JP2021003885A - 金属板の接合体およびその製造方法 - Google Patents

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Akio Yamamoto
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小山内 英世
Hideyo Osanai
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大悟 増▲崎▼
Daigo Masuzaki
大悟 増▲崎▼
小林 幸司
Koji Kobayashi
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Abstract

【課題】アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる2枚の金属板が十分な接合強度で接合した安価な且つ変形が小さい金属板の接合体およびその製造方法を提供する。【解決手段】アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる第1の金属板10の一方の面に銀層12を配置し、この銀層12上に、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる第2の金属板14を載置して積層体16を作製し、この積層体16にその厚さ方向に0.1〜30MPaの荷重を加えながら、積層体16を250〜370℃で1〜180分間加熱することにより、銀層12の銀粉同士が焼結し、第1の金属板10と第2の金属板14との間の弱い接合を形成して、第1の金属板10と第2の金属板14の仮接合体を作製し、この仮接合体を接合炉内に入れ、380〜630℃で1〜180分間加熱することにより、第1の金属板10と第2の金属板14を強固に接合する。【選択図】図1

Description

本発明は、金属板の接合体およびその製造方法に関し、特に、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる2枚の金属板を接合した金属板の接合体およびその製造方法に関する。
近年、電気自動車、電車、工作機械などの大電流を制御するためのパワーモジュールの絶縁基板として、セラミックス基板の一方の面にアルミニウムまたはアルミニウム合金などからなる金属板が接合するとともに他方の面にアルミニウムまたはアルミニウム合金などからなる金属ベース板が接合した金属−セラミックス接合基板が使用されている。また、金属ベース板の他方の面(裏面)には、アルミニウムまたはアルミニウム合金などからなる(裏面に放熱フィンなどが形成された放熱板などの)放熱板が取り付けられている。
このような金属−セラミックス接合基板のアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属ベース板にアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる放熱板を取り付ける方法として、ろう付けにより放熱板を取り付ける方法が提案されている(例えば、特許文献1〜2参照)。
特開2011−166127号公報(段落番号0015) 特開2015−170826号公報(段落番号0011)
しかし、特許文献1および2の方法では、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属ベース板にアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる放熱板を取り付ける際に、アルミニウムの融点(約660℃)近くまで高温に加熱してろう材を溶かして取り付けるため、取り付け後に放熱板が変形し易い。また、特許文献1および2の方法では、ろう付けする際の固定冶具が必要であるため、大型の炉が必要になるとともに、加熱および冷却の時間がかかり、製造コストが高くなる。
そのため、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属ベース板にアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる放熱板を十分な接合強度で安価に且つ小さい変形で接合することが望まれている。
したがって、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる2枚の金属板が十分な接合強度で接合した安価な且つ変形が小さい金属板の接合体およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる第1の金属板の一方の面に銀層を配置し、この銀層上に、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる第2の金属板を載置して積層体を作製し、この積層体にその厚さ方向に0.1〜30MPaの荷重を加えながら、積層体を250〜370℃で1〜180分間加熱することにより仮接合体を作製し、この仮接合体を380〜630℃で1〜180分間加熱することにより、第1の金属板と第2の金属板を接合すれば、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる2枚の金属板が十分な接合強度で接合した安価な且つ変形が小さい金属板の接合体を製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明による金属板の接合体の製造方法は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる第1の金属板の一方の面に銀層を配置し、この銀層上に、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる第2の金属板を載置して積層体を作製し、この積層体にその厚さ方向に0.1〜30MPaの荷重を加えながら、積層体を250〜370℃で1〜180分間加熱することにより仮接合体を作製し、この仮接合体を380〜630℃で1〜180分間加熱することにより、第1の金属板と第2の金属板を接合することを特徴とする。
この金属板の接合体の製造方法において、仮接合体を作製する際の加熱温度が320〜370℃であるのが好ましく、仮接合体を作製する際に加える荷重が1〜25MPaであるのが好ましく、仮接合体を作製する際の加熱時間が3〜120分間であるのが好ましい。また、仮接合体を作製した後に、仮接合体を加熱する温度が390〜620℃であるのが好ましく、仮接合体を加熱する時間が3〜120分間であるのが好ましい。さらに、第1または第2の金属板が、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属板がセラミックス基板に直接接合した金属−セラミックス基板の金属板でもよい。また、積層体への荷重がプレス機により加えられるのが好ましく、積層体および仮接合体の加熱が、固定冶具により固定しないで行われるのが好ましい。また、銀層は、銀粉層、銀ペーストまたは銀シートであるのが好ましい。銀層が銀粉層の場合、銀粉層の銀粉の平均粒径が0.01〜5.0μmであるのが好ましい。
また、本発明による金属板の接合体は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる第1の金属板とアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる第2の金属板が、銀にアルミニウムが拡散している層により接合されていることを特徴とする。
この金属板の接合体において、第1の金属板および第2の金属板との間の接合強度が1.10MPa以上であるのが好ましく、1.50MPa以上であるのがさらに好ましい。また、第1の金属板および第2の金属板の一方が他方から剥がれるときの力が700N以上であるのが好ましく、850N以上であるのがさらに好ましい。また、第1または第2の金属板が、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属板がセラミックス基板に直接接合した金属−セラミックス基板の金属板でもよい。
本発明によれば、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる2枚の金属板が十分な接合強度で接合した安価な且つ変形が小さい金属板の接合体およびその製造方法を提供することができる。
本発明による金属板の接合体の製造方法の実施の形態において、金属板の仮接合体を作製する方法を概略的に説明する図である。 本発明による金属板の接合体の製造方法により作製した仮接合体および接合体の接合強度を測定する装置を概略的に説明する図である。 実施例1の金属板の接合体の厚さ方向に切断した断面の走査電子顕微鏡(SEM)による二次電子像である。 実施例7の金属板の接合体の厚さ方向に切断した断面のSEMによる二次電子像である。 実施例13の金属板の接合体の厚さ方向に切断した断面の走査電子顕微鏡(SEM)によるCOMP(組成)像である。 実施例16の金属板の接合体の厚さ方向に切断した断面のSEMによるCOMP(組成)像である。
以下、添付図面を参照して、本発明による金属板の接合体およびその製造方法の実施の形態について詳細に説明する。
本発明による金属板の接合体の製造方法の実施の形態では、図1に示すように、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる第1の金属板10の一方の面に(好ましくは銀粉層、銀ペーストまたは銀シートからなる)銀層12を配置し、この銀層12上に、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる第2の金属板14を載置して積層体16を作製し、この積層体16にその厚さ方向(図1において矢印で示す方向)に0.1〜30MPa(好ましくは1〜25MPa)の荷重を加えながら、積層体16を250〜370℃(好ましくは320〜370℃)で1〜180分間(好ましくは3〜120分間)加熱することにより、銀層12の銀粉同士の焼結(または加熱した銀シート)により、第1の金属板10と第2の金属板14との間に弱い接合を形成し、第1の金属板10と第2の金属板14の仮接合体を作製する。なお、この仮接合体の弱い接合は、(仮接合体を加熱して接合体を製造するための)接合炉内に仮接合体を搬入することができる程度の接合であればよいので、容易に剥離する程度の弱い接合でもよく、0.1MPa以上の荷重を加えながら250℃以上の温度で加熱すればよい。
この仮接合体は、図1に示すように、敷板18の上面に(ガラスウールからなる)断熱材20を介して配置された(内部にカートリッジヒータ22aを備えた)下側加熱板22の上面と、天板24の下面に(ガラスウールからなる)断熱材20を介して配置された(内部にカートリッジヒータ26aを備えた)上側加熱板26の下面とを鉛直方向に離間して対向させ、下側加熱板22の上面と上側加熱板26の下面に配置された(AlN基板などのセラミックス基板からなる)一対のスペーサ28の間に積層体16を配置し、(図示しない)油圧プレスによって天板24の上面から0.1〜30MPaの荷重を加えながら、下側加熱板22のカートリッジヒータ22aと上側加熱板26のカートリッジヒータ26aに電流を流して、積層体16を250〜370℃で1〜180分間加熱した後、冷却することによって作製することができる。
なお、この仮接合体の作製は、加圧しながら加熱することができるホットプレスなどによって行うことができる。特に、仮接合体を作製する際に積層体を加圧しながら加熱するためにホットプレス装置を使用すれば、仮接合体を作製する際にねじ止めなどの固定冶具を使用する必要がなく、固定冶具を脱着する作業を行う必要がなくなるので、製造コストを削減できる。また、仮接合体を作製する際の加熱は、生産性を向上させるために急速に加熱するのが好ましく、例えば、ホットプレスによって加圧しながら加熱する前に、別の装置で予備加熱を行ってもよい。また、各々のスペーサ28は、複数のセラミックス基板からなるスペーサでもよく、スペーサ28と加熱板(下側加熱板22および上側加熱板26)との間にアルミニウム合金(A6063)などからなる板材を配置してもよい。
次に、このようにして作製された第1の金属板10と第2の金属板14の仮接合体を(図示しない)接合炉内に入れ、380〜630℃(好ましくは390〜620℃)で1〜180分間(好ましくは3〜120分間)加熱することにより、第1の金属板10と第2の金属板14の間の銀層12の銀が拡散することにより、第1の金属板10と第2の金属板14を強固に接合する。この接合の加熱温度Y(℃)と接合時間X(分)との関係は、Y≧−3.64X+566であるのが好ましい。この接合体を作製する際の加熱は、外部から全く加圧しない状態(または0.05MPa以下の低い圧力を加えた状態)、すなわち、仮接合体上にスペーサを載置したり、さらにスペーサ上に重りなどを載置することによって仮接合体に加えられる程度の圧力(0.05MPa以下、好ましくは0.01MPa以下の圧力)を加えた状態で行ってもよい。このように仮接合体上にスペーサや重りなどを載置した状態(や仮接合体上にスペーサなどを載置しない状態)で接合炉内に入れて接合体を作製すれば、固定冶具を使用した場合と比べて、非常に多くの仮接合体を接合炉内に投入して、一度に接合体を作製することができるので、製造コストを低減することができる。なお、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる第1の金属板10と第2の金属板14が、380℃以上で圧力を加えると変形し易い純アルミニウムなどからなる場合に、高温域で荷重を加えたまま接合すると、金属板10および金属板14の変形量が大きくなる場合があるので、上記のように外部から全く加圧しない状態(または0.05MPa以下の低い圧力を加えた状態)で加熱すれば、金属板10および金属板14の変形量を小さくすることができる。
なお、第1の金属板10と第2の金属板14の接合に使用する銀粉は、平均粒径0.01〜5.0μmであるのが好ましく、0.05〜2.0μmの銀粉であるのがさらに好ましく、0.1〜1.0μmであるのが最も好ましい。また、銀層12の配置は、第1の金属板10の一方の面に、銀粉をそのまま塗布して銀粉層を形成してもよいし、銀粉を含む溶剤をスプレーして塗布した後に溶剤を揮発させて銀粉層を形成してもよいし、銀粉をペースト状にしてスクリーン印刷などにより塗布した後に加熱などによりペースト中のバインダを除去して形成してもよいし、銀シートを配置してもよい。また、第1の金属板10および第2の金属板14は、放熱性や導電性の観点から、好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上、最も好ましくは97質量%以上のアルミニウムを含む。
また、AlN、SiN、アルミナなどのセラミックス基板の一方の面にアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属回路板が接合し、他方の面にアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属ベース板が接合した金属−セラミックス接合基板の金属ベース板を第1の金属板10および第2の金属板14の一方とし、(裏面にフィンやピンが形成された放熱板などの)放熱板を第1の金属板10および第2の金属板14の他方として、本発明による金属板の接合方法の実施の形態により、第1の金属板10と第2の金属板14を強固に接合することができる。このように、金属ベース板と放熱板を本発明による金属板の接合体の製造方法の実施の形態により接合すれば、アルミニウムまたはアルミニウム合金と銀の拡散接合により接合され、ろう材のように広く溶融しないので、比較的低温で接合することができ、金属−セラミックス接合基板の変形も抑制することができる。
また、本発明による金属板の接合体の実施の形態は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる第1の金属板10とアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる第2の金属板14が、銀にアルミニウムが拡散している層により接合されている。
この金属板の接合体において、第1の金属板および第2の金属板との間の接合強度が1.10MPa以上であるのが好ましく、1.50MPa以上であるのがさらに好ましく、2.00MPa以上であるのが最も好ましい。なお、第1の金属板および第2の金属板との間の接合強度を10MPa以上にすることができ、さらに15MPa以上にすることもできる。また、第1の金属板および第2の金属板の一方が他方から剥がれるときの力が700N以上であるのが好ましく、850N以上であるのがさらに好ましい。また、第1または第2の金属板が、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属板がセラミックス基板に直接接合した金属−セラミックス基板の金属板でもよい。
なお、本発明による金属板の接合体の製造方法により作製した仮接合体および接合体の接合強度(せん断強度)は、図2に示すように、略鉛直方向に延びる壁部112が固定された試験台110上に、積層体16を第1の金属板10を下側にして載置し、積層体16の第1の金属板10と略同じ厚さの支持板114を試験台110上の壁部112と積層体16の間に載置した状態で、せん断強度プローブ116により積層体16の第2の金属板14を矢印方向に押圧して、金属板(第1の金属板10または第2の金属板)が剥がれたときの力(剥がれない場合は金属板が変形する直前の力)を測定し、その力を接合面積で除することにより求めることができる。
以下、本発明による金属板の接合体およびその製造方法の実施例について詳細に説明する。
[実施例1]
金属板として25mm×25mm×1mmの大きさの純アルミニウム板(山元株式会社製の圧延材A1050P H24 MF)を2枚用意し、一方の金属板としての純アルミニウム板の一方の面に、0.2gの銀粉(DOWAハイテック株式会社製のG−17、平均粒径0.45〜0.70μm)を塗布し、薬さじで平らにして、厚さ約30μmの銀粉層を形成し、この銀粉層上に他方の金属板としての純アルミニウム板を載置して積層体を作製し、図1に示す仮接合体の作製方法と同様の方法により、それぞれカートリッジヒータを組み込んだ上側加熱板と下側加熱板を備えたホットプレス機の上側加熱板と下側加熱板の間に、それぞれBN粉を塗布したスペーサ(積層体側から厚さ1.0mmのAlN基板と厚さ10mmのアルミニウム合金板(A6063)からなるスペーサ)を介して積層体を配置して、油圧プレス(株式会社大阪ジャッキ製作所製)により積層体の厚さ方向に10MPaの荷重を加えながら、昇温速度5℃/分程度で350℃まで昇温して10分間保持することにより積層体を加熱した後、除荷して空冷(ファンで送風して冷却速度10℃/分程度で強制空冷)することにより仮接合体を作製した。なお、加熱温度は、純アルミニウム板に熱電対を接触させて測定した。このようにして作製した仮接合体から金属板が剥がれたときの力を、シェア強度測定機(株式会社アドウェルズ製のSPST2000N)を使用して、図2と同様の方法により測定したところ、300N程度であり、接合強度は0.48MPaであった。また、仮接合体の変形を肉眼で確認したところ、その変形は小さかった。
次に、上記と同様の方法により作製した仮接合体を接合炉に入れ、600℃で5分間保持して加熱することにより、一対の純アルミニウム板の接合体を製造した。この接合体から金属板が剥がれたときの力(剥がれない場合は金属板が変形する直前の力)を、シェア強度測定機(株式会社アドウェルズ製のSPST2000N)を使用して、図2と同様の方法により測定したところ、金属板は剥がれず、金属板が変形する直前の力は1149Nであった。この力を接合強度に換算すると、1.84MPa以上であり、非常に強固に接合していた。また、接合体の変形を肉眼で確認したところ、その変形は小さかった。
また、この実施例1の金属板の接合体の厚さ方向に切断した断面のSEM−EDS(エネルギー分散型X線分光器(EDS)を搭載した走査電子顕微鏡(SEM)(株式会社日本電子製のJSM−6390A))による二次電子像を図3に示す。図3の二次電子像から、銀にアルミニウムが拡散している層(拡散反応相)によって2枚のアルミニウム板が接合されていることがわかる。
[実施例2]
接合体を製造する際の加熱の温度を500℃、保持時間を30分間とした以外は、実施例1と同様の方法により、接合体を製造し、その接合体から金属板が剥がれたときの力(剥がれない場合は金属板が変形する直前の力)を測定したところ、金属板は剥がれず、金属板が変形する直前の力は953Nであり、接合強度は1.52MPa以上であり、非常に強固に接合していた。また、接合体の変形は小さかった。
[実施例3]
接合体を製造する際の加熱の温度を400℃、保持時間を30分間とした以外は、実施例1と同様の方法により、接合体を製造し、その接合体から金属板が剥がれたときの力(剥がれない場合は金属板が変形する直前の力)を測定したところ、金属板が剥がれたときの力は727Nであり、接合強度は1.16MPaであり、強固に接合していた。また、接合体の変形は小さかった。
[実施例4]
接合体を製造する際の加熱の温度を400℃、保持時間を60分間とした以外は、実施例1と同様の方法により、接合体を製造し、その接合体から金属板が剥がれたときの力(剥がれない場合は金属板が変形する直前の力)を測定したところ、金属板は剥がれず、金属板が変形する直前の力は1048Nであり、接合強度は1.68MPa以上であり、非常に強固に接合していた。また、接合体の変形は小さかった。
[実施例5]
一方の金属板として40mm×40mm×10mmの大きさの(Al−Si−Mg系)アルミニウム合金板(A6063 BE−T5)を使用し、接合体を製造する際の加熱の温度を500℃とした以外は、実施例1と同様の方法により、接合体を製造し、その接合体から金属板が剥がれたときの力(剥がれない場合は金属板が変形する直前の力)を測定したところ、金属板が剥がれたときの力は848Nであり、接合強度は1.36MPaであり、強固に接合していた。また、接合体の変形は小さかった。
[実施例6]
一方の金属板として40mm×40mm×10mmの大きさの(Al−Si−Mg系)アルミニウム合金板(A6063 BE−T5)を使用した以外は、実施例2と同様の方法により、接合体を製造し、その接合体から金属板が剥がれたときの力(剥がれない場合は金属板が変形する直前の力)を測定したところ、金属板は剥がれず、金属板が変形する直前の力は1020Nであり、接合強度は1.63MPa以上であり、非常に強固に接合していた。また、接合体の変形は小さかった。
[実施例7]
一方の金属板として40mm×40mm×10mmの大きさの(Al−Si−Mg系)アルミニウム合金板(A6063 BE−T5)を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、接合体を製造し、その接合体から金属板が剥がれたときの力(剥がれない場合は金属板が変形する直前の力)を測定したところ、金属板は剥がれず、金属板が変形する直前の力は1396Nであり、接合強度は2.23MPa以上であり、非常に強固に接合していた。また、接合体の変形は小さかった。
また、この実施例7の金属板の接合体の厚さ方向に切断した断面のSEM−EDS(エネルギー分散型X線分光器(EDS)を搭載した走査電子顕微鏡(SEM))による二次電子像を図4に示す。図4の二次電子像から、銀にアルミニウムが拡散している層(拡散反応相)によって2枚のアルミニウム板が接合されていることがわかる。
[実施例8]
鋳型内に25mm×25mm×1mmの大きさのAlNからなる2枚のセラミックス基板を2.2mm離間して配置し、0.4質量%のSiと0.04質量%のBと残部としてのAlとからなるアルミニウム合金の溶湯をセラミックス基板の両面に接触するように鋳型内に注湯した後、冷却して溶湯を凝固させることにより、25mm×25mm×2.2mmの大きさのアルミニウム合金板の両面に、25mm×25mm×1mmの大きさのセラミックス基板の一方の面が直接接合し、これらのセラミックス基板の他方の面に、25mm×25mm×0.4mmの大きさのアルミニウム合金板が直接接合した金属−セラミックス接合基板を作製し、この金属−セラミックス接合基板の一方の面のアルミニウム合金板を一方の金属板として使用し、40mm×40mm×10mmの大きさの(Al−Si−Mg系)アルミニウム合金板(A6063 BE−T5)を他方の金属板として使用し、仮接合体を製造する際の保持時間を100分間とし、接合体を製造する際の保持時間を60分間とした以外は、実施例1と同様の方法により、接合体を製造し、金属板の代わりにセラミックス基板を押圧した以外は、実施例1と同様の方法により、その接合体から金属板が剥がれたときの力(剥がれない場合は金属板が変形する直前の力)を測定したところ、金属板は剥がれず、金属板が変形する直前の力は1803Nであり、接合強度は2.88MPa以上であり、非常に強固に接合していた。また、接合体の変形は小さかった。
[実施例9]
接合体を製造する際の加熱の保持時間を5分間とした以外は、実施例8と同様の方法により、接合体を製造し、金属板の代わりにセラミックス基板を押圧した以外は、実施例1と同様の方法により、その接合体から金属板が剥がれたときの力(剥がれない場合は金属板が変形する直前の力)を測定したところ、金属板は剥がれず、金属板が変形する直前の力は1908Nであり、接合強度は3.05MPa以上であり、非常に強固に接合していた。また、接合体の変形は小さかった。
[実施例10]
鋳型内に40mm×34mm×0.6mmの大きさのAlNからなるセラミックス基板を配置し、0.4質量%のSiと0.04質量%のBと残部としてのAlとからなるアルミニウム合金の溶湯をセラミックス基板の両面に接触するように鋳型内に注湯した後、冷却して溶湯を凝固させることにより、セラミックス基板の一方の面に38mm×32mm×0.2mmの大きさのアルミニウム合金板が直接接合し、他方の面に38mm×32mm×0.4mmの大きさのアルミニウム合金板が直接接合した金属−セラミックス接合基板を作製し、この金属−セラミックス接合基板の他方の面のアルミニウム合金板を一方の金属板として使用し、40mm×40mm×10mmの大きさの(Al−Si−Mg系)アルミニウム合金板(A6063 BE−T5)を他方の金属板として使用し、上記の一方の金属板に代えて他方の金属板の一方の面に銀粉層を形成し、仮接合体を作製する際のスペーサとした厚さ1.0mmのAlN基板からなるスペーサを使用した以外は、実施例9と同様の方法により、接合体を製造し、金属板の代わりにセラミックス基板を押圧した以外は、実施例1と同様の方法により、その接合体から金属板が剥がれたときの力(剥がれない場合は金属板が変形する直前の力)を測定したところ、金属板は剥がれず、金属板が変形する直前の力は1832Nであり、接合強度は1.51MPaであり、非常に強固に接合していた。また、接合体の変形は小さかった。
[実施例11]
鋳型内に25mm×25mm×1mmの大きさのAlNからなる2枚のセラミックス基板を2.2mm離間して配置し、0.4質量%のSiと0.04質量%のBと残部としてのAlとからなるアルミニウム合金の溶湯をセラミックス基板の両面に接触するように鋳型内に注湯した後、冷却して溶湯を凝固させることにより、25mm×25mm×2.2mmの大きさのアルミニウム合金板の両面に、25mm×25mm×1mmの大きさのセラミックス基板の一方の面が直接接合し、これらのセラミックス基板の他方の面に、25mm×25mm×0.4mmの大きさのアルミニウム合金板が直接接合した金属−セラミックス接合基板を作製し、この金属−セラミックス接合基板の一方の面のアルミニウム合金板を一方の金属板として使用し、40mm×40mm×10mmの大きさの(Al−Si−Mg系)アルミニウム合金板(A6063 BE−T5)を他方の金属板として使用し、仮接合体を作製する際の保持時間を10分間とし、仮接合体を作製する際のスペーサとした厚さ1.0mmのAlN基板からなるスペーサを使用した以外は、実施例9と同様の方法により、接合体を製造し、金属板の代わりにセラミックス基板を押圧した以外は、実施例1と同様の方法により、その接合体から金属板が剥がれたときの力(剥がれない場合は金属板が変形する直前の力)を測定したところ、金属板は剥がれず、金属板が変形する直前の力は2010Nであり、接合強度は3.22MPa以上であり、非常に強固に接合していた。また、接合体の変形は小さかった。
[実施例12]
0.4質量%のSiと0.04質量%のBと残部としてのAlとからなるアルミニウム合金の溶湯を鋳型内に注湯した後、冷却して溶湯を凝固させることにより、25mm×25mm×4mmの大きさのアルミニウム合金板を作製し、このアルミニウム合金板を一方の金属板として使用し、40mm×40mm×10mmの大きさの(Al−Si−Mg系)アルミニウム合金板(A6063 BE−T5)を他方の金属板として使用し、上記の一方の金属板に代えて他方のアルミニウム合金板の一方の面に銀粉層を形成し、仮接合体を作製する際の荷重を4MPaにした以外は、実施例1と同様の方法により、接合体を製造し、その接合体から金属板が剥がれたときの力(剥がれない場合は金属板が変形する直前の力)を測定したところ、金属板は剥がれず、金属板が変形する直前の力は2043Nであり、接合強度は3.27MPa以上であり、非常に強固に接合していた。また、接合体の変形は小さかった。
[比較例1]
接合体を製造する際の加熱の温度を350℃とした以外は、実施例4と同様の方法により、接合体を製造し、その接合体から金属板が剥がれたときの力(剥がれない場合は金属板が変形する直前の力)を測定したところ、金属板が剥がれたときの力は670Nであり、接合強度は1.07MPaであり、(接合体を製造する際の加熱の温度が低過ぎたため)接合強度は不十分であった。また、接合体の変形は小さかった。
[比較例2]
仮接合体を作製しないで接合体を製造する際の加熱の保持時間を100分間とした以外は、実施例8と同様の方法により、接合体を製造し、金属板の代わりにセラミックス基板を押圧した以外は、実施例1と同様の方法により、その接合体から金属板が剥がれたときの力(剥がれない場合は金属板が変形する直前の力)を測定することを試みたが、(仮接合体を作製しないで接合体を製造したので)手を触れただけで金属板が剥がれて、測定できないほど弱かった。
[実施例13]
金属板として4.2mm×4.2mm×1mmの大きさと25mm×25mm×1mmの大きさの純アルミニウム板(山元株式会社製の圧延材A1050P H24 MF)をそれぞれ1枚用意し、一方の金属板としての大きい方の純アルミニウム板の一方の面の4.2mm×4.2mmの大きさの領域に、銀粉(DOWAハイテック株式会社製のG−17、平均粒径0.45〜0.70μm)と(アクリル系バインダと溶剤からなる)ビヒクルを質量比86:14で混合した銀ペーストを、この銀ペースト中の銀の厚さが5μmになるように秤量した銀ペーストを薬さじで均一に塗布し、この銀ペースト上に他方の金属板としての小さい方の純アルミニウム板を載置して積層体を作製し、図1に示す仮接合体の作製方法と同様の方法により、それぞれカートリッジヒータを組み込んだ上側加熱板と下側加熱板を備えたホットプレス機の上側加熱板と下側加熱板の間に、それぞれBN粉を塗布したスペーサ(厚さ1.0mmのAlN基板)を介して積層体を配置して、昇温速度5℃/分程度で150℃まで昇温し、その直後に、油圧プレス(株式会社大阪ジャッキ製作所製)により積層体の厚さ方向に10MPaの荷重を加えながら、昇温速度5℃/分程度で250℃まで昇温し、その直後に、5MPaの荷重を加えながら、昇温速度5℃/分程度で350℃まで昇温して10分間保持することにより積層体を加熱した後、除荷して空冷(ファンで送風して冷却速度10℃/分程度で強制空冷)することにより仮接合体を作製した。なお、加熱温度は、純アルミニウム板に熱電対を接触させて測定した。
次に、上記と同様の方法により作製した仮接合体を接合炉に入れ、600℃で10分間保持して加熱した後、100℃までの平均冷却速度を4℃/分として冷却することにより、一対の純アルミニウム板の接合体を製造した。この接合体から金属板が剥がれたときの力を、シェア強度測定機(株式会社アドウェルズ製のSPST2000N)を使用して、図2と同様の方法により(小さい方の純アルミニウム板を押し出して)測定したところ、597Nであった。この力を接合強度に換算すると、34.0MPa以上であり、非常に強固に接合していた。また、接合体の変形は小さかった。
また、この実施例13の金属板の接合体の厚さ方向に切断した断面のSEM−EDS(エネルギー分散型X線分光器(EDS)を搭載した走査電子顕微鏡(SEM)(株式会社日本電子製のJSM−6390A))によるCOMP(組成)像を図5に示す。図5のCOMP(組成)像から、銀にアルミニウムが拡散している層(拡散反応相)によって2枚のアルミニウム板が接合されていることがわかる。なお、拡散反応相は、2枚のアルミニウムを接合する層(接合層)であり、この拡散反応相中の白く観察される領域は、Ag濃度が高い領域であり、この領域の3カ所でエネルギー分散型X線分析(EDX)により組成分析を行ったところ、Ag濃度とAl濃度の合計を100at%とすると、Al濃度は39.8〜40.6at%であり、この領域は、AgとAlの2元系状態図から、ζ相からなる領域であると推定される。また、接合されたアルミニウム板中の白っぽい線状の部分が交差したメッシュ状に観察される領域は、Agが拡散している領域であり、この領域の3カ所でエネルギー分散型X線分析(EDX)により組成分析を行ったところ、Ag濃度とAl濃度の合計を100at%とすると、Al濃度は83.5〜91.8at%であり、この領域は、(「HETEROGENEOUS NUCLEATION OF γ’ IN Al−Ag AND Al−Ag(Cd OR Cu) ALLOYS」(ACTA METALLURGICA Vol.19, 1971)のFIG.1に示すような)AgとAlの2元系状態図から、δ相とζ相とからなる領域であると推定される。
[実施例14]
他方の金属板(小さい方の純アルミニウム板)として4.15mm×4.15mm×1mmの大きさの純アルミニウム板(山元株式会社製の圧延材A1050P H24 MF)を使用し、150℃から250℃まで昇温する際に加える加重を5MPaとした以外は、実施例13と同様の方法により、一対の純アルミニウム板の接合体を製造した。この接合体から金属板が剥がれたときの力を、シェア強度測定機(株式会社アドウェルズ製のSPST2000N)を使用して、図2と同様の方法により(小さい方の純アルミニウム板を押し出して)測定したところ、401Nであった。この力を接合強度に換算すると、23.3MPa以上であり、非常に強固に接合していた。また、接合体の変形は小さかった。
[実施例15]
金属板として4mm×5mm×1mmの大きさと40mm×40mm×3mmの大きさの純アルミニウム板(山元株式会社製の圧延材A1050P H24 MF)をそれぞれ1枚使用し、これらの2枚の純アルミニウム板の間に、銀ペーストに代えて、14mm×15mmの大きさで厚さ10μmの銀シート(竹内金属箔粉工業株式会社製の純度99.99%以上の銀シート)を配置し、150℃から250℃まで昇温する際に加重を加えず、250℃から350℃まで昇温して保持する際に加える加重を10MPaとした以外は、実施例13と同様の方法により、一対の純アルミニウム板の接合体を製造した。この接合体から金属板が剥がれたときの力を、シェア強度測定機(株式会社アドウェルズ製のSPST2000N)を使用して、図2と同様の方法により(小さい方の純アルミニウム板を押し出して)測定したところ、307Nであった。この力を接合強度に換算すると、18.5MPa以上であり、非常に強固に接合していた。また、接合体の変形は小さかった。
[実施例16]
一方の金属板としてAl−Si−Mg系合金(A6063BE−T5)からなる40mm×40mm×3mmの大きさのアルミニウム合金板を使用し、他方の金属板として4mm×6mm×1mmの大きさの純アルミニウム板(山元株式会社製の圧延材A1050P H24 MF)を使用し、250℃から350℃まで昇温して保持する際に加える加重を5MPaとした以外は、実施例15と同様の方法により、一対の純アルミニウム板の接合体を製造した。この接合体から金属板が剥がれたときの力を、シェア強度測定機(株式会社アドウェルズ製のSPST2000N)を使用して、図2と同様の方法により(小さい方の純アルミニウム板を押し出して)測定したところ、378Nであった。この力を接合強度に換算すると、15.75MPa以上であり、非常に強固に接合していた。また、接合体の変形は小さかった。
また、この実施例16の金属板の接合体の厚さ方向に切断した断面のSEM−EDS(エネルギー分散型X線分光器(EDS)を搭載した走査電子顕微鏡(SEM)(株式会社日本電子製のJSM−6390A))によるCOMP(組成)像を図6に示す。図6のCOMP(組成)像から、銀にアルミニウムが拡散している層(拡散反応相)によって2枚のアルミニウム板が接合されていることがわかる。なお、拡散反応相は、2枚のアルミニウムを接合する層(接合層)であり、この拡散反応相中の白く観察される領域は、Ag濃度が高い領域であり、この領域の3カ所でエネルギー分散型X線分析(EDX)により組成分析を行ったところ、Ag濃度とAl濃度の合計を100at%とすると、Al濃度は14〜45at%であり、この領域は、AgとAlの2元系状態図から、μ相とζ相とαAg相とからなる領域であると推定される。また、一方の金属板としてのアルミニウム合金板中の白っぽい線状の部分が交差したメッシュ状に観察される領域は、Agが拡散している領域であり、この領域の3カ所でエネルギー分散型X線分析(EDX)により組成分析を行ったところ、Ag濃度とAl濃度の合計を100at%とすると、Al濃度は54〜75at%であり、この領域は、AgとAlの2元系状態図から、δ相とζ相とからなる領域であると推定される。さらに、他方の金属板としての純アルミニウム板中の白っぽい線状の部分が交差したメッシュ状に観察される領域は、Agが拡散している領域であり、この領域の3カ所でエネルギー分散型X線分析(EDX)により組成分析を行ったところ、Ag濃度とAl濃度の合計を100at%とすると、Al濃度は51〜78at%であり、この領域は、AgとAlの2元系状態図から、δ相とζ相とからなる領域であると推定される。
[実施例17]
金属板として40mm×40mm×3.0mmの大きさと10mm×10mm×1.0mmの大きさの純アルミニウム板(山元株式会社製の圧延材A1050P H24 MF)をそれぞれ1枚用意し、一方の金属板としての大きい方の純アルミニウム板の一方の面の10mm×10mmの大きさの領域に、銀粉(DOWAハイテック株式会社製のG−17、平均粒径0.45〜0.70μm)と(アクリル系バインダと溶剤からなる)ビヒクルを質量比84:16で混合した銀ペーストを、この銀ペースト中の銀の厚さが5μmになるように秤量した銀ペーストを薬さじで均一に塗布し、この銀ペースト上に他方の金属板としての小さい方の純アルミニウム板を載置して積層体を作製し、図1に示す仮接合体の作製方法と同様の方法により、それぞれカートリッジヒータを組み込んだ上側加熱板と下側加熱板を備えたホットプレス機の上側加熱板と下側加熱板の間に、それぞれBN粉を塗布したスペーサ(厚さ1.0mmのAlN基板)を介して積層体を配置して、昇温速度5℃/分程度で150℃まで昇温し、その直後に、油圧プレス(株式会社大阪ジャッキ製作所製)により積層体の厚さ方向に5MPaの荷重を加えながら、昇温速度5℃/分程度で350℃まで昇温して10分間保持することにより積層体を大気中で加熱した後、除荷して空冷(ファンで送風して冷却速度10℃/分程度で強制空冷)することにより仮接合体を作製した。なお、加熱温度は、純アルミニウム板に熱電対を接触させて測定した。
次に、上記と同様の方法により作製した仮接合体を接合炉に入れ、大気中において600℃で10分間保持して加熱した後、100℃までの平均冷却速度を4℃/分として冷却することにより、一対の純アルミニウム板の接合体を製造した。この接合体の一対のアルミニウム板は強固に接合していた。
この接合体の小さい方の純アルミニウム板の変形量を、純アルミニウム板の一方の主面(接合面と反対側の主面)の面積が接合により増大した割合(面積%)={(接合後の純アルミニウム板の一方の主面の面積)−(接合前の純アルミニウム板の一方の主面の面積)}×100/(接合前の純アルミニウム板の一方の主面の面積)として評価したところ、6.0面積%であり、変形量は小さかった。
[比較例3]
金属板として40mm×40mm×3.0mmの大きさと1.5mm×1.5mm×0.9mmの大きさの純アルミニウム板(山元株式会社製の圧延材A1050P H24 MF)をそれぞれ1枚用意し、一方の金属板としての大きい方の純アルミニウム板の一方の面の1.5mm×1.5mmの大きさの領域に、銀粉(DOWAハイテック株式会社製のG−17、平均粒径0.45〜0.70μm)と(アクリル系バインダと溶剤からなる)ビヒクルを質量比84:16で混合した銀ペーストを、この銀ペースト中の銀の厚さが5μmになるように秤量した銀ペーストを薬さじで均一に塗布し、この銀ペースト上に他方の金属板としての小さい方の純アルミニウム板を載置して積層体を作製した。この積層体の他方の金属板(小さい方の純アルミニウム板)上に1.23kgの重りを載置することにより積層体の厚さ方向に5.5MPaの荷重を加えた状態で、真空加熱炉に入れて昇温速度4.3℃/分程度で525℃まで昇温して10分間保持することにより積層体を加熱した後、真空雰囲気中において250℃まで冷却し、その後、冷却用窒素ガスを炉内に導入して冷却することにより、一対の純アルミニウム板の接合体を製造した。この接合体の一対のアルミニウム板は、強固に接合していた。なお、加熱温度は、純アルミニウム板に熱電対を接触させて測定した。また、525℃から100℃までの平均冷却速度は4.4℃/分であった。また、この接合体の小さい方の純アルミニウム板の変形量を、実施例17と同様の方法により評価したところ、純アルミニウム板の一方の面積が接合により増大した割合は26.7面積%であり、変形量は大きかった。この接合体は、荷重を加えた状態で高温域で接合することにより製造したので、接合強度は高かったが、変形量が大きかった。
これらの実施例と比較例の金属板の仮接合体および接合体の製造条件および特性を以下の表1および表2に示す。
Figure 2021003885
Figure 2021003885
なお、接合体の接合強度(せん断強度)は、その測定に使用したシェア強度測定機の測定荷重の限界が2000N程度であるため、実施例1〜2、4及び6〜12では、測定を途中で手動により中止したので、表2に示すように、中止した時点の接合力から算出した接合強度以上として表示した。
10 第1の金属板
12 銀層
14 第2の金属板
16 積層体
18 敷板
20 断熱材
22 下側加熱板
22a カートリッジヒータ
24 天板
26 上側加熱板
26a カートリッジヒータ
110 試験台
112 壁部
114 支持板
116 せん断強度プローブ

Claims (19)

  1. アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる第1の金属板の一方の面に銀層を配置し、この銀層上に、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる第2の金属板を載置して積層体を作製し、この積層体にその厚さ方向に0.1〜30MPaの荷重を加えながら、積層体を250〜370℃で1〜180分間加熱することにより仮接合体を作製し、この仮接合体を380〜630℃で1〜180分間加熱することにより、第1の金属板と第2の金属板を接合することを特徴とする、金属板の接合体の製造方法。
  2. 前記仮接合体を作製する際の加熱温度が320〜370℃であることを特徴とする、請求項1に記載の金属板の接合体の製造方法。
  3. 前記仮接合体を作製する際に加える荷重が1〜25MPaであることを特徴とする、請求項1または2に記載の金属板の接合体の製造方法。
  4. 前記仮接合体を作製する際の加熱時間が3〜120分間であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の金属板の接合体の製造方法。
  5. 前記仮接合体を加熱する温度が390〜620℃であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の金属板の接合体の製造方法。
  6. 前記仮接合体を加熱する時間が3〜120分間であることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の金属板の接合体の製造方法。
  7. 前記第1または第2の金属板が、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属板がセラミックス基板に直接接合した金属−セラミックス基板の金属板であることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載の金属板の接合体の製造方法。
  8. 前記荷重がプレス機により加えられることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれかに記載の金属板の接合体の製造方法。
  9. 前記積層体および前記仮接合体の加熱が、固定冶具により固定しないで行われることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれかに記載の金属板の接合体の製造方法。
  10. 前記銀層が銀粉層であることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれかに記載の金属板の接合体の製造方法。
  11. 前記銀粉層の銀粉の平均粒径が0.01〜5.0μmであることを特徴とする、請求項10に記載の金属板の接合体の製造方法。
  12. 前記銀層が銀ペーストまたは銀シートであることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれかに記載の金属板の接合体の製造方法。
  13. アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる第1の金属板とアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる第2の金属板が、銀にアルミニウムが拡散している層により接合されていることを特徴とする、金属板の接合体。
  14. 前記第1の金属板および前記第2の金属板との間の接合強度が1.10MPa以上であることを特徴とする、請求項13に記載の金属の接合体。
  15. 前記第1の金属板および前記第2の金属板との間の接合強度が1.50MPa以上であることを特徴とする、請求項13に記載の金属の接合体。
  16. 前記第1の金属板および前記第2の金属板との間の接合強度が10MPa以上であることを特徴とする、請求項13に記載の金属の接合体。
  17. 前記第1の金属板および前記第2の金属板の一方が他方から剥がれるときの力が700N以上であることを特徴とする、請求項13乃至16のいずれかに記載の金属の接合体。
  18. 前記第1の金属板および前記第2の金属板の一方が他方から剥がれるときの力が850N以上であることを特徴とする、請求項13乃至16のいずれかに記載の金属の接合体。
  19. 前記第1または第2の金属板が、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属板がセラミックス基板に直接接合した金属−セラミックス基板の金属板であることを特徴とする、請求項13乃至18のいずれかに記載の金属板の接合体。


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