[1.ゲームシステムの構成]
以下、本実施形態の一例に係るゲームシステムについて説明する。図1は、ゲームシステムに含まれる各装置の一例を示す図である。図1に示すように、ゲームシステム1は、本体装置2と、左コントローラ3および右コントローラ4と、リング型拡張装置5と、ベルト型拡張装置6とを含む。
本体装置2は、情報処理装置の一例であり、本実施形態ではゲーム機本体として機能する。本体装置2には、左コントローラ3および右コントローラ4がそれぞれ着脱可能である(図1および図3参照)。つまり、ユーザは、左コントローラ3および右コントローラ4をそれぞれ本体装置2に装着して一体化された装置として使用することができる(図2参照)。また、ユーザは、本体装置2と左コントローラ3および右コントローラ4とを別体として使用することもできる(図3参照)。なお、以下においては、本体装置2と各コントローラ3および4とをまとめて、「ゲーム装置」と呼ぶことがある。
リング型拡張装置5は、右コントローラ4に用いられる拡張装置の一例である。リング型拡張装置5は、右コントローラ4をリング型拡張装置5に装着した状態で使用される。また、ベルト型拡張装置6は、左コントローラ3に用いられる拡張装置の一例である。ベルト型拡張装置6は、左コントローラ3をベルト型拡張装置6に装着した状態で使用される。このように、本実施形態においては、ユーザは、各コントローラ3および4を各拡張装置に装着した状態で使用することもできる(図15参照)。なお、リング型拡張装置5は、右コントローラ4に限らず、左コントローラ3を自身に装着することが可能であってもよい。ベルト型拡張装置6は、左コントローラ3に限らず、右コントローラ4を自身に装着することが可能であってもよい。
[1−1.ゲーム装置の構成]
図2は、本体装置2に左コントローラ3および右コントローラ4を装着した状態の一例を示す図である。図2に示すように、左コントローラ3および右コントローラ4は、それぞれ本体装置2に装着されて一体化されている。本体装置2は、ゲームシステム1における各種の処理(例えば、ゲーム処理)を実行する装置である。本体装置2は、ディスプレイ12を備える。左コントローラ3および右コントローラ4は、ユーザが入力を行うための操作部を備える装置である。
図3は、本体装置2から左コントローラ3および右コントローラ4をそれぞれ外した状態の一例を示す図である。図2および図3に示すように、左コントローラ3および右コントローラ4は、本体装置2に着脱可能である。なお、以下において、左コントローラ3および右コントローラ4の総称として「コントローラ」と記載することがある。
図4は、本体装置2の一例を示す六面図である。図4に示すように、本体装置2は、略板状のハウジング11を備える。本実施形態において、ハウジング11の主面(換言すれば、表側の面、すなわち、ディスプレイ12が設けられる面)は、大略的には矩形形状である。
なお、ハウジング11の形状および大きさは、任意である。一例として、ハウジング11は、携帯可能な大きさであってよい。また、本体装置2単体または本体装置2に左コントローラ3および右コントローラ4が装着された一体型装置は、携帯型装置となってもよい。また、本体装置2または一体型装置が手持ち型の装置となってもよい。また、本体装置2または一体型装置が可搬型装置となってもよい。
図4に示すように、本体装置2は、ハウジング11の主面に設けられるディスプレイ12を備える。ディスプレイ12は、本体装置2が生成した画像を表示する。本実施形態においては、ディスプレイ12は、液晶表示装置(LCD)とする。ただし、ディスプレイ12は任意の種類の表示装置であってよい。
本体装置2は、自機にコントローラを着脱可能に装着するためのスライド部の一例として、レール部を備えている。具体的には、図4に示すように、本体装置2は、ハウジング11の左側面に左レール部15を備え、ハウジング11の右側面に右レール部19を備えている。各レール部15および19は、コントローラが備えるスライダ(図5に示すスライダ40または62)に対してスライド可能に係合することが可能である。
また、本体装置2は、本体装置2が左コントローラ3と有線通信を行うための端子である左側端子17と、本体装置2が右コントローラ4と有線通信を行うための右側端子21を備える。左側端子17は、左レール部15(より具体的には、左レール部15の下端付近)に設けられる。右側端子21は、右レール部19(より具体的には、右レール部19の下端付近)に設けられる。
図4に示すように、本体装置2は、スロット23を備える。スロット23は、ハウジング11の上側面に設けられる。スロット23は、所定の種類の記憶媒体を装着可能な形状を有する。所定の種類の記憶媒体は、例えば、ゲームシステム1およびそれと同種の情報処理装置に専用の記憶媒体(例えば、専用メモリカード)である。所定の種類の記憶媒体は、例えば、本体装置2で利用されるデータ(例えば、アプリケーションのセーブデータ等)、および/または、本体装置2で実行されるプログラム(例えば、アプリケーションのプログラム等)を記憶するために用いられる。また、本体装置2は、電源ボタン28を備える。
図5は、左コントローラ3の一例を示す六面図である。図5に示すように、左コントローラ3は、ハウジング31を備える。本実施形態においては、ハウジング31は、縦長の形状、すなわち、上下方向(すなわち、図2および図5に示すy軸方向)に長い形状である。左コントローラ3は、本体装置2から外された状態において、縦長となる向きで把持されることも可能である。ハウジング31は、縦長となる向きで把持される場合に片手、特に左手で把持可能な形状および大きさをしている。また、左コントローラ3は、横長となる向きで把持されることも可能である。左コントローラ3が横長となる向きで把持される場合には、両手で把持されるようにしてもよい。
左コントローラ3は、アナログスティック(ジョイスティックとも言う)32を備える。図5に示すように、アナログスティック32は、ハウジング31の主面に設けられる。アナログスティック32は、方向を入力することが可能な方向入力部として用いることができる。ユーザは、アナログスティック32が有する軸部を傾倒することによって傾倒方向に応じた方向の入力(および、傾倒した角度に応じた大きさの入力)が可能である。なお、左コントローラ3は、方向入力部として、アナログスティックに代えて、十字キーまたはスライド入力が可能なスライドスティック等を備えるようにしてもよい。また、本実施形態においては、アナログスティック32を押下する入力が可能である。
左コントローラ3は、各種操作ボタンを備える。左コントローラ3は、ハウジング31の主面上に4つの操作ボタン33〜36(具体的には、右方向ボタン33、下方向ボタン34、上方向ボタン35、および左方向ボタン36)を備える。さらに、左コントローラ3は、録画ボタン37および−(マイナス)ボタン47を備える。左コントローラ3は、ハウジング31の側面の左上に第1Lボタン38およびZLボタン39を備える。また、左コントローラ3は、ハウジング31の側面の、本体装置2に装着される際に装着される側の面に第2Lボタン43および第2Rボタン44を備える。これらの操作ボタンは、本体装置2で実行される各種プログラム(例えば、OSプログラムやアプリケーションプログラム)に応じた指示を行うために用いられる。
左コントローラ3は、自機を他の装置(例えば、本体装置2)に装着するためのスライド部の一例として、スライダ40を備えている。図5に示すように、スライダ40は、ハウジング31の右側面に設けられる。スライダ40は、本体装置2が備える左レール部15に対してスライド可能に係合することが可能である。
また、左コントローラ3は、左コントローラ3が本体装置2と有線通信を行うための端子42を備える。端子42は、上記スライダ40に設けられ、より具体的には、スライダ40の下端付近に設けられる(図5参照)。端子42は、スライダ40のうち、ハウジング31に対向する面に設けられる。
図6は、右コントローラ4の一例を示す六面図である。図6に示すように、右コントローラ4は、ハウジング51を備える。本実施形態においては、ハウジング51は、縦長の形状、すなわち、上下方向に長い形状である。右コントローラ4は、本体装置2から外された状態において、縦長となる向きで把持されることも可能である。ハウジング51は、縦長となる向きで把持される場合に片手、特に右手で把持可能な形状および大きさをしている。また、右コントローラ4は、横長となる向きで把持されることも可能である。右コントローラ4が横長となる向きで把持される場合には、両手で把持されるようにしてもよい。
右コントローラ4は、左コントローラ3と同様、方向入力部としてアナログスティック52を備える。本実施形態においては、アナログスティック52は、左コントローラ3のアナログスティック32と同じ構成である。また、右コントローラ4は、アナログスティックに代えて、十字キーまたはスライド入力が可能なスライドスティック等を備えるようにしてもよい。また、右コントローラ4は、左コントローラ3と同様、ハウジング51の主面上に4つの操作ボタン53〜56(具体的には、Aボタン53、Bボタン54、Xボタン55、およびYボタン56)を備える。さらに、右コントローラ4は、+(プラス)ボタン57およびホームボタン58を備える。また、右コントローラ4は、ハウジング51の側面の右上に第1Rボタン60およびZRボタン61を備える。また、右コントローラ4は、左コントローラ3と同様、第2Lボタン65および第2Rボタン66を備える。
右コントローラ4は、自機を他の装置(例えば、本体装置2またはリング型拡張装置5)に装着するためのスライド部の一例として、スライダ62を備えている。図6に示すように、スライダ62は、ハウジング51の左側面に設けられる。スライダ62は、本体装置2が備える左レール部16に対してスライド可能に係合することが可能であり、また、リング型拡張装置5が備えるレール部に対してスライド可能に係合することが可能である。
図6に示すように、右コントローラ4は、通知用LED67を備える。通知用LED67は、ユーザに対して所定の情報を通知するための通知部である。通知用LED67は、上記スライダ62に設けられ、具体的には、スライダ62の装着面(すなわち、図6に示すx軸正方向側を向く面)に設けられる。なお、スライダ62の装着面とは、右コントローラ4が本体装置2に装着された場合に右レール部19の底面に対向する面である。本実施形態においては、右コントローラ4は、通知用LED67として、4つのLEDを備える。上記所定の情報は、例えば、本体装置2によって右コントローラ4に対して付された番号や、右コントローラ4の電池残量に関する情報である。なお、左コントローラ3も右コントローラ4と同様に、4つの通知用LED45を備える(図5参照)。
また、右コントローラ4は、右コントローラ4が本体装置2と有線通信を行うための端子64を備える。端子64は、上記スライダ62に設けられ、より具体的には、スライダ62の下端付近に設けられる(図6参照)。本実施形態においては、端子64は、スライダ62のうち、ハウジング51(より具体的には、ハウジング51の左側面)に対向する面に設けられる。
コントローラを本体装置2に装着する際、ユーザは、まず、コントローラのスライダを本体装置2のレール部に挿入することによって、当該スライダとレール部とを係合させる。そして、レール部の奥までスライダをスライド移動させることによって、ユーザは、コントローラを本体装置2に装着することができる。
また、ハウジング51の下側面には、窓部68が設けられる。詳細は後述するが、右コントローラ4は、ハウジング51の内部に配置される赤外撮像部123および赤外発光部124を備えている。赤外撮像部123は、右コントローラ4の下方向(図6に示すy軸負方向)を撮像方向として、窓部68を介して右コントローラ4の周囲を撮像する。赤外発光部124は、右コントローラ4の下方向(図6に示すy軸負方向)を中心とする所定範囲を照射範囲として、赤外撮像部123が撮像する撮像対象に窓部68を介して赤外光を照射する。窓部68は、赤外撮像部123のカメラのレンズや赤外発光部124の発光体等を保護するためのものであり、当該カメラが検知する波長の光や当該発光体が照射する光を透過する材質(例えば、透明な材質)で構成される。なお、窓部68は、ハウジング51に形成された孔であってもよい。なお、本実施形態においては、カメラが検知する光(本実施形態においては、赤外光)以外の波長の光の透過を抑制するフィルタ部材を赤外撮像部123自身が有する。ただし、他の実施形態においては、窓部68がフィルタの機能を有していてもよい。
図7は、ゲームシステム1の内部構成の一例を示すブロック図である。図7に示すように、本体装置2は、プロセッサ70と、スロットインターフェイス(I/F)73と、スロット23と、フラッシュメモリ75と、DRAM76とを備える。プロセッサ70は、CPU(Central Processing Unit)71と、GPU(Graphics Processing Unit)72とを含む。CPU71は、ゲームプログラムを実行可能であり、コントローラからの操作データを処理したり、操作データに基づいてゲーム処理を行ったり、GPU72に画像を生成させるための命令を送信したりする。GPU72は、画像処理を行うためのプロセッサである。なお、CPU71とGPU72とは、それぞれ別々のチップ上に実装されてもよいし、これらはSoC(System−on−a−chip)として1つのチップ上に実装されてもよい。
プロセッサ70には、スロットI/F73、フラッシュメモリ75、DRAM76、ディスプレイ12が接続される。また、プロセッサ70には、上述の左側端子17を有する左インターフェイス(I/F)を介して左コントローラ3が接続され、上述の右側端子21を有する右インターフェイス(I/F)を介して右コントローラ4が接続される。スロット23には、上述の所定の種類の記憶媒体が着脱可能に挿入される。なお、上記記憶媒体に記憶されるプログラムおよび/またはデータは、フラッシュメモリ75に予め記憶されてもよいし、ネットワーク(例えばインターネット)からダウンロードされてフラッシュメモリ75に記憶されてもよい。
記憶媒体(またはフラッシュメモリ75)に記憶されたプログラム(例えば、ゲームプログラム)および/またはデータは、ゲーム処理が開始される前にDRAM76に読み込まれる。CPU71が当該プログラムを実行することにより、ゲーム処理が行われる。また、CPU71は、画像をディスプレイ12に表示させるための命令をGPU72に対して送り、GPU72は、当該命令に応じて画像を描画し、ディスプレイ12に画像を表示させる。なお、本体装置2にはディスプレイ12とは異なる外部の表示装置に接続され、GPU72によって生成された画像が、当該外部の表示装置に表示されてもよい。
図8は、本体装置2と左コントローラ3および右コントローラ4との内部構成の一例を示すブロック図である。なお、本体装置2に関する内部構成の詳細については、図7で示しているため図8では省略している。
左コントローラ3は、本体装置2との間で通信を行う通信制御部101を備える。図8に示すように、通信制御部101は、端子42を含む各構成要素に接続される。本実施形態においては、通信制御部101は、端子42を介した有線通信と、端子42を介さない無線通信との両方で本体装置2と通信を行うことが可能である。通信制御部101は、左コントローラ3が本体装置2に対して行う通信方法を制御する。すなわち、左コントローラ3が本体装置2に装着されている場合、通信制御部101は、端子42を介して本体装置2と通信を行う。また、左コントローラ3が本体装置2から外されている場合、通信制御部101は、本体装置2(具体的には、コントローラ通信部83)との間で無線通信を行う。コントローラ通信部83と通信制御部101との間の無線通信は、例えばBluetooth(登録商標)の規格に従って行われる。
また、左コントローラ3は、例えばフラッシュメモリ等のメモリ102を備える。通信制御部101は、例えばマイコン(マイクロプロセッサとも言う)で構成され、メモリ102に記憶されるファームウェアを実行することによって各種の処理を実行する。
左コントローラ3は、各ボタン103(具体的には、ボタン33〜39、43、44、および47)を備える。また、左コントローラ3は、アナログスティック(図8では「スティック」と記載する)32を備える。各ボタン103およびアナログスティック32は、自身に対して行われた操作に関する情報を、適宜のタイミングで繰り返し通信制御部101へ出力する。
左コントローラ3は、慣性センサを備える。具体的には、左コントローラ3は、加速度センサ104を備える。また、左コントローラ3は、角速度センサ105を備える。本実施形態においては、加速度センサ104は、所定の3軸(例えば、図5に示すxyz軸)方向に沿った加速度の大きさを検出する。なお、加速度センサ104は、1軸方向あるいは2軸方向の加速度を検出するものであってもよい。本実施形態においては、角速度センサ105は、所定の3軸(例えば、図5に示すxyz軸)回りの角速度を検出する。なお、角速度センサ105は、1軸回りあるいは2軸回りの角速度を検出するものであってもよい。加速度センサ104および角速度センサ105は、それぞれ通信制御部101に接続される。そして、加速度センサ104および角速度センサ105の検出結果は、適宜のタイミングで繰り返し通信制御部101へ出力される。
通信制御部101は、各入力部(具体的には、各ボタン103、アナログスティック32、各センサ104および105)から、入力に関する情報(具体的には、操作に関する情報、またはセンサによる検出結果)を取得する。通信制御部101は、取得した情報(または取得した情報に所定の加工を行った情報)を含む操作データを本体装置2へ送信する。なお、操作データは、所定時間に1回の割合で繰り返し送信される。なお、入力に関する情報が本体装置2へ送信される間隔は、各入力部について同じであってもよいし、同じでなくてもよい。
上記操作データが本体装置2へ送信されることによって、本体装置2は、左コントローラ3に対して行われた入力を得ることができる。すなわち、本体装置2は、各ボタン103およびアナログスティック32に対する操作を、操作データに基づいて判別することができる。また、本体装置2は、左コントローラ3の動きおよび/または姿勢に関する情報を、操作データ(具体的には、加速度センサ104および角速度センサ105の検出結果)に基づいて算出することができる。
左コントローラ3は、振動によってユーザに通知を行うための振動子107を備える。本実施形態においては、振動子107は、本体装置2からの指令によって制御される。すなわち、通信制御部101は、本体装置2からの上記指令を受け取ると、当該指令に従って振動子107を駆動させる。ここで、左コントローラ3は、コーデック部106を備える。通信制御部101は、上記指令を受け取ると、指令に応じた制御信号をコーデック部106へ出力する。コーデック部106は、通信制御部101からの制御信号から振動子107を駆動させるための駆動信号を生成して振動子107へ与える。これによって振動子107が動作する。
振動子107は、より具体的にはリニア振動モータである。リニア振動モータは、回転運動をする通常のモータと異なり、入力される電圧に応じて所定方向に駆動されるため、入力される電圧の波形に応じた振幅および周波数で振動をさせることができる。本実施形態において、本体装置2から左コントローラ3に送信される振動制御信号は、単位時間ごとに周波数と振幅とを表すデジタル信号であってよい。別の実施形態においては、本体装置2から波形そのものを示す情報を送信するようにしてもよいが、振幅および周波数だけを送信することで通信データ量を削減することができる。また、さらにデータ量を削減するため、そのときの振幅および周波数の数値に替えて、前回の値からの差分だけを送信するようにしてもよい。この場合、コーデック部106は、通信制御部101から取得される振幅および周波数の値を示すデジタル信号をアナログの電圧の波形に変換し、当該波形に合わせて電圧を入力することで振動子107を駆動させる。したがって、本体装置2は、単位時間ごとに送信する振幅および周波数を変えることによって、そのときに振動子107を振動させる振幅および周波数を制御することができる。なお、本体装置2から左コントローラ3に送信される振幅および周波数は、1つに限らず、2つ以上送信するようにしてもよい。その場合、コーデック部106は、受信された複数の振幅および周波数それぞれが示す波形を合成することで、振動子107を制御する電圧の波形を生成することができる。
上述した通知用LED45は、通信制御部101に接続される。本実施形態においては、通知用LED45は、本体装置2からの指令によって制御される。すなわち、通信制御部101は、本体装置2からの上記指令を受け取ると、当該指令に従って通知用LED45の点灯を制御する制御信号を通知用LED45へ出力する。
左コントローラ3は、電力供給部108を備える。本実施形態において、電力供給部108は、バッテリおよび電力制御回路を有する。図示しないが、電力制御回路は、バッテリに接続されるとともに、左コントローラ3の各部(具体的には、バッテリの電力の給電を受ける各部)に接続される。
図8に示すように、右コントローラ4は、本体装置2との間で通信を行う通信制御部111を備える。また、右コントローラ4は、通信制御部111に接続されるメモリ112を備える。通信制御部111は、端子64を含む各構成要素に接続される。通信制御部111およびメモリ112は、左コントローラ3の通信制御部101およびメモリ102と同様の機能を有する。したがって、通信制御部111は、端子64を介した有線通信と、端子64を介さない無線通信(具体的には、Bluetooth(登録商標)の規格に従った通信)との両方で本体装置2と通信を行うことが可能であり、右コントローラ4が本体装置2に対して行う通信方法を制御する。
右コントローラ4は、左コントローラ3の各入力部と同様の各入力部を備える。具体的には、各ボタン113、アナログスティック52、慣性センサ(加速度センサ114および角速度センサ115)を備える。これらの各入力部については、左コントローラ3の各入力部と同様の機能を有し、同様に動作する。
また、右コントローラ4は、振動子117およびコーデック部116を備える。振動子117およびコーデック部116は、左コントローラ3の振動子107およびコーデック部106と同様に動作する。すなわち、通信制御部111は、本体装置2からの指令に従って、コーデック部116を用いて振動子117を動作させる。
右コントローラ4の通知用LED67は、左コントローラ3の通知用LED45と同様に動作する。すなわち、通信制御部111は、本体装置2からの指令を受け取ると、当該指令に従って通知用LED67の点灯を制御する制御信号を通知用LED67へ出力する。
また、右コントローラ4は、赤外撮像部123を備える。赤外撮像部123は、右コントローラ4の周囲を撮像する赤外線カメラを有する。一例として、本体装置2および/または右コントローラ4は、撮像された情報(例えば、撮像された撮像画像における少なくとも一部の領域全体を分割した複数のブロックの輝度に関連する情報等)を算出し、当該情報に基づいて、右コントローラ4の周囲変化を判別する。また、赤外撮像部123は、環境光によって撮像を行ってもよいが、本実施形態においては、赤外線を照射する赤外発光部124を有する。赤外発光部124は、例えば、赤外線カメラが画像を撮像するタイミングと同期して、赤外線を照射する。そして、赤外発光部124によって照射された赤外線が撮像対象によって反射され、当該反射された赤外線が赤外線カメラによって受光されることで、赤外線の画像が取得される。これによって、赤外撮像部123は、より鮮明な赤外線画像を得ることができる。なお、赤外撮像部123と赤外発光部124とは、それぞれ別のデバイスとして右コントローラ4内に設けられてもよいし、同じパッケージ内に設けられた単一のデバイスとして右コントローラ4内に設けられてもよい。また、本実施形態においては、赤外線カメラを有する赤外撮像部123が用いられるが、他の実施形態においては、撮像手段として、赤外線カメラに代えて可視光カメラ(可視光イメージセンサを用いたカメラ)が用いられてもよい。
右コントローラ4は、処理部121を備える。処理部121は、通信制御部111に接続される。また、処理部121は、赤外撮像部123、および赤外発光部124に接続される。
また、処理部121は、CPUやメモリ等を含み、右コントローラ4に備えられた図示しない記憶装置(例えば、不揮発性メモリ等)に記憶された所定のプログラム(例えば、画像処理や各種演算を行うためのアプリケーションプログラム)に基づいて、本体装置2からの指令に応じて赤外撮像部123に対する管理処理を実行する。例えば、処理部121は、赤外撮像部123に撮像動作を行わせたり、撮像結果に基づく情報(撮像画像の情報、あるいは、当該情報から算出される情報等)を取得および/または算出して通信制御部111を介して本体装置2へ送信したりする。また、処理部121は、本体装置2からの指令に応じて赤外発光部124に対する管理処理を実行する。例えば、処理部121は、本体装置2からの指令に応じて赤外発光部124の発光を制御する。なお、処理部121が処理を行う際に用いるメモリは、処理部121内に設けられてもいいし、メモリ112であってもよい。
右コントローラ4は、電力供給部118を備える。電力供給部118は、左コントローラ3の電力供給部108と同様の機能を有し、同様に動作する。
[1−2.リング型拡張装置の構成]
次に、リング型拡張装置5の構成について説明する。図9は、リング型拡張装置の一例を示す斜視図である。図10は、リング型拡張装置の一例を示す六面図である。図10において、(a)は正面図であり、(b)は右側面図であり、(c)は左側面図であり、(d)は平面図であり、(e)は底面図であり、(f)は背面図である。
本実施形態においては、リング型拡張装置5は、右コントローラ4を装着可能な拡張装置である。詳細は後述するが、本実施形態においては、ユーザは、リング型拡張装置5に力を加えて変形させるという新規な操作を行う(図15参照)。ユーザは、例えばエクササイズを行う感覚でリング型拡張装置5を用いたフィットネス動作を行うことによって、リング型拡張装置5に対する操作を行うことができる。すなわち、リング型拡張装置5は、従来の操作方法を拡張し、ユーザに新規な操作方法を提供するものである。本実施形態においては、リング型拡張装置5は、右コントローラ4の機能を拡張する装置であり、より具体的には、右コントローラ4の操作機能を拡張する装置である。つまり、ユーザは、右コントローラ4が装着されたリング型拡張装置5を用いることで、右コントローラ4のみでは行うことができない操作を行うことが可能となる。
図9および図10に示すように、リング型拡張装置5は、環状部201と、本体部202とを備える。環状部201は、環状の形状を有する。なお、本実施形態においては、環状部201は、後述する弾性部材241および台座部242(図18参照)によって環状に形成される。本実施形態においては、環状部201は円環状である。なお、他の実施形態においては、環状部201の形状は任意であり、例えば楕円環状であってもよい。本実施形態においては、環状部201によって形成される環の直径は、30[cm]である。環状部201は、ユーザが、一方側の部分を左手で把持し、当該部分に対して上記環の中心を基準に対称な他方側の部分を右手で把持することが可能な程度の大きさであればよい。環状部201の大きさは、使用することが想定されるユーザの体格や年齢層に応じて設定されてよく、上記直径は、例えば、20〜50[cm]であってもよい。また、本実施形態においては、環状部201は、所定長さ(例えば、3〜10[cm])の幅を有する帯状の部材が環状に形成された形状である。ここで、本明細書においては、環状部201の内側における略円柱形状の空間(大略的には、図9における2つの円形領域R1およびR2を底面とする円柱形状の空間)を、「環状部201によって囲まれる空間」と呼ぶ。なお、円形領域R1は、弾性部材241の前側(すなわち、図9に示すZ軸負方向側。)の縁を周とする円形領域であり、円形領域R2は、弾性部材241の後側(すなわち、図9に示すZ軸正方向側)の縁を周とする円形領域である。また、環状部201は、少なくとも一部(本実施形態では、弾性部材)が弾性変形可能である。なお、本実施形態において、ある部材が「弾性変形可能である」とは、人間が知覚することができる程度の変形量で当該部材が弾性変形することを意味する。
本体部202は、右コントローラ4を装着可能である。なお、「本体部202に右コントローラ4が装着される」状態とは、右コントローラ4が本体部202に対して取り付けられた状態を意味する。一例として、右コントローラ4が本体部202に一体的に固定された状態であると言うことができる。あるいは、一例として、右コントローラ4と本体部202とが、特別な操作や一定以上の荷重無しでは分離されない状態であると言うことができる。なお、固定とは、右コントローラ4と本体部202が基本的には相対的に移動しないことを指すが、多少の移動は生じてもよい。
本体部202は、環状部201に設けられる。なお、「本体部202が環状部201に設けられる」とは、本体部202が環状部201に固定されていることを言う。
図11は、図9に示すリング型拡張装置5における本体部202の付近を示す斜視図である。図11に示すように、本体部202は、レール部211を有する。レール部211は、右コントローラ4を装着可能な装着部の一例である。本実施形態においては、レール部211は、右コントローラ4のスライダ62に対してスライド可能に係合する。レール部211は、ゲームコントローラ側係合部(具体的には、スライダ62)と係合する拡張装置側係合部の一例である。また、レール部211は、ゲームコントローラ側スライド部に係合する拡張装置側スライド部の一例であるということもできる。
レール部211は、コントローラのスライダに対してスライド可能に係合することが可能である点で、本体装置2が有するレール部と同様である。そのため、レール部211は、本体装置2が有するレール部と同様の構成であってもよい。レール部211によって本体部202に右コントローラ4が装着される。なお、レール部211の構成の詳細については後述するが、レール部211は、一方向(具体的には、後述する左右方向)に延びるように設けられる。
図12は、リング型拡張装置5に右コントローラ4が装着された状態の一例を示す図である。ここで、本実施形態においては、リング型拡張装置5における上下、左右、および前後の方向を次のように定義する。まず、本実施形態においては、環状部201によって形成される環を正面視する方向(「正面視方向」と呼ぶ)に平行な方向を、リング型拡張装置5の前後方向(すなわち、図12に示すZ軸方向)とする。「(環の)正面視方向」とは、例えば、環の外縁により表される形状の面積が最も大きく見える方向である。環が円環である場合、「正面視方向」とは、環が円形に見える方向であると言うこともできる。
また、図11に示すように、レール部211は、環状部201を基準として、環状部201よりも前後方向における一方側に設けられる。具体的には、本実施形態では、図12に示すように環状部201よりもZ軸正方向側に設けられる。なお、本実施形態では、上記一方側を、リング型拡張装置5の前側(換言すれば、正面手前側)とし、その反対側を、リング型拡張装置5の後側(換言すれば、奥側)とする。
本体部202の上記レール部211は、上記の前後方向に実質的に垂直な方向に延びるように設けられる。本実施形態においては、前後方向に垂直であって、レール部211が延びる方向に実質的に平行な方向を、リング型拡張装置5の左右方向(すなわち、図12に示すX軸方向)とする。
ここで、本明細書において、「実質的に(ある状態となる)」とは、厳密にその状態となる場合と、概ねその状態となる場合との両方を含む意味である。例えば、「(左右方向がレール部211と)実質的に平行である」とは、左右方向がレール部211に対して厳密に平行となる態様であってもよいし、厳密には平行でなくても概ね平行に設けられる態様であってもよいことを意味する。
また、図11に示すように、レール部211は、左右方向における両端のうち一方端が開口し、他方端が閉じた形状を有する。本実施形態では、開口している上記一方端の側をリング型拡張装置5の右側とし、上記他方端の側をリング型拡張装置5の左側とする。つまり、リング型拡張装置5を前側から見たときに、本体部202のレール部211に対して右コントローラ4を挿入する方向(すなわち、図12に示すX軸正方向)が、リング型拡張装置5の左方向であり、その反対方向がリング型拡張装置5の右方向である(図12参照)。
さらに、本実施形態においては、上記前後方向および上記左右方向に垂直な方向を、リング型拡張装置5の上下方向(すなわち、図12に示すY軸方向)とする。また、リング型拡張装置5を前側から見たときにおける、本体部202から、環状部201の中心への方向を、リング型拡張装置5の下方向(すなわち、図12に示すY軸負方向)とし、その反対方向をリング型拡張装置5の上方向とする。
以上のようにリング型拡張装置5の方向を定義する場合、本体部202は、環状部201の上端部に設けられると言うことができる。なお、本実施形態においては、上記のようにリング型拡張装置5の方向を定義する場合における上方向は、リング型拡張装置5に装着された状態における右コントローラ4のアナログスティック52に対して上向きの指示を行うために当該アナログスティック52の軸部を傾ける方向(すなわち、図6におけるx軸正方向)と同じである。
[1−2−1.本体部]
図11に示すように、本体部202は、筐体212を備える。筐体212は、例えばネジによって環状部201に固定される(詳細は後述する)。本実施形態においては、筐体212は、環状部201の一部(具体的には、環状部201の上端付近の一部)を覆うように、環状部201に固定される。図11に示すように、筐体212は、環状部201に対して前側に突出する形状を有する。なお、本実施形態においては、筐体212は、環状部201に対して後側にも突出する形状を有する。本実施形態においては、筐体212が環状部201に対して前側に突出する量は、筐体212が環状部201に対して後側に突出する量よりも大きい。
図11に示すように、レール部211は、筐体212に設けられる。レール部211には、左右方向(換言すれば、スライド方向)に延びる溝が形成される。図11に示すように、レール部211の溝の右端(すなわち、X軸負方向側の端)は、開口している。
レール部211の溝は、右コントローラ4のスライダ62に対してスライド可能に係合可能な形状である。具体的には、右コントローラ4のスライダ62は、スライド方向(すなわち、図6に示すy軸方向)に垂直な断面における断面形状が、大略的にはT字形状である。スライダ62は、右コントローラ4の側面から離れた側に天面(すなわち、図6に示すx軸正方向側の面)を有し、スライド方向から見て、当該天面に平行な方向(すなわち、図6に示すz軸方向)の両側に突出する突出部を有する。一方、レール部211は、スライド方向(すなわち、図11に示すX軸方向)に垂直な方向から見たときに、溝の底面214に対向し、溝の側面から内側に突出する2つの対向部215を有する。スライダ62の突出部がレール部211の底面214と対向部215との間に入るようにレール部材211に対してスライダ62が挿入されることで、スライダ62とレール部材211とが係合する。以上より、スライダ62がレール部材211に対して所定の直線方向(すなわち、スライド方向)に挿入されることで、レール部材211に対してスライダ62が当該直線方向にスライド移動が可能な状態でレール部材211がスライダ62と係合する。レール部材211と係合したスライダ62は、スライド方向に垂直な向き(あるいは、スライド方向とは異なる向き)に関してはレール部材211に対して動きが規制されて外れないようになっている。
また、レール部211の左端には、レール部211の右端から挿入されたスライダ62によるスライド移動を停止させるための停止部213が設けられる(図11参照)。停止部213は、上記対向部215の一部である。停止部213は、レール部211の溝の左端に設けられる。ここで、対向部215は、上記溝の左端以外の部分においては、当該溝の側面から所定長さだけ突出しており、上記溝の左端の部分においては、当該所定長さよりも長く突出している。本実施形態においては、対向部215のうち、上記所定長さよりも長く突出した部分を停止部213と呼ぶ(図11参照)。なお、図11に示す点線は、停止部213の位置をわかりやすくするために記載されたものであり、レール部211に実際に点線が設けられているわけではない。以上より、スライダ62は、レール部211の右端から挿入されてレール部211の左端へ向かってスライド移動されると、停止部213に当接する。なお、スライダ62の下端部分(すなわち、図6に示すy軸負方向側の端部)は、上記天面に平行であってスライド方向に垂直な向き(すなわち、図6に示すz軸方向)から見て、右コントローラ4の側面から離れた側の突出部分が、当該側面に近い側(すなわち、当該側面に接する側)の土台部分よりも突出している形状である(図6参照)。スライダ62が挿入方向(すなわち、レール部211の右端から左端への方向)にスライド移動された場合、停止部213は上記土台部分に当接する。なお、停止部213が土台部分に当接する状態において、上記突出部分は、レール部211の溝の左側(すなわち、スライダ62が溝の右端から挿入される場合における奥側)の壁面に当接していてもよいし、当接していなくてもよい。上記のように、スライダ62が停止部213に当接することで、スライダ62によるスライド移動が停止される。なお、他の実施形態においては、スライダ62が挿入方向にスライド移動された場合に、停止部213が土台部分に当接する前に、突出部分がレール部211の溝の左側の壁面に当接することで、スライダ62によるスライド移動が停止されてもよい。
本実施形態においては、右コントローラ4は、係止部63を有する(図6参照)。係止部63は、スライダ62から側方(すなわち、図6に示すz軸正方向)に突出して設けられる。係止部63は、スライダ62の内部の方向へ移動可能であるとともに、上記側方へ突出した状態となる向きに(例えばバネによって)付勢されている。また、図11に示すように、レール部211には、上記対向部215に切欠き219が設けられる。切欠き219は、スライダ62がレール部211の奥まで挿入された状態(具体的には、スライダ62が停止部213に当接する状態。なお、スライダ62が停止部213と厳密に接触している必要はなく、スライダ62と停止部213との隙間がわずかである状態であってもよい)において、係止部63に対向する位置に設けられる。したがって、スライダ62がレール部211の奥まで挿入された状態において、係止部63が切り欠き219に入り込む。すなわち、係止部63は切欠き219に係止する。係止部63が切欠き219に係止することによって、スライダ62がレール部211から外れる向き(すなわち、スライダ62が停止部213から遠ざかる向き)へのスライダ62のスライド移動が規制される。したがって、係止部63が切欠き219に係止した状態においては、一定程度の力を加えてもスライダ62はレール部211から外れないようになっている。以上のように、レール部211にスライダ62が係合した状態で係止部63が切欠き219に係止することによって、本体部202に右コントローラ4が装着される。
なお、係止部63が切欠き219に係止した状態においては、レール部211に対するスライダ62のスライド移動は、挿入方向についても挿入方向の逆方向についても、係止部63によって規制される。したがって、上記の状態においては、挿入方向へのスライド移動は、上記停止部213が規制しているとも言えるし、上記係止部63が規制しているとも言える。なお、他の実施形態においては、挿入方向へのスライド移動は、停止部213および係止部63のいずれか一方によって規制されてもよい。
なお、図示しないが、本実施形態においては、係止部63の上側(すなわち、図6に示すy軸正方向側)の面は、スライド方向に実質的に垂直に設けられるのに対して、係止部63の下側の面は、スライド方向に対して斜めに設けられる斜面となっている。なお、下側の面を斜面としているのは、スライダ62がレール部211に挿入されて挿入方向に移動される際に、係止部63が対向部215に引っ掛かりにくいようにし、スライド移動がスムーズに行われるようにするためである。係止部63の上下の面が上記のように構成されるので、係止部63が切欠き219に係止した状態においては、スライダ62の挿入方向の逆方向への移動に関しては、上記上側の面が対向部215の切欠き219の部分に当接するので、比較的大きい力で規制される。一方、スライダ62の挿入方向への移動に関しては、上記斜面が対向部215の切欠き219の部分に当接するので、比較的小さい力で規制される。ただし、他の実施形態においては、係止部63が挿入方向へのスライド移動を規制する力を大きくするべく、係止部63の下側の面についても上側の面と同様に、スライド方向に実質的に垂直に設けられてもよい。
上記のように、本実施形態においては、「本体部202に右コントローラ4が装着された状態」とは、それぞれの係合部(すなわち、レール部211およびスライダ62)が互いに係合した状態で、かつ、スライド移動が規制された状態を言う。このようにして、右コントローラ4が本体部202に対して取り付けられた状態となる。逆に、本実施形態において、係止部63が(後述の解除ボタン64の操作によって)スライダ62の内部の方向へ引っ込むことで、係止部63が切欠き219に係止した状態が解除される。これによって、右コントローラ4が本体部202に装着された状態、すなわち取り付けられた状態が解除される。そして、スライダ62が挿入方向と逆方向にスライド移動され、スライダ62とレール部211との係合も解除されたことをもって、右コントローラ4は本体部202から取り外された状態となる。
なお、本実施形態においては、係止部63および切欠き219によってスライド移動が規制されるが、スライド移動を規制する方法は任意である。例えば、他の実施形態においては、レール部211は、スライダ62がレール部211の奥まで挿入された状態において、スライド方向に垂直な向きの成分を含む力でスライダ62を押圧するようにスライダ62に当接する部分を有していてもよく、当該部分とスライダ62との間に生じる摩擦力によってスライド移動が規制されるようにしてもよい。
以上より、右コントローラ4をリング型拡張装置5に取り付ける場合、ユーザは、まず、レール部211に対して当該レール部211の右端から右コントローラ4のスライダ62を挿入する。そして、挿入されたスライダ62をレール部211の左端の方へ奥までスライド移動させることによって、係止部63が切欠き219に係止し、本体部202に右コントローラ4が装着された状態となる。以上によって、ユーザは右コントローラ4をリング型拡張装置5に対して取り付けることができる。
なお、右コントローラ4は、押下可能な解除ボタン64を備える(図6参照)。上記係止部63は、解除ボタン64が押下されることに応じて、スライダ62の内部の方向へ移動し、スライダ62に対して突出しない(あるいは、ほとんど突出しない)状態となる。したがって、リング型拡張装置5の本体部202に右コントローラ4が装着された状態において、解除ボタン64が押下されると、上述したように、係止部63は切欠き219に係止しなくなる(あるいは、ほとんど係止しなくなる)。以上より、リング型拡張装置5の本体部202に右コントローラ4が装着される状態において、ユーザは、解除ボタン64を押下することによって右コントローラ4をリング型拡張装置5から容易に取り外すことができる。
上述のように、筐体212は、環状部201に対して前側に突出するように設けられる。具体的には、図11に示すように、筐体212の内側面216(すなわち、環状部201によって形成される環の中心軸の方を向く面)は、環状部201に対して後側よりも前側に突出する部分を有する。レール部211は、内側面216の上記部分に設けられる。このように、レール部211は、環状部201によって囲まれる空間の外側に設けられる。なお、「環状部201によって囲まれる空間の外側」の領域には、正面視方向に関して環状部201の前端より前側の領域、および、正面視方向に関して環状部201の後端より後側の領域が、少なくとも含まれる。本実施形態においては、レール部211は、このような領域に設けられる。より具体的には、レール部211は、環状部201によって形成される環を正面視したときに、筐体212の孔(すなわち、環状部201が通る孔)よりも正面視方向の一方側に設けられる。なお、レール部211は、正面視方向に対してスライド方向が実質的に垂直となる向きに設けられ、環状部201に対して正面視方向へずれた位置に設けられる、とも言うことができる。このように、レール部211は、正面視方向に環状部201から離れた位置(具体的には、正面視方向から見て環状部201よりも手前側)に設けられる。
上記によれば、ユーザの操作によって変形した環状部201がレール部211に接触しにくくすることができる。これによって、環状部201がレール部211に接触することでリング型拡張装置5から右コントローラ4が外れてしまう可能性を低減することができる。また、環状部201が変形時にレール部211に接触しにくくするために環状部201の直径を大きくすることも考えられるが、本実施形態においては、(環状部201に対して正面視方向にずれた位置にレール部211を設けることで接触しにくくすることができるので)環状部201を大きくする必要性が低減される。また、ユーザが右コントローラ4のスライダ62をレール部211に挿入することで当該右コントローラ4をリング型拡張装置5に取り付ける際には、右コントローラ4が環状部201に接触しにくくなる。これによって、ユーザは、右コントローラ4をリング型拡張装置5に取り付ける操作を行いやすくなる。
また、本実施形態においては、レール部211は、環状部201が上下方向(すなわち、レール部211の中心と環状部201によって形成される環の中心とを結ぶ直線に平行な方向)に伸び、かつ、左右方向に縮むように変形する場合に環状部201が通過する領域の外側に設けられる。これによって、レール部211が環状部201に接触しにくい状態とすることができる。
本実施形態においては、レール部211におけるスライド方向は、上記正面視方向に垂直である。したがって、レール部211を正面視方向に関して突出しないようにコンパクトに配置することができる。また、本実施形態においては、環状部201によって形成される環を正面視したときに、レール部211のスライド方向における中央部と当該環の中心とを結ぶ直線が当該スライド方向に垂直になるように、レール部211が設けられる。これによって、レール部211が環状部201に接触しにくい状態としつつ、レール部211を環状部201に近づけて配置することができる(本実施形態においては、図12に示すように、正面視方向から見てレール部211は環状部201の内周近傍に配置されている)。そのため、リング型拡張装置5を全体としてコンパクトにすることができる。
また、図11に示すように、レール部211は、本体部202のうち環状部201によって形成される環の中心軸側(すなわち、本体部202の中心に対して環の中心軸側にある位置)に設けられる。具体的には、レール部211は、右コントローラ4が、環状部201の内側に向かって装着可能なように、本体部201のうち上記環の中心を向く面(具体的には、内側面216)に設けられる。レール部211(具体的には、レール部211の底面214)は、環状部201に囲まれる空間内の位置の方であって、環状部201によって形成される環の中心軸の方を向く。なお、「環の中心軸」とは、環を正面視したときの中心を通り、環の正面視方向に平行に延びる軸である。また、「レール部211が環の中心軸の方を向く」とは、レール部211の底面の法線が厳密に環の中心軸と交わる態様に限らない。
また、レール部211は、環状部201によって形成される環を正面視したときに、当該環の外縁(図12に示す一点鎖線参照。ただし、図12においては、図面を見やすくする目的で、環の外縁よりやや外側に一点鎖線を記載している。)よりも内側の位置に設けられる。なお、本実施形態においては、レール部211の底面が上記環の中心の方を向き、右コントローラ4の左側面がレール部211の底面に平行となるように右コントローラ4が本体部202に装着され、右コントローラ4の主面は左側面に垂直であるので、上記正面視方向は、当該主面に垂直な方向となる。そのため、本実施形態においては、「環状部によって形成される環を正面視したとき」とは、本体部202に装着された右コントローラ4の主面に垂直な方向から当該環を見たときであると言うことができる。以上のように、環状部201によって形成される環を正面視したときに当該環の外縁よりも内側の位置となるように、本体部202に右コントローラ4が装着される。なお、右コントローラ4が、本体部202に対して、環状部201によって形成される環の中心側に位置するように、本体部202に右コントローラ4が装着される、と言うこともできる。なお、「環状部201によって形成される環の外縁よりも内側」とは、上記正面視方向から見て、環の外縁よりも内側に見える領域を指す。したがって、レール部211は、正面視方向に関して環状部201と異なる位置にあっても構わない。
上記の、レール部211が上記環の中心軸の方を向く構成、または、レール部211が環の外縁より内側に位置する構成によれば、右コントローラ4が装着されたリング型拡張装置5をユーザが使用する際に、右コントローラ4が他の物体に接触する可能性を低減することができる。そのため、右コントローラ4が他の物体に接触することによって右コントローラ4がリング型拡張装置5から外れたり傷ついたりする可能性を低減することができる。
なお、他の実施形態においては、レール部211の少なくとも一部が、環状部201によって形成される環の外縁よりも内側の位置に設けられてもよい。つまり、右コントローラ4の少なくとも一部が、環状部201によって形成される環の外縁よりも内側の位置となるように、本体部202に右コントローラ4が装着されてもよい。これによっても、リング型拡張装置5に装着された右コントローラ4が他の物体に接触する可能性を低減することができる。
本実施形態においては、本体部202に装着される右コントローラ4の主面は、環状部201によって形成される環を正面視したときにおける正面側を向く(図12参照)。また、アナログスティック52が向く方向は、本体部202のうちでレール部211が設けられる部分(すなわち、前側に突出する部分)の、環状部201に対する突出方向となる。したがって、本実施形態においては、ユーザがリング型拡張装置5に正対する向きでリング型拡張装置5を把持した状態においては、リング型拡張装置5に装着された右コントローラ4の主面がユーザに正対する。これによれば、ユーザは、リング型拡張装置5に装着された状態における右コントローラ4についても主面に設けられる操作部(すなわち、アナログスティック52およびボタン53〜56)を操作しやすくなる。
図12に示すように、筐体212には、本体部202に装着された状態における右コントローラ4のプラスボタン57と並ぶ位置に、標識218が設けられる。具体的には、標識218の位置は、右コントローラ4がレール部211と係合する状態で上記挿入方向にスライド移動されていくに連れて徐々にプラスボタン57と近づく位置である。また、標識218の位置は、本体部202に右コントローラ4が装着された状態において、プラスボタン57に対して、スライド方向に垂直な方向にある位置である。また、標識218の位置は、右コントローラ4の主面と筐体212との境界(ここでは、右コントローラ4の主面と筐体212との間隙)を基準にプラスボタン57と対称となる位置である。つまり、上記境界から標識218の位置へ延ばした垂線の長さは、当該からプラスボタン57の位置へ延ばした垂線の長さとほぼ同じになる。また、右コントローラ4が本体部202に装着された状態において、標識218とプラスボタン57との距離は、プラスボタン57に最も近い位置にある右コントローラ4の操作部(ここでは、Xボタン55)と当該プラスボタン57との距離よりも短い。また、右コントローラ4が本体部202に装着された状態において、右コントローラ4の操作部のうちで標識218に最も近い位置に設けられる操作部は、プライスボタン57である。
図12に示すように、標識218は、プラスボタン57を表す。なお、標識218は、筐体212上に設けられる(立体的な)部材であってもよいし、筐体212上に描かれた図柄であってもよい。本実施形態においては、標識218はプラスボタン57と同じ形状であるが、標識218は、プラスボタン57を表す任意の形状でよい。なお、「標識の形状」とは、部材の外形によって表される立体的な形状であってもよいし、図柄によって表される平面的な形状であってもよい意味である。また、標識218はプラスボタン57を直接的に表すものではなく、プラスボタン57を想起するような形状や、プラスボタン57と関連するような形状(ただし、マイナスを表す形状を除く)であってもよい。標識218によって、ユーザは、リング型拡張装置5には、マイナスボタン47を有する左コントローラ3ではなく、プラスボタン57を有する右コントローラ4を取り付けるべきであることを認識することができる。また、標識218が設けられる位置によって、ユーザは、右コントローラ4をリング型拡張装置5に取り付ける際、プラスボタン57が標識218と並ぶ位置まで右コントローラ4をレール部211に挿入すべきであることを認識することができる。なお、このとき、標識218は、プラスボタン57に関する形状でなく、例えば矢印のような形状であってもよい。このように、標識218によって、ユーザがリング型拡張装置5に対して右コントローラ4を取り付ける動作を行いやすくすることができる。なお、標識218の形状および位置は、上記で説明した形状および位置に限らず、リング型拡張装置5には左コントローラ3ではなく右コントローラ4が取り付けられること、および/または、右コントローラ4をリング型拡張装置5に取り付ける際、右コントローラ4をレール部211に対してどこまで挿入すべきかを、ユーザが認識することができるものであれば適宜変更されてかまわない。
また、リング型拡張装置5は、右コントローラ4と電気的に接続するための端子(図26に示す端子294)を備える。端子294は、レール部211において、リング型拡張装置5に装着された状態における右コントローラ4の端子64に対応する位置に設けられる。ここで、右コントローラ4の端子64は、スライダ62の下端(すなわち、挿入方向側端部)付近における、ハウジング51に対向する面に設けられる(図6参照)。そのため、端子294は、上記停止部213のうちの裏側の面(すなわち、レール部211の底面214に対向する面)に設けられる。したがって、右コントローラ4がリング型拡張装置5に装着された場合(すなわち、右コントローラ4のスライダ62がレール部211に係合した状態で右コントローラ4の係止部63がレール部211の切欠き219に係止した場合)には、リング型拡張装置5の端子294と右コントローラ4の端子64とが互いに接触する。これによって、リング型拡張装置5の端子294と右コントローラ4の端子64とが電気的に接続される。なお、本実施形態においては、端子294は、レール部211における、右コントローラ4が挿入される側の反対側(すなわち、左側)に設けられる。これによって、右コントローラ4をレール部211に装着させる際に端子294が右コントローラ4に接触する機会を低減することができ、端子294が傷つく可能性を低減することができる。
図13および図14は、図11に示す本体部の分解斜視図である。図13は、環状部201によって形成される環の内側(具体的には、Y軸負方向側)から本体部202を見た分解斜視図であり、図14は、環状部201によって形成される環の外側(具体的には、Y軸正方向側)から本体部202を見た分解斜視図である。
図13および図14に示すように、本実施形態においては、筐体212は、内側筐体221と外側筐体222とによって構成される。内側筐体221は、大略的には、環状部201によって形成される環の内側に配置される。外側筐体222は、大略的には、環状部201によって形成される環の外側に配置される。内側筐体221と外側筐体222とは、例えばネジによって互いに固定される。なお、本実施形態において、2つの部材を固定する(すなわち、一方の部材を他方の部材に対して外れないようにする)方法は任意であり、ネジ等による締結によって2つの部材が接続される方法であってもよいし、2つの部材が接着剤によって接着される方法であってもよいし、一方の部材を他方の部材に嵌め合わせる方法であってもよい。
図13および図14に示すように、環状部201は、内側筐体221と外側筐体222とに挟まれた状態で筐体212に固定される。本実施形態においては、内側筐体221と環状部201の台座部とがネジによって締結されることで、環状部201が内側筐体221に固定される。環状部201は、内側筐体221と外側筐体222とを固定した場合に生じる孔を通る状態で、筐体212に固定される。このように、環状部201の一部(具体的には、後述する台座部を含む部分)は筐体212によって覆われる。
図13に示すように、レール部211は、例えばネジによって内側筐体221に固定される。内側筐体221は、上記内側面216から窪んだ窪み部217を有し、この窪み部217にレール部211が固定される。本実施形態においては、上記窪み部217の深さは、レール部211の厚さよりも若干長い。したがって、内側筐体221の窪み部217にレール部211が固定された状態では、レール部211の停止部213および対向部215は、内側面216に対して若干窪んだ位置に配置される。
上記のように、本実施形態においては、レール部211は、筐体212の面(すなわち、内側面216)よりも窪んだ位置に配置される。これによれば、右コントローラ4がリング型拡張装置5に装着された状態においては、筐体212の内側面216は、右コントローラ4に当接し、右コントローラ4に対して押す力を加えることとなる。これによって、リング型拡張装置5と右コントローラ4とのがたつきが低減される。
本実施形態においては、レール部211、当該レール部211に対してスライダ62が挿入可能となるように当該レール部211の一部を当該筐体212の外部に露出させた状態で筐体212に設けられる。ここで、図13および図14に示すように、レール部211のスライド方向(すなわち、X軸方向)の長さに関して、筐体212のうちで環状部201を覆っている非突出部分の長さ(図11に示すL1)は、筐体212においてレール部211が設けられる突出部分の長さ(図11に示すL2)よりも短い。したがって、本実施形態によれば、筐体212によってレール部211をしっかりと保護することができるとともに、筐体212が環状部201を覆う部分を相対的に小さくすることによって筐体212をコンパクトにすることができる。ここで、筐体212の形状を設計する際には、まず、右コントローラ4のスライダ62の長さに応じて上記突出部分の長さが決定される。突出部分の長さが決定された上で筐体212の外形形状をシンプルにすることを考えると、スライド方向に関する筐体212の長さを、上記突出部分における筐体212の長さで一定とし、スライド方向における両側における筐体212の面を平面とすることが考えられる。しかし、筐体212が環状部201を覆う第1部分が上記方向に関して長くなると、環状部201が変形した場合に環状部201が筐体212に接触しやすくなったり、筐体212に環状部201が接触することによって筐体212に加わる負荷が大きくなったりするおそれがある。これに対して、本実施形態によれば、上記非突出部分をコンパクトにすることによって、スライド方向に関する筐体212の長さを一定とする場合に比べて、環状部201が筐体212に接触しにくくすることができ、また、環状部201が接触することによる筐体212の負荷を低減することができる。
図13および図14に示すように、リング型拡張装置5は、基板223を備える。基板223には、後述する処理部、信号変換部、および、電力変換部(図26参照)として機能する回路が設けられる。基板223は、筐体212の内部に設けられ、例えばネジによって筐体212に締結される。なお、図示しないが、基板223上の回路は、上述の端子294に電気的に接続され、後述する歪みゲージに電気的に接続される。
図13および図14に示すように、本体部202は、導光部224と、保持体225とを備える。保持体225は、筐体212の内部において導光部224を保持する。すなわち、本実施形態においては、導光部224を保持する保持体225が筐体212に固定される。
ここで、上述のように、右コントローラ4は、スライダ62の装着面に通知用LED67を備える(図6参照)。右コントローラ4がリング型拡張装置5に装着された状態では、スライダ62の装着面は、レール部211の底面に対向して露出しなくなる。そのため、本実施形態においては、上記の状態においても通知用LED67の発光を筐体212の外部からユーザが視認することができるようにするべく、導光部224が設けられる。
導光部224は、上記通知用LED67の数(ここでは、4つ)と同数の導光路を有する。各導光路の一端は入射面であり、他端は出射面である。導光路は、例えば樹脂等で構成される透明部材である。なお、導光路は、入射面から出射面まで光を導く機能を有する任意の部品であってよい。導光路の形状は、後述する入射口の付近に入射面が位置し、後述する出射口の付近に出射面が位置する任意の形状であってよい。
図13に示すように、内側筐体221の上記窪み部217に入射口H1が設けられ、レール部211の底面214に入射口H2が設けられる。各入射口H1およびH2の位置は、リング型拡張装置5に装着された右コントローラ4の通知用LED67の位置に実質的に対向する位置である。具体的には、各入射口H1およびH2の位置は、リング型拡張装置5における左右方向(すなわち、X軸方向)および前後方向(すなわち、Z軸方向)に関して、通知用LED67の位置と重複する位置である。保持体225は、導光部224の各入射面がこれらの入射口H1およびH2から露出する位置で導光部224を保持する。
また、図14に示すように、外側筐体222には、出射口H3が設けられる。本実施形態においては、通知用LED67の数と同数の4つの出射口H3が設けられる。保持体225は、導光部224の各出射面が各出射口H3からそれぞれ露出する位置で導光部224を保持する。したがって、入射口H2に対して右コントローラ4の通知用LED67からの光が入射された場合には、導光部224によって光が導かれて出射口H3から出射される。
以上によれば、導光部224は、リング型拡張装置5に装着された状態における右コントローラ4の通知用LED67から、レール部211の所定面(具体的には、底面214)に設けられる入射口H2に対して入射された光を、レール部211の当該所定面とは異なる本体部202の他の面に設けられる出射口H3まで導光する。これによれば、右コントローラ4がリング型拡張装置5に装着された状態であっても、ユーザは、出射口H3からの光によって、通知用LED67の発光状態を確認することができる。また、右コントローラ4の通知用LED67によって通知される情報を、導光部224を用いた簡易な構成によってユーザに提示することができる。
なお、本実施形態においては、出射口H3は、リング型拡張装置5の前側および上側から視認可能な位置に設けられる(図10参照)。したがって、本実施形態においては、ユーザは、リング型拡張装置5の前側を正面に向けて比較的高い高さで使用する場合(図15参照)だけでなく、リング型拡張装置5を比較的低い高さで使用する場合、あるいは、リング型拡張装置5が把持されずに置かれた場合であって環状部201によって形成される環の外側からユーザがリング型拡張装置5を見る場合であっても、出射口H3からの光を視認することができる。つまり、出射口H3からの光をユーザにとって視認しやすい位置に出射口H3を配置することができる。
なお、他の実施形態においては、出射口H3の位置は任意であり、出射口H3は、筐体212の外部から視認可能な任意の位置に設けられてもよい。例えば、出射口H3は、外側筐体222の任意の位置に設けられてもよい。
[1−2−2.グリップカバー]
図10および図12に示すように、リング型拡張装置5は、グリップカバー206および207を有する。グリップカバー206および207は、ユーザが把持するための部品である。本実施形態においては、グリップカバー206および207を設けることによって、ユーザはリング型拡張装置5を把持しやすくなっている。以下、グリップカバー206および207の詳細について説明する。
図10および図12に示すように、本実施形態においては、環状部201に2つのグリップカバー206および207が設けられる。ここで、本実施形態においては、グリップカバー206および207は、環状部201に対して取り外し可能である。グリップカバー206および207は、環状部201における把持部分に取り付けられる。ここで、把持部分とは、環状部201のうちで、ユーザが把持するための部分である。本実施形態においては、環状部201の右端付近の部分と、環状部201の左端付近の部分とが、把持部分である。すなわち、環状部201の中心に対して本体部202が中心角0度の位置にあるとした場合、+90度の位置と−90度の位置とに把持部分が設けられているとも言える。以下では、環状部201の右端付近の把持部分を右把持部分と呼び、環状部201の左端付近の把持部分を左把持部分と呼ぶ。詳細は後述するが、把持部分には、グリップカバー206または207を取り付けるための構成(後述する第4面ファスナー233)が設けられる。本実施形態のように環状部201に対してグリップカバー206または207が取り外し可能である場合、グリップカバー206または207を取り付けるための構成が設けられる部分が把持部分であると言うことができる。
なお、把持部分は、環状部201における把持部分以外の他の部分と区別して認識可能な任意の構成であってもよい。例えば、環状部201の一部(具体的には、環状部201の左端付近および右端付近の部分)が、他の部分と異なる色および/または模様である場合、当該一部は、(当該一部を把持して操作することをユーザに認識させる機能を有するので)把持部分と言うことができる。また、環状部201の一部(具体的には、環状部201の左端付近および右端付近の部分)が、他の部分よりも太く形成される場合、当該一部は、(当該一部を把持して操作することをユーザに認識させる機能を有するので)把持部分と言うことができる。例えば、上記グリップカバーと同様の部材が取り外し不可能に環状部201に固定されている場合、当該部材は把持部分と言うことができる。以上のように、リング型拡張装置5は、把持部分によって、適切な場所を把持した状態でユーザに操作を行わせることができる。
なお、本実施形態においては、ユーザは、環状部201の把持部分に取り付けられたグリップカバー206および207を把持することによって、間接的に把持部分を把持する。これに対して、他の実施形態においては、リング型拡張装置5はグリップカバーを備えていない構成であってもよく、このとき、ユーザは環状部201の把持部分を直接把持してもよい。つまり、把持部分は、ユーザが直接的に把持する部分であってもよいし、間接的に把持する部分であってもよい。
本実施形態においては、環状部201の左端付近の左把持部分に左グリップカバー206が設けられ、環状部201の右端付近の右把持部分に右グリップカバー207が設けられる。このように、本実施形態においては、ユーザが両手で2つの把持部分をそれぞれ把持することを想定して、環状部201における左右の2箇所に把持部分を設けている。なお、把持部分の数は任意であり、想定される操作方法に応じて、3箇所以上に把持部分が設けられてもよいし、1箇所のみに把持部分が設けられてもよい。また、ゲームの内容(あるいは、ゲームにおいてユーザが行うフィットネス動作の内容)によっては、複数の把持部のうちの特定の把持部のみが片手または両手で把持されることがあってもよい。また、他の実施形態においては、環状部201における他の部分と区別して認識可能な把持部分が設けられなくてもよい。
図15は、拡張装置をユーザが使用する様子の一例を示す図である。図15に示すように、ユーザは、リング型拡張装置5を使用する際、左把持部分に取り付けられた左グリップカバー206を左手で把持し、右把持部分に取り付けられた右グリップカバー207を右手で把持することが可能である。なお、詳細は後述するが、ユーザは、図15に示す方法とは異なる方法でリング型拡張装置5を使用することも可能である。
ここで、本実施形態においては、2つの把持部分は、環状部201における円環(または、楕円環でもよい)の中心に対して対称となる位置に設けられる(図12参照)。これによれば、環状部201に対して力を加えやすい位置をユーザに把持させることができるので、操作しやすい入力装置を提供することができる。
また、本実施形態においては、2つの把持部分が左右方向に対して平行に設けられる。そのため、本体部202のレール部211は、2つの把持部分のうちの一方から他方への方向と、(当該レール部211の)スライド方向とが実質的に平行となる向きに設けられることとなる。ここで、ユーザは、リング型拡張装置5を使用する際には2つの把持部分を水平にして把持すると想定される(図15参照)。したがって、ユーザは、上記のようにリング型拡張装置5を把持する状態において、右コントローラ4を水平に動かしてレール部211に挿入することで右コントローラ4をリング型拡張装置5に取り付けることができる。すなわち、本実施形態によれば、ユーザがリング型拡張装置5を把持した状態において右コントローラ4をリング型拡張装置5に取り付けやすくすることができる。
なお、本実施形態においては、リング型拡張装置5に装着された状態における右コントローラ4のアナログスティック52に対して上向きの指示を行うために当該アナログスティック52の軸部を傾ける方向を上方向としたとき、本体部202は、環状部201のうちで、当該環状部201によって形成される環の中心よりも上側に設けられる(図12参照)。このとき、ユーザは本体部202が上側に位置する向きでリング型拡張装置5を使用すると想定される(図15参照)。したがって、このような向きでユーザがリング型拡張装置5を使用するとすれば、ユーザが使用時にリング型拡張装置5を誤って落としたとしても右コントローラ4に衝撃が伝わりにくく、右コントローラ4がリング型拡張装置5から外れる可能性を低減することができる。
なお、本実施形態においては、環状部201は弾性変形可能であるので、ユーザが使用時にリング型拡張装置5を誤って落とした場合でも、環状部201によって衝撃が吸収される。そのため、上記の場合であっても、右コントローラ4がリング型拡張装置5から外れてしまう可能性は低くなっている。
また、ユーザがリング型拡張装置5の使用中において、ユーザが2つの把持部分を把持する状態から、一方の手を把持部分から離して右コントローラ4を操作するように持ち替える場合も考えられる。このような場合において、本実施形態においては本体部202が把持部分よりも上側に設けられるので、操作しやすい位置に右コントローラ4を配置することができる。
図16は、左グリップカバー206の一例を示す図である。図17は、左グリップカバー206を環状部201の左把持部分に取り付ける場合の説明図である。なお、以下においては、左グリップカバー206を例としてグリップカバーの説明を行い、右グリップカバー207は左グリップカバー206と同様の構成であるので、右グリップカバー207についての詳細な説明を省略する。
左グリップカバー206は、平面状であり、布製である。また、図16に示すように、左グリップカバー206は、大略的には四角形の形状である。図17に示すように、左グリップカバー206は、筒状にした状態で(換言すれば、環状部201に左グリップカバー206を一周させた状態で)環状部201に取り付けられる。左グリップカバー206は、一方端を他方端に固定することによって筒状に巻くことができる任意の材質で構成されてもよい。また、ユーザが把持しやすいように、左グリップカバー206は、その内部にスポンジ等の緩衝材を有していてもよい。
図16においては、左グリップカバー206の内側面を示している。なお、左グリップカバー206の内側面とは、左グリップカバー206を環状部201に巻き付けて取り付ける際に内側となる面である。図16に示すように、左グリップカバー206の内側面には、一方側の端部に第1面ファスナー231が設けられ、他方側の端部に第2面ファスナー232が設けられる。なお、本明細書において「端部」とは、厳密な意味での先端と、先端付近の部分とを含む部分を指す意味である。また、図示しないが、左グリップカバー206の外側面のうち、上記第1面ファスナー231の裏側の領域には、第3面ファスナーが設けられる。第2面ファスナー232と第3面ファスナーとは、互いに着脱可能である。例えば、第2面ファスナー232は、フック面の面ファスナーであり、第3面ファスナーは、ループ面の面ファスナーである。
図17に示すように、環状部201は、上記把持部分に第4面ファスナー233を有する。第4面ファスナー233は、例えば、接着剤によって環状部201の把持部分に接着される。また、本実施形態においては、第4面ファスナー233は、帯状である環状部201のうちの内側の面に設けられる。これによって、第4面ファスナー233が他の物に接触しにくくなる。なお、図示しないが、環状部201の右端付近の上記右把持部分における、環状部201の内側の面には、第5面ファスナーが設けられる。第4面ファスナー233は、環状部201に左グリップカバー206を取り付けるためのものであり、第5面ファスナーは、環状部201に右グリップカバー207を取り付けるためのものである。
第1面ファスナー231と第4面ファスナー233とは、互いに着脱可能である。例えば、第1面ファスナー231は、ループ面の面ファスナーであり、第4面ファスナー233は、フック面の面ファスナーである。なお、第5面ファスナーは第4面ファスナー233と同様の面ファスナー(ここでは、フック面の面ファスナー)である。
左グリップカバー206を環状部201に取り付ける際には、まず、左グリップカバー206の第1面ファスナー231が、環状部201の第4面ファスナー233に接着される。そして、左グリップカバー206を環状部201に一周させた状態で、左グリップカバー206の第2面ファスナー232と第3面ファスナーとが接着される。以上によって、左グリップカバー206を環状部201に取り付けることができる。
本実施形態においては、左グリップカバー206は、環状部201に一周させた状態であるので、環状部201から外れにくくなっている。また、第1面ファスナー231と第4面ファスナー233とが接着されているので、左グリップカバー206が環状部201に対してずれにくくなっている。本実施形態によれば、ユーザが各グリップカバー206および207を把持した状態において各グリップカバー206および207が環状部201から外れたりずれたりする可能性を低減することができ、リング型拡張装置5の操作性を向上することができる。
なお、左グリップカバー206を環状部201に取り付ける方法と同様の方法によって、右グリップカバー207を環状部201に取り付けることができる。
以上のように、本実施形態においては、グリップカバー206および207は、環状部201に対して取り外し可能である。これによれば、長期の使用によってグリップカバー206および207が汚れたり傷んだりした場合には、ユーザは、グリップカバー206および207を洗浄したり新しいものに交換したりすることができる。
[1−2−3.環状部]
図18および図19は、環状部の一部を示す図である。図18および図19は、本体部202が取り付けられていない状態における環状部201の一部を示し、具体的には、環状部201のうち台座部242付近の部分を示している。なお、図18は、環状部201によって形成される環の外側から環状部201の一部を見た斜視図である。図19は、環状部201によって形成される環の内側から環状部201の一部を見た斜視図である。
図18および図19に示すように、環状部201は、弾性部材241と、台座部242とを有する。弾性部材241は、弾性変形可能な材質で構成される。詳細は後述するが、弾性部材241の芯部243は、樹脂(具体的には、FRP(Fiber Reinforced Plastics))で構成される。弾性部材241は、環状部201のうち、ユーザによる操作に応じて弾性変形する部分である。
台座部242は、自身と弾性部材241とによって環が形成されるように当該弾性部材241の両端部を保持する。ここで、「台座部242が弾性部材241を保持する」とは、弾性部材241をある形状(ここでは、台座部242と一体的に環を形成する形状)に維持した状態で外れないように固定することを意味する。ただし、後述するように、台座部242が弾性部材241を保持した状態で弾性部材241に対して他の力が加えられた場合に弾性部材241は変形してもよく、このような場合も「台座部242が弾性部材241を保持する」という意味に含まれる。台座部242は、弾性部材241よりも剛性が高い材質で構成される。本実施形態においては、台座部242は金属によって構成される。したがって、台座部242および弾性部材241に同じ大きさの力が加えられた場合、台座部242の歪み量は弾性部材241の歪み量に比べて小さくなる。
本実施形態においては、弾性部材241は、図9および図18に示されるように、2つの面を有する板状(帯状と言うこともできる)の形状を有しており、台座部242は、弾性部材241の一方の面が環の外側を向き、他方の面が環の内側を向く状態で、当該弾性部材241を保持する。弾性部材241は、当該弾性部材241の長手方向が環状部201の円周方向となるように、上記環の一部を形成する。なお、弾性部材241の長手方向とは、弾性部材241の上記面を平面にしたときの長手方向であり、弾性部材241の短手方向とは、弾性部材241の上記面を平面にしたときの短手方向(本実施形態においては、前後方向)である。本実施形態においては、弾性部材241の上記面は平面にしたときに矩形となるので、弾性部材241の長手方向とは、当該面の長い方の辺に沿った方向であり、弾性部材241の短手方向とは、当該面の短い方の辺に沿った方向である、と言うこともできる。
なお、本実施形態においては、弾性部材241は、台座部242に保持されていない状態では、直線状である。台座部242は、力が加わっていない状態では直線状である弾性部材241を、環を形成するように曲げた状態で保持している。このように、直線状の弾性部材241を用いることによって、リング型拡張装置5の製造を容易にすることができる。
なお、他の実施形態においては、弾性部材241の形状は任意であり、台座部242に保持されていない状態において曲がった形状であってもよい。例えば、弾性部材241は、台座部242に保持されていない状態において、環(すなわち、本実施形態における環状部201の円環と一致する円環)の一部となる形状であってもよい。本実施形態においては、弾性部材241は、環状に曲げられることで応力が加わった状態で台座部242に保持されたが、他の実施形態においては、力が加わっていない状態で環状の一部となる形状を有し、曲げられることによる応力が加わっていない状態で台座部242に保持されるものであってもよい。また、本実施形態においては、弾性部材241は帯状であるが、他の実施形態においては、柱状(例えば、周方向に垂直な断面が円形となる形状)であってもよい。
図20は、図18に示す環状部の一部を切り欠いた部分断面図である。図20においては、図18における半直線ABを通りZ軸に垂直な断面と、半直線BCを通りX軸に垂直な断面とによって切り欠かれた環状部201を示している。
図18および図20に示すように、弾性部材241は、芯部243と、カバー部244とを有する。芯部243は、弾性変形可能な材質で構成される。本実施形態においては、芯部243は、樹脂であり、具体的には、FRP(Fiber Reinforced Plastics)である。芯部243は、人間の力によって変形可能な程度の剛性を有する。例えば、芯部243の曲げ剛性は、0.33〜0.50[Pa・m4]の範囲である。本実施形態において、芯部243は、帯状の形状であり、一方の面が環の外側を向き、他方の面が環の内側を向く状態で、台座部242に保持される。
カバー部244は、筒状であり、芯部243を覆うように設けられる(図20参照)。本実施形態においては、カバー部244は、芯部243よりも軟らかい材質(すなわち、押込み硬さが低い材質)で構成される。具体的には、本実施形態においては、カバー部244は、シリコン樹脂である。カバー部244によって、弾性部材241がユーザに接触したときの感触を良好にすることができる。また、カバー部244によって、弾性部材241が他の物に当たった時の衝撃を和らげることができる。
本実施形態においては、カバー部244は、周方向の長さ(換言すれば、台座部242に保持されていない状態における長手方向の長さ)が芯部243よりも短い。したがって、図20に示すように、棒状である芯部243の両端付近の部分は、カバー部244によって覆われずに露出している。
本実施形態においては、芯部243は、筒状のカバー部244の内側を通った状態で、芯部243の両端において台座部242に固定される。これによって、カバー部244が芯部243から抜けて外れることはないようになっている。なお、本実施形態においては、カバー部244は、芯部243に対して固着されていない。そのため、本実施形態においては、弾性部材241がユーザの操作によって変形する場合に、カバー部244に芯部243が固着されることによって生じる不要な力が加わることがないので、カバー部244の耐久性を向上することができる。
図18〜図20に示すように、台座部242は筒状である。本実施形態においては、台座部242は、外観としては平らな形状であり、平板状(ただし、厳密には環状部201の円周の一部となるように曲がっている)の外板部251および内板部252とを有する(図18および図19参照)。外板部251は、台座部242の平板状の部分のうち、環状部201によって形成される環の中心から遠い側に配置される部分である。内板部252は、台座部242の平板状の部分のうち、環状部201によって形成される環の中心に近い側に配置される部分である。また、台座部242は、前後方向の一方側と他方側との両側において外板部251と内板部252とを繋ぐ2つの側板部253を有する。以上のように、台座部242は、外板部251、内板部252、および、側板部253によって筒状に形成されている。このように、本明細書において、「筒状」とは、周方向に1周連続する側面を有し、当該側面の内側が空洞となっている形状を指す。なお、本実施形態における台座部242については、図18に示すようにスリット258が形成されるが、一部において周方向に1周連続する面(後述する外板部、側板部、および、内板部によって構成される面)を有するので、筒状であると言うことができる。また、「ある物体が筒状である」とは、当該物体の周方向に沿った断面が円環である形状に限定する意味ではなく、断面の形状を問わない意味である。
なお、図18および図19に示す点線は、台座部242における外板部251、内板部252、および、側板部253の位置をわかりやすくするために記載されたものであり、台座部242に実際に点線が設けられているわけではない。
図18〜図20に示すように、筒状の台座部242は、左開口254および右開口255を有する。各開口254および255は、芯部243を挿入可能な形状および大きさである。弾性部材241は、第1端部(具体的には、芯部243の一方側の端部)が左開口254に挿入され、第2端部(具体的には、芯部243の他方側の端部)が右開口255に挿入された状態で台座部242によって保持される。このとき、弾性部材241の先端は、台座部242における左右方向の中央付近に位置し、外板部251の筒内側面に接触する(図20参照)。詳細は後述するが、筒状の台座部242が上記のような状態で弾性部材241を保持することによって、弾性部材241から台座部242が受ける力を分散させることができる。
なお、本実施形態においては、カバー部244は、台座部242の各開口254および255に挿入されない。すなわち、本実施形態においては、芯部243の一部は、上記第1端部および上記第2端部においてカバー部244から露出し、台座部242は、芯部243のうち第1端部および第2端部において露出する部分を保持する(図20参照)。これによれば、芯部243よりも軟らかいカバー部244が台座部242に接触して損傷する可能性を低減することができる。
本実施形態においては、弾性部材241(より具体的には、芯部243)は、リベットによって台座部242に締結される。具体的には、図20に示すように、芯部243は、左開口254に挿入された一方側の端部付近がリベット261および262によって台座部242に締結される。より具体的には、芯部243には、一方側の端部付近の2箇所に孔が設けられ、台座部242の外板部251には、左開口254付近の2箇所に孔が設けられ、台座部242の内板部252には、左開口254付近の2箇所に孔が設けられる。そして、外板部251の孔と、芯部243の孔と、内板部252の孔とを通るようにリベット261および262が締結される(図20参照)。また、芯部243は、右開口255に挿入された他方側の端部付近がリベット263および264によって台座部242に締結される。芯部243は、右開口255においても左開口254と同様にしてリベットによって台座部242に締結される。以上より、本実施形態においては、台座部242が弾性部材241を保持する状態においては、弾性部材241と台座部242とで形成される環状の形状が維持され、弾性部材241は台座部242から外れないようになっている。
以上のように、本実施形態においては、台座部242は、台座部242と弾性部材241とによって形成される環の中心に近い側に設けられる内側部分(具体的には、内板部252)と、内側部分に対向して設けられ、環の中心から遠い側に設けられる外側部分(具体的には、外板部251)とを有する。また、弾性部材241の一端部と他端部とが外側部分と内側部分との間に挟まれた状態で、弾性部材241は台座部242に保持される。なお、本実施形態においては、弾性部材241の一端部は、台座部242の左右方向における一方側の端部において外側部分と内側部分との間に挟まれ、弾性部材241の他端部は、台座部242の左右方向における他方側の端部において外側部分と内側部分との間に挟まれる。
ここで、台座部242が(外側部分および内側部分を有さずに)1枚の板状の形状であり、当該台座部242に対してリベットによって弾性部材241が締結される構成を考える。このような構成の場合、弾性部材241の応力がリベットに加わるので、リベットに大きな負荷が加わってしまい、リベットが破損するおそれがある。また、弾性部材241のうちで、リベットによって固定される1点の部分に力が集中するので、弾性部材241も破損するおそれがある。
これに対して、本実施形態においては、台座部242が外側部分と内側部分とを有し、外側部分と内側部分との間に弾性部材241を挿入した状態で台座部242が弾性部材241を保持する。これによれば、弾性部材241の応力は、台座部242の外側部分と内側部分とに主に加わるので(図21参照)、リベットに加わる負荷を軽減することができる。そのため、リベットが破損する可能性を低減することができる。
また、本実施形態においては、弾性部材241と台座部242の外側部分および内側部分とが接触するので、弾性部材241および台座部242が互いから受ける力が分散される。具体的には、弾性部材241の先端部分が、外側部分のうち内側部分に対向する面に対してそれぞれ押す力を加えると同時に、弾性部材241の各端部のうち当該先端部分とは異なる部分が、内側部分のうち外側部分に対向する面の左右方向における両端(すなわち、後述する台座部242の開口の内縁)に対してそれぞれ押す力を加える(図21参照)。これによって、弾性部材241の1箇所に加わる負荷を軽減することができ、弾性部材241が破損する可能性を低減することができる。さらに、本実施形態においては、弾性部材241と台座部242の外側部分および内側部分とが線で接触するので、弾性部材241の1点に負荷が集中する可能性を低減することができる。そのため、弾性部材241が破損する可能性をより低減することができる。
なお、本実施形態においては、台座部242は、上記外側部分の端部と内側部分の端部とを縁の一部とする開口245および255が形成された筒状の形状である。そして、弾性部材241の2つの端部がそれぞれ上記開口245および255に挿入される。ここで、他の実施形態においては、台座部242は、上記開口が形成されない構成であってもよい(図23および図24参照)。具体的には、台座部242は、1枚の板が、筒のような形状となるように曲げ加工されることによって得られる形状(ただし、この形状は、周方向に1周連続する側面を有する形状ではないので、本実施形態における「筒状」ではない)であってもよい。このような構成であっても、台座部が外側部分と内側部分とを有し、外側部分と内側部分との間に弾性部材241が挿入される構成によって、上記の効果(すなわち、リベットおよび弾性部材が破損する可能性を低減する効果)を奏することができる。なお、台座部242を筒状とすることによって、(例えば、図23に示す形状と比べて)台座部242の作製が容易になる。
なお、他の実施形態においては、台座部242の形状は任意であり、例えば、上記のような1枚の板状であってもよい。
上記のように、本実施形態においては、弾性部材241は、上記第1端部(具体的には、芯部243の一方側の端部)の側において少なくとも2箇所で台座部242に固定され、上記第2端部(具体的には、芯部243の他方側の端部)の側において少なくとも2箇所で台座部242に固定される。これによれば、弾性部材241は、台座部242に対して、上下方向(すなわち、図に示すY軸方向)を軸とした回転ができないように固定される。したがって、例えばリング型拡張装置5の使用時において、弾性部材241が上記の向きに回転することによって台座部242の開口に接触する可能性を低減することができ、弾性部材241が台座部242に接触して傷つく可能性を低減することができる。
なお、弾性部材241と台座部242とを固定する方法は任意である。例えば、弾性部材241は、リベット、ネジ、および/または、ボルトなどの貫通部品によって台座部242に締結されてもよい。これによって、弾性部材241を台座部242に対してしっかりと締結(または固定)することができる。
図19および図20に示すように、リング型拡張装置5は、保護部材の一例として、左保護部材256および右保護部材257を備える。保護部材は、ユーザによるリング型拡張装置5の使用中において、弾性部材241が、自身よりも硬い台座部242に接触することによって傷つく可能性を低減するために設けられる。以下、保護部材の詳細について説明する。
図19および図20に示すように、左保護部材256は、台座部242の左開口254の内縁に設けられる。また、右保護部材257は、台座部242の右開口255の内縁に設けられる。また、図19に示すように、各保護部材256および257は、台座部242の開口の内縁のうち、環状部201によって形成される環の中心に近い側の部分に設けられる。つまり、各保護部材256および257は、台座部242の内板部252の筒内側面に設けられる。なお、左保護部材256および右保護部材257は、大略的には板状の形状である。
このように、本実施形態においては、各保護部材256および257によって内板部252と弾性部材241とが直接接触しないようになっている。なお、各保護部材256および257の形状は任意であり、内板部252と弾性部材241との間に配置可能な任意の形状であってもよい。
各保護部材256および257は、台座部242よりも軟らかい材質で構成される。本実施形態においては、各保護部材256および257は、POM(ポリオキシメチレン)で構成される。なお、各保護部材256および257は、上記芯部243と同じ材質(すなわち、FRP)で構成されてもよい。また、各保護部材256および257は、芯部243よりも硬い材質であってもよいし、軟らかい材質であってもよい。
また、各保護部材256および257は、弾性部材241(本実施形態では、より具体的には芯部243)と接触する部分の角が、台座部242の各開口254および255の内縁の角よりも丸くなっている(図20参照)。図20に示すように、左保護部材256は、台座部242の内板部252の筒内側面の上方の空間から、内板部252の左端の左方の空間まで延びて設けられる。すなわち、左保護部材256は、台座部242の筒内から左開口254を通してはみ出して設けられている。そして、左保護部材256のうち、この左開口254からはみ出している部分は、左開口254の縁に沿って垂れ下がった形状となっている。このように垂れ下がった形状となることによって、左保護部材256は左上部分に角を形成している。この角は、左開口254の内縁の角よりも丸くなっている。本実施形態においては、上記のように構成される左保護部材256に接触するので、台座部242の内縁の角が弾性部材241に接触する場合よりも、弾性部材241が傷つく可能性は低くなる。また、図20には示されていないが、右保護部材257も左保護部材256と同様の形状を有する。
なお、本実施形態においては、各保護部材256および257は、内板部252から左右方向における外側にはみ出して設けられる。これに対して、他の実施形態においては、保護部材は、内板部252から左右方向における外側にはみ出して設けられなくてもよく、内板部252の上方の空間のみに設けられてもよい。このとき、保護部材は、弾性部材241と接触する部分(例えば自身が板状であればその角)が、開口254および255の内縁の角よりも丸くなっていることによって、弾性部材241を傷つける可能性を低減することができる。
保護部材256および257を台座部242に固定する方法は任意である。本実施形態においては、各保護部材256および257は、上記リベット261〜264によって台座部242に締結される。すなわち、各保護部材256および257は、それぞれ2箇所に孔が設けられる。そして、リベット261および262は、左保護部材256の孔を通るように台座部242に締結される。また、リベット263および264は、右保護部材257の孔を通るように台座部242に締結される。このように、本実施形態においては、弾性部材241とともに各保護部材256および257をリベット261〜264によって台座部242に締結する。
なお、本実施形態においては、台座部242の内板部252には2つの孔283が設けられる(図19参照)。左保護部材256は、自身の突起285が一方の孔283に挿入された状態で台座部に締結される(後述する図25参照)。また、右保護部材257は、自身の突起(不図示)が他方の孔283に挿入された状態で台座部242に締結される。したがって、各保護部材256および257は、上記突起および孔283によって位置決めされた状態で台座部242に締結される。
以上のように、本実施形態においては、リング型拡張装置5は、内板部252の一方側(具体的には、左側)の端部と弾性部材241とに挟まれる左保護部材256と、内板部252の他方側の端部と弾性部材241とに挟まれる右保護部材257とを備える。左保護部材256は、当該左保護部材256と接触する内板部252の角よりも丸みを帯びた角を有する(図20参照)。また、右保護部材257は、当該右保護部材257と接触する内板部252の角よりも丸みを帯びた角を有する。ここで、詳細は後述するが、内板部252の上記角の部分は、リング型拡張装置5の使用中において弾性部材241を変形させる操作をユーザが行う際に大きな力が加わる部分である(図21参照)。したがって、上記の部分に保護部材を設け、弾性部材241(より具体的には、芯部243)が台座部242に直接接触しないようにすることによって、弾性部材241を効率的に保護することができる。なお、弾性部材241は、定常状態においてのみ各保護部材256および257の角に接触してもよいし、変形した状態においてのみ当該角に接触してもよいし、両方の状態において当該角に接触してもよい。
なお、保護部材256および257が、台座部242よりも軟らかい材質である場合には、弾性部材241が傷つく可能性は、保護部材256および257が無い場合、あるいは、保護部材256および257が台座部242よりも硬い材質である場合に比べて低い。したがって、上記の場合には、保護部材256および257は、弾性部材241と接触する部分が、台座部242の開口の内縁の角よりも丸みを帯びた形状でなくてもよい。
他の実施形態においては、2つの保護部材256および257は、一体であってもよい(すなわち、単一の部品であってもよい)。
また、他の実施形態においては、保護部材は、台座部242の開口の内縁のうち、内板部252の筒内側面に加えて(または代えて)、外板部251の筒内側面に設けられてもよい。これによって、弾性部材241が台座部242に直接接触する可能性を低減することができる。
図18に示すように、リング型拡張装置5は、歪みゲージ245を備える。歪みゲージ245は、台座部242に設けられ、台座部242の歪みを検出する。つまり、本実施形態においては、台座部242は起歪体として機能する。詳細は後述するが、リング型拡張装置5がユーザによって操作されることによって弾性部材241が変形すると、弾性部材241からの力によって台座部242に歪みが生じる。本実施形態においては、台座部242に生じた歪みを歪みゲージ245によって検出し、検出結果に基づいて弾性部材241の変形の向きおよび変形度合いが算出される。
本実施形態においては、上記台座部242は、本体部202の筐体212内に設けられる(図14参照)。つまり、歪みゲージ245は、筐体212内に設けられる。これによって、歪みゲージ245を筐体212によって保護することができる。
また、本実施形態においては、歪みゲージ245は、環状部201のうちの把持部206および207以外の部分に設けられる。これによって、ユーザが歪みゲージ245の位置を把持することによって歪みゲージ245が不要な歪みを検出してしまう可能性を低減することができ、弾性部材241の変形による歪みを精度良く検出することができる。
図18に示すように、本実施形態においては、歪みゲージ245は、台座部242の外板部251に設けられる。より具体的には、歪みゲージ245は、外板部251の外側面(すなわち、環状部201によって形成される環の外側を向く面)に設けられる。また、歪みゲージ245は、左右方向(すなわち、図に示すX軸方向)について台座部242の実質的に中央に設けられる。また、歪みゲージ245は、前後方向(すなわち、図に示すZ軸方向)について台座部242の実質的に中央に設けられる。
本実施形態においては、歪みゲージ245は、左右方向(すなわち、図に示すX軸方向)に関する台座部242の歪みと、前後方向(すなわち、図に示すZ軸方向)に関する台座部242の歪みとを検出する。すなわち、歪みゲージ245は、左右方向の歪みを検出するセンサと、前後方向の歪みを検出するセンサとを含む。詳細は後述するが、本実施形態においては、歪みゲージ245は、上記の2方向の歪みを検出することによって温度補償を行っている。
図21は、弾性部材241の変形と、当該変形によって台座部242に加えられる力との関係の一例を示す図である。図21の(a)は、リング型拡張装置5に対する操作(すなわち、弾性部材241を変形させる操作)が行われていない状態(「定常状態」と呼ぶ)を示す。図21の(b)は、リング型拡張装置5の各把持部206および207を内側へ(すなわち環の中心側へ)押し込む操作が行われた状態(「押込状態」と呼ぶ)を示す。図21の(c)は、リング型拡張装置5の各把持部206および207を外側へ引っ張る操作が行われた状態(「引張状態」と呼ぶ)を示す。
図21(a)に示す定常状態においては、弾性部材241にはユーザの操作による変形が生じていない。ただし、本実施形態においては、弾性部材241は、台座部242が弾性部材241を保持することによって環状に変形されているので、弾性部材241にはこの変形による応力が生じている。そのため、台座部242は、当該応力による力(すなわち、弾性部材241が台座部242を押す力)を弾性部材241から受けている。具体的には、図21に示すように、台座部242の内板部252は、左開口254付近において弾性部材241から(保護部材を介して)、環状部201によって形成される環の中心を向く力F1を受けている。また、台座部242の外板部251は、左右方向の中央付近において弾性部材241から、環状部201によって形成される環の外側を向く力F2を受けている。なお、図21においては、台座部242の中央より左側において弾性部材241から加えられる力のみを示しているが、実際には、台座部242の中央より右側においても、左側と同様の力が加えられる。これらの力F1およびF2等によって、台座部242の外板部251には左右方向に関して引張歪み(すなわち、左右方向に関して外板部251が伸びる向きの歪み)が生じる。
図21(b)に示す押込状態においては、弾性部材241のうち、台座部242の各開口254および255の付近の部分は、定常状態から、環状部201によって形成される環の内側へ変形する(黒色矢印参照)。そのため、台座部242が弾性部材241から受ける力F1およびF2等は定常状態よりも大きくなる(図21(b)参照)。したがって、台座部242の外板部251が左右方向に関して歪む量は、定常状態よりも大きくなる。なお、押込状態においては、弾性部材241が押込み方向に変形する量が大きくなるほど、外板部251の引張歪みの量は大きくなる。
図21(c)に示す引張状態においては、弾性部材241のうち、台座部242の各開口254および255の付近の部分は、定常状態から、環状部201によって形成される環の外側へ変形する(黒色矢印参照)。そのため、台座部242が弾性部材241から受ける力F1およびF2等は定常状態よりも小さくなる(図21(c)参照)。したがって、台座部242の外板部251が左右方向に関して歪む量は、定常状態よりも小さく。なお、引張状態においては、弾性部材241が引張方向に変形する量が大きくなるほど、外板部251の引張歪みの量は小さくなる。
なお、引張状態においては、弾性部材241が変形する量が一定以上大きくなる場合、図21に示す状態とは異なり、弾性部材241は、開口付近において外板部251を上向きに押し、台座部242の中央付近において(保護部材を介して)内板部252を下向きに押す状態となる。弾性部材241は、このような状態にまで変形可能であってもよい。上記の場合、外板部251には左右方向に関して圧縮歪み(すなわち、左右方向に関して外板部251が縮む向きの歪み)が生じる。換言すれば、上記の場合、外板部251の引張歪みの大きさは負となる。
以上より、台座部242における左右方向の歪み(具体的には、引張歪み)を検出することにより、弾性部材241が変形する向き、および、変形量を算出することができ、リング型拡張装置5に対する操作内容を知ることができる。つまり、台座部242に設けられた歪みゲージ245の検出結果に基づいて、リング型拡張装置5に対する操作内容(具体的には、把持部を押し込むまたは引っ張る操作の向きと、操作の大きさ)を特定することができる。なお、本実施形態においては、リング型拡張装置5に対する操作内容を特定する処理は、本体装置2によって実行される。
なお、本実施形態においては、上記定常状態において、弾性部材241に応力が生じているため、台座部242には引張歪みが生じていたが、他の実施形態においては、弾性部材241は、上記定常状態において応力が生じない形状(すなわち、力が加えられない状態で円環の一部を形成する形状)であってもよい。弾性部材241が上記のような形状である場合であっても、定常状態から台座部242の歪みが変化した向き(すなわち、引張歪みであるか、圧縮歪みであるか)および変化量を検出することによって、弾性部材241が変形する向き、および、変形量を算出することができ、リング型拡張装置5に対する操作内容を知ることができる。
以上のように、本実施形態においては、歪みゲージ245を台座部242に取り付け、起歪体として機能する台座部242の歪みを検出する構成を採用している。すなわち、本実施形態においては、台座部242よりも変形がより大きい弾性部材241ではなく、弾性部材241よりも変形がより小さい台座部242に歪みゲージ245を設けることによって、変形によって歪みゲージ245が破損する可能性を低減することができる。
上述のように、本実施形態においては、歪みゲージ245は、左右方向の歪みに加えて、前後方向の歪みも検出する。これは、温度補償を行うためである。すなわち、歪みゲージ245は、左右方向の歪みを検出するセンサの出力と、前後方向の歪みを検出するセンサの出力との差に基づいて、温度によるセンサ特性の変化による影響を抑えた検出結果(すなわち、左右方向の歪みを示す値)を出力する。本実施形態においては、温度補償は、歪みゲージ245とともに設けられるブリッジ回路によって行われる。なお、2方向の歪みに基づいて温度補償を行う方法は任意であり、従来と同様の方法が用いられてもよい。
上記のように、本実施形態においては、温度補償を行うべく前後方向の歪みを検出する。ここで、本実施形態においては、台座部242において、歪みゲージ245の前後方向にスリット258が設けられる(図18参照)。スリット258は、孔の一例であって、概略的には短手と長手を有する形状である。なお、本実施形態において、リベット258である孔は、上述のリベットを通すための孔とは異なるものである。以下、スリット258が設けられる理由について説明する。
まず、仮に、台座部にスリットが設けられない場合を考える。この場合において、台座部に対して、図21に示される力が弾性部材によって加えられると、台座部の外板部には、左右方向に引張歪みが生じるだけでなく、前後方向にも引張歪みが生じることがわかった。これは、台座部242が外板部と内板部とが側板部を介して連続する形状であるので、外板部の左右の両端が下がる方向に曲げる力が加えられると、外板部の変形と同時に生じる内板部および側板部の変形によって外板部は側板部から引っ張られる方向の力を受けることが原因であると考えられる。ここで、左右方向に歪みが生じる際に前後方向に歪みが生じない場合には、これらの2方向に関する歪みゲージの検出結果の差分を取ることで、左右方向に関する出力値の温度変化による変動を、前後方向に関する出力値の温度変化による変動によって相殺することができるので、温度補償を考慮した歪み値を得ることができる。一方、上記のように、左右方向にも前後方向にも引張歪みが生じる場合、左右方向に関する検出結果と前後方向に関する検出結果との差が小さくなってしまう(あるいは、ほとんどなくなってしまう)ので、温度補償を考慮した左右方向の歪み値として、正確な値を得ることができない可能性がある。
これに対して、本実施形態においては、台座部242に上記スリット258が設けられることによって、歪みゲージ245が設けられる位置において前後方向の引張歪みが生じることを低減することができる。具体的には、歪みゲージ245が設けられる部分と、側板部253とがスリット258によって分けられる。そのため、外板部251の左右の両端が下がる方向に曲げる力が外板部251に加えられた場合に、歪みゲージ245が設けられる部分が、その外側にある側板部253から引っ張られる力を受けにくくなる結果、前後方向の引張歪みが低減されるのである。本実施形態においては、スリット258によって前後方向の引張歪みをほぼ0にすることができるので、左右方向に関する検出結果と前後方向に関する検出結果との差が生じ、温度補償を考慮した左右方向の歪み値として、正確な値を得ることができる。なお、スリット258によって前後方向の引張歪みがほぼ0になったとしても、温度変化による前後方向の歪み値の変化は依然として生じるため、上記のような差分に基づく温度補償が可能となる。もちろん、温度補償の方法は任意であり、単純に差分をとる方法に加えて、適宜の補正が行われてもよい。
以上のように、本実施形態においては、歪みゲージ245は、左開口254から右開口255への左右方向に関する台座部242の歪みと、当該左右方向に垂直な前後方向に関する台座部242の歪みとを検出する。台座部242には、歪みゲージ245から前後方向にある位置にスリット258が形成される(図18参照)。これによって、2方向の歪みの差分に基づく温度補償を行うことができ、歪み量を正確に検出することができる。
また、本実施形態においては、スリット258の左右方向に関する長さは、歪みゲージ245の左右方向に関する長さよりも長い(図18参照)。また、スリット258の左右方向における両端は、歪みゲージ245の左右方向における両端よりも、左右方向に関して外側に位置する。すなわち、左右方向に関して、歪みゲージ245の中央からスリット258の左端までの長さは、当該中央から歪みゲージ245の左端までの長さより長く、歪みゲージ245の中央からスリット258の右端までの長さは、当該中央から歪みゲージ245の右端までの長さより長い。これによれば、台座部242のうちで歪みゲージ245が設けられる部分が、他の部分から前後方向に引っ張られる影響を十分に低減することができるので、温度補償による正確な歪み量を検出することができる。
また、本実施形態においては、スリット258は、歪みゲージ245が設けられる外板部251において、前後方向に関して歪みゲージ245の両側に形成される。したがって、外板部251が反る方向に曲げる力が外板部251に加えられた場合に、歪みゲージ245が設けられる部分が側板部253から引っ張られる力を効果的に抑制することができる。これによって、前後方向の歪みによる影響を低減することができ、歪み量を正確に検出することができる。なお、スリット258は、外板部251に加えて(または、代えて)側板部253において、前後方向に関して歪みゲージ245の両側に形成されてもよい。これによっても、本実施形態と同様に、前後方向の歪みによる影響を低減することができる。
なお、本実施形態においては、台座部242に孔の一例であるスリット258が設けられるが、他の実施形態においては、台座部242には、孔に代えて切り欠きが設けられてもよい。なお、ここでは、板状の部材(例えば、外板部)において、全周において当該部材で囲まれる空間を孔と呼び、全周において当該部材で囲まれていない(すなわち、一方向が開放されている)空間を切り欠きと呼ぶ。他の実施形態においては、外板部の左右方向の一端から、歪みゲージ245の前後方向にある位置まで延びる切り欠きが設けられてもよい。このとき、外板部251が曲げられた場合であっても、歪みゲージ245が設けられる部分が、その外側にある側板部253から引っ張られる力を受けにくくなる。これによって、本実施形態と同様、前後方向の歪みによる影響を低減することができ、歪み量を正確に検出することができる。
なお、歪みゲージ245の前後方向に設けられる切り欠きおよび/または孔の位置および大きさは任意である。例えば、他の実施形態においては、切り欠きおよび/または孔は、台座部242の側板部253に設けられてもよいし、内板部252に設けられる構成であってもよい。このような構成であっても、歪みゲージ245が設けられる部分に生じる前後方向の引張歪みを低減することができる。これは、外板部251の左右の両端が下がる方向に曲げる力が加えられた場合に、外板部251の変形と同時に生じる内板部252および側板部253の変形が外板部251に与える影響が小さくなるためと考えられる。
図22および図23は、本実施形態の第1の変形例における台座部の一例を示す図である。図22は、第1の変形例に係る台座部271を上側から見た斜視図であり、図23は、台座部271を下側から見た斜視図である。なお、図22に示す斜線領域は、歪みゲージ245が設けられる位置を示す。また、図22および図23(後述する図24についても同様)に示す点線は、台座部271における外板部273、側板部274、および、内板部275の位置をわかりやすくするために記載されたものであり、台座部271に実際に点線が設けられているわけではない。また、図22および図23(後述する図24についても同様)においては、リベットを通すための孔、および、台座部271を筐体と締結するためのネジ孔の記載を省略している。なお、第1の変形例における台座部271も本実施形態における台座部242と同様、周方向に1周連続する側面を有し、当該側面の内側が空洞となっているので、筒状であると言うことができる。第1の変形例における台座部271も本実施形態における台座部242と同様、台座部271は、前後方向における両側において内板部275と外板部273とをそれぞれ繋ぐ2つの側板部274を有し、内板部275と外板部273と側板部274とによって弾性部材241の2つの端部を囲む。したがって、本実施形態と同様、リベットおよび弾性部材が破損する可能性を低減する効果を奏する。また、台座部242が弾性部材241の各端部を囲むことによって、弾性部材241が台座部242に対してずれたり外れたりする可能性を低減することができる。
図22および図23に示すように、筒状の台座部271においては、本実施形態におけるスリット258に代えて、切り欠き272が設けられる。切り欠き272は、本実施形態におけるスリット258と同様に、歪みゲージ245が設けられる位置の前後方向にある位置に設けられる。すなわち、切欠き272は、左右方向に関して歪みゲージ245と同じ位置に設けられる。換言すれば、切り欠き272は、台座部271の左右方向における中央部分において、側板部274および内板部275にわたって設けられる。本変形例においては、外板部251の左右の両端が下がる方向に曲げる力が加えられた場合、台座部271の上記中央部分においては、側板部274および内板部275がない(切欠かれている)ため、歪みゲージ245が設けられる部分は、内板部252および側板部253の変形の影響を受けにくくなる。そのため、第1の変形例においても上記実施形態と同様、歪みゲージ245が設けられる位置において前後方向に生じる引張歪みを低減することができ、本実施形態と同様の効果を奏することができる。
図24は、本実施形態の第2の変形例における台座部の一例を示す図である。図22は、第2の変形例に係る台座部276を下側から見た斜視図である。図24に示すように、第2の変形例における台座部276においては、左右方向に延びる間隙277が内板部275に設けられる点で、第1の変形例における台座部271と異なる。このように、台座部276は、1枚の金属板に対して曲げ加工を施すことによって作製することができる形状となっている(ただし、台座部276は、曲げ加工によって作成されるものに限定されない)。なお、間隙277が設けられないとしても、上記切り欠き272が設けられることによって、歪みゲージ245が設けられる部分に生じる前後方向の引張歪みを低減することができる。
なお、他の実施形態においては、台座部に孔または切り欠きが設けられなくてもよい。例えば、台座部が1枚の板状である場合には、当該台座部の左右の両端が方向に曲げる力が加えられても、前後方向に関して引張歪みが生じないと考えられるので、台座部に孔または切り欠きが設けられなくてもよい。また例えば、左右方向と前後方向との歪みを検出することによる温度補償を行わない場合(つまり、歪みゲージが左右方向に関する歪みのみを検出する場合)には、台座部に孔または切り欠きが設けられなくてもよい。
図25は、リング型拡張装置5における環状部201および本体部202の一部を切り欠いた部分断面図である。図25においては、本体部202のうちの外側筐体222を外した状態におけるリング型拡張装置5を示している。また、図25においては、図18における半直線ABを通りZ軸に垂直な断面に代えて、当該断面と平行であって、Z軸方向について台座部242の中央を通る断面によって切り欠かれた環状部201および本体部202を示している。
図25に示すように、環状部201および本体部202は、環状部201の台座部242と本体部202の内側筐体221とが締結されることによって互いに固定される。具体的には、台座部242の内板部252に設けられた孔282(図19参照)を通した状態でネジ284を内側筐体221のネジ孔に螺合させることによって、台座部242と本体部202とが締結される。なお、本実施形態においては、内板部252の中心より前側と後側との2箇所に孔282が設けられ(図19参照)、台座部242および本体部202は、当該2箇所でネジによって締結される。
また、図25に示すように、台座部242および本体部202は、内側筐体221の突起286が内板部252に設けられた孔281(図19参照)に挿入された状態で締結される。このように、台座部242および本体部202は、突起286および孔281によって位置決めされた状態で締結される。
本実施形態においては、台座部242の内板部252に設けられる上記孔282は、台座部242の外板部251に設けられるスリット258に対向する位置に設けられる。また、上記スリット258のうち、上記孔282に対向する部分は、若干スリット間が拡大されており、上記ネジ284が通過可能な大きさとなっている。したがって、ネジ284によって台座部242と内側筐体221とを締結する際には、スリット258からネジ284を通してネジ止めを行うことができる。これによって、台座部242に対する内側筐体221の取り付けを容易にすることができる。
以上のように、本実施形態においては、歪みゲージ245は、外板部251に設けられる。また、筐体212は、内板部252に固定され、少なくとも歪みゲージ245を覆う。このように、本実施形態においては、台座部242において、歪みゲージ245が設けられる位置と、筐体に固定される位置とが離れて(すなわち、筒状である台座部242において互いに対向する面に)配置される。ここで、台座部242が他の部材と固定される(例えば、ネジによって締結される)ことによって台座部242に応力が生じ、この応力によって生じる歪みを歪みゲージ245がノイズとして検出するおそれがある。そのため、仮に、歪みゲージ245の近傍の位置で台座部242と他の部材とが固定されるとすれば、歪みゲージ245が検出するノイズが大きくなり、弾性部材241の変形による歪みを検出する精度が低下するおそれがある。これに対して、本実施形態によれば、歪みゲージ245は、台座部242と筐体との固定によって台座部242に生じる歪み(ノイズ)を検出しにくくなるので、歪みゲージ245が弾性部材241の変形による歪みを検出する精度を向上することができる。
また、本実施形態においては、図25に示すように、台座部242と本体部202とが固定される位置は、左右方向について台座部242の実質的に中央である。ここで、例えば、台座部242と本体部202との固定位置が左右方向について偏った位置である場合、固定によって生じる歪みも左右方向について対称とならないため、当該歪みが歪みゲージ245に検出されると、弾性部材241の変形による歪みを検出する精度が低下するおそれがある。これに対して、本実施形態においては、左右方向について非対称な歪みが生じる可能性を低減することができ、それによって、歪みゲージ245が弾性部材241の変形による歪みを検出する精度を向上することができる。
[1−2−4.電気的構成]
図26は、リング型拡張装置5が備える構成要素の電気的な接続関係を示すブロック図である。図26に示すように、リング型拡張装置5は、歪み検出部291を備える。歪み検出部291は、環状部201が変形したことを検出する検出部の一例である。本実施形態においては、歪み検出部291は、上述の歪みゲージ245およびブリッジ回路を含む。歪み検出部291は、弾性部材241の変形に応じた台座部242の歪みを示す信号(換言すれば、弾性部材241の変形の大きさおよび変形の向きを示す信号)を出力する。なお、本実施形態においては、歪み検出部291の出力信号は、ブリッジ回路によって温度補償が行われた歪み値を示す。
リング型拡張装置5は、信号変換部292を備える。本実施形態においては、信号変換部292は、アンプと、ADコンバータとを含む。信号変換部292は、歪み検出部291に電気的に接続され、歪み検出部291の出力信号をアンプによって増幅し、ADコンバータによってAD変換を行う。信号変換部292は、上記歪み値を示すデジタル信号を出力する。なお、他の実施形態においては、信号変換部292はADコンバータを含まず、後述する処理部293がADコンバータを含んでいてもよい。
リング型拡張装置5は、処理部293を備える。処理部293は、プロセッサとメモリとを備える処理回路であり、例えばMCU(Micro Controller Unit)である。処理部293は、信号変換部292に電気的に接続され、信号変換部292の出力信号が処理部293に入力される。また、リング型拡張装置5は、端子294を備える。端子294は、処理部293に電気的に接続される。リング型拡張装置5に右コントローラ4が装着されている場合、処理部293は、信号変換部292の出力信号が示す歪み値を示す情報(換言すれば、上記リング操作データ)を、端子294を介して右コントローラ4へ送信する。なお、本明細書において、「端子」とは、1つのピンを有する端子(すなわち、単一端子)と、複数のピンを有する端子(すなわち、複数端子)とを含む意味である。
処理部293は、リング型拡張装置5に対する操作に応じた処理を実行してもよい。例えば、処理部293は、リング型拡張装置5に対して操作が行われた回数をカウントして記憶してもよい。また、処理部293は、端子294を介して外部装置(すなわち、本体装置2または右コントローラ4)から送信されてくる指示に応じた処理を実行してもよい。
リング型拡張装置5は、電力変換部295を備える。電力変換部295は、上記各部291〜294に電気的に接続される。電力変換部295は、端子294を介して外部(すなわち、右コントローラ4)から供給される電力を、上記各部291〜294に供給する。電力変換部295は、供給される電力について電圧等の調整を行って上記各部291〜294に供給してもよい。
上記のように、本実施形態においては、リング型拡張装置5は、右コントローラ4から供給される電力によって動作する。すなわち、歪み検出部291は、リング型拡張装置5に装着された状態における右コントローラ4から端子294を介して供給される電力によって動作する。また、歪み検出部291の検出結果に関するデータ(すなわち、リング操作データ)を右コントローラ4へ送信する送信部(すなわち、処理部293)は、リング型拡張装置5に装着された状態における右コントローラ4から端子294を介して供給される電力によって動作する。これによれば、リング型拡張装置5は、自身で電源を備える必要が無いので、リング型拡張装置5の軽量化を図ることができる。
なお、リング型拡張装置5が他の装置へ送信する「歪み検出部の検出結果に関するデータ」は、当該検出結果(本実施形態においては、台座部242の歪みを示す、歪み検出部291の出力信号)そのものを示すデータであってもよいし、当該検出結果に対して何らかの処理(例えば、データ形式の変換、および/または、歪み値に対する計算処理等)が行われることによって得られるデータであってもよい。例えば、処理部293は、上記検出結果である歪み値に基づいて弾性部材241の変形量を算出する処理を行ってもよく、このとき、「歪み検出部の検出結果に関するデータ」は、当該変形量を示すデータであってもよい。
なお、他の実施形態においては、リング型拡張装置5は、電池を備え、当該電池の電力によって動作してもよい。また、リング型拡張装置5が備える電池は、右コントローラ4から供給される電力によって充電可能な充電池であってもよい。
[1−3.ベルト型拡張装置]
次に、ベルト型拡張装置6の構成について説明する。図27は、ベルト型拡張装置の一例を示す図である。ベルト型拡張装置6は、自身に左コントローラ3を収容した状態で、ユーザの足に締着して使用する(図15参照)。本実施形態においては、ベルト型拡張装置6は、布製であり、平面状の形状である。
図27に示すように、ベルト型拡張装置6は、収容部301と、ベルト部302とを備える。収容部301は、平面状の形状であり、左コントローラ3を収容可能である。具体的には、収容部301は、ポケット部303を有する。ポケット部303は、左コントローラ3を収容可能な大きさの袋状に形成される。なお、ポケット部303は、左コントローラ3の全体を収容可能である必要は無く、左コントローラ3の一部を収容可能であればよい(左コントローラ3の全体を収容可能であってもよい)。ポケット部303は、上側が開口し、上側から左コントローラ3を挿入することで左コントローラ3を自身の内部に収容可能となっている。このように、本実施形態においては、収容部301が左コントローラを収容することで、左コントローラ3がベルト型拡張装置6に装着される。なお、他の実施形態においては、ベルト型拡張装置6に左コントローラ3を装着させるための構成は任意である。
図27に示すように、収容部301には、ポケット部303の側方(具体的には、図27における左側)に通し孔304が設けられる。詳細は後述するが、通し孔304は、ベルト型拡張装置6をユーザの足に締着する際に、ベルト部302を通すための孔である。
ベルト部302は、収容部301のうち、ポケット部303の側方であって、ポケット部303を基準に通し孔304の反対側(具体的には、右側)に設けられる。ベルト部302は、帯状の形状であり、その一端が収容部301に固定される。本実施形態においては、ベルト部302は、伸縮性を有する材質(例えば、織ゴム)で構成される。
図27に示すように、ベルト部302のうち、収容部301においてポケット部303が設けられる側の面と同じ側の面には、第1面ファスナー305および第2面ファスナー306が設けられる。第1面ファスナー305は、収容部301に固定される側と反対側の端部付近に設けられる。また、第2面ファスナー306は、第1面ファスナー305と同じ面において、第1面ファスナー305と比べて収容部301に近い側に設けられる。本実施形態においては、第1面ファスナー305と、収容部301に固定される端部との間の領域に第2面ファスナー306が設けられる。
第1面ファスナー305と第2面ファスナー306とは、互いに着脱可能である。例えば、第1面ファスナー305は、フック面の面ファスナーであり、第2面ファスナー306は、ループ面の面ファスナーである。
図28は、ユーザの足に締着されたベルト型拡張装置の一例を示す図である。ベルト型拡張装置6を締着する際、ユーザは、ベルト部302を足に一周させた状態でベルト部302を通し孔304に通して、第1面ファスナー305と第2面ファスナー306とを接着させる。なお、ユーザは、ベルト型拡張装置6に左コントローラ3を収容した後で、左コントローラ3が収容されたベルト型拡張装置6を足に締着してもよいし、ベルト型拡張装置6を足に締着した後で、ベルト型拡張装置6に左コントローラ3を収容してもよい。以上によって、ユーザは、図28に示すように、左コントローラ3が収容されたベルト型拡張装置6を足に締着することができる。
[2.動作および使用例]
次に、2つの拡張装置5および6を用いたゲームシステムの動作および使用例について説明する。本実施形態においては、ユーザは、ゲーム装置(すなわち、本体装置2ならびに各コントローラ3および4)に加えて、2つの拡張装置5および6を用いてゲームを行うことができる。例えば、ユーザは、リング型拡張装置5とベルト型拡張装置6とをセットで使用することができる。
例えば図15に示すように、ユーザは、右コントローラ4が装着されたリング型拡張装置5を両手で把持し、左コントローラ3が収容されたベルト型拡張装置6を足に締着する。このとき、ユーザは、リング型拡張装置5に対する操作(例えば、リング型拡張装置5を曲げる操作、および、リング型拡張装置5を動かす操作)と、ベルト型拡張装置6を締着した足を動かす操作とによって、ゲームを行うことができる。
本体装置2においてゲーム処理が実行される場合、右コントローラ4は、リング型拡張装置5からリング操作データを受信する。リング操作データは、上記歪み値を示す情報を含む。具体的には、リング型拡張装置5の処理部293は、端子294を介してリング操作データを右コントローラ4へ送信する。例えば、処理部293は、所定時間に1回の割合でリング操作データを繰り返し送信する。このように、本実施形態においては、リング型拡張装置5が変形されていない場合であっても、リング操作データが右コントローラ4から本体装置2へ送信される。つまり、リング型拡張装置5が変形されていない場合には、変形されていないことを示す歪み値を示す情報を含むリング操作データが右コントローラ4から本体装置2へ送信される。
上記の場合、右コントローラ4の通信制御部111は、リング型拡張装置5から端子64を介して受信したリング操作データを本体装置2へ送信する。また、通信制御部111は、右コントローラ4に含まれる各入力部(具体的には、各ボタン113、アナログスティック52、各センサ114および115)から取得された情報を含む右コントローラ操作データを本体装置2へ送信する。なお、上記の場合、右コントローラ4から本体装置2への通信は、無線通信によって行われる。通信制御部111は、右コントローラ操作データとリング操作データとをまとめて本体装置2へ送信してもよいし、別個に本体装置2へ送信してもよい。また、通信制御部111は、受信したリング操作データをそのまま本体装置2へ送信してもよいし、受信したリング操作データに何らかの加工(例えば、データ形式の変換、および/または、歪み値に対する計算処理等)を行って本体装置2へ送信してもよい。
以上のように、本体装置2は、リング型拡張装置5に対する操作を示すデータを取得することができ、当該データに基づくゲーム処理を実行することができる。すなわち、本体装置2は、リング操作データに含まれる歪み値を示す情報に基づいて、リング型拡張装置5を曲げる操作(具体的には、リング型拡張装置5の各把持部206および207を内側へ押し込む操作、および、各把持部206および207を外側へ引っ張る操作)を特定することができる。
また、右コントローラ4はリング型拡張装置5に装着されているので、右コントローラ4の加速度センサ114は、リング型拡張装置5の加速度を検出することができ、右コントローラ4の角速度センサ115は、リング型拡張装置5の角速度を検出することができる。したがって、本体装置2は、各センサ114および115の検出結果を示す情報を含む右コントローラ操作データに基づいて、リング型拡張装置5を動かす操作を特定することができる。なお、「リング型拡張装置5を動かす操作」とは、リング型拡張装置5を特定の位置および/または姿勢とする操作、および、リング型拡張装置5の位置および/または姿勢を変化させる操作を含む意味である。
また、本体装置2は、リング型拡張装置5に装着された右コントローラ4の各ボタン113および/またはアナログスティック52に対する入力に基づいてゲーム処理を実行してもよい。ここで、上述のように、本実施形態においては、ユーザが、右把持部207を右手で把持し、左把持部206を左手で把持した状態において、右コントローラ4は、各把持部206および207の上方に配置される(図15参照)。したがって、ユーザは、両手で各把持部206および207を把持した状態から、片手を把持部206または207から離して右コントローラ4に対する操作を行う際に、右コントローラ4を操作しやすくなっている。
また、右コントローラ4は、赤外撮像部123の撮像画像を右コントローラ操作データに含めてもよい。例えば、ユーザが指を窓部68にあてた状態においては、赤外撮像部123の撮像画像に基づいて、ユーザの心拍数を算出することができる。例えば、本体装置2は、リング型拡張装置5(および、ベルト型拡張装置6)を用いたゲーム操作としてフィットネス動作をユーザに行わせる場合において、フィットネス動作の前後の心拍数を右コントローラ操作データに基づいて算出するようにしてもよい。
一方、本体装置2においてゲーム処理が実行される場合、また、左コントローラ3の通信制御部101は、左コントローラ3に含まれる各入力部(具体的には、各ボタン103、アナログスティック32、各センサ104および105)から取得された情報を含む左コントローラ操作データを本体装置2へ送信する。上記の場合、右コントローラ4から本体装置2への通信は、無線通信によって行われる。
ここで、左コントローラ3はベルト型拡張装置6によってユーザの足に締着されているので、左コントローラ3の加速度センサ104は、ユーザの足の加速度を検出することができ、左コントローラ3の角速度センサ105は、ユーザの足の角速度を検出することができる。したがって、本体装置2は、各センサ104および105の検出結果を示す情報を含む左コントローラ操作データに基づいて、ユーザの足を動かす操作を特定することができる。なお、「ユーザの足を動かす操作」とは、ユーザの足を特定の位置および/または姿勢とする操作(例えば、ユーザに特定のポーズを取らせる操作)、および、ユーザの足の位置および/または姿勢を変化させる操作(例えば、ユーザがその場で足踏みする操作)を含む意味である。
ゲーム処理を実行する場合、本体装置2は、リング型拡張装置5を動かす操作と、リング型拡張装置5に装着された右コントローラ4に対する操作と、ユーザの足を動かす操作とをゲーム操作として受け付け、これらの操作に基づいてゲーム処理を実行する。具体的には、本体装置2は、各コントローラ3および4から受信される各操作データ(すなわち、リング操作データ、右コントローラ操作データ、および、左コントローラ操作データ)に基づいてゲーム処理を実行する。なお、ゲーム処理の内容は任意である。例えば、本体装置2は、ゲーム処理の結果を表すゲーム画像を生成して表示装置に表示させる。
図29は、本体装置2におけるゲーム処理において表示されるゲーム画像の一例を示す図である。図29においては、ユーザによって操作されるプレイヤキャラクタ311が配置された仮想空間を表すゲーム画像が表示装置に表示される。プレイヤキャラクタ311は、リング型拡張装置5を模したリングオブジェクト312を把持している。なお、ゲーム画像が表示される表示装置は、上述のディスプレイ12であってもよいし、本体装置2に接続された外部の表示装置であってもよい。
ゲーム処理において、本体装置2は、リング型拡張装置5を変形する操作が行われたことに応じて、プレイヤキャラクタ311の動作を制御する。例えば、本体装置2は、リング操作データに含まれる歪み値を示す情報に基づいて、リング型拡張装置5の変形の向きおよび変形量を算出する。そして、本体装置2は、リング型拡張装置5の変形に合わせてプレイヤキャラクタ311がリングオブジェクト312を変形させるように、プレイヤキャラクタ311の動作を制御する。
また、本体装置2は、リング型拡張装置5を動かす操作が行われたことに応じて、プレイヤキャラクタ311の動作を制御する。例えば、本体装置2は、右コントローラ操作データに含まれる各センサ114および115の検出結果を示す情報に基づいて、リング型拡張装置5の姿勢を算出する。そして、本体装置2は、仮想空間におけるリングオブジェクト312が、現実空間におけるリング型拡張装置5の姿勢に対応する姿勢となるように、プレイヤキャラクタ311がリングオブジェクト312を動かす動作を制御する。
また、本体装置2は、ユーザの足を動かす操作が行われたことに応じて、プレイヤキャラクタ311の動作を制御する。例えば、本体装置2は、左コントローラ操作データに含まれる各センサ114および115の検出結果を示す情報に基づいて、ユーザの足の傾きを算出する。そして、本体装置2は、プレイヤキャラクタ311の足が、算出されたユーザの足の傾きと一致するように、プレイヤキャラクタ311の動作を制御する。
以上のゲーム処理によれば、本体装置2は、リング型拡張装置5を曲げる、あるいは、スクワットを行う、といったフィットネス動作をユーザが行うことに応じて、ユーザと同じフィットネス動作を行うようにプレイヤキャラクタ311を制御することができる。
上記においては、ユーザがリング型拡張装置5を両手で把持して使用する態様を例として説明したが、リング型拡張装置5は、他の態様で使用することも可能である。例えば、ユーザは、2つの把持部206および207の一方を腹部に当てた状態で、他方を両手で把持し、2つの把持部206および207を近づける方向にリング型拡張装置5を曲げる操作を行うことも可能である。このような操作によって、ユーザは、腕の筋肉と腹筋とを鍛えるフィットネス動作をゲーム操作として行うことができる。また例えば、ユーザは、2つの把持部206および207をそれぞれ左右の足の内股に当ててリング型拡張装置5を挟んだ状態で、リング型拡張装置5を使用することも可能である。このとき、ユーザは、両足を閉じるように動かすことで、2つの把持部206および207を近づける方向にリング型拡張装置5を曲げる操作を行う。このような操作によって、ユーザは、足の筋肉を鍛えるフィットネス動作をゲーム操作として行うことができる。このように、リング型拡張装置5は、ユーザの全身の種々の部位の筋肉を鍛えるフィットネス動作を行うために利用することができる。
また、本体装置2によるゲーム処理によって実行されるゲーム内容は任意である。実行されるゲームは、例えば、ユーザにフィットネス動作を行わせ、フィットネス動作の評価結果(例えば、フィットネス動作を行った回数または時間、基準に近い動作を行うことができたか、および/または、消費カロリー等)を表示するゲームであってもよい。また例えば、実行されるゲームは、フィットネス動作の評価結果に応じて敵キャラクタにダメージを与えたり、アイテムを取得できたりするゲームであってもよい。
以上のように、本ゲームシステム1によれば、ゲームにおいてユーザにフィットネス動作を行わせることによって、フィットネス動作をゲーム操作として用いるゲームを行うことができる。
なお、2つの拡張装置5および6は、その一方のみがゲーム操作に用いられてもよいし、両方がゲーム操作に用いられてもよい。例えば、あるゲームにおいては、リング型拡張装置5とベルト型拡張装置6との両方がゲーム操作のために同時に用いられてもよい。また例えば、あるゲームにおいてはリング型拡張装置5がゲーム操作のために用いられ、別のゲームにおいてはベルト型拡張装置6がゲーム操作のために用いられてもよい。また例えば、ゲームにおけるある場面(例えば、戦闘場面)においてはリング型拡張装置5がゲーム操作のために用いられ、当該ゲームにおける別の場面(例えば、マップ上を移動する場面)においてはベルト型拡張装置6がゲーム操作のために用いられてもよい。
ゲーム処理において、本体装置2は、各コントローラ3および4に対する出力指示を行ってもよい。すなわち、本体装置2は、コントローラの振動子107または117を振動させたり、振動子107または117による振動によってコントローラから音を出力させたりするようにしてもよい。
また、拡張装置5および6は、本体装置2によるゲーム処理が実行中でない期間において利用可能であってもよい。例えば、上記期間において、右コントローラ4がリング型拡張装置5に装着された場合、リング型拡張装置5は、上記歪み値を示す情報に基づいて、リング型拡張装置5を変形させる操作を検出し、操作内容(例えば、リング型拡張装置5を変形させる操作が行われた回数、または、操作が行われた時間等)を示す情報を記憶してもよい。なお、上記情報は、リング型拡張装置5に記憶されてもよいし、右コントローラ4に記憶されてもよい。また、右コントローラ4は、リング型拡張装置5を変形させる操作が行われることに応じて、振動子117を用いて振動を発生させたり、音を出力したりするようにしてもよい。
上記のようにして操作内容を示す情報が記憶された場合、本体装置2は、その後に実行されるゲーム処理において、当該情報を取得し、当該情報に基づくゲーム処理を実行してもよい。例えば、本体装置2は、当該情報に基づいてゲームを進行させる(例えば、ユーザが次のゲームステージをプレイすることができるようにする、あるいは、プレイヤキャラクタが成長する)ようにしてもよいし、ゲーム上における特典をユーザに付与してもよい。
[3.本実施形態の作用効果および変形例]
上記実施形態においては、リング型拡張装置5は、下記の構成を備える。
・少なくとも一部が弾性変形可能な環状部201
・環状部201の変形を検出する検出部(すなわち、歪みゲージ245)
・環状部201に固定される本体部202
また、本体部202は、下記の構成を備える。
・ゲームコントローラ(すなわち、右コントローラ4)を装着可能な装着部(すなわち、レール部211)
・ゲームコントローラと電気的に接続するための端子(すなわち、端子294)
・検出部の検出結果に関するデータを、端子を介してゲームコントローラへ送信するための送信部(すなわち、処理部293)
上記の構成によれば、ユーザの操作による環状部の変形は、検出部の検出結果に関するデータとして、装置に装着されたゲームコントローラへ送信される。これによって、ゲームシステム1は、リング型拡張装置5の環状部201を変形させる操作をゲーム操作として用いることができるので、ユーザは、拡張装置に装着されたゲームコントローラを用いて、当該拡張装置を変形させるという新規な操作を行うことができる。
また、上記実施形態においては、リング型拡張装置5は、下記の構成を備える入力装置であると言うことができる。
・環状であって、少なくとも一部が弾性変形可能な環状部201
・環状部が変形したことを検出するための検出部(すなわち、歪みゲージ245)
・環状部に設けられ、ユーザが把持するための把持部206および207
・検出部の検出結果に関するデータを他の装置(例えば、右コントローラ4)へ送信する送信部
上記の構成によっても、ゲームシステム1は、リング型拡張装置5の環状部201を変形させる操作をゲーム操作として用いることができるので、ユーザは、拡張装置に装着されたゲームコントローラを用いて、当該拡張装置を変形させるという新規な操作を行うことができる。
なお、上記入力装置の送信部は、右コントローラ4へデータを送信するものであってもよいし、本体装置2へデータを送信するものであってもよい。例えば、他の実施形態においては、リング型拡張装置5は、右コントローラ4を介さずに本体装置2と直接通信を行うものであってもよい。また、上記入力装置の送信部は、他の装置へデータを有線で送信するものであってもよいし、無線で送信するものであってもよい。
また、上記入力装置は、ゲームコントローラを装着するための装着部(例えば、レール部211)を備えていなくてもよい。他の実施形態においては、上記実施形態におけるリング型拡張装置5および右コントローラ4に代えて、装着部を備えていない入力装置が用いられてもよい。このとき、上記送信部は、上記データを本体装置2へ送信するものであってもよい。
また、上記実施形態において、リング型拡張装置5は、下記の構成を備える入力装置であると言うことができる。
・第1端部および第2端部を有し、少なくとも一部が弾性変形可能な弾性部材241
・自身と弾性部材241とによって環が形成されるように当該弾性部材241の両端部を保持する台座部242
・台座部242に設けられ、ユーザの入力に応じて弾性部材241が変形したことによって当該台座部242に生じた歪みを検出する歪みゲージ245
上記の構成によれば、ユーザが入力装置の弾性部材241を変形させることに応じて、弾性部材241の変形によって台座部242に生じた歪みが検出される。これによって、ゲームシステム1は、入力装置の弾性部材241を変形させる操作をゲーム操作として用いることができるので、ユーザは、入力装置を変形させるという新規な操作を行うことができる。また、上記の構成によれば、歪みゲージ245が台座部242に設けられるので弾性部材241の変形によって歪みゲージ245が破損する可能性を低減することができる。
(環状部の形状に関する変形例)
上記実施形態においては、ユーザの操作によって曲げられる部分は環状部201であった。ここで、ユーザの操作によって曲げられる部分の形状は、環状に限らず、任意の形状であってもよい。例えば、上記実施形態の変形例においては、ユーザが曲げる操作を行うための拡張装置は、次のような構成であってもよい。
図30は、本実施形態の変形例における拡張装置の一例を示す図である。図30に示すように、変形例に係る拡張装置321は、全体として環状の形状を有していない。拡張装置321は、本体部322と、第1弾性部材323および第2弾性部材324とを備える。
本変形例における本体部322の構成は、上記実施形態における本体部202の構成と同じである。また、本変形例においても上記実施形態と同様、本体部322の内部には、台座部が設けられる。台座部は、各弾性部材323および324を保持する。本変形例における台座部の構成は、上記実施形態における本体部202の構成と同じである。
各弾性部材323および324は、上記実施形態と同様の板状(棒状とも言える)の形状を有する。各弾性部材323および324は、弾性変形可能な材質(例えば、上述のFRP)で構成される。第1弾性部材323は、台座部の左開口に挿入された状態で台座部によって保持される。第2弾性部材324は、台座部の右開口に挿入された状態で台座部によって保持される。なお、本変形例において台座部が各弾性部材323および324を保持する方法は、上記実施形態における方法と同じである。
上記のように、本変形例における拡張装置321は、弾性部材の形状が異なる点で上記実施形態と相違する。本変形例における拡張装置321においても上記実施形態と同様、ユーザは弾性部材を曲げる操作を行うことができる。拡張装置321は、曲げる操作によって台座部に生じた歪みを、台座部に設けられた歪みゲージによって検出することができる。したがって、本体装置2は、拡張装置321によって検出された歪み値を示す情報を、拡張装置321に装着された右コントローラ4を介して受信し、歪み値に基づいて、上記の曲げる操作を特定することができる。
なお、拡張装置321は、各弾性部材323および324に設けられるグリップカバーをさらに備えていてもよい。すなわち、各弾性部材323および324には、台座部に保持される側の反対側の端部にグリップカバーがそれぞれ設けられてもよい。本変形例においても上記実施形態と同様、グリップカバーは、弾性部材に対して着脱可能であってもよいし、着脱不可能な方法で環状部に対して接着されていてもよい。
以上より、上記変形例における拡張装置321は、下記の構成を備える入力装置であると言うことができる。
・歪みゲージ
・歪みゲージが取り付けられた台座部
・ユーザの一方の手で把持される第1弾性部材323
・第1弾性部材323とは別体であり、ユーザの他方の手で把持される第2弾性部材324
また、台座部は、第1部分(上記実施形態における、外板部251)と、当該第1部分に対向して設けられる第2部分(上記実施形態における、内板部252)とを有する。台座部は、第1弾性部材の一端および第2弾性部材の一端が第1部分と第2部分との間にそれぞれ挟まれた状態で当該第1弾性部材および当該第2弾性部材を保持する。
上記の構成によっても上記実施形態と同様、ユーザは、拡張装置に装着されたゲームコントローラを用いて、当該拡張装置を変形させるという新規な操作を行うことができる。
また、上記変形例においては、第1弾性部材323は、当該第1弾性部材323のうちで第1部分の端部と第2部分の端部とに挟まれる部分が、当該第1部分に近づく向き(すなわち、上向き)と当該第2部分に近づく向き(すなわち、下向き)とに弾性変形可能である。第2弾性部材324は、当該第2弾性部材324のうちで第1部分の端部と第2部分の端部とに挟まれる部分が、当該第1部分に近づく向きと当該第2部分に近づく向きとに弾性変形可能である。したがって、上記変形例においても上記実施形態と同様、各弾性部材323および324が変形した場合に、台座部が弾性部材から受ける力を上記第1部分と上記第2部分とに分散することができる。
なお、上記変形例においては、2つの弾性部材323および324は、棒状であり、台座部から水平方向(すなわち、X軸方向)よりやや下方に延びるように設けられた。ここで、他の実施形態においては、弾性部材の形状は任意の形状であってよい。例えば、他の実施形態においては、2つの弾性部材が一直線状に延びるように設けられてもよいし、2つの弾性部材および本体部がU字状となる形状であってもよい。さらに、2つの弾性部材323および324は、本体部322によって保持される側と反対側の端部において互いに繋がっており、拡張装置が全体として弓型に構成されてもよい。このとき、ユーザは、2つの弾性部材323および324を繋ぐ部材(弾性部材323および324と同じ材質であってもよいし、異なる材質であってもよい)を、弓の弦のように引っ張る操作を行うことも可能である。また、他の変形例においては、本体部322の左端から弾性部材が上方および下方の2方向へ延びるとともに、本体部322の右端から弾性部材が上方および下方の2方向へ延びるように構成され、拡張装置が全体としてH型に構成されてもよい。このとき、ユーザは、4方向に延びる弾性部材のいずれかを把持して変形させる操作を行うことができる。
他の実施形態においては、上記変形例における2つの弾性部材323および324は、一体として構成されてもよい。すなわち、拡張装置321は、下記の構成を備える入力装置であってもよい。
・少なくとも一部が弾性変形可能な弾性部材
・自身の一端から弾性部材が延び、自身の他端から当該弾性部材が延びるように、当該弾性部材を保持する台座部
・台座部に設けられ、ユーザの入力に応じて弾性部材が変形したことによって当該台座部に生じた歪みを検出する歪みゲージ
上記の構成によっても上記実施形態と同様、ユーザは、拡張装置に装着されたゲームコントローラを用いて、当該拡張装置を変形させるという新規な操作を行うことができる。
また、上記変形例における拡張装置321は、下記の構成を備える装置であると言うことができる。
・ユーザの一方の手で把持される第1把持体(例えば、弾性部材323のうちユーザが左手で把持する部分)
・ユーザの他方の手で把持される第2把持体(例えば、弾性部材324のうちユーザが右手で把持する部分)
・第1把持体と第2把持体とに加えられた力によって変形する変形部(例えば、弾性部材323および324のうち、上記第1把持体および第2把持体以外の部分)
・変形部の変形を検出する検出部(例えば、歪みゲージ)
・第1把持体と前記第2把持体との間に設けられる本体部322
ここで、上記本体部322は、下記の構成を備える。
・ゲームコントローラ(すなわち、右コントローラ4)を装着可能な装着部(すなわち、レール部211)
・ゲームコントローラと電気的に接続するための端子(すなわち、端子294)
・検出部の検出結果に関するデータを、端子を介してゲームコントローラへ送信するための送信部(すなわち、処理部293)
さらに、本体部322は、拡張装置を正面視したときに第1把持体および第2把持体よりも正面視方向の一方側または他方側に突出する突出部を有し、装着部は突出部に設けられる。
上記の構成によっても上記実施形態と同様、ユーザは、装置に装着されたゲームコントローラを用いて、当該装置を変形させるという新規な操作を行うことができる。また、上記の構成によれば、変形部が変形した場合に変形部が装着部に接触しにくくすることができ、変形部が装着部に接触することで装置からゲームコントローラが外れてしまう可能性を低減することができる。
なお、上記の構成における「正面視方向」とは、変形部が変形する方向を含む平面に対して垂直な方向(例えば、図30に示すZ軸方向)である。なお、変形部が、特定の一方向およびその逆方向に限らず、任意の方向に変形可能である場合、「変形部が変形する方向」とは、例えば、変形部が変形可能な方向のうちで、変形部に対して一定の力を加えた場合に変形量が最大となる方向である。あるいは、「変形部が変形する方向」とは、ユーザが当該拡張装置を把持した状態において当該拡張装置に力を加えて変形させるに際し、最も自然な変形方向であると言ってもよい。
また、上記の構成において、本体部は、上記実施形態と同様、孔が形成された筐体を含み、第1把持体および第2把持体がそれぞれ当該孔を通る状態で当該筐体が当該第1把持体および前記第2把持体の一部を覆うように形成される。また、装着部は、装置を正面視したときに孔よりも正面視方向の一方側または他方側に設けられる。したがって、変形部が装着部に接触する可能性をより低減することができる。
(拡張装置にゲームコントローラを装着させる方法に関する変形例)
上記実施形態および変形例においては、拡張装置と右コントローラ4とは、それぞれが備えるスライド部(すなわち、レール部またはスライダ)同士がスライド可能に係合することによって、拡張装置に右コントローラ4を装着される。ここで、他の実施形態においては、拡張装置に右コントローラ4を装着させるための構成(換言すれば、方法)は、任意である。例えば、他の実施形態においては、拡張装置は、爪部を備えており、当該爪部を右コントローラ4に掛止させることによって、拡張装置に当該右コントローラ4を取り外し可能に装着してもよい。このとき、右コントローラ4に掛止する上記爪部が上述の装着部であるということができる。また例えば、他の実施形態においては、本体部は、右コントローラ4の主面と裏面とを挟持する挟持部を備えていてもよい。このとき、右コントローラ4を挟持する上記挟持部が上述の装着部であるということができる。
(ゲームコントローラと拡張装置との通信に関する変形例)
上記実施形態および変形例においては、拡張装置は、端子を介して(すなわち、有線で)右コントローラ4へ情報を送信した。ここで、他の実施形態においては、拡張装置は、右コントローラ4と無線通信を行う無線通信部を備えてもよく、無線通信部によって上記情報が右コントローラ4へ送信されてもよい。
(曲げる操作の検出方法に関する変形例)
上記実施形態および変形例においては、ゲームシステム1は、環状部(換言すれば、弾性部材)が変形したことを検出するための検出部として、歪みセンサを用いた。ここで、他の実施形態においては、上記検出部の構成は任意であり、他の種類のセンサが用いられてもよい。例えば、拡張装置は、上記検出部として、感圧センサ、および/または、曲げセンサを備えていてもよい。感圧センサは、例えば、台座部が弾性部材から受ける圧力を検出する。このとき、検出される圧力値に基づいて、弾性部材が曲げられた量を算出することができる。また、曲げセンサは、弾性部材に設けられ、弾性部材が曲げられた量を検出する。以上のように、環状部が変形したことを検出するための検出部は、変形量を検出するものであってもよいし、変形によって生じる他の物理量(例えば、歪み量または圧力)を検出するものであってもよい。