<第1実施形態>
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1〜図47を参照し、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の背面図であり、図3はパチンコ機10の遊技盤13の正面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口(入球口)63,64,65a,71,74a等を有する遊技盤13(図3参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図6参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。なお、遊技盤13の詳細については、図3において後述する。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図6参照)へと案内される。また、上皿17の上面の正面視左側には、枠ボタン22が設けられている。
枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図3参照)で表示される演出のステージを変更する場合に、遊技者により押下操作されるボタンである。また、枠ボタン22は、第3図柄の変動表示(以下、第3図柄の変動表示を「変動演出」という。)において実行される予告表示での演出内容を遊技者に選択させるための操作ボタンとしても使用される。
また、変動演出とは、後述する第3図柄表示装置81(図3参照)にて表示される演出であり、後述の通り、遊技盤13の前面領域に発射された球が特定の入賞口(例えば、後述の第1始動口64又は第2始動口71(図3参照))へ入賞したことを契機として実行され、図柄(後述の第3図柄)が所定時間変動された後、停止表示された図柄の組み合わせによって、当該入賞に対して行われる抽選の結果(大当たりか否か)を遊技者に提示する演出である。
さらに、ステージとは、後述する第3図柄表示装置81(図3参照)に表示される各種演出に統一性を持たせた演出モードのことで、本パチンコ機10では「街中ステージ」、「空ステージ」、「島ステージ」の3つのステージが設けられている。上述の変動演出や、変動演出中に実行される「リーチ表示」などの各種演出は、それぞれのステージに与えられたテーマに合わせて行われるように設計されている。
また、「リーチ表示」とは、後述する第3図柄表示装置81(図3参照)において実行される変動演出において、大当たりが発生することを示す「大当たり表示」の一歩手前の表示のことをいう。具体的には、後述する左図柄列Z1及び右図柄列Z3(図5参照)の第3図柄が同一図柄で停止し、中図柄列Z2(図5参照)が未だ停止せず変動を継続している状態のことをいう。
本実施形態のパチンコ機10では、「リーチ表示」として、大別して、「ノーマルリーチ」の演出を構成する一単位の要素(以下、演出を構成する一単位の要素を「変動要素」という)と、該「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して実行され、該「ノーマルリーチ」の変動要素より大当たり期待度が高い「スーパーリーチ」の変動要素と、同じく「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して実行され、「スーパーリーチ」の変動要素より大当たり期待度が高い「スペシャルリーチ」の変動要素とが用意されている。
ステージの変更は、変動演出が行われていない期間(即ち、デモ表示中)や、変動演出において第3図柄が遊技者に視認不能に高速に変動される「高速変動」の変動要素中に、遊技者によって枠ボタン22が押下操作された場合に行われる。そして、枠ボタン22が操作される度に「街中ステージ」→「空ステージ」→「島ステージ」→「街中ステージ」→・・・の順で繰り返し変更される。また、電源投入直後は、初期ステージとして「街中ステージ」が設定される。
また、後述する第3図柄表示装置81(図3参照)にて行われる変動演出において「ノーマルリーチ」の変動要素が開始された場合に、「ノーマルリーチ」の変動要素から「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素に発展するときは、「ノーマルリーチ」の変動要素中に「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素の選択画面が第3図柄表示装置81に表示されるように構成してもよい。
具体的には、選択画面では、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素として選択可能な複数の候補が表示され、その選択画面が表示されている間に、枠ボタン22が遊技者に押下操作された場合に、選択された候補が変更されるように構成する。そして、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素へ発展するときに選択されていた演出候補に基づいて、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素が決定され、その決定に従って「スーパーリーチ」の変動要素は「スペシャルリーチ」の変動要素が第3図柄表示装置81にて実行される。
なお、第1実施形態では、枠ボタン22を押下操作されるボタンとして構成したが、枠ボタン22に代えて、遊技者によりパチンコ機10に対して所定方向(例えば、パチンコ機10に対して、前方、後方、右方および左方)に傾倒操作可能な、操作レバーにより構成してもよい。そして、操作レバーが傾倒操作された方向に基づいて、演出ステージが選択変更されたり、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素が決定されたりしてもよい。
また、枠ボタン22を上皿17の側面視正面側に配置するように構成しているが、枠ボタン22の配置位置は、遊技者が押下操作可能な位置であれば如何様な配置位置でも良く、例えば、上皿17の上面側に配置してもよいし、後述する下皿50の近傍(上面又は側面)に配置してもよい。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定の「リーチ表示」時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、発光ダイオード(ライト・エミッティング・ダイオード(Light Emitting Diode)。以下、「LED」と略す。)等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。
パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時や「リーチ表示」時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前の「リーチ表示」中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図3参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(Acrylonitrile Butadiene Styrene。以下、「ABS」と略す。)樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット。図示せず。)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。
なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112a(図6参照)の駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。
操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「ドル箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
次に、図2に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのマイクロ・プロセッシング・ユニット(Micro−Processing Unit。以下、「MPU」と略す)、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図6参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図6参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図3及び図4を参照して遊技盤13の具体的構成、並びに、V入賞装置72の詳細な構成について説明する。まず、図3に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、球が入賞することで所定の賞球を得ることができる一般入賞口63、第3図柄の大当たりが発生した場合に開放される可変入賞装置65、一部の第3図柄の大当たりにおいて開放され得るV入賞装置72、第3図柄の抽選契機となる第1始動口64及び第2始動口71、第2図柄の抽選契機となるスルーゲート67、開放状態となることで第2始動口71へ球が入球可能となる普通電役71a、第3図柄表示装置81及び第2図柄表示装置83等を有した可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。
一般入賞口63、第1始動口64、可変入賞装置65、スルーゲート67、第2始動口71、普通電役71a、V入賞装置72、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図3を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図6参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図3の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球を再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図3の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される(以下、返しゴム69に当たる勢い等で球を発射して、該球を可変表示装置ユニット80の正面視右側を通過させる行為を「右打ち」と称する一方、発射した球が可変表示装置ユニット80の正面視左側を通過させる行為を「左打ち」と称する)。第1実施形態では、左打ちの遊技において、第1始動口64へ球が入球し得る一方、可変入賞装置65、スルーゲート67、第2始動口71およびV入賞装置72に球が入球し難いように構成されている。また、右打ちの遊技において、可変入賞装置65、スルーゲート67、第2始動口71およびV入賞装置72へ球が入球し得る一方、第1始動口64に球が入球し難いように構成されている。
また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図3の右側上部)には、発光手段である複数のLEDで構成された第1LED群37aと第2LED群37bとが設けられた第1図柄表示装置37(以下、第1図柄表示装置37に関し、説明の便宜上、「特別図柄表示装置37」と称する場合がある)が配設されている。特別図柄表示装置37は、後述する主制御装置110(図6参照)で行われる各制御に応じた第1特別図柄および第2特別図柄の各変動表示(以下、両特別図柄の変動表示を「動的表示」という)がなされると共に、パチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。
第1LED群37aは、後述する第1始動口64又は第2始動口71に入賞(入球)した球のうち、変動表示が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。また、大当たりのラウンド(以下、ラウンドを、単に「R」と称する場合がある)数やエラー表示も、該状態に対応する第1LED群37aの点灯状態により示される。なお、第1LED群37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるように構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
なお、大当たりにおける「ラウンド」とは、大当たりの賞球個数を区切るために後述する可変入賞装置65の大入賞口65aを開閉する大入賞口開閉板65b、又は、V入賞装置72を開閉するV入賞装置開閉板72aが、開放されてから閉鎖されるまでのことをいい、第1実施形態のパチンコ機10では、大入賞口65aが開放開始されてから「30秒」経過するか、若しくは、大入賞口65aの開放中に球が10個入賞すること、又は、V入賞装置72が開放開始されてから「5秒」経過するか、若しくは、V入賞装置72の開放中に球が10個入賞することで、1回の「ラウンド」が実行されるように構成されている。
第2LED群37bは、6個のLEDで構成された上方LED群37b1と、同じく6個のLEDで構成された下方LED群37b2との計12個のLEDで構成されている。上方LED群37b1は、第1始動口64への球の入球に基づいて実行される第1抽選遊技の判定結果を示す第1特別図柄が動的表示される。また、下方LED群37b2は、第2始動口71への球の入球に基づいて実行される第2抽選遊技の判定結果を示す第2特別図柄が動的表示される。
具体的には、上方LED群37b1には、遊技盤13の盤面中央に設けられた第1始動口64への入賞に基づいて決定された変動時間(動的表示時間)が経過するまで動的表示(第1実施形態では、上方LED群37b1の最も上方のLEDから下方のLEDを1つずつ順番に点灯し、該点灯パターンの繰り返し表示)した後に、判定結果を示す図柄(第1実施形態では、6個のLEDの各点灯パターンの組み合わせによって計64種類の停止図柄のいずれか)で停止表示される。
また、下方LED群37b2には、遊技盤13の右側側方に設けられた第2始動口71への入賞に基づいて決定された変動時間(動的表示時間)が経過するまで動的表示(第1実施形態では、下方LED群37b2の最も上方のLEDから下方のLEDを1つずつ順番に点灯し、該点灯パターンの繰り返し表示)した後に、判定結果を示す図柄(第1実施形態では、6個のLEDの各点灯パターンの組み合わせによって計64種類の停止図柄のいずれか)で停止表示される。
いずれのLED群37b1,37b2においても、判定結果がハズレである場合には、最も左側のLEDのみが点灯表示され、判定結果が大当たりである場合には、該大当たりの種類(種別)に対応した点灯パターンで各LED群が点灯表示される。各LED群の停止パターンの詳細については、後述する。
本パチンコ機10では、第1始動口64又は第2始動口71への入球に対して大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、各当否判定において大当たりと判定された場合は、入賞した入賞口64,71に応じてその大当たり種別の判定も行う。
第1実施形態において判定される大当たり種別としては、第1始動口64への入賞に基づいて、「15ラウンドV開放大当たり」、「7ラウンドV開放大当たり」、及び、「7ラウンドV閉鎖大当たり」が用意されている(図9(a)参照)。また、第2始動口71への入賞に基づいて、「15ラウンドV開放大当たり」、及び、「15ラウンドV閉鎖大当たり」が用意されている(図9(b)参照)。
「15ラウンドV開放大当たり」の大当たり種別とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりであって、該大当たりの1ラウンド目にV入賞装置72が開放され、2ラウンド目から15ラウンド目までは可変入賞装置65が開放される大当たりである。
また、「7ラウンドV開放大当たり」の大当たり種別とは、最大ラウンド数が7ラウンドの大当たりであって、「15ラウンドV開放大当たり」と同様、該大当たりの1ラウンド目にV入賞装置72が開放され、2ラウンド目から7ラウンド目までは可変入賞装置65が開放される大当たりである。
「15ラウンドV閉鎖大当たり」の大当たり種別とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりであって、大当たりの1ラウンド目から15ラウンド目まですべて可変入賞装置65が開放され、V入賞装置72は開放されない大当たりである。
「7ラウンドV閉鎖大当たり」の大当たり種別とは、最大ラウンド数が7ラウンドの大当たりであって、「15ラウンドV閉鎖大当たり」と同様、大当たりの1ラウンド目から7ラウンド目まですべて可変入賞装置65が開放され、V入賞装置72は開放されない大当たりである。
ここで、図4を参照して、V入賞装置72の構成について説明する。図4(a)は、V入賞装置72の正面視における模式的断面図であり、図4(b)は、V入賞装置72の振分装置73によって右側経路75に振り分けられた球の挙動を示した図であり、図4(c)は、V入賞装置72の振分装置73によって左側経路74に振り分けられた球の挙動を示した図である。
V入賞装置72は、遊技盤13の正面視右側下方に配設されている(図3参照)。このV入賞装置72は、主に、該V入賞装置72を開閉するV入賞装置開閉板72aと、該V入賞装置開閉板72aが開放されている状態でV入賞装置72に流入した球が通過する振分前経路72cと、該振分前経路72cの下流側に設けられた振分装置73と、該振分装置73が正面視右上がりの状態の場合にV入賞装置72に流入した球が流下する左側経路74と、該左側経路74を通過する球を検知可能なV入賞口74aと、振分装置73が正面視左上がりの状態の場合にV入賞装置72に流入した球が流下する右側経路75と、により構成されている(図4(a)参照)。
V入賞装置開閉板72aは、後述するV入賞装置開閉ソレノイド72b(図6参照)によって遊技盤13盤面より突出した突出状態と、遊技盤13盤面内に没入した没入状態とに変位可能に構成されている。具体的には、通常時では、V入賞装置開閉ソレノイド72bをオフすることでV入賞装置開閉板72aを突出状態とし、該V入賞装置開閉板72aによりV入賞装置72の上部(振分前経路72c上流側)を閉塞して、V入賞装置72内に球が流入しないように構成されている。そして、上述した「15ラウンドV開放大当たり」又は「7ラウンドV開放大当たり」に当選した場合、両大当たりにおける1ラウンド目において、V入賞装置開閉ソレノイド72bを所定期間(第1実施形態では、「5秒」間)オンすることでV入賞装置開閉板72aを没入状態とし、V入賞装置72の上部(振分前経路72c上流側)を開放して、右打ち遊技された球がV入賞装置72内に流入するように構成されている。
V入賞装置72に流入した球は、必ず振分前経路72cを経由して、振分装置73まで到達し、該振分装置73の駆動態様によって左側経路74又は右側経路75のいずれかに振り分けられる。
振分装置73は、振分前経路72cの下流側であって、左側経路74及び右側経路75の上流側、かつ、左側経路74と右側経路75との境界部分に配設されている。この振分装置73は、回転軸部73bを中心として振分板73aを回転駆動可能に構成し、後述するV振分駆動ソレノイド73c(図6参照)が一定周期(第1実施形態では、「10秒」単位)でオンとオフとが切り替えられることに伴って、V入賞装置72内に流下した球を左側経路74又は右側経路75のいずれかに振り分けるように構成されている。具体的には、V振分駆動ソレノイド73cがオフされることで左側経路74が閉塞されて右側経路75が開放された状態(図4(b)参照)と、V振分駆動ソレノイド73cがオンされることで右側経路75が閉塞されて左側経路74が開放された状態(図4(c)参照)とが一定周期で切り替わるように構成されている。
図4(b)で示すように、V振分駆動ソレノイド73cがオフされている状態でV入賞装置72に流入した球は、振分装置73の振分板73aによって右側経路75に振り分けられる。一方、図4(c)で示すように、V振分駆動ソレノイド73cがオンされている状態でV入賞装置72に流入した球は、振分装置73の振分板73aによって左側経路74に振り分けられ、V入賞口74aを通過する。
第1実施形態では、V入賞装置72の開放中に球が左側経路74に流入してV入賞口74aに入賞した場合に、該大当たりの後に、「通常遊技状態」と比べて各特別図柄が高確率状態であるとともに、普通図柄が高確率状態である遊技状態(以下、「確率変動状態」と称する場合がある)へ移行するように構成されている。一方、大当たり中に、V入賞装置72が開放されずに、或いは、V入賞装置72が開放されても左側経路74に球が流入せずに、V入賞口74aへ球が入賞しなかった場合は、該大当たり後に、「通常遊技状態」と同様、各特別図柄が低確率状態である一方、普通図柄が高確率状態である遊技状態(以下、「時間短縮状態」と称する場合がある)へ移行するように構成されている。
ここで、「通常遊技状態」とは、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」でない遊技状態の時をいい、各特別図柄の大当たり確率、及び、普通図柄の当たり確率が通常の状態(即ち、低確率状態)かつ普通電役71aの開放が短時間である状態をいう。即ち、「通常遊技状態」は、「確率変動状態」の時より各特別図柄の大当たり確率が低く、また、「確率変動状態」および「時間短縮状態」の時より普通図柄の当たり確率が低い状態であって普通電役71aの開放時間も短時間である。詳細は後述するが、「通常遊技状態」の場合、所謂右打ち遊技をした場合に第2始動口71へ球が入賞し易い遊技状態(以下、第2始動口71へ球が入賞し易い状態のことを、「入賞補助状態」と称する場合がある)ではなく、遊技者にとって最も不利な遊技状態となる。なお、「通常遊技状態」において、右打ち遊技により球が発射された場合(例えば、スルーゲート67への球の通過検知等)、奨励されていない遊技が実行されているということを遊技者およびホール関係者に示唆するために、所定の警報音(例えば、「左打ち遊技に戻して下さい」等)を音声出力するように構成されている。このように構成することで、「通常遊技状態」において非奨励の右打ち遊技が継続して実行されることを抑制し、遊技仕様通りの遊技性を実現することが可能となる。
次いで、「時間短縮状態」とは、各特別図柄の大当たり確率が「通常遊技状態」と同様に低確率状態であるが、普通図柄の当たり確率がアップした所謂「時短機能」が付与された状態をいう。即ち、「時間短縮状態」は、第2始動口71の正面視右側に設けられた普通電役71aが開放状態となり易くなり、その結果、入賞補助機能が作動して第2始動口71へ球が入球し易い状態となる。
即ち、「時間短縮状態」は、特別図柄による大当たりが「通常遊技状態」と同等であるものの、普通図柄による当たりが導出され易く、また、普通電役71aの開放状態が長くなる状態である。よって、「時間短縮状態」では、右打ち遊技により発射された球を第2始動口71へ入賞させ易いため、第2特別図柄の動的表示を連続的に実行させることが可能となり、該第2始動口71への入賞に基づく賞球(例えば、1個/入賞)を得て持ち球の減少を抑えながらの遊技を行うことが可能となる。
第1実施形態のパチンコ機10では、「時間短縮状態」は、各大当たり種別においてV入賞口74aに球が入賞しなかった場合に、該大当たり後に予め定められた規定回数(第1実施形態では、100回)の特別図柄の動的表示が実行されるまでの間、普通図柄の当たり確率が高確率状態となる。そして、上記規定回数の特別図柄の動的表示が実行された後は、「時間短縮状態」から上記「通常遊技状態」に移行するように構成されている。
次いで、「確率変動状態」では、大当たり終了後に付加価値としてその後の各特別図柄の大当たり確率がアップした高確率状態であるとともに、普通図柄の当たり確率がアップし、かつ、普通電役71aの入賞補助機能が作動した状態となる。
即ち、「確率変動状態」は、特別図柄による大当たり結果が導出され易い状態であるとともに、普通図柄による当たり結果が導出され易く、さらに、普通電役71aの開放状態が長くなる状態となる。よって、「確率変動状態」では、右打ち遊技により発射された球が第2始動口71へと入賞し易いため、第2特別図柄の動的表示を連続的に実行できるとともに、該第2始動口71への入賞に基づく賞球(例えば、1個/入賞)を得て持ち球の減少を抑えながら遊技を行うことができ、さらに、第2特別図柄の動的表示に基づく大当たり遊技(特別遊技状態)が発生し易い状態で遊技を行うことが可能となる。
第1実施形態のパチンコ機10では、V入賞装置72が開放され得る各大当たり種別においてV入賞口74aに球が入賞した場合に、該大当たり後に予め定められた規定回数(第1実施形態では、100回)の特別図柄の動的表示が実行されるまで(所謂、スペシャル・タイム。以下、Special Time(スペシャル・タイム)の頭文字を略して「ST」と略す場合がある。)の間、特別図柄の大当たり確率が高確率状態となる。そして、上記規定回数の特別図柄の動的表示が実行された後は、「確率変動状態」から上記「通常遊技状態」に移行するように構成されている。
ここで、各大当たり種別毎の第2LED群37bの表示態様について説明する。第1特別図柄用の上方LED群37b1の停止表示(点灯表示)として、ハズレに対応する表示パターンは1種類、大当たり種別「15ラウンドV開放大当たり」に対応する表示パターンは21種類、大当たり種別「7ラウンドV開放大当たり」に対応する表示パターンは21種類、大当たり種別「7ラウンドV閉鎖大当たり」に対応する表示パターンは21種類、の計64種類の表示パターンが設けられている。そして、各表示パターンは、大当たり種別毎に特定の規則性を有さず、無作為な表示パターンが予め対応付けられている。よって、遊技者が上方LED群37b1の表示パターンを見た場合に、ハズレの停止表示は認識することができる一方、大当たり種別「15ラウンドV開放大当たり」、「7ラウンドV開放大当たり」又は「7ラウンドV閉鎖大当たり」のいずれの停止表示であるかを識別困難に構成されている。
また、第2特別図柄用の下方LED群37b2の停止表示(点灯表示)として、ハズレに対応する表示パターンは1種類、大当たり種別「15ラウンドV開放大当たり」に対応する表示パターンは32種類、大当たり種別「15ラウンドV閉鎖大当たり」に対応する表示パターンは31種類、の計64種類の表示パターンが設けられている。そして、各表示パターンは、上方LED群37b1と同様、大当たり種別毎に特定の規則性を有さず、無作為な表示パターンが予め対応付けられている。よって、遊技者が下方LED群37b2の表示パターンを見た場合に、ハズレの停止表示は認識することができる一方、大当たり種別「15ラウンドV開放大当たり」又は「15ラウンドV閉鎖大当たり」のいずれの停止表示であるかを識別困難に構成されている。
このように構成することで、特別図柄表示装置37の第2LED群37bの停止表示において各大当たり種別を表示した場合であっても、各停止表示に対応する大当たり種別を全て把握していないければ、当選した大当たり種別を遊技者が認識することが困難となる。このため、変動演出の表示結果のみではV入賞装置72が開放される大当たり種別か否かを識別困難にし、遊技者にいずれの遊技状態であるか否かを推測させる遊技性が生まれ、遊技の興趣を向上することができる。
図3に戻って説明を続ける。遊技盤13の遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。
また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1始動口64への入球又は第2始動口71への入球(以下、第1始動口64又は第2始動口71への球の入球を「始動入賞」という場合がある)をトリガとして、特別図柄表示装置37における第1特別図柄又は第2特別図柄の動的表示と同期させながら、第3図柄の変動演出を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、スルーゲート67の球の通過をトリガとして普通図柄を変動表示(以下、普通図柄の変動表示を「可変表示」という)するLEDで構成される第2図柄表示装置83(以下、第2図柄表示装置83に関し、説明の便宜上、「普通図柄表示装置83」と称する場合がある)とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は17インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114(図6参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列(図示せず)が表示される。
各図柄列Z1〜Z3(図5参照)は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列Z1〜Z3毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変的に表示されるようになっている。第1実施形態の第3図柄表示装置81は、第1特別図柄の第1抽選遊技および第2特別図柄の第2抽選遊技で共通的に使用されるものであり、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が特別図柄表示装置37で行われるのに対して、その特別図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を第3図柄表示装置81の第3図柄を用いて行うものである。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図5を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図5は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図5(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図5(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(「1」,「3」,「5」,「7」,「9」)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(「0」,「2」,「4」,「6」,「8」)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、第1実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図6参照)によるいずれかの特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動演出が行われ、その変動演出が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。例えば、「15ラウンドV開放大当たり」の大当たり種別に当選した場合は、主に、「7」の数字を付した主図柄が揃う変動演出が行われる。また、「7ラウンドV開放大当たり」の大当たり種別に当選した場合には、主に、「3」の数字を付した主図柄が揃う変動演出が行われる。一方、「15ラウンドV閉鎖大当たり」又は「7ラウンドV閉鎖大当たり」の大当たり種別に当選した場合は、主に、「3」又は「7」の数字以外の数字を付した主図柄、即ち、「1」、「2」、「4」、「5」、「6」、「8」又は「9」の数字を付した主図柄が揃う変動演出が行われる。
なお、第1実施形態のパチンコ機10では、「15ラウンドV開放大当たり」及び「7ラウンドV開放大当たり」の各大当たり種別に当選した場合に、すべての主図柄が現出可能に構成されている。具体的には、例えば、「15ラウンドV開放大当たり」又は「7ラウンドV開放大当たり」に当選した場合であっても、「2」や「8」の数字を付した同一の主図柄が揃う変動演出が行われる場合がある。このように構成することで、例えば、変動演出の停止時点では、付与され得る遊技価値の内容が確定し得ないように構成し、大当たり中における昇格演出等を行うことで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる。
図5(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下方向に3分割され、下側の2/3が第3図柄を変動演出する主表示領域Dmと保留球数などを表示するコクピット表示領域Dbとで構成され、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタなどを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その表示領域Dm1に左図柄列Z1が表示され、表示領域Dm2に中図柄列Z2が表示され、表示領域Dm3に右図柄列Z3が表示される。
各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順(または降順)に主図柄が配列され、各図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動演出が行われる。なお、各図柄列Z1〜Z3において、数字の配列をそれぞれ異ならせるように構成してもよい。例えば、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列する一方、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列してもよい。
また、主表示領域Dmには、各図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の変動演出に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(同一の主図柄の組合せ。以下、「大当たり表示」という。)で揃えば、大当たりとして大当たり動画が表示される。
第3図柄表示装置81(特別図柄表示装置37)にて第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する第3図柄の変動演出(動的表示)が行われている間に球が第1始動口64へ入球した場合、その入球回数(保留球数)は最大4回まで保留される。その保留球数は特別図柄表示装置37により示されると共に、コクピット表示領域Dbの第1特別図柄に対応する第1保留図柄表示領域Db1の特図1第1〜第4保留図柄表示領域Db1a〜Db1dおいても示される。特図1第1〜第4保留図柄表示領域Db1a〜Db1dには、第1特別図柄の保留球1球(保留球数1回)につき1つの保留図柄(通常の表示態様では「○」図柄(白丸図柄))がそれぞれ表示され、特図1第1〜第4保留図柄表示領域Db1a〜Db1dに表示された保留図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。
即ち、特図1第1〜第4保留図柄表示領域Db1a〜Db1dにおいて、特図1第1保留図柄表示領域Db1aに1つの保留図柄が表示されている場合は、第1特別図柄の保留球数が1回であることを示し、特図1第1・第2保留図柄表示領域Db1a,Db1bにそれぞれ1つずつ計2つの保留図柄が表示されている場合は、第1特別図柄の保留球数が2回であることを示し、特図1第1〜第3保留図柄表示領域Db1a〜Db1cにそれぞれ1つずつ計3つの保留図柄が表示されている場合は、第1特別図柄の保留球数が3回であることを示し、特図1第1〜第4保留図柄表示領域Db1a〜Db1dにそれぞれ1つずつ計4つの保留図柄が表示されている場合は、第1特別図柄の保留球数が4回であることを示す。また、特図1第1〜第4保留図柄表示領域Db1a〜Db1dに保留図柄が表示されていない場合は、第1特別図柄の保留球数が0回であって保留されている変動演出が存在しないことを示す。
また、第3図柄表示装置81(特別図柄表示装置37)にて第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する第3図柄の変動演出(動的表示)が行われている間に球が第2始動口71へ入球した場合、その入球回数(保留球数)は最大4回まで保留される。その保留球数は特別図柄表示装置37により示されると共に、コクピット表示領域Dbの第2特別図柄に対応する第2保留図柄表示領域Db2の特図2第1〜第4保留図柄表示領域Db2a〜Db2dおいても示される。特図2第1〜第4保留図柄表示領域Db2a〜Db2dには、第1保留図柄表示領域Db1と同様、第2特別図柄の保留球1球(保留球数1回)につき1つの保留図柄(通常の表示態様では「○」図柄(白丸図柄))がそれぞれ表示され、特図2第1〜第4保留図柄表示領域Db2a〜Db2dに表示された保留図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。
即ち、特図2第1〜第4保留図柄表示領域Db2a〜Db2dにおいて、特図2第1保留図柄表示領域Db2aに1つの保留図柄が表示されている場合は、第2特別図柄の保留球数が1回であることを示し、特図2第1・第2保留図柄表示領域Db2a,Db2bにそれぞれ1つずつ計2つの保留図柄が表示されている場合は、第2特別図柄の保留球数が2回であることを示し、特図2第1〜第3保留図柄表示領域Db2a〜Db2cにそれぞれ1つずつ計3つの保留図柄が表示されている場合は、第2特別図柄の保留球数が3回であることを示し、特図2第1〜第4保留図柄表示領域Db2a〜Db2dにそれぞれ1つずつ計4つの保留図柄が表示されている場合は、第2特別図柄の保留球数が4回であることを示す。また、特図2第1〜第4保留図柄表示領域Db2a〜Db2dに保留図柄が表示されていない場合は、第2特別図柄の保留球数が0回であって保留されている変動演出が存在しないことを示す。
なお、第1実施形態のパチンコ機10では、第1特別図柄の第1抽選遊技と第2特別図柄の第2抽選遊技とが同時に実行されず、いずれか一方の抽選遊技のみが実行されるように構成されている。また、第1実施形態のパチンコ機10では、実行中のいずれかの抽選遊技が終了した場合に、第1特別図柄の保留球と第2特別図柄の保留球とがそれぞれ記憶されているとき、第2特別図柄の第2抽選遊技を第1特別図柄の第1抽選遊技より優先的に実行(所謂、特図2優先変動)するように構成されている。なお、入賞した順で抽選遊技を実行してもよいし(所謂、入賞順変動)、第1特別図柄の第1抽選遊技を第2特別図柄の第2抽選遊技より優先的に実行してもよいし(所謂、特図1優先変動)、第1特別図柄の第1抽選遊技と第2特別図柄の第2抽選遊技とを同時に実行させるように構成してもよい(所謂、同時変動)。
コクピット表示領域Dbの中央部分には、主表示領域Dmで変動演出が実行されていることを示す実行図柄が表示される実行図柄表示領域Db0が設けられている。この実行図柄表示領域Db0は、コクピット表示領域Dbの中央部分、即ち、特図1第1保留図柄表示領域Db1aの右側であって、特図2第1保留図柄表示領域Db2aの左側に設けられ、各保留図柄表示領域Db1a〜Db1d,Db2a〜Db2dに表示される各保留図柄より大きい実行図柄が表示されるように構成されている。また、この実行図柄表示領域Db0は、特図1第1保留図柄表示領域Db1a又は特図2第1保留図柄表示領域Db2aに表示されていた保留図柄が移動(シフト)して実行図柄として表示される。
実行図柄表示領域Db0に表示される実行図柄は、変動演出が終了すると消去され、その実行図柄の消去に伴って、表示されている保留図柄が下位側(第1特別図柄であれば右側、第2特別図柄であれば左側)の保留図柄として移動して表示される。具体的には、例えば、第2特別図柄の保留図柄が存在しない状況であって第1特別図柄の保留図柄が4つ存在する状況において、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出の終了に伴って実行図柄表示領域Db0に表示されていた実行図柄が消去された場合、特図1第1保留図柄表示領域Db1aに保留図柄が表示されていたとき、実行図柄表示領域Db0における実行図柄として移動(シフト)して表示される。また、特図1第2保留図柄表示領域Db1bに保留図柄が表示されていた場合、特図1第1保留図柄表示領域Db1aにおける保留図柄として移動(シフト)して表示される。さらに、特図1第3保留図柄表示領域Db1cに保留図柄が表示されていた場合、特図1第2保留図柄表示領域Db1bにおける保留図柄として移動(シフト)して表示される。また、特図1第4保留図柄表示領域Db1dに保留図柄が表示されていた場合、特図1第3保留図柄表示領域Db1cにおける保留図柄として移動(シフト)して表示される。
また、例えば、第2特別図柄の保留図柄が4つ存在する状況において、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出の終了に伴って実行図柄表示領域Db0に表示されていた実行図柄が消去された場合、特図2第1保留図柄表示領域Db2aに保留図柄が表示されていたとき、実行図柄表示領域Db0における実行図柄として移動(シフト)して表示される。また、特図2第2保留図柄表示領域Db2bに保留図柄が表示されていた場合、特図2第1保留図柄表示領域Db2aにおける保留図柄として移動(シフト)して表示される。さらに、特図2第3保留図柄表示領域Db2cに保留図柄が表示されていた場合、特図2第2保留図柄表示領域Db2bにおける保留図柄として移動(シフト)して表示される。また、特図2第4保留図柄表示領域Db2dに保留図柄が表示されていた場合、特図2第3保留図柄表示領域Db2cにおける保留図柄として移動(シフト)して表示される。
第1実施形態のパチンコ機10では、主表示領域Dmにおいて変動演出が実行されている間、実行図柄表示領域Db0に実行図柄を表示し続ける。一方、該変動演出が終了した場合には、実行図柄が消去されるように構成されている。即ち、実行図柄表示領域Db0に実行図柄が表示されている場合は、主表示領域Dmで変動演出が実行されている(継続している)ことを示し、実行図柄表示領域Db0に実行図柄が表示されていない場合は、主表示領域Dmで変動演出が実行されていない(継続されていない)ことを示す。
また、コクピット表示領域Dbでは、該コクピット表示領域Dbに表示される保留図柄及び実行図柄を用いて、「保留変化予告」を実行可能に構成されている。この「保留変化予告」とは、主表示領域Dmで実行される変動演出の大当たり期待度を、該変動演出の実行前から実行中にかけて保留図柄及び実行図柄の表示色を複数段階に変化させることで示唆する予告である。
第1実施形態のパチンコ機10では、「保留変化予告」として、保留図柄及び実行図柄の表示色を、通常の表示態様である「白」から、青色の表示態様の「青」、又は、赤色の表示態様の「赤」に変化可能に構成されている。本パチンコ機10では、変動演出において「大当たり表示」が発生する場合や、「リーチ表示」が発生する場合に、保留図柄及び実行図柄の表示色の選択割合が異なるように構成されているため、この保留図柄及び実行図柄の表示色が、通常の表示態様(「白」)から別の表示態様(例えば、「青」)に変化することで、その保留図柄及び実行図柄が示す変動演出において「リーチ表示」や「大当たり表示」が発生する可能性を各表示色ごとに遊技者に示唆することができる。
具体的には、「保留変化予告」において、保留図柄及び実行図柄が、通常の表示態様(「白」)より「青」の表示態様である場合の方がその保留図柄及び実行図柄が示す変動演出において「リーチ表示」や「大当たり表示」となる割合が高く設定される。また、保留図柄及び実行図柄が、「青」より「赤」の表示態様である場合の方がその保留図柄及び実行図柄が示す変動演出において「リーチ表示」や「大当たり表示」となる割合が高く設定される。
また、保留図柄及び実行図柄の表示態様が「赤」である場合には、その「赤」の保留図柄又は実行図柄が示す変動演出において「スーパーリーチ」を主とする演出の態様(主とする演出の態様を「演出態様」という)又は「スペシャルリーチ」演出態様(以下、「スーパーリーチ」演出態様又は「スペシャルリーチ」演出態様のことを総称して「スーパーリーチ以上」演出態様という場合がある)の実行が確定するように設定されている。従って、本実施形態では、保留図柄及び実行図柄の表示態様が、通常(「白」)→「青」→「赤」の順に段階的に「リーチ表示」や「大当たり表示」の現出期待度が高いように設定されている。なお、「保留変化予告」の詳細については、後述する。
なお、この「保留変化予告」により、保留図柄の表示態様が変化した状態において、変動演出の実行(消化)に伴って保留図柄がシフトする場合に、その変化した保留図柄の表示態様が、シフト先の保留図柄又は実行図柄に対しても引き継がれて(受け継いで)反映されるように構成されている。即ち、保留図柄の表示態様が変化した場合、その変化した保留図柄が変動演出の実行に伴って他の保留図柄表示領域Db1a〜Db1d,Db2a〜Db2d又は実行図柄表示領域Db0へシフトしたときも、シフト前の表示態様がシフト後の保留図柄又は実行図柄の表示態様としてそのまま維持されるように構成されている。
従って、例えば、特図1第4保留図柄表示領域Db1dにおいて保留図柄の表示色が「赤」に変化した場合、該保留図柄が特図1第3保留図柄表示領域Db1c→特図1第2保留図柄表示領域Db1b→特図1第1保留図柄表示領域Db1a→実行図柄表示領域Db0とそれぞれシフトしていくときに、「赤」の保留図柄又は実行図柄が継続して表示され続けるように構成される。
なお、第1実施形態においては、第1始動口64又は第2始動口71への入球に基づく変動演出の保留球数は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、それぞれ3回以下、又は、それぞれ5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、コクピット表示領域Dbにおける保留図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、特別図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させなくてもよい。なお、第3図柄表示装置81に保留球数に関する情報(保留図柄等)を表示させない場合は、保留図柄による「保留変化予告」を実行することができないため、他のキャラクタ図柄等を追加的に現出させることによって「保留変化予告」と同様の先読み予告を実行させるように構成してもよい。
さらに、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを第1特別図柄および第2特別図柄の最大保留数分の4つそれぞれ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。なお、保留ランプによって保留球数を表示するように構成した場合、保留ランプの表示色を複数種類設けることによって、第1実施形態の「保留変化予告」と同様の先読み予告を実行することは当然に可能である。
副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの小領域Ds1〜Ds3に等区分されている。小領域Ds1〜Ds3は、それぞれ、キャラクタや予告演出画像を表示する領域である。小領域Ds1〜Ds3のそれぞれに表示される画像によって、主表示領域Dmにて行われる変動演出の結果として大当たりとなる期待感を遊技者に与えている。
実際の表示画面では、図5(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、左小領域Ds1では、予告図柄が現出する等の動画が表示され、主表示領域Dmにおいて行われている変動演出が通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。
また、副表示領域Dsにおいて、中央小領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(第1実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、主表示領域Dmで行われている変動演出に基づいて所定動作とは別の特別な動作をしたり、通常は黒色の少年の髪の毛の色や、通常は白色のハチマキの色が変化したり、別のキャラクタが現出するなどして予告演出が行われる。
さらに、副表示領域Dsにおいて、右小領域Ds3では、主表示領域Dmで行われている変動演出において大当たりが発生するか否かを示唆するセリフ予告や、特定の演出(例えば、後述するV入賞チャンス演出等)の残り時間等、様々な予告演出が表示される。詳細な内容については、後述する。
図3に戻って、説明を続ける。可変表示装置ユニット80の正面視右側には、スルーゲート67が設けられている。このスルーゲート67には、球が通過するための貫通孔(図示せず)が上下方向に設けられている。このスルーゲート67を球が通過すると、貫通孔に設けられた普通図柄スイッチ(図示せず)がオンとなり、そのオンに起因して主制御装置110で普通図柄の当たり抽選が行われる。なお、このスルーゲート67は、普通図柄の可変表示の抽選契機となるのみであり、球が通過した場合であっても賞球等の払い出しは行われないように構成されている。
可変表示装置ユニット80の正面視右側側方には、普通電役71aが配設されている。この普通電役71aは、主に、回動板と、該回動板を開閉駆動する回動ソレノイド(図示せず)と、により構成されている。
第1実施形態の主制御装置110は、通常時、普通電役71aの回動板を直立状態に維持して、第2始動口71の正面視右側側部を覆うことで、第2始動口71への球の流入を防止している。そして、普通図柄の可変表示で当たりに当選した場合に、上記回動用ソレノイド(図示せず)を所定時間駆動し、普通電役71aの回動板を所定時間の間、回動板を直立状態から右側に所定角度(例えば、45度)傾倒した開放状態(傾倒状態)に駆動させて、第2始動口71への球の流入を可能に構成して、右打ち遊技されて可変表示装置ユニット80の正面視右側を流下する球が第2始動口71へ入賞し易い状態、即ち、入賞補助状態となるように構成されている。
また、第1実施形態のパチンコ機10では、遊技状態に応じて、普通図柄の可変表示での当たりに当選する確率が変化するように構成されている。具体的には、「通常遊技状態」では、普通図柄の当選確率を低確率状態(例えば、1/10)とし、普通図柄の可変表示において当たりに当選し難くすることで、普通電役71aの回動板を開放状態(傾倒状態)とし難くして、第2始動口71へ入賞し難いように構成する。一方、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」では、普通図柄の当選確率を高確率状態(例えば、9/10)とし、普通図柄の可変表示において当たりに当選し易くすることで、普通電役71aの回動板を開放状態(傾倒状態)とし易くし、第2始動口71へ容易に入賞し得るように構成する。
なお、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」のように、普通図柄の当たり確率を「通常遊技状態」から変更する代わりに、パチンコ機10の遊技状態に応じて、普通電役71aの回動板が回動する時間や、1回の当たりで普通電役71aの回動板が回動する回数を変更するものとしても良い。具体的には、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」において、普通電役71aの回動板が回動する時間を「通常遊技状態」よりも長くしたり、1回の当たりで普通電役71aの回動板が回動する回数を「通常遊技状態」よりも多くしたりしてもよい。また、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」において、普通図柄の当たり確率のアップと、普通電役71aの回動板の回動時間の長時間化と、普通電役71aの回動板の回動回数の多回数化との少なくとも2つを同時に行うようにしてもよい。
普通図柄表示装置83は、球がスルーゲート67を通過する毎に表示図柄(普通図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる可変表示を行うものである。パチンコ機10は、普通図柄表示装置83における可変表示が所定図柄(第1実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に第2始動口71正面視右側に設けられた普通電役71aが所定時間だけ作動状態となり、所定図柄以外(第1実施形態においては「×」の図柄)で停止した場合には普通電役71aが非作動状態となる(閉鎖状態が維持される)よう構成されている。
スルーゲート67の保留球数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第2図柄保留ランプ84(以下、第2図柄保留ランプ84に関し、説明の便宜上、「普通図柄保留ランプ84」と称する場合がある)においても点灯表示される。普通図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。そして、普通図柄保留ランプ84の点灯された数により、保留数を表示する。
なお、普通図柄の可変表示は、第1実施形態のように、普通図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、特別図柄表示装置37又は第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、普通図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、スルーゲート67の通過は、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、特別図柄表示装置37により保留球数が示されるので、普通図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1始動口64が配設されている。この第1始動口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1始動口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1始動口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図6参照)で第1特別図柄の大当たりの抽選がなされる。そして、その抽選結果に応じた動的表示が特別図柄表示装置37の第2LED群37bの上方LED群37b1で示されると共に、第3図柄表示装置81にて第1特別図柄に基づく変動演出が実行される。なお、第1始動口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
可変表示装置ユニット80の正面視右側側方には、普通電役71aが開放状態である場合にのみ球が入球し得る第2始動口71が配設されている。この第2始動口71へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2始動口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2始動口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図6参照)で第2特別図柄の大当たりの抽選がなされる。そして、その抽選結果に応じた表示が特別図柄表示装置37の第2LED群37bの下方LED群37b2で示されると共に、第3図柄表示装置81にて第2特別図柄に基づく変動演出が実行される。なお、第2始動口71は、球が入球すると1個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
遊技盤13の正面視右側下方には可変入賞装置65の略中央部分に横長矩形状の大入賞口65aが設けられている。第1実施形態のパチンコ機10においては、主制御装置110(図6参照)での第1特別図柄又は第2特別図柄の抽選が大当たりとなる場合、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるように特別図柄表示装置37の第2LED群37bを点灯表示させると共に、第3図柄表示装置81にその大当たりに対応した停止図柄(例えば、同一図柄の3つ揃い(「777」等))を表示させて、大当たり遊技の発生が示される。その後、大当たり種別に応じて、可変入賞装置65に設けられた大入賞口開閉板65b、又は、V入賞装置72に設けられたV入賞装置開閉板72aが開放されて、球が大入賞口65a内又はV入賞装置72内に入賞し易い特別遊技状態(大当たり遊技)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている大入賞口65a又はV入賞装置72が、所定条件が成立するまで(例えば、大入賞口65aであれば「30秒」経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで、V入賞装置72であれば「5秒」経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この大入賞口65aは、開放された場合に、開放から所定時間が経過、又は、所定数の入賞を検知すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その大入賞口65aが開放される。この大入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能に構成されている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態(大当たり状態)の一形態であり、遊技者には、球を該大入賞口65aに入賞させることで、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
また、V入賞装置72は、V入賞装置72が開放され得る大当たりに当選した場合の1ラウンド目で開放され、開放から所定時間が経過、又は、所定数の入賞を検知すると閉鎖され、その閉鎖後は、可変入賞装置65の大入賞口65aが開放される。このV入賞装置72の開閉動作は、最大でも1回のみ開放可能に構成されている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態(大当たり状態)の一形態であり、遊技者には、球を該V入賞装置72に入賞させることで、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
さらに、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口(入球口)63,64,65a,71,72にも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
次に、図6を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図6は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したリード・オンリー・メモリー(Read Only Memory。以下、「ROM」と略す)202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるランダム・アクセス・メモリー(Random Access Memory。以下、「RAM」と略す。)203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、大当たり抽選や特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における各特別図柄の動的表示および変動演出の設定、普通図柄表示装置83における普通図柄の可変表示の表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタを格納するカウンタ用バッファ203cが設けられている。
また、ROM202は、大当たり乱数テーブル202a、大当たり種別テーブル202b、保留数テーブル202c、停止パターンテーブル202d、変動パターンテーブル202e、普図当たり乱数テーブル202f、普図変動時間テーブル202g、普通電役制御テーブル202hを少なくとも格納している。主制御装置110は、RAM203に格納された各種カウンタと、ROM202に格納された各種テーブルとによって、上記の主要な制御を実行する。
ここで、図7を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、大当たり抽選や、特別図柄表示装置37の動的表示の設定、第3図柄表示装置81の変動演出の設定、普通図柄表示装置83における可変表示の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。また、各種カウンタの説明の中で、図8から図19を参照して、主制御装置110のROM202に格納された各種テーブルについても説明する。
大当たり抽選や、特別図柄表示装置37の動的表示の設定、および、第3図柄表示装置81の変動演出の設定には、大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の停止種別の選択に使用する大当たり種別カウンタC2と、変動演出の演出態様の選択に使用する停止パターン選択カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。
また、普通図柄表示装置83の抽選には、普図当たりカウンタC4が用いられ、普図当たりカウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。
これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後「0」に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図24参照)の実行間隔である「4ミリ秒」間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図36参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファ203cに適宜格納される。詳細については後述するが、RAM203には、第1特別図柄に関する4つの保留エリア(第1保留第1〜第4エリア)からなる第1保留球格納エリア203dと、第2特別図柄に関する4つの保留エリア(第2保留第1〜第4エリア)からなる第2保留球格納エリア203eとが設けられており、これらの各エリアには、第1始動口64又は第2始動口71への入球タイミングに合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。大当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、「0〜899」)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、「0〜899」の値を取り得るカウンタの場合は「899」)に達した後「0」に戻る構成となっている。特に、大当たり乱数カウンタC1の更新が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれ、その初期値から大当たり乱数カウンタC1の更新が行われる。
第1初期値乱数カウンタCINI1は、大当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、大当たり乱数カウンタC1が「0〜899」の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、「0〜899」の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図24参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図36参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
大当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(第1実施形態では、タイマ割込処理(図24参照)毎に1回)更新される。そして、球が第1始動口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、第1始動口64(第1特別図柄)に対応する第1保留球格納エリア203dに設けられた第1保留第1〜第4エリアのいずれかの第1保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1に格納される。また、球が第2始動口71に入賞(始動入賞)したタイミングで、第2始動口71(第2特別図柄)に対応する第2保留球格納エリア203eに設けられた第2保留第1〜第4エリアのいずれかの第2保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203e1に格納される。
大当たり乱数カウンタC1が大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される大当たり乱数テーブル202aによって設定されている。つまり、第1保留球格納エリア203dの保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1に格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、大当たりと判定される。また、第2保留球格納エリア203eの保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203e1に格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、大当たりと判定される。
ここで、図8を参照して、大当たり乱数テーブル202aの詳細について説明する。図8は、ROM202に記憶される大当たり乱数テーブル202aの一例を模式的に示した模式図である。大当たり乱数テーブル202aは、第1特別図柄および第2特別図柄とで共通して使用され、パチンコ機10の遊技状態が、「通常遊技状態」又は「時間短縮状態」である第1図柄(各特別図柄)の低確率状態(「確率変動状態」ではない期間)の場合に使用される低確率状態用と、パチンコ機10の遊技状態が、低確率状態より大当たりとなる確率の高い第1図柄(各特別図柄)の高確率状態である「確率変動状態(確変中)」の場合に使用される高確率状態用との2種類に分けられる。そして、低確率状態用と高確率状態用とのそれぞれに含まれる大当たりとなる乱数の数が異なって設定されている。このように、大当たりとなる乱数の数を異ならせることにより、低確率状態と高確率状態とで、大当たりとなる確率が変更される。
第1実施形態のパチンコ機10では、各特別図柄の低確率状態の場合に大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値(大当たり乱数値)の数は3個で、その値「7,307,582」が、大当たり乱数テーブル202aに格納されている。つまり、低確率状態(即ち、「通常遊技状態」又は「時間短縮状態」)における各特別図柄の大当たり確率は、3/900=1/300となるように設定されている。
一方で、各特別図柄の高確率状態の場合に大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値)の数は9個で、その値「28,122,298,390,486,567,656,750,866」が、大当たり乱数テーブル202aに格納されている。つまり、高確率状態(即ち、「確率変動状態」)における各特別図柄の大当たり確率は、9/900=1/100となるように設定されている。
なお、第1実施形態では、大当たり乱数テーブル202aに格納されている低確率状態用の大当たり乱数値と、高確率状態用の大当たり乱数値とで、重複した値とならないように、それぞれ大当たり乱数値を設定している。ここで、パチンコ機10の状況にかかわらず大当たり乱数値となる値が存在すれば、その値が外部から予測されやすくなるので、不正に大当たりを引き当てられる可能性が高くなる恐れがある。これに対して、第1実施形態のように、状況に応じて(即ち、パチンコ機10が高確率状態か低確率状態か、に応じて)、大当たりとなる乱数の値を変えることで、大当たりとなる乱数の値が予測され難くすることができるので、不正に対する抑制を図ることができる。
図7に戻って、説明を続ける。大当たり種別カウンタC2は、大当たりとなった場合の大当たり種別を決定するものであり、所定の範囲(例えば、「0〜99」)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、「0〜99」の値を取り得るカウンタの場合は「99」)に達した後に「0」に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(第1実施形態では、タイマ割込処理(図24参照)毎に1回)更新される。
そして、球が第1始動口64に入賞したタイミングで、第1始動口64に対応して設けられたRAM203の第1保留球格納エリア203dの第1保留第1〜第4エリアのうち、大当たり乱数カウンタC1が格納される第1保留エリアと同じ第1保留エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203d2に格納される。また、球が第2始動口71に入賞したタイミングで、第2始動口71に対応して設けられたRAM203の第2保留球格納エリア203eの第2保留第1〜第4エリアのうち、大当たり乱数カウンタC1が格納される第2保留エリアと同じ第2保留エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203e2に格納される。
ここで、例えば、第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203e内の1の保留エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数(大当たり乱数値)でなければ、即ち、ハズレとなる乱数(ハズレ乱数値)であれば、変動演出における変動パターンや、停止図柄の種別(以下「停止種別」と称す)は、ハズレ時のものとなる。一方で、第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203e内の1の保留エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数(大当たり乱数値)であれば、変動演出における変動パターンや停止種別は大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の変動パターンおよび停止種別は、同じ保留エリアに格納された大当たり種別カウンタC2の値が示す大当たり種別に対応して決定される。
上述したように、第1実施形態のパチンコ機10における大当たり種別カウンタC2の値は、「0〜99」の範囲のループカウンタとして構成されて、該大当たり種別カウンタC2とROM202に格納された大当たり種別テーブル202bとに基づいて、大当たり種別が決定される。この大当たり種別テーブル202bには、第1特別図柄の第1抽選遊技で参照される特図1大当たり種別テーブル202b1と、第2特別図柄の第2抽選遊技で参照される特図2大当たり種別テーブル202b2とが設けられている。
ここで、図9(a)及び図9(b)を参照して、特図1大当たり種別テーブル202b1及び特図2大当たり種別テーブル202b2について説明する。図9(a)は、ROM202に記憶される第1特別図柄に対応する特図1大当たり種別テーブル202b1の一例を模式的に示した図であり、図9(b)は、同じくROM202に記憶される第2特別図柄に対応する特図2大当たり種別テーブル202b2の一例を模式的に示した図である。
図9(a)及び図9(b)に示すように、大当たり種別テーブル202bは、特別図柄の種別(即ち、第1特別図柄か第2特別図柄か)に応じてそれぞれ設けられ、該特別図柄の種別に応じた大当たり種別と、大当たり種別カウンタC2の値とを対応付けられている。
第1実施形態のパチンコ機10では、上述したように、大当たり種別として、「15ラウンドV開放大当たり」と、「7ラウンドV開放大当たり」と、「15ラウンドV閉鎖大当たり」と、「7ラウンドV閉鎖大当たり」とがある。
「15ラウンドV開放大当たり」は、1ラウンド目においてV入賞装置72が開放されるため、その開放タイミングにおいてV入賞口74aに球を入賞させることが可能であり、該大当たり終了後に「確率変動状態」が発生し得る大当たり種別である。
また、「7ラウンドV開放大当たり」は、「15ラウンドV開放大当たり」と同様、1ラウンド目においてV入賞装置72が開放されるため、その開放タイミングにおいてV入賞口74aに球を入賞させることが可能であり、該大当たり終了後に「確率変動状態」が発生し得る大当たり種別である。
一方、「15ラウンドV閉鎖大当たり」は、V入賞装置72が開放されず、V入賞口74aに球を入賞させることができないため、該大当たり終了後は必ず「時間短縮状態」となる大当たり種別である。
また、「7ラウンドV閉鎖大当たり」は、「15ラウンドV閉鎖大当たり」と同様、V入賞装置72が開放されず、V入賞口74aに球を入賞させることができないため、該大当たり終了後は必ず「時間短縮状態」となる大当たり種別である。
なお、いずれの大当たり種別においても、開放されているV入賞装置72又は可変入賞装置65に対して球が10個入賞した場合に、開放中のV入賞装置72又は可変入賞装置65が閉鎖(即ち、最大入賞個数が10個)されるように構成されている。また、大当たり開始時のオープニング時間が「10秒」で実行され、各ラウンドのインターバル時間が「2秒」で実行され、大当たり終了時のエンディング時間が「10秒(図示せず)」で行われる。
また、「15ラウンドV開放大当たり」及び「7ラウンドV開放大当たり」において、1ラウンド目に開放されるV入賞装置72は、最大開放時間が「5秒」に設定されているため、該開放時間中に、「0.6秒」間隔で発射される球(詳細は後述する)が10個入賞し難いように構成されている。従って、「15ラウンドV開放大当たり」及び「7ラウンドV開放大当たり」の1ラウンド目において開放されたV入賞装置72は、最大入賞個数の条件に基づいて閉鎖されるより、最大開放時間(即ち、「5秒」)の経過により閉鎖され易く構成されている。このように、V入賞装置72の開放時間を比較的短く構成することで、「確率変動状態」を付与し得るV入賞口74aが不正に開放され得る不正等を行われ難く構成し、意図しない遊技価値が付与されることを抑制することができる。
特図1大当たり種別テーブル202b1及び特図2大当たり種別テーブル202b2では、それぞれ、各大当たり種別に対して、その大当たり種別を決定する大当たり種別カウンタC2の取り得る値が対応付けられている。
図9(a)の特図1大当たり種別テーブル202b1の例では、「15ラウンドV開放大当たり」に対して大当たり種別カウンタC2の値「0〜29」が対応付けられ、「7ラウンドV開放大当たり」に対して大当たり種別カウンタC2の値「30〜94」が対応付けられ、「7ラウンドV閉鎖大当たり」に対して大当たり種別カウンタC2の値「95〜99」が対応付けられている。
第1実施形態における第1特別図柄の当否抽選において、第1保留球格納エリア203dのいずれかの第1保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1に格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値であった場合に、同じ第1保留エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203d2に格納された大当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別が特図1大当たり種別テーブル202b1から決定される。例えば、大当たり種別カウンタC2の値が「7」であれば、大当たり種別として「15ラウンドV開放大当たり」が決定され、大当たり種別カウンタC2の値が「50」であれば、大当たり種別として「7ラウンドV開放大当たり」が決定され、大当たり種別カウンタC2の値が「97」であれば、大当たり種別として「7ラウンドV閉鎖大当たり」が決定される。
即ち、第1抽選遊技である第1特別図柄の動的表示で大当たりに当選した場合に、「15ラウンドV開放大当たり」の大当たり種別が30%、「7ラウンドV開放大当たり」の大当たり種別が65%、「7ラウンドV閉鎖大当たり」の大当たり種別が5%、の割合で当選することとなる。
また、図9(b)の特図2大当たり種別テーブル202b2の例では、「15ラウンドV開放大当たり」に対して大当たり種別カウンタC2の値「0〜94」が対応付けられ、「15ラウンドV閉鎖大当たり」に対して大当たり種別カウンタC2の値「95〜99」が対応付けられている。即ち、第2特別図柄の大当たりでは、すべて15ラウンドの大当たりが付与されることとなる。
第1実施形態における第2特別図柄の当否抽選において、第2保留球格納エリア203eのいずれかの第1保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203e1に格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値であった場合に、同じ第1保留エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203e2に格納された大当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別が特図2大当たり種別テーブル202b2から決定される。例えば、大当たり種別カウンタC2の値が「17」であれば、大当たり種別として「15ラウンドV開放大当たり」が決定され、大当たり種別カウンタC2の値が「98」であれば、大当たり種別として「15ラウンドV閉鎖大当たり」が決定される。
即ち、第2抽選遊技である第2特別図柄の動的表示で大当たりに当選した場合に、「15ラウンドV開放大当たり」の大当たり種別が95%、「15ラウンドV閉鎖大当たり」の大当たり種別が5%、の割合で当選することとなる。
従って、第1実施形態のパチンコ機10において、第1特別図柄による第1抽選遊技では最も遊技価値が高い「15ラウンドV開放大当たり」の選択割合が30%である一方、第2特別図柄による第2抽選遊技では「15ラウンドV開放大当たり」の選択割合が95%であるため、第1特別図柄による抽選遊技より、第2特別図柄による抽選遊技の方が、遊技者にとって遊技価値が大きい設定となっている。このため、遊技者は、まず、「通常遊技状態」において入賞し得る第1始動口64に球を入賞させて大当たりに当選させて、大当たりによる遊技価値を得るとともに、該大当たりに附随して実行され得る「確率変動状態」又は「時間短縮状態」において如何にして第2特別図柄による抽選を多く受けるか、即ち、第1始動口64へ入球させるより第2始動口71へ入球させるかという遊技性が生まれ、遊技にバリエーションを設け、遊技の興趣が高められている。
なお、大当たりとなった場合にそれぞれの大当たり種別が選択される確率は、機種によって適宜設定される。そして、その設定された確率に応じて、大当たり種別テーブル202bにて、各大当たり種別に対して対応付けられる大当たり種別カウンタC2の値が規定される。
また、大当たり種別が選択される確率は、パチンコ機10の遊技状態に応じて変更されてもよい。この場合、各遊技状態に対応する大当たり種別テーブル202bを用意し、それぞれの大当たり種別テーブル202bにおいて、各大当たり種別に対して対応付ける大当たり種別カウンタC2の値の数を変更すればよい。
図7に戻って、各種カウンタの説明を続ける。停止パターン選択カウンタC3は、例えば「0〜99」の範囲内で順に「1」ずつ加算され、最大値(つまり「99」)に達した後「0」に戻る構成となっている。
第1実施形態では、保留されている変動演出の保留数と停止パターン選択カウンタC3の値とによって、第3図柄表示装置81で表示される大当たり時およびハズレ時の変動演出の大まかな演出態様が選択される。具体的には、「リーチ表示」が発生しない「非リーチ(通常)」演出態様及び「非リーチ(短縮)」演出態様と、「リーチ表示」として「ノーマルリーチ」の演出を構成する一単位の要素(以下、演出を構成する一単位の要素を「変動要素」と称する場合がある)のみが実行される「ノーマルリーチ(通常)」演出態様及び「ノーマルリーチ(短縮)」演出態様と、該「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して「スーパーリーチ」の変動要素が実行される「スーパーリーチ(通常)」演出態様及び「スーパーリーチ(短縮)」演出態様と、同じく「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して「スペシャルリーチ」の変動要素が実行される「スペシャルリーチ(通常)」演出態様及び「スペシャルリーチ(短縮)」演出態様との演出態様が選択される。
ここで、各演出態様について詳細に説明する。演出態様の中で、「非リーチ(通常)」演出態様と「非リーチ(短縮)」演出態様(以下、「非リーチ(通常)」演出態様と「非リーチ(短縮)」演出態様とを総称して、『「非リーチ」演出態様』と称する場合がある)とは、特別図柄の変動演出として3つの図柄列(図示せず)が変動する第3図柄表示装置81にて、各図柄列を高速でシャッフルする「高速変動」の変動要素が行われた後に、先に停止する2の図柄列において同一の第3図柄が停止せず、「リーチ表示」を発生しない演出態様である。
「高速変動」の変動要素とは、例えば、第3図柄表示装置81で行われる第3図柄の変動演出において、各図柄列に表示される第3図柄が、表示画面縦方向下方に高速にスクロールされている変動要素をいう。この「高速変動」では、遊技者によって第3図柄の表示内容を明確に認識できないように第3図柄を変動させ、前回停止表示された変動演出の停止結果を不規則に混ぜる(シャッフルする)演出が実行される。
第1実施形態のパチンコ機10では、「高速変動」の変動要素が行われた後、特定の演出態様(「非リーチ(短縮)」演出態様)を除いて「低速変動」の変動要素が行われるように構成されている。
「低速変動」の変動要素とは、第3図柄表示装置81で行われる第3図柄の変動演出において、上記「高速変動」の変動要素後、遊技者に視認可能な速度で第3図柄を低速にスクロールしている変動要素をいう。この「低速変動」の変動要素では、遊技者に第3図柄の表示内容を認識させながら、各図柄列を順に停止表示する。先に停止表示する2の図柄列(例えば、左図柄列と右図柄列)において同一の第3図柄が停止した場合は「リーチ表示」が発生したとして「ノーマルリーチ」の変動要素へと発展する一方、該先に停止表示する2の図柄列において異なる第3図柄が停止した場合は、残りの図柄列を停止表示して、その変動演出を終了するように構成されている。
従って、「非リーチ(通常)」演出態様では、「高速変動」の変動要素が行われた後に「低速変動」の変動要素が行われて、各図柄列がそれぞれ順番に停止し、先に停止する2つの図柄列に異なる第3図柄が停止し、残りの1の図柄列が停止して、1の変動演出が終了する。一方、「非リーチ(短縮)」演出態様では、「高速変動」が行われた後に「低速変動」の変動要素が行われず、該「高速変動」の変動要素の終了後、各図柄列が同時に停止し、2の図柄列(例えば、「非リーチ(ロング)」演出態様で先に停止する2の図柄列)に異なる第3図柄が停止表示されるとともに、他の図柄列も停止表示され、1の変動演出が終了する。なお、各変動要素の詳細については、後述する。
演出態様の中で、「ノーマルリーチ(通常)」演出態様と「ノーマルリーチ(短縮)」演出態様(以下、「ノーマルリーチ(通常)」演出態様と「ノーマルリーチ(短縮)」演出態様とを総称して、『「ノーマルリーチ」演出態様』と称する場合がある)とは、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出において、先に停止表示する2の図柄列に同一の第3図柄が停止した直後に「ノーマルリーチ」の変動要素が実行され、他の「リーチ表示」、即ち、「スーパーリーチ」の変動要素や「スペシャルリーチ」の変動要素に発展しない「リーチ表示」の演出態様の1つである。なお、この「ノーマルリーチ(通常)」演出態様と「ノーマルリーチ(短縮)」演出態様とは、実行される「高速変動」の変動要素が、「高速変動(通常)」の変動要素か、「高速変動(短縮)」の変動要素かが異なるのみで、残りの変動要素はすべて共通である。
演出態様の中で、「スーパーリーチ(通常)」演出態様と「スーパーリーチ(短縮)」演出態様(以下、「スーパーリーチ(通常)」演出態様と「スーパーリーチ(短縮)」演出態様とを総称して、『「スーパーリーチ」演出態様』と称する場合がある)とは、「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して「スーパーリーチ」の変動要素が実行される「リーチ表示」の演出態様の1つである。なお、この「スーパーリーチ(通常)」演出態様と「スーパーリーチ(短縮)」演出態様とは、実行される「高速変動」の変動要素が、「高速変動(通常)」の変動要素か、「高速変動(短縮)」の変動要素かが異なるのみで、残りの変動要素はすべて共通である。
演出態様の中で、「スペシャルリーチ(通常)」演出態様と「スペシャルリーチ(短縮)」演出態様(以下、「スペシャルリーチ(通常)」演出態様と「スペシャルリーチ(短縮)」演出態様とを総称して、『「スーパーリーチ」演出態様』と称する場合がある)は、「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して「スペシャルリーチ」の変動要素が実行される「リーチ表示」の演出態様の1つである。なお、この「スペシャルリーチ(通常)」演出態様と「スペシャルリーチ(短縮)」演出態様とは、実行される「高速変動」の変動要素が、「高速変動(通常)」の変動要素か、「高速変動(短縮)」の変動要素かが異なるのみで、残りの変動要素はすべて共通である。
停止パターン選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(第1実施形態では、タイマ割込処理(図24参照)毎に1回)更新される。そして、球が第1始動口64に入賞したタイミングで、その時点での停止パターン選択カウンタC3の値が、第1始動口64に対応する第1保留球格納エリア203dに設けられた第1保留第1〜第4エリアのうち大当たり乱数カウンタC1が格納される第1保留エリアの停止パターン選択カウンタ格納エリア203d3に格納される。また、球が第2始動口71に入賞したタイミングで、その時点での停止パターン選択カウンタC3の値が、第2始動口71に対応する第2保留球格納エリア203eに設けられた第2保留第1〜第4エリアのうち大当たり乱数カウンタC1が格納される第2保留エリアの停止パターン選択カウンタ格納エリア203e3に格納される。
第1実施形態のパチンコ機10では、変動演出におけるの当否(大当たり又はハズレ)と、現在の遊技状態と、現在保留中の両特別図柄の変動演出の数(保留球数)とに応じて、停止パターン選択カウンタC3の値を参照する停止パターンテーブル202dが異なるように構成されている。即ち、停止パターンテーブル202dは、複数種類設けられ、待機中の両特別図柄の変動演出の数(保留球数)等によって選択されるように構成されている。
第1実施形態では、変動演出の詳細な変動パターンを決定する場合に、まず、ROM202に備えられた保留数テーブル202c(図10参照)に基づいて、変動演出の当否と、現在の遊技状態と、現在の変動演出の数(保留球数)とに対応したいずれかの停止パターンテーブル202dが選択される。そして、選択された停止パターンテーブル202dと停止パターン選択カウンタC3の値とに基づいて変動演出の大まかな態様である演出態様を選択する。その後、選択された演出態様と後述する変動種別カウンタCS1の値とに基づいて、変動演出の詳細な変動パターン(変動時間)が決定される。
この複数種類設けられた停止パターンテーブル202dは、各停止パターンテーブル202d毎に演出態様が選択される停止パターン選択カウンタC3の乱数値の範囲が異なるように設定されている。この停止パターンテーブル202dが複数用意されているのは、変動演出の当否、遊技状態及び保留球数に応じて変動演出の演出態様の選択比率を変更するためである。即ち、(1)取得した第3図柄の変動演出において大当たりが発生するか、(2)現在のパチンコ機10の遊技状態が「確率変動状態」、「時間短縮状態」又は「通常遊技状態」であるか、及び、(3)保留されている変動演出の保留球数がいくつあるか、に応じて、演出態様の選択比率を変更するためである。
これは、第1の理由として、各演出態様毎に大当たりとなる期待度を変化させるためである。即ち、大当たり抽選に当選した場合と大当たり抽選にハズレた場合とで、停止パターン、即ち、「非リーチ」演出態様、「ノーマルリーチ」演出態様、「スーパーリーチ」演出態様、及び、「スペシャルリーチ」演出態様の選択する割合を異ならせるように構成することで、各演出態様毎に大当たりとなる期待度を変化させる。具体的には、例えば、大当たり抽選に当選した場合に「スーパーリーチ」演出態様や「スペシャルリーチ」演出態様を選択し易く構成し、大当たり抽選に当選しなかった場合には、「非リーチ」演出態様や「ノーマルリーチ」演出態様を選択し易く構成する。
このように構成することで、「スーパーリーチ」演出態様や「スペシャルリーチ」演出態様は、大当たりし易い演出とすることができ、「ノーマルリーチ」演出態様や「非リーチ」演出態様は、大当たりし難い演出または大当たりしない演出とすることができ、各演出態様毎の大当たり期待度を差別化することができる。従って、変動演出に大当たりし易い演出が現出した場合に、その大当たりし易い演出が行われている間、大当たりが発生する可能性が高いことを遊技者に示唆し、遊技の興趣を高めている。
第1実施形態のパチンコ機10では、具体的には、取得した抽選結果が大当たりである場合には、大当たりし易い演出を選択し易く、かつ、大当たりし難い演出を選択し難い停止パターンテーブル202d(即ち、大当たり用変動パターンテーブル202e2(図14参照))に基づいて変動演出の大まかな内容である演出態様(停止パターン)を選択するように構成する。一方、取得した抽選結果がハズレである場合には、大当たりし易い演出を選択し難く、かつ、大当たりし難い演出を選択し易い停止パターンテーブル202d(即ち、ハズレ用変動パターンテーブル202e1(図13参照))に基づいて変動演出の演出態様(停止パターン)を選択するように構成する。これにより、変動演出において第3図柄の抽選結果を遊技者に報知する場合に、大当たりし易い演出が実行されている場合にはその変動演出で大当たりが発生し易く、大当たりし難い演出が実行されている場合にはその変動演出で大当たりが発生し難くし、演出態様(停止パターン)ごとに大当たり期待値に差を設けることで、その変動演出の実行中に遊技の興趣を高めることができる。
また、第2の理由として、第1特別図柄の変動演出の待機回数が上限に達している状態における第1始動口64への入球、又は、第2特別図柄の変動演出の待機回数が上限に達している状態における第2始動口71への入球に基づく無駄球(所謂、オーバーフロー入賞による特別図柄の無抽選)を極力削減するためである。
具体的に説明すると、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動演出の待機回数はそれぞれ最大4回と上限が設けられていると共に、変動演出は少なくとも一定時間が実行されることから、「確率変動状態」および「時間短縮状態」における第2始動口71へ球が入球し易い遊技状態では、第2特別図柄の最大保留球数に到達し易い。これらの遊技状態において、長い変動時間の変動演出を選択すると、第2特別図柄の最大保留球数に到達した状態での第2始動口71への入球が頻発し、折角、第2始動口71へ入球したにもかかわらず、第2特別図柄の抽選契機を取得できない。また、「通常遊技状態」においても、第1特別図柄の最大保留球数に到達している状態で、長い変動時間の変動演出を選択すると、その変動演出の実行中は第1特別図柄の保留球数が消化されないため、その間に第1始動口64への入球が発生しても、第1特別図柄の抽選契機を取得できない。このような状態になると、遊技者は、第1始動口64へ球を入球させても遊技価値が得られないと判断し、遊技に対して興醒めしてしまうとともに、変動演出が消化されて再び保留球数を取得できる状態になるまで球の発射を停止して遊技を中断してしまう。
そこで、第1実施形態のパチンコ機10では、第3図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の最大保留球数へ到達し易い遊技状態や、最大保留球数に近い(又は一致する)保留球数では、短い変動時間が選択され易い停止パターンテーブル202dに基づいて変動演出の演出態様を選択するように構成されている。これにより、第3図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の最大保留球数に到達している状態での第1始動口64又は第2始動口71への入球を抑制することができる。
さらに、第3の理由として、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動演出の待機回数が少ない場合、変動演出の実行時間を長く設定して、変動演出の終了を遅らせることで、変動演出が実行されている状態を長く維持するためである。具体的に説明すると、変動演出の保留球数が少ない(無い)場合に、実行中の変動演出の変動時間内に新たに第1始動口64又は第2始動口71のいずれかに球を入球させないと、次の変動演出を開始することができず、第3図柄表示装置81でデモ画面等を表示しなければいけない。遊技者は、球を発射して遊技を行っているにもかかわらず第3図柄表示装置81において変動演出が行われない場合、遊技者が求めている大当たりの抽選に係る興趣を得ることができず、遊技に興醒めしてしまう。また、遊技者は、第3図柄表示装置81において変動演出が行われていないことで、第1始動口64又は第2始動口71へ球が入球し難いパチンコ機10であると認識し、遊技価値を得難い台と判断して、そのパチンコ機10での遊技を止めてしまうおそれがある。
そこで、第1実施形態のパチンコ機10では、変動演出の保留球数が少ない場合に、長い変動時間が選択され易い停止パターンテーブル202dに基づいて変動演出の演出態様を選択するように構成されている。これにより、第3図柄表示装置81において変動演出が行われていない状況を起こり難く構成し、第3図柄表示装置81における変動演出の実行状態を長く維持することができる。
ここで、図10を参照して、保留数テーブル202cの詳細について説明する。図10は、保留数テーブル202cを模式的に示した図である。上述したように、第1実施形態のパチンコ機10では、第1始動口64又は第2始動口71に球が入球したことに基づいて変動演出を行う場合に、該変動演出の当否と、その時点における遊技状態と、同じくその時点における特図1及び特図2の変動演出の合計保留数とに基づいて保留数テーブル202cを参照し、いずれかの停止パターンテーブル202d1〜202d4を選択するように構成されている。そして、選択された停止パターンテーブル202d1〜202d4のいずれかと停止パターン選択カウンタC3の値とに基づいて変動演出の大まかな演出態様が決定される。
具体的には、図10の保留数テーブル202cで示すように、「通常遊技状態」のハズレ抽出時であって第1特別図柄および第2特別図柄の合計保留球数が「1個〜3個」の場合、又は、「確率変動状態」若しくは「時間短縮状態」のハズレ抽出時であって第1特別図柄および第2特別図柄の合計保留球数が「1個」の場合には、停止パターンテーブル202dのAテーブル202d1(図11(a)参照)が選択される。
また、「通常遊技状態」のハズレ抽出時であって第1特別図柄および第2特別図柄の合計保留球数が「4個〜8個」の場合、又は、「確率変動状態」若しくは「時間短縮状態」のハズレ抽出時であって第1特別図柄および第2特別図柄の合計保留球数が「2個〜8個」の場合には、停止パターンテーブル202dのBテーブル202d2(図11(b)参照)が選択される。
一方、「通常遊技状態」において、すべての大当たりの当選時(即ち、「15ラウンドV開放大当たり」、「7ラウンドV開放大当たり」、「15ラウンドV閉鎖大当たり」及び「7ラウンドV閉鎖大当たり」の抽出時。以下、同様。)であって第1特別図柄および第2特別図柄の合計保留球数が「1個〜3個」の場合、又は、「確率変動状態」若しくは「時間短縮状態」において、すべての大当たりの当選時であって第1特別図柄および第2特別図柄の合計保留球数が「1個」の場合には、停止パターンテーブル202dのCテーブル202d3(図12(a)参照)が選択される。
また、「通常遊技状態」において、すべての大当たりの当選時であって第1特別図柄および第2特別図柄の合計保留球数が「4個〜8個」である場合、又は、「確率変動状態」若しくは「時間短縮状態」において、すべての大当たりの当選時であって第1特別図柄および第2特別図柄の合計保留球数が「2個〜8個」である場合には、停止パターンテーブル202dのDテーブル202d4(図12(b)参照)が選択される。
即ち、大当たりに当選した場合も、大当たりに当選しなかった場合(即ち、ハズレ時)も、その時点での保留球数や遊技状態に基づいて、いずれかの停止パターンテーブル202d(Aテーブル202d1、Bテーブル202d2、Cテーブル202d3又はDテーブル202d4)が選択される。
次に、図11及び図12を参照して、各停止パターンテーブル202dについて説明する。図11は、ハズレ時に選択され得る停止パターンテーブル202dの示した図であって、図11(a)は、停止パターンテーブル202dのAテーブル202d1の一例を模式的に示した図であり、図11(b)は、停止パターンテーブル202dのBテーブル202d2の一例を模式的に示した図である。また、図12は、大当たり時に選択される停止パターンテーブル202dを模式的に示した図であって、図12(a)は、停止パターンテーブル202dのCテーブル202d3の一例を模式的に示した図であり、図12(b)は、停止パターンテーブル202dのDテーブル202d4の一例を模式的に示した図である。
図11(a)で示すように、停止パターンテーブル202dのAテーブル202d1では、「非リーチ(通常)」演出態様別に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「0」〜「74」に設定され、「ノーマルリーチ(通常)」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「75」〜「94」に設定され、「スーパーリーチ(通常)」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「95」〜「97」に設定され、「スペシャルリーチ(通常)」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「98」,「99」に設定されている。
なお、Aテーブル202d1では、「非リーチ(短縮)」演出態様、「ノーマルリーチ(短縮)」演出態様、「スーパーリーチ(短縮)」演出態様および「スペシャルリーチ(短縮)」演出態様(以下、「非リーチ(短縮)」演出態様、「ノーマルリーチ(短縮)」演出態様、「スーパーリーチ(短縮)」演出態様および「スペシャルリーチ(短縮)」演出態様を総称して、「短縮演出態様」と称する場合がある)に対して停止パターン選択カウンタC3の値が割り振られておらず、いずれの短縮演出態様も選択されないように設定されている。
次に、図11(b)で示すように、停止パターンテーブル202dのBテーブル202d2では、「非リーチ(短縮)」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「0」〜「74」に設定され、「ノーマルリーチ(短縮)」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「75」〜「94」に設定され、「スーパーリーチ(短縮)」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「95」〜「97」に設定され、「スペシャルリーチ(短縮)」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「98,99」に設定されている。
なお、Bテーブル202d2では、「非リーチ(通常)」演出態様、「ノーマルリーチ(通常)」演出態様、「スーパーリーチ(通常)」演出態様および「スペシャルリーチ(通常)」演出態様(以下、「非リーチ(通常)」演出態様、「ノーマルリーチ(通常)」演出態様、「スーパーリーチ(通常)」演出態様および「スペシャルリーチ(通常)」演出態様を総称して、「通常演出態様」と称する場合がある)に対して停止パターン選択カウンタC3の値が割り振られておらず、いずれの通常演出態様も選択されないように設定されている。
即ち、Aテーブル202d1では、「非リーチ(通常)」演出態様が75%、「ノーマルリーチ(通常)」演出態様が20%、「スーパーリーチ(通常)」演出態様が3%、「スペシャルリーチ(通常)」演出態様が2%、の選択割合となるように設定されている。また、Bテーブル202d2では、「非リーチ(短縮)」演出態様が75%、「ノーマルリーチ(短縮)」演出態様が20%、「スーパーリーチ(短縮)」演出態様が3%、「スペシャルリーチ(短縮)」演出態様が2%、の選択割合となるように設定されている。
つまり、Aテーブル202d1では、「非リーチ(通常)」演出態様が選択され、Bテーブル202d2では、「非リーチ(通常)」演出態様の代わりに「非リーチ(短縮)」演出態様が選択されるように構成されている。また、Aテーブル202d1では、「ノーマルリーチ(通常)」演出態様が選択され、Bテーブル202d2では、「ノーマルリーチ(通常)」演出態様の代わりに「ノーマルリーチ(短縮)」演出態様が選択されるように構成されている。さらに、Aテーブル202d1では、「スーパーリーチ(通常)」演出態様が選択され、Bテーブル202d2では、「スーパーリーチ(通常)」演出態様の代わりに「スーパーリーチ(短縮)」演出態様が選択されるように構成されている。また、Aテーブル202d1では、「スペシャルリーチ(通常)」演出態様が選択され、Bテーブル202d2では、「スペシャルリーチ(通常)」演出態様の代わりに「スペシャルリーチ(短縮)」演出態様が選択されるように構成されている。
従って、Aテーブル202d1は、所定の演出態様における通常演出態様が選択され、Bテーブル202d2では、該所定の演出態様における短縮演出態様が選択されるため、Aテーブル202d1はBテーブル202d2と比べて選択される変動演出の変動時間が比較的長くなり易いと言える。換言すれば、Bテーブル202d2は、Aテーブル202d1と比べて選択される変動演出の変動時間が短くなり易いといえる。
このように、ハズレの抽選結果が抽出された場合に、保留中の変動演出の保留球数に基づいて、変動演出の演出態様を選択するように構成する。例えば、変動演出の保留球数が多い場合には、変動演出時間が短い「非リーチ(短縮)」演出態様を選択する。これにより、変動演出の保留球数が多い場合に、実行される変動演出の実行時間を短くし、変動演出の実行回数を多くすることで、変動演出の実行効率を高めることができる。
また、例えば、変動演出の保留球数が少ない場合には、第1始動口64又は第2始動口71への球の入球時間を確保するために、「非リーチ(短縮)」演出態様より変動演出時間が長い「非リーチ(通常)」演出態様を選択する。これにより、「非リーチ(短縮)」演出態様が選択される場合より変動演出時間の長い「非リーチ(通常)」演出態様を行うことができるので、第1始動口64又は第2始動口71への球の入球時間を確保し易くなり、第3図柄表示装置81における変動演出の実行時間中に新たな始動入賞が発生する可能性を高くすることで、変動演出が実行されている状況を維持することができる。
なお、第1実施形態では、ハズレの変動演出における演出態様に選択において、変動演出の保留球数に基づいて選択される停止パターンテーブル202dが異なるように構成されているが、第1始動口64又は第2始動口71への球の入球時に基づく変動演出の決定と、該入球に基づく変動演出の開始時に基づく変動演出の決定とで、実質的に同一の演出態様が選択されるように構成されている。
具体的には、ハズレの変動演出である場合は、変動演出の保留球数に基づいて、Aテーブル202d1又はBテーブル202d2のいずれか一方が選択されるように構成されているが、Aテーブル202d1とBテーブル202d2とでは、「非リーチ(通常)」演出態様若しくは「非リーチ(短縮)」演出態様、「ノーマルリーチ(通常)」演出態様若しくは「ノーマルリーチ(短縮)」演出態様、「スーパーリーチ(通常)」演出態様若しくは「スーパーリーチ(短縮)」演出態様、又は、「スペシャルリーチ(通常)」演出態様若しくは「スペシャルリーチ(短縮)」演出態様に割り振られた停止パターンカウンタC3の値がそれぞれ同一に設定されている。
即ち、変動演出の保留球数に基づいて、各演出態様における通常演出態様が選択されるか短縮演出態様が選択されるかが異なるのみであり、「高速変動」の変動要素の時間が異なるだけで、実質的同一の演出態様が選択される。よって、始動入賞時に選択される演出態様と、変動開始時に選択される演出態様とは、遊技状態が遷移(例えば、保留球数が増加)した場合であっても、実質的に同一(同種)の演出態様が選択される。その結果、始動入賞時に選択された演出態様に基づいて「保留変化予告」等の先読み予告を行った場合であっても、実行される変動演出の内容が実質的に同一(同種)となり、先読み予告の対象となった変動演出において、該先読み予告の内容に対して齟齬が発生しない演出を実行することができる。
次に、図12(a)で示すように、停止パターンテーブル202dのCテーブル202d3では、「ノーマルリーチ(通常)」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「0」〜「4」に設定され、「スーパーリーチ(通常)」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「5」〜「39」に設定され、「スペシャルリーチ(通常)」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「40」〜「99」に設定されている。
なお、Cテーブル202d3は、大当たり時に選択される停止パターンテーブル202dであり、必ず「リーチ表示」が発生するので、「非リーチ」演出態様は選択されない。また、Cテーブル202d3では、各短縮演出態様に対して停止パターン選択カウンタC3の値が割り振られておらず、いずれの短縮演出態様も選択されないように設定されている。
次に、図12(b)で示すように、停止パターンテーブル202dのDテーブル202d4では、「ノーマルリーチ(短縮)」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「0」〜「4」に設定され、「スーパーリーチ(短縮)」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「5」〜「39」に設定され、「スペシャルリーチ(短縮)」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「40」〜「99」に設定されている。
なお、Dテーブル202d4は、Cテーブル202d3と同様、大当たり時に選択される停止パターンテーブル202dであり、必ず「リーチ表示」が発生するので、「非リーチ」演出態様は選択されない。また、Dテーブル202d4では、各通常演出態様に対して停止パターン選択カウンタC3の値が割り振られておらず、いずれの通常演出態様も選択されないように設定されている。
従って、Cテーブル202d3では、「ノーマルリーチ(通常)」演出態様が5%、「スーパーリーチ(通常)」演出態様が35%、「スペシャルリーチ(通常)」演出態様が60%、の選択割合となるように設定されている。また、Dテーブル202d4では、「ノーマルリーチ(短縮)」演出態様が5%、「スーパーリーチ(短縮)」演出態様が35%、「スペシャルリーチ(短縮)」演出態様が60%、の選択割合となるように設定されている。
従って、Cテーブル202d3は、通常演出態様が選択され、Dテーブル202d4では、短縮演出態様が選択されるため、Cテーブル202d3はDテーブル202d4と比べて選択される変動演出の変動時間が比較的長くなり易いと言える。換言すれば、Dテーブル202d4は、Cテーブル202d3と比べて選択される変動演出の変動時間が短くなり易いといえる。
このように、大当たりの抽選結果が抽出された場合も、ハズレの抽選結果が抽出された場合と同様、保留中の変動演出の保留球数に基づいて、変動演出の演出態様を選択するように構成する。例えば、変動演出の保留球数が多い場合には、変動演出時間が短い「スペシャルリーチ(短縮)」演出態様を選択する。これにより、変動演出の保留球数が多い場合に、実行される変動演出の実行時間を短くし、変動演出の実行回数を多くすることで、変動演出の実行効率を高めることができる。
また、例えば、変動演出の保留球数が少ない場合には、第1始動口64又は第2始動口71への球の入球時間を確保するために、「スペシャルリーチ(短縮)」演出態様より変動演出時間が長い「スペシャルリーチ(通常)」演出態様を選択する。これにより、短縮演出態様が選択される場合より変動演出時間の長い通常演出態様を行うことができるので、第1始動口64又は第2始動口71への球の入球時間を確保し易くなり、第3図柄表示装置81における変動演出の実行時間中に新たな始動入賞が発生する可能性を高くすることで、変動演出が実行されている状況を維持することができる。
なお、第1実施形態では、大当たりの変動演出における演出態様に選択においても、ハズレの変動演出における演出態様の選択と同様、変動演出の保留球数に基づいて選択される停止パターンテーブル202dが異なるように構成されているが、第1始動口64又は第2始動口71への球の入球時に基づく変動演出の決定と、該入球に基づく変動演出の開始時に基づく変動演出の決定とで、実質的に同一の演出態様が選択されるように構成されている。
具体的には、大当たりの変動演出である場合は、変動演出の保留球数に基づいて、Cテーブル202d3又はDテーブル202d4のいずれか一方が選択されるように構成されているが、Cテーブル202d3とDテーブル202d4とでは、「ノーマルリーチ(通常)」演出態様若しくは「ノーマルリーチ(短縮)」演出態様、「スーパーリーチ(通常)」演出態様若しくは「スーパーリーチ(短縮)」演出態様、又は、「スペシャルリーチ(通常)」演出態様若しくは「スペシャルリーチ(短縮)」演出態様に割り振られた停止パターンカウンタC3の値がそれぞれ同一に設定されている。
即ち、変動演出の保留球数に基づいて、各演出態様における通常演出態様が選択されるか短縮演出態様が選択されるかが異なるのみであり、「高速変動」の変動要素の時間が異なるだけで、実質的同一(同種)の演出態様が選択される。よって、始動入賞時に選択される演出態様と、変動開始時に選択される演出態様とは、遊技状態が遷移(例えば、保留球数が増加)した場合であっても、実質的に同一(同種)の演出態様が選択される。その結果、始動入賞時に選択された演出態様に基づいて「保留変化予告」等の先読み予告を行った場合であっても、実行される変動演出の内容が実質的に同一となり、先読み予告の対象となった変動演出において、該先読み予告の内容に対して齟齬が発生しない演出を実行することができる。
以上より、大当たり当選時の変動演出において、「スペシャルリーチ」演出態様>「スーパーリーチ」演出態様>「ノーマルリーチ」演出態様の順で選択割合が高く、ハズレ時の変動演出において、「ノーマルリーチ」演出態様>「スーパーリーチ」演出態様>「スペシャルリーチ」演出態様の順で選択割合が高くなるように設定されている。従って、各「リーチ表示」の現出時における大当たり期待度は、「スペシャルリーチ」演出態様>「スーパーリーチ」演出態様>「ノーマルリーチ」演出態様の順に大当たりの表示結果が現出する可能性が高くなるように構成される。これにより、変動演出の演出態様によって遊技者に大当たりへの期待度を示すことができ、遊技者が実行された変動演出の演出態様に応じて大当たりへの高揚感を味わうことができる。
また、変動演出の当否と、その時点における遊技状態と、その時点における変動演出の保留球数とに基づいて、実行する変動演出の演出態様を決定することにより、遊技が行われている状況に基づいて変動演出の実行時間を短くし、変動演出の実行回数を多くすることで、変動演出の実行効率を高める演出態様を選択することができる。
なお、変動演出の保留球数が多い場合に、各演出態様において「低速変動」の変動要素を省略した停止パターンテーブル202dを設けてもよい。また、変動演出の保留球数に応じて、各演出態様の選択率が全く異なる停止パターンテーブル202dを設けてもよい。ただし、変動演出の保留球数に応じて各演出態様の選択率が異なるような場合は、「保留変化予告」等の先読み予告を行う上で、先読み予告実行決定時における保留球数と、該先読み予告の対象となった変動演出の実行時における保留球数とが異なる場合がある。このような場合、先読み予告の内容と変動演出の内容との整合性を保つ処理が必要となる。
また、第1実施形態のパチンコ機10では、V入賞口74a(図4参照)を開閉するV振分駆動ソレノイド73cの駆動周期が「20秒」に設定されている。具体的には、V振分駆動ソレノイド73cのオンとオフとを「10秒」ごとに切り替え、V振分駆動ソレノイド73cによって駆動される振分板73aにより、V入賞口74aを有する左側経路74(図4参照)を開放して右側経路75(図4参照)を閉鎖する状態(図4(c)参照)と、左側経路74を閉鎖して右側経路75を開放する状態(図4(b)参照)とを交互に切り替えるように構成される。よって、実行される変動演出が通常変動態様で行われるか、該通常変動態様より「10秒」間短い時間で行われる短縮変動態様で行われるかによって、該変動演出の変動結果によってV入賞装置72が開放された場合に、V入賞口74aに球が流入するか否かが変更されるように構成される。
図7に戻って、説明を続ける。変動種別カウンタCS1は、例えば「0〜99」の範囲内で順に「1」ずつ加算され、最大値(つまり「99」)に達した後「0」に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1の値は、後述するタイマ割込処理(図24参照)が1回実行される毎に1回更新され、メイン処理(図36参照)内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、球が第1始動口64に入賞したタイミングで、その時点での大当たり種別カウンタC2の値が、第1始動口64に対応して設けられたRAM203の第1保留球格納エリア203dに設けられた第1保留第1〜第4エリアのうち大当たり乱数カウンタC1が格納される第1保留エリアの変動種別カウンタ格納エリア203d4に格納される。また、球が第2始動口71に入賞したタイミングで、その時点での大当たり種別カウンタC2の値が、第2始動口71に対応して設けられたRAM203の第2保留球格納エリア203eに設けられた第2保留第1〜第4エリアのうち大当たり乱数カウンタC1が格納される第2保留エリアの変動種別カウンタ格納エリア203e4に格納される。
この変動種別カウンタCS1は、変動演出の詳細な変動時間(大まかな変動パターン)の決定に用いられる。即ち、主制御装置110のMPU201は、停止パターンテーブル202d及び停止パターン選択カウンタC3によって選択された演出態様において、変動種別カウンタCS1の値と、ROM202に格納された変動パターンテーブル202eとによって、詳細な変動時間を決定する。音声ランプ制御装置113および表示制御装置114は、変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別やより細かな図柄変動態様を決定し、また予告演出実行の有無や予告演出の実行態様(例えば、ミニキャラ予告やカットイン予告等)を決定する。
このように、主制御装置110のMPU201は、変動演出の大まかな変動パターンを選択して変動時間のみを決定する。このように構成することで、主制御装置110のMPU201において、変動演出を実行するために必要な詳細な予告抽選等の制御を行う必要がなくなるので、変動演出に関するMPU201の処理を軽減することができる。また、主制御装置110において変動演出の全変動パターンのコマンドを用意する必要がなくなり、主制御装置110のROM容量を削減することができる。
また、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114において、主制御装置110で決定された変動時間(大まかな変動パターン)に基づいて、変動演出における詳細な変動パターンを決定することで、変動演出を選択する自由度を高めるができる。さらに、遊技状態が刻々と変化するパチンコ機10において、該変化に対応して随時、変動演出の演出内容の選択又は変更することが可能となり、遊技状態に応じて適切な演出を実行することができる。
ここで、図13及び図14を参照して、変動パターンテーブル202eの詳細について説明する。本パチンコ機10は、変動パターンテーブル202eとして、第1特別図柄および第2特別図柄のハズレ時であってすべての遊技状態で共通的に用いられるハズレ用変動パターンテーブル202e1と、第1特別図柄および第2特別図柄の大当たり時であってすべての遊技状態で共通的に用いられる大当たり用変動パターンテーブル202e2とが用意されている。
図13は、ROM202に記憶されるハズレ用変動パターンテーブル202e1の一例を模式的に示した図であり、図14は、ROM202に記憶される大当たり用変動パターンテーブル202e2の一例を模式的に示した図である。図13及び図14に示すように、各変動パターンテーブル202e1,202e2は、選択された演出態様に基づいてグループ分けされている。
具体的には、ハズレ時の演出態様として、「非リーチ(短縮)」演出態様が決定された場合に参照される「E0:非リーチ(短縮)」用と、「非リーチ(通常)」演出態様が決定された場合に参照される「E1:非リーチ(通常)」用と、「ノーマルリーチ(通常)」演出態様が決定された場合に参照される「E2:ノーマルリーチ(通常)」用と、「スーパーリーチ(通常)」演出態様が決定された場合に参照される「E3:スーパーリーチ(通常)」用と、「スペシャルリーチ(通常)」演出態様が決定された場合に参照される「E4:スペシャルリーチ(通常)」用と、「ノーマルリーチ(短縮)」演出態様が決定された場合に参照される「E5:ノーマルリーチ(短縮)」用と、「スーパーリーチ(短縮)」演出態様が決定された場合に参照される「E6:スーパーリーチ(短縮)」用と、「スペシャルリーチ(短縮)」演出態様が決定された場合に参照される「E7:スペシャルリーチ(短縮)」用とに区分けされている(図13参照)。
また、大当たり時の演出態様として、「ノーマルリーチ(通常)」演出態様が決定された場合に参照される「E8:ノーマルリーチ(通常)」用と、「スーパーリーチ(通常)」演出態様が決定された場合に参照される「E9:スーパーリーチ(通常)」用と、「スペシャルリーチ(通常)」演出態様が決定された場合に参照される「EA:スペシャルリーチ(通常)」用と、「ノーマルリーチ(短縮)」演出態様が決定された場合に参照される「EB:ノーマルリーチ(短縮)」用と、「スーパーリーチ(短縮)」演出態様が決定された場合に参照される「EC:スーパーリーチ(短縮)」用と、「スペシャルリーチ(短縮)」演出態様が決定された場合に参照される「ED:スペシャルリーチ(短縮)」用とに区分けされている(図14参照)。
そして、その区分けされたグループに対してそれぞれ変動種別カウンタCS1の値が対応付けされている(図13及び図14参照)。
第1実施形態では、第1特別図柄に対応する第1保留球格納エリア203dのある保留エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値(大当たり乱数値)ではない場合、即ち、ハズレとなる値であった場合に、保留数テーブル202cを参照して、その時点での遊技状態と、その時点での保留球数と、に基づいて停止パターンテーブル202dを選択し、同じ保留エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値と上記停止パターンテーブル202dとに基づいて演出態様を選択する。そして、選択された演出態様に基づいてハズレ用変動パターンテーブル202e1の中で参照するグループ(群)を決定する。そのハズレ用変動パターンテーブル202e1のグループ(群)において、同保留エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターン(変動時間。以下、「変動パターン」を「変動時間」と置き換えることは当然に可能である。)が、その保留エリアに保留された変動演出における変動パターンとして決定される。
第1特別図柄及び第2特別図柄のハズレ時に参照されるハズレ用変動パターンテーブル202e1において、「E0:非リーチ(短縮)」には、全体の変動時間が「3秒」の『「高速変動(短)」の変動要素のみ』の1つの変動パターンが用意されている。
図13で示す例では、「E0:非リーチ(短縮)」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(短)」の変動要素のみ(図13及び図14において、「変動要素」という記載は省略する)』に対して「0〜99」となっており、『「高速変動(短)」の変動要素のみ』のみを選択可能に設定されている。
即ち、いずれの遊技状態でも第1特別図柄及び第2特別図柄の変動演出の実行時に参照されるハズレ用変動パターンテーブル202e1において「非リーチ(短縮)」演出態様が選択された場合、変動種別カウンタCS1がとり得るすべての値(「0〜99」)に対して『「高速変動(短)」の変動要素のみ』が対応付けられている。つまり、第1特別図柄および第2特別図柄の変動演出における「非リーチ(短)」演出態様の場合は、変動パターンとして必ず『「高速変動(短)」の変動要素のみ』が選択される。
ここで、図15を参照して、変動パターンを構成する各変動要素について説明する。図15は、変動演出の変動要素ごとの演出時間の一例を示した図である。変動要素とは、上述したように、変動演出の中で実行される各演出を構成する一単位の要素であり、各変動要素を組み合わせて1の変動演出が構成される。第1実施形態のパチンコ機10では、変動要素として、「高速変動(長)」の変動要素、「高速変動(短)」の変動要素(以下、「高速変動(長)」の変動要素と「高速変動(短)」の変動要素とを総称して、単に『「高速変動」の変動要素』と略する場合がある)、「低速変動」の変動要素、「疑似連」の変動要素、「ノーマルリーチ」の変動要素、「スーパーリーチ」の変動要素、「スペシャルリーチ」の変動要素および「再変動」の変動要素が設けられている。
「高速変動(長)」の変動要素および「高速変動(短)」の変動要素とは、上述したように、遊技者によって第3図柄の内容を明確に認識できないように高速にスクロール変動する変動要素である。「高速変動(長)」の変動要素は、通常演出態様が選択された場合に、変動演出の冒頭で「13秒」行われ、「高速変動(短)」の変動要素は、短縮演出態様が選択された場合に、変動演出の冒頭で「3秒」行われる(図15参照)。なお、この「高速変動(長)」の変動要素または「高速変動(短)」の変動要素が終了した場合、後述する「低速変動」の変動要素が開始(実行)されるか、後述する「疑似連」の変動要素が開始(実行)されるか、或いは、そのまま変動演出が終了するように構成されている。
「低速変動」の変動要素とは、第3図柄表示装置81の主表示領域Dm(図5(a)参照)で行われる変動演出において、上記「高速変動」の変動要素後、遊技者に視認可能な速度で第3図柄を低速にスクロールしている変動要素をいう。この「低速変動」の変動要素は、「非リーチ(短縮)」演出態様を除き、「高速変動」の変動要素後に「2秒間」行われる(図15参照)。
この「低速変動」の変動要素では、遊技者に第3図柄の表示内容を認識させながら、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2(図5(a)参照)の順に第3図柄を停止表示する。左図柄列Z1及び右図柄列Z3において同一の第3図柄が停止した場合は、「リーチ表示」が発生したとして「ノーマルリーチ」の変動要素へと発展する一方、左図柄列Z1及び右図柄列Z3において異なる第3図柄が停止した場合(後述するチャンス目図柄を除く)は、中図柄列Z2を停止表示して、その変動演出を終了するように構成されている(後述する「疑似連」に発展する場合は除く)。なお、この「低速変動」の変動要素において、「リーチ表示」が成立して中図柄列Z2が数コマ変動する時間と、「リーチ表示」が成立せずに、中図柄列Z2が停止する時間とは、同一の時間となるように構成される。
従って、「非リーチ(短縮)」演出態様以外の演出態様において、「低速変動」の変動要素は、「高速変動(長)」の変動要素が「13秒」行われた後、又は、「高速変動(短)」の変動要素が「3秒」行われた後、「2秒」行われる。そして、「低速変動」の変動要素において、各図柄列Z1〜Z3(図5(a)参照)がそれぞれ順番に停止し、「ハズレ表示」、「リーチ表示」又は後述する「チャンス目図柄」が現出して、該「低速変動」の変動要素が終了する。
なお、「低速変動」の変動要素において、「ハズレ表示」が停止表示された場合、該変動演出は終了し、コクピット表示領域Dbの実行図柄表示領域Db0(図5(b)参照)に表示されている実行図柄が消去される。
「疑似連」の変動要素とは、上記「低速変動」の変動要素において、予め定められた所定の停止目が仮表示された場合に、再び「高速変動」の変動要素を実行する変動要素をいう。即ち、「低速変動」の変動要素において、右図柄列Z3の停止時において、左図柄列Z1に停止表示された第3図柄より「+1」大きい数字の第3図柄が停止表示(例えば、左図柄列Z1に「7」、右図柄列Z3に「8」の第3図柄が停止表示)し、その後、中図柄列Z2の停止時において左図柄列Z1に停止表示された第3図柄と同一の第3図柄が停止表示(例えば、左図柄列Z1及び中図柄列Z2に「7」、右図柄列Z3に「8」の第3図柄が停止表示する場合(即ち、停止目「778」)が該当する。以下、該組み合わせを「チャンス目図柄」という。)された場合、「疑似連」の変動要素が実行され、コクピット表示領域Dbに表示されている実行図柄(保留図柄)が消化されず、変動演出が継続することとなる。
この「疑似連」の変動要素は、「低速変動」の変動要素後に、「5秒間」行われる。第1実施形態のパチンコ機10では、「疑似連」の変動要素が実行された場合、必ず「リーチ表示」を発生する図柄(例えば、左図柄列Z1及び右図柄列Z3に停止表示された第3図柄が同一であって、中図柄列Z2の変動が継続されている状況。以下、「リーチ形成図柄」という。)が表示されて、後述する「ノーマルリーチ」の変動要素へと発展するように構成されている。なお、この「疑似連」の変動要素において、「リーチ形成図柄」を表示せず、「ハズレ表示」を現出させて変動演出を終了するように構成してもよい。
従って、この「疑似連」の変動要素が実行される前に、「低速変動」の変動要素において、チャンス目図柄が停止表示することで、そのチャンス目図柄から再び「高速変動」の変動要素が始まって、あたかももう1回変動演出が開始されたかのような演出が実行される。
第1実施形態では、変動演出において最大1回の「疑似連」演出が実行可能に構成されている。なお、1の変動演出において、「疑似連」の変動要素を複数回実行するように構成してもよい。
「ノーマルリーチ」の変動要素は、「低速変動」の変動要素、又は、「疑似連」の変動要素において、先に停止する2の図柄列(即ち、左図柄列Z1及び右図柄列Z3)に「リーチ形成図柄」が停止表示した場合に行われ、残りの図柄列(即ち、中図柄列Z2)の変動結果によって大当たりが発生するか否かを見せる変動要素である。この「ノーマルリーチ」の変動要素は、「低速変動」の変動要素、又は、「疑似連」の変動要素の後に、「10秒」行われる。
第1実施形態のパチンコ機10では、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行後は、直接「ハズレ表示」を現出するパターンと、直接「大当たり表示」を現出するパターンと、「スーパーリーチ」の変動要素に発展するパターンと、「スペシャルリーチ」の変動要素に発展するパターンと、一旦、仮の「ハズレ表示」を現出させた後に「再変動」の変動要素を実行するパターンと、が用意されている。
「スーパーリーチ」の変動要素は、「ノーマルリーチ」の変動要素において「ハズレ表示」が停止せずに残りの図柄列の変動が継続された場合に発展して実行され、第3図柄表示装置81において所定演出(例えば、「競争演出」)を行って大当たりが発生するか否かを見せる変動要素である。この「スーパーリーチ」の変動要素は、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行後に「10秒」行われる。
第1実施形態のパチンコ機10では、「スーパーリーチ」の変動要素の実行後は、直接「ハズレ表示」を現出するパターンと、直接「大当たり表示」を現出するパターンと、一旦、仮の「ハズレ表示」を現出させた後に「再変動」の変動要素を実行するパターンと、が用意されている。
「スペシャルリーチ」の変動要素は、「ノーマルリーチ」の変動要素において「ハズレ表示」が停止せずに残りの図柄列の変動が継続された場合に発展して実行され、第3図柄表示装置81において上記所定演出と異なる特殊演出(例えば、「バトル演出」)を行って大当たりが発生するか否かを見せる変動要素である。この「スペシャルリーチ」の変動要素は、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行後に「20秒」行われる。
第1実施形態のパチンコ機10では、「スペシャルリーチ」の変動要素の実行後は、直接「ハズレ表示」を現出するパターンと、直接「大当たり表示」を現出するパターンと、一旦、仮の「ハズレ表示」を現出させた後に「再変動」するパターンと、が用意されている。
なお、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行後に「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素に発展するように構成されているが、この構成に代えて、「低速変動」後にリーチ形成図柄が停止した場合に、「ノーマルリーチ」の変動要素を経由せず、いきなり「スーパーリーチ」の変動要素や「スペシャルリーチ」の変動要素に発展するように構成してもよい。また、「スーパーリーチ」の変動要素の実行後に「スペシャルリーチ」の変動要素が行われるように構成してもよい。
「再変動」の変動要素は、いずれかの「リーチ表示」において一旦「ハズレ表示」が現出した後に発展して実行され、「大当たり表示」を現出する変動要素である。この「再変動」の変動要素は、いずれかの「リーチ表示」後に「10秒」行われる。
第1実施形態のパチンコ機10では、「再変動」の変動要素の実行後は、「大当たり表示」が現出するパターンが用意されている。
また、この「再変動」の変動要素は、大当たり遊技に当選した場合にのみ発生するように構成されている。即ち、「ハズレ表示」の場合には、「再変動」の変動要素は実行されないように構成されている。これは、「再変動」の変動要素は、仮に停止表示された「ハズレ表示」をいずれかの「大当たり表示」に変更する変動要素であるため、大当たりに当選していない「ハズレ表示」の場合に行ってしまうと、演出上の齟齬が発生してしまう。よって、この「再変動」の変動要素は、大当たり用変動パターンテーブル202e2(図14参照)でのみ選定され、ハズレ用変動パターンテーブル202e1(図13参照)では選定されないように構成されている。
図13に戻って、説明を続ける。ハズレ用変動パターンテーブル202e1において、「E1:非リーチ(通常)」には、全体の変動時間が「15秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』の1つの変動パターン(変動時間。以下、「変動パターン」を「変動時間」と置き換えることは当然に可能である。)が用意されている。
図13で示す例では、「E1:非リーチ(通常)」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』に対して「0〜99」となっており、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』だけを選択可能に設定されている。
即ち、いずれの遊技状態でも第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出の実行時に参照されるハズレ用変動パターンテーブル202e1において「非リーチ(通常)」演出態様が選択された場合、変動種別カウンタCS1がとり得るすべての値(「0〜99」)に対して『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』が対応付けられている。つまり、各特別図柄の変動演出における「非リーチ(通常)」演出態様の場合は、変動パターンとして必ず『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』が選択される。
次いで、ハズレ用変動パターンテーブル202e1において、「E2:ノーマルリーチ(通常)」には、全体の変動時間が「25秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』と、全体の変動時間が「30秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』との2つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
図13の示す例では、「E2:ノーマルリーチ(通常)」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』に対して「0〜29」、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』に対して「30〜99」、となっている。
即ち、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出の実行時に参照されるハズレ用変動パターンテーブル202e1において、通常演出態様である「ノーマルリーチ」演出態様が選択された場合、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』の変動パターンが30%、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』の変動パターンが70%、の割合で選択されるように設定されている。
次いで、ハズレ用変動パターンテーブル202e1において、「E3:スーパーリーチ(通常)」には、全体の変動時間が「35秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』と、全体の変動時間が「40秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』との2つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
図13の示す例では、「E3:スーパーリーチ(通常)」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』に対して「0〜49」、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』に対して「50〜99」、となっている。
即ち、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出の実行時に参照されるハズレ用変動パターンテーブル202e1において、通常演出態様である「スーパーリーチ」演出態様が選択された場合、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』の変動パターンが50%、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』の変動パターンが50%、の割合で選択されるように設定されている。
次いで、ハズレ用変動パターンテーブル202e1において、「E4:スペシャルリーチ(通常)」には、全体の変動時間が「45秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』と、全体の変動時間が「50秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』との2つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
図13の示す例では、「E4:スペシャルリーチ(通常)」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』に対して「0〜79」、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』に対して「80〜99」、となっている。
即ち、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出の実行時に参照されるハズレ用変動パターンテーブル202e1において、通常演出態様である「スペシャルリーチ」演出態様が選択された場合、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』の変動パターンが80%、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』の変動パターンが20%、の割合で選択されるように設定されている。
次いで、ハズレ用変動パターンテーブル202e1において、「E5:ノーマルリーチ(短縮)」には、全体の変動時間が「15秒」の『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』と、全体の変動時間が「20秒」の『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』との2つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
図13の示す例では、「E5:ノーマルリーチ(短縮)」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』に対して「0〜29」、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』に対して「30〜99」、となっている。
即ち、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出の実行時に参照されるハズレ用変動パターンテーブル202e1において、短縮演出態様である「ノーマルリーチ」演出態様が選択された場合、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』の変動パターンが30%、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』の変動パターンが70%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、ハズレ時の「ノーマルリーチ」演出態様において、通常演出態様である「E2:ノーマルリーチ(通常)」と、短縮演出態様である「E5:ノーマルリーチ(短縮)」とは、「高速変動」の変動要素の実行時間が異なるのみで、その他の変動要素の実行時間や、「疑似連」の変動要素の有無の抽選割合も同等となるように構成されている。よって、ハズレ時の「ノーマルリーチ」演出態様が選定された場合、該「ノーマルリーチ」演出態様である変動演出開始時における変動演出の保留球数に応じて、該「ノーマルリーチ」演出態様である変動演出の変動時間が「10秒」短縮される(以下、保留球数に応じて変動演出の変動時間が短縮される機能を、「変動短縮機能」と称する場合がある)か否かが決定される。
次いで、ハズレ用変動パターンテーブル202e1において、「E6:スーパーリーチ(短縮)」には、全体の変動時間が「25秒」の『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』と、全体の変動時間が「30秒」の『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』との2つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
図13の示す例では、「E6:スーパーリーチ(短縮)」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』に対して「0〜49」、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』に対して「50〜99」、となっている。
即ち、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出の実行時に参照されるハズレ用変動パターンテーブル202e1において、短縮演出態様である「スーパーリーチ」演出態様が選択された場合、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』の変動パターンが50%、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』の変動パターンが50%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、ハズレ時の「スーパーリーチ」演出態様において、通常演出態様である「E3:スーパーリーチ(通常)」と、短縮演出態様である「E6:スーパーリーチ(短縮)」とは、「高速変動」の変動要素の実行時間が異なるのみで、その他の変動要素の実行時間や、「疑似連」の変動要素の有無の抽選割合も同等となるように構成されている。よって、ハズレ時の「スーパーリーチ」演出態様が選定された場合、該「スーパーリーチ」演出態様である変動演出開始時における変動演出の保留球数に応じて、該「スーパーリーチ」演出態様である変動演出の変動時間が「10秒」短縮されるか否かが決定される。
次いで、ハズレ用変動パターンテーブル202e1において、「E7:スペシャルリーチ(短縮)」には、全体の変動時間が「35秒」の『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』と、全体の変動時間が「40秒」の『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』との2つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
図13の示す例では、「E7:スペシャルリーチ(短縮)」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』に対して「0〜79」、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』に対して「80〜99」、となっている。
即ち、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出の実行時に参照されるハズレ用変動パターンテーブル202e1において、短縮演出態様である「スペシャルリーチ」演出態様が選択された場合、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』の変動パターンが80%、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』の変動パターンが20%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、ハズレ時の「スペシャルリーチ」演出態様において、通常演出態様である「E4:スペシャルリーチ(通常)」と、短縮演出態様である「E7:スペシャルリーチ(短縮)」とは、「高速変動」の変動要素の実行時間が異なるのみで、その他の変動要素の実行時間や、「疑似連」の変動要素の有無の抽選割合も同等となるように構成されている。よって、ハズレ時の「スペシャルリーチ」演出態様が選定された場合、該「スペシャルリーチ」演出態様である変動演出開始時における変動演出の保留球数に応じて、該「スペシャルリーチ」演出態様である変動演出の変動時間が「10秒」短縮されるか否かが決定される。
このように、ハズレ時の「リーチ表示」の変動パターンとして各演出態様が選定された場合に、それぞれの通常演出態様と短縮演出態様とにおいて、「高速変動」の変動要素の時間が「10秒間」異なるのみであり、その他の変動要素や変動パターンの抽選割合が同等となるように構成されている。よって、いずれの「リーチ表示」であっても、該「リーチ表示」が実行される変動演出の開始時における変動演出の保留球数次第で、実行され得る変動演出の変動時間を「10秒」だけ変更させることが可能となる。
なお、ハズレ時の変動パターンとして「非リーチ」演出態様が選定された場合は、該演出態様がそのまま変動パターンとして決定されるため、変動種別カウンタCS1を使用せずに変動パターンを決定するように構成してもよい。また、変動種別カウンタCS1のみを使用して選択するものとしたが、複数の変動種別カウンタを併用して選択(予告表示の有無等を選択)しても良い。
次に、図14を参照して、第1特別図柄及び第2特別図柄の大当たり時に参照される大当たり用変動パターンテーブル202e2について説明する。第1実施形態では、第1特別図柄に対応する第1保留球格納エリア203dのある保留エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値である場合、又は、第2特別図柄に対応する第2保留球格納エリア203eのある保留エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値である場合に、保留数テーブル202cを参照して、その時点での遊技状態と、その時点での保留球数と、に基づいて停止パターンテーブル202dを選択し、同じ保留エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値と上記停止パターンテーブル202dとに基づいて演出態様を選択する。そして、選択された演出態様に基づいて大当たり用変動パターンテーブル202e2の中で参照するグループ(群)を決定する。その大当たり用変動パターンテーブル202e2のグループ(群)において、同保留エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターン(変動時間)が、その保留エリアに保留された変動演出における変動パターンとして決定される。
大当たり用変動パターンテーブル202e2において、大当たり時、かつ、変動短縮機能が作動しない保留球数(「通常遊技状態」で「1個〜3個」、「確率変動状態」若しくは「時間短縮状態」で「1個」。以下、同様。)の場合に選択される通常演出態様である「E8:ノーマルリーチ(通常)」には、全体の変動時間が「25秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』と、全体の変動時間が「30秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』と、全体の変動時間が「35秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』と、全体の変動時間が「40秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』との4つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
図14の示す例では、「E8:ノーマルリーチ(通常)」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』に対して「0〜4」、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』に対して「5〜14」、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』に対して「15〜34」、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』に対して「35〜99」、となっている。
即ち、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出の実行時に参照される大当たり用変動パターンテーブル202e2において、通常演出態様である「ノーマルリーチ」演出態様が選択された場合、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』の変動パターンが5%、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』の変動パターンが10%、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の変動パターンが20%、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の変動パターンが65%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、大当たり時に選択される通常演出態様である「ノーマルリーチ」演出態様では、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の変動パターンが選択され易く(全体の65%)なっている。また、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の各変動パターンもそれぞれ選択され得るように構成されることで、いずれの変動パターンからでも大当たりを期待できる遊技性を提供できる。
次いで、大当たり用変動パターンテーブル202e2において、大当たり時、かつ、変動短縮機能が作動しない保留球数の場合に選択される通常演出態様である「E9:スーパーリーチ(通常)」には、全体の変動時間が「35秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』と、全体の変動時間が「40秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』と、全体の変動時間が「45秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』と、全体の変動時間が「50秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』との4つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
図14の示す例では、「E9:スーパーリーチ(通常)」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』に対して「0〜9」、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』に対して「10〜29」、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』に対して「30〜59」、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』に対して「60〜99」、となっている。
即ち、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出の実行時に参照される大当たり用変動パターンテーブル202e2において、通常演出態様である「スーパーリーチ」演出態様が選択された場合、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』の変動パターンが10%、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』の変動パターンが20%、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の変動パターンが30%、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の変動パターンが40%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、大当たり時に選択される通常演出態様である「スーパーリーチ」演出態様では、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の変動パターンが選択され易く(全体の40%)なっている。また、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の各変動パターンもそれぞれ選択され得るように構成されることで、いずれの変動パターンからでも大当たりを期待できる遊技性を提供できる。
次いで、大当たり用変動パターンテーブル202e2において、大当たり時、かつ、変動短縮機能が作動しない保留球数の場合に選択される通常演出態様である「EA:スペシャルリーチ(通常)」には、全体の変動時間が「45秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』と、全体の変動時間が「50秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』と、全体の変動時間が「55秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』と、全体の変動時間が「60秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』との4つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
図14の示す例では、「EA:スペシャルリーチ(通常)」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』に対して「0〜19」、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』に対して「20〜39」、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』に対して「40〜69」、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』に対して「70〜99」、となっている。
即ち、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出の実行時に参照される大当たり用変動パターンテーブル202e2において、通常演出態様である「スペシャルリーチ」演出態様が選択された場合、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』の変動パターンが20%、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』の変動パターンが20%、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の変動パターンが30%、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素++「ノーマルリーチ」の変動要素「スペシャルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の変動パターンが30%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、大当たり時に選択される通常演出態様である「スペシャルリーチ」演出態様では、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』、又は、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の変動パターンが選択され易く(全体の30%)なっている。また、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』の各変動パターンもそれぞれ選択され得るように構成されることで、いずれの変動パターンからでも大当たりを期待できる遊技性を提供できる。
次いで、大当たり用変動パターンテーブル202e2において、大当たり時、かつ、変動短縮機能が作動する保留球数の場合に選択される短縮演出態様である「EB:ノーマルリーチ(短縮)」には、全体の変動時間が「15秒」の『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』と、全体の変動時間が「20秒」の『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』と、全体の変動時間が「25秒」の『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』と、全体の変動時間が「30秒」の『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』との4つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
図14の示す例では、「EB:ノーマルリーチ(短縮)」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』に対して「0〜4」、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』に対して「5〜14」、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』に対して「15〜34」、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』に対して「35〜99」、となっている。
即ち、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出の実行時に参照される大当たり用変動パターンテーブル202e2において、短縮演出態様である「ノーマルリーチ」演出態様が選択された場合、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』の変動パターンが5%、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』の変動パターンが10%、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の変動パターンが20%、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の変動パターンが65%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、大当たり時に選択される短縮演出態様である「ノーマルリーチ」演出態様では、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の変動パターンが選択され易く(全体の65%)なっている。また、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の各変動パターンもそれぞれ選択され得るように構成されることで、いずれの変動パターンからでも大当たりを期待できる遊技性を提供できる。
また、大当たり時の「ノーマルリーチ」演出態様において、通常演出態様である「E8:ノーマルリーチ(通常)」と、短縮演出態様である「EB:ノーマルリーチ(短縮)」とは、「高速変動」の変動要素の実行時間が異なるのみで、その他の変動要素の実行時間や、「疑似連」の変動要素の有無、若しくは、「再変動」の変動要素の有無の抽選割合も同等となるように構成されている。よって、大当たり時の「ノーマルリーチ」演出態様が選定された場合、ハズレ時と同様、該「ノーマルリーチ」演出態様である変動演出開始時における変動演出の保留球数に応じて、該「ノーマルリーチ」演出態様である変動演出の変動時間が「10秒」短縮されるか否かが決定される。
次いで、大当たり用変動パターンテーブル202e2において、大当たり時、かつ、変動短縮機能が作動する保留球数の場合に選択される短縮演出態様である「EC:スーパーリーチ(短縮)」には、全体の変動時間が「25秒」の『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』と、全体の変動時間が「30秒」の『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』と、全体の変動時間が「35秒」の『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』と、全体の変動時間が「40秒」の『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』との4つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
図14の示す例では、「EC:スーパーリーチ(短縮)」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』に対して「0〜9」、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』に対して「10〜29」、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』に対して「30〜59」、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』に対して「60〜99」、となっている。
即ち、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出の実行時に参照される大当たり用変動パターンテーブル202e2において、短縮演出態様である「スーパーリーチ」演出態様が選択された場合、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』の変動パターンが10%、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』の変動パターンが20%、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の変動パターンが30%、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の変動パターンが40%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、大当たり時に選択される短縮演出態様である「スーパーリーチ」演出態様では、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の変動パターンが選択され易く(全体の40%)なっている。また、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の各変動パターンもそれぞれ選択され得るように構成されることで、いずれの変動パターンからでも大当たりを期待できる遊技性を提供できる。
また、大当たり時の「スーパーリーチ」演出態様において、通常演出態様である「E9:スーパーリーチ(通常)」と、短縮演出態様である「EC:スーパーリーチ(短縮)」とは、「高速変動」の変動要素の実行時間が異なるのみで、その他の変動要素の実行時間や、「疑似連」の変動要素の有無、若しくは、「再変動」の変動要素の有無の抽選割合も同等となるように構成されている。よって、大当たり時の「スーパーリーチ」演出態様が選定された場合、ハズレ時と同様、該「スーパーリーチ」演出態様である変動演出開始時における変動演出の保留球数に応じて、該「スーパーリーチ」演出態様である変動演出の変動時間が「10秒」短縮されるか否かが決定される。
次いで、大当たり用変動パターンテーブル202e2において、大当たり時、かつ、変動短縮機能が作動する保留球数の場合に選択される短縮演出態様である「ED:スペシャルリーチ(短縮)」には、全体の変動時間が「35秒」の『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』と、全体の変動時間が「40秒」の『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』と、全体の変動時間が「45秒」の『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』と、全体の変動時間が「50秒」の『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』との4つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
図14の示す例では、「ED:スペシャルリーチ(短縮)」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』に対して「0〜19」、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』に対して「20〜39」、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』に対して「40〜69」、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』に対して「70〜99」、となっている。
即ち、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出の実行時に参照される大当たり用変動パターンテーブル202e2において、短縮演出態様である「スペシャルリーチ」演出態様が選択された場合、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』の変動パターンが20%、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』の変動パターンが20%、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の変動パターンが30%、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素++「ノーマルリーチ」の変動要素「スペシャルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の変動パターンが30%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、大当たり時に選択される短縮演出態様である「スペシャルリーチ」演出態様では、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』、又は、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の変動パターンが選択され易く(全体の30%)なっている。また、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「疑似連」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』の各変動パターンもそれぞれ選択され得るように構成されることで、いずれの変動パターンからでも大当たりを期待できる遊技性を提供できる。
また、大当たり時の「スペシャルリーチ」演出態様において、通常演出態様である「EA:スペシャルリーチ(通常)」と、短縮演出態様である「ED:スペシャルリーチ(短縮)」とは、「高速変動」の変動要素の実行時間が異なるのみで、その他の変動要素の実行時間や、「疑似連」の変動要素の有無、若しくは、「再変動」の変動要素の有無の抽選割合も同等となるように構成されている。よって、大当たり時の「スペシャルリーチ」演出態様が選定された場合、ハズレ時と同様、該「スペシャルリーチ」演出態様である変動演出開始時における変動演出の保留球数に応じて、該「スペシャルリーチ」演出態様である変動演出の変動時間が「10秒」短縮されるか否かが決定される。
このように、大当たり時の「リーチ表示」の変動パターンとして各演出態様が選定された場合に、それぞれの通常演出態様と短縮演出態様とにおいて、「高速変動」の変動要素の時間が「10秒間」異なるのみであり、その他の変動要素や変動パターンの抽選割合が同等となるように構成されている。よって、いずれの「リーチ表示」であっても、該「リーチ表示」が実行される変動演出の開始時における変動演出の保留球数次第で、実行され得る変動演出の変動時間を「10秒」だけ変更させることが可能となる。
ここで、図16から図18を参照して、V入賞装置72が開放される大当たりが発生した場合において、V入賞装置72が開放されるタイミングと、振分装置73によってV入賞口74aが開放されるタイミングとによって、V入賞口74aに球が入賞するか否かについて説明する。図16は、「7ラウンドV開放大当たり」した場合において、「タイミングA」と「タイミングB」との2つのタイミングでV入賞口スイッチ74bによって球が検知されるか否かを示したタイミングチャートであり、図17は、「7ラウンドV開放大当たり」が発生する場合において、該変動演出の変動時間が短縮されずに大当たり状態が発生した状況を示したタイミングチャートであり、図18は、「7ラウンドV開放大当たり」が発生する場合において、該変動演出の変動時間が短縮されて大当たり状態が発生した状況を示したタイミングチャートである。
図16では、「7ラウンドV開放大当たり」に当選した場合において、図面中央部分においてV振分駆動ソレノイド73cの駆動タイミングを示し、図面中央部分の上方に所定の「タイミングA」で「7ラウンドV開放大当たり」が発生したケースを示し、図面中央部分の下方に「タイミングA」とは異なるタイミング(具体的には、「タイミングA」の「10秒」後。以下、「タイミングB」とする。)で「7ラウンドV開放大当たり」が発生したケースを示している。
上述したように、V振分駆動ソレノイド73cは、「10秒」毎にオンとオフとが切り替えられ、「20秒」周期で一連の動作(即ち、オンされてから再びオンされるまでの動作)を繰り返し実行するように構成されている。そして、V振分駆動ソレノイド73cのオン又はオフに伴い、振分板73aが開閉し、左側経路74又は右側経路75のいずれか一方へ球が流入し得るように構成されている。
ここで、「タイミングA」において「7ラウンドV開放大当たり」が発生した場合に、所定のオープニング演出(図では「OP」。以下、オープニング演出を「OP演出」と称する場合がある。)を所定演出時間(第1実施形態では、「10秒」)行い、その後、1ラウンド目(1R。以下、同様。)が開始されるタイミングと同調して、V入賞装置開閉ソレノイド72bがオンされる。そして、V入賞装置開閉ソレノイド72bのオンから所定開放時間(第1実施形態では、「5秒」)経過した後、該V入賞装置開閉ソレノイド72bがオフされるように構成されている。この「タイミングA」では、V入賞装置開閉ソレノイド72bがオンされている間、即ち、V入賞装置72内に球が流入し得るタイミングにおいて、V振分駆動ソレノイド73cがオフとなっており、振分装置73の振分板73aによって左側経路74が閉鎖されるとともに右側経路75が開放されている。よって、この「タイミングA」において「7ラウンドV開放大当たり」に当選した場合、「7ラウンドV開放大当たり」への当選に基づいてV入賞装置72内へ球が流入し得る状況になるが、V入賞装置72へ球が流入し得るタイミングにV入賞口74aを有する左側経路74が開放されないため、V入賞口74aへ球が流入しない。
一方、「タイミングB」において「7ラウンドV開放大当たり」が発生した場合に、「タイミングA」の場合と同様、OP演出を所定演出時間(第1実施形態では、「10秒」)行い、その後、1Rが開始されるタイミングと同調して、V入賞装置開閉ソレノイド72bがオンされる。そして、V入賞装置開閉ソレノイド72bのオンが所定開放時間(第1実施形態では、「5秒」)経過した後、該V入賞装置開閉ソレノイド72bがオフされるように構成されている。この「タイミングB」では、V入賞装置開閉ソレノイド72bがオンされている間、即ち、V入賞装置72内に球が流入し得るタイミングにおいて、V振分駆動ソレノイド73cがオンとなっており、振分装置73の振分板73aによって左側経路74が開放されているとともに右側経路75が閉鎖されている。よって、この「タイミングB」の場合、「7ラウンドV開放大当たり」への当選に基づいてV入賞装置72内へ球が流入し得る状況となったとき、V入賞口74aを有する左側経路74へ球が流入し、V入賞口スイッチ74bによって球が検知される。
なお、両タイミングにおける「7ラウンドV開放大当たり」では、V入賞装置72が開放される1R目の終了後、2R以降は、大入賞口ソレノイド65cのオン又はオフを繰り返し行い、可変入賞装置65へ球が流入し得る状況となる一方、2R目以降においてV入賞装置72は開放されず、該V入賞装置72へは球が流入し得ないように構成される。そして、7R目の終了後、所定のエンディング演出(図では「ED」。以下、エンディング演出を「ED演出」と称する場合がある。)を所定演出時間(第1実施形態では、「10秒」)行ってから、大当たり状態を終了し、特別図柄の変動演出が実行し得る状態となる。
ここで、上記大当たり状態中に、V入賞口スイッチ74bによって球が検知されていた場合は、大当たり状態終了後の遊技状態を「確率変動状態」に遷移する一方、V入賞口スイッチ74bによって球が検知されていない場合は、「7ラウンドV開放大当たり」であったとしても大当たり状態終了後の遊技状態を「時間短縮状態」に遷移するように構成されている。
第1実施形態のパチンコ機10において、V入賞装置72が開放される大当たり(即ち、「7ラウンドV開放大当たり」又は「15ラウンドV開放大当たり」。以下、V入賞装置72が開放される大当たりを総称して、「V開放大当たり」と称する場合がある。)は、オープニング演出が開始されてから「10秒」後にV入賞装置72が開放され、その「5秒」後にV入賞装置72が閉鎖される、といったように大当たりが開始されてからV入賞装置72が開閉されるまでの期間が固定的に設定されている。また、V振分駆動ソレノイド73cの駆動周期がV入賞装置72の開放時間より長く設定されている。従って、V開放大当たりに当選した場合であっても、その発生したタイミングによっては、V入賞装置72が開放されている間に、V入賞口74aに球が流入し得る状況と、V入賞口74aに球が流入し得ない状況と、V入賞口74aに球が流入し得る状況とし得ない状況とが混在する状況とが発生する。このように構成することで、大当たりしたタイミングによって「確率変動状態」を付与するか否かを異ならせ、遊技のバリエーションを豊富にして、遊技の興趣向上を図ることができる。
次に、図17を参照して、「7ラウンドV開放大当たり」に当選する場合において、図16の「タイミングA」と同様のタイミングで「7ラウンドV開放大当たり」が発生する変動演出の開始時に特別図柄の保留球数が「4個」未満であって、該変動演出において変動短縮機能が作動せず(即ち、短縮無し)、該変動演出が通常演出態様で実行された上で、大当たりが発生する状況について説明する。この状況では、V入賞装置72が開放されるタイミング(期間)においてV振分駆動ソレノイド73cがオンされず、V入賞口スイッチ74bによって球が検知されない。
図17で示す例では、まず、「通常遊技状態」において特別図柄の保留球数が「0個」の状態から1の始動入賞(以下、「始動入賞1」と称する)が発生して、その始動入賞1に基づいて「15秒」間のハズレ(即ち、「E0:非リーチ(通常)」)変動演出(図17において「変動1」)の実行中に新たに始動入賞が2回発生する。その2つの始動入賞のうち、先の始動入賞(以下、「始動入賞2」と称する)に基づいて「15秒」間のハズレ(即ち、「E0:非リーチ(通常)」)の変動演出(図17において「変動2」)が抽出される一方、後の始動入賞(以下、「始動入賞3」と称する)に基づいて「40秒」間の「7ラウンドV開放大当たり」の大当たり(即ち、「E9:スーパーリーチ(通常)」)の変動演出(図17において「変動3」)が抽出されている。
ここで、音声ランプ制御装置113では、「始動入賞2」および「始動入賞3」が発生したタイミングにおいて、当該「始動入賞2」および「始動入賞3」の入賞時点のタイミング、即ち、各変動演出が開始される前のタイミングにおける各変動演出の事前当否判定(以下、変動演出が開始される前における変動演出の事前当否判定を、「先読み判定」と称する)をそれぞれ実行可能に構成されている。このため、音声ランプ制御装置113は、「始動入賞2」の発生時点における先読み判定によって該「始動入賞2」に基づく変動演出において「15秒」間の変動演出が行われたのちハズレが発生すること、及び、「始動入賞3」の発生時点における先読み判定によって該「始動入賞3」に基づく変動演出において「40秒」間の変動演出が行われたのち「7ラウンドV開放大当たり」が発生することを認識している。
また、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110からコマンド(後述するV開放中コマンド)によって、V入賞装置72内の振分装置73の開閉駆動タイミング(周期)を認識するとともに、現在実行中の変動演出の実行時間、保留されている変動演出の各実行時間、大当たり発生によるオープニング時間、及び、V入賞装置72の開放タイミング(期間)を認識している。よって、音声ランプ制御装置113は、これらの各時間を判定することで、「始動入賞3」に基づく変動演出によって「7ラウンドV開放大当たり」が発生した場合に、V入賞装置72が開放されるタイミングにてV入賞口74aへ球が流入し得るか否かを認識することが可能となる。
図17で示す例では、音声ランプ制御装置113は、「始動入賞3」が発生した時点の状況(各変動演出の変動時間の積算時間)のまま、追加的な新たな始動入賞が発生せずに特別図柄の保留球数が変動短縮機能を作動させない状況で「始動入賞3」に基づく大当たりが発生した場合に、該大当たりに基づくV入賞装置72の開放中にV入賞口74aへ球が流入し得ない状況になることを認識している。そこで、音声ランプ制御装置113は、「始動入賞3」が発生した時点で、「V入賞チャンス演出」(後述する図46参照)を実行するか否かを抽選し、該実行抽選に当選した場合には、該「V入賞チャンス演出」において遊技者に球の発射を促す「発射促進示唆(後述する図46(b)参照)」を表示する。
ここで、「V入賞チャンス演出」とは、大当たりに当選した場合において、V入賞装置72が開放されたときに、該V入賞装置72内のV入賞口74aに球が流入するか否かを遊技者に示唆する演出である。この「V入賞チャンス演出」では、実行中の変動演出の変動時間や保留中の変動演出の変動時間、及び、大当たり時におけるオープニング時間等を、該大当たりを発生する変動演出の始動入賞時に把握するとともに、V入賞口74aの開閉周期を把握して、現状の変動演出の保留球数のまま大当たり遊技が実行されて、V入賞装置72が開放された場合に、V入賞口74aに球が入賞するか否かを示唆するように構成されている。
具体的には、「V入賞チャンス演出」において、大当たりを発生し得る変動演出取得時の保留球数のまま該大当たりを発生する変動演出が実行され、該変動演出の結果に基づいて大当たり遊技が実行されて、V入賞装置72が開放されたにもかかわらず、V入賞口74aに球が入賞しない状況である場合に、該「V入賞チャンス演出」において遊技者に球の発射を促す「発射促進示唆」を第3図柄表示装置81で表示する(後述する図46(b)参照)。
この「V入賞チャンス演出」における「発射促進示唆」は、この状況のまま(通常演出態様のまま)では大当たりが発生したとしてもV入賞口74aへ球が流入しないことから、遊技者に対し、「始動入賞3」に基づく変動演出の開始前までに新たな始動入賞を「3個」以上(即ち、保留球数を「4個」)獲得して、「始動入賞3」に基づく変動演出を通常演出態様ではなく短縮演出態様で実行させるべきことを示唆するものである。
なお、第1実施形態のパチンコ機10では、変動演出において大当たりに当選した場合、又は、ハズレが抽出される場合であってもいずれかの「リーチ表示」が抽出される場合に、それぞれ所定割合で「V入賞チャンス演出」を実行するように構成されている。このように構成することで、ハズレ時の変動演出においても「V入賞チャンス演出」中に遊技者に球の発射を促して、パチンコ機10の稼働を向上することができる。また、「V入賞チャンス演出」が実行されたのみでは、保留中の変動演出において大当たりが発生するか否かを判別できないように構成することで、遊技者に球の発射を促しつつ、大当たりが発生するか否かを推測する遊技性を創出し、遊技の興趣向上を図ることができる。
図17で示す例では、「V入賞チャンス演出」を行った結果、該「V入賞チャンス演出」中に新たな始動入賞が発生せず、「始動入賞3」に基づく変動演出が開始されるタイミングでは、該「始動入賞3」に基づく変動演出分である保留球数が「1個」となる。よって、始動入賞3に基づく変動演出は、通常演出態様のまま(即ち、「40秒」間行われる「E9:スーパーリーチ(通常)」のまま)実行されることとなる。このとき、「V入賞チャンス演出」は、始動入賞3に基づく変動演出の開始タイミングと同調するように終了する。その後、始動入賞3に基づく変動演出が通常変動態様のまま実行され、該変動演出において「7ラウンドV開放大当たり」が発生し、該「7ラウンドV開放大当たり」の発生に基づいて大当たり状態に遷移する。この大当たり状態では、「10秒」間実行されるOP演出を経て、V入賞装置開閉ソレノイド72bがオンされて、V入賞装置72内へ球が流入し得る状況となる。
しかし、この「7ラウンドV開放大当たり」に基づくV入賞装置72内へ球が流入し得るタイミングでは、V振分駆動ソレノイド73cがオフ状態であり、左側経路74が閉鎖され、右側経路75が開放されている状態となっている。よって、「V入賞チャンス演出」で示唆した通り、該大当たりでは、V入賞装置72の開放時に右側経路75に球が流入して、左側経路74に球が流入しないため、V入賞口スイッチ74bによって球が検知されず(後述する図46(h)参照)、該大当たり終了後の遊技状態が「時間短縮状態」へと遷移することとなる。
次に、図18を参照して、「7ラウンドV開放大当たり」に当選する場合において、図16の「タイミングA」と同様のタイミングで該「7ラウンドV開放大当たり」が発生する変動演出の開始時に特別図柄の保留球数が「4個」であって、該変動演出において変動短縮機能が作動し(即ち、短縮有り)、該変動演出が短縮演出態様で実行された上で、大当たりが発生する状況について説明する。この状況では、V入賞装置72が開放されるタイミング(期間)においてV振分駆動ソレノイド73cがオンされ、V入賞口スイッチ74bによって球が検知され得る。
図18で示す例では、図17で示す例と同様、まず、「通常遊技状態」において特別図柄の保留球数が「0個」の状態から「始動入賞1」が発生して、その「始動入賞1」に基づいて「15秒」間のハズレ(即ち、「E0:非リーチ(通常)」)変動演出(図18において「変動1」)の実行中に新たに始動入賞が2回発生する。その2の始動入賞のうち、先の始動入賞である「始動入賞2」に基づいて「15秒」間のハズレ(即ち、「E0:非リーチ(通常)」)の変動演出(図18において「変動2」)が抽出される一方、後の始動入賞である「始動入賞3」に基づいて「40秒」間の「7ラウンドV開放大当たり」の大当たり(即ち、「E9:スーパーリーチ(通常)」)の変動演出(図18において「変動3」)が抽出されている。
ここで、音声ランプ制御装置113では、図17で示す例と同様、「始動入賞2」および「始動入賞3」が発生したタイミングにおいて、当該「始動入賞2」及び「始動入賞3」の入賞時点のタイミング、即ち、各変動演出が開始される前のタイミングにおける各変動演出の先読み判定によって、「始動入賞2」の発生時点における先読み判定によって該「始動入賞2」に基づく変動演出において「15秒」間の変動演出が行われたのちハズレが発生すること、及び、「始動入賞3」の発生時点における先読み判定によって該「始動入賞3」に基づく変動演出において「40秒」間の変動演出が行われたのち「7ラウンドV開放大当たり」が発生することを認識している。
また、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110からコマンド(後述するV開放中コマンド)によってV入賞装置72内の振分装置73の開閉駆動タイミング(周期)を認識するとともに、現在実行中の変動演出の実行時間、保留されている変動演出の各実行時間、大当たり発生によるオープニング時間、及び、V入賞装置72の開放タイミング(期間)を認識している。よって、音声ランプ制御装置113は、これらの各時間を判定することで、「始動入賞3」に基づく変動演出によって「7ラウンドV開放大当たり」が発生した場合に、V入賞装置72が開放されるタイミングにてV入賞口74aへ球が流入し得るか否かを認識することが可能となる。
図18で示す例では、図17で示す例と同様、音声ランプ制御装置113は、「始動入賞3」が発生した時点の状況(各変動演出の変動時間の積算時間)のまま、新たな始動入賞が発生せずに特別図柄の保留球数が変動演出機能を作動させない状況で「始動入賞3」に基づく大当たりが発生した場合に、該大当たりに基づくV入賞装置72の開放中にV入賞口74aへ球が流入し得ない状況になることを認識している。そこで、音声ランプ制御装置113は、「始動入賞3」が発生した時点で、「V入賞チャンス演出」(後述する図47参照)を実行するか否かを抽選し、該実行抽選に当選した場合には、該「V入賞チャンス演出」において遊技者に球の発射を促す「発射促進示唆(後述する図47(b)参照)」を表示する。
そして、図18で示す例では、「V入賞チャンス演出」を行った結果、該「V入賞チャンス演出」中に新たな始動入賞が3個発生し、「始動入賞3」に基づく変動演出が開始されるタイミングでは、該「始動入賞3」に基づく変動演出を含む変動演出の保留球数が「4個」となる(後述する図47(d)参照)。よって、「始動入賞3」に基づく変動演出は、該「始動入賞3」が発生した時点と異なり、短縮演出態様(即ち、「30秒」間行われる「EC:スーパーリーチ(短縮)」)で実行されることとなる。そして、「V入賞チャンス演出」は、「始動入賞3」の変動演出が変動短縮機能を作動させることでV入賞口74aに球が入賞得る準備が整ったことを示唆し(後述する図47(e)参照)、「始動入賞3」に基づく変動演出の開始タイミングと同調するように終了する。その後、「始動入賞3」に基づく変動演出が、「始動入賞3」の発生時点で把握されていた通常変動態様から、「10秒」間変動時間が短くなった短縮変動態様で実行され、該変動演出において「7ラウンドV開放大当たり」が発生し、該「7ラウンドV開放大当たり」の発生に基づいて大当たり状態に遷移する。大当たり状態では、「10秒」間実行されるOP演出を経て、V入賞装置開閉ソレノイド72bがオンされて、V入賞装置72内へ球が流入し得る状況となる。
この場合、V入賞装置72内へ球が流入し得るタイミングで、V振分駆動ソレノイド73cがオン状態であり、左側経路74が開放され、右側経路75が閉鎖されている状態となっている。よって、「V入賞チャンス演出」で示唆した通り、該大当たりでは、V入賞装置72の開放時に左側経路74に球が流入し、V入賞口スイッチ74bによって球が検知され(後述する図47(h)参照)、該大当たり終了後の遊技状態が「確率変動状態」へと遷移することとなる。
このように、V入賞装置72が開放される大当たりに当選したにもかかわらず、始動入賞の段階では、V入賞口74aに球が入賞し得ない状況であっても、該大当たりの開始前までに特別図柄の保留球数を変動短縮機能が作動する状況にしておくことで、V入賞装置72が開放されるタイミングでのV入賞口74aの開閉タイミングの位相をずらし、V入賞口74aに球が入賞し得る状況を創り出すことができる。よって、大当たりにおけるV入賞口74aへの入賞有無を遊技者自らの操作(発射に基づく始動入賞数)により取得可能に構成することで、V入賞口74aへ入賞させた場合の達成感を感じさせ、遊技の興趣向上を図ることができる。また、「V入賞チャンス演出」において「発射促進示唆」を表示させることで、パチンコ機10における発射球数を増加させ、パチンコ機10の稼働を向上することができる。
図7に戻って説明を続ける。普図当たりカウンタC4は、例えば「0〜99」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり「99」)に達した後「0」に戻るループカウンタとして構成されている。また、普図当たりカウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該普図当たりカウンタC4の初期値として読み込まれる。
なお、第2初期値乱数カウンタCINI2は、普図当たりカウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=「0〜99」)、タイマ割込処理(図24参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図36参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
普図当たりカウンタC4の値は、例えば定期的(第1実施形態では、タイマ割込処理(図24参照)毎に1回)更新され、球がスルーゲート67を通過したことが検知されたタイミングで、RAM203の普図保留球格納エリア203hに設けられた普図保留第1〜第4エリアのいずれかの普図保留エリアに格納される。そして、普図保留球格納エリア203hに格納された順に順次普図保留球実行エリア203iにデータをシフトし、該普図保留球実行エリア203iに格納されている普図当たりカウンタC4の値に対して当たり判定を行う。
普通図柄の当たりとなる乱数の値は、遊技状態毎に主制御装置110のROM202に格納される普図当たり乱数テーブル202f(図19(a)参照)によって設定されており、普図保留球実行エリア203iに格納されている普図当たりカウンタC4の値が、普図当たり乱数テーブル202fによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、当たりと判定される。そして、遊技状態に応じて普図変動時間テーブル202g(図19(b)参照)が参照されて、普通図柄の可変表示時間が設定され、普通図柄表示装置83において該可変表示時間の経過後、停止図柄(普通図柄)として「○」の図柄が点灯表示される。その後、遊技状態に応じて普通電役制御テーブル202h(図19(c)参照)が参照されて、普通電役71aの開放時間が設定され、該開放時間の間、普通電役71aが開放作動し、その間、第2始動口71へ球が入賞可能に構成される。
一方、普図保留エリアに格納されている普図当たりカウンタC4の値が、普図当たり乱数テーブル202f(図19(a)参照)によって設定された当たりとなる乱数の値と一致しない場合には、ハズレと判定される。そして、遊技状態に応じて普図変動時間テーブル202g(図19(b)参照)が参照されて可変表示時間が設定され、普通図柄表示装置83において該可変表示時間の経過後、停止図柄(普通図柄)として「×」の図柄が点灯表示される。
ここで、図19(a)を参照して、普図当たり乱数テーブル202fの詳細について説明する。図19(a)は、ROM202に記憶される普図当たり乱数テーブル202fの一例を模式的に示した模式図である。
上述したように、普図当たり乱数テーブル202fは、パチンコ機10の遊技状態が、「通常遊技状態」である普通図柄の低確率状態(「確率変動状態」又は「時間短縮状態」ではない期間(特別図柄の大当たり中を含む))の場合に使用される「普通図柄低確率状態」用と、パチンコ機10の遊技状態が、「普通図柄低確率状態」より普通図柄が当たりとなる確率の高い状態である「確率変動状態」又は「時間短縮状態」の場合に使用される「普通図柄高確率状態」用との2種類に分けられる。そして、「普通図柄低確率状態」用と「普通図柄高確率状態」用とのそれぞれに含まれる当たりとなる乱数の数が異なって設定されている。このように、「普通図柄低確率状態」と「普通図柄高確率状態」とで当たりとなる乱数の数を異ならせることにより、「普通図柄低確率状態」と「普通図柄高確率状態」とで、普通図柄の可変表示において当たりとなる確率が変更される。
図19(a)で示すように、第1実施形態のパチンコ機10では、「普通図柄低確率状態」の場合に当たりとなる普図当たりカウンタC4の値の数は10個で、その値「90〜99」が、普図当たり乱数テーブル202fに規定(設定)されている。つまり、「普通図柄低確率状態」(即ち、「通常遊技状態」)における普通図柄の当たり確率は、10/100=1/10となるように設定されている。
一方で、「普通図柄高確率状態」の場合に当たりとなる普図当たりカウンタC4の値の数は90個で、その値「01〜99」が、普図当たり乱数テーブル202fに規定(設定)されている。つまり、「普通図柄高確率状態」(即ち、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」)における普通図柄の当たり確率は、90/100=9/10となるように設定されている。
これにより、遊技状態に応じて普通図柄の当否確率を変更することで、普通電役71aが開放し易いか否かの違いを生じさせることができる。その結果、スルーゲート67を球が通過した場合に、普通電役71aが開放し易い状況であることによって第2始動口71側へ入賞し得る状況か、普通電役71aが開放し難い状況であることで球が第2始動口71へ入賞し難い状況か、を遊技状態によって異ならせることで、遊技状態毎に異なる遊技性を生むことができる。
特に、右打ち遊技が奨励される「確率変動状態」及び「時間短縮状態」において、「普通図柄高確率状態」となり、普通電役71aが開放し易くなって、右打ち遊技により発射された球が第2始動口71へと入賞し易いように構成されている。換言すれば、「確率変動状態」及び「時間短縮状態」で右打ちされた球は、第2始動口71へ入賞し易く、特別図柄の変動短縮機能を作動させ易いように構成されている。
一方、左打ち遊技が奨励される「通常遊技状態」では、「普通図柄低確率状態」となり、普通電役71aが開放し難く、右打ち遊技により発射された球が第2始動口71へ入賞し難くなるように構成されている。また、第1始動口64には普通電役71aのような入賞を補助する装置が備え付けられていないため、左打ち遊技により発射された球も第1始動口64へ入賞し難いように構成されている。よって、換言すれば、「通常遊技状態」では、右打ち遊技されたとしても、その右打ちされた球は、第2始動口71へ入賞し難く、また、左打ち遊技で発射された球も、第1始動口64にへ入賞し難く、特別図柄の変動短縮機能を作動させ難いように構成されている。
次いで、図19(b)を参照して、普通図柄の可変表示時間を決定するための普図変動時間テーブル202gの詳細について説明する。図19(b)は、ROM202に記憶される普図変動時間テーブル202gの一例を模式的に示した模式図である。
普図変動時間テーブル202gは、普図当たり乱数テーブル202fと同様、「普通図柄低確率状態」用と「普通図柄高確率状態」用との2種類に分けられる。そして、「普通図柄低確率状態」用(即ち、「通常遊技状態」用)と「普通図柄高確率状態」用(即ち、「確率変動状態」および「時間短縮状態」用)とで設定される普通図柄の可変表示時間が異なって設定されている。このように、「普通図柄低確率状態」と「普通図柄高確率状態」で普通図柄の可変表示時間を異ならせることにより、「普通図柄低確率状態」と「普通図柄高確率状態」とで、普通図柄の当否結果が導出される時間が変更される。
図19(b)で示すように、第1実施形態のパチンコ機10では、「普通図柄低確率状態」の場合に設定される普通図柄の可変表示時間は「10秒」となるように普図変動時間テーブル202gで規定されている。つまり、「普通図柄低確率状態」において普通図柄の可変表示が開始されてから停止図柄が導出されるまでの時間は、もれなく「10秒」となるように設定されている。
一方で、「普通図柄高確率状態」の場合に設定される普通図柄の可変表示時間は「0.5秒」となるように普図変動時間テーブル202gで規定されている。つまり、「普通図柄高確率状態」において普通図柄の可変表示が開始されてから停止図柄が導出されるまでの時間は、もれなく「0.5秒」となるように設定されている。
これにより、遊技状態に応じて普通図柄の可変表示時間を変更することで、スルーゲート67を球が通過してから、普通電役71aが開放されるまでの期間を変更することができる。その結果、球がスルーゲート67を通過した場合に、該スルーゲート67の通過に起因する可変表示で当たりとなり、該当たりに基づいて普通電役71aが開放されて、スルーゲート67を通過した球がそのまま第2始動口71へ流入し得るか否かを遊技状態によって異ならせることができる。よって、普通図柄の可変表示時間を遊技状態毎に変更することで、1の球のスルーゲート67及び第2始動口71への入賞態様を異ならせることができ、遊技状態毎に異なる遊技性を生むことができる。
次いで、19図(c)を参照して、普通電役制御テーブル202hについて説明する。図19(c)は、ROM202に記憶される普通電役制御テーブル202hの一例を模式的に示した模式図である。普通電役制御テーブル202hは、普通図柄の当たり時に参照され、普通図柄の当たりが発生したタイミングにおける遊技状態に基づいて、普通電役71aの開放時間が規定されている。
普通電役制御テーブル202hは、普通図柄が抽選された遊技状態に基づいてグループ毎に区分けされている。具体的には、「通常遊技状態」で参照される「普通図柄低確率状態」用と、「確率変動状態」と「時間短縮状態」とで参照される「普通図柄高確率状態」用とで、普通電役71aの開放態様(開放時間)が変更される。
図19(c)で示すように、第1実施形態のパチンコ機10では、「普通図柄低確率状態」、即ち、「通常遊技状態」において普通図柄に当選した場合に設定される普通電役71aの開放時間は「0.1秒」となるように普通電役制御テーブル202hで規定されている。つまり、「普通図柄低確率状態」において普通図柄に当選した場合には、普通電役71aは、「0.1秒」間、開放されるように設定されている。
一方で、「普通図柄高確率状態」、即ち、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」において普通図柄に当選した場合に設定される普通電役71aの開放時間は「3秒」となるように普通電役制御テーブル202hで規定されている。つまり、「普通電役高確率状態」において普通図柄に当選した場合には、普通電役71aは、「3秒」間、開放されるように構成される。
これにより、遊技状態に応じて普通電役71aの開放態様を変更することで、普通電役71aが開放している期間の長短の違いを生じさせることができる。その結果、スルーゲート67を球が通過した場合に、普通電役71aが開放している期間が長いことによって第2始動口71側へ入賞し易い状況か、普通電役71aが開放している状況が短いことによって球が第2始動口71へ入賞し難い状況か、を遊技状態によって異ならせることで、遊技状態毎に異なる遊技性を生むことができる。
特に、右打ち遊技が奨励される「確率変動状態」及び「時間短縮状態」において、「普通図柄高確率状態」となり、普通電役71aの開放期間が長くなって、右打ち遊技により発射された球が第2始動口71へと入賞し易いように構成されている。換言すれば、「確率変動状態」及び「時間短縮状態」で右打ちされた球は、第2始動口71へ入賞し易く、第2特別図柄の変動演出の保留球数が溜まり易いため、変動短縮機能が作動し易いように構成されている。
このように、特別図柄の高確率状態又は低確率状態と、普通図柄の高確率状態又は低確率状態とをそれぞれ組み合わせた各遊技状態を設けることで、各遊技状態に遊技性を変化させ、バリエーションが豊富な遊技を提供することができ、遊技の興趣を向上することができる。
特に、変動短縮機能を作動させ易い「確率変動状態」及び「時間短縮状態」では、遊技者の意思に基づいて変動短縮機能を作動させるか否かを選択し易くなるように構成されている。よって、「確率変動状態」及び「時間短縮状態」において、「V入賞チャンス演出」が発生した段階にて、通常演出態様において該当する変動演出が実行される場合に、入賞補助機能を作動させて第2始動口71に球を入賞させることで該当する変動演出を容易に短縮演出態様にすることができ、V入賞口74aへ球を流入させ易くすることができる。
なお、普通図柄の可変表示の当たり確率や可変表示の可変表示時間は、上記実施形態に限定されるものでなく、適宜変更可能である。具体的には、「通常遊技状態」より「確率変動状態」等の方が普通図柄に当選し易い確率であれば如何様な割合でもよく、例えば、「通常遊技状態」における普通図柄の当たり確率を1/100程度として当たり難くなるように構成してもよいし、「確率変動状態」における普通図柄の当たり確率を50/100=1/2程度としてもよい。また、「通常遊技状態」より「確率変動状態」等の方が可変表示時間が短ければ如何様な時間でもよく、例えば、「通常遊技状態」における普通図柄の可変表示時間を「10秒」以上の長い時間(例えば、「30秒」)としてもよいし、「10秒」未満の短い時間(例えば、「1秒」)としてもよい。
また、普通電役71aの開放時間や開放回数も、上記実施形態に限定されるものでなく、適宜変更可能である。具体的には、普通電役71aの開放時間として、「通常遊技状態」より「確率変動状態」の方が遊技者にとって有利な開放時間であれば如何様な開放時間でもよく、例えば、「通常遊技状態」における普通電役71aの開放時間を「0.1秒」以上(例えば、「1秒」)に設定してもよいし、開放回数を「1回」以上(例えば、「3回」)に設定してもよい。また、「確率変動状態」における普通電役71aの開放時間を「3秒」以上の長い時間(例えば、「5秒」)としてもよいし、「3秒」未満の短い時間(例えば、「1秒」)としてもよい。さらに、「確率変動状態」における普通電役71aの開放回数を「1回」以上の多い回数(例えば、「3回」)としてもよい。
図6に戻り、説明を続ける。RAM203は、図7に図示したカウンタ用バッファ203cのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、インプット/アウトプット(Input/Output。以下、「I/O」と略す。)等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図36参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図35参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図34参照)が即座に実行される。
RAM203は、さらに、第1保留球数カウンタ203a、第2保留球数カウンタ203b、第1保留球格納エリア203d、第2保留球格納エリア203e、保留球実行エリア203f、普図保留球数カウンタ203g、普図保留球格納エリア203h、普図保留球実行エリア203i、確変移行フラグ203j、V駆動タイマ203kを少なくとも有している。
第1保留球数カウンタ203aは、「4ミリ秒」毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図24参照)の中で検出される第1始動口64への始動入賞に基づいて、特別図柄表示装置37で行われる第1特別図柄の動的表示(第3図柄表示装置81で行われる第1特別図柄に対応する第3図柄の変動演出)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
この第1保留球数カウンタ203aは、電源投入後のRAM203の初期設定処理(図35のS915参照)によって、初期値として「0」が設定される。そして、第1始動口64への始動入賞が検出されて第1特別図柄に関する動的表示(変動演出)の保留球数が増加する毎に、最大値「4」まで1加算される(図26のS203参照)。一方、第1保留球数カウンタ203aは、第1特別図柄の動的表示(変動演出)が実行される毎に1減算される(図27のS308参照)。
第2保留球数カウンタ203bは、第1保留球数カウンタ203aと同様、「4ミリ秒」毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図24参照)の中で検出される第2始動口71への始動入賞に基づいて、特別図柄表示装置37で行われる第2特別図柄の動的表示(第3図柄表示装置81で行われる第2特別図柄に対応する第3図柄の変動演出)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
この第2保留球数カウンタ203bは、第1保留球数カウンタ203aと同様、電源投入後のRAM203の初期設定処理(図35のS915参照)によって、初期値として「0」が設定される。そして、第2始動口71への始動入賞が検出されて第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)の保留球数が増加する毎に、最大値「4」まで1加算される(図26のS206参照)。一方、第2保留球数カウンタ203bは、第2特別図柄の動的表示(変動演出)が実行される毎に1減算される(図27のS305参照)。
この第1保留球数カウンタ203aの値(即ち、第1特別図柄の保留球数)又は第2保留球数カウンタ203bの値(即ち、第2特別図柄の保留球数)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図26のS210参照)。保留球数コマンドは、始動入賞が検出されて第1保留球数カウンタ203a又は第2保留球数カウンタ203bが1加算される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された第1特別図柄又は第2特別図柄の動的表示(変動演出)の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113において、主制御装置110へアクセスすることなく各特別図柄の動的表示(変動演出)の保留回数を管理することができる。また、始動入賞が検出される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ保留球数コマンドを送信することにより、音声ランプ制御装置113において管理される各特別図柄の動的表示(変動演出)の保留球数が、ノイズ等の影響によって主制御装置110に保留された実際の動的表示(変動演出)の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
また、第1実施形態では、主制御装置110が音声ランプ制御装置113に対して保留球数コマンドを送信する場合、その保留球数コマンドにおいて、1加算された第1保留球数カウンタ203a又は第2保留球数カウンタ203bの値だけでなく、その第1保留球数カウンタ203a又は第2保留球数カウンタ203bの加算の契機となった上記始動入賞に伴い、カウンタ用バッファ203c(図6参照)より取得される大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値も含める。
つまり、始動入賞があった場合に、主制御装置110にてカウンタ用バッファ203cより取得した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値が、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に伝えられる。
音声ランプ制御装置113では、保留球数コマンドにより伝えられた大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値を、その各値に基づく変動演出が実行される前に先読み判定し、当該変動演出がどうなるか(大当たりとなるか否か、変動時間はどうなるか等)をその変動演出の実行前に判断する。そして、その先読み判定による判断結果に基づき、各種の演出の実行を決定したり、上述した「入賞チャンス演出」の演出態様を決定したり、「保留変化予告」の演出内容を決定できるようになっている。
なお、変動演出の保留球数を示す保留球数コマンドと、大当たり乱数カウンタC1等の値を示すコマンドとを別々に送信するように構成してもよい。保留球数コマンドとは別の大当たり乱数カウンタC1等の値を示すコマンドとしては、第1始動口64又は第2始動口71への球の入球タイミングで保留球数コマンドを生成すると共に、該入球に基づく変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドに類するコマンド(事前変動パターンコマンド及び事前停止種別コマンド)を生成し、音声ランプ制御装置113へ送信するように構成してもよい。この場合に、事前変動パターンコマンド及び事前停止種別コマンドの生成のプログラムに関し、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドのプログラムを流用することで、プログラムの作成を容易にすることができる。
第1保留球格納エリア203dは、上述したように、第1始動口64への始動入賞の検出に伴ってカウンタ用バッファ203cより取得した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値をそれぞれ記憶するためのメモリである。MPU201は、タイマ割込処理(図24参照)の中で、球が第1始動口64へ入賞(始動入賞)したことを検出すると、カウンタ用バッファ203cから各カウンタC1〜C3,CS1の値を取得し、第1保留球格納エリア203dに格納する。第1保留球格納エリア203dは、第1特別図柄の一の始動入賞に対応するデータ(カウンタC1〜C3,CS1の各値)が、最大4回分まで記憶(保留)できるように、4つの保留エリア(第1保留第1〜第4エリア)を有している(図7参照)。
第2保留球格納エリア203eは、上述したように、第2始動口71への始動入賞の検出に伴ってカウンタ用バッファ203cより取得した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値をそれぞれ記憶するためのメモリである。MPU201は、タイマ割込処理(図24参照)の中で、球が第2始動口71へ入賞(始動入賞)したことを検出すると、カウンタ用バッファ203cから各カウンタC1〜C3,CS1の値を取得し、第2保留球格納エリア203eに格納する。第2保留球格納エリア203eは、第2特別図柄の一の始動入賞に対応するデータ(カウンタC1〜C3,CS1の各値)が、最大4回分まで記憶(保留)できるように、4つの保留エリア(第2保留第1〜第4エリア)を有している(図7参照)。
保留球実行エリア203fは、上述したように、実行を開始する、或いは、実行中の第1特別図柄又は第2特別図柄の大当たり抽選や、特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の動的表示および変動演出の設定等の処理において参照すべきデータ(カウンタC1〜C3,CS1の各値)を記憶するためのメモリである。
MPU201は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出の実行開始タイミングであることを検出すると、第1特別図柄又は第2特別図柄の大当たり抽選や、特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の動的表示および変動演出の設定等の処理を実行するために、上述した第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203eに記憶されている各始動入賞に対応するデータ(カウンタC1〜C3,CS1の各値)のうち、第2保留球格納エリア203eに第2特別図柄に関する始動入賞に対応するデータが記憶されている場合は、該データの一の始動入賞に対応するデータを、この保留球実行エリア203fへシフトする。一方、第2保留球格納エリア203eに第2特別図柄に関する始動入賞に対応するデータが記憶されておらず、第1保留球格納エリア203dに第1特別図柄に関する始動入賞に対応するデータが記憶されている場合は、該データの一の始動入賞に対応するデータを、この保留球実行エリア203fへシフトする。
即ち、第1実施形態のパチンコ機10では、第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)が優先的に実行され、第1特別図柄に関する動的表示(変動演出)は、第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)が保留されていないことを条件に実行されるように構成されている。なお、第1実施形態におけるシフトとは、一の領域に記憶されているデータを別の領域へ移動させることを示す。
ここで、再び図7を参照して、第1保留球格納エリア203d、第2保留球格納エリア203eおよび保留球実行エリア203fの詳細について説明する。第1保留球格納エリア203d、第2保留球格納エリア203eおよび保留球実行エリア203fは、第1特別図柄又は第2特別図柄の大当たり抽選や特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の動的表示および変動演出の設定等を行うために、主制御装置110のMPU201により使用される。
上述したように、第1特別図柄又は第2特別図柄の大当たり抽選や特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の動的表示および変動演出の設定には、大当たり抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別の決定に使用する大当たり種別カウンタC2と、変動演出の演出態様の決定に使用する停止パターン選択カウンタC3と、変動パターンの決定に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。第1保留球格納エリア203dは、球が第1始動口64へ入賞(始動入賞)した場合にMPU201によってカウンタ用バッファ203cから取得される上記カウンタC1〜C3,CS1の各値をそれぞれ記憶し、第2保留球格納エリア203eは、球が第2始動口71へ入賞(始動入賞)した場合にMPU201によってカウンタ用バッファ203cから取得される上記カウンタC1〜C3,CS1の各値を記憶する。
第1保留球格納エリア203dは、4つの保留エリア(第1保留第1〜第4エリア)で構成されている。4つの保留エリア(第1保留第1〜第4エリア)にはそれぞれ、大当たり乱数カウンタC1の値を格納する大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1と、大当たり種別カウンタC2の値を格納する大当たり種別カウンタ格納エリア203d2と、停止パターン選択カウンタC3の値を格納する停止パターン選択カウンタ格納エリア203d3と、変動種別カウンタCS1の値を格納する変動種別カウンタ格納エリア203d4とが設けられている。
また、第2保留球格納エリア203eは、第1保留球格納エリア203dと同様、4つの保留エリア(第2保留第1〜第4エリア)で構成されている。4つの保留エリア(第2保留第1〜第4エリア)にはそれぞれ、第1保留球格納エリア203dと同様、大当たり乱数カウンタC1の値を格納する大当たり乱数カウンタ格納エリア203e1と、大当たり種別カウンタC2の値を格納する大当たり種別カウンタ格納エリア203e2と、停止パターン選択カウンタC3の値を格納する停止パターン選択カウンタ格納エリア203e3と、変動種別カウンタCS1の値を格納する変動種別カウンタ格納エリア203e4とが設けられている。
なお、第1実施形態では、大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1,203e1と、大当たり種別カウンタ格納エリア203d2,203e2と、停止パターン選択カウンタ格納エリア203d3,203e3と、変動種別カウンタ格納エリア203d4,203e4とを1つの保留球格納エリア203d,203eの中にそれぞれまとめて設けているが、各カウンタC1〜C3,CS1毎に保留球格納エリアを複数設けるようにしてもよい。
上述した通り、第1保留球格納エリア203dには、球が第1始動口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで取得されるデータ(各カウンタC1〜C3,CS1の各値)が最大4回分まで記憶されるが、その場合、4つの保留エリア(第1保留第1〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番にデータが記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い第1始動口64への始動入賞に対応するデータが記憶され、第1保留第1エリアには、時間的に最も古い第1始動口64への始動入賞に対応するデータが記憶されることになる。
また、第2保留球格納エリア203eには、球が第2始動口71へ入賞(始動入賞)したタイミングで取得されるデータ(各カウンタC1〜C3,CS1の各値)が最大4回分まで記憶されるが、その場合、4つの保留エリア(第2保留第1〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番にデータが記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い第2始動口71への始動入賞に対応するデータが記憶され、第2保留第1エリアには、時間的に最も古い第2始動口71への始動入賞に対応するデータが記憶されることになる。
一方、保留球実行エリア203fは、1つのエリアのみで構成されている。この保留球実行エリア203fには、第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203eと同様に、大当たり乱数カウンタC1の値を格納する大当たり乱数カウンタ格納エリア203f1と、大当たり種別カウンタC2の値を格納する大当たり種別カウンタ格納エリア203f2と、停止パターン選択カウンタC3の値を格納する停止パターン選択カウンタ格納エリア203f3、変動種別カウンタCS1の値を格納する変動種別カウンタ格納エリア203f4とが設けられている。
MPU201は、変動演出の実行開始タイミングになったことを判断すると、第2保留球格納エリア203eの第2保留第1エリアにデータ(各カウンタC1〜C3,CS1の各値)が記憶されている場合は、該第2保留第1エリアに記憶されているデータを、この保留球実行エリア203fの各エリア203f1〜203f4にそれぞれシフトする。一方、MPU201は、変動演出の実行開始タイミングとなった場合に、第2保留球格納エリア203eの第2保留第1エリアにデータが記憶されておらず、第1保留球格納エリア203dの第1保留第1エリアにデータが記憶されているとき、該第1保留第1エリアに記憶されているデータを、この保留球実行エリア203fの各エリア203f1〜203f4にそれぞれシフトする。
そして、保留球実行エリア203fにシフトされたデータを、変動開始処理(図28参照)において参照し、その参照データと遊技状態とに基づいて大当たり抽選を行うと共に、その抽選結果に対応する変動パターン及び停止種別を決定する。特別図柄表示装置37では、主制御装置110の制御により、この決定された変動パターンおよび停止種別に基づいて、動的表示が行われる。
また、ここで決定された変動パターン及び停止種別は、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドによって、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114へ通知される。そして、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114の制御によって、第3図柄表示装置81では、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドにより通知された変動パターンおよび停止種別に基づいて、変動演出が行われる。
データのシフトの詳細について説明する。MPU201は、変動演出の実行開始タイミングとなったことを判断すると、第2保留球格納エリア203eの第2保留第1エリアにデータが格納されているか否かを判断する。判断の結果、第2保留第1エリアにデータが格納されていると判断された場合は、第2保留第1エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203e1の乱数値を、保留球実行エリア203fの大当たり乱数カウンタ格納エリア203f1へシフトする。同様に、第2保留第1エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203e2の乱数値を、大当たり種別カウンタ格納エリア203f2へシフトし、第2保留第1エリアの停止パターン選択カウンタ格納エリア203e3の乱数値を、停止パターン選択カウンタ格納エリア203f3へシフトし、第2保留第1エリアの変動種別カウンタ格納エリア203e4の乱数値を、変動種別カウンタ格納エリア203f4へシフトする。
そして、保留球実行エリア203fへのデータのシフトが終了すると、第2保留第1エリアが空き状態となるため、第2保留球格納エリア203eの各エリア(第2〜第4)に記憶(保留)されているデータを、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3)に詰めるシフト処理を行う。なお、第1実施形態では、第2保留球格納エリア203eにおいて、データが記憶(保留)されている第2保留エリア(第1〜第4)についてのみデータのシフトを行う。
ここで、第2保留球格納エリア203e内の各保留エリアに対して行われるデータシフトについて説明する。例えば、変動演出の開始判断が行われた時の第2保留球数カウンタ203bの値が「4」であり、第2保留球格納エリア203eの全エリア(第1〜第4)にデータが記憶されているとする。この状態で、第2保留第1エリアのデータが、保留球実行エリア203fへシフトされ、第2保留第1エリアが空き状態となると、MPU201は、他のエリア(第2〜第4)のデータをそれぞれ、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3)にシフトする。すなわち、第2保留第2エリアのデータを、第2保留第1エリアへシフトし、第2保留第3エリアのデータを、第2保留第2エリアへシフトし、第2保留第4エリアのデータを、第2保留第3エリアへシフトする。
また、例えば、変動演出の開始判断が行われた時の第2保留球数カウンタ203bの値が「2」であれば、MPU201は、第2保留第2エリアのデータのみを、第2保留第1エリアへシフトして、データのシフトを終了する。上述したように、第1実施形態では、データが記憶(保留)されていない第2保留エリア(第3〜第4)については、データのシフト処理を行わないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
なお、データの有無に関わらず、第2保留エリア(第2〜第4)の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、第2保留エリア(第2〜第4)にデータが記憶(保留)されているか否かの判定が不用となるので、プログラムの作成を容易とすることができる。
一方、MPU201は、変動演出の実行開始タイミングとなったときに、第2保留球格納エリア203eの第2保留第1エリアにデータが格納されていないと判断された場合は、次いで、第1保留球格納エリア203dの第1保留第1エリアにデータが格納されているか否かを判断する。判断の結果、第1保留第1エリアにデータが格納されていれば、該第1保留第1エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1の乱数値を、保留球実行エリア203fの大当たり乱数カウンタ格納エリア203f1へシフトする。同様に、第1保留第1エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203d2の乱数値を、大当たり種別カウンタ格納エリア203f2へシフトし、第1保留第1エリアの停止パターン選択カウンタ格納エリア203d3の乱数値を、停止パターン選択カウンタ格納エリア203f3へシフトし、第1保留第1エリアの変動種別カウンタ格納エリア203d4の乱数値を、変動種別カウンタ格納エリア203f4へシフトする。
そして、保留球実行エリア203fへのデータのシフトが終了すると、第1保留第1エリアが空き状態となるため、第1保留球格納エリア203dの各エリア(第2〜第4)に記憶(保留)されているデータを、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3)に詰めるシフト処理を行う。なお、第1実施形態では、第1保留球格納エリア203dにおいて、データが記憶(保留)されている第1保留エリア(第1〜第4)についてのみデータのシフトを行う。
ここで、第1保留球格納エリア203d内の各保留エリアに対して行われるデータシフトについて説明する。例えば、変動演出の開始判断が行われた時の第1保留球数カウンタ203aの値が「4」であり、第1保留球格納エリア203dの全エリア(第1〜第4)にデータが記憶されているとする。この状態で、第1保留第1エリアのデータが、保留球実行エリア203fへシフトされ、第1保留第1エリアが空き状態となると、MPU201は、他のエリア(第2〜第4)のデータをそれぞれ、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3)にシフトする。すなわち、第1保留第2エリアのデータを、第1保留第1エリアへシフトし、第1保留第3エリアのデータを、第1保留第2エリアへシフトし、第1保留第4エリアのデータを、第1保留第3エリアへシフトする。
また、例えば、変動演出の開始判断が行われた時の第1保留球数カウンタ203aの値が「2」であれば、MPU201は、第1保留第2エリアのデータのみを、第1保留第1エリアへシフトして、データのシフトを終了する。上述したように、第1実施形態では、データが記憶(保留)されていない第1保留エリア(第3〜第4)については、データのシフト処理を行わないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
なお、データの有無に関わらず、第1保留エリア(第2〜第4)の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、第1保留エリア(第2〜第4)にデータが記憶(保留)されているか否かの判定が不用となるので、プログラムの作成を容易とすることができる。
上述したように、第1実施形態のパチンコ機10は、第1特別図柄の変動演出と第2特別図柄の変動演出とがともに保留されている状況において、第1特別図柄の変動演出より第2特別図柄の変動演出の実行を優先的に実行するように構成されている。ここで、V開放大当たりに当選したことに基づいて、上述した「V入賞チャンス演出」を実行する場合に、例えば、第1特別図柄の変動演出においてV開放大当たりに当選し、「V入賞チャンス演出」を行っている際に、新たに第2特別図柄の始動入賞が発生してしまうと、該新たな第2特別図柄の変動演出が第1特別図柄の変動演出より優先的に実行されることで、「V入賞チャンス演出」の演出時間と、V開放大当たりに当選する変動演出の開始時間とがズレてしまうおそれがある。
そこで、第1実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態」において、第2始動口71に球が入賞し難くすることで第2特別図柄の変動演出を発生し難く構成し、第1特別図柄の変動演出が実行されている最中に第2特別図柄の変動演出が発生し難くなるように構成されている。このように構成することで、第1特別図柄の始動入賞に基づく「V入賞チャンス演出」中に第2特別図柄の変動演出が割り込むことがないようにすることができる。その結果、「V入賞チャンス演出」の演出時間と、V開放大当たりに当選する変動演出の開始時間とがズレてしまうことを抑制することができる。
図6に戻って、説明を続ける。普図保留球数カウンタ203gは、「4ミリ秒」毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図24参照)の中で検出されるスルーゲート67への球の通過に基づいて、普通図柄表示装置83で行われる普通図柄の可変表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するためのカウンタである。
この普図保留球数カウンタ203gは、保留球数カウンタ203a,203bと同様、電源投入後のRAM203の初期設定処理(図35のS615参照)によって、初期値として「0」が設定される。そして、スルーゲート67への球の通過が検出されて普通図柄に関する可変表示の保留球数が増加する毎に、最大値「4」まで1加算される(図示せず)。一方、普図保留球数カウンタ203gは、普通図柄の可変表示が実行される毎に1減算される(図示せず)。
普図保留球格納エリア203hは、スルーゲート67への球の通過の検出に伴ってカウンタ用バッファ203cより取得した普図当たりカウンタC4を記憶するためのメモリである。MPU201は、タイマ割込処理(図24参照)の中で、球がスルーゲート67を通過したことを検出すると、カウンタ用バッファ203cから普図当たりカウンタC4の値を取得し、普図保留球格納エリア203hに格納する。普図保留球格納エリア203hは、普通図柄の一の保留球に対応するデータ(普図当たりカウンタC4の値)が、最大4回分まで記憶(保留)できるように、4つの保留エリア(普図保留第1〜第4エリア)を有している(図7参照)。
普図保留球実行エリア203iは、実行を開始する、或いは、実行中の普通図柄の当たり抽選や可変表示の処理において参照すべきデータ(普図当たりカウンタC4の値)を記憶するためのメモリである。
MPU201は、普通図柄の可変表示の実行開始タイミングであることを検出すると、普通図柄の当たり抽選や普通図柄表示装置83の可変表示の設定等の処理を実行するために、上述した普図保留球格納エリア203hに記憶されているデータ(普図当たりカウンタC4の値)のうち、一のデータをこの普図保留球実行エリア203iへシフトする。なお、第1実施形態におけるシフトとは、一の領域に記憶されているデータを別の領域へ移動させることを示す。
ここで、再び図7を参照して、普図保留球格納エリア203hおよび普図保留球実行エリア203iの詳細について説明する。普図保留球格納エリア203hおよび普図保留球実行エリア203iは、普通図柄の当たり抽選や普通図柄表示装置83の可変表示の設定等の処理を行うために、主制御装置110のMPU201により使用される。
上述したように、普通図柄の当たり抽選や普通図柄表示装置83の可変表示の設定には、普通図柄の当たり抽選に使用する普図当たりカウンタC4が用いられる。普図保留球格納エリア203hは、球がスルーゲート67を通過した場合にMPU201によってカウンタ用バッファ203cから取得される普図当たりカウンタC4の値を記憶する。
普図保留球格納エリア203hは、4つの保留エリア(普図保留第1〜第4エリア)で構成されている。4つの保留エリア(普図保留第1〜第4エリア)にはそれぞれ、普図当たりカウンタC4の値を格納する普図当たりカウンタ格納エリア(図示せず)が設けられている。
上述した通り、普図保留球格納エリア203hには、球がスルーゲート67を通過したタイミングで取得されるデータ(普図当たりカウンタC4の値)が最大4回分まで記憶されるが、その場合、4つの保留エリア(普図保留第1〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番にデータが記憶される。つまり、エリア番号が小さいエリアほど、時間的に古いスルーゲート67への球の通過に対応するデータが記憶され、普図保留第1エリアには、時間的に最も古いスルーゲート67への球の通過に対応するデータが記憶されることになる。
一方、普図保留球実行エリア203iは、1つのエリアのみで構成されている。この普図保留球実行エリア203iには、普図保留球格納エリア203hと同様に、普図当たりカウンタC4の値を格納する普図当たりカウンタ格納エリア(図示せず)が設けられている。
MPU201は、普通図柄の可変表示の実行タイミングになったことを判断すると、普図保留球格納エリア203hの普図保留第1エリアに記憶されているデータを、この普図保留球実行エリア203iにシフトする。
そして、普図保留球実行エリア203iにシフトされたデータを、普図変動処理(図24のS112参照)において参照し、その参照データと遊技状態とに基づいて、当たり抽選を行うと共に、可変表示の内容を決定する。普通図柄表示装置83では、主制御装置110の制御により、この決定された内容に基づいて、可変表示が行われる。
データのシフトの詳細について説明する。MPU201は、普通図柄の可変表示の実行開始タイミングとなったことを判断すると、普図保留球格納エリア203hの普図保留第1エリアの普図当たりカウンタ格納エリア(図示せず)の乱数値を、普図保留球実行エリア203iの普図当たりカウンタ格納エリア(図示せず)へシフトする。
そして、普図保留球実行エリア203iへのデータのシフトが終了すると、普図保留第1エリアが空き状態となるため、普図保留球格納エリア203hの各エリア(第2〜第4)に記憶(保留)されているデータを、エリア番号が1小さいエリア(第1〜第3)に詰めるシフト処理を行う。なお、第1実施形態では、普図保留球格納エリア203hにおいて、データが記憶(保留)されている普図保留エリア(第1〜第4)についてのみデータのシフトを行う。
ここで、普図保留球格納エリア203h内の各保留エリアに対して行われるデータシフトについて説明する。例えば、普通図柄の可変表示の開始判断が行われた時の普図保留球数カウンタ203gの値が「4」であり、普図保留球格納エリア203hの全エリア(第1〜第4)にデータが記憶されているとする。この状態で、普図保留第1エリアのデータが、普図保留球実行エリア203iへシフトされ、普図保留第1エリアが空き状態となると、MPU201は、他のエリア(第2〜第4)のデータをそれぞれ、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3)にシフトする。すなわち、普図保留第2エリアのデータを、普図保留第1エリアへシフトし、普図保留第3エリアのデータを、普図保留第2エリアへシフトし、普図保留第4エリアのデータを、普図保留第3エリアへシフトする。
また、例えば、普通図柄の可変表示の開始判断が行われた時の普図保留球数カウンタ203gの値が「2」であれば、MPU201は、普図保留第2エリアのデータのみを、普図保留第1エリアへシフトして、データのシフトを終了する。上述したように、第1実施形態では、データが記憶(保留)されていない普図保留エリア(第3〜第4)については、データのシフト処理を行わないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
なお、データの有無に関わらず、普図保留エリア(第2〜第4)の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、普図保留エリア(第2〜第4)にデータが記憶(保留)されているか否かの判定が不用となるので、プログラムの作成を容易とすることができる。
図6に戻り、説明を続ける。確変移行フラグ203jは、オン状態で「確率変動状態」へ移行することを示すためのフラグである。この確変移行フラグ203jは、パチンコ機10の電源投入時に初期値としてオフに設定される(図35のS915参照)。そして、大当たり中において、V入賞口スイッチ74bによって球が検出される場合に(図31のS443:Yes参照)、オフ状態の確変移行フラグ203jがオンに設定される(図31のS445参照)。その後、大当たり終了処理(図33参照)において、この確変移行フラグ203jがオンされていることによって、該大当たり終了後の遊技状態を「確率変動状態」に設定する場合、即ち、後述するSTカウンタ(図示せず)の値に「100」を設定した場合に(図33のS482参照)、オン状態の確変移行フラグ203jがオフに設定される(図33のS483参照)。
V駆動タイマ203kは、V入賞口74aが開放状態であるか閉鎖状態であるかを判別するためのタイマである。このV駆動タイマ203kは、パチンコ機10の電源投入時に行われる立ち上げ処理(図35参照)において、V入賞口74aを周期的に開閉するV振分駆動ソレノイド73cの初期設定された場合に(図35のS910参照)、このV駆動タイマ203kの値も初期化される。具体的には、V振分駆動ソレノイド73cが初期設定においてオフ状態に設定された場合に、そのタイミングからV入賞口74aが「10秒」間閉鎖状態を維持することを計数するために、V駆動タイマ203kを「0」クリアする。
そして、このV駆動タイマ203kの値は、主制御装置110において「4ミリ秒」ごとに実行されるタイマ割込み処理(図24参照)内のV駆動処理(S101参照)が実行されるごとに「1」ずつ加算される。そして、V駆動タイマ203kの値が「2500」に達した場合(図25のS152:Yes参照)、V振分駆動ソレノイド73cのオン又はオフを切り替える(図25のS154又はS155参照)。その後、該V振分駆動ソレノイド73cのオン又はオフが切り替えられたことに基づいて、V駆動タイマ203kの値が「0」クリアされる(図25のS157参照)。
このように、V振分駆動ソレノイド73cのオン又はオフが切り替えられたタイミングでV駆動タイマ203kの値を「0」クリアする。その後、「4ミリ秒」ごとにV駆動タイマ203kの値を「1」ずつ加算して、加算したV駆動タイマ203kの値が「2500」に達するか否かを判別する。そして、V駆動タイマ203kの値が「2500」に達した場合に、再びV振分駆動ソレノイド73cのオン又はオフを切り替えることで、V入賞口74aが「2500×4ミリ秒=10000ミリ秒」(即ち、「10秒」)ごとに開放又は閉鎖され、それを繰り返すことで、V入賞口74aの開放又は閉鎖が「10秒」ごとに交互に切り替えられる。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、特別図柄表示装置37、普通図柄表示装置83、普通図柄保留ランプ84、可変入賞装置65の大入賞口開閉板65bの下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大入賞口ソレノイド65cや、V入賞装置72のV入賞装置開閉板72aを遊技盤13(図3参照)盤面から突出した状態(即ち、閉鎖状態)若しくは没入した状態(即ち、開放状態)に開閉駆動するためのV入賞装置開閉ソレノイド72b、V入賞装置72内のV入賞口74aを開閉駆動する振分板73aを開閉駆動するためのV振分駆動ソレノイド73c、普通電役71aを駆動するための普通電役ソレノイド(図示せず)、その他ソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、可変入賞装置65に入賞した球を検出する大入賞口スイッチ65d、V入賞装置72のV入賞口74aに入賞した球を検出するV入賞口スイッチ74b、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図34参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチ217が接続されている。なお、該賞球検出スイッチ217は、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるように球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出や「V入賞チャンス演出」、「保留変化予告」といった第3図柄表示装置81にて行われる演出の表示態様の設定などを制御するものである。
演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、及び、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。第1実施形態では、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ一方向にのみコマンドが送信されるように構成され、音声ランプ制御装置113から主制御装置110へコマンド送信ができないように構成されている。一方、音声ランプ制御装置113と表示制御装置114とは、互いにコマンドの送受信が可能に構成されている。
また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示される演出のステージを変更したり、「スーパーリーチ」演出態様等の背面画像を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御すると共に、表示制御装置114へ枠ボタン22の押下に基づいた表示を第3図柄表示装置81に表示させるように指示する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出や「V入賞チャンス演出」、「保留変化予告」の表示制御を実行するものである。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図2参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111のNMI端子へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理(図34参照)を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図2参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
ここで、図20を参照して、音声ランプ制御装置113の詳細な電気的構成について説明する。図は、主に音声ランプ制御装置113の電気的構成を示すブロック図である。音声ランプ制御装置113のROM222には、MPU221にて実行される各種制御プログラムの他、固定値データとして、大当たり乱数テーブル222a、大当たり種別テーブル222b、停止パターンテーブル222c、変動パターンテーブル222d、V入賞示唆テーブル222e、保留変化テーブル222fが少なくとも格納されている。これらのテーブル222a〜222fのうち、テーブル222a〜222dは、いずれも主制御装置110のROM202に設けられた大当たり乱数テーブル202a、大当たり種別テーブル202b、停止パターンテーブル202d、変動パターンテーブル202eと同じものである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110において始動入賞に伴いカウンタ用バッファ203cより取得され、保留球数コマンドによって送信された大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3および変動種別カウンタCS1の各値と、大当たり乱数テーブル222a、大当たり種別テーブル222b、停止パターンテーブル222cおよび変動パターンテーブル222dとに基づいて、先読み処理である保留表示設定処理(図40参照)を実行する。
そして、この保留表示設定処理(図40参照)によって、その先読み処理の対象となった保留中の変動演出が、結果としてどのような演出となるか(大当たりとなるか否か、「リーチ表示」となるか否か等)をその変動演出の実行前に判断して、各種の演出の実行を決定したり、V入賞示唆テーブル222eを参照して「V入賞チャンス演出」の演出内容(実行有無及びその内容)を決定したり、保留変化テーブル222fを参照して「保留変化予告」の演出内容を決定したりする制御を実行する。なお、V入賞示唆テーブル222e及び保留変化テーブル222fの詳細については後述する。
RAM223には、変動開始フラグ223a、サブ第1保留球数カウンタ223b、サブ第2保留球数カウンタ223c、サブV駆動タイマ223d、V入賞示唆抽選カウンタ223e、V入賞チャンス演出フラグ223f、保留変動時間積算カウンタ223g、実行変動時間計数カウンタ223h、合算カウンタ223i、残り時間タイマ223j、保留変化カウンタ223k、第1保留情報格納エリア223m、第2保留情報格納エリア223n、実行情報格納エリア223oが少なくとも設けられている。
変動開始フラグ223aは、オン状態で変動演出を開始すべきことを示すフラグである。この変動開始フラグ223aは、電源投入時に初期値としてオフに設定され、主制御装置110から出力された停止種別コマンドを受信した場合にオンされる(図39のS1211参照)。そして、第3図柄表示装置81における変動演出の設定がなされるときにオフされる(図43のS1402参照)。
音声ランプ制御装置113のMPU221は、この変動開始フラグ223aがオンされたことを契機として、待機中の変動演出が存在する場合に、該待機中の変動演出を実行させるための変動演出処理(図43参照)を行う。
サブ第1保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の第1保留球数カウンタ203aと同様に、第3図柄表示装置81(特別図柄表示装置37)で行われる第1特別図柄の変動演出(動的表示)であって、主制御装置110において保留されている第1特別図柄の変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている第1保留球数カウンタ203aの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて第1特別図柄の変動演出の保留球数を格納・更新し、サブ第1保留球数カウンタ223bにて、その第1特別図柄の変動演出の保留球数を管理するようになっている。
具体的には、音声ランプ制御装置113は、第1始動口64への入球によって第1特別図柄の変動演出の保留球数が追加されて、主制御装置110において第1保留球数カウンタ203aの値が加算された場合に主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドに含まれる、主制御装置110の第1保留球数カウンタ203aの加算後の値(即ち、主制御装置110に保留された第1特別図柄の変動演出の保留球数)をサブ第1保留球数カウンタ223bに格納する(図39のS1204参照)。
また、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110において第1保留球数カウンタ203aの値が減算される場合に主制御装置110から送信される変動パターンコマンド及び停止種別コマンドを受信し、それらの受信に伴って第3図柄表示装置81における第1特別図柄の変動演出の態様を設定すると、サブ第1保留球数カウンタ223bの値を1減算する(図43のS1409参照)。このように、第1保留球数カウンタ203aの更新にあわせて主制御装置110から送信されるコマンドに従って、音声ランプ制御装置113ではサブ第1保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の第1保留球数カウンタ203aと同期させながら、サブ第1保留球数カウンタ223bの値を更新することができる。
サブ第2保留球数カウンタ223cは、主制御装置110の第2保留球数カウンタ203b同様に、第3図柄表示装置81(特別図柄表示装置37)で行われる第2特別図柄の変動演出(動的表示)であって、主制御装置110において保留されている第2特別図柄の変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている第2保留球数カウンタ203bの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて第2特別図柄の変動演出の保留球数を格納・更新し、サブ第2保留球数カウンタ223cにて、その第2特別図柄の変動演出の保留球数を管理するようになっている。
具体的には、音声ランプ制御装置113は、第2始動口71への入球によって第2特別図柄の変動演出の保留球数が追加されて、主制御装置110において第2保留球数カウンタ203bの値が加算された場合に主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドに含まれる、主制御装置110の第2保留球数カウンタ203bの加算後の値(即ち、主制御装置110に保留された第2特別図柄の変動演出の保留球数)をサブ第2保留球数カウンタ223cに格納する(図39のS1204参照)。
また、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110において第2保留球数カウンタ203bの値が減算される場合に主制御装置110から送信される変動パターンコマンド及び停止種別コマンドを受信し、それらの受信に伴って第3図柄表示装置81における第2特別図柄の変動演出の態様を設定すると、サブ第2保留球数カウンタ223cの値を1減算する(図43のS1406参照)。このように、第2保留球数カウンタ203bの更新にあわせて主制御装置110から送信されるコマンドに従って、音声ランプ制御装置113ではサブ第2保留球数カウンタ223cの値を更新するので、主制御装置110の第2保留球数カウンタ203bと同期させながら、サブ第2保留球数カウンタ223cの値を更新することができる。
サブ第1保留球数カウンタ223bの値、及び、サブ第2保留球数カウンタ223cの値は、第3図柄表示装置81のコクピット表示領域Dbにおける保留図柄及び実行図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じてそのコマンドにより示される保留球数をサブ第1保留球数カウンタ223b又はサブ第2保留球数カウンタ223cに格納したり(図39のS1204参照)、変動パターンコマンド及び停止種別コマンドの受信に応じてサブ第1保留球数カウンタ223b又はサブ第2保留球数カウンタ223cの値を更新したりするタイミングで(図43のS1409又はS1406参照)、格納後もしくは更新後のサブ第1保留球数カウンタ223bの値とサブ第2保留球数カウンタ223cの値とを表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する(図40のS1311、又は、図43のS1410参照)。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113のサブ第1保留球数カウンタ223b及びサブ第2保留球数カウンタ223cの値分の保留図柄と、実行中の変動演出を示す実行図柄とを第3図柄表示装置81のコクピット表示領域Db(図5(b)参照)に表示するように、画像の描画を制御する。
上述したように、サブ第1保留球数カウンタ223b又はサブ第2保留球数カウンタ223cは、主制御装置110の第1保留球数カウンタ203a又は第2保留球数カウンタ203bと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81のコクピット表示領域Db(図5(b)参照)に表示される保留図柄の数も、主制御装置110の第1保留球数カウンタ203a及び第2保留球数カウンタ203bの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、第1特別図柄および第2特別図柄の変動演出が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
サブV駆動タイマ223dは、主制御装置110のV駆動タイマ203kと同様、V入賞口74aが開放状態であるか閉鎖状態であるかを音声ランプ制御装置113側で認識するためのタイマである。このサブV駆動タイマ223dは、パチンコ機10の電源投入時に行われる音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理(図37参照)の初期設定(S1001参照)において初期化(例えば、「0」クリア)される。そして、主制御装置110からV入賞口74aが開放されたことを示すV開放中コマンドを受信した場合に、「20000」がセットされる(図39のS1202参照)。その後、メイン処理(図38参照)において、「1ミリ秒」ごとに実行されるカウンタ減算処理(図45参照)の中で、該サブV駆動タイマ223dの値が「0」より大きい値であると判別されたとき(図45のS1601:Yes参照)、該サブV駆動タイマ223dの値が「1」減算される(図45のS1602参照)。
このように、主制御装置110からV入賞口74aが開放されたことを示すV開放中コマンドを受信したタイミングでサブV駆動タイマ223dの値に「20000」をセットし、その後、「1ミリ秒」ごとにサブV駆動タイマ223dの値を「1」ずつ減算して、減算したサブV駆動タイマ223dの値を判別することで、「20秒」を1周期として開閉されるV入賞口74aが開放中か閉鎖中かを音声ランプ制御装置113側で認識することができる。
具体的には、主制御装置110から送信されるV開放中コマンドは、V入賞口74aが開放されたタイミングに送信されるとともに、該サブV駆動タイマ223dの値は「1ミリ秒」ごとに「1」ずつ減算される構成である。このため、サブV駆動タイマ223dの値が、「20000」以下であって「10000」より大きい値の場合には、V入賞口74aが開放されてから「10秒」経過していないため、V入賞口74aが開放中であることが認識可能となる。一方、サブV駆動タイマ223dの値が、「10000」以下であって「0」より大きい値であれば、V入賞口74aが開放されてから「10秒」以上経過した状態、かつ、「20秒」経過していない状態であるため、V入賞口74aが閉鎖中であることを、音声ランプ制御装置113側で認識可能となる。
V入賞示唆抽選カウンタ223eは、大当たりした場合にV入賞口74aへの球の入賞を示唆する「V入賞チャンス演出」を実行するか否かを抽選するカウンタである。第1実施形態では、V入賞装置72が開放される大当たりに当選した場合、V入賞装置72が開放されない大当たりに当選した場合、及び、ハズレの「リーチ表示」が抽出された場合に、「V入賞チャンス演出」を実行するか否かを抽選し、該抽選に当選した場合に「V入賞チャンス演出」を実行するように構成されている。以下、V入賞装置72が開放される大当たりに当選した場合、並びに、V入賞装置72が開放されない大当たりに当選した場合、及び、ハズレの「リーチ表示」が抽出された場合であって、「V入賞チャンス演出」が実行され得る変動演出を、「V入賞チャンス演出可能変動演出」と称する場合がある。
このV入賞示唆抽選カウンタ223eは、まず、パチンコ機10の電源投入時に行われる音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理(図37参照)の初期設定(S1001参照)において初期化(例えば、「0」クリア)される。そして、音声ランプ制御装置113のメイン処理のカウンタ更新処理(図38のS1113参照)において、所定の範囲(例えば、「0〜99」)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、「0〜99」の値を取り得るカウンタの場合は「99」)に達した後「0」に戻る構成となっている。V入賞示唆抽選カウンタ223eの値は、メイン処理が1回ループする毎に1回更新(例えば、「1」加算)される。
上述したように、第1実施形態のパチンコ機10では、V入賞チャンス演出可能変動演出が実行される場合に、このV入賞示唆抽選カウンタ223eの値とV入賞示唆テーブル222eとを参照して、「V入賞チャンス演出」の実行可否が決定される。
ここで、図21を参照して、V入賞示唆テーブル222eについて説明する。図21は、V入賞示唆テーブル222eの一例を模式的に示した図である。音声ランプ制御装置113は、上述したように、V入賞チャンス演出可能変動演出が実行され得る場合に、該V入賞チャンス演出可能変動演出が行われる始動入賞の発生時点において、V入賞チャンス演出可能変動演出の種類と、その時点でのV入賞示唆抽選カウンタ223eの値とに基づいてV入賞示唆テーブル222eを参照し、「V入賞チャンス演出」を行うか否かが決定される。
具体的には、V入賞示唆テーブル222eにおいて、「ハズレ」と「大当たり」とに区分けされている。そして、区分けされたグループに対して、各演出態様ごと、即ち、「非リーチ」演出態様が抽出された場合の「非リーチ」用(「ハズレ」時のみ)、「ノーマルリーチ」演出態様が抽出された場合の「ノーマルリーチ」用、「スーパーリーチ」演出態様が抽出された場合の「スーパーリーチ」用、及び、「スペシャルリーチ」演出態様が抽出された場合の「スペシャルリーチ」用に、「V入賞チャンス演出」の実行抽選に当選するV入賞示唆抽選カウンタ223eの値がそれぞれ対応付けられている。
V入賞示唆テーブル222eにおいて、「ハズレ」時の「非リーチ」演出態様には、「V入賞チャンス演出」に当選するV入賞示唆抽選カウンタ223eの値が対応付けられていない。即ち、「非リーチ」演出態様では、「V入賞チャンス演出」は実行されないように構成されている。
V入賞示唆テーブル222eにおいて、「ハズレ」時の「ノーマルリーチ」演出態様には、「V入賞チャンス演出」に当選するV入賞示唆抽選カウンタ223eの値として、「90〜99」が対応付けられている。即ち、「ハズレ」時の「ノーマルリーチ」演出態様が抽出された場合、10%の確率で「V入賞チャンス演出」が実行されることとなる。
V入賞示唆テーブル222eにおいて、「ハズレ」時の「スーパーリーチ」演出態様には、「V入賞チャンス演出」に当選するV入賞示唆抽選カウンタ223eの値として、「70〜99」が対応付けられている。即ち、「ハズレ」時の「スーパーリーチ」演出態様が抽出された場合、30%の確率で「V入賞チャンス演出」が実行されることとなる。
V入賞示唆テーブル222eにおいて、「ハズレ」時の「スペシャルリーチ」演出態様には、「V入賞チャンス演出」に当選するV入賞示唆抽選カウンタ223eの値として、「50〜99」が対応付けられている。即ち、「ハズレ」時の「スペシャルリーチ」演出態様が抽出された場合、50%の確率で「V入賞チャンス演出」が実行されることとなる。
このように、「ハズレ」時の各「リーチ表示」の抽出時においても、所定割合で「V入賞チャンス演出」を実行するように構成されている。このように構成することで、「V入賞チャンス演出」において「発射促進示唆」を実行することで、V入賞装置72が開放されることがない「ハズレ」時の変動演出であっても遊技者に球の発射を促し、パチンコ機10の稼働を向上させることができる。
また、各「リーチ表示」において、大当たりが導出される割合が高い「リーチ表示」ほど、「V入賞チャンス演出」が実行され易いように構成されている。このように構成することで、大当たりに当選した場合に意味をなす「V入賞チャンス演出」が実行された場合に、大当たり期待度が高い「リーチ表示」が実行され得ることを該「リーチ表示」の発生前に遊技者に示唆することができ、該示唆通りに「V入賞チャンス演出」と大当たりが期待し得る「リーチ表示」とが同時に実行されることで、単独で各演出(即ち、「リーチ表示」又は「V入賞チャンス演出」)が実行される場合より遊技者に大当たりが導出されることを期待させ、遊技の興趣向上を図ることができる。
次いで、V入賞示唆テーブル222eにおいて、「大当たり」時の「ノーマルリーチ」演出態様には、「V入賞チャンス演出」に当選するV入賞示唆抽選カウンタ223eの値として、「50〜99」が対応付けられている。即ち、当選した大当たり種別を問わず、「大当たり」時の「ノーマルリーチ」演出態様が抽出された場合、50%の確率で「V入賞チャンス演出」が実行されることとなる。
V入賞示唆テーブル222eにおいて、「大当たり」時の「スーパーリーチ」演出態様には、「V入賞チャンス演出」に当選するV入賞示唆抽選カウンタ223eの値として、「30〜99」が対応付けられている。即ち、当選した大当たり種別を問わず、「大当たり」時の「スーパーリーチ」演出態様が抽出された場合、70%の確率で「V入賞チャンス演出」が実行されることとなる。
V入賞示唆テーブル222eにおいて、「大当たり」時の「スペシャルリーチ」演出態様には、「V入賞チャンス演出」に当選するV入賞示唆抽選カウンタ223eの値として、「10〜99」が対応付けられている。即ち、当選した大当たり種別を問わず、「大当たり」時の「スペシャルリーチ」演出態様が抽出された場合、90%の確率で「V入賞チャンス演出」が実行されることとなる。
このように、「大当たり」時の各演出態様において、大当たり種別が如何様な結果であったとしても所定割合で「V入賞チャンス演出」を実行するように構成されている。このように構成することで、「V入賞チャンス演出」において「発射促進示唆」を実行させることができる。その結果、V入賞装置72が開放される場合であっても開放されない場合であっても「V入賞チャンス演出」の「発射促進示唆」によって遊技者に球の発射を促し、パチンコ機10の稼働を向上させることができる。
また、V入賞装置72が開放される大当たり種別に当選した場合に「V入賞チャンス演出」を実行し得ることで、大当たりにおけるV入賞口74aへの入賞有無を遊技者自らの操作(発射に基づく始動入賞数)により取得可能に構成することができる。その結果、「V入賞チャンス演出」において遊技者自らの意思に基づいて球を発射して変動短縮機能を作動させる状況とし得ることで、遊技者自らの操作に基づいてV入賞口74aへ球を入賞させ得る状況を創出させ、該創出に基づく達成感を感じさせて、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、大当たり期待度が高い「リーチ表示」ほど、「V入賞チャンス演出」に当選し易くすることで、大当たりに当選し易い演出態様ほどV入賞口74aへの入賞可能性を高くすることができる。よって、大当たりに当選する場合に、大当たり種別以外に、抽出される変動演出の演出態様によっても得られる遊技価値が変化し得ることで、遊技中(変動演出中)、遊技者に演出態様の種類にも着目させながら遊技を行わせることができ、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる。
図20に戻って、説明を続ける。V入賞チャンス演出フラグ223fは、オン状態で「V入賞チャンス演出」が実行されることを示すフラグである。このV入賞チャンス演出フラグ223fは、電源投入時に初期値としてオフに設定され、「V入賞チャンス演出」の実行抽選に当選した場合、即ち、上述したV入賞示唆抽選カウンタ223eの値とV入賞示唆テーブル222eとに基づいて「V入賞チャンス演出」の実行抽選に当選した場合にオンされる(図40のS1303参照)。そして、「V入賞チャンス演出」が終了する場合、即ち、「V入賞チャンス演出」の実行時間を示す後述する残り時間タイマ223jの値が「0」となった場合に(図45のS1607:Yes)、このV入賞チャンス演出フラグ223fがオフされる(図45のS1608参照)。
上述したように、音声ランプ制御装置113のMPU221は、このV入賞チャンス演出フラグ223fがオンされたことを契機として、「V入賞チャンス演出」の実行時間(残り時間)を示す後述する残り時間タイマ223jの値を更新することで、該「V入賞チャンス演出」の実行契機となった変動演出が開始されるまでの間、「V入賞チャンス演出」を行うように構成されている。
保留変動時間積算カウンタ223gは、始動入賞時点における先読み判定において、V入賞装置72が開放される大当たりの当選、即ち、「15ラウンドV開放大当たり」又は「7ラウンドV開放大当たり」の当選に基づいて「V入賞チャンス演出」が行われる場合に、該始動入賞の発生時点における実行中の変動演出の残り時間を除き、その始動入賞の発生時点において保留されている変動演出の時間と、大当たり時のオープニング時間との積算時間(即ち、V入賞装置72が開放されるまでの時間)を記憶するためのカウンタである。
この保留変動時間積算カウンタ223gの値は、まず、パチンコ機10の電源投入時に行われる音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理(図37参照)の初期設定(S1001参照)において初期化(例えば、「0」クリア)される。そして、V入賞装置72が開放される大当たり(以下、V入賞装置72が開放される大当たりを、「V開放大当たり」と称する場合がある)に当選した場合に、該V開放大当たりの変動演出の変動時間と、該V開放大当たりの変動演出が実行されるまでに行われる保留中の変動演出の変動時間とを抽出し、その抽出された各変動時間の合計変動時間がこの保留変動時間積算カウンタ223gの値に設定される(図41のS1352参照)。
具体的には、例えば、V開放大当たりに基づく「V入賞チャンス演出」に当選した場合に、その時点で保留されている変動演出がV開放大当たりを発生する変動演出のみであったときは、そのV開放大当たりを発生する変動演出の変動時間が保留変動時間積算カウンタ223gに設定される。また、例えば、V開放大当たりに基づく「V入賞チャンス演出」に当選した場合に、その時点で保留されている変動演出がV開放大当たりを発生する変動演出と、1のハズレの変動演出であった場合は、そのV開放大当たりを発生する変動演出の変動時間と、1のハズレの変動演出の変動時間との合計時間が保留変動時間積算カウンタ223gに設定される。さらに、例えば、V開放大当たりに基づく「V入賞チャンス演出」に当選した場合に、その時点で保留されている変動演出がV開放大当たりを発生する変動演出と、2のハズレの変動演出であった場合は、そのV開放大当たりを発生する変動演出の変動時間と、2の各ハズレの変動演出の各変動時間との合計時間が保留変動時間積算カウンタ223gに設定される。また、例えば、V開放大当たりに基づく「V入賞チャンス演出」に当選した場合に、その時点で保留されている変動演出がV開放大当たりを発生する変動演出と、3のハズレの変動演出であった場合は、そのV開放大当たりを発生する変動演出の変動時間と、3の各ハズレの変動演出の各変動時間との合計時間が保留変動時間積算カウンタ223gに設定される。
そして、保留された変動演出の変動時間が設定された保留変動時間積算カウンタ223gに対して、V開放大当たりに対応する変動演出の終了から大当たり開始後のV入賞装置72の開放までの時間、即ち、V開放大当たりのオープニング演出の演出時間(即ち、「10秒」)に対応する値(即ち、「10000」)が加算される(図41のS1353参照)。なお、保留変動時間積算カウンタ223gの値は、「V入賞チャンス演出」が終了するタイミング、即ち、後述する残り時間タイマ223jの値が「0」より大きい値でなくなった場合に、「0」クリアされる(図45のS1609参照)。
これにより、V入賞装置72が開放される場合の「V入賞チャンス演出」の当選時(即ち、図41のS1352及びS1353の処理)において設定された保留変動時間積算カウンタ223gの値により、実行中の変動演出の変動時間を除き、保留されている1又は複数の変動演出の変動開始から大当たり状態におけるV入賞装置72の開放されるまでの時間が音声ランプ制御装置113側で認識することができる。
実行変動時間計数カウンタ223hは、第3図柄表示装置81で実行される変動演出の実行時間を計数するためのカウンタである。
この実行変動時間計数カウンタ223hの値は、パチンコ機10の電源投入時に行われる音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理(図37参照)の初期設定(S1001参照)において初期化(例えば、「0」クリア)される。そして、変動演出が開始されるタイミングにおいて、実行される変動演出の変動時間を抽出し、その抽出した変動時間がこの実行変動時間計数カウンタ223hの値に設定される。
具体的には、例えば、実行される変動演出がハズレの「15秒」の変動演出であった場合は、実行変動時間計数カウンタ223hの値に「150000」が設定される。また、実行される変動演出が大当たりの「40秒」の変動演出であった場合は、実行変動時間計数カウンタ223hの値に「40000」が設定される。
そして、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図38参照)において、「1ミリ秒」ごとに実行されるカウンタ減算処理(図38のS1110参照)の中で、該実行変動時間計数カウンタ223hの値が「0」より大きい値である場合に(図45のS1603:Yes)、「1」減算される(図45のS1604参照)。
これにより、この実行変動時間計数カウンタ223hの値を参照することで、実行中の変動演出の残り変動時間を把握することができる。よって、V開放大当たりに基づく「V入賞チャンス演出」の当選時にこの実行変動時間計数カウンタ223hの値を参照することで、V入賞装置72が開放されるまでの時間のうち、実行中の変動演出の残り変動時間が音声ランプ制御装置113側で認識することができる。
合算カウンタ223iは、V開放大当たりに基づく「V入賞チャンス演出」に当選した場合に、V入賞装置72が開放されたタイミングにおいてV入賞口74aに球が入賞するか否かを判別するために用いられるカウンタである。この合算カウンタ223iは、まず、パチンコ機10の電源投入時に行われる音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理(図37参照)の初期設定(S1001参照)において初期化(例えば、「0」クリア)される。そして、V開放大当たりに基づく「V入賞チャンス演出」の実行に当選した場合に、まず、上述した保留変動時間積算カウンタ223gに記憶される保留中の変動演出およびオープニング演出の合計変動時間と、同じく上述した実行変動時間計数カウンタ223hに記憶される実行中の変動演出の残り変動時間との合算時間(合算値)がこの合算カウンタ223iに設定される(図41のS1354参照)。
これにより、V開放大当たりに当選する変動演出の始動入賞時に、保留中の変動演出の変動時間と、オープニング演出の演出時間と、実行中の変動演出の実行時間とを合算カウンタ223iに合算することで、音声ランプ制御装置113において、上記始動入賞タイミングからV入賞装置72の開放開始タイミングを把握することができる。
そして、上記始動入賞のタイミングから、合算カウンタ223iの値に対応する時間が経過されたとき、即ち、V入賞装置72の開放が開始されるタイミングにおいて、V入賞口74aが開放状態となっているか否かを判別するべく、まず、上記合算カウンタ223iの値から、その時点におけるサブV駆動タイマ223dの値を減算する(図41のS1355参照)。サブV駆動タイマ223dは、V入賞口74aが開放されたタイミングで「20000」が設定され、1ミリ秒経過するごとに「1」ずつ減算されるように構成されている。このため、合算カウンタ223iの値からサブV駆動タイマ223dの値を減算することで、上記始動入賞の発生後において次にV入賞口74aの開放が開始されるタイミングが一旦抽出される。
次いで、合算カウンタ223iの値からサブV駆動タイマ223dの値を減算した値を、V入賞口74aの開閉周期である20秒に対応する値(即ち、「20000」)で割る。合算カウンタ223iの値からサブV駆動タイマ223dの値を減算した値をV入賞口74aの駆動周期に対応する値で割ることで、始動入賞タイミングからV入賞口74aの開放が開始される周期(タイミング)を把握することができる。
そして、合算カウンタ223iの値からサブV駆動タイマ223dの値を減算した値を、V入賞口74aの開閉周期に対応する値で割った値の余りの値を判別することで、上記始動入賞のタイミングにおいて、V入賞装置72が開放された場合にV入賞口74aに球が入賞し得るか否かが判別可能となる。具体的には、V入賞装置72の開放時間は「5秒」(即ち、「5000ミリ秒」)であるため、上記割った値の余りの値(以下、割った当たりの余り値を示す記号として「X」を使用する)が、「0≦X<5000」の範囲内であれば、V入賞装置72が開放されている間、V入賞口74aが開放中であって、V入賞口74aに球が入賞し得る状況となる。一方、上記割った値の余りの値が、「10000≦X<15000」の範囲内であれば、V入賞装置72が開放されている間、V入賞口74aが閉鎖中であって、V入賞口74aに球が入賞し得ない状況となる。さらに、上記割った値の余りの値が、「5000≦X<10000」の範囲内、又は、「15000≦X<20000」の範囲内であれば、V入賞装置72が開放されている間、V入賞口74aの開放と閉鎖とが混在しており、V入賞口74aに球が入賞する場合もあれば入賞しない場合もある状況となる。
これにより、音声ランプ制御装置113は、V開放大当たりが発生する変動演出の始動入賞発生時に、該V開放大当たりに基づくV入賞装置72が開放されたタイミングでV入賞口74aへ球が入賞し得る状況となるか否かを把握可能となる。具体的には、「V入賞チャンス演出」の開始時に合算カウンタ223iの値を設定し、該合算カウンタ223iの値からサブV駆動タイマ223dの値を減算して、その減算した値をV入賞口74aの開閉周期(即ち、「20000」)で割ったときの余りが「10000≦X<15000」の範囲内であれば、V入賞口74aに球が入賞し得ない状況となっている。この場合において、「V入賞チャンス演出」中に遊技者に球の発射を促し、変動短縮機能が作動する保留球数になるまで変動演出を保留させ、少なくともV開放大当たりの変動演出が開始される前までに変動短縮機能を作動させることで、V入賞口74aに球が入賞し得ない状況からV入賞口74aに球が入賞し得る状況へと変化させることができる。
残り時間タイマ223jは、「V入賞チャンス演出」の演出時間を計数するためのカウンタである。この残り時間タイマ223jの値は、まず、パチンコ機10の電源投入時に行われる音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理(図37参照)の初期設定(S1001参照)において初期化(例えば、「0」クリア)される。そして、「V入賞チャンス演出」の実行抽選に当選した場合に、該「V入賞チャンス演出」の当選契機となった変動演出より前に保留されている各変動演出の変動時間と実行中の変動演出の残り時間とをそれぞれ抽出し、その変動時間の積算時間に対応する値を残り時間タイマ223jに設定する(図40のS1305参照)。
その後、メイン処理(図38参照)において、「1ミリ秒」ごとに実行されるカウンタ減算処理(図45参照)の中で、「V入賞チャンス演出」の実行中、即ち、V入賞チャンス演出フラグ223fがオンされている場合に、この残り時間タイマ223jの値が「0」より大きい値であると判別されたとき(図45のS1606:Yes参照)、該残り時間タイマ223jの値が「1」減算される(図45のS1606参照)。そして、この残り時間タイマ223jの値が「0」より大きい値でなくなった場合に(図45のS1607:No参照)、「V入賞チャンス演出」が終了するように構成されている。
このように、「V入賞チャンス演出」に当選した場合に、該「V入賞チャンス演出」の実行契機となる変動演出より前に保留されている各変動演出の変動時間と、実行中の変動演出の残り時間とに対応する値を残り時間タイマ223jに設定し、該残り時間タイマ223jの値に基づいて「V入賞チャンス演出」を実行することで、「V入賞チャンス演出」の実行契機となる変動演出の開始タイミングと、「V入賞チャンス演出」の終了タイミングとを一致させ、一連の演出を同調して行う(「V入賞チャンス演出」の終了後、直ちに、V入賞チャンス演出可能変動演出を開始させる)ことで、遊技者に違和感を感じさせない演出を実行することができる。
保留変化カウンタ223kは、コクピット表示領域Dbの保留図柄及び実行図柄において「保留変化予告」の表示態様を抽選するためのカウンタである。第1実施形態では、「保留変化予告」として、保留図柄及び実行図柄の表示色を、通常の表示態様である白色(即ち、「無し」)から、青色の表示態様の「青」、又は、赤色の表示態様の「赤」に変化可能に構成されている。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した保留球数コマンドによって大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3および変動種別カウンタCS1の各値と、大当たり乱数テーブル222a、大当たり種別テーブル222b、停止パターンテーブル222cおよび変動パターンテーブル222dとに基づいて先読み処理を実行可能に構成されている。その先読み処理において、保留球数コマンドが示す変動演出の演出態様を把握し、その演出態様に基づいて保留変化カウンタ223kの値と保留変化テーブル222fとを参照することによって、「保留変化予告」を行うか否かが抽選される。
この保留変化カウンタ223kは、音声ランプ制御装置113のメイン処理のカウンタ更新処理(図38のS1113参照)において、所定の範囲(例えば、「0〜99」)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、「0〜99」の値を取り得るカウンタの場合は「99」)に達した後「0」に戻る構成となっている。保留変化カウンタ223kの値は、メイン処理が1回ループする毎に1回更新(例えば、1加算)される。
ここで、図22を参照して、保留変化テーブル222fについて説明する。図22は、保留変化テーブル222fの一例を模式的に示した図である。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から保留球数コマンドを受信した場合に、その時点での保留変化カウンタ223kの値に基づいて保留変化テーブル222fを参照し、「保留変化予告」の表示態様が決定される。
図22で示すように、保留変化テーブル222fは、各特別図柄の変動演出が、「ハズレ」の場合と「大当たり」の場合とで区分けされている。そして、区分けされたグループに対して、さらに演出態様ごとに区分けされ、その中で「保留変化予告」の表示態様に対応する保留変化カウンタ223kの値がそれぞれ割り振られている。
具体的には、変動演出の「ハズレ」時において、該「ハズレ」時に選定され得る、「非リーチ」演出態様用と、「ノーマルリーチ」演出態様用と、「スーパーリーチ」演出態様用と、「スペシャルリーチ」演出態様用とのグループに分けられている。また、大当たり時において、「ノーマルリーチ」演出態様用と、「スーパーリーチ」演出態様用と、「スペシャルリーチ」演出態様用とのグループに分けられている。そして、区分けされたグループに対してそれぞれ保留変化カウンタ223kの取り得る値が対応付けられている。
保留変化テーブル222fにおいて、「ハズレ」時の「非リーチ」演出態様には、保留図柄又は実行図柄の色が、通常の表示態様(「白」)から変化しない「無し」と、青色に変化する「青」との2つの表示態様が選択可能に用意され、各表示態様に対して保留変化カウンタ223kの値が対応付けられている。第1実施形態では、保留図柄又は実行図柄の色が変化しない「無し」が選択された場合、「保留変化予告」は実行されない。
なお、「ハズレ」時の「非リーチ」演出態様、及び、後述する「ハズレ」時の「ノーマル演出態様」には、保留図柄又は実行図柄の色が、赤色に変化する「赤」の表示態様が選択されないように、保留変化カウンタ223kの値が対応付けられていない。これは、第1実施形態のパチンコ機10では、「保留変化予告」において、保留図柄又は実行図柄の色が「赤」であった場合は、その保留図柄又は実行図柄が示す変動演出において「スーパーリーチ以上」演出態様が実行されることを確定させるためである。よって、「スーパーリーチ以上」が現出しない「非リーチ」演出態様では、「保留変化予告」の「赤」が選択されないように設定されている。
図22の示す例では、「ハズレ」時の「非リーチ」演出態様における保留変化カウンタ223kの値と「保留変化予告」との対応付けが、「無し」に対して「0〜98」、「青」に対して「99」、となっている。なお、「赤」に対しては値が割り振られていないため、「−」と表記する。
即ち、「ハズレ」時の「非リーチ」の演出態様が選択された場合は、「保留変化予告」が「無し」の表示態様が99%、「青」の表示態様が1%、「赤」の表示態様が0%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、「ハズレ」時の「非リーチ」時に選択される「保留変化予告」では、「無し」の表示態様が選択され易く(99%)なっており、「保留変化予告」自体が発生し難い設定となっている。
保留変化テーブル222fにおいて、「ハズレ」時の「ノーマルリーチ」演出態様には、保留図柄又は実行図柄の色が、通常の表示態様(「白」)から変化しない「無し」と、青色に変化する「青」との2つの表示態様が選択可能に用意され、各表示態様に対して保留変化カウンタ223kの値が対応付けられている。なお、「ハズレ」時の「ノーマルリーチ」演出態様では、ハズレ時の「非リーチ」演出態様等と同様、「スーパーリーチ以上」及び「大当たり表示」が現出しない。このため、保留図柄又は実行図柄の色が、赤色に変化する「赤」の表示態様が選択されないように、保留変化カウンタ223kの値が対応付けられていない。
図22の示す例では、「ハズレ」時の「ノーマルリーチ」演出態様における保留変化カウンタ223kの値と「保留変化予告」との対応付けが、「無し」に対して「0〜89」、「青」に対して「90〜99」、となっている。なお、「赤」に対しては値が割り振られていないため、「−」と表記する。
即ち、「ハズレ」時の「ノーマルリーチ」演出態様が選択された場合は、「保留変化予告」が「無し」の表示態様が90%、「青」の表示態様が10%、「赤」の表示態様が0%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、「ハズレ」時の「ノーマルリーチ」演出態様時に選択される「保留変化予告」では、「無し」の表示態様が選択され易い(90%)が、「ハズレ」時の「非リーチ」演出態様よりも「青」の表示態様が選択され易い設定(1%→10%)となっている。
保留変化テーブル222fにおいて、「ハズレ」時の「スーパーリーチ」演出態様には、保留図柄又は実行図柄の色が、通常の表示態様(「白」)から変化しない「無し」と、青色に変化する「青」と、赤色に変化する「赤」との3つの表示態様が選択可能に用意され、各表示態様に対して保留変化カウンタ223kの値が対応付けられている。なお、「ハズレ」時の「スーパーリーチ」演出態様は、「スーパーリーチ」の変動要素を実行するため、「スーパーリーチ以上」を示唆する「赤」の表示態様が選択されるように、保留変化カウンタ223kの値が対応付けられている。
図22の示す例では、「ハズレ」時の「スーパーリーチ」演出態様における保留変化カウンタ223kの値と「保留変化予告」との対応付けが、「無し」に対して「0〜49」、「青」に対して「50〜89」、「赤」に対して「90〜99」となっている。
即ち、「ハズレ」時の「スーパーリーチ」演出態様が選択された場合は、「保留変化予告」が「無し」の表示態様が50%、「青」の表示態様が40%、「赤」の表示態様が10%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、「ハズレ」時の「スーパーリーチ」演出態様時に選択される「保留変化予告」では、「ハズレ」時の「非リーチ」演出態様又は「ノーマルリーチ」演出態様よりも「青」の表示態様が選択され易い設定(1%・10%→40%)となっている。また、「青」の表示態様より大当たり期待度が高い「赤」の表示態様も選択可能に設定されている。
保留変化テーブル222fにおいて、「ハズレ」時の「スペシャルリーチ」演出態様には、保留図柄又は実行図柄の色が、変化しない「無し(白色)」と、青色に変化する「青」と、赤色に変化する「赤」との3つの表示態様が選択可能に用意され、各表示態様に対して保留変化カウンタ223kの値が対応付けられている。なお、「ハズレ」時の「スペシャルリーチ」演出態様は、「スペシャルリーチ」の変動要素を実行するため、「スーパーリーチ以上」を示唆する「赤」の表示態様が選択されるように、保留変化カウンタ223kの値が対応付けられている。
図22の示す例では、「ハズレ」時の「スペシャルリーチ」演出態様における保留変化カウンタ223kの値と「保留変化予告」との対応付けが、「無し」に対して「0〜29」、「青」に対して「30〜79」、「赤」に対して「80〜99」となっている。
即ち、「ハズレ」時の「スペシャルリーチ」演出態様が選択された場合は、「保留変化予告」が「無し」の表示態様が30%、「青」の表示態様が50%、「赤」の表示態様が20%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、「ハズレ」時の「スペシャルリーチ」演出態様時に選択される「保留変化予告」では、「ハズレ」時の「スーパーリーチ」演出態様と同様、「ハズレ」時の「非リーチ」演出態様又は「ノーマルリーチ」演出態様よりも「青」の表示態様が選択され易い設定(1%・10%→30%)となっている。また、「ハズレ」時の「非リーチ」演出態様、「ノーマルリーチ」演出態様又は「スーパーリーチ」演出態様よりも「赤」の表示態様が選択され易い設定(0%・10%→20%)となっている。
このように、「ハズレ」の変動演出であった場合でも、「大当たり」時にも発生し得る「保留変化予告」と同等の演出を実行することで、「大当たり」が発生するかもしれないと遊技者の大当たりへの期待感を増幅させ、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、第1実施形態のパチンコ機10では、「保留変化予告」と「V入賞チャンス演出
」とを同時に実行可能に構成されている。
従来、「保留変化予告」等の先読み演出を実行した場合、該「保留変化予告」が表示された段階で遊技者が該「保留変化予告」に該当する変動演出での大当たりを期待し、該変動演出が実行されるまでの間、球の発射を停止して、遊技を待機する傾向がある。この場合、「保留変化予告」に該当する変動演出の停止結果が導出されるまでの間、パチンコ機10の稼働が低下してしまう場合がある。
そこで、第1実施形態のパチンコ機10のように、「保留変化予告」と「V入賞チャンス演出」とを同時に実行可能に構成し、「保留変化予告」を現出させた場合であっても「V入賞チャンス演出」によって遊技者に球の発射を促して、パチンコ機10の稼働を向上させることができる。また、「保留変化予告」と「V入賞チャンス演出」とが重複することで遊技者の大当たりへの期待感をさらに増幅させて、遊技の興趣向上を図ることができる。
次いで、保留変化テーブル222fにおいて、「大当たり」時の「ノーマルリーチ」演出態様には、保留図柄又は実行図柄の色が、通常の表示態様(「白」)から変化しない「無し」と、青色に変化する「青」との2つの表示態様が選択可能に用意され、各表示態様に対して保留変化カウンタ223kの値が対応付けられている。なお、大当たり時の「ノーマルリーチ」演出態様では、「スーパーリーチ以上」が現出しないため、保留図柄又は実行図柄の色が赤色に変化する「赤」の表示態様が選択されないように、保留変化カウンタ223kの値が対応付けられていない。
図22の示す例では、「大当たり」時の「ノーマルリーチ」演出態様における保留変化カウンタ223kの値と「保留変化予告」との対応付けが、「無し」に対して「0〜29」、「青」に対して「30〜99」となっている。なお、「赤」に対しては値が割り振られていないため、「−」と表記する。
即ち、「大当たり」時の「ノーマルリーチ」演出態様が選択された場合は、「保留変化予告」が「無し」の表示態様が30%、「青」の表示態様が70%、「赤」の表示態様が0%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、「大当たり」時の「ノーマルリーチ」演出態様時に選択される「保留変化予告」では、「無し」の表示態様より「青」の表示態様が選択され易く(70%)、また、「ハズレ」時の「ノーマルリーチ」演出態様の場合より「保留変化予告」が発生し易いように設定されている。
保留変化テーブル222fにおいて、「大当たり」時の「スーパーリーチ」演出態様には、保留図柄又は実行図柄の色が、通常の表示態様(「白」)から変化しない「無し」と、青色に変化する「青」と、赤色に変化する「赤」との3つの表示態様が選択可能に用意され、各表示態様に対して保留変化カウンタ223kの値が対応付けられている。
図22の示す例では、「大当たり」時の「スーパーリーチ」演出態様における保留変化カウンタ223kの値と「保留変化予告」との対応付けが、「無し」に対して「0〜19」、「青」に対して「20〜79」、「赤」に対して「80〜99」となっている。
即ち、「大当たり」時の「スーパーリーチ」演出態様が選択された場合は、「保留変化予告」が「無し」の表示態様が20%、「青」の表示態様が60%、「赤」の表示態様が20%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、「大当たり」時の「スーパーリーチ」演出態様時に選択される「保留変化予告」では、「無し」の表示態様より「青」の表示態様が選択され易く(60%)、また、「ハズレ」時の「スーパーリーチ」演出態様の場合より「青」及び「赤」の表示態様の「保留変化予告」が選択され易いように設定されている(「青」:30%→60%、「赤」:10%→20%)。
保留変化テーブル222fにおいて、「大当たり」時の「スペシャルリーチ」演出態様には、保留図柄又は実行図柄の色が、通常の表示態様(「白」)から変化しない「無し」と、青色に変化する「青」と、赤色に変化する「赤」との3つの表示態様が選択可能に用意され、各表示態様に対して保留変化カウンタ223kの値が対応付けられている。
図22の示す例では、「大当たり」時の「スペシャルリーチ」演出態様における保留変化カウンタ223kの値と「保留変化予告」との対応付けが、「無し」に対して「0〜9」、「青」に対して「10〜49」、「赤」に対して「50〜99」となっている。
即ち、「大当たり」時の「スペシャルリーチ」演出態様が選択された場合は、「保留変化予告」が「無し」の表示態様が10%、「青」の表示態様が40%、「赤」の表示態様が50%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、「大当たり」時の「スペシャルリーチ」演出態様時に選択される「保留変化予告」では、「無し」の表示態様又は「青」の表示態様より「赤」の表示態様が選択され易く(50%)、また、「ハズレ」時の「スペシャルリーチ」演出態様の場合より「赤」の表示態様の「保留変化予告」が選択され易いように設定されている(20%→50%)。
このように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からの保留球数コマンドの受信時に、該保留球数コマンドが示す変動演出の当否および演出態様を把握し、その当否および演出態様に基づいて「保留変化予告」の実行可否および表示態様を決定するように構成することで、変動演出の実行前に該変動演出の結果を保留図柄によって遊技者に示唆し、その変動演出が実行されるまでの間、遊技者に保留されている変動演出が大当たりとなるか否かを予測させることで、遊技の興趣を高めることができる。
また、「大当たり」の変動演出であった場合に「保留変化予告」を実行し易く構成することで、「保留変化予告」が現出したことによって遊技者に大当たりへの期待感を持たせ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、「大当たり」の変動演出において、「保留変化予告」と「V入賞チャンス演出」とを同時に実行することで、「保留変化予告」の表示態様を確認して大当たり期待度を予測し、その予測結果に基づいて「V入賞チャンス演出」における球の発射可否を決定することが可能となる。よって、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる。
図20に戻って、説明を続ける。第1保留情報格納エリア223mは、保留されている第1特別図柄の変動演出等を行うための情報、即ち、主制御装置110において始動入賞に伴いカウンタ用バッファ203cより取得され、保留球数コマンドによって送信された第1特別図柄の変動演出に関する大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値とを格納するためのエリアである。
音声ランプ制御装置113は、第1保留情報格納エリア223mに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値と、ROM222に格納された各テーブル222a〜222dとを用いて、第1特別図柄の変動演出を実行するように構成されている。
第2保留情報格納エリア223nは、保留されている第2特別図柄の変動演出等を行うための情報、即ち、主制御装置110において始動入賞に伴いカウンタ用バッファ203cより取得され、保留球数コマンドによって送信された第2別図柄の変動演出に関する大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値とを格納するためのエリアである。
音声ランプ制御装置113は、第2保留情報格納エリア223nに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値と、ROM222に格納された各テーブル222a〜222dとを用いて、第2特別図柄の変動演出を実行するように構成されている。
実行情報格納エリア223oは、第3図柄表示装置81で実行中の第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出の情報、即ち、主制御装置110において始動入賞に伴いカウンタ用バッファ203cより取得され、保留球数コマンドによって送信された大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値とを格納するためのエリアである。
音声ランプ制御装置113のMPU221は、変動演出の実行開始タイミングであることを検出すると、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出の設定等を実行するために、上述した第1保留情報格納エリア223mの第1保留情報格納第1エリア、又は、第2保留情報格納エリア223nの第2保留情報格納第2エリアに記憶されている変動演出を行うための情報(カウンタC1〜C3,CS1等の各値)を、この実行情報格納エリア223oへシフトする。
ここで、図23を参照して、第1保留情報格納エリア223m、第2保留情報格納エリア223n及び実行情報格納エリア223oの詳細について説明する。図23は、第1保留情報格納エリア223m、第2保留情報格納エリア223n及び実行情報格納エリア223oの構成を模式的に示す模式図である。
第1保留情報格納エリア223mは、第1保留情報格納第1〜第4エリアの4つのエリアを有している。各第1保留情報格納第1〜第4エリアには、それぞれ、大当たり乱数カウンタC1の値が格納される大当たり乱数カウンタ格納エリア223m1と、大当たり種別カウンタC2の値が格納される大当たり種別カウンタ格納エリア223m2と、停止パターン選択カウンタC3の値が格納される停止パターン選択カウンタ格納エリア223m3と、変動種別カウンタCS1の値が格納される変動種別カウンタ格納エリア223m4とが少なくとも設けられている。
また、第2保留情報格納エリア223nは、第1保留情報格納エリア223mと同様、第2保留情報格納第1〜第4エリアの4つのエリアを有している。各第2保留情報格納第1〜第4エリアには、それぞれ、大当たり乱数カウンタC1の値が格納される大当たり乱数カウンタ格納エリア223n1と、大当たり種別カウンタC2の値が格納される大当たり種別カウンタ格納エリア223n2と、停止パターン選択カウンタC3の値が格納される停止パターン選択カウンタ格納エリア223n3と、変動種別カウンタCS1の値が格納される変動種別カウンタ格納エリア223n4とが少なくとも設けられている。
さらに、実行情報格納エリア223oには、現在実行中の第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出に対応する大当たり乱数カウンタC1の値が格納される大当たり乱数カウンタ格納エリア223o1と、大当たり種別カウンタC2の値が格納される大当たり種別カウンタ格納エリア223o2と、停止パターン選択カウンタC3の値が格納される停止パターン選択カウンタ格納エリア223o3と、変動種別カウンタCS1の値が格納される変動種別カウンタ格納エリア223o4とが少なくとも設けられている。
具体的には、実行情報格納エリア223oが、現在実行中の第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出に対応するエリアである。
また、第1保留情報格納第1エリアが、保留された第1特別図柄の変動演出のうち時間的に1番目に保留された第1特別図柄の変動演出に対応するエリアであり、第1保留情報格納第2エリアが、保留された第1特別図柄の変動演出のうち時間的に2番目に古く保留された第1特別図柄の変動演出に対応するエリアであり、第1保留情報格納第3エリアが、保留された第1特別図柄の変動演出のうち時間的に3番目に古く保留された第1特別図柄の変動演出に対応するエリアであり、第1保留情報格納第4エリアが、保留された第1特別図柄の変動演出のうち時間的に4番目に古く保留された第1特別図柄の変動演出に対応するエリアである。
さらに、第2保留情報格納第1エリアが、保留された第2特別図柄の変動演出のうち時間的に1番目に保留された第2特別図柄の変動演出に対応するエリアであり、第2保留情報格納第2エリアが、保留された第2特別図柄の変動演出のうち時間的に2番目に古く保留された第2特別図柄の変動演出に対応するエリアであり、第2保留情報格納第3エリアが、保留された第2特別図柄の変動演出のうち時間的に3番目に古く保留された第2特別図柄の変動演出に対応するエリアであり、第2保留情報格納第4エリアが、保留された第2特別図柄の変動演出のうち時間的に4番目に古く保留された第2特別図柄の変動演出に対応するエリアである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より保留球数コマンドを受信すると、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値と、対応する特別図柄とを、保留球数コマンドより抽出する。そして、音声ランプ制御装置113は、抽出した各カウンタC1〜C3,CS1の値をそれぞれ、対応する第1保留情報格納第1〜第4エリア又は第2保留情報格納第1〜第4エリアのうち該保留球数コマンドに含まれる保留球数に対応するエリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア223m1,223n1、大当たり種別カウンタ格納エリア223m2,223n2、停止パターン選択カウンタ格納エリア223m3,223n3、変動種別カウンタ格納エリア223m4,223n4に格納する。
具体的には、保留球数コマンドに含まれる保留球数がX(1≦X≦4)であって、第1特別図柄に対応するものであれば、その時点で保留されている第1特別図柄の変動演出の数はXであり、その保留球数コマンドに含まれる各カウンタC1〜C3,CS1の値は、保留された第1特別図柄の変動演出のうち時間的にX番目に保留された第1特別図柄の変動演出に対応したものとなるので、第1保留情報格納第Xエリアの各カウンタ格納エリア223m1〜223m4に対応するカウンタC1〜C3,CS1の値を格納する。このとき、主制御装置110では、保留球数コマンドに含めた各カウンタC1〜C3,CS1の値を第1保留球格納エリア203dの第1保留第Xエリアに格納する。つまり、主制御装置110の第1保留第Xエリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1と同じ値が、第1保留情報格納第Xエリアに格納されることになる。
一方、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より変動演出の開始を意味する変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドを受信すると、第1保留情報格納エリア223m又は第2保留情報格納エリア223nに格納された情報を、実行情報格納エリア223oに対してシフトする処理を実行する。つまり、第2特別図柄に関する保留情報が存在する場合は、時間的に1番目に保留された第2特別図柄の変動演出の実行が開始されるので、その1番目に保留された第2特別図柄の変動演出に対応する第2保留情報格納第1エリアの各格納エリア223n1〜223n4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、現在実行中の変動演出に対応する実行情報格納エリア223oの各格納エリア223o1〜223o4に移動させる。一方、第2特別図柄に関する保留情報が存在せず、第1特別図柄に関する保留情報のみが存在する場合は、時間的に1番目に保留された第1特別図柄の変動演出の実行が開始されるので、その1番目に保留された第1特別図柄の変動演出に対応する第1保留情報格納第1エリアの各格納エリア223m1〜223m4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、現在実行中の変動演出に対応する実行情報格納エリア223oの各格納エリア223o1〜223o4に移動させる。
また、第2保留情報格納第1エリアの各格納エリア223n1〜223n4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を実行情報格納エリア223oの各格納エリア223o1〜223o4に移動させた場合は、第2保留情報格納第2エリアの各格納エリア223n1〜223n4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、第2保留情報格納第1エリアの各格納エリア223n1〜223n4に移動させ、第2保留情報格納第3エリアの各格納エリア223n1〜223n4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、第2保留情報格納第2エリアの各格納エリア223n1〜223n4に移動させ、第2保留情報格納第4エリアの各格納エリア223n1〜223n4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、第2保留情報格納第3エリアの各格納エリア223n1〜223n4に移動させる。
さらに、第1保留情報格納第1エリアの各格納エリア223m1〜223m4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を実行情報格納エリア223oの各格納エリア223o1〜223o4に移動させた場合は、第1保留情報格納第2エリアの各格納エリア223m1〜223m4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、第1保留情報格納第1エリアの各格納エリア223m1〜223m4に移動させ、第1保留情報格納第3エリアの各格納エリア223m1〜223m4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、第1保留情報格納第2エリアの各格納エリア223m1〜223m4に移動させ、第1保留情報格納第4エリアの各格納エリア223m1〜223m4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、第1保留情報格納第3エリアの各格納エリア223m1〜223m4に移動させる。
これにより、実行情報格納エリア223oには、主制御装置110の保留球実行エリア203fに格納された各カウンタC1〜C3,CS1と同じ値が格納されることになる。また、第1保留情報格納第1〜第4エリア及び第2保留情報格納第1〜第4エリアには、それぞれ、主制御装置110の第1保留球格納エリア203dの第1保留第1〜第4エリア、及び、第2保留球格納エリア203eの第2保留第1〜第4エリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1と同じ値が格納されることになる。つまり、音声ランプ制御装置113には、主制御装置110にて実行中および保留中の第1特別図柄及び第2特別図柄の変動演出に対応する各カウンタC1〜C3,CS1が、実行情報格納エリア223o並びに第1保留情報格納エリア223m及び第2保留情報格納エリア223nに格納される。
音声ランプ制御装置113では、上述した「保留変化予告」や「V入賞チャンス演出」等の先読み処理を行う場合に、サブ第1保留球数カウンタ223b及びサブ第2保留球数カウンタ223cから保留されている第1特別図柄及び第2特別図柄の変動演出の数(保留球数)を把握する。そして、その保留球数に基づき、第1保留情報格納第1〜第4エリア及び第2保留情報格納第1〜第4エリアのうち、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出が保留されているエリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を先読みし、その変動演出において大当たりとなるか否かや、変動時間等が判定される。
具体的には、例えば、サブ第1保留球数カウンタ223bの値が「1」であって、サブ第2保留球数カウンタ223cの値が「0」であれば、第1特別図柄の変動演出の保留球数が1回であって第2特別図柄の変動演出の保留球数が0回であるので、第1保留情報格納第1エリアについて、格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を先読みし、判定を行う。また、サブ第1保留球数カウンタ223bの値が「0」であって、サブ第2保留球数カウンタ223cの値が「4」であれば、第1特別図柄の変動演出の保留球数が0回であって第2特別図柄の変動演出の保留球数が4回であるので、第2保留情報格納第4エリアについて、格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を先読みし、判定を行う。
パチンコ機10は、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ一方向にのみコマンドが送信されるように構成されており、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110のRAM203等にアクセスすることはできない。これに対し、音声ランプ制御装置113は、第1保留情報格納エリア223m及び第2保留情報格納エリア223nを設けて、主制御装置110にて保留された第1特別図柄及び第2特別図柄の変動演出に対応する各カウンタC1〜C3,CS1を音声ランプ制御装置113にも格納するので、この第1保留情報格納エリア223m及び第2保留情報格納エリア223nに格納された各カウンタC1〜C3,CS1を参照することで、先読み処理を音声ランプ制御装置113にて実行できるようになっている。即ち、保留された第1特別図柄又は/及び第2特別図柄の変動演出が実行された場合に、その変動演出の結果がどのようになるか(大当たりとなるか否か、変動時間はどうなるか等)を変動演出の実行前に判断して、各種の演出の実行を決定することができる。
また、音声ランプ制御装置113は、第1保留情報格納エリア223m及び第2保留情報格納エリア223nに記憶される各変動演出の演出態様を先読みすることで、V開放大当たりが発生する変動演出の始動入賞発生時に、該V開放大当たりに基づくV入賞装置72が開放されたタイミングでV入賞口74aへ球が入賞し得る状況となるか否かを把握可能となる。そして、V開放大当たりに当選した場合に所定割合で「V入賞チャンス演出」を実行し、現状のままではV入賞口74aに球が入賞し得ない場合には、該「V入賞チャンス演出」中に遊技者に球の発射を促す。その結果、変動短縮機能が作動する保留球数になるまで変動演出を保留させた場合には、少なくともV開放大当たりの変動演出が開始される前までに変動短縮機能を作動させることで、V入賞口74aに球が入賞し得ない状況からV入賞口74aに球が入賞し得る状況へと変化させることができる。
なお、第1保留情報格納エリア223m又は第2保留情報格納エリア223n、および、実行情報格納エリア223oにおける上述のシフト処理は、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドを受信したときの保留球数(変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドの受信に基づく更新が行われる前のサブ第1保留球数カウンタ223b及びサブ第2保留球数カウンタ223cの値)に基づいて、第1保留情報格納第1〜第4エリア及び第2保留情報格納第1〜第4エリアのうち保留されている変動演出に対応するエリアについてのみデータの移動(シフト)を行う。
例えば、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドを受信したときの更新前のサブ第1保留球数カウンタ223bの値が「4」であり、第1保留情報格納エリア223mの全エリア(第1保留情報格納第1〜第4エリア)にデータが記憶されているとする。この場合、第1保留情報格納第1エリアのデータを実行情報格納エリア223oへシフトし、第2保留情報格納第2エリアのデータを第1保留情報格納第1エリアへシフトし、第1保留情報格納第3エリアのデータを第1保留情報格納第2エリアへシフトし、第1保留情報格納第4エリアのデータを第1保留情報格納第3エリアへシフトする。
一方、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドを受信したときの更新前のサブ第1保留球数カウンタ223bの値が「2」であれば、第1保留情報格納第1エリアのデータを実行情報格納エリア223oへシフトし、第1保留情報格納第2エリアのデータを第1保留情報格納第1エリアへシフトして、データのシフトを終了する。上述したように、本実施形態では、変動演出が保留されていない第1保留情報格納第3,第4エリアについては、データのシフト処理を行わないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
なお、データの有無に関わらず、第1保留情報格納第1〜第4エリア又は第2保留情報格納第1〜第4エリアの各データを、エリア番号が1小さいエリア(実行情報格納エリア223o又は第1保留情報格納第1〜第3エリア若しくは第2保留情報格納第1〜第3エリア)にそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、第1保留情報格納第1〜第4エリア又は第2保留情報格納第1〜第4エリアの各々のエリアについて、データが記憶(保留)されているか否かの判定を不用とするので、プログラムの作成を容易とすることができる。
図20に戻って説明を続ける。RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。
コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理(図39参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における特別図柄の変動演出や「V入賞チャンス演出」、或いは、「保留変化予告」等の連続予告演出を制御するものである。
次に、図24から図36のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2ミリ秒周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがある。ここでは、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図24は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば4ミリ秒毎に繰り返し実行される定期処理である。MPU201がこのタイマ割込処理を実行することによって、定期的に実行すべき各種の処理が行われる。
このタイマ割込処理では、まず、V入賞装置72内のV入賞口74aの開閉処理を行うV駆動処理を実行する(S101)。上述したように、第1実施形態のパチンコ機10では、20秒周期でV入賞口74aの開閉が行われる。具体的には、「10秒」ごとにV振分駆動ソレノイド73cのオンとオフとを切り替えることで、V入賞口74aを開閉する振分板73aの駆動態様を変化させるように構成されている。
ここで、図25を参照して、V駆動処理(S101)について説明する。図25は、主制御装置内のMPU201により実行されるV駆動処理(S101)を示すフローチャートである。
このV駆動処理(S101)では、まず、V駆動タイマ203kの値を「1」加算する(S151)。主制御装置110のタイマ割込処理(図24参照)は、「4ミリ秒」ごとに実行されるため、S151の処理を行うことで、このV駆動タイマ203kの値も、「4ミリ秒」ごとに「1」ずつ増加する。
次いで、S151で加算したV駆動タイマ203kの値が「2500」より大きい値となったか否かを判別する(S152)。判別の結果、V駆動タイマ203kの値が「2500」より大きい値でなければ(S152:No)、V振分駆動ソレノイド73cの駆動態様の切替タイミングが未だ到来していないということなので、以降の処理をスキップして、このV駆動処理(S101)を終了する。V駆動処理(S101)の終了後は、タイマ割込処理(図24参照)に戻る。
一方、S152の処理において、V駆動タイマ203kの値が「2500」より大きい値であると判別された場合は(S152:Yes)、V駆動タイマ203kが初期化されてから少なくとも「2500×4ミリ秒=10秒」経過したということなので、V振分駆動ソレノイド73cの切替タイミングが到来したことになる。よって、次に、V振分駆動ソレノイド73cの駆動態様を切り替えるべく、まず、V振分駆動ソレノイド73cがオン中か否かを判別する(S153)。そして、V振分駆動ソレノイド73cがオン中であると判別された場合は(S153:Yes)、V振分駆動ソレノイド73cをオンしてから「10秒」経過したタイミングであるので、V振分駆動ソレノイド73cをオフして(S154)、V駆動タイマ203kの値を「0」クリアし(S157)、このV駆動処理(S101)を終了する。V駆動処理(S101)の終了後は、タイマ割込処理(図24参照)に戻る。S154の処理においてV振分駆動ソレノイド73cをオフすることで、振分装置73により左側経路74が閉塞されて右側経路75が開放された状態となる。
一方、S153の処理において、V振分駆動ソレノイド73cがオン中でないと判別された場合、即ち、V振分駆動ソレノイド73cがオフ中であれば(S153:No)、V振分駆動ソレノイド73cをオフしてから「10秒」経過したタイミングであるので、V振分駆動ソレノイド73cをオンして(S155)、V振分駆動ソレノイド73cがオンされたことによってV入賞口74aが開放された(球が流入し得る)タイミングになったことを示すV開放中コマンドを設定し(S156)、処理をS157へ移行する。S155の処理においてV振分駆動ソレノイド73cをオンすることで、振分装置73により右側経路75が閉塞されて左側経路74が開放された状態となる。
ここで設定されたV開放中コマンドは、後述するタイマ割込処理の外部出力処理(図23のS102参照)において、音声ランプ制御装置113へと直ちに送信される。このように、V入賞口74aが開放された直後にV開放中コマンドを音声ランプ制御装置113へ直ちに送信することで、主制御装置110で把握しているV入賞口74aの開放タイミングと音声ランプ制御装置113で把握しているV入賞口74aの開放タイミングとを同調(略同調)させることが可能となる。
音声ランプ制御装置113は、このV開放中コマンドを受信すると、RAM223に設けられたサブV駆動タイマ223dに「20000」をセットし(図39のS1202参照)、V入賞口74aが開放されたタイミングとなったことを把握可能に構成されている。
図24に戻って、説明を続ける。V駆動処理(S101)の終了後は、次いで、外部出力処理を実行する(S102)。タイマ割込処理やメイン処理では、各種処理に基づいて、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等へ送信すべきコマンド等を生成し、RAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦記憶する。S102の外部出力処理では、このコマンド送信用リングバッファに記憶されたコマンド等の出力データを、サブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する。
例えば、上述したように、V駆動処理(図25参照)で設定されたV開放中コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。また、後述する始動入賞処理(図26参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。さらに、特図変動処理(図27参照)や該特図変動処理の一処理である変動開始処理(図28参照)で設定された変動パターンコマンド、停止種別コマンド、確定コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、後述する大当たり処理(図29参照)で設定されたオープニングコマンド、V入賞装置開放コマンド、V入賞装置閉鎖コマンド、可変入賞装置開放コマンド、可変入賞装置閉鎖コマンド、V獲得コマンド、エンディングコマンド等を音声ランプ制御装置113へ送信する。その他、後述の発射制御処理(図24のS113参照)において球の発射を行う場合に設定された球発射信号を、発射制御装置112に送信する。なお、この外部出力処理(S102)において、遊技価値(「確率変動状態」)の付与に直結し得るV開放中コマンドを優先的に出力するように構成してもよい。
次に、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S103)、次いで、第1図柄(第3図柄)の大当たり時における処理を実行する大当たり処理を実行する(S104)。この大当たり処理(S104)については、図29において後述する。
S104の後は、次に、普通電役71aの駆動制御処理を実行する普通電役制御処理を実行する(S105)。簡単に説明すると、球がスルーゲート67を通過したことを条件に普通図柄表示装置83にて普通図柄の可変表示が実施され、普通図柄の可変表示の結果、普通図柄の当たり図柄(例えば、「○」図柄)が現出して当たり状態となると、普通電役71aを所定時間開放状態とする一方、普通図柄のハズレ図柄(例えば、「×」図柄)が現出した場合は、普通電役71aの閉鎖状態を維持する。
S105の処理の後は、次いで、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S106)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチ208の状態を読み込むと共に、当該スイッチ208の状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。また、入賞検知情報に基づいて払出制御装置111に対して送信すべき獲得球数に対応する賞球コマンドをRAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに設定する。これにより、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(S102)によって、所定の賞球コマンドが払出制御装置111に向けて送信される。さらに、V入賞口スイッチ74bにおける球の検知情報に基づいて、音声ランプ制御装置113に対してV入賞口74aに球が入賞したことを示すV獲得コマンドをRAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する。これにより、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(S102)によって、V獲得コマンドが音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S107)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(第1実施形態では、「899」)に達した際、「0」にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ203c領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(第1実施形態では、「99」)に達した際、「0」にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するカウンタ用バッファ203c領域に格納する。
次いで、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1及び普図当たりカウンタC4の更新を実行する(S108)。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1及び普図当たりカウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(第1実施形態では、それぞれ、「899」,「99」,「99」,「99」,「99」)に達した際、それぞれ「0」にクリアする。また、大当たり乱数カウンタC1又は普図当たりカウンタC4が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1又は第2初期値乱数カウンタCINI2の値を当該大当たり乱数カウンタC1又は普図当たりカウンタC4の初期値として読み込み、その初期値を大当たり乱数カウンタC1又は普図当たりカウンタC4に設定する。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ203c領域に格納する。
次に、第1始動口64又は第2始動口71への入賞に伴う始動入賞処理を実行する(S109)。なお、この始動入賞処理(S109)の詳細は、図26を参照して後述する。
次いで、スルーゲート67への球の通過有無を判断するゲート通過処理を実行する(S110)。このゲート通過処理(S110)においてスルーゲート67を球が通過したと判別された場合に、普図当たりカウンタC4の値がカウンタ用バッファ203cから取得され、その普図当たりカウンタC4の値が普図保留球格納エリア203hに格納されるとともに普通図柄保留ランプ84に普通図柄の可変表示の保留数が表示等される。
ゲート通過処理(S110)を実行した後は、上記始動入賞処理(S109)の処理内容に基づいて特別図柄表示装置37による各特別図柄の動的表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特図変動処理を実行する(S111)。なお、特図変動処理(S111)の詳細は図27を参照して後述する。
次いで、上記ゲート通過処理(S110)の処理内容に基づいて、普通図柄の当否判別を行うとともに、該判別結果に基づく普通図柄の可変表示を普通図柄表示装置83において行うための設定処理である普図変動処理を実行する(S112)。この普図変動処理(S112)では、普通図柄の当たり確率が高確率状態か低確率状態かに応じて、普通図柄の当否抽選が行われる。そして、当否抽選の結果に基づいて普通図柄の可変表示を行うとともに、該当否結果に応じた表示結果を普通図柄表示装置83に表示する。
普図変動処理(S112)を実行した後は、発射制御処理を実行し(S113)、さらに、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S114)、このタイマ割込処理を終了する。
なお、発射制御処理(S113)は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。そして、球の発射がオンである場合、発射制御装置112へ球発射信号を送信するために、その球発射信号の情報を、RAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する。これにより、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(S102)によって、球発射信号が払出制御装置111を介して発射制御装置112へ送信される。
次に、図26のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図24参照)の一処理である始動入賞処理(S109)を説明する。図26は、この始動入賞処理(S109)を示すフローチャートである。
始動入賞処理(S109)は、第1始動口64又は第2始動口71への球の入賞の有無を判断し、入賞があった場合は、各カウンタC1〜C3,CS1の値を入賞した入賞口64,71に対応する第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203eに格納する(保留する)処理を実行する。また、保留する各カウンタC1〜C3,CS1の値を保留球数と合わせて音声ランプ制御装置113へ送信するための処理を実行する。
MPU201は、この始動入賞処理(S109)において、まず、球が第1始動口64に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S201)。ここでは、スイッチ読み込み処理(図24ののS106参照)において読み込んだ、第1始動口64への入球(入賞)を検出する第1始動口スイッチ(図示せず)の出力信号に基づいて、第1始動口64への入球を3回のタイマ割込処理(図24参照)にわたって検出する。
球が第1始動口64に入賞した(始動入賞があった)と判別されると(S201:Yes)、次いで、第1保留球数カウンタ203aの値(主制御装置110において保留されている第1特別図柄の動的表示(変動演出)の作動保留球数N1)が上限値(第1実施形態では、「4」)未満であるか否かを判別する(S202)。そして、第1始動口64への入賞があっても作動保留球数N1<4でなければ(S202:No)、この始動入賞処理(S109)を終了し、タイマ割込処理(図24参照)へ戻る。
一方、作動保留球数N1<4であれば(S202:Yes)、第1保留球数カウンタ203aの値(作動保留球数N1)を1加算する(S203)。そして、今回、第1特別図柄に対応する第1始動口64への入賞であるので、第1保留球格納エリア203dを各乱数値C1〜C3,CS1の格納先として設定し(S204)、処理をS209へ移行する。
S201の処理において、球が第1始動口64へ入賞していないと判別された場合(S201:No)、次いで、球が第2始動口71に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S205)。ここでは、第1始動口64と同様、スイッチ読み込み処理(図24のS106参照)において読み込んだ、第2始動口71への入球(入賞)を検出する第2始動口スイッチ(図示せず)の出力信号に基づいて、第2始動口71への入球を3回のタイマ割込処理(図24参照)にわたって検出する。
球が第2始動口71に入賞した(始動入賞があった)と判別されると(S205:Yes)、次いで、第2保留球数カウンタ203bの値(主制御装置110において保留されている第2特別図柄の動的表示(変動演出)の作動保留球数N2)が上限値(第1実施形態では、「4」)未満であるか否かを判別する(S206)。そして、第2始動口71への入賞がないか(S205:No)、或いは、第2始動口71への入賞があっても作動保留球数N2<4でなければ(S206:No)、この始動入賞処理(S109)を終了して、タイマ割込処理(図24参照)へ戻る。
一方、作動保留球数N2<4であれば(S206:Yes)、第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N2)を1加算する(S207)。そして、今回、第2特別図柄に対応する第2始動口71への入賞であるので、第2保留球格納エリア203eを各乱数値C1〜C3,CS1の格納先として設定し(S208)、処理をS209へ移行する。
S209の処理では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値をカウンタ用バッファ203c(図7参照)から読み出し、S204又はS208で格納先として設定された第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203eに設けられた第1保留第1〜第4エリア又は第2保留第1〜第4エリアのうち、第1保留球格納エリア203dが格納先として指定されている場合は第1保留球数カウンタ203aで示される値に対応するエリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1、大当たり種別カウンタ格納エリア203d2、停止パターン選択カウンタ格納エリア203d3及び変動種別カウンタ格納エリア203d4に各々保留(格納)する(S209)。また、第2保留球格納エリア203eが格納先として指定されている場合は第2保留球数カウンタ203bで示される値に対応するエリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203e1、大当たり種別カウンタ格納エリア203e2、停止パターン選択カウンタ格納エリア203e3及び変動種別カウンタ格納エリア203e4に各々保留(格納)する(S209)。
具体的には、例えば、第1始動口64への入賞に基づくS204の処理において第1保留球格納エリア203dが格納先として設定され、また、S203の処理による加算後の第1保留球数カウンタ203aの値が「1」であれば、第1保留第1エリアの各格納エリアにそれぞれカウンタC1〜C3,CS1の値が保留される。また、加算後の第1保留球数カウンタ203aの値が「2」であれば第1保留第2エリアの各格納エリアに、加算後の第1保留球数カウンタ203aの値が「3」であれば第1保留第3エリアの各格納エリアに、加算後の第1保留球数カウンタ203aの値が「4」であれば第1保留第4エリアの各格納エリアに、各々カウンタC1〜C3,CS1の値が保留される。
また、例えば、第2始動口71への入賞に基づくS208の処理において第2保留球格納エリア203eが格納先として設定され、また、S207の処理による加算後の第2保留球数カウンタ203bの値が「1」であれば、第2保留第1エリアの各格納エリアにそれぞれカウンタC1〜C3,CS1の値が保留される。また、加算後の第2保留球数カウンタ203bの値が「2」であれば第2保留第2エリアの各格納エリアに、加算後の第2保留球数カウンタ203bの値が「3」であれば第2保留第3エリアの各格納エリアに、加算後の第2保留球数カウンタ203bの値が「4」であれば第2保留第4エリアの各格納エリアに、各々カウンタC1〜C3,CS1の値が保留される。
次に、S203又はS207の処理による加算後の第1保留球数カウンタ203a又は第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N1又は作動保留球数N2)と、S209の処理により第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203eに格納(保留)した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値を含む保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信するために、該保留球数コマンドをRAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに設定する(S210)。これにより、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図24のS102参照)によって、保留球数コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信される。S210の処理を終えると、この始動入賞処理(S109)を終了し、タイマ割込処理(図24参照)に戻る。
なお、S210の処理において保留球数コマンドに含める各カウンタC1〜C3,CS1の値は、S209の処理によりカウンタ用バッファ203cから読み出した値そのものを用いてもよいし、S209の処理において第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203eに格納(保留)された値を読み出したものを用いてもよい。
また、S201及びS205の処理において、第1始動口64及び第2始動口71に同時に球が入賞した場合は、第1始動口64への球の入賞処理を優先的に実行し、第2始動口71への球の入賞処理を待機し、次のタイマ割込処理(図24参照)における始動入賞処理(S109)において、該待機した第2始動口71への球の入賞処理を実行するように構成してもよい。
次に、図27を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図24参照)の一処理である特図変動処理(S111)について説明する。図27、この特図変動処理(S111)を示すフローチャートである。
この特図変動処理(S111)は、第1特別図柄および第2特別図柄に関する特別図柄表示装置37における動的表示や、第3図柄表示装置81にて行う変動演出に関する制御を行うものである。
MPU201は、この特図変動処理(S111)において、まず、今現在、第1特別図柄又は第2特別図柄のいずれか一方が大当たり中であるか否かを判別する(S301)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81及び特別図柄表示装置37で表示される大当たり遊技の最中と、大当たり遊技開始前(即ち、大当たりオープニング)の所定時間の最中と、大当たり遊技終了後(即ち、大当たりエンディング)の所定時間の最中とが含まれる。S301における判別の結果、いずれかの特別図柄の大当たり中であれば(S301:Yes)、そのまま特図変動処理(S111)を終了し、タイマ割込処理(図24参照)に戻る。
S301の処理において、大当たり中でないと判別された場合は(S301:No)、次に、特別図柄表示装置37の表示態様が動的表示中であるか否かを判別し(S302)、特別図柄表示装置37の表示態様が動的表示中でなければ(S302:No)、次いで、特別図柄表示装置37における動的表示が停止後、所定時間経過したか否かを判別する(S303)。その結果、動的表示の停止後、所定時間経過していなければ(S303:No)、タイマ割込処理(図24参照)へ戻る。これにより、動的表示(変動演出)における停止図柄が所定時間だけ特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者に対して、その停止図柄を視認させることができる。
一方、S303の処理の結果、動的表示の停止後、所定時間経過していれば(S303:Yes)、第2保留球数カウンタ203bの値(主制御装置110において保留されている第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)の作動保留球数N2)が「0」よりも大きいか否かを判別する(S304)。その結果、第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N2)が「0」でなければ(S304:Yes)、第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)の実行開始タイミングであると判断し、まず、第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N2)を1減算する(S305)。これは、後述する変動開始処理(S310)によって、保留されていた第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)のうち1の動的表示(変動演出)の実行が開始されるため、第2特別図柄に関する保留球数が1つ減少するためである。
次いで、第2保留球格納エリア203eに格納されたデータをシフト処理する(S306)。このデータシフト処理(S306)は、第2保留球格納エリア203eの第2保留第1〜第4エリアに格納されているデータを保留球実行エリア203fへ向けて順にシフトさせる処理であって、第2保留第1エリア→保留球実行エリア203f、第2保留第2エリア→第2保留第1エリア、第2保留第3エリア→第2保留第2エリア、第2保留第4エリア→第2保留第3エリアといった具合に、各エリア内のデータがシフトされる。
一方、S304の処理において、第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N2)が「0」であると判別されると(S304:No)、次に、第1保留球数カウンタ203aの値(主制御装置110において保留されている第1特別図柄に関する動的表示(変動演出)の作動保留球数N1)が「0」よりも大きいか否かを判別する(S307)。その結果、第1保留球数カウンタ203aの値(作動保留球数N1)が「0」でなければ(S307:Yes)、第1特別図柄に関する動的表示(変動演出)の実行開始タイミングであると判断し、まず、第1保留球数カウンタ203aの値(作動保留球数N1)を1減算する(S308)。これは、後述する変動開始処理(S310)によって、保留されていた第1特別図柄に関する動的表示(変動演出)のうち1の動的表示(変動演出)の実行が開始されるため、保留球数が1つ減少するためである。
次いで、第1保留球格納エリア203dに格納されたデータをシフト処理する(S309)。このデータシフト処理(S309)は、第1保留球格納エリア203dの第1保留第1〜第4エリアに格納されているデータを保留球実行エリア203fへ向けて順にシフトさせる処理であって、第1保留第1エリア→保留球実行エリア203f、第1保留第2エリア→第1保留第1エリア、第1保留第3エリア→第1保留第2エリア、第1保留第4エリア→第1保留第3エリアといった具合に、各エリア内のデータがシフトされる。
S306又はS309のデータシフト処理の後は、データシフト処理により保留球実行エリア203fに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81に対する変動開始処理を実行し(S310)、タイマ割込処理(図24参照)に戻る。なお、変動開始処理(S310)については、図28を参照して後述する。
S307の処理において、第1保留球数カウンタ203aの値(作動保留球数N1)が「0」であると判別されると(S307:No)、第3図柄表示装置81においてデモ演出が行われている状態であるか否か、即ち、デモ中であるか否かを判別する(S311)。この判別処理では、音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114にデモコマンドを送信した後、第1保留球数カウンタ203a又は第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N1又は作動保留球数N2)のいずれかの値が「0」より大きいと判断されるまでの間をデモ中として判別する。
そして、デモ中ではないと判別された場合は(S311:No)、音声ランプ制御装置113へ送信すべきデモコマンドを設定して(S312)、タイマ割込処理(図24参照)に戻る。一方、デモ中であると判別された場合は(S311:Yes)、そのままタイマ割込処理(図24参照)に戻る。S312の処理で設定されたデモコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図24のS102参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
音声ランプ制御装置113は、デモコマンドを受信すると、表示用デモコマンドを表示制御装置114へ送信し、表示制御装置114は、表示用デモコマンドの受信に基づいて、第3図柄表示装置81にデモ演出を表示するように制御を行う。
ここで、デモコマンドが設定されるのは、上述したように、変動停止後、所定時間が経過したときに保留球が1つも存在しない場合である。よって、変動停止後、所定時間経過しても変動演出が開始されない場合は、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示される。
なお、S311の処理においてデモ中ではない(S311:No)と判断された場合に、さらに、変動停止後、前記所定時間よりも長い第2の所定時間が経過したか否かを判断する処理を実行し、変動停止後、第2の所定時間が経過したことをもってS312の処理を実行してデモコマンドを設定するようにしてもよい。これにより、変動停止後、保留球が1つも存在しない場合に、すぐにデモ演出を開始することなく、比較的長い時間、その停止した変動演出の停止図柄を遊技者に見せることができる。
S302の処理において、特別図柄表示装置37の表示態様が動的表示中であると判別されると(S302:Yes)、動的表示時間(変動時間)が経過したか否かを判別する(S313)。特別図柄表示装置37の動的表示中の表示時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この動的表示時間(変動時間)が経過していなければ(S313:No)、特別図柄表示装置37の表示を更新して(S314)、タイマ割込処理(図24参照)に戻る。
第1実施形態では、特別図柄表示装置37の第2LED群37bにおいて、動的表示が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、変動している特別図柄に対応する第2LED群37b(即ち、上方LED群37b1又は下方LED群37b2)が所定の点灯パターンで点灯又は消灯する表示態様が設定される。
一方、特別図柄表示装置37における動的表示の動的表示時間(変動時間)が経過していれば(S313:Yes)、特別図柄表示装置37に対して、停止図柄に対応した表示態様を設定する(S315)。停止図柄は、図28を参照して後述する変動開始処理(S310)によって予め設定される。変動開始処理(S310)では、S306又はS309の処理によって保留球実行エリア203fに格納された大当たり乱数カウンタC1の値に応じて大当たりか否かが決定され、大当たりである場合には、大当たり種別カウンタC2の値により、大当たり種別に対応する図柄が決定される。
第1実施形態では、判定結果がハズレである場合には、最も左側のLEDのみが点灯表示され、判定結果が大当たりである場合には、該大当たりの種類(種別)に対応した点灯パターンで各LED群が点灯表示される。
S315の処理で停止図柄に対応した特別図柄表示装置37の表示態様が設定されると、第3図柄表示装置81における変動演出の停止図柄を、特別図柄表示装置37における第2LED群37bの表示と同調して確定表示させるために、確定コマンドを設定して(S316)、処理をS317へ移行する。確定コマンドは、第3図柄表示装置81にて実行中の変動演出を確定表示させるためコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、この確定コマンドを受信すると、表示制御装置114に対して表示用確定コマンドを送信する。表示制御装置114は、表示用確定コマンドを受信することによって、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出を停止して、停止図柄を確定表示させるように構成されている。
S317の処理では、「確率変動状態」か否かを判別するために、RAM203に設けられたSTカウンタ(図示せず)の値が「0」よりも大きいか否かを判別する(S317)。このSTカウンタは、後述する大当たり処理内の大当たり終了処理(図29のS411参照)において、確変移行フラグ203jがオンに設定されている場合、即ち、「確率変動状態」が開始される場合に、「100」がセットされるように構成されている(図33のS482参照)。
S317の処理において、STカウンタの値が「0」でなければ(S317:Yes)、「確率変動状態」であり、いずれかの特別図柄の動的表示(変動演出)が1回終了したので、STカウンタの値を1減算し(S318)、処理をS319へ移行する。一方、S317の処理において、STカウンタの値が「0」以下であれば(S317:No)、「通常遊技状態」又は「時間短縮状態」であるので、S318の処理をスキップして、処理をS319へ移行する。なお、S318の処理で減算したSTカウンタの値が「0」となったタイミングで、遊技状態が「確率変動状態」から「通常遊技状態」に移行するように構成されている(図示せず)。
S319の処理では、「時間短縮状態」か否かを判別するために、RAM203に設けられた時短カウンタ(図示せず)の値が「0」よりも大きいか否かを判別する(S319)。この時短カウンタは、後述する大当たり処理内の大当たり終了処理(図29のS411参照)において、確変移行フラグ203jがオフである場合に、「100」がセットされる(図33のS484参照)。
S319の処理において、時短カウンタの値が「0」でなければ(S319:Yes)、「時間短縮状態」であり、いずれかの特別図柄の動的表示(変動演出)が1回終了したので、時短カウンタの値を1減算し(S320)、この特図変動処理(S110)を終了し、タイマ割込処理(図24参照)に戻る。一方、S319の処理において、時短カウンタの値が「0」以下であれば(S319:No)、「時間短縮状態」ではないため、S320の処理をスキップして、この特図変動処理(S111)を終了し、タイマ割込処理(図24参照)に戻る。なお、S320の処理で減算した時短カウンタの値が「0」となったタイミングで、遊技状態が「時間短縮状態」から「通常遊技状態」に移行するように構成されている(図示せず)。
次に、図28を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特図変動処理(S111)の一処理である変動開始処理(S310)について説明する。図28は、変動開始処理(S310)を示したフローチャートである。この変動開始処理(S310)は、遊技状態に応じて保留球実行エリア203fに格納された各種カウンタの値に基づき、大当たり又はハズレの抽選(大当たり抽選)を行うと共に、特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる動的表示および変動演出の動的パターン(変動パターン及び停止種別)等を決定する。
変動開始処理(S310)では、まず、遊技状態を判別するために、RAM203に設けられたSTカウンタ(図示せず)の値が「0」よりも大きいか否かを判別する(S321)。判別の結果、STカウンタの値が「0」であれば(S321:No)、遊技状態が「通常遊技状態」又は「時間短縮状態」であり、各特別図柄の大当たり確率が低確率状態であるので、低確率状態用の大当たり乱数テーブル202aを設定し(S322)、処理をS324へ移行する。一方、STカウンタの値が「0」よりも大きい値であると判別された場合は(S323:Yes)、遊技状態が「確率変動状態」であり、特別図柄の大当たり確率が高確率状態であるので、高確率状態用の大当たり乱数テーブル202aを設定し(S323)、処理をS324へ移行する。
S324の処理では、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値と、S322又はS323において設定された大当たり乱数テーブル202a(図8参照)とに基づいて大当たりか否かを判別する大当たり抽選(当否判定)処理を行う(S324)。
第1実施形態のパチンコ機10では、大当たりか否かは大当たり乱数カウンタC1の値とその時々の遊技状態(モード)との関係に基づいて判別される。上述した通り、大当たり乱数テーブル202aにおいて、パチンコ機10の取りうる遊技状態(モード)が通常の低確率状態(「通常遊技状態」又は「時間短縮状態」)にある場合には、「7,307,582」が大当たり乱数値として規定される。また、パチンコ機10の取りうる遊技状態(モード)が高確率状態(「確率変動状態」)にある場合には「28,122,298,390,486,567,656,750,866」が大当たり乱数値として規定される。
S324の処理では、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値と、これら大当たり乱数テーブル202aにて規定される大当たり乱数値とを比較して、それらが一致する場合に、大当たりであると判別する。S324の処理の結果、大当たりであると判別された場合(S324:Yes)、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり種別カウンタC2の値と、第1特別図柄に対応する特図1大当たり種別テーブル202b1(図9(a)参照)又は第2特別図柄に対応する特図2大当たり種別テーブル202b2(図9(b)参照)とに基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S325)。
この処理では、大当たり種別テーブル202bによって、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別、即ち、「15ラウンドV開放大当たり」か、「7ラウンドV開放大当たり」か、「15ラウンドV閉鎖大当たり」か、「7ラウンドV閉鎖大当たり」か、が判別される。そして、判別された大当たり種別に基づいて、特別図柄表示装置37における大当たり時の表示態様(第2LED群37bの表示態様)が設定される。
具体的には、保留球実行エリア203fに格納されているデータが第1保留球格納エリア203dからシフトされたデータであった場合、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり種別カウンタC2の値と、特図1大当たり種別テーブル202b1(図9(a)参照)とに基づいて大当たり種別が決定される。また、保留球実行エリア203fに格納されているデータが第2保留球格納エリア203eからシフトされたデータであった場合、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり種別カウンタC2の値と、特図2大当たり種別テーブル202b2(図9(b)参照)とに基づいて大当たり種別が決定される。
次に、大当たり時の変動パターンを決定し(S326)、S329の処理へ移行する。具体的には、S325で決定された大当たり種別(表示態様)と、保留球実行エリア203fに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値と、第1保留球数カウンタ203a又は(及び)第2保留球数カウンタ203bの値と現在の遊技状態とに基づいて大まかな演出態様を選択し、その選択された大まかな演出態様の中から変動種別カウンタCS1の値に基づいて具体的な動的表示(変動演出)の動的時間(変動時間)が決定される。この大当たり時の変動パターンの決定では、まず、その大当たり種別(表示態様)に応じて、使用する停止パターンテーブル202dを選択する。
具体的には、S326の処理では、大当たり用に設けられた停止パターンテーブル202dのCテーブル202d3又はDテーブル202d4において、保留球実行エリア203fに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に対応付けられた演出態様を選択する。そして、選択された演出態様毎に設けられた大当たり用変動パターンテーブル202e2において、保留球実行エリア203fに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。そして、予め規定された変動パターンと変動時間との関係に基づいて、変動時間が設定される。
一方、S324の処理で大当たりではないと判別された場合には(S324:No)、ハズレ時の表示態様を設定する(S327)。S327の処理では、特別図柄表示装置37の表示態様をハズレ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、保留球実行エリア203fに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値と第1保留球数カウンタ203a又は(及び)第2保留球数カウンタ203bの値と現在の遊技状態とに基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる演出態様として、「非リーチ(短縮)」演出態様、「非リーチ(通常)」演出態様、「ノーマルリーチ(短縮)」演出態様、「ノーマルリーチ(通常)」演出態様、「スーパーリーチ(短縮)」演出態様、「スーパーリーチ(通常)」演出態様、「スペシャルリーチ(短縮)」演出態様、「スペシャルリーチ(通常)」演出態様のいずれかを設定する。第1実施形態では、パチンコ機10の遊技状態が「確率変動状態」であるか、「時間短縮状態」であるか、「通常遊技状態」であるかに応じて、各演出態様に対応する停止パターン選択カウンタC3の値の範囲が異なるように停止パターンテーブル202dが設定されている。
次に、ハズレ時の変動パターンを決定し(S328)、S329の処理へ移行する。S328の処理では、特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81において、ハズレ図柄で停止表示するまでの変動時間が決定される。具体的には、S327の処理において決定されたハズレ時の表示態様(演出態様)毎に設けられた変動パターンテーブル202eのグループにおいて、保留球実行エリア203fに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。そして、予め規定された変動パターンと変動時間との関係に基づいて、変動時間が設定される。
このように、大当たり時における演出態様および変動パターンの設定処理と、ハズレ時における演出態様および変動パターンの設定処理とを、同じ乱数値C3,CS1を用いて同じ判定プログラムによって判定して決定することで、プログラムを共通化することができ、開発時における開発工数を削減することができる。
S329の処理では、S326及びS328の処理によって決定された変動パターンの応じた変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113を介してその変動パターンに応じた変動時間を表示制御装置114へ通知する変動パターンコマンドを設定する(S329)。具体的には、例えば、大当たり抽選に当選し、該大当たりが「15ラウンドV開放大当たり」であって、さらに、「40秒」の「スーパーリーチ」の変動パターンが選択されていた場合は、大当たり・「15ラウンドV開放大当たり」・「40秒」の「スーパーリーチ」を示す変動パターンコマンドが設定される。また、大当たり抽選にハズレて、さらに、「35秒」の「スーパーリーチ」の変動パターンが選択されていた場合は、ハズレ・「35秒」の「スーパーリーチ」を示す変動パターンコマンドが設定される。このように、変動演出が同じ変動時間であっても、変動パターンコマンドに変動演出の当否と大まかな変動パターンの内容も併せて設定することで、音声ランプ制御装置113は、当否を含む演出態様の内容と変動時間とを把握して、それらの情報を基により詳細は変動演出の変動パターンを決定することができる。
また、S325又はS327の処理で設定された停止種別を、音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定し(S330)、特図変動処理(図24参照)へ戻る。具体的には、例えば、大当たりに当選し、その大当たりの内容が「15ラウンドV開放大当たり」であれば、具体的な第3図柄の停止態様(例えば、「7」図柄等)は特定せずに、「15ラウンドV開放大当たり」であることを示す停止種別コマンドを設定する。また、大当たりに当選し、その大当たりの内容が「7ラウンドV開放大当たり」であれば、具体的な第3図柄の停止態様(例えば、「3」図柄等)は特定せずに、「7ラウンドV開放大当たり」であることを示す停止種別コマンドを設定する。
一方、大当たりに当選せず、さらに、「スーパーリーチ(通常)」演出態様が選択されていれば、具体的な第3図柄の停止態様(例えば、「787」等)は特定せずに、ハズレ時の「スーパーリーチ(通常)」演出態様であることを示す停止種別コマンドを設定する。また、大当たりに当選せず、さらに、「ノーマルリーチ(短縮)」演出態様が選択されていれば、具体的な第3図柄の停止態様(例えば、「737」等)は特定せずに、ハズレ時の「ノーマルリーチ(短縮)」演出態様であることを示す停止種別コマンドを設定する。さらに、大当たりに当選せず、さらに、「非リーチ(通常)」演出態様が選択されていれば、具体的な第3図柄の停止態様(例えば、「258」等)は特定せずに、ハズレ時の「非リーチ(通常)」演出態様であることを示す停止種別コマンドを設定する。
このように、停止種別コマンドに変動演出の当否に基づいた大まかな停止種別を設定することで、音声ランプ制御装置113(表示制御装置114)は、当否に基づいた停止種別を把握して、それらの情報を基により詳細は変動演出の停止結果を決定することができる。
これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理(図24参照)のS102の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、変動パターンコマンドや停止種別コマンドを受信すると、それに基づき表示用変動パターンコマンドや表示種別コマンドを生成して、表示制御装置114へ送信する。
次に、図29を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図24参照)の一処理である大当たり処理(S104)について説明する。図29は、この大当たり処理(S104)を示したフローチャートである。
この大当たり処理(S104)は、特別図柄の大当たりが発生する場合に、大当たりの種類に応じて可変入賞装置65及び/又はV入賞装置72の開放回数(ラウンド数)を設定すると共に、可変入賞装置65及び/又はV入賞装置72の開放時間を設定する。そして、大当たり状態である場合において、可変入賞装置65又はV入賞装置72を開放又は閉鎖するための入賞装置開閉制御処理(S409)を実行し、大当たり状態が終了するタイミングで、大当たり状態の終了を設定する大当たり終了処理(S411)を実行する。
大当たり処理(S104)では、まず、大当たり中か否かを判別する(S401)。判別の結果、大当たり中でない場合には(S401:No)、次に、特別図柄の動的表示(変動演出)が終了したか否かを判別する(S402)。判別の結果、特別図柄の動的表示(変動演出)が終了していなければ(S402:No)、この大当たり処理(S104)を終了して、タイマ割込処理(図24参照)へ戻る一方、特別図柄の動的表示(変動演出)が終了していれば(S402:Yes)、次いで、該動的表示(変動演出)において大当たりに当選したか否かを判別する(S403)。
S403における判別の結果、動的表示(変動演出)において大当たりに当選していないと判別された場合は(S403:No)、この大当たり処理(S104)を終了して、タイマ割込処理(図24参照)へ戻る。一方、動的表示(変動演出)において大当たりに当選していると判別された場合は(S403:Yes)、当選した大当たりに関する制御を実行するために、まず、当選した大当たりのラウンド数は15Rか否か、即ち、大当たり種別「15ラウンドV開放大当たり」又は「15ラウンドV閉鎖大当たり」に当選したか否かを判別する(S404)。
S404における判別の結果、当選した大当たりのラウンド数が15Rであれば(S404:Yes)、本大当たりにおいて可変入賞装置65又はV入賞装置72の開放制御を15回行うべく、ラウンドカウンタに「15」をセットして(S405)、処理をS407へ移行する。一方、当選した大当たりのラウンド数が15Rでない場合、即ち、当選した大当たりのラウンド数が7Rである場合は(S404:No)、本大当たりにおいて可変入賞装置65又はV入賞装置72の開放制御を7回行うべく、ラウンドカウンタに「7」をセットして(S406)、処理をS407へ移行する。MPU201は、該ラウンドカウンタの値を確認して、ラウンドカウンタに値が設定されている場合(即ち、「1」以上)は、可変入賞装置65又はV入賞装置72を開放制御しつつ、該ラウンドカウンタの値を1減算する。そして、ラウンドカウンタの値が「0」になった場合に、実行中の大当たりを終了するように構成されている。
S407の処理では、大当たりの開始を意味するオープニングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信するために、オープニングコマンドをRAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定して(S407)、次いで、該大当たりのオープニング時間(第1実施形態では、すべての大当たり種別共通で「10秒」)を設定し(S408)、この大当たり処理(S104)を終了して、タイマ割込処理(図24参照)に戻る。
S401の処理において、既に大当たり中であると判別された場合は(S401:Yes)、可変入賞装置65又はV入賞装置72の開閉制御を実行する入賞装置開閉制御処理(S409)を実行する。
ここで、図30を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり処理(S104)の一処理である入賞装置開閉制御処理(S409)について説明する。図30は、入賞装置開閉制御処理(S409)を示したフローチャートである。上述したように、この入賞装置開閉制御処理(S409)では、大当たり処理(S104)で設定された可変入賞装置65又はV入賞装置72の開放回数に基づいて、可変入賞装置65又はV入賞装置72の開閉制御を実行する。
この入賞装置開閉制御処理(S409)では、まず、V入賞装置72が開放中か否かを判別する(S421)。判別の結果、V入賞装置72が開放中であれば(S421:Yes)、開放中のV入賞装置72の開閉制御を行うV入賞装置開放中処理を行い(S422)、この入賞装置開閉処理(S409)を終了する。入賞装置開閉処理(S409)の終了後は、大当たり処理(図29参照)に戻る。このV入賞装置開放中処理(S422)の詳細については、後述する。
S421の処理において、V入賞装置72が開放中でないと判別された場合は(S421:No)、次に、可変入賞装置65が開放中か否かを判別する(S423)。判別の結果、可変入賞装置65が開放中であれば(S423:Yes)、開放中の可変入賞装置65の開閉制御を行う可変入賞装置開放中処理を行い(S424)、この入賞装置開閉処理(S409)を終了する。入賞装置開閉処理(S409)の終了後は、大当たり処理(図29参照)に戻る。この可変入賞装置開放中処理(S424)の詳細については、後述する。
S423の処理において、可変入賞装置65が開放中でないと判別された場合は(S423:No)、次に、大当たり処理(図29参照)のS408で設定されたオープニング時間が経過したタイミング(即ち、オープニング時間の終了直後)か否かを判別する(S425)。判別の結果、オープニング時間が経過したタイミングであれば(S425:Yes)、大当たり遊技の1ラウンド目を開始するべく、この大当たりにおける大当たり種別がV開放大当たりか否か、即ち、V入賞装置72を開放する大当たり(即ち、「15ラウンドV開放大当たり」又は「7ラウンドV開放大当たり」)か否かを判別する(S426)。
S426における判別の結果、V開放大当たりであると判別された場合、即ち、「15ラウンドV開放大当たり」又は「7ラウンドV開放大当たり」であると判別された場合は(S426:Yes)、1ラウンド目にV入賞装置72を開放するために、まず、V入賞装置72の開放設定(例えば、V入賞装置開閉ソレノイド72bのオン)を行う(S427)。次いで、V入賞装置72が開放されることを示すV入賞装置開放コマンドを生成して、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに設定して(S428)、処理をS429へ移行する。
ここで設定されたV入賞装置開放コマンドは、タイマ割込処理の外部出力処理(図24のS102参照)において、音声ランプ制御装置113へと送信される。音声ランプ制御装置113は、このV入賞装置開放コマンドを受信すると、V入賞装置72が開放されていることを示す各種制御(例えば、表示用V入賞装置開放コマンドの生成等)を実行するように構成されている。
S429の処理では、V入賞装置72の最大開放時間(第1実施形態では、「5秒」)を設定する(S429)。そして、V入賞装置72又は可変入賞装置65への球の入賞数を計数する入賞カウンタ(図示せず)の値に「10」をセットして(S430)、この入賞装置開閉処理(S409)を終了する。入賞装置開閉処理(S409)の終了後は、大当たり処理(図29参照)に戻る。
一方、S426における判別の結果、V開放大当たりではないと判別された場合、即ち、「15ラウンドV閉鎖大当たり」又は「7ラウンドV閉鎖大当たり」であると判別された場合は(S426:No)、1ラウンド目に可変入賞装置65を開放するために、まず、可変入賞装置65の開放設定(例えば、大入賞口ソレノイド65cのオン)を行う(S431)。次いで、可変入賞装置65が開放されることを示す可変入賞装置開放コマンドを生成して、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに設定して(S432)、処理をS433へ移行する。
ここで設定された可変入賞装置開放コマンドは、タイマ割込処理の外部出力処理(図24のS102参照)において、音声ランプ制御装置113へと送信される。音声ランプ制御装置113は、この可変入賞装置開放コマンドを受信すると、可変入賞装置65が開放されていることを示す各種制御(例えば、表示用可変入賞装置開放コマンドの生成等)を実行するように構成されている。
S433の処理では、可変入賞装置65の最大開放時間(第1実施形態では、「30秒」)を設定し(S433)、処理をS430へ移行する。
S425の処理において、大当たり処理(図29参照)のS408で設定されたオープニング時間が経過したタイミングでないと判別された場合(S425:No)、後述するV入賞装置開放中処理(図31参照)のS453、又は、後述する可変入賞装置開放中処理(図32参照)のS470において設定されたインターバル時間が経過したタイミングか否かを判別する(S434)。判別の結果、インターバル時間が経過したタイミングであれば(S434:Yes)、大当たり遊技の2ラウンド目以降のいずれかのラウンドを開始するべく、処理をS431へ移行する。一方、S434の処理において、インターバル時間が経過したタイミングではないと判別された場合は、この入賞装置開閉制御処理(S409)を終了する。入賞装置開閉処理(S409)の終了後は、大当たり処理(図29参照)に戻る。
ここで、図31を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される入賞装置開閉制御処理(S409)の一処理であるV入賞装置開放中処理(S422)について説明する。図31は、V入賞装置開放中処理(S422)を示したフローチャートである。このV入賞装置開放中処理(S422)では、V入賞口スイッチ74bによって球が検出されたか否かを判別する処理や、開放中のV入賞装置72の閉鎖条件が成立するか否かを判別する処理等を実行する。
このV入賞装置開放中処理(S422)では、まず、V入賞口スイッチ74bがオンされたか否か、即ち、V入賞口74aへ球が入賞したか否かを判断する(S441)。
S441の処理において、V入賞口スイッチ74bがオンされていなければ(S441:No)、V入賞口74aに球が入賞していないので、S442〜S444の処理をスキップして、処理をS445へ移行する。
一方、S441の処理において、V入賞口スイッチ74bがオンされた場合(S441:Yes)、該V入賞装置72の開放中に既にV入賞口74aに球が入賞して、確変移行フラグ203jがオンされているか否かを判別する(S442)。判別の結果、確変移行フラグ203jがオンされていなければ(S442:No)、V入賞装置72を開放してから初めてのV入賞口74aへの球の入賞なので、確変移行フラグ203jをオンに設定する(S443)。次いで、V入賞口74aへの球の入賞を示すV獲得コマンドを生成して、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに設定して(S444)、処理をS445へ移行する。
ここで設定されたV獲得コマンドは、タイマ割込処理の外部出力処理(図24のS102参照)において、音声ランプ制御装置113へと送信される。音声ランプ制御装置113は、このV獲得コマンドを受信すると、V入賞口74aへ球が入賞して、該大当たり終了後に「確率変動状態」が付与されることを示すファンファーレ演出に関する各種制御(例えば、表示用V獲得コマンドの生成等)を実行するように構成されている。
一方、S442の処理において、確変移行フラグ203jがオンされていると判別された場合は(S442:Yes)、既にV入賞口74aへ球が入賞しているので、S443及びS444の処理をスキップして、処理をS445へ移行する。
S445の処理では、上述した入賞装置開閉制御処理(S409)のS429において設定されたV入賞装置72の開放時間が経過したか否かを判別する(S445)。判別の結果、V入賞装置72の開放時間が経過したタイミングであれば(S445:Yes)、V入賞装置72の閉鎖条件が成立し、そのラウンドにおけるV入賞装置72の閉鎖タイミングであるため、入賞カウンタの値を「0」クリアして(S446)、V入賞装置72を閉鎖させるために、処理をS450へ移行する。S450からのV入賞装置72の閉鎖処理については、後述する。
一方、S445の処理において、V入賞装置72の開放時間が経過したタイミングでなければ(S445:No)、次いで、V入賞装置72内に球が入賞して、V入賞装置72内の振分前経路72c(図4参照)に設けられたV入賞装置スイッチ(図示せず)がオンされたか否かを判別する(S447)。判別の結果、V入賞装置スイッチがオンされていれば(S447:Yes)、V入賞装置72内に球が流入したということなので、入賞カウンタ(図示せず)の値を1減算して(S448)、次いで、1減算した入賞カウンタの値が「0」より大きい値か否かを判別する(S449)。入賞カウンタの値が「0」より大きい値でない場合(S449:No)、即ち、入賞カウンタの値が「0」以下である場合は、V入賞装置72に球が10個以上入賞してV入賞装置72の閉鎖条件が成立しているので、V入賞装置72を閉鎖させるために、処理をS450へ移行する。
なお、S447の処理において、V入賞装置スイッチがオンされていないと判別された場合(S447:No)、又は、S449の処理において、入賞カウンタの値が「0」より大きい値であると判別された場合は(S449:Yes)、V入賞装置72の閉鎖条件が成立しておらず、V入賞装置72の開放を継続するために、S450〜S453の処理をスキップして、このV入賞装置開放中処理(S422)を終了する。このV入賞装置開放中処理(S422)の終了後は、入賞装置開閉制御処理(図30参照)へ戻る。
S450からのV入賞装置72の閉鎖処理では、まず、V入賞装置72の閉鎖設定(例えば、V入賞装置開閉ソレノイド72bのオフ)を行い(S450)、次いで、音声ランプ制御装置113に対してV入賞装置72が閉鎖されたことを示すV入賞装置閉鎖コマンドを設定して(S451)、処理をS452へ移行する。なお、S451の処理で設定されたV入賞装置閉鎖コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図24のS102参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
次いで、S452の処理では、V入賞装置72が開閉して1のラウンド(即ち、1ラウンド目)が消化されたことから、ラウンドカウンタの値を1減算し(S452)、次のラウンド(即ち、2ラウンド目)を開始(可変入賞装置65を開放)させるまでのインターバル時間(例えば、「2秒」)を設定して(S453)、このV入賞装置開放中処理(S422)を終了し、入賞装置開閉制御処理(図30参照)に戻る。
次に、図32を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される入賞装置開閉制御処理(S409)の一処理である可変入賞装置開放中処理(S424)について説明する。図32は、可変入賞装置開放中処理(S424)を示したフローチャートである。この可変入賞装置開放中処理(S424)では、開放中の可変入賞装置65の閉鎖条件が成立するか否かを判別する処理を実行する。
この可変入賞装置開放中処理(S424)では、まず、上述した入賞装置開閉制御処理(S409)のS433において設定された可変入賞装置65の開放時間が経過したか否かを判別する(S461)。判別の結果、可変入賞装置65の開放時間が経過したタイミングであれば(S461:Yes)、可変入賞装置65の閉鎖条件が成立し、そのラウンドにおける可変入賞装置65の閉鎖タイミングであるため、入賞カウンタの値を「0」クリアして(S462)、可変入賞装置65を閉鎖させるために、処理をS466へ移行する。S466からの可変入賞装置65の閉鎖処理については、後述する。
一方、S461の処理において、可変入賞装置65の開放時間が経過したタイミングでなければ(S461:No)、次いで、可変入賞装置65の大入賞口65a内に設けられた大入賞口スイッチ(図示せず)がオンされたか否か、即ち、大入賞口65aへ球が入賞したか否かを判断する(S463)。
S463の処理において、大入賞口65aへ球が入賞していれば(S463:Yes)、入賞カウンタの値を1減算して(S464)、次いで、1減算した入賞カウンタの値が「0」より大きい値か否かを判別する(S465)。入賞カウンタの値が「0」より大きい値でない場合(S465:No)、即ち、入賞カウンタの値が「0」以下である場合は、大入賞口65aに球が10個以上入賞して可変入賞装置65の閉鎖条件が成立しているので、可変入賞装置65を閉鎖させるために、処理をS466へ移行する。
なお、S463の処理において、大入賞口65aへ球が入賞していないと判別された場合(S463:No)、又は、S465の処理において、入賞カウンタの値が「0」より大きい値であると判別された場合は(S465:Yes)、可変入賞装置65の閉鎖条件が成立しておらず、可変入賞装置65の開放を継続するために、S466〜S470の処理をスキップして、この可変入賞装置開放中処理(S424)を終了する。この可変入賞装置開放中処理(S424)の終了後は、入賞装置開閉制御処理(図30参照)へ戻る。
S466からの可変入賞装置65の閉鎖処理では、まず、可変入賞装置65の閉鎖設定(例えば、大入賞口ソレノイド65cのオフ)を行い(S466)、次いで、音声ランプ制御装置113に対して可変入賞装置65が閉鎖されたことを示す可変入賞装置閉鎖コマンドを設定して(S467)、処理をS468へ移行する。なお、S467の処理で設定された可変入賞装置閉鎖コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図24のS102参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
次いで、S468の処理では、可変入賞装置65の1のラウンドが消化されたことから、ラウンドカウンタの値を1減算し(S468)、1減算したラウンドカウンタの値が「0」より大きい値か否かを判別する(S469)。ラウンドカウンタの値が「0」より大きい値である場合(S469:Yes)、該大当たりにおけるラウンド回数(可変入賞装置65の残り開放回数)が残存している状態である。よって、次の可変入賞装置65を開放させるまでのインターバル時間(例えば、「2秒」)を設定し(S470)、この可変入賞開放中処理(S424)を終了して、入賞装置開閉制御処理(図30参照)に戻る。
一方、S469の処理において、ラウンドカウンタの値が「0」より大きい値でない場合(S469:No)、即ち、ラウンドカウンタの値が「0」以下である場合は、この大当たりにおけるV入賞装置72及び可変入賞装置65の開放動作がすべて終了したので、大当たり状態を終了させるために、インターバル時間を設定せず(即ち、S470をスキップして)、この可変入賞装置開放中処理(S424)を終了して、入賞装置開閉制御処理(図30参照)に戻る。
図29の大当たり処理(S104)に戻って、説明を続ける。S409の入賞装置開閉制御処理(図30参照)の終了後は、次いで、ラウンドカウンタの値が「0」より大きい値であるか否かを判別する(S410)。判別の結果、ラウンドカウンタが「0」より大きい値であれば(S410:Yes)、大当たり状態を継続するため、大当たりの終了設定処理であるS411の処理をスキップして、この大当たり処理(S104)を終了する。
一方、S410の処理において、ラウンドカウンタの値が「0」より大きい値でない場合(S410:No)、即ち、ラウンドカウンタの値が「0」以下である場合は、この大当たりにおけるV入賞装置72及び可変入賞装置65の開放動作がすべて終了しているので、大当たり状態を終了させるために、大当たり終了処理を行い(S411)、この大当たり処理(S104)を終了する。
ここで、図33を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される当たり処理(S104)の一処理である大当たり終了処理(S411)について説明する。図33は、この大当たり終了処理(S411)を示したフローチャートである。この大当たり終了処理(S411)では、当選した大当たり種別に基づいて、STカウンタ及び時短カウンタを設定する処理を実行する。
この大当たり終了処理(S411)では、まず、この大当たり中にV入賞口74aへ球が入賞して、確変移行フラグ203jがオンされているか否かを判別する(S481)。判別の結果、確変移行フラグ203jがオンされていれば(S481:Yes)、V入賞口74aへ球が入賞しているので、大当たり終了後の遊技状態を、特別図柄の動的表示(変動演出)が100回実行されるまで「確率変動状態」にするため、STカウンタの値に「100」をセットし(S482)、確変移行フラグ203jをオフに設定して(S483)、処理をS485へ移行する。
一方、S481の処理において、確変移行フラグ203jがオンされていなければ(S481:No)、この大当たり中において、V入賞口74aへ球が入賞していないため、「確率変動状態」への移行条件が成立していない。このため、大当たり終了後の遊技状態を、特別図柄の動的表示(変動演出)が100回実行されるまで「時間短縮状態」にするため、時短カウンタの値に「100」をセットし(S484)、処理をS485へ移行する。
次いで、S485の処理では、音声ランプ制御装置113に対して大当たりのエンディング演出の開始を示すエンディングコマンドを設定する(S485)。そして、エンディング時間等を設定する大当たりの終了設定処理を行い(S486)、この大当たり終了処理(S411)を終了して、大当たり処理(図29参照)に戻る。なお、S485の処理で設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図24のS102参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、大当たりが終了することを示す音声の出力やランプ制御等を行うと共に、表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信し、表示制御装置114は、表示用エンディングコマンドの受信に基づいて、第3図柄表示装置81にエンディング演出(例えば、大当たり終了後の遊技状態の示唆等)を表示するように制御を行う。
このように、大当たり処理(図29参照)の中で、V入賞口74aに球が入賞するか否かに応じて、大当たり遊技終了後の遊技状態が「確率変動状態」か否かを設定することができるので、一定周期で開閉駆動しているV入賞口74aに如何にして球を入賞させるかという遊技性を創出し、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる。
次いで、図34を参照して、停電等の発生した場合に主制御装置110において実行されるNMI割込処理について説明する。図34は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。
このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。NMI端子に停電信号SG1が入力されたMPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S801)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図35を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図35は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。
立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S901)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(第1実施形態では、「1秒」)を実行する(S902)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S903)
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図2参照)がオンされているか否かを判別し(S904)、オンされていれば(S904:Yes)、処理をS913へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S904:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S905)、記憶されていなければ(S905:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS913へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S905:Yes)、RAM判定値を算出し(S906)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S907:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS913へ移行する。
なお、図36のS926でも説明するが、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S913の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S913)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S914,S915)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAM203の初期化処理(S914,S915)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S914,S915)を実行する。RAM203の初期化処理(S914,S915)では、RAM203の使用領域を「0」クリアし(S914)、その後、RAM203に初期値を設定する(S915)。RAM203の初期化処理の実行後は、S910の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S904:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S905:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S907:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S908)。そして、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S909)、S910の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S910の処理では、V振分駆動ソレノイド73cの初期設定(即ち、オフ)を行い(S910)、そのV振分駆動ソレノイド73cの初期設定に伴ってV駆動タイマ203kの値を初期化(即ち、「0」クリア)して、処理をS912へ移行する。このように、パチンコ機10の電源投入時において、V振分駆動ソレノイド73cをオフした状態、即ち、V入賞口74aが閉鎖された状態から処理を開始させることで、パチンコ機10の電源オフ時にV振分駆動ソレノイド73cがオンされていることでV入賞口74aが開放されていた場合でも、必ずV入賞口74aを閉鎖した状態から遊技を開始させることができる。これにより、V振分駆動ソレノイド73cの駆動異常等の発生を未然に防止することができ、該駆動異常に基づくV入賞口74aへの球の入賞を抑制できる。
なお、瞬間的な停電或いは電圧降下(所謂、瞬停)が発生した場合は、V振分駆動ソレノイド73c及びV駆動タイマ203kを初期化せず、瞬停発生前の状態を維持するように構成してもよい。瞬停が発生した場合、音声ランプ制御装置113の制御内容が維持される可能性があり、その場合に、主制御装置110で認識しているV入賞口74aの開閉態様と、音声ランプ制御装置113で認識しているV入賞口74aの開閉態様とに齟齬が生じてしまうと、「V入賞チャンス演出」が適切に実行されないおそれがある。よって、瞬停発生時には、V振分駆動ソレノイド73c及びV駆動タイマ203kの値を瞬停前の状態のまま維持することで、音声ランプ制御装置113で認識しているV入賞口74aの開閉態様との整合性を図ることができる。
S912の処理では、割込みを許可する(S912)。そして、後述するメイン処理(図36参照)に移行する。
次に、図36を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図36は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では、大別してカウンタの更新処理と電源断時処理とが実行される。
メイン処理では、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S921)。そして、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S921:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S922,S923)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S922)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(第1実施形態では「899」、「99」)に達した際、「0」にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ203c領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S108(図24参照)の処理と同一の方法によって実行し(S923)、S921の処理へ移行する。
ここで、このメイン処理が実行されている間、図24を参照して説明したタイマ割込処理が所定時間間隔(第1実施形態では、「4ミリ秒」)で起動され実行される。タイマ割込処理では、遊技の状態に応じて異なる処理が実行される。例えば、大当たり中には、大入賞口65aの開閉を制御する実行が行われ、スルーゲート67への球の通過があれば、普通図柄表示装置83による普通図柄の可変表示に関する表示制御が行われる。また、特別図柄表示装置37での動的表示を開始する場合に実行される大当たり抽選では、高確率状態か低確率状態かによって、取得した大当たり乱数カウンタC1と比較する大当たり乱数値の数が異なってくる。よって、1回のタイマ割込処理の実行にかかる時間は、遊技の状態に応じて変化することになる。従って、一のタイマ割込処理が終了してから次のタイマ割込処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく、その時々の遊技の状態に応じて変化する。
メイン処理の一処理である上記のS922,S923の処理は、このタイマ割込処理の残余時間の中で実行されることになる。つまり、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新が繰り返し実行されることになるので、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、大当たり乱数カウンタC1の初期値、普図当たりカウンタC4の初期値)とをランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。特に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2とをランダムに更新することによって、これらを更新の初期値として使用する大当たり乱数カウンタC1及び普図当たりカウンタC4の更新に、ランダム性を持たせることができる。
また、S921の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S921:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図34のNMI割込処理が実行されたので、S924以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S924)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S925)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S926)、RAM203のアクセスを禁止して(S927)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S921の処理は、タイマ割込処理(図24参照)の残余時間内に行われるS922とS923の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。これにより、主制御装置110のメイン処理において、タイマ割込処理による各種設定が終了し、また、各カウンタCINI1,CINI2,CS1の更新が終わったタイミングで、電源断の発生情報を確認している。よって、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理(図35参照)の終了後、処理をS921の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS921の処理から開始することができる。
従って、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S901)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S921の処理から開始することができる。その結果、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
また、第1実施形態では、定期的に実行する処理をタイマ割込処理(図24参照)で実行し、メイン処理において、タイマ割込処理の残余時間に各カウンタCINI1,CINI2,CS1の更新を実行する場合について説明したが、タイマ割込処理にて実行していた処理の一部または全部を、後述するメイン処理の中で所定時間(例えば、「2ミリ秒」)毎に実行するように構成してもよい。例えば、第1実施形態においてタイマ割込処理にて実行していた賞球計数信号,払出異常信号読み込み処理(S103)、大当たり処理(S104)、普通電役制御処理(S105)及びスイッチ読み込み処理(S106)の一部または全部を、タイマ割込処理ではなく、メイン処理の中で2ミリ秒毎に実行するように構成してもよい。
この場合、メイン処理の中で所定時間(「2ミリ秒」)経過したか否かを判断するステップを設け、所定時間経過したと判断された場合のみ、所定時間毎に実行する処理を実行し、各カウンタCINI1,CINI2,CS1の更新は、所定時間の経過の有無にかかわらず実行するようにしてもよい。これにより、各カウンタCINI1,CINI2,CS1の更新は、所定時間毎に実行する処理の残余時間に実行されることになるが、所定時間毎に実行する処理は、遊技の状態に応じてその実行にかかる時間が変化するため、このように構成した場合であっても、各カウンタCINI1,CINI2,CS1をランダムに更新することができる。
次に、図37から図45を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理(図37参照)と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理(図38参照)とがある。
まず、図37を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図37は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1117の電源断処理(図38参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1002)。図38を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると、S1117の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1117の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1002:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1117の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1003)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1006の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1003:Yes)、S1004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1003:No)、S1008へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1003:Yes)、S1004へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1117の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1003:No)、S1008へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1002:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1117の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1004の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1004)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が「0」クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1005:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1006)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1005:No)、RAM223の異常を報知して(S1007)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1008の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1008)。電源断フラグはS1117の電源断処理の実行時にオンされる(図38のS1116参照)。つまり、電源断フラグは、S1117の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1117の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1008:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAM223の作業エリアをクリアし(S1009)、RAM223の初期値を設定した後(S1010)、割込み許可を設定して(S1011)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1004からS1006の処理を経由してS1008の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1008:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1009をスキップして、処理をS1010へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1010)、割込み許可を設定して(S1011)、メイン処理へ移行する。
なお、S1009のクリア処理をスキップするのは、S1004からS1006の処理を経由してS1008の処理へ至った場合には、S1004の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図38を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図38は、このメイン処理を示したフローチャートである。
メイン処理が実行されると、まず、前回S1101の処理が実行されてから「1ミリ秒」以上が経過したか否かが判別され(S1101)、「1ミリ秒」以上経過していなければ(S1101:No)、S1102〜S1110の処理を行わずにS1111の処理へ移行する。S1101の処理で、「1ミリ秒」経過したか否かを判別するのは、S1102〜S1110が短い周期(「1ミリ秒」以内)で処理する必要がないものであるのに対して、S1111の変動演出処理やS1112のコマンド判定処理は、短い周期で実行する方が好ましい処理であるからである。S1112の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1111の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S1101の処理において、前回S1101の処理が実行されてから「1ミリ秒」以上経過していると判断される場合は(S1101:Yes)、S1102の処理へ移行する。なお、S1101の処理が、図37に示す立ち上げ処理の後初めて実行された場合は、そのままS1102の処理へ移行する。
S1102の処理では、S1103〜S1113の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1102)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1107の処理で編集されるランプの点灯態様になるように各ランプの出力を設定し(S1103)、その後電源投入報知処理を実行する(S1104)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば、「30秒」)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1105の処理へ移行する。
次いで、S1105の処理では、後述するS1112のコマンド判定処理によって設定される大当たりに関する演出を実行する大当たり演出処理を行い(S1105)、S1106の処理へ移行する。この大当たり演出処理(S1105)の詳細については、図44を参照して後述する。
次いで、S1106の処理では、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1106)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22の有効期間において、該枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、上記有効期間に枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。
枠ボタン入力監視・演出処理(S1106)が終わると、次いで、ランプ編集処理を実行し(S1107)、その後音編集・出力処理を実行する(S1108)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S1108の処理後、液晶演出実行管理処理を実行し(S1109)、S1110の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動演出に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1107のランプ編集処理が実行され、また、S1108の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動演出に要する時間と同期した時間で実行される。
次いで、S1110の処理では、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられ、後述するコマンド判定処理(S1112)や変動演出処理(S1111)で設定されたカウンタ(即ち、サブV駆動タイマ223dや実行変動時間計数カウンタ223h)やタイマ(即ち、残り時間タイマ223j)を、「1ミリ秒」ごとに1ずつ減算(更新)するカウンタ減算処理を実行し(S1110)、S1111の処理へ移行する。このカウンタ減算処理(S1110)の詳細については、図45を参照して後述する。
S1111の処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドに基づいて変動演出を開始するための処理である変動演出処理を実行し(S1111)、処理をS1112へ移行する。この変動演出処理(S1111)の詳細については、図43を参照して後述する。
S1112の処理では、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行い(S1112)、S1113の処理へ移行する。このコマンド判定処理(S1112)の詳細については、図39を参照して後述する。
S1113では、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられた各種カウンタを更新するカウンタ更新処理を実行する(S1113)。例えば、変動演出の詳細な変動パターンを決定するカウンタの更新や、「V入賞チャンス演出」を抽選するV入賞示唆抽選カウンタ223eの更新、「保留変化予告」を抽選する保留変化カウンタ223kの更新が、このカウンタ更新処理の中で行われる。該カウンタの更新は、所定の範囲(本実施形態では、「0〜99」)内で順に1ずつ加算され、最大値(「99」)に達した後「0」に戻すことによって行われる。
S1113の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1114)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1114の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1114:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1116)、電源断処理を実行する(S1117)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1118)、その後、処理を無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1114の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1114:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1115)、RAM223が破壊されていなければ(S1115:No)、S1101の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1115:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。
ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼び、パチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図39を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1112)について説明する。図39は、このコマンド判定処理(S1112)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1112)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図38参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110又は表示制御装置114から受信したコマンドを判定する。
コマンド判定処理(S1112)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域に記憶される未処理のコマンドのうち、主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出して解析し、主制御装置110よりV開放中コマンドを受信したか否かを判別する(S1201)。そして、V開放中コマンドを受信したと判別された場合(S1201:Yes)、V入賞口74aが開放されたタイミングであるので、サブV駆動タイマ223dの値に「20000」をセットして(S1202)、このコマンド判定処理(S1112)を終了して、メイン処理(図38参照)に戻る。
ここで設定されたサブV駆動タイマ223dは、後述するカウンタ減算処理(図45参照)において「1ミリ秒」ごとに1ずつ減算される(後述する図45のS1602参照)。音声ランプ制御装置113は、このサブV駆動タイマ223dの値を判別することで、V入賞口74aの開閉態様(開閉タイミング)を把握することができる。具体的には、サブV駆動タイマ223dの値が「20000」以下、かつ、「10000」より大きい値であれば、V入賞口74aが開放されていることを音声ランプ制御装置113で把握でき、「10000」以下、かつ、「0」より大きい値であれば、V入賞口74aが閉鎖されていることを音声ランプ制御装置113で把握できる。
S1201の処理において、V開放中コマンドを受信していないと判別された場合は(S1201:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判別する(S1203)。そして、保留球数コマンドを受信したと判別された場合(S1203:Yes)、保留球数コマンドに含まれる主制御装置110の保留球数(即ち、第1保留球数カウンタ203a及び/又は第2保留球数カウンタ203bの値)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113のサブ第1保留球数カウンタ223b及び/又はサブ第2保留球数カウンタ223cに格納する(S1204)。
そして、同じく保留球数コマンドに含まれる大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、及び、変動種別カウンタCS1の各値を、S1204で更新されたサブ第1保留球数カウンタ223b又はサブ第2保留球数カウンタ223cの値が示す第1保留情報格納エリア223mの第1保留情報格納第1〜第4エリア、又は、第2保留情報格納エリア223nの第2保留情報格納第1〜第4エリアに格納する(S1205)。
即ち、サブ第1保留球数カウンタ223bの値(保留球数)がX(1≦X≦4)である場合に、抽出された大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ、第1保留情報格納第Xエリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア223m1、大当たり種別カウンタ格納エリア223m2、停止パターン選択カウンタ格納エリア223m3、変動種別カウンタ格納エリア223m4に格納される。
よって、第1始動口64への入賞に基づく保留球数コマンドに含まれる各カウンタC1〜C3,CS1の値は、球が第1始動口64に入賞(始動入賞)したときに主制御装置110においてカウンタ用バッファ203cより取得されたものであり、該保留球数コマンドに含まれる第1特別図柄の保留球数がXである場合、主制御装置110の第1保留球格納エリア203dの保留第Xエリアに格納された値である。つまり、音声ランプ制御装置113の第1保留情報格納エリア223mには、主制御装置110の第1保留球格納エリア203dと同じ情報(各カウンタC1〜C3,CS1の値)が格納されることになる。
また、サブ第2保留球数カウンタ223cの値(保留球数)がX(1≦X≦4)である場合に、抽出された大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ、第2保留情報格納第Xエリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア223n1、大当たり種別カウンタ格納エリア223n2、停止パターン選択カウンタ格納エリア223n3、変動種別カウンタ格納エリア223n4に格納される。
よって、第2始動口71への入賞に基づく保留球数コマンドに含まれる各カウンタC1〜C3,CS1の値は、球が第2始動口71に入賞(始動入賞)したときに主制御装置110においてカウンタ用バッファ203cより取得されたものであり、該保留球数コマンドに含まれる第2特別図柄の保留球数がXである場合、主制御装置110の第2保留球格納エリア203eの保留第Xエリアに格納された値である。つまり、音声ランプ制御装置113の第2保留情報格納エリア223nには、主制御装置110の第2保留球格納エリア203eと同じ情報(各カウンタC1〜C3,CS1の値)が格納されることになる。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1始動口64又は第2始動口71に入賞(始動入賞)したときに主制御装置110から送信されるものであるので、始動入賞がある毎に、S1204の処理によって、音声ランプ制御装置113のサブ第1保留球数カウンタ223b及び/又はサブ第2保留球数カウンタ223cの値を、主制御装置110の第1保留球数カウンタ203a又は第2保留球数カウンタ203bの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113のサブ第1保留球数カウンタ223b及び/又はサブ第2保留球数カウンタ223cの値が主制御装置110の第1保留球数カウンタ203a及び/又は第2保留球数カウンタ203bの値とずれても、始動入賞検出時に、音声ランプ制御装置113のサブ第1保留球数カウンタ223b及び/又はサブ第2保留球数カウンタ223cの値を修正し、主制御装置110の第1保留球数カウンタ203a及び/又は第2保留球数カウンタ203bの値に合わせることができる。
また、音声ランプ制御装置113は、この第1保留情報格納エリア223m及び第2保留情報格納エリア223nに格納された各カウンタC1〜C3,CS1を参照することで、後述する先読み設定処理(図40参照)において先読み判定(処理)を実行できるようになっている。即ち、保留された変動演出が実行された場合に、その変動演出の結果がどのようになるか(大当たりとなるか否か、変動時間はどうなるか等)を変動演出の実行前に判断して、各種の演出の実行を決定したり、「保留変化予告」の実行可否および表示態様を決定したり、「V入賞チャンス演出」の実行を決定したりする制御を音声ランプ制御装置113にて実行することができる。
S1205の処理の後は、今回受信した保留球数コマンドが示す各種情報に基づいて保留図柄の表示態様や「V入賞チャンス演出」の実行を決定すべく、先読み設定処理(S1206)を行い、メイン処理(図38参照)に戻る。この先読み設定処理(S1206)の詳細については、図40において後述する。
S1203の処理において、保留球数コマンドを受信していないと判別された場合は(S1203:No)、次いで、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S1207)。そして、変動パターンコマンドを受信したと判別された場合(S1207:Yes)、該変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出する(S1208)。
ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動演出処理(図43参照)において、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定する場合に用いられる。その後、このコマンド判定処理(S1112)を終了して、メイン処理(図38参照)に戻る。
S1207の処理において、変動パターンコマンドを受信していないと判別された場合(S1207:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判別する(S1209)。そして、停止種別コマンドを受信したと判別された場合(S1209:Yes)、該停止種別コマンドから停止種別を抽出する(S1210)。
ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述する変動演出処理(図43参照)において、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定する場合に用いられる。その後、変動演出が開始されることを示す変動開始フラグ223aをオンに設定して(S1211)、このコマンド判定処理(S1112)を終了して、メイン処理(図38参照)に戻る。
なお、停止種別コマンドは、変動演出を開始する場合に主制御装置110が変動パターンコマンドを送信後、その変動パターンコマンドによって変動パターンが示された変動演出の停止種別を示すものとして、主制御装置110より必ず送信されるコマンドである。S1211の処理によって変動開始フラグ223aをオンに設定することにより、後に実行される変動演出処理(図43参照)において、先に保留球数コマンドに含まれる各カウンタC1等の値に基づいて抽出された変動演出の変動パターン種別と、受信した変動パターンコマンドより抽出した変動演出の変動パターン種別とが一致するか否かの判定を行う。また、先に保留球数コマンドに含まれる各カウンタC1等の値に基づいて抽出された変動演出の停止種別と、受信した停止種別コマンドより抽出した変動演出の停止種別とが一致するか否かの判定を行う。それらの判定の結果、1の変動演出において、保留球数コマンドに基づく変動パターンと変動パターンコマンドに基づく変動パターンとが一致していない場合、又は、保留球数コマンドに基づく停止種別と停止種別コマンドに基づく停止種別とが一致していない場合は、何らかの異常(例えば、ノイズによるコマンド受信異常)が発生していると判断し、異常を示すためのエラー処理を行うように構成されている。
S1209の処理の結果、停止種別コマンドを受信していないと判別された場合(S1209:No)、次いで、主制御装置110より確定コマンドを受信したか否かを判別する(S1212)。確定コマンドは、第3図柄表示装置81にて実行中の変動演出を確定表示させるためコマンドである。この確定コマンドを受信したと判別された場合は(S1212:Yes)、表示制御装置114に対して確定コマンドの受信を通知するための表示用確定コマンドを設定して(S1213)、このコマンド判定処理(S1112)を終了して、メイン処理(図38参照)に戻る。
S1212の処理の結果、確定コマンドを受信していないと判別された場合(S1212:No)、次いで、大当たりに関するコマンド、即ち、オープニングコマンド、V入賞装置開放コマンド、V入賞装置閉鎖コマンド、V獲得コマンド、可変入賞装置開放コマンド、可変入賞装置閉鎖コマンド、エンディングコマンド等を受信したか否かを判別する(S1214)。そして、大当たりに関する上記コマンドを受信していないと判別された場合は(S1214:No)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S1216)、このコマンド判定処理(S1112)を終了して、メイン処理(図38参照)に戻る。一方、大当たりに関するコマンドを受信したと判別された場合(S1214:Yes)、それら大当たりに関するコマンドに応じた処理を実行するため、大当たりコマンド処理(S1215)へ移行する。この大当たりコマンド処理(S1215)の終了後は、このコマンド判定処理(S1112)を終了して、メイン処理(図38参照)に戻る。
次に、図40を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される先読み設定処理(S1208)について説明する。図40は、先読み設定処理(S1208)を示したフローチャートである。上述したように、この先読み設定処理(S1208)は、主制御装置110から保留球数コマンドを受信した場合に実行される。そして、該先読み設定処理(S1208)において、「V入賞チャンス演出」を実行するか否かが決定され、該「V入賞チャンス演出」では、V入賞口74aに球が入賞し得るタイミングか否かを示唆する「発射促進示唆」が実行される。また、この先読み設定処理(S1208)では、保留図柄において「保留変化予告」を実行するか否かを決定すると共に、その決定内容に応じて表示用保留球数コマンドを設定する。
MPU221は、この先読み判定処理(S1208)において、まず、V入賞チャンス演出フラグ223fがオンされているか否かを判別する(S1301)。判別の結果、V入賞チャンス演出フラグ223fがオンされていれば(S1301:Yes)、既に「V入賞チャンス演出」の設定処理が実行されているので、S1302〜S1307の処理をスキップして、処理をS1308へ移行する。
一方、S1301に処理において、V入賞チャンス演出フラグ223fがオンされていないと判別された場合は(S1301:No)、次いで、V入賞示唆テーブル222e及びV入賞示唆抽選カウンタ223eを用いた「V入賞チャンス演出」の抽選に当選したか否かを判別する(S1302)。上述したように、「V入賞チャンス演出」の抽選は、V入賞示唆抽選カウンタ223eの値とV入賞示唆テーブル222eとに基づいて行われ、「V入賞チャンス演出」の抽選に当選していなければ(S1302:No)、「V入賞チャンス演出」の設定は行わず、S1303〜S1307の処理をスキップして、処理をS1308へ移行する。
S1302の処理において、「V入賞チャンス演出」の抽選に当選していた場合は(S1302:Yes)、「V入賞チャンス演出」の設定を行うため、まず、重複した「V入賞チャンス演出」の設定処理を防ぐべく、V入賞チャンス演出フラグ223fをオンに設定し(S1303)、次いで、表示制御装置114に対して「V入賞チャンス演出」が実行されることを通知するためのV入賞チャンス演出コマンドを設定して(S1304)、処理をS1305へ移行する。
S1304の処理で設定されたV入賞チャンス演出コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図38のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。これにより、V入賞チャンス演出コマンドを受信した表示制御装置114は、第3図柄表示装置81において「V入賞チャンス演出」を表示させる処理を実行する。
次いで、S1305の処理では、「V入賞チャンス演出」の実行に当選した変動演出が記憶される保留情報格納エリア223m,223nの1つ前までの各保留情報格納エリア223m,223nに格納される変動演出の各変動時間、及び、現時点における実行変動時間計数カウンタ223hが示す残りの変動時間をそれぞれ抽出して、その積算時間を残り時間タイマ223jに設定する。これにより、「V入賞チャンス演出」の実行に当選した変動演出が実行されるまでに実行される各変動演出の積算時間、即ち、「V入賞チャンス演出」の実行時間が残り時間タイマ223jに設定されることとなる。
具体的には、例えば、第1特別図柄の変動演出の3つ目の保留において「V入賞チャンス演出」に当選し、かつ、第2特別図柄の変動演出が保留されていない場合、即ち、第1保留情報格納エリア223mの第1保留情報格納第3エリアに「V入賞チャンス演出」に当選した保留情報が記憶され、第2保留情報格納エリア223nには保留情報が記憶されていない場合に、第1保留情報格納第3エリアの1つ前、即ち、第1保留情報格納第1エリアおよび第1保留情報格納第2エリアに記憶される各変動演出の変動時間がそれぞれ抽出され、抽出された各変動時間の積算時間に対応する値が残り時間タイマ223jに設定される。
そして、S1305で設定された残り時間タイマ223jの値に応じて、表示制御装置114に対して「V入賞チャンス演出」の実行時間を通知するための残り時間コマンドを設定して(S1306)、V開放大当たりに当選していた場合に、遊技者に対して正確な「発射促進示唆」を実行するか否かを設定するV入賞チャンス演出設定処理を行い(S1307)、処理をS1308へ移行する。
S1306の処理で設定された残り時間コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図38のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。これにより、残り時間コマンドを受信した表示制御装置114は、該残り時間コマンドに応じた「残り時間表示」を行い、第3図柄表示装置81で実行される「V入賞チャンス演出」の実行時間を表示させる処理を実行する。
ここで、図41を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるV入賞チャンス演出設定処理(S1307)について説明する。図41は、V入賞チャンス演出設定処理(S1307)を示したフローチャートである。
このV入賞チャンス演出設定処理(S1307)では、V開放大当たりに当選した変動演出が保留されている場合に、該V開放大当たりに基づくV入賞装置72が開放されるタイミングにおいて、V入賞口74aに球が入賞し得るタイミングか否かを判別する。そして、判別の結果、V入賞口74aに球が入賞し得ないタイミングで変動演出が実行される場合に、V開放大当たりに当選する変動演出が実行される前に、変動短縮機能を作動させる状態、即ち、特別図柄の保留球数を4つ溜めさせるべく、「V入賞チャンス演出」において、遊技者に球の発射を示唆する「発射促進示唆」を表示させる。
V入賞チャンス演出設定処理(S1307)では、まず、保留されている変動演出にV開放大当たりが存在するか否かを判別する(S1351)。この判別は、第1保留情報格納エリア223m及び第2保留情報格納エリア223nにおいて、大当たりに当選し、かつ、その大当たり種別が「15ラウンドV開放大当たり」又は「7ラウンドV開放大当たり」となる各カウンタの値が記憶されているか否かを判別して行う。
S1351の処理の結果、保留されている変動演出にV開放大当たりが存在すると判別された場合(S1351:Yes)、V入賞装置72が開放された場合に、V入賞口74aに球が入賞するか否かを正確に判別するべく、まず、V開放大当たりが記憶される保留情報格納エリア223m,223nまでの各保留情報格納エリア223m,223nに格納される各変動演出の変動時間をそれぞれ抽出して、その積算時間を保留変動時間積算カウンタ223gに設定し(S1352)、処理をS1353へ移行する。
S1352の処理では、例えば、第1特別図柄の変動演出の3つ目の保留においてV開放大当たりが記憶され、かつ、第2特別図柄の変動演出が保留されていない場合、即ち、第1保留情報格納エリア223mの第1保留情報格納第3エリアにV開放大当たりの保留情報が記憶され、第2保留情報格納エリア223nには保留情報が記憶されていない場合に、第1保留情報格納第1〜第3エリアに記憶される各変動演出の変動時間がそれぞれ抽出され、抽出された各変動時間の積算時間に対応する値が保留変動時間積算カウンタ223gに設定される。このS1352の処理により、実行中の変動演出の時間を除き、保留されている特別演出の変動演出の開始から、V開放大当たりの変動演出の終了までの時間が、保留変動時間積算カウンタ223gに設定されることとなる。
S1353の処理では、S1352の処理で設定された保留変動時間積算カウンタ223gの値に、オープニング演出の実行時間に対応する値である「10000」を加算し(S1353)、処理をS1354へ移行する。このS1353の処理により、V開放大当たりの変動演出の終了タイミング、即ち、V開放大当たりの開始タイミングから、1ラウンド目におけるV入賞装置72が開放されるまでの時間が、保留変動時間積算カウンタ223gに加算されることとなる。よって、このS1353の処理が行われた時点での保留変動時間積算カウンタ223gに設定(記憶)されているデータは、保留されている特別演出の変動演出の開始から、V開放大当たりの1ラウンド目におけるV入賞装置72が開放されるまでの時間に対応する値が設定されている。
次いで、S1354の処理では、保留変動時間積算カウンタ223gの値と、実行変動時間計数カウンタ223hの値との合算値を合算カウンタ223iに設定し(S1354)、処理をS1355へ移行する。即ち、S1354の処理では、保留されている特別演出の変動演出の開始から、V開放大当たりの1ラウンド目におけるV入賞装置72が開放されるまでの時間と、実行中の変動演出の残り時間と合計時間が合算カウンタ223iに設定されることとなる。よって、このS1354の処理が行われた時点の合算カウンタ223iが示す値は、V開放大当たりに対応する始動入賞が発生した時点から、該V開放大当たりに基づくV入賞装置72が開放されるまでの時間に対応する値となる。
そして、S1355の処理では、S1354で設定された合算カウンタ223iの値から、その時点におけるサブV駆動タイマ223dの値を減算し(S1355)、処理をS1356へ移行する。このS1355の処理が行われた時点の合算カウンタ223iが示す値は、S1354で設定された時間から、次にV入賞口74aが開放されるまでの時間が差し引かれた状態となる。
次いで、S1356の処理では、S1355の処理後の合算カウンタ223iの値を、V入賞口74aの開閉周期に対応する時間、即ち、「20000」で割り、そのときの余りとなる値X(Xは自然数)が「10000≦X<15000」の範囲内か否かを判別する(S1356)。上記余りとなる値が「10000≦X<15000」となっている場合(S1356:Yes)、V入賞装置72が開放されるタイミングにおいてV入賞口74aが振分板73aによって完全に閉鎖されている状態であって、V入賞装置72が開放されたとしてもV入賞口74aに球が入賞し得ない状況となっている。よって、この状況のまま(通常演出態様のまま)では大当たりが発生したとしてもV入賞口74aへ球が流入しないことから、「V入賞チャンス演出」において、遊技者に球の発射を促す「発射促進示唆」を表示させるための表示用発射促進示唆コマンドを設定し(S1357)、このV入賞チャンス演出設定処理(S1307)を終了し、先読み設定処理(図40参照)に戻る。
S1357の処理で設定された表示用発射促進示唆コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図38のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。これにより、表示用発射促進示唆コマンド受信した表示制御装置114は、「V入賞チャンス演出」において遊技者に球の発射を促す「発射促進示唆(後述する図46(b)及び(c)、又は、図47(b)及び(c)参照)」を表示させる処理を実行する。
一方、S1356の処理において、上記余りとなる値が「10000≦X<15000」となっていない場合(S1356:No)、即ち、上記余りとなる値が、「0≦X<10000」、又は、「15000≦X<20000」となっている場合は、少なくともV入賞口74aが開放されているタイミングが存在するということなので、このままの状況でもV入賞口74aに球が入賞し得る。このため、「V入賞チャンス演出」において、「発射促進示唆」を表示させないために、S1357の処理をスキップし、このV入賞チャンス演出設定処理(S1307)を終了し、先読み設定処理(図40参照)に戻る。
このように、V入賞装置72の開放タイミングとV入賞口74aの開放タイミングとを判別し、V開放大当たりに当選する変動演出の始動入賞の段階では、V入賞装置72が開放される大当たりに当選したにもかかわらず、V入賞口74aに球が入賞し得ない状況であっても、「V入賞チャンス演出」において遊技者に球の発射を促して始動入賞を発生させておくことで、V開放大当たりに当選する変動演出の実行前までに変動短縮機能が作動し得る状況にしておく。そして、V入賞装置72が開放されるタイミングでのV入賞口74aの開閉タイミングの位相をずらし、V入賞口74aに球が入賞し得る状況を創り出すことができる。よって、大当たりにおけるV入賞口74aへの入賞有無を遊技者自らの操作(発射に基づく始動入賞数)により取得可能に構成することで、V入賞口74aへ入賞させた場合の達成感を感じさせ、遊技の興趣向上を図ることができる。また、「発射促進示唆」を表示させることで、パチンコ機10における発射球数を増加させ、パチンコ機10の稼働を向上することができる。
なお、S1351の処理において、保留されている変動演出にV開放大当たりが記憶されていないと判別された場合(S1351:No)、S1357の処理へ移行し、「V入賞チャンス演出」において、遊技者に球の発射を促す「発射促進示唆」を表示させるための表示用発射促進示唆コマンドを設定する。保留されている変動演出にV開放大当たりが記憶されていない場合、実行される「V入賞チャンス演出」は所謂ガセ演出であり、V入賞装置72が開放されないにもかかわらず実行されるものである。よって、この場合にも「発射促進示唆」を表示して、遊技者に球の発射を促すように構成する。「発射促進示唆」を見た遊技者は、仮に大当たりした場合に、V入賞口74aに球が入賞することを望んでいるため、「V入賞チャンス演出」が所謂ガセ演出か否かにかかわらず、球を発射して、変動短縮機能が作動し得る状況へ移行させようとする。このため、所謂ガセ演出の「V入賞チャンス演出」において「発射促進示唆」を表示することで、「V入賞チャンス演出」中の発射球数を増加させ、パチンコ機10の稼働を向上することができる。
図40に戻って、説明を続ける。S1308の処理では、今回受信した保留球数コマンドが示す各種情報に基づいて、「保留変化予告」の実行抽選に当選したか否かを判別する(S1308)。「保留変化予告」の実行抽選は、上述したように、今回受信した保留球数コマンドに基づいて第1保留情報格納エリア223m又は第2保留情報格納エリア223nに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値に基づいて、その当否および演出態様を抽出する。そして、その抽出された当否および演出態様に基づいて、その時点での保留変化カウンタ223kの値と保留変化テーブル222f(図22参照)とを参照して、「保留変化予告」の実行可否および表示態様を決定する。
S1308の処理の結果、「保留変化予告」の実行抽選に当選していれば(S1308:Yes)、該「保留変化予告」の実行抽選結果である表示態様(例えば、「青」)を示す保留変化情報を、第1保留情報格納エリア223m又は第2保留情報格納エリア223nごとに対応して設けられた保留表示情報格納エリア(図示せず)に対して、サブ第1保留球数カウンタ223b又はサブ第2保留球数カウンタ223cの値が示す保留表示情報格納エリアに格納し(S1309)、処理をS1311へ移行する。一方、S1308の処理の結果、「保留変化予告」の実行抽選に当選していなければ(S1308:No)、「保留変化予告」が実行されないことを示す保留変化情報(即ち、Nullデータ)を、サブ第1保留球数カウンタ223b又はサブ第2保留球数カウンタ223cの値が示す保留表示情報格納エリアに格納し(S1310)、処理をS1311へ移行する。これにより、変動演出毎に「保留変化予告」を実行するか否かを保留表示情報格納エリアに記憶させることができる。
なお、S1310の処理において、対応する保留表示情報格納エリアにNullデータを書き込むことにより、例えば、書き込み前に保留表示情報格納エリアに記憶されていた「保留変化予告」に関する情報の重複使用を防止することができ、演出の齟齬(例えば、「非リーチ」演出態様の変動演出であるにもかかわらず「保留変化予告」が「赤」)が発生してしまうことを未然に防止することができる。
次いで、S1311の処理では、サブ第1保留球数カウンタ223b及びサブ第2保留球数カウンタ223cの値と、保留表示情報格納エリアに格納されている保留変化情報とを表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定し(S1311)、この先読み設定処理(S1208)を終了して、コマンド判定処理(図39参照)に戻る。
S1304の処理で設定された表示用保留球数コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図38のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。これにより、表示用保留球数コマンドを受信した表示制御装置114は、該表示用保留球数コマンドが示す保留球数および保留変化情報に応じた保留図柄を、第3図柄表示装置81のコクピット表示領域Db(図5(b)参照)に表示させる処理を実行する。
次に、図42を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される大当たりコマンド処理(S1215)について説明する。図42は、大当たりコマンド処理(S1215)を示したフローチャートである。この大当たりコマンド処理(S1215)では、上述したように、主制御装置110から受信した大当たりに関するコマンド(オープニングコマンド、V入賞装置開放コマンド、V入賞装置閉鎖コマンド、V獲得コマンド、可変入賞装置開放コマンド、可変入賞装置閉鎖コマンド又はエンディングコマンド等)に基づく処理を実行する。
この大当たりコマンド処理(S1215)では、まず、主制御装置110よりオープニングコマンドを受信したか否かを判別する(S1371)。判別の結果、主制御装置110からオープニングコマンドを受信していれば(S1371:Yes)、表示用オープニングコマンドを設定し(S1372)、次いで、大当たりに関する演出を実行するために、大当たり演出フラグ(図示せず)をオンに設定する(S1373)。S1373の処理の後は、この大当たりコマンド処理(S1215)を終了し、コマンド判定処理(図39参照)に戻る。
S1372で設定された表示用オープニングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図38のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。これにより、表示用オープニングコマンドを受信した表示制御装置114では、大当たりの開始を認識して、第3図柄表示装置81において大当たりを開始する演出(例えば、オープニング演出)を表示させるように処理を実行する。
S1371の処理において、主制御装置110からオープニングコマンドを受信していない場合は(S1371:No)、次いで、主制御装置110からV入賞装置開放コマンドを受信したか否かを判別する(S1374)。判別の結果、主制御装置110からV入賞装置開放コマンドを受信していれば(S1374:Yes)、表示用V入賞装置開放コマンドを設定し(S1375)、この大当たりコマンド処理(S1215)を終了して、コマンド判定処理(図38参照)に戻る。
S1375で設定された表示用V入賞装置開放コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図38のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。これにより、表示用V入賞装置開放コマンドを受信した表示制御装置114では、V開放大当たり時におけるV入賞装置72が開放されたことを認識して、該V入賞装置72が開放されることを示唆する演出(後述する図46(g)又は図47(g)参照)を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
S1374の処理において、主制御装置110からV入賞装置開放コマンドを受信していない場合は(S1374:No)、次いで、主制御装置110からV入賞装置閉鎖コマンドを受信したか否かを判別する(S1376)。判別の結果、主制御装置110からV入賞装置閉鎖コマンドを受信していれば(S1376:Yes)、表示用V入賞装置閉鎖コマンドを設定し(S1377)、この大当たりコマンド処理(S1215)を終了して、コマンド判定処理(図38参照)に戻る。
S1377で設定された表示用V入賞装置閉鎖コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図38のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。これにより、表示用V入賞装置閉鎖コマンドを受信した表示制御装置114では、V開放大当たり時におけるV入賞装置72が閉鎖されたことを認識して、該V入賞装置72が閉鎖されたことを示唆する演出を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
S1376の処理において、主制御装置110からV入賞装置閉鎖コマンドを受信していない場合は(S1376:No)、次いで、主制御装置110からV獲得コマンドを受信したか否かを判別する(S1378)。判別の結果、主制御装置110からV獲得コマンドを受信していれば(S1378:Yes)、表示用V獲得コマンドを設定し(S1379)、この大当たりコマンド処理(S1215)を終了して、コマンド判定処理(図38参照)に戻る。
S1379で設定された表示用V獲得コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図38のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。これにより、表示用V獲得コマンドを受信した表示制御装置114では、V開放大当たり時におけるV入賞口74aに球が入賞したことを認識して、該V入賞口74aに球が入賞したことによって該大当たり終了後に「確率変動状態」が付与されることを示唆する演出(後述する図47(h)参照)を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
S1378の処理において、主制御装置110からV獲得コマンドを受信していない場合は(S1378:No)、次いで、主制御装置110から可変入賞装置開放コマンドを受信したか否かを判別する(S1380)。判別の結果、主制御装置110から可変入賞装置開放コマンドを受信していれば(S1380:Yes)、表示用可変入賞装置開放コマンドを設定し(S1381)、この大当たりコマンド処理(S1215)を終了して、コマンド判定処理(図38参照)に戻る。
S1381で設定された表示用可変入賞装置開放コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図38のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。これにより、表示用可変入賞装置開放コマンドを受信した表示制御装置114では、大当たり時における可変入賞装置65が開放されたことを認識して、第3図柄表示装置81において可変入賞装置65の開放回数(即ち、ラウンド数)に応じた演出を表示させるように処理を実行する。
S1380の処理において、主制御装置110から可変入賞装置開放コマンドを受信していない場合は(S1380:No)、次いで、主制御装置110から可変入賞装置閉鎖コマンドを受信したか否かを判別する(S1382)。判別の結果、主制御装置110から可変入賞装置閉鎖コマンドを受信していれば(S1382:Yes)、表示用可変入賞装置閉鎖コマンドを設定し(S1383)、この大当たりコマンド処理(S1215)を終了して、コマンド判定処理(図38参照)に戻る。
S1383で設定された表示用可変入賞装置閉鎖コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図38のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。これにより、表示用可変入賞装置閉鎖コマンドを受信した表示制御装置114では、大当たり時における可変入賞装置65が閉鎖されたことを認識して、該可変入賞装置65が閉鎖されていることを示す演出(例えば、インターバル演出)を表示させるように処理を実行する。
S1382の処理において、主制御装置110から可変入賞装置閉鎖コマンドを受信していない場合は(S1382:No)、次いで、主制御装置110からエンディングコマンドを受信したか否かを判別する(S1384)。判別の結果、主制御装置110からエンディングコマンドを受信していれば(S1384:Yes)、表示用エンディングコマンドを設定し(S1385)、次いで、大当たりに関する演出を終了させるため、大当たり演出フラグをオフに設定して(S1386)、この大当たりコマンド処理(S1215)を終了して、コマンド判定処理(図39参照)に戻る。
S1385で設定された表示用エンディングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図38のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。これにより、表示用エンディングコマンドを受信した表示制御装置114では、大当たりの終了を認識して、第3図柄表示装置81において大当たりを終了させる演出(例えば、エンディング演出)を表示させるように処理を実行する。
S1384の処理において、主制御装置110からエンディングコマンドを受信していない場合は(S1384:No)、その他大当たりに関するコマンド(例えば、賞球コマンド等)に対応する処理を行い(S1387)、この大当たりコマンド処理(S1215)を終了して、コマンド判定処理(図39参照)に戻る。
次に、図43を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動演出処理(S1111)について説明する。図43は、この変動演出処理(S1111)を示したフローチャートである。この変動演出処理(S1111)は、メイン処理(図38参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるための各種処理を実行する。
変動演出処理(S1111)では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223aがオンか否かを判別する(S1401)。そして、変動開始フラグ223aがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1401:No)、主制御装置110より少なくとも停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動演出処理(S1111)を終了して、メイン処理(図38参照)に戻る。
一方、変動開始フラグ223aがオンであると判別された場合(S1401:Yes)、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドをともに受信しているので、変動演出を開始すべく、変動開始フラグ223aをオフし(S1402)、次いで、第2保留情報格納エリア223nに変動演出に関するデータが記憶されているか否かを判別する(S1403)。判別の結果、第2保留情報格納エリア223nに変動演出に関するデータが記憶されていれば(S1403:Yes)、第2保留情報格納エリア223nに設けられた第2保留情報格納第1エリアに含まれるデータを実行情報格納エリア223oへシフトし(S1404)、さらに、第2保留情報格納エリア223nに設けられた第2保留情報格納第2〜第4エリアに含まれるデータを第2保留情報格納第1〜第3エリアへシフトして(S1405)、サブ第2保留球数カウンタ223cの値を1減算し(S1406)、処理をS1410へ移行する。
つまり、この場合は、保留された第2特別図柄の変動演出が1つ減り、時間的に1番目に保留された第2特別図柄の変動演出の実行が開始されるので、その1番目に保留された変動演出に対応する第2保留情報第1エリアの各格納エリア223n1〜223n4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、実行中の変動演出に対応する実行情報格納エリア223oの各格納エリア223o1〜223o4に移動させる。また、第2保留情報格納第2エリアの各格納エリア223n1〜223n4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、第2保留情報格納第1エリアの各格納エリア223n1〜223n4に移動させ、第2保留情報格納第3エリアの各格納エリア223n1〜223n4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、第2保留情報格納第2エリアの各格納エリア223n1〜223n4に移動させ、第2保留情報格納第4エリアの各格納エリア223n1〜223n4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、第2保留情報格納第3エリアの各格納エリア223n1〜223n4に移動させる。
これにより、実行情報格納エリア223oには、主制御装置110の保留球実行エリア203fに格納された各カウンタC1〜C3,CS1と同じ値が格納されることになり、第2保留情報格納第1〜第4エリアには、それぞれ、主制御装置110の第2保留球格納エリア203eの第2保留第1〜第4エリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1と同じ値が格納されることになる。
一方、S1403の処理において、第2保留情報格納エリア223nに変動演出に関するデータが記憶されていないと判別された場合は(S1403:No)、今回実行する変動演出は第1特別図柄に関するものであるので、第1保留情報格納エリア223mに設けられた第1保留情報格納第1エリアに含まれるデータを実行情報格納エリア223oへシフトし(S1407)、さらに、第1保留情報格納エリア223mに設けられた第1保留情報格納第2〜第4エリアに含まれるデータを第1保留情報格納第1〜第3エリアへシフトして(S1408)、サブ第1保留球数カウンタ223bの値を1減算し(S1409)、処理をS1410へ移行する。
つまり、この場合は、保留された第1特別図柄の変動演出が1つ減り、時間的に1番目に保留された第1特別図柄の変動演出の実行が開始されるので、その1番目に保留された変動演出に対応する第1保留情報第1エリアの各格納エリア223m1〜223m4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、実行中の変動演出に対応する実行情報格納エリア223oの各格納エリア223o1〜223o4に移動させる。また、第1保留情報格納第2エリアの各格納エリア223m1〜223m4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、第1保留情報格納第1エリアの各格納エリア223m1〜223m4に移動させ、第1保留情報格納第3エリアの各格納エリア223m1〜223m4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、第1保留情報格納第2エリアの各格納エリア223m1〜223m4に移動させ、第1保留情報格納第4エリアの各格納エリア223m1〜223m4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、第1保留情報格納第3エリアの各格納エリア223m1〜223m4に移動させる。
これにより、実行情報格納エリア223oには、主制御装置110の保留球実行エリア203fに格納された各カウンタC1〜C3,CS1と同じ値が格納されることになり、第1保留情報格納第1〜第4エリアには、それぞれ、主制御装置110の第1保留球格納エリア203dの第1保留第1〜第4エリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1と同じ値が格納されることになる。
次いで、S1410の処理では、S1406又はS1409の処理で更新されたサブ第1保留球数カウンタ223b又はサブ第2保留球数カウンタ223cの値と保留表示情報格納エリアに格納された保留変化情報とを表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定し(S1410)、処理をS1411へ移行する。
S1410で設定された表示用保留球数コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図38のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。これにより、表示用保留球数コマンドを受信した表示制御装置114では、保留球数に応じた保留図柄および実行図柄を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行するとともに、保留図柄および実行図柄を表示する際に、決定された「保留変化予告」の表示態様で保留図柄および実行図柄を表示させるように表示制御を行う。
S1411の処理では、実行情報格納エリア223oに記憶される各カウンタC1〜C3,CS1の値に基づいて、今から実行する変動演出の変動パターンを取得し、第3図柄表示装置81において変動演出を表示させるために、取得した変動パターンに基づいて表示用変動パターンコマンドを設定して(S1411)、処理をS1412へ移行する。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図38のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで第3図柄表示装置81に第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御を開始する。
次いで、S1412の処理において、実行情報格納エリア223oに記憶される各カウンタC1〜C3,CS1の値に基づいて、今から実行する変動演出の停止種別を取得し、取得した変動演出の停止種別に基づいて表示用停止種別コマンドを設定して(S1412)、処理をS1413へ移行する。
ここで設定された表示用停止種別コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図38のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。表示制御装置114では、S1411の処理により設定された表示用変動パターンコマンドによって実行される変動演出を確定表示させる場合に、この表示用停止種別コマンドにて示される停止種別に対応する停止図柄を設定する。
S1413の処理では、実行情報格納エリア223oに記憶され、これから実行される変動演出の変動時間を抽出し、その変動時間に対応する値を実行変動時間計数カウンタ223hに設定し(S1413)、処理をS1414へ移行する。ここで設定された実行変動時間計数カウンタ223hの値は、メイン処理のカウンタ減算処理(図38のS1110参照)において、「1ミリ秒」ごとに1ずつ減算される(後述する図45のS1604参照)。これにより、第3図柄表示装置81で実行される変動演出の残り変動時間を正確に計数することができる。
S1414〜S1417の処理では、この変動演出の開始前まで「V入賞チャンス演出」が行われていた場合に、V入賞口74aに球が入賞し得る状況が成立しているか否かを判別し、V入賞口74aに球が入賞し得る状況であった場合に、その旨を遊技者に示唆する処理を実行する。
具体的には、まず、S1414の処理において、今回の変動演出の実行前までに「V入賞チャンス演出」が実行され、その終了タイミングであったか否かを判別する(S1414)。判別の結果、「V入賞チャンス演出」の終了タイミングであった場合は(S1414:Yes)、続いて、今回実行する変動演出においてV開放大当たりが発生するか否かを判別する(S1415)。判別の結果、今回実行する変動演出においてV開放大当たりが発生する場合は(S1415:Yes)、次いで、V入賞装置72が開放されたタイミングでV入賞口74aが開放される状況か否かを判別する(S1416)。
V開放大当たりを発生する変動演出の入賞時点におけるV入賞口74aが開放状態である場合において、その時点からV入賞口74aが再び開放されるまでの時間は、「残りのV入賞口74aの開放時間+V入賞口74aの閉鎖時間(即ち、「10秒」)」である。そして、それを「20秒」周期で繰り返すこととなる。また、開放大当たりを発生する変動演出の入賞時点におけるV入賞口74aが閉鎖状態である場合において、その時点からV入賞口74aが再び開放されるまでの時間は、「残りのV入賞口74aの閉鎖時間」である。そして、それを「20秒」周期で繰り返すこととなる。よって、S1416の処理において、V開放大当たりを発生する変動演出の開始時において、V開放大当たりが発生する変動演出の始動入賞時に計数されたV入賞装置72が開放されるタイミングと、V入賞口74aの上記開放(開閉)周期を踏まえた開放タイミングとを判別し、V開放大当たりが発生する変動演出の開始時点において、V入賞装置72が開放されるタイミングでV入賞口74aが開放していることにより、V入賞口74aに球が入賞するか否かが事前に判定することができる。
S1416の処理では、例えば、V入賞チャンス演出設定処理(図41参照)のS1352〜S1356の処理で設定された合算カウンタ223iの値を「20000」で割ったときの余りの値Xが「10000≦X<15000」の範囲内であって、かつ、これから実行する変動演出が短縮演出態様で実行されるか否か(即ち、V開放大当たりが発生する変動演出でのみ短縮演出態様が実行されるか否か)を判別する。判別の結果、V入賞チャンス演出設定処理(図41参照)のS1352〜S1356の処理で設定された合算カウンタ223iの値を「20000」で割ったときの余りの値Xが「10000≦X<15000」の範囲内であれば(S1416:Yes)、V入賞口74aに球が入賞し得る状況であるので、処理をS1417へ移行する。なお、上記余りの値Xが「0≦X<5000」の範囲内であり、これから実行する変動演出が通常演出態様で実行される場合も、V入賞口74aに球が入賞し得る状況であるので、この場合も処理をS1417へ移行する。
また、例えば、V入賞チャンス演出設定処理(図41参照)のS1352〜S1356の処理で設定された合算カウンタ223iの値を「20000」で割ったときの余りの値Xが「0≦X<5000」の範囲内であって、かつ、これから実行する変動演出が短縮演出態様で実行されるか否か(即ち、V開放大当たりが発生する変動演出で短縮演出態様が実行されるか否か)を判別するとともに、該V開放大当たりが発生する変動演出の前に実行された変動演出において短縮演出態様が1回実行されていたか否かを判別する。判別の結果、V入賞チャンス演出設定処理(図41参照)のS1352〜S1356の処理で設定された合算カウンタ223iの値を「20000」で割ったときの余りの値Xが「10000≦X<15000」の範囲内であれば(S1416:Yes)、V入賞口74aに球が入賞し得る状況であるので、処理をS1417へ移行する。なお、上記余りの値Xが「10000≦X<15000」の範囲内であり、これから実行する変動演出が通常演出態様で実行される場合も、V入賞口74aに球が入賞し得る状況であるので、この場合も処理をS1417へ移行する。
S1417の処理では、表示制御装置114に対してV入賞口74aに球が入賞し得ることを通知するための準備完了コマンドを設定し(S1417)、この変動演出処理(S1111)を終了して、メイン処理(図38参照)に戻る。
S1417の処理で設定された準備完了コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図38のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。これにより、準備完了コマンドを受信した表示制御装置114は、これから発生し得るV開放大当たりにおけるV入賞装置72の開放時において、V入賞口74aも開放され、該V入賞口74aに球が入賞し得ることを遊技者に予告示唆する「準備完了演出(後述する図47(e)参照)」を表示させる処理を実行する。
これにより、V開放大当たりに当選する変動演出の開始時に、V入賞口74aに球が入賞し得る状況を創り出すことができたか否かを判別し、V入賞口74aに球が入賞し得る状況となっていた場合には、該変動演出の開始時においてV入賞口74aに球が入賞し得ることを示唆するように構成されている。このように構成することで、大当たりにおけるV入賞口74aへの入賞有無を遊技者自らの操作(発射に基づく始動入賞数)により取得可能に構成し、その内容を遊技者に示唆することで、V入賞口74aへ入賞させた場合の達成感を感じさせ、遊技の興趣向上を図ることができる。
一方、S1414の処理において、「V入賞チャンス演出」の終了タイミングではないと判別された場合(S1414:No)、S1415の処理において、今回実行する変動演出においてV開放大当たりが発生しないと判別された場合(S1415:No)、或いは、S1416の処理において、V開放大当たりの発生時にV入賞装置72が開放されたタイミングでV入賞口74aが開放される状況ではないと判別された場合は(S1416:No)、必ずしもV入賞口74aに球が入賞し得る状況とは言えないので、S1417の処理をスキップし、この変動演出処理(S1111)を終了して、メイン処理(図38参照)に戻る。
なお、S1416の処理において、V入賞装置72が開放されたタイミングでV入賞口74aに球が入賞し得る状況と入賞し得ない状況とが混在すると判別された場合、即ち、V入賞チャンス演出設定処理(図41参照)のS1352〜S1356の処理で設定された、合算カウンタ223iの値を「20000」で割ったときの余りの値Xが、「5000≦X<10000」の範囲内、又は、「15000≦X<20000」の範囲内であった場合は、上記準備完了コマンドに代えて、V入賞口74aに球が入賞し得るか否かを遊技者に推測させるような曖昧な演出である「曖昧示唆表示」を表示させる曖昧表示コマンドを設定するように構成してもよい。
次に、図44を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される大当たり演出処理(S1105)について説明する。図44は、この大当たり演出処理(S1105)を示したフローチャートである。この大当たり演出処理(S1105)は、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図38参照)において「1ミリ秒」ごとに実行され、オープニングコマンドの受信に基づいて大当たり演出フラグ(図示せず)がオンに設定されている場合に、大当たり時の演出に関する各処理が行われる。
この大当たり演出処理(S1105)では、まず、大当たり演出フラグがオンに設定されているか否かを判別する(S1501)。判別の結果、大当たり演出フラグがオンに設定されていなければ(S1501:No)、大当たり中ではないため、この大当たり演出処理(S1105)を終了して、メイン処理(図38参照)に戻る。一方、大当たり演出フラグがオンに設定されている場合は(S1501:Yes)、大当たり中であるため、大当たりに関する演出を実行すべく、処理をS1502へ移行する。
S1502の処理では、大当たり遊技の2ラウンド目の開始時か否かを判別する(S1502)。判別の結果、大当たり遊技の2ラウンド目の開始時であると判別された場合(S1502:Yes)、次いで、この大当たり中(即ち、1ラウンド目の間)にV入賞口74aに球が入賞したか否かを判別する(S1503)。この判別は、主制御装置110からV獲得コマンドを受信しているか否かによって行う。
S1503の処理において、V入賞口74aに球が入賞していると判別された場合は(S1503:Yes)、この大当たりにおいてV入賞口74aに球を入賞させ、該大当たりの終了後に「確率変動状態」への移行を遊技者に示唆する「V獲得報知演出」の実行を通知するためのV獲得報知演出コマンドを設定し(S1504)、処理をS1506へ移行する。
一方、S1503の処理において、V入賞口74aに球が入賞していないと判別された場合は(S1503:No)、この大当たりにおいてV入賞口74aに球を入賞させれず、該大当たりの終了後に「確率変動状態」が付与されず、「時間短縮状態」への移行を遊技者に示唆する「V未獲得報知演出」の実行を通知するためのV未獲得報知演出コマンドを設定し(S1505)、処理をS1506へ移行する。
S1504又はS1505の処理で設定されたV獲得報知演出コマンド又はV未獲得報知演出コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図38のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。これにより、V獲得報知演出コマンド又はV未獲得報知演出コマンドを受信した表示制御装置114は、このタイミング(2ラウンド目開始時)において、該大当たり終了後に移行される遊技状態を示唆する「V獲得報知演出(後述する図47(h)参照)」又は「V未獲得報知演出(後述する図46(h)参照)」を表示させる処理を実行する。
これにより、V入賞口74aに球を入賞させたか否かに基づいて遷移する遊技状態を示唆するように構成されている。このように構成することで、大当たりにおけるV入賞口74aへの入賞有無を遊技者自らの操作(発射に基づく始動入賞数)により取得可能に構成し、その達成内容(結果)を遊技者に示唆することで、V入賞口74aへ入賞させた場合の達成感を感じさせ、遊技の興趣向上を図ることができる。
S1506の処理では、その他大当たり中における演出処理を実行し(S1506)、この大当たり演出処理(S1105)を終了して、メイン処理(図38参照)に戻る。
次に、図45を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるカウンタ減算処理(S1110)について説明する。図45は、このカウンタ減算処理(S1110)を示したフローチャートである。このカウンタ減算処理(S1110)は、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図38参照)において「1ミリ秒」ごとに実行され、コマンド判定処理(図39参照)や変動演出処理(図43参照)において設定された各カウンタ等を減算(更新)する各処理が行われる。
このカウンタ減算処理(S1110)では、まず、サブV駆動タイマ223dの値が「0」より大きいか否かを判別する(S1601)。判別の結果、サブV駆動タイマ223dの値が「0」より大きい値であれば(S1601:Yes)、このサブV駆動タイマ223dの値を1減算し(S1602)、処理をS1603へ移行する。一方、サブV駆動タイマ223dの値が「0」より大きい値でない場合は(S1601:No)、S1602の処理をスキップして、処理をS1603へ移行する。
これにより、サブV駆動タイマ223dの値が「1ミリ秒」ごとに1ずつ減算されるため、音声ランプ制御装置113においてサブV駆動タイマ223dの値を参照することで、V入賞口74aの開閉態様を把握することが可能となる。
S1603の処理では、実行変動時間計数カウンタ223hの値が「0」より大きいか否かを判別する(S1603)。判別の結果、実行変動時間計数カウンタ223hの値が「0」より大きい値であれば(S1603:Yes)、この実行変動時間計数カウンタ223hの値を1減算し(S1604)、処理をS1605へ移行する。一方、実行変動時間計数カウンタ223hの値が「0」より大きい値でない場合は(S1603:No)、S1604の処理をスキップして、処理をS1605へ移行する。
これにより、実行変動時間計数カウンタ223hの値が「1ミリ秒」ごとに1ずつ減算されるため、音声ランプ制御装置113において実行変動時間計数カウンタ223hの値を参照することで、実行中の変動演出の残り時間を把握することが可能となる。
S1605の処理では、V入賞チャンス演出フラグ223fがオンされているか否かを判別する(S1605)。判別の結果、V入賞チャンス演出フラグ223fがオンされていない場合は(S1605:No)、「V入賞チャンス演出」の実行中ではないので、このカウンタ減算処理(S1110)を終了して、メイン処理(図38参照)に戻る。一方、V入賞チャンス演出フラグ223fがオンされていた場合は(S1605:Yes)、「V入賞チャンス演出」の実行中であるので、まず、残り時間タイマ223jの値を1減算し(S1606)、続いて、S1606の処理で減算した残り時間タイマ223jの値が「0」より大きい値であるか否かを判別する(S1607)。
S1607の処理において、残り時間タイマ223jの値が「0」より大きい値であると判別された場合は、「V入賞チャンス演出」の実行時間が残っている状態であるので、S1608〜S1610の処理は行わず、このカウンタ減算処理(S1110)を終了して、メイン処理(図38参照)に戻る。一方、残り時間タイマ223jの値が「0」より大きい値でないと判別された場合(S1607:No)、即ち、残り時間タイマ223jの値が「0」以下である場合には、「V入賞チャンス演出」の終了タイミングが到来したということなので、V入賞チャンス演出フラグ223fをオフに設定し(S1608)、続いて、保留変動時間積算カウンタ223gの値を「0」クリアする(S1609)。そして、「V入賞チャンス演出」が終了することを通知するためのチャンス演出終了コマンドを設定し(S1610)、このカウンタ減算処理(S1110)を終了して、メイン処理(図38参照)に戻る。
S1610の処理で設定されたチャンス演出終了コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図38のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。これにより、チャンス演出終了コマンド受信した表示制御装置114は、「V入賞チャンス演出」が終了したことを認識し、該「V入賞チャンス演出」が終了したことを示す演出(後述する図46(d)及び(e)、又は、図47(d)及び(e)参照)を表示させる処理を実行する。
これにより、「V入賞チャンス演出」の実行中に残り時間タイマ223jの値が「1ミリ秒」ごとに1ずつ減算されるため、音声ランプ制御装置113において残り時間タイマ223jの値を参照することで、「V入賞チャンス演出」の残り時間と、「V入賞チャンス演出」の終了タイミングを把握することが可能となる。
次に、図46及び図47を参照して、第1実施形態のパチンコ機10の第3図柄表示装置81における「V入賞チャンス演出」、その「V入賞チャンス演出」の起因となった変動演出、及び、該変動演出に基づく大当たり演出の実行例について説明する。
図46は、第3図柄表示装置81で行われる「V入賞チャンス演出」から、新たな始動入賞が発生せずに大当たりの1ラウンド目までの推移を示した図である。まず、図46(a)は、「V入賞チャンス演出」が開始された直後の状態を示した図であり、図46(b)は、図46(a)の状態から左図柄列Z1が停止した状態を示した図である。そして、図46(c)は、図46(b)の状態から、1の変動演出が消化され、保留されている次の変動演出が開始された状態を示した図であり、図46(d)は、図46(c)の状態から「V入賞チャンス演出」が終了した状態を示した図である。さらに、図46(e)は、図46(d)の状態から「V入賞チャンス演出」の発生要因となった変動演出が開始された状態を示した図であり、図46(f)は、図46(e)の状態から大当たり図柄が現出した状態を示した図である。そして、図46(g)は、図46(f)の状態からV入賞装置72が開放されていることを示唆している状態を示した図であり、図46(h)は、図46(g)の状態からV入賞口74aに球を入賞させれなかったことを示す「V非獲得報知演出」が実行されている状態を示した図である。なお、図46(a)〜図46(h)において、第3図柄の表示態様は省略して表現している(以下、図47、図49又は図57における説明についても同様)。
図46(a)の状態は、第1特別図柄の変動演出が実行されている最中(即ち、各図柄列Z1〜Z3が「高速変動」中)に、新たな第1特別図柄の始動入賞が2つ発生し、先の始動入賞(以下、図46の説明において「始動入賞1」と称する場合がある)を示す特図1第1保留図柄表示領域Db1aに表示される保留図柄では「保留変化予告」が発生していない一方、後の始動入賞(以下、図46の説明において「始動入賞2」と称する場合がある)を示す特図1第2保留図柄表示領域Db1bに表示される保留図柄では「保留変化予告」が発生し、該保留図柄が「赤」に変化している状態を示している。
この「始動入賞2」に対応する変動演出では、「15ラウンドV開放大当たり」に当選しており、上述したように、特図1第2保留図柄表示領域Db1bに表示される保留図柄「保留変化予告」の「赤」に当選しているとともに、該変動演出に基づいて「V入賞チャンス演出」にも当選し、「V入賞チャンス演出」が開始された直後の状態を示している。
ここで、図46(a)では、実行中の変動演出および保留中の変動演出がすべて実行され、「始動入賞2」に基づくV開放大当たりが発生した場合、「始動入賞2」に基づく変動演出が通常演出態様で実行されてしまったとき、該大当たりに基づくV入賞装置72が開放されたタイミングではV入賞口74aが閉鎖されていることが事前判定されている。よって、第1実施形態のパチンコ機10では、「V入賞チャンス演出」を行い、その中で「発射促進示唆」を表示して、「始動入賞2」の変動演出が開始されるまでに、新たな始動入賞を3つ以上発生させ、「始動入賞2」の変動演出の開始時において特別図柄の保留球数を「4個」にして、「始動入賞2」に基づく変動演出を短縮演出態様で実行させるべきことを遊技者に示唆する。
図46(a)の状態において、副表示領域Dsの中央小領域Ds2に表示されているキャラクタが「V入賞チャンス演出」が発生したことを示すセリフを発生しており、そのセリフ表示が左小領域Ds1及び右小領域Ds3において表示されている。具体的には、左小領域Ds1において、「V入賞チャンス演出」が発生したことを直接的に示唆する「チャンスだ!」という文字表示が現出し、右小領域Ds3において、「発射促進示唆」の一形態を示す「時間内に球を出来るだけ沢山発射してくれ!」という文字表示が現出している。なお、「発射促進示唆」として、第1始動口64に球を入賞させることを示唆する内容(例えば、「たくさん入賞させろ」)であったり、変動短縮機能を作動させることを示唆する内容(例えば、「第1特別図柄の保留を4つ溜めろ」)等を表示するように構成してもよい。
この「V入賞チャンス演出」及び「発射促進示唆」、並びに、「保留変化予告」を見た遊技者は、「始動入賞2」の変動演出で大当たりが発生することを推測するとともに、この状況のままでは大当たりが発生したとしてもV入賞口74aへ球が流入しないのではないかと推測する。そして、変動短縮機能が作動する保留数にするために、第1始動口64(又は第2始動口71)に球を入賞させるべく、球を発射する。
従来、「保留変化予告」において大当たり期待度が高い表示態様(例えば、「赤」)が現出した場合、遊技者は、該「保留変化予告」に対応する変動演出において大当たりが発生することを予測する。そして、該変動演出の表示結果が現出するまでの推移(演出)に集中するために、「保留変化予告」の現出以降、該変動演出の表示結果が現出するまで球の発射を停止してしまい、その間のパチンコ機10の稼働が低下していた。
そこで、第1実施形態のパチンコ機10では、「保留変化予告」において大当たり期待度が高い表示態様を現出させた場合であっても、「V入賞チャンス演出」において「発射促進示唆」を表示することで、変動短縮機能が作動する保留球数になるまで遊技者に球の発射を継続させ、「保留変化予告」が現出した状況での発射球数を増加させ、パチンコ機10の稼働を向上することができる。
次いで、図46(b)では、図46(a)の状況から、主表示領域Dmの左図柄列Z1において図柄が停止し、中図柄列Z2及び右図柄列Z3において図柄の変動が継続している状況を示している。
また、副表示領域Dsの左小領域Ds1では、「発射促進示唆」の一形態である「発射しまくれ!」という文字表示が表示されているとともに、右小領域Ds3では、「V入賞チャンス演出」の残り時間(ここでは、「残り時間19:45」)の「残り時間表示」が表示されている。この「残り時間表示」は、「V入賞チャンス演出」の残り時間、即ち、「始動入賞2」の変動が開始されるまでの時間を示している。なお、このタイミングにおいて、新たな始動入賞は発生していない。
このように、「V入賞チャンス演出」の残り時間を表示して、その時間内に新たな始動入賞を発生させなければいけないと遊技者を焦らすことで、「V入賞チャンス演出」中に新たな始動入賞を発生させられるか否かという緊迫感のある遊技性を創出し、遊技の興趣を向上することができる。
次いで、図46(c)では、図46(b)の状況から、実行中の変動演出が終了し、「始動入賞1」に基づく変動演出が開始された状況、即ち、主表示領域Dmの各図柄列Z1〜Z3が「高速変動」している状況を示している。この場合、図46(b)において特図1第1保留図柄表示領域Db1aに表示されていた「始動入賞1」に対応する保留図柄が実行図柄表示領域Db0にシフト表示されるとともに、特図1第2保留図柄表示領域Db1bに表示されていた「始動入賞2」に対応する保留図柄が特図1第1保留図柄表示領域Db1aにシフト表示されている。
また、副表示領域Dsの左小領域Ds1では、「発射促進示唆」の一形態である「まだまだ!」という文字表示が表示されているとともに、右小領域Ds3では、この時点における「残り時間表示(ここでは、「残り時間13.25」)」が表示されている。なお、このタイミングでも、新たな始動入賞は発生していない。
次いで、図46(d)では、図46(c)の状況から、「始動入賞1」に基づく変動演出が終了して、その表示結果が現出している状況を示している。この状況では、主表示領域Dmの各図柄列Z1〜Z3において、チャンス目図柄と中図柄列Z2の停止図柄が異なる停止結果(図46(d)では、「788」。以下、チャンス目図柄と中図柄列Z2のみが異なる停止結果を、「ガセチャンス目図柄」と称する場合がある。)が現出している。
また、副表示領域Dsの右小領域Ds3では、この時点における「残り時間表示(ここでは、「残り時間00.00」)」が表示されている。よって、「V入賞チャンス演出」が終了したことを遊技者に示唆している。なお、このタイミングでも、新たな始動入賞は発生していない。
よって、「V入賞チャンス演出」の実行中において、新たな始動入賞を発生させることができておらず、「V入賞チャンス演出」の実行対象となった「始動入賞2」に基づく変動演出が通常演出態様で実行されることとなる。この場合、V開放大当たりが発生したとしてもV入賞口74aに球が入賞し得ない状況であるので、V入賞口74aに球が入賞し得ないことを遊技者に示唆する演出として、「V入賞チャンス演出」の終了に合わせてチャンス目図柄ではないガセチャンス目図柄を表示する。具体的には、前述したカウンタ減算処理(図45参照)のS1607の処理において、残り時間タイマ223jが「0」より大きい値でないことが判別された場合、即ち、「V入賞チャンス演出」が終了するタイミングで、変動演出処理(図43参照)のS1416との同様の処理を実行し、現状の状況でV入賞口74aに球が入賞し得るか否かを判別し、V入賞口74aに球が入賞する場合はチャンス目図柄を表示する一方、V入賞口74aに球が入賞しない場合にはガセチャンス目図柄を表示するように構成する。このように構成することで、図46(d)のように「V入賞チャンス演出」の終了時にガセチャンス目図柄を表示することで、「V入賞チャンス演出」で示された条件が達成できていないことを遊技者に示唆することができる。
次いで、図46(e)では、図46(d)の状況から、「始動入賞1」に基づく変動演出が終了し、「始動入賞2」に基づく変動演出が開始された状況、即ち、主表示領域Dmの各図柄列Z1〜Z3が「高速変動」している状況を示している。この場合、図46(d)において特図1第1保留図柄表示領域Db1aに表示されていた「始動入賞2」に対応する保留図柄が実行図柄表示領域Db0にシフト表示されている。
また、副表示領域Dsの左小領域Ds1では、準備完了コマンドを受信できなかったことで、「準備完了演出(後述する図47(e)参照)」ではない演出であって、V入賞口74aに球が入賞し得ないことを遊技者に予告示唆する「準備未完了演出」である「このままでは・・・」という文字表示が表示されている。また、中央小領域Ds2に表示されているキャラクタ図柄ががっかりした表情に変化して表示されている。よって、遊技者は、「準備未完了演出」を認識することで、V開放大当たりが発生した場合に、V入賞装置72が開放されたタイミングでV入賞口74aが開放されないことをこの段階で予測することができる。
次いで、図46(f)では、図46(e)の状況から、「始動入賞2」に基づく変動演出が終了して、その表示結果が現出している状況を示している。この状況では、主表示領域Dmの各図柄列Z1〜Z3において、「15ラウンドV開放大当たり」に対応する3つの「7」図柄が揃った「大当たり表示」が現出している。
しかし、副表示領域Dsの中央小領域Ds2に表示されているキャラクタ図柄は、「15ラウンドV開放大当たり」の「大当たり表示」が現出しているにもかからわず、図46(e)と同様、がっかりした表情で表示されている。
次いで、図46(g)では、図46(f)の状況から、「15ラウンドV開放大当たり」が発生して、該大当たりの1ラウンド目においてV入賞装置72が開放されていることを示す表示(図46(g)の例では、「V入賞チャンス」及び「Vをねらって打て!」の文字表示)が現出している。しかしながら、このタイミングでは、V入賞口74aが開放されていないため、V入賞装置72が開放されたとしてもV入賞口74aへは球が入賞し得ない。
次いで、図46(h)では、図46(g)の状況から、該大当たりの1ラウンド目が終了してV入賞装置72が閉鎖され、V入賞装置72の開放中にV入賞口74aに球が入賞しなかったことを示す「V未獲得報知演出」である「獲得失敗・・・」との文字表示が表示されている。従って、この大当たりの終了後は、「確率変動状態」に移行せず、「時間短縮状態」に移行することを遊技者に示唆している。
次に、図47を参照して、図46の状況と異なり、V開放大当たりが発生する変動演出が実行されるまでに保留球数が溜まり、V開放大当たりが発生する変動演出が短縮演出態様で実行される場合について説明する。
図47は、第3図柄表示装置81で行われる「V入賞チャンス演出」から、新たな始動入賞が発生した後、大当たりの1ラウンド目までの推移を示した図であり、図47(a)は、「V入賞チャンス演出」が開始された直後の状態を示した図であり、図47(b)は、図47(a)の状態から左図柄列Z1が停止した状態を示した図であり、図47(c)は、図47(b)の状態から、1の変動演出が消化され、保留されている次の変動演出が開始された状態を示した図であり、図47(d)は、図47(c)の状態から「V入賞チャンス演出」が終了した状態を示した図であり、図47(e)は、図47(d)の状態から「V入賞チャンス演出」の発生要因となった変動演出が開始された状態を示した図であり、図47(f)は、図47(e)の状態から大当たり図柄が現出した状態を示した図であり、図47(g)は、図47(f)の状態からV入賞装置72が開放されていることを示唆している状態を示した図であり、図47(h)は、図47(g)の状態からV入賞口74aに球を入賞させたことを示す「V獲得報知演出」が実行されている状態を示した図である。
図47(a)の状態は、図46(a)と同様、第1特別図柄の変動演出が実行されている最中(即ち、各図柄列Z1〜Z3が「高速変動」中)に、新たな第1特別図柄の始動入賞が2つ発生し、先の始動入賞(以下、図47の説明において「始動入賞1」と称する場合がある)を示す特図1第1保留図柄表示領域Db1aに表示される保留図柄では「保留変化予告」が発生していない一方、後の始動入賞(以下、図47の説明において「始動入賞2」と称する場合がある)を示す特図1第2保留図柄表示領域Db1bに表示される保留図柄では「保留変化予告」が発生し、該保留図柄が「赤」に変化している状態を示している。
この「始動入賞2」に対応する変動演出では、「15ラウンドV開放大当たり」に当選しており、上述したように、特図1第2保留図柄表示領域Db1bに表示される保留図柄「保留変化予告」の「赤」に当選しているとともに、該変動演出に基づいて「V入賞チャンス演出」にも当選し、「V入賞チャンス演出」が開始された状態を示している。
ここで、図47(a)では、図46(a)と同様、実行中の変動演出および保留中の変動演出がすべて実行され、「始動入賞2」に基づくV開放大当たりが発生した場合、「始動入賞2」に基づく変動演出が通常演出態様で実行されてしまったとき、該大当たりに基づくV入賞装置72が開放されたタイミングではV入賞口74aが閉鎖されていることが事前判定されている。よって、第1実施形態のパチンコ機10では、「V入賞チャンス演出」を行い、その中で「発射促進示唆」を表示して、「始動入賞2」の変動演出が開始されるまでに、新たな始動入賞を3つ以上発生させ、「始動入賞2」の変動演出の開始時において特別図柄の保留球数を「4個」にして、「始動入賞2」に基づく変動演出を短縮演出態様で実行させるべきことを遊技者に示唆する。
図47(a)の状態において、副表示領域Dsの中央小領域Ds2に表示されているキャラクタが「V入賞チャンス演出」が発生したことを示すセリフを発生しており、そのセリフ表示が左小領域Ds1及び右小領域Ds3において表示されている。具体的には、左小領域Ds1において、「V入賞チャンス演出」が発生したことを直接的に示唆する「チャンスだ!」という文字表示が現出し、右小領域Ds3において、「発射促進示唆」の一形態を示す「時間内に球を出来るだけ沢山発射してくれ!」という文字表示が現出している。
次いで、図47(b)では、図47(a)の状況から、主表示領域Dmの左図柄列Z1において図柄が停止し、中図柄列Z2及び右図柄列Z3において図柄の変動が継続している状況を示している。また、副表示領域Dsの左小領域Ds1では、「発射促進示唆」の一形態である「発射しまくれ!」という文字表示が表示されているとともに、右小領域Ds3では、「V入賞チャンス演出」の残り時間(ここでは、「残り時間19:45」)の「残り時間表示」が表示されている。この「残り時間表示」は、「V入賞チャンス演出」の残り時間、即ち、「始動入賞2」の変動が開始されるまでの時間を示している。なお、このタイミングにおいて、新たな始動入賞は発生していない。
次いで、図47(c)では、図47(b)の状況から、実行中の変動演出が終了し、「始動入賞1」に基づく変動演出が開始された状況、即ち、主表示領域Dmの各図柄列Z1〜Z3が「高速変動」している状況を示している。この場合、図47(b)において特図1第1保留図柄表示領域Db1aに表示されていた「始動入賞1」に対応する保留図柄が実行図柄表示領域Db0にシフト表示されるとともに、特図1第2保留図柄表示領域Db1bに表示されていた「始動入賞2」に対応する保留図柄が特図1第1保留図柄表示領域Db1aにシフト表示されている。
このタイミングでは、図47(b)の状況から新たな第1特別図柄の始動入賞が2つ発生し、該2の始動入賞のうち、先の新たな始動入賞(以下、図47の説明において「始動入賞3」と称する場合がある)に対応する保留図柄が特図1第2保留図柄表示領域Db1bに表示されるとともに、後の新たな始動入賞(以下、図47の説明において、「始動入賞4」と称する場合がある)に対応する保留図柄が特図1第3保留図柄表示領域Db1cに表示されている。
また、副表示領域Dsの左小領域Ds1では、図47(b)の状況から新たな始動入賞は発生したが、未だ変動短縮機能が作動する状態に達していないことを示す「発射促進示唆」の一形態である「もっと!」という文字表示が表示されているとともに、右小領域Ds3では、この時点における「残り時間表示(ここでは、「残り時間13.25」)」が表示されている。
次いで、図47(d)では、図47(c)の状況から、「始動入賞1」に基づく変動演出が終了して、その表示結果が現出している状況を示している。この状況では、主表示領域Dmの各図柄列Z1〜Z3において、チャンス目図柄(「778」)が現出している。
このタイミングでは、図47(c)の状況から新たな第1特別図柄の始動入賞が1つ発生し、その新たな始動入賞(以下、図47の説明において「始動入賞5」と称する場合がある)に対応する保留図柄が特図1第4保留図柄表示領域Db1bに表示されている。
また、副表示領域Dsの右小領域Ds3では、この時点における「残り時間表示(ここでは、「残り時間00.00」)」が表示されている。よって、「V入賞チャンス演出」が終了したことを遊技者に示唆している。
よって、「V入賞チャンス演出」の実行中において、新たな始動入賞を3つ発生させたことで、「V入賞チャンス演出」の実行対象となった「始動入賞2」に基づく変動演出が短縮演出態様で実行されることとなる。この場合、V開放大当たりが発生した場合にV入賞口74aに球が入賞し得る状況であるので、V入賞口74aに球が入賞し得ることを遊技者に示唆する演出として、「V入賞チャンス演出」の終了に合わせてチャンス目図柄を表示する。具体的には、前述したカウンタ減算処理(図45参照)のS1607の処理において、残り時間タイマ223jが「0」より大きい値でないことが判別された場合、即ち、「V入賞チャンス演出」が終了するタイミングで、変動演出処理(図43参照)のS1416との同様の処理を実行し、現状の状況でV入賞口74aに球が入賞し得るか否かを判別し、V入賞口74aに球が入賞する場合はチャンス目図柄を表示する一方、V入賞口74aに球が入賞しない場合にはガセチャンス目図柄を表示するように構成する。このように構成することで、図47(d)のように「V入賞チャンス演出」の終了時にチャンス目図柄を表示することで、「V入賞チャンス演出」で示された条件が達成できたことを遊技者に示唆することができる。
次いで、図47(e)では、図47(d)の状況から、「始動入賞1」に基づく変動演出が終了し、「始動入賞2」に基づく変動演出が開始された状況、即ち、主表示領域Dmの各図柄列Z1〜Z3が「高速変動」している状況を示している。この場合、図47(d)において特図1第1保留図柄表示領域Db1aに表示されていた「始動入賞2」に対応する保留図柄が実行図柄表示領域Db0にシフト表示され、特図1第2保留図柄表示領域Db1bに表示されていた「始動入賞3」に対応する保留図柄が特図1第1保留図柄表示領域Db1aにシフト表示され、特図1第3保留図柄表示領域Db1cに表示されていた「始動入賞4」に対応する保留図柄が特図1第2保留図柄表示領域Db1bにシフト表示され、特図1第4保留図柄表示領域Db1dに表示されていた「始動入賞5」に対応する保留図柄が特図1第3保留図柄表示領域Db1cにシフト表示されている。
また、副表示領域Dsの左小領域Ds1では、準備完了コマンドを受信したことによる「準備完了演出」である「準備は整った!」という文字表示が表示されている。また、中央小領域Ds2に表示されているキャラクタ図柄が、喜んでいる表情に変化して表示されている。よって、遊技者は、「準備完了演出」を認識することで、V開放大当たりが発生した場合に、V入賞装置72が開放されたタイミングでV入賞口74aが開放されることをこの段階で予測することができる。
次いで、図47(f)では、図47(e)の状況から、「始動入賞2」に基づく変動演出が終了して、その表示結果が現出している状況を示している。この状況では、主表示領域Dmの各図柄列Z1〜Z3において、「15ラウンドV開放大当たり」に対応する3つの「7」図柄が揃った「大当たり表示」が現出している。
また、副表示領域Dsの中央小領域Ds2に表示されているキャラクタ図柄は、図47(e)と同様、喜んだ表情で表示されている。
次いで、図47(g)では、図47(f)の状況から、「15ラウンドV開放大当たり」が発生して、該大当たりの1ラウンド目においてV入賞装置72が開放されていることを示す表示(図47(g)の例では、「V入賞チャンス」及び「Vをねらって打て!」の文字表示)が現出している。このタイミングでは、V入賞口74aが開放されているため、V入賞装置72が開放された場合にはV入賞口74aへ球が入賞し得る状況となっている。
次いで、図47(h)では、図47(g)の状況から、該大当たりの1ラウンド目が終了してV入賞装置72が閉鎖され、V入賞装置72の開放中にV入賞口74aに球が入賞したことを示す「V獲得報知演出」である「V獲得成功!」との文字表示が表示されている。従って、この大当たりの終了後は、「確率変動状態」に移行することを遊技者に示唆している。
以上、説明したように、第1実施形態のパチンコ機10では、V開放大当たりは、大当たりが開始されてからV入賞装置72が開閉されるまでの期間が固定的に設定され、また、V振分駆動ソレノイド73cの駆動周期がV入賞装置72の開放時間より長く設定されている。従って、V開放大当たりに当選した場合であっても、その発生したタイミングによっては、V入賞装置72が開放されている間に、V入賞口74aに球が流入し得る状況と、V入賞口74aに球が流入し得ない状況と、V入賞口74aに球が流入し得る状況とし得ない状況とが混在する状況とが発生する。このように構成することで、大当たりしたタイミングによって「確率変動状態」を付与するか否かを異ならせ、遊技のバリエーションを豊富にして、遊技の興趣向上を図ることができる。
そのように構成されたパチンコ機10において、変動演出の実行に際し、所定数の保留球数以上となることで変動短縮機能が作動するように構成する。そして、実行中の変動演出、保留中の変動演出、及び、大当たり時におけるV入賞装置72の開放タイミング、並びに、V入賞口74aの開放タイミングを特別図柄の始動入賞時に先読み判定するように構成する。そして、その判定の結果、V入賞装置72が開放されたタイミングでV入賞口74aに球が入賞し得ない状況の場合には、該大当たりの開始前までに特別図柄の保留球数を変動短縮機能が作動する状況にしておくことで、V入賞装置72が開放されるタイミングでのV入賞口74aの開閉タイミングの位相をずらすことが可能に構成する。このように構成することで、「V入賞チャンス演出」中における遊技者の遊技結果次第でV入賞口74aに球が入賞し得る状況を創り出すことができる。よって、大当たりにおけるV入賞口74aへの入賞有無を遊技者自らの操作(発射に基づく始動入賞数)により取得可能に構成することで、V入賞口74aへ入賞させた場合の達成感を感じさせ、遊技の興趣向上を図ることができる。また、「V入賞チャンス演出」において「発射促進示唆」を表示させることで、パチンコ機10における発射球数を増加させ、パチンコ機10の稼働を向上することができる。
さらに、「ハズレ」時の各「リーチ表示」の抽出時、及び、V開放大当たりではない大当たりの抽出時においても、所定割合で「V入賞チャンス演出」を実行するように構成されている。このように構成することで、「V入賞チャンス演出」において「発射促進示唆」を実行して、V入賞装置72が開放されることがない「ハズレ」時又はV開放大当たりではない大当たりの変動演出であっても遊技者に球の発射を促し、パチンコ機10の稼働を向上させることができる。
また、各「リーチ表示」において、大当たりが導出される割合が高い「リーチ表示」ほど、「V入賞チャンス演出」が実行され易いように構成されている。このように構成することで、大当たりに当選した場合に意味をなす「V入賞チャンス演出」が実行された場合に、大当たり期待度が高い「リーチ表示」が実行され得ることを遊技者に示唆することができる。よって、「V入賞チャンス演出」と大当たりが期待し得る「リーチ表示」とが同時に実行されることで、単独で各演出が実行される場合より遊技者に大当たりが導出されることを期待させ、遊技の興趣向上を図ることができる。また、大当たり期待度が高い「リーチ表示」ほど、「V入賞チャンス演出」に当選し易くすることで、大当たりに当選し易い演出態様ほどV入賞口74aへの入賞可能性を高くすることができる。よって、大当たりに当選する場合に、大当たり種別以外に、抽出される変動演出の演出態様によっても得られる遊技価値が変化し得ることで、遊技中(変動演出中)、遊技者に演出態様の種類にも着目させながら遊技を行わせることができ、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、「保留変化予告」と「V入賞チャンス演出」とを同時に実行可能に構成し、「保留変化予告」を現出させた場合であっても「V入賞チャンス演出」によって遊技者に球の発射を促して、パチンコ機10の稼働を向上させることができる。また、「保留変化予告」と「V入賞チャンス演出」とが重複することで遊技者の大当たりへの期待感をさらに増幅させて、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、変動短縮機能を作動させ易い「確率変動状態」及び「時間短縮状態」では、遊技者の意思に基づいて変動短縮機能を作動させるか否かを選択し易くなるように構成されている。よって、「確率変動状態」及び「時間短縮状態」において、「V入賞チャンス演出」が発生した段階にて、通常演出態様において該当する変動演出が実行される場合に、入賞補助機能を作動させて第2始動口71に球を入賞させることで該当する変動演出を容易に短縮演出態様にすることができ、V入賞口74aへ球を流入させ易くすることができる。
さらに、「通常遊技状態」において、第2始動口71に球が入賞し難くすることで第2特別図柄の変動演出を発生し難く構成し、第1特別図柄の変動演出が実行されている最中に第2特別図柄の変動演出が発生し難くなるように構成されている。このように構成することで、第1特別図柄の始動入賞に基づく「V入賞チャンス演出」中に、第1特別図柄より優先的に変動され得る第2特別図柄の変動演出が割り込むことがないようにすることができる。その結果、「V入賞チャンス演出」の演出時間と、V開放大当たりに当選する変動演出の開始時間とがズレてしまうことを抑制することができる。
<第2実施形態>
次いで、図48及び図49を参照して、本発明を適用した第2実施形態のパチンコ機10について説明する。第1実施形態のパチンコ機10では、「V入賞チャンス演出」において、V入賞装置72が開放されるタイミングでV入賞口74aに球が入賞し得る状況か否かを判別し、V入賞口74aに球が入賞し得ない状況の場合、「発射促進示唆」を表示して、遊技者に球の発射を促し、変動短縮機能が作動するような状況にさせるようにしていた。これに対し、第2実施形態のパチンコ機10では、「V入賞チャンス演出」において、V入賞装置72が開放されるタイミングでV入賞口74aに球が入賞し得る状況の場合、「発射停止示唆」を表示して、遊技者に球の発射を停止させ、現状の状況のまま待機させるように構成する。
以下、第2実施形態のパチンコ機10について、第1実施形態のパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の第2実施形態のパチンコ機10の説明において、第1実施形態のパチンコ機10と同一の構成及び処理については、第1実施形態と同一の符号を付し、その説明を省略する。
まず、図48を参照して、第2実施形態におけるV入賞チャンス演出設定処理(S1307)について説明する。図48は、第2実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるV入賞チャンス演出設定処理(S1307)を示したフローチャートである。
第2実施形態のV入賞チャンス演出設定処理(S1307)では、第1実施形態と同様、V開放大当たりに当選している場合に、V入賞装置72が開放されるタイミングにおいて、V入賞口74aに球が入賞し得るか否かを判別する。そして、判別の結果、V入賞装置72が開放されるタイミングにおいてV入賞口74aに球が入賞し得るタイミングでV開放大当たりを発生する変動演出が実行される場合に、V開放大当たりに当選する変動演出が実行されるまで、現状の状態を維持させるべく、第1実施形態におけるV入賞チャンス演出設定処理(図41参照)のS1356及びS1357の処理に代えて、「V入賞チャンス演出」において、遊技者に球の発射の停止を示唆する「発射停止示唆」を表示させる(図48のS1361及びS1362参照)。
第2実施形態のV入賞チャンス演出設定処理(S1307)では、S1355の処理の実行後に行われるS1361の処理において、S1355の処理後の合算カウンタ223iの値を、V入賞口74aの開閉周期に対応する時間、即ち、「20000」で割り、そのときの余りとなる値X(Xは自然数)が「0≦X<5000」の範囲内か否かを判別する(S1361)。上記余りとなる値が「0≦X<5000」となっている場合(S1361:Yes)、現時点の状態(保留球数)で、V入賞装置72が開放されるタイミングにおいてV入賞口74aが開放されている状態であって、V入賞装置72が開放された場合にV入賞口74aに球が入賞し得る状況となっている。よって、この状況のまま大当たりが発生すればV入賞口74aへ球が流入することから、「V入賞チャンス演出」において、遊技者に球の発射の停止を促す「発射停止示唆」を表示させるための表示用発射停止示唆コマンドを設定し(S1362)、このV入賞チャンス演出設定処理(S1307)を終了し、先読み設定処理(図40参照)に戻る。
S1362の処理で設定された表示用発射停止示唆コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図38のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。これにより、表示用発射停止示唆コマンド受信した表示制御装置114は、「V入賞チャンス演出」において遊技者に球の発射の停止を促す「発射停止示唆(後述する図49(b)及び(c)参照)」を表示させる処理を実行する。
一方、S1361の処理において、上記余りとなる値が「0≦X<5000」となっていない場合(S1361:No)、即ち、上記余りとなる値が、「5000≦X<20000」となっている場合は、少なくともV入賞口74aが閉鎖されているタイミングが存在するということなので、この状況のまま(通常演出態様のまま)では大当たりが発生したとしてもV入賞口74aへ球が流入し得ない可能性があることから、「V入賞チャンス演出」において、遊技者に球の発射を促す「発射促進示唆」を表示させるための表示用発射促進示唆コマンドを設定し(S1357)、このV入賞チャンス演出設定処理(S1307)を終了し、先読み設定処理(図40参照)に戻る。
このように、V開放大当たりに当選する変動演出の始動入賞の段階で、V入賞装置72が開放されるタイミングでV入賞口74aに球が入賞し得る状況の場合に、「V入賞チャンス演出」において遊技者に球の発射の停止を促し、現状のままV開放大当たりに当選する変動演出が実行され得る状況にしておくことで、V入賞装置72が開放されるタイミングにV入賞口74aへ球が入賞し得る状況を創り出すことができる。よって、大当たりにおけるV入賞口74aへの入賞有無を遊技者自らの操作(発射停止に基づく現状維持)により取得可能に構成することで、V入賞口74aへ入賞させた場合の達成感を感じさせ、遊技の興趣向上を図ることができる。
次に、図49を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10の第3図柄表示装置81における「V入賞チャンス演出」、その「V入賞チャンス演出」の起因となった変動演出、及び、該変動演出に基づく大当たり演出の実行例について説明する。
図49は、第2実施形態における第3図柄表示装置81で行われる「V入賞チャンス演出」から、新たな始動入賞が発生せずに、大当たりの1ラウンド目までの推移を示した図であり、図49(a)は、「V入賞チャンス演出」が開始された直後の状態を示した図であり、図49(b)は、図49(a)の状態から左図柄列Z1が停止した状態を示した図であり、図49(c)は、図49(b)の状態から、1の変動演出が消化され、保留されている次の変動演出が開始された状態を示した図であり、図49(d)は、図49(c)の状態から「V入賞チャンス演出」が終了した状態を示した図であり、図49(e)は、図49(d)の状態から「V入賞チャンス演出」の発生要因となった変動演出が開始された状態を示した図であり、図49(f)は、図49(e)の状態から大当たり図柄が現出した状態を示した図であり、図49(g)は、図49(f)の状態からV入賞装置72が開放されていることを示唆している状態を示した図であり、図49(h)は、図49(g)の状態からV入賞口74aに球を入賞させたことを示す「V獲得報知演出」が実行されている状態を示した図である。
図49(a)の状態は、第1特別図柄の変動演出が実行されている最中(即ち、各図柄列Z1〜Z3が「高速変動」中)に、新たな第1特別図柄の始動入賞が2つ発生し、先の始動入賞(以下、図49の説明において「始動入賞1」と称する場合がある)を示す特図1第1保留図柄表示領域Db1aに表示される保留図柄では「保留変化予告」が発生していない一方、後の始動入賞(以下、図49の説明において「始動入賞2」と称する場合がある)を示す特図1第2保留図柄表示領域Db1bに表示される保留図柄では「保留変化予告」が発生し、該保留図柄が「赤」に変化している状態を示している。
この「始動入賞2」に対応する変動演出では、「15ラウンドV開放大当たり」に当選しており、上述したように、特図1第2保留図柄表示領域Db1bに表示される保留図柄「保留変化予告」の「赤」に当選しているとともに、該変動演出に基づいて「V入賞チャンス演出」にも当選し、「V入賞チャンス演出」が開始された状態を示している。
ここで、図49(a)では、実行中の変動演出および保留中の変動演出がすべて実行され、「始動入賞2」に基づくV開放大当たりが発生した場合、「始動入賞2」に基づく変動演出が通常演出態様で実行されたとき、該大当たりに基づくV入賞装置72が開放されたタイミングでV入賞口74aが開放されていることが事前判定されている。よって、第2実施形態のパチンコ機10では、「V入賞チャンス演出」を行い、その中で「発射停止示唆」を表示して、「始動入賞2」の変動演出が開始されるまでに、新たな始動入賞を発生させず、「始動入賞2」の変動演出が開始されるまで現状の状態を維持するようにさせ、「始動入賞2」に基づく変動演出を通常演出態様で実行させるべきことを遊技者に示唆する。
図49(a)の状態において、副表示領域Dsの中央小領域Ds2に表示されているキャラクタが「V入賞チャンス演出」が発生したことを示すセリフを発生しており、そのセリフ表示が左小領域Ds1及び右小領域Ds3において表示されている。具体的には、左小領域Ds1において、「V入賞チャンス演出」が発生したことを直接的に示唆する「チャンスだ!」という文字表示が現出し、右小領域Ds3において、「発射停止示唆」の一形態を示す「そのまま球を打たずに待機してくれ!」という文字表示が現出している。
次いで、図49(b)では、図49(a)の状況から、主表示領域Dmの左図柄列Z1において図柄が停止し、中図柄列Z2及び右図柄列Z3において図柄の変動が継続している状況を示している。また、副表示領域Dsの左小領域Ds1では、「発射停止示唆」の一形態である「打つな!」という文字表示が表示されているとともに、右小領域Ds3では、「V入賞チャンス演出」の残り時間(ここでは、「残り時間19:45」)の「残り時間表示」が表示されている。この「残り時間表示」は、「V入賞チャンス演出」の残り時間、即ち、「始動入賞2」の変動が開始されるまでの時間を示している。なお、このタイミングにおいて、「発射停止示唆」による影響により、新たな始動入賞は発生していない。
次いで、図49(c)では、図49(b)の状況から、実行中の変動演出が終了し、「始動入賞1」に基づく変動演出が開始された状況、即ち、主表示領域Dmの各図柄列Z1〜Z3が「高速変動」している状況を示している。この場合、図49(b)において特図1第1保留図柄表示領域Db1aに表示されていた「始動入賞1」に対応する保留図柄が実行図柄表示領域Db0にシフト表示されるとともに、特図1第2保留図柄表示領域Db1bに表示されていた「始動入賞2」に対応する保留図柄が特図1第1保留図柄表示領域Db1aにシフト表示されている。
また、副表示領域Dsの左小領域Ds1では、「発射停止示唆」の一形態である「もう少しの辛抱だ!」という文字表示が表示されているとともに、右小領域Ds3では、この時点における「残り時間表示(ここでは、「残り時間13.25」)」が表示されている。なお、このタイミングにおいても、「発射停止示唆」による影響により、新たな始動入賞は発生していない。
次いで、図49(d)では、図49(c)の状況から、「始動入賞1」に基づく変動演出が終了して、その表示結果が現出している状況を示している。この状況では、主表示領域Dmの各図柄列Z1〜Z3において、チャンス目図柄(「778」)が現出している。
また、副表示領域Dsの右小領域Ds3では、この時点における「残り時間表示(ここでは、「残り時間00.00」)」が表示されている。よって、「V入賞チャンス演出」が終了したことを遊技者に示唆している。
このタイミングにおいても、「発射停止示唆」による影響により、新たな始動入賞は発生していない。よって、「V入賞チャンス演出」の実行中において新たな始動入賞を発生させず、「V入賞チャンス演出」の実行対象となった「始動入賞2」に基づく変動演出が該「始動入賞2」の発生時に認識されていた通常演出態様で実行されることとなる。この場合、V開放大当たりが発生した場合にV入賞口74aに球が入賞し得る状況であるので、V入賞口74aに球が入賞し得ることを遊技者に示唆する演出として、「V入賞チャンス演出」の終了に合わせてチャンス目図柄を表示する。具体的には、前述したカウンタ減算処理(図45参照)のS1607の処理において、残り時間タイマ223jが「0」より大きい値でないことが判別された場合、即ち、「V入賞チャンス演出」が終了するタイミングで、変動演出処理(図43参照)のS1416との同様の処理を実行し、現状の状況でV入賞口74aに球が入賞し得るか否かを判別し、V入賞口74aに球が入賞する場合はチャンス目図柄を表示する一方、V入賞口74aに球が入賞しない場合にはガセチャンス目図柄を表示するように構成する。このように構成することで、図49(d)のように「V入賞チャンス演出」の終了時にチャンス目図柄を表示することで、「V入賞チャンス演出」で示された条件が達成できたことを遊技者に示唆することができる。
次いで、図49(e)では、図49(d)の状況から、「始動入賞1」に基づく変動演出が終了し、「始動入賞2」に基づく変動演出が開始された状況、即ち、主表示領域Dmの各図柄列Z1〜Z3が「高速変動」している状況を示している。この場合、図49(d)において特図1第1保留図柄表示領域Db1aに表示されていた「始動入賞2」に対応する保留図柄が実行図柄表示領域Db0にシフト表示されている。
また、副表示領域Dsの左小領域Ds1では、準備完了コマンドを受信したことによる「準備完了演出」である「準備は整った!」という文字表示が表示されている。また、中央小領域Ds2に表示されているキャラクタ図柄が、喜んでいる表情に変化して表示されている。よって、遊技者は、「準備完了演出」を認識することで、V開放大当たりが発生した場合に、V入賞装置72が開放されたタイミングでV入賞口74aが開放されることをこの段階で予測することができる。
次いで、図49(f)では、図49(e)の状況から、「始動入賞2」に基づく変動演出が終了して、その表示結果が現出している状況を示している。この状況では、主表示領域Dmの各図柄列Z1〜Z3において、「15ラウンドV開放大当たり」に対応する3つの「7」図柄が揃った「大当たり表示」が現出している。
また、副表示領域Dsの中央小領域Ds2に表示されているキャラクタ図柄は、図49(e)と同様、喜んだ表情で表示されている。
次いで、図49(g)では、図49(f)の状況から、「15ラウンドV開放大当たり」が発生して、該大当たりの1ラウンド目においてV入賞装置72が開放されていることを示す表示(図49(g)の例では、「V入賞チャンス」及び「Vをねらって打て!」の文字表示)が現出している。このタイミングでは、V入賞口74aが開放されているため、V入賞装置72が開放された場合にはV入賞口74aへ球が入賞し得る状況となっている。
次いで、図49(h)では、図49(g)の状況から、該大当たりの1ラウンド目が終了してV入賞装置72が閉鎖され、V入賞装置72の開放中にV入賞口74aに球が入賞したことを示す「V獲得報知演出」である「V獲得成功!」との文字表示が表示されている。従って、この大当たりの終了後は、「確率変動状態」に移行することを遊技者に示唆している。
以上、説明したように、第2実施形態のパチンコ機10では、実行中の変動演出、保留中の変動演出、及び、大当たり時におけるV入賞装置72の開放タイミング、並びに、V入賞口74aの開放タイミングを特別図柄の始動入賞時に先読み判定するように構成する。そして、その判定の結果、V開放大当たりに当選する変動演出の始動入賞の段階で、V入賞装置72が開放されるタイミングでV入賞口74aに球が入賞し得る状況の場合に、「V入賞チャンス演出」において遊技者に球の発射の停止を促し、現状のままV開放大当たりに当選する変動演出が実行され得る状況にしておくことで、V入賞装置72が開放されるタイミングにV入賞口74aへ球が入賞し得る状況を創り出すことができる。よって、大当たりにおけるV入賞口74aへの入賞有無を遊技者自らの操作(発射停止に基づく現状維持)により取得可能に構成することで、V入賞口74aへ入賞させた場合の達成感を感じさせ、遊技の興趣向上を図ることができる。
そのほか、第1実施形態のパチンコ機10が有する構成と同一の構成によって、その構成によって得られる効果と同様の効果を奏することができる。
<第3実施形態>
次いで、図50乃至図57を参照することで、本発明を適用した第3実施形態のパチンコ機10について説明する。第1実施形態及び第2実施形態のパチンコ機10では、「V入賞チャンス演出」を実行する場合に、一度設定した「V入賞チャンス演出」の内容(実行時間)をそのまま実行し、新たな始動入賞が発生したことに基づいて実行中の「V入賞チャンス演出」の修正等を行わないように構成していた。
ここで、例えば、V開放大当たりが発生しない変動演出の実行に基づいて「V入賞チャンス演出」(以下、V開放大当たりが発生しない変動演出の実行に基づく「V入賞チャンス演出」を、「ガセV入賞チャンス演出」と称する場合がある)を設定し、その「ガセV入賞チャンス演出」の実行中に発生した新たな始動入賞においてV開放大当たりが発生するような場合、「ガセV入賞チャンス演出」では、新たな始動入賞に基づくV開放大当たりにおけるV入賞装置72の開放タイミングとV入賞口74aとの開放タイミングとを示唆することができないため、遊技者が自らの操作によってV入賞口74aへ球を入賞させることが困難な場合がある。
そこで、第3実施形態のパチンコ機10では、「ガセV入賞チャンス演出」の実行中に新たな始動入賞が発生し、該始動入賞においてV開放大当たりが発生する場合に、実行中の「ガセV入賞チャンス演出」の内容を修正し、V開放大当たりに基づいてV入賞装置72が開放されるタイミングにおいてV入賞口74aに球が入賞し得るか否かを遊技者に示唆可能に構成する。
以下、第3実施形態のパチンコ機10について、第1実施形態又は第2実施形態のパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の第3実施形態のパチンコ機10の説明において、第1実施形態又は第2実施形態のパチンコ機10と同一の構成及び処理については、第1実施形態又は第2実施形態と同一の符号を付し、その説明を省略する。
まず、図50を参照して、第3実施形態における音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられた第1保留情報格納エリア223m、第2保留情報格納エリア223n及び実行情報格納エリア223oの詳細について説明する。図50は、第3実施形態における第1保留情報格納エリア223m、第2保留情報格納エリア223n及び実行情報格納エリア223oの構成を模式的に示す模式図である。第3実施形態における第1保留情報格納エリア223m、第2保留情報格納エリア223n及び実行情報格納エリア223oの構成において、第1実施形態と相違する点は、第1保留情報格納エリア223m、第2保留情報格納エリア223n及び実行情報格納エリア223oに、記憶している(保留している又は実行している)変動演出の変動時間を記憶する変動時間情報格納エリア223m6,223n6,223o6が設けられている点である。その他の構成については、第1実施形態と同一であるため、その説明を省略する。
各保留情報格納エリア223m,223nの変動時間情報格納エリア223m6,223n6は、保留されている変動演出の変動時間に関するデータを記憶可能な領域である。また、実行情報格納エリア223oは、実行されている変動演出の変動時間に関するデータを記憶可能な領域であり、後述するタイマ割込処理(図51参照)で1ms毎に実行される変動時間管理処理(図54参照)において、実行中の変動演出の残り時間が計数される。これら変動時間情報格納エリア223m6,223n6,223o6は、実行され得る変動演出の実行時間をミリ秒に換算した値(即ち、「20秒」の変動演出であれば「20000」)をそれぞれ格納するように構成されている。
音声ランプ制御装置113は、まず、保留球数コマンドの受信時に、第1保留情報格納エリア223mの第1保留情報格納第1〜第4エリア又は第2保留情報格納エリア223nの第2保留情報格納第1〜第4エリアのうち、該保留球数コマンドによって更新されたサブ第1保留球数カウンタ223b又はサブ第2保留球数カウンタ223cの値に対応する第1保留情報格納第Xエリア又は第2保留情報格納第Xエリアの各カウンタ格納エリア223m1〜223m4,223n1〜223n4に格納された各値に基づいて、先読み処理(先読み設定処理(図52参照)のS1391)を行い、この先読み処理の結果に基づいて生成された変動時間に関するデータを、同じ第1保留情報格納第Xエリア又は第2保留情報格納第Xエリアの変動時間情報格納エリア223m6,223n6にそれぞれ格納する。
そして、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より変動演出の開始を意味する変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドを受信すると、第1保留情報格納エリア223m又は第2保留情報格納エリア223n、および、実行情報格納エリア223oにおいてシフト処理を実行する。つまり、保留された第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出が1つ減り、第2特別図柄の変動演出が保留されていた場合は時間的に1番目に保留された第2特別図柄の変動演出の実行が開始され、第2特別図柄の変動演出が保留されておらず、第1特別図柄の変動演出が保留されていた場合は時間的に1番目に保留された第1特別図柄の変動演出の実行が開始されるので、その1番目に保留された変動演出に対応する第2保留情報格納第1エリアの各格納エリア223n1〜223n6、又は、第1保留情報格納第1エリアの各格納エリア223m1〜223m6に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値および各種情報(データ)を、現在実行中の変動演出に対応する実行情報格納エリア223oの各格納エリア223o1〜223o6に移動させる。
また、シフトされた特別図柄に対応する保留情報格納第2エリアの各格納エリア223m1〜223m6,223n1〜223n6に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値および各種情報(データ)を、シフトされた特別図柄に対応する保留情報格納第1エリアの各格納エリア223m1〜223m6,223n1〜223n6に移動させ、シフトされた特別図柄に対応する保留情報格納第3エリアの各格納エリア223m1〜223m6,223n1〜223n6に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値および各種情報(データ)を、シフトされた特別図柄に対応する保留情報格納第2エリアの各格納エリア223m1〜223m6に移動させ、シフトされた特別図柄に対応する保留情報格納第4エリアの各格納エリア223m1〜223m6,223n1〜223n6に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値および各種情報(データ)を、シフトされた特別図柄に対応する保留情報格納第3エリアの各格納エリア223m1〜223m6,223n1〜223n6に移動させる。
そして、実行情報格納エリア223oに格納される各値C1〜C3,CS1の値に基づいて実行される変動演出の経過に伴い、後述するタイマ割込処理(図51参照)で1ms毎に実行される変動時間管理処理(図54参照)において、実行情報格納エリア223oの変動時間情報格納エリア223o6の値が更新(減算)される。このため、該変動時間情報格納エリア223o6を判別することで、実行中の変動演出の残り時間を随時把握することができる。
次いで、図51を参照して、第3実施形態の音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図51は、第3実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理を示したフローチャートである。第3実施形態では、音声ランプ制御装置113は、メイン処理において、1ミリ秒経過毎に変動時間管理処理(S1151参照)を実行し、実行中の変動時間を記憶する実行情報格納エリア223oの変動時間情報格納エリア223o6の値を減算するとともに、新たな始動入賞が発生したか否かを判別して、新たな始動入賞が発生している場合は、該始動入賞に基づいて第1保留情報格納エリア223m又は第2保留情報格納エリア223nの変動時間情報格納エリア223m6,223n6に変動時間に関するデータを格納する。
具体的には、メイン処理で1ミリ秒毎に実行されるカウンタ減算処理(S1110)の後、上記変動時間管理処理が行われ(S1151)、該変動時間管理処理(S1151)の実行後は、処理をS1111へ移行する。
ここで、図52を参照して、第3実施形態の音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動時間管理処理(S1151)について説明する。図52は、第3実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動時間管理処理(S1151)を示したフローチャートである。
この変動時間管理処理(S1151)では、まず、変動演出が実行中か否かを判別する(S1701)。判別の結果、変動演出が実行中であれば(S1701:Yes)、実行情報格納エリア223oの変動時間情報格納エリア223o6に格納されている時間データを更新(即ち、「1」減算)する(S1702)。そして、更新された実行情報格納エリア223oの変動時間情報格納エリア223o6に格納されている時間データに基づく残り変動時間コマンドを設定し(S1703)、処理をS1704へ移行する。なお、S1701の処理において、変動演出が実行中でないと判別された場合は(S1701:No)、S1702及びS1703の処理をスキップして、この変動時間管理処理(S1151)を終了する。変動時間管理処理(S1151)の終了後は、メイン処理(図51参照)に戻る。
S1703の処理で設定された残り時間コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図51のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。表示制御装置114では、この残り時間コマンドで示される実行中の変動演出の残り時間に応じて、第3図柄表示装置81において「V入賞チャンス演出」の表示制御(例えば、後述する「ブロック表示」の個数等)を実行する。
次に、図53を参照して、第3実施形態における先読み設定処理(S1208)について説明する。図53は、第3実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される先読み設定処理(S1208)を示したフローチャートである。第3実施形態の先読み設定処理(S1208)では、ハズレの変動演出に基づく「V入賞チャンス演出」が実行されている最中に、新たな始動入賞が発生し、該始動入賞に基づく変動演出でV開放大当たりが発生する場合、「V入賞チャンス演出」を延長して行うとともに、該V開放大当たりに基づくV入賞装置72の開放タイミングとV入賞口74aの開放タイミングを改めて判定し、V開放大当たりが発生したとき、V入賞口74aに球を入賞させることができるか否かを遊技者に示唆する。
第2実施形態の先読み判定処理では、S1301において、V入賞チャンス演出フラグ223fがオンされていれば(S1301:Yes)、既に「V入賞チャンス演出」の設定処理が実行されているので、次に、この「V入賞チャンス演出」の実行中に発生した新たな始動入賞に基づく変動演出でV開放大当たりが発生するか否かを判別する(S1321)。判別の結果、「V入賞チャンス演出」中に発生した新たな始動入賞に基づく変動演出でV開放大当たりが発生すると判別された場合は(S1321:Yes)、次に、実行中の「V入賞チャンス演出」がハズレの変動演出に基づく「ガセV入賞チャンス演出」であるか否かを判別する(S1322)。
S1322の処理において、実行中の「V入賞チャンス演出」がハズレの変動演出に基づく「ガセV入賞チャンス演出」であると判別された場合は(S1322:Yes)、「V入賞チャンス演出」の内容を修正するため、まず、V開放大当たりが記憶される保留情報格納エリア223m,223nに基づく変動演出が実行される前までの保留情報格納エリア223m,223nに格納される各変動演出の変動時間をそれぞれ抽出して、その変動時間の積算時間に対応した値を残り時間タイマ223jに加算し(S1323)、処理をS1324へ移行する。具体的には、例えば、「ガセV入賞チャンス演出」の起因となった変動演出の変動時間が「40秒」であり、その次に実行される変動演出がV開放大当たりであった場合、V開放大当たりが発生する前に実行される変動演出であって、「V入賞チャンス演出」の実行時間として計数されていない「ガセV入賞チャンス演出」の起因となった変動演出の変動時間である「40秒」に対応する「40000」が残り時間タイマ223jに加算される。これにより、V開放大当たりを発生する変動演出の開始時まで、「ガセV入賞チャンス演出」の起因となった実行中の「V入賞チャンス演出」の実行時間を延長することができる。
S1324の処理では、S1323の処理で加算した時間に応じて加算時間コマンドを設定し(S1324)、処理をS1307のV入賞チャンス演出設定処理へ移行し、「V入賞チャンス演出」の内容を改めて設定する。
S1324の処理で設定された加算時間コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図38のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。これにより、加算時間コマンドを受信した表示制御装置114は、「V入賞チャンス演出」における延長時間を認識し、該加算時間コマンドが示す値を「残り時間表示」に加算表示させる処理を実行する。
なお、S1321の処理において、新たな始動入賞に基づく変動演出でV開放大当たりが発生していない場合(S1321:No)、又は、S1322の処理において、実行中の「V入賞チャンス演出」がハズレの変動演出に基づくものでない場合は(S1322:No)、実行中の「V入賞チャンス演出」をそのまま実行するべく、S1323及びS1324の処理を行わず、処理をS1308へ移行する。
S1322の処理において、V開放大当たり、即ち、「15ラウンドV開放大当たり」又は「7ラウンドV開放大当たり」に基づく「V入賞チャンス演出」の場合は、改めて「V入賞チャンス演出」の設定(修正)は行わず、処理をS1308へ移行する。これは、実行中の「V入賞チャンス演出」において、既にV開放大当たりに基づくV入賞装置72の開放タイミングでV入賞口74aに球が入賞する状況か否かを遊技者に示唆している。よって、この場合に実行中の「V入賞チャンス演出」の内容を変更してしまうと、先のV開放大当たりに基づくV入賞装置72の開放タイミングでV入賞口74aに球が入賞する状況の示唆内容が変更されてしまい、既に行っていた正確な「V入賞チャンス演出」の内容が不正確になってしまうおそれがある。そこで、V開放大当たりに基づく「V入賞チャンス演出」の実行中に、新たなV開放大当たりを発生する始動入賞が発生したとしても、実行中の「V入賞チャンス演出」の延長(修正)は行わず、実行中の「V入賞チャンス演出」をそのまま実行するように構成する。このように構成することで、「V入賞チャンス演出」の演出内容に齟齬が生じることを防止することができる。
また、S1322の処理において、V開放大当たりではない大当たり、即ち、「15ラウンドV閉鎖大当たり」又は「7ラウンドV閉鎖大当たり」に基づく「V入賞チャンス演出」の場合も、改めて「V入賞チャンス演出」の設定(修正)は行わず、処理をS1308へ移行する。これは、V開放大当たりではない大当たりに基づく「V入賞チャンス演出」の実行中に、新たな始動入賞に基づく変動演出でV開放大当たりが発生する場合、V開放大当たりではない大当たりの実行時間は、可変入賞装置65の開放時間が一定ではなく、その終了タイミングがこの時点では正確に認識することができない。ここで、V開放大当たりを発生する始動入賞に基づいて実行中の「V入賞チャンス演出」を延長してしまうと、該「V入賞チャンス演出」が、V開放大当たりではない大当たりの実行中まで継続するとともに、該大当たり中に終了することとなり、演出内容に齟齬が生じてしまう。そこで、V開放大当たりではない大当たりに基づく「V入賞チャンス演出」の実行中に、V開放大当たりを発生する始動入賞が発生したとしても、実行中の「V入賞チャンス演出」の延長(修正)は行わず、実行中の「V入賞チャンス演出」をそのまま実行するように構成する。このように構成することで、「V入賞チャンス演出」の演出内容に齟齬が生じることを防止することができる。
また、第3実施形態の先読み設定処理(S1208)では、受信した保留球数コマンドに基づく変動演出の変動時間を先読みして、保留情報格納エリア223m,223nに設けられた変動時間情報格納エリア223m6,223n6に格納するように構成されている。
具体的には、先読み設定処理(S1208)において、S1311の処理の後、保留情報格納エリア223m,223nに格納されている各カウンタC1〜C3,CS1の値に基づいて、各変動演出の変動時間をそれぞれ抽出し、該変動時間に対応するデータを保留情報格納エリア223m,223nに設けられた変動時間情報格納エリア223m6,223n6に設定し(S1391)、この先読み設定処理(S1208)を終了して、コマンド判定処理(図39参照)に戻る。
このように、始動入賞が発生する毎に、各変動演出の変動時間を抽出し、それぞれの変動時間データを記憶しておくことで、「V入賞チャンス演出」における表示制御をスムースに行うことが可能となる。また、各保留情報格納エリア223m,223nの変動時間情報格納エリア223m6,223n6に記憶される変動時間データに基づいて表示制御を行うことで、後述する「V入賞チャンス演出」における「ブロック表示」を実行することが可能となる。
次に、図54を参照して、第3実施形態におけるV入賞チャンス演出設定処理(S1307)について説明する。図54は、第3実施形態のV入賞チャンス演出設定処理(S1307)を示したフローチャートである。
第3実施形態のV入賞チャンス演出設定処理(S1307)は、ハズレの変動演出に基づく「V入賞チャンス演出」の実行中に、新たな始動入賞でV開放大当たりが発生し得る場合にも実行されるように構成されている。このため、新たな始動入賞でV開放大当たりが発生し得る場合には、S1352〜S1356の処理が実行され、V入賞装置72が開放されるタイミングでV入賞口74aに球が入賞し得るか否かが判定される。
そして、S1356の処理において、S1355の処理後の合算カウンタ223iの値を、V入賞口74aの開閉周期に対応する時間、即ち、「20000」で割り、そのときの余りとなる値X(Xは自然数)が「10000≦X<15000」の範囲内か否かを判別する(S1356)。上記余りとなる値が「10000≦X<15000」となっている場合(S1356:Yes)、V入賞装置72が開放されるタイミングにおいてV入賞口74aが振分板73aによって完全に閉鎖されている状態であって、V入賞装置72が開放されたとしてもV入賞口74aに球が入賞し得ない状況となっている。よって、この状況のまま(通常演出態様のまま)では大当たりが発生したとしてもV入賞口74aへ球が流入しないことから、「V入賞チャンス演出」において、遊技者に球の発射を促す「発射促進示唆」を表示させるための表示用発射促進示唆コマンドを設定し(S1357)、このV入賞チャンス演出設定処理(S1307)を終了し、先読み設定処理(図40参照)に戻る。
一方、S1356の処理において、上記余りとなる値が「10000≦X<15000」となっていない場合(S1356:No)、次いで、上記余りとなる値が「0≦X<5000」の範囲内か否かを判別する(S1365)。上記余りとなる値が「0≦X<5000」となっている場合(S1365:Yes)、現時点の状態(保留球数)で、V入賞装置72が開放されるタイミングにおいてV入賞口74aが開放されている状態であって、V入賞装置72が開放された場合にV入賞口74aに球が入賞し得る状況となっている。よって、この状況のまま大当たりが発生すればV入賞口74aへ球が流入することから、「V入賞チャンス演出」において、遊技者に球の発射の停止を促す「発射停止示唆」を表示させるための表示用発射停止示唆コマンドを設定し(S1366)、このV入賞チャンス演出設定処理(S1307)を終了し、先読み設定処理(図52参照)に戻る。
なお、S1356の処理において、上記余りとなる値が「10000≦X<15000」となっていない場合(S1356:No)、かつ、S1365の処理において、上記余りとなる値が「0≦X<5000」となっていない場合(S1365:No)、即ち、上記余りとなる値が、「5000≦X<10000」、又は、「15000≦X<20000」となっている場合は、少なくともV入賞口74aが開放されているタイミングが存在するということなので、このままの状況でもV入賞口74aに球が入賞し得る。このため、「V入賞チャンス演出」において、「発射促進示唆」及び「発射停止示唆」のいずれも表示させず、遊技者に自ら考えて遊技を行わせるために、S1366の処理をスキップし、このV入賞チャンス演出設定処理(S1307)を終了し、先読み設定処理(図40参照)に戻る。
このように、「ガセV入賞チャンス演出」の実行時において、新たな始動入賞に基づいてV開放大当たりが発生する場合、「V入賞チャンス演出」の内容を修正(延長)するとともに、V入賞装置72の開放タイミングとV入賞口74aの開放タイミングとを判別し、V開放大当たりに基づくV入賞装置72の開放タイミングでV入賞口74aに球が入賞する状況か否かを遊技者に示唆するように構成する。このように構成することで、V開放大当たりに基づくV入賞装置72の開放タイミングでV入賞口74aに球が入賞する状況を遊技者に正確に示唆することができ、大当たりにおけるV入賞口74aへの入賞有無を遊技者自らの操作(発射に基づく始動入賞数)により取得可能にし、V入賞口74aへ入賞させた場合の達成感を感じさせ、遊技の興趣向上を図ることができる。また、「発射促進示唆」を表示させた場合には、パチンコ機10における発射球数を増加させ、パチンコ機10の稼働を向上することができる。
次に、図55を参照して、第3実施形態の音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動演出処理(S1111)について説明する。図55は、第3実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動演出処理(S1111)を示したフローチャートである。第3実施形態では、音声ランプ制御装置113は、変動演出の開始時に、これから実行される変動演出が短縮演出態様か否かを判別する短縮時更新処理(S1451)を実行するように構成されている。
具体的には、第3実施形態の変動演出処理(S1111)において、S1413の処理後、これから実行される変動演出が短縮演出態様で実行されるか否かを判別する短縮時更新処理を行い(S1451)、その後、処理をS1414へ移行する。
ここで、図56を参照して、第3実施形態の音声ランプ制御装置113内のMPUにより実行される短縮時更新処理(S1451)について説明する。図56は、第3実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される短縮時更新処理(S1451)を示したフローチャートである。
この短縮時更新処理(S1451)では、まず、これから実行される変動演出が短縮演出態様で実行されるか否かを判別する(S1471)。判別の結果、実行される変動演出が短縮演出態様で実行されると判別された場合は(S1471:Yes)、始動入賞時に判別していた変動演出の変動時間より「10秒」間短い変動時間が実行されるということなので、まず、実行情報格納エリア223oの変動時間情報格納エリア223o6に格納されている変動演出の時間データから「10000」を減算する(S1472)。これにより、実際に行われる変動演出の変動時間と、実行情報格納エリア223oで記憶されている変動演出の時間データとの整合性が保たれる。
S1472の処理の後は、S1471の処理で減算された実行情報格納エリア223oの変動時間情報格納エリア223o6に格納されている時間データに基づく残り変動時間コマンドを設定し(S1473)、この短縮時更新処理(S1451)を終了して、変動演出(図55参照)に戻る。
S1473の処理で設定された残り時間コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図51のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。表示制御装置114では、この残り時間コマンドで示される実行中の変動演出の残り時間(これから実行される変動演出の実行時間)に応じて、第3図柄表示装置81において「V入賞チャンス演出」の表示制御(例えば、後述する「ブロック表示」の個数等)を実行する。
次に、図57を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10の第3図柄表示装置81における「V入賞チャンス演出」、その「V入賞チャンス演出」の起因となった変動演出、及び、該変動演出に基づく大当たり演出の実行例について説明する。
図57は、第3実施形態における第3図柄表示装置81で行われる「V入賞チャンス演出」から、新たな始動入賞が発生した後、大当たりの1ラウンド目までの推移を示した図であり、図57(a)は、第3実施形態の「V入賞チャンス演出」が開始された直後の状態を示した図であり、図57(b)は、図57(a)の状態から「V入賞チャンス演出」において「V駆動示唆表示」と「変動時間積算表示」とが表示された状態を示した図である。そして、図57(c)は、図57(b)の状態から、新たな始動入賞が発生して、「残り時間表示」に対して「上乗せ表示」がなされる直前の状態を示した図であり、図57(d)は、図57(c)の状態から「残り時間表示」に「上乗せ表示」が適用された状態を示した図である。また、図57(e)は、図57(d)の状態から「V入賞チャンス演出」が継続して「V駆動示唆表示」と「変動時間積算表示」とが表示されるとともに、「発射促進示唆」が表示されている状態を示した図であり、図57(f)は、図57(e)の状態から「発射停止示唆」が表示されている状態を示した図である。そして、図57(g)は、図57(f)の状態からV入賞装置72が開放されていることを示唆している状態を示した図であり、図57(h)は、図57(g)の状態からV入賞口74aに球を入賞させたことを示す「V獲得報知演出」が実行されている状態を示した図である。
図57(a)の状態は、第1特別図柄の変動演出が実行されている最中(即ち、各図柄列Z1〜Z3が「高速変動」中)に、新たな第1特別図柄の始動入賞が2つ発生し、先の始動入賞(以下、図57の説明において「始動入賞1」と称する場合がある)を示す特図1第1保留図柄表示領域Db1aに表示される保留図柄では「保留変化予告」が発生していない一方、後の始動入賞(以下、図57の説明において「始動入賞2」と称する場合がある)を示す特図1第2保留図柄表示領域Db1bに表示される保留図柄では「保留変化予告」が発生し、該保留図柄が「青」に変化している状態を示している。
この「始動入賞2」に対応する変動演出では、ハズレの変動演出において「ノーマルリーチ(通常)」演出態様(例えば、「E2:ノーマルリーチ」における25秒の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』)が抽出されており、上述したように、特図1第2保留図柄表示領域Db1bに表示される保留図柄「保留変化予告」の「青」に当選しているとともに、該変動演出に基づいて「ガセV入賞チャンス演出」にも当選し、「ガセV入賞チャンス演出」が開始された状態を示している。
ここで、図57(a)では、実行中の変動演出および保留中の変動演出がすべて実行されるとともに、副表示領域Dsの中央小領域Ds2に表示されているキャラクタが「V入賞チャンス演出」が発生したことを示すセリフを発生しており、そのセリフ表示が左小領域Ds1及び右小領域Ds3において表示されている。具体的には、左小領域Ds1において、「V入賞チャンス演出」が発生したことを直接的に示唆する「チャンスだ!」という文字表示が現出し、右小領域Ds3において、「発射促進示唆」の一形態を示す「ターゲットを狙え!」という文字表示が現出している。
次いで、図57(b)では、図57(a)の状況から、第3実施形態の「V入賞チャンス演出」として、主表示領域Dmの左図柄列Z1上に、V入賞口74aの開閉態様を示唆する「V駆動示唆表示」が表示されるとともに、主表示領域Dmの中図柄列Z2上に、保留されている変動演出の変動時間を模式的に示す複数の「ブロック表示」で構成された「変動時間積算表示」が表示され、主表示領域Dmの右図柄列Z3上に、副表示領域Dsの中央小領域Ds2に表示されているキャラクタ図柄と同一のキャラクタ図柄が表示されている。また、副表示領域Dsの左小領域Ds1では、「発射促進示唆」の一形態である「チャンスに合わせろ!」という文字表示が表示されているとともに、右小領域Ds3では、「V入賞チャンス演出」の残り時間(ここでは、「残り時間:41.45」)の「残り時間表示」が表示されている。なお、この状態において、主表示領域Dmで実行されていた特別図柄の変動演出は、主表示領域Dmの左上部分の表示領域に縮小して表示される。
ここで「V駆動示唆表示」及び「変動時間積算表示」ついて説明する。「V駆動示唆表示」は、V入賞口74aの開放状態を示唆する「チャンス」表示と、V入賞口74aの閉鎖状態を示唆する「ブランク(空白)」表示とが交互に連結されて構成されている。この連結された「チャンス」表示と「ブランク」表示とが、後述する「変動時間積算表示」の変化と連動するように画面上方から画面下方に向けてスクロール表示するように構成されている。
「変動時間積算表示」は、実行中の変動演出および保留中の変動演出の変動時間を模式的に示す複数の「ブロック表示」で構成され、積み上げられた各「ブロック表示」によって「V入賞チャンス演出」の実行時間(継続時間)を模式的に示唆している。この「ブロック表示」は、変動演出の経過とともに経時的に変化されるように構成されている。具体的には、第3実施形態の「V入賞チャンス演出」では、変動演出の経過に伴って「変動時間積算表示」の「ブロック表示」を変化させる演出が実行される。より具体的には、この「変動時間積算表示」の最下端に表示されている「ブロック表示」が「5秒」〜「10秒」の時間の経過に伴って押し潰されるように消去されるような演出が実行される。「ブロック表示」が押し潰された(消去された)場合、その押し潰された「ブロック表示」以外の「ブロック表示」が画面下方に落下(スクロール)するように表示される。
図57(b)における「変動時間積算表示」として、画面下方から順に、実行中の変動演出に対応する2の「ブロック表示」(以下、実行中の変動演出に対応する「ブロック表示」を、「ブロック表示0」と称する場合がある)と、「始動入賞1」(即ち、図57(b)において特図1第1保留図柄表示領域Db1aの保留図柄)に基づく変動演出に対応する2の「ブロック表示」(以下、「始動入賞1」に基づく変動演出に対応する「ブロック表示」を、「ブロック表示1」と称する場合がある)と、「始動入賞2」(即ち、図57(b)において特図1第2保留図柄表示領域Db1bの保留図柄)に基づく変動演出に対応する4の「ブロック表示」(以下、「始動入賞2」に基づく変動演出に対応する「ブロック表示」を、「ブロック表示2」と称する場合がある)とが積み重なって表示されている。
また、この「変動時間積算表示」の「ブロック表示2」の最上段に表示される「ブロック表示」の正面視左側部分には、画面左側を向く「矢印図柄」が連結されて表示されている。この「矢印図柄」は、その矢印先端部分が「V駆動示唆表示」と重なるように表示され、この「矢印図柄」が指し示す位置が、この「V入賞チャンス演出」に基づいてV入賞装置72が開放された場合のV入賞口74aの開閉態様を示している。具体的には、「矢印図柄」が「チャンス」表示を指し示している場合は、この「V入賞チャンス演出」に基づいてV入賞装置72が開放されたときにV入賞口74aに球が入賞し得る状況を示唆している一方、「矢印図柄」が「ブランク」表示を指し示している場合は、この「V入賞チャンス演出」に基づいてV入賞装置72が開放されたときにV入賞口74aに球が入賞し得ない状況を示唆している。
上述したように、この「V入賞チャンス演出」における「V駆動示唆表示」と「変動時間積算表示」とは連動しながらスクロール表示するように構成されており、具体的には、「変動時間積算表示」の1の「ブロック表示」が消去されたタイミングで、「V駆動示唆表示」もその消去された「ブロック表示」の表示高さ分、画面下方にスクロール表示される。よって、「変動時間積算表示」の「矢印図柄」が指し示す「V駆動示唆表示」の内容は、「ブロック表示」が変動時間の経過に伴って消去された場合、同一の内容となるように構成されている。
図57(b)の状態において、「変動時間積算表示」の最上段の「ブロック表示」に連結された「矢印図柄」は、「V駆動示唆表示」の「ブランク」表示を指し示しており、この状況で「V入賞チャンス演出」に基づいてV入賞装置72が開放された場合には、V入賞装置72が開放されるタイミングでV入賞口74aが開放されず、V入賞口74aに球が入賞し得ない状況を示唆している。なお、このタイミングにおいて、新たな始動入賞は発生していない。
次いで、図57(c)では、図57(b)の状況から、実行中の変動演出が経過して継続している状況、即ち、主表示領域Dmの左上部分の表示領域において特別図柄の変動演出が「高速変動」している状況を示している。また、副表示領域Dsの左小領域Ds1では、「発射促進示唆」の一形態である「もっと!」を表示している。右小領域Ds3では、「V入賞チャンス演出」の残り時間(ここでは、「残り時間38:44」)の「残り時間表示」が表示されている。
このタイミングでは、図57(b)の状況から新たな第1特別図柄の始動入賞が1つ発生し、新たな始動入賞(以下、図57の説明において「始動入賞3」と称する場合がある)に対応する保留図柄が特図1第3保留図柄表示領域Db1cに表示されている。この「始動入賞3」に対応する変動演出では、「15ラウンドV開放大当たり」に当選しており、特図1第3保留図柄表示領域Db1cに表示される保留図柄「保留変化予告」の「赤」に当選している状態を示している。
図57(c)における「変動時間積算表示」では、図57(b)の状態から変動時間が経過していることで、変動時間管理処理(図52参照)のS1703によって「ブロック表示0」を構成する「ブロック表示」が1つ消去されており、該「ブロック表示1」は1の「ブロック表示」で表示されている。そして、「ブロック表示0」の画面上方に、図57(b)と同様、2の「ブロック表示」で構成された「ブロック表示1」と、4の「ブロック表示」で構成された「ブロック表示2」とが積み重なって表示されている。
また、図57(c)における「変動時間積算表示」において、「始動入賞3」に基づく変動演出に対応する4の「ブロック表示」(以下、「始動入賞3」に基づく変動演出に対応する「ブロック表示」を、「ブロック表示3」と称する場合がある)が画面上方から落下してきた状態を示している。この「ブロック表示3」は、先読み設定処理(図53参照)のS1391の処理に基づいて「始動入賞3」の変動時間に対応するように表示され、その後、「ブロック表示2」の上方に積み重ねられ、「変動時間積算表示」である「ブロック表示」が増加したことによって、「V入賞チャンス演出」の実行時間が増加したことを遊技者に示している。
ここで、図57(c)では、実行中の変動演出および保留中の変動演出がすべて実行され、「始動入賞3」に基づくV開放大当たりが発生した場合、「始動入賞3」に基づく変動演出が通常演出態様で実行されたとき、該大当たりに基づくV入賞装置72が開放されたタイミングではV入賞口74aが閉鎖されていることが事前判定されている。よって、第3実施形態のパチンコ機10では、「始動入賞3」に基づくV開放大当たりにおいてV入賞口74aに球が入賞する状況か否かを遊技者に示唆するため、まず、「ガセV入賞チャンス演出」の起因となった「始動入賞2」の変動演出の実行時間分、「V入賞チャンス演出」の実行時間を延長する。具体的には、右小領域Ds3に現在表示されている「残り時間表示」に対して、主表示領域Dmの右上上部の表示領域に「+40.00」の「上乗せ表示」を現出し、該「上乗せ表示」を「残り時間表示」に対して加算する演出が実行される。即ち、図57(c)の場面では、「ブロック表示3」が増加されたことに対応するように、「V入賞チャンス演出」の実行時間が「40秒」加算されることを示している。
そして、図57(c)の状態において、「変動時間積算表示」の最上段に積み重ねられる「ブロック表示3」に連結された「矢印図柄」は、「V駆動示唆表示」の「ブランク」表示を指し示しており、この状況で「V入賞チャンス演出」に基づいてV入賞装置72が開放された場合には、V入賞装置72が開放されるタイミングでV入賞口74aが開放されず、V入賞口74aに球が入賞し得ない状況を示唆している。
即ち、図57(c)では、遊技者に対して、「V入賞チャンス演出」が延長された旨を示唆するとともに、現在の状態のままでは、V開放大当たりが発生したとしても、V入賞口74aに球が入賞し得ないことを示している。さらに、「発射促進示唆」により球の発射を促し、延長された「V入賞チャンス演出」の実行中に、新たな始動入賞を発生させ、「始動入賞3」の変動演出の開始時において特別図柄の保留球数を「4個」にして、「始動入賞3」に基づく変動演出を短縮演出態様で実行させるべきことを示唆している。
次いで、図57(d)では、図57(c)の状況から、「ブロック表示0」及び「ブロック表示1」に対応する変動演出が終了した状態、即ち、主表示領域Dmの左上部分の表示領域において特別図柄の変動演出が「ガセチャンス目図柄」で停止表示されている状態を示している。また、副表示領域Dsの左小領域Ds1では、「発射促進示唆」の一形態である「発射しまくれ!」を表示している。さらに、右小領域Ds3では、「V入賞チャンス演出」の残り時間(ここでは、「残り時間40:00」)の「残り時間表示」が表示されている。この「残り時間表示」は、「始動入賞3」に基づいて修正(延長)された「V入賞チャンス演出」の残り時間、即ち、「始動入賞3」の変動が開始されるまでの時間を示している。なお、このタイミングにおいて、新たな始動入賞は発生していない。
この場合、図57(c)において実行されていた変動演出が終了しているとともに、図57(c)において特図1第1保留図柄表示領域Db1aに表示されていた「始動入賞1」に対応する保留図柄に対応する変動演出も消去されている。そして、図57(c)において特図1第2保留図柄表示領域Db1bに表示されていた「始動入賞2」に対応する保留図柄が特図1第1保留図柄表示領域Db1aにシフト表示されているとともに、図57(c)において特図1第3保留図柄表示領域Db1cに表示されていた「始動入賞3」に対応する保留図柄が特図1第2保留図柄表示領域Db1bにシフト表示されている。
図57(d)における「変動時間積算表示」では、図57(c)の状態から変動時間が経過していることで、変動時間管理処理(図52参照)のS1703によって「ブロック表示0」及び「ブロック表示1」を構成する各「ブロック表示」が消去されている。そして、4の「ブロック表示」で構成された「ブロック表示2」と、同じく4の「ブロック表示」で構成された「ブロック表示3」とが積み重なって表示されている。
また、図57(d)の状態では、図57(c)の状態と同様、「変動時間積算表示」の最上段に積み重ねられる「ブロック表示3」に連結された「矢印図柄」は、「V駆動示唆表示」の「ブランク」表示を指し示しており、この状況で「V入賞チャンス演出」に基づいてV入賞装置72が開放された場合には、V入賞装置72が開放されるタイミングでV入賞口74aが開放されず、V入賞口74aに球が入賞し得ない状況を示唆している。
次いで、図57(e)では、図57(d)の状況から、「ブロック表示2」に対応する変動演出が開始されて「リーチ表示」が実行されている状態、即ち、主表示領域Dmの左上部分の表示領域において特別図柄の変動演出が「リーチ形成図柄」で表示されている状態を示している。また、副表示領域Dsの左小領域Ds1では、「発射促進示唆」の一形態である「まだまだ!」を表示している。さらに、右小領域Ds3では、「V入賞チャンス演出」の残り時間(ここでは、「残り時間24:35」)の「残り時間表示」が表示されている。
この場合、図57(d)において特図1第1保留図柄表示領域Db1aに表示されていた「始動入賞2」に対応する保留図柄による変動演出が実行されていることで消去されているとともに、特図1第2保留図柄表示領域Db1bに表示されていた「始動入賞3」に対応する保留図柄が特図1第1保留図柄表示領域Db1aにシフト表示されている。
また、このタイミングでは、図57(d)の状況から新たな第1特別図柄の始動入賞が1つ発生し、新たな始動入賞(以下、図57における説明において「始動入賞4」と称する場合がある)に対応する保留図柄が特図1第2保留図柄表示領域Db1bに表示されている。この「始動入賞4」に対応する変動演出では、「保留変化予告」に当選しておらず、「白」の表示態様で表示されている。
図57(e)における「変動時間積算表示」では、図57(d)の状態から変動時間が経過していることで、変動時間管理処理(図52参照)のS1703によって「ブロック表示2」を構成する「ブロック表示」が1つ消去されており、該「ブロック表示2」は3の「ブロック表示」で表示されている。そして、「ブロック表示2」の画面上方に、図57(d)と同様、4の「ブロック表示」で構成された「ブロック表示3」が積み重なって表示されている。
また、図57(e)における「変動時間積算表示」において、「始動入賞4」に基づく変動演出に対応する2の「ブロック表示」(以下、「始動入賞4」に基づく変動演出に対応する「ブロック表示」を、「ブロック表示4」と称する場合がある)が画面上方から落下してきた状態を示している。この「ブロック表示4」は、先読み設定処理(図53参照)のS1391の処理に基づいて「始動入賞4」の変動時間に対応するように表示され、その後、「ブロック表示3」の上方に積み重ねられる。なお、この「ブロック表示4」が「変動時間積算表示」として「ブロック表示3」の上方に積み重ねられたとしても、「V入賞チャンス演出」の実行時間は増加しない。従って、「ブロック表示3」に連結されている「矢印図柄」の連結位置も変化しない。
即ち、図57(e)では、遊技者に対して、新たな始動入賞によって保留球数が増加された旨を示唆する一方、現状のままでは、V開放大当たりが発生したとしても、V入賞口74aに球が入賞し得ないことを示している。さらに、「発射促進示唆」により球の発射を促し、さらなる始動入賞を発生させ、「始動入賞3」の変動演出の開始時において特別図柄の保留球数を「4個」にして、「始動入賞3」に基づく変動演出を短縮演出態様で実行させるべきことを示唆している。
次いで、図57(f)では、図57(e)の状況から、実行中の変動演出が経過して継続して「リーチ表示」が実行されている状態、即ち、主表示領域Dmの左上部分の表示領域において特別図柄の変動演出が「リーチ形成図柄」で表示されている状態を示している。また、副表示領域Dsの左小領域Ds1では、「発射停止示唆」の一形態である「準備は整った、打つのをやめてくれ。」を表示している。さらに、右小領域Ds3では、「V入賞チャンス演出」の残り時間(ここでは、「残り時間16:35」)の「残り時間表示」が表示されている。
このタイミングでは、図57(e)の状況から新たな第1特別図柄の始動入賞が2つ発生し、該2の始動入賞のうち、先の新たな始動入賞(以下、図57の説明において「始動入賞5」と称する場合がある)に対応する保留図柄が特図1第3保留図柄表示領域Db1c(図5参照)に表示されるとともに、後の新たな始動入賞(以下、図57の説明において「始動入賞6」と称する場合がある)に対応する保留図柄が特図1第4保留図柄表示領域Db1d(図5参照)に表示されている。なお、この「始動入賞5」及び「始動入賞6」に対応する変動演出では、「保留変化予告」に当選しておらず、「白」の表示態様で表示されている。
図57(f)における「変動時間積算表示」では、図57(e)の状態から変動時間が経過していることで、変動時間管理処理(図52参照)のS1703によって「ブロック表示2」を構成する「ブロック表示」が1つ消去されており、該「ブロック表示2」は2の「ブロック表示」で表示されている。そして、「ブロック表示2」の画面上方に、図57(d)と同様、4の「ブロック表示」で構成された「ブロック表示3」と、2の「ブロック表示」で構成された「ブロック表示4」とが積み重なって表示されている。
また、図57(f)における「変動時間積算表示」において、「始動入賞5」に基づく変動演出に対応する2の「ブロック表示」(以下、「始動入賞5」に基づく変動演出に対応する「ブロック表示」を、「ブロック表示5」と称する場合がある)が画面上方から落下して「ブロック表示4」の上方に積み重なっているとともに、「始動入賞6」に基づく変動演出に対応する2の「ブロック表示」(以下、「始動入賞6」に基づく変動演出に対応する「ブロック表示」を、「ブロック表示6」と称する場合がある)が画面上方から落下して「ブロック表示5」の上方に積み重なって表示されている。
ここで、この「V入賞チャンス演出」中、即ち、「始動入賞3」に基づく変動演出の開始前までに、特別図柄の保留球数を「4個」貯めることができている。よって、「始動入賞3」に基づく変動演出が短縮演出態様で実行されることから、変動演出処理の短縮時更新処理(図56参照)において、実行情報格納エリア223oの変動時間情報格納エリア223o6の値から「10秒」に対応する「10000」が減算されており(S1472及びS1473参照)、その旨を示すため、キャラクタ図柄が手にしているハンマー図柄で、「変動時間積算表示」における「ブロック表示3」の1の「ブロック表示」を、積み重なっている「変動時間積算表示」から弾き飛ばし、画面右側に該「ブロック表示」を弾き飛ばしている状態が示されている。そして、その弾き飛ばされた「ブロック表示」より上方に積み重ねられていた各「ブロック表示」(即ち、「ブロック表示3」、「ブロック表示4」、「ブロック表示5」及び「ブロック表示6」)が、ダルマ落としのように画面下方側に落下した状態が示されている。
この場合、「ブロック表示3」の最上段の「ブロック表示」に連結されている「矢印図柄」が指し示す位置が、弾き飛ばされた「ブロック表示」分ずれて、「ブランク」表示から「チャンス」表示へと変化している。
即ち、図57(f)では、新たな始動入賞によって保留球数が増加された旨を示唆したことによって、「変動時間積算表示」の「矢印図柄」が、「V駆動示唆表示」の「チャンス」表示を指し示していることから、遊技者に対して、V開放大当たりが発生した場合に、V入賞装置72が開放されたタイミングでV入賞口74aが開放されることを示唆している。
次いで、図57(g)では、図57(f)の状況から、「始動入賞3」に基づく変動演出が実行され、該変動演出において「15ラウンドV開放大当たり」が発生して、該大当たりの1ラウンド目においてV入賞装置72が開放されていることを示す表示(図57(g)の例では、「V入賞チャンス」及び「Vをねらって打て!」の文字表示)が現出している。このタイミングでは、V入賞口74aが開放されているため、V入賞装置72が開放された場合にはV入賞口74aへ球が入賞し得る状況となっている。
次いで、図57(h)では、図57(g)の状況から、該大当たりの1ラウンド目が終了してV入賞装置72が閉鎖され、V入賞装置72の開放中にV入賞口74aに球が入賞したことを示す「V獲得報知演出」である「V獲得成功!」との文字表示が表示されている。従って、この大当たりの終了後は、「確率変動状態」に移行することを遊技者に示唆している。
以上、説明したように、第3実施形態のパチンコ機10では、「ガセV入賞チャンス演出」の実行時において、新たな始動入賞に基づいてV開放大当たりが発生する場合、「V入賞チャンス演出」の内容を修正(延長)するとともに、V入賞装置72の開放タイミングとV入賞口74aの開放タイミングとを判別し、V開放大当たりに基づくV入賞装置72の開放タイミングでV入賞口74aに球が入賞する状況か否かを遊技者に示唆するように構成する。このように構成することで、V開放大当たりに基づくV入賞装置72の開放タイミングでV入賞口74aに球が入賞する状況を遊技者に正確に示唆することができ、大当たりにおけるV入賞口74aへの入賞有無を遊技者自らの操作(発射に基づく始動入賞数)により取得可能にし、V入賞口74aへ入賞させた場合の達成感を感じさせ、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、V開放大当たりに基づく「V入賞チャンス演出」の場合は、改めて「V入賞チャンス演出」の設定(修正)は行わないように構成する。これは、実行中の「V入賞チャンス演出」において、既にV開放大当たりに基づくV入賞装置72の開放タイミングでV入賞口74aに球が入賞する状況か否かを遊技者に示唆している。よって、この場合に実行中の「V入賞チャンス演出」の内容を変更してしまうと、先のV開放大当たりに基づくV入賞装置72の開放タイミングでV入賞口74aに球が入賞する状況の示唆内容が変更されてしまい、既に行っていた正確な「V入賞チャンス演出」の内容が不正確になってしまうおそれがある。そこで、V開放大当たりに基づく「V入賞チャンス演出」の実行中に、新たなV開放大当たりを発生する始動入賞が発生したとしても、実行中の「V入賞チャンス演出」の延長(修正)は行わず、実行中の「V入賞チャンス演出」をそのまま実行するように構成する。このように構成することで、「V入賞チャンス演出」の演出内容に齟齬が生じることを防止することができる。
さらに、V開放大当たりではない大当たりに基づく「V入賞チャンス演出」の場合も、改めて「V入賞チャンス演出」の設定(修正)は行わないように構成する。これは、V開放大当たりではない大当たりに基づく「V入賞チャンス演出」の実行中に、新たな始動入賞に基づく変動演出でV開放大当たりが発生する場合、V開放大当たりではない大当たりの実行時間は、可変入賞装置65の開放時間が一定ではなく、その終了タイミングがこの時点では正確に認識することができない。ここで、V開放大当たりを発生する始動入賞に基づいて実行中の「V入賞チャンス演出」を延長してしまうと、該「V入賞チャンス演出」が、V開放大当たりではない大当たりの実行中まで継続するとともに、該大当たり中に終了することとなり、演出内容に齟齬が生じてしまう。そこで、V開放大当たりではない大当たりに基づく「V入賞チャンス演出」の実行中に、V開放大当たりを発生する始動入賞が発生したとしても、実行中の「V入賞チャンス演出」の延長(修正)は行わず、実行中の「V入賞チャンス演出」をそのまま実行するように構成する。このように構成することで、「V入賞チャンス演出」の演出内容に齟齬が生じることを防止することができる。
また、音声ランプ制御装置113において、変動演出の実行時間及びV入賞装置72の開放タイミング、並びに、常時一定駆動されるV入賞口74aの開放タイミングを把握し、その内容を残り時間コマンドやV入賞装置開放コマンド等によって表示制御装置114に送信することで、第3図柄表示装置81において可視化して表示する。そして、V入賞装置72が開放される前に、実行中の状況においてV入賞口74aに球が入賞し得るか否かを併せて表示する。また、変動演出の実行時間が変更された場合に、その変更内容に応じた演出を実行する。このように構成することで、遊技者が自らの意思で行う遊技結果に伴う遊技状況の変化に合わせて、得られる遊技価値の変化を表示することで、遊技価値が得られた場合に達成感を感じさせ、遊技の興趣を向上することができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、各実施形態は、それぞれ、他の実施形態が有する構成の一部または複数部分を、その実施形態に追加し或いはその実施形態の構成の一部または複数部分と交換等することにより、その実施形態を変形して構成するようにしても良い。また、上記実施形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
<変形例1>
上記各実施形態では、「V入賞チャンス演出」として、V入賞口74aに入賞し得る状況の場合には「発射停止示唆」を行い、V入賞口74aに入賞し得ない状況の場合には「発射促進示唆」を行い、「V入賞チャンス演出」として遊技者に球の発射態様の指示することで行っていた。これに対し、「V入賞チャンス演出」として、V入賞口74aに入賞し得る確率を直接的に示唆する表現で行ってもよい。具体的には、例えば、V入賞装置72の開放中にV入賞口74aに球が入賞し得る状況であれば、「100%」や「90%」等の文字表示を第3図柄表示装置81に現出する。また、V入賞装置72の開放中にV入賞口74aに球が入賞し得ない状況であれば、「0%」や「10%」等の文字表示を第3図柄表示装置81に現出する。さらに、V入賞装置72の開放中にV入賞口74aに球が入賞し得る状況と入賞し得ない状況とが混在している状況であれば、球が入賞し得ない状況に対して球が入賞し得る状況の割合(例えば、半々であれば「50%」等)を第3図柄表示装置81に現出するように構成してもよい。
<変形例2>
上記各実施形態では、「V入賞チャンス演出」として、V入賞口74aに入賞し得る状況の場合には「発射停止示唆」を行い、V入賞口74aに入賞し得ない状況の場合には「発射促進示唆」を行い、「V入賞チャンス演出」として遊技者に球の発射態様の指示することで行っていた。これに対し、「V入賞チャンス演出」として、V入賞口74aに入賞し得る確率を間接的に示唆するようなメッセージ表現で行ってもよい。具体的には、例えば、V入賞装置72の開放中にV入賞口74aに球が入賞し得る状況であれば、「大チャンス!」や「ラッキー!」等の文字表示を第3図柄表示装置81に現出する。また、V入賞装置72の開放中にV入賞口74aに球が入賞し得ない状況であれば、「ヤバい・・・」や「もうだめかも・・・」等の文字表示を第3図柄表示装置81に現出する。さらに、V入賞装置72の開放中にV入賞口74aに球が入賞し得る状況と入賞し得ない状況とが混在している状況であれば、「どっちだろう?」や「行くも良し、行かぬもよし」等を第3図柄表示装置81に現出するように構成してもよい。
<変形例3>
上記各実施形態では、特別図柄の保留球数が所定値以上(例えば、「通常遊技状態」で「4個」以上)となった場合に、通常演出態様から短縮演出態様に切り替えるように構成していた。これに対し、特別図柄の保留球数が所定値となった場合に、特別図柄の変動演出の時間が延長されるような延長演出態様で実行されるように構成してもよい。この場合、通常演出態様から延長演出態様に切り替える時間幅を、V入賞口74aの駆動周期と関連性を有するように構成する。このように構成することで、短縮演出態様を行う場合と同様、V開放大当たりが通常演出態様で行われるか延長演出態様で行われるかで、V入賞口74aへの入賞結果を異ならせることができる。また、通常演出態様、短縮演出態様および延長演出態様が実行され得るような保留数テーブル202cを用いてもよい。
<変形例4>
上記各実施形態では、特別図柄の保留球数が所定値以上(例えば、「通常遊技状態」で「4個」以上)となった場合に、通常演出態様から短縮演出態様に切り替えるように構成していた。これに対し、特別図柄の保留球数が第1所定値(例えば、「2個」)以上となった場合に短縮演出態様が選択されるように構成し、第1所定値より多い第2所定値(例えば、「4個」)以上となった場合に再び通常演出態様が選択されるように構成してもよい。
具体的には、例えば、「通常遊技状態」での遊技状況として起こり易い状況である特別図柄の保留球数が「1個」〜「3個」までは通常演出態様で変動演出を行うとともに、特別図柄の保留球数が「4個」の場合には短縮演出態様で変動演出を行うように構成する。そして、「通常遊技状態」での遊技状況として起こり難い状況である特別図柄の保留球数が「5個」〜「8個」は通常演出態様で変動演出を行うように構成する。一方、右打ち遊技により球を発射することで特別図柄の保留球数を獲得し易く、右打ち遊技により球を発射しないことで特別遊技の保留球数を獲得しない状態となり得る「確率変動状態」又は「時間短縮状態」での遊技状況として、遊技者の意思に応じて選択可能な状況である特別図柄の保留球数が「1個」〜「4個」では通常演出態様で変動演出を行い、「5個」又は「6個」では短縮演出態様で変動演出を行い、「7個」では通常演出態様で変動演出を行い、「8個」では再び短縮演出態様で変動演出を行うように構成する。このように構成することで、遊技者に意思に応じてV入賞装置72が開放されるまでの変動時間をコントロールし易くなる。特に、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれの特別図柄も保留され得る「確率変動状態」又は「時間短縮状態」では、事前に第1特別図柄の保留球数を発生させた状態で、優先変動される第2特別図柄の保留球数を獲得することで、変動演出の実行を通常演出態様で実行させるか短縮演出態様で実行させるかを遊技者の意思に応じて選択し易くなり、大当たりにおけるV入賞口74aへの入賞有無を遊技者自らの操作(発射に基づく始動入賞数)により取得し易くすることができる。
<変形例5>
上記各実施形態では、特別図柄の保留球数が所定値以上(例えば、「通常遊技状態」で「4個」以上)となった場合に、通常演出態様から短縮演出態様への1段階、変動時間が異なる演出態様を選択するように構成していた。これに対し、保留球数に応じて変動演出うの変動時間(演出態様)を複数段階に切り替え可能に構成してもよい。具体的には、例えば、保留球数が「1個・2個」の場合に通常演出態様、「3個」の場合に短縮演出態様、「4個」以上の場合に短縮演出態様より更に短い変動時間が選択される超短縮演出態様が選択されるように構成する。このように構成することで、V開放大当たりが発生した場合におけるV入賞口74aへ球が入賞するか否かのパターンを豊富にし、遊技のバリエーションを豊富にして、遊技の興趣を向上できる。
<変形例6>
上記各実施形態では、V入賞口74aの開放時間と閉鎖時間とが同一となる開閉周期となるように構成していた。これに対し、V入賞口74aの開放時間と閉鎖時間とが異なる時間となるようにV入賞口74aを開閉するように構成してもよい。
<変形例7>
上記各実施形態では、V入賞口74aの開閉周期(即ち、開放「10秒」、閉鎖「10秒」)と、通常演出態様から短縮演出態様となった場合の変動時間の短縮分(即ち、「10秒」)とが一致するように構成していた。これに対し、V入賞口74aの開閉周期と、通常演出態様から短縮演出態様となった場合の変動時間の短縮とが、一致せず、異なる時間となるように構成してもよい。具体的には、例えば、V入賞口74aの開閉周期を、開放「5秒」、閉鎖「5秒」とし、通常演出態様から短縮演出態様となった場合の変動時間の短縮分が「3秒」となるように構成する。このように構成することで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上できる。
<変形例8>
上記各実施形態では、V開放大当たりにおいて、変動演出の停止からV入賞装置72が開放されるまでの時間、即ち、オープニング時間をいずれのV開放大当たりでも一律「10秒」で固定的に設定していた。これに対し、V開放大当たりのオープニング時間を複数種類設け、V開放大当たりの種類に応じて、変動演出の停止からV入賞装置72が開放されるまでの時間にバリエーションを設けるように構成してもよい。具体的には、例えば、同じ「7ラウンドV開放大当たり」であって、第3図柄表示装置81に「3」の主図柄による「大当たり表示」が現出しているような場合であっても、オープニング時間が「10秒」と「5秒」とで異なる大当たり種別を設ける。このように構成することで、変動演出の表示結果からはV入賞装置72の開放タイミングを把握困難にすることで、遊技者にV入賞装置72の開放タイミングを把握困難にして、意外性のある遊技を実現し、遊技の興趣を向上できる。
<変形例9>
上記各実施形態では、「V入賞チャンス演出」の実行抽選に当選した場合、保留されている変動演出如何を問わず直ちに実行するように構成していた。これに対し、「V入賞チャンス演出」の実行抽選に当選した場合、直ちに「V入賞チャンス演出」を行わずに待機し、所定条件が成立した場合に「V入賞チャンス演出」を開始するように構成してもよい。具体的には、たとえば、「V入賞チャンス演出」の実行抽選に当選した場合、「V入賞チャンス演出」の実行抽選に当選した変動演出の1つ前の変動演出の開始時から「V入賞チャンス演出」を実行するように構成してもよい。「V入賞チャンス演出」の「発射促進示唆」に基づいて球を発射し、短縮演出態様となる変動演出を実行させる場合、V開放大当たりを発生させる変動演出の開始時に特別図柄の保留球数が「4個」であることで短縮演出態様が実行されるとともに、該V開放大当たりを発生させる変動演出の実行前に実行される変動演出の開始時にも特別図柄の保留球数が「4個」であることで短縮演出態様が実行され、2の変動演出において短縮演出態様が2回実行されてしまうと、「V入賞チャンス演出」の指示通りに保留球数を溜めたにも関わらず、V入賞口74aに球が入賞し得ない事態が発生してしまう。そこで、2の変動演出がそれぞれ短縮演出態様で実行されてしまうことで、「V入賞チャンス演出」の示唆内容通りに短縮演出態様を実行したにもかかわらず、V入賞口74aに球が入賞し得ないといった事象の発生を抑制することができる。
<変形例10>
上記各実施形態では、抽出された演出態様の種類に応じて「V入賞チャンス演出」の当選確率を変更するように構成していた。これに対し、パチンコ機10の大当たり確率(確率設定値)をホール関係者等が設定変更可能に構成し、該大当たり確率(確率設定値)に応じて「V入賞チャンス演出」の当選確率を変更するように構成してもよい。このように構成することで、確率設定値によってV入賞口74aへ球が入賞するか否かを変更し得ることができ、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上できる。
<変形例11>
上記各実施形態では、いずれの遊技状態であっても特別図柄の保留球数に応じて通常演出態様と短縮演出態様とが選択され得るように構成していた。これに対し、特定の遊技状態では、通常演出態様又は短縮演出態様が選択されないように構成してもよい。このように構成することで、遊技状態に応じて、大当たりにおけるV入賞口74aへの入賞有無を遊技者自らの操作により取得可能な否かを変更することができ、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上できる。
<変形例12>
上記各実施形態では、V開放大当たりにおいて、1のラウンド(即ち、1ラウンド目)でのみV入賞装置72を開放するように構成していた。これに対し、V開放大当たりにおいて複数のラウンドでV入賞装置72を開放するように構成してもよい。このように構成することで、大当たり終了後に「確率変動状態」を発生させ易くすることができる。
<変形例13>
上記各実施形態では、可変入賞装置65の1のラウンドにおける最大開放時間を「30秒」に設定するとともに、1のラウンドにおける最大入賞個数を「10個」に設定し、1のラウンドにおいて最大開放時間が経過する前に最大入賞個数まで入賞させ得るように構成していた。これに対し、可変入賞装置65の1ラウンドにおける最大入賞個数が入賞する前に最大開放時間が経過し得るように設定し、1の大当たりの開始から終了までに要する実行時間を固定的な時間となるように構成してもよい。具体的には、例えば、1のラウンドにおける可変入賞装置65の最大入賞個数を「10個」に設定する一方、最大開放時間を「5秒」に設定する。パチンコ機10において、球は「0.6秒」間隔で発射されるため、「5秒」以内に「10個」の球を発射することができない。よって、1のラウンドにおける可変入賞装置65の最大開放時間の経過前に最大入賞個数の球が入賞し難く構成されているため、可変入賞装置65が、最大入賞個数による閉鎖ではなく、最大開放時間の経過に伴って閉鎖されるように構成される。そして、すべてのラウンドにおいて可変入賞装置65が最大開放時間の経過によって閉鎖されることとなる。その結果、1の大当たり(以下、「先の大当たり」と称する)の開始から終了までに要する時間が一定(固定的)になる。この場合、一定周期で開閉されるV入賞口74aに入賞することで「確率変動状態」が付与され得るパチンコ機10において、保留されている変動演出において大当たり(以下、「後の大当たり」と称する)が発生する場合、先の大当たりが開始される前(例えば、先の大当たりを導出する変動演出中)に、先の大当たりにおいてV入賞口74aに球が入賞するか否かを把握可能となるとともに、後の大当たりにおけるV入賞装置72の開放タイミングとV入賞口74aの開放タイミングとが把握できることで、後の大当たりにおいてV入賞口74aに球が入賞するか否かが把握可能となる。よって、V入賞口74aが一定周期で開閉されるパチンコ機10においても、大当たりが連続して発生することを先の大当たりの開始前に把握し、その結果を予告示唆し、遊技の興趣を向上できる。
<変形例14>
上記各実施形態では、「V入賞チャンス演出」と「保留変化予告」との先読み演出を別々の抽選で実行するように構成していた。これに対し、「V入賞チャンス演出」と「保留変化予告」との先読み演出の抽選を同一の抽選カウンタ等により同時に行うように構成してもよい。このように構成することで、先読み演出の抽選に関し、処理数を少なくし、制御負担を軽減することができる。
<変形例15>
上記各実施形態では、第2特別図柄の変動演出を第1特別図柄の変動演出より優先して実行する所謂特図2優先変動によって変動演出の制御を行っていた。これに対し、入賞した順に変動演出を実行する所謂入賞順変動によって変動演出の制御を行うように構成してもよい。このように構成することで、特図2優先変動のように、第1特別図柄の変動演出に基づく「V入賞チャンス演出」の実行中に第2始動口71に球が入賞して第2特別図柄の変動演出が割り込んで(優先されて)実行されてしまうことで、「V入賞チャンス演出」の演出内容に齟齬が生じることを防止することができる。
<変形例16>
上記各実施形態では、第1特別図柄の変動演出が実行され易い「通常遊技状態」において、第2特別図柄の始動入賞が発生し難く構成し、第1特別図柄の変動演出に基づく「V入賞チャンス演出」の実行中に第2特別図柄の変動演出が割り込んで実行され難いように構成していた。これに対し、第1特別図柄の変動演出に基づく「V入賞チャンス演出」の実行中に第2特別図柄の始動入賞が発生した場合は、実行中の「V入賞チャンス演出」の内容を修正したり、中断(消去)するように構成してもよい。このように構成することで、「V入賞チャンス演出」において、現状でもV入賞口74aに球が入賞し得る状況であるにもかかわらず「発射促進示唆」が実行されてしまうといった演出内容に齟齬が生じることを防止することができる。
<変形例17>
上記各実施形態では、2種類の特別図柄を用いてそれぞれ大当たりの抽選を行うように構成していた。これに対し、1種類の特別図柄のみで大当たりの抽選演出を行うように構成してもよい。このように構成することで、「V入賞チャンス演出」の実行中に他の特別図柄の変動演出が割り込むようなことがなくなり、演出内容に齟齬が生じることを防止することができる。
<変形例18>
上記各実施形態では、第1特別図柄および第2特別図柄で保留数テーブル202cを共通して使用していた。これに対し、第1特別図柄と第2特別図柄とで別々の保留数テーブルを設け、各特別図柄の変動演出ごとに参照する保留数テーブルを変更するように構成してもよい。
<変形例19>
上記各実施形態において、V開放大当たりの当選に基づいてV入賞装置72を開放するように構成していた。これに対し、特別図柄の抽選において、大当たりとは異なる小当たりに当選した場合に、V入賞装置72を開放するように構成してもよい。このように構成することで、大当たり時にはV入賞口74aに球が入賞しないことで「確率変動状態」は付与されないが、多量の球が払い出され、小当たり時には多量の球が払い出されないが「確率変動状態」が付与されるといった遊技性を創出して、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上できる。また、大当たりした場合には可変入賞装置65を開放し、小当たりに当選した場合にはV入賞装置72を開放することで、大当たりにおいて可変入賞装置65とV入賞装置72とを開放する必要性がなくなるため、大当たり時の制御負担を軽減することができる。
<変形例20>
上記各実施形態では、1の発射態様において1の特別図柄の抽選遊技を取得可能、即ち、左打ち遊技では、第1特別図柄の抽選遊技のみを取得可能に構成し、右打ち遊技では、第2特別図柄の抽選遊技のみを取得可能に構成していた。これに対し、1の発射態様において、複数の特別図柄の抽選遊技を取得可能に構成してもよい。具体的には、例えば、第1始動口と第2始動口とが組み付けられた振分ユニットを設け、該振分ユニットに流入した球を振分装置によって交互に第1始動口又は第2始動口に振り分けるように構成する。このように構成することで、1の発射態様で各特別図柄の抽選遊技を取得することができ、各特別図柄の最大保留球数まで特別図柄の保留球数を獲得可能にして、1の特別図柄の最大保留球数のみを獲得可能な状況より特別図柄の合計保留球数の変化幅を大きくし易くすることで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる。
<変形例21>
上記各実施形態では、右打ち遊技時に球が入賞することで遊技者に所定の利益(賞球等)を付与し得るV入賞装置72内に、球が通過することで遊技者にとって有利な「確率変動状態」を発生するV入賞口74aを設け、V入賞装置72内に設けられた振分装置73によって左側経路74又は右側経路75のいずれか一方に球を振り分けて、右打ち遊技によって発射された球がV入賞装置72内のV入賞口74aに入賞するか否かを異ならせるように構成されていた。これに対し、V入賞装置72の外部であって、遊技盤13の盤面上に一定周期で駆動する振分機構(例えば、振分弁や回転体等。以下、同様。)を設け、V入賞装置72に入賞する前であって、遊技領域を流下する球の流下方向を上記振分機構によって振り分けて、V入賞装置72に入賞するか否かを異ならせるように構成してもよい。
具体的には、例えば、V入賞装置72の遊技盤13正面視上方(図3参照)に振分機構を設け、該振分機構を、該振分機構の正面視左側の遊技領域に球を振り分ける左側振分状態と、該振分機構の正面視右側の遊技領域に球を振り分ける右側振分状態とのいずれか一方に一定周期(例えば、球の発射間隔と同等以上の周期(例えば、「0.6秒」以上))で切り替わるように構成する。そして、振分機構の正面視右側下方の遊技領域(流下経路)にV入賞装置72を配設し、振分機構の正面視右側に振り分けられた球がV入賞装置72に入賞し得る(し易い)ように構成する一方、振分機構の正面視左側に振り分けられた球がV入賞装置72に入賞し得ない(し難い)ように構成する。このように構成することで、右打ち遊技で球を継続的に発射した場合に、可変表示装置ユニット80の正面視右側を流下する球が、上記振分機構によってすべてV入賞装置72に入賞し得る(し易い)状況か、上記振分機構によってすべてV入賞装置72に入賞し得ない(し難い)状況下を異ならせることができ、振分機構によってV入賞口74aに入賞するか否かを変化させて、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる。この場合に、「V入賞チャンス演出」によって、V入賞装置72に球が入賞し得る状況か否かを報知することで、V入賞装置72に球を入賞させ易くし、遊技者に多くの遊技価値を付与し易くすることが可能となる。
なお、上記振分機構によって振り分けられた球が入賞し得る入賞装置は、V入賞装置72以外の入賞装置であってもよく、例えば、可変入賞装置65や、第1始動口64若しくは第2始動口71、スルーゲート67、一般入賞口63、或いは、小当たり当選時に開放され得る小当たり専用可変入賞装置等であってもよい。この場合、可変入賞装置65や第2始動口71、又は小当たり専用可変入賞装置のように、入賞口を覆う開閉板を有する入賞装置65,71等では、「V入賞チャンス演出」によって、球が入賞し得る状況か否かを報知することで、遊技者が遊技価値を獲得し易いようにすることができる。
<変形例22>
上記各実施形態では、右打ち遊技時に球が入賞することで遊技者に所定の利益(賞球等)を付与し得るV入賞装置72内に、球が通過することで遊技者にとって有利な「確率変動状態」を発生するV入賞口74aを設け、V入賞装置72内に設けられた振分装置73によって左側経路74又は右側経路75のいずれか一方に球を振り分けて、右打ち遊技によって発射された球がV入賞装置72内のV入賞口74aに入賞するか否かを異ならせるように構成されていた。これに対し、左打ち遊技時に球が入賞し得る位置にV入賞装置72を設け、左打ち遊技で発射された球がV入賞装置72内のV入賞口74aに入賞するか否かを異ならせるように構成してもよい。
この場合に、左打ち遊技で発射された球を、V入賞装置72へ入賞し得る(し易い)入賞可能経路と、V入賞装置72へ入賞し得ない(し難い)入賞困難経路とに振り分ける振分機構を設け、V入賞装置72に入賞する前であって、遊技領域を流下する球の流下方向を上記振分機構によって振り分けて、V入賞装置72に入賞するか否かを振り分けるように構成してもよい。
具体的には、例えば、センターフレーム86(図3参照)の正面視左側のワープ口(図示せず)から流入した球が滞留可能なステージ(図示せず)に、上記振分機構を配置する。そして、該振分機構を、V入賞装置72に球が入賞し得る(し易い)入賞可能経路に球を振り分ける入賞可能経路振分状態と、該入賞可能経路以外の経路であって、V入賞装置72に球が入賞し得ない(し難い)入賞困難経路に球を振り分ける入賞困難経路振分状態とに変化可能に構成する。また、振分機構の入賞可能経路振分状態と入賞困難経路振分状態とが一定周期(例えば、球の発射間隔と同等以上の周期(例えば、「0.6秒」以上))で切り替わるように構成する。そして、振分機構によって入賞可能経路に振り分けられた球がV入賞装置72に入賞し得る(し易い)ように構成する一方、振分機構によって入賞困難経路に振り分けられた球がV入賞装置72に入賞し得ない(し難い)ように構成する。このように構成することで、左打ち遊技で発射されてセンターフレーム86のステージを滞留する球が、上記振分機構によってV入賞装置72に入賞し得る(し易い)か否かを異ならせることができ、振分機構によってV入賞口74aに入賞するか否かを変化させて、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる。この場合に、「V入賞チャンス演出」によって、V入賞装置72に球が入賞し得る状況か否かを報知することで、V入賞装置72に球を入賞させ易くし、遊技者に多くの遊技価値を付与し易くすることが可能となる。
なお、上記振分機構によって振り分けられた球が流下し得る経路は、V入賞装置72へ入賞し得る経路以外の経路であってもよく、例えば、可変入賞装置65へ流入し得る経路や、第1始動口64若しくは第2始動口71に流入し得る経路、スルーゲート67に流入し得る経路、一般入賞口63に流入し得る経路、或いは、小当たり当選時に開放され得る小当たり専用可変入賞装置に流入し得る経路等であってもよい。この場合、可変入賞装置65や第2始動口71、又は小当たり専用可変入賞装置のように、入賞口を覆う開閉板を有する入賞装置65,71等では、「V入賞チャンス演出」によって、球が入賞し得る状況か否かを報知することで、遊技者が遊技価値を獲得し易いようにすることができる。
<変形例23>
上記実施形態では、V開放大当たりに当選して「V入賞チャンス演出」の対象となる変動演出の開始時まで、該「V入賞チャンス演出」を実行するように構成していた。これに対し、「V入賞チャンス演出」の終了タイミングとして、「V入賞チャンス演出」の対象となる変動演出が開始されてから第1所定タイミングが到来するまで、或いは、「V入賞チャンス演出」の対象となる変動演出が開始される前の第2所定タイミングまで「V入賞チャンス演出」を実行するように構成してもよい。この場合、第1所定タイミングとしては、「V入賞チャンス演出」の対象となる変動演出の「高速変動」の変動要素の終了タイミングや、「低速変動」の変動要素の終了タイミング、「ノーマルリーチ」の変動要素の終了タイミングであって「スーパーリーチ」の変動要素若しくは「スペシャルリーチ」の変動要素の開始タイミング、又は、各「リーチ表示」の終了タイミングであって「再変動」の変動要素の開始タイミング等が例示される。また、第2所定タイミングとしては、「V入賞チャンス演出」の対象となる変動演出の1つ前〜3つ前に実行されているいずれかの変動演出の、「高速変動」の変動要素の終了タイミングや、「低速変動」の変動要素の終了タイミング、又は、「ノーマルリーチ」の変動要素の終了タイミングであって「スーパーリーチ」の変動要素若しくは「スペシャルリーチ」の変動要素の開始タイミング等が例示される。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
スロットマシンでは、所定期間中に払い出された遊技媒体(コイン、メダル)の総数に対する、ボーナス(役物)により払い出された遊技媒体の数の比率が役物比率となる。そこで、各役が成立した場合に払い出される遊技媒体の数を、賞球数テーブル202eに代えて主制御装置のROMに格納しておき、役物比率管理チップ又は役物比率管理チップと同等の機能を実行する制御装置にて、非ボーナスゲーム期間(通常期間)において成立した(有効ライン上に図柄が揃った)役の数、ボーナスゲーム期間中において成立した役の数、AT期間中において成立した役の数を計数して、役物比率や連続役物比率を管理してもよい。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。なお、以下に示す各種発明の概念は、それぞれ、他の発明の概念が有する構成の一部または複数部分を、その発明の概念に追加し或いはその他の発明の概念が有する構成の一部または複数部分と交換等することにより、その発明の概念を変形して構成するようにしても良い。
<A群:所定周期で開閉されるV入賞口と実行中の遊技状況とを判別して、V入賞口に遊技球が入賞するか否かを報知>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて遊技球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられた入球口へ遊技球が入球することに基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において当たり等の有利状態に当選した場合に、通常では閉鎖されている可変入球手段を開放して、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されている。
このような遊技機では、遊技球が流入可能な入賞領域へ遊技球が流下するか否かを振り分ける振分機構を配置し、該振分機構によって振り分けられた遊技球が入賞領域へ流入した場合に、遊技者にとって有利な遊技価値を発生させるパチンコ機がある(例えば、特許文献1(特開2017−148264号公報))。
しかしながら、上記遊技機において、遊技の興趣向上を図る必要があるが、この点について未だ改良の余地がある。
A群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技球を発射する発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な入球手段(例えば、第1始動口64)と、
前記入球手段に遊技球が入球したことに起因して所定情報を取得する情報取得手段(例えば、始動入賞処理(S109)のS209)と、
前記情報取得手段により取得された前記所定情報を判定する判定手段(例えば、MPU201)と、
遊技球が進入し難い又は進入不可な第1状態と、遊技球が進入可能な第2状態とに変化可能な可変入球手段(例えば、可変入賞装置65)と、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記可変入球手段を前記第2状態とし得る有利状態(例えば、大当たり状態)にする有利状態手段(例えば、大当たり処理(S104))と、を備えた遊技機において、
前記有利状態手段による前記有利状態において、遊技球が通過可能な特別領域(例えば、V入賞口74a)と、
前記特別領域を、遊技球が通過可能な通過可能状態と、遊技球が通過し難い又は通過不可能な通過困難状態とに切り替える通過切替手段(例えば、振分板73a)と、
前記特別領域を遊技球が通過した場合に、遊技者にとって有利な第2有利状態(例えば、「確率変動状態」)を発生させ得る第2有利状態手段(例えば、確変移行フラグ203j)と、
前記通過切替手段に遊技球が流入可能なタイミングを判別する遊技球流入判別手段(例えば、保留変動時間積算カウンタ223g及び実行変動時間計数カウンタ223h)と、
前記遊技球流入判別手段によって判別された前記通過切替手段に遊技球が流入可能となるタイミングにおいて、前記通過切替手段によって前記特別領域が前記通過可能状態となっているか否かを判別する通過判別手段(例えば、サブV駆動タイマ223d及び合算カウンタ223i)と、
前記通過判別手段の判別結果を前記有利状態の開始前に報知する通過判別結果報知手段(例えば、「V入賞チャンス演出」の「発射促進示唆」)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機A0。
遊技機A0によれば、発射手段により遊技球が発射され、この発射手段により発射された遊技球が入球手段に入球可能に構成され、この入球手段に遊技球が入球したことに起因して情報取得手段により所定情報が取得される。そして、判定手段により、情報取得手段により取得された所定情報が判定され、遊技球が進入し難い又は進入不可な第1状態と、遊技球が進入可能な第2状態とに変化可能な可変入球手段が設けられ、判定手段による判定結果を使用することによって、有利状態手段により、可変入球手段が第2状態とされ得る有利状態とされる。ここで、有利状態手段による有利状態において、特別領域へ遊技球が通過可能に構成され、通過切替手段により、特別領域を、遊技球が通過可能な通過可能状態と、遊技球が通過し難い又は通過不可能な通過困難状態とに切り替えられる。また、特別領域を遊技球が通過した場合に、第2有利状態手段により、遊技者にとって有利な第2有利状態が発生され得る。ここで、遊技球流入判別手段により、通過切替手段に遊技球が流入可能なタイミングが判別され、通過判別手段により、遊技球流入手段によって判別された通過切替手段に遊技球が流入可能なタイミングにおいて、通過切替手段によって特別領域が通過可能状態となっているか否かが判別される。そして、通過判別結果報知手段により、通過判別手段の判別結果が有利状態の開始前に報知される。即ち、有利状態が開始される前に、通過切替手段に遊技球が流入可能となるタイミングと、そのタイミングにおいて通過切替手段によって特別領域を球が通過可能な否かとを判別することで、有利状態において特別領域に遊技球が通過可能な状態か否かを判別して、その判別結果を有利状態が開始される前に遊技者に報知することができる。これにより、特別領域を遊技球が通過するか否かを有利状態の開始前に報知することで、遊技者は、有利状態中に第2有利状態が発生し得るか否かを認識することができ、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機A0において、
前記通過切替手段は、
前記特別領域の前記通過可能状態と前記通過困難状態とを、前記判定手段による判定結果の導出タイミングとは連動しない一定周期(例えば、「10秒」)で切り替える
ことを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、遊技機A0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、通過切替手段により、特別領域の通過可能状態と通過困難状態とが、判定手段による判定結果の導出タイミングとは連動しない一定周期で切り替えられる。即ち、判定手段の判定結果を使用することにより発生し得る有利状態の発生と連動しない一定周期で、特別領域へ遊技球が通過可能か否かが切り替えられ、遊技球流入手段により、通過切替手段に遊技球が流入可能なタイミングが判別される。
従来、特別領域の通過可能タイミングを判定手段による判定結果の導出タイミングと連動しないように構成した場合、有利状態を発生し得る判定手段による判定結果を用いた有利状態の発生タイミングと、第2有利状態を発生し得る特別領域への遊技球の通過可否とが連動していないため、判定手段による判定結果によって有利状態が発生した場合であっても、該有利状態において第2有利状態が発生し得るか否かが判定手段の判定結果に伴って報知できなかった。
そこで、遊技機A1によれば、通過切替手段に遊技球が流入可能となるタイミングにおいて、判定手段による判定結果の導出タイミングとは連動せずに一定周期で切り替えられる特別領域を遊技球が通過可能な状態か否かを判別し、有利状態において特別領域に遊技球が通過可能な状態か否かを判別して、その判別結果を有利状態が開始される前に遊技者に報知することができる。これにより、特別領域を遊技球が通過するか否かを有利状態の開始前に報知することで、遊技者は、有利状態中に第2有利状態が発生し得るか否かを認識することができ、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機A0又はA1において、
前記特別領域を有し、遊技球が進入し難い又は進入不可な第3状態と、遊技球が進入可能な第4状態とに変化可能な第2可変入球手段(例えば、V入賞装置72)と、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記有利状態において、前記第2可変入球手段を前記第4状態とし得る第2可変入球状態変更手段(例えば、V入賞装置開閉板72a)と、を備え、
前記通過判別手段は、
前記第2可変入球状態変更手段により前記第2可変入球手段が前記第4状態となっている場合に、前記通過切替手段により前記特別領域が前記通過可能状態となっているか否かを判別する
ことを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A0又はA1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特別領域を有し、遊技球が進入し難い又は進入不可な第3状態と、遊技球が進入可能な第4状態とに変化可能な第2可変入球手段が設けられ、判定手段による判定結果を使用することによって、第2可変入球状態変更手段により、有利状態において、第2可変入球手段が第4状態とされ得る。そして、通過判別手段により、第2可変入球状態変更手段により第2可変入球手段が第4状態となっている場合に、通過切替手段により特別領域が通過可能状態となっているか否かが判別される。即ち、判定手段による判定結果を用いて第2可変入球手段が遊技球を進入可能な第4状態となっている場合に、その第2可変入球手段に設けられた特別領域が遊技球が通過可能な通過可能状態となっているか否かを判別し、その判別結果を有利状態が開始される前に遊技者に報知することができる。これにより、特別領域を遊技球が通過するか否かを有利状態の開始前に報知することで、遊技者は、有利状態中に第2有利状態が発生し得るか否かを認識することができ、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機A2において、
前記遊技球流入判別手段は、
前記第2可変入球手段が前記第4状態となるまでの期間を判別する期間判別手段(例えば、保留変動時間積算カウンタ223g及び実行変動時間計数カウンタ223h)、を備え、
前記通過判別手段は、
前記期間判別手段による期間の経過時に、前記特別領域が前記通過可能状態となっているか否かを判別する
ことを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、次の効果を奏する、即ち、遊技球流入判別手段に設けられた期間判別手段により、第2可変入球手段が第4状態となるまでの期間が判別される。そして、通過判別手段により、期間判別手段による期間の経過時に、特別領域が通過可能状態となっているか否かが判別される。これにより、特別領域を遊技球が通過するか否かを有利状態の開始前に報知することで、遊技者は、有利状態中に第2有利状態が発生し得るか否かを認識することができ、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機A3において、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、表示手段(例えば、第3図柄表示装置81)において行われる識別情報の動的表示を実行する動的表示実行手段(例えば、表示制御装置114)と、
所定の数を上限として、前記情報取得手段により取得される前記所定情報を記憶する記憶手段(例えば、第1保留球格納エリア203d)と、
前記有利状態手段による前記有利状態において、前記第2可変入球手段が前記第4状態とされるまで導入演出(例えば、オープニング演出)を実行する導入演出実行手段(例えば、オープニングコマンド)と、を備え、
前記期間判別手段は、
前記動的表示実行手段による実行中の前記動的表示の残り時間と、前記記憶手段に記憶される前記所定情報に基づく待機中の前記動的表示の実行時間と、前記導入演出実行手段による前記導入演出の実行時間とを判別する
ことを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、次の効果を奏する、即ち、判定手段による判定結果を使用することにより、動的表示実行手段により、表示手段において行われる識別情報の動的表示が実行される。また、記憶手段により、所定の数を上限として、情報取得手段により取得される所定情報が記憶される。さらに、有利状態手段による有利状態において、導入演出実行手段により、第2可変入球手段が第4状態とされるまでの導入演出が実行される。ここで、動的表示実行手段による実行中の動的表示の残り時間と、記憶手段に記憶される所定情報に基づく待機中の動的表示の実行時間と、導入演出実行手段による導入演出の実行時間とが、期間判別手段により判別される。即ち、実行中の動的表示の残り時間と、記憶されている待機中の動的表示の実行時間と、有利状態における第2可変入球手段が第4状態となるまで実行される導入演出の実行時間とを判別して、第2可変入球手段が第4状態となったタイミングで特別領域が通過可能状態となっているか否かを判別する。これにより、特別領域を遊技球が通過するか否かを動的表示の実行中に報知することが可能となり、遊技者は、有利状態の開始前に、有利状態中に第2有利状態が発生し得るか否かを認識することができ、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機A4において、
前記第2可変入球手段が前記第4状態となるまでの所定の期間を変更する期間変更手段(例えば、通常演出態様から短縮演出態様への変更)、を備えている
ことを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A4の奏する効果に加え、次の効果を奏する、即ち、期間変更手段により、第2可変入球手段が第4状態となるまでの所定の期間が変更される。これにより、通過判別結果報知手段により有利状態の開始前に特別領域を遊技球が通過するか否かの判別結果を報知した上で、第2可変入球手段が第4状態となるまでの所定の期間を変化可能に構成することで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機A5において、
前記期間変更手段は、
前記記憶手段に記憶される前記所定情報の数が所定の第1所定値(例えば、「4個」)である場合に、前記第1所定値未満であるときに実行される前記動的表示より、前記動的表示の実行時間を短縮して実行する短縮実行手段(例えば、「ノーマルリーチ(短縮)」演出態様)、を備えている
ことを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段に記憶される所定情報の数が所定の第1所定値である場合に、期間変更手段に設けられた短縮実行手段により、第1所定値未満であるときに実行される動的表示より、動的表示の実行時間が短縮して実行される。これにより、第2可変入球手段が第4状態となるまでの期間を、所定情報の記憶数に応じて変化させることが可能となる。よって、通過判別結果報知手段により有利状態の開始前に特別領域を遊技球が通過するか否かの判別結果を報知した上で、遊技者によって遊技球を発射させることで、第2可変入球手段が第4状態となるまでの期間を遊技者の遊技態様(発射態様)によって変化可能に構成することで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
<B群:保留球数に応じて変動時間変更、変動時間が変更された場合に、V入賞口に球が入賞するか否かが変更>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて遊技球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられた入球口へ遊技球が入球することに基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において当たり等の有利状態に当選した場合に、通常では閉鎖されている可変入球手段を開放して、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されている。
このような遊技機では、遊技球が流入可能な入賞領域へ遊技球が流下するか否かを振り分ける振分機構を配置し、該振分機構によって振り分けられた遊技球が入賞領域へ流入した場合に、遊技者にとって有利な遊技価値を発生させるパチンコ機がある(例えば、特許文献1(特開2017−148264号公報))。
しかしながら、上記遊技機において、遊技の興趣向上を図る必要があるが、この点について未だ改良の余地がある。
B群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技球を発射する発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な入球手段(例えば、第1始動口64)と、
前記入球手段に遊技球が入球したことに起因して所定情報を取得する情報取得手段(例えば、始動入賞処理(S109)のS209)と、
前記情報取得手段により取得された前記所定情報を判定する判定手段(例えば、MPU201)と、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、表示手段(例えば、第3図柄表示装置81)において行われる識別情報の動的表示を実行する動的表示実行手段(例えば、表示制御装置114)と、
前記動的表示実行手段によって前記表示手段において前記動的表示を実行中の場合に、前記情報取得手段により前記所定情報が取得されたとき、所定の数を上限として、前記所定情報を記憶する記憶手段(例えば、第1保留球格納エリア203d)と、
前記記憶手段に記憶される前記所定情報の数が所定の第1所定値(例えば、「4個」)である場合に、前記第1所定値未満であるときに選択され易い前記動的表示の第1実行時間と異なる第2実行時間を選択し易い選択変更手段(例えば、「ノーマルリーチ(短縮)」演出態様)と、
遊技球が進入し難い又は進入不可な第1状態と、遊技球が進入可能な第2状態とに変化可能な可変入球手段(例えば、可変入賞装置65)と、
前記動的表示において所定の表示結果(例えば、「大当たり表示」)が現出した場合に、前記可変入球手段を前記第2状態とし得る有利状態(例えば、大当たり状態)にする有利状態手段(例えば、大当たり処理(S104))と、を備えた遊技機において、
前記有利状態手段による前記有利状態において、遊技球が通過可能な特別領域(例えば、V入賞口74a)と、
前記特別領域を、遊技球が通過可能な通過可能状態と、遊技球が通過し難い又は通過不可能な通過困難状態とに切り替える通過切替手段(例えば、振分板73a)と、
前記特別領域を遊技球が通過した場合に、遊技者にとって有利な第2有利状態(例えば、「確率変動状態」)を発生させ得る第2有利状態手段(例えば、確変移行フラグ203j)と、を備え、
前記選択変更手段によって前記動的表示の前記第2実行時間が選択された場合に、前記動的表示の前記第1実行時間が選択されたときと比べて、前記特別領域への遊技球の通過結果が変化する(例えば、通常演出態様から短縮演出態様へ変更された場合にV入賞口74aへ入賞)
ことを特徴とする遊技機B0。
遊技機B0によれば、発射手段により遊技球が発射され、この発射手段により発射された遊技球が入球手段に入球可能に構成され、この入球手段に遊技球が入球したことに起因して情報取得手段により所定情報が取得される。そして、判定手段により、情報取得手段により取得された所定情報が判定され、動的表示実行手段により、判定手段による判定結果を使用することによって、表示手段において行われる識別情報の動的表示が実行される。また、動的表示実行手段によって表示手段において動的表示を実行中の場合に、情報取得手段により所定情報が取得されたとき、記憶手段により、所定の数を上限として、所定情報が記憶される。そして、記憶手段に記憶される所定情報の数が所定の第1所定値である場合に、選択変更手段により、第1所定値未満であるときに選択され易い動的表示の第1実行時間と異なる第2実行時間が選択され易く構成される。さらに、遊技球が進入し難い又は進入不可な第1状態と、遊技球が進入可能な第2状態とに変化可能な可変入球手段が設けられ、動的表示において所定の表示結果が現出した場合に、有利状態手段により、可変入球手段が第2状態とされ得る有利状態とされる。ここで、有利状態手段による有利状態において、特別領域へ遊技球が通過可能に構成され、通過切替手段により、特別領域を、遊技球が通過可能な通過可能状態と、遊技球が通過し難い又は通過不可能な通過困難状態とに切り替えられる。また、特別領域を遊技球が通過した場合に、第2有利状態手段により、遊技者にとって有利な第2有利状態が発生され得る。そして、選択変更手段によって動的表示の第2実行時間が選択された場合に、動的表示の第1実行時間が選択されたときと比べて、特別領域への遊技球の通過結果が変化する。これにより、動的表示の実行時間が第1実行時間で実行されるか第2実行時間で実行されるか否かに応じて、特別領域への遊技球の通過結果を変化可能に構成し、記憶手段に記憶される所定情報の数によって第2有利状態が発生するか否かを変化させることができる。よって、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機B0において、
前記通過切替手段は、
前記特別領域の前記通過可能状態と前記通過困難状態とを、前記動的表示の実行とは連動しない一定期間(例えば、「10秒」)で切り替え、
前記一定期間は、
前記第1実行時間と前記第2実行時間との差分と同一である
ことを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、遊技機B0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、通過切替手段により、特別領域の通過可能状態と通過困難状態とが、動的表示の実行とは連動しない一定期間で切り替えられる。そして、その一定期間と、第1実行時間と第2実行時間との差分とが同一とされる。即ち、動的表示の実行時間が第1実行時間か第2実行時間かに応じて、特別領域が通過可能状態か通過困難状態かを異ならせることができる。これにより、動的表示の実行時間に応じて、特別領域への遊技球の通過結果を変更可能に構成し、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機B0又はB1において、
前記特別領域を有し、遊技球が進入し難い又は進入不可な第3状態と、遊技球が進入可能な第4状態とに変化可能な第2可変入球手段(例えば、V入賞装置72)と、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記有利状態において、前記第2可変入球手段を前記第4状態とし得る第2可変入球状態変更手段(例えば、V入賞装置開閉板72a)と、
前記動的表示実行手段による実行中の前記動的表示の残り時間と、前記記憶手段に記憶される前記所定情報に基づく前記動的表示の実行時間と、前記有利状態において前記第2可変入球手段が前記第4状態となるまでの第1状態時間と、を計数する時間計数手段(例えば、保留変動時間積算カウンタ223g及び実行変動時間計数カウンタ223h)と、
前記時間計数手段によって計数される前記残り時間、前記実行時間および前記第1状態時間の経過時に、前記特別領域が前記通過可能状態となっているか否かを判別する通過判別手段(例えば、合算カウンタ223i)と、
前記通過判別手段の判別結果を報知する通過判別結果報知手段(例えば、「V入賞チャンス演出」の「発射促進示唆」)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B0又はB1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特別領域を有し、遊技球が進入し難い又は進入不可な第3状態と、遊技球が進入可能な第4状態とに変化可能な第2可変入球手段が設けられ、判定手段による判定結果を使用することによって、第2可変入球状態変更手段により、有利状態において、第2可変入球手段が第4状態とされ得る。ここで、動的表示実行手段による実行中の動的表示の残り時間と、記憶手段に記憶される所定情報に基づく動的表示の実行時間と、有利状態において第2可変入球手段が第4状態となるまでの第1状態期間とが、時間計数手段により計数される。また、時間計数手段によって計数される残り時間、実行時間および第1状態時間の経過時に、特別領域が通過可能状態となっているか否かが、通過判別手段により判別される。そして、通過判別結果報知手段により、通過判別手段の判別結果が報知される。これにより、特別領域を有する第2可変入球手段に遊技球が進入可能な状態となるタイミングで、特別領域を遊技球が通過可能な状態となるか否かを正確に判別することが可能となり、その判別結果を報知することができる。これにより、特別領域を遊技球が通過するか否かを正確に報知することで、遊技者は、第2有利状態が発生し得るか否かを認識することができ、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機B2において、
前記選択変更手段は、
少なくとも、前記第2可変入球手段を前記第4状態とし得る前記動的表示において前記第2実行時間を選択可能である
ことを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、選択変更手段により、少なくとも、第2可変入球手段を第4状態とし得る動的表示において第2実行時間が選択可能に構成される。これにより、第2可変入球手段を第4状態とし得る動的表示の実行時間として、第1実行時間が選択されるか第2実行時間が選択されるか否かに応じて、第2可変入球手段に設けられた特別領域への遊技球の通過結果を変化可能に構成し、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機B0からB3のいずれかにおいて、
前記第1実行時間より前記第2実行時間が短い
ことを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B0からB3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1実行時間より第2実行時間が短く構成される。これにより、動的表示の実行時間が短いか否かに応じて、特別領域への遊技球の通過結果を変更可能に構成し、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機B0からB3のいずれかにおいて、
前記第1実行時間より第2実行時間が長い
ことを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B0からB3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1実行時間より第2実行時間が長く構成される。これにより、動的表示の実行時間が長いか否かに応じて、特別領域への遊技球の通過結果を変更可能に構成し、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機B0からB5のいずれかにおいて、
前記通過判別結果報知手段は、
前記通過判別手段の判別結果を前記有利状態の開始前に報知する事前報知手段(例えば、「V入賞チャンス演出」の「発射促進示唆」)、を備えている
ことを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B0からB5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、通過判別結果報知手段に設けられた事前報知手段により、通過判別手段の判別結果が有利状態の開始前に報知される。これにより、特別領域を遊技球が通過するか否かを有利状態の開始前に報知することで、遊技者は、有利状態中に第2有利状態が発生し得るか否かを認識することができ、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
<C群:発射態様を示唆>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて遊技球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられた入球口へ遊技球が入球することに基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において当たり等の有利状態に当選した場合に、通常では閉鎖されている可変入球手段を開放して、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されている。
このような遊技機では、遊技球が流入可能な入賞領域へ遊技球が流下するか否かを振り分ける振分機構を配置し、該振分機構によって振り分けられた遊技球が入賞領域へ流入した場合に、遊技者にとって有利な遊技価値を発生させるパチンコ機がある(例えば、特許文献1(特開2017−148264号公報))。
しかしながら、上記遊技機において、遊技の興趣向上を図る必要があるが、この点について未だ改良の余地がある。
C群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技球を発射する発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な入球手段(例えば、第1始動口64)と、
前記入球手段に遊技球が入球したことに起因して所定情報を取得する情報取得手段(例えば、始動入賞処理(S109)のS209)と、
前記情報取得手段により取得された前記所定情報を判定する判定手段(例えば、MPU201)と、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当たり状態)とする有利状態手段(例えば、大当たり処理(S104))と、を備えた遊技機において、
前記有利状態手段による前記有利状態において、遊技球が通過可能な特別領域(例えば、V入賞口74a)と、
前記特別領域を、遊技球が通過可能な通過可能状態と、遊技球が通過し難い又は通過不可能な通過困難状態とに切り替える通過切替手段(例えば、振分板73a)と、
前記特別領域を遊技球が通過した場合に、遊技者にとって有利な第2有利状態(例えば、「確率変動状態」)を発生させ得る第2有利状態手段(例えば、確変移行フラグ203j)と、
前記通過切替手段に遊技球が流入可能なタイミングを判別する遊技球流入判別手段(例えば、保留変動時間積算カウンタ223g及び実行変動時間計数カウンタ223h)と、
前記遊技球流入判別手段によって判別された前記通過切替手段に遊技球が流入可能となるタイミングにおいて、前記発射手段によって発射された遊技球が前記特別領域を通過するか否かを判別する通過判別手段(例えば、合算カウンタ223i)と、
前記通過判別手段の判別結果に基づいて、前記特別領域を通過可能となる遊技球の発射態様を報知する発射態様報知手段(例えば、「V入賞チャンス演出」の「発射促進示唆」)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機C0。
遊技機C0によれば、発射手段により遊技球が発射され、この発射手段により発射された遊技球が入球手段に入球可能に構成され、この入球手段に遊技球が入球したことに起因して情報取得手段により所定情報が取得される。そして、判定手段により、情報取得手段により取得された所定情報が判定され、判定手段による判定結果を使用することによって、有利状態手段により、遊技者にとって有利な遊技状態とされる。ここで、有利状態手段による有利状態において、特別領域へ遊技球が通過可能に構成され、通過切替手段により、特別領域を、遊技球が通過可能な通過可能状態と、遊技球が通過し難い又は通過不可能な通過困難状態とに切り替えられる。また、特別領域を遊技球が通過した場合に、第2有利状態手段により、遊技者にとって有利な第2有利状態が発生され得る。ここで、遊技球流入手段により、通過切替手段に遊技球が流入可能なタイミングが判別され、通過判別手段により、遊技球流入判別手段によって判別された前記通過切替手段に遊技球が流入可能となるタイミングにおいて、発射手段によって発射された遊技球が特別領域を通過するか否かが判別される。そして、通過判別手段の判別結果に基づいて、発射態様報知手段により、特別領域を通過可能となる遊技球の発射態様が報知される。これにより、特別領域を通過可能となる遊技球の発射態様が報知されるか否かに応じて、特別領域への遊技球の通過結果を変化可能に構成し、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機C0において、
前記遊技球流入判別手段は、
前記通過切替手段に遊技球が流入可能となるタイミングまでの時間を計数する時間計数手段(例えば、保留変動時間積算カウンタ223g及び実行変動時間計数カウンタ223h)、を備え、
前記通過判別手段は、
前記時間計数手段による計数結果に基づいて、前記特別領域を遊技球が通過するか否かを判別する
ことを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、遊技機C0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、時間計数手段により、通過切替手段に遊技球が流入可能となるタイミングまでの時間が計数される。そして、通過判別手段により、時間計数手段による計数結果に基づいて、特別領域を遊技球が通過するか否かが判別される。これにより、通過切替手段に遊技球が流入するまでの時間と、特別領域へ遊技球が通過可能な状態となってるか否かに基づいて、特別領域を通過可能となる遊技球の発射態様が報知される。そして、該発射態様が報知されるか否かに応じて、特別領域への遊技球の通過結果を変更可能に構成し、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機C1において、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、表示手段(例えば、第3図柄表示装置81)において行われる識別情報の動的表示を実行する動的表示実行手段(例えば、表示制御装置114)と、
前記動的表示実行手段によって前記表示手段において前記動的表示を実行中の場合に、前記情報取得手段により前記所定情報が取得されたとき、所定の数を上限として、前記情報取得手段により取得される前記所定情報を記憶する記憶手段(例えば、第1保留球格納エリア203d)と、
前記記憶手段に記憶される前記所定情報の数が所定の第1所定値(例えば、「4個」)である場合に、前記第1所定値未満であるときに選択され易い前記動的表示の第1実行時間と異なる第2実行時間を選択し易い選択変更手段(例えば、「ノーマルリーチ(短縮)」演出態様)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C0又はC1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示実行手段により、判定手段による判定結果を使用することによって、表示手段において行われる識別情報の動的表示が実行される。また、動的表示実行手段によって表示手段において動的表示を実行中の場合に、情報取得手段により所定情報が取得されたとき、記憶手段により、所定の数を上限として、情報取得手段により取得される所定情報が記憶される。そして、記憶手段に記憶される所定情報の数が所定の第1所定値である場合に、選択変更手段により、第1所定値未満であるときに選択され易い動的表示の第1実行時間と異なる第2実行時間が選択され易く構成される。即ち、動的表示の実行時間が第1実行時間か第2実行時間かに応じて有利状態の開始時期を変化させることで、有利状態における特別領域の通過可能状態又は通過困難状態とが変化され得る。これにより、動的表示の実行時間が第1実行時間で実行されるか第2実行時間で実行されるか否かに応じて、特別領域への遊技球の通過結果を変化可能に構成し、記憶手段に記憶される所定情報の数によって第2有利状態が発生するか否かを変化させることができる。よって、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機C2において、
前記発射態様報知手段は、
前記遊技球流入判別手段によって、前記通過切替手段に遊技球が流入可能なタイミングでは前記特別領域を遊技球が通過しないと判別された場合に、遊技球の発射を指示する発射指示手段(例えば、「発射促進示唆」)、を備えている
ことを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球流入判別手段によって、通過切替手段に遊技球が流入可能なタイミングでは特別領域を遊技球が通過しないと判別された場合に、発射態様報知手段に設けられた発射指示手段により、遊技球の発射が指示される。即ち、通過切替手段に遊技球が流入可能なタイミングでは特別領域を遊技球が通過しないと判別されている場合に、遊技者に遊技球の発射を指示して、記憶手段に記憶される所定情報の数が所定の第1所定値とさせることで、動的表示の実行時間を変更させることができる。これにより、当初、有利状態における特別領域への遊技球の通過が通過困難状態であった場合でも、動的表示を第1所定値以上記憶させて動的表示の実行時間を変更されることで、特別領域へ遊技球を通過させることができる。よって、発射指示手段による遊技球の発射指示に従うことで、特別領域への遊技球の通過結果を変更可能に構成し、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機C2において、
前記発射態様報知手段は、
前記遊技球流入判別手段によって、前記通過切替手段に遊技球が流入可能なタイミングでは前記特別領域を遊技球が通過すると判別された場合に、遊技球の発射の停止を指示する発射停止指示手段(例えば、「発射停止示唆」)、を備えている
ことを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球流入判別手段によって、通過切替手段に遊技球が流入可能なタイミングで特別領域を遊技球が通過すると判別された場合に、発射態様報知手段に設けられた発射停止指示手段により、遊技球の発射の停止が指示される。即ち、通過切替手段に遊技球が流入可能なタイミングで特別領域を遊技球が通過すると判別されている場合に、遊技者に遊技球の発射の停止を指示して、記憶手段に記憶される所定情報の数が所定の第1所定値とならないようにすることで、動的表示の実行時間が変更されないようにすることができる。これにより、当初、有利状態における特別領域への遊技球の通過が通過可能状態であった場合、その状態を維持させることで、特別領域へ遊技球を通過させることができる。よって、発射停止指示手段による遊技球の発射停止指示に従うことで、特別領域へ遊技球を通過させ、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機C2において、
前記発射態様報知手段は、
前記遊技球流入判別手段によって、前記通過切替手段に遊技球が流入可能なタイミングでは前記特別領域を遊技球が通過する場合と通過し得ない場合とが混在すると判別されたとき、遊技球の発射に関する指示を行わない
ことを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球流入判別手段によって、通過切替手段に遊技球が流入可能なタイミングでは特別領域を遊技球が通過する場合と通過し得ない場合とが混在すると判別されたとき、発射態様報知手段により、遊技球の発射に関する指示を行わないように構成される。これにより、遊技状態における特別領域への遊技球の通過が判然としない場合に、発射するか発射を停止するかを遊技者に判断させることで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機C2において、
前記発射態様報知手段は、
前記遊技球流入判別手段によって、前記通過切替手段に遊技球が流入可能なタイミングでは前記特別領域を遊技球が通過する場合と通過し得ない場合とが混在すると判別されたとき、遊技球の発射態様を明確に指示しない発射曖昧指示手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球流入判別手段によって、通過切替手段に遊技球が流入可能なタイミングでは特別領域を遊技球が通過する場合と通過し得ない場合とが混在すると判別されたとき、発射態様報知手段に設けられた発射曖昧指示手段より、遊技球の発射態様を明確に指示しないように構成される。具体的には、例えば、発射の指示と発射の停止との両方に解釈可能な指示を報知する。これにより、遊技状態における特別領域への遊技球の通過が判然としない場合に、発射するか発射を停止するかを遊技者に判断させることで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
なお、「明確に示唆しない」とは、例えば、発射示唆と発射停止との両方を推測可能な内容で指示する場合や、発射示唆と発射停止とのいずれも推測不可又は困難な内容で指示する場合、或いは、発射示唆と発射停止とを同時に現出して指示する場合等が例示される。
遊技機C3において、
前記発射態様報知手段は、
前記判定手段による判定結果によって前記有利状態とならない場合であっても、前記発射指示手段により遊技球の発射を指示する
ことを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判定手段による判定結果によって有利状態とならない場合であっても、発射態様報知手段に設けられた発射指示手段により遊技球の発射が指示される。これにより、有利状態とならない場合であっても、遊技者に遊技球の発射を指示し、遊技機の稼働を向上することができる、という効果がある。
<D群:特1特2、連続する複数の第1動的表示において時間経過演出、時間経過演出の実行時に、特図2の動的表示が割り込まないようにする>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて遊技球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられた入球口へ遊技球が入球することに基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において当たり等の有利状態に当選した場合に、通常では閉鎖されている可変入球手段を開放して、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されている(例えば、特許文献1(特開2017−148264号公報))。
しかしながら、上記遊技機において、遊技の興趣向上を図る必要があるが、この点について未だ改良の余地がある。
D群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技球を発射する発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な第1入球手段(例えば、第1始動口64)と、
前記第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、少なくとも第1情報(特図1大当たり種別テーブル202b1における大当たり種別カウンタC2の値)を取得する第1情報取得手段(例えば、始動入賞処理(S109)のS209)と、
所定の数を上限として、前記第1情報取得手段により取得される前記第1情報を記憶する第1記憶手段(例えば、第1保留球格納エリア203d)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能であって、前記第1入球手段と異なる第2入球手段(例えば、第2始動口71)と、
前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、少なくとも第2情報(特図1大当たり種別テーブル202b2における大当たり種別カウンタC2の値)を取得する第2情報取得手段(例えば、始動入賞処理(S109)のS209)と、
所定の数を上限として、前記第2情報取得手段により取得される前記第2情報を記憶する第2記憶手段(例えば、第2保留球格納エリア203e)と、
前記第1情報取得手段により取得された前記第1情報、又は、前記第2情報取得手段により取得された前記第2情報を判定する判定手段(例えば、MPU201)と、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、表示手段(例えば、第3図柄表示装置81)において行われる識別情報の動的表示を実行する動的表示実行手段(例えば、表示制御装置114)と、
前記動的表示において所定の表示結果(例えば、「大当たり表示」)が現出した場合に、遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当たり状態)にする有利状態手段(例えば、大当たり処理(S104))と、を備えた遊技機において、
前記動的表示実行手段は、
前記第1情報取得手段により取得された前記第1情報に基づく第1動的表示(例えば、第1特別図柄の動的表示)を実行する第1動的表示実行手段と、
前記第2情報取得手段により取得された前記第2情報に基づく第2動的表示(例えば、第2特別図柄の動的表示)を実行する第2動的表示実行手段と、を備え、
前記第1動的表示実行手段は、
連続する複数の前記第1動的表示において、いずれかの前記第1動的表示における所定タイミングまでの時間経過を示唆する時間経過演出(例えば、「V入賞チャンス演出」の「残り時間表示」)を実行する時間経過演出実行手段、を備え、
前記時間経過演出実行手段による前記時間経過演出が実行される場合に、前記第2動的表示実行手段による前記第2動的表示の実行が困難又は不可となる(例えば、「通常遊技状態」において第2始動口71への入賞を困難に設定、又は、左打ち遊技では第1始動口64にのみ入賞可能で右打ち遊技で第2始動口71にのみ入賞可能な配置)
ことを特徴とする遊技機D0。
遊技機D0によれば、発射手段により遊技球が発射され、この発射手段により発射された遊技球が第1入球手段に入球可能に構成され、この第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、第1情報取得手段により、少なくとも第1情報が取得される。そして、所定の数を上限として、第1記憶手段により、第1取得情報手段により取得される第1情報が記憶される。また、発射手段により発射された遊技球が第2入球手段に入球可能に構成され、この第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、第2情報取得手段により、少なくとも第2情報が取得される。そして、所定の数を上限として、第2記憶手段により、第2取得情報手段により取得される第2情報が記憶される。そして、判定手段により、第1情報取得手段により取得された第1情報、又は、第2情報取得手段により取得された第2情報が判定され、判定手段による判定結果を使用することで、動的表示実行手段により、表示手段において行われる識別情報の動的表示が実行される。その動的表示において所定の表示結果が現出した場合に、有利状態手段により、遊技者にとって有利な有利状態となる。ここで、動的表示実行手段に設けられた第1動的表示実行手段により、第1情報取得手段により取得された第1情報に基づく第1動的表示が実行され、同じく動的表示実行手段に設けられた第2動的表示実行手段により、第2情報取得手段により取得された第2情報に基づく第2動的表示が実行される。そして、第1動的表示実行手段に設けられた時間経過演出実行手段により、連続する複数の第1動的表示において、いずれかの第1動的表示における所定タイミングまでの時間経過を示す時間経過演出が実行される。ここで、時間経過演出実行手段による時間経過演出が実行される場合に、第2動的表示実行手段による第2動的表示の実行が困難又は不可にされる。これにより、複数の第1動的表示に跨るように実行される時間経過演出中に第2動的表示が割り込んで実行されることを抑制することができ、時間経過演出の演出内容に齟齬が生じてしまうことを防止することができる。よって、的確な演出を実行して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機D0において、
前記発射手段は、
所定の第1発射態様で遊技球を発射する第1発射態様手段(例えば、左打ち遊技)と、
前記第1発射態様手段による前記第1発射態様と異なる第2発射態様で遊技球を発射する第2発射態様手段(例えば、右打ち遊技)と、を備え、
前記第1入球手段に対して、前記第1発射態様手段による前記第1発射態様で入球可能に構成する一方、第2発射態様手段による前記第2発射態様で入球困難又は不可に構成するとともに、
前記第2入球手段に対して、前記第2発射態様手段による前記第2発射態様で入球可能に構成する一方、前記第1発射態様手段による前記第1発射態様で入球困難又は不可に構成する
ことを特徴とする遊技機D1。
遊技機D1によれば、遊技機D0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、発射手段に設けられた第1発射態様手段により、所定の第1発射態様で遊技球が発射され、同じく発射手段に設けられた第2発射態様手段により、第1発射態様と異なる第2発射態様で遊技球が発射される。そして、第1入球手段に対して、第1発射態様手段による第1発射態様で入球可能に構成される一方、第2発射態様手段による第2発射態様で入球困難又は不可に構成される。また、第2入球手段に対して、第2発射態様手段による第2発射態様で入球可能に構成される一方、第1発射態様手段による第1発射態様で入球困難又は不可に構成される。これにより、第1発射態様で遊技を行っていた場合に実行され得る時間経過演出中に、第1発射態様では第2動的表示を実行され難く又は付加に構成し、時間経過演出中に第2動的表示が割り込んで実行されることを抑制することができ、時間経過演出の演出内容に齟齬が生じてしまうことを防止することができる。よって、的確な演出を実行して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機D0又はD1において、
前記第2入球手段に対して、遊技球が進入し難い又は進入不可な第1状態と、遊技球が進入可能な第2状態とに変化可能な可動手段(例えば、普通電役71a)、を備え、
所定の第1遊技状態(例えば、「通常遊技状態」)において、前記可動手段を前記第2状態とし難く構成する一方、
前記第1遊技状態と異なる第2遊技状態(例えば、「確率変動状態」)において、前記第1遊技状態より前記可動手段を前記第2状態とし易く構成する
ことを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D0又はD1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可動手段により、第2入球手段に対して、遊技球が進入し難い又は進入不可な第1状態と、遊技球が進入可能な第2状態とに変化可能に構成される。そして、所定の第1遊技状態において、可動手段が第2状態とし難く構成される一方、第1遊技状態と異なる第2遊技状態において、第1遊技状態より可動手段が第2状態とされ易く構成される。これにより、少なくとも第1遊技状態では、複数の第1動的表示に跨るように実行される時間経過演出中に第2動的表示が割り込んで実行されることを抑制することができ、時間経過演出の演出内容に齟齬が生じてしまうことを防止することができる。よって、的確な演出を実行して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機D0からD2のいずれかにおいて、
前記時間経過演出実行手段は、
先に実行される先行第1動的表示と、該先行第1動的表示よりも後に実行される後行第1動的表示とに跨るように前記時間経過演出を実行し、
前記所定タイミングは、
前記後行第1動的表示に関するいずれかのタイミングである
ことを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D0からD2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、時間経過演出実行手段により、先に実行される先行第1動的表示と、その先行第1動的表示より後に実行される後行第1動的表示とに跨るように時間経過演出が実行され、所定タイミングが、後行第1動的表示に関するいずれかのタイミングとされる。これにより、先行第1動的表示および後行第1動的表示の所定タイミングまで実行される時間経過演出の実行中であって、先行第1動的表示と後行第1動的表示との間に第2動的表示が割り込んで実行されることを抑制することができ、時間経過演出の演出内容に齟齬が生じてしまうことを防止することができる。よって、的確な演出を実行して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機D0からD3のいずれかにおいて、
前記動的表示実行手段は、
前記第1記憶手段に前記第1情報が記憶されているとともに、前記第2記憶手段に前記第2情報が記憶されている場合に、記憶された順に前記第1動的表示又は前記第2動的表示を実行する発生順実行手段(例えば、入賞順変動)、を備えている
ことを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D0からD3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1記憶手段に第1情報が記憶されているとともに、第2記憶手段に第2情報が記憶されている場合に、動的表示実行手段に設けられた発生順実行手段により、記憶された順に第1動的表示又は第2動的表示が実行される。これにより、複数の第1情報が先に記憶され、それら第1情報に基づく第1動的表示に実行に基づいて時間経過演出を実行していた場合に、第2動的表示が割り込むことを防止することができる。よって、複数の第1動的表示の実行に基づく時間経過演出の演出内容に齟齬が生じてしまうことを防止することができ、的確な演出を実行して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機D0からD3のいずれかにおいて、
前記動的表示実行手段は、
前記第1記憶手段に前記第1情報が記憶されているとともに、前記第2記憶手段に前記第2情報が記憶されている場合に、前記第2記憶手段に記憶されている前記第2情報に基づく前記第2動的表示を、前記第1記憶手段に記憶されている前記第1情報に基づく前記第1動的表示よりも優先して実行する優先実行手段(例えば、特図2優先変動)、を備え、
前記時間経過演出実行手段は、
前記時間経過演出の実行中に、前記第2情報取得手段により前記第2情報が取得された場合、実行中の前記時間経過演出を中断又は中止する演出打切手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D0からD3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1記憶手段に第1情報が記憶されているとともに、第2記憶手段に第2情報が記憶されている場合に、動的表示実行手段に設けられた優先実行手段により、第2記憶手段に記憶されている第2情報に基づく第2動的表示が、第1記憶手段に記憶されている第1情報に基づく第1動的表示よりも優先して実行される。そして、時間経過演出の実行中に、第2情報取得手段により第2情報が取得された場合、時間経過演出実行手段に設けられた演出打切手段により、実行中の時間経過演出が中断又は中止される。これにより、第2動的表示の実行が第1動的表示の実行より優先して実行されてしまう場合であっても、実行中の時間経過演出を中断又は中止することで、第2動的表示の実行中に時間経過演出が実行されてしまうといった演出内容の齟齬が生じてしまうことを防止することができる。よって、的確な演出を実行して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機D0からD5のいずれかにおいて、
前記有利状態手段による前記有利状態において、遊技球が通過可能な特別領域(例えば、V入賞口74a)と、
前記特別領域を、遊技球が通過可能な通過可能状態と、遊技球が通過し難い又は通過不可能な通過困難状態とに切り替える通過切替手段(例えば、振分板73a)と、
前記特別領域を遊技球が通過した場合に、遊技者にとって有利な第2有利状態(例えば、「確率変動状態」)を発生させ得る第2有利状態手段(例えば、確変移行フラグ203j)と、
前記通過切替手段に遊技球が流入可能なタイミングを判別する遊技球流入判別手段(例えば、保留変動時間積算カウンタ223g及び実行変動時間計数カウンタ223h)と、
前記遊技球流入手段によって判別された前記通過切替手段に遊技球が流入可能となるタイミングにおいて、前記通過切替手段によって前記特別領域が前記通過可能状態となっているか否かを判別する通過判別手段(例えば、合算カウンタ223i)と、を備え、
前記時間経過演出実行手段は、
前記通過判別手段の判別結果に基づいて前記時間経過演出を実行する
ことを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D0からD5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、有利状態手段による有利状態において、特別領域へ遊技球が通過可能に構成され、通過切替手段により、特別領域を、遊技球が通過可能な通過可能状態と、遊技球が通過し難い又は通過不可能な通過困難状態とに切り替えられる。また、特別領域を遊技球が通過した場合に、第2有利状態手段により、遊技者にとって有利な第2有利状態が発生され得る。ここで、遊技球流入判別手段により、通過切替手段に遊技球が流入可能なタイミングが判別され、通過判別手段により、遊技球流入手段によって判別された通過切替手段に遊技球が流入可能なタイミングにおいて、通過切替手段によって特別領域が通過可能状態となっているか否かが判別される。ここで、時間経過演出実行手段により、通過判別手段の判別結果に基づいて時間経過演出が実行される。これにより、特別領域を遊技球が通過するか否かに基づいて実行される時間経過演出の演出内容に齟齬が生じてしまうことを防止することができ、的確な演出を実行して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機D6において、
前記特別領域を有し、遊技球が進入し難い又は進入不可な第3状態と、遊技球が進入可能な第4状態とに変化可能な第2可変入球手段(例えば、V入賞装置72)と、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記有利状態において、前記第2可変入球手段を前記第4状態とし得る第2可変入球状態変更手段(例えば、V入賞装置開閉板72a)と、を備え、
前記通過判別手段は、
前記第2可変入球状態変更手段により前記第2可変入球手段が前記第4状態となっている場合に、前記通過切替手段により前記特別領域が前記通過可能状態となっているか否かを判別する
ことを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、遊技機D6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特別領域を有し、遊技球が進入し難い又は進入不可な第3状態と、遊技球が進入可能な第4状態とに変化可能な第2可変入球手段が設けられ、判定手段による判定結果を使用することによって、第2可変入球状態変更手段により、有利状態において、第2可変入球手段が第2状態とされ得る。そして、通過判別手段により、第2可変入球状態変更手段により第2可変入球手段が第4状態となっている場合に、通過切替手段により特別領域が通過可能状態となっているか否かが判別される。即ち、判定手段による判定結果を用いて第2可変入球手段が遊技球を進入可能な第4状態となっている場合に、その第2可変入球手段に設けられた特別領域が遊技球が通過可能な通過可能状態となっているか否かを判別し、その判別結果に基づいて時間経過演出が実行される。これにより、特別領域を遊技球が通過するか否かに基づいて実行される時間経過演出の演出内容に齟齬が生じてしまうことを防止することができ、的確な演出を実行して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
<E群:ガセ演出、本演出、ガセ演出中に本演出の条件達成で、ガセ演出の内容を修正>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて遊技球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられた入球口へ遊技球が入球することに基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において当たり等の有利状態に当選した場合に、通常では閉鎖されている可変入球手段を開放して、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されている(例えば、特許文献1(特開2017−148264号公報))。
しかしながら、上記遊技機において、遊技の興趣向上を図る必要があるが、この点について未だ改良の余地がある。
E群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
所定の始動条件の成立を契機として所定情報を取得する情報取得手段(例えば、第1始動口64)と、
所定の数を上限として、前記情報取得手段により取得される前記所定情報を記憶する記憶手段(例えば、第1保留球格納エリア203d)と、
前記情報取得手段により取得された前記所定情報を判定する判定手段(例えば、MPU201)と、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、表示手段(例えば、第3図柄表示装置81)に識別情報の動的表示を実行させる動的表示実行手段(例えば、表示制御装置114)と、
前記動的表示において所定の表示結果(例えば、「大当たり表示」)が現出した場合に、遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当たり状態)にする有利状態手段(例えば、大当たり処理(S104))と、を備えた遊技機において、
前記動的表示において、複数の前記動的表示に跨って連続的に実行される連続演出(例えば、「V入賞チャンス演出」)を実行し得る連続演出実行手段と、
前記所定の表示結果が現出しない場合に実行されている前記連続演出の実行中に、前記情報取得手段によって取得されて前記記憶手段に記憶される前記所定情報に基づいて前記所定の表示結果が現出し得る場合に、実行中の前記連続演出の内容を変更可能に構成する演出変更手段(例えば、「ガセV入賞チャンス演出」の実行中に発生した始動入賞に基づいてV開放大当たりが発生する場合に、実行中の「ガセV入賞チャンス演出」を延長)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機E0。
遊技機E0によれば、所定の始動条件の成立を契機として情報取得手段により所定情報が取得され、所定の数を上限として、記憶手段により、情報取得手段により取得される所定情報が記憶される。そして、判定手段により、情報取得手段により取得された所定情報が判定され、判定手段による判定結果を使用することで、動的表示実行手段により、表示手段において行われる識別情報の動的表示が実行される。その動的表示において所定の表示結果が現出した場合に、有利状態手段により、遊技者にとって有利な有利状態となる。ここで、動的表示において、連続演出実行手段により、複数の動的表示に跨って連続的に実行される連続演出が実行され得て、所定の表示結果が現出しない場合に実行されている連続演出の実行中に、情報取得手段によって取得されて記憶手段に記憶される所定情報に基づいて所定の抽選結果が現出し得る場合に、演出変更手段により、実行中の連続演出の内容が変更可能に構成される。これにより、複数の動的表示に跨って実行されている連続演出の実行中に所定の表示結果を現出する所定情報が取得された場合であっても、実行中の連続演出の内容を変更して、演出内容の整合性を取ることが可能となる。よって、連続的な演出により遊技のバリエーションを豊富にしつつ、的確な演出を実行して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機E0において、
前記連続演出実行手段は、
所定確率で前記連続演出を実行するか否かを抽選する連続演出抽選手段(例えば、V入賞示唆抽選カウンタ223e)と、
前記連続演出抽選手段による抽選の結果、特定の前記動的表示を対象として前記連続演出の実行に当選した場合に、少なくとも、前記連続演出の実行に当選した前記特定の動的表示が開始される前まで前記連続演出を継続する連続演出継続手段(例えば、「V入賞チャンス演出」が対象となる変動演出が開始されるまで実行される)と、を備え、
前記演出変更手段は、
前記所定の表示結果が現出しない場合に実行されている前記連続演出の実行中に、前記情報取得手段によって取得されて前記記憶手段に記憶される前記所定情報に基づいて前記所定の表示結果が現出し得る場合に、前記所定の表示結果を現出し得る前記動的表示が開始される前まで、前記連続演出を延長する演出延長手段(例えば、「V入賞チャンス演出」の「上乗せ表示」)、を備えている
ことを特徴とする遊技機E1。
遊技機E1によれば、遊技機E0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、連続演出実行手段に設けられた連続演出抽選手段により、所定確率で連続演出を実行するか否かが抽選され、その連続演出抽選手段による抽選の結果、特定の動的表示を対象として連続演出の実行に当選した場合に、連続演出継続手段により、少なくとも、連続演出の実行に当選した特定の動的表示が開始される前まで連続演出が継続される。そして、所定の表示結果が現出しない場合に実行されている連続演出の実行中に、情報取得手段によって取得されて記憶手段に記憶される所定情報に基づいて所定の表示結果が現出し得る場合に、演出変更手段に設けられた演出延長手段により、所定の表示結果を現出し得る動的表示が開始される前まで、連続演出が延長される。これにより、所定の表示結果を現出し得ない動的表示に基づいて複数の動的表示に跨って実行されている連続演出の実行中に、所定の表示結果を現出する所定情報が取得された場合であっても、実行中の連続演出の内容を延長して、所定の表示結果が現出し得る動的表示が開始される前まで実行することができる。よって、複数の動的表示に跨る連続的な演出により動的表示のバリエーションを豊富にしつつ、的確な演出を実行して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機E0又はE1において、
前記連続演出実行手段は、
連続する複数の前記動的表示において、いずれかの前記動的表示における所定タイミングまでの時間経過を示唆する時間経過演出(例えば、「V入賞チャンス演出」の「残り時間表示」)を前記連続演出として実行する時間経過演出実行手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E0又はE1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示実行手段に設けられた時間経過演出実行手段により、連続する複数の動的表示において、いずれかの動的表示における所定タイミングまでの時間経過を示す時間経過演出が連続演出として実行される。これにより、所定の表示結果を導出し得ない複数の動的表示に跨って時間経過演出を行った場合であっても、所定の表示結果を導出する動的表示が取得されたとき、実行中の時間経過演出の内容を変更して所定の表示結果を導出し得ない内容から所定の表示結果を導出し得る内容に変更して、演出内容の整合性を取ることが可能となる。よって、複数の動的表示に跨る連続的な演出により動的表示のバリエーションを豊富にしつつ、的確な演出を実行して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機E0からE2のいずれかにおいて、
前記有利状態手段による前記有利状態において、遊技球が通過可能な特別領域(例えば、V入賞口74a)と、
前記特別領域を、遊技球が通過可能な通過可能状態と、遊技球が通過し難い又は通過不可能な通過困難状態とに切り替える通過切替手段(例えば、振分板73a)と、
前記特別領域を遊技球が通過した場合に、遊技者にとって有利な第2有利状態(例えば、「確率変動状態」)を発生させ得る第2有利状態手段(例えば、確変移行フラグ203j)と、
前記通過切替手段に遊技球が流入可能なタイミングを判別する遊技球流入判別手段(例えば、保留変動時間積算カウンタ223g及び実行変動時間計数カウンタ223h)と、
前記遊技球流入判別手段によって判別された前記通過切替手段に遊技球が流入可能となるタイミングにおいて、前記通過切替手段によって前記特別領域が前記通過可能状態となっているか否かを判別する通過判別手段(例えば、サブV駆動タイマ223d及び合算カウンタ223i)と、を備え、
前記連続演出実行手段は、
前記通過判別手段の判別結果に基づいて前記連続演出を実行する
ことを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E0からE2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、有利状態手段による有利状態において、特別領域へ遊技球が通過可能に構成され、通過切替手段により、特別領域を、遊技球が通過可能な通過可能状態と、遊技球が通過し難い又は通過不可能な通過困難状態とに切り替えられる。また、特別領域を遊技球が通過した場合に、第2有利状態手段により、遊技者にとって有利な第2有利状態が発生され得る。ここで、遊技球流入判別手段により、通過切替手段に遊技球が流入可能なタイミングが判別され、通過判別手段により、遊技球流入手段によって判別された通過切替手段に遊技球が流入可能なタイミングにおいて、通過切替手段によって特別領域が通過可能状態となっているか否かが判別される。そして、連続演出実行手段により、通過判別手段の判別結果に基づいて連続演出が実行される。これにより、特別領域を遊技球が通過するか否かに基づいて実行される連続演出の内容を変更して、演出内容の整合性を取ることが可能となる。よって、連続的な演出により遊技のバリエーションを豊富にしつつ、的確な演出を実行して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機E3のいずれかにおいて、
前記特別領域を有し、遊技球が進入し難い又は進入不可な第1状態と、遊技球が進入可能な第2状態とに変化可能な第2可変入球手段(例えば、V入賞装置72)と、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記有利状態において、前記第2可変入球手段を前記第2状態とし得る第2可変入球状態変更手段(例えば、V入賞装置開閉板72a)と、を備え、
前記通過判別手段は、
前記第2可変入球状態変更手段により前記第2可変入球手段が前記第2状態となっている場合に、前記通過切替手段により前記特別領域が前記通過可能状態となっているか否かを判別する
ことを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特別領域を有し、遊技球が進入し難い又は進入不可な第1状態と、遊技球が進入可能な第2状態とに変化可能な第2可変入球手段が設けられ、判定手段による判定結果を使用することによって、第2可変入球状態変更手段により、有利状態において、第2可変入球手段が第2状態とされ得る。そして、通過判別手段により、第2可変入球状態変更手段により第2可変入球手段が第2状態となっている場合に、通過切替手段により特別領域が通過可能状態となっているか否かが判別される。即ち、判定手段による判定結果を用いて第2可変入球手段が遊技球を進入可能な第2状態となっている場合に、その第2可変入球手段に設けられた特別領域が遊技球が通過可能な通過可能状態となっているか否かを判別し、その判別結果に基づいて連続演出が実行される。これにより、特別領域を遊技球が通過するか否かに基づいて実行される連続演出の内容を変更して、演出内容の整合性を取ることが可能となる。よって、連続的な演出により遊技のバリエーションを豊富にしつつ、的確な演出を実行して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
<F群:大当たりの連荘報知を、先の大当たり前に実行>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて遊技球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられた入球口へ遊技球が入球することに基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において当たり等の有利状態に当選した場合に、通常では閉鎖されている可変入球手段を開放して、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されている。
このような遊技機では、遊技球が流入可能な入賞領域へ遊技球が流下するか否かを振り分ける振分機構を配置し、該振分機構によって振り分けられた遊技球が入賞領域へ流入した場合に、遊技者にとって有利な遊技価値を発生させるパチンコ機がある(例えば、特許文献1(特開2017−148264号公報))。
しかしながら、上記遊技機において、遊技の興趣向上を図る必要があるが、この点について未だ改良の余地がある。
F群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技球を発射する発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な入球手段(例えば、第1始動口64)と、
前記入球手段に遊技球が入球したことに起因して所定情報を取得する情報取得手段(例えば、始動入賞処理(S109)のS209)と、
所定の数を上限として、前記情報取得手段により取得される前記所定情報を記憶する記憶手段(例えば、第1保留球格納エリア203d)と、
前記情報取得手段により取得された前記所定情報を判定する判定手段(例えば、MPU201)と、
遊技球が進入し難い又は進入不可な第1状態と、遊技球が進入可能な第2状態とに変化可能な可変入球手段(例えば、可変入賞装置65)と、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記可変入球手段を前記第2状態とし得る有利状態(例えば、大当たり状態)にする有利状態手段(例えば、大当たり処理(S104))と、を備えた遊技機において、
前記有利状態手段による前記有利状態において、遊技球が通過可能な特別領域(例えば、V入賞口74a)と、
前記特別領域を、遊技球が通過可能な通過可能状態と、遊技球が通過し難い又は通過不可能な通過困難状態とに切り替える通過切替手段(例えば、振分板73a)と、
前記特別領域を遊技球が通過した場合に、遊技者にとって有利な第2有利状態(例えば、「確率変動状態」)を発生させ得る第2有利状態手段(例えば、確変移行フラグ203j)と、
前記特別領域を有し、遊技球が進入し難い又は進入不可な第3状態と、遊技球が進入可能な第4状態とに変化可能な第2可変入球手段(例えば、V入賞装置72)と、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記有利状態において、前記第2可変入球手段を前記第4状態とし得る第2可変入球状態変更手段(例えば、V入賞装置開閉板72a)と、を備え、
前記有利状態手段は、
前記第2可変入球手段が前記第4状態となる前記有利状態において、該有利状態の開始から終了までの期間を一定期間で実行する一定期間実行手段(例えば、大当たりのオープニング時間、1のラウンドに要する時間、インターバル時間、及び、エンディング時間がそれぞれ固定秒数)、を備え、
前記通過切替手段に遊技球が流入可能なタイミングを判別する遊技球流入判別手段(例えば、保留変動時間積算カウンタ223g及び実行変動時間計数カウンタ223h)と、
前記遊技球流入判別手段によって判別された前記通過切替手段に遊技球が流入可能となるタイミングにおいて、前記通過切替手段によって前記特別領域が前記通過可能状態となっているか否かを判別する通過判別手段(例えば、サブV駆動タイマ223d及び合算カウンタ223i)と、
前記記憶手段に記憶される複数の前記所定情報のそれぞれにおいて、前記一定期間実行手段に基づく前記有利状態が実行されるか否かを判別する事前判別手段(例えば、先読み判定処理(S1208))と、を備え
前記通過判別手段は、
前記記憶手段に記憶される複数の前記所定情報のそれぞれにおいて、前記事前判別手段によって前記一定期間実行手段に基づく前記有利状態が実行されると判別される場合に、それぞれの前記有利状態において前記特別領域を遊技球が通過するか否かを判別する複数通過判別手段と、
前記複数通過判別手段の判別結果を、前記記憶手段に記憶された前記所定情報に基づき先に実行される前記一定期間実行手段に基づく前記有利状態が開始される前に報知する通過判別結果報知手段と、を備えている
ことを特徴とする遊技機F0。
遊技機F0によれば、発射手段により遊技球が発射され、この発射手段により発射された遊技球が入球手段に入球可能に構成され、この入球手段に遊技球が入球したことに基づいて情報取得手段により所定情報が取得される。そして、所定の数を上限として、記憶手段により、取得情報手段により取得される所定情報が記憶される。そして、判定手段により、情報取得手段により取得された所定情報が判定され、遊技球が進入し難い又は進入不可な第1状態と、遊技球が進入可能な第2状態とに変化可能な可変入球手段が設けられ、判定手段による判定結果を使用することによって、有利状態手段により、可変入球手段が第2状態とし得る有利状態とされる。ここで、有利状態手段による有利状態において、特別領域へ遊技球が通過可能に構成され、通過切替手段により、特別領域を、遊技球が通過可能な通過可能状態と、遊技球が通過し難い又は通過不可能な通過困難状態とに切り替えられる。また、特別領域を遊技球が通過した場合に、第2有利状態手段により、遊技者にとって有利な第2有利状態が発生され得る。ここで、特別領域を有し、遊技球が進入し難い又は進入不可な第3状態と、遊技球が進入可能な第4状態とに変化可能な第2可変入球手段が設けられ、判定手段による判定結果を使用することによって、第2可変入球状態変更手段により、有利状態において、第2可変入球手段が第4状態とされ得る。そして、第2可変入球手段が第4状態となる有利状態において、有利状態手段に設けられた一定期間実行手段により、その有利状態の開始から終了までの期間が一定期間で実行される。また、遊技球流入判別手段により、通過切替手段に遊技球が流入可能なタイミングが判別され、通過判別手段により、遊技球流入手段によって判別された通過切替手段に遊技球が流入可能なタイミングにおいて、通過切替手段によって特別領域が通過可能状態となっているか否かが判別される。ここで、記憶手段に記憶される複数の所定情報のそれぞれにおいて、事前判別手段により、一定期間実行手段に基づく有利状態が実行されるか否かが判別される。そして、記憶手段に記憶される複数の所定情報のそれぞれにおいて、事前判別手段によって一定期間実行手段に基づく有利状態が実行されると判別される場合に、通過判別手段に設けられた複数通過判別手段によって、それぞれの有利状態において特別領域を遊技球が通過するか否かが判別される。そして、同じく通過判別手段に設けられた通過判別結果報知手段により、複数通過判別手段の判別結果を、記憶手段に記憶された所定情報に基づき先に実行される一定時間実行手段に基づく有利状態が開始される前に報知される。即ち、特別領域を有する第2可変入球手段が第4状態となる有利状態を一定期間で実行しつつ、通過切替手段に遊技球が流入可能となるタイミングにおいて、特別領域が通過可能状態か通過困難状態かを判別することで、複数の有利状態においてそれぞれ特別領域に遊技球が通過可能な状態か否かを判別して、その判別結果を先の有利状態が開始される前に遊技者に報知することができる。これにより、複数の有利状態においてそれぞれ特別領域を遊技球が通過するか否かを先の有利状態の開始前に報知することで、遊技者は、各有利状態中に第2有利状態が発生し得るか否かを認識することができ、例えば、連続する第2有利状態の発生を認識することによる高揚感を得ることで、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機F0において、
前記通過切替手段は、
前記特別領域の前記通過可能状態と前記通過困難状態とを、前記判定手段による判定結果の導出タイミングとは連動しない一定周期(例えば、「10秒」)で切り替える
ことを特徴とする遊技機F1。
遊技機F1によれば、遊技機F0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、通過切替手段により、特別領域の通過可能状態と通過困難状態とが、前記判定手段による判定結果の導出タイミングとは連動しない一定周期で切り替えられる。即ち、判定手段の判定結果を使用することにより発生し得る有利状態の発生と連動しない一定周期で、特別領域へ遊技球が通過可能か否かが切り替えられ、遊技球流入手段により、通過切替手段に遊技球が流入可能なタイミングが判別される。
従来、特別領域を判定手段による判定結果の導出タイミングと連動しないように構成した場合、有利状態を発生し得る判定手段による判定結果を用いた有利状態の発生タイミングと、第2有利状態を発生し得る特別領域への遊技球の通過可否とが連動していないため、判定手段による判定結果によって有利状態が発生した場合であっても、該有利状態において第2有利状態が発生し得るか否かが判定手段の判定結果に伴って報知できなかった。
そこで、遊技機F1によれば、通過切替手段への遊技球の流入可能タイミングを把握するとともに、通過切替手段に遊技球が流入可能となるタイミングにおいて、判定手段による判定結果の導出タイミングとは連動せずに一定周期で切り替えられる特別領域を遊技球が通過可能な状態か否かを判別し、有利状態において特別領域に遊技球が通過可能な状態か否かを判別して、その判別結果を有利状態が開始される前に遊技者に報知することができる。これにより、特別領域を遊技球が通過するか否かを、判定手段の判定結果に基づく有利状態の開始前に報知することで、遊技者は、有利状態中に第2有利状態が発生し得るか否かを認識することができ、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機F0又はF1において、
前記通過判別手段は、
前記第2可変入球状態変更手段により前記第2可変入球手段が前記第4状態となっている場合に、前記通過切替手段により前記特別領域が前記通過可能状態となっているか否かを判別する
ことを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F0又はF1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、通過判別手段により、第2可変入球状態変更手段により第2可変入球手段が第4状態となっている場合に、通過切替手段により特別領域が通過可能状態となっているか否かが判別される。即ち、判定手段による判定結果を用いて第2可変入球手段が遊技球を進入可能な第4状態となっている場合に、その第2可変入球手段に設けられた特別領域が遊技球が通過可能な通過可能状態となっているか否かを判別し、その判別結果を有利状態が開始される前に遊技者に報知することができる。これにより、複数の有利状態においてそれぞれ特別領域を遊技球が通過するか否かを先の有利状態の開始前に報知することで、遊技者は、各有利状態中に第2有利状態が発生し得るか否かを認識することができ、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機F0からF2のいずれかにおいて、
前記遊技球流入判別手段は、
前記第2可変入球手段が前記第4状態となるまでの期間を判別する期間判別手段(例えば、保留変動時間積算カウンタ223g及び実行変動時間計数カウンタ223h)、を備え、
前記通過判別手段は、
前記期間判別手段による期間の経過時に、前記特別領域が前記通過可能状態となっているか否かを判別する
ことを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F0からF2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球流入判別手段に設けられた期間判別手段により、第2可変入球手段が第4状態となるまでの期間が判別される。そして、通過判別手段により、期間判別手段による期間の経過時に、特別領域が通過可能状態となっているか否かが判別される。これにより、複数の有利状態においてそれぞれ特別領域を遊技球が通過するか否かを先の有利状態の開始前に報知することで、遊技者は、各有利状態中に第2有利状態が発生し得るか否かを認識することができ、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機F3において、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、表示手段(例えば、第3図柄表示装置81)において行われる識別情報の動的表示を実行する動的表示実行手段(例えば、表示制御装置114)と、
前記有利状態手段による前記有利状態において、前記第2可変入球手段が前記第4状態とされるまで導入演出(例えば、オープニング演出)を実行する導入演出実行手段(例えば、オープニングコマンド)と、を備え、
前記期間判別手段は、
前記動的表示実行手段による実行中の前記動的表示の残り時間と、前記記憶手段に記憶される前記所定情報に基づく前記動的表示の実行時間と、前記導入演出実行手段による前記導入演出の実行時間とを判別する
ことを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判定手段による判定結果を使用することにより、動的表示実行手段により、表示手段において行われる識別情報の動的表示が実行される。また、有利状態手段による有利状態において、導入演出実行手段により、第2可変入球手段が第4状態とされるまでの導入演出が実行される。ここで、動的表示実行手段による実行中の動的表示の残り時間と、記憶手段に記憶される所定情報に基づく動的表示の実行時間と、導入演出実行手段による導入演出の実行時間とが、期間判別手段により判別される。即ち、実行中の動的表示の残り時間と、記憶されている動的表示の実行時間と、有利状態における第2可変入球手段が第4状態となるまで実行される導入演出の実行時間とを判別して、第2可変入球手段が第4状態となったタイミングで特別領域が通過可能状態となっているか否かを判別する。これにより、複数の有利状態においてそれぞれ特別領域を遊技球が通過するか否かを先の有利状態の開始前に報知することで、遊技者は、各有利状態中に第2有利状態が発生し得るか否かを認識することができ、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機F4において、
前記第2可変入球手段が前記第4状態となるまでの所定の期間を変更する期間変更手段(例えば、通常演出態様から短縮演出態様への変更)、を備えている
ことを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F4の奏する効果に加え、次の効果を奏する、即ち、期間変更手段により、第2可変入球手段が第4状態となるまでの所定の期間が変更される。これにより、通過判別結果報知手段により有利状態の開始前に特別領域を遊技球が通過するか否かの判別結果を報知した上で、第2可変入球手段が第4状態となるまでの所定の期間を変化可能に構成することで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機F5において、
前記期間変更手段は、
前記記憶手段に記憶される前記所定情報の数が所定の第1所定値(例えば、「4個」)である場合に、前記第1所定値未満であるときに実行される前記動的表示より、前記動的表示の実行時間を短縮して実行する短縮実行手段(例えば、「ノーマルリーチ(短縮)」演出態様)、を備えている
ことを特徴とする遊技機F6。
遊技機F6によれば、遊技機F5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段に記憶される所定情報の数が所定の第1所定値である場合に、期間変更手段に設けられた短縮実行手段により、第1所定値未満であるときに実行される動的表示より、動的表示の実行時間が短縮して実行される。これにより、第2可変入球手段が第4状態となるまでの期間を、所定情報の記憶数に応じて変化させることが可能となる。よって、通過判別結果報知手段により有利状態の開始前に特別領域を遊技球が通過するか否かの判別結果を報知した上で、遊技者によって遊技球を発射させることで、第2可変入球手段が第4状態となるまでの期間を遊技者の遊技態様(発射態様)によって変化可能に構成することで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
<G群:遊技領域に振分機構対応バージョン>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて遊技球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられた入球手段へ遊技球が入球することに基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において当たり等の有利状態に当選した場合に、通常では閉鎖されている可変入球手段を開放して、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されている。
このような遊技機では、遊技球が流入可能な入賞領域へ遊技球が流下するか否かを振り分ける振分機構を配置し、該振分機構によって振り分けられた遊技球が入賞領域へ流入した場合に、遊技者にとって有利な遊技価値を発生させるパチンコ機がある(例えば、特許文献1(特開2017−148264号公報))。
しかしながら、上記遊技機において、遊技の興趣向上を図る必要があるが、この点について未だ改良の余地がある。
G群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技球を発射する発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な入球手段(例えば、第1始動口64)と、
所定の動作開始タイミングから一定の動作を行い、前記発射手段から発射された遊技球の流下態様に作用し得る動作手段(例えば、振分板73a)と、
所定の遊技状態において、前記動作手段に向けて遊技球を流下可能とする動作流下手段(例えば、大当たり時における可変入賞装置65の開放)と、
前記入球手段に遊技球が入球したことに起因して所定情報を取得する情報取得手段(例えば、始動入賞処理(S109)のS209)と、
前記情報取得手段により取得された前記所定情報を判定する判定手段(例えば、MPU201)と、
前記判定手段の判定結果を使用することにより、表示手段(例えば、第3図柄表示装置81)において識別情報の動的表示を実行する動的表示実行手段(例えば、表示制御装置114)と、
前記表示手段における前記動的表示の実行中に、前記情報取得手段により前記所定情報が取得されたとき、所定の数を上限として、前記所定情報を記憶する記憶手段(例えば、第1保留球格納エリア203d)と、
前記記憶手段に記憶される前記所定情報の数に応じて、前記判定手段による同一の判定結果に対して、異なる前記動的表示の実行時間を設定可能な実行時間設定手段(例えば、「ノーマルリーチ(通常)」演出態様と「ノーマルリーチ(短縮)」演出態様)と、
前記動的表示実行手段による前記動的表示の開始前に、該動的表示の実行時間を決定する動的時間決定手段(例えば、変動開始処理(S310))と、
前記動的時間決定手段によって決定された実行時間に応じて実行される前記動的表示において所定の表示結果(例えば、「大当たり表示」)が現出した場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を開始する特別遊技開始手段(例えば、大当たり処理(S104))と、を備えた遊技機において、
前記動作手段は、
前記所定の遊技状態において所定の第1経路(例えば、右側経路75)に遊技球を流下させ得る第1状態と、前記第1経路より遊技者にとって有利な第2経路(例えば、左側経路74)に遊技球を流下させ得る第2状態と、に変化可能に構成され、
前記特別遊技状態の開始されるタイミングに応じて、前記動作手段が前記第1状態である場合と、前記第2状態である場合と、があり、
前記動作手段の状態を前記特別遊技状態の開始前に識別可能とする
ことを特徴とする遊技機G0。
遊技機G0によれば、発射手段により、遊技球が発射され、その発射手段により発射された遊技球が、入球手段に入球可能に構成される。また、動作手段が、所定の動作開始タイミングから一定の動作が行われて、発射手段から発射された遊技球の流下態様に作用し得て、動作流下手段により、所定の遊技状態において、動作手段に向けて遊技球が流下可能に構成される。そして、情報取得手段により、入球手段に遊技球が入球したことに起因して所定情報が取得され、その情報取得手段により取得された所定情報が、判定手段により判定される。ここで、判定手段の判定結果を使用することで、動的表示実行手段により、表示手段において識別情報の動的表示が実行され、表示手段における動的表示の実行中に、情報取得手段により所定情報が取得されたとき、記憶手段により、所定の数を上限として、所定情報が記憶される。また、記憶手段に記憶される所定情報の数に応じて、実行時間設定手段により、判定手段による同一の判定結果に対して、異なる動的表示の実行時間が設定可能に構成され、動的時間決定手段により、動的表示実行手段による動的表示の開始前に、その動的表示の実行時間が決定される。そして、動的時間決定手段によって決定された実行時間に応じて実行される動的表示において所定の表示結果が現出した場合に、特別遊技開始手段により、遊技者にとって有利な特別遊技状態が開始される。ここで、動作手段が、所定の遊技状態において所定の第1経路に遊技球を流下させ得る第1状態と、第1経路より遊技者にとって有利な第2経路に遊技球を流下させ得る第2状態と、に変化可能に構成される。また、特別遊技状態の開始されるタイミングに応じて、動作手段が第1状態である場合と、第2状態である場合と、があるように構成される。ここで、動作手段の状態が特別遊技状態の開始前に識別可能とされる。これにより、動作手段が第1状態であるか、第2状態であるかを、判定手段による同一の判定結果に対して異なる実行時間が設定され得る動的表示において所定の表示結果が現出した場合に開始される特別遊技状態の開始前に識別可能にすることで、特別遊技状態が開始される前の状態で、遊技者にとって有利な第2経路に遊技球が流入するか否かを識別することが可能となる。その結果、遊技者は、特別遊技状態が開始される前に、遊技者にとって有利となる状況を認識することによる高揚感を得ることで、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。また、記憶手段に記憶される所定情報の数に応じて、判定手段による同一の判定結果に対して実行される動的表示の実行時間が変化し得るため、遊技者の遊技態様によって獲得される所定情報の記憶数を変化させることで、第2経路に遊技球が流入するか否かを遊技者の意志(遊技態様)に応じて異ならせることが可能となる。その結果、遊技者は、動作手段の動作を認識することで、特別遊技状態の開始前に、遊技者にとって有利な第2経路への遊技球の流入を狙うことが可能となり、遊技のバリエーションを豊富にして、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
なお、「所定の動作開始タイミング」として、例えば、遊技機の電源がオンされたタイミングや、所定の初期化処理が終了して通常処理が開始されたタイミング、所定の動的表示が開始されたタイミング、所定の動的表示において特定演出が開始されたタイミング、特別遊技状態が開始されたタイミング、或いは、特別遊技状態の特定ラウンドが開始されたタイミング等が例示される。
遊技機G0において、
前記動的表示の実行中において、前記特別遊技状態が開始されるタイミングと、前記動作手段の状態とに応じて、所定の表示内容を変化し得る表示内容変更手段(例えば、「V入賞チャンス演出」)、を備えている
ことを特徴とする遊技機G1。
遊技機G1によれば、遊技機G0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、表示内容変更手段により、動的表示の実行中において、特別遊技状態が開始されるタイミングと、動作手段の状態とに応じて、所定の表示内容が変化され得る。即ち、特別遊技状態の開始タイミングと動作手段の状態とに応じて変化され得る所定の表示内容によって、特別遊技状態の開始前に動作手段の状態を遊技者に認識させ得ることが可能となる。これにより、特別遊技状態の開始前に、遊技者にとって有利な第2経路に遊技球が流入するか否かを、所定の表示内容が変化することで遊技者に認識させ得ることが可能となる。その結果、遊技者は、特別遊技状態が開始される前の段階で、遊技者にとって有利となる状況を認識することによる高揚感を得ることで、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機G0又はG1において、
前記動作手段は、
前記第1状態と前記第2状態とを一定周期(例えば、「10秒」)で切り替える
ことを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G0又はG1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動作手段により、第1状態と第2状態とが一定周期で切り替えられる。動的表示の実行時間は、上記一定周期と異なり、判定手段による判定結果に応じて、予め設けられた複数の実行時間の中から1の実行時間が設定される。このため、設定された実行時間の経過後に発生し得る特別遊技状態の開始と、一定周期で第1状態から第2状態又は第2状態から第1状態に切り替えられる動作手段とは、連動しない又はし難く構成される。
従来、第2経路へ遊技球が流入可能となるタイミングを、動的表示の実行と連動しないように構成した場合、特別遊技状態を発生させ得る判定手段による判定結果を用いた実行中の遊技状況と、遊技球が流入することで遊技者にとって有利となる第2経路への遊技球の流入可否とが連動していないため、動的表示の実行後に特別遊技状態が発生する場合であっても、第2経路に遊技球が流入するか否かが特別遊技状態の開始前には識別可能にできなかった。
そこで、遊技機G2によれば、動的表示とは連動しない又はし難い一定周期で切り替えられる第2経路へ遊技球が通過可能な第2状態となっているか否かを、特別遊技状態の開始前に識別可能とする。これにより、特別遊技状態の開始前に第2経路を遊技球が通過するか否かを遊技者に示唆することで、遊技者は、第2経路に遊技球が入球して遊技者にとって有利となるか否かを認識することができ、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機G0からG2のいずれかにおいて、
前記実行時間設定手段は、
前記記憶手段に記憶される前記所定情報の数が所定の第1所定値(例えば、「4個」)である場合に、前記第1所定値未満であるときに選択され易い前記動的表示の第1実行時間と異なる第2実行時間を選択し易い選択変更手段(例えば、「ノーマルリーチ(短縮)」演出態様)、を備え、
前記所定の遊技状態において前記選択変更手段によって前記動的表示の前記第2実行時間が選択された場合に、前記動的表示の前記第1実行時間が選択されたときと比べて、前記第2経路への遊技球の流入結果が変化し得る(例えば、通常演出態様から短縮演出態様へ変更された場合にV入賞口74aへ入賞)
ことを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G0からG2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段に記憶される所定情報の数が所定の第1所定値である場合に、実行時間設定手段に設けられた選択変更手段により、第1所定値未満であるときに選択され易い動的表示の第1実行時間と異なる第2実行時間が選択され易く構成される。そして、所定の遊技状態において選択変更手段によって動的表示の第2実行時間が選択された場合に、動的表示の第1実行時間が選択されたときと比べて、第2経路への遊技球の流入結果が変化し得るように構成される。これにより、動的表示の実行時間が第1実行時間か第2実行時間か否かに応じて、第2経路への遊技球の流入結果が変化し得るように構成し、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機G3において、
前記一定周期は、
前記第1実行時間と前記第2実行時間との差分と同一である
ことを特徴とする遊技機G4。
遊技機G4によれば、遊技機G3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2経路へ遊技球が流入するか否かが切り替えられる一定期間と、第1実行時間と第2実行時間との差分とが同一とされる。即ち、動的表示の実行時間が第1実行時間か第2実行時間かに応じて、第2経路へ遊技球が流入するか否かを異ならせることができる。これにより、動的表示の実行時間に応じて、第2経路への遊技球の流入結果を変更可能に構成し、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機G3又はG4において、
前記動作手段の状態に基づいて、前記特別遊技状態の開始よりも前に前記第2経路へ流入可能となる遊技球の発射を示唆する発射示唆手段(例えば、「V入賞チャンス演出」の「発射促進示唆」)、を備えている
ことを特徴とする遊技機G5。
遊技機G5によれば、遊技機G3又はG4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、発射示唆手段により、動作手段の状態に基づいて、特別遊技状態の開始よりも前に第2経路へ流入可能となる遊技球の発射が示唆される。これにより、第2経路へ流入可能となる遊技球の発射が示唆されるか否かに応じて、第2経路への遊技球の流入結果を変更可能に構成し、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機G5において、
前記発射示唆手段は、
前記特定タイミングにおける前記動作手段の状態では前記第2経路へ遊技球が流入しない場合に、遊技球の発射を指示する発射指示手段(例えば、「発射促進示唆」)、を備えている
ことを特徴とする遊技機G6。
遊技機G6によれば、遊技機G5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定タイミングにおける動作手段の状態では第2経路へ遊技球が流入しない場合に、発射示唆手段に設けられた発射指示手段により、遊技球の発射が指示される。これにより、当初、第2経路へ遊技球が流入しない場合でも、動的表示を第1所定値以上記憶させて動的表示の実行時間を変更されることで、第2経路へ遊技球を流入させ得ることができる。よって、発射指示手段による遊技球の発射指示に従うことで、第2経路への遊技球の流入結果を変更可能に構成し、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機G5又はG6において、
前記発射示唆手段は、
前記特定タイミングにおける前記動作手段の状態で前記第2経路へ遊技球が流入する場合に、遊技球の発射の停止を指示する発射停止指示手段(例えば、「発射停止示唆」)、を備えている
ことを特徴とする遊技機G7。
遊技機G7によれば、遊技機G5又はG6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定タイミングにおける動作手段の状態で第2経路へ遊技球が流入する場合に、発射示唆手段に設けられた発射停止指示手段により、遊技球の発射の停止が指示される。即ち、特定タイミングにおける動作手段の状態で第2経路へ遊技球が流入する場合に、遊技者に遊技球の発射の停止を指示して、記憶手段に記憶される所定情報の数が所定の第1所定値とならないようにすることで、動的表示の実行時間が変更されないようにすることができる。これにより、当初、特定タイミングにおける第2経路への遊技球が流入可能であった場合、その状態を維持させることで、第2経路へ遊技球を流入させることができる。よって、発射停止指示手段による遊技球の発射停止指示に従うことで、第2経路へ遊技球を流入させ、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
なお、上記遊技機A0〜A6のいずれかの構成に対して、上記遊技機B0〜B6,C0〜C7,D0〜D7,E0〜E4,F0〜F6,G0〜G7のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
なお、上記遊技機B0〜B6のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A6,C0〜C7,D0〜D7,E0〜E4,F0〜F6,G0〜G7のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
なお、上記遊技機C0〜C7のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A6,B0〜B6,D0〜D7,E0〜E4,F0〜F6,G0〜G7のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
なお、上記遊技機D0〜D7のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A6,B0〜B6,C0〜C7,E0〜E4,F0〜F6,G0〜G7のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
なお、上記遊技機E0〜E4のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A6,B0〜B6,C0〜C7,D0〜D7,F0〜F6,G0〜G7のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
なお、上記遊技機F0〜F6のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A6,B0〜B6,C0〜C7,D0〜D7,E0〜E4,G0〜G7のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
なお、上記遊技機G0〜G7のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A6,B0〜B6,C0〜C7,D0〜D7,E0〜E4,F0〜F6のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
これらの場合、各構成を適用したことによるさらなる効果を奏することができる。
遊技機A0からA6、B0からB6、C0からC7、D0からD7、E0からE4、F0からF6、G0からG7のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機X1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A0からA6、B0からB6、C0からC7、D0からD7、E0からE4、F0からF6、G0からG7のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機X2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(大入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A0からA6、B0からB6、C0からC7、D0からD7、E0からE4、F0からF6、G0からG7のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機X3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<第4実施形態>
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図58〜図115を参照し、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の第4実施形態について説明する。図58は、本実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図59はパチンコ機10の背面図であり、図60はパチンコ機10の遊技盤13の正面図である。
パチンコ機10は、図58に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図58参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64,65,71a,74,75等を有する遊技盤13(図60参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図65参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図58参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。なお、パチンコ機10には、内枠12及び前面枠14のいずれかが開錠されて開放された(扉が開放された)ことを検出する扉開放スイッチ(図示せず)が設けられている。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図58参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面の正面視左側には、枠ボタン22が設けられている。
枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図60参照)で表示される演出のステージを変更する場合に、遊技者により押下操作されるボタンである。また、枠ボタン22は、変動演出の一態様である所謂スーパーリーチでの演出内容を遊技者に選択させるための操作ボタンとしても使用される。
変動演出とは、第3図柄表示装置81にて表示される演出であり、後述の通り、遊技盤13の前面領域に発射された球が特定の入賞口(後述の第1特別図柄(以下、「特図1」と称する場合がある)に対応する左側特図1始動口64若しくは右側特図1始動口71a、又は、第2特別図柄(以下、「特図2」と称する場合がある)に対応する特図2始動口74。図60参照。)へ入球(始動入賞)したことを契機として遊技状態に応じて第1特別図柄又は第2特別図柄のいずれか一方に対応して表示される図柄(後述の第3図柄)が所定時間変動表示された後、停止表示された図柄の組み合わせによって、当該始動入賞に対して行われる抽選の結果(大当たりか否か)を遊技者に提示する演出である。なお、遊技状態に応じて表示される第1特別図柄又は第2特別図柄については、後述する。
ステージとは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出に統一性を持たせた演出モードのことで、本パチンコ機10では「街中ステージ」,「空ステージ」,「島ステージ」の3つのステージが設けられている。上述の変動演出や、変動演出中に実行されるリーチ演出などの、各種演出は、それぞれのステージに与えられたテーマに合わせて行われるように設計されている。
ステージの変更は、変動演出が行われていない期間や、第3図柄が遊技者に視認不能に高速に変動表示される高速変動中に、遊技者によって枠ボタン22が押下操作された場合に行われ、枠ボタン22が操作される度に「街中ステージ」→「空ステージ」→「島ステージ」→「街中ステージ」→・・・の順で繰り返し変更される。また、電源投入直後は、初期ステージとして「街中ステージ」が設定される。
また、第3図柄表示装置81にて行われる第3図柄の変動演出において後述する「ノーマルリーチ」の演出要素が開始された場合に、「ノーマルリーチ」の演出要素から、同じく後述する「スーパーリーチ」の演出要素に発展されるときは、「ノーマルリーチ」の演出要素中に「スーパーリーチ」の演出要素の選択画面が第3図柄表示装置81に表示されるように構成されている。
選択画面では、「スーパーリーチ」の演出要素として選択可能な複数の演出要素候補が表示され、演出要素候補のうち1つが選択された状態となっている。その選択画面が表示されている間に、枠ボタン22が遊技者に押下操作されると、選択された演出要素候補が変更される。そして、「スーパーリーチ」の演出要素へ発展するとき(即ち、選択画面終了時)に選択されていた演出要素候補に基づいて、「スーパーリーチ」の演出要素の内容が決定され、その内容に従って「スーパーリーチ」の演出要素が第3図柄表示装置81にて実行される。
なお、本実施形態では、枠ボタン22を押下操作されるボタンとして構成したが、枠ボタン22に代えて、遊技者によりパチンコ機10に対して所定方向(例えば、パチンコ機10に対して、前方、後方、右方および左方)に傾倒操作可能な、操作レバーにより構成してもよい。そして、操作レバーが傾倒操作された方向に基づいて、演出ステージが選択変更されたり、「スーパーリーチ」の演出要素が選択されたりしてもよい。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図60参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。
なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。
操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。球発射ユニット112aにおける球の発射間隔は、約0.6秒と定められている。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51a及び打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
次に、図59に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図62参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図62参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。
主制御装置110を構成する主基板上には、ホール関係者等が、設定された確率設定値を変更する場合や設定されている確率設定値を確認する場合に使用される設定キー501と、設定変更中に操作されることにより確率設定値を更新する場合に使用される設定変更スイッチ502と、パチンコ機10(主制御装置110)を初期化したい場合、若しくは、設定変更中に確率設定値を確定(決定)する場合に使用されるRAM消去スイッチ503と、確率設定値を表示可能な確率表示装置504とが設けられている。
この設定キー501と設定変更スイッチ502とRAM消去スイッチ503とは、基板ボックス100に設けられた孔から主基板より突出して設けられ、基板ボックス100を開封しなくても、ホール関係者等によって操作可能になっている。一方、確率表示装置504は、基板ボックス100によって被覆された主基板上に設けられている。
設定キー501は、ホール関係者等によって管理される専用の鍵を設定キー501に設けられた鍵穴に挿入することによって、「OFF」で示されたオフ側と「ON」で示されたオン側との2つの位置の間を回動可能に構成されている。設定キー501は、オフ側に位置している場合にオフ状態となり、オン側に位置している場合にオン状態となり、一度、各状態に回動操作された場合、改めて管理者等によって回動操作されない限り、それぞれの状態が維持されるように構成されている。
設定変更スイッチ502は、確率設定値の変更時(即ち、後述する「設定変更モード」)に操作されることにより、確率設定値を更新するためのスイッチである。設定変更スイッチ502は、通常オフ信号を出力し、押下操作されることによってオン信号を出力する。
RAM消去スイッチ503は、パチンコ機10の電源投入時に操作されることにより、パチンコ機10に記憶されるバックアップデータを消去(初期状態)等するためのスイッチである。また、このRAM消去スイッチ503は、確率設定値の変更時(即ち、後述する「設定変更モード」)において、確率設定値の更新を終了(即ち、「設定変更モード」を終了)する場合に使用される。
第4実施形態では、パチンコ機10の電源投入時(即ち、電源スイッチオン時)にこのRAM消去スイッチ503が押下されていた場合、設定キー501がオフ状態であることを条件に、主制御装置110へバックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号を出力する。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてもバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
また、MPU201は、確率設定値の更新可能状態(即ち、後述する「設定変更モード」)において、RAM消去スイッチ503が押下された場合、確率設定値の更新を終了させることを認識し、確率設定値の更新可能状態を終了して、通常の遊技状態へと移行する。
確率表示装置504は、確率設定値の確認時(即ち、後述する「設定確認モード」)や確率設定値の変更時(即ち、後述する「設定変更モード」)において、確率設定値が表示されるように構成されている。この確率表示装置504は、通常の状態(例えば、遊技可能状態や電源オフ時)では消灯して、確率設定値が非表示となっている一方、確率設定値を表示すべき状態(即ち、後述する「設定変更モード」や「設定確認モード」)において、現在の確率設定値が点灯して表示される。
ここで、第4実施形態のパチンコ機10における電源立ち上げ時の立ち上げモードについて説明する。第4実施形態のパチンコ機10では、該パチンコ機10の電源がオンされたときに、RAM消去スイッチ503と、設定キー501との状態に応じて、パチンコ機10の立ち上げモードを決定するように構成されている。
パチンコ機10の立ち上げモードには、「RAMクリアモード」と、「設定変更モード」と、「設定確認モード」と、「通常モード」との4モードが用意されている。
「RAMクリアモード」は、パチンコ機10を初期状態に戻すためにRAM203に格納されたデータを消去(クリア)するためのモードである。
「設定変更モード」は、設定された確率設定値を変更するためのモードである。この「設定変更モード」でパチンコ機10が立ち上った場合、確率表示装置504に現在の確率設定値が表示されるとともに、設定変更スイッチ502が操作される毎に確率設定値が更新される。
第4実施形態のパチンコ機10では、この「設定変更モード」中に設定変更スイッチ502が押下操作されることにより、パチンコ機10における確率設定値が更新され、確率設定値の更新に伴って確率表示装置504の表示も変更される。
「設定確認モード」は、設定されている確率設定値を確認するためのモードである。この「設定確認モード」でパチンコ機10が立ち上った場合、確率表示装置504に現在の確率設定値が表示される。
「通常モード」は、これら「RAMクリアモード」、「設定変更モード」、「設定確認モード」以外の立ち上げモードであり、電源断の発生情報がRAM203に格納されていない場合や、RAM203に格納されたデータが壊れている場合を除いて、RAM203に格納されたデータを保持したまま、種々の立ち上げ処理を実行して電源断前の状態からパチンコ機10の遊技を再開するためのモードである。
第4実施形態では、RAM消去スイッチ503をオンすることなく(即ち、オフ状態のまま)、また、設定キー501をオフ状態にしたまま、パチンコ機10の電源をオンにすると、パチンコ機10は「通常モード」で立ち上がる。また、設定キー501をオフ状態のままRAM消去スイッチ503をオンにしてパチンコ機10の電源をオンにすると、パチンコ機10は「RAMクリアモード」で立ち上がる。
一方、設定キー501をオン状態にしつつ、RAM消去スイッチ503をオンにして、パチンコ機10の電源をオンにすると、パチンコ機10は「設定変更モード」で立ち上がる。また、設定キー501をオン状態にして、RAM消去スイッチ503をオフしたままパチンコ機10の電源をオンにすると、パチンコ機10は「設定確認モード」で立ち上がる。
なお、「RAMクリアモード」においてデータが消去された場合や、「設定変更モード」において確率設定値の更新を終了して設定キー501がオフ状態になった場合、或いは、「設定確認モード」において設定キー501がオフ状態になった場合に、各モードを終了させて「通常モード」へ移行し、パチンコ機10の遊技が開始可能な状態となる。
このように、パチンコ機10の電源をオンする場合に、設定キー501をオフ状態にしておけば、ホール関係者等は、RAM消去スイッチ503をオンするか否かに応じて、パチンコ機10の立ち上げモードとして、確率設定値に関係しない立ち上げモードである「RAMクリアモード」とするか「通常モード」とするかを選択できる。
一方、パチンコ機10の電源をオンする場合に、設定キー501をオン状態にしておけば、ホール関係者等は、RAM消去スイッチ503をオンするか否かに応じて、パチンコ機10の立ち上げモードとして、確率設定値に関係のある「設定変更モード」とするか「設定確認モード」とするかを選択できる。
即ち、設定キー501をオフ状態とするかオン状態とするかに応じて、確率設定値に関係のない立ち上げモードと、確率設定値に関係のある立ち上げモードとを選択できる。そして、確率設定値に関係のない立ち上げモードとするときには、RAM消去スイッチ503をオンするか否かに応じて、その立ち上げモードを「RAMクリアモード」とするか「通常モード」とするかを選択できる一方、確率設定値に関係のある立ち上げモードとするときには、RAM消去スイッチ503をオンするか否かに応じて、立ち上げモードを「設定変更モード」とするか「設定確認モード」とするかを選択できる。
ここで、確率設定値の変更が行われた場合、遊技における大当たり確率が変更されるので、電源断前の遊技状態を引き継いで遊技を継続すると、例えば、保留中の変動演出における大当たり確率と、これから取得される変動演出の大当たり確率との齟齬が生じてしまったり、後述するリミット回数として計数される大当たりが、それぞれ大当たり確率が異なるなかで積算されてしまう等、パチンコ機10が所定の遊技性能を発揮できないおそれがある。このため、パチンコ機10は、「設定変更モード」で確率設定値の変更を行うと、RAM203に格納されたデータを消去(クリア)する。一方、「設定確認モード」は、確率設定値を確認するだけの立ち上げモードであるため、電源断前の遊技状態を引き継いで遊技を継続できるよう、RAM203に格納されたデータを保持させる(クリアしない)。
そこで、第4実施形態では、RAM203のデータがクリアされる「設定変更モード」にてパチンコ機10を立ち上げる場合は、設定キー501をオン状態にしつつRAM消去スイッチ503をオンにしてパチンコ機10の電源をオンすることとし、RAM203のデータがクリアされない「設定確認モード」にてパチンコ機10を立ち上げる場合は、設定キー501をオン状態にしつつRAM消去スイッチ503をオフのままパチンコ機10の電源をオンすることとした。
このように、確率設定値に関係する「設定変更モード」又は「設定確認モード」でパチンコ機10を立ち上げる場合は、パチンコ機10の電源を入れる前に、設定キー501をオン状態にしておく。そして、RAM203に格納されたデータをクリアする「RAMクリアモード」又は「設定変更モード」でパチンコ機10を立ち上げる場合は、RAM消去スイッチ503を押しながら(オンしながら)、パチンコ機10の電源をオンする。つまり、ホール関係者等は、各々の立ち上げモードの意味合いを理解すれば、これから立ち上げる立ち上げモードに必要なパチンコ機10への操作として、どのような操作が必要かを容易に理解できる。
また、「設定変更モード」又は「設定確認モード」でパチンコ機10を立ち上げるためには、設定キー501に挿入可能な専用の鍵が必要となり、その鍵はホールが管理することとなる。よって、遊技者が勝手に確率設定値を確認して大当たり確率が高確率のパチンコ機10を探したり、勝手に確率設定値を高確率(高設定)に変更したりすることを抑制できる。また、RAM消去スイッチ503は、通常遊技者が容易に触れない位置に設けられているので、その点においても、遊技者が勝手に確率設定値を高確率に変更することを抑制できる。
さらに、同時に操作すべきスイッチ等は「設定変更モード」で立ち上げる場合であっても2つであり、両手で十分に操作可能であるので、操作性がよい。以上より、ホール関係者等は、RAM消去スイッチ503と設定キー501とのオン/オフを使い分けることで、パチンコ機10の立ち上げモードを容易に且つ簡単に選択できる。
なお、「設定変更モード」又は「設定確認モード」で立ち上げる場合、パチンコ機10の電源がオンされるときに、内枠12が開放されているか否かを検知する扉開放スイッチ(図示せず)がオンであること、即ち、内枠12が開放されていることを条件としてもよい。
これは、確率設定値の変更や確認を行うためには、パチンコ機10の背面側にある確率表示装置504に表示された確率設定値をホール関係者等が視認する必要があるため、内枠12が開放されている必要があるためである。そこで、設定キー501がオン状態にあるにもかかわらず内枠12が開放されずにパチンコ機10の電源がオンされた場合は、「設定変更モード」又は「設定確認モード」で立ち上げず、設定キー501がオフ状態の場合と同様に、RAM消去スイッチ503がオフであれば「通常モード」でパチンコ機10を立ち上げ、RAM消去スイッチ503がオンであれば「RAMクリアモード」でパチンコ機10を立ち上げる。これにより、設定キー501がオン状態のまま内枠12が閉じられているにも関わらず、パチンコ機10の電源がオンされて、「設定変更モード」又は「設定確認モード」で立ち上がり、パチンコ機10において遊技が開始されないことを抑制できる。また、内枠12を開放するためには、ホール側が管理する専用の鍵が必要となる。よって、遊技者が勝手に内枠12を開放して、確率設定値を確認して大当たり確率が高確率のパチンコ機10を探したり、勝手に確率設定値を高確率に変更したりすることを抑制できる。
次いで、図60に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した透明樹脂製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、左側特図1始動口64、特図1出没板65a及び障害部材65cで構成された特図1小入賞口65、スルーゲート67、右側特図1始動口71a及び普通電役71bを有する右側特図1ユニット71、第1流路部材72、第2流路部材73、特図2始動口74、共通大入賞口75、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成される。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図58参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図65参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図60の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図60の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
一般入賞口63、左側特図1始動口64、特図1小入賞口65、スルーゲート67、右側特図1ユニット71、特図2始動口74、共通大入賞口75、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側からネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図58参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。
遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、左側特図1始動口64若しくは右側特図1始動口71aへの入球(始動入賞)、又は、特図2始動口74への入球(始動入賞)をトリガとして、特別図柄表示装置37における第1特別図柄又は第2特別図柄の動的表示と同期させながら、遊技状態に対応する特別図柄に関する第3図柄の変動演出を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、スルーゲート67の球の通過をトリガとして普通図柄を変動表示(以下、普通図柄の変動表示を「可変表示」という)するLEDで構成される普通図柄表示装置83とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は17インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114(図65参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列(図示せず)が表示される。
各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。パチンコ機10では、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が特別図柄表示装置37で行われるのに対して、遊技状態に応じて特別図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示が第3図柄表示装置81にて行われる。第3図柄表示装置81の詳細な内容については、図64において後述する。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
普通図柄表示装置83は、球がスルーゲート67を通過する毎に表示図柄(普通図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる可変表示を行うものである。パチンコ機10は、普通図柄表示装置83における可変表示が所定図柄(第4実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、右側特図1ユニット71に設けられた普通電役71bが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
スルーゲート67の保留球数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した特別図柄表示装置37により表示されると共に普通図柄保留ランプ84においても点灯表示される。普通図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の上方に左右対称に配設されている。そして、普通図柄保留ランプ84の点灯された数により、保留数を表示する。
なお、普通図柄の可変表示は、第4実施形態のように、普通図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、特別図柄表示装置37又は第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、普通図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、スルーゲート67の通過は、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、特別図柄表示装置37により保留球数が示されるので、普通図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
遊技盤13の遊技領域内であって可変表示装置ユニット80の周囲には、球が入賞することにより10個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。より詳細には、可変表示装置ユニット80の正面視左側側方に3つの一般入賞口63が配設されているともに、可変表示装置ユニット80の正面視右側側方に設けられた後述する第1流路部材72に1つの一般入賞口63が配設されている。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る左側特図1始動口64が配設されている。この左側特図1始動口64へ球が入球すると、遊技盤13の裏面側に設けられる左側第1始動口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その左側第1始動口スイッチのオンに起因して後述する主制御装置110(図65参照)で第1特別図柄の大当たりの抽選がなされる。そして、その抽選結果に応じた表示が特別図柄表示装置37の特別LED群37bの上方LED群37b1で示されると共に、遊技状態に応じて第3図柄表示装置81にて第1特別図柄に対応する第3図柄の変動演出が実行される。なお、左側特図1始動口64は、球が入球すると3個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
可変表示装置ユニット80の正面視右側上方には、スルーゲート67が設けられている。スルーゲート67には、球が通過するための貫通孔(図示せず)が上下方向に設けられている。遊技領域に発射された球が、スルーゲート67を通過すると、貫通孔に設けられたスルーゲートスイッチ(図示せず)がオンとなり、そのオンに起因して主制御装置110で、普通図柄の当たり抽選が行われる。また、第4実施形態のパチンコ機10では、スルーゲート67は、後述する所謂右打ち遊技にて発射された球がほぼすべて(例えば、右打ち遊技で発射された球の9割以上)通過する位置に配設されている。なお、スルーゲート67の配設位置は、右打ち遊技で発射された球がほぼすべて通過する位置に限らず、右打ち遊技で発射された球の1割程度〜8割程度が通過する位置に配置するように構成してもよい。
スルーゲート67を通過した球に対して行われた普通図柄の抽選の結果、当たりと判定された場合には、普通図柄表示装置83における普通図柄の可変表示を経て「○」の図柄が停止表示された後に、後述する右側特図1始動口71aの正面視上方に設けられた普通電役71bが作動する。これにより、右側特図1始動口71aへ球が入球することを困難(不可)としている普通電役71bの板が、右側特図1始動口71aを閉鎖したした状態から遊技盤13の盤面内に没入可動して、所定時間だけ球が右側特図1始動口71aへ入球できる状態、または、閉鎖状態に比して球が入球しやすい状態となる。
遊技盤13の正面視右側上方であって、上述したスルーゲート67の下方には、普通電役71bと、該普通電役71bが開放状態である場合にのみ球が入球し得る右側特図1始動口71aとがユニット化された右側特図1ユニット71が配設されている。この右側特図1ユニット71内に設けられた右側特図1始動口71aへ球が入球すると、遊技盤13の裏面側に設けられた右側第1始動口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その右側第1始動口スイッチのオンに起因して、左側第1始動口スイッチのオン時と同様、後述する主制御装置110(図65参照)で第1特別図柄の大当たりの抽選がなされる。そして、その抽選結果に応じた表示が特別図柄表示装置37の特別LED群37bの上方LED群37b1で示されると共に、遊技状態に応じて第3図柄表示装置81にて第1特別図柄に対応する第3図柄の変動演出が実行される。なお、右側特図1始動口71aは、左側特図1始動口64と同様、球が入球すると3個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
上述したように、右側特図1始動口71aの正面視上方には、その右側特図1始動口71aへ球が入球する開口部を覆う1枚の板状の普通電役71bが設けられている。普通電役71bは、遊技盤13の盤面からパチンコ機10の正面側に突出することで右側特図1始動口71aへの開口部を覆う閉鎖状態と、遊技盤13の盤面内に没入することで右側特図1始動口71aの開口部を開放する開放状態とに変位可能に構成されている。右側特図1始動口71aは、通常時において、普通電役71bが盤面より突出した閉鎖状態となっており、球が右側特図1始動口71aへ入球できない(または、入球し難い)状態となっている。
一方、普通図柄表示装置83における可変表示が「○」の図柄で停止すると、右側特図1始動口71a上方の普通電役71bが、遊技状態に応じて所定時間だけ作動される。普通電役71bが作動されている間、普通電役71bが盤面から突出した状態から、盤面に没入した状態となり、右側特図1始動口71aが開放状態となる。右側特図1始動口71aが開放状態になると、球が右側特図1始動口71aへ入球できる状態、または、閉鎖状態に比して球が入球しやすい状態となる。つまり、普通図柄表示装置83における可変表示の結果として「○」の図柄で停止して当たりとなり、右側特図1始動口71aが開放状態とすることで、右側特図1始動口71aへ球が入球して第1特別図柄に関する大当たり抽選が多く行える状態とすることができる。
ここで、普通電役71bの上部には、該普通電役71bの上面を転動する球の滞留時間を長くさせるための滞留長期化手段としての迂回通路71dが設けられている。この迂回通路71dは、遊技盤13の奥行方向へ球を案内する奥行方向案内通路71d1と、該奥行方向案内通路71d1と連通して、該奥行方向案内通路71d1を流下した球を遊技盤13の正面側(手前側)へ案内する正面方向案内通路71d2とで構成されている。この迂回通路71dによって、普通電役71bの上面を転動する球を遊技盤13の奥行方向へ一旦案内すると共に、奥行方向へ案内された球を遊技盤13の正面側へと案内し、再び普通電役71bの上面を球が転動するように構成されている。この迂回通路71dが設けられていない場合、普通電役71bの上面を正面視左側から正面視右側まで転動するために要する時間は、1.5秒程度であるが、この迂回通路71dを設けることで、普通電役71bの上面を正面視左側から正面視右側まで転動するために要する時間を、3秒程度に延長することができる。
このように構成することによって、普通電役71bの上面を球が転動するタイミングを複数のタイミングに分け、そのいずれかのタイミングで普通電役71bが開放することで右側特図1始動口71a側へと流入させることが可能となる。よって、普通電役71b上を転動している間、又は、迂回通路71dから普通電役71b上に案内されたタイミング(即ち、約3秒間)に普通電役71bが開放(没入)状態となった(なっている)場合には、球の自重により、遊技盤13の鉛直方向下方に流下し、右側特図1始動口71aへと入賞し得る一方、普通電役71b上を転動している間中、及び、迂回通路71dを流下している間に普通電役71bの閉鎖(突出)状態が維持されている場合は、普通電役71b上の左端から右端まで転動しきり、右側特図1ユニット71の遊技盤13の正面視右側へと流下するように構成されている。詳細については後述するが、「確率変動状態」および「時間短縮状態」において、普通図柄の可変表示時間を「3秒」未満(即ち、「0.5秒」)にするとともに、普通図柄の当選確率を高確率にすることで、普通電役71bの上方を球が転動している間に、普通図柄の可変表示が終了し、その結果、普通図柄の当たりとなることで、普通電役71bの上方を転動している球が右側特図1始動口71aへと流入する。
なお、普通電役71bの上面を転動する球の滞留時間を長くさせるための滞留長期化手段としては、上記実施形態に限定されるものではなく、適宜変更可能である。具体的には、例えば、転動する球と衝突することで該球の流下速度を減速するための減速部材によって、普通電役71b上を転動する球が存在する期間が長くなるように構成してもよい。
遊技盤13の正面視右側側方であって、上述した右側特図1ユニット71の下方には、一般入賞口63を有する第1流路部材72が配設され、該第1流路部材72の正面視右側には第2流路部材73が配設されている。第4実施形態では、この第1流路部材72及び第2流路部材73と、上述した右側特図1ユニット71とによって、可変表示装置ユニット80の正面視右側を流下する球の流路が区画形成されている。具体的には、右側特図1ユニット71の正面視左側を通過した球が、後述する共通大入賞口75側へ流下可能な第1流路部材72の正面視左側に形成された左側流路と、右側特図1ユニット71の正面視右側を通過した球が、後述する特図2始動口74(及び共通大入賞口75)側へ流下可能な右側流路とが構成されている。
また、第1流路部材72の中央部分に一般入賞口63が設けられており、右側特図1ユニット71の左側に形成された左側流路から右側特図1ユニット71の右側に形成された右側流路へ流入しようとする球、若しくは、右側特図1ユニット71の右側に形成された右側流路から右側特図1ユニット71の左側に形成された左側流路へ流入しようとする球が、この一般入賞口63に入賞するように構成されている。このように構成することで、上記左側流路から右側流路、若しくは、右側流路から左側流路への球の移動が抑制される。このように構成することで、遊技状態ごとに球が流下する遊技領域を分ける(即ち、特図2始動口74に球が入賞し得るか否かを分ける)ことができ、遊技仕様に応じた適切な遊技を実現することができる。
遊技盤13の正面視右側側方であって、上述した第2流路部材73の下方には、特図2始動口74が配設されている。この特図2始動口74へ球が入球すると、遊技盤13の裏面側に設けられた第2始動口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2始動口スイッチのオンに起因して、後述する主制御装置110(図65参照)で第2特別図柄の大当たりの抽選がなされる。そして、その抽選結果に応じた表示が特別図柄表示装置37の特別LED群37bの上方LED群37b1で示されると共に、遊技状態に応じて第3図柄表示装置81にて第2特別図柄に対応する第3図柄の変動演出が実行される。なお、特図2始動口74は、球が入球すると1個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
上述した左側特図1始動口64の下方には、特図1小入賞口65が開口形成されている。パチンコ機10においては、主制御装置110での第1抽選遊技(第1特別図柄)が小当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、小当たりの停止図柄となるよう後述する特別図柄表示装置37の特別LED群37bを点灯させると共に、その小当たりに対応した停止図柄(ハズレに対応した停止図柄と同等)を第3図柄表示装置81に表示させて、小当たりの発生が示される。その後、球が入賞し得る特定遊技状態(小当たり)に遊技状態が遷移する。この第1特別図柄に対応する特定遊技状態として、予め定められた所定回数(1回)、通常時には遊技盤13内に没入されている特図1出没板65aが、所定時間(例えば、0.1秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)、遊技盤13の正面側に突出する。この特図1出没板65aが突出している状態で該特図1出没板65aの上面を球が転動することで特図1小入賞口65に球が入賞し得るように構成されている。なお、特図1小入賞口65に球が入賞した場合、10個の球が賞球として払い出されるように構成されている。なお、上記特図1小入賞口65を、第2特別図柄の抽選遊技において、小当たり遊技又は大当たり遊技に当選した場合に開放するように構成してもよい。
左側特図1始動口64と特図1小入賞口65との間には、障害部材65cが配設されている。障害部材65cは、特図1小入賞口65及び特図1出没板65aの正面視上方側を完全に覆っており、遊技領域上流側から流下した球が該特図1小入賞口65及び特図1出没板65a側に流下し難いように構成されている。また、この障害部材65cの周囲には、複数の釘が植設され、該釘によっても特図1小入賞口65及び特図1出没板65aの配設位置に球が流入し難いように構成されている。このように構成することによって、仮に、第1特別図柄が小当たりして特図1出没板65aが遊技盤13から突出した場合であっても、左側特図1始動口64に入賞せずに流下してきた球が、障害部材65c及び釘によって特図1小入賞口65に入賞し難いように構成されている。
可変表示装置ユニット80の正面視右側下方であって、第1流路部材72及び第2流路部材73の正面視下方には、共通大入賞口75が配設されている。
第4実施形態のパチンコ機10においては、主制御装置110(図59参照)での第1特別図柄又は第2特別図柄の抽選が大当たりとなる場合、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるように特別図柄表示装置37の特別LED群37bを点灯表示させると共に、第3図柄表示装置81にその大当たりに対応した停止図柄(例えば、同一図柄の3つ揃い(「777」等))を表示させて、大当たり遊技の発生が示される。その後、共通大入賞口75に設けられた共通大入賞口開閉板75aが突出状態から没入状態へと変位し、球が共通大入賞口75内に入賞し易い特別遊技状態(大当たり遊技)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、所定のオープニング時間(第4実施形態では、10秒(初当たり時)又は5秒(連荘時))通常時には閉鎖されている共通大入賞口75が、所定条件が成立するまで(例えば、「30秒」経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。なお、この大当たりの全ラウンドにおける共通大入賞口75の開放後、所定のエンディング時間(第4実施形態では、10秒(初当たり時)又は5秒(連荘時))行われた後、各動的表示が実行されるように構成されている。
この共通大入賞口75は、大当たり時に開放された場合に、開放から所定時間が経過、又は、所定数の入賞を検知すると閉鎖(所謂、インターバル時間。第4実施形態では、1秒間閉鎖。)され、その閉鎖後、再度、その共通大入賞口75が開放される。この共通大入賞口75の開閉動作は、最高で例えば10回(10ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態(大当たり状態)の一形態であり、遊技者には、球を該共通大入賞口75に入賞させることで、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
また、第4実施形態のパチンコ機10においては、主制御装置110(図59参照)での第2特別図柄の抽選が小当たりとなる場合、所定時間(変動時間)が経過した後に、小当たりの停止図柄となるように特別図柄表示装置37の特別LED群37bを点灯表示させると共に、第3図柄表示装置81にその小当たりに対応した停止図柄(例えば、所定の関連性を有する図柄の組み合わせ(「135(奇数並び)」等))を表示させて、小当たり遊技の発生が示される。その後、共通大入賞口75に設けられた共通大入賞口開閉板75aが突出状態から没入状態へと変位し、球が共通大入賞口75内に入賞し易い特定遊技状態(第2特別図柄の小当たり遊技)に遊技状態が遷移する。この第2特別図柄に対応する特定遊技状態として、通常時には閉鎖されている共通大入賞口75が、予め定められた所定回数(例えば、3回)、特別遊技状態より短い(少ない)特定条件が成立するまで(例えば、「3秒」経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
なお、第4実施形態のパチンコ機10においては、主制御装置110(図59参照)での第1特別図柄の抽選が小当たりとなる場合、所定時間(変動時間)が経過した後に、小当たりの停止図柄となるように特別図柄表示装置37の特別LED群37bを点灯表示させる一方、第3図柄表示装置81にはハズレに対応した停止図柄(例えば、所定の関連性を有しない図柄の組み合わせ(バラケ目等))と同様の停止図柄を表示させて、小当たり遊技の発生を遊技者に明示しないように構成されている。
詳細は後述するが、第1特別図柄における小当たり遊技は、第1特別図柄の動的表示において頻出するものの、遊技仕様上の要請(過度な遊技価値の付与抑制)から、上述した障害部材65c及び釘の配置によって、第1特別図柄の小当たりへの当選に基づいて入賞可能状態となる特図1小入賞口65に球が入賞し難いように構成され、遊技者に実質的な遊技価値が付与されないように構成されている。このように、遊技者に対して実質的な遊技価値が付与されないものに対して、小当たり遊技への当選特有の停止図柄を表示してしまうと、ハズレ目と異なる表示結果が現出したことによる遊技価値の付与を期待するものの、その期待に反して遊技価値が付与されないことから、遊技者が遊技に興醒めしてしまうおそれがある。
そこで、第4実施形態のパチンコ機10では、遊技仕様上、遊技者に遊技価値が付与されない第1特別図柄の小当たりへの当選をハズレ目と同様な表示結果で表示して、遊技者に明示しないように構成することで、遊技者が遊技に興醒めすることを未然に防ぎ、遊技の興趣向上を図ることができる。
遊技領域の正面視右側上部(図60の右側上部)には、発光手段である複数のLEDで構成された状態LED群37aと特別LED群37bとが設けられた特別図柄表示装置37が配設されている。特別図柄表示装置37は、主制御装置110(図59参照)で行われる各制御に応じた第1特別図柄および第2特別図柄の各変動表示(以下、両特別図柄の変動表示を「動的表示」と称する場合がある)がなされると共に、パチンコ機10の遊技態様の表示が行われる。
状態LED群37aは、左側特図1始動口64若しくは右側特図1始動口71a、又は、特図2始動口74に入賞(入球)した球のうち、変動表示が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。また、大当たりのラウンド数やエラー表示も、該状態に対応する状態LED群37aの点灯状態により示される。なお、状態LED群37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるように構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
なお、大当たりにおける「ラウンド」とは、大当たりの賞球個数を区切るために共通大入賞口75が開放されてから閉鎖されるまでのことをいい、第4実施形態のパチンコ機10では、共通大入賞口75が開放開始されてから「30秒」経過するか、共通大入賞口75の開放中に球が10個入賞することで1回の「ラウンド」が実行されるように構成されている。また、小当たりにおける「ラウンド」とは、小当たりの賞球個数を区切るために特図1小入賞口65又は共通大入賞口75へ球が流入可能状態とされてから流入不能状態にされるまでのことをいい、第4実施形態のパチンコ機10では、第1特別図柄における小当たりによって流入可能状態となる特図1小入賞口65が流入可能状態となってから「0.1秒」経過するか、特図1小入賞口65への流入可能状態中に球が10個入賞することで1回の「ラウンド」が実行されるように構成されており、第2特別図柄における小当たりによって流入可能状態となる共通大入賞口75が開放開始されてから「3秒」経過するか、共通大入賞口75の開放中に球が10個入賞することで1回の「ラウンド」が実行されるように構成されている。
特別LED群37bは、6個のLEDで構成された上方LED群37b1と、同じく6個のLEDで構成された下方LED群37b2との計12個のLEDで構成されている。上方LED群37b1は、第1抽選遊技の判定結果を示す第1特別図柄が動的表示される。また、下方LED群37b2は、第2抽選遊技の判定結果を示す第2特別図柄が動的表示される。
具体的には、上方LED群37b1には、遊技盤13の盤面中側下方に設けられた左側特図1始動口64、又は、遊技盤13の盤面右側に設けられた右側特図1始動口71aへの入賞に基づいて決定された変動時間(動的表示時間)が経過するまで動的表示(第4実施形態では、上方LED群37b1の最も上方のLEDから下方のLEDを1つずつ順番に点灯し、該点灯パターンの繰り返し表示)した後に、判定結果を示す図柄(第4実施形態では、6個のLEDの各点灯パターンの組み合わせによって計64種類の停止図柄のいずれか)で停止表示される。
また、下方LED群37b2には、遊技盤13の右側側方に設けられた特図2始動口74への入賞に基づいて決定された変動時間(動的表示時間)が経過するまで動的表示(第4実施形態では、下方LED群37b2の最も上方のLEDから下方のLEDを1つずつ順番に点灯し、該点灯パターンの繰り返し表示)した後に、判定結果を示す図柄(第4実施形態では、6個のLEDの各点灯パターンの組み合わせによって計64種類の停止図柄のいずれか)で停止表示される。
いずれのLED群37b1,37b2においても、判定結果がハズレである場合には、最も左側のLEDのみが点灯表示され、判定結果が大当たりである場合には、該大当たりの種類(種別)に対応した点灯パターンで各LED群37b1,37b2が点灯表示される。各LED群37b1,37b2の停止パターンの詳細については、後述する。
第4実施形態のパチンコ機10は、特別図柄表示装置37において、第1特別図柄の動的表示と第2特別図柄の動的表示とを同時かつ並列的に実行することが可能に構成されている。よって、例えば、左側特図1始動口64又は右側特図1始動口71aへの球の入賞に基づいて上方LED群37b1が変動している状態で、特図2始動口74へ球が入賞した場合、該入賞に基づいて下方LED群37b2においても直ちに特図2の動的表示が開始される。
本パチンコ機10では、左側特図1始動口64若しくは右側特図1始動口71a、又は、特図2始動口74への入球に対して大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。
ここで判定される大当たり種別としては、「10ラウンド(以下、単に「R」と称する場合がある)確変大当たり」に対応する「確変A」、「4R確変大当たり」に対応する「確変B」、「10R時短大当たり」に対応する「時短A」、「4R時短大当たり」に対応する「時短B」、が用意されている(図68及び図69参照)。
ここで、「10R確変大当たり」に対応する「確変A」の大当たり種別とは、最大ラウンド数が10ラウンドの大当たりの後に、「通常遊技状態」と比べて各特別図柄が高確率状態である一方、普通図柄が低確率状態である遊技状態(以下、「小当たり頻出確率変動状態」と称する場合がある)へ移行する大当たりのことである。
また、「4R確変大当たり」に対応する「確変B」の大当たり種別とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に、各特別図柄の大当たり確率が次回大当たりの発生まで高確率状態となる一方、普通図柄の当たり確率は各特別図柄の動的表示が100回実行されるまで高確率状態となる遊技状態(以下、単に「確率変動状態」と称する場合がある)へ移行する大当たりのことである。なお、大当たり種別「確変B」に基づく「確率変動状態」において、各特別図柄の動的表示が100回実行された以降は、後述する「潜伏確率変動状態」となる。
さらに、「10R時短大当たり」に対応する「時短A」の大当たり種別とは、最大ラウンド数が10ラウンドの大当たりの後に、各特別図柄の大当たり確率が「通常遊技状態」と同等となる低確率状態となる一方、普通図柄の当たり確率が特別図柄の動的表示が100回実行されるまで高確率状態となる遊技状態(以下、「時間短縮状態」と称する場合がある)へ移行する大当たりのことである。
また、「4R時短大当たり」に対応する「時短B」の大当たり種別とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に、大当たり種別「時短A」と同様、各特別図柄の大当たり確率が「通常遊技状態」と同等となる低確率状態となる一方、普通図柄の当たり確率が特別図柄の動的表示が100回実行されるまで高確率状態である「時間短縮状態」へ移行する大当たりのことである。
なお、第4実施形態では、大当たり種別「時短A」と大当たり種別「時短B」とで付与される時短回数が同等となるように構成しているが、大当たり種別「時短A」と大当たり種別「時短B」とで付与される時短回数が異なる(例えば、100回と50回)ように構成してもよい。また、いずれか一方の大当たり種別には、後述する「時短機能」が発生しないように構成してもよい。
ここで、各遊技状態についてより詳細に説明する。第4実施形態のパチンコ機10において、「通常遊技状態」とは、「小当たり頻出確率変動状態」、「確率変動状態」、「潜伏確率変動状態」又は「時間短縮状態」でない遊技状態の時をいい、各特別図柄の大当たり確率、及び、普通図柄の当たり確率が通常の状態(即ち、低確率状態)、かつ、普通電役71bの開放が短時間である状態(即ち、非開放延長状態)をいう。
即ち、「通常遊技状態」は、「小当たり頻出確率変動状態」、「確率変動状態」及び「潜伏確率変動状態」の時より各特別図柄の大当たり確率が低く、また、「確率変動状態」および「時間短縮状態」の時より普通図柄の当たり確率が低い状態であって普通電役71bの開放時間も短時間である。詳細は後述するが、「通常遊技状態」では、遊技者は、所謂右打ち遊技をしたとしても、右側特図1始動口71aへ球が入賞し易い遊技状態(以下、右側特図1始動口71aへ球が入賞し易い状態のことを、「入賞補助状態」という場合がある)ではなく、また、共通大入賞口75に球が入賞しない状態であり、左打ち遊技によって左側特図1始動口64への入賞を目指す遊技を行うしかなく、遊技者にとって最も不利な遊技状態となる。なお、左側特図1始動口64への入賞に基づいて小当たり遊技が発生したとしても、該第1特別図柄の小当たりに基づいて特図1出没板65aの突出時間は短時間に設定されているとともに、障害部材65cによって特図1小入賞口65及び特図1出没板65aの配設位置に球が流下し難く構成されているため、左側特図1始動口64への入賞に基づく小当たり遊技によっては遊技者に遊技価値を付与しないように構成されている。
ここで、右打ち遊技とは、返しゴム69に当たる勢いで球を発射して、該球を可変表示装置ユニット80の正面視右側を通過させる行為をいい、可変表示装置ユニット80の遊技盤13正面視右側に配置されたスルーゲート67、右側特図1始動口71a、第1流路部材72の一般入賞口63、特図2始動口74、又は、共通大入賞口75に球が入賞し得る。一方、左打ち遊技とは、発射した球が可変表示装置ユニット80の正面視左側を通過させる行為をいい、左側特図1始動口64、特図1小入賞口65、又は、遊技盤13の正面視左側に配設された複数の一般入賞口63に球が入賞し得る。
第4実施形態において、右打ち遊技は「確率変動状態」、「時間短縮状態」又は「小当たり頻出確率変動状態」でのみ許容され、「通常遊技状態」及び「潜伏確率変動状態」において右打ち遊技された場合には、該右打ち遊技を遊技者に行わせないために、所定の警報機能を有している。具体的には、左打ち遊技が奨励される「通常遊技状態」及び「潜伏確率変動状態」において、遊技盤13正面視右側に配置されたスルーゲート67によって球の通過を検知した場合には、右打ち遊技が実行されていると判別し、音声出力装置226(図65参照)から警報音を出力するように構成する一方、右打ち遊技が奨励される「確率変動状態」、「時間短縮状態」及び「小当たり頻出確率変動状態」において、スルーゲート67を球が通過しても、上記警報音を出力しないように構成されている。
このように構成することで、右打ち遊技が奨励されていない「通常遊技状態」及び「潜伏確率変動状態」において遊技者による右打ち遊技の実行を抑制することができる。なお、「小当たり頻出確率変動状態」、「確率変動状態」及び「時間短縮状態」において、左打ち遊技は禁止されていないが、上記遊技状態における左打ち遊技は、入賞補助状態や第2特別図柄の小当たり遊技等の恩恵を受けることができないため、遊技者にとって著しく不利益が生じる遊技仕様となっている。この場合、遊技者に右打ち遊技を行うべきことを促すような報知を行うように構成してもよい。以下、右打ち遊技又は左打ち遊技と称した場合は、それぞれ上述した発射態様で球が発射されている状態をいう。
第4実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態」は、パチンコ機10の初期化時において発生するとともに、大当たり種別「時短A」又は「時短B」(図68又は図69参照)の大当たり後に発生する「時間短縮状態」において、予め定められた規定回数(第4実施形態では、100回)の特別図柄の動的表示が実行された後、「時間短縮状態」から上記「通常遊技状態」に移行するように構成されている。
次いで、「時間短縮状態」とは、各特別図柄の大当たり確率が「通常遊技状態」と同様に低確率状態であるが、普通図柄に関し、該普通図柄の当たり確率がアップし、かつ、普通電役71bの開放時間も長時間となる機能(以下、上記機能を「時短機能」と称する場合がある)が付与された状態をいう。即ち、「時間短縮状態」は、特別図柄による大当たりが「通常遊技状態」と同等であるものの、普通図柄による当たりが導出され易く、また、普通電役71bの開放状態が長くなる状態となる。よって、「時間短縮状態」では、所謂、入賞補助状態となり、右打ち遊技により発射されたほぼすべての球が右側特図1始動口71aへと入賞する。詳細は後述するが、「時間短縮状態」では、第1特別図柄の動的表示を連続的に実行させることができるとともに、該右側特図1始動口71aへの入賞に基づく賞球(例えば、1個/入賞)を得て持ち球の減少を抑えながらの遊技を行うことが可能となる。換言すると、「時間短縮状態」では、右打ち遊技により発射された球は、ほぼすべて右側特図1始動口71aへ入賞し、その下流側(即ち、特図2始動口74側)へ流下しない設定となっている。
第4実施形態のパチンコ機10では、「時間短縮状態」は、大当たり種別「時短A」又は「時短B」(図88参照)の大当たり後に、該大当たり毎に予め定められた規定回数(第13実施形態では、50回)の特別図柄の動的表示が実行されるまで維持される。そして、上記規定回数の特別図柄の動的表示が実行された後は、「時間短縮状態」から上記「通常遊技状態」に移行するように構成されている。
なお、「時間短縮状態」又は後述する「確率変動状態」において、普通図柄の当たり確率を変更する代わりに、パチンコ機10の遊技状態に応じて、普通電役71bが開放される時間や、普通図柄による1回の当たりで普通電役71bが開放される回数を変更するものとしても良い。具体的には、「時間短縮状態」等において、普通電役71bが開放される時間を「通常遊技状態」の場合よりも長くしたり、1回の当たりで普通電役71bが開放される回数を「通常遊技状態」の場合よりも多くしたりしてもよい。また、「時間短縮状態」において、普通図柄の当たり確率のアップと、普通電役71bの開放時間の長時間化と、普通電役71bの開放回数の多回数化との少なくとも2つを同時に行うようにしてもよい。
次いで、「確率変動状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の各特別図柄の大当たり確率がアップした高確率状態であるとともに、普通図柄の当たり確率がアップし、かつ、普通電役71bの開放時間も長時間となる遊技状態(即ち、開放延長状態)をいう。即ち、「確率変動状態」は、特別図柄による大当たり結果が導出され易い状態であるとともに、普通図柄による当たり結果が導出され易く、さらに、普通電役71bの開放状態が長くなる状態となる。詳細は後述するが、「確率変動状態」では、「時間短縮状態」と同様、所謂入賞補助状態となり、右打ち遊技により発射されたほぼすべての球が右側特図1始動口71aへと入賞するため、第1特別図柄の動的表示を連続的に実行させることができるとともに、該右側特図1始動口71aへの入賞に基づく賞球(例えば、1個/入賞)を得て持ち球の減少を抑えながら遊技を行うことが可能となる。換言すると、「確率変動状態」では、右打ち遊技により発射された球は、「時間短縮状態」と同様、ほぼすべて右側特図1始動口71aへ入賞し、右側特図1ユニット71の正面視右側(即ち、特図2始動口74側)へ流下しない設定となっている。
第4実施形態のパチンコ機10では、「確率変動状態」として、大当たり種別「確変B」(図68及び図69参照)の大当たり後に、各特別図柄の動的表示が100回実行されるまで、各特別図柄の大当たり確率および普通図柄の当たり確率が共に高確率状態に維持される。即ち、「確率変動状態」に突入した場合は、各特別図柄による大当たり遊技が発生するまでは、特別図柄の当選確率が高確率状態が継続することとなる一方、「確率変動状態」が発生してから、各特別図柄の動的表示が100回経過した後は、普通図柄の当選確率が高確率状態から低確率状態に移行することから、「確率変動状態」発生後、特別図柄の大当たりが発生せずに各特別図柄の動的表示が100回経過した後は、後述する「潜伏確率変動状態」に移行する。
次いで、「潜伏確率変動状態」とは、各特別図柄の大当たり確率がアップした高確率状態である一方、普通図柄の当たり確率が「通常遊技状態」と同様、低確率状態となり、また、普通電役71bの開放時間も短時間となる遊技状態(即ち、非開放延長状態)をいう。即ち、「潜伏確率変動状態」は、特別図柄による大当たり結果が導出され易い状態である一方、普通図柄による当たり結果が導出され難く、さらに、普通電役71bの開放状態が短い状態となる。詳細は後述するが、この場合、遊技者は、所謂右打ち遊技をしたとしても、右側特図1始動口71aへ球が入賞し易い入賞補助状態ではなく、また、共通大入賞口75に球が入賞しない状態であり、「通常遊技状態」と同様、右打ち遊技が禁止されており、左打ち遊技によって左側特図1始動口64への入賞を目指す遊技を行うしかなく、特別図柄が高確率状態となっているため、「通常遊技状態」よりは遊技者にとって有利な遊技状態となる。
第4実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態」と「潜伏確率変動状態」とにおける第3図柄表示装置81等の演出と同一となるように構成され、「通常遊技状態」と「潜伏確率変動状態」との判別が困難となるように構成されている。また、「確率変動状態」であっても「時間短縮状態」における第3図柄表示装置81等の演出と同一となる場合があるように構成されている。このように構成することで、「確率変動状態」が終了して「潜伏確率変動状態」に移行したとしても、遊技者にとって「通常遊技状態」より有利な該「潜伏確率変動状態」であることを遊技者に判別困難にすることができるとともに、「時間短縮状態」が終了して「通常遊技状態」に移行したとしても、遊技者にとって「潜伏確率変動状態」より不利な該「通常遊技状態」であることを遊技者に判別困難にすることができる。よって、「通常遊技状態」における演出が実行されている場合であっても、「潜伏確率変動状態」かもしれないと遊技者に推測させて遊技を継続させることが可能となり、パチンコ機10の稼働を促進することができる。
次いで、「小当たり頻出確率変動状態」とは、該「小当たり頻出高確率状態」の突入後、後述する「時短機能」の1の終了条件(即ち、第2特別図柄における小当たり遊技に基づく共通大入賞口75の1回の開放)が直ちに成立することによって、大当たり終了後に付加価値としてその後の各特別図柄の大当たり確率がアップした高確率状態である一方、普通図柄の当たり確率が「通常遊技状態」と同等の低確率状態であるとともに、普通電役71bの開放時間も短時間となる遊技状態をいう。即ち、「小当たり頻出確率変動状態」は、特別図柄による大当たり結果が導出され易い状態である一方、普通図柄による当たり結果が「時間短縮状態」および「確率変動状態」より導出され難く、かつ、普通電役71bの開放時間が「時間短縮状態」および「確率変動状態」より短い状態となる。なお、各遊技状態における「時短機能」の終了条件の詳細については、後述する。
詳細は後述するが、「小当たり頻出確率変動状態」では、右打ち遊技を行ってスルーゲート67へ球を通過させたとしても、普通図柄の可変表示において当たりが発生し難く、また、当たりに当選して普通電役71bが開放されたとしても短時間であるため、普通電役71bの閉鎖時間が長くなり、右側特図1始動口71aへ球が入賞し難い状態となる。従って、普通電役71bの閉鎖時間が長いことから、球が普通電役71bの上面を正面視左端から正面視右端まで転動しきり、右側特図1ユニット71の正面視右側へと流下する。
そして、この「小当たり頻出確率変動状態」において、右側特図1ユニット71の正面視右側へと流下した球は、次いで、第1流路部材72と第2流路部材73とで形成された右側流路を流下し、特図2始動口74の配設位置又は共通大入賞口75の配設位置まで流下する。ここで、特図2始動口74へ球が入賞することで、第2特別図柄の動的表示が実行され、該第2特別図柄の動的表示において小当たりに当選した場合、該小当たりに基づいて共通大入賞口75が、所定回数(例えば、3回)、所定条件が成立するまで(例えば、最大開放時間3秒が経過するまで、又は、球が10個入賞するまで)開放される。共通大入賞口75は、右側特図1始動口71aや特図2始動口74より入賞に基づく賞球数が多く構成されているため(共通大入賞口75への入賞→賞球15個、右側特図1始動口71aへの入賞→3個、特図2始動口74への入賞→賞球1個)、「小当たり頻出確率変動状態」において小当たり遊技に当選させて、さらに、共通大入賞口75へ球を入賞させて、遊技者の持ち球を増加させることが可能となる。そして、第2特別図柄の動的表示において小当たり遊技に頻繁に当選するような設定(配分。第4実施形態では、98%)とすることで、「小当たり頻出確率変動状態」において小当たり遊技による賞球の払い出しを頻出させることができる。その結果、「小当たり頻出確率変動状態」では、該「小当たり頻出確率変動状態」を長く継続させて如何にして共通大入賞口75に球を多く入賞させるか、という遊技性を実現することができる。
第4実施形態のパチンコ機10では、「小当たり頻出確率変動状態」として、大当たり種別「確変A」(図68及び図69参照)の大当たり後に、次の大当たり遊技が開始されるまで(所謂、次回大当たりまで)、各特別図柄の大当たり確率が高確率状態である一方、大当たり終了後、直ちに時短終了条件の1の条件(後述する共通大入賞口75の1の開放(作動))が成立することで、普通図柄の当たり確率が低確率状態に維持される。即ち、一旦、「小当たり頻出確率変動状態」に突入した場合は、各特別図柄による大当たり遊技が発生するまで、該「小当たり頻出確率変動状態」が継続することとなる。
このように構成することで、まず、「通常遊技状態」又は「潜伏確率変動状態」では、左打ち遊技を行って、第1特別図柄の動的表示において大当たり遊技に当選させて該大当たり遊技による遊技価値を得つつ、その後の遊技状態が、その大当たり種別に応じて付随する「小当たり頻出確率変動状態」、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」のいずれとなるかの遊技性を実現できる。そして、「時間短縮状態」では、右打ち遊技を行って、入賞補助状態が有効な状況の間に如何にして第1特別図柄の動的表示において大当たり遊技に当選させるか否かの遊技性を実現できる。また、「確率変動状態」では、右打ち遊技を行って、入賞補助状態を維持しながら、「通常遊技状態」等と比べて比較的早期に発生し得る次の大当たり遊技が如何様な大当たり種別となるか否かの遊技性を実現できる。さらに、「小当たり頻出確率変動状態」では、右打ち遊技を行って、入賞補助状態はないものの、第2特別図柄の動的表示において小当たり遊技に当選させて共通大入賞口75へ球を入賞させることで持ち球を増加させつつ、大当たり遊技に当選させずに如何にして該「小当たり頻出確率変動状態」を継続させるかという遊技性を実現できる。なお、各遊技状態における普通電役71bの駆動態様、特図1出没板65a、及び、共通大入賞口75の共通大入賞口開閉板75aの駆動態様については、後述する。
ここで、図61から図63を参照して、各遊技状態において奨励される球の発射態様と、該発射態様によって発射された球の流下態様について説明する。なお、図61から図63において、遊技仕様上、重要度が高い遊技部品のみを記載し、その他の(遊技仕様上、重要度が低い)遊技部品を記載せず、その説明を省略する。
まず、図61を参照して、「通常遊技状態」又は「潜伏確率変動状態」における球の流下態様について説明する。図61は、「通常遊技状態」又は「潜伏確率変動状態」時に左打ち遊技で発射された球の流下態様を示した遊技盤13の模式的正面図である。
「通常遊技状態」及び「潜伏確率変動状態」では、左打ち遊技が奨励され、右打ち遊技が禁止されているため、遊技者は、図61で示すように、可変表示装置ユニット80の正面視左側の遊技領域を球が流下するように左打ち遊技によって球を発射する。左打ち遊技で発射された球は、可変表示装置ユニット80の正面視左側の遊技領域を流下し、風車や釘によって遊技盤13の中央部分へと案内され、左側特図1始動口64へ入賞し得るように配置されている。一方、左打ち遊技では、可変表示装置ユニット80の正面視右側に配置されたスルーゲート67、右側特図1始動口71a、特図2始動口74及び共通大入賞口75へ球が入賞し得ないように、各部品が配置されている。なお、特図1小入賞口65も左打ち遊技によって球が流下する範囲に配置されているが、上述したように、障害部材65c及び釘によって、左打ち遊技で発射された球が流入し難いように構成されている。
よって、「通常遊技状態」及び「潜伏確率変動状態」では、左打ち遊技によって発射された球を左側特図1始動口64へ入賞させ、第1特別図柄の動的表示において大当たりに当選させるか否かという遊技性が設定されている。なお、「通常遊技状態」及び「潜伏確率変動状態」において、右打ち遊技が行われた場合、スルーゲート67によって球の通過を検知した段階で、右打ち遊技を停止することを遊技者に促す「右打ち禁止」報知が第3図柄表示装置81や音声出力装置(図65参照)によって実行される。
次いで、図62を参照して、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」における球の流下態様について説明する。図62は、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」時に右打ち遊技で発射された球の流下態様を示した遊技盤13の模式的正面図である。
「確率変動状態」又は「時間短縮状態」では、右打ち遊技が奨励されているため、遊技者は、図62で示すように、可変表示装置ユニット80の正面視右側の遊技領域を球が流下するように右打ち遊技によって球を発射する。右打ち遊技で発射された球は、可変表示装置ユニット80の正面視右側を流下し、まず、ほぼすべての球がスルーゲート67を通過する。そして、スルーゲート67を通過した球は、右側特図1ユニット71の上方へと流下し、普通電役71bの配設位置まで到達する。このとき、スルーゲート67を球が通過したことに起因して、普通図柄の可変表示が、スルーゲート67を通過した球が右側特図1ユニット71(普通電役71b)に到達するまでの時間(例えば、1秒)より短い「0.5秒」で実行され、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」では、普通図柄の当選確率が99%であることによって、ほぼすべての可変表示において普通図柄の当たりに当選し、該当たりに基づいて普通電役71bが閉鎖状態から開放状態へと変位する。さらに、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」では、普通電役71bの開放状態も「3秒」×「3回」実行されるため、右打ち遊技によって発射されたほぼすべての球が右側特図1ユニット71内の右側特図1始動口71aへと入賞し、右側特図1ユニット71の正面視右側の右側流路まで到達することがない。
また、右打ち遊技で発射された球の勢いによって、右側特図1ユニット71の正面視左側の左側流路まで到達した球は、第1流路部材72に設けられた一般入賞口63に入賞するか、その下方側まで流下して、閉鎖中の共通大入賞口75の共通大入賞口開閉板75aの上面を転動して、アウト口66へと流入する。即ち、「確率変動状態」及び「時間短縮状態」では、右側特図1始動口71aに球が入賞し得るように構成される一方、特図2始動口74には球が入賞し得ない(し難い)ように構成されている。
なお、右打ち遊技では、可変表示装置ユニット80の正面視下方に配置された左側特図1始動口64及び特図1小入賞口65へ球が入賞し得ないように、各部品が配置されている。
また、右打ち遊技が奨励される「確率変動状態」又は「時間短縮状態」において、右側特図1始動口71aへの入賞が頻発し、該入賞に基づく第1特別図柄の動的表示において第1特別図柄の小当たり遊技が頻出する遊技仕様(即ち、小当たり確率98%)である。しかしながら、特図1小入賞口65は、左打ち遊技によって発射された球のみが入賞可能に構成されているため、右打ち遊技を継続している状況では、第1特別図柄の小当たり遊技への当選に基づいて特図1出没板65aが突出して特図1小入賞口65が入賞可能状態となった場合であっても、該特図1小入賞口65に球が入賞し得ないように構成されている。
よって、「確率変動状態」及び「時間短縮状態」では、右打ち遊技によって発射された球を右側特図1始動口71aへ入賞させ、第1特別図柄の動的表示において大当たりに当選させるか否かという遊技性が設定されている。なお、「確率変動状態」及び「時間短縮状態」において、左打ち遊技が行われた場合、左側特図1始動口64や一般入賞口63によって球が検知された段階で、右打ち遊技を開始することを遊技者に促す「右打ち奨励」報知が第3図柄表示装置81や音声出力装置(図65参照)によって実行される。
次いで、図63を参照して、「小当たり頻出確率変動状態」における球の流下態様について説明する。図6は、「小当たり頻出確率変動状態」時に右打ち遊技で発射された球の流下態様を示した遊技盤13の模式的正面図である。
「小当たり頻出確率変動状態」では、「確率変動状態」及び「時間短縮状態」と同様、右打ち遊技が奨励されているため、遊技者は、図6で示すように、可変表示装置ユニット80の正面視右側の遊技領域を球が流下するように、右打ち遊技によって球を発射する。右打ち遊技で発射された球は、可変表示装置ユニット80の正面視右側を流下し、まず、ほぼすべての球がスルーゲート67を通過する。そして、スルーゲート67を通過した球は、右側特図1ユニット71の上方へと流下し、普通電役71bの配設位置まで到達する。このとき、スルーゲート67を球が通過したことに起因して、普通図柄の可変表示が、スルーゲート67を通過した球が右側特図1ユニット71(普通電役71b)に到達するまでの時間(例えば、1秒)より遥かに長い「30秒」で実行され、「小当たり頻出確率変動状態」では、普通図柄の当選確率が1%であることによって、ほぼすべての可変表示において普通図柄の当たりに当選せず、普通電役71bの閉鎖状態が維持されている期間が長い。さらに、「小当たり頻出確率変動状態」では、普通図柄の可変表示で当たりに当選した場合であっても、普通電役71bの開放状態が「0.1秒」×「1回」実行されるため、右打ち遊技によって発射された球が右側特図1ユニット71内の右側特図1始動口71aへは入賞せず、普通電役71bの上面を転動して、右側特図1ユニット71の正面視右側の右側流路まで到達する。
そして、右側特図1ユニット71の正面視右側の右側流路を流下した球は、第1流路部材72と第2流路部材73との間を流下し、その下方に配置された特図2始動口74側又は共通大入賞口75側へと流下する。第4実施形態では、「小当たり頻出確率変動状態」において、第2特別図柄の動的表示における大当たりの当選確率が1.0%〜2.0%(設定値1〜設定値6)である一方、小当たりの当選確率が98%(全設定値共通)に設定されているため(図67参照)、大当たり遊技やハズレに比べ、小当たり遊技が頻発するように構成されている。
従って、「小当たり頻出確率変動状態」において、特図2始動口74への入賞に基づいて第2特別図柄の小当たり遊技が頻出し、該小当たり遊技において共通大入賞口75が所定回数(例えば、3回)、所定条件が成立するまで(例えば、1の開放につき、3秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)、共通大入賞口開閉板75aが遊技盤13側に没入して、共通大入賞口75内に球が流入可能な状態(即ち、小当たり遊技状態)となる。
そして、右打ち遊技で発射され、右側特図1ユニット71の右側流路を流下した球は、特図2始動口74に入賞しなかった場合は、共通大入賞口75側へと流下し、上記小当たり遊技に基づいて開放されている共通大入賞口75内に入賞し、1個の球の入賞につき、15個の球が賞球として払い出される。
なお、右打ち遊技で発射された球の勢いによって、右側特図1ユニット71の正面視左側の左側流路まで到達した球は、第1流路部材72に設けられた一般入賞口63に入賞するか、その下方側まで流下して、第2特別図柄の小当たりに基づいて開放中の共通大入賞口75へと流入する。
このように、「小当たり頻出確率変動状態」では、特図2始動口74に球を入賞可能に構成し、第2特別図柄による第2抽選遊技を実行させて第2特別図柄の小当たり遊技を頻出させ、該「小当たり頻出確率変動状態」を長く継続させて如何にして小当たり遊技の当選に基づいて開放される共通大入賞口75に球を多く入賞させるか、という遊技性を実現することができる。
図60に戻って、説明を続ける。次いで、各大当たり種別毎の特別LED群37bの表示態様について説明する。第1特別図柄用の上方LED群37b1の停止表示(点灯表示)として、ハズレに対応する表示パターンは1種類、小当たりに対応する表示パターンは12種類、大当たり種別「確変A」に対応する表示パターンは12種類、大当たり種別「確変B」に対応する表示パターンは13種類、大当たり種別「時短A」に対応する表示パターンは13種類、大当たり種別「時短B」に対応する表示パターンは13種類、の計64種類の表示パターンが設けられている。そして、各表示パターンは、大当たり種別毎又は小当たりに対して特定の規則性を有さず、無作為な表示パターンが予め対応付けられている。よって、遊技者が上方LED群37b1の表示パターンを見た場合に、ハズレの停止表示が停止されたことを認識することができる一方、大当たり種別「確変A」、「確変B」、「時短A」若しくは「時短B」、又は、小当たりのいずれの停止表示であるかを識別困難に構成されている。
また、第2特別図柄用の下方LED群37b2の停止表示(点灯表示)として、ハズレに対応する表示パターンは1種類、小当たりに対応する表示パターンは12種類、大当たり種別「確変A」に対応する表示パターンは12種類、大当たり種別「確変B」に対応する表示パターンは13種類、大当たり種別「時短A」に対応する表示パターンは13種類、大当たり種別「時短B」に対応する表示パターンは13種類、の計64種類の表示パターンが設けられている。そして、各表示パターンは、大当たり種別毎又は小当たりに対して特定の規則性を有さず、無作為な表示パターンが予め対応付けられている。よって、遊技者が下方LED群37b2の表示パターンを見た場合に、下方LED群37b2と同様、ハズレの停止表示が停止されたことを認識することができる一方、大当たり種別「確変A」、「確変B」、「時短A」若しくは「時短B」、又は、小当たりのいずれの停止表示であるかを識別困難に構成されている。
このように構成することで、特別図柄表示装置37の特別LED群37bの停止表示において各大当たり種別又は小当たりを表示した場合であっても、各停止表示に対応する大当たり種別及び小当たりを全て把握していないければ、当選した大当たり種別又は小当たりを遊技者が認識することが困難となる。よって、例えば、「確変B」(「確変A」)に当選していた場合であっても、第3図柄表示装置81において仮表示として「時短B」(「時短A」)に対応する大当たり結果を表示しつつ、大当たり遊技の途中で「時短B」に対応する大当たり結果から「確変B」に対応する大当たり結果へと昇格させる大当たり昇格演出を効果的に実行することができ、遊技の興趣を向上することができる。
第4実施形態のパチンコ機10では、特別図柄表示装置37における各特別図柄の動的表示と同期して実行される第3図柄表示装置81の変動演出が各遊技状態ごと設定されている。即ち、各遊技状態において奨励されている特別図柄の変動演出が第3図柄表示装置81の主表示領域Dm(図64参照)で実行されるように構成されている一方、各遊技状態において奨励されていない(非奨励の)特別図柄の変動演出は第3図柄表示装置81の主表示領域Dmでは実行されず、後述する特図1用第4図柄表示領域87又は特図2用第4図柄表示領域88で実行されるように構成されている。
具体的には、「通常遊技状態」、「潜伏確率変動状態」、「確率変動状態」及び「時間短縮状態」では、第1特別図柄の動的表示に対応する変動演出が第3図柄表示装置81の主表示領域Dm(図64参照)で実行されると共に、特図1用第4図柄表示領域87(図64参照)で実行される一方、第2特別図柄の動的表示に対応する表示は、特図2用第4図柄表示領域88(図64参照)でのみ実行され、第2特別図柄の動的表示が実行されている場合であっても主表示領域Dmでは該第2特別図柄の動的表示に対応する第3図柄の変動演出は実行されない。一方、「小当たり頻出確率変動状態」では、第2特別図柄の動的表示に対応する変動演出が第3図柄表示装置81の主表示領域Dmで実行されると共に、特図2用第4図柄表示領域88で実行される一方、第1特別図柄の動的表示に対応する表示は、特図1用第4図柄表示領域87でのみ実行され、第1特別図柄の動的表示が実行されている場合であっても主表示領域Dmでは該第1特別図柄の動的表示に対応する第3図柄の変動演出は実行されない。
ここで、図64を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図64は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図64(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図64(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、上述した各遊技状態に応じて「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、例えば、「通常遊技状態」では、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。なお、各遊技状態における主図柄の構成及び変動態様については、図115において後述する。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図65参照)による抽選結果が大当たりであった場合に、例えば、「通常遊技状態」では、同一の主図柄が有効ラインL1上に揃う変動表示(変動演出)が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。大当たり終了後に「小当たり頻出確率変動状態」に移行する場合は、「7」数字が付加された主図柄(「小当たり頻出確変図柄」に相当)が有効ラインL1上に揃う変動演出が行われ、大当たり終了後に「確率変動状態」に移行する場合は、「7」を除く奇数番号(即ち、「1」、「3」、「5」又は「9」)が付加された主図柄(「確変図柄」に相当)が有効ラインL1上に揃う変動表示が行われ、大当たり終了後に「時間短縮状態」に移行する場合は、偶数番号(即ち、「0」、「2」、「4」、「6」又は「8」)が付加された主図柄(「時短図柄」に相当)が有効ラインL1上に揃う変動表示が行われる。なお、大当たり種別「時短A」又は「時短B」の種別は、大当たり遊技中のラウンド4が終了するまでに遊技者に報知するように構成されている。
図64(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄(主図柄)を変動表示(変動演出)する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタなどを表示する副表示領域Dsとなっている。また、第3図柄表示装置81の表示画面における下底辺側には、主表示領域Dmで実行されている特別図柄の動的表示の保留球数を表示するコクピット表示領域Dbが設けられている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その表示領域Dm1に図柄列Z1が表示され、表示領域Dm2に図柄列Z2が表示され、表示領域Dm3に図柄列Z3が表示される。
各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、各図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、各図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、各遊技状態ごとに設定されている特別図柄に対応する変動演出に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(同一の主図柄の組合せ)で揃えば、遊技状態ごとに設定されている特別図柄の大当たりとして大当たり動画が表示される。
副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、更に左右方向に3つの小領域Ds1〜Ds3に等区分されている。小領域Ds1〜Ds3は、それぞれ、キャラクタや予告演出画像を表示する領域である。小領域Ds1〜Ds3のそれぞれに表示される画像によって、主表示領域Dmにて行われる変動表示の結果として大当たりとなる期待感を遊技者に与えている。コクピット表示領域Dbは、各遊技状態ごとに設定されている特別図柄に対応する左側特図1始動口64及び右側特図1始動口71a(以下、左側特図1始動口64及び右側特図1始動口71aを総称して、「特図1始動口64,71a」と称する場合がある)又は特図2始動口74に入球された球のうち変動表示(変動演出)が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域である。
副表示領域Dsの右の小領域Ds3には、第1特別図柄の動的表示および保留球数と同期して変化可能な特図1用第4図柄表示領域87と、第2特別図柄の動的表示および保留球数と同期して変化可能な特図2用第4図柄表示領域88とが表示可能に構成されている。
特図1用第4図柄表示領域87は、第1特別図柄の動的表示の保留数を数字で表示する特図1用保留数表示87aと、第1特別図柄の動的表示(変動演出)の実行と同期して変化可能な特図1用変動領域87bとで構成されている。
特図1用保留数表示87aは、第1特別図柄の動的表示の保留数を「0」〜「4」の範囲で数字図柄で表示可能に構成されている。具体的には、特図1用保留数表示87aが「0」を表示している場合は、第1特別図柄の動的表示の保留数が0個であることを示し、特図1用保留数表示87aが「1」を表示している場合は、第1特別図柄の動的表示の保留数が1個であることを示し、特図1用保留数表示87aが「2」を表示している場合は、第1特別図柄の動的表示の保留数が2個であることを示し、特図1用保留数表示87aが「3」を表示している場合は、第1特別図柄の動的表示の保留数が3個であることを示し、特図1用保留数表示87aが「4」を表示している場合は、第1特別図柄の動的表示の保留数が4個であることを示している。即ち、特図1用第4図柄表示領域87の特図1用保留数表示87aは、上述した特別図柄表示装置37の状態LED群37aの第1特別図柄の動的表示の保留球数の内容と一致するように表示されるとともに、第1特別図柄の動的表示が主表示領域Dmにおいて表示される「通常遊技状態」、「潜伏確率変動状態」、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」において、後述する保留図柄表示領域Db1の保留球数の内容と一致するように表示される。
特図1用変動領域87bは、第1特別図柄の動的表示の実行及び結果を示すための表示領域であり、四角図柄の表示色が変化可能に構成されている。具体的には、第1特別図柄の動的表示が実行されている場合は、特図1用変動領域87bの四角図柄の表示色が、白→赤→橙→黄→緑→水色→青→紫の順で高速に変化し、紫の後は、再び、白→赤→・・・と第1特別図柄の動的表示の実行中は変化を繰り返すように構成されている。そして、第1特別図柄の動的表示が停止した場合に、特図1用変動領域87bの四角図柄が該動的表示の抽選結果と対応する表示色で表示される。より詳細には、特図1用変動領域87bの四角図柄が白で停止した場合は、第1特別図柄の動的表示がハズレであったことを示し、特図1用変動領域87bの四角図柄が赤で停止した場合は、第1特別図柄の動的表示が大当たりであったことを示し、特図1用変動領域87bの四角図柄が青で停止した場合は、第1特別図柄の動的表示が小当たりであったことを示すように構成されている。即ち、特図1用変動領域87bの四角図柄は、上述した特別図柄表示装置37の上方LED群37b1の表示内容に対応するように表示されるとともに、第1特別図柄の動的表示が主表示領域Dmにおいて表示される「通常遊技状態」、「潜伏確率変動状態」、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」において、主表示領域Dmの表示内容と同期するように構成されている。
特図2用第4図柄表示領域88は、第2特別図柄の動的表示の保留数を数字で表示する特図2用保留数表示88aと、第2特別図柄の動的表示(変動演出)の実行と同期して変化可能な特図2用変動領域88bとで構成されている。
特図2用保留数表示88aは、第2特別図柄の動的表示の保留数を「0」〜「4」の範囲で数字図柄で表示可能に構成されている。具体的には、特図2用保留数表示88aが「0」を表示している場合は、第2特別図柄の動的表示の保留数が0個であることを示し、特図2用保留数表示88aが「1」を表示している場合は、第2特別図柄の動的表示の保留数が1個であることを示し、特図2用保留数表示88aが「2」を表示している場合は、第2特別図柄の動的表示の保留数が2個であることを示し、特図2用保留数表示88aが「3」を表示している場合は、第2特別図柄の動的表示の保留数が3個であることを示し、特図2用保留数表示88aが「4」を表示している場合は、第2特別図柄の動的表示の保留数が4個であることを示している。即ち、特図2用第4図柄表示領域88の特図2用保留数表示88aは、上述した特別図柄表示装置37の状態LED群37aの第2特別図柄の動的表示の保留球数の内容と一致するように表示されるとともに、第2特別図柄の動的表示が主表示領域Dmにおいて表示される「小当たり頻出確率変動状態」において、後述する保留図柄表示領域Db1の保留球数の内容と一致するように表示される。
特図2用変動領域88bは、第2特別図柄の動的表示の実行及び結果を示すための表示領域であり、特図1用変動領域87bと同様、四角図柄の表示色が変化可能に構成されている。具体的には、第2特別図柄の動的表示が実行されている場合は、特図2用変動領域88bの四角図柄の表示色が、白→赤→橙→黄→緑→水色→青→紫の順で高速に変化し、紫の後は、再び、白→赤→・・・と第2特別図柄の動的表示の実行中は変化を繰り返すように構成されている。そして、第2特別図柄の動的表示が停止した場合に、特図2用変動領域88bの四角図柄が該動的表示の抽選結果と対応する表示色で表示される。より詳細には、特図2用変動領域88bの四角図柄が白で停止した場合は、第2特別図柄の動的表示がハズレであったことを示し、特図2用変動領域88bの四角図柄が赤で停止した場合は、第2特別図柄の動的表示が大当たりであったことを示し、特図2用変動領域88bの四角図柄が青で停止した場合は、第2特別図柄の動的表示が小当たりであったことを示すように構成されている。即ち、特図2用変動領域88bの四角図柄は、上述した特別図柄表示装置37の下方LED群37b2の表示内容に対応するように表示されるとともに、第2特別図柄の動的表示が主表示領域Dmにおいて表示される「小当たり頻出確率変動状態」において、主表示領域Dmの表示内容と同期するように構成されている。
第3図柄表示装置81の実際の表示画面では、図64(b)に示すように、例えば、「通常遊技状態」では、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計3個表示される。副表示領域Dsにおいては、左の小領域Ds1、右の小領域Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の小領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、通常は黒色の少年の髪の毛の色や、通常は白色のハチマキの色が変化したり、別のキャラクタが現出するなどして予告演出が行われる。
一方、「通常遊技状態」、「潜伏確率変動状態」、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」において、第3図柄表示装置81(特別図柄表示装置37)にて第1特別図柄に対応する第3図柄の変動演出(動的表示)が行われている間に球が特図1始動口64,71aへ入球した場合、又は、「小当たり頻出確率変動状態」において、第3図柄表示装置81(特別図柄表示装置37)にて第2特別図柄に対応する第3図柄の変動演出(動的表示)が行われている間に球が特図2始動口74へ入球した場合、その入球回数(保留球数)はそれぞれ最大4回まで保留される。その保留球数は特別図柄表示装置37により示されると共に、特図1用第4図柄表示領域87の特図1用保留数表示87a若しくは特図2用第4図柄表示領域88の特図2用保留数表示88aにおいても表示され、さらに、コクピット表示領域Dbの保留図柄表示領域Db1の第1〜第4保留図柄表示領域Db1a〜Db1dにおいても示される。
第1〜第4保留図柄表示領域Db1a〜Db1dには、遊技状態に応じて表示設定されている第1特別図柄又は第2特別図柄の保留球1球(保留球数1回)につき1つの保留図柄(通常の表示態様では「○」図柄(白丸図柄))がそれぞれ表示され、第1〜第4保留図柄表示領域Db1a〜Db1dに表示された保留図柄の表示数に応じて、遊技状態に応じて表示設定(優先表示)されている第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出の保留球数が表示される。
即ち、第1〜第4保留図柄表示領域Db1a〜Db1dにおいて、第1保留図柄表示領域Db1aに1つの保留図柄が表示されている場合は、遊技状態に応じて表示設定されている第1特別図柄又は第2特別図柄の保留球数が1回であることを示し、第1・第2保留図柄表示領域Db1a,Db1bにそれぞれ1つずつ計2つの保留図柄が表示されている場合は、遊技状態に応じて表示設定されている第1特別図柄又は第2特別図柄の保留球数が2回であることを示し、第1〜第3保留図柄表示領域Db1a〜Db1cにそれぞれ1つずつ計3つの保留図柄が表示されている場合は、遊技状態に応じて表示設定されている第1特別図柄又は第2特別図柄の保留球数が3回であることを示し、第1〜第4保留図柄表示領域Db1a〜Db1dにそれぞれ1つずつ計4つの保留図柄が表示されている場合は、遊技状態に応じて表示設定されている第1特別図柄又は第2特別図柄の保留球数が4回であることを示す。また、第1〜第4保留図柄表示領域Db1a〜Db1dに保留図柄が表示されていない場合は、遊技状態に応じて表示設定されている第1特別図柄又は第2特別図柄の保留球数が0回であって保留されている変動演出が存在しないことを示す。
なお、第4実施形態のパチンコ機10では、第1特別図柄の第1抽選遊技と第2特別図柄の第2抽選遊技とが同時に実行可能に構成されているが、いずれか一方の抽選遊技のみを実行するように構成してもよい。いずれか一方の抽選遊技のみを実行する場合は、実行中のいずれかの抽選遊技が終了した場合に、第1特別図柄の保留球と第2特別図柄の保留球とがそれぞれ記憶されている場合には、第2特別図柄の第2抽選遊技を第1特別図柄の第1抽選遊技より優先的に実行(所謂、特図2優先変動)するように構成してもよいし、入賞した順(所謂、入賞順変動)に応じて特別図柄の抽選遊技を実行するように構成してもよい。さらに、第1特別図柄の変動演出と第2特別図柄の変動演出とを第3図柄表示装置81において同時に表示可能に構成してもよい。
コクピット表示領域Dbの中央部分には、主表示領域Dmで変動演出が実行されていることを示す実行図柄が表示される実行図柄表示領域Db0が設けられている。この実行図柄表示領域Db0は、コクピット表示領域Dbの中央部分、即ち、第1保留図柄表示領域Db1aの右側に設けられ、保留図柄表示領域Db1a〜Db1dに表示される各保留図柄より大きい実行図柄が表示されるように構成されている。また、この実行図柄表示領域Db0は、第1保留図柄表示領域Db1aに表示されていた保留図柄が移動(シフト)して実行図柄として表示される。
実行図柄表示領域Db0に表示される実行図柄は、変動演出が終了すると消去され、その実行図柄の消去に伴って、表示されている保留図柄が下位側の保留図柄として移動して表示される。具体的には、例えば、第1特別図柄の保留図柄が4つ存在する状況において、第1特別図柄の変動演出の終了に伴って実行図柄表示領域Db0に表示されていた実行図柄が消去された場合、第1保留図柄表示領域Db1aに表示されていた保留図柄が、実行図柄表示領域Db0における実行図柄として移動(シフト)して表示される。また、第2保留図柄表示領域Db1bに表示されていた保留図柄が、第1保留図柄表示領域Db1aにおける保留図柄として移動(シフト)して表示される。さらに、第3保留図柄表示領域Db1cに表示されていた保留図柄が、第2保留図柄表示領域Db1bにおける保留図柄として移動(シフト)して表示される。また、第4保留図柄表示領域Db1dに表示されていた保留図柄が、第3保留図柄表示領域Db1cにおける保留図柄として移動(シフト)して表示される。
なお、第4実施形態においては、特図1始動口64,71a又は特図2始動口74への入球に基づく変動演出の保留球数は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、それぞれ3回以下、又は、それぞれ5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、コクピット表示領域Dbにおける保留図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、特別図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させなくてもよい。さらに、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを第1特別図柄および第2特別図柄の最大保留数分の4つそれぞれ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
図60に戻って説明を続ける。遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図58参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65,71a,74,75にも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。また、入賞口63,64,65,71a,74,75に入球した球は、各入賞口毎に設けられた球の入球を検出するためのスイッチを通過後、その球排出路へと案内される。球排出路へ案内された球は、その案内された球を検出するためのアウトスイッチ(図示せず)を通過後、パチンコ機10が設置された島設備(図示せず)に排出される。
なお、遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
次に、図65を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図65は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図であって、主に、主制御装置110の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図108参照)が即座に実行される。
MPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、特別図柄表示装置37、普通図柄表示装置83、普通図柄保留ランプ84、共通大入賞口75の共通大入賞口開閉板75aを開閉駆動するための大入賞口ソレノイド(図示せず)や特図1小入賞口65の特図1出没板65aを開閉駆動するための特図1出没板用ソレノイド(図示せず)、普通電役71bを駆動するための普通電役用ソレノイド(図示せず)などからなる各種ソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、各特別図柄の大当たり抽選や小当たり抽選、特別図柄表示装置37における動的表示の設定、第3図柄表示装置81における変動演出の設定、普通図柄表示装置83における可変表示の表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタを格納するカウンタ用バッファ203cが設けられている。
また、ROM202は、大当たり乱数テーブル202a、大当たり種別テーブル202b、保留数テーブル202c、停止パターンテーブル202d、変動パターンテーブル202e、大当たり開放テーブル202f、小当たり開放テーブル202g、時短終了条件テーブル202h、普図当たり乱数テーブル202i、普図変動テーブル202j、普通電役開放テーブル202kを少なくとも格納している。主制御装置110は、RAM203に格納された各種カウンタ等と、ROM202に格納された各種テーブルとによって、上記の主要な制御を実行する。
ここで、図66を参照して、第4実施形態の主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、大当たり抽選、小当たり抽選、特別図柄表示装置37の動的表示の設定、第3図柄表示装置81の変動演出の設定、普通図柄表示装置83における可変表示の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。また、各種カウンタの説明の中で、図67から図79を参照して、主制御装置110のROM202に格納された各種テーブルについても説明する。
第4実施形態では、大当たり抽選や小当たり抽選、特別図柄表示装置37の動的表示の設定、および、第3図柄表示装置81の変動演出の設定には、大当たり抽選及び小当たり抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の停止種別の選択に使用する大当たり種別カウンタC2と、変動演出の演出態様の選択に使用する停止パターン選択カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。
また、普通図柄表示装置83の抽選には、普図当たり乱数カウンタC4が用いられ、普図当たり乱数カウンタC4の初期設定値には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。
これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、それぞれの最大値に達した後、「0」に戻るループカウンタで構成されている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図88参照)の実行間隔である4ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図87参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファ203cに適宜格納される。詳細については後述するが、RAM203には、第1特別図柄に関する4つの保留エリア(第1保留第1〜第4エリア)からなる第1保留球格納エリア203dと、第2特別図柄に関する4つの保留エリア(第2保留第1〜第4エリア)からなる第2保留球格納エリア203eとが設けられている。第1保留球格納エリア203dには、左側特図1始動口64又は右側特図1始動口71aへの入球タイミングに合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ格納される。また、第2保留球格納エリア203eには、特図2始動口74への入球タイミングに合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ格納される。
なお、第4実施形態では、タイマ割込処理(図88参照)等においてソフトウェアの処理で大当たり乱数カウンタC1や大当たり種別乱数C1等を更新するように構成している(所謂、ソフト乱数)が。これに代えて、更新周期が上記ソフト乱数より速い乱数生成ICによって大当たり乱数カウンタC1等を更新するように構成してもよい(所謂、ハード乱数)。このように構成することで、外部から更新中の乱数値の把握を困難にし、セキュリティ性能を向上することができる。
各カウンタについて詳しく説明する。大当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、「0〜9999」)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、「0〜9999」の値を取り得るカウンタの場合は「9999」)に達した後「0」に戻る構成となっている。特に、大当たり乱数カウンタC1の更新が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれ、その初期値から大当たり乱数カウンタC1の更新が行われる。
第1初期値乱数カウンタCINI1は、大当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、大当たり乱数カウンタC1が「0〜9999」の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、「0〜9999」の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図88参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図87参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
大当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(第4実施形態では、タイマ割込処理(図88参照)毎に1回)更新される。そして、球が左側特図1始動口64又は右側特図1始動口71aに入賞(始動入賞)したタイミングで、左側特図1始動口64又は右側特図1始動口71a(第1特別図柄)に対応する第1保留球格納エリア203dに設けられた第1保留第1〜第4エリアのいずれかの第1保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1に格納される。また、球が特図2始動口74に入賞(始動入賞)したタイミングで、特図2始動口74(第2特別図柄)に対応する第2保留球格納エリア203eに設けられた第2保留第1〜第4エリアのいずれかの第2保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203e1に格納される。
大当たり乱数カウンタC1が大当たり又は小当たりとなる乱数の値は、各設定値毎に、主制御装置110のROM202に格納される各特別図柄に対応する大当たり乱数テーブル202aによって設定されている。つまり、第1保留球格納エリア203dの保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1に格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、第1特別図柄に対応する大当たり乱数テーブル202aによって各設定値ごとに設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、大当たりと判定され、小当たりとなる乱数の値と一致する場合に、小当たりと判定される。また、第2保留球格納エリア203eの保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203e1に格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、第2特別図柄に対応する大当たり乱数テーブル202aによって各設定値ごとに設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、大当たりと判定され、小当たりとなる乱数の値と一致する場合に、小当たりと判定される。なお、第4実施形態のパチンコ機10では、第1特別図柄に基づく大当たり判定及び小当たり判定と、第2特別図柄に基づく大当たり判定及び小当たり判定とで同一の大当たり乱数テーブル202aを使用するように構成されている。
ここで、図67を参照して、第4実施形態における各特別図柄に対応する大当たり乱数テーブル202aの詳細について説明する。図67は、ROM202に記憶される第1特別図柄および第2特別図柄における大当たり抽選で共通的に使用される大当たり乱数テーブル202aの一例を模式的に示した模式図である。
第4実施形態の大当たり乱数テーブル202aは、設定値「1」〜設定値「6」の各設定値毎にそれぞれ、遊技状態が「通常遊技状態」又は「時間短縮状態」である特別図柄の低確率状態の場合に使用される低確率状態用と、遊技状態が特別図柄の低確率状態より大当たりとなる確率の高い特別図柄の高確率状態である「確率変動状態」、「潜伏確率変動状態」又は「小当たり頻出確率変動状態」の場合に使用される高確率状態用との2種類ずつに分けられる。
そして、各設定値毎に、低確率状態用と高確率状態用とのそれぞれに含まれる大当たり乱数値の個数が異なって設定されている。また、低確率状態から高確率状態に変位させるために必要となる大当たり乱数値の個数の増加分を、ハズレに対応するハズレ乱数値の個数から補填するように構成されている。即ち、特別図柄の低確率状態から高確率状態に変位させるために大当たり乱数値の個数を増加させる場合、小当たり乱数値ではなくハズレ乱数値の個数を減少させ、その減少分を大当たり乱数値の個数として割り当てるように構成する。このように、遊技状態に応じて大当たり乱数値の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率状態と高確率状態とで、大当たりとなる確率が変更される。
一方、各特別図柄において、各設定値毎、並びに、低確率状態用と高確率状態用とのそれぞれに含まれる小当たり乱数値の個数が同一となるように設定されている。即ち、各特別図柄における小当たり乱数値の個数は、各設定値毎で同一の個数となるとともに、低確率状態および高確率状態で同一の個数となるように構成される。このように、小当たり乱数値の個数を、各特別図柄において、各設定値毎、並びに、低確率状態用及び高確率状態で同一とすることにより、各特別図柄におけるすべての設定値および遊技状態での小当たり遊技のみを考慮した遊技価値の付与割合が同等となる。
このように、第4実施形態のパチンコ機10では、第1特別図柄および第2特別図柄の低確率状態から高確率状態における大当たり乱数値の個数の増加分を、すべての設定値においてハズレ乱数値の個数から補うように構成する。また、第1特別図柄又は第2特別図柄の小当たり乱数値の個数を、設定値ごとに変化させないように構成する。即ち、設定変更に伴う大当たり乱数値の個数の増加分、および、各設定毎における低確率状態から高確率状態への変更に伴う大当たり乱数値の個数の増加分を、ハズレ乱数値の個数を減少させて、その減少分を大当たり乱数値に割り当てることで補填するとともに、第1特別図柄および第2特別図柄小当たり乱数値の個数は、第1特別図柄又は第2特別図柄設定毎に同一とする。このように構成することで、設定値毎の出玉率の計算を、大当たり乱数値の個数の増加分のみを考慮することで計算することが可能となり、遊技仕様の設計時における工数の増加を抑制することができる。
また、第4実施形態のパチンコ機10では、設定変更に伴う大当たり乱数値の個数の増加分を、大当たり乱数カウンタC1のうち、遊技者に遊技価値を付与しないハズレ役に対応するハズレ乱数値の個数から補填するように構成する。
ハズレ役は、大当たり役や小当たり役と異なり、遊技価値を付与しない役であるため、各パチンコ機10毎に設けられ、該パチンコ機10における遊技結果等を表示するデータランプ(図示せず)に明確に(大々的に)表示されない役である。ここで、仮に、データランプに明確に(大々的に)表示され易い大当たり遊技に対応する大当たり乱数値の個数と、小当たり遊技に対応する小当たり乱数値の個数とを設定毎にともに変更した場合、その大当たり遊技および小当たり遊技の2つの要素の出現率を遊技者がデータランプで一瞥(確認)することで、パチンコ機10の設定判別が推測され易くなってしまう。その結果、例えば、低設定(例えば、設定値「1」)に設定されたパチンコ機10の設定を遊技者に看破されてしまった場合、遊技者は該パチンコ機10で遊技を行わず、パチンコ機10の稼働が低下してしまうおそれがある。
そこで、確率設定値の設定変更に伴う大当たり乱数値の個数の増加分を、大当たり乱数カウンタC1のうち、遊技者に遊技価値を付与せず、データランプに明確に(大々的に)表示されないハズレ役に対応するハズレ乱数値の個数から補填するように構成することで、遊技者による設定判別要素を大当たりの出現割合のみとして、小当たりの出現率からはパチンコ機10の設定値を看破され難くすることができる。よって、確率設定値の判別要素を1つの乱数値に基づく役の出現率に限定し、例えば、出玉率の低い低設定(即ち、設定値「1」等)であっても遊技者に設定看破させずに遊技を継続させ、パチンコ機10の稼働を促進することができる。
さらに、第4実施形態のパチンコ機10では、特別図柄の高確率状態において、設定値が低いほど大当たりが発生し難く、設定値が高いほど大当たりが発生し易い構成であるため、「小当たり頻出確率変動状態」において、設定値が低いほど該「小当たり頻出確率変動状態」の滞在期間が長くなり易い。その結果、設定値が低いほど「小当たり頻出確率変動状態」において小当たりに当選する回数が多くなり易いため、「小当たり頻出確率変動状態」で付与される遊技価値が多くなる。よって、たとえ設定値が低い場合であっても「小当たり頻出確率変動状態」に突入することで、遊技者に付与され得る遊技価値を設定値が高い場合より多くすることが可能となる。従って、「小当たり頻出確率変動状態」を設けることで、設定差における有利不利を逆転させることができ、遊技のバリエーションを豊富にして、遊技の興趣向上を図ることができる。
図67で示すように、第4実施形態の大当たり乱数テーブル202aでは、設定値が「1」の場合、大当たり乱数テーブル202aにおける低確率状態で大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値(大当たり乱数値)の個数は50個で、その値「0〜49」が、大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)されている。つまり、設定値「1」の各特別図柄の低確率状態(即ち、「通常遊技状態」及び「時間短縮状態」)における大当たり確率は、50/10000=0.5/100(即ち、0.5%)となるように設定されている。
一方で、設定値が「1」の場合、大当たり乱数テーブル202aにおける高確率状態で大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値)の数は100個で、その値「0〜99」が、大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)されている。つまり、設定値「1」の各特別図柄の高確率状態(即ち、「確率変動状態」、「潜伏確率変動状態」及び「小当たり頻出確率変動状態」)における大当たり確率は、100/10000=1/100(即ち、1%)となり、特別図柄の高確率状態は、低確率状態から2倍大当たりし易いように設定されている。
また、設定値が「1」の場合、大当たり乱数テーブル202aにおける低確率状態および高確率状態で小当たりとなる乱数の値(小当たり乱数値)の数は、共に9800個で、低確率状態及び高確率状態のいずれの場合も、大当たり乱数値「200〜9999」が大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)されている。つまり、設定値「1」〜設定値「6」の第1特別図柄および第2特別図柄における小当たり確率は、いずれの遊技状態であっても9800/10000=98/100(即ち、98%)となり、特別図柄の低確率状態と高確率状態とで小当たりの当選確率が同等となるように設定されている。
よって、設定値が「1」の場合、大当たり乱数テーブル202aにおける低確率状態でハズレとなる乱数の値(ハズレ乱数値)の数は、大当たり乱数値及び小当たり乱数値以外の残りの150個で、その値「50〜199」が、大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)されている。また、高確率状態の場合にハズレとなる乱数の値(ハズレ乱数値)の数は、大当たり乱数値及び小当たり乱数値以外の残りの100個で、その値「100〜199」が、大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)されている。つまり、設定値「1」の各特別図柄の低確率状態(即ち、「通常遊技状態」及び「時間短縮状態」)におけるハズレ確率は、150/10000=1.5/100(即ち、1.5%)となるように設定され、各特別図柄の高確率状態(即ち、「確率変動状態」、「潜伏確率変動状態」及び「小当たり頻出確率変動状態」)におけるハズレ確率は、100/10000=1/100(即ち、1%)となるように設定されている。
即ち、設定値「1」において、各特別図柄の高確率状態における大当たり乱数値の個数の増加分を、「通常遊技状態」におけるハズレ乱数値の個数を減少させて、その減少分から補うように構成しつつ、低確率状態から高確率状態の増加分の大当たり乱数値の個数が「通常遊技状態」におけるハズレ乱数値の個数の範囲内(即ち、150個以下)となるように構成されている。
次いで、設定値が「2」の場合、大当たり乱数テーブル202aにおける低確率状態で大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値(大当たり乱数値)の個数は52個で、その値「0〜51」が、大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)されている。つまり、設定値「2」の各特別図柄の低確率状態(即ち、「通常遊技状態」及び「時間短縮状態」)における大当たり確率は、52/10000=0.52/100(即ち、0.52%)となるように設定されている。
一方で、設定値が「2」の場合、大当たり乱数テーブル202aにおける高確率状態で大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値)の数は120個で、その値「0〜119」が、大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)されている。つまり、設定値「2」の各特別図柄の高確率状態(即ち、「確率変動状態」、「潜伏確率変動状態」及び「小当たり頻出確率変動状態」)における大当たり確率は、120/10000=1.2/100(即ち、1.2%)となり、特別図柄の高確率状態は、低確率状態から約2.3倍大当たりし易いように設定されている。
また、設定値が「2」の場合、設定値「1」の場合と同様、大当たり乱数テーブル202aにおける低確率状態および高確率状態で小当たりとなる乱数の値(小当たり乱数値)の数は、共に9800個で、低確率状態及び高確率状態のいずれの場合も、大当たり乱数値「200〜9999」が大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)されている。
よって、設定値が「2」の場合、大当たり乱数テーブル202aにおける低確率状態でハズレとなる乱数の値(ハズレ乱数値)の数は、大当たり乱数値及び小当たり乱数値以外の残りの148個で、その値「52〜199」が、大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)されている。また、高確率状態の場合にハズレとなる乱数の値(ハズレ乱数値)の数は、大当たり乱数値及び小当たり乱数値以外の残りの80個で、その値「120〜199」が、大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)されている。つまり、設定値「2」の各特別図柄の低確率状態(即ち、「通常遊技状態」及び「時間短縮状態」)におけるハズレ確率は、148/10000=1.48/100(即ち、1.48%)となるように設定され、各特別図柄の高確率状態(即ち、「確率変動状態」、「潜伏確率変動状態」及び「小当たり頻出確率変動状態」)におけるハズレ確率は、80/10000=0.8/100(即ち、0.8%)となるように設定されている。
即ち、設定値「2」においても、設定値「1」の場合と同様、各特別図柄の高確率状態における大当たり乱数値の個数の増加分を、「通常遊技状態」におけるハズレ乱数値の個数を減少させて、その減少分から補うように構成しつつ、低確率状態から高確率状態の増加分の大当たり乱数値の個数が「通常遊技状態」におけるハズレ乱数値の個数の範囲内(即ち、150個以下)となるように構成されている。
従って、大当たり乱数テーブル202aにおける設定値「2」は、設定値「1」と比べて、大当たり確率が若干向上しており(低確率状態:0.5%→0.52%、高確率状態:1%→1.2%)、設定値「1」の場合より大当たり遊技が発生し易い設定である。
次いで、設定値が「3」の場合、大当たり乱数テーブル202aにおける低確率状態で大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値(大当たり乱数値)の個数は54個で、その値「0〜53」が、大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)されている。つまり、設定値「3」の各特別図柄の低確率状態(即ち、「通常遊技状態」及び「時間短縮状態」)における大当たり確率は、54/10000=0.54/100(即ち、0.54%)となるように設定されている。
一方で、設定値が「3」の場合、大当たり乱数テーブル202aにおける高確率状態で大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値)の数は140個で、その値「0〜139」が、大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)されている。つまり、設定値「3」の各特別図柄の高確率状態(即ち、「確率変動状態」、「潜伏確率変動状態」及び「小当たり頻出確率変動状態」)における大当たり確率は、140/10000=1.4/100(即ち、1.4%)となり、特別図柄の高確率状態は、低確率状態から約2.6倍大当たりし易いように設定されている。
また、設定値が「3」の場合、設定値「1」及び「2」の場合と同様、大当たり乱数テーブル202aにおける低確率状態および高確率状態で小当たりとなる乱数の値(小当たり乱数値)の数は、共に9800個で、低確率状態及び高確率状態のいずれの場合も、大当たり乱数値「200〜9999」が大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)されている。
よって、設定値が「3」の場合、大当たり乱数テーブル202aにおける低確率状態でハズレとなる乱数の値(ハズレ乱数値)の数は、大当たり乱数値及び小当たり乱数値以外の残りの146個で、その値「54〜199」が、大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)されている。また、高確率状態の場合にハズレとなる乱数の値(ハズレ乱数値)の数は、大当たり乱数値及び小当たり乱数値以外の残りの60個で、その値「140〜199」が、大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)されている。つまり、設定値「3」の各特別図柄の低確率状態(即ち、「通常遊技状態」及び「時間短縮状態」)におけるハズレ確率は、146/10000=1.46/100(即ち、1.46%)となるように設定され、各特別図柄の高確率状態(即ち、「確率変動状態」、「潜伏確率変動状態」及び「小当たり頻出確率変動状態」)におけるハズレ確率は、60/10000=0.6/100(即ち、0.6%)となるように設定されている。
即ち、設定値「3」においても、設定値「1」及び「2」の場合と同様、各特別図柄の高確率状態における大当たり乱数値の個数の増加分を、「通常遊技状態」におけるハズレ乱数値の個数を減少させて、その減少分から補うように構成しつつ、低確率状態から高確率状態の増加分の大当たり乱数値の個数が「通常遊技状態」におけるハズレ乱数値の個数の範囲内(即ち、150個以下)となるように構成されている。
従って、大当たり乱数テーブル202aにおける設定値「3」は、設定値「2」と比べて、大当たり確率が若干向上しており(低確率状態:0.52%→0.54%、高確率状態:1.2%→1.4%)、設定値「2」の場合より大当たり遊技が発生し易い設定である。
次いで、設定値が「4」の場合、大当たり乱数テーブル202aにおける低確率状態で大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値(大当たり乱数値)の個数は56個で、その値「0〜55」が、大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)されている。つまり、設定値「4」の各特別図柄の低確率状態(即ち、「通常遊技状態」及び「時間短縮状態」)における大当たり確率は、56/10000=0.56/100(即ち、0.56%)となるように設定されている。
一方で、設定値が「4」の場合、大当たり乱数テーブル202aにおける高確率状態で大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値)の数は160個で、その値「0〜159」が、大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)されている。つまり、設定値「4」の各特別図柄の高確率状態(即ち、「確率変動状態」、「潜伏確率変動状態」及び「小当たり頻出確率変動状態」)における大当たり確率は、160/10000=1.6/100(即ち、1.6%)となり、特別図柄の高確率状態は、低確率状態から約2.9倍大当たりし易いように設定されている。
また、設定値が「4」の場合、設定値「1」乃至「3」の場合と同様、大当たり乱数テーブル202aにおける低確率状態および高確率状態で小当たりとなる乱数の値(小当たり乱数値)の数は、共に9800個で、低確率状態及び高確率状態のいずれの場合も、大当たり乱数値「200〜9999」が大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)されている。
よって、設定値が「4」の場合、大当たり乱数テーブル202aにおける低確率状態でハズレとなる乱数の値(ハズレ乱数値)の数は、大当たり乱数値及び小当たり乱数値以外の残りの144個で、その値「56〜199」が、大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)されている。また、高確率状態の場合にハズレとなる乱数の値(ハズレ乱数値)の数は、大当たり乱数値及び小当たり乱数値以外の残りの40個で、その値「160〜199」が、大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)されている。つまり、設定値「4」の各特別図柄の低確率状態(即ち、「通常遊技状態」及び「時間短縮状態」)におけるハズレ確率は、144/10000=1.44/100(即ち、1.44%)となるように設定され、各特別図柄の高確率状態(即ち、「確率変動状態」、「潜伏確率変動状態」及び「小当たり頻出確率変動状態」)におけるハズレ確率は、40/10000=0.4/100(即ち、0.4%)となるように設定されている。
即ち、設定値「4」においても、設定値「1」乃至「3」の場合と同様、各特別図柄の高確率状態における大当たり乱数値の個数の増加分を、「通常遊技状態」におけるハズレ乱数値の個数を減少させて、その減少分から補うように構成しつつ、低確率状態から高確率状態の増加分の大当たり乱数値の個数が「通常遊技状態」におけるハズレ乱数値の個数の範囲内(即ち、150個以下)となるように構成されている。
従って、大当たり乱数テーブル202aにおける設定値「4」は、設定値「3」と比べて、大当たり確率が若干向上しており(低確率状態:0.54%→0.56%、高確率状態:1.4%→1.6%)、設定値「3」の場合より大当たり遊技が発生し易い設定である。
次いで、設定値が「5」の場合、大当たり乱数テーブル202aにおける低確率状態で大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値(大当たり乱数値)の個数は58個で、その値「0〜57」が、大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)されている。つまり、設定値「5」の各特別図柄の低確率状態(即ち、「通常遊技状態」及び「時間短縮状態」)における大当たり確率は、58/10000=0.58/100(即ち、0.58%)となるように設定されている。
一方で、設定値が「5」の場合、大当たり乱数テーブル202aにおける高確率状態で大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値)の数は180個で、その値「0〜179」が、大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)されている。つまり、設定値「5」の各特別図柄の高確率状態(即ち、「確率変動状態」、「潜伏確率変動状態」及び「小当たり頻出確率変動状態」)における大当たり確率は、180/10000=1.8/100(即ち、1.8%)となり、特別図柄の高確率状態は、低確率状態から約3.1倍大当たりし易いように設定されている。
また、設定値が「5」の場合、設定値「1」乃至「4」の場合と同様、大当たり乱数テーブル202aにおける低確率状態および高確率状態で小当たりとなる乱数の値(小当たり乱数値)の数は、共に9800個で、低確率状態及び高確率状態のいずれの場合も、大当たり乱数値「200〜9999」が大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)されている。
よって、設定値が「5」の場合、大当たり乱数テーブル202aにおける低確率状態でハズレとなる乱数の値(ハズレ乱数値)の数は、大当たり乱数値及び小当たり乱数値以外の残りの142個で、その値「58〜199」が、大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)されている。また、高確率状態の場合にハズレとなる乱数の値(ハズレ乱数値)の数は、大当たり乱数値及び小当たり乱数値以外の残りの20個で、その値「180〜199」が、大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)されている。つまり、設定値「5」の各特別図柄の低確率状態(即ち、「通常遊技状態」及び「時間短縮状態」)におけるハズレ確率は、142/10000=1.42/100(即ち、1.42%)となるように設定され、各特別図柄の高確率状態(即ち、「確率変動状態」、「潜伏確率変動状態」及び「小当たり頻出確率変動状態」)におけるハズレ確率は、20/10000=0.2/100(即ち、0.2%)となるように設定されている。
即ち、設定値「5」においても、設定値「1」乃至「4」の場合と同様、各特別図柄の高確率状態における大当たり乱数値の個数の増加分を、「通常遊技状態」におけるハズレ乱数値の個数を減少させて、その減少分から補うように構成しつつ、低確率状態から高確率状態の増加分の大当たり乱数値の個数が「通常遊技状態」におけるハズレ乱数値の個数の範囲内(即ち、150個以下)となるように構成されている。
従って、大当たり乱数テーブル202aにおける設定値「5」は、設定値「4」と比べて、大当たり確率が若干向上しており(低確率状態:0.56%→0.58%、高確率状態:1.6%→1.8%)、設定値「4」の場合より大当たり遊技が発生し易い設定である。
次いで、設定値が「6」の場合、大当たり乱数テーブル202aにおける低確率状態で大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値(大当たり乱数値)の個数は60個で、その値「0〜59」が、大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)されている。つまり、設定値「6」の各特別図柄の低確率状態(即ち、「通常遊技状態」及び「時間短縮状態」)における大当たり確率は、60/10000=0.6/100(即ち、0.6%)となるように設定されている。
一方で、設定値が「6」の場合、大当たり乱数テーブル202aにおける高確率状態で大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値)の数は200個で、その値「0〜199」が、大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)されている。つまり、設定値「6」の各特別図柄の高確率状態(即ち、「確率変動状態」、「潜伏確率変動状態」及び「小当たり頻出確率変動状態」)における大当たり確率は、200/10000=2/100(即ち、2%)となり、特別図柄の高確率状態は、低確率状態から約3.3倍大当たりし易いように設定されている。
また、設定値が「6」の場合、設定値「1」乃至「5」の場合と同様、大当たり乱数テーブル202aにおける低確率状態および高確率状態で小当たりとなる乱数の値(小当たり乱数値)の数は、共に9800個で、低確率状態及び高確率状態のいずれの場合も、大当たり乱数値「200〜9999」が大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)されている。
よって、設定値が「6」の場合、大当たり乱数テーブル202aにおける低確率状態でハズレとなる乱数の値(ハズレ乱数値)の数は、大当たり乱数値及び小当たり乱数値以外の残りの140個で、その値「60〜199」が、大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)されている。また、高確率状態の場合にハズレとなる乱数の値(ハズレ乱数値)は存在せず0個で、ハズレ乱数値に対応する値が、大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)されていない。つまり、設定値「6」の各特別図柄の低確率状態(即ち、「通常遊技状態」及び「時間短縮状態」)におけるハズレ確率は、140/10000=1.4/100(即ち、1.4%)となるように設定され、各特別図柄の高確率状態(即ち、「確率変動状態」、「潜伏確率変動状態」及び「小当たり頻出確率変動状態」)におけるハズレ確率は、0/10000=0/100(即ち、0%)となるように設定されている。
即ち、設定値「6」における特別図柄の高確率状態では、ハズレの抽選結果が導出されず、大当たり又は小当たりのいずれか一方のみが導出されるように構成されている。また、所謂高設定(例えば、設定値「4」や「5」)の特別図柄の高確率状態では、ハズレの抽選結果が所謂低設定(例えば、設定値「1」や「2」)より導出され難いように構成されている。このように構成することで、特別図柄の高確率状態中にハズレ結果が現出するか否かによって設定値を推測可能に構成し、例えば、「小当たり頻出確率変動状態」において第2特別図柄の抽選結果としてハズレ結果が導出され難いような場合は、設定値が良い(所謂、高設定である)ことを遊技者に示唆することが可能となる。よって、特別図柄の高確率状態中にハズレ結果が導出されるか否かという遊技性を創出し、遊技の興趣を向上することができる。
上述したように、大当たり乱数テーブル202aにおける設定値「6」は、設定値「5」と比べて、大当たり確率が若干向上しており(低確率状態:0.58%→0.6%、高確率状態:1.8%→2%)、設定値「5」の場合より大当たり遊技が発生し易い設定である。
このように、確率設定値ごとに大当たりの当選確率を変更して大当たりの当選し易さを変更することで、確率設定値ごとに出玉率を変更することが可能となり、遊技者に付与され得る遊技価値の多寡を変更できる。よって、パチンコ機10において行われる遊技の遊技性のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる。
図66に戻って、説明を続ける。大当たり種別カウンタC2は、大当たりとなった場合の大当たり種別を決定するものであり、所定の範囲(例えば、「0〜99」)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、「0〜99」の値を取り得るカウンタの場合は「99」)に達した後に「0」に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(第4実施形態では、タイマ割込処理(図88参照)毎に1回)更新される。
そして、球が左側特図1始動口64又は右側特図1始動口71aに入賞したタイミングで、左側特図1始動口64又は右側特図1始動口71aに対応して設けられたRAM203の第1保留球格納エリア203dの第1保留第1〜第4エリアのうち、大当たり乱数カウンタC1が格納される第1保留エリアと同じ第1保留エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203d2に格納される。また、球が特図2始動口74に入賞したタイミングで、特図2始動口74に対応して設けられたRAM203の第2保留球格納エリア203eの第2保留第1〜第4エリアのうち、大当たり乱数カウンタC1が格納される第2保留エリアと同じ第2保留エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203e2に格納される。
ここで、例えば、第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203e内の1の保留エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数(大当たり乱数値)又は小当たりとなる乱数(小当たり乱数値)でなければ、即ち、ハズレとなる乱数(ハズレ乱数値)であれば、変動演出における変動パターンや、停止図柄の種別(以下「停止種別」と称す)は、ハズレ時のものとなる。
一方で、第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203e内の1の保留エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数(大当たり乱数値)であれば、変動演出における変動パターンや停止種別は大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の変動パターンおよび停止種別は、同じ保留エリアに格納された大当たり種別カウンタC2の値が示す大当たり種別に対応して決定される。
なお、第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203e内の1の保留エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値が小当たりとなる乱数(小当たり乱数値)であれば、変動演出における変動パターンや停止種別は小当たり時のものとなる。第4実施形態において、小当たりの種別は1種類であるので、この場合、その小当たり時の変動パターンおよび停止種別は、同じ保留エリアに格納された大当たり種別カウンタC2の値を参照せず、固有の小当たり種別が決定される。
上述したように、第4実施形態のパチンコ機10における大当たり種別カウンタC2の値は、「0〜99」の範囲のループカウンタとして構成されて、該大当たり種別カウンタC2とROM202に格納された大当たり種別テーブル202bとに基づいて、大当たり種別が決定される。この大当たり種別テーブル202bには、第1特別図柄の第1抽選遊技で参照される特図1大当たり種別テーブル202b1と、第2特別図柄の第2抽選遊技で参照される特図2大当たり種別テーブル202b2とが設けられている。
ここで、図68及び図69を参照して、特図1大当たり種別テーブル202b1及び特図2大当たり種別テーブル202b2について説明する。図68は、ROM202に記憶される第1特別図柄に対応する特図1大当たり種別テーブル202b1の一例を模式的に示した図であり、図69は、同じくROM202に記憶される第2特別図柄に対応する特図2大当たり種別テーブル202b2の一例を模式的に示した図である。
第4実施形態のパチンコ機10では、本パチンコ機10のRAMクリアによる初期化以降において、特別図柄の大当たり回数が所定回数(第4実施形態では、10回。以下、該回数を「リミット回数」と称する場合がある)に到達する毎に、該所定回数到達時における大当たり終了後の遊技状態を、必ず特別図柄の低確率状態へ移行して、特別図柄の高確率状態への移行を禁止する機能(所謂、リミット(リミッタ)機能)が搭載されている。即ち、パチンコ機10のRAMクリアによる初期化以降、特別図柄の大当たり回数が10回に到達するごと(以下、特別図柄の大当たり回数がリミット回数に到達することを、「リミット到達時」と称する場合がある)には、大当たり終了後に特別図柄の高確率状態となる大当たり種別が選定されず(以下、大当たり終了後に特別図柄の高確率状態となる大当たり種別が選定されない事象を、「リミッタが作動」と称する場合がある)、大当たり終了後に特別図柄の低確率状態となる大当たり種別のみが選定され得るように構成されている。
一方、特別図柄の大当たり回数がリミットに到達していない場合、即ち、初期化後又はリミット到達後の大当たり回数が1回〜9回まで(以下、初期化後又はリミット到達後の特別図柄の大当たり回数が1回〜9回までを、「リミット到達前」と称する場合がある)は、大当たり終了後に特別図柄の高確率状態となる大当たり種別が選定され得るように構成されている。
このように構成することで、所定回数の大当たりが発生する毎に必ず特別図柄の低確率状態にすることができ、特別図柄の高確率状態が継続し続けて過度な大当たりの「連荘」が発生することを抑制することができる。その結果、遊技者が該パチンコ機10において継続的に遊技を行った場合に得られる球数の割合等(払出球数(セーフ球数)をアウト球数で割った数。所謂、機械割。以下、「出玉率」と称する場合がある)からかけ離れた遊技結果が現出するような事態を抑制することができ、遊技者に付与される遊技価値が高くなり過ぎないように構成できる。また、本パチンコ機10における出玉率を、リミッタ機能を有さない通常のパチンコ機の出玉率と同等にするために、「連荘」回数の制限による出玉率の低下分を、特別図柄の大当たりを発生し易くして補ったり、リミット到達前において特別図柄の高確率状態の継続率を高継続にしたりして補うことが可能となり、リミッタ機能を有さない通常のパチンコ機では為しえない多用な遊技性を実現することができる。
なお、「連荘」とは、遊技者にとって明確に有利な状態から、再び有利な状態が発生することであり、第4実施形態では、右打ち遊技が行われる「確率変動状態」、「時間短縮状態」又は「小当たり頻出確率変動状態」において、再度、いずれかの大当たりに当選した場合をいう。従って、右打ち遊技が行われ得る「確率変動状態」、「時間短縮状態」又は「小当たり頻出確率変動状態」中において大当たりに当選した場合は、「連荘」に該当し、「確率変動状態」、「時間短縮状態」又は「小当たり頻出確率変動状態」が終了した後の「通常遊技状態」や、「確率変動状態」か否かを報知されておらず、入賞補助機能も作動していない「潜伏確率変動状態」時、即ち、左打ち遊技時においていずれかの大当たりに当選した場合は、所謂「連荘」には該当しない(所謂「初回」の大当たりに該当する)。
図68及び図69に示すように、大当たり種別テーブル202bは、第1特別図柄用と第2特別図柄用とで分けられ、その中でさらに、大当たり回数のリミット到達前かリミット到達時かで分けられ、その中でさらに、該大当たりが発生した遊技状態とのグループに分けられ、そのグループの中で、特別図柄の種別(即ち、第1特別図柄か第2特別図柄か)と、該特別図柄の種別に応じた大当たり種別と、大当たり種別カウンタC2の値とが対応付けられたテーブルである。
第4実施形態のパチンコ機10では、大当たり種別として、最大ラウンド数が10ラウンドの大当たり後に、次回大当たりまでの間、特別図柄の大当たり確率が高確率状態となる一方、一旦、普通図柄の当たり確率が高確率状態となるものの、第2特別図柄の小当たり遊技の当選に基づいて共通大入賞口75が1回作動することで普通図柄の当たり確率が低確率状態となる「小当たり頻出確率変動状態」に対応する「確変A」と、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たり後に、次回大当たりまでの間、特別図柄の大当たり確率が高確率状態となるとともに、特別図柄の動的表示の実行回数が100回行われるまでの間、普通図柄の当たり確率が高確率状態となる「確率変動状態」に対応する「確変B」と、最大ラウンド数が10ラウンドの大当たり後に、特別図柄の大当たり確率は低確率状態であるものの、特別図柄の動的表示が100回実行されるまでの間、普通図柄の当たり確率が高確率状態となる「時間短縮状態」に対応する「時短A」と、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たり後に、特別図柄の大当たり確率は低確率状態であるものの、特別図柄の動的表示が100回実行されるまでの間、普通図柄の当たり確率が高確率状態となる「時間短縮状態」に対応する「時短B」とがある。
特図1大当たり種別テーブル202b1及び特図2大当たり種別テーブル202b2では、大当たりが発生した時点におけるリミット到達有無および遊技状態に基づいて選択され得る大当たり種別が異なるように構成され、それぞれ、各大当たり種別に対して、その大当たり種別を決定する大当たり種別カウンタC2の取り得る値が対応付けられている。
図68で示す特図1大当たり種別テーブル202b1の例では、リミット到達前であって、かつ、「通常遊技状態」において第1特別図柄の大当たりが発生した場合は、「確変A」に対して大当たり種別カウンタC2の値「0〜19」が対応付けられ、「確変B」に対して大当たり種別カウンタC2の値「20〜89」が対応付けられ、「時短A」に対して大当たり種別カウンタC2の値「90〜94」が対応付けられ、「時短B」に対して大当たり種別カウンタC2の値「95〜99」が対応付けられている。また、リミット到達前であって、かつ、「潜伏確率変動状態」、「確率変動状態」、「時間短縮状態」又は「小当たり頻出確率変動状態」において第1特別図柄の大当たりが発生した場合は、「確変A」に対して大当たり種別カウンタC2の値「0〜9」が対応付けられ、「確変B」に対して大当たり種別カウンタC2の値「10〜89」が対応付けられ、「時短A」に対して大当たり種別カウンタC2の値「90〜94」が対応付けられ、「時短B」に対して大当たり種別カウンタC2の値「95〜99」が対応付けられている。
即ち、リミット到達前の「通常遊技状態」における第1特別図柄の当否抽選において、第1保留球格納エリア203dのいずれかの第1保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1に格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値であった場合に、同じ第1保留エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203d2に格納された大当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別が特図1大当たり種別テーブル202b1から決定され、例えば、大当たり種別カウンタC2の値が「7」であれば、大当たり種別として「確変A」が決定され、大当たり種別カウンタC2の値が「25」であれば、大当たり種別として「確変B」が決定され、大当たり種別カウンタC2の値が「91」であれば、大当たり種別として「時短A」が決定され、大当たり種別カウンタC2の値が「96」であれば、大当たり種別として「時短B」が決定される。
一方、リミット到達前の「潜伏確率変動状態」、「確率変動状態」、「時間短縮状態」又は「小当たり頻出確率変動状態」における第1特別図柄の当否抽選において、第1保留球格納エリア203dのいずれかの第1保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1に格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値であった場合に、同じ第1保留エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203d2に格納された大当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別が特図1大当たり種別テーブル202b1から決定され、例えば、大当たり種別カウンタC2の値が「7」であれば、大当たり種別として「確変A」が決定され、大当たり種別カウンタC2の値が「12」であれば、大当たり種別として「確変B」が決定され、大当たり種別カウンタC2の値が「91」であれば、大当たり種別として「時短A」が決定され、大当たり種別カウンタC2の値が「96」であれば、大当たり種別として「時短B」が決定される。
従って、「通常遊技状態」において、リミット到達前に第1特別図柄の動的表示で大当たりに当選した場合に、「確変A」の大当たり種別が20%、「確変B」の大当たり種別が70%、「時短A」の大当たり種別が5%、「時短B」の大当たり種別が5%、の割合で当選することとなる。また、「潜伏確率変動状態」、「確率変動状態」、「時間短縮状態」又は「小当たり頻出確率変動状態」において、リミット到達前に第1特別図柄の動的表示で大当たりに当選した場合には、「確変A」の大当たり種別が10%、「確変B」の大当たり種別が80%、「時短A」の大当たり種別が5%、「時短B」の大当たり種別が5%、の割合で当選することとなる。
よって、リミット到達前における「通常遊技状態」と、「潜伏確率変動状態」、「確率変動状態」、「時間短縮状態」又は「小当たり頻出確率変動状態」とでは、同じ90%の確率で特別図柄の高確率状態が付与されるものの、「通常遊技状態」の方が大当たり種別「確変A」が選択され易く(20%>10%)、その分、大当たり種別「確変B」が選択され難く(70%<80%)構成されている。また、「通常遊技状態」と、「潜伏確率変動状態」、「確率変動状態」、「時間短縮状態」又は「小当たり頻出確率変動状態」とでは、同じ10%の確率で「時間短縮状態」が付与され、大当たり種別「時短A」と大当たり種別「時短B」とが同等の選択割合(それぞれ5%)で選択される。
遊技状態として、特別図柄が高確率状態でもなく入賞補助機能を有さない「通常遊技状態」より、特別図柄が高確率状態か入賞補助機能を有する「潜伏確率変動状態」、「確率変動状態」、「時間短縮状態」又は「小当たり頻出確率変動状態」の方が、遊技者にとって有利な遊技状態であるため、「通常遊技状態」では、「潜伏確率変動状態」、「確率変動状態」、「時間短縮状態」又は「小当たり頻出確率変動状態」より特別図柄の大当たりが発生した場合に、最も有利な大当たり種別である「確変A」が選択され易いように構成されている。
次いで、図68で示す特図1大当たり種別テーブル202b1の例では、リミット到達時において第1特別図柄の大当たりが発生した場合は、すべての遊技状態(即ち、「通常遊技状態」、「潜伏確率変動状態」、「確率変動状態」、「時間短縮状態」又は「小当たり頻出確率変動状態」。以下、同様。)において、リミット到達前の「潜伏確率変動状態」、「確率変動状態」、「時間短縮状態」又は「小当たり頻出確率変動状態」では「確変A」に対応していた大当たり種別カウンタC2の値「0〜9」が「時短A」として対応付けられ、リミット到達前の「潜伏確率変動状態」、「確率変動状態」、「時間短縮状態」又は「小当たり頻出確率変動状態」では「確変B」に対応していた大当たり種別カウンタC2の値「10〜89」が「時短B」として対応付けられ、リミット到達前のすべての遊技状態において「時短A」に対応していた大当たり種別カウンタC2の値「90〜94」がそのまま「時短A」として対応付けられ、リミット到達前のすべての遊技状態において「時短B」に対応していた大当たり種別カウンタC2の値「95〜99」がそのまま「時短B」として対応付けられている。
即ち、リミット到達時のすべての遊技状態における第1特別図柄の当否抽選において、第1保留球格納エリア203dのいずれかの第1保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1に格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値であった場合に、同じ第1保留エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203d2に格納された大当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別が特図1大当たり種別テーブル202b1から決定され、例えば、大当たり種別カウンタC2の値が「7」や「94」であれば、大当たり種別として「時短A」が決定され、大当たり種別カウンタC2の値が「11」や「95」であれば、大当たり種別として「時短B」が決定される。
従って、すべての遊技状態において、リミット到達時に第1特別図柄の動的表示で大当たりに当選した場合に、「時短A」の大当たり種別が15%、「時短B」の大当たり種別が85%、の割合で当選することとなる。
よって、リミット到達前において第1特別図柄の当否抽選において特別図柄の高確率状態を発生する大当たり種別(即ち、大当たり種別「確変A」又は「確変B」)が、リミット到達時には、少なくとも特別図柄の低確率状態を発生する大当たり種別(即ち、大当たり種別「時短A」又は「時短B」)に置き換わるように構成されている。このため、次の大当たりが発生するとリミットに到達するという状況で、左打ち遊技を行って第1特別図柄の動的表示を実行させる状態(即ち、「通常遊技状態」又は「潜伏確率変動状態」)であった場合、大当たりに当選したとしても「確率変動状態」へは移行されず「時間短縮状態」へと移行されるため、リミット到達前と比べて遊技者にとって不利な(有利度が低い。以下、同様。)遊技結果が導出され易い構成となっている。
このように、リミット到達時において選定される第1特別図柄の大当たりに基づく大当たり種別において、すべての大当たりにおいて「時間短縮状態」を発生させて「時短機能」を付加するように構成する。このように構成することで、リミットに到達した場合の大当たり後であっても、「時短機能」が作動している間に、再び大当たり種別「確変A」や「確変B」の特別図柄の高確率状態を発生させる大当たりに当選させることで、連荘状態を再び発生させるか否かをいう遊技性を創出し、遊技の興趣向上を図ることができる。
次に、図69で示す特図2大当たり種別テーブル202b2の例では、リミット到達前であって、かつ、すべての遊技状態(即ち、「通常遊技状態」、「潜伏確率変動状態」、「確率変動状態」、「時間短縮状態」又は「小当たり頻出確率変動状態」)において第2特別図柄の大当たりが発生した場合は、「確変A」に対して大当たり種別カウンタC2の値「0〜79」が対応付けられ、「確変B」に対して大当たり種別カウンタC2の値「80〜89」が対応付けられ、「時短A」に対して大当たり種別カウンタC2の値「90〜94」が対応付けられ、「時短B」に対して大当たり種別カウンタC2の値「95〜99」が対応付けられている。
即ち、リミット到達前のすべての遊技状態における第2特別図柄の当否抽選において、第2保留球格納エリア203eのいずれかの第2保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203e1に格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値であった場合に、同じ第2保留エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203e2に格納された大当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別が特図2大当たり種別テーブル202b2から決定され、例えば、大当たり種別カウンタC2の値が「7」であれば、大当たり種別として「確変A」が決定され、大当たり種別カウンタC2の値が「83」であれば、大当たり種別として「確変B」が決定され、大当たり種別カウンタC2の値が「93」であれば、大当たり種別として「時短A」が決定され、大当たり種別カウンタC2の値が「98」であれば、大当たり種別として「時短B」が決定される。
従って、すべての遊技状態において、リミット到達前に第2特別図柄の動的表示で大当たりに当選した場合に、「確変A」の大当たり種別が80%、「確変B」の大当たり種別が10%、「時短A」の大当たり種別が5%、「時短B」の大当たり種別が5%、の割合で当選することとなる。
よって、リミット到達前において、第2特別図柄における大当たり種別「確変A」の選択割合は80%で構成される。これにより、実質的に「小当たり頻出確率変動状態」でのみ抽選され得る第2特別図柄において、リミット到達前におけるすべての遊技状態では、多くの遊技価値が付与(即ち、10ラウンドの大当たり)され、かつ、大当たり状態後の遊技状態が、次回大当たりまで第2特別図柄の小当たり遊技が頻出する大当たり種別「確変A」が付与され易い遊技状態となる。
次いで、図69で示す特図2大当たり種別テーブル202b2の例では、リミット到達時において第2特別図柄の大当たりが発生した場合は、いずれの遊技状態であっても、リミット到達前では「確変A」に対応していた大当たり種別カウンタC2の値「0〜79」が「時短A」として対応付けられ、リミット到達前では「確変B」に対応していた大当たり種別カウンタC2の値「80〜89」が「時短B」として対応付けられ、リミット到達前では「時短A」に対応していた大当たり種別カウンタC2の値「90〜94」がそのまま「時短A」として対応付けられ、リミット到達前では「時短B」に対応していた大当たり種別カウンタC2の値「95〜99」がそのまま「時短B」として対応付けられている。
即ち、リミット到達時のすべての遊技状態における第2特別図柄の当否抽選において、第2保留球格納エリア203eのいずれかの第2保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203e1に格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値であった場合に、同じ第2保留エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203e2に格納された大当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別が特図2大当たり種別テーブル202b2から決定され、例えば、大当たり種別カウンタC2の値が「7」や「94」であれば、大当たり種別として「時短A」が決定され、大当たり種別カウンタC2の値が「11」や「95」であれば、大当たり種別として「時短B」が決定される。
従って、すべての遊技状態において、リミット到達時に第2特別図柄の動的表示で大当たりに当選した場合に、「時短A」の大当たり種別が15%、「時短B」の大当たり種別が85%、の割合で当選することとなる。
よって、リミット到達前において第2特別図柄の当否抽選において特別図柄の高確率状態を発生する大当たり種別(即ち、大当たり種別「確変A」又は「確変B」)が、リミット到達時には、特別図柄の高確率状態を発生しない一方普通図柄の高確率状態のみを発生する大当たり種別(即ち、大当たり種別「時短A」又は「時短B」)に置き換わるように構成されている。このため、次の大当たりが発生するとリミットに到達するという状況で、右打ち遊技を行って第2特別図柄の動的表示を実行させる状態(即ち、「小当たり頻出確率変動状態」)であった場合に、大当たりに当選したときは、第1特別図柄でリミット回数に到達した場合より多くのラウンドが実行される「時短A」が付与され易いように構成されているため、リミット到達時には、第1特別図柄において大当たりに当選するより、第2特別図柄において大当たりに当選した方が遊技者にとって有利な結果となる。このため、リミット到達時には、「小当たり頻出確率変動状態」に滞在しているかで遊技結果が左右するため、遊技者は、如何にしてリミット到達時より前に「小当たり頻出確率変動状態」に突入させるかという遊技性を創出し、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、リミット到達時において選定される第2特別図柄の大当たりに基づく大当たり種別において、すべての大当たりにおいて「時間短縮状態」を発生させて「時短機能」を付加するように構成する。このように構成することで、リミットに到達した場合の大当たり後であっても、「時短機能」が作動している間に、再び大当たり種別「確変A」や「確変B」の特別図柄の高確率状態を発生させる大当たりに当選させることで、連荘状態を再び発生させるか否かをいう遊技性を創出し、遊技の興趣向上を図ることができる。
なお、第4実施形態のパチンコ機10において、所謂、左打ち遊技の実行が奨励される「通常遊技状態」及び「潜伏確率変動状態」、或いは、右打ち遊技の実行が奨励される「確率変動状態」及び「時間短縮状態」では、特図2始動口74に球を入賞させることが困難に構成されている。換言すると、「小当たり頻出確率変動状態」でのみ、特図2始動口74に球が入賞され得るように構成されている。しかし、遊技者は、「通常遊技状態」又は「潜伏確率変動状態」では、左打ち遊技を行って第1特別図柄の動的表示に基づく遊技を実行し得るように構成されているが、右打ち遊技を行って、発射禁止報知がなされるものの、第2特別図柄の動的表示に基づく遊技も実行し得るように構成されている。従って、特図1大当たり種別テーブル202b1及び特図2大当たり種別テーブル202b2では、上記事象に対応すべく、各遊技状態のそれぞれに対して大当たり種別カウンタC2の値が対応付けられている。
また、大当たりとなった場合にそれぞれの大当たり種別が選択される確率は、機種によって適宜設定される。そして、その設定された確率に応じて、大当たり種別テーブル202bにて、各大当たり種別に対して対応付けられる大当たり種別カウンタC2の値が規定される。
さらに、大当たり種別が選択される確率は、パチンコ機10の遊技状態に応じて変更されてもよい。この場合、各遊技状態に対応する大当たり種別テーブル202bを用意し、それぞれの大当たり種別テーブル202bにおいて、各大当たり種別に対して対応付ける大当たり種別カウンタC2の値の数を変更すればよい。
ここで、図70を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10における遊技状態における遊技態様(発射態様)と、各遊技状態において当選した各大当たり種別等に基づく遊技状態の変遷(所謂、ゲームフロー)について説明する。図70は、パチンコ機10における遊技状態別の遊技仕様示した図である。なお、図70は、各遊技状態において奨励されている発射態様に基づく遊技状態の遷移を図示しており、各遊技状態において奨励されていない発射態様(例えば、「小当たり頻出確率変動状態」における左打ち遊技による第1特別図柄の変動演出)に基づく遊技状態の遷移は、イレギュラーなケースであるため、その図示および説明を省略する。
第4実施形態のパチンコ機10では、上述したように、「通常遊技状態」、「潜伏確率変動状態」、「確率変動状態」、「時間短縮状態」及び「小当たり頻出確率変動状態」の5つの遊技状態が設けられている。遊技者は、滞在している遊技状態において、入賞し得る、或いは、入賞し易い左側特図1始動口64、右側特図1始動口71a又は特図2始動口74(以下、左側特図1始動口64、右側特図1始動口71a又は特図2始動口74を、単に「始動口64,71a,74」と称する場合がある)に対して球を発射し、いずれかの始動口64,71a,74に球を入賞させた場合に実行される特別図柄の動的表示において大当たり又は小当たり(「小当たり頻出確率変動状態」に限る)が発生するか否かに注目しながら遊技を行う。
第4実施形態のパチンコ機10の初期状態では、まず、「通常遊技状態」において遊技が開始される。この「通常遊技状態」は、パチンコ機10の初期状態のほか、「時間短縮状態」の終了に基づいて移行される遊技状態である。この「通常遊技状態」は、いずれかの特別図柄において大当たりに当選した場合に終了するように構成されている。また、「通常遊技状態」では、いずれの特別図柄の大当たり確率が低確率状態となっており、「確率変動状態」等より大当たりが発生し難い状態となっている。さらに、「通常遊技状態」では、普通図柄の当たり確率が低確率状態となっており、また、入賞補助機能が作動しておらず(所謂、電サポ無し状態)、右側特図1始動口71aへ球を入賞させ難い状態となっている。このため、遊技者は、「通常遊技状態」において、左打ち遊技を行って左側特図1始動口64に向けて球を発射して、第1特別図柄の動的表示において大当たりを発生させることを目指して遊技を行う。そして、左側特図1始動口64へ球が入賞し、該入賞に基づく第1特別図柄の動的表示において大当たりが発生した場合、該大当たりの大当たり種別に応じて大当たり終了後の移行先の遊技状態が決定される。
また、第1特別図柄の動的表示が第2特別図柄の動的表示より実行され易い「通常遊技状態」では、第1特別図柄の動的表示の変動時間が最短で5秒、最長でも120秒実行されるように構成されている一方、第2特別図柄の動的表示の変動時間が一律600秒で実行されるように構成されている。第4実施形態のパチンコ機10では、第1特別図柄の動的表示と第2特別図柄の動的表示とを同時並列的に実行可能に構成されているが、第2特別図柄の動的表示の変動時間を第1特別図柄の動的表示の変動時間より遥かに長い時間(120秒<600秒)に設定することで、仮に、「通常遊技状態」において第2特別図柄の動的表示が実行された場合であっても第1特別図柄の動的表示を先に停止させ易く構成される。なお、第1特別図柄の動的表示の変動時間、及び、第2特別図柄の動的表示の変動時間の詳細については、後述する。
ここで、第4実施形態のパチンコ機10では、上述したように、第1特別図柄の動的表示と第2特別図柄の動的表示とを同時並行的に実行可能に構成されているが、一方の特別図柄(例えば、第1特別図柄)の動的表示において大当たり又は小当たりに当選していた場合に、他方の特別図柄(例えば、第2特別図柄)の動的表示でも大当たり又は小当たりに当選していたとき、先に動的表示が停止する特別図柄の大当たり又は小当たりを優先し、該優先した大当たり又は小当たりの当選結果を以って、後に動的表示が停止する特別図柄の大当たり又は小当たりを中止(消滅)させるように構成されている。このように構成することで、各特別図柄による大当たり又は小当たりが同時並行的に発生してしまうことで、共通大入賞口75の開放制御が複雑化してしまうことを未然に防止し、遊技者に理解し易い遊技性を提供できる。そして、「通常遊技状態」では、第2特別図柄の動的表示に基づく大当たり又は小当たりを、先に導出され易い第1特別図柄の動的表示に基づく大当たり又は小当たりによって消滅させ、第1特別図柄の動的表示に基づく大当たり又は小当たりに基づく遊技価値の付与を優先させることが可能となる。
なお、上述したように、「通常遊技状態」では、左打ち遊技が奨励される一方、右打ち遊技が禁止され、仮に、右打ち遊技が実行された場合には、該右打ち遊技により発射された球によるスルーゲート67の通過に起因して、右打ち禁止報知を行うように構成されている。
また、第4実施形態のパチンコ機10において、特別図柄の動的表示に基づく各大当たり状態では、特別図柄の動的表示の実行が禁止されて、その実行が保留された状態となる一方、普通図柄の可変表示が実行可能な状態となる。この状態における普通図柄の当たり確率や普通電役71bの動作態様は、「通常遊技状態」と同等の状態(即ち、低確率状態であって、非開放延長状態)となるように構成されている。このため、第4実施形態のパチンコ機10では、大当たり遊技中、普通電役71bが非開放延長状態であるので、右側特図1ユニット71の正面視右側の右側流路に球が流下し得て、特図2始動口74に球が入賞し得るように構成されている。ただし、「小当たり頻出確率変動状態」以外の他の遊技状態では、第2特別図柄の動的表示より第1特別図柄の動的表示が先に停止され易く構成されているとともに、第1特別図柄の動的表示においても小当たり遊技が頻出(約98%)するため、該第1特別図柄の小当たり遊技の当選に基づいて、大当たり中に保留された第2特別図柄の動的表示を消滅させることができる。
次いで、「潜伏確率変動状態」は、大当たり種別「確変B」の大当たり終了後に発生する「確率変動状態」において、大当たりが発生せずにいずれかの特別図柄(実質的には第1特別図柄)の動的表示が100回実行された後、移行される遊技状態である。この「潜伏確率変動状態」は、いずれかの特別図柄において大当たりに当選した場合に終了するように構成されている。また、「潜伏確率変動状態」では、いずれの特別図柄の大当たり確率が高確率状態となっており、「通常遊技状態」等より大当たりが発生し易い状態となっている。さらに、「潜伏確率変動状態」では、「通常遊技状態」と同様、普通図柄の当たり確率が低確率状態となっており、また、入賞補助機能が作動しておらず(所謂、電サポ無し状態)、右側特図1始動口71aへ球を入賞させ難い状態となっている。このため、遊技者は、「潜伏確率変動状態」において、「通常遊技状態」と同様、左打ち遊技を行って左側特図1始動口64に向けて球を発射して、第1特別図柄の動的表示において大当たりを発生させることを目指して遊技を行う。そして、左側特図1始動口64へ球が入賞し、該入賞に基づく第1特別図柄の動的表示において大当たりが発生した場合、該大当たりの大当たり種別に応じて大当たり終了後の移行先の遊技状態が決定される。
また、第1特別図柄の動的表示が第2特別図柄の動的表示より実行され易い「潜伏確率変動状態」では、「通常遊技状態」と同様、第1特別図柄の動的表示の変動時間が最短で5秒、最長でも120秒実行されるように構成されている一方、第2特別図柄の動的表示の変動時間が一律600秒で実行されるように構成されている。よって、第2特別図柄の動的表示の変動時間を第1特別図柄の動的表示の変動時間より遥かに長い時間(120秒<600秒)に設定することで、仮に、「潜伏確率変動状態」において第2特別図柄の動的表示が実行された場合であっても第1特別図柄の動的表示を先に停止させ易く構成される。
さらに、「潜伏確率変動状態」では、「通常遊技状態」と同様、第2特別図柄の動的表示に基づく大当たり又は小当たりを、先に導出され易い第1特別図柄の動的表示に基づく大当たり又は小当たりによって消滅させ、第1特別図柄の動的表示に基づく大当たり又は小当たりに基づく遊技価値の付与を優先させることが可能となる。
第4実施形態のパチンコ機10では、「潜伏確率変動状態」における演出態様(例えば、第3図柄表示装置81における変動演出の内容)と、「通常遊技状態」における演出態様とを同様の内容で実行し、該演出態様を視認したのみではいずれの遊技状態かを遊技者に判別困難又は不可となるように構成している。そして、「確率変動状態」を発生させる大当たり種別「確変B」に当選した場合であっても、「時間短縮状態」を発生させる大当たり種別「時短B」と同様の演出が実行されるパターン(所謂、ダミー時短状態)を設けることで、ダミー時短状態が終了した後に「潜伏確率変動状態」であるにもかかわらず「通常遊技状態」と同様の演出を実行することで、「時間短縮状態」が終了した後に、遊技者にいずれの遊技状態かを推測させる遊技性を創出できる。よって、見た目上の「時間短縮状態」が終了した場合であっても、「潜伏確率変動状態」かもしれないと遊技者に推測させ、遊技を継続させることで、パチンコ機10の稼働状況を向上させつつ、遊技の興趣向上を図ることができる。
なお、上述したように、「潜伏確率変動状態」では、「通常遊技状態」と同様、左打ち遊技が奨励される一方、右打ち遊技が禁止され、仮に、右打ち遊技が実行された場合には、該右打ち遊技により発射された球によるスルーゲート67の通過に起因して、右打ち禁止報知を行うように構成されている。
次いで、「時間短縮状態」は、大当たり種別「時短A」又は「時短B」の大当たり終了後に移行される遊技状態である。この「時間短縮状態」は、いずれかの特別図柄において大当たりに当選した場合、又は、大当たり終了後にいずれかの特別図柄の動的表示が100回実行された場合に、終了するように構成されている。また、「時間短縮状態」では、いずれの特別図柄大当たり確率が、低確率状態となっており、「通常遊技状態」と同様、「確率変動状態」等より大当たりが発生し難い状態となっている。一方、「時間短縮状態」では、普通図柄の当たり確率が高確率状態となっており、また、入賞補助機能が作動しており(所謂、電サポ有り状態。普通図柄の可変表示時間が短い、かつ、普通電役71bの開放時間が長い)、右打ち遊技を行うことによって右側特図1始動口71aへ球を入賞させ易い状態となっている。このため、遊技者は、「時間短縮状態」の間、右打ち遊技を行ってスルーゲート67および右側特図1始動口71aに向けて球を発射して、第1特別図柄の動的表示における大当たりを発生させることを目指して遊技を行う。そして、右側特図1始動口71aへ球が入賞し、該入賞に基づく第1特別図柄の動的表示において大当たりが発生した場合、該大当たりの大当たり種別に応じて移行先の遊技状態が決定される。
また、第1特別図柄の動的表示が第2特別図柄の動的表示より実行され易い「時間短縮状態」では、「通常遊技状態」及び「潜伏確率変動状態」と同様、第1特別図柄の動的表示の変動時間が最短で5秒、最長でも120秒実行されるように構成されている一方、第2特別図柄の動的表示の変動時間が一律600秒で実行されるように構成されている。よって、第2特別図柄の動的表示の変動時間を第1特別図柄の動的表示の変動時間より遥かに長い時間(120秒<600秒)に設定することで、仮に、「時間短縮状態」において第2特別図柄の動的表示が実行された場合であっても第1特別図柄の動的表示を先に停止させ易く構成される。
さらに、「時間短縮状態」では、「通常遊技状態」等と同様、第2特別図柄の動的表示に基づく大当たり又は小当たりを、先に導出され易い第1特別図柄の動的表示に基づく大当たり又は小当たりによって消滅させ、第1特別図柄の動的表示に基づく大当たり又は小当たりに基づく遊技価値の付与を優先させることが可能となる。
なお、上述したように、「時間短縮状態」では、右打ち遊技が奨励され、遊技者に対して右打ち遊技を促す右打ち示唆報知を行うように構成されている。
次いで、「確率変動状態」は、大当たり種別「確変B」の大当たり終了後に移行される遊技状態である。この「確率変動状態」は、いずれかの特別図柄において大当たりに当選した場合、又は、大当たり終了後にいずれかの特別図柄の動的表示が100回実行された場合(この場合は「潜伏確率変動状態」に移行)に、終了するように構成されている。また、「確率変動状態」では、いずれの特別図柄の大当たり確率が高確率状態となっており、「潜伏確率変動状態」と同様、「通常遊技状態」等より特別図柄の大当たりが発生し易い状態となっている。さらに、「確率変動状態」では、普通図柄の当たり確率が高確率状態となっており、また、入賞補助機能が作動しており(所謂、電サポ有り状態。普通図柄の可変表示時間が短い、かつ、普通電役71bの開放時間が長い)、右打ち遊技を行うことによって右側特図1始動口71aへ球を入賞させ易い状態となっている。このため、遊技者は、「確率変動状態」の間、右打ち遊技を行ってスルーゲート67および右側特図1始動口71aに向けて球を発射して、第1特別図柄の動的表示における大当たりを発生させることを目指して遊技を行う。そして、右側特図1始動口71aへ球が入賞し、該入賞に基づく第1特別図柄の動的表示において大当たりが発生した場合、該大当たりの大当たり種別に応じて移行先の遊技状態が決定される。
また、第1特別図柄の動的表示が第2特別図柄の動的表示より実行され易い「確率変動状態」では、「通常遊技状態」等と同様、第1特別図柄の動的表示の変動時間が最短で5秒、最長でも120秒実行されるように構成されている一方、第2特別図柄の動的表示の変動時間が一律600秒で実行されるように構成されている。よって、第2特別図柄の動的表示の変動時間を第1特別図柄の動的表示の変動時間より遥かに長い時間(120秒<600秒)に設定することで、仮に、「確率変動状態」において第2特別図柄の動的表示が実行された場合であっても第1特別図柄の動的表示を先に停止させ易く構成される。
さらに、「確率変動状態」では、「通常遊技状態」等と同様、第2特別図柄の動的表示に基づく大当たり又は小当たりを、先に導出され易い第1特別図柄の動的表示に基づく大当たり又は小当たりによって消滅させ、第1特別図柄の動的表示に基づく大当たり又は小当たりに基づく遊技価値の付与を優先させることが可能となる。
なお、上述したように、「確率変動状態」では、「時間短縮状態」と同様、右打ち遊技が奨励され、遊技者に対して右打ち遊技を促す右打ち示唆報知を行うように構成されている。
次いで、「小当たり頻出確率変動状態」は、大当たり種別「確変A」の大当たり終了後に移行される遊技状態である。この「小当たり頻出確率変動状態」は、いずれかの特別図柄において大当たりに当選した場合に終了するように構成されている。また、「小当たり頻出確率変動状態」では、いずれの特別図柄の大当たり確率が高確率状態となっており、「確率変動状態」等と同様、「通常遊技状態」等より特別図柄の大当たりが発生し易い状態となっている。さらに、「小当たり頻出確率変動状態」では、大当たり終了後に「時短機能」が付与され、普通図柄の当たり確率が一旦、高確率状態に設定されるが、後述する時短終了条件のうちの1の条件(即ち、第2特別図柄の小当たり遊技に基づく共通大入賞口75の1の開放(作動))が成立することで、「時短機能」が終了し、普通図柄の当たり確率が直ちに(第2特別図柄の小当たり遊技当選後に)低確率状態へと移行する。よって、「小当たり頻出確率変動状態」では、実質的に普通図柄の当たり確率が低確率状態となっており、また、入賞補助機能が作動していない(所謂、電サポ無し状態)ため、右打ち遊技を行っても右側特図1始動口71aに球が入賞し難く、右打ち遊技で発射された球が普通電役71bの上面を転動して、右側特図1ユニット71の正面視右側の右側流路を流下する。そして、右側特図1ユニット71の正面視右側の右側流路を流下した球は、第1流路部材72及び第2流路部材73の間を流下して、特図2始動口74又は共通大入賞口75側へと流下し、特図2始動口74に球が入賞し得る状態となっている。このため、遊技者は、「小当たり頻出確率変動状態」の間、右打ち遊技を行って特図2始動口74及び共通大入賞口75に向けて球を発射して、第2特別図柄の動的表示における小当たり(及び大当たり)を発生させることを目指して遊技を行う。そして、特図2始動口74へ球が入賞し、該入賞に基づく第2特別図柄の動的表示において小当たりが発生した場合、該小当たり遊技の当選に基づいて共通大入賞口75が所定回数(即ち、3回)、所定期間(即ち、3秒)の間、開放されて球が入賞可能な状態となり、開放されている共通大入賞口75に右打ち遊技で発射された球を入賞させることで、遊技者に所定の遊技価値(即ち、15個の賞球/1入賞)が付与される。
また、第2特別図柄の動的表示が第1特別図柄の動的表示より実行され易い「小当たり頻出確率変動状態」では、「通常遊技状態」等と異なり、第2特別図柄の動的表示の変動時間が最短で5秒、最長でも120秒実行されるように構成されている一方、第1特別図柄の動的表示の変動時間が一律600秒で実行されるように構成されている。よって、第1特別図柄の動的表示の変動時間を第2特別図柄の動的表示の変動時間より遥かに長い時間(120秒<600秒)に設定することで、仮に、「小当たり頻出確率変動状態」において第1特別図柄の動的表示が実行された場合であっても第2特別図柄の動的表示を先に停止させ易く構成される。
さらに、上述したように、一方の特別図柄(例えば、第2特別図柄)の動的表示において大当たり又は小当たりに当選していた場合に、他方の特別図柄(例えば、第1特別図柄)の動的表示でも大当たり又は小当たりに当選していたとき、先に動的表示が停止する特別図柄の大当たり又は小当たりを優先し、該優先した大当たり又は小当たりの当選結果を以って、後に動的表示が停止する特別図柄の大当たり又は小当たりを中止(消滅)させるように構成されている。このように構成することで、各特別図柄による大当たり又は小当たりが同時並行的に発生してしまうことで、共通大入賞口75の開放制御が複雑化してしまうことを未然に防止し、遊技者に理解し易い遊技性を提供できる。そして、「小当たり頻出確率変動状態」では、「通常遊技状態」等と異なり、第1特別図柄の動的表示に基づく大当たり又は小当たりを、先に導出され易い第2特別図柄の動的表示に基づく大当たり又は小当たりによって消滅させ、第2特別図柄の動的表示に基づく大当たり又は小当たりに基づく遊技価値の付与を優先させることが可能となる。
その結果、「通常遊技状態」や「確率変動状態」、「時間短縮状態」で、第1特別図柄の動的表示の保留球数が溜まっている状態(例えば、第1特別図柄の動的表示の保留数4個)で「小当たり頻出確率変動状態」に突入した場合であっても、第1特別図柄の動的表示が確定表示されるより前に第2特別図柄の動的表示において小当たり遊技が頻出することで、保留されている第1特別図柄の動的表示における大当たり遊技及び小当たり遊技を消滅させることができる。
なお、上述したように、「小当たり頻出確率変動状態」では、「時間短縮状態」及び「確率変動状態」と同様、右打ち遊技が奨励され、遊技者に対して右打ち遊技を促す右打ち示唆報知を行うように構成されている。
また、「小当たり頻出確率変動状態」から「確率変動状態」又は「時間短縮状態」に移行する場合、即ち、「小当たり頻出確率変動状態」で第2特別図柄の動的表示の保留球数が溜まっている状態(例えば、第2特別図柄の動的表示の保留数4個)で「確率変動状態」又は「時間短縮状態」に突入した場合であっても、第2特別図柄の動的表示が確定表示されるより前に第1特別図柄の動的表示において小当たり遊技が頻出することで、保留されている第2特別図柄の動的表示における大当たり遊技及び小当たり遊技を消滅させることができる。
図66に戻って、各種カウンタの説明を続ける。停止パターン選択カウンタC3は、例えば「0〜99」の範囲内で順に「1」ずつ加算され、最大値(つまり「99」)に達した後「0」に戻る構成となっている。
第4実施形態では、保留されている変動演出の保留数と停止パターン選択カウンタC3の値とによって、第3図柄表示装置81で表示される大当たり時およびハズレ時の変動演出の大まかな演出態様が選択される。具体的には、「リーチ表示」が発生しない「非リーチ(ロング)」演出態様又は「非リーチ(ショート)」演出態様と、「リーチ表示」として「ノーマルリーチ」の変動要素のみが実行される「ノーマルリーチ」演出態様と、該「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して「スーパーリーチ」の変動要素が実行される「スーパーリーチ」演出態様と、同じく「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して「スペシャルリーチ」の変動要素が実行される「スペシャルリーチ」演出態様と、上記演出態様で選択され得る変動時間より遥かに長い変動時間行われる「超ロング変動」演出態様との6つの演出態様が選択される。
ここで、各演出態様について詳細に説明する。演出態様の中で、「非リーチ(ロング)」演出態様と「非リーチ(ショート)」演出態様(以下、「非リーチ(ロング)」演出態様と「非リーチ(ショート)」演出態様とを総称して、『「非リーチ」演出態様』と称する場合がある)とは、特別図柄の変動演出として3つの図柄列(図示せず)が変動する第3図柄表示装置81にて、各図柄列を高速でシャッフルする「高速変動」の変動要素が行われた後に、先に停止する2の図柄列において同一の第3図柄が停止せず、「リーチ表示」を発生しない演出態様である。
なお、「高速変動」の変動要素とは、例えば、第3図柄表示装置81で行われる第3図柄の変動演出において、各図柄列に表示される第3図柄が、表示画面縦方向下方に高速にスクロールされている変動要素をいう。この「高速変動」では、遊技者によって第3図柄の表示内容を明確に認識できないように第3図柄を変動させ、前回停止表示された変動演出の停止結果を不規則に混ぜる(シャッフルする)演出が実行される。
第4実施形態のパチンコ機10では、「高速変動」の変動要素が行われた後、特定の演出態様(「非リーチ(ショート)」演出態様)を除いて「低速変動」の変動要素が行われるように構成されている。
「低速変動」の変動要素とは、第3図柄表示装置81で行われる第3図柄の変動演出において、上記「高速変動」の変動要素後、遊技者に視認可能な速度で第3図柄を低速にスクロールしている変動要素をいう。この「低速変動」の変動要素では、遊技者に第3図柄の表示内容を認識させながら、各図柄列を順に停止表示する。先に停止表示する2の図柄列(例えば、左図柄列と右図柄列)において同一の第3図柄が停止した場合は「リーチ表示」が発生したとして「ノーマルリーチ」の変動要素へと発展する一方、該先に停止表示する2の図柄列において異なる第3図柄が停止した場合は、残りの図柄列を停止表示して、その変動演出を終了するように構成されている。なお、「高速変動」の変動要素、又は、「低速変動」の変動要素を含む各変動要素の詳細については、後述する。
従って、「非リーチ(ロング)」演出態様では、「高速変動」の変動要素が行われた後に「低速変動」の変動要素が行われて、各図柄列がそれぞれ順番に停止し、先に停止する2つの図柄列に異なる第3図柄が停止し、残りの1の図柄列が停止して、1の変動演出が終了する。一方、「非リーチ(ショート)」演出態様では、「高速変動」が行われた後に「低速変動」の変動要素が行われず、該「高速変動」の変動要素の終了後、各図柄列が同時に停止し、2の図柄列(例えば、「非リーチ(ロング)」演出態様で先に停止する2の図柄列)に異なる第3図柄が停止するとともに、他の図柄列も停止し、1の変動演出が終了する。
演出態様の中で、「ノーマルリーチ」演出態様とは、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出において、先に停止表示する2の図柄列に同一の第3図柄が停止した直後に「ノーマルリーチ」の変動要素が実行され、他の「リーチ表示」、即ち、「スーパーリーチ」の変動要素や「スペシャルリーチ」の変動要素に発展しない「リーチ表示」の演出態様の1つである。
演出態様の中で、「スーパーリーチ」演出態様とは、「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して「スーパーリーチ」の変動要素が実行される「リーチ表示」の演出態様の1つである。
演出態様の中で、「スペシャルリーチ」演出態様とは、「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して「スペシャルリーチ」の変動要素が実行される「リーチ表示」の演出態様の1つである。
演出態様の中で、「超ロング変動」演出態様とは、上記演出態様で選択され得る変動時間(即ち、5秒〜120秒)より遥かに長い「600秒」の変動時間が一律で選択される演出態様である。この「超ロング変動」演出態様は、各遊技状態において奨励されていない特別図柄の動的表示が実行される場合、例えば、「通常遊技状態」における第2特別図柄の動的表示が実行されるとき、或いは、「小当たり頻出確率変動状態」における第1特別図柄の動的表示が実行されるときに、該「超ロング変動」演出態様がもれなく選択されるように構成されている。
なお、「超ロング変動」演出態様が選定された特別図柄は、各遊技状態において奨励されていない(非奨励の)特別図柄であるので、第3図柄表示装置81の主表示領域Dm(図64参照)では変動表示(実行)されず、特別図柄表示装置37(図60参照)又は特図1第4図柄表示領域87若しくは特図2用第4図柄表示領域88(図64参照)でのみ変動表示されるように構成されている。このように構成することで、確定表示までの時間が長い「超ロング変動」演出態様が、遊技結果の主要な表示領域である主表示領域Dmで実行されることによる不快感(悪印象)を遊技者に感じさせず、快適な遊技を提供して、遊技の興趣向上を図ることができる。
停止パターン選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(第4実施形態では、タイマ割込処理(図88参照)毎に1回)更新される。そして、球が左側特図1始動口64又は右側特図1始動口71aに入賞したタイミングで、左側特図1始動口64又は右側特図1始動口71aに対応する第1保留球格納エリア203dに設けられた第1保留第1〜第4エリアのうち大当たり乱数カウンタC1が格納される第1保留エリアの停止パターン選択カウンタ格納エリア203d3に格納される。また、球が特図2始動口74に入賞したタイミングで、特図2始動口74に対応する第2保留球格納エリア203eに設けられた第2保留第1〜第4エリアのうち大当たり乱数カウンタC1が格納される第2保留エリアの停止パターン選択カウンタ格納エリア203e3に格納される。
第4実施形態のパチンコ機10では、変動演出の当否と、現在の遊技状態と、現在保留中の各特別図柄の変動演出の数(保留球数)とに応じて、停止パターン選択カウンタC3の値を参照する停止パターンテーブル202dが異なるように構成されている。即ち、停止パターンテーブル202dは、複数種類設けられ、待機中の各特別図柄の変動演出の数(保留球数)等によって選択されるように構成されている。
また、第4実施形態では、変動演出の詳細な変動パターンを決定する場合に、まず、ROM202に備えられた保留数テーブル202cに基づいて、変動演出の当否と、現在の遊技状態と、現在の変動演出の数(保留球数)とに対応したいずれかの停止パターンテーブル202dが選択される。この保留数テーブル202cには、第1特別図柄の第1抽選遊技で参照される特図1用保留数テーブル202c1と、第2特別図柄の第2抽選遊技で参照される特図2用保留数テーブル202c2とが設けられている。そして、選択された停止パターンテーブル202dと停止パターン選択カウンタC3の値とに基づいて変動演出の大まかな態様である演出態様を選択する。その後、選択された演出態様と後述する変動種別カウンタCS1の値とに基づいて、変動演出の詳細な変動パターン(変動時間)が決定される。
この複数種類設けられた停止パターンテーブル202dは、各停止パターンテーブル202d毎に演出態様が選択される停止パターン選択カウンタC3の乱数値の範囲が異なるように設定されている。この停止パターンテーブル202dが複数用意されているのは、変動演出の当否、遊技状態及び保留球数に応じて変動演出の演出態様の選択比率を変更するためである。即ち、(1)取得した第3図柄の変動演出において大当たりが発生するか、(2)現在のパチンコ機10の遊技状態が「確率変動状態」、「潜伏確率変動状態」、「時間短縮状態」又は「通常遊技状態」であるか、及び、(3)保留されている変動演出の保留球数がいくつあるか、に応じて、演出態様の選択比率を変更するためである。
これは、第1の理由として、各演出態様毎に大当たりとなる期待度を変化させるためである。即ち、大当たり抽選に当選した場合と大当たり抽選にハズレた場合とで、停止パターン、即ち、「非リーチ」演出態様、「ノーマルリーチ」演出態様、「スーパーリーチ」演出態様、及び、「スペシャルリーチ」演出態様の選択する割合を異ならせるように構成することで、各演出態様毎に大当たりとなる期待度を変化させる。具体的には、例えば、大当たり抽選に当選した場合に「スーパーリーチ」演出態様や「スペシャルリーチ」演出態様を選択し易く構成し、大当たり抽選に当選しなかった場合には、「非リーチ」演出態様や「ノーマルリーチ」演出態様を選択し易く構成する。
このように構成することで、「スーパーリーチ」演出態様や「スペシャルリーチ」演出態様は、大当たりし易い演出とすることができ、「ノーマルリーチ」演出態様や「非リーチ」演出態様は、大当たりし難い演出若しくは大当たりしない演出とすることができ、各演出態様毎の大当たり期待度を差別化することができる。従って、変動演出に大当たりし易い演出が現出した場合に、その大当たりし易い演出が行われている間、大当たりが発生する可能性が高いことを遊技者に示唆し、遊技の興趣を高めている。
第4実施形態のパチンコ機10では、具体的には、取得した抽選結果が大当たりである場合には、大当たりし易い演出を選択し易く、かつ、大当たりし難い演出を選択し難い停止パターンテーブル202dに基づいて変動演出の大まかな内容である演出態様(停止パターン)を選択するように構成する。一方、取得した抽選結果がハズレである場合には、大当たりし易い演出を選択し難く、かつ、大当たりし難い演出を選択し易い停止パターンテーブル202dに基づいて変動演出の演出態様(停止パターン)を選択するように構成する。これにより、変動演出において第3図柄の抽選結果を遊技者に報知する場合に、大当たりし易い演出が実行されている場合にはその変動演出で大当たりが発生し易く、大当たりし難い演出が実行されている場合にはその変動演出で大当たりが発生し難くし、演出態様(停止パターン)ごとに大当たり期待値に差を設けることで、その変動演出の実行中に遊技の興趣を高めることができる。
また、第2の理由として、第1特別図柄の変動演出の待機回数が上限に達している状態における左側特図1始動口64若しくは右側特図1始動口71aへの入球、又は、第2特別図柄の変動演出の待機回数が上限に達している状態における特図2始動口74への入球に基づく無駄球(所謂、オーバーフロー入賞による特別図柄の無抽選)を極力削減するためである。
具体的に説明すると、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動演出の待機回数はそれぞれ最大4回と上限が設けられていると共に、変動演出は少なくとも一定時間が実行されることから、例えば、「確率変動状態」および「時間短縮状態」における右側特図1始動口71aへ球が入球し易い遊技状態では、第1特別図柄の最大保留球数に到達し易い。これらの遊技状態において、長い変動時間の第1特別図柄の変動演出を選択すると、第1特別図柄の最大保留球数に到達した状態での右側特図1始動口71aへの入球が頻発し、折角、右側特図1始動口71aへ入球したにもかかわらず、第1特別図柄の抽選契機を取得できない。また、「通常遊技状態」又は「潜伏確率変動状態」においても、第1特別図柄の最大保留球数に到達している状態で、長い変動時間の第1特別図柄の変動演出を選択すると、その変動演出の実行中は第1特別図柄の保留球数が消化されないため、その間に左側特図1始動口64への入球が発生しても、第1特別図柄の抽選契機を取得できない。さらに、「小当たり頻出確率変動状態」においても、第2特別図柄の最大保留球数に到達している状態で、長い変動時間の第2特別図柄の変動演出を選択すると、その変動演出の実行中は第2特別図柄の保留球数が消化されないため、その間に特図2始動口74への入球が発生しても、第2特別図柄の抽選契機を取得できない。これらのような状態になると、遊技者は、左側特図1始動口64、右側特図1始動口71a又は特図2始動口74へ球を入球させても遊技価値が得られないと判断し、変動演出が消化されて再び保留球数を取得できる状態になるまで球の発射を停止して遊技を中断してしまう。遊技が中断されると、パチンコ機10の稼働率が低下してしまい、遊技場の経営に影響を与えてしまう。
そこで、第4実施形態のパチンコ機10では、遊技状態として奨励される特別図柄の動的表示に対応する第3図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の最大保留球数へ到達し易い遊技状態や、最大保留球数に近い(又は一致する)保留球数では、短い変動時間が選択され易い停止パターンテーブル202dに基づいて変動演出の演出態様を選択するように構成されている。これにより、第3図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の最大保留球数に到達している状態での左側特図1始動口64若しくは右側特図1始動口71a又は特図2始動口74への入球を抑制することができる。
さらに、第3の理由として、実行時間を長く設定して、変動演出の終了を遅らせることで、変動演出が実行されている状態を長く維持するためである。具体的に説明すると、変動演出の保留球数が少ない(無い)場合に、実行中の変動演出の変動時間内に遊技状態として奨励される特別図柄に対応する始動口64,71a,74に球を新たに入球させないと、次の変動演出を開始することができず、第3図柄表示装置81でデモ画面等を表示しなければいけない。遊技者は、球を発射して遊技を行っているにもかかわらず第3図柄表示装置81において変動演出が行われない場合、遊技者が求めている大当たりの抽選に係る興趣を得ることができず、遊技に興醒めしてしまう。また、遊技者は、第3図柄表示装置81において変動演出が行われていないことで、左側特図1始動口64若しくは右側特図1始動口71a又は特図2始動口74へ球が入球し難いパチンコ機10であると認識し、遊技価値を得難い台と判断して、そのパチンコ機10での遊技を止めてしまうおそれがある。
そこで、第4実施形態のパチンコ機10では、変動演出の保留球数が少ない場合に、長い変動時間が選択され易い停止パターンテーブル202dに基づいて変動演出の演出態様を選択するように構成されている。これにより、第3図柄表示装置81において遊技状態毎に奨励される特別図柄に対応する変動演出が行われていない状況を起こり難く構成し、第3図柄表示装置81における変動演出の実行状態を長く維持することができる。
なお、第4実施形態のパチンコ機10は、第1特別図柄の動的表示と第2特別図柄の動的表示とを同時並列的に実行可能な所謂同時変動機において、抽選遊技が奨励されていない特別図柄(例えば、「通常遊技状態」における第2特別図柄)が保留され、保留されている両特別図柄の合計数が5個以上の場合、即ち、奨励されていない特別図柄の保留数が少なくとも1個以上存在した上で、奨励されている特別図柄の動的表示が複数保留(例えば、最大保留個数4個)されるような場合に、新たに開始する特別図柄の動的表示(奨励される特図1の動的表示であったとしても)を長時間(例えば、600秒)行い、特別図柄の動的表示の実行効率を低下させるように構成してもよい。このように構成することで、遊技仕様として奨励されていない特別図柄の動的表示の起因となる始動口64,71a,74へ球を入賞させた場合に、各特別図柄の動的表示の実行効率を低下させることで、遊技価値の付与効率を低下させることができる。その結果、所定の遊技状態(即ち、「通常遊技状態」)において奨励されていない特別図柄の動的表示を実行させることを遊技者に躊躇させることができ、想定している遊技仕様と異なる遊技が行われることを抑制し、ホールへの不利益の発生を低減することができる。
ここで、図71及び図72を参照して、保留数テーブル202cの詳細について説明する。図71は、特図1用保留数テーブル202c1を模式的に示した図であり、図72は、特図2用保留数テーブル202c2を模式的に示した図である。上述したように、第4実施形態のパチンコ機10では、左側特図1始動口64又は右側特図1始動口71aに球が入球したことに基づいて変動演出を行う場合に、該変動演出の当否と、その時点における遊技状態と、同じくその時点における特図1の変動演出の保留数とに基づいて特図1用保留数テーブル202c1を参照し、いずれかの停止パターンテーブル202d1〜202d3を選択するように構成されている。また、特図2始動口74に球が入球したことに基づいて変動演出を行う場合に、該変動演出の当否と、その時点における遊技状態と、同じくその時点における特図2の変動演出の保留数とに基づいて特図2用保留数テーブル202c2を参照し、いずれかの停止パターンテーブル202d1〜202d3を選択するように構成されている。そして、それぞれ選択された停止パターンテーブル202d1〜202d3のいずれかと停止パターン選択カウンタC3の値とに基づいて各特別図柄の変動演出の大まかな演出態様がそれぞれ決定される。
具体的には、図71の特図1用保留数テーブル202c1で示すように、左打ち遊技が行われ、第1特別図柄の動的表示が奨励される「通常遊技状態」若しくは「潜伏確率変動状態」における第1特別図柄のハズレ抽出時若しくは小当たり抽出時であって、第1特別図柄の動的表示の保留球数が「1個〜3個」の場合、又は、右打ち遊技が行われる「確率変動状態」若しくは「時間短縮状態」のハズレ抽出時若しくは小当たり抽出時であって、第1特別図柄の動的表示の保留球数が「1個」の場合には、停止パターンテーブル202dのAテーブル202d1(図73(a)参照)が選択される。
また、左打ち遊技が行われ、第1特別図柄の動的表示が奨励される「通常遊技状態」若しくは「潜伏確率変動状態」における第1特別図柄のハズレ抽出時若しくは小当たり抽出時であって、第1特別図柄の動的表示の保留球数が「4個」の場合、又は、右打ち遊技が行われる「確率変動状態」若しくは「時間短縮状態」のハズレ抽出時若しくは小当たり抽出時であって、第1特別図柄の動的表示の保留球数が「2個〜4個」の場合には、停止パターンテーブル202dのBテーブル202d2(図73(b)参照)が選択される。
さらに、「小当たり頻出確率変動状態」以外の遊技状態(即ち、「通常遊技状態」、「潜伏確率変動状態」、「確率変動状態」若しくは「時間短縮状態」)における第1特別図柄の大当たりの当選時には、いずれの大当たり種別、及び、第1特別図柄の動的表示のいずれの保留球数(即ち、1個〜4個)であっても、停止パターンテーブル202dのCテーブル202d3(図73(c)参照)が選択される。
即ち、いずれかの大当たりに当選した場合は、その時点での保留球数や遊技状態に関係なく、大当たりに当選したことのみに基づいて停止パターンテーブル202d(Cテーブル202d3)が選択され、大当たりに当選しなかった場合(即ち、ハズレ時又は小当たり時)にのみ、その時点での保留球数や遊技状態に基づいて停止パターンテーブル202d(Aテーブル202d1又はBテーブル202d2)が選択される。
なお、大当たりに当選した場合においても、保留球数に応じて停止パターンテーブル202dが異なるように構成してもよい。例えば、大当たりに当選した場合に保留球数が多いとき、比較的短い変動パターンが選ばれ易い停止パターンテーブル202d(例えば、「高速変動」の変動要素が5秒間の「スーパーリーチ」演出態様や「スペシャルリーチ」演出態様等)を選択し得るように構成してもよい。
この場合、「リーチ表示」が実行される各演出態様において、「高速変動」の変動要素の部分の時間のみが10秒間から5秒間のみに変更された演出態様を選択するように構成する。このように構成することで、例えば、第1特別図柄の最大保留球数が4回ある状態で変動演出を開始する場合に、「高速変動」の変動要素が5秒間で行われたとしても、該5秒間の「高速変動」の変動要素が終了した時点(5秒間の「高速変動」の変動要素と認識した時点)では、その変動演出において「リーチ表示」が発生することがある。そのため、5秒間の「高速変動」の変動要素が行われた場合であっても、「非リーチ(ショート)」演出態様以外の「リーチ表示」が実行される演出態様が実行されるように構成することで、5秒間の「高速変動」の変動要素の実行時点では該変動演出が大当たりとなるかハズレとなるか分からなくできる。
また、右打ち遊技が行われ、第2特別図柄の動的表示が奨励される「小当たり頻出確率変動状態」における非奨励の第1特別図柄の動的表示では、いずれの導出結果(即ち、ハズレ、小当たり又は大当たり)、及び、第1特別図柄の動的表示のいずれの保留球数(即ち、1個〜4個)であっても、上記「超ロング変動」演出態様のみが選択される停止パターンテーブル202dのDテーブル202d4(図73(d)参照)が選択される。
次いで、図72の特図2用保留数テーブル202c2で示すように、第1特別図柄の動的表示が奨励され、左打ち遊技が行われる「通常遊技状態」若しくは「潜伏確率変動状態」、又は、右打ち遊技が行われる「確率変動状態」若しくは「時間短縮状態」における非奨励の第2特別図柄の動的表示では、いずれの導出結果(即ち、ハズレ、小当たり又は大当たり)、及び、第2特別図柄の動的表示のいずれの保留球数(即ち、1個〜4個)であっても、上記「超ロング変動」演出態様のみが選択される停止パターンテーブル202dのDテーブル202d4(図73(d)参照)が選択される。
一方、右打ち遊技が行われ、第2特別図柄の動的表示が奨励される「小当たり頻出確率変動状態」における第2特別図柄のハズレ抽出時若しくは小当たり抽出時であって、第2特別図柄の動的表示の保留球数が「1個」の場合には、停止パターンテーブル202dのAテーブル202d1(図73(a)参照)が選択される。
また、右打ち遊技が行われ、第2特別図柄の動的表示が奨励される「小当たり頻出確率変動状態」における第2特別図柄のハズレ抽出時若しくは小当たり抽出時であって、第2特別図柄の動的表示の保留球数が「2個〜4個」の場合には、停止パターンテーブル202dのBテーブル202d2(図73(b)参照)が選択される。
さらに、右打ち遊技が行われ、第2特別図柄の動的表示が奨励される「小当たり頻出確率変動状態」における第2特別図柄の大当たりの当選時には、いずれの大当たり種別、及び、第2特別図柄の動的表示のいずれの保留球数(即ち、1個〜4個)であっても、停止パターンテーブル202dのCテーブル202d3(図73(c)参照)が選択される。
ここで、図73を参照して、各停止パターンテーブル202dについて説明する。図73(a)は、停止パターンテーブル202dのAテーブル202d1の一例を模式的に示した図であり、図73(b)は、停止パターンテーブル202dのBテーブル202d2の一例を模式的に示した図であり、図73(c)は、停止パターンテーブル202dのCテーブル202d3の一例を模式的に示した図であり、図73(d)は、停止パターンテーブル202dのDテーブル202d4の一例を模式的に示した図である。
図73(a)で示すように、停止パターンテーブル202dのAテーブル202d1では、「非リーチ(ロング)」演出態様別に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「0」〜「74」に設定され、「ノーマルリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「75」〜「94」に設定され、「スーパーリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「95」〜「97」に設定され、「スペシャルリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「98」,「99」に設定されている。なお、Aテーブル202d1では、「非リーチ(ショート)」演出態様及び「超ロング変動」演出態様に対して停止パターン選択カウンタC3の値が割り振られておらず、該「非リーチ(ショート)」演出態様及び「超ロング変動」演出態様は選択されないように設定されている。
次に、図73(b)で示すように、停止パターンテーブル202dのBテーブル202d2では、「非リーチ(ショート)」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「0」〜「74」に設定され、「ノーマルリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「75」〜「94」に設定され、「スーパーリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「95」〜「97」に設定され、「スペシャルリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「98,99」に設定されている。なお、Bテーブル202d2では、「非リーチ(ロング)」演出態様及び「超ロング変動」演出態様に対して停止パターン選択カウンタC3の値が割り振られておらず、該「非リーチ(ロング)」演出態様及び「超ロング変動」演出態様は選択されないように設定されている。
即ち、Aテーブル202d1では、「非リーチ(ロング)」演出態様が75%、「ノーマルリーチ」演出態様が20%、「スーパーリーチ」演出態様が3%、「スペシャルリーチ」演出態様が2%、の選択割合となるように設定されている。また、Bテーブル202d2では、「非リーチ(ショート)」演出態様が75%、「ノーマルリーチ」演出態様が20%、「スーパーリーチ」演出態様が3%、「スペシャルリーチ」演出態様が2%、の選択割合となるように設定されている。
よって、Aテーブル202d1では、「非リーチ(ロング)」演出態様が選択され、Bテーブル202d2では、「非リーチ(ロング)」演出態様の代わりに「非リーチ(ショート)」演出態様が選択されるように構成されている。
従って、Aテーブル202d1は、Bテーブル202d2と比べて選択される変動演出の変動時間が比較的長くなり易いと言える。換言すれば、Bテーブル202d2は、Aテーブル202d1と比べて選択される変動演出の変動時間が短くなり易いといえる。
ここで、Aテーブル202d1及びBテーブル202d2との「ノーマルリーチ」演出態様、「スーパーリーチ」演出態様及び「スペシャルリーチ」演出態様の選択割合は同等に設定されている。
このように、ハズレの抽選結果が抽出された場合に、保留中の変動演出の保留球数に基づいて、変動演出の演出態様を選択するように構成する。例えば、変動演出の保留球数が多い場合には、変動演出時間が短い「非リーチ(ショート)」演出態様を選択する。これにより、変動演出の保留球数が多い場合に、実行される変動演出の実行時間を短くし、変動演出の実行回数を多くすることで、変動演出の実行効率を高めることができる。
また、例えば、変動演出の保留球数が少ない場合には、左側特図1始動口64若しくは右側特図1始動口71a、又は、特図2始動口74への球の入球時間を確保するために、「非リーチ(ショート)」演出態様より変動演出時間が長い「非リーチ(ロング)」演出態様を選択する。これにより、「非リーチ(ショート)」演出態様が選択される場合より変動演出時間の長い「非リーチ(ロング)」演出態様を行うことができるので、左側特図1始動口64若しくは右側特図1始動口71a、又は、特図2始動口74への球の入球時間を確保し易くなり、第3図柄表示装置81における変動演出の実行時間中に新たな始動入賞が発生する可能性を高くすることで、変動演出が実行されている状況を維持することができる。
なお、第4実施形態では、ハズレの変動演出における演出態様に選択において、変動演出の保留球数に基づいて選択される停止パターンテーブル202dが異なるように構成されているが、左側特図1始動口64若しくは右側特図1始動口71a、又は、特図2始動口74への球の入球時に基づく変動演出の決定と、該入球に基づく変動演出の開始時に基づく変動演出の決定とで、実質的に同一の演出態様が選択されるように構成されている。
具体的には、ハズレの変動演出である場合は、変動演出の保留球数に基づいて、Aテーブル202d1又はBテーブル202d2のいずれか一方が選択されるように構成されているが、Aテーブル202d1とBテーブル202d2とでは、「非リーチ(ロング)」演出態様又は「非リーチ(ショート)」演出態様に割り振られた停止パターンカウンタC3の値が同一であり、また、他の演出態様に割り振られた停止パターンカウンタC3の値もそれぞれ同一に設定されている。
即ち、変動演出の保留球数に基づいて、「非リーチ(ロング)」演出態様が選択されるか、「非リーチ(ショート)」演出態様が選択されるかが異なるのみであるので、実質的同一の演出態様が選択される。よって、始動入賞時に選択される演出態様と、変動開始時に選択される演出態様とは、遊技状態が遷移(例えば、保留球数が増加)した場合であっても、実質的に同一の演出態様が選択される。その結果、始動入賞時に選択された演出態様に基づいて先読み予告を行った場合であっても、該先読み予告の対象となった変動演出において、該先読み予告の内容に対して齟齬が発生しない演出を実行することができる。
次に、図73(c)で示すように、停止パターンテーブル202dのCテーブル202d3では、「ノーマルリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「0」〜「4」に設定され、「スーパーリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「5」〜「39」に設定され、「スペシャルリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「40」〜「99」に設定されている。なお、Cテーブル202d3では、大当たり時に選択される停止パターンテーブル202dであり、必ず「リーチ表示」が発生するので、各「非リーチ」演出態様は選択されない。また、Cテーブル202d3では、「超ロング変動」演出態様に対して停止パターン選択カウンタC3の値が割り振られておらず、該「超ロング変動」演出態様は選択されないように設定されている。
即ち、Cテーブル202d3では、「ノーマルリーチ」演出態様が5%、「スーパーリーチ」演出態様が35%、「スペシャルリーチ」演出態様が60%、の選択割合となるように設定されている。
よって、大当たり当選時の変動演出において、「スペシャルリーチ」演出態様>「スーパーリーチ」演出態様>「ノーマルリーチ」演出態様の順で選択割合が高く、ハズレ時の変動演出において、「ノーマルリーチ」演出態様>「スーパーリーチ」演出態様>「スペシャルリーチ」演出態様の順で選択割合が高くなるように設定されている。従って、各「リーチ表示」の現出時における大当たり期待度は、「スペシャルリーチ」演出態様>「スーパーリーチ」演出態様>「ノーマルリーチ」演出態様の順に大当たりの表示結果が現出する可能性が高くなるように構成される。これにより、変動演出の演出態様の種類によって遊技者に大当たりへの期待度を示すことができ、遊技者が実行された変動演出の演出態様に応じて大当たりへの高揚感を味わうことができる。
次に、図73(d)で示すように、停止パターンテーブル202dのDテーブル202d4では、「超ロング変動」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「0」〜「99」に設定されている。即ち、Dテーブル202d4では、「超ロング変動」演出態様が100%の選択割合となるように設定されている。よって、「非リーチ」演出態様、「ノーマルリーチ」演出態様、「スーパーリーチ」演出態様及び「スペシャルリーチ」演出態様に対して停止パターン選択カウンタC3の値が割り振られておらず、「超ロング変動」演出態様以外の演出態様が選択されないように設定されている。
以上より、変動演出の当否と、その時点における遊技状態と、その時点における変動演出の保留球数とに基づいて、実行する変動演出の演出態様を決定することにより、遊技が行われている状況に基づいて変動演出の実行時間を短くし、変動演出の実行回数を多くすることで、変動演出の実行効率を高める演出態様を選択することができる。
また、各遊技状態において奨励されていない特別図柄の動的表示、即ち、「通常遊技状態」、「潜伏確率変動状態」、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」における第2特別図柄の動的表示、又は、「小当たり頻出確率変動状態」における第1特別図柄の動的表示の変動時間は、停止パターンテーブル202dのDテーブル202d4において「超ロング変動」演出態様が選択され、各遊技状態において奨励される特別図柄の動的表示、即ち、「通常遊技状態」、「潜伏確率変動状態」、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」における第1特別図柄の動的表示、又は、「小当たり頻出確率変動状態」における第2特別図柄の動的表示の変動時間より長い変動時間が選択される。これにより、各遊技状態における非奨励の特別図柄の動的表示の実行時間を長期化することができ、非奨励の動的表示の変動結果を導出し難くすることができる。
なお、変動演出の保留球数が多い場合(例えば、「4」個)に、「リーチ表示」が選択されたとき、各「リーチ表示」の「高速変動」の演出要素が短縮された停止パターンテーブル202dを設けてもよい。また、変動演出の保留球数が多い場合に、各演出態様において「低速変動」の演出要素を省略した停止パターンテーブル202dを設けてもよい。さらに、変動演出の保留球数に応じて、各演出態様の選択率が全く異なる停止パターンテーブル202dを設けてもよい。ただし、変動演出の保留球数に応じて各演出態様の選択率が異なるような場合は、先読み予告を行う上で、先読み予告実行決定時における保留球数と、該先読み予告の対象となった変動演出の実行時における保留球数とが異なる場合がある。このような場合、先読み予告の内容と変動演出の内容との整合性を保つ処理が必要となるため、処理が煩雑となる。
また、ハズレ抽出時と小当たり抽出時とで同一の停止パターンテーブル202dを選択し得るように構成したが、これに代えて、小当たり抽出時には、ハズレ抽出時とは異なる停止パターンテーブル202dを選択し得るように構成してもよい。
図66に戻って、説明を続ける。変動種別カウンタCS1は、例えば「0〜9」の範囲内で順に「1」ずつ加算され、最大値(つまり「9」)に達した後「0」に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1の値は、後述するタイマ割込処理(図88参照)が1回実行される毎に1回更新され、メイン処理(図87参照)内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、球が左側特図1始動口64又は右側特図1始動口71aに入賞したタイミングで、左側特図1始動口64又は右側特図1始動口71aに対応して設けられたRAM203の第1保留球格納エリア203dに設けられた第1保留第1〜第4エリアのうち大当たり乱数カウンタC1が格納される第1保留エリアの変動種別カウンタ格納エリア203d4に格納される。また、球が特図2始動口74に入賞したタイミングで、特図2始動口74に対応して設けられたRAM203の第2保留球格納エリア203eに設けられた第2保留第1〜第4エリアのうち大当たり乱数カウンタC1が格納される第2保留エリアの変動種別カウンタ格納エリア203e4に格納される。
この変動種別カウンタCS1は、変動演出の詳細な変動パターンの決定に用いられる。即ち、主制御装置110のMPU201は、停止パターンテーブル202d及び停止パターン選択カウンタC3によって選択された演出態様において、変動種別カウンタCS1の値と、ROM202に格納された変動パターンテーブル202eとによって、詳細な変動パターンを決定する。変動パターンの決定は、具体的には、変動演出の変動時間の決定である。音声ランプ制御装置113および表示制御装置114は、変動種別カウンタCS1により決定された変動パターン(変動時間)に基づいて、第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様を決定し、また予告演出実行の有無や予告演出の実行態様を決定する。
このように、主制御装置110のMPU201は、変動演出の大まかな変動パターンを選択して変動時間のみを決定する。このように構成することで、主制御装置110のMPU201において、変動演出を実行するために必要な詳細な予告抽選等の制御を行う必要がなくなるので、変動演出に関するMPU201の処理を軽減することができる。また、主制御装置110において変動演出の全変動パターンのコマンドを用意する必要がなくなり、主制御装置110のROM容量を削減することができる。
また、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114において、主制御装置110で決定された変動時間(大まかな変動パターン)に基づいて、変動演出における詳細な変動パターンを決定することで、変動演出を選択する自由度を高めるができる。さらに、遊技状態(特別図柄の大当たり確率、普通図柄の当たり確率のみならず、特別図柄の保留球数、普通図柄の保留球数、変動演出の残り時間、可変表示の残り時間、普通電役71bの残り開放時間(回数)等を含む)が刻々と変化するパチンコ機10において、該変化に対応して随時、変動演出の演出内容の選択又は変更することが可能となり、遊技状態に応じて適切な演出を実行することができる。
ここで、図74及び図75を参照して、変動パターンテーブル202eの詳細について説明する。本パチンコ機10は、変動パターンテーブル202eとして、第1特別図柄のハズレ時又は小当たり時であってすべての遊技状態で共通的に用いられる特図1ハズレ・小当たり用変動パターンテーブル202e1と、第1特別図柄の大当たり時であってすべての遊技状態で共通的に用いられる特図1大当たり用変動パターンテーブル202e2と、第2特別図柄のハズレ時又は小当たり時であってすべての遊技状態で共通的に用いられる特図2ハズレ・小当たり用変動パターンテーブル202e3と、第2特別図柄の大当たり時であってすべての遊技状態で共通的に用いられる特図2大当たり用変動パターンテーブル202e4とが用意されている。
図74(a)は、ROM202に記憶される特図1ハズレ・小当たり用変動パターンテーブル202e1の一例を模式的に示した図であり、図74(b)は、ROM202に記憶される特図1大当たり用変動パターンテーブル202e2の一例を模式的に示した図であり、図75(a)は、ROM202に記憶される特図2ハズレ・小当たり用変動パターンテーブル202e3の一例を模式的に示した図であり、図75(b)は、ROM202に記憶される特図2大当たり用変動パターンテーブル202e4の一例を模式的に示した図である。図74及び図75に示すように、各変動パターンテーブル202e1〜202e4は、選択された演出態様に基づいてグループ分けされている。
具体的には、ハズレ時又は小当たり時の演出態様として、「非リーチ(ロング)」演出態様が決定された場合に参照される「E0:非リーチ(ロング)」用と、「非リーチ(ショート)」演出態様が決定された場合に参照される「E1:非リーチ(ショート)」用と、「ノーマルリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E2:ノーマルリーチ」用と、「スーパーリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E3:スーパーリーチ」用と、「スペシャルリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E4:スペシャルリーチ」用と、「超ロング変動」演出態様が決定された場合に参照される「E5:超ロング変動」用とに区分けされている。また、大当たり時の演出態様として、「ノーマルリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E2:ノーマルリーチ」用と、「スーパーリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E3:スーパーリーチ」用と、「スペシャルリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E4:スペシャルリーチ」用と、「超ロング変動」演出態様が決定された場合に参照される「E5:超ロング変動」用とに区分けされている。そして、その区分けされたグループに対してそれぞれ変動種別カウンタCS1の値が対応付けされている。
第4実施形態では、第1特別図柄に対応する第1保留球格納エリア203dのある保留エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値(大当たり乱数値)ではない場合、即ち、ハズレとなる値(即ち、ハズレ乱数値)若しくは小当たりとなる値(即ち、小当たり乱数値)であった場合に、特図1用保留数テーブル202c1を参照して、その時点での遊技状態と、その時点での保留球数と、に基づいて停止パターンテーブル202dを選択し、同じ保留エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値と上記停止パターンテーブル202dとに基づいて演出態様を選択する。そして、選択された演出態様に基づいて特図1ハズレ・小当たり用変動パターンテーブル202e1の中で参照するグループ(群)を決定する。その特図1ハズレ・小当たり用変動パターンテーブル202e1のグループ(群)において、同保留エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターン(変動時間)が、その保留エリアに保留された変動演出における変動パターンとして決定される。
ここで、変動パターンを構成する各変動要素について説明する。変動要素とは、1の変動演出の一部分を構成するものであり、各変動要素を組み合わせて1の変動演出が構成される。第4実施形態のパチンコ機10では、変動要素として、「高速変動」の変動要素、「低速変動」の変動要素、「ノーマルリーチ」の変動要素、「スーパーリーチ」の変動要素、「スペシャルリーチ」の変動要素および「再変動」の変動要素が設けられている。
「高速変動」の変動要素とは、上述したように、遊技者によって第3図柄の内容を明確に認識できないように高速にスクロール変動する変動要素である。この「高速変動」の変動要素は、「非リーチ(ショート)」演出態様等が選択された場合は、変動演出の冒頭に「5秒」行われ(以下、「高速変動(短)」と称する場合がある)、「非リーチ(ロング)」演出態様等が選択された場合は、変動演出の冒頭に「10秒」行われ(以下、「高速変動(長)」と称する場合がある)、「超ロング変動」演出態様が選択された場合は、変動演出の冒頭に「595秒」行われる(以下、「高速変動(超長)」と称する場合がある)。なお、この「高速変動」の変動要素が終了した場合、後述する「低速変動」の変動要素が開始(実行)されるか、或いは、そのまま変動演出が終了するように構成されている。
「低速変動」の変動要素とは、「5秒」、「10秒」又は「595秒」の「高速変動」の変動要素の実行後に開始され、第3図柄を視認可能にスクロール変動して「リーチ表示」を発生するか否かを見せる変動要素である。この「低速変動」の変動要素は、「非リーチ(ショート)」演出態様が選択された場合は実行されず、「非リーチ(ショート)」演出態様以外の演出態様(例えば、「非リーチ(ロング)」演出態様や「超ロング変動」演出態様)が選択された場合は、「高速変動」の変動要素の後に「5秒」行われる。
即ち、「非リーチ(ロング)」演出態様や「超ロング変動」演出態様では、「低速変動」の変動要素が行われることで、第3図柄表示装置81の最終停止図柄列(第4実施形態では、中図柄列Z2(図64参照))が減速しながら停止する一方、「非リーチ(ショート)」演出態様では、「高速変動」の変動要素が行われた後、第3図柄表示装置81の各図柄列が「低速変動」の変動要素を経由せずに急速に停止(所謂、ビタ止まり)するように構成されている。なお、この「低速変動」の変動要素が終了した後に「リーチ表示」が実行されない場合は、そのまま変動演出が終了するように構成されている。
従って、第4実施形態のパチンコ機10では、「非リーチ(ロング)」演出態様は、「10秒」の「高速変動」の変動要素と「5秒」の「低速変動」の変動要素とを含む変動パターンで変動演出が構成される。また、「非リーチ(ショート)」演出態様は、「5秒」の「高速変動」の変動要素のみの変動パターンで変動演出が構成される。さらに、「超ロング変動」演出態様は、「595秒」の「高速変動」の変動要素と「5秒」の「低速変動」の変動要素とを含む変動パターンで変動演出が構成される。
「ノーマルリーチ」の変動要素は、「低速変動」の変動要素において先に停止する2の図柄列に同一の図柄(以下、「リーチ形成図柄」と称する場合がある)が停止表示した場合に、残りの図柄列の変動結果によって大当たりが発生するか否かを見せる変動要素である。この「ノーマルリーチ」の変動要素は、「低速変動」の変動要素後に「5秒」行われる。
第4実施形態のパチンコ機10では、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行後は、直接「ハズレ表示」を現出するパターン(小当たり当選時を含む。以下、同様。)と、直接「大当たり表示」を現出するパターンと、「スーパーリーチ」の変動要素に発展するパターンと、「スペシャルリーチ」の変動要素に発展するパターンと、一旦、仮の「ハズレ表示」を現出させた後に「再変動」の変動要素を実行するパターンと、が用意されている。
「スーパーリーチ」の変動要素は、「ノーマルリーチ」の変動要素において「ハズレ表示」が停止せずに残りの図柄列の変動が継続された場合に発展して実行され、第3図柄表示装置81において所定演出(例えば、「バトル演出」)を行って大当たりが発生するか否かを見せる変動要素である。この「スーパーリーチ」の変動要素は、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行後に「30秒」行われる。
第4実施形態のパチンコ機10では、「スーパーリーチ」の変動要素の実行後は、直接「ハズレ表示」を現出するパターン(小当たり当選時を含む)と、直接「大当たり表示」を現出するパターンと、一旦、仮の「ハズレ表示」を現出させた後に「再変動」の変動要素を実行するパターンと、が用意されている。
「スペシャルリーチ」の変動要素は、「ノーマルリーチ」の変動要素において「ハズレ表示」が停止せずに残りの図柄列の変動が継続された場合に発展して実行され、第3図柄表示装置81において上記所定演出と異なる特殊演出(例えば、「競争演出」)を行って大当たりが発生するか否かを見せる変動要素である。この「スペシャルリーチ」の変動要素は、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行後に「90秒」行われる。
第4実施形態のパチンコ機10では、「スペシャルリーチ」の変動要素の実行後は、直接「ハズレ表示」を現出するパターン(小当たり当選時を含む)と、直接「大当たり表示」を現出するパターンと、一旦、仮の「ハズレ表示」を現出させた後に「再変動」するパターンと、が用意されている。
なお、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行後に「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素に発展するように構成されているが、この構成に代えて、「低速変動」後にリーチ形成図柄が停止した場合に、「ノーマルリーチ」の変動要素を経由せず、いきなり「スーパーリーチ」の変動要素や「スペシャルリーチ」の変動要素に発展するように構成してもよい。また、「スーパーリーチ」の変動要素の実行後に「スペシャルリーチ」の変動要素が行われるように構成してもよい。
「再変動」の変動要素は、いずれかの「リーチ表示」において一旦「ハズレ表示」が現出した後に発展して実行され、「大当たり表示」を現出する変動要素である。この「再変動」の変動要素は、いずれかの「リーチ表示」後に「10秒」行われる。
第4実施形態のパチンコ機10では、「再変動」の変動要素の実行後は、「大当たり表示」が現出するパターンが用意されている。
また、この「再変動」の変動要素は、大当たり遊技に当選した場合にのみ発生するように構成されている。即ち、「ハズレ表示」の場合には、「再変動」の変動要素は実行されないように構成されている。これは、「再変動」の変動要素は、仮に停止表示された「ハズレ表示」をいずれかの「大当たり表示」に変更する変動要素であるため、大当たりに当選していない「ハズレ表示」の場合に行ってしまうと、演出上の齟齬が発生してしまう。よって、この「再変動」の変動要素は、大当たり用変動パターンテーブル202e2,202e4(図74(b)及び図75(b)参照)でのみ選定され、ハズレ・小当たり用変動パターンテーブル202e1,202e3(図74(a)及び図75(a)参照)では選定されないように構成されている。
図74(a)で示すように、第1特別図柄のハズレ時又は小当たり時に参照される特図1ハズレ・小当たり用変動パターンテーブル202e1において、「E0:非リーチ(ロング)」には、全体の変動時間が「15秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』の1つの変動パターン(変動時間。以下、「変動パターン」を「変動時間」と置き換えることは当然に可能である。)が用意されている。
図74(a)で示す例では、「E0:非リーチ(ロング)」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』に対して「0〜9」となっており、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』のみを選択可能に設定されている。
即ち、いずれの遊技状態でも第1特別図柄の変動演出の実行時に参照される特図1ハズレ・小当たり用変動パターンテーブル202e1において「非リーチ(ロング)」演出態様が選択された場合、変動種別カウンタCS1がとり得るすべての値(「0〜9」)に対して『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』が対応付けられている。つまり、第1特別図柄の変動演出における「非リーチ(ロング)」演出態様の場合は、変動パターンとして必ず『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』が選択される。
次いで、特図1ハズレ・小当たり用変動パターンテーブル202e1において、「E1:非リーチ(ショート)」には、全体の変動時間が「5秒」の『「高速変動(短)」の変動要素のみ』の1つの変動パターンが用意されている。
図74(a)で示す例では、「E1:非リーチ(ショート)」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(短)」の変動要素のみ』に対して「0〜9」となっており、『「高速変動(短)」の変動要素のみ』だけを選択可能に設定されている。
即ち、いずれの遊技状態でも第1特別図柄の変動演出の実行時に参照される特図1ハズレ・小当たり用変動パターンテーブル202e1において「非リーチ(ショート)」演出態様が選択された場合、変動種別カウンタCS1がとり得るすべての値(「0〜9」)に対して『「高速変動(短)」の変動要素のみ』が対応付けられている。つまり、第1特別図柄の変動演出における「非リーチ(ショート)」演出態様の場合は、変動パターンとして必ず『「高速変動(短)」の変動要素のみ』が選択される。
次いで、特図1ハズレ・小当たり用変動パターンテーブル202e1において、「E2:ノーマルリーチ」には、全体の変動時間が「20秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』の1つの変動パターンが用意されている。
図74(a)の示す例では、「E2:ノーマルリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』に対して「0〜9」となっており、該『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』だけを選択可能に設定されている。
即ち、いずれの遊技状態でも第1特別図柄の変動演出の実行時に参照される特図1ハズレ・小当たり用変動パターンテーブル202e1において「ノーマルリーチ」演出態様が選択された場合、変動種別カウンタCS1がとり得るすべての値(「0〜9」)に対して『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』が対応付けられている。つまり、第1特別図柄の変動演出における「ノーマルリーチ」演出態様の場合は、変動パターンとして必ず『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』が選択される。
次いで、特図1ハズレ・小当たり用変動パターンテーブル202e1において、「E3:スーパーリーチ」には、全体の変動時間が「50秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』の1つの変動パターンが用意されている。
図74(a)の示す例では、「E3:スーパーリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』に対して「0〜9」となっており、該『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』だけを選択可能に設定されている。
即ち、いずれの遊技状態でも第1特別図柄の変動演出の実行時に参照される特図1ハズレ・小当たり用変動パターンテーブル202e1において「スーパーリーチ」演出態様が選択された場合、変動種別カウンタCS1がとり得るすべての値(「0〜9」)に対して『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』が対応付けられている。つまり、第1特別図柄の変動演出における「スーパーリーチ」演出態様の場合は、変動パターンとして必ず『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』が選択される。
次いで、特図1ハズレ・小当たり用変動パターンテーブル202e1において、「E4:スペシャルリーチ」には、全体の変動時間が「110秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』の1つの変動パターンが用意されている。
図74(a)の示す例では、「E4:スペシャルリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』に対して「0〜9」となっており、該『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』だけを選択可能に設定されている。
即ち、いずれの遊技状態でも第1特別図柄の変動演出の実行時に参照される特図1ハズレ・小当たり用変動パターンテーブル202e1において「スペシャルリーチ」演出態様が選択された場合、変動種別カウンタCS1がとり得るすべての値(「0〜9」)に対して『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』が対応付けられている。つまり、第1特別図柄の変動演出における「スペシャルリーチ」演出態様の場合は、変動パターンとして必ず『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』が選択される。
次いで、特図1ハズレ・小当たり用変動パターンテーブル202e1において、「E5:超ロング変動」には、全体の変動時間が「600秒」の『「高速変動(超長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』の1つの変動パターンが用意されている。
図74(a)で示す例では、「E5:超ロング変動」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(超長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』に対して「0〜9」となっており、『「高速変動(超長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』のみを選択可能に構成されている。
即ち、いずれの遊技状態でも第1特別図柄の変動演出の実行時に参照される特図1ハズレ・小当たり用変動パターンテーブル202e1において「超ロング変動」演出態様が選択された場合、変動種別カウンタCS1がとり得るすべての値(「0〜9」)に対して『「高速変動(超長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』が対応付けられている。つまり、第1特別図柄の変動演出における「超ロング変動」演出態様の場合は、変動パターンとして必ず『「高速変動(超長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』が選択される。
なお、特図1のハズレ時又は小当たり時の変動パターンは、演出態様がそのまま変動パターンとして決定されるため、変動種別カウンタCS1を使用せずに変動パターンを決定するように構成してもよい。また、変動種別カウンタCS1のみを使用して選択するものとしたが、複数の変動種別カウンタを併用して選択(予告表示の有無等を選択)しても良い。
次に、図74(b)を参照して、第1特別図柄の大当たり時に参照される特図1大当たり用変動パターンテーブル202e2について説明する。第4実施形態では、第1特別図柄に対応する第1保留球格納エリア203dのある保留エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値である場合に、特図1用保留数テーブル202c1を参照して、その時点での遊技状態と、その時点での保留球数と、に基づいて停止パターンテーブル202dを選択し、同じ保留エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値と上記停止パターンテーブル202dとに基づいて演出態様を選択する。そして、選択された演出態様に基づいて特図1大当たり用変動パターンテーブル202e2の中で参照するグループ(群)を決定する。その特図1大当たり用変動パターンテーブル202e2のグループ(群)において、同保留エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターン(変動時間)が、その保留エリアに保留された変動演出における変動パターンとして決定される。
特図1大当たり用変動パターンテーブル202e2において、「E2:ノーマルリーチ」には、全体の変動時間が「20秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』と、全体の変動時間が「30秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』との2つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
図74(b)の示す例では、「E2:ノーマルリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』に対して「0〜2」、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』に対して「3〜9」、となっている。
即ち、いずれの遊技状態でも第1特別図柄の変動演出の実行時に参照される特図1大当たり用変動パターンテーブル202e2において「ノーマルリーチ」演出態様が選択された場合、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』の変動パターンが30%、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の変動パターンが70%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、特図1の大当たり時に選択される「ノーマルリーチ」演出態様では、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の変動パターンが選択され易く(全体の70%)なっている。また、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』の変動パターンも選択されるように構成されることで、いずれの変動パターンからでも大当たりを期待できる遊技性を提供できる。
次いで、特図1大当たり用変動パターンテーブル202e2において、「E3:スーパーリーチ」には、全体の変動時間が「50秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』と、全体の変動時間が「60秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』との2つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
図74(b)の示す例では、「E3:スーパーリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』に対して「0〜3」、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』に対して「4〜9」、となっている。
即ち、いずれの遊技状態でも第1特別図柄の変動演出の実行時に参照される特図1大当たり用変動パターンテーブル202e2において「スーパーリーチ」演出態様が選択された場合、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』の変動パターンが40%、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の変動パターンが60%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、特図1の大当たり時に選択される「スーパーリーチ」演出態様では、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の変動パターンが選択され易く(全体の60%)なっている。また、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』の変動パターンも選択されるように構成されることで、いずれの変動パターンからでも大当たりを期待できる遊技性を提供できる。
次いで、特図1大当たり用変動パターンテーブル202e2において、「E4:スペシャルリーチ」には、全体の変動時間が「110秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』と、全体の変動時間が「120秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』との2つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
図74(b)の示す例では、「E4:スペシャルリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』に対して「0〜4」、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』に対して「5〜9」、となっている。
即ち、いずれの遊技状態でも第1特別図柄の変動演出の実行時に参照される特図1大当たり用変動パターンテーブル202e2において「スペシャルリーチ」演出態様が選択された場合、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』の変動パターンが50%、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の変動パターンが50%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、特図1の大当たり時に選択される「スペシャルリーチ」演出態様では、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』の変動パターンと『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の変動パターンとが均等に選択されるように(50%ずつ)なっている。その結果、いずれの変動パターンでも同等に大当たりを期待できる遊技性を提供できる。
次いで、特図1大当たり用変動パターンテーブル202e2において、「E5:超ロング変動」には、特図1ハズレ・小当たり用変動パターンテーブル202e1と同様、全体の変動時間が「600秒」の『「高速変動(超長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』の1つの変動パターンが用意されている。
図74(b)で示す例では、「E5:超ロング変動」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(超長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』に対して「0〜9」となっており、『「高速変動(超長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』のみを選択可能に構成されている。
即ち、いずれの遊技状態でも第1特別図柄の変動演出の実行時に参照される特図1大当たり用変動パターンテーブル202e2において「超ロング変動」演出態様が選択された場合、変動種別カウンタCS1がとり得るすべての値(「0〜9」)に対して『「高速変動(超長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』が対応付けられている。つまり、第1特別図柄の変動演出における「超ロング変動」演出態様の場合は、変動パターンとして必ず『「高速変動(超長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』が選択される。なお、「超ロング変動」演出態様が選定された場合において大当たり又は小当たりに当選していたとき、該「超ロング変動」演出態様は非奨励の特別図柄の動的表示であるので、第3図柄表示装置81では該大当たり表示又は小当たり表示は現出せず、選定された変動時間(即ち、600秒)経過後、特別図柄表示装置37、及び、特図1用第4図柄表示領域87又は特図2用第4図柄表示領域88において大当たり又は小当たりに対応する表示結果が導出(表示)される。
このように、大当たりに当選している場合には、比較的長い変動パターンが選択され易いように構成することで、大当たりが発生する変動演出の演出内容を充実させることで遊技の興趣を向上することができる。また、大当たりに当選していない場合、即ち、ハズレの場合には、比較的短い変動パターンが選択され易いように構成することで、ハズレ時の変動演出の演出内容を短くして、変動演出を効率よく消化することができる。
次に、図75(a)を参照して、第2特別図柄のハズレ時に参照される特図2ハズレ・小当たり用変動パターンテーブル202e3について説明する。第4実施形態では、第2特別図柄に対応する第2保留球格納エリア203eのある保留エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値でない場合、即ち、ハズレとなる値(即ち、ハズレ乱数値)又は小当たりとなる値(即ち、小当たり乱数値)である場合に、特図2用保留数テーブル202c2を参照して、その時点での遊技状態と、その時点での保留球数と、に基づいて停止パターンテーブル202dを選択し、同じ保留エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値と上記停止パターンテーブル202dとに基づいて演出態様を選択する。そして、選択された演出態様に基づいて特図2ハズレ・小当たり用変動パターンテーブル202e3の中で参照するグループ(群)を決定する。その特図2ハズレ・小当たり用変動パターンテーブル202e3のグループ(群)において、同保留エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターン(変動時間)が、その保留エリアに保留された変動演出における変動パターンとして決定される。
図75(a)で示すように、第2特別図柄のハズレ時又は小当たり時に参照される特図2ハズレ・小当たり用変動パターンテーブル202e3において、「E0:非リーチ(ロング)」には、全体の変動時間が「10秒」の『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』の1つの変動パターンが用意されている。
図75(a)で示す例では、「E0:非リーチ(ロング)」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』に対して「0〜9」となっており、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』のみを選択可能に設定されている。
即ち、いずれの遊技状態でも第2特別図柄の変動演出の実行時に参照される特図2ハズレ・小当たり用変動パターンテーブル202e3において「非リーチ(ロング)」演出態様が選択された場合、変動種別カウンタCS1がとり得るすべての値(「0〜9」)に対して『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』が対応付けられている。つまり、第2特別図柄の変動演出における「非リーチ(ロング)」演出態様の場合は、変動パターンとして必ず『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』が選択される。
次いで、特図2ハズレ・小当たり用変動パターンテーブル202e3において、「E1:非リーチ(ショート)」には、全体の変動時間が「5秒」の『「高速変動(短)」の変動要素のみ』の1つの変動パターンが用意されている。
図75(a)で示す例では、「E1:非リーチ(ショート)」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(短)」の変動要素のみ』に対して「0〜9」となっており、『「高速変動(短)」の変動要素のみ』だけを選択可能に設定されている。
即ち、いずれの遊技状態でも第2特別図柄の変動演出の実行時に参照される特図2ハズレ・小当たり用変動パターンテーブル202e3において「非リーチ(ショート)」演出態様が選択された場合、変動種別カウンタCS1がとり得るすべての値(「0〜9」)に対して『「高速変動(短)」の変動要素のみ』が対応付けられている。つまり、第2特別図柄の変動演出における「非リーチ(ショート)」演出態様の場合は、変動パターンとして必ず『「高速変動(短)」の変動要素のみ』が選択される。
次いで、特図2ハズレ・小当たり用変動パターンテーブル202e3において、「E2:ノーマルリーチ」には、全体の変動時間が「15秒」の『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』の1つの変動パターンが用意されている。
図75(a)で示す例では、「E2:ノーマルリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』に対して「0〜9」となっており、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』だけを選択可能に設定されている。
即ち、いずれの遊技状態でも第2特別図柄の変動演出の実行時に参照される特図2ハズレ・小当たり用変動パターンテーブル202e3において「ノーマルリーチ」演出態様が選択された場合、変動種別カウンタCS1がとり得るすべての値(「0〜9」)に対して『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』が対応付けられている。つまり、第2特別図柄の変動演出における「ノーマルリーチ」演出態様の場合は、変動パターンとして必ず『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』が選択される。
次いで、特図2ハズレ・小当たり用変動パターンテーブル202e3において、「E3:スーパーリーチ」には、全体の変動時間が「45秒」の『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』の1つの変動パターンが用意されている。
図75(a)で示す例では、「E3:スーパーリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』に対して「0〜9」となっており、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』だけを選択可能に設定されている。
即ち、いずれの遊技状態でも第2特別図柄の変動演出の実行時に参照される特図2ハズレ・小当たり用変動パターンテーブル202e3において「スーパーリーチ」演出態様が選択された場合、変動種別カウンタCS1がとり得るすべての値(「0〜9」)に対して『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパリーチ」の変動要素』が対応付けられている。つまり、第2特別図柄の変動演出における「スーパーリーチ」演出態様の場合は、変動パターンとして必ず『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』が選択される。
次いで、特図2ハズレ・小当たり用変動パターンテーブル202e3において、「E4:スペシャルリーチ」には、全体の変動時間が「105秒」の『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』の1つの変動パターンが用意されている。
図75(a)で示す例では、「E4:スペシャルリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』に対して「0〜9」となっており、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』だけを選択可能に設定されている。
即ち、いずれの遊技状態でも第2特別図柄の変動演出の実行時に参照される特図2ハズレ・小当たり用変動パターンテーブル202e3において「スペシャルリーチ」演出態様が選択された場合、変動種別カウンタCS1がとり得るすべての値(「0〜9」)に対して『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』が対応付けられている。つまり、第2特別図柄の変動演出における「スペシャルリーチ」演出態様の場合は、変動パターンとして必ず『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』が選択される。
次いで、特図2ハズレ・小当たり用変動パターンテーブル202e3において、「E5:超ロング変動」には、全体の変動時間が「600秒」の『「高速変動(超長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』の1つの変動パターンが用意されている。
図75(a)で示す例では、「E5:超ロング変動」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(超長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』に対して「0〜9」となっており、『「高速変動(超長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』のみを選択可能に構成されている。
即ち、いずれの遊技状態でも第2特別図柄の変動演出の実行時に参照される特図2ハズレ・小当たり用変動パターンテーブル202e3において「超ロング変動」演出態様が選択された場合、変動種別カウンタCS1がとり得るすべての値(「0〜9」)に対して『「高速変動(超長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』が対応付けられている。つまり、第2特別図柄の変動演出における「超ロング変動」演出態様の場合は、変動パターンとして必ず『「高速変動(超長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』が選択される。
このように、主に「小当たり頻出確率変動状態」の右打ち遊技時に実行され易い(実行効率が良い)第2特別図柄の変動演出の変動時間は、第1特別図柄の変動演出の変動時間と比べて短い時間が選択されるように構成されており、遊技の時間効率が高い(良い)設定となっている。
次に、図75(b)を参照して、第2特別図柄の大当たり時に参照される特図2大当たり用変動パターンテーブル202e4について説明する。第4実施形態では、第2特別図柄に対応する第2保留球格納エリア203eのある保留エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値である場合に、特図2用保留数テーブル202c2を参照して、その時点での遊技状態と、その時点での保留球数と、に基づいて停止パターンテーブル202dを選択し、同じ保留エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値と上記停止パターンテーブル202dとに基づいて演出態様を選択する。そして、選択された演出態様に基づいて特図2大当たり用変動パターンテーブル202e4の中で参照するグループ(群)を決定する。その特図2大当たり用変動パターンテーブル202e4のグループ(群)において、同保留エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターン(変動時間)が、その保留エリアに保留された変動演出における変動パターンとして決定される。
特図2大当たり用変動パターンテーブル202e4において、「E2:ノーマルリーチ」には、全体の変動時間が「15秒」の『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』と、全体の変動時間が「25秒」の『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』との2つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
図75(b)の示す例では、「E2:ノーマルリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』に対して「0〜2」、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』に対して「3〜9」、となっている。
即ち、いずれの遊技状態でも第2特別図柄の変動演出の実行時に参照される特図2大当たり用変動パターンテーブル202e4において「ノーマルリーチ」演出態様が選択された場合、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』の変動パターンが30%、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の変動パターンが70%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、特図2の大当たり時に選択される「ノーマルリーチ」演出態様では、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の変動パターンが選択され易く(全体の70%)なっている。また、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』の変動パターンも選択されるように構成されることで、時間効率良く遊技を行いつついずれの変動パターンからでも大当たりを期待できる遊技性を提供できる。
次いで、特図2大当たり用変動パターンテーブル202e4において、「E3:スーパーリーチ」には、全体の変動時間が「45秒」の『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』と、全体の変動時間が「55秒」の『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』との2つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
図75(b)の示す例では、「E6:スーパーリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』に対して「0〜3」、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』に対して「4〜9」、となっている。
即ち、いずれの遊技状態でも第2特別図柄の変動演出の実行時に参照される特図2大当たり用変動パターンテーブル202e4において「スーパーリーチ」演出態様が選択された場合、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』の変動パターンが40%、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の変動パターンが60%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、特図2の大当たり時に選択される「スーパーリーチ」演出態様では、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の変動パターンが選択され易く(全体の60%)なっている。また、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』の変動パターンも選択されるように構成されることで、時間効率良く遊技を行いつつ、いずれの変動パターンからでも大当たりを期待できる遊技性を提供できる。
次いで、特図2大当たり用変動パターンテーブル202e4において、「E4:スペシャルリーチ」には、全体の変動時間が「105秒」の『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』と、全体の変動時間が「115秒」の『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』との2つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
図75(b)の示す例では、「E4:スペシャルリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』に対して「0〜4」、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』に対して「5〜9」、となっている。
即ち、いずれの遊技状態でも第2特別図柄の変動演出の実行時に参照される特図2大当たり用変動パターンテーブル202e4において「スペシャルリーチ」演出態様が選択された場合、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』の変動パターンが50%、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の変動パターンが50%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、特図2の大当たり時に選択される「スペシャルリーチ」演出態様では、『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』の変動パターンと『「高速変動(短)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の変動パターンとが均等に選択されるように(50%ずつ)なっている。その結果、時間効率良く遊技を行いつつ、いずれの変動パターンからでも大当たりを期待できる遊技性を提供できる。
次いで、特図2大当たり用変動パターンテーブル202e4において、「E5:超ロング変動」には、特図2ハズレ・小当たり用変動パターンテーブル202e3と同様、全体の変動時間が「600秒」の『「高速変動(超長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』の1つの変動パターンが用意されている。
図75(b)で示す例では、「E5:超ロング変動」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(超長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』に対して「0〜9」となっており、『「高速変動(超長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』のみを選択可能に構成されている。
即ち、いずれの遊技状態でも第2特別図柄の変動演出の実行時に参照される特図2大当たり用変動パターンテーブル202e4において「超ロング変動」演出態様が選択された場合、変動種別カウンタCS1がとり得るすべての値(「0〜9」)に対して『「高速変動(超長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』が対応付けられている。つまり、第2特別図柄の変動演出における「超ロング変動」演出態様の場合は、変動パターンとして必ず『「高速変動(超長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』が選択される。
このように、所定の特別図柄の動的表示が奨励されていない遊技状態において、該特別図柄の動的表示が実行される場合に選択される「超ロング変動」演出態様では、該非奨励の特別図柄の動的表示の抽出結果がいずれの場合(即ち、ハズレ、小当たり及び大当たりのいずれの場合)であっても、特別図柄の動的表示が奨励されている場合に選択され得る演出態様の変動時間(即ち、5秒〜120秒)より遥かに長い変動時間(即ち、600秒)が選択される。よって、例えば、大当たり遊技中による入賞、或いは、大当たり遊技開始前における入賞によって非奨励の特別図柄の動的表示が保留されているような場合であっても、非奨励の特別図柄の動的表示が実行されている間に、奨励されている特別図柄の動的表示を複数回(少なくとも、各特別図柄の最大保留球数以上(例えば、5回以上))実行することが可能となる。その結果、遊技状態の切り替わりにおいて非奨励の特別図柄の動的表示が複数保留されている場合であっても、奨励される特別図柄の動的表示における小当たり等によって消滅させることが可能となる。
特に、所定の遊技状態(例えば、「時間短縮状態」)において、非奨励の特別図柄(例えば、第2特別図柄)の1の動的表示の実行時間(即ち、600秒)内に、奨励される特別図柄(例えば、第1特別図柄)の動的表示の最大保留球数(第4実施形態では、4個)以上の動的表示(即ち、最大120秒)を実行可能に構成することで、奨励させる特別図柄の動的表示が切り替わった場合(例えば、「小当たり頻出確率変動状態」から「時間短縮状態」)に、保留されている非奨励の特別図柄のすべての動的表示を確定表示させることなく、奨励される特別図柄の動的表示の大当たり結果又は小当たり結果によって該非奨励の特別図柄の動的表示を消滅させることが可能となる。
このように構成することで、例えば、「小当たり頻出確率変動状態」から「時間短縮状態」に移行するような場合に、「小当たり頻出確率変動状態」において保留された第2特別図柄の動的表示を、その後の「時間短縮状態」において獲得した第1特別図柄の動的表示における小当たり遊技等によって消滅させることが可能となる。その結果、意図しない遊技結果の現出を抑制しつつ、遊技状態の移行をスムースに行い、違和感が生じな遊技を遊技者に提供できる。
なお、小当たりに当選した場合における変動パターンは、上記実施形態に限定されるものでなく、適宜変更可能である。具体的には、例えば、「通常遊技状態」において第1特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合には、特別に設けられた特別演出を行うように構成してもよいし、「小当たり頻出確率変動状態」において第2特別図柄に抽選で小当たりに当選した場合に、長い変動パターン(例えば、「スペシャルリーチ」演出態様で選択される変動パターン)を行うように構成してもよい。
図66に戻って、説明を続ける。普図当たり乱数カウンタC4は、例えば「0〜99」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり「99」)に達した後「0」に戻るループカウンタとして構成されている。また、普図当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該普図当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。
なお、第2初期値乱数カウンタCINI2は、普図当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=「0〜99」)、タイマ割込処理(図88参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図87参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
普図当たり乱数カウンタC4の値は、例えば定期的(第4実施形態では、タイマ割込処理(図88参照)毎に1回)更新され、球がスルーゲート67を通過したことが検知されたタイミングで、RAM203の普図保留球格納エリア203hに設けられた普図保留第1〜第4エリアのいずれかの普図保留エリアに格納される。そして、普図保留球格納エリア203hに格納された順に順次普図保留球実行エリア203iにデータをシフトし、該普図保留球実行エリア203iに格納されている普図当たり乱数カウンタC4の値に対して当たり判定を行う。
普通図柄の当たりとなる乱数の値は、遊技状態毎に主制御装置110のROM202に格納される普図当たり乱数テーブル202i(図76(a)参照)によって設定(例えば、低確率状態で50/100、高確率状態で99/100等)されており、RAM203の普図保留球実行エリア203iに格納されている普図当たりカウンタC4の値が、普図当たり乱数テーブル202iによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、当たりと判定される。そして、遊技状態に応じて普図変動テーブル202j(図76(b)参照)が参照されて、普通図柄の可変表示時間が設定(例えば、入賞補助機能非作動時は30秒、入賞補助機能作動時は0.5秒等)され、普通図柄表示装置83において該可変表示時間の経過後、停止図柄(普通図柄)として「○」の図柄が点灯表示される。その後、遊技状態に応じて普通電役開放テーブル202k(図76(c)参照)が参照されて、普通電役71bの開放時間が設定(例えば、入賞補助機能非作動時は0.1秒×1回、入賞補助機能作動時は5秒×3回等)され、該開放時間の間、普通電役71bが開放作動し、その間、右側特図1始動口71aへ球が入賞可能に構成される。
一方、普図保留球実行エリア203iに格納されている普図当たりカウンタC4の値が、普図当たり乱数テーブル202iによって設定された当たりとなる乱数の値と一致しない場合には、ハズレと判定される。そして、遊技状態に応じて普図変動テーブル202jが参照されて可変表示時間が設定され、普通図柄表示装置83において該可変表示時間の経過後、停止図柄(普通図柄)として「×」の図柄が点灯表示される。
ここで、図76(a)を参照して、普図当たり乱数テーブル202iの詳細について説明する。図76(a)は、ROM202に記憶される普図当たり乱数テーブル202iの一例を模式的に示した模式図である。
上述したように、普図当たり乱数テーブル202iは、パチンコ機10の遊技状態が、「通常遊技状態」、「潜伏確率変動状態」、又は、共通大入賞口75が小当たり遊技の実行に基づいて「時短機能」が終了した「小当たり頻出確率変動状態」、である普通図柄の低確率状態(「確率変動状態」又は「時間短縮状態」ではない期間(特別図柄の大当たり中を含む))の場合に使用される「普通図柄低確率状態」用と、パチンコ機10の遊技状態が、「普通図柄低確率状態」より普通図柄が当たりとなる確率の高い状態である「確率変動状態」若しくは「時間短縮状態」、又は、共通大入賞口75が未だ作動していない「小当たり頻出確率変動状態」、の場合に使用される「普通図柄高確率状態」用との2種類に分けられる。そして、「普通図柄低確率状態」用と「普通図柄高確率状態」用とのそれぞれに含まれる当たりとなる乱数の数が異なって設定されている。このように、「普通図柄低確率状態」と「普通図柄高確率状態」とで当たりとなる乱数の数を異ならせることにより、「普通図柄低確率状態」と「普通図柄高確率状態」とで、当たりとなる確率が変更される。
図76(a)で示すように、第4実施形態のパチンコ機10では、「普通図柄低確率状態」の場合に当たりとなる普図当たり乱数カウンタC4の値の数は50個で、その値「50〜99」が、普図当たり乱数テーブル202iに規定(設定)されている。つまり、「普通図柄低確率状態」(即ち、「通常遊技状態」又は「超確率変動状態」)における普通図柄の当たり確率は、50/100=1/2となるように設定されている。
一方で、「普通図柄高確率状態」の場合に当たりとなる普図当たり乱数カウンタC4の値の数は99個で、その値「1〜99」が、普図当たり乱数テーブル202iに規定(設定)されている。つまり、「普通図柄高確率状態」(即ち、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」)における普通図柄の当たり確率は、99/100となるように設定されている。
これにより、遊技状態に応じて普通図柄の当否確率を変更することで、普通電役71bが開放(没入)し易いか否かの違いを生じさせることができる。その結果、スルーゲート67を球が通過した場合に、普通電役71bが開放(没入)し易い状況であることによって右側特図1始動口71a側へ入賞し得る状況か、普通電役71bが開放(没入)し難い状況であることで球が右側特図1始動口71aへ入賞し難い状況か、を遊技状態によって異ならせることで、遊技状態毎に異なる遊技性を生むことができる。
特に、右打ち遊技が奨励される「小当たり頻出確率変動状態」、「確率変動状態」及び「時間短縮状態」のうち、「確率変動状態」及び「時間短縮状態」(共通大入賞口75が未だ作動していない「小当たり頻出確率変動状態」も含む。以下、説明の便宜上、「小当たり頻出確率変動状態」を、「普通図柄低確率状態」として説明する場合がある。)では、「普通図柄高確率状態」となり、普通電役71bが開放し易くなって、右打ち遊技により発射された球が右側特図1始動口71aへと入賞し易いように構成されている。換言すれば、「確率変動状態」及び「時間短縮状態」で右打ちされた球は、右側特図1始動口71aへ入賞し易く、特図2始動口74へ入賞し難いように構成されている。一方、「小当たり頻出確率変動状態」では、大当たり終了後、「時短機能」の終了条件が早期に成立することで「普通図柄低確率状態」となり、普通電役71bが開放し難く、右打ち遊技により発射された球が普通電役71b上を左端から右端まで転動しきり、特図2始動口74側へと流下し得るように構成されている。換言すれば、「小当たり頻出確率変動状態」で右打ちされた球は、「確率変動状態」及び「時間短縮状態」より特図2始動口74へ入賞し難く、右側特図1始動口71aへ入賞し易いように構成されている。
また、「小当たり頻出確率変動状態」では、共通大入賞口75が1回作動するまで、「普通図柄高確率状態」となっており、第2特別図柄の動的表示において小当たり遊技又は大当たり遊技が1回現出するまでは、普通電役71bが開放し易く(普通図柄の可変表示時間が短く、普通図柄の可変表示の当選確率が高く、普通電役71bの開放時間が長く)、右打ち遊技で発射された球が右側特図1始動口71a内に入賞し易い状態となっている。ここで、「小当たり頻出確率変動状態」に突入する前の大当たり遊技中に右打ち遊技で発射された球は、特図2始動口74にも入賞し得るように構成されているため、該大当たり遊技の終了時には、第2特別図柄が最大保留球数(即ち、4個)溜まっている蓋然性が高い。この場合、「小当たり頻出確率変動状態」では、第2特別図柄の動的表示が奨励され、第1特別図柄の動的表示が非奨励に設定されているため、「小当たり頻出確率変動状態」において「普通図柄高確率状態」の間に右側特図1始動口71aに入賞した非奨励の第1特別図柄の動的表示は、奨励される第2特別図柄の動的表示における小当たり遊技又は大当たり遊技によって消滅させることができる。また、「小当たり頻出確率変動状態」では、奨励される第2特別図柄の動的表示において小当たり遊技が頻出するように構成されている。よって、「小当たり頻出確率変動状態」において「普通図柄高確率状態」中に獲得した第1特別図柄の動的表示を、大当たり遊技中に保留されていた第2特別図柄の動的表示における小当たり遊技又は大当たり遊技によって直ちに消滅させ、意図しない遊技結果の現出を抑制しつつ、遊技状態の移行をスムースに行い、違和感が生じな遊技を遊技者に提供できる。
次いで、図76(b)を参照して、普通図柄の可変表示時間を決定するための普図変動テーブル202jの詳細について説明する。図76(b)は、ROM202に記憶される普図変動テーブル202jの一例を模式的に示した模式図である。
普図変動テーブル202jは、普図当たり乱数テーブル202iと同様、「普通図柄低確率状態」用と「普通図柄高確率状態」用との2種類に分けられる。そして、「普通図柄低確率状態」用(即ち、「通常遊技状態」、「潜伏確率変動状態」および「小当たり頻出確率変動状態」用)と「普通図柄高確率状態」用(即ち、「確率変動状態」および「時間短縮状態」用)とで設定される普通図柄の可変表示時間が異なって設定されている。このように、「普通図柄低確率状態」と「普通図柄高確率状態」で普通図柄の可変表示時間を異ならせることにより、「普通図柄低確率状態」と「普通図柄高確率状態」とで、普通図柄の当否結果が導出される時間が変更される。
図76(b)で示すように、第4実施形態のパチンコ機10では、「普通図柄低確率状態」の場合に設定される普通図柄の可変表示時間は「30秒」となるように普図変動テーブル202jで規定されている。つまり、「普通図柄低確率状態」において普通図柄の可変表示が開始されてから停止図柄が導出されるまでの時間は、もれなく「30秒」となるように設定されている。
一方で、「普通図柄高確率状態」の場合に設定される普通図柄の可変表示時間は「0.5秒」となるように普図変動テーブル202jで規定されている。つまり、「普通図柄高確率状態」において普通図柄の可変表示が開始されてから停止図柄が導出されるまでの時間は、もれなく「0.5秒」となるように設定されている。
これにより、遊技状態に応じて普通図柄の可変表示時間を変更することで、普通電役71b上を転動する球が、転動中に可変表示結果が導出し易い状況か否かの違いを生じさせることができる。その結果、スルーゲート67を球が通過して、該通過に基づく普通図柄の可変表示が実行された場合に、普通電役71bの上面を左端から右端まで転動している間(即ち、約3秒間)に、可変表示結果が導出されて、該導出結果に基づいて普通電役71bが開放(没入)する状況か、普通電役71bの上面を左端から右端まで転動している間に、可変表示結果が導出されずに、球が普通電役71bの上面を左端から右端まで転動しきる状況か、を遊技状態によって異ならせることで、遊技状態毎に異なる遊技性を生むことができる。
特に、右打ち遊技が奨励される「小当たり頻出確率変動状態」、「確率変動状態」及び「時間短縮状態」のうち、「確率変動状態」及び「時間短縮状態」では、「普通図柄高確率状態」となり、普通電役71bの上面を球が転動している間に普通電役71bが開放(没入)状態となって、右打ち遊技により発射された球が右側特図1始動口71aへと入賞し得るように構成されている。換言すれば、「確率変動状態」及び「時間短縮状態」で右打ちされた球は、右側特図1始動口71aへ入賞し易く、特図2始動口74へ入賞し難いように構成されている。一方、「小当たり頻出確率変動状態」では、(早期に)「普通図柄低確率状態」となり、普通電役71bの上面を球が転動している間、普通電役71bが閉鎖(突出)状態を維持し続け易く、右打ち遊技により発射された球が普通電役71b上を左端から右端まで転動しきり、特図2始動口74側へと流下し得るように構成される。換言すれば、「小当たり頻出確率変動状態」で右打ちされた球は、「確率変動状態」及び「時間短縮状態」より右側特図1始動口71aへ入賞し難く、特図2始動口74へ入賞し易いように構成されている。
次いで、図76(c)を参照して、普通電役開放テーブル202kについて説明する。図76(c)は、ROM202に記憶される普通電役開放テーブル202kの一例を模式的に示した模式図である。普通電役開放テーブル202kは、普通図柄の当たり時に参照され、普通図柄の当たりが発生したタイミングにおける遊技状態に基づいて、普通電役71bの開放(没入)時間および開放回数が規定されている。
普通電役開放テーブル202kは、普通図柄が抽選された遊技状態に基づいてグループ毎に区分けされている。具体的には、「通常遊技状態」と「潜伏確率変動状態」と「小当たり頻出確率変動状態」とで参照される「普通図柄低確率状態」用と、「確率変動状態」と「時間短縮状態」とで参照される「普通図柄高確率状態」用とで、普通電役71bの開放態様(回数および時間)が変更される。
図76(c)で示すように、第4実施形態のパチンコ機10では、「普通図柄低確率状態」、即ち、「通常遊技状態」、「潜伏確率変動状態」又は「小当たり頻出確率変動状態」において普通図柄に当選した場合に設定される普通電役71bの開放回数は「1回」であり、その開放時間は「0.1秒」となるように普通電役開放テーブル202kで規定されている。つまり、「普通図柄低確率状態」において普通図柄に当選した場合には、普通電役71bは、計「0.1秒」間、開放されるように設定されている。
一方、「普通図柄高確率状態」、即ち、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」において普通図柄に当選した場合に設定される普通電役71bの開放回数は「3回」であり、その開放時間は「5秒」となるように普通電役開放テーブル202kで規定されている。つまり、「普通電役高確率状態」において普通図柄に当選した場合には、普通電役71bは、計「15秒」間、開放されるように構成される。
なお、普通電役71bの1の開放と次の開放の間の閉鎖時間(所謂インターバル時間)は、「0.5秒」となるように設定されている。よって、「普通図柄高確率状態」において普通図柄に当選した場合、計「16.5秒」間、普通電役71bの開放と閉鎖が断続的に繰り返される。
これにより、遊技状態に応じて普通電役71bの開放態様を変更することで、普通電役71bが開放(没入)している期間の長短の違いを生じさせることができる。その結果、スルーゲート67を球が通過した場合に、普通電役71bが開放(没入)している期間が長いことによって右側特図1始動口71a側へ入賞し易い状況か、普通電役71bが開放(没入)している状況が短いことによって球が特図2始動口74へ入賞し難い状況か、を遊技状態によって異ならせることで、遊技状態毎に異なる遊技性を生むことができる。
特に、右打ち遊技が奨励される「小当たり頻出確率変動状態」、「確率変動状態」及び「時間短縮状態」のうち、「確率変動状態」及び「時間短縮状態」では、「普通図柄高確率状態」となり、普通電役71bの開放期間が長くなって、右打ち遊技により発射された球が右側特図1始動口71aへと入賞し易いように構成されている。換言すれば、「確率変動状態」及び「時間短縮状態」で右打ちされた球は、右側特図1始動口71aへ入賞し易く、特図2始動口74へ入賞し難いように構成されている。一方、「小当たり頻出確率変動状態」では、(早期に)「普通図柄低確率状態」となり、普通電役71bの開放期間が短くなって、右打ち遊技により発射された球が右側特図1始動口71aへ入賞せずに、特図2始動口74側へと流下し得るように構成されている。換言すれば、「小当たり頻出確率変動状態」で右打ちされた球は、「確率変動状態」及び「時間短縮状態」より右側特図1始動口71aへ入賞し難く、特図2始動口74へ入賞し易いように構成されている。
このように、特別図柄の高確率状態又は低確率状態と、普通図柄の高確率状態又は低確率状態と、左打ち遊技又は右打ち遊技とをそれぞれ組み合わせた5つの遊技状態を設けることで、各遊技状態に遊技性を変化させ、バリエーションが豊富な遊技を提供することができ、遊技の興趣を向上することができる。
なお、普通図柄の可変表示の当たり確率や可変表示の可変表示時間は、上記実施形態に限定されるものでなく、適宜変更可能である。具体的には、「通常遊技状態」より「確率変動状態」等の方が普通図柄に当選し易い確率であれば如何様な割合でもよく、例えば、「通常遊技状態」における普通図柄の当たり確率を1/100程度として当たり難くなるように構成してもよいし、「確率変動状態」における普通図柄の当たり確率を50/100=1/2程度としてもよい。また、「通常遊技状態」より「確率変動状態」等の方が可変表示時間が短ければ如何様な時間でもよく、例えば、「通常遊技状態」における普通図柄の可変表示時間を「30秒」未満の短い時間(例えば、「1秒」や「5秒」等)としてもよい。
また、普通電役71bの開放時間や開放回数も、上記実施形態に限定されるものでなく、適宜変更可能である。具体的には、普通電役71bの開放時間として、「通常遊技状態」より「確率変動状態」の方が遊技者にとって有利な開放時間であれば如何様な開放時間でもよく、例えば、「通常遊技状態」における普通電役71bの開放時間を「0.1秒」以上(例えば、「1秒」)に設定してもよいし、開放回数を「1回」以上(例えば、「3回」)に設定してもよい。また、「確率変動状態」における普通電役71bの開放時間を「5秒」以上の長い時間(例えば、「10秒」)としてもよいし、「5秒」未満の短い時間(例えば、「1秒」)としてもよい。さらに、「確率変動状態」における普通電役71bの開放回数を「3回」以上の多い回数(例えば、「10回」)としてもよいし、「3回」未満の少ない回数(例えば、「1回」)としてもよい。
図65に戻り、説明を続ける。RAM203は、図66に図示したカウンタ用バッファ203cのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、インプット/アウトプット(Input/Output。以下、「I/O」と略す。)等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図87参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図85参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図108参照)が即座に実行される。
RAM203は、さらに、第1保留球数カウンタ203a、第2保留球数カウンタ203b、第1保留球格納エリア203d、第2保留球格納エリア203e、第1保留球実行エリア203f、第2保留球実行エリア203g、普図保留球格納エリア203h、普図保留球実行エリア203i、確変フラグ203j、リミットカウンタ203k、時短フラグ203m、特図1時短カウンタ203n、特図2時短カウンタ203o、合計時短カウンタ203p、特電2時短カウンタ203qを少なくとも有している。
第1保留球数カウンタ203aは、4ミリ秒毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図88参照)の中で検出される左側特図1始動口64又は右側特図1始動口71aへの入球(以下、左側特図1始動口64若しくは右側特図1始動口71a又は特図2始動口74への球の入球を「始動入賞」という場合がある)に基づいて、特別図柄表示装置37で行われる第1特別図柄の動的表示(第3図柄表示装置81で行われる第1特別図柄に対応する第3図柄の変動演出)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
この第1保留球数カウンタ203aは、電源投入後のRAM203の初期設定処理(図85のS117参照)によって、初期値として「0」が設定される。そして、左側特図1始動口64又は右側特図1始動口71aへの始動入賞が検出されて第1特別図柄に関する動的表示(変動演出)の保留球数が増加する毎に、最大値「4」まで1加算される(図89のS303参照)。一方、第1保留球数カウンタ203aは、第1特別図柄の動的表示(変動演出)が実行される毎に1減算される(図92のS5102参照)。
第2保留球数カウンタ203bは、第1保留球数カウンタ203aと同様、4ミリ秒毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図88参照)の中で検出される特図2始動口74への始動入賞に基づいて、特別図柄表示装置37で行われる第2特別図柄の動的表示(第3図柄表示装置81で行われる第2特別図柄に対応する第3図柄の変動演出)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
この第2保留球数カウンタ203bは、第1保留球数カウンタ203aと同様、電源投入後のRAM203の初期設定処理(図85のS117参照)によって、初期値として「0」が設定される。そして、特図2始動口74への始動入賞が検出されて第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)の保留球数が増加する毎に、最大値「4」まで1加算される(図89のS309参照)。一方、第2保留球数カウンタ203bは、第2特別図柄の動的表示(変動演出)が実行される毎に1減算される(図95のS5402参照)。
この第1保留球数カウンタ203aの値(即ち、第1特別図柄の保留球数)は、第1保留球数コマンドとして、第2保留球数カウンタ203bの値(即ち、第2特別図柄の保留球数)は、第2保留球数コマンドとして、それぞれ音声ランプ制御装置113に通知される(図89のS306又はS312参照)。この第1保留球数コマンド又は第2保留球数コマンドは、始動入賞が検出されて第1保留球数カウンタ203a又は第2保留球数カウンタ203bが1加算される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対してそれぞれ送信されるコマンドであり、第1保留球数カウンタ203aの値に関するデータ、又は、第2保留球数カウンタ203bの値に関するデータがそれぞれ含まれている。
音声ランプ制御装置113は、第1保留球数コマンド又は第2保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された第1特別図柄又は第2特別図柄の動的表示(変動演出)の保留球数そのものの値をそれぞれ取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113において、主制御装置110へアクセスすることなく各特別図柄の動的表示(変動演出)の保留回数を管理することができる。また、始動入賞が検出される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ第1保留球数コマンド又は第2保留球数コマンドを送信することにより、音声ランプ制御装置113において管理される各特別図柄の動的表示(変動演出)の保留球数が、ノイズ等の影響によって主制御装置110に保留された実際の動的表示(変動演出)の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
また、第4実施形態では、主制御装置110が音声ランプ制御装置113に対して第1保留球数コマンド又は第2保留球数コマンドを送信する場合、その第1保留球数コマンド又は第2保留球数コマンドにおいて、1加算された第1保留球数カウンタ203a又は第2保留球数カウンタ203bの値だけでなく、その第1保留球数カウンタ203a又は第2保留球数カウンタ203bの加算の契機となった上記始動入賞に伴い、カウンタ用バッファ203c(図66参照)より取得される大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値も含める。
つまり、始動入賞があった場合に、主制御装置110にてカウンタ用バッファ203cより取得した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値が、第1保留球数コマンド又は第2保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に伝えられる。
音声ランプ制御装置113では、第1保留球数コマンド又は第2保留球数コマンドにより伝えられた大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値を、その各値に基づく変動演出が実行される前に先読みし、当該変動演出がどうなるか(大当たりとなるか否か、変動時間はどうなるか等)をその変動演出の実行前に判断する。そして、その先読みによる判断結果に基づき、各種の演出の実行を決定したり、第3図柄表示装置81のコクピット表示領域Dbに表示される保留図柄(実行図柄)を変化させる「保留変化予告」の演出内容及び実行時期(タイミング)等を決定できるようになっている。
なお、各特別図柄の変動演出の保留球数を示す第1保留球数コマンド又は第2保留球数コマンドと、大当たり乱数カウンタC1等の値を示すコマンドとを別々に送信するように構成してもよい。第1保留球数コマンド又は第2保留球数コマンドとは別の大当たり乱数カウンタC1等の値を示すコマンドとしては、左側特図1始動口64若しくは右側特図1始動口71a又は特図2始動口74への球の入球タイミングで第1保留球数コマンド又は第2保留球数コマンドを生成すると共に、該入球に基づく変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドに類するコマンド(事前変動パターンコマンド及び事前停止種別コマンド)を生成し、音声ランプ制御装置113へ送信するように構成してもよい。この場合に、事前変動パターンコマンド及び事前停止種別コマンドの生成のプログラムに関し、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドのプログラムを流用することで、プログラムの作成を容易にすることができる。さらに、各特別図柄の変動演出の保留球数を示す第1保留球数コマンド又は第2保留球数コマンドとを、1の共通保留球数コマンドで送信するように構成してもよい。
第1保留球格納エリア203dは、上述したように、左側特図1始動口64又は右側特図1始動口71aへの始動入賞の検出に伴ってカウンタ用バッファ203cより取得した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値をそれぞれ記憶するためのメモリである。MPU201は、タイマ割込処理(図88参照)の中で、球が左側特図1始動口64又は右側特図1始動口71aへ入賞(始動入賞)したことを検出すると、カウンタ用バッファ203cから各カウンタC1〜C3,CS1の値を取得し、第1保留球格納エリア203dに格納する。第1保留球格納エリア203dは、第1特別図柄の一の始動入賞に対応するデータ(カウンタC1〜C3,CS1の各値)が、最大4回分まで記憶(保留)できるように、4つの保留エリア(第1保留第1〜第4エリア)を有している(図66参照)。
第2保留球格納エリア203eは、上述したように、特図2始動口74への始動入賞の検出に伴ってカウンタ用バッファ203cより取得した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値をそれぞれ記憶するためのメモリである。MPU201は、タイマ割込処理(図88参照)の中で、球が特図2始動口74へ入賞(始動入賞)したことを検出すると、カウンタ用バッファ203cから各カウンタC1〜C3,CS1の値を取得し、第2保留球格納エリア203eに格納する。第2保留球格納エリア203eは、第2特別図柄の一の始動入賞に対応するデータ(カウンタC1〜C3,CS1の各値)が、最大4回分まで記憶(保留)できるように、4つの保留エリア(第2保留第1〜第4エリア)を有している(図66参照)。
第1保留球実行エリア203fは、上述したように、実行を開始する、或いは、実行中の第1特別図柄の大当たり抽選や、特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の動的表示および変動演出の設定等の処理において参照すべきデータ(カウンタC1〜C3,CS1の各値)を記憶するためのメモリである。
MPU201は、第1特別図柄の変動演出の実行開始タイミング(即ち、第1特別図柄の変動演出の終了、及び、大当たり遊技若しくは小当たり遊技ではない状態)であることを検出すると、第1特別図柄の大当たり抽選や、特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の動的表示および変動演出の設定等の処理を実行するために、上述した第1保留球格納エリア203dに記憶されている各始動入賞に対応するデータ(カウンタC1〜C3,CS1の各値)のうち、該データの一の始動入賞に対応するデータを、この第1保留球実行エリア203fへシフトする。即ち、第4実施形態のパチンコ機10では、第1特別図柄に関する動的表示(変動演出)は、第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)の保留とは無関係に実行されるように構成されている。なお、第4実施形態におけるシフトとは、一の領域に記憶されているデータを別の領域へ移動させることを示す。
第2保留球実行エリア203gは、上述したように、実行を開始する、或いは、実行中の第2特別図柄の大当たり抽選や、特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の動的表示および変動演出の設定等の処理において参照すべきデータ(カウンタC1〜C3,CS1の各値)を記憶するためのメモリである。
MPU201は、第2特別図柄の変動演出の実行開始タイミング(即ち、第2特別図柄の変動演出の終了、及び、大当たり遊技若しくは小当たり遊技ではない状態)であることを検出すると、第2特別図柄の大当たり抽選や、特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の動的表示および変動演出の設定等の処理を実行するために、上述した第2保留球格納エリア203eに記憶されている各始動入賞に対応するデータ(カウンタC1〜C3,CS1の各値)のうち、該データの一の始動入賞に対応するデータを、この第2保留球実行エリア203gへシフトする。即ち、第4実施形態のパチンコ機10では、第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)は、第1特別図柄に関する動的表示(変動演出)の保留とは無関係に実行されるように構成されている。
ここで、再び図66を参照して、第1保留球格納エリア203d、第2保留球格納エリア203e、第1保留球実行エリア203fおよび第2保留球実行エリア203gの詳細について説明する。第1保留球格納エリア203d、第2保留球格納エリア203e、第1保留球実行エリア203fおよび第2保留球実行エリア203gは、第1特別図柄又は第2特別図柄の大当たり抽選や小当たり抽選、特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の動的表示および変動演出の設定等を行うために、主制御装置110のMPU201により使用される。
上述したように、第1特別図柄又は第2特別図柄の大当たり抽選や小当たり抽選、特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の動的表示および変動演出の設定には、大当たり抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別の決定に使用する大当たり種別カウンタC2と、変動演出の演出態様の決定に使用する停止パターン選択カウンタC3と、変動パターンの決定に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。第1保留球格納エリア203dは、球が左側特図1始動口64又は右側特図1始動口71aへ入賞(始動入賞)した場合にMPU201によってカウンタ用バッファ203cから取得される上記カウンタC1〜C3,CS1の各値をそれぞれ記憶し、第2保留球格納エリア203eは、球が特図2始動口74へ入賞(始動入賞)した場合にMPU201によってカウンタ用バッファ203cから取得される上記カウンタC1〜C3,CS1の各値を記憶する。
第1保留球格納エリア203dは、4つの保留エリア(第1保留第1〜第4エリア)で構成されている。4つの保留エリア(第1保留第1〜第4エリア)にはそれぞれ、大当たり乱数カウンタC1の値を格納する大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1と、大当たり種別カウンタC2の値を格納する大当たり種別カウンタ格納エリア203d2と、停止パターン選択カウンタC3の値を格納する停止パターン選択カウンタ格納エリア203d3と、変動種別カウンタCS1の値を格納する変動種別カウンタ格納エリア203d4とが設けられている。
また、第2保留球格納エリア203eは、第1保留球格納エリア203dと同様、4つの保留エリア(第2保留第1〜第4エリア)で構成されている。4つの保留エリア(第2保留第1〜第4エリア)にはそれぞれ、第1保留球格納エリア203dと同様、大当たり乱数カウンタC1の値を格納する大当たり乱数カウンタ格納エリア203e1と、大当たり種別カウンタC2の値を格納する大当たり種別カウンタ格納エリア203e2と、停止パターン選択カウンタC3の値を格納する停止パターン選択カウンタ格納エリア203e3と、変動種別カウンタCS1の値を格納する変動種別カウンタ格納エリア203e4とが設けられている。
なお、第4実施形態では、大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1,203e1と、大当たり種別カウンタ格納エリア203d2,203e2と、停止パターン選択カウンタ格納エリア203d3,203e3と、変動種別カウンタ格納エリア203d4,203e4とを1つの保留球格納エリア203d,203eの中にそれぞれまとめて設けているが、各カウンタC1〜C3,CS1毎に保留球格納エリアを複数設けるようにしてもよい。
上述した通り、第1保留球格納エリア203dには、球が左側特図1始動口64又は右側特図1始動口71aへ入賞(始動入賞)したタイミングで取得されるデータ(各カウンタC1〜C3,CS1の各値)が最大4回分まで記憶されるが、その場合、4つの保留エリア(第1保留第1〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番にデータが記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い左側特図1始動口64又は右側特図1始動口71aへの始動入賞に対応するデータが記憶され、第1保留第1エリアには、時間的に最も古い左側特図1始動口64又は右側特図1始動口71aへの始動入賞に対応するデータが記憶されることになる。
第1保留球実行エリア203fは、1つのエリアのみで構成されている。この第1保留球実行エリア203fには、第1保留球格納エリア203dと同様に、大当たり乱数カウンタC1の値を格納する大当たり乱数カウンタ格納エリア203f1と、大当たり種別カウンタC2の値を格納する大当たり種別カウンタ格納エリア203f2と、停止パターン選択カウンタC3の値を格納する停止パターン選択カウンタ格納エリア203f3、変動種別カウンタCS1の値を格納する変動種別カウンタ格納エリア203f4とが設けられている。
MPU201は、第1特別図柄の変動演出の実行開始タイミングになったことを判断すると、第2保留球格納エリア203eおよび第2保留球実行エリア203gに記憶されるデータの有無に関係なく、第1保留球格納エリア203dの第1保留第1エリアにデータが記憶されている場合に、該第1保留第1エリアに記憶されているデータを、この第1保留球実行エリア203fの各エリア203f1〜203f4にそれぞれシフトする。
そして、第1保留球実行エリア203fにシフトされたデータを、特図1変動開始処理(図92参照)において参照し、その参照データと遊技状態とに基づいて大当たり抽選及び小当たり抽選を行うと共に、その抽選結果に対応する変動パターン及び停止種別を決定する。特別図柄表示装置37では、主制御装置110の制御により、この決定された変動パターンおよび停止種別に基づいて、動的表示が行われる。
また、ここで決定された変動パターン及び停止種別は、特図1変動パターンコマンドおよび特図1停止種別コマンドによって、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114へ通知される。そして、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114の制御によって、第3図柄表示装置81では、特図1変動パターンコマンドおよび特図1停止種別コマンドにより通知された変動パターンおよび停止種別に基づいて、第1特別図柄の変動演出が行われる。
データのシフトの詳細について説明する。MPU201は、第1特別図柄の変動演出の実行開始タイミングとなったことを判断すると、第1保留球格納エリア203dの第1保留第1エリアにデータが格納されているか否かを判断する。判断の結果、第1保留第1エリアにデータが格納されていれば、該第1保留第1エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1の乱数値を、第1保留球実行エリア203fの大当たり乱数カウンタ格納エリア203f1へシフトする。同様に、第1保留第1エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203d2の乱数値を、大当たり種別カウンタ格納エリア203f2へシフトし、第1保留第1エリアの停止パターン選択カウンタ格納エリア203d3の乱数値を、停止パターン選択カウンタ格納エリア203f3へシフトし、第1保留第1エリアの変動種別カウンタ格納エリア203d4の乱数値を、変動種別カウンタ格納エリア203f4へシフトする。
そして、第1保留球実行エリア203fへのデータのシフトが終了すると、第1保留第1エリアが空き状態となるため、第1保留球格納エリア203dの各エリア(第2〜第4)に記憶(保留)されているデータを、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3)に詰めるシフト処理を行う。なお、第4実施形態では、第1保留球格納エリア203dにおいて、データが記憶(保留)されている第1保留エリア(第1〜第4)についてのみデータのシフトを行う。
ここで、第1保留球格納エリア203d内の各保留エリアに対して行われるデータシフトについて説明する。例えば、第1特別図柄の変動演出の開始判断が行われた時の第1保留球数カウンタ203aの値が「4」であり、第1保留球格納エリア203dの全エリア(第1〜第4)にデータが記憶されているとする。この状態で、第1保留第1エリアのデータが、第1保留球実行エリア203fへシフトされ、第1保留第1エリアが空き状態となると、MPU201は、他のエリア(第2〜第4)のデータをそれぞれ、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3)にシフトする。すなわち、第1保留第2エリアのデータを、第1保留第1エリアへシフトし、第1保留第3エリアのデータを、第1保留第2エリアへシフトし、第1保留第4エリアのデータを、第1保留第3エリアへシフトする。
また、例えば、第1特別図柄の変動演出の開始判断が行われた時の第1保留球数カウンタ203aの値が「2」であれば、MPU201は、第1保留第2エリアのデータのみを、第1保留第1エリアへシフトして、データのシフトを終了する。上述したように、第4実施形態では、データが記憶(保留)されていない第1保留エリア(第3〜第4)については、データのシフト処理を行わないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
なお、データの有無に関わらず、第1保留エリア(第2〜第4)の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、第1保留エリア(第2〜第4)にデータが記憶(保留)されているか否かの判定が不要となるので、プログラムの作成を容易とすることができる。
次に、第2保留球格納エリア203eには、球が特図2始動口74へ入賞(始動入賞)したタイミングで取得されるデータ(各カウンタC1〜C3,CS1の各値)が最大4回分まで記憶されるが、その場合、4つの保留エリア(第2保留第1〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番にデータが記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い特図2始動口74への始動入賞に対応するデータが記憶され、第2保留第1エリアには、時間的に最も古い特図2始動口74への始動入賞に対応するデータが記憶されることになる。
また、第2保留球実行エリア203gは、1つのエリアのみで構成されている。この第2保留球実行エリア203gには、第2保留球格納エリア203eと同様に、大当たり乱数カウンタC1の値を格納する大当たり乱数カウンタ格納エリア203g1と、大当たり種別カウンタC2の値を格納する大当たり種別カウンタ格納エリア203g2と、停止パターン選択カウンタC3の値を格納する停止パターン選択カウンタ格納エリア203g3、変動種別カウンタCS1の値を格納する変動種別カウンタ格納エリア203g4とが設けられている。
MPU201は、第2特別図柄の変動演出の実行開始タイミングになったことを判断すると、第1保留球格納エリア203dおよび第1保留球実行エリア203fに記憶されるデータの有無に関係なく、第2保留球格納エリア203eの第2保留第1エリアにデータが記憶されている場合に、該第2保留第1エリアに記憶されているデータを、この第2保留球実行エリア203gの各エリア203g1〜203g4にそれぞれシフトする。
そして、第2保留球実行エリア203gにシフトされたデータを、特図2変動開始処理(図95参照)において参照し、その参照データと遊技状態とに基づいて大当たり抽選及び小当たり抽選を行うと共に、その抽選結果に対応する変動パターン及び停止種別を決定する。特別図柄表示装置37では、主制御装置110の制御により、この決定された変動パターンおよび停止種別に基づいて、動的表示が行われる。
また、ここで決定された変動パターン及び停止種別は、特図2変動パターンコマンドおよび特図2停止種別コマンドによって、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114へ通知される。そして、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114の制御によって、第3図柄表示装置81では、特図2変動パターンコマンドおよび特図2停止種別コマンドにより通知された変動パターンおよび停止種別に基づいて、第2特別図柄の変動演出が行われる。
データのシフトの詳細について説明する。MPU201は、第2特別図柄の変動演出の実行開始タイミングとなったことを判断すると、第2保留球格納エリア203eの第2保留第1エリアにデータが格納されているか否かを判断する。判断の結果、第2保留第1エリアにデータが格納されていれば、該第2保留第1エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203e1の乱数値を、第2保留球実行エリア203gの大当たり乱数カウンタ格納エリア203g1へシフトする。同様に、第2保留第1エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203e2の乱数値を、大当たり種別カウンタ格納エリア203g2へシフトし、第2保留第1エリアの停止パターン選択カウンタ格納エリア203e3の乱数値を、停止パターン選択カウンタ格納エリア203g3へシフトし、第2保留第1エリアの変動種別カウンタ格納エリア203e4の乱数値を、変動種別カウンタ格納エリア203g4へシフトする。
そして、第2保留球実行エリア203gへのデータのシフトが終了すると、第2保留第1エリアが空き状態となるため、第2保留球格納エリア203eの各エリア(第2〜第4)に記憶(保留)されているデータを、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3)に詰めるシフト処理を行う。なお、第4実施形態では、第2保留球格納エリア203eにおいて、データが記憶(保留)されている第2保留エリア(第1〜第4)についてのみデータのシフトを行う。
ここで、第2保留球格納エリア203e内の各保留エリアに対して行われるデータシフトについて説明する。例えば、第2特別図柄の変動演出の開始判断が行われた時の第2保留球数カウンタ203bの値が「4」であり、第2保留球格納エリア203eの全エリア(第1〜第4)にデータが記憶されているとする。この状態で、第2保留第1エリアのデータが、第2保留球実行エリア203gへシフトされ、第2保留第1エリアが空き状態となると、MPU201は、他のエリア(第2〜第4)のデータをそれぞれ、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3)にシフトする。すなわち、第2保留第2エリアのデータを、第2保留第1エリアへシフトし、第2保留第3エリアのデータを、第2保留第2エリアへシフトし、第2保留第4エリアのデータを、第2保留第3エリアへシフトする。
また、例えば、第2特別図柄の変動演出の開始判断が行われた時の第2保留球数カウンタ203bの値が「2」であれば、MPU201は、第2保留第2エリアのデータのみを、第2保留第1エリアへシフトして、データのシフトを終了する。上述したように、第4実施形態では、データが記憶(保留)されていない第2保留エリア(第3〜第4)については、データのシフト処理を行わないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
なお、データの有無に関わらず、第2保留エリア(第2〜第4)の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、第2保留エリア(第2〜第4)にデータが記憶(保留)されているか否かの判定が不要となるので、プログラムの作成を容易とすることができる。
このように、実行される第1特別図柄の動的表示に関するデータと、実行される第2特別図柄の動的表示に関するデータとを、それぞれ別々に記憶し、各データに基づいて他方の特別図柄の動的表示の実行有無に関係なくそれぞれ動的表示を行うことで、第1特別図柄の動的表示と第2特別図柄の動的表示とを同時に実行することができる。なお、いずれの特別図柄の動的表示において、大当たり遊技又は小当たり遊技の実行中、即ち、特図1小入賞口65又は共通大入賞口75の開放中は、動的表示を実行しないように構成されている。
図65に戻って、説明を続ける。上述したように、主制御装置110のROM202には、第1特別図柄又は第2特別図柄の抽選遊技において大当たりに当選した場合に、共通大入賞口75の開放制御のために参照される大当たり開放テーブル202fが格納されている。
ここで、図77を参照して、大当たり開放テーブル202fについて説明する。図77は、ROM202に記憶される大当たり開放テーブル202fの一例を模式的に示した模式図である。大当たり開放テーブル202fは、第1特別図柄又は第2特別図柄の大当たり時に参照され、各特別図柄の大当たりを発生した大当たり種別に基づいて、共通大入賞口75の開放態様(回数、最大開放時間、最大入賞個数)が規定されている。
第4実施形態の大当たり開放テーブル202fは、大当たりに当選した大当たり種別に基づいて区分けされている。具体的には、大当たり種別「確変A」に当選した場合に参照される「確変A」用と、大当たり種別「確変B」に当選した場合に参照される「確変B」用と、大当たり種別「時短A」に当選した場合に参照される「時短A」用と、大当たり種別「時短B」に当選した場合に参照される「時短B」用とで、共通大入賞口75の開放態様が変更される。
図77で示すように、大当たり種別「確変A」に当選した場合に設定される共通大入賞口75の開放回数は「10回」であり、該共通大入賞口75の1の開放における最大開放時間は「30秒」であって、かつ、最大入賞個数は「10個」となり、共通大入賞口75への球の入賞に基づいて払い出される賞球数は「15個」となるように規定されている。
また、該大当たり種別「確変A」による大当たりの終了後の移行遊技状態は、特別図柄の大当たり確率が高確率状態であり、普通図柄の当たり確率も高確率状態となって、普通電役71bの開放時間も延長される「時短機能」が一旦付与されるが、所定の時短終了条件が大当たり終了後に直ちに成立して、第2特別図柄における小当たり遊技当選に基づいて開放される共通大入賞口75へ球を入球可能な「小当たり頻出確率変動状態」へと移行する。この第2特別図柄における小当たり遊技は、第2特別図柄における大当たり遊技より地味かつ短い演出(例えば、「+100発」の表示のみ)が実行される。
なお、詳細は後述するが、大当たり種別「確変A」に基づいて付与される「時短機能」は、第1特別図柄の動的表示が大当たり終了後から100回実行されるまで、第2特別図柄の動的表示が大当たり終了後から100回実行されるまで、第1特別図柄の動的表示と第2特別図柄の動的表示とが大当たり終了後から合計して100回実行されるまで、或いは、第2特別図柄の動的表示での小当たり遊技当選に基づく共通大入賞口75が1回作動(開放)されるまで、のいずれか1の条件が成立するまで継続し、いずれか1の条件が成立した段階で該「時短機能」が終了するように構成されている。
次いで、大当たり種別「確変B」に当選した場合に設定される共通大入賞口75の開放回数は「4回」であり、該共通大入賞口75の1の開放における最大開放時間は「30秒」であって、かつ、最大入賞個数は「10個」となり、共通大入賞口75への球の入賞に基づいて払い出される賞球数は「15個」となるように規定されている。
また、該大当たり種別「確変B」による大当たりの終了後の移行遊技状態は、特別図柄の大当たり確率が高確率状態であるとともに、普通図柄の当たり確率も高確率状態となり、いずれかの時短終了条件が成立するまで右側特図1始動口71aへの入賞補助機能が作動する「確率変動状態」へと移行する。
なお、大当たり種別「確変B」に基づいて付与される「時短機能」は、大当たり種別「確変A」と同様、第1特別図柄の動的表示が大当たり終了後から100回実行されるまで、第2特別図柄の動的表示が大当たり終了後から100回実行されるまで、第1特別図柄の動的表示と第2特別図柄の動的表示とが大当たり終了後から合計して100回実行されるまで、或いは、第2特別図柄の動的表示での小当たり遊技当選に基づく共通大入賞口75が1回作動(開放)されるまで、のいずれか1の条件が成立するまで継続し、いずれか1の条件が成立した段階で該「時短機能」が終了するように構成されている。
次いで、大当たり種別「時短A」に当選した場合に設定される共通大入賞口75の開放回数は「10回」であり、該共通大入賞口75の1の開放における最大開放時間は「30秒」であって、かつ、最大入賞個数は「10個」となり、共通大入賞口75への球の入賞に基づいて払い出される賞球数は「15個」となるように規定されている。即ち、大当たり種別「時短A」では、大当たりにおいて付与される遊技価値として、大当たり種別「確変A」で付与され得る大当たりの遊技価値と同等の遊技価値が付与され得る。
また、該大当たり種別「時短A」による大当たりの終了後の移行遊技状態は、特別図柄の大当たり確率が低確率状態である一方、普通図柄の当たり確率が高確率状態となり、いずれかの時短終了条件が成立するまで右側特図1始動口71aへの入賞補助機能が作動する「時間短縮状態」へと移行する。
なお、大当たり種別「時短A」に基づいて付与される「時短機能」は、大当たり種別「確変A」等と同様、第1特別図柄の動的表示が大当たり終了後から100回実行されるまで、第2特別図柄の動的表示が大当たり終了後から100回実行されるまで、第1特別図柄の動的表示と第2特別図柄の動的表示とが大当たり終了後から合計して100回実行されるまで、或いは、第2特別図柄の動的表示での小当たり遊技当選に基づく共通大入賞口75が1回作動(開放)されるまで、のいずれか1の条件が成立するまで継続し、いずれか1の条件が成立した段階で該「時短機能」が終了するように構成されている。
次いで、大当たり種別「時短B」に当選した場合に設定される共通大入賞口75の開放回数は「4回」であり、該共通大入賞口75の1の開放における最大開放時間は「30秒」であって、かつ、最大入賞個数は「10個」となり、共通大入賞口75への球の入賞に基づいて払い出される賞球数は「15個」となるように規定されている。即ち、大当たり種別「時短B」では、大当たりにおいて付与される遊技価値として、大当たり種別「確変B」で付与され得る大当たりの遊技価値と同等の遊技価値が付与され得る。
また、該大当たり種別「時短B」による大当たりの終了後の移行遊技状態は、大当たり種別「時短A」と同様、特別図柄の大当たり確率が低確率状態である一方、普通図柄の当たり確率が高確率状態となり、いずれかの時短終了条件が成立するまで右側特図1始動口71aへの入賞補助機能が作動する「時間短縮状態」へと移行する。
なお、大当たり種別「時短B」に基づいて付与される「時短機能」は、大当たり種別「確変A」等と同様、第1特別図柄の動的表示が大当たり終了後から100回実行されるまで、第2特別図柄の動的表示が大当たり終了後から100回実行されるまで、第1特別図柄の動的表示と第2特別図柄の動的表示とが大当たり終了後から合計して100回実行されるまで、或いは、第2特別図柄の動的表示での小当たり遊技当選に基づく共通大入賞口75が1回作動(開放)されるまで、のいずれか1の条件が成立するまで継続し、いずれか1の条件が成立した段階で該「時短機能」が終了するように構成されている。
このように、当選した大当たり種別毎に払い出され得る賞球数が異なることで、当選した大当たり種別に応じて直接的に付与される遊技価値に違いを生じさせることができる。また、当選した大当たり種別毎に、大当たり遊技後に移行する遊技状態が変化することで、当選した大当たり種別に基づく大当たりの終了後の遊技性に違いを生じさせることができる。特に、遊技状態毎に「時短機能」の終了条件を異ならせることで、この場合も当選した大当たり種別に応じて直接的に付与される遊技価値に違いを生じさせることができる。その結果、特別図柄の抽選遊技において、いずれの大当たり種別に当選するか否かの遊技性を生み、遊技の興趣を向上することができる。
なお、大当たり種別に基づく共通大入賞口75の開放態様等(回数、最大開放時間、最大入賞個数、賞球数および移行遊技状態)は、上記実施形態に限定されるものではなく、適宜変更可能である。具体的には、大当たり種別毎に開放回数を同一に構成してもよいし、大当たり種別毎に最大開放時間を変更するように構成してもよいし、最大入賞個数を変更するように構成してよい。また、大当たり種別毎に別々の遊技状態に移行する必要はなく、複数の大当たり種別で共通的な遊技状態に移行するように構成してもよい。
また、大当たり遊技中は、一旦「通常遊技状態」と同等の遊技状態、即ち、普通図柄の当たり確率が低確率状態であって、該普通図柄の可変表示時間も長時間であり、かつ、普通電役71bの開放時間も短時間の状態、に遷移(移行)するように構成されている。このように構成することで、大当たり遊技中は、共通大入賞口75の開放以外による遊技価値の付与(例えば、普通電役71bの長い開放)が行われ難くすることができ、各遊技状態と大当たり中との出玉率の計算を分けて計算することが可能となる。その結果、遊技仕様の設計時における出玉率の計算が容易になり、遊技仕様の設計工数を削減することができる。
さらに、大当たり遊技における1のラウンドにおいて、共通大入賞口75の開放および閉鎖が複数回行われるように構成してもよい。具体的には、例えば、1のラウンドにおいて、共通大入賞口75の開放が開始された後、最大開放時間未満の所定秒数(例えば、「5秒」)で一旦閉鎖され、所定の閉鎖時間(例えば、「1秒」)後に、再び、共通大入賞口75が開放され、最大開放時間の経過又は最大入賞個数の入賞によって再び閉鎖するように構成してもよい。このように構成することで、大当たり遊技における遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる。
また、共通大入賞口75以外の他の大入賞口を設け、1の大当たりにおいて共通大入賞口75及び他の大入賞口をそれぞれ開放させるように構成してもよい。具体的には、例えば、1の大当たりにおいて、まず、1のラウンドの開始に伴って共通大入賞口75を開放して、該ラウンドの終了とともに共通大入賞口75を閉鎖(所謂、インターバル)し、該閉鎖後に直ちに次のラウンドの開始に伴って他の大入賞口を開放して、該ラウンドの終了とともに他の大入賞口を閉鎖し、それ以降、ラウンド毎に共通大入賞口75及び他の大入賞口を交互に(迅速に)開閉するように構成する。このように構成することで、大当たり遊技中における共通大入賞口75等が閉鎖されている状態(即ち、インターバル時間)を少なくすることができ、迅速な遊技価値を付与を実現できる。
図65に戻って、説明を続ける。上述したように、主制御装置110のROM202には、第1特別図柄又は第2特別図柄の抽選遊技において小当たりに当選した場合に、特図1小入賞口65又は共通大入賞口75の開放制御のために参照される小当たり開放テーブル202gが格納されている。
ここで、図78を参照して、小当たり開放テーブル202gについて説明する。図78は、ROM202に記憶される小当たり開放テーブル202gの一例を模式的に示した模式図である。小当たり開放テーブル202gは、第1特別図柄又は第2特別図柄の小当たりの当選時に参照され、各特別図柄の小当たりを発生した特図種別に基づいて、特図1小入賞口65又は共通大入賞口75の開放態様(回数、最大開放時間、最大入賞個数)がそれぞれ規定されている。
第4実施形態の小当たり開放テーブル202gは、小当たりに当選した特別図柄の種別に基づいて区分けされている。具体的には、第1特別図柄の動的表示において小当たりに当選した場合に参照される「特図1小当たり」用と、第2特別図柄の動的表示において小当たりに当選した場合に参照される「特図2小当たり」用とで、特図1小入賞口65又は共通大入賞口75の開放態様が設定される。
図78で示すように、第1特別図柄の動的表示において小当たりに当選した場合には、開放される入賞口として、特図1小入賞口65が設定される。そして、第1特別図柄の小当たり遊技では、特図1小入賞口65の開放回数は「1回」であり、また、該特図1小入賞口65の1の開放における最大開放時間は「0.1秒」であって、かつ、最大入賞個数は「10個」となり、特図1小入賞口65への球の入賞に基づいて払い出される賞球数は「10個」となるように規定されている。なお、第1特別図柄の小当たりに基づく特図1小入賞口65の開放回数は1回であるので、インターバル時間が設定されていない。
上述したように、特図1小入賞口65は、開放された場合であって障害部材65c(図60参照)及び釘によって球が入賞し難い位置に配置されているとともに、特図1小入賞口65へ球が流入可能状態(即ち、特図1出没板65aの突出状態)であっても、該流入可能状態は「0.1秒」と極めて短時間である。よって、第4実施形態のパチンコ機10では、第1特別図柄の動的表示において小当たり遊技に当選した場合であっても、実質的に遊技者に遊技価値が付与されないように構成されている。なお、第1特別図柄の小当たり遊技では、大当たり遊技への当選と異なり、小当たり遊技への当選に基づいて遊技状態は移行しないように構成されている。
次いで、図78で示すように、第2特別図柄の動的表示において小当たりに当選した場合には、開放される入賞口として、大当たり遊技への当選に基づいて開放され得る共通大入賞口75が設定される。即ち、共通大入賞口75は、第1特別図柄の大当たり、並びに、第2特別図柄の大当たり及び小当たりにおいて共用されるように構成されている。そして、第2特別図柄の小当たり遊技では、共通大入賞口75の開放回数は「3回」であり、また、該共通大入賞口75の1の開放における最大開放時間は「3.0秒」であって、かつ、最大入賞個数は「10個」となり、共通大入賞口75への球の入賞に基づいて払い出される賞球数は「15個」となるように規定されている。なお、第2特別図柄の小当たりに基づく共通大入賞口75の閉鎖時間であるインターバル時間は、「0.5秒」に設定されている。
このように構成することで、第2特別図柄の小当たり遊技が頻出する「小当たり頻出確率変動状態」において、特図2始動口74に球を入賞可能に構成し、第2特別図柄による第2抽選遊技を実行させて第2特別図柄の小当たり遊技を頻出させ、小当たり遊技への当選に基づく共通大入賞口75の開放中に球を多く入賞させるか、という遊技性を実現することができる。よって、「小当たり頻出確率変動状態」が長く続くことで、より多くの球を共通大入賞口75に入賞させることができるので、「小当たり頻出確率変動状態」の終了条件であるいずれかの大当たりに当選させずに如何にして該「小当たり頻出確率変動状態」を継続させるかという遊技性を創出し、遊技の興趣向上を図ることができる。
図65に戻って、説明を続ける。上述したように、主制御装置110のROM202には、各遊技状態毎に付与され得る「時短機能」の終了条件を設定するために参照される時短終了条件テーブル202hが格納されている。
ここで、図79を参照して、時短終了条件テーブル202hについて説明する。図79は、ROM202に記憶される時短終了条件テーブル202hの一例を模式的に示した模式図である。時短終了条件テーブル202hは、第1特別図柄又は第2特別図柄の動的表示において当選した大当たり遊技の終了時(遊技状態移行時)に参照され、該大当たり遊技終了後に付与される「時短機能」の終了条件が各遊技状態ごとにそれぞれ規定されている。
第4実施形態の時短終了条件テーブル202hは、遊技状態ごとに区分けされている。具体的には、「通常遊技状態」移行時に参照される「通常遊技状態」用と、「潜伏確率変動状態」移行時に参照される「潜伏確率変動状態」用と、「時間短縮状態」移行時に参照される「時間短縮状態」用と、「確率変動状態」移行時に参照される「確率変動状態」用と、「小当たり頻出確率変動状態」移行時に参照される「小当たり頻出確率変動状態」用とで、「時短機能」の終了条件が設定される。
第4実施形態の「時短機能」は、いずれかの特別図柄において大当たりの抽選結果が導出されるか、或いは、以下に示す複数の時短終了条件のうち、いずれか1の条件が成立することによって終了するように構成されている。具体的な時短終了条件としては、大当たり終了後の第1特別図柄の動的表示の実行回数を示す「特図1変動回数」と、大当たり終了後の第2特別図柄の動的表示の実行回数を示す「特図2変動回数」と、大当たり終了後の第1特別図柄および第2特別図柄の動的表示の合計実行回数を示す「特図1・特図2合計変動回数」と、大当たり終了後の第1特別図柄の動的表示における小当たり遊技への当選に基づく特図1小入賞口65の作動(開放)回数を示す「特図1小入賞口作動回数」と、大当たり終了後の第2特別図柄の動的表示における小当たり遊技への当選に基づく共通大入賞口75の作動(開放)回数を示す「特図2小当たりによる共通大入賞口作動回数」とが規定されている。
なお、第4実施形態では、第1特別図柄の動的表示における小当たり遊技への当選に基づく特図1小入賞口65の作動に基づいて「時短機能」は終了しないように構成されているが、第1特別図柄の動的表示における小当たり遊技への当選に基づく特図1小入賞口65の作動回数(例えば、10回)に基づいて「時短機能」を終了するように構成してもよい。
まず、図79で示すように、「通常遊技状態」及び「潜伏確率変動状態」において、該「通常遊技状態」及び「潜伏確率変動状態」ではそもそも「時短機能」が付与されていないため、「時短機能」のいずれの終了条件も設定されていない。よって、「通常遊技状態」及び「潜伏確率変動状態」では、「時短機能」が付与も終了もしないように構成されている。
次いで、図79で示すように、「時間短縮状態」では、「特図1変動回数」が100回に設定され、「特図2変動回数」が「100回」に設定され、「特図1・特図2合計変動回数」が「100回」に設定されているとともに、「特図2小当たりによる共通大入賞口作動回数」が「1回」に設定されている。なお、「時間短縮状態」では、「特図1小入賞口作動回数」及び「特図2小当たりによる共通大入賞口作動回数」が「時短機能」の終了条件に設定されていない。
よって、「時間短縮状態」では、大当たり終了後に、第1特別図柄の動的表示が単独で100回実行されるか、第2特別図柄の動的表示が単独で100回実行されるか、第1特別図柄の動的表示と第2特別図柄の動的表示とが合計で100回実行されるか、第2特別図柄の動的表示において小当たり遊技に当選したことに基づく共通大入賞口75が1回作動(開放)されるか、のいずれかの1の条件が成立した段階で「時短機能」が終了するように構成されている。そして、「時間短縮状態」において「時短機能」が終了した場合、普通図柄の当たり確率が高確率状態から低確率状態へと変化し、「通常遊技状態」に移行するように構成されている。
第4実施形態のパチンコ機10における「時間短縮状態」では、第1特別図柄の動的表示が奨励され、第2特別図柄の動的表示が非奨励に設定されているとともに、上述したように、右側特図1ユニット71並びに第1流路部材72及び第2流路部材73によって特図2始動口74に球が入賞し難いように構成されている。即ち、第2特別図柄の動的表示は実行され難く、また、第2特別図柄の動的表示における小当たり遊技も発生し難いように構成されている。従って、「時間短縮状態」において設定された「時短機能」は、「特図1変動回数」における時短終了条件を満たすことで終了され易いように構成されている。換言すると、「時間短縮状態」では、「特図2変動回数」、「特図1・特図2合計変動回数」および「特図2小当たりによる共通大入賞口作動回数」の時短終了条件がそれぞれ設定されるものの、該時短終了条件が成立し難く若しくは成立困難に構成され、該時短終了条件より先に「特図1変動回数」が先に成立し得るように構成されている。
次いで、図79で示すように、「確率変動状態」では、「時間短縮状態」と同様、「特図1変動回数」が100回に設定され、「特図2変動回数」が「100回」に設定され、「特図1・特図2合計変動回数」が「100回」に設定されているとともに、「特図2小当たりによる共通大入賞口作動回数」が「1回」に設定されている。なお、「時間短縮状態」では、「特図1小入賞口作動回数」及び「特図2小当たりによる共通大入賞口作動回数」が「時短機能」の終了条件に設定されていない。
よって、「確率変動状態」では、「時間短縮状態」と同様、大当たり終了後に、第1特別図柄の動的表示が単独で100回実行されるか、第2特別図柄の動的表示が単独で100回実行されるか、第1特別図柄の動的表示と第2特別図柄の動的表示とが合計で100回実行されるか、第2特別図柄の動的表示において小当たり遊技に当選したことに基づく共通大入賞口75が1回作動(開放)されるか、のいずれかの1の条件が成立した段階で「時短機能」が終了するように構成されている。そして、「確率変動状態」において「時短機能」が終了した場合、普通図柄の当たり確率が高確率状態から低確率状態へと変化する一方、特別図柄の大当たり確率は高確率状態のまま継続するため、「潜伏確率変動状態」に移行するように構成されている。
第4実施形態のパチンコ機10における「確率変動状態」では、「時間短縮状態」と同様、第1特別図柄の動的表示が奨励され、第2特別図柄の動的表示が非奨励に設定されているとともに、上述したように、右側特図1ユニット71並びに第1流路部材72及び第2流路部材73によって特図2始動口74に球が入賞し難いように構成されている。即ち、第2特別図柄の動的表示は実行され難く、また、第2特別図柄の動的表示における小当たり遊技も発生し難いように構成されている。従って、「確率変動状態」において設定された「時短機能」は、「特図1変動回数」における時短終了条件を満たすことで終了され易いように構成されている。換言すると、「確率変動状態」では、「時間短縮状態」と同様、「特図2変動回数」、「特図1・特図2合計変動回数」および「特図2小当たりによる共通大入賞口作動回数」の時短終了条件がそれぞれ設定されるものの、該時短終了条件が成立し難く若しくは成立困難に構成され、該時短終了条件より先に「特図1変動回数」が先に成立し得るように構成されている。
次いで、図79で示すように、「小当たり頻出確率変動状態」では、「特図1変動回数」が100回に設定され、「特図2変動回数」が「100回」に設定され、「特図1・特図2合計変動回数」が「100回」に設定されているとともに、「特図2小当たりによる共通大入賞口作動回数」が「1回」に設定されている。なお、「小当たり頻出確率変動状態」では、「特図1小入賞口作動回数」が「時短機能」の終了条件に設定されていない。
よって、「小当たり頻出確率変動状態」では、「時間短縮状態」と同様、大当たり終了後に、第1特別図柄の動的表示が単独で100回実行されるか、第2特別図柄の動的表示が単独で100回実行されるか、第1特別図柄の動的表示と第2特別図柄の動的表示とが合計で100回実行されるか、第2特別図柄の動的表示において小当たり遊技に当選したことに基づく共通大入賞口75が1回作動(開放)されるか、のいずれかの1の条件が成立した段階で「時短機能」が終了するように構成されている。
ここで、「小当たり頻出確率変動状態」では、第1特別図柄の動的表示より第2特別図柄の動的表示の方が早期に終了する(第2特別図柄の動的表示が奨励される)ように構成されており、大当たり遊技中に特図2始動口74への入賞に基づいて保留された第2特別図柄の動的表示が、第1特別図柄の動的表示より先に停止(確定)する。また、第2特別図柄の動的表示では、小当たり遊技への当選が頻出(即ち、98%で小当たり遊技に当選)するため、大当たり終了後に実行される第2図柄の動的表示において小当たり遊技が発生し易く、該第2特別図柄の小当たり当選に基づいて共通大入賞口75が開放され得る。このため、第2特別図柄の動的表示が奨励される「小当たり頻出確率変動状態」では、「特図1変動回数」、「特図2変動回数」又は「特図1・特図2合計変動回数」の時短終了条件より、「特図2小当たりによる共通大入賞口作動回数」の時短終了条件が早期に成立し、該第2特別図柄の小当たり遊技に基づく共通大入賞口75の開放によって「時短機能」が終了するように構成されている。そして、「小当たり頻出確率変動状態」では、特別図柄の大当たり確率は高確率状態であり、また、普通図柄の当たり確率も当初は高確率状態ではあるが、「特図2小当たりによる共通大入賞口作動回数」の時短終了条件の成立に基づいて、「時短機能」の終了に伴って普通図柄の当たり確率が低確率状態に移行する。その結果、「小当たり頻出確率変動状態」では、「時短機能」が終了した状態であり、普通電役71bが非開放延長状態となるため、右打ち遊技で発射された球が、右側特図1ユニット71の正面視右側の右側流路に流下し、特図2始動口74へと流入可能な状態となる。
このように構成することで、第2特別図柄の小当たり遊技が頻出する「小当たり頻出確率変動状態」において、「時短機能」を早期に終了させて特図2始動口74に球を入賞可能に構成し、第2特別図柄による第2抽選遊技を実行させて第2特別図柄の小当たり遊技を頻出させ、小当たり遊技への当選に基づく共通大入賞口75の開放中に球を多く入賞させるか、という遊技性を実現することができる。よって、「小当たり頻出確率変動状態」が長く続くことで、より多くの球を共通大入賞口75に入賞させることができるので、「小当たり頻出確率変動状態」の終了条件であるいずれかの大当たりに当選させずに如何にして該「小当たり頻出確率変動状態」を継続させるかという遊技性を創出し、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、第4実施形態のパチンコ機10では、いずれの大当たり種別に当選した場合でも、時短終了条件として「特図1変動回数」、「特図2変動回数」、「特図1・特図2合計変動回数」及び「特図2小当たりによる共通大入賞口作動回数」がそれぞれ100回又は1回設定されるように構成されている(図102のS6204〜S6208参照)。このように構成することで、各大当たり種別における時短終了条件に設定処理を共通化することができ、プログラムの簡易化および処理負担を軽減することができる。
図65に戻って、説明を続ける。普図保留球格納エリア203hは、スルーゲート67への球の通過の検出に伴ってカウンタ用バッファ203cより取得した普図当たりカウンタC4を記憶するためのメモリである。MPU201は、タイマ割込処理(図88参照)の中で、球がスルーゲート67を通過したことを検出すると、カウンタ用バッファ203cから普図当たりカウンタC4の値を取得し、普通図柄の保留球数を計数する普図保留球数カウンタ(図示せず)の値が示す普図保留球格納エリア203hに格納する。普図保留球格納エリア203hは、普通図柄の一の保留球に対応するデータ(普図当たりカウンタC4の値)が、最大4回分まで記憶(保留)できるように、4つの保留エリア(普図保留第1〜第4エリア)を有している(図66参照)。
普図保留球実行エリア203iは、実行を開始する、或いは、実行中の普通図柄の当たり抽選や可変表示の処理において参照すべきデータ(普図当たり乱数カウンタC4の値)を記憶するためのメモリである。
MPU201は、普通図柄の可変表示の実行開始タイミングであることを検出すると、普通図柄の当たり抽選や普通図柄表示装置83の可変表示の設定等の処理を実行するために、上述した普図保留球格納エリア203hに記憶されているデータ(普図当たり乱数カウンタC4の値)のうち、一のデータをこの普図保留球実行エリア203iへシフトする。なお、第4実施形態におけるシフトとは、一の領域に記憶されているデータを別の領域へ移動させることを示す。
ここで、再び図66を参照して、普図保留球格納エリア203hおよび普図保留球実行エリア203iの詳細について説明する。普図保留球格納エリア203hおよび普図保留球実行エリア203iは、普通図柄の当たり抽選や普通図柄表示装置83の可変表示の設定等の処理を行うために、主制御装置110のMPU201により使用される。
上述したように、普通図柄の当たり抽選や普通図柄表示装置83の可変表示の設定には、普通図柄の当たり抽選に使用する普図当たり乱数カウンタC4が用いられる。普図保留球格納エリア203hは、球がスルーゲート67を通過した場合にMPU201によってカウンタ用バッファ203cから取得される普図当たり乱数カウンタC4の値を記憶する。
普図保留球格納エリア203hは、4つの保留エリア(普図保留第1〜第4エリア)で構成されている。4つの保留エリア(普図保留第1〜第4エリア)にはそれぞれ、普図当たり乱数カウンタC4の値を格納する普図当たり乱数カウンタ格納エリア(図示せず)が設けられている。
この普図保留球格納エリア203hには、球がスルーゲート67を通過したタイミングで取得されるデータ(普図当たり乱数カウンタC4の値)が最大4回分まで記憶されるが、その場合、4つの保留エリア(普図保留第1〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番にデータが記憶される。つまり、エリア番号が小さいエリアほど、時間的に古いスルーゲート67への球の通過に対応するデータが記憶され、普図保留第1エリアには、時間的に最も古いスルーゲート67への球の通過に対応するデータが記憶されることになる。
一方、普図保留球実行エリア203iは、1つのエリアのみで構成されている。この普図保留球実行エリア203iには、普図保留球格納エリア203hと同様に、普図当たり乱数カウンタC4の値を格納する普図当たり乱数カウンタ格納エリア(図示せず)が設けられている。
MPU201は、普通図柄の可変表示の実行タイミングになったことを判断すると、普図保留球格納エリア203hの普図保留第1エリアに記憶されているデータを、この普図保留球実行エリア203iにシフトする。
そして、普図保留球実行エリア203iにシフトされたデータを、普図変動処理(図88のS211参照)において参照し、その参照データと遊技状態とに基づいて、当たり抽選を行うと共に、可変表示の内容を決定する。普通図柄表示装置83では、主制御装置110の制御により、この決定された内容に基づいて、可変表示が行われる。
データのシフトの詳細について説明する。MPU201は、普通図柄の可変表示の実行開始タイミングとなったことを判断すると、普図保留球格納エリア203hの普図保留第1エリアの普図当たり乱数カウンタ格納エリア(図示せず)の乱数値を、普図保留球実行エリア203iの普図当たり乱数カウンタ格納エリア(図示せず)へシフトする。
そして、普図保留球実行エリア203iへのデータのシフトが終了すると、普図保留第1エリアが空き状態となるため、普図保留球格納エリア203hの各エリア(第2〜第4)に記憶(保留)されているデータを、エリア番号が1小さいエリア(第1〜第3)に詰めるシフト処理を行う。なお、第4実施形態では、普図保留球格納エリア203hにおいて、データが記憶(保留)されている普図保留エリア(第1〜第4)についてのみデータのシフトを行う。
ここで、普図保留球格納エリア203h内の各保留エリアに対して行われるデータシフトについて説明する。例えば、普通図柄の可変表示の開始判断が行われた時の普図保留球数カウンタ(図示せず)の値が「4」であり、普図保留球格納エリア203hの全エリア(第1〜第4)にデータが記憶されているとする。この状態で、普図保留第1エリアのデータが、普図保留球実行エリア203iへシフトされ、普図保留第1エリアが空き状態となると、MPU201は、他のエリア(第2〜第4)のデータをそれぞれ、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3)にシフトする。すなわち、普図保留第2エリアのデータを、普図保留第1エリアへシフトし、普図保留第3エリアのデータを、普図保留第2エリアへシフトし、普図保留第4エリアのデータを、普図保留第3エリアへシフトする。
また、例えば、普通図柄の可変表示の開始判断が行われた時の普図保留球数カウンタ(図示せず)の値が「2」であれば、MPU201は、普図保留第2エリアのデータのみを、普図保留第1エリアへシフトして、データのシフトを終了する。上述したように、第4実施形態では、データが記憶(保留)されていない普図保留エリア(第3〜第4)については、データのシフト処理を行わないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
なお、データの有無に関わらず、普図保留エリア(第2〜第4)の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、普図保留エリア(第2〜第4)にデータが記憶(保留)されているか否かの判定が不要となるので、プログラムの作成を容易とすることができる。
図65に戻り、説明を続ける。主制御装置110のRAM203に設けられた確変フラグ203jは、特別図柄の高確率状態か否かを判別するためのフラグである。この確変フラグ203jがオンか否かに応じて、特別図柄の当否抽選において参照される大当たり乱数テーブル202a(図67参照)が異なるように構成されている。具体的には、特別図柄の当否抽選において、確変フラグ203jがオフに設定されている場合は、確率設定値に基づいて低確率状態用の大当たり乱数テーブル202aが参照される一方、確変フラグ203jがオンに設定されている場合は、確率設定値に基づいて高確率状態用の大当たり乱数テーブル202aが参照される。
この確変フラグ203jは、電源投入時に初期値としてオフに設定され、大当たりの終了時において、大当たり終了後の遊技状態を特別図柄の高確率状態に移行する大当たり種別(即ち、大当たり種別「確変A」又は「確変B」)に当選していた場合に、オンに設定される(図102のS6202参照)。一方、大当たりの終了時において、大当たり終了後の遊技状態を特別図柄の低確率状態に移行する大当たり種別(即ち、大当たり種別「時短A」又は「時短B」)に当選していた場合に、オフに設定される(図102のS6203参照)。
リミットカウンタ203kは、本パチンコ機10の初期化若しくは該リミットカウンタ203kの初期化(即ち、0クリア)以降において、特別図柄の大当たり回数が所定回数(第4実施形態では、10回)に到達したか否かを計数するためのカウンタである。上述したように、第4実施形態のパチンコ機10では、本パチンコ機10の初期化以降において、特別図柄の大当たり回数が所定回数(第4実施形態では、10回)に到達する毎に、「確率変動状態」および「小当たり頻出確率変動状態」を選択させないように構成し、該所定回数到達時における大当たり終了後の遊技状態を、必ず特別図柄の低確率状態へ移行して、特別図柄の高確率状態への移行を禁止する所謂「リミッタ機能」が搭載されている。主制御装置110のMPU201は、上記所定回数を計数するために、このリミットカウンタ203kの値を参照するように構成されている。
このリミットカウンタ203kは、電源投入時に初期値として「0」が設定され、その後、いずれかの特別図柄の大当たりが発生する毎に、1ずつ加算される(図93のS5201参照)。
一方、リミットカウンタ203kの値は、一方の特別図柄の動的表示において大当たりに当選した場合に1加算された場合であっても、他方の特別図柄の動的表示において大当たり又は小当たりに当選し、該他方の特別図柄の動的表示が上記一方の特別図柄の動的表示より先に停止表示される場合に、リミットカウンタ203kの値を加算した対象となる大当たりが消滅するため、該加算分を取り消すため、リミットカウンタ203kの値から1減算されるように構成されている(図94のS5305若しくはS5312、又は、図96のS5505若しくはS5512参照)。このように構成することで、遊技者に付与されない大当たりに基づくリミット回数を修正し、遊技者に遊技価値が付与される大当たりのみをリミット回数として計数することができるので、複数の特別図柄を同時変動する場合であっても、「リミット機能」の遊技性を的確に実行して、遊技の興趣向上を図ることができる。
そして、該リミットカウンタ203kの値が「10」より小さい値ではなくなった場合、即ち、リミットカウンタ203kの値が「10」以上となった場合に、所定回数の大当たりが発生して予め定められたリミット回数に到達したと判断して、該リミットカウンタ203kの値が初期化(即ち、0クリア)されるように構成されている(図102のS6210参照)。
主制御装置110のMPU201は、特別図柄の大当たりに当選した場合に、このリミットカウンタ203kの値を確認して、該リミットカウンタ203kの値が「10」より小さい値である場合には、特別図柄の高確率状態へ移行し得る大当たり種別を含む大当たり種別の中から、大当たり種別テーブル202b及び大当たり種別カウンタC2の値に基づいて1の大当たり種別を選定する。一方、リミットカウンタ203kの値が「10」より小さい値でない場合、即ち、「10」以上の場合には、特別図柄の高確率状態へ移行し得る大当たり種別を含まない大当たり種別(即ち、大当たり種別「時短A」又は「時短B」)の中から、大当たり種別テーブル202b及び大当たり種別カウンタC2の値に基づいて1の大当たり種別を選定する。このように構成することで、大当たりの回数が上記所定回数に到達する毎に、該大当たり終了後の遊技状態を、必ず特別図柄の低確率状態へ移行することが可能となる。よって、特別図柄の高確率状態が継続し続けて過度な大当たりの「連荘」が発生することを抑制し、遊技者が該パチンコ機10において継続的に遊技を行った場合に得られる出玉率を平準化することができ、遊技者に付与される遊技価値が高くなり過ぎないように構成できる。
このリミットカウンタ203kの値は、更新(0クリア含む)される毎に、リミット回数コマンド又はリミットクリアコマンドが音声ランプ制御装置113に送信され、音声ランプ制御装置113側でも特別図柄の大当たり回数及びリミット回数の初期化を把握可能に構成されている。
ここで、第4実施形態のパチンコ機10では、大当たり回数がリミット回数に到達したことを遊技者に報知しないように構成されているとともに、大当たり回数がリミット回数に到達する以前であってもリミット回数到達時に選定され得る大当たり種別(即ち、大当たり種別「時短A」又は「時短B」)が選択され得るように構成されている。即ち、大当たりのリミット回数に到達したか否かを遊技者が判別し難くなるように構成されている。また、第4実施形態のパチンコ機10では、大当たりの残りリミット回数を遊技者に報知しないように構成されている。即ち、大当たりのリミット回数に到達するまでの残り大当たり回数を遊技者が判別し難くなるように構成されている。
これは、第4実施形態のパチンコ機10では、大当たりがリミット回数に到達した場合、強制的に「小当たり頻出確率変動状態」又は「確率変動状態」を発生し得ない大当たり種別(即ち、「時短A」又は「時短B」)に当選するように構成されている一方、大当たり回数がリミット回数に到達するまでは、「小当たり頻出確率変動状態」又は「確率変動状態」を発生する大当たり種別(即ち、「確変A」又は「確変B」)に当選し得るように構成されているため、大当たりのリミット回数に到達した直後は、大当たりの残りリミット回数が最大となっている。この状態で遊技を行った場合に、「小当たり頻出確率変動状態」又は「確率変動状態」を発生する大当たり種別に当選した際には、「小当たり頻出確率変動状態」又は「確率変動状態」を発生する大当たり種別の当選回数を最大化(即ち、10回)することができる一方、大当たりのリミット回数に到達した直後以外のタイミング、即ち、大当たりのリミット回数に到達した後、少なくとも1以上の大当たりに当選した後は、大当たりの残りリミット回数が最大ではなく、大当たりのリミット回数に到達した直後より「小当たり頻出確率変動状態」又は「確率変動状態」を発生する大当たり種別の当選回数が少なくなってしまう。よって、遊技を行うパチンコ機10の選定時に、大当たりのリミット回数に到達した直後以外のタイミングであることを認識した遊技者は、得られる遊技価値が減少していると判断して、該パチンコ機10における遊技を敬遠し、該パチンコ機10の稼働率が低下してしまうおそれがある。
そこで、大当たり回数がリミット回数に到達したことを遊技者に報知しないように構成するとともに、大当たり回数がリミット回数に到達する以前であってもリミット回数到達時に選定され得る大当たり種別(即ち、大当たり種別「時短A」又は「時短B」)が選択され得るように構成して、大当たりのリミット回数に到達したか否かを遊技者が判別し難くなるように構成する。また、大当たりの残りリミット回数を遊技者に報知しないように構成し、大当たりのリミット回数に到達するまでの残り大当たり回数を遊技者が判別し難くなるように構成する。このように構成することで、大当たりのリミット回数に到達した直後か否か、および、大当たりの残りリミット回数を遊技者に判別し難くして、大当たりのリミット回数に到達した直後以外のタイミングであっても該パチンコ機10における遊技を敬遠され難くして、該パチンコ機10の稼働率の低下を抑制できる。
また、第4実施形態のパチンコ機10では、リミット回数の最大値に到達する段階(即ち、リミット到達時)において大当たりに当選した場合に、リミット到達前であれば「小当たり頻出確率変動状態」に対応する大当たり種別「確変A」に対応する大当たり種別カウンタC2が抽出されていても、該大当たり種別「確変A」ではなく大当たり種別「時短A」が発生し得るように構成されている。
ここで、仮に、大当たり種別「確変A」に対応する大当たりに当選した場合において、第2特別図柄の小当たりを頻出させるために「時短機能」を付与させず、単に特別図柄を高確率状態、かつ、普通図柄を低確率状態及び非開放延長状態として第2特別図柄による小当たり頻出状態を発生し得るようにしたとき、リミット到達時には、該大当たり種別「確変A」に対応する大当たり種別カウンタC2が導出されている状況では「時短機能」が付与されないことから、大当たり終了後に「時間短縮状態」ではなく、直ちに特別図柄および普通図柄が共に低確率状態である「通常遊技状態」に移行してしまう。
また、リミット到達時に大当たり種別「確変A」に該当する大当たり種別カウンタC2が導出されていた場合に、リミット到達前であれば遊技者にとって最も遊技価値が高い大当たり種別「確変A」が付与される値であったにもかかわらず、遊技者にとって最も不利な「通常遊技状態」に移行してしまうため、遊技者にとって有利な状態から、遊技者にとって最も不利な状態にいきなり移行してしまうことで、遊技者が遊技の継続意欲を喪失(遊技の興醒め)して、遊技を中止してしまい、パチンコ機10の稼働が低下してしまうおそれがある。
さらに、リミット到達時に「時短機能」が付与されない「通常遊技状態」にいきなり移行してしまうと、リミットに到達したことが遊技者に明示されてしまい、該リミット到達を契機として遊技者に遊技を止める動機(きっかけ)を与えてしまい、遊技が中止されることでパチンコ機10の稼働が低下してしまうおそれがある。
そこで、第4実施形態のパチンコ機10では、第2特別図柄の小当たりが頻出し得る「小当たり頻出確率変動状態」に対応する大当たり種別「確変A」に対応する大当たりに当選した場合に、「時短機能」を付与し、かつ、第2特別図柄における小当たり遊技に当選した場合にのみ該「時短機能」が直ちに終了するように構成しつつ、第2特別図柄の動的表示を実行可能に構成して、第2特別図柄の小当たりに基づく遊技価値を取得可能としている。そして、リミット到達時に大当たり種別「確変A」に対応する大当たり種別カウンタC2に当選した場合であっても大当たり種別「時短A」による(と同等の)「時短機能」が付与され、この場合には第2特別図柄による小当たり遊技が発生し難いため、第2特別図柄の小当たりに基づく時短終了条件が成立せず(し難く)、他の時短終了条件(即ち、第1特別図柄の動的表示が100回実行)の成立によって付与された「時短機能」が終了するように構成される。このように構成することで、リミット到達時における大当たり種別「確変A」に対応する大当たり種別カウンタC2が導出された場合であっても、大当たり終了後に遊技者に「時短機能」を付与することができるので、リミット到達時に一定の遊技価値を遊技者に付与した状態で遊技を継続させることが可能となる。その結果、遊技者に遊技を止める動機を与えず、遊技者の遊技の継続意欲を維持させることで、パチンコ機10の稼働を維持することができ、ホール経営に資するパチンコ機10を提供することができる。また、リミット到達時に、直ちに「通常遊技状態」に移行しないように構成することで、遊技者にリミット機能の発動(リミット到達したこと)を認識し難く構成し、該リミット到達を契機として遊技者に遊技を止める動機(きっかけ)を与え難くして、パチンコ機10の稼働低下を抑制できる。
時短フラグ203mは、普通図柄の高確率状態、かつ、普通電役71bの開放延長状態、即ち、時短機能が付与される状況か否かを判別するためのフラグである。この時短フラグ203mがオンか否かに応じて、普通図柄の当否抽選において参照される普図当たり乱数テーブル202i(図76(a)参照)が異なるように構成されると共に、普通図柄の可変表示時間を選定する場合に参照される普図変動テーブル202j(図76(b)参照)が異なるように構成され、さらに、普通電役71bの開放時間を選定する場合に参照される普通電役開放テーブル202k(図76(c)参照)が異なるように構成されている。
具体的には、普通図柄の当否抽選において、時短フラグ203mがオフに設定されている場合には、低確率状態用の普図当たり乱数テーブル202iが参照される一方、時短フラグ203mがオンに設定されている場合は、高確率状態用の普図当たり乱数テーブル202iが参照される。また、普通図柄の可変表示の選定において、時短フラグ203mがオフに設定されている場合には、可変表示時間が長い低確率状態用の普図変動テーブル202jが参照される一方、時短フラグ203mがオンに設定されている場合は、可変表示時間が短い高確率状態用の普図変動テーブル202jが参照される。さらに、普通電役71bの開放時間の選定において、時短フラグ203mがオフに設定されている場合は、普通電役71bの開放時間が短い低確率状態用の普通電役開放テーブル202kが参照される一方、時短フラグ203mがオンに設定されている場合は、普通電役71bの開放時間が長い高確率状態用の普通電役開放テーブル202kが参照される。
この時短フラグ203mは、電源投入時に初期値としてオフに設定され、大当たりの終了時において、すべての大当たり種別でオンに設定される。即ち、第4実施形態のパチンコ機10では、いずれの大当たり種別に当選した場合であっても、一旦は該時短フラグ203mがオンに設定され、「時短機能」が付与される(図102のS6208参照)。一方、時短フラグ203mは、「時短機能」の終了条件(時短終了条件)のいずれか1つが成立した段階、即ち、後述する特図1時短カウンタ203nの値が「0」となったタイミング、特図2時短カウンタ203oの値が「0」となったタイミング、合計時短カウンタ203pの値が「0」となったタイミング、或いは、特電2時短カウンタ203qの値が「0」となったタイミングで、オフに設定される(図98のS5704若しくはS5709、又は、図105のS6405参照)。
特図1時短カウンタ203nは、「時短機能」の1の終了条件を判別するためのカウンタであって、大当たり終了後に第1特別図柄の動的表示が100回実行されたか否かを計数し、「特図1変動回数」の時短終了条件の判別を行うためのカウンタである。上述したように、第4実施形態のパチンコ機10では、すべての大当たり種別による大当たり遊技の終了後、第1特別図柄の動的表示の実行回数が100回に到達した場合に、実行中の「時短機能」を終了して(共通大入賞口75の作動による時短終了条件が先に成立して「時短機能」が終了する「小当たり頻出確率変動状態」を除く)、「時間短縮状態」であれば「通常遊技状態」へ、「確率変動状態」であれば「潜伏確率変動状態」へ移行するように構成されている。
この特図1時短カウンタ203nは、電源投入後のRAM203の初期設定処理(図85のS117参照)によって、初期値として「0」が設定される。そして、いずれかのお大当たり種別に当選し、該大当たりが終了した段階で、いずれの大当たり種別であったとしても該特図1時短カウンタ203nの値に「100」が設定される(図102のS6205参照)。一方、特図1時短カウンタ203nは、「時短機能」が有効設定されている場合、即ち、時短フラグ203mがオンされている場合に、第1特別図柄の動的表示が1回実行される毎に1減算される(図98のS5702参照)。
そして、特図1時短カウンタ203nの値が「0」となった場合に(図98のS5703:No)、第1特別図柄の実行回数による時短終了条件が成立したと判断して、オンされている時短フラグ203mをオフに設定し(図98のS5704参照)、「時短機能」を終了するように構成されている。
特図2時短カウンタ203oは、「時短機能」の1の終了条件を判別するためのカウンタであって、大当たり終了後に第2特別図柄の動的表示が100回実行されたか否かを計数し、「特図2変動回数」の時短終了条件の判別を行うためのカウンタである。上述したように、第4実施形態のパチンコ機10では、すべての大当たり種別による大当たり遊技の終了後、第2特別図柄の動的表示の実行回数が100回に到達した場合に、実行中の「時短機能」を終了して(共通大入賞口75の作動による時短終了条件が先に成立して「時短機能」が終了する「小当たり頻出確率変動状態」を除く)、「時間短縮状態」であれば「通常遊技状態」へ、「確率変動状態」であれば「潜伏確率変動状態」へ移行するように構成されている。
この特図2時短カウンタ203oは、電源投入後のRAM203の初期設定処理(図85のS117参照)によって、初期値として「0」が設定される。そして、いずれかのお大当たり種別に当選し、該大当たりが終了した段階で、いずれの大当たり種別であったとしても該特図2時短カウンタ203oの値に「100」が設定される(図102のS6206参照)。一方、特図2時短カウンタ203oは、「時短機能」が有効設定されている場合、即ち、時短フラグ203mがオンされている場合に、第2特別図柄の動的表示が1回実行される毎に1減算される(図98のS5705参照)。
そして、特図2時短カウンタ203oの値が「0」となった場合に(図98のS5706:No)、第2特別図柄の実行回数による時短終了条件が成立したと判断して、オンされている時短フラグ203mをオフに設定し(図98のS5704参照)、「時短機能」を終了するように構成されている。
なお、第4実施形態のパチンコ機10において、「時短機能」が有効であって第1特別図柄の動的表示が奨励される「確率変動状態」又は「時間短縮状態」では、第1特別図柄の動的表示が実行され易く、第2特別図柄の動的表示は実行され難く構成されている。また、「時短機能」が有効であって第2特別図柄の動的表示が奨励される「小当たり頻出確率変動状態」では、第2特別図柄の実行回数による時短終了条件より、第2特別図柄の小当たり遊技の実行に基づく時短終了条件の方が先に実行され易く構成されている。このため、該特図2時短カウンタ203oによる時短終了条件は実質的に判別しないように構成してもよい。
合計時短カウンタ203pは、「時短機能」の1の終了条件を判別するためのカウンタであって、大当たり終了後に第1特別図柄の動的表示と第2特別図柄の動的表示とが合計100回実行されたか否かを計数し、「特図1・特図2合計変動回数」の時短終了条件の判別を行うためのカウンタである。上述したように、第4実施形態のパチンコ機10では、すべての大当たり種別による大当たり遊技の終了後、第1特別図柄の動的表示と第2特別図柄の動的表示との合計実行回数が100回に到達した場合に、実行中の「時短機能」を終了して(共通大入賞口75の作動による時短終了条件が先に成立して「時短機能」が終了する「小当たり頻出確率変動状態」を除く)、「時間短縮状態」であれば「通常遊技状態」へ、「確率変動状態」であれば「潜伏確率変動状態」へ移行するように構成されている。
この合計時短カウンタ203pは、特図1時短カウンタ203n及び特図2時短カウンタ203oとは別に設けられており、各遊技状態毎に奨励される特別図柄とは異なる特別図柄(即ち、非奨励の特別図柄)が所定回数実行された場合であっても「時短機能」を終了させるために設けられている。即ち、第1特別図柄が奨励される「確率変動状態」又は「時間短縮状態」において、非奨励の第2特別図柄の動的表示が100回実行された場合であっても「時短機能」を無効にすることができ、また、第2特別図柄が奨励される「小当たり頻出確率変動状態」において、非奨励の第1特別図柄の動的表示が100回実行された場合であっても「時短機能」を無効にすることができる。
この合計時短カウンタ203pは、電源投入後のRAM203の初期設定処理(図85のS117参照)によって、初期値として「0」が設定される。そして、いずれかのお大当たり種別に当選し、該大当たりが終了した段階で、いずれの大当たり種別であったとしても該合計時短カウンタ203pの値に「100」が設定される(図102のS6207参照)。一方、合計時短カウンタ203pは、「時短機能」が有効設定されている場合、即ち、時短フラグ203mがオンされている場合に、第1特別図柄の動的表示、又は、第2特別図柄の動的表示のいずれか一方が1回実行される毎に1減算される(図98のS5707参照)。
そして、合計時短カウンタ203pの値が「0」となった場合に(図98のS5708:No)、第1特別図柄および第2特別図柄の実行回数による時短終了条件が成立したと判断して、オンされている時短フラグ203mをオフに設定し(図98のS5709参照)、「時短機能」を終了するように構成されている。
なお、第4実施形態のパチンコ機10において、「時短機能」が有効であって第1特別図柄の動的表示が奨励される「確率変動状態」又は「時間短縮状態」では、第1特別図柄の動的表示が実行され易く、第2特別図柄の動的表示は実行され難く構成されている。また、「時短機能」が有効であって第2特別図柄の動的表示が奨励される「小当たり頻出確率変動状態」では、第2特別図柄の実行回数による時短終了条件より、第2特別図柄の小当たり遊技の実行に基づく時短終了条件の方が先に実行され易く構成されている。このため、「時短機能」有効時において、合計時短カウンタ203pの値と特図1時短カウンタ203nの値とが一致しており、該合計時短カウンタ203pによる時短終了条件が成立する場合は、特図1時短カウンタ203nによる時短終了条件も成立するため、合計時短カウンタ203pによる時短終了条件を判別しないように構成してもよい。
特電2時短カウンタ203qは、「時短機能」の1の終了条件を判別するためのカウンタであって、大当たり終了後に第2特別図柄の動的表示において小当たり遊技に当選し、該小当たり遊技の当選に基づいて共通大入賞口75の開放が1回実行されたか否かを計数し、「特図2小当たりによる共通大入賞口作動回数」の時短終了条件の判別を行うためのカウンタである。
上述したように、第4実施形態のパチンコ機10では、すべての大当たり種別による大当たり遊技の終了後、共通大入賞口75が1回作動した場合に、実行中の「時短機能」を終了するように構成されており、特に、第2特別図柄の小当たり遊技が発生し得る「小当たり頻出確率変動状態」において、該「小当たり頻出確率変動状態」の突入後、直ちに第2特別図柄の小当たり遊技に基づいて「時短機能」を終了させるように構成されている。「小当たり頻出確率変動状態」において「時短機能」が終了した場合、右側特図1ユニット71の普通電役71bが閉鎖されている状態が長くなり、右打ち遊技で発射された球が該普通電役71bの上面を普通電役71bの左端から右端まで転動しきり、特図2始動口74へ入賞し得るように構成されている。そして、特図2始動口74への入賞に基づいて、第2特別図柄の動的表示における小当たり遊技が頻出し、該小当たり遊技への当選に基づいて共通大入賞口75が開放され、該共通大入賞口75に球を入賞させて賞球を獲得することが可能な状態となる。
この特電2時短カウンタ203qは、電源投入後のRAM203の初期設定処理(図85のS117参照)によって、初期値として「0」が設定される。そして、いずれかのお大当たり種別に当選し、該大当たりが終了した段階で、いずれの大当たり種別であったとしても該特電2時短カウンタ203qの値に「1」が設定される(図102のS6204参照)。一方、特電2時短カウンタ203qは、「時短機能」が有効設定されている場合、即ち、時短フラグ203mがオンされている場合に、第2特別図柄の動的表示における小当たり遊技に基づいて共通大入賞口75が開放された場合に1減算される(図105のS6403参照)。
そして、特電2時短カウンタ203qの値が「0」となった場合に(図105のS6404:No)、第2特別図柄の動的表示における小当たり遊技の当選に基づいて共通大入賞口75が1回開放(作動)したと判断して、オンされている時短フラグ203mをオフに設定し(図105のS6405参照)、(「小当たり頻出確率変動状態」における)「時短機能」を終了するように構成されている。
このように、第4実施形態のパチンコ機10では、大当たり終了後に全大当たり種別で共通して発生する「時短機能」を、「特図1変動回数」、「特図2変動回数」、「特図1・特図2合計変動回数」又は「特図2小当たりによる共通大入賞口作動回数」のいずれか1の時短終了条件が成立した場合に、該「時短機能」を終了するように構成するとともに、遊技状態に応じて成立し得る時短終了条件が異なるように構成する。即ち、「時間短縮状態」又は「確率変動状態」では、「特図1変動回数」の時短終了条件が、他の時短終了条件(即ち、「特図2変動回数」、「特図1・特図2合計変動回数」又は「特図2小当たりによる共通大入賞口作動回数」)より早期に成立するように構成する一方、「小当たり頻出確率変動状態」では、「特図2小当たりによる共通大入賞口作動回数」の時短終了条件が、他の時短終了条件(即ち、「特図1変動回数」、「特図2変動回数」又は「特図1・特図2合計変動回数」)より早期に成立するように構成する。このように構成することで、「小当たり頻出確率変動状態」では、第2特別図柄の動的表示が第1特別図柄の動的表示より先に停止表示し、該第2特別図柄の動的表示において小当たり遊技を発生させて共通大入賞口75が作動することによって「時短機能」が終了し、特別図柄の大当たり確率は高確率状態である一方、普通図柄の当たり確率が低確率状態に移行する。その結果、「小当たり頻出確率変動状態」では、「時短機能」が終了した状態であり、普通電役71bが非開放延長状態となるため、右打ち遊技で発射された球が、右側特図1ユニット71の正面視右側の右側流路に流下し、特図2始動口74へと流入可能な状態となる。また、「小当たり頻出確率変動状態」以外の「時短機能」を有する遊技状態では、第1特別図柄の動的表示が第2特別図柄の動的表示より先に停止し、該第1特別図柄の動的表示の実行回数が100回に到達することによって「時短機能」が終了するように構成する。よって、遊技状態に応じて先に停止する(奨励される)特別図柄を切り替えることによって、「時短機能」の終了条件を遊技状態毎に異ならせ、遊技のバリエーションを豊富にして、遊技の興趣を向上することができる。
また、第4実施形態のパチンコ機10では、第2特別図柄の小当たりが頻出し得る「小当たり頻出確率変動状態」に対応する大当たり種別「確変A」に対応する大当たりに当選した場合に、「時短機能」を付与し、かつ、第2特別図柄における小当たり遊技に当選した場合にのみ該「時短機能」が直ちに終了するように構成しつつ、第2特別図柄の動的表示を実行可能に構成して、第2特別図柄の小当たりに基づく遊技価値を取得可能としている。そして、リミット到達時に大当たり種別「確変A」に対応する大当たり種別カウンタC2に当選した場合であっても大当たり種別「時短A」による(と同等の)「時短機能」が付与され、この場合には第2特別図柄による小当たり遊技が発生し難いため、第2特別図柄の小当たりに基づく時短終了条件が成立せず(し難く)、他の時短終了条件(即ち、第1特別図柄の動的表示が100回実行)の成立によって付与された「時短機能」が終了するように構成される。このように構成することで、リミット到達時における大当たり種別「確変A」に対応する大当たり種別カウンタC2が導出された場合であっても、大当たり終了後に遊技者に「時短機能」を付与することができるので、リミット到達時に一定の遊技価値を遊技者に付与した状態で遊技を継続させることが可能となる。その結果、遊技者に遊技を止める動機を与えず、遊技者の遊技の継続意欲を維持させることで、パチンコ機10の稼働を維持することができ、ホール経営に資するパチンコ機10を提供することができる。また、リミット到達時に、直ちに「通常遊技状態」に移行しないように構成することで、遊技者にリミット機能の発動(リミット到達したこと)を認識し難く構成し、該リミット到達を契機として遊技者に遊技を止める動機(きっかけ)を与え難くして、パチンコ機10の稼働低下を抑制できる。
ここで、図80〜図82を参照して、各遊技状態における、スルーゲート67、左側特図1始動口64、右側特図1始動口71a、特図1小入賞口65および特図2始動口74への球の入賞態様と、普通図柄の可変表示の経過と、第1特別図柄(以下、「特別図柄1」と称する場合がある)の変動表示(動的表示。以下、同様。)及び第2特別図柄(以下、「特別図柄2」と称する場合がある)の変動表示の経過と、普通電役71b、特図1出没板65a及び共通大入賞口開閉板75aの駆動態様との関係性について説明する。図80は、「通常遊技状態」又は「潜伏確率変動状態」時の左打ち遊技において、スルーゲート67、左側特図1始動口64、右側特図1始動口71a、特図1小入賞口65および特図2始動口74における球の検知タイミングと、普通図柄の可変表示、第1特別図柄の変動表示および第2特別図柄の変動表示の実行タイミングと、普通電役71b、特図1出没板65aおよび共通大入賞口開閉板75aの駆動タイミングとの関係を模式的に示したタイミングチャートである。また、図81は、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」時の右打ち遊技において、スルーゲート67、左側特図1始動口64、右側特図1始動口71a、特図1小入賞口65および特図2始動口74における球の検知タイミングと、普通図柄の可変表示、第1特別図柄の変動表示および第2特別図柄の変動表示の実行タイミングと、普通電役71b、特図1出没板65aおよび共通大入賞口開閉板75aの駆動タイミングとの関係を模式的に示したタイミングチャートである。さらに、図82は、「小当たり頻出確率変動状態」時の右打ち遊技において、スルーゲート67、左側特図1始動口64、右側特図1始動口71a、特図1小入賞口65および特図2始動口74における球の検知タイミングと、普通図柄の可変表示、第1特別図柄の変動表示および第2特別図柄の変動表示の実行タイミングと、普通電役71b、特図1出没板65aおよび共通大入賞口開閉板75aの駆動タイミングとの関係を模式的に示したタイミングチャートである。なお、「通常遊技状態」又は「潜伏確率変動状態」において、右打ち遊技が奨励されておらず(禁止されており)、該遊技状態における右打ち遊技は実質的に実行困難に構成されているため、該遊技状態における右打ち遊技に関する説明は省略する。また、「確率変動状態」、「時間短縮状態」又は「小当たり頻出確率変動状態」において、左打ち遊技が奨励されておらず(左打ち遊技を実行した場合に遊技者が遊技価値を得難く構成されており)、該遊技状態における左打ち遊技は遊技仕様として奨励されていないため、該遊技状態における左打ち遊技に関する説明は省略する。
図80で示すように、「通常遊技状態」又は「潜伏確率変動状態」において左打ち遊技で球が発射された場合、右打ち遊技でのみ球が通過し得るスルーゲート67では球が検出されず、その結果、普通図柄の可変表示は実行されないことから、該普通図柄の可変表示結果に基づいて開放される普通電役ソレノイドも駆動しない。また、「通常遊技状態」又は「潜伏確率変動状態」において左打ち遊技で球が発射された場合、右打ち遊技でのみ球が通過し得る右側特図1始動口71a及び特図2始動口74で球が検出されないように構成されている。
一方、「通常遊技状態」又は「潜伏確率変動状態」において左打ち遊技で発射された球は、左側特図1始動口64へと入賞し得る。そして、該左側特図1始動口64への入賞に基づいて、特別図柄1の変動表示が実行される。この特別図柄1の変動表示は、最短で「5秒」、最長でも「120秒」で実行され、大当たり結果、小当たり結果又はハズレのいずれかの結果が導出されるように構成されている。
そして、特別図柄1の変動表示において、ハズレが導出された場合には、特図1小入賞口65及び共通大入賞口75は開放されない。一方、特別図柄1の変動表示において、小当たり遊技に当選した場合は、特図1出没板用ソレノイドが「0.1秒」オンされ、特図1小入賞口65が開放される。しかしながら、上述したように特図1小入賞口65は、障害部材65c及び複数の釘(ともに図60参照)によって、左打ち遊技で発射された球が入賞し難いように構成されているため、該特図1小入賞口65が開放されたとしても球が実質的に入賞し得ないように構成されている。
また、特別図柄1の変動表示において大当たり遊技に当選した場合は、大当たり遊技として、共通大入賞口開閉板用ソレノイドが所定回数かつ所定時間(10ラウンド又は4ラウンド、各ラウンドごとに最大30秒間。)オンされ、共通大入賞口75が開放される。このとき、遊技者には左打ち遊技から右打ち遊技へと発射態様を変化させることを促し、開放されている共通大入賞口75へ球を入賞させ、多量の賞球を獲得させることができる。なお、1の大当たり遊技は、10ラウンド×最大30秒、ラウンドインターバル「1秒」×9回、オープニング時間「10秒」、エンディング時間「10秒」の合計「329秒」間、最大で実行されるように構成されている。
なお、「通常遊技状態」又は「潜伏確率変動状態」において、仮に、特図2始動口74に球が入賞して特別図柄2の変動表示が実行された場合、該特別図柄2の変動表示は一律「600秒」の「超ロング変動」演出態様が選択されるように構成されており、また、特別図柄1の変動表示は最大で「120秒」で実行されるように構成されている。そこで、「600秒」間実行される特別図柄2の変動表示の結果が導出されるより前に特別図柄1の変動表示において小当たり遊技又は大当たり遊技を導出させることで、特別図柄2の変動演出がいずれの結果であっても消滅させることができる。このように構成することで、各特別図柄による大当たり又は小当たりが同時並行的に発生してしまうことで、共通大入賞口75の開放制御が複雑化してしまうことを未然に防止し、遊技者に理解し易い遊技性を提供できる。そして、「通常遊技状態」では、第2特別図柄の動的表示に基づく大当たり又は小当たりを、先に導出され易い第1特別図柄の動的表示に基づく大当たり又は小当たりによって消滅させ、第1特別図柄の動的表示に基づく大当たり又は小当たりに基づく遊技価値の付与を優先させることが可能となる。
次いで、図81で示すように、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」において右打ち遊技で球が発射された場合、まず、右打ち遊技で発射された球のほぼ全てが通過可能な位置に配設されたスルーゲート67において球が検出される。そして、スルーゲート67への球の通過に基づいて、普通図柄の可変表示が実行される。この普通図柄の可変表示は、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」において一律「0.5秒」で実行され、当たり又はハズレのいずれかの結果が導出されるように構成されている。「確率変動状態」又は「時間短縮状態」では、普通図柄の可変表示における当選確率が高確率(99%)となっており、さらに、当選した場合における普通電役71bの開放時間が5秒、かつ、開放回数が3回行われるように構成されている。よって、右打ち遊技で発射された球は、普通電役71b上を転動している間に普通電役71bが開放状態となり得るため、普通電役71b上を左端から右端まで転動しきることができず、右側特図1ユニット71内の右側特図1始動口71aへと入賞する。なお、右打ち遊技で球が発射された場合、左打ち遊技でのみ球が入賞し得る左側特図1始動口64で球が検出されないように構成されている。
「確率変動状態」又は「時間短縮状態」における右側特図1始動口71aへの入賞に基づいて、特別図柄1の変動表示が実行され、この特別図柄1の変動表示は、最短で「5秒」、最長でも「120秒」で実行され、大当たり結果、小当たり結果又はハズレのいずれかの結果が導出されるように構成されている。
そして、特別図柄1の変動表示において、ハズレが導出された場合には、特図1小入賞口65及び共通大入賞口75は開放されない一方、特別図柄1の変動表示において、小当たり遊技に当選した場合は、特図1出没板用ソレノイドが「0.1秒」オンされ、特図1小入賞口65が開放される。しかしながら、上述したように特図1小入賞口65は、障害部材65c及び複数の釘(ともに図60参照)によって、左打ち遊技で発射された球が入賞し難いように構成されているため、該特図1小入賞口65が開放されたとしても球が実質的に入賞し得ないように構成されている。
また、特別図柄1の変動表示において大当たり遊技に当選した場合は、大当たり遊技として、共通大入賞口開閉板用ソレノイドが所定回数かつ所定時間(10ラウンド又は4ラウンド、各ラウンドごとに最大30秒間。)オンされ、共通大入賞口75が開放される。このとき、遊技者には右打ち遊技を継続することを促し、開放されている共通大入賞口75へ球を入賞させ、多量の賞球を獲得させることができる。
なお、「確率変動状態」又は「通常遊技状態」において、仮に、特図2始動口74に球が入賞して特別図柄2の変動表示が実行された場合、該特別図柄2の変動表示は、一律「600秒」の「超ロング変動」演出態様が選択されるように構成されており、また、特別図柄1の変動表示は最大で「120秒」で実行されるように構成されている。特に、所定の大当たり遊技が実行された後は、該大当たり遊技中に特図2始動口74に球が入賞し得るため、特別図柄2の変動表示の保留球数が溜まっている状態となっている。そこで、「600秒」間実行される特別図柄2の変動表示の結果が導出されるより前に特別図柄1の変動表示において小当たり遊技又は大当たり遊技を導出させることで、特別図柄2の変動演出がいずれの結果であっても消滅させることができる。このように構成することで、各特別図柄による大当たり又は小当たりが同時並行的に発生してしまうことで、共通大入賞口75の開放制御が複雑化してしまうことを未然に防止し、遊技者に理解し易い遊技性を提供できる。そして、大当たり遊技終了後に特別図柄2の保留球数が溜まった状態となり易い「確率変動状態」又は「時間短縮状態」では、第2特別図柄の動的表示に基づく大当たり又は小当たりを、先に導出され易い第1特別図柄の動的表示に基づく大当たり又は小当たりによって消滅させ、第1特別図柄の動的表示に基づく大当たり又は小当たりに基づく遊技価値の付与を優先させることが可能となる。
次いで、図82で示すように、「小当たり頻出確率変動状態」において右打ち遊技で球が発射された場合、まず、右打ち遊技で発射された球のほぼ全てが通過可能な位置に配設されたスルーゲート67において球が検出される。そして、スルーゲート67への球の通過に基づいて、普通図柄の可変表示が実行される。この普通図柄の可変表示は、「小当たり頻出確率変動状態」において、大当たり状態終了直後で「時短機能」が有効な状態では、一律「0.5秒」で実行され、当たり又はハズレのいずれかの結果が導出されるように構成されている。「小当たり頻出確率変動状態」において「時短機能」が有効な状態では、普通図柄の可変表示における当選確率が高確率(即ち、99%)となっており、さらに、当選した場合における普通電役71bの開放時間が「5秒」、かつ、開放回数が3回行われるように構成されている。よって、右打ち遊技で発射された球は、「小当たり頻出確率変動状態」において「時短機能」が有効な状態では、普通電役71b上を転動している間に普通電役71bが開放状態となり得るため、普通電役71b上を左端から右端まで転動しきることができず、右側特図1ユニット71内の右側特図1始動口71aへと入賞する。なお、右打ち遊技で球が発射された場合、左打ち遊技でのみ球が入賞し得る左側特図1始動口64で球が検出されないように構成されている。
そして、「小当たり頻出確率変動状態」における右側特図1始動口71aへの入賞に基づいて、特別図柄1の変動表示が実行され、この特別図柄1の変動表示は、一律「600秒」の「超ロング変動」演出態様が選択されるように構成されている。
一方、特別図柄2の変動表示は、直前の大当たり遊技中への特図2始動口74への入賞に基づいて保留されており、大当たり終了後(即ち、共通大入賞口75の閉鎖後)に順次実行される。「小当たり頻出確率変動状態」では、特別図柄2の変動表示の実行が奨励されており、該特別図柄2の変動表示は、最短で「5秒」、最長でも「120秒」で実行され、大当たり結果、小当たり結果又はハズレのいずれかの結果が現出されるように構成されている。
ここで、「小当たり頻出確率変動状態」に突入してから特別図柄2の変動表示において初めて小当たり遊技に当選した場合、該小当たり遊技に当選に基づき共通大入賞口75が1回開放(作動)することに基づき、時短終了条件の1つである「特図2小当たり遊技による共通大入賞口作動回数」が成立し、「小当たり頻出確率変動状態」において「時短機能」が終了する。「小当たり頻出確率変動状態」において「時短機能」が終了した場合、普通図柄の可変表示は、「時短機能」が有効な場合より遥かに長い一律「30秒」で実行され、当たり又はハズレのいずれかの結果が導出されるように構成されている。また、「小当たり頻出確率変動状態」において「時短機能」が有効ではなくなった状態では、普通図柄の可変表示における当選確率が低確率(即ち、50%)となっており、sらに、当選した場合における普通電役71bの開放時間が「0.1秒」、かつ、開放回数が1回のみ行われるように構成されている。このため、「小当たり頻出確率変動状態」において「時短機能」が有効ではなくなった場合、普通電役71bの閉鎖期間が長くなり、右打ち遊技で発射された球が普通電役71bの上面を左端から右端まで転動しきり、右側特図1ユニット71の右側下方に設けられた特図2始動口74と、該特図2始動口74の正面視左側に設けられた共通大入賞口75側へと流下可能となる。
そして、特別図柄2の変動表示において、ハズレが導出された場合には、共通大入賞口75は開放されない一方、特別図柄2の変動表示において、小当たり遊技に当選した場合は、共通大入賞口開閉板用ソレノイドが開放時間「3.0秒」、かつ、開放回数3回に亘ってオンされ、共通大入賞口75が開放される。この場合に、右打ち遊技で発射された球が普通電役71bの上面を左端から右端まで転動しきり、右側特図1ユニット71の右側下方へと流下し、開放されている共通大入賞口75へ入賞し、遊技者に所定の賞球を獲得させることができる。
また、特別図柄2の変動表示において大当たり遊技に当選した場合は、特別図柄1の大当たり遊技と同様、共通大入賞口開閉板用ソレノイドが所定回数かつ所定時間(10ラウンド又は4ラウンド、各ラウンドごとに最大30秒間。)オンされ、共通大入賞口75が開放される。このとき、遊技者には右打ち遊技を継続することを促し、開放されている共通大入賞口75へ球を入賞させ、多量の賞球を獲得させることができる。
なお、「小当たり頻出確率変動状態」では、上述したように、特別図柄2の変動表示時間が特別図柄1の変動表示時間より遥かに短い時間で実行されるように構成されており、「600秒」間実行される特別図柄1の変動表示の結果が導出されるより前に特別図柄2の変動表示において小当たり遊技又は大当たり遊技を導出させることで、特別図柄1の変動演出がいずれの結果であっても消滅させることができる。
このように構成することで、第2特別図柄の小当たり遊技が頻出する「小当たり頻出確率変動状態」において、「時短機能」を早期に終了させて特図2始動口74に球を入賞可能に構成し、第2特別図柄による第2抽選遊技を実行させて第2特別図柄の小当たり遊技を頻出させ、小当たり遊技への当選に基づく共通大入賞口75の開放中に球を多く入賞させるか、という遊技性を実現することができる。よって、「小当たり頻出確率変動状態」が長く続くことで、より多くの球を共通大入賞口75に入賞させることができるので、「小当たり頻出確率変動状態」の終了条件であるいずれかの大当たりに当選させずに如何にして該「小当たり頻出確率変動状態」を継続させるかという遊技性を創出し、遊技の興趣向上を図ることができる。
図65に戻って、説明を続ける。入出力ポート205には、入力側として、各入賞口63,64,65,71a,74,75に入賞した球や、スルーゲート67を通過した球、アウト口66を通って球排出路へ案内された球をそれぞれ検出するためのスイッチを含むスイッチ群並びにセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源投入時の立ち上げモードを設定するための設定キー501、「設定変更モード」時に押下操作されることにより確率設定値を更新するための設定変更スイッチ502、RAM203に記憶されているデータを消去するためのRAM消去スイッチ503が接続される。また、入出力ポート205には、出力側として、共通大入賞口開閉板75aを開閉駆動可能な共通大入賞口開閉板用ソレノイド(図示せず)、特図1出没板65aを開閉駆動可能な特図1出没板用ソレノイド(図示せず)、普通電役71bを開閉駆動可能な普通電役用ソレノイド(図示せず)等からなる各種ソレノイド209や、特別図柄表示装置37、普通図柄表示装置83、普通図柄保留ランプ84、確定設定値を表示するための確率表示装置504が接続されている。MPU201は、各種スイッチ208,502,503から出力される信号や、設定キー501の状態に基づいて各種処理を実行するとともに、各種処理の実行結果の1つとして確率表示装置504の表示内容等を設定する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、全てバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図89参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチ217が接続されている。なお、該賞球検出スイッチ217は、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、約0.6秒間隔で、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出や連続予告演出といった第3図柄表示装置81にて行われる演出の表示態様の設定などを制御するものである。
演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。このROM222及びRAM223の詳細については、後述する。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、及び、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。第4実施形態では、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ一方向にのみコマンドが送信されるように構成され、音声ランプ制御装置113から主制御装置110へコマンド送信ができないように構成されている。一方、音声ランプ制御装置113と表示制御装置114とは、互いにコマンドの送受信が可能に構成されている。
また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示される演出のステージを変更したり、「スーパーリーチ」演出態様等の背面画像を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御すると共に、表示制御装置114へ枠ボタン22の押下に基づいた表示を第3図柄表示装置81に表示させるように指示する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出や、連続予告演出を制御するものである。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111のNMI端子へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理(図89参照)を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理を正常に実行し完了することができる。
ここで、図83を参照して、音声ランプ制御装置113の詳細な電気的構成について説明する。図83は、主に音声ランプ制御装置113の電気的構成を示すブロック図である。音声ランプ制御装置113のROM222には、MPU221にて実行される各種制御プログラムの他、固定値データとして、大当たり乱数テーブル222a、大当たり種別テーブル222b、停止パターンテーブル222c、変動パターンテーブル222dが少なくとも格納されている。これらのテーブル222a〜222dは、いずれも主制御装置110のROM202に設けられた大当たり乱数テーブル202a、大当たり種別テーブル202b、停止パターンテーブル202d、変動パターンテーブル202eと同じものである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110において始動入賞に伴いカウンタ用バッファ203cより取得され、保留球数コマンドによって送信された大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3および変動種別カウンタCS1の各値と、大当たり乱数テーブル222a、大当たり種別テーブル222b、停止パターンテーブル222cおよび変動パターンテーブル222dとに基づいて、先読み処理を実行可能に構成されている。
そして、この先読み処理によって、その先読み処理の対象となった保留中の変動演出が、結果としてどのような演出となるか(大当たりとなるか否か、「リーチ表示」となるか否か等)をその変動演出の実行前に判断して、各種の演出の実行を決定したり、コクピット表示領域Dbに表示される保留図柄の表示態様を変化させる「保留変化予告」の演出内容(及び実行時期(タイミング))を決定したりする制御を実行する。
RAM223には、特図1変動開始フラグ223a、特図2変動開始フラグ223b、サブ第1保留球数カウンタ223c、サブ第2保留球数カウンタ223d、第1保留情報格納エリア223e、第2保留情報格納エリア223f、第1実行情報格納エリア223g、第2実行情報格納エリア223hが少なくとも設けられている。
特図1変動開始フラグ223aは、オン状態で第1特別図柄の変動演出を開始すべきことを示すフラグである。この特図1変動開始フラグ223aは、電源投入時に初期値としてオフに設定され、主制御装置110から出力された特図1停止種別コマンドを受信した場合にオンされる(図112のS1225参照)。そして、第3図柄表示装置81での実行如何を問わず第1特別図柄の変動演出の設定がなされるときにオフされる(図114のS1302参照)。
そして、第4実施形態のパチンコ機10では、音声ランプ制御装置113のMPU221は、この特図1変動開始フラグ223aがオンされたことを契機として、待機中の第1特別図柄の変動演出が存在する場合であって、遊技状態が「小当たり頻出確率変動状態」でない場合(図114のS1306:No参照)、即ち、第1特別図柄の変動演出が奨励される「通常遊技状態」、「潜伏確率変動状態」、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」である場合に、該待機中の第1特別図柄の変動演出を実行させるための第1特別図柄の変動演出の設定処理(図114のS1306〜S1308参照)を行う。
なお、特図1変動開始フラグ223aがオンされている場合であっても、遊技状態が第2特別図柄の変動演出が奨励される「小当たり頻出確率変動状態」であったときには(図114のS1306:Yes参照)、後述する第1保留情報格納エリア223e及び第1実行情報格納エリア223gのシフト処理、並びに、サブ第1保留球数カウンタ223cの減算処理は実行するものの(図114のS1303〜S1305参照)、第1特別図柄の変動演出の設定処理(図114のS1306〜S1308参照)を実行しないように構成されている。このように構成することで、第1特別図柄の変動演出が非奨励である「小当たり頻出確率変動状態」において、第3図柄表示装置81で第1特別図柄に関する変動演出および保留球数を実行(表示)せず、奨励される第2特別図柄の変動演出および保留球数のみを実行(表示)することができる。
特図2変動開始フラグ223bは、オン状態で第2特別図柄の変動演出を開始すべきことを示すフラグである。この特図2変動開始フラグ223bは、電源投入時に初期値としてオフに設定され、主制御装置110から出力された特図2停止種別コマンドを受信した場合にオンされる(図113のS1235参照)。そして、第3図柄表示装置81での実行如何を問わず第2特別図柄の変動演出の設定がなされるときにオフされる(図114のS1311参照)。
そして、第4実施形態のパチンコ機10では、音声ランプ制御装置113のMPU221は、この特図2変動開始フラグ223bがオンされたことを契機として、待機中の第2特別図柄の変動演出が存在する場合であって、遊技状態が「小当たり頻出確率変動状態」である場合(図114のS1315:Yes参照)、即ち、第2特別図柄の変動演出が奨励される遊技状態である場合に、該待機中の第2特別図柄の変動演出を実行させるための第2特別図柄の変動演出の設定処理(図114のS1316〜S1318参照)を行う。
なお、特図2変動開始フラグ223bがオンされている場合であっても、遊技状態が第1特別図柄の変動演出が奨励される「通常遊技状態」、「潜伏確率変動状態」、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」であったときには(図114のS1315:No参照)、後述する第2保留情報格納エリア223f及び第2実行情報格納エリア223hのシフト処理、並びに、サブ第2保留球数カウンタ223dの減算処理は実行するものの(図114のS1312〜S1314参照)、第2特別図柄の変動演出の設定処理(図114のS1316〜S1318参照)を実行しないように構成されている。このように構成することで、第2特別図柄の変動演出が非奨励である「通常遊技状態」、「潜伏確率変動状態」、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」において、第3図柄表示装置81で第2特別図柄に関する変動演出および保留球数を実行(表示)せず、奨励される第1特別図柄の変動演出および保留球数のみを実行(表示)することができる。
サブ第1保留球数カウンタ223cは、主制御装置110の第1保留球数カウンタ203aと同様に、第3図柄表示装置81(特別図柄表示装置37)で実行され得る第1特別図柄の変動演出(動的表示)であって、主制御装置110において保留されている第1特別図柄の変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている第1保留球数カウンタ203aの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信されるコマンド(保留球煤コマンド)に基づいて保留球数を格納・更新し、サブ第1保留球数カウンタ223cにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、音声ランプ制御装置113は、左側特図1始動口64又は右側特図1始動口71aへの入球によって第1特別図柄の変動演出の保留球数が追加されて主制御装置110において第1保留球数カウンタ203aの値が加算された場合に主制御装置110より送信される第1保留球数コマンドを受信すると、その第1保留球数コマンドに含まれる、主制御装置110の第1保留球数カウンタ203aの加算後の値(即ち、主制御装置110に保留された第1特別図柄の変動演出の保留球数)をサブ第1保留球数カウンタ223cに格納する(図111のS1207参照)。
また、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110において第1保留球数カウンタ203aの値が減算される場合に主制御装置110から送信される第1特別図柄の変動演出に対応する特図1変動パターンコマンド及び特図1停止種別コマンドを受信し、それらの受信に伴って第3図柄表示装置81での実行如何を問わず第1特別図柄の変動演出の態様を設定する場合に、サブ第1保留球数カウンタ223cの値を1減算(更新)する(図114のS1305参照)。このように、第1保留球数カウンタ203aの更新にあわせて主制御装置110から送信されるコマンドに従って、音声ランプ制御装置113ではサブ第1保留球数カウンタ223cの値を更新するので、主制御装置110の第1保留球数カウンタ203aと同期させながら、サブ第1保留球数カウンタ223cの値を更新することができる。
サブ第2保留球数カウンタ223dは、主制御装置110の第2保留球数カウンタ203bと同様に、第3図柄表示装置81(特別図柄表示装置37)で実行され得る第2特別図柄の変動演出(動的表示)であって、主制御装置110において保留されている第2特別図柄の変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている第2保留球数カウンタ203bの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信されるコマンドに基づいて保留球数を格納・更新し、サブ第2保留球数カウンタ223dにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、音声ランプ制御装置113は、特図2始動口74への入球によって第2特別図柄の変動演出の保留球数が追加されて主制御装置110において第2保留球数カウンタ203bの値が加算された場合に主制御装置110より送信される第2保留球数コマンドを受信すると、その第2保留球数コマンドに含まれる、主制御装置110の第2保留球数カウンタ203bの加算後の値(即ち、主制御装置110に保留された第2特別図柄の変動演出の保留球数)をサブ第2保留球数カウンタ223dに格納する(図111のS1211参照)。
また、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110において第2保留球数カウンタ203bの値が減算される場合に主制御装置110から送信される第2特別図柄の変動演出に対応する特図2変動パターンコマンド及び特図2停止種別コマンドを受信し、それらの受信に伴って第3図柄表示装置81での実行如何を問わず第2特別図柄の変動演出の態様を設定する場合に、サブ第2保留球数カウンタ223dの値を1減算(更新)する(図114のS1314参照)。このように、第2保留球数カウンタ203bの更新にあわせて主制御装置110から送信されるコマンドに従って、音声ランプ制御装置113ではサブ第2保留球数カウンタ223dの値を更新するので、主制御装置110の第2保留球数カウンタ203bと同期させながら、サブ第2保留球数カウンタ223dの値を更新することができる。
サブ第1保留球数カウンタ223c又はサブ第2保留球数カウンタ223dの値は、各特別図柄の変動演出が奨励される遊技状態において、第3図柄表示装置81における保留図柄及び実行図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、第1保留球数コマンド又は第2保留球数コマンドの受信に応じてそのコマンドにより示される保留球数をサブ第1保留球数カウンタ223c又はサブ第2保留球数カウンタ223dに格納したり(図111のS1207又はS1211参照)、特図1変動パターンコマンド及び特図1停止種別コマンド、又は、特図2変動パターンコマンド及び特図2停止種別コマンドの受信に応じて、サブ第1保留球数カウンタ223c又はサブ第2保留球数カウンタ223dの値を更新したりするタイミングで(図114のS1305又はS1314参照)、遊技状態に応じて奨励される特別図柄に対応する格納後もしくは更新後のサブ第1保留球数カウンタ223c及びサブ第2保留球数カウンタ223dの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用第1保留球数コマンド又は表示用第2保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用第1保留球数コマンド又は表示用第2保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113のサブ第1保留球数カウンタ223c及びサブ第2保留球数カウンタ223dの値分の保留図柄と、実行中の変動演出を示す実行図柄とを第3図柄表示装置81のコクピット表示領域Db(図64(b)参照)に表示するように、画像の描画を制御する。
上述したように、サブ第1保留球数カウンタ223cは、主制御装置110の第1保留球数カウンタ203aと同期しながら、その値が変更され、また、サブ第2保留球数カウンタ223dは、主制御装置110の第2保留球数カウンタ203bと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81のコクピット表示領域Db(図64(b)参照)に表示される保留図柄の数も、奨励される特別図柄に関する主制御装置110の第1保留球数カウンタ203a又は第2保留球数カウンタ203bの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、遊技状態に応じて奨励される特別図柄の変動演出が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
第1保留情報格納エリア223eは、保留されている第1特別図柄の変動演出等を行うための情報、即ち、主制御装置110において始動入賞に伴いカウンタ用バッファ203cより取得され、第1保留球数コマンドによって送信された第1特別図柄の変動演出に関する大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値とを格納するためのエリアである。
音声ランプ制御装置113は、第1保留情報格納エリア223eに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値と、ROM222に格納された各テーブル222a〜222dとを用いて、第1特別図柄の変動演出を実行するように構成されている。
第2保留情報格納エリア223fは、保留されている第2特別図柄の変動演出等を行うための情報、即ち、主制御装置110において始動入賞に伴いカウンタ用バッファ203cより取得され、第2保留球数コマンドによって送信された第2別図柄の変動演出に関する大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値とを格納するためのエリアである。
音声ランプ制御装置113は、第2保留情報格納エリア223fに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値と、ROM222に格納された各テーブル222a〜222dとを用いて、第2特別図柄の変動演出を実行するように構成されている。
第1実行情報格納エリア223gは、少なくとも特別図柄表示装置37で実行され、遊技状態に応じては第3図柄表示装置81で実行中の第1特別図柄の変動演出の情報、即ち、主制御装置110において始動入賞に伴いカウンタ用バッファ203cより取得され、第1保留球数コマンドによって送信された大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値とを格納するためのエリアである。
音声ランプ制御装置113のMPU221は、第1特別図柄の変動演出の実行開始タイミングであることを検出すると、第1特別図柄の変動演出の設定等を実行するために、上述した第1保留情報格納エリア223eの第1保留情報格納第1エリアに記憶されている変動演出を行うための情報(カウンタC1〜C3,CS1等の各値)を、この第1実行情報格納エリア223gへシフトする。
第2実行情報格納エリア223hは、少なくとも特別図柄表示装置37で実行され、遊技状態に応じては第3図柄表示装置81で実行中の第2特別図柄の変動演出の情報、即ち、主制御装置110において始動入賞に伴いカウンタ用バッファ203cより取得され、第2保留球数コマンドによって送信された大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値とを格納するためのエリアである。
音声ランプ制御装置113のMPU221は、第2特別図柄の変動演出の実行開始タイミングであることを検出すると、第2特別図柄の変動演出の設定等を実行するために、上述した第2保留情報格納エリア223fの第2保留情報格納第1エリアに記憶されている変動演出を行うための情報(カウンタC1〜C3,CS1等の各値)を、この第2実行情報格納エリア223hへシフトする。
ここで、図84を参照して、第1保留情報格納エリア223e及び第1実行情報格納エリア223g、並びに、第2保留情報格納エリア223f及び第2実行情報格納エリア223hの詳細について説明する。図84は、第1保留情報格納エリア223e、第2保留情報格納エリア223f、第1実行情報格納エリア223g及び第2実行情報格納エリア223hの構成を模式的に示す模式図である。
第1保留情報格納エリア223eは、第1保留情報格納第1〜第4エリアの4つのエリアを有している。各第1保留情報格納第1〜第4エリアには、それぞれ、大当たり乱数カウンタC1の値が格納される大当たり乱数カウンタ格納エリア223e1と、大当たり種別カウンタC2の値が格納される大当たり種別カウンタ格納エリア223e2と、停止パターン選択カウンタC3の値が格納される停止パターン選択カウンタ格納エリア223e3と、変動種別カウンタCS1の値が格納される変動種別カウンタ格納エリア223e4とが少なくとも設けられている。
また、第2保留情報格納エリア223fは、第1保留情報格納エリア223eと同様、第2保留情報格納第1〜第4エリアの4つのエリアを有している。各第2保留情報格納第1〜第4エリアには、それぞれ、大当たり乱数カウンタC1の値が格納される大当たり乱数カウンタ格納エリア223f1と、大当たり種別カウンタC2の値が格納される大当たり種別カウンタ格納エリア223f2と、停止パターン選択カウンタC3の値が格納される停止パターン選択カウンタ格納エリア223f3と、変動種別カウンタCS1の値が格納される変動種別カウンタ格納エリア223f4とが少なくとも設けられている。
さらに、第1実行情報格納エリア223gには、現在実行中の第1特別図柄の変動演出に対応する大当たり乱数カウンタC1の値が格納される大当たり乱数カウンタ格納エリア223g1と、大当たり種別カウンタC2の値が格納される大当たり種別カウンタ格納エリア223g2と、停止パターン選択カウンタC3の値が格納される停止パターン選択カウンタ格納エリア223g3と、変動種別カウンタCS1の値が格納される変動種別カウンタ格納エリア223g4とが少なくとも設けられている。
また、第2実行情報格納エリア223hには、現在実行中の第2特別図柄の変動演出に対応する大当たり乱数カウンタC1の値が格納される大当たり乱数カウンタ格納エリア223h1と、大当たり種別カウンタC2の値が格納される大当たり種別カウンタ格納エリア223h2と、停止パターン選択カウンタC3の値が格納される停止パターン選択カウンタ格納エリア223h3と、変動種別カウンタCS1の値が格納される変動種別カウンタ格納エリア223h4とが少なくとも設けられている。
具体的には、第1実行情報格納エリア223gが、現在実行中の第1特別図柄の変動演出に対応するエリアである。また、第2実行情報格納エリア223hが、現在実行中の第2特別図柄の変動演出に関するエリアである。さらに、第1保留情報格納エリア223eの第1保留情報格納第1エリアが、保留された第1特別図柄の変動演出のうち時間的に1番目に保留された第1特別図柄の変動演出に対応するエリアであり、第1保留情報格納第2エリアが、保留された第1特別図柄の変動演出のうち時間的に2番目に古く保留された第1特別図柄の変動演出に対応するエリアであり、第1保留情報格納第3エリアが、保留された第1特別図柄の変動演出のうち時間的に3番目に古く保留された第1特別図柄の変動演出に対応するエリアであり、第1保留情報格納第4エリアが、保留された第1特別図柄の変動演出のうち時間的に4番目に古く保留された第1特別図柄の変動演出に対応するエリアである。また、第2保留情報格納エリア223fの第2保留情報格納第1エリアが、保留された第2特別図柄の変動演出のうち時間的に1番目に保留された第2特別図柄の変動演出に対応するエリアであり、第2保留情報格納第2エリアが、保留された第2特別図柄の変動演出のうち時間的に2番目に古く保留された第2特別図柄の変動演出に対応するエリアであり、第2保留情報格納第3エリアが、保留された第2特別図柄の変動演出のうち時間的に3番目に古く保留された第2特別図柄の変動演出に対応するエリアであり、第2保留情報格納第4エリアが、保留された第2特別図柄の変動演出のうち時間的に4番目に古く保留された第2特別図柄の変動演出に対応するエリアである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より第1保留球数コマンドを受信すると、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値を、第1保留球数コマンドより抽出する。そして、音声ランプ制御装置113は、抽出した各カウンタC1〜C3,CS1の値をそれぞれ、対応する第1保留情報格納第1〜第4エリアのうち該第1保留球数コマンドに含まれる保留球数に対応するエリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア223e1、大当たり種別カウンタ格納エリア223e2、停止パターン選択カウンタ格納エリア223e3、変動種別カウンタ格納エリア223e4に格納する。
具体的には、第1保留球数コマンドに含まれる保留球数がX(1≦X≦4)であれば、その時点で保留されている第1特別図柄の変動演出の数はXであり、その第1保留球数コマンドに含まれる各カウンタC1〜C3,CS1の値は、保留された第1特別図柄の変動演出のうち時間的にX番目に保留された第1特別図柄の変動演出に対応したものとなるので、第1保留情報格納第Xエリアの各カウンタ格納エリア223e1〜223e4に対応するカウンタC1〜C3,CS1の値を格納する。このとき、主制御装置110では、第1保留球数コマンドに含めた各カウンタC1〜C3,CS1の値を第1保留球格納エリア203dの第1保留第Xエリアに格納する。つまり、主制御装置110の第1保留第Xエリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1と同じ値が、第1保留情報格納第Xエリアに格納されることになる。
また、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より第2保留球数コマンドを受信すると、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値を、第2保留球数コマンドより抽出する。そして、音声ランプ制御装置113は、抽出した各カウンタC1〜C3,CS1の値をそれぞれ、対応する第3保留情報格納第1〜第4エリアのうち該第3保留球数コマンドに含まれる保留球数に対応するエリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア223f1、大当たり種別カウンタ格納エリア223f2、停止パターン選択カウンタ格納エリア223f3、変動種別カウンタ格納エリア223f4に格納する。
具体的には、第2保留球数コマンドに含まれる保留球数がX(1≦Y≦4)であれば、その時点で保留されている第2特別図柄の変動演出の数はYであり、その第2保留球数コマンドに含まれる各カウンタC1〜C3,CS1の値は、保留された第2特別図柄の変動演出のうち時間的にY番目に保留された第1特別図柄の変動演出に対応したものとなるので、第1保留情報格納第Yエリアの各カウンタ格納エリア223f1〜223f4に対応するカウンタC1〜C3,CS1の値を格納する。このとき、主制御装置110では、第2保留球数コマンドに含めた各カウンタC1〜C3,CS1の値を第2保留球格納エリア203eの第2保留第Yエリアに格納する。つまり、主制御装置110の第2保留第Yエリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1と同じ値が、第2留情報格納第Yエリアに格納されることになる。
一方、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より第1特別図柄の変動演出の開始を意味する特図1変動パターンコマンドおよび特図1停止種別コマンドを受信すると、第1保留情報格納エリア223eに格納された情報を、第1実行情報格納エリア223gに対してシフトする処理を実行する。つまり、第1特別図柄に関する保留情報が存在する場合は、時間的に1番目に保留された第1特別図柄の変動演出の実行が開始されるので、その1番目に保留された第1特別図柄の変動演出に対応する第1保留情報格納第1エリアの各格納エリア223e1〜223e4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、現在実行中の第1特別図柄の変動演出に対応する第1実行情報格納エリア223gの各格納エリア223g1〜223g4に移動させる。
そして、第1保留情報格納第1エリアの各格納エリア223e1〜223e4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を第1実行情報格納エリア223gの各格納エリア223g1〜223g4に移動させた場合は、第1保留情報格納第2エリアの各格納エリア223e1〜223e4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、第1保留情報格納第1エリアの各格納エリア223e1〜223e4に移動させ、第1保留情報格納第3エリアの各格納エリア223e1〜223e4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、第1保留情報格納第2エリアの各格納エリア223e1〜223e4に移動させ、第1保留情報格納第4エリアの各格納エリア223e1〜223e4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、第1保留情報格納第3エリアの各格納エリア223e1〜223e4に移動させる。
また、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より第2特別図柄の変動演出の開始を意味する特図2変動パターンコマンドおよび特図2停止種別コマンドを受信すると、第2保留情報格納エリア223fに格納された情報を、第2実行情報格納エリア223hに対してシフトする処理を実行する。つまり、第2特別図柄に関する保留情報が存在する場合は、時間的に1番目に保留された第2特別図柄の変動演出の実行が開始されるので、その1番目に保留された第2特別図柄の変動演出に対応する第2保留情報格納第1エリアの各格納エリア223f1〜223f4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、現在実行中の第2特別図柄の変動演出に対応する第2実行情報格納エリア223hの各格納エリア223h1〜223h4に移動させる。
そして、第2保留情報格納第1エリアの各格納エリア223f1〜223f4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を第2実行情報格納エリア223hの各格納エリア223h1〜223h4に移動させた場合は、第2保留情報格納第2エリアの各格納エリア223f1〜223f4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、第2保留情報格納第1エリアの各格納エリア223f1〜223f4に移動させ、第2保留情報格納第3エリアの各格納エリア223f1〜223f4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、第2保留情報格納第2エリアの各格納エリア223f1〜223f4に移動させ、第2保留情報格納第4エリアの各格納エリア223f1〜223f4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、第2保留情報格納第3エリアの各格納エリア223f1〜223f4に移動させる。
これにより、第1実行情報格納エリア223gには、主制御装置110の第1保留球実行エリア203fに格納された各カウンタC1〜C3,CS1と同じ値が格納されることになる。また、第2実行情報格納エリア223hには、主制御装置110の第2保留球実行エリア203gに格納された各カウンタC1〜C3,CS1と同じ値が格納されることになる。さらに、第1保留情報格納第1〜第4エリア及び第2保留情報格納第1〜第4エリアには、それぞれ、主制御装置110の第1保留球格納エリア203dの第1保留第1〜第4エリア、及び、第2保留球格納エリア203eの第2保留第1〜第4エリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1と同じ値が格納されることになる。つまり、音声ランプ制御装置113には、主制御装置110にて実行中および保留中の第1特別図柄及び第2特別図柄の変動演出に対応する各カウンタC1〜C3,CS1が、第1実行情報格納エリア223g及び第2実行情報格納エリア223h並びに第1保留情報格納エリア223e及び第2保留情報格納エリア223fに格納される。
音声ランプ制御装置113では、先読み処理(図示せず)を行う場合に、サブ第1保留球数カウンタ223c又はサブ第2保留球数カウンタ223dから保留されている第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出の数(保留球数)を把握する。そして、その保留球数に基づき、第1保留情報格納第1〜第4エリア又は第2保留情報格納第1〜第4エリアのうち、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出が保留されているエリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を先読みし、その変動演出において大当たりとなるか否かや、変動時間等が判定される。例えば、サブ第1保留球数カウンタ223cの値が「1」であって、サブ第2保留球数カウンタ223dの値が「0」であれば、第1特別図柄の変動演出の保留球数が1回であって第2特別図柄の変動演出の保留球数が0回であるので、第1保留情報格納第1エリアについて、格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を先読みし、判定を行う。また、サブ第1保留球数カウンタ223cの値が「0」であって、サブ第2保留球数カウンタ223dの値が「4」であれば、第1特別図柄の変動演出の保留球数が0回であって第2特別図柄の変動演出の保留球数が4回であるので、第2保留情報格納第4エリアについて、格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を先読みし、判定を行う。
パチンコ機10は、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ一方向にのみコマンドが送信されるように構成されており、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110のRAM203等にアクセスすることはできない。これに対し、音声ランプ制御装置113は、第1保留情報格納エリア223e及び第2保留情報格納エリア223fを設けて、主制御装置110にて保留された第1特別図柄及び第2特別図柄の変動演出に対応する各カウンタC1〜C3,CS1を音声ランプ制御装置113にも格納するので、この第1保留情報格納エリア223e及び第2保留情報格納エリア223fに格納された各カウンタC1〜C3,CS1を参照することで、先読み処理を音声ランプ制御装置113にて実行できるようになっている。即ち、保留された第1特別図柄又は/及び第2特別図柄の変動演出が実行された場合に、その変動演出の結果がどのようになるか(大当たりとなるか否か、変動時間はどうなるか等)を変動演出の実行前に判断して、各種の演出の実行を決定することができる。
なお、第1保留情報格納エリア223e又は第2保留情報格納エリア223f、および、第1実行情報格納エリア223g又は第2実行情報格納エリア223hにおける上述のシフト処理は、特図1変動パターンコマンドおよび特図2停止種別コマンド又は特図2変動パターンコマンド及び特図2停止種別コマンドを受信したときの保留球数(特図1変動パターンコマンドおよび特図1停止種別コマンド又は特図2変動パターンコマンド及び特図2停止種別コマンドの受信に基づく更新が行われる前のサブ第1保留球数カウンタ223c及びサブ第2保留球数カウンタ223dの値)に基づいて、第1保留情報格納第1〜第4エリア又は第2保留情報格納第1〜第4エリアのうち保留されている変動演出に対応するエリアについてのみデータの移動(シフト)を行う。
例えば、特図1変動パターンコマンドおよび特図1停止種別コマンドを受信したときの更新前のサブ第1保留球数カウンタ223cの値が「4」であり、第1保留情報格納エリア223eの全エリア(第1保留情報格納第1〜第4エリア)にデータが記憶されているとする。この場合、第1保留情報格納第1エリアのデータを第1実行情報格納エリア223gへシフトし、第1保留情報格納第2エリアのデータを第1保留情報格納第1エリアへシフトし、第1保留情報格納第3エリアのデータを第1保留情報格納第2エリアへシフトし、第1保留情報格納第4エリアのデータを第1保留情報格納第3エリアへシフトする。
一方、特図1変動パターンコマンドおよび特図1停止種別コマンドを受信したときの更新前のサブ第1保留球数カウンタ223cの値が「2」であれば、第1保留情報格納第1エリアのデータを第1実行情報格納エリア223gへシフトし、第1保留情報格納第2エリアのデータを第1保留情報格納第1エリアへシフトして、データのシフトを終了する。上述したように、本実施形態では、変動演出が保留されていない第1保留情報格納第3,第4エリアについては、データのシフト処理を行わないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
なお、データの有無に関わらず、第1保留情報格納第1〜第4エリア又は第2保留情報格納第1〜第4エリアの各データを、エリア番号が1小さいエリア(第1実行情報格納エリア223g若しくは第2実行情報格納エリア223h、又は、第1保留情報格納第1〜第3エリア若しくは第2保留情報格納第1〜第3エリア)にそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、第1保留情報格納第1〜第4エリア又は第2保留情報格納第1〜第4エリアの各々のエリアについて、データが記憶(保留)されているか否かの判定を不用とするので、プログラムの作成を容易とすることができる。
図83に戻って説明を続ける。RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。
コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理(図111参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における特別図柄の変動演出や連続予告演出を制御するものである。
第4実施形態のパチンコ機10では、遊技状態毎に第3図柄表示装置81で行われる変動演出の変動態様が異なるとともに、各遊技状態ごとに奨励される球の発射態様が遊技者に示されるように構成されている。具体的には図115で後述するが、左打ち遊技が奨励される「通常遊技状態」又は「潜伏確率変動状態」では、左打ち遊技を促す「左打ち」という文字表示が主表示領域Dmの左下領域に表示されつつ、アラビア数字で構成される各変動図柄が縦スクロールで変動すると共に、主表示領域Dmにおいて1の有効ラインのみ(所謂、シングルライン)を形成するように表示される(図115(a)参照)。また、右打ち遊技が奨励される「時間短縮状態」では、右打ち遊技を促す「右打ち」という文字表示が主表示領域Dmの右上領域に表示されつつ、アラビア数字で構成される各変動図柄が縦スクロールで変動すると共に、主表示領域Dmにおいて5の有効ライン(所謂、5ライン)を形成するように表示される(図115(b)参照)。さらに、右打ち遊技が奨励される「確率変動状態」では、右打ち遊技を促す「右打ち」という文字表示が主表示領域Dmの右上領域に表示されつつ、漢字で構成される各変動図柄が縦スクロールで変動すると共に、主表示領域Dmにおいて1の有効ライン(所謂、シングルライン)を形成するように表示される(図115(c)参照)。また、右打ち遊技が奨励される「小当たり頻出確率変動状態」では、右打ち遊技を促す「右打ち」という文字表示が主表示領域Dmの右上領域に表示されつつ、アラビア数字で構成される各変動図柄が横スクロールで変動すると共に、主表示領域Dmにおいて5の有効ライン(所謂、5ライン)を形成するように表示される(図115(d)参照)。このように、各遊技状態において変動図柄の表示態様を明確に異ならせることで、遊技状態を遊技者に認識させ易くしつつ、奨励される遊技を行うために必要な遊技態様(発射態様)を認識し易くすることができる。
また、第4実施形態のパチンコ機10では、遊技状態に応じて実行される(奨励される)1の特別図柄の変動演出が設定され、(非奨励の)他の特別図柄の変動演出が実行されないように構成されている。具体的には、左打ち遊技が奨励されて左側特図1始動口64に球が入賞し得る「通常遊技状態」若しくは「潜伏確率変動状態」、又は、右打ち遊技が奨励されて右側特図1始動口71aに球が入賞し得る「確率変動状態」若しくは「時間短縮状態」では、第3図柄表示装置81では第1特別図柄の変動演出および保留表示のみが実行され得て、第2特別図柄の変動演出および保留表示が実行されないように構成されている。また、右打ち遊技が奨励されて特図2始動口74に球が入賞し得る「小当たり頻出確率変動状態」では、第3図柄表示装置81では第2特別図柄の変動演出および保留表示のみが実行され得て、第1特別図柄の変動演出および保留表示が実行されないように構成されている。このように構成することで、遊技結果の主要な表示領域である主表示領域Dmで実行されることによる不快感(悪印象)を遊技者に感じさせず、快適な遊技を提供して、遊技の興趣向上を図ることができる。
次に、図85から図108のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2ミリ秒周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがある。
図85は、主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。
この立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期値設定処理を実行する(S101)。例えば、RAM203へのアクセス許可を設定し、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では、「1秒」)を実行する(S102)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S103)。
その後は、主制御装置110に設けたRAM消去スイッチ503(図65参照)がオンされているか否かを判別する(S104)。判別の結果、RAM消去スイッチ503がオンされていなければ(S104:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S105)。そして、記憶されていなければ(S105:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合は、RAM203の初期化を行うため、処理をS116へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S105:Yes)、RAM判定値を算出し(S106)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S107:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS116へ移行する。
なお、図87のS156の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
一方、RAM消去スイッチ503がオンされておらず(S104:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S105:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S107:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S108)。次いで、設定キー501がオンされているか否かを判別する(S109)。
S109の処理において、設定キー501がオンされていると判別された場合(S109:Yes)、電源投入時においてRAM消去スイッチ503:オフ、かつ、設定キー501:オンに操作されているので、立ち上げモードを「設定確認モード」で立ち上げるべく、まず、確率表示装置504において確率設定値の表示を開始し(S110)、その後、設定キー501がオフされたか否かを判別し(S111)、設定キー501がオフされるまで該「設定確認モード」を維持する(S111:No)。一方、設定キー501がオフされた場合は(S111:Yes)、確率表示装置504における確率設定値の表示を終了して(S112)、「設定確認モード」を終了して、処理をS113へ移行する。なお、S109の処理において、設定キー501がオンされていなければ(S109:No)、立ち上げモードを「通常モード」で立ち上げるべく、S110〜S112の処理をスキップして、処理をS113へ移行する。
S113の処理では、確率設定値に基づいて設定値コマンドを生成して、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに設定し(S113)、その後、割込みを許可する(S114)。そして、後述するメイン処理(図87参照)に移行する。
ここで設定された設定値コマンドは、後述するタイマ割込処理の外部出力処理(図88のS201参照)において、音声ランプ制御装置113へと送信される。音声ランプ制御装置113は、この設定値コマンドを受信すると、RAM223に設けられた設定値メモリ(図示せず)に該設定値コマンドが示す確率設定値を格納(記憶)するように構成されている。
一方、S104の処理において、RAM消去スイッチ503がオンされていると判別された場合は(S104:Yes)、立ち上げモードを「RAMクリアモード」か「設定変更モード」のいずれで立ち上げるかを判別すべく、設定キー501がオンされているか否かを判別する(S115)。
S115の処理において、設定キー501がオンされていないと判別された場合は(S115:No)、立ち上げモードを「RAMクリアモード」で立ち上げるべく、処理をS116へ移行する。
S116の処理では、RAM203の初期化処理(S116,S117)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、設定変更の如何を問わず電源投入時にRAMデータを初期化する場合には、RAM消去スイッチ503を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ503が押されていれば、RAMの初期化処理(S116,S117)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合(S105:No)や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合(S107:No)も同様に、RAM203の初期化処理(S116,S117)を実行する。
RAMの初期化処理(S116,S117)、即ち、「RAMクリアモード」では、RAM203の使用領域を「0」クリアし(S116)、その後、RAM203に初期値(例えば、第1保留球数カウンタ203aの「0」クリア等)を設定する(S117)。RAM203の初期化処理の実行後は、S113の処理へ移行する。
一方、S115の処理において、設定キー501がオンされていると判別された場合は(S115:Yes)、立ち上げモードを「設定変更モード」にするべく、設定変更処理を行う(S118)。
ここで、図86を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される設定変更処理(S118)について説明する。図86は、この設定変更処理(S118)を示すフローチャートである。
この設定変更処理(S118)は、立ち上げモードが「設定変更モード」である場合に実行される処理であり、ホール関係者等からの確率設定値の変更(更新)を受け付け、確定されるための処理である。
この設定変更処理(S118)では、まず、確率表示装置504において現在の確率設定値の表示の開始を設定し(S121)、処理をS122へ移行する。この確率設定値の表示の開始設定により、確率表示装置504に確率設定値の表示が開始される。
なお、ここで表示される確率設定値は、電源断前に設定されていた確率設定値ではなく、必ず特定の値に固定されるようにしてもよい。即ち、立ち上げモードが「設定変更モード」となった場合、確率表示装置504には、必ず特定の確率設定値で表示が開始されるようにしてもよい。特定の確率設定値としては、例えば、確率設定値(「1」〜「6」)の最小値である「1」であってもよいし、確率設定値の中間値である「3」又は「4」であってもよいし、確率設定値の最大値である「6」であってもよい。これにより、電源断される前に設定されていた確率設定値にかかわらず、ホール関係者等は確率設定値を特定の確率設定値から変更できる。
一方で、立ち上げモードが「設定変更モード」となった場合、確率表示装置504には、電源断される前に設定されていた確率設定値をそのままで表示が開始されるようにしてもよい。これにより、ホール関係者等は、電源断される前に設定されていた確率設定値を考慮しながら、確率設定値を変更できる。
また、立ち上げモードが「設定変更モード」となった場合、確率表示装置504には、電源断される前に設定されていた確率設定値が「3」以上であれば、確率設定値を「3」として表示を開始し、電源断される前に設定されていた確率設定値が「3」未満であれば、その電源断される前に設定されていた確率設定値をそのままで表示が開始されるようにしてもよい。例えば、電源断される前に設定された確率設定値が「5」や「6」などの高い場合、確率設定値を少しだけ(例えば1だけ)小さくしたい場合が多々生じ得る。このような場合において、確率設定値を、電源断される前に設定された確率設定値そのままで表示を開始すると、次のような問題が生じる。即ち、確率設定値の更新は、RAM消去スイッチ503をオンする毎に1ずつ加算され、確率設定値が「6」の場合にRAM消去スイッチ503がオンされた場合には、確率設定値を「1」に戻すことで行われる。よって、例えば、確率設定値を「6」から「5」に変更したい場合、RAM消去スイッチ503のオンを繰り返しながら、ほぼ確率設定値を1周させなければならない。これに対し、電源断される前に設定された確率設定値が高い場合に、確率設定値を「3」で表示を開始することで、RAM消去スイッチ503をオンする回数を抑えながら、確率設定値の更新を行うことができる。
次に、S122の処理では、確率設定値が「1」〜「6」の範囲にあるか否かを判断し(S122)、所定の範囲内にない、即ち、異常な確率設定値となっている場合は(S122:No)、確率設定値を初期値に変更し(S123)、S124の処理へ移行する。この初期値としては、確率設定値(「1」〜「6」)の最小値である「1」であってもよいし、確率設定値の中間値である「3」又は「4」であってもよいし、確率設定値の最大値である「6」であってもよい。一方、S122の処理の結果、確率設定値が「1」〜「6」の範囲内にあると判断される場合は(S122:Yes)、確率設定値は正常な値であるので、S123の処理をスキップして、S124の処理へ移行する。
S124の処理では、RAM消去スイッチ503がオンになったか否かを判断する(S124)。その結果、RAM消去スイッチ503がオンになっていないと判断される場合は(S124:No)、次いで、設定変更スイッチ502がオンになったか否かを判断する(S125)。
S125の結果、設定変更スイッチ502がオンされていないと判断されれば(S125:No)、S122の処理へ戻る一方、設定変更スイッチ502がオンされたと判断されれば(S125:Yes)、確率設定値を更新して(S126)、S122の処理に戻る。
S126の処理である確率設定値の更新は、それまでの確率設定値が「1」〜「5」である場合は、その確率設定値に1を加算し、それまでの確率設定値が「6」である場合は、確率設定値を「1」に戻すことで行われる。S126の処理により更新された確率設定値は、確率表示装置504に表示される。
S122→S123→S124:No→S125(及びS126)→S122のループ処理は、S124の処理において、RAM消去スイッチ503がオンとなったと判断されるまで(S124:Yes)実行され続ける。そして、S124の処理により、RAM消去スイッチ503がオンとなったと判断される場合は(S124:Yes)、確率表示装置504に表示されている確率設定値を、これからの遊技で使用する確率設定値として確定し(S127)、該確率設定値に応じた大当たり乱数テーブル202aを設定する(S128)。
S128の処理の後、次いで、設定キー501がオフ状態となったか否かを判断する(S129)。S129の処理では、設定キー501から出力される信号のレベルがオン状態からオフ状態へと遷移したことを検出した場合に、設定キー501がオフ状態になったと判断してもいし、設定キー501から出力される信号のレベルがオフ状態にあることを検出することで、設定キー501がオフ状態になったと判断してもよい。
S129の処理の結果、設定キー501がオフ状態になっていないと判断される間は(S129:No)、S129の処理を繰り返し実行する。そして、S129の処理の結果、設定キー501がオフ状態になったと判断される場合は(S129:Yes)、確率表示装置504における確率設定値の表示の終了を設定し(S130)、この設定変更処理(S118)を終了する。
なお、設定変更処理の終了後は、立ち上げ処理(図85参照)に戻り、処理をS116へ移行し、RAM203初期化処理を実行(S116,S117)し、RAM203のデータを消去(クリア)する。このように、S124の処理においてホール関係者等にRAM消去スイッチ503をオンさせて確率設定値を確定させることにより、その後、RAM203のデータの消去が行われることを、ホール関係者等に強く認識させることができる。
また、S124の処理において、RAM消去スイッチ503のオン検出によって確率設定値を確定させていたが、設定キー501のオフ検出によって確率設定値を確定するように構成してもよい。
次に、図87を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図87は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では、大別してカウンタの更新処理と電源断時処理とが実行される。
メイン処理では、まず、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S151)。そして、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S151:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S152,S153)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S152)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では「9999」、「99」)に達した際、「0」にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ203cにそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、後述するタイマ割込処理のS207(図88参照)の処理と同一の方法によって実行し(S153)、S151の処理へ移行する。
ここで、このメイン処理が実行されている間、後述するタイマ割込処理(図88参照)が所定時間間隔(本実施形態では2ミリ秒)で起動され実行される。タイマ割込処理では、遊技の状態に応じて異なる処理が実行される。例えば、大当たり中には、共通大入賞口75の開閉を制御する実行が行われ、スルーゲート67への球の通過があれば、普通図柄表示装置83による普通図柄の表示制御が行われる。また、特別図柄表示装置37での変動表示を開始する場合に実行される大当たり抽選では、高確率状態か低確率状態かによって、取得した大当たり乱数カウンタC1と比較する大当たり乱数値の数が異なってくる。よって、1回のタイマ割込処理の実行にかかる時間は、遊技の状態に応じて変化することになる。従って、一のタイマ割込処理が終了してから次のタイマ割込処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく、その時々の遊技の状態に応じて変化する。
メイン処理の一処理である上記のS152,S153の処理は、このタイマ割込処理の残余時間の中で実行されることになる。つまり、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新が繰り返し実行されることになるので、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、大当たり乱数カウンタC1の初期値、普図当たり乱数カウンタC4の初期値)とをランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。特に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2とをランダムに更新することによって、これらを更新の初期値として使用する大当たり乱数カウンタC1及び普図当たり乱数カウンタC4の更新に、ランダム性を持たせることができる。
S151の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S151:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図108において後述するNMI割込処理が実行されたということなので、S154以降の電源遮断時の処理が実行される。
S154の処理では、各割込処理の発生を禁止し(S154)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S155)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S156)、RAM203のアクセスを禁止して(S157)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S151の処理は、タイマ割込処理(図88参照)の残余時間内に行われるS152とS153の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。これにより、主制御装置110のメイン処理において、タイマ割込処理による各種設定が終了し、また、各カウンタCINI1,CINI2,CS1の更新が終わったタイミングで、電源断の発生情報を確認している。よって、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS151の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS151の処理から開始することができる。
従って、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S101)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S151の処理から開始することができる。その結果、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図88を参照して、第4実施形態に係るパチンコ機10の主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理について説明する。図88は、第4実施形態のタイマ割込処理を示すフローチャートである。
このタイマ割込処理では、まず、外部出力処理を実行する(S201)。タイマ割込処理やメイン処理(図87参照)では、各種処理に基づいて、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113、ホールコンピュータ(図示せず)等へ送信すべきコマンド又は信号等を生成し、コマンドが生成された場合はRAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに一旦記憶し、信号が生成された場合は該信号に対応する装置(例えば、ホールコンピュータとパチンコ機10とを接続するための外部出力端子板(図示せず)等)に信号を出力する。S201の外部出力処理では、上記コマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データを、サブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信するとともに、上記信号を各種装置へ出力する。
S201の処理の後は、次に、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S202)、次いで、各特別図柄の当たり時における処理を実行する当たり処理を実行する(S203)。この当たり処理(S203)については、図99において後述する。
S203の後は、次に、普通電役71bの駆動制御処理を実行する普通電役制御処理を実行する(S204)。簡単に説明すると、球がスルーゲート67を通過したことを条件に普通図柄表示装置83にて普通図柄の可変表示が実施され、普通図柄の可変表示の結果、普通図柄の当たり図柄(例えば、「○」図柄)が現出して当たり状態となると、普通電役71bを所定時間開放状態とする一方、普通図柄のハズレ図柄(例えば、「×」図柄)が現出した場合は、普通電役71bの閉鎖状態を維持する。この普通電役制御処理については、図107を参照して後述する。
S204の処理の後は、次いで、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S205)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチ208の状態を読み込むと共に、当該スイッチ208の状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。また、入賞検知情報に基づいて払出制御装置111に対して送信すべき獲得球数に対応する賞球コマンドをRAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに設定する。これにより、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(S201)によって、所定の賞球コマンドが払出制御装置111に向けて送信される。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S206)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(第4実施形態では、「9999」)に達した際、「0」にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ203c領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(第4実施形態では、「99」)に達した際、「0」にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するカウンタ用バッファ203c領域に格納する。
次いで、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1及び普図当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S207)。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1及び普図当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(第4実施形態では、それぞれ、「9999」,「99」,「99」,「9」,「99」)に達した際、それぞれ「0」にクリアする。また、大当たり乱数カウンタC1又は普図当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1又は第2初期値乱数カウンタCINI2の値を当該大当たり乱数カウンタC1又は普図当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込み、その初期値を大当たり乱数カウンタC1又は普図当たり乱数カウンタC4に設定する。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ203c領域に格納する。
次に、左側特図1始動口64若しくは右側特図1始動口71a又は特図2始動口74への入賞に伴う始動入賞処理を実行する(S208)。なお、この始動入賞処理(S208)の詳細は、図89を参照して後述する。
次いで、スルーゲート67への球の通過有無を判断するゲート通過処理を実行する(S209)。このゲート通過処理(S209)においてスルーゲート67を球が通過したと判別された場合に、普図当たりカウンタC4の値がカウンタ用バッファ203cから取得され、その普図当たりカウンタC4の値が普図保留球格納エリア203h(図65参照)に格納されるとともに普通図柄保留ランプ84に普通図柄の可変表示の保留数が表示等される。なお、このゲート通過処理(S209)の詳細は、図90を参照して後述する。
ゲート通過処理(S209)を実行した後は、上記始動入賞処理(S208)の処理内容に基づいて特別図柄表示装置37による特別図柄の動的表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特図変動処理を実行する(S210)。なお、特図変動処理(S210)の詳細は、図91を参照して後述する。
次いで、上記ゲート通過処理(S209)の処理内容に基づいて、普通図柄の当否判別を行うとともに、該判別結果に基づく普通図柄の可変表示を普通図柄表示装置83において行うための設定処理である普図変動処理を実行する(S211)。この普図変動処理(S211)では、上述した時短フラグ203mに応じて、普通図柄の当たり確率が、高確率(例えば、9/10)か低確率(1/10)のいずれかで行われる。そして、当否結果に基づいて普通図柄の可変表示を行うとともに、該当否結果に応じた表示結果を普通図柄表示装置83に表示する。なお、普図変動処理(S211)の詳細は、図106を参照して後述する。
普図変動処理(S211)を実行した後は、発射制御処理を実行し(S212)、さらに、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S213)、このタイマ割込処理を終了する。
なお、発射制御処理(S212)は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。そして、球の発射がオンである場合、発射制御装置112へ球発射信号を送信するために、その球発射信号の情報を、RAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する。これにより、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(S201)によって、球発射信号が払出制御装置111を介して発射制御装置112へ送信される。
また、本実施形態では、定期的に実行する処理をタイマ割込処理(図88参照)で実行し、メイン処理において、タイマ割込処理の残余時間に各カウンタCINI1,CINI2,CS1の更新を実行する場合について説明したが、タイマ割込処理にて実行していた処理の一部または全部を、メイン処理の中で所定時間(例えば、2ミリ秒)毎に実行するように構成してもよい。例えば、本実施形態においてタイマ割込処理にて実行していた賞球計数信号,払出異常信号読み込み処理(S202)、当たり処理(S203)、普通電役制御処理(S204)及びスイッチ読み込み処理(S205)の一部または全部を、タイマ割込処理ではなく、メイン処理の中で2ミリ秒毎に実行するように構成してもよい。
この場合、メイン処理の中で所定時間(2ミリ秒)経過したか否かを判断するステップを設け、所定時間経過したと判断された場合のみ、所定時間毎に実行する処理を実行し、各カウンタCINI1,CINI2,CS1の更新は、所定時間の経過の有無にかかわらず実行するようにしてもよい。これにより、各カウンタCINI1,CINI2,CS1の更新は、所定時間毎に実行する処理の残余時間に実行されることになるが、所定時間毎に実行する処理は、遊技の状態に応じてその実行にかかる時間が変化するため、このように構成した場合であっても、各カウンタCINI1,CINI2,CS1をランダムに更新することができる。
次に、図89のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図88参照)の一処理である始動入賞処理(S208)を説明する。図89は、この始動入賞処理(S208)を示すフローチャートである。
始動入賞処理(S208)は、左側特図1始動口64若しくは右側特図1始動口71a又は特図2始動口74への球の入賞の有無を判断し、入賞があった場合は、各カウンタC1〜C3,CS1の値を入賞した始動口64,71a,74に対応する第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203eに格納する(保留する)処理を実行する。また、保留する各カウンタC1〜C3,CS1の値を保留球数と合わせて音声ランプ制御装置113へ送信するための処理を実行する。
MPU201は、この始動入賞処理(S208)において、まず、球が特図1始動口64,71aに入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S301)。ここでは、スイッチ読み込み処理(図88のS205参照)において読み込んだ、特図1始動口64,71aへの入球(入賞)を検出する左側特図1入球口スイッチ又は右側特図1入球口スイッチ(図示せず)の出力信号に基づいて、特図1始動口64、71aへの入球を3回のタイマ割込処理(図88参照)にわたって検出する。
球が特図1始動口64,71aに入賞した(始動入賞があった)と判別されると(S301:Yes)、次いで、第1保留球数カウンタ203aの値(主制御装置110において保留されている第1特別図柄の動的表示(変動演出)の作動保留球数N1)が上限値(第4実施形態では、「4」)未満であるか否かを判別する(S302)。そして、特図1始動口64,71aへの入賞があっても作動保留球数N1<4でなければ(S302:No)、この始動入賞処理(S208)を終了し、タイマ割込処理(図88参照)へ戻る。
一方、作動保留球数N1<4であれば(S302:Yes)、第1保留球数カウンタ203aの値(作動保留球数N1)を1加算する(S303)。そして、今回、第1特別図柄に対応する特図1始動口64,71aへの入賞であるので、第1保留球格納エリア203dを各乱数値C1〜C3,CS1の格納先として設定し(S304)、処理をS305へ移行する。
S305の処理では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値をカウンタ用バッファ203c(図66参照)から読み出し、S304で格納先として設定された第1保留球格納エリア203dに設けられた第1保留第1〜第4エリアのうち、第1保留球数カウンタ203aで示される値に対応するエリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1、大当たり種別カウンタ格納エリア203d2、停止パターン選択カウンタ格納エリア203d3及び変動種別カウンタ格納エリア203d4に各々保留(格納)する(S305)。
具体的には、例えば、特図1始動口64,71aへの入賞に基づくS304の処理において第1保留球格納エリア203dが格納先として設定され、また、S303の処理による加算後の第1保留球数カウンタ203aの値が「1」であれば、第1保留第1エリアの各格納エリアにそれぞれカウンタC1〜C3,CS1の値が保留される。また、加算後の第1保留球数カウンタ203aの値が「2」であれば第1保留第2エリアの各格納エリアに、加算後の第1保留球数カウンタ203aの値が「3」であれば第1保留第3エリアの各格納エリアに、加算後の第1保留球数カウンタ203aの値が「4」であれば第1保留第4エリアの各格納エリアに、各々カウンタC1〜C3,CS1の値が保留される。
次に、S303の処理による加算後の第1保留球数カウンタ203aの値(作動保留球数N1)と、S305の処理により第1保留球格納エリア203dに格納(保留)した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値を含む第1保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信するために、該第1保留球数コマンドをRAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに設定する(S306)。これにより、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図88のS201参照)によって、保留球数コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信される。S306の処理を終えると、この始動入賞処理(S208)を終了し、タイマ割込処理(図88参照)に戻る。
なお、S306の処理において第1保留球数コマンドに含める各カウンタC1〜C3,CS1の値は、S309の処理によりカウンタ用バッファ203cから読み出した値そのものを用いてもよいし、S305の処理において第1保留球格納エリア203dに格納(保留)された値を読み出したものを用いてもよい。
S301の処理において、球が特図1始動口64,71aへ入賞していないと判別された場合(S301:No)、次いで、球が特図2始動口74に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S307)。ここでは、特図1始動口64,71aと同様、スイッチ読み込み処理(図88のS205参照)において読み込んだ、特図2始動口74への入球(入賞)を検出する特図2入球口スイッチ(図示せず)の出力信号に基づいて、特図2始動口74への入球を3回のタイマ割込処理(図88参照)にわたって検出する。
球が特図2始動口74に入賞した(始動入賞があった)と判別されると(S307:Yes)、次いで、第2保留球数カウンタ203bの値(主制御装置110において保留されている第2特別図柄の動的表示(変動演出)の作動保留球数N2)が上限値(第4実施形態では、「4」)未満であるか否かを判別する(S308)。そして、特図2始動口74への入賞がないか(S307:No)、或いは、特図2始動口74への入賞があっても作動保留球数N2<4でなければ(S308:No)、この始動入賞処理(S208)を終了して、タイマ割込処理(図88参照)へ戻る。
一方、作動保留球数N2<4であれば(S308:Yes)、第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N2)を1加算する(S309)。そして、今回、第2特別図柄に対応する特図2始動口74への入賞であるので、第2保留球格納エリア203eを各乱数値C1〜C3,CS1の格納先として設定し(S310)、処理をS311へ移行する。
S311の処理では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値をカウンタ用バッファ203c(図66参照)から読み出し、S310で格納先として設定された第2保留球格納エリア203eに設けられた第2保留第1〜第4エリアのうち、第2保留球数カウンタ203bで示される値に対応するエリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203e1、大当たり種別カウンタ格納エリア203e2、停止パターン選択カウンタ格納エリア203e3及び変動種別カウンタ格納エリア203e4に各々保留(格納)する(S311)。
具体的には、例えば、特図2始動口74への入賞に基づくS310の処理において第2保留球格納エリア203eが格納先として設定され、また、S309の処理による加算後の第2保留球数カウンタ203bの値が「1」であれば、第2保留第1エリアの各格納エリアにそれぞれカウンタC1〜C3,CS1の値が保留される。また、加算後の第2保留球数カウンタ203bの値が「2」であれば第2保留第2エリアの各格納エリアに、加算後の第2保留球数カウンタ203bの値が「3」であれば第2保留第3エリアの各格納エリアに、加算後の第2保留球数カウンタ203bの値が「4」であれば第2保留第4エリアの各格納エリアに、各々カウンタC1〜C3,CS1の値が保留される。
次に、S309の処理による加算後の第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N2)と、S311の処理により第2保留球格納エリア203eに格納(保留)した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値を含む第2保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信するために、該第2保留球数コマンドをRAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに設定する(S312)。これにより、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図88のS201参照)によって、第2保留球数コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信される。S312の処理を終えると、この始動入賞処理(S208)を終了し、タイマ割込処理(図88参照)に戻る。
なお、S312の処理において第2保留球数コマンドに含める各カウンタC1〜C3,CS1の値は、S309の処理によりカウンタ用バッファ203cから読み出した値そのものを用いてもよいし、S311の処理において第2保留球格納エリア203eに格納(保留)された値を読み出したものを用いてもよい。
また、S301及びS307の処理において、特図1始動口64,71a及び特図2始動口74に同時に球が入賞した場合は、特図1始動口64,71aへの球の入賞処理を優先的に実行し、特図2始動口74への球の入賞処理を待機し、次のタイマ割込処理(図88参照)における始動入賞処理(S208)において、該待機した特図2始動口74への球の入賞処理を実行するように構成してもよい。
次に、図90を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図88参照)の一処理であるゲート通過処理(S209)を説明する。図90は、このゲート通過処理(S209)を示すフローチャートである。ゲート通過処理(S209)は、スルーゲート67への球の通過(入球)の有無を判断し、球が通過(入球)した場合は、普図当たり乱数カウンタC4の値を普図保留球格納エリア203hに格納する(保留する)処理を実行する。
このゲート通過処理(S209)では、まず、球がスルーゲート67を通過したか否かを判別する(S401)。ここでは、スイッチ読み込み処理(図88のS205参照)において読み込んだスルーゲート67への球の通過(入球)を検出するスルーゲートスイッチ(図示せず)の出力信号に基づいて、スルーゲート67への通過(入球)を3回のタイマ割込処理(図88参照)にわたって検出する。
S401の処理において、スルーゲート67を球が通過していない場合は(S401:No)、このゲート通過処理(S209)を終了して、タイマ割込処理(図88参照)へ戻る。一方、球がスルーゲート67を通過(入球)したと判別されると(S401:Yes)、次いで、遊技状態が「通常遊技状態」又は「潜伏確率変動状態」か否か、即ち、左打ち遊技の球の発射が奨励されている遊技状態か否かを判別する(S402)。判別の結果、「通常遊技状態」又は「潜伏確率変動状態」であれば(S402:Yes)、奨励される左打ち遊技ではなく非奨励の(禁止されている)右打ち遊技によって発射された球がスルーゲート67を通過したということなので、音声出力装置226(図65参照)から警報音を出力するとともに、第3図柄表示装置81において「左打ちに戻してね」という文字表示を表示する等の通常時右打ちエラー処理を実行し(S403)、処理をS404へ移行する。
このように構成することで、「通常遊技状態」又は「潜伏確率変動状態」において、普通電役71bが開放し難い状況で右打ち遊技を行い、特図2始動口74に球を入賞させると、「超ロング変動」演出態様は選択され得るものの、該「超ロング変動」演出態様の変動演出において第2特別図柄において小当たり遊技に当選し、そのタイミングで右打ち遊技で球を発射させることで、該球を該小当たり遊技の当選に基づいて開放される共通大入賞口75に球を入賞させることが可能となり、遊技仕様上、想定していない遊技価値が遊技者に付与され得てしまう。そこで、「通常遊技状態」又は「潜伏確率変動状態」においてスルーゲート67で球が検知された場合に、警報音を出力する等のエラー処理を行うことで、右打ち遊技が奨励されていない遊技状態において遊技者に右打ち遊技の実行を敬遠させ、奨励される遊技仕様と異なる遊技形態での遊技を極力排除し、各遊技状態において想定されている遊技性を実現することができる。
なお、S402の処理において、遊技状態が「通常遊技状態」又は「潜伏確率変動状態」でなければ(S402:No)、右打ち遊技が奨励される「確率変動状態」、「時間短縮状態」又は「小当たり頻出確率変動状態」であるので、S403の通常時右打ちエラー処理を行わなず、S403の処理をスキップして、処理をS404へ移行する。
S404の処理では、普図保留球数カウンタ(図示せず)の値(主制御装置110において保留されている普通図柄の可変表示の作動保留球数HN)が上限値(第4実施形態では、「4」)未満であるか否かを判別する(S404)。そして、スルーゲート67への通過(入球)があっても作動保留球数HN<4でなければ(S404:No)、このゲート通過処理(S209)を終了して、タイマ割込処理(図88参照)へ戻る。
一方、作動保留球数HN<4であれば(S404:Yes)、普図保留球数カウンタの値(作動保留球数HN)を1加算する(S405)。そして、普図当たりカウンタC4の値をカウンタ用バッファ203c(図66参照)から読み出し、読み出したデータを、普図保留球格納エリア203hに設けられた普図保留第1〜第4エリアのうち、普図保留球数カウンタで示される値に対応するエリアに格納する(S406)。
具体的には、例えば、S405の処理による加算後の普図保留球数カウンタの値が「1」であれば、普図保留第1エリアに普図当たりカウンタC4の値が保留される。また、加算後の普図保留球数カウンタの値が「2」であれば普図保留第2エリアに、加算後の普図保留球数カウンタの値が「3」であれば普図保留第3エリアに、加算後の普図保留球数カウンタの値が「4」であれば普図保留第4エリアのに、普図当たりカウンタC4の値が保留される。S406の処理の終了後は、このゲート通過処理(S209)を終了し、タイマ割込処理(図88参照)に戻る。
なお、第4実施形態では、普通図柄の可変表示に関する普図保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信しないように構成されているが、普通図柄の可変表示に関する普図保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信して、普通図柄の可変表示に関する保留図柄等に関する演出(報知)を行うように構成してもよい。この場合に、普図当たりカウンタC4の値を普図保留球数コマンドに含めて送信することで、音声ランプ制御装置113で普通図柄に関する所謂先読み処理を実行可能に構成し、普通図柄に関する演出のバリエーションを設けるように構成してもよい。
次に、図91を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図88参照)の一処理である特図変動処理(S210)について説明する。図91は、この特図変動処理(S210)を示すフローチャートである。
この特図変動処理(S210)は、第1特別図柄および第2特別図柄に関する特別図柄表示装置37における動的表示や、第3図柄表示装置81にて遊技状態に応じて行う変動演出に関する制御を行うものである。
MPU201は、この特図変動処理(S210)において、まず、今現在、第1特別図柄又は第2特別図柄のいずれか一方が大当たり中であるか否かを判別する(S5001)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81及び特別図柄表示装置37で表示される大当たり遊技の最中と、大当たり遊技開始前(即ち、大当たりオープニング)の所定時間の最中と、大当たり遊技終了後(即ち、大当たりエンディング)の所定時間の最中とが含まれる。S5001における判別の結果、いずれかの特別図柄の大当たり中であれば(S5001:Yes)、そのまま特図変動処理(S210)を終了し、タイマ割込処理(図88参照)に戻る。
S5001の処理において、大当たり中でないと判別された場合は(S5001:No)、次に、今現在、第1特別図柄又は第2特別図柄のいずれか一方が小当たり中であるか否かを判別する(S5002)。小当たり中としては、小当たりの際に第3図柄表示装置81及び特別図柄表示装置37で表示される小当たり遊技の最中と、小当たり遊技開始前(即ち、小当たりオープニング)の所定時間(第4実施形態では、「0.5秒」)の最中と、小当たり遊技終了後(即ち、小当たりエンディング)の所定時間の最中とが含まれる。S5002における判別の結果、いずれかの特別図柄の小当たり中であれば(S5002:Yes)、そのまま特図変動処理(S210)を終了し、タイマ割込処理(図88参照)に戻る。
S5002の処理において、小当たり中でないと判別された場合は(S5002:No)、次に、特別図柄表示装置37において第1特別図柄(特図1)が動的表示中であるか否かを判別し(S5003)、特別図柄表示装置37において第1特別図柄の動的表示中であれば(S5003:Yes)、第1特別図柄の動的表示に関する設定処理を行わないため、S5004及びS5005の処理をスキップして、処理をS5006へ移行する。
一方、S5003の処理において、特別図柄表示装置37において第1特別図柄の動的表示中でなければ(S5003:No)、次いで、特別図柄表示装置37における第1特別図柄の動的表示が停止後、所定時間経過したか否かを判別する(S5004)。その結果、第1特別図柄の動的表示の停止後、所定時間経過していなければ(S5004:No)、処理をS5006へ移行する。これにより、第1特別図柄の動的表示(変動演出)における停止図柄が所定時間だけ特別図柄表示装置37(「通常遊技状態」、「潜伏確率変動状態」、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」であれば第3図柄表示装置81)に表示されるので、遊技者に対して、その停止図柄を視認させることができる。
一方、S5004の処理の結果、動的表示の停止後、所定時間経過していれば(S5004:Yes)、第1特別図柄の動的表示を行うか否か、及び、第1特別図柄の動的表示を行う場合における該動的表示の各種設定処理を行う特図1変動開始処理を行い(S5005)、その後、処理をS5006へ移行する。
ここで、図92を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特図変動処理(S210)の一処理である特図1変動開始処理(S5005)について説明する。図92は、この特図1変動開始処理(S5005)を示したフローチャートである。
この特図1変動開始処理(S5005)では、上述したように、第1特別図柄の動的表示を行うか否かや、第1特別図柄の動的表示を行う場合における該動的表示の設定処理、及び、第1特別図柄の動的表示結果に応じて第2特別図柄の動的表示の変更処理等を行う。
この特図1変動開始処理(S5005)では、まず、第1保留球数カウンタ203aの値(主制御装置110において保留されている第1特別図柄に関する動的表示(変動演出)の作動保留球数N1)が「0」よりも大きいか否かを判別する(S5101)。その結果、第1保留球数カウンタ203aの値(作動保留球数N1)が「0」より大きくなければ(S5101:No)、実行すべき第1特別図柄の動的表示が存在しないため、この特図1変動開始処理(S5005)を終了して、特図変動処理(図91参照)に戻る。
なお、S5101の処理において、第1保留球数カウンタ203aの値(作動保留球数N1)が「0」であると判別された場合には(S5101:No)、遊技状態に応じて第3図柄表示装置81においてデモ演出を行うように構成されている。このデモ演出は、第1特別図柄の変動演出が第3図柄表示装置81で実行され得る遊技状態、即ち、「通常遊技状態」、「潜伏確率変動状態」、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」において、実行すべき第1特別図柄の変動演出(動的表示)が存在しない場合に実行される。
具体的には、「通常遊技状態」、「潜伏確率変動状態」、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」において、実行すべき第1特別図柄の保留球数が存在しない場合に、音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114にデモコマンドを送信し、第1保留球数カウンタ203aの値(作動保留球数N1)が「0」より大きいと判断されるまでの間をデモ中として判別する。
設定されたデモコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図88のS201参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
音声ランプ制御装置113は、デモコマンドを受信すると、表示用デモコマンドを表示制御装置114へ送信し、表示制御装置114は、表示用デモコマンドの受信に基づいて、第3図柄表示装置81にデモ演出を表示するように制御を行う。
S5101の処理において、第1保留球数カウンタ203aの値(作動保留球数N1)が「0」より大きい値であれば(S5101:Yes)、第1特別図柄に関する動的表示(変動演出)の実行開始タイミングであると判断し、まず、第1保留球数カウンタ203aの値(作動保留球数N1)を1減算する(S5102)。これは、後述する処理によって、保留されていた第1特別図柄に関する動的表示(変動演出)のうち1の動的表示(変動演出)の実行が開始されるため、第1特別図柄に関する保留球数が1つ減少するためである。
次いで、第1保留球格納エリア203dに格納されたデータをシフト処理する(S5103)。このデータシフト処理(S5103)は、第1保留球格納エリア203dの第1保留第1〜第4エリアに格納されているデータを第1保留球実行エリア203fへ向けて順にシフトさせる処理であって、第1保留第1エリア→第1保留球実行エリア203f、第1保留第2エリア→第1保留第1エリア、第1保留第3エリア→第1保留第2エリア、第1保留第4エリア→第1保留第3エリアといった具合に、各エリア内のデータがシフトされる。
S5103のデータシフト処理の後は、データシフト処理により第1保留球実行エリア203fに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄表示装置37(「通常遊技状態」、「潜伏確率変動状態」、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」であれば第3図柄表示装置81)において実行される第1特別図柄の動的表示の設定処理を行うべく、まず、遊技状態を判別するために、RAM203に設けられた確変フラグ203jがオンされているか否かを判別する(S5104)。判別の結果、確変フラグ203jがオンでない(即ち、オフ)と判別された場合(S5104:No)、遊技状態が「通常遊技状態」又は「時間短縮状態」であり、特別図柄の大当たり確率が低確率状態であるので、低確率状態用の大当たり乱数テーブル202aを設定し(S5105)、処理をS5107へ移行する。一方、確変フラグ203jがオンであると判別された場合は(S5104:Yes)、遊技状態が「確率変動状態」、「潜伏確率変動状態」又は「小当たり頻出確率変動状態」であり、特別図柄の大当たり確率が高確率状態であるので、高確率状態用の大当たり乱数テーブル202aを設定し(S5106)、処理をS5107へ移行する。
S5107の処理では、第1保留球実行エリア203fに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値と、S5105又はS5106において設定された大当たり乱数テーブル202aとに基づいて大当たりか否かを判別する大当たり抽選(当否判定)処理を行う(S5107)。
第4実施形態のパチンコ機10では、大当たりか否かは、確率設定値に基づいて設定された大当たり乱数テーブル202aを参照して、第1保留球実行エリア203fに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値とその時々の遊技状態(モード)との関係に基づいて判別される。上述した通り、パチンコ機10の取りうる遊技状態(モード)が通常の低確率状態(「通常遊技状態」又は「時間短縮状態」)にある場合には、大当たり乱数テーブル202aにおいて、大当たり確率が設定値「1」で50/10000、設定値「6」で60/10000となるように大当たり乱数値が規定されている。また、パチンコ機10の取りうる遊技状態(モード)が高確率状態(「確率変動状態」、「潜伏確率変動状態」又は「小当たり頻出確率変動状態」)にある場合には、大当たり乱数テーブル202aにおいて、大当たり確率が設定値「1」で100/10000、設定値「6」で200/10000となるように大当たり乱数値が規定されている。
S5107の処理では、第1保留球実行エリア203fに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値と、これら大当たり乱数テーブル202aにて規定される大当たり乱数値とを比較して、それらが一致する場合に、大当たりであると判別する。S5107の処理の結果、大当たりであると判別された場合(S5107:Yes)、次いで、今回の大当たりの当選回数が、パチンコ機10の初期化以降または前回のリミット到達以降、リミット回数に到達しているか否かを判別するべく、リミット処理を行い(S5108)、その後、処理をS5109へ移行する。
ここで、図93を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特図1変動開始処理(図92参照)又は後述する特図2変動開始処理(図95参照)の一処理であるリミット処理(S5108又はS5408)について説明する。図93は、このリミット処理(S5108又はS5408)を示すフローチャートである。なお、特図1変動開始処理(図92参照)内で行われるリミット処理(S5108)と、後述する特図2変動開始処理(図95参照)内で行われるリミット処理(S5408)とは、同一の処理を行うように構成されているため、ここではS5108の処理について説明し、S5408の処理の説明を省略する。
このリミット処理(S5108)では、上述したように、パチンコ機10の初期化以降または前回のリミット到達以降、大当たり回数が10回に到達するまで(即ち、リミット到達前)は、特別図柄が高確率状態となる大当たり種別を含む大当たり種別の中から、当該大当たりにおける大当たり種別を選定可能な大当たり種別テーブル202bを設定する。一方、パチンコ機10の初期化以降または前回のリミット到達以降、大当たり回数が10回に到達する毎に、該大当たりの大当たり種別を特別図柄の高確率状態を発生しない大当たり種別の中から、当該大当たりの大当たり種別を選定可能な大当たり種別テーブル202bを設定する。
リミット処理(S5108)では、まず、特図1変動開始処理(図92参照。特図2変動開始処理(図95参照)も同様。以下、同様。)のS5107(特図2変動開始処理(図95参照)では、S5407参照)の処理において、大当たりに当選していると判別されているため、リミットカウンタ203kの値に1を加算する(S5201)。そして、リミットカウンタ203kが1加算されたことを示すリミット回数コマンドを生成して、該リミット回数コマンドをRAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに設定する(S5202)。S5202で設定されたリミット回数コマンドは、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図88のS201参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、リミット回数コマンドを受信すると、大当たりが1回発生したことを認識し、該リミット回数に応じた制御が可能となる。
S5202の処理の後は、次いで、S5201で1加算されたリミットカウンタ203kの値が「10」未満であるか否かを判別する(S5203)。判別の結果、リミットカウンタ203kの値が「10」未満であれば(S5203:Yes)、今回の大当たりではリミット回数に到達していないので、リミット到達前における特図1大当たり種別テーブル202b1(図68参照)を設定して(S5204)、このリミット処理(S5108)を終了する。リミット処理(S5108)の終了後は、特図1変動開始処理(図92参照)に戻る。
一方、S5203の処理において、リミットカウンタ203kの値が「10」未満でないと判別された場合、即ち、リミットカウンタ203kの値が「10」以上であると判別された場合は(S5203:No)、今回の大当たりでリミット回数に到達したということなので、リミット到達時における特図1大当たり種別テーブル202b1(図68参照)を設定して(S5205)、このリミット処理(S5108)を終了する。リミット処理(S5108)の終了後は、特図1変動開始処理(図92参照)に戻る。
このように、大当たりの発生毎にリミットカウンタ203kの値を更新し、該リミットカウンタ203kの値に応じて、特別図柄の高確率状態を発生し得る大当たり種別の中から大当たり種別を決定するか、特別図柄の高確率状態を発生し得ない大当たり種別の中から大当たり種別を決定するかで、大当たりのリミット回数毎に必ず特別図柄の低確率状態にすることができ、特別図柄の高確率状態が継続し続けて過度な大当たりの「連荘」が発生することを抑制することができる。
図92に戻って、説明を続ける。S5109の処理では、上記リミット処理(S5108)で設定されたリミット到達前若しくはリミット到達時における第1特別図柄に対応する特図1大当たり種別テーブル202b1(図68参照)と、第1保留球実行エリア203fに格納されている大当たり種別カウンタC2の値とに基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S5109)。
この処理では、特図1大当たり種別テーブル202b1によって、第1保留球実行エリア203fに格納されている大当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別、即ち、最大ラウンド数が10ラウンドの大当たり後に、次回大当たりまで特別図柄が高確率状態となるとともに「時短機能」が直ちに終了して第2特別図柄の動的表示における小当たり遊技に基づいて共通大入賞口75へ球を入賞可能な「小当たり頻出確率変動状態」へ移行する「確変A」か、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たり後に、特別図柄が高確率状態であるとともに特別図柄が100回変動するまで「時短機能」が有効な「確変B」か、最大ラウンド数が10ラウンドの大当たり後に、特別図柄が低確率状態であるが特別図柄が100回変動するまで「時短機能」が有効な「時短A」か、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たり後に、特別図柄が低確率状態であるが特別図柄が100回変動するまで入賞補助機能が有効な「時短B」か、の大当たり種別が判別される。そして、判別された大当たり種別に基づいて、特別図柄表示装置37における大当たり時の表示態様(特別LED群37bの表示態様)が設定される。
具体的には、第1保留球実行エリア203fに格納されている大当たり種別カウンタC2の値と、上記S5204又はS5205で設定された特図1大当たり種別テーブル202b1(図68参照)から大当たり種別が決定される。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S5110)。具体的には、特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81において、大当たり時の表示態様(停止種別)と、第1保留球実行エリア203fに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値とに基づいて演出態様を選択し、その選択された演出態様の中から変動種別カウンタCS1の値に基づいて動的表示(変動演出)の動的時間(変動時間)が決定される。この大当たり時の変動パターンの決定では、まず、その大当たりの停止種別に応じて、使用する停止パターンテーブル202d(図73参照)を選択する。
そして、大当たり用に設けられた停止パターンテーブル202dのCテーブル202d3において、第1保留球実行エリア203fに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に対応付けられた演出態様を選択する。そして、選択された演出態様毎に設けられた変動パターンテーブル202eにおいて、第1保留球実行エリア203fに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。そして、予め規定された変動パターンと変動時間との関係に基づいて、変動時間が設定される。
S5110の処理の後は、処理をS5111へ移行し、S5109及びS5110で設定された大当たり(小当たり)である第1特別図柄の動的表示と、実行中の第2特別図柄の動的表示との導出結果が現出する先後関係を判別し、先に現出する特別図柄の動的表示を維持しつつ、後に現出する特別図柄の動的表示の内容を変更するべく、特図2変更処理を行い(S5111)、その後、処理をS5117へ移行する。なお、この特図2変更処理(S5111)の詳細については、後述する。
一方、S5107の処理において、大当たりではないと判別された場合には(S5107:No)、続いて、第1保留球実行エリア203fに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値と、S5105又はS5106において設定された大当たり乱数テーブル202aとに基づいて小当たりか否かを判別する小当たり抽選(当否判定)処理を行う(S5112)。
第4実施形態のパチンコ機10では、第1特別図柄の動的表示において小当たりか否かは、全確率設定値、並びに、特別図柄の高確率状態および低確率状態で同一となるように設定されている。具体的には、大当たり乱数テーブル202aにおいて、小当たり確率が全設定及び全遊技状態で9800/10000となるように小当たり乱数値が規定されている。
S5112の処理では、第1保留球実行エリア203fに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値と、これら大当たり乱数テーブル202aにて規定される小当たり乱数値とを比較して、それらが一致する場合に、第1特別図柄の小当たりであると判別する。S5112の処理の結果、小当たりであると判別された場合(S5112:Yes)、次いで、第1特別図柄に対応する小当たり時の表示態様(第4実施形態では、1種類のみ)を設定する(S5113)。S5113の処理では、特別図柄表示装置37の表示態様を小当たり図柄に対応した表示態様に設定すると共に、第1保留球実行エリア203fに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値と第1保留球数カウンタ203aの値と現在の遊技状態とに基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる演出態様として、「非リーチ(短縮)」演出態様、「非リーチ(通常)」演出態様、「ノーマルリーチ」演出態様、「スーパーリーチ」演出態様、「スペシャルリーチ」演出態様のいずれかを設定する。第4実施形態では、パチンコ機10の遊技状態が「通常遊技状態」若しくは「潜伏確率変動状態」であるか、「確率変動状態」若しくは「時間短縮状態」、又は、「小当たり頻出確率変動状態」であるかに応じて、各演出態様に対応する停止パターン選択カウンタC3の値の範囲が異なるように停止パターンテーブル202dが設定されている。
次に、小当たり時の変動パターンを決定する(S5114)。具体的には、特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81において、小当たり時の表示態様(停止種別)と、第1保留球実行エリア203fに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値とに基づいて演出態様を選択し、その選択された演出態様の中から変動種別カウンタCS1の値に基づいて動的表示(変動演出)の動的時間(変動時間)が決定される。この小当たり時の変動パターンの決定では、まず、小当たり用(ハズレ用と共通)に設けられた停止パターンテーブル202dのAテーブル202d1又はBテーブル202d2において、第1保留球実行エリア203fに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に対応付けられた演出態様を選択する。そして、選択された演出態様毎に設けられた変動パターンテーブル202eにおいて、第1保留球実行エリア203fに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。そして、予め規定された変動パターンと変動時間との関係に基づいて、変動時間が設定される。
S5114の処理の後は、処理をS5111へ移行し、大当たり時と同様、S5113及びS5114で設定された小当たりである第1特別図柄の動的表示と、実行中の第2特別図柄の動的表示との導出結果が現出する先後関係を判別し、先に現出する特別図柄の動的表示を維持しつつ、後に現出する特別図柄の動的表示の内容を変更するべく、特図2変更処理を行い(S5111)、その後、処理をS5117へ移行する。
一方、S5112の処理において、小当たりでないと判別された場合(S5112:No)、第1特別図柄の動的表示の結果はハズレであるので、ハズレ時の表示態様を設定する(S5115)。S5115の処理では、特別図柄表示装置37の表示態様をハズレ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、第1保留球実行エリア203fに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値と第1保留球数カウンタ203aの値と現在の遊技状態とに基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる演出態様として、「非リーチ(短縮)」演出態様、「非リーチ(通常)」演出態様、「ノーマルリーチ」演出態様、「スーパーリーチ」演出態様、「スペシャルリーチ」演出態様のいずれかを設定する。第4実施形態では、パチンコ機10の遊技状態が「通常遊技状態」若しくは「潜伏確率変動状態」であるか、又は、「確率変動状態」若しくは「時間短縮状態」であるかに応じて、各演出態様に対応する停止パターン選択カウンタC3の値の範囲が異なるように停止パターンテーブル202dが設定されている。
次に、ハズレ時の変動パターンを決定し(S5116)、S5117の処理へ移行する。S5116の処理では、特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81において、ハズレ図柄で停止表示するまでの変動時間が決定される。具体的には、S5115の処理において決定されたハズレ時の表示態様(演出態様)毎に設けられた変動パターンテーブル202eにおいて、第1保留球実行エリア203fに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。そして、予め規定された変動パターンと変動時間との関係に基づいて、変動時間が設定される。
このように、大当たり時における演出態様および変動パターンの設定処理と、小当たり時における演出態様および変動パターンの設定処理と、ハズレ時における演出態様および変動パターンの設定処理とを、同じ乱数値C3,CS1を用いて同じ判定プログラムによって判定して決定することで、プログラムを共通化することができ、開発時における開発工数を削減することができる。
ここで、図94を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特図1変動開始処理(図92参照)の一処理である特図2変更処理(S5111)について説明する。図94は、この特図2変更処理(S5111)を示すフローチャートである。
この特図2変更処理(S5111)では、第2特別図柄の動的表示が実行している場合、上記特図1変動開始処理(図92参照)で設定された大当たり又は小当たりの第1特別図柄の動的表示と、実行中の第2特別図柄の動的表示との各変動時間を比較し、先に結果が導出される方の特別図柄の動的表示における大当たり遊技又は小当たり遊技を優先するとともに、後に結果が導出される方の特別図柄の動的表示における大当たり遊技又は小当たり遊技を消滅させるための変更処理を実行する。
また、この特図2変更処理(S5111)では、第1特別図柄の動的表示と第2特別図柄の動的表示とがともに大当たり遊技を発生する状況の場合に、いずれか一方の特別図柄の動的表示によって選定されている大当たり遊技が消滅することから、該消滅に伴い、特図1変動開始処理(S5108)又は特図2変動開始処理(S5408)のリミット処理(図93参照)で一旦加算されているリミットカウンタ203kの値を復元(減算)する処理を実行する。
この特図2変更処理(S5111)では、まず、第2特別図柄の動的表示が実行中か否かを判別する(S5301)。判別の結果、第2特別図柄の動的表示が実行されていなければ(S5301:No)、第1特別図柄の動的表示結果に基づいて変更すべき第2特別図柄の動的表示が存在しないため、この特図2変更処理(S5111)を終了して、特図1変動開始処理(図92参照)に戻る。
一方、第2特別図柄の動的表示が実行されていると判別された場合は(S5301:Yes)、次に、実行中の第2特別図柄の動的表示の変動時間の残り時間が、特図1変動開始処理(図92参照)のS5110又はS5114で設定された第1特別図柄の動的表示の変動時間より長いか否か、即ち、いずれの特別図柄の動的表示の結果が先に導出されるか否かを判別する(S5302)。
S5302における判別の結果、実行中の第2特別図柄の動的表示の変動時間の残り時間が、S5110又はS5114で設定された第1特別図柄の動的表示の変動時間より長い場合(S5302:Yes)、即ち、第1特別図柄の動的表示の変動時間の方が短く、第2特別図柄の動的表示の結果より第1特別図柄の動的表示の結果の方が先に導出される場合は、実行中の第2特別図柄の動的表示の内容を変更しつつ、該第1特別図柄の動的表示の結果が導出されるタイミングで第2特別図柄の動的表示を停止させるために、まず、実行中の第2特別図柄の動的表示をハズレ時の表示態様(大当たり結果、小当たり結果又はハズレ結果の如何を問わず)に変更し(S5303)、次に、変更した第2特別図柄の動的表示の結果が大当たり結果であったか否かを判別する(S5304)。判別の結果、変更した第2特別図柄の動的表示の結果が大当たり結果であった場合(S5304:Yes)、リミットカウンタ203kの値を1減算し(S5305)、処理をS5306へ移行する。
第4実施形態では、第1特別図柄の動的表示の結果によって第2特別図柄の動的表示を消滅させる場合、消滅させる第2特別図柄の動的表示が大当たり結果であったとき、該第2特別図柄の動的表示における大当たり結果によってリミット回数を加算した状態となっている。この場合、大当たり遊技が付与されないにもかかわらず、リミット回数のみが増加(計数)されてしまうと、リミット回数より少ない回数の大当たり遊技でのみ特別図柄の高確率状態が発生し得ず、遊技仕様通りの遊技価値を遊技者に付与できない可能性が生じ、遊技者に不測の不利益を被らせてしまい、遊技者を興醒めさせてしまうおそれがある。
そこで、第1特別図柄の動的表示の結果に基づいて、第2特別図柄の動的表示を消滅させる場合、該第2特別図柄の動的表示が大当たり結果を導出するものであった場合に、既に計数していたリミット回数を消滅分だけ(即ち、1)減算して、実質的に付与されない大当たりの回数を計数しないように構成する。このように構成することで、遊技仕様通りの遊技価値を遊技者に付与し、遊技者に不測の不利益を被らせない遊技機を提供して、遊技者が興醒めすることを抑制し、遊技の興趣向上を図ることができる。
なお、S5304の処理において、(変更した)実行中の第2特別図柄の動的表示において大当たり結果が導出されない場合は(S5304:No)、S5305の処理をスキップして、処理をS5306へ移行する。
S5306の処理では、実行中の第2特別図柄の動的表示の変動時間を、S5110で設定した第1特別図柄の動的表示の変動時間と同等となるように設定する(S5306)。この処理を行うことで、これから実行する第1特別図柄の動的表示の変動時間と、実行中の第2特別図柄の動的表示の変動時間とが同一となり、第1特別図柄の動的表示において大当たり結果又は小当たり結果が導出されるタイミングで、第2特別図柄の動的表示でハズレ結果が導出される。このように構成することで、2の特別図柄の動的表示においてそれぞれ大当たり結果が導出されることを未然に防止することができる。また、一方の特別図柄の動的表示に基づく大当たり遊技中に他方の特別図柄の動的表示が実行される状況を未然に防止し、一方の特別図柄の動的表示に基づく大当たり遊技中に、他方の特別図柄の動的表示の結果が導出されるという遊技として煩わしい状況を発生させず、遊技者が違和感を感じることがない快適な遊技を実行させることができる。
S5306の処理の後は、該S5306の処理によって決定された変動パターンに応じた変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113を介してその変動パターンに応じた変動時間を表示制御装置114へ通知する特図2変動パターンコマンドを設定する(S5307)。具体的には、例えば、第1特別図柄の動的表示の残り時間が「25000ミリ秒」であれば、S5303において設定された第2特別図柄の動的表示のハズレ結果と、第1特別図柄の動的表示の残り時間である「25000ミリ秒」とを示す特図2変動パターンコマンドが設定される。また、第2特別図柄の動的表示の残り時間が「5345ミリ秒」であれば、S5303において設定された第2特別図柄の表示のハズレ結果と、第1特別図柄の動的表示の残り時間である「5345ミリ秒」とを示す特図2変動パターンコマンドが設定される。
そして、S5307の処理の後は、S5303の処理で設定された停止種別(即ち、ハズレ結果)を、音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114へ通知するための特図2停止種別コマンドを設定し(S5308)、この特図2変更処理(S5111)を終了して、特図1変動開始処理(図92参照)に戻る。
このように、第2特別図柄の動的表示の変動時間を変更する場合に、実行中の第2特別図柄と異なる特図2停止種別コマンドを改めて送信することで、該特図2停止種別コマンドに変動演出の当否に基づいた大まかな停止種別を設定することで、音声ランプ制御装置113(表示制御装置114)は、当否に基づいた第2特別図柄の動的表示の停止種別を把握して、それらの情報を基により詳細は変動演出の停止結果を決定することができる。
これらの特図2変動パターンコマンドおよび特図2停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図88のS201参照)で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、特図2変動パターンコマンドや特図2停止種別コマンドを受信すると、それに基づき遊技状態に応じて表示用特図2変動パターンコマンドや表示用特図2種別コマンドを生成して、表示制御装置114へ送信する。
このように構成することで、第1特別図柄の動的表示の内容に基づいて第2特別図柄の動的表示の内容を変更する場合に、変更する第2特別図柄の動的表示に関する特図2変動パターンコマンドと特図2停止種別コマンドとをセットで音声ランプ制御装置113に送信することで、音声ランプ制御装置113側の制御プログラムを変更する必要がなくなり、設計工数の削減および制御負担の軽減を実現することができる。また、遊技状態に応じて、第3図柄表示装置81で実行される特別図柄の変動演出が異なるように構成されている。ここで、第3図柄表示装置81で非実行側の特別図柄の変動演出の内容を差し替えた場合は、そもそも非実行側の特別図柄の変動演出は実行されていないため、非実行側の変動演出に関して差替え制御を実行した場合でも、遊技者に違和感を感じさせず、快適な遊技を提供することができる。
なお、S5307及びS5308によって、変更される第2特別図柄の動的表示に関する特図2変動パターンコマンド及び特図2停止種別コマンドが音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114へ通知されるが、第2特別図柄の動的表示が奨励されていない遊技状態(即ち、「通常遊技状態」、「潜伏確率変動状態」、「確率変動状態」及び「時間短縮状態」)では、該第2特別図柄の動的表示に関する演出(第3図柄表示装置81における変動演出や音声出力装置226における音声出力、ランプ表示装置227における点灯表示等)が実行されないため、S5307及びS5308で設定された特図2変動パターンコマンド及び特図2停止種別コマンドは、事前に通知されている第2特別図柄の動的表示の変動時間及び停止種別を変更する旨を通知し、主制御装置110で認識している第2特別図柄の動的表示の実行態様と、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114で認識している第2特別図柄の動的表示の実行態様との整合性を把握するために送信される。
S5302における判別の結果、実行中の第2特別図柄の動的表示の変動時間の残り時間が、S5110又はS5114で設定された第1特別図柄の動的表示の変動時間より短い場合(S5302:No)、即ち、第1特別図柄の動的表示の変動時間の方が長く、第1特別図柄の動的表示の結果より第2特別図柄の動的表示の結果の方が先に導出される場合は、次に、先に導出される第2特別図柄の動的表示において大当たり結果又は小当たり結果が導出されるか否かを判別する(S5309)。第4実施形態のパチンコ機10では、大当たり結果又は小当たり結果が導出される第1特別図柄の動的表示より先に導出される第2特別図柄の動的表示において、大当たり結果又は小当たり結果が導出される場合、該第2特別図柄の動的表示において導出される大当たり結果又は小当たり結果に基づいて、後に導出される第1特別図柄の動的表示において導出される大当たり結果又は小当たり結果を消滅させるように構成されている。
S5309の判別の結果、第1特別図柄の動的表示より先に導出される第2特別図柄の動的表示において大当たり結果又は小当たり結果が導出されない場合は(S5309:No)、第1特別図柄の動的表示結果を変更する必要がないので、S5310〜S5313の処理をスキップして、この特図2変更処理(S5111)を終了し、特図1変動開始処理(図92参照)へ戻る。一方、第1特別図柄の動的表示より先に導出される第2特別図柄の動的表示において大当たり結果又は小当たり結果が導出される場合は(S5309:Yes)、実行中の第1特別図柄の動的表示の内容を変更しつつ、該第2特別図柄の動的表示の結果が導出されるタイミングで第1特別図柄の動的表示を停止させるために、まず、実行中の第1特別図柄の動的表示をハズレ時の表示態様(大当たり結果、小当たり結果又はハズレ結果の如何を問わず)に変更し(S5310)、次に、変更した第1特別図柄の動的表示の結果が大当たり結果であったか否かを判別する(S5311)。判別の結果、変更した第1特別図柄の動的表示の結果が大当たり結果であった場合(S5311:Yes)、リミットカウンタ203kの値を1減算し(S5312)、処理をS5313へ移行する。なお、S5310の処理において、第1特別図柄の動的表示の結果がハズレ結果である場合は、改めてハズレ結果に変更しないように構成し、処理負担を軽減するように構成してもよい。
第4実施形態では、第2特別図柄の動的表示の結果によって第1特別図柄の動的表示を消滅させる場合、消滅させる第1特別図柄の動的表示が大当たり結果であったとき、該第1特別図柄の動的表示における大当たり結果によってリミット回数を加算した状態となっている。この場合、大当たり遊技が付与されないにもかかわらず、リミット回数のみが増加(計数)されてしまうと、リミット回数より少ない回数の大当たり遊技でのみ特別図柄の高確率状態が発生し得ず、遊技仕様通りの遊技価値を遊技者に付与できない可能性が生じ、遊技者に不測の不利益を被らせてしまい、遊技者を興醒めさせてしまうおそれがある。
そこで、第2特別図柄の動的表示の結果に基づいて、第1特別図柄の動的表示を消滅させる場合、該第1特別図柄の動的表示が大当たり結果を導出するものであった場合に、既に計数していたリミット回数を消滅分だけ(即ち、1)減算して、実質的に付与されない大当たりの回数を計数しないように構成する。このように構成することで、遊技仕様通りの遊技価値を遊技者に付与し、遊技者に不測の不利益を被らせない遊技機を提供して、遊技者が興醒めすることを抑制し、遊技の興趣向上を図ることができる。
なお、S5311の処理において、(変更した)実行中の第1特別図柄の動的表示において大当たり結果が導出されない場合は(S5311:No)、S5312の処理をスキップして、処理をS5313へ移行する。
S5313の処理では、実行中の第1特別図柄の動的表示の変動時間を、先に結果が導出される第2特別図柄の動的表示の変動時間と同等となるように設定し(S5313)、この特図2変更処理(S5111)を終了して、特図1変動開始処理(図92参照)に戻る。この処理を行うことで、これから実行する第1特別図柄の動的表示の変動時間と、実行中の第2特別図柄の動的表示の変動時間とが同一となり、第2特別図柄の動的表示において大当たり結果又は小当たり結果が導出されるタイミングで、第1特別図柄の動的表示でハズレ結果が導出される。このように構成することで、2の特別図柄の動的表示においてそれぞれ大当たり結果が導出されることを未然に防止することができる。また、一方の特別図柄の動的表示に基づく大当たり遊技中に他方の特別図柄の動的表示が実行される状況を未然に防止し、一方の特別図柄の動的表示に基づく大当たり遊技中に、他方の特別図柄の動的表示の結果が導出されるという遊技として煩わしい状況を発生させず、遊技者が違和感を感じることがない快適な遊技を実行させることができる。
図92に戻って、説明を続ける。S5117の処理では、S5110、S5114、S5116又はS5313(図94参照)の処理によって決定された第1特別図柄の動的表示の変動パターンに応じた変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113を介してその変動パターンに応じた変動時間を表示制御装置114へ通知する特図1変動パターンコマンドを設定する(S5117)。具体的には、例えば、大当たり抽選に当選し、該大当たりが「確変A」であって、さらに、「25秒」の「スーパーリーチ」の変動パターンが選択されていた場合は、大当たり・「確変A」・「25秒」の「スーパーリーチ」を示す特図1変動パターンコマンドが設定される。また、大当たり抽選にハズレて、さらに、「25秒」の「スーパーリーチ」の変動パターンが選択されていた場合は、ハズレ・「25秒」の「スーパーリーチ」を示す特図1変動パターンコマンドが設定される。さらに、第2特別図柄の動的表示結果に基づいて第1特別図柄の動的表示の変動時間が変更されている場合には、第2特別図柄の動的表示の残り時間が「25000ミリ秒」であれば、S5310において設定された第1特別図柄の動的表示のハズレ結果と、第2特別図柄の動的表示の残り時間である「25000ミリ秒」とを示す特図1変動パターンコマンドが設定される。
そして、S5117の処理の後は、S5109、S5113、S5115又はS5310の処理で設定された停止種別を、音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114へ通知するための特図1停止種別コマンドを設定し(S5118)、この特図1変動開始処理(S5005)を終了して、特図変動処理(図91参照)に戻る。
このように、特図1停止種別コマンドに変動演出の当否に基づいた大まかな停止種別を設定することで、音声ランプ制御装置113(表示制御装置114)は、当否に基づいた第1特別図柄の動的表示の停止種別を把握して、それらの情報を基により詳細は変動演出の停止結果を決定することができる。
これらの特図1変動パターンコマンドおよび特図1停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図88のS201参照)で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、特図1変動パターンコマンドや特図1停止種別コマンドを受信すると、それに基づき遊技状態に応じて表示用特図1変動パターンコマンドや表示用特図1種別コマンドを生成して、表示制御装置114へ送信する。
図91に戻って、説明を続ける。S5006の処理では、特別図柄表示装置37において第2特別図柄(特図2)が動的表示中であるか否かを判別し(S5006)、特別図柄表示装置37において第2特別図柄の動的表示中であれば(S5006:Yes)、第2特別図柄の動的表示に関する設定処理を行わないため、S5007及びS5008の処理をスキップして、処理をS5009へ移行する。
一方、S5006の処理において、特別図柄表示装置37において第2特別図柄の動的表示中でなければ(S5006:No)、次いで、特別図柄表示装置37における第2特別図柄の動的表示が停止後、所定時間経過したか否かを判別する(S5007)。その結果、第2特別図柄の動的表示の停止後、所定時間経過していなければ(S5007:No)、処理をS5009へ移行する。これにより、第2特別図柄の動的表示(変動演出)における停止図柄が所定時間だけ特別図柄表示装置37(「小当たり頻出確率変動状態」であれば第3図柄表示装置81)に表示されるので、遊技者に対して、その停止図柄を視認させることができる。
一方、S5007の処理の結果、動的表示の停止後、所定時間経過していれば(S5007:Yes)、第2特別図柄の動的表示を行うか否か、及び、第2特別図柄の動的表示を行う場合における該動的表示の各種設定処理を行う特図2変動開始処理を行い(S5008)、その後、処理をS5009へ移行する。
ここで、図95を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特図変動処理(S210)の一処理である特図2変動開始処理(S5008)について説明する。図95は、この特図2変動開始処理(S5008)を示したフローチャートである。
この特図2変動開始処理(S5008)では、上述したように、第2特別図柄の動的表示を行うか否かや、第2特別図柄の動的表示を行う場合における該動的表示の設定処理、及び、第2特別図柄の動的表示結果に応じて第1特別図柄の動的表示の変更処理等を行う。
この特図2変動開始処理(S5008)では、まず、第2保留球数カウンタ203bの値(主制御装置110において保留されている第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)の作動保留球数N2)が「0」よりも大きいか否かを判別する(S5401)。その結果、第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N2)が「0」より大きくなければ(S5401:No)、実行すべき第2特別図柄の動的表示が存在しないため、この特図2変動開始処理(S5008)を終了して、特図変動処理(図91参照)に戻る。
なお、S5401の処理において、第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N1)が「0」であると判別された場合には(S5401:No)、遊技状態に応じて第3図柄表示装置81においてデモ演出を行うように構成されている。このデモ演出は、第2特別図柄の変動演出が第3図柄表示装置81で実行され得る遊技状態、即ち、「小当たり頻出確率変動状態」において、実行すべき第2特別図柄の変動演出(動的表示)が存在しない場合に実行される。
具体的には、「小当たり頻出確率変動状態」において、実行すべき第2特別図柄の保留球数が存在しない場合に、音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114にデモコマンドを送信し、第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N2)が「0」より大きいと判断されるまでの間をデモ中として判別する。
設定されたデモコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図88のS201参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
音声ランプ制御装置113は、デモコマンドを受信すると、表示用デモコマンドを表示制御装置114へ送信し、表示制御装置114は、表示用デモコマンドの受信に基づいて、第3図柄表示装置81にデモ演出を表示するように制御を行う。
S5401の処理において、第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N2)が「0」より大きい値であれば(S5401:Yes)、第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)の実行開始タイミングであると判断し、まず、第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N2)を1減算する(S5402)。これは、後述する処理によって、保留されていた第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)のうち1の動的表示(変動演出)の実行が開始されるため、第2特別図柄に関する保留球数が1つ減少するためである。
次いで、第2保留球格納エリア203eに格納されたデータをシフト処理する(S5403)。このデータシフト処理(S5403)は、第2保留球格納エリア203eの第2保留第1〜第4エリアに格納されているデータを第2保留球実行エリア203gへ向けて順にシフトさせる処理であって、第2保留第1エリア→第2保留球実行エリア203g、第2保留第2エリア→第2保留第1エリア、第2保留第3エリア→第2保留第2エリア、第2保留第4エリア→第2保留第3エリアといった具合に、各エリア内のデータがシフトされる。
S5403のデータシフト処理の後は、データシフト処理により第2保留球実行エリア203gに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄表示装置37(「小当たり頻出確率変動状態」であれば第3図柄表示装置81)において実行される第2特別図柄の動的表示の設定処理を行うべく、まず、遊技状態を判別するために、RAM203に設けられた確変フラグ203jがオンされているか否かを判別する(S5404)。判別の結果、確変フラグ203jがオンでない(即ち、オフ)と判別された場合(S5404:No)、遊技状態が「通常遊技状態」又は「時間短縮状態」であり、特別図柄の大当たり確率が低確率状態であるので、低確率状態用の大当たり乱数テーブル202aを設定し(S5405)、処理をS5407へ移行する。一方、確変フラグ203jがオンであると判別された場合は(S5404:Yes)、遊技状態が「確率変動状態」、「潜伏確率変動状態」又は「小当たり頻出確率変動状態」であり、特別図柄の大当たり確率が高確率状態であるので、高確率状態用の大当たり乱数テーブル202aを設定し(S5406)、処理をS5407へ移行する。
S5407の処理では、第2保留球実行エリア203gに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値と、S5405又はS5406において設定された大当たり乱数テーブル202aとに基づいて大当たりか否かを判別する大当たり抽選(当否判定)処理を行う(S5407)。
第4実施形態のパチンコ機10では、大当たりか否かは、確率設定値に基づいて設定された大当たり乱数テーブル202aを参照して、第2保留球実行エリア203gに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値とその時々の遊技状態(モード)との関係に基づいて判別される。上述した通り、パチンコ機10の取りうる遊技状態(モード)が通常の低確率状態(「通常遊技状態」又は「時間短縮状態」)にある場合には、大当たり乱数テーブル202aにおいて、大当たり確率が設定値「1」で50/10000、設定値「6」で60/10000となるように大当たり乱数値が規定されている。また、パチンコ機10の取りうる遊技状態(モード)が高確率状態(「確率変動状態」、「潜伏確率変動状態」又は「小当たり頻出確率変動状態」)にある場合には、大当たり乱数テーブル202aにおいて、大当たり確率が設定値「1」で100/10000、設定値「6」で200/10000となるように大当たり乱数値が規定されている。
S5407の処理では、第2保留球実行エリア203gに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値と、これら大当たり乱数テーブル202aにて規定される大当たり乱数値とを比較して、それらが一致する場合に、大当たりであると判別する。S5407の処理の結果、大当たりであると判別された場合(S5407:Yes)、次いで、特図1変動開始処理(図92参照)で第1特別図柄の動的表示が大当たり結果であった場合と同様、今回の第2特別図柄の動的表示における大当たりの当選回数が、パチンコ機10の初期化以降または前回のリミット到達以降、リミット回数に到達しているか否かを判別するべく、リミット処理を行い(S5408)、その後、処理をS5409へ移行する。このリミット処理(S5408)については、特図1変動開始処理(図92参照)におけるリミット処理(S5108)と同様であるので、その説明を省略する。
S5409の処理では、上記リミット処理(S5108)で設定されたリミット到達前若しくはリミット到達時における第2特別図柄に対応する特図2大当たり種別テーブル202b2(図69参照)と、第2保留球実行エリア203gに格納されている大当たり種別カウンタC2の値とに基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S5409)。
この処理では、特図2大当たり種別テーブル202b2によって、第2保留球実行エリア203gに格納されている大当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別、即ち、最大ラウンド数が10ラウンドの大当たり後に、次回大当たりまで特別図柄が高確率状態となるとともに「時短機能」が直ちに終了して第2特別図柄の動的表示における小当たり遊技に基づいて共通大入賞口75へ球を入賞可能な「小当たり頻出確率変動状態」へ移行する「確変A」か、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たり後に、特別図柄が高確率状態であるとともに特別図柄が100回変動するまで「時短機能」が有効な「確変B」か、最大ラウンド数が10ラウンドの大当たり後に、特別図柄が低確率状態であるが特別図柄が100回変動するまで「時短機能」が有効な「時短A」か、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たり後に、特別図柄が低確率状態であるが特別図柄が100回変動するまで入賞補助機能が有効な「時短B」か、の大当たり種別が判別される。そして、判別された大当たり種別に基づいて、特別図柄表示装置37における大当たり時の表示態様(特別LED群37bの表示態様)が設定される。
具体的には、第2保留球実行エリア203gに格納されている大当たり種別カウンタC2の値と、上記S5204又はS5205で設定された特図2大当たり種別テーブル202b2(図69参照)から大当たり種別が決定される。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S5410)。具体的には、特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81において、大当たり時の表示態様(停止種別)と、第2保留球実行エリア203gに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値とに基づいて演出態様を選択し、その選択された演出態様の中から変動種別カウンタCS1の値に基づいて動的表示(変動演出)の動的時間(変動時間)が決定される。この大当たり時の変動パターンの決定では、まず、その大当たりの停止種別に応じて、使用する停止パターンテーブル202d(図73参照)を選択する。
そして、大当たり用に設けられた停止パターンテーブル202dのCテーブル202d3において、第2保留球実行エリア203gに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に対応付けられた演出態様を選択する。そして、選択された演出態様毎に設けられた変動パターンテーブル202eにおいて、第2保留球実行エリア203gに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。そして、予め規定された変動パターンと変動時間との関係に基づいて、変動時間が設定される。
S5410の処理の後は、処理をS5411へ移行し、S5409及びS5410で設定された大当たり(小当たり)である第2特別図柄の動的表示と、実行中の第1特別図柄の動的表示との導出結果が現出する先後関係を判別し、先に現出する特別図柄の動的表示を維持しつつ、後に現出する特別図柄の動的表示の内容を変更するべく、特図1変更処理を行い(S5411)、その後、処理をS5417へ移行する。なお、この特図1変更処理(S5411)の詳細については、後述する。
一方、S5407の処理において、大当たりではないと判別された場合には(S5407:No)、続いて、第2保留球実行エリア203gに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値と、S5405又はS5406において設定された大当たり乱数テーブル202aとに基づいて小当たりか否かを判別する小当たり抽選(当否判定)処理を行う(S5412)。
第4実施形態のパチンコ機10では、第2特別図柄の動的表示において小当たりか否かは、全確率設定値、並びに、特別図柄の高確率状態および低確率状態で同一となるように設定されている。具体的には、大当たり乱数テーブル202aにおいて、小当たり確率が全設定及び全遊技状態で9800/10000となるように小当たり乱数値が規定されている。
S5412の処理では、第2保留球実行エリア203gに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値と、これら大当たり乱数テーブル202aにて規定される小当たり乱数値とを比較して、それらが一致する場合に、第2特別図柄の小当たりであると判別する。S5412の処理の結果、小当たりであると判別された場合(S5412:Yes)、次いで、第2特別図柄に対応する小当たり時の表示態様(第4実施形態では、1種類のみ)を設定する(S5413)。S5413の処理では、特別図柄表示装置37の表示態様を小当たり図柄に対応した表示態様に設定すると共に、第2保留球実行エリア203gに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値と第2保留球数カウンタ203bの値と現在の遊技状態とに基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる演出態様として、「非リーチ(短縮)」演出態様、「非リーチ(通常)」演出態様、「ノーマルリーチ」演出態様、「スーパーリーチ」演出態様、「スペシャルリーチ」演出態様のいずれかを設定する。第4実施形態では、パチンコ機10の遊技状態が「通常遊技状態」若しくは「潜伏確率変動状態」であるか、「確率変動状態」若しくは「時間短縮状態」、又は、「小当たり頻出確率変動状態」であるかに応じて、各演出態様に対応する停止パターン選択カウンタC3の値の範囲が異なるように停止パターンテーブル202dが設定されている。
次に、小当たり時の変動パターンを決定する(S5414)。具体的には、特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81において、小当たり時の表示態様(停止種別)と、第2保留球実行エリア203gに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値とに基づいて演出態様を選択し、その選択された演出態様の中から変動種別カウンタCS1の値に基づいて動的表示(変動演出)の動的時間(変動時間)が決定される。この小当たり時の変動パターンの決定では、まず、小当たり用(ハズレ用と共通)に設けられた停止パターンテーブル202dのAテーブル202d1又はBテーブル202d2において、第2保留球実行エリア203gに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に対応付けられた演出態様を選択する。そして、選択された演出態様毎に設けられた変動パターンテーブル202eにおいて、第2保留球実行エリア203gに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。そして、予め規定された変動パターンと変動時間との関係に基づいて、変動時間が設定される。
S5414の処理の後は、処理をS5411へ移行し、大当たり時と同様、S5413及びS5414で設定された小当たりである第2特別図柄の動的表示と、実行中の第1特別図柄の動的表示との導出結果が現出する先後関係を判別し、先に現出する特別図柄の動的表示を維持しつつ、後に現出する特別図柄の動的表示の内容を変更するべく、特図1変更処理を行い(S5411)、その後、処理をS5417へ移行する。
一方、S5412の処理において、小当たりでないと判別された場合(S5412:No)、第2特別図柄の動的表示の結果はハズレであるので、ハズレ時の表示態様を設定する(S5415)。S5415の処理では、特別図柄表示装置37の表示態様をハズレ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、第2保留球実行エリア203gに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値と第2保留球数カウンタ203bの値と現在の遊技状態とに基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる演出態様として、「非リーチ(短縮)」演出態様、「非リーチ(通常)」演出態様、「ノーマルリーチ」演出態様、「スーパーリーチ」演出態様、「スペシャルリーチ」演出態様のいずれかを設定する。第4実施形態では、パチンコ機10の遊技状態が「通常遊技状態」若しくは「潜伏確率変動状態」であるか、又は、「確率変動状態」若しくは「時間短縮状態」であるかに応じて、各演出態様に対応する停止パターン選択カウンタC3の値の範囲が異なるように停止パターンテーブル202dが設定されている。
次に、ハズレ時の変動パターンを決定し(S5416)、S5417の処理へ移行する。S5416の処理では、特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81において、ハズレ図柄で停止表示するまでの変動時間が決定される。具体的には、S5415の処理において決定されたハズレ時の表示態様(演出態様)毎に設けられた変動パターンテーブル202eにおいて、第2保留球実行エリア203gに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。そして、予め規定された変動パターンと変動時間との関係に基づいて、変動時間が設定される。
このように、大当たり時における演出態様および変動パターンの設定処理と、小当たり時における演出態様および変動パターンの設定処理と、ハズレ時における演出態様および変動パターンの設定処理とを、同じ乱数値C3,CS1を用いて同じ判定プログラムによって判定して決定することで、プログラムを共通化することができ、開発時における開発工数を削減することができる。また、第1特別図柄と第2特別図柄とを同じ判定プログラムによって判定して決定することで、プログラムを共通化することができ、開発時における開発工数を削減することができる。
ここで、図96を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特図2変動開始処理(図95参照)の一処理である特図1変更処理(S5411)について説明する。図96は、この特図1変更処理(S5411)を示すフローチャートである。
この特図1変更処理(S5411)では、第1特別図柄の動的表示が実行している場合、上記特図2変動開始処理(図95参照)で設定された大当たり又は小当たりの第2特別図柄の動的表示と、実行中の第1特別図柄の動的表示との各変動時間を比較し、先に結果が導出される方の特別図柄の動的表示における大当たり遊技又は小当たり遊技を優先するとともに、後に結果が導出される方の特別図柄の動的表示における大当たり遊技又は小当たり遊技を消滅させるための変更処理を実行する。
また、この特図1変更処理(S5411)では、第1特別図柄の動的表示と第2特別図柄の動的表示とがともに大当たり遊技を発生する状況の場合に、いずれか一方の特別図柄の動的表示によって選定されている大当たり遊技が消滅することから、該消滅に伴い、特図1変動開始処理(S5108)又は特図2変動開始処理(S5408)のリミット処理(図93参照)で一旦加算されているリミットカウンタ203kの値を復元(減算)する処理を実行する。
この特図1変更処理(S5411)では、まず、第1特別図柄の動的表示が実行中か否かを判別する(S5501)。判別の結果、第1特別図柄の動的表示が実行されていなければ(S5501:No)、第2特別図柄の動的表示結果に基づいて変更すべき第1特別図柄の動的表示が存在しないため、この特図1変更処理(S5411)を終了して、特図2変動開始処理(図95参照)に戻る。
一方、第1特別図柄の動的表示が実行されていると判別された場合は(S5501:Yes)、次に、実行中の第1特別図柄の動的表示の変動時間の残り時間が、特図2変動開始処理(図95参照)のS5410又はS5414で設定された第2特別図柄の動的表示の変動時間より長いか否か、即ち、いずれの特別図柄の動的表示の結果が先に導出されるか否かを判別する(S5502)。
S5502における判別の結果、実行中の第1特別図柄の動的表示の変動時間の残り時間が、S5410又はS5414で設定された第2特別図柄の動的表示の変動時間より長い場合(S5502:Yes)、即ち、第2特別図柄の動的表示の変動時間の方が短く、第1特別図柄の動的表示の結果より第2特別図柄の動的表示の結果の方が先に導出される場合は、実行中の第1特別図柄の動的表示の内容を変更しつつ、該第2特別図柄の動的表示の結果が導出されるタイミングで第1特別図柄の動的表示を停止させるために、まず、実行中の第1特別図柄の動的表示をハズレ時の表示態様(大当たり結果、小当たり結果又はハズレ結果の如何を問わず)に変更し(S5503)、次に、変更した第1特別図柄の動的表示の結果が大当たり結果であったか否かを判別する(S5504)。判別の結果、変更した第1特別図柄の動的表示の結果が大当たり結果であった場合(S5504:Yes)、リミットカウンタ203kの値を1減算し(S5505)、処理をS5506へ移行する。
第4実施形態では、第2特別図柄の動的表示の結果によって第1特別図柄の動的表示を消滅させる場合、消滅させる第1特別図柄の動的表示が大当たり結果であったとき、該第1特別図柄の動的表示における大当たり結果によってリミット回数を加算した状態となっている。この場合、大当たり遊技が付与されないにもかかわらず、リミット回数のみが増加(計数)されてしまうと、リミット回数より少ない回数の大当たり遊技でのみ特別図柄の高確率状態が発生し得ず、遊技仕様通りの遊技価値を遊技者に付与できない可能性が生じ、遊技者に不測の不利益を被らせてしまい、遊技者を興醒めさせてしまうおそれがある。
そこで、第2特別図柄の動的表示の結果に基づいて、第1特別図柄の動的表示を消滅させる場合、該第1特別図柄の動的表示が大当たり結果を導出するものであった場合に、既に計数していたリミット回数を消滅分だけ(即ち、1)減算して、実質的に付与されない大当たりの回数を計数しないように構成する。このように構成することで、遊技仕様通りの遊技価値を遊技者に付与し、遊技者に不測の不利益を被らせない遊技機を提供して、遊技者が興醒めすることを抑制し、遊技の興趣向上を図ることができる。
なお、S5504の処理において、(変更した)実行中の第1特別図柄の動的表示において大当たり結果が導出されない場合は(S5504:No)、S5505の処理をスキップして、処理をS5506へ移行する。
S5506の処理では、実行中の第1特別図柄の動的表示の変動時間を、S5410で設定した第2特別図柄の動的表示の変動時間と同等となるように設定する(S5506)。この処理を行うことで、これから実行する第2特別図柄の動的表示の変動時間と、実行中の第1特別図柄の動的表示の変動時間とが同一となり、第2特別図柄の動的表示において大当たり結果又は小当たり結果が導出されるタイミングで、第1特別図柄の動的表示でハズレ結果が導出される。このように構成することで、2の特別図柄の動的表示においてそれぞれ大当たり結果が導出されることを未然に防止することができる。また、一方の特別図柄の動的表示に基づく大当たり遊技中に他方の特別図柄の動的表示が実行される状況を未然に防止し、一方の特別図柄の動的表示に基づく大当たり遊技中に、他方の特別図柄の動的表示の結果が導出されるという遊技として煩わしい状況を発生させず、遊技者が違和感を感じることがない快適な遊技を実行させることができる。
S5506の処理の後は、該S5506の処理によって決定された変動パターンに応じた変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113を介してその変動パターンに応じた変動時間を表示制御装置114へ通知する特図1変動パターンコマンドを設定する(S5507)。具体的には、例えば、第2特別図柄の動的表示の残り時間が「25000ミリ秒」であれば、S5503において設定された第1特別図柄の動的表示のハズレ結果と、第2特別図柄の動的表示の残り時間である「25000ミリ秒」とを示す特図1変動パターンコマンドが設定される。また、第1特別図柄の動的表示の残り時間が「5345ミリ秒」であれば、S5503において設定された第1特別図柄の表示のハズレ結果と、第2特別図柄の動的表示の残り時間である「5345ミリ秒」とを示す特図1変動パターンコマンドが設定される。
そして、S5507の処理の後は、S5503の処理で設定された停止種別(即ち、ハズレ結果)を、音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114へ通知するための特図1停止種別コマンドを設定し(S5508)、この特図1変更処理(S5411)を終了して、特図2変動開始処理(図95参照)に戻る。
このように、第1特別図柄の動的表示の変動時間を変更する場合に、実行中の第1特別図柄と異なる特図1停止種別コマンドを改めて送信することで、該特図1停止種別コマンドに変動演出の当否に基づいた大まかな停止種別を設定することで、音声ランプ制御装置113(表示制御装置114)は、当否に基づいた第1特別図柄の動的表示の停止種別を把握して、それらの情報を基により詳細は変動演出の停止結果を決定することができる。
これらの特図1変動パターンコマンドおよび特図1停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図88のS201参照)で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、特図1変動パターンコマンドや特図1停止種別コマンドを受信すると、それに基づき遊技状態に応じて表示用特図1変動パターンコマンドや表示用特図1種別コマンドを生成して、表示制御装置114へ送信する。
このように構成することで、第2特別図柄の動的表示の内容に基づいて第1特別図柄の動的表示の内容を変更する場合に、変更する第1特別図柄の動的表示に関する特図1変動パターンコマンドと特図1停止種別コマンドとをセットで音声ランプ制御装置113に送信することで、音声ランプ制御装置113側の制御プログラムを変更する必要がなくなり、設計工数の削減および制御負担の軽減を実現することができる。また、遊技状態に応じて、第3図柄表示装置81で実行される特別図柄の変動演出が異なるように構成されている。ここで、第3図柄表示装置81で非実行側の特別図柄の変動演出の内容を差し替えた場合は、そもそも非実行側の特別図柄の変動演出は実行されていないため、非実行側の変動演出に関して差替え制御を実行した場合でも、遊技者に違和感を感じさせず、快適な遊技を提供することができる。
なお、S5507及びS5508によって、変更される第1特別図柄の動的表示に関する特図1変動パターンコマンド及び特図1停止種別コマンドが音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114へ通知されるが、第1特別図柄の動的表示が奨励されていない遊技状態(即ち、「小当たり頻出確率変動状態」)では、該第1特別図柄の動的表示に関する演出(第3図柄表示装置81における変動演出や音声出力装置226における音声出力、ランプ表示装置227における点灯表示等)が実行されないため、S5507及びS5508で設定された特図1変動パターンコマンド及び特図1停止種別コマンドは、事前に通知されている第1特別図柄の動的表示の変動時間及び停止種別を変更する旨を通知し、主制御装置110で認識している第1特別図柄の動的表示の実行態様と、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114で認識している第1特別図柄の動的表示の実行態様との整合性を把握するために送信される。
S5502における判別の結果、実行中の第1特別図柄の動的表示の変動時間の残り時間が、S5410又はS5414で設定された第2特別図柄の動的表示の変動時間より短い場合(S5502:No)、即ち、第2特別図柄の動的表示の変動時間の方が長く、第2特別図柄の動的表示の結果より第1特別図柄の動的表示の結果の方が先に導出される場合は、次に、先に導出される第1特別図柄の動的表示において大当たり結果又は小当たり結果が導出されるか否かを判別する(S5509)。第4実施形態のパチンコ機10では、大当たり結果又は小当たり結果が導出される第2特別図柄の動的表示より先に導出される第1特別図柄の動的表示において、大当たり結果又は小当たり結果が導出される場合、該第1特別図柄の動的表示において導出される大当たり結果又は小当たり結果に基づいて、後に導出される第2特別図柄の動的表示において導出される大当たり結果又は小当たり結果を消滅させるように構成されている。
S5509の判別の結果、第1特別図柄の動的表示より先に導出される第2特別図柄の動的表示において大当たり結果又は小当たり結果が導出されない場合は(S5509:No)、第2特別図柄の動的表示結果を変更する必要がないので、S5510〜S5513の処理をスキップして、この特図1変更処理(S5411)を終了し、特図2変動開始処理(図95参照)へ戻る。一方、第2特別図柄の動的表示より先に導出される第1特別図柄の動的表示において大当たり結果又は小当たり結果が導出される場合は(S5509:Yes)、実行中の第2特別図柄の動的表示の内容を変更しつつ、該第1特別図柄の動的表示の結果が導出されるタイミングで第2特別図柄の動的表示を停止させるために、まず、実行中の第2特別図柄の動的表示をハズレ時の表示態様(大当たり結果、小当たり結果又はハズレ結果の如何を問わず)に変更し(S5510)、次に、変更した第2特別図柄の動的表示の結果が大当たり結果であったか否かを判別する(S5511)。判別の結果、変更した第2特別図柄の動的表示の結果が大当たり結果であった場合(S5511:Yes)、リミットカウンタ203kの値を1減算し(S5512)、処理をS5513へ移行する。なお、S5510の処理において、第2特別図柄の動的表示の結果がハズレ結果である場合は、改めてハズレ結果に変更しないように構成し、処理負担を軽減するように構成してもよい。
第4実施形態では、第1特別図柄の動的表示の結果によって第2特別図柄の動的表示を消滅させる場合、消滅させる第2特別図柄の動的表示が大当たり結果であったとき、該第2特別図柄の動的表示における大当たり結果によってリミット回数を加算した状態となっている。この場合、大当たり遊技が付与されないにもかかわらず、リミット回数のみが増加(計数)されてしまうと、リミット回数より少ない回数の大当たり遊技でのみ特別図柄の高確率状態が発生し得ず、遊技仕様通りの遊技価値を遊技者に付与できない可能性が生じ、遊技者に不測の不利益を被らせてしまい、遊技者を興醒めさせてしまうおそれがある。
そこで、第1特別図柄の動的表示の結果に基づいて、第2特別図柄の動的表示を消滅させる場合、該第2特別図柄の動的表示が大当たり結果を導出するものであった場合に、既に計数していたリミット回数を消滅分だけ(即ち、1)減算して、実質的に付与されない大当たりの回数を計数しないように構成する。このように構成することで、遊技仕様通りの遊技価値を遊技者に付与し、遊技者に不測の不利益を被らせない遊技機を提供して、遊技者が興醒めすることを抑制し、遊技の興趣向上を図ることができる。
なお、S5511の処理において、(変更した)実行中の第2特別図柄の動的表示において大当たり結果が導出されない場合は(S5511:No)、S5512の処理をスキップして、処理をS5513へ移行する。
S5513の処理では、実行中の第2特別図柄の動的表示の変動時間を、先に結果が導出される第1特別図柄の動的表示の変動時間と同等となるように設定し(S5513)、この特図1変更処理(S5411)を終了して、特図2変動開始処理(図95参照)に戻る。この処理を行うことで、これから実行する第2特別図柄の動的表示の変動時間と、実行中の第1特別図柄の動的表示の変動時間とが同一となり、第1特別図柄の動的表示において大当たり結果又は小当たり結果が導出されるタイミングで、第2特別図柄の動的表示でハズレ結果が導出される。このように構成することで、2の特別図柄の動的表示においてそれぞれ大当たり結果が導出されることを未然に防止することができる。また、一方の特別図柄の動的表示に基づく大当たり遊技中に他方の特別図柄の動的表示が実行される状況を未然に防止し、一方の特別図柄の動的表示に基づく大当たり遊技中に、他方の特別図柄の動的表示の結果が導出されるという遊技として煩わしい状況を発生させず、遊技者が違和感を感じることがない快適な遊技を実行させることができる。
図95に戻って、説明を続ける。S5417の処理では、S5410、S5414、S5416又はS5513(図96参照)の処理によって決定された第2特別図柄の動的表示の変動パターンに応じた変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113を介してその変動パターンに応じた変動時間を表示制御装置114へ通知する特図2変動パターンコマンドを設定する(S5417)。具体的には、例えば、大当たり抽選に当選し、該大当たりが「確変A」であって、さらに、「25秒」の「スーパーリーチ」の変動パターンが選択されていた場合は、大当たり・「確変A」・「25秒」の「スーパーリーチ」を示す特図2変動パターンコマンドが設定される。また、大当たり抽選にハズレて、さらに、「25秒」の「スーパーリーチ」の変動パターンが選択されていた場合は、ハズレ・「25秒」の「スーパーリーチ」を示す特図2変動パターンコマンドが設定される。さらに、第1特別図柄の動的表示結果に基づいて第2特別図柄の動的表示の変動時間が変更されている場合には、第1特別図柄の動的表示の残り時間が「25000ミリ秒」であれば、S5510において設定された第2特別図柄の動的表示のハズレ結果と、第1特別図柄の動的表示の残り時間である「25000ミリ秒」とを示す特図2変動パターンコマンドが設定される。
そして、S5417の処理の後は、S5409、S5413、S5415又はS5510の処理で設定された停止種別を、音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114へ通知するための特図2停止種別コマンドを設定し(S5418)、この特図2変動開始処理(S5008)を終了して、特図変動処理(図91参照)に戻る。
このように、特図2停止種別コマンドに変動演出の当否に基づいた大まかな停止種別を設定することで、音声ランプ制御装置113(表示制御装置114)は、当否に基づいた第2特別図柄の動的表示の停止種別を把握して、それらの情報を基により詳細は変動演出の停止結果を決定することができる。
これらの特図2変動パターンコマンドおよび特図2停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図88のS201参照)で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、特図2変動パターンコマンドや特図2停止種別コマンドを受信すると、それに基づき遊技状態に応じて表示用特図2変動パターンコマンドや表示用特図2種別コマンドを生成して、表示制御装置114へ送信する。
図91に戻って、説明を続ける。S5009の処理では、実行中の第1特別図柄の動的表示の変動時間が経過したか否か、及び、実行中の第2特別図柄の動的表示の変動時間が経過したか否かを判別し、判別結果に応じて第1特別図柄の動的表示または第2特別図柄の動的表示をそれぞれ停止させる変動停止処理を行い、この特図変動処理(S210)を終了して、タイマ割込処理(図88参照)に戻る。
ここで、図97を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特図変動処理(図91参照)の一処理である変動停止処理(S5009)について説明する。図97は、この変動停止処理(S5009)を示すフローチャートである。
この変動停止処理(S5009)では、各特別図柄の動的表示の変動時間が経過したか否かをそれぞれ判別し、変動時間が経過している場合は、各停止種別に応じた停止結果を特別図柄表示装置37に表示するとともに、各確定コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。また、「時短機能」が有効な遊技状態である場合は、該特別図柄の動的表示の変動回数の計数結果に応じて「時短機能」の時短終了条件が成立したか否かを判別し、「時短機能」の時短終了条件が成立した場合は、「時短機能」を有効から無効に切り替える処理等を行う。
変動停止処理(S5009)では、まず、特別図柄表示装置37の上方LED群37b1において第1特別図柄の動的表示が実行中であるか否かを判別する(S5601)。判別の結果、特別図柄表示装置37の上方LED群37b1において第1特別図柄の動的表示が実行されていないと判別された場合は(S5601:No)、処理をS5608へ移行する。一方、特別図柄表示装置37の上方LED群37b1が第1特別図柄の動的表示中であると判別されると(S5601:Yes)、第1特別図柄の動的表示の動的表示時間(変動時間)が経過したか否かを判別する(S5602)。特別図柄表示装置37における第1特別図柄の動的表示中の表示時間は、変動種別カウンタCS1等により選択された変動パターンに応じて決められており(特図1変動パターンコマンドに応じて決められており)、この第1特別図柄の動的表示の動的表示時間(変動時間)が経過していなければ(S5602:No)、特別図柄表示装置37の上方LED群37b1の表示を更新して(S5603)、処理をS5608へ移行する。
第4実施形態では、特別図柄表示装置37の特別LED群37bにおいて、第1特別図柄の動的表示が開始されてから変動時間が経過するまでは、上方LED群37b1が所定の点灯パターンで点灯又は消灯する表示態様が設定される。
一方、S5602の処理において、特別図柄表示装置37の上方LED群37b1における第1特別図柄の動的表示の動的表示時間(変動時間)が経過していれば(S5602:Yes)、特別図柄表示装置37の上方LED群37b1に対して、第1特別図柄の動的表示の停止図柄に対応した表示態様を停止させる(S5604)。停止図柄は、特図1変動開始処理(図92参照)のS5109、S5113若しくはS5115、特図2変更処理(図94参照)のS5310、又は、特図1変更処理(図96参照)のS5503の処理によって予め設定される。
第4実施形態では、第1特別図柄の動的表示の判定結果がハズレである場合には、上方LED群37b1の最も左側のLEDのみが点灯表示され、判定結果が小当たりである場合には、予め定められた複数の点灯パターンのうちの1の点灯パターンで上方LED群37b1が点灯表示され、判定結果が大当たりである場合には、該大当たりの種類(種別)に対応した点灯パターンで上方LED群37b1が点灯表示される。
S5604の処理で第1特別図柄の動的表示の停止図柄に対応した特別図柄表示装置37の表示態様が設定されると、第3図柄表示装置81における第1特別図柄の変動演出の停止図柄を、特別図柄表示装置37における特別LED群37bの表示と同調して確定表示させるために、特図1確定コマンドを設定して(S5604)、処理をS5606へ移行する。特図1確定コマンドは、第3図柄表示装置81にて第1特別図柄の変動演出が実行されている場合は、該第1特別図柄の変動演出を確定表示させるためコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、この特図1確定コマンドを受信すると、第1特別図柄の変動演出が第3図柄表示装置81で実行されている遊技状態(即ち、「通常遊技状態」、「潜伏確率変動状態」、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」)である場合は、表示制御装置114に対して表示用特図1確定コマンドを送信する。表示制御装置114は、表示用特図1確定コマンドを受信することによって、第3図柄表示装置81における第1特別図柄に対応する第3図柄の変動演出を停止して、停止図柄を確定表示させるように構成されている。なお、第1特別図柄の変動演出が第3図柄表示装置81で実行されない遊技状態(即ち、「小当たり頻出確率変動状態」)である場合は、音声ランプ制御装置113は特図1確定コマンドを受信しても表示制御装置114に対して表示用特図1確定コマンドを送信しないように構成されている。このように構成することで、実行されていない変動演出に関するコマンドに関する処理を削減し、処理負担を軽減することができる。
S5606の処理では、「時短機能」が有効な状態か否か、即ち、「確率変動状態」、「時間短縮状態」又は「小当たり頻出確率変動状態」における「時短機能」有効時か否かを判別する(S5606)。
S5606の処理において、「時短機能」が有効でない場合は(S5606:No)、S5607の処理をスキップして、処理をS5608へ移行する。一方、「時短機能」が有効な状態と判別された場合は(S5606:Yes)、「時短機能」の時短終了条件が成立したか否かの判別処理を実行する時短計数処理を実行し(S5607)、処理をS5608へ移行する。なお、この時短計数処理(S5607)の詳細については、図98において後述する。
S5608の処理では、特別図柄表示装置37の下方LED群37b2において第2特別図柄の動的表示が実行中であるか否かを判別する(S5608)。判別の結果、特別図柄表示装置37の下方LED群37b2において第2特別図柄の動的表示が実行されていないと判別された場合は(S5608:No)、この変動停止処理(S5009)を終了して、特図変動処理(図91参照)に戻る。一方、特別図柄表示装置37の下方LED群37b2が第2特別図柄の動的表示中であると判別されると(S5608:Yes)、第2特別図柄の動的表示の動的表示時間(変動時間)が経過したか否かを判別する(S5609)。特別図柄表示装置37における第2特別図柄の動的表示中の表示時間は、変動種別カウンタCS1等により選択された変動パターンに応じて決められており(特図2変動パターンコマンドに応じて決められており)、この第2特別図柄の動的表示の動的表示時間(変動時間)が経過していなければ(S5609:No)、特別図柄表示装置37の下方LED群37b2の表示を更新して(S5610)、この変動停止処理(S5009)を終了して、特図変動処理(図91参照)の戻る。
第4実施形態では、特別図柄表示装置37の特別LED群37bにおいて、第2特別図柄の動的表示が開始されてから変動時間が経過するまでは、下方LED群37b2が所定の点灯パターンで点灯又は消灯する表示態様が設定される。
一方、S5609の処理において、特別図柄表示装置37の下方LED群37b2における第2特別図柄の動的表示の動的表示時間(変動時間)が経過していれば(S5609:Yes)、特別図柄表示装置37の下方LED群37b2に対して、第2特別図柄の動的表示の停止図柄に対応した表示態様を停止させる(S5611)。停止図柄は、特図2変動開始処理(図95参照)のS5409、S5413若しくはS5415、特図1変更処理(図96参照)のS5510、又は、特図2変更処理(図94参照)のS5303の処理によって予め設定される。
第4実施形態では、第2特別図柄の動的表示の判定結果がハズレである場合には、下方LED群37b2の最も左側のLEDのみが点灯表示され、判定結果が小当たりである場合には、予め定められた複数の点灯パターンのうちの1の点灯パターンで下方LED群37b2が点灯表示され、判定結果が大当たりである場合には、該大当たりの種類(種別)に対応した点灯パターンで下方LED群37b2が点灯表示される。
S5611の処理で第2特別図柄の動的表示の停止図柄に対応した特別図柄表示装置37の表示態様が設定されると、第3図柄表示装置81における第2特別図柄の変動演出の停止図柄を、特別図柄表示装置37における特別LED群37bの表示と同調して確定表示させるために、特図2確定コマンドを設定して(S5612)、処理をS5613へ移行する。特図2確定コマンドは、第3図柄表示装置81にて第2特別図柄の変動演出が実行されている場合は、該第2特別図柄の変動演出を確定表示させるためコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、この特図2確定コマンドを受信すると、第2特別図柄の変動演出が第3図柄表示装置81で実行されている遊技状態(即ち、「小当たり頻出確率変動状態」)である場合は、表示制御装置114に対して表示用特図2確定コマンドを送信する。表示制御装置114は、表示用特図2確定コマンドを受信することによって、第3図柄表示装置81における第2特別図柄に対応する第3図柄の変動演出を停止して、停止図柄を確定表示させるように構成されている。なお、第2特別図柄の変動演出が第3図柄表示装置81で実行されない遊技状態(即ち、「通常遊技状態」、「潜伏確率変動状態」、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」)である場合は、音声ランプ制御装置113は特図2確定コマンドを受信しても表示制御装置114に対して表示用特図2確定コマンドを送信しないように構成されている。このように構成することで、実行されていない変動演出に関するコマンドに関する処理を削減し、処理負担を軽減することができる。
S5613の処理では、「時短機能」が有効な状態か否か、即ち、「確率変動状態」、「時間短縮状態」又は「小当たり頻出確率変動状態」における「時短機能」有効時か否かを判別する(S5613)。
S5613の処理において、「時短機能」が有効でない場合は(S5613:No)、S5607の処理をスキップして、この変動停止処理(S5009)を終了して、特図変動処理(図91参照)に戻る。一方、「時短機能」が有効な状態と判別された場合は(S5613:Yes)、「時短機能」の時短終了条件が成立したか否かの判別処理を実行する時短計数処理を実行し(S5607)、この変動停止処理(S5009)を終了して、特図変動処理(図91参照)に戻る。
ここで、図98を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される変動停止処理(図97参照)の一処理である時短計数処理(S5607)について説明する。図98は、この時短計数処理(S5607)を示すフローチャートである。
この時短計数処理(S5607)では、「時短機能」が有効に設定されている場合に、各大当たり種別毎に設定された「時短機能」の終了条件である第1特別図柄の変動回数、第2特別図柄の変動回数、又は、第1特別図柄および第2特別図柄の合計変動回数を計数し、該計数結果が時短終了条件を満たしたか否かを判別して、判別結果に応じて「時短機能」を有効から無効に変化させる。
この時短計数処理(S5607)では、まず、停止した特別図柄の動的表示の種類を判別する(S5701)。判別の結果、第1特別図柄(特図1)の動的表示が停止した場合は(S5701:「特図1」)、「時短機能」が有効な状態において第1特別図柄の動的表示が1回実行されたということなので、特図1時短カウンタ203nの値を1減算し(S5702)、減算した特図1時短カウンタ203nの値が「0」より大きい値か否かを判別する(S5703)。
判別の結果、特図1時短カウンタ203nの値が「0」より大きい値でない場合、即ち、S5702の処理で減算した特図1時短カウンタ203nの値が「0」となった場合は(S5703:No)、「時短機能」の時短終了条件の1つである第1特別図柄の動的表示が大当たり終了後から100回実行されたということなので、時短フラグ203mをオフに設定し(S5704)、処理をS5707へ移行する。一方、特図1時短カウンタ203nの値が「0」より大きい値である場合は(S5703:Yes)、S5704の処理をスキップして、処理をS5707へ移行する。
一方、S5701の処理において、第2特別図柄(特図2)の動的表示が停止した場合は(S5701:「特図2」)、「時短機能」が有効な状態において第2特別図柄の動的表示が1回実行されたということなので、特図2時短カウンタ203oの値を1減算し(S5705)、減算した特図2時短カウンタ203oの値が「0」より大きい値か否かを判別する(S5706)。
判別の結果、特図2時短カウンタ203oの値が「0」より大きい値でない場合、即ち、S5705の処理で減算した特図2時短カウンタ203oの値が「0」となった場合は(S5706:No)、「時短機能」の時短終了条件の1つである第2特別図柄の動的表示が大当たり終了後から100回実行されたということなので、時短フラグ203mをオフに設定し(S5704)、処理をS5707へ移行する。一方、特図2時短カウンタ203oの値が「0」より大きい値である場合は(S5706:Yes)、S5704の処理をスキップして、処理をS5707へ移行する。
S5707の処理では、「時短機能」が有効な状態において第1特別図柄又は第2特別図柄の動的表示が1回実行されたということなので、合計時短カウンタ203pの値を1減算し(S5707)、減算した合計時短カウンタ203pの値が「0」より大きい値か否かを判別する(S5708)。
判別の結果、合計時短カウンタ203pの値が「0」より大きい値でない場合、即ち、S5708の処理で減算した合計時短カウンタ203pの値が「0」となった場合は(S5708:No)、「時短機能」の時短終了条件の1つである第1特別図柄の動的表示と第2特別図柄の動的表示との合計回数が大当たり終了後から計100回実行されたということなので、時短フラグ203mをオフに設定し(S5709)、この時短計数処理(S5607)を終了して、変動停止処理(図97参照)に戻る。一方、合計時短カウンタ203pの値が「0」より大きい値である場合は(S5708:Yes)、S5709の処理をスキップして、この時短計数処理(S5607)を終了して、変動停止処理(図97参照)に戻る。
このように、「時短機能」が有効な状態において、いずれか1の時短終了条件が成立した場合に、時短フラグ203mをオフに設定することで、遊技状態に応じた「時短機能」の有効又は無効を適切に行い、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる。
次に、図99を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図88参照)の一処理である当たり処理(S203)について説明する。図99は、この当たり処理(S203)を示したフローチャートである。
この当たり処理(S203)は、各特別図柄の大当たりが発生する場合に、大当たりの種類に応じて共通大入賞口75の開放回数(ラウンド数)を設定すると共に、共通大入賞口75の開放時間を設定する。そして、大当たり状態(遊技)である場合において、共通大入賞口75を開放又は閉鎖するための大当たり開閉制御処理(S6010)を実行し、大当たり状態が終了するタイミングで、大当たり状態の終了を設定する大当たり終了処理(S6012)を実行する。
また、この当たり処理(S203)は、各特別図柄の小当たりが発生する場合に、小当たりに応じて特図1小入賞口65又は共通大入賞口75の開放回数(ラウンド数)を設定すると共に、特図1小入賞口65又は共通大入賞口75の開放時間を設定する。そして、小当たり状態(遊技)である場合において、特図1小入賞口65又は共通大入賞口75を開放又は閉鎖するための小当たり開閉制御処理(S6014)を実行し、小当たり状態が終了するタイミングで、小当たり状態の終了を設定する小当たり終了処理(S6016)を実行する。
当たり処理(S203)では、まず、いずれかの特別図柄の動的表示において大当たりに当選したか否かを判別する(S6001)。判別の結果、大当たりに当選していれば(S6001:Yes)、大当たり遊技を行うために、大当たり種別に応じたラウンド数をRAM203に設けられたラウンドカウンタ(図示せず)にセットする(S6002)。そして、大当たりが開始されることを示す大当たりオープニングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信するために、大当たりオープニングコマンドをRAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに設定し(S6003)、次いで、該大当たりのオープニング時間(例えば、「10秒」)を設定して(S6004)、処理をS6009へ移行する。これにより、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図88のS201参照)によって、大当たりオープニングコマンドが音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
なお、上述したラウンドカウンタは、電源投入時に初期値として「0」がセットされる。MPU201は、該ラウンドカウンタの値を確認して、ラウンドカウンタに値が設定されている場合(即ち、「1」以上)は、大当たり遊技又は小当たり遊技かに応じて共通大入賞口75又は特図1小入賞口65を開放制御しつつ、該ラウンドカウンタの値を1減算する。そして、ラウンドカウンタの値が「0」になった場合に、実行中の大当たり又は小当たりを終了するように構成されている。
S6001の処理において、いずれかの特別図柄の動的表示において大当たりに当選していないと判別された場合は(S6001:No)、次いで、いずれかの特別図柄の動的表示において小当たりに当選したか否かを判別する(S6005)。判別の結果、小当たりに当選していれば(S6005:Yes)、小当たり遊技を行うために、小当たりに当選した特別図柄に応じて開放する入賞口(即ち、特図1小入賞口65又は共通大入賞口75のいずれか)を設定すると共に、小当たり種別(小当たりに当選した特別図柄の種類)に応じたラウンド数をRAM203に設けられたラウンドカウンタ(図示せず)にセットする(S6006)。そして、小当たりが開始されることを示す小当たりオープニングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信するために、小当たりオープニングコマンドをRAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに設定し(S6007)、次いで、該小当たりのオープニング時間(例えば、「0.5秒」)を設定して(S6008)、処理をS6009へ移行する。これにより、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図88のS201参照)によって、小当たりオープニングコマンドが音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
S6009の処理では、大当たり中か否かを判別する(S6009)。判別の結果、大当たり中であると判別された場合は(S6009:Yes)、共通大入賞口75の開閉制御を実行する大当たり開閉制御処理を実行する(S6010)。
ここで、図100を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される当たり処理(S203)の一処理である大当たり開閉制御処理(S6010)について説明する。図100は、この大当たり開閉制御処理(S6010)を示したフローチャートである。
この大当たり開閉制御処理(S6010)では、当たり処理(S203)で設定された共通大入賞口75の開放回数に基づいて、共通大入賞口75の開閉制御を実行する。
この大当たり開閉制御処理(S6010)では、まず、当たり処理(S203)のS6004で設定されたオープニング時間、又は、後述する共通大入賞口開放中処理(S6107)のS6120(図101参照)で設定されたインターバル時間が経過したか否かを判別する(S6101)。判別の結果、大当たり時におけるオープニング時間又はインターバル時間が経過していなければ(S6101:No)、共通大入賞口75の開放タイミングではないため、該共通大入賞口75を閉鎖し続けるため、S6102〜S6105の処理をスキップして、処理をS6106へ移行する。
一方、S6101の処理において、大当たり時におけるオープニング時間又はインターバル時間が経過していれば(S6101:Yes)、共通大入賞口75の開放タイミングなので、共通大入賞口75の開放設定を行い(S6102)、次いで、入賞カウンタ(図示せず)に「10」をセットする(S6103)。そして、大当たり時おける共通大入賞口75の最大開放時間(第4実施形態では、「30秒」)を設定して(S6104)、共通大入賞口75が開放されたことを示す共通大入賞口開放コマンドを生成して、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに設定し(S6105)、処理をS6106に移行する。この共通大入賞口開放コマンドを受信した音声ランプ制御装置113は、共通大入賞口75が開放された旨を第3図柄表示装置81において実行し、遊技者に共通大入賞口75が開放されていることを遊技者に開放されている共通大入賞口75へ球を入賞させることを促すように構成されている。
S6106の処理では、共通大入賞口75が開放中であるか否かを判別する(S6106)。判別の結果、共通大入賞口75が開放中でなければ(S6106:No)、共通大入賞口75が開放中ではなく、オープニング時間中又はインターバル時間中であるので、S6107の処理をスキップして、この大当たり開閉制御処理(S6010)を終了し、当たり処理(図99参照)に戻る。一方、S6106の処理において、共通大入賞口75が開放中であると判別された場合は(S6106:Yes)、開放中の共通大入賞口75の閉鎖条件を判別するべく、共通大入賞口開放中処理を行い(S6107)、この大当たり開閉制御処理(S6010)を終了し、当たり処理(図99参照)に戻る。
ここで、図101を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり開閉制御処理(S6010)の一処理である共通大入賞口開放中処理(S6107)について説明する。図101は、この共通大入賞口開放中処理(S6107)を示したフローチャートである。
この共通大入賞口開放中処理(S6107)では、開放中の共通大入賞口75の閉鎖条件が成立するか否かを判別する処理を実行する。
この共通大入賞口開放中処理(S6107)では、まず、上述した大当たり開閉制御処理(S6010)のS6104において設定された共通大入賞口75の開放時間が経過したか否かを判別する(S6111)。判別の結果、共通大入賞口75の開放時間が経過したタイミングであれば(S6111:Yes)、共通大入賞口75の閉鎖条件が成立し、そのラウンドにおける共通大入賞口75の閉鎖タイミングであるため、入賞カウンタの値を「0」クリアして(S6112)、共通大入賞口75を閉鎖させるために、処理をS6116へ移行する。S6116からの共通大入賞口75の閉鎖処理については、後述する。
一方、S6111の処理において、共通大入賞口75の開放時間が経過したタイミングでなければ(S6111:No)、次いで、共通大入賞口スイッチ(図示せず)がオンされたか否か、即ち、共通大入賞口75へ球が入賞したか否かを判断する(S6113)。
S6113の処理において、共通大入賞口スイッチによって球が検出され共通大入賞口75へ球が入賞していれば(S6113:Yes)、入賞カウンタの値を1減算して(S6114)、次いで、1減算した入賞カウンタの値が「0」より大きい値か否かを判別する(S6115)。入賞カウンタの値が「0」より大きい値でない場合(S6115:No)、即ち、入賞カウンタの値が「0」以下である場合は、共通大入賞口75に球が10個以上入賞して共通大入賞口75の閉鎖条件が成立しているので、共通大入賞口75を閉鎖させるために、処理をS6116へ移行する。
なお、S6113の処理において、共通大入賞口75へ球が入賞していないと判別された場合(S6113:No)、又は、S6115の処理において、入賞カウンタの値が「0」より大きい値であると判別された場合は(S6115:Yes)、共通大入賞口75の閉鎖条件が成立しておらず、共通大入賞口75の開放を継続するために、S6116〜S6120の処理をスキップして、この共通大入賞口開放中処理(S6107)を終了する。この共通大入賞口開放中処理(S6107)の終了後は、大当たり開閉制御処理(図99参照)へ戻る。
S6116からの共通大入賞口75の閉鎖処理では、まず、共通大入賞口75の閉鎖設定を行い(S6116)、次いで、音声ランプ制御装置113に対して共通大入賞口75が閉鎖されたことを示す共通大入賞口閉鎖コマンドを設定して(S6117)、処理をS6118へ移行する。なお、S6117の処理で設定された共通大入賞口閉鎖コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図88のS201参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
次いで、S6118の処理では、共通大入賞口75の1のラウンドが消化されたことから、ラウンドカウンタの値を1減算し(S6118)、1減算したラウンドカウンタの値が「0」より大きい値か否かを判別する(S6119)。ラウンドカウンタの値が「0」より大きい値である場合(S6119:Yes)、該大当たりにおけるラウンド回数(共通大入賞口75の残り開放回数)が残存している状態であるので、次の共通大入賞口75を開放させるまでのインターバル時間(例えば、「2秒」)を設定し(S6120)、この共通大入賞口開放中処理(S6107)を終了し、大当たり開閉制御処理(図99参照)に戻る。
一方、S6119の処理において、ラウンドカウンタの値が「0」より大きい値でない場合(S6119:No)、即ち、ラウンドカウンタの値が「0」以下である場合は、この大当たりにおける共通大入賞口75の開放動作がすべて終了したので、大当たり状態を終了させるために、インターバル時間を設定せず(即ち、S6120をスキップして)、この共通大入賞口開放中処理(S6107)を終了して、大当たり開閉制御処理(図99参照)に戻る。
図99の当たり処理(S203)に戻って、説明を続ける。S6010の大当たり開閉制御処理(図100参照)の終了後は、次いで、ラウンドカウンタの値が「0」より大きい値であるか否かを判別する(S6011)。判別の結果、ラウンドカウンタが「0」より大きい値であれば(S6011:Yes)、大当たり状態を継続するため、大当たりの終了設定処理であるS6012の処理をスキップして、この当たり処理(S203)を終了する。
一方、S6011の処理において、ラウンドカウンタの値が「0」より大きい値でない場合(S6011:No)、即ち、ラウンドカウンタの値が「0」以下である場合は、この大当たりにおける共通大入賞口75の開放動作がすべて終了しているので、大当たり状態を終了させるために、大当たり終了処理を行い(S6012)、この当たり処理(S203)を終了する。
ここで、図102を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される当たり処理(S203)の一処理である大当たり終了処理(S6012)について説明する。図102は、この大当たり終了処理(S6012)を示したフローチャートである。
この大当たり終了処理(S6012)では、当選した大当たり種別に基づいて、確変フラグ203j、特電2時短カウンタ203p、特図1時短カウンタ203n、特図2時短カウンタ203o、合計時短カウンタ203p及び時短フラグ203mの設定を行うとともに、大当たり回数がリミット回数に到達していた場合に、該リミット回数を「0」クリアして、大当たりのリミット回数を初期化する処理を実行する。
この大当たり終了処理(S6012)では、まず、今回の大当たりが大当たり種別「確変A」又は「確変B」であったか否かを判別する(S6201)。判別の結果、大当たり種別「確変A」又は「確変B」であれば(S6201:Yes)、該大当たり終了後の遊技状態を、次回大当たりが発生するまで特別図柄の高確率状態とするべく、確変フラグ203jをオンに設定して(S6202)、処理をS6204へ移行する。一方、大当たり種別「確変A」又は「確変B」でなければ(S6201:No)、大当たり種別「時短A」又は「時短B」の当選であって、該大当たり終了後の遊技状態を、次回大当たりが発生するまで特別図柄の低確率状態とするべく、確変フラグ203jをオフに設定して(S6203)、処理をS6204へ移行する。
次いで、S6204の処理では、該大当たり終了後の遊技状態として「時短機能」を作動させるべく、まず、特電2時短カウンタ203qの値に「1」をセットし(S6204)、また、特図1時短カウンタ203nの値に「100」をセットし(S6205)、さらに、特図2時短カウンタ203oの値に「100」をセットし(S6206)、また、合計時短カウンタ203pの値に「100」をセットする(S6207)。そして、時短フラグ203mをオンに設定して(S6208)、処理をS6209へ移行する。これにより、全大当たり種別の大当たり遊技終了後に共通した処理によって「時短機能」を有効にすることができるので、大当たり終了を契機として各種遊技状態を開始することができるとともに、「時短機能」を有効に設定するプログラムを共通化することができ、開発時における開発工数を削減することができる。
次いで、S6209の処理では、リミットカウンタ203kの値が「10」未満か否かを判別する(S6209)。リミットカウンタ203kの値は、大当たりに当選した場合の変動開始時に更新(1加算又は1加算後に1減算)されており(図93のS5201、図94のS5305若しくはS5312、又は、図96のS5505若しくはS5512参照)、そこで更新されたリミットカウンタ203kの値が「10」未満でない場合、即ち、「10」以上であってリミット回数に到達している場合は(S6209560:Yes)、大当たりのリミット回数を初期化すべく、リミットカウンタ203kの値を「0」クリアして(S6210)、リミットカウンタ203kの値が初期化されたこと(即ち、リミット回数が初期化されたこと)を示すリミットクリアコマンドを生成して、該リミットクリアコマンドをRAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに設定し(S6211)、処理をS6212へ移行する。S6211で設定されたリミットクリアコマンドは、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図88のS201参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
音声ランプ制御装置113は、リミットクリアコマンドを受信すると、大当たりのリミット回数が初期化されたことを認識して、各種処理(第4実施形態では、リミット回数がクリアされた旨の報知は行わないが、リミット回数に関する各種示唆演出(例えば、リミット到達後の大当たり回数の示唆演出)等)を実行する。
なお、S6209の処理において、リミットカウンタ203kの値が「10」未満である場合は(S6209:Yes)、未だリミット回数に到達していないので、S6210及びS6211の処理をスキップして、処理をS6212へ移行する。
このように、大当たり終了処理(S6012)において、大当たりのリミット回数に到達していた場合には、該リミット回数を初期化することで、該大当たりの実行中はリミット到達時の演出を実行可能に構成しつつ、該大当たりの終了後以降、リミット回数の初期値から大当たり回数を計数することができる。
S6212の処理では、音声ランプ制御装置113に対して大当たりのエンディング演出の開始を示すエンディングコマンドを設定する(S6212)。S6212の処理で設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図88のS201参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、大当たりのエンディング演出を実行する。
S6212の処理の終了後は、エンディング時間等を設定する大当たりの終了設定処理を行い(S6213)、この大当たり終了処理(S6012)を終了して、当たり処理(図99参照)に戻る。
図99に戻って、説明を続ける。S6009の処理において、大当たり中でない場合には(S501:No)、次に、小当たり中か否かを判別する(S6013)。判別の結果、小当たり中でなければ(S6013:No)、この当たり処理(S203)を終了して、タイマ割込処理(図88参照)へ戻る一方、小当たり中であれば(S6013:Yes)、次いで、第1特別図柄の小当たり遊技に応じた特図1小入賞口65、又は、第2特別図柄の小当たり遊技に応じた共通大入賞口75の開閉制御を実行する小当たり開閉制御処理を実行する(S6014)。
ここで、図103を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される当たり処理(S203)の一処理である小当たり開閉制御処理(S6014)について説明する。図103は、この小当たり開閉制御処理(S6014)を示したフローチャートである。
この小当たり開閉制御処理(S6014)では、当たり処理(S203)で設定された特図1小入賞口65又は共通大入賞口75の開放回数に基づいて、特図1小入賞口65又は共通大入賞口75の開閉制御を実行する。
この小当たり開閉制御処理(S6014)では、まず、当たり処理(S203)のS6008で設定されたオープニング時間、又は、後述する小入賞口開放中処理(S6312)のS6330(図104参照)、若しくは、上述した共通大入賞口開放中処理(S6107)のS6120(図101参照)で設定されたインターバル時間が経過したか否かを判別する(S6301)。判別の結果、小当たり時におけるオープニング時間又はインターバル時間が経過していなければ(S6301:No)、特図1小入賞口65又は共通大入賞口75の開放タイミングではないため、該特図1小入賞口65及び共通大入賞口75を閉鎖し続けるため、S6302〜S6309の処理をスキップして、処理をS6310へ移行する。
一方、S6301の処理において、大当たり時におけるオープニング時間又はインターバル時間が経過していれば(S6301:Yes)、特図1小入賞口65又は共通大入賞口75の開放タイミングなので、まず、入賞カウンタ(図示せず)に「10」をセットし(S6302)、次いで、いずれの特別図柄での小当たり遊技か否かを判別する(S6303)。
S6303の判別の結果、第1特別図柄における小当たり遊技であると判別された場合は(S6303:「特図1小当たり」)、特図1小入賞口65の開放設定を行い(S6304)、第1特別図柄の小当たり時における特図1小入賞口65の最大開放時間(第4実施形態では、「0.1秒」)を設定する(S6305)。そして、特図1小入賞口65が開放されたことを示す特図1小入賞口開放コマンドを生成して、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに設定し(S6306)、処理をS6310に移行する。この特図1小入賞口開放コマンドを受信した音声ランプ制御装置113は、特図1賞入賞口65が開放された旨は認識するものの、第3図柄表示装置81や音声出力装置226において特段の報知(示唆)を行わないように構成されている。従って、遊技者は、特図1賞入賞口65が開放されたことを認識し難く構成されている。
一方、S6303の判別の結果、第2特別図柄における小当たり遊技であると判別された場合は(S6303:「特図2小当たり」)、共通大入賞口75の開放設定を行い(S6307)、小当たり時おける共通大入賞口75の最大開放時間(第4実施形態では、「3秒」)を設定して(S6308)、共通大入賞口75が開放されたことを示す共通大入賞口開放コマンドを生成して、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに設定し(S6309)、処理をS6310に移行する。このように、第2特別図柄において小当たり遊技に当選した場合に、第1特別図柄および第2特別図柄において大当たり遊技に当選した場合に開放され得る共通大入賞口75を開放することで、小当たり遊技と大当たり遊技とで開放され得る入賞口を共通化し、部品点数を少なくし、パチンコ機10に係るコストを削減することができる。
S6310の処理では、小当たり時において特図1小入賞口65又は共通大入賞口75が開放中であるか否かを判別する(S6310)。判別の結果、小当たり時において特図1小入賞口65又は共通大入賞口75が開放中でなければ(S6310:No)、小当たり時おいて特図1小入賞口65又は共通大入賞口75が開放中ではなく、オープニング時間中又はインターバル時間中であるので、S6311、S6312及びS6107の処理をスキップして、この小当たり開閉制御処理(S6014)を終了し、当たり処理(図99参照)に戻る。一方、S6310の処理において、小当たり時において特図1小入賞口65又は共通大入賞口75が開放中であると判別された場合は(S6310:Yes)、次いで、特図1小入賞口65又は共通大入賞口75のいずれが開放されているか否かを判別する(S6311)。
判別の結果、第1特別図柄の小当たりに基づいて特図1小入賞口65が開放されている場合は(S6311:「特図1小入賞口」)、開放中の特図1小入賞口65の閉鎖条件を判別するべく、小入賞口開放中処理を行い(S6312)、この小当たり開閉制御処理(S6014)を終了し、当たり処理(図99参照)に戻る。一方、S6311の処理において、第2特別図柄の小当たりに基づいて共通大入賞口75が開放されている場合は(S6311:「共通大入賞口」)、開放中の共通大入賞口75の閉鎖条件を判別するべく、共通大入賞口開放中処理を行い(S6107)、この小当たり開閉制御処理(S6014)を終了し、当たり処理(図99参照)に戻る。なお、共通大入賞口開放中処理(S607)は、大当たり時における共通大入賞口開放中処理(図101参照)と同等であるので、その説明を省略する。
ここで、図104を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される小当たり開閉制御処理(S6014)の一処理である小入賞口開放中処理(S6312)について説明する。図104は、この小入賞口開放中処理(S6312)を示したフローチャートである。
この小入賞口開放中処理(S6312)では、開放中の特図1小入賞口65の閉鎖条件が成立するか否かを判別する処理を実行する。
この小入賞口開放中処理(S6312)では、まず、上述した小当たり開閉制御処理(S6014)のS6305において設定された特図1小入賞口65の開放時間が経過したか否かを判別する(S6321)。判別の結果、特図1小入賞口65の開放時間が経過したタイミングであれば(S6321:Yes)、特図1小入賞口65の閉鎖条件が成立し、そのラウンドにおける特図1小入賞口65の閉鎖タイミングであるため、入賞カウンタの値を「0」クリアして(S6322)、特図1小入賞口65を閉鎖させるために、処理をS6326へ移行する。S326からの特図1小入賞口65の閉鎖処理については、後述する。
一方、S6321の処理において、特図1小入賞口65の開放時間が経過したタイミングでなければ(S6321:No)、次いで、小入賞口スイッチ(図示せず)がオンされたか否か、即ち、特図1小入賞口65へ球が入賞したか否かを判断する(S6323)。
S6323の処理において、小入賞口スイッチによって球が検出され特図1小入賞口65へ球が入賞していれば(S6323:Yes)、入賞カウンタの値を1減算して(S6324)、次いで、1減算した入賞カウンタの値が「0」より大きい値か否かを判別する(S6325)。入賞カウンタの値が「0」より大きい値でない場合(S6325:No)、即ち、入賞カウンタの値が「0」以下である場合は、特図1小入賞口65に球が10個以上入賞して特図1小入賞口65の閉鎖条件が成立しているので、特図1小入賞口65を閉鎖させるために、処理をS6326へ移行する。
なお、S6323の処理において、特図1小入賞口65へ球が入賞していないと判別された場合(S6323:No)、又は、S6325の処理において、入賞カウンタの値が「0」より大きい値であると判別された場合は(S6325:Yes)、特図1小入賞口65の閉鎖条件が成立しておらず、特図1小入賞口65の開放を継続するために、S6326〜S6328の処理をスキップして、この小入賞口開放中処理(S6312)を終了する。この小入賞口開放中処理(S6312)の終了後は、小当たり開閉制御処理(図103参照)へ戻る。なお、第4実施形態における第1特別図柄の小当たり遊技では、特図1小入賞口65に球が入賞し難く構成されていると共に、特図1小入賞口65の開放時間も極めて短く設定(即ち、「0.1秒」)であるため、実質的に特図1小入賞口65に球が入賞せず、入賞個数条件に基づく閉鎖条件ではなく、予め設定された特図1小入賞口65の開放時間の経過に基づく特図1小入賞口65の閉鎖条件が成立するように構成されている。
S6326からの特図1小入賞口65の閉鎖処理では、まず、特図1小入賞口65の閉鎖設定を行い(S6326)、次いで、音声ランプ制御装置113に対して特図1小入賞口65が閉鎖されたことを示す特図1小入賞口閉鎖コマンドを設定して(S6327)、処理をS6328へ移行する。なお、S6327の処理で設定された特図1小入賞口閉鎖コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図88のS201参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
次いで、S6328の処理では、特図1小入賞口65の1のラウンドが消化されたことから、ラウンドカウンタの値を1減算し(S6328)、この小入賞口開放中処理(S6312)を終了して、小当たり開閉制御処理(図103参照)に戻る。第1特別図柄の小当たり遊技では、特図1小入賞口65の開放回数が1回に設定されているため、小入賞口開放中処理(S6312)において特図1小入賞口65の閉鎖条件が1回成立した場合には、インターバル時間等が設定されず、小当たり遊技を終了する処理が実行される。
図99の当たり処理(S203)に戻って、説明を続ける。S6014の小当たり開閉制御処理(図103参照)の終了後は、次いで、ラウンドカウンタの値が「0」より大きい値であるか否かを判別する(S6015)。判別の結果、ラウンドカウンタが「0」より大きい値であれば(S6015:Yes)、小当たりを継続するため、小当たりの終了設定処理であるS6016の処理をスキップして、この当たり処理(S203)を終了する。
一方、S6015の処理において、ラウンドカウンタの値が「0」より大きい値でない場合(S6015:No)、即ち、ラウンドカウンタの値が「0」以下である場合は、この小当たりにおける特図1小入賞口65又は共通大入賞口75の開放動作がすべて終了しているので、小当たり状態を終了させるために、小当たり終了処理を行い(S6016)、この当たり処理(S203)を終了する。
ここで、図105を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される当たり処理(S203)の一処理である小当たり終了処理(S6016)について説明する。図105は、この小当たり終了処理(S6016)を示したフローチャートである。
この小当たり終了処理(S6016)では、「時短機能」の時短終了条件の1つである第2特別図柄の小当たり当選に基づいて共通大入賞口75が開放されたか否かを判別し、該判別結果に基づいて「時短機能」を終了させる処理を実行する。
この小当たり終了処理(S6016)では、まず、第2特別図柄に基づく小当たり遊技が終了するタイミングか否かを判別する(S6401)。第2特別図柄による小当たり遊技は、上述したように、「小当たり頻出確率変動状態」で発生し易く、「通常遊技状態」、「潜伏確率変動状態」、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」では発生し難く構成されている。S6401の処理において、第2特別図柄の小当たり遊技が終了するタイミングであると判別された場合は(S6401:Yes)、「小当たり頻出確率変動状態」における第2特別図柄に基づく小当たり遊技が終了したので、次いで、時短フラグ203mがオンが否か、即ち、「時短機能」が未だ有効な状態か否かを判別する(S6402)。
S6402の処理において、時短フラグ203mがオンされていれば(S6402:Yes)、「小当たり頻出確率変動状態」において「時短機能」が有効な状態であるので、該「時短機能」を終了するべく、まず、特電2時短カウンタ203qの値から1減算し(S6403)、減算した特電2時短カウンタ203qの値が「0」より大きい当たりか否かを判別する(S6404)。判別の結果、特電2時短カウンタ203qの値が「0」より大きい値でなければ(S6404:No)、「時短機能」の時短終了条件の1つである第2特別図柄の小当たり遊技に基づいて共通大入賞口75が開放されたことにより、時短フラグ203mをオフに設定し(S6405)、処理をS6406へ移行する。これにより、「小当たり頻出確率変動状態」において第2特別図柄の小当たり遊技が発生することで、「時短機能」を無効化することができ、普通電役71b(図60参照)の閉鎖期間が長くなるようにして、右打ち遊技で発射された球を特図2始動口74へ入賞させ得ることができる。
なお、S6401の処理において、第2特別図柄に基づく小当たり遊技が終了するタイミングでないと判別された場合(S6401:No)、即ち、第1特別図柄に基づく小当たり遊技が終了するタイミングである場合は、時短終了条件が成立していないので、S6402〜S6405の処理をスキップして、処理をS6406へ移行する。また、S6402の処理において、時短フラグ203mがオンされていない場合は(S6402:No)、先の第2特別図柄の小当たり遊技に基づいて既に時短フラグ203mをオフに設定し、「小当たり頻出確率変動状態」において既に「時短機能」が無効化されているので、S6403〜S6405の処理をスキップして、処理をS6406へ移行する。さらに、S6404の処理において、特電2時短カウンタ203qの値が「0」より大きい値であると判別された場合は(S6404:Yes)、何らかの異常(例えば、ノイズ等)によって1減算した特電2時短カウンタ203qの値に異常値が設定されているので、この場合もS6405の処理をスキップして、処理をS6406へ移行する。特電2時短カウンタ203qの値が「0」より大きい値であると判別された場合は(S6404:Yes)、異常が発生していることを示す異常処理(例えば、異常報知等)を行うように構成してもよい。
S6406の処理では、エンディング時間等を設定する小当たりの終了設定処理を行い(S6406)、この小当たり終了処理(S6016)を終了して、当たり処理(図99参照)に戻る。
このように、第2特別図柄の小当たり遊技が発生し得る「小当たり頻出確率変動状態」において、該「小当たり頻出確率変動状態」の突入後、直ちに第2特別図柄の小当たり遊技に基づいて「時短機能」を終了させるように構成されている。「小当たり頻出確率変動状態」において「時短機能」が終了した場合、右側特図1ユニット71の普通電役71bが閉鎖されている状態が長くなり、右打ち遊技で発射された球が該普通電役71bの上面を普通電役71bの左端から右端まで転動しきり、特図2始動口74へ入賞し得るように構成されている。そして、特図2始動口74への入賞に基づいて、第2特別図柄の動的表示における小当たり遊技が頻出し、該小当たり遊技への当選に基づいて共通大入賞口75が開放され、該共通大入賞口75に球を入賞させて賞球を獲得することが可能な状態にすることができる。
次に、図106を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図88参照)の一処理である普図変動処理(S211)について説明する。図106は、この普図変動処理(S211)を示したフローチャートである。
この普図変動処理(S211)は、スルーゲート67への球の通過に起因して、普通図柄表示装置83における普通図柄の可変表示を制御するものである。
この普図変動処理(S211)では、まず、今現在、普通電役71bが突出中(作動中)か否か、即ち、普通図柄の当たり中であるか否かを判別する(S701)。判別の結果、普通電役71bが突出中であれば(S701:Yes)、普通図柄の当たり中であるので、そのまま普図変動処理(S211)を終了して、タイマ割込処理(図88参照)へ戻る。
一方、普通電役71bが突出中でなければ(S701:No)、普通図柄の当たり中ではないため、次いで、普通図柄表示装置83の表示態様が普通図柄の可変表示中であるか否かを判別する(S702)。判別の結果、普通図柄表示装置83の表示態様が普通図柄の可変表示中でなければ(S702:No)、次いで、普通図柄表示装置83における可変表示が停止後、所定時間(例えば、「1秒」)経過したか否かを判別する(S703)。その結果、可変表示の停止後、所定時間経過していなければ(S703:No)、この普図変動処理(S211)を終了して、タイマ割込処理(図88参照)に戻る。これにより、可変表示における停止図柄が所定時間だけ普通図柄表示装置83に表示されるので、遊技者に対して、その停止図柄を視認させることができる。
一方、S703の処理の結果、可変表示の停止後、所定時間経過していれば(S703:Yes)、普図保留球数カウンタ(図示せず)の値(主制御装置110において保留されている普通図柄に関する可変表示の作動保留球数HN)が「0」よりも大きいか否かを判別する(S704)。
S704の処理の結果、普図保留球数カウンタの値(作動保留球数HN)が「0」より大きくなければ(S704:No)、実行すべき普通図柄の可変表示の保留球数が存在しないということなので、この普図変動処理(S211)を終了して、タイマ割込処理(図88参照)に戻る。一方、普図保留球数カウンタの値(作動保留球数HN)が「0」より大きい値であれば(S704:Yes)、保留されていた普通図柄に関する可変表示の実行開始タイミングであると判断し、まず、普図保留球数カウンタの値(作動保留球数HN)を1減算する(S705)。これは、後述する処理(S706〜S713)によって、保留されていた普通図柄に関する可変表示のうち1の可変表示の実行が開始されることに伴って、普通図柄に関する保留球数が1つ減少するためである。
次いで、普図保留球格納エリア203hに格納されたデータをシフト処理する(S706)。このデータシフト処理は、普図保留球格納エリア203hの普図保留第1〜第4エリアに格納されているデータを普図保留球実行エリア203iへ向けて順にシフトさせる処理であって、普図保留第1エリア→普図保留球実行エリア203i、普図保留第2エリア→普図保留第1エリア、普図保留第3エリア→普図保留第2エリア、普図保留第4エリア→普図保留第3エリアといった具合に、各エリア内のデータがシフトされる。
S706のデータシフト処理の後は、データシフト処理により普図保留球実行エリア203iに格納されたデータ(即ち、普図当たりカウンタC4の値)に基づいて、普通図柄表示装置83における普通図柄の可変表示を実行するために、まず、時短フラグ203mがオンか否か、即ち、遊技状態が「通常遊技状態」若しくは「潜伏確率変動状態」、又は、「小当たり頻出確率変動状態」における「時短機能」の無効状態か否かを判別する(S707)。判別の結果、時短フラグ203mがオンではないと判別された場合は(S707:No)、「時短機能」が無効状態であるので、普通図柄の可変表示時間を「30秒」に設定し(S708)、処理をS710へ移行する。一方、時短フラグ203mがオンであると判別された場合(S707:Yes)、「時短機能」が有効状態であるので、普通図柄の可変表示時間を「0.5秒」に設定し(S709)、処理をS710へ移行する。
これにより、「時短機能」が有効な状態であって、右打ち遊技における「確率変動状態」又は「時間短縮状態」では、球が普通電役71bの上面を転動している間(即ち、約3秒程度)に、普通図柄の可変表示の変動が停止して、該可変表示で当たりとなった場合には、普通電役71bが開放され、普通電役71bの上面を転動する球がほぼすべて正面視下方へ落下し、右側特図1始動口71aへと流入する。一方、「時短機能」が無効な状態であって、右打ち遊技における「小当たり頻出確率変動状態」では、球が普通電役71bの上面を転動している間に、普通図柄の可変表示が停止しない場合があり、普通電役71bの上面を左端から右端まで転動しきり、特図2始動口74及び共通大入賞口75側へと流下し得るように構成される。よって、同じ右打ち遊技であっても、特図2始動口74及び共通大入賞口75に流入する遊技状態と流入しない遊技状態とを創り出すことができ、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上できる。
S710の処理では、遊技状態に応じて普図当たり乱数テーブル202iを参照して普通図柄の可変表示における停止図柄、即ち、普通図柄の可変表示の当否を決定する(S710)。具体的には、「通常遊技状態」及び「潜伏確率変動状態」、並びに、「小当たり頻出確率変動状態」における「時短機能」の無効時、即ち、普通図柄の低確率状態では、普図当たり乱数テーブル202iにおける低確率状態用のグループを参照して、普図保留球実行エリア203iに格納されている普図当たり乱数カウンタC4の値を判定し、普通図柄の可変表示の停止図柄(即ち、普通図柄の当否)を決定する。また、「確率変動状態」及び「時間短縮状態」、並びに、「小当たり頻出確率変動状態」の「時短機能」有効時、即ち、普通図柄の高確率状態では、普図当たり乱数テーブル202iにおける高確率状態用のグループを参照して、普図保留球実行エリア203iに格納されている普図当たり乱数カウンタC4の値を判定し、普通図柄の可変表示の停止図柄(即ち、普通図柄の当否)を決定する。S710の処理の後は、この普図変動処理(S211)を終了して、タイマ割込処理(図88参照)に戻る。
これにより、遊技状態に応じて普通図柄の当否確率を変更することで、遊技者が右打ちした場合に、スルーゲート67を球が通過したとき、普通電役71bが開放し易いか否かの違いを生じさせることができる。その結果、スルーゲート67を球が通過した場合に、普通電役71bが開放し易い状況(即ち、普通図柄の高確率状態)であって右側特図1始動口71a側へ流入し易い状況か、普通電役71bが開放し難い状況(即ち、普通図柄の低確率状態)であって、閉鎖(突出)している普通電役71bの上面を左端から右端まで転動しきり、特図2始動口74及び共通大入賞口75側へ流入し得る状況か、を遊技状態によって異ならせることで、遊技状態毎に異なる遊技性を生むことができる。
S702の処理において、普通図柄表示装置83の表示態様が可変表示中であると判別されると(S702:Yes)、可変表示時間が経過したか否かを判別する(S711)。普通図柄表示装置83の可変表示時間は、S708又はS709の処理により遊技状態に応じて決定されており、この可変表示時間が経過していなければ(S711:No)、普通図柄表示装置83の表示を更新して(S712)、この普図変動処理(S211)を終了して、タイマ割込処理(図88参照)に戻る。
一方、普通図柄表示装置83における可変表示の可変表示時間が経過していれば(S711:Yes)、普通図柄表示装置83に対して、S710によって予め設定された停止図柄に対応した表示態様を設定し(S713)、この普図変動処理(S211)を終了して、タイマ割込処理(図88参照)に戻る。
これにより、球がスルーゲート67を通過した場合に、この普図変動処理(S211)に基づいて普通図柄表示装置83における可変表示が設定され、該普通図柄表示装置83において可変表示が開始されてから可変表示時間が経過するまでは、「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる。そして、可変表示結果が当たりである場合には「○」の図柄を点灯する一方、ハズレである場合には「×」の図柄を点灯させる。
次に、図107を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図88参照)の一処理である普通電役制御処理(S204)について説明する。図107は、この普通電役制御処理(S204)を示したフローチャートである。
この普通電役制御処理(S204)は、普通図柄の当たりが発生する場合に、遊技状態に応じて普通電役71bを開閉(突出及び没入)駆動制御を実行する。即ち、遊技状態に応じて普通電役71bの開放(没入)時間を設定すると共に、設定された時間に基づいて該普通電役71bを開放駆動し、設定した突出時間が経過した場合に、開放(没入)中の普通電役71bを閉鎖(突出)させる制御を実行する。
この普通電役制御処理(S204)では、まず、普通電役71bが開放(没入)中か否か、即ち、普通図柄の当たり中か否かを判別する(S801)。判別の結果、普通電役71bが開放中でないと判別された場合(S801:No)、即ち、普通図柄の当たり中でないと判別された場合は、次に、普通図柄の可変表示が終了したか否かを判別する(S802)。
S802における判別の結果、普通図柄の可変表示が終了していなければ(S802:No)、この普通電役制御処理(S204)を終了して、タイマ割込処理(図88参照)に戻る一方、普通図柄の可変表示が終了していれば(S802:Yes)、次いで、該可変表示において当たりに当選したか否かを判別する(S803)。
S803における判別の結果、可変表示において当たりに当選していないと判別された場合は(S803:No)、この普通電役制御処理(S204)を終了して、タイマ割込処理(図88参照)へ戻る。一方、可変表示において当たりに当選していると判別された場合は(S803:Yes)、当選した当たりに関する制御を実行するために、まず、時短フラグ203mがオンされているか否か、即ち、当選した時の普通図柄が高確率状態中か否かを判別する(S804)。
S804における判別の結果、時短フラグ203mがオンされていない場合、普通図柄の高確率状態中でない状態と判別された場合は(S804:No)、遊技状態が「通常遊技状態」若しくは「潜伏確率変動状態」、又は、「小当たり頻出確率変動状態」の「時短機能」無効時であるので、普通電役開放テーブル202kの規定内容に基づいて当たり状態における普通電役71bの開放時間を「0.1秒」に設定し(S805)、該当たりに基づく普通電役71bの開放回数を1回行うために、電役カウンタ(図示せず)の値に「1」をセットして(S806)、処理をS809へ移行する。
一方、S804の処理において、時短フラグ203mがオンされている場合、即ち、普通図柄の高確率状態中である状態であると判別された場合は(S804:Yes)、普通電役開放テーブル202kの規定内容に基づいて当たり状態における普通電役71bの開放(没入)時間を「5秒」に設定し(S807)、該当たりに基づく普通電役71bの開放回数を3回行うため、電役カウンタの値に「3」をセットして(S808)、処理をS809へ移行する。
S809の処理では、普通電役71bの開放(没入)処理を行い(S809)、閉鎖(突出)状態であった普通電役71bを開放状態に駆動し、この普通電役制御処理(S204)を終了して、タイマ割込処理(図88参照)に戻る。
これにより、遊技者が右打ちした場合において、スルーゲート67を通過した球が普通電役71bの配設位置に到達し、該普通電役71bが開放されている時間の長い状態か短い状態かの違いを生じさせることができる。その結果、スルーゲート67を通過した球が右側特図1始動口71a側へ誘導され易い状況か、該普通電役71bの閉鎖状態において該普通電役71bの上面を左端から右端まで転動しきって、その球が特図2始動口74及び共通大入賞口75側へ流下され得る状況か、を遊技状態によって異ならせることで、遊技状態毎に異なる遊技性を生むことができる。
S801の処理において、普通電役71bが開放中であると判別された場合(S801:Yes)、即ち、普通図柄の当たり中であると判別された場合は、次いで、S805又はS807において設定された普通電役71bの1回の開放時間が経過しているかを判別する(S810)。判別の結果、設定された普通電役71bの1回の開放時間が経過していないと判別された場合は(S810:No)、普通電役71bの開放状態を維持するため、S811〜S813の処理をスキップして、この普通電役制御処理(S204)を終了して、タイマ割込処理(図88参照)に戻る。
一方、S810の処理において、設定された普通電役71bの1回の開放時間が経過していると判別された場合は(S810:Yes)、まず、普通電役71bの閉鎖(突出)処理を行い(S811)、S806又はS808の処理で設定された電役カウンタの値から「1」を減算する(S812)。そして、減算された電役カウンタの値が「0」より大きい値であるか否かを判別する(S813)。判別の結果、電役カウンタの値が「0」より大きい値であると判別された場合は(S813:Yes)、該当たりに基づく普通電役71bの開放回数が残存しているため、処理をS809へ移行し、所定のインターバル処理(第4実施形態では、「0.5秒」の閉鎖期間)を行った上で再び普通電役71bの開放処理を行う。一方、電役カウンタの値が「0」より大きい値でないと判別された場合(S813:No)、即ち、電役カウンタの値が「0」以下である場合は、該当たりに基づく普通電役71bの開放がすべて終了したということなので、普通電役71bの再開放を行わず、この普通電役制御処理(S204)を終了して、タイマ割込処理(図88参照)に戻る。
このように、第4実施形態のパチンコ機10では、遊技状態に応じて普通図柄の当選確率および変動時間と、その当選に伴う普通電役71bの開放時間とを異ならせることで、スルーゲート67を球が通過し得る右打ちの遊技において、「確率変動状態」及び「時間短縮状態」では、普通電役71bの開放状態が頻出するように構成して、球がほぼ右側特図1始動口71aへ流入し得ることができる。一方、同じ右打ち遊技であっても、「小当たり頻出確率変動状態」では、普通電役71bの閉鎖状態を長くなるように構成して、閉鎖状態の普通電役71bの上面を左端から右端まで転動しきる場合があり、その球が特図2始動口74及び共通大入賞口75へ流入し得ることができる。よって、右打ち遊技時の遊技状態それぞれで入賞し得る入賞口71a,74,75を異ならせるとともに、遊技者に付与する遊技価値を異ならせ、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる。
次いで、図108を参照して、停電等の発生した場合に主制御装置110において実行されるNMI割込処理について説明する。図108は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。
NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S901)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図109から図114を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理(図109参照)と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理(図110参照)とがある。
まず、図109を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図109は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1116の電源断処理(図110参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1002)。図110を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図110のS1113参照)、S1116の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1116の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1002:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1116の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1003)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1006の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1003:Yes)、S1004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1003:No)、S1008へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1003:Yes)、S1004へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1116の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1003:No)、S1008へ移行する。
また、S1002の処理において、電源断処理中フラグがオンであれば(S1002:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1116の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1004の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1004)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が「0」クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1005:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1006)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1005:No)、RAM223の異常を報知して(S1007)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1008の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1008)。電源断フラグはS1116の電源断処理の実行時にオンされる(図110のS1115参照)。つまり、電源断フラグは、S1116の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1116の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1008:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAM223の作業エリアをクリアし(S1009)、RAM223の初期値を設定した後(S1010)、割込み許可を設定して(S1011)、処理をS1012へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1004からS1006の処理を経由してS1008の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1008:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1009をスキップして、処理をS1010へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1010)、割込み許可を設定して(S1011)、処理をS1012へ移行する。
なお、S1009のクリア処理をスキップするのは、S1004からS1006の処理を経由してS1008の処理へ至った場合には、S1004の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
S1012の処理では、主制御装置110から設定値コマンドを受信したか否かを判別し(S1012)、該設定値コマンドを受信するまでS1012の処理を繰り返し実行して待機する(S1012:No)。そして、主制御装置110から設定値コマンドを受信した場合に(S1012:Yes)、該設定値コマンドが示す確率設定値を設定値メモリ(図示せず)に格納し、メイン処理(図110参照)へ移行する。
このように、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理において、主制御装置110の立ち上げ処理(図85参照)の終盤で生成される設定値コマンドを受信するまでメイン処理(図110参照)への移行を待機することで、主制御装置110で設定された確率設定値を音声ランプ制御装置113側で確実に把握し、該確率設定値に基づいてメイン処理以降の処理を実行できる。また、主制御装置110から設定値コマンドを受信しない場合、主制御装置110の立ち上げ処理の終盤まで到達しておらず、主制御装置110の立ち上げ処理が正常に終了していないので、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理も正常に終了させず、メイン処理へ移行させない。このように構成することで、音声ランプ制御装置113側で主制御装置110の立ち上げ処理が正常に実行されたか否かを把握することが可能となるとともに、主制御装置110が正常に立ち上がっていない状態における音声ランプ制御装置113の暴走を未然に防止できる。
なお、S1012の処理において、主制御装置110から設定値コマンドを受信するまで待機する処理を行っているが、この場合において、瞬間的な停電(所謂、瞬停)によって、音声ランプ制御装置113のみが電源断し、主制御装置110は電源オンを維持し続けた場合、音声ランプ制御装置113は、S1012の処理を繰り返し実行してしまい、正常な制御に復帰できないおそれがある。よって、S1012の処理において、例えば、所定期間の間、主制御装置110から設定値コマンドを受信しない場合は、設定値に関する制御を実行せず、その他の制御を開始するセーフモードで音声ランプ制御装置113を立ち上げるように構成してもよい。
次に、図110を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図110は、このメイン処理を示したフローチャートである。
メイン処理が実行されると、まず、前回S1101の処理が実行されてから1ミリ秒以上が経過したか否かが判別され(S1101)、1ミリ秒以上経過していなければ(S1101:No)、S1102〜S1109の処理を行わずにS1110の処理へ移行する。S1101の処理で、1ミリ秒経過したか否かを判別するのは、S1102〜S1109が短い周期(1ミリ秒以内)で処理する必要がないものであるのに対して、S1110の変動演出処理やS1111のコマンド判定処理は、短い周期で実行する方が好ましい処理であるからである。具体的には、S1111の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1110の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S1101の処理において、前回S1101の処理が実行されてから1ミリ秒以上経過していると判断される場合は(S1101:Yes)、S1102の処理へ移行する。なお、S1101の処理が、図109に示す立ち上げ処理の後初めて実行された場合は、そのままS1102の処理へ移行する。
S1102の処理では、S1103〜S1112の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1102)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1107の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1103)、その後電源投入報知処理を実行する(S1104)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、この電源投入報知処理による報知は行わずに、S1105の処理へ移行する。
次いで、S1105の処理では、後述するS1111のコマンド判定処理によって設定される大当たり又は小当たりに関する演出を実行する当たり演出処理を行い(S1105)、S1106の処理へ移行する。なお、第4実施形態では、第1特別図柄による小当たり遊技に関する演出は行わない一方、第2特別図柄による小当たり遊技に関しては、共通大入賞口75の開放中に所定の演出(例えば、共通大入賞口75が開放されたことを示す演出や右打ち報知演出)を実行するように構成されている。
次いで、S1106の処理では、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1106)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
また、変動演出が未実行の期間や、「高速変動」の変動要素の期間中に枠ボタン22が押された場合は、ステージを変更する処理を行い、枠ボタン操作コマンドに代えて、表示制御装置114に対する背面画像変更コマンドを設定する。この背面画像変更コマンドに、変更後のステージに対応する背面画像の種別に関する情報を含めることにより、表示制御装置114において、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を、ステージに応じた画像に変更する処理が行われる。また、変動演出開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、「リーチ表示」中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、枠ボタン22を複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22が配設されていない場合には、S1106の処理は省略(スキップ)される。
枠ボタン入力監視・演出処理(S1106)が終わると、次いで、ランプ編集処理を実行し(S1107)、その後音編集・出力処理を実行する(S1108)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S1108の処理後、液晶演出実行管理処理を実行し(S1109)、S1110の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動演出に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1107のランプ編集処理が実行され、また、S1108の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動演出に要する時間と同期した時間で実行される。
S1110の処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を表示させるために、主制御装置110より受信した特図1変動パターンコマンドおよび特図1停止種別コマンド、又は、特図2変動パターンコマンドおよび特図2停止種別コマンドに基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する変動演出を開始するための処理である変動演出処理を実行する。この変動演出処理の詳細については、図114を参照して後述する。そして、変動演出処理の後、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行い(S1111)、S1112の処理へ移行する。このコマンド判定処理の詳細については、図111を参照して後述する。
S1112では、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられた各種カウンタを更新するカウンタ更新処理を実行する(S1112)。
S1112の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1113)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1113の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1113:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1115)、電源断処理を実行する(S1116)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1117)、その後、処理を無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1113の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1113:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1114)、RAM223が破壊されていなければ(S1114:No)、S1101の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1114:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。
ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼び、パチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図111を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1111)について説明する。図111は、このコマンド判定処理(S1111)を示したフローチャートである。
このコマンド判定処理(S1111)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図110参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。
コマンド判定処理(S1111)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域に、主制御装置110からのコマンドを受信しているか否かを判別する(S1201)。判別の結果、主制御装置110からコマンドを受信していれば(S1201:Yes)、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出して解析し、主制御装置110より第1特別図柄の動的表示(変動演出)に関するコマンド(即ち、特図1変動パターンコマンド、特図1停止種別コマンド又は特図1確定コマンド等)を受信したか否かを判別する(S1202)。そして、第1特別図柄の動的表示(変動演出)に関するコマンドを受信したと判別された場合(S1202:Yes)、該コマンドに関する各処理を実行する特図1コマンド処理を行い(S1203)、このコマンド判定処理(S1111)を終了して、メイン処理(図110参照)に戻る。
ここで、図112を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される特図1コマンド処理(S1203)について説明する。図112は、この特図1コマンド処理(S1203)を示したフローチャートである。
この特図1コマンド処理(S1203)では、主制御装置110から送信された第1特別図柄の動的表示(変動演出)に関する各種設定処理を実行する。
特図1コマンド処理(S1203)では、まず、主制御装置110より特図1変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S1221)。判別の結果、特図1変動パターンコマンドを受信していれば(S1221:Yes)、受信した特図1変動パターンコマンドに含まれる第1特別図柄の変動パターン種別を抽出する(S1222)。
ここで抽出された第1特別図柄の変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動演出処理(図114参照)において、表示制御装置114に対して遊技状態に応じて第1特別図柄の変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用特図1変動パターンコマンドを設定する場合に用いられる。その後、この特図1コマンド処理(S1203)を終了して、コマンド判定処理(図111参照)に戻る。
一方、特図1変動パターンコマンドを受信していないと判別された場合(S1221:No)、次いで、主制御装置110より特図1停止種別コマンドを受信したか否かを判別する(S1223)。そして、特図1停止種別コマンドを受信したと判別された場合(S1223:Yes)、該特図1停止種別コマンドから停止種別を抽出する(S1224)。
ここで抽出された第1特別図柄の停止種別は、RAM223に記憶され、後述する変動演出処理(図114参照)において、表示制御装置114に対して遊技状態に応じて第1特別図柄の変動演出の停止種別を通知する表示用特図1停止種別コマンドを設定する場合に用いられる。その後、第1特別図柄の変動演出が開始されることを示す特図1変動開始フラグ223aをオンに設定して(S1225)、この特図1コマンド処理(S1203)を終了して、コマンド判定処理(図111参照)に戻る。
なお、特図1停止種別コマンドは、第1特別図柄の変動演出を開始する場合に主制御装置110が特図1変動パターンコマンドを送信後、その特図1変動パターンコマンドによって変動パターンが示された第1特別図柄の変動演出の停止種別を示すものとして、主制御装置110より必ず送信されるコマンドである。S1225の処理によって特図1変動開始フラグ223aをオンに設定することにより、後に実行される変動演出処理(図114参照)において、先に第1保留球数コマンドに含まれる各カウンタC1等の値に基づいて抽出された第1特別図柄の変動演出の変動パターン種別と、受信した特図1変動パターンコマンドより抽出した第1特別図柄の変動演出の変動パターン種別とが一致するか否かの判定を行う。また、先に第1保留球数コマンドに含まれる各カウンタC1等の値に基づいて抽出された第1特別図柄の変動演出の停止種別と、受信した特図1停止種別コマンドより抽出した第1特別図柄の変動演出の停止種別とが一致するか否かの判定を行う。それらの判定の結果、1の第1特別図柄の変動演出において、第1保留球数コマンドに基づく変動パターンと特図1変動パターンコマンドに基づく変動パターンとが一致していない場合、又は、第1保留球数コマンドに基づく停止種別と特図1停止種別コマンドに基づく停止種別とが一致していない場合は、何らかの異常(例えば、ノイズによるコマンド受信異常)が発生していると判断し、異常を示すためのエラー処理を行うように構成されている。
S1223の処理の結果、特図1停止種別コマンドを受信していないと判別された場合(S1223:No)、次いで、主制御装置110より特図1確定コマンドを受信したか否かを判別する(S1226)。特図1確定コマンドは、第3図柄表示装置81にて第1特別図柄の変動演出が実行されている場合は該第1特別図柄の変動演出を確定表示させるためコマンドである。この特図1確定コマンドを受信したと判別された場合は(S1226:Yes)、表示制御装置114に対して第1特別図柄の変動演出が実行されている場合に、該第1特別図柄の変動演出を確定表示させる表示用特図1確定コマンドを設定し(S1227)、この特図1コマンド処理(S1203)を終了して、コマンド判定処理(図111参照)に戻る。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113から表示用特図1確定コマンドを受信した場合、第3図柄表示装置81において第1特別図柄の変動演出が実行されている場合は、該第1特別図柄の変動演出を確定表示する一方、第3図柄表示装置81において第1特別図柄の変動演出が実行されていない場合は、該表示用特図1確定コマンドを無視する(に基づく処理を実行しない、に基づいて表示内容を変化させない)ように構成されている。
S1226の処理の結果、特図1確定コマンドを受信していないと判別された場合(S1226:No)、その他の第1特別図柄の変動演出に関する処理を行い(S1228)、この特図1コマンド処理(S1203)を終了して、コマンド判定処理(図111参照)に戻る。
図111に戻って、説明を続ける。S1202の処理において、第1特別図柄の動的表示(変動演出)に関するコマンドを受信していないと判別された場合は(S1202:No)、次いで、主制御装置110より第2特別図柄の動的表示(変動演出)に関するコマンド(即ち、特図2変動パターンコマンド、特図2停止種別コマンド又は特図2確定コマンド等)を受信したか否かを判別する(S1204)。そして、第2特別図柄の動的表示(変動演出)に関するコマンドを受信したと判別された場合(S1204:Yes)、該コマンドに関する各処理を実行する特図2コマンド処理を行い(S1205)、このコマンド判定処理(S1111)を終了して、メイン処理(図110参照)に戻る。
ここで、図113を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される特図2コマンド処理(S1205)について説明する。図113は、この特図2コマンド処理(S1205)を示したフローチャートである。
この特図2コマンド処理(S1205)では、主制御装置110から送信された第2特別図柄の動的表示(変動演出)に関する各種設定処理を実行する。
特図2コマンド処理(S1205)では、まず、主制御装置110より特図2変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S1231)。判別の結果、特図2変動パターンコマンドを受信していれば(S1231:Yes)、受信した特図2変動パターンコマンドに含まれる第2特別図柄の変動パターン種別を抽出する(S1232)。
ここで抽出された第2特別図柄の変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動演出処理(図114参照)において、表示制御装置114に対して遊技状態に応じて第2特別図柄の変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用特図2変動パターンコマンドを設定する場合に用いられる。その後、この特図2コマンド処理(S1205)を終了して、コマンド判定処理(図111参照)に戻る。
一方、特図2変動パターンコマンドを受信していないと判別された場合(S1231:No)、次いで、主制御装置110より特図2停止種別コマンドを受信したか否かを判別する(S1233)。そして、特図2停止種別コマンドを受信したと判別された場合(S1233:Yes)、該特図2停止種別コマンドから停止種別を抽出する(S1234)。
ここで抽出された第2特別図柄の停止種別は、RAM223に記憶され、後述する変動演出処理(図114参照)において、表示制御装置114に対して遊技状態に応じて第2特別図柄の変動演出の停止種別を通知する表示用特図2停止種別コマンドを設定する場合に用いられる。その後、第2特別図柄の変動演出が開始されることを示す特図2変動開始フラグ223bをオンに設定して(S1235)、この特図2コマンド処理(S1205)を終了して、コマンド判定処理(図111参照)に戻る。
なお、特図2停止種別コマンドは、第2特別図柄の変動演出を開始する場合に主制御装置110が特図2変動パターンコマンドを送信後、その特図2変動パターンコマンドによって変動パターンが示された第2特別図柄の変動演出の停止種別を示すものとして、主制御装置110より必ず送信されるコマンドである。S1235の処理によって特図2変動開始フラグ223bをオンに設定することにより、後に実行される変動演出処理(図114参照)において、先に第2保留球数コマンドに含まれる各カウンタC1等の値に基づいて抽出された第2特別図柄の変動演出の変動パターン種別と、受信した特図2変動パターンコマンドより抽出した第2特別図柄の変動演出の変動パターン種別とが一致するか否かの判定を行う。また、先に第2保留球数コマンドに含まれる各カウンタC1等の値に基づいて抽出された第2特別図柄の変動演出の停止種別と、受信した特図2停止種別コマンドより抽出した第2特別図柄の変動演出の停止種別とが一致するか否かの判定を行う。それらの判定の結果、1の第2特別図柄の変動演出において、第2保留球数コマンドに基づく変動パターンと特図2変動パターンコマンドに基づく変動パターンとが一致していない場合、又は、第2保留球数コマンドに基づく停止種別と特図2停止種別コマンドに基づく停止種別とが一致していない場合は、何らかの異常(例えば、ノイズによるコマンド受信異常)が発生していると判断し、異常を示すためのエラー処理を行うように構成されている。
S1233の処理の結果、特図2停止種別コマンドを受信していないと判別された場合(S1233:No)、次いで、主制御装置110より特図2確定コマンドを受信したか否かを判別する(S1236)。特図2確定コマンドは、第3図柄表示装置81にて第2特別図柄の変動演出が実行されている場合は該第2特別図柄の変動演出を確定表示させるためコマンドである。この特図2確定コマンドを受信したと判別された場合は(S1236:Yes)、表示制御装置114に対して第2特別図柄の変動演出が実行されている場合に、該第2特別図柄の変動演出を確定表示させる表示用特図2確定コマンドを設定し(S1237)、この特図2コマンド処理(S1205)を終了して、コマンド判定処理(図111参照)に戻る。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113から表示用特図2確定コマンドを受信した場合、第3図柄表示装置81において第2特別図柄の変動演出が実行されている場合は、該第2特別図柄の変動演出を確定表示する一方、第3図柄表示装置81において第2特別図柄の変動演出が実行されていない場合は、該表示用特図2確定コマンドを無視する(に基づく処理を実行しない、に基づいて表示内容を変化させない)ように構成されている。
S1236の処理の結果、特図2確定コマンドを受信していないと判別された場合(S1236:No)、その他の第2特別図柄の変動演出に関する処理を行い(S1238)、この特図2コマンド処理(S1205)を終了して、コマンド判定処理(図111参照)に戻る。
図111に戻って、説明を続ける。S1204の処理において、第2特別図柄の動的表示(変動演出)に関するコマンドを受信していないと判別された場合は(S1204:No)、次いで、主制御装置110より第1保留球数コマンドを受信したか否かを判別する(S1206)。そして、第1保留球数コマンドを受信したと判別された場合(S1206:Yes)、第1保留球数コマンドに含まれる主制御装置110の第1保留球数カウンタ203a(図65参照)の値(即ち、主制御装置110に保留された第1特別図柄の変動演出の保留球数)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113のサブ第1保留球数カウンタ223cに格納する(S1207)。そして、同じく第1保留球数コマンドに含まれる大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、及び、変動種別カウンタCS1の各値を、S1207で更新されたサブ第1保留球数カウンタ223cの値が示す第1保留情報格納エリア223eの第1保留情報格納第1〜第4エリアに格納する(S1208)。そして、表示制御装置114に対して第1特別図柄の変動演出の保留球数を通知する表示用第1保留球数コマンドを設定して(S1209)、このコマンド判定処理(S1111)を終了して、メイン処理(図110参照)に戻る。
ここで、第1保留球数コマンドは、球が左側特図1始動口64又は右側特図1始動口71aに入賞(始動入賞)したときに主制御装置110から送信されるものであるので、始動入賞がある毎に、S1207の処理によって、音声ランプ制御装置113のサブ第1保留球数カウンタ223cの値を、主制御装置110の第1保留球数カウンタ203aの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113のサブ第1保留球数カウンタ223cの値が主制御装置110の第1保留球数カウンタ203aの値とずれても、始動入賞検出時に、音声ランプ制御装置113のサブ第1保留球数カウンタ223cの値を修正し、主制御装置110の第1保留球数カウンタ203aの値に合わせることができる。
また、音声ランプ制御装置113は、第1保留情報格納エリア223eに格納された各カウンタC1〜C3,CSを参照することで、先読み処理を実行できるようになっている。即ち、保留された第1特別図柄の変動演出が実行された場合にその変動演出の結果がどのようになるか(大当たりとなるか否か、変動時間はどうなるか等)を変動演出の実行前に判断して、各種の演出の実行を決定することができる。
S1206の処理の結果、第1保留球数コマンドを受信していないと判別された場合(S1206:No)、次いで、主制御装置110より第2保留球数コマンドを受信したか否かを判別する(S1210)。そして、第2保留球数コマンドを受信したと判別された場合(S1210:Yes)、第2保留球数コマンドに含まれる主制御装置110の第2保留球数カウンタ203b(図65参照)の値(即ち、主制御装置110に保留された第2特別図柄の変動演出の保留球数)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113のサブ第2保留球数カウンタ223dに格納する(S1211)。そして、同じく第2保留球数コマンドに含まれる大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、及び、変動種別カウンタCS1の各値を、S1211で更新されたサブ第2保留球数カウンタ223dの値が示す第2保留情報格納エリア223fの第2保留情報格納第1〜第4エリアに格納する(S1212)。そして、表示制御装置114に対して第2特別図柄の変動演出の保留球数を通知する表示用第2保留球数コマンドを設定して(S1213)、このコマンド判定処理(S1111)を終了して、メイン処理(図110参照)に戻る。
ここで、第2保留球数コマンドは、球が特図2始動口74に入賞(始動入賞)したときに主制御装置110から送信されるものであるので、始動入賞がある毎に、S1211の処理によって、音声ランプ制御装置113のサブ第2保留球数カウンタ223dの値を、主制御装置110の第2保留球数カウンタ203bの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113のサブ第2保留球数カウンタ223dの値が主制御装置110の第2保留球数カウンタ203bの値とずれても、始動入賞検出時に、音声ランプ制御装置113のサブ第2保留球数カウンタ223dの値を修正し、主制御装置110の第2保留球数カウンタ203bの値に合わせることができる。
また、音声ランプ制御装置113は、第2保留情報格納エリア223fに格納された各カウンタC1〜C3,CSを参照することで、先読み処理を実行できるようになっている。即ち、保留された第2特別図柄の変動演出が実行された場合にその変動演出の結果がどのようになるか(大当たりとなるか否か、変動時間はどうなるか等)を変動演出の実行前に判断して、各種の演出の実行を決定することができる。
S1210の処理の結果、第2保留球数コマンドを受信していないと判別された場合は(S1210:No)、次いで、主制御装置110よりリミット回数コマンドを受信したか否かを判別する(S1214)。そして、リミット回数コマンドを受信したと判別された場合(S1214:Yes)、該リミット回数コマンドに含まれるリミット回数、即ち、リミットクリアされてからの大当たりの積算回数を格納し(S1215)、このコマンド判定処理(S1111)を終了して、メイン処理(図110参照)に戻る。
音声ランプ制御装置113は、S1215で格納(記憶)されたリミット回数に基づいて、変動演出の演出バランスを変更することが可能となる。
S1214の処理の結果、リミット回数コマンドを受信していないと判別された場合は(S1214:No)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S1216)、このコマンド判定処理(S1111)を終了して、メイン処理(図110参照)に戻る。ここで、受信したその他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行う。例えば、主制御装置110より受信したデモコマンドは、このS1216の処理によって、表示用デモコマンドとして設定され、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに一旦格納された後、メイン処理のコマンド出力処理(S1102)により表示制御装置114に対して送信される。
次に、図114を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動演出処理(S1110)について説明する。図114は、この変動演出処理(S1110)を示したフローチャートである。
この変動演出処理(S1110)は、メイン処理(図110参照)の中で実行され、遊技状態に応じて第3図柄表示装置81の主表示領域Dm(図64参照)において第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出を実行させるための各種処理を実行する。具体的には、遊技状態が、「通常遊技状態」、「潜伏確率変動状態」、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」であれば、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにおいて第1特別図柄の変動演出を行う一方、第2特別図柄の変動演出に関する表示を行わないように構成される。また、遊技状態が、「小当たり頻出確率変動状態」であれば、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにおいて第2特別図柄の変動演出を行う一方、第1特別図柄の変動演出に関する表示を行わないように構成される。
変動演出処理(S1110)では、まず、RAM223に設けられた特図1変動開始フラグ223aがオンか否かを判別する(S1301)。判別の結果、特図1変動開始フラグ223aがオンであると判別された場合(S1301:Yes)、特図1変動パターンコマンドおよび特図1停止種別コマンドをともに受信しているので、第1特別図柄の変動演出を開始すべく、特図1変動開始フラグ223aをオフし(S1302)、次いで、第1保留情報格納エリア223eに設けられた第1保留情報格納第1エリアに含まれるデータを第1実行情報格納エリア223gへシフトし(S1303)、さらに、第1保留情報格納エリア223eに設けられた第1保留情報格納第2〜第4エリアに含まれるデータを第1保留情報格納第1〜第3エリアへシフトして(S1304)、サブ第1保留球数カウンタ223cの値を1減算し(S1305)、処理をS1306へ移行する。
つまり、この場合は、保留された第1特別図柄の変動演出が1つ減り、時間的に1番目に保留された第1特別図柄の変動演出の実行が開始されるので、その1番目に保留された変動演出に対応する第1保留情報第1エリアの各格納エリア223e1〜223e4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、実行中の第1特別図柄の変動演出に対応する第1実行情報格納エリア223gの各格納エリア223g1〜223g4に移動させる。また、第1保留情報格納第2エリアの各格納エリア223e1〜223e4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、第1保留情報格納第1エリアの各格納エリア223e1〜223e4に移動させ、第1保留情報格納第3エリアの各格納エリア223e1〜223e4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、第1保留情報格納第2エリアの各格納エリア223e1〜223e4に移動させ、第1保留情報格納第4エリアの各格納エリア223e1〜223e4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、第1保留情報格納第3エリアの各格納エリア223e1〜223e4に移動させる。
これにより、第1実行情報格納エリア223gには、主制御装置110の第1保留球実行エリア203fに格納された各カウンタC1〜C3,CS1と同じ値が格納されることになり、第1保留情報格納エリア223eの第1保留情報格納第1〜第4エリアには、それぞれ、主制御装置110の第1保留球格納エリア203dの第1保留第1〜第4エリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1と同じ値が格納されることになる。
S1306の処理では、現在の遊技状態が「小当たり頻出確率変動状態」か否かを判別する(S1306)。判別の結果、「小当たり頻出確率変動状態」であれば(S1306:Yes)、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにおいて第2特別図柄の変動演出を行う遊技状態であって、第1特別図柄の変動演出を行わないため、S1307〜S1309の処理をスキップして、この変動演出処理(S1110)を終了し、メイン処理(図110参照)に戻る。
一方、S1306の処理において、現在の遊技状態が「小当たり頻出確率変動状態」ではないと判別された場合(S1306:No)、即ち、現在の遊技状態が「通常遊技状態」、「潜伏確率変動状態」、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」であれば、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにおいて第1特別図柄の変動演出を行う遊技状態であるので、まず、上記S1305の処理で減算したサブ第1保留球数カウンタ223cの値に基づいて表示用第1保留球数コマンドを設定して(S1307)、処理をS1308へ移行する。
ここで設定された表示用第1保留球数コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図110のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。表示制御装置114では、この表示用第1保留球数コマンドによって示される第1特別図柄の変動演出の保留球数に応じて第3図柄表示装置81のコクピット表示領域Dbにおける保留図柄の表示制御を行う。
次いで、S1308の処理では、第1実行情報格納エリア223gに記憶される各カウンタC1〜C3,CS1の値に基づいて、今から実行する第1特別図柄の変動演出の変動パターンを取得し、該変動パターンに基づいて第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにおいて第1特別図柄の変動演出を表示させるために表示用特図1変動パターンコマンドを設定し(S1308)、処理をS1309へ移行する。
ここで設定された表示用特図1変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図110のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。表示制御装置114では、この表示用特図1変動パターンコマンドによって示される変動パターンで第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに第1特別図柄に対応する第3図柄の変動表示が行われるように、その第1特別図柄の変動演出の表示制御を開始する。
次いで、S1309の処理において、第1実行情報格納エリア223gに記憶される各カウンタC1〜C3,CS1の値に基づいて、今から実行する第1特別図柄の変動演出の停止種別を取得し、該停止種別に基づいて第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにおいて第1特別図柄の変動演出を表示させるために表示用特図1停止種別コマンドを設定し(S1309)、この変動演出処理(S1110)を終了して、メイン処理(図110参照)に戻る。
ここで設定された表示用特図1停止種別コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図110のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。表示制御装置114では、S1309の処理により設定された表示用特図1変動パターンコマンドによって実行される第1特別図柄の変動演出を確定表示させる場合に、この表示用特図1停止種別コマンドにて示される停止種別に対応する停止図柄を設定する。
S1301の処理において、特図1変動開始フラグ223aがオンでないと判別された場合(S1301:No)、次いで、RAM223に設けられた特図2変動開始フラグ223bがオンか否かを判別する(S1310)。判別の結果、特図2変動開始フラグ223bがオンであると判別された場合(S1310:Yes)、特図2変動パターンコマンドおよび特図2停止種別コマンドをともに受信しているので、第2特別図柄の変動演出を開始すべく、特図2変動開始フラグ223bをオフし(S1311)、次いで、第2保留情報格納エリア223fに設けられた第2保留情報格納第1エリアに含まれるデータを第2実行情報格納エリア223hへシフトし(S1312)、さらに、第2保留情報格納エリア223fに設けられた第2保留情報格納第2〜第4エリアに含まれるデータを第1保留情報格納第1〜第3エリアへシフトして(S1313)、サブ第2保留球数カウンタ223dの値を1減算し(S1314)、処理をS1315へ移行する。
つまり、この場合は、保留された第2特別図柄の変動演出が1つ減り、時間的に1番目に保留された第2特別図柄の変動演出の実行が開始されるので、その1番目に保留された変動演出に対応する第2保留情報第1エリアの各格納エリア223f1〜223f4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、実行中の第2特別図柄の変動演出に対応する第2実行情報格納エリア223hの各格納エリア223h1〜223h4に移動させる。また、第2保留情報格納第2エリアの各格納エリア223f1〜223f4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、第2保留情報格納第1エリアの各格納エリア223f1〜223f4に移動させ、第2保留情報格納第3エリアの各格納エリア223f1〜223f4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、第2保留情報格納第2エリアの各格納エリア223f1〜223f4に移動させ、第2保留情報格納第4エリアの各格納エリア223f1〜223f4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、第2保留情報格納第3エリアの各格納エリア223f1〜223f4に移動させる。
これにより、第2実行情報格納エリア223hには、主制御装置110の第2保留球実行エリア203gに格納された各カウンタC1〜C3,CS1と同じ値が格納されることになり、第2保留情報格納エリア223fの第1保留情報格納第1〜第4エリアには、それぞれ、主制御装置110の第2保留球格納エリア203eの第1保留第1〜第4エリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1と同じ値が格納されることになる。
S1315の処理では、現在の遊技状態が「小当たり頻出確率変動状態」か否かを判別する(S1315)。判別の結果、「小当たり頻出確率変動状態」でなければ(S1315:No)、即ち、現在の遊技状態が「通常遊技状態」、「潜伏確率変動状態」、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」であれば、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにおいて第1特別図柄の変動演出を行う遊技状態であって、第2特別図柄の変動演出を行わないため、S1316〜S1318の処理をスキップして、この変動演出処理(S1110)を終了し、メイン処理(図110参照)に戻る。
一方、S1315の処理において、現在の遊技状態が「小当たり頻出確率変動状態」であると判別された場合(S1315:Yes)、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにおいて第2特別図柄の変動演出を行う遊技状態であるので、まず、上記S1314の処理で減算したサブ第2保留球数カウンタ223dの値に基づいて表示用第2保留球数コマンドを設定して(S1316)、処理をS1317へ移行する。
ここで設定された表示用第2保留球数コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図110のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。表示制御装置114では、この表示用第2保留球数コマンドによって示される第2特別図柄の変動演出の保留球数に応じて第3図柄表示装置81のコクピット表示領域Dbにおける保留図柄の表示制御を行う。
次いで、S1317の処理では、第2実行情報格納エリア223hに記憶される各カウンタC1〜C3,CS1の値に基づいて、今から実行する第2特別図柄の変動演出の変動パターンを取得し、該変動パターンに基づいて第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにおいて第2特別図柄の変動演出を表示させるために表示用特図2変動パターンコマンドを設定し(S1317)、処理をS1318へ移行する。
ここで設定された表示用特図2変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図110のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。表示制御装置114では、この表示用特図2変動パターンコマンドによって示される変動パターンで第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに第2特別図柄に対応する第3図柄の変動表示が行われるように、その第2特別図柄の変動演出の表示制御を開始する。
次いで、S1318の処理において、第2実行情報格納エリア223hに記憶される各カウンタC1〜C3,CS1の値に基づいて、今から実行する第2特別図柄の変動演出の停止種別を取得し、該停止種別に基づいて第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにおいて第2特別図柄の変動演出を表示させるために表示用特図2停止種別コマンドを設定し(S1318)、この変動演出処理(S1110)を終了して、メイン処理(図110参照)に戻る。
ここで設定された表示用特図2停止種別コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図110のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。表示制御装置114では、S1317の処理により設定された表示用特図2変動パターンコマンドによって実行される第2特別図柄の変動演出を確定表示させる場合に、この表示用特図2停止種別コマンドにて示される停止種別に対応する停止図柄を設定する。
なお、S1310の処理において、特図2変動開始フラグ223bがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1310:No)、主制御装置110より少なくとも特図1停止種別コマンドおよび特図2停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動演出処理(S1110)を終了して、メイン処理(図110参照)に戻る。
これにより、遊技状態に応じて第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにおいて奨励される特別図柄の変動演出のみを実行することができ、奨励される特別図柄の変動演出結果に基づいて消滅され得る非奨励の特別図柄の動的表示に基づく演出を主表示領域Dmで行わないことで、複数の特別図柄の変動演出が主表示領域Dmで行われてしまうという煩わしい状況を未然に防止し、遊技者が違和感を感じることがない快適な遊技を実行させることができる。なお、第3図柄表示装置81の副表示領域Dsの右の小領域Ds3の、第1特別図柄の動的表示および保留球数と同期して変化可能な特図1用第4図柄表示領域87と、第2特別図柄の動的表示および保留球数と同期して変化可能な特図2用第4図柄表示領域88とにより、第3図柄表示装置81において各特別図柄の実行態様および保留球数を認識可能に構成されている。
次に、図115を参照して、遊技状態毎に第3図柄表示装置81で行われる変動演出の変動態様について説明する。図115は、第3図柄表示装置81における各遊技状態における変動演出の実行態様を模式的に示した図であって、図115(a)は、「通常遊技状態」又は「潜伏確率変動状態」における第1特別図柄の変動演出の実行態様を示した図であり、図115(b)は、「時間短縮状態」における第1特別図柄の変動演出の実行態様を示した図であり、図115(c)は、「確率変動状態」における第2特別図柄の変動演出の実行態様を示した図であり、図115(d)は、「小当たり頻出確率変動状態」における第1特別図柄の変動演出の実行態様を示した図である。
図115(a)で示すように、左打ち遊技が奨励される「通常遊技状態」又は「潜伏確率変動状態」では、左打ち遊技を促す「左打ち」という文字表示が主表示領域Dmの左下領域に表示される。また、アラビア数字で構成される各変動図柄が縦スクロールで変動すると共に、主表示領域Dmにおいて1の有効ラインのみ(所謂、シングルライン)を形成するように表示される。
次いで、図115(b)で示すように、右打ち遊技が奨励される「時間短縮状態」では、右打ち遊技を促す「右打ち」という文字表示が主表示領域Dmの右上領域に表示される。また、「通常遊技状態」と同様、アラビア数字で構成される各変動図柄が縦スクロールで変動すると共に、主表示領域Dmにおいて5の有効ライン(所謂、5ライン)を形成するように表示される。
次いで、図115(c)で示すように、右打ち遊技が奨励される「確率変動状態」では、右打ち遊技を促す「右打ち」という文字表示が主表示領域Dmの右上領域に表示される。また、漢字で構成される各変動図柄が縦スクロールで変動すると共に、主表示領域Dmにおいて1の有効ライン(所謂、シングルライン)を形成するように表示される。
次いで、図115(d)で示すように、右打ち遊技が奨励される「小当たり頻出確率変動状態」では、右打ち遊技を促す「右打ち」という文字表示が主表示領域Dmの右上領域に表示される。また、アラビア数字で構成される各変動図柄が横スクロールで変動すると共に、主表示領域Dmにおいて5の有効ライン(所謂、5ライン)を形成するように表示される。
このように、各遊技状態において変動図柄の表示態様を明確に異ならせることで、遊技状態を遊技者に認識させ易くしつつ、奨励される遊技を行うために必要な遊技態様(発射態様)を認識し易くすることができる。
以上、説明したように、第4実施形態のパチンコ機10によれば、リミット回数の最大値に到達する段階(即ち、リミット到達時)において大当たりに当選した場合に、リミット到達前であれば「小当たり頻出確率変動状態」に対応する大当たり種別「確変A」に対応する大当たり種別カウンタC2が抽出されていても、該大当たり種別「確変A」ではなく大当たり種別「時短A」が発生し得るように構成されている。
ここで、仮に、大当たり種別「確変A」に対応する大当たりに当選した場合において、第2特別図柄の小当たりを頻出させるために「時短機能」を付与させず、単に特別図柄を高確率状態、かつ、普通図柄を低確率状態及び非開放延長状態として第2特別図柄による小当たり頻出状態を発生し得るようにしたとき、リミット到達時には、該大当たり種別「確変A」に対応する大当たり種別カウンタC2が導出されている状況では「時短機能」が付与されないことから、大当たり終了後に「時間短縮状態」ではなく、直ちに特別図柄および普通図柄が共に低確率状態である「通常遊技状態」に移行してしまう。
また、リミット到達時に大当たり種別「確変A」に該当する大当たり種別カウンタC2が導出されていた場合に、リミット到達前であれば遊技者にとって最も遊技価値が高い大当たり種別「確変A」が付与される値であったにもかかわらず、遊技者にとって最も不利な「通常遊技状態」に移行してしまうため、遊技者にとって有利な状態から、遊技者にとって最も不利な状態にいきなり移行してしまうことで、遊技者が遊技の継続意欲を喪失(遊技の興醒め)して、遊技を中止してしまい、パチンコ機10の稼働が低下してしまうおそれがある。
さらに、リミット到達時に「時短機能」が付与されない「通常遊技状態」にいきなり移行してしまうと、リミットに到達したことが遊技者に明示されてしまい、該リミット到達を契機として遊技者に遊技を止める動機(きっかけ)を与えてしまい、遊技が中止されることでパチンコ機10の稼働が低下してしまうおそれがある。
そこで、第4実施形態のパチンコ機10では、第2特別図柄の小当たりが頻出し得る「小当たり頻出確率変動状態」に対応する大当たり種別「確変A」に対応する大当たりに当選した場合に、「時短機能」を付与し、かつ、第2特別図柄における小当たり遊技に当選した場合にのみ該「時短機能」が直ちに終了するように構成しつつ、第2特別図柄の動的表示を実行可能に構成して、第2特別図柄の小当たりに基づく遊技価値を取得可能としている。そして、リミット到達時に大当たり種別「確変A」に対応する大当たり種別カウンタC2に当選した場合であっても大当たり種別「時短A」による(と同等の)「時短機能」が付与され、この場合には第2特別図柄による小当たり遊技が発生し難いため、第2特別図柄の小当たりに基づく時短終了条件が成立せず(し難く)、他の時短終了条件(即ち、第1特別図柄の動的表示が100回実行)の成立によって付与された「時短機能」が終了するように構成される。このように構成することで、リミット到達時における大当たり種別「確変A」に対応する大当たり種別カウンタC2が導出された場合であっても、大当たり終了後に遊技者に「時短機能」を付与することができるので、リミット到達時に一定の遊技価値を遊技者に付与した状態で遊技を継続させることが可能となる。その結果、遊技者に遊技を止める動機を与えず、遊技者の遊技の継続意欲を維持させることで、パチンコ機10の稼働を維持することができ、ホール経営に資するパチンコ機10を提供することができる。また、リミット到達時に、直ちに「通常遊技状態」に移行しないように構成することで、遊技者にリミット機能の発動(リミット到達したこと)を認識し難く構成し、該リミット到達を契機として遊技者に遊技を止める動機(きっかけ)を与え難くして、パチンコ機10の稼働低下を抑制できる。
また、第4実施形態のパチンコ機10では、リミットカウンタ203kの値は、一方の特別図柄の動的表示において大当たりに当選した場合に1加算された場合であっても、他方の特別図柄の動的表示において大当たり又は小当たりに当選し、該他方の特別図柄の動的表示が上記一方の特別図柄の動的表示より先に停止表示される場合に、リミットカウンタ203kの値を加算した対象となる大当たりが消滅するため、該加算分を取り消すため、リミットカウンタ203kの値から1減算されるように構成されている(図94のS5305若しくはS5312、又は、図96のS5505若しくはS5512参照)。このように構成することで、遊技者に付与されない大当たりに基づくリミット回数を修正し、遊技者に遊技価値が付与される大当たりのみをリミット回数として計数することができるので、複数の特別図柄を同時変動する場合であっても、「リミット機能」の遊技性を的確に実行して、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、第4実施形態のパチンコ機10では、いずれの大当たり種別に当選した場合でも、時短終了条件として「特図1変動回数」、「特図2変動回数」、「特図1・特図2合計変動回数」及び「特図2小当たりによる共通大入賞口作動回数」がそれぞれ100回又は1回設定されるように構成されている(図102のS6204〜S6208参照)。このように構成することで、各大当たり種別における時短終了条件に設定処理を共通化することができ、プログラムの簡易化および処理負担を軽減することができる。
また、合計時短カウンタ203pは、特図1時短カウンタ203n及び特図2時短カウンタ203oとは別に設けられており、各遊技状態毎に奨励される特別図柄とは異なる特別図柄(即ち、非奨励の特別図柄)が所定回数実行された場合であっても「時短機能」を終了させるために設けられている。即ち、第1特別図柄が奨励される「確率変動状態」又は「時間短縮状態」において、非奨励の第2特別図柄の動的表示が100回実行された場合であっても「時短機能」を無効にすることができ、また、第2特別図柄が奨励される「小当たり頻出確率変動状態」において、非奨励の第1特別図柄の動的表示が100回実行された場合であっても「時短機能」を無効にすることができる。
さらに、第4実施形態のパチンコ機10では、大当たり回数がリミット回数に到達したことを遊技者に報知しないように構成するとともに、大当たり回数がリミット回数に到達する以前であってもリミット回数到達時に選定され得る大当たり種別(即ち、大当たり種別「時短A」又は「時短B」)が選択され得るように構成して、大当たりのリミット回数に到達したか否かを遊技者が判別し難くなるように構成する。また、大当たりの残りリミット回数を遊技者に報知しないように構成し、大当たりのリミット回数に到達するまでの残り大当たり回数を遊技者が判別し難くなるように構成する。このように構成することで、大当たりのリミット回数に到達した直後か否か、および、大当たりの残りリミット回数を遊技者に判別し難くして、大当たりのリミット回数に到達した直後以外のタイミングであっても該パチンコ機10における遊技を敬遠され難くして、該パチンコ機10の稼働率の低下を抑制できる。
また、第4実施形態のパチンコ機10では、遊技状態に応じて先に停止する(奨励される)特別図柄を切り替えることによって、「時短機能」の終了条件を異ならせ、普通電役71bが開放(没入)し易いか否かの違いを生じさせることができる。その結果、スルーゲート67を球が通過した場合に、普通電役71bが開放(没入)し易い状況であることによって右側特図1始動口71a側へ入賞し得る状況か、普通電役71bが開放(没入)し難い状況であることで球が右側特図1始動口71aへ入賞し難い状況であって特図2始動口74および共通大入賞口75側へ入賞し得る状況か、を遊技状態によって異ならせることで、遊技状態毎に異なる遊技性を生むことができる。
特に、右打ち遊技が奨励される「小当たり頻出確率変動状態」、「確率変動状態」及び「時間短縮状態」のうち、「確率変動状態」及び「時間短縮状態」では、「時短機能」の終了条件のうち、各特別図柄の変動回数に基づく時短終了条件のみが成立し得るように構成することで、「時短機能」が維持され、「普通図柄高確率状態」となり、普通電役71bが開放し易くなって、右打ち遊技により発射された球が右側特図1始動口71aへと入賞し易いように構成されている。換言すれば、「確率変動状態」及び「時間短縮状態」で右打ちされた球は、右側特図1始動口71aへ入賞し易く、特図2始動口74へ入賞し難いように構成されている。一方、「小当たり頻出確率変動状態」では、大当たり終了後、「時短機能」の終了条件のうち、共通大入賞口75が1回作動することに基づく時短終了条件が早期に成立し得るように構成することで、「時短機能」の終了条件が大当たり終了後、早期に成立して、「普通図柄低確率状態」となり、普通電役71bが開放し難く、右打ち遊技により発射された球が普通電役71b上を左端から右端まで転動しきり、特図2始動口74側へと流下し得るように構成されている。換言すれば、「小当たり頻出確率変動状態」で右打ちされた球は、「確率変動状態」及び「時間短縮状態」より特図2始動口74へ入賞し難く、右側特図1始動口71aへ入賞し易いように構成されている。そして、「小当たり頻出確率変動状態」では、奨励される第2特別図柄の動的表示において小当たり遊技が頻出するように構成されている。よって、同じ右打ち遊技であっても、右側特図1始動口71aに球が入賞し易い状況か、特図2始動口74および共通大入賞口75に球が入賞し易い状況かを遊技状態によって異ならせることで、遊技状態毎に異なる遊技性を生み、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる。
さらに、第4実施形態のパチンコ機10では、「小当たり頻出確率変動状態」において「普通図柄高確率状態」中に獲得した第1特別図柄の動的表示を、大当たり遊技中に保留されていた第2特別図柄の動的表示における小当たり遊技又は大当たり遊技によって直ちに消滅させ、意図しない遊技結果の現出を抑制しつつ、遊技状態の移行をスムースに行い、違和感が生じな遊技を遊技者に提供できる。
また、第4実施形態のパチンコ機10では、特別図柄の高確率状態又は低確率状態と、普通図柄の高確率状態又は低確率状態と、左打ち遊技又は右打ち遊技とをそれぞれ組み合わせた5つの遊技状態(即ち、「通常遊技状態」、「確率変動状態」、「潜伏確率変動状態」、「時間短縮状態」および「小当たり頻出確率変動状態」)を設けることで、各遊技状態に遊技性を変化させ、バリエーションが豊富な遊技を提供することができ、遊技の興趣を向上することができる。
さらに、第4実施形態のパチンコ機10では、リミット到達時において選定される第2特別図柄の大当たりに基づく大当たり種別において、すべての大当たりにおいて「時間短縮状態」を発生させて「時短機能」を付加するように構成する。このように構成することで、リミットに到達した場合の大当たり後であっても、「時短機能」が作動している間に、再び大当たり種別「確変A」や「確変B」の特別図柄の高確率状態を発生させる大当たりに当選させることで、連荘状態を再び発生させるか否かをいう遊技性を創出し、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、第4実施形態のパチンコ機10では、一方の特別図柄(例えば、第2特別図柄)の動的表示において大当たり又は小当たりに当選していた場合に、他方の特別図柄(例えば、第1特別図柄)の動的表示でも大当たり又は小当たりに当選していたとき、先に動的表示が停止する特別図柄の大当たり又は小当たりを優先し、該優先した大当たり又は小当たりの当選結果を以って、後に動的表示が停止する特別図柄の大当たり又は小当たりを中止(消滅)させるように構成されている。このように構成することで、各特別図柄による大当たり又は小当たりが同時並行的に発生してしまうことで、共通大入賞口75の開放制御が複雑化してしまうことを未然に防止し、遊技者に理解し易い遊技性を提供できる。そして、「小当たり頻出確率変動状態」では、「通常遊技状態」等と異なり、第1特別図柄の動的表示に基づく大当たり又は小当たりを、先に導出され易い第2特別図柄の動的表示に基づく大当たり又は小当たりによって消滅させ、第2特別図柄の動的表示に基づく大当たり又は小当たりに基づく遊技価値の付与を優先させることが可能となる。その結果、「通常遊技状態」や「確率変動状態」、「時間短縮状態」で、第1特別図柄の動的表示の保留球数が溜まっている状態(例えば、第1特別図柄の動的表示の保留数4個)で「小当たり頻出確率変動状態」に突入した場合であっても、第1特別図柄の動的表示が確定表示されるより前に第2特別図柄の動的表示において小当たり遊技が頻出することで、保留されている第1特別図柄の動的表示における大当たり遊技及び小当たり遊技を消滅させることができる。また、「小当たり頻出確率変動状態」から「確率変動状態」又は「時間短縮状態」に移行する場合、即ち、「小当たり頻出確率変動状態」で第2特別図柄の動的表示の保留球数が溜まっている状態(例えば、第2特別図柄の動的表示の保留数4個)で「確率変動状態」又は「時間短縮状態」に突入した場合であっても、第2特別図柄の動的表示が確定表示されるより前に第1特別図柄の動的表示において小当たり遊技が頻出することで、保留されている第2特別図柄の動的表示における大当たり遊技及び小当たり遊技を消滅させることができる。
さらに、第4実施形態のパチンコ機10では、「潜伏確率変動状態」における演出態様(例えば、第3図柄表示装置81における変動演出の内容)と、「通常遊技状態」における演出態様とを同様の内容で実行し、該演出態様を視認したのみではいずれの遊技状態かを遊技者に判別困難又は不可となるように構成している。そして、「確率変動状態」を発生させる大当たり種別「確変B」に当選した場合であっても、「時間短縮状態」を発生させる大当たり種別「時短B」と同様の演出が実行されるパターン(所謂、ダミー時短状態)を設けることで、ダミー時短状態が終了した後に「潜伏確率変動状態」であるにもかかわらず「通常遊技状態」と同様の演出を実行することで、「時間短縮状態」が終了した後に、遊技者にいずれの遊技状態かを推測させる遊技性を創出できる。よって、見た目上の「時間短縮状態」が終了した場合であっても、「潜伏確率変動状態」かもしれないと遊技者に推測させ、遊技を継続させることで、パチンコ機10の稼働状況を向上させつつ、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、第4実施形態のパチンコ機10では、遊技状態に応じて実行される(奨励される)1の特別図柄の変動演出が設定され、(非奨励の)他の特別図柄の変動演出が実行されないように構成されている。具体的には、左打ち遊技が奨励されて左側特図1始動口64に球が入賞し得る「通常遊技状態」若しくは「潜伏確率変動状態」、又は、右打ち遊技が奨励されて右側特図1始動口71aに球が入賞し得る「確率変動状態」若しくは「時間短縮状態」では、第3図柄表示装置81では第1特別図柄の変動演出および保留表示のみが実行され得て、第2特別図柄の変動演出および保留表示が実行されないように構成されている。また、右打ち遊技が奨励されて特図2始動口74に球が入賞し得る「小当たり頻出確率変動状態」では、第3図柄表示装置81では第2特別図柄の変動演出および保留表示のみが実行され得て、第1特別図柄の変動演出および保留表示が実行されないように構成されている。このように構成することで、遊技結果の主要な表示領域である主表示領域Dmで実行されることによる不快感(悪印象)を遊技者に感じさせず、快適な遊技を提供して、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、第4実施形態のパチンコ機10では、遊技仕様上、遊技者に遊技価値が付与されない第1特別図柄の小当たりへの当選をハズレ目と同様な表示結果で表示して、遊技者に明示しないように構成することで、遊技者が遊技に興醒めすることを未然に防ぎ、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、第4実施形態では、右打ち遊技は「確率変動状態」、「時間短縮状態」又は「小当たり頻出確率変動状態」でのみ許容され、「通常遊技状態」及び「潜伏確率変動状態」において右打ち遊技された場合には、該右打ち遊技を遊技者に行わせないために、所定の警報機能を有している。具体的には、左打ち遊技が奨励される「通常遊技状態」及び「潜伏確率変動状態」において、遊技盤13正面視右側に配置されたスルーゲート67によって球の通過を検知した場合には、右打ち遊技が実行されていると判別し、音声出力装置226(図65参照)から警報音を出力するように構成する一方、右打ち遊技が奨励される「確率変動状態」、「時間短縮状態」及び「小当たり頻出確率変動状態」において、スルーゲート67を球が通過しても、上記警報音を出力しないように構成されている。このように構成することで、右打ち遊技が奨励されていない「通常遊技状態」及び「潜伏確率変動状態」において遊技者による右打ち遊技の実行を抑制することができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、各実施形態は、それぞれ、他の実施形態が有する構成の一部または複数部分を、その実施形態に追加し或いはその実施形態の構成の一部または複数部分と交換等することにより、その実施形態を変形して構成するようにしても良い。また、上記実施形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
<変形例1>
上記実施形態のパチンコ機10では、先に停止し得る特別図柄の動的表示における大当たり又は小当たりによって、後に停止し得る特別図柄の動的表示における大当たり又は小当たりを消滅(中止)するように構成している。これに代えて、先に停止し得る特別図柄の動的表示における大当たり又は小当たりによって、後に停止し得る大当たり又は小当たりを発生し得る特別図柄の動的表示を一時中断(停止)するように構成してもよい。
このように構成することで、各遊技状態において奨励される特別図柄の1の動的表示の最大実行時間(最大変動時間。即ち、120秒)と、該1の動的表示に基づいて発生し得る大当たりの最大実行時間(即ち、オープニング時間10秒+10ラウンド×最大開放時間30秒+インターバル時間1秒×(10ラウンド−1)+エンディング時間10秒=329秒)と、該大当たり終了後の遊技状態において奨励される特別図柄に関して最初に実行される1の動的表示の最大実行時間(最大変動時間。即ち、120秒)との合計時間(即ち、120秒+329秒+120秒=569秒)より、各遊技状態において非奨励とされる特別図柄の1の動的表示の最大実行時間(即ち、600秒)の方を短く構成し、また、非奨励の特別図柄の動的表示が実行される間に、奨励される特別図柄の動的表示を少なくとも5回(即ち、最大変動時間120秒×5回=600秒)、最高で120回(即ち、最短変動時間5秒×120回=600秒)実行可能に構成し、その結果、例えば、「通常遊技状態」において、奨励側の第1特別図柄の動的表示と非奨励側の第2特別図柄の動的表示が同時に実行されている場合、第1特別図柄の動的表示において大当たり種別「確変B」に当選し、該大当たり終了後に「確率変動状態」に遷移する場合において、大当たりを発生する第1特別図柄の動的表示における大当たりの発生に基づいて第2特別図柄の動的表示を中断(停止)し、該大当たりを実行した後、該大当たり後に実行される奨励される第1特別図柄の動的表示において大当たり又は小当たりに当選し得ることで、非奨励の第2特別図柄の動的表示を再び中断(停止)させることが可能となる。これにより、非奨励側の特別図柄の動的表示が確定されるタイミングを遅延させ、非奨励側の特別図柄による遊技価値より、奨励側の特別図柄による遊技価値の付与を優先し易くすることができ、効率の良い遊技を実行して、遊技の興趣向上を図ることができる。また、当選した役(遊技価値)をすべて遊技者に提供することができ、役に当選したにもかかわらず遊技価値が付与されないといった事象(所謂、引き損)をなくすことができ、遊技者が遊技に興醒めしないようにすることができる。
<変形例2>
上記実施形態では、第2特別図柄の動的表示における小当たり遊技への当選に基づく共通大入賞口75の作動(開放)を契機として「時短機能」の終了条件が成立するように構成している。これに代えて、第1特別図柄の動的表示における小当たり遊技への当選に基づく特図1小入賞口65の作動(開放)を契機として「時短機能」の終了条件が成立するように構成してもよい。このように構成することで、「時短機能」の終了条件のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる。
<変形例3>
上記実施形態では、第1特別図柄の動的表示における小当たり遊技の小当たり種別、又は、第2特別図柄の動的表示における小当たり遊技の小当たり種別を、それぞれ1種類、即ち、第1特別図柄における小当たり遊技の当選に基づいて特図1小入賞口65を1回、かつ、0.1秒間、開放し、第2特別図柄における小当たり遊技の当選に基づいて共通大入賞口75を3回、かつ、3.0秒間、開放するように構成している。これに代えて、第1特別図柄の動的表示における小当たり遊技の小当たり種別、又は/及び、第2特別図柄の動的表示における小当たり遊技の小当たり種別を、複数種類設けるように構成してもよい。さらに、小当たり種別に応じて「時短機能」を終了するか否かを異ならせるように構成してもよい。このように構成することで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる。
<変形例4>
上記実施形態では、「時短機能」の終了条件として、共通大入賞口75が1回作動(開放)することを条件として、該「時短機能」が終了するように構成している。これに代えて、共通大入賞口75(又は特図1小入賞口65)が2以上の所定回数作動(開放)することを条件として、「時短機能」が終了するように構成してもよい。このように構成することで、例えば、「小当たり頻出確率変動状態」において、「時短機能」が有効な状態と無効な状態とを所定期間それぞれ設けることが可能となり、遊技状態のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる。
<変形例5>
上記実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とで共通の大当たり乱数テーブル202aを使用し、大当たり確率及び小当たり確率が各特別図柄で同等となるように構成している。これに代えて、各特別図柄毎に大当たり乱数テーブル202aをそれぞれ設け、大当たり確率及び/又は小当たり確率が各特別図柄毎に異なるように構成してもよい。このように構成することで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる。
<変形例6>
上記実施形態では、第2特別図柄における小当たり遊技の当選に基づく共通大入賞口75の作動回数を条件に「時短機能」を終了するように構成している。これに代えて、第1特別図柄における小当たり遊技の当選に基づく特図1小入賞口65(共通大入賞口75でもよい)の作動回数と、第2特別図柄における小当たり遊技の当選に基づく共通大入賞口75の作動回数との合計作動回数を条件に「時短機能」を終了するように構成してもよい。具体的には、例えば、第1特別図柄又は第2特別図柄の小当たり遊技に基づく特図1小入賞口65又は共通大入賞口75の合計作動回数が50回に到達した場合に、「時短機能」が終了するように構成する。そして、第1特別図柄の小当たり遊技に基づいて1回、特図1小入賞口65が作動し、第2特別図柄の小当たり遊技に基づいて3回、共通大入賞口75が作動するように構成して、第1特別図柄において小当たり遊技に当選した場合に作動回数が1加算される一方、第2特別図柄において小当たり遊技に当選した場合に作動回数が3加算され、合計作動回数が50回に到達した時点で、「時短機能」を終了するように構成する。このように構成することで、小当たり遊技の種類(種別)によって「時短機能」が終了するまでの期間を可変的にして、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる。
<変形例7>
上記実施形態では、「小当たり頻出確率変動状態」の発生時のみならず、「確率変動状態」及び「時間短縮状態」の発生時においても「特図2小当たりによる共通大入賞口作動回数」を時短終了条件として共通的に設定するように構成している。これに代えて、「小当たり頻出確率変動状態」の発生時のみ「特図2小当たりによる共通大入賞口作動回数」を時短終了条件として設定する一方、第2特別図柄の動的表示が奨励されていない「確率変動状態」及び「時間短縮状態」の発生時には、「特図2小当たりによる共通大入賞口作動回数」を時短終了条件として設定しないように構成してもよい。このように構成することで、第2特別図柄の動的表示が奨励されていない「確率変動状態」及び「時間短縮状態」において、第1特別図柄の動的表示を発生させず、第2特別図柄の動的表示の「超ロング変動」演出態様を終了するまで遊技を待つことによって「時短機能」を終了させ、特図2始動口74及び共通大入賞口75に球を入賞させる状況が発生してしまうことを未然に防止して、想定している遊技仕様と異なる遊技が行われることを抑制し、ホールへの不利益の発生を低減することができる。
<変形例8>
上記実施形態では、大当たり回数に対してリミットを設け、該大当たり回数がリミットに到達した場合に「確率変動状態」が発生しないように構成している。これに代えて、小当たり回数に対してリミットを設け、該小当たり回数がリミットに到達した場合に、遊技に対して所定の制約が発生するように構成してもよい。具体的には、例えば、「小当たり頻出確率変動状態」において、小当たり回数が100回に到達した場合に、それ移行の「小当たり頻出確率変動状態」で、小当たりが発生しない、或いは、小当たりが発生してもリミット到達前より共通大入賞口75の開放回数が少ない等の遊技仕様に設定してもよい。このように構成することで、「小当たり頻出確率変動状態」が継続し続けて、過度な小当たりによる遊技価値の付与が発生することを抑制し、遊技者が該パチンコ機10において継続的に遊技を行った場合に得られる出玉率を平準化することができ、遊技者に付与される遊技価値が高くなり過ぎないように構成できる。
<変形例9>
上記実施形態では、所定の特別図柄の大当たりに当選した場合に、リミット回数を更新し、該リミット回数に基づいて大当たり種別を設定した後、他方の特別図柄の動的表示が先に導出されるか否かを判別して、該大当たりが発生し得る動的表示が消滅するか否かを判定している。これに代えて、所定の特別図柄の大当たりに当選した場合に、リミット回数に基づいて大当たり種別を設定する前に、該所定の特別図柄の動的表示が、他方の特別図柄の動的表示に基づいて消滅するか否かを判別し、その後、リミット回数を更新した上で大当たり種別を設定するように構成してもよい。具体的には、例えば、図92で示す特図1変動開始処理(図95で示す特図2変動開始処理)のリミット処理(S5108又はS5408)より前に、S5111の特図2変更処理(S5411の特図1変更処理)における大当たりの消滅有無判定を行い、大当たりを消滅しない場合にはリミット回数を更新する一方、大当たりを消滅する場合にはリミット回数を更新しない。その後、リミット回数に基づいてリミット処理に基づき大当たり種別を選定するように構成する。このように構成することで、リミット回数を更新した後、大当たりが消滅するか否かを判別し、大当たりが消滅する場合にはリミット回数を再更新する必要がなくなり、制御的負担を軽減することができる。また、適正なリミット回数に応じた大当たり種別を設定することができ、想定している遊技仕様通りの遊技性を実行して、遊技の興趣向上を図ることができる。
<変形例10>
上記実施形態では、遊技状態ごとに奨励される特別図柄の変動演出を第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにおいて実行し、奨励されていない特別図柄の変動演出を第3図柄表示装置81の主表示領域Dmで実行しないように構成している。これに代えて、奨励されていない特別図柄の変動演出を、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにおいて所定態様で実行するように構成してもよい。具体的には、例えば、奨励されている特別図柄の変動演出を主表示領域Dmで目立つように(中央部分、大部分、奨励されていない特別図柄の変動演出より大きい領域、図柄表示態様を濃く実行等)実行する一方、奨励されていない特別図柄の変動演出を主表示領域Dmで、奨励されている特別図柄の変動演出より目立たないように(隅部、小部分、奨励されている特別図柄の変動演出より小さい領域、図柄表示態様を薄く等)実行するように構成する。このように構成することで、第3図柄表示装置81によって複数の特別図柄の変動演出の実行態様を把握することが可能となる。
<変形例11>
上記実施形態では、先に導出される特別図柄の動的表示における大当たり遊技及び小当たり遊技のいずれによっても、後に導出される特別図柄の動的表示における大当たり遊技及び小当たり遊技を消滅させるように構成している。これに代えて、先に導出される特別図柄の動的表示における大当たり遊技又は小当たり遊技のいずれか一方によって、後に導出される特別図柄の動的表示における大当たり遊技又は小当たり遊技を消滅させるように構成してもよい。具合的には、例えば、先に導出される特別図柄の動的表示が大当たり遊技(小当たり遊技)である場合にのみ後に導出される特別図柄の動的表示の大当たり遊技(又は小当たり遊技)を消滅させ、先に導出される特別図柄の動的表示が小当たり遊技(大当たり遊技)の場合には後に導出される特別図柄の動的表示の大当たり遊技(又は小当たり遊技)を消滅させないように構成する。このように構成することで、導出される遊技結果のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる。
<変形例12>
上記実施形態では、第1特別図柄の動的表示において小当たり遊技に当選した場合、該第1特別図柄の小当たり遊技専用の特図1小入賞口65を作動させるように構成している。これに代えて、特図1小入賞口65を設けず、第1特別図柄の動的表示において小当たり遊技に当選した場合に、第2特別図柄の動的表示において小当たり遊技に当選した場合と同様、共通大入賞口75を作動させるように構成してもよい。このように構成することで、部品点数を少なくし、遊技盤13の盤面設計の自由度を向上させるとともに、パチンコ機10に係るコストを削減することができる。
<変形例13>
上記実施形態では、第2特別図柄の動的表示において小当たり遊技に当選した場合、第1特別図柄の動的表示において大当たり遊技に当選した場合、及び、第2特別図柄の動的表示において大当たり遊技に当選した場合に、共通大入賞口75を作動させ、第1特別図柄の小当たり遊技に当選した場合に、特図1小入賞口65を作動するように構成している。これに代えて、第2特別図柄の動的表示において小当たり遊技に当選した場合に作動する専用の特図2小入賞口を設け、第2特別図柄の動的表示において小当たり遊技に当選した場合にのみ該特図2小入賞口を作動させる一方、第1特別図柄の動的表示において小当たり遊技に当選した場合、第1特別図柄の動的表示において大当たり遊技に当選した場合、及び、第2特別図柄の動的表示において大当たり遊技に当選した場合に、共通大入賞口75を作動させるように構成してもよい。
<変形例14>
上記実施形態では、右打ち遊技の「確率変動状態」又は「時間短縮状態」にて、第1特別図柄の動的表示において、導出確率が低いハズレ結果が導出される場合と、導出確率が高い小当たり遊技が導出される場合とで共通の演出(同様の変動時間の変動演出等)が実行されるように構成している。これに代えて、右打ち遊技の「確率変動状態」又は「時間短縮状態」にて、第1特別図柄の動的表示において導出確率が低いハズレ結果が導出される場合に、導出確率が高い小当たり遊技が導出される場合と異なる演出を実行し、その実行結果に基づいて、遊技者に付与される遊技価値が異なるように構成してもよい。
具体的には、例えば、右打ち遊技の「確率変動状態」又は「時間短縮状態」にて、第1特別図柄のハズレ結果が導出される場合に、「超ロング変動」演出態様が選択され、奨励される第1特別図柄の動的表示の変動時間が、奨励されていない第2特別図柄の動的表示より後に導出され得て、第2特別図柄の動的表示における大当たり遊技又は小当たり遊技が発生し得るように構成してもよい。この場合、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」であるにもかかわらず、第2特別図柄の動的表示において小当たり遊技に基づく共通大入賞口75が開放され、該共通大入賞口75への入賞に基づく遊技価値を付与することが可能となる。このように構成することで、導出確率が低い所謂「純ハズレ」に当選することで、大当たり遊技又は小当たり遊技とは異なる演出および遊技価値を付与し、遊技のバリエーションを豊富にして、遊技の興趣向上を図ることができる。
<変形例15>
上記実施形態では、先に導出される一方の特別図柄の動的表示の大当たり遊技又は小当たり遊技の当選に基づいて、後に導出される他方の特別図柄の動的表示の変動時間を変更し、先に導出される一方の特別図柄の動的表示の変動時間と、後に導出される他方の特別図柄の動的表示の変動時間とが同一となるように構成している。これに代えて、先に導出される一方の特別図柄の動的表示の大当たり遊技又は小当たり遊技の当選に基づいて後に導出される特別図柄の動的表示の変動時間を変更する場合に、後に導出される特別図柄の動的表示の変動時間を、先に導出される特別図柄の動的表示の変動時間より大凡短くなるように設定し、後に導出される特別図柄の動的表示の確定時間の種類を多様化して、該確定時間を調整することで先に導出され得る特別図柄の動的表示の確定時間(大当たり若しくは小当たり開始タイミング)と後に導出され得た特別図柄の動的表示の確定時間とが同一となるように構成してもよい。このように構成することで、変動時間を変更する場合に、細かい変動時間の設定が不要となり、主制御装置110及び音声ランプ制御装置113それぞれの制御負担を軽減することができる。
<変形例16>
上記実施形態では、第2特別図柄の小当たり遊技において、該小当たり遊技の終了時に「時短機能」の終了条件が成立したか否かを判別するように構成している。これに代えて、第2特別図柄の小当たり遊技において、該小当たり遊技の開始時若しくは実行途中に「時短機能」の終了条件が成立したか否かを判別するように構成してもよい。
<変形例17>
上記実施形態では、大当たりのリミット回数の変遷(リミット回数、及び、リミット到達時)を遊技者に示唆しないように構成している。これに代えて、大当たりのリミット回数の変遷を直接的又は間接的に遊技者に示唆し得るように構成してもよい。具体的には、例えば、所定の遊技条件が成立(例えば、大当たり当選時や所定変動回数到達時等)に抽選によってリミット回数を遊技者に直接的又は間接的に第3図柄表示装置81に表示するように構成してもよい。
<変形例18>
上記実施形態では、「潜伏確率変動状態」を遊技者に示唆しないように構成している。これに代えて、「潜伏確率変動状態」か否かを直接的又は間接的に遊技者に示唆し得るように構成してもよい。具体的には、例えば、所定の遊技条件が成立(例えば、所定変動回数到達時等)に抽選によって「潜伏確率変動状態」か否かを遊技者に直接的又は間接的に第3図柄表示装置81に表示するように構成してもよい。
<変形例19>
上記実施形態では、「リミット到達時」として、特別図柄の大当たり回数が10回に到達する毎に、該10回目の大当たりにおいて「確率変動状態」を発生させない大当たり種別のみを選定するように構成していた。これに対し、「リミット到達時」として、特別図柄の大当たり回数が10回目の大当たりまで「確率変動状態」を発生させる大当たり種別を選定可能に構成し、次回の大当たり当選時、即ち、11回目の大当たり当選時の大当たり種別の選定において、「確率変動状態」を発生させない大当たり種別のみから選定するように構成してもよい。
<変形例20>
上記実施形態では、第1特別図柄の動的表示の保留球数に応じて第1特別図柄の動的表示の変動時間が変化するように構成するとともに、第2特別図柄の動的表示の保留球数に応じて第2特別図柄の動的表示の変動時間が変化するように構成している。換言すると、第1特別図柄の動的表示の保留球数は第1特別図柄の動的表示にのみ影響し、第2特別図柄の動的表示の保留球数は第2特別図柄の動的表示にのみ影響するように構成している。これに代えて、一方の特別図柄の動的表示の保留球数が、他方の特別図柄の動的表示の変動時間に影響するように構成してもよい。具体的には、第1特別図柄の動的表示の変動時間を、第1特別図柄の動的表示の保留球数と第2特別図柄の動的表示の保留球数との合計保留球数に応じて変化するように構成する。このように構成することで、第1特別図柄の動的表示の保留球数と第2特別図柄の動的表示の保留球数とが混在する状態において、特異な変動時間を選択し得るように構成することで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる。
<変形例21>
上記実施形態では、確率設定値を「1」〜「6」の6段階で変更可能として、大当たり確率及び/又は第2図柄の当たり確率を変更可能としたが、確率設定値が変更可能な段階は6段階に限らず、任意の段階に変更可能としてもよい。
<変形例22>
上記実施形態では、確率設定値を変更することにより、大当たり確率を変更する場合について説明したが、普通図柄の当たり確率や、小当たりの当選確率を変更するようにしてもよい。
<変形例23>
また、立ち上げ処理の中で確率設定値が正常範囲内にないと判断された場合に、「1」〜「6」の範囲の中から特定の確率設定値(例えば「1」)を確率設定値として強制的に設定するようにしてもよい。なお、遊技途中で(例えば、タイマ割込処理の中で)確率設定値が正常範囲内にないと判断された場合は、確率設定値を強制的に特定の確率設定値に設定しないほうがよい。これは、遊技途中で大当たり確率が突然変更さえることにより、遊技者が何らかの不利益を被ることを抑制するためである。
<変形例24>
上記実施形態では、RAM判定値(チェックサム)の算出に、確率設定値を含める場合について説明したが、RAM判定値の算出から確率設定値を除いてもよい。この場合、RAM判定値が正常か否かの判定(図85のS107)を行う前に、確率設定値が正常の範囲にあるか否かを判定し、正常の範囲内になければ、強制的に設定変更処理を実行してホール関係者等に確率設定値の変更を行わせたり、ホール関係者等にパチンコ機10を設定変更モードで再立ち上げさせるように促したり、確率設定値として正常範囲内の特定の確率設定値を強制的に設定してもよい。
<変形例25>
上記実施形態では、RAM判定値(チェックサム)の算出に、確率設定値を含めない場合について説明したが、RAM判定値の算出から確率設定値を含めてもよい。
<変形例26>
上記実施形態では、「設定変更モード」でパチンコ機10を立ち上げた場合に、RAM消去スイッチ503をオンすることによって、又は、設定変更スイッチをオンすることによって、確率設定値を更新する場合について説明したが、これを設定キー501にて行えるようにしてもよい。具体的には、設定キー501を、オン状態から更にオフ側とは反対方向に設けた設定変更位置まで回動可能にし、設定変更位置まで設定キー501が回されると、自動でオン状態に設定キー501が戻るように付勢して構成する。そして、設定キー501をオン状態から設定変更位置まで回動させる度に、確率設定値が更新されるようにする。これによっても、確率設定値の変更を容易に行うことができる。
<変形例27>
上記実施形態では、「設定変更モード」でパチンコ機10を立ち上げた場合に、設定キー501をオフ状態にすることによって、又は、RAM消去スイッチ503をオンすることによって、確率設定値を確定する場合について説明したが、これを別に設けたスイッチ、例えば、設定確定スイッチが操作されることで行えるようにしてもよい。この設定確定スイッチは、例えば、「設定変更モード」中に操作されることにより、確率設定値を確定するためのスイッチであり、基板ボックス100に設けられた孔から主基板より突出して設けられ、基板ボックス100を開封しなくても、ホール関係者等によって操作可能にしてもよい。これによっても、確率設定値の確定を容易に行うことができる。
<変形例28>
上記実施形態では、パチンコ機10の電源オン時に「設定変更モード」又は「設定確認モード」で立ち上げる場合に、RAM消去スイッチ503と設定キー501との検知態様に応じて、立ち上げモードを設定していた。これに対し、少なくとも内枠12の開放を必須条件とし、その他、RAM消去スイッチ503と設定キー501との検知態様に応じて、立ち上げモードを設定するように構成してもよい。また、内枠12の開放を設定変更又は設定確認の条件とするか否かをホールが選択可能に設定できるように構成してもよい。
<変形例29>
上記各実施形態では、RAM消去スイッチ503を主制御装置110に搭載していた。これに対し、RAM消去スイッチ503を電源装置115や払出制御装置111に搭載するように構成してもよい。
<変形例30>
上記各実施形態では、設定キー501により、大当たり確率等を変更可能に構成していた。これに対し、設定キー501により、1の入賞口に入賞した場合に払い出される賞球数(例えば、3個→5個への変更)や、入賞口への入賞を補助する可動役物の駆動時間(3秒→5秒への変更)や駆動幅(例えば、20mm→30mmへの変更)、或いは、球の流下態様に影響を与える部材(例えば、球が転動可能なステージやクルーン)の傾斜態様(例えば、1度から3度への変更)、パチンコ機10自体の傾斜態様(例えば、1度から3度への変更)等、遊技者に対する有利度合いに関する設定を複数段階に変更可能に構成してもよい。
<変形例31>
上記各実施形態では、設定キー501の鍵孔をパチンコ機10の裏面側に向くように構成していた。これに対し、設定キー501の鍵孔の向きを、パチンコ機10の横方向(左方向又は右方向)や、パチンコ機10の斜め方向、或いは、パチンコ機10の前面側を向くように構成してもよい。
<変形例32>
上記実施形態において、大当たり乱数値同士、小当たり乱数値同士、及び、ハズレ乱数値同士を連続的な値とし、大当たりか否かや、小当たりか否かを範囲判定(例えば、「0」以上「49」以下か否か)可能に構成し、主制御装置110の制御負担を軽減するように構成していた。これに対し、遊技価値を付与する各乱数値(即ち、大当たり乱数値および小当たり乱数値)を連続的な配置ではなく、分散(散逸)して配置するように構成してもよい。具体的には、例えば、「0〜999」で更新される大当たり乱数カウンタC1の場合に、大当たり乱数値として「7,341,555,777,831」とし、小当たり乱数値として「77,175,223,315,415,526,634,717,845」としてもよい。
ここで、パチンコ機10の状況にかかわらず大当たり乱数値となる値(例えば、低確率状態および高確率状態において、「0〜50」であれば大当たり)が連続的に存在していた場合、その値が外部から予測され得る可能性があり、不正に大当たりを引き当てられる可能性が高くなるおそれがある。よって、上記変形例のように構成することで、遊技価値を付与する各乱数値を外部から予測困難にし、不正に対する抑制効果を高め、パチンコ機10のセキュリティ性能を向上することができる。
また、上述した変形例において、大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)されている低確率状態用の大当たり乱数値と、高確率状態用の大当たり乱数値とで、重複した値とならないように、それぞれ大当たり乱数値を設定してもよい。このように構成することで、状況に応じて(即ち、パチンコ機10が高確率状態か低確率状態か、に応じて)、大当たりとなる乱数の値を変えることで、大当たりとなる乱数の値が予測され難くすることができるので、パチンコ機10のセキュリティ性能を向上することができる。
<変形例33>
上記実施形態では、タイマ割込処理(図88参照)等のソフトウェアの処理で大当たり乱数カウンタC1や大当たり種別乱数C2等を更新するように構成していた(所謂、ソフト乱数)。これに対し、更新周期が上記ソフト乱数より速い乱数生成ICによって大当たり乱数カウンタC1等を更新するように構成してもよい(所謂、ハード乱数)。このように構成することで、外部から更新中の乱数値の把握を困難にし、セキュリティ性能を向上することができる。
<変形例34>
上記実施形態では、設定値が増加するごとに均等に大当たり乱数値が増加するように構成していた。これに対し、設定値が増加するごとに不均等又は所定割合で大当たり乱数値(又は小当たり乱数値)を増加するように構成してもよい。具体的には、例えば、設定値「1」から「3」までは、大当たり乱数値を「2」ずつ増加させる一方、設定値「4」から「6」までは、大当たり乱数値を「5」ずつ増加させる。このように構成することで、設定差によって付与され得る遊技価値が大きく変化し、設定差による抑揚(メリハリ)のある遊技を提供可能に構成し、遊技の興趣を向上することができる。
<変形例35>
上記実施形態では、設定値ごとに大当たり乱数カウンタC1の値における対応役を変化するように構成していた。これに対し、設定値ごとに大当たり種別カウンタC2又は小当たりの内容を決定する小当たり種別カウンタ(図示せず)の値に対応する大当たり種別を変化させ、大当たり種別又は小当たり種別の選択割合が変化することによる設定差が生じるように構成してもよい。
<変形例36>
上記実施形態では、設定変更に伴い、遊技価値を付与する乱数値(即ち、大当たり乱数値)を変更して、その変更分を遊技価値を付与しない乱数値(即ち、ハズレ乱数値)から補填するように構成していた。これに対し、設定変更に伴い、遊技価値を付与する乱数値(例えば、大当たり乱数値)を変更した場合に、その変更分を、他の遊技価値を付与する乱数値(例えば、小当たり乱数値)から補填するように構成してもよい。このように構成することで、設定毎に付与され得る遊技価値に差を設け、設定毎に抑揚(メリハリ)のある遊技を提供し、遊技の興趣向上を図ることができる。
<変形例37>
上記実施形態では、大当たり乱数テーブル202aにおいて、「大当たり乱数値の範囲」、「ハズレ乱数値の範囲」、「小当たり乱数値の範囲」、の並びとなるように各乱数値を規定(設定)していた。これに対し、大当たり乱数テーブル202aにおいて、「大当たり乱数値の範囲」、「小当たり乱数値の範囲」、「大当たり乱数値の範囲(以下、「再大当たり乱数値の範囲」と称する)」、「ハズレ乱数値の範囲」の並びとなるように各乱数値を規定(設定)するように構成してもよい。ここで、「再大当たり乱数値の範囲」として、設定変更に伴う大当たり乱数値の増加分が対応するように構成する。このように構成することで、設定差によって増加する乱数値(即ち、大当たり乱数値の増加分)を、設定差によって減少する乱数値(即ち、ハズレ乱数値)と隣接させ、設定変更に伴って変更されない乱数値(即ち、設定変更によっても変化しない大当たり乱数値と小当たり乱数値)の範囲を固定的にすることができる。これにより、例えば、当否判定の制御プログラムにおいて、固定的な乱数値の基本的な当否判定を全設定値で共通化しつつ、設定変更に伴う大当たり乱数値の増加分を設定値に応じて追加的に判定することができ、制御プログラムの設計を容易にし、開発工数を削減することができる。
<変形例38>
上記実施形態では、大当たり乱数テーブル202aにおいて、「大当たり乱数値の範囲」、「ハズレ乱数値の範囲」、「小当たり乱数値の範囲」、の並びとなるように各乱数値を規定(設定)していた。これに対し、乱数値の個数が多い順(又は少ない順)に各乱数値を規定(設定)するように構成してもよい。
<変形例39>
上記実施形態では、大当たり乱数テーブル202aにおいて、「大当たり乱数値の範囲」、「ハズレ乱数値の範囲」、「小当たり乱数値の範囲」、の並びとなるように各乱数値を規定(設定)していた。これに対し、設定変更に伴い増加される「大当たり乱数値の範囲」を、設定変更に伴い減少される乱数値(即ち、「ハズレ乱数値の範囲」)と隣接(隣り合う)ように大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)するように構成してもよい。具体的には、大当たり乱数テーブル202aにおいて、「小当たり乱数値の範囲」、「大当たり乱数値の範囲」、「ハズレ乱数値の範囲」の並びとなるように各乱数値を規定(設定)する。このように構成することで、設定差によって増加する乱数値(即ち、大当たり乱数値の増加分)を、設定差によって減少する乱数値(即ち、ハズレ乱数値)と隣接させ、設定変更に伴って変更されない乱数値(即ち、小当たり乱数値)の範囲を固定的にすることができる。これにより、例えば、小当たりの当否判定の制御プログラムにおいて、小当たり乱数値の判定を全設定値で共通化しつつ、設定変更に伴う大当たり乱数値の増加分を設定値に応じて追加的に判定することができ、制御プログラムの設計を容易にし、開発工数を削減することができる。
<変形例40>
上記実施形態では、「通常遊技状態」から「確率変動状態」に移行する場合、特別図柄の大当たり確率が向上(2倍以上アップ)するように構成されていた。これに対し、「通常遊技状態」から「確率変動状態」に移行する場合に、特別図柄の小当たり確率を向上するように構成してもよい。また、「通常遊技状態」から「確率変動状態」に移行する場合に、特別図柄の大当たり確率の上昇度合いを2倍以上(例えば、10倍)に設定してもよい。さらに、「通常遊技状態」から「確率変動状態」に移行する場合に、大当たり確率と小当たり確率とを共に向上(例えば、大当たり確率を5倍、小当たり確率も5倍)に設定してもよい。
<変形例41>
上記実施形態では、第1特別図柄における小当たり遊技の当選確率と、第2特別図柄における小当たり遊技の当選確率とが同等となるように構成されていた。これに対し、第1特別図柄における小当たり遊技の当選確率を、第2特別図柄における小当たり遊技の当選確率より高くなるように構成してもよいし、第1特別図柄における小当たり遊技の当選確率を、第2特別図柄における小当たり遊技の当選確率より低くなるように構成してもよい。
<変形例42>
上記実施形態では、「確率変動状態」に突入した場合に、次回の大当たりが発生するまで「確率変動状態」を維持する所謂ループタイプの遊技仕様で構成していた。これに対し、大当たり終了後に、いずれの大当たりに当選した場合でも、該大当たり終了後に所定回数の動的表示の実行を終了条件とする「確率変動状態」(所謂、STタイプ)が付与される遊技仕様で構成してもよい。このように構成することで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上に貢献することができる。
<変形例43>
上記実施形態では、特別図柄の低確率状態および高確率状態とにおいて、いずれの状態でも大当たり確率において設定差が生じるように構成していた。これに対し、いずれか一方の状態(低確率状態又は高確率状態)における大当たり確率の設定差を無くし、他方の状態(高確率状態又は低確率状態)における大当たり確率に設定差を設けるように構成してもよい。
<変形例44>
上記実施形態では、設定値ごとに大当たり乱数値を増加させて、その大当たり乱数値の増加分をハズレ乱数値から補填するように構成していた。これに対し、設定値ごとに大当たり乱数値を増加させ、その大当たり乱数値の増加分を小当たり乱数及びハズレ乱数値から補填するように構成してもよい。このように構成することで、設定変更に基づく大当たり乱数値の個数の変更分を、小当たり乱数値及びハズレ乱数値のそれぞれから補填することが可能となり、大当たり乱数値の変更分を固定的な1の所定乱数値から補填する必要がなくなる。よって、上記所定乱数値の個数を、大当たり乱数値の変更分、1の所定乱数値から確保する必要性がなくなるので、遊技仕様の設計時における制約がなくなり、遊技仕様の設計自由度を高め、遊技の興趣向上を図ることができる。
<変形例45>
上記実施形態では、遊技者にとって有利な大当たり(即ち、大当たり種別「確変A」又は「確変B」)と、該有利な大当たりより遊技者にとって有利度が低い不利な大当たり(即ち、大当たり種別「時短A」又は「時短B」)とのいずれの大当たりであっても、大当たり回数を計数し、該大当たり回数がリミット回数に達する場合に、不利な大当たりが強制的に選択されるように構成していた。これに対し、特定の大当たりでのみリミット回数に加算されるように構成し、該特定の大当たり以外の他の大当たりではリミット回数を計数しないように構成してもよい。具体的には、例えば、遊技者にとって有利度が高い大当たりである大当たり種別「確変A」や大当たり種別「確変B」が発生した場合に、それらの大当たり回数を計数し、その合計数が所定のリミット回数に達する場合に、不利な大当たりが強制的に選択されるように構成する。一方、遊技者にとって有利度が低い大当たり(当たり)である大当たり種別「時短A」、大当たり種別「時短B」(或いは、小当たり)が発生した場合に、それらの大当たり回数は計数せず、リミット回数に影響を及ぼさないように構成する。このように構成することで、遊技者にとって有利度が低い大当たり種別に当選した場合には、リミット回数として計数せず、遊技者にとって有利な大当たりをリミット回数まで付与させることができる。よって、遊技者にとって有利度が低い大当たりが現出することによる遊技者の不満を抑制でき、遊技の興趣向上を図ることができる。
<変形例46>
上記実施形態では、大当たり回数がリミット回数に達した場合、100%の確率で不利な大当たり(即ち、大当たり種別「時短A」又は「時短B」)が選択されるように構成されていた。これに対し、大当たり回数がリミット回数に達した場合に、必ずしも不利な大当たりが選択される訳ではなく、リミット回数到達前における不利な大当たりの選択確率より、リミット回数到達時における不利な大当たりの選択確率を上昇させるように構成してもよい。具体的には、例えば、リミット到達前は、有利当たりの選択割合が80%、不利当たりの選択割合が20%である一方、リミット到達時には、有利当たりの選択割合が20%、不利当たりの選択割合が80%となるように構成する。このように構成することで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる。
<変形例47>
上記実施形態では、右側特図1始動口71aに対して普通電役71bを配設し、該普通電役71bの開閉態様に応じて右側特図1始動口71a(特図2始動口74)への球の流入態様が異なるように構成している。これに対し、左側特図1始動口64に対して普通電役71bを配設し、該普通電役71bの開閉態様に応じて左側特図1始動口64への球の流入態様が異なるように構成してもよい。また、特図2始動口74に対して普通電役71bを配設し、該普通電役71bの開閉態様に応じて特図2始動口74への球の流入態様が異なるように構成してもよい。
<変形例48>
上記実施形態では、普通電役71bの閉鎖状態において右側特図1始動口71aへの球の流入を阻止し、開放状態において右側特図1始動口71aへの球の流入を許容するように構成している。これに対し、普通電役71bの開放状態において右側特図1始動口71aへの球の流入を阻止(不能若しくは困難)し、閉鎖状態において右側特図1始動口71a右側特図1始動口71aへの球の流入を許容するように構成してもよい。
<変形例49>
上記実施形態では、突出状態と没入状態とに変位する普通電役71bを用い、普通電役71bの没入タイミングと没入時間とを各遊技状態で変更することで本発明の遊技性を実現するように構成されている。これに対し、回動式の羽根部材を用い、羽根部材の作動タイミングと作動時間とを各遊技状態で変更することで、本発明の遊技性を実現するように構成してもよい。具体的には、例えば、右側特図1始動口71aの左右両側に羽根部材を配置し、羽根部材が非作動状態(例えば、直立状態)では、球が羽根部材の外側(非転動側)に衝突し、そのまま下流側へ流下するように構成する。一方、羽根部材が回動した作動状態(直立状態から右側へ120度傾倒状態)では、球が羽根部材の内側(転動側)に衝突し、該羽根部材の内側を右側特図1始動口71a側に向けて転動するように構成する。このように構成することで、羽根部材の回動態様は、普通電役71bの出没による駆動態様より、羽根部材自体が作動する領域が大きく駆動されたか否かを認識し易いため、普通図柄の可変表示で当選したか否かを遊技者に認識し易くすることができる。
<変形例50>
上記実施形態では、左側特図1始動口64の配設位置として、左打ち遊技で発射された球のみが入賞可能であって、右打ち遊技で発射された球が入賞し難い若しくは入賞不可な位置に配設している。これに対し、右打ち遊技で発射された球が左側特図1始動口64に入賞し得るように、該左側特図1始動口64を配設、若しくは、入賞補助部材を配設するように構成してもよい。このように構成することで、右打ち遊技が行われる大当たり中に、第1特別図柄と第2特別図柄とをそれぞれ最大保留数貯留することが可能となり、大当たり終了後に第1特別図柄の保留球数が貯留されていないことによる第2特別図柄の小当たり遊技が現出し得る事象を抑制し、遊技仕様通りの遊技性を実現することが可能となる。
<変形例51>
上記実施形態では、大当たりに当選した場合に、該大当たりの大当たり種別に応じて特別図柄の高確率状態を発生するように構成している。これに対し、所定の入賞口(例えば、共通大入賞口75)の内部に確変領域を設け、該確変領域を球が通過するか否かで大当たり終了後の遊技状態を特別図柄の高確率状態にするか否かを決定してもよい。また、共通大入賞口75内部の確変領域に代えて、V入賞口を設け、該V入賞口に球が入球するか否かで特別図柄の高確率状態とは異なる遊技価値、例えば、V入賞口への球の入賞によって大当たりを発生するように構成してもよい。
<変形例52>
各大当たり種別に基づいて付与される時短回数を異ならせるように構成してもよい。具体的には、例えば、特別図柄の変動回数に基づいて「時短機能」が終了する「時短A」では時短回数を100回付与する一方、「時短B」では時短回数を50回付与するように構成する。また、特別図柄の変動回数に基づいて「時短機能」が終了する「時短A」では、第1特別図柄の変動回数が100回、又は、第2特別図柄の変動回数が50回のいずれかの条件が先に終了した場合に「時短機能」が終了するように構成する一方、「時短B」では、第1特別図柄の変動回数が50回、又は、第2特別図柄の変動回数が100回のいずれかの条件が先に終了した場合に「時短機能」が終了するように構成する。このように構成することで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる。
<変形例53>
特図2小当たりによる共通大入賞口75の作動回数に基づいて「時短機能」が終了する「確変A」において、共通大入賞口75の作動回数が1回作動することによって「時短機能」が終了する「確変A1」と、共通大入賞口75の作動回数が10回作動することによって「時短機能」が終了する「確変A2」とを設けてもよい。このように構成することで、第2特別図柄の小当たり遊技の当選回数に応じて「時短機能」が終了するか否かを異ならせることができるので、例えば、「小当たり頻出確率変動状態」において、如何に早く小当たり遊技に多く当選させるか否かによって「時短機能」を消滅させて、遊技者に付与される遊技価値を異ならせることができるので、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる。
<変形例54>
特図1用第4図柄表示領域87と特図2用第4図柄表示領域88との表示態様及び表示位置を、主表示領域Dmで変動演出している第1特別図柄又は第2特別図柄に応じて変更するように構成してもよい。具体的には、例えば、主表示領域Dmで実行されている特別図柄に対応して、実行されている方の第4図柄表示領域87,88を上側に位置させたりアラビア数字で表示したり赤色で表示し、実行されていない方の第4図柄表示領域88,87を下側に位置させたり上記アラビア数字と異なる表記(例えば、漢数字やローマ数字)で表示したり赤色とは異なる色(例えば、青色)で表示するように構成する。このように構成することで、実行されている変動演出を識別して表示しつつ、いずれの特別図柄が実行されているかを認識し難く構成し、現在滞在している遊技状態を遊技者に認識し難く構成することで、遊技状態を推測する遊技性が生まれ、遊技の興趣向上を図ることができる。
<変形例55>
警報音に関し、左打ち遊技が推奨される遊技状態においてスルーゲート67を球が通過した場合にもれなく出力するのではなく、さらに特定の条件が成立した場合に警報音を出力するように構成してもよい。具体的には、例えば、遊技盤13の盤面設計の制約上、左打ち遊技では、特図1小入賞口65に入賞し難く若しくは不可に構成される一方、右打ち遊技では、特図1小入賞口65に入賞し得るように構成しなければいけなかった盤面構成の場合に、悪意ある遊技者が、右打ち遊技が奨励されていない遊技状態において、まず、左打ち遊技によって第1特別図柄の小当たり遊技に当選させつつ、該小当たり遊技の当選に基づいて特図1小入賞口65が開放し得るタイミングを見計らって右打ち遊技を行い、該右打ち遊技で発射された球が特図1小入賞口65に入賞させる不正遊技が行われるおそれがある。この場合に、左打ち遊技による第1特別図柄の小当たり遊技当選に基づく特図1小入賞口65が開放され得ることが判別された場合(例えば、小当たり遊技当選の変動演出中、若しくは、小当たり遊技結果導出等を判別)、かつ、右打ち遊技によるスルーゲート67の通過を条件に、警報音を出力するように構成する。このように構成することで、意図的に遊技仕様より多くの出玉を得ようとする悪意ある遊技者の行為に対してのみ警報音を出力し、不慣れな遊技者や操作ミスによる善意の右打ち遊技に対しては警報音を出力しないことで、不正遊技を抑制しつつ、遊技者の遊技意欲の低下も抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる。
<変形例56>
特図1小入賞口65(共通大入賞口75)が所定の第1開放態様で開放され得て左打ち遊技が奨励される小有利遊技状態と、特図1小入賞口65(共通大入賞口75)が上記第1開放態様より遊技者にとって有利な第2開放態様で開放され得て右打ち遊技が奨励される大有利遊技状態とが存在する場合であって、盤面構成の制約上、特図1小入賞口65(共通大入賞口75)には、左打ち遊技より右打ち遊技の方が入賞し易いように構成されている場合に、悪意ある遊技者が、右打ち遊技が奨励されていない小有利遊技状態において、まず、左打ち遊技によって第1特別図柄の小当たり遊技に当選させつつ、該小当たり遊技の当選に基づいて特図1小入賞口65が開放し得るタイミングを見計らって右打ち遊技を行い、該右打ち遊技で発射された球が特図1小入賞口65に入賞させて、想定している遊技仕様より多くの出玉を得ようとする不正遊技が行われるおそれがある。この場合に、小有利遊技状態でのみ左打ち遊技による第1特別図柄の小当たり遊技当選に基づく特図1小入賞口65が開放され得ることが判別された場合(例えば、小当たり遊技当選の変動演出中、若しくは、小当たり遊技結果導出等を判別)、かつ、右打ち遊技によるスルーゲート67の通過を条件に、警報音を出力するように構成する。このように構成することで、意図的に遊技仕様より多くの出玉を得ようとする悪意ある遊技者の行為に対してのみ警報音を出力し、不慣れな遊技者や操作ミスによる善意の右打ち遊技に対しては警報音を出力しないことで、不正遊技を抑制しつつ、遊技者の遊技意欲の低下も抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる。
<変形例57>
普通図柄の当たり確率において、いずれの遊技状態でも同等程度となるように構成してもよい。具体的には、例えば、特別図柄の大当たり確率が低い「通常遊技状態」又は「時間短縮状態」では、普通図柄の当たり確率を50/100にするとともに、特別図柄の大当たり確率が高い「確率変動状態」や「小当たり頻出確率変動状態」では、普通図柄の当たり確率を50/100や51/100等、「通常遊技状態」等における普通図柄の当たり確率と同一又は同等程度となるように構成する。このように構成することで、普通図柄の当たりに基づく普通電役71bの開放に関し、普通図柄の可変表示時間と普通電役71bの開放時間とを考慮し、普通図柄の当たり確率を考慮せずに出玉率等を算出することが可能となることで、各遊技状態における遊技仕様の設計を容易化可能となる。
<変形例58>
大当たりに当選した大当たり図柄ごとに、該大当たり以降に選択される特別図柄の変動パターン群(変動時間)が異なるように構成してもよい。具体的には、例えば、「確率変動状態」を発生させ得る大当たり図柄である1図柄、3図柄、5図柄、7図柄のうち、1図柄で当選した場合には「確率変動状態」において第1特別図柄および第2特別図柄がともに比較的長めの変動時間が選択され易い「両ロング変動確率変動状態」に移行するように構成する。また、3図柄で当選した場合には、「確率変動状態」において第1特別図柄は比較的長めの変動時間が選択され易い一方、第2特別図柄は比較的短い変動時間が選択され易い「特1ロング特2ショート変動確率変動状態」に移行するように構成する。さらに、5図柄で当選した場合には、「確率変動状態」において第1特別図柄および第2特別図柄がともに比較的短めの変動時間が選択され易い「両ショート変動確率変動状態」に移行するように構成する。また、7図柄で当選した場合には、「確率変動状態」において第1特別図柄は比較的短めの変動時間が選択され易い一方、第2特別図柄は比較的長めの変動時間が選択され易い「特1ショート特2ロング変動確率変動状態」に移行するように構成する。このように構成することで、大当たりした図柄の種類によって、大当たり後の遊技状態において、先に導出され得る特別図柄を異ならせることができ、例えば、いずれの特別図柄が先に停止するか否かによって、遊技状態毎に大当たりが先に現出させる確率を異ならせることができる。よって、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる。
<変形例59>
特別図柄の変動回数に基づいて、該特別図柄の変動パターン群(変動時間)が異なるように構成してもよい。具体的には、例えば、「小当たり頻出確率変動状態」において、大当たり終了後1回目〜10回目の特別図柄の変動演出に関しては、比較的長めの変動時間が選択され易いように構成し、11回目以降の特別図柄の変動演出に関しては、比較的短めの変動時間が選択され易いように構成する。このように構成することで、遊技にメリハリを設けつつ、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる。
<変形例60>
普通図柄の当たり種別を複数種類設けてもよい。具体的には、例えば、普通電役71bが1回開放される1回開放当たりと、普通電役71bが3回開放される3回開放当たりと、普通電役71bが3回かつ長く開放される3回ロング開放当たりとを設ける。このように構成することで、「確率変動状態」や「時間短縮状態」において遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる。
<変形例61>
上記実施形態では、「通常遊技状態」→「時間短縮状態」→「潜伏確率変動状態」→「確率変動状態」→「小当たり頻出確率変動状態」の順で遊技者にとって有利な遊技状態としていた。これに対し、「通常遊技状態」より遊技者にとって不利な遊技状態として、「時間短縮状態」や「潜伏確率変動状態」、「確率変動状態」が位置づけられるように遊技仕様を設定してもよい。具体的には、例えば、第1特別図柄の始動口を、普通電役71bが付属した第2特別図柄の始動口の上流側に設け、「通常遊技状態」では、普通電役71bが作動し難いことによって、第2特別図柄より遊技者にとって有利な第1特別図柄の抽選契機を受け易い一方、「時間短縮状態」では、普通電役71bが作動し易いことによって、第1特別図柄より遊技者にとって不利な第2特別図柄の抽選契機を受け易いように構成する。このように構成することで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる。
<変形例62>
上記実施形態では、「時短機能」が付与された場合に、特別図柄の変動回数が所定回数行われるか、共通大入賞口75が所定回数作動するかによって終了するように構成していた。これに対し、「時短機能」が付与された場合に、特別図柄の大当たり発生でのみ「時短機能」が終了し、他の条件では「時短機能」が終了しない、即ち、次回大当たりまで「時短機能」が無制限に付与されるように構成してもよい。このように構成することで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる。
<変形例63>
上記実施形態では、所定の大当たりに当選することで「時短機能」等の遊技者にとって有利な遊技価値が付与されるように構成していた。これに対し、大当たり以外の所定条件が成立した場合に、遊技者にとって有利な「時短機能」や大当たり状態が発生する所謂天井機能を設けるように構成してもよい。このように構成することで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる。
<変形例64>
上記実施形態では、「小当たり頻出確率変動状態」に移行した場合に明確に遊技者が識別できるように構成している。これに対し、「小当たり頻出確率変動状態」に移行したことを遊技者に識別し難く構成してもよい。この場合に、該「小当たり頻出確率変動状態」を「確率変動状態」や「時間短縮状態」の実行態様と同等に構成して識別困難にしつつ、「時短機能」の終了条件として、特図2小当たりに基づく共通大入賞口75の作動回数を複数回(例えば、50回)等に設定する。そして、特図2小当たりに基づく共通大入賞口75の作動回数が満了(即ち、50回)に到達する前に、所定の抽選結果(例えば、第1特別図柄における特定図柄(7図柄等))に当選した場合に、遊技者にとって最も遊技価値が高い遊技状態に移行するように構成する。このように構成することで、大当たり終了において特図2小当たりに基づく共通大入賞口75の作動回数が満了するまでに如何にして上記条件を達成するか否か(所謂、天井準備モード)という遊技性が創出され、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる。
<変形例65>
上記実施形態では、所定の大当たり回数ごとに、「確率変動状態」が発生しない大当たり種別が選定される所謂確変リミッタ機能が設けられている。これに対し、所定の大当たり回数ごとに、「時短機能」が発生しない大当たり種別が選定される所謂時短リミッタ機能を設けるように構成してもよい。時短リミッタ機能を搭載することで、所定大当たり回数ごとに普通電役71bが作動し難い状態となり、「確率変動状態」に当選した場合でも、「小当たり頻出確率変動状態」と同等の遊技価値を取得可能な状態とすることができる。よって、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる。
<変形例66>
右打ち遊技を示唆する右打ち示唆表示が現出される場合に、第4図柄表示領域87,88の表示位置を変更するように構成してもよい。具体的には、左打ち遊技が奨励される「通常遊技状態」等では、副表示領域Dsの右小領域Ds3に第4図柄表示領域87,88を表示する一方、右打ち遊技が奨励される「確率変動状態」等では、右打ち示唆表示を右小領域Ds3に表示する一方、第4図柄表示領域87,88を左小領域Ds1に表示する。このように構成することで、遊技状態に応じた遊技仕様を遊技者に認識させ易くすることができる。
<変形例67>
上記実施形態では、大当たりに当選するごとに主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対してリミット回数コマンドを送信するように構成している。これに対し、電源投入時において、リミット回数コマンドを送信するように構成してもよい。音声ランプ制御装置113は、所謂バックアップ機能を有していないため、一度電源断が発生してしまうと、次回大当たりに当選してリミット回数コマンドが送信されるまでの間、リミット回数を認識できなくなってしまう。そこで、電源投入時にリミット回数コマンドを送信し、電源立ち上げ時から音声ランプ制御装置113においてリミット回数を認識した演出を実行することで、演出内容に齟齬が生ず、演出のバリエーションを豊富にすることができる。
<変形例68>
上記実施形態では、同時に実行され得る複数の特別図柄の動的表示に関し、遊技状態に応じて奨励される特別図柄の変動演出を主表示領域Dmで行い、非奨励の特別図柄の変動演出を主表示領域Dmで行わないように構成している。これに対し、同時に実行され得る複数の図柄(例えば、特別図柄と普通図柄)の演出に関し、遊技状態、遊技仕様、付与される遊技価値、或いは、実行頻度等によって、実行すべき演出の優先順を予め設け、該優先順に応じた演出を優先的に実行し、優先順が低い演出に関しては、演出規模を小さくしたり、演出自体を実行しない等、優先順位が高い演出に比べて遊技者が認識し難くなるように構成してもよい。具体的には、第1特別図柄の変動演出が主表示領域Dmで実行されている場合は、第1特別図柄より遊技者に付与され得る遊技価値が低い普通図柄の可変表示に関する演出を、第3図柄表示装置81や音声出力装置226で実行しない若しくは演出規模を小さくして表示したり、第2特別図柄の変動演出が主表示領域Dmで実行されている場合は、第2特別図柄より遊技者に付与され得る遊技価値が低い普通図柄の可変表示に関する演出を、第3図柄表示装置81や音声出力装置226で実行しない若しくは演出規模を小さくして表示してもよい。このように構成することで、遊技を行う上で遊技者に認識させたい演出を優先的に実行しつつ、優先順位が低い演出規模を小さく(なくす)ことで、遊技者が煩わしさを感じない演出を実行することができる。
上記実施形態では、主制御装置110から各コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信され、その音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して表示の指示がなされるよう構成したが、主制御装置110から表示制御装置114に直接コマンドを送信するものとしてもよい。また、表示制御装置に音声ランプ制御装置を接続して、表示制御装置から各音声の出力とランプの点灯を指示するコマンドを音声ランプ制御装置に送信するよう構成してもよい。さらに、音声ランプ制御装置と表示制御装置とを1の制御装置として構成するものとしてもよい。これらを1つの制御装置とすることで、部品点数が削減でき、パチンコ機のコスト増加を抑制することができる。
上記実施形態では、音声ランプ制御装置113にて実行されるコマンド判定処理(S1111)において、いずれかの停止種別コマンドを受信すれば必ず対応する変動開始フラグ223a,223bをオンに設定する場合について説明したが、各変動パターンコマンドの受信があった上で対応する停止種別コマンドを受信した場合に、各変動開始フラグ223a,223bをオンに設定してもよい。これにより、各変動パターンコマンドの受信がなく、いずれかの停止種別コマンドを受信したような場合に、おかしな変動演出が実行されることを抑制できる。
また、各変動パターンコマンドを受信したタイミングで、各変動開始フラグ223a,223bをオンに設定してもよい。この場合、音声ランプ制御装置113にて実行される変動演出処理(S1110)では、各変動開始フラグ223a,223bがオンされたことに基づいて、各変動パターンコマンドにより抽出した変動パターンを表示制御装置114へ通知する各表示用変動パターンコマンドを生成し、表示制御装置114へ送信するようにしてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113にて各停止種別コマンドの受信を待つことなく、表示制御装置114に対して、この各表示用変動パターンコマンドに基づき、各変動演出を第3図柄表示装置81に実行させることができる。なお、この場合、音声ランプ制御装置113では、各停止種別コマンドを受信したタイミングで、該停止種別コマンドより抽出された停止種別を表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成し、表示制御装置114へ送信するようにしてもよい。そして、表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドに基づいて、第3図柄表示装置81に実行させた変動演出の停止図柄を決定してもよい。
上記実施形態において、デモ演出は、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄を停止表示させてもよい。また、数字の付された主図柄または数字の付されていない主図柄からなる第3図柄を、半透明状態で停止表示させてもよい。また、第3図柄を表示させずに背面画像だけを変化させるものであってもよい。また、変動表示で用いられる第3図柄や背面画像とは全く異なるキャラクタや背面画像を表示させてもよい。
上記実施形態において、変動演出が行われる第3図柄表示装置81にて連続予告演出を実行してもよいし、第3図柄表示装置81とは別の第4図柄表示装置を設け、第3図柄表示装置81で実行される変動演出と合わせて、第4図柄表示装置に第4図柄を表示させることによって、連続予告演出を実行してもよい。この場合、第4図柄表示装置の制御を表示制御装置114で行ってもよいし、音声ランプ制御装置113で行ってもよい。また、各種演出に応じて作動する役物をパチンコ機10に設け、その役物を変動演出と合わせて所定の態様で作動させることによって、連続予告演出を実行してもよい。また、音声ランプ制御装置113の制御により、パチンコ機10の音声出力装置226から連続予告演出用の音声を出力させることによって、連続予告演出を実行してもよいし、パチンコ機10の電飾部29〜33を変動演出と合わせて点灯または点滅させることによって、連続予告演出を実行してもよい。
これにより、第3図柄表示装置81(および特別図柄表示装置37)において変動演出が行われる度に、連続して第4図柄表示装置に図柄が表示されたり、役物が所定の態様で作動したり、音声出力装置226から音声が出力されたり、若しくは、電飾部29〜33が点灯または点滅することによって、遊技者に対して大当たりの期待感を持たせることができる。また、遊技者は、通常、変動演出が行われる第3図柄表示装置81を注視して遊技を継続して行うが、第3図柄表示装置81とは別の第4図柄表示装置による図柄の表示、役物の作動、音声出力装置226からの音声出力、若しくは電飾部29〜33の点灯・点滅によって連続予告演出が行われるで、遊技者に対して、通常とは異なる演出が行われたことを容易に認識させることができる。また、連続予告演出を、第4図柄表示装置による図柄の表示、役物の作動、音声出力装置226からの音声出力、または電飾部29〜33の点灯・点滅といった簡単な制御で容易に連続予告演出を行わせることができる。
また、連続予告演出を音声出力装置226からの音声出力や、電飾部29〜33の点灯または点滅によって行えば、その連続予告演出の制御は音声ランプ制御装置113によって行われるので、始動入賞時における当否判定や変動開始時の抽選処理を主制御装置110に行わせ、連続予告演出を音声ランプ制御装置113に行わせ、変動演出を表示制御装置114に行わせることで、パチンコ機10により連続予告演出を行う場合、それぞれの制御装置に各処理を分担させることができる。よって、1つの制御装置に負荷が集中するのを防ぐことができるので、各制御装置のMPUに求められる性能を低く抑えることができる。
尚、第3図柄表示装置81における連続予告演出用の図柄の表示、第4図柄表示装置における連続予告演出用の図柄の表示、役物の所定の態様での作動、音声出力装置226からの音声出力、及び、電飾部29〜33の点灯または点滅のうち、少なくとも2以上を組み合わせ、それぞれを連動させて制御することにより、連続予告演出を実行してもよい。これにより、より多彩な連続予告演出を実行させることができる。また、連続予告演出の実行方法(第3図柄表示装置81による表示、第4図柄表示装置による表示、役物の作動、音声出力装置226からの音声出力、電飾部29〜33の点灯または点滅、又は、それらの組み合わせ)を変えることで、連続予告演出終了後の遊技状態に応じて選定される連続予告演出態様を複数用意してもよい。
また、連続予告演出が行われる場合に、変動演出とは別の連続予告演出用の画像が第3図柄表示装置81に表示させてもよいし、連続予告演出を、変動演出が終了したときに表示される停止図柄として、所定の図柄の組み合わせである、所謂「チャンス目」を表示させることによって行ってもよい。この場合、表示制御装置114のMPUで実行されるコマンド判定処理にて連続予告コマンドの受信を判断すると、チャンス目に対応する停止図柄判別フラグをオンにすると共に、その他の停止図柄判別フラグをオフに設定するようにしてもよい。コマンド判定処理では、停止識別コマンド処理の後にその他コマンド処理の中で連続予告コマンドに対応する処理を実行するので、表示用停止識別コマンドの受信によって設定された停止図柄に代えて、チャンス目が停止図柄として設定される。よって、変動停止時にチャンス目を確定表示させることができる。そして、第3図柄表示装置81において、変動演出ごとに停止図柄としてチャンス目が連続して表示されれば、遊技者に対して、最終的に大当たりが得られる期待感を持たせることができる。
上記実施形態において、主制御装置110は、左側特図1始動口64、右側特図1始動口71a又は特図2始動口74への入賞(始動入賞)があった場合に、「1」加算された保留球数を音声ランプ制御装置113へ通知する保留球数コマンドに対して、該始動入賞に伴いカウンタ用バッファより取得された各カウンタC1〜C3,CS1をそのまま含めて、音声ランプ制御装置113へ送信する場合について説明したが、保留球数コマンドに含めるカウンタの種類は、カウンタC1〜C3,CS1の一部であってもよいし、その他のカウンタの値を含めてもよい。また、主制御装置110より音声ランプ制御装置113に対して始動入賞に伴って取得した各カウンタの値を通知する場合に、これらの各カウンタの値を示す情報を保留球数コマンドに含めて通知するのではなく、保留球数コマンドとは別のコマンドに各カウンタの値を示す情報を含めて、これらの値を音声ランプ制御装置113に対して通知してもよい。別のコマンドとしては、始動入賞に伴って取得した各カウンタの値を音声ランプ制御装置113へ通知する専用のコマンドであってもよいし、変動パターンコマンドや停止図柄コマンド等、別の情報を音声ランプ制御装置113へ通知するためのコマンドに、始動入賞に伴って取得した各カウンタの値が加えられてもよい。別のコマンドとして、始動入賞に伴って取得した各カウンタの値を音声ランプ制御装置113へ通知する場合、該コマンドに、その通知する各カウンタの値が、いずれの保留回数に対応する変動演出に係るものであるかを示す情報を含めてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113は、該コマンドに含まれる保留回数に関する情報に基づいて、その保留回数に対応する先読み情報第1〜第4エリアのいずれかのエリアに、該コマンドに含まれる各カウンタの値を格納することができる。
上記実施形態では、音声ランプ制御装置113において、保留球数コマンドを受信した場合に、該保留球数コマンドにて示される各カウンタC1〜C3,CS1の値そのものをRAM223に格納してもよいし、保留球数コマンド(又は、各カウンタの値が示されるコマンド)を受信した場合に、該コマンドにて示される各カウンタの値に基づいて、大当たりか否か、大当たりの場合の大当たり種別、外れの場合の外れ種別等の一部または全部を判定し、これらの判定結果を、該コマンドにて示される各カウンタの値に代えて、または、該カウンタの値の一部または全部とあわせて、RAM223に格納してもよい。
上記実施形態において、入球した場合に大当たりの抽選が開始される始動口として、左側特図1始動口64、右側特図1始動口71a及び特図2始動口74と3つの始動口が遊技盤13に配設されている場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、始動口の数は1つであってもよいし、2つであってもよいし、4つ以上の複数であってもよい。なお、始動口が4以上ある場合、各々の始動口に対して、対応する保留球数カウンタをRAM203に用意し、始動口毎に、対応する始動口への入賞に伴って保留された保留球数をカウントするようにしてもよい。また、始動口毎に、対応する始動口への始動入賞に伴って保留可能な最大保留球数を設定してもよい。
また、始動口が4以上ある場合、始動口への入賞に伴って保留が行われたことを通知するために主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ送信する保留球数コマンドには、いずれの始動口への入賞によって保留が行われたかものかを示す情報を含めてもよい。また、変動を開始する場合に主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ送信する変動パターンコマンドにも、いずれの始動口により保留された変動演出であるかを示す情報を含めてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113において、始動口毎にそれぞれ保留球数カウンタを用意しておき、保留球数コマンドを受信した場合、その保留球数コマンドに示された始動口に対する保留球数カウンタに保留球数を設定し、変動パターンコマンドを受信した場合、その変動パターンコマンドに示された始動口に対する保留球数カウンタを1減らせば、始動口毎に保留球数をカウントすることができる。
また、複数の始動口が遊技盤13に配設される場合、それぞれの始動口への入賞(始動入賞)に伴って取得されたカウンタ値を音声ランプ制御装置113へ通知してもよい。この場合、主制御装置110が始動入賞に伴い取得されたカウンタ値を音声ランプ制御装置113に対して通知するためのコマンドには、いずれの始動口への始動入賞に伴って取得されたものであるかを示す情報を含めてもよい。また、変動を開始する場合に主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ送信する変動パターンコマンドにも、いずれの始動口への始動入賞に伴う変動演出であるかを示す情報を含めてもよい。更に、音声ランプ制御装置113のRAM223において、始動口毎にそれぞれ先読み情報格納エリアを用意し、対応する始動口への始動入賞に伴って主制御装置110より送信された各カウンタ値を、対応する先読み情報格納エリアに格納してもよい。これにより、変動パターンコマンドを受信する毎に、その変動パターンコマンドで示される変動演出の実行契機となった始動入賞を検出した始動口に対応する先読み情報格納エリアに対してシフト処理を行うことができる。よって、始動口毎に保留中の変動演出に対応する各カウンタの値を、音声ランプ制御装置113においても保持させることができる。従って、始動入賞した始動口により、大当たりとなる確率や大当たり種別の振り分け確率、外れ種別の振り分け確率等が異なるような場合に、先読み処理において、それぞれの変動演出について、大当たりとなるか否か、大当たりとなる場合の大当たり種別、外れとなる場合の外れ種別などを、どの始動口への始動入賞かに基づいて正しく判定することができる。また、1の始動口への始動入賞に基づく変動演出が、他の始動口への始動入賞に基づく変動演出に優先して行われるような場合に、1の始動口への始動入賞に基づく変動演出に対応するカウンタの値から順番に先読み処理を行うことができ、直近で大当たりとなる変動演出の保留回数を正しく判断することができる。
また、複数の始動口が設けられている場合、音声ランプ制御装置113は、始動口への始動入賞に基づいて取得された各カウンタの値をコマンドにより主制御装置110から受信した場合に連続予告演出の開始を決定すると、始動入賞があった始動口に関わらず、その時点で保留されている全ての変動演出(保留球)にわたって、連続予告演出を実行させてもよい。また、複数の始動口が設けられており、一の始動口への入賞に対する変動演出を、他の始動口への入賞に対する変動演出よりも優先的に実行するパチンコ機においては、その優先的に変動演出が実行される始動口への入賞に対して取得されたカウンタ値の先読み結果のみから、連続予告演出の開始を決定するようにしてもよい。これにより、優先度の低い始動口への入賞に対応する変動演出に対して、連続予告演出の実行の設定の有無が判断されず、この変動演出に対して連続予告演出は開始されない。仮に、優先度の低い始動口への入賞に対応する変動演出に対して連続予告演出が開始され、優先度の高い始動口に絶え間なく変動演出が保留される場合に、連続予告演出がなかなか終了しないという事態が生じるおそれがある。これに対し、本変形例では、優先度の低い始動口への入賞に対応する変動演出に対して、連続予告演出の実行の設定の有無が判断されず、この変動演出に対して連続予告演出は開始されないので、そのような事態が生じることを抑えることができる。
上記実施形態においては、左側特図1始動口64若しくは右側特図1始動口71a及び特図2始動口74への入賞およびスルーゲート67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、左側特図1始動口64若しくは右側特図1始動口71a及び特図2始動口74への入賞に対し、始動口によって別箇に最大保留球数を設定するようにしてもよく、各々の始動口における最大保留球数は「4」以外の任意の数であってもよい。また、各始動口における最大保留球数は必ずしも同一の値とする必要はなく、異なる値であってもよい。また、左側特図1始動口64若しくは右側特図1始動口71a及び特図2始動口74への入賞に基づく変動表示の保留球数を、第3図柄表示装置81の一部において、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしてもよく、特別図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留球数を通知するように構成してもよい。
また、上記実施形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、横方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
上記各実施形態では、変動演出を実行する場合に、全図柄Z1〜Z3を遊技者が視認不可な程度に高速にスクロールする高速変動を表示させる場合について説明したが、この高速変動の表示に代えて、全図柄Z1〜Z3をそれぞれ視認不可な程度に縮小して表示したり、全図柄Z1〜Z3をそれぞれ多数の白い点がランダムに表示されるスノーノイズ状の画像として表示してもよい。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<A群:時短を特電作動で終了>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて遊技球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられた所定入球手段へ遊技球が入球することに基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において当たり等の有利状態に当選した場合に、通常では閉鎖されている特定入球手段を開放して、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されている(例えば、特許文献1(特開2017−148264号公報))。
しかしながら、上記遊技機では、遊技の興趣向上を図る必要があるが、この点について未だ改良の余地がある。
A群の発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技球が入球可能な所定入球手段(例えば、左側特図1始動口64若しくは右側特図1始動口71a、又は、特図2始動口74)と、
前記所定入球手段へ遊技球が流入し難い若しくは流入不可な流入困難状態(例えば、閉鎖状態)と、前記所定入球手段へ遊技球が流入し得る流入可能状態(例えば、開放状態)とに変化可能な第1可動手段(例えば、普通電役71b)と、
前記第1可動手段を流入困難状態又は流入可能状態に変化可能な第1駆動手段(例えば、普通電役制御処理(S204))と、
前記所定入球手段に遊技球が入球したことに基づいて所定情報を取得する情報取得手段(例えば、第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203e)と、
前記情報取得手段により取得された前記所定情報を判定する判定手段(例えば、MPU201)と、
前記所定入球手段と異なる特定入球手段(例えば、共通大入賞口75)と、
前記特定入球手段へ遊技球が流入し難い若しくは流入不可な流入困難状態と、前記特定入球手段へ遊技球が流入し得る流入可能状態とに変化可能な第2可動手段(例えば、共通大入賞口開閉板75a)と、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記第2可動手段を流入困難状態又は流入可能状態に変化可能な第2駆動手段(例えば、当たり処理(S203))と、
遊技状態を、少なくとも、所定の第1遊技状態(例えば、「時短機能」無し状態)と、該第1遊技状態と異なる第2遊技状態(例えば、「時短機能」有り状態)とに変化可能な遊技状態変更手段(例えば、時短フラグ203m)と、を備えた遊技機において、
前記第1駆動手段は、
前記第1遊技状態において所定条件(例えば、普通図柄の可変表示における当たり当選)が成立した場合に、前記第1可動手段を第1期間(例えば、0.l秒×1回)可動し得る第1駆動態様手段(例えば、「時短機能」無し状態における普通電役開放テーブル202k)と、
前記第2遊技状態において前記所定条件が成立した場合に、前記第1可動手段を前記第1期間より長い第2期間(例えば、5.0秒×3回)可動し得る第2駆動態様手段(例えば、「時短機能」有り状態における普通電役開放テーブル202k)と、を備え、
前記遊技状態変更手段は、
前記第2駆動手段による前記第2可動手段の駆動態様に基づいて遊技状態を変更可能な駆動態様変更手段(例えば、小当たり終了処理(S6016)のS6405)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機A0。
遊技機A0によれば、所定入球手段に遊技球が入球可能に構成され、第1可動手段により、所定入球手段へ遊技球が流入し難い若しくは流入不可な流入困難状態と、所定入球手段へ遊技球が流入し得る流入可能状態とに変化可能に構成され、第1駆動手段により、第1可動手段が流入困難状態又は流入可能状態に変化可能に構成される。そして、情報取得手段により、所定入球手段に遊技球が入球したことに基づいて所定情報が取得され、判定手段により、情報取得手段により取得された所定情報が判定される。また、所定入球手段と異なる特定入球手段が設けられ、第2可動手段により、特定入球手段へ遊技球が入球し難い若しくは入球不可な流入困難状態と、特定入球手段へ遊技球が流入し得る流入可能状態とに変化可能に構成される。そして、判定手段による判定結果を使用することにより、第2駆動手段により、第2可動手段を流入困難状態又は流入可能状態に変化可能に構成される。また、遊技状態変更手段により、少なくとも、所定の第1遊技状態と、該第1遊技状態と異なる第2遊技状態とに遊技状態が変化可能に構成される。ここで、第1遊技状態において所定条件が成立した場合に、第1駆動手段に設けられた第1駆動態様手段により、第1可動手段が第1期間可動され得て、第2遊技状態において所定条件が成立した場合に、第1駆動手段に設けられた第2駆動態様手段により、第1可動手段が第1期間より長い第2期間可動され得る。そして、遊技状態変更手段に設けられた駆動態様変更手段により、第2駆動手段による第2可動手段の駆動態様に基づいて遊技状態が変更可能に構成される。これにより、判定手段の判定結果を使用することで流入困難状態又は流入可能状態とに変化し得る特定入球手段への遊技球の流入態様に基づいて遊技状態が変更されることで、所定入球手段への遊技球の流入態様を変更することができる。その結果、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機A0において、
前記判定手段の判定結果を使用することにより、表示手段(例えば、第3図柄表示装置81)において識別情報の動的表示(例えば、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出)を実行する動的表示実行手段(例えば、音声ランプ制御装置113)、を備え、
前記遊技状態変更手段は、
前記動的表示実行手段によって実行される前記動的表示の実行回数に基づいて遊技状態を変更可能な実行回数変更手段(例えば、特図1時短カウンタ203n)、を備えている
ことを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、遊技機A0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示実行手段により、判定手段の判定結果を使用することで、表示手段において識別情報の動的表示が実行される。そして、実行回数変更手段により、動的表示実行手段によって実行される動的表示の実行回数に基づいて遊技状態が変更可能に構成される。これにより、特定入球手段への遊技球の流入態様のほか、動的表示の実行回数によっても遊技状態が変更され得ることで、所定入球手段への遊技球の流入態様を変更することができるので、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機A0又はA1において、
前記判定手段は、
前記情報取得手段によって取得された前記所定情報に基づいて、少なくとも、遊技者に遊技価値を付与しない第1結果(例えば、ハズレ結果)と、遊技者に所定の第1遊技価値を付与し得る第2結果(例えば、小当たり遊技)と、遊技者に前記第1遊技価値より遊技者にとって有利な第2遊技価値を付与し得る第3結果(例えば、大当たり遊技)とのいずれかの結果を導出可能に構成され、
前記駆動態様変更手段は、
少なくとも、前記判定手段により前記第2結果が導出された場合に、前記第2遊技状態から前記第1遊技状態に変更する
ことを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A0又はA1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判定手段により、情報取得手段によって取得された所定情報に基づいて、少なくとも、遊技者に遊技価値を付与しない第1結果と、遊技者に所定の第1遊技価値を付与し得る第2結果と、遊技者に第1遊技価値より遊技者にとって有利な第2遊技価値を付与し得る第3結果とのいずれかの結果が導出可能に構成される。そして、少なくとも、判定手段により第2結果が導出された場合に、駆動態様変更手段により、第2遊技状態から第1遊技状態に変更される。これにより、少なくとも、所定入球手段への入球に基づいて取得された所定情報に基づいて第2結果が導出された場合に、第2遊技状態から第1遊技状態へ変更され得ることで、所定入球手段への遊技球の流入態様を、流入可能状態から流入困難状態に変更することができるので、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機A1又はA2において、
前記判定手段によって前記第3結果が導出された場合に、前記駆動態様変更手段より前記実行回数変更手段による遊技状態の変更が行われ易い回数優先遊技状態(例えば、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」)と、前記実行回数変更手段より前記駆動態様変更手段による遊技状態の変更が行われ易い駆動優先遊技状態(例えば、「小当たり頻出確率変動状態」)と、を少なくとも発生可能な遊技状態発生手段(例えば、大当たり終了処理(S6012))、を備えている
ことを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A1又はA2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判定手段によって第3結果が導出された場合に、少なくとも、駆動態様変更手段より実行回数変更手段による遊技状態の変更が行われ易い回数優先遊技状態と、実行回数変更手段より駆動態様変更手段による遊技状態の変更が行われ易い駆動優先遊技状態とが、遊技状態発生手段により、発生可能に構成される。これにより、遊技状態に応じて遊技状態が変更され得る条件を異ならせることで、いずれの遊技状態の変更条件が成立するか否かという遊技性を創出できる。その結果、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機A3において、
前記遊技状態発生手段は、
前記回数優先遊技状態および前記駆動優先遊技状態において、前記実行回数変更手段と前記駆動態様変更手段とを共に設定する共通設定手段(例えば、大当たり終了処理(S6012)のS6204〜S6208)、を備えている
ことを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技状態発生手段に設けられた共通設定手段により、回数優先遊技状態および駆動優先遊技状態において、実行回数変更手段と駆動態様変更手段とが共に設定される。これにより、いずれの遊技状態を発生させる場合でも、遊技状態が変更され得る設定処理を共通化することができ、プログラムの簡易化及び処理負担を軽減することができる、という効果がある。
遊技機A2からA4のいずれかにおいて、
前記所定入球手段は、
所定の所定第1入球手段(例えば、左側特図1始動口64又は右側特図1始動口71a)と、
前記所定第1入球手段と異なる所定第2入球手段(例えば、特図2始動口74)と、を備え、
前記第2駆動手段は、
前記判定手段によって前記所定第1入球手段または前記所定第2入球手段への遊技球の入球に基づいて前記第3結果が導出される場合に、前記特定入球手段を流入可能状態にするとともに、
前記判定手段によって前記所定第2入球手段への遊技球の入球に基づいて前記第2結果が導出される場合に、前記特定入球手段を流入可能状態にする
ことを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A2からA4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定入球手段として、所定の所定第1入球手段と、該所定第1入球手段と異なる所定第2入球手段とが設けられる。そして、判定手段によって所定第1入球手段または所定第2入球手段への遊技球の入球に基づいて第3結果が導出される場合に、第2駆動手段により、特定入球手段が流入可能状態とされるとともに、判定手段によって所定第2入球手段への遊技球の入球に基づいて第2結果が導出される場合に、同じく第2駆動手段により、特定入球手段が流入可能状態とされる。これにより、第3結果が導出される場合と第2結果が導出される場合とで共通の特定入球手段により遊技者に遊技価値を付与することができ、部品点数を少なくし、遊技機に係るコストを削減することができる、という効果がある。
遊技機A5において、
前記第1駆動手段は、
前記回数優先遊技状態において、前記所定第2入球手段より前記所定第1入球手段に遊技球が入球し易いように前記第1可動手段を駆動し、
前記駆動優先遊技状態において、前記所定第1入球手段より前記所定第2入球手段に遊技球が入球し易いように前記第1可動手段を駆動する
ことを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1駆動手段により、回数優先遊技状態において、所定第2入球手段より所定第1入球手段に遊技球が入球し易いように第1可動手段が駆動され、駆動優先遊技状態において、所定第1入球手段より所定第2入球手段に遊技球が入球し易いように第1可動手段が駆動される。これにより、遊技状態に応じて遊技球が入球し易い所定入球手段を異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機A5又はA6において、
前記所定入球手段または前記特定入球手段と異なって設けられ、前記判定手段によって前記所定第1入球手段への遊技球の入球に基づいて前記第2結果が導出される場合に、流入困難状態から流入可能状態に変化可能な特殊入球手段(例えば、特図1小入賞口65)、を備え、
前記判定手段によって前記所定第1入球手段への遊技球の入球に基づいて前記第2結果が導出される場合に、前記特殊入球手段への遊技球の流入態様を変化させ、
前記遊技状態変更手段は、
前記特殊入球手段の流入態様の如何に関わらず遊技状態を維持する遊技状態維持手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A5又はA6の奏する効果に加え、次の効果を奏する、即ち、所定入球手段または特定入球手段と異なって設けられた特殊入球手段が、判定手段によって所定第1入球手段への遊技球の入球に基づいて第2結果が導出された場合に流入困難状態から流入可能状態へと変化可能に構成される。そして、判定手段によって所定第1入球手段への遊技球の入球に基づいて第2結果が導出される場合に、特殊入球手段への遊技球の流入態様が変化される。ここで、遊技状態変更手段に設けられた遊技状態維持手段により、特殊入球手段の流入態様の如何に関わらず遊技状態が維持される。これにより、所定第1入球手段に関する第2結果と、所定第2入球手段に関する第2結果とで遊技球が流入可能状態となる入球手段を異ならせることができ、その結果、いずれの入球手段に遊技球が入球するか否かで遊技状態が変更されるか否かという遊技性を創出し、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機A7のいずれかにおいて、
前記特殊入球手段への遊技球の流入を阻害する阻害手段(例えば、障害部材65c又は釘)、を備えている
ことを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、阻害手段により、特殊入球手段への遊技球の流入が阻害される。これにより、仮に、所定第1入球手段への遊技球の入球に基づいて第2結果が導出された場合であっても、該第2結果に基づいて流入可能状態となっている特殊入球手段への遊技球の流入を阻害手段によって阻害することが可能となる。よって、所定第1入球手段に関する第2結果と、所定第2入球手段に関する第2結果とで、入球手段に遊技球を流入させ得るか否かを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機A5からA8のいずれかにおいて、
前記第1可動手段は、
前記所定第1入球手段が流入困難状態である場合に、該第1可動手段の上面を遊技球が転動可能に構成され、
前記所定第2入球手段は、
前記第1可動手段の上面を転動した遊技球が流下する位置に配設される
ことを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A5からA8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定第1入球手段が流入困難状態である場合に、第1可動手段の上面を遊技球が転動可能に構成される。そして、所定第2入球手段が、第1可動手段の上面を転動した遊技球が流下する位置に配設される。これにより、第1可動手段が流入困難状態である場合にのみ所定第2入球手段に遊技球を入球させ得ることができ、第1可動手段が流入可能状態となり得る場合には、所定第1入球手段に遊技球が入球し、所定第2入球手段に遊技球が入球し難いようにすることができる。その結果、これにより、第1可動手段の駆動態様が異なる遊技状態に応じて遊技球が入球し易い所定入球手段を異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機A9において、
前記特定入球手段は、
少なくとも、前記第1可動手段の上面を転動した遊技球が流下する位置に配設される
ことを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、遊技機A9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定入球手段が、第1可動手段の上面を転動した遊技球が流下する位置に配設される。これにより、第1可動手段の駆動態様が異なる遊技状態に応じて特定入球手段に遊技球が入球し得るか否かを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
<B群:同時変動×遊技状態に応じて導出される変動結果が異なり、該変動結果を契機に時短終了>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて遊技球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられた所定入球手段へ遊技球が入球することに基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において当たり等の有利状態に当選した場合に、通常では閉鎖されている特定入球手段を開放して、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されている(例えば、特許文献1(特開2017−148264号公報))。
しかしながら、上記遊技機では、遊技の興趣向上を図る必要があるが、この点について未だ改良の余地がある。
B群の発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技球が入球可能な所定第1入球手段(例えば、左側特図1始動口64又は右側特図1始動口71a)と、
前記所定第1入球手段と異なる所定第2入球手段(例えば、特図2始動口74)と、
前記所定第1入球手段へ遊技球が流入し難い若しくは流入不可な流入困難状態(例えば、閉鎖状態)と、前記所定第1入球手段へ遊技球が流入し得る流入可能状態(例えば、開放状態)とに変化可能な第1可動手段(例えば、普通電役71b)と、
前記第1可動手段を流入困難状態又は流入可能状態に変化可能な第1駆動手段(例えば、普通電役制御処理(S204))と、
前記所定第1入球手段または前記所定第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて所定情報を取得する情報取得手段(例えば、第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203e)と、
前記情報取得手段により取得された前記所定情報を判定する判定手段(例えば、MPU201)と、
前記所定第1入球手段および前記所定第2入球手段と異なる特定入球手段(例えば、共通大入賞口75)と、
前記特定入球手段へ遊技球が流入し難い若しくは流入不可な流入困難状態と、前記特定入球手段へ遊技球が流入し得る流入可能状態とに変化可能な第2可動手段(例えば、共通大入賞口開閉板75a)と、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記第2可動手段を流入困難状態又は流入可能状態に変化可能な第2駆動手段(例えば、当たり処理(S203))と、
遊技状態を変更可能な遊技状態変更手段(例えば、時短フラグ203m)と、
前記判定手段の判定結果を使用することにより、表示手段(例えば、特別図柄表示装置37)において識別情報の動的表示(例えば、第1特別図柄又は第2特別図柄の動的表示)を実行する動的表示実行手段(例えば、主制御装置110)と、を備えた遊技機において、
前記動的表示実行手段は、
前記所定第1入球手段への入球に基づいて前記動的表示である第1動的表示(例えば、第1特別図柄の動的表示)を実行可能な第1動的実行手段(例えば、上方LED群37b1)と、
前記所定第2入球手段への入球に基づいて前記動的表示であって前記第1動的表示と異なる第2動的表示(例えば、第2特別図柄の動的表示)を実行可能な第2動的実行手段(例えば、下方LED群37b2)と、
前記第1動的実行手段による前記第1動的表示と、前記第2動的実行手段による前記第2動的表示とを同時期に実行可能な同時期実行手段(例えば、第1特別図柄の動的表示と第2特別図柄の動的表示とを同時並列的に実行)と、を備え、
前記遊技状態変更手段は、
前記第1動的実行手段による前記第1動的表示と、前記第2動的実行手段による前記第2動的表示とのうち、先に導出される前記第1動的表示又は前記第2動的表示の導出結果に基づいて遊技状態を変更する先導出変更手段(例えば、小当たり終了処理(S6016)のS6405)、を備えている
ことを特徴とする遊技機B0。
遊技機B0によれば、所定第1入球手段に遊技球が入球可能に構成され、所定第1入球手段と異なる所定第2入球手段に遊技球が入球可能に構成され、第1可動手段により、所定第1入球手段へ遊技球が流入し難い若しくは流入不可な流入困難状態と、所定第1入球手段へ遊技球が流入し得る流入可能状態とに変化可能に構成され、第1駆動手段により、第1可動手段が流入困難状態又は流入可能状態に変化可能に構成される。そして、情報取得手段により、所定第1入球手段または所定第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて所定情報が取得され、判定手段により、情報取得手段により取得された所定情報が判定される。また、所定第1入球手段および所定第2入球手段と異なる特定入球手段が設けられ、第2可動手段により、特定入球手段へ遊技球が入球し難い若しくは入球不可な流入困難状態と、特定入球手段へ遊技球が流入し得る流入可能状態とに変化可能に構成される。そして、判定手段による判定結果を使用することにより、第2駆動手段により、第2可動手段を流入困難状態又は流入可能状態に変化可能に構成される。また、遊技状態変更手段により、遊技状態が変更可能に構成される。また、判定手段の判定結果を使用することによって、動的表示実行手段により、表示手段において識別情報の動的表示が実行される。ここで、動的表示実行手段に設けられた第1動的実行手段により、所定第1入球手段への入球に基づいて動的表示である第1動的表示が実行可能に構成され、同じく動的表示実行手段に設けられた第2動的実行手段により、所定第2入球手段への入球に基づいて動的表示である第2動的表示が実行可能に構成される。また、同時期実行手段により、第1実行手段による第1動的表示と、第2実行手段による第2動的表示とが同時期に実行可能に構成される。そして、遊技状態変更手段に設けられた先導出変更手段により、第1動的実行手段による第1動的表示と、第2動的実行手段による第2動的表示とのうち、先に導出される第1動的表示または第2動的表示の導出結果に基づいて遊技状態が変更される。これにより、同時期に実行され得るいずれの動的表示が先に導出されるか否かによって遊技状態が変更されることで、いずれの動的表示が先に導出されるか否かという遊技性を創出することができる。その結果、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機B0において、
前記遊技状態変更手段は、少なくとも、
所定の所定遊技状態(例えば、「通常遊技状態」、「潜伏確率変動状態」、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」)と、該所定遊技状態と異なる特定遊技状態(例えば、「小当たり頻出確率変動状態」)とに遊技状態を変更可能に構成され、
前記動的表示実行手段は、
前記所定遊技状態において、前記第1動的表示の実行時間として、前記第2動的表示の実行時間より短い実行時間を選択し易い第1動的短期手段(例えば、「通常遊技状態」において、第1特別図柄の最大変動時間120秒<第2特別図柄の変動時間600秒)と、
前記特定遊技状態において、前記第2動的表示の実行時間として、前記第1動的表示の実行時間より短い実行時間を選択し易い第2動的短期手段(例えば、「小当たり頻出確率変動状態」において、第1特別図柄の変動時間600秒>第2特別図柄の最大変動時間120秒)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、遊技機B0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技状態変更手段により、少なくとも、所定の所定遊技状態と、該所定遊技状態と異なる特定遊技状態とに遊技状態を変更可能に構成される。そして、動的表示実行手段に設けられた第1動的短期手段により、所定遊技状態において、第1動的表示の実行時間として、第2動的表示の実行時間より短い実行時間が選択され易く構成される。また、動的表示実行手段に設けられた第2動的短期手段により、特定遊技状態において、第2動的表示の実行時間として、第1動的表示の実行時間より短い実行時間が選択され易く構成される。これにより、遊技状態に応じていずれの動的表示が先に導出されるか否かという遊技性を創出することができる。その結果、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機B1において、
前記判定手段は、
前記情報取得手段によって取得された前記所定情報に基づいて、少なくとも、遊技者に遊技価値を付与しない第1結果(例えば、ハズレ結果)と、遊技者に所定の第1遊技価値を付与し得る第2結果(例えば、小当たり遊技)と、遊技者に前記第1遊技価値より遊技者にとって有利な第2遊技価値を付与し得る第3結果(例えば、大当たり遊技)とのいずれかの結果を導出可能に構成され、
前記遊技状態変更手段は、少なくとも、
所定の第1遊技状態(例えば、「時短機能」無し状態)と、該第1遊技状態と異なる第2遊技状態(例えば、「時短機能」有り状態)とに遊技状態を変化可能に構成され、
前記第1駆動手段は、
前記第1遊技状態において、所定条件(例えば、普通図柄の可変表示における当たり当選)が成立した場合に、前記第1可動手段を第1期間(例えば、0.l秒×1回)可動し得る第1駆動態様手段(例えば、「時短機能」無し状態における普通電役開放テーブル202k)と、
前記第2遊技状態において、前記所定条件が成立した場合に、前記第1可動手段を前記第1期間より長い第2期間(例えば、5.0秒×3回)可動し得る第2駆動態様手段(例えば、「時短機能」有り状態における普通電役開放テーブル202k)と、を備え、
前記先導出変更手段は、
少なくとも、前記第2動的表示において前記第2結果が、前記第1動的表示のいずれかの結果よりも先に導出された場合に、前記第2遊技状態から前記第1遊技状態に変更する
ことを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判定手段により、情報取得手段によって取得された所定情報に基づいて、少なくとも、遊技者に遊技価値を付与しない第1結果と、遊技者に所定の第1遊技価値を付与し得る第2結果と、遊技者に第1遊技価値より遊技者にとって有利な第2遊技価値を付与し得る第3結果とのいずれかの結果が導出可能に構成される。また、遊技状態変更手段により、少なくとも、所定の第1遊技状態と、該第1遊技状態と異なる第2遊技状態とに遊技状態が変更可能に構成される。そして、第1遊技状態において、所定条件が成立した場合に、第1駆動手段に設けられた第1駆動態様手段により、第1可動手段が第1期間可動され得る。また、第2遊技状態において、所定条件が成立した場合に、第1可動手段が第1期間より長い第2期間可動され得る。そして、先導出変更手段により、少なくとも、第2動的表示において第2結果が、第1動的表示のいずれかの結果よりも先に導出された場合に、第2遊技状態から第1遊技状態に変更される。これにより、少なくとも、所定第2入球手段への入球に基づいて実行される第2動的表示において第2結果が導出された場合に、第2遊技状態から第1遊技状態へ変更され得ることで、所定第1入球手段への遊技球の流入態様を、流入可能状態から流入困難状態に変更することができるので、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機B2において、
前記第1動的実行手段または前記第2動的実行手段によって、先に導出される前記第1動的表示または前記第2動的表示において前記第2結果又は前記第3結果が導出される場合に、後に導出され得る前記第2動的表示または前記第1動的表示の実行を中止する実行中止手段(例えば、第1特別図柄における小当たり遊技の当選に基づいて第2特別図柄の動的表示を消滅)、を備えている
ことを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1動的実行手段または第2動的実行手段において第2結果又は第3結果が導出される場合に、実行中止手段により、後に導出され得る第2動的表示または第1動的表示の実行が中止される。これにより、同時期に実行され得る第1動的表示と第2動的表示とが共に第2結果又は第3結果が導出されてしまうことで、特定入球手段に関する制御が同時並行的に発生してしまって、該特定入球手段に関する制御が複雑化してしまうことを未然に防止し、遊技者に理解し易い遊技性を提供できる、という効果がある。
遊技機B2又はB3において、
前記第2駆動手段は、
前記判定手段によって前記所定第1入球手段または前記所定第2入球手段への遊技球の入球に基づいて前記第3結果が導出される場合に、前記特定入球手段を流入可能状態にするとともに、
前記判定手段によって前記所定第2入球手段への遊技球の入球に基づいて前記第2結果が導出される場合に、前記特定入球手段を流入可能状態にする
ことを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B2又はB3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判定手段によって所定第1入球手段または所定第2入球手段への遊技球の入球に基づいて第3結果が導出される場合に、第2駆動手段により、特定入球手段が流入可能状態とされるとともに、判定手段によって所定第2入球手段への遊技球の入球に基づいて第2結果が導出される場合に、同じく第2駆動手段により、特定入球手段が流入可能状態とされる。これにより、第3結果が導出される場合と第2結果が導出される場合とで共通の特定入球手段により遊技者に遊技価値を付与することができ、部品点数を少なくし、遊技機に係るコストを削減することができる、という効果がある。
遊技機B2からB4のいずれかにおいて、
前記第1駆動手段は、
前記第1遊技状態において、前記所定第2入球手段より前記所定第1入球手段に遊技球が入球し易いように前記第1可動手段を駆動し、
前記第2遊技状態において、前記所定第1入球手段より前記所定第2入球手段に遊技球が入球し易いように前記第1可動手段を駆動する
ことを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B2からB4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1駆動手段により、第1遊技状態において、所定第2入球手段より所定第1入球手段に遊技球が入球し易いように第1可動手段が駆動され、第2遊技状態において、所定第1入球手段より所定第2入球手段に遊技球が入球し易いように第1可動手段が駆動される。これにより、遊技状態に応じて遊技球が入球し易い所定入球手段を異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機B2からB5のいずれかにおいて、
前記所定第1入球手段、前記所定第2入球手段または前記特定入球手段と異なって設けられ、前記判定手段によって前記所定第1入球手段への遊技球の入球に基づいて前記第2結果が導出される場合に、流入困難状態から流入可能状態に変化可能な特殊入球手段(例えば、特図1小入賞口65)、を備え、
前記判定手段によって前記所定第1入球手段への遊技球の入球に基づいて前記第2結果が導出される場合に、前記特殊入球手段への遊技球の流入態様を変化させ、
前記遊技状態変更手段は、
前記特殊入球手段の流入態様の如何に関わらず遊技状態を維持する遊技状態維持手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B2からB5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定第1入球手段、所定第2入球手段または特定入球手段と異なって設けられた特殊入球手段が、判定手段によって所定第1入球手段への遊技球の入球に基づいて第2結果が導出された場合に流入困難状態から流入可能状態へと変化可能に構成される。そして、判定手段によって所定第1入球手段への遊技球の入球に基づいて第2結果が導出される場合に、特殊入球手段への遊技球の流入態様が変化される。ここで、遊技状態変更手段に設けられた遊技状態維持手段により、特殊入球手段の流入態様の如何に関わらず遊技状態が維持される。これにより、所定第1入球手段に関する第2結果と、所定第2入球手段に関する第2結果とで遊技球が流入可能状態となる入球手段を異ならせることができ、その結果、いずれの入球手段に遊技球が入球するか否かで遊技状態が変更されるか否かという遊技性を創出し、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機B6において、
前記特殊入球手段への遊技球の流入を阻害する阻害手段(例えば、障害部材65c又は釘)、を備えている
ことを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B6の奏する効果に加え、次の効果を奏する、即ち、阻害手段により、特殊入球手段への遊技球の流入が阻害される。これにより、仮に、所定第1入球手段への遊技球の入球に基づいて第2結果が導出された場合であっても、該第2結果に基づいて流入可能状態となっている特殊入球手段への遊技球の流入を阻害手段によって阻害することが可能となる。よって、所定第1入球手段に関する第2結果と、所定第2入球手段に関する第2結果とで、入球手段に遊技球を流入させ得るか否かを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機B0からB7のいずれかにおいて、
前記第1可動手段は、
前記所定第1入球手段が流入困難状態である場合に、該第1可動手段の上面を遊技球が転動可能に構成され、
前記所定第2入球手段は、
前記第1可動手段の上面を転動した遊技球が流下する位置に配設される
ことを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B0からB7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定第1入球手段が流入困難状態である場合に、第1可動手段の上面を遊技球が転動可能に構成される。そして、所定第2入球手段が、第1可動手段の上面を転動した遊技球が流下する位置に配設される。これにより、第1可動手段が流入困難状態である場合にのみ所定第2入球手段に遊技球を入球させ得ることができ、第1可動手段が流入可能状態となり得る場合には、所定第1入球手段に遊技球が入球し、所定第2入球手段に遊技球が入球し難いようにすることができる。その結果、これにより、第1可動手段の駆動態様が異なる遊技状態に応じて遊技球が入球し易い所定入球手段を異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機B8において、
前記特定入球手段は、
少なくとも、前記第1可動手段の上面を転動した遊技球が流下する位置に配設される
ことを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、遊技機B8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定入球手段が、第1可動手段の上面を転動した遊技球が流下する位置に配設される。これにより、第1可動手段の駆動態様が異なる遊技状態に応じて特定入球手段に遊技球が入球し得るか否かを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
<C群:最大大当たり時間+奨励の特図の動的表示の大当たり後最大変動時間<非奨励の特図の動的表示の最少変動時間>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて遊技球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられた所定入球手段へ遊技球が入球することに基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において当たり等の有利状態に当選した場合に、通常では閉鎖されている特定入球手段を開放して、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されている(例えば、特許文献1(特開2017−148264号公報))。
しかしながら、上記遊技機では、遊技の興趣向上を図る必要があるが、この点について未だ改良の余地がある。
C群の発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技球が入球可能な所定第1入球手段(例えば、左側特図1始動口64又は右側特図1始動口71a)と、
前記所定第1入球手段と異なる所定第2入球手段(例えば、特図2始動口74)と、
前記所定第1入球手段へ遊技球が流入し難い若しくは流入不可な流入困難状態(例えば、閉鎖状態)と、前記所定第1入球手段へ遊技球が流入し得る流入可能状態(例えば、開放状態)とに変化可能な第1可動手段(例えば、普通電役71b)と、
前記第1可動手段を流入困難状態又は流入可能状態に変化可能な第1駆動手段(例えば、普通電役制御処理(S204))と、
前記所定第1入球手段または前記所定第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて所定情報を取得する情報取得手段(例えば、第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203e)と、
前記情報取得手段により取得された前記所定情報を判定する判定手段(例えば、MPU201)と、
前記所定第1入球手段および前記所定第2入球手段と異なる特定入球手段(例えば、共通大入賞口75)と、
前記特定入球手段へ遊技球が流入し難い若しくは流入不可な流入困難状態と、前記特定入球手段へ遊技球が流入し得る流入可能状態とに変化可能な第2可動手段(例えば、共通大入賞口開閉板75a)と、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記第2可動手段を流入困難状態又は流入可能状態に変化可能な第2駆動手段(例えば、当たり処理(S203))と、
遊技状態を変更可能な遊技状態変更手段(例えば、時短フラグ203m)と、
前記判定手段の判定結果を使用することにより、表示手段(例えば、特別図柄表示装置37)において識別情報の動的表示(例えば、第1特別図柄又は第2特別図柄の動的表示)を実行する動的表示実行手段(例えば、主制御装置110)と、を備えた遊技機において、
前記判定手段は、
前記情報取得手段によって取得された前記所定情報に基づいて、少なくとも、遊技者に遊技価値を付与しない第1結果(例えば、ハズレ結果)と、遊技者に所定の遊技価値を付与し得る第2結果(例えば、大当たり遊技)とのいずれの結果を導出可能に構成され、
前記動的表示実行手段は、
前記所定第1入球手段への入球に基づいて前記動的表示である第1動的表示(例えば、第1特別図柄の動的表示)を実行可能な第1動的実行手段(例えば、上方LED群37b1)と、
前記所定第2入球手段への入球に基づいて前記動的表示であって前記第1動的表示と異なる第2動的表示(例えば、第2特別図柄の動的表示)を実行可能な第2動的実行手段(例えば、下方LED群37b2)と、
前記第1動的実行手段による前記第1動的表示と、前記第2動的実行手段による前記第2動的表示とを同時期に実行可能な同時期実行手段(例えば、第1特別図柄の動的表示と第2特別図柄の動的表示とを同時並列的に実行)と、を備え、
前記第2駆動手段は、
前記判定手段によって前記所定第1入球手段または前記所定第2入球手段への遊技球の入球に基づいて前記第2結果が導出される場合に、前記特定入球手段を最大で特定期間の間、流入可能状態にし得る特定期間流入可能状態手段(例えば、1ラウンド最大30秒間開放)と、
前記特定期間流入可能状態手段による前記特定期間をN回(Nは自然数)実行するN回実行手段(例えば、10ラウンドの大当たり)と、を備え、
前記遊技状態変更手段は、少なくとも、
所定の所定遊技状態(例えば、「通常遊技状態」、「潜伏確率変動状態」、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」)と、該所定遊技状態と異なる特定遊技状態(例えば、「小当たり頻出確率変動状態」)とに遊技状態を変更可能に構成され、
前記動的表示実行手段は、
前記所定遊技状態において、前記第1動的表示の実行時間として、前記第2動的表示の実行時間より短い実行時間を選択し得る第1動的短期手段(例えば、「通常遊技状態」において、第1特別図柄の最大変動時間120秒<第2特別図柄の変動時間600秒)と、
前記特定遊技状態において、前記第1動的表示の実行時間として、前記第2動的表示の実行時間より長い実行時間を選択し得る第1動的長期手段(例えば、「小当たり頻出確率変動状態」において、第1特別図柄の変動時間600秒>第2特別図柄の最大変動時間120秒)と、
前記所定遊技状態において、前記第2動的表示の実行時間として、前記第1動的表示の実行時間より長い実行時間を選択し得る第2動的長期手段(例えば、「通常遊技状態」において、第1特別図柄の最大変動時間120秒<第2特別図柄の変動時間600秒)と、
前記特定遊技状態において、前記第2動的表示の実行時間として、前記第1動的表示の実行時間より短い実行時間を選択し得る第2動的短期手段(例えば、「小当たり頻出確率変動状態」において、第1特別図柄の変動時間600秒>第2特別図柄の最大変動時間120秒)と、を備え、
前記第1動的長期手段は、
前記第1動的表示の実行時間として、少なくとも、
前記第2動的短期手段によって選択され得る実行時間と、前記特定期間流入可能状態手段における前記特定期間に対して前記N回実行手段によるNを乗じたN回特定期間と、の合計以上の第1合計期間を設定可能な第1合計期間設定手段(例えば、大当たりラウンド10回×最大30秒=300秒+最大変動時間120秒<600秒)、を備えている
ことを特徴とする遊技機C0。
遊技機C0によれば、所定第1入球手段に遊技球が入球可能に構成され、所定第1入球手段と異なる所定第2入球手段に遊技球が入球可能に構成され、第1可動手段により、所定第1入球手段へ遊技球が流入し難い若しくは流入不可な流入困難状態と、所定第1入球手段へ遊技球が流入し得る流入可能状態とに変化可能に構成され、第1駆動手段により、第1可動手段が流入困難状態又は流入可能状態に変化可能に構成される。そして、情報取得手段により、所定第1入球手段または所定第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて所定情報が取得され、判定手段により、情報取得手段により取得された所定情報が判定される。また、所定第1入球手段および所定第2入球手段と異なる特定入球手段が設けられ、第2可動手段により、特定入球手段へ遊技球が入球し難い若しくは入球不可な流入困難状態と、特定入球手段へ遊技球が流入し得る流入可能状態とに変化可能に構成される。そして、判定手段による判定結果を使用することにより、第2駆動手段により、第2可動手段を流入困難状態又は流入可能状態に変化可能に構成される。また、遊技状態変更手段により、遊技状態が変更可能に構成される。また、判定手段の判定結果を使用することによって、動的表示実行手段により、表示手段において識別情報の動的表示が実行される。ここで、判定手段により、情報取得手段によって取得された所定情報に基づいて、少なくとも、遊技者に遊技価値を付与しない第1結果と、遊技者に所定の遊技価値を付与し得る第2結果とのいずれの結果が導出可能に構成される。そして、動的表示実行手段に設けられた第1動的実行手段により、所定第1入球手段への入球に基づいて動的表示である第1動的表示が実行可能に構成され、同じく動的表示実行手段に設けられた第2動的実行手段により、所定第2入球手段への入球に基づいて動的表示である第2動的表示が実行可能に構成される。また、同時期実行手段により、第1実行手段による第1動的表示と、第2実行手段による第2動的表示とが同時期に実行可能に構成される。ここで、判定手段によって所定第1入球手段または所定第2入球手段への遊技球の入球に基づいて第2結果が導出される場合に、第2駆動手段に設けられた特定期間流入可能状態手段により、特定入球手段が最大で特定期間の間、流入可能状態にされ得る。また、第2駆動手段に設けられたN回実行手段により、特定期間琉球可能状態手段による特定期間がN回実行される。そして、遊技状態変更手段により、少なくとも、所定の所定遊技状態と、該所定遊技状態と異なる特定遊技状態とに遊技状態が変化可能に構成される。また、動的表示実行手段に設けられた第1動的短期手段により、所定遊技状態において、第1動的表示の実行時間として、第2動的表示の実行時間より短い実行時間が選択され得る。さらに、動的表示実行手段に設けられた第1動的長期手段により、特定遊技状態において、第1動的表示の実行時間として、第2動的表示の実行時間より長い実行時間が選択され得る。また、動的表示実行手段に設けられた第2動的長期手段により、所定遊技状態において、第2動的表示の実行時間として、第1動的表示の実行時間より長い実行時間が選択され得る。さらに、動的表示実行手段に設けられた第2動的短期手段により、特定遊技状態において、第2動的表示の実行時間として、第1動的表示の実行時間より短い実行時間が選択され得る。そして、第1動的長期手段に設けられた第1合計期間設定手段により、第1動的表示の実行時間として、少なくとも、第2動的短期手段によって選択さえ得る実行時間と、特定期間流入可能状態手段における特定期間に対してN回実行手段によるNを乗じたN回特定期間と、の合計期間以上の第1合計期間が設定可能に構成される。これにより、特定遊技状態において、第1動的表示の実行時間より、第2動的表示の実行時間と特定入球手段の全特定期間との合計期間である第1合計期間を短く構成されることで、特定遊技状態において第2動的表示において第2結果が導出された場合でも、該第2結果に基づく特定入球手段の全特定期間終了後、再び、特定遊技状態となる場合には、第2動的表示の結果を第1動的表示の結果より先に導出させ易くすることができる。その結果、短い動的表示における抽選結果を優先的に導出し易くすることができ、効率の良い遊技を実行して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機C0において、
前記第2動的長期手段は、
前記第2動的表示の実行時間として、少なくとも、
前記第1動的短期手段によって選択され得る実行時間と、前記特定期間流入可能状態手段における前記特定期間に対して前記N回実行手段によるNを乗じたN回特定期間と、の合計以上の第2合計期間を設定可能な第2合計期間設定手段(例えば、大当たりラウンド10回×最大30秒=300秒+最大変動時間120秒<600秒)、を備えている
ことを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、遊技機C0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2動的長期手段に設けられた第2合計期間設定手段により、第2動的表示の実行時間として、少なくとも、第1動的短期手段によって選択さえ得る実行時間と、特定期間流入可能状態手段における特定期間に対してN回実行手段によるNを乗じたN回特定期間と、の合計期間以上の第2合計期間が設定可能に構成される。これにより、所定遊技状態において、第2動的表示の実行時間より、第1動的表示の実行時間と特定入球手段の全特定期間との合計期間である第2合計期間を短く構成されることで、所定遊技状態において第1動的表示において第2結果が導出された場合でも、該第2結果に基づく特定入球手段の全特定期間終了後、再び、所定遊技状態となる場合には、第1動的表示の結果を第2動的表示の結果より先に導出させ易くすることができる。その結果、短い動的表示における抽選結果を優先的に導出し易くすることができ、効率の良い遊技を実行して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機C0又はC1において、
前記第2駆動手段は、
前記特定期間流入可能状態手段によって前記特定期間が開始される前に所定の開始期間(例えば、オープニング時間)を実行する開始期間実行手段、を備え、
前記第1合計期間設定手段は、
前記第1動的表示の実行時間として、少なくとも、
前記第1合計期間と、前記開始期間実行手段における前記開始期間と、の合計以上の期間を設定可能に構成される
ことを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C0又はC1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2駆動手段に設けられた開始期間実行手段により、特定期間流入可能状態手段によって特定期間が開始される前に所定の開始期間が実行される。そして、第1合計期間設定手段により、第1動的表示の実行時間として、少なくとも、第1合計期間と、開始期間実行手段における開始期間と、の合計以上の期間が設定可能に構成される。これにより、特定遊技状態において、第1動的表示の実行時間より、第1合計期間と開始期間との合計の期間が短く構成されることで、特定遊技状態において第2動的表示において第2結果が導出された場合でも、該第2結果に基づく特定入球手段の全特定期間及び開始期間終了後、再び、特定遊技状態となる場合には、第2動的表示の結果を第1動的表示の結果より先に導出させ易くすることができる。その結果、短い動的表示における抽選結果を優先的に導出し易くすることができ、効率の良い遊技を実行して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機C0からC2のいずれかにおいて、
前記第2駆動手段は、
前記特定期間流入可能状態手段によって前記特定期間が終了した後に所定の終了期間(例えば、エンディング時間)を実行する終了期間実行手段、を備え、
前記第1合計期間設定手段は、
前記第1合計期間と、前記終了期間実行手段における前記終了期間と、の合計以上の期間を設定可能に構成される
ことを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C0からC2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2駆動手段に設けられた終了期間実行手段により、特定期間琉球可能状態手段によって特定期間が終了した後に所定の終了期間が実行される。そして、第1合計期間設定手段により、第1合計期間と、終了期間実行手段における終了期間と、の合計以上の期間が設定可能に構成される。これにより、特定遊技状態において、第1動的表示の実行時間より、第1合計期間と終了期間との合計の期間が短く構成されることで、特定遊技状態において第2動的表示において第2結果が導出された場合でも、該第2結果に基づく特定入球手段の全特定期間及び終了期間終了後、再び、特定遊技状態となる場合には、第2動的表示の結果を第1動的表示の結果より先に導出させ易くすることができる。その結果、短い動的表示における抽選結果を優先的に導出し易くすることができ、効率の良い遊技を実行して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機C0からC3のいずれかにおいて、
前記第2駆動手段は、
前記特定期間流入可能状態手段による1の前記特定期間と次の前記特定期間との間に、前記特定入球手段を流入困難状態とする中断期間(例えば、インターバル時間)を実行する中断期間実行手段、を備え、
前記第1合計期間設定手段は、
前記第1合計期間と、前記中断期間実行手段における前記中断期間と、の合計以上の期間を設定可能に構成される
ことを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C0からC3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2駆動手段に設けられた中断期間実行手段により、特定期間流入可能状態手段による1の特定期間と次の特定期間との間に、特定入球手段を流入困難状態とする中断期間が実行される。そして、第1合計期間設定手段により、第1合計期間と、中断期間実行手段における中断期間と、の合計以上の期間が設定可能に構成される。これにより、特定遊技状態において、第1動的表示の実行時間より、第1合計期間と中断期間との合計の期間が短く構成されることで、特定遊技状態において第2動的表示において第2結果が導出された場合でも、該第2結果に基づく特定入球手段の全特定期間及び中断期間終了後、再び、特定遊技状態となる場合には、第2動的表示の結果を第1動的表示の結果より先に導出させ易くすることができる。その結果、短い動的表示における抽選結果を優先的に導出し易くすることができ、効率の良い遊技を実行して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機C0からC4のいずれかにおいて、
前記第1動的実行手段または前記第2動的実行手段によって、先に導出される前記第1動的表示または前記第2動的表示において前記第2結果が導出される場合に、少なくとも、前記第2駆動手段による前記第2可動手段が流入可能状態である間、後に導出される前記第2動的表示または前記第1動的表示の実行を中断する実行中断手段(例えば、第1特別図柄における大当たり遊技の当選に基づいて第2特別図柄の動的表示の実行を中断)、を備えている
ことを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C0からC4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1動的実行手段または第2動的実行手段によって、先に導出される第1動的表示または第2動的表示において第2結果が導出される場合に、実行中断手段により、少なくとも、第2駆動手段による第2可動手段が流入可能状態である間、後に導出される第2動的表示または第1動的表示の実行が中断される。これにより、一方の動的表示の結果で他方の動的表示を消滅させることなく、当選した内容をすべて遊技者に提供することが可能となる。その結果、何らかの役に当選したにもかかわらず遊技価値が付与されないといった事象(所謂、引き損)をなくすことができ、遊技者が遊技に興醒めしないようにすることができる、という効果がある。
遊技機C0からC5のいずれかにおいて、
前記第2結果は、
所定の所定遊技価値を付与し得る所定第2結果(例えば、小当たり遊技)と、
前記所定遊技価値より遊技者にとって有利な特定遊技価値を付与し得る特定第2結果(例えば、大当たり遊技)と、を有している
ことを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C0からC5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2結果として、所定の所定遊技価値を付与し得る所定第2結果と、所定遊技価値より遊技者にとって有利な特定遊技結果とを付与し得る特定第2結果とが設けられる。これにより、遊技者に付与される遊技価値のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機C0からC6のいずれかにおいて、
前記遊技状態変更手段は、少なくとも、
所定の第1遊技状態(例えば、「時短機能」無し状態)と、該第1遊技状態と異なる第2遊技状態(例えば、「時短機能」有り状態)とに遊技状態を変化可能に構成され、
前記第1駆動手段は、
前記第1遊技状態において、所定条件(例えば、普通図柄の可変表示における当たり当選)が成立した場合に、前記第1可動手段を第1期間(例えば、0.l秒×1回)可動し得る第1駆動態様手段(例えば、「時短機能」無し状態における普通電役開放テーブル202k)と、
前記第2遊技状態において、前記所定条件が成立した場合に、前記第1可動手段を前記第1期間より長い第2期間(例えば、5.0秒×3回)可動し得る第2駆動態様手段(例えば、「時短機能」有り状態における普通電役開放テーブル202k)と、を備え、
前記遊技状態変更手段は、
前記第2駆動手段による前記第2可動手段の駆動態様に基づいて遊技状態を変更する駆動態様変更手段(例えば、小当たり終了処理(S6016)のS6405)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C0からC6の奏する効果に加え、次の効果を奏する、即ち、遊技状態変更手段により、少なくとも、所定の第1遊技状態と、該第1遊技状態と異なる第2遊技状態とに遊技状態が変更可能に構成される。そして、第1遊技状態において、所定条件が成立した場合に、第1駆動手段に設けられた第1駆動態様手段により、第1可動手段が第1期間可動され得る。また、第2遊技状態において、所定条件が成立した場合に、第1可動手段が第1期間より長い第2期間可動され得る。そして、遊技状態変更手段に設けられた駆動態様変更手段により、第2駆動手段による第2可動手段の駆動態様に基づいて遊技状態が変更される。これにより、判定手段の判定結果を使用することで流入困難状態又は流入可能状態とに変化し得る特定入球手段への遊技球の流入態様に基づいて遊技状態が変更されることで、所定入球手段への遊技球の流入態様を変更することができる。その結果、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機C0からC7のいずれかにおいて、
前記遊技状態変更手段は、
前記動的表示実行手段によって実行される前記動的表示の実行回数に基づいて遊技状態を変更する実行回数変更手段(例えば、特図1時短カウンタ203n)、を備えている
ことを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技機C0からC7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、実行回数変更手段により、動的表示実行手段によって実行される動的表示の実行回数に基づいて遊技状態が変更される。これにより、特定入球手段への遊技球の流入態様のほか、動的表示の実行回数によっても遊技状態が変更され得ることで、所定入球手段への遊技球の流入態様を変更することができるので、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
<D群:一方の小当たりは明確に示唆、他方の小当たりはいずれの場合も示唆しない>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて遊技球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられた所定入球手段へ遊技球が入球することに基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において当たり等の有利状態に当選した場合に、通常では閉鎖されている特定入球手段を開放して、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されている(例えば、特許文献1(特開2017−148264号公報))。
しかしながら、上記遊技機では、遊技の興趣向上を図る必要があるが、この点について未だ改良の余地がある。
D群の発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技球が入球可能な所定入球手段(例えば、左側特図1始動口64若しくは右側特図1始動口71a、又は、特図2始動口74)と、
前記所定入球手段へ遊技球が流入し難い若しくは流入不可な流入困難状態(例えば、閉鎖状態)と、前記所定入球手段へ遊技球が流入し得る流入可能状態(例えば、開放状態)とに変化可能な第1可動手段(例えば、普通電役71b)と、
前記第1可動手段を流入困難状態又は流入可能状態に変化可能な第1駆動手段(例えば、普通電役制御処理(S204))と、
前記所定入球手段に遊技球が入球したことに基づいて所定情報を取得する情報取得手段(例えば、第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203e)と、
前記情報取得手段により取得された前記所定情報を判定する判定手段(例えば、MPU201)と、
前記所定入球手段と異なる特定入球手段(例えば、共通大入賞口75)と、
前記特定入球手段へ遊技球が流入し難い若しくは流入不可な流入困難状態と、前記特定入球手段へ遊技球が流入し得る流入可能状態とに変化可能な第2可動手段(例えば、共通大入賞口開閉板75a)と、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記第2可動手段を流入困難状態又は流入可能状態に変化可能な第2駆動手段(例えば、当たり処理(S203))と、を備えた遊技機において、
前記所定入球手段および前記特定入球手段と異なる特殊入球手段(例えば、特図1賞入賞口65)と、
前記特殊入球手段へ遊技球が流入し難い若しくは流入不可な流入困難状態と、前記特殊入球手段へ遊技球が流入し得る流入可能状態とに変化可能な第3可動手段(例えば、特図1出没板65a)と、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記第3可動手段を流入困難状態又は流入可能状態に変化可能な第3駆動手段(例えば、特図1出没板用ソレノイド)と、
所定の演出を実行可能な演出手段(例えば、第3図柄表示装置81)と、を備え、
前記演出手段は、
前記第2駆動手段により前記第2可動手段が駆動される旨を遊技者に示唆可能な第1態様で実行する第1態様実行手段(例えば、第3図柄表示装置81における大当たり演出)と、
前記第3駆動手段により前記第3可動手段が駆動される旨を前記第1態様より遊技者に認識し難い若しくは認識不可な第2態様で実行する第2態様実行手段(例えば、第1特別図柄における小当たり当選をハズレ結果と同様の態様で実行)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機D0。
遊技機D0によれば、所定入球手段に遊技球が入球可能に構成され、第1可動手段により、所定入球手段へ遊技球が流入し難い若しくは流入不可な流入困難状態と、所定入球手段へ遊技球が流入し得る流入可能状態とに変化可能に構成され、第1駆動手段により、第1可動手段が流入困難状態又は流入可能状態に変化可能に構成される。そして、情報取得手段により、所定入球手段に遊技球が入球したことに基づいて所定情報が取得され、判定手段により、情報取得手段により取得された所定情報が判定される。また、所定入球手段と異なる特定入球手段が設けられ、第2可動手段により、特定入球手段へ遊技球が入球し難い若しくは入球不可な流入困難状態と、特定入球手段へ遊技球が流入し得る流入可能状態とに変化可能に構成される。そして、判定手段による判定結果を使用することにより、第2駆動手段により、第2可動手段を流入困難状態又は流入可能状態に変化可能に構成される。ここで、所定入球手段および特定入球手段と異なる特殊入球手段が設けられ、第3可動手段により、特殊入球手段へ遊技球が流入し難い若しくは流入不可な流入困難状態と、特殊入球手段へ遊技球が流入し得る流入可能状態とに変化可能に構成される。また、判定手段による判定結果を使用することにより、第3駆動手段により、第3可動手段を流入困難状態又は流入可能状態に変化可能に構成される。そして、演出手段により、所定の演出が実行可能に構成される。ここで、演出手段に設けられた第1態様実行手段により、第2駆動手段により第2可動手段が駆動される旨が遊技者に示唆可能な第1態様で実行される。また、演出手段に設けられた第2態様実行手段により、第3駆動手段により第3可動手段が駆動される旨が、第1態様より遊技者に認識し難い若しくは認識不可な第2態様で実行される。これにより、特定入球手段に遊技球が流入可能状態となっている旨と特殊入球手段に遊技球が流入可能状態となっている旨との遊技者に対する示唆態様を異ならせ、演出態様のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機D0において、
前記判定手段は、
前記情報取得手段によって取得された前記所定情報に基づいて、少なくとも、遊技者に遊技価値を付与しない第1結果(例えば、ハズレ結果)と、遊技者に所定の第1遊技価値を付与し得る第2結果(例えば、小当たり遊技)と、遊技者に前記第1遊技価値より遊技者にとって有利な第2遊技価値を付与し得る第3結果(例えば、大当たり遊技)とのいずれかの結果を導出可能に構成され、
前記第2駆動手段は、
前記第3結果が導出される場合に、前記第2可動手段を流入可能状態に変化させ、
前記第3駆動手段は、
前記第2結果が導出される場合に、前記第3可動手段を流入可能状態に変化させる
ことを特徴とする遊技機D1。
遊技機D1によれば、遊技機D0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判定手段により、情報取得手段によって取得された所定情報に基づいて、少なくとも、遊技者に遊技価値を付与しない第1結果と、遊技者に所定の第1遊技価値を付与し得る第2結果と、遊技者に第1遊技価値より遊技者にとって有利な第2遊技価値を付与し得る第3結果とのいずれかの結果が導出可能に構成される。ここで、第3結果が導出される場合に、第2駆動手段により、第2可動手段が流入可能状態に変化され、第2結果が導出される場合に、第3駆動手段により、第3可動手段が流入可能状態に変化される。これにより、第3結果の導出に基づいて特定入球手段に遊技球が流入可能状態となっている旨と、第2結果の導出に基づいて特殊入球手段に遊技球が流入可能状態となっている旨との遊技者に対する示唆態様を異ならせ、演出態様のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機D0又はD1において、
前記判定手段の判定結果を使用することにより、前記演出手段において識別情報の動的表示(例えば、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出)を実行する動的表示実行手段(例えば、音声ランプ制御装置113)、を備え、
前記動的表示実行手段は、
前記第1結果が導出される場合に、前記動的表示において前記第1結果であることを遊技者に示唆する第1結果示唆態様(例えば、第1特別図柄の変動演出におけるハズレ結果)を現出する第1結果示唆態様現出手段と、
前記第3結果が導出される場合に、前記動的表示において前記第3結果であることを遊技者に示唆する第3結果態様(例えば、第1特別図柄の変動演出における大当たり結果)を現出する第3結果示唆態様現出手段と、
前記第2結果が導出される場合に、前記第1結果示唆態様を現出させる第1結果示唆態様同等手段と、を備えている
ことを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D0又はD1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示実行手段により、判定手段の判定結果を使用することによって、演出手段において識別情報の動的表示が実行される。そして、第1結果が導出される場合に、動的表示実行手段に設けられた第1結果示唆態様現出手段により、動的表示において第1結果であることを遊技者に示唆する第1結果示唆態様が現出される。また、第3結果が導出される場合に、動的表示実行手段に設けられた第3結果示唆態様現出手段により、動的表示において第3結果であることを遊技者に示唆する第3結果態様が現出される。そして、第2結果が導出される場合に、動的表示実行手段に設けられた第1結果示唆態様同等手段により、第1結果示唆態様が現出される。これにより、第2結果が導出される場合に、第1結果が導出される場合と同様の態様で遊技者に示唆することで、第2結果の導出を遊技者に認識し難く若しくは認識不可にすることができる。よって、第1結果示唆態様が現出した場合に、第2結果が導出されたか否かを推測する遊技性を創出し、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機D0からD2のいずれかにおいて、
前記特殊入球手段への遊技球の流入を阻害する阻害手段(例えば、障害部材65c又は釘)、を備えている
ことを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D0からD2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、阻害手段により、特殊入球手段への遊技球の流入が阻害される。これにより、仮に、所定入球手段への遊技球の入球に基づいて第2結果が導出された場合であっても、該第2結果に基づいて流入可能状態となっている特殊入球手段への遊技球の流入を阻害手段によって阻害することが可能となる。よって、遊技者に遊技価値が付与され難い第2結果を第1結果と同様な態様で実行して、遊技者に明示しないように構成することで、遊技者が遊技に興醒めすることを未然に防ぎ、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機D0からD3のいずれかにおいて、
前記所定入球手段は、
所定の所定第1入球手段(例えば、左側特図1始動口64又は右側特図1始動口71a)と、
前記所定第1入球手段と異なる所定第2入球手段(例えば、特図2始動口74)と、を備え、
前記第2駆動手段は、
前記判定手段によって前記所定第1入球手段または前記所定第2入球手段への遊技球の入球に基づいて前記第3結果が導出される場合に、前記特定入球手段を流入可能状態にするとともに、
前記判定手段によって前記所定第2入球手段への遊技球の入球に基づいて前記第2結果が導出される場合に、前記特定入球手段を流入可能状態にする
ことを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D0からD3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定入球手段として、所定の所定第1入球手段と、該所定第1入球手段と異なる所定第2入球手段とが設けられる。そして、判定手段によって所定第1入球手段または所定第2入球手段への遊技球の入球に基づいて第3結果が導出される場合に、第2駆動手段により、特定入球手段が流入可能状態とされるとともに、判定手段によって所定第2入球手段への遊技球の入球に基づいて第2結果が導出される場合に、同じく第2駆動手段により、特定入球手段が流入可能状態とされる。これにより、第3結果が導出される場合と第2結果が導出される場合とで共通の特定入球手段により遊技者に遊技価値を付与することができ、部品点数を少なくし、遊技機に係るコストを削減することができる、という効果がある。
遊技機D2からD4のいずれかにおいて、
前記動的表示実行手段は、
前記所定第1入球手段への入球に基づいて前記動的表示である第1動的表示(例えば、第1特別図柄の動的表示)を実行可能な第1動的実行手段(例えば、上方LED群37b1)と、
前記所定第2入球手段への入球に基づいて前記第1動的表示と異なる第2動的表示(例えば、第2特別図柄の動的表示)を実行可能な第2動的実行手段(例えば、下方LED群37b2)と、
前記第1動的実行手段は、
前記第1動的表示において前記第2結果が導出される場合に、前記第2態様実行手段により前記第2態様を実行し、
前記第2動的実行手段は、
前記第2動的表示において前記第2結果が導出される場合に、前記第1態様実行手段により前記第1態様を実行する
ことを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D2からD4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示実行手段に設けられた第1動的実行手段により、所定第1入球手段への入球に基づいて動的表示である第1動的表示が実行可能に構成され、同じく動的表示実行手段に設けられた第2動的実行手段により、所定第2入球手段への入球に基づいて第1動的表示と異なる第2動的表示が実行可能に構成される。そして、第1動的表示において第2結果が導出される場合に、第1動的実行手段により、第2態様実行手段によって第2態様が実行され、第2動的表示において第2結果が導出される場合に、第2動的実行手段により、第1態様実行手段によって第1態様が実行される。これにより、第2結果であっても、第1動的表示における第2結果か、第2動的表示における第2結果かにより、特定入球手段が流入可能状態となっている旨と特殊入球手段が流入可能状態となっている旨との遊技者に対する示唆態様を異ならせ、演出態様のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機D0からD5のいずれかにおいて、
遊技状態を変更可能な遊技状態変更手段(例えば、時短フラグ203m)、を備え、
前記第2態様実行手段は、
いずれの遊技状態であっても、前記第1動的表示において前記第2結果が導出される場合に、前記第2態様を実行する
ことを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D0からD5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技状態変更手段により、遊技状態が変更可能に構成される。そして、第2態様実行手段により、いずれの遊技状態であっても、第1動的表示において第2結果が導出される場合に、第2態様が実行される。これにより、各遊技状態において第1動的表示における第2結果が導出される場合の示唆態様を共通化し、遊技者が理解し易い演出を実行することができる。その結果、遊技者が遊技に興醒めすることを未然に防ぎ、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機D6において、
前記遊技状態変更手段は、少なくとも、
所定の第1遊技状態(例えば、「時短機能」無し状態)と、該第1遊技状態と異なる第2遊技状態(例えば、「時短機能」有り状態)とに遊技状態を変化可能に構成され、
前記第1駆動手段は、
前記第1遊技状態において、所定条件(例えば、普通図柄の可変表示における当たり当選)が成立した場合に、前記第1可動手段を第1期間(例えば、0.l秒×1回)可動し得る第1駆動態様手段(例えば、「時短機能」無し状態における普通電役開放テーブル202k)と、
前記第2遊技状態において、前記所定条件が成立した場合に、前記第1可動手段を前記第1期間より長い第2期間(例えば、5.0秒×3回)可動し得る第2駆動態様手段(例えば、「時短機能」有り状態における普通電役開放テーブル202k)と、を備え、
前記遊技状態変更手段は、
前記第2駆動手段による前記第2可動手段の駆動態様に基づいて遊技状態を変更する駆動態様変更手段(例えば、小当たり終了処理(S6016)のS6405)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、遊技D6の奏する効果に加え、次の効果を奏する、即ち、遊技状態変更手段により、少なくとも、所定の第1遊技状態と、該第1遊技状態と異なる第2遊技状態とに遊技状態が変更可能に構成される。そして、第1遊技状態において、所定条件が成立した場合に、第1駆動手段に設けられた第1駆動態様手段により、第1可動手段が第1期間可動され得る。また、第2遊技状態において、所定条件が成立した場合に、第1可動手段が第1期間より長い第2期間可動され得る。そして、遊技状態変更手段に設けられた駆動態様変更手段により、第2駆動手段による第2可動手段の駆動態様に基づいて遊技状態が変更される。これにより、判定手段の判定結果を使用することで流入困難状態又は流入可能状態とに変化し得る特定入球手段への遊技球の流入態様に基づいて遊技状態が変更されることで、所定入球手段への遊技球の流入態様を変更することができる。その結果、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機D6又はD7において、
前記遊技状態変更手段は、
前記動的表示実行手段によって実行される前記動的表示の実行回数に基づいて遊技状態を変更する実行回数変更手段(例えば、特図1時短カウンタ203n)、を備えている
ことを特徴とする遊技機D8。
遊技機D8によれば、遊技機D6又はD7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、実行回数変更手段により、動的表示実行手段によって実行される動的表示の実行回数に基づいて遊技状態が変更される。これにより、特定入球手段への遊技球の流入態様のほか、動的表示の実行回数によっても遊技状態が変更され得ることで、所定入球手段への遊技球の流入態様を変更することができるので、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
<E群:リミット×同時変動×小当たりラッシュ>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて遊技球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられた所定入球手段へ遊技球が入球することに基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において当たり等の有利状態に当選した場合に、通常では閉鎖されている特定入球手段を開放して、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されている(例えば、特許文献1(特開2017−148264号公報))。
しかしながら、上記遊技機では、遊技の興趣向上を図る必要があるが、この点について未だ改良の余地がある。
E群の発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技球が入球可能な所定入球手段(例えば、左側特図1始動口64若しくは右側特図1始動口71a、又は、特図2始動口74)と、
前記所定入球手段へ遊技球が流入し難い若しくは流入不可な流入困難状態(例えば、閉鎖状態)と、前記所定入球手段へ遊技球が流入し得る流入可能状態(例えば、開放状態)とに変化可能な第1可動手段(例えば、普通電役71b)と、
前記第1可動手段を流入困難状態又は流入可能状態に変化可能な第1駆動手段(例えば、普通電役制御処理(S204))と、
前記所定入球手段に遊技球が入球したことに基づいて所定情報を取得する情報取得手段(例えば、第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203e)と、
前記情報取得手段により取得された前記所定情報を判定する判定手段(例えば、MPU201)と、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、遊技者に所定の遊技価値を付与し得る特別遊技状態(例えば、大当たり遊技)を発生する特別遊技発生手段(例えば、大入賞口開閉制御処理(S509))と、を備えた遊技機において、
前記判定手段によって所定の第1抽選結果(例えば、大当たり種別「時短A」又は「時短B」)が導出された場合に、前記特別遊技状態後の遊技状態を所定の所定遊技状態へ移行する所定移行手段(例えば、「時間短縮状態」への移行)と、
前記判定手段によって前記第1抽選結果と異なる所定の第2抽選結果(例えば、大当たり種別「確変A」又は「確変B」)が導出された場合に、前記特別遊技状態後の遊技状態を前記所定遊技状態と異なる特定遊技状態へ移行する特定移行手段(例えば、「小当たり頻出確率変動状態」への移行、又は、「確率変動状態」への移行)と、
前記特別遊技状態が発生される発生回数を計数する計数手段(例えば、リミットカウンタ203k)と、
前記計数手段によって計数される前記発生回数が所定数(例えば、10回)となる場合に、該計数手段の計数結果を更新(初期化)する計数更新手段(例えば、リミットカウンタ203kの「0」クリア)と、を備え、
前記判定手段は、
前記計数手段による前記特別遊技状態の発生回数が前記所定数未満の場合に、前記第1抽選結果または前記第2抽選結果を導出し得る通常時判定手段(例えば、リミットカウンタ203kが「10」未満の場合の当否判定)と、
前記計数手段による前記特別遊技状態の発生回数が前記所定数に達した場合には、前記第2抽選結果以外の抽選結果を導出し得る到達時判定手段(例えば、リミットカウンタ203kが「10」以上の場合の当否判定)と、を備え、
前記第1駆動手段は、
第1所定条件(例えば、「時短機能」無効時における普通図柄の可変表示での当選)が成立した場合に、前記第1可動手段を第1期間(例えば、0.l秒×1回)可動し得る第1駆動態様手段(例えば、「時短機能」無し状態における普通電役開放テーブル202k)と、
前記第1所定条件と異なる第2所定条件(例えば、「時短機能」有効時における普通図柄の可変表示での当選)が成立した場合に、前記第1可動手段を前記第1期間より長い第2期間(例えば、5.0秒×3回)可動し得る第2駆動態様手段(例えば、「時短機能」有り状態における普通電役開放テーブル202k)と、
前記第1所定条件又は前記第2所定条件と異なる複数の特定条件(例えば、「特図1変動回数」、「特図2変動回数」、「特図1・特図2合計変動回数」、又は、「特図2小当たりによる共通大入賞口作動回数」)を設定する特定条件設定手段と、
前記特定条件設定手段によって設定された前記特定条件のうち、いずれか1の前記特定条件が成立した場合に、前記第2駆動態様手段から前記第1駆動態様手段に切り替える切替手段(例えば、時短フラグ203m)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機E0。
遊技機E0によれば、所定入球手段に遊技球が入球可能に構成され、第1可動手段により、所定入球手段へ遊技球が流入し難い若しくは流入不可な流入困難状態と、所定入球手段へ遊技球が流入し得る流入可能状態とに変化可能に構成され、第1駆動手段により、第1可動手段が流入困難状態又は流入可能状態に変化可能に構成される。そして、情報取得手段により、所定入球手段に遊技球が入球したことに基づいて所定情報が取得され、判定手段により、情報取得手段により取得された所定情報が判定される。また、判定手段による判定結果を使用することにより、特別遊技発生手段により、遊技者に所定の遊技価値を付与し得る特別遊技状態が発生される。ここで、判定手段によって所定の第1抽選結果が導出された場合に、所定移行手段により、特別遊技状態後の遊技状態が所定の所定遊技状態へ移行される。また、判定手段によって第1抽選結果と異なる所定の第2抽選結果が導出された場合に、特定移行手段により、特別遊技状態後の遊技状態が所定遊技状態と異なる特定遊技状態へ移行される。ここで、計数手段により、特別遊技状態が発生される発生回数が計数され、該計数手段によって計数される発生回数が所定数となる場合に、計数更新手段により、該計数手段の計数結果が更新(初期化)される。そして、計数手段による特別遊技状態の発生回数が所定数未満の場合に、判定手段に設けられた通常時判定手段により、第1抽選結果または第2抽選結果が導出され得る。また、計数手段による特別遊技状態の発生回数が所定数に達した場合に、判定手段に設けられた到達時判定手段により、第2抽選結果以外の抽選結果が導出され得る。ここで、第1所定条件が成立した場合に、第1駆動手段に設けられた第1駆動態様手段により、第1可動手段が第1期間可動され得る。また、第1所定条件と異なる第2所定条件が成立した場合に、第1駆動手段に設けられた第2駆動態様手段により、第1可動手段が第1期間より長い第2期間可動され得る。そして、特定条件設定手段により、第1所定条件または第2所定条件と異なる複数の特定条件が設定され、該特定条件のうち、いずれか1の特定条件が成立した場合に、切替手段により、第2駆動態様手段から第1駆動態様手段に切り替えられる。これにより、複数の特定条件のうち、いずれか1の特定条件が成立することで所定入球手段への遊技球の流入態様を変更することができる。その結果、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機E0において、
前記特定条件設定手段は、
前記第1抽選結果または前記第2抽選結果が導出される場合に、共通の前記特定条件を設定する共通設定手段(例えば、大当たり終了処理(S6012)のS6204〜S6208)、を備えていることを特徴とする遊技機E1。
遊技機E1によれば、遊技機E0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1抽選結果または第2抽選結果が導出される場合に、特定条件設定手段に設けられた共通設定手段により、共通の特定条件が設定される。これにより、第1抽選結果または第2抽選結果が導出される場合に、第2駆動態様手段から第1駆動態様手段へ変更され得る特定条件の設定処理を共通化することができ、プログラムの簡易化及び処理負担を軽減することができる、という効果がある。
遊技機E0又はE1において、
前記通常時判定手段によって前記第1抽選結果または前記第2抽選結果が導出された場合に、前記特定条件設定手段によって設定された前記特定条件を成立可能に構成し、
前記到達時判定手段によって前記第2抽選結果以外の結果が導出された場合は、前記特定条件設定手段によって設定された前記特定条件のうち、一部の前記特定条件のみを成立可能に構成する
ことを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E0又はE1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、通常時判定手段によって第1抽選結果または第2抽選結果が導出された場合に、特定条件設定手段によって設定された特定条件が成立可能に構成される。また、到達時判定手段によって第2抽選結果以外の結果が導出された場合に、特定条件設定手段によって設定された特定条件のうち、一部の特定条件のみが成立可能に構成される。これにより、特別遊技状態の発生回数に応じて成立し得る特定条件を異ならせることで、所定入球手段への遊技球の流入態様を変更することができる。その結果、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機E0からE2のいずれかにおいて、
前記所定入球手段と異なる特定入球手段(例えば、共通大入賞口75)と、
前記特定入球手段へ遊技球が流入し難い若しくは流入不可な流入困難状態と、前記特定入球手段へ遊技球が流入し得る流入可能状態とに変化可能な第2可動手段(例えば、共通大入賞口開閉板75a)と、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記第2可動手段を流入困難状態又は流入可能状態に変化可能な第2駆動手段(例えば、当たり処理(S203))と、
前記判定手段の判定結果を使用することにより、表示手段(例えば、第3図柄表示装置81)において識別情報の動的表示(例えば、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出)を実行する動的表示実行手段(例えば、音声ランプ制御装置113)、を備え、
前記特定条件設定手段は、
前記特定条件として、少なくとも、
前記第2駆動手段によって前記第2可動手段が駆動されるか否かの駆動特定条件と、
前記動的表示実行手段によって実行される前記動的表示の実行回数に基づく実行回数特定条件と、を設定可能である
ことを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E0からE2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定入球手段と異なる特定入球手段が設けられ、第2可動手段により、特定入球手段へ遊技球が入球し難い若しくは入球不可な流入困難状態と、特定入球手段へ遊技球が流入し得る流入可能状態とに変化可能に構成される。そして、判定手段による判定結果を使用することにより、第2駆動手段により、第2可動手段を流入困難状態又は流入可能状態に変化可能に構成される。動的表示実行手段により、判定手段の判定結果を使用することで、表示手段において識別情報の動的表示が実行される。ここで、特定条件設定手段により、少なくとも、特定条件として、第2駆動手段によって第2可動手段が駆動されるか否かの駆動特定条件と、動的表示実行手段によって実行される動的表示の実行回数に基づく実行回数特定条件と、が設定可能に構成される。これにより、特定入球手段への遊技球の流入態様のほか、動的表示の実行回数によっても所定入球手段への遊技球の流入態様を変更することができるので、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機E3において、
前記判定手段は、
前記情報取得手段によって取得された前記所定情報に基づいて、少なくとも、遊技者に遊技価値を付与しない第1結果(例えば、ハズレ結果)と、遊技者に所定の第1遊技価値を付与し得る第2結果(例えば、小当たり遊技)と、遊技者に前記第1遊技価値より遊技者にとって有利な第2遊技価値を付与し得る第3結果(例えば、大当たり遊技)とのいずれかの結果を導出可能に構成され、
前記所定入球手段は、
所定第1入球手段(例えば、左側特図1始動口64又は右側特図1始動口71a)と、
該第1所定入球手段と異なる所定第2入球手段(例えば、特図2始動口74)と、を備え、
前記動的表示実行手段は、
前記所定第1入球手段への入球に基づいて前記動的表示である第1動的表示(例えば、第1特別図柄の動的表示)を実行可能な第1動的実行手段(例えば、上方LED群37b1)と、
前記所定第2入球手段への入球に基づいて前記動的表示であって前記第1動的表示と異なる第2動的表示(例えば、第2特別図柄の動的表示)を実行可能な第2動的実行手段(例えば、下方LED群37b2)と、
前記第1動的実行手段による前記第1動的表示と、前記第2動的実行手段による前記第2動的表示とを同時期に実行可能な同時期実行手段(例えば、第1特別図柄の動的表示と第2特別図柄の動的表示とを同時並列的に実行)と、を備え、
前記第2駆動手段は、
前記判定手段によって前記所定第1入球手段または前記所定第2入球手段への遊技球の入球に基づいて前記第3結果が導出される場合に、前記特定入球手段を流入可能状態にするとともに、
前記判定手段によって前記所定第2入球手段への遊技球の入球に基づいて前記第2結果が導出される場合に、前記特定入球手段を流入可能状態にする
ことを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判定手段により、情報取得手段によって取得された所定情報に基づいて、少なくとも、遊技者に遊技価値を付与しない第1結果と、遊技者に所定の第1遊技価値を付与し得る第2結果と、遊技者に第1遊技価値より遊技者にとって有利な第2遊技価値を付与し得る第3結果とのいずれかの結果が導出可能に構成される。そして、所定入球手段として、所定の所定第1入球手段と、該所定第1入球手段と異なる所定第2入球手段とが設けられる。ここで、動的表示実行手段に設けられた第1動的実行手段により、所定第1入球手段への入球に基づいて動的表示である第1動的表示が実行可能に構成され、同じく動的表示実行手段に設けられた第2動的実行手段により、所定第2入球手段への入球に基づいて動的表示である第2動的表示が実行可能に構成される。また、同時期実行手段により、第1実行手段による第1動的表示と、第2実行手段による第2動的表示とが同時期に実行可能に構成される。そして、判定手段によって所定第1入球手段または所定第2入球手段への遊技球の入球に基づいて第3結果が導出される場合に、第2駆動手段により、特定入球手段が流入可能状態とされるとともに、判定手段によって所定第2入球手段への遊技球の入球に基づいて第2結果が導出される場合に、同じく第2駆動手段により、特定入球手段が流入可能状態とされる。これにより、第3結果が導出される場合と第2結果が導出される場合とで共通の特定入球手段により遊技者に遊技価値を付与することができ、部品点数を少なくし、遊技機に係るコストを削減することができる、という効果がある。
遊技機E3又はE4において、
前記動的表示実行手段は、
前記所定遊技状態において、前記第1動的表示の実行時間として、前記第2動的表示の実行時間より短い実行時間を選択し易い第1動的短期手段(例えば、「通常遊技状態」において、第1特別図柄の最大変動時間120秒<第2特別図柄の変動時間600秒)と、
前記特定遊技状態において、前記第2動的表示の実行時間として、前記第1動的表示の実行時間より短い実行時間を選択し易い第2動的短期手段(例えば、「小当たり頻出確率変動状態」において、第1特別図柄の変動時間600秒>第2特別図柄の最大変動時間120秒)と、を備えていることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E3又はE4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示実行手段に設けられた第1動的短期手段により、所定遊技状態において、第1動的表示の実行時間として、第2動的表示の実行時間より短い実行時間が選択され易く構成される。また、動的表示実行手段に設けられた第2動的短期手段により、特定遊技状態において、第2動的表示の実行時間として、第1動的表示の実行時間より短い実行時間が選択され易く構成される。これにより、遊技状態に応じていずれの動的表示が先に導出されるか否かという遊技性を創出することができる。その結果、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機E4又はE5において、
前記判定手段によって前記第3結果が導出された場合に、前記駆動特定条件より前記実行回数特定条件が成立し易い回数優先遊技状態(例えば、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」)と、前記実行回数特定条件より前記駆動特定条件が成立し易い駆動優先遊技状態(例えば、「小当たり頻出確率変動状態」)と、を少なくとも発生可能な遊技状態発生手段(例えば、大当たり終了処理(S6012))、を備えている
ことを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E4又はE5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技状態発生手段により、判定手段によって第3結果が導出された場合に、駆動特定条件より実行回数特定条件が成立し易い回数優先遊技状態と、実行回数特定条件より駆動特定条件が成立し易い駆動優先遊技状態とが、少なくとも発生可能に構成される。これにより、遊技状態に応じて第2駆動態様手段から第1駆動態様手段へ切り替えられる条件を異ならせることで、いずれの遊技状態でいずれの特定条件が成立するか否かという遊技性を創出できる。その結果、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機E4からE6のいずれかにおいて、
前記第1可動手段は、
前記所定第1入球手段が流入困難状態である場合に、該第1可動手段の上面を遊技球が転動可能に構成され、
前記所定第2入球手段は、
前記第1可動手段の上面を転動した遊技球が流下する位置に配設される
ことを特徴とする遊技機E7。
遊技機E7によれば、遊技機E4からE6の奏する効果に加え、次の効果を奏する、即ち、所定第1入球手段が流入困難状態である場合に、第1可動手段の上面を遊技球が転動可能に構成される。そして、所定第2入球手段が、第1可動手段の上面を転動した遊技球が流下する位置に配設される。これにより、第1可動手段が流入困難状態である場合にのみ所定第2入球手段に遊技球を入球させ得ることができ、第1可動手段が流入可能状態となり得る場合には、所定第1入球手段に遊技球が入球し、所定第2入球手段に遊技球が入球し難いようにすることができる。その結果、これにより、第1可動手段の駆動態様が異なる遊技状態に応じて遊技球が入球し易い所定入球手段を異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機E7において、
前記特定入球手段は、
少なくとも、前記第1可動手段の上面を転動した遊技球が流下する位置に配設される
ことを特徴とする遊技機E8。
遊技機E8によれば、遊技機E7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定入球手段が、第1可動手段の上面を転動した遊技球が流下する位置に配設される。これにより、第1可動手段の駆動態様が異なる遊技状態に応じて特定入球手段に遊技球が入球し得るか否かを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
<F群:大当たりを消滅させた場合にリミット回数をカウントしない(カウント数を復元する)>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて遊技球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられた所定入球手段へ遊技球が入球することに基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において当たり等の有利状態に当選した場合に、通常では閉鎖されている特定入球手段を開放して、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されている(例えば、特許文献1(特開2017−148264号公報))。
しかしながら、上記遊技機では、遊技の興趣向上を図る必要があるが、この点について未だ改良の余地がある。
F群の発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技球が入球可能な所定入球手段(例えば、左側特図1始動口64若しくは右側特図1始動口71a、又は、特図2始動口74)と、
前記所定入球手段に遊技球が入球したことに基づいて所定情報を取得する情報取得手段(例えば、第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203e)と、
前記情報取得手段により取得された前記所定情報を判定する判定手段(例えば、MPU201)と、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、遊技者に所定の遊技価値を付与し得る特別遊技状態(例えば、大当たり遊技)を発生する特別遊技発生手段(例えば、大入賞口開閉制御処理(S509))と、を備えた遊技機において、
前記判定手段によって所定の第1抽選結果(例えば、大当たり種別「時短A」又は「時短B」)が導出された場合に、前記特別遊技状態後の遊技状態を所定の所定遊技状態へ移行する所定移行手段(例えば、「時間短縮状態」への移行)と、
前記判定手段によって前記第1抽選結果と異なる所定の第2抽選結果(例えば、大当たり種別「確変A」又は「確変B」)が導出された場合に、前記特別遊技状態後の遊技状態を前記所定遊技状態と異なる特定遊技状態へ移行する特定移行手段(例えば、「小当たり頻出確率変動状態」への移行、又は、「確率変動状態」への移行)と、
前記特別遊技状態が発生される発生回数を計数する計数手段(例えば、リミットカウンタ203k)と、
該計数手段によって計数される前記発生回数が所定数(例えば、10回)となる場合に、該計数手段の計数結果を更新(初期化)する計数更新手段(例えば、リミットカウンタ203kの「0」クリア)と、を備え、
前記判定手段は、
前記計数手段による前記特別遊技状態の発生回数が前記所定数未満の場合に、前記第1抽選結果または前記第2抽選結果を導出し得る通常時判定手段(例えば、リミットカウンタ203kが「10」未満の場合の当否判定)と、
前記計数手段による前記特別遊技状態の発生回数が前記所定数に達した場合には、前記第2抽選結果以外の抽選結果を導出し得る到達時判定手段(例えば、リミットカウンタ203kが「10」以上の場合の当否判定)と、を備え、
前記所定入球手段は、
所定第1入球手段(例えば、左側特図1始動口64又は右側特図1始動口71a)と、
該第1所定入球手段と異なる所定第2入球手段(例えば、特図2始動口74)と、を備え、
前記動的表示実行手段は、
前記所定第1入球手段への入球に基づいて前記動的表示である第1動的表示(例えば、第1特別図柄の動的表示)を実行可能な第1動的実行手段(例えば、上方LED群37b1)と、
前記所定第2入球手段への入球に基づいて前記動的表示であって前記第1動的表示と異なる第2動的表示(例えば、第2特別図柄の動的表示)を実行可能な第2動的実行手段(例えば、下方LED群37b2)と、
前記第1動的実行手段による前記第1動的表示と、前記第2動的実行手段による前記第2動的表示とを同時期に実行可能な同時期実行手段(例えば、第1特別図柄の動的表示と第2特別図柄の動的表示とを同時並列的に実行)と、を備え、
前記判定手段は、
前記情報取得手段によって取得された前記所定情報に基づいて、少なくとも、遊技者に遊技価値を付与しない前記第1抽選結果又は前記第2抽選結果以外の第1結果(例えば、ハズレ結果)と、遊技者に所定の遊技価値を付与し得る前記第1抽選結果又は前記第2抽選結果としての第2結果(例えば、大当たり遊技)とのいずれかの結果を導出可能に構成され、
前記動的表示実行手段は、
前記第1動的実行手段または前記第2動的実行手段によって、先に導出される前記第1動的表示または前記第2動的表示において前記第2結果が導出される場合に、後に導出され得る前記第2動的表示または前記第1動的表示の実行を中止する実行中止手段(例えば、第1特別図柄における小当たり遊技の当選に基づいて第2特別図柄の動的表示を消滅)、を備え、
前記計数手段は、
前記実行中止手段によって中止され得る前記第1動的表示または前記第2動的表示において前記第2結果が導出され得た場合に、前記特別遊技状態の発生回数として計数しない中止時非計数手段(例えば、第1特別図柄の大当たりで、第2特別図柄の大当たりを消滅する場合に、該第2特別図柄の大当たりをリミット回数に含めない)、を備えている
ことを特徴とする遊技機F0。
遊技機F0によれば、所定入球手段に遊技球が入球可能に構成され、そして、情報取得手段により、所定入球手段に遊技球が入球したことに基づいて所定情報が取得され、判定手段により、情報取得手段により取得された所定情報が判定される。また、判定手段による判定結果を使用することにより、特別遊技発生手段により、遊技者に所定の遊技価値を付与し得る特別遊技状態が発生される。ここで、判定手段によって所定の第1抽選結果が導出された場合に、所定移行手段により、特別遊技状態後の遊技状態が所定の所定遊技状態へ移行される。また、判定手段によって第1抽選結果と異なる所定の第2抽選結果が導出された場合に、特定移行手段により、特別遊技状態後の遊技状態が所定遊技状態と異なる特定遊技状態へ移行される。ここで、計数手段により、特別遊技状態が発生される発生回数が計数され、該計数手段によって計数される発生回数が所定数となる場合に、計数更新手段により、該計数手段の計数結果が更新(初期化)される。そして、計数手段による特別遊技状態の発生回数が所定数未満の場合に、判定手段に設けられた通常時判定手段により、第1抽選結果または第2抽選結果が導出され得る。また、計数手段による特別遊技状態の発生回数が所定数に達した場合に、判定手段に設けられた到達時判定手段により、第2抽選結果以外の抽選結果が導出さえ得る。そして、所定入球手段として、所定の所定第1入球手段と、該所定第1入球手段と異なる所定第2入球手段とが設けられる。ここで、動的表示実行手段に設けられた第1動的実行手段により、所定第1入球手段への入球に基づいて動的表示である第1動的表示が実行可能に構成され、同じく動的表示実行手段に設けられた第2動的実行手段により、所定第2入球手段への入球に基づいて動的表示である第2動的表示が実行可能に構成される。また、同時期実行手段により、第1実行手段による第1動的表示と、第2実行手段による第2動的表示とが同時期に実行可能に構成される。そして、判定手段により、情報取得手段によって取得された所定情報に基づいて、少なくとも、遊技者に遊技価値を付与しない第1抽選結果又は第2抽選結果以外の第1結果と、遊技者に所定の遊技価値を付与し得る第1抽選結果または第2抽選結果としての第2結果とのいずれかの結果が導出可能に構成される。ここで、第1動的実行手段または第2動的実行手段によって、先に導出される第1動的表示または第2動的表示において第2結果が導出される場合、動的表示実行手段に設けられた実行中止手段により、後に導出され得る第2動的表示または第1動的表示の実行が中止される。そして、実行中止手段によって中止され得る第1動的表示または第2動的表示において第2結果が導出され得た場合に、計数手段に設けられた中止時非計数手段により、特別遊技状態の発生回数として計数されないように構成されている。これにより、遊技者に付与されない特別遊技状態を特別遊技状態の発生回数として計数せず、遊技者に付与され得る特別遊技状態のみを特別遊技状態の発生回数として計数することができるので、複数の特別図柄を同時変動する場合であっても、特別遊技状態の発生回数に基づく抽選結果の選択内容が変化するという遊技性を的確に実行して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機F0において、
前記第2結果は、
所定の所定遊技価値を付与し得る所定第2結果(例えば、小当たり遊技)と、
前記所定遊技価値より遊技者にとって有利な特定遊技価値を付与し得る特定第2結果(例えば、大当たり遊技)と、を有し、
前記実行中止手段は、
前記第1動的実行手段または第2動的実行手段によって、先に導出される前記第1動的表示または前記第2動的表示において前記所定第2結果が導出される場合に、少なくとも、後に導出され得る前記第2動的表示または前記第1動的表示における前記第2結果の導出を中止する所定実行中止手段(例えば、第1特別図柄における小当たり遊技によって、第2特別図柄の大当たり遊技又は小当たり遊技を消滅)、を備えている
ことを特徴とする遊技機F1。
遊技機F1によれば、遊技機F0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2結果として、所定の所定遊技価値が付与され得る所定第2結果と、所定遊技価値より遊技者にとって有利な特定遊技価値が付与され得る特定第2結果とを有している。そして、第1動的実行手段または第2動的実行手段によって、先に導出される第1動的表示または第2動的表示において所定第2結果が導出される場合に、実行中止手段に設けられた所定実行中止手段により、少なくとも、後に導出され得る第2動的表示または第1動的表示における第2結果の導出が中止される。これにより、先に導出される所定第2結果に基づいて後に導出される第2結果の導出を中止し、該中止に基づく遊技者に付与されない特別遊技状態を特別遊技状態の発生回数として計数せず、遊技者に付与され得る特別遊技状態のみを特別遊技状態の発生回数として計数することができるので、複数の特別図柄を同時変動する場合であっても、特別遊技状態の発生回数に基づく抽選結果の選択内容が変化するという遊技性を的確に実行して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機F0において、
前記第2結果は、
所定の所定遊技価値を付与し得る所定第2結果(例えば、小当たり遊技)と、
前記所定遊技価値より遊技者にとって有利な特定遊技価値を付与し得る特定第2結果(例えば、大当たり遊技)と、を有し、
前記実行中止手段は、
前記第1動的実行手段または前記第2動的実行手段によって、先に導出される前記第1動的表示または前記第2動的表示において前記特定第2結果が導出される場合に、後に導出され得る前記第2動的表示または前記第1動的表示における前記第2結果の導出を中止する特定実行中止手段(例えば、第1特別図柄における大当たり遊技によって、第2特別図柄の大当たり遊技又は小当たり遊技を消滅)、を備えている
ことを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2結果として、所定の所定遊技価値が付与され得る所定第2結果と、所定遊技価値より遊技者にとって有利な特定遊技価値が付与され得る特定第2結果とを有している。そして、第1動的実行手段または第2動的実行手段によって、先に導出される第1動的表示または第2動的表示において特定第2結果が導出される場合に、実行中止手段に設けられた所定実行中止手段により、少なくとも、後に導出され得る第2動的表示または第1動的表示における第2結果の導出が中止される。これにより、先に導出される特定第2結果に基づいて後に導出される第2結果の導出を中止し、該中止に基づく遊技者に付与されない特別遊技状態を特別遊技状態の発生回数として計数せず、遊技者に付与され得る特別遊技状態のみを特別遊技状態の発生回数として計数することができるので、複数の特別図柄を同時変動する場合であっても、特別遊技状態の発生回数に基づく抽選結果の選択内容が変化するという遊技性を的確に実行して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機F0からF2のいずれかにおいて、
一方の前記第1動的表示または前記第2動的表示において前記第2結果が導出され得る場合に、他方の前記第2動的表示または前記第1動的表示が先に導出され、かつ、前記第2結果が導出され得るか否かを判別する先後判別手段(例えば、特図2変更処理(S5111)のS5301およびS5302)、を備え、
前記中止時非計数手段は、
前記先後判別手段によって、他方の前記第2動的表示または前記第1動的表示が先に導出され、かつ、前記第2結果が導出され得ると判別された場合に、前記第1動的表示または前記第2動的表示において導出され得た前記特別遊技状態を前記発生回数として計数しない
ことを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F0からF2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、一方の第1動的表示または第2動的表示において第2結果が導出され得る場合に、先後判別手段により、他方の第2動的表示または第1動的表示が先に導出され、かつ、第2結果が導出され得るか否かが判別される。そして、先後判別手段によって、他方の第2動的表示または第1動的表示が先に導出され、かつ、第2結果が導出され得ると判別された場合に、中止時非計数手段により、第1動的表示または第2動的表示において導出され得た特別遊技状態が発生回数として計数されない。これにより、先に導出される第2結果に基づいて後に導出される第2結果の導出を中止し、該中止に基づく遊技者に付与されない特別遊技状態を特別遊技状態の発生回数として計数せず、遊技者に付与され得る特別遊技状態のみを特別遊技状態の発生回数として計数することができるので、複数の特別図柄を同時変動する場合であっても、特別遊技状態の発生回数に基づく抽選結果の選択内容が変化するという遊技性を的確に実行して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機F0からF2のいずれかにおいて、
一方の前記第1動的表示または前記第2動的表示において前記第2結果が導出され得る場合に、他方の前記第2動的表示または前記第1動的表示が先に導出され、かつ、前記第2結果が導出され得るか否かを判別する先後判別手段(例えば、特図2変更処理(S5111)のS5301およびS5302)、を備え、
前記中止時非計数手段は、
前記先後判別手段によって、他方の前記第2動的表示または前記第1動的表示が先に導出され、かつ、前記第2結果が導出され得ると判別された場合に、前記計数手段によって計数された前記発生回数を補正する補正手段(例えば、特図変更処理(S5111)のS5305)、を備えている
ことを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F0からF2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、一方の第1動的表示または第2動的表示において第2結果が導出され得る場合に、先後判別手段により、他方の第2動的表示または第1動的表示が先に導出され、かつ、第2結果が導出され得るか否かが判別される。そして、先後判別手段によって、他方の第2動的表示または第1動的表示が先に導出され、かつ、第2結果が導出され得ると判別された場合に、中止時非計数手段に設けられた補正手段により、計数手段によって計数された発生回数が補正される。これにより、先に導出される所定第2結果に基づいて後に導出される第2結果の導出を中止し、該中止に基づく遊技者に付与されない特別遊技状態を特別遊技状態の発生回数を補正し、遊技者に付与され得る特別遊技状態のみを特別遊技状態の発生回数として計数することができるので、複数の特別図柄を同時変動する場合であっても、特別遊技状態の発生回数に基づく抽選結果の選択内容が変化するという遊技性を的確に実行して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機F0からF4のいずれかにおいて、
少なくとも、所定の所定遊技状態(例えば、「通常遊技状態」、「潜伏確率変動状態」、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」)と、該所定遊技状態と異なる特定遊技状態(例えば、「小当たり頻出確率変動状態」)とに遊技状態を変更可能な遊技状態変更手段(例えば、時短フラグ203m)、を備え、
前記動的表示実行手段は、
前記所定遊技状態において、前記第1動的表示の実行時間として、前記第2動的表示の実行時間より短い実行時間を選択し易い第1動的短期手段(例えば、「通常遊技状態」において、第1特別図柄の最大変動時間120秒<第2特別図柄の変動時間600秒)と、
前記特定遊技状態において、前記第2動的表示の実行時間として、前記第1動的表示の実行時間より短い実行時間を選択し易い第2動的短期手段(例えば、「小当たり頻出確率変動状態」において、第1特別図柄の変動時間600秒>第2特別図柄の最大変動時間120秒)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F0からF4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技状態変更手段により、少なくとも、所定の所定遊技状態と、該所定遊技状態と異なる特定遊技状態とに遊技状態を変更可能に構成される。そして、動的表示実行手段に設けられた第1動的短期手段により、所定遊技状態において、第1動的表示の実行時間として、第2動的表示の実行時間より短い実行時間が選択され易く構成される。また、動的表示実行手段に設けられた第2動的短期手段により、特定遊技状態において、第2動的表示の実行時間として、第1動的表示の実行時間より短い実行時間が選択され易く構成される。これにより、遊技状態に応じていずれの動的表示が先に導出されるか否かという遊技性を創出することができる。その結果、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機F1からF5のいずれかにおいて、
前記所定入球手段と異なる特定入球手段(例えば、共通大入賞口75)と、
前記特定入球手段へ遊技球が流入し難い若しくは流入不可な流入困難状態と、前記特定入球手段へ遊技球が流入し得る流入可能状態とに変化可能な第2可動手段(例えば、共通大入賞口開閉板75a)と、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記第2可動手段を流入困難状態から流入可能状態に変化可能な第2駆動手段(例えば、当たり処理(S203))と、を備え、
前記第2駆動手段は、
前記判定手段によって前記所定第1入球手段または前記所定第2入球手段への遊技球の入球に基づいて前記特定第2結果が導出される場合に、前記特定入球手段を流入可能状態にするとともに、
前記判定手段によって前記所定第2入球手段への遊技球の入球に基づいて前記所定第2結果が導出される場合に、前記特定入球手段を流入可能状態にする
ことを特徴とする遊技機F6。
遊技機F6によれば、遊技機F1からF5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定入球手段と異なる特定入球手段が設けられ、第2可動手段により、特定入球手段へ遊技球が入球し難い若しくは入球不可な流入困難状態と、特定入球手段へ遊技球が流入し得る流入可能状態とに変化可能に構成される。そして、判定手段による判定結果を使用することにより、第2駆動手段により、第2可動手段を流入困難状態又は流入可能状態に変化可能に構成される。判定手段によって所定第1入球手段または所定第2入球手段への遊技球の入球に基づいて特定第2結果が導出される場合に、第2駆動手段により、特定入球手段が流入可能状態とされるとともに、判定手段によって所定第2入球手段への遊技球の入球に基づいて所定第2結果が導出される場合に、同じく第2駆動手段により、特定入球手段が流入可能状態とされる。これにより、特定第2結果が導出される場合と所定第2結果が導出される場合とで共通の特定入球手段により遊技者に遊技価値を付与することができ、部品点数を少なくし、遊技機に係るコストを削減することができる、という効果がある。
遊技機F6において、
前記所定第1入球手段、前記所定第2入球手段または前記特定入球手段と異なって設けられ、前記判定手段によって前記所定第1入球手段への遊技球の入球に基づいて前記第2結果が導出される場合に、流入困難状態から流入可能状態に変化可能な特殊入球手段(例えば、特図1小入賞口65)、を備え、
前記判定手段によって前記所定第1入球手段への遊技球の入球に基づいて前記所定第2結果が導出される場合に、前記特殊入球手段への遊技球の流入態様を変化させ、
前記遊技状態変更手段は、
前記特殊入球手段の流入態様の如何に関わらず遊技状態を維持する遊技状態維持手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機F7。
遊技機F7によれば、遊技機F6の奏する効果に加え、次の効果を奏する、即ち、所定第1入球手段、所定第2入球手段または特定入球手段と異なって設けられた特殊入球手段が、判定手段によって所定第1入球手段への遊技球の入球に基づいて第2結果が導出された場合に流入困難状態から流入可能状態へと変化可能に構成される。そして、判定手段によって所定第1入球手段への遊技球の入球に基づいて所定第2結果が導出される場合に、特殊入球手段への遊技球の流入態様が変化される。ここで、遊技状態変更手段に設けられた遊技状態維持手段により、特殊入球手段の流入態様の如何に関わらず遊技状態が維持される。これにより、所定第1入球手段に関する所定第2結果と、所定第2入球手段に関する所定第2結果とで遊技球が流入可能状態となる入球手段を異ならせることができ、その結果、いずれの入球手段に遊技球が入球するか否かで遊技状態が変更されるか否かという遊技性を創出し、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機F7において、
前記特殊入球手段への遊技球の流入を阻害する阻害手段(例えば、障害部材65c又は釘)、を備えている
ことを特徴とする遊技機F8。
遊技機F8によれば、遊技機F7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、阻害手段により、特殊入球手段への遊技球の流入が阻害される。これにより、仮に、所定第1入球手段への遊技球の入球に基づいて所定第2結果が導出された場合であっても、該所定第2結果に基づいて流入可能状態となっている特殊入球手段への遊技球の流入を阻害手段によって阻害することが可能となる。よって、所定第1入球手段に関する所定第2結果と、所定第2入球手段に関する所定第2結果とで、入球手段に遊技球を流入させ得るか否かを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機F0からF8のいずれかにおいて、
前記所定第1入球手段へ遊技球が流入し難い若しくは流入不可な流入困難状態(例えば、閉鎖状態)と、前記所定第1入球手段へ遊技球が流入し得る流入可能状態(例えば、開放状態)とに変化可能な第1可動手段(例えば、普通電役71b)と、
前記第1可動手段を流入困難状態又は流入可能状態に変化可能な第1駆動手段(例えば、普通電役制御処理(S204))と、を備え、
前記第1可動手段は、
前記所定第1入球手段が流入困難状態である場合に、該第1可動手段の上面を遊技球が転動可能に構成され、
前記所定第2入球手段は、
前記第1可動手段の上面を転動した遊技球が流下する位置に配設される
ことを特徴とする遊技機F9。
遊技機F9によれば、遊技機F0からF8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1可動手段により、所定第1入球手段へ遊技球が流入し難い若しくは流入不可な流入困難状態と、所定第1入球手段へ遊技球が流入し得る流入可能状態とに変化可能に構成され、第1駆動手段により、第1可動手段が流入困難状態又は流入可能状態に変化可能に構成される。また、所定第1入球手段が流入困難状態である場合に、第1可動手段の上面を遊技球が転動可能に構成される。そして、所定第2入球手段が、第1可動手段の上面を転動した遊技球が流下する位置に配設される。これにより、第1可動手段が流入困難状態である場合にのみ所定第2入球手段に遊技球を入球させ得ることができ、第1可動手段が流入可能状態となり得る場合には、所定第1入球手段に遊技球が入球し、所定第2入球手段に遊技球が入球し難いようにすることができる。その結果、これにより、第1可動手段の駆動態様が異なる遊技状態に応じて遊技球が入球し易い所定入球手段を異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機F9において、
前記特定入球手段は、
少なくとも、前記第1可動手段の上面を転動した遊技球が流下する位置に配設される
ことを特徴とする遊技機F10。
遊技機F10によれば、遊技機F9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定入球手段が、第1可動手段の上面を転動した遊技球が流下する位置に配設される。これにより、第1可動手段の駆動態様が異なる遊技状態に応じて特定入球手段に遊技球が入球し得るか否かを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
<G群:特定の遊技状態時に特図2が先に現出、特図2の動的表示の結果が現出した場合に遊技状態遷移>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて遊技球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられた所定入球手段へ遊技球が入球することに基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において当たり等の有利状態に当選した場合に、通常では閉鎖されている特定入球手段を開放して、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されている(例えば、特許文献1(特開2017−148264号公報))。
しかしながら、上記遊技機では、遊技の興趣向上を図る必要があるが、この点について未だ改良の余地がある。
G群の発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技球が入球可能な所定第1入球手段(例えば、左側特図1始動口64又は右側特図1始動口71a)と、
前記所定第1入球手段と異なる所定第2入球手段(例えば、特図2始動口74)と、
前記所定第1入球手段または前記所定第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて所定情報を取得する情報取得手段(例えば、第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203e)と、
前記情報取得手段により取得された前記所定情報を判定する判定手段(例えば、MPU201)と、
所定の所定遊技状態(例えば、「通常遊技状態」、「潜伏確率変動状態」、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」)と、該所定遊技状態と異なる特定遊技状態(例えば、「小当たり頻出確率変動状態」)とに遊技状態を変更可能な遊技状態変更手段(例えば、時短フラグ203m)と、
前記判定手段の判定結果を使用することにより、表示手段(例えば、特別図柄表示装置37)において識別情報の動的表示(例えば、第1特別図柄又は第2特別図柄の動的表示)を実行する動的表示実行手段(例えば、主制御装置110)と、を備えた遊技機において、
前記動的表示実行手段は、
前記所定第1入球手段への入球に基づいて前記動的表示である第1動的表示(例えば、第1特別図柄の動的表示)を実行可能な第1動的実行手段(例えば、上方LED群37b1)と、
前記所定第2入球手段への入球に基づいて前記動的表示であって前記第1動的表示と異なる第2動的表示(例えば、第2特別図柄の動的表示)を実行可能な第2動的実行手段(例えば、下方LED群37b2)と、
前記第1動的実行手段による前記第1動的表示と、前記第2動的実行手段による前記第2動的表示とを同時期に実行可能な同時期実行手段(例えば、第1特別図柄の動的表示と第2特別図柄の動的表示とを同時並列的に実行)と、
前記所定遊技状態において、前記第2動的表示の実行時間として、前記第1動的表示の実行時間より長い実行時間を選択し易い第2動的長期手段(例えば、「通常遊技状態」において、第1特別図柄の最大変動時間120秒<第2特別図柄の変動時間600秒)と、
前記特定遊技状態において、前記第2動的表示の実行時間として、前記第1動的表示の実行時間より短い実行時間を選択し易い第2動的短期手段(例えば、「小当たり頻出確率変動状態」において、第1特別図柄の変動時間600秒>第2特別図柄の最大変動時間120秒)と、を備え、
前記遊技状態変更手段は、
前記第2動的表示の結果が前記第1動的表示の結果より先に導出された場合に、遊技状態を変更する先導出変更手段(例えば、小当たり終了処理(S6016)のS6405)、を備えている
ことを特徴とする遊技機G0。
遊技機G0によれば、所定第1入球手段に遊技球が入球可能に構成され、所定第1入球手段と異なる所定第2入球手段に遊技球が入球可能に構成される。そして、情報取得手段により、所定第1入球手段または所定第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて所定情報が取得され、判定手段により、情報取得手段により取得された所定情報が判定される。また、遊技状態変更手段により、所定の所定遊技状態と、該所定遊技状態と異なる特定遊技状態とに遊技状態が変化可能に構成される。そして、判定手段の判定結果を使用することによって、動的表示実行手段により、表示手段において識別情報の動的表示が実行される。ここで、動的表示実行手段に設けられた第1動的実行手段により、所定第1入球手段への入球に基づいて動的表示である第1動的表示が実行可能に構成され、同じく動的表示実行手段に設けられた第2動的実行手段により、所定第2入球手段への入球に基づいて動的表示である第2動的表示が実行可能に構成される。また、同時期実行手段により、第1実行手段による第1動的表示と、第2実行手段による第2動的表示とが同時期に実行可能に構成される。ここで、動的表示実行手段に設けられた第2動的長期手段により、所定遊技状態において、第2動的表示の実行時間として、第1動的表示の実行時間より長い実行時間が選択され得る。また、動的表示実行手段に設けられた第2動的短期手段により、特定遊技状態において、第2動的表示の実行時間として、第1動的表示の実行時間より短い実行時間が選択され得る。そして、第2動的表示の結果が第1動的表示の結果より先に導出された場合に、遊技状態変更手段に設けられた先導出変更手段により、遊技状態が変更される。これにより、遊技状態に応じて実行時間が異なる第2動的表示の結果が現出するか否かに応じて遊技状態が変更されることで、第2動的表示が先に導出されるか否かという遊技性を創出することができる。その結果、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機G0において、
前記第1動的表示の結果が前記第2動的表示の結果より先に導出された場合に、遊技状態を維持する遊技状態維持手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機G1。
遊技機G1によれば、遊技機G0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1動的表示の結果が第2動的表示の結果より先に導出された場合に、遊技状態維持手段により、遊技状態が維持される。これにより、第2動的表示と異なり、第1動的表示の結果が第2動的表示の結果より先に導出された場合には遊技状態を維持するように構成することで、第1動的表示と同時期に実行され得る第2動的表示が先に導出されるか否かによって遊技状態が変更されることで、いずれの動的表示が先に導出されるか否かという遊技性を創出することができる。その結果、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機G0又はG1において、
前記判定手段は、
前記情報取得手段によって取得された前記所定情報に基づいて、少なくとも、遊技者に遊技価値を付与しない第1結果(例えば、ハズレ結果)と、遊技者に所定の第1遊技価値を付与し得る第2結果(例えば、小当たり遊技)と、遊技者に前記第1遊技価値より遊技者にとって有利な第2遊技価値を付与し得る第3結果(例えば、大当たり遊技)とのいずれかの結果を導出可能に構成され、
前記遊技状態変更手段は、
前記第1結果以外の結果が現出した場合に、遊技状態を変更する
ことを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G0又はG1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判定手段により、情報取得手段によって取得された所定情報に基づいて、少なくとも、遊技者に遊技価値を付与しない第1結果と、遊技者に所定の第1遊技価値を付与し得る第2結果と、遊技者に第1遊技価値より遊技者にとって有利な第2遊技価値を付与し得る第3結果とのいずれかの結果が導出可能に構成される。そして、第1結果以外の結果が現出した場合に、遊技状態変更手段により、遊技状態が変更される。これにより、第1結果以外の結果が現出するか否かに応じて遊技状態が変更されることで、第2動的表示において第1結果以外の結果が先に導出されるか否かという遊技性を創出することができる。その結果、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機G2において、
前記判定手段は、
前記第1結果又は前記第3結果より、前記第2結果を導出し易い
ことを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判定手段により、第1結果又は第3結果より、第2結果が導出され易く構成される。これにより、最も導出され易い第2結果が現出するか否かに応じて遊技状態が変更されることで、第2動的表示において第2結果が先に導出されるか否かという遊技性を創出することができる。その結果、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機G1からG3のいずれかにおいて、
前記動的表示実行手段は、
前記第2結果が導出される旨を前記第3結果より遊技者に認識し難い若しくは認識不可な態様で実行する態様実行手段(例えば、第2特別図柄における小当たり当選を大当たり当選より地味かつ短い演出で実行、又は、第1特別図柄における小当たり当選をハズレ結果と同等の態様で実行)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機G4。
遊技機G4によれば、遊技機G1からG3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示実行手段に設けられた態様実行手段により、第2結果が導出される旨が、アぢ2結果より遊技者に認識し難い若しくは認識不可な態様で実行される。これにより、第3結果より遊技者に付与され得る遊技価値が低い第2結果が導出される場合に、第3結果が導出されるより遊技者に認識し難い若しくは認識不可な態様で実行することで、第2結果の現出を、第3結果より簡素な態様で遊技者に示唆することができる。よって、第3結果より現出し易いが得られる遊技価値が低い第2結果を諄く表現せず、遊技者に不快感を与えず、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機G1からG4のいずれかにおいて、
前記動的表示実行手段は、
前記第1結果が導出される場合に、前記動的表示において前記第1結果であることを遊技者に示唆する第1結果示唆態様(例えば、第1特別図柄の変動演出におけるハズレ結果)を現出する第1結果示唆態様現出手段と、
前記第3結果が導出される場合に、前記動的表示において前記第3結果であることを遊技者に示唆する第3結果態様(例えば、第1特別図柄の変動演出における大当たり結果)を現出する第3結果示唆態様現出手段と、
前記第2結果が導出される場合に、前記第1結果示唆態様を現出させる第1結果示唆態様同等手段と、を備えている
ことを特徴とする遊技機G5。
遊技機G5によれば、遊技機G1からG4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示実行手段により、判定手段の判定結果を使用することによって、表示手段において識別情報の動的表示が実行される。そして、第1結果が導出される場合に、動的表示実行手段に設けられた第1結果示唆態様現出手段により、動的表示において第1結果であることを遊技者に示唆する第1結果示唆態様が現出される。また、第3結果が導出される場合に、動的表示実行手段に設けられた第3結果示唆態様現出手段により、動的表示において第3結果であることを遊技者に示唆する第3結果態様が現出される。そして、第2結果が導出される場合に、動的表示実行手段に設けられた第1結果示唆態様同等手段により、第1結果示唆態様が現出される。これにより、第2結果が導出される場合に、第1結果が導出される場合と同様の態様で遊技者に示唆することで、第2結果の導出を遊技者に認識し難く若しくは認識不可にすることができる。よって、第1結果示唆態様が現出した場合に、第2結果が導出されたか否かを推測する遊技性を創出し、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機G1からG5のいずれかにおいて、
前記所定入球手段と異なる特定入球手段(例えば、共通大入賞口75)と、
前記特定入球手段へ遊技球が流入し難い若しくは流入不可な流入困難状態と、前記特定入球手段へ遊技球が流入し得る流入可能状態とに変化可能な第2可動手段(例えば、共通大入賞口開閉板75a)と、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記第2可動手段を流入困難状態から流入可能状態に変化可能な第2駆動手段(例えば、当たり処理(S203))と、を備え、
前記第2駆動手段は、
前記判定手段によって前記所定第1入球手段または前記所定第2入球手段への遊技球の入球に基づいて前記第3結果が導出される場合に、前記特定入球手段を流入可能状態にするとともに、
前記判定手段によって前記所定第2入球手段への遊技球の入球に基づいて前記第2結果が導出される場合に、前記特定入球手段を流入可能状態にする
ことを特徴とする遊技機G6。
遊技機G6によれば、遊技機G1からG5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定入球手段と異なる特定入球手段が設けられ、第2可動手段により、特定入球手段へ遊技球が入球し難い若しくは入球不可な流入困難状態と、特定入球手段へ遊技球が流入し得る流入可能状態とに変化可能に構成される。そして、判定手段による判定結果を使用することにより、第2駆動手段により、第2可動手段を流入困難状態又は流入可能状態に変化可能に構成される。判定手段によって所定第1入球手段または所定第2入球手段への遊技球の入球に基づいて第3結果が導出される場合に、第2駆動手段により、特定入球手段が流入可能状態とされるとともに、判定手段によって所定第2入球手段への遊技球の入球に基づいて第2結果が導出される場合に、同じく第2駆動手段により、特定入球手段が流入可能状態とされる。これにより、特定第2結果が導出される場合と所定第2結果が導出される場合とで共通の特定入球手段により遊技者に遊技価値を付与することができ、部品点数を少なくし、遊技機に係るコストを削減することができる、という効果がある。
遊技機G1からG6のいずれかにおいて、
前記所定第1入球手段、前記所定第2入球手段または前記特定入球手段と異なって設けられ、前記判定手段によって前記所定第1入球手段への遊技球の入球に基づいて前記第2結果が導出される場合に、流入困難状態から流入可能状態に変化可能な特殊入球手段(例えば、特図1小入賞口65)、を備え、
前記判定手段によって前記所定第1入球手段への遊技球の入球に基づいて前記第2結果が導出される場合に、前記特殊入球手段への遊技球の流入態様を変化させ、
前記遊技状態変更手段は、
前記特殊入球手段の流入態様の如何に関わらず遊技状態を維持する遊技状態維持手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機G7。
遊技機G7によれば、遊技機G1からG6の奏する効果に加え、次の効果を奏する、即ち、所定第1入球手段、所定第2入球手段または特定入球手段と異なって設けられた特殊入球手段が、判定手段によって所定第1入球手段への遊技球の入球に基づいて第2結果が導出された場合に流入困難状態から流入可能状態へと変化可能に構成される。そして、判定手段によって所定第1入球手段への遊技球の入球に基づいて第2結果が導出される場合に、特殊入球手段への遊技球の流入態様が変化される。ここで、遊技状態変更手段に設けられた遊技状態維持手段により、特殊入球手段の流入態様の如何に関わらず遊技状態が維持される。これにより、所定第1入球手段に関する第2結果と、所定第2入球手段に関する第2結果とで遊技球が流入可能状態となる入球手段を異ならせることができ、その結果、いずれの入球手段に遊技球が入球するか否かで遊技状態が変更されるか否かという遊技性を創出し、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機G7において、
前記特殊入球手段への遊技球の流入を阻害する阻害手段(例えば、障害部材65c又は釘)、を備えている
ことを特徴とする遊技機G8。
遊技機G8によれば、遊技機G7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、阻害手段により、特殊入球手段への遊技球の流入が阻害される。これにより、仮に、所定第1入球手段への遊技球の入球に基づいて第2結果が導出された場合であっても、該第2結果に基づいて流入可能状態となっている特殊入球手段への遊技球の流入を阻害手段によって阻害することが可能となる。よって、所定第1入球手段に関する第2結果と、所定第2入球手段に関する第2結果とで、入球手段に遊技球を流入させ得るか否かを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
<H群:非奨励の1の動的表示時間に、奨励の最大保留球数分の動的表示を実行可能に構成>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて遊技球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられた所定入球手段へ遊技球が入球することに基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において当たり等の有利状態に当選した場合に、通常では閉鎖されている特定入球手段を開放して、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されている(例えば、特許文献1(特開2017−148264号公報))。
しかしながら、上記遊技機では、遊技の興趣向上を図る必要があるが、この点について未だ改良の余地がある。
H群の発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技球が入球可能な所定第1入球手段(例えば、左側特図1始動口64又は右側特図1始動口71a)と、
前記所定第1入球手段と異なる所定第2入球手段(例えば、特図2始動口74)と、
前記所定第1入球手段または前記所定第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて所定情報を取得する情報取得手段(例えば、第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203e)と、
所定の数N(Nは自然数)を上限として、前記情報取得手段により取得される所定情報を記憶する記憶手段(例えば、第1保留第1〜第4エリア又は第2保留第1〜第4エリア)と、
前記情報取得手段により取得された前記所定情報を判定する判定手段(例えば、MPU201)と、
所定の所定遊技状態(例えば、「通常遊技状態」、「潜伏確率変動状態」、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」)と、該所定遊技状態と異なる特定遊技状態(例えば、「小当たり頻出確率変動状態」)とに遊技状態を変更可能な遊技状態変更手段(例えば、時短フラグ203m)と、
前記判定手段の判定結果を使用することにより、表示手段(例えば、特別図柄表示装置37)において識別情報の動的表示(例えば、第1特別図柄又は第2特別図柄の動的表示)を実行する動的表示実行手段(例えば、主制御装置110)と、を備えた遊技機において、
前記動的表示実行手段は、
前記所定第1入球手段への入球に基づいて前記動的表示である第1動的表示(例えば、第1特別図柄の動的表示)を実行可能な第1動的実行手段(例えば、上方LED群37b1)と、
前記所定第2入球手段への入球に基づいて前記動的表示であって前記第1動的表示と異なる第2動的表示(例えば、第2特別図柄の動的表示)を実行可能な第2動的実行手段(例えば、下方LED群37b2)と、
前記第1動的実行手段による前記第1動的表示と、前記第2動的実行手段による前記第2動的表示とを同時期に実行可能な同時期実行手段(例えば、第1特別図柄の動的表示と第2特別図柄の動的表示とを同時並列的に実行)と、
前記特定遊技状態において、前記第1動的表示の実行時間として、前記第2動的表示の実行時間より長い実行時間を選択し易い第1動的長期手段(例えば、「小当たり頻出確率変動状態」において、第1特別図柄の変動時間600秒>第2特別図柄の最大変動時間120秒)と、
前記特定遊技状態において、前記第2動的表示の実行時間として、前記第1動的表示の実行時間より短い実行時間を選択し易い第2動的短期手段(例えば、「小当たり頻出確率変動状態」において、第1特別図柄の変動時間600秒>第2特別図柄の最大変動時間120秒)と、を備え、
前記第1動的長期手段は、
前記第2動的短期手段によって選択され得る実行時間に対して前記所定の数Nを乗じたN個実行時間より長い実行時間を選択可能に構成される
ことを特徴とする遊技機H0。
遊技機H0によれば、所定第1入球手段に遊技球が入球可能に構成され、所定第1入球手段と異なる所定第2入球手段に遊技球が入球可能に構成される。そして、情報取得手段により、所定第1入球手段または所定第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて所定情報が取得される。また、遊技状態変更手段により、所定の所定遊技状態と、該所定遊技状態と異なる特定遊技状態とに遊技状態が変化可能に構成される。そして、判定手段により、情報取得手段により取得された所定情報が判定される。また、記憶手段により、所定の数を上限として、情報取得手段により取得される所定情報が記憶される。そして、判定手段の判定結果を使用することによって、動的表示実行手段により、表示手段において識別情報の動的表示が実行される。ここで、動的表示実行手段に設けられた第1動的実行手段により、所定第1入球手段への入球に基づいて動的表示である第1動的表示が実行可能に構成され、同じく動的表示実行手段に設けられた第2動的実行手段により、所定第2入球手段への入球に基づいて動的表示である第2動的表示が実行可能に構成される。また、同時期実行手段により、第1実行手段による第1動的表示と、第2実行手段による第2動的表示とが同時期に実行可能に構成される。ここで、第1動的長期手段により、特定遊技状態において、第1動的表示の実行時間として、第2動的表示の実行時間より長い実行時間が選択され易く構成され、また、第2動的短期手段により、特定遊技状態において、第2動的表示の実行時間として、第1動的表示の実行時間より短い実行時間が選択され易く構成される。そして、第1動的表示手段により、第2動的短期手段によって選択され得る実行時間に対して所定の数Nを乗じたN個実行時間より長い実行時間が選択可能に構成される。これにより、特定遊技状態において、1の第1動的表示を実行する間に、記憶手段に記憶される第2動的表示をすべて実行することが可能となり、該第2動的表示のすべての結果を第1動的表示の結果より先に導出できる。その結果、実行時間が長い動的表示より、実行時間が短い動的表示を先に導出し易くすることができ、効率の良い遊技を実行して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機H0において、
前記所定遊技状態において、前記第2動的表示の実行時間として、前記第1動的表示の実行時間より長い実行時間を選択し易い第2動的長期手段(例えば、「通常遊技状態」において、第1特別図柄の最大変動時間120秒<第2特別図柄の変動時間600秒)と、
前記所定遊技状態において、前記第1動的表示の実行時間として、前記第2動的表示の実行時間より短い実行時間を選択し易い第1動的短期手段(例えば、「通常遊技状態」において、第1特別図柄の最大変動時間120秒<第2特別図柄の変動時間600秒)と、を備え、
前記第2動的長期手段は、
前記第1動的短期手段によって選択され得る実行時間に対して前記所定の数Nを乗じたN個実行時間より長い実行時間を選択可能に構成される
ことを特徴とする遊技機H1。
遊技機H1によれば、遊技機H0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2動的長期手段により、所定遊技状態において、第2動的表示の実行時間として、第1動的表示の実行時間より長い実行時間が選択され易く構成され、また、第1動的短期手段により、所定遊技状態において、第1動的表示の実行時間として、第2動的表示の実行時間より短い実行時間が選択され易く構成される。そして、第2動的表示手段により、第1動的短期手段によって選択され得る実行時間に対して所定の数Nを乗じたN個実行時間より長い実行時間が選択可能に構成される。これにより、所定遊技状態において、1の第2動的表示を実行する間に、記憶手段に記憶される第1動的表示をすべて実行することが可能となり、該第1動的表示のすべての結果を第2動的表示の結果より先に導出できる。その結果、実行時間が長い動的表示より、実行時間が短い動的表示を先に導出し易くすることができ、効率の良い遊技を実行して、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機H0又はH1において、
前記所定第1入球手段および前記所定第2入球手段と異なる特定入球手段(例えば、共通大入賞口75)、
前記特定入球手段へ遊技球が流入し難い若しくは流入不可な流入困難状態と、前記特定入球手段へ遊技球が流入し得る流入可能状態とに変化可能な第2可動手段(例えば、共通大入賞口開閉板75a)と、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記第2可動手段を流入困難状態又は流入可能状態に変化可能な第2駆動手段(例えば、当たり処理(S203))と、備え、
前記判定手段は、
前記情報取得手段によって取得された前記所定情報に基づいて、少なくとも、遊技者に遊技価値を付与しない第1結果(例えば、ハズレ結果)と、遊技者に所定の遊技価値を付与し得る第2結果(例えば、大当たり遊技)とのいずれの結果を導出可能に構成され、
前記動的表示実行手段は、
前記第1動的実行手段または前記第2動的実行手段によって、先に導出される前記第1動的表示または前記第2動的表示において前記第2結果が導出される場合に、少なくとも、前記第2駆動手段による前記第2可動手段が流入可能状態である間、後に導出される前記第2動的表示または前記第1動的表示の実行を中断する実行中断手段(例えば、第1特別図柄における大当たり遊技の当選に基づいて第2特別図柄の動的表示の実行を中断)、を備えている
ことを特徴とする遊技機H2。
遊技機H2によれば、遊技機H0又はH1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定第1入球手段および所定第2入球手段と異なる特定入球手段が設けられ、第2可動手段により、特定入球手段へ遊技球が入球し難い若しくは入球不可な流入困難状態と、特定入球手段へ遊技球が流入し得る流入可能状態とに変化可能に構成される。そして、判定手段による判定結果を使用することにより、第2駆動手段により、第2可動手段を流入困難状態又は流入可能状態に変化可能に構成される。ここで、判定手段により、情報取得手段によって取得された所定情報に基づいて、少なくとも、遊技者に遊技価値を付与しない第1結果と、遊技者に所定の遊技価値を付与し得る第2結果とのいずれの結果が導出可能に構成される。そして、第1動的実行手段または第2動的実行手段によって、先に導出される第1動的表示または第2動的表示において第2結果が導出される場合に、動的表示実行手段に設けられた実行中断手段により、少なくとも、第2駆動手段による第2可動手段が流入可能状態である間、後に導出される第2動的表示または第1動的表示の実行が中断される。これにより、一方の動的表示を実行する間に、記憶手段に記憶される他方の動的表示をすべて実行することが可能となり、該他方の動的表示のすべての結果を一方の動的表示の結果より先に導出できる。よって、一方の動的表示の結果で他方の動的表示を消滅させることなく、当選した内容をすべて遊技者に提供することが可能となる。その結果、何らかの役に当選したにもかかわらず遊技価値が付与されないといった事象(所謂、引き損)をなくすことができ、遊技者が遊技に興醒めしないようにすることができる、という効果がある。
遊技機H0からH2のいずれかにおいて、
前記所定第1入球手段へ遊技球が流入し難い若しくは流入不可な流入困難状態(例えば、閉鎖状態)と、前記所定第1入球手段へ遊技球が流入し得る流入可能状態(例えば、開放状態)とに変化可能な第1可動手段(例えば、普通電役71b)と、
前記第1可動手段を流入困難状態又は流入可能状態に変化可能な第1駆動手段(例えば、普通電役制御処理(S204))と、を備え、
前記第1駆動手段は、
所定の第1遊技状態(例えば、「時短機能」無し状態)において所定条件(例えば、普通図柄の可変表示における当たり当選)が成立した場合に、前記第1可動手段を第1期間(例えば、0.l秒×1回)可動し得る第1駆動態様手段(例えば、「時短機能」無し状態における普通電役開放テーブル202k)と、
前記第1遊技状態と異なる第2遊技状態(例えば、「時短機能」有り状態)において前記所定条件が成立した場合に、前記第1可動手段を前記第1期間より長い第2期間(例えば、5.0秒×3回)可動し得る第2駆動態様手段(例えば、「時短機能」有り状態における普通電役開放テーブル202k)と、を備え、
前記遊技状態変更手段は、
前記第2駆動手段による前記第2可動手段の駆動態様に基づいて遊技状態を変更可能な駆動態様変更手段(例えば、小当たり終了処理(S6016)のS6405)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機H3。
遊技機H3によれば、遊技機H0からH2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1可動手段により、所定第1入球手段へ遊技球が流入し難い若しくは流入不可な流入困難状態と、所定第1入球手段へ遊技球が流入し得る流入可能状態とに変化可能に構成され、第1駆動手段により、第1可動手段が流入困難状態又は流入可能状態に変化可能に構成される。ここで、第1遊技状態において所定条件が成立した場合に、第1駆動手段に設けられた第1駆動態様手段により、第1可動手段が第1期間可動され得て、第2遊技状態において所定条件が成立した場合に、第1駆動手段に設けられた第2駆動態様手段により、第1可動手段が第1期間より長い第2期間可動され得る。そして、遊技状態変更手段に設けられた駆動態様変更手段により、第2駆動手段による第2可動手段の駆動態様に基づいて遊技状態が変更可能に構成される。これにより、判定手段の判定結果を使用することで流入困難状態又は流入可能状態とに変化し得る特定入球手段への遊技球の流入態様に基づいて遊技状態が変更されることで、所定第1入球手段への遊技球の流入態様を変更することができる。その結果、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機H3において、
前記第2結果は、
所定の所定遊技価値を付与し得る所定第2結果(例えば、小当たり遊技)と、
前記所定遊技価値より遊技者にとって有利な特定遊技価値を付与し得る特定第2結果(例えば、大当たり遊技)と、を有し、
前記第2駆動手段は、
前記判定手段によって前記所定第1入球手段または前記所定第2入球手段への遊技球の入球に基づいて前記特定第2結果が導出される場合に、前記特定入球手段を流入可能状態にするとともに、
前記判定手段によって前記所定第2入球手段への遊技球の入球に基づいて前記所定第2結果が導出される場合に、前記特定入球手段を流入可能状態にする
ことを特徴とする遊技機H4。
遊技機H4によれば、遊技機H3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2結果として、所定の所定遊技価値を付与し得る所定第2結果と、所定遊技価値より遊技者にとって有利な特定遊技結果とを付与し得る特定第2結果とが設けられる。そして、判定手段によって所定第1入球手段または所定第2入球手段への遊技球の入球に基づいて特定第2結果が導出される場合に、第2駆動手段により、特定入球手段が流入可能状態とされるとともに、判定手段によって所定第2入球手段への遊技球の入球に基づいて所定第2結果が導出される場合に、同じく第2駆動手段により、特定入球手段が流入可能状態とされる。これにより、第3結果が導出される場合と第2結果が導出される場合とで共通の特定入球手段により遊技者に遊技価値を付与することができ、部品点数を少なくし、遊技機に係るコストを削減することができる、という効果がある。
遊技機H2からH4のいずれかにおいて、
前記所定第1入球手段、前記所定第2入球手段または前記特定入球手段と異なって設けられ、前記判定手段によって前記所定第1入球手段への遊技球の入球に基づいて前記第2結果が導出される場合に、流入困難状態から流入可能状態に変化可能な特殊入球手段(例えば、特図1小入賞口65)、を備え、
前記判定手段によって前記所定第1入球手段への遊技球の入球に基づいて前記所定第2結果が導出される場合に、前記特殊入球手段への遊技球の流入態様を変化させ、
前記遊技状態変更手段は、
前記特殊入球手段の流入態様の如何に関わらず遊技状態を維持する遊技状態維持手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機H5。
遊技機H5によれば、遊技機H2からH4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定第1入球手段、所定第2入球手段または特定入球手段と異なって設けられた特殊入球手段が、判定手段によって所定第1入球手段への遊技球の入球に基づいて所定第2結果が導出された場合に流入困難状態から流入可能状態へと変化可能に構成される。そして、判定手段によって所定第1入球手段への遊技球の入球に基づいて所定第2結果が導出される場合に、特殊入球手段への遊技球の流入態様が変化される。ここで、遊技状態変更手段に設けられた遊技状態維持手段により、特殊入球手段の流入態様の如何に関わらず遊技状態が維持される。これにより、所定第1入球手段に関する所定第2結果と、所定第2入球手段に関する所定第2結果とで遊技球が流入可能状態となる入球手段を異ならせることができ、その結果、いずれの入球手段に遊技球が入球するか否かで遊技状態が変更されるか否かという遊技性を創出し、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機H5において、
前記特殊入球手段への遊技球の流入を阻害する阻害手段(例えば、障害部材65c又は釘)、を備えている
ことを特徴とする遊技機H6。
遊技機H6によれば、遊技機H5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、阻害手段により、特殊入球手段への遊技球の流入が阻害される。これにより、仮に、所定第1入球手段への遊技球の入球に基づいて所定第2結果が導出された場合であっても、該所定第2結果に基づいて流入可能状態となっている特殊入球手段への遊技球の流入を阻害手段によって阻害することが可能となる。よって、所定第1入球手段に関する所定第2結果と、所定第2入球手段に関する所定第2結果とで、入球手段に遊技球を流入させ得るか否かを異ならせることで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
なお、上記遊技機A0〜A10のいずれかの構成に対して、上記遊技機B0〜B9,C0〜C8,D0〜D8,E0〜E8,F0〜F10,G0〜G8,H0〜H6のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
なお、上記遊技機B0〜B9のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A10,C0〜C8,D0〜D8,E0〜E8,F0〜F10,G0〜G8,H0〜H6のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
なお、上記遊技機C0〜C8のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A10,B0〜B9,D0〜D8,E0〜E8,F0〜F10,G0〜G8,H0〜H6のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
なお、上記遊技機D0〜D8のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A10,B0〜B9,C0〜C8,E0〜E8,F0〜F10,G0〜G8,H0〜H6のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
なお、上記遊技機E0〜E8のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A10,B0〜B9,C0〜C8,D0〜D8,F0〜F10,G0〜G8,H0〜H6のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
なお、上記遊技機F0〜F10のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A10,B0〜B9,C0〜C8,D0〜D8,E0〜E8,G0〜G8,H0〜H6のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
なお、上記遊技機G0〜G8のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A10,B0〜B9,C0〜C8,D0〜D8,E0〜E8,F0〜F10,H0〜H6のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
なお、上記遊技機H0〜H6のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A10,B0〜B9,C0〜C8,D0〜D8,E0〜E8,F0〜F10,G0〜G8のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
これらの場合、各構成を適用したことによるさらなる効果を奏することができる。
遊技機A0からA10、B0からB9、C0からC8、D0からD8、E0からE8、F0からF10、G0からG8、H0からH6のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A0からA10、B0からB9、C0からC8、D0からD8、E0からE8、F0からF10、G0からG8、H0からH6のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(大入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A0からA10、B0からB9、C0からC8、D0からD8、E0からE8、F0からF10、G0からG8、H0からH6のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。