JP2021010110A - 撮像装置、画像処理方法、およびプログラム - Google Patents

撮像装置、画像処理方法、およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】反射屈折光学系を有する撮影レンズを用いて撮像した場合においても所望のF値に相当する画像を取得できる撮像装置を提供する。【解決手段】絞り機構が無く撮影F値が一定である反射屈折光学系を有する撮影レンズによって撮像可能な撮像装置が、2次元的に配置された複数の画素を各々が含む複数の画素ブロックと、複数の画素ブロックにそれぞれ対応する複数のマイクロレンズとを有する撮像素子と、所望のF値に相当するマイクロレンズの射出瞳領域に対応する画素ブロック内の画素から出力された画素信号を用いて、所望のF値に相当する画像を取得する制御手段と、を備える。【選択図】図5

Description

本発明は、撮像装置、画像処理方法、およびプログラムに関する。
近年、小型化と長焦点距離化とを併せて実現するために、同一光軸上の中央部に反射部材(反射ミラー)を設けた撮像光学系(反射屈折光学系)を有する撮影レンズが提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1の撮像光学系では、以上の反射部材を用いて入射光を内面反射させて鏡筒内で光路を折り返すことによって、小型化と、長焦点距離化による高倍率の撮像とを実現している。
特開2004−85725号公報
上記したように、反射屈折光学系の中央部には反射部材が設けられているので、通常の撮像光学系において光路中に配置される機械的な絞り機構を反射屈折光学系に設けることは困難である。絞り機構が存在しないと絞りによって光量を調整することができない。すなわち、絞りを示す絞り値(F値)を変更することができない。したがって、絞り機構が無い反射屈折光学系による撮像装置においては、F値を調整した画像を取得することが困難である。
以上の事情に鑑み、本発明は、反射屈折光学系を有する撮影レンズを用いて撮像した場合においても所望のF値に相当する画像を取得できる撮像装置、画像処理方法、およびプログラムを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の撮像装置は、絞り機構が無く撮影F値が一定である反射屈折光学系を有する撮影レンズによって撮像可能な撮像装置であって、2次元的に配置された複数の画素を各々が含む複数の画素ブロックと、複数の前記画素ブロックにそれぞれ対応する複数のマイクロレンズとを有する撮像素子と、所望のF値に相当する前記マイクロレンズの射出瞳領域に対応する前記画素ブロック内の前記画素から出力された画素信号を用いて、前記所望のF値に相当する画像を取得する制御手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、絞り機構が無く撮影F値が一定である反射屈折光学系を有する撮影レンズを用いて撮像した場合においても、所望のF値に相当する画像を取得できる。
本発明の実施形態に係る撮像装置の全体構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る撮影レンズに採用される反射屈折光学系の説明図である。 本発明の実施形態に係る撮像装置の撮像光学系の説明図である。 本発明の実施形態における瞳領域と画素とF値との関係についての説明図である。 本発明の実施形態における所望のF値に対応した瞳領域に相当する画素についての説明図である。 本発明の実施形態における受光不可領域と瞳領域(画素)との関係についての説明図である。 本発明の実施形態における受光不可領域が存在する場合の画像取得についての説明図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明を実現可能な構成の一例に過ぎない。以下の実施形態は、本発明が適用される装置の構成や各種条件に応じて適宜修正または変更することが可能である。したがって、本発明の範囲は、以下の実施形態に記載される構成によって限定されるものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る撮像装置1の全体的な構成を示すブロック図である。撮像装置1は、レンズ交換式のデジタルカメラであって、種々の撮影レンズを用いて撮像可能である。図1(a)は、反射屈折光学系を有する(すなわち、カタディオプトリック式の)撮影レンズ600がカメラ本体100に装着された構成の撮像装置1を示す。図1(b)は、反射屈折光学系を有さない通常の撮影レンズ500がカメラ本体100に装着された構成の撮像装置1を示す。
カメラ本体100には、撮影レンズ500,600を始めとする種々の撮影レンズが着脱可能である。各撮影レンズは、直接的にまたはマウントアダプタを介してカメラ本体100に装着される。
カメラ本体100は、撮像素子101、カメラCPU104、操作部105、記録部106、ファインダ内表示部107、外部表示部110、フォーカルプレンシャッタ111、シャッタ駆動部112、およびカメラ側通信端子113を有する。
撮影レンズ500,600に入射した光束はレンズ群を透過して撮像素子101へと導かれる。撮影レンズ500,600および撮像素子101は撮像光学系を構成する。撮像素子101は、入射した光束に対応する被写体像を光電変換によって電気信号(画素信号)に変換する画素部と、電気信号を処理し出力する周辺回路とを有する。画素部には、2次元的に(例えば、マトリクス状(行列状)に)配置され各々が光電変換を行う複数の画素を有する。周辺回路は、画素部から入力された画素情報を示す電気信号を処理してカメラCPU104へと出力する。画素信号は複数の画素毎に出力される。
カメラCPU104は、撮像素子101からの電気信号(画素信号)に対する種々の処理を実行する。例えば、カメラCPU104は、電気信号に基づいて画像信号や焦点検出信号を取得するための補正処理や、取得した画像信号を種々の用途の画像(記録画像、EVF画像、ライブビュー画像等)に変換する変換処理を実行する。カメラCPU104は、不図示のメモリに記憶されているプログラムを展開し実行することによって、上記した種々の処理を実行すると共に、後述される本実施形態の処理を実行する。なお、カメラCPU104とは別に設けられた画像処理回路が以上の処理を実行する構成も採用可能である。
操作部105は、撮像装置1の撮影モードや撮影条件(所望のF値、ISO、露光時間等)、撮影指示等に関するユーザからの操作入力を受け付ける要素である。操作部105は、例えば、レリーズボタン、モードダイヤル、電子ダイヤル、設定ボタン、タッチパネル等を含んで構成される。
記録部106は、撮影された静止画や動画を記録する記録媒体であって、例えばフラッシュメモリである。記録部106は、カメラ本体100に着脱可能な媒体であってもよいし、カメラ本体100に内蔵された媒体であってもよいし、これらの組合せであってもよい。
ファインダ内表示部107は、いわゆる電子ビューファインダー(EVF)であり、ディスプレイ108と接眼レンズ109とを含む。ディスプレイ108は、有機ELディスプレイまたは液晶ディスプレイ等の小型で高精細な表示手段であると好適である。外部表示部110は、ユーザが裸眼視するのに適した画面サイズの有機ELディスプレイまたは液晶ディスプレイである。ファインダ内表示部107および外部表示部110が、カメラ本体100の設定状態(所望のF値等)、ライブビュー画像、撮影済み画像等の各種情報を表示する。
フォーカルプレンシャッタ111は、撮像素子101に対して光束を入射または遮蔽するシャッタ装置であって、前面(z軸方向の被写体側)に配置されている。シャッタ駆動部112は、シャッタ羽根を駆動制御することによって静止画を撮像する際の露光時間を制御する要素であって、例えばモータである。
カメラ側通信端子113は、撮影レンズ500,600を装着するカメラマウント部に設けられた導通要素である。カメラ側通信端子113は、レンズマウント部に設けられたレンズ側通信端子508と電気的に接続され、カメラCPU104とレンズCPU507との間で送受信される信号を中継する。
図1(a)に示される撮影レンズ600は、反射屈折光学系を有するいわゆるミラーレンズである。一方、図1(b)に示される撮影レンズ500は、焦点距離が可変な従来のズームレンズである。まず、図1(b)を参照して、撮影レンズ500に関して説明する。
図1(b)の撮影レンズ500は、第1レンズ群501、第2レンズ群502、第3レンズ群503、フォーカス駆動部504、絞り505、絞り駆動部506、レンズCPU507、およびレンズ側通信端子508を有する。
被写体からの光束は、第1レンズ群501、第2レンズ群502、および第3レンズ群503を透過して撮像素子101の撮像面に結像し、被写体像を形成する。第2レンズ群502は、光軸方向(z軸方向)に進退して変倍を実行するバリエータとして機能する。第3レンズ群503は、光軸方向(z軸方向)に進退して焦点調節を実行するフォーカスレンズとして機能する。
絞り505は、撮影レンズ500に入射した光量を調節する複数の絞り羽根を有する。絞り駆動部506は、絞り505の絞り羽根によって形成される絞り開口の大きさを変化させるように絞り込み駆動を実行する。すなわち、絞り駆動部506が絞り505を駆動することによって光量が調節され所望の撮影F値が実現される。
レンズCPU507は、レンズ側通信端子508とカメラ側通信端子113とを介してカメラCPU104と信号を送受信する。また、レンズCPU507は、カメラCPU104からの指示信号に基づいてフォーカス駆動部504および絞り駆動部506を制御する。
撮影レンズ500のズームレンジおよび開放F値は撮影意図に応じて設計されるが、本実施形態においては、ズーム状態やフォーカス状態に依らず開放F値が一定値であるように構成される。一方、射出瞳と撮像面との間の距離、いわゆる射出瞳距離は、フォーカス状態に応じて変化する。
次いで、図1(a)および図2を参照して、撮影レンズ600に関して説明する。図1(a)に示すように、撮影レンズ600は、第1レンズ群601、第3レンズ群503、フォーカス駆動部504、レンズCPU507、およびレンズ側通信端子508を有する。撮影レンズ600は、反射屈折光学系による構造上の困難性から、バリエータである第2レンズ群502並びに絞り機構である絞り505および絞り駆動部506を有さない。
図2を参照して、撮影レンズ600に採用される反射屈折光学系について説明する。撮影レンズ600の第1レンズ群601は、レンズ601A,B,C,Eおよび遮光部601Dを有する。図内左側の実線は被写体604を示し、被写体604から発する点線は被写体604上の1点から出射された光線を示している。
被写体604から出射された光はレンズ601Aを通って集光し、レンズ601B(主鏡)によって反射される。レンズ601Bが反射した光は、レンズ601C(副鏡)によって反射および屈折され、レンズ601Eおよびフォーカスレンズ503を通過した後、撮像素子101の撮像面に結像する。レンズ601Bは、被写体側からの光路を反射させ逆行させる反射レンズである。レンズ601Cには、光路の反対面側(被写体側)に遮光部601Dが設けられている。
以上のように、反射屈折光学系を有する撮影レンズ600においては、レンズ中で光路が折り返されるので、光軸方向におけるサイズを小型に維持しつつ長焦点距離化を図ることができる。
図3を参照して、本発明の実施形態に係る撮像装置1の撮像光学系について説明する。本発明を実現するに当たっては、光線の位置に関する位置情報および光線の角度に関する角度情報を含む光線空間情報(ライトフィールド情報)が用いられる。
本実施形態においては、角度情報を取得するために、撮像素子101の全面に亘ってマイクロレンズが配置されたマイクロレンズアレイ(MLA)10が設けられている。マイクロレンズアレイ10に含まれるマイクロレンズ20の各々は、行列状に配列された複数の画素(画素ブロック)に対応している。
図3(a)は、マイクロレンズアレイ10および撮像素子101をz軸方向(光軸方向)から見た正面図およびx軸方向(撮像素子101の長手方向)から見た側面図を示す。マイクロレンズアレイ10の前側主点が撮像光学系の結像面の近傍となるように、撮像素子101上にマイクロレンズアレイ10が配置されている。
撮像装置1の正面側から見ると、各マイクロレンズ20は、撮像素子101の画素ブロックを覆うように配置されている。なお、図3(a)においては、図示の明瞭化のためにマイクロレンズを比較的大きく描いているが、実際のマイクロレンズのサイズは画素サイズの数倍程度である。
図3(b)は、図3(a)に示される正面図(左側)の拡大図であって、撮像素子101の画素(画素ブロック)とマイクロレンズ20との対応関係を示す。図3(b)における格子状の枠(矩形領域)は、撮像素子101の個々の画素(例えば、画素21a,22a,23a,24a,25a)である。なお、各画素は、1つの光電変換部を有する。
また、図3(b)における円は、マイクロレンズアレイ10に含まれる個々のマイクロレンズ20(例えば、マイクロレンズ20a,20b,20c,20d)である。図示の通り、1つのマイクロレンズ20が、5行5列に配置された25個の画素を含む画素ブロックに対応するように設けられている。したがって、マイクロレンズ20のサイズは、x軸方向とy軸方向とに対して画素サイズをそれぞれ5倍したサイズに相当する。
図3(c)を参照して、マイクロレンズアレイ10によってマイクロレンズアレイ10下の画素が特定の射出瞳領域に対応付けられることを説明する。図3(c)は、1つのマイクロレンズ20およびこれに対応する複数の画素の一部を、z軸方向(光軸方向)から見た正面図(上側)およびy軸方向から見た上面図(下側)を示す。
図3(c)の上面図は、マイクロレンズ20と撮像素子101との一部を図2(b)に示すC−C線によって切断した図であって、切断されたマイクロレンズ20の光軸を含んでいる。図3(c)の上面図(下側)に示す画素21a,22a,23a,24a,25aは、図3(b)に示す画素21a,22a,23a,24a,25aに対応する。図3(c)の正面図(上側)は撮像光学系の射出瞳面(射出瞳領域605)を示している。
説明のために図3(c)の上面図と正面図とで投影方向を変化させているが、実際には、図3(c)の上面図における射出瞳面は、紙面垂直方向の平面(xy平面)上の面である。また、説明の簡単のために1次元的な投影処理および信号処理について以下に説明するが、以下の説明が2次元的な投影処理および信号処理に容易に拡張可能であることは当然に理解される。
図3(c)に示すように、撮像素子101が有する各画素は、マイクロレンズ20によって撮像光学系の射出瞳面(射出瞳領域605)上の特定領域と共益になるように設計されている。画素21aと射出瞳領域21とが、画素22aと射出瞳領域22とが、画素23aと射出瞳領域23とが、画素24aと射出瞳領域24とが、画素25aと射出瞳領域25とが、それぞれ対応しており、互いに共益になっている。すなわち、ある画素(例えば、画素21a)には、撮像光学系の射出瞳面上の対応する領域(例えば、射出瞳領域21)を通過した光束のみが入射する。したがって、射出瞳面上における光束の通過領域と撮像素子101上の位置との関係に基づいて、光束(光線)の角度情報を取得することができる。
図4および図5を参照して、撮像素子101から出力される画素信号に基づいて所望のF値に相当する画像を取得する処理について説明する。以下に説明する処理は、カメラCPU14が不図示のメモリに記憶されたプログラムを実行することによって構成される制御手段によって実行される。なお、制御手段は、前述した画像処理回路によって構成されてもよい。また、所望のF値は、ユーザが操作部105を操作することで入力されてよく、入力された所望のF値が表示手段(ファインダ内表示部107、外部表示部110)に表示されてよい。以上の構成によれば、F値が調整可能であることがユーザに明らかとなる。
図4は、本発明の実施形態における射出瞳領域と画素とF値との関係についての説明図である。円状の実線で示される撮像光学系の射出瞳領域605は、撮影レンズ500,600の開放F値(F2.0)における射出瞳領域であって、1個のマイクロレンズ20に対応する射出瞳領域である。
図4には、F値がF2.0、F2.8、F4.0、F5.6、F8.0の各場合の射出瞳領域が示されている。図示の通り、撮影レンズ500の絞り505を絞ると(すなわち、F値が増大すると)射出瞳領域の大きさ(直径)が減少する。図4から理解されるように、F8.0の場合の射出瞳領域は1個の画素23の領域に相当し、F2.8の場合の射出瞳領域は9個の画素17〜19,22〜24,27〜29の領域に相当する。
したがって、絞り機構によって絞りを設定しなくても、制御手段が、所望のF値に対応した射出瞳領域に相当する画素からの画素信号を選択的に取得することによって、所望のF値に相当する画像を取得することができる。より具体的には、例えば、図5(a)に示すように、F8.0に対応する各画素ブロック内の1個の画素23a,23b,23c,23d,…から取得した画素信号を用いて、制御手段が、所望のF値であるF8.0に相当する画像を生成できる。また、図5(b)に示すように、F2.8に対応する各画素ブロック内の9個の画素17a〜29a,17b〜29b,17c〜29c,17d〜29d,…から取得した信号を用いて、制御手段が、所望のF値であるF2.8に相当する画像を生成できる。
以上のように、絞り機構によって絞りを設定しなくても、撮像素子101上の瞳分割を実行し、読み出した画素信号に対する画像処理を画素ブロック毎に実行することで、所望のF値に相当する画像を生成することができる。すなわち、以上の構成によれば、あるF値(例えば、開放F値)において取得した画像に基づいて、制御手段が、そのF値よりも大きな所望のF値に相当する画像を生成することができる。以上の構成は、絞り機構が存在しない光学系を有する撮像装置(例えば、上記した反射屈折光学系の撮影レンズ600を有する撮像装置1)において特に有用であるが、絞り機構が存在する光学系を有する撮像装置に対しても適用できる。
なお、所望のF値(例えば、図4の例のF4.0およびF5.6)によっては、F値に対応する射出瞳領域とその射出瞳領域に相当する画素の領域とが顕著に相違する場合(例えば、射出瞳領域と画素の領域との面積比が所定の閾値範囲を超える場合)がある。以上の場合は、制御手段が、補間演算を実行して所望のF値に相当する画像を生成すると好適である。以上の補間演算は、例えば、射出瞳領域の面積とその射出瞳領域に相当する画素の領域の面積との比や、射出瞳領域の面積と撮像素子101の信号比等に基づいて実行することができる。
制御手段は、所望のF値に対応する射出瞳領域に相当する撮像素子101内の画素を選択的に読み出して上記の画素信号を取得し、所望のF値の画像を生成してもよい。また、制御手段は、撮像素子101内の全画素から読み出した全画素信号を記録部106に記録した後、所望のF値に対応する射出瞳領域に相当する画素からの画素信号を抽出して所望のF値の画像を生成してもよい。さらに、撮像装置1以外のPC等の外部装置が、記録部106に記録された画素信号を用いて同様の処理を実行することで所望のF値の画像を生成してもよい。
なお、撮像装置1にて通常の撮影レンズ500が用いられる場合には、絞り駆動部506が絞り505を駆動して制御手段が所望のF値の画像を取得すればよい。以上の場合、所望のF値に対応するように絞り505が絞られているので、制御手段は、各画素ブロックにおいて常に全射出瞳領域11〜35に対応する画素から画素信号を読み出せばよい。または、制御手段が、絞り505を開放状態で固定するように絞り駆動部506を制御した上で、上記したように所望のF値に相当する画素信号を取得してもよい。
ところで、前述したように、本実施形態の撮影レンズ600が構成する反射屈折光学系には、光束の受光領域(レンズへの入射領域)に遮光部(副鏡)601Dが設けられている。そのため、図6に示すように、射出瞳面上には、遮光部601Dが光束の一部を遮ることで生じた受光不可領域URが存在する。受光不可領域URの大きさは、光路中における遮光部601Dの大きさに対応して定まる。図示の通り、受光不可領域URは光束の中心付近に位置するので、被写体像が撮像素子101の撮像面上に結像しない場合(光束が収斂しない場合)には、中心部分が抜けたリング状のボケ(リングボケ)が生じる。
図6の例では、受光不可領域URがF8.0に対応する射出瞳領域(画素23の領域)に相当している。そのため、画素ブロックにおける中央の画素23(図5(a)に示す画素23a,23b,23c,23d,…)が受光不可領域URに含まれる。結果として、F8.0に対応する画素23a,23b,23c,23d,…を読み出しても画素信号が取得できないので、F8.0の画像を取得することができない。そこで、本実施形態では、以下に図7を参照して説明する手法によって、受光不可領域URが存在する場合において所望のF値に相当する画像を取得する。
図7(a)は、受光不可領域URが存在する場合にF8.0の画像を取得するケースを示す。制御手段は、受光不可領域URである射出瞳領域23に隣接する射出瞳領域22に対応する画素22a,22b,22c,22d,…からの画素信号を取得して、所望のF値であるF8.0相当の画像を生成する。射出瞳領域22は、少なくとも一部が受光不可領域URではない射出瞳領域である。射出瞳領域22に代えて、射出瞳領域23に隣接する射出瞳領域17,18,19,24,27,28,29のいずれか1つに対応する画素が画素信号の取得対象として制御手段に選択されてもよい。以上のように、制御手段が、画像を生成する際に画素信号を取得すべき画素の位置をシフトさせることによって、受光不可領域URを回避しつつ所望のF値と同等の撮影深度を有する画像を取得することができる。
以上のように、所望F値に対応する射出瞳領域とは異なる射出瞳領域に相当する画素を選択して画像生成を行うと、射出瞳領域の重心が光軸中心から偏位する。そのため、本来画素信号を取得すべき射出瞳領域23に対応する画素23a,23b,23c,23d,…に基づいて画像生成を実行する場合と比較して、生成された画像に視差が生じる。しかしながら、所望F値に対応する射出瞳領域に隣接する射出瞳領域を制御手段が選択することによって、生成された画像における視差量を低減させることができる。
図7(b)および図7(c)は、受光不可領域URが存在する場合にF2.8の画像を取得するケースを示す。所望F値がF2.8である場合、F2.8に対応する射出瞳領域17〜19,22〜24,27〜29のうち受光不可領域URは射出瞳領域23のみである。したがって、図5(b)に示すように、F2.8に対応する各画素ブロック内の9個の画素17a〜29a,17b〜29b,17c〜29c,17d〜29d,…から取得した信号に基づいて、制御手段が画像を取得してもよい。
しかしながら、図7(b)のように生成された画像においては前述したリングボケが顕著に発生する。したがって、図7(c)に示すように、制御手段が、画素信号を取得すべき画素の位置を隣接画素にシフトさせることによって、所望のF値であるF2.8の画像を生成すると好適である。図7(c)のように生成された画像においては、中心部分が抜けたリングボケの発生が回避され、水平方向の端部が抜けた逆C字状のボケが生じる。
以上の構成によれば、遮光部601Dを要する反射屈折光学系を有する撮影レンズ600を装着可能な撮像装置1において、遮光部601Dによって生じた受光不可領域URの影響を抑制しつつ所望のF値に相当する画像を取得することができる。より具体的には、遮光部601Dによって射出瞳面上に生じる受光不可領域URの位置および大きさに応じて、画素信号を取得すべき画素の位置をシフトさせることによって、受光不可領域URによって画素信号が取得できない画素の影響を抑制できる。
上記した本発明の実施形態においては、撮像装置1がレンズ交換式のデジタルカメラである。しかしながら、撮像装置1が、撮影レンズ(例えば、反射屈折光学系を有する撮影レンズ600)と一体的に形成されていてもよい。
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明は上述した実施の形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、本発明は、上述の実施の形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワークや記憶媒体を介してシステムや装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータの1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行する処理でも実現可能である。また、本発明は、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
1 撮像装置
10 マイクロレンズアレイ
20 マイクロレンズ
100 カメラ本体
101 撮像素子
500 撮影レンズ
600 撮影レンズ
601D 遮光部
605 射出瞳領域
UR 受光不可領域

Claims (11)

  1. 絞り機構が無く撮影F値が一定である反射屈折光学系を有する撮影レンズによって撮像可能な撮像装置であって、
    2次元的に配置された複数の画素を各々が含む複数の画素ブロックと、複数の前記画素ブロックにそれぞれ対応する複数のマイクロレンズとを有する撮像素子と、
    所望のF値に相当する前記マイクロレンズの射出瞳領域に対応する前記画素ブロック内の前記画素から出力された画素信号を用いて、前記所望のF値に相当する画像を取得する制御手段と、を備えることを特徴とする撮像装置。
  2. 前記反射屈折光学系は、入射する光束の一部を遮って前記射出瞳領域に受光不可領域を生じさせる遮光部を有し、
    前記制御手段は、前記所望のF値に相当する前記射出瞳領域とは異なる射出瞳領域に相当する前記画素から出力された前記画素信号を用いて、前記所望のF値に相当する前記画像を取得する、ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記制御手段は、前記所望のF値に相当する前記射出瞳領域の重心を前記反射屈折光学系の光軸から偏位させる、ことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
  4. 前記制御手段は、前記射出瞳領域の面積と当該射出瞳領域に対応する前記画素の領域の面積とに基づいて前記画素信号を補間して、前記所望のF値に相当する前記画像を取得する、ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の撮像装置。
  5. 前記制御手段は、前記射出瞳領域に対応する前記画素を選択的に読み出すことによって前記画像を取得する、ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の撮像装置。
  6. 前記制御手段は、前記撮像素子内の全画素から読み出した全画素信号から、前記射出瞳領域に対応する前記画素が出力した前記画素信号を抽出することによって前記画像を取得する、ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の撮像装置。
  7. 前記所望のF値を入力するのに用いられる操作部と、
    前記操作部が受け付けた前記所望のF値を表示する表示部と、を備えることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の撮像装置。
  8. 前記反射屈折光学系を有する前記撮影レンズが着脱可能である、ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の撮像装置。
  9. 前記反射屈折光学系を有する前記撮影レンズと一体的に構成されている、ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の撮像装置。
  10. 絞り機構が無く撮影F値が一定である反射屈折光学系を有する撮影レンズと、
    2次元的に配置された複数の画素を各々が含む複数の画素ブロックと、複数の前記画素ブロックにそれぞれ対応する複数のマイクロレンズとを有する撮像素子を有する撮像装置と、を用いた撮像によって取得された画素信号を処理する画像処理方法であって、
    所望のF値に相当する前記マイクロレンズの射出瞳領域に対応する前記画素ブロック内の前記画素から出力された前記画素信号を用いて、前記所望のF値に相当する画像を取得する、ことを特徴とする画像処理方法。
  11. 請求項10に記載の画像処理方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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