JP2020534369A - ストレス誘発性代謝異常の軽減における使用のためのバナジル及びバナジン酸塩 - Google Patents

ストレス誘発性代謝異常の軽減における使用のためのバナジル及びバナジン酸塩 Download PDF

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Abstract

本発明は、対象におけるストレス誘発性代謝異常の予防又は寛解における、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物若しくは複合体、例えば、ビス(マルトラト)オキソバナジウム(BMOV)等の使用に関する。さらに詳細には、本発明は、心的外傷によって誘発される等の、ストレスを受けている対象における高血糖の寛解における使用のための生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物若しくは複合体に関し、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物若しくは複合体は、心的外傷が、対象に与えられる前に、前記対象に投与される。【選択図】 なし

Description

発明の分野
本発明は、対象におけるストレス誘発性代謝異常の予防又は寛解における、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物若しくは複合体、例えば、ビス(マルトラト)オキシドバナジウム(BMOV)等の使用に関する。さらに詳細には、本発明は、心的外傷によって誘発される等の、ストレスを受けている対象における高血糖の寛解における使用のための生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物若しくは複合体に関し、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物若しくは複合体は、心的外傷が対象に与えられる前に、前記対象に投与される。さらに、本発明は、心的外傷を有する対象における高血糖の予防における使用のための生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物若しくは複合体に関し、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物若しくは複合体は、対象が心的外傷を有する前に、前記対象に投与される。一実施形態では、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物若しくは複合体は、外科手術に関連した心的外傷によって誘発される高血糖の予防又は寛解のために、前記ヒト対象が、外科手術を受ける0〜96時間前に、好ましくは、2〜24時間前に、ヒト対象に投与される。本発明の部分は、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物若しくは複合体が、かかる化合物又は複合体が投与される患者における、バナジル又はバナジン酸塩の出発素材であることである。
発明の背景
代謝異常は、対象に曝露されたストレスの重要及び一般的な特徴である。対象において代謝異常を誘発するかかるストレスの例としては、外傷に関連したストレス、身体の照射への曝露、例えば、がんの治療における放射線療法等、及び例えば、身体の(一部)の撮像の目的のための造影液又は造影剤の対象への投与である。例えば、心的外傷が、対象、例えば、ヒト対象等において与えられるとき、血漿中の代謝性異常が同定され、この異常は、心的外傷によって引き金が引かれ、例えば、ショック、例えば、出血性ショック等によりさらに引き金が引かれる。異化反応、アシドーシス及び高血糖に伴う代謝産物の変質は、同定されている。例えば、心的外傷は、重度代謝異常の引き金を引き、その結果、グルコースレベルを上昇させ、最終的に、その中でもとりわけ、かかるストレス性の事象を経験している対象の血漿中の高血糖をもたらすおそれがある。ストレス後の生化学的不均衡、例えば、心的外傷に関連したストレスなどの従来の測度によって、患者の転帰と相関することが示されている。異化反応、アシドーシス、及び結果として生じる高血糖に伴うインスリン抵抗性は、心的外傷後の二次的損傷に寄与する、定義された代謝表現型(代謝型)の例である。
ストレス高血糖(ストレス糖尿病又は損傷の糖尿病とも呼ばれる)は、病気又は心的外傷のストレスによる血糖の一過性の上昇を意味する。かかる高血糖は、心的外傷を受けている患者又は例えば、患者において心的外傷を与える外科手術、放射線療法、感染症の獲得、医薬の投与、精神的ストレスを受けた患者における重要な課題である。高血糖は、罹患率及び死亡率の増加と関係することが示されている。述べた通り、例えば、心的外傷患者における高血糖は、ストレスに対する異化亢進の応答により引き起こされる。ストレス誘発性高血糖は、血糖値の上昇に苦しむ患者において、多数の健康を脅かす影響の根底となる。高血糖は、例えば、両方のカルシウム不均衡の増悪及びニューロン中の活性酸素種(ROS)の蓄積が関与し、アポトーシスを増加させ;嫌気的エネルギー産生を増幅させ、乳酸アシドーシスを引き起こし、これは、境界域においてニューロンにさらにストレスを加え;一酸化窒素(NO)の利用能を低下させることにより虚血性脳卒中後血液灌流を減少させ、これは、血管拡張の決定的なメディエーターであり;脳卒中後に炎症応答を増強し、浮腫、及び血液脳関門の破壊による出血並びに白質の分解を引き起こし、これによって、機能的帰結の低下がもたらされる。
手術患者は、異化亢進のストレス応答に関連した高血糖を一般に発現し、これによって、グルコース産生が増加され、インスリン抵抗性が引き起こされる。高血糖が、転帰の悪化と関係するが、インスリン注入による高血糖の治療は、一貫した利益をもたらさない。死亡率の低下及び比較的に厳重なグルコース制御の他の利点が示唆される、第1の結果にもかかわらず、さらなる調査では、利益がまったく同定されず又は高血糖が、インスリンにより積極的に治療された場合、死亡率が増加した。これらの相反するデータのため、転帰を改善する最適なグルコース濃度は、知られていない。しかしながら、低血糖が、強化インスリン療法の望ましくない合併症であることは一致しており、避けるべきである。さらに、転帰の悪化についての関連するリスクの増加のために、グルコースの可変性の増加のリスクは認識される。
ストレス高血糖は、高張性脱水症を伴う患者において、カテコールアミンレベルの上昇(例えば、エピネフリンによる急性喘息の救急治療部の処置後)を伴う患者において、コルチコステロイド又は成長ホルモンのようなホルモンレベルの増加を伴う患者において、及び失血、心的外傷又は身体的な若しくは感染性の発作後の心拍数の増加及び/又は血圧の低下を伴う患者において、特に共通しているが、例えば、虚血性ストレス、例えば、脳卒中等、より多くの例がある。ストレス高血糖は、外科手術後に術後感染性合併症についてのリスクを増加させる。例えば、急性心筋梗塞に罹患している対象は、血糖値が、180mg/dLを超えて存在し得、高レベルは、うっ血性心不全又は心原性ショックのリスクの増加を伴う。さらに、急性脳卒中、すなわち、脳卒中の急性期は、高血糖を伴い、高血糖は、非糖尿病患者における転帰不良の予測因子として確立されている。入院患者の場合、高血糖は、集中治療室における入院中の死亡率の独立的なマーカーであっただけでなく、一般病棟に入院した患者における独立的なマーカーであったことがやはり明らかになっている。全死亡率は、糖尿病患者(3%)及び正常血糖の患者(1.7%)においてよりも、かかる高血糖を伴う患者(16%)において有意に高い。
重症の病気の間、ストレス高血糖を経験している人は、その後数年間に糖尿病を発生する3倍のリスクがあり、これは、重大な病気の生存者において糖尿病についてのスクリーニングに適している。
ストレスに曝露された対象、例えば、手術患者等における高血糖の発生に関する及び手術患者における非常に厳重なグルコースレベル管理による低血糖のその後の発生についてのリスクに関する上記の概略した問題から、心的外傷が与えられる患者における高血糖の治療に関するケアの現在の標準が、決して最適でないことは明らかである。かかる対象が、代謝異常を誘発するストレスを受けている間、又はその後まもなく、ケアの現在の標準は、対象の血液中のグルコースレベルの管理にさらに集中するため、したがって、ほとんどの場合における血液中のグルコースレベルの管理は、既存の高血糖の治療に関する。
したがって、代謝性の変質及び患者の健康へのストレス−及び心的外傷によって誘発される処置の重症度に合わせて仕立てられた治療戦略を設計するように、ストレスが誘発される患者、例えば、患者に心的外傷を与える外科手術を受けた患者において、代謝異常を制限する治療の様式を開発するための必要性が高い。特に、心的外傷の結果としての高血糖の甚大な結果は、高い注目を要し、したがって、特に、心的外傷、例えば、外科手術に関連する心的外傷を受けた患者における高血糖の課題の解決は、大いに必要とされる。
患者におけるストレス誘発性代謝異常に関連する高血糖の管理のためのケアの現在の標準は、患者が、ストレス、例えば、病気に関連する又は外科的手段の間心的外傷に関連するストレスに曝露され始めた後、患者における血糖値の低下に焦点を合わせている。次いで、既にストレスを与えられた高血糖の治療は、グルコースレベルが患者の血液中で正常に低下する前の高血糖状態により患者において既に引き起こされた損傷のリスクを有する、及び/又はグルコースレベルが、低血糖が誘発される程度まで低下するように、非常に不快であるリスクを有する。
本発明の第1の態様は、ストレスを受けた患者におけるストレス誘発性代謝異常の予防又は軽減において使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体を含む並びに薬学的に許容される添加剤をさらに含む医薬組成物に関する。ストレスは、患者における生理的緊張の状態を誘発し、ストレスは、物理的性質のもの(例えば、心的外傷、感染症、放射線療法)及び/又は精神的起源(例えば、急性の苦悶、対象の肉体的−又は精神的な健全性への将来の脅威への曝露)のものである。好ましくは、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体は、インスリン−模倣バナジウム化合物である。好ましくは、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体は、ビス(マルトラト)オキシドバナジウム(BMOV)である。また、本発明によれば、本発明の使用のための生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体は、化合物又は複合体が前記対象へ投与された後、対象、例えば、ヒト対象の身体においてバナジン酸塩部分又はバナジル部分を提供することが可能な化合物又は複合体である。
対象、例えば、ヒト対象などが、対象がストレスに曝露される間、対象の血液中のグルコースレベルが、高い範囲まで上昇しないように及び高血糖が起こらないように、予防的手段、すなわち、対象がストレスに曝露される前に、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体を含む医薬組成物の投与を受けることができるということは、現在、本発明者らの寄与によるものである。
一実施形態では、患者がストレスを受ける前に、医薬組成物は、患者に投与される。
一実施形態では、本発明による使用のための医薬組成物は、ストレスを受けた患者におけるストレス誘発性代謝異常の予防又は軽減における使用用であり、代謝異常は、高血糖を含み、好ましくは、代謝異常は、高血糖である。
外科手術に関連する心的外傷は、患者において高血糖を負わせるおそれがあるストレスの代表的なタイプであり、前記高血糖は、患者に、損傷、時折、さらに非可逆的な損傷をもたらす。したがって、一実施形態では、患者が、ストレスに曝露される、例えば、外科手術を受ける前に、医薬組成物は、患者に投与される。ストレスのさらなるタイプは、本発明による、例えば、医療処置により引き起こされる心的外傷、医原性の損傷により引き起こされる心的外傷、及び/又は感染症、1種又は複数の医薬(複数可)の投与、生命を脅かす状態による長期若しくは短期の急性の心理ストレス、例えば、潜在的に生命を脅かす状態及び事故のうちの1つ又は複数により引き起こされるストレスである。
通常、本発明によれば、本発明による使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物は、例えば、外科手術の0h〜96h前に対象に投与される、例えば、外科手術の約16h〜24h、又は約16h〜20h前に及び2度目は前記外科手術の約3h前に2回投与される。
一実施形態では、本発明による使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物は、ストレスを受けようとする対象、例えば、外科手術を経験する対象に、経口又は非経口、例えば、静脈内又は腹腔内又は皮下又は筋肉内又は皮内投与される。
一実施形態では、患者が、ストレスを受ける3h〜0分前の時点で前記患者の血液中のグルコース含有量と比較して、好ましくは、患者が、ストレスを受け始める時点での患者の血液中のグルコース含有量と比較して、患者が、ストレスを受ける期間の最初の1〜8時間の間、好ましくは、患者が、ストレスを受ける期間の最初の約3時間の間の前記患者の血液中のグルコース含有量の増加が、約−25%〜約100%の間、好ましくは、約0%〜約75%の間、より好ましくは、約5%〜約65%の間、最も好ましくは、約30%であるように、本発明による使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物が、患者に投与される。
本発明の第2の態様は、本発明による使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物のうち少なくとも2回投与量を含む容器を備える部品のキットであり、本キットは、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物の使用のための指示をさらに備え、ストレスを受けるようになる患者における、ストレス誘発性代謝異常(ストレスは、患者において生理的緊張の状態を誘発する)の予防又は軽減において、前記容器中に提供される。
述べたように、ストレスを受けた患者においてストレス誘発性代謝異常の予防又は軽減において用いられる場合、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物若しくは複合体が、かかる化合物又は複合体が投与される患者においてバナジル又はバナジン酸塩の出発素材であることはやはり本発明の一部である。
定義
用語「ストレス」は、Dorland’s Pocket Medical Dictionary、第26版において概略されたものなど、その通常の科学的意味を有し、本明細書で、ストレス反応及び/又は生物、本明細書で対象、例えば、ヒト対象などの機能性を妨げる生理的緊張の状態を誘発する内部又は外部の有害な身体的及び/又は精神的刺激を意味する。
用語「代謝異常」は、その通常の科学的な意味を有し、本明細書で、その中でもとりわけ、血糖、乳酸アシドーシス及び高脂血症を意味する。
用語「高血糖」は、Dorland’s Pocket Medical Dictionary、第26版において概略されたものなど、その通常の科学的意味を有し、本明細書で、血液中のグルコースの含有量の異常な増加を意味する。
用語「心的外傷」は、その通常の科学的な意味を有し、本明細書で、対象の身体、例えば、ヒト対象への損傷を意味する。通常、損傷は、例えば、感染症、外科手術、事故、脳卒中及び/又は虚血によって引き起こされる内部の損傷、急性の臓器不全に至る内部の状態に起源を持つ対象の身体への損傷を意味する。
本明細書で使用される場合、用語「添加剤」は、その従来の意味を有し、配合物、例えば、経口投与、皮内投与、静脈内投与用の製剤(dosage formulation)などを調製するための、製薬技術において一般に用いられる薬学的に許容される成分を意味する。
本明細書で使用される場合、用語「医薬組成物」は、その従来の意味を有し、薬学的に許容される組成物を意味する。
本明細書で使用される場合、用語「薬学的に許容される」は、その従来の意味を有し、化合物、材料、組成物及び/又は剤形を意味し、過度の毒性、刺激性、アレルギー反応及び他の問題、妥当な利益/危険比での合併症がなく、哺乳動物、特に、ヒトの組織との接触に適した信頼できる医学的判断の範囲内である。
「ビス(マルトラト)オキソバナジウム」は、「ビス(マルトラト)オキソバナジウム(IV)」及び「ビス(マルトラト)オキソ−バナジウム」及び「ビス(マルトラト)オキシドバナジウム」とも称され、「BMOV」は、要約すれば、図7において概略された分子構造を有するバナジウム(IV)複合体を意味する。
「ビス(エチルマルトラト)オキソバナジウム(IV)」及び「ビス(エチルマルトラト)オキシドバナジウム(IV)」及び「ビス(エチルマルトラト)オキシドバナジウム」、「BEOV」は、要約すれば、図8において概略された分子構造を有するバナジウム(IV)複合体を意味する。
アドレナリン/生理的食塩水及びBMOV/ビヒクル投与の場合並びに血液採取の場合の実験デザインを示す図である。アドレナリン注入又は生理的食塩水注入の開始の120分後に開始したBMOV投与量1を示す図である。 低、中間及び高用量のアドレナリン注入の投与後の血糖値(平均+/−SEM)(n=4〜5匹/群)を示す図である。 シリーズ2における血糖値(平均+/−SEM)(n=ラット1〜2匹/群)を示す図である。 アドレナリン投与及びBMOV投与並びに血液採取に適用される実験デザインを示す図である。アドレナリン注入の投与量は、0.3マイクログラム/kg/分であった。 ストレス性の発作の発生前(本明細書で、t=0分に開始するアドレナリンの注入)のBMOVによる前処置している対象(ストレスの発生の3h前、又は16〜24時間において、その後、ストレスの発生の3h前)は、ストレスを受けている対象における高血糖の発生の驚くべき高い軽減を示す図である。 ストレス性の発作の発生前(本明細書で、t=0分に開始するアドレナリンの注入)のBMOVによる前処置している対象(ストレスの発生の3h前、又は16〜24時間において、その後、ストレスの発生の3h前)は、ストレスを受けている対象における高血糖の発生の驚くべき高い軽減を示す図である。本明細書で、ストレスに曝露された対象の血液中のグルコースレベルは、アドレナリン注入の開始の180分後の時点で示される。 ビス(マルトラト)オキソバナジウム(BMOV)の分子構造を示す図である。 ビス(エチルマルトラト)オキソバナジウム(IV)(BEOV)の分子構造を示す図である。
発明の詳細な説明
本発明は、詳細な実施形態に関して及びいくつかの例に関連して記載されるが、本発明は、それに限定されないが、特許請求の範囲によってのみ限定される。
さらに、様々な実施形態は、「好ましい」と称されるが、本発明の範囲を限定するものでなく、本発明が実施され得る模範的な手法と解釈されるものである。
特許請求の範囲に用いられる、用語「含む(comprising)」は、その後、列挙される要素又はステップに限定されるものと解釈すべきでなく;これは、他の要素又はステップを除外しない。言及された通り、定まった特徴、整数、ステップ又は構成成分の存在を指定すると解釈されることが必要であるが、1種又は複数の他のそれらの特徴、整数、ステップ又は構成成分、若しくは群の存在又は付加を除外するものと解釈する必要はない。したがって、「A及びBを含む組成物」という表現の範囲は、むしろ本発明に関して、構成成分A及びBのみからなる組成物に限定されるべきではなく、組成物の列挙した構成成分が、A及びBであるに過ぎず、さらに、特許請求の範囲は、これらの構成成分の相当物、例えば、これらの誘導体を含めるものと解釈されるべきである。
本明細書で使用される場合、用語「may」は、単語「can」を包含し、用語「may be」は、文脈に応じて、単語「is」又は「are」を包含する。さらに、単語「may」の存在は、限定されずに、本開示を実行する又は実施するための選択肢を説明することを意図している。
上述の生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、バナジウムに基づいたインスリン−模倣体又は例えば、BMOVなどの他に、本発明による医薬組成物はまた、薬学的に許容される添加剤を含む。
本発明の医薬組成物の経口投与の目的のために、そのような添加剤は、顆粒化、固形若しくは液体経口製剤を調製するための製薬技術において一般的に用いられる成分から選ばれる。同様に、そのような添加剤は、静脈内投与、筋肉内投与などのための配合物を調製するための製薬技術において一般に用いられる成分から選ばれる。
添加剤のカテゴリーの例には、それだけに限らないが、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、グラダント、充てん剤及び賦形剤が含まれる。本発明の医薬組成物の経口投与の場合、当業者は、顆粒化の詳細な所望の特性に関する前述の添加剤のうちの1種又は複数を選択することができ、例えば、そこから、錠剤又は丸剤は、通常の実験により及びいかなる不当な負荷もなく生成される。用いられるそれぞれの添加剤の量は、当技術分野で通常の範囲内で変わり得る。参照によりすべて本明細書に組み込まれる次の参照は、医薬組成物、例えば、経口投与用の医薬組成物を配合するために用いられる技術及び添加剤を開示する。「The Handbook of Pharmaceutical Excipients」、第4版、Roweら編、American Pharmaceuticals Association(2003年);及び「Remington:The Science and Practice of Pharmacy」、第20版、Gennaro編、Lippincott Williams & Wilkins(2000年)を参照のこと。
発明の第1の態様は、ストレスを受けた患者におけるストレス誘発性代謝異常の予防又は軽減において使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体を含む並びに薬学的に許容される添加剤をさらに含む医薬組成物に関する。
本発明の一態様は、ストレスを受けた患者におけるストレス誘発性代謝異常の予防又は軽減において使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体を含む並びに薬学的に許容される添加剤をさらに含む医薬組成物に関し、本発明の使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体は、対象、例えば、ヒト対象などの身体においてバナジン酸塩部分又はバナジル部分を提供することが可能な化合物又は複合体であり、次は、化合物又は複合体は、前記対象に投与される。したがって、本発明によれば、本発明による使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体を含む医薬組成物は、医薬組成物が投与される対象の身体においてバナジル又はバナジン酸塩の出発素材である医薬組成物である。本発明によれば、本発明による使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体を含む医薬組成物の量は、前記量が、対象において、血漿曝露レベルが元素状態のバナジウム25ng/ml〜2500ng/mlの間、又はより好ましくは、100ng/ml〜1000ng/mlの間で提供されるように、前記対象に投与される。
一実施形態では、本発明による使用のための医薬組成物は、患者がストレスを受ける前に、患者に投与される。多くの場合では、何日及び何時に、対象、例えば、ヒト対象などが、ストレス、例えば、外科手術に関連する心的外傷によって与えられたストレスを受けるかが公知である。心的外傷が、対象に与えられるときについての知識のかかる状況は、本発明から恩恵を受ける機会を提供する。すなわち、例えば、外科手術を受ける対象は、ストレスが、対象に誘発される前の時点で、BMOVを含む医薬組成物が少なくとも1回投与量、好ましくは、2回投与量が投与される。次いで、このように、対象は、ストレスが誘発される期間の間に、例えば、外科手術中に代謝異常の発生が防止され、特に、外科手術を受ける対象は、本発明に従って高血糖に罹るのが防止される。以前に述べたように、血液中のグルコースレベルの上昇の防止又は減少によって、死亡率及び罹患率が改善され、したがって、これは、本発明の多くの利益の1つである。
したがって、本発明の一態様は、ストレスを受けた患者におけるストレス誘発性代謝異常の予防又は軽減における使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体を含む並びに薬学的に許容される添加剤をさらに含む医薬組成物に関し、医薬組成物は、患者がストレスを受ける前に、患者に投与される。本発明によれば、バナジウム化合物は、インスリン模倣体であり、好ましくは、バナジウム化合物は、BMOV及びBEOVから選択され、好ましくは、BMOVである。また、本発明によれば、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体は、化合物又は複合体が、対象、例えば、非糖尿病ヒト対象へ投与された後、前記対象、例えば、ヒト対象の身体においてバナジン酸塩部分又はバナジル部分を提供することが可能な化合物又は複合体である。本発明によれば、生理的に許容されるバナジウム化合物又はバナジウム複合体は、好ましくは、原子価が+4又は+5、すなわち、V4+又はV5+であるバナジウム陽イオンを含む化合物又は複合体である。好ましくは、バナジウム複合体又は化合物のバナジン酸塩部分は、V4+陽イオン又はV5+陽イオンであり、好ましくは、V5+である。好ましくは、バナジウム複合体又は化合物のバナジル部分は、V4+陽イオンである。
本発明によれば、本発明による使用のための医薬組成物によって構成される生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体は、BMOV、BEOV、インスリン模倣体、バナジルアセチルアセトネート(VAC)、対象、例えば、ヒトにおいて1型及び/又は2型糖尿病におけるインスリン−模倣体を実証している有機バナジウム化合物、糖新生の阻害、グルタミン酸脱水素酵素活性の減少、及び抗脂肪分解から選択される薬理活性を有する有機バナジウム化合物;硫酸バナジル(VS)、バナジル3−エチルアセチル−アセトネート(VET);オキソバナジウム、オルトバナジウム;金属を含む5−員環を形成する、隣接した炭素原子において、ケト及びエノール基を有するケト−エノール互変異性体、及び金属を含む6−員環を形成する、2つのケト基が、1個の炭素原子により分離されるベータジケトンからなる群から選択され、好ましくは、ケト−エノール互変異性体である、有機部分に共有結合されるバナジウム(IV)配位を含み、好ましくは、有機部分が、マルトール、2−ヒドロキシ−2,4,6−シクロヘプタトリエン−1−オン、3−ブロモ−2−ヒドロキシ−2,4,6−シクロヘプタトリエン−1−オン、2−ヒドロキシ−4−イソプロピル−2,4,6−シクロヘプタトリエン−1−オン、2−ヒドロキシ−4−メチル−2,4,6−シクロヘプタトリエン−1−オン、3−ヒドロキシ−1,2−ジメチル−4(1H)−ピリドン、3−エチル−2−ヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オン、3,4−ジヒドロキシ−3−シクロブテン−1,2−ジオン、エチル2−ヒドロキシ−4−オキソ−2−ペンテノン、2,3,5,6−テトラヒドロキシ−1,4−ベンゾキノン、2’,4’−ジヒドロキシ−2−メトキシアセトフェノン、4−ヒドロキシ−5−メチル−4−シクロペンテン−1,3−ジオン、2−クロロ−3−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−(4−ブロモフェニル)−3−ヒドロキシマレイミド、2−ヒドロキシ−3−メチル−2−シクロペンテン−1−オン、2’,3’,4’−トリヒドロキシアセトフェノン、フロイン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、マクルリン、6−(ピロリジノメチル)コウジ酸、α−アセチル−4−ヒドロキシ−β−(ヒドロキシメチル)−3−メトキシけい皮酸γ−ラクトン、4−ヒドロキシ−5−フェニル−4−シクロペンテン−1,3−ジオン、6−(モルフォリノメチル)コウジ酸、1−(4,5−ジメトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−2−ブテン−1−オン、プルプロガリン、2,3−ジヒドロキシ−1,4−フェナジンジオン、アリザリンオレンジ、1−ヒドロキシ−1−メチルナフタレン−2(1H)−オン、アリザリン、6−(ピペリジノメチル)コウジ酸、1,2,7−トリヒドロキシアントラキノン、6−(4−メチルピペラジノメチル)コウジ酸、フィセチン、3−オキソ−4,5,6−トリヒドロキシ−3(H)−キサンテン−9−プロピオン酸、安息香、4’−クロロ安息香、ケルセチン、モリン、ミリセチン、及び4,4’−ジメチル安息香からなる群から選択され、より好ましくは、有機部分が、マルトール又はβジケトンであり、有機部分が、アセチルアセトン、2−アセチル−1−テトラロン、ベンゾイルアセトン、1−ベンゾイルアセチルアセトン、1,1,1−トリフルオロ−2,4−ペンタンジオン、S−メチル−4,4,4−トリフルオロ−3−オキソチオブチレート、2−アセチル−1,3−シクロペンタンジオン、3−クロロ−2,4−ペンタンジオン、1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオン、3−ウレイドメチレン−2,4−ペンタンジオン、2−アセチルシクロペンタノン、2−アセチルシクロヘキサノン、3−メチル−2,4−ペンタンジオン、2,4,6−ヘプタトリオン、3−エチル−2,4−ペンタンジオン、チアノイルトリフルオロアセトン、S−t−ブチル−アセトチオアセテート、3−アセチル−5−メチルヘキサン−2−オン、3−アセチル−2−ヘプタノン、2,2−ジメチル−6,6,7,7,8,8,8−ヘプタフルオロ−3,5−オクタンジオン、4−ヒドロキシ−5−フェニル−4−シクロペンテン−1,3−ジオン、4,4,4−トリフルオロ−1−フェニル−1,3−ブタンジオン、3−アセチル−2−オクタノン、1(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−1,3−ブタンジオン、1−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−1,3−ブタンジオン、3−ベンジリデン−2,4−ペンタンジオン、1−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−1,3−ペンタンジオン、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン、3−アセチル−5−ヒドロキシ−2−メチルクロモン、(+)−3−(トリフルオロアセチル)カンファー、4,9−ジヒドロ−6−メチル−5H−フロ(3,2−g)(1)ベンゾピラン−4,5,9−トリオン、3−(2−ニトロベンジリデン)−2,4−ペンタンジオン、1,3−ビス−(4−クロロフェニル)−1,3−プロパンジオン、1,3−ビス−(4−フルオロフェニル)−1,3−プロパンジオン、4,4,4−トリフルオロ−1−(2−ナフチル)−1,3−ブタンジオン、1−(2−ヒドロキシフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−1,3−プロパンジオン、2−ブロモ−1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオン、ジベンゾイルメタン、2−(4−クロロベンジリデン)−1−フェニル−1,3−ブタンジオン、2−(2−ニトロベンジリデン)−1−フェニル−1,3−ブタンジオン、ビス(4−メトキシベンゾイル)メタン、及びクルクミンからなる群から選択され、好ましくは、有機部分が、2−アセチル1−テトラロンであり;バナジウム(V)金属イオンを含む配位−共有複合体、金属イオンに配位−共有結合されたオキソ基、金属イオンに配位−共有結合された2つのペルオキソ基、及び配位−共有結合によって電子を供与することが可能な少なくとも1つのN−含有若しくはO−含有官能基によって金属イオンに配位−共有結合された少なくとも1つの有機部分であり、配位−共有複合体は、(1,10−フェナントロリン)(オキソジペルオキソバナジウム(V)、オキサラト−オキソジペルオキソバナジウム(V)、(2,2’−ビピリジン)オキソジペルオキソバナジウム(V)、(4,7−ジメチル−1,10−フェナントロリン)オキソジペルオキソバナジウム(V)、(3,4,7,8−テトラメチル−1,10−フェナントロリン)オキソジペルオキソバナジウム(V)、(ピリジン−2−カルボン酸)オキソジペルオキソバナジウム(V)、(5−ヒドロキシピリジン−2−カルボン酸)オキソジペルオキソバナジウム(V)、(ピリジン−2,6−ジカルボン酸)オキソジペルオキソバナジウム(V)、及びこれらの誘導体からなる群から選択され、好ましくは、配位−共有複合体は、(1,10−フェナントロリン)オキソジペルオキソバナジウム(V)であり;バナジウム(V)金属イオンを含む配位−共有複合体、金属イオンに配位−共有結合されたオキソ基、金属イオンに配位−共有結合された1つのペルオキソ基、及び配位−共有結合により電子を供与することが可能な少なくとも1つのN−含有若しくはO−含有官能基によって金属イオンに配位−共有結合された少なくとも1つの有機部分であり、配位−共有複合体は、(ピリジン−2,6−ジカルボキシラト)(ヒドラト)オキソペルオキソバナジウム(V)であり;(1,10−フェナントロリン)オキソジペルオキソバナジウム(IV)、オキサラトオキソジペルオキソバナジウム(V)、(2,2’−ビピリジン)オキソジペルオキソバナジウム(V)、(4,7−ジメチル−1,10−フェナントロリン)オキソジペルオキソバナジウム(V)、(3,4,7,8−テトラメチル−1,10−フェナントロリン)オキソジペルオキソバナジウム(V)、(ピリジン−2−カルボン酸)オキソジペルオキソバナジウム(V)、(5−ヒドロキシピリジン−2−カルボン酸)オキソジペルオキソバナジウム(V)、(ピリジン−2,6−ジカルボン酸)オキソジペルオキソバナジウム(V)、(ピリジン−2,6−ジカルボキシラト)(ヒドラト)オキソペルオキソバナジウム(V)、及び配位−共有結合の形成によって干渉しないヒドロキシ若しくは低級アルキル置換基で置換したこれらの誘導体からなる群から選択される配位−共有複合体;バナジウム(V)金属イオンを含む配位−共有複合体、金属イオンに配位−共有結合されたオキソ基、及び配位−共有結合に電子を供与することが可能な少なくとも1つのN−含有若しくはO−含有部分によって金属イオンに配位−共有結合された少なくとも1つの有機部分であり、配位−共有複合体は、メソ−タルトラトオキソバナジウム(V)であり;ピコリネート及びフェナントロリンを有するペルオキシドバナジウム化合物であり、好ましくは、ビスペルオキソバナジウム−ピコリネート(bpV(pic)、bpV(HOpic)、bpV(phen)、VO(OPT)であるバナジウム複合体及びバナジウム化合物の群から選択される化合物又は複合体である。好ましいのは、本発明によるバナジル及び/又はバナジン酸塩及び/又はビス−ペルオキソバナジン酸塩を放出する又は形成することが可能な生理的に許容されるバナジウム複合体又はバナジウム化合物である。理論により縛られることを望まずに、医薬組成物が、本発明の使用に従って投与される対象における異なるバナジウム化合物の活性部分は、バナジル(VO2+)又はバナジン酸塩(HVO )である。したがって、本発明による医薬組成物における使用のためのバナジウム複合体又はバナジウム化合物は、前記バナジウム化合物又は複合体を含む医薬組成物が、本発明の使用に従って対象に投与されると、対象においてそのようなバナジル(VO2+)又はバナジン酸塩(HVO )を提供する任意の生理的に許容されるバナジウム複合体又はバナジウム化合物である。
一実施形態では、本発明による使用のための医薬組成物は、対象に投与され、対象は、動物、例えば、哺乳動物などであり、好ましくは、対象は、ヒト、例えば、健常なヒト、非糖尿病のヒト及び糖尿病のヒトであり、好ましくは、非糖尿病のヒト、例えば、健常な非糖尿病のヒトである。
本発明の代表的な医薬組成物は、ビス(マルトラト)オキシドバナジウム(BMOV)を含む医薬組成物又はビス(エチルマルトラト)オキソバナジウム(IV)(BEOV)を含む医薬組成物、好ましくは、BMOVを含む医薬組成物又はその組合せを含む医薬組成物である。好ましくは、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体は、バナジウム化合物、例えば、バナジウムに基づいたインスリン−模倣体などである。
対象が曝露される又は受けるストレスは、患者において生理的緊張の状態を誘発し、ストレスは、物理的性質のもの(例えば、心的外傷、感染症、放射線療法)及び/又は精神的起源(例えば、急性の苦悶、対象の肉体的−又は精神的な健全性への将来の脅威への曝露)のものである。一実施形態では、本発明による使用のための医薬組成物は、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体を含み、前記バナジウム化合物又は複合体は、ビス(マルトラト)オキシドバナジウム(BMOV)又はビス(エチルマルトラト)オキソバナジウム(IV)(BEOV)であり、好ましくは、BMOVである。
一実施形態では、本発明による使用のための医薬組成物は、ストレスを受けた患者におけるストレス誘発性代謝異常の予防又は軽減における使用用であり、代謝異常は、高血糖を含み、好ましくは、代謝異常は、高血糖である。
代謝異常、例えば、高血糖などを誘発するストレスは、複数の事象及び原因によって引き起こされ得る。物理療法では、主な心的外傷は、傷害又は外部の発生源から身体的危害により引き起こされた生物有機体への損傷である。主な心的外傷はまた、慢性疼痛のような重篤な長期の転帰を潜在的にもたらし得る、傷害である。主な心的外傷は、高血糖を誘発するストレスの一例である。
外科手術は、高血糖を誘発する主なストレスである。高血糖を誘発する急性のストレスの例である外科的手段及び疾患及び健康問題の限定されない例は、心筋梗塞(MI)、脳卒中、多発外傷、熱傷の創傷、褥瘡、気管内挿管、緑内障及び他の眼の外科手術(レーザー、眼の矯正)、麻酔、美容外科、脂肪吸引、敗血症、ショック、出血、急性の腎臓損傷、急性の虚血性腸管傷害、外傷性脳損傷(TBI)である。
外傷性疾患は、外部の力によって引き起こされる傷害であるが、これは、主な心的外傷のレベルに達しない。外傷性疾患は、傷害、例えば、医原性傷害の他の原因と区別される(以下を参照のこと)。
医原病は、1名又は複数名の人間が、医療専門家として働く又は罹患した人の目標を支援しないものを健康に有益なものとして製品又はサービスを促進する任意の活動によってもたらす、人に対する任意の影響を意味する。いくつかの医原性の影響は、手術処置後の合併症など(例えば、乳がん手術の結果としてのリンパ浮腫など)、明らかに定義され、容易に認識される。明瞭でないもの、例えば、複雑な薬物相互作用は、同定するための重要な調査を要し得る。一部は、「肯定的又は否定的な」すべての「医療提供チームによって引き起こされる事象」を意味することを、「医原病」を用いて提唱され、コンセンサスは、有害なものへの又は、最も広範に、意図しない転帰への「医原病」の使用を制限する。したがって、医原病は、医原性の傷害であり得、これは、患者において高血糖を誘発することが可能なストレスである。
医原病の原因には、あり得る薬物相互作用の副作用、処方薬の有害作用、手順又は治療から生じる合併症、医療過誤、例えば、薬物の乱用、処方の誤り、院内感染、誤った手順、誤った技術、誤った情報、誤った方法、又は誤った装置が含まれる。
急性の精神的ストレスは、高血糖のさらなる原因である。急性の苦悶又は身体に対して、さらには生命に対して危険な状況への曝露は、高血糖を誘発することが可能であることが知られる急性の精神的ストレスの例である。
さらに、術後の感染性合併症は、高血糖を誘発するストレスであり、罹患率及び死亡率のリスクを伴う。
本発明者らは、対象がストレスに曝露される前に、BMOVが対象に投与される場合、BMOVが、ストレスが誘発される対象において高血糖の発生を予防する可能性を有することを驚くべきことに見出した。ストレスに曝露される対象における高血糖状態の蓄積の予防は、対象における正常血糖の維持及び高血糖として指定されたレベルまでの対象の血液中のグルコースレベルの上昇の抑制を包含する。さらに、BMOVによるストレスへの対象の曝露前の対象の前処置後、ストレスへの曝露による高血糖の予防はまた、例えば、対象がストレスに曝露される期間の開始時に、ストレスが対象に誘発される前に、対象の血液中の初回のグルコースレベルの低下をもたらすこともできる。正常血糖値は、健常なヒト対象(4mmol/l〜6mmol/l)の絶食状態(摂食前)において、血液中のグルコースレベルが、70mg/dl〜100mg/dlの間であり、食後2時間(健常な対象の摂食後の状態)(7,8mmol/l未満)の時点で、血液中のグルコースレベルが、140mg/dl未満である。BMOVによる前処置を受けておらず、ストレスに曝露された、正常の健常な対象(哺乳動物、ここでは、ラット)は、本発明者らによって実行された試験シリーズにおいて、血液中のグルコースレベルが平均して約260%増加することを経験した。一方、ストレスが誘発される前に異なる時点でのBMOV2回投与量の投与を含む治療レジメンを受けた対象は、血糖値が最大でも約+28%の上昇を経験したに過ぎず、すなわち、血液中の最大平均グルコースレベルは、約6,4mmol/lであった。したがって、対象が、ストレス条件を受けるが、例えば、ストレスが、アドレナリンの注射後誘発されるが、BMOVによる対象の前処置によって、本発明に従って、高血糖の蓄積を防止し、大部分は血液中のグルコースレベルの増加を強力に縮小させた。生物、例えば、対象、例えば、ヒト対象などにおけるアドレナリンの導入は、高血糖を引き起こすストレスとして、長い間知られている。例えば、[Metabolism.1980年 11月;29巻(11号 Suppl 1):1155〜63中のRizza RA、Cryer PE、Haymond MWの「Adrenergic mechanisms of catecholamine action on glucose homeostasis in man.」]を参照のこと。
以下、実施例セクションに概略された例について言及する。
一実施形態では、本発明による使用のための医薬組成物は、単独の有効医薬成分としてBMOV又はBEOVを含み、又は有効医薬成分として、BMOV及びBEOVの組合せを含む。好ましいのは、本発明によれば、単独の有効医薬成分としてBMOVを含む本発明の医薬組成物である。本発明者らは、対象が、ストレス、例えば、循環中のアドレナリンレベルの上昇に曝露される前に、有機バナジウム化合物、すなわち、BMOVを対象に投与することによって、対象が、特定のストレスを受けている期間中、対象の血液中のグルコースレベルの上昇を防止する又は低下させるということを驚くべきことに見出した。したがって、本発明によれば、対象が、ストレスの条件を受ける前に、少なくとも1種の薬学的に許容される添加剤及びBMOVからなる医薬組成物を対象に投与することにより、高血糖は、適切に及び十分に予防される、又はストレスの期間中の血糖値の上昇の程度は、大部分は低下する。
一実施形態では、本発明による使用のための医薬組成物は、バナジウム化合物を含み、バナジウム(IV)のリガンドは、マルトール以外の抗酸化剤である。
一実施形態では、本発明による使用のための医薬組成物は、バナジウム化合物を含み、前記バナジウム化合物は、抗酸化剤と組み合わされる。
代替の実施形態では、本発明による使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体を含む医薬組成物は、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体の他に、さらなる有効医薬成分を含む。
一実施形態では、本発明による使用のためのBMOV又はBEOV又はBMOV及びBEOVの組合せを含む医薬組成物は、前記BMOV又はBEOV又はBMOV及びBEOVの組合せの他に、さらなる有効医薬成分を含む。通常、本発明の医薬組成物によって構成されるかかるさらなる有効医薬成分は、対象、例えば、ヒト対象などに投与されるとき、血液中のグルコースレベルを低下させるための化合物である。かかる血糖を低下させる化合物の例には、経口投与用の、又は皮内及び筋肉内注射を含めた非経口投与用のインスリンが含まれる。
本発明による使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体を含む医薬組成物中で、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOV、BEOV又はBMOV及びBEOVの組合せなどと組み合わせることができる、血糖を低下させる薬剤の例は、多種多様である。述べたように、インスリンを含めた、かかる血液を低下させる薬剤は、非経口投与に適した化合物及び/又は経口投与に適した化合物、又は例えば、ミストなどとして提供される場合、吸入に適した化合物である。次の例に限定されることを望まずに、本発明による生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体を含む医薬組成物は、(ヒト)対象において、血糖値を低下させるための次の化合物のリストのうちのいずれか1種又は複数をさらに含むことができ、数例を挙げると、ビグアナイド、例えば、メトホルミン、メトホルミン液体及びメトホルミン延長放出配合物など;スルホニル尿素、例えば、グリメピリド、グリブリド、グリピジド、微粉化グリブリド、メグリチニド、レパグリニドなど;D−フェニルアラニン誘導体、例えば、ナテグリニドなど;チアゾリジンジオン、例えば、ピオグリタゾン、ピオグリタゾンなど;DPP−4阻害剤、例えば、シタグリプチン、サキサグリプチン、シナグリプチン(sinagliptin)など;α−グルコシダーゼ阻害剤、例えば、アカルボース、ミグリトールなど;胆汁酸封鎖剤(bile Acid Sequestrant)、例えば、コレセベラムなど;例えば、丸剤として提供される、ピオグリタゾン及びメトホルミン、グリブリド及びメトホルミン、グリピジド及びメトホルミン、シタグリプチン及びメトホルミン、サキサグリプチン及びメトホルミン、レパグリニド及びメトホルミン、ピオグリタゾン及びグリメピリド、メトホルミン−アログリプチン、メトホルミン−カナグリフロジン、メトホルミン−ダパグリフロジン、メトホルミン−エンパグリフロジン、メトホルミン−グリピジド、メトホルミン−グリブリド、メトホルミン−リナグリプチン、メトホルミン−ピオグリタゾン、メトホルミン−レパグリニド、メトホルミン−ロシグリタゾン、メトホルミン−サキサグリプチン、メトホルミン−シタグリプチンを含めた、組合せ製剤;注射用インスリン、例えば、短時間作用性インスリン及び速効型インスリン、例えば、インスリンアスパルト、インスリングルリジン、インスリンリスプロ、又は中間型インスリン、例えば、インスリンイソフェンなど、長時間作用性インスリン、例えば、インスリンデグルデク、インスリンデテミル、インスリングラルギンなど、組合せインスリン、例えば、ノヴォログ(NovoLog)(登録商標)ミックス70/30(インスリンアスパルトプロタミン−インスリンアスパルト)、ヒューマログ(Humalog)ミックス75/25(インスリンリスプロプロタミン−インスリンリスプロ)、ヒューマログ(登録商標)ミックス50/50(インスリンリスプロプロタミン−インスリンリスプロ)、ヒューマリン(Humulin)(登録商標)70/30(ヒトインスリンNPH−ヒトインスリンレギュラー)、ノボリン(Novolin)(登録商標)70/30(ヒトインスリンNPH−ヒトインスリンレギュラー)、ライゾデグ(Ryzodeg)(登録商標)(インスリンデグルデク−インスリンアスパルト)など、アミリン模倣薬(amylinomimetic drug)、例えば、プラムリンチドなど;ドパミンアゴニスト、例えば、ブロモクリプチンなど;アログリプチン、アログリプチン−メトホルミン、アログリプチン−ピオグリタゾン、リナグリプチン、リナグリプチン−エンパグリフロジン、リナグリプチン−メトホルミン、サキサグリプチン、サキサグリプチン−メトホルミン、シタグリプチン、シタグリプチン−メトホルミン、シタグリプチン及びシンバスタチンのうちのいずれか1種又は複数;グルカゴン様ペプチド(インクレチン模倣体)、例えば、アルビグルチド、デュラグルチド、エキセナチド、エキセナチド延長放出、リラグルチドメグリチニド;ナテグリニド、レパグリニド及び/又はレパグリニド−メトホルミン;ナトリウム・グルコース共輸送体(SGLT)2阻害剤、例えば、ダパグリフロジン、ダパグリフロジン−メトホルミン、カナグリフロジン、カナグリフロジン−メトホルミン、エンパグリフロジン、エンパグリフロジン−リナグリプチン、エンパグリフロジン−メトホルミンなど;スルホニル尿素、例えば、グリメピリド、グリメピリド−ピオグリタゾン、グリメピリド(glimeperide)−ロシグリタゾン、グリクラジド、グリピジド、グリピジド−メトホルミン、グリブリド、グリブリド−メトホルミン、クロルプロパミド、トラザミド、トルブタミドなど;チアゾリジンジオン、例えば、ロシグリタゾン、ロシグリタゾン−グリメピリド、ロシグリチゾン(rosiglitizone)−メトホルミン、ピオグリタゾン、ピオグリタゾン−アログリプチン、ピオグリタゾン−グリメピリド、ピオグリタゾン−メトホルミンである。
もちろん、本発明による用量レジメンはまた、本発明による使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物を提供すること及び、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOV以外の上記のリストに記載した血糖を低下させる薬剤のうちのいずれか1種又は複数を別々に提供することからなり得る。一実施形態では、用量レジメンは、本発明による使用のための単独の医薬成分として、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物の提供及び生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOV以外の上記のリストに記載した血糖を低下させる薬剤のうちのいずれか1種又は複数の別々の提供を包含する。
一実施形態では、本発明の医薬組成物は、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなど含み、本発明による使用のための第2の有効医薬成分をさらに含む。好ましいのは、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなど含み、本発明による使用のための第2の有効医薬成分をさらに含む、本発明の医薬組成物であり、第2の有効医薬成分は、インスリンである。
一実施形態では、本発明の医薬組成物は、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなど含み、本発明による使用のための第2の有効医薬成分をさらに含み、インスリンは、医薬組成物と分けて患者に投与される。通常、その時、インスリンは、本発明によれば、本発明による使用のための医薬組成物が投与される同じ時点(複数可)で、ストレス誘発性高血糖の発生前及び発生中、又はストレス誘発性高血糖の発生前及び発生中及び発生後、又はストレス誘発性高血糖の発生前に投与される及び/又はインスリンは、別々の時点で投与される。同様に好ましいのは、インスリン以外の第2の有効医薬成分の類似の投与レジメン(regime)であり、前記第2の有効医薬成分は、本発明によれば、患者に1回投与された後、血糖値を低下させる活性を有する。
一実施形態では、本発明の医薬組成物は、本発明による使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含み、又は生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどは、単独の有効医薬成分であり、対象、すなわち、患者におけるストレスの発生中、やはりインスリンは、対象に投与される。理論により縛られることを望まずに、例えば、BMOVの血糖を低下させる能力は、インスリンが、患者の循環、すなわち、例えば、BMOVの効果を強化するための閾値レベルを超えるインスリンのレベルで存在する場合、強化される。したがって、本発明による使用のための医薬組成物が投与される患者が、例えば、BMOVの活性を強化するかかる閾値を下回る循環において、インスリンレベルを有する場合、当業者は、患者が、患者の循環におけるインスリンの正常レベルに近くなるインスリンの量の投与から恩恵を受けることを認識している。本発明によれば、そのような患者が、インスリン療法のみで治療される場合、患者の循環におけるインスリンレベルを、例えば、BMOV活性が増強されるレベルまで上昇させる、インスリンの必要量は、例えば、急性ストレスを受けている患者において、高血糖を治療するためのインスリンの必要量よりも低い。
本発明による使用のための生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOV、BEOV又はBMOV及びBEOVの組合せを含む医薬組成物が、前記対象がストレスを受ける前に投与される、対象、例えば、動物、例えば、哺乳動物、好ましくは、ヒト対象、例えば、糖尿病のヒト対象又は非糖尿病のヒト対象は、本発明によれば、健常な対象である。あるいは、対象は、本発明によれば、糖尿病患者であり、すなわち、I型糖尿病に罹患している、又はII型糖尿病に罹患している。さらに、いくつかのストレスが、誘発されるヒト対象並びに本発明による使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物が、ストレスが誘発される前に投与されるヒト対象は、健康問題又は疾患に苦しんでおり、対象の身体において血糖コントロールを挫折する又は挫折しない患者となり得、前記健康問題又は疾患は、例えば、心血管疾患、アテローム性動脈硬化症、任意の臓器、例えば、腎臓、肝臓、肺、脳、皮膚、腸などのうちの機能不全である。
一実施形態では、本発明による使用のための医薬組成物は、患者がストレスを受ける96h〜0h前の間の時点で、患者がストレスを受ける、好ましくは、72h〜1h前の間の時点で、より好ましくは、48h〜2h前の間の時点で、最も好ましくは、24h〜3h前の間の時点で少なくとも1回、患者に投与される。例えば、BMOVは、ストレスを受けた患者において、BMOVの投与量が、前記対象に投与される投与量に応じて、例えば,少なくとも72日間、例えば、4〜5日間投与される対象の身体において、ストレス誘発性代謝異常の予防又は軽減に関して、活性である。一実施形態では、本発明による使用のための医薬組成物は、患者がストレスを受ける30h〜0h前の間の時点で、患者がストレスを受ける、好ましくは、24h〜2h前の間の時点で、より好ましくは、24h〜3h前の間の時点で少なくとも1回、患者に投与される。好ましくは、本発明による使用のための医薬組成物は、患者がストレスを受ける30h〜10h前の間の第1の時点で、患者がストレスを受ける、好ましくは、24h〜12h前の間の時点で、より好ましくは、ストレスを受ける24h〜16h前の間の時点で、患者がストレスを受ける8h〜0h前の間の第2の時点で、患者がストレスを受ける、好ましくは、5h〜2h前の間の時点で、より好ましくは、約3h前に、少なくとも2回患者に投与される。好ましくは、本発明による使用のための医薬組成物は、患者がストレスを受ける96h〜10h前の間の第1の時点で、患者がストレスを受ける、好ましくは、72h〜12h前の間の時点で、より好ましくは、48h〜14h前の間の時点で、最も好ましくは、24h〜16h前の間の時点で、患者がストレスを受ける8h〜0h前の間の第2の時点で、好ましくは、患者がストレスを受ける5h〜2h前の間の時点で、より好ましくは、約3h前に、少なくとも2回患者に投与される。
哺乳動物、例えば、ラット(実験セクションを参照のこと)における実験in vivo結果を例示していることから明らかなように、対象が、本発明によれば、ストレスに曝露される前に、BMOVを含む医薬組成物、例えば、BMOV(BMOVは、単独の有効医薬成分である)を含む医薬組成物で前処置される場合、対象は、高血糖の発生を防止される。対象のストレスへの曝露が、もちろん、すべての場合において、予測されるものでない及び/又は予測可能でないように、BMOVを含む医薬組成物による慢性の治療は、ストレスへの曝露の結果として高血糖の誘発の予防又は寛解のための手段である。すなわち、対象が、ストレスを受ける前に、対象は、BMOVを含む医薬組成物の投与量を投与され、用量レジメンは、予測されたストレスが誘発される1日前に、又はストレスが対象に誘発されるおそれがある場合に、予防的手段として長期間にわたって、さらには、ストレスへの曝露が、予測可能である場合又は対象が、(近い)将来に、例えば、数日、数週間、数ヵ月以内に、ストレスを受けるリスク(の増加)を有する場合に生涯にわたって、BMOVを1日1回、又は1日2回投与することを含む。例えば、作業者、例えば、生命を脅かす状況に送られる作業者、例えば、ストレス、例えば、心的外傷−に関連するストレスを受ける比較的高いリスクがある、兵士、消防士、救急救命、警察官、又はスポーツマンは、例えば、心的外傷を受けるリスクが高い長期間にわたって、BMOVを含む医薬組成物の慢性の投与を含む用量レジメンを受ける。例えば、心的外傷を受けるリスクがあるヒト対象は、本発明によれば、BMOVを含む医薬組成物を1日2回投与される。好ましくは、本発明の医薬組成物は、経口投与がやはり適しているが、本発明によれば、注射により、それを必要とする対象に投与される。もちろん、血液中のグルコースレベルをモニターすることは、正常血糖が維持されているか否か及び低血糖が発生していないか否かをモニターするために、かかる用量レジメンの一部である。
一実施形態では、本発明による使用のための医薬組成物は、ストレスを受ける対象、例えば、ヒト対象、例えば、健常な対象などにおいて、高血糖の予防又は軽減に用いられ、前記ストレスは、心的外傷、例えば、外科手術によって引き起こされる心的外傷、心的外傷、例えば、医療処置により引き起こされる医学的な心的外傷、医原性の損傷により引き起こされる心的外傷であり、及び/又は患者が受けるストレスは、本発明によれば、感染症、1種又は複数の医薬(複数可)の投与、生命を脅かす状態による長期若しくは短期の急性の心理ストレス、例えば、潜在的に生命を脅かす状態、及び事故、例えば、自動車事故又は対象が閉じ込められている倒壊した建物のうちのいずれか1つ又は複数により引き起こされる。対象がストレス条件を経験する前に、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどが、対象に投与される場合、かかるストレスに曝露される対象において高血糖がもたらされるストレスの起源及び原因は、本発明の、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物の作用機序と無関係である。したがって、ストレスは、任意の原因(例えば、外科手術、事故、スポーツ試合など)による心的外傷に関連することもある又は感染症、敗血症、炎症、臓器不全、臓器若しくは組織の機能不全、熱傷、例えば、日焼け、がん、対象の過冷却、対象の過熱、対象の脱水、ショック、心不全、失血、低血圧、高血圧、血液中のアドレナリン上昇、窒息、再灌流(例えば、心発作後又は外科手術後)、虚血、骨の損傷及び骨折などに関連することもある。
一実施形態では、本発明による使用のための医薬組成物、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物は、患者に経口投与され、又は患者に静脈内投与され、又は腹腔内投与され、又は筋肉内投与され、又は皮内投与され、好ましくは、を含む医薬組成物は、患者に静脈内投与又は皮内投与又は腹腔内投与される。
本発明の医薬組成物は、対象、例えば、ヒト対象などへの医薬組成物の投与の一般に適用される経路の多くに適している。本発明の医薬組成物は、非観血的経路、例えば、経口、経鼻、経膣、直腸、経肺、眼の中(点眼液)、舌下、耳の中、経皮的(T.D.)などによって、それを必要とする対象に投与するために適用可能であり、観血的経路、例えば、皮内(I.D.)、皮下(S.C.)、筋肉内(I.M.)、静脈内(I.V.)、動脈内(I.A.)、くも膜下腔内(I.T.)、腹腔内(I.P.)、関節内(滑液)、及び脳室内によって、それを必要とする対象に投与するために適用可能である。
近い将来に、例えば、1日又は2、3日以内に、予測可能にストレスを受ける対象が、対象がストレスを受ける前に、本発明による使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物による前処置から恩恵を受けることが、本発明の多くの利益のうちの1つである。最も好都合には、かかる前処置は、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOV又はBEOV又はBMOV及びBEOVの組合せなどを含む配合物からなる用量レジメンを含み、これは、経口投与することができる。したがって、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、本発明のBMOVを含む医薬組成物は、経口の使用用の配合物、例えば、錠剤、散剤、丸剤などとして提供される。好ましくは、本発明の用量レジメンは、本発明による使用のための医薬組成物を含む、単一の丸剤若しくは錠剤などを経口投与することが含まれる。もちろん、完全な単一用量の生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む単一の錠剤、丸剤などが、好ましいが、本発明による使用のための医薬組成物の単一用量を対象に投与するために、用量レジメンはまた、少なくとも2種の錠剤などを投与することを含むこともできる。本発明の一部は、対象がストレスに屈服する前に、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどの投与量が、ストレスの開始の0h〜96h前の間の時間枠で投与され、本発明によれば、医薬組成物は、医薬組成物によって与えられる副作用のリスク、例えば、胃腸の副作用を軽減するために、複数の投与量単位として投与される。もちろん、当業者は、最適な用量及び投与された量の数が、ストレスが対象に誘発される時に及びその後、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどの所望の有効な血漿レベルに関して選択されることを理解している。
一実施形態では、本発明による使用のための医薬組成物は、水溶液であり、好ましくは、医薬組成物ml当たり生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体約0.001mg〜10mgの間、好ましくは、約0.5mg/ml〜5mg/mlの間、より好ましくは、ml当たり生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体約2mgの間を含む水溶液である。かかる水溶液は、ストレスが対象に誘発される前に対象を前処置するために、経口投与すること又は静脈内投与すること又は注射により経皮投与すること又は例えば、本発明による使用のための医薬組成物の単一用量の、それを必要とする対象への注射により筋肉内投与することを含む用量レジメンに有益に適用される。
一実施形態では、本発明による使用のための医薬組成物は、水溶液であり、好ましくは、医薬組成物ml当たりBMOV約0.5mg〜ml当たりBMOV5mgの間、好ましくは、ml当たりBMOV約2mgを含む水溶液である。代替の実施形態では、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体は、BEOV又はBMOV及びBEOVの組合せである。
一実施形態では、本発明による使用のための医薬組成物は、少なくとも1種の薬学的に許容される添加剤を含み、前記薬学的に許容される添加剤は、リン酸緩衝生理的食塩水を含み、前記リン酸緩衝生理的食塩水は、NaHPO.HO1.86g/l、NaHPO.2HO9.50g/l及びNaCl4.40g/lを含み、好ましくは、前記薬学的に許容される添加剤は、NaHPO.HO約1.86g/l、NaHPO.2HO約9.50g/l及びNaCl約4.40g/lからなるリン酸緩衝生理的食塩水からなる。特に、本組成物が、静脈内投与、筋肉内投与、皮内投与用である場合、経口投与がやはり可能性があるが、かかるリン酸緩衝生理的食塩水組成物は、本発明による使用のためのBMOVを含む医薬組成物の投与用の特に適した薬学的に許容される添加剤である。通常、本発明による使用のための医薬組成物中の薬学的に許容される添加剤としての使用のためのリン酸緩衝生理的食塩水のpHは、生理的に近い、例えば、pH6〜8の間、好ましくは、6,5〜7,5の間である。通常、そのような薬学的に許容される添加剤のpHは、約7.2〜7.4の間である。
もちろん、他の水溶液は、同様に、本発明による使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物中で、薬学的に許容される添加剤として働き得る。例えば、静脈内投与及び/又は皮内投与及び/又は肺におけるミストとしての吸入及び/又は筋肉内投与及び/又は経口投与の適用に適した薬学的に許容される添加剤は、本発明によれば、本発明による使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物における適用に等しく適している。かかる薬学的に許容される添加剤は、当技術分野において周知である。
一実施形態では、本発明による使用のための医薬組成物は、患者に経口投与され、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物は、経口投与用のカプセル、錠剤、丸剤又は水溶性粉末として提供される。もちろん、経口投与に適した、本発明による使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物のうちの他のいずれかの配合物は、本発明によれば、将来、ストレス、例えば、外科手術に関連する心的外傷を受ける患者において、代謝異常、特に、高血糖を予防する又は寛解する目的に、等しく適している。
一実施形態では、本発明による使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOV又はBEOVなどを含む医薬組成物は、患者に投与される医薬組成物の単一用量として用いられる、又は生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOV又はBEOVなどを含む医薬組成物の少なくとも2回投与量を、患者に12h〜96hの間毎に、好ましくは、16h〜72hの間毎に2回投与量を投与する用量レジメンにおいて用いられる。一実施形態では、本発明による使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOV又はBEOVなどを含む医薬組成物は、患者に投与される医薬組成物の単一用量として用いられる、又は生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOV又はBEOVなどを含む医薬組成物の少なくとも2回投与量を、患者に、12h〜24hの間毎に、好ましくは、2回投与量を、16h〜24hの間毎に投与される用量レジメンにおいて用いられる。
一実施形態では、本発明による使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物は、患者の体重kg当たり、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体7,5mg〜30mgの間、好ましくは、患者の体重kg当たり、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体12mg〜20mgの間、より好ましくは、患者の体重kg当たり、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体約15mgを含む、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体を含む医薬組成物の投与量を患者に投与され、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体は、好ましくは、BMOVである。
一実施形態では、本発明による使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物は、患者の体重kg当たり、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体0.01mg〜30mgの間、好ましくは、患者の体重kg当たり、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体0.1mg〜15mgの間、より好ましくは、0.15mg/kg〜10mg/kgの間、最も好ましくは、患者の体重kg当たり、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体0.5mg〜2.5mgを含む、医薬組成物の投与量で、対象、例えば、ヒトなどに投与され、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体は、好ましくは、BMOVである。これらの投与量レベル(mg)は、BMOVの分子量に基づいており、他のバナジウムを含有する化合物又は複合体について、絶対投与量レベルは、バナジウムの等モル量を反映するべきであるということが認識されなくてはならない。さらに、これらの投与量レベルは、静脈内投与を反映する。特定のバナジウムを含有する化合物及び/又は投与の経路と関係なく、投与量レベル及び投与は、ピーク血漿レベルがこれらの限界を超え得るにもかかわらず、好ましくは、一般の血漿曝露レベルが、元素状態のバナジウム25ng/ml〜2500ng/mlの間、より好ましくは、100ng/ml〜1000ng/mlの間になるべきである。通常、かかる血漿曝露レベルは、対象、好ましくは、ヒト対象において達成され、生理的に許容されるバナジウム化合物又はバナジウム複合体、例えば、BMOV、BEOVなどが、経口投与、又は皮下投与、又は腹腔内投与、又は静脈内投与された。通常、かかる血漿曝露レベル25ng/ml〜2500ng/mlの間、例えば、100ng/ml〜1000ng/mlは、例えば、ヒト対象へのBMOVのi.v.投与により得られる。あるいは、かかるレベルは、BEOV又は硫酸バナジウムのヒトの糖尿病対象への経口投与後に達成される。一実施形態では、本発明による使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物は、患者の体重kg当たり、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体0.5mg〜4mgの間を含む医薬組成物の投与量で対象、例えば、ヒトなどに投与される。
一実施形態では、本発明による使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物は、対象、例えば、ヒト対象において、バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOV又はBEOVの血漿曝露レベルが、元素状態のバナジウム25ng/ml〜2500ng/mlの間、又はより好ましくは、100ng/ml〜1000ng/mlの間であるように、患者の体重kg当たり、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体0.001mg〜30mgの間を含む医薬組成物の投与量で、対象、例えば、ヒトに投与される。かかるリストに記載した血漿曝露レベルは、それにもかかわらず、ピーク血漿レベルは、これらの限界を超えるおそれがある。
一実施形態では、本発明による使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物は、患者の体重kg当たり、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体1mg〜30mgの間、好ましくは、患者の体重kg当たり、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体4mg〜20mgの間、より好ましくは、患者の体重kg当たり、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体約6mg〜12mgの間を含む、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体を含む医薬組成物の投与量で投与され、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体は、好ましくは、BMOVである。以前に述べたように、本発明によるこれらの投与量レベル(mg)は、BMOVの分子量に基づいており、他のバナジウムを含有する化合物又は複合体について、絶対投与量レベルは、バナジウムの等モル量を反映するべきであるということが認識されなくてはならない。さらに、これらの投与量レベルは、本発明による使用のための医薬組成物の静脈内投与を反映する。特定のバナジウム化合物又はバナジウム複合体に関係なく及び/又は投与の選ばれた経路と関係なく、特定の投与量レベル及び投与の特定の経路は、ピーク血漿レベルがこれらの限界を超え得るにもかかわらず、好ましくは、一般の血漿曝露レベルが、元素状態のバナジウム25ng/ml〜2500ng/mlの間、さらに、より好ましくは、100ng/ml〜1000ng/mlの間になるべきである。
非常に好ましいのは、患者が、ストレス、例えば、外科手術の間の心的外傷に関するストレスなどを受ける前の期間に、本発明による使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物を、患者に投与することである。一実施形態では、本発明による使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物は、患者がストレスを受ける期間において、患者に投与される。あるいは、一実施形態では、本発明による使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物は、患者が、ストレスを受ける前の期間において、その後、患者が、ストレス、例えば、患者において心的外傷の誘発を伴う外科手術を受けることに関するストレスなどを受ける期間においても、患者に投与される。もちろん、ストレスを受ける患者がそれを必要としている場合、本発明による使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物はやはり、患者が、例えば、外科手術により誘発されるストレスから解放された後、例えば、前記ストレス(例えば、事故後、外科手術後の創傷治癒)から回復しても、前記患者に投与される。ストレスを受けるであろう又はストレスを受ける又はストレスを受けているものから回復している患者の、本発明による使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物による前処置の効果は、以下のもの、すなわち、正常血糖の維持又はストレスの期間中及び/又はその後の患者の血液中のグルコースレベルの上昇の程度の低下が同じである。述べたように、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物による前記前処置は、本発明によれば、患者のストレスへの曝露の期間中及び/又はストレスの前記期間後、本発明による使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物による継続処置で補うことができる。
一実施形態では、本発明による使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物は、患者がストレスを受ける前の期間において及び任意選択で、その後、患者が、ストレスを受ける期間においても、及び任意選択で、その後、患者がストレスを受けた期間においても及び患者が、例えば、感染症、外科手術、事故などによって引き起こされた、例えば、心的外傷後に、ストレス及びそれらの結果、例えば、発作、心的外傷、急性発作、組織再生及び/又は創傷治癒から回復する前処置期間に、患者に投与される。
一実施形態では、本発明による使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物は、患者がストレスを受ける96h〜10h前の間、好ましくは、72h〜12h前の間、より好ましくは、48h〜14h前の間、最も好ましくは、24h〜16h前の間の時点で、第1の単一用量として患者に投与され、医薬組成物の第2の単一用量は、患者がストレスを受ける8h〜0h前の間、好ましくは、5h〜2h前の間の時点で、患者に投与され、好ましくは、前記第1の単一用量は、24h〜16h前の間で投与され、前記第2の単一用量は、患者がストレスを受ける約3h前に投与される。
一実施形態では、本発明による使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物は、患者がストレスを受ける96h〜10h前の間、好ましくは、72h〜12h前の間、より好ましくは、48h〜14h前の間、最も好ましくは、24h〜16h前の間の時点で、第1の単一用量として患者に投与され、医薬組成物の第2の単一用量は、患者がストレスを受ける8h〜0h前の間、好ましくは、5h〜3h前の間の時点で、患者に投与され、好ましくは、前記第1の単一用量は、患者がストレスを受ける24h〜16h前の間で投与され、前記第2の単一用量は、約3h前で投与される。一実施形態では、本発明による使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物は、患者がストレスを受ける24h〜12h前の間、好ましくは、24h〜16h前の間の時点で、第1の単一用量として患者に投与され、患者がストレスを受ける8h〜0h前の間、好ましくは、5h〜3h前の間の時点で、第2の単一用量として患者に投与され、好ましくは、前記第1の単一用量は、患者がストレスを受ける24h〜16h前の間で投与され、前記第2の単一用量は、約3h前で投与される。
一実施形態では、本発明による使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物は、患者がストレスを受ける96h〜0h前の間、好ましくは、72h〜1h前の間、より好ましくは、48h〜2h前の間、最も好ましくは、24h〜3h前の間の時点で、第1の単一用量として患者に投与され、医薬組成物の第2の単一用量は、患者がストレスを受ける期間中、患者に投与される。一実施形態では、本発明による使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物は、患者がストレスを受ける24h〜0h前の間、好ましくは、20h〜3h前の間の時点で、第1の単一用量として患者に投与され、患者がストレスを受ける期間中、第2の単一用量として患者に投与される。
一実施形態では、本発明による使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物は、患者がストレスを受ける96h〜10h前の間、好ましくは、72h〜12h前の間、より好ましくは、48h〜14h前の間、最も好ましくは、24h〜16h前の間の時点で、第1の単一用量として患者に投与され、医薬組成物の第2の単一用量は、患者がストレスを受ける8h〜0h前の間、好ましくは、5h〜3h前の間の時点で、患者に投与され、医薬組成物の第3の単一用量は、患者がストレスを受ける期間中、患者に投与される。一実施形態では、本発明による使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物は、患者がストレスを受ける24h〜12h前の間、好ましくは、24h〜16h前の間の時点で、第1の単一用量として患者に投与され、患者がストレスを受ける8h〜0h前の間、好ましくは、5h〜3h前の間の時点で、第2の単一用量として患者に投与され、患者がストレスを受ける期間中、第3の単一用量として患者に投与される。
一実施形態では、本発明による使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物は、水溶液として又は固形剤形、例えば、散剤、錠剤、丸剤及びカプセルとして提供される。
一実施形態では、本発明による使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物は、医薬組成物の投与量が、患者の体重kg当たり、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOV約0.1mg〜40mgの間、好ましくは、患者の体重kg当たり、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOV約0.5mg〜1mgの間を含むように、提供される。
一実施形態では、本発明による使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物は、医薬組成物の投与量が、患者の体重kg当たり、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOV約0.01mg〜30mgの間、好ましくは、約5mg、より好ましくは、患者の体重kg当たり、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOV約0.5mg〜2.5mgの間を含むように、提供される。
一実施形態では、本発明による使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物は、医薬組成物の投与量が、患者の体重kg当たり、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOV約0.001mg〜30mgの間、好ましくは、約5mg、より好ましくは、患者の体重kg当たり、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOV約0.5mg〜2.5mgの間を含むように、提供され、医薬組成物は、水溶液として、又は固形剤形、例えば、散剤、錠剤、丸剤、及びカプセルとして、提供される。再び、以前に概略した通り、特定のバナジウムを含有する化合物又は複合体と関係なく及び/又は例えば、経口、i.v.、i.p.、s.cなどの投与の経路と関係なく、投与量レベル及び投与は、ピーク血漿レベルがこれらの限界を超え得るにもかかわらず、好ましくは、一般の血漿曝露レベルが、元素状態のバナジウム25ng/ml〜2500ng/mlの間、又はより好ましくは、100ng/ml〜1000ng/mlの間になるべきである。通常、かかる血漿曝露レベルは、対象、好ましくは、ヒト対象において達成され、生理的に許容されるバナジウム化合物又はバナジウム複合体、例えば、BMOV、BEOVなどが、経口投与、又は皮下投与、又は腹腔内投与、又は静脈内投与された。
一実施形態では、本発明による使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物は、水溶液として又は固形剤形として、例えば、散剤、錠剤、丸剤、及びカプセルなどとして提供され、医薬組成物の投与量は、患者の体重kg当たり、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体が、約0.01mg〜30mgの間を含み、医薬組成物の投与量を、前記患者に投与することによって、前記患者において、元素状態のバナジウム25ng/ml〜2500ng/mlの間、又は好ましくは、100ng/ml〜1000ng/mlの間で血漿曝露レベルを提供する。
一実施形態では、本発明による使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物は、患者に投与され、前記患者が受けるストレスは、心的外傷、例えば、外科手術によって引き起こされる心的外傷、医療処置により引き起こされる医学的な心的外傷、医原性の損傷により引き起こされる心的外傷などであり、及び/又は患者が受けるストレスは、感染症、1種又は複数の医薬(複数可)の投与、生命を脅かす状態による長期若しくは短期の急性の心理ストレス、例えば、潜在的に生命を脅かす状態及び事故などのうちのいずれか1種又は複数によって引き起こされる。実際には、ストレス誘発性高血糖の予防又は寛解のための、本発明の、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物の使用は、ストレスの原因に依存せず、ストレスは、任意の範囲までの心的外傷の任意のタイプ、例えば、外科手術−関連心的外傷などの任意の事象によって引き起こされる心的外傷又は例えば、スポーツ、事故などにより引き起こされる創傷である。
一実施形態では、本発明による使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物は、患者がストレスを受ける期間中の患者の血液中のグルコース含有量の増加が、患者がストレスを受ける3h〜0分前の時点での患者の血液中のグルコース含有量と比較して、好ましくは、患者がストレスを受け始める時点での患者の血液中のグルコース含有量と比較して、約100%未満、好ましくは、約65%未満、より好ましくは、約30%未満、最も好ましくは、約6%未満であるように、用量レジメンにおいて用いられる。本発明の重要な利益は、ストレスを受けた対象における高血糖の予防のために有用な前処置のモダリティーの提供である、すなわち、本発明による使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物は、そうでない場合、対象に誘発されるストレス後に行うはずであり、その結果、健康リスク、臓器損傷などになるはずである血液中のグルコースレベルの上昇の予防である。以前に概略した通り、正常血糖の維持、すなわち、健康問題についての又は疾患若しくは組織、静脈、動脈などへの損傷の惹起についてのリスクの増加を生じない、血液中のグルコースの正常な濃度の存在は、最重要であり、ストレスに曝露される対象の健康状態に非常に有益である。
一実施形態では、本発明による使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物は、患者が、ストレスを受ける期間の最初の1〜8時間の間、好ましくは、患者が、ストレスを受ける期間の最初の約3時間の間、患者の血液中のグルコース含有量の増加が、患者がストレスを受ける3h〜0分前の時点での患者の血液中のグルコース含有量と比較して、好ましくは、患者がストレスを受け始める時点での患者の血液中のグルコース含有量と比較して、約100%未満、好ましくは、約65%未満、より好ましくは、約30%未満、最も好ましくは、約6%未満であるように、用量レジメンにおいて用いられる。
一実施形態では、本発明による使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物は、患者がストレスを受ける期間の最初の1〜8時間の間、好ましくは、患者がストレスを受ける期間の最初の約3時間の間、患者の血液中のグルコース含有量の増加が、患者がストレスを受ける3h〜0分前の時点での患者の血液中のグルコース含有量と比較して、好ましくは、患者がストレスを受け始める時点での患者の血液中のグルコース含有量と比較して、約−25%〜約100%の間、好ましくは、約0%〜約75%の間、より好ましくは、約5%〜約65%の間、最も好ましくは、約30%であるように、用量レジメンにおいて用いられる。
一実施形態では、本発明による使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物は、患者がストレスに曝露される前の前処置レジメンにおいて又は患者がストレスを受ける前の患者の前処置及び患者がストレスに曝露される期間中の患者の治療を含めた治療レジメンにおいて用いられる。一実施形態では、本発明による使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物は、前記(前)治療レジメンにおいて用いられ、患者に与えられるストレスは、外科手術、例えば、心臓外科手術、切断手術、腫瘍切除手術、脳手術、移植手術、止血の回復に関連する手術、骨折の治療に関連する外科手術、臓器若しくは骨の再建に関連する外科手術、例えば、臀部移植手術、血管外科手術、バイパス手術、創傷の閉鎖、皮膚、骨、臓器、組織、動脈、静脈への傷害の治療、医療処置、医原性の損傷、感染症、1種又は複数の医薬(複数可)の投与、急性の心理ストレス、事故などのうちのいずれか1つ又は複数の間で起こる心的外傷によって引き起こされるストレスである。
一実施形態では、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物は、医薬品の製造における使用用である。
一実施形態では、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物は、医薬品の製造における使用用であり、医薬品は、ストレスを受けた患者におけるストレス誘発性代謝異常(ストレスは、患者において生理的緊張の状態を誘発する)の予防又は軽減における使用用である。
本発明のさらなる態様は、ストレスを受けた患者におけるストレス誘発性代謝異常の予防又は寛解の方法に関し、ストレスは、患者において生理的緊張の状態を誘発し、本発明の、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物は、それを必要とする患者に投与される。
本発明の一態様は、ストレスを受けた患者におけるストレス誘発性代謝異常(ストレスは、患者において生理的緊張の状態を誘発する)の予防又は寛解のための、本発明の、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物の使用に関する。
本発明の一態様は、本発明の、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物を患者に投与するステップを含む、ストレスを受けた患者におけるストレス誘発性代謝異常(ストレスは、患者において生理的緊張の状態を誘発する)の予防又は寛解の方法に関する。
本発明の一態様は、ストレスを受けた患者におけるストレス誘発性代謝異常(ストレスは、患者において生理的緊張の状態を誘発する)の予防又は寛解のための、本発明の、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物の投与に関する。
本発明の一態様は、ストレスを受けた患者におけるストレス誘発性代謝異常(ストレスは、患者において生理的緊張の状態を誘発する)の予防又は寛解のための、本発明の、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物である。
本発明の第2の態様は、本発明による使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物のうち少なくとも2回投与量を含む容器を備える部品のキットに関し、本キットは、ストレスを受けるようになる患者においてストレス誘発性代謝異常(ストレスは、患者において生理的緊張の状態を誘発する)の予防又は軽減において、前記容器中に提供される、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物の使用のための指示をさらに含む。
一実施形態では、本発明による部品のキットは、本発明による使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物の単一用量を含む、第1の容器並びに本発明による使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVを含む医薬組成物などの単一用量を含む、第2の容器を備えるキットである。例えば、本キットは、経口投与用の大量の錠剤又は丸剤として、本発明による使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物を含むスクリューキャップ式容器を備える。あるいは、本キットは、少なくとも2つのバイアルを備え、各バイアルは、本発明による使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物の単一用量を含み、医薬組成物は、静脈内投与用の水溶液として提供される、又は医薬組成物は、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む水溶液が、例えば、静脈内投与用に提供されるように、水溶液に溶解するための粉末、顆粒剤などとして提供される。当業者は、もちろん、本発明による使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、例えば、BMOVなどを含む医薬組成物の多数の代替の配合物が、提供することができ、各配合物が、所期の投与の経路、所期の用量レジメン、所期の投与量などによって合わせて調製されることを理解している。
本発明の追加の態様は、薬物送達デバイス又は薬物送達キットであり、これには、本発明のインスリン−模倣バナジウム化合物及び薬学的に許容される担体が含まれ、デバイス又はキットは、バナジウム化合物のそれを必要とする患者への局所投与に適合される。バナジウムに基づいたインスリン模倣体の局所送達は、4週間で生体力学的特性を有意に強化し、転帰は、用量依存的であり、低投与量のバナジウム化合物によって、優れた結果を得た。
本発明は、次の例によってさらに例示され、これは、いかなる方法においても、本発明を限定しないものと解釈されるべきである。
実施例1
正常な健常ラットにおけるストレス誘発性高血糖に対するBMOVの効果−高血糖を予防する又は軽減するBMOVの能力のin vivo評価
ストレスによって誘導される高血糖モデルは、開発され、これらのモデルは、対象において高血糖を誘発するための任意の手術処置を含まず、このモデルは、対象において高血糖を誘発するために注入することにより任意の組成物の投与を要さない。対象が時間制御された方式でストレスを受けるように、ストレスは、アドレナリンの対象への注入により誘発される。
目的:実証する試験の目的は、健常な対象におけるストレス−及び/又は心的外傷によって誘発される高血糖に対するBMOVの有益な効果を示すことである。
方法:雄のウィスターラット(体重300〜400g)を、試験に含めた。
1)シリーズ1:ラット(n=13;4〜5匹/群)を、アドレナリンの最適な血糖値を上昇させる投与量を決定するために、頚静脈によって、アドレナリン0.1、0.3又は1μg/kg/分の速度で180分間注入した。血糖値を、アドレナリン注入を開始する前並びにアドレナリン注入を開始してから15、30、45、60、90、120、150、180分後に、大腿動脈から採取したサンプルから測定した。
2)シリーズ2:動物(n=4;1〜2匹/群)に、アドレナリン(1μg/kg/分)又は生理的食塩水(1ml/kg)を200分間注入し、それぞれ右及び左頚静脈を通してアドレナリン又は生理的食塩水の開始の120分後に開始し、BMOV(0.2、0.6、1.7、及び5ml/kg)又はビヒクルを20〜20分間注入した。グルコースレベルを、t=0、120、140、160、180及び200分で測定した。
結果:アドレナリン注入によって、血糖値において45分後に用量依存的な持続的な増加が誘発された。最高投与量(1μg/kg/分)によって、およそ120分でピークレベルによる最も顕著な増加をもたらし、これは、注入の開始後180分まで、ほぼ定常のままであった。BMOVは、アドレナリン+ビヒクル対照群と比較して、160〜180分で高血糖を有意に低下させ、グルコースレベルの低下は、160分後に両群において観察された。
これらの実証するin vivo実験から得られた結論:BMOVは、ビヒクルを投与される対象の群と比較して、対象において160〜180分における高投与量(1μg/kg/分)のアドレナリンにより誘発された高血糖を有意に減少させた。アドレナリンの注入は、例えば、心的外傷、例えば、外科手術中に与えられた心的外傷などの間に、対象のストレスへの曝露、例えば、対象の身体に受けたストレスへの曝露を反映する。
一般試験系パラメータ
実験動物
全体で、300〜400gの重さである健常な雄のウィスターラット31匹を、Toxicoop Hungary Zrt.社から購入し、本試験に含めた。
飼畜
ハウジング:動物を、最新のGuide for the Care and Use of Laboratory Animals DHEW(NIH)及びEU Guidelines 63/2010におけるサイズの推奨に従うケージに収容した。ケージの下に置いた落葉落枝材料を、週に少なくとも3回替えた。動物の部屋を、温度調節し、午前7時〜午後7時に、照明で12時間の明/暗周期にし、清潔を保ち、寄生虫はなかった。
順化:動物を、試験の少なくとも3日前に、居住施設に慣れさせた。
食物:任意の標準的な齧歯類用飼料、実験の12時間前に絶食を開始。
水:任意のろ過された水道水。
汚染物質:本試験の結果に干渉するはずであるレベルで、食物又は水中で見出されることが合理的に予想される公知の汚染物質はない。
同定:各動物に、連続したID番号を与えた。
実験群
シリーズ1 − アドレナリンの投与量の決定、パラダイムの最適化
実験モデル(ラット4〜5匹/群)
シリーズ2 − 制御ポイント(ラット1〜2匹/群)
方法
用語「食塩水」とは、その通常の科学的な意味を有し、本出願を通して、水1リットル当たりNaCl9,0グラムを含む塩化ナトリウム(NaCl)水溶液を意味する。食塩水はまた、「食塩溶液」、「正常食塩水」(NSS、NS又はN/S)、「生理食塩水」及び「等張食塩水」とも称される。
最適なアドレナリン注入速度の決定のための実験モデル
本試験の第1部において(表1、表3、シリーズ1)、健常な雄のウィスターラット13(13)匹を、絶食の12時間後、チオペンタール(チオバルビタール(Tiobarbital)0.5g、Braun Medical SA社)の腹腔内(ip.)注射により麻酔した。麻酔の発現後、右頚静脈に、180分間、それぞれ0.1、0.3、又は1μg/kg/分の速度で(50×、16.6×及び5×のトノゲン希釈後、注入体積は、動物の体重に基づいて算出する:およそ100μl/h)、ゆっくりとした連続的な注入としてアドレナリン(トノゲン(Tonogen)1mg/ml注射、Gedeon Richter Plc.社、Budapest、Hungary;エピネフリン)の投与のために、カニューレを挿入した。血液サンプルを、血糖値を決定するために、DCont TREND試験ストリップ(77 Elektronika社)上に直接滴下することにより、8〜10cmの長さのPE50(ID=0.4mm;デッドスペース10〜13μL)カニューレを介したアドレナリン注入の開始の15、30、45、60、90、120、150、180分前及び開始の15、30、45、60、90、120、150、180分後に、大腿動脈カニューレ挿入によって収集した。
血糖値に対するBMOV治療の効果の調査のための実験モデル
アドレナリン注入の血糖値を増加させる効果の結果に基づいた、シリーズ2(表2を参照のこと)において、健常な雄のウィスターラット4匹を、前述した通り麻酔し、右頚静脈に、200分間アドレナリン(5×希釈を1μg/kg/分)又は食塩水(1ml/kg)の注入のためにカニューレを挿入し、左頚静脈に、試験化合物BMOV(原液1.7mg/ml;各動物における20〜20分間の0.2、0.6、1.7及び5ml/kgを、アドレナリン又は生理的食塩水注入の開始の120分後に開始した)又はビヒクルの注入のためにカニューレを挿入した。血糖値を、DCont TREND試験ストリップ(77 Elektronika社、Budapest、Hungary)上に血液を直接滴下することにより、各時点で2回測定した。血液サンプル(時間当たり500μl)を、グルコースレベルの測定のために20分毎に(図1、図3)、アドレナリン注入の開始前、BMOVのそれぞれの投与量の投与前及び投与後に、1−mLのK2EDTA−含有管(VACUETTE(登録商標)TUBE、Greiner Bio−One Hungary Kft.社、Mosonmagyarovar、Hungary)中で、右大腿動脈によって収集した。血液サンプルを、4℃で15分間4.000rpmで遠心した。遠心した血漿(全容量200μl)に由来する、調製し分離されたサンプルを、輸送まで−70℃で維持した。
結果
図2では、これらの結果は、「シリーズ1」と指定された、上記で概略した実験のものが示されている。アドレナリンの対象への静脈内の導入によって、アドレナリン用量依存の方式で高血糖状態にし、対象の血液中のグルコースレベルの誘発された増加の程度は、アドレナリンが投与される時間経過の中の時間に増加することが明らかである。
図3では、これらの結果から、ストレスの投与の経過中のBMOV、すなわち、アドレナリンの腹腔内注入による、実験「シリーズ2」における対象の治療が示され、BMOVの投与は、対象におけるストレスの誘発の開始に関する遅延によって開始される。ストレスの誘発の開始後及びストレスの進行の継続中にBMOVを投与することにより、対象におけるグルコースレベルの増加の程度は低下する。
実験「シリーズ1及びシリーズ2」の結論
シリーズ1
アドレナリン注入によって、注入の開始の45分後、血糖値の用量依存的な持続的な増加が誘発された(図1、図2、表4、表5)。高投与量(トノゲンエピネフリンの5×希釈の1μg/kg/分)によって、アドレナリンによる注入開始のおよそ120分後にグルコースのピークレベルを伴う最も顕著な増加をもたらし、投与の終了まで(180分で)ほぼ定常のままであった。これらの結果に基づいて、試験化合物BMOVの血糖値に対する効果の調査は、対象におけるアドレナリン注入の開始の120分後に試験するのに最適であった。
シリーズ2
血糖値は、[トノゲンエピネフリン+ビヒクル]試験群及び[トノゲン+BMOV]群において、対象におけるアドレナリン注入の開始の160分後に低下し始め、これは、いかなる理論により縛られることを望まずに、この時点から及びそれ以降に投与された比較的高い注入体積の希釈効果によるものである。したがって、実験プロトコールを、シリーズ3に従って修正した。図3及び表6、表7を参照のこと。
シリーズ1における血糖値
シリーズ2における血糖値
実施例2
実証する実験から、対象が受ける/曝されるストレスの発生前にBMOVにより対象を前処置することによって、対象のストレスへの曝露中に高血糖を軽減する及び/又は予防することが示されている。
被験物質
名称:ビス(マルトラト)オキソバナジウム(BMOV)
BMOVを、リン酸緩衝生理的食塩水に溶解した。
一般試験系パラメータ
動物の要件
300〜400gの重さである健常な雄のウィスターラット12匹を、Animal House of the University of Pecs(Hungary)から購入し、実証する試験に含めた。
飼畜
ハウジング:動物を、現行のGuide for the Care and Use of Laboratory Animals DHEW(NIH)及びEU Guidelines 63/2010中のサイズの推奨に従ったケージに収容した。ケージの下に置いた落葉落枝材料を、週に少なくとも3回替えた。動物の部屋を、温度調節し、午前7時〜午後7時に、照明を12時間の明/暗周期にし、清潔を保ち、寄生虫はなかった。
順化:動物を、試験の少なくとも3日前に、居住施設に慣れさせた。
食物:任意の標準的な齧歯類用飼料、アドレナリン注入の3時間前に絶食を開始。
水:任意のろ過された水道水。
汚染物質:本試験の結果に干渉するはずであるレベルで、食物又は水中で見出されることが合理的に予想される、公知の汚染物質はなかった。
同定:各動物に、連続したID番号を与えた。
方法
実験モデル
前処置
グループ1、健常な雄のウィスターラット3匹を、アドレナリン注入の開始の16〜24時間前及び3時間前に腹腔内注射(ip)により、BMOV15mg/kgで2回治療した。グループ2、健常な雄のウィスターラット3匹を、アドレナリン注入の開始の3時間前に腹腔内注射(ip)により、BMOV15mg/kgで治療した。グループ3、健常な雄のウィスターラット3匹を、アドレナリン注入の開始の3時間前に、PBSビヒクルにより治療し、図4を参照のこと。
急性アドレナリンストレスによって誘発された血糖値に対するBMOV治療の効果の調査
絶食の3h後、ラットを、チオペンタール(チオバルビタール0.5g、Braun Medical SA社)の腹腔内(ip.)注射によって麻酔した。麻酔の発現後、右頚静脈を、トノゲン0.3マイクログラム/kg/分(およそ100マイクロリットル/h)の速度で、それぞれ180分間ゆっくりとした連続的な注入として、アドレナリン(トノゲン1mg/ml注射、Gedeon Richter Plc.社、Budapest、Hungary;トノゲンは、エピネフリンを含む)の投与のためのカニューレを挿入した。さらなる詳細について表8及び表9を参照のこと。血液サンプルを、グルコースレベルの測定のために180分の時点のみポイントオブケアストリップに2回直接滴下することにより、8〜10cmの長さのPE50(ID=0.4mm;デッドスペース10〜13マイクロリットル)カニューレを経由して、アドレナリン注入の開始の30、60、90、120、150、180分前及び30、60、90、120、150、180分後に大腿動脈(又は高い体積により適していたため、頚動脈カニューレ挿入を介して)から収集した。
グループ1〜3の対象における血糖値の測定
グルコースレベルの測定を、DCont TREND血糖値測定器により行った。血糖値を測定するために2回のDCont TREND試験ストリップ(77 Elektronika社、http://www.regolymedical.hu/en/measuring−tools−and−surgicalinstruments/vercukormero−d−cont−trend.html)。実験の過程における血液採取レジメンについて表9を参照のこと。
試験のエンドポイント
血糖値
分割した血漿サンプルを調製し、輸送まで−70℃で貯蔵した。
結果
対象にストレスを与える3h前に、単一のBMOVの投与量を、前記対象に投与することにより、ストレスの期間中、高血糖の程度をかなり減少させた(図5;表10、表11)。さらに、対象にストレスを与える16〜24h前に、BMOVの第1の投与量を前記対象に投与し、その後、対象にストレスを与える3h前に、第2のBMOVの投与量を前記対象に投与することにより、ストレスの期間中、高血糖の発生を抑制し、大量に血糖値の増加の程度を減少させた(図5;表10、表11)。
BMOVの代わりにビヒクル(リン酸緩衝生理的食塩水)を投与された対照群と比較した場合、BMOVを含む医薬組成物の2回投与量の投与によって、180分間アドレナリンによって誘発されたストレスを受けた対象の血液中のグルコースレベルの増加が低下した。対象にストレスが誘発される前に、BMOVにより2回治療された対象は、ストレスが、ストレスの誘発の3h前にBMOVの投与後に誘発された180分の経過中に、血糖値が、約−75%〜約+84%の間で増加した。逆に、ストレスが誘発される前にビヒクルにより前処置された対照群において、対象の血液中のグルコースレベルは、例えば、t=180分で5.7mM/l〜13.4mM/l及び例えば、t=0で5.7mM/l〜t=180分で14.9mM/lまで増加した。表10、表11、図5、図6を参照のこと。したがって、ストレス性の発作の発生前(本明細書で、t=0分に開始するアドレナリンの注入)のBMOVによる対象の前処置(ストレスの発生の3h前、又は16〜24時間において、その後、ストレスの発生の3h前)は、驚くべきことに、ストレスを受けている対象における高血糖の発生を大いに軽減させる。図6中で、ストレスに曝露された対象の血液中のグルコースレベルは、アドレナリン注入の開始の180分後の時点で示される。


Claims (27)

  1. ストレスを受けた患者におけるストレス誘発性代謝異常の予防又は軽減において使用のための、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体を含む並びに薬学的に許容される添加剤をさらに含む、医薬組成物。
  2. 患者がストレスを受ける前に、医薬組成物が、患者に投与される、請求項1に記載の使用のための医薬組成物。
  3. 代謝異常が、高血糖を含み、好ましくは、代謝異常が、高血糖である、請求項1又は2に記載の使用のための医薬組成物。
  4. 生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体が、ビス(マルトラト)オキシドバナジウム(BMOV)又はビス(エチルマルトラト)オキソバナジウム(IV)(BEOV)であり、好ましくは、BMOVである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の使用のための医薬組成物。
  5. 医薬組成物が、単独の有効医薬成分として、BMOV若しくはBEOVを含む、又は医薬組成物が、有効医薬成分として、BMOV及びBEOVの組合せを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の使用ための医薬組成物。
  6. 患者がストレスを受ける前に、96h〜0hの間の時点で、患者がストレスを受ける前に、好ましくは、72h〜1hの間の時点で、より好ましくは、48h〜2hの間の時点で、最も好ましくは、24h〜3hの間の時点で少なくとも1回、患者に投与される、請求項5に記載の使用のための医薬組成物。
  7. ストレスが、心的外傷、例えば、外科手術によって引き起こされる心的外傷、医療処置により引き起こされる心的外傷、医原性の損傷により引き起こされる心的外傷である、及び/又は患者が受けるストレスが、感染症、1種又は複数の医薬(複数可)の投与、生命を脅かす状態による長期若しくは短期の急性の心理ストレス、例えば、潜在的に生命を脅かす状態及び事故などのうちいずれか1種又は複数によって引き起こされる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の使用ための医薬組成物。
  8. 生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体を含む医薬組成物が、患者に経口投与され、又は患者に静脈内投与され、又は腹腔内投与され、又は筋肉内投与され、又は皮内投与され、好ましくは、患者に静脈内投与又は皮内投与又は腹腔内投与される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の使用ための医薬組成物。
  9. 水溶液であり、好ましくは、医薬組成物ml当たり、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体約0.001mg〜10mgの間、好ましくは、約0.5mg/ml〜5mg/mlの間、より好ましくは、ml当たり生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体約2mgを含む水溶液である、請求項8に記載の使用のための医薬組成物。
  10. 生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体が、BMOV又はBEOV又はその組合せであり、好ましくは、BMOVである、請求項9に記載の使用のための医薬組成物。
  11. 少なくとも1種の薬学的に許容される添加剤が、リン酸緩衝生理的食塩水を含み、前記リン酸緩衝生理的食塩水が、NaHPO.HO1.86g/l、NaHPO.2HO9.50g/l及びNaCl4.40g/lを含み、好ましくは、前記薬学的に許容される添加剤が、NaHPO.HO約1.86g/l、NaHPO.2HO約9.50g/l及びNaCl約4.40g/lからなるリン酸緩衝生理的食塩水からなる、請求項9又は10に記載の使用のための医薬組成物。
  12. 生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体を含む医薬組成物が、患者に経口投与され、前記医薬組成物が、経口投与用のカプセル、錠剤、丸剤、又は水溶性粉末として提供される、請求項8に記載の使用のための医薬組成物。
  13. 生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体を含む医薬組成物の単一用量が、患者に投与される、又は用量レジメンが、12h〜48hの間当たり、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体を含む医薬組成物の少なくとも2回投与量、好ましくは、16h〜24hの間の2回投与量の患者への投与である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の使用のための医薬組成物。
  14. 患者に投与される生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体を含む医薬組成物の投与量が、患者の体重kg当たり、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体0.01mg〜30mgの間、好ましくは、患者の体重kg当たり、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体0.1mg〜15mgの間、より好ましくは、患者の体重kg当たり、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体約0.15mg〜10mgの間、最も好ましくは、患者の体重kg当たり、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体約0.5mg〜2.5mgの間を含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の使用のための医薬組成物。
  15. 患者がストレスを受ける期間において、患者に投与される、請求項1〜14のいずれか一項に記載の使用のための医薬組成物。
  16. 医薬組成物の第1の単一用量が、患者がストレスを受ける96h〜10h前の間、好ましくは、72h〜12h前の間、より好ましくは、48h〜14h前の間、最も好ましくは、24h〜16h前の間の時点で、患者に投与され、医薬組成物の第2の単一用量が、患者がストレスを受ける8h〜0h前の間、好ましくは、5h〜3h前の間の時点で、患者に投与され、好ましくは、前記第1の単一用量が、24h〜16h前の間で投与され、前記第2の単一用量が、患者がストレスを受ける約3h前に投与される、請求項1〜15のいずれか一項に記載の使用のための医薬組成物。
  17. 医薬組成物の第1の単一用量が、患者がストレスを受ける96h〜0h前の間、好ましくは、72h〜1h前の間、より好ましくは、48h〜2h前の間、最も好ましくは、24h〜3h前の間の時点で、患者に投与され、医薬組成物の第2の単一用量が、患者がストレスを受ける期間中、患者に投与される、請求項1〜15のいずれか一項に記載の使用のための医薬組成物。
  18. 医薬組成物の第1の単一用量が、患者がストレスを受ける、96h〜10h前の間、好ましくは、72h〜12h前の間、より好ましくは、48h〜14h前の間、最も好ましくは、24h〜16h前の間の時点で、患者に投与され、医薬組成物の第2の単一用量が、患者がストレスを受ける、8h〜0h前の間、好ましくは、5h〜3h前の間の時点で、患者に投与され、医薬組成物の第3の単一用量が、患者がストレスを受ける期間中、患者に投与される、請求項1〜15のいずれか一項に記載の使用のための医薬組成物。
  19. 水溶液として又は例えば、散剤、錠剤、丸剤、及びカプセルなどの、固形剤形として提供され、医薬組成物の投与量が、患者の体重kg当たり、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体を約0.01mg〜30mgの間で、好ましくは、患者の体重kg当たり、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体を約0.5mg〜2.5mg含む、請求項16〜18のいずれか一項に記載の使用のための医薬組成物。
  20. 水溶液として又は例えば、散剤、錠剤、丸剤、及びカプセルなどのような固形剤形として提供され、医薬組成物の投与量が、患者の体重kg当たり、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体を約0.01mg〜30mgの間で含み、医薬組成物の投与量を、前記患者に投与することによって、前記患者において、血漿曝露レベルが、元素状態のバナジウム25ng/ml〜2500ng/mlの間、又は好ましくは、100ng/ml〜1000ng/mlの間で提供される、請求項14〜19のいずれか一項に記載の使用ための医薬組成物。
  21. 患者が受けるストレスが、心的外傷、例えば、外科手術によって引き起こされる心的外傷、医療処置により引き起こされる医学的な心的外傷、医原性の損傷により引き起こされる心的外傷などである、及び/又は患者が受けるストレスが、感染症、1種又は複数の医薬(複数可)の投与、生命を脅かす状態による長期若しくは短期の急性の心理ストレス、例えば、潜在的に生命を脅かす状態及び事故などのうちいずれか1種又は複数によって引き起こされる、請求項16〜20のいずれか一項に記載の使用ための医薬組成物。
  22. 患者がストレスを受ける期間中の患者の血液中のグルコース含有量の増加が、患者がストレスを受ける3h〜0分前の時点での患者の血液中のグルコース含有量と比較して、好ましくは、患者が、ストレスを受け始める時点での患者の血液中のグルコース含有量と比較して、約100%未満、好ましくは、約65%未満、より好ましくは、約30%未満、最も好ましくは、約6%未満である、請求項1〜21のいずれか一項に記載の使用ための医薬組成物。
  23. 患者がストレスを受ける期間の最初の1〜8時間の間、好ましくは、患者がストレスを受ける期間の最初の約3時間の間、患者の血液中のグルコース含有量の増加が、患者がストレスを受ける3h〜0分前の時点での患者の血液中のグルコース含有量と比較して、好ましくは、患者が、ストレスを受け始める時点での患者の血液中のグルコース含有量と比較して、約100%未満、好ましくは、約65%未満、より好ましくは、約30%未満、最も好ましくは、約6%未満である、請求項1〜21のいずれか一項に記載の使用のための医薬組成物。
  24. 患者がストレスを受ける期間の最初の1〜8時間の間、好ましくは、患者がストレスを受ける期間の最初の約3時間の間、患者の血液中のグルコース含有量の増加が、患者がストレスを受ける3h〜0分前の時点での患者の血液中のグルコース含有量と比較して、好ましくは、患者がストレスを受け始める時点での患者の血液中のグルコース含有量と比較して、約−25%〜約100%の間、好ましくは、約0%〜約75%の間、より好ましくは、約5%〜約65%の間、最も好ましくは、約30%である、請求項1〜21のいずれか一項に記載の使用のための医薬組成物。
  25. 患者に与えられるストレスが、外科手術、例えば、心臓外科手術、切断手術、腫瘍切除手術、脳手術、移植手術、止血の回復に関連する手術、骨折の治療に関連する外科手術、臓器若しくは骨の再建に関連する外科手術、例えば、臀部移植手術、血管外科手術、バイパス手術、創傷の閉鎖、皮膚、骨、臓器、組織、動脈、静脈への傷害の治療、医療処置、医原性の損傷、感染症、1種又は複数の医薬(複数可)の投与、急性の心理ストレス、事故などのうちのいずれか1つ又は複数の間で起こる心的外傷によって引き起こされるストレスである、請求項1〜24のいずれか一項に記載の使用ための医薬組成物。
  26. 請求項1〜25のいずれか一項に記載の使用のための生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体を含む医薬組成物の少なくとも2回投与量を含む容器を備える部品のキットであって、ストレスを受けるようになる患者においてストレス誘発性代謝異常(ストレスは、患者において生理的緊張の状態を誘発する)の予防又は軽減において、前記容器中に提供される、生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体を含む医薬組成物の使用のための指示をさらに備える、部品のキット。
  27. 生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、好ましくは、BMOVを含む医薬組成物の単一用量を含む第1の容器並びに生理的に許容される有機及び/又は無機バナジウム化合物又は複合体、好ましくは、BMOVを含む医薬組成物の単一用量を含む第2の容器を備える、請求項26に記載の部品のキット。
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