図を取得するように構成されている。また、同期装置16は、取得した心音波形と心電図とを互いに同期させるように構成されている。
同期装置16は、例えば、無線通信可能なパーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォンなどの汎用の演算装置によって構成される。汎用の演算装置は、心音波形と心電図とを同期させるソフトウェアがその記憶部(メモリなど)にインストールされることにより、同期装置16として動作する。
本実施の形態の場合、同期装置16は、デジタル聴診器12と心電計14の両方に対して無線接続されている。そのために、同期装置16は、デジタル聴診器12と心電計14に搭載された無線通信モジュールとの間でデータ送信を行う無線通信モジュール、例えばBluetoothなどのデジタル無線通信規格に準拠する無線通信モジュールを備える。無線接続により、デジタル聴診器12および心電計14の取り扱いが容易になる(有線接続の場合、デジタル聴診器12などの移動範囲が制限され、接続ケーブルが診察の邪魔になる)。
図1に示すように、無線通信を介して、同期装置16は、デジタル聴診器12から互いに同期が確保された状態の心音波形(データ)と第1の心電波形(データ)とを取得する。それとともに、同期装置16は、心電計14から心電図(データ)を取得する。
同期装置16が取得する心音波形、第1の心電波形、および心電図は、当然ながら対応関係にある、すなわち同一の受診者に対して実質的に同時期に測定されたものである。しかし、心音波形と第1の心電波形はデジタル聴診器12で測定されたものであるために互いに同期が確保されているものの、心音波形と心電図は、異なる機器であるデジタル聴診器12と心電計14とによって測定されたものであるため、同期が確保されていない、すなわち同期が保証されていない。また、本実施の形態の場合、デジタル聴診器12と同期装置16と間のデータ通信と心電計14と同期装置16との間のデータ通信の両方が無線通信であるために、伝播による遅延時間が異なる可能性がある。
そこで、同期装置16が、心音波形と心電図を、第1の心電波形を利用して同期させるように構成されている。
デジタル聴診器12から取得される心音波形と第1の心電波形は、互いに同期が確保されている。また、心電計14から取得される心電図における複数種類の心電波形は互いに同期が確保されている。したがって、第1の心電波形と心電図における複数種類の心電波形の1つである第2の心電波形との間で同期をとれば、心音波形と心電図(すなわち複数種類の心電波形全て)との間の同期を確保することができる。
デジタル聴診器12から取得された第1の心電波形と心電計14から取得された第2の心電波形との同期は、それぞれの波形形状を用いて行われる。
具体的には、図7に示すように、同期装置16は、第1の心電波形の波形形状(タイミングT2の波形形状)と対応する第2の心電波形の波形形状(タイミングT2’の波形形状)との間の時間的なずれ量Δtを算出し、そのずれ量Δtがゼロになるように第1の心電波形および第2の心電波形の一方(先行する波形)を遅延させる。第2の心電波形が第1の心電波形に比べて先行する場合、心電図における複数種類の心電波形全てが遅延される。これにより、図8に示すように、第1および第2の心電波形が同期され、その結果として心音波形と心電図とが同期される。
なお、ここで言う「対応し合う」波形形状は、同一タイミングの同一の心臓の挙動(例えば、心室の収縮など)によって発生した第1の心電波形における波形形状と第2の心電波形における波形形状とを意味する。
第1の心電波形と第2の心電波形との間の時間的なずれ量Δtを算出するための波形形状として、本実施の形態の場合、R波が使用される。同期装置16により、ずれ量Δtは、第1の心電波形のR波のピーク値の発生タイミングT2と対応する第2の心電波形のピーク値の発生タイミングT2’とに基づいて算出される。なお、R波を使用する理由は、R波以外の波形形状に比べて、受診者の症状が異なっていてもほぼ発生し、そのピーク値が大きく、その結果として特定(検出)しやすいからである。
同期装置16は、R波以外の波形形状を用いて、第1の心電波形と第2の心電波形との間の時間的なずれ量Δtを算出してもよい。また、そのずれ量Δtを算出するための波形形状を、医者や看護師などのオペレータが選択できるように、同期装置16は構成されてもよい。これは、受診者によって顕著に発生する波形形状の種類が異なるからである。
心電図に含まれる複数種類の心電波形において、時間的なずれ量Δtを算出するために使用される第2の心電波形は、予め決められていてもよい。または、受診者毎に、または症状毎に、心電図における複数種類の心電波形から1つの心電波形を、第2の心電波形としてオペレータが選択してもよい。
図7に示すように、時間的なずれ量Δtの算出に使用される第1の心電波形のR波の発生タイミングT2が、第2の心電波形のR波の発生タイミングT2’と隣接する別のR波の発生タイミングT1’との間に存在する場合がある。この場合、同期装置16は、第1の心電波形のR波と発生タイミングが近い方の第2の心電波形のR波(ここではタイミングT2’のR波)を、対応する第2の心電波形のR波と判断する。
理由を説明すると、通常、年齢、性別、病状などによって個人差があるものの、R−R間隔は、概ね0.75秒〜1.0秒の範囲である。一方、通信の遅延などで生じるずれ量Δtは、数ミリ秒程度である。したがって、通信状態が正常であれば、第1の心電波形のR波の発生タイミングが、第2の心電波形における連続する2つのR波の発生タイミングの間の中央付近に存在することはない。そのため、第1の心電波形のR波と発生タイミングが近い方の第2の心電波形のR波を、対応する第2の心電波形のR波と判断することができる。
また、デジタル聴診器12および心電計14が内部時計を備える場合、時刻に基づいて、第1の心電波形の波形形状(例えばR波)と対応する第2の心電波形の波形形状を特定することが可能である。この場合、デジタル聴診器12は、心音波形および第1の心電波形とともに、その測定時刻の情報を同期装置16に送信する。また、心電計14も、心電図とともに、その測定時刻の情報を同期装置16に送信する。そして、同期装置16は、測定時刻が近い第1の心電波形の波形形状と第2の心電波形の波形形状とを用いて、第1の心電波形と第2の心電波形を同期させる。
心音波形と心電図の同期(すなわち、第1および第2の心電波形の同期)は、所定の時間間隔で繰り返すのが好ましい。本実施の形態の場合、同期装置16に対してデジタル聴診器12および心電計14の両方が、無線接続されている。そのため、それぞれの間の遅延時間が変化しやすい。したがって、心音波形と心電図の同期を定期的に行うのが好ましい。
上述したように、互いに同期される心音波形と心電図それぞれは、実質的に同時期に測定される。
例えば、心電計14の複数の電極が取り付けられた安静状態の受診者に対して、医者がデジタル聴診器12を用いて聴診を行う。このとき、例えば、同期装置16の測定開始ボタンが医者によって操作されると、同期装置16から測定開始信号がデジタル聴診器12と心電計14とに送信される。測定開始信号を受信したデジタル聴診器12が心音波形と第1の心電波形とを測定し始めると同時に、測定開始信号を受信した心電計14が心電図を測定し始める。これにより、心音波形と心電図が実質的に同時期に測定される。
心音波形とそれに同期した心電図は、例えば同期装置16が備える表示部(タブレットやスマートフォンである場合にはタッチスクリーン)にリアルタイムに表示される。これにより、医者は、心臓の様子を精度よく診断することができる。これに代わってまたは加えて、心音波形とそれに同期した心電図は、対応付けされた状態、例えば1つのファイルデータとして同期装置16の記憶部に記憶されてもよい。これにより、後日、心臓の診断を行うことができる。
なお、デジタル聴診器12によって測定された心音波形と、心電計14によって測定された心電図とを、リアルタイムに同期させるのではなく、後日、同期させることも可能である。例えば、健康診断などで、複数人の受診者それぞれに対して連続的に心音波形(それとともに第1の心電波形)と心電図とを測定する。その後日、受診者それぞれについて、心音波形と心電図とを同期させ、診断を行う。
この場合、デジタル聴診器12は、心音波形および第1の心電波形とともに、デジタル聴診器の識別情報(例えばシリアルナンバーなど)を同期装置16に送信する。また、心電計14は、心電図とともに、心電計の識別情報(例えばシリアルナンバーなど)を同期装置16に装置する。同期装置16は、受診者情報、心音波形、第1の心電波形、心電図、デジタル聴診器の識別情報、および心電計の識別情報を対応付けした状態で保存する。これにより、複数の受診者それぞれと、その受診者に対して使用されたデジタル聴診器12および心電計14とを対応付けすることができる。
以上のような本実施の形態によれば、異なる機器であるデジタル聴診器と心電計それぞれによって測定された心音波形と心電図の同期を確保することができる。
以上、上述の実施の形態を挙げて本発明の実施の形態を説明したが、本発明の実施の形態はこれに限らない。
例えば、上述の実施の形態の場合、図2に示すように、心音波形と第1の心電波形を同時に測定する心音測定デバイスは、デジタル聴診器12であるが、本発明の実施の形態はこれに限らない。心音測定デバイスは、受診者の身体に取り付けられるマイクであってもよい。この場合、マイクに心電波形を測定するための複数の電極が設けられる。
また、上述の実施の形態の場合、図3〜図5に示すように、デジタル聴診器12は、3つの電極40A〜40Cを用いて、1つの心電波形を測定する。しかしながら、本発明の実施の形態はこれに限らない。例えば、デジタル聴診器12は、4つの電極(その中の1つはアース電極)を用いて3つの心電波形を含む3誘導心電図を測定してもよい。この場合、3つの心電波形の中の1つが、第1の心電波形として使用される。
さらに、上述の実施の形態の場合、心電計14は、図6に示すように、12種類の心電波形を測定することができる12誘導心電計である。しかしながら、本発明の実施の形態はこれに限らない。心電計14によって測定される振動波形の種類数(誘導数)は、デジタル聴診器12で測定される心電波形の数に比べて多いのであれば、その数は限らない。
さらにまた、上述の実施の形態の場合、デジタル聴診器12、心電計14、および同期装置16は、図1に示すように、互いに独立したデバイスである。しかしながら、本発明の実施の形態はこれに限らない。例えば、同期装置16が、心電計14に組み込まれてもよい。
加えて、上述の実施の形態の場合、同期装置16は、デジタル聴診器12および心電計14の両方に対して無線通信を行い、その無線通信を介して、心音波形、第1の心電波形、および心電図をこれらから所得する。しかしながら、本発明の実施の形態はこれに限らない。例えば、デジタル聴診器12および心電計14の少なくとも一方が、同期装置16に対して有線接続されてもよい。デジタル聴診器12と心電計14の両方が同期装置16に有線接続される場合、心音波形と心電図は、同期装置16によって同期されることにより、その同期が保証される。
すなわち、本発明に係る実施の形態の心臓モニタシステムは、広義には、心音波形と第1の心電波形とを測定する心音測定デバイスと、少なくとも二種類の心電波形を含む心電図を取得するとともに、前記心音測定デバイスから前記心音波形および前記第1の心電波形を取得し、前記心電図と前記心音波形とを同期させる同期装置と、を有し、前記同期装置は、前記第1の心電波形における波形形状と前記心電図に含まれる少なくとも二種類の心電波形の1つである第2の心電波形における波形形状との間の時間的なずれ量に基づいて前記第1および第2の心電波形を同期させることにより、前記心電図と前記心音波形とを同期させる。
また、本発明に係る実施の形態の同期装置は、広義には、少なくとも二種類の心電波形を含む心電図、心音波形、および前記心音波形とともに測定された第1の心電波形とを取得し、前記第1の心電波形における波形形状と前記心電図に含まれる少なくとも二種類の心電波形の1つである第2の心電波形における波形形状との間の時間的なずれ量に基づいて前記第1および第2の心電波形を同期させることにより、前記心電図と前記心音波形とを同期させる。
以上、複数の実施の形態を挙げて本発明を説明したが、ある実施の形態に対して少なくとも1つの実施の形態を全体としてまたは部分的に組み合わせて本発明に係るさらなる実施の形態とすることが可能であることは、当業者にとって明らかである。
本発明は、心音波形または心電波形を測定する機器に適用可能である。
10 心臓モニタシステム
12 心音測定デバイス(デジタル聴診器)
16 同期装置
12 心音測定デバイス(デジタル聴診器)
16 同期装置
Claims (9)
- 心音波形と第1の心電波形とを測定する心音測定デバイスと、
少なくとも二種類の心電波形を含む心電図を取得するとともに、前記心音測定デバイスから前記心音波形および前記第1の心電波形を取得し、前記心電図と前記心音波形とを同期させる同期装置と、を有し、
前記同期装置は、前記第1の心電波形における波形形状と前記心電図に含まれる少なくとも二種類の心電波形の1つである第2の心電波形における波形形状との間の時間的なずれ量に基づいて前記第1および第2の心電波形を同期させることにより、前記心電図と前記心音波形とを同期させる、心臓モニタシステム。
- 前記同期装置は、前記第1の心電波形のR波と前記第2の心電波形のR波との間の時間的なずれ量に基づいて、前記第1および第2の心電波形を同期させる、請求項1に記載の心臓モニタシステム。
- 前記心電図を測定する心電計をさらに有し、
前記心音測定デバイスおよび前記心電計の少なくとも一方が、前記同期装置に対して無線接続されている、請求項1または2に記載の心臓モニタシステム。
- 前記心音測定デバイスが、前記心音波形および前記第1の心電波形とともに、前記心音測定デバイスの識別情報を前記同期装置に送信し、
前記心電計が、前記心電図とともに、前記心電計の識別情報を前記同期装置に送信する、請求項3に記載の心臓モニタシステム。
- 前記同期装置は、前記第1の心電波形の波形形状と発生タイミングが近い第2の心電波形の波形形状との間の時間的なずれ量に基づいて、前記第1および第2の心電波形を同期させる、請求項1から4のいずれか一項に記載の心臓モニタシステム。
- 前記同期装置は、前記心電図と前記心音波形との同期を、所定の時間間隔で繰り返す、請求項1から5のいずれか一項に記載の心臓モニタシステム。
- 前記心音測定デバイスが、前記心音波形を測定するための心音センサと、前記第1の心電波形を測定するための心電センサとを備えるデジタル聴診器である、請求項1から6のいずれか一項に記載の心臓モニタシステム。
- 前記心電図が、12誘導心電図である、請求項1から7のいずれか一項に記載の心臓モニタシステム。
- 少なくとも二種類の心電波形を含む心電図、心音波形、および前記心音波形とともに測定された第1の心電波形とを取得し、
前記第1の心電波形における波形形状と前記心電図に含まれる少なくとも二種類の心電波形の1つである第2の心電波形における波形形状との間の時間的なずれ量に基づいて前記第1および第2の心電波形を同期させることにより、前記心電図と前記心音波形とを同期させる、同期装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019126328A JP2021010576A (ja) | 2019-07-05 | 2019-07-05 | 心臓モニタシステムおよび同期装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023074823A1 (ja) * | 2021-10-28 | 2023-05-04 | テルモ株式会社 | 心音取得装置、心音取得システム、心音取得方法およびプログラム |
-
2019
- 2019-07-05 JP JP2019126328A patent/JP2021010576A/ja active Pending
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