本願の実施形態はアンテナ装置及びビーム調整方法を提供し、これによりビーム調整の柔軟性を効果的に改善する。
本願の実施形態の第1態様は、アンテナ・アレイと調整可能な位相シフタとを含み得るアンテナ装置を提供する。
アンテナ装置のアンテナ・アレイは複数のアンテナ・エレメントを含み、アンテナ・アレイは複数のビームを生成するように構成される。アンテナ・アレイにより生成される複数のビームは第1ビーム・グループ又は第2ビーム・グループであり、アンテナ・アレイの中のアンテナ・エレメントの各行において、同じRFチャネルに属するアンテナ・エレメントは、M個のアンテナ・エレメントにより隔てられている。ここで、Mは同じRFチャネルに属するアンテナ・エレメント間のインターバル・ステップとして事実上考えられてよいことに留意すべきである。例えば、アンテナ・エレメントのうちの同じ行に対応するアンテナ・エレメント・シーケンス番号が「1,5,9,13,1,5,9,及び13」である場合に、2つの「アンテナ・エレメント1」は、4インターバル・ステップにより隔てられている。従って、2つの「アンテナ・エレメント1」は4アンテナ・エレメントにより隔てられていると考えられる。カウントするルールは、ターゲットのアンテナ・エレメントが数えられることを必要とすることであり、ターゲットのアンテナ・エレメントは具体的には同じシーケンス番号を有する第2アンテナ・エレメントである。Mは、第1グループにおけるビームの数と第2グループにおけるビームの数とを決定するために使用されることが可能であり、Mは1より大きな整数である。
調整可能な位相シフタがアンテナ・アレイに接続され、調整可能な位相シフタは、通常、電力スプリッタを利用することによりアンテナ・アレイのアンテナ・ポートに接続されてもよい。調整可能な位相シフタが第1角度にある場合、アンテナ・アレイは第1ビーム・グループを生成する。同様に、調整可能な位相シフタが第2角度にある場合、アンテナ・アレイは第2ビーム・グループを生成する。
アンテナ・アレイのアンテナ・ポートはアンテナ及びRFチャネルに接続するように構成される。1つのアンテナ・ポートは、少なくとも1つの物理送信アンテナのポートであってもよいし、あるいは複数の物理送信アンテナの結合ポートであってもよい。
本願のこの実施形態で提供されるアンテナ装置は、水平方向において複数のビームを形成し、調整可能な位相シフタを利用することによりビームをグループ化することができ、その結果、異なる通信状況に基づいて、対応するビーム・グループを選択することが可能になり、これによりビーム調整の柔軟性を効果的に改善できることを学ぶことができる。
可能な設計において、本願の実施形態の第1態様の第1実装において、調整可能な位相シフタは1ビット調節可能位相シフタである。1ビット調節可能位相シフタは様々な構造におけるもの、例えば1ビット弓形位相シフタ、1ビット・スライディングU字状位相シフタ、又は1ビット誘電体スライディング位相シフタであってもよい。
本願において、1ビット調整可能位相シフタにより調整され得る角度は0°及び180°である。しかしながら、2つの角度は代替的に実際の状況に基づいて調整されることが可能であり、例えば90°及び270°に調整されてもよいし、あるいは45°及び225°に調整されてもよい。第1角度が0°であり、第2角度が180°である例が本願を説明するために使用されるが、本願における限定を構成しない。
調整可能な位相シフタが具体的には1ビット調整可能位相シフタであるケースが、本願のこの実施形態で説明されることを学ぶことができる。1ビット調整可能位相シフタは、第1ビーム・グループ及び第2ビーム・グループ間で更に自由に切り替わるように、2つの角度の間で切り替わることができ、これによりビーム調整の柔軟性を効果的に改善する。
選択的に、本願における調整可能な位相シフタは代替的にマルチ・ビット位相シフタであってもよい。マルチ・ビット位相シフタは、例えば2ビット位相シフタのような1より多いビットを有する位相シフタであり、例えば0°、90°、180°及び270°のような4状態を含む。マルチ・ビット位相シフタを利用することによりビーム調整を実行する方法及び装置は、1ビット位相シフタを利用することによりビーム調整を実行する方法及び装置に類似する。詳細はここで再び説明されない。マルチ・ビット位相シフタを利用することにより、より多くのビーム・グループが取得されることが可能であり、その結果、ビーム調整はより柔軟になる。
可能な設計において、本願の実施形態の第1態様の第2実装において、水平方向のベースバンド・ウェイトがアンテナ・アレイのために設定される。水平方向のベースバンド・ウェイトは、ベースバンド信号における振幅及び位相変換を実行し、ベースバンド信号のRFチャネルへのマッピングを完了することとして理解されてもよい。アンテナ・アレイについて水平方向のベースバンド・ウェイトを設定することは、アレイ内の各アンテナ・エレメントについて水平方向のベースバンド・ウェイトを設定することであることに留意すべきである。水平方向におけるアンテナ・アレイのベースバンド・ウェイトは、水平方向における各アンテナ・エレメントに対応するベースバンド・ウェイトを含み、水平方向におけるアンテナ・アレイのベースバンド・ウェイトは、水平方向における、ビームのビーム属性を決定するために使用される。水平方向における、ビームのビーム属性は、主に、水平方向におけるビームの方位及び形状を含む。言い換えれば、水平方向におけるビームの形状及びビームの方位は、アンテナ・エレメントの配置方法とアンテナ・エレメントに対応する水平方向のベースバンド・ウェイトとに基づいて決定され得る。水平方向のベースバンド・ウェイトは、具体的には、水平方向におけるビーム属性であって第1ビーム・グループ内のビームに対応するビーム属性、又は水平方向におけるビーム属性であって第2ビーム・グループ内のビームに対応するビーム属性を決定するために使用され得る。
上記の方法において、水平方向で同じRFチャネルの2つのアンテナ・エレメントを隔てるアンテナ・エレメント数は、形成されるビームの数を決定するように設定されることが可能であり、それによりビーム調整の柔軟性を改善し得ることを学ぶことができる。更に、ビームの水平方位、形状等は、水平方向におけるベースバンド・ウェイトに基づいて決定され、その結果、アンテナ装置の柔軟性は更に高められる。
可能な設計において、本願の実施形態の第1態様の第3実装において、水平方向におけるベースバンド・ウェイトは、隣接するアンテナ・エレメント間の間隔M及び所定のビーム方位レンジに基づいて決定され、隣接するアンテナ・エレメント間の間隔は、水平方向における2つの隣接するアンテナ・エレメント間の間隔距離である。本願で提供されるアンテナ装置は、アンテナ・エレメント間の線形な位相関係と周期的な位相変化特性とを利用することにより、複数の指向性ビームを生成することができる。より大きなMの値は、相応して生成され得るより多くのビーム数を示す。Mは同じチャネルの水平アンテナ・エレメントを隔てるアンテナ・エレメント数を表現するので、同じRFチャネルの水平方向における2つのアンテナ・エレメント間の距離は、可能な限り大きいことを要する。
所定のビーム方位レンジは、水平方向における所定のビームの方位レンジである。
従って、本願のこの実施形態において、水平方向のベースバンド・ウェイトを決定する方法は、ソリューションの実用性及び実現可能性を高めるように説明される。
本願の実施形態の第1態様の第4実装において、アンテナ装置は固定位相シフタを更に含んでもよい。
固定位相シフタもアンテナ・アレイに接続される。違いは、ここでの固定位相シフタは第1ビーム・グループ又は第2ビーム・グループの垂直方向角度を設定する点にある。
従って、本願のこの実施形態において、アンテナ装置は固定位相シフタを更に含んでもよく、固定位相シフタは第1ビーム・グループ内のビーム又は第2ビーム・グループ内のビームの垂直方向角度を設定することができる。ビームの調整可能なレンジは垂直角度では比較的小さいので、固定位相シフタは、小さなレンジでビームを細かく調整するように選択されることが可能であり、これによりビーム調整精度を改善する。更に、固定位相シフタは、第1ビーム・グループ及び第2ビーム・グループの多重化レートを改善するように更に選択されることが可能である。
可能な設計において、本願の実施形態の第1態様の第5実装において、アンテナ・アレイはアンテナ・エレメントの複数の列を含み、アンテナ・エレメントの各列は複数のアンテナ・エレメントを更に含む。各アンテナ・エレメントは垂直方向における対応するベースバンド・ウェイトを有するべきであることが理解され得る。垂直方向におけるアンテナ・アレイのベースバンド・ウェイトは、垂直方向における各アンテナ・エレメントのベースバンド・ウェイトを含み、垂直方向におけるアンテナ・アレイのベースバンド・ウェイトは、垂直方向におけるビームのビーム属性を決定するために使用される。言い換えれば、垂直方向におけるベースバンド・ウェイトは、垂直方向におけるビーム属性であって第1ビーム・グループ内のビームに対応するビーム属性を決定するために使用され、あるいは垂直方向におけるビーム属性であって第2ビーム・グループ内のビームに対応するビーム属性を決定するために使用される。
垂直方向におけるベースバンド・ウェイトは、ベースバンド信号のRFチャネルへのマッピングとして理解されてもよい。垂直方向におけるビーム属性であってビームに対応するビーム属性は、主に、垂直方向におけるビームの方位及び形状を含む。言い換えれば、垂直方向におけるビームの形状及び垂直方向におけるビームの方位は、アンテナ・エレメントの配置方法と垂直方向におけるベースバンド・ウェイトとに基づいて決定されてもよい。
更に、上記の方法において、垂直方向におけるアンテナ・エレメントのベースバンド・ウェイトは、垂直方向におけるビーム属性であってビームに対応するビーム属性を決定するために使用されてもよく、それによりビーム調整の柔軟性を改善する。
可能な設計において、本願の実施形態の第1態様の第6実装において、垂直方向におけるベースバンド・ウェイトの位相と固定位相角との間に関連関係が存在し、固定位相角は垂直方向における同じRFチャネルでの2つの隣接するアンテナ・エレメント間の位相差である。
同じRFチャネルで駆動される垂直面における2つのアンテナ・エレメント間の位相差は固定位相差であり、同じRFチャネルで駆動される垂直面における2つのアンテナ・エレメントを隔てるN個のアンテナ・エレメントが存在すると仮定する。Nの異なる値が存在する場合、垂直方向における各アンテナ・エレメントのベースバンド・ウェイトは固定位相差に基づいて計算される。実際のベースバンド・ウェイトの位相と理想的なベースバンド・ウェイトの位相との間の差異を最小化するために、適切な固定位相差が選択されることを要する。
尚更に、本願のこの実施形態において、同じRFチャネルで駆動される垂直面におけるアンテナ・エレメント間の距離は、垂直方向におけるベースバンド・ウェイトの位相と固定位相角との間の関連関係に基づいて可能な限り小さいことを要する。この結論がアンテナ装置の設計に適用され、その結果、実際のウェイトの位相と理想的なウェイトの位相との間の差異は最小になり、そのため信号送受信品質を改善する。
可能な設計において、本願の実施形態の第1態様の第7実装において、アンテナ・アレイ内のアンテナ・エレメントの各列は第1アンテナ・エレメント・グループ、及び第2アンテナ・エレメント・グループを含む。アンテナ・エレメントの1列が、例えばアンテナ・エレメントのうちの例示的な第1列として使用される。アンテナ・エレメントの第1列は第1アンテナ・エレメント・グループと第2アンテナ・エレメント・グループとを含む。第1アンテナ・エレメント・グループは第1アンテナ・エレメントと第2アンテナ・エレメントとを含む。第1アンテナ・エレメントはアンテナ・アレイ内の第1行に対応する第1アンテナ・エレメントであってもよく、第2アンテナ・エレメントはアンテナ・アレイ内の第2行に対応する第1アンテナ・エレメントであってもよい。説明を容易にするために、第1アンテナ・エレメントはa11として命名されてもよく、第2アンテナ・エレメントはa21として命名されてもよい。同様に、第2アンテナ・エレメント・グループは第3アンテナ・エレメントと第4アンテナ・エレメントとを含む。第3アンテナ・エレメントはアンテナ・アレイ内の第3行に対応する第1アンテナ・エレメントであってもよく、第4アンテナ・エレメントはアンテナ・アレイ内の第4行に対応する第1アンテナ・エレメントであってもよい。第3アンテナ・エレメントはa31として命名されてもよく、第4アンテナ・エレメントはa41として命名されてもよい。第1アンテナ・エレメント・グループ内のアンテナ・エレメント双方は第1RFチャネルに接続され、第2アンテナ・エレメント・グループ内のアンテナ・エレメント双方は第2RFチャネルに接続される。
アンテナ・エレメントの第1列において、第1アンテナ・エレメント(a11)及び第2アンテナ・エレメント(a21)は隣接しており、第3アンテナ・エレメント(a31)及び前記第4アンテナ・エレメント(a41)は隣接している。同様に、アンテナ・エレメントの他の列において、垂直方向で同じRFチャネルに属するアンテナ・エレメントも隣接して配置される。
尚更に、アンテナ・アレイのトポロジ構造が本願のこの実施形態で詳細に説明される。要するに、アンテナ・アレイにおいて、同じRFチャネルで駆動される複数のアンテナ・アレイ間の距離は、水平方向で可能な限り大きいことを必要とし、アンテナ・エレメントは垂直方向において隣接して配置される。上記の配置方法において、複数のビームが水平方向において形成されることが可能であり、1ビット調整可能位相シフタを利用することによりビームのグルーピングが完了し、第1ビーム・グループ及び第2ビーム・グループ内の双方のビームは高いアイソレーションを有する。位相は垂直方向において理想的な位相により近接することができ、それによりビーム品質を改善することができる。
可能な設計において、本願の実施形態の第1態様の第8実装において、第1アンテナ・エレメント列はa1として命名されてもよい。同様に、第2アンテナ・エレメント列はa5として命名されてもよい。第1アンテナ・エレメント列(a1)において第1アンテナ・エレメントはa11として命名されてもよく、第2アンテナ・エレメントはa21として命名されてもよい。第2アンテナ・エレメント列(a5)において、第5アンテナ・エレメントはa15として命名されてもよく、第6アンテナ・エレメントはa25として命名されてもよい。
第1アンテナ・エレメント(a11)、第2アンテナ・エレメント(a21)、第5アンテナ・エレメント(a15)、及び第6アンテナ・エレメント(a25)は全て同じRFチャネルに接続され得る。同じRFチャネルで駆動される4つのアンテナ・エレメント間の接続関係は、次のように示される:水平方向におけるアンテナ・エレメント間の位相差は1ビット調整可能位相シフタを利用することにより実装されてもよく、垂直方向におけるアンテナ・エレメント間の位相差は固定位相シフタを利用することにより実装されてもよい。
尚更に、本願のこの実施形態において、4つのアンテナ・エレメントが1つのRFチャネルで駆動されてもよく、これによりRFチャネル数を削減し、マルチ・ビーム・システムの複雑性及びコストを削減することができる。
可能な設計において、本願の実施形態の第1態様の第9実装において、アンテナ・アレイの第1アンテナ・エレメント列(b1)は、第1アンテナ・エレメント・グループ及び第2アンテナ・エレメント・グループを含む。アンテナ・アレイの第1列が第1アンテナ・エレメント列であると仮定する。説明を容易にするため、第1アンテナ・エレメント列はb1として命名されてもよく、第1アンテナ・エレメント列(b1)は第1アンテナ・エレメント・グループ及び第2アンテナ・エレメント・グループを含む。第1アンテナ・エレメント・グループは第1アンテナ・エレメント及び第2アンテナ・エレメントを含む。第1アンテナ・エレメントはアンテナ・アレイ内の第1行に対応する第1アンテナ・エレメントであってもよく、第2アンテナ・エレメントはアンテナ・アレイ内の第2行に対応する第1アンテナ・エレメントであってもよい。説明を容易にするため、第1アンテナ・エレメントはb11として命名されてもよく、第2アンテナ・エレメントはb21として命名されてもよい。同様に、第2アンテナ・エレメント・グループは第3アンテナ・エレメント及び第4アンテナ・エレメントを含む。第3アンテナ・エレメントはアンテナ・アレイ内の第3行に対応する第1アンテナ・エレメントであってもよく、第4アンテナ・エレメントはアンテナ・アレイ内の第4行に対応する第1アンテナ・エレメントであってもよい。第3アンテナ・エレメントはb31として命名されてもよく、第4アンテナ・エレメントはb41として命名されてもよい。第1アンテナ・エレメント・グループ内のアンテナ・エレメント双方は第1RFチャネルに接続され、第2アンテナ・エレメント・グループ内のアンテナ・エレメント双方は第2RFチャネルに接続される。
アンテナ・エレメントの第1列(b1)において、第1アンテナ・エレメント(b11)及び第2アンテナ・エレメント(b21)は隣接しており、第3アンテナ・エレメント(b31)及び第4アンテナ・エレメント(b41)は隣接している。同様に、アンテナ・エレメントの他の列において、垂直方向で同じRFチャネルに属するアンテナ・エレメントも隣接して配置される。
尚更に、アンテナ・アレイの別のトポロジ構造が本願のこの実施形態で詳細に説明される。要するに、アンテナ・アレイにおいて、同じRFチャネルで駆動される複数のアンテナ・アレイ間の距離は、水平方向で可能な限り大きいことを必要とし、アンテナ・エレメントは垂直方向において隣接して配置される。上記の配置方法において、複数のビームが水平方向において形成されることが可能であり、1ビット調整可能位相シフタを利用することによりビームのグルーピングが完了し、第1ビーム・グループ及び第2ビーム・グループ内の双方のビームは高いアイソレーションを有する。位相は垂直方向において理想的な位相により近接することができ、それによりビーム品質を改善することができる。
可能な設計において、本願の実施形態の第1態様の第10実装において、第1アンテナ・エレメント列はb1として命名されてもよい。同様に第2アンテナ・エレメント列はb6として命名されてもよい。第1アンテナ・エレメント列(b1)において、第1アンテナ・エレメントはb11として命名されてもよく、第2アンテナ・エレメントはb21として命名されてもよい。第2アンテナ・エレメント列(b5)において、第5アンテナ・エレメントはb16として命名されてもよく、第6アンテナ・エレメントはb26として命名されてもよい。
第1アンテナ・エレメント(b11)、第2アンテナ・エレメント(b21)、第5アンテナ・エレメント(b16)、及び第6アンテナ・エレメント(b26)は全て同じRFチャネルに接続される。
尚更に、本願のこの実施形態において、4つのアンテナ・エレメントが1つのRFチャネルで駆動されてもよく、これによりRFチャネル数を削減し、マルチ・ビーム・システムの複雑性及びコストを削減することができる。更に、RFチャネルで駆動される水平方向における2つのアンテナ・エレメント間の水平距離はより大きくなり、その結果、より多くのビームが存在し、ビーム調整がより柔軟になる。
可能な設計において、本願の実施形態の第1態様の第11実装において、第3アンテナ・エレメント列はb4と命名されてもよい。第3アンテナ・エレメント列(b4)は第3アンテナ・エレメント・グループを含み、第3アンテナ・エレメント・グループは第3RFチャネルに接続され、及び第3アンテナ・エレメント・グループは第7アンテナ・エレメント、第8アンテナ・エレメント、第9アンテナ・エレメント、及び第10アンテナ・エレメントを含む。説明を容易にするために、第7アンテナ・エレメントはb14として命名されてもよく、第8アンテナ・エレメントはb24として命名されてもよく、第9アンテナ・エレメントはb34として命名されてもよく、第10アンテナ・エレメントはb44として命名されてもよい。
第7アンテナ・エレメント(b14)、第8アンテナ・エレメント(b24)、第9アンテナ・エレメント(b34)、及び第10アンテナ・エレメント(b44)は全て同じRFチャネルに接続されている。
尚更に、本願のこの実施形態において、アンテナ・エレメントの同じ列において、4つのアンテナ・エレメントも1つのRFチャネルで駆動されてもよく、これによりRFチャネル数を削減し、マルチ・ビーム・システムの複雑性及びコストを削減することができる。
可能な設計において、本願の実施形態の第1態様の第12実装において、アンテナ・アレイ内のアンテナ・エレメントの各列は第1アンテナ・エレメント・グループ、及び第2アンテナ・エレメント・グループを含む。アンテナ・エレメントの第1列が具体例として使用される。アンテナ・エレメントの第1列は第1アンテナ・エレメント・グループ、及び第2アンテナ・エレメント・グループを含む。第1アンテナ・エレメント・グループは複数の第1アンテナ・エレメントを含み、第2アンテナ・エレメント・グループは複数の第2アンテナ・エレメントを含む。第1アンテナ・エレメントはアンテナ・アレイ内の第1行に対応する第1アンテナ・エレメントであってもよく、第2アンテナ・エレメントはアンテナ・アレイ内の第2行に対応する第1アンテナ・エレメントであってもよい。説明を容易にするために、第1アンテナ・エレメントはc11として命名されてもよく、第2アンテナ・エレメントはc21として命名されてもよい。第1アンテナ・エレメント・グループ内の第1アンテナ・エレメントは全て第1RFチャネルに接続され、第2アンテナ・エレメント・グループ内の第2アンテナ・エレメントは全て第2RFチャネルに接続される。
アンテナ・エレメントの第1列において、第1アンテナ・エレメント(c11)及び第2アンテナ・エレメント(c21)は隣接している。同様に、アンテナ・エレメントの他の列において、垂直方向で同じRFチャネルに属するアンテナ・エレメントも交互に配置される。言い換えれば、同じRFチャネルで駆動されるアンテナ・エレメントは水平方向では隣接せず、垂直方向において交互に配置される。
尚更に、アンテナ・アレイの更に別のトポロジ構造が本願のこの実施形態で詳細に説明される。要するに、アンテナ・アレイにおいて、水平方向において2つのアンテナ・アレイが同じRFチャネルで駆動されることができ、垂直方向において複数のアンテナ・エレメントが同じRFチャネルで駆動されることができる。水平方向において同じRFチャネルで駆動される2つのアンテナ要素は隣接しておらず、垂直方向において2つのRFチャネルで駆動されるアンテナ要素は交互に配置される。上記の配置方法において、複数のビームが水平方向において形成されることが可能であり、1ビット調整可能位相シフタを利用することによりビームのグルーピングが完了し、第1ビーム・グループ及び第2ビーム・グループ内の双方のビームは高いアイソレーションを有する。複数のアンテナ・エレメントが同じRFチャネルで駆動される方法が垂直方向において使用され、それによりRFチャネル数を大幅に削減し、システムの複雑性及びコストを削減する。更に、垂直方向において固定位相シフタが更に使用され、各RFチャネルのダウンチルトが独立して調整されることが可能であり、それによりソリューションの柔軟性を改善する。
可能な設計において、本願の実施形態の第1態様の第13実装において、第1アンテナ・エレメント列(c1)内の第1アンテナ・エレメント(c11)及び第2アンテナ・エレメント列(c5)内の第3アンテナ・エレメント(c15)は同じRFチャネルに接続されてもよい。同様に、第1アンテナ・エレメント列(c1)内の第2アンテナ・エレメント(c21)及び第2アンテナ・エレメント列(c5)内の第4アンテナ・エレメント(c25)は同じRFチャネルに接続される。
同じRFチャネルで駆動される複数のアンテナ・エレメント間の接続関係は次のように示される:水平方向におけるアンテナ・エレメント間の位相差は1ビット調整可能位相シフタを利用することにより実装されてもよく、垂直方向におけるアンテナ・エレメント間の位相差は固定位相シフタを利用することにより実装されてもよい。更に、垂直方向において2つのRFチャネルが存在し、各RFチャネルで形成されるビームの電気的なダウンチルトは独立して調整されることが可能である。
尚更に、本願のこの実施形態において、複数のアンテナ・エレメントが1つのRFチャネルで駆動されてもよく、それによりRFチャネル数を大幅に削減し、マルチ・ビーム・システムのコストを削減することができる。
本願の実施形態の第2態様はビーム調整方法を提供する。方法は主にアンテナ装置に適用される。アンテナ装置は第1態様で説明されたものと同じである。詳細はここで再び説明されない。ビーム調整方法は具体的には以下を含む:
アンテナ装置の調整可能な位相シフタが第1角度にある場合に、アンテナ・アレイは第1ビーム・グループを生成する。同様に、アンテナ装置の調整可能な位相シフタが第2角度にある場合に、アンテナ・アレイは第2ビーム・グループを生成する。
可能な設計において、本願の実施形態の第2態様の第1実装において、ビーム調整方法で使用される調整可能な位相シフタは具体的には1ビット調整可能位相シフタであってもよい。1ビット調整可能位相シフタ及び調整可能な位相シフタの説明は第1態様におけるものと同じである。詳細はここで再び説明されない。
可能な設計において、本願の実施形態の第2態様の第2実装において、ビーム調整方法は以下のステップ:
アンテナ・アレイのために水平方向におけるベースバンド・ウェイトを設定するステップを更に含んでもよい。ここで、水平方向におけるベースバンド・ウェイトは、ベースバンド信号における振幅及び位相変換を実行し、ベースバンド信号のRFチャネルへのマッピングを完了することとして理解されてもよい。
例えば、水平方向におけるベースバンド・ウェイトはアンテナ・アレイのためにベースバンドにより設定されてもよい。
従って、水平方向におけるビーム属性であって第1ビーム・グループ内のビームに対応するビーム属性、又は水平方向におけるビーム属性であって第2ビーム・グループ内のビームに対応するビーム属性が、ベースバンド・ウェイトに基づいて決定されてもよい。水平方向におけるビーム属性であってビームに対応するビーム属性は、主に、水平方向におけるビームの方位及び形状を含む。言い換えれば、水平方向におけるビームの形状及びビームの方位は、アンテナ・エレメントの配置方法とアンテナ・エレメントに対応する水平方向のベースバンド・ウェイトとに基づいて決定され得る。可能な設計において、本願の実施形態の第2態様の第3実装において、水平方向における、アンテナ・アレイのためにアンテナ装置により設定されるベースバンド・ウェイトは、隣接するアンテナ・エレメント間の間隔M及び所定のビーム方位レンジに基づいて決定され得る。隣接するアンテナ・エレメント間の間隔は、水平方向における2つの隣接するアンテナ・エレメント間の間隔距離であり、Mは水平方向における同じRFチャネルにおける2つのアンテナ・チャネルを隔てるアンテナ・エレメント数である。所定のビーム方位レンジは水平方向における所定のビームの方位レンジである。
本願で提供されるアンテナ装置は、アンテナ・エレメントと周期的な位相変化特性との間の線形な位相関係を利用することにより本質的に複数の指向性ビームを生成することが可能である。より大きなMの値は、相応して生成され得るより多くのビーム数を示す。Mは同じRFチャネルの水平アンテナ・エレメントを隔てるアンテナ・エレメント数を表現するので、同じRFチャネルの水平方向における2つのアンテナ・エレメント間の距離は、可能な限り大きいことを要する。
可能な設計において、本願の実施形態の第2態様の第4実装において、アンテナ装置は以下のステップ:
第1ビーム・グループ内のビーム又は第2ビーム・グループ内のビームの垂直方向角度を設定するステップを更に実行してもよい。ここで、ビームの調整の仕方は、固定位相シフタを利用することにより垂直方向角を設定することである。
可能な設計において、本願の実施形態の第2態様の第5実装において、アンテナ装置は以下のステップ:アンテナ・アレイのために垂直方向におけるベースバンド・ウェイトを設定するステップ、そして以後に、垂直方向におけるアンテナ・アレイのベースバンド・ウェイトに基づいて、垂直方向におけるビーム属性であって第1ビーム・グループ内のビームに対応するビーム属性、又は垂直方向におけるビーム属性であって第2ビーム・グループ内のビームに対応するビーム属性を決定するステップを更に実行してもよい。
例えば、垂直方向におけるベースバンド・ウェイトはアンテナ・アレイのためにベースバンドにより設定されてもよい。
垂直方向におけるベースバンド・ウェイトは、ベースバンド信号のRFチャネルへのマッピングとして理解されてもよいことが理解され得る。垂直方向におけるビーム属性であってビームに対応するビーム属性は、主に、垂直方向におけるビームの方位及び形状を含む。言い換えれば、垂直方向におけるビームの形状及び垂直方向におけるビームの方位は、アンテナ・エレメントの配置方法と垂直方向におけるベースバンド・ウェイトとに基づいて決定されてもよい。
可能な設計において、本願の実施形態の第2態様の第6実装において、垂直方向におけるベースバンド・ウェイトの位相と固定位相角との間に関連関係が存在し、固定位相角は垂直方向における同じRFチャネルでの2つの隣接するアンテナ・エレメント間の位相差である。
同じRFチャネルで駆動される垂直面における2つのアンテナ・エレメント間の位相差は固定位相差であり、同じRFチャネルで駆動される垂直面における2つのアンテナ・エレメントを隔てるN個のアンテナ・エレメントが存在すると仮定する。Nの異なる値が存在する場合、垂直方向における各アンテナ・エレメントのウェイトの位相は固定位相差に基づいて計算される。実際のウェイトの位相と理想的なウェイトの位相との間の差異を最小化するために、適切な固定位相差が選択されることを要する。
可能な設計において、本願の実施形態の第2態様の第7実装において、3つのトポロジ構造が方法により提供される。具体的な説明は第1態様におけるものと同じである。詳細はここで再び説明されない。
第3態様によれば、本願の実施形態は、プロセッサと、メモリと、バスと、通信インターフェースとを含むコンピュータ・デバイスを提供する。メモリは、コンピュータ実行命令を保存するように構成され、プロセッサはバスを利用することによりメモリに接続され、サーバーが動作する場合に、プロセッサはメモリに保存されているコンピュータ実行命令を実行し、その結果、サーバーは上記の態様の任意の1つの方法を実行する。
第4態様によれば、本願の実施形態は、上記の方法で使用されるコンピュータ・ソフトウェア命令を保存するように構成されるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。コンピュータ・ソフトウェア命令がコンピュータで実行されると、コンピュータは上記の態様の任意の1つの方法を実行することができる。
第5態様によれば、本願の実施形態は命令を含むコンピュータ・プログラム・プロダクトを提供する。コンピュータ・プログラム・プロダクトがコンピュータで実行されると、コンピュータは上記の任意の態様の方法を実行することができる。
なお、第2態様ないし第5態様の任意の設計方式によりもたらされる技術的効果については、第1態様の様々な設計方式によりもたらされる技術的効果を参照されたい。詳細はここで再び説明されない。
本願の実施形態はアンテナ装置及びビーム調整方法を提供し、これによりビーム調整の柔軟性を効果的に改善する。
本願の明細書、特許請求の範囲、及び添付図面において、用語「第1」、「第2」、「第3」、「第4」等(存在する場合)は、類似するオブジェクト同士を区別するように意図されているが、必ずしも特定の順序又は順番を示すとは限らない。そのような方法で使用されるデータは適切な状況では可換であり、その結果、本願で説明される本願の実施形態は、本願で図示又は説明される順序以外の順序で実現され得ることが理解されるべきである。更に、用語「含む」、「有する」及び何らかの他の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意味し、例えば一連のステップ又はユニットを含むプロセス、方法、システム、プロダクト、又はデバイスは、これらの明示的に列挙されたステップ又はユニットに必ずしも限定されず、そのようなプロセス、方法、システム、プロダクト、又はデバイスに対して明示的に列挙されていない又はそれらに本質的な他のステップ又はユニットを含み得る。
本願の実施形態の技術的ソリューションは様々な通信システム、例えば移動通信用グローバルシステム(global system of mobile communication,GSM)、符号分割多元接続(code division multiple access, CDMA)システム、ワイドバンド符号分割多元接続(wideband code division multiple access,WCDMA)システム、ゼネラル・パケット無線サービス(general packet radio service,GPRS)、ロング・ターム・エボリューション (long term evolution,LTE)システム、LTE周波数分割複信(frequency division duplex,FDD)システム、LTE時分割複信(time division duplex,TDD)システム、ユニバーサル移動通信システム(universal mobile telecommunication system,UMTS)、マイクロ波アクセスに関する世界標準(worldwide interoperability for microwave access,WiMAX)通信システム、又は第5世代(5th−generation,5G)移動通信技術に適用され得ることが理解されるべきである。特定の通信システムは本願の実施形態において限定されないことに留意すべきである。
本願の実施形態はHBFのアーキテクチャに適用され得ることが理解されるべきである。図2は本願の実施形態によるHBFのアーキテクチャの概略図である。図示されているように、SKは送信されるべきデータ・ストリームを表し、全部でNS個のストリームが存在する。データ・ストリームは、重み付けマトリクスWBBを利用することによりNRF個の無線周波数チャネルにマッピングされ、無線周波数チャネルのデータは重み付けマトリクスWRFを利用することによりNT個のアンテナ・エレメントにマッピングされる。ディジタル重み付けによりベースバンドでWBBが形成され、アンテナ・ネットワーク・ハードウェアを利用することによりWRFが形成されるので、このビームフォーミング方式はハイブリッド・ビームフォーミング、即ちHBFとして言及される。HBFはフル・ディジタル・ビームフォーミング、即ちDBFに関連する。DBFのフォーミング・プロセスはベースバンドでディジタル方式で完全に実現される。無線周波数チャネルとアンテナとの間に追加的な無線周波数フィーダー・ネットワークは存在しない。従って、NRF=NTである。従って、DBFと比較すると、無線周波数チャネルの数は、HBFにより効果的に削減されることが可能であり、これによりシステムの複雑性及びコストを削減する。
HBFはアンテナ・アレイ・ベースの信号処理技術であり、無線周波数フィーダー・ネットワーク重み付けとディジタル・ベースバンド重み付けとの双方により一緒にビームを形成するために2つのレベルのビームフォーミングを実行する方法であり、これにより波数ドメイン通信を実行することが理解され得る。RFチャネルの次元削減はHBFにより実現され、その結果、システムの複雑性及びコストは効果的に削減され得る。HBFはマルチ・アンテナ分野における主要な技術の1つである。アンテナ・アレイ内の各アンテナ・エレメントの重み付け係数はHBFにより調整され、指向性ビームが生成され、その結果、明らかなアレイ・ゲインが獲得され得る。従って、HBF技術はカバレッジ・エリアを拡大し、エッジ・スループットを改善し、干渉を抑圧する等々の多大な利点を有する。ビームフォーミングによりもたらされる空間選択性に起因して、ビームフォーミングと空間分割多元接続(space division multiple access,SDMA)との間に密接な関係がある。実際のシステムに適用されるHBF技術は、例えばリンク品質改善(カバレッジ・エリアの拡大、又はユーザー・スループットの増加)又はマルチユーザー問題に関する改善(例えば、セル・スループット、及び干渉相殺)に焦点を当てる等の様々な目的を有し得る。
マルチ・ビーム・システムのアーキテクチャが本願では設計されており、その結果、システムの複雑性が削減され得る。このアーキテクチャでは、システム自由度を向上させるために、調整可能な位相シフタが追加され、それによりシステム・パフォーマンスを改善する。しかしながら、実際のアプリケーションでは、本願は制限なしにHBFの状況に適用される。説明を容易にするために、以下、HBFが説明用の具体例として使用されるが、本願の限定として解釈されるべきではない。
図3は本願の実施形態によるマルチ・ビーム・システムのアーキテクチャの概略図である。図に示されているように、アンテナ装置はマルチ・ビーム・システムのアーキテクチャに配備されている。垂直方向及び水平方向におけるヘテロジニアス・サブアレイ・トポロジ・アーキテクチャがアンテナ構造及びトポロジで使用されている。ヘテロジニアス・サブアレイ・トポロジ・アーキテクチャのエレメント配置原理は次のとおりである:水平方向において同じRFチャネルで駆動されるエレメントは隣接せず、垂直方向において同じRFチャネルで駆動されるエレメントは隣接し、あるいは垂直方向において2つのRFチャネルで駆動されるエレメントは交互に配置される。RFチャネルとアンテナとの間の無線周波数フィーダー・ネットワークにおいて、調整可能な位相シフタのみが水平方向において使用され、エレメント間の線形位相の周期的なホッピング特性が、ビームのグルーピング及びスイッチングを完了するために使用され、垂直方向において固定位相因子が使用される。
ディジタル・ベースバンド信号の伝送はディジタル通信システムの重要な構成部分のうちの1つである。ベースバンド信号は、ベースバンド信号がチャネルでの伝送に相応しくなり得るように、通常、変換されることを要する。しかしながら、ベースバンド・プリコーダは、伝送システムの要件を満たすように、ベースバンド信号の符号化ルールに従ってベースバンド信号を主にエンコードするかもしれない。信号は、RFチャネルを通過する場合に特定の度合いの歪みを有し、歪みは線形歪みと非線形歪みに分類され得る。歪みは、フィルタ等の受動コンポーネントや、電力増幅器(power amplifier,PA)及び周波数ミキサ等の能動コンポーネントにより主に引き起こされる。更に、幾らかの加法性ノイズ及び乗算性ノイズもまたRFチャネルに導入される。
本願で提供されるアンテナ装置及びビーム調整方法は、単一偏波アンテナ又は二重偏波アンテナに適用され得ることが理解され得る。これは本願で限定されない。
図4は本願の実施形態によるアンテナ装置の概略的な構造図である。図に示されているように、アンテナ装置はアンテナ・アレイ101と調整可能な位相シフタ102とを含む。図4における1つの調整可能な位相シフタ102は具体例であるに過ぎない。実際のアプリケーションでは、アンテナ装置は複数の調整可能な位相シフタ102を更に含むことができる。
アンテナ・アレイ101は複数のアンテナ・エレメントを含み、アンテナ・アレイ101は通常2次元アレイである。しかしながら、実際のアプリケーションでは、アンテナ・アレイ101は代替的に多次元アレイ、例えば3次元の湾曲面アレイであってもよい。説明を容易にするために、アンテナ・アレイ101が2次元アレイである具体例が、以下の実施形態を説明するために使用される。アンテナ・アレイ101内のアンテナ・エレメントの各行において、同じRFチャネルに属するアンテナ・エレメントはM個のアンテナ・エレメントにより隔てられてもよく、ここでMは第1ビーム・グループ内のビーム数及び第2ビーム・グループ内のビーム数を決定するために主に使用され、Mは1より大きな正の整数である。
調整可能な位相シフタ102はアンテナ・アレイ101に接続され、調整可能な位相シフタ102が第1角度にある場合、アンテナ・アレイ101は第1ビーム・グループを生成し;あるいは調整可能な位相シフタ102が第2角度にある場合、アンテナ・アレイ101は第2ビーム・グループを生成する。
アンテナ装置は水平方向において複数のビームを形成し、調整可能な位相シフタを利用することによりビームをグループ化することが可能であり、その結果、様々な通信状況に基づいて、対応するビーム・グループが選択されることが可能であり、これによりビーム調整の柔軟性を効果的に改善できることを学ぶことができる。
選択的に、図4に対応する上記の実施形態に基づいて、本願のこの実施形態で提供されるアンテナ装置の第1の選択的な実施形態では、調整可能な位相シフタ102は1ビット調整可能位相シフタである。
この実施形態では、調整可能な位相シフタ102は具体的には1ビット調整可能位相シフタであり、1ビット調整可能位相シフタは2つの調整可能な角度を有する。ビームの水平位相が調整され得るように且つ第1ビーム・グループ又は第2ビーム・グループを得ることができるように、2つの角度は調整される。
1ビット調整可能位相シフタは、例えば1ビット弓形位相シフタ、1ビット・スライディングU字状位相シフタ、又は1ビット誘電体スライディング位相シフタのような様々な構造におけるものであってよい。1ビット弓形位相シフタは、ストリップ・ライン構造におけるものであり、複数の弓形の金属導体であってそれらの半径は比例関係にあり且つ同心状に配置される複数の弓形の金属導体と、共通の円の中心の周りを回転することができる1つの弓形ブラシとを含む。弓形導体の両端は放射ユニットに接続され、弓形ブラシは円の中心位置における容量カップリングにより供給部に接続され、弓形導体はカップリングにより弓形ブラシに電気的に接続される。弓形ブラシが特定の角度を経て回転すると、メイン供給部から各々の放射ユニットへの信号の物理的な経路長が、位相を変化させるように変化する。弓形導体の半径が比例関係にある場合、ポートにおける出力位相は比例して徐々に増加又は減少する。1ビット・スライディングU字状位相シフタもまた伝送ラインの物理的な長さを変化させることにより位相を変化させる。1ビット誘電体スライディング位相シフタは、伝送ラインの誘電体分布状態を変化させることにより、言い換えれば等価誘電定数を変化させることにより位相シフトを実現する。
本願では1ビット調整可能位相シフタにより調整され得る角度は0°及び180°であることに留意すべきである。しかしながら、2つの角度は代替的に実際の状況に基づいて調整されてもよく、例えば90°及び270°に調整されてもよいし、45°及び225°に調整されてもよい。第1角度が0°であり第2角度が180°である具体例が本願を説明するために使用されるが、本願における限定を構成するものではない。
調整可能な位相シフタが具体的には1ビット調整可能位相シフタであるケースが本願のこの実施形態で説明されることを学ぶことができる。1ビット調整可能位相シフタは、2つの角度の間で切り替わり、第1ビーム・グループ及び第2ビーム・グループの間で更に自由に切り替わり、それによりビーム調整の柔軟性を効果的に改善することが可能である。
選択的に、図4又は図4に対応する第1実施形態に基づいて、本願のこの実施形態で提供されるアンテナ装置の第2の選択的な実施形態では、水平方向におけるベースバンド・ウェイトであってアンテナ・アレイ101のために設定されるベースバンド・ウェイトが、水平方向におけるビーム属性であって第1ビーム・グループ内のビームに対応するビーム属性を決定するために使用され、あるいは水平方向におけるビーム属性であって第2ビーム・グループ内のビームに対応するビーム属性を決定するために使用される。
水平方向におけるベースバンド・ウェイトは、ベースバンド信号に振幅及び位相変換を実行し、ベースバンド信号のRFチャネルへのマッピングを完了するものとして理解されてもよい。水平方向におけるビーム属性であってビームに対応するビーム属性は、水平方向におけるビームの方位及び形状を主に含む。言い換えれば、水平方向におけるビームの形状及びビームの方位は、アンテナ・エレメントの配置方法とアンテナ・エレメントに対応する水平方向におけるベースバンド・ウェイトとに基づいて決定されてもよい。
水平方向におけるベースバンド・ウェイトは、隣接するアンテナ・エレメント間の間隔Mと事前に設定された方位レンジとに基づいて決定される。隣接するアンテナ・エレメント間の間隔は、水平方向における2つの隣接するアンテナ・エレメント間の間隔距離であり、Mは水平方向において同じRFチャネルの2つのアンテナ・エレメントを隔てるアンテナ・エレメントの量である。
本願で提供されるアンテナ装置は、アンテナ・エレメントと周期的な位相変化特性との間の線形位相関係を利用することにより、複数の指向性ビームを生成することができる。1ビット調整可能位相シフタが使用されるので、同じチャネルで駆動される2つの水平エレメント間の位相差はkπであってもよく、kは整数である。説明を容易にするために、図5は本願の実施形態による水平方向におけるベースバンド・ウェイトを計算する概略的なフローチャートである。詳細は以下のとおりである:
ステップ201:水平方向における隣接するアンテナ・エレメント間の間隔d
1を決定する。このケースでは、隣接するエレメント間の位相差は
であり、ここで、θはビーム方位を表現するために使用され、λは信号波長を表現するために使用される。
ステップ202:Mの値を決定する。ここで、Mは同じRFチャネルの水平アンテナ・エレメントを隔てるアンテナ・エレメントの量を表現する。同じRFチャネルで駆動される水平方向における2つのアンテナ・エレメントは、M個のアンテナ・エレメントにより隔てられるので、水平方向における全てのアンテナ・エレメントに対応する線形位相は、周期的な位相変化特性を利用することにより導出されることが可能であり、即ち次のとおりである。
ステップ201はステップ202の前に実行されてもよく、ステップ202はステップ201の前に実行されてもよいことに留意すべきである。これは本願で限定されない。
ステップ203:ビーム方位レンジを決定する、言い換えれば所定のビーム方位レンジを決定する。通常、所定のビーム方位レンジの最小値は−60°であり、所定のビーム方位レンジの最大値は60°である。更に、ビーム方位レンジがθmin<θ<θmaxである場合、所定のビーム方位レンジのうちの最大値及び最小値がθmin<θ<θmaxに代入された後に、θmin,θmax∈[−60°,60°]が取得されてもよい。
しかしながら、実際のアプリケーションでは、所定のビーム方位レンジは代替的に別の値のレンジであってもよい。これは本願で限定されない。
ステップ204:kが計算により取得され得るように、ステップ203の所定のビーム方位レンジを以下の数式に代入する。
より大きなMの値はkの可能な値についてのより大きな量を示し、言い換えればより多くのビーム数が相応して生成され得ることを上記の数式から学ぶことができる。Mは同じRFチャネルの水平アンテナ・エレメントを隔てるアンテナ・エレメント数を表現するので、同じRFチャネルの水平方向における2つのアンテナ・エレメント間の距離は、可能な限り大きいことを要する。
ステップ205:各々のk
iに対応するビーム方位θ
iが計算により取得できるように、各々のk
iを以下の数式に代入する。
ステップ206:以下の計算方式で各θ
iについて水平方向における対応するベースバンド・ウェイトを計算する:
かくて本願のこの実施形態では、水平方向におけるベースバンド・ウェイトは、水平方向におけるビーム属性であって第1ビーム・グループ内のビームに対応するビーム属性を決定するために使用され、あるいは水平方向におけるビーム属性であって第2ビーム・グループ内のビームに対応するビーム属性を決定するために使用されることが可能である。水平方向におけるベースバンド・ウェイトは、隣接するアンテナ・エレメント間の間隔Mと所定のビーム方位レンジとに基づいて決定される。上記の方式において、水平方向で同じRFチャネルの2つのアンテナ・エレメントを隔てるアンテナ・エレメント数は、ビーム数を決定するために設定されることができ、それによりビーム調整の柔軟性を改善することができる。更に、ビーム方位は水平方向におけるベースバンド・ウェイトに基づいて決定され、その結果、アンテナ装置のアプリケーション柔軟性は更に高められることができる。
選択的に、図4及び図4に対応する第1又は第2実施形態に基づいて、本願のこの実施形態で提供されるアンテナ装置の第3の選択的な実施形態において、図6は本願の実施形態によるアンテナ装置の別の概略的な構造図である。アンテナ装置は、アンテナ・アレイ101と、調整可能な位相シフタ102と、固定位相シフタ104とを含む。図6において1つの調整可能な位相シフタ102と1つの固定位相シフタ104とは具体例であるに過ぎない。実際のアプリケーションでは、アンテナ装置は複数の調整可能な位相シフタ102と複数の固定位相シフタ104とを更に含んでもよい。
アンテナ・アレイ101は複数のアンテナ・エレメントを含み、アンテナ・アレイ101は、通常、2次元アレイである。しかしながら、実際のアプリケーションでは、アンテナ・アレイ101は代替的に多次元アレイ、例えば3次元の湾曲面アレイであってもよい。説明を容易にするために、アンテナ・アレイ101が2次元アレイである具体例が、以下の実施形態を説明するために使用される。アンテナ・アレイ101内のアンテナ・エレメントの各行において、同じRFチャネルに属するアンテナ・エレメントはM個のアンテナ・エレメントにより水平に隔てられてもよく、ここでMは第1ビーム・グループ内のビーム数及び第2ビーム・グループ内のビーム数を決定するために主に使用され、Mは1より大きな整数である。
調整可能な位相シフタ102はアンテナ・アレイ101に接続され、調整可能な位相シフタ10が第1角度にある場合、アンテナ・アレイ101は第1ビーム・グループを生成し;あるいは調整可能な位相シフタ102が第2角度にある場合、アンテナ・アレイ101は第2ビーム・グループを生成する。
第1位相シフタ104もアンテナ・アレイ101に接続され、固定位相シフタ104は第1ビーム・グループ又は第2ビーム・グループの垂直方向角度を設定する。
更に、本願のこの実施形態では、アンテナ装置は固定位相シフタを更に含んでもよく、固定位相シフタは第1ビーム・グループ内のビーム又は第2ビーム・グループ内のビームの垂直方向角度を設定することができる。ビームの調整可能なレンジは垂直角度では比較的小さいので、固定位相シフタは小さなレンジでビームを細かく調整するように選択されることが可能であり、これによりビーム調整精度を改善する。更に、固定位相シフタは第1ビーム・グループ又は第2ビーム・グループの多重化レートを改善するように更に選択されることが可能である。
選択的に、図4及び図4に対応する第1ないし第3実施形態のうちの任意の1つに基づいて、本願のこの実施形態で提供されるアンテナ装置の第4の選択的な実施形態において、水平方向におけるベースバンド・ウェイトであってアンテナ・アレイ101のために設定されるベースバンド・ウェイトは、垂直方向におけるビーム属性であって第1ビーム・グループ内のビームに対応するビーム属性を決定するために使用され、あるいは垂直方向におけるビーム属性であって第2ビーム・グループ内のビームに対応するビーム属性を決定するために使用される。
垂直方向におけるベースバンド・ウェイトの位相と固定位相角との間に関連関係が存在し、固定位相角は垂直方向における同じRFチャネルでの2つの隣接するアンテナ・エレメント間の位相差である。
この実施形態では、水平方向におけるベースバンド・ウェイトがアンテナ・アレイ101のために設定される。水平方向におけるベースバンド・ウェイトは、水平方向におけるビーム属性であって第1ビーム・グループ内のビームに対応するビーム属性を決定するために使用され、あるいは水平方向におけるビーム属性であって第2ビーム・グループ内のビームに対応するビーム属性を決定するために使用されることができる。更に、垂直方向におけるベースバンド・ウェイトであってアンテナ・アレイ101のために設定されるビーム・ウェイトは、垂直方向におけるビーム属性であって第1ビーム・グループ内のビームに対応するビーム属性、あるいは垂直方向におけるビーム属性であって第2ビーム・グループ内のビームに対応するビーム属性を決定するために使用される。
同様に、垂直方向におけるベースバンド・ウェイトは、ベースバンド信号のRFチャネルへのマッピングとして理解されてもよい。垂直方向におけるビーム属性であってビームに対応するビーム属性は、垂直方向におけるビームの方位及び形状を主に含む。言い換えれば、垂直方向におけるビームの形状、及び垂直方向におけるビームの方位は、アンテナ・エレメントの配置方法、及び垂直方向におけるベースバンド・ウェイトに基づいて決定されてもよい。
本願では、垂直方向でベースバンド・ウェイトの位相のみが制限されているが、ウェイトの振幅は制約されていない。理解を容易にするため、以下、垂直方向におけるベースバンド・ウェイトの位相を計算する方法を説明する具体例を使用する。詳細は以下のとおりである:
垂直面で形成されることを要するn個のビームがそれぞれφ
iというダウンチルトを有し(i=1,2...n)、垂直方向におけるアンテナ・エレメント間の間隔はd
2であり、信号波長はλである場合、理想的な状態において、垂直方向における各アンテナ・エレメントのウェイトの位相は理想的なウェイトであり、次のとおりである:
同じRFチャネルで駆動される垂直面における2つのアンテナ・エレメント間の固定位相差はΔφであり、同じRFチャネルで駆動される垂直面における2つのアンテナ・エレメントを隔てるN個のアンテナ・エレメントが存在すると仮定し、ここで、Nというカウント方式はMというカウント方式に類似しており、N及びMは2つのアンテナ・エレメントの間で実際に算出されるインターバル・ステップである。例えば、アンテナ・エレメントの1つの行は、「1,5,9,13,及び15」というシーケンスで相応して配置される。このケースでは、アンテナ・エレメント「1」からアンテナ・エレメント「5」までにインターバル・ステップが存在し、あるいはアンテナ・エレメント「1」及びアンテナ・エレメント「5」は1アンテナ・エレメントだけ隔てられていると理解されてもよい。このケースではMは1に等しい。アンテナ・エレメント「1」からアンテナ・エレメント「15」までに4つのインターバル・ステップが存在し、あるいはアンテナ・エレメント「1」及びアンテナ・エレメント「15」は4つのアンテナ・エレメントにより隔てられていると理解されてもよい。このケースではMは4に等しい。同様に、アンテナ・エレメントの1つの列において、同じことがNのカウント方式に適用される。詳細はここでは説明されない。
N=1である場合、垂直方向における各アンテナ・エレメントのウェイトの位相は次のとおりである:
N=2である場合、垂直方向における各アンテナ・エレメントのウェイトの位相は次のとおりである:
N=4である場合、垂直方向における各アンテナ・エレメントのウェイトの位相は次のとおりである:
ここでNの値が説明され得る。8行のアンテナ・エレメントを含むアンテナ・アレイの場合、アンテナ・アレイの各列は8つのアンテナ・エレメントを含む。
N=1の場合、1つの列のアンテナ・エレメントは、上から下までのシーケンスで配置される「アンテナ・エレメント1、アンテナ・エレメント1、アンテナ・エレメント2、アンテナ・エレメント2、アンテナ・エレメント3、アンテナ・エレメント3、アンテナ・エレメント4、及びアンテナ・エレメント4」であるとすることができる。番号「1」、「2」、「3」、及び「4」はアンテナ・エレメントのラベルを表現するために使用することができ、同じラベルを有するアンテナ・エレメントは同じRFチャネルに属する。
N=2の場合、1つの列のアンテナ・エレメントは、上から下までのシーケンスで配置される「アンテナ・エレメント1、アンテナ・エレメント2、アンテナ・エレメント1、アンテナ・エレメント2、アンテナ・エレメント3、アンテナ・エレメント4、アンテナ・エレメント3、及びアンテナ・エレメント4」であるとすることができる。番号「1」、「2」、「3」、及び「4」はまたアンテナ・エレメントのラベルを表現するために使用することができ、同じラベルを有するアンテナ・エレメントは同じRFチャネルに属する。
N=3の場合、1つの列のアンテナ・エレメントは、上から下までのシーケンスで配置される「アンテナ・エレメント1、アンテナ・エレメント2、アンテナ・エレメント3、アンテナ・エレメント1、アンテナ・エレメント2、アンテナ・エレメント3、アンテナ・エレメント4、及びアンテナ・エレメント4」であるとすることができる。番号「1」、「2」、「3」、及び「4」はまたアンテナ・エレメントのラベルを表現するために使用することができ、同じラベルを有するアンテナ・エレメントは同じRFチャネルに属する。
N=4の場合、1つの列のアンテナ・エレメントは、上から下までのシーケンスで配置される「アンテナ・エレメント1、アンテナ・エレメント2、アンテナ・エレメント3、アンテナ・エレメント4、アンテナ・エレメント1、アンテナ・エレメント2、アンテナ・エレメント3、及びアンテナ・エレメント4」であるとすることができる。番号「1」、「2」、「3」、及び「4」はまたアンテナ・エレメントのラベルを表現するために使用することができ、同じラベルを有するアンテナ・エレメントは同じRFチャネルに属する。
「1」、「2」、「3」、及び「4」は本願において具体例であるに過ぎないことに留意すべきである。実際のアプリケーションでは、これらのアンテナ・エレメントを表現するために他の識別子もまた使用されてよい。これは本願で限定されない。
上記のケースの各々に関し、実際のウェイトの位相と理想的なウェイトの位相との間の差を最小化するために、適切なΔφが選択されることを必要とし、その結果、実際のウェイトの位相と理想的なウェイトの位相との間の平均二乗誤差は最小になる。
即ち、次のとおりである。
計算の後に以下を得ることができる:
更に、3つのケースにおける最小平均二乗誤差を得ることができる:
言い換えれば、N=1である場合に、最小平均二乗誤差が取得され得る。従って、同じRFチャネルで駆動される垂直面におけるアンテナ・エレメント間の距離は、可能な限り小さいことを要する。従って、N=1である場合に、垂直方向における各エレメントのウェイトの位相は次のとおりである:
垂直方向における対応するベースバンド・ウェイトの位相は次のとおりである:
更に、1ビット調整可能位相シフタの代わりに固定位相シフタが垂直方向で使用されるのは以下の理由があるからである:
水平方向におけるビームの角度は、通常、−65°から65°の範囲に及ぶ可能性があり、垂直方向におけるビームの角度は、通常、10°から40°に及び、過大なビームは生成され得ない。従って、通信要件を基本的に充足するように、固定位相シフタがビーム群を生成する。そして1ビット調整可能位相シフタはより大きな角度範囲内で等間隔にビームを分割することができるが、小さなレンジでビームを細かく調整することはできず、固定位相シフタは小さなレンジで不等間隔でビームを調整することができ、その結果、柔軟性がより強い。
1ビット調整可能位相シフタが垂直方向においても使用される場合、ビームは4つのグループに分割され、即ち2つのビーム・グループは水平方向にあり、2つのビーム・グループは垂直方向にあり、これによりビーム多重化レートの大幅な削減を生じさせる。固定位相シフタが使用される場合、ビームは2つのグループに分割され、2つのビーム・グループは水平方向にあり、1つのビーム・グループは垂直方向にあり、これによりビーム多重化レートを改善する。
尚更に、本願のこの実施形態では、アンテナ・アレイ内のアンテナ・エレメントの各列は複数のアンテナ・エレメントを含み、各アンテナ・エレメントは垂直方向における対応するベースバンド・ウェイトを有し、垂直方向におけるベースバンド・ウェイトであってアンテナ・アレイのベースバンド・ウェイトは、垂直方向におけるビーム属性であって第1ビーム・グループ内の前記ビームに対応するビーム属性を決定するために使用され、垂直方向におけるビーム属性であって第2ビーム・グループ内のビームに対応するビーム属性を決定するために使用される。更に、ウェイトの位相と固定位相角との間に関連関係が存在する。上記の方式では、垂直方向におけるベースバンド・ウェイトであってアンテナ・アレイのベースバンド・ウェイトが、垂直方向におけるビーム属性であってビームに対応するビーム属性を決定するために使用することができ、これによりビーム調整の柔軟性を改善する。
図4及び図4に対応する第1ないし第4実施形態に基づいて、アンテナ装置のアンテナ・アレイが更に配置され得る。理解を容易にするため、以下、3つの特定の実施形態を利用することによりアンテナ装置のアンテナ・アレイを説明する。
実施形態1
選択的に、図4及び図4に対応する第1ないし第4実施形態のうちの任意の1つに基づいて、本願のこの実施形態で提供されるアンテナ装置の第5の選択的な実施形態において、アンテナ・アレイ内のアンテナ・エレメントの各列は第1アンテナ・エレメント・グループと第2アンテナ・エレメント・グループとを含み、第1アンテナ・エレメント・グループは第1RFチャネルに接続され、第2アンテナ・エレメント・グループは第2RFチャネルに接続される。
前記第1アンテナ・エレメント・グループは第1アンテナ・エレメント(a11)と第2アンテナ・エレメント(a21)とを含み、前記第2アンテナ・エレメント・グループは第3アンテナ・エレメント(a31)と第4アンテナ・エレメント(a41)とを含む。
アンテナ・エレメントの各列において、第1アンテナ・エレメント(a11)及び第2アンテナ・エレメント(a21)は隣接しており、第3アンテナ・エレメント(a31)及び第4アンテナ・エレメント(a41)は隣接している。
この実施形態において、アンテナ・アレイはアンテナ・エレメントの複数の列を含み、アンテナ・エレメントの各列は複数のアンテナ・エレメントを含む。説明を容易にするために、図7は本願の実施形態によるアンテナ・アレイのトポロジ構造の概略図(1)である。図に示されているように、a1ないしa8はそれぞれアンテナ・アレイのアンテナ・エレメントの列に対応する列シーケンス番号を表現するために使用され、A1ないしA8はそれぞれアンテナ・アレイのアンテナ・エレメントの行に対応する行シーケンス番号を表現するために使用される。図7における列シーケンス番号及び行シーケンス番号は具体例であるに過ぎないことが理解され得る。実際のアプリケーションでは、別のシーケンス番号の書き方も存在し得る。
アンテナ・アレイ内のアンテナ・エレメントの各列は第1アンテナ・エレメント・グループと第2アンテナ・エレメント・グループとを含む。図7に示されるように、アンテナ・エレメントの第1列が具体例として使用される。アンテナ・エレメントの第1列は第1アンテナ・エレメント・グループと第2アンテナ・エレメント・グループとを含む。第1アンテナ・エレメント・グループは第1アンテナ・エレメントと第2アンテナ・エレメントとを含む。第1アンテナ・エレメントは、アンテナ・アレイ内の第1行に対応する第1アンテナ・エレメントであってもよく、第2アンテナ・エレメントは、アンテナ・アレイ内の第2行に対応する第1アンテナ・エレメントであってもよい。説明を容易にするため、第1アンテナ・エレメントはa11として命名されてもよく、第2アンテナ・エレメントはa21として命名されてもよい。同様に、第2アンテナ・エレメント・グループは第3アンテナ・エレメントと第4アンテナ・エレメントとを含む。第3アンテナ・エレメントは、アンテナ・アレイ内の第3行に対応する第1アンテナ・エレメントであってもよく、第4アンテナ・エレメントは、アンテナ・アレイ内の第4行に対応する第1アンテナ・エレメントであってもよい。第3アンテナ・エレメントはa31として命名され、第4アンテナ・エレメントはa41として命名されてもよい。第1アンテナ・エレメント・グループにおける双方のアンテナ・エレメントが第1RFチャネルに接続され、第2アンテナ・エレメント・グループにおける双方のアンテナ・エレメントが第2RFチャネルに接続される。第1RFチャネルはRFチャネル1であってもよく、第2RFチャネルはRFチャネル2であってもよい。図7において同じラベルを有するアンテナ・エレメントは同じRFチャネルを表すことを理解することができる。
アンテナ・エレメントの第1列において、第1アンテナ・エレメント(a11)と第2アンテナ・エレメント(a21)とは隣接しており、第3アンテナ・エレメント(a31)と第4アンテナ・エレメント(a41)とは隣接している。同様に、アンテナ・アレイの別の列において、垂直方向において同じRFチャネルに属するアンテナ・エレメントもまた隣接して配置される。例えば、アンテナ・エレメントの第1列において、RFチャネル3に属するアンテナ・エレメントは隣接して配置される。別の例として、アンテナ・エレメントの第2列において、RFチャネル6に属するアンテナ・エレメントは隣接して配置される。これはここでは列挙されない。
図8は本願の実施形態によるアンテナ・アレイのトポロジ構造の概略図(2)である。図に示されているように、アンテナ・アレイ内の第1列は第1アンテナ・エレメント列である。説明を容易にするために、第1アンテナ・エレメント列はa1として命名されてもよい。同様に、第2アンテナ・エレメント列はa5として命名されてもよい。第1アンテナ・エレメント列(a1)において、第1アンテナ・エレメントはa11として命名されてもよく、第2アンテナ・エレメントはa21として命名されてもよい。第2アンテナ・エレメント列(a5)において、第5アンテナ・エレメントはa15として命名されてもよく、第6アンテナ・エレメントはa25として命名されてもよい。
第1アンテナ・エレメント(a11)と、第2アンテナ・エレメント(a21)と、第5アンテナ・エレメント(a15)と、第6アンテナ・エレメント(a25)とは全て同じRFチャネルに接続され、RFチャネル数を削減し、マルチ・ビーム・システムのコストを削減することができる。図9は本願の実施形態により同じチャネルで4つのアンテナ・エレメントを駆動する概略的な構造図である。図に示されているように、同じRFチャネルで駆動されるアンテナ・エレメントは、同じラベルを利用することにより表現される。図9は、4つのアンテナ・エレメントが1つのRFチャネルで駆動される接続方式を示す。同じRFチャネルで駆動される4つのアンテナ・エレメント間の接続関係は次のように示される:水平方向におけるアンテナ・エレメント間の位相差は1ビット調整可能位相シフタを利用することにより実装されてもよく、垂直方向におけるアンテナ・エレメント間の位相差は固定位相シフタを利用することにより実装されてもよい。
図7、図8、及び図9に示されるエレメント構成方式及びエレメント番号付け方式は具体例であるに過ぎず、本願における限定として解釈されるべきでないことに留意すべきである。
具体的には、水平方向で隣接するアンテナ・エレメント間の間隔d
1が0.52λである場合、例えば図7又は図8に示されるアンテナ・アレイでは、同じRFチャネルで駆動される水平アンテナ・エレメントを隔てる4つのアンテナ・エレメントが存在し、言い換えればM=4であり(例えば、アンテナ・エレメントは数えるとa
12,a
13,a
14,及びa
15である)、所定のビーム方位レンジはθ
min,θ
max∈[−60°,60°]であり、kは以下の式に従って計算により取得することが可能であり、kは整数である。
従って、kの可能な値が得られ、kは複数のk
iを含み、各k
iの値に対応するビーム方位θ
iが計算される。k
i=1である具体例が以下の説明で使用される。k
i=1である場合、ビーム方位θ
iの値は以下の式に従う計算により得ることができる:
ki=1である場合に対応するθiは13.9°であることを数式(1)による計算から学ぶことができる。
θ
i=13.9°である場合、水平方向における対応するベースバンド・ウェイトは以下の式に従って得ることができる:
言い換えれば、4つの水平ウェイトはそれぞれ1,exp(−j・45°),exp(−j・90°),及びexp(−j・135°)である。
同様に、k
iの値が別の値である場合、k
iに対応するθ
i及び対応するベースバンド・ウェイトはまた以下の式に従う計算により得ることも可能である。
計算結果に基づいて7つのビームがそれぞれ取得され、各ビームに対応するビーム方位、ベースバンド・ウェイト、及び1ビット調整可能位相シフタの状態は、表1に示される。
1ビット調整可能位相シフタの条件角度は0°又は180°であってもよい。式(1)、式(2)及び表1に示される内容を参照すると、ビーム・シーケンス番号が1である場合、相応してki=3であり;ビーム・シーケンス番号が3である場合、相応してki=1であり;ビーム・シーケンス番号が5である場合、相応してki=−1であり;ビーム・シーケンス番号が7である場合、相応してki=−3であり;ビーム・シーケンス番号が2である場合、相応してki=2であり;ビーム・シーケンス番号が4である場合、相応してki=0であり;及びビーム・シーケンス番号が6である場合、相応してki=−2である。
1ビット調整可能位相シフタの角度が180°である場合に、1ビット調整可能位相シフタの角度は4つのビームに対応し、4つのビームは第1ビーム・グループとして使用されてもよい。1ビット調整可能位相シフタの角度が0°である場合に、1ビット調整可能位相シフタの角度は3つのビームに対応し、3つのビームは第2ビーム・グループとして使用されてもよい。代替的に、1ビット調整可能位相シフタの角度が180°である場合に、1ビット調整可能位相シフタの角度は4つのビームに対応し、4つのビームは第2ビーム・グループとして使用されてもよい。1ビット調整可能位相シフタの角度が0°である場合に、1ビット調整可能位相シフタの角度は3つのビームに対応し、3つのビームは第1ビーム・グループとして使用されてもよい。
図10は本願の実施形態による水平方向における第1ビーム・グループ及び第2ビーム・グループ内のビームの概略図である。図に示されるように、7つのビームは、1ビット調整可能位相シフタが0°及び180°であるケースに実際に交互に対応する。従って、7つのビームは共存しない。1ビット調整可能位相シフタが180°である場合、1ビット調整可能位相シフタは図10の右上の4つのビームに対応する。1ビット調整可能位相シフタが0°である場合、1ビット調整可能位相シフタは図10の右下の3つのビームに対応する。1ビット調整可能位相シフタはビームのグループ化を完了し、グループ内のビーム間の干渉は比較的小さい。
複数のビームが水平方向において形成されることが可能であり、ビームのグループ化は1ビット調整可能位相シフタを利用することにより完了し、同じグループ内のビームは高いアイソレーション特性を有することが、分析により図10から学ぶことができる。1ビット調整可能位相シフタは、ベースバンド・ウェイトに関連して、第1ビーム・グループと第2ビーム・グループとの間で切り替わる。
上記の内容は水平方向におけるベースバンド・ウェイトを計算する方法を主に説明している。以下、垂直方向における固定位相差を計算する方法を説明する。
具体的に、図4に対応する第4の選択的な実施形態によれば、N=1である場合に、実際のウェイトの位相と理想的なウェイトの位相との間の差は最小になり、言い換えれば最小平均二乗誤差が取得され得る。従って、N=1である場合に、固定位相差Δφが以下の数式に従う計算により取得され得る:
4つのビームが垂直方向で生成され、ビームのビーム・ダウンチルトφiがそれぞれ2°,5°,11°,及び20°であり、ビーム・ダウンチルトφiが式(3)に代入された後に計算によりΔφ=47.5°が取得されることが、図7及び図8におけるアンテナ・アレイから学ぶことができる。固定位相シフトの物理特性を考察すると、Δφ=47.5°はΔφ=45°に量子化され、同じRFチャネルに属する2つの隣接するアンテナ・エレメント間の間隔距離は具体的にはd2=0.78λであり得る。
図7及び図8に示されるアンテナ・アレイに基づいて、垂直に隣接するアンテナ・エレメント間の間隔が0.78λであり、2つのアンテナ・エレメントが垂直方向において1つのRFチャネルで駆動された後に、ビームの垂直ビーム指向性パターンが、1つのアンテナ・エレメントが1つのRFチャネルで駆動されるケースに近接し得るように、固定位相差(例えば、Δφ=45°)を設計することができる。図11(a)、図11(b)、図11(c)、及び図11(d)を参照すると、4つの図はそれぞれビーム・ダウンチルトが2°、5°、11°、及び20°である垂直ビーム指向性パターンに対応する。
図11(a)に示されるように、ビーム・ダウンチルトが2°である場合に、「[FDD]_F2000_B_10B_1」は1つのアンテナ・エレメントが1つのRFチャネルで駆動されている垂直ビーム指向性パターンであり、「[FDD]_F2000_BV_10B_2」は本願において2つのアンテナ・エレメントが1つのRFチャネルで駆動されている垂直ビーム指向性パターンであることを学ぶことができる。
図11(b)に示されるように、ビーム・ダウンチルトが5°である場合に、「[FDD]_F2000_B_10B_3」は1つのアンテナ・エレメントが1つのRFチャネルで駆動されている垂直ビーム指向性パターンであり、「[FDD]_F2000_BV_10B_4」は本願において2つのアンテナ・エレメントが1つのRFチャネルで駆動されている垂直ビーム指向性パターンであることを学ぶことができる。
図11(c)に示されるように、ビーム・ダウンチルトが11°である場合に、「[FDD]_F2000_B_10B_5」は1つのアンテナ・エレメントが1つのRFチャネルで駆動されている垂直ビーム指向性パターンであり、「[FDD]_F2000_BV_10B_6」は本願において2つのアンテナ・エレメントが1つのRFチャネルで駆動されている垂直ビーム指向性パターンであることを学ぶことができる。
図11(d)に示されるように、ビーム・ダウンチルトが20°である場合に、「[FDD]_F2000_B_10B_10」は1つのアンテナ・エレメントが1つのRFチャネルで駆動されている垂直ビーム指向性パターンであり、「[FDD]_F2000_BV_10B_9」は本願において2つのアンテナ・エレメントが1つのRFチャネルで駆動されている垂直ビーム指向性パターンであることを学ぶことができる。
実施形態1において2つのアンテナ・エレメントが1つのRFチャネルで駆動される場合において、ビーム・ダウンチルトが2°である場合、本願におけるアンテナ・ゲイン損失は約0.70デシベル(decibel,dB)であり;ビーム・ダウンチルトが5°である場合、本願におけるアンテナ・ゲイン損失は約0.35デシベルであり;ビーム・ダウンチルトが11°である場合、本願におけるアンテナ・ゲイン損失は約0.01デシベルであり;又はビーム・ダウンチルトが20°である場合、本願におけるアンテナ・ゲイン損失は約0.18デシベルである。1つのアンテナ・エレメントが1つのRFチャネルで駆動されるケースと比較すると、本願のこの実施形態では、アンテナ・ゲイン損失は非常に小さく、サイド・ローブのみが何度か増加しているに過ぎない。
尚更に、アンテナ・アレイのトポロジ構造が本願のこの実施形態で詳細に説明される。要するに、アンテナ・アレイにおいて、同じRFチャネルで駆動される複数のアンテナ・エレメント間の距離は水平方向において可能な限り大きいことを必要とし、アンテナ・エレメントは垂直方向において隣接して配置される。上記の配置方法において、複数のビームが水平方向において形成されることが可能であり、1ビット調整可能位相シフタを利用することによりビームのグルーピングが完了し、第1ビーム・グループ及び第2ビーム・グループ内の双方のビームは高いアイソレーションを有する。複数のアンテナ・エレメントが同じRFチャネルで駆動される方法が垂直方向において使用され、それによりRFチャネル数を削減し、システムの複雑性及びコストを大幅に削減する。
理解を容易にするために、以下、本文及び添付図面を参照して本願の実施形態1の特徴を説明する。詳細は次のとおりである:
図12は本願の実施形態による水平方向のチャネルを復元する概略図である。1ビット調整可能位相シフタが存在するので、2つの水平に組み合わせられるチャネル、即ちh
eff1及びh
eff2がそれぞれ2つの隣接する瞬間に取得されることが可能であり、ここでh
eff1=h
1+h
2及びh
eff2=h
1−h
2である。従って、h
1及びh
2は以下の式に従ってh
eff1及びh
eff2に基づく計算により取得され得る:
水平アンテナ・エレメントのオリジナル・チャネルが取得された後に、角度電力スペクトルを推定することが可能であり、その結果、ユーザーにより良く応対するために複数のビームが選択される。電力スペクトルは電力スペクトル密度関数の略であり、単位周波数バンドにおける信号電力として定義され、信号電力が周波数とともに変化する状態、即ち周波数ドメインにおける信号電力の分布状態を表現するために主に使用される。図13は本願の実施形態による角度電力スペクトル推定に基づくマルチ・ビーム・スケジューリングの概略図である。図に示されるように、図中の水平座標の値は角度を表現するために使用されており、垂直座標の値は正規化された信号電力をdBの単位で表現するために使用されている。図中の実線カーブにおける角度電力スペクトル推定結果が取得される場合に、2つの中央の破線カーブのビームがユーザーに応対するためにグループAから選択され、チャネル特性を最大限合わせることができる。図13は2つのビーム・グループ、即ちグループA及びグループBを更に含む。グループAは4つのビームを含み、グループBは3つのアンテナ・グループを含む。グループAが第1ビーム・グループである場合に、グループBは第2ビーム・グループであることが理解され得る。グループAが第2ビーム・グループである場合に、グループAは第1ビーム・グループである。
アンテナ・アレイのトポロジ構造であって実施形態1に対応するトポロジ構造は、水平方向において完全な自由度のチャネル復元能力を有することを、上記の分析から容易に学ぶことができる。通常、水平に結合されるチャネルのみが復元され得る。しかしながら、本願では、各アンテナ・エレメントのチャネルであって水平結合前に存在するチャネルが、適切なビームを選択することを支援するために復元されることが可能である。チャネル自由度とは、受信信号空間の次元数、即ち信号を独立に送信するためのチャネル数を示す。通信プロセスでは、より良いチャネル自由度が取得されるように常に望まれ、その結果、通信チャネル能力が増やされ、それによりシステム・スループットを増加させる。
図14は本願の実施形態による正規化されたチェビシェフ・ウェイトの概略図である。図に示されるように、水平方向におけるアンテナ・ウェイトの重み付けの間に、チェビシェフ・ウェイトは、通常、サイド・ローブを抑制するように選択されることが可能である。チェビシェフ・ウェイトは、中央アンテナ・エレメントの高い電力と、両側のアンテナ・エレメントの低い電力とにより特徴付けられる。20dBのサイド・ローブにより抑制される8列のアンテナ・エレメントのウェイトが具体例として使用される。合計電力の1/8を越えない単独チャネル電力を利用することによって正規化プロセスが実行され、チェビシェフ・ウェイトの放射電力0.634が計算により取得することができ、言い換えれば電力効率は63.4%だけであるに過ぎない。従って、電力損失は比較的大きい。
比較すると、アンテナ・アレイのトポロジ構造であって本願の実施形態1に対応するトポロジ構造を利用することによって、電力損失は効果的に削減されることが可能である。図15は本願の実施形態による正規化されたチャネル電力の概略図である。図に示されるように、20dBのサイド・ローブにより抑制された8列のアンテナ・エレメントのウェイトが具体例として使用される。合計電力の1/4を越えない単独チャネル電力を利用することにより、正規化プロセスが実行される。各RFチャネルで駆動される2つのアンテナ・エレメントのうちの一方は正確にエッジにあり、他方は正確に中央にあることを学ぶことができる。アンテナ・エレメントの電力分布は図14におけるものと同様に均等ではないが、アンテナ・エレメントがチャネルに統合された後に、チャネル間の電力バランスは非常に良い。相対的に良い電力バランスは次のように具体的に表現される:RFチャネルの電力は互いに近接している。互いに電力がより近接する場合、正規化された電力損失はより小さい。従って図15に対応する電力効率は95%に到達し得る。
実施形態2
選択的に、図4及び図4に対応する第1ないし第4実施形態のうちの任意の1つに基づいて、本願のこの実施形態で提供されるアンテナ装置の第6の選択的な実施形態において、アンテナ・アレイは第1アンテナ・エレメント列(b1)を含むことができる。
第1アンテナ・エレメント列(b1)は第1アンテナ・エレメント・グループと第2アンテナ・エレメント・グループとを含み、第1アンテナ・エレメント・グループは第1RFチャネルに接続され、第2アンテナ・エレメント・グループは第2RFチャネルに接続され、第1アンテナ・エレメント・グループは第1アンテナ・エレメント(b11)と第2アンテナ・エレメント(b21)とを含み、第2アンテナ・エレメント・グループは第3アンテナ・エレメント(b31)と第4アンテナ・エレメント(b41)とを含む。
第1アンテナ・エレメント列(b1)において、第1アンテナ・エレメント(b11)と第2アンテナ・エレメント(b21)とは隣接しており、第3アンテナ・エレメント(b31)と第4アンテナ・エレメント(b41)とは隣接している。
この実施形態では、アンテナ・アレイは複数列のアンテナ・エレメントを含み、アンテナ・エレメントの各列は複数のアンテナ・エレメントを含む。説明を容易にするために、図16は、本願の実施形態によるアンテナ・アレイの別のトポロジ構造の概略図(1)である。図に示されるように、b1ないしb8はそれぞれアンテナ・アレイ内のアンテナ・エレメントの列に対応する列シーケンス番号を表現するために使用され、B1ないしB8はそれぞれアンテナ・アレイ内のアンテナ・エレメントの行に対応する行シーケンス番号を表現するために使用される。図16における列シーケンス番号及び行シーケンス番号は単なる具体例であるに過ぎないことが理解され得る。実際のアプリケーションでは、別のシーケンス番号の書き方も存在し得る。
第1アンテナ・アレイ内の第1アンテナ・エレメント列(b1)は第1アンテナ・エレメント・グループと第2アンテナ・エレメント・グループとを含む。図16に示されるように、アンテナ・アレイ内の第1列は第1アンテナ・エレメント列であることが仮定される。説明を容易にするために、第1アンテナ・エレメント列はb1として命名されてもよく、第1アンテナ・エレメント列(b1)は第1アンテナ・エレメント・グループと第2アンテナ・エレメント・グループとを含む。第1アンテナ・エレメント・グループは第1アンテナ・エレメントと第2アンテナ・エレメントとを含む。第1アンテナ・エレメントはアンテナ・アレイ内の第1行に対応する第1アンテナ・エレメントであってもよく、第2アンテナ・エレメントはアンテナ・アレイ内の第2行に対応する第1アンテナ・エレメントであってもよい。説明を容易にするために、第1アンテナ・エレメントはb11として命名されてもよく、第2アンテナ・エレメントはb21として命名されてもよい。同様に第2アンテナ・エレメント・グループは第3アンテナ・エレメントと第4アンテナ・エレメントとを含む。第3アンテナ・エレメントはアンテナ・アレイ内の第3行に対応する第1アンテナ・エレメントであってもよく、第4アンテナ・エレメントはアンテナ・アレイ内の第4行に対応する第1アンテナ・エレメントであってもよい。第3アンテナ・エレメントはb31として命名されてもよく、第4アンテナ・エレメントはb41として命名されてもよい。第1アンテナ・エレメント・グループ内のアンテナ・エレメント双方は第1RFチャネルに接続され、第2アンテナ・エレメント・グループ内のアンテナ・エレメント双方は第2RFチャネルに接続される。第1RFチャネルはRFチャネル1であってもよく、第2RFチャネルはRFチャネル2であってもよい。図16において同じラベルを有するアンテナ・エレメントは同じRFチャネルを表現することが理解され得る。
第1アンテナ・エレメントの第1列(b1)において、第1アンテナ・エレメント(b11)と第2アンテナ・エレメント(b21)とは隣接しており、第3アンテナ・エレメント(b31)と第4アンテナ・エレメント(b41)とは隣接している。同様に、アンテナ・エレメントの他の列において、垂直方向において同じRFチャネルに属するアンテナ・エレメントもまた隣接して配置される。例えば、アンテナ・エレメントの第1列(b1)において、RFチャネル3に属するアンテナ・エレメントは隣接して配置される。別の例として、アンテナ・エレメントの第2列(b2)において、RFチャネル6に属するアンテナ・エレメントは隣接して配置される。これはここでは列挙されない。
図17は本願の実施形態によるアンテナ・アレイの別のトポロジ構造の概略図(2)である。図に示されるように、アンテナ・アレイ内の第1列は第1アンテナ・エレメント列であることが仮定される。説明を容易にするために、第1アンテナ・エレメント列はb1として命名されてもよい。同様に、第2アンテナ・エレメント列はb6として命名されてもよい。第1アンテナ・エレメント列(b1)において、第1アンテナ・エレメントはb11として命名されてもよく、第2アンテナ・エレメントはb21として命名されてもよい。第2アンテナ・エレメント列(b5)において、第5アンテナ・エレメントはb16として命名されてもよく、第6アンテナ・エレメントはb26として命名されてもよい。
第1アンテナ・エレメント(b11)と、第2アンテナ・エレメント(b21)と、第5アンテナ・エレメント(b16)と、第6アンテナ・エレメント(b26)とは全て同じRFチャネルに接続され、RFチャネル数を削減し、マルチ・ビーム・システムのコストを削減することができる。図18は、本願の実施形態により同じチャネルで4つのアンテナ・エレメントを駆動する概略的な構造図である。図に示されるように、同じRFチャネルで駆動されるアンテナ・エレメントは同じラベルを利用して表現される。図18は4つのアンテナ・エレメントが1つのRFチャネルで駆動される接続方式を示す。同じRFチャネルで駆動される4つのアンテナ・エレメント間の接続関係は次のとおりである:水平方向におけるアンテナ・エレメント間の位相差は1ビット調整可能位相シフタを利用することで実装され、垂直方向におけるアンテナ・エレメント間の位相差は固定位相シフタを利用することで実装されることが可能である。
図19は本願の実施形態によるアンテナ・アレイの別のトポロジ構造の概略図(3)である。図に示されているように、アンテナ・アレイ内の第4列が第3アンテナ・エレメント列であることが仮定されている。説明を容易にするために、第3アンテナ・エレメント列はb4と命名されてもよい。第3アンテナ・エレメント列(b4)は第3アンテナ・エレメント・グループを含み、第3アンテナ・エレメント・グループは第3RFチャネルに接続され、及び第3アンテナ・エレメント・グループは第7アンテナ・エレメントと、第8アンテナ・エレメントと、第9アンテナ・エレメントと、第10アンテナ・エレメントとを含む。説明を容易にするため、第7アンテナ・エレメントはb14と命名され、第8アンテナ・エレメントはb24と命名され、第9アンテナ・エレメントはb34と命名され、第10アンテナ・エレメントはb44と命名されてもよい。
第7アンテナ・エレメント(b14)と、第8アンテナ・エレメント(b24)と、第9アンテナ・エレメント(b34)と、第10アンテナ・エレメント(b44)とは全て同じRFチャネルに接続され、RFチャネル数を削減し、マルチ・ビーム・システムのコストを削減することができる。図20は、本願の実施形態により同じチャネルで垂直方向における4つのアンテナ・エレメントを駆動する概略的な構造図である。図に示されているように、同じRFチャネルで駆動されるアンテナ・エレメントは同じラベルを使用することにより表現されている。同じRFチャネルで駆動される4つのアンテナ・エレメント間の接続関係は次のとおりである:垂直方向におけるアンテナ・エレメント間の位相差は固定位相シフタを利用することにより実装されることが可能である。
図16ないし図20に示されるエレメント配置方式及びエレメント番号付け方式は単なる具体例であるに過ぎず、本願の限定として解釈されるべきでないことに留意すべきである。
アンテナ・アレイ内のアンテナ・エレメントの配置方式は図16、図17、及び図19に基づいて示される。同じRFチャネルで駆動されるアンテナ・エレメントは同じ数字のラベル記号を利用することにより表現される。
RFチャネル1ないしRFチャネル12は、同じ無線周波数チャネルで駆動されるエレメント間の距離が、水平方向では可能な限り大きいことを必要とし、垂直方向では可能な限り小さいことを必要とすることによって特徴付けられることを学ぶことができる。実施形態1と比較すると、同じRFチャネルで駆動される水平エレメント間の間隔の値Mは、ビーム数を増やすために4から5に増やされる。RFチャネル13ないしRFチャネル16に対応するアンテナ・エレメントの配置方式は変更され、具体的には、垂直方向で同じRFチャネルに属するアンテナ・エレメントは隣接して配置される。更に、RFチャネル13からRFチャネル16は、制御チャネル等のカバレッジを保証するために、高い電力を有するPAを利用することにより駆動される。
実施形態1と同様に、4つのアンテナ・エレメントが1つのRFチャネルで駆動されるサブアレイ接続方式が、RFチャネル1ないしRFチャネル12に関して使用される。実施形態1とは異なり、垂直方向における4つのアンテナ・エレメントが1つのRFチャネルで駆動されるサブアレイ接続方式が、RFチャネル13ないしRFチャネル16に関して使用される。双方のサブアレイ接続方式は固定位相シフト方式である。
実施形態2に対応するアンテナ・エレメント配置に基づいて、カバレッジを保証するために、UMTS及びLTE等の既存のプロトコルの制約の下で幅広いビームを利用することによって、セル・リファレンス信号(cell reference signal,CRS)が、物理ダウンリンク制御チャネル(physical downlink control channel,PDCCH)及び物理ブロードキャスト・チャネル(physical broadcast channel,PBCH)で送信されることを必要とする。実施形態1と比較すると、実施形態2では、幅広いビームが、RFチャネル13ないしRFチャネル16を利用することにより形成されることが可能であり、PDCCH及びPBCHでCRSを送信するために使用される。物理ダウンリンク共有チャネル(Physical Downlink Shared Channel,PDSCH)で信号を送信するためにRFチャネル1ないしRFチャネル16を利用することによって狭いビームが形成される場合、全てのRFチャネルが伝送に参加する。従って、高い電力でPAにより追加的に送信される電力が、事前に補正されることを必要とする。高い電力でPAにより送信される電力が6dBより大きい場合、高い電力のPAに対応する2列のウェイト係数には、0.5が乗じられる。
同じRFチャネルで駆動される水平アンテナ・エレメントを隔てる5つのアンテナ・エレメントが存在し、言い換えればM=5であることを図16、図17、又は図19に示されるアンテナ・アレイから学ぶことができる(例えば、アンテナ・エレメントは数えるとb
12,b
13,b
14,b
15,及びb
16である)。上記の第2の選択的な実施形態で提供される関連する式によれば、水平方向のベースバンド・ウェイトの計算方式において実施形態1のビーム方位を利用することによって、計算結果が得られてもよい。9個のビームが計算結果に基づいて取得され、各ビームに対応するビーム方位と、ベースバンド・ウェイトと、1ビット調整可能位相シフタの状態とは表2に示されている。
1ビット調整可能位相シフタの条件角度は0°又は180°であってもよい。表2に示される内容を参照すると、ビーム・シーケンス番号が1である場合、相応してki=4であり;ビーム・シーケンス番号が3である場合、相応してki=2であり;ビーム・シーケンス番号が5である場合、相応してki=0であり;ビーム・シーケンス番号が7である場合、相応してki=−2であり;ビーム・シーケンス番号が9である場合、相応してki=−4であり;ビーム・シーケンス番号が2である場合、相応してki=3であり;ビーム・シーケンス番号が4である場合、相応してki=1であり;ビーム・シーケンス番号が6である場合、相応してki=−1であり;及びビーム・シーケンス番号が8である場合、相応してki=−3である。
1ビット調整可能位相シフタの角度が180°である場合に、1ビット調整可能位相シフタの角度は4つのビームに対応し、4つのビームは第1ビーム・グループとして使用されてもよい。1ビット調整可能位相シフタの角度が0°である場合に、1ビット調整可能位相シフタの角度は5つのビームに対応し、5つのビームは第2ビーム・グループとして使用されてもよい。代替的に、1ビット調整可能位相シフタの角度が180°である場合に、1ビット調整可能位相シフタの角度は4つのビームに対応し、4つのビームは第2ビーム・グループとして使用されてもよい。1ビット調整可能位相シフタの角度が0°である場合に、1ビット調整可能位相シフタの角度は5つのビームに対応し、5つのビームは第1ビーム・グループとして使用されてもよい。
図21は本願の実施形態による水平方向における第1ビーム・グループ及び第2ビーム・グループ内のビームの別の概略図である。図に示されるように、9つのビームは、1ビット調整可能位相シフタが0°及び180°であるケースに実際に交互に対応する。従って、9つのビームは共存しない。1ビット調整可能位相シフタが180°である場合、1ビット調整可能位相シフタは図21の右上の4つのビームに対応する。1ビット調整可能位相シフタが0°である場合、1ビット調整可能位相シフタは図21の右下の5つのビームに対応する。1ビット調整可能位相シフタはビームのグループ化を完了し、グループ内のビーム間の干渉は比較的小さい。
複数のビームが水平方向において形成されることが可能であり、ビームのグループ化は1ビット調整可能位相シフタを利用することにより完了し、同じグループ内のビームは高いアイソレーション特性を有することが、分析により図21から学ぶことができる。1ビット調整可能位相シフタは、ベースバンド・ウェイトに関連して、第1ビーム・グループと第2ビーム・グループとの間で切り替わる。
上記の内容は水平方向におけるベースバンド・ウェイトを計算する方法を主に説明している。以下、垂直方向における固定位相差を計算する方法を説明する。
具体的に、図4に対応する第4の選択的な実施形態によれば、N=1である場合に、実際のウェイトの位相と理想的なウェイトの位相との間の差は最小になり、言い換えれば最小平均二乗誤差が取得され得る。従って、N=1である場合に、固定位相差Δφが以下の数式に従う計算により取得され得る:
4つのビームが垂直方向で生成され、ビームのビーム・ダウンチルトφiがそれぞれ2°,5°,11°,及び20°であり、ビーム・ダウンチルトφiが式(5)に代入された後に計算によりΔφ=47.5°が取得されることが、図16、図17、又は図19におけるアンテナ・アレイから学ぶことができる。固定位相シフトの物理特性を考察すると、Δφ=47.5°はΔφ=45°に量子化され、同じRFチャネルに属する2つの隣接するアンテナ・エレメント間の間隔距離は具体的にはd2=0.78λであり得る。
尚更に、アンテナ・アレイのトポロジ構造が本願のこの実施形態で詳細に説明される。要するに、同じRFチャネルで駆動される複数のアンテナ・エレメント間の距離は水平方向において可能な限り大きいことを必要とし、アンテナ・エレメントは垂直方向において隣接して配置される。上記の配置方法において、複数のビームが水平方向において形成されることが可能であり、1ビット調整可能位相シフタを利用することによりビームのグルーピングが完了し、第1ビーム・グループ及び第2ビーム・グループ内の双方のビームは高いアイソレーションを有する。複数のアンテナ・エレメントが同じRFチャネルで駆動される方法が垂直方向において使用され、それによりRFチャネル数を効果的に削減し、システムのコストを大幅に削減する。更に、アンテナ・アレイ内のアンテナ・エレメントは2つの方式で配置されることが可能である。異なる仕様におけるPAsそれぞれは、制御チャネルでの信号伝送に互換性があるように、アンテナ・エレメントの2つの配置方式について使用されてもよく、これによりソリューションの実現性を向上させる。更に、本願の実施形態は、UMTS及びLTE等の標準に更に互換性があり、それによりソリューションの実現性を向上させる。
実施形態3
選択的に、図4及び図4に対応する第1ないし第4実施形態のうちの任意の1つに基づいて、本願のこの実施形態で提供されるアンテナ装置の第7の選択的な実施形態において、アンテナ・アレイ内のアンテナ・エレメントの各列は第1アンテナ・エレメント・グループと第2アンテナ・エレメント・グループとを含み、第1アンテナ・エレメント・グループは第1RFチャネルに接続され、第2アンテナ・エレメント・グループは第2RFチャネルに接続される。
第1アンテナ・エレメント・グループは第1アンテナ・エレメント(c11)を含み、第2アンテナ・エレメント・グループは第2アンテナ・エレメント(c21)を含む。
アンテナ・エレメントの各列において、第1アンテナ・エレメント(c11)と第2アンテナ・エレメント(c21)とは隣接している。
この実施形態において、アンテナ・アレイはアンテナ・エレメントの複数列を含み、アンテナ・エレメントの各列は複数のアンテナ・エレメントを含む。説明を容易にするために、図22は本願の実施形態によるアンテナ・アレイの更に別のトポロジ構造の概略図(1)である。図に示されているように、c1ないしc8はそれぞれアンテナ・アレイ内のアンテナ・エレメントの列に対応する列シーケンス番号を表現するために使用され、C1ないしC12はそれぞれアンテナ・アレイ内のアンテナ・エレメントの行に対応する行シーケンス番号を表現するために使用される。図22における列シーケンス番号及び行シーケンス番号は単なる具体例であるに過ぎないことが理解され得る。実際のアプリケーションでは、別のシーケンス番号の書き方も存在し得る。
アンテナ・アレイ内のアンテナ・エレメントの各列は第1アンテナ・エレメント・グループと第2アンテナ・エレメント・グループとを含む。図22に示されるように、アンテナ・エレメントの第1列が具体例として使用される。アンテナ・エレメントの第1列は第1アンテナ・エレメント・グループと第2アンテナ・エレメント・グループとを含む。第1アンテナ・エレメント・グループは複数の第1アンテナ・エレメントを含み、第2アンテナ・エレメント・グループは複数の第2アンテナ・エレメントを含む。第1アンテナ・エレメントはアンテナ・アレイ内の第1行に対応する第1アンテナ・エレメントであってもよく、第2アンテナ・エレメントはアンテナ・アレイ内の第2行に対応する第1アンテナ・エレメントであってもよい。説明を容易にするために、第1アンテナ・エレメントはc11として命名されてもよく、第2アンテナ・エレメントはc21として命名されてもよい。第1アンテナ・エレメント・グループ内の第1アンテナ・エレメントは全て第1RFチャネルに接続され、第2アンテナ・エレメント・グループ内の第2アンテナ・エレメントは全て第2RFチャネルに接続される。第1RFチャネルはRFチャネル1であってもよく、第2RFチャネルはRFチャネル2であってもよい。図22において同じラベルを有するアンテナ・エレメントは同じRFチャネルを表現することが理解され得る。
第1アンテナ・エレメントの第1列において、第1アンテナ・エレメント(c11)と第2アンテナ・エレメント(c21)とは隣接している。同様に、アンテナ・エレメントの他の列において、垂直方向において同じRFチャネルに属するアンテナ・エレメントもまた交互に配置される。言い換えれば、同じRFチャネルで駆動されるアンテナ・エレメントは水平方向では隣接せず、垂直方向において交互に配置される。例えば、アンテナ・エレメントの第2列において、RFチャネル3に属するアンテナ・エレメントと、RFチャネル4に属するアンテナ・エレメントとは、交互に配置される。これはここでは列挙されない。
図23は本願の実施形態によるアンテナ・アレイの更に別のトポロジ構造の概略図(2)である。図に示されるように、アンテナ・アレイ内の第1列は第1アンテナ・エレメント列であることが仮定される。説明を容易にするために、第1アンテナ・エレメント列はc1として命名されてもよい。同様に、第2アンテナ・エレメント列はc5として命名されてもよい。第1アンテナ・エレメント列(c1)において、第1アンテナ・エレメントはc11として命名されてもよく、第2アンテナ・エレメントはc21として命名されてもよい。第2アンテナ・エレメント列(c5)において、第3アンテナ・エレメントはc15として命名されてもよく、第4アンテナ・エレメントはb25として命名されてもよい。
図24は本願の実施形態により同じチャネルで複数のアンテナ・エレメントを駆動する概略的な構造図である。図に示されるように、第1アンテナ・エレメント列(c1)内の第1アンテナ・エレメント(c11)と、第2アンテナ・エレメント列(c5)内の第3アンテナ・エレメント(c15)とは、同じRFチャネルに接続されることができ、RFチャネル数を低減し、マルチ・ビット・システムのコストを削減することができる。同様に、第1アンテナ・エレメント列(c1)内の第2アンテナ・エレメント(c21)と、第2アンテナ・エレメント列(c5)内の第4アンテナ・エレメント(c25)とは、同じRFチャネルに接続される。同じRFチャネルで駆動されるアンテナ・エレメントは同じラベルを利用することにより表現される。図24は複数のアンテナ・エレメントが1つのRFチャネルで駆動される接続方式を示す。同じRFチャネルで駆動される複数のアンテナ・エレメント間の接続関係は次のように示される:水平方向におけるアンテナ・エレメント間の位相差は1ビット調整可能位相シフタを利用することにより実装されてもよく、垂直方向におけるアンテナ・エレメント間の位相差は固定位相シフタを利用することにより実装されてもよい。更に、垂直方向において2つのRFチャネルが存在し、各RFチャネルで形成されるビームの電気的ダウンチルトは独立に調整され得る。
図22、図23、及び図24に示されるエレメント配置方式及びエレメント番号付け方式は単なる具体例であるに過ぎず、本願の限定として解釈されるべきでないことに留意すべきである。
同じRFチャネルで駆動される水平アンテナ・エレメントを隔てる4つのアンテナ・エレメントが存在し、言い換えればM=4であることを図22、図23、及び図24に示されるアンテナ・アレイから学ぶことができる(例えば、アンテナ・エレメントは数えるとc
12,c
13,c
14,及びc
15である)。上記の第2の選択的な実施形態で提供される関連する式によれば、水平方向のベースバンド・ウェイトの計算方式において実施形態1のビーム方位を利用することによって、計算結果が得られてもよい。7つのビームが計算結果に基づいて取得され、各ビームに対応するビーム方位と、ベースバンド・ウェイトと、1ビット調整可能位相シフタの状態とは表3に示されている。
1ビット調整可能位相シフタの条件角度は0°又は180°であってもよい。表3に示される内容を参照すると、ビーム・シーケンス番号が1である場合、相応してki=3であり;ビーム・シーケンス番号が3である場合、相応してki=1であり;ビーム・シーケンス番号が5である場合、相応してki=−1であり;ビーム・シーケンス番号が7である場合、相応してki=−3であり;ビーム・シーケンス番号が2である場合、相応してki=2であり;ビーム・シーケンス番号が4である場合、相応してki=0であり;及びビーム・シーケンス番号が6である場合、相応してki=−2である。
1ビット調整可能位相シフタの角度が180°である場合に、1ビット調整可能位相シフタの角度は4つのビームに対応し、4つのビームは第1ビーム・グループとして使用されてもよい。1ビット調整可能位相シフタの角度が0°である場合に、1ビット調整可能位相シフタの角度は3つのビームに対応し、3つのビームは第2ビーム・グループとして使用されてもよい。代替的に、1ビット調整可能位相シフタの角度が180°である場合に、1ビット調整可能位相シフタの角度は4つのビームに対応し、4つのビームは第2ビーム・グループとして使用されてもよい。1ビット調整可能位相シフタの角度が0°である場合に、1ビット調整可能位相シフタの角度は3つのビームに対応し、3つのビームは第1ビーム・グループとして使用されてもよい。
図25は本願の実施形態による水平方向における第1ビーム・グループ及び第2ビーム・グループ内のビームの別の概略図である。図に示されるように、7つのビームは、1ビット調整可能位相シフタが0°及び180°であるケースに実際に交互に対応する。従って、7つのビームは共存しない。1ビット調整可能位相シフタが180°である場合、1ビット調整可能位相シフタは図25の右上の4つのビームに対応する。1ビット調整可能位相シフタが0°である場合、1ビット調整可能位相シフタは図25の右下の3つのビームに対応する。1ビット調整可能位相シフタはビームのグループ化を完了し、グループ内のビーム間の干渉は比較的小さい。
複数のビームが水平方向において形成されることが可能であり、ビームのグループ化は1ビット調整可能位相シフタを利用することにより完了し、同じグループ内のビームは高いアイソレーション特性を有することが、分析により図25から学ぶことができる。1ビット調整可能位相シフタは、ベースバンド・ウェイトに関連して、第1ビーム・グループと第2ビーム・グループとの間で切り替わる。
図22及び図23示されるアンテナ・アレイに基づいて、アンテナ・エレメントが2つのRFチャネルで駆動される交互配置方式が垂直方向で使用されるので、各RFチャネルに接続されるアンテナ・サブアレイに関し、垂直面等価直径は減少しない。従って、ビーム幅は従来のサブアレイ・モードと比較してより狭い。図26(a)は従来のアンテナ・エレメント配置の際に得られる垂直ビーム指向性パターンである。図26(b)は本願の実施形態によるアンテナ・エレメント配置の際に得られる垂直ビーム指向性パターンである。図26(a)及び図26(b)に示されるように、サブアレイ接続方式における2つのRFチャネルの各々においてビームが形成される。従って、電気的ダウンチルトが2つのチャネルの各々に関して調整され、内部層及び外部層の双方でビーム間に含まれる角度を調整することができる。
電気的ダウンチルトを調整する原理は、コリニア・アレイ・アンテナ・エレメントの位相と水平成分及び垂直成分の振幅とを変化させることにより、複合成分の場の強度を変化させることであり、その結果、アンテナの垂直指向性パターンは下方に傾斜させられる。アンテナの方向における場の強度は同時に増加及び減少する。従って、チルトが変化した後にアンテナ指向性パターンが僅かに変化することが保証される場合、メイン・ローブ方向のカバレッジ距離は短縮され、全体的な指向性パターンのカバレッジ・エリアがサービング・セルのセクタの中で減少し、干渉は引き起こされない。
尚更に、アンテナ・アレイのトポロジ構造が本願のこの実施形態で詳細に説明される。要するに、アンテナ・アレイにおいて、2つのアンテナ・エレメントは水平方向において同じRFチャネルで駆動されることが可能であり、複数のアンテナ・エレメントは垂直方向において同じRFチャネルで駆動されることが可能である。水平方向において同じRFチャネルで駆動される2つのアンテナ・エレメントは隣接せず、垂直方向において2つのRFチャネルで駆動されるアンテナ・エレメントは交互に配置される。上記の配置方法において、複数のビームが水平方向において形成されることが可能であり、1ビット調整可能位相シフタを利用することによりビームのグルーピングが完了し、第1ビーム・グループ及び第2ビーム・グループ内の双方のビームは高いアイソレーションを有する。複数のアンテナ・エレメントが同じRFチャネルで駆動される方法が垂直方向において使用され、それによりRFチャネル数を大幅に削減し、システムのコストを削減する。更に、固定位相シフタが垂直方向において更に使用され、各RFチャネルのダウンチルトは独立に電気的に調整されることが可能であり、それによりソリューションの柔軟性を改善する。
実施形態3及び実施形態1は同様な特性を有することが理解され得る。詳細については実施形態1における関連する説明を参照されたい。詳細はここでは説明されない。
選択的に、図4及び図4に対応する第1ないし第4実施形態のうちの任意の1つに基づいて、本願のこの実施形態で提供されるアンテナ装置の第8の選択的な実施形態において、アンテナ・アレイのアンテナ・エレメントの各列は第1アンテナ・エレメント・グループと第2アンテナ・エレメント・グループとを含み、第1アンテナ・エレメント・グループは第1RFチャネルに接続され、第2アンテナ・エレメント・グループは第2RFチャネルに接続される。
第1アンテナ・エレメント・グループは第1アンテナ・エレメント(d11)を含み、第2アンテナ・エレメント・グループは第2アンテナ・エレメント(d21)を含む。
アンテナ・エレメントの各列において、第1アンテナ・エレメント(d11)と第2アンテナ・エレメント(d21)とは隣接している。
この実施形態において、アンテナ・アレイはアンテナ・エレメントの複数列を含み、アンテナ・エレメントの各列は複数のアンテナ・エレメントを含む。説明を容易にするために、図27は本願の実施形態によるアンテナ・アレイの更に別のトポロジ構造の概略図(1)である。図に示されるように、d1ないしb4はそれぞれアンテナ・アレイ内のアンテナ・エレメントの列に対応する列シーケンス番号を表現するために使用され、D1ないしD12はそれぞれアンテナ・アレイ内のアンテナ・エレメントの行に対応する行シーケンス番号を表現するために使用される。図27における列シーケンス番号及び行シーケンス番号は単なる具体例であるに過ぎないことが理解され得る。実際のアプリケーションでは、別のシーケンス番号の書き方も存在し得る。
アンテナ・アレイ内のアンテナ・エレメントの各列は第1アンテナ・エレメント・グループと第2アンテナ・エレメント・グループとを含む。図27に示されるように、アンテナ・エレメントの第1列が具体例として使用される。アンテナ・エレメントの第1列は第1アンテナ・エレメント・グループと第2アンテナ・エレメント・グループとを含む。第1アンテナ・エレメント・グループは複数の第1アンテナ・エレメントを含み、第2アンテナ・エレメント・グループは複数の第2アンテナ・エレメントを含む。第1アンテナ・エレメントはアンテナ・アレイ内の第1行に対応する第1アンテナ・エレメントであってもよく、第2アンテナ・エレメントはアンテナ・アレイ内の第2行に対応する第1アンテナ・エレメントであってもよい。説明を容易にするために、第1アンテナ・エレメントはd11として命名されてもよく、第2アンテナ・エレメントはd21として命名されてもよい。第1アンテナ・エレメント・グループ内の第1アンテナ・エレメントは全て第1RFチャネルに接続され、第2アンテナ・エレメント・グループ内の第2アンテナ・エレメントは全て第2RFチャネルに接続される。第1RFチャネルはRFチャネル1であってもよく、第2RFチャネルはRFチャネル2であってもよい。図29において同じラベルを有するアンテナ・エレメントは同じRFチャネルを表現することが理解され得る。
アンテナ・エレメントの第1列において、第1アンテナ・エレメント(d11)と第2アンテナ・エレメント(d21)とは隣接している。同様に、アンテナ・エレメントの他の列において、垂直方向において同じRFチャネルに属するアンテナ・エレメントもまた交互に配置される。言い換えれば、同じRFチャネルで駆動されるアンテナ・エレメントは水平方向では隣接せず、垂直方向において交互に配置される。例えば、アンテナ・エレメントの第2列において、RFチャネル3に属するアンテナ・エレメントと、RFチャネル4に属するアンテナ・エレメントとは、交互に配置される。これはここでは列挙されない。
図28は本願の実施形態によるアンテナ・アレイの更に別のトポロジ構造の概略図(2)である。図に示されるように、アンテナ・アレイ内の第1列は第1アンテナ・エレメント列であることが仮定される。説明を容易にするために、第1アンテナ・エレメント列はd1として命名されてもよい。同様に、第2アンテナ・エレメント列はd3として命名されてもよい。第1アンテナ・エレメント列(d1)において、第1アンテナ・エレメントはd11として命名されてもよく、第2アンテナ・エレメントはd21として命名されてもよい。第2アンテナ・エレメント列(d3)において、第3アンテナ・エレメントはd13として命名されてもよく、第4アンテナ・エレメントはb23として命名されてもよい。
図29は本願の実施形態により同じチャネルで複数のアンテナ・エレメントを駆動する概略的な構造図である。図に示されるように、第1アンテナ・エレメント列(d1)内の第1アンテナ・エレメント(d11)と、第2アンテナ・エレメント列(d3)内の第3アンテナ・エレメント(d13)とは、同じRFチャネルに接続されることができ、RFチャネル数を低減し、マルチ・ビット・システムのコストを削減することができる。同様に、第1アンテナ・エレメント列(d1)内の第2アンテナ・エレメント(d21)と、第2アンテナ・エレメント列(d3)内の第4アンテナ・エレメント(c23)とは、同じRFチャネルに接続される。同じRFチャネルで駆動されるアンテナ・エレメントは同じラベルを利用することにより表現される。図29は複数のアンテナ・エレメントが1つのRFチャネルで駆動される接続方式を示す。同じRFチャネルで駆動される複数のアンテナ・エレメント間の接続関係は次のように示される:水平方向におけるアンテナ・エレメント間の位相差は1ビット調整可能位相シフタを利用することにより実装されてもよく、垂直方向におけるアンテナ・エレメント間の位相差は固定位相シフタを利用することにより実装されてもよい。更に、垂直方向において2つのRFチャネルが存在し、各RFチャネルで形成されるビームの電気的ダウンチルトは独立に調整され得る。
図27、図28、及び図29に示されるエレメント配置方式及びエレメント番号付け方式は単なる具体例であるに過ぎず、本願の限定として解釈されるべきでないことに留意すべきである。
同じRFチャネルで駆動される水平アンテナ・エレメントを隔てる2つのアンテナ・エレメントが存在し、言い換えればM=2であることを図27、図28、及び図29に示されるアンテナ・アレイから学ぶことができる(例えば、アンテナ・エレメントは数えるとd
12及びd
13である)。上記の第2の選択的な実施形態で提供される関連する式によれば、水平方向のベースバンド・ウェイトの計算方式において実施形態1のビーム方位を利用することによって、計算結果が得られてもよい。3つのビームが計算結果に基づいて取得され、各ビームに対応するビーム方位と、ベースバンド・ウェイトと、1ビット調整可能位相シフタの状態とは表4に示されている。
1ビット調整可能位相シフタの条件角度は0°又は180°であってもよい。表4に示される内容を参照すると、ビーム・シーケンス番号が1である場合、相応してki=1であり;ビーム・シーケンス番号が2である場合、相応してki=−1であり;及びビーム・シーケンス番号が3である場合、相応してki=0である。
1ビット調整可能位相シフタの角度が180°である場合に、1ビット調整可能位相シフタの角度は2つのビームに対応し、2つのビームは第1ビーム・グループとして使用されてもよい。1ビット調整可能位相シフタの角度が0°である場合に、1ビット調整可能位相シフタの角度は1つのビームに対応し、そのビームは第2ビーム・グループとして使用されてもよい。代替的に、1ビット調整可能位相シフタの角度が180°である場合に、1ビット調整可能位相シフタの角度は2つのビームに対応し、2つのビームは第2ビーム・グループとして使用されてもよい。1ビット調整可能位相シフタの角度が0°である場合に、1ビット調整可能位相シフタの角度は1つのビームに対応し、そのビームは第1ビーム・グループとして使用されてもよい。
図30は本願の実施形態による水平方向における第1ビーム・グループ及び第2ビーム・グループ内のビームの別の概略図である。図に示されるように、3つのビームは、1ビット調整可能位相シフタが0°及び180°であるケースに実際に交互に対応する。従って、3つのビームは共存しない。1ビット調整可能位相シフタが180°である場合、1ビット調整可能位相シフタは図30の右上の2つのビームに対応する。1ビット調整可能位相シフタが0°である場合、1ビット調整可能位相シフタは図30の右下の1つのビームに対応する。1ビット調整可能位相シフタはビームのグループ化を完了し、グループ内のビーム間の干渉は比較的小さい。
複数のビームが水平方向において形成されることが可能であり、ビームのグループ化は1ビット調整可能位相シフタを利用することにより完了し、同じグループ内のビームは高いアイソレーション特性を有することが、分析により図30から学ぶことができる。1ビット調整可能位相シフタは、ベースバンド・ウェイトに関連して、第1ビーム・グループと第2ビーム・グループとの間で切り替わり、各状態でフル・パワーで送信を実現する。
第5ないし第8実施形態で説明される配置方式に加えて、実際のアプリケーションでは、アンテナ装置のアンテナ・アレイ内でアンテナ・エレメントの別の配置方式があってもよいことに留意すべきである。以下、説明のために具体例を使用する。しかしながらこれらの具体例は例示目的であるに過ぎず、全ての配置方式が列挙されるわけではない。
図31はアンテナ・アレイが6列のアンテナ・エレメントを含む本願の実施形態によるトポロジ構造の概略図である。図に示されるように、アンテナ・アレイは6列のアンテナ・エレメントを含み、アンテナ・エレメントの各列は複数のアンテナ・エレメントを含む。説明を容易にするため、e1ないしe6はそれぞれアンテナ・アレイ内のアンテナ・エレメントの列に対応する列シーケンス番号を表現するために使用され、E1ないしE12はそれぞれアンテナ・アレイ内のアンテナ・エレメントの行に対応する行シーケンス番号を表現するために使用される。図31における列シーケンス番号及び行シーケンス番号は具体例であるに過ぎないことが理解され得る。実際のアプリケーションでは、別のシーケンス番号の書き方も存在し得る。
アンテナ・アレイ内のアンテナ・エレメントの各列は2つのアンテナ・エレメント・グループを含む。図31に示されるように、アンテナ・エレメントの第1列が具体例として使用される。説明を容易にするため、第1行及び第1列のアンテナ・エレメントはe11として命名されてもよく、第2行及び第1列のアンテナ・エレメントはe21として命名されてもよく、第3行及び第1列のアンテナ・エレメントはe31として命名されてもよく、第4行及び第1列のアンテナ・エレメントはe41として命名されてもよい等々である。詳細はここでは説明されない。アンテナ・エレメントe11とアンテナ・エレメントe21とは隣接して配置され、アンテナ・エレメントe31とアンテナ・エレメントe41とは隣接して配置される。同様に、アンテナ・エレメントの別の列において、垂直方向において同じRFチャネルに属するアンテナ・エレメントもまた交互に配置される。言い換えれば、同じRFチャネルで駆動されるアンテナ・エレメントは水平方向では隣接せず、垂直方向では交互に配置される。
複数のアンテナ・エレメントが1つのRFチャネルで駆動され、RFチャネル数を削減し、マルチ・ビーム・システムのコストを削減することが可能である。同じRFチャネルで駆動される複数のアンテナ・エレメント間の接続関係は次のように示される:水平方向におけるアンテナ・エレメント間の位相差は1ビット調整可能位相シフタを利用することにより実装されてもよく、垂直方向におけるアンテナ・エレメント間の位相差は固定位相シフタを利用することにより実装されてもよい。更に、垂直方向において2つのRFチャネルが存在し、各RFチャネルで形成されるビームの電気的ダウンチルトは独立に調整され得る。
図31に示されるエレメント配置方式及びエレメント番号付け方式は単なる具体例であるに過ぎず、本願の限定として解釈されるべきでないことに留意すべきである。
同じRFチャネルで駆動される水平アンテナ・エレメントを隔てる3つのアンテナ・エレメントが存在し、言い換えればM=3であることを図31に示されるアンテナ・アレイから学ぶことができる(例えば、アンテナ・エレメントは数えるとe
12、e
13、及びe
14である)。上記の第2の選択的な実施形態で提供される関連する式によれば、水平方向のベースバンド・ウェイトの計算方式において実施形態1のビーム方位を利用することによって、計算結果が得られてもよい。5つのビームが計算結果に基づいて取得され、各ビームに対応するビーム方位と、ベースバンド・ウェイトと、1ビット調整可能位相シフタの状態とは表5に示されている。
1ビット調整可能位相シフタの条件角度は0°又は180°であってもよい。表5に示される内容を参照すると、ビーム・シーケンス番号が1である場合、相応してki=2であり; ビーム・シーケンス番号が3である場合、相応してki=0であり; ビーム・シーケンス番号が5である場合、相応してki=−2であり; ビーム・シーケンス番号が2である場合、相応してki=1であり; 及びビーム・シーケンス番号が4である場合、相応してki=−1である。
1ビット調整可能位相シフタの角度が180°である場合に、1ビット調整可能位相シフタの角度は2つのビームに対応し、2つのビームは第1ビーム・グループとして使用されてもよい。1ビット調整可能位相シフタの角度が0°である場合に、1ビット調整可能位相シフタの角度は3つのビームに対応し、3つのビームは第2ビーム・グループとして使用されてもよい。代替的に、1ビット調整可能位相シフタの角度が180°である場合に、1ビット調整可能位相シフタの角度は2つのビームに対応し、2つのビームは第2ビーム・グループとして使用されてもよい。1ビット調整可能位相シフタの角度が0°である場合に、1ビット調整可能位相シフタの角度は3つのビームに対応し、3つのビームは第1ビーム・グループとして使用されてもよい。
図32はアンテナ・アレイが6列のアンテナ・エレメントを含む本願の実施形態による別のトポロジ構造の概略図である。図に示されるように、アンテナ・アレイは6列のアンテナ・エレメントを含み、アンテナ・エレメントの各列は複数のアンテナ・エレメントを含む。説明を容易にするため、f1ないしf6はそれぞれアンテナ・アレイ内のアンテナ・エレメントの列に対応する列シーケンス番号を表現するために使用され、F1ないしF12はそれぞれアンテナ・アレイ内のアンテナ・エレメントの行に対応する行シーケンス番号を表現するために使用される。図32における列シーケンス番号及び行シーケンス番号は具体例であるに過ぎないことが理解され得る。実際のアプリケーションでは、別のシーケンス番号の書き方も存在し得る。
アンテナ・アレイ内のアンテナ・エレメントの各列は2つのアンテナ・エレメント・グループを含む。図32に示されるように、アンテナ・エレメントの第1列が具体例として使用される。説明を容易にするため、第1行及び第1列のアンテナ・エレメントはf11として命名されてもよく、第2行及び第1列のアンテナ・エレメントはf21として命名されてもよく、第3行及び第1列のアンテナ・エレメントはf31として命名されてもよく、第4行及び第1列のアンテナ・エレメントはf41として命名されてもよい等々である。詳細はここでは説明されない。アンテナ・エレメントf11とアンテナ・エレメントf21とは隣接して配置され、アンテナ・エレメントf31とアンテナ・エレメントf41とは隣接して配置される。同様に、アンテナ・エレメントの別の列において、垂直方向において同じRFチャネルに属するアンテナ・エレメントもまた交互に配置される。言い換えれば、同じRFチャネルで駆動されるアンテナ・エレメントは水平方向では隣接せず、垂直方向では交互に配置される。
複数のアンテナ・エレメントが1つのRFチャネルで駆動され、RFチャネル数を削減し、マルチ・ビーム・システムのコストを削減することが可能である。同じRFチャネルで駆動される複数のアンテナ・エレメント間の接続関係は次のように示される:水平方向におけるアンテナ・エレメント間の位相差は1ビット調整可能位相シフタを利用することにより実装されてもよく、垂直方向におけるアンテナ・エレメント間の位相差は固定位相シフタを利用することにより実装されてもよい。更に、垂直方向において2つのRFチャネルが存在し、各RFチャネルで形成されるビームの電気的ダウンチルトは独立に調整され得る。
図32に示されるエレメント配置方式及びエレメント番号付け方式は単なる具体例であるに過ぎず、本願の限定として解釈されるべきでないことに留意すべきである。
同じRFチャネルで駆動される水平アンテナ・エレメントを隔てる4つのアンテナ・エレメントが存在し、言い換えればM=4であることを図32に示されるアンテナ・アレイから学ぶことができる(例えば、アンテナ・エレメントは数えるとf
12、f
13、f
14、及びf
15である)。上記の第2の選択的な実施形態で提供される関連する式によれば、水平方向のベースバンド・ウェイトの計算方式において実施形態1のビーム方位を利用することによって、計算結果が得られてもよい。7つのビームが計算結果に基づいて取得され、各ビームに対応するビーム方位と、ベースバンド・ウェイトと、1ビット調整可能位相シフタの状態とは表6に示されている。
1ビット調整可能位相シフタの条件角度は0°又は180°であってもよい。表6に示される内容を参照すると、ビーム・シーケンス番号が1である場合、相応してki=3であり;ビーム・シーケンス番号が3である場合、相応してki=1であり;ビーム・シーケンス番号が5である場合、相応してki=−1であり;ビーム・シーケンス番号が7である場合、相応してki=−3であり;ビーム・シーケンス番号が2である場合、相応してki=2であり;ビーム・シーケンス番号が4である場合、相応してki=0であり;及びビーム・シーケンス番号が6である場合、相応してki=−2である。
1ビット調整可能位相シフタの角度が180°である場合に、1ビット調整可能位相シフタの角度は4つのビームに対応し、4つのビームは第1ビーム・グループとして使用されてもよい。1ビット調整可能位相シフタの角度が0°である場合に、1ビット調整可能位相シフタの角度は3つのビームに対応し、3つのビームは第2ビーム・グループとして使用されてもよい。代替的に、1ビット調整可能位相シフタの角度が180°である場合に、1ビット調整可能位相シフタの角度は4つのビームに対応し、4つのビームは第2ビーム・グループとして使用されてもよい。1ビット調整可能位相シフタの角度が0°である場合に、1ビット調整可能位相シフタの角度は3つのビームに対応し、3つのビームは第1ビーム・グループとして使用されてもよい。
図33はアンテナ・アレイが7列のアンテナ・エレメントを含む本願の実施形態によるトポロジ構造の概略図である。図に示されるように、アンテナ・アレイは7列のアンテナ・エレメントを含み、アンテナ・エレメントの各列は複数のアンテナ・エレメントを含む。説明を容易にするため、g1ないしg7はそれぞれアンテナ・アレイ内のアンテナ・エレメントの列に対応する列シーケンス番号を表現するために使用され、G1ないしG12はそれぞれアンテナ・アレイ内のアンテナ・エレメントの行に対応する行シーケンス番号を表現するために使用される。図33における列シーケンス番号及び行シーケンス番号は具体例であるに過ぎないことが理解され得る。実際のアプリケーションでは、別のシーケンス番号の書き方も存在し得る。
アンテナ・アレイ内のアンテナ・エレメントの各列は2つのアンテナ・エレメント・グループを含む。図33に示されるように、アンテナ・エレメントの第1列が具体例として使用される。説明を容易にするため、第1行及び第1列のアンテナ・エレメントはg11として命名されてもよく、第2行及び第1列のアンテナ・エレメントはg21として命名されてもよく、第3行及び第1列のアンテナ・エレメントはg31として命名されてもよく、第4行及び第1列のアンテナ・エレメントはg41として命名されてもよい等々である。詳細はここでは説明されない。アンテナ・エレメントg11とアンテナ・エレメントg21とは隣接して配置され、アンテナ・エレメントg31とアンテナ・エレメントg41とは隣接して配置される。同様に、アンテナ・エレメントの別の列において、垂直方向において同じRFチャネルに属するアンテナ・エレメントもまた交互に配置される。言い換えれば、同じRFチャネルで駆動されるアンテナ・エレメントは水平方向では隣接せず、垂直方向では交互に配置される。
複数のアンテナ・エレメントが1つのRFチャネルで駆動され、RFチャネル数を削減し、マルチ・ビーム・システムのコストを削減することが可能である。同じRFチャネルで駆動される複数のアンテナ・エレメント間の接続関係は次のように示される:水平方向におけるアンテナ・エレメント間の位相差は1ビット調整可能位相シフタを利用することにより実装されてもよく、垂直方向におけるアンテナ・エレメント間の位相差は固定位相シフタを利用することにより実装されてもよい。更に、垂直方向において2つのRFチャネルが存在し、各RFチャネルで形成されるビームの電気的ダウンチルトは独立に調整され得る。
図33に示されるエレメント配置方式及びエレメント番号付け方式は単なる具体例であるに過ぎず、本願の限定として解釈されるべきでないことに留意すべきである。
同じRFチャネルで駆動される水平アンテナ・エレメントを隔てる4つのアンテナ・エレメントが存在し、言い換えればM=4であることを図33に示されるアンテナ・アレイから学ぶことができる(例えば、アンテナ・エレメントは数えるとg
12、g
13、g
14、及びg
15である)。上記の第2の選択的な実施形態で提供される関連する式によれば、水平方向のベースバンド・ウェイトの計算方式において実施形態1のビーム方位を利用することによって、計算結果が得られてもよい。7つのビームが計算結果に基づいて取得され、各ビームに対応するビーム方位と、ベースバンド・ウェイトと、1ビット調整可能位相シフタの状態とは表7に示されている。
1ビット調整可能位相シフタの条件角度は0°又は180°であってもよい。表7に示される内容を参照すると、ビーム・シーケンス番号が1である場合、相応してki=3であり;ビーム・シーケンス番号が3である場合、相応してki=1であり;ビーム・シーケンス番号が5である場合、相応してki=−1であり;ビーム・シーケンス番号が7である場合、相応してki=−3であり;ビーム・シーケンス番号が2である場合、相応してki=2であり;ビーム・シーケンス番号が4である場合、相応してki=0であり;及びビーム・シーケンス番号が6である場合、相応してki=−2である。
1ビット調整可能位相シフタの角度が180°である場合に、1ビット調整可能位相シフタの角度は4つのビームに対応し、4つのビームは第1ビーム・グループとして使用されてもよい。1ビット調整可能位相シフタの角度が0°である場合に、1ビット調整可能位相シフタの角度は3つのビームに対応し、3つのビームは第2ビーム・グループとして使用されてもよい。代替的に、1ビット調整可能位相シフタの角度が180°である場合に、1ビット調整可能位相シフタの角度は4つのビームに対応し、4つのビームは第2ビーム・グループとして使用されてもよい。1ビット調整可能位相シフタの角度が0°である場合に、1ビット調整可能位相シフタの角度は3つのビームに対応し、3つのビームは第1ビーム・グループとして使用されてもよい。
図34はアンテナ・アレイが9列のアンテナ・エレメントを含む本願の実施形態によるトポロジ構造の概略図である。図に示されるように、アンテナ・アレイは9列のアンテナ・エレメントを含み、アンテナ・エレメントの各列は複数のアンテナ・エレメントを含む。説明を容易にするため、h1ないしh9はそれぞれアンテナ・アレイ内のアンテナ・エレメントの列に対応する列シーケンス番号を表現するために使用され、H1ないしH12はそれぞれアンテナ・アレイ内のアンテナ・エレメントの行に対応する行シーケンス番号を表現するために使用される。図34における列シーケンス番号及び行シーケンス番号は具体例であるに過ぎないことが理解され得る。実際のアプリケーションでは、別のシーケンス番号の書き方も存在し得る。
アンテナ・アレイ内のアンテナ・エレメントの各列は2つのアンテナ・エレメント・グループを含む。図34に示されるように、アンテナ・エレメントの第1列が具体例として使用される。説明を容易にするため、第1行及び第1列のアンテナ・エレメントはh11として命名されてもよく、第2行及び第1列のアンテナ・エレメントはh21として命名されてもよく、第3行及び第1列のアンテナ・エレメントはh31として命名されてもよく、第4行及び第1列のアンテナ・エレメントはh41として命名されてもよい等々である。詳細はここでは説明されない。アンテナ・エレメントh11とアンテナ・エレメントh21とは隣接して配置され、アンテナ・エレメントh31とアンテナ・エレメントh41とは隣接して配置される。同様に、アンテナ・エレメントの別の列において、垂直方向において同じRFチャネルに属するアンテナ・エレメントもまた交互に配置される。言い換えれば、同じRFチャネルで駆動されるアンテナ・エレメントは水平方向では隣接せず、垂直方向では交互に配置される。
複数のアンテナ・エレメントが1つのRFチャネルで駆動され、RFチャネル数を削減し、マルチ・ビーム・システムのコストを削減することが可能である。同じRFチャネルで駆動される複数のアンテナ・エレメント間の接続関係は次のように示される:水平方向におけるアンテナ・エレメント間の位相差は1ビット調整可能位相シフタを利用することにより実装されてもよく、垂直方向におけるアンテナ・エレメント間の位相差は固定位相シフタを利用することにより実装されてもよい。更に、垂直方向において2つのRFチャネルが存在し、各RFチャネルで形成されるビームの電気的ダウンチルトは独立に調整され得る。
図34に示されるエレメント配置方式及びエレメント番号付け方式は単なる具体例であるに過ぎず、本願の限定として解釈されるべきでないことに留意すべきである。
同じRFチャネルで駆動される水平アンテナ・エレメントを隔てる5つのアンテナ・エレメントが存在し、言い換えればM=5であることを図34に示されるアンテナ・アレイから学ぶことができる(例えば、アンテナ・エレメントは数えるh
12、h
13、h
14、h
15、及びh
16である)。上記の第2の選択的な実施形態で提供される関連する式によれば、水平方向のベースバンド・ウェイトの計算方式において実施形態1のビーム方位を利用することによって、計算結果が得られてもよい。9つのビームが計算結果に基づいて取得され、各ビームに対応するビーム方位と、ベースバンド・ウェイトと、1ビット調整可能位相シフタの状態とは表8に示されている。
1ビット調整可能位相シフタの条件角度は0°又は180°であってもよい。表8に示される内容を参照すると、ビーム・シーケンス番号が1である場合、相応してki=4であり;ビーム・シーケンス番号が3である場合、相応してki=2であり;ビーム・シーケンス番号が5である場合、相応してki=0であり;ビーム・シーケンス番号が7である場合、相応してki=−2であり;ビーム・シーケンス番号が9である場合、相応してki=−4であり;ビーム・シーケンス番号が2である場合、相応してki=3であり;ビーム・シーケンス番号が4である場合、相応してki=1であり;ビーム・シーケンス番号が6である場合、相応してki=−1であり;及びビーム・シーケンス番号が8である場合、相応してki=−3である。
1ビット調整可能位相シフタの角度が180°である場合に、1ビット調整可能位相シフタの角度は4つのビームに対応し、4つのビームは第1ビーム・グループとして使用されてもよい。1ビット調整可能位相シフタの角度が0°である場合に、1ビット調整可能位相シフタの角度は5つのビームに対応し、5つのビームは第2ビーム・グループとして使用されてもよい。代替的に、1ビット調整可能位相シフタの角度が180°である場合に、1ビット調整可能位相シフタの角度は4つのビームに対応し、4つのビームは第2ビーム・グループとして使用されてもよい。1ビット調整可能位相シフタの角度が0°である場合に、1ビット調整可能位相シフタの角度は5つのビームに対応し、5つのビームは第1ビーム・グループとして使用されてもよい。
図35はアンテナ・アレイが10列のアンテナ・エレメントを含む本願の実施形態によるトポロジ構造の概略図である。図に示されるように、アンテナ・アレイは10列のアンテナ・エレメントを含み、アンテナ・エレメントの各列は複数のアンテナ・エレメントを含む。説明を容易にするため、i1ないしi10はそれぞれアンテナ・アレイ内のアンテナ・エレメントの列に対応する列シーケンス番号を表現するために使用され、I1ないしI12はそれぞれアンテナ・アレイ内のアンテナ・エレメントの行に対応する行シーケンス番号を表現するために使用される。図35における列シーケンス番号及び行シーケンス番号は具体例であるに過ぎないことが理解され得る。実際のアプリケーションでは、別のシーケンス番号の書き方も存在し得る。
アンテナ・アレイ内のアンテナ・エレメントの各列は2つのアンテナ・エレメント・グループを含む。図35に示されるように、アンテナ・エレメントの第1列が具体例として使用される。説明を容易にするため、第1行及び第1列のアンテナ・エレメントはi11として命名されてもよく、第2行及び第1列のアンテナ・エレメントはi21として命名されてもよく、第3行及び第1列のアンテナ・エレメントはi31として命名されてもよく、第4行及び第1列のアンテナ・エレメントはi41として命名されてもよい等々である。詳細はここでは説明されない。アンテナ・エレメントi11とアンテナ・エレメントi21とは隣接して配置され、アンテナ・エレメントi31とアンテナ・エレメントi41とは隣接して配置される。同様に、アンテナ・エレメントの別の列において、垂直方向において同じRFチャネルに属するアンテナ・エレメントもまた交互に配置される。言い換えれば、同じRFチャネルで駆動されるアンテナ・エレメントは水平方向では隣接せず、垂直方向では交互に配置される。
複数のアンテナ・エレメントが1つのRFチャネルで駆動され、RFチャネル数を削減し、マルチ・ビーム・システムのコストを削減することが可能である。同じRFチャネルで駆動される複数のアンテナ・エレメント間の接続関係は次のように示される:水平方向におけるアンテナ・エレメント間の位相差は1ビット調整可能位相シフタを利用することにより実装されてもよく、垂直方向におけるアンテナ・エレメント間の位相差は固定位相シフタを利用することにより実装されてもよい。更に、垂直方向において2つのRFチャネルが存在し、各RFチャネルで形成されるビームの電気的ダウンチルトは独立に調整され得る。
図35に示されるエレメント配置方式及びエレメント番号付け方式は単なる具体例であるに過ぎず、本願の限定として解釈されるべきでないことに留意すべきである。
同じRFチャネルで駆動される水平アンテナ・エレメントを隔てる5つのアンテナ・エレメントが存在し、言い換えればM=5であることを図34に示されるアンテナ・アレイから学ぶことができる(例えば、アンテナ・エレメントは数えるとi
12、i
13、i
14、i
15、及びi
16である)。上記の第2の選択的な実施形態で提供される関連する式によれば、水平方向のベースバンド・ウェイトの計算方式において実施形態1のビーム方位を利用することによって、計算結果が得られてもよい。9つのビームが計算結果に基づいて取得され、各ビームに対応するビーム方位と、ベースバンド・ウェイトと、1ビット調整可能位相シフタの状態とは表9に示されている。
1ビット調整可能位相シフタの条件角度は0°又は180°であってもよい。表9に示される内容を参照すると、ビーム・シーケンス番号が1である場合、相応してki=4であり;ビーム・シーケンス番号が3である場合、相応してki=2であり;ビーム・シーケンス番号が5である場合、相応してki=0であり;ビーム・シーケンス番号が7である場合、相応してki=−2であり;ビーム・シーケンス番号が9である場合、相応してki=−4であり;ビーム・シーケンス番号が2である場合、相応してki=3であり;ビーム・シーケンス番号が4である場合、相応してki=1であり;ビーム・シーケンス番号が6である場合、相応してki=−1であり;及びビーム・シーケンス番号が8である場合、相応してki=−3である。
1ビット調整可能位相シフタの角度が180°である場合に、1ビット調整可能位相シフタの角度は4つのビームに対応し、4つのビームは第1ビーム・グループとして使用されてもよい。1ビット調整可能位相シフタの角度が0°である場合に、1ビット調整可能位相シフタの角度は5つのビームに対応し、5つのビームは第2ビーム・グループとして使用されてもよい。代替的に、1ビット調整可能位相シフタの角度が180°である場合に、1ビット調整可能位相シフタの角度は4つのビームに対応し、4つのビームは第2ビーム・グループとして使用されてもよい。1ビット調整可能位相シフタの角度が0°である場合に、1ビット調整可能位相シフタの角度は5つのビームに対応し、5つのビームは第1ビーム・グループとして使用されてもよい。
理解を容易にするために、以下、図36ないし図42を参照ながら、特定の適用状況における様々なワーキング・モデルに対応するビーム形状を説明する。具体的には、アンテナ・アレイのトポロジ構造であって実施形態3に対応するトポロジ構造において、垂直面において2つのRFチャネルが存在する。各々のRFチャネルで形成されるビームの電気的ダウンチルトは独立に調整されることが可能であり、2つのRFチャネルに対応する1ビット調整可能位相シフタは独立に調整されることが可能である。従って、以下のビーム形状及び対応するワーキング・モードが形成され得る。
図36は見える角度が基地局に正確に面している場合の対応するビーム形状を示す。垂直面における2つのRFチャネルのビームのダウンチルトが同じである場合に、4つのビームが取得されることが可能であり、対応する1ビット調整可能位相シフタの双方の位相はπである。
図37は見える角度が基地局に正確に面している場合の対応するビーム形状を示す。垂直面における2つのRFチャネルのビームのダウンチルトが同じである場合に、3つのビームが取得されることが可能であり、対応する1ビット調整可能位相シフタの双方の位相は0である。
図38は見える角度が基地局に正確に面している場合の対応するビーム形状を示す。垂直面における2つのRFチャネルのビームのダウンチルトが同じである場合に、7つのビームが取得されることが可能であり、対応する1ビット調整可能位相シフタの位相はそれぞれπ及び0である。
図39は見える角度が基地局に正確に面している場合の対応するビーム形状を示す。垂直面における2つのRFチャネルのビームのダウンチルトが異なる場合に、8つのビームが取得されることが可能であり、内側及び外側の円のビームに対応する1ビット調整可能位相シフタの双方の位相はπである。
図40は見える角度が基地局に正確に面している場合の対応するビーム形状を示す。垂直面における2つのRFチャネルのビームのダウンチルトが異なる場合に、6つのビームが取得されることが可能であり、内側及び外側の円のビームに対応する1ビット調整可能位相シフタの双方の位相は0である。
図41は見える角度が基地局に正確に面している場合の対応するビーム形状を示す。垂直面における2つのRFチャネルのビームのダウンチルトが異なる場合に、7つのビームが取得されることが可能であり、内側の円のビームに対応する1ビット調整可能位相シフタの位相は0であり、外側の円のビームに対応する1ビット調整可能位相シフタの位相はπである。
図42は見える角度が基地局に正確に面している場合の対応するビーム形状を示す。垂直面における2つのRFチャネルのビームのダウンチルトが異なる場合に、7つのビームが取得されることが可能であり、内側の円のビームに対応する1ビット調整可能位相シフタの位相はπであり、外側の円のビームに対応する1ビット調整可能位相シフタの位相は0である。
外側の円及び内側の円は2つの相対的な概念であることが理解され得る。垂直面におけるダウンチルトは相違するので、投影により得られるビーム・レンジもまた相違する。相対的に遠い場所にビームが投影される場合に形成される円は外側の円として言及され、相対的に近い場所にビームが投影される場合に形成される円は内側の円として言及される。通常、垂直面においてより小さなダウンチルトはより大きなビーム投影レンジを示し、垂直面においてより大きなダウンチルトはより小さなビーム投影レンジを示す。
従って、内側及び外側の円におけるビームのダウンチルトと1ビット調整可能位相シフタの位相とが調整され、その結果、適用状況に合うように、7つの設定を実現することが可能であり、これによりソリューションの柔軟性を改善する。
理解を容易にするために、以下、図43ないし図49を参照ながら、特定の適用状況における様々なワーキング・モデルに対応するビーム形状を説明する。具体的には、アンテナ・アレイのトポロジ構造であって実施形態4に対応するトポロジ構造において、垂直面において2つのRFチャネルが存在する。各々のRFチャネルで形成されるビームの電気的ダウンチルトは独立に調整されることが可能であり、2つのRFチャネルに対応する1ビット調整可能位相シフタは独立に調整されることが可能である。従って、以下のビーム形状及び対応するワーキング・モードが形成され得る。
図43は見える角度が基地局に正確に面している場合の対応するビーム形状を示す。垂直面における2つのRFチャネルのビームのダウンチルトが同じである場合に、2つのビームが取得されることが可能であり、対応する1ビット調整可能位相シフタの双方の位相はπである。
図43は見える角度が基地局に正確に面している場合の対応するビーム形状を示す。垂直面における2つのRFチャネルのビームのダウンチルトが同じである場合に、1つのビームが取得されることが可能であり、対応する1ビット調整可能位相シフタの双方の位相は0である。
図45は見える角度が基地局に正確に面している場合の対応するビーム形状を示す。垂直面における2つのRFチャネルのビームのダウンチルトが同じである場合に、3つのビームが取得されることが可能であり、対応する1ビット調整可能位相シフタの位相はそれぞれπ及び0である。
図46は見える角度が基地局に正確に面している場合の対応するビーム形状を示す。垂直面における2つのRFチャネルのビームのダウンチルトが異なる場合に、4つのビームが取得されることが可能であり、内側及び外側の円のビームに対応する1ビット調整可能位相シフタの双方の位相はπである。
図47は見える角度が基地局に正確に面している場合の対応するビーム形状を示す。垂直面における2つのRFチャネルのビームのダウンチルトが異なる場合に、2つのビームが取得されることが可能であり、内側及び外側の円のビームに対応する1ビット調整可能位相シフタの双方の位相は0である。
図48は見える角度が基地局に正確に面している場合の対応するビーム形状を示す。垂直面における2つのRFチャネルのビームのダウンチルトが異なる場合に、3つのビームが取得されることが可能であり、内側の円のビームに対応する1ビット調整可能位相シフタの位相は0であり、外側の円のビームに対応する1ビット調整可能位相シフタの位相はπである。
図49は見える角度が基地局に正確に面している場合の対応するビーム形状を示す。垂直面における2つのRFチャネルのビームのダウンチルトが異なる場合に、3つのビームが取得されることが可能であり、内側の円のビームに対応する1ビット調整可能位相シフタの位相はπであり、外側の円のビームに対応する1ビット調整可能位相シフタの位相は0である。
従って、内側及び外側の円におけるビームのダウンチルトと1ビット調整可能位相シフタの位相とが調整され、その結果、適用状況に合うように、7つの設定を実現することが可能であり、これによりソリューションの柔軟性を改善する。
本願で提供されるアンテナ装置が上記の実施形態及び適用状況において説明されている。以下、アンテナ装置を利用することによりビームを調整する具体的な実装を説明する。図50を参照すると、本願の実施形態で提供されるビーム調整方法の実施形態は以下のステップを含む。
301.アンテナ装置の調整可能な位相シフタが第1角度にある場合、アンテナ装置は第1ビーム・グループを取得し、ここでアンテナ装置はアンテナ・アレイと調整可能な位相シフタとを含み;アンテナ・アレイは複数のアンテナ・エレメントを含み、アンテナ・アレイ内のアンテナ・エレメントの各行において、同じRFチャネルに属するアンテナ・エレメントはM個のアンテナ・エレメントにより隔てられ;Mは第1ビーム・グループにおけるビーム数と第2ビーム・グループにおけるビーム数とを決定するために使用され、Mは1より大きな正の整数であり;及び調整可能な位相シフタはアンテナ・アレイに接続される。
この実施形態では、アンテナ装置はアンテナ・アレイと調整可能な位相シフタとを含み得る。アンテナ・アレイは複数のアンテナ・エレメントを含み、アンテナ・アレイは通常2次元アレイである。しかしながら、実際のアプリケーションでは、アンテナ・アレイ101は代替的に多次元アレイ、例えば3次元の湾曲面アレイであってもよい。アンテナ・アレイ内のアンテナ・エレメントの各行において、同じRFチャネルに属するアンテナ・エレメントはM個のアンテナ・エレメントにより隔てられてもよく、ここでMは第1ビーム・グループ内のビーム数及び第2ビーム・グループ内のビーム数を決定するために主に使用され、Mは1より大きな整数である。
調整可能な位相シフタはアンテナ・アレイに接続され、アンテナ装置の調整可能な位相シフタが第1角度にある場合、第1ビーム・グループが取得される。
302.アンテナ装置の調整可能な位相シフタが第2角度にある場合、アンテナ装置は第2ビーム・グループを取得する。
この実施形態では、調整可能な位相シフタはアンテナ・アレイに接続され、アンテナ装置の調整可能な位相シフタが第2角度にある場合、第2ビーム・グループが取得される。
本願のこの実施形態ではビーム調整方法が提供される。方法はアンテナ装置に適用され、アンテナ装置はアンテナ・アレイと調整可能な位相シフタとを含む。アンテナ・アレイは複数のアンテナ・エレメントを含み、アンテナ・アレイはビームを放射するように構成され、アンテナ・アレイ内の各行のアンテナ・エレメントにおいて、同じRFチャネルに属するアンテナ・エレメントはM個のアンテナ・エレメントにより隔てられ;Mは第1ビーム・グループにおけるビーム数と第2ビーム・グループにおけるビーム数とを決定するために使用され、Mは正の整数又は1より大きな整数であり;及び調整可能な位相シフタはアンテナ・アレイに接続される。調整可能な位相シフタが第1角度にある場合、アンテナ装置は第1ビーム・グループを取得する。調整可能な位相シフタが第2角度にある場合、アンテナ装置は第2ビーム・グループを取得する。上記の方法において、複数のビームが形成されることが可能であり、調整可能な位相シフタを利用することによりビームはグループ化され、その結果、様々な通信状況に基づいて対応するビーム・グループが選択されることが可能であり、これによりビーム調整の柔軟性を効果的に改善する。
アンテナ装置の上記の説明に基づいて、図4及び図4に対応する第1ないし第8実施形態の説明に関連して、本願のビーム調整方法で実行されるステップは、上記の説明されたアンテナ装置に基づくことができる。従って詳細はここで再び説明されない。
上記の実施形態の全部又は一部は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせを利用することにより実装されてもよい。実施形態を実装するためにソフトウェアが使用される場合、実施形態の全部又は一部はコンピュータ・プログラム・プロダクトの形式で実装されてもよい。
コンピュータ・プログラム・プロダクトは1つ上のコンピュータ命令を含む。コンピュータプログラム命令がコンピュータにロードされて実行されると、本願の実施形態による手順又は機能のうちの全部又は一部が生じる。コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータ・ネットワーク、又は他のプログラム可能な装置であってもよい。コンピュータ命令は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に保存されてもよいし、あるいはコンピュータ読み取り可能な記憶媒体から他のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体へ伝送されてもよい。例えば、コンピュータ命令は、ウェブサイト、コンピュータ、サーバー、又はデータ・センターから、他のウェブサイト、コンピュータ、サーバー、又はデータ・センターへ、有線(例えば、同軸ケーブル、光ファイバ、又はディジタル加入者回線(digital subscriber line,DSL))、又は無線(例えば、赤外線、無線、又はマイクロ波)の方式で伝送されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、サーバー又はデータ・センター等の1つ以上の利用可能な媒体を組み込むコンピュータによりアクセス可能な任意の利用可能な媒体であってもよい。利用可能な媒体は、磁気媒体(例えば、フロッピー・ディスク、ハード・ディスク、又は磁気テープ)、光媒体(例えば、ディジタル多用途ディスク(digital versatile disc,DVD))、半導体媒体(例えば、ソリッド・ステート・ディスク(solid state disk,SSD))等であってもよい。
説明の簡明化の目的で、上記のシステム、装置、及びユニットの詳細な作業プロセスについては、上記の方法の実施形態における対応するプロセスが参照されてもよいことは当業者により明確に理解され得る。詳細はここで再び説明されない。
本願で提供される幾つかの実施形態において、開示されるシステム、装置、及び方法は他の方式で実装されてもよいことが理解されるべきである。例えば、説明される装置の実施形態は単に具体例であるに過ぎない。例えば、ユニットの区分は単に論理的な機能区分であるに過ぎない。実際の実装では別の区分方式が存在し得る。例えば、複数のユニット又はコンポーネントは他のシステムに結合又は統合されてもよいし、幾つかの特徴が無視されてもよいし、又は実行されなくてもよい。更に、図示又は説明される相互カップリング又は直接的なカップリング又は通信接続は何らかのインターフェースを利用することにより実装されてもよい。装置又はユニット間の間接的なカップリング又は通信接続は、電子的、機械的、又は他の形式で実装されてもよい。
別個のパーツとして説明されたユニットは物理的に別々であってもなくてもよく、ユニットとして図示されたパーツは物理的なユニットであってもなくてもよく、一箇所に位置していてもよいし、又は複数のネットワーク・ユニットに分散されてもよい。実施形態のソリューションの目的を達成するために実際の要件に基づいて、全部又は一部のユニットが選択され得る。
更に、本願の実施形態における機能ユニットは1つの処理ユニットに統合されてもよいし、あるいは各ユニットは物理的に単独で存在してもよいし、あるいは2つ以上のユニットが1つのユニットに統合されてもよい。統合されたユニットは、ハードウェアの形式で実装されてもよいし、あるいはソフトウェア機能ユニットの形式で実装されてもよい。
統合されたユニットがソフトウェア機能ユニットの形式で実装され、独立した製品として販売又は使用される場合、統合されたユニットはコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に保存されてもよい。そのような理解に基づいて、本願の技術的ソリューションは本質的に、又は従来技術に貢献する部分、あるいは技術的ソリューションの全部又は一部は、ソフトウェア・プロダクトの形式で実装されてもよい。コンピュータ・ソフトウェア・プロダクトは、記憶媒体に保存され、本願の実施形態における方法のステップのうちの全部又は一部を実行することをコンピュータ・デバイス(パーソナル・コンピュータ、サーバー、ネットワーク・デバイス等であってもよい)に命令する幾つかの命令を含む。上記の記憶媒体は、USBフラッシュ・ドライブ、リムーバブル・ハード・ディスク、リード・オンリ・メモリ(Read−Only Memory,ROM)、ランダム・アクセス・メモリ(Random Access Memory,RAM)、磁気ディスク、又は光ディスク等の、プログラム・コードを保存することが可能な任意の媒体を含む。
上記の実施形態は本願を限定するためではなく本願の技術的ソリューションを説明するように意図されているに過ぎない。本願は上記の実施形態に関連して詳細に説明されているが、当業者は、本願の実施形態の技術的ソリューションの精神及び範囲から逸脱することなく、上記の実施形態で記載されている技術的ソリューションに対する修正、又は幾つかの技術的特徴に対する等価な置換を更に行い得ることを理解すべきである。
従って、本願のこの実施形態において、アンテナ装置は固定位相シフタを更に含んでもよく、固定位相シフタは第1ビーム・グループ内のビーム又は第2ビーム・グループ内のビームの垂直方向角度を設定することができる。ビームの調整可能なレンジは垂直方向では比較的小さいので、固定位相シフタは、小さなレンジの中でビームを細かく調整するように選択されることが可能であり、これによりビーム調整制度を改善する。更に、固定位相シフタは、第1ビーム・グループ及び第2ビーム・グループの多重化レートを改善するように更に選択されることが可能である。
可能な設計において、本願の実施形態の第1態様の第10実装において、第1アンテナ・エレメント列はb1として命名されてもよい。同様に第2アンテナ・エレメント列はb6として命名されてもよい。第1アンテナ・エレメント列(b1)において、第1アンテナ・エレメントはb11として命名されてもよく、第2アンテナ・エレメントはb21として命名されてもよい。第2アンテナ・エレメント列(b6)において、第5アンテナ・エレメントはb16として命名されてもよく、第6アンテナ・エレメントはb26として命名されてもよい。
第3態様によれば、本願の実施形態は、プロセッサと、メモリと、バスと、通信インターフェースとを含むコンピュータ・デバイスを提供する。メモリは、コンピュータ実行可能な命令を保存するように構成され、プロセッサはバスを利用することによりメモリに接続され、サーバーが動作する場合に、プロセッサはメモリに保存されているコンピュータ実行可能な命令を実行し、その結果、サーバーは上記の態様の任意の1つの方法を実行する。
更に、本願のこの実施形態では、アンテナ装置は固定位相シフタを更に含んでもよく、固定位相シフタは第1ビーム・グループ内のビーム又は第2ビーム・グループ内のビームの垂直方向角度を設定することができる。ビームの調整可能なレンジは垂直方向では比較的小さいので、固定位相シフタは小さなレンジでビームを細かく調整するように選択されることが可能であり、これによりビーム調整精度を改善する。更に、固定位相シフタは第1ビーム・グループ又は第2ビーム・グループの多重化レートを改善するように更に選択されることが可能である。
水平アンテナ・エレメントのオリジナル・チャネルが取得された後に、角度電力スペクトルを推定することが可能であり、その結果、ユーザーにより良く応対するために複数のビームが選択される。電力スペクトルは電力スペクトル密度関数の略であり、単位周波数バンドにおける信号電力として定義され、信号電力が周波数とともに変化する状態、即ち周波数ドメインにおける信号電力の分布状態を表現するために主に使用される。図13は本願の実施形態による角度電力スペクトル推定に基づくマルチ・ビーム・スケジューリングの概略図である。図に示されるように、図中の水平座標の値は角度を表現するために使用されており、垂直座標の値は正規化された信号電力をdBの単位で表現するために使用されている。図中の実線カーブにおける角度電力スペクトル推定結果が取得される場合に、2つの中央の破線カーブのビームがユーザーに応対するためにグループAから選択され、チャネル特性を最大限合わせることができる。図13は2つのビーム・グループ、即ちグループA及びグループBを更に含む。グループAは4つのビームを含み、グループBは3つのアンテナ・グループを含む。グループAが第1ビーム・グループである場合に、グループBは第2ビーム・グループであることが理解され得る。グループAが第2ビーム・グループである場合に、グループBは第1ビーム・グループである。
図17は本願の実施形態によるアンテナ・アレイの別のトポロジ構造の概略図(2)である。図に示されるように、アンテナ・アレイ内の第1列は第1アンテナ・エレメント列であることが仮定される。説明を容易にするために、第1アンテナ・エレメント列はb1として命名されてもよい。同様に、第2アンテナ・エレメント列はb6として命名されてもよい。第1アンテナ・エレメント列(b1)において、第1アンテナ・エレメントはb11として命名されてもよく、第2アンテナ・エレメントはb21として命名されてもよい。第2アンテナ・エレメント列(b6)において、第5アンテナ・エレメントはb16として命名されてもよく、第6アンテナ・エレメントはb26として命名されてもよい。
アンテナ・アレイ内のアンテナ・エレメントの各列は第1アンテナ・エレメント・グループと第2アンテナ・エレメント・グループとを含む。図27に示されるように、アンテナ・エレメントの第1列が具体例として使用される。アンテナ・エレメントの第1列は第1アンテナ・エレメント・グループと第2アンテナ・エレメント・グループとを含む。第1アンテナ・エレメント・グループは複数の第1アンテナ・エレメントを含み、第2アンテナ・エレメント・グループは複数の第2アンテナ・エレメントを含む。第1アンテナ・エレメントはアンテナ・アレイ内の第1行に対応する第1アンテナ・エレメントであってもよく、第2アンテナ・エレメントはアンテナ・アレイ内の第2行に対応する第1アンテナ・エレメントであってもよい。説明を容易にするために、第1アンテナ・エレメントはd11として命名されてもよく、第2アンテナ・エレメントはd21として命名されてもよい。第1アンテナ・エレメント・グループ内の第1アンテナ・エレメントは全て第1RFチャネルに接続され、第2アンテナ・エレメント・グループ内の第2アンテナ・エレメントは全て第2RFチャネルに接続される。第1RFチャネルはRFチャネル1であってもよく、第2RFチャネルはRFチャネル2であってもよい。図27において同じラベルを有するアンテナ・エレメントは同じRFチャネルを表現することが理解され得る。