JP2020524697A - 乱用抑止経口固体投与形態 - Google Patents

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Abstract

乱用抑止経口固体投与形態であって、・乱用に陥りやすい薬物および酸性媒体に可溶性のpH依存性ポリマーを含む内側部分、・外側部分であって、上記部分は、乱用に陥りやすい薬物を欠いており、アルカリ化薬の即時放出形態およびアルカリ化薬の徐放形態を含み、上記アルカリ化薬の徐放形態はアルカリ化薬および速度制御賦形剤を含む、外側部分、を含む、乱用抑止経口固体投与形態。一局面において、上記アルカリ化薬の徐放形態は、0.01N塩酸中で約2時間の期間にわたって持続様式で徐々に放出される。

Description

発明の分野
本発明は、投与形態の1単位または処方された単位が経口投与される場合に、迅速な作用開始のために所望の速度で薬物を放出するが、2またはこれより多くの単位が投与される場合に低減された放出速度を示す乱用抑止経口固体投与形態に関する。
発明の背景
乱用抑止製剤の主要目的は、処方薬の誤用および乱用と関連する害を低減および防止するのを助けることである。現在、ごく少数の処方オピオイド薬が、即時放出製剤および長期放出製剤の両方においてこれらの技術を利用している。
係属中の特許出願、すなわち、US20150272902A1、US20150320689A1およびWO2017009865A1は、それぞれ、乱用抑止経口固体投与形態であって、ここでその投与形態は、乱用に陥りやすい薬物、酸性において可溶性であるpH依存性ポリマーおよびアルカリ化薬の一部を含む顆粒内部分、ならびに乱用に陥りやすい薬物を欠いており、アルカリ化薬の即時放出形態の別の部分を含む顆粒外部分を含んでいたものを開示する。本発明者らは今や、上記投与形態の特有の改変に達し、ここでその経口固体投与形態の外側部分は、アルカリ化薬および速度制御賦形剤を含む、徐放形態にあるアルカリ化薬を含む。上記固体投与形態の1単位が、被験体によって摂取される場合、胃の中の酸性流体は、酸性pHにおいて可溶性であるpH依存性ポリマーを溶解し、従って、薬物は、妨げられない様式で放出される。しかし、過剰な酸分泌が存在する場合には、例えば、過酸症を有する患者または酸リバウンド効果を有する患者集団では、酸性環境を中和するために、上記投与形態において過剰なアルカリ化薬の存在が必要である。しかし、過剰なアルカリ化薬が組み込まれた場合、実際に、上記投与形態の1単位からの、乱用に陥りやすい薬物の不完全放出という問題と直面したが、上記投与形態の複数の丸剤からのその薬物の放出は、阻害された。
本発明者らは驚くべきことに、全アルカリ化薬を即時放出形態および徐放形態として組み込む場合に、上記投与形態の1単位からの薬物の不完全放出という問題が解決されることを発見した。上記アルカリ化薬の徐放形態は、上記アルカリ化薬が、0.01N塩酸中で約2時間の期間にわたって持続様式で徐々に放出される様にデザインされる。上記アルカリ化薬の徐放形態は、アルカリ化薬および速度制御賦形剤を含む。上記アルカリ化薬の徐放形態は、上記投与形態の外側部分に存在する場合、上記投与形態の摂取直後の数時間の期間にわたって徐々に酸インフラックスを中和することが見出された。
米国特許出願公開第2015/0272902号明細書 米国特許出願公開第2015/0320689号明細書 国際公開第2017/009865号
発明の要旨
本発明は、乱用抑止経口固体投与形態であって、
・乱用に陥りやすい薬物および酸性媒体に可溶性のpH依存性ポリマーを含む内側部分、ならびに
・外側部分であって、ここで上記外側部分は、乱用に陥りやすい薬物を欠いており、かつアルカリ化薬の即時放出形態およびアルカリ化薬の徐放形態を含み、上記アルカリ化薬の徐放形態は、アルカリ化薬および速度制御賦形剤を含む、外側部分、
を含む乱用抑止経口固体投与形態を提供する。
本発明は具体的には、乱用抑止経口固体投与形態であって、
・乱用に陥りやすい薬物、酸性媒体に可溶性のpH依存性ポリマーおよび即時放出形態にあるアルカリ化薬の一部を含む内側部分、ならびに
・外側部分であって、ここで上記外側部分は、乱用に陥りやすい薬物を欠いており、かつアルカリ化薬の即時放出形態の別の部分およびアルカリ化薬の徐放形態を含み、上記アルカリ化薬の徐放形態は、アルカリ化薬および速度制御賦形剤を含む、外側部分、
を含む乱用抑止経口固体投与形態を提供する。
図1は、アルカリ化薬としての酸化マグネシウムおよび速度制御賦形剤としてのエチルセルロースの顆粒状混合物(マトリクス)からのアルカリ化薬の放出を図示する。
図2は、実施例1の固体乱用抑止経口固体投与形態を0.01N塩酸中でのインビトロ溶解に関して試験した場合に、30分間で放出された薬物の%のグラフである。1単位、2単位、3単位、4単位、5単位、6単位、10単位、12単位、15単位および20単位をそれぞれ試験した。試験した単位の数が増大するにつれて、特定の時点で放出される薬物のパーセンテージが減少することが注記され得る。しかし、1単位中の上記薬物の放出が影響を受けず、薬物の完全放出が起こり、従って、その薬物をその治療上有効な量において患者に提供することは、注記されるべきである。しかし、本発明の乱用抑止経口固体投与形態は、過剰量の(放出されるのが望ましい)薬物を、上記固体投与形態の処方された単位数より多くを投与しようと意図する乱用者に提供しない。
図3は、比較実施例1、ならびに実施例1および実施例2の固体乱用抑止経口固体投与形態の錠剤1単位を500mlの0.01N塩酸中でのインビトロ溶解に関して試験した場合に放出される薬物の%のグラフである。比較実施例1の錠剤は、1錠から60分間でヒドロコドンのわずか約52%を放出したのに対して、実施例1および2の投与形態は、60分間でヒドロコドンの完全放出を示した。
図4は、乱用抑止経口固体投与形態が、内側部分を形成する乱用に陥りやすい薬物(白三角)、pH依存性ポリマー(白丸)およびアルカリ化薬(黒丸)の溶融押出物から構成される、本発明の実施形態のうちの1つの描写である。上記経口固体投与形態の外側部分は、アルカリ化薬と速度制御賦形剤(−)との徐放顆粒、およびアセトアミノフェン顆粒(必要に応じて)から構成される。即時放出アルカリ化薬はまた、外側部分に存在する。
図5は、乱用抑止経口固体投与形態が、内側部分を形成する乱用に陥りやすい薬物(白三角)およびpH依存性ポリマー(白丸)の溶融押出物から構成される本発明の実施形態のうちの1つの描写である。上記経口固体投与形態の外側部分が、アルカリ化薬と速度制御賦形剤(−)との徐放顆粒およびアセトアミノフェン顆粒(必要に応じて)から構成される。即時放出アルカリ化薬はまた、上記外側部分に存在する。
図面の中で使用される註釈は、以下のとおりである:
発明の詳細な説明
本発明は、
・乱用に陥りやすい薬物および酸性媒体に可溶性のpH依存性ポリマーを含む内側部分、ならびに
・外側部分であって、ここでその外側部分は、乱用に陥りやすい薬物を欠いておりかつアルカリ化薬の即時放出形態およびアルカリ化薬の徐放形態を含み、そのアルカリ化薬の徐放形態は、アルカリ化薬および速度制御賦形剤を含む、外側部分、
を含む乱用抑止経口固体投与形態としてまとめられ得る。
本発明の具体的な実施形態によれば、その乱用抑止経口固体投与形態は、
・乱用に陥りやすい薬物、酸性媒体に可溶性のpH依存性ポリマーおよび即時放出形態にあるアルカリ化薬の一部を含む内側部分、ならびに
・外側部分であって、ここでその外側部分は、乱用に陥りやすい薬物を欠いておりかつアルカリ化薬の即時放出形態の別の部分およびアルカリ化薬の徐放形態を含み、そのアルカリ化薬の徐放形態は、アルカリ化薬および速度制御賦形剤を含む、外側部分
を含む。
語句「内側部分」とは、本明細書で使用される場合、乱用に陥りやすい薬物が存在するその投与形態内の部分を意味し、酸性媒体に可溶性のpH依存性ポリマーがその薬物とともに存在する部分である。その内側部分は、1単位(例えば、単一のコア)または複数の単位(例えば、顆粒もしくはペレット)、より具体的には、押し出されたペレットおよびさらにより具体的には押し出された球状化ペレットであり得る。
語句「外側部分」とは、本明細書で使用される場合、その内側部分以外の投与形態内の任意の部分を意味する。用語、内側部分は、その乱用に陥りやすい薬物と近接してかつ混合した状態にある賦形剤から作製されるという点に鑑みてそのように名付けられている。用語、外側部分は、その乱用に陥りやすい薬物を有する内側部分の外側の位置という点に鑑みてそのように名付けられている。その乱用に陥りやすい薬物が占有する空間から見ると、その内側部分は、その空間を覆ってその空間に近接しているかまたは隣り合っており、その外側部分は、その乱用に陥りやすい薬物から離れており、乱用に陥りやすい薬物を欠いている空間を形成する。内側部分および外側部分はともに、その投与形態内にある。
用語「徐放形態にあるアルカリ化薬」または「アルカリ化薬の徐放形態」とは、本明細書で記載される場合、水性媒体中での放出が、放出制御物質もしくは賦形剤の包含に起因して変更したアルカリ化薬を含む。用語「持続性の(sustained)」とは、例えば、制御された、遅延した、改変された、緩徐な、変更したに関して他の用語法によって記載され得、用語「持続性の」と交換可能として使用されるべきである。そのアルカリ化薬の徐放形態は、マトリクスまたはレザバタイプの形態にあり得る。
本発明の構成要素の量は、その固体投与形態の「重量%(percent by weight)」として本明細書で表され得る。その構成要素の量のこのような表現は、その投与形態が錠剤である場合に、その固体投与形態の重量%が、その錠剤の重量によるパーセンテージを意味することが意図される;その固体投与形態がカプセル剤もしくはサシェである場合には、その固体投与形態の重量によるパーセンテージは、そのカプセル剤もしくはサシェへと充填される固体の全充填重量の重量によるパーセンテージを意味することが意図される。
外側部分(例えば、上記で詳述され、その内側部分と一緒にまたは接して圧縮されることが意味されるもの)において、即時放出アルカリ化薬をその即時放出形態において維持するための手段が採用されるべきであり、賦形剤(例えば、その放出を阻害し得るポリマー)は、その即時放出アルカリ化薬部分と直接混合されているべきではない。その外側部分には、アルカリ化薬の徐放形態が存在し、この形態が、速度制御賦形剤とともに顆粒、押出物、コーティングされた粒子へと別個に製作され、その外側部分の粉末または顆粒混合物の残りにおいて混合されることも、理解される。従って、その外側部分は、そのアルカリ化薬の即時放出形態を直ちに放出し、そのアルカリ化薬の徐放形態を徐々に放出する。
US20150272902A1、US20150320689A1およびWO2017009865A1に記載される以前の発明では、そのアルカリ化薬は、その乱用抑止経口固体投与形態の外側部分に、および必要に応じて、その内側部分に存在する。その固体投与形態の1単位が被験体によって摂取されると、アルカリ化薬の量は、胃の内容物を酸性のまま維持し、このことが酸性pHにおいて可溶性であるpH依存性ポリマーが溶解しかつ妨げられない様式でその薬物を放出することを可能にするものであることが見出された。その投与形態の複数の単位が投与されると、その複数の単位は、過剰なアルカリ化薬を提供し、従って、そのpH依存性ポリマーは溶解せず、その放出は阻害される。しかし、患者の酸分泌の程度は種々であり、胃の内容物が塩基性にされると胃酸分泌をリバウンドさせ得る。本発明者らは、これらに鑑みてその投与形態の複数の単位を投与する場合に、胃酸分泌のリバウンドに起因して不十分になるアルカリ化薬の放出を阻害できないことを懸念した。従って、種々の酸分泌を有する集団の範囲にわたって、1単位が投与される場合にその薬物を完全に放出し得かつその投与形態の複数の単位が投与される場合にその放出を阻害する投与形態が必要である。その投与形態の複数の単位がインビボでの遅い酸リバウンド分泌に起因して与えられる場合に放出を阻害できないいかなるリスクにも対処するために、アルカリ化薬のある範囲の量を有する投与形態が必要であった。本発明者らは、胃酸分泌のリバウンドに対処するためにより多量のアルカリ化薬を試みた。しかし、過剰なアルカリ化薬を使用した場合、本発明者らは、その投与形態の1単位からの乱用に陥りやすい薬物の不完全放出という問題と直面したが、その投与形態の複数の丸剤からのその薬物の放出の阻害があった。本発明者らは今や、そのアルカリ化薬が2形態のものである(一方は即時放出形態であり、もう一方は徐放形態である)投与形態を見出した。US20150272902A1、US20150320689A1、およびWO2017009865A1の以前の投与形態を超えるこの改変は、1単位のみまたは処方された単位数が投与される場合に適切なまたは完全放出を可能にしながら、その投与形態の複数の単位がインビボでの遅い酸リバウンド分泌に起因して与えられる場合に放出を阻害できない任意のいかなるリスクにも対処するために、より多量のアルカリ化薬を組み込むことを可能にする。
そのアルカリ化薬の徐放形態は、そのアルカリ化薬が0.01N塩酸中で約2時間の期間にわたって持続様式で徐々に放出されるようにデザインされる。そのアルカリ化薬の徐放形態が、その投与形態の外側部分に存在する場合に、その投与形態の摂取後に数時間の期間にわたって徐々に酸インフラックスを中和することを見出した。そのアルカリ化薬の徐放形態はアルカリ化薬および速度制御賦形剤が混合状態にあるマトリクスシステムとして存在し得る。そのアルカリ化薬の徐放形態は、アルカリ化薬が速度制御賦形剤でコーティングされているコーティングされたシステム(レザバシステムともいわれる)の形態で存在し得る。一実施形態において、そのシステムがマトリクスシステムである場合、そのアルカリ化薬の徐放形態は、そのアルカリ化薬を2相(20分間の期間にわたって比較的早く放出する第1相および放出がゆっくりと起こる第2相、放出が二相性である)で放出するが、全体的な放出は、徐放として本明細書で定義される。そのシステムがレザバタイプのシステムである場合、アルカリ化薬の放出は、おおよそゆっくりとしており、ゼロ次放出である。これも、本明細書で徐放といわれ、マトリクスタイプからの放出とレザバタイプシステムからの放出との間の用語法に差異はないことが意図され、用語徐放は、両方の放出パターンを網羅する。しかし、徐放形態にあるアルカリ化薬は全てが直ちに放出されるわけではなく、徐放形態にあるアルカリ化薬が、即時放出形態にあるアルカリ化薬から区別されるものであることは、理解される。マトリクスタイプのシステムからのそのアルカリ化薬の放出は、図1に図示される。徐放性アルカリ化薬のマトリクスタイプの1つの具体的な実施形態において、そのアルカリ化薬は酸化マグネシウムであり、その速度制御賦形剤はエチルセルロース(水に不溶性のポリマー)である。徐放形態のタイプ(すなわち、マトリクスまたはレザバのいずれか)に依存して、およびそのアルカリ化薬のタイプに依存して、そのアルカリ化薬とその速度制御賦形剤との間の重量比は、変動し得る。一実施形態によれば、アルカリ化薬の徐放形態からのアルカリ化薬の放出は、300mlの0.01N HCl中で、磁性スターラーで連続的に撹拌しながら、5分間で少なくとも約25%であり、約35%が15分間で放出され、約40%が60分間で放出され、約60%が120分間で放出される。ある種の好ましい実施形態において、1.0ミリモル〜7ミリモルのアルカリ化薬は、ある期間にわたって持続様式で徐々に放出される。ある種の実施形態において、そのアルカリ化薬の徐放形態のタイプは、これが調製されるプロセスに依存する。その速度制御賦形剤が疎水性または水に不溶性である場合、それは有機溶媒の中に溶解され、そのアルカリ化薬を造粒するために使用される。このタイプにおいて、そのアルカリ化薬の徐放形態は、マトリクスタイプまたはレザバタイプであり得、レザバタイプでは、そのポリマーは、そのアルカリ化薬と混合され、そのアルカリ化薬上のコーティング層としてある。その速度制御賦形剤が溶媒中に溶解され、そのアルカリ化薬上にスプレーコーティングされるプロセスにおいて、徐放性アルカリ化薬のレザバタイプが得られる。
本発明の乱用抑止経口固体投与形態に存在するアルカリ化薬は、水溶性であっても水に不溶性であっても、その両方であってもよい。その水に不溶性または水溶性のアルカリ化薬の適切な例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:酸化マグネシウム、水酸化バリウム、水酸化ストロンチウム、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化リチウム、炭酸イオンおよび炭酸水素イオン含有化合物(例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムおよび炭酸カルシウム);ならびに水酸化物イオン含有化合物(例えば、水酸化アルミニウムおよび水酸化マグネシウム)。特定の例としては、水酸化アルミニウム、アルミン酸ビスマス、炭酸ビスマス、次炭酸ビスマス、次硝酸ビスマス、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、二塩基性リン酸カルシウム、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、ジヒドロキシアルミニウム炭酸ナトリウム、グリシン、グリシン酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、酒石酸ナトリウムカリウム、三塩基性リン酸ナトリウムおよびリン酸三カルシウムならびにこれらの混合物が挙げられる。本発明の経口固体投与形態の1単位あたりに存在するアルカリ化薬の全量は、どのアルカリ化薬がその投与形態に存在するかおよびどの乱用に陥りやすい薬物が使用されるかに依存して、変動し得る。従って、その固体投与形態に存在するアルカリ化薬の量は、1単位または処方された単位数が摂取される場合に完全放出を提供する量であり、その量は、処方された単位数を超えるものが摂取される場合に胃の中で酸を中和するために十分なアルカリ化薬の量でもある。その投与形態に存在するアルカリ化薬の全量は、ミリモルの単位で表される。一実施形態において、存在するアルカリ化薬は、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムおよび酸化マグネシウムの混合物である。アルカリ化薬の全量は、乱用抑止経口固体投与形態1単位あたり約3.75〜6ミリモルの範囲にあり、ここでそのアルカリ化薬の即時放出形態は、約1.0〜3.5ミリモルの範囲にあり、そのアルカリ化薬の徐放形態は、約1〜6ミリモルの範囲にあり、ここで使用されるアルカリ化薬は、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムおよび酸化マグネシウムである。しかし、アルカリ化薬の全量は、使用されるアルカリ化薬のタイプに依存して変動し得る。1つの好ましい実施形態において、アルカリ化薬の全量は、乱用抑止経口固体投与形態1単位あたり、約3.75〜6ミリモルの範囲にあり、ここでそのアルカリ化薬の即時放出形態は、約0.2〜2.8ミリモルの範囲にあり、そのアルカリ化薬の徐放形態は、約1.4〜4.2ミリモルの範囲にある。なお別の実施形態において、そのアルカリ化薬の即時放出形態は、約0.2〜2.8ミリモルの範囲にあり、そのアルカリ化薬の徐放形態は、約1.4〜6ミリモルの範囲にあり、アルカリ化薬の全量は、乱用抑止経口固体投与形態1単位あたり約3.75〜6ミリモルの範囲にある。
そのアルカリ化薬の徐放形態の速度制御賦形剤は、性質がポリマーであっても非ポリマーであってもよい。適切な例としては、エチルセルロース、酢酸セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなど、またはこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、その速度制御賦形剤は、水に不溶性または疎水性である。本発明の経口固体投与形態のアルカリ化薬の徐放形態の調製において使用される疎水性および非ポリマーの速度制御賦形剤としては、脂肪酸;低級アルコール脂肪酸エステル、グリセロール脂肪酸エステル;アセチル化グリセロール脂肪酸エステル、モノグリセリド/ジグリセリドの乳酸誘導体;ポリオールおよび脂肪酸のソルビタン脂肪酸エステルおよび反応混合物、グリセリド、植物油、水素化植物油、ならびにステロールまたはこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。本発明において使用される疎水性非ポリマー物質である速度制御賦形剤のうちのいくつかは、40〜100℃の範囲の融点を有し得る。トリグリセリドを速度放出賦形剤(rate release excipient)として使用することは可能である。本発明に適したトリグリセリドは、周囲の室温において固化するものである。適切なトリグリセリドの例としては、水素化ヒマシ油、Castorwax、水素化ココナツ油、Pureco 100(Abitec)、水素化綿実油Dritex C(Abitec)、水素化パーム油、Dritex PST(Abitec);Softisan 154(Huls)、水素化ダイズ油、Sterotex HM NF(Abitec);Dritex S(Abitec)、水素化植物油などが挙げられるが、これらに限定されない。
その徐放形態からアルカリ化薬の放出を遅らせるアルカリ化薬に対するポリマー物質または非ポリマー物質の比は、アルカリ化薬の性質、水に不溶性であるのか、水溶性であるのかに依存して変動し、その使用されるポリマー物質または非ポリマー物質の性質にも依存する。その外側部分におけるアルカリ化薬の徐放形態は、アルカリ化薬の放出が酸の流入を中和するために十分でありかつその外側部分における即時放出形態にあるアルカリ化薬の量が、その乱用抑止経口固体投与形態が胃の摂食状態において摂取される場合に胃の中に蓄積した酸を中和するために十分であるように、構成される。1つの具体的な実施形態において、その徐放形態にあるアルカリ化薬は、0.5〜25の範囲に及ぶ(好ましくは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10など)重量比(アルカリ化薬:エチルセルロース)にある、アルカリ化薬および速度制御賦形剤もしくは速度制御物質としてのエチルセルロースの均質な混合物を含む。特に、その徐放形態にあるアルカリ化薬は、例えば、アルカリ化薬が酸化マグネシウムである場合に、1ミリモル当量が1分間あたりに放出されるようなものである。
外側部分におけるアルカリ化薬の即時放出形態が妨げられない様式で自由に放出される実施形態において、およびこのような実施形態において、その外側部分は、内側部分から物理的に分離している粉末または顆粒であり得る。例えば、顆粒、押出物、ペレット、ミニタブレット(minitablet)などのような凝集した粒子の形態にあるその内側部分が、カプセル剤またはサシェまたは容器へと充填され得、次いで、粉末または顆粒の形態にあるアルカリ化薬を含むその外側部分が充填され得る。別の実施形態によれば、その内側部分および外側部分を、公知の崩壊剤、特に、架橋ポリビニルピロリドン、架橋カルボキシメチルセルロース、グリコール酸デンプンナトリウムなどのような超崩壊剤(superdisintegrant)を使用して;ならびに/またはケイ化微結晶性セルロースのような芯剤(wicking agent)を使用して、一緒に圧縮するという手段によって、自由に崩壊する圧縮コーティングとしてその外側部分が調製され得る。実施形態において、その内側部分を形成する顆粒、ペレット、押出物は、その即時放出形態を含む外側部分およびアルカリ化薬の緩徐放出形態と単純に混合され得、次いで、錠剤へと一緒に圧縮され得る。あるいは、その内側部分は、コア錠剤へと圧縮され得、その外側部分は、そのコア錠剤を覆う圧縮コーティングとして適用される(その圧縮コーティングは、自由に崩壊するように製剤化される)。
本発明の乱用抑止経口固体投与形態の内側部分は、「酸性媒体に可溶性のpH依存性ポリマー」を含む。臨界pHを上回ると、そのポリマーは、放出速度制御賦形剤として機能し、その乱用に陥りやすい薬物の放出を阻害する。それは、pH5もしくは5未満で可溶性であるポリマー、またはpH5.5もしくは5.5未満で可溶性であるポリマーを含む。その臨界pHを下回ると、そのポリマーは溶解し、従って、その薬物放出は阻害されず、その投与形態の1単位が投与される場合に、その薬物を生体利用可能にする。用語「酸性媒体に可溶性のpH依存性ポリマー」は、pH5もしくは5未満で可溶性であるポリマー、またはpH5.5もしくは5.5未満で可溶性であるポリマーのいずれかを含む。
例は、その臨界酸性pH未満で酸から水素イオンを受け取り、従って、酸性環境で可溶性になり得る基を有し、pH依存性ポリマーのクラスに入るするポリマーである。使用される好ましい、酸性媒体に可溶性のpH依存性ポリマーの例は、メチルメタクリレートブチルメタクリレート−ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマーであり、これは、ジメチルアミノエチルメタクリレートおよび中性のメタクリル酸エステル(より詳細には、約pH5未満で可溶性であり、約pH5より上で膨潤性かつ透過性である、商品名EudragitTM Eの下で市販されるもの)から合成されるカチオン性コポリマーである。それは、以下の構造によって示される。
そのポリマー中の反復単位は、以下の構造を有する:RはCH基およびC基を表し、そのポリマーは、約1,50,000の分子量を有する。それらは、種々の物理的形態で存在し得る。EudragitTM E 100製品は、顆粒状であり、EudragitTM E 12.5製品は、イソプロパノールおよびアセトン中のE 100の12.5%溶液であり、そしてEudragit EPO製品は、E 100から作製される微細粉末である。種々のグレードのこのポリマーが、Evonik, Germanyから市販されている。
このようなpH依存性ポリマーの他の適切な例は、当該分野で見出され得る。pH5.5または5.5未満においてのみ可溶性であり、そしてさらに不浸透性でもあるポリマーを使用することは有益である。なぜならこれは、溶解速度を制御することをさらに助けるからである。本発明のより好ましい実施形態において、逆腸溶性(reverse enteric)ポリマーは、約pH5未満で可溶性であるが、約pH5.5を上回ると不溶性であるポリマーから選択される。例えば、US20050137372は、疎水性および塩基性モノマーの混合物または疎水性、親水性および塩基性モノマーの混合物を重合することによって調製した類似のポリマーを開示し、ここでその塩基性モノマーは、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート(diethyl amino ethyl ethacrylate)、ジエチルアミノエチルアクリレート、ピペリジンエチルメタクリレートおよび2−tert−ブチルアミノエチルメタクリレートからなる群より選択され得る。塩基性官能基を有し、従って所望のpH依存性溶解度挙動を有するいくつかの他のポリマーは、本発明に従って使用され得る。ポリ(リジン)(PL)、ポリ(エチレンイミン)(PEI)およびキトサンは、このようなポリマーの例である。一実施形態において、本発明において利用され得るpH依存性ポリマーは、アミノ基および/またはアルキルアミノ基および/またはジアルキルアミノ基を含むコポリマー(例えば、メチルメタクリレートおよびジエチルアミノエチルメタクリレートを含むコポリマー、例えば、BASFからKollicoat(登録商標) Smartseal 30 Dとして市販される)である。そのポリマーは、約200,000の分子量および57℃〜63℃のガラス転移温度を有する。
酸性媒体に可溶性のpH依存性ポリマーは、経口固体投与形態1単位の1〜30重量%の範囲で、より好ましくは3〜20重量%の範囲で、および最も好ましくは5〜15重量%の範囲で存在する。酸性媒体に可溶性のpH依存性ポリマーは、内側部分の10重量%、20重量%、30重量%、40重量%、50重量%、60重量%、70重量%、80重量%または90重量%の範囲で、より好ましくは30〜85重量%の範囲で、および最も好ましくは40〜80重量%の範囲で存在する。また、ある種の実施形態において、経口固体投与形態において酸性媒体に可溶性のpH依存性ポリマーに対する全アルカリ化薬の重量比は、約2.0〜3.0の範囲にある。
本発明の一実施形態によれば、その乱用抑止経口固体投与形態の内側部分は、アルカリ化薬を含む。その内側部分に存在するアルカリ化薬は、即時放出形態で常に存在し、徐放形態では存在しない。その内側部分におけるアルカリ化薬は、その投与形態の1単位または処方された単位数が溶解に供されるかまたは摂取される場合に、胃酸の中和を引き起こさない、これによって、酸性媒体に可溶性のpH依存性ポリマーとしてその薬物の完全放出を可能にする量で存在し、可溶性状態のままであり、その薬物の放出を妨げない。しかし、それは、その投与形態の処方単位数を超えるものが溶解に供されるかまたは摂取されると、その胃液pHをアルカリ性にすることによって胃酸の中和を引き起こし、それによって、酸性媒体に可溶性のpH依存性ポリマーを、その薬物の放出を妨げる不溶性状態において維持する。その内側部分に存在する、即時放出形態にあるアルカリ化薬は、水溶性でもよいし、水に不溶性でもよいし、これらの組み合わせであってもよい。本発明の乱用抑止経口固体投与形態の内側部分は、押出物/顆粒/ミニタブレット/コーティングされた粒子の形態にある。その押出物/顆粒/ミニタブレット/コーティングされた粒子は、熱溶融押し出し、熱溶融造粒、直接圧縮、湿式造粒、乾式造粒、締固めのような当該分野で公知の種々のプロセスによって調製され得る;しかし、溶融押し出しが好ましい。一実施形態において、その内側部分は、乱用に陥りやすい薬物、酸性媒体に可溶性のpH依存性ポリマーおよび即時放出形態にある1またはこれより多くのアルカリ化薬を含む顆粒から構成される。別の実施形態において、その内側部分は、その乱用に陥りやすい薬物および酸性媒体に可溶性のpH依存性ポリマーを含む顆粒である。別の実施形態において、その内側部分は、その乱用に陥りやすい薬物、酸性媒体に可溶性のpH依存性ポリマーおよび即時放出形態にある1またはこれより多くのアルカリ化薬を含む、圧縮されたミニタブレットである。なお別の実施形態において、その内側部分は、その乱用に陥りやすい薬物および酸性媒体に可溶性のpH依存性ポリマーを含む、圧縮されたミニタブレットである。
本発明によれば、その乱用抑止経口固体投与形態の内側部分は、オピオイド、中枢神経系抑制薬および刺激薬が挙げられるが、これらに限定されない、乱用に陥りやすい薬物を含む。そのオピオイドは通常、疼痛を処置するために処方される。中枢神経系抑制薬は、不安および睡眠障害を処置するために使用され、その刺激薬は、注意欠陥過活動性障害を処置するために最も頻繁に処方される。オピオイドは、オピオイドレセプターといわれる特定のタンパク質によって作用し、そのタンパク質は、脳、脊髄、消化管、および身体の他の器官において見出される。これらの薬物がそれらのレセプターに結合すると、それらは、疼痛の知覚を低減させる。オピオイドはまた、嗜眠状態、精神の錯乱、悪心、便秘を生じ得、摂取される薬物量に依存して、呼吸を抑制し得る。ある人々は、オピオイド薬への多幸感応答を経験する。なぜならこれら薬物は、報酬に関与する脳領域にも影響を及ぼすからである。オピオイドを乱用する者は、彼らの経験を強めようと求め得る。本発明によれば、その乱用に陥りやすい薬物は、オピオイドであり得る。そのオピオイドは、以下からなる群より選択されるが、これらに限定されない:アルフェンタニル、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、ベンジルモルフィン、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、クロニタゼン、コデイン、デソモルヒネ、デキストロモラミド、デゾシン、ジアンプロミド、ジアモルフォン、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルフィン、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチアンブテン、ジオキサフェチルブチラート、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアンブテン、エチルモルフィン、エトニタゼン、フェンタニル、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ケトベミドン、レボルファノール、レボフェナシルモルファン、ロフェンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メタドン、メトポン、モルフィン、ミロフィン、ナルブフィン、ナルセイン、ニコモルフィン、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ナロルフィン、ノルモルフィン、ノルピパノン、アヘン、オキシコドン、オキシモルフォン、パパベレタム、ペンタゾシン、フェナドキソン、フェノモルファン、フェナゾシン、フェノペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロヘプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロピラム、プロポキシフェン、スフェンタニル、タペンタドール、チリジン、トラマドール、これらの薬学的に受容可能な塩、およびこれらの混合物。本発明によれば、その乱用に陥りやすい薬物は、中枢神経系(CNS)抑制薬であり得る。その中枢神経系(CNS)抑制薬は、アルプラゾラム、ブロマゼパム、クロルジアゼポキシド、クロラゼペート、ジアゼパム、エスタゾラム、フルラゼパム、ハラゼパム、ケタゾラム、ロラゼパム、ニトラゼパム、オキサゼパム、プラゼパム、クアゼパム、テマゼパム、トリアゾラム、メチルフェニデート、アモバルビタール、アプロバルビタール(aprobarbotal)、ブタバルビタール、ブタルビタール、メトヘキシタール、メホバルビタール、メタルビタール、ペントバルビタール、フェノバルビタール、セコバルビタール、これらの薬学的に受容可能な塩、およびこれらの混合物からなる群より選択されるが、これらに限定されない。本発明によれば、その乱用に陥りやすい薬物は、中枢神経系(CNS)刺激薬であり得る。その中枢神経系(CNS)刺激薬は、アンフェタミン、デキストロアンフェタミン、メタンフェタミン、メチルフェニデート、その薬学的に受容可能な塩およびこれらの混合物からなる群より選択されるが、これらに限定されない。その乱用に陥りやすい薬物は、1単位の経口固体投与形態の0.2〜10重量%の範囲で存在し、より好ましくは、それは、1単位の経口固体投与形態の0.3〜8重量%の範囲および最も好ましくは、0.5〜6重量%の範囲で存在する。
1つの具体的な実施形態において、酸性媒体に可溶性のpH依存性ポリマーは、メチルメタクリレートおよびジエチルアミノエチルメタクリレートコポリマーであり、その乱用に陥りやすい薬物は、酒石酸水素ヒドロコドンであり、そしてその即時放出形態にあるアルカリ化薬は、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、酸化マグネシウムであり、徐放形態にあるアルカリ化薬は、酸化マグネシウムおよびエチルセルロースを有するマトリクスタイプである。このような実施形態において、アルカリ化薬の全量が3.75ミリモル〜6.0ミリモルの範囲に及び、全アルカリ化薬および酸性媒体に可溶性のpH依存性ポリマーの重量比が2.0〜3.0の間であり、その外側部分に存在するアルカリ化薬の徐放形態が1.5ミリモル〜4.5ミリモルの範囲にあり、その内側部分および外側部分に存在するアルカリ化薬の即時放出形態が2.2ミリモル〜3.0ミリモルの範囲にある場合、500mlの0.01N HCl中でのインビトロ溶解において試験すると、その投与形態の1単位からの酒石酸水素ヒドロコドンの完全放出が起こった。なお別のこのような実施形態において、そのアルカリ化薬の即時放出形態は、約0.2〜2.8ミリモルの範囲にあり、そのアルカリ化薬の徐放形態は、約1.4〜6ミリモルの範囲にあり、そしてアルカリ化薬の全量は、乱用抑止経口固体投与形態1単位あたり約3.75〜6ミリモルの範囲にある。
別のこのような実施形態において、酸性媒体に可溶性のpH依存性ポリマーがメチルメタクリレートおよびジエチルアミノエチルメタクリレートコポリマーである場合、その乱用に陥りやすい薬物は塩酸タペンタドールであり、その即時放出形態にあるアルカリ化薬は、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、酸化マグネシウムであり、徐放形態にあるアルカリ化薬は、酸化マグネシウムおよびエチルセルロースを有するマトリクスタイプである。このような実施形態において、アルカリ化薬の全量が3.75ミリモル〜5.0ミリモルの範囲に及び、全アルカリ化薬および酸性媒体に可溶性のpH依存性ポリマーの重量比が2.0〜3.0の範囲であり、その外側部分に存在するアルカリ化薬の徐放形態が2.0ミリモル〜4.5ミリモルの範囲にあり、そしてその内側部分および外側部分に存在するアルカリ化薬の即時放出形態が1.2ミリモル〜2.0ミリモルの範囲にある場合、500mlの0.01N HCl中でのインビトロ溶解において試験すると、その投与形態の1単位からの塩酸タペンタドールの完全放出が起こった。なお別のこのような実施形態において、そのアルカリ化薬の即時放出形態は、約0.2〜2.8ミリモルの範囲にあり、そのアルカリ化薬の徐放形態は、約1.4〜6ミリモルの範囲にあり、アルカリ化薬の全量は、乱用抑止経口固体投与形態1単位あたり約3.75〜6ミリモルの範囲にある。
本発明の乱用抑止経口固体投与形態は、当該分野で公知の方法によって、および当該分野で公知の従来の賦形剤(例えば、希釈剤もしくは充填剤、結合剤、崩壊剤、安定化剤、流動促進剤(glidant)、滑沢剤、界面活性剤、可溶化剤、保存剤、着色剤など)を使用して、その投与形態の中に薬物が組み込まれる必要があり得る場合には、サシェ、カプセル剤もしくは錠剤のような適切な形態へと製作され得る。
外側相においてアルカリ化薬の徐放形態を有する単位投与形態中のアルカリ化薬の全量は、存在する場合には、1単位または処方された単位数からのその薬物の完全な放出を可能にする量であり、処方された単位数より多くのものが試験または摂取されると、少なくとも30%の阻害を提供する量である。例えば、1つの具体例において、その投与形態が、10ミリモルを超えるアルカリ化薬を含んだ場合、それは、複数の単位が試験されたときに適切な抑止を提供したが、1単位からのその薬物の放出を妨げた(このことは望ましくない)。従って、アルカリ化薬の量は、胃の摂食状態または絶食状態に依存するのみならず、その投与形態において使用されるアルカリ化薬の中和能にも依存する。1つの具体的な実施形態において、その固体投与形態におけるアルカリ化薬の全量が、投与形態1単位あたり約5ミリモルのアルカリ化薬である場合、それは、1単位(処方された)がインビトロ溶解に供される場合に、その薬物の完全放出が起こることを示す。2単位が試験される場合、その薬物のうちの61%が放出されるに過ぎず、3単位が試験される場合、その薬物のうちのちょうど42%が放出され、4単位が試験される場合、その薬物のうちの40%が放出され、5単位が試験される場合、その薬物のうちの38%が放出される;6単位が試験される場合、その薬物のうちの33%が放出される;10単位が試験される場合、その薬物のうちの33%が放出される;12単位が試験される場合、その薬物のうちの31%が試験される;15単位が試験される場合、その薬物のうちの33%が放出され、20単位が試験される場合、その薬物のうちの31%が放出されるに過ぎない。インビトロ放出のデータは、図2に示される。そのアルカリ化薬の徐放形態およびアルカリ化薬の即時放出形態は、絶食状態および摂食状態の胃の中に存在する塩酸の量、ならびに本発明の投与形態によって胃の中に導入されるアルカリに対してリバウンドする酸として放出され得る任意のさらなる酸に注意を払うことが注記され得る。
従って、例えば、複数の丸剤のこのような数またはより多くが被験体によって摂取される場合、その即時放出形態にあるアルカリ化薬は、胃の中の酸性環境のpHを直ちに上昇させるのに対して、その徐放形態にあるアルカリ化薬は、そのアルカリ化薬を緩徐様式で放出して、一定期間にわたって望ましいその塩基性pHを持続して、その経口固体投与形態の乱用抑止特徴を達成する。例えば、本発明の投与形態が、投与形態の単位の摂取が3より大きく10までである複数の丸剤の乱用を防止するように構成される場合、投与形態1つあたりに存在するアルカリ化薬の全量は、アルカリ化薬の1.0未満の単位が1単位の中に存在すると仮定すれば1〜3単位であり、従って、1単位または処方された単位数が摂取される場合、そのアルカリ化薬は、胃のpHを増大させるには不十分である量で存在し、酸の中で可溶性であるpH依存性ポリマーを、可溶性形態で残し、それによって、その1単位からのその薬物の完全放出を引き起こす。
本発明は、上記で一般的に開示されるが、さらなる局面は、以下の実施例を参照しがらさらに考察および例証される。しかし、その実施例は、本発明を例証するために示されるに過ぎず、本発明に対する限定として解釈されるべきではない。
比較実施例1
比較実施例1の錠剤組成物は、即時放出形態にあるアルカリ化薬のみを含むが、徐放形態のアルカリ化薬を一切含まない組成物を表す。そのアルカリ化薬、すなわち、酸化マグネシウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸水素ナトリウムは、1錠あたり約4.3ミリモルの量で存在する。
手順:
A:乱用に陥りやすい薬物およびpH依存性ポリマーの顆粒/押出物を含む内側部分の調製
工程1: 内側部分の成分、すなわち、酒石酸水素ヒドロコドン、メチルメタクリレートおよびジエチルアミノエチルメタクリレートコポリマー(Kollicoat Smartseal(登録商標) 100 P)、酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、酒石酸、ブチル化ヒドロキシルアニソールを、適切なシーブに通して別個に篩にかけた。
工程2: ブチル化ヒドロキシルアニソールをエチルアルコールに溶解し、酒石酸水素ヒドロコドン、ポリビニルアルコールおよび酒石酸を造粒するために使用した。
工程3: 工程2の顆粒を、特定された量のメチルメタクリレートおよびジエチルアミノエチルメタクリレートコポリマー(Kollicoat Smartseal(登録商標) 100 P)、酸化マグネシウムおよび炭酸ナトリウムとブレンダーの中で混合した。
工程4: 工程3のブレンドした混合物を、熱溶融押出機の中に充填した。その押出物を粉砕し、適切なシーブに通して篩にかけた。
B: 外側部分の調製: その外側部分は、商標名Compresso PAP(登録商標) 90CPF**の下で利用できる直接圧縮可能なアセトアミノフェン顆粒を含んだ。その組成は、以下に示される。
その外側部分は、アルカリ化薬の即時放出形態、超崩壊剤、芯剤、滑沢剤などのような成分をさらに含んだ。
C:内側部分の押出物と外側部分の成分との混合およびその錠剤への変換:
成分の全て、すなわち、Aにおいて調製したとおりの内側部分の乱用に陥りやすい薬物の熱溶融押出物;特定された量の外側部分の成分、すなわち、アセトアミノフェン顆粒 DC90%、例えば、Compresso PAP(登録商標) 90CPF**;炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ケイ化微結晶性セルロース、クロスポビドン、コロイド性二酸化ケイ素を、適切なブレンダーの中で篩にかけた後に乾式混合した。そのブレンドした乾式混合物を、ステアリン酸マグネシウムおよびタルクでさらに滑沢にし、錠剤へと圧縮した。
実施例1〜2
実施例1の錠剤組成物は、即時放出形態および徐放形態の両方で存在するアルカリ化薬を含む組成物を表す。アルカリ化薬、すなわち、酸化マグネシウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸水素ナトリウムの全量は、1錠あたり4.3ミリモルであった。
手順:
A:乱用に陥りやすい薬物および酸性媒体に可溶性のpH依存性ポリマーの押出物を含む内側部分の調製:
工程1: 内側部分の成分、すなわち、酒石酸水素ヒドロコドン、メチルメタクリレートおよびジエチルアミノエチルメタクリレートコポリマー(Kollicoat Smartseal(登録商標) 100 P)、酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、酒石酸、ブチル化ヒドロキシルアニソールを、適切なシーブに通して別個に篩にかけた。
工程2: ブチル化ヒドロキシルアニソールをエチルアルコールに溶解し、酒石酸水素ヒドロコドン、ポリビニルアルコールおよび酒石酸を造粒するために使用した。
工程3: 工程2の顆粒を、特定された量のメチルメタクリレートおよびジエチルアミノエチルメタクリレートコポリマー(Kollicoat Smartseal(登録商標) 100 P)、酸化マグネシウムおよび炭酸ナトリウムとブレンダーの中で混合した。
工程4: 工程3のブレンドした混合物を、熱溶融押出機の中に充填した。その押出物を粉砕し、適切なシーブに通して篩にかけた。
B:外側部分に存在するアルカリ化薬の徐放形態の調製:
アルカリ化薬の徐放形態の組成を、以下の表に示す。
アルカリ化薬の徐放形態の調製は、以下の工程を含んだ:
工程1: 特定された量の酸化マグネシウムおよび二酸化ケイ素を、適切なシーブに通して篩にかけた。
工程2: エチルセルロースをエタノールに溶解した。
工程3: 工程1の滑沢にした酸化マグネシウムを、トップスプレーアセンブリ付きの流動床プロセッサに移し、適切な造粒パラメーターを使用してエタノール中のエチルセルロースの溶液とともに造粒した。
工程4: 工程3の顆粒を、適切なシーブに通して篩にかけた。
C:内側部分の押出物と外側部分の成分との混合およびその錠剤への変換:
成分の全て、すなわち、Aにおいて調製したとおりの内側部分の乱用に陥りやすい薬物の熱溶融押出物;外側部分の成分、すなわち、アセトアミノフェン顆粒 DC 90%、例えば、Compresso PAP(登録商標) 90CPF**;Bにおいて調製したとおりの酸化マグネシウムおよびエチルセルロースの顆粒;炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムおよび酸化マグネシウム;ケイ化微結晶性セルロース、クロスポビドン、コロイド性二酸化ケイ素を、適切なブレンダーの中で篩にかけた後に乾式混合した。そのブレンドした乾式混合物を、ステアリン酸マグネシウムおよびタルクでさらに滑沢にし、錠剤へと圧縮した。その圧縮した錠剤を、ヒドロキシプロピルメチルセルロースでさらにコーティングした。アセトアミノフェン顆粒DC 90% − Compresso PAP(登録商標) 90CPF**の組成を、以下に示す。
実施例3
1単位の投与形態からの薬物の放出に対するアルカリ化薬の徐放形態の効果
比較実施例1、実施例1および実施例2の錠剤は全て、酸化マグネシウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸水素ナトリウムである、4.3ミリモルのアルカリ化薬を含んだ。これらの実施例に従って調製した錠剤を、500mlの0.01N HCl中でUSP II(Paddle)装置を使用して50回転/分においてインビトロ溶解に供した。表6は、徐放形態および即時放出形態で存在するアルカリ化薬のミリモル分布、続いて、1錠剤からのヒドロコドンのインビトロ放出を提供する。
上記のインビトロ溶解結果から、比較実施例1の錠剤がアルカリ化薬の即時放出形態のみを含み、アルカリ化薬の徐放形態を有しなかった場合、その薬物の放出が不完全であった(60分間の終了時に52%しか放出されなかった)ことは明らかである。
実施例1および実施例2の錠剤は、同じ量の全アルカリ化薬(すなわち、4.3ミリモル)を有したが、その全アルカリ化薬を、種々の量のアルカリ化薬の徐放形態およびアルカリ化薬の即時放出形態で分割した。そのインビトロ溶解データは、60分間でのヒドロコドンの完全放出を示した。1錠からのヒドロコドンの完全放出を達成するために、徐放性アルカリ化薬および即時放出アルカリ化薬の量は、重要な役割を果たすと結論づけられうる。これらの実施例において、その放出は、アルカリ化薬の徐放形態およびアルカリ化薬の即時放出形態の合計量であるアルカリ化薬の全量が4.3ミリモルの範囲にある場合に完全である。
比較実施例2
比較実施例2の錠剤組成物は、即時放出形態にあるアルカリ化薬のみを含むが、徐放形態のアルカリ化薬を含まない組成物を表す。比較実施例2におけるアルカリ化薬、すなわち、酸化マグネシウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸水素ナトリウムの全量は、1錠あたり約4ミリモルの量にあった。比較実施例2の組成を以下の表に示す。
比較実施例2の錠剤を、乱用に陥りやすいモデル候補薬物が酒石酸水素ヒドロコドンの代わりに塩酸タペンタドールであったこと以外は、比較実施例1に記載される手順に従って調製した。
実施例4
実施例4の錠剤組成物は、即時放出形態および徐放形態両方にあるアルカリ化薬を含む組成物を表す。実施例4の錠剤組成物に存在するアルカリ化薬の全量は、1錠あたり約4ミリモルの量にあった。
実施例4の錠剤組成物を、乱用に陥りやすいモデル候補薬物が酒石酸水素ヒドロコドンの代わりに塩酸タペンタドールであったこと以外は、実施例1に記載される手順に従って調製した。
実施例5
1単位の投与形態からの薬物の放出に対するアルカリ化薬の徐放形態の効果
比較実施例2および実施例4の錠剤はともに、酸化マグネシウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸水素ナトリウムである、約4ミリモルのアルカリ化薬を含んだ。これらの実施例に従って調製した錠剤を、500mlの0.01N HCl中で、USP II(Paddle)装置を使用して50回転/分においてインビトロ溶解に供した。表9は、徐放形態および即時放出形態で存在するアルカリ化薬のミリモル分布を、1錠からの塩酸タペンタドールのインビトロ放出とともに提供する。
上記のインビトロ溶解結果から、比較実施例2の錠剤がアルカリ化薬の即時放出形態のみを含み、アルカリ化薬の徐放形態を有しなかった場合に、その薬物の放出が不完全であった(60分間の終了時に50%しか放出されなかった)ことは、明らかである。実施例4の錠剤は、同じ量の全アルカリ化薬を有したが、その全アルカリ化薬を、種々の量のアルカリ化薬の徐放形態およびアルカリ化薬の即時放出形態で分割した。そのインビトロ溶解データは、60分間でタペンタドールの86%が放出されるという満足のいく放出を示した。
実施例6
実施例6の錠剤組成物は、即時放出形態および徐放形態の両方にあるアルカリ化薬を含む組成物を表す。実施例6の錠剤組成物に存在するアルカリ化薬の全量は、1錠あたり約5.7ミリモルの量にあった。
実施例4の錠剤組成物を、実施例1に記載される手順に従って調製した。実施例6の錠剤は、酸化マグネシウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸水素ナトリウムである、約5.7ミリモルのアルカリ化薬を含んだ。この実施例に従って調製した錠剤を、500mlの0.01N HCl中で、USP II(Paddle)装置を使用して50回転/分においてインビトロ溶解に供した。表11は、徐放形態および即時放出形態で存在するアルカリ化薬のミリモル分布を、1錠からのヒドロコドンのインビトロ放出とともに提供する。
インビトロ溶解データは、60分間で放出されたヒドロコドンが87%という満足いく放出を示した。

Claims (6)

  1. 乱用抑止経口固体投与形態であって、以下:
    ・乱用に陥りやすい薬物および酸性媒体に可溶性のpH依存性ポリマーを含む内側部分、
    ・外側部分であって、前記外側部分は、乱用に陥りやすい薬物を欠き、かつアルカリ化薬の即時放出形態およびアルカリ化薬の徐放形態を含み、前記アルカリ化薬の徐放形態はアルカリ化薬および速度制御賦形剤を含む、外側部分、
    を含む、乱用抑止経口固体投与形態。
  2. 前記アルカリ化薬の徐放形態は、0.01N塩酸中で約2時間の期間にわたって持続様式で徐々に放出される、請求項1に記載の乱用抑止経口固体投与形態。
  3. 前記即時放出形態にあるアルカリ化薬は、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、酸化マグネシウムまたはこれらの混合物であり、前記徐放形態にあるアルカリ化薬は、酸化マグネシウムである、請求項1に記載の乱用抑止経口固体投与形態。
  4. 前記酸性媒体に可溶性のpH依存性ポリマーは、メチルメタクリレートおよびジエチルアミノエチルメタクリレートコポリマーである、請求項1に記載の乱用抑止経口固体投与形態。
  5. 前記アルカリ化薬の即時放出形態は、約0.2〜2.8ミリモルの範囲にあり、前記アルカリ化薬の徐放形態は、約1.4〜6ミリモルの範囲にあり、アルカリ化薬の総量は、乱用抑止経口固体投与形態1単位あたり約3.75〜6ミリモルの範囲にある、請求項1に記載の乱用抑止経口固体投与形態。
  6. 全アルカリ化薬および前記酸性媒体に可溶性のpH依存性ポリマーの重量比は、2.0〜3.0の範囲にある、請求項1に記載の乱用抑止経口固体投与形態。
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