JP2020529208A - 局所皮膚低栄養状態の治療 - Google Patents

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Abstract

本発明は、5'CAP領域、5'非翻訳領域(5'-UTR)、コード領域、3'非翻訳領域(3'-UTR)およびポリアデノシンテール(ポリAテール)を有する、局所的な皮膚低栄養状態の治療に使用するための、線維芽細胞成長因子2(FGF2)および線維芽細胞成長因子7(FGF7)メッセンジャーRNA(mRNA)、およびこのmRNAをそれを必要とするヒト患者に投与するためのキットを開示する。

Description

本発明は、1つまたはいくつかの皮膚層の低栄養(hypotrophy)状態、特に萎縮性皮膚状態および萎縮性瘢痕を特徴とする局所皮膚低栄養状態の治療のための組成物および方法に関する。
本発明は、医学的適応症としての1つまたはいくつかの皮膚層(表皮、真皮皮下脂肪)において低栄養状態(「低栄養」)をもたらす皮膚疾患、特に萎縮性瘢痕、並びに皮膚の老化に関連する皮膚の状態で、一般に美容上の問題および関心のある領域とみなされているものの治療のための組成物および方法に関する(Fitzpatrick's Dermatology in General Medicine、第6版、編集者Freedbergら、YaarらによるFitzpatrick's Dermatology in General Medicineの第144章: Aging of Skin; Photodamaged skin、編集者Goldberg、第5章、Wheeland: Nonmalignant clinical manifestations of photo-damage; Skin Aging 編集者: Gilchrestら、Springer, ISBN-10 3-540-24443-3; Therapie der Hautkrankheiten、編集者: Orfanosら)。
皮膚の低栄養および萎縮性瘢痕は、広く一般的な皮膚の状態である。皮膚の低栄養(hypotrophy)/萎縮(atrophy)に関連する特定の疾患には、皮膚弛緩症、慢性萎縮性先端皮膚炎、Pasini-Pierini型進行性特発性皮膚萎縮症(atrophodermia idiopathica et progressiva Pasini Pierini)、穿孔性皮膚炎に起因する瘢痕、萎縮性白化、脂肪性壊死、放射線皮膚炎(電離放射線への暴露に起因する皮膚の変化)、線条状伸展(妊娠、急速な成長、消化性肥満により引き起こされる)が含まれる。その範囲は、所定の皮膚層の体積のわずかな減少から、完全な組織喪失、その最大の変化まで及ぶ。組織の損失は、表皮区画に限定されることもあるし(すなわち、びらん)、真皮および/または皮下区画を含むこともある(潰瘍と呼ばれる)。皮膚潰瘍の原因は多数あり、外傷、自己免疫病理学、灌流低下(動脈または静脈)、心因性損傷(自己外傷)、感染症が含まれる。特定の疾患には、細菌感染の結果としての潰瘍性皮膚炎、潰瘍性サルコイドーシス、潰瘍性扁平苔癬、糖尿病性足潰瘍、高血圧に伴う潰瘍、静脈不全に伴う潰瘍、神経障害性潰瘍、褥瘡、血管炎(中小血管)、壊疽性膿皮症、リウマチ性潰瘍、脂肪壊死症、薬物誘発壊死(例えば、ワルファリン、ヘパリンによって引き起こされる)、凝固障害に関連した潰瘍(例えば、抗リン脂質症候群、プロテインS欠乏によって引き起こされる)が含まれる。
萎縮性瘢痕は、主に患者の顔、胸、背中に現れる。最も一般的な原因はニキビと水痘であるが、手術、感染、薬物(例えば、ステロイド注射、ペニシラミン)、自己免疫プロセス(例えば、慢性円板状エリテマトーデス)、外傷、神経性および心因性(例えば、若い女性の皮膚かきむしり症(acne excoriee de jeunes filles))傷害からも生じる。低栄養/萎縮領域は、急性/活動性創傷または組織リモデリングの活動部位を構成しないが、局所組織損傷後の非効率的で異常な修復メカニズムの最終結果を構成する。萎縮性瘢痕の場合、真皮の体積が減少すると、患部の皮膚領域が下向きに引っ張られ、くぼんだ外観が生じる。
瘢痕は、自然の創傷治癒プロセスの最終結果であるという点で創傷とは異なる。創傷は、積極的な修復およびリモデリングプロセスを特徴とする損傷後の段階を表す。自然な創傷治癒プロセスは、創傷が閉じられ(上皮化)、組織がリモデリングされると終了する。これは通常、病変前(非損傷)の状況と比較して欠陥状態になる。永続的な欠陥は、通常の瘢痕と比較して萎縮性瘢痕でより顕著である。
WO2015/117021は、創傷治癒の迅速化および瘢痕化の処置(bFGFを含む)のために皮膚を介してRNAを送達する方法を開示しているが、創傷治癒プロセスが終了した状況、すなわち瘢痕、特に萎縮性/低栄養瘢痕で使用するFGFについて言及または提案していない。
このことは、WO2015/117021の実施例38、50、および51にさらに示されており、創傷治癒プロセスおよび瘢痕の形成に至るプロセス(瘢痕化)を変化させるための塩基性線維芽細胞成長因子(FGF2)などの成長因子の使用を教示している。既存の傷跡への影響は提案されていない。
皮膚の老化は2つのカテゴリーに分類される:内因性(時間の経過とともに発生し、遺伝的素因によって事前に決定される)および外因性(主に慢性的な日焼けの結果(UV BおよびUV A);他の外因性要因には赤外線とタバコの煙が含まれる)の老化。臨床症状には、乾燥(粗さ)、不規則な色素沈着、しわ(wrinkling)/しわ(rhytides)、皮膚糸状菌(重度の深いしわ)、革のような皮膚の外観、星状の偽瘢痕、細かい結節性、非弾性、毛細血管拡張症、紫斑病(あざができやすい)、にきび(comedones)(maladies Favour et Racouchot)、皮脂過形成および新生物(例えば、日光角化症、基底細胞癌、扁平上皮癌)が含まれる。病態生理学的には、皮膚の低栄養/萎縮は、表皮、真皮または皮下区画内で特徴的な変化を示す。前者の病理学的変化には、表皮の厚さ、ケラチノサイトの形状、角質細胞の接着のわずかな変化が含まれる。主な変化は真皮表皮接合部で観察され、平坦化されて、表皮と真皮の間の表面接触が減少する(栄養素と代謝産物の交換が減少する)。真皮は低細胞性であり、線維芽細胞、マスト細胞の数が減少し、皮膚の体積が減少している。コラーゲン繊維が緩み、弾性繊維が適度に太くなっている。さらに、毛細血管ループの短縮に伴う血管の減少がある。
したがって、低栄養組織および萎縮組織の早期かつ効果的な治療は、医学的適応と美容領域の両方にとって最重要である。成人人口の推定1%が思春期の持続的な萎縮/低栄養性瘢痕を有しており、そのうち7人に1人が外観を損なう瘢痕を有すると考えられている。萎縮性瘢痕の外観は、皮膚の自然な脂肪萎縮のために加齢とともに悪化する。顔の瘢痕は、自尊心の喪失、雇用獲得の困難性の増加、生活の質(QOL)の低下など、多くの患者の心理的外傷と強く関連している。さらに、臨床研究により、特に男性における顔面瘢痕は、うつ病および自殺意図と相関していることが明らかになっている。
局所的な皮膚の低栄養や萎縮性瘢痕を治療するために、過去数十年にわたって患部のさまざまな皮膚区画をターゲットとする幅広い治療的介入、特にアブレーションレーザー、自家脂肪移動、化学的剥離の適用が開発されてきた(Patelら、J. Roy. Soc. Med. Open 5 (2014), 1-13; DOI: 10.1177/2054270414540139で概説されている)。しかしながら、これらの治療は術者に大きく依存し、回復時間が長い(Hessionら、J. Clin. Aesthet. Dermatol. 8 (2015), 50-58で概説されている)。レーザー治療は治療のゴールドスタンダードと考えられているが、通常、外観を損なう瘢痕に適切な結果を達成するのにそれだけでは十分に効果的ではない。現実には、患者は通常、目的の効果を達成するためには複数のセッションでいくつかの異なる治療技術を使用する必要があり、時間と治療コストが増大する。それゆえ、強力で安価な萎縮性瘢痕治療法に対する満たされていない高い医学的ニーズが存在する。
低栄養性皮膚領域および萎縮性瘢痕に対する現在の治療的介入は、適切な結果を達成するのにそれだけでは十分に効果的ではなく、複数の治療オプションの使用を必要とし、時間と治療コストを増加させる。さらに、これらの治療的介入のほとんどは、アブレーションレーザーやさまざまな剥離手順による治療など、治療する皮膚領域の医原性創傷に依存している。それらはすべて、最終的に創傷治癒プロセスとして一般に知られる一連のイベントを引き起こす。明らかな理由により、それらの有効性は特定の個人の生物学的年齢によって制限される。
治療の結果を高めるために、しばしば、さまざまなアプローチが比較的複雑な治療レジメンに組み合わされる。例えば、Kangと同僚は、2〜3か月間隔で2回行われるドットピーリングとサブサイジョン(subcision)、および3〜4週間ごとに行われる部分レーザー照射を組み合わせた3種類の併用療法を提示し、瘢痕の重症度を約55%改善した。二重の組み合わせには、ダーマローラーと15%TCAピールが含まれ、2週間間隔で6セッションを交互に実行して、国際的な傷跡評価尺度で1グレードの改善を確認した。明らかに、合理的な併用療法は、併用されるアプローチの相補性に基づいているため、その数は限られている。さらに、それらの科学的および臨床的評価は複雑であり、それらの有効性は技術的および生物学的理由により制限されているようである。
これらのアプリケーションのほかに、病気のプロセスや創傷後または医原性の措置(アブレーションレーザー、皮膚剥離などによる治療など)により潰瘍/びらんのある状況で皮膚の修復を強化するために、タンパク質またはDNA発現プラスミドとして、FGF2やFGF7などの線維芽細胞成長因子を含むさまざまな成長因子(GF)を局所的に適用しようとする試験の長いリストがある。これらのGF(血小板由来成長因子(PDGF)、血管内皮成長因子(VEGF)、トランスフォーミング成長因子-β(TGF-β)、上皮細胞成長因子(EGF)、顆粒球コロニー刺激成長因子(G-CSF)、ケラチノサイト成長因子(KGF)、インターロイキン6(IL-6)、インターロイキン8(IL-8)、および肝細胞成長因子(HGF)など)は通常、創傷治癒のさまざまなステップに関与している。実験前臨床システムおよび患者の創傷治癒および組織リモデリングにおける可能性を解明するために行われた研究は、限られた成功しか示していない。
例えば、タンパク質としての成長因子の適用は、さまざまな理由により生体内で非常に限られた効力しか示さなかった。GFは、半減期が短い分泌タンパク質である。この非常に制限的な要因に加えて、広範な分析により、おそらく毛包間角質層の汗腺を介して、局所的に適用されたGFの一部のみが皮膚に浸透できることが示されている。臨床試験では、GF血清(NouriCel-MD、TNS回収複合体、Allergan、新生児包皮由来の皮膚線維芽細胞の株から収集した細胞培養培地を含む)を60日間1日2回適用した後の皮膚リモデリングを調べた。患者の78.6%が60日後に臨床的改善を示したことがわかった。パンチ生検の処理により、臨床的に改善した患者の37%のみが新しいコラーゲン形成を有することが判明し、さらに少ない(治療した集団の27%)が表皮肥厚を示したことが示された(Fitzpatrickら、J.Cosmet.Laser Ther.5(2003), 25-34)。同じGF血清を使用した2番目の媒体対照二重盲検試験(second vehicle controlled, double-blind study)でも、小じわと肌の色調の改善が非常に限られていることが示された(Mehtaら、J. Drugs Dermatol. 7(2008), 864-71)。
タンパク質として局所的に適用されたGFの予備的な効果は、局所的な利用可能性が大幅に改善された場合、皮膚のリモデリングに対してはるかに大きな効能が得られることを示唆している。
US2014/199367A1は、創傷治癒および皮膚の若返りを促進するために皮膚を通して栄養素(タンパク質、アミノ酸、核酸)を送達する局所経皮法を開示しているが、FGFまたは特定の核酸については言及していない。
WO2012/106508A1は、罹患した損傷皮膚に修飾オリゴヌクレオチドを注入することによりケロイドまたは肥厚性瘢痕を治療および/または予防する方法を開示している。
WO00/59424A1は、哺乳類の創傷治癒を促進するための、成長因子(例えば、bFGF)などの創傷治癒因子を含む多孔性パッドの移植を開示している。
US2012/264690A1は、塩基性線維芽細胞成長因子を含む組成物を投与することにより、切開部ヘルニア形成および急性創傷不全を予防する方法を開示している。
US2013/0095061A1は、皮膚の有害な状態の予防または治療のために皮膚に適用するための組成物を開示しており、この組成物はエラスターゼ2A;プロスタグランジンI2;プロスタグランジンE2;アンフィレグリン;線維芽細胞成長因子2;線維芽細胞成長因子7;Gタンパク質共役受容体、ファミリーC、グループ5、メンバーB;およびGABA(a)受容体関連タンパク質様1を含む。
WO2016/100820A2は、代謝性疾患、例えば、糖尿病の治療のために、変異FGF2タンパク質または変異FGF2タンパク質をコードする核酸または該核酸を含むベクターを投与することにより血糖を低下させる方法を開示している。
Dou Chunqingら(Mol Ther. 22(4)(2014): 752-761)は、マイクロダーマブレーション後にKGF-1(FGF7)を発現するDNAプラスミドの局所適用により、構造的に脆弱な皮膚、例えば麻痺患者の萎縮性皮膚または糖尿病患者の治癒した慢性創傷を強化するための遺伝子送達アプローチを記載している。
Martiら(Gene Ther. 11(24)(2004): 1780-5)は、エレクトロポレーションと組み合わせたKGF-1プラスミドDNAの皮内注射による糖尿病マウスの皮膚創傷の創傷治癒の改善および加速を開示している。
Linら(Wound Repair Regen. 14(5)(2006): 618-24; J. Am. Coll. Surg. 199 (2004), 58-59)は、エレクトロポレーションと組み合わせたKGF-1プラスミドDNAの皮内注射による敗血症ラットの皮膚創傷の創傷治癒の改善および加速を開示している。
US2002/071834A1では、EIF4E mRNAおよびEGF mRNAによる創傷治癒の増強が開示されている。
US2010/221232A1は、骨成長を増加させ、創傷治癒、例えば、骨折修復を促進する骨形成遺伝子治療のための組成物を開示しており、該組成物はFGF-2をコードする組換え核酸を含む。
FGF2およびFGF7を含む、これまでに分析および試験されたGFはいずれも、現在、臨床治療において創傷または本発明で示唆されているように低栄養性皮膚および萎縮性瘢痕の治療に使用されていない。
創傷治癒におけるこれまでの組換えタンパク質およびDNAベースの治療のこれらの印象的ではない(unimpressively)低い成功率、ならびに低栄養性皮膚および萎縮性瘢痕の治療戦略の欠如は、低栄養性皮膚および萎縮性瘢痕の治療における医学的ニーズを満たす新たな治療パラダイムの開発を保証する。
本発明の目的は、上記で要約した現在の治療選択肢の制限を(少なくとも部分的に)克服する局所皮膚低栄養、萎縮性皮膚状態および萎縮性瘢痕の改善された治療方法を提供することである。そのような改善された治療スキームが改善された患者のコンプライアンスと改善された副作用反応イベントを提供することは、さらなる目的である。本発明のさらなる目的は、容易に可逆的であり、患者の身体全体に深刻な影響を与えない(すなわち、治療による(有害な)全身的結果)方法を提供することである。さらに、患者に通常付随する負担なしに成長因子治療を提供し、治療効率、レスポンダー率、および患者コンプライアンスを向上させることが望まれている。
したがって、本発明は、局所的な皮膚低栄養状態、特に萎縮性皮膚状態の治療に使用するための、線維芽細胞成長因子(FGF)メッセンジャーRNA(mRNA)を提供し、該mRNAは5'CAP領域、5'非翻訳領域(5'-UTR)、コード領域、3'非翻訳領域(3'-UTR)およびポリアデノシンテール(ポリAテール)を有し、該FGF mRNAはFGF2および/またはFGF7をコードする。
図1は、マウス3T3細胞のトランスフェクション後24〜120時間でのIVT mRNAのRT-PCRベースの検出を示す(24〜120h:トランスフェクション後24〜120時間に採取した試料;0μg:細胞をTransITのみで処理し、トランスフェクション24時間後に回収した;H2O:cDNAを含まない負の対照;pos. control:細胞RNAおよびIVT mRNA変異体からのcDNA;empty cells:非トランスフェクション3T3線維芽細胞)。SEQ ID NOs:1-4:それぞれのヒトFGF7 IVT mRNA変異体の分析。SEQ ID NOs:18-21:それぞれのヒトFGF2 IVT mRNA変異体の分析。
図2は、ヒトBJ細胞のトランスフェクション後24〜120時間でのIVT mRNAのRT-PCRベースの検出を示す(24〜120h:トランスフェクション後24〜120時間に採取した試料;0μg:細胞をTransITのみで処理し、トランスフェクション24時間後に回収した;H2O:cDNAを含まない負の対照;pos. control:細胞RNAおよびIVT mRNA変異体からのcDNA;empty cells:非トランスフェクション3T3線維芽細胞)。SEQ ID NOs:1-4:それぞれのヒトFGF7 IVT mRNA変異体の分析。SEQ ID NOs:18-21:それぞれのヒトFGF2 IVT mRNA変異体の分析。
図3は、コドンおよびGC含量が最適化されたFGF2 mRNA変異体のIVT mRNAトランスフェクションが、マウス3T3線維芽細胞でヒトFGF2タンパク質の増加した発現を誘導することを示す(SEQ ID NO:TransITと複合した各FGF2 mRNA配列;TransIT:TransIT mRNAトランスフェクション試薬のみ;ctrl:緩衝液のみ;A:トランスフェクション後24時間および72時間での分析;B:トランスフェクション後120時間での分析)。
図4は、コドンおよびGC含量が最適化されたFGF7 mRNA変異体のIVT mRNAトランスフェクションが、マウス3T3線維芽細胞でヒトFGF7タンパク質の増加した発現を誘導することを示す(SEQ ID NO:TransITと複合した各FGF7 mRNA配列;TransIT:TransIT mRNAトランスフェクション試薬のみ;ctrl:緩衝液のみ;トランスフェクション後72時間での分析)。
図5は、コドンおよびGC含量が最適化されたFGF2 mRNA変異体のIVT mRNAトランスフェクションが、ヒトBJ線維芽細胞でヒトFGF2タンパク質の増加した発現を誘導することを示す(SEQ ID NO:TransITと複合した各FGF2 mRNA配列;TransIT:TransIT mRNAトランスフェクション試薬のみ;ctrl:緩衝液のみ;トランスフェクション後24時間(A)およびトランスフェクション後72時間(B)での分析)。エラーバーはSEMを示す(分析した試料:n<6)。
図6は、コドンおよびGC含量が最適化されたFGF7 mRNA変異体のIVT mRNAトランスフェクションが、ヒトBJ線維芽細胞でヒトFGF7タンパク質の増加した発現を誘導することを示す(SEQ ID NO:TransITと複合した各FGF7 mRNA配列;TransIT:TransIT mRNAトランスフェクション試薬のみ;ctrl:緩衝液のみ;トランスフェクション後48時間での分析)。
図7は、コドンおよびGC含量が最適化されたmRNA変異体のIVT mRNAトランスフェクションが、ブタ皮膚上皮シートでヒトFGF2タンパク質の増加した発現を誘導することを示す(SEQ ID NO:TransITと複合した各FGF2 mRNA配列;TransIT:TransIT mRNAトランスフェクション試薬のみ;ctrl:緩衝液のみ;トランスフェクション後24時間(A)、48時間(B)および72時間(C)での分析)。
図8は、コドンおよびGC含量が最適化されたmRNA変異体のIVT mRNAトランスフェクションが、ブタ皮膚上皮シートでヒトFGF7タンパク質の増加した発現を誘導することを示す(SEQ ID NO:TransITと複合した各FGF2 mRNA配列;TransIT:TransIT mRNAトランスフェクション試薬のみ;ctrl:緩衝液のみ;トランスフェクション後24時間での分析)。
図9は、TransIT mRNAトランスフェクション試薬を使用したブタ上皮シートのEGFP mRNAトランスフェクションにより、ブタ皮膚上皮シートでeGFP発現が誘導されることを示す(A:リポソームのみをトランスフェクションしたブタ皮膚;B:TransITで製剤した0.5μg/ml eGFP IVTm RNAをトランスフェクションしたブタ皮膚;C:TransITで製剤した1μg/ml eGFP IVTm RNAでトランスフェクションしたブタ皮膚)。
図10は、mRNA/リポソーム複合体を使用したブタ上皮シートのeGFP mRNAトランスフェクションがブタ皮膚上皮シートでeGFP発現を誘導することを示す(A:リポソームのみでトランスフェクションしたブタ皮膚;B:リポソームで製剤した2μg/ml eGFP IVTm RNAでトランスフェクションしたブタ皮膚;C:リポソームで製剤した10μg/ml eGFP IVTm RNAでトランスフェクションしたブタ皮膚)。
図11は、LacZ IVT mRNAのトランスフェクション後24時間でのブタ皮膚外植片での全組織標本β-ガラクトシダーゼ(bGal)活性の検出を示す(A:Rnase阻害剤なしでDOTAPリポソームのみでトランスフェクションしたブタ皮膚;B:Rnase阻害剤なしのDOTAPリポソームで製剤化した5μg LacZ IVTm RNAでトランスフェクションしたブタ皮膚;C:DOTAPリポソームのみ+Rnase阻害剤でトランスフェクションしたブタ皮膚;D:Rnase阻害剤なしのDOTAPリポソームで製剤化した5μg LacZ IVTm RNAでトランスフェクションしたブタ皮膚;トランスフェクションの成功は、それぞれBとDの丸で囲まれた領域で強調表示してある)。
図12は、eGFP IVT mRNAのトランスフェクション後24時間でのブタ皮膚外植片でのeGFP発現の検出を示す(untreated:未処理生検;LNP ctrl:LNP対照で処理したブタ皮膚;eGFP-LNP:mRNA-Lipid-Nano Particlesでトランスフェクションしたブタ皮膚(濃度表示:2.5μg eGFP mRNA/用量);eGFP 2.5μg、eGFP 5μgおよびeGFP 10μg:非複合eGFP IVT-mRNAでトランスフェクションしたブタ皮膚(濃度表示:2.5+5+10μg mRNA/用量);buffer ctrl:緩衝液のみで処理したブタ皮膚)。
図13は、FLuc IVT mRNA(1μg mRNA/トランスフェクション)によるトランスフェクション後24時間でのブタ皮膚上皮シートにおけるホタルルシフェラーゼ(FLuc)発現の検出を示す。ブタの皮膚に、2つの異なるリポソーム(L1およびL2のみ)または高脂質対mRNA比(Fluc HL、高脂質)または低脂質対mRNA比(Fluc LL、低脂質)を使用したリポソームmRNA複合体をトランスフェクションした;Fluc mRNA複合体(TransIT Fluc)または非複合体TransIT(TransITのみ)を対照として使用した。A:96ウエルプレートでの生物発光検出;B:Tecan Infinite Luminescenceリーダーでの発光ユニットの検出。
図14は、FLuc IVT mRNA(1μg mRNA/トランスフェクション)によるトランスフェクション後24時間でのブタ皮膚外植片におけるホタルルシフェラーゼ(FLuc)発現の検出を示す。ブタの皮膚に、リポソームのみ(Lのみ)または高脂質対mRNA比(L Fluc (高脂質))または低脂質対mRNA比(L Fluc(低脂質))を使用したリポソームmRNA複合体をトランスフェクションした;Fluc mRNA複合体(TransIT Fluc)または非複合体TransIT(TransITのみ)を対照として使用した。A:トランスフェクション後24時間での上皮シートからの発光ユニットの検出;B:トランスフェクション後24時間での真皮外植片からの発光ユニットの検出。
図15は、非修飾ヌクレオチドを使用した天然FGF7 mRNAのIVT mRNAトランスフェクションにより、修飾ヌクレオチドを含むIVT mRNAと比較して、マウス3T3線維芽細胞におけるヒトFGF7タンパク質発現が増加することを示す(インビトロトランスフェクション中のCおよび5meCならびにUおよびプソイドUヌクレオチドの交換)(SEQ ID1:TransITと複合した非修飾FGF7 mRNA配列;Seq ID1_mn:TransITと複合した修飾ヌクレオチドを含む非修飾FGF7 mRNA配列;TransIT:TransIT mRNAトランスフェクション試薬のみ;トランスフェクション後24時間の分析。
図16は、コドンおよびGC含量が最適化されたFGF2 mRNA変異体のIVT mRNAトランスフェクションが、マウス3T3線維芽細胞で増加したヒアルロン酸合成を誘導することを示す(SEQ ID NO:TransITと複合した各FGF2 mRNA配列;TransIT:TransIT mRNAトランスフェクション試薬のみ;)。トランスフェクション後24時間および72時間での分析。
図17は、IVT mRNA誘導タンパク質とは対照的に、組換えFGFタンパク質はトランスフェクション/添加の24時間後に3T3細胞およびブタ初代線維芽細胞では不安定であることを示している。組換えFGFタンパク質を受け取った試料の4つの実験すべてで、残留するまたは新しく合成されたFGFタンパク質は検出できない。SEQ ID NO:TransITと複合した各FGF2およびFGF7 mRNA配列;rec. FGF2/7 1ng/ml:細胞を組換えFGF2またはFGF7タンパク質(1ng/ml)に曝露した。トランスフェクション/タンパク質添加後24時間の分析;(A)3T3細胞でのFGF2レベル;(B)ブタ初代線維芽細胞でのFGF2レベル;(C)3T3細胞でのFGF7レベル;(D)ブタ初代線維芽細胞でのFGF7レベル。
図18は、コドンおよびGC含量が最適化されたFGF7 mRNA変異体のIVT mRNAトランスフェクションが、ブタ細胞で増加したヒアルロン酸分泌を誘導することを示す(SEQ ID NO:TransITと複合した各FGF7 mRNA配列;TransIT:TransIT mRNAトランスフェクション試薬のみ;rec. FGF7:培養期間中に添加された組換えFGF7タンパク質(1ng/ml);neg. ctrl:緩衝液のみ);トランスフェクション後48時間での分析。
図19は、コドンおよびGC含量が最適化されたFGF7 mRNA変異体のIVT mRNAトランスフェクションが、ブタ上皮シートで増加したヒアルロン酸分泌を誘導することを示す(SEQ ID NO:TransITと複合した各FGF7 mRNA配列;neg. ctrl:緩衝液のみ);トランスフェクション後24時間での分析。
図20は、コドンおよびGC含量が最適化されたFGF2 mRNA変異体のIVT mRNAトランスフェクションが、ブタ細胞で増加したヒアルロン酸分泌を誘導することを示す(SEQ ID NO:TransITと複合した各FGF2 mRNA配列;TransIT:TransIT mRNAトランスフェクション試薬のみ;rec. FGF2:培養期間中に添加された組換えFGF2タンパク質(1ng/ml);neg. ctrl:緩衝液のみ);トランスフェクション後48時間での分析。
図21は、コドンおよびGC含量が最適化されたFGF2 mRNA変異体のIVT mRNAトランスフェクションが、ブタ上皮シートで増加したヒアルロン酸分泌を誘導することを示す(SEQ ID NO:TransITと複合した各FGF2 mRNA配列;neg. ctrl:緩衝液のみ);トランスフェクション後24時間での分析。
図22は、コドンおよびGC含量が最適化されたFGF7 mRNA変異体のIVT mRNAトランスフェクションが、ブタ細胞で増加したヒトFGF7タンパク質発現を誘導することを示す(SEQ ID NO:TransITと複合した各FGF7 mRNA配列;neg. ctrl:緩衝液のみ);トランスフェクション後24時間および48時間での分析。
図23は、コドンおよびGC含量が最適化されたFGF7 mRNA変異体のIVT mRNAトランスフェクションが、マウス3T3線維芽細胞で増加したヒトFGF7タンパク質発現を誘導することを示す(SEQ ID NO:TransITと複合した各FGF7 mRNA配列;neg. ctrl:緩衝液のみ);トランスフェクション後24時間および48時間での分析。
図24は、コドンおよびGC含量が最適化されたFGF7 mRNA変異体のIVT mRNAトランスフェクションが、マウス3T3線維芽細胞で増加したヒトFGF7タンパク質発現を誘導することを示す(SEQ ID NO:TransITと複合した各FGF7 mRNA配列;neg. ctrl:緩衝液のみ);トランスフェクション後24時間および48時間での分析。
図25は、コドンおよびGC含量が最適化されたFGF7 mRNA変異体のIVT mRNAトランスフェクションが、ヒト皮膚線維芽細胞(BJ細胞株)で増加したヒトFGF7タンパク質発現を誘導することを示す(SEQ ID NO:TransITと複合した各FGF7 mRNA配列;neg. ctrl:緩衝液のみ);トランスフェクション後48時間および72時間での分析。
Porc Fibs FGF2:図26は、コドンおよびGC含量が最適化されたFGF2 mRNA変異体のIVT mRNAトランスフェクションが、ブタ細胞で増加したヒトFGF2タンパク質発現を誘導することを示す(SEQ ID NO:TransITと複合した各FGF2 mRNA配列;neg. ctrl:緩衝液のみ);トランスフェクション後24時間および48時間での分析。
図27は、コドンおよびGC含量が最適化されたFGF2 mRNA変異体のIVT mRNAトランスフェクションが、マウス3T3線維芽細胞で増加したヒトFGF2タンパク質発現を誘導することを示す(SEQ ID NO:TransITと複合した各FGF2 mRNA配列;neg. ctrl:緩衝液のみ);トランスフェクション後48時間での分析。
図28は、コドンおよびGC含量が最適化されたFGF2 mRNA変異体のIVT mRNAトランスフェクションが、ヒト皮膚線維芽細胞(BJ細胞株)で増加したヒトFGF2タンパク質発現を誘導することを示す(SEQ ID NO:TransITと複合した各FGF2 mRNA配列;neg. ctrl:緩衝液のみ);トランスフェクション後48時間での分析。
本発明は、例えば、創傷、炎症または火傷による急性リモデリングプロセスにおいてのみ皮膚修復を通常刺激する特定の環境を活性化することにより、列挙した適応症を治療および予防することを目的とする。重要なことは、治療を目的とした組織領域には、意図した治療法を適用する前のこれらの活性化およびリモデリング刺激がなく、健康な皮膚と見なされることである。
本発明により、例えば、局所的な皮膚の低栄養状態、特に萎縮した皮膚の状態を患う患者の皮膚上または皮膚中への局所投与が可能となる。
本発明は、一般に局所的な皮膚の低栄養の治療を中心とし、特に萎縮性瘢痕の治療を目的としている。したがって、本発明による治療は、創傷治癒プロセスが既に起こった時点で、すなわち、しばしば創傷閉鎖および治癒の終了よりかなり遅れて(創傷治癒プロセスの数週間、数ヶ月または数年後)に行われる。したがって、低栄養の治療における問題と皮膚の状態は、創傷閉鎖および創傷治癒プロセスの前提条件とは大きく異なる。
したがって、本発明は、真皮組織が減少するすべての状態(すなわち、局所性低栄養状態、特に、皮膚弛緩症、慢性萎縮性先端皮膚炎、Pasini-Pierini型進行性特発性皮膚萎縮症(atrophodermia idiopathica et progressiva Pasini Pierini)、穿孔性皮膚炎に起因する瘢痕、萎縮性白化、脂肪性壊死、放射線皮膚炎、線条状伸展、萎縮性皮膚状態、糖質コルチコイド(GC)誘発性皮膚萎縮、萎縮性瘢痕および皮膚潰瘍)に適用可能である。そのような状態において、本発明は、例えば、エラスチンまたは細胞外マトリックス成分の発現によって局所的な皮膚体積を増加させ、それによって体積不足の緩和をもたらし、局所皮膚低栄養の治療をもたらすことを目的とする。
これらの方針に沿って、皮膚の低栄養状態は、以前に損傷が与えられたが、治癒が完全に解決された場所にある、沈んだ皮膚の領域を含む。もちろん、本発明によれば、萎縮は、局所皮膚領域の低栄養と比較して当業者には増加とみなされると考えられる。したがって、両方の形態は、健康で非低栄養性/萎縮性の皮膚領域と比較して真皮およびおそらく皮下組織の永久的な喪失を表し、萎縮状態は低栄養状態よりも顕著な減少を示す。
低栄養の皮膚の状態はまた、とりわけ萎縮性の皮膚の状態をも含む。例えば、萎縮性瘢痕およびGC誘発性皮膚萎縮は、萎縮性皮膚状態のサブグループとみなされる。基礎となる病態生理学的変化に応じて、萎縮性病変の程度と数は多かれ少なかれ顕著である:萎縮性瘢痕の場合、例えば損傷に関連する萎縮性瘢痕の場合、これらは通常顔の片側にのみ局在するが、にきび誘発性の萎縮性瘢痕は通常両方の頬に局在する。
深さ/重篤度に応じて萎縮性瘢痕を等級付けする一般的に受け入れられている臨床スケールはない。これは、重篤度には常に主観的な兆候があるという事実に基づいている。深さを超える萎縮性瘢痕の特異性を決定する要因は、その大きさ、色、および局在化である。つまり、最小限でほとんど見えない深さの瘢痕は、低栄養性/萎縮性と見なされることになっている。
最初の線維芽細胞成長因子(FGF)リガンド、FGF1およびFGF2は、培養した線維芽細胞の分裂促進因子として脳から最初に精製された。その発見以来、FGFリガンドとその受容体は多くの生物学的プロセスに関与しており、その調節不全はいくつかの先天性疾患(小人症など)およびいくつかの種類の癌を引き起こす。FGFは、細胞分裂促進能に加えて、培養中の細胞の生存、移動、分化を調節することもできる。細胞外リガンドのFGFファミリーの成員は、140アミノ酸の保存されたコアとヘパリン硫酸(HS)に対する強い親和性によって特徴付けられる。FGFの分子量は脊椎動物では17〜34kDaの範囲であるが、ショウジョウバエでは84kDaに達する。脊椎動物では、22のファミリーが同定されており、それらの配列相同性と機能に従って7つのサブファミリーに分類されている(Ornitz, BioEssays 22(2000), 108-112)。例えば、:FGF1およびFGF2(FGF1サブファミリー);FGF4、FGF5およびFGF6(FGF4サブファミリー);FGF3、FGF7、FGF10およびFGF22(FGF7サブファミリー);FGF8、FGF17およびFGF18(FGF8サブファミリー);FGF9、FGF16およびFGF20(FGF9サブファミリー);FGF11、FGF12、FGF13およびFGF14(FGF11サブファミリー);FGF19、FGF21、およびFGF23(FGF19サブファミリー))。細胞内FGF11-14を除くすべてのFGFは、チロシンキナーゼ受容体ファミリーであるFGF受容体(FGFR)を介してシグナルを送る。分泌されたFGFリガンドはFGFRの細胞外ドメインに結合し、これにより受容体の二量体化(FGF-FGFR-HS二量体)が起こり、細胞内チロシン残基のトランスリン酸化が起こる。これにより、Ras/ERK/MAPK経路(増殖と分化に関連)、Akt経路(細胞生存に関連)またはプロテインキナーゼC(PKC)経路(細胞の形態と移動に関与)などの細胞質シグナル伝達経路の活性化が引き起こされる。1つのサブファミリーを除き、すべてのFGFはヘパランとHSへの高親和性結合を示すため、その分泌に隣接する領域でパラクリン制御を発揮する。ヒトのFGF-21、FGF-23、およびFGF-19を含むFGF-19サブファミリーおよびマウスFGF-19同等物、FGF-15のみが内分泌様式で作用し、同族のFGF受容体を結合し生物活性を発揮するために共受容体として膜貫通タンパク質のクロトー遺伝子ファミリーを必要とする。
ケラチノサイト成長因子(KGF、FGF7)としても知られるFGF7は、ヒト胎児肺線維芽細胞の馴化培地から上皮マイトジェンとして最初に単離された。FGF7は主に間葉由来の細胞によって産生され、FGFR2bを強力に活性化することがよく知られているが、これまでのところ、他のFGFRアイソフォームに対する他の活性は検出されていない。主に上皮細胞におけるFGFR2b発現の限定されたパターンおよびこのFGFRアイソフォームに対するFGF7の高い特異性は、間葉上皮コミュニケーションを媒介するパラクリンシグナルとして機能するという仮説を支持する。マウスでのFGF7の機能喪失変異は、毛の特徴、腎臓の発達、および膀胱の尿路上皮の成層にわずかな変化をもたらすだけで、FGF7/KGFは発達器官形成に重要な役割を果たさないことを示している。FGF7の機能を分析する実験は、FGF7/KGFの主な役割が上皮の保存および/または修復プロセスの調節に集中していることを示唆している。急性傷害におけるFGF7/KGF活性について記載された有益な効果は、細胞増殖、遊走、分化、および生存などのプロセスを刺激することにより、相乗的に作用して組織の完全性(主に上皮)を強化する複数のメカニズムから生じる。したがって、FGF7/KGFは、上皮組織の保存または迅速な回復が有益である臨床応用を特定するための集中的な努力の対象であった。現在、自家血液前駆細胞移植前の血液悪性腫瘍患者における重度の口腔粘膜炎の治療のために、組換えFGF7/KGFの短縮形(パリフェルミン、Kepivanceとして販売)が承認されている。
FGF7/KGFはまた、皮膚の組織損傷(マウスおよびヒトの全層創傷)後に上方制御されることが示された。そのような観察に基づいて、動物でFGF7/KGFを用いた実験を行って、皮膚への局所適用が表皮創傷修復を刺激できるかどうかを決定した。重要なことは、タンパク質の適用によって得られるこれらの効果の大きさは、臨床開発を保証するのに十分とは考えられなかった。
FGFファミリーの原型メンバーである線維芽細胞成長因子2(FGF2)は、単一の遺伝子によってコードされている。しかしながら、代替の翻訳開始コドンとポリアデニル化シグナルはさまざまなアイソフォームを生成する(Touriolら、Biol. Cell. 95 (2003), 169-178)。低分子量FGF2(Lo FGF2)は、従来のAUG開始コドンから翻訳された18kDaのタンパク質であり、その155アミノ酸配列はすべてのFGF2アイソフォームに共通である(Ibrahimiら、2004)。代替アイソフォーム(例えば、20.5および21kDa)は、AUGコドンの上流およびインフレームのCUG部位から生成される。これらの形態は核に局在しており、FGF2の内分泌作用の原因となっている。FGF2の18kd形式のCDS中のRNA配列は468ヌクレオチドであり、アクセッション番号J04513.1で公開されているデータベース(https://www ncbi.nlm.nih.gov/nuccore)に開示されている天然の完全長mRNA配列の不可欠な部分である。あるいは、当該配列はまた、それぞれNM_002006.4およびM27968.1にも開示されている。21.5kd形式はCDSに591ヌクレオチドを持ち196アミノ酸をコードし、22kd形式のCDSは210アミノ酸をコードする633ヌクレオチドを持つ。これらのCDS変異体の使用はまた、本発明に記載されているFGF2の短い形態の分泌をもたらすであろう。
FGF2のアイソフォームは、組織の種類に依存する固定モル比で発現される。マウスにおけるヒトFGF2遺伝子の過剰発現は、ヒトFGF2タンパク質生成物におけるこれらの比率を変化させないため、これらの比率は翻訳によって調節される。高分子量FGF2と低分子量FGF2とは相互に関連している可能性があり、相対的な比率および/または局在化に応じて互いの生物学的活性を調節する。FGF2アイソフォームは差異的に局在し、異なる遺伝子発現プロファイルを示す。虚血/再灌流(I/R)損傷に応答して、低分子量FGF2のみが心臓細胞から放出され、高分子量FGF2の内分泌局在をさらに示す。輸送された低分子量FGF2は、FGF受容体(FGFR)に細胞外で結合し、その結合は、FGF2の細胞内プロセシングに後で関与する非シグナル伝達ヘパリン/ヘパラン硫酸プロテオグリカンによって調節される。
使用が提案されているFGF2の代替配列には、CDSの変化も含まれる。FGF2には標準的な分泌シグナルがなく、輸送はエネルギー依存性の非ER/ゴルジ経路によって媒介される。それゆえ、FGF2コード配列内に代替分泌シグナルを追加することが分泌を増加させることが示唆されており、含まれている:Sohnら(Sohnら、Biochem Biophys Res Commun 284 (2001): 931-936.)はFGF-4の古典的な分泌シグナル配列を使用し、Sasadaら(Ann NY Acad Sci 638 (1991): 149-160)はIL-2の分泌シグナル配列を使用し、Blamら(Oncogene 3 (1988): 129-136)は成長ホルモンの分泌シグナル配列を使用している。
さらに、4つのシステインの2番目および3番目(すなわち、cys-70およびcys-88)のセリンおよびアスパラギンへの変異も、FGF2の生物活性に影響を与えることなくタンパク質の安定性を高めることが示唆されている。したがって、これら変異と上記のように変更された分泌配列との組み合わせも同様に示唆されている。これらの方針に沿って:Chenら(J. Cell. Biochem. 100 (2007): 1493-1508およびその中の参考文献)は、BMP、特にBMP-2/4ハイブリッド分泌シグナル配列を4つのシステインの2番目および3番目(すなわち、cys-70およびcys-88)のセリンおよびアスパラギンへの変異とともに用いて、変異FGF2タンパク質の安定性および分泌を増加させることを示唆している。
FGF2は一般に、内皮細胞、線維芽細胞およびケラチノサイトを含むさまざまな細胞タイプの強力なマイトジェンおよび化学誘引物質と考えられている。提案されている他の機能の中で、FGF2は代謝を刺激し、細胞外マトリックス(ECM)を調節でき、また中胚葉由来細胞の動きにも影響を与えることが示唆されている。FGF2機能はまた、四肢および神経系の発達にも必要であり、腫瘍の増殖も促進する。
これらの方針に沿って、創傷治癒に対するFGF2の潜在的な適用可能性を分析するいくつかの実験が行われた。組換えFGF2の皮膚創傷への投与は、前臨床モデルにおける急性および慢性の創傷治癒を促進し得る。さらに、bFGFノックアウトマウスは皮膚創傷の治癒の遅延を示し、これはFGF2シグナル伝達が脊椎動物の正常な創傷治癒にも関与している可能性があることを示している。しかしながら、急性創傷治癒および関連するリモデリング以外のプロセスにおける潜在的な機能は、わからないままである。
一般に、動物実験での明らかな有効性にもかかわらず、創傷修復および皮膚リモデリングを強化するために組換えタンパク質として投与される成長因子の臨床的成功は期待はずれであった。FGF2およびFGF7の適用は、前臨床領域での急性創傷治療に有効であることが示されているが、臨床ルーチンの治療オプションになることはなかった。理由は明らかである。
治療には、数週間にわたる頻繁な(毎日1日1回または複数回の投与)病巣周辺の注射/投与が必要である。また、組み換えタンパク質は高価であり、製剤の品質および重要なことに生物活性は異なっていた。FGFは、製品中のさまざまな程度の非活性および活性タンパク質による治療に匹敵するレベルの生物活性を提供するために、広範な精製および効力/生物活性試験を必要とする遺伝子組み換え大腸菌株を使用した組換えDNA技術によって生産された。
さらに、創傷環境に存在するマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)および他の骨髄細胞由来のプロテイナーゼの濃度が高いため、組換えタンパク質の生物活性が急速に低下すると仮定されている。さらに、ボーラス投与はタンパク質を創傷領域に局在させないため、非標的組織の血管新生や腫瘍成長の刺激などの有害な副作用を引き起こす可能性のある大量の成長因子を必要とする。それぞれ2つの薬理学的に活性なFGF(FGF7およびFGF2)の分析も、組換えタンパク質が有用な治療薬として機能できないことを支持している(非常に迅速な排出のための非常な高用量および限られた効力)。FGF7タンパク質Kepivanceの薬物動態が、健康な被験者および血液悪性腫瘍患者で研究された。健康な被験者には20-250μg/kg、癌患者には60μg/kgの単回静脈内投与後、投与後最初の30分間でKepivance濃度は95%を超えて低下した。排出半減期は、平均4.5時間(範囲:3.3〜5.7時間)で健康な被験者と癌患者との間で類似していた。健康な被験者で20および40μg/kg、癌患者で60μg/kgを1日3回連続投与した後、Kepivanceの蓄積は起こらなかった。同様に、組換えFGF2製剤は、静脈内注射すると2.9分の血清半減期を示す(Edelmanら、PNAS 90 (1993), 1513-1517)。
あるいは、薬学的に活性なFGF2は、線維芽細胞スプレー(Fiblast Spray)として市販されているFGF2の組換え型であるトラフェルミン(Trafermin)として使用される。世界初の組換えヒトbFGF製品である線維芽細胞スプレーは、2001年に日本で販売され、日本での創傷治癒用途(褥瘡および皮膚潰瘍)で使用されている。通常のレジメンには、30μg FGF2/6cm2皮膚領域での4週間の毎日の投与が含まれ、限られた効果しか示さない。
成長因子をコードするDNA/cDNAによる治療は、動物モデルで創傷治癒を促進する能力について以前に評価されている。しかしながら、成長因子自体が創傷修復の改善に示した効果はこれまで一貫していなかった。さらに、試験した動物モデルで統計的に有意な効果を達成するためには、成長因子DNAの高用量の反復投与が治療に必要であった。この低い有効性は、DNAベースの核酸療法の固有の問題も明らかにしている:DNAは、タンパク質発現を誘導するには、細胞膜を通過し、細胞質タンパク質合成を(機能的なIVT mRNAとして)誘導する必要があるだけでなく、核内に輸送されて、遺伝子転写およびその後の翻訳を達成する必要がある。この非効率的なプロセスに加えて、DNA療法の開発は、DNA分子の潜在的で制御できないゲノム挿入および関連する変化(細胞異常の発生、アポトーシス、突然変異挿入、癌発生などを含む)のリスクもある。内因性の高リスクと低有効性プロファイルの組み合わせにより、臨床診療への成功した開発がこれまで妨げられていた。
これらの方針に沿って、急性創傷の治療におけるFGF7/KGFまたはFGF2のcDNAの前臨床試験を行った。分析したさまざまな創傷タイプには、例えば、火傷、切除創、皮膚剥離、皮膚皮弁の上昇が含まれていた。これらの実験は、裸またはリポソーム製剤と複合体化した完全長FGF7およびFGF2 cDNAをブタおよび齧歯類の創傷モデルに適用することにより、創傷閉鎖および創傷治癒を分析するために設計した。
KGF/FGF7の裸のcDNA注入が創傷治癒実験で行われている。Martiらは、BALB-Cマウスの全層切除創を2つの注射部位でPBS中の50μg KGF/FGF7 DNAの皮内注射(i.d.)で処理し、その後エレクトロポレーションを行った(Martiら、Gene Ther. 11 (2004): 1780-5)。KGF/FGF7およびエレクトロポレーションで処理した創傷は、創傷の12日後に創傷面積がわずか38%しか減少しないことがわかった。特に、エレクトロポレーションなしのKGF cDNAでの処理は、ビヒクル対照を超える創傷治癒の有意な改善を示さなかった。同様に、Linらもまた、裸のKGF DNAとエレクトロポレーションを試験し、ラット敗血症モデルで同じ用量(2つの注射部位でPBS中の50μgのKGF)で同様に小さな創傷面積を見出し、エレクトロポレーションなしでは有意な効果を観察できなかった(Linら、Wound Repair Regen. 14 (2006): 618-24)。
KGF DNAプラスミドの局所適用は、マウスのマイクロダーマブレーションモデルで、新たに医原的に傷つけられた脆弱な皮膚の潜在的な治療法として評価されている。処置されたマウスは、微小皮膚剥離領域で大量のプラスミドDNA(すなわち、4日間で12時間ごとに局所的に50μgのプラスミドDNA)を繰り返し投与された(Douら、Mol Ther. 22 (2014): 752-61. doi: 10.1038/mt.2014.2)。創傷およびトランスフェクションされた領域の上皮の厚さは、対照ベクター群に比べて、処理48時間後に、真皮の厚さは120時間後に、有意に増加した。
さらに、Jeschkeらは、熱湯処理による熱傷を使用した急性創傷治癒のモデルを試験した。ここで、Sprague-Dawleyラットは、リポソーム中の2.2μg KGFの4週間にわたる皮下(s.c.)注射またはリポソームのみの対照を受けた(Jeschkeら、Gene Ther. 9 (2002), 1065-74)。この研究では、対照と比較して、上皮化の非常にわずかな加速のみが、VEGFおよびIGF-Iを含む他の成長因子の発現の増加と同様に観察された。同じ熱傷モデルおよび投与を使用したJeschkeらによる追加のリポソーム遺伝子導入研究もまた、それぞれインシュリン様成長因子(IGF-I)cDNA、およびKGFとIGF cDNAの組み合わせで処理した場合に、Sprague-Dawleyラットで同様の結果を示した。しかしながら、Jeschkeらによる初期の研究は、これらの熱傷モデルにおける創傷修復に対するリポソーム製剤自体の潜在的な効果に対処しなかった。同じグループによる2005年の研究は、リポソームのみの異なる製剤の皮下注射が再上皮化の速度を増加させることを見出した(Jeschkeら、Gene Ther. 9 12 (2005), 1718-24)。実際、0.2mL DOTAP/Cholリポソームを毎週2つの注入部位に皮下注入すると、生理食塩水で処理した対照と比較して上皮化が最大200%加速され、KGF、血管内皮成長因子(VEGF)、およびインスリン様成長因子結合タンパク質3(IGFBP-3)レベルが有意に増加した。これは非常に興味深いことであり、以前の研究で報告されているように、リポソームKGFおよびIGF1 DNAの適用が創傷の再上皮化をほぼ250%加速したため、DNAベースの治療法の非常に限られた有効性を示している。Jeschkeの刊行物と同じ用量とスケジュールを使用したPereiraらによる2007年の研究もまた、KGF-Iとリポソームでの40%±5%のわずかな増加と比較して、リポソーム単独での処理後の再上皮化で22%±5%の改善を見出した(Pereiraら、J. Surg. Res. 139 (2007), 222-8)。
FGF2 DNAベースの治療法については、これまでに創傷治癒に対処する非常に限られた実験のみが記載されている。Fujiharaら(2005)は、300μgのbFGFプラスミドDNAを背側の筋肉に移し、その後のエレクトロポレーションにより、エレクトロポレーションの2日後のフラップ上昇後の虚血皮膚フラップの生存が、主に筋肉から上層の皮膚への血管新生を誘導することによって改善されることを示した(Fujiharaら、Br. J. Plast. Surg. 58 (2005) 511-7)。皮膚構造(skin architecture)に対する明確な効果は分析されていない。同様に、Ferraroら(2010)は、FGF-2(pFGF)をコードするプラスミドDNAの皮内注射とその後の非侵襲的皮膚エレクトロポレーションにより、後肢虚血のラットモデルで血流と血管新生が増加することを示した(Ferraro ら、Gene Ther. 17 (2010), 763-9.doi: 10.1038/gt.2010.43)。pFGFの送達に加えてエレクトロポレーションを行うとFGF-2発現が10日間有意に増加したのに対し、エレクトロポレーションなしのpFGFの送達は明白な改善をもたらさなかった。したがって、FGF2の皮膚の過剰発現に関連する主な効果は、血管新生以外の皮膚構造の明白な変化ではなく、血管新生であった。
Yangら(2012)(Mol. Pharm. 9 (2012), 48-58. doi: 10.1021/mp200246b)は、サイトメガロウイルスプロモーター発現ベクター(C末端eGFPタグ付きタンパク質)内に組換えマウスbFGFと強化緑色蛍光タンパク質との融合タンパク質(bFGF/eGFP)をコードする全長FGF2コンストラクト(6777bp)を適用した。この研究では、全層切除創傷を有する糖尿病ラットを、創傷領域を覆い繊維の成分としてFGF2プラスミドPEIポリプレックスを含む繊維マット、FGF2プラスミドPEIポリプレックスに浸したマット、繊維マットのみで処理し、または未処理のままにした。創傷閉鎖の研究は、FGF2投与群がFGF2非投与群と比較して治癒率が高いことを示した。しかしながら、これらの効果は統計的に有意であったが、ささやかなものであった:対照動物は、未処理では3週間後に67%の創傷閉鎖を示したが、繊維マットはこの率を78%に増加させた。このようなマットへのFGF2プラスミドの装填は87%の増加をもたらし、生産時のプラスミドの繊維への統合は、この時点でほぼ完全な創傷閉鎖をもたらした。
すでに上記で要約したように、創傷治癒における組換えタンパク質およびDNAベースの治療の成功率はこれまでのところ非常に低かった。さらに、低栄養性皮膚および萎縮性瘢痕の治療における医学的ニーズを満たすための新規治療パラダイムの開発を保証する、低栄養性皮膚および萎縮性瘢痕の治療戦略が欠如していた。
本発明で使用されるmRNAは、当業者に知られ利用可能な(5'から3'の順序で)(少なくとも)5つの要素を含む:5'CAP領域、5'非翻訳領域(5'-UTR)、FGF2またはFGF7のコード領域、3'非翻訳領域(3'-UTR)およびポリアデノシンテール(ポリAテール)。コード領域は、もちろん(ヒト)FGF2またはFGF7をコードする必要があり、他の成員は(天然の)FGF2またはFGF7 UTRまたは好ましくは他のUTRであってよい。本発明による特に好ましいUTRは、本発明によるmRNA分子の特性を改善する、すなわち、投与部位でのmRNAのFGF2および/またはFGF7タンパク質へのより良いおよび/またはより長いおよび/またはより効果的な翻訳を行うことにより改善するUTRである。
「CAP領域」(「5'CAP」)とは、mRNA分子の5'末端にある構造を指し、通常、異常な5'から5'への三リン酸結合を介してmRNAに接続されたグアノシンヌクレオチドからなる。このグアノシンヌクレオチドは、生体内でメチルトランスフェラーゼによってキャッピングされた直後の7位でメチル化される(「7-メチルグアニル酸CAP」(「m7G」)、「cap-0」)。さらなる修飾には、mRNAの5'末端の最初の2つのリボース糖の2'ヒドロキシ基の可能なメチル化が含まれる(すなわち、「CAP1」および「CAP2」):「CAP1」は最初のリボース糖にメチル化された2'-ヒドロキシ基を有し、「CAP2」は最初の2つのリボース糖にメチル化された2'-ヒドロキシ基を有する。5'CAPは、RNA分子の3'末端と化学的に類似している(CAPリボースの5'炭素は結合しており、3'炭素は結合していない)。このことは、5'エキソヌクレアーゼに対する顕著な耐性を提供し、したがって、インビボでの安定性も提供する。本発明によるmRNAの生成のため、CAPアナログを使用することもでき、これには、限定されないが以下が含まれる:モノメチル化CAPアナログ(mCAP)、アンチリバースCAPアナログ(Anti-Reverse Cap Analog、ARCA CAP)、m7G(5')ppp(5')A RNA CAP構造アナログ、G(5')ppp(5')A RNA CAP構造アナログ、およびG(5')ppp(5')G RNA CAP構造アナログ。
「(5'-または3'-)UTR」という語は、分子遺伝学におけるmRNAの非翻訳領域の確立された概念を指す。mRNA鎖のコード配列の両側に1つのUTRがある。5'側のUTRは5'-UTR(またはリーダー配列)であり、3'側のUTRは3'-UTR(またはトレーラー配列)である。5'-UTRはコード配列の上流にある。5'-UTR内には、リボソームによって認識され、リボソームが結合して翻訳を開始できる配列がある。翻訳開始のメカニズムは、原核生物と真核生物で異なる。3'-UTRは翻訳停止コドンの直後にある。3'-UTRは、翻訳終結および転写後の遺伝子発現において重要な役割を果たす。本発明で使用されるUTRは、通常、本発明によるmRNA分子に有益な安定性および発現(翻訳)特性を付与する。3'-UTRの3'末端にはまた、核の輸送、翻訳、およびmRNAの安定性に重要な複数のアデノシン一リン酸の領域が含まれる。このいわゆるポリアデノシン(ポリA)テールは、少なくとも60個のアデノシン一リン酸、好ましくは100個、最も好ましくは120個のアデノシン一リン酸からなる。
「ポリAテール」は、複数のアデノシン一リン酸で構成されている。それは、アデニン塩基のみを持つ天然に存在するmRNAの一部である。「ポリアデニル化」と呼ばれるこのプロセスは、遺伝子発現過程での翻訳のための成熟メッセンジャーRNA(mRNA)を生成するプロセスの一部である。ポリアデニル化の天然のプロセスは、遺伝子の転写が終了すると始まる。新しく作られたpre-mRNAの最も3'のセグメントは、最初に一連のタンパク質によって切断される。ついで、これらのタンパク質はRNAの3'末端でポリ(A)テールを合成する。いくつかの遺伝子では、これらのタンパク質はいくつかの可能な部位の1つにポリ(A)テールを追加する。したがって、ポリアデニル化は、選択的スプライシングと同様に、単一の遺伝子から複数の転写産物を生成できる(代替ポリアデニル化)。ポリ(A)テールは、核の輸送、翻訳、およびmRNAの安定性にとって重要である。したがって、本発明に関しては、本発明によるmRNA分子の十分なポリアデニル化に重要なのは、主に翻訳および安定性特性である。タンパク質の生成中、テールは時間とともに短縮され、十分に短くなるとmRNAは酵素的に分解される。本発明によるポリAテールは、ヒト療法においてmRNA分子を投与する技術分野で現在使用および適用されている方法で提供される。例えば、ポリAテールは少なくとも60個のアデノシン一リン酸長であり得る。好ましい実施形態によれば、ポリAテールは少なくとも100個のアデノシン一リン酸であり、特に少なくとも120個のアデノシン一リン酸である。これにより、優れた安定性とタンパク質生成が可能になる。しかし、他の特徴に関しては、本発明によるmRNA分子の作用および活性はまた、ポリAテールの特徴によっても調節され得る。
本発明によるmRNA分子に使用される配列は、天然のものであっても天然のものでなくてもよい。このことは、FGF2またはFGF7コード領域およびUTRにも当てはまる。
「天然」という語は、その自然環境におけるヒトFGF2およびFGF7 mRNAに関する。
好ましくは、配列は天然のものではないが、有効性、安定性、送達性、生産性、翻訳開始および翻訳などのmRNA分子のさまざまなパラメーターを増加させるために改善される。
例えば、天然のFGF2および/またはFGF7コード配列を使用する代わりに、GC含量またはコドン適応指数(CAI)に関して最適化された配列が、本発明の好ましい実施形態に従って使用され得る(以下を参照)。
本発明で開示される特に好ましい配列は、UTR組成および/またはGC含量および最適化されたコドン使用に関して改善され(コドン適応指数CAIにより決定される、すなわちGC含量およびCAIが本発明で定義された閾値を超えている)、FGFタンパク質の絶対生産、FGF発現の寿命およびとりわけ細胞外マトリックス生産の有効性および真皮容積の増加を含むさまざまなパラメーターを増加させることができる。このことは、本発明で提供される実施例、例えば、実施例17でもさらに説明される。したがって、これらの変更された配列は、本発明の教示に従って、低栄養性皮膚状態、特に萎縮性瘢痕の持続可能な改善を達成するのに特によく適している。
本発明による特に好ましい配列は、それぞれヒトFGF2およびヒトFGF7タンパク質をコードする本発明に記載のコード配列を含む。好ましいコード配列は、例えば、FGF7の場合は配列番号2、配列番号3、配列番号4を含み、FGF2の場合は配列番号19、配列番号20および配列番号21を含む。
本発明は、そのメカニズムにより、一般に、低栄養性皮膚状態、特に萎縮性皮膚状態の治療を対象とする;しかしながら、萎縮性瘢痕および糖質コルチコイド(GC)誘発性皮膚萎縮は、本発明で対処される好ましい治療適応症である;一方、特に老化した肌の場合、皮膚の美容的処置も可能である。萎縮性瘢痕は、臨床的には正常な真皮の喪失として現れるが、表皮の皮膚細胞の喪失をもたらす全身性皮膚萎縮を示すと広く説明されている。臨床的には、萎縮性瘢痕は古典的に皮膚の窪み(depressions of the skin)として現れ、他の原因の中でも一般的にニキビの後に発生する。本発明は、患者にとって成功した臨床結果および特に萎縮した皮膚組織の皮膚状態の少なくとも有意な改善を得べく、強力な分子(FGF2および/またはFGF7をコードするmRNA)の非常に入念な仕方での投与を可能にする。局所的な皮膚低栄養状態、特に萎縮性瘢痕などの萎縮性皮膚状態の改善は、病変の大きさを定量することで測定される。侵襲的測定には、組織学的、免疫組織化学的または生化学的方法に基づくコラーゲン、エラスチンまたはグリコサミノグリカンなどの細胞外マトリックス成分の定量化が含まれる。評価は、ベースラインおよび治療後の定められた時点で行われる。変更は、ベースラインからの変更として表される。
したがって、好ましい実施形態によれば、本発明は、好ましくは、皮膚弛緩症、慢性萎縮性先天性皮膚炎、Pasini-Pierini型進行性特発性皮膚萎縮症、穿孔性皮膚炎に起因する瘢痕、萎縮性白化、脂肪性壊死、放射線皮膚炎(電離放射線への暴露に起因する皮膚の変化)、線条状伸展(妊娠、急速な成長、消化性肥満により引き起こされる)、萎縮性皮膚状態、萎縮性瘢痕 、グルココルチコイド(GC)による皮膚萎縮、および皮膚潰瘍からなる群から選択される局所皮膚低栄養状態(すなわち、1つまたはいくつかの皮膚層の萎縮状態をもたらす皮膚疾患)に対処する。
すでに記載したように、本発明によって対処可能な範囲は、所定の皮膚層の体積のわずかな減少から、完全な組織損失、その最大の変化までに及ぶ。本発明に従って治療される潰瘍の兆候に関して、外傷、自己免疫病理学、灌流低下(動脈または静脈)、心因性損傷(自己外傷)、感染症を含む多数の原因がある。特定の疾患には、細菌感染の結果としての潰瘍性皮膚炎、潰瘍性サルコイドーシス、潰瘍性扁平苔癬、糖尿病性足潰瘍、高血圧に伴う潰瘍、静脈不全に伴う潰瘍、神経障害性潰瘍、褥瘡、血管炎(中小血管)、壊疽性膿皮症、リウマチ性潰瘍、脂肪壊死症、薬物誘発壊死(例えば、ワルファリン、ヘパリンによって引き起こされる)、凝固障害に関連した潰瘍(例えば、抗リン脂質症候群、プロテインS欠乏によって引き起こされる)が含まれる。
萎縮性瘢痕は、主に患者の顔、胸、背中に現れる。最も一般的な原因はニキビと水痘であるが、手術、感染、薬物(例えば、ステロイド注射、ペニシラミン)、自己免疫プロセス(例えば、慢性円板状エリテマトーデス)、外傷、神経性および心因性(例えば、若い女性の皮膚かきむしり症(acne excoriee de jeunes filles))傷害からも生じる。低栄養/萎縮領域は、急性/活動性創傷または組織リモデリングの活動部位を構成しないが、局所組織損傷後の非効率的で異常な修復メカニズムの最終結果を構成する。萎縮性瘢痕の場合、真皮の体積が減少すると、患部の皮膚領域が下向きに引っ張られ、くぼんだ外観が生じる。
本発明の主要な治療領域はヒト医学であるため、最も好ましい実施形態は、もちろん、コード領域がヒトFGF、特にヒトFGF2またはヒトFGF7をコードするmRNAである(本発明の実施例セクションに開示されている種々の配列番号によってコードされるように)。これらの分子はまた、本発明によるヒト化粧品用途にも好ましい。
本発明の好ましい実施形態によれば、本発明のmRNAは、5'-UTRおよび/または3'-UTR(好ましくは3'UTR)に細胞内でのmRNAの半減期を増加させることができる1つ以上の安定化配列を含む。これらの安定化配列は、ウイルス、細菌および真核細胞に天然に存在する配列と100%の配列相同性を示すものであってよいが、部分的または完全に合成されたものであってもよい。そのような安定化配列の例には、Nucleic Acids Res. 2010; 38(データベース発行):D75-D80. UTRdb and UTRsite(2010年公開):a collection of sequences and regulatory motifs of the untranslated regions of eukaryotic mRNAsおよびhttp://utrdb.ba.itb.cnr.it/が含まれる。
本発明において使用され得る安定化配列のさらなる例として、例えばホモサピエンスまたはアフリカツメガエルのβ-グロビン遺伝子の非翻訳配列(UTR)が挙げられ得る。
安定化配列の別の例は、Holcikら(
Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1997, 94: 2410-2414)に記載されており、一般式:
(C/U)CCANxCCC(U/A)PyxUC(C/U)CC(配列番号38)
を有し、これは、例えばα(1)-コラーゲンまたはαグロビン、およびALOX15またはチロシンヒドロキシラーゼをコードする非常に安定したmRNAの3'UTRに含まれている(ここで「x」は(NxおよびPyxで独立して)0〜10、好ましくは0〜5の整数(Holcikら、1997)、特に0、1、2、4および/または5である)。
このような安定化配列は、本発明のmRNAを安定化するために個別にまたは互いに組み合わせて、および当業者に知られている他の安定化配列と組み合わせて使用することができる。例えば、ヒトのβ-グロビン3'-UTR配列の安定化効果は、ヘッドトゥーテールの方向に配置された2つのヒトのβ-グロビン3'-UTRを使用することによりさらに増強される。
したがって、本発明によるFGF2またはFGF7 mRNAの好ましい実施形態は、5'-UTRまたは3'-UTRまたは5'-UTRおよび3'-UTRが天然FGF2またはFGF7 mRNAとは異なるmRNAであり、好ましくは、5'-UTRまたは3'-UTRまたは5'-UTRおよび3'-UTRが少なくとも1つの安定化配列、好ましくは一般式:(C/U)CCANxCCC(U/A)PyxUC(C/U)CC(配列番号38)の安定化配列を含む。
好ましくは、5'-UTRおよび/または3'-UTRは、好ましくはアルファグロビン、ベータグロビン、アルブミン、リポキシゲナーゼ、ALOX15、アルファ(1)コラーゲン、チロシンヒドロキシラーゼ、リボソームタンパク質32L、真核生物伸長因子1a(EEF1A1)、オルソポックスウイルスに存在する5'-UTR要素、およびこれらの混合物から選択され、特に、アルファグロビン、ベータグロビン、アルファ(1)コラーゲン、およびその混合物から選択される、FGF2またはFGF7とは異なるヒトmRNAの5'-UTRおよび/または3'-UTRである。
したがって、本発明は、好ましくは、サイトゾル中のmRNAの半減期を増加させることができる1つまたは複数の安定化配列を3'-UTRに含むmRNAに関する。これらの安定化配列は、ウイルス、細菌および真核細胞に存在する天然の配列と100%の配列相同性を示すものであってよいが、部分的または完全に合成されたものであってもよい。本発明において使用され得る安定化配列の例として、例えばホモサピエンスまたはアフリカツメガエルのβ-グロビン遺伝子の非翻訳配列(UTR)が挙げられ得る。既に記載したように、安定化配列の別の例には、一般式:(C/U)CCANxCCC(U/A)PyxUC(C/U)CCがあり、これは、α-グロビン、α-(1)-コラーゲン、15-リポキシゲナーゼまたはチロシンヒドロキシラーゼをコードする非常に安定したmRNAの3'-UTRに含まれている(Holcikら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1997, 94:2410-2414を参照)。そのような安定化配列は、本発明の修飾mRNAを安定化するために個別にまたは互いに組み合わせて、および当業者に知られている他の安定化配列と組み合わせて使用することができる。
本発明の別の好ましい実施形態は、リボソームタンパク質32Lに由来する5'-TOP-UTRであり、その後にアルブミン-3'-UTRに由来する安定化配列が続く。
したがって、本発明によるFGF2またはFGF7 mRNAの好ましい実施形態は、3'-UTRの3'末端に複数のアデノシン一リン酸の領域を含むmRNA分子である。このいわゆるポリアデノシン(ポリA)テールは、少なくとも60個のアデノシン一リン酸、好ましくは少なくとも100個、最も好ましくは少なくとも120個のアデノシン一リン酸からなる。
特定の場合には、mRNAを不安定化することも、タンパク質生産の期間を制限するために望ましい場合がある。この効果は、AUリッチエレメントなどの不安定化配列エレメント(DSE)を3'-UTRに組み込み、これによりmRNAの迅速な分解と短期間のタンパク質発現を保証することで実現できる。
特定の実施形態では、3'および/または5'UTRに不安定化配列エレメント(DSE)を欠くmRNAを提供することが望ましいが、そのようなDSEの存在または導入が有利である他の実施形態があり得る。一般に、「DSE」とは、転写産物の半減期、例えば細胞および/または生物、例えば、ヒト患者内での本発明によるmRNAの半減期を短縮する配列を指す。したがって、DSEはRNA転写物の細胞内半減期を短縮するヌクレオチドの配列を含む。
DSE配列は、たとえば、c-fos、c-jun、c-myc、GM-CSF、IL-3、TNF-α、IL-2、IL-6、IL-8、IL-10、ウロキナーゼ、bcl-2、SGL T1(Na(+)-共役グルコース輸送体)、Cox-2(シクロオキシゲナーゼ2)、PAI-2(プラスミノーゲン活性化因子阻害剤2型)、ベータ(1)-アドレナリン受容体またはGAP43(5'-UTRおよび3'-UTR)などの短命のmRNAに認められる。
その他のDSEは、九量体UUAUUUA(U/A)(U/A)(ここで、U/AはAまたはUである)および/または五量体AUUUAおよび/または四量体AUUUの単一、タンデムまたは複数または重複コピーを含む、AUリッチ要素(ARE)および/またはUリッチ要素(URE)である。さらなるDSEはNucleic Acids Res. 2010; 38(データベース発行):D75-D80. UTRdb and UTRsite(2010年公開):a collection of sequences and regulatory motifs of the untranslated regions of eukaryotic mRNAsおよびhttp://utrdb.ba.itb.cnr.it/に記載されている。
したがって、5'-UTRまたは3'-UTRまたは5'-UTRおよび3'-UTRが少なくとも1つの不安定化配列エレメント(DSE)、好ましくはAUリッチエレメント(ARE)および/またはUリッチエレメント(URE)、特に五量体AUUUAおよび/または四量体AUUUなどの、九量体UUAUUUA(U/A)(U/A)(ここで、U/AはAまたはUを意味する)の単一、タンデム、または複数または重複コピーを含むのも好ましい。
これらの安定化および不安定化エレメントは、タンパク質生産の所定の持続時間を目指し、および本発明の治療を局所皮膚低栄養状態、特に萎縮性皮膚状態、罹患皮膚の重篤度および/または特定の患者グループに合わせるため、単独または組み合わせて使用することができる。
FGFをコードする核酸も治療用途に提案されてきたが、これらの提案はかなり前に提案されており、ほとんどがDNA(RNAまたは具体的にmRNAではなく)に関連しており、全く異なる分野および投与方法に関連していた。さらに、本発明の文脈で明らかにされた利点は、FGF2-/FGF7-mRNAのこれらの先行技術の使用では観察されなかった。
腫瘍抗原をコードする遊離mRNAと組み合わせたカチオン性またはポリカチオン性化合物と複合化したアジュバントmRNAを含む免疫刺激性組成物の使用が、以前に、腫瘍疾患、自己免疫、感染性およびアレルギー疾患の予防、治療および/または改善のためにWO2010/037408A1に記載されている。このアプローチにより、投与された遊離mRNAの目的のタンパク質への効率的な翻訳が可能になり、一方、アジュバント成分と複合したmRNAは免疫応答を誘導する。インビボ適用のために核酸を安定化する別のアプローチは、プロテアーゼ阻害剤であるクニッツドメインの追加などの核酸配列の修飾である(WO2009/030464A2)。
希少皮膚疾患の治療のためおよびAKを含む医療皮膚科で使用するための治療のためおよび審美医学のためのRNAベースの治療法が提案されている:WO2015/117021A1は、AKの治療のための1つまたは複数の非標準(non-canonical)ヌクレオチドからなるRNAを含む医薬組成物の使用を開示しており、ここで該核酸は皮膚特異的な構造または成長因子タンパク質のグループの目的タンパク質かまたは遺伝子編集タンパク質標的のいずれかをコードする。同様に、WO2016/131052A1は、抗瘢痕化治療としてコラゲナーゼをコードする標準および非標準ヌクレオチドを含む合成RNAの投与について論じている。両方の特許出願において、合成RNAを含む医薬組成物の投与は、皮下注射、皮内注射、真皮下注射または筋肉内注射、および局所注射などの複数の方法で行うことができる。
しかしながら、本発明では、修飾ヌクレオチドと非修飾ヌクレオチドの組み合わせが未修飾mRNAよりも良くないことを示すことができた(例えば、CおよびUの代わりに5meCおよびプソイドUを含むFGF7 mRNAの場合、より逆に、10倍低い予想外の高い減少が観察された)。本発明によるこの結果は、非標準ヌクレオチドの使用が有利であると報告された他の報告と対照的である(例えば、Thessら、Molecular Therapy 23(2015),1456-1464;Karikoら、Molecular Therapy 20(2012),948953;Kormannら、Nature Biotechnology 29(2011),154-157を参照)。実際、コード領域/配列(CDS)でもっぱら天然配列を使用することがより効果的であり、この効果がCDSの修正でさらに拡大できることを本発明で示すことができる。さらに、暗黙の寿命(implied longevity)(実質的な細胞毒性を避けるため)も優れている。
さらに、特定の好ましい実施形態によれば、本発明によるFGF mRNAは、非標準ヌクレオチドを含まず、修飾されたUTRおよび最適化されたCDSを含む。そのような好ましいFGF mRNAは、トランスフェクション後の24時間〜120時間で多くのより効率的で驚くべき効果が得られるという点で、さらに驚くべき効果を有する。これは直感に反し、天然mRNA(コード領域)または組換えタンパク質がFGF機能の最先端の理解のためのモデルであるなら予期できない。
EP2641614A1は、例えば、塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)、酸性線維芽細胞成長因子(aFGFまたはFGF1)、またはその遺伝子をコードする核酸およびプラスミドからなる物質を含む、皮膚の老化または皮膚瘢痕(UV損傷皮膚、肥厚性瘢痕、萎縮性瘢痕、ケロイド、ニキビ瘢痕、脱毛、縫合傷、火傷、潰瘍、褥瘡、糖尿病性潰瘍または血管新生を必要とする疾患)の予防または治療のためのマイクロニードルアセンブリ製剤を開示している。タンパク質に関しては、分泌された(組換え)FGFのクリアランスが極めて速いこと、それゆえ、単回ボーラス注射では意図した治療用途への成功した適用が保証されないことが判明した。通常、タンパク質は頻繁に(少なくとも毎日)適用する必要があり、用量は、提案されたmRNAによって引き起こされる生産と比較して比較的高くなければならない(低ng対μg)。
好ましい実施形態によれば、本発明によるFGF2 mRNAは完全長FGF2 cDNAをコードしておらず、FGFファミリーの原型メンバーである、分泌された線維芽細胞成長因子2(FGF2)の短いフレームをコードするORFが単一の遺伝子によってコードされている。
すでに上記に記載したように、代替の翻訳開始コドンはさまざまなアイソフォームを生成する:低分子量FGF2(Lo FGF2)は、従来のAUG開始コドンから翻訳された18kDaのタンパク質であり、その155アミノ酸配列はすべてのFGF2アイソフォームに共通である。CDS中のRNA配列は468ヌクレオチドであり、アクセッション番号J04513.1で公開されているデータベース(https://www ncbi.nlm.nih.gov/nuccore)に開示されている天然の完全長mRNA配列の不可欠な部分である(ここに記載されているすべてのデータベース参照には、2017年7月31日の日付が適用される)。あるいは、当該配列はまた、それぞれNM_002006.4およびM27968.1にも開示されている。高分子量(Hi FGF2)アイソフォーム(20.5および21 kDa)は、AUGコドンの上流およびインフレームのCUG部位で翻訳を開始することにより生成される。21.5kd形式はCDSに591ヌクレオチドを持ち196アミノ酸をコードし、22kd形式のCDSは210アミノ酸をコードする633ヌクレオチドを持つ。これらのCDS変異体の使用はまた、本発明に記載されているFGF2の短い形態の分泌をもたらすであろう。
使用が提案されているFGF2の代替配列はまた、CDSの変化も含む:FGF2には標準的な分泌シグナルがなく、輸送はエネルギー依存性の非ER/ゴルジ経路によって媒介される。それゆえ、FGF2コード配列内に代替分泌シグナルを追加して分泌を増加させることが示唆されており、含まれている:Sohnら(2001)はFGF-4の古典的な分泌シグナル配列を使用しており、Sasadaら,1991はIL-2の分泌シグナル配列を使用しており、Blamら(1988)は成長ホルモンの分泌シグナル配列を使用している;さらに、4つのシステインの2番目および3番目(すなわち、cys-70およびcys-88)のセリンおよびアスパラギンへの変異も、FGF2の生物活性に影響を与えることなくタンパク質の安定性を高めることが示唆されている。したがって、これら変異と上記のように変更された分泌配列との組み合わせも同様に示唆されている。これらの方針に沿って:Chenら,2007(およびその中の参考文献)は、BMP-、特にBMP-2/4ハイブリッド分泌シグナル配列を4つのシステインの2番目および3番目(すなわち、cys-70およびcys-88)のセリンおよびアスパラギンへの変異とともに用いて、変異FGF2タンパク質の安定性および分泌を増加させることを示唆している。
遺伝子内の他のアイソフォームおよびフレームは、本発明の好ましい実施形態ではない;それゆえ、通常、本発明に従って使用されるのはFGF2遺伝子の一部のみであり、EP2641614A1によって示唆されるような完全長形態ではない。したがって、当業者は、EP2641614A1の教示によれば、完全な遺伝子cDNAは、異なる機能を持つ異なる形態のFGF2タンパク質(高分子量および低分子量形態)のin situ生産となり、分泌された短い形の唯一の生産として匹敵する生物学的結果をもたらさないと考えるであろう。DNA/プラスミドもまた同じ発現動態を持たず、ゲノムへの統合のリスクをもたらすため、安全性の潜在的な問題を構成する。RNAを介した遺伝子導入は、プロモーター発現の不確実性(発現プラスミド、外部プロモーターに依存するcDNAベースのアプローチ)を回避し、長期の有害な影響を懸念することなく強力な生物学的効果の定義された期間を提供するため、特に局所適用で望ましい。RNA送達アプローチでは、標的細胞はタンパク質合成のバイオリアクターとして機能し、外因的に生産された組換え製品で見られるタンパク質のプロセシングおよび修飾の困難性を排除する。mRNA送達技術は、長期的な変異原性の懸念とは関係がなく、短期間の減少のために自己制限的であるため、以前よりも強力な細胞因子または刺激剤の使用を可能にする。
WO2014/089486A1は、目的のポリペプチド(例えば、FGF2またはFGF7)をコードする少なくとも1つのmRNAと脂質ナノ粒子またはリピドイドナノ粒子を含む輸送ビヒクルとを含む、タンパク質または酵素欠乏に関連する疾患を治療するための組成物を開示している;しかしながら、この文献は、慢性創傷、潰瘍などの皮膚疾患については言及していない。US2007/149475A1は、eIF-4E mRNAを単独で、または例えばFGF-2などの創傷治癒に必要な成長因子をコードするmRNAと組み合わせて送達することにより、創傷治癒を改善するための細胞における一過性タンパク質合成を増強する方法を開示している。WO2010/037408A1は、(a)少なくとも1つの複合体化mRNA、例えば、FGF2またはbFGFを含むアジュバント成分、および(b)例えば皮膚疾患を治療するための少なくとも1つの遊離mRNAを含む免疫刺激性組成物を記載している。このアプローチは、本発明によるアプローチに対して直観に反するものである:本発明によれば、免疫刺激事象は可能な限り低く維持されるか、完全に回避されるべきである。WO2010/037408A1で教示されているアプローチは、FGFなどの内因性タンパク質に対する免疫応答を誘導することにより、それらを除去することである。したがって、KGF/FGF7およびFGF2を治療成分として使用して例えば瘢痕を治療することはこの文献の教示の範囲内ではなく、それらに対する応答を生成するためにこれら因子を使用することである。したがって、WO2010/037408A1の治療原理は、治療薬としての内因性KGF/FGF7およびFGF2タンパク質の使用(本発明のように)ではなく、治療のための当該タンパク質の排除である。
さらに、本発明の好ましい実施形態は、改良されたUTRおよび改良されたmRNAコード配列を使用している(コドン使用に関して)。
したがって、FGF、特にFGF2およびFGF7などの成長因子が本発明の文脈で適用されることが示唆されていないことは明らかである。
改善されたmRNAベースの治療法の一般的な概念(例えば、Sahinら、Nat. Rev. Drug Disc. 2014. 13(10): 759-780を参照)も本発明に適用可能である。
ほとんどの場合、もっぱら標準的なヌクレオチドの使用であるが、本発明によるFGF2およびFGF7 mRNAがシチジン(C)、ウリジン(U)、アデノシン(A)またはグアノシン(G)残基(標準ヌクレオチド)の一リン酸ヌクレオシド以外の他の一リン酸ヌクレオシドを含む場合があるかもしれない。これらの一リン酸ヌクレオシドの天然に存在する相当数のアナログおよび(さらに)これらのmRNA残基の合成変異体がある。そのような変形の実施形態は、例えば、WO2014/153052A2に見出すことができる。
好ましい実施形態によれば、本発明のFGF mRNAにおいて、少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%、好ましくは少なくとも30%、特に少なくとも50%の
− シチジン残基が5-メチルシチジン残基で置換され、および/または
− シチジン残基が2-アミノ-2-デオキシシチジン残基で置換され、および/または
− シチジン残基が2-フルオロ-2-デオキシシチジン残基で置換され、および/または
− シチジン残基が2-チオシチジン残基で置換され、および/または
− シチジン残基が5-ヨードシチジン残基で置換され、および/または
− ウリジン残基がプソイドウリジン残基で置換され、および/または
− ウリジン残基が1-メチルプソイドウリジン残基で置換され、および/または
− ウリジン残基が2-チオウリジン残基で置換され、および/または
− ウリジン残基が5-メチルウリジン残基で置換され、および/または
− アデノシン残基がN6-メチルアデノシン残基で置換される。
特に好ましい実施形態は、本発明のFGF mRNAにおいて、少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%、好ましくは少なくとも30%、特に少なくとも50%の
− シチジン残基が5-メチルシチジン残基で置換され、および/または
− ウリジン残基がプソイドウリジン残基で置換され、および/または
− ウリジン残基が2-チオウリジン残基で置換された
FGF2およびFGF7 mRNAである。
本発明の過程において、驚くべきことに、mRNAのGC含量(またはAUに対するGC比)をさらに増加させると、さらに一層改善された結果が得られることが見出された。これが特に驚くべきことである理由は、天然のFGF2およびFGF7配列がすでに翻訳/発現効率に関して最適であると見なされていたからである。しかしながら、本発明によるFGF2 mRNAを、少なくとも51.7%、またはより好ましくは少なくとも52%(例えば、少なくとも52.1、少なくとも52.2、少なくとも52.3)のGC/AU比に、または本発明によるFGF7 mRNAを、少なくとも39.5%、またはより好ましくは少なくとも43%のGC/AU比にデザインすると、本発明による性能はさらに増大する。したがって、GC/AU比は、FGF2 mRNAの場合は、少なくとも51.7%、好ましくは少なくとも52%、より好ましくは55%、さらにより好ましくは少なくとも58%、特に少なくとも60%であり、FGF7 mRNAの場合は、少なくとも39.5%、好ましくは少なくとも43%、より好ましくは45%、さらにより好ましくは少なくとも50%、特に少なくとも55%である。
上記のヌクレオシド変異体に関連して、上記の特定の好ましい変異体はGC含量に影響を与えないこと、すなわち、変異体はこの点に関して保存的であること(例えば、シチジン変異体は、GC含量の計算にはなおシチジンとしてカウントされる)に注意することが重要である。
本発明の過程で明らかにされた別の驚くべき観察は、コドン適応指数(CAI)が増加したFGF2/FGF7-mRNAはまた、特に細胞内の発現能に関して、本発明において改善された性能を示すという事実であった。
CAIは、高発現遺伝子のコドン使用頻度に対する遺伝子のコドン使用頻度の相対的適応性の測定値である。各コドンの相対的な適応性(w)は、各コドン使用頻度の、同じアミノ酸の最も豊富なコドンの使用頻度に対する比率である。CAI指数は、これらの相対的な適応性値の幾何平均として定義される。非同義コドンおよび終止コドン(遺伝暗号に依存)は除外される。CAI値の範囲は0〜1であり、この値が大きいほど、最も豊富なコドンの割合が高いことを示す(Sharpら、Nucleic Acids Res. 15 (1987): 1281-1295., Jansenら、Nucleic Acids Res. 31 (2003): 2242-2251))。
したがって、本発明の好ましい実施形態は、FGF2およびFGF7 mRNAに関し、FGF2 mRNAは、少なくとも0.76、好ましくは少なくとも0.77、少なくとも0.8、少なくとも0.82、少なくとも0.83、少なくとも0.84、少なくとも0.85、少なくとも0.86、少なくとも0.87、少なくとも0.88、少なくとも0.89のコドン適応指数(CAI)を有し、FGF7 mRNAは、少なくとも0.71、少なくとも0.74、好ましくは少なくとも0.75、少なくとも0.76、少なくとも0.77、少なくとも0.78、少なくとも0.79、少なくとも0.8、少なくとも0.81、少なくとも0.82、少なくとも0.83、少なくとも0.84、少なくとも0.85のコドン適応指数(CAI)を有する。本発明によるFGF2 mRNAのさらに好ましいCAIは、少なくとも0.9、特に少なくとも0.91である。本発明のFGF7 mRNAのさらに好ましいCAIは、少なくとも0.86、特に少なくとも0.87である。
比較のため:FGF2の天然のGC/AU比は51.7%であり、FGF7は39.5%である;FGF2の天然のCAIは0.76であり、FGF7の天然のCAIは0.74である。
好ましいGC/AU比は、天然の比率よりも高くなり、例えば、FGF2では少なくとも52%、好ましくは少なくとも55%、特に少なくとも60%、FGF7では少なくとも40%、好ましくは少なくとも45%、特に少なくとも50%高くなる。
さらにより好ましくは、本発明によるFGF2 mRNAは、少なくとも0.76のCAIおよび少なくとも51.7%のGC含量を有し、FGF7 mRNAは、少なくとも0.74のCAIおよび少なくとも39.48%のGC含量を有する(またはさらにより好ましくは、より高いCAI/GC含量)。
FGF7に対する本発明によるFGF mRNAの好ましいコンセンサス配列は、配列番号12、13および14;最も好ましくは配列番号12である。
配列番号12は、最適化されたGCリッチ配列を含む;配列番号13は、AUリッチ配列を含むすべての最適化された配列を含む;配列番号14は、すべての最適化された配列と天然配列のコンセンサスである。
FGF2に対する本発明によるFGF mRNAの好ましいコンセンサス配列は、配列番号30、31および32;最も好ましくは配列番号30である。
配列番号30は、最適化されたGCリッチ配列を含む;配列番号31は、AUリッチ配列を含むすべての最適化された配列を含む;配列番号32は、すべての最適化された配列と天然配列のコンセンサスである。
したがって、ヒトFGF7をコードするFGF mRNAのコード領域は、好ましくは配列番号12、特に配列番号2、3、5、6、7、8、9、10、または11である;ヒトFGF2をコードするFGF mRNAのコード領域は、好ましくは配列番号30、特に配列番号19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、または29である。
実施例のセクションに示されるように、本発明で提供される最適化されたFGF mRNA変異体による線維芽細胞のトランスフェクションは、他のmRNAに関する分野で知られているものとその全体的な動態に関して異なる。mRNAを所定の細胞に送達すると(これは、通常、適切なトランスフェクション剤によってサポートされると迅速に達成される)、所定の細胞内のmRNA含量は絶えず低下する。これに関して、IVT mRNAは通常、同じ細胞プロセスによって分解されるため、内在性mRNAとして振る舞う。送達時に生成されるタンパク質の量は、基本的に翻訳機構を活性化するのに必要な時間を反映して一定の遅延を伴うが細胞内の各IVT mRNAの量と平行している。通常、最初のピークの後、IVT mRNAをトランスフェクションすると細胞内で産生されるタンパク質のレベルは常に低下する。
驚くべきことに、そして上記の通常の状況とは著しく対照的に、細胞へのFGF mRNA変異体の送達は、mRNAとタンパク質間の解離の動態によって特徴付けられる。IVT mRNAは送達時に徐々に分解されるが、ここに示すタンパク質分泌は第1日目に上昇し始める(すなわち、発現は最初の24時間で最も低い)。2日目にはプラトーに達し、これはFGF生産が減少するまで数日間持続する。
実施例のセクションに示すように、このパターンは、3つの種の2つの起源の3つの異なる細胞株(マウス:3T3(線維芽細胞)、ブタ:ケラチノサイト(上皮シート)、ヒト:BJ細胞(線維芽細胞))で得られた。これは、内因性FGF産生の自己調節またはパラクリン調節に対するIVT mRNA誘導FGFタンパク質の効果と一致している。
興味深いことに、このパターンは、細胞/器官へのトランスフェクションの24時間後に発現したのと同量で組換えFGFタンパク質を添加すると達成されない。その場合、組換えFGFタンパク質の添加24時間後にそのような自己調節は観察されず、mRNA誘導発現が単なるタンパク質置換と比較して異なる細胞内および細胞外効果を活性化できることが示唆された。
したがって、本発明による最適化された配列は、とりわけ天然配列と比較して非常に驚くべき効果を有する:FGF2およびFGF7の最適化された配列を使用すると、効果の有意な延長を得ることができる。活性のピークが形質転換の24時間後に達成できると予想されるかもしれないが、これは本発明による最適化された配列では著しく異なる。本発明の実施例のセクションでも開示されるように、天然配列および最適化された配列の活性は、形質転換後の初期段階で同等である。しかしながら、これはさらなる過程で大幅に変化する:天然配列は120時間後には有意な活性を生成しないが、本発明で提供される最適化配列は10倍およびほぼ100倍の改善効果を生成する。さらに、120時間後のこの効果は24時間後よりもさらに高いことを強調する必要がある。したがって、本発明によるmRNAのヒト患者への投与は、現在記載されている他のアプローチと比較して投与頻度を大幅に低減することと、現在記載されているアプローチの有効性を大幅に上回ることの両方により、治療パラダイムを変更するものである。そのような治療は、例えば、毎日の注射の代わりに毎週の投与で、想定されるmRNAを使用して患者の治療成功率を高めることを意味する。この増加した成功は、本発明によるmRNAによるFGFの局所インサイチュ発現により治療領域内で達成される本質的差異から生じると予想される。
好ましい実施形態によれば、本発明によるFGF2/FGF7 mRNAは、皮下、皮内、経皮、表皮、または局所、特に表皮に投与される。
本発明のFGF2/FGF7 mRNAの投与は、投与するmRNAの量、mRNA分子の安定性および疾患の状態に応じて、最適化された発現目標に従って実施することができる。例えば、FGF2/FGF7 mRNAは、少なくとも1回、少なくとも2回、1ヶ月以内に少なくとも2回、好ましくは毎週、投与され得る。例えば、FGF2/FGF7 mRNAが少なくとも2回、1ヶ月以内に少なくとも2回、好ましくは毎週投与される場合、用量は変動し得る。
用量あたり送達されるmRNAの量は、分子の安定性などに依存するようにすることもできる。好ましくは、本発明によるFGF2/FGF7 mRNAは、用量あたり0.01μg〜100mg、好ましくは用量あたり0.1μg〜10mg、特に用量あたり1μg〜1mgの量で投与される。
mRNA治療薬に適した製剤は、当技術分野で十分に利用可能である(例えば、Sahinら、2014; WO2014/153052A2(段落122〜136)などを参照)。
したがって、本発明は、本発明によるFGF2/FGF7 mRNAを含む医薬製剤にも関する。本発明の製剤は、薬学的に許容される環境にて、例えば、通常mRNA治療薬に含まれる適切な成分(賦形剤、担体、緩衝液、補助物質(例えば、安定剤)など)とともに当該mRNAを含む。
本発明によるmRNA製剤は、好ましくは適切な担体を含む。適切な担体には、ポリマーベースの担体、例えば、直鎖および分岐PEIおよびビロマー(viromers)を含むカチオン性ポリマー、脂質ナノ粒子およびリポソーム、ナノリポソーム、セラミド含有ナノリポソーム、プロテオリポソーム、カチオン性両親媒性脂質、例えば、:SAINTR-Lipids、天然および合成由来のエキソソーム 、天然、合成および半合成の層状体、ナノ粒子、リンケイ酸カルシウム(calcium phosphor-silicate)ナノ粒子、リン酸カルシウムナノ粒子、二酸化ケイ素ナノ粒子、ナノ結晶粒子、半導体ナノ粒子、乾燥粉末、ポリ(D-アルギニン)、ナノデンドリマー、デンプンベースの送達システム、ミセル、エマルジョン、ゾルゲル、ニオソーム、プラスミド、ウイルス、リン酸カルシウムヌクレオチド、アプタマー、ペプチド、ペプチド結合体、小分子標的結合体、およびその他のベクタータグが含まれる。適切な担体としてのバイオナノカプセルおよび他のウイルスキャプシドタンパク質集合体の使用も考えられる(Hum. Gene Ther. 2008 Sep;19(9):887-95)。
好ましい担体は、直鎖および分岐PEIおよびビロマーを含むカチオン性ポリマー、脂質ナノ粒子およびリポソーム、トランスファーソーム、およびリン酸カルシウムナノ粒子を含むナノ粒子(すなわち、CaCl2で沈殿させてから投与される裸のRNA)である。
本発明の好ましい実施形態は、非複合mRNA、すなわち、適切な緩衝水溶液、好ましくは生理的グルコース緩衝水溶液(生理学的)中の非複合mRNAの使用に関する。例えば、1xHEPES緩衝液;1xリン酸緩衝液、Na-クエン酸緩衝液;Na-酢酸緩衝液;乳酸リンゲル液;好ましくはグルコースを含む(例えば、5%グルコース);生理学的溶液を好ましくは適用することができる。
好ましくは、本発明は、リポソーム、特にDOTAP、DOTMA、Dotap-DOPE、DOTAP-DSPE、Dotap-DSPE-PEG、Dotap-DOPE-PEG、Dotap-DSPE-PEG-Na-Cholate、Dotap-DOPE-PEG-Na-Cholate、カチオン性両親媒性高分子(CAM)を複合体として有するDOTAP、およびそれらの組み合わせに基づくリポソームを適用する。
別の態様によれば、本発明は、
− 本明細書で定義されるFGF mRNAおよび
− 皮膚送達装置
を含む、患者に本発明のFGF2/FGF7 mRNAを投与するためのキットに関する。
好ましくは、皮膚送達装置は、
− 針ベースの注射システムからなる群から好ましくは選択される皮内送達装置、
− 経皮パッチ、中空および中実マイクロニードルシステム、微細構造経皮システム、電気泳動システム、およびイオン導入システムからなる群から好ましくは選択される経皮送達装置、または
− 無針注射システム、レーザーベースのシステム、特にエルビウム(Erbium)YAGレーザーシステム、および遺伝子銃システムからなる群から好ましくは選択される表皮送達装置
である。
これらの投与デバイスは、原則として当技術分野で利用可能である。本発明によるmRNAの投与への適応は、当業者にとって容易に可能である。
本発明はまた、局所皮膚低栄養状態、好ましくは萎縮性皮膚状態、特に萎縮性瘢痕および糖質コルチコイド(GC)誘発性皮膚萎縮を治療する方法に関し、該方法において、本発明によるmRNAは、それを必要とする患者に有効量で投与される。
さらなる態様によれば、本発明はまた、老化した皮膚、例えば、紫外線で損傷した皮膚、脱毛などの美容的処置のための本発明によるmRNAの使用に関する。これらの態様についても、本発明で開示された分子、製剤(化粧目的に適合)、および方法は適している。したがって、本発明はまた、本発明によるFGF mRNAをヒトの皮膚、特に老化した皮膚と接触させる化粧品スキンケア方法に関する。本発明はまた、本発明によるFGF mRNAおよび化粧品担体を含む化粧品製剤を企図する。化粧品用担体は当技術分野で十分に利用可能であり、しばしば上記の医薬製剤の成分と重複している。好ましくは、本発明による化粧品製剤は、軟膏、ゲル、特にヒドロゲル、エマルジョンとして提供され、および/またはリポソーム、カチオン性ポリマー、ナノ粒子またはマイクロ粒子を含む。
配列:
配列番号:1 FGF7天然
augcacaaau ggauacugac auggauccug ccaacuuugc ucuacagauc augcuuucac
auuaucuguc uaguggguac uauaucuuua gcuugcaaug acaugacucc agagcaaaug
gcuacaaaug ugaacuguuc cagcccugag cgacacacaa gaaguuauga uuacauggaa
ggaggggaua uaagagugag aagacucuuc ugucgaacac agugguaccu gaggaucgau
aaaagaggca aaguaaaagg gacccaagag augaagaaua auuacaauau cauggaaauc
aggacagugg caguuggaau uguggcaauc aaaggggugg aaagugaauu cuaucuugca
augaacaagg aaggaaaacu cuaugcaaag aaagaaugca augaagauug uaacuucaaa
gaacuaauuc uggaaaacca uuacaacaca uaugcaucag cuaaauggac acacaacgga
ggggaaaugu uuguugccuu aaaucaaaag gggauuccug uaagaggaaa aaaaacgaag
aaagaacaaa aaacagccca cuuucuuccu auggcaauaa cuuaa
配列番号:2 FGF7ヒトMOD
augcacaaau ggauucucac auggauucug ccuacguugc ucuacagaag cugcuuucac
aucaucuguc uugugggcac uaucucacug gcuugcaaug acaugacacc ggaacagaug
gcaaccaaug ugaacuguuc uuccccagaa aggcauacca gaagcuacga cuacauggaa
ggaggggaua ucaggguucg cagauuguuc ugucguacuc agugguaucu ucgcaucgac
aaacggggua aggugaaggg aacacaggag augaagaaca acuacaacau cauggagauu
cggacaguug cagucgggau ugucgccaua aagggugugg aauccgaguu cuaucuggcc
augaacaaag aaggcaaacu guaugccaag aaagagugca augaggauug caauuucaaa
gagcugauuc uggagaacca cuacaacacc uaugcuagug cgaaauggac ccauaaugga
ggggaaaugu uuguggcacu caaucagaag ggcauacccg uacgaggcaa gaaaacgaag
aaggagcaaa agaccgcuca uuuucugccc auggccauca cuuga
配列番号:3 FGF7
augcacaagu ggauccugac cuggauccug ccuacacugc uguacagaag cugcuuccac
aucaucugcc ucgugggcac aaucagccug gccugcaacg auaugacccc ugagcagaug
gccaccaacg ugaacuguag cagccccgag agacacaccc gguccuacga uuauauggaa
ggcggcgaca ucagagugcg gcggcuguuc uguagaaccc agugguaucu gcggaucgac
aagcggggca aagugaaggg cacccaagag augaagaaca acuacaacau cauggaaauc
cggaccgugg ccgugggcau cguggcuauu aagggcgucg agagcgaguu cuaccuggcc
augaacaaag agggcaagcu guacgccaag aaagagugca acgaggacug caacuucaaa
gagcugaucc ucgagaacca cuacaauacc uacgccagcg ccaaguggac ccacaauggc
ggcgaaaugu ucguggcccu gaaccagaaa ggcauccccg ugcgcggcaa aaagaccaaa
aaagagcaga aaacggccca cuuccugccu auggccauca ccuaa
配列番号:4 FGF7
augcacaagu ggauccucac auggauccug ccuacgcugc ucuaccgcag cugcuuccac
aucaucuguc uggugggcac uaucucacug gcuugcaacg acaugacccc ggagcagaug
gcaaccaacg ugaacuguag cuccccagag aggcacaccc ggagcuacga cuacauggag
ggaggggaca ucaggguccg cagacuguuc ugucguacuc agugguaccu gcgcaucgac
aagcggggua aggugaaggg aacccaggag augaagaaca acuacaacau cauggagauc
cggacagugg cggucgggau cgucgccauc aagggugugg aguccgaguu cuaccuggcc
augaacaagg agggcaagcu guacgccaag aaggagugca acgaggacug caacuucaag
gagcugaucc uggagaacca cuacaacacc uacgcuagug cgaaguggac ccacaacgga
ggggagaugu ucguggcacu caaccagaag ggcauccccg uccgaggcaa gaagacgaag
aaggagcaga agaccgcgca cuuccugccc auggccauca ccuga
配列番号:5 FGF7
augcauaagu ggauucuuac auggauucuc ccaacacuuc uuuacagauc augcuuucau
auuaucuguu uggugggaac gauuucucuu gcuuguaaug auaugacucc agagcaaaug
gcuacuaaug uuaacuguuc cucaccugag cgucauacua gaucuuauga uuacauggag
ggaggugaua uaagaguuag gagacuuuuc ugucgaacac agugguaucu gagaaucgau
aagagaggua aagucaaagg aacccaggag augaagaaua acuacaauau cauggagauc
aggacagugg caguuggaau aguugcaauc aaaggagucg aaagugaguu cuaucuugcu
augaacaagg aaggaaaacu guacgcaaag aaagaaugua augaggauug caacuucaag
gagcuuaucc uggaaaacca uuacaacacc uaugcaagug caaaauggac ucacaacgga
ggagaaaugu uuguugcauu gaaucagaaa gggauaccug ugagaggaaa gaaaaccaag
aaagaacaga aaacugcuca cuuucuuccu auggcuauua ccuga
配列番号:6 FGF7
augcacaagu ggauccugac cuggauccug cccacccugc uguacagaag cugcuuccac
aucaucugcc uggugggcac caucagccug gccugcaacg acaugacccc cgagcagaug
gccaccaacg ugaacugcag cagccccgag agacacacca gaagcuacga cuacauggag
ggcggcgaca ucagagugag aagacuguuc ugcagaaccc agugguaccu gagaaucgac
aagagaggca aggugaaggg cacccaggag augaagaaca acuacaacau cauggagauc
agaaccgugg ccgugggcau cguggccauc aagggcgugg agagcgaguu cuaccuggcc
augaacaagg agggcaagcu guacgccaag aaggagugca acgaggacug caacuucaag
gagcugaucc uggagaacca cuacaacacc uacgccagcg ccaaguggac ccacaacggc
ggcgagaugu ucguggcccu gaaccagaag ggcauccccg ugagaggcaa gaagaccaag
aaggagcaga agaccgccca cuuccugccc auggccauca ccuga
配列番号:7 FGF7
augcacaagu ggauccugac cuggauccug cccacccugc uguaccgcag cugcuuccac
aucaucugcc uggugggcac caucagccug gccugcaacg acaugacccc cgagcagaug
gccaccaacg ugaacugcag cagccccgag cgccacaccc gcagcuacga cuacauggag
ggcggcgaca uccgcgugcg ccgccuguuc ugccgcaccc agugguaccu gcgcaucgac
aagcgcggca aggugaaggg cacccaggag augaagaaca acuacaacau cauggagauc
cgcaccgugg ccgugggcau cguggccauc aagggcgugg agagcgaguu cuaccuggcc
augaacaagg agggcaagcu guacgccaag aaggagugca acgaggacug caacuucaag
gagcugaucc uggagaacca cuacaacacc uacgccagcg ccaaguggac ccacaacggc
ggcgagaugu ucguggcccu gaaccagaag ggcauccccg ugcgcggcaa gaagaccaag
aaggagcaga agaccgccca cuuccugccc auggccauca ccuaa
配列番号:8 FGF7
augcauaagu ggauucuuac auggauucuc ccaacacugc uguacagguc augcuuucac
auuaucuguc uggugggaac gauuucucuu gcuugcaaug acaugacucc agagcaaaug
gcuacuaaug ugaacuguuc cucaccugag cgucauacua gaucuuauga cuacauggag
ggaggugaua uaagagugag gagacuuuuc ugucgaacac agugguaucu gcggaucgau
aagagaggua aagucaaagg cacccaggag augaagaaua acuacaauau cauggagauc
aggacagugg caguuggaau aguugcaauc aaaggggucg aaagcgaguu cuaucuugcu
augaacaagg aaggcaaacu guacgccaag aaagaaugca augaggauug caacuucaag
gagcuuaucc uggaaaacca uuacaacacc uaugcaagug caaaauggac ucacaacgga
ggggaaaugu uuguugcauu gaaucagaaa gggauaccug ugagaggcaa gaaaaccaag
aaagaacaga aaacugccca cuuucuuccu auggcuauua ccuga
配列番号:9 FGF7
augcauaagu ggauauugac guggauuuua ccuacucucc uauauagguc cugcuuccau
auaauuuguu uggugggcac cauuucucuu gccugcaaug auaugacacc cgagcagaug
gcaaccaacg uaaacuguuc cucacccgag cgacauacga gaagcuacga cuacauggag
ggaggugaua uuagggucag acgccuguuu ugucggacac agugguaucu uagaauugac
aaacguggua aggucaaggg gacccaggaa augaaaaaua acuauaauau cauggaaauc
cgcaccgugg caguggggau cguggcgauc aagggagugg aaagcgaauu cuaucuggcu
augaacaaag agggaaagcu guacgcuaaa aaagaaugca augaggacug caacuuuaaa
gaacugaucc ucgagaauca cuacaauacc uacgccagug ccaaguggac acacaacggg
ggcgagaugu ucguugcacu gaaccagaag ggcaucccag uucggggcaa gaaaacaaaa
aaggagcaaa agacugcuca cuuucucccg auggccauca cuuga
配列番号:10 FGF7
augcauaaau ggauccuuac guggauacug ccgacacucc uuuauagguc uuguuuucac
auaauuugcc ucguuggaac uauaucucuu gccugcaacg acaugacccc agaacaaaug
gcuacaaacg ugaauuguuc cagucccgaa agacacacgc gaaguuauga cuacauggaa
ggcggcgaua uaagaguuag gagacuuuuu ugucgaacgc aaugguaucu gaggauugac
aagcgcggga agguaaaagg gacccaggag augaagaaca acuauaacau aauggagauu
aggacagugg cugugggcau cguagcgauc aaagguguag aaucagaguu uuaccuggcc
augaacaaag aagguaaacu uuaugcuaaa aaagaaugca acgaagauug uaacuucaaa
gaauugaucc uugaaaauca cuauaacaca uaugcauccg cgaaguggac acauaacggg
ggagaaaugu ucgucgcguu gaaucaaaaa gguauuccgg uucggggaaa aaaaaccaag
aaggagcaga agacggcuca cuucuugcca auggccauaa cuuaa
配列番号:11 FGF7
augcacaagu ggauccuuac guggauacuc ccaacacuuu uguaucgaag uuguuuucac
auuauuugcc uggucggcac gauuucauug gccugcaacg auaugacacc ggaacagaug
gcuacaaacg uaaacuguag uucacccgag cggcacacuc gaucuuacga uuacauggaa
gguggagaca ucaggguuag aagacucuuu ugcaggacgc aaugguaccu ccgcauagau
aagagaggaa aggugaaagg aacacaggaa augaaaaaua acuacaacau aauggaaauu
cggacugucg cugugggaau cguugccauc aaaggagugg aaucagaauu cuaccuggcu
augaauaagg agggaaagcu cuaugcgaaa aaggagugca acgaggacug uaauuucaaa
gaacuuaucc uugaaaacca uuacaacacc uaugcgagug ccaaguggac ucauaacggu
ggugagaugu ucguagcucu gaaucagaag ggcauuccgg uccggggaaa gaagacuaag
aaagagcaga aaacggcaca cuuucuuccu auggcgauua cauaa
配列番号:12 FGF7コンセンサス(最適化GCリッチ配列)
augcacaaru ggauycusac muggauycug ccyacvyugc usuacmgmag cugcuuycac
aucaucugyc ubgugggcac haucwsmcug gcyugcaayg ayaugacmcc bgarcagaug
gcmaccaayg ugaacugyws ywscccmgar mgvcayaccm gvwscuacga yuayauggar
ggmggsgaya ucmgvgubmg vmgvyuguuc ugymghacyc agugguaycu kmgvaucgac
aarmgvggya argugaaggg macmcargag augaagaaca acuacaacau cauggarauy
mgvacmgukg cvgusggsau ygusgcyauh aagggygusg arwscgaguu cuaycuggcc
augaacaarg arggcaarcu guaygccaag aargagugca aygaggayug caayuucaar
gagcugauyc usgagaacca cuacaayacc uaygcyagyg csaaruggac ccayaayggm
ggsgaraugu uyguggcmcu saaycagaar ggcaumcccg uvmgmggcaa raaracsaar
aargagcara aracsgcbca yuuycugccy auggccauca cyura
配列番号:13 FGF7コンセンサス(すべての最適化配列)
augcayaaru ggauhyubac vuggauhyuv ccnacnyuby unuaymgvws hugyuuycay
auhauyugyy ubgubggmac nauhwshyuk gcyugyaayg ayaugachcc ngarcaraug
gchachaayg udaayugyws ywshcchgar mgncayacbm gvwsyuayga yuayauggar
gghggngaya uhmgvgubmg vmgvyubuuy ugymgnacnc arugguaycu bmgvauhgay
aarmgnggna arguvaargg vacmcargar augaaraaya acuayaayau mauggarauy
mgvachgubg cngubggvau hgungcnauh aarggnguvg arwshgaruu yuaycukgcy
augaayaarg argghaarcu buaygcnaar aargarugya aygargayug yaayuuyaar
garyukauyc ubgaraayca yuayaayacm uaygcnwsyg cvaaruggac hcayaayggn
ggngaraugu uygungcnyu saaycaraar ggbauhccng unmgvggmaa raaracnaar
aargarcara aracbgcnca yuuyyubccn auggcbauha chura
配列番号:14 FGF7コンセンサス(すべての最適化および天然の配列)
augcayaaru ggauhyubac vuggauhyuv ccnacnyuby unuaymgvws hugyuuycay
auhauyugyy ungubgghac nauhwshyud gcyugyaayg ayaugachcc ngarcaraug
gchachaayg udaayugyws ywshcchgar mgncayacnm gvwsyuayga yuayauggar
gghggngaya uhmgvgubmg vmgvyubuuy ugymgnacnc arugguaycu bmgvauhgay
aarmgnggna arguvaargg vacmcargar augaaraaya ayuayaayau mauggarauy
mgvachgubg cngubggvau hgungcnauh aarggnguvg arwshgaruu yuaycukgch
augaayaarg argghaarcu buaygcnaar aargarugya aygargayug yaayuuyaar
garyudauyc ubgaraayca yuayaayacm uaygcnwshg cnaaruggac hcayaayggn
ggngaraugu uygungcnyu vaaycaraar ggbauhccng unmgvggmaa raaracnaar
aargarcara aracngcnca yuuyyubccn auggcnauha chura
配列番号:15 FGFタンパク質
MHKWILTWIL PTLLYRSCFH IICLVGTISL ACNDMTPEQM ATNVNCSSPE RHTRSYDYME GGDIRVRRLF
CRTQWYLRID KRGKVKGTQE MKNNYNIMEI RTVAVGIVAI KGVESEFYLA MNKEGKLYAK KECNEDCNFK
ELILENHYNT YASAKWTHNG GEMFVALNQK GIPVRGKKTK KEQKTAHFLP MAIT
配列番号:16 5’UTRを含むモデル配列(aグロビン、ヒト+コザック)
gggagacaua aacccuggcg cgcucgcggc ccggcacucu ucuggucccc acagacucag
agagaaccca cc
配列番号:17 3’UTRを含むモデル配列(aグロビン、ヒト+ポリA部位および最初のA(120のうち))
gcuggagccu cgguggccau gcuucuugcc ccuugggccu ccccccagcc ccuccucccc
uuccugcacc cguacccccg uggucuuuga auaaagucug agugggcggc a
配列番号:18 FGF2天然
auggcagccg ggagcaucac cacgcugccc gccuugcccg aggauggcgg cagcggcgcc
uucccgcccg gccacuucaa ggaccccaag cggcuguacu gcaaaaacgg gggcuucuuc
cugcgcaucc accccgacgg ccgaguugac gggguccggg agaagagcga cccucacauc
aagcuacaac uucaagcaga agagagagga guugugucua ucaaaggagu gugugcuaac
cguuaccugg cuaugaagga agauggaaga uuacuggcuu cuaaaugugu uacggaugag
uguuucuuuu uugaacgauu ggaaucuaau aacuacaaua cuuaccgguc aaggaaauac
accaguuggu auguggcacu gaaacgaacu gggcaguaua aacuuggauc caaaacagga
ccugggcaga aagcuauacu uuuucuucca augucugcua agagcuga
配列番号:19 FGF2ヒトmod
auggcugcag gcaguaucac cacucuccca gcauugccug aagauggagg uucaggcgcc
uuuccuccag gccacuuuaa agaccccaag agacuguacu gcaagaaugg uggguucuuc
cugcgcauuc aucccgaugg acguguagac ggagucaggg aaaagucaga uccgcacaua
aagcuccagc uccaagcuga ggaaagaggg guugugucca ucaaaggggu gugugccaau
cgcuaucugg cgaugaaaga ggacggcaga cuucuggcua gcaagugugu gacagacgag
ugcuucuucu uugagcgguu ggaguccaac aacuacaaca ccuaucgaag caggaaguac
acgucuuggu augucgcacu gaaacggacu gggcaguaca agcuuggcag caagacagga
ccuggucaga aagccauucu guuucugccc augucugcca aaaguuga
配列番号:20 FGF2
auggccgcug gcucuauuac aacacugccc gcucugccug aggauggcgg aucuggugcu
uuuccaccug gccacuucaa ggaccccaag cggcuguacu gcaagaacgg cggauucuuc
cugcggauuc accccgacgg aagaguggac ggcgugcggg aaaaaagcga cccucacauc
aagcuccagc ugcaggccga agagagaggc gucgucagua ucaaaggcgu gugcgccaac
agauaccugg ccaugaagga agauggccgg cugcuggccu cuaagugcgu gaccgaugag
ugcuucuucu ucgaacggcu ggaaagcaac aacuacaaca ccuacagaag ccggaaguac
accucuuggu acguggcccu gaagcggacc ggccaguaua agcugggcuc uaagacaggc
ccaggccaga aggccauccu guuucugccu augagcgcca agagcuga
配列番号:21 FGF2
auggcugcag gcagcaucac cacccuccca gcacugccug aggacggagg uuccggcgcc
uucccuccag gccacuucaa ggaccccaag cgccuguacu gcaagaacgg uggguucuuc
cugcgcaucc accccgaugg ccgugucgac ggcgucaggg agaaguccga cccgcacaua
aagcuccagc uccaggcuga ggagagaggg gucgugucca ucaagggggu gugcgccaau
cgcuaucugg cgaugaagga ggacggcagg cuccuggcua gcaagugugu gaccgacgag
ugcuucuucu uugagcggcu ggaguccaac aacuacaaca ccuaccgaag ccgcaaguac
acgagcuggu acgucgcacu gaagcggacu gggcaguaca agcugggcag caagacagga
ccuggucaga aggccauccu guuccugccc auguccgcca agagcuga
配列番号:22 FGF2
auggcagcag guaguauuac cacucuuccu gcuuugccug aagauggugg uucaggugcu
uuuccuccag gucauuucaa agauccuaag agauuguauu guaagaacgg aggauucuuu
cugagaauac acccagaugg cagaguugau gguguccgug aaaagucuga uccucacauc
aagcugcagc uucaagccga agagagggga guugugucua ucaaaggugu gugugcuaau
agauaccugg cuaugaaaga agaugguaga cuucuggcau caaagugugu gacggaugaa
ugcuucuuuu ucgagcguuu ggaauccaac aauuacaaca cauaccguag cagaaaguac
acaaguuggu auguugcacu gaaacgaaca ggucaguaua aacuggguuc uaaaacagga
ccaggacaga aggcgauuuu guuucuuccg augucugcua agucuuga
配列番号:23 FGF2
auggccgccg gcagcaucac cacccugccc gcccugcccg aggacggcgg cagcggcgcc
uucccccccg gccacuucaa ggaccccaag cgccuguacu gcaagaacgg cggcuucuuc
cugcgcaucc accccgacgg ccgcguggac ggcgugcgcg agaagagcga cccccacauc
aagcugcagc ugcaggccga ggagcgcggc guggugagca ucaagggcgu gugcgccaac
cgcuaccugg ccaugaagga ggacggccgc cugcuggcca gcaagugcgu gaccgacgag
ugcuucuucu ucgagcgccu ggagagcaac aacuacaaca ccuaccgcag ccgcaaguac
accagcuggu acguggcccu gaagcgcacc ggccaguaca agcugggcag caagaccggc
cccggccaga aggccauccu guuccugccc augagcgcca agagcuaa
配列番号:24 FGF2
auggccgcug gcagcaucac aacauugccu gcucugccug aggauggcgg cucuggugcu
uuuccaccug gccacuucaa ggaccccaag cggcuguacu gcaagaacgg cggauucuuc
cugcggauuc accccgacgg aagaguggac ggcgugcggg aaaaaagcga cccucacauc
aagcuccagc ugcaggccga agagagaggc gucgucagua ucaaaggcgu gugcgccaac
agauaccugg ccaugaagga agauggccgg cugcuggccu cuaagugcgu gaccgaugag
ugcuucuucu ucgaacggcu ggaaagcaac aacuacaaca ccuacagaag ccggaaguac
accucuuggu acguggcccu gaagcggacc ggccaguaua agcugggcuc uaagacaggc
ccaggccaga aggccauccu guuucugccu augagcgcca agagcuga
配列番号:25 FGF2
auggcagcag gcagcaucac uaccuugccc gcccuuccgg aagauggggg aagcggggcc
uuccccccag ggcacuuuaa ggauccgaag cgacuguauu guaaaaacgg gggcuucuuu
cuucggaucc auccagaugg ccgaguagac ggcguccgag aaaagaguga cccccauauc
aaacuucagc uccaggccga ggaaaggggu guggugagua uaaagggggu gugcgcgaau
cgauaccuug cuaugaagga ggacggucgc cuucucgcca gcaaaugcgu gacugacgag
ugcuucuuuu ucgagcgauu ggaauccaac aauuacaaca cauaccggag uagaaaauau
accuccuggu auguagcgcu gaaaaggacc gggcaguaua agcucgggag uaaaaccggu
ccgggccaaa aagcaauacu guuucuuccc augagcgcca aauccuga
配列番号:26 FGF2
auggccgcgg gcucaauaac cacgcuuccu gcccugcccg aggacggggg aucaggugca
uucccuccag gccacuuuaa agaucccaaa cgacuguacu gcaaaaacgg cggcuuuuuc
uugcgaaucc aucccgacgg gagaguugau ggugucagag aaaaaaguga cccgcacaua
aagcuccaac ugcaagcgga agaaaggggc guugucucca uuaaaggagu gugcgcgaau
agguaccugg cuaugaagga ggacggacga uugcucgccu caaagugcgu aaccgaugag
ugcuuuuuuu ucgagcggcu cgaaucaaac aauuacaaca cauaccgaag ccgcaaguac
acgucuuggu acgucgcccu gaagaggacg ggacaguaca aacucggguc aaaaaccggc
cccggacaaa aggcuauccu cuuucucccu auguccgcaa aaucuuga
配列番号:27 FGF2
auggcagcug gcucuauuac uacgcugccg gcucucccug aggacggagg cuccggugcc
uuccccccag ggcacuuuaa agauccaaaa aggcuuuauu guaaaaacgg cggguuuuuu
cuccggaucc accccgacgg ccgcguagau ggagugaggg aaaagagcga cccucauaua
aaacugcagc ugcaggcuga ggagcgggga gucguuucga ucaaaggggu cugcgcaaac
cgcuaccuug caaugaagga agacggaaga cuccuagcga guaaaugugu gacagaugaa
ugcuucuucu uugagagacu ggaguccaau aauuauaaca ccuacagaag ccgaaaguau
acuaguuggu acguggccuu gaagcguacc ggucaauaca agcugggcuc uaagacaggu
cccgggcaga aggccauuuu auucuugccu augucagcca agucauga
配列番号:28 FGF2
auggcagccg guucgauuac uacccuaccu gcccucccgg aagauggugg aaguggcgca
uuuccuccag gacauuuuaa ggauccaaaa cgccuguacu gcaagaaugg uggauucuuu
uuacgcauuc accccgaugg gcgagucgac gggguccgug aaaaguccga cccccacauc
aaacuccagu ugcaagcuga ggagagaggc gugguuucaa ucaagggcgu augcgcuaau
agauaucuug ccaugaagga ggacgggcgg cuccuggccu caaaaugugu gacugacgag
uguuuuuucu ucgagcggcu ggaauccaac aacuacaaca cauacaggag uagaaaauac
accucuuggu auguggcacu uaaaaggacg ggacaguaua aguugggguc uaagacaggc
ccuggccaga aagcgauacu guuccugccc augagcgcua agagcuga
配列番号:29 FGF2
auggccgcag gcagcauuac cacucuuccu gccuugccug aggacggugg uucaggugcu
uuuccuccag gucauuucaa agacccuaag cgacucuauu gcaagaacgg aggcuucuuu
cugaggauac acccagacgg cagaguugac gguguccgug aaaagucuga uccucacauc
aagcugcagc uucaagccga agagagggga guugugucua ucaaaggggu gugugcuaau
cgguaccugg cuaugaaaga agaugguaga cuccuggcau caaagugugu gacggaugag
ugcuucuuuu ucgagcguuu ggaguccaac aauuacaaca ccuaccguag cagaaaguac
accaguuggu auguggcacu gaaacgaaca ggucaguaua aacuggguag caaaacagga
ccaggacaga aggcgauuuu guuucuuccg augucugcua agucuuga
配列番号:30 FGF7コンセンサス(最適化GCリッチ配列)
auggchgcng gcwshauhac hacnyubcch gchyukccbg argayggvgg hwshggbgch
uuycchcchg gscacuuyaa rgayccsaar mgvcuguayu gyaaraaygg bggvuuyuuy
yukcgvauyc ayccmgaygg vmghgungay gghgusmgvg araarwshga yccbcayaum
aarcubcarc uscargcbga rgarmgvggb gubguswsya uhaarggvgu gugygcsaay
mgvuaycukg cbaugaarga rgaygghmgv yubcusgcyw shaarugygu rachgaygag
ugcuuyuuyu uygarcgvyu sgarwsmaac aayuacaaca cmuaymgvag ymgvaaruay
acswsyuggu ayguvgcvcu gaarmgsacb ggvcaguaya arcubggsws haaracmggh
ccngghcara argchauhcu suuycubccy augwsygcma arwsyura
配列番号:31 FGF7コンセンサス(すべての最適化配列)
auggchgcng gywsnauhac hacnyunccn gchyubccbg argayggngg hwshggbgch
uuycchcchg gncayuuyaa rgayccnaar mgvyubuayu gyaaraaygg nggvuuyuuy
yunmgvauhc ayccmgaygg vmghgungay ggngusmgng araarwshga yccbcayaum
aarcubcary ubcargcbga rgarmgvggn gubgubwsna uhaarggngu vugygcnaay
mgvuaycukg cnaugaarga rgayggnmgv yubcuvgcnw shaarugygu racngaygar
ugyuuyuuyu uygarmgnyu sgarwsmaay aayuayaaca cmuaymgnag ymgvaaruay
acnwsyuggu aygungcvyu kaarmgnacn ggncaruaya aryubggbws haaracmggh
ccnggncara argcnauhyu vuuyyubccb augwshgcha arwshura
配列番号:32 FGF2コンセンサス(すべての最適化および天然の配列)
auggchgcng gbwsnauhac hacnyunccn gchyubccbg argayggngg hwshggbgch
uuyccncchg gncayuuyaa rgayccnaar mgvyubuayu gyaaraaygg nggvuuyuuy
yunmgvauhc ayccmgaygg vmghgungay ggngusmgng araarwshga yccbcayaum
aarcuncary ubcargcnga rgarmgvggn gubgubwsna uhaarggngu vugygcnaay
mgnuaycukg cnaugaarga rgayggnmgv yuncuvgcnw shaarugygu dacngaygar
ugyuuyuuyu uygarmgnyu sgarwshaay aayuayaaya chuaymgnws hmgvaaruay
acnwsyuggu aygungcvyu kaarmgnacn ggncaruaya aryubggnws haaracmggh
ccnggncara argcnauhyu nuuyyubccn augwshgcha arwshura
配列番号:33 FGF2タンパク質
MAAGSITTLP ALPEDGGSGA FPPGHFKDPK RLYCKNGGFF LRIHPDGRVDG VREKSDPHIK LQLQAEERGV
VSIKGVCANR YLAMKEDGRL LASKCVTDEC FFFERLESNN YNTYRSRKYTS WYVALKRTGQ YKLGSKTGPG
QKAILFLPMS AKS
配列番号:34 RPL4_fwdプライマー配列
agcgtggctg tctcctctc
配列番号:35 RPL4_revプライマー配列
gagccttgaa tacagcaggc
配列番号:36 ACTB_fwdプライマー配列
ggctgtattc ccctccatcg
配列番号:37 ACTB_revプライマー配列
ccagttggta acaatgccat gt
配列番号:38 安定化配列
yccancccwn ucycc
コンセンサス配列の配列番号12、13、14、30、31および32は、以下のIUPAC命名法で示されている:
Figure 2020529208
Figure 2020529208
表2:FGF2変異体のコドン適応指数およびGC含量(配列番号1は発現の標準;配列番号2、3および5:高い;配列番号4:低い;したがって、CAI>0,77およびGC含量>51,7%であるのが好ましい;天然配列である配列番号1、18および28と比較して)。
表3
Figure 2020529208
表3:FGF7変異体のコドン適応指数およびGC含量(配列番号1は発現の標準;配列番号2、3および5:高い;配列番号4:低い;したがって、CAI>0,74およびGC含量>39,5%であるのが好ましい;天然配列である配列番号1、18および28と比較して)。
材料および方法:
マウス3T3線維芽細胞およびヒトB.J.皮膚線維芽細胞のトランスフェクション:
トランスフェクションのために、マウス3T3線維芽細胞およびヒトB.J.皮膚線維芽細胞を12ウエルプレートに4-6x104細胞/ウエルで播種した。完全なEMEMまたはDMEM培地(Gibco、Thermo Fisher、USA)で24時間インキュベートした後、培地を交換した。TransIT mRNAトランスフェクション試薬(Mirus Bio;製造業者の指示に従う複合体形成)と複合した様々なIVT mRNA製剤を調製し、細胞に加えた。トランスフェクション後24時間で培地を完全なDMEMに交換した。評価するまで毎日培地を交換しながら、細胞培養物を最大5日間標準条件下で維持した。
無傷のブタ皮膚生検の単離およびトランスフェクション:
ブタから全厚のブタ皮膚皮弁を死後に単離し(試料は現行の国内法(すなわちTierversuchsgesetz 2012、TVG 2012 (BGBl. I Nr. 114/2012))に完全に準拠して取得される)、OcteniseptR消毒剤(Schuelke+Mayr GmbH、ドイツ)を使用して消毒した。
無傷のブタ皮膚のトランスフェクションは、IVT-mRNA溶液(1-10μg mRNA/用量)の直接皮内注射により行った。LacZ IVT mRNA(5-メチルシチジン、プソイドウリジンを使用して完全に修飾;Trilink Inc.、米国)は、製造元の指示に従って(Kaikoらによるわずかな変更を加えた;Mol. Ther. 2012. 20(5): 948-53)TransITR-mRNAトランスフェクションキット(Mirus BioTM)を用いるかまたはDOTAPベースのリポソーム製剤(Sigma Aldrich、米国)を用いて製剤した。DOTAPベースの製剤は、5/1(μg/μg)の脂質/RNA比を使用して調製した。さらに、mRNA複合体にRNAse阻害剤(5U/用量、RNasin、Promega、USA)をも追加した。注入量は20μlから30μLの範囲であった。
別法として、無傷のブタ皮膚のトランスフェクションを、eGFP IVT-mRNA溶液(0.5〜25μg mRNA/用量)の直接皮内注射によって行った。eGFP IVTmRNA(AMPTec、ドイツ)は、製造元の指示に従って(Karikoら、2012によるわずかな変更を加えた)TransITR-mRNAトランスフェクションキット(Mirus BioTM)を用いるか、またはDOTAPベースのリポソーム製剤(Sigma Aldrich、米国)、または脂質ナノ粒子製剤(Polymun、オーストリア)またはSAINTベースのリポソーム製剤(Synvolux、オランダ)を用いて製剤した。DOTAPベースのリポソーム製剤は、5/1(μg/μg)の脂質/RNA比を使用して調製した。SAINT脂質ベースの製剤は、2.5-4/1(μg/μg)の脂質/RNA比を使用して調製した。さらに、生理的緩衝液中の非複合mRNAも皮内に投与した。注入量は20μlから30μLの範囲であった。
注入後、注入領域のパンチ生検(直径8mm)を採取し、皮下脂肪を除去し、生検をペトリディッシュ中の標準の完全培地(5mL;以下を含む:GlutaMAX(DMEM)、10%FCS、1Xペニシリン-ストレプトマイシン-フンギゾンを含むダルベッコの改変イーグル培地;Gibco. Life Technologiesから入手)に表皮を気液界面に面して移した。その後の培養を37℃/5%CO2で24時間行った。生検の採取は、通常、トランスフェクションの24時間後に行った。
ブタ上皮シートおよび真皮外植片の単離およびトランスフェクション:
ブタから全厚のブタ皮膚皮弁を死後に単離し(試料は国内法(すなわちTierversuchsgesetz 2012、TVG 2012)に完全に準拠して取得される)、OcteniseptR消毒剤(Schuelke+Mayr GmbH、ドイツ)を使用して消毒した。パンチ生検(直径6または8mm)を全層の皮膚弁から採取し、皮下脂肪を除去し、生検を2つの部分に切断した。すぐに切断生検を表皮を気液界面に面して、5mLディスパーゼII消化液(約2.5単位/mL;ディスパーゼII; Sigma Aldrich、USA)を含む9cm(直径)ペトリ皿に移した。その後の消化を4℃で一晩行った。ディスパーゼII消化液は、ディスパーゼIIストック溶液(50mM HEPES/150mM NaCl中に10mg/mL;pH-7.4)を1xDMEM(Gibco)で1:2に希釈し、1xペニシリン/ストレプトマイシンを添加して調製した。ついで、ピンセットを使用して表皮シートを下にある真皮(すなわち、真皮外植片)から除去し、短い(5分間)洗浄ステップのためにDMEMに移した。続いて、シートおよび真皮外植片を完全なDMEM培地に入れ、24ウエル培養プレートでトランスフェクションを行うまで37℃/5%CO2でインキュベートした(6〜8時間)。ブタ表皮シートおよび真皮外植片のトランスフェクションは、eGFP IVTmRNA(AmpTec、ドイツ)、ホタルフシフェラーゼ(FLuc)IVT mRNAまたはIFNa用のIVT mRNAコンストラクト(例えば、配列番号1〜4および配列番号18〜21)を使用して行った。mRNAは、製造元の指示に従ってTransITR-mRNAトランスフェクションキット(Mirus BioTM)またはリポソーム製剤(Polymun、オーストリア)またはSAINTベースのリポソーム製剤(Synvolux、オランダ)を使用して製剤した。SAINT脂質ベースの製剤は、2.5(μg/μg)(低脂質製剤)または4/1(μg/μg)(高脂質製剤)の脂質/RNA比を使用して調製した。リポソーム製剤は、5/1(μg/μg)の脂質/RNA比を使用して調製した。トランスフェクション用のリポプレックス溶液はすべて0.1μg〜10μg mRNA/mL DMEM培地を含み、表皮シートおよび真皮外植片を1〜3日間培養した。
分析のため、組織培養上清をELISA分析のために回収した。RNAおよびタンパク質の抽出、およびそれぞれqPCRとELISAによるその後の分析のためにシートを回収した。eGFPをトランスフェクションした表皮シートも、直接蛍光顕微鏡法およびeGFPをその場で検出する免疫組織化学によってeGFP発現について分析した。FLucをトランスフェクションした表皮シートおよび真皮外植片を、Tecan Infiniteマルチモードリーダーでルシフェラーゼ活性について分析した。
IVT mRNA調製物を使用してトランスフェクションした細胞のRT-PCR分析:
ヒトB.J.細胞およびマウス3T3線維芽細胞を、TransIT mRNAトランスフェクション試薬と複合した1μg FGF2またはFGF7 IVT mRNAを使用してトランスフェクションした。Tri-Reagent(Thermo Fisher、USA、製造元の指示)を使用したトランスフェクション後のさまざまな時点で、マウスおよびヒト線維芽細胞またはブタ上皮シートから全細胞RNAを単離し、mRNAを従来のRT-PCR(Protoscript First Strand cDNA合成キット、New England Biolabs、メーカーの指示に従って)によりcDNAに逆転写した。次に、cDNA試料を従来のPCRおよびqPCRにかけた。プライマーは、Invitrogenから入手した。
FGF変異体を検出するPCR分析を、Platinum Taq Polymerase(Invitrogen、米国)およびFGF変異体特異的プライマー(Invitrogen、米国)を使用して異なるFGF2およびFGF7変異体でトランスフェクションした細胞および/またはシートから得られたcDNAから行った。天然FGF2 mRNAのプライマーは、Biorad(米国)から入手した。ヒトRPL4およびマウスACTB(Eurofins Genomics)を正の対照として使用した。PCR産物を従来のアガロースゲル電気泳動を使用して分析した。qPCRは、CFX Real-Time PCR Detection System(Biorad)でLunaR Universal qPCR Master Mix(New England Biolabs、米国製造業者のプロトコルに従って)を使用して行った。IVT mRNAのレベルおよび安定性を内部標準と比較して決定し、RNAの品質および入力cDNAの量(例えば、それぞれマウスACTBまたはヒトRPL4)のばらつきを正規化した。
表4:PCRプライマー
Figure 2020529208

EG: Eurofins Genomics, IVG: Invitrogen
IVT mRNAにより誘導したヒトFGF2およびFGF7タンパク質の分析:
TransIT mRNAトランスフェクション試薬と複合したさまざまなFGF2およびFGF7変異体の0.1〜1μg IVT mRNAを使用して、マウス3T3細胞、ヒトB.J.細胞およびブタ上皮シートをトランスフェクションし、トランスフェクション後120時間まで培養した。トランスフェクションした細胞および上皮シートからの上清を、トランスフェクション後のいくつかの時点で得た;細胞を同じ時点で回収し、タンパク質を抽出した。細胞抽出緩衝液(10mM HEPES、10mM KCl、0.1μM EDTA、0.3%NP40およびRoche Protease Inhibitor、製造元のプロトコルに従う)を用い、タンパク質を抽出した。上清におけるFGFの測定を、ヒトFGF2およびFGF7 ELISA developmentキット(Duo Set ELISAキット、RおよびDシステム、Biotechne、米国、製造元の指示に従う)を使用して行い、Infinite 200 PROマルチモードリーダー(Tecan AG、スイス)で測定した。
IVT mRNA誘導eGFPタンパク質の分析:
無傷のブタ真皮外植片およびブタ上皮シートを、TransIT mRNAトランスフェクション試薬または異なるリポソーム担体と複合した、または複合していない(生理学的緩衝液中の「裸」)0.1〜10μg eGFP IVT mRNAを使用してトランスフェクションし、トランスフェクション後24時間培養した。試料を回収し、細胞抽出緩衝液(10mM HEPES、10mM KCl、0.1μM EDTA、0.3%NP40、およびRoche Protease Inhibitor、製造元のプロトコルに従う)を用いてタンパク質を抽出した。GFPインビトロSimpleStepELISARキット(Abcam Plc., UK、製造元の指示に従う)を使用してeGFPの決定を行い、Infinite 200 PROマルチモードリーダー(Tecan AG、スイス)で測定した。
ブタ組織におけるβガラクトシダーゼ活性の検出:
生検の全組織標本βガラクトシダーゼ(bGal)染色を、24ウエル培養プレートで24時間または48時間、37℃で行った。正の染色対照を、ブタ皮膚にbGal酵素(1U組換えbGalタンパク質/注射)を皮内注射することにより生成した。染色前に、生検を室温で1時間、PBSの4%ホルムアルデヒド溶液で穏やかに固定した。固定後、試料をPBS(3x)で洗浄し、続いてLacZ洗浄緩衝液(PBSに溶解した2mM MgCl2、0.01%デオキシコール酸Naおよび0.02%NP-40)で平衡化した。平衡化した後、試料を一晩(4℃)貯蔵した。ついで、試料を37℃の染色溶液中でインキュベートし、呈色反応をモニターした。染色溶液を新たに調製し(LacZ緩衝液中の5mM K4Fe(CN)6および5mM K3Fe(CN)6)、1mg/mLの5-ブロモ-3-インドリルβ-D-ガラクトピラノシド(Bluo-Gal)を発色基質として加えた。染色を48時間行う場合、染色溶液を24時間後に置き換えた。染色量は一般に0.5mL/ウエルであった。LacZ洗浄緩衝液および3xPBSで洗浄することにより、染色を停止した。その後、試料を緩衝4%ホルムアルデヒド溶液で一晩固定し、ついで標準的な組織学のためにさらに処理するか、あるいはその後の組織学的分析のために最適切断温度化合物(OCT)で凍結した。
IVT mRNA誘導FLucタンパク質の分析:
TransIT mRNAトランスフェクション試薬またはSAINT脂質ベースの製剤と複合した2μg/ml FLuc IVT mRNAを使用して、ブタ上皮シートおよび真皮外植片をトランスフェクションし、トランスフェクション後24時間培養した。試料を採取し、直接ルシフェラーゼ活性測定に供した。測定は、Firefly Luc One-Step Glow Assay Kit(Thermo Scientific、米国、製造元の指示に従う)を使用して行い、Infinite 200 PROマルチモードリーダー(Tecan AG、スイス)で分析した。さらに、試料はまた発光を直接検出するGelDocシステムで評価した。
IVT mRNAにより誘導されたヒアルロン酸の分泌の分析:
マウス3T3細胞を12ウエルプレートに5x104細胞/ウエルで播種した。十分な(full)DMEM培地(Gibco、Thermo Fisher、USA)で24時間インキュベートした後、培地を交換した。TransIT mRNAトランスフェクション試薬(Mirus Bio;製造業者の指示に従って複合体形成)と複合したFGF2およびFGF7をコードするIVT mRNAのさまざまな製剤を調製し、細胞に加えた。
ヒアルロン酸分泌の分析のために、トランスフェクションした細胞からの上清をトランスフェクションの24〜120時間後に得た。Hyaluronan Quantikine ELISA Kit(RおよびDシステム、Biotechne、USA、製造元の指示に従う)を使用して、上清をFGF誘導ヒアルロン酸産生の分析に供した。ELISA測定は、Infinite 200 PROマルチモードリーダー(Tecan AG、スイス)で行った。
ブタ初代皮膚線維芽細胞のトランスフェクション:
トランスフェクションのために、ブタの初代皮膚線維芽細胞を96ウエルプレートに5×103細胞/ウエルで播種した。十分なFGM-2線維芽細胞培地(LONZA、スイス)で24時間インキュベートした後、培地を完全DMEMに置き換えた。TransIT mRNAトランスフェクション試薬(Mirus Bio;製造業者の指示に従って複合体形成)と複合したIVT mRNAのさまざまな製剤を調製し、細胞に加えた。トランスフェクションの24時間後、培地を完全DMEMに交換した。評価するまで毎日培地を交換しながら、細胞培養物を最大2日間標準条件下で維持した。
トランスフェクションの24時間から120時間後のマウス3T3線維芽細胞から得られたcDNAからのFGF変異体特異的PCRによる異なるFGF2およびFGF7変異体をコードするmRNAの検出:
FGF2およびFGF7 mRNA変異体が長期間にわたってマウス線維芽細胞で安定であるかどうかを評価するため、配列番号1-4および18-21をコードする異なるmRNAを使用して3T3細胞をトランスフェクションした。RNAを異なる時点(トランスフェクション後24〜120時間)で単離し、トランスフェクションした細胞内のmRNAの存在を非定量的RT PCRによりトランスフェクション後120時間まで測定した。
結果:図1に示すように、すべてのFGF mRNA変異体は、トランスフェクション後、評価したすべての時点で1μg mRNA/mlを使用して検出でき、>120時間でのヒト細胞のコドン最適化またはGC含量に関係なく、mRNAの安定性を示していた。
図1は、TransIT mRNAトランスフェクション試薬と複合した1μg mRNAを使用しないで、または使用してトランスフェクションした3T3細胞を示す。トランスフェクション後のさまざまな時点(24時間〜120時間)で全細胞RNAを単離し、従来のRT-PCRによりmRNAをcDNAに逆転写した。次に、トランスフェクションしたFGF2およびFGF7 mRNAおよびPCR対照としてのマウスACTB(ctrとして示される)の検出のため、配列番号1-4および18-21用のプライマーを使用してcDNA試料を変異体特異的PCRにかけた。すべてのFGF変異体は、マウス細胞で長期間にわたって安定であった。その結果、コドン適応指数(CAI)およびGC含量に応じてFGFの発現および/または分泌に差が生じる。
トランスフェクションの24時間から120時間後の線維芽細胞から得られたcDNAからのFGF変異体特異的PCRによる異なるFGF2およびFGF7変異体をコードするmRNAの検出:
FGF mRNA変異体が長期間にわたってヒト皮膚線維芽細胞で安定であるかどうかを評価するため、配列番号1-4および18-21をコードする異なるmRNAを使用してB.J.細胞をトランスフェクションした。RNAを異なる時点(トランスフェクション後24〜120時間)で単離し、トランスフェクションした細胞内のmRNAの存在を非定量的RT PCRによりトランスフェクション後120時間まで測定した。
結果:図2に示すように、すべてのFGF mRNA変異体は、トランスフェクション後、評価したすべての時点で1μg mRNA/mlを使用して検出でき、>120時間でのヒト細胞のコドン最適化またはGC含量に関係なく、mRNAの安定性を示していた。
図2は、TransIT mRNAトランスフェクション試薬と複合した1μg mRNAを使用しないで、または使用してトランスフェクションしたB.J.細胞を示す。トランスフェクション後のさまざまな時点(24時間〜120時間)で全細胞RNAを単離し、従来のRT-PCRによりmRNAをcDNAに逆転写した。次に、トランスフェクションしたFGF mRNAおよびPCR対照としてのヒトRPL4(ctrとして示される)の検出のため、配列番号1-4および18-21用のプライマーを使用してcDNA試料を変異体特異的PCRにかけた。すべてのFGF変異体は、ヒト細胞で長期間にわたって安定であった。mRNAはまたブタの上皮シートでも長時間検出できた。その結果、コドン適応指数(CAI)およびGC含量に応じてFGF2およびFGF7の発現および/または分泌に差が生じる。
ヒトFGF2 IVT mRNA変異体でのトランスフェクション後24時間、72時間および120時間でのマウス3T3線維芽細胞の細胞培養上清からのタンパク質ELISAによるヒトFGF2タンパク質レベルの評価:
ヒトシステムでの最適な翻訳効率のためのコドン最適化(CAIによって決定される)およびFGF2 mRNA変異体のコード配列(CDS)でのGC含量の同時増加がヒトFGF2タンパク質の発現を変化させるかどうかを評価するため、3T3線維芽細胞を異なるFGF2 mRNA変異体でトランスフェクションした。配列番号18、19および21をコードするmRNAを使用して3T3細胞をトランスフェクションした。その後、トランスフェクションした細胞からのヒトFGF2の分泌レベルを、トランスフェクション後120時間まで測定した。
結果:3つのFGF2 mRNA変異体はすべて、評価したすべての時点で1μg mRNA/mlを使用して高レベルのヒトFGF2タンパク質を誘導している(図3)。天然ヒトFGF2および2つの変異体をコードするIVT mRNAの比較分析は、mRNAのCDSにおけるコドン最適化(すなわち、CAIレベル>0,76)およびGC含量の増加(GC含量>51,7%)という予期しない組み合わせ効果を示した。図3は、TransIT mRNAトランスフェクション試薬(1μg mRNA/ml)と複合したIVT mRNAを使用してトランスフェクションした3T3細胞を示す(4*104-5*104/ウエル)。上清を得、ヒトFGF2特異的タンパク質ELISA(RおよびDシステム)にかけた。示した値は、pg/ml FGF2タンパク質として測定されている。
閾値(CAI>0.76およびGC含量>51,7%)を超えた配列は、初期および後期にFGF2の発現レベルを著しく高く誘導し、遺伝子発現の大きさおよび寿命において天然配列よりも驚くほど高い利益を示した。
驚くべきことに、本発明で提供される、最適化されたFGF mRNA変異体による線維芽細胞のトランスフェクションは、他のmRNAに関する分野で知られているものとその全体的な動態の点で異なる:
前述のIVT mRNAを所定の細胞に送達すると、内部移行IVT mRNAの含有量は初期ピークレベルの後に連続的に低下し、通常はその後に遅れたタンパク質翻訳の低下が続く。驚くべきことに、また、上記の通常の状況とは著しく対照的に、本発明のFGF mRNA変異体の細胞への送達は、mRNAとタンパク質の動態の解離によって特徴付けられる。具体的には、IVT mRNAは送達時に徐々に分解されるが、ここに示すタンパク質の分泌(図3-8)は初日に上昇し始める(すなわち、発現は最初の24時間で最も低い)。その後、2日目にプラトーに達し、FGF生産が衰退するまで数日間持続する。重要なことに、この新しいパターンは、3つの種からの2つの起源の3つの異なる細胞株で得られた。さらに、これは、内因性FGF産生の自己調節またはパラクリン調節に対するIVT mRNA誘導FGFタンパク質の効果と一致している。
したがって、本発明による最適化された配列は、天然配列および組換えタンパク質と比較してとりわけ非常に驚くべき効果を有する。
FGF2およびFGF7の最適化された配列を使用すると、効果を大幅に延長できる。観察された天然配列と最適化配列の活性は同等であるが、3T3細胞での形質転換後の最初の24時間ではまだプラトーに達していない(図3)。しかしながら、これは実験のさらなる過程で大きく変化する。天然配列は、72時間の分析で示されるように発現を増加させることができるが、120時間後には有意な活性を誘発しない。対照的に、本発明で提供されるように、最適化された配列は、72時間後に3T3細胞で発現の増加を誘発し、さらに、驚くべきことに、この実施例ではトランスフェクション後120時間で10倍からほぼ100倍の改善された効果を生み出す(図3)。さらに、120時間後に検出可能なレベルは24時間後よりもさらに高いことを強調する必要がある。同様のパターンは、BJ細胞で(例えば、図5、特に配列番号21の24時間と比較して120時間で有意に高いレベルのタンパク質が存在する)または天然配列と比較して48時間および72時間でレベルが大幅に増加しているブタ上皮シートでも得られている(図7を参照)。興味深いことに、このパターンは、細胞/器官へのトランスフェクションの24時間後に発現したのと同量で組換えFGFタンパク質を添加すると達成されない。したがって、組換えFGFタンパク質の添加24時間後にそのような自己調節は観察されず、mRNA誘導発現がタンパク質置換と比較して異なる細胞内および細胞外効果を活性化できることが示唆された。
ヒトFGF7 IVT mRNA変異体でのトランスフェクション後120時間でのマウス3T3線維芽細胞の細胞培養上清からのタンパク質ELISAによるヒトFGF7タンパク質レベルの評価:
ヒトシステムでの最適な翻訳効率のためのコドン最適化(CAIによって決定される)およびFGF7 mRNA変異体のCDSでのGC含量の同時増加がヒトFGF7タンパク質の発現を変化させるかどうかを評価するため、3T3線維芽細胞を異なるFGF7 mRNA変異体でトランスフェクションした。配列番号1、2および4をコードするmRNAを使用して3T3細胞をトランスフェクションした。その後、トランスフェクションした細胞からのヒトFGF7の分泌レベルを、トランスフェクション後120時間まで測定した。
結果:3つのFGF7 mRNA変異体はすべて、評価したすべての時点で1μg mRNA/ウエルを使用して高レベルのヒトFGF7タンパク質を誘導した(図4)。天然ヒトFGF4および2つの変異体をコードするIVT mRNAの比較分析は、mRNAのCDSにおけるコドン最適化(すなわち、CAIレベル>0.74)およびGC含量の増加(GC含量>39,5%)という予期しない組み合わせ効果を示した。図4は、TransIT mRNAトランスフェクション試薬(1μg mRNA/ml)と複合したIVT mRNAを使用してトランスフェクションした3T3細胞を示す(4*104-5*104/ウエル)。上清を得、ヒトFGF7特異的タンパク質ELISA(RおよびDシステム)にかけた。示した値は、pg/ml FGF7タンパク質として測定されている。
閾値(CAI>0.74およびGC含量>39.5%)を超えた配列は、初期および後期にFGF7の発現レベルを著しく高く誘導し、発現の大きさおよび寿命において驚くほど高い利益を示した。
ヒトFGF2 IVT mRNA変異体でのトランスフェクション後120時間までのヒトB.J.線維芽細胞の細胞培養上清からのタンパク質ELISAによるヒトFGF2タンパク質レベルの評価:
ヒトシステムでの最適な翻訳効率のためのコドン最適化(CAIによって決定される)およびFGF2 mRNA変異体のコード配列(CDS)でのGC含量の同時増加がヒトFGF2タンパク質の発現を変化させるかどうかを評価するため、B.J.線維芽細胞を異なるFGF2 mRNA変異体でトランスフェクションした。配列番号18、19および21をコードするmRNAを使用してB.J.細胞をトランスフェクションした。その後、トランスフェクションした細胞からのヒトFGF2の分泌レベルを、トランスフェクション後120時間まで測定した。
結果:3つのFGF2 mRNA変異体はすべて、評価したすべての時点で1μg mRNA/mlを使用して高レベルのヒトFGF2タンパク質を誘導した(図5)。天然ヒトFGF2および変異体をコードするIVT mRNAの比較分析は、mRNAのCDSにおけるコドン最適化(すなわち、CAIレベル>0,76)およびGC含量の増加(GC含量>51,7%)という予期しない組み合わせ効果を示した。図5は、TransIT mRNAトランスフェクション試薬(1μg mRNA/ml)と複合したIVT mRNAを使用してトランスフェクションしたBJ細胞を示す(4*104-5*104/ウエル)。上清(<n=2/条件)を得、ヒトFGF2特異的タンパク質ELISA(RおよびDシステム)にかけた。示した値は、pg/ml FGF2タンパク質として測定されている。
閾値(CAI>0.76およびGC含量>51,7%)を超えた配列は、初期および後期にFGF2の発現レベルを著しく高く誘導し、遺伝子発現の大きさおよび寿命において天然配列よりも驚くほど高い利益を示した。
ヒトFGF7 IVT mRNA変異体でのトランスフェクション後120時間までのヒトBJ線維芽細胞の細胞培養上清からのタンパク質ELISAによるヒトFGF7タンパク質レベルの評価:
ヒトシステムでの最適な翻訳効率のためのコドン最適化(CAI)およびFGF7 mRNA変異体のCDSでのGC含量の同時増加がヒト皮膚線維芽細胞でのヒトFGF7タンパク質の発現を変化させるかどうかを評価するため、B.J.線維芽細胞を異なるFGF7 mRNA変異体でトランスフェクションした。配列番号1、2および4をコードするmRNAを使用してB.J.細胞をトランスフェクションした。その後、トランスフェクションした細胞からのヒトFGF7の分泌レベルを、トランスフェクション後120時間まで測定した。
結果:3つのFGF7 mRNA変異体はすべて、評価したすべての時点で1μg mRNA/mlを使用して高レベルのヒトFGF7タンパク質を誘導している(図6)。天然ヒトFGF7および変異体をコードするIVT mRNAの比較分析は、mRNAのCDSにおけるコドン最適化(すなわち、CAIレベル>0,74)およびGC含量の増加(GC含量>39,5%)という予期しない組み合わせ効果を示した。図6は、TransIT mRNAトランスフェクション試薬(1μg mRNA/ml)と複合したIVT mRNAを使用してトランスフェクションしたBJ細胞を示す(4*104-5*104/ウエル)。上清を得、ヒトFGF2特異的タンパク質ELISA(RおよびDシステム)にかけた。示した値は、pg/ml FGF2タンパク質として測定されている。
閾値(CAI>0.74およびGC含量>39,5%)を超えた配列は、初期および後期にFGF2の発現レベルを著しく高く誘導し、遺伝子発現の大きさおよび寿命において天然配列よりも驚くほど高い利益を示した。
ヒトFGF2 IVT mRNA変異体でのトランスフェクション後24時間から72時間でのブタ上皮シートの細胞培養上清からのタンパク質ELISAによるヒトFGF2タンパク質レベルの評価:
ヒトシステムでの最適な翻訳効率のためのコドン最適化(CAIによって決定される)およびFGF2 mRNA変異体のCDSでのGC含量の同時増加がブタ皮膚でのヒトFGF2タンパク質の発現を変化させるかどうかを評価するため、ブタ皮膚からの上皮シートを異なるFGF2 mRNA変異体でトランスフェクションした。配列番号18、19および21をコードするmRNAを使用して上皮シートをトランスフェクションした。TransIT単独およびeGFP mRNAと複合したTransITを対照として使用した。その後、トランスフェクションした組織からのヒトFGF2の分泌レベルを、トランスフェクション後72時間まで測定した。
結果:3つのFGF2 mRNA変異体はすべて、評価したすべての時点で1μg mRNA/mlを使用して高レベルのヒトFGF2タンパク質を誘導した(図7)。天然ヒトFGF2および変異体をコードするIVT mRNAの比較分析は、mRNAのCDSにおけるコドン最適化(すなわち、CAIレベル>0,76)およびGC含量の増加(GC含量>51,7%)という予期しない組み合わせ効果を示した。図7は、TransIT mRNAトランスフェクション試薬(1μg mRNA/ml)と複合したIVT mRNAを使用してトランスフェクションしたブタ上皮シートを示す。上清を得、ヒトFGF2特異的タンパク質ELISA(RおよびDシステム)にかけた。示した値は、pg/ml FGF2タンパク質として測定されている。
閾値(CAI>0.76およびGC含量>51,7%)を超えた配列は、初期および後期にFGF2の発現レベルを著しく高く誘導し、無傷のブタ組織での発現の大きさおよび寿命において天然配列よりも驚くほど高い利益を示した。
ヒトFGF7 IVT mRNA変異体でのトランスフェクション後24時間から72時間でのブタ上皮シートの細胞培養上清からのタンパク質ELISAによるヒトFGF7タンパク質レベルの評価:
ヒトシステムでの最適な翻訳効率のためのコドン最適化(CAIによって決定される)およびFGF7 mRNA変異体のCDSでのGC含量の同時増加がブタ皮膚でのヒトFGF7タンパク質の発現を変化させるかどうかを評価するため、ブタ皮膚からの上皮シートを異なるFGF7 mRNA変異体でトランスフェクションした。配列番号1、2および4をコードするmRNAを使用して上皮シートをトランスフェクションした。TransIT単独およびeGFP mRNAと複合したTransITを対照として使用した。その後、トランスフェクションした組織からのヒトFGF7の分泌レベルを、トランスフェクション後72時間まで測定した。
結果:3つのFGF7 mRNA変異体はすべて、評価したすべての時点で1μg mRNA/ウエルを使用して高レベルのヒトFGF7タンパク質を誘導した(図8)。天然ヒトFGF7および変異体をコードするIVT mRNAの比較分析は、mRNAのCDSにおけるコドン最適化(すなわち、CAIレベル>0.74)およびGC含量の増加(GC含量>39,5%)という予期しない組み合わせ効果を示した。図8は、TransIT mRNAトランスフェクション試薬(1μg mRNA/ml)と複合したIVT mRNAを使用してトランスフェクションしたブタ上皮シートを示す。上清を得、ヒトFGF7特異的タンパク質ELISA(RおよびDシステム)にかけた。示した値は、pg/ml FGF7タンパク質として測定されている。
閾値(CAI>0.74およびGC含量>39,5%)を超えた配列は、初期および後期にFGF7の発現レベルを著しく高く誘導し、無傷のブタ組織での発現の大きさおよび寿命において天然配列よりも驚くほど高い利益を示した。
TransIT mRNAトランスフェクション試薬を使用して製剤したeGFP IVT mRNAによるトランスフェクション後24時間でのブタ上皮シートにおけるeGFPの検出:
この実施例では、それぞれ、実施例7および8で行った実験のトランスフェクション効率について、eGFP発現を正の対照として経時的にモニターした。
上記のように、ブタ上皮シートをTransITおよびeGFP mRNAと複合したTransITでトランスフェクションした。さらに、TransITおよびeGFP mRNAの第二の製剤(0.5μg mRNA/ml)も投与量対照として含まれていた。続いて、トランスフェクションした組織におけるeGFPタンパク質の発現を直接蛍光顕微鏡法によりモニターした。
結果:分析した両実施例で同様のレベルのeGFP発現が検出可能であり、両方の実験でトランスフェクション効率の比較可能性が示された(図9)。重要なことに、eGFP発現の用量依存効果もこの実験で検出できた。
図9は、さまざまな濃度:0.5および1μg mRNA/mlで使用されるTransITで製剤されたeGFP mRNAを示す。トランスフェクション後24時間で、天然臓器試料をVectashield DAPI-Hardセット包埋媒体を使用してSuperfrostプラススライドガラスにマウントし、Apotome 2を搭載したZeiss AxioImage Z2顕微鏡を使用して直接蛍光検出を行った。リポソームのみで処理したシートと比較して、上皮シートのeGFP陽性細胞によりトランスフェクションの成功がそれぞれ検出された。
リポソームトランスフェクション試薬を使用して製剤したeGFP IVT mRNAによるトランスフェクション後24時間でのブタ上皮シートにおけるeGFPの検出:
この実施例では、別のトランスフェクション製剤によって誘導されたeGFP発現を経時的にモニターした。
上記の2つの異なるeGFP mRNA濃度(2μg/mlおよび10μg/ml mRNA)を使用して、ブタ上皮シートをリポソームベースの製剤でトランスフェクションした。続いて、トランスフェクションした組織におけるeGFPタンパク質の発現を直接蛍光顕微鏡法によりモニターした。
結果:この実験では、eGFP発現が用量依存的に検出できた(図9および表5)。全体的なトランスフェクション効率は、それぞれ実施例7〜9で得られた結果に匹敵した。
表5:トランスフェクション後24時間でのブタ上皮シートにおけるeGFP発現
Figure 2020529208
図10は、さまざまな濃度:2および10μg mRNA/mlで使用されるリポソームで製剤されたeGFP mRNAを示す。トランスフェクション後24時間で、天然臓器試料をVectashield DAPI-Hardセット包埋媒体を使用してSuperfrostプラススライドガラスにマウントし、Apotome 2を搭載したZeiss AxioImage Z2顕微鏡を使用して直接蛍光検出を行った。リポソームのみで処理したシートと比較して、上皮シート中のeGFP陽性細胞の濃度依存性の増加によりトランスフェクションの成功がそれぞれ検出された。
DOTAPベースのリポソームトランスフェクション試薬を使用して製剤したLacZ IVT mRNAによるトランスフェクション後24時間でのブタ皮膚外植片における全組織標本β-ガラクトシダーゼ(bGal)活性の検出:
mRNA変異体がin situで哺乳動物の皮膚にトランスフェクションできるかどうかを評価するため、ブタの皮膚から得られたパンチ生検を異なるLacZ mRNA製剤でトランスフェクションした。この実施例では、皮内トランスフェクションにより誘導されたLacZ発現を、トランスフェクション後24時間での全組織標本β-ガラクトシダーゼ染色によりモニターした。
無傷のブタ皮膚のトランスフェクションを、IVT-mRNA溶液(5μg mRNA/用量;+/-Rnase阻害剤)の直接皮内注射により行った。DOTAPリポソームを用いてmRNAを製剤した。トランスフェクション後24時間で、臓器試料を全組織標本β-ガラクトシダーゼ(bGal)染色に供した。in situでのBluoGal染色により、トランスフェクションの成功が検出できた。続いて、注射領域のパンチ生検(直径8mm)を採取し、皮下脂肪を除去し、生検を24時間培養した。
結果:トランスフェクションした生検におけるbGal活性の検出により、LacZ発現を視覚化した(図11)。bGal活性は、LacZ mRNAの異なる製剤(+/-RNAse阻害剤)に匹敵し、トランスフェクションした生検の真皮上部の青色染色で見られるように、発現を検出できた。
様々なトランスフェクション試薬と非複合RNAを使用して製剤したeGFP IVT mRNAによるトランスフェクション後24時間でのブタ皮膚外植片におけるeGFP発現の検出:
mRNA変異体がin situで哺乳動物の皮膚にトランスフェクションできるかどうかを評価するため、ブタの皮膚から得られたパンチ生検を異なるeGFP mRNA製剤でトランスフェクションした。この実施例では、皮内トランスフェクションにより誘導されたeGFP発現を、トランスフェクション後24時間で得られた組織抽出物からのeGFPタンパク質ELISAによりモニターした。これらの方針に沿って、eGFP mRNAのさまざまな製剤を製造し、注射した(詳細については表6を参照)。
表6:皮内トランスフェクション後24時間でのブタ皮膚生検におけるeGFP発現
Figure 2020529208
使用した製剤には以下が含まれていた:TransIT mRNAトランスフェクション試薬と複合したeGFP mRNA、DOTAPベースのリポソーム製剤と複合したeGFP mRNA、SAINT脂質ベースのリポソーム製剤と複合したeGFP mRNA、脂質ナノ粒子を含むeGFP mRNA、および非複合eGFP mRNAとして生理学的緩衝液中で製剤した非複合eGFP mRNA。
無傷のブタ皮膚のトランスフェクションを、IVT-mRNA溶液(eGFP IVTm RNA(1-25μg mRNA/用量))の直接皮内注射により行った。TransIT mRNAトランスフェクション試薬、DOTAPベースのリポソーム、SAINT脂質ベースのリポソーム、脂質ナノ粒子または生理学的緩衝液中の非複合mRNAを用いてmRNAを製剤した。続いて、注射領域のパンチ生検(直径8mm)を採取し、皮下脂肪を除去し、生検を24時間培養し、ついでeGFP発現について分析した。トランスフェクション後24時間で臓器試料をタンパク質抽出およびそれに続くeGFPタンパク質ELISAに供した。
結果:注射後24時間でのeGFPタンパク質ELISAにより、eGFP発現を検出できた(図12、表5)。eGFPリポプレックス(LNPおよびリポソーム複合体)およびTransIT(標準として使用)は、同様の濃度依存性eGFP誘導を示した。最適な発現は2.4μg〜5μg mRNA/用量で検出された。非複合mRNAもトランスフェクションの成功を示した。しかしながら、この実験設定においてブタ真皮で検出可能なeGFP発現を誘導するために必要な最小濃度は5μg mRNA/用量であり、トランスフェクション試薬の非存在下でmRNAのトランスフェクション効率が低いことを示した。
Trans ITおよびSAINTベースのリポソームトランスフェクション試薬を使用して製剤したFLuc IVT mRNAによるトランスフェクション後24時間でのブタ上皮シートにおけるルシフェラーゼ活性の検出:
この実施例では、別のトランスフェクション製剤によって誘導されたFLuc発現を経時的にモニターした。
上記のように、2μg/ml mRNAを使用し、ブタ上皮シートにTrans ITまたはリポソームベースの製剤をトランスフェクションした。その後、トランスフェクションした組織におけるルシフェラーゼ活性を直接活性測定によりモニターした。
結果:この実験では、ルシフェラーゼ活性は脂質用量依存的に検出できた(図13および表7)。全体的なトランスフェクション効率は、それぞれ実施例7〜10で得られた結果に匹敵した。
表7:トランスフェクション後24時間でのブタ上皮シートにおけるルシフェラーゼ活性
Figure 2020529208
図13は、2つの脂質濃度で使用したリポソームで製剤化したFLuc mRNAを示す。トランスフェクション後24時間で、天然臓器試料をFirefly Luc One-Step Glow Assay Kitに供した。トランスフェクションの成功は、Gel-Docシステムでの活性単位(発光)および直接発光検出によって検出された。
Trans ITおよびSAINTベースのリポソームトランスフェクション試薬を使用して製剤したFLuc IVT mRNAによるトランスフェクション後24時間でのブタ上皮シートおよびブタ真皮外植片におけるルシフェラーゼ活性の検出:
この実施例では、別のトランスフェクション製剤によって誘導されたホタルルシフェラーゼ発現を経時的にモニターした。
上記のように、2μg/ml mRNAを使用し、ブタ上皮シートおよびブタ真皮外植片にTrans ITまたはリポソームベースの製剤をトランスフェクションした。その後、トランスフェクションした組織におけるルシフェラーゼ活性を直接活性測定によりモニターした。
結果:ルシフェラーゼ活性は、トランスフェクション後に上皮組織およびブタ皮膚外植片の両方で検出できた(図14)。全体的なトランスフェクション効率は、それぞれ実施例7〜10で得られた結果に匹敵した。
図14は、2つの脂質濃度で使用したリポソームで製剤化したFLuc mRNAを示す。トランスフェクション後24時間で、天然臓器試料(すなわち、上皮シートおよび真皮外植片)をFirefly Luc One-Step Glow Assay Kitに供した。トランスフェクションの成功は、活性単位(発光)によって検出された。
トランスフェクション後24時間から120時間でのマウス3T3細胞の細胞培養上清からのタンパク質ELISAによるヒトFGF7タンパク質のレベルの評価による、配列番号1のmRNAと、UをプソイドUで、Cを5mCで100%置換した当該mRNAの変異体との比較:
この実施例では、FGF7 mRNA変異体の発現レベルに対する非標準/修飾ヌクレオチド(例えば、プソイドUおよびm5C)の効果を評価する。マウス3T3細胞を、2つの形態の天然(配列番号1)IVT mRNA(mRNA:1μg/ml):一つはUをプソイドUで、Cを5mCで100%置換したもの(Seq ID1_mnと表示)、一つは修飾ヌクレオチドのないもの(Seq ID1)でトランスフェクションした。この場合も、TransIT単独を対照として使用した。続いて、トランスフェクションした組織からのヒトFGF7の分泌レベルを、トランスフェクション後120時間まで測定した。
結果:FGF7の発現は、細胞上清中の分泌されたFGF7の検出によって視覚化される。図15に示すように、両方のmRNA変異体が、試験したすべての時点でFGF7タンパク質の高レベルの発現を誘導する。
修飾ヌクレオチドを欠いた配列は、初期および後期段階でFGF7の有意に高い発現レベルを誘導し、マウス細胞および無傷のブタ組織での発現の大きさと寿命において修飾ヌクレオチドよりも野生型の天然配列において驚くほど高い利益を示した。
トランスフェクション後120時間までの最適化されたFGF2 mRNA変異体によるマウス3T3線維芽細胞の処理後のヒアルロン酸レベルの分析
FGF2 mRNA変異体が長期間にわたってマウス3T3線維芽細胞のヒアルロン酸(=hyaluronan)分泌を修飾できるかどうかを評価するため、線維芽細胞に異なるFGF2 mRNA変異体をトランスフェクションし、トランスフェクション後120時間までヒアルロン酸分泌を評価した。
配列番号18、19、および21をコードするmRNAを使用してマウス3T3細胞をトランスフェクションした。この場合も、TransITのみを対照として使用した。続いて、トランスフェクションした細胞の上清から分泌されたヒアルロン酸のレベルを、Hyaluronan Quantikine ELISAキットを使用してトランスフェクション後120時間まで測定した。
結果:3つのFGF2 mRNA変異体はすべて、評価したすべての時点で1μg mRNA/ウエルを使用して高レベルのヒアルロン酸の分泌を誘導しており(図16)、この系で分泌されたFGF2タンパク質の生物活性と、マウス細胞でのIVT mRNA誘導ヒアルロン酸合成の大きさにおける高い利点を示している。示している値は、ng/mlヒアルロン酸として測定されている。
トランスフェクション後120時間までの最適化されたFGF mRNA変異体によるマウス3T3線維芽細胞、ブタ上皮シートおよびブタ線維芽細胞の処理後のヒアルロン酸レベルの分析
FGF mRNA変異体が長期間にわたってマウス3T3線維芽細胞、ブタ上皮シートおよび初代ブタ線維芽細胞のヒアルロン酸分泌を修飾できるかどうかを評価するため、シートおよび線維芽細胞に異なるFGF mRNA変異体をトランスフェクションし、トランスフェクション後72時間までヒアルロン酸分泌を評価した。
配列番号1、2、3、4、5、18、19、20、21および22をコードするmRNAを使用してシートおよび線維芽細胞をトランスフェクションする(1μg/ml)。続いて、トランスフェクションした細胞の上清から分泌された(すなわち、新たに合成された)ヒアルロン酸のレベルを、Hyaluronan Quantikine ELISAキットを使用してトランスフェクション後120時間まで測定する。
結果:IVT mRNA誘導のヒアルロン酸合成は、マウスおよびブタ細胞の上清および上皮シート中のヒアルロン酸の検出によって視覚化される(図18-21、および示していないデータ)。FGF mRNA変異体はすべて、評価したすべての時点で1μg mRNA/ウエルを使用して高レベルのヒアルロン酸の分泌を誘導しており、この系で分泌されたFGFタンパク質の生物活性を示している。図18-21は、使用した系で分泌されたFGF2およびFGF7タンパク質の生物活性と、マウスおよびブタの細胞または組織におけるIVT mRNA誘導ヒアルロン酸合成の大きさにおける高い利点を示している。示している値は、ng/mlヒアルロン酸として測定されている。
発現はまた、それぞれ培地で組換えFGF2またはFGF7タンパク質刺激を使用してより高いレベルで誘導される。例えば、組換えFGF7タンパク質の存在下で培養したブタ線維芽細胞(図18参照)は、未処理の陰性対照細胞と比較して、分泌されたヒアルロン酸が12%増加することを示している。対照的に、IVT mRNA処理試料は58-70%の増加を示す。同様に、FGF7をコードするIVT mRNAで処理した上皮シートも、未処理の対照より43-83%多くヒアルロン酸を分泌する(図19)。
FGF2の場合もこの効果は顕著であり、ブタ線維芽細胞で組換えFGF2タンパク質を処理すると43%増加する(図20)。FGF2をコードするIVTコードmRNAは、未処理の対照試料と比較して117-136%の増加でより効率的なヒアルロン酸分泌を示す。FGF2処理した上皮シートの場合、23-71%の増加がそれに応じて検出できる(図21)。
ヒトFGF7 IVT mRNA変異体でのトランスフェクション後のブタ皮膚細胞の細胞培養上清からのタンパク質ELISAによるヒトFGF7タンパク質レベルの評価:
ブタシステムでの最適な翻訳効率のためのコドン最適化(CAIによって決定される)およびFGF7 mRNA変異体のCDSでのGC含量の同時増加がブタ皮膚細胞でのヒトFGF7タンパク質の発現を変化させるかどうかを評価するため、ブタ初代皮膚線維芽細胞をブタ皮膚から得、異なるFGF7 mRNA変異体でトランスフェクションした。配列番号1、2および4をコードするmRNAを使用してブタ細胞をトランスフェクションした。TransIT単独およびeGFP mRNAと複合したTransITを対照として使用した。その後、トランスフェクションした組織からのヒトFGF7の分泌レベルを、トランスフェクション後48時間まで測定した。示している値は、pg/ml FGF7として測定されている。
結果:3つのFGF7 mRNA変異体はすべて、評価したすべての時点で1μg mRNA/ウエルを使用して高レベルのヒトFGF7タンパク質を誘導する(図22)。天然ヒトFGF7および変異体をコードするIVT mRNAの比較分析は、mRNAのCDSにおけるコドン最適化(すなわち、CAIレベル>0.74)およびGC含量の増加(GC含量>39,5%)という予期しない組み合わせ効果を示した。図22は、TransIT mRNAトランスフェクション試薬(1μg mRNA/ml)と複合したIVT mRNAを使用してトランスフェクションしたブタ細胞を示す。上清を得、ヒトFGF7特異的タンパク質ELISA(RおよびDシステム)にかけた。示した値は、pg/ml FGF7タンパク質として測定されている。
閾値(CAI>0.74およびGC含量>39,5%)を超えた配列は、初期および後期にFGF7の発現レベルを著しく高く誘導し、ブタ細胞での発現の大きさおよび寿命において天然配列よりも驚くほど高い利益を示した。
ヒトFGF7 IVT mRNA変異体でのトランスフェクション後のマウス3T3線維芽細胞の細胞培養上清からのタンパク質ELISAによるヒトFGF7タンパク質レベルの評価:
この実施例では、FGF7 mRNA変異体のコード配列(CDS)で、閾値(39,5%)より低いGC含量および低いCAIレベル(すなわち、CAI<0.74)の異なるコドン最適化の効果を評価し、異なるIVT mRNA変異体と比較する。3T3線維芽細胞に、上記のように、天然または最適化された(配列番号1および配列番号3)、およびCAI<0.74および/またはGC含量<39,5%を示す変異体(例えば、配列番号5)をトランスフェクションする。この場合も、TransITのみを対照として使用する。続いて、トランスフェクションした細胞からのヒトFGF7の分泌レベルを、トランスフェクション後120時間まで決定する。示した値は、pg/ml FGF7タンパク質として測定されている。
結果:FGF7発現は、細胞上清中の分泌されたFGF7の検出によって視覚化される。
閾値(CAI>0.74およびGC含量>39,5%)を超えた配列は、初期および後期にFGF7の発現レベルを著しく高く誘導し、マウス細胞での発現の大きさおよび寿命において天然配列よりも驚くほど高い利益を示す(図23参照)が、最適化が行われたが閾値を下回った(CAI>0.74およびGC含量>39,5%)配列は、閾値を上回った(CAI>0.74およびGC含量>39,5%)配列よりも、細胞におけるFGF7の誘導効率が低い(図24参照)。
ヒトFGF7 IVT mRNA変異体でのトランスフェクション後のヒト皮膚線維芽細胞の細胞培養上清からのタンパク質ELISAによるヒトFGF7タンパク質レベルの評価:
この実施例では、FGF7 mRNA変異体のコード配列(CDS)で、閾値(39,5%)より低いGC含量および低いCAIレベル(つまりCAI<0.74)の異なるコドン最適化の効果を評価し、異なるIVT mRNA変異体と比較する。ヒト皮膚線維芽細胞に、上記のように、天然または最適化された(配列番号1および配列番号3)、およびCAI<0.74および/またはGC含量<39,5%を示す変異体(例えば、配列番号5)をトランスフェクションする。この場合も、TransITのみを対照として使用する。続いて、トランスフェクションした細胞からのヒトFGF7の分泌レベルを、トランスフェクション後120時間まで決定する。示した値は、pg/ml FGF7タンパク質として測定されている。
結果:FGF7発現は、細胞上清中の分泌されたFGF7の検出によって視覚化される。
閾値を超えた(CAI>0.74およびGC含量>39,5%)配列は、初期および後期にFGF7の発現レベルを著しく高く誘導し、ヒト細胞での発現の大きさおよび寿命において天然配列よりも驚くほど高い利益を示すが、最適化が行われたが閾値を下回った(CAI>0.74およびGC含量>39,5%)配列は、閾値を上回った(CAI>0.74およびGC含量>39,5%)配列よりも、ヒト細胞におけるFGF7の誘導効率が低い(図25参照)。
ヒトFGF2 IVT mRNA変異体でのトランスフェクション後のブタ皮膚細胞の細胞培養上清からのタンパク質ELISAによるヒトFGF2タンパク質レベルの評価:
この実施例では、FGF2 mRNA変異体のコード配列(CDS)で、GC含量について異なるコドン最適化の効果を評価し、異なるIVT mRNA変異体と比較する。ブタ皮膚細胞に、上記のように、天然または最適化された(配列番号18および配列番号19、配列番号21)、およびCAI<0.76および/またはGC含量<51,7%を示す変異体(例えば、配列番号22)をトランスフェクションする。続いて、トランスフェクションした細胞からのヒトFGF2の分泌レベルを、トランスフェクション後48時間まで決定する。
結果:FGF2発現は、細胞上清中の分泌されたFGF2の検出によって視覚化される。示している値は、pg/ml FGF2として測定されている。FGF2 mRNA変異体はすべて、評価したすべての時点で1μg mRNA/mlを使用して高レベルのヒトFGF2タンパク質を誘導した(図26)。
閾値を超えた(CAI>0.76およびGC含量>51,7%)配列は、初期および後期にFGF2の発現レベルを著しく高く誘導し、無傷のブタ組織での発現の大きさおよび寿命において天然配列よりも驚くほど高い利益を示すが、最適化が行われたが閾値を下回った(CAI>0.76およびGC含量>51,7%)配列は、ブタ細胞におけるFGF2の誘導効率が低い。
ヒトFGF2 IVT mRNA変異体でのトランスフェクション後のマウス3T3線維芽細胞の細胞培養上清からのタンパク質ELISAによるヒトFGF2タンパク質レベルの評価:
この実施例では、FGF2 mRNA変異体のコード配列(CDS)で、閾値(51,7%)より低いGC含量および低いCAIレベル(すなわち、CAI<0.76)の異なるコドン最適化の効果を評価し、異なるIVT mRNA変異体と比較する。3T3線維芽細胞に、上記のように、天然または最適化された(配列番号18および配列番号20)、およびCAI<0.76および/またはGC含量<51,7%を示す変異体(例えば、配列番号22)をトランスフェクションした。この場合も、TransITのみを対照として使用する。続いて、トランスフェクションした細胞からのヒトFGF2の分泌レベルを、トランスフェクション後120時間まで決定する。
結果:FGF2発現は、細胞上清中の分泌されたFGF2の検出によって視覚化される。示している値は、pg/ml FGF2として測定されている。FGF2 mRNA変異体はすべて、評価したすべての時点で1μg mRNA/mlを使用して高レベルのヒトFGF2タンパク質を誘導した(図27)。
閾値を超えた(CAI>0.76およびGC含量>51,7%)配列は、初期および後期にFGF2の発現レベルを著しく高く誘導し、マウス細胞での発現の大きさおよび寿命において天然配列よりも驚くほど高い利益を示すが、最適化が行われたが閾値を下回った(CAI>0.76およびGC含量>51,7%)配列は、トランスフェクションおよび長期間の培養後にマウス細胞におけるFGF2の誘導効率が低い。
ヒトFGF2 IVT mRNA変異体でのトランスフェクション後のヒト皮膚線維芽細胞の細胞培養上清からのタンパク質ELISAによるヒトFGF2タンパク質レベルの評価:
この実施例では、FGF2 mRNA変異体のコード配列(CDS)で、閾値(51,7%)より低いGC含量および低いCAIレベル(すなわち、CAI<0.76)の異なるコドン最適化の効果を評価し、異なるIVT mRNA変異体と比較する。ヒト皮膚線維芽細胞に、上記のように、天然または最適化された(配列番号18および配列番号20)、およびCAI<0.76および/またはGC含量<51,7%を示す変異体(例えば、配列番号22)をトランスフェクションする。この場合も、TransITのみを対照として使用する。続いて、トランスフェクションした細胞からのヒトFGF2の分泌レベルを、トランスフェクション後120時間まで決定する。
結果:FGF2発現は、細胞上清中の分泌されたFGF2の検出によって視覚化される。示している値は、pg/ml FGF2として測定されている。FGF2 mRNA変異体はすべて、評価したすべての時点で1μg mRNA/mlを使用して高レベルのヒトFGF2タンパク質を誘導した(図28)。
閾値を超えた(CAI>0.76およびGC含量>51,7%)配列は、初期および後期にFGF2の発現レベルを著しく高く誘導し、ヒト細胞での発現の大きさおよび寿命において天然配列よりも驚くほど高い利益を示すが、最適化が行われたが閾値を下回った(CAI>0.76およびGC含量>51,7%)配列は、ヒト細胞におけるFGF2の誘導効率が低い。
トランスフェクションの24時間から120時間後のマウス3T3線維芽細胞から得られたcDNAからのFGF変異体特異的定量的リアルタイムPCRによる異なるFGF2およびFGF7変異体をコードするmRNAの検出:
FGF2およびFGF7 mRNA変異体が長期間にわたってマウス線維芽細胞で安定であるかどうかを評価するため、配列番号1-5および18-22をコードする異なるmRNAを使用して3T3細胞をトランスフェクションする。RNAを異なる時点(トランスフェクション後24-120時間)で単離し、トランスフェクションした細胞内のmRNAの存在を定量的RT PCRによりトランスフェクション後120時間まで測定した。
結果:TransIT mRNAトランスフェクション試薬と複合した1μg mRNAを使用しないで、または使用してトランスフェクションした3T3細胞。トランスフェクション後のさまざまな時点(24時間-120時間)で全細胞RNAを単離し、従来のRT-PCRによりmRNAをcDNAに逆転写する。次に、トランスフェクションしたFGF2およびFGF7 mRNAおよび適当なPCR対照の検出のため、配列番号1-5および18-22用のプライマーを使用してcDNA試料を変異体特異的定量的リアルタイムPCRにかける。その結果、CAIおよびG+C含量に応じて細胞でのIVT mRNAの安定性に差が生じる。
トランスフェクションの24時間から120時間後のヒトBJ線維芽細胞から得られたcDNAからのFGF変異体特異的定量的リアルタイムPCRによる異なるFGF2およびFGF7変異体をコードするmRNAの検出:
FGF2およびFGF7 mRNA変異体が長期間にわたってヒト皮膚線維芽細胞で安定であるかどうかを評価するため、配列番号1-5および18-22をコードする異なるmRNAを使用して3T3細胞をトランスフェクションする。RNAを異なる時点(トランスフェクション後24-120時間)で単離し、トランスフェクションした細胞内のmRNAの存在を定量的RT PCRによりトランスフェクション後120時間まで測定した。
結果:TransIT mRNAトランスフェクション試薬と複合した1μg mRNAを使用しないで、または使用してトランスフェクションしたBJ細胞。トランスフェクション後のさまざまな時点(24時間-120時間)で全細胞RNAを単離し、従来のRT-PCRによりmRNAをcDNAに逆転写する。次に、トランスフェクションしたFGF2およびFGF7 mRNAおよび適当なPCR対照の検出のため、配列番号1-5および18-22用のプライマーを使用してcDNA試料を変異体特異的定量的リアルタイムPCRにかける。その結果、CAIおよびG+C含量に応じて細胞でのIVT mRNAの安定性に差が生じる。
ELISAによるIVT mRNA変異体誘導タンパク質と比較した組換えFGFタンパク質の安定性および活性の分析:
組換えFGF2またはFGF7タンパク質がIVT mRNAと同様の仕方でFGF発現およびその後の活性を調節できるかどうかを評価するため、マウス3T3またはブタ初代線維芽細胞を1ng/mlの組換えFGF2またはFGF7タンパク質の存在下でインキュベートするか、または異なるFGF2およびFGF7 mRNA変異体をトランスフェクションした。配列番号1および2および18、19および21をコードするmRNAを使用してマウス3T3細胞およびブタ初代線維芽細胞をトランスフェクションした。その後、FGF2およびFGF7タンパク質のレベルを、タンパク質のトランスフェクション/添加の24時間後に決定した。
結果:FGF2およびFGF7の発現は、タンパク質ELISAによる細胞上清中の分泌されたFGF2およびFGF7の検出によって視覚化される。図17に示すように、この実験では、組換えFGF2と組換えFGF7タンパク質の両方が24時間以上不安定である。実施した個々の実験のいずれにおいても、マウス3T3線維芽細胞またはブタ初代線維芽細胞の組織培養上清で、残留FGF2またはFGF7タンパク質を検出できなかった。対照的に、IVT mRNA変異体は、すべての実験において分析時に高いFGFタンパク質レベルを誘導した。さらに、この検出の欠如は、FGF2またはFGF7タンパク質が組換えFGF2/7暴露後に新たに合成されなかったことも示している。重要なことに、このことは、ヒトELISAシステムによるブタおよびマウスFGFの検出可能性の同時試験によってもサポートされた:使用したELISAシステムはマウスおよびブタFGFをも検出できた。したがって、示されたELISAにおけるFGFシグナルの欠如は、これらの実験においてマウスまたはブタ細胞で組換えタンパク質によってフィードバックループが開始されなかったことを実証している。
その結果、本発明で提示されるIVT mRNA変異体は、驚くべきことに、組換えFGFタンパク質とは異なって脊椎動物細胞におけるFGF発現および活性/機能を調節することができるということになる。
したがって、本発明は以下の好ましい態様に関する。
1.5'CAP領域、5'非翻訳領域(5'-UTR)、ヒトFGF2またはFGF7をコードするコード領域、3'非翻訳領域(3'-UTR)およびポリアデノシンテール(ポリAテール)を有する、局所的な皮膚低栄養状態の治療での使用のための、線維芽細胞成長因子(FGF)メッセンジャーRNA(mRNA)であって、
該FGF mRNAのコード領域はヒト線維芽細胞成長因子2(FGF2)をコードするか、または
該FGF mRNAのコード領域はヒト線維芽細胞成長因子7(FGF7)をコードする
FGF mRNA。
2.局所的な皮膚低栄養状態が、皮膚弛緩症、慢性萎縮性先端皮膚炎、Pasini-Pierini型進行性特発性皮膚萎縮症、穿孔性皮膚炎に起因する瘢痕、萎縮性白化、脂肪性壊死、放射線皮膚炎、線条状伸展、萎縮性皮膚状態、糖質コルチコイド(GC)誘発性皮膚萎縮、萎縮性瘢痕および皮膚潰瘍からなる群から好ましくは選択される、態様1に記載の使用のためのFGF mRNA。
3.ポリAテールが、少なくとも60個のアデノシン一リン酸、好ましくは少なくとも100個のアデノシン一リン酸、とりわけ少なくとも120個のアデノシン一リン酸を含む、態様1または2のいずれかに記載の使用のためのFGF mRNA。
4.5'-UTRまたは3'-UTRまたは5'-UTRおよび3'-UTRが天然FGF2またはFGF7 mRNAとは異なるmRNAであり、好ましくは、5'-UTRまたは3'-UTRまたは5'-UTRおよび3'-UTRが少なくとも1つの安定化配列、好ましくは一般式:(C/U)CCANxCCC(U/A)PyxUC(C/U)CC(配列番号38)(ここで「x」は、NxおよびPyxで独立して、0〜10、好ましくは0〜5の整数、特に0、1、2、4および/または5である)の安定化配列を含む、態様1〜3のいずれか1に記載の使用のためのFGF mRNA。
5.5'-UTRまたは3'-UTRまたは5'-UTRおよび3'-UTRが天然FGF2またはFGF7 mRNAとは異なるmRNAであり、少なくとも1つの不安定化配列エレメント(DSE)、好ましくはAUリッチエレメント(ARE)および/またはUリッチエレメント(URE)、特に九量体UUAUUUA(U/A)(U/Aの単一、タンデム、または複数または重複コピーを含む、態様1〜4のいずれか1に記載の使用のためのFGF mRNA。
6.5'-UTRまたは3'-UTRまたは5'-UTRおよび3'-UTRが天然FGF2またはFGF7 mRNAとは異なるmRNAであり、5'-UTRおよび/または3'-UTRが、アルファグロビン、ベータグロビン、アルブミン、リポキシゲナーゼ、ALOX15、アルファ(1)コラーゲン、チロシンヒドロキシラーゼ、リボソームタンパク質32L、真核生物伸長因子1a(EEF1A1)、オルソポックスウイルスに存在する5'-UTR要素、およびこれらの混合物から好ましくは選択され、特にアルファグロビン、ベータグロビン、アルファ(1)コラーゲン、およびその混合物から選択される、FGF2またはFGF7とは異なるヒトmRNAの5'-UTRおよび/または3'-UTRである、態様1〜5のいずれか1に記載の使用のためのFGF mRNA。
7.少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%、好ましくは少なくとも30%、特に少なくとも50%の
− シチジン残基が5-メチルシチジン残基で置換され、および/または
− シチジン残基が2-アミノ-2-デオキシシチジン残基で置換され、および/または
− シチジン残基が2-フルオロ-2-デオキシシチジン残基で置換され、および/または
− シチジン残基が2-チオシチジン残基で置換され、および/または
− シチジン残基が5-ヨードシチジン残基で置換され、および/または
− ウリジン残基がプソイドウリジン残基で置換され、および/または
− ウリジン残基が1-メチルプソイドウリジン残基で置換され、および/または
− ウリジン残基が2-チオウリジン残基で置換され、および/または
− ウリジン残基が5-メチルウリジン残基で置換され、および/または
− アデノシン残基がN6-メチルアデノシン残基で置換される
態様1〜6のいずれか1に記載の使用のためのFGF mRNA。
8.少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%、好ましくは少なくとも30%、特に少なくとも50%の
− シチジン残基が5-メチルシチジン残基で置換され、および/または
− ウリジン残基がプソイドウリジン残基で置換され、および/または
− ウリジン残基が2-チオウリジン残基で置換される
態様1〜7のいずれか1に記載の使用のためのFGF mRNA。
9.GC/AU比が、FGF2 mRNAの場合は、少なくとも51.7%、好ましくは少なくとも52%、より好ましくは55%、さらにより好ましくは少なくとも58%、特に少なくとも60%であり、FGF7 mRNAの場合は、少なくとも39.5%、好ましくは少なくとも43%、より好ましくは45%、さらにより好ましくは少なくとも50%、特に少なくとも55%である、態様1〜8のいずれか1に記載の使用のためのFGF mRNA。
10.FGF2 mRNAのコドン適応指数(CAI)が少なくとも0.77、好ましくは少なくとも0.8であり、および/またはFGF7 mRNAのCAIが少なくとも0.75、好ましくは少なくとも0.77である、態様1〜9のいずれか1に記載の使用のためのFGF mRNA。
11.コード領域がヒトFGF2をコードし、好ましくは配列番号30、特に配列番号31である、態様1〜10のいずれか1に記載の使用のためのFGF mRNA。
12.コード領域がヒトFGF7をコードし、好ましくは配列番号12、特に配列番号13である、態様1〜10のいずれか1に記載の使用のためのFGF mRNA。
13.皮下、皮内、経皮、表皮、または局所、特に表皮に投与される、態様1〜12のいずれか1に記載の使用のためのFGF mRNA。
14.1ヶ月以内に少なくとも2回、好ましくは毎週、投与する、態様1〜13のいずれか1に記載の使用のためのFGF mRNA。
15.用量あたり0.01μg〜100mg、好ましくは用量あたり0.1μg〜10mg、特に用量あたり1μg〜1mgの量で投与される、態様1〜14のいずれか1に記載の使用のためのFGF mRNA。
16.態様1〜15のいずれか1に記載のFGF mRNAを含む、局所的な皮膚低栄養状態、好ましくは萎縮性瘢痕および糖質コルチコイド(GC)誘発性皮膚萎縮の治療での使用のための医薬製剤。
17.薬学的に許容される担体、好ましくはポリマーベースの担体、特に、直鎖および分岐PEIおよびビロマーを含むカチオン性ポリマー;脂質ナノ粒子およびリポソーム、ナノリポソーム、セラミド含有ナノリポソーム、プロテオリポソーム、カチオン性両親媒性脂質、例えば、:SAINT-Lipids、天然および合成由来のエキソソーム、天然、合成および半合成の層状体、ナノ粒子、リンケイ酸カルシウムナノ粒子、リン酸カルシウムナノ粒子、二酸化ケイ素ナノ粒子、ナノ結晶粒子、半導体ナノ粒子、乾燥粉末、ポリ(D-アルギニン)、ナノデンドリマー、デンプンベースの送達システム、ミセル、エマルジョン、ゾルゲル、ニオソーム、プラスミド、ウイルス、リン酸カルシウムヌクレオチド、アプタマー、ペプチド、ペプチド結合体、ベクタータグ、乳酸−グリコール酸共重合体(poly-lactic-co-glycolic acid (PLGA) polymers);好ましくは小分子標的結合体、またはウイルスキャプシドタンパク質、好ましくはカチオン性ポリマーおよびリポソーム、特にカチオン性ポリマーを含む、好ましくは態様16に記載の使用のための医薬製剤。
18.直鎖および分岐PEIおよびビロマーを含むカチオン性ポリマー、脂質ナノ粒子およびリポソーム、トランスファーソーム、およびナノ粒子、好ましくはリン酸カルシウムナノ粒子およびカチオン性ポリマーを含む、態様16または17に記載の使用のための医薬製剤。
19.該mRNAが非複合mRNAであり、好ましくは、該非複合mRNAが適切な緩衝水溶液、特に生理的グルコース緩衝水溶液中に含まれる、態様16に記載の使用のための医薬製剤。
20.1xHEPES緩衝液;1xリン酸緩衝液、Na-クエン酸緩衝液;Na-酢酸緩衝液;乳酸リンゲル液を含み;好ましくはさらにグルコース、特に5%グルコースを含む、態様16〜19のいずれか1に記載の使用のための医薬製剤。
21.態様1〜15のいずれか1に記載のFGF2およびFGF7 mRNAを含む、態様16〜20のいずれか1に記載の使用のための医薬製剤。
22.態様1〜15のいずれか1に記載の使用のためのFGF mRNAを患者に投与するためのキットであって、
− 態様1〜15のいずれか1に記載のFGF2および/またはFGF7 mRNA、および
− 皮膚送達装置
を含む、キット。
23.皮膚送達装置が、針ベースの注射システムからなる群から好ましくは選択される皮内送達装置である、態様22に記載のキット。
24.皮膚送達装置が、経皮パッチ、中空および中実マイクロニードルシステム、微細構造経皮システム、電気泳動システム、およびイオン導入システムからなる群から好ましくは選択される経皮送達装置である、態様22に記載のキット。
25.皮膚送達装置が、無針注射システム、レーザーベースのシステム、特にエルビウム(Erbium)YAGレーザーシステム、および遺伝子銃システムからなる群から好ましくは選択される表皮送達装置である、態様22に記載のキット。
26.局所的な皮膚低栄養状態、好ましくは萎縮性瘢痕および糖質コルチコイド(GC)誘発性皮膚萎縮を治療する方法であって、態様1〜15のいずれか1に記載のFGF2および/またはFGF7 mRNAをそれを必要とする患者に有効量で投与することを特徴とする方法。
27.FGFメッセンジャーRNA(mRNA)をヒト皮膚に接触させる化粧品スキンケア方法であって、該mRNAは、5'CAP領域、5'非翻訳領域(5'-UTR)、ヒトFGFをコードするコード領域、3'非翻訳領域(3'-UTR)およびポリアデノシンテール(ポリAテール)を有し、該FGF mRNAのコード領域はヒト線維芽細胞成長因子2(FGF2)をコードするか、または該FGF mRNAのコード領域はヒト線維芽細胞成長因子7(FGF7)をコードする、方法。
28.皮膚が老化した皮膚である、態様27に記載の化粧品スキンケア方法。
29.該FGF mRNA分子が態様3〜11のいずれか1に記載のものである、態様27または28に記載の化粧品スキンケア方法。
30.FGF mRNAおよび化粧品担体を含み、該mRNAは、5'CAP領域、5'非翻訳領域(5'-UTR)、ヒトFGFをコードするコード領域、3'非翻訳領域(3'-UTR)およびポリアデノシンテール(ポリAテール)を有し、該FGF mRNAのコード領域はヒト線維芽細胞成長因子2(FGF2)をコードするか、または該FGF mRNAのコード領域はヒト線維芽細胞成長因子7(FGF7)をコードする、化粧品製剤。
31.該FGF mRNA分子が態様3〜11のいずれか1に記載のものである、態様30に記載の化粧品製剤。
32.化粧品用担体が、軟膏、ゲル、特にヒドロゲル、リポソーム、ナノ粒子/マイクロ粒子、またはエマルジョンである、態様30または31に記載の化粧品製剤。

Claims (15)

  1. 5'CAP領域、5'非翻訳領域(5'-UTR)、ヒトFGFをコードするコード領域、3'非翻訳領域(3'-UTR)およびポリアデノシンテール(ポリAテール)を有する、局所的な皮膚低栄養状態の治療に使用するための、線維芽細胞成長因子(FGF)メッセンジャーRNA(mRNA)であって、
    該FGF mRNAのコード領域はヒト線維芽細胞成長因子2(FGF2)をコードするか、または
    該FGF mRNAのコード領域はヒト線維芽細胞成長因子7(FGF7)をコードする
    FGF mRNA。
  2. 局所的な皮膚低栄養状態が、皮膚弛緩症、慢性萎縮性先端皮膚炎、Pasini-Pierini型進行性特発性皮膚萎縮症、穿孔性皮膚炎に起因する瘢痕、萎縮性白化、脂肪性壊死、放射線皮膚炎、線条状伸展、萎縮性皮膚状態、糖質コルチコイド(GC)誘発性皮膚萎縮、萎縮性瘢痕および皮膚潰瘍からなる群から好ましくは選択される、請求項1に記載の使用のためのFGF mRNA。
  3. ポリAテールが、少なくとも60個のアデノシン一リン酸、好ましくは少なくとも100個のアデノシン一リン酸、とりわけ少なくとも120個のアデノシン一リン酸を含む、請求項1または2に記載の使用のためのFGF mRNA。
  4. 5'-UTRまたは3'-UTRまたは5'-UTRおよび3'-UTRが天然FGF2またはFGF7 mRNAとは異なるmRNAであり、好ましくは、5'-UTRまたは3'-UTRまたは5'-UTRおよび3'-UTRが少なくとも1つの安定化配列、好ましくは一般式:(C/U)CCANxCCC(U/A)PyxUC(C/U)CC(配列番号38)(ここで「x」は、NxおよびPyxで独立して、0〜10、好ましくは0〜5の整数、特に0、1、2、4および/または5である)の安定化配列を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用のためのFGF mRNA。
  5. 5'-UTRまたは3'-UTRまたは5'-UTRおよび3'-UTRが天然FGF2またはFGF7 mRNAとは異なるmRNAであり、5'-UTRおよび/または3'-UTRが、好ましくはアルファグロビン、ベータグロビン、アルブミン、リポキシゲナーゼ、ALOX15、アルファ(1)コラーゲン、チロシンヒドロキシラーゼ、リボソームタンパク質32L、真核生物伸長因子1a(EEF1A1)、オルソポックスウイルスに存在する5'-UTR要素、およびこれらの混合物から選択され、特にアルファグロビン、ベータグロビン、アルファ(1)コラーゲン、およびこれらの混合物から選択される、FGFとは異なるヒトmRNAの5'-UTRおよび/または3'-UTRである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の使用のためのFGF mRNA。
  6. GC/AU比が、FGF2 mRNAの場合は、少なくとも51.7%、好ましくは少なくとも52%、より好ましくは55%、さらにより好ましくは少なくとも58%、特に少なくとも60%であり、FGF7 mRNAの場合は、少なくとも39.5%、好ましくは少なくとも43%、より好ましくは45%、さらにより好ましくは少なくとも50%、特に少なくとも55%である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の使用のためのFGF mRNA。
  7. FGF2 mRNAのコドン適応指数(CAI)が少なくとも0.77、好ましくは少なくとも0.8であり、および/またはFGF7 mRNAのCAIが少なくとも0.75、好ましくは少なくとも0.77である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の使用のためのFGF mRNA。
  8. FGF2をコードするmRNAが、好ましくは配列番号30、特に配列番号31であり、FGF7をコードするmRNAが、好ましくは配列番号12、特に配列番号13である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の使用のためのFGF mRNA。
  9. 皮下、皮内、経皮、表皮、または局所、特に表皮に投与される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の使用のためのFGF mRNA。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のFGF2 mRNAまたはFGF7 mRNAを含む、局所的な皮膚低栄養状態、好ましくは萎縮性瘢痕および糖質コルチコイド(GC)誘発性皮膚萎縮の治療での使用のための医薬製剤。
  11. 薬学的に許容される担体、好ましくはポリマーベースの担体、特に、直鎖および分岐PEIおよびビロマーを含むカチオン性ポリマー;脂質ナノ粒子およびリポソーム、ナノリポソーム、セラミド含有ナノリポソーム、プロテオリポソーム、カチオン性両親媒性脂質、例えば、:SAINT-Lipids、天然および合成由来のエキソソーム、天然、合成および半合成の層状体、ナノ粒子、リンケイ酸カルシウムナノ粒子、リン酸カルシウムナノ粒子、二酸化ケイ素ナノ粒子、ナノ結晶粒子、半導体ナノ粒子、乾燥粉末、ポリ(D-アルギニン)、ナノデンドリマー、デンプンベースの送達システム、ミセル、エマルジョン、ゾルゲル、ニオソーム、プラスミド、ウイルス、リン酸カルシウムヌクレオチド、アプタマー、ペプチド、ペプチド結合体、ベクタータグ、好ましくは小分子標的結合体、またはウイルスキャプシドタンパク質、乳酸−グリコール酸共重合体(poly-lactic-co-glycolic acid (PLGA) polymers);好ましくはカチオン性ポリマーおよびリポソーム、特にカチオン性ポリマーを含む、請求項10に記載の使用のための医薬製剤。
  12. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の使用のためのFGF mRNAを患者に投与するためのキットであって、
    − 請求項1〜9のいずれか1項に記載の使用のためのFGF2および/またはFGF7 mRNA、および
    − 皮膚送達装置
    を含む、キット。
  13. 皮膚送達装置が、
    − 針ベースの注射システムからなる群から好ましくは選択される皮内送達装置であるか、または
    − 経皮パッチ、中空および中実マイクロニードルシステム、微細構造経皮システム、電気泳動システム、およびイオン導入システムからなる群から好ましくは選択される経皮送達装置であるか、または
    − 無針注射システム、レーザーベースのシステム、特にエルビウム(Erbium)YAGレーザーシステム、および遺伝子銃システムからなる群から好ましくは選択される表皮送達装置である、請求項12に記載のキット。
  14. 局所的な皮膚低栄養状態、好ましくは萎縮性瘢痕および糖質コルチコイド(GC)誘発性皮膚萎縮を治療する方法であって、請求項1〜9のいずれか1項に記載のFGF2 mRNAおよび/またはFGF7 mRNAをそれを必要とする患者に有効量で投与することを特徴とする方法。
  15. FGFメッセンジャーRNA(mRNA)をヒト皮膚に接触させる、特に老化した皮膚のための化粧品スキンケア方法であって、該mRNAは、5'CAP領域、5'非翻訳領域(5'-UTR)、ヒトFGFをコードするコード領域、3'非翻訳領域(3'-UTR)およびポリアデノシンテール(ポリAテール)を有し、該FGF mRNAのコード領域はヒト線維芽細胞成長因子2(FGF2)をコードするか、または該FGF mRNAのコード領域はヒト線維芽細胞成長因子7(FGF7)をコードする、方法。
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