JP2021002186A - 電子タグ読取装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成で収納箱内の電子タグを一括で同時に読み取るとともに、装置の近傍の他の電子タグの誤読取を防止する。【解決手段】電子タグ読取装置において、トンネル部11は、通過部10の一部を下面とし、内部を収納箱Bが通過する。アンテナ12は、トンネル部11の内面のうち、収納箱Bの通過方向に対して左側面11aと右側面11bと上面11cとのそれぞれに設けられ、電波を発信する発信面がトンネル部11の内部を向くように設置される。シールド板13は、電波吸収性の板で構成され、当該板の中央に所定の直径の孔13aを有し、孔13aがアンテナ12の発信面の前方に位置するように設置される。カーテン14は、電波吸収性のシールドクロスで構成され、トンネル部11のうち、収納箱Bの通過方向に対して正面11dと背面11eとのそれぞれに設けられ、トンネル部11の内部に対する収納箱Bの出入りを可能としている。【選択図】図1

Description

本発明は、電子タグ読取装置に関する。
従来より、段ボール、コンテナ等の収納箱に収納した複数の物品(制服、服装品、衣服、小物、書籍等)のそれぞれに付された電子タグを一括で同時に読み取り、物品の入庫管理、在庫管理等を効率よく行う電子タグ読取装置が存在する。
例えば、特開2008−140216号公報(特許文献1)には、RFIDタグを一括で読み取るICタグ読取装置が開示されている。このICタグ読取装置は、RFIDタグを付設した被識別体が通過する通路部の一側に、該RFIDタグに記憶させた情報を読み取るRFIDアンテナを配設し、該RFIDアンテナから放射される電波の平面視の半値角を狭める鉛直状電波吸収前壁・電波吸収後壁を、該RFIDアンテナの前縁・後縁近傍から通路部側へ突出状として設け、かつ、通路部を挟んで他側に電波吸収側壁を配設している。これにより、簡易な構成でありながら、放射した電波を制御(ゾーンコントロール)でき、所望しない場所にあるタグ情報の読み取りを防ぐとともに、装置に隣接する別のアンテナから放射した電波との干渉を防ぐことが可能としている。その結果、通信領域が大きなFRIDシステムにおける物流において、識別を所望する物品(被識別体)の正確な管理を確実に行うことが出来るとしている。
又、特開2009−80588号公報(特許文献2)には、複数の物品のそれぞれに付したICタグの情報を一括して読み取る方法が開示されている。この方法では、ICタグの読み取りに電磁誘導方式を採用し、少なくとも1以上のリーダライタアンテナに対して相対的に、且つ、一括して複数の物品を移動させることにより、ICタグの情報を読み取る。又、方法に対応するICタグ読取装置も開示されており、ICタグ読取装置は、リーダライタアンテナと、リーダライタアンテナに対して複数の物品を相対的に移動させる移動手段と、を備える。これにより、リーダライタアンテナから発生される磁束がすべてのICタグのアンテナループを通過する可能性が高くなるため、ICタグを読み取る確率を格段に高めることが出来るとしている。
又、特開2011−8708号公報(特許文献3)には、回転台と、アンテナと、電波暗箱と、リーダと、制御計算機と、を備えるICタグ読取装置が開示されている。回転台は、情報を記憶した電子タグを複数収納した保管箱を載せて、保管箱を回転させる。アンテナは、所定の周波数の電波で電子タグとの間で無線通信する。電波暗箱は、所定の周波数の電波を遮断するとともに、回転台とアンテナとを内部に設置されている。リーダは、アンテナを介して電子タグに記憶した情報を読取る。制御計算機は、回転台を回転させながらリーダに電子タグに記憶した情報を読取らせる。これにより、書類保管箱内の複数の書類に貼付けてある電子タグを一括読取りさせることが可能となり、労力をかけずに短時間に書類の内容、数量を把握することが出来るとしている。
特開2008−140216号公報 特開2009−80588号公報 特開2011−8708号公報
電子タグ読取装置は、通常、トンネル型であり、トンネルの入口と出口に、電波(電磁波)を遮断する電波遮断用のシャッターが設けられており、収納箱が電子タグ読取装置の内部に入ると、出入口のシャッターが閉じて、収納箱内の物品の電子タグのみを確実に読み取るように構成している。又、電子タグ読取装置の他の構成として、出入口のシャッターを設けずに、電子タグを読み取るアンテナの指向特性を工夫して、トンネルの出入口からアンテナの電波漏れの可能性を低くして、電子タグの誤読取を防止している。
しかしながら、出入口のシャッターを設けた電子タグ読取装置では、収納箱を電動コンベアで搬送するとともに、出入口のシャッターを自動で開閉する開閉機構が必要となり、装置が大型化し、コストが掛かるという課題がある。又、電動コンベアや開閉機構は、メンテナンスを必要とし、既存の装置に導入し難いという課題がある。
又、アンテナの指向特性を調整した電子タグ読取装置では、特別なアンテナを用意する必要があるとともに、電波到達距離を精度高く制御する必要があり、そのような調整がし難いという課題がある。又、特別なアンテナにコストが掛かるという課題がある。
特許文献1に記載の技術では、RFIDアンテナに対して電波吸収前壁と、電波吸収後壁と、電波吸収側壁との3つの電波吸収壁を用意する必要があるが、これらの電波吸収壁が嵩張り、装置が大型化するという課題がある。又、特許文献2に記載の技術では、装置外の近傍に存在する他の電子タグの誤読取を防止する方法について記載が無い。更に、特許文献3に記載の技術では、全体を電波暗箱に構成する必要があり、既存の装置に導入し難いという課題がある。
そこで、本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、簡単な構成であるにもかかわらず、収納箱内の複数の電子タグを一括で同時に読み取ることが出来るとともに、装置外の近傍に存在する他の電子タグの誤読取を防止することが可能な電子タグ読取装置を提供することを目的とする。
本発明に係る電子タグ読取装置は、通過部と、トンネル部と、アンテナと、シールド板と、カーテンと、制御部と、を備える。通過部は、電子タグを付けた物品を収納する収納箱を通過させる。トンネル部は、前記通過部の一部を下面とし、内部を前記収納箱が通過する。アンテナは、前記トンネル部の内面のうち、前記収納箱の通過方向に対して左側面と右側面と上面とのそれぞれに設けられ、電波を発信する発信面が前記トンネル部の内部を向くように設置される。シールド板は、電波吸収性の板で構成され、当該板の中央に所定の直径の孔を有し、前記孔が前記アンテナの発信面の前方に位置するように設置される。カーテンは、電波吸収性のシールドクロスで構成され、前記トンネル部のうち、前記収納箱の通過方向に対して正面と背面とのそれぞれに設けられ、前記トンネル部の内部に対する前記収納箱の出入りを可能とする。制御部は、前記トンネル部の内部に入った収納箱に対して、前記アンテナの発信面から電波を発信させて、当該収納箱内の物品の電子タグの情報を読み取る。
本発明によれば、簡単な構成であるにもかかわらず、収納箱内の複数の電子タグを一括で同時に読み取ることが出来るとともに、装置外の近傍に存在する他の電子タグの誤読取を防止することが可能となる。
本発明の実施形態に係る電子タグ読取装置の概念図である。 本発明の実施形態に係る電子タグ読取装置における収納箱の通過方向に対する正面断面図である。 本発明の実施形態に係る電子タグ読取装置のアンテナとシールド板の斜視図である。 実施例に係る電子タグ読取装置における収納箱の通過方向に対する正面図と装置内部の斜視図とである。 実施例において、制御部がアンテナを介して電子タグの情報を読み取る場合のシールド板の孔の直径とアンテナの電波到達距離との関係を示す表である。 実施例に係る電子タグ読取装置において収納箱の通過方向に対する左側面図と正面図(図6A)と、収納箱の搬入前の電子タグ読取装置において収納箱の通過方向に対する左側面図と正面図(図6B)と、である。 収納箱の搬入時の電子タグ読取装置において収納箱の通過方向に対する左側面図と制御部の表示例(図7A)と、収納箱の搬出後の電子タグ読取装置において収納箱の通過方向に対する左側面図と正面図(図7B)と、である。
以下に、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
本発明に係る電子タグ読取装置1は、図1−図3に示すように、通過部10と、トンネル部11と、アンテナ12と、シールド板13と、カーテン14と、制御部15と、を備える。
通過部10は、電子タグTを付けた物品Oを収納する収納箱Bを通過させる。トンネル部11は、通過部10の一部を下面とし、内部を収納箱Bが通過する。アンテナ12は、トンネル部11の内面のうち、収納箱Bの通過方向に対して左側面11aと右側面11bと上面11cとのそれぞれに設けられ、電波を発信する発信面12aがトンネル部11の内部を向くように設置される。
シールド板13は、電波吸収性の板で構成され、当該板の中央に所定の直径の孔13aを有し、孔13aがアンテナ12の発信面12aの前方に位置するように設置される。カーテン14は、電波吸収性のシールドクロスで構成され、トンネル部11のうち、収納箱Bの通過方向に対して正面11dと背面11eとのそれぞれに設けられ、トンネル部11の内部に対する収納箱Bの出入りを可能とする。
制御部15は、トンネル部11の内部に入った収納箱Bに対して、アンテナ12の発信面12aから電波を発信させて、当該収納箱B内の物品Oの電子タグTの情報を読み取る。
これにより、簡単な構成であるにもかかわらず、収納箱B内の複数の電子タグを一括で同時に読み取ることが出来るとともに、装置外の近傍に存在する他の電子タグの誤読取を防止することが可能となる。
即ち、本発明では、アンテナ12の発信面12aの前方に、孔13aを有するシールド板13を設けるという極めて簡単な構成であるため、既存の装置に簡単に、低コストで導入することが出来る。又、シールド板13は嵩張ることが無いことから、装置を小型化することが出来る。
又、シールド板13により、アンテナ12の発信面12aの電波到達距離をトンネル部11の内部に制限することで、トンネル部11の内部に複数の電子タグTが存在しても、一括で同時に電子タグTの情報を読み取ることが可能になるとともに、装置外への発信面12aの電波の漏洩を防止し、装置外の近傍に存在する電子タグTの誤読取を防止することが可能となる。
又、本発明では、トンネル部11の内面の左側面11aと右側面11bと上面11cとのそれぞれにアンテナ12を設けているため、トンネル部11の内面に対して3方向から電波を発信して、電子タグTの情報を読み取る。このように、収納箱Bの通過方向に対して3方向にアンテナ12を設けることで、収納箱Bの中に入っている物品Oの電子タグTの電波受信用のアンテナの向きがどのような向きであっても、3方向のアンテナ12の発信面12aが収納箱Bに対して満遍なく電波を発信することが出来るため、当該電子タグTの電波受信用のアンテナが、本電子タグ読取装置1の3つのアンテナ12の発信面12aのいずれかの電波を確実に受信することが可能となる。そのため、収納箱B内の物品Oの電子タグTの情報を漏らすことなく読み取ることが出来るのである。
又、本発明では、トンネル部11の出入口となる正面11d(入口)と背面11e(出口)とのそれぞれにカーテン14を設けることで、電波漏洩が生じ易いトンネル部11の出入口をカーテン14で遮断し、複数の電子タグTの一括読取と電波漏洩の防止とを両立させることが可能となる。
ここで、通過部10の構成に特に限定は無いが、例えば、図1に示すように、複数のローラー10aを設けたローラーコンベアとしても良いし、ベルトコンベアとしても良し、手動で収納箱Bを移動させて、通過部10に収納箱Bを通過させても良い。
又、電子タグTの種類に特に限定は無いが、例えば、UHF(Ultra High Frequency)帯(例えば、860MHz〜960MHz、2.45GHz帯等)のRF(radio frequency)タグを挙げることが出来る。RFタグは、リーダライタアンテナ12の発信面12aからの電波を受けて動作するIC(integrated circuits)タグである。
又、物品Oの種類に特に限定は無いが、例えば、図1に示すように、電子タグTをエンブレムとして付した制服を挙げることが出来る。物品Oは、その他に、服装品、衣服、小物、書籍等を挙げることが出来る。又、収納箱Bの種類に特に限定は無いが、例えば、段ボール、コンテナ等を挙げることが出来る。
又、トンネル部11の構成に特に限定は無いが、例えば、図1に示すように、板状の左側面11aと上面11cと右側面11bとのそれぞれの端部をこれらの順番で接続し、断面視がコの字状の形状にしても良いし、曲状の左側面11aと上面11cと右側面11bのそれぞれの端部をこれらの順番で接続し、断面視がUの字状の形状にしても構わない。
又、アンテナ12の構成に特に限定は無いが、例えば、電子タグTの電波受信用のアンテナの向きに影響を受けることなく、電子タグTの電波受信用のアンテナに電波を発信することが出来る円偏波方式のアンテナ12を採用すること好ましい。又、アンテナ12は、特別なアンテナを用いる必要は無く、例えば、図1に示すように、板状で構成されたアンテナ12を挙げることが出来る。
又、アンテナ12の設置位置に特に限定は無いが、例えば、図1、図2に示すように、左側面11aと右側面11bと上面11cとに設置される3つのアンテナ12を、収納箱Bの通過方向に対してトンネル部11の内周方向に一直線上に設置しても構わない。更に、左側面11aと右側面11bと上面11cとに設置される3つのアンテナ12のいずれか又は全部を、トンネル部11の内面の中央に設置しても良いし、トンネル部11の内面の正面11d側又は背面11e側に設置しても良い。
又、シールド板13の構成に特に限定は無いが、最も単純な構成として、図3に示すように、シールド板13の中央に孔13aが一つ設けられている構成を挙げることが出来る。孔13aがアンテナ12の発信面12aの前方に位置し、発信面12aと対向することで、孔13aが電波の発信窓として機能し、アンテナ12の電波到達距離を制限することが出来る。
又、シールド板13の孔13aの形状に特に限定は無いが、最も単純な構成として、図3に示すように、円形の形状を挙げることが出来る。尚、シールド板13の材質に特に限定は無く、公知の電波吸収性の材質を採用することが出来る。
又、シールド板13は、アンテナ12の電波到達距離を精度高く制限するために、例えば、図2−図3に示すように、シールド板13の孔13aがアンテナ12の発信面12aに接するように、シールド板13の一面をアンテナ12の発信面12aに重ねて設置されると好ましい。
ここで、シールド板13の孔13aの直径と電波到達距離とには比例関係が成立する。そのため、シールド板13の孔13aの直径は、電波到達距離がトンネル部11の内部のサイズに対応するように適宜設計される。
例えば、トンネル部11の左側面11a(又は右側面11b)のアンテナ12の前方に設置されるシールド板13の孔13aの直径は、アンテナ12の電波到達距離がトンネル部11の左側面11aから右側面11bまでのサイズ(距離)に対応するように設計される。又、トンネル部11の上面11cのアンテナ12の前方に設置されるシールド板13の孔13aの直径は、アンテナ12の電波到達距離がトンネル部11の上面11cから通過部10(トンネル部11の下面)までのサイズ(距離)に対応するように設計される。
ここで、トンネル部11の上面11cに設置されたアンテナ12の電波漏洩は、トンネル部11の左側面11aと右側面11bのそれぞれに設置されたアンテナ12の電波漏洩と比較して顕著である。そのため、例えば、トンネル部11の内面の上面11cのアンテナ12におけるシールド板13の孔13aの直径は、トンネル部11の内面の左側面11aと右側面11bのそれぞれアンテナ12におけるシールド板13の孔13aの直径よりも小さく構成されると好ましい。これにより、電波漏洩の影響が顕著に現れるトンネル部11の上面11cのアンテナ12の電波到達距離を左側面11aと右側面11bのそれぞれのアンテナ12の電波到達距離よりも短くすることで、トンネル部11の上面11cのアンテナ12の電波漏洩の影響を小さくし、電波漏洩を確実に防止することが出来る。
又、シールド板13の孔13aの直径について、具体的には、電子タグTがUHF帯のRFタグである場合、シールド板13の孔13aの直径は、160mmよりも大きく、且つ、200mm未満の範囲内であると好ましい。この場合、例えば、トンネル部11における収納箱Bの通過方向に対して正面視の縦サイズ及び横サイズが400mm〜600mmの範囲内であり、収納箱の縦サイズ又は横サイズが400mm〜600mmの範囲内であると好ましい。
又、シールド板13のサイズに特に限定は無いが、アンテナ12の電波到達距離を精度高く制限するために、例えば、アンテナ12の発信面12aに対向するシールド板13の平面サイズは、アンテナ12の発信面12aの平面サイズと同等又はこれよりも大きく構成されると好ましい。
又、カーテン14の構成に特に限定は無いが、電波漏洩防止の点と収納箱の出入りの容易の点から、例えば、図1に示すように、電波を遮断する効果を有する一枚の電波吸収性のシールドクロスで構成しても良いし、電波漏洩防止の確実の点から、二枚の電波吸収性のシールドクロスを重ねて構成しても良い。又、カーテン14が二枚の電波吸収性のシールドクロスを重ねて構成とした場合、例えば、一方のシールドクロスの厚みが他方のシールドクロスの厚みと同等であっても異なっていても構わない。カーテン14の厚みは、厚い程、カーテン14の靭性が向上し、収納箱Bの出入りが困難になることから、収納箱Bのサイズや強度、通過速度等に応じて適宜設計される。例えば、カーテン14が二枚の電波吸収性のシールドクロスを重ねて構成した場合、一方のシールドクロスの厚みを他方のシールドクロスの厚みと比較して厚くすることで、一方のシールドクロスの靭性がカーテン14の靭性に対応させ、収納箱Bの出入りを容易にしても良い。又、カーテン14の材質は、トンネル部11のサイズやアンテナ12の電波到達距離等に応じて適宜設計される。
又、制御部15の構成に特に限定は無いが、例えば、アンテナ12からの電気信号を情報に変換するリーダライタと、リーダライタが変換した情報を記憶するコンピュータ(端末装置)との2つの要素で構成される。制御部15は、図1、図2に示すように、アンテナ12と電気的に接続され、アンテナ12に電気信号を送信したり、アンテナ12からの電気信号を情報として受信したりする。
具体的には、アンテナ12は、制御部15から送信された電気信号を電波として空中に放出するとともに、電子タグTが発する電波を受信して電気信号に変換する。制御部15のリーダライタは、アンテナ12の電気信号を情報に変換したり、コンピュータからの情報を電気信号に変換して、当該電気信号をアンテナ12に送りこんだりしている。制御部15のコンピュータは、リーダライタの動作を制御し、リーダライタの動作の開始、停止、電子タグTの情報の読取、電子タグTへの情報の書込等のコマンドを発信する。尚、上述では、制御部15が、リーダライタとコンピュータで構成したが、例えば、アンテナ12が、リーダライタと一体化されている場合は、制御部15は、単にコンピュータで構成しても構わない。
又、制御部15が読み取る電子タグTの情報の種類に特に限定は無く、例えば、物品Oの製品を示す製品情報や物品Oの種類を示す種類情報等の物品Oの識別情報を挙げることが出来る。
又、制御部15が電子タグTの情報を読み取る方法に特に限定は無い。例えば、通過部10がローラーコンベアの場合、制御部15が、通過部10のローラーコンベアを順回転させることで、通過部10に載置された収納箱Bがローラーコンベアの通過部10を通過して、トンネル部11の正面11d(入口)のカーテン14からトンネル部11の内部に入ると、制御部15が、3つのアンテナ12に電気信号を送って、各アンテナ12から電波を発信させる。
ここで、制御部15の3つのアンテナ12の電波発信の順番に特に限定は無いが、例えば、制御部15が、トンネル部11の上面11cと左側面11aと右側面11bとのそれぞれのアンテナ12に電気信号を順次送信しても良いし、全てのアンテナ12に同時に電気信号を送信しても良い。
さて、収納箱B内の物品Oの電子タグTが電波を受信すると、電子タグTの記憶部に予め記憶された情報を含む電波を発信する。ここで、収納箱B内に複数の電子タグTが存在する場合は、それぞれの電子タグTが電波を発信することになる。
ここで、トンネル部11の内部において、収納箱Bの外周を取り囲むように3つのアンテナ12が設けられているため、複数の電子タグTのそれぞれがどのような方向に電波を発信したとしても、3つのアンテナ12いずれかが電子タグTの電波を受信することになる。
アンテナ12が電子タグTの電波を受信すると、電気信号に変換して、当該電気信号を制御部15に送信し、制御部15は、当該電気信号に基づいて電波の情報を取得し、制御部15の記憶部に記憶させることで、電子タグTの情報を登録する。これにより、収納箱B内に複数の電子タグTの一括読取を可能とする。
そして、制御部15が、ローラーコンベアの巡回転を継続することで、収納箱Bが、トンネル部11の内部を通過して、トンネル部11の背面11e(出口)のカーテン14から外部に搬出されることで、収納部B内の物品Oの電子タグTの一括読取が完了する。
ここで、本発明では、アンテナ12の電波到達距離をトンネル部11の内部に制限し、電波漏洩の発生を防止していることから、装置外の近傍に他の電子タグTが存在したとしても、他の電子タグTの誤読取が生じることなく、目的とする収納箱Bの電子タグTだけを一括で読み取ることが出来る。
又、本発明では、万が一、収納箱B内の物品Oの電子タグTの数が多くて、電子タグTの情報を読み取れなかった場合、制御部15が、通過部10のローラーコンベアを逆回転させ、収納箱Bがローラーコンベアの通過部10を逆走して、トンネル部11の背面11eのカーテン14からトンネル部11の内部に収納箱Bを再度入れても良い。そして、制御部15が、各アンテナ12から電波を発信させて、各アンテナ12を用いて電子タグTの電波を受信し、電波の情報を取得する。そして、収納箱Bが、トンネル部11の内部を通過して、トンネル部11の正面11dのカーテン14から外部に搬出されることで、収納部B内の物品Oの電子タグTの再読取が完了する。
以下、実施例等によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
<実施例>
図1−図3に基づいて本発明に係る電子タグ読取装置を製造した。具体的には、図4に示すように、ローラーコンベアの通過部10を設け、左側面11aと右側面11bと上面11cとから構成されるトンネル部11を設けた。この際のトンネル部10における収納箱Bの通過方向に対して正面視の縦サイズは490mmであり、横サイズは490mmであった。
次に、トンネル部11の内面のうち、左側面11aと右側面11bと上面11cとのそれぞれに、UHF帯のRFタグに対応するアンテナ12を設け、発信面12aをトンネル部11の内部に向くように配置した。ここで、制御部15のリーダライタの出力は30dBであり、アンテナ12の空中線利得は6dBiであり、アンテナ12の平面サイズは縦305mmであり、横305mmであった。
又、中央に円形の孔13aを設けたシールド板13を用意し、アンテナ12の発信面12aの前方に、このシールド板13の孔13aを位置するようにシールド板13をアンテナ12に設置した。ここで、シールド板13の平面サイズは、アンテナ12の発信面12aの平面サイズと同等に構成した。
そして、1GHzで41dBの電波シールド効果のあるシールドクロス(厚みが0.2mm、材料がポリエチレンと銅とニッケル)をカーテン14としてトンネル部11の正面11d(入口)と背面11e(出口)とにそれぞれ設けた。
ここで、上面11cのアンテナ12からの電波の漏洩が最も顕著に現れることから、上面11cのアンテナ12と、段ボールB内に入れた制服Oの電子タグT(UHF帯のRFタグ)とを用いて、アンテナ12が電子タグTの情報を読み取る場合のシールド板13の孔13aの直径とアンテナ12の電波到達距離との関係を調べた。
その結果、図5に示すように、シールド板13が無い場合又はシールド板13の孔13aの直径が200mmの場合は、電子タグTの読取が可能なアンテナ12の電波到達距離が1000mmを超え、電波漏洩が著しいことが分かった。一方、シールド板13の孔13aの直径が160mmの場合は、電波到達距離が0mmとなり、電子タグTを読み取ることが出来なかった。
そこで、シールド板13の孔13aの直径を、160mmよりも大きく、且つ、200mm未満(180mm)とした場合は、電波到達距離が400mmと適度に抑えられ、且つ、100枚の電子タグTの読取も可能であることが分かった。ここで、一般的な段ボールの縦サイズ又は横サイズは、約500mmであるため、上面11cのアンテナ12の電波到達距離が400mm程度であることで、段ボールB内に存在する電子タグTにもれなく電波を照射することが出来る。従って、シールド板13の孔13aの直径を所定値に調整することで、アンテナ12の電波到達距離をトンネル部11の内部のサイズに合わせることが出来ることが分かった。
次に、トンネル部11の左側面11aと右側面11bのそれぞれのアンテナ12では、電波漏洩の影響が現れ難いことから、トンネル部11の左側面11aと右側面11bのそれぞれのアンテナ12におけるシールド板13の孔13aの直径は、190mmとし、トンネル部11の上面11cのアンテナ12におけるシールド板13の孔13aの直径よりも大きく構成した。
そして、図6A示すように、3つのアンテナ12に制御部15(リーダライタ及びノートパソコン)を接続して、トンネル部11の上面11cと左側面11aと右側面11bとのそれぞれのアンテナ12に順次電気信号を送信して各アンテナ12から電波を発信するように構成した。そして、この電子タグ読取装置1のトンネル部11の入口(正面)と出口(背面)から500mm離れた場所に他の電子タグTを設置した。
次に、電子タグTを付けた100枚の制服Oを段ボールBに収納し、図6Bに示すように、その段ボールBを電子タグ読取装置1の通過部10に載せて、電子タグTの読取を実行した。すると、図7Aに示すように、段ボールBが通過部10を通過して正面(入口)のカーテン14を介してトンネル部11の内部に入ると、制御部15は、3つのアンテナ12の発信面12aから電波を発信させて、当該段ボールB内の制服Oの電子タグTの情報を一括で同時に読み取ることが出来た。更に、驚くべきことに、制御部15が読み取った電子タグTの情報のうち、装置外の近傍に存在する他の電子タグTの情報が無いことを確認することが出来た。そして、図7Bに示すように、内部に入った段ボールBが背面(出口)のカーテン14を介して外部に搬送された。
このように、本発明に係る電子タグ読取装置1を用いることで、段ボールB内の複数の制服Oのそれぞれに付いた電子タグTを一括で同時に読み取ることが出来るとともに、装置外の近傍に存在する、段ボールBに入っていない他の電子タグTの誤読取を確実に防止することが可能となることが分かった。
ここで、カーテン14について、1GHzで41dBの電波シールド効果のある第一のシールドクロス(厚みが0.2mm、材料がポリエチレンと銅とニッケル)に、1GHzで70dBの電波シールド効果のある第二のシールドクロス(厚みが0.088mm、材料がポリエチレンと銅とニッケル)を重ねて構成すると、更に、電波漏洩を防止することが可能となった。例えば、制御部15が段ボールB内の電子タグTを読み取る際に、トンネル部11の入口と出口のいずれかから200mm以上離れた場所に他の電子タグTを置いたとしても、他の電子タグTの読取が無く、高精度に段ボールB内の電子タグTを読み取ることが出来た。
従って、本発明に係る電子タグ読取装置は、装置内に入った収納箱B内の複数の物品Oのそれぞれに付された電子タグTを確実に読み取ることが出来るとともに、電波漏洩を防止することが出来るため、電子タグTが付された複数の物品Oの入庫管理や在庫管理を正確に行うことが可能となる。
以上のように、本発明に係る電子タグ読取装置は、UHF帯のRFタグはもちろん、近距離無線通信用のICタグについて、収納箱に収納された複数の物品のそれぞれに付されたICタグの一括で同時に読み取ることが出来るとともに、装置外の近傍に存在する他の電子タグの誤読取を防止することが可能な電子タグ読取装置として有効である。
1 電子タグ読取装置
10 通過部
11 トンネル部
12 アンテナ
13 シールド板
14 カーテン
15 制御部

Claims (3)

  1. 電子タグを付けた物品を収納する収納箱を通過させる通過部と、
    前記通過部の一部を下面とし、内部を前記収納箱が通過するトンネル部と、
    前記トンネル部の内面のうち、前記収納箱の通過方向に対して左側面と右側面と上面とのそれぞれに設けられ、電波を発信する発信面が前記トンネル部の内部を向くように設置されるアンテナと、
    電波吸収性の板で構成され、当該板の中央に所定の直径の孔を有し、前記孔が前記アンテナの発信面の前方に位置するように設置されるシールド板と、
    電波吸収性のシールドクロスで構成され、前記トンネル部のうち、前記収納箱の通過方向に対して正面と背面とのそれぞれに設けられ、前記トンネル部の内部に対する前記収納箱の出入りを可能とするカーテンと、
    前記トンネル部の内部に入った収納箱に対して、前記アンテナの発信面から電波を発信させて、当該収納箱内の物品の電子タグの情報を読み取る制御部と、
    を備える電子タグ読取装置。
  2. 前記トンネル部の内面の上面のアンテナにおけるシールド板の孔の直径は、前記トンネル部の内面の左側面と右側面のそれぞれのアンテナにおけるシールド板の孔の直径よりも小さく構成される
    請求項1に記載の電子タグ読取装置。
  3. 前記カーテンは、二枚の電波吸収性のシールドクロスを重ねて構成される
    請求項1又は2に記載の電子タグ読取装置。
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