本明細書に記述される本発明の実施形態は、装置、方法、及び測定インディケーターとして規定される。これらは、以下に記述される実施形態において実行に移されることができる。しかし、これらの実施形態は、例示的なものであり、多くの異なる形態で実施されることができ、本明細書に規定される実施例には限定されない。むしろ、これらの実施形態の例示的な実施例は、この開示を徹底的で完全なものにするために与えられる。
さらに他の目的及び特徴は、以下の詳細な記述を添付の図面と共に読むことによって明らかになるだろう。しかし、図面は例示の目的のためにのみ設計されており、本明細書で開示される実施形態を限定する定義としては設計されていないことは理解されるべきである。実施形態に対する参照は、添付の特許請求の範囲についてなされるべきである。さらに、図面は必ずしも縮尺通りに描かれていない。明示されない限り、図面は、本明細書に記述される構造及び手順を概念的に示すことを意図されているにすぎない。
図1は、酪農農場での酪農動物の群に含まれることができる動物100を用いたシナリオを示す。
用語「動物」は、任意のタイプの家畜化されたメスのミルク生産及び/又は肉生産動物(例えば、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ウマ、ラクダ、ヒトコブラクダ、霊長類、酪乳水牛、ロバ、トナカイ、ラマ、ヤク、エルクなど)であり得る。
動物100のミルクは、搾乳設備110(例えば搾乳ロボット又は他の搾乳装置)によって抽出されることができる。代表的なミルク試料が調製されることができる。調製されたミルク試料は次に、アプリケーター120を介して、参照インディケーター131及び測定インディケーター132にそれぞれ付与されることができる。
用語「ミルク試料」は、ミルク及び関連製品(生乳、全乳、スキムミルク、再溶解及び/又は再懸濁された粉末ミルクなど)の試料を指す。この試料は、様々な実施形態において均質化されていることができ、又は均質化されていないことができる。一実施形態によれば、試料は、搾乳設備110から直接抽出された生乳の試料であることができる。
参照インディケーター131及び/又は測定インディケーター132はそれぞれ、紙スティック(例えばpH試験ストリップ又は一般的なインディケーター紙)を含むか又はこれらに基づくことができる。参照インディケーター131及び/又は測定インディケーター132は、添加されたミルク試料が参照インディケーター131及び/又は測定インディケーター132によって均一に吸収されるように含浸されるか、及び/又は非浸出性の特徴を持つように調製されることができる。
参照インディケーター131は、ミルク試料の第一サブ試料が参照インディケーター131に加えられるとき、ミルク試料の第一サブ試料の水酸化物イオンのレベルに基づいて、参照インディケーター131の色を調整するように構成された造塩発色物質を含浸されている。これによって、参照インディケーター131の色合いは、ミルク試料の水素ポテンシャル(pH)を示すことができる。
造塩発色物質は、pH変化が生じたときに色を変化させる物質を含む。従って、造塩発色物質は、pHインディケーターとなる。造塩発色物質は、尿素の変化を検出することができ、それによってミルク試料中の酸性度を検出することができる。得られた色は、参照インディケーター131が既知のpHを有する溶液に露出されたときに得られる色と比較されることができる。次に、ミルク試料のpHが推定されることができる。
参照インディケーター131中の造塩発色物質の色の変化は、化学物質が溶液中に存在する水素及び水酸化物イオンに結合したときに生じる。かかる結合は、分子の共役系の変化、又は電子の流れの変化を生じる。これは、吸収される光の量を変化させ、これにより色の可視的な変化が生じる。造塩発色物質は、pHの全範囲について色の全範囲を示さない。なぜなら、特定の酸性度の後では、共役系は変化しないからである。様々な共役系を有する様々な濃度の造塩発色物質から様々な色合いが生じる。
予め決定された又は構成可能な培養時間(例えば、5分、10分など)の後、センサー130は、参照インディケーター131の画像を捕獲することができる。センサー130は、カメラ、ビデオカメラ、又は画像を捕獲するように構成された同様の装置を含むことができる。例えば、センサー130は、電荷結合装置(CCD)、活性画素センサー(APS)、相補的金属酸化物半導体(CMOS)センサー、又は他の同様の装置を様々な実施形態において含むことができる。
培養時間の長さは、温度によって影響されることができる。即ち、温度が高いほど、化学反応に要する時間は(合理的な限界内で)短くなるだろう。温度は、培養時間中、参照インディケーター131と測定インディケーター132の両方について同じレベルに維持されることができる。このように、参照インディケーター131と測定インディケーター132の両方について温度を同じに維持することによって、参照インディケーター131と測定インディケーター132の間の色の変化の差は、温度から独立して同じに保持されることができる。しかし、一実施形態では、参照インディケーター131と測定インディケーター132を包囲する環境の温度は、少なくとも培養時間中、一定レベル(例えば、25℃又は、例えば22℃〜28℃(任意であり、非限定的な例である)などの範囲)に維持されることができる。
予め決定された又は構成可能な培養時間(これは、様々な実施形態において、参照インディケーター131と同じであるか又は異なることができる)の後、センサー130は、測定インディケーター132の画像を捕獲することができる。測定インディケーター132は、上述した参照インディケーター131の造塩発色物質を含浸され、かつミルク試料の第二サブ試料が測定インディケーター132に加えられるとき、ミルク試料の第二サブ試料の尿素を少なくとも一つの化学物質に変換し、この化学物質が次に第二サブ試料の水酸化物イオンのレベルに影響するように構成された酵素(例えば、ウレアーゼやアロファネートヒドロラーゼなどの加水分解酵素)で調製されている。一実施形態では、酵素(例えば加水分解酵素ウレアーゼ)の緩衝レベルは、予め決定された又は構成可能な閾値レベルよりも低いことができる。これにより、上述した尿素を化学物質に変換し、この化学物質が次にミルク試料の水酸化物イオンのレベルに影響を与えるという効果が増強される。
加水分解酵素(ヒドロラーゼとも称される)は、化学結合の加水分解を触媒する酵素である。ウレアーゼは、ミルク試料中の尿素の二酸化炭素及びアンモニアへの加水分解を触媒する加水分解酵素である。
従って、測定インディケーター132の酵素は、ミルク試料中の尿素(もしあれば)の加水分解を触媒して、アンモニアとカーバメートを生成する。生成されたカーバメートは、続いて自発的な加水分解によって分解されて、別のアンモニア及びカルボン酸を生成し、このカルボン酸がミルク試料のpHレベルを増大させる。これによって、もし尿素が測定インディケーター132に付与されたミルク試料の第二サブ試料中に存在していたなら、測定インディケーター132の色は、参照インディケーター131の色(これは、参照として作用する)とは別の色合いに変化するだろう。
ミルク試料のpHレベルを測定する場合の問題は、様々な理由のため、個別の動物の間だけでなく、異なる時点で抽出された同じ動物の異なるミルク試料の間でも変動が極めて大きいということである。一般的に、ミルク試料のpH(水素ポテンシャル)レベルは、例えば6.1〜6.7の間で変動しうる。測定インディケーター132によるそれぞれの尿素試験のためにpHレベルの一時的な参照インディケーター131を使用することによって、pHレベルの変動の問題は削除される。なぜなら、各測定のための参照が作り出されるからである。
参照インディケーター131及び測定インディケーター132の捕獲された画像は、センサー130によって制御ユニット150に送られることができる。制御ユニット150は、参照インディケーター131の第一画像と測定インディケーター132の第二画像の間の色差を決定するように構成されている。従って、制御ユニット150は、参照インディケーター131の捕獲された画像の色合いを測定インディケーター132の捕獲された色合いと比較することができる。それぞれの捕獲された画像の間に色合いの差がある場合、その理由は、ミルク試料中の尿素がアンモニアとカルボン酸に変換されて、このカルボン酸がpHレベルを増大させ、それにより試料間の色差を作り出したためである。従って、制御ユニット150は、決定された色差を動物100のミルク試料中の尿素の量に変換するように構成されている。
さらに、制御ユニット150は、色/色合いが様々なpHレベルと共にマッピングされている参照チャートとの比較によって、測定インディケーター132の検出された色/色合いをpHレベルに変換することによって、捕獲された第一画像と捕獲された第二画像の間の色差を検出することができる。また、対応する手順が参照インディケーター131について制御ユニット150によって実行されることができる。従って、参照インディケーター131の捕獲された第一画像の検出された色/色合いは、参照チャートとの比較によってpHレベルへと変換されることができる。参照インディケーター131の推定されたpHレベルは、次に、測定インディケーター132の推定されたpHレベルから差し引かれることができる。推定されたpHレベル差は、ミルク試料の第二サブ試料中の尿素の、測定インディケーター132上の酵素による変換の結果である。これによって、参照インディケーター131と測定インディケーター132の間の検出された色差は、推定されたpH差を尿素の量に変換することによって動物100のミルク試料中の尿素の量に変換されることができる。変換は、例えばpH差が対応する尿素の量と共にマッピングされているルックアップテーブルをチェックすることによって行なうことができる。
制御ユニット150はさらに、動物100の身元及び時間参照などと関連して、データベース140に尿素測定の結果を記憶させることができる。データベース140は、他の測定結果及び/又は動物100に関連するデータ(例えば、ミルク流量計によって測定されたミルク収率、活性度、繁殖、出産経歴、反芻、授乳、休息、飼料摂取、エネルギーバランス、搾乳日、ミルク生産、年齢、及び他の同様の動物状態関連パラメーター)も記憶することができる。
さらに、一実施形態では、制御ユニット150は、有線又は無線通信インターフェースを介してオペレーターの通信装置160に情報を送信することができる。
かかる無線通信インターフェースは、Wi−Fi,Wireless Local Area Network(WLAN),Ultra Mobile Broadband(UMB),Bluetooth(登録商標)(BT)などの無線通信技術を含むか又は少なくともこれらの技術によって影響を受けることができるが、これらはいくつかの可能な例にすぎない。通信は、代替的に、例えば3GPP LTE,LTE−Advanced,E−UTRAN,UMTS,GSM(登録商標),GSM(登録商標)/EDGE,WCDMA(登録商標),Time Division Multiple Access(TDMA)networks,Frequency Division Multiple Access(FDMA)networks,Orthogonal FDMA(OFDMA)networks,Single−Carrier FDMA(SC−FDMA)networks,Worldwide Interoperability for Microwave Access(WiMax),or Ultra Mobile Broadband(UMB),High Speed Packet Access(HSPA),Evolved Universal Terrestrial Radio Access(E−UTRA),Universal Terrestrial Radio Access(UTRA),GSM(登録商標) EDGE Radio Access Network(GERAN),3GPP2 CDMA technologies,e.g.,CDMA2000 1x RTT及びHigh Rate Packet Data(HRPD)などの無線アクセス技術を含むか又は少なくともこれらの技術によって影響を受けることができるが、これらはいくつかの可能な例にすぎない。
農家の通信装置160は、例えば携帯電話、固定型又は携帯型のコンピューター装置、コンピュータータブレット、ディスプレイ、インテリジェントグラス、スマートコンタクトレンズ、増大されたリアリティ装置、スマートウォッチ、又はユーザ−インターフェースを有しかつ無線通信能力を有する同様の装置であることができる。
オペレーターと通信する情報は、例えば可視情報、可聴メッセージ、触覚信号、又はこれらの組み合わせを含むことができ、それらは、オペレーターが結果における検出された変動についての理由をさらに調査することを促すことができる。家畜の群と共に複数の人々が働いている場合には、複数のオペレーター、及び彼らのそれぞれの通信装置160に対して放送することができる。
オペレーターは、例えば農家、又は農場で働いている他の人、又は獣医師、農学者、栄養学者、生物学者、動物学者、経済学者、哺乳類学者、家畜の研究者、動物園の管理者、又は農場を一時的に、偶然、又は永久的に訪問する他の同様の人々であることができる。用語「農場」は、本明細書では、家畜小屋、飼育場、厩舎、又は動物100を維持するための他の同様の農業構造であることができる。
図2は、動物100のミルク試料中の尿素を測定するための装置の別の例を示す。ミルク試料は、搾乳設備110(例えば搾乳ロボット、手動のバケツ搾乳器、(回転)搾乳所など)から抽出されることができる。
一実施形態では、図1に示された装置の様々な設備(例えば、アプリケーター120、センサー130、一つ又は複数のポンプ、搾乳設備110へのインターフェースへの取り付けのためのチューブ要素、モーター、通信装置135など)は、サービスモジュール210中に含まれることができる。
サービスモジュール210は、一実施形態では、搾乳設備110中に取りはずし可能に挿入されることができる。従って、搾乳設備110とサービスモジュール210の間に、搾乳設備110を介してサービスモジュール210にミルク及び所望により電気を与えるためのインターフェースが存在することができる。
カセット230がサービスモジュール210中に取りはずし可能に挿入されることができる。カセット230は、少なくとも一つの参照インディケーター131及び/又は少なくとも一つの測定インディケーター132を有する支持体テープ250を含むことができる。
支持体テープ250は、第1スプール231及び第2スプール232の上に配置されることができる。これらのスプール231,232は、支持体テープ250の位置的配置のためのカセット外部モーターと協働するように配置されることができる。カセット外部モーターは、一実施形態では、サービスモジュール210中に含まれることができる。サービスモジュール210のセンサー130は、検査窓220を通して参照インディケーター131及び/又は測定インディケーター132の画像を捕獲することができる。この画像又はこれらの画像に基づいて、カセット外部モーターは、カセット230のアプリケーター120に対する支持体テープ250(この上で新しい試験が行なわれることになる)上の参照インディケーター131及び/又は測定インディケーター132の配置のために支持体テープ250を調整することができる。
このようにして、動物100のミルク試料は、搾乳設備110によって動物100から抽出され、サービスモジュール210を介して参照インディケーター131及び/又は測定インディケーター132に与えられることができる。参照インディケーター131及び/又は測定インディケーター132は、上述の通り、ミルク試料に露出されると、色及び/又は色合いを変化することがあり得る。参照インディケーター131及び/又は測定インディケーター132の捕獲された画像は、次に、制御ユニット150によって分析されることができる。それによって、ミルク試料中の尿素の存在及び/又は量が決定されることができる。
サービスモジュール210は、一実施形態では、制御ユニット150及び/又はデータベース140を含むことができる。しかし、図2に示されるような他の実施形態では、制御ユニット150及び/又はデータベース140は、サービスモジュール210に対して外部にあることができる。
カセット230はまた、サービスモジュール210のアプリケーター120からの動物100のミルク試料を受け取るように構成された液体挿入連結を含むことができる。
カセット230の支持体テープ250は、一実施形態では、フラッシ穴260を含むことができる。異なる動物100からのミルク試料を区別するために、以前に搾乳された動物100からのミルクがサービスモジュール210及び/又はカセット230の配管中に残ることが、新しいミルク試料が取られる動物100のミルクでそれぞれの配管をフラッシすることによって回避されることができる。支持体テープ250は次に、続く動物からのミルク試料を受け取るための位置に参照インディケーター131及び/又は測定インディケーター132を配置するために送られる前に、フラッシ穴260を介して動物100からのミルクがフラッシされることができるように送られることができる。
カセット230に与えられたミルクは、参照インディケーター131及び/又は測定インディケーター132に付与されたミルク試料であれ、又はフラッシ穴260を通してフラッシされたミルクであれ、カセット230の開口241及びサービスモジュール210のドレン242を介してカセット230から排出されることができる。排出されたミルクは、一実施形態では、ミルクラインに戻されることができる。他の実施形態では、排出されたミルクは、下水に散逸されるか、又は他の何らかの方法で農場から排出されることができる。
一実施形態では、カセット230は、環境から封止されており、それによって耐候室を作り出すことができ、カセット230中では気候環境が優勢である。これによって、カセット230は、農場のちり、ほこり、液体などの環境衝撃から隔離されるようになる。さらに、参照インディケーター131及び/又は測定インディケーター132の温度は、一定レベル(例えば25℃、又は22℃〜28℃(任意であり、非限定的な例である)の範囲)に維持されることができる。
一実施形態では、カセット230は、支持体テープ250の上の参照インディケーター131及び/又は測定インディケーター132を封止するように構成された封止テープを含むことができる。これは、最初の動物100からのミルクが、続く動物の尿素試験のために使用することを意図される参照インディケーター131及び/又は測定インディケーター132に浸透しないようにすることが重要であるからである。なぜなら、最初の動物100からのミルクは、参照インディケーター131及び/又は測定インディケーター132を汚染しうるからである。この理由のため、カセット230は、封止テープを参照インディケーター131及び/又は測定インディケーター132から除去しつつも参照インディケーター131及び/又は測定インディケーター132がアプリケーター120と整列した位置にあるように調整されるように構成された脱封止器をさらに含むことができる。
サービスモジュール210に戻ると、サービスモジュール210は、支持体テープ250の上の参照インディケーター131及び/又は測定インディケーター132の位置を検査窓220に対して調整するために、カセット230の上の第一スプール231又は第二スプール232のうちの少なくとも一つと係合するように構成された少なくとも一つのモーターを含むことができる。このモーターは、第一回転駆動手段及び/又は第二回転駆動手段を推進させることができる。これらの第一回転駆動手段及び/又は第二回転駆動手段は、カセット230の第一スプール231及び/又は第二スプール232(この上に支持体テープ250が配置されている)と相互作用することができる。モーターは次に、第一回転駆動手段及び/又は第二回転駆動手段によってカセット230の第一スプール231及び/又は第二スプール232を回転させることによって、支持体テープ250の上の参照インディケーター131及び/又は測定インディケーター132の位置をカセット230の検査窓220に対して調整することができる。
一実施形態では、モーターは、電気モーター(例えば交流(AC)モーター)を含むことができる。電流は、外部エネルギー源から供給されることができる。一実施形態では、モーターは直流(DC)モーターであることができる。
さらに、サービスモジュール210はまた、搾乳設備110を介して動物100のミルク試料を受け取るように構成された管要素を含む。一実施形態では、この管要素は、カセット230の液体挿入連結を介してカセット230の針にミルク試料を与えるように構成されている。これによって、サービスモジュール210とカセット230の間にインターフェースが存在することができ、そこでは管要素がカセット230の液体挿入連結に連結されることができる。
サービスモジュール210は、ミルク試料をアプリケーター120に、又は代替的にカセット230の針に与えるために管要素に対して作用するように構成された少なくとも一つのポンプを追加的に含むことができる。従って、ポンプは、一実施形態では、ミルク試料が管要素を通して、カセット230の液体挿入連結を介して伝搬されて、カセット230の針に到達するように管要素に対して作用することができる。
さらに、サービスモジュール210は、カセット230の開口241を介してカセット230から排出された液体を受け取って、この液体をサービスモジュール210から排出するように配置されたドレン242を含むことができる。
センサー130、モーター、ポンプ、及び他の電子機器及び/又は装置を含むサービスモジュール210と、使い捨て材料を含むカセット230とを分割することによる開示された解決策の利点は、オペレーターにとって極めて容易に使用することができるようになるということである。
カセット230は、特定の予め決定された時間期間の間、農場を支援するための参照インディケーター131及び/又は測定インディケーター132を含むことができる。この時間期間が終わる前に、供給者は、新しいカセット230を農場/オペレーターに供給することができる。オペレーターは、この新しいカセット230を、サービスモジュール210の繊細な電子機器と相互作用する必要なしにサービスモジュール210中に入れることができる。使用済のカセット230は、廃棄されることができる。
ハードウェアの故障又は他の不調が生じた場合、オペレーターは、サービスモジュール210を搾乳設備110から除去し(そしてまた、カセット230をサービスモジュール210から除去し)、除去したサービスモジュール210を修理/調整のためにサービスの供給者に与えることができる。サービスモジュール210が修理中の間、オペレーターは、別のサービスモジュール210をサービスの供給者から借りることができる。それによって、動物100の尿素値は、サービスモジュール210又はその任意の一部分が不調の場合でも、中断なしに監視されることができる。また、外部の技術者が使い捨てカセット230の交換のためやサービスモジュール210のエラーを分析するために農場を訪問する必要はないので、サービス及び維持のための費用は最小限になるか、又は少なくとも低減される。
図3Aは、複数の参照インディケーター131a,131b,131cを含む、一実施形態によるカセット230aを示す。
複数の参照インディケーター131a,131b,131cを含む支持体テープ250aは、第一スプール301a及び第二スプール302aの上に配置されている。示されている実施形態では、支持体テープ250aは、その上の複数の参照インディケーター131a,131b,131cを封止するように構成された封止テープ310aでカバーされている。
また、示された実施形態では、関連する参照インディケーター131a,131b,131cがカセット230a中の任意の針350aと整列する位置に調整されるときに支持体テープ250aの上の参照インディケーター131a,131b,131cから封止テープ310aを除去するための脱封止器320aが含まれている。
カセット230aは、上述のように、動物100のミルク試料を受け取るように構成された液体挿入連結340aを含むことができる。従って、液体挿入連結340aは、カセット230aとサービスモジュール210との間の連結インターフェースを構成し、これを通してミルク試料がサービスモジュール210の管要素を介して受け取られることができる。
図3Bは、複数の測定インディケーター132a,132b,132cを含む、一実施形態によるカセット230bを示す。
複数の測定インディケーター132a,132b,132cを含む支持体テープ250bは、第一スプール301b及び第二スプール302bの上に配置されている。示されている実施形態では、支持体テープ250bは、その上の複数の測定インディケーター132a,132b,132cを封止するように構成された封止テープ310bでカバーされている。
また、示された実施形態では、関連する測定インディケーター132a,132b,132cがカセット230b中の任意の針350bと整列する位置に調整されるときに支持体テープ250bの上の測定インディケーター132a,132b,132cから封止テープ310bを除去するための脱封止器320bが含まれている。
カセット230bは、上述のように、動物100のミルク試料を受け取るように構成された液体挿入連結340bを含むことができる。従って、液体挿入連結340bは、カセット230bとサービスモジュール210との間の連結インターフェースを構成し、これを通してミルク試料がサービスモジュール210の管要素を介して受け取られることができる。
別個のカセット(つまり、参照インディケーター131a,131b,131cのための第一カセット130aと、測定インディケーター132a,132b,132cのための第二カセット130b)を有することによる利点は、ミルク試料が参照インディケーター131及び測定インディケーター132に同時に付与されることができるということである。これは、参照インディケーター131と測定インディケーター132の間のテープ調整と共に参照インディケーター131及び測定インディケーター132の上でミルク試料の逐次的な付与を行なうことと比較して、合計の測定時間を低減する。
図4は、動物100のミルク試料中の尿素を測定するための方法400を示す。尿素測定は、例えば農場の動物100の搾乳設備110に接続された装置によってなされることができる。
動物100のミルク試料中の尿素を側定することを可能とするために、方法400は、いくつかのステップ401〜408を含むことができる。しかし、ある代替的な実施形態では、これらのステップ401〜408のいくつかは、単独で実行されることができる。さらに、記述された方法ステップ401〜408は、数字が示唆する時系列とは少し異なる時系列で実行されることができる。方法400は、以下の続くステップを含むことができる。
ステップ401は、動物100からミルク試料を抽出することを含む。ミルク試料は、代表的なミルク試料である。
ミルク試料は、動物100を搾乳するための搾乳設備110から直接抽出されることができる。
ステップ402は、ミルク試料の第一サブ試料の水酸化物イオンのレベルに基づいて、参照インディケーター131の色を調整するように構成された造塩発色物質を含浸された参照インディケーター131に、抽出された401ミルク試料の第一サブ試料を添加することを含む。
ステップ403は、参照インディケーター131の造塩発色物質を含浸され、かつ第二サブ試料の尿素を少なくとも一種の化学物質に変換し、この化学物質が次に第二サブ試料の水酸化物イオンのレベルに影響するように構成された酵素で調製された測定インディケーター132にミルク試料の第二サブ試料を添加することを含む。
一実施形態では、測定インディケーター132上で調製される酵素は、ウレアーゼなどの加水分解酵素を含むことができる。
少なくとも一種の化学物質は、アンモニアを含むことができ、第二サブ試料の水酸化物イオンのレベルはアンモニアによって増加されることができる。
一実施形態では、酵素は、しきい値レベルより低い緩衝能力を有することができる。
ステップ404は、参照インディケーター131の第一画像を捕獲することを含む。一実施形態では、第一画像は、参照インディケーター131にミルク試料の第一サブ試料を添加した後の培養時間後に捕獲される。一実施形態では、培養時間は、例えば2〜7分、4〜6分、5分などの範囲であることができる。
ステップ405は、測定インディケーター132の第二画像を捕獲することを含む。一実施形態では、第二画像は、測定インディケーター132にミルク試料の第二サブ試料を添加した後の培養時間後に捕獲される。一実施形態では、培養時間は、例えば2〜7分、4〜6分、5分などの範囲であることができる。
ステップ406は、捕獲された404第一画像の色を捕獲された405第二画像の色と比較することを含む。
ステップ407は、捕獲された404第一画像と捕獲された405第二画像の間の色差を検出することを含む。
ステップ408は、検出された407色差を動物100のミルク試料中の尿素の量に変換することを含む。
図5は、動物100のミルク試料中の尿素を測定するための装置500を示す。
装置500は、参照インディケーターであって、ミルク試料の第一サブ試料が参照インディケーターに加えられるとき、ミルク試料の第一サブ試料の水酸化物イオンのレベルに基づいて、参照インディケーターの色を調整するように構成された造塩発色物質(halochromic substance)を含浸された参照インディケーターを含む。さらに、この装置は、測定インディケーターであって、参照インディケーターの造塩発色物質を含浸され、かつミルク試料の第二サブ試料が測定インディケーターに加えられるとき、ミルク試料の第二サブ試料の尿素を少なくとも一つの化学物質に変換し、この化学物質が次に第二サブ試料の水酸化物イオンのレベルに影響するように構成された酵素で調製された測定インディケーターを含む。さらに、この装置は、参照インディケーターの第一画像及び測定インディケーターの第二画像を捕獲するように構成されたセンサーを含む。さらに、この装置は、参照インディケーターの第一画像と測定インディケーターの第二画像の間の色差を決定するように構成され、かつ決定された色差を動物のミルク試料中の尿素の量に変換するように構成された制御ユニットを含む。
一実施形態では、測定インディケーター132上で調製される酵素は、加水分解酵素を含むことができる。一実施形態では、測定インディケーター132上で調製される酵素は、ウレアーゼを含むことができる。一実施形態では、ミルク試料の第二サブ試料中の尿素を酵素が変換する化学物質は、アンモニアを含むことができ、第二サブ試料の水酸化物イオンのレベルはアンモニアによって増加されることができる。一実施形態では、酵素は、しきい値レベルより低い緩衝能力を有することができる。
装置500の一実施形態では、参照インディケーター131及び測定インディケーター132が、隔離された気候環境230内に維持されることができる。これにより、一層予測性及び信頼性の高い結果が達成されることができる。なぜなら、参照インディケーター131及び/又は測定インディケーター132の汚染の危険性が低減されるからである。
一実施形態では、参照インディケーター131が第一カセット230aに維持され、測定インディケーター132が第二カセット230bに維持されることができる。しかし、ある代替的な実施形態では、参照インディケーター131及び測定インディケーター132が共通のカセット230に維持されることができる。
さらに、一実施形態では、装置500は、ミルク試料が、動物100を搾乳するための搾乳設備110から抽出され、装置500が、搾乳設備110に接続されるように構成されることができる。
制御ユニット150は、センサー130からの情報(つまり、参照インディケーター131及び/又は測定インディケーター132の捕獲された画像)を受信するように構成された受信器510を含むことができる。
制御ユニット150はまた、コンピュータープログラムを実行するための様々な計算を行なうように構成された処理回路520を含む。
かかる処理回路520は、一つ以上の処理回路(つまり、中央処理ユニット(CPU)、処理ユニット、処理回路、プロセッサー、特定用途向け集積回路(ASIC)、マイクロプロセッサー又は命令を解釈して実行することができる他の処理論理を含むことができる。本明細書で使用される表現「プロセッサー」は、複数の処理回路(例えば、上述の例示のうちのいくつか又は全て)を含む処理回路を表わすことができる。
さらに、一実施形態では、制御ユニット150は、メモリー525を含むことができる。任意のメモリー525は、一時的な又は永久的なベースでデータ又はプログラム(つまり、一連の命令)を記憶するために利用される物理的装置を含むことができる。一実施形態では、メモリー525は、シリコンベースのトランジスターを含む集積回路を含むことができる。一実施形態では、メモリー525は、例えばメモリーカード、フラッシュメモリー、USBメモリー、ハードディスク、又は他の同様のデータを記憶するための揮発性又は不揮発性の記憶ユニット(例えば、ROM(Read−Only Memory),PROM(Programmable Read−Only Memory),EPROM(Erasable PROM),EEPROM(Electrically Erasable PROM)など)を含むことができる。
さらに、制御ユニット150は、信号送信器530を含むことができる。信号送信器530は、有線又は無線通信インターフェースを介してオペレーターの通信ユニット160に、所望によりトランシーバーを介して、及び/又はデータベース140に信号を送信するように構成されることができる。
さらに、動物100のミルク試料中の尿素の測定を実行する命令を含むコンピュータープログラムは、制御ユニット150で実行されることができる。
上述のコンピュータープログラムは、例えば、コンピューター可読媒体(つまり、制御ユニット150の一つ以上の処理回路520中に装填されたときに、一実施形態に従ってコンピュータープログラムのステップの少なくともいくつかを実行するためのコンピュータープログラムコードを担持するデータキャリア)の形で与えられることができる。データキャリアは、例えば、ハードディスク、CD ROMディスク、メモリースティック、光学記憶装置、磁気記憶装置、又は機械可読データを非一時的に保持することができるディスクやテープなどの他の好適な媒体であることができる。コンピュータープログラムはさらに、サーバー上のコンピュータープログラムコードとして与えられ、制御ユニット150に遠隔的に(例えば、インターネット又はイントラネット接続を介して)ダウンロードされることができる。
図1、図2、図3A、図3B、図4及び/又は図5に示されている実施形態又はその一部は、さらなる利点を達成するために相互に有利に組み合わせられることができる。
添付の図面に示されているような実施形態の記述において使用されている用語は、記述された装置500、方法400、カセット230、サービスモジュール210、制御ユニット150、測定インディケーター132及び/又はコンピュータープログラムを限定することを意図されない。添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の実施形態から離れることなく、様々な変化、置換、及び/又は変更を行なうことができる。
本明細書で使用される用語「及び/又は」は、関連するリストに挙げられた項目の一つ以上のいかなる及び全ての組み合わせを含む。本明細書で使用される用語「又は」は、明記されない限り数学的なOR(つまり、包括的な分離)として解釈されるべきであり、数学的な排他的OR(XOR)として解釈されるべきでない。加えて、単数形「a」、「an」及び「the」は、「少なくとも一つの」として解釈されるべきであり、従って、明記されない限り同じ種類の複数の実体を含むことがあり得る。さらに、用語「含む」(「includes」、「comprises」、「including」及び/又は「comprising」)は、述べられた特徴、行動、整数、ステップ、操作、要素、及び/又は成分の存在を特定するが、一つ以上の他の特徴、行動、整数、ステップ、操作、要素、成分、及び/又はそれらの群の存在又は追加を除外しない。例えばプロセッサーなどの単数のユニットは、特許請求の範囲において言及されたいつくかの項目の機能を満たすことができる。特定の測定値又は特徴が相互に異なる従属項において言及されていたり、異なる図において示されていたり、又は異なる実施形態との関連で論じられていたりするという事実は、これらの測定値又は特徴の組み合わせが有利に使用できないということを示さない。コンピュータープログラムは、他のハードウェアと共に又はその一部として供給された安定な媒体(例えば、光学的記憶媒体又は固体的状態媒体)上に、記憶又は分散されることができるが、インターネット又は他の有線もしくは無線通信システムなどを介して他の形で分散されることもできる。