JP2020525016A - 浮体式潜水可能沖合養殖設備 - Google Patents
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Abstract
本発明は浮体式潜水可能外洋養殖施設に関する。本発明の目的は、特に水中又は半水中状態において、より安定した浮体式潜水可能外洋養殖設備を提供することである。本発明によれば、この目的は、構造物(2)、魚養殖用かご(3)、及び調整可能なバラストを有する少なくとも2つの第1浮体(4)を備える浮体式潜水可能外洋養殖設備(1)であって、第1浮体(4)が構造物(2)の下部3分の1に配置されるものによって達成される。本発明の設備(1)は、構造物の上部3分の1(8)に配置され、構造物の重量の最大50%を支持可能な少なくとも2つの第2浮体(7)をさらに備えることを特徴とする。【選択図】 図1
Description
本発明は浮体式潜水可能沖合養殖施設に関する。
閉鎖環境での魚の養殖がますます発達している。この目的のため、魚を肥育させ、捕食者から遠ざけ、健康状態を監視し、所望のサイズに達したら容易に捕獲することができる網かごが多数開発されている。
いわゆる「沿岸」海洋養殖設備の時代は終わった。今日、養殖は外洋に移動し、沖合で発達している。
より露出した領域での魚の養殖を可能にするために設計された幾つかの概念が既に存在する。これらの概念の中で、2つのカテゴリーが明確に際立っている。一方は、ブリッジが露出したままの半潜水可能浮体設備、他方は、海面下15又は20メートル以上にブリッジを沈めることができる潜水可能浮体設備である。
これらの2つの概念は様々な方法で現在の養殖の問題に対応している。
一方では、沿岸地域では、過剰な養殖生物の集中により著しい環境汚染が生じ、他方では、養殖生物の自己汚染が生じて、病気や寄生虫が発生し、養殖生物全体が死ぬこともあった。
半潜水可能設備の概念と潜水可能設備の概念は、純粋に物理的な理由のため、これらの問題を同じ効率で解決するものではない。波が高いほど、十分な安定性を維持するために水面に留まる設備は大きくなる。これにより、数百メートルの長さの浮体式半潜水可能設備が出現した。
これらの非常に高価な設備では、8,000〜10,000トンの魚を生産して利益を上げる必要があり、一連の養殖用かごで構成される沿岸設備と同様に、環境汚染や養殖の著しい自己汚染につながる可能性がある。
さらに、それらの永続的な水面浮体位置は、それらを激しい嵐及び気候変動の進行にさらして、絶えず続く電力の増加をもたらす。
反対に、浮体式潜水可能養殖設備は、気象条件の変化に応じて潜水させることができるため、悪天候下でもかなり安定したままで、サイズをはるかに小さくすることができる。
小型の浮体式潜水可能設備のコストは、大型の半潜水可能設備のコストの4〜5倍低い。これにより、その収益性に必要なトン数を大幅に削減することが可能であり、大型化した設備により生じる不便を回避できる。
ただし、小さな設備は水面上で安定させるのが難しく、波に揺れる可能性がある。
フランス特許出願第2996723号公報には、構造物の底部に設置された調整可能なバラストを有する水中船体を備える潜水可能沖合養殖設備について記載されている。この構造物は、ハンドリングブリッジと単一のアンカーラインも備え、設備を360°回転することができる。
構造物の底部に設置されているこの設備の船体は、水面での波の移動の影響をほとんど受けないより深い水層によって支持される。設備は、悪天候下でもわずかに揺らされるのみである。
しかし、船体が水面に浮いている船とは異なり、フランス特許出願第2996723号公報による設備は、水中の船体の浮力の減少により、水層への沈み込みに対する抵抗が低い。水中の船体のサイズが浮力安定性に対する波の影響をほぼ排除するが、この浮力の低下は、特に設備が水中にある又は半水中にある場合、不都合な場合がある。
沈み込みに対する抵抗がこのように低いことを考慮すると、設備は、例えば食品の積み込み又は分配中、又は、例えば特定のサイズの係留船などの設備のトリムに影響を与える可能性のある様々なストレスなど、数トンの重量変動の影響を受ける可能性がある。
問題は非常に困難であることが判明しており、水中の船体を従来の水上の船体又は浮体に置き換えることでは改善することができない。なぜなら、それらの体積のために、特定の波力で開始すると、水面の船体又は浮体が設備を波に上げることになり、構造物のバランスにすぐに影響を与えることになるからである。
本発明の目的は、特に水中又は半水中状態において、より安定した浮体式潜水可能沖合養殖設備を提供することである。
本発明によれば、この目的は、構造物、魚養殖用かご及び調整可能なバラストを有する少なくとも2つの第1浮体を備える浮体式潜水可能沖合養殖設備であって、第1浮体が構造物の下部3分の1に配置されるものによって達成される。本発明の設備は、構造物の上部3分の1に配置され、構造物の重量の最大50%を支持可能な少なくとも2つの第2浮体をさらに備えることを特徴とする。
本発明の設備は構造物と構造物内に配置された魚養殖用かごとを備える。設備は浮いており、調整可能なバラストを有する第1浮体を備える。調整可能なバラストにより、設備は部分的に潜水して、設備の一部、例えばハンドリングブリッジが水面上にあることが可能であり、或いは、完全に潜水して、構造物全体が水面下にあることも可能である。
第1浮体は、揺らされて波が生じる可能性がある水面に対して比較的穏やかである水層によって支持される構造物の下部3分の1に配置される。
構造物の上部3分の1に第2浮体が設けられることにより、設備が浮遊レベルにある場合に、設備に対する予備浮力が提供され、沈み込みに対する抵抗を大幅に上昇させる。
有利には、第1浮体及び/又は第2浮体は設備の2つの対向する側面に配置されてもよい。この場合、設備が設備の環境内のポイントで係留された場合に、構造物を水流の方向に容易に方向付けすることができる。水流に対する設備の方向付けが定まることにより、規定され制御された魚の餌の分配が可能になる。さらに、かごは好ましくは長い形状を有するかごであってもよい。かごは最大限水流の方向に向くように、水流において方向付けられてもよい。これにより、魚が水流に対して長い距離泳ぐことが可能になる。比較的自然な環境での魚の養殖を確実にすることができる。
有利には、第1浮体は船体形状を有してもよい。船体形状の浮体が構造物の下部に、詳細には2つの対向する側面に沿って配置されると、水流における設備の方向付けがさらに向上する。さらに、設備が有する水流に対する抵抗が低減される。アンカーポイント及びアンカーラインが受ける圧力が低減される。
第1浮体及び/又は第2浮体は設備の周囲全体に配置されてもよい。このような配置により、全ての方向において設備を安定させ、例えば設備の片側での船の係留が可能になる。
浮体、詳細には第2浮体は縦方向に移動可能であってもよい。浮体の位置は海の状況に応じて異なる高さに調整されてもよく、これにより、設備の安定性を向上させることができる。詳細には、第2浮体は、水面に近い場合、大幅に安定性を向上させることができる。設備の潜水レベルに応じて、浮体の位置が調整されて、浮体が水面近くに留められてもよい。
設備を最大限安定させるため、第1浮体及び/又は第2浮体は設備の端部において、詳細には水平面において、互いに最大距離離れて配置されるような複数の別々の浮体を備えてもよい。
第2浮体は第1浮体のように調整可能なバラストを有していてもよい。この場合、第2浮体の浮力は必要に応じて調整可能である。例えば、海が穏やかな場合、第2浮体は大きな予備浮力を有してもよい。構造物は第1浮体及び第2浮体によって支持されて、設備は浮いていてもよい。海が荒れている場合、第2浮体はバラストで調整されて、より穏やかな水域において下部の第1浮体で設備を支持してもよい。
好ましくは、第2浮体は構造物の重量の最大33%、好ましくは構造物の重量の最大25%を支持可能である。この場合、第2浮体は設備の高い安定性を確実にし、設備は依然として第1浮体の領域においてより低い水層によって支持される。
設備は第1浮体及び第2浮体用のバラスト制御システムを備えてもよく、バラスト制御システムは、第1浮体及び第2浮体のバラスト間の浮力を正確に分配可能であり、その分配は第1浮体が構造物の重量の50%又はそれ以上を支持するような関係を含んでもよい。
設備は浮体要素、例えば中空菅を備える構造物のフレームを備えてもよい。この場合、水中の又は半水中の構造物の有効重量が減少される。しかし、第1浮体及び第2浮体によって支持される重量の分配は同じままである。
第2浮体は設備のフレームに単純に取り付けられてもよく、縦方向に移動可能であってもよく、取り外し可能であってもよく、設備の異なる高さに配置されてもよい。これにより、設備の浮遊レベルが変更可能になる。第2浮体は設備のフレームに組み込まれてもよい。
設備に必要な浮力の大きさは、大きな寸法を有する常に浸水している第1浮体の浮力と、設備の安定性のために必要な予備浮力を提供するために主に使用されるより小さいいわゆる水面の第2浮体との間で共有され、波の影響の制御が低減される。
第2浮体により、この予備浮力を設備の長さ全体にわたって分配可能である。それは、重量の変動及び設備の作動に起因する様々なストレスを補償するのに十分な大きさであるが、波の影響で設備が揺れるのを防ぐために制限されたままである。
設備の作動は、特に沈み込みに対する抵抗や安定性が第1浮体及び/又は第2浮体の所定のバラスト制御から完全に調整可能である場合、管理するのがより安全でより容易になる。
水中にありバラストを有する第1浮体を、潜水段階において設備の重心を下げるため又は設備のベースを安定させるために、重くしてもよい。
設備の下で、重りが海底に接触すると減速して特定の深さでその潜水を完全に停止するように計算された長さを有する鎖又は他の手段の端部に、さらなる重りが吊り下げられてもよい。重りは、同じ結果を得るために計算された長さを有する非常に重い鎖のみで構成されてもよい。
このような更なる重りは、大きな嵐が発生した場合に完全に信頼できる多関節足及び安定装置として使用可能である。さらに、設備が所定の潜水閾値を下回らないことを確実にする。
第2浮体は、特定の幅を有し、浮遊レベルの高さで設備の側面に配置され、船舶をドッキングするためのドックを形成する歩道橋又はプラットフォームとして配置された水平面を備えてもよく、これにより、設備のブリッジへのアクセスが容易になり、人々の安全が提供される。また、機器の保管又は他の用途のために水密アクセスドアと貯蔵庫を備えてもよい。
本発明の設備は、最大100、200、又は300メートル又はそれ以上の領域でも360°回転することを可能にするアンカーラインを備えてもよく、アンカーラインの重量が大きいことによる荷重の影響を受けてもよく、これは設備の浮遊又は潜水のレベルに応じて異なってもよい。
この重量荷重は、設備の前面でアンカーラインへの係留ポイントに設けられてもよい。 この問題は、設備の前面に調整可能なバラストを有する1つ又はそれ以上の浮体が存在することで解決され、これにより、その姿勢を調整し維持することができる。
第1浮体は、第1浮体の前部を延ばすことにより作成されてもよく、弓形又は付属物の形状を有し、設備の前部及び底部又はその浮遊レベルに、又はその両方に、又は他の適切な配置で配置されてもよい。
浮体は、設備の浮遊ラインの高さに配置された場合に防波堤の機能を果たすように形成される。
シンプルな防波堤は、設備の前面に設置されても、設備の前面フレームの一部として組み込まれてもよい。
このような設備は、遠隔制御、監視、及びその他の通信デバイスを搭載したマストを備えてもよい。これにより、マストに取り付けられた目盛りを使用して、潜水時の設備の位置、姿勢、正確な潜水深さを特定することができる。また、設備が潜水した場合に船からアクセス可能な様々な物理的接続デバイスを受け取り、エネルギー、圧縮空気、食物を送ったり、制御を操作したりすることができる。
マストは自動膨張可能エアバッグの形で設備の緊急浮力予備を備えてもよい。
設備は沖合での使用を目的として設計されるため、困難な気象条件の影響を受けやすく、設備へのアクセス、ドッキング操作又は船からの対応が複雑になる可能性がある。
これらの操作を容易にするため、設備は、設備の背面に配置されたドックを備えてもよい。それは様々な形状を有してもよく、流線型であってもよく、設備の背面に固定されてもよく、バラストで調整可能であってもよく、浮遊していても又は縦方向に移動可能であってもよく、船は直面する水流によって引き戻される可能性があるので、操作を容易にし設備との衝突の危険性を低減するため、より静かな領域を設けてもよい。このドックは、流線型であるかどうかに関わらず、設備のデッキへの様々なアクセスデバイスを備えてもよく、設備に必要なすべての接続を備えてもよい。
設備のデッキは非水密の遮蔽された通廊を備えてもよく、波や要素(冬の風、雨など)から保護された設備のブリッジの上を人が移動することを可能にし、夜間の作業の安全性を向上させることができる。
アンカーラインは非常に重いため、球体、円柱又はその他の形状で、異なる間隔又は所定の位置に固定された1つ又はそれ以上の浮遊ボリュームを装備するか、又はその長さの全て又は一部のみにわたる浮遊シースを備えてもよい。
本発明は、概略的に本発明の様々な実施形態を示す添付の図面を参照して以下より詳細に説明される。
本発明の養殖設備の一実施形態を背面視で示す。
本発明の養殖設備の別の実施形態を背面視で示す。
図3a及び図3bは本発明の養殖設備を平面視で示す。
図1は本発明の養殖設備の一実施形態を背面視で示す。この図及び他の図は本発明の実施の一般的な態様を説明するためにごく概略的に設備を示していることを記す。図は正確な尺度でなく完全でもないが、本発明を評価するために必要な要素のみを概略的に示す。
設備1は魚養殖用のかご3を備える構造物2を備える。設備は調整可能なバラスト5を有する少なくとも2つの第1浮体4も備える。第1浮体4は構造物2の下部3分の1(6)に配置される。第1浮体4は船体の形態をとる。
設備1は、構造物の上部3分の1(8)に配置され、構造物の重量の最大50%を支持可能な少なくとも2つの第2浮体7をさらに備える。
したがって、第2浮体7は、外部応力を受けたときに構造物を安定させる予備浮力を有する。しかし、第2浮体7は設備の重量を支持するには小さすぎる。設備は、水面9の波が高い場合でも安定したままである。
設備が70〜100メートルの長さを有する場合、5〜7メートル又はそれ以上の波の存在下で安定したままであると予測される。これは、潜水可能養殖設備にとって十分な作動マージンである。
図1に示すように、設備は、水面9上の設備1の非潜水状態にあるハンドリングブリッジ10を備えてもよい。第1浮体4をバラストで調整することで、例えば嵐から設備を保護するため、設備を完全に潜水させることができる。この場合、設備のマスト11は水面9の上に留まり、無線信号を送受信することができる。したがって、設備は無線信号で制御されることが可能で、例えば、その浮力レベルが遠隔制御されることが可能である。
図2は、図1の設備と同様の設備を示すが、調整可能なバラスト12を備えた第2浮体を備える。第1浮体4および第2浮体7によって支持される構造物の重量の比率は微調整可能であるが、第2浮体7によって支持される重量の50%未満の比率を維持する。
図3aは本発明の養殖設備の実施形態を平面視で示す。設備は長い形状を有する。浮体4、7は最も長い側面に沿って配置されている。設備の下部3分の1に設置された第1浮体4は船体形状である。
設備は、設備の環境内の単一のポイント14に固定されたアンカーライン13をさらに備える。側面の浮体4、7により、水流Cにおける設備の方向付けが容易になる。船体形状の第1浮体4により、迅速な方向付けがさらに容易になる。
図3bは、本発明の養殖設備の別の実施形態を平面視で示す。設備は長い形状を有するが、設備の周囲全体に第2浮体7を備える。この構成により、波の影響に関して設備をより安定させることができるが、水流における設備の方向付けはわずかに遅くなる可能性がある。
Claims (10)
- 構造物(2)と、
魚養殖用かご(3)と、
調整可能なバラスト(5)を有する少なくとも2つの第1浮体(4)であって、前記構造物(2)の下部3分の1に配置される第1浮体(4)と、
を備える浮体式潜水可能沖合養殖設備(1)であって、
少なくとも2つの第2浮体(7)であって、前記構造物の上部3分の1(8)に配置され、前記構造物の重量の最大50%を支持可能な第2浮体(7)をさらに備えることを特徴とする、設備(1)。 - 前記第1浮体及び/又は前記第2浮体(7)は前記設備(1)の2つの対向する側面に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の設備(1)。
- 前記第1浮体(4)は船体形状を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の設備(1)。
- 前記第1浮体及び/又は前記第2浮体(7)は前記設備(1)の周囲全体に配置されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の設備(1)。
- 前記浮体(4、7)は縦方向に移動可能であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の設備(1)。
- 前記第1浮体(4)及び/又は前記第2浮体(7)は前記設備(1)の端部において互いに最大距離離れて配置されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の設備(1)。
- 前記第2浮体(7)は調整可能なバラストを有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の設備(1)。
- 前記第2浮体(7)は前記構造物(1)の重量の最大33%、好ましくは前記構造物(1)の重量の最大25%を支持可能であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の設備(1)。
- 前記設備は、前記第1浮体及び前記第2浮体(4、7)用のバラスト制御システムを備え、
前記バラスト制御システムは、前記第1浮体及び前記第2浮体(4、7)のバラスト間の浮力を正確に分配可能であり、詳細には、第1浮体(4)が前記構造物(1)の重量の50%又はそれ以上を支持するように分配可能であることを特徴とする、請求項7又は8に記載の設備(1)。 - 設備(1)は浮体要素、詳細には中空菅を備えるフレームを備えることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の設備(1)。
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