JP2020533986A - 細胞を培養および増殖させるための組成物および方法 - Google Patents

細胞を培養および増殖させるための組成物および方法 Download PDF

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    • C12N2710/16751Methods of production or purification of viral material

Abstract

本明細書では、とりわけ、細胞(T細胞、二倍体細胞、または非二倍体細胞等)を培養および増殖させるための組成物、系、キット、および方法が提供され、障害を(例えば、T細胞で)治療するための方法、ならびにワクチンを含む生物学的分子および組成物(例えば、タンパク質、ウイルス、ウイルス粒子、またはそれらの断片等)を生産するための方法も提供される。【選択図】図1

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2017年9月15日に提出された米国特許仮出願第62/559,391号および2018年8月31日に提出された米国特許仮出願第62/725,376号の利益を主張する。上述の出願の内容全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
細胞分裂等の細胞特性の速度の増加を可能にする方法は、特に、細胞を個体から取り出し、培養し、その後その個体に再導入する場合に、生物学的産生および治療的介入の両方を改善する潜在性を有する。
例えば、T細胞が様々ながんまたは感染性生物に関連する抗原の構造を認識する能力は、α(アルファ)鎖およびβ(ベータ)鎖またはγ(ガンマ)鎖およびδ(デルタ)鎖の両方からなるT細胞抗原受容体(TCR)によってもたらされる。T細胞および様々なサブセットは、がん、自己免疫障害、炎症性疾患、アレルギー性疾患、および感染性疾患の治療において広範囲の治療的意義を有する。T細胞および他の細胞を増殖させるための信頼性が高く効率的かつ迅速な方法に対して、長年にわたる切実な必要性が存在する。
細胞(例えば、ヒト細胞)を培養および/または増殖させるための組成物および方法が提供され、細胞は、1つ以上の産物(例えば、1つ以上のタンパク質(例えば、1つ以上の異種タンパク質)、1つ以上の核酸分子(例えば、1つ以上の異種タンパク質)、1つ以上のウイルス、および/または1つ以上のVLP)を産生する。とりわけ、細胞(例えば、T細胞)を培養および/または増殖させるための組成物、系、キット、および方法、ならびに障害を細胞(例えば、T細胞)で治療するための方法が本明細書でさらに提供される。
一態様では、シクロデキストリンおよび少なくとも1つの脂質を含む培養培地組成物(例えば、無血清細胞培養培地組成物)が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、本組成物は、リノール酸、少なくとも1つの他のオメガ−6脂肪酸、コレステロール、およびメチル化シクロデキストリンを含む。
一態様では、シクロデキストリンおよび少なくとも1つの脂質を含む培養補助剤組成物(例えば、無血清細胞培養補助剤組成物)が本明細書に含まれる。いくつかの実施形態では、本組成物は、リノール酸、少なくとも1つの他のオメガ−6脂肪酸、コレステロール、およびメチル化シクロデキストリンを含む。
リノール酸、少なくとも1つの他のオメガ−6脂肪酸、コレステロール、および少なくとも1つのシクロデキストリンを含む細胞培養培地組成物(例えば、無血清細胞培養培地組成物)、ならびにリノール酸、少なくとも1つの他のオメガ−6脂肪酸、コレステロール、および少なくとも1つのシクロデキストリンを含む細胞培養補助剤組成物(例えば、無血清細胞培養補助剤組成物)が本明細書でさらに提供される。多くの場合、シクロデキストリンは、メチル化シクロデキストリンである。多くの場合、シクロデキストリンは、約50μM〜約200μMのレベルで存在する。多くの場合、コレステロールは、合成コレステロールであり、コレステロールは、約5μM〜約30μMの濃度で存在する。加えて、いくつかの例では、少なくとも1つの他のオメガ−6脂肪酸は、多価不飽和オメガ−6脂肪酸である。場合によっては、少なくとも1つの他のオメガ−6脂肪酸は、アラキドン酸であるか、またはそれを含む。場合によっては、多価不飽和オメガ−6脂肪酸は、アラキドン酸、リノール酸、リノレン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、およびステアリン酸からなる群から選択される1つ以上の脂肪酸である。場合によっては、細胞培養補助剤組成物の有効希釈度は、約1:10〜約1:5000である。
本明細書で提供される細胞培養培地組成物(例えば、無血清細胞培養培地組成物)および/または本明細書で提供される細胞培養培地補助剤(例えば、無血清細胞培養培地補助剤)は、タンパク質(例えば、異種タンパク質)、核酸分子(例えば、異種タンパク質)、ワクチン、ウイルス、ウイルス粒子、ウイルスタンパク質もしくは核酸、またはウイルス断片を産生し得る細胞の培養に使用することができる。
本明細書で提供される細胞培養培地組成物を使用して培養することができる細胞には、真菌細胞(例えば、Saccharomyces cerevisiae等の酵母細胞)、植物細胞および動物細胞(例えば、sf9細胞等の昆虫細胞、およびヒト細胞、ニワトリ細胞、サル細胞等の哺乳動物細胞)が含まれる。場合によっては、動物細胞は、ウシ細胞、イヌ細胞、ネコ細胞、昆虫細胞、鳥類細胞、霊長類細胞、またはヒト細胞である。さらに、本明細書に明記されるように培養される細胞は、二倍体細胞であってもよい。
場合によっては、本明細書で提供される細胞培養培地組成物は、細胞の培養に使用され、細胞は、MRC−5、MRC−5 RCB、MRC−9、WI−38、2BS、Walvax−2、IMR−90、IMR−91、KMB−17、HUT系列細胞、チャン肝臓、U937、MDCK、CD4発現T細胞、CD8発現T細胞、VERO、および前述の細胞の任意のクローンから選択される。
場合によっては、本明細書で提供される細胞培養培地組成物は、2−デオキシ−D−グルコースをさらに含む。
場合によっては、本明細書で提供される細胞培養培地組成物は、細胞の成長(例えば、1つ以上の成分を省略する細胞培養培地組成物と比較した成長速度)、細胞の生存細胞密度、感染した細胞によって産生されるウイルスのウイルス力価、またはそれらの組み合わせを増加させるために使用することができる。
場合によっては、本明細書で提供される細胞培養培地組成物を使用して培養される細胞は、ウイルス(例えば、動物ウイルス、植物ウイルス、バクテリオファージ等)に感染しているか、または産生が所望される1つ以上の発現産物(例えば、1つ以上のサイトカイン、エリスロポエチン、抗体等の1つ以上のタンパク質)をコードする異種核酸を含有する。場合によっては、そのようなウイルスは、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、風疹、麻疹、流行性耳下腺炎、A型肝炎、アデノウイルス、ポリオ、ロタウイルス、痘瘡、水痘、黄熱、パピローマウイルス、エボラウイルス、HIV、狂犬病、または水疱性口内炎ウイルス(VSV)、およびデングウイルスからなる群から選択される1つ以上のウイルスである。場合によっては、本明細書で提供される細胞培養培地組成物中で培養された細胞を使用して産生されたウイルス粒子は、パルボウイルス科、レトロウイルス科、フラビウイルス科、またはバクテリオファージに由来する。
本明細書で提供される細胞培養補助剤組成物を基本培地に添加して、タンパク質、ワクチン、ウイルス、ウイルス粒子、ウイルスタンパク質もしくは核酸、および/またはウイルス断片を産生することができる細胞(例えば、二倍体細胞)を培養してもよい。多くの場合、そのような細胞は、無血清条件下で培養される。
細胞集団(例えば、二倍体細胞集団)を培養するための方法であって、細胞集団を、シクロデキストリンおよび少なくとも1つの脂質を含む細胞培養培地中でインキュベートすることを含む、方法が本明細書でさらに提供される。場合によっては、そのような方法は、ワクチン産生細胞(例えば、二倍体細胞)を含み、本方法は、細胞集団を、(i)シクロデキストリン(例えば、メチル化シクロデキストリン)、リノール酸、少なくとも1つの他のオメガ−6脂肪酸(例えば、以下、アラキドン酸、リノレン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、およびステアリン酸のうちの1つ以上等の1つ以上の多価不飽和オメガ−6脂肪酸)、ならびにコレステロール、または好適な希釈度の表1および/もしくは表2に記載の補助剤を含む、無血清細胞培養培地中でインキュベートすることを含み、培養は、シクロデキストリンを有しない血清含有培地中の生存細胞密度と比較して、該無血清細胞培養培地中の生存細胞密度を増加させる。
場合によっては、細胞集団(例えば、二倍体細胞集団)を培養するための方法には、(i)培地または補助剤が、細胞の成長、細胞の生存細胞密度、ウイルスに感染した細胞のウイルス力価、またはそれらの組み合わせを増加させる場合、および/あるいは(ii)細胞(例えば、二倍体細胞)が、無血清条件下で、ワクチン、ウイルス、ウイルス粒子、ウイルスタンパク質もしくは核酸、またはそれらのウイルス断片を産生することができる場合、および/あるいは(iii)該細胞が、ウイルスに感染している場合が含まれる。さらに、場合によっては、(i)ウイルスは、動物ウイルス、植物ウイルス、もしくはバクテリオファージであり、かつ/または(ii)ウイルスは、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、風疹、麻疹、流行性耳下腺炎、A型肝炎、アデノウイルス、ポリオ、ロタウイルス、痘瘡、水痘、黄熱、パピローマウイルス、エボラウイルス、HIV、狂犬病もしくは水疱性口内炎ウイルス(VSV)、およびデングウイルスからなる群から選択され、かつ/または(iii)ウイルス粒子は、パルボウイルス科、レトロウイルス科、フラビウイルス科、もしくはバクテリオファージに由来する。
場合によっては、本明細書で提供される組成物および方法を使用して培養される細胞集団は、MRC−5細胞、MRC−5 RCB細胞、MRC−9細胞、WI−38細胞、2BS細胞、Walvax−2細胞、IMR−90細胞、IMR−91細胞、KMB−17細胞、HUT系列細胞、チャン肝細胞、U937細胞、MDCK細胞、CD4発現T細胞、CD8発現T細胞、VERO細胞、およびこれらの細胞の任意のクローンからなる群から選択される。
(A)(i)細胞の集団、(ii)シクロデキストリンおよび少なくとも1つの脂質を含む無血清細胞培養培地、または(B)(i)細胞の集団、(ii)無血清基本細胞培地、ならびに(iii)シクロデキストリンおよび少なくとも1つの脂質を含む補助剤、または(C)(i)細胞の集団、(ii)無血清基本細胞培地、ならびに(iii)好適な希釈度の表1および/もしくは表2に記載の補助剤を含む組み合わせが本明細書でさらに提供される。そのような組み合わせの場合によっては、(i)細胞は、動物細胞であり、かつ/または(ii)動物細胞は、ウシ細胞、ネコ細胞、昆虫細胞、鳥類細胞、霊長類細胞、もしくはヒト細胞であり、かつ/または(iii)動物細胞は、二倍体細胞であり、かつ/または(iv)細胞は、MRC−5細胞、MRC−5 RCB細胞、MRC−9細胞、WI−38細胞、2BS細胞、Walvax−2細胞、IMR−90細胞、IMR−91細胞、KMB−17細胞、HUT系列細胞、チャン肝細胞、U937細胞、MDCK細胞、CD4発現T細胞、CD8発現T細胞、VERO細胞、およびこれらの細胞の任意のクローンからなる群から選択される。場合によっては、細胞(例えば、二倍体細胞)は、無血清条件下で、ワクチン、ウイルス、ウイルス粒子、ウイルスタンパク質もしくは核酸、またはウイルス断片を産生する。
細胞培養培地(例えば、無血清培養培地、無血清二倍体細胞培養培地等)を作製する方法であって、(i)基本培地と、(ii)シクロデキストリンおよび少なくとも1つの脂質を含む補助剤、または(ii)好適な希釈度の表1および/もしくは表2に記載の補助剤のいずれかとを混合することを含む、方法が本明細書でさらに提供される。場合によっては、補助剤は、1つ以上の成長因子をさらに含む。
細胞培地(例えば、二倍体細胞培地)の補充のための系であって、(i)1つ以上の異なるシクロデキストリンであって、各シクロデキストリンが、別個の容器内にある、シクロデキストリンと、(ii)2つ以上の異なる脂肪酸であって、各脂肪酸が、別個の容器内にある、脂肪酸とを含む、系が本明細書でさらに提供される。
細胞または細胞株を培養するためのキットであって、(i)細胞の集団、(ii)シクロデキストリンおよび少なくとも1つの脂質を含む無血清細胞培養培地、ならびに/または(i)細胞の集団、(ii)無血清基本細胞培地、および(iii)シクロデキストリンおよび少なくとも1つの脂質を含む補助剤、ならびに/または(i)細胞の集団、(ii)無血清基本細胞培地、および(iii)好適な希釈度の表1および/もしくは表2に記載の補助剤を含む、キットが本明細書でさらに提供される。本明細書で提供されるキットには、(i)細胞が、動物細胞であるもの、または(ii)動物細胞が、ウシ細胞、ネコ細胞、昆虫細胞、鳥類細胞、霊長類細胞、もしくはヒト細胞であるもの、または(iii)動物細胞が、二倍体細胞であるもの、または(iv)細胞が、MRC−5細胞、MRC−5 RCB細胞、MRC−9細胞、WI−38細胞、2BS細胞、Walvax−2細胞、IMR−90細胞、IMR−91細胞、KMB−17細胞、HUT系列細胞、チャン肝細胞、U937細胞、MDCK細胞、CD4発現T細胞、CD8発現T細胞、VERO細胞、およびこれらの細胞の任意のクローンからなる群から選択されるものが含まれる。本明細書で提供されるキットには、細胞が、無血清条件下で、ワクチン、ウイルス、ウイルス粒子、ウイルスタンパク質もしくは核酸、またはウイルス断片を産生するものもまた含まれる。
一態様では、細胞集団(例えば、T細胞集団)を培養するための方法が本明細書で提供される。そのような方法は、集団を、シクロデキストリンおよび少なくとも1つの脂質を含む細胞培養培地中でインキュベートすることを含む。
一態様では、集団内のCD8+T細胞対CD4+T細胞の比の変化を最小化しながら、CD8+T細胞およびCD4+T細胞を含むT細胞集団を培養するための方法が本明細書で提供される。そのような方法は、集団を、シクロデキストリンおよび少なくとも1つの脂質(例えば、多価不飽和脂肪酸)を含む培地中でインキュベートすることを含む。
一態様では、細胞亜集団(例えば、T細胞亜集団)のメンバーを優先的に増殖させるための方法が本明細書で提供される。そのような方法は、細胞(例えば、T細胞)の混合集団を、(i)シクロデキストリンおよび(ii)脂肪酸に曝露することを含む。いくつかの実施形態では、2つ以上の脂肪酸のモル比を調整して、細胞亜集団(T細胞亜集団)のメンバーを誘導して、他の細胞亜集団(1つ以上の他のT細胞亜集団)のメンバーに対して優先的に増殖させるように調整される。
一態様では、集団内のCD8+T細胞対CD4+T細胞の比を増加させながら、CD8+T細胞およびCD4+T細胞を含むT細胞集団を培養する方法が本明細書で提供される。そのような方法は、集団を、2−デオキシ−D−グルコース(2−DG)を含む細胞培地中でインキュベートすることを含む。
本発明は、集団内のCD8+T細胞対CD4+T細胞の比を調整および/または維持するための組成物および方法をさらに含む。そのような方法は、CD8+T細胞とCD4+T細胞との混合集団の細胞が、(1)本明細書に明記されるシクロデキストリン/脂質組成物、(2)2−DG、ならびに/または(1)および(2)の組み合わせと接触するものを含む。場合によっては、CD8+T細胞対CD4+T細胞の比が、1:1であるか、またはそれに近い、T細胞の集団を生成または維持することが望ましい。この文脈では、「1:1に近い」比は、10%未満の変動を指す。したがって、1:0.95のCD8+T細胞対CD4+T細胞の比は、1:1に近いものである。
場合によっては、CD8+T細胞対CD4+T細胞の比が、1:1ではないか、またはそれに近くない、T細胞の集団を生成および/または維持することが望ましくあり得る。そのような場合では、CD8+T細胞またはCD4+T細胞のいずれかが、その集団内で優勢であってもよい。一例として、場合によっては、CD4+T細胞の数が、CD8+T細胞の数よりも2倍多い(1:0.5の比のCD4+T細胞対CD8+T細胞)、T細胞集団を有することが望ましくあり得る。したがって、本発明は、CD8+T細胞対CD4+T細胞の比またはCD4+T細胞対CD8+T細胞の比が、約1:1〜約1:0.1(例えば、約1:1〜約1:0.2、約1:1〜約1:0.3、約1:1〜約1:0.4、約1:1〜約1:0.5、約1:1〜約1:0.7等)である、T細胞集団を生成および/または維持するための組成物および方法を提供する。
一態様では、疾患の治療を必要とする対象において疾患を治療するための方法であって、本明細書で提供される方法、組成物、キット、または系を使用して得られたT細胞を、対象に投与することを含む、方法が本明細書で提供される。
一態様では、(i)細胞(例えば、T細胞)の集団、(ii)シクロデキストリンおよび少なくとも1つの脂質を含む細胞培養培地、ならびに/または(iii)2−デオキシ−D−グルコース(2−DG)を含む細胞培養培地を含む組み合わせが本明細書で提供される。
一態様では、本明細書で提供される培地および/または補助剤、ならびに細胞(例えば、T細胞)の集団の組み合わせを含む、生物発酵槽が本明細書で提供される。一態様では、本明細書で提供される培地および/または補助剤、ならびに細胞(例えば、T細胞)の集団の組み合わせを含む、細胞培養プレートまたはフラスコが本明細書で提供される。
一態様では、細胞培地(例えば、T細胞培地)の補充のための系が提供される。この系は、(i)2つ以上の異なるシクロデキストリンであって、各シクロデキストリンが、別個の容器内にある、シクロデキストリンと、(ii)2つ以上の異なる脂肪酸であって、各脂肪酸が、別個の容器内にある、脂肪酸と、(iii)2−デオキシ−D−グルコース(2−DG)とを含む。
一態様では、細胞(例えば、T細胞)を培養するためのキットが提供される。このキットは、以下、培養培地(例えば、無血清培養培地)、シクロデキストリン、1つ以上の脂質、および/または2−デオキシ−D−グルコース(2−DG)のうちの1つ以上を含み得る。
(i)細胞(例えば、二倍体または非二倍体細胞)の集団、ならびに(ii)シクロデキストリンおよび少なくとも1つの脂質を含む細胞培養培地を含む、組み合わせもまた、本明細書で提供される。場合によっては、細胞(例えば、二倍体細胞)は、ワクチン、ウイルス、ウイルス粒子、ウイルスタンパク質もしくは核酸、またはウイルス断片を産生する。多くの場合、組み合わせは、無血清であるだろう。
細胞集団(例えば、二倍体細胞集団)を培養するための方法であって、細胞集団を、シクロデキストリンおよび少なくとも1つの脂質を含む細胞培養培地中でインキュベートすることを含む、方法が本明細書でさらに提供される。多くの場合、細胞培養培地は、無血清であるだろう。場合によっては、細胞集団は、MRC−5、MRC−5 RCB、WI−38、2BS、Walvax−2、IMR−90、IMR−91、KMB−17、VERO細胞、チャン肝細胞、U937、MRC−9、MDCK、CD4発現T細胞、CD8発現T細胞、HUT(T細胞株)系列(例えば、HUT78、HUT102等)、または任意のそのような細胞のクローンからなる群から選択される。場合によっては、細胞は、ワクチン、ウイルス、ウイルス粒子、ウイルスタンパク質もしくは核酸、またはウイルス断片を産生する。多くの場合、そのような産生は、無血清条件下で行われるだろう。
細胞培地(例えば、二倍体細胞培地)の補充のための系であって、(i)1つ以上の異なるシクロデキストリンであって、各シクロデキストリンが、別個の容器内にある、シクロデキストリンと、(ii)2つ以上の異なる脂肪酸であって、各脂肪酸が、別個の容器内にある、脂肪酸とを含む、系もまた、本明細書で提供される。そのような系は、成長因子をさらに含み得る。
(i)シクロデキストリンと、(ii)2つ以上の異なる脂肪酸であって、各脂肪酸が、別個の容器内にある、脂肪酸とを含む、二倍体細胞培地の補充のための系が本明細書でさらに提供される。
基本培地および無血清増殖補助剤を含む、ワクチン産生細胞または細胞株を培養するためのキットもまた、提供される。場合によっては、そのようなキットの無血清成長補助剤は、シクロデキストリンおよび1つ以上の脂質を含むだろう。さらに、キットは、ワクチン産生細胞または細胞株を含有するか、またはその培養に好適であり得る。場合によっては、ワクチン産生細胞は、二倍体細胞(例えば、ヒト細胞)または非二倍体細胞である。
本発明の新規の特徴は、添付の特許請求の範囲に詳細に記載されている。本発明の特徴および利点のより良好な理解は、本発明の原理が利用される、例示的な実施形態を記載する以下の詳細な説明、ならびに添付の図面を参照することにより得られるであろう。
表4に提示されるデータを描写する。結果は、CD補助剤1、2、および3(1:500)が、脂質濃縮物(1:100)および脂質補助剤を有しない培地と比較して、経時的な累積集団倍加として表されるT細胞増殖を増加させることを示す。CD補助剤1、2、および3の滴定は、高濃度(1:250)が毒性を引き起こす一方で、低濃度(1:1000、1:1250)がより少ない集団倍加および故にT細胞増殖の減少をもたらすことを示す。 表5に提示されるデータを、図1の増殖から選択した条件を強調して描写する。結果は、CD補助剤1、2、および3(1:500)が、脂質濃縮物および脂質補助剤を有しない培地よりも多くの集団倍加をもたらすことを実証する。 表6に提示されるデータを描写し、これは、図1(表4)と同じ成長データであるが、経時的な累積生存T細胞で表される。結果は、CD補助剤1、2、および3(1:500)が、12日目までに最も多くの生存T細胞をもたらすことを実証する。CD補助剤1、2、および3の滴定は、高濃度(1:250)が毒性を引き起こす一方で、低濃度(1:1000、1:1250)がより少ない生存T細胞および故にT細胞増殖の減少をもたらすことを示す。CD補助剤1、2、および3の性能の差は、経時的な累積集団倍加と比較した累積細胞数で表したときにより明白になる。 表7に表されるデータを、図3の増殖から選択した条件を強調して描写する。結果は、CD補助剤1、2、および3(1:500)が、脂質濃縮物および脂質補助剤を有しない培地よりも多くの累積生存T細胞をもたらすことを実証する。 表8に提示されるデータを描写し、これは、図1および3によって表される増殖中のT細胞生存率を表す。結果は、CD補助剤1、2、および3(1:500)が、他のCD補助剤濃度、脂質濃縮物、および脂質補助剤なしと比較して、増殖全体を通して細胞生存率の増加を維持することを実証する。CD補助剤1、2、および3の滴定は、高濃度(1:250)が毒性を引き起こす一方で、低濃度(1:1000、1:1250)が細胞生存率の増加を維持するのに十分な脂質を提供しない可能性があることを示す。 表9に提示されるデータを、図5の増殖から選択した条件を強調して描写する。結果は、CD補助剤1、2、および3(1:500)が、脂質濃縮物および脂質補助剤を有しない培地と比較して、増殖全体を通して細胞生存率の増加を維持することを実証する。 分化表現型決定のゲーティング戦略を描写する。10日間増殖させたT細胞を、CD3、CD4、CD8、CCR7、およびCD62Lに対する抗体で染色した。連続ゲーティングを使用して、T細胞を、セントラルメモリー(TCM:CCR7+/CD62L+)、中間体(CCR7−/CD62L+)、およびエフェクターメモリー(TEM:CCR7−/CD62L−)として特性評価した。フローサイトメトリー分析を、Beckman−Coulter Gallios分析機で実行した。 表10に提示される、ゲート付きCD3+集団内のCD4+およびCD8+T細胞の平均パーセンテージを描写する。0日目は、増殖前の2つの集団の平均頻度を表す。結果は、5%のヒトAB血清ならびにCD補助剤2および3を補充した培地と比較した、CD補助剤1を補充した培養培地中でのCD8+T細胞の優先的な増殖を実証する。誤差バーは、3回の反復における標準偏差を表す。いかなる理論によっても拘束されるものではないが、CD補助剤1は、全ての多価不飽和脂肪酸を含有し、最も好ましいCD4+/CD8+比をもたらすため、多価不飽和脂肪酸が、より多くのCD8+細胞成長をもたらすことを期待することができる。具体的には、CD補助剤1は、主にオメガ−6多価不飽和脂肪酸および本質的脂肪酸を含有するため、これらの特定の脂肪酸が、CD8+細胞増殖の増加に寄与している可能性がある。 5%のヒトAB血清中ならびにCD補助剤1、2、および3中で増殖させたCD4+T細胞の分化状態を描写する。5%のヒトAB血清とともに培養したCD4+T細胞は、CCR7+/CD62L+表現型を失い、CCR7−/CD62L−表現型を蓄積し、これは、細胞ストレスおよび栄養欠乏を示す。あるいは、CD補助剤1、2、および3とともに培養したCD4+T細胞は、CCR7−/CD62L−蓄積を回避する。 5%のヒトAB血清中ならびにCD補助剤1、2、および3中で増殖させたCD8+T細胞の分化状態を描写する。5%のヒトAB血清とともに培養したCD8+T細胞は、CCR7+/CD62L+表現型を失い、CCR7−/CD62L−表現型を蓄積し、これは、細胞ストレスおよび栄養欠乏を示す。あるいは、CD補助剤1、2、および3とともに培養したCD8+T細胞は、CCR7−/CD62L−蓄積を回避する。 5%のヒトAB血清またはCD補助剤1のいずれかを含有する培地中で成長させたT細胞間のTh1サイトカインプロファイルを比較する。DYNABEADS(登録商標)UNTOUCHED(商標)ヒトT細胞キットを用いて、正常なドナー由来の初代ヒトT細胞を、PBMCから負に単離した。T細胞(播種密度1×106vc/mL)を、1個のT細胞当たり3個のビーズの割合で、DYNABEADS(登録商標)ヒトT増殖剤CD3/CD28を用いて活性化し、CD補助剤1(1:500)または5%のヒトAB血清を補充した無血清培地中で培養した。T細胞を計数し、5および7日目にBeckman−Coulter Vi−Cell分析機で供給し、3、5、および7日目に5×105vc/mLの密度まで供給した。11日目にDYNABEADS(登録商標)を培養物から除去し、細胞を回転させて、条件培地を除去し、新鮮な培地中に一晩静置した。100万個のT細胞を、1:1のビーズ対細胞比でDYNABEADS(登録商標)CD3で再刺激し、24時間インキュベートした。LUMINEX(商標)用Invitrogen Cytokine Human Magnetic35−Plex Panelを用いた分析のために、上清を収集し、処理した。図11に描写されるように、結果は、無血清培地プラスCD補助剤1中で培養したT細胞のサイトカインプロファイルが、5%のヒトAB血清とともに培養したT細胞のプロファイルよりも、わずかにより良好であるとは言わないまでも、それと同等であることを実証する。これは、MIP−1αの増加、IL−13、IL−10、およびIL−6の減少、ならびにIFN−γおよびIL−2産生の変化がないことによって表される(表11)。1ミリリットル当たりの生存細胞=vc/mL。 Pan CD3+T細胞での2−DGの滴定から得られるデータ(表12)を示す。5%のヒトAB血清を補充したX−VIVO(商標)15培地を、陽性対照として使用した。簡潔には、2−DGを、100mMのストック濃度で滅菌濾過水中で調製した。DYNABEADS(登録商標)UNTOUCHED(商標)ヒトT細胞キットを用いて、正常なドナー由来の初代ヒトT細胞を、PBMCから負に単離した。T細胞(播種密度1×106vc/mL)を、1個のT細胞当たり3個のビーズの割合で、DYNABEADS(登録商標)ヒトT増殖剤CD3/CD28を用いて活性化し、4つの脂質補助剤のうちの1つを補充したコレステロールおよび遊離脂肪酸を含まない無血清培地中で培養した。5、7、10、および12日目にT細胞をBeckman−Coulter Vi−CELL XR分析機で計数し、3、5、および7日目に5×105vc/mLの密度まで、ならびに10日目に1×106vc/mLの密度まで供給した。図12の結果は、0.25mMおよび0.5mMの濃度の2−DGで処理した培養物中での対照と同等の増殖を実証する。 分化表現型決定のゲーティング戦略を描写する、表13に示されるデータを表す。10日間増殖させたT細胞を、CD3、CD4、およびCD8に対する抗体で染色した。フローサイトメトリー分析を、Beckman−Coulter Gallios分析機で実行した。結果は、0.25mMの2−DGまたは0.5mMの2−DGのいずれかの細胞への補充が、CD8+対CD4+の比の約3倍の増加をもたらすことを示す。 分化表現型決定のゲーティング戦略を描写する、表13に示されるデータを表す。10日間増殖させたT細胞を、CD3、CD4、およびCD8に対する抗体で染色した。フローサイトメトリー分析を、Beckman−Coulter Gallios分析機で実行した。結果は、0.25mMの2−DGまたは0.5mMの2−DGのいずれかの細胞への補充が、CD8+対CD4+の比の約3倍の増加をもたらすことを示す。 4mMの2−DGを有する培養ナイーブおよび非ナイーブT細胞の成長曲線を表す。データを表14および15に表す。CD8+およびCD4+T細胞を、Untouched Human CD8+およびCD4+T細胞キットを使用した負の選択によって、PBMCから単離した。ナイーブおよび非ナイーブT細胞を、CD45RAナノビーズ(Miltenyi)を使用した正の選択によって、富化T細胞から単離した。Pan CD3+T細胞からナイーブおよび非ナイーブT細胞を精製したが、これは、2−DGが高分化型ドナーまたは非高分化型ドナー(非ナイーブT細胞)に対して効果を有するかどうかを決定するためである。両方の細胞型が、2−DGとともに成長した。 4mMの2−DGを有する培養ナイーブおよび非ナイーブT細胞の成長曲線を表す。データを表14および15に表す。CD8+およびCD4+T細胞を、Untouched Human CD8+およびCD4+T細胞キットを使用した負の選択によって、PBMCから単離した。ナイーブおよび非ナイーブT細胞を、CD45RAナノビーズ(Miltenyi)を使用した正の選択によって、富化T細胞から単離した。Pan CD3+T細胞からナイーブおよび非ナイーブT細胞を精製したが、これは、2−DGが高分化型ドナーまたは非高分化型ドナー(非ナイーブT細胞)に対して効果を有するかどうかを決定するためである。両方の細胞型が、2−DGとともに成長した。 分化表現型決定のゲーティング戦略を描写する、表16および表17に示されるデータを図示する。10日間増殖させたT細胞を、CD3、CD4、およびCD8に対する抗体で染色した。結果は、2−DGが、非ナイーブT細胞に対するよりも、ナイーブT細胞に対してはるかに強い効果を有する(CD8+対CD4+T細胞の比の3.2倍の増加)ことを強調する。 分化表現型決定のゲーティング戦略を描写する、表16および表17に示されるデータを図示する。10日間増殖させたT細胞を、CD3、CD4、およびCD8に対する抗体で染色した。結果は、2−DGが、非ナイーブT細胞に対するよりも、ナイーブT細胞に対してはるかに強い効果を有する(CD8+対CD4+T細胞の比の3.2倍の増加)ことを強調する。 設定した比(それぞれ5:1および10:1)で混合したCD4+T細胞およびCD8+T細胞内での2−DGの成長曲線を表す。細胞の両方の比が、同様に成長した。(表18および19を参照されたい。) 設定した比(それぞれ5:1および10:1)で混合したCD4+T細胞およびCD8+T細胞内での2−DGの成長曲線を表す。細胞の両方の比が、同様に成長した。(表18および19を参照されたい。) 表20および21に表される、ゲート付きCD3+集団内のCD4+およびCD8+T細胞の平均パーセンテージを描写する。0日目は、増殖前の2つの集団の平均頻度を表す。これらの結果は、2−DHが、0日目と比較して、CD8+T細胞の実質的な欠損を補正することができることを実証する。 表20および21に表される、ゲート付きCD3+集団内のCD4+およびCD8+T細胞の平均パーセンテージを描写する。0日目は、増殖前の2つの集団の平均頻度を表す。これらの結果は、2−DHが、0日目と比較して、CD8+T細胞の実質的な欠損を補正することができることを実証する。 T細胞を12日間培養するのに使用されるプロトコルを例示する。T細胞を、1個のT細胞当たり3個のビーズの割合で、DYNABEADS(登録商標)ヒトT増殖剤CD3/CD28を用いて刺激し、無血清、無動物起源培地中で培養し、細胞を2−DGとともに培養する。その後、様々な時点(3日目、5日目、7日目、および細胞の供給ごと)で、細胞に2−DGを供給する。 2−DGの存在下または不在下で培養したT細胞の成長曲線、および示される異なる時点での増殖中の導入を示す。補助剤による処理は、0、3、5、7日目に開始し、その後の供給で維持した。T細胞を、無血清T細胞培地中および5%のヒトAB血清を補充したX−VIVO(商標)15培地中で12日間培養した。 2−DGの存在下または不在下で培養したT細胞の成長曲線、および示される異なる時点での増殖中の導入を示す。補助剤による処理は、0、3、5、7日目に開始し、その後の供給で維持した。T細胞を、無血清T細胞培地中および5%のヒトAB血清を補充したX−VIVO(商標)15培地中で12日間培養した。 異なる時点およびその後の供給での、2−DGの不在下または存在下で培養したT細胞のCD8+対CD4+の比の倍数増加を強調する、表24に示されるデータを表す。結果は、7日目のみおよび細胞の供給ごとに、T細胞を0.25mMの2−DGとともに培養することで、CD8+T細胞の同じ3倍の増加がもたらされることを実証する。 12日間の増殖T細胞を表し、DYNABEADS(登録商標)ヒトT増殖剤CD3/CD28を用いて再刺激した。再刺激時のサイトカイン産生を、LUMINEX(商標)用Invitrogen Cytokine Human Magnetic35−Plex Panelを用いて評価した。35プレックスのアッセイのうち15個のサイトカインが示された。全ての値を、X−VIVO(商標)15培地に対して正規化した。結果は、2−DGが、マルチプレックスサイトカインアッセイによって測定して、細胞の機能を変化させないことを実証する。 Pan CD3+T細胞内の2−デオキシ−D−グルコース(2−DG)(0、1mM、2mM、および4mM)の滴定について記載する(表25)。5%のヒトAB血清を補充したX−VIVO(商標)を、陽性対照として添加した。簡潔には、2−DGを、100mMのストック濃度で滅菌濾過水中で調製した。DYNABEADS(登録商標)UNTOUCHED(商標)ヒトT細胞キットを用いて、正常なドナー由来の初代ヒトT細胞を、PBMCから負に単離した。T細胞(播種密度1×106vc/mL)を、1個のT細胞当たり3個のビーズの割合で、DYNABEADS(登録商標)ヒトT増殖剤CD3/CD28を用いて活性化し、4つの脂質補助剤のうちの1つを補充したコレステロールおよび遊離脂肪酸を含まない無血清培地中で培養した。5、7、10、および12日目にT細胞をBeckman−Coulter Vi−CELL XR分析機で計数し、3、5、および7日目に5×105vc/mLの密度まで、ならびに10日目に1×106vc/mLの密度まで供給した。結果は、2−DGの補充が、細胞成長に影響を与えないことを示す。 分化表現型決定のゲーティング戦略を描写する、表26に示されるデータを表す。10日間増殖させたT細胞を、CD3、CD4、およびCD8に対する抗体で染色した。フローサイトメトリー分析を、Beckman−Coulter GALLIOS(商標)分析機で実行した。結果は、4mMの2−DGの細胞への補充が、CD8+対CD4+の比の約4.1倍の増加をもたらすことを示す。 分化表現型決定のゲーティング戦略を描写する、表26に示されるデータを表す。10日間増殖させたT細胞を、CD3、CD4、およびCD8に対する抗体で染色した。フローサイトメトリー分析を、Beckman−Coulter GALLIOS(商標)分析機で実行した。結果は、4mMの2−DGの細胞への補充が、CD8+対CD4+の比の約4.1倍の増加をもたらすことを示す。 4mMの2−DGを有する培養ナイーブおよび非ナイーブT細胞の成長曲線を表す。データを表27および28に表す。CD8+およびCD4+T細胞を、Untouched Human CD8+およびCD4+T細胞キットを使用した負の選択によって、PBMCから単離した。ナイーブおよび非ナイーブT細胞を、CD45RAナノビーズ(Miltenyi)を使用した正の選択によって、富化T細胞から単離した。Pan CD3+T細胞からナイーブおよび非ナイーブT細胞を精製する理由は、2−DGが、高分化型ドナーまたは非高分化型ドナー(非ナイーブT細胞)に対して効果を有するかどうかを確認するためである。両方の細胞型が、2−DGとともに成長した。 4mMの2−DGを有する培養ナイーブおよび非ナイーブT細胞の成長曲線を表す。データを表27および28に表す。CD8+およびCD4+T細胞を、Untouched Human CD8+およびCD4+T細胞キットを使用した負の選択によって、PBMCから単離した。ナイーブおよび非ナイーブT細胞を、CD45RAナノビーズ(Miltenyi)を使用した正の選択によって、富化T細胞から単離した。Pan CD3+T細胞からナイーブおよび非ナイーブT細胞を精製する理由は、2−DGが、高分化型ドナーまたは非高分化型ドナー(非ナイーブT細胞)に対して効果を有するかどうかを確認するためである。両方の細胞型が、2−DGとともに成長した。 分化表現型決定のゲーティング戦略を描写する、表29および表30に示されるデータを図示する。10日間増殖させたT細胞を、CD3、CD4、およびCD8に対する抗体で染色した。結果は、2−DGが、非ナイーブT細胞内でよりも、ナイーブT細胞内ではるかに強い効果を有する(CD8対CD4の比の2.4倍の増加)ことを強調する。 分化表現型決定のゲーティング戦略を描写する、表29および表30に示されるデータを図示する。10日間増殖させたT細胞を、CD3、CD4、およびCD8に対する抗体で染色した。結果は、2−DGが、非ナイーブT細胞内でよりも、ナイーブT細胞内ではるかに強い効果を有する(CD8対CD4の比の2.4倍の増加)ことを強調する。 Pan CD3+T細胞内の2−デオキシ−D−グルコース(2−DG)(0mM、0.25mM、および0.5mM)の滴定について記載する、表31に示されるデータを表す。5%のヒトAB血清を補充したX−VIVO(商標)を、陽性対照として添加した。DYNABEADS(登録商標)UNTOUCHED(商標)ヒトT細胞キットを用いて、正常なドナー由来の初代ヒトT細胞を、PBMCから負に単離した。T細胞(播種密度1×106vc/mL)を、1個のT細胞当たり3個のビーズの割合で、DYNABEADS(登録商標)ヒトT増殖剤CD3/CD28を用いて活性化し、4つの脂質補助剤のうちの1つを補充したコレステロールおよび遊離脂肪酸を含まない無血清培地中で培養した。5、7、10、および12日目にT細胞をBeckman−Coulter Vi−CELL XR分析機で計数し、3、5、および7日目に5×105vc/mLの密度まで、ならびに10日目に1×106vc/mLの密度まで供給した。結果は、2−DGの補充が、細胞成長に影響を与えないことを示す。 分化表現型決定のゲーティング戦略を描写する、表32に示されるデータを表す。10日間増殖させたT細胞を、CD3、CD4、およびCD8に対する抗体で染色した。フローサイトメトリー分析を、Beckman−Coulter Gallios分析機で実行した。結果は、0.25mMの2−DGおよび0.5mMの2−DGの両方が、CD8+対CD4+の比の約3倍の増加をもたらすことを示す。図36のデータは、単一のドナーからの代表的なものである。図37は、3人の異なるドナーからの代表的なものである。 分化表現型決定のゲーティング戦略を描写する、表32に示されるデータを表す。10日間増殖させたT細胞を、CD3、CD4、およびCD8に対する抗体で染色した。フローサイトメトリー分析を、Beckman−Coulter Gallios分析機で実行した。結果は、0.25mMの2−DGおよび0.5mMの2−DGの両方が、CD8+対CD4+の比の約3倍の増加をもたらすことを示す。図36のデータは、単一のドナーからの代表的なものである。図37は、3人の異なるドナーからの代表的なものである。 設定した比(それぞれ5:1および10:1)で混合したCD4+T細胞およびCD8+T細胞内での2−DGの成長曲線を表す、表33および34に示されるデータを示す。両方の細胞の比が、同様に成長した。 設定した比(それぞれ5:1および10:1)で混合したCD4+T細胞およびCD8+T細胞内での2−DGの成長曲線を表す、表33および34に示されるデータを示す。両方の細胞の比が、同様に成長した。 表35および36に表される、ゲート付きCD3+集団内のCD4+およびCD8+T細胞の平均パーセンテージを描写する。0日目は、増殖前の2つの集団の平均頻度を表す。結果は、2−DGが、0日目と比較して、CD8+T細胞の大きな欠損を補正することができることを実証する。 表35および36に表される、ゲート付きCD3+集団内のCD4+およびCD8+T細胞の平均パーセンテージを描写する。0日目は、増殖前の2つの集団の平均頻度を表す。結果は、2−DGが、0日目と比較して、CD8+T細胞の大きな欠損を補正することができることを実証する。 T細胞の12日間の培養を例示する。T細胞を、1個のT細胞当たり3個のビーズの割合で、DYNABEADS(登録商標)ヒトT増殖剤CD3/CD28を用いて刺激し、無血清、無動物起源培地中で培養し、細胞を2−DGとともに培養する。その後、様々な時点(3日目、5日目、7日目、および細胞の供給ごと)で、細胞に2−DGを供給する。 異なる時点で2−DGとともに培養したT細胞の成長曲線を示す。0、3、5、7日目に2−DGを細胞とともに培養し、その後の供給で維持した。T細胞を、無血清T細胞培地中および5%のヒトAB血清を有する培地中で12日間培養した。表37および38。 異なる時点で2−DGとともに培養したT細胞の成長曲線を示す。0、3、5、7日目に2−DGを細胞とともに培養し、その後の供給で維持した。T細胞を、無血清T細胞培地中および5%のヒトAB血清を有する培地中で12日間培養した。表37および38。 異なる時点および細胞の供給ごとの、2−DGとともに培養したT細胞のCD8+対CD4+の比の倍数増加を強調する、表39に示されるデータを表す。結果は、7日目単独および細胞の供給ごとに、T細胞を0.25mMの2−DGとともに培養することで、CD8:CD4比の同じ3倍の増加がもたらされることを実証する。 それぞれ異なる濃度のCD脂質濃縮物1および2とともに培養した2−DG、ならびに表40および41に示される陽性対照として、5%のヒトAB血清中で培養した2−DGの成長曲線を表す。細胞を、12日間増殖させた。結果は、2−DGを有する1:1000のCLC1およびCLC2が、最適な細胞増殖を実証することを実証する。 それぞれ異なる濃度のCD脂質濃縮物1および2とともに培養した2−DG、ならびに表40および41に示される陽性対照として、5%のヒトAB血清中で培養した2−DGの成長曲線を表す。細胞を、12日間増殖させた。結果は、2−DGを有する1:1000のCLC1およびCLC2が、最適な細胞増殖を実証することを実証する。 分化表現型決定のゲーティング戦略を描写する、表42および表43のデータを表す。10日間増殖させたT細胞を、CD3、CD4、およびCD8に対する抗体で染色した。フローサイトメトリー分析を、Beckman−Coulter Gallios分析機で実行した。結果は、0日前の増殖前と比較して、CLC1を有する2−DGの添加時にCD8:CD4比の1.6倍の増加が存在し、CLC2を有する2−DGの添加時にCD8:CD4比の1.4倍の増加が存在することを示す。 分化表現型決定のゲーティング戦略を描写する、表42および表43のデータを表す。10日間増殖させたT細胞を、CD3、CD4、およびCD8に対する抗体で染色した。フローサイトメトリー分析を、Beckman−Coulter Gallios分析機で実行した。結果は、0日前の増殖前と比較して、CLC1を有する2−DGの添加時にCD8:CD4比の1.6倍の増加が存在し、CLC2を有する2−DGの添加時にCD8:CD4比の1.4倍の増加が存在することを示す。 二倍体生存細胞密度(VCD)を、1ミリリットル当たりの生存細胞として表す。この図の結果は、二倍体SFMが、ワクチン産生で一般的に使用される様々な二倍体細胞株(例えば、MRC−5、WI−38、IMR−90等)内で細胞成長をもたらすことを示す。結果は、例示的な二倍体細胞(例えば、MRC−5)について本明細書に示され、少なくとも3つの独立した実験を代表するものである。 この図の結果は、CD補助剤1および2が、脂質濃縮物(1:100および1:1000)と比較して、MRC−5のVCDを増加させることを示す。加えて、CD補助剤1および2は、それぞれ1:500および1:2000の濃度で、血清含有培地と同等のVCDをもたらす。 この図の結果は、二倍体成長SFM中で成長させたMRC−5細胞が、血清含有培地中で成長させた細胞と同等の水痘帯状疱疹ウイルス産生をもたらすことを示す。
定義
別段定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、(例えば、細胞培養、免疫学、分子遺伝学、および生化学の)当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有するものとする。
以下の定義は、本主題を理解する目的、および添付の特許請求の範囲を構築する目的で含まれる。本明細書で使用される略語は、化学および生物学の当該技術分野におけるそれらの従来の意味を有する。
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、別段文脈が明確に指示しない限り、複数形の参照対象を含む。したがって、例えば、「シクロデキストリン」、「脂質」、または「脂肪酸」への言及は、1つ以上のそのような実施形態への言及であり、当業者に既知であるそれらの等価物を含む、等である。
本明細書で使用される場合、「治療」は、例えば、障害の進行の阻害、退行、または停滞を包含する。治療には、障害の任意の症状(複数可)の予防または寛解もまた含まれる。排除はしないが、障害または病態の治療が、障害、病態、またはそれに関連する症状を完全に取り除くことを必要としないことが理解される。本明細書で使用される場合、対象における疾患の進行または疾患の合併症の「阻害」は、対象における疾患の進行および/または疾患の合併症を予防または低減することを意味する。本明細書で使用される場合、障害に関連する「症状」は、障害に関連する任意の臨床的または実験所見を含み、対象が感じるかまたは観察できるものに限定されない。
本明細書で使用される場合、治療化合物の量を指す際の「有効」は、本開示の様式で使用される場合の合理的な利益/リスク比と釣り合って、過度の有害な副作用(毒性、刺激、またはアレルギー反応等)を伴わずに所望の治療反応をもたらすのに十分な化合物の量を指す。
「含む(including)」、「含有する」、または「を特徴とする」と同義である「含む(comprising)」という用語は、包括的または非限定的なものであり、列挙されていない追加の要素または方法ステップを除外しない。対照的に、「からなる」という移行句は、特許請求の範囲で特定されていない、いかなる要素、ステップ、または成分も除外する。「から本質的になる」という移行句は、特許請求の範囲を、特定の材料またはステップ、および特許請求される発明の基本的および新規の特徴(複数可)に実質的に影響を及ぼさないものに限定する。
本明細書で使用される場合、数値または範囲の文脈における「約」という用語は、別段文脈がより限定的な範囲を要求しない限り、列挙または特許請求される数値または範囲の±10%を意味する。
本明細書の説明では、「少なくとも1つの」または「1つ以上の」等の語句が出現し、その後に要素または特徴の接続リストが続く場合がある。「および/または」という用語もまた、2つ以上の要素または特徴のリストに出現する場合がある。別段それが使用される文脈が暗黙的または明示的に矛盾しない限り、そのような語句は、列挙される要素もしくは特徴のいずれかを個々に、または列挙される要素もしくは特徴のいずれかを他の列挙される要素もしくは特徴のいずれかと組み合わせて、意味することが意図される。例えば、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」、「AおよびBの1つ以上」、および「Aおよび/またはB」という語句は各々、「A単独、B単独、またはAおよびBともに」を意味することが意図される。同様の解釈が、3つ以上の項目を含むリストにも意図される。例えば、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」、「A、B、およびCの1つ以上」、および「A、B、および/またはC」という語句は各々、「A単独、B単独、C単独、AおよびBともに、AおよびCともに、BおよびCともに、またはAおよびBおよびCともに」を意味することが意図される。加えて、上記および特許請求の範囲における「に基づいて」という用語の使用は、「に少なくとも部分的に基づいて」を意味することが意図され、そのため、列挙されていない特徴または要素もまた許容される。
パラメータ範囲が提供される場合、その範囲内の全ての整数、およびそれらの10分の1もまた本発明によって提供されることが理解される。例えば、「0.2〜5mg」は、5.0mgまでかつ5.0mgを含む、0.2mg、0.3mg、0.4mg、0.5mg、0.6mg等の開示である。
小分子は、質量が2000ダルトン未満の化合物である。小分子の分子量は、好ましくは1000ダルトン未満、より好ましくは600ダルトン未満であり、例えば、化合物は、500ダルトン、400ダルトン、300ダルトン、200ダルトン、または100ダルトン未満である。
本明細書で使用される場合、「脂質」という用語は、ワックス、脂肪、油、脂肪酸、ステロール、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、およびリン脂質等を含む。実施形態では、脂質は、アルコール中には溶解するが水中には溶解しないワックス、脂肪、油、脂肪酸、ステロール、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、またはリン脂質等の物質である。実施形態では、脂質は、脂肪酸、グリセロ脂質、グリセロリン脂質、スフィンゴ脂質、プレノール脂質、糖脂質、またはポリケタイドである。実施形態では、脂質は、ケトアシルまたはイソプレン基を含む。実施形態では、脂質は、ワックスエステルである。実施形態では、脂質は、エイコサノイド(例えば、プロスタグランジン、トロンボキサン、ロイコトリエン、リポキシン、レゾルビン、またはエオキシン)である。実施形態では、脂質は、ステロール脂質である。実施形態では、ステロール脂質は、コレステロールまたはその誘導体である。実施形態では、コレステロールは、nat−コレステロールおよび/またはent−コレステロールである。
本明細書で使用される場合、「脂肪酸」という用語は、飽和または不飽和のいずれかの、多くの場合長い脂肪族尾部を有するカルボン酸(または有機酸)を指す。実施形態では、脂肪酸は、少なくとも4個の炭素原子長の炭素−炭素結合鎖を有する。実施形態では、脂肪酸は、少なくとも8個の炭素原子長の炭素−炭素結合鎖を有する。実施形態では、脂肪酸は、少なくとも12個の炭素原子長の炭素−炭素結合鎖を有する。実施形態では、脂肪酸は、4〜24個の炭素原子長の炭素−炭素結合鎖を有する。実施形態では、脂肪酸は、天然に存在する脂肪酸である。実施形態では、脂肪酸は、人工のものである(例えば、天然には産生されない)。実施形態では、天然に存在する脂肪酸は、偶数個の炭素原子を有する。実施形態では、天然に存在する脂肪酸の生合成は、2個の炭素原子を有するアセテートに関与する。実施形態では、脂肪酸は、遊離状態(エステル化されていない)であっても、トリグリセリド、ジアシルグリセリド、モノアシルグリセリド、アシル−CoA(チオエステル)結合、または他の結合形態等のエステル化された形態であってもよい。実施形態では、脂肪酸は、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、またはジホスファチジルグリセロール形態等のリン脂質としてエステル化されてもよい。実施形態では、脂肪酸または脂肪酸の誘導体は、遊離脂肪酸、本明細書に開示される脂肪酸のエステル(例えば、メチル、エチル、プロピル等)、モノ、ジ、もしくはトリグリセリド(例えば、グリセロールエステル)、アルデヒド、アミド、またはリン脂質バージョンである。「飽和脂肪酸」は、いかなる二重結合または鎖に沿った他の官能基も含有しない。「飽和」という用語は、全ての炭素(カルボン酸[−COOH]基を除く)が可能な限り多くの水素を含有するという点で、水素を指す。換言すると、オメガ末端は、3個の水素(CH3−)を含有し、鎖内の各炭素は、2個の水素(−CH2−)を含有する。「不飽和脂肪酸」では、鎖に沿って1つ以上のアルケン官能基が存在し、各アルケンは、鎖の単結合の「−CH2−CH2−」部分を二重結合の「−CH=CH−」部分(つまり、別の炭素に二重結合した炭素)で置換する。二重結合のいずれかの側に結合している鎖内の次の2個の炭素原子は、シスまたはトランス配置で発生し得る。脂肪酸の非限定的な例の表は、以下のとおりである。
シクロデキストリン(シクロアミロースと呼ばれることもある)は、環内でともに結合した糖分子(環状オリゴ糖)で構成される化合物である。実施形態では、シクロデキストリンは、1〜4個が結合した(例えば、α(1−4)結合)5つ以上のα−D−グルコピラノシド単位を含む。実施形態では、シクロデキストリンは、α(1−4)結合によって接合した少なくとも5つのグルコピラノース単位を有するシクロマルトオリゴ糖である。実施形態では、シクロデキストリンは、外面にヒドロキシル基および中心に空洞を有する環状オリゴ糖である。実施形態では、シクロデキストリンは、特定の体積の中空内部または細孔(例えば、空洞)を有する剛性の切断された円錐形分子構造を特徴とする。シクロデキストリンは、分子全体またはその一部をその中心(例えば、空洞)に取り込むことによって、多種多様な疎水性分子と包接複合体を形成することができる。実施形態では、形成される複合体の安定性は、ゲスト分子がシクロデキストリン空洞にいかに良好に適合するかに依存する。シクロデキストリンの非限定的な例には、α−、β−、またはγ−シクロデキストリンが含まれ、α−シクロデキストリンは、6つのグルコース残基を有し、β−シクロデキストリンは、7つのグルコース残基を有し、β−シクロデキストリンは、8つのグルコース残基を有する。シクロデキストリンには、シクロデキストリン誘導体(例えば、α−、β−、およびγ−シクロデキストリンの誘導体)、または1つ以上のシクロデキストリンおよび/もしくはシクロデキストリン誘導体のブレンドが含まれる。一般的なシクロデキストリン誘導体は、ヒドロキシル基のアルキル化(例えば、メチル−およびエチル−β−シクロデキストリン)もしくはヒドロキシアルキル化(例えば、α−、β−、およびγ−シクロデキストリンのヒドロキシプロピル−およびヒドロキシエチル誘導体)によって、または一次ヒドロキシル基を糖類(例えば、グルコシル−およびマルトシル−β−シクロデキストリン)で置換することによって形成される。
実施形態では、シクロデキストリンは、6〜8個のグルコピラノシド単位を含み、かつトロイドのより大きい開口部およびより小さい開口部がそれぞれ、溶媒の第二級および第一級ヒドロキシル基に曝露しているトロイドとして形態的に表すことができる。実施形態では、トロイドの内部は、疎水性ではないが、水性環境よりもかなり親水性が低く、したがって他の疎水性分子を収容することができる。対照的に、外部は、水溶液中でシクロデキストリン(またはそれらの複合体)に溶解性を付与するのに十分に親水性である。
本明細書で使用される場合、「一価不飽和脂肪酸」という用語は、鎖内に1つのみのアルケン基(炭素−炭素二重結合)を含む脂肪酸を指す。本明細書で使用される場合、「多価不飽和脂肪酸」および「PUFA」という用語は、少なくとも2つのアルケン基(炭素−炭素二重結合)を含む脂肪酸を指す。
本明細書で使用される場合、「長鎖多価不飽和脂肪酸」および「LC−PUFA」という用語は、その炭素鎖内に少なくとも20個の炭素原子および少なくとも2つの炭素−炭素二重結合を含み、したがってVLC−PUFAを含む、脂肪酸を指す。本明細書で使用される場合、「超長鎖多価不飽和脂肪酸」および「VLC−PUFA」という用語は、その炭素鎖内に少なくとも22個の炭素原子および少なくとも2つまたは3つの炭素−炭素二重結合を含む、脂肪酸を指す。通常、脂肪酸の炭素鎖内の炭素原子の数は、分岐していない炭素鎖を指す。炭素鎖が分岐している場合、炭素原子の数は、側基中の炭素原子を除外する。
実施形態では、脂肪酸は、脂肪酸のメチル末端から3番目の炭素−炭素結合に不飽和化(炭素−炭素二重結合)を有するオメガ−3脂肪酸である。実施形態では、脂肪酸は、脂肪酸のメチル末端から6番目の炭素−炭素結合に不飽和化(炭素−炭素二重結合)を有するオメガ−6脂肪酸である。実施形態では、脂肪酸は、脂肪酸のメチル末端から9番目の炭素−炭素結合に不飽和化(炭素−炭素二重結合)を有するオメガ−9脂肪酸である。
本明細書で使用される場合、「異種」という用語は、細胞に関して使用される場合、通常は細胞に関連しない材料(例えば、タンパク質、核酸、タンパク質またはタンパク質核酸複合体、ウイルス等)を指す。明確にする目的で、細胞に天然に感染するウイルスは、細胞の「天然」状態にある細胞に通常関連する成分ではないため、その細胞に対して「異種」であると見なされる。したがって、細胞に導入される発現ベクターもまた、「異種」と見なされる。
「疾患」という用語は、哺乳動物の正常な健康状態からの任意の偏位を指し、疾患症状が存在する状態、ならびに偏位(例えば、感染症、遺伝子変異、遺伝的欠陥等)が発生しているが症状はまだ現れていない病態を含む。実施形態では、本明細書に開示される方法は、例えば、霊長類、げっ歯類、家畜、および愛玩動物(例えば、伴侶動物)を含むがこれらに限定されない脊椎動物種、哺乳類のメンバーである、患者における使用に好適である。典型的には、患者は、ヒト患者である。
本明細書で使用される場合、「対象」、「患者」、および「個体」等の用語は、限定的であることは意図されず、一般に互換的であり得る。つまり、「患者」と記載される個体は、必ずしも所与の疾患を有するわけではなく、単に医学的な助言を求めているだけであってもよい。
本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、示される障害に苦しむ可能性がある動物界の全てのメンバーを含む。実施形態では、対象は、哺乳動物である。実施形態では、対象は、霊長類、非霊長類、またはげっ歯類である。実施形態では、対象は、ヒトである。実施形態では、対象は、研究動物である。実施形態では、対象は、労働用動物(例えば、警察用もしくは軍用の犬もしくは馬)、介助動物、または愛玩動物である。実施形態では、対象は、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、マウス、ラット、ラクダ、ラマ、ヤギ、ウサギ、ヒツジ、ハムスター、またはモルモットである。実施形態では、対象は、例えば、サル、チンパンジー、ゴリラ、オランウータン、またはテナガザル等の非ヒト霊長類である。
文脈に応じて、「細胞培養補助剤」および「細胞培養補助剤組成物」という用語は、互換的に使用される。
文脈に応じて、「細胞培養培地」および「細胞培養培地組成物」という用語は、互換的に使用される。
「酸化的リン酸化」(OXPHOS)という用語は、細胞が酵素を使用して、栄養素を酸化させ、ATPの改質に使用されるエネルギーを放出する代謝経路を指す。これは、ミトコンドリア内で行われる。ほぼ全ての好気性生物は、酸化的リン酸化を実行する。この経路は、嫌気性解糖等の代替的な発酵プロセスと比較して、エネルギーを放出する高度に効率的な方法である。酸化的リン酸化中、酸化還元反応において、電子は、電子供与体から酸素等の電子受容体へと移動する。これらの酸化還元反応は、エネルギーを放出し、このエネルギーは、ATPの形成に使用される。これらの酸化還元反応は、細胞のミトコンドリアの内膜内の一連のタンパク質複合体によって行われる。これらの結合されたタンパク質の組は、電子伝達鎖と呼ばれる。この電子伝達鎖を流れる電子によって放出されるエネルギーは、電子伝達と呼ばれるプロセスで、ミトコンドリア膜を渡ってプロトンを伝達するために使用される。
本明細書で使用される場合、「活性化」という用語は、測定可能な形態的、表現型的、および/または機能的変化を誘導するのに十分な細胞表面部分のライゲーションの後の細胞の状態を指す。T細胞の文脈において、そのような活性化は、細胞増殖を誘導するのに十分に刺激されたT細胞の状態であり得る。T細胞の活性化はまた、サイトカイン産生および/または分泌、ならびに受容体もしくは接着分子等の細胞表面分子の発現の上方制御もしくは下方制御、または特定の分子の分泌の上方制御もしくは下方制御、ならびに制御性または細胞傷害性エフェクター機能の実行も誘導し得る。他の細胞の文脈において、この用語は、特定の物理化学プロセスの上方制御もしくは下方制御のいずれかを暗示する。
実施形態では、刺激は、細胞表面部分のライゲーションによって誘導される一次応答を含む。例えば、受容体の文脈において、そのような刺激は、受容体のライゲーションおよびその後のシグナル伝達事象を伴い得る。実施形態では、T細胞の培養は、T細胞を刺激することを含む。T細胞の刺激に関して、そのような刺激は、一実施形態では、その後にTCR/CD3複合体の結合等のシグナル伝達事象を誘導するT細胞表面部分のライゲーションを指す。実施形態では、刺激事象は、細胞を活性化し、受容体もしくは接着分子等の細胞表面分子の発現を上方制御もしくは下方制御するか、または腫瘍成長因子βの下方制御等、分子の分泌を上方制御もしくは下方制御(腫瘍成長因子β(TGF−β)の下方制御もしくはIL−2、IFN−γ等の上方制御等)することができる。実施形態では、細胞表面部分のライゲーションは、直接的なシグナル伝達事象の不在下でさえ、細胞骨格構造の再編成または細胞表面部分の癒合をもたらすことができ、これらの各々は、その後の細胞応答を増強、修飾、または変更する役割を果たし得る。
本明細書で使用される場合、「リガンド」または「作用物質」という用語は、1つ以上の定義された細胞の集団(例えば、T細胞亜集団のメンバー)と結合し、細胞応答を誘導する分子を指す。作用物質は、受容体、抗原決定基、または標的細胞集団上に存在する他の結合部位等の任意の細胞表面部分に結合し得る。作用物質は、タンパク質、ペプチド、抗体およびその抗体断片、融合タンパク質、合成分子、または有機分子(例えば、小分子)等であってもよい。実施形態では、T細胞刺激の文脈において、抗体は、そのような作用物質の原型例として使用される。
本発明の方法で使用するための抗体は、任意の種、クラス、または亜型の抗体であってもよいが、但し、そのような抗体は、必要に応じて、対象となる標的、例えば、CD3、TCR、またはCD28と反応することができることを条件とする。
したがって、本発明で使用するための「抗体」には、
(a)免疫グロブリンの様々なクラスまたはサブクラスのいずれか(例えば、任意の動物、例えば、従来使用される動物のいずれか、例えば、ヒツジ、ウサギ、ヤギ、マウス、ラクダ類、または卵黄由来のIgG、IgA、IgM、IgD、またはIgE)、
(b)モノクローナルまたはポリクローナル抗体、
(c)モノクローナルであるかポリクローナルであるかに関わらず、無傷抗体または抗体の断片(この断片は、抗体の結合領域を含有するもの、例えば、Fc部分を欠く断片(例えば、Fab、Fab‘、F(ab’)2、scFv、VHH、または他の単一ドメイン抗体)、無傷抗体内の重鎖成分を接続するジスルフィド結合の還元開裂によって得られるいわゆる「半分子」断片である。Fvは、2つの鎖として発現した、軽鎖の可変領域および重鎖の可変領域を含有する断片と定義され得る)、
(d)モノクローナル抗体、抗体の断片、「ヒト化抗体」、キメラ抗体、または合成的に作製もしくは変更された抗体様構造体を含む、組み換えDNAまたは他の合成技術によって産生または修飾された抗体が含まれる。
抗体、例えば、一本鎖抗体、CDR移植抗体等の機能的誘導体または「等価物」もまた含まれる。一本鎖抗体(SCA)は、融合した一本鎖分子として、好適なポリペプチドリンカーによって結合された軽鎖の可変領域および重鎖の可変領域を含有する、遺伝子操作された分子と定義され得る。
抗体断片ならびに合成および誘導体化された抗体を調製する方法は、当該技術分野で周知であり、文献に広く記載されており、本明細書には記載されない。
本明細書で使用される場合、「分化」という用語は、細胞の生活環の発達における段階を指す。T細胞は、骨髄内の造血幹細胞に起源を持ち、未熟な胸腺細胞の大集団を生成する。胸腺細胞(またはT細胞)は、二重陰性細胞から進行して二重陽性胸腺細胞(CD4+CD8+)になり、最終的に単一陽性(CD4+CD8−またはCD4−CD8+)へと成熟する。T細胞の分化中、ナイーブT細胞は、芽球細胞になり、これは、クローン増殖によって増殖し、メモリーT細胞およびエフェクターT細胞へと分化する。ヘルパーT細胞(Th細胞)の多くのサブセットは、T細胞の分化中に作製され、免疫系の様々な機能を実行する。いくつかの実施形態では、T細胞の分化段階は、CD3、CD4、CD5、CD8、CD11c、CD14、CD19、CD20、CD25、CD27、CD33、CD34、CD45、CD45RA、CD45RB、CD56、CD62L、CD123、CD127、CD278、CD335、CD11a、CD45RO、CD57、CD58、CD69、CD95、CD103、CD161、CCR7、および転写制御因子FOXP3、RORγ、T−bet、c−Rel、GATA3等を含むがこれらに限定されないマーカーの存在または不在によって評価され得る。
本明細書で使用される場合、「蛍光標識細胞分取(FACS)」という用語は、特殊な種類のフローサイトメトリーを指す。FACSは、各細胞の特定の光散乱および蛍光特徴に基づいて、生物細胞の異種混合物を、一度に1つの細胞で、2つ以上の容器に分類するための方法を提供する。FACSは、個々の細胞からの蛍光シグナルの迅速で客観的かつ定量的な記録、および特定の対象となる細胞の物理的な分離を提供する。
本明細書で使用される場合、「増殖」という用語は、新たな細胞を産生することによって成長または増殖することを意味する。
本明細書で使用される場合、「無血清培地」という用語は、血清を含有する細胞培養培地を指す。「低血清培地」は、低いパーセンテージの血清補充(0.5〜2%の血清)を有する細胞培養培地を指す。
本明細書で使用される場合、「共刺激シグナル」は、TCR/CD3ライゲーション等の一次シグナルと組み合わせて、T細胞の増殖および/または活性化および/または極性化につながるシグナルを指す。
本明細書で使用される場合、「分離」は、(例えば、濾過、親和性、浮遊密度、または磁気引力によって)1つの成分を別の成分から実質的に精製する任意の手段を含む。
本明細書で使用される場合、「CD8+T細胞」という用語は、その表面上に共受容体CD8を提示するT細胞を指す。CD8は、特定の抗原を認識することができるT細胞受容体(TCR)の共受容体としての役割を果たす膜貫通糖タンパク質である。TCRと同様に、CD8は、主要組織適合性複合体I(MHC I)分子に結合する。実施形態では、CD8+T細胞は、(細胞傷害性Tリンパ球、Tキラー細胞、細胞溶解性T細胞、またはキラーT細胞としても知られる)細胞傷害性CD8+T細胞である。実施形態では、CD8+T細胞は、CD8+T細胞抑制因子とも称される制御性CD8+T細胞である。
本明細書で使用される場合、「CD4+T細胞」という用語は、その表面上に共受容体CD4を提示するT細胞を指す。CD4は、特定の抗原を認識することができるT細胞受容体(TCR)の共受容体としての役割を果たす膜貫通糖タンパク質である。実施形態では、CD4+T細胞は、Tヘルパー細胞である。Tヘルパー細胞(TH細胞)は、B細胞の形質細胞およびメモリーB細胞への成熟、ならびに細胞傷害性T細胞およびマクロファージの活性化を含む免疫プロセスにおいて、他の白血球細胞を支援する。ヘルパーT細胞は、抗原提示細胞(APC)の表面上に発現されるMHCクラスII分子によってペプチド抗原に提示されたときに活性化される。一旦活性化された後、それらは、急速に分裂し、サイトカインと呼ばれる小タンパク質(これは、能動的な免疫応答を制御または支援する)を分泌する。これらの細胞は、TH1、TH2、TH3、TH17、TH9、またはTFHを含むいくつかのサブタイプのうちの1つに分化することができ、これらは、異なるサイトカインを分泌して、異なる種類の免疫応答を促進する。APCからのシグナル伝達は、T細胞を特定のサブタイプへと指向する。実施形態では、CD4+T細胞は、制御性T細胞である。
本明細書には、制御性T細胞(または「T制御性細胞」もしくは「Treg」)を効率的に生成するための方法、および例えば、免疫療法で用途を有するT細胞集団の生成におけるこれらの方法の使用が含まれる。Treg細胞は、CD4+、CD25+、FOXP3+、CD127負/低等のマーカーを特徴とし得る。実施形態では、本明細書で提供される組成物および方法を使用して増殖されるTreg細胞は、CD4+、CD25+、FOXP3−である。FOXP3制御性T細胞を生成するための組成物および方法の非限定的な例は、Aarvakらの米国特許第9,119,807号に明記されている。
いかなる科学理論によっても拘束されるものではないが、天然に存在する制御性T(Treg)細胞は、エフェクターT細胞を含む他のT細胞、および自然免疫系細胞の活性化を負に制御し、自己免疫性疾患に対する免疫療法で利用することができ、移植免疫寛容を提供することができる。様々なTreg細胞の集団が記載されており、それらには、天然に存在するCD4+CD25+FOXP3+細胞、ならびにそれぞれIL−10およびTGF−βを分泌する誘導性Tr1およびTh3細胞が含まれる。
Treg細胞は、エフェクターT細胞応答の持続抑制を特徴とする。伝統的または従来的なTreg細胞は、例えば、脾臓もしくはリンパ節内または循環内に見出すことができる。Tregは、マウスモデルにおいてGVHDおよび自己免疫を予防する上で非常に有効であることが証明されている。移植、ならびに糖尿病および他の適応症の治療において、Tregの養子移入による臨床試験が進行中である。末梢血液中のTregの相対頻度は、全リンパ球の約1〜2%であり、これは、大部分の臨床的適用について養子移入前にTregをエクスビボで増殖させる必要性を意味する。エクスビボでの増殖中に十分なTregを産生することは、ヒトに対するTreg療法の適用において主要な課題となっている。
Tヘルパー17細胞(または「Th17細胞」または「Th17ヘルパー細胞」)は、宿主防御を制御するCD4+Tヘルパー細胞の炎症サブセットであり、組織の炎症および様々な自己免疫性疾患に関与する。Th17細胞は、様々なヒト腫瘍に見出されているが、がん免疫におけるそれらの機能は不明である。腫瘍担持マウスに養子移入した場合、Th17細胞は、黒色腫の根絶においてTh1または非極性化(Th0)T細胞よりも強力であることが見出されている(Muranski et al.Blood.2008)。Th17細胞は、Th1およびTh2系譜とは発生的に異なる。Th17細胞は、IL−1R1およびIL−23Rシグナル伝達に応答性であるCD4+であり、サイトカインIL−17A、IL−17F、IL−17AF、IL−21、IL−22、IL−26(ヒト)、GM−CSF、MIP−3α、およびTNFαを産生する。Th17細胞の表現型には議論の余地があるが、それらは現在、CD3+、CD4+、CCR4+、CCR6+、またはCD3+、CD4+、CCR6+、CXCR3+と定義されている。養子細胞移入のためのTh17細胞の使用に対する1つの障壁は、Th17細胞サブセットを体内で増殖させることができる、しっかりとした培養条件の特定(腫瘍微小環境)である。
本明細書には、T細胞サブタイプの生成のための組成物および方法が含まれる。本発明の組成物および方法を使用して産生することができる1つのT細胞サブタイプは、Th17細胞である。
Tヘルパー9細胞(または「Th9細胞」または「Th9ヘルパー細胞」)は、宿主防御を制御するCD4+Tヘルパー細胞の炎症サブセットであり、アレルギー、炎症、および様々な自己免疫性疾患に関与する。Th9細胞は、特性サイトカインIL−9の分泌によって特定される。Th9細胞は、アレルギー性炎症および蠕虫性寄生虫免疫の促進を含め、Th2細胞といくつかの機能的役割を共有するが、Th9細胞はまた、一般にTh1またはTh17細胞に依存するものとして特徴付けられる応答においても自己免疫を促進することができる。Th9細胞は、IL−4および形質転換成長因子β(TGFβ)の両方を含有するサイトカイン環境下で分化し、これは、IL−9の発現に必要な転写ネットワークを誘導する。Th9サブセットは、それが大量の特性サイトカインIL−9を産生する能力によって定義される。Th9細胞の発達に必要な転写因子には、シグナル伝達性転写因子6(STAT6)、インターフェロン制御因子4(IRF4)、B細胞活性化転写因子様(BATF)、GATA3、PU.1、およびSmadが含まれる。Th9細胞は、Th9細胞を他のTヘルパーサブセットから区別する潜在的な表面マーカーである、高レベルのIL−25受容体(IL17RB)を発現する。Th9細胞によって媒介される免疫応答は、腸内寄生虫感染症に対する防御免疫、および抗腫瘍免疫に寄与する。
T細胞サブタイプを生成するための組成物および方法が本明細書で提供される。本発明の組成物および方法を使用して産生することができる1つの特異的T細胞サブタイプの非限定的な例は、Th9細胞である。
メモリーT細胞、または抗原経験細胞は、抗原との遭遇前に経験される。これらのT細胞は、長寿命であり、抗原を認識し、これらのT細胞が以前に曝露された抗原に対する免疫応答に迅速かつ強力に影響を与えることができる。メモリーT細胞は、幹メモリー細胞(TSCM)、セントラルメモリー細胞(TCM)、エフェクターメモリー細胞(TEM¬)を包含し得る。TSCM細胞は、CD45RO−、CCR7+、CD45RA+、CD62L+(L−セレクチン)、CD27+、CD28+、およびIL−7Rα+を有するが、それらはまた、大量のIL−2Rβ、CXCR3、およびLFA−1も発現する。TCM細胞は、L−セレクチンおよびCCR7を発現し、それらは、IL−2を分泌する。TEM細胞は、L−セレクチンまたはCCR7は発現しないが、IFNγおよびIL−4等のエフェクターサイトカインは産生する。
T細胞集団の増殖のための方法および組成物が、本明細書に含まれる。
本明細書で使用される場合、「キメラ抗原受容体」または「CAR」または「CAR(複数)」は、抗原特異性を細胞(例えば、ナイーブT細胞、セントラルメモリーT細胞、エフェクターメモリーT細胞等のT細胞、またはそれらの任意の組み合わせ)に移植する、操作された受容体を指す。CARはまた、人工T細胞受容体、キメラT細胞受容体、またはキメラ免疫受容体としても知られる。実施形態では、CARは、1つ以上の抗原特異的標的化ドメイン、細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、1つ以上の共刺激ドメイン、および細胞内シグナル伝達ドメインを含む。実施形態では、CARが2つの異なる抗原を標的化する場合、抗原特異的標的化ドメインは、直列に配置され得る。実施形態では、CARが2つの異なる抗原を標的化する場合、抗原特異的標的化ドメインは、直列に配置され、リンカー配列により分離され得る。
CARは、操作された受容体であり、これは、任意の特異性を免疫エフェクター細胞(T細胞)に移植する。これらの受容体を使用して、モノクローナル抗体の特異性をT細胞に移植し、それらのコード配列の移入は、レトロウイルスベクターによって促進される。受容体は、キメラと呼ばれるが、これは、それらが異なる源に由来する部分で構成されているためである。CARは、養子細胞移入によるがんの療法として使用することができる。T細胞を患者から取り出し、それらが患者の特定のがんに特異的な受容体を発現するように修飾する。がん細胞を認識および殺滅するT細胞を、患者に再導入する。実施形態では、患者以外のドナーから供給されたT細胞の修飾を使用して、患者を治療することができる。
キメラ抗原受容体を発現するT細胞の養子移入を使用して、CAR修飾T細胞を操作して、任意の腫瘍関連抗原を標的化することができる。患者のT細胞を収集した後、患者に注入して戻す前に、細胞を遺伝子操作して、患者の腫瘍細胞上の抗原に特異的に指向されたCARを発現するようにする。
がん免疫療法のためにCAR T細胞を操作するための方法は、導入遺伝子を宿主細胞ゲノムに組み込む、レトロウイルス、レンチウイルス、またはトランスポゾン等のウイルスベクターを使用することである。あるいは、プラスミドまたはmRNA等の非組み込みベクターを使用してもよいが、これらの種類のエピソームDNA/RNAは、細胞分裂を繰り返した後に失われる可能性がある。結果として、操作されたCAR T細胞は、最終的にそれらのCAR発現を失う可能性がある。別のアプローチでは、そのゲノムに組み込まれることなく、T細胞内で安定して維持されるベクターが使用される。この戦略は、挿入変異原性または遺伝毒性のリスクを有することなく、長期的な導入遺伝子発現を可能にすることが見出されている。
本明細書全体を通して与えられる全ての最大数値限定は、そのようなより低い数値限定が明示的に本明細書に記載されているかのように、全てのより小さい数値限定を含むことが意図される。本明細書全体を通して与えられる全ての最小数値限定は、そのようなより大きい数値限定が明示的に本明細書に記載されているかのように、全てのより大きい数値限定を含む。本明細書全体を通して与えられる全ての数値範囲は、そのようなより狭い数値範囲が全て明示的に本明細書に記載されているかのように、そのようなより広い数値範囲内にある全てのより狭い数値範囲を含む。
培地および培地補助剤
一態様では、シクロデキストリン、および少なくとも1つの脂質(例えば、約または少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、または20個の脂質)を含む、(例えば、T細胞のための)細胞培養培地が本明細書で提供される。実施形態では、細胞培養培地は、(1)シクロデキストリン、および(2)少なくとも2つの脂質、少なくとも3つの脂質、少なくとも4つの脂質、少なくとも5つの脂質、少なくとも6つの脂質、少なくとも7つの脂質、少なくとも8つ脂質、少なくとも9つの脂質、少なくとも10個の脂質、少なくとも15個の脂質、または少なくとも20個の脂質(例えば、約3〜約20個、約4〜約20個、約5〜約20個、約6〜約20個、約7〜約20個、約3〜約15個、約3〜約12個、約3〜約10個、約3〜約8個、約5〜約20個、約5〜約15個、約5〜約12個、約5〜約9個等の脂肪酸))を含む。別の態様では、細胞培養培地は、シクロデキストリン、少なくとも1つの脂質(例えば、約もしくは少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、もしくは20個の脂質)、および/または2−デオキシ−D−グルコース(2−DG)を含む。
一態様では、シクロデキストリン、少なくとも1つの脂質(例えば、約もしくは少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、もしくは20個の脂質)、および/または2−デオキシ−D−グルコース(2−DG)を含む、細胞(例えば、T細胞)のための細胞培養培地補助剤が本明細書で提供される。実施形態では、細胞培養培地補助剤は、(1)シクロデキストリン、(2)少なくとも2つの脂質、少なくとも3つの脂質、少なくとも4つの脂質、少なくとも5つの脂質、少なくとも6つの脂質、少なくとも7つの脂質、少なくとも8つ脂質、少なくとも9つの脂質、少なくとも10個の脂質、少なくとも15個の脂質、または少なくとも20個の脂質(例えば、約3〜約20個、約4〜約20個、約5〜約20個、約6〜約20個、約7〜約20個、約3〜約15個、約3〜約12個、約3〜約10個、約3〜約8個、約5〜約20個、約5〜約15個、約5〜約12個、約5〜約9個等の脂肪酸)、および/または2−デオキシ−D−グルコース(2−DG)を含む。
実施形態では、少なくとも1つの脂質(1)または(2)は、コレステロール、脂肪酸、脂肪酸エステル、リン脂質、および/またはグリセロ脂質からなる群から選択される。実施形態では、少なくとも1つの脂質は、コレステロールである。実施形態では、少なくとも1つの脂質は、脂肪酸である。実施形態では、少なくとも1つの脂質は、脂肪酸エステルである。実施形態では、少なくとも1つの脂質は、リン脂質である。実施形態では、少なくとも1つの脂質は、グリセロ脂質である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの脂質、2つ以上の脂質は、コレステロール、脂肪酸、脂肪酸エステル、リン脂質、および/またはグリセロ脂質からなる群から選択される。
実施形態では、脂肪酸は、飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、または多価不飽和脂肪酸である。実施形態では、脂肪酸は、飽和脂肪酸である。実施形態では、脂肪酸は、一価不飽和脂肪酸である。実施形態では、脂肪酸は、多価不飽和脂肪酸である。実施形態では、脂肪酸は、一価不飽和脂肪酸である。実施形態では、脂肪酸は、多価不飽和脂肪酸である。いくつかの実施形態では、脂肪酸は、(1)飽和脂肪酸、(2)一価不飽和脂肪酸、および(1)多価不飽和脂肪酸、ならびにそのような脂肪酸の組み合わせ(例えば、2つの多価不飽和脂肪酸、3つの一価不飽和脂肪酸、および1つの飽和脂肪酸)からなる群から選択される、1つ以上の脂肪酸の種類である。
実施形態では、脂肪酸は、オメガ−3脂肪酸、オメガ−6脂肪酸、またはオメガ−9脂肪酸、またはオメガ−3脂肪酸、オメガ−6脂肪酸、もしくはオメガ−9脂肪酸の1つ以上(例えば、2つ以上もしくは3つ)の組み合わせである。実施形態では、脂肪酸は、長鎖多価不飽和脂肪酸(LC−PUFA)である。実施形態では、脂肪酸は、飽和脂肪酸である。実施形態では、脂肪酸は、一価不飽和脂肪酸である。実施形態では、脂肪酸は、多価不飽和脂肪酸である。
いくつかの実施形態では、培地または補助剤は、リノール酸、少なくとも1つの他のオメガ−6脂肪酸、コレステロール、メチル化シクロデキストリンを含む。他の実施形態では、培地または補助剤は、(i)リノール酸、少なくとも1つの他のオメガ−6脂肪酸、コレステロール、メチル化シクロデキストリン、および/または(ii)2−デオキシ−D−グルコース(2−DG)を含む。
いくつかの実施形態では、細胞培養培地は、(1)リノール酸、(2)リノレン酸、(3)アラキドン酸、(4)ミリスチン酸、(5)オレイン酸、(6)パルミチン酸、(7)パルミトレイン酸、(8)ステアリン酸、(9)オレイン酸、および(10)パルミチン酸からなる群から選択される1つ以上の脂肪酸をさらに含む。特定の実施形態では、細胞培養培地は、(1)リノール酸および/または(2)リノレン酸からなる群から選択される1つ以上の脂肪酸をさらに含む。いくつかの実施形態では、リノレン酸は、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、ならびに/またはα−リノレン酸およびγ−リノレン酸である。いくつかの実施形態では、リノレン酸は、α−リノレン酸である。実施形態では、リノレン酸は、γ−リノレン酸である。実施形態では、リノレン酸は、α−リノレン酸およびγ−リノレン酸である。
実施形態では、細胞培養培地は、アラキドン酸をさらに含む。実施形態では、細胞培養培地補助剤は、アラキドン酸をさらに含む。
実施形態では、細胞培養培地は、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、および/またはステアリン酸をさらに含む。実施形態では、細胞培養培地は、ミリスチン酸をさらに含む。実施形態では、細胞培養培地は、オレイン酸をさらに含む。実施形態では、細胞培養培地は、パルミチン酸をさらに含む。実施形態では、細胞培養培地は、パルミトレイン酸をさらに含む。実施形態では、細胞培養培地は、ステアリン酸をさらに含む。
実施形態では、細胞培養培地補助剤は、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、および/またはステアリン酸をさらに含む。実施形態では、細胞培養培地補助剤は、ミリスチン酸をさらに含む。実施形態では、細胞培養培地補助剤は、オレイン酸をさらに含む。実施形態では、細胞培養培地補助剤は、パルミチン酸をさらに含む。実施形態では、細胞培養培地補助剤は、パルミトレイン酸をさらに含む。実施形態では、細胞培養培地補助剤は、ステアリン酸をさらに含む。
実施形態では、少なくとも1つの脂質は、(a)リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、もしくはステアリン酸のいずれか1つ、(b)リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、およびステアリン酸のいずれか2、3、4、5、6、もしくは7つ、(c)リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、およびステアリン酸の混合物、(d)飽和脂肪酸であって、酪酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、もしくはセロチン酸である、飽和脂肪酸、(e)一価不飽和脂肪酸であって、パルミトレイン酸、オレイン酸、エイコセン酸、エルカ酸、もしくはネルボン酸である、一価不飽和脂肪酸、(f)多価不飽和脂肪酸であって、ヘキサデカトリエン酸、リノール酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、ステアリドン酸、エイコサジエン酸、エイコサトリエン酸、ジホモ−γ−リノレン酸、ミード酸、アラキドン酸、エイコサテトラエン酸、エイコサペンタエン酸、ヘネイコサペンタエン酸、ドコサジエン酸、アドレン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、テトラコサテトラエン酸、テトラコサペンタエン酸、テトラコサペンタエン酸、テトラコサペンタエン酸、もしくはテトラコサヘキサエン酸である、多価不飽和脂肪酸、(g)オメガ−3脂肪酸であって、ヘキサデカトリエン酸、α−リノレン酸、ステアリドン酸、エイコサトリエン酸、エイコサテトラエン酸、エイコサペンタエン酸、ヘネイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、テトラコサペンタエン酸、もしくはテトラコサヘキサエン酸である、オメガ−3脂肪酸、(h)オメガ−6脂肪酸であって、リノール酸、γリノレン酸、エイコサジエン酸、ジホモ−γ−リノレン酸、アラキドン酸、ドコサジエン酸、アドレン酸、ドコサペンタエン酸、テトラコサテトラエン酸、もしくはテトラコサペンタエン酸である、オメガ−6脂肪酸、または(i)オメガ−9脂肪酸であって、パルミトレイン酸、オレイン酸、エイコセン酸、エルカ酸、ネルボン酸、もしくはミード酸である、オメガ−9脂肪酸である。実施形態では、少なくとも1つの脂質は、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、またはステアリン酸のいずれか1つである。実施形態では、少なくとも1つの脂質は、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、およびステアリン酸のうちの2、3、4、5、6、または7つである。実施形態では、少なくとも1つの脂質は、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、およびステアリン酸である。実施形態では、少なくとも1つの脂質は、飽和脂肪酸であり、飽和脂肪酸は、酪酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、またはセロチン酸である。実施形態では、少なくとも1つの脂質は、一価不飽和脂肪酸であり、一価不飽和脂肪酸は、パルミトレイン酸、オレイン酸、エイコセン酸、エルカ酸、またはネルボン酸である。実施形態では、少なくとも1つの脂質は、多価不飽和脂肪酸であり、多価不飽和脂肪酸は、ヘキサデカトリエン酸、リノール酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、ステアリドン酸、エイコサジエン酸、エイコサトリエン酸、ジホモ−γ−リノレン酸、ミード酸、アラキドン酸、エイコサテトラエン酸、エイコサペンタエン酸、ヘネイコサペンタエン酸、ドコサジエン酸、アドレン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、テトラコサテトラエン酸、テトラコサペンタエン酸、テトラコサペンタエン酸、またはテトラコサヘキサエン酸である。実施形態では、少なくとも1つの脂質は、オメガ−3脂肪酸であり、オメガ−3脂肪酸は、ヘキサデカトリエン酸、α−リノレン酸、ステアリドン酸、エイコサトリエン酸、エイコサテトラエン酸、エイコサペンタエン酸、ヘネイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、テトラコサペンタエン酸、またはテトラコサヘキサエン酸である。実施形態では、少なくとも1つの脂質は、オメガ−6脂肪酸であり、オメガ−6脂肪酸は、リノール酸、γリノレン酸、エイコサジエン酸、ジホモ−γ−リノレン酸、アラキドン酸、ドコサジエン酸、アドレン酸、ドコサペンタエン酸、テトラコサテトラエン酸、またはテトラコサペンタエン酸である。実施形態では、少なくとも1つの脂質は、オメガ−9脂肪酸であり、オメガ−9脂肪酸は、パルミトレイン酸、オレイン酸、エイコセン酸、エルカ酸、ネルボン酸、またはミード酸である。
実施形態では、少なくとも1つの脂質は、コレステロールである。実施形態では、コレステロールは、合成コレステロールである。実施形態では、コレステロールは、遊離コレステロールである。
いくつかの実施形態では、シクロデキストリンは、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、および/またはγ−シクロデキストリンである。実施形態では、シクロデキストリンは、α−シクロデキストリンである。実施形態では、シクロデキストリンは、β−シクロデキストリンである。実施形態では、シクロデキストリンは、γ−シクロデキストリンである。実施形態では、シクロデキストリンは、メチル化されている。実施形態では、シクロデキストリンは、メチル−β−シクロデキストリンである。
実施形態では、シクロデキストリンは、以下、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン、2−ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、2,6−ジメチル−α−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、β−シクロデキストリンポリスルフェート、トリメチルβ−シクロデキストリン、および/またはγ−シクロデキストリンポリスルフェートの1つ以上である。実施形態では、シクロデキストリンは、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン、2−ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、2,6−ジメチル−α−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、β−シクロデキストリンポリスルフェート、トリメチルβ−シクロデキストリン、および/またはγ−シクロデキストリンポリスルフェートである。
実施形態では、本組成物は、複数の異なるシクロデキストリンを含み、複数のシクロデキストリンは、少なくとも2つのシクロデキストリン(例えば、約または少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のシクロデキストリン)を含む。実施形態では、本組成物は、約2〜約10個(例えば、約2〜約10、約3〜約10、約4〜約10、約5〜約10、約2〜約8、約3〜約8、約4〜約8、約2〜約10個等)の範囲の異なるシクロデキストリンを含む。
実施形態では、複数のシクロデキストリンは、少なくとも1つ(例えば、約もしくは少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個)のα−シクロデキストリン、少なくとも1つ(例えば、約もしくは少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個)のβ−シクロデキストリン、および/または少なくとも1つ(例えば、約もしくは少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個)のγ−シクロデキストリンを含む。実施形態では、複数のシクロデキストリンは、少なくとも2つのα−シクロデキストリン、少なくとも1つ(例えば、約もしくは少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個)のβ−シクロデキストリン、および/または少なくとも1つ(例えば、約もしくは少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個)のγ−シクロデキストリンを含む。実施形態では、複数のシクロデキストリンは、少なくとも3つのα−シクロデキストリン、少なくとも1つ(例えば、約もしくは少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個)のβ−シクロデキストリン、および/または少なくとも1つ(例えば、約もしくは少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個)のγ−シクロデキストリンを含む。実施形態では、複数のシクロデキストリンは、少なくとも4つのα−シクロデキストリン、少なくとも1つ(例えば、約もしくは少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個)のβ−シクロデキストリン、および/または少なくとも1つ(例えば、約もしくは少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個)のγ−シクロデキストリンを含む。実施形態では、複数のシクロデキストリンは、少なくとも5つのα−シクロデキストリン、少なくとも1つ(例えば、約もしくは少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個)のβ−シクロデキストリン、および/または少なくとも1つ(例えば、約もしくは少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個)のγ−シクロデキストリンを含む。
実施形態では、細胞培養培地は、リノール酸、コレステロール、およびシクロデキストリンを含む。実施形態では、細胞培養培地補助剤は、リノール酸、コレステロール、およびシクロデキストリンを含む。
実施形態では、組成物または組み合わせ中のコレステロール分子の少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、98%(例えば、約5%〜約50%、約5%〜約50%、約5%〜約50%、約5%〜約98%、約5%〜約85%、約5%〜約75%、約5%〜約60%、約10%〜約98%、約15%〜約95%、約20%〜約95%、約40%〜約80%、約65%〜約99%等)が、シクロデキストリン分子の環内にある(例えば、少なくともその一部分が、その内側にある)。
実施形態では、組成物または組み合わせ中の脂肪酸分子の少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、98%(例えば、約5%〜約50%、約5%〜約50%、約5%〜約50%、約5%〜約98%、約5%〜約85%、約5%〜約75%、約5%〜約60%、約10%〜約98%、約15%〜約95%、約20%〜約95%、約40%〜約80%、約65%〜約99%等)が、シクロデキストリン分子の環内にある(例えば、少なくともその一部分が、その内側にある)。
一態様では、本明細書で提供される主題は、シクロデキストリン/脂肪酸比等の定義された比を有する配合物に関する。シクロデキストリン毒性、使用される特定のシクロデキストリン(複数可)の脂肪酸「運搬能力」、およびシクロデキストリン/脂肪酸配合物が併せて使用される特定の細胞集団に対する所望の効果等の多くの因子が、そのような配合物の成分の比を決定する。別の態様では、本明細書で提供される主題は、シクロデキストリン/脂肪酸/2−デオキシ−D−グルコース(2−DG)比またはシクロデキストリン/脂質/2−デオキシ−D−グルコース(2−DG)比等の定義された比を有する配合物に関する。
配合物中の1つの化合物(または化合物の群)対別の化合物(または化合物の群)の相対量(すなわち、比)の記載に使用することができる式は、X:Xであり、式中、各Xは、個々に具体的に命名された化合物または化合物のクラスである。例えば、各Xは、個々に、(1)配合物中に存在するシクロデキストリン(複数可)の総量(TC)、配合物中に存在する具体的に命名されたあるシクロデキストリンの総量、もしくは配合物中に存在するあるクラスのシクロデキストリンの総量、(2)配合物中に存在する脂肪酸(複数可)の総量(TFA)、配合物中に存在する具体的に命名されたある脂肪酸の総量、もしくは配合物中に存在するあるクラスの脂肪酸の総量、または(3)配合物中に存在するコレステロールの総量(TCOL)、配合物中に存在する具体的に命名されたあるコレステロール、もしくは配合物中に存在するあるクラスのコレステロールの総量であり得る。
任意で、配合物(細胞培養培地または細胞培養補助剤等)中のシクロデキストリン(複数可)および脂肪酸(複数可)の相対量の記載に使用することができる式は、TC:TFAであり、式中、TCは、存在するシクロデキストリン(複数可)の総量を表し、TFAは、存在する脂肪酸(複数可)の総量を表す。あるいは、式TFA:TCを使用してもよい。そのような式の値を設定する1つの好都合な方法は、モル量、および具体的にはモル比を使用することである。実施形態では、TC:TFAの好適なモル比は、1:0.001〜1:0.5(例えば、1:0.01〜約1:0.4、約1:0.01〜約1:0.3、約1:0.01〜約1:0.2、約1:0.01〜約1:0.15、約1:0.01〜約1:0.1、約1:0.05〜約1:0.1、約1:0.05〜約1:0.08、約1:0.02〜約1:0.2、約1:0.02〜約1:0.1、約1:0.02〜約1:0.08、約1:0.04〜約1:0.2等)の範囲である。追加の非限定的な比の例は、本明細書に開示されている。
総シクロデキストリン量(TC)は、単一のシクロデキストリンまたは2つ以上のシクロデキストリンによって表すことができる。さらに、2つ以上のシクロデキストリンが存在する場合、これらのシクロデキストリンの量は、同じでも異なっていてもよい。実施形態では、1つのシクロデキストリン対1つ以上の他のシクロデキストリン(例えば、配合物中に存在する他の全てのシクロデキストリン)のモル比は、例えば、1:0.1〜1:10(例えば、約1:0.1〜約1:5、約1:0.2〜約1:5、約1:0.3〜約1:5、約1:0.4〜約1:5、約1:0.5〜約1:5、約1:1〜約1:10、約1:2〜約1:10、約1:3〜約1:10、約1:4〜約1:10、約1:5〜約1:10等)であり得る。
多くの場合、2つ以上の脂肪酸が、配合物中に存在する(細胞培養培地または細胞培養補助剤等)。さらに、本明細書で提供される配合物中に2つ以上の脂肪酸が存在する場合、これらの脂肪酸は、同じ量で存在しても、異なる量で存在してもよい。表1〜3は、本明細書で提供される例示的な配合物および成分の例示的なモル比を明記する。
実施形態では、本明細書で提供される配合物中に存在する少なくともいくつかの脂肪酸は、異なる量で存在する。
実施形態では、細胞培養培地および/または細胞培養培地補助剤は、シクロデキストリンおよびコレステロールを含み、TC対TCOLのモル比は、10.5:1未満、10:1未満、9.5:1未満、9:1未満、8.5:1未満、8:1未満、7.5:1未満、7:1未満、6.5:1未満、6:1未満、5.5:1未満、5:1未満、4.5:1未満、4:1未満、3.5:1未満、3:1未満、2.5:1未満、2:1未満、1.5:1未満、1:1未満、未満0.5:1、0.25:1未満、または0.1:1未満である。したがって、TC対TCOLのモル比は、約10.5:1〜約0.1:1、約8:1〜約0.1:1、約7:1〜約0.1:1、約6:1〜約0.1:1、約5:1〜約0.1:1、約3:1〜約0.1:1、約2:1〜約0.1:1等であり得る。
実施形態では、細胞培養培地および/または培地補助剤は、シクロデキストリンおよび少なくとも1つの脂肪酸を含み、TC対TFAのモル比は、11.5:1未満、11:1未満、10.5:1未満、10:1未満、9.5:1未満、9:1未満、8.5:1未満、8:1未満、7.5:1未満、7:1未満、6.5:1未満、未満6:1、5.5:1未満、5:1未満、4.5:1未満、4:1未満、3.5:1未満、3:1未満、2.5:1未満、2:1未満、1.5:1未満、1:1未満、0.5:1未満、0.25:1未満、または0.1:1未満である。したがって、シクロデキストリン対少なくとも1つの脂肪酸のモル比は、約11.5:1〜約0.1:1、約10.5:1〜約0.1:1、約8:1〜約0.1:1、約7:1〜約0.1:1、約6:1〜約0.1:1、約5:1〜約0.1:1、約3:1〜約0.1:1、約2:1〜約0.1:1等であり得る。
実施形態では、細胞培養培地および/または培養培地補助剤は、シクロデキストリン、コレステロール、および少なくとも1つの脂肪酸を含み、(1)TC対(2)TCOLおよびTFA(例えば、TCOLおよびTFAのモル値の合計)のモル比は、7.5:1未満、7:1未満、6.5:1未満、6:1未満、5.5:1未満、5:1未満、4.5:1未満、4:1未満、3.5:1未満、3:1未満、2.5:1未満、2:1未満、1.5:1未満、1:1未満、0.5:1未満、0.25未満:1、または0.1:1未満である。したがって、(1)TC対(2)TCOLおよびTFAのモル比は、約7:1〜約0.1:1、約6:1〜約0.1:1、約5:1〜約0.1:1、約3:1〜約0.1:1、約2:1〜約0.1:1等であり得る。
実施形態では、モル基準でのTC対TCOLの比は、10:90、15:85、20:80、25:75、30:70、35:65、40:60、45:55、50:50、55:45、60:40、65:35、70:30、75:25、80:20、85:15、および90:10(例えば、約10:90〜約90:10、約20:80〜約90:10、約30:70〜約90:10、約40:60〜約90:10、約10:90〜約80:20、約10:90〜約70:30、約10:90〜約60:40、約20:80〜約80:20、約30:70〜約70:30、約40:60〜約60:40等)である。
実施形態では、モル基準でのTFA対TCの比は、10:90、15:85、20:80、25:75、30:70、35:65、40:60、45:55、50:50、55:45、60:40、65:35、70:30、75:25、80:20、85:15、および90:10(例えば、約10:90〜約90:10、約20:80〜約90:10、約30:70〜約90:10、約40:60〜約90:10、約10:90〜約80:20、約10:90〜約70:30、約10:90〜約60:40、約20:80〜約80:20、約30:70〜約70:30、約40:60〜約60:40等)である。
実施形態では、モル基準でのTFA対TCOLの比は、10:90、15:85、20:80、25:75、30:70、35:65、40:60、45:55、50:50、55:45、60:40、65:35、70:30、75:25、80:20、85:15、および90:10(例えば、約10:90〜約90:10、約20:80〜90:10、約30:70〜約90:10、約40:60〜約90:10、約10:90〜約80:20、約10:90〜約70:30、約10:90〜約60:40、約20:80〜約80:20、約30:70〜約70:30、約40:60〜約60:40等)である。
実施形態では、モル基準での総多価不飽和脂肪酸分子対他の脂肪酸分子の比は、10:90、15:85、20:80、25:75、30:70、35:65、40:60、45:55、50:50、55:45、60:40、65:35、70:30、75:25、80:20、85:15、および90:10(例えば、約10:90〜約90:10、約20:80〜約90:10、約30:70〜約90:10、約40:60〜約90:10、約10:90〜約80:20、約10:90〜約70:30、約10:90〜約60:40、約20:80〜約80:20、約30:70〜約70:30、約40:60〜約60:40等)である。
実施形態では、モル基準での総オメガ−3、オメガ−6、および/またはオメガ−9多価不飽和脂肪酸分子対他の脂肪酸分子の比は、10:90、15:85、20:80、25:75、30:70、35:65、40:60、45:55、50:50、55:45、60:40、65:35、70:30、75:25、80:20、85:15、および90:10(例えば、約10:90〜約90:10、約20:80〜約90:10、約30:70〜約90:10、約40:60〜約90:10、約10:90〜約80:20、約10:90〜約70:30、約10:90〜約60:40、約20:80〜約80:20、約30:70〜約70:30、約40:60〜約60:40等)である。
いくつかの実施形態では、プロスタグランジン、コルチコステロイド、ロイコトリエン、リポキシン、プロテクチン、およびレゾルビンを含む、免疫活性を有する複数の疎水性化合物が、脂質補助剤に組み込まれる。また、エトモキシルおよびスタチン等の脂質薬も組み込まれる。エトモキシルは、不可逆的なO−カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ−1(CPT−1)阻害およびPPARα活性化に関連する活性を有することが示されている、化学成分である。本発明の方法に存在し、使用され得る追加の化合物は、CPT−1阻害および/またはPPARα活性化活性を有する化学成分である。
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドが、シクロデキストリンに充填される。薬物送達におけるシクロデキストリンの使用の非限定的な概説については、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、Chordiya and Senthilkumaran(2012)Research and Reviews:Journal of Pharmacy and Pharmaceutical Sciences1(1):19−29(特に、その表2、担体として使用される異なるシコデックストリンについて記載するため)を参照されたい。
実施形態では、細胞培養培地は、プロスタグランジン、コルチコステロイド、ロイコトリエン、リポキシン、プロテクチン、レゾルビン、オリゴヌクレオチド、または疎水性薬物化合物をさらに含む。実施形態では、細胞培養培地は、プロスタグランジンをさらに含む。実施形態では、細胞培養培地は、コルチコステロイドをさらに含む。実施形態では、細胞培養培地は、ロイコトリエンをさらに含む。実施形態では、細胞培養培地は、リポキシンをさらに含む。実施形態では、細胞培養培地は、プロテクチンをさらに含む。実施形態では、細胞培養培地は、レゾルビンをさらに含む。実施形態では、細胞培養培地は、オリゴヌクレオチドをさらに含む。実施形態では、細胞培養培地は、疎水性薬物化合物をさらに含む。
実施形態では、細胞培養培地補助剤は、プロスタグランジン、コルチコステロイド、ロイコトリエン、リポキシン、プロテクチン、レゾルビン、オリゴヌクレオチド、または疎水性薬物化合物をさらに含む。実施形態では、細胞培養培地補助剤は、プロスタグランジンをさらに含む。実施形態では、細胞培養培地補助剤は、コルチコステロイドをさらに含む。実施形態では、細胞培養培地補助剤は、ロイコトリエンをさらに含む。実施形態では、細胞培養培地補助剤は、リポキシンをさらに含む。実施形態では、細胞培養培地補助剤は、プロテクチンをさらに含む。実施形態では、細胞培養培地補助剤は、レゾルビンをさらに含む。実施形態では、細胞培養培地補助剤は、オリゴヌクレオチドをさらに含む。実施形態では、細胞培養培地補助剤は、疎水性薬物化合物をさらに含む。
実施形態では、疎水性薬物化合物は、エトモキシルまたはスタチンである。実施形態では、疎水性薬物化合物は、エトモキシルである。実施形態では、疎水性薬物化合物は、スタチンである。
実施形態では、細胞培養培地は、2−DGを含む。実施形態では、細胞培養培地補助剤は、2−DGを含む。
実施形態では、細胞培養培地は、約0.1mM、0.2mM、0.3mM、0.4mM、0.5mM、0.6mM、0.7mM、0.8mM、0.9mM、1mM、1.5mM、2mM、3mM、4mM、5mM、6mM、7mM、8mM、9mM、または10mMであるレベルの2−DGを含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.1mM〜約10mM、約0.1mM〜約5mM、約0.1mM〜約4mM、約0.1mM〜約3mM、約0.1mM〜約2mM、約0.1mM〜約1mM、約0.25mM〜約5mM、約0.25mM〜約5mM、約0.25mM〜約4mM、約0.25mM〜約3mM、約0.25mM〜約2mM、または約0.25mM〜約1mMのレベルの2−DGを含む。実施形態では、2−DGのレベルは、5mM、4mM、3mM、2mM、1mM、0.5mM、または0.25mM未満である。実施形態では、2−DGのレベルは、約5mM、4mM、3mM、2mM、1mM、0.5mM、または0.25mMである。
実施形態では、細胞培養培地は、約200μM、150μM、140μM、130μM、120μM、110μM、100μM、90μM、80μM、70μM、60μM、50μM、40μM、30μM、20μM、10μM、5μM、1μM、0.5μM、0.25μM、0.1μM、0.05μM、0.025μM、0.001μM、200μM未満、150μM未満、140未満μM、130μM未満、120μM未満、110μM未満、100μM未満、90μM未満、80μM未満、70μM未満、60μM未満、50μM未満、40未満μM、30μM未満、20μM未満、10μM未満、5μM未満、1μM未満、0.5μM未満、0.25μM未満、0.1μM未満、0.05μM未満、0.025未満μM、または0.01μM未満であるレベルのシクロデキストリンを含む。
実施形態では、細胞培養培地は、約50μM〜約200μM、約55μM〜約195μM、約50μM〜約190μM、約65μM〜約185μM、約70μM〜約180μM、約75μM〜約175μM、約80μM〜約170μM、約85μM〜約165μM、約90μM〜約160μM、約90μM〜約155μM、約95μM〜約150μM、約100μM〜約145μM、約105μM〜約140μM、約110μM〜約135μM、約115μM〜約130μM、または約120μM〜約125μMであるレベルのシクロデキストリンを含む。
実施形態では、細胞培養培地は、少なくとも約5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMであるレベルの少なくとも1つの脂質を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約5μM、10μM、または15μMから、約20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMまでであるレベルの少なくとも1つの脂質を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約5μM〜約50μM、約5μM〜約40μM、約5μM〜約30μM、約10μM〜約30μM、約11μM〜約29μM、約12μM〜約28μM、約13μM〜約27μM、約14μM〜約26μM、約15μM〜約25μM、約16μM〜約24μM、約17μM〜約23μM、約18μM〜約22μM、約19μM〜約21μMであるレベルの少なくとも1つの脂質を含む。実施形態では、細胞培養培地中の少なくとも1つの脂質のレベルは、10μM、11μM、12μM、13μM、14μM、15μM、16μM、17μM、18μM、19μM、20μM、21μM、22μM、23μM、24μM、25μM、26μM、27μM、28μM、29μM、または30μMである。
実施形態では、細胞培養培地は、少なくとも約5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMであるレベルの少なくとも1つの脂肪酸を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約5μM、10μM、または15μMから、約20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMまでであるレベルの少なくとも1つの脂肪酸を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約5μM〜約50μM、約5μM〜約40μM、約5μM〜約30μM、約10μM〜約30μM、約11μM〜約29μM、約12μM〜約28μM、約13μM〜約27μM、約14μM〜約26μM、約15μM〜約25μM、約16μM〜約24μM、約17μM〜約23μM、約18μM〜約22μM、約19μM〜約21μMであるレベルの少なくとも1つの脂肪酸を含む。いくつかの実施形態では、細胞培養培地中の少なくとも1つの脂肪酸のレベルは、10μM、11μM、12μM、13μM、14μM、15μM、16μM、17μM、18μM、19μM、20μM、21μM、22μM、23μM、24μM、25μM、26μM、27μM、28μM、29μM、または30μMである。
実施形態では、細胞培養培地は、少なくとも約0.05μM、0.1μM、0.5μM、1μM、1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMであるレベルの少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸(例えば、アラキドン酸、リノール酸、および/またはγ−リノレン酸等のオメガ−6脂肪酸)を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM、0.1μM、0.5μM、または1μMから、約1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMまでであるレベルの少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM〜約50μM、約0.5μM〜約10μM、約5μM〜約10μM、または約1μM〜約5μMであるレベルの少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸を含む。
実施形態では、細胞培養培地は、少なくとも約0.05μM、0.1μM、0.5μM、1μM、1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMであるレベルのアラキドン酸を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM、0.1μM、0.5μM、または1μMから、約1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMまでであるレベルのアラキドン酸を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM〜約50μM、約5μM〜約10μM、約0.5μM〜約10μM、または約1μM〜約5μMであるレベルのアラキドン酸を含む。
実施形態では、細胞培養培地は、少なくとも約0.05μM、0.1μM、0.5μM、1μM、1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMであるレベルのリノール酸を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM、0.1μM、0.5μM、または1μMから、約1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMまでであるレベルのリノール酸を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM〜約50μM、約0.5μM〜約10μM、約5μM〜約10μM、または約1μM〜約5μMであるレベルのリノール酸を含む。
実施形態では、細胞培養培地は、少なくとも約0.05μM、0.1μM、0.5μM、1μM、1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMであるレベルのリノレン酸(例えば、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、またはそれらの組み合わせ)を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM、0.1μM、0.5μM、または1μMから、約1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMまでであるレベルのリノレン酸を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM〜約50μM、約0.5μM〜約10μM、約5μM〜約10μM、または約1μM〜約5μMであるレベルのリノレン酸を含む。
実施形態では、細胞培養培地は、少なくとも約0.05μM、0.1μM、0.5μM、1μM、1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMであるレベルの多価不飽和脂肪酸以外の少なくとも1つの脂肪酸(例えば、ミリスチン酸、パルミチン酸、もしくはステアリン酸等の飽和脂肪酸、および/またはパルミトレイン酸もしくはオレイン酸等の一価不飽和脂肪酸)を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM、0.1μM、0.5μM、または1μMから、約1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMまでであるレベルの脂肪酸(複数可)を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM〜約50μM、約0.5μM〜約10μM、約5μM〜約10μM、または約1μM〜約5μMであるレベルの脂肪酸(複数可)を含む。
実施形態では、細胞培養培地は、少なくとも約0.05μM、0.1μM、0.5μM、1μM、1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMであるレベルのミリスチン酸を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM、0.1μM、0.5μM、または1μMから、約1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMまでであるレベルのミリスチン酸を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM〜約50μM、約0.5μM〜約10μM、約5μM〜約10μM、約1μM〜約5μMであるレベルのミリスチン酸を含む。
実施形態では、細胞培養培地は、少なくとも約0.05μM、0.1μM、0.5μM、1μM、1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMであるレベルのパルミチン酸を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM、0.1μM、0.5μM、または1μMから、約1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMまでであるレベルのパルミチン酸を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM〜約50μM、約0.5μM〜約10μM、約5μM〜約10μM、または約1μM〜約5μMであるレベルのパルミチン酸を含む。
実施形態では、細胞培養培地は、少なくとも約0.05μM、0.1μM、0.5μM、1μM、1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMであるレベルのステアリン酸を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM、0.1μM、0.5μM、または1μMから、約1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMまでであるレベルのステアリン酸を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM〜約50μM、約0.5μM〜約10μM、約5μM〜約10μM、または約1μM〜約5μMであるレベルのステアリン酸を含む。
実施形態では、細胞培養培地は、少なくとも約0.05μM、0.1μM、0.5μM、1μM、1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMであるレベルのパルミトレイン酸を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM、0.1μM、0.5μM、または1μMから、約1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMまでであるレベルのパルミトレイン酸を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM〜約50μM、約0.5μM〜約10μM、約5μM〜約10μM、または約1μM〜約5μMであるレベルのパルミトレイン酸を含む。
実施形態では、細胞培養培地は、少なくとも約0.05μM、0.1μM、0.5μM、1μM、1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMであるレベルのオレイン酸を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM、0.1μM、0.5μM、または1μMから、約1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMまでであるレベルのオレイン酸を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM〜約50μM、約0.5μM〜約10μM、約5μM〜約10μM、または約1μM〜約5μMであるレベルのオレイン酸を含む。
実施形態では、細胞培養培地は、少なくとも約5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMであるレベルのコレステロールを含む。実施形態では、細胞培養培地は、約5μM、10μM、または15μMから、約20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMまでであるレベルのコレステロールを含む。実施形態では、細胞培養培地は、約5μM〜約50μM、約5μM〜約40μM、約5μM〜約30μM、約10μM〜約30μM、約11μM〜約29μM、約12μM〜約28μM、約13μM〜約27μM、約14μM〜約26μM、約15μM〜約25μM、約16μM〜約24μM、約17μM〜約23μM、約18μM〜約22μM、約18μM〜約21μM、約19μM〜約20μMであるレベルのコレステロールを含む。実施形態では、細胞培養培地は、10μM、11μM、12μM、13μM、14μM、15μM、16μM、17μM、18μM、19μM、20μM、21μM、22μM、23μM、24μM、25μM、26μM、27μM、28μM、29μM、または30μMであるレベルのコレステロールを含む。
実施形態では、細胞培養培地は、薬物化合物を含まない。実施形態では、細胞培養培地補助剤は、薬物化合物を含まない。
実施形態では、細胞培養培地は、アルプロスタジル、セフォチアムヘキセチルHCl、ベネクセートHCl、デキサメタゾン、ヨード、ニコチン、ニメスリド、ニトログリセリン、オメプラゾール、PGE2、ピロキシカム、チアプロフェン酸、シサプリド、ヒドロコルチゾン、ルドメタシン、イトラコナゾール、マイトマイシン、17β−エストラジオール、クロラムフェニコール、ボリコナゾール、マレイン酸ジプラシドウ(ziprasidoue maleate)、ジクロフェナクナトリウム、エトモキシル、またはスタチンを含まない。実施形態では、細胞培養培地は、アルプロスタジルを含まない。実施形態では、細胞培養培地は、セフォチアムヘキセチルHClを含まない。実施形態では、細胞培養培地は、ベネクセートHClを含まない。実施形態では、細胞培養培地は、デキサメタゾンを含まない。実施形態では、細胞培養培地は、ヨードを含まない。実施形態では、細胞培養培地は、ニコチンを含まない。実施形態では、細胞培養培地は、ニメスリドを含まない。実施形態では、細胞培養培地は、ニトログリセリンを含まない。実施形態では、細胞培養培地は、ニトログリセリンを含まない。実施形態では、細胞培養培地は、オメプラゾールを含まない。実施形態では、細胞培養培地は、PGE2を含まない。実施形態では、細胞培養培地は、ピロキシカムを含まない。実施形態では、細胞培養培地は、チアプロフェン酸を含まない。実施形態では、細胞培養培地は、シサプリドを含まない。実施形態では、細胞培養培地は、ヒドロコルチゾンを含まない。実施形態では、細胞培養培地は、ルドメタシンを含まない。実施形態では、細胞培養培地は、イトラコナゾールを含まない。実施形態では、細胞培養培地は、マイトマイシンを含まない。実施形態では、細胞培養培地は、17β−エストラジオールを含まない。実施形態では、細胞培養培地は、クロラムフェニコールを含まない。実施形態では、細胞培養培地は、ボリコナゾールを含まない。実施形態では、細胞培養培地は、マレイン酸ジプラシドウを含まない。実施形態では、細胞培養培地は、ジクロフェナクナトリウムを含まない。実施形態では、細胞培養培地は、エトモキシルを含まない。実施形態では、細胞培養培地は、スタチンを含まない。
実施形態では、細胞培養培地補助剤は、アルプロスタジル、セフォチアムヘキセチルHCl、ベネクセートHCl、デキサメタゾン、ヨード、ニコチン、ニメスリド、ニトログリセリン、オメプラゾール、PGE2、ピロキシカム、チアプロフェン酸、シサプリド、ヒドロコルチゾン、ルドメタシン、イトラコナゾール、マイトマイシン、17β−エストラジオール、クロラムフェニコール、ボリコナゾール、マレイン酸ジプラシドウ、ジクロフェナクナトリウム、エトモキシル、またはスタチンを含まない。実施形態では、細胞培養培地補助剤は、アルプロスタジルを含まない。実施形態では、細胞培養培地補助剤は、セフォチアムヘキセチルHClを含まない。実施形態では、細胞培養培地補助剤は、ベネクセートHClを含まない。実施形態では、細胞培養培地補助剤は、デキサメタゾンを含まない。実施形態では、細胞培養培地補助剤は、ヨードを含まない。実施形態では、細胞培養培地補助剤は、ニコチンを含まない。実施形態では、細胞培養培地補助剤は、ニメスリドを含まない。実施形態では、細胞培養培地補助剤は、ニトログリセリンを含まない。実施形態では、細胞培養培地補助剤は、ニトログリセリンを含まない。実施形態では、細胞培養培地補助剤は、オメプラゾールを含まない。実施形態では、細胞培養培地補助剤は、PGE2を含まない。実施形態では、細胞培養培地補助剤は、ピロキシカムを含まない。実施形態では、細胞培養培地補助剤は、チアプロフェン酸を含まない。実施形態では、細胞培養培地補助剤は、シサプリドを含まない。実施形態では、細胞培養培地補助剤は、ヒドロコルチゾンを含まない。実施形態では、細胞培養培地補助剤は、ルドメタシンを含まない。実施形態では、細胞培養培地補助剤は、イトラコナゾールを含まない。実施形態では、細胞培養培地補助剤は、マイトマイシンを含まない。実施形態では、細胞培養培地補助剤は、17β−エストラジオールを含まない。実施形態では、細胞培養培地補助剤は、クロラムフェニコールを含まない。実施形態では、細胞培養培地補助剤は、ボリコナゾールを含まない。実施形態では、細胞培養培地補助剤は、マレイン酸ジプラシドウを含まない。実施形態では、細胞培養培地補助剤は、ジクロフェナクナトリウムを含まない。実施形態では、細胞培養培地補助剤は、エトモキシルを含まない。実施形態では、細胞培養培地補助剤は、スタチンを含まない。
実施形態では、細胞培養培地は、疎水性薬物化合物を含まない。実施形態では、細胞培養培地補助剤は、疎水性薬物化合物を含まない。実施形態では、細胞培養培地は、アルブミンを含まない。実施形態では、細胞培養培地は、タンパク質を含まない。実施形態では、細胞培養培地は、無血清細胞培養培地である。したがって、本発明は、無血清、無アルブミン、または無タンパク質である組成物(例えば、細胞培養培地および補助剤)を含む。
実施形態では、細胞培養培地は、アルブミンを含む。実施形態では、細胞培養培地は、タンパク質を含む。
実施形態では、T細胞の集団は、シクロデキストリンおよび少なくとも1つの脂質を含まない細胞培養培地と組み合わせたT細胞の集団内の対応するT細胞と比較して、表現型のより大きな保持、より大きな増殖、より大きな効力、および/またはより高い形質導入効率が可能なT細胞を含む。
一態様では、リノール酸、少なくとも1つ(例えば、約または少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個)の他のオメガ−6脂肪酸、コレステロール、およびメチル化シクロデキストリンを含む、無血清細胞培養培地組成物が提供される。
一態様では、リノール酸、少なくとも1つ(例えば、約または少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個)の他のオメガ−6脂肪酸、コレステロール、およびメチル化シクロデキストリンを含む、無血清細胞培養補助剤組成物が提供される。
実施形態では、メチル化シクロデキストリンは、50μM〜200μM、55μM〜195μM、60μM〜190μM、65μM〜185μM、70μM〜180μM、75μM〜175μM、80μM〜170μM、85μM〜165μM、90μM〜160μM、95μM〜155μM、95μM〜150μM、100μM〜145μM、105μM〜140μM、110μM〜135μM、115μM〜130μM、または120μM〜125μMのレベルで細胞培養培地中に存在する。
実施形態では、細胞培養培地は、少なくとも約5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMであるレベルの少なくとも1つの脂質を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約5μM、10μM、または15μMから、約20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMまでであるレベルの少なくとも1つの脂質を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約5μM〜約50μM、約5μM〜約40μM、約5μM〜約30μM、約10μM〜約30μM、約11μM〜約29μM、約12μM〜約28μM、約13μM〜約27μM、約14μM〜約26μM、約15μM〜約25μM、約16μM〜約24μM、約17μM〜約23μM、約18μM〜約22μM、約19μM〜約21μMであるレベルの少なくとも1つの脂質を含む。実施形態では、細胞培養培地中の少なくとも1つの脂質のレベルは、10μM、11μM、12μM、13μM、14μM、15μM、16μM、17μM、18μM、19μM、20μM、21μM、22μM、23μM、24μM、25μM、26μM、27μM、28μM、29μM、または30μMである。
実施形態では、細胞培養培地は、少なくとも約5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMであるレベルの少なくとも1つの脂肪酸を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約5μM、10μM、または15μMから、約20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMまでであるレベルの少なくとも1つの脂肪酸を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約5μM〜約50μM、約5μM〜約40μM、約5μM〜約30μM、約10μM〜約30μM、約11μM〜約29μM、約12μM〜約28μM、約13μM〜約27μM、約14μM〜約26μM、約15μM〜約25μM、約16μM〜約24μM、約17μM〜約23μM、約18μM〜約22μM、約19μM〜約21μMであるレベルの少なくとも1つの脂肪酸を含む。いくつかの実施形態では、細胞培養培地中の少なくとも1つの脂肪酸のレベルは、10μM、11μM、12μM、13μM、14μM、15μM、16μM、17μM、18μM、19μM、20μM、21μM、22μM、23μM、24μM、25μM、26μM、27μM、28μM、29μM、または30μMである。
実施形態では、細胞培養培地は、少なくとも約0.05μM、0.1μM、0.5μM、1μM、1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMであるレベルの少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸(例えば、アラキドン酸、リノール酸、および/またはγ−リノレン酸等のオメガ−6脂肪酸)を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM、0.1μM、0.5μM、または1μMから、約1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMまでであるレベルの少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM〜約50μM、約0.5μM〜約10μM、約1μM〜約10μM、または約1μM〜約5μMであるレベルの少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸を含む。
実施形態では、細胞培養培地は、少なくとも約0.05μM、0.1μM、0.5μM、1μM、1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMであるレベルのアラキドン酸を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM、0.1μM、0.5μM、または1μMから、約1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMまでであるレベルのアラキドン酸を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM〜約50μM、約1μM〜約10μM、約0.5μM〜約10μM、または約1μM〜約5μMであるレベルのアラキドン酸を含む。
実施形態では、細胞培養培地は、少なくとも約0.05μM、0.1μM、0.5μM、1μM、1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMであるレベルのリノール酸を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM、0.1μM、0.5μM、または1μMから、約1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMまでであるレベルのリノール酸を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM〜約50μM、約0.5μM〜約10μM、約1μM〜約10μM、または約1μM〜約5μMであるレベルのリノール酸を含む。
実施形態では、細胞培養培地は、少なくとも約0.05μM、0.1μM、0.5μM、1μM、1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMであるレベルのリノレン酸(例えば、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、またはそれらの組み合わせ)を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM、0.1μM、0.5μM、または1μMから、約1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMまでであるレベルのリノレン酸を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM〜約50μM、約0.5μM〜約10μM、約5μM〜約10μM、または約1μM〜約5μMであるレベルのリノレン酸を含む。
実施形態では、細胞培養培地は、少なくとも約0.05μM、0.1μM、0.5μM、1μM、1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMであるレベルの多価不飽和脂肪酸以外の少なくとも1つの脂肪酸(例えば、ミリスチン酸、パルミチン酸、もしくはステアリン酸等の飽和脂肪酸、および/またはパルミトレイン酸もしくはオレイン酸等の一価不飽和脂肪酸)を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM、0.1μM、0.5μM、または1μMから、約1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMまでであるレベルの脂肪酸(複数可)を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM〜約50μM、約0.5μM〜約10μM、約5μM〜約10μM、または約1μM〜約5μMであるレベルの脂肪酸(複数可)を含む。
実施形態では、細胞培養培地は、少なくとも約0.05μM、0.1μM、0.5μM、1μM、1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMであるレベルのミリスチン酸を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM、0.1μM、0.5μM、または1μMから、約1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMまでであるレベルのミリスチン酸を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM〜約50μM、約0.5μM〜約10μM、約5μM〜約10μM、約1μM〜約5μMであるレベルのミリスチン酸を含む。
実施形態では、細胞培養培地は、少なくとも約0.05μM、0.1μM、0.5μM、1μM、1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMであるレベルのパルミチン酸を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM、0.1μM、0.5μM、または1μMから、約1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMまでであるレベルのパルミチン酸を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM〜約50μM、約0.5μM〜約10μM、約5μM〜約10μM、または約1μM〜約5μMであるレベルのパルミチン酸を含む。
実施形態では、細胞培養培地は、少なくとも約0.05μM、0.1μM、0.5μM、1μM、1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMであるレベルのステアリン酸を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM、0.1μM、0.5μM、または1μMから、約1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMまでであるレベルのステアリン酸を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM〜約50μM、約0.5μM〜約10μM、約5μM〜約10μM、または約1μM〜約5μMであるレベルのステアリン酸を含む。
実施形態では、細胞培養培地は、少なくとも約0.05μM、0.1μM、0.5μM、1μM、1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMであるレベルのパルミトレイン酸を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM、0.1μM、0.5μM、または1μMから、約1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMまでであるレベルのパルミトレイン酸を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM〜約50μM、約0.5μM〜約10μM、約5μM〜約10μM、または約1μM〜約5μMであるレベルのパルミトレイン酸を含む。
実施形態では、細胞培養培地は、少なくとも約0.05μM、0.1μM、0.5μM、1μM、1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMであるレベルのオレイン酸を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM、0.1μM、0.5μM、または1μMから、約1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMまでであるレベルのオレイン酸を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM〜約50μM、約0.5μM〜約10μM、約5μM〜約10μM、または約1μM〜約5μMであるレベルのオレイン酸を含む。
実施形態では、細胞培養培地は、少なくとも約5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMであるレベルのコレステロールを含む。実施形態では、細胞培養培地は、約5μM、10μM、または15μMから、約20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMまでであるレベルのコレステロールを含む。実施形態では、細胞培養培地は、約5μM〜約50μM、約5μM〜約40μM、約5μM〜約30μM、約10μM〜約30μM、約11μM〜約29μM、約12μM〜約28μM、約13μM〜約27μM、約14μM〜約26μM、約15μM〜約25μM、約16μM〜約24μM、約17μM〜約23μM、約18μM〜約22μM、約18μM〜約21μM、約19μM〜約20μMであるレベルのコレステロールを含む。実施形態では、細胞培養培地は、10μM、11μM、12μM、13μM、14μM、15μM、16μM、17μM、18μM、19μM、20μM、21μM、22μM、23μM、24μM、25μM、26μM、27μM、28μM、29μM、または30μMであるレベルのコレステロールを含む。
実施形態では、少なくとも1つの他のオメガ−6脂肪酸は、多価不飽和オメガ−6脂肪酸である。
実施形態では、少なくとも1つの他のオメガ−6脂肪酸は、γリノレン酸、エイコサジエン酸、ジホモ−γ−リノレン酸、アラキドン酸、ドコサジエン酸、アドレン酸、ドコサペンタエン酸、テトラコサテトラエン酸、またはテトラコサペンタエン酸である。実施形態では、少なくとも1つの他のオメガ−6脂肪酸は、γリノレン酸である。実施形態では、少なくとも1つの他のオメガ−6脂肪酸は、エイコサジエン酸である。実施形態では、少なくとも1つの他のオメガ−6脂肪酸は、ジホモ−γ−リノレン酸である。実施形態では、少なくとも1つの他のオメガ−6脂肪酸は、アラキドン酸である。実施形態では、少なくとも1つの他のオメガ−6脂肪酸は、ドコサジエン酸である。実施形態では、少なくとも1つの他のオメガ−6脂肪酸は、アドレン酸である。実施形態では、少なくとも1つの他のオメガ−6脂肪酸は、ドコサペンタエン酸である。実施形態では、少なくとも1つの他のオメガ−6脂肪酸は、テトラコサテトラエン酸である。実施形態では、少なくとも1つの他のオメガ−6脂肪酸は、テトラコサペンタエン酸である。
実施形態では、少なくとも1つの他のオメガ−6脂肪酸は、アラキドン酸である。
実施形態では、無血清細胞培養培地組成物は、α−リノレン酸をさらに含む。実施形態では、無血清細胞培養補助剤組成物は、α−リノレン酸をさらに含む。
実施形態では、無血清細胞培養培地組成物は、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、および/またはステアリン酸をさらに含む。実施形態では、無血清細胞培養培地組成物は、ミリスチン酸をさらに含む。実施形態では、無血清細胞培養培地組成物は、オレイン酸をさらに含む。実施形態では、無血清細胞培養培地組成物は、パルミチン酸をさらに含む。実施形態では、無血清細胞培養培地組成物は、パルミトレイン酸をさらに含む。実施形態では、無血清細胞培養培地組成物は、ステアリン酸をさらに含む。
実施形態では、無血清細胞培養補助剤組成物は、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、および/またはステアリン酸をさらに含む。実施形態では、無血清細胞培養補助剤組成物は、ミリスチン酸をさらに含む。実施形態では、無血清細胞培養補助剤組成物は、オレイン酸をさらに含む。実施形態では、無血清細胞培養補助剤組成物は、パルミチン酸をさらに含む。実施形態では、無血清細胞培養補助剤組成物は、パルミトレイン酸をさらに含む。実施形態では、無血清細胞培養補助剤組成物は、ステアリン酸をさらに含む。
実施形態では、無血清細胞培養培地組成物は、少なくとも3、4、5、6、7、または8つの異なる脂肪酸を含む。
実施形態では、無血清細胞培養補助剤組成物は、少なくとも3、4、5、6、7、または8つの異なる脂肪酸を含む。
実施形態では、無血清細胞培養培地組成物は、3、4、5、6、7、または8つの異なる脂肪酸を含む。
実施形態では、無血清細胞培養補助剤組成物は、3、4、5、6、7、または8つの異なる脂肪酸を含む。
実施形態では、無血清細胞培養培地組成物は、(a)リノレン酸、アラキドン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、もしくはステアリン酸のいずれか1つ、(b)リノレン酸、アラキドン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、およびステアリン酸のうちの2、3、4、5、6、もしくは7つ、(c)リノレン酸、アラキドン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、およびステアリン酸、(d)飽和脂肪酸であって、酪酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、もしくはセロチン酸である、飽和脂肪酸、(e)一価不飽和脂肪酸であって、パルミトレイン酸、オレイン酸、エイコセン酸、エルカ酸、もしくはネルボン酸である、一価不飽和脂肪酸、(f)多価不飽和脂肪酸であって、ヘキサデカトリエン酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、ステアリドン酸、エイコサジエン酸、エイコサトリエン酸、ジホモ−γ−リノレン酸、ミード酸、エイコサテトラエン酸、エイコサペンタエン酸、ヘネイコサペンタエン酸、ドコサジエン酸、アドレン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、テトラコサテトラエン酸、テトラコサペンタエン酸、テトラコサペンタエン酸、テトラコサペンタエン酸、もしくはテトラコサヘキサエン酸である、多価不飽和脂肪酸、(g)オメガ−3脂肪酸であって、ヘキサデカトリエン酸、α−リノレン酸、ステアリドン酸、エイコサトリエン酸、エイコサテトラエン酸、エイコサペンタエン酸、ヘネイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、テトラコサペンタエン酸、もしくはテトラコサヘキサエン酸である、オメガ−3脂肪酸、(h)オメガ−6脂肪酸であって、リノール酸、アラキドン酸、γリノレン酸、エイコサジエン酸、ジホモ−γ−リノレン酸、アラキドン酸、ドコサジエン酸、アドレン酸、ドコサペンタエン酸、テトラコサテトラエン酸、もしくはテトラコサペンタエン酸である、オメガ−6脂肪酸、または(i)オメガ−9脂肪酸であって、パルミトレイン酸、オレイン酸、エイコセン酸、エルカ酸、ネルボン酸、もしくはミード酸である、オメガ−9脂肪酸を含む。
実施形態では、無血清細胞培養補助剤組成物は、(a)リノレン酸、アラキドン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、もしくはステアリン酸のいずれか1つ、(b)リノレン酸、アラキドン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、およびステアリン酸のうちの2、3、4、5、6、もしくは7つ、(c)リノレン酸、アラキドン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、およびステアリン酸、(d)飽和脂肪酸であって、酪酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、もしくはセロチン酸である、飽和脂肪酸、(e)一価不飽和脂肪酸であって、パルミトレイン酸、オレイン酸、エイコセン酸、エルカ酸、もしくはネルボン酸である、一価不飽和脂肪酸、(f)多価不飽和脂肪酸であって、ヘキサデカトリエン酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、ステアリドン酸、エイコサジエン酸、エイコサトリエン酸、ジホモ−γ−リノレン酸、ミード酸、エイコサテトラエン酸、エイコサペンタエン酸、ヘネイコサペンタエン酸、ドコサジエン酸、アドレン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、テトラコサテトラエン酸、テトラコサペンタエン酸、テトラコサペンタエン酸、テトラコサペンタエン酸、もしくはテトラコサヘキサエン酸である、多価不飽和脂肪酸、(g)オメガ−3脂肪酸であって、ヘキサデカトリエン酸、α−リノレン酸、ステアリドン酸、エイコサトリエン酸、エイコサテトラエン酸、エイコサペンタエン酸、ヘネイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、テトラコサペンタエン酸、もしくはテトラコサヘキサエン酸である、オメガ−3脂肪酸、(h)オメガ−6脂肪酸であって、リノール酸、アラキドン酸、γリノレン酸、エイコサジエン酸、ジホモ−γ−リノレン酸、アラキドン酸、ドコサジエン酸、アドレン酸、ドコサペンタエン酸、テトラコサテトラエン酸、もしくはテトラコサペンタエン酸である、オメガ−6脂肪酸、または(i)オメガ−9脂肪酸であって、パルミトレイン酸、オレイン酸、エイコセン酸、エルカ酸、ネルボン酸、もしくはミード酸である、オメガ−9脂肪酸を含む。
実施形態では、コレステロールは、合成コレステロールである。
実施形態では、メチル化シクロデキストリンは、メチル化α−シクロデキストリン、メチル化β−シクロデキストリン、またはメチル化γ−シクロデキストリンである。実施形態では、メチル化シクロデキストリンは、メチル化α−シクロデキストリンである。実施形態では、メチル化シクロデキストリンは、メチル化β−シクロデキストリンである。実施形態では、メチル化シクロデキストリンは、メチル化γ−シクロデキストリンである。実施形態では、メチル化シクロデキストリンは、メチル−β−シクロデキストリンである。
実施形態では、無血清細胞培養培地組成物は、非メチル化シクロデキストリンをさらに含む。実施形態では、無血清細胞培養補助剤組成物は、非メチル化シクロデキストリンをさらに含む。
実施形態では、メチル化シクロデキストリン対TCOLのモル比は、10.5:1未満、10:1未満、9.5:1未満、9:1未満、8.5:1未満、8:1未満、7.5:1未満、7:1未満、6.5:1未満、6:1未満、5.5:1未満、5:1未満、4.5:1未満、4:1未満、3.5:1未満、3:1未満、2.5:1未満、2:1未満、1.5:1未満、1:1未満、0.5:1未満、0.25:1未満、または0.1:1未満である。
実施形態では、本組成物中のメチル化シクロデキストリン対TLのモル比は、11.5:1未満、11:1未満、10.5:1未満、10:1未満、9.5:1未満、9:1未満、8.5:1未満、8:1未満、7.5:1未満、7:1未満、6.5:1未満、6:1未満、5.5:1未満、5:1未満、4.5:1未満、4:1未満、3.5:1未満、3:1未満、2.5:1未満、2:1未満、1.5:1未満、1:1未満、0.5:1未満、0.25:1未満、または0.1:1未満である。
実施形態では、無血清細胞培養培地は、アルブミンを含むか、または含まない。実施形態では、無血清細胞培養補助剤は、アルブミンを含むか、または含まない。したがって、本発明は、無アルブミンである無血清培地および補助剤を含む。アルブミンが存在する場合、それは、組み換えヒト血清アルブミン(rHSA)であり得る。
実施形態では、細胞培養培地補助剤は、アルブミンを含む。実施形態では、細胞培養培地補助剤は、タンパク質を含む。
実施形態では、無血清細胞培養培地は、タンパク質を含まない。実施形態では、無血清細胞培養補助剤は、タンパク質を含まない。
一実施形態では、0.00647mol/Lの合成コレステロール、0.0676mol/Lのメチル−β−シクロデキストリン、0.00072mol/Lのアラキドン酸、0.00508mol/Lのリノール酸、0.00014mol/Lのリノレン酸、27.75422mol/Lの熱水、および27.75422mol/Lの冷水を含む、細胞培養培地補助剤が提供される。実施形態では、細胞培養培地補助剤の有効希釈度は、約1:10〜約1:5000(例えば、約1:10、約1:20、約1:30、約1:40、約1:50、約1:60、約1:70、約1:80、約1:90、約1:100、約1:150、約1:200、約1:250、約1:300、約1:350、約1:400、約1:450、約1:455、約1:460、約1:465、約1:470、約1:475、約1:480、約1:485、約1:490、約1:495、約1:500、約1:505、約1:510、約1:515、約1:520、約1:525、約1:530、約1:535、約1:540、約1:545、約1:550、約1:555、約1:560、約1:565、約1:570、約1:575、約1:580、約1:585、約1:590、約1:595、約1:600、約1:650、約1:700、約1:750、約1:800、約1:850、約1:900、約1:950、約1:1000、約1:1500、約1:2000、約1:2500、約1:3000、約1:3500、約1:4000、約1:4500、約1:5000)である。実施形態では、細胞培養培地補助剤の有効希釈度は、約1:250〜約1:750である。実施形態では、細胞培養培地補助剤の有効希釈度は、約1:400〜約1:600である。
一実施形態では、0.00647mol/Lの合成コレステロール、0.0676mol/Lのメチル−β−シクロデキストリン、0.0000657mol/Lのアラキドン酸、0.00036mol/Lのリノール酸、0.00036mol/Lのリノレン酸、0.00044mol/Lのミリスチン酸、0.00035mol/Lのオレイン酸、0.00039mol/Lのパルミチン酸、0.00039mol/Lのパルミトレイン酸、0.00035mol/Lのステアリン酸、27.75422mol/Lの熱水、および27.75422mol/Lの冷水を含む、細胞培養培地補助剤が提供される。実施形態では、細胞培養培地補助剤の有効希釈度は、約1:10〜約1:5000(例えば、約1:10、約1:20、約1:30、約1:40、約1:50、約1:60、約1:70、約1:80、約1:90、約1:100、約1:150、約1:200、約1:250、約1:300、約1:350、約1:400、約1:450、約1:455、約1:460、約1:465、約1:470、約1:475、約1:480、約1:485、約1:490、約1:495、約1:500、約1:505、約1:510、約1:515、約1:520、約1:525、約1:530、約1:535、約1:540、約1:545、約1:550、約1:555、約1:560、約1:565、約1:570、約1:575、約1:580、約1:585、約1:590、約1:595、約1:600、約1:650、約1:700、約1:750、約1:800、約1:850、約1:900、約1:950、約1:1000、約1:1500、約1:2000、約1:2500、約1:3000、約1:3500、約1:4000、約1:4500、約1:5000)である。実施形態では、細胞培養培地補助剤の有効希釈度は、約1:250〜約1:750である。実施形態では、細胞培養培地補助剤の有効希釈度は、約1:400〜約1:600である。
一実施形態では、0.00647mol/Lの合成コレステロール、0.0676mol/Lのメチル−β−シクロデキストリン、0.00032mol/Lのアラキドン酸、0.00105mol/Lのリノール酸、0.00105mol/Lのリノレン酸、0.00011mol/Lのミリスチン酸、0.00273mol/Lのオレイン酸、0.0017mol/Lのパルミチン酸、0.00017mol/Lのパルミトレイン酸、0.00202mol/Lのステアリン酸、27.75422mol/Lの熱水、および27.75422mol/Lの冷水を含む、細胞培養培地補助剤が提供される。実施形態では、細胞培養培地補助剤の有効希釈度は、約1:10〜約1:5000(例えば、約1:10、約1:20、約1:30、約1:40、約1:50、約1:60、約1:70、約1:80、約1:90、約1:100、約1:150、約1:200、約1:250、約1:300、約1:350、約1:400、約1:450、約1:455、約1:460、約1:465、約1:470、約1:475、約1:480、約1:485、約1:490、約1:495、約1:500、約1:505、約1:510、約1:515、約1:520、約1:525、約1:530、約1:535、約1:540、約1:545、約1:550、約1:555、約1:560、約1:565、約1:570、約1:575、約1:580、約1:585、約1:590、約1:595、約1:600、約1:650、約1:700、約1:750、約1:800、約1:850、約1:900、約1:950、約1:1000、約1:1500、約1:2000、約1:2500、約1:3000、約1:3500、約1:4000、約1:4500、約1:5000)である。実施形態では、細胞培養培地補助剤の有効希釈度は、約1:250〜約1:750である。実施形態では、細胞培養培地補助剤の有効希釈度は、約1:400〜約1:600である。
組み合わせおよび培養方法
本発明はまた、異なる化合物の組成物、ならびにそのような組成物を調製および/または使用するための方法を含む。これらの異なる化合物は、(1)培養培地補助剤としてまたはその中に存在しても、(2)培養培地として存在してもよい。さらに、そのような組み合わせは、キットに含まれてもよい。本発明の組成物は、(1)コレステロールおよび/もしくはその誘導体、(2)1つ以上のシクロデキストリン、(3)1つ以上の脂肪酸、(4)2−DG、ならびに/または(5)1つの他の化合物(例えば、プロスタグランジン、エトモキシル、ロイコトリエン、スタチン等)を含み得る。したがって、本発明の組成物は、コレステロール、1つ以上の脂肪酸、および2−DGは含有するが、シクロデキストリンは含有しない、培養培地を含む。本発明の組成物はまた、コレステロール、1つ以上の脂肪酸、およびシクロデキストリンは含有するが、2−DGは含有しない、培養培地も含む。さらに、本発明の組成物はまた、コレステロール、1つ以上の脂肪酸、シクロデキストリン、および2−DGを含有する、培養培地も含む。
本明細書に明記される組成物は、培養培地補助剤、培養培地補助剤への添加剤、および培養培地を含む。もちろん、存在する特定の化合物の量は、組成物の種類によって変動する。一例として、1倍濃度に達するように、5倍溶液を別の溶液と混合することによって、10倍培養培地補助剤を調製すると想定する。さらに、5倍溶液が、500μg/mlの化合物Aを含有すると想定する。そのような場合、培養培地補助剤は、100μg/mlの化合物Aを含有し、培養培地は、10μg/mlの化合物Aを含有する。
最終的に、本発明の配合物は、典型的には、培養培地の調製のために設計される。さらに、そのような培養培地は一般に、所望の特徴を有するように配合される。いくつかのそのような所望の特徴は、本明細書の他の箇所に明記されている。さらに、そのような所望の特徴には、高レベルの細胞増殖速度、および1つの細胞型の別の細胞型に対する選択的増殖が含まれる(例えば、CD4+T細胞のCD8+T細胞に対する増殖)。したがって、存在する様々な化合物の量は、典型的には、細胞の培養による所望の目的の達成を促進するために調整される。
一態様では、(i)T細胞の集団、(ii)シクロデキストリンおよび少なくとも1つの脂質を含む細胞培養培地、ならびに/または(iii)2−DGを含む、組み合わせが提供される。
T細胞の集団および細胞培養培地を含む組み合わせの文脈において、「細胞培養培地」は、T細胞集団に起源を持つ可能性のある化合物を含まない。したがって、シクロデキストリンおよび少なくとも1つの脂質を含む細胞培養培地は、細胞培養培地がT細胞の集団と組み合わされる時点で、シクロデキストリンおよび少なくとも1つの脂質を含む。
実施形態では、T細胞の培養(例えば、増殖)は、T細胞の活性化(例えば、刺激)を含む。実施形態では、T細胞が活性化されない限り、T細胞の集団は、増加しないか、またはほとんど増加しない(例えば、約10%未満)。T細胞を刺激するための様々な方法および組成物が、当該技術分野で既知である。実施形態では、T細胞は、T細胞を、抗体、リガンド[植物性血球凝集素(PHA)等]、または化学化合物[12−O−テトラデカノイルホルボール−13−アセテート(TPA)またはイオノマイシン等]と接触させる(例えば、T細胞を含む培地に添加する)ことによって活性化される。実施形態では、T細胞は、抗CD3/CD28抗体コーティングビーズ(Dynabeads(登録商標)等)、PHA、可溶性抗CD3抗体、またはプレート結合抗CD3抗体で活性化(例えば、刺激)される。実施形態では、T細胞は、ビーズにカップリング(例えば、共有結合)または吸収されたT細胞活性化抗体で刺激される。実施形態では、ビーズは、超常磁性球状ポリマー粒子である。実施形態では、粒子は、均一なサイズを有する。
実施形態では、少なくとも1つの脂質は、コレステロール、脂肪酸、脂肪酸エステル、リン脂質、またはグリセロ脂質である。実施形態では、少なくとも1つの脂質は、コレステロールである。実施形態では、少なくとも1つの脂質は、脂肪酸である。実施形態では、少なくとも1つの脂質は、脂肪酸エステルである。実施形態では、少なくとも1つの脂質は、リン脂質である。実施形態では、少なくとも1つの脂質は、グリセロ脂質である。
実施形態では、脂肪酸は、飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、または多価不飽和脂肪酸である。実施形態では、脂肪酸は、飽和脂肪酸である。実施形態では、脂肪酸は、一価不飽和脂肪酸である。実施形態では、脂肪酸は、多価不飽和脂肪酸である。実施形態では、脂肪酸は、一価不飽和脂肪酸である。実施形態では、脂肪酸は、多価不飽和脂肪酸である。いくつかの実施形態では、脂肪酸は、(1)飽和脂肪酸、(2)一価不飽和脂肪酸、および(1)多価不飽和脂肪酸、ならびにそのような脂肪酸の組み合わせ(例えば、2つの多価不飽和脂肪酸、3つの一価不飽和脂肪酸、および1つの飽和脂肪酸)からなる群から選択される、1つ以上の脂肪酸の種類である。
実施形態では、脂肪酸は、オメガ−3脂肪酸、オメガ−6脂肪酸、またはオメガ−9脂肪酸、またはオメガ−3脂肪酸、オメガ−6脂肪酸、もしくはオメガ−9脂肪酸の1つ以上(例えば、2つ以上もしくは3つ)の組み合わせである。実施形態では、脂肪酸は、LC−PUFAである。実施形態では、脂肪酸は、飽和脂肪酸である。実施形態では、脂肪酸は、一価不飽和脂肪酸である。実施形態では、脂肪酸は、多価不飽和脂肪酸である。実施形態では、脂肪酸は、リノール酸である。
実施形態では、組み合わせは、リノレン酸をさらに含む。実施形態では、リノレン酸は、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、ならびにα−リノレン酸およびγ−リノレン酸である。実施形態では、リノレン酸は、α−リノレン酸である。実施形態では、リノレン酸は、γ−リノレン酸である。実施形態では、リノレン酸は、α−リノレン酸およびγ−リノレン酸である。
実施形態では、組み合わせは、アラキドン酸をさらに含む。実施形態では、組み合わせは、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、および/またはステアリン酸をさらに含む。実施形態では、組み合わせは、ミリスチン酸をさらに含む。実施形態では、組み合わせは、オレイン酸をさらに含む。実施形態では、組み合わせは、パルミチン酸をさらに含む。実施形態では、組み合わせは、パルミトレイン酸をさらに含む。実施形態では、組み合わせは、ステアリン酸をさらに含む。
実施形態では、少なくとも1つの脂質は、(a)リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、もしくはステアリン酸のいずれか1つ、(b)リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、およびステアリン酸のうちの2、3、4、5、6、もしくは7つ、(c)リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、およびステアリン酸、(d)飽和脂肪酸であって、酪酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、もしくはセロチン酸である、飽和脂肪酸、(e)一価不飽和脂肪酸であって、パルミトレイン酸、オレイン酸、エイコセン酸、エルカ酸、もしくはネルボン酸である、一価不飽和脂肪酸、(f)多価不飽和脂肪酸であって、ヘキサデカトリエン酸、リノール酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、ステアリドン酸、エイコサジエン酸、エイコサトリエン酸、ジホモ−γ−リノレン酸、ミード酸、アラキドン酸、エイコサテトラエン酸、エイコサペンタエン酸、ヘネイコサペンタエン酸、ドコサジエン酸、アドレン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、テトラコサテトラエン酸、テトラコサペンタエン酸、テトラコサペンタエン酸、テトラコサペンタエン酸、もしくはテトラコサヘキサエン酸である、多価不飽和脂肪酸、(g)オメガ−3脂肪酸であって、ヘキサデカトリエン酸、α−リノレン酸、ステアリドン酸、エイコサトリエン酸、エイコサテトラエン酸、エイコサペンタエン酸、ヘネイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、テトラコサペンタエン酸、もしくはテトラコサヘキサエン酸である、オメガ−3脂肪酸、(h)オメガ−6脂肪酸であって、リノール酸、γリノレン酸、エイコサジエン酸、ジホモ−γ−リノレン酸、アラキドン酸、ドコサジエン酸、アドレン酸、ドコサペンタエン酸、テトラコサテトラエン酸、もしくはテトラコサペンタエン酸である、オメガ−6脂肪酸、または(i)オメガ−9脂肪酸であって、パルミトレイン酸、オレイン酸、エイコセン酸、エルカ酸、ネルボン酸、もしくはミード酸である、オメガ−9脂肪酸である。実施形態では、少なくとも1つの脂質は、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、またはステアリン酸のいずれか1つである。実施形態では、少なくとも1つの脂質は、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、およびステアリン酸のうちの2、3、4、5、6、または7つである。実施形態では、少なくとも1つの脂質は、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、およびステアリン酸である。実施形態では、少なくとも1つの脂質は、飽和脂肪酸であり、飽和脂肪酸は、酪酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、またはセロチン酸である。実施形態では、少なくとも1つの脂質は、一価不飽和脂肪酸であり、一価不飽和脂肪酸は、パルミトレイン酸、オレイン酸、エイコセン酸、エルカ酸、またはネルボン酸である。実施形態では、少なくとも1つの脂質は、多価不飽和脂肪酸であり、多価不飽和脂肪酸は、ヘキサデカトリエン酸、リノール酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、ステアリドン酸、エイコサジエン酸、エイコサトリエン酸、ジホモ−γ−リノレン酸、ミード酸、アラキドン酸、エイコサテトラエン酸、エイコサペンタエン酸、ヘネイコサペンタエン酸、ドコサジエン酸、アドレン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、テトラコサテトラエン酸、テトラコサペンタエン酸、テトラコサペンタエン酸、またはテトラコサヘキサエン酸である。実施形態では、少なくとも1つの脂質は、オメガ−3脂肪酸であり、オメガ−3脂肪酸は、ヘキサデカトリエン酸、α−リノレン酸、ステアリドン酸、エイコサトリエン酸、エイコサテトラエン酸、エイコサペンタエン酸、ヘネイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、テトラコサペンタエン酸、またはテトラコサヘキサエン酸である。実施形態では、少なくとも1つの脂質は、オメガ−6脂肪酸であり、オメガ−6脂肪酸は、リノール酸、γリノレン酸、エイコサジエン酸、ジホモ−γ−リノレン酸、アラキドン酸、ドコサジエン酸、アドレン酸、ドコサペンタエン酸、テトラコサテトラエン酸、またはテトラコサペンタエン酸である。実施形態では、少なくとも1つの脂質は、オメガ−9脂肪酸であり、オメガ−9脂肪酸は、パルミトレイン酸、オレイン酸、エイコセン酸、エルカ酸、ネルボン酸、またはミード酸である。
実施形態では、少なくとも1つの脂質は、コレステロールである。実施形態では、コレステロールは、合成コレステロールである。
実施形態では、シクロデキストリンは、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、またはγ−シクロデキストリンである。実施形態では、シクロデキストリンは、α−シクロデキストリンである。実施形態では、シクロデキストリンは、β−シクロデキストリンである。実施形態では、シクロデキストリンは、γ−シクロデキストリンである。実施形態では、シクロデキストリンは、メチル化されている。実施形態では、シクロデキストリンは、メチル−β−シクロデキストリンである。
実施形態では、シクロデキストリンは、以下、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン、2−ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、2,6−ジメチル−α−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、β−シクロデキストリンポリスルフェート、トリメチルβ−シクロデキストリン、および/またはγ−シクロデキストリンポリスルフェートの1つ以上である。実施形態では、シクロデキストリンは、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン、2−ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、2,6−ジメチル−α−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、β−シクロデキストリンポリスルフェート、トリメチルβ−シクロデキストリン、および/またはγ−シクロデキストリンポリスルフェートである。
実施形態では、本組成物は、複数の異なるシクロデキストリンを含み、複数のシクロデキストリンは、少なくとも2つのシクロデキストリン(例えば、約または少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のシクロデキストリン)を含む。実施形態では、本組成物は、約2〜約10個(例えば、約2〜約10、約3〜約10、約4〜約10、約5〜約10、約2〜約8、約3〜約8、約4〜約8、約2〜約10個等)の範囲の異なるシクロデキストリンを含む。
実施形態では、複数のシクロデキストリンは、少なくとも1つ(例えば、約もしくは少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個)のα−シクロデキストリン、少なくとも1つ(例えば、約もしくは少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個)のβ−シクロデキストリン、および/または少なくとも1つ(例えば、約もしくは少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個)のγ−シクロデキストリンを含む。実施形態では、複数のシクロデキストリンは、少なくとも2つのα−シクロデキストリン、少なくとも1つ(例えば、約もしくは少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個)のβ−シクロデキストリン、および/または少なくとも1つ(例えば、約もしくは少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個)のγ−シクロデキストリンを含む。実施形態では、複数のシクロデキストリンは、少なくとも3つのα−シクロデキストリン、少なくとも1つ(例えば、約もしくは少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個)のβ−シクロデキストリン、および/または少なくとも1つ(例えば、約もしくは少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個)のγ−シクロデキストリンを含む。実施形態では、複数のシクロデキストリンは、少なくとも4つのα−シクロデキストリン、少なくとも1つ(例えば、約もしくは少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個)のβ−シクロデキストリン、および/または少なくとも1つ(例えば、約もしくは少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個)のγ−シクロデキストリンを含む。実施形態では、複数のシクロデキストリンは、少なくとも5つのα−シクロデキストリン、少なくとも1つ(例えば、約もしくは少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個)のβ−シクロデキストリン、および/または少なくとも1つ(例えば、約もしくは少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個)のγ−シクロデキストリンを含む。
実施形態では、組み合わせは、リノール酸、コレステロール、およびシクロデキストリンを含む。
実施形態では、組み合わせは、2−DGをさらに含む。実施形態では、組み合わせは、約0.1mM、0.2mM、0.3mM、0.4mM、0.5mM、0.6mM、0.7mM、0.8mM、0.9mM、1mM、1.5mM、2mM、3mM、4mM、5mM、6mM、7mM、8mM、9mM、または10mMであるレベルの2−DGを含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.1mM〜約10mM、約0.1mM〜約5mM、約0.1mM〜約4mM、約0.1mM〜約3mM、約0.1mM〜約2mM、約0.1mM〜約1mM、約0.25mM〜約5mM、約0.25mM〜約5mM、約0.25mM〜約4mM、約0.25mM〜約3mM、約0.25mM〜約2mM、または約0.25mM〜約1mMのレベルの2−DGを含む。実施形態では、2−DGのレベルは、5mM、4mM、3mM、2mM、1mM、0.5mM、または0.25mM未満である。実施形態では、2−DGのレベルは、約5mM、4mM、3mM、2mM、1mM、0.5mM、または0.25mMである。
実施形態では、組成物または組み合わせ中のコレステロール分子の少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、98%(例えば、約5%〜約50%、約5%〜約50%、約5%〜約50%、約5%〜約98%、約5%〜約85%、約5%〜約75%、約5%〜約60%、約10%〜約98%、約15%〜約95%、約20%〜約95%、約40%〜約80%、約65%〜約99%等)が、シクロデキストリン分子の環内にある(例えば、少なくともその一部分が、その内側にある)。
実施形態では、組成物または組み合わせ中の脂肪酸分子の少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、98%(例えば、約5%〜約50%、約5%〜約50%、約5%〜約50%、約5%〜約98%、約5%〜約85%、約5%〜約75%、約5%〜約60%、約10%〜約98%、約15%〜約95%、約20%〜約95%、約40%〜約80%、約65%〜約99%等)が、シクロデキストリン分子の環内にある(例えば、少なくともその一部分が、その内側にある)。
実施形態では、組み合わせは、シクロデキストリンおよびコレステロールを含み、TC対TCOLのモル比は、10.5:1未満、10:1未満、9.5:1未満、9:1未満、8.5:1未満、8:1未満、7.5:1未満、7:1未満、6.5:1未満、6:1未満、5.5:1未満、5:1未満、4.5:1未満、4:1未満、3.5:1未満、3:1未満、2.5:1未満、2:1未満、1.5:1未満、1:1未満、未満0.5:1、0.25:1未満、または0.1:1未満である。したがって、TC対TCOLのモル比は、約10.5:1〜約0.1:1、約8:1〜約0.1:1、約7:1〜約0.1:1、約6:1〜約0.1:1、約5:1〜約0.1:1、約3:1〜約0.1:1、約2:1〜約0.1:1等であり得る。
実施形態では、組み合わせは、シクロデキストリンおよび少なくとも1つの脂肪酸を含み、TC対TFAのモル比は、11.5:1未満、11:1未満、10.5:1未満、10:1未満、9.5:1未満、9:1未満、8.5:1未満、8:1未満、7.5:1未満、7:1未満、6.5:1未満、未満6:1、5.5:1未満、5:1未満、4.5:1未満、4:1未満、3.5:1未満、3:1未満、2.5:1未満、2:1未満、1.5:1未満、1:1未満、0.5:1未満、0.25:1未満、または0.1:1未満である。したがって、シクロデキストリン対少なくとも1つの脂肪酸のモル比は、約11.5:1〜約0.1:1、約10.5:1〜約0.1:1、約8:1〜約0.1:1、約7:1〜約0.1:1、約6:1〜約0.1:1、約5:1〜約0.1:1、約3:1〜約0.1:1、約2:1〜約0.1:1等であり得る。
実施形態では、組み合わせは、シクロデキストリン、コレステロール、および少なくとも1つの脂肪酸を含み、(1)TC対(2)TCOLおよびTFA(例えば、TCOLおよびTFAのモル値の合計)のモル比は、7.5:1未満、7:1未満、6.5:1未満、6:1未満、5.5:1未満、5:1未満、4.5:1未満、4:1未満、3.5:1未満、3:1未満、2.5:1未満、2:1未満、1.5:1未満、1:1未満、0.5:1未満、0.25未満:1、または0.1:1未満である。したがって、(1)TC対(2)TCOLおよびTFAのモル比は、約7:1〜約0.1:1、約6:1〜約0.1:1、約5:1〜約0.1:1、約3:1〜約0.1:1、約2:1〜約0.1:1等であり得る。
実施形態では、モル基準でのTC対TCOLは、10:90、15:85、20:80、25:75、30:70、35:65、40:60、45:55、50:50、55:45、60:40、65:35、70:30、75:25、80:20、85:15、および90:10(例えば、約10:90〜約90:10、約20:80〜約90:10、約30:70〜約90:10、約40:60〜約90:10、約10:90〜約80:20、約10:90〜約70:30、約10:90〜約60:40、約20:80〜約80:20、約30:70〜約70:30、約40:60〜約60:40等)である。
実施形態では、モル基準でのTFA対TCの比は、10:90、15:85、20:80、25:75、30:70、35:65、40:60、45:55、50:50、55:45、60:40、65:35、70:30、75:25、80:20、85:15、および90:10(例えば、約10:90〜約90:10、約20:80〜約90:10、約30:70〜約90:10、約40:60〜約90:10、約10:90〜約80:20、約10:90〜約70:30、約10:90〜約60:40、約20:80〜約80:20、約30:70〜約70:30、約40:60〜約60:40等)である。
実施形態では、モル基準でのTFA対TCOLの比は、10:90、15:85、20:80、25:75、30:70、35:65、40:60、45:55、50:50、55:45、60:40、65:35、70:30、75:25、80:20、85:15、および90:10(例えば、約10:90〜約90:10、約20:80〜90:10、約30:70〜約90:10、約40:60〜約90:10、約10:90〜約80:20、約10:90〜約70:30、約10:90〜約60:40、約20:80〜約80:20、約30:70〜約70:30、約40:60〜約60:40等)である。
実施形態では、モル基準での総多価不飽和脂肪酸分子対他の脂肪酸分子の比は、10:90、15:85、20:80、25:75、30:70、35:65、40:60、45:55、50:50、55:45、60:40、65:35、70:30、75:25、80:20、85:15、および90:10(例えば、約10:90〜約90:10、約20:80〜約90:10、約30:70〜約90:10、約40:60〜約90:10、約10:90〜約80:20、約10:90〜約70:30、約10:90〜約60:40、約20:80〜約80:20、約30:70〜約70:30、約40:60〜約60:40等)である。
実施形態では、オメガ−3多価不飽和脂肪酸分子対他の脂肪酸分子の比は、10:90、15:85、20:80、25:75、30:70、35:65、40:60、45:55、50:50、55:45、60:40、65:35、70:30、75:25、80:20、85:15、および90:10(例えば、約10:90〜約90:10、約20:80〜約90:10、約30:70〜約90:10、約40:60〜約90:10、約10:90〜約80:20、約10:90〜約70:30、約10:90〜約60:40、約20:80〜約80:20、約30:70〜約70:30、約40:60〜約60:40等)である。
実施形態では、オメガ−6多価不飽和脂肪酸分子対他の脂肪酸分子の比は、10:90、15:85、20:80、25:75、30:70、35:65、40:60、45:55、50:50、55:45、60:40、65:35、70:30、75:25、80:20、85:15、および90:10(例えば、約10:90〜約90:10、約20:80〜約90:10、約30:70〜約90:10、約40:60〜約90:10、約10:90〜約80:20、約10:90〜約70:30、約10:90〜約60:40、約20:80〜約80:20、約30:70〜約70:30、約40:60〜約60:40等)である。
実施形態では、オメガ−9多価不飽和脂肪酸分子対他の脂肪酸分子の比は、10:90、15:85、20:80、25:75、30:70、35:65、40:60、45:55、50:50、55:45、60:40、65:35、70:30、75:25、80:20、85:15、および90:10(例えば、約10:90〜約90:10、約20:80〜約90:10、約30:70〜約90:10、約40:60〜約90:10、約10:90〜約80:20、約10:90〜約70:30、約10:90〜約60:40、約20:80〜約80:20、約30:70〜約70:30、約40:60〜約60:40等)である。
実施形態では、組み合わせは、プロスタグランジン、コルチコステロイド、ロイコトリエン、リポキシン、プロテクチン、レゾルビン、オリゴヌクレオチド、または疎水性薬物化合物をさらに含む。実施形態では、組み合わせは、プロスタグランジンをさらに含む。実施形態では、組み合わせは、コルチコステロイドをさらに含む。実施形態では、組み合わせは、ロイコトリエンをさらに含む。実施形態では、組み合わせは、リポキシンをさらに含む。実施形態では、組み合わせは、プロテクチンをさらに含む。実施形態では、組み合わせは、レゾルビンをさらに含む。実施形態では、組み合わせは、オリゴヌクレオチドをさらに含む。実施形態では、組み合わせは、疎水性薬物化合物をさらに含む。実施形態では、疎水性薬物化合物は、エトモキシルまたはスタチンである。実施形態では、疎水性薬物化合物は、エトモキシルである。実施形態では、疎水性薬物化合物は、スタチンである。
実施形態では、細胞培養培地は、約200μM、150μM、140μM、130μM、120μM、110μM、100μM、90μM、80μM、70μM、60μM、50μM、40μM、30μM、20μM、10μM、5μM、1μM、0.5μM、0.25μM、0.1μM、0.05μM、0.025μM、0.001μM、200μM未満、150μM未満、140未満μM、130μM未満、120μM未満、110μM未満、100μM未満、90μM未満、80μM未満、70μM未満、60μM未満、50μM未満、40未満μM、30μM未満、20μM未満、10μM未満、5μM未満、1μM未満、0.5μM未満、0.25μM未満、0.1μM未満、0.05μM未満、0.025未満μM、または0.01μM未満であるレベルのシクロデキストリンを含む。
実施形態では、細胞培養培地は、約50μM〜約200μM、約55μM〜約195μM、約50μM〜約190μM、約65μM〜約185μM、約70μM〜約180μM、約75μM〜約175μM、約80μM〜約170μM、約85μM〜約165μM、約90μM〜約160μM、約90μM〜約155μM、約95μM〜約150μM、約100μM〜約145μM、約105μM〜約140μM、約110μM〜約135μM、約115μM〜約130μM、または約120μM〜約125μMであるレベルのシクロデキストリンを含む。
実施形態では、細胞培養培地は、少なくとも約5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMであるレベルの少なくとも1つの脂質を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約5μM、10μM、または15μMから、約20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMまでであるレベルの少なくとも1つの脂質を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約5μM〜約50μM、約5μM〜約40μM、約5μM〜約30μM、約10μM〜約30μM、約11μM〜約29μM、約12μM〜約28μM、約13μM〜約27μM、約14μM〜約26μM、約15μM〜約25μM、約16μM〜約24μM、約17μM〜約23μM、約18μM〜約22μM、約19μM〜約21μMであるレベルの少なくとも1つの脂質を含む。実施形態では、細胞培養培地中の少なくとも1つの脂質のレベルは、10μM、11μM、12μM、13μM、14μM、15μM、16μM、17μM、18μM、19μM、20μM、21μM、22μM、23μM、24μM、25μM、26μM、27μM、28μM、29μM、または30μMである。
実施形態では、細胞培養培地は、少なくとも約5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMであるレベルの少なくとも1つの脂肪酸を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約5μM、10μM、または15μMから、約20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMまでであるレベルの少なくとも1つの脂肪酸を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約5μM〜約50μM、約5μM〜約40μM、約5μM〜約30μM、約10μM〜約30μM、約11μM〜約29μM、約12μM〜約28μM、約13μM〜約27μM、約14μM〜約26μM、約15μM〜約25μM、約16μM〜約24μM、約17μM〜約23μM、約18μM〜約22μM、約19μM〜約21μMであるレベルの少なくとも1つの脂肪酸を含む。いくつかの実施形態では、細胞培養培地中の少なくとも1つの脂肪酸のレベルは、10μM、11μM、12μM、13μM、14μM、15μM、16μM、17μM、18μM、19μM、20μM、21μM、22μM、23μM、24μM、25μM、26μM、27μM、28μM、29μM、または30μMである。
実施形態では、細胞培養培地は、少なくとも約0.05μM、0.1μM、0.5μM、1μM、1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMであるレベルの少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸(例えば、アラキドン酸、リノール酸、および/またはγ−リノレン酸等のオメガ−6脂肪酸)を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM、0.1μM、0.5μM、または1μMから、約1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMまでであるレベルの少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM〜約50μM、約0.5μM〜約10μM、約5μM〜約10μM、または約1μM〜約5μMであるレベルの少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸を含む。
実施形態では、細胞培養培地は、少なくとも約0.05μM、0.1μM、0.5μM、1μM、1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMであるレベルのアラキドン酸を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM、0.1μM、0.5μM、または1μMから、約1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMまでであるレベルのアラキドン酸を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM〜約50μM、約0.5μM〜約10μM、約5μM〜約10μM、または約1μM〜約5μMであるレベルのアラキドン酸を含む。
実施形態では、細胞培養培地は、少なくとも約0.05μM、0.1μM、0.5μM、1μM、1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMであるレベルのリノール酸を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM、0.1μM、0.5μM、または1μMから、約1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMまでであるレベルのリノール酸を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM〜約50μM、約0.5μM〜約10μM、約5μM〜約10μM、または約1μM〜約5μMであるレベルのリノール酸を含む。
実施形態では、細胞培養培地は、少なくとも約0.05μM、0.1μM、0.5μM、1μM、1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMであるレベルのリノレン酸(例えば、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、またはそれらの組み合わせ)を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM、0.1μM、0.5μM、または1μMから、約1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMまでであるレベルのリノレン酸を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM〜約50μM、約0.5μM〜約10μM、約5μM〜約10μM、または約1μM〜約5μMであるレベルのリノレン酸を含む。
実施形態では、細胞培養培地は、少なくとも約0.05μM、0.1μM、0.5μM、1μM、1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMであるレベルの多価不飽和脂肪酸以外の少なくとも1つの脂肪酸(例えば、ミリスチン酸、パルミチン酸、もしくはステアリン酸等の飽和脂肪酸、および/またはパルミトレイン酸もしくはオレイン酸等の一価不飽和脂肪酸)を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM、0.1μM、0.5μM、または1μMから、約1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMまでであるレベルの脂肪酸(複数可)を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM〜約50μM、約0.5μM〜約10μM、約5μM〜約10μM、または約1μM〜約5μMであるレベルの脂肪酸(複数可)を含む。
実施形態では、細胞培養培地は、少なくとも約0.05μM、0.1μM、0.5μM、1μM、1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMであるレベルのミリスチン酸を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM、0.1μM、0.5μM、または1μMから、約1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMまでであるレベルのミリスチン酸を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM〜約50μM、約0.5μM〜約10μM、約5μM〜約10μM、約1μM〜約5μMであるレベルのミリスチン酸を含む。
実施形態では、細胞培養培地は、少なくとも約0.05μM、0.1μM、0.5μM、1μM、1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMであるレベルのパルミチン酸を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM、0.1μM、0.5μM、または1μMから、約1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMまでであるレベルのパルミチン酸を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM〜約50μM、約0.5μM〜約10μM、約5μM〜約10μM、または約1μM〜約5μMであるレベルのパルミチン酸を含む。
実施形態では、細胞培養培地は、少なくとも約0.05μM、0.1μM、0.5μM、1μM、1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMであるレベルのステアリン酸を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM、0.1μM、0.5μM、または1μMから、約1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMまでであるレベルのステアリン酸を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM〜約50μM、約0.5μM〜約10μM、約5μM〜約10μM、または約1μM〜約5μMであるレベルのステアリン酸を含む。
実施形態では、細胞培養培地は、少なくとも約0.05μM、0.1μM、0.5μM、1μM、1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMであるレベルのパルミトレイン酸を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM、0.1μM、0.5μM、または1μMから、約1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMまでであるレベルのパルミトレイン酸を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM〜約50μM、約0.5μM〜約10μM、約5μM〜約10μM、または約1μM〜約5μMであるレベルのパルミトレイン酸を含む。
実施形態では、細胞培養培地は、少なくとも約0.05μM、0.1μM、0.5μM、1μM、1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMであるレベルのオレイン酸を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM、0.1μM、0.5μM、または1μMから、約1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMであるレベルのオレイン酸を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.05μM〜約50μM、約0.5μM〜約10μM、約5μM〜約10μM、または約1μM〜約5μMであるレベルのオレイン酸を含む。
実施形態では、細胞培養培地は、少なくとも約5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMであるレベルのコレステロール(例えば、合成コレステロール、無動物起源コレステロール等)を含む。実施形態では、細胞培養培地は、約5μM、10μM、または15μMから、約20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、または50μMまでであるレベルのコレステロールを含む。実施形態では、細胞培養培地は、約5μM〜約50μM、約5μM〜約40μM、約5μM〜約30μM、約10μM〜約30μM、約11μM〜約29μM、約12μM〜約28μM、約13μM〜約27μM、約14μM〜約26μM、約15μM〜約25μM、約16μM〜約24μM、約17μM〜約23μM、約18μM〜約22μM、約18μM〜約21μM、約19μM〜約20μMであるレベルのコレステロールを含む。実施形態では、細胞培養培地は、10μM、11μM、12μM、13μM、14μM、15μM、16μM、17μM、18μM、19μM、20μM、21μM、22μM、23μM、24μM、25μM、26μM、27μM、28μM、29μM、または30μMであるレベルのコレステロールを含む。
実施形態では、組み合わせは、薬物化合物を含まない。実施形態では、組み合わせは、アルプロスタジル、セフォチアムヘキセチルHCl、ベネクセートHCl、デキサメタゾン、ヨード、ニコチン、ニメスリド、ニトログリセリン、オメプラゾール、PGE2、ピロキシカム、チアプロフェン酸、シサプリド、ヒドロコルチゾン、ルドメタシン、イトラコナゾール、マイトマイシン、17β−エストラジオール、クロラムフェニコール、ボリコナゾール、マレイン酸ジプラシドウ、ジクロフェナクナトリウム、エトモキシル、またはスタチンを含まない。実施形態では、組み合わせは、疎水性薬物化合物を含まない。
実施形態では、細胞培養培地は、アルブミンを含まない。実施形態では、細胞培養培地は、タンパク質を含まない。実施形態では、細胞培養培地は、無血清細胞培養培地である。
実施形態では、細胞培養培地は、アルブミンを含む。実施形態では、細胞培養培地は、タンパク質を含む。
実施形態では、T細胞の集団は、シクロデキストリンおよび少なくとも1つの脂質を含まない細胞培養培地と組み合わせたT細胞の集団内の対応するT細胞と比較して、表現型のより大きな保持、より大きな増殖、より大きな効力、および/またはより高い形質導入効率が可能なT細胞を含む。
一態様では、T細胞集団を培養するための方法であって、シクロデキストリンおよび少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個)の脂質を含む細胞培地中で集団をインキュベートすることを含む、方法が提供される。実施形態では、T細胞集団を培養するための方法は、(1)シクロデキストリン、および(2)少なくとも2つの脂質、少なくとも3つの脂質、少なくとも4つの脂質、少なくとも5つの脂質、少なくとも6つの脂質、少なくとも7つの脂質、少なくとも8つ脂質、少なくとも9つの脂質、少なくとも10個の脂質、少なくとも15個の脂質、または少なくとも20個の脂質(例えば、約3〜約20個、約4〜約20個、約5〜約20個、約6〜約20個、約7〜約20個、約3〜約15個、約3〜約12個、約3〜約10個、約3〜約8個、約5〜約20個、約5〜約15個、約5〜約12個、約5〜約9個等の脂肪酸))を含む細胞培養培地中で集団をインキュベートすることを含む。
実施形態では、細胞培養培地は、その実施形態を含む、本明細書で提供される無血清細胞培養補助剤組成物を含む。
実施形態では、T細胞集団は、CD8+T細胞を含む。実施形態では、T細胞集団は、CD4+T細胞を含む。実施形態では、T細胞集団は、CD8+T細胞およびCD4+T細胞を含む。
一態様では、集団内のCD8+T細胞対CD4+T細胞の比の変化を最小化しながら、CD8+T細胞およびCD4+T細胞を含むT細胞集団を培養する方法であって、シクロデキストリンおよび多価不飽和脂肪酸を含む培地中で集団をインキュベートすることを含む、方法が提供される。実施形態では、多価不飽和脂肪酸は、オメガ−6多価不飽和脂肪酸である。実施形態では、オメガ−6多価不飽和脂肪酸は、リノール酸である。
実施形態では、培地は、コレステロールをさらに含む。実施形態では、培地は、リノレン酸をさらに含む。実施形態では、多価不飽和脂肪酸は、リノレン酸である。実施形態では、培地は、アラキドン酸をさらに含む。
本方法の実施形態では、CD8+T細胞対CD4+T細胞の比の変化を最小化することは、CD8+T細胞の数対CD4+T細胞の数が、集団が最初に培地と接触したときのCD8+T細胞の数対CD4+T細胞の数と比較して、25%、20%、15%、10%、または5%未満だけ異なる、CD8+T細胞対CD4+T細胞の比を維持することを含む。
実施形態では、集団が最初に培地と接触するとき、集団は、約1:1(例えば、1.1:1、1.2:1、1.3:1、1.4:1、1.5:1、1:1.1、1:1.2、1:1.3、1:1.4、1:1.5、または約1.01:1〜1.1:1もしくは約1:1.01〜1:1.1)のCD8+T細胞対CD4+T細胞の比を含む。実施形態では、集団が最初に培地と接触するとき、集団は、1:1のCD8+T細胞対CD4+T細胞の比を含む。
実施形態では、培地は、(i)シクロデキストリン、(ii)コレステロール、および(iii)脂肪酸を含み、脂肪酸は、リノール酸、リノレン酸、およびアラキドン酸からなる。実施形態では、培地は、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、およびステアリン酸のいずれか1つ、またはそれらの任意の組み合わせを欠く。
実施形態では、培地は、少なくとも1:1(例えば、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、または10:1)の多価不飽和脂肪酸(複数可)対他の脂肪酸のモル比を含む。実施形態では、培地は、少なくとも1:1(例えば、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、または10:1)のオメガ−3多価不飽和脂肪酸(複数可)対他の脂肪酸のモル比を含む。実施形態では、培地は、少なくとも1:1(例えば、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、または10:1)のオメガ−6多価不飽和脂肪酸(複数可)対他の脂肪酸のモル比を含む。実施形態では、培地は、少なくとも1:1(例えば、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、または10:1)のオメガ−9多価不飽和脂肪酸(複数可)対他の脂肪酸のモル比を含む。
実施形態では、培地は、少なくとも1:1(例えば、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、または10:1)のリノール酸、リノレン酸、および/またはアラキドン酸対他の脂肪酸のモル比を含む。実施形態では、培地は、少なくとも2:1、少なくとも3:1、少なくとも4:1、少なくとも5:1、少なくとも6:1、少なくとも7:1、少なくとも8:1、少なくとも9:1、または少なくとも10:1の(1)リノール酸、リノレン酸、および/またはアラキドン酸対(2)他の脂肪酸のモル比を含む。
実施形態では、本方法は、T細胞が所望の数、分化段階、および/または表現型に達するまで十分な期間にわたって集団をインキュベートすることと、任意で、培養物からT細胞を採取することとをさらに含む。
一態様では、あるT細胞亜集団のメンバーを優先的に増殖させるための方法であって、T細胞の混合集団を、(i)シクロデキストリンおよび(ii)脂肪酸に曝露することを含み、2つ以上の脂肪酸のモル比が、T細胞亜集団のメンバーを誘導して、他のT細胞亜集団のメンバーに対して優先的に増殖するように調整される、方法が提供される。
実施形態では、T細胞亜集団は、CD8+T細胞である。
実施形態では、T細胞の混合集団は、他の脂肪酸よりも多くの多価不飽和脂肪酸に曝露される。実施形態では、T細胞の混合集団は、他の脂肪酸よりも多くのオメガ−6多価不飽和脂肪酸に曝露される。
実施形態では、T細胞亜集団は、CD4+T細胞である。実施形態では、T細胞は、初代T細胞である。実施形態では、T細胞は、ヒト対象の血液から単離されている。
実施形態では、T細胞は、遺伝子改変T細胞である。実施形態では、T細胞は、遺伝子改変T細胞受容体を発現する。実施形態では、T細胞は、キメラ抗原受容体を発現する。
実施形態では、T細胞は、制御性T細胞(Treg)、Tヘルパー細胞、Th17細胞、Th9細胞、メモリーT細胞、エフェクターメモリーT細胞、セントラルメモリーT細胞、高分化型エフェクター(TTD)T細胞、ナイーブT細胞、または操作されたT細胞である。
実施形態では、T細胞集団のサイズは、7日以内に少なくとも3(例えば、4、5、6、7、8、9、10)倍に倍増する。
実施形態では、T細胞集団のサイズは、10日以内に少なくとも3、4、または5倍に倍増する。
実施形態では、T細胞集団内のT細胞の少なくとも75%、80%、85%、90%、または95%は、T細胞集団が最初に培地と接触してから7、8、9、または10日後に生存可能である。実施形態では、T細胞集団内のT細胞の少なくとも95%は、T細胞集団が最初に培地と接触してから10日後に生存可能である。
実施形態では、本方法は、疾患または病態に苦しんでいるか、またはそれに苦しむリスクがある対象への投与のための培養T細胞を調製することをさらに含む。実施形態では、本方法は、T細胞を対象に投与することをさらに含む。
実施形態では、その実施形態を含む、本明細書で提供される組み合わせを含む、細胞培養プレート、フラスコ、バッグ、生物発酵槽、もしくは生物反応器系(またはT細胞の培養に好適な他の培養容器)が提供される。
所望のCD4+:CD8+T細胞比を得るための方法
本明細書には、所望のCD4+:CD8+T細胞比を含有するT細胞集団を得るための組成物および方法もまた含まれる。例えば、本主題は、T細胞集団内のあるT細胞亜集団(例えば、CD8+T細胞)のメンバーを優先的に増殖させるための方法を提供する。そのような方法は、(CD8+T細胞、および例えば、CD4+T細胞を含む)T細胞の混合集団を、2−DGと接触させることを含む。
一態様では、集団内のCD8+T細胞対CD4+T細胞の比を増加させながら、CD8+T細胞およびCD4+T細胞を含むT細胞集団を培養する方法が本明細書で提供される。実施形態では、集団を、2−DGを含む細胞培養培地中でインキュベートする。実施形態では、細胞培養培地は、シクロデキストリンおよび少なくとも1つの脂質(コレステロールおよび/または脂肪酸等)をさらに含む。実施形態では、シクロデキストリンならびに/または脂質(コレステロールおよび/もしくは脂肪酸等)は、本明細書で提供される細胞培養培地、細胞培養補助剤、または組み合わせに関して開示される量またはモル比で存在する。実施形態では、シクロデキストリンは、本明細書に開示される任意のシクロデキストリンまたはシクロデキストリンの組み合わせである。実施形態では、脂質は、本明細書に開示される任意の脂質(脂肪酸および/もしくはコレステロール等)または脂質の組み合わせである。
実施形態では、2−DGは、約0.1mM〜約5mMのレベルで存在する。実施形態では、組み合わせは、約0.1mM、0.2mM、0.3mM、0.4mM、0.5mM、0.6mM、0.7mM、0.8mM、0.9mM、1mM、1.5mM、2mM、3mM、4mM、5mM、6mM、7mM、8mM、9mM、または10mMであるレベルの2−DGを含む。実施形態では、細胞培養培地は、約0.1mM〜約10mM、約0.1mM〜約5mM、約0.1mM〜約4mM、約0.1mM〜約3mM、約0.1mM〜約2mM、約0.1mM〜約1mM、約0.25mM〜約5mM、約0.25mM〜約5mM、約0.25mM〜約4mM、約0.25mM〜約3mM、約0.25mM〜約2mM、または約0.25mM〜約1mMのレベルの2−DGを含む。実施形態では、2−DGのレベルは、5mM、4mM、3mM、2mM、1mM、0.5mM、または0.25mM未満である。実施形態では、2−DGのレベルは、約5mM、4mM、3mM、2mM、1mM、0.5mM、または0.25mMである。
実施形態では、細胞培養培地は、血清を含む。実施形態では、血清は、ヒト血清である。実施形態では、血清は、ウシ血清である。実施形態では、ウシ血清は、ウシ胎児血清である。実施形態では、血清は、細胞培養培地の1体積%、2体積%、3体積%、4体積%、5体積%、6体積%、7体積%、8体積%、9体積%、10体積%、11体積%、12体積%、13体積%、14体積%、15体積%、16体積%、17体積%、18体積%、19体積%、20体積%、21体積%、22体積%、23体積%、24体積%、25体積%、1〜5体積%、1〜10体積%、1〜15体積%、1〜20体積%、10〜20体積%、5〜15体積%、10〜20体積%、または15〜10体積%である。
実施形態では、細胞培養培地は、無血清細胞培養培地である。
実施形態では、集団内のCD8+T細胞のCD4+T細胞の比は、集団が最初に培地と接触した後、約2、3、4、5、6、または7日以内に、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、または5倍増加する。
実施形態では、集団が最初に培地と接触するとき、集団内にはCD8+T細胞よりも多くのCD4+T細胞が存在する。
実施形態では、集団が最初に培地と接触するとき、集団内のCD4+T細胞対CD8+T細胞の比は、少なくとも5:1(例えば、少なくとも5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、または10:1)である。
実施形態では、T細胞は、初代T細胞である。実施形態では、T細胞は、ヒト対象の血液から単離されている。実施形態では、T細胞は、遺伝子改変T細胞である。実施形態では、T細胞は、遺伝子改変T細胞受容体を発現する。実施形態では、T細胞は、キメラ抗原受容体を発現する。
実施形態では、T細胞は、制御性T細胞(Treg)、Tヘルパー細胞、Th17細胞、Th9細胞、メモリーT細胞、エフェクターメモリーT細胞、セントラルメモリーT細胞、高分化型エフェクター(TTD)T細胞、ナイーブT細胞、または操作されたT細胞である。
実施形態では、T細胞集団のサイズは、7日以内に少なくとも3(例えば、4、5、6、7、8、9、10)倍に倍増する。
実施形態では、T細胞集団のサイズは、10日以内に少なくとも3、4、または5倍に倍増する。
実施形態では、T細胞集団内のT細胞の少なくとも75%、80%、85%、90%、または95%は、T細胞集団が最初に培地と接触してから7、8、9、または10日後に生存可能である。実施形態では、T細胞集団内のT細胞の少なくとも95%は、T細胞集団が最初に培地と接触した後10日間生存可能である。
治療方法
一態様では、疾患の治療を必要とする対象において疾患を治療する方法であって、その実施形態を含む、本明細書で提供される方法によって得られたT細胞を、対象に投与することを含む、方法が提供される。CD8+T細胞(例えば、増加したCD8+T細胞の割合を含むT細胞の増殖集団、またはそのような増殖集団から単離したCD8+T細胞)の用途の非限定的な例には、免疫抑制された移植患者の治療のための、サイトメガロウイルス(CMV)感染症およびエプスタイン・バーウイルス(EBV)感染症等のためのウイルス特異的T細胞に基づく免疫療法が含まれる。例えば、その内容全体が、参照により本明細書に組み込まれる、Heslop et al.(2010)Blood115(5):925−35を参照されたい。追加の非限定的な例には、がんおよび感染性疾患の治療のための、CAR−Tおよび他の様式のウイルス特異的T細胞の操作の使用が含まれる。例えば、それら各々の内容全体が、参照により本明細書に組み込まれる、Pule et al.(2008)Nature Medicine115(5):925−35およびGhazi et al.(2013)J Immunother35(2):159−168を参照されたい。CD4+T細胞(例えば、増加したCD4+T細胞の割合を含むT細胞の増殖集団、またはそのような増殖集団から単離したCD4+T細胞)の用途の非限定的な例には、HIV+患者の治療、および増殖させたCD4+Tヘルパーサブセット(例えば、TH1、TH2、TH3、TH17、TH9、またはTFH)、および自己免疫を治療するための制御性T細胞(Treg、CD4+CD25+FoxP3+)が含まれる。例えば、それら各々の内容全体が、参照により本明細書に組み込まれる、Tebas et al.(2014)N Engl J Med370(10):901−10およびRiley et al.(2009)Immunity30(5):656−665を参照されたい。
実施形態では、疾患は、過剰増殖性障害である。実施形態では、疾患は、自己免疫性疾患である。実施形態では、疾患は、炎症性疾患である。実施形態では、疾患は、アレルギー性疾患である。実施形態では、疾患は、感染性疾患である。
実施形態では、感染性疾患は、ウイルス感染症である。実施形態では、ウイルス感染症は、サイトメガロウイルス感染症、エプスタイン・バーウイルス感染症、またはヒト免疫不全ウイルス感染症である。
実施形態では、対象は、抑制された免疫系を有する。実施形態では、対象は、組織または臓器の移植を受けている。実施形態では、対象は、後天性免疫不全症候群を有する。
実施形態では、T細胞は、CD8+T細胞である。実施形態では、T細胞は、CD4+T細胞である。
本明細書で提供される組成物および方法を使用して産生されるT細胞亜集団は、治療目的および/または研究/発見目的で、任意の数の生理学的病態、疾患、および/または疾患状態において使用することができる。実施形態では、異常な免疫応答を典型とする病態または疾患は、自己免疫性疾患、例えば、糖尿病、多発性硬化症、重症筋無力症、神経炎、ループス、リウマチ性関節炎、乾癬、または炎症性腸疾患である。実施形態では、免疫抑制が有益である病態には、正常または活性化された免疫応答が哺乳動物にとって不利益になる病態、例えば、拒絶反応を避けるための、例えば、体液もしくは部分の同種移植、または不適切な免疫応答が不妊および流産に関係付けられる不妊治療における同種移植が含まれる。実施形態では、移植前、移植中、または移植後のそのような細胞の使用によって、治療される患者(例えば、移植患者)において発生し得る広範囲の慢性移植片対宿主病が回避される。実施形態では、これらの細胞は、採取直後に増殖させても、増殖前または増殖後かつそれらの治療使用前に(例えば、凍結によって)保管してもよい。実施形態では、そのような療法は、既知の免疫抑制療法と併せて実行されてもよい。
実施形態では、T細胞は、分化の段階に基づいて単離される。T細胞集団は、特定の細胞マーカーまたはタンパク質の存在または不在に基づいて分化の段階を評価することができる。T細胞分化の段階を評価するために使用されるマーカーには、CD3、CD4、CD5、CD8、CD11c、CD14、CD19、CD20、CD25、CD27、CD33、CD34、CD45、CD45RA、CD45RB、CD56、CD62L、CD123、CD127、CD278、CD335、CD11a、CD45RO、CD57、CD58、CD69、CD95、CD103、CD161、CCR7、および転写因子FOXP3が含まれる。
実施形態では、一旦適切なT細胞集団または亜集団が患者または動物から単離された後、本発明の方法および支持体を使用して、得られたT細胞集団を増殖させる前に、遺伝子の、または任意の他の適切な改変もしくは操作を任意で行ってもよい。この操作は、例えば、抗CD3および抗CD28抗体を用いてT細胞を刺激/再刺激して、それらを活性化/再活性化させる形態をとり得る。
実施形態では、活性化T細胞を対象に投与し、次いでその後に再び採血し(またはアフェレーシスを実行し)、本発明で提供される方法に従って、その血液からT細胞を活性化および増殖させ、これらの活性化および増殖させたT細胞を患者に再注入することが望ましくあり得る。このプロセスは、数週間ごとに複数回行われ得る。実施形態では、T細胞を、10ml〜400mlの採血から増殖させることができる。実施形態では、T細胞を、約20ml、約30ml、約40ml、約50ml、約60ml、約70ml、約80ml、約90ml、または約100mlの採血から増殖させる。実施形態では、主題の組成物の投与は、エアロゾル吸入、注射、摂取、輸液、インプラント、または移植による様式を含む、任意の好都合な様式で行われ得る。実施形態では、本明細書に記載の組成物は、患者に、皮下、皮内、腫瘍内、節内、髄内、筋肉内、静脈内(i.v.)注射によって、または腹腔内に投与され得る。実施形態では、T細胞は、皮内または皮下注射によって患者に投与される。実施形態では、T細胞は、静脈内注射によって投与され得る。実施形態では、T細胞は、腫瘍、リンパ節、または感染/炎症部位内に直接注射され得る(自己免疫)。
実施形態では、本明細書で提供される方法に従って生成されるT細胞亜集団は、実験用途および治療用途を含む多くの潜在的な用途を有し得る。実施形態では、少数のT細胞を患者から取り出し、その後それらをエクスビボで操作し、増殖させてから、患者に再注入する。この方法で治療することができる疾患の非限定的な例は、抑制された免疫活性が(例えば、同種移植免疫寛容のために)望ましい、自己免疫性疾患および病態である。実施形態では、治療方法は、哺乳動物を提供し、T細胞を含有する該哺乳動物から生体試料を得ることと、本明細書で提供される方法に従って、エクスビボでT細胞を増殖/活性化させることと、増殖/活性化させたT細胞を治療される哺乳動物に投与することとを含む。実施形態では、第1の哺乳動物および治療される哺乳動物は、同じであっても異なっていてもよい。実施形態では、哺乳動物は一般に、ネコ、イヌ、ウサギ、ウマ、ブタ、ウシ、ヤギ、ヒツジ、サル、またはヒト等の任意の哺乳動物であり得る。実施形態では、第1の哺乳動物(「ドナー」)は、同系、同種、または異種であり得る。実施形態では、療法は、異常な免疫応答(例えば、糖尿病、多発性硬化症、重症筋無力症、神経炎、ループス、リウマチ性関節炎、乾癬、および炎症性腸疾患を含む、自己免疫性疾患等)、組織移植、または不妊治療を有する哺乳動物に投与され得る。
実施形態では、本明細書で提供される組成物および方法を使用して産生されるT細胞亜集団は、様々な用途および治療モダリティで使用することができる。実施形態では、T細胞亜集団は、がん、自己免疫性疾患、アレルギー性疾患、炎症性疾患、感染性疾患、および移植片対宿主病(GVHD)を含むがこれらに限定されない疾患状態の治療において使用することができる。実施形態では、T細胞療法には、免疫枯渇後もしくは免疫枯渇後ではない、本明細書で提供される方法によって外部で増殖させたT細胞亜集団の対象への注入、またはドナー対象から単離した、外部で増殖させた異種T細胞の対象への注入(例えば、養子細胞移入)が含まれる。
自己免疫性疾患または障害は、自己抗原に対する不適切および過剰な応答から生じる疾患である。実施形態では、自己免疫障害は、欠損Treg細胞を含む。自己免疫性疾患の非限定的な例には、真性糖尿病、網膜ぶどう膜炎および多発性硬化症、アジソン病、セリアック病、皮膚筋炎、グレーブス病、橋本病、円形脱毛症、強直性脊椎炎、自己免疫性肝炎、自己免疫性耳下腺炎、溶血性貧血、尋常性天疱瘡、乾癬、リウマチ熱、サルコイドーシス、強皮症、脊椎関節症、血管炎、白斑、粘液水腫、悪性貧血、潰瘍性大腸炎、クローン病、栄養障害型表皮水疱症、精巣上体炎、糸球体腎炎、グレーブス病、ギラン・バレー症候群、重症筋無力症、悪性貧血、反応性関節炎、リウマチ性関節炎、シェーグレン症候群、および全身性エリテマトーデスが非限定的な例として含まれる。自己免疫性疾患状態では、CD4+CD25+Tregの数が減少して存在し得るか、または機能不全であり得る。T細胞増殖を抑制する能力が低減した末梢血由来のTregが、多発性硬化症(Viglietta et al.,J.Exp.Med.199:971−979(2004).)、II型多腺性自己免疫症候群(Kriegel et al.,J.Exp.Med.199:1285−1291(2004).)、I型糖尿病(Lindley et al.Diabetes54:92−929(2005).)、乾癬(Sugiyama et al.,J.Immunol.174:164−173(2005))、および重症筋無力症(Balandina et al.,Blood105:735−741(2005))を有する患者において見出されている。
実施形態では、T細胞療法を用いた自己免疫性障害の治療は、異なる機構に関与し得る。実施形態では、血液または免疫細胞の別の源を、自己免疫性障害に苦しむ対象から取り出してもよい。実施形態では、本明細書に開示される方法を使用して、患者試料からメモリーT細胞以外のT細胞型を増殖させる。実施形態では、自己細胞を取り出し、増殖させた後に、低線量全身放射線、胸腺照射、抗胸腺細胞グロブリン、および化学療法の投与を含む、既知の方法によって、不適切なメモリーT細胞を、それを必要とする対象において枯渇させてもよい。化学療法剤の例には、Campath、抗CD3抗体、Cytoxin、フルダラビン、シクロスポリン、FK506、ミコフェノール酸、ステロイド、FR901228、および放射線が含まれるが、これらに限定されない。実施形態では、自己抗原を認識することができる不適切なメモリーT細胞を枯渇させた後に、外部で増殖させた自己T細胞を対象に再投与して、対象の免疫系を再構成または再刺激することができる。
あるいは、または上記の治療モダリティに加えて、Treg細胞は、末梢血液単核細胞、骨髄、胸腺、組織バイオプシー、腫瘍、リンパ節組織、胃腸管関連リンパ組織、粘膜関連リンパ組織、脾臓組織、または任意の他のリンパ組織、および腫瘍を含む源から単離することができる。実施形態では、これらのT細胞を、本明細書で提供される方法を使用して増殖させる。実施形態では、これらの増殖させたTreg細胞は、不適切な免疫応答を抑制するために患者に再投与され得る。実施形態では、このTreg療法は、免疫枯渇後に最小限の残りの免疫応答を抑制するため、または免疫枯渇を受けていない対象においてのいずれかで投与され得る。
実施形態では、T細胞療法を用いて有害なGVHD事象を治療し、そのリスクまたはその重症度を低減する方法が提供される。実施形態では、対象は、GVHDを有する。実施形態では、GVHDは、幹細胞移植後に生じる。実施形態では、GVHDは、注入された造血幹細胞調製物中に存在するアロ反応性T細胞によって引き起こされる。実施形態では、対象は、臓器移植を受けており、アロ反応性宿主T細胞によって媒介される移植片拒絶に苦しんでいるか、またはそれに苦しむリスクがある。実施形態では、血液または免疫細胞の別の源を、GVHDに苦しむ対象から取り出してもよい。実施形態では、本明細書で提供される方法は、外因性組織由来の抗原の持続的な認識を含まない細胞型を選択的に増殖させて、メモリーT細胞以外のT細胞型を選択的に増殖させるために使用される。実施形態では、自己細胞を取り出し、外部で増殖させた後に、低線量全身放射線、胸腺照射、抗胸腺細胞グロブリン、および化学療法の投与を含む、既知の方法によって、不適切なメモリーT細胞を、それを必要とする対象において枯渇させてもよい。化学療法剤の例には、Campath、抗CD3抗体、Cytoxin、フルダラビン、シクロスポリン、FK506、ミコフェノール酸、ステロイド、FR901228、および放射線が含まれるが、これらに限定されない。実施形態では、外因性組織上の抗原を認識することができる不適切なメモリーT細胞を枯渇させた後に、外部で増殖させた自己T細胞を対象に再投与して、対象の免疫系を再構成または再刺激することができる。
実施形態では、患者の血液から取り出したTreg細胞を、増殖させてもよい。
実施形態では、これらの増殖させたTreg細胞は、免疫枯渇後に最小限の残りの免疫反応を抑制するため、または免疫枯渇を受けていない対象においてのいずれかで、不適当な免疫反応を抑制するために患者に再び投与される。
本明細書には、アレルギー性疾患を治療するための方法が含まれる。実施形態では、アレルギー性疾患は、T細胞機能不全を含む。研究は、アレルゲン特異的Tヘルパー2型(Th2)のCD4+CD25+Treg媒介阻害の障害が、季節性アレルギーに苦しむ患者において存在することを示している(Ling EM,et al.,Lancet2004;363:608−15.、Grindebacke H,et al.,Clin Exp Allergy2004;34:1364−72.)。さらに、T細胞集団の割合の変化が、健康な対象と比較して、アレルギーおよび喘息疾患を有する個体において関連付けられている(Akdis M,et al.,J Exp Med2004;199:1567−75、Tiemessen MM,et al.,J Allergy Clin Immunol2004;113:932−9.)。
実施形態では、アレルギー性疾患に苦しむ対象から、血液を取り出してもよい。実施形態では、本明細書で提供される方法は、不適切な抗原由来の抗原(例えば、マメ科植物タンパク質)の持続的な認識を含まない細胞型を選択的に増殖させて、非Tメモリー細胞T細胞型を選択的に増殖させるために使用される。実施形態では、自己細胞を取り出し、増殖させた後に、低線量全身放射線、胸腺照射、抗胸腺細胞グロブリン、および化学療法の投与を含む、既知の方法によって、不適切なメモリーT細胞を、それを必要とする対象において枯渇させてもよい。化学療法剤の例には、Campath、抗CD3抗体、Cytoxin、フルダラビン、シクロスポリン、FK506、ミコフェノール酸、ステロイド、FR901228、および放射線が含まれるが、これらに限定されない。実施形態では、外因性組織上の抗原を認識することができる不適切なメモリーT細胞を枯渇させた後に、外部で増殖させた自己T細胞を対象に再投与して、対象の免疫系を再構成または再刺激することができる。
実施形態では、患者の血液から取り出したTreg細胞を、増殖させてもよい。これらの増殖させたTreg細胞は、免疫枯渇後に最小限の残りの免疫反応を抑制するため、または免疫枯渇を受けていない対象においてのいずれかで、不適切な免疫反応を抑制するために患者に再投与され得る。
炎症性疾患および炎症関連障害を治療するための方法もまた、本明細書で提供される。これらの疾患の多くも、自己免疫性障害に分類され得る。炎症性疾患および炎症関連障害の非限定的な例には、糖尿病、リウマチ性関節炎、炎症性腸疾患、家族性地中海熱、新生児期発症多臓器性炎症性疾患、腫瘍壊死因子(TNF)受容体関連周期性症候群(TRAPS)、インターロイキン−1受容体拮抗分子欠損症(DIRA)、およびベーチェット病が含まれる。
いかなる理論によっても拘束されるものではないが、Treg細胞が非病原性抗原に対する不適切な免疫応答を抑制する役割のため、これらのT細胞亜集団の数の減少または機能の障害は、炎症性疾患に寄与し得る。これは、例えば、炎症性腸疾患にも当てはまる(M Himmell,et al.,Immunology 2012 Jun;136(2):115−122)およびrheumatoid arthritis(M Noack,et al.,Autoimmunity Reviews 2014 Jun;13(6):668−677)。
実施形態では、炎症性障害に苦しむ対象から、血液を取り出してもよい。実施形態では、本明細書で提供される方法は、不適切な抗原由来の抗原(例えば、抗カルバミル化タンパク質(抗CarP)抗体媒介リウマチ性関節炎におけるカルバミル化タンパク質)の持続的な認識を含まない細胞型を選択的に増殖させて、非Tメモリー細胞T細胞型を選択的に増殖させるために使用することができる。自己細胞を取り出し、増殖させた後に、低線量全身放射線、胸腺照射、抗胸腺細胞グロブリン、および化学療法の投与を含む、既知の方法によって、不適切なメモリーT細胞を、それを必要とする対象において枯渇させてもよい。化学療法剤の例には、Campath、抗CD3抗体、Cytoxin、フルダラビン、シクロスポリン、FK506、ミコフェノール酸、ステロイド、FR901228、および放射線が含まれるが、これらに限定されない。実施形態では、自己抗原を認識し、結果として生じる炎症応答を開始することができる不適切なメモリーT細胞を枯渇させた後に、外部で増殖させた自己T細胞を対象に再投与して、対象の免疫系を再構成することができる。
実施形態では、患者の血液由来のTreg細胞を、増殖させてもよい。
これらの増殖させたTreg細胞は、免疫枯渇後に最小限の残りの免疫反応を抑制するため、または免疫枯渇を受けていない対象においてのいずれかで、不適切な免疫反応を抑制するために患者に再投与され得る。
過剰増殖性障害(がん等)を治療するための方法もまた、本明細書で提供される。実施形態では、Treg活性の増加は、腫瘍抗原に対する不良な免疫応答をもたらし、免疫機能不全に寄与し得る。CD4+CD25+の集団の増加が、肺がん、膵臓がん、乳がん、肝臓がん、および皮膚がん患者において、血液または腫瘍自体のいずれかで見出されているWoo EY,et al.;J Immunol2002;168:4272−6.、Wolf AM,et al.Clin Cancer Res2003;9:606−12.、Liyanage UK,et al.J Immunol 2002;169:2756−61.、Viguier M,et al.J Immunol2004;173:1444−53.、Ormandy LA,et al.Cancer Res2005;65:2457−64.)。
実施形態では、腫瘍抗原、または過剰増殖性障害抗原もしくは過剰増殖性障害に関連する抗原に特異的なT細胞を、本明細書に開示される方法または組成物を使用して増殖させる。腫瘍抗原は、免疫応答、特にT細胞媒介免疫応答を誘発する腫瘍細胞によって産生されるタンパク質である。
実施形態では、治療され得るがんには、血管形成されていない腫瘍、またはまだ実質的に血管形成されていない腫瘍、および血管形成された腫瘍が含まれる。実施形態では、がんは、非固形腫瘍(血液腫瘍、例えば、白血病およびリンパ腫等)を含んでも、固形腫瘍を含んでもよい。治療されるがんの種類には、がん腫、芽細胞腫、および肉腫だけでなく、特定の白血病またはリンパ系腫瘍、良性および悪性腫瘍、ならびに悪性腫瘍、例えば、肉腫、がん腫、および黒色腫も含まれるが、これらに限定されない。成人腫瘍/がんおよび小児腫瘍/がんも含まれる。これらの中でもとりわけ、皮膚がん、脳がんおよび他の中枢神経系がん、頭がん、頸部がん、筋肉/肉腫がん、骨がん、肺がん、食道がん、胃がん、膵臓がん、結腸がん、直腸がん、子宮がん、子宮頸がん、膣がん、外陰部がん、陰茎がん、乳がん、腎臓がん、前立腺がん、膀胱がん、もしくは甲状腺がん、または膠芽腫を含むがんである。
血液のがんは、血液または骨髄のがんである。血液の(血行性の)がんの非限定的な例には、急性白血病(急性リンパ球性白血病、急性骨髄球性白血病、急性骨髄性白血病、ならびに骨髄芽球性、前骨髄球性、骨髄単球性、単球性、および赤白血病等)、慢性白血病(慢性骨髄球性(果粒球)白血病、慢性骨髄性白血病、および慢性リンパ球性白血病等)を含む白血病、真性赤血球増加症、リンパ腫、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫(無痛性および高悪性度の形態)、多発性骨髄腫、ワルデンストレーム高γグロブリン血症、重鎖病、骨髄異形成症候群、有毛細胞白血病、ならびに脊髄形成異常症が含まれる。
固形腫瘍は、通常、嚢胞または液体領域を含有しない異常な腫瘤である。固形腫瘍は、良性または悪性であり得る。異なる種類の固形腫瘍は、それらを形成する細胞の種類(肉腫、がん腫、およびリンパ腫等)から名付けられる。肉腫およびがん腫等の固形腫瘍の非限定的な例には、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨肉腫、および他の肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸がん、リンパ系腫瘍、膵臓がん、乳がん、肺がん、卵巣がん、前立腺がん、肝細胞がん、扁平上皮がん、基底細胞がん、腺がん、汗腺がん、甲状腺髄様がん、甲状腺乳頭がん、褐色細胞腫脂腺がん、乳頭部がん、乳頭状腺がん、髄様がん、気管支原性肺がん、腎細胞がん、ヘパトーマ、胆管がん、絨毛がん、ウィルムス腫瘍、子宮頸がん、精巣腫瘍、精上皮腫、膀胱がん、黒色腫、ならびにCNS腫瘍(神経膠腫(脳幹神経膠腫および混合膠腫等)、膠芽腫(多形神経膠芽腫としても知られている)、星状細胞腫、CNSリンパ腫、胚細胞腫、髄芽腫、シュワン頭蓋咽頭腫(Schwannoma craniopharyogioma)、上衣腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫瘍、乏突起神経膠腫、髄膜腫(menangioma)、神経芽腫、網膜芽細胞腫、ならびに脳転移等)が含まれる。
実施形態では、増殖させたT細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)の発現を通して腫瘍細胞上に発現される抗原を標的とするように、T細胞を遺伝子改変させる。実施形態では、CARを発現するT細胞を、増殖させる。CARは、ヒト白血球抗原から独立した様式で、細胞表面抗原を認識するように設計された抗原受容体である。実施形態では、免疫細胞を、患者の血液または他の組織から収集してもよい。実施形態では、T細胞は、それらの表面上にCARを発現するように、下記のように操作され、これにより、それらが特異的抗原(例えば、腫瘍抗原)を認識することが可能になる。実施形態では、その後これらのCAR T細胞を、本発明の方法によって増殖させ、患者に注入してもよい。実施形態では、T細胞は、1×105、1×106、1×107、1×108、5×108、1×109、5×109、1×1010、5×1010、1×1011、5×1011、または1×1012個の細胞で対象に投与される。実施形態では、患者への注入後、T細胞は、増殖およびCARの発現を続け、これが、CARが認識するように操作されている特異的抗原を抱える細胞に対する免疫応答の開始を可能にする。
実施形態では、CARを発現するように操作された細胞(例えば、T細胞)が提供され、CAR T細胞は、抗腫瘍特性を呈する。実施形態では、CARは、T細胞抗原受容体複合体ゼータ鎖(例えば、CD3ゼータ)の細胞内シグナル伝達ドメインに融合した抗原結合ドメインを有する細胞外ドメインを含むように操作される。実施形態では、CARは、T細胞内で発現されたとき、抗原結合特異性に基づいて、抗原認識の方向を変えることができる。
実施形態では、CARの抗原結合部分は、別様には抗原結合部分と称される標的特異的結合エレメントを含む。実施形態では、部分の選択は、標的細胞の表面を定義するリガンドの種類および数に依存する。例えば、抗原結合ドメインは、特定の疾患状態に関連する標的細胞上で細胞表面マーカーとして機能するリガンドを認識するように選択されてもよい。したがって、CARの抗原部分ドメインは、例えば、ウイルス、細菌、および寄生虫感染症、自己免疫性疾患、ならびにがん細胞に関連するものを含み得る。
実施形態では、CARをコードする天然または合成核酸の発現は、典型的には、CARポリペプチドまたはその部分をコードする核酸をプロモーターに結合させ、その構築物を発現ベクターに組み込むことによって達成される。ベクターは、複製および組み込み真核生物に好適であり得る。実施形態では、クローニングベクターは、転写および翻訳ターミネーター、開始配列、ならびに所望の核酸配列の発現の制御に有用なプロモーターを含有する。
実施形態では、T細胞は、標準的遺伝子送達プロトコルを使用して、核酸免疫化および遺伝子療法に使用することができる。遺伝子送達のための方法は、当該技術分野で既知である。例えば、米国特許第5,399,346号、同第5,580,859号、同第5,589,466号を参照されたい。実施形態では、遺伝子療法ベクターが提供される。
実施形態では、核酸をクローニングして、いくつかの種類のベクターにすることができる。例えば、核酸をクローニングして、プラスミド、ファージミド、ファージ誘導体、動物ウイルス、およびコスミドを含むがこれらに限定されないベクターにすることができる。特定の目的のベクターには、発現ベクター、複製ベクター、プローブ生成ベクター、および配列決定ベクターが含まれる。
実施形態では、発現ベクターは、ウイルスベクターの形態で細胞に提供され得る。ウイルスベクター技術は、当該技術分野で周知であり、例えば、Sambrook et al.(2001,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,New York)、ならびに他のウイルス学および分子生物学マニュアルに記載されている。ベクターとして有用なウイルスには、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ関連ウイルス、ヘルペスウイルス、およびレンチウイルスが含まれるが、これらに限定されない。一般に、好適なベクターは、少なくとも1つの生物体内に複製機能の起点、プロモーター配列、好都合な制限エンドヌクレアーゼ部位、および1つ以上の選択可能マーカーを含有する(例えば、WO01/96584、WO01/29058、および米国特許第6,326,193号)。
いくつかのウイルスベースの系が、哺乳動物細胞内への遺伝子移入のために開発されている。例えば、レトロウイルスは、遺伝子送達系のための好都合なプラットフォームを提供する。選択された遺伝子は、ベクター内に挿入され、当該技術分野で既知の技術を使用して、レトロウイルス粒子内にパッケージ化され得る。その後、組み換えウイルスを単離し、インビボまたはエクスビボのいずれかで対象の細胞に送達してもよい。いくつかのレトロウイルス系は、当該技術分野で既知である。いくつかの実施形態では、アデノウイルスベクターが使用される。いくつかのアデノウイルスベクターは、当該技術分野で既知である。一実施形態では、レンチウイルスベクターが使用される。
実施形態では、追加のプロモーターエレメント(例えば、エンハンサー)が、転写開始の頻度を制御する。実施形態では、これらは、開始部位の30〜110塩基対上流の領域に位置するが、いくつかのプロモーターは、近年、開始部位の下流にも機能エレメントを含有することが示されている。プロモーターエレメント間の間隙は、しばしば融通が利くため、エレメントが反転または互いに対して移動したときにプロモーター機能が保持される。チミジンキナーゼ(tk)プロモーターでは、プロモーターエレメント間の間隙は、活性が低下し始める前に、50塩基対離れるまで増加され得る。プロモーターに応じて、個々のエレメントは、転写を活性化させるように協働してまたは独立して機能し得るようである。CAR T細胞を作製する方法は、当該技術分野で既知である(例えば、米国特許第8,906,682号を参照されたい)。
T細胞がCAR T細胞である実施形態では、本発明の抗原結合部分の選択は、治療されるがんの特定の種類に依存する。腫瘍抗原は、当該技術分野で既知であり、例えば、膠腫関連抗原、がん胎児性抗原(CEA)、β−ヒト慢性ゴナドトロピン、αフェトプロテイン(AFP)、レクチン反応性AFP、チログロブリン、RAGE−1、MN−CA IX、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素、RUL RU2(AS)、腸カルボキシルエステラーゼ、mut hsp70−2、M−CSF、プロスターゼ(prostase)、前立腺特異的抗原(PSA)、PAP、NY−ESO−1、LAGE−1a、p53、プロステイン(prostein)、PSMA、HER2/neu、サバイビングおよびテロメラーゼ(surviving and telomerase)、前立腺がん腫腫瘍抗原−1(PCTA−1)、MAGE、ELF2M、好中球エラスターゼ、エフリンB2、CD22、インスリン成長因子(IGF−1)、IGF−II、IGF−I受容体、およびメソセリンが含まれる。
実施形態では、腫瘍抗原は、悪性腫瘍に関連する1つ以上の抗原がんエピトープを含む。悪性腫瘍は、免疫攻撃のための標的抗原として機能し得るいくつかのタンパク質を発現する。これらの分子には、黒色腫におけるMART−1、チロシナーゼ、およびGP100、ならびに前立腺がんにおける前立腺酸性ホスファターゼ(PAP)および前立腺特異的抗原(PSA)等の組織特異的抗原が含まれるが、これらに限定されない。他の標的分子は、がん遺伝子HER−2/Neu/ErbB−2等の形質転換関連分子の群に属する。標的抗原のさらに別の群は、がん胎児性抗原(CEA)等のがん胎児性抗原である。B細胞リンパ腫では、腫瘍特異的免疫グロブリンは、個々の腫瘍に固有の真に腫瘍特異的な免疫グロブリン抗原を構成する。CD19、CD20、ROR1、CD22、CD23、λ/κ軽鎖等のB細胞分化抗原は、B細胞リンパ腫における標的抗原に対する他の候補である。
実施形態では、腫瘍抗原は、腫瘍特異的抗原(TSA)または腫瘍関連抗原(TAA)である。TSAは、腫瘍細胞に固有であり、体内の他の細胞上に発生しない。TAAは、腫瘍細胞に固有ではなく、代わりに、抗原に対する免疫寛容の状態を誘導することができない条件下で、正常な細胞上にも発現する。腫瘍上の抗原の発現は、免疫系が抗原に応答することを可能にする条件下で発生し得る。TAAは、免疫系が未熟で、応答することができない場合、胎児発生の間に正常な細胞上に発現される抗原であり得るか、またはそれらは、通常、極めて低いレベルで正常な細胞上に存在するが、大幅により高いレベルで腫瘍細胞上に発現される抗原であり得る。
TSAまたはTAA抗原の非限定的な例には、以下、MART−1/MelanA(MART−1)、gp100(Pmel17)、チロシナーゼ、TRP−1、TRP−2等の分化抗原、およびMAGE−1、MAGE−3、BAGE、GAGE−1、GAGE−2、p15等の腫瘍特異的多系譜抗原;CEA等の過剰発現胎児性抗原;p53、Ras、HER−2/neu等の過剰発現発がん遺伝子および変異腫瘍抑制遺伝子;BCR−ABL、E2A−PRL、H4−RET、IGH−IGK、MYL−RAR等の染色体転座から生じた固有腫瘍抗原;ならびにエプスタイン・バーウイルス抗原EBVAおよびヒトパピローマウイルス(HPV)抗原E6およびE7等のウイルス抗原が含まれる。他のラージタンパク質ベース抗原には、TSP−180、MAGE−4、MAGE−5、MAGE−6、RAGE、NY−ESO、p185erbB2、p180erbB−3、c−met、nm−23H1、PSA、TAG−72、CA 19−9、CA 72−4、CAM 17.1、NuMa、K−ras、βカテニン、CDK4、Mum−1、p 15、p 16、43−9F、5T4、791Tgp72、α−フェトプロテイン、β−HCG、BCA224、BTAA、CA 125、CA 15−3\CA 27/29\BCAA、CA 195、CA 242、CA−50、CAM43、CD68\P1、CO−029、FGF−5、C250、GA733\EpCAM、HTgp−175、M344、MA−50、MG7−Ag、MOV18、NB/70K、NY−CO−1、RCAS1、SDCCAG16、TA−90、MAC−2結合タンパク質\サイクロフィリンC関連タンパク質、TAAl6、TAG72、TLP、およびTPS、CD19、CD20、CD22、ROR1、メソセリン、CD33/IL3Ra、c−met、PSMA、糖脂質F77、EGRvIII、GD−2、MY−ESO−1 TCR、MAGE A3 TCR、および他のものが含まれる。
感染性疾患を治療する方法もまた、本明細書で提供される。感染性疾患に対する免疫応答には、抗病原体と抗炎症応答とのバランスが関与している。T細胞は、この複雑なバランスに大いに関与している。実施形態では、T細胞応答を誘発することができる感染性病原体は、細菌、ウイルス、原虫、寄生虫、または真菌であり得る。Treg細胞は、Helicobacter pylori(Lundgren A,et al.Infect Immun2003;71:1755−62.)、B型肝炎ウイルス(HBV)、およびC型肝炎ウイルス(HCV)(Cabrera R,et al.,Hepatology2004;40:1062−71.、Stoop JN,et al.Hepatology2005;41:771−8.、Sugimoto K,et al.,Hepatology2003;38:1437−48.)による感染症の慢性化への寄与に関連付けられている。実施形態では、特定のT細胞亜集団の増加は、メモリーT細胞応答を不適切に抑制することによって、感染症の延長性質に寄与し得る。実施形態では、本明細書で提供される組成物は、特定のT細胞亜集団を特異的に増殖させるために、および感染性疾患の治療のために利用される。
実施形態では、感染性疾患は、病原体との直接接触によって引き起こされ、ヒトからヒトへ、動物からヒトへ、または母から胎児へと伝播する。
実施形態では、感染性疾患は、間接的接触を通して、例えば、ドアのハンドル、テーブル、カウンター、または蛇口のハンドル等の感染した表面との接触から伝播する。実施形態では、感染性疾患は、虫刺されまたは食物汚染を介して伝播する。HIVまたはAIDS等の特定の自己免疫性障害、およびいくつかのがんは、感染性疾患に対する易罹患性を増加させ得る。免疫系を抑制する特定の治療レジメンもまた、感染性疾患に対する易罹患性を増強し得る。例示的な感染性疾患には、痘瘡、マラリア、結核、発疹チフス、ペスト、ジフテリア、腸チフス、コレラ、赤痢、肺炎が含まれるが、これらに限定されない。
実施形態では、T細胞の増殖を、感染性疾患状態の治療において使用することができる。実施形態では、感染症に苦しむ患者は、感染性作用物質に対して十分な免疫を有しない。実施形態では、本明細書で提供される方法は、特定の感染性作用物質に対する免疫を有するドナーから異種Tメモリー細胞を増殖させるために使用され、養子T細胞移入において利用される。実施形態では、その後、感染性作用物質を経験したドナー由来の外部で増殖させたT細胞を、その感染症に感染した患者に注入することができる。実施形態では、T細胞は、1×105、1×106、1×107、1×108、5×108、1×109、5×109、1×1010、5×1010、1×1011、5×1011、または1×1012個の細胞で対象に投与される。実施形態では、感染性抗原コンピテントドナーメモリーT細胞は、患者における自己免疫応答の開始を補助する。
実施形態では、感染性疾患の治療は、それぞれ再注入または養子細胞移入のための自己または異種Th17細胞の増殖を含む。実施形態では、患者から単離された血液または組織由来のT細胞を、外部で増殖させてもよい。実施形態では、その後、これらの増殖させたT細胞を患者に注入して、B細胞が特定の感染性抗原(例えば、Streptococci M−タンパク質、Neisseria pilli、Borrelia burgdorferiリポタンパク質VisE、B.pseudomallei多糖類抗原、Aspergillus fumigatusガラクトマンナン、またはF.tularensisリポ多糖類)に対する抗体を分泌するような誘導を補助することができる。実施形態では、T細胞は、1×105、1×106、1×107、1×108、5×108、1×109、5×109、1×1010、5×1010、1×1011、5×1011、または1×1012個の細胞で対象に投与される。
既存の治療が、上記に列挙される疾患状態の多くに対して推奨される場合がある。本明細書に開示される方法および組成物を使用して増殖させたT細胞亜集団は、場合によっては、唯一の補充療法として、または他の既知の療法と併せて使用してもよい。T細胞療法は、他の療法の投与前、それと同時、またはその後に投与され得る。
実施形態では、本明細書で提供される方法をワクチンとともに利用して、抗原の反応性を増強し、インビボ効果を増強する。実施形態では、(例えば、T細胞を含む)組成物は、インビボでT細胞、例えば、IL−2、IL−4、IL−7、IL−10、IL−12、および/またはIL−15を増強する組成物と併せて患者に投与される。本明細書で提供される方法に従って増殖させたT細胞は、目的の所望の核酸配列を運び、がん、疾患、または感染症の部位に潜在的にホーミングすることによって、上記の遺伝子療法のビヒクルとして機能し得る。したがって、本明細書で提供される方法によって増殖させた細胞は、ワクチン、1つ以上のサイトカイン、1つ以上の治療抗体等と併せて患者に送達することができる。より頑強なT細胞集団によって利益を得るであろう実質的にあらゆる療法を、本明細書で提供される組成物と併せて使用することができる。
細胞産生およびワクチン
本明細書の他の箇所に示されるように、シクロデキストリンおよび1つ以上の脂質を含有する培養培地中で細胞(例えば、ヒト細胞、ヒト二倍体細胞、霊長類二倍体細胞、ウイルス産生に有用な細胞、T細胞等)を培養するための組成物および方法が本明細書で提供される。そのような細胞を使用して、タンパク質、核酸分子、ならびにウイルスおよびVLP等の組み立て材料等の産物を産生することができる。
細胞培養物(例えば、哺乳動物細胞培養物等の動物細胞培養物)は、組み換えタンパク質産生の発現に使用することができる。典型的には、動物または哺乳動物細胞等の細胞は、大量の特定のタンパク質、より具体的には目的の糖タンパク質を培養培地に発現および分泌するか、または発現および分泌するように遺伝子操作することができる。宿主細胞によって産生される糖タンパク質は、宿主細胞に対して内因性または相同であり得ることが理解されるであろう。あるいは、かつ通常、糖タンパク質は、宿主細胞に対して異種、すなわち、外来性である場合があり、例えば、ヒト糖タンパク質は、例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)宿主細胞によって産生および分泌され得る。適切にグリコシル化された組み換えタンパク質産物は、治療製品および予防製品として医学的および臨床的にますます重要である。生物学的産生の所望の目標は、高い産物品質(産生される糖タンパク質のシアル酸含有量等によって決定され得る)とともに、最終糖タンパク質産物の濃度の増加を同時に達成することができる、信頼性が高く、経済的で、かつ効率的な細胞培養プロセスの開発である。したがって、細胞の培養およびタンパク質(例えば、組み換えタンパク質)の産生のための組成物および方法が本明細書で提供される。
一旦タンパク質産生のための細胞またはクローンを特定した後、培地または補助剤の成分の調整が必要である可能性があり、加えて、細胞および/またはタンパク質の力価を増加させるため、および/またはタンパク質品質(グリコシル化レベル)を改善するための、様々なプロセスパラメータの操作が必要である可能性がある。パラメータ操作の例には、以下、大規模な培養容器の使用;インキュベーション温度、溶存酸素濃度、pH、温度シフト等の培養条件の変更が含まれ得る。加えて、実行時間の延長の進歩により、高いタンパク質品質を維持しながら、最終産物濃度を増加させることができる。
培養培地中に発現されるタンパク質または糖タンパク質の凝集体は、バイオ製造プロセス中のいずれの段階でも生じる可能性がある。細胞培養では、分泌されたタンパク質は、タンパク質の安定性に好ましくない条件に曝露される場合があるが、しかし、多くの場合、多量のタンパク質の蓄積は、折り畳まれていないタンパク質分子の相互作用、または適切な折り畳みを担う分子シャペロンによる新生ペプチド鎖の非効率的な認識のいずれかにより、細胞内凝集につながる可能性がある。そのような凝集体は、投与時に患者における有害な副作用につながる可能性があるため、分子量がより高い種を除去するための高価な下流処理ステップが考案されている。凝集のレベルを低減するための1つのアプローチは、重要なプロセスパラメータを慎重に調整し、凝集を破壊する細胞培養添加剤、例えば、31℃への温度シフト、420mOsm/kg超の浸透圧、100rpmでの撹拌、および0.04%(w/v)の消泡剤を特定することである(Biotechnol Bioeng.2018May;115(5):1173−1185)。
培養物中の細胞片および死細胞の内容物の存在は、下流のタンパク質最終産物の単離および/または精製に悪影響を与える可能性がある。培養物中で細胞をより長期間生存可能にすると、細胞タンパク質および酵素、例えば、細胞プロテアーゼおよびシアリダーゼによる培養培地の汚染の低減が同時にもたらされる可能性があり、これは、糖タンパク質品質の劣化および最終的な低減に寄与する。下流のタンパク質精製の懸念は、培養物中で高い細胞生存率を維持するさらに別の理由であり得る。
本明細書で提供される組成物および方法を使用する細胞培養物は、ワクチンの産生に使用することができる。ウイルス産生に有用な細胞には、MRC−5、MRC−5 RCB、WI−38、2BS、Walvax−2、KMB−17、IMR−90、IMR−91等のヒト二倍体細胞、およびVERO(アフリカミドリザル腎臓)またはMDCK(メイディン・ダービー・イヌ腎臓)等の非ヒト二倍体細胞が含まれる。sf9細胞等の昆虫細胞もまた、本明細書で提供される組成物および方法を使用して成長させることができる。さらに、昆虫細胞はまた、例えば、組み換えタンパク質およびウイルスの産生にも使用することができる。
ワクチンに好適な細胞株(例えば、ウイルス産生、VLP産生等)は一般に、哺乳動物起源のもの(例えば、Vero細胞、ウマ、ウシ(例えば、MDBK細胞)、ヒツジ、イヌ(例えば、イヌ腎臓由来のMDCK細胞)、ネコ、およびげっ歯類(例えば、BHK21−F、HKCC細胞等のハムスター細胞、またはチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞))であるが、非哺乳動物起源のもの(例えば、ニワトリ細胞、昆虫細胞(sf9細胞等)等)であってもよい。
上記の細胞培養培地および/または補助剤組成物は、ウイルスに感染し得る細胞の培養に使用することができる。細胞にウイルスを感染させるには、上記の補助剤ありまたはなしの好適な培地を、数日間にわたって細胞に添加する。ウイルス核酸(DNAまたはRNA)のトランスフェクションは、細胞のコンフルエントまたはコンフルエントに近い成長で行ってもよく、核酸を含有するトランスフェクション培地を、細胞に直接添加してもよい。いくつかの方法では、数時間後、例えば、37℃での18時間のインキュベーション後に、培地を交換する。成長に血清が使用される条件では、血清含有培地を添加して、トランスフェクションを停止させてもよい。トランスフェクションの約8日後、(ウイルスを含有する)細胞上清を収集して、ウイルス、ウイルス粒子、ウイルスタンパク質もしくは核酸、またはウイルス断片を採取することができる。
ワクチン産生のための細胞の大規模な産物を調製する前に、指標細胞株に対する細胞変性効果の検出を通して、細胞を、i)抗ウイルス剤、ii)外来性作用物質について試験してもよい。
ウイルス、ウイルス粒子、ウイルスタンパク質もしくは核酸、またはワクチンの一部を形成するウイルス断片のワクチン産生のための大量の産物を産生するために、ほとんどが静置方法である培養皿、ローラーボトル、チューブ、特殊なガラスもしくはプラスチック製のルー瓶で、または製造業者の指示に従ってマイクロキャリアビーズで、細胞を増殖させてもよい。細胞は、半連続的に培養することができる(例えば、有限回数継代することができる二倍体細胞、例えば、HEK(ヒト胚腎臓)細胞、MRC−5、WI−38細胞)か、またはそれらは、連続的に培養することができる(例えば、不死化されており、無制限に継代することができる形質転換細胞株、例えば、HeLa、VERO、Hep−2、LLC−MK2、BGM等)。
有限寿命の半連続細胞株は、通常、二倍体であり、ある程度の分化を維持する。そのような細胞株が、約30周期の分裂後に老化するという事実は、そのような細胞株を長期間維持するための親株常用バンクの系を確立することが不可欠であることを意味する。
連続細胞株は、腫瘍細胞に形質転換されているため、無制限に増殖させることができる。腫瘍細胞株は、多くの場合、実際の臨床腫瘍に由来するが、ウイルスがん遺伝子を使用して、または化学的処理によって、形質転換を誘導することもできる。形質転換された細胞株は、ほぼ無制限の利用可能性があるという利点を呈するが、元のインビボ特徴をほとんど保持していないという欠点も呈する。
細胞は、細胞の成長に好適な培養条件下で増殖させ、生存率を維持するために、例えば、ほとんどの細胞について37℃、5%のCO2で増殖させてもよい。好ましくは0.01のMOIを得るために、細胞にウイルスを接種しても、細胞をウイルスに感染させてもよい。場合によっては、培地または補助剤のそれ以上の交換なしで、接種を続けてもよい。
増殖後に存在する細胞の数は、手動血球計の使用等の標準的計数技術を使用して、または細胞計数機器の使用によって、決定することができる。ウイルス力価もまた、プラークアッセイと併せた段階希釈によって測定することができる。ウイルス力価について正しいクローンが得られたかどうかを決定するために、ウイルス核酸を抽出し、配列決定してもよい。
ウイルスに感染させて、ワクチン、ウイルス、ウイルス粒子、ウイルスタンパク質もしくは核酸、またはウイルス断片を産生することができる細胞(例えば、ヒト細胞、ヒト二倍体細胞、霊長類二倍体細胞、ウイルス産生に有用な細胞、T細胞等)を成長させるための方法が本明細書で提供される。そのような方法には、二倍体細胞集団を培養するための方法が含まれ得る。ステップには、細胞を、細胞の成長、細胞の生存細胞密度、ウイルスに感染した細胞のウイルス力価、またはそれらの組み合わせを増加させる、シクロデキストリン−脂質を含む培地、またはシクロデキストリン−脂質を含む補助剤と接触させることが含まれる。これにより培養された細胞を使用して、無血清条件下で、ワクチン、ウイルス、ウイルス粒子、ウイルスタンパク質もしくは核酸、またはそれらのウイルス断片を産生することができる。あるいは、細胞をウイルスに感染させても、細胞にウイルス由来の核酸をトランスフェクトしてもよい。
上記の感染した細胞から産生されるウイルスは、動物ウイルス、植物ウイルス、またはバクテリオファージであり得る。これらのウイルスには、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、風疹、麻疹、流行性耳下腺炎、A型肝炎、アデノウイルス、ポリオ、ロタウイルス、ライノウイルス、痘瘡、水痘、黄熱病、パピローマウイルス、エボラウイルス、HIV、ヘルペスウイルス、サイトメガロウイルス、ミクソウイルス、パラミクソウイルス、エンテロウイルス、呼吸器多核体ウイルス、狂犬病または水疱性口内炎ウイルス(VSV)、およびデング熱ウイルスが含まれ得るが、これらに限定されず、かつ/またはウイルス粒子は、パルボウイルス科、レトロウイルス科、フラビウイルス科、バクテリオファージ等に由来し得る。
ウイルストランスフェクション、またはワクチン、ウイルス、ウイルス粒子、ウイルスタンパク質もしくは核酸、ウイルス断片の産生に使用される細胞の種類は、動物細胞であり得る。動物細胞は、ウシ細胞、イヌ細胞、ネコ細胞、昆虫細胞、鳥類細胞、霊長類細胞、またはヒト細胞であり得る。具体的には、動物の細胞は、二倍体細胞であり得る。または、細胞は、MRC−5、MRC−5 RCB、MRC−9、WI−38、2BS、Walvax−2、IMR−90、IMR−91、KMB−17、HUT系列細胞、チャン肝臓、U937、MDCK、CD4発現T細胞、CD8発現T細胞、VERO、および前述の細胞のクローンからなる群から選択され得る。
細胞は、連続培養または半連続培養で培養することができる。さらに、細胞は、付着培養物として、またはマイクロキャリア上で培養してもよい。各細胞型は、特定の培地および/または基本培地の要件を有し得る。適切な基本培地の決定は、代謝分析および/または実験計画法(DOE)の理論的根拠を含むがこれらに限定されない技術を使用して、当該技術分野で日常的に行われる。例えば、二倍体細胞を培養するための無血清細胞培養培地を作製する典型的な方法は、(i)基本培地と、(ii)シクロデキストリンおよび少なくとも1つの脂質を含む補助剤、または(ii)好適な希釈度の表1および/もしくは表2に記載の補助剤のいずれかとを混合することを含み得る。補助剤は、成長因子をさらに含み得る。上記のCD(シクロデキストリン−脂質)含有補助剤とともに、細胞は、ウイルストランスフェクション、またはワクチン、ウイルス、ウイルス粒子、ウイルスタンパク質もしくは核酸、ウイルス断片産生のために無血清で培養することができる。
例えば、二倍体細胞を培養するための細胞培地の補充のための系が本明細書で提供され、(i)1つ以上の異なるシクロデキストリンであって、各シクロデキストリンが、別個の容器内にある、シクロデキストリンと、(ii)2つ以上の異なる脂肪酸であって、各脂肪酸が、別個の容器内にある、脂肪酸とを含み得る。
細胞または細胞株を培養するためのキットであって、(i)細胞の集団、(ii)シクロデキストリンおよび少なくとも1つの脂質を含む無血清細胞培養培地を含む、キットが本明細書で提供される。他のキットは、(i)細胞の集団、(ii)無血清基本細胞培地、ならびに(iii)シクロデキストリンおよび少なくとも1つの脂質を含む補助剤を含み得る。さらに別のキットは、(i)細胞の集団、(ii)無血清基本細胞培地、ならびに(iii)好適な希釈度の表1および/もしくは表2に記載の補助剤を含み得る。本明細書で提供されるキットは、ウイルストランスフェクション、またはワクチン、ウイルス、ウイルス粒子、ウイルスタンパク質もしくは核酸、ウイルス断片産生の調製に使用される細胞の無血清培養に使用することができる。これらのキットは、動物細胞の培養に使用することができ、動物細胞は、ウシ細胞、ネコ細胞、昆虫細胞、鳥類細胞、霊長類細胞、もしくはヒト細胞であってもよいか、または動物細胞は、二倍体細胞であるか、または細胞は、MRC−5細胞、MRC−5 RCB細胞、MRC−9細胞、WI−38細胞、2BS細胞、Walvax−2細胞、IMR−90細胞、IMR−91細胞、KMB−17細胞、HUT系列細胞、チャン肝細胞、U937細胞、MDCK細胞、CD4発現T細胞、CD8発現T細胞、VERO細胞、およびこれらの細胞の任意のクローンからなる群から選択される。
さらに、細胞を、培養培地中で培養し、洗浄し、その後培養培地と再接触させてもよい。その後、ウイルス、VLP、および/またはウイルス成分は、培養培地から、直接または細胞の溶解によってのいずれかで得ることができる。細胞を、ウイルスまたは1つ以上のウイルス成分をコードする核酸分子と接触させる場合、細胞を、洗浄ステップ、または洗浄ステップと培地との再接触との間を含む任意のステップで、ウイルスまたは核酸分子と接触させてもよい。加えて、細胞は、ウイルスまたはウイルス成分をコードするそれらのゲノムに組み込まれた核酸とともに使用してもよい。
ワクチンは、上記に明記されるような方法によって、または洗浄ステップが不要な同様の方法によって産生される。ワクチン成分が産生細胞のゲノムに組み込まれた核酸によってコードされている場合、および核酸(ウイルスを含む)が培養物中の細胞によって取り込まれ得る場合、洗浄ステップは一般に、必要とされない。
本明細書に明記されるように培養された細胞は、(例えば、ウイルス接種による)核酸取り込み前に第1の培養培地中で、ならびに核酸取り込み時および/またはその後に第2の培養培地中で培養されてもよい。細胞による(例えば、ウイルス感染による)核酸の取り込み時、細胞は、第1の培地と同じであるか、または異なる培地であってもよい、第2の細胞培地中で培養されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、細胞は、第1の細胞培養培地中で培養してもよく、その後第1の細胞培養培地を除去し、細胞を、(例えば、PBS等の水性緩衝液で)任意にすすいでもよく、第2の培養培地を、細胞に添加してもよい。いくつかの実施形態では、第2の培養培地は、細胞による取り込みのための細胞による取り込みのための核酸(例えば、ウイルス)を含有し得る。いくつかの実施形態では、第1の培養培地および第2の培養培地は、同じ培養培地である(例えば、同じ組成を有するが、これは、いくつかの実施形態では、必ずしも同じ物理的培地ではない)。他の実施形態では、第1の培地および第2の培地は、異なる(例えば、異なる組成を有する)。
ウイルス産生に有用な細胞には、MRC−5、MRC−5 RCB、WI−38、2BS、Walvax−2、KMB−17、IMR−90、IMR−91等のヒト二倍体細胞、およびVERO(アフリカミドリザル腎臓)またはMDCK(メイディン・ダービー・イヌ腎臓)等の非ヒト二倍体細胞が含まれる。sf9細胞等の昆虫細胞もまた、本明細書で提供される組成物および方法を使用して成長させることができる。さらに、昆虫細胞はまた、ウイルスの産生にも使用することができる。
本明細書に明記される方法および組成物の使用によって産生され得るウイルスには、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、風疹、麻疹、MMR、A型肝炎、アデノウイルス、ポリオ、ロタウイルス、狂犬病または水疱性口内炎ウイルス(VSV)、およびデングウイルスが含まれる。
本明細書で提供される組成物および方法はまた、ウイルス様粒子(VLP)の産生にも使用することができる。例えば、本明細書に明記されるように産生されるVLPが本明細書でさらに提供される。VLPは、B型肝炎ウイルスに由来し、小HBV由来表面抗原(HBsAg)で構成され得る。VLPは、パルボウイルス科(例えば、アデノ随伴ウイルス)、レトロウイルス科(例えば、HIV)、フラビウイルス科(例えば、C型肝炎ウイルス)、およびバクテリオファージ(例えば、Qβ、AP205)を含む、多種多様なウイルス科の成分から産生され得る。
本明細書の他の箇所に述べられるように、本明細書で提供される組成物および方法はまた、ワクチンの産生にも使用することができる。産生され得るワクチンのカテゴリには、不活化ワクチン、弱毒化ワクチン、トキソイドワクチン、サブユニットワクチン、および結合型ワクチンが含まれる。不活化ワクチンは、疾患を引き起こす作用物質またはそれに関連する作用物質を、(例えば、化学的、熱、または放射線処理によって)疾患誘導不能にしたワクチンである。弱毒化ワクチンは一般に、(1)それらの病原性が破壊されているか、または(2)密接に関連するが、危険性がより低い生物体を使用して、広範囲の免疫応答を産生させる、生作用物質または複製可能な作用物質を含有する。ほとんどの弱毒化ワクチンの性質は、ウイルス性であるが、いくつかは、細菌性である。トキソイドワクチンは、微生物ではなくむしろ疾病を引き起こす不活性化された毒性化合物から作製される。全てのトキソイドが、ウイルスまたは微生物のものであるわけではない。例えば、Crotalus atrox(すなわち、ニシダイヤガラガラヘビ)トキソイドは、ガラガラヘビの咬傷に対する個体のワクチン接種に使用される。サブユニットワクチンは、防御免疫応答を誘発することができる疾患を引き起こす作用物質の抗原の断片で構成される。この一例は、このウイルスの表面タンパク質のみで構成された、B型肝炎ウイルスに対するサブユニットワクチンである。
本明細書で提供される細胞培養培地および/または補助剤組成物は、上記の細胞のいずれかの培養に好適であり得る。これらの細胞培養培地および/または補助剤組成物は、多くの場合、シクロデキストリンベースの脂質組成物を含む。本明細書で提供される培地組成物は、少なくとも2種類のもの、(i)細胞培養成分、シクロデキストリン、および少なくとも1つの脂質を含むもの、または(ii)基本細胞培養培地、およびシクロデキストリンベースの脂質を含む別個の補助剤を含むものであり得る。例えば、シクロデキストリンベースの脂質補助剤は、リノール酸、少なくとも1つの他のオメガ−6脂肪酸、コレステロール、およびシクロデキストリンを含み得る。
いくつかの例示的なシクロデキストリンベースの脂質補助剤は、本出願の実施例1の表1、2、および3に記載されており、また、それぞれCD(シクロデキストリン−脂質)補助剤1、2、および3と称されることもある。加えて、Diploid Growth Supplementと呼ばれるシクロデキストリン−脂質含有補助剤が、市販されている(Thermo Fisher Scientific、カタログ番号A39695SA)。したがって、培地組成物は、(i)好適な基本細胞培養培地(市販の(Thermo Fisher Scientific、カタログ番号A39693DK等)、および(ii)好適な希釈度の表1、表2、表3(実施例1)に記載の補助剤を含み得る。基本培地は、タンパク質、ビタミン、ミネラル、およびアミノ酸を含有してもよく、必要に応じてウシ胎児血清で富化して、成長を可能にしてもよい。しかしながら、多くの場合、基本培地は、上記のもの等のシクロデキストリンベースの脂質を含む補助剤(上記または実施例1の表1、2、および3に記載のもの、二倍体成長補助剤(Thermo Fisher Scientific、カタログ番号A39695SA)を含む)等の無血清補助剤と組み合わせ、したがって無血清条件下での細胞成長を可能にしてもよい。最適な成長のために、CD補助剤またはDiploid Growth Supplementは、培養される細胞株に応じて適切に希釈してもよい。例えば、特定の例では、MRC−5二倍体細胞を、1:500または1:2000の希釈度のCD補助剤1またはCD補助剤2(実施例1を参照されたい)を有する二倍体基本SFM(Thermo Fisher Scientific、カタログ番号A39693DK)中で成長させた(本出願の図51および表45も参照されたい)。
ウイルスまたはワクチン等を産生する細胞の培養に使用される細胞培養補助剤は、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、またはγ−シクロデキストリンであるシクロデキストリンを含んでもよい。一実施形態では、シクロデキストリンは、メチル化されていてもよい。さらなる実施形態では、シクロデキストリンは、メチル−β−シクロデキストリンであってもよい。特定の実施形態では、細胞培養培地または補助剤は、約10μM〜約200μMであるレベルのシクロデキストリンを含む。
ウイルスまたはワクチン等を産生する細胞の培養に使用される細胞培養補助剤は、コレステロールを含んでもよく、コレステロールは、合成コレステロールであってもよいか、または約5μM〜約30μMのレベルで存在してもよい。一実施形態では、少なくとも1つの他のオメガ−6脂肪酸は、多価不飽和オメガ−6脂肪酸である。さらなる実施形態では、少なくとも1つの他のオメガ−6脂肪酸は、アラキドン酸である。特定の実施形態では、多価不飽和オメガ−6脂肪酸は、アラキドン酸、リノール酸、リノレン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、およびステアリン酸からなる群から選択される。
キットおよび培地補助剤系
一態様では、T細胞培地の補充のための系であって、(i)2つ以上の異なるシクロデキストリンであって、各シクロデキストリンが、別個の容器内にある、シクロデキストリンと、(ii)2つ以上の異なる脂質(例えば、脂肪酸)であって、各脂質が、別個の容器内にある、脂肪酸とを含む、系が提供される。別の態様では、T細胞培地の補充のための系であって、(i)2つ以上の異なるシクロデキストリンの組み合わせであって、各シクロデキストリンが、別個の容器内にある、シクロデキストリン、および2つ以上の異なる脂質(例えば、脂肪酸)であって、各脂質が、別個の容器内にある、脂肪酸と、(ii)2−DGとを含む、系が提供される。さらに別の態様では、2−DGを含む、T細胞培地の補充のための系が提供される。実施形態では、2つ以上の異なるシクロデキストリンは、本明細書に開示されるシクロデキストリンの任意の組み合わせを含む。実施形態では、2つ以上の異なる脂質は、本明細書に開示される脂質(例えば、脂肪酸)の任意の組み合わせを含む。
いくつかの態様では、無血清培地、シクロデキストリン、1つ以上の脂質、および/または2−DGを含む、T細胞の培養のためのキットが本明細書で提供される。
キットはまた、洗浄ステップ、培養条件、および特異的T細胞亜集団を選択的に増殖させるために、単離されたT細胞を本明細書で提供される組成物とともにインキュベートする持続時間についての説明書等の、キットの使用についての書面での指示書も含み得る。
T細胞の混合集団の源の例
実施形態では、T細胞の混合集団の出発源は、対象から単離され得る血液(例えば、循環血液)である。実施形態では、循環血液は、1単位以上の血液から、またはアフェレーシスもしくは白血球アフェレーシスから得ることができる。実施形態では、アフェレーシス産物は、典型的には、T細胞、単球、顆粒球、B細胞、他の有核白血球細胞、赤血球細胞、および血小板を含む、リンパ球を含有する。T細胞は、血液単核細胞、骨髄、胸腺、組織バイオプシー、腫瘍、リンパ節組織、胃腸管関連リンパ組織、粘膜関連リンパ組織、脾臓組織、または任意の他のリンパ組織、および腫瘍を含む(がこれらに限定されない)いくつかの源から得ることができる。T細胞は、T細胞株および自己または同種の源から得ることができる。T細胞はまた、異種の源、例えば、マウス、ラット、非ヒト霊長類、およびブタからも得ることができる。
実施形態では、T細胞は、Ficoll分離等の当業者に既知の任意の数の技術を使用して対象から収集された、単位の血液から得ることができる。T細胞は、対象の循環血液から単離されてもよい。実施形態では、血液は、アフェレーシスまたは白血球アフェレーシスによって対象から得ることができる。実施形態では、アフェレーシス産物は、典型的には、T細胞、単球、顆粒球、B細胞、他の有核白血球細胞、赤血球細胞、および血小板を含む、リンパ球を含有する。実施形態では、感作組成物への曝露ならびにその後の活性化および/または刺激の前に、T細胞の源は、対象から得られる。実施形態では、アフェレーシスによって収集した細胞を洗浄して、血漿画分を除去し、細胞を、その後の処理ステップのために、適切な緩衝液または培地中に入れてもよい。本発明の実施形態では、細胞は、リン酸緩衝食塩水(PBS)で洗浄される。実施形態では、洗浄溶液は、カルシウムを欠き、かつマグネシウムを欠いてもよいか、または全てではなくとも多くの二価カチオンを欠いてもよい。当業者であれば容易に理解するように、洗浄ステップは、製造業者の指示に従う、半自動「流水式」遠心分離機(例えば、Cobe2991細胞プロセッサであるBaxter)の使用等によって、当業者に既知の方法によって達成されてもよい。実施形態では、洗浄後、細胞を、例えば、無カルシウム(Ca)無マグネシウム(Mg)PBS等の様々な生体適合性緩衝液中に再懸濁させてもよい。実施形態では、アフェレーシス試料の望ましくない成分を除去し、細胞を培養培地中に直接再懸濁させてもよい。
実施形態では、T細胞は、赤血球細胞を溶解または除去し、例えば、PERCOLL(商標)勾配を通した遠心分離によって単球を枯渇させることによって、末梢血液リンパ球から単離される。実施形態では、特異的なT細胞の亜集団は、正または負の選択技術によってさらに単離することができる。
実施形態では、T細胞は、CD3+細胞について正に選択することができる。当業者に既知の任意の選択技術が、使用されてもよい。非限定的な一例は、フローサイトメトリー選別である。別の実施形態では、T細胞は、抗CD3ビーズとともにインキュベートすることによって単離することができる。非限定的な一例は、所望のT細胞の正の選択に十分な期間にわたる、DYNABEADS(登録商標)ヒトT増殖剤CD3/CD28(Life Technologies Corp.、カタログ番号11141D)等の抗CD3/抗CD28結合ビーズである。実施形態では、期間は、30分間〜36時間以上、およびそれらの間の全ての整数値の範囲である。実施形態では、期間は、少なくとも1、2、3、4、5、または6時間である。別の実施形態では、期間は、10〜24時間である。実施形態では、インキュベーション時間は、24時間である。24時間等のより長いインキュベーション時間は、細胞の産生量を増加させ得る。実施形態では、他の細胞型と比較して、T細胞がほとんど存在しないあらゆる状況において、より長いインキュベーション時間を使用して、T細胞を単離することができる。実施形態では、負の選択によるT細胞集団の富化は、負に選択された細胞に固有の表面マーカーに指向された抗体の組み合わせを用いて達成することができる。1つの可能性のある方法は、負に選択された細胞上に存在する細胞表面マーカーに指向されたモノクローナル抗体のカクテルを使用する、磁気免疫付着またはフローサイトメトリーによる細胞選別および/または選択である。実施形態では、増殖倍率は、ドナー細胞の可変性のために、出発材料に基づいて異なり得る。実施形態では、通常の出発密度は、約0.5×106個〜約1.5×106個であり得る。
実施形態では、T細胞亜集団は、1つ以上のマーカー(複数可)が存在するかまたは不在であるかに基づく選択によって生成され得る。例えば、Treg細胞は、CD4+、CD25+、CD127負/低、および任意でFOXP3+である細胞の選択に基づいて、混合集団から得ることができる。実施形態では、Treg細胞は、FOXP3−であり得る。この例では、選択は、1つ以上の定義可能な特徴に基づいて、細胞を「選ぶこと」を事実上指す。さらに、選択は、1つ以上の特徴を有する細胞(正)または1つ以上の特徴を有しない細胞(負)に関しての選択であり得るという点で、正または負であり得る。
Treg細胞に関して、例示の目的で、これらの細胞は、これらの細胞がCD4および/またはCD25に結合する抗体が結合した表面(例えば、磁気ビーズ)に結合すること、ならびにCD127に結合する抗体が結合した表面(例えば、磁気ビーズ)に非Treg細胞が結合することを通して、混合集団から得ることができる。特定の例として、CD3に結合する抗体が結合した磁気ビーズを使用して、CD3+細胞を単離してもよい。一旦放出された後、得られたCD3+細胞を、CD4に結合する抗体が結合した磁気ビーズと接触させてもよい。その後、得られたCD3+、CD4+細胞を、CD25に結合する抗体が結合した磁気ビーズと接触させてもよい。その後、得られたCD3+、CD4+、CD25+細胞を、CD127に結合する抗体が結合した磁気ビーズと接触させてもよく、収集される細胞は、これらのビーズに結合しない細胞である。
実施形態では、複数の特徴を同時に使用して、T細胞亜集団(例えば、Treg細胞)を得てもよい。例えば、2つ以上の細胞表面マーカーに結合する抗体をそれに結合した状態で含有する表面もまた、使用することができる。特定の例として、CD4+、CD25+細胞は、混合集団から、CD4およびCD25に結合する抗体が結合した表面にこれらの細胞が結合することにより、得ることができる。複数の特徴の同時選択は、所望の細胞型(複数可)とともに「共精製」する望ましくない細胞型の数をもたらし得る。これは、上記の特定の実施例を使用して、CD4+、CD25−およびCD4−、CD25+である細胞が、CD4+、CD25+細胞に加えて得られ得るため、その通りである。
フローサイトメトリーは、所望の特徴に基づく細胞の分離に特に有用である。細胞は、目的の細胞に結合する分子(例えば、CD127に結合するIL−7、CD25に特異的な抗体等の天然リガンド)に関連する検出可能な標識に基づいて分離することができる。したがって、フローサイトメトリー系によって検出および/または分化され得る細胞成分に結合するリガンドを使用して、特定の特徴を有するT細胞を精製/単離してもよい。さらに、複数の特徴の存在または不在を、フローサイトメトリーによって同時に決定してもよい。
1つ以上のT細胞亜集団のメンバーを得るための方法であって、T細胞亜集団のメンバーが、特定の特徴によって特定され、これらの特徴に関して異なる細胞から分離される、方法が本発明に含まれる。本発明の方法で使用され得る特徴の例には、以下のタンパク質、CD3、CD4、CD5、CD8、CD11c、CD14、CD19、CD20、CD25、CD27、CD33、CD34、CD45、CD45RA、CD56、CD62L、CD123、CD127、CD278、CD335、CCR7、K562P、K562CD19、およびFOXP3の存在または不在が含まれる。
以下の実施例は、本発明のいくらかの特定の実施形態を例示するものであり、本発明の範囲を限定は意図されない。
本明細書の実施形態は、以下の実施例および詳細なプロトコルによってさらに例示される。しかしながら、実施例は、単に実施形態を例示することが意図されており、本明細書の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。本出願全体を通して引用される全ての参考文献ならびに公開特許および特許出願の内容が、これによって参照により本明細書に組み込まれる。
実施例1:実施例2〜4の方法論および結果
材料および方法
CD補助剤配合物:各1LのCD補助剤について、0.5Lの製造等級の水を4度に予冷し、さらに0.5Lを80度以上まで加熱した。合成コレステロールならびに粉末脂肪酸(該当する場合、ミリスチン酸、パルミチン酸、およびステアリン酸)を熱水に添加し、最大10分間混合した。混合している間に、36gのメチル−β−シクロデキストリンを緩徐に添加し、各添加が、タンクの周囲に触れることなく、表面上でわずかに層になるようにした。タンクに覆いをして、最低60分間高温を維持した。54gのメチル−β−シクロデキストリンを以前に述べたように緩徐に添加し、覆いをし、最低30分間混合した。気泡が消散するまで、混合速度を低減させた。予冷水を使用して、QSおよび総産生体積(1L)をもたらし、温度が25度未満に達するまで混合した。残りの脂質(該当する場合、アラキドン酸、リノレン酸、オレイン酸、およびパルミトレイン酸)を添加し、覆いをし、最低90分間混合した。各CD補助剤を、1LのSTERICUP(登録商標)フィルターユニット(Millipore、カタログ番号SCVPU11RE)を使用してフィルター滅菌し、4℃で保管した。
細胞培養物:T細胞の単離:正常なドナー由来の非特定化された凍結アフェレーシスバッグを、HemaCare Corporationから入手した。DYNABEADS(登録商標)UNTOUCHED(商標)ヒトT細胞キット(Thermo Fisher Scientific、カタログ番号11344D)を用いて、T細胞を、PBMCから負に単離した。
T細胞活性化および増殖:T細胞(播種密度1×106vc/mL)を、1個のT細胞当たり3個のビーズの割合で、DYNABEADS(登録商標)ヒトT増殖剤CD3/CD28(Thermo Fisher Scientific、カタログ番号11141D)を用いて活性化し、4つの脂質補助剤のうちの1つを補充した、または対照として補助剤を有しない、コレステロールおよび遊離脂肪酸を含まない無血清培地中で培養した。5、7、10、および12日目にT細胞をVi−CELL XR分析機(Beckman Coulter、Indianapolis IN)で計数し、3、5、および7日目に5×105vc/mLの密度まで、ならびに10日目に1×106vc/mLの密度まで供給した。
表現型:初代ヒトT細胞を、CD補助剤のうちの1つまたは5%のヒトAB血清を用いて、10日間増殖させた。DYNABEADS(登録商標)を、磁気分離によって2×106個の細胞から除去した。CD3(Invitrogen、カタログ番号CD0329)、CD4(Molecular Probes、カタログ番号A15858)、CD8(Invitrogen、カタログ番号MHCD0828)、CCR7(Molecular Probes、カタログ番号A18370)、およびCD62L(Thermo Fisher Scientific、カタログ番号MA1−19618)に対する抗体を用いて、表面染色を行った。連続ゲーティングを使用して、T細胞を、セントラルメモリー(TCM:CCR7+/CD62L+)、中間体(CCR7−/CD62L+)、およびエフェクターメモリー(TEM:CCR7−/CD62L−)として特性評価した。GalliosフローサイトメーターおよびKaluzaソフトウェア(Beckman Coulter、Indianapolis IN)で、フローサイトメトリー分析を行った。
サイトカインプロファイル:DYNABEADS(登録商標)UNTOUCHED(商標)ヒトT細胞キット(Thermo Fisher Scientific、カタログ番号11344D)を用いて、正常なドナー由来の初代ヒトT細胞を、PBMCから負に単離した。T細胞(播種密度1×106vc/mL)を、1個のT細胞当たり3個のビーズの割合で、DYNABEADS(登録商標)ヒトT増殖剤CD3/CD28(Thermo Fisher Scientific、カタログ番号11141D)を用いて活性化し、CD補助剤1(1:500)補充したコレステロールおよび遊離脂肪酸を含まない無血清培地中、または5%のヒトAB血清を補充した対照培地X−VIVO(商標)15(Lonza、カタログ番号BE02−054Q)中で培養した。5および7日目にT細胞をVi−CELL XR分析機(Beckman Coulter、Indianapolis IN)で計数し、3、5、および7日目に5×105vc/mLの密度まで供給した。11日目にDYNABEADS(登録商標)を培養物から磁気的に除去し、細胞を回転させて、条件培地を除去し、新鮮な培地中に一晩静置した。100万個のT細胞を、1:1のビーズ対細胞比のDYNABEADS(登録商標)CD3(Thermo Fisher Scientific、カタログ番号11151D)を用いて再刺激し、24時間インキュベートした。Luminex(商標)用Cytokine Human Magnetic35−Plex Panel(Thermo Fisher Scientific、カタログ番号LHC6005M)を用いた分析のために、上清を収集し、処理した。MAGPIX(登録商標)システム(Luminex Corporation、Austin TX)を使用して、分析を行った。
結果
表1〜3は、細胞、例えば、T細胞、二倍体細胞内で配合および試験した3つのシクロデキストリンベースの補助剤をまとめたものである。簡潔には、コレステロールを熱水中に可溶化し、その後メチル−β−シクロデキストリンおよび脂肪酸を緩徐に添加した。外観が透明になるまで溶液を監視し、滅菌濾過した。CD補助剤1(表1)の配合は、CD補助剤2およびCD補助剤3(それぞれ表2および3)で同じ脂肪酸:コレステロールのモル比を維持しながら変更した。CD補助剤2の配合物は、脂質濃縮物中の脂肪酸濃度(g/L)に基づいている一方で、CD補助剤3の配合は、ウシ血清アルブミン中に典型的に見出される脂肪酸濃度(g/L)に基づいている。既知組成の脂質濃縮物(Thermo Fisher Scientific、カタログ番号11905−031)、略称「脂質濃縮物」。
図1〜6は、エマルジョンベースの脂質濃縮物を含有する無血清培地が、シクロデキストリンベースの補充と比較して、ヒトT細胞の増殖について最適以下であることを実証する一連のグラフである。DYNABEADS(登録商標)UNTOUCHED(商標)ヒトT細胞キットを用いて、正常なドナー由来の初代ヒトT細胞を、PBMCから負に単離した。T細胞(播種密度1×106vc/mL)を、1個のT細胞当たり3個のビーズの割合で、DYNABEADS(登録商標)ヒトT増殖剤CD3/CD28を用いて活性化し、4つの脂質補助剤のうちの1つを補充したコレステロールおよび遊離脂肪酸を含まない無血清培地中で培養した。5、7、10、および12日目にT細胞をBeckman−Coulter Vi−CELL XR分析機で計数し、3、5、および7日目に5×105vc/mLの密度まで、ならびに10日目に1×106vc/mLの密度まで供給した。
図7〜10は、5%のヒトAB血清を含有する培地中で培養したT細胞と比較して、CD補助剤1、2、および3とともに培養したT細胞内のセントラルメモリーサブセットの保存の増加を実証する一連のグラフである。
細胞成長および生存率:T細胞の増殖を、累積集団倍加または経時的な累積生存T細胞(日数)として表す。結果は、少なくとも3つの独立した実験を代表するものである。表4〜9は、図1〜6に表示されるグラフ結果を定量化する。結果は、無血清培地中の選択された濃度のCD補助剤1、2、および3を介した、シクロデキストリンベースの補充と比較して、脂質濃縮物(1:100)が、(累積集団倍加として表される)最適以下のT細胞増殖を提供することを実証する(図1および2)。図3および4は、図1および2と同じ成長データを示すが、経時的な累積生存T細胞(日子)で表される。CD補助剤1、2、および3(1:500)の性能の差は、細胞増殖を、12日目までの累積集団倍加と比較した累積細胞数として表したときに明白である。図5および6は、CD補助剤1、2、および3(1:500)が、脂質濃縮物、脂質補充なし、ならびに他の濃度のCD補助剤1、2、および3と比較して、T細胞生存率の増加を維持することを描写する。
表現型:図7は、分化表現型決定のゲーティング戦略を描写する。図8および表10は、増殖前(0日目)の元のサブセット分布と比較したCD4+/CD8+比の平均変化を描写する。図9および10は、5%のヒトAB血清ならびにCD補助剤1、2、および3中で増殖させた、CD4+T細胞およびCD8+T細胞(それぞれ)の分化状態を描写する。結果は、5%のヒトAB血清とともに培養したCD4+およびCD8+T細胞は、CCR7+/CD62L+表現型を失い、CCR7−/CD62L−表現型を蓄積することを表し、これは、細胞ストレスおよび栄養欠乏を示す。あるいは、CD補助剤1、2、および3とともに培養したCD4+およびCD8+T細胞は、CCR7−/CD62L−の蓄積を回避する。
サイトカインプロファイル:DYNABEADS(登録商標)ヒトT増殖剤CD3/CD28で増殖させたT細胞は、典型的には、主要なTh1様エフェクター機能を示す。IFN−γは、Th1免疫応答の重要なメディエーターである。図11に描写されるように、結果は、CD補助剤1を含有する無血清培地中で培養したT細胞のサイトカインプロファイルが、5%のヒトAB血清を含有する培地中で培養したT細胞のプロファイルよりも、わずかにより良好であるとは言わないまでも、それと同等であることを実証する。これは、MIP−1αの増加、IL−13、IL−10、およびIL−6の減少、ならびにIFN−γおよびIL−2産生の変化がないことによって表される(図11および表11)。
実施例2:脂質を含有する無血清培地中でのT細胞の培養
脂質は、無血清培地中で成長させたT細胞の酸化的リン酸化(OXPHOS)のエネルギー源であるようであり、最適なT細胞の増殖に必要とされる。DYNABEADS(登録商標)UNTOUCHED(商標)ヒトT細胞キットで、3人の正常なドナー由来の初代ヒトT細胞を、PBMCから負に単離した。T細胞(播種密度1×106vc/mL)を、1個のT細胞当たり3個のビーズの割合で、DYNABEADS(登録商標)ヒトT増殖剤CD3/CD28を用いて活性化した。細胞を、4つの脂質補助剤のうちの1つを補充した、または対照として脂質補充を有しない、コレステロールおよび遊離脂肪酸を含まない無血清培地中で培養した。5、7、10、および12日目にT細胞をBeckman−Coulter Vi−CELL XR分析機で計数し、3、5、および7日目に5×105vc/mLの密度まで、ならびに10日目に1×106vc/mLの密度まで供給した。T細胞の増殖を、累積集団倍加または経時的な累積生存T細胞のいずれかとして表した。図1〜4の結果は、無血清培地が、最適なT細胞増殖をもたらすのに定義された濃度での脂質補充を必要とすることを実証する。CD補助剤1、2、および3(1:500)は、脂質濃縮物(1:100)、他の濃度のCD補助剤1、2、および3、ならびに脂質補充なしと比較して、最適なT細胞の増殖を提供する。結果は、少なくとも3つの独立した実験を代表するものである。
実施例3:CD補助剤1を含有する無血清培地によるCD8+T細胞サブセットの優先的な増殖
CD補助剤1を含有する無血清培地中でのCD8+T細胞サブセットの優先的な増殖を、分析した。DYNABEADS(登録商標)UNTOUCHED(商標)ヒトT細胞キットで、3人の正常なドナー由来の初代ヒトT細胞を、PBMCから負に単離した。T細胞(播種密度1×106vc/mL)を、1個のT細胞当たり3個のビーズの割合で、DYNABEADS(登録商標)ヒトT増殖剤CD3/CD28を用いて活性化した。細胞を、4つの脂質補助剤のうちの1つ、または対照として5%のヒトAB血清を補充したコレステロールおよび遊離脂肪酸を含まない無血清培地中で培養した。5、7、および10日にT細胞をBeckman−Coulter Vi−CELL XR分析機で計数し、3、5、および7日目に5×105vc/mLの密度まで供給した。T細胞の増殖を、累積集団倍加または経時的な累積生存T細胞のいずれかとして表した(図1〜6)。各条件からの2×106個の細胞を、CD3、CD4、CD8、CCR7、およびCD62Lに対する抗体で染色した。連続ゲーティングを使用して、T細胞を、セントラルメモリー(TCM:CCR7+/CD62L+)、中間体(CCR7−/CD62L+)、およびエフェクターメモリー(TEM:CCR7−/CD62L−)として特性評価した(図7)。フローサイトメトリー分析を、Beckman−Coulter Gallios分析機で実行した。図8の結果は、CD補助剤2、3、および5%のヒトAB血清を含有する培地中での頻度と比較した場合の、CD補助剤1を含有する無血清培地中でのCD8+T細胞の優先的な増殖を実証する。結果は、少なくとも3つの独立した実験を代表するものである。
実施例4:CD補助剤1、2、および3を含有する無血清培地中で増殖させたT細胞の表現型
DYNABEADS(登録商標)UNTOUCHED(商標)ヒトT細胞キットで、3人の正常なドナー由来の初代ヒトT細胞を、PBMCから負に単離した。T細胞(播種密度1×106vc/mL)を、1個のT細胞当たり3個のビーズの割合で、DYNABEADS(登録商標)ヒトT増殖剤CD3/CD28を用いて活性化した。細胞を、4つの脂質補助剤のうちの1つ、または対照として5%のヒトAB血清を補充したコレステロールおよび遊離脂肪酸を含まない無血清培地中で培養した。5、7、および10日にT細胞をBeckman−Coulter Vi−CELL XR分析機で計数し、3、5、および7日目に5×105vc/mLの密度まで供給した。T細胞の増殖を、累積集団倍加または経時的な累積生存T細胞のいずれかとして表した(図1〜6)。各条件からの2×106個の細胞を、CD3、CD4、CD8、CCR7、およびCD62Lに対する抗体で染色した。連続ゲーティングを使用して、T細胞を、セントラルメモリー(TCM:CCR7+/CD62L+)、中間体(CCR7−/CD62L+)、およびエフェクターメモリー(TEM:CCR7−/CD62L−)として特性評価した(図7)。フローサイトメトリー分析を、Beckman−Coulter Gallios分析機で実行した。図9は、CD補助剤1、2、および3対5%のヒトAB血清を含有する無血清培地中で増殖させたCD4+T細胞の分化状態を描写する。図10は、CD補助剤1、2、および3対5%のヒトAB血清を含有する無血清培地中で増殖させたCD8+T細胞の分化状態を描写する。結果は、対照培地に対して、採取時のより高い頻度のTCMおよび中間体サブセットによって定義される、CD補助剤1、2、および3を含有する無血清培地中で増殖させたT細胞のより好ましい表現型を実証する。結果は、少なくとも3つの独立した実験を代表するものである。
実施例5:CD補助剤1を含有する無血清培地対血清含有培地中でのサイトカインプロファイル
DYNABEADS(登録商標)ヒトT増殖剤CD3/CD28で増殖させたT細胞は、典型的には、主要なTh1様エフェクター機能を示す。IFN−γは、Th1免疫応答の重要なメディエーターである。Th1サイトカインプロファイルを、CD補助剤1を含有する無血清培地対血清含有培地中で成長させたT細胞間で比較した。DYNABEADS(登録商標)UNTOUCHED(商標)ヒトT細胞キットを用いて、正常なドナー由来の初代ヒトT細胞を、PBMCから負に単離した。T細胞(播種密度1×106vc/mL)を、1個のT細胞当たり3個のビーズの割合で、DYNABEADS(登録商標)ヒトT増殖剤CD3/CD28を用いて活性化し、CD補助剤1(1:500)を補充したコレステロールおよび遊離脂肪酸を含まない無血清培地中、または5%のヒトAB血清を補充した対照培地X−VIVO(商標)15(Lonza、カタログ番号BE02−054Q)中で培養した。5および7日目にT細胞をBeckman−Coulter Vi−CELL XR分析機で計数し、3、5、および7日目に5×105vc/mLの密度まで供給した。11日目にDYNABEADS(登録商標)を培養物から除去し、細胞を回転させて、条件培地を除去し、新鮮な培地中に一晩静置した。100万個のT細胞を、1:1のビーズ対細胞比でDYNABEADS(登録商標)CD3で再刺激し、24時間インキュベートした。Luminex(商標)用Invitrogen Cytokine Human Magnetic35−Plex Panelによる分析のために、上清を収集し、処理した。図11および表11に描写されるように、結果は、CD補助剤1を含有する無血清培地中で増殖させたT細胞が、対照血清含有培地と比較した場合に、IFN−γ産生の障害なく、同様のサイトカイン産生プロファイルを示すことを示す。結果は、2つの独立した実験を代表するものである。
実施例6
材料/方法:
2−デオキシ−D−グルコースの調製:2−デオキシ−D−グルコース(2−DG、164.16g/mol)は、(Acros Organics、カタログ番号111980−250)によって製造された。2−DG溶液を、100mMのストック濃度で滅菌濾過水中に調製し、その後各チューブ内1mLの最終体積でEppendorfチューブ内にアリコートした。
細胞培養:T細胞の分離:正常なドナー由来の非特定化された凍結アフェレーシスバッグを、HemaCare Corp.(Van Nuys,CA91406)から入手した。DYNABEADS(登録商標)UNTOUCHED(商標)ヒトT細胞キット(Thermo Fisher Scientific、カタログ番号11344D)を用いて、正常なドナー由来の初代ヒトT細胞を、PBMCから負に単離した。
T細胞活性化および増殖:T細胞(播種密度1×106vc/mL)を、1個のT細胞当たり3個のビーズの割合で、DYNABEADS(登録商標)ヒトT増殖剤CD3/CD28(Thermo Fisher Scientific、カタログ番号11141D)を用いて活性化し、無血清培地、無動物起源培地中で培養した。5、7、10、および12日目にT細胞をVi−CELL XR分析機(Beckman Coulter、Indianapolis IN)で計数し、2−DG(0.25mM、0.5mM、1mM、2mM、および4mM)ならびに5%のヒトAB血清ありまたはなしで、3、5、および7日目に5×105vc/mLの密度まで、ならびに10日目に1×106vc/mLの密度まで供給した。
いくつかの研究のために、CD8+およびCD4+T細胞を、Untouched Human CD8+およびCD4+T細胞キットを使用した負の選択によって、PBMCから単離した。ナイーブおよび非ナイーブT細胞を、CD45RAナノビーズ(Miltenyi)を使用した正の選択によって、富化T細胞から単離した。
表現型:初代ヒトT細胞を、2−DGおよび5%のヒトAB血清ありおよびなしで、10日間増殖させた。DYNABEADS(登録商標)を、磁気分離によって2×106個の細胞から除去した。CD3(Invitrogen、カタログ番号CD0329)、CD4(Molecular Probes、カタログ番号A15858)、CD8(Invitrogen、カタログ番号MHCD0828)。GalliosフローサイトメーターおよびKaluzaソフトウェア(Beckman Coulter、Indianapolis IN)で、フローサイトメトリー分析を行った。
サイトカインプロファイル:DYNABEADS(登録商標)UNTOUCHED(商標)ヒトT細胞キット(Thermo Fisher Scientific、カタログ番号11344D)を用いて、正常なドナー由来の初代ヒトT細胞を、PBMCから負に単離した。T細胞(播種密度1×106vc/mL)を、1個のT細胞当たり3個のビーズの割合で、DYNABEADS(登録商標)ヒトT増殖剤CD3/CD28(Thermo Fisher Scientific、カタログ番号11141D)を用いて活性化し、無血清かつ無動物起源培地または5%のヒトAB血清を補充した対照培地X−VIVO(商標)15(Lonza、カタログ番号BE02−054Q)中で培養した。5、7、10、および12日目にT細胞をVi−CELL XR分析機(Beckman Coulter、Indianapolis IN)で計数し、3、5、および7日目に5×105vc/mLの密度まで、ならびに10日目に1x106vc/mLの密度まで供給した。10日目にDYNABEADS(登録商標)を培養物から磁気的に除去し、細胞を回転させて、条件培地を除去し、新鮮な培地中に一晩静置した。100万個のT細胞を、1:1のビーズ対細胞比のDYNABEADS(登録商標)ヒトT増殖剤CD3/CD28(Thermo Fisher Scientific、カタログ番号11141D)で再刺激し、24時間インキュベートした。Luminex(商標)用Cytokine Human Magnetic35−Plex Panel(Thermo Fisher Scientific、カタログ番号LHC6005M)による分析のために、上清を収集し、処理した。MAGPIX(登録商標)系(Luminex Corporation、Austin TX)を使用して、分析を行った。
結果:
細胞の成長および生存率:T細胞の増殖を、累積集団倍加として表す。結果は、少なくとも3つの独立した実験を代表するものである。表12、14〜15、18〜19、22〜23はそれぞれ、図12、15〜16、19〜20、24〜25に表示されるグラフ結果を定量化する。図12の結果は、2−DGの補充が、T細胞成長に影響を与えないことを実証する。より低い濃度の2−DGは、無血清培地中のより高い濃度と比較して、(累積集団倍加として表される)最適以下のT細胞増殖を提供する。4mMの2−DGは、約6倍の集団倍加まで増殖した。実施形態では、2−DGの濃度は、4mM以下である。実施形態では、2−DGの濃度は、0.5mM以下である。実施形態では、2−DGの濃度は、0.25mM以下である。
図15および16は、ナイーブおよび非ナイーブT細胞の成長曲線を実証する。細胞増殖は、累積集団倍加として表される。細胞は、4mMの2−DGありまたはなしで、5%のヒト血清を有するX−VIVO(商標)15中で、12日間増殖させた。2−DGの補充は、いずれの細胞型の成長にも影響を与えなかった。
図15および16は、ナイーブおよび非ナイーブT細胞の成長曲線を実証する。細胞増殖は、累積集団倍加として表される。細胞は、4mMの2−DGありまたはなしで、5%のヒト血清を有するX−VIVO(商標)15中で、12日間増殖させた。2−DGの補充は、いずれの細胞型の成長にも影響を与えなかった。
CD4+およびCD8+T細胞を、2つの異なるCD4+:CD8+比(5:1および10:1)で混合して、2−DGがCD8+T細胞に与える効果を決定した。2−DGの有無に関わらず、全ての条件は、約6〜7倍の集団倍加まで増殖した。結果は、細胞成長における2−DG処理の効果が、両方の混合物で類似していたことを例示する。(図19および20)。
図25は、図24と同じ成長データを示しているが、最適条件を用いたものである。T細胞を、異なる時点(0、3、5、7日目)および細胞の供給ごとに、0.25mmの2−DGとともに培養した。全ての条件は、約6〜7倍の集団倍加まで成長した。
表現型:図13は、分化表現型決定のゲーティング戦略を描写する。増殖前の0日目に、CD8+T細胞の頻度は、19%で開始した。増殖後の10日目に、2−DGを添加せずに、CD8+T細胞集団は、30%まで成長した。しかしながら、0.25mMおよび0.5mMの2−DGでは、CD8+T細胞の数は、48%まで増加した。
図14は、増殖前(0日目)の元のサブセット分布と比較したCD8+:CD4+比を描写する。結果は、0日目と比較して、CD8+:CD4+T細胞比の約3.2倍の増加が存在したことを表す。
図17および18は、増殖前(0日目)の元のサブセット分布と比較したCD8+:CD4+比を示す。結果は、非ナイーブT細胞内での影響がより少ないナイーブT細胞内で、CD8+:CD4+T細胞比の3.4倍の増加が存在することを実証する。
図21および図22は、増殖前の2つの集団の頻度を表す増殖前(0日目)の元のサブセット分布と比較した、CD4+/CD8+比の平均変化を描写する。2−DGは、0日目と比較して、CD8+T細胞の大きな欠損を補正することができた。
図26は、0日目と比較したCD8+:CD4+T細胞比の倍数増加を表す。結果は、7日目のみおよび細胞の供給ごとに、細胞を0.25mMの2−DGとともに培養することで、CD8+T細胞の同じ3倍の増加がもたらされることを実証する。
サイトカインプロファイル:
T細胞を12日間増殖させ、(登録商標)ヒトT増殖剤CD3/CD28を用いて再刺激した。再刺激時のサイトカイン産生を、LUMINEX(商標)用Invitrogen Cytokine Human Magnetic35−Plex Panelを用いて評価した。35プレックスのアッセイのうち15個のサイトカインが示された。全ての値を、5%のヒトAB血清を補充したX−VIVO(商標)15培地に対して正規化した。結果は、サイトカイン産生に変化が存在しないことを実証し、これは、2−DGが、マルチプレックスサイトカインアッセイによって測定して、細胞の機能を変化させないことを意味する(図27)。

実施例7
材料/方法:
2−デオキシ−D−グルコースの調製:2−デオキシ−D−グルコース(2−DG、164.16g/mol)は、Acros Organics(Thermo Fisher Scientificの一部)によって製造された。2−DG溶液を、100mMのストック濃度で滅菌濾過水中に調製し、その後各チューブ内1mLの最終体積でEppendorfチューブ内にアリコートした。
細胞培養:T細胞の単離:正常なドナー由来の非特定化された凍結アフェレーシスバッグを、HemaCareから入手した。DYNABEADS(登録商標)UNTOUCHED(商標)ヒトT細胞キット(Thermo Fisher Scientific、カタログ番号11344D)を用いて、正常なドナー由来の初代ヒトT細胞を、PBMCから負に単離した。
T細胞活性化および増殖:T細胞(播種密度1×106vc/mL)を、1個のT細胞当たり3個のビーズの割合で、DYNABEADS(登録商標)ヒトT増殖剤CD3/CD28(Thermo Fisher Scientific、カタログ番号11141D)を用いて活性化し、無血清培地、無動物起源培地中で培養した。5、7、10、および12日目にT細胞をVi−CELL XR分析機(Beckman Coulter、Indianapolis IN)で計数し、2−DG(0.25mM、0.5mM、1mM、2mM、および4mM)ならびに5%のヒトAB血清ありまたはなしで、3、5、および7日目に5×105vc/mLの密度まで、ならびに10日目に1×106vc/mLの密度まで供給した。
いくつかの研究のために、CD8+およびCD4+T細胞を、Untouched Human CD8+およびCD4+T細胞キットを使用した負の選択によって、PBMCから単離した。ナイーブおよび非ナイーブT細胞を、CD45RAナノビーズ(Miltenyi)を使用した正の選択によって、富化T細胞から単離した。
表現型:初代ヒトT細胞を、2−DGおよび5%のヒトAB血清ありおよびなしで、10日間増殖させた。DYNABEADS(登録商標)を、磁気分離によって2×106個の細胞から除去した。CD3(Invitrogen、カタログ番号CD0329)、CD4(Molecular Probes、カタログ番号A15858)、CD8(Invitrogen、カタログ番号MHCD0828)。GalliosフローサイトメーターおよびKaluzaソフトウェア(Beckman Coulter、Indianapolis IN)で、フローサイトメトリー分析を行った。
サイトカインプロファイル:DYNABEADS(登録商標)UNTOUCHED(商標)ヒトT細胞キット(Thermo Fisher Scientific、カタログ番号11344D)を用いて、正常なドナー由来の初代ヒトT細胞を、PBMCから負に単離した。T細胞(播種密度1×106vc/mL)を、1個のT細胞当たり3個のビーズの割合で、DYNABEADS(登録商標)ヒトT増殖剤CD3/CD28(Thermo Fisher Scientific、カタログ番号11141D)を用いて活性化し、無血清かつ無動物起源培地または5%のヒトAB血清を補充した対照培地X−VIVO(商標)15(Lonza、カタログ番号BE02−054Q)中で培養した。5、7、10、および12日目にT細胞をVi−CELL XR分析機(Beckman Coulter、Indianapolis IN)で計数し、3、5、および7日目に5×105vc/mLの密度まで、ならびに10日目に1x106vc/mLの密度まで供給した。10日目にDYNABEADS(登録商標)を培養物から磁気的に除去し、細胞を回転させて、条件培地を除去し、新鮮な培地中に一晩静置した。100万個のT細胞を、1:1のビーズ対細胞比のDYNABEADS(登録商標)ヒトT増殖剤CD3/CD28(Thermo Fisher Scientific、カタログ番号11141D)で再刺激し、24時間インキュベートした。Luminex(商標)用Cytokine Human Magnetic35−Plex Panel(Thermo Fisher Scientific、カタログ番号LHC6005M)による分析のために、上清を収集し、処理した。MAGPIX(登録商標)系(Luminex Corporation、Austin TX)を使用して、分析を行った。
結果:
細胞の成長および生存率:T細胞の増殖を、累積集団倍加として表す。結果は、少なくとも3つの独立した実験を代表するものである。表25、27〜28、31、33〜34、37〜38、および40〜41はそれぞれ、図28、31〜32、35、38〜39、43〜44、および46〜47に表示されるグラフ結果を定量化する。図28は、バルクT細胞内での2−DG(0、1mM、2mM、および4mM)の用量応答を例示する。結果は、2−DGの補充が、T細胞成長に影響を与えないことを実証する。図31および32は、ナイーブおよび非ナイーブT細胞の成長曲線を実証する。細胞増殖は、累積集団倍加として表される。細胞は、4mMの2−DGありまたはなしで、5%のヒト血清とともに12日間増殖させた。2−DGの補充は、ナイーブT細胞内での成長には影響を与えなかったが、非ナイーブT細胞にはわずかな効果が存在した。
図35は、バルクT細胞内での2−DGのより小さな用量応答(0.25mMおよび0.5mM)を例示する。より低い濃度の2−DGを試験したのは、異なる用途では異なる濃度の2−DGが必要とされるようであるためである(設定した比でのCD4+T細胞とCD8+T細胞との混合)。結果は、2−DGの補充が、より低い濃度であってもT細胞成長に影響を与えないことを示す。
図38および39では、CD4+およびCD8+T細胞を、2つの異なるCD4:CD8比(5:1および10:1)で混合して、2−DGがCD8+T細胞に与える効果を決定した。2−DGの有無に関わらず、全ての条件は、約6〜7倍の集団倍加まで増殖した。結果は、細胞成長における2−DG処理の効果が、両方の混合物で類似していたことを例示する。
図43は、図17と同じ成長データを示しているが、最適条件を用いたものである。T細胞を、異なる時点(0、3、5、7日目)および細胞の供給ごとに、0.25mmの2−DGとともに培養した。全ての条件は、約6〜7倍の集団倍加まで成長した。
図46および47は、それぞれ2−DGを有するCD脂質濃縮物1(CLC1)およびCD脂質濃縮物2(CLC2)の用量応答を例示する。結果は、2−DGありまたはなしの1:1000のCLC1および1:1000のCLC2が、T細胞の最適な成長を実証することを示す。
表現型:
図29は、分化表現型決定のゲーティング戦略を描写する。増殖前の0日目に、CD8+T細胞の頻度は、27%で開始した。増殖後の10日目に、2−DGを添加せずに、CD8+T細胞集団は、38%まで成長した。しかしながら、4mMの2−DGでは、CD8+T細胞の数は、63%まで増加した。
図30は、増殖前(0日目)の元のサブセット分布と比較したCD8+:CD4+比を描写する。結果は、4mMの2−DGが、増殖前の0日目と比較して、CD8:CD4比の4.1倍の増加をもたらすことを示す。
図33および34は増殖前(0日目)の元のサブセット分布と比較したCD8+:CD4+比を表す。結果は、非ナイーブT細胞内での影響がより少ないナイーブT細胞内での、CD8:CD4比の2.4倍の増加が存在することを実証する。
図36は、分化表現型決定のゲーティング戦略を描写する。増殖前の0日目に、CD8+T細胞の頻度は、19%で開始した。増殖後の10日目に、2−DGを添加せずに、CD8+T細胞集団は、30%まで成長した。しかしながら、0.25mMおよび0.5mMの2−DGでは、CD8+T細胞の数は、48%まで増加した。単一のドナーからの代表的なもの。
図37は、増殖前(0日目)の元のサブセット分布と比較したCD8+:CD4+比を描写する。結果は、増殖前の0日目と比較して、0.25mMおよび0.5mmの2−DGでは、CD8:CD4比の2.1および2.2倍の増加が存在することを示す。3人の異なるドナーからの代表的なものである。
図40および41は、増殖前の2つの集団の頻度を表す増殖前(0日目)の元のサブセット分布と比較した、CD4+/CD8+比の平均変化を描写する。2−DGは、増殖前の0日目と比較して、CD8+T細胞の大きな欠損を補正することができた。
図45は、0日目と比較したCD8:CD4比の倍数増加を表す。結果は、7日目のみに0.25mMの2−DGとともに細胞を培養すると、供給ごとに細胞を2−DGとともに培養した場合と同じ結果が実証され、両方とも、CD8:CD4比の3倍の増加をもたらしたことを示す。これにより、2−DG操作を、プロセス開発のツールとして我々のプロトコルに添加することが、より容易になる。
図48および49は、0日目と比較したCD8:CD4比の倍数増加を表す。結果は、0日前の増殖前と比較して、CLC1を有する2−DGの追加時にCD8:CD4比の1.6倍の増加が存在し、CLC2を有する2−DGの追加時にCD8:CD4比の1.4倍の増加が存在することを示す。
サイトカインプロファイル:
T細胞を12日間増殖させ、(登録商標)ヒトT増殖剤CD3/CD28を用いて再刺激した。再刺激時のサイトカイン産生を、LUMINEX(商標)用Invitrogen Cytokine Human Magnetic35−Plex Panelを用いて評価した。結果は、サイトカイン産生に変化が存在しないことを実証し、これは、示されるように、2−DGが、マルチプレックスサイトカインアッセイによって測定して、細胞の機能を変化させないことを意味する(データ示さず)。
実施例8:脂質を含有する無血清培地(SFM)でのワクチン産生のための二倍体細胞の培養
背景
ウシ胎仔血清によって伝統的に供給される脂質もまた、無血清培地中で成長する二倍体細胞および最適な二倍体細胞増殖に必要であるようである。
一般に、二倍体細胞は、ワクチン産生に使用され、これは、ウイルス全体もしくはウイルスの一部、ウイルス粒子、ウイルスタンパク質、ウイルスDNA、またはそれらの断片の産生に関与し得る。ワクチン用に産生されているウイルスの例には、水痘帯状疱疹(VZV)、風疹、麻疹、MMR、A型肝炎、アデノウイルス、ポリオ、ロタウイルス、狂犬病または水疱性口内炎ウイルス(VSV)、デングウイルス等が含まれるが、これらに限定されない。ワクチン産生に使用される細胞には、MRC−5、MRC−5 RCB、WI−38、2BS、Walvax−2、KMB−17、IMR−90、IMR−91等のヒト二倍体細胞、自社内のワクチン製造に使用される他の独自の二倍体細胞株、およびVERO(アフリカミドリザル腎臓)細胞等の非ヒト二倍体細胞が含まれる。
ワクチン製造業者は一般に、10%のウシ血清を含有する古典的培地中で二倍体細胞を培養しており、血清に関連する潜在的な規制およびサプライチェーンのリスクのために、無血清配合物への移行を望んでいる。代謝物分析および実験計画法(DOE)の理論的根拠を使用して、我々は、二倍体細胞の「成長」のための最初の無血清培地(SFM)を開発し、我々はまた、これを二倍体成長SFMとも呼んでいる。二倍体成長SFMを使用する利点は、それが無血清であり、それが解凍から無順応増殖まで細胞の直接的な回収を支持し、それが血清含有培地中で以前に凍結させた二倍体細胞の回収を支持することができるためであり、これらは全て、血清含有培地と同等の性能をもたらしながら行われる。ウイルスの産生要件は、細胞成長要件とは異なるため、二倍体産生培地は、別個に最適化され、これにより、無動物起源(AOF)二倍体産生SFMの作製がもたらされた。合わせると、二倍体成長SFMおよびAOF二倍体産生SFMは、製造業者がウシ血清アルブミン(BSA)の存在を懸念することなくワクチンを生産する機会を与え、これによりWHOが設定した50ng/用量のBSA制限を満たす。無血清プロセスに切り替えることによって、ワクチン製造業者は、血清への依存を低減し、生産および精製コストを低減し、製品の一貫性および安全性を増加させることができる。
材料および方法
下記のCDシクロデキストリン−脂質補助剤を調製するための組成物および方法論は、実施例1:CD補助剤配合物の下に上記のものと同じである。二倍体成長補助剤(Thermo Fisher Scientific、カタログ番号A39695SA)を、下記のように、CDシクロデキストリン−脂質補助剤ありまたはなしで調製した。
1.細胞培養
MRC−5 pd19細胞(ECACC、カタログ番号05072101)を、CD脂質補助剤ありまたはなしで、6mMのL−グルタミンおよび1%の二倍体成長補助剤を含有する二倍体基本SFM(Thermo Fisher Scientific、カタログ番号No.A39693DK)中に解凍した。対照のために、MRC−5 pd19細胞を、10%のウシ胎児血清(Thermo Fisher Scientific、カタログ番号10082)、4mMのL−グルタミン、および2g/LのD−グルコースを補充したMEMα培地(Thermo Fisher Scientific、カタログ番号12571−063)中に解凍した。細胞を、ダルベッコリン酸緩衝食塩水(Thermo Fisher Scientific、カタログ番号14190−136)で洗浄し、トリプシン−EDTA(0.05%)(Thermo Fisher Scientific、カタログ番号25300−054)で解離させ、定義された2×トリプシン阻害剤(Thermo Fisher Scientific、カタログ番号R−007−100)で反応停止させ、3〜4日ごとに継代した。細胞計数は、Vi−CELL XR分析機(Beckman Coulter、Indianapolis,IN)を使用して行い、通気Tフラスコ75cm2(Corning、カタログ番号353136)内での3日間の培養のために、25mLの成長培地中に0.6×106VCDの密度で播種したか、または通気Tフラスコ75cm2(Corning、カタログ番号353136)内での4日間の培養のために、25mLの成長培地中に0.3×106VCDの密度で播種した。で播種した。
2.ウイルス産生
ウイルス産生(例えば、水痘帯状疱疹ウイルス産生)のために、例示的な二倍体細胞、例えば、MRC−5を、6mMのL−グルタミンおよび1%の二倍体産生(Thermo Fisher Scientific、カタログ番号A39696SA)を含有する二倍体基本SFM(Thermo Fisher Scientific、カタログ番号A39693DK)中、または対照のために、10%のウシ胎児血清(Thermo Fisher Scientific、カタログ番号10082)、4mMのL−グルタミン、および2g/LのD−グルコースを補充したMEMα培地中のいずれかで、40,000個の細胞/cm2で播種した。24時間後、培地を、6mMのL−グルタミンを含有する二倍体SFM、または2%のFBS、4mMのL−グルタミン、および2g/LのD−グルコースを有するMEMαとそれぞれ交換した。細胞を、水痘帯状疱疹ウイルス(ATCC(登録商標)VR−1367(商標))に0.01のMOIで感染させ、2日後に採取した。ウイルス力価を、TCID50アッセイによって決定した。
結果
細胞成長および生存率測定
二倍体生細胞密度(VCD)は、1ミリリットルあたりの生存細胞として表され、二倍体成長SFM対血清含有培地対照(MEMα+10%のFBS)内の各細胞株の対照%として示され、これらの結果は、少なくとも3つの独立した実験を代表するものである。
以下の図50および表44は、対照MEMα培地+10%FBS内での各細胞株の成長と比較した、5継代にわたるMRC−5、WI−38、およびIMR−90細胞株の平均%(VCD)を描写する。結果は、MRC−5細胞の場合、成長は、血清含有培地対照の成長とほぼ同等であることを示す。
以下の図51および表45は、対照MEMα培地中で成長させたMRC−5細胞と比較した、脂質補充ありまたはなしの二倍体成長SFM中のMRC−5細胞のVCDの比較を描写する。さらに、1)「脂質濃縮物」(1:100および1:1000)(Thermo Fisher Scientific、カタログ番号11905−031)中、ならびに2)CD補助剤1および2(各々1:2000および1:500)中で、2種類の脂質補充の比較を行った(これらの調製は、実施例1に上記)。結果は、CD補助剤1および2が、脂質濃縮物(1:100および1:1000)と比較して、MRC−5のVCDを増加させることを示す。加えて、結果はまた、CD(シクロデキストリンベースの)補助剤1および2が、血清含有培地中のVCDと同等のMRC−5 VCDを増加させたことも示す(図51および表45)。
したがって、CD脂質補助剤を含有する二倍体SFMは、血清含有培地の二倍体細胞成長と同等であるか、またはそれより優れた二倍体細胞成長をもたらす。
以下の図52および表46は、二倍体SFM中で成長させたMRC−5細胞が、血清含有培地中で成長させた細胞の水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)産生と同等の水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)産生をもたらすことを実証する。
(上記に示される)ヒト二倍体細胞の培養に加えて、二倍体成長補助剤CD1またはCD2を含む二倍体成長SFMはまた、VERO細胞等の非ヒト二倍体細胞も培養することができた(データ示さず)。
SFM条件下でウイルス産生用の細胞を成長させるためのキット
二倍体および非二倍体細胞を含む、ワクチン産生用の細胞を培養するための例示的なキットは、キット1および2に示される以下の成分を含有し得る。
キット1は、1Lの二倍体基本培地+10mLの二倍体成長補助剤または10Lの二倍体基本培地+100mLの二倍体成長補助剤からなる。
キット2は、1Lの二倍体基本培地+10mLの二倍体産生補助剤または10Lの二倍体基本培地+100mLの二倍体産生補助剤からなる。
いくつかの実施形態では、二倍体成長補助剤のみが、シクロデキストリン脂質を含有してもよい一方で、二倍体基本培地および二倍体産生補助剤は、シクロデキストリンおよび/または脂質を含有しない。
ワクチン産生細胞を培養するためのこれらの以下のキットは、Thermo Fisher Scientificから入手可能である。
別の実施形態では、二倍体成長補助剤および二倍体産生補助剤の両方が、シクロデキストリンおよび/または脂質を含有してもよい。
SFM条件下で培養した二倍体細胞が使用されるいくつかの用途
1.これら全てが参照により本明細書に組み込まれる、以下の参考文献に記載の方法および/またはプロトコルを使用する、ウイルス/ワクチン産生用。
a)Mirchamsy et al.,Arch.Inst.Razi,(1979)31,97−102.Production of Measles and Rubella virus vaccines、
b)Rabies Vaccine Imovax(登録商標)Rabies by Sanofi Pasteur,April(2013)v0.2 https://www.fda.gov/downloads/biologicsbloodvaccines/vaccines/approvedproducts/ucm133484.pdf。
c)Liu et al.,“High Genetic Stability of Dengue Virus Propagated in MRC−5Cells as Compared to the Virus Propagated in Vero Cells,”3:e1810(2008)。
2.参照により本明細書に組み込まれる、例えば、Hong,Virology Journal(2015)12:101に記載の方法および/またはプロトコルを使用する、ワクチン産生の有効性の試験用、またはウイルス力価の決定用。
3.MRC−5細胞、Vero細胞等の指標細胞株に対する細胞変性効果の検出を通した、i)抗ウイルス剤、ii)外来性作用物質の試験用(参照により本明細書に組み込まれる、例えば、http://www.mds−usa.com/cellcharacter_adventitious.htmlを参照されたい)。
4.好適なトランスフェクション試薬を用いたトランスフェクション用(参照により本明細書に組み込まれる、例えば、http://www.merckmillipore.com/INTERSHOP/web/WFS/Merck−JP−Site/ja_JP/−/JPY/ShowDocument−Pronet?id=201708.146を参照されたい)。
5.CMV、狂犬病、単純ヘルペス、VSV、エコー、ライノウイルス(参照により本明細書に組み込まれる、Dilnessa et al.,Journal of Microbiology and Modern Techniques,2:102(2007))の診断試験用(例えば、CMV:Gregory et al.,JOURNAL OF CLINICAL MICROBIOLOGY,17:605−609(1983))。
6.細胞モデル内(例えば、肺がんモデル(参照により本明細書に組み込まれる、Zuchowska et al.,Biomicrofluidics11:024110(2017)))。
7.染色体不安定性の研究用(Conry et al.,PNAS107:15455−15460(2010)を参照されたい)、または複製老化の研究用(https://www.activemotif.com/catalog/details/40310/wi−38−nuclear−extractを参照されたい)。これらは、両方とも参照により本明細書に組み込まれる。
他の実施形態
本発明を、発明を実施するための形態と併せて記載している一方で、前述の記載は、例示を意図し、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を制限するものではない。他の態様、利点、および修正は、以下の特許請求の範囲の範囲内である。
本明細書で言及される特許および科学文献は、当業者に利用可能な知識を確立する。本明細書に引用される全ての米国特許および公開または非公開米国特許出願は、参照により組み込まれる。本明細書に引用される全ての公開外国特許および特許出願は、参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に引用される受託番号によって示されるGenBankおよびNCBIへの提出は、参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に引用される他の全ての公開参考文献、文書、原稿、および科学文献は、参照により本明細書に組み込まれている。
本発明が、その好ましい実施形態を参照して具体的に示され、記載される一方で、当業者であれば、形態および詳細の様々な変更が、添付の特許請求の範囲によって包含される本発明の範囲から逸脱することなく、その中で行われ得ることを理解するであろう。
本発明の例示的な主題を、以下の項によって表す。
項1.(i)T細胞の集団、ならびに(ii)シクロデキストリンおよび少なくとも1つの脂質を含む細胞培地を含む、組み合わせ。
項2.少なくとも1つの脂質が、コレステロール、脂肪酸、脂肪酸エステル、リン脂質、またはグリセロ脂質である、項1に記載の組み合わせ。
項3.脂肪酸が、飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、または多価不飽和脂肪酸である、項2に記載の組み合わせ。
項4.脂肪酸が、オメガ−3脂肪酸、オメガ−6脂肪酸、またはオメガ−9脂肪酸である、項2または3に記載の組み合わせ。
項5.脂肪酸が、リノール酸である、項2〜4のいずれかに記載の組み合わせ。
項6.リノレン酸をさらに含む、項5に記載の組み合わせ。
項7.リノレン酸が、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、またはα−リノレン酸およびγ−リノレン酸である、項6に記載の組み合わせ。
項8.アラキドン酸をさらに含む、項5〜7のいずれかに記載の組み合わせ。
項9.ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、またはステアリン酸をさらに含む、項5〜8のいずれかに記載の組み合わせ。
項10.少なくとも1つの脂質が、少なくとも2、3、4、5、6、7、または8つの異なる脂肪酸である、項1〜9のいずれかに記載の組み合わせ。
項11.少なくとも1つの脂質が、2、3、4、5、6、7、または8つの異なる脂肪酸である、項1〜10のいずれかに記載の組み合わせ。
項12.少なくとも1つの脂質が、
(a)リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、もしくはステアリン酸のいずれか1つ、
(b)リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、およびステアリン酸のうちの2、3、4、5、6、もしくは7つ、
(c)リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、およびステアリン酸、
(d)飽和脂肪酸であって、酪酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、もしくはセロチン酸である、飽和脂肪酸、
(e)一価不飽和脂肪酸であって、パルミトレイン酸、オレイン酸、エイコセン酸、エルカ酸、もしくはネルボン酸である、一価不飽和脂肪酸、
(f)多価不飽和脂肪酸であって、ヘキサデカトリエン酸、リノール酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、ステアリドン酸、エイコサジエン酸、エイコサトリエン酸、ジホモ−γ−リノレン酸、ミード酸、アラキドン酸、エイコサテトラエン酸、エイコサペンタエン酸、ヘネイコサペンタエン酸、ドコサジエン酸、アドレン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、テトラコサテトラエン酸、テトラコサペンタエン酸、テトラコサペンタエン酸、もしくはテトラコサヘキサエン酸である、多価不飽和脂肪酸、
(g)オメガ−3脂肪酸であって、ヘキサデカトリエン酸、α−リノレン酸、ステアリドン酸、エイコサトリエン酸、エイコサテトラエン酸、エイコサペンタエン酸、ヘネイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、テトラコサペンタエン酸、もしくはテトラコサヘキサエン酸である、オメガ−3脂肪酸、
(h)オメガ−6脂肪酸であって、リノール酸、γリノレン酸、エイコサジエン酸、ジホモ−γ−リノレン酸、アラキドン酸、ドコサジエン酸、アドレン酸、ドコサペンタエン酸、テトラコサテトラエン酸、もしくはテトラコサペンタエン酸である、オメガ−6脂肪酸、または
(i)オメガ−9脂肪酸であって、パルミトレイン酸、オレイン酸、エイコセン酸、エルカ酸、ネルボン酸、またはミード酸である、オメガ−9脂肪酸である、項1〜11のいずれかに記載の組み合わせ。
項13.少なくとも1つの脂質が、コレステロールである、項1または2の組み合わせ。
項14.コレステロールが、合成コレステロールである、項13の組み合わせ。
項15.シクロデキストリンが、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、またはγ−シクロデキストリンである、項1〜14のいずれかに記載の組み合わせ。
項16.シクロデキストリンが、メチル化されている、項1〜15のいずれかに記載の組み合わせ。
項17.シクロデキストリンが、メチル−β−シクロデキストリンである、項16に記載の組み合わせ。
項18.シクロデキストリンが、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン、2−ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、2,6−ジメチル−α−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、β−シクロデキストリンポリスルフェート、トリメチルβ−シクロデキストリン、またはγ−シクロデキストリンポリスルフェートである、項1〜16のいずれかに記載の組み合わせ。
項19.組成物が、複数の異なるシクロデキストリンを含み、複数のシクロデキストリンが、少なくとも2つのシクロデキストリンを含む、1〜18のいずれかに記載の組み合わせ。
項20.複数のシクロデキストリンが、少なくとも1つのα−シクロデキストリン、少なくとも1つのβ−シクロデキストリン、および/または少なくとも1つのγ−シクロデキストリンを含む、項19に記載の組み合わせ。
項21.リノール酸、コレステロール、およびシクロデキストリンを含む、項1〜20のいずれかに記載の組み合わせ。
項22.シクロデキストリンおよびコレステロールを含み、シクロデキストリン対コレステロールのモル比が、10.5:1未満である、項1〜21のいずれかに記載の組み合わせ。
項23.シクロデキストリンおよび少なくとも1つの脂肪酸を含み、シクロデキストリン対少なくとも1つの脂肪酸のモル比が、11.5:1未満である、項1〜21のいずれかに記載の組み合わせ。
項24.シクロデキストリン、コレステロール、および少なくとも1つの脂肪酸を含み、シクロデキストリン対コレステロールおよび少なくとも1つの脂肪酸のモル比が、7.5:1未満である、項1〜21のいずれかに記載の組み合わせ。
項25.シクロデキストリン、コレステロール、および少なくとも1つの脂肪酸を含み、シクロデキストリン対コレステロールおよび少なくとも1つの脂肪酸のモル比が、5.5:1未満である、項1〜21のいずれかに記載の組み合わせ。
項26.シクロデキストリン、コレステロール、および少なくとも1つの脂肪酸を含み、シクロデキストリン対コレステロールおよび少なくとも1つの脂肪酸のモル比が、4.5:1未満である、項1〜21のいずれかに記載の組み合わせ。
項27.プロスタグランジン、コルチコステロイド、ロイコトリエン、リポキシン、プロテクチン、レゾルビン、オリゴヌクレオチド、または疎水性薬物化合物をさらに含む、項1〜26のいずれかに記載の組み合わせ。
項28.疎水性薬物化合物が、エトモキシルまたはスタチンである、項27に記載の組み合わせ。
項29.細胞培養培地が、約200μM未満であるレベルのシクロデキストリンを含む、項1〜28のいずれかに記載の組み合わせ。
項30.細胞培養培地が、約50μM〜約200μMであるレベルのシクロデキストリンを含む、項1〜28のいずれかに記載の組み合わせ。
項31.細胞培養培地が、約10μM〜約30μMであるレベルのコレステロールを含む、項1〜30のいずれかに記載の組み合わせ。
項32.細胞培養培地中の少なくとも1つの脂質のレベルが、約10μM〜約30μMである、項1〜31のいずれかに記載の組み合わせ。
項33.薬物化合物を含まない、項1〜26または29〜32のいずれかに記載の組み合わせ。
項34.アルプロスタジル、セフォチアムヘキセチルHCl、ベネクセートHCl、デキサメタゾン、ヨード、ニコチン、ニメスリド、ニトログリセリン、オメプラゾール、PGE2、ピロキシカム、チアプロフェン酸、シサプリド、ヒドロコルチゾン、ルドメタシン、イトラコナゾール、マイトマイシン、17β−エストラジオール、クロラムフェニコール、ボリコナゾール、マレイン酸ジプラシドウ、ジクロフェナクナトリウム、エトモキシル、またはスタチンを含まない、項1〜26または29〜32のいずれかに記載の組み合わせ。
項35.疎水性薬物化合物を含まない、項1〜26または29〜32のいずれかに記載の組み合わせ。
項36.(i)細胞培養培地が、アルブミンを含むか、または(ii)細胞培養培地が、アルブミンを含まない、項1〜35のいずれかに記載の組み合わせ。
項37.(i)細胞培養培地が、アルブミンを含むか、または(ii)細胞培養培地が、タンパク質を含まない、項1〜36のいずれかに記載の組み合わせ。
項38.細胞培養培地が、無血清細胞培養培地である、項1〜37のいずれかに記載の組み合わせ。
項39.T細胞の集団が、シクロデキストリンおよび少なくとも1つの脂質を含まない細胞培養培地と組み合わせたT細胞の集団内の対応するT細胞と比較して、表現型のより大きな保持、より大きな増殖、より大きな効力、および/またはより高い形質導入効率が可能なT細胞を含む、項1〜38のいずれかに記載の組み合わせ。
項40.2−デオキシ−D−グルコースをさらに含む、項1〜39のいずれかに記載の組み合わせ。
項41.1〜40項のいずれか1項に記載の組み合わせを含む、細胞培養プレートもしくはフラスコ、バッグ、生物発酵槽、または生物反応器系。
項42.リノール酸、少なくとも1つの他のオメガ−6脂肪酸、コレステロール、およびメチル化シクロデキストリンを含む、無血清細胞培養培地組成物。
項43.メチル化シクロデキストリンが、約50μM〜約200μMのレベルで存在する、項42に記載の組成物。
項44.コレステロールが、約10μM〜約30μMのレベルで存在する、項42または43に記載の組成物。
項45.リノール酸、少なくとも1つの他のオメガ−6脂肪酸、コレステロール、およびメチル化シクロデキストリンを含む、無血清細胞培養補助剤組成物。
項46.少なくとも1つの他のオメガ−6脂肪酸が、多価不飽和オメガ−6脂肪酸である、項42〜45のいずれかに記載の組成物。
項47.少なくとも1つの他のオメガ−6脂肪酸が、γリノレン酸、エイコサジエン酸、ジホモ−γ−リノレン酸、アラキドン酸、ドコサジエン酸、アドレン酸、ドコサペンタエン酸、テトラコサテトラエン酸、またはテトラコサペンタエン酸である、項42〜46のいずれかに記載の組成物。
項48.少なくとも1つの他のオメガ−6脂肪酸が、アラキドン酸である、項42〜47のいずれかに記載の組成物。
項49.α−リノレン酸をさらに含む、項42〜48のいずれかに記載の組成物。
項50.ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、またはステアリン酸をさらに含む、項42〜49のいずれかに記載の組成物。
項51.少なくとも3、4、5、6、7、または8つの異なる脂肪酸を含む、項42〜50のいずれかに記載の組成物。
項52.3、4、5、6、7、または8つの異なる脂肪酸を含む、項42〜50のいずれかに記載の組成物。
項53.
(a)リノレン酸、アラキドン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、もしくはステアリン酸のいずれか1つ、
(b)リノレン酸、アラキドン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、およびステアリン酸のうちの2、3、4、5、6、もしくは7つ、
(c)リノレン酸、アラキドン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、およびステアリン酸、
(d)飽和脂肪酸であって、酪酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、もしくはセロチン酸である、飽和脂肪酸、
(e)一価不飽和脂肪酸であって、パルミトレイン酸、オレイン酸、エイコセン酸、エルカ酸、もしくはネルボン酸である、一価不飽和脂肪酸、
(f)多価不飽和脂肪酸であって、ヘキサデカトリエン酸、リノール酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、ステアリドン酸、エイコサジエン酸、エイコサトリエン酸、ジホモ−γ−リノレン酸、ミード酸、エイコサテトラエン酸、エイコサペンタエン酸、ヘネイコサペンタエン酸、ドコサジエン酸、アドレン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、テトラコサテトラエン酸、テトラコサペンタエン酸、テトラコサペンタエン酸、もしくはテトラコサヘキサエン酸である、多価不飽和脂肪酸、
(g)オメガ−3脂肪酸であって、ヘキサデカトリエン酸、α−リノレン酸、ステアリドン酸、エイコサトリエン酸、エイコサテトラエン酸、エイコサペンタエン酸、ヘネイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、テトラコサペンタエン酸、もしくはテトラコサヘキサエン酸である、オメガ−3脂肪酸、
(h)オメガ−6脂肪酸であって、リノール酸、アラキドン酸、γリノレン酸、エイコサジエン酸、ジホモ−γ−リノレン酸、アラキドン酸、ドコサジエン酸、アドレン酸、ドコサペンタエン酸、テトラコサテトラエン酸、もしくはテトラコサペンタエン酸である、オメガ−6脂肪酸、または
(i)オメガ−9脂肪酸であって、パルミトレイン酸、オレイン酸、エイコセン酸、エルカ酸、ネルボン酸、またはミード酸である、オメガ−9脂肪酸である、項42〜52のいずれかに記載の組み合わせ。
項54.コレステロールが、合成コレステロールである、項42〜53のいずれかに記載の組成物。
項55.メチル化シクロデキストリンが、メチル化α−シクロデキストリン、メチル化β−シクロデキストリン、またはメチル化γ−シクロデキストリンである、項42〜54のいずれかに記載の組成物。
項56.メチル化シクロデキストリンが、メチル−β−シクロデキストリンである、項42〜55のいずれかに記載の組成物。
項57.非メチル化シクロデキストリンをさらに含む、項42〜56のいずれかに記載の組成物。
項58.メチル化シクロデキストリン対コレステロールのモル比が、10.5:1未満である、項42〜57のいずれかに記載の組成物。
項59.組成物中のメチル化シクロデキストリン対他の脂質とのモル比が、11.5:1未満である、項42〜58のいずれかに記載の組成物。
項60.(i)アルブミンを含むか、または(ii)アルブミンを含まない、項42〜59のいずれかに記載の組成物。
項61.(i)タンパク質を含むか、または(ii)タンパク質を含まない、項42〜60のいずれかに記載の組成物。
項62.2−デオキシ−D−グルコースをさらに含む、項42〜61のいずれかに記載の組成物。
項63.T細胞集団を培養するための方法であって、集団を、シクロデキストリンおよび少なくとも1つの脂質を含む細胞培養培地中でインキュベートすることを含む、方法。
項64.細胞培養培地が、項45〜62のいずれか1項に記載の無血清細胞培養補助剤組成物を含む、項63に記載の方法。
項65.T細胞集団が、CD8+T細胞を含む、項63または64に記載の方法。
項66.T細胞集団が、CD4+T細胞を含む、項63または64に記載の方法。
項67.T細胞集団が、CD8+T細胞およびCD4+T細胞を含む、項63または64に記載の方法。
項68.細胞培養培地が、2−デオキシ−D−グルコースをさらに含む、項63〜67のいずれかに記載の方法。
項69.集団内のCD8+T細胞対CD4+T細胞の比の変化を最小化しながら、CD8+T細胞およびCD4+T細胞を含むT細胞集団を培養する方法であって、シクロデキストリンおよび多価不飽和脂肪酸を含む細胞培養培地中で集団をインキュベートすることを含む、方法。
項70.多価不飽和脂肪酸が、オメガ−6多価不飽和脂肪酸である、項69に記載の方法。
項71.オメガ−6多価不飽和脂肪酸が、リノール酸である、項70に記載の方法。
項72.細胞培養培地が、コレステロールをさらに含む、項69〜71のいずれかに記載の方法。
項73.細胞培養培地が、リノレン酸をさらに含む、項71または72のいずれかに記載の方法。
項74.多価不飽和脂肪酸が、リノレン酸である、項69に記載の方法。
項75.細胞培養培地が、アラキドン酸をさらに含む、項69〜74のいずれかに記載の方法。
項76.CD8+T細胞対CD4+T細胞の比の変化を最小化することが、CD8+T細胞の数対CD4+T細胞の数が、集団が最初に培地と接触したときのCD8+T細胞の数対CD4+T細胞の数と比較して、25%、20%、15%、10%、または5%未満だけ異なる、CD8+T細胞対CD4+T細胞の比を維持することを含む、項69〜75のいずれかに記載の方法。
項77.集団が最初に培地と接触するとき、集団が、約1:1のCD8+T細胞対CD4+T細胞の比を含む、項69〜76のいずれかに記載の方法。
項78.培地が、(i)シクロデキストリン、(ii)コレステロール、および(iii)脂肪酸を含み、脂肪酸が、リノール酸、リノレン酸、およびアラキドン酸を含む、項69に記載の方法。
項79.培地が、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、およびステアリン酸のいずれか1つ、またはそれらの任意の組み合わせを欠く、項69〜78のいずれかに記載の方法。
項80.培地が、少なくとも1:1のリノール酸、リノレン酸、および/またはアラキドン酸対他の脂肪酸のモル比を含む、項69〜79のいずれかに記載の方法。
項81.T細胞が所望の数、分化段階、および/または表現型に達するまで十分な期間にわたって集団をインキュベートすることと、任意で、培養物からT細胞を採取することとをさらに含む、項69〜80のいずれかに記載の方法。
項82.T細胞亜集団のメンバーを優先的に増殖させるための方法であって、T細胞の混合集団を、
(i)シクロデキストリン、および
(ii)脂肪酸に曝露することを含み、
2つ以上の脂肪酸のモル比が、T細胞亜集団のメンバーを誘導して、他のT細胞亜集団のメンバーに対して優先的に増殖するように調整される、方法が提供される。
項83.T細胞亜集団が、CD8+T細胞である、項82に記載の方法。
項84.T細胞の混合集団が、他の脂肪酸よりも多くの多価不飽和脂肪酸に曝露される、項83に記載の方法。
項85.T細胞の混合集団が、他の脂肪酸よりも多くのオメガ−6多価不飽和脂肪酸に曝露される、項83に記載の方法。
項86.T細胞の混合集団を、2−デオキシ−D−グルコースに曝露することをさらに含む、項82〜85のいずれかに記載の方法。
項87.T細胞亜集団が、CD4+T細胞である、項82に記載の方法。
項88.T細胞が、初代T細胞である、項82〜87のいずれかに記載の方法。
項89.T細胞が、ヒト対象の血液から単離されている、項82〜88のいずれかに記載の方法。
項90.T細胞が、遺伝子改変T細胞である、項82〜87のいずれかに記載の方法。
項91.T細胞が、遺伝子改変T細胞受容体を発現する、項90に記載の方法。
項92.T細胞が、キメラ抗原受容体を発現する、項90に記載の方法。
項93.集団内のCD8+T細胞対CD4+T細胞の比を増加させながら、CD8+T細胞およびCD4+T細胞を含むT細胞集団を培養する方法であって、集団を、2−デオキシ−D−グルコースを含む細胞培養培地中でインキュベートすることを含む、方法。
項94.2−デオキシ−D−グルコースが、約0.1mM〜約5mMのレベルで存在する、項93に記載の方法。
項95.細胞培養培地が、血清をさらに含む、項93または94に記載の方法。
項96.血清が、ヒト血清である、項95に記載の方法。
項97.細胞培養培地が、無血清細胞培養培地である、項93または94に記載の方法。
項98.集団内のCD8+T細胞対CD4+T細胞の比が、集団が最初に培地と接触した後、約7日以内に、少なくとも2倍、2.5倍、3倍、または3.5倍増加する、項93〜97のいずれかに記載の方法。
項99.集団が最初に培地と接触するとき、集団内にはCD8+T細胞よりも多くのCD4+T細胞が存在する、項93〜98のいずれかに記載の方法。
項100.集団が最初に培地と接触するとき、集団内のCD4+T細胞対CD8+T細胞の比が、少なくとも5:1である、項99に記載の方法。
項101.T細胞が、初代T細胞である、項63〜100のいずれかに記載の方法。
項102.T細胞が、ヒト対象の血液から単離されている、項63〜101のいずれかに記載の方法。
項103.T細胞が、遺伝子改変T細胞である、項63〜100のいずれかに記載の方法。
項104.T細胞が、遺伝子改変T細胞受容体を発現する、項103に記載の方法。
項105.T細胞が、キメラ抗原受容体を発現する、項103に記載の方法。
項106.T細胞が、制御性T細胞(Treg)、Tヘルパー細胞、Th17細胞、Th9細胞、メモリーT細胞、エフェクターメモリーT細胞、セントラルメモリーT細胞、高分化型エフェクター(TTD)T細胞、ナイーブT細胞、または操作されたT細胞である、項63〜105のいずれかに記載の方法。
項107.T細胞集団のサイズが、7日以内に少なくとも3倍に倍増する、項63〜106のいずれかに記載の方法。
項108.T細胞集団のサイズが、10日以内に少なくとも3、4、または5倍に倍増する、項63〜107のいずれかに記載の方法。
項109.T細胞集団内のT細胞の少なくとも75%、80%、85%、90%、または95%が、T細胞集団が最初に培地と接触してから7、8、9、または10日後に生存可能である、項63〜108のいずれかに記載の方法。
項110.T細胞集団内のT細胞の少なくとも95%が、T細胞集団が最初に培地と接触した後10日間生存可能である、項63〜109のいずれかに記載の方法。
項111.疾患または病態に苦しんでいるか、またはそれに苦しむリスクがある対象への投与のための培養T細胞を調製することをさらに含む、項63〜110のいずれかに記載の方法。
項112.T細胞を対象に投与することをさらに含む、項111に記載の方法。
項113.疾患の治療を必要とする対象において疾患を治療するための方法であって、項63〜111のいずれか1項に記載の方法によって得られたT細胞を、対象に投与することを含む、方法。
項114.疾患が、過剰増殖性障害である、項113に記載の方法。
項115.疾患が、自己免疫性疾患である、項113に記載の方法。
項116.疾患が、炎症性疾患である、項113に記載の方法。
項117.疾患が、アレルギー性疾患である、項113に記載の方法。
項118.疾患が、感染性疾患である、項113に記載の方法。
項119.感染性疾患が、ウイルス感染症である、項118に記載の方法。
項120.ウイルス感染症が、サイトメガロウイルス感染症、エプスタイン・バーウイルス感染症、またはヒト免疫不全ウイルス感染症である、項119に記載の方法。
項121.対象が、抑制された免疫系を有する、項113〜120のいずれかに記載の方法。
項122.対象が、組織または臓器の移植を受けている、項113〜121のいずれかに記載の方法。
項123.対象が、後天性免疫不全症候群を有する、項113〜122のいずれかに記載の方法。
項124.T細胞が、CD8+T細胞である、項113〜123のいずれかに記載の方法。
項125.T細胞が、CD4+T細胞である、項113〜123のいずれかに記載の方法。
項126.T細胞が、CD8+T細胞およびCD4+T細胞である、項113〜125のいずれかに記載の方法。
項127.T細胞培地の補充のための系であって、(i)2つ以上の異なるシクロデキストリンであって、各シクロデキストリンが、別個の容器内にある、シクロデキストリンと、(ii)2つ以上の異なる脂肪酸であって、各脂肪酸が、別個の容器内にある、脂肪酸とを含む、系。
項128.2−デオキシ−D−グルコースをさらに含む、項127に記載の系。
項129.無血清培地、シクロデキストリン、および1つ以上の脂質を含むT細胞を培養するための、キット。
項130.2−デオキシ−D−グルコースをさらに含む、項129に記載のキット。
項131.エトモキシルをさらに含む、項129または130に記載のキット。
項132.(i)T細胞の集団、(ii)細胞培養培地、ならびに(ii)シクロデキストリンおよび少なくとも1つの脂質を含む補助剤を含む、組み合わせ。
項133.(i)細胞培養培地、および(ii)項42〜62のいずれかに記載の組成物を含む、キットまたは組み合わせ。
項134.(i)二倍体または非二倍体細胞の集団、ならびに(ii)シクロデキストリンおよび少なくとも1つの脂質を含む細胞培養培地を含む、組み合わせ。
項135.二倍体細胞が、無血清条件下で、ワクチン、ウイルス、ウイルス粒子、ウイルスタンパク質もしくは核酸、またはウイルス断片を産生する、項134に記載の組み合わせ。
項136.二倍体細胞集団を培養するための方法であって、細胞集団を、シクロデキストリンおよび少なくとも1つの脂質を含む細胞培養培地中でインキュベートすることを含む、方法。
項137.細胞培養培地が、無血清である、項136に記載の方法。
項138.細胞集団が、MRC−5、MRC−5 RCB、WI−38、2BS、Walvax−2、IMR−90、IMR−91、KMB−17、およびVERO細胞からなる群から選択される、項137〜137のいずれかに記載の方法。
項139.細胞が、無血清条件下で、ワクチン、ウイルス、ウイルス粒子、ウイルスタンパク質もしくは核酸、またはウイルス断片を産生する、項137〜138のいずれかに記載の方法。
項140.二倍体細胞培地の補充のための系であって、(i)1つ以上の異なるシクロデキストリンであって、各シクロデキストリンが、別個の容器内にある、シクロデキストリンと、(ii)2つ以上の異なる脂肪酸であって、各脂肪酸が、別個の容器内にある、脂肪酸とを含む、系。
項141.成長因子をさらに含む、項140に記載の系。
項142.(i)シクロデキストリンと、(ii)2つ以上の異なる脂肪酸であって、各脂肪酸が、別個の容器内にある、脂肪酸とを含む、二倍体細胞培地の補充のための系。
項143.基本培地および無血清増殖補助を含む、ワクチン産生細胞または細胞株を培養するためのキット。
項144.項143に記載の細胞または細胞株を産生するワクチンを培養するためのキットであって、無血清成長補助剤が、シクロデキストリンおよび1つ以上の脂質をさらに含む、キット。
項145.ワクチン産生細胞が、二倍体細胞または非二倍体細胞である、項144に記載のワクチン産生細胞または細胞株を培養するためのキット。
項146.二倍体細胞が、ヒト細胞である、項145に記載のワクチン産生細胞または細胞株を培養するためのキット。
項147.リノール酸、少なくとも1つの他のオメガ−6脂肪酸、コレステロール、およびシクロデキストリンを含む、無血清細胞培養培地組成物。
項148.リノール酸、少なくとも1つの他のオメガ−6脂肪酸、コレステロール、およびシクロデキストリンを含む、無血清細胞培養補助剤組成物。
項149.シクロデキストリンが、メチル化シクロデキストリンである、項147に記載の無血清細胞培養培地組成物または項148に記載の無血清細胞培養補助剤組成物。
項150.メチル化シクロデキストリンが、約50μM〜約200μMのレベルで存在する、項149に記載の無血清細胞培養培地組成物または無血清細胞培養補助剤組成物。
項151.コレステロールが、合成コレステロールであり、かつ/またはコレステロールが、約5μM〜約30μMのレベルで存在する、項147〜150のいずれかに記載の無血清細胞培養培地組成物または項148〜150のいずれかに記載の無血清細胞培養補助剤組成物。
項152.少なくとも1つの他のオメガ−6脂肪酸が、多価不飽和オメガ−6脂肪酸である、項147〜151のいずれかに記載の無血清細胞培養培地組成物または項148〜151のいずれかに記載の無血清細胞培養補助剤組成物。
項153.少なくとも1つの他のオメガ−6脂肪酸が、アラキドン酸である、項147〜152のいずれかに記載の無血清細胞培養培地組成物または項148〜152のいずれかに記載の無血清細胞培養補助剤組成物。
項154.多価不飽和オメガ−6脂肪酸が、アラキドン酸、リノール酸、リノレン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、およびステアリン酸からなる群から選択される、項147〜153のいずれかに記載の無血清細胞培養培地組成物または項148〜153のいずれかに記載の無血清細胞培養補助剤組成物。
項155.補助剤の有効希釈度が、約1:10〜約1:5000である、項148〜154のいずれかに記載の無血清細胞培養補助剤組成物。
項156.ワクチン、ウイルス、ウイルス粒子、ウイルスタンパク質もしくは核酸、またはウイルス断片を産生し得る細胞を培養することができる、項147に記載の無血清細胞培養培地組成物または項148に記載の無血清細胞培養補助剤組成物。
項157.細胞が、動物細胞である、項147〜156のいずれかに記載の無血清細胞培養培地組成物または無血清細胞培養補助剤組成物。
項158.動物細胞が、ウシ細胞、イヌ細胞、ネコ細胞、昆虫細胞、鳥類細胞、霊長類細胞、またはヒト細胞である、項147〜157のいずれかに記載の無血清細胞培養培地組成物または無血清細胞培養補助剤組成物。
項159.動物細胞が、二倍体細胞である、項147〜158のいずれかに記載の無血清細胞培養培地組成物または無血清細胞培養補助剤組成物。
項160.細胞が、MRC−5、MRC−5 RCB、MRC−9、WI−38、2BS、Walvax−2、IMR−90、IMR−91、KMB−17、HUT系列細胞、チャン肝臓、U937、MDCK、CD4発現T細胞、CD8発現T細胞、VERO、および前述の細胞の任意のクローンからなる群から選択される、項147〜159のいずれかに記載の無血清細胞培養培地組成物または無血清細胞培養補助剤組成物。
項161.培地または補助剤が、細胞の成長、細胞の生存細胞密度、ウイルスに感染した細胞のウイルス力価、またはそれらの組み合わせを増加させる、項147〜160のいずれかに記載の無血清細胞培養培地組成物または無血清細胞培養補助剤組成物。
項162.細胞が、ウイルスに感染している、項147〜161のいずれかに記載の無血清細胞培養培地組成物または無血清細胞培養補助剤組成物。
項163.ウイルスが、動物ウイルス、植物ウイルス、またはバクテリオファージである、項147〜162のいずれかに記載の無血清細胞培養培地組成物または無血清細胞培養補助剤組成物。
項164.ウイルスが、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、風疹、麻疹、流行性耳下腺炎、A型肝炎、アデノウイルス、ポリオ、ロタウイルス、痘瘡、水痘、黄熱、パピローマウイルス、エボラウイルス、HIV、狂犬病または水疱性口内炎ウイルス(VSV)、およびデングウイルスからなる群から選択される、項147〜163のいずれかに記載の無血清細胞培養培地組成物または無血清細胞培養補助剤組成物。
項165.ウイルス粒子が、パルボウイルス科、レトロウイルス科、フラビウイルス科、またはバクテリオファージに由来する、項147〜164のいずれかに記載の無血清細胞培養培地組成物または無血清細胞培養補助剤組成物。
項166.ワクチン、ウイルス、ウイルス粒子、ウイルスタンパク質もしくは核酸、またはウイルス断片を産生することができる二倍体細胞を培養するために基本培地に添加され、細胞が、無血清条件下で培養される、項148に記載の無血清細胞培養補助剤組成物。
項167.二倍体細胞集団を培養するための方法であって、細胞集団を、シクロデキストリンおよび少なくとも1つの脂質を含む細胞培養培地中でインキュベートすることを含む、方法。
項168.ワクチン産生二倍体細胞を含む、項167に記載の細胞集団を培養する方法であって、細胞集団を、
(i)シクロデキストリン、リノール酸、少なくとも1つの他のオメガ−6脂肪酸、およびコレステロール、または
(ii)好適な希釈度の表1および/もしくは表2に記載の補助剤を含む、無血清細胞培養培地中でインキュベートすることを含み、培養が、シクロデキストリンを有しない血清含有培地中の生存細胞密度と比較して、無血清細胞培養培地中の生存細胞密度を増加させる、方法。
項169.シクロデキストリンが、メチル化シクロデキストリンである、項167に記載の二倍体細胞集団を培養するための方法。
項170.メチル化シクロデキストリンが、約50μM〜約200μMのレベルで存在する、項169に記載の二倍体細胞集団を培養するための方法。
項171.少なくとも1つの他のオメガ−6脂肪酸が、多価不飽和オメガ−6脂肪酸である、項168または169に記載の二倍体細胞集団を培養するための方法。
項172.多価不飽和オメガ−6脂肪酸が、アラキドン酸、リノレン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、およびステアリン酸からなる群から選択される、項168または169に記載の二倍体細胞集団を培養するための方法。
項173.項167〜172のいずれかに記載の二倍体細胞集団を培養するための方法であって、
(i)培地または補助剤が、細胞の成長、細胞の生存細胞密度、ウイルスに感染した細胞のウイルス力価、またはそれらの組み合わせを増加させ、かつ/あるいは
(ii)二倍体細胞が、無血清条件下で、ワクチン、ウイルス、ウイルス粒子、ウイルスタンパク質もしくは核酸、またはそれらのウイルス断片を産生することができ、かつ/あるいは
(iii)細胞が、ウイルスに感染している、方法。
項174.項167〜173のいずれかに記載の二倍体細胞集団を培養するための方法であって、
(i)ウイルスが、動物ウイルス、植物ウイルス、もしくはバクテリオファージであり、かつ/または
(ii)ウイルスが、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、風疹、麻疹、流行性耳下腺炎、A型肝炎、アデノウイルス、ポリオ、ロタウイルス、痘瘡、水痘、黄熱、パピローマウイルス、エボラウイルス、HIV、狂犬病もしくは水疱性口内炎ウイルス(VSV)、およびデングウイルスからなる群から選択され、かつ/または
(iii)ウイルス粒子が、パルボウイルス科、レトロウイルス科、フラビウイルス科、もしくはバクテリオファージに由来する、方法。
項175.細胞集団が、MRC−5、MRC−5 RCB、MRC−9、WI−38、2BS、Walvax−2、IMR−90、IMR−91、KMB−17、HUT系列細胞、チャン肝臓、U937、MDCK、CD4発現T細胞、CD8発現T細胞、VERO、および前述の細胞の任意のクローンからなる群から選択される、項167〜174のいずれかに記載の方法。
項176.組み合わせであって、
(i)細胞の集団、(ii)シクロデキストリンおよび少なくとも1つの脂質を含む無血清細胞培養培地、または
(i)細胞の集団、(ii)無血清基本細胞培地、ならびに(iii)シクロデキストリンおよび少なくとも1つの脂質を含む補助剤、または
(i)細胞の集団、(ii)無血清基本細胞培地、ならびに(iii)好適な希釈度の表1および/もしくは表2に記載の補助剤を含む、組み合わせ。
項177.項176に記載の組み合わせであって、
(i)細胞が、動物細胞であるか、または
(ii)動物細胞が、ウシ細胞、ネコ細胞、昆虫細胞、鳥類細胞、霊長類細胞、もしくはヒト細胞であるか、または
(iii)動物細胞が、二倍体細胞であるか、または
(iv)細胞が、MRC−5、MRC−5 RCB、MRC−9、WI−38、2BS、Walvax−2、IMR−90、IMR−91、KMB−17、HUT系列細胞、チャン肝臓、U937、MDCK、CD4発現T細胞、CD8発現T細胞、VERO、および前述の細胞の任意のクローンからなる群から選択される、組み合わせ。
項178.二倍体細胞が、無血清条件下で、ワクチン、ウイルス、ウイルス粒子、ウイルスタンパク質もしくは核酸、またはウイルス断片を産生する、項176〜177のいずれかに記載の組み合わせ。
項179.無血清二倍体細胞培養培地を作製する方法であって、(i)基本培地と、(ii)シクロデキストリンおよび少なくとも1つの脂質を含む補助剤、または(ii)好適な希釈度の表1および/もしくは表2に記載の補助剤のいずれかとを混合することを含む、方法。
項180.補助剤が、成長因子をさらに含む、項179に記載の無血清二倍体細胞培養培地を作製する方法。
項181.二倍体細胞培地の補充のための系であって、(i)1つ以上の異なるシクロデキストリンであって、各シクロデキストリンが、別個の容器内にある、シクロデキストリンと、(ii)2つ以上の異なる脂肪酸であって、各脂肪酸が、別個の容器内にある、脂肪酸とを含む、系。
項182.(i)細胞の集団、(ii)シクロデキストリンおよび少なくとも1つの脂質を含む無血清細胞培養培地、または
(i)細胞の集団、(ii)無血清基本細胞培地、ならびに(iii)シクロデキストリンおよび少なくとも1つの脂質を含む補助剤、または
(i)細胞の集団、(ii)無血清基本細胞培地、ならびに(iii)好適な希釈度の表1および/もしくは表2に記載の補助剤を含む、組み合わせを含む、細胞または細胞株を培養するためのキット。
項183.項182に記載のキットであって、
(i)細胞が、動物細胞であるか、または
(ii)動物細胞が、ウシ細胞、イヌ細胞、ネコ細胞、昆虫細胞、鳥類細胞、霊長類細胞、もしくはヒト細胞であるか、または
(iii)動物細胞が、二倍体細胞であるか、または
(iv)細胞が、MRC−5、MRC−5 RCB、MRC−9、WI−38、2BS、Walvax−2、IMR−90、IMR−91、KMB−17、HUT系列細胞、チャン肝臓、U937、MDCK、CD4発現T細胞、CD8発現T細胞、VERO、および前述の細胞の任意のクローンからなる群から選択される、キット。
項184.細胞が、無血清条件下で、ワクチン、ウイルス、ウイルス粒子、ウイルスタンパク質もしくは核酸、またはウイルス断片を産生する、項182〜183に記載のキット。

Claims (94)

  1. リノール酸、少なくとも1つの他のオメガ−6脂肪酸、コレステロール、およびシクロデキストリンを含む、無血清細胞培養培地組成物。
  2. リノール酸、少なくとも1つの他のオメガ−6脂肪酸、コレステロール、およびシクロデキストリンを含む、無血清細胞培養補助剤組成物。
  3. 前記シクロデキストリンが、メチル化シクロデキストリンである、請求項1に記載の無血清細胞培養培地組成物または請求項2に記載の無血清細胞培養補助剤組成物。
  4. 前記メチル化シクロデキストリンが、約50μM〜約200μMのレベルで存在する、請求項3に記載の無血清細胞培養培地組成物または無血清細胞培養補助剤組成物。
  5. 前記コレステロールが、合成コレステロールであり、かつ/または前記コレステロールが、約5μM〜約30μMのレベルで存在する、請求項1〜4のいずれかに記載の無血清細胞培養培地組成物または請求項1〜4のいずれかに記載の無血清細胞培養補助剤組成物。
  6. 前記少なくとも1つの他のオメガ−6脂肪酸が、多価不飽和オメガ−6脂肪酸である、請求項1〜5のいずれかに記載の無血清細胞培養培地組成物または請求項1〜5のいずれかに記載の無血清細胞培養補助剤組成物。
  7. 前記少なくとも1つの他のオメガ−6脂肪酸が、アラキドン酸である、請求項1〜6のいずれかに記載の無血清細胞培養培地組成物または請求項1〜6のいずれかに記載の無血清細胞培養補助剤組成物。
  8. 前記多価不飽和オメガ−6脂肪酸が、アラキドン酸、リノール酸、リノレン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、およびステアリン酸からなる群から選択される、請求項1〜7のいずれかに記載の無血清細胞培養培地組成物または請求項1〜7のいずれかに記載の無血清細胞培養補助剤組成物。
  9. 前記補助剤の有効希釈度が、約1:10〜約1:5000である、請求項1〜8のいずれかに記載の無血清細胞培養補助剤組成物。
  10. ワクチン、ウイルス、ウイルス粒子、ウイルスタンパク質もしくは核酸、またはウイルス断片を産生し得る細胞を培養することができる、請求項1に記載の無血清細胞培養培地組成物または請求項2に記載の無血清細胞培養補助剤組成物。
  11. 前記細胞が、動物細胞である、請求項1〜10のいずれかに記載の無血清細胞培養培地組成物または無血清細胞培養補助剤組成物。
  12. 前記動物細胞が、ウシ細胞、イヌ細胞、ネコ細胞、昆虫細胞、鳥類細胞、霊長類細胞、またはヒト細胞である、請求項11に記載の無血清細胞培養培地組成物または無血清細胞培養補助剤組成物。
  13. 前記動物細胞が、二倍体細胞である、請求項11または12に記載の無血清細胞培養培地組成物または無血清細胞培養補助剤組成物。
  14. 2−デオキシ−D−グルコースをさらに含む、請求項1〜13のいずれかに記載の無血清細胞培養培地組成物。
  15. 前記細胞が、MRC−5、MRC−5 RCB、MRC−9、WI−38、2BS、Walvax−2、IMR−90、IMR−91、KMB−17、HUT系列細胞、チャン肝臓、U937、MDCK、CD4発現T細胞、CD8発現T細胞、VERO、および前述の細胞のクローンからなる群から選択される、請求項1〜14のいずれかに記載の無血清細胞培養培地組成物または無血清細胞培養補助剤組成物。
  16. 培地または補助剤が、前記細胞の成長、前記細胞の生存細胞密度、ウイルスに感染した細胞のウイルス力価、またはそれらの組み合わせを増加させる、請求項1〜15のいずれかに記載の無血清細胞培養培地組成物または無血清細胞培養補助剤組成物。
  17. 前記細胞が、ウイルスに感染している、請求項1〜16のいずれかに記載の無血清細胞培養培地組成物または無血清細胞培養補助剤組成物。
  18. 前記ウイルスが、動物ウイルス、植物ウイルス、またはバクテリオファージである、請求項16または17に記載の無血清細胞培養培地組成物または無血清細胞培養補助剤組成物。
  19. 前記ウイルスが、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、風疹、麻疹、流行性耳下腺炎、A型肝炎、アデノウイルス、ポリオ、ロタウイルス、痘瘡、水痘、黄熱、パピローマウイルス、エボラウイルス、HIV、狂犬病または水疱性口内炎ウイルス(VSV)、およびデングウイルスからなる群から選択される、請求項16〜18に記載の無血清細胞培養培地組成物または無血清細胞培養補助剤組成物。
  20. 前記ウイルス粒子が、パルボウイルス科、レトロウイルス科、フラビウイルス科、またはバクテリオファージに由来する、請求項10〜19のいずれかに記載の無血清細胞培養培地組成物または無血清細胞培養補助剤組成物。
  21. ワクチン、ウイルス、ウイルス粒子、ウイルスタンパク質もしくは核酸、またはウイルス断片を産生することができる二倍体細胞を培養するために基本培地に添加され、前記細胞が、無血清条件下で培養されるものである、請求項2に記載の無血清細胞培養補助剤組成物。
  22. 二倍体細胞集団を培養するための方法であって、前記細胞集団を、シクロデキストリンおよび少なくとも1つの脂質を含む細胞培養培地中でインキュベートすることを含む、方法。
  23. ワクチン産生二倍体細胞を含む、請求項22に記載の細胞集団を培養する方法であって、前記細胞集団を、
    (i)シクロデキストリン、リノール酸、少なくとも1つの他のオメガ−6脂肪酸、およびコレステロール、または
    (ii)好適な希釈度の表1および/もしくは表2に記載の補助剤を含む、無血清細胞培養培地中でインキュベートすることを含み、
    前記培養が、シクロデキストリンを有しない血清含有培地中の生存細胞密度と比較して、前記無血清細胞培養培地中の生存細胞密度を増加させる、方法。
  24. 前記シクロデキストリンが、メチル化シクロデキストリンである、請求項23に記載の二倍体細胞集団を培養するための方法。
  25. 前記メチル化シクロデキストリンが、約50μM〜約200μMのレベルで存在する、請求項24に記載の二倍体細胞集団を培養するための方法。
  26. 前記少なくとも1つの他のオメガ−6脂肪酸が、多価不飽和オメガ−6脂肪酸である、請求項23に記載の二倍体細胞集団を培養するための方法。
  27. 前記多価不飽和オメガ−6脂肪酸が、アラキドン酸、リノレン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、およびステアリン酸からなる群から選択される、請求項23に記載の二倍体細胞集団を培養するための方法。
  28. (i)前記培地または補助剤が、前記細胞の成長、前記細胞の生存細胞密度、ウイルスに感染した細胞のウイルス力価、またはそれらの組み合わせを増加させ、かつ/あるいは
    (ii)前記二倍体細胞が、無血清条件下で、ワクチン、ウイルス、ウイルス粒子、ウイルスタンパク質もしくは核酸、またはそれらのウイルス断片を産生することができ、かつ/あるいは
    (iii)前記細胞が、ウイルスに感染している、
    請求項22〜27のいずれかに記載の二倍体細胞集団を培養するための方法。
  29. (i)前記ウイルスが、動物ウイルス、植物ウイルス、もしくはバクテリオファージであり、かつ/または
    (ii)前記ウイルスが、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、風疹、麻疹、流行性耳下腺炎、A型肝炎、アデノウイルス、ポリオ、ロタウイルス、痘瘡、水痘、黄熱、パピローマウイルス、エボラウイルス、HIV、狂犬病もしくは水疱性口内炎ウイルス(VSV)、およびデングウイルスからなる群から選択され、かつ/または
    (iii)前記ウイルス粒子が、パルボウイルス科、レトロウイルス科、フラビウイルス科、もしくはバクテリオファージに由来する、請求項22〜28のいずれかに記載の二倍体細胞集団を培養するための方法。
  30. 前記細胞集団が、MRC−5、MRC−5 RCB、MRC−9、WI−38、2BS、Walvax−2、IMR−90、IMR−91、KMB−17、HUT系列細胞、チャン肝臓、U937、MDCK、CD4発現T細胞、CD8発現T細胞、VERO、および前述の細胞のクローンからなる群から選択される、請求項22〜29のいずれかに記載の方法。
  31. (i)細胞の集団、(ii)シクロデキストリンおよび少なくとも1つの脂質を含む無血清細胞培養培地、または
    (i)細胞の集団、(ii)無血清基本細胞培地、ならびに(iii)シクロデキストリンおよび少なくとも1つの脂質を含む補助剤、または
    (i)細胞の集団、(ii)無血清基本細胞培地、ならびに(iii)好適な希釈度の表1および/もしくは表2に記載の補助剤
    を含む、組み合わせ。
  32. (i)前記細胞が、動物細胞であるか、または
    (ii)前記動物細胞が、ウシ細胞、ネコ細胞、昆虫細胞、鳥類細胞、霊長類細胞、もしくはヒト細胞であるか、または
    (iii)前記動物細胞が、二倍体細胞であるか、または
    (iv)前記細胞が、MRC−5、MRC−5 RCB、MRC−9、WI−38、2BS、Walvax−2、IMR−90、IMR−91、KMB−17、HUT系列細胞、チャン肝臓、U937、MDCK、CD4発現T細胞、CD8発現T細胞、VERO、および前述の細胞のクローンからなる群から選択される、請求項31に記載の組み合わせ。
  33. 前記二倍体細胞が、無血清条件下で、ワクチン、ウイルス、ウイルス粒子、ウイルスタンパク質もしくは核酸、またはウイルス断片を産生する、請求項31または32に記載の組み合わせ。
  34. 無血清二倍体細胞培養培地を作製する方法であって、(i)基本培地と、(ii)シクロデキストリンおよび少なくとも1つの脂質を含む補助剤、または(ii)好適な希釈度の表1および/もしくは表2に記載の補助剤、のいずれかとを混合することを含む、方法。
  35. 前記補助剤が、成長因子をさらに含む、請求項34に記載の無血清二倍体細胞培養培地を作製する方法。
  36. (i)1種以上の異なるシクロデキストリンであって、各シクロデキストリンが、別個の容器内にある、シクロデキストリンと、(ii)2種以上の異なる脂肪酸であって、各脂肪酸が、別個の容器内にある、脂肪酸とを含む、二倍体細胞培地の補充のための系。
  37. 細胞または細胞株を培養するためのキットであって、
    (i)細胞の集団、(ii)シクロデキストリンおよび少なくとも1つの脂質を含む無血清細胞培養培地、または
    (i)細胞の集団、(ii)無血清基本細胞培地、ならびに(iii)シクロデキストリンおよび少なくとも1つの脂質を含む補助剤、または
    (i)細胞の集団、(ii)無血清基本細胞培地、ならびに(iii)好適な希釈度の表1および/もしくは表2に記載の補助剤、を含む、キット。
  38. (i)前記細胞が、動物細胞であるか、または
    (ii)前記動物細胞が、ウシ細胞、イヌ細胞、ネコ細胞、昆虫細胞、鳥類細胞、霊長類細胞、もしくはヒト細胞であるか、または
    (iii)前記動物細胞が、二倍体細胞であるか、または
    (iv)前記細胞が、MRC−5、MRC−5 RCB、MRC−9、WI−38、2BS、Walvax−2、IMR−90、IMR−91、KMB−17、HUT系列細胞、チャン肝臓、U937、MDCK、CD4発現T細胞、CD8発現T細胞、VERO、および前述の細胞のクローンからなる群から選択される、請求項37に記載のキット。
  39. 前記細胞が、無血清条件下で、ワクチン、ウイルス、ウイルス粒子、ウイルスタンパク質もしくは核酸、またはウイルス断片を産生する、請求項37〜38のいずれかに記載のキット。
  40. (i)T細胞の集団、ならびに(ii)シクロデキストリンおよび少なくとも1つの脂質を含む培地を含む、組み合わせ。
  41. 前記少なくとも1つの脂質が、コレステロール、脂肪酸、脂肪酸エステル、リン脂質、またはグリセロ脂質である、請求項40に記載の組み合わせ。
  42. 前記脂肪酸が、飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、または多価不飽和脂肪酸である、請求項41に記載の組み合わせ。
  43. 前記脂肪酸が、オメガ−3脂肪酸、オメガ−6脂肪酸、またはオメガ−9脂肪酸である、請求項41に記載の組み合わせ。
  44. 前記脂肪酸が、リノール酸である、請求項41に記載の組み合わせ。
  45. リノレン酸をさらに含む、請求項41に記載の組み合わせ。
  46. 前記リノレン酸が、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、またはα−リノレン酸およびγ−リノレン酸である、請求項45に記載の組み合わせ。
  47. アラキドン酸をさらに含む、請求項41に記載の組み合わせ。
  48. 前記少なくとも1つの脂質が、コレステロールである、請求項40に記載の組み合わせ。
  49. 前記シクロデキストリンが、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、またはγ−シクロデキストリンである、請求項40に記載の組み合わせ。
  50. 前記シクロデキストリンが、メチル化されている、請求項40に記載の組み合わせ。
  51. 前記シクロデキストリンが、メチル−β−シクロデキストリンである、請求項50に記載の組み合わせ。
  52. 組成物が、複数の異なるシクロデキストリンを含み、前記複数のシクロデキストリンが、少なくとも2種のシクロデキストリンを含む、請求項40に記載の組み合わせ。
  53. 前記シクロデキストリン対コレステロールのモル比が、11.5:1より小さいである、請求項48に記載の組み合わせ。
  54. 前記細胞培養培地が、約10μM〜約200μMであるレベルのシクロデキストリンを含む、請求項40に記載の組み合わせ。
  55. 前記細胞培養培地が、無血清培養培地である、請求項40に記載の組み合わせ。
  56. 前記細胞培養培地が、アルブミンを含まない、請求項40に記載の組み合わせ。
  57. 2−デオキシ−D−グルコースをさらに含む、請求項40に記載の組み合わせ。
  58. T細胞集団を培養するための方法であって、前記集団を、シクロデキストリンおよび少なくとも1つの脂質を含む細胞培養培地中でインキュベートすることを含む、方法。
  59. 前記細胞培養培地が、リノール酸、少なくとも1つの他のオメガ−6脂肪酸、コレステロール、およびシクロデキストリンを含む無血清細胞培養補助剤組成物を含む、請求項58に記載の方法。
  60. 前記T細胞集団が、CD8+T細胞を含む、請求項58に記載の方法。
  61. 前記T細胞集団が、CD4+T細胞を含む、請求項58に記載の方法。
  62. 前記T細胞集団が、CD8+T細胞およびCD4+T細胞を含む、請求項58に記載の方法。
  63. 前記細胞培養培地が、2−デオキシ−D−グルコースをさらに含む、請求項58に記載の方法。
  64. CD8+T細胞およびCD4+T細胞を含むT細胞集団を培養する方法であって、前記集団を、シクロデキストリンおよび多価不飽和脂肪酸を含む細胞培養培地中でインキュベートすることを含み、
    前記集団内のCD4+T細胞対CD8+T細胞の比の変化が、10日間の培養後に50%未満であり、
    前記細胞培養培地が、0.1mM〜約10mMの2−デオキシ−D−グルコースを含有する、方法。
  65. 前記多価不飽和脂肪酸が、オメガ−6多価不飽和脂肪酸である、請求項64に記載の方法。
  66. 前記オメガ−6多価不飽和脂肪酸が、リノール酸である、請求項64に記載の方法。
  67. 前記細胞培養培地が、コレステロールをさらに含む、請求項64に記載の方法。
  68. 前記集団が最初に前記培地と接触するとき、前記集団が、約1:1のCD4+T細胞対CD8+T細胞の比を含む、請求項64に記載の方法。
  69. T細胞亜集団のメンバーを優先的に増殖させるための方法であって、T細胞の混合集団を、
    (i)シクロデキストリン、および
    (ii)2種以上の脂肪酸に曝露することを含み、
    2種以上の脂肪酸のモル比が、前記T細胞亜集団の前記メンバーを誘導して、他のT細胞亜集団のメンバーに対して優先的に増殖するように調整される、方法。
  70. 前記T細胞亜集団が、CD8+T細胞である、請求項69に記載の方法。
  71. 前記T細胞亜集団が、CD4+T細胞である、請求項69に記載の方法。
  72. 前記T細胞の混合集団を、2−デオキシ−D−グルコースに曝露することをさらに含む、請求項69に記載の方法。
  73. 前記T細胞の混合集団が、他の脂肪酸よりも多くの多価不飽和脂肪酸に曝露される、請求項69に記載の方法。
  74. 前記T細胞が、初代T細胞である、請求項69に記載の方法。
  75. 前記T細胞が、ヒト対象の血液から単離されたものである、請求項74に記載の方法。
  76. 前記T細胞が、遺伝子改変T細胞である、請求項69に記載の方法。
  77. 前記T細胞が、遺伝子改変T細胞受容体を発現する、請求項76に記載の方法。
  78. 前記T細胞が、キメラ抗原受容体を発現する、請求項69に記載の方法。
  79. CD8+T細胞対CD4+T細胞の比を増加させながらCD8+T細胞およびCD4+T細胞を含むT細胞集団を培養する方法であって、前記集団を、2−デオキシ−D−グルコースを含む細胞培養培地中でインキュベートすることを含む、方法。
  80. 前記2−デオキシ−D−グルコースが、約0.1mM〜約5mMのレベルで存在する、請求項79に記載の方法。
  81. 前記細胞培養培地が、血清をさらに含む、請求項79に記載の方法。
  82. 前記細胞培養培地が、無血清細胞培養培地である、請求項79に記載の方法。
  83. 前記集団内のCD8+T細胞対CD4+T細胞の比が、前記培養培地との最初の接触から7日後に2倍〜5倍増加する、請求項79に記載の方法。
  84. 前記T細胞が、初代T細胞である、請求項79に記載の方法。
  85. 前記T細胞が、ヒト対象の血液から単離されたものである、請求項79に記載の方法。
  86. 前記T細胞が、遺伝子改変T細胞である、請求項79に記載の方法。
  87. 前記T細胞が、遺伝子改変T細胞受容体を発現する、請求項79に記載の方法。
  88. 前記T細胞が、キメラ抗原受容体を発現する、請求項79に記載の方法。
  89. 前記T細胞が、制御性T細胞(Treg)、ヘルパーT細胞、Th17細胞、Th9細胞、メモリーT細胞、エフェクターメモリーT細胞、セントラルメモリーT細胞、高分化型エフェクター(TTD)T細胞、ナイーブT細胞、または操作されたT細胞である、請求項79に記載の方法。
  90. 疾患または病態に罹患しているか、またはそれに罹患するリスクがある対象への投与のための培養T細胞を調製することをさらに含む、請求項79に記載の方法。
  91. 前記T細胞を前記対象に投与することをさらに含む、請求項90に記載の方法。
  92. 疾患の治療を必要とする対象において疾患を治療するための方法であって、請求項91に記載の方法によって得られたT細胞を、前記対象に投与することを含む、方法。
  93. 無血清培地、シクロデキストリン、および1つ以上の脂質を含むT細胞を培養するための、キット。
  94. 2−デオキシ−D−グルコースをさらに含む、請求項93に記載のキット。
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