JP2020521759A5 - - Google Patents

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JP2020521759A5
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免疫トレランスを調節するための多機能性の抗体‐リガンド・トラップ 関連出願の相互参照
本出願は、2017年5月26日に出願された米国特許出願第62/511,911号、及び2017年11月29日に出願された米国特許出願第62/592,341号の35 U.S.C. §119(e)に基づく優先権の利益を主張する。先行出願の開示は、本出願の開示の一部とみなされ、参照によりその全体が本出願の開示に組み込まれる。
配列リストの組み入れ
添付の配列リストの物質は、参照により本出願に組み込まれる。添付の配列リストのテキスト・ファイル、JHU4100_2WO_Sequence_Listing.txt は、2018年5月25日に作成され、1,145 kb である。前記ファイルを、Windows OSを使用するコンピュータ上でMicrosoft Wordを使用して評価することができる。
本発明は、広く、ターゲットを絞った免疫調節分子及び融合タンパク質の分野に関するものである。より具体的には、細胞における免疫トレランスを打ち消す、又は誘導するための、ターゲットを絞った免疫刺激分子又はターゲットを絞った免疫抑制分子、並びに融合タンパク質のための組成物及び方法に関する。
免疫系は、異物又は潜在的に有害であると認識される微生物及び物質に対して、認識し、自身を防御する手段を、ヒトの身体に提供する。モノクローナル抗体を使ったがんの受動的免疫療法及び腫瘍細胞を攻撃するT細胞の受動的移植は臨床上の有効性を実証したが、腫瘍細胞に対して、これらの免疫エフェクターを誘導し、免疫学的記憶を確立するための能動的免疫療法の目標は、依然として困難なままである。いくつかの腫瘍特異的及び腫瘍関連抗原が同定されているが、これらの抗原は一般に弱い免疫原性であり、腫瘍は免疫学的な攻撃を回避することを可能にする寛容原性の環境を作り出すために、様々なメカニズムを使用する。このような免疫トレランスを克服し、強力なレベルの抗体及び/又はT細胞応答を活性化するための戦略は、効果的ながん免疫療法の鍵を握る。
本発明は、ターゲットを絞った免疫調節抗体及び融合タンパク質が、がん、炎症性障害、及び慢性感染症において、免疫トレランス、異常なT細胞分化、及びT細胞機能不全又は疲弊を打ち消す又は反転させることができるという独創的な発見に基づく。
ある実施形態では、本発明はターゲティング部分及び1つ以上の免疫調節部分(moiety)/部分(moieties)を含む分子を提供する。ここで、前記ターゲティング部分は腫瘍細胞、腫瘍微小環境、腫瘍関連増殖因子若しくはレセプター、腫瘍関連サイトカイン若しくはレセプター、腫瘍関連Tリンパ球、T細胞共-刺激又は阻害分子、免疫細胞、病原体、又は病原体関連細胞、の構成要素に特異的に結合するポリペプチドを含む、及び前記免疫調節部分は、Tリンパ球免疫レセプター、T細胞阻害レセプター(T cell inhibitory receptor (TCIR))、T細胞共-阻害分子、T細胞共-刺激分子、Bリンパ球レセプター、DCレセプター、NK細胞レセプター、サイトカイン・レセプター、増殖因子レセプター、ケモカイン・レセプター、又は腫瘍細胞レセプター、の細胞外ドメイン(extracellular domain (ECD))配列又はそのリガンド結合フラグメントを含む。
ある態様では、前記ターゲティング部分のポリペプチドは、免疫グロブリン、抗体、バイスペシフィック若しくはマルチスペシフィック抗体(multispecific antibody)、抗体フラグメント、単鎖可変フラグメント(single chain variable fragment (scFv))、二価若しくは多価scFv、又はFc含有ポリペプチドの抗原結合ドメインを含む。別の態様では、前記ターゲティング部分は、レセプターの細胞外ドメイン由来のリガンド結合配列を含む。
ある特定の態様では、前記ターゲティング部分は、T細胞阻害レセプター(T cell inhibitory receptor (TCIR))、T細胞阻害レセプター・リガンド(TCIRリガンド)、T細胞共-阻害分子、又はT細胞共-刺激分子に特異的に結合する抗体である。更なる態様では、前記抗体は、TCIR、TCIRリガンド、又は共-阻害分子のアンタゴニストである。別の態様では、前記抗体は、T細胞共-刺激分子のアゴニストである。更なる態様では、前記ターゲティング部分のポリペプチドは、以下の分子のうちの1種以上に、特異的に結合する:細胞傷害性Tリンパ球関連抗原-4(Cytotoxic T lymphocyte associated antigen-4 (CTLA-4、CD152))、プログラム死-1タンパク質(Programmed Death-1 protein (PD-1))、プログラム死リガンド-1(Programmed death ligand-1 (PD-L1))、プログラム死リガンド(Programmed death ligand (PD-L2))、B7-H3(CD276)、T細胞免疫グロブリン及びムチン-ドメイン含有-3(T-cell immunoglobulin and mucin-domain containing-3 (TIM-3))、がん胎児性抗原関連細胞接着分子1(Carcinoembryonic antigen-related cell adhesion molecule 1 (CEACAM-1))、がん胎児性抗原(Carcinoembryonic Antigen (CEA))、T細胞活性化のVドメインIgサプレッサー(V domain Ig suppressor of T cell activation (VISTA))、V-set及び免疫グロブリン・ドメイン含有8(V-set and immunoglobulin domain containing 8 (VSIG8))、B-及びT-リンパ球アテニュエーター(BTLA)、ヘルペスウイルス侵入メディエーター(HVEM)、CD160、T細胞Ig及びITMドメイン(T cell Ig and ITM domain (TIGIT))、CD226、CD96、リンパ球活性化遺伝子-3(Lymphocyte activation gene-3 (LAG-3))、形質転換増殖因子β(TGF-β)、形質転換増殖因子βレセプター(TGFβR)、核内因子κ B活性化レセプター(Receptor Activator of Nuclear Factor κ B (RANK))、RANKリガンド(RANKL)、4-1BB(CD137)、誘導性T細胞共-刺激因子(Inducible T-Cell Costimulator (ICOS))、OX-40(CD134)、グルココルチコイド誘導性TNFR関連タンパク質(glucocorticoid-induced TNFR-related protein (GITR))、CD27、IL6R、IL23R、IL17R、IL-6、IL-23、IL-17、CD39、CD40、CD40L、CD47、CD122、CD73、CCR4、CCR5、CXCR4、IL12R、CD4、IL-2R、CD25、CD3。ある特定の態様では、前記ターゲティング部分のポリペプチドは、以下のうちの1種以上に特異的に結合する:上皮成長因子レセプター(EGFR、EGFR1、ErbB-1、HER1)、ErbB-2(HER2/neu)、ErbB-3/HER3、ErbB-4/HER4、上皮成長因子(EGF)、形質転換増殖因子α(TGFα)、血管内皮増殖因子(VEGF)、血管内皮増殖因子レセプター-1(VEGFR-1)、VEGFR-2又はVEGFR-3。ある特定の態様では、前記ターゲティング部分のポリペプチドは、ヒト免疫不全ウイルスgp120 タンパク質(HIV gp120)に特異的に結合する。
種々の態様では、前記免疫調節部分は、形質転換増殖因子βレセプターII(TGFβRII)、プログラム死1タンパク質(PD-1)、T細胞免疫グロブリン及びムチン-ドメイン含有-3 (TIM-3)、B-及びT-リンパ球アテニュエーター(BTLA)、CD160、CD226、T細胞Ig及びITMドメイン(TIGIT)、CD96、CD44、コロニー刺激因子1レセプター(CSF1R)、CCR4、キラー細胞免疫グロブリン様レセプター(Killer-cell immunoglobulin-like receptor (KIR))、血管内皮増殖因子レセプター(VEGFR)、核内因子κB活性化レセプター(RANK)、V-set及び免疫グロブリン・ドメイン含有8 (VSIG8)、LIGHT(TNFSF14)、白血球関連免疫グロブリン様レセプター1(Leukocyte-associated immunoglobulin-like receptor 1 (LAIR1))、又はT細胞活性化のVドメインIgサプレッサー(VISTA)の細胞外リガンド結合配列又はそのリガンド結合フラグメントを含む。
いくつかの態様では、前記分子はリンカーを含む、そして前記リンカーは、配列番号(SEQ ID NO): 3の配列を有することがある。更なる態様では、前記リンカーは、前記ターゲティング部分と前記免疫調節部分とを融合させる。
いくつかの態様では、前記免疫調節部分は、抗体を含むターゲティング部分の重鎖と融合している。他の態様では、前記免疫調節部分は、抗体を含むターゲティング部分の軽鎖と融合している。更なる態様では、ある免疫調節部分(IM-1)は、抗体を含むターゲティング部分の重鎖と融合している、及びもう一つ別の免疫調節部分(IM-2)は、同じターゲティング抗体の軽鎖と融合している。
ある態様では、前記ターゲティング部分は、TIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む免疫調節部分と融合している。特定の態様では、前記リガンド結合フラグメントは、TIM-3のCEACAM-1結合フラグメントを含む。特定の態様では、前記免疫調節部分は、配列番号(SEQ ID NO): 2に対応するTIM-3 細胞外ドメイン(TIM-3エクトドメイン; TIM-3ecd)のリガンド結合配列を含む。
ある態様では、前記ターゲティング部分は、PD-1、PD-L1、CTLA4、LAG3、VISTA、TIGIT、BTLA、CCR4、41BB、OX40、GITR、VEGF、RANKL、TGF-β、IL6R、EGFR、HER2/neu、又はgp120に結合するポリペプチドを含む、及び前記免疫調節部分は、TIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントである。特定の態様では、前記免疫調節部分は、TIM-3のCEACAM-1結合フラグメントを含む。特定の態様では、前記免疫調節部分は、配列番号(SEQ ID NO): 2に対応するTIM-3ecdのリガンド結合配列を含む。
ある特定の態様では、前記ターゲティング部分は、PD-1又はPD-L1に結合するポリペプチドを含む、及び前記免疫調節部分は、TIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。特定の態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 51、52、53又は192の配列を含む。特定の態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 282、288、274、278の配列を含む。特定の態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 51及び配列番号(SEQ ID NO): 185に対応する配列を含む。特定の態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 52及び配列番号(SEQ ID NO): 186に対応する配列を含む。特定の態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 53及び配列番号(SEQ ID NO): 187に対応する配列を含む。特定の態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 192及び配列番号(SEQ ID NO): 193に対応する配列を含む。
ある態様では、前記ターゲティング部分はCTLA-4に結合するポリペプチドを含む、及び前記免疫調節部分はTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。特定の態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 50の配列を含む。特定の態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 204の配列を含む。特定の態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 50及び配列番号(SEQ ID NO): 184に対応する配列を含む。
別の態様では、前記ターゲティング部分はLAG-3に結合するポリペプチドを含む、及び前記免疫調節部分はTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。ある態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 26の配列を含む。特定の態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 26及び配列番号(SEQ ID NO): 161に対応する配列を含む。
更なる態様では、前記ターゲティング部分はVISTAに結合するポリペプチドを含む、及び前記免疫調節部分はTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。更なる態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 12の配列を含む。特定の態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 12及び配列番号(SEQ ID NO): 147に対応する配列を含む。
ある態様では、前記ターゲティング部分はTIGITに結合するポリペプチドを含む、及び前記免疫調節部分はTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。特定の態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 17の配列を含む。特定の態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 17及び配列番号(SEQ ID NO): 152に対応する配列を含む。
別の態様では、前記ターゲティング部分はBTLAに結合するポリペプチドを含む、及び前記免疫調節部分はTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。更なる態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 22の配列を含む。特定の態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 22及び配列番号(SEQ ID NO): 157に対応する配列を含む。
ある態様では、前記ターゲティング部分はCCR-4に結合するポリペプチドを含む、及び前記免疫調節部分はTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。ある特定の態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 31の配列を含む。特定の態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 31及び配列番号(SEQ ID NO): 166に対応する配列を含む。
更なる態様では、前記ターゲティング部分は4-1BBに結合するポリペプチドを含む、及び前記免疫調節部分はTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。特定の態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 116の配列を含む。特定の態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 116及び配列番号(SEQ ID NO): 117に対応する配列を含む。
ある態様では、前記ターゲティング部分はVEGFに結合するポリペプチドを含む、及び前記免疫調節部分はTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。ある特定の態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 88の配列を含む。特定の態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 252の配列を含む。特定の態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 88及び配列番号(SEQ ID NO): 89に対応する配列を含む。
ある態様では、前記ターゲティング部分はRANKLに結合するポリペプチドを含む、及び前記免疫調節部分はTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。
ある態様では、前記ターゲティング部分はIL6-Rに結合するポリペプチドを含む、及び前記免疫調節部分はTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。ある特定の態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 219の配列を含む。特定の態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 216の配列を含む。特定の態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 219及び61に対応する配列を含む。
ある態様では、前記ターゲティング部分はEGFRに結合するポリペプチドを含む、及び前記免疫調節部分はTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。ある特定の態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 231の配列を含む。特定の態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 228の配列を含む。特定の態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 231及び配列番号(SEQ ID NO): 75に対応する配列を含む。
ある態様では、前記ターゲティング部分はHER2/Neuに結合するポリペプチドを含む、及び前記免疫調節部分はTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。ある特定の態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 102の配列を含む。特定の態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 240の配列を含む。特定の態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 102及び配列番号(SEQ ID NO): 103に対応する配列を含む。
ある態様では、前記ターゲティング部分はHIV gp120に結合するポリペプチドを含む、及び前記免疫調節部分はTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。ある特定の態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 267の配列を含む。特定の態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 264の配列を含む。特定の態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 267及びgp120抗体の軽鎖に対応する配列を含む。
別の態様では、前記ターゲティング部分は、PD-1のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む免疫調節部分と融合することを含む。ある特定の態様では、このリガンド結合フラグメントは、PD-L1又はPD-L2結合フラグメントを含む。特定の態様では、前記免疫調節部分は、配列番号(SEQ ID NO): 194に対応するPD-1 細胞外ドメイン(PD-1ecd)のリガンド結合配列を含む。更なる態様では、前記ターゲティング部分は、TIM-3、CEACAM-1、BTLA、CCR4、CTLA4、LAG3、TIGIT、VISTA、41BB、OX40、GITR、RANKL、TGF-β又はVEGFに結合するポリペプチドを含む、及び前記免疫調節部分はPD-1のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。
別の態様では、前記ターゲティング部分は、TGFβレセプターのECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む免疫調節部分と融合することを含む。ある特定の態様では、このリガンド結合フラグメントは、TGFβRIIのTGFβ結合フラグメントを含む。特定の態様では、前記免疫調節部分は、配列番号(SEQ ID NO): 6に対応するTGFβRII細胞外ドメイン(TGFβRII ecd)のリガンド結合配列を含む。ある特定の態様では、前記ターゲティング部分は、TIM-3、CEACAM-1、BTLA、CCR4、CTLA4、LAG3、PD-1、PD-L1、TIGIT、VISTA、41BB、OX40、GITR、RANKL、又はVEGFに結合するポリペプチドを含む、及び前記免疫調節部分はTGFβRIIのECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。
更なる態様では、前記ターゲティング部分は、BTLA、CD160、又はLIGHTのECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む免疫調節部分と融合することを含む。ある特定の態様では、前記リガンド結合フラグメントは、ヘルペスウイルス侵入メディエーター(HVEM、CD 270)結合フラグメントを含む。特定の態様では、前記免疫調節部分は、配列番号(SEQ ID NO): 8に対応するBTLAの細胞外ドメイン(BTLA ecd)のリガンド結合配列を含む。特定の態様では、前記免疫調節部分は、配列番号(SEQ ID NO): 302に対応するLIGHT細胞外ドメイン(LIGHT ecd)のリガンド結合配列を含む。ある特定の態様では、前記ターゲティング部分は、TIM-3、CEACAM-1、CCR4、CTLA4、LAG3、PD-1、PD-L1、TIGIT、VISTA、41BB、OX40、GITR、RANKL又はVEGFに結合するポリペプチドを含む、及び前記免疫調節部分はBTLA、CD160、又はLIGHTのECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。
更なる態様では、前記ターゲティング部分は、TIGIT又はCD96のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む免疫調節部分と融合している。ある態様では、このリガンド結合フラグメントは、CD155又はCD112結合フラグメントを含む。ある特定の態様では、前記免疫調節部分は、TIGITのECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。特定の態様では、前記免疫調節部分は、配列番号(SEQ ID NO): 289に対応するTIGITの細胞外ドメイン(TIGIT ECD)のリガンド結合配列を含む。特定の態様では、前記免疫調節部分は、配列番号(SEQ ID NO): 301に対応するCD96の細胞外ドメイン(CD96 ECD)のリガンド結合配列を含む。別の態様では、前記ターゲティング部分は、TIM-3、CEACAM-1、BTLA、CCR4、CTLA4、LAG3、PD-1、PD-L1、VISTA、41BB、OX40、GITR、RANKL、TGF-β又はVEGFに結合するポリペプチドを含む、及び前記免疫調節部分はTIGITのECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。
別の態様では、前記ターゲティング部分は、CD226のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む免疫調節部分と融合している。ある特定の態様では、このリガンド結合フラグメントは、CD155又はCD112結合フラグメントを含む。特定の態様では、前記免疫調節部分は、配列番号(SEQ ID NO): 9に対応するCD226の細胞外ドメイン(CD226 ECD)のリガンド結合配列を含む。別の態様では、前記ターゲティング部分は、TIM-3、CEACAM-1、BTLA、CCR4、CTLA4、LAG3、PD-1、PD-L1、TIGIT、VISTA、41BB、OX40、GITR、RANKL、TGF-β又はVEGFに結合するポリペプチドを含む、及び前記免疫調節部分はCD226のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。
別の態様では、前記ターゲティング部分は、VSIG8のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む免疫調節部分と融合している。ある特定の態様では、このリガンド結合フラグメントは、VISTA結合フラグメントを含む。特定の態様では、前記免疫調節部分は、配列番号(SEQ ID NO): 55に対応するVSIG8の細胞外ドメイン(VSIG8 ecd)のリガンド結合配列を含む。別の態様では前記ターゲティング部分は、TIM-3、CEACAM-1、BTLA、CCR4、CTLA4、LAG3、PD-1、PD-L1、TIGIT、41BB、OX40、GITR、RANKL、TGF-β又はVEGFに結合するポリペプチドを含む、及び前記免疫調節部分はVSIG8のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。
更なる態様では、前記ターゲティング部分は、TIM-3、CEACAM-1、BTLA、CCR4、CTLA4、LAG3、PD-1、PD-L1、TIGIT、VISTA、41BB、OX40、GITR、RANKL、TGF-β又はVEGFに結合するポリペプチドを含む、及び前記免疫調節部分はCD44のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。特定の態様では、前記免疫調節部分は、配列番号(SEQ ID NO): 36に対応するCD44の細胞外ドメイン(CD44 ecd)のリガンド結合配列である。
更なる態様では、前記免疫調節部分はCCR4のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む、及び前記リガンド結合フラグメントは、CCL22結合フラグメントを含む。ある態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NOs)10及び145;11及び146;12及び147;13及び148;14及び149;15及び150;16及び151;17及び152;18及び153;19及び154, 20及び155;21及び156;22及び157;23及び158;24及び159;25及び160;26及び161;27及び162;28及び163;29及び164;30及び165;31及び166;32及び167;33及び168;34及び169;35及び170;37及び171;38及び172;39及び173;40及び174;41及び175;42及び176;43及び177;44及び178;45及び179;46及び180;47及び181;48及び182;49及び183;50及び184;51及び185;52及び186;53及び187;58及び188;59及び189;60及び61;62及び63;64及び65;66及び67;68及び69;70及び71;72及び73;74及び75;76及び77;78及び79;80及び81;82及び83;84及び85;86及び87;88及び89;90及び91;92及び93;94及び95;, 96及び97;98及び99;100及び101;102及び103;104及び105;106及び107;108及び109;110及び111;112及び113;114及び115;116及び117;118及び119;120及び121;122及び123;124及び125;126及び127;, 128及び129;130及び131;132及び133;134及び135;136及び137;138及び139;140及び141;142及び143;192及び193;209及び210;211及び212;221及び222;223及び224;233及び234;235及び236;245及び246;247及び248;257及び258;259及び260;269及び270;271及び272;275及び276;279及び280;283及び284;287及び288;290及び291;292及び293;294及び295;296及び297;又は 298及び299、の配列を含む。
更なる実施形態では、本発明はターゲティング部分、第1の免疫調節部分(IM-1)及び第2の免疫調節部分(IM-2)を含む分子を提供する、ここで、前記ターゲティング部分は、細胞傷害性Tリンパ球関連抗原-4(Cytotoxic T lymphocyte associated antigen-4 (CTLA-4、CD152))、プログラム死-1タンパク質(Programmed Death-1 protein (PD-1))、プログラム死リガンド-1(Programmed death ligand-1 (PD-L1))、T細胞活性化のVドメインIgサプレッサー(V domain Ig suppressor of T cell activation (VISTA))、B-及びT-リンパ球アテニュエーター(BTLA)、T細胞Ig及びITMドメイン(T cell Ig and ITM domain (TIGIT))、リンパ球活性化遺伝子-3(Lymphocyte activation gene-3 (LAG-3))、4-1BBリガンド(CD137)、OX-40(CD134)、グルココルチコイド誘導性TNFR関連タンパク質(glucocorticoid-induced TNFR-related protein (GITR))、形質転換増殖因子β(TGF-β)、CD27、CD47、IL6R、IL23R、IL17R、IL-6、IL-23、IL-17、CD39、CD73、CD122、CCR4、CCR5、CXCR4、IL12R、CD4、CD25、CD3、核内因子κB活性化レセプター・リガンド(RANKL)、RANK、上皮成長因子レセプター(EGFR)、ヒト上皮成長因子レセプター2(HER2)又は血管内皮増殖因子(VEGF)、に特異的に結合するポリペプチドを含む、前記第1の免疫調節部分(IM-1)は、形質転換増殖因子βレセプターII(TGFβRII)、プログラム死1タンパク質(PD-1)、T細胞免疫グロブリン及びムチン-ドメイン含有-3(T-cell immunoglobulin and mucin-domain containing-3 (TIM-3))、B-及びT-リンパ球アテニュエーター(BTLA)、CD226、T細胞Ig及びITMドメイン(T cell Ig and ITM domain (TIGIT))、CD44、コロニー刺激因子1レセプター(CSF1R)、CCR4、キラー細胞免疫グロブリン様レセプター(Killer-cell immunoglobulin-like receptor (KIR))、血管内皮増殖因子レセプター(VEGFR)、核内因子κB活性化レセプター(RANK)、V-set及び免疫グロブリン・ドメイン含有8(V-set and immunoglobulin domain containing 8 (VSIG8))、LIGHT(TNFSF14)若しくはT細胞活性化のVドメインIgサプレッサー(V domain Ig suppressor of T cell activation (VISTA))、の細胞外のリガンド結合配列又はそのリガンド結合フラグメント、を含み;並びに前記第2の免疫調節部分(IM-2)は、形質転換増殖因子βレセプターII(TGFβRII)、プログラム死1タンパク質(PD-1)、T細胞免疫グロブリン及びムチン-ドメイン含有-3(T-cell immunoglobulin and mucin-domain containing-3 (TIM-3))、B-及びT-リンパ球アテニュエーター(BTLA)、CD226、T細胞Ig及びITMドメイン(T cell Ig and ITM domain (TIGIT))、CD44、コロニー刺激因子1レセプター(CSF1R)、CCR4、キラー細胞免疫グロブリン様レセプター(Killer-cell immunoglobulin-like receptor (KIR))、血管内皮増殖因子レセプター(VEGFR)、核内因子κB活性化レセプター(RANK)、V-set及び免疫グロブリン・ドメイン含有8(V-set and immunoglobulin domain containing 8 (VSIG8))、LIGHT(TNFSF14)若しくはT細胞活性化のVドメインIgサプレッサー(V domain Ig suppressor of T cell activation (VISTA))、の細胞外のリガンド結合配列又はそのリガンド結合フラグメント、を含む。
いくつかの態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NOs):201及び202;203及び204;205及び206;207及び208;213及び214;215及び216;217及び218;219及び220;225及び226;227及び228;229及び230;231及び232;237及び238;239及び240;241及び242 ;243及び244;249及び250;251及び252;253及び254;255及び256;261及び262;263及び264;265及び266;267及び268;273及び274;277及び278;281及び282;285及び286、の配列を含む。
ある態様では、前記ターゲティング部分のポリペプチドは、免疫グロブリン、抗体、バイスペシフィック(bispecific)若しくはマルチスペシフィック抗体(multispecific antibody)、抗体フラグメント、単鎖可変フラグメント(scFv)、二価若しくは多価scFv、レセプターの細胞外ドメイン(ECD)由来のリガンド結合配列、又はFc含有ポリペプチド、の抗原結合ドメインを含む。ある特定の態様では、前記ポリペプチドは抗体である。
ある態様では、前記第1の免疫調節部分は前記抗体の重鎖に結合している、及び前記第2の免疫調節部分は前記抗体の軽鎖に結合している。更なる態様では、前記第1の免疫調節部分は前記抗体の重鎖又は軽鎖のC末端に結合している、前記第2の免疫調節部分は前記抗体の重鎖又は軽鎖のC末端に結合している、及び/又は前記第2の免疫調節部分は前記第1の免疫調節部分に結合している。
更なる態様では、前記第1の免疫調節部分及び前記第2の免疫調節部分はリンカーを用いて抗体の重鎖又は軽鎖に結合している、及び/又は前記第2の免疫調節部分はリンカーを用いて前記第1の免疫調節部分に結合している。ある特定の態様では、前記リンカーは、(GGGGS)n(配列番号(SEQ ID NO): 3)の配列を有し、ここで、nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10であることがある。ある特定の態様では、前記リンカーは、配列番号(SEQ ID NO)3の配列を有する。ある特定の態様では、前記第1の免疫調節部分はTIM3のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む、及び前記第2の免疫調節部分はPD-1のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む;前記第1の免疫調節部分はTGFβRIIのECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む、及び前記第2の免疫調節部分はTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む;前記第1の免疫調節部分はPD-1のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む、及び前記第2の免疫調節部分はTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む;並びに/又は前記第1の免疫調節部分はTGFβRIIのECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む、及び前記第2の免疫調節部分はPD-1のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。
更なる態様では、前記ターゲティング部分はIL6R、CTLA-4、PD-1、PD-L1、EGFR、HER2、VEGF又はgp120、に特異的に結合する。
ある態様では、前記ターゲティング部分はCTLA-4に結合するポリペプチドを含む、前記第1の免疫調節部分はPD-1のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む、及び前記第2の免疫調節部分はTGFβRIIのECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。ある態様では、この分子は、配列番号(SEQ ID NO): 201及び配列番号(SEQ ID NO): 202を含む。別の態様では、前記ターゲティング部分はCTLA-4に結合するポリペプチドを含む、前記第1の免疫調節部分はPD-1のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む、及び前記第2の免疫調節部分はTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。ある態様では、この分子は、配列番号(SEQ ID NO): 205及び配列番号(SEQ ID NO): 206を含む。ある態様では、この分子は、配列番号(SEQ ID NO): 207及び配列番号(SEQ ID NO): 208を含む。別の態様では、前記ターゲティング部分はCTLA-4に結合するポリペプチドを含む、前記第1の免疫調節部分はTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む、及び前記第2の免疫調節部分はTGFβRIIのECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。ある態様では、この分子は、配列番号(SEQ ID NO): 203及び配列番号(SEQ ID NO): 204を含む。更なる態様では、前記ターゲティング部分のポリペプチドはイピリムマブを含む。更なる態様では、この抗体はトレミリムマブである。
ある態様では、前記ターゲティング部分はPD-1又はPD-L1に結合するポリペプチドを含む、前記第1の免疫調節部分はTGFβRIのECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む、及び前記第2の免疫調節部分はTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。ある態様では、この分子は、配列番号(SEQ ID NO): 273及び配列番号(SEQ ID NO): 274を含む。ある態様では、この分子は、配列番号(SEQ ID NO): 277及び配列番号(SEQ ID NO): 278を含む。ある態様では、この分子は、配列番号(SEQ ID NO): 285及び配列番号(SEQ ID NO): 286を含む。ある態様では、この分子は、配列番号(SEQ ID NO): 281及び配列番号(SEQ ID NO): 282を含む。更なる態様では、前記ターゲティング部分のポリペプチドはニボルマブ又はペムブロリズマブを含む。更なる態様では、この抗体はアテゾリズマブ又はアベルマブ又はデュバルマブである。
ある態様では、前記ターゲティング部分はIL-6Rに結合するポリぺプチドを含む、前記第1の免疫調節部分はPD-1のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む、及び前記第2の免疫調節部分はTGFβRIIのECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。ある態様では、この分子は、配列番号(SEQ ID NO): 213及び配列番号(SEQ ID NO): 214を含む。別の態様では、前記ターゲティング部分はIL-6Rに結合するポリペプチドを含む、前記第1の免疫調節部分はPD-1のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む、及び前記第2の免疫調節部分はTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。ある態様では、この分子は、配列番号(SEQ ID NO): 217及び配列番号(SEQ ID NO): 218を含む。ある態様では、この分子は、配列番号(SEQ ID NO): 219及び配列番号(SEQ ID NO): 220を含む。別の態様では、前記ターゲティング部分はIL-6Rに結合するポリペプチドを含む、前記第1の免疫調節部分はTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む、及び前記第2の免疫調節部分はTGFβRIIのECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。ある態様では、この分子は、配列番号(SEQ ID NO): 215及び配列番号(SEQ ID NO): 216を含む。更なる態様では、前記ターゲティング部分のポリペプチドは、IL-6Rに結合する抗体を含む。更なる態様では、この抗体は、トシリズマブを含む。
ある態様では、前記ターゲティング部分はVEGFに結合するポリぺプチドを含む、前記第1の免疫調節部分はPD-1のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む、及び前記第2の免疫調節部分はTGFβRIIのECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。ある態様では、この分子は、配列番号(SEQ ID NO): 249及び配列番号(SEQ ID NO): 250を含む。別の態様では、前記ターゲティング部分はVEGFに結合するポリペプチドを含む、前記第1の免疫調節部分はPD-1のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む、及び前記第2の免疫調節部分はTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。ある態様では、この分子は、配列番号(SEQ ID NO): 253及び配列番号(SEQ ID NO): 254を含む。ある態様では、この分子は、配列番号(SEQ ID NO): 255及び配列番号(SEQ ID NO): 256を含む。別の態様では、前記ターゲティング部分はVEGFに結合するポリペプチドを含む、前記第1の免疫調節部分はTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む、及び前記第2の免疫調節部分はTGFβRIIのECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。ある態様では、この分子は、配列番号(SEQ ID NO): 251及び配列番号(SEQ ID NO): 252を含む。更なる態様では、前記ターゲティング部分のポリペプチドはベバシズマブを含む。更なる態様では、ターゲティング部分はVEGFRのリガンド結合エクトドメインを含む。更なる態様では、ターゲティング部分はアフリベルセプトを含む。
ある態様では、前記ターゲティング部分はEGFRに結合するポリペプチドを含む、前記第1の免疫調節部分はPD-1のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む、及び前記第2の免疫調節部分はTGFβRIIのECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。ある態様では、この分子は、配列番号(SEQ ID NO): 225及び配列番号(SEQ ID NO): 226を含む。別の態様では、前記ターゲティング部分はEGFRに結合するポリペプチドを含む、前記第1の免疫調節部分はPD-1のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む、及び前記第2の免疫調節部分はTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。ある態様では、この分子は、配列番号(SEQ ID NO): 229及び配列番号(SEQ ID NO): 230を含む。ある態様では、この分子は、配列番号(SEQ ID NO): 231及び配列番号(SEQ ID NO): 232を含む。別の態様では、前記ターゲティング部分はEGFRに結合するポリペプチドを含む、前記第1の免疫調節部分はTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む、及び前記第2の免疫調節部分はTGFβRIIのECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。ある態様では、この分子は、配列番号(SEQ ID NO): 227及び配列番号(SEQ ID NO): 228を含む。更なる態様では、前記ターゲティング部分のポリペプチドは、セツキシマブ又はパニツムマブ又はネシツムマブを含む。
ある態様では、前記ターゲティング部分はHER2/Neuに結合するポリぺプチドを含む、前記第1の免疫調節部分はPD-1のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む、及び前記第2の免疫調節部分はTGFβRIIのECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。ある態様では、この分子は、配列番号(SEQ ID NO): 237及び配列番号(SEQ ID NO): 238を含む。別の態様では、前記ターゲティング部分はHER2に結合するポリペプチドを含む、前記第1の免疫調節部分はPD-1のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む、及び前記第2の免疫調節部分はTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。ある態様では、この分子は、配列番号(SEQ ID NO): 243及び配列番号(SEQ ID NO): 244を含む。ある態様では、この分子は、配列番号(SEQ ID NO): 241及び配列番号(SEQ ID NO): 242を含む。別の態様では、前記ターゲティング部分はHER2に結合するポリペプチドを含む、前記第1の免疫調節部分はTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む、及び前記第2の免疫調節部分はTGFβRIIのECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。ある態様では、この分子は、配列番号(SEQ ID NO): 239及び配列番号(SEQ ID NO): 240を含む。更なる態様では、前記ターゲティング部分のポリペプチドは、トラスツズマブ又はペルツズマブを含む。
ある態様では、前記ターゲティング部分はHIV gp120に結合するポリぺプチドを含む、前記第1の免疫調節部分はPD-1のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む、及び前記第2の免疫調節部分はTGFβRIIのECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。ある態様では、この分子は、配列番号(SEQ ID NO): 261及び配列番号(SEQ ID NO): 262を含む。別の態様では、前記ターゲティング部分はgp120に結合するポリペプチドを含む、前記第1の免疫調節部分はPD-1のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む、及び前記第2の免疫調節部分はTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。ある態様では、この分子は、配列番号(SEQ ID NO): 265及び配列番号(SEQ ID NO): 266を含む。ある態様では、この分子は、配列番号(SEQ ID NO): 267及び配列番号(SEQ ID NO): 268を含む。別の態様では、前記ターゲティング部分はgp120に結合するポリペプチドを含む、前記第1の免疫調節部分はTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む、及び前記第2の免疫調節部分はTGFβRIIのECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。ある態様では、この分子は、配列番号(SEQ ID NO): 263及び配列番号(SEQ ID NO): 264を含む。更なる態様では、前記ターゲティング部分のポリペプチドは、トラスツズマブ又はペルツズマブを含む。
更なる実施形態では、本発明は、TIM-3の細胞外結合ドメイン(ECD)又はそのリガンド結合フラグメント、及びTGFRβII、PD-1、BTLA、LIGHT、CD226又はVSIG8のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む融合タンパク質を提供する。ある態様では、前記融合タンパク質はTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメント及びTGFβRIIのECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。ある特定の態様では、前記融合タンパク質は、配列番号(SEQ ID NO): 190の配列を含む。別の態様では、前記融合タンパク質はTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメント、及びPD-1のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。特定の態様では、前記融合タンパク質は、配列番号(SEQ ID NO): 195、196又は197の配列を含む。更なる態様では、前記融合タンパク質はFcを含む。更なる態様では、TIM-3のECD及び他のECDはリンカーを用いて繋がっている。ある特定の態様では、前記リンカーは、配列番号(SEQ ID NO)3、4、又は5の配列を有する。
ある実施形態では、本発明は、先に記載した分子又は融合タンパク質及び医薬担体を含む組成物を提供する。
更なる実施形態では、本発明は、がん又は感染性疾患を有する対象を、前記対象に先に記載した分子、融合タンパク質又は組成物を投与することを含む、治療する方法を提供する。ある態様では、前記分子、融合タンパク質又は組成物は、皮内、皮下、静脈内、腹腔内、動脈内、髄腔内(intrathecal)、関節包内(intracapsular)、眼窩内、心臓内、皮内、経皮、経気管、表皮下、関節内、被膜下、クモ膜下、髄腔内(intraspinal)及び胸骨内、経口、舌下頬側、直腸、膣、鼻若しくは眼への投与によって、注射、吸入(inhalation)、若しくは噴霧(nebulization)によって、又は非経口投与によって、投与される。
別の態様では、がんは、肺がん、乳がん、結腸直腸がん、前立腺がん、胃がん、肝臓がん、子宮頸がん、食道がん、膀胱がん、非‐ホジキン・リンパ腫、白血病、膵臓がん、腎臓がん、子宮内膜がん、頭頸がん(HNSCC)、口唇がん、口腔がん、甲状腺がん、脳がん、卵巣がん、黒色腫、胆嚢がん、喉頭がん、多発性骨髄腫、鼻咽腔がん、ホジキン・リンパ腫、精巣がん又はカポジ肉腫である。
更なる態様では、感染性病原体又は疾患は、HIV/AIDS、単純ヘルペス・ウイルス/ヘルペス、ヒト・パピローマ・ウイルス、B型又はC型肝炎ウイルス/肝炎、エプスタイン・バー・ウイルス(EBV)、ボレリア・ブルグドルフェリ/ライム病、インフルエンザ、結核菌/結核菌、マイコバクテリア・レプラエ(Mycobacteria leprae)/ハンセン病(Leprosy)、マラリア(Malaria)、梅毒(Syphilis)、淋病(Gonorrhea)、又はクレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella Pneumoniae)/肺炎である。
更なる実施形態では、化学療法剤、免疫抑制剤又は抗生物質を前記分子、融合タンパク質又は組成物の投与と同時に、投与の前又は後に、投与する。
図1。T細胞の活性化を阻害し、免疫トレランス及びT細胞の疲弊を誘導する自己分泌/傍分泌のレセプター‐リガンド相互作用の模式図。自己分泌/傍分泌のTGFβは、FOXP3(Treg系列のシグネチャ転写因子(signature transcription factor)である)の発現を誘導する。FOXP3は、CTLA-4(B7-CD28の相互作用を阻害することによってT細胞共-刺激を抑制するT細胞阻害レセプターである)の発現を、誘導する。Tregは、ガレクチン-9(TIM-3と結合し、TIM-3/CEACAM-1の共-阻害軸によるエフェクターT細胞の疲弊又はアポトーシスを誘発するリガンドである)、を発現する。PD-L1がPD-1に結合することは、TGFβ誘導によるFOXP3の発現を促進してTregを誘導及び維持し、及びTIM-3/CEACAM-1シグナル伝達と協働してT細胞の疲弊及び死を誘導する。 図2A〜C。a-PDL1-TIM3ecd及びa-PD1-TIM3ecdは、PD-L1/PD-1シグナル伝達及びTIM-3/CEACAM-1の共-阻害軸を同時に阻害することにより、免疫トレランス及びT細胞の疲弊を打ち消す。 (A)a-PDL1-TIM3ecd及びa-PD1-TIM3ecdの構造及びターゲットの模式図。a-PD1-TIM3ecdは、以下を含む:(i)フレキシブルなリンカー・ペプチド(GGGGS)3を介して、TIM-3のリガンド結合IgVエクトドメイン配列に、C末端で融合したヒトa-PD-1抗体の重鎖(配列番号(SEQ ID NO): 53))、及び(ii)ヒトa-PD-1抗体の軽鎖(配列番号(SEQ ID NO): 187)。a-PDL1-TIM3ecdは、以下を含む:(i)フレキシブルなリンカー・ペプチド(GGGGS)3を介して、TIM-3のリガンド結合IgVエクトドメイン配列に、C末端で融合したヒトa-PD-L1抗体の重鎖(配列番号(SEQ ID NO): 51))、及び(ii)ヒトa-PD-L1抗体の軽鎖(配列番号(SEQ ID NO):185)。 (B) T細胞活性化を阻害し、T細胞の疲弊を誘導する自己分泌/傍分泌のレセプター‐リガンド相互作用を、a-PDL1-TIM3ecd及びa-PD1-TIM3ecdが破壊するターゲット及びメカニズムの模式図。自己分泌/傍分泌のTGFβは、FOXP3(Treg系列のシグネチャ転写因子である)の発現を誘導する。FOXP3は、CTLA-4(B7-CD28の相互作用を阻害することによってT細胞共-刺激を抑制するT細胞阻害レセプターである)の発現を誘導する。Tregは、ガレクチン-9(TIM-3と結合し、TIM-3/CEACAM-1の共-阻害軸によるエフェクターT細胞の疲弊又はアポトーシスを誘発するリガンドである)、を発現する。PD-L1がPD-1に結合することにより、TGFβ誘導によるFOXP3の発現が促進され、Tregが誘導及び維持され、TIM-3/CEACAM-1シグナル伝達と協働して、T細胞の疲弊及び死が誘導される。a-PDL1-TIM3ecd及びa-PD1-TIM3ecdは、PD-1/PD-L1シグナル伝達ができないようにし、同時にTIM-3とCEACAM-1共-阻害経路を含むシス/トランス相互作用を破壊する。 (C) PD-L1/PD-1及びTIM-3/CEACAM-1の共-阻害軸を介してT細胞が多面的に抑制されていることを、a-PDL1-TIM3ecd及びa-PD1-TIM3ecdが同時に打ち消すメカニズムの模式図。a-PDL1-TIM3ecd及びa-PD1-TIM3ecdは、PD-L1/PD-1相互作用を阻害し、以下を同時に破壊する:(i) ヘテロ親和性のTIM-3/CEACAM-1の相互作用(シスCEACAM-1/TIM-3ヘテロ二量体化;TIM-3とのトランスCEACAM1ヘテロ二量体化);(ii)ホモ親和性のCEACAM-1/CEACAM-1の相互作用(シスCEACAM-1二量体化;トランスCEACAM1誘導のシスCEACAM-1二量体化)。 図3A〜D。a-PDL1-TIM3ecd及びa-PD1-TIM3ecdの特性及びターゲット結合能。 (A)a-PD1-TIM3ecd及びa-PD1抗体(ニボルマブ)の全長(FL)、重鎖(HC)及び軽鎖(LC)を比較するために、還元(R)及び非還元(NR)条件下でSDS-PAGEを行った。SDS-PAGEにより、a-PD1抗体の重鎖と比較して、a-PD1-TIM3ecdの重鎖が、予想された、より高い分子量であることが確認された(上図)。a-PDL1-TIM3ecd及びa-PDL1抗体(アテゾリズマブ)の全長(FL)、重鎖(HC)及び軽鎖(LC)を比較するために、還元(R)及び非還元(NR)条件下でSDS-PAGEを行った。SDS-PAGEにより、a-PDL1抗体の重鎖と比較して、a-PDL1-TIM3ecdの重鎖が、予想された、より高い分子量であることが確認された(下図)。 (B)a-PD1-TIM-3のrhPD-1への結合を示すELISA(上のパネル):ビオチン化rhPD-1(0〜250 ng/ml)を、a-PD1-TIM3ecd(1μg/ml)でコーティングしたプレートに添加した。a-PDL1-TIM3のrhPD-L1への結合を示すELISA(下図):ビオチン化rhPD-L1(0〜250ng/ml)を、a-PDL1-TIM3(1μg/ml)又はa-PDL1抗体(アテゾリズマブ)(ポジティブ・コントロール)のいずれかでコーティングしたプレートに添加した。 (C)a-PD1-TIM3ecd及びa-PDL1-TIM3ecdは、in vitroで組換えヒト(rh)CEACAM-1に結合する。rhCEACAM-1(5 μg)を、a-PD1-TIM3ecd、a-PDL1-TIM3ecd、a-gp120-TIM3ecd、a-PD-L1 mAb(アテゾリズマブ)又はa-PD1 mAb(ニボルマブ)(それぞれ10μg)の存在下又は非存在下でインキュベートし(一晩、4o C)、続いてプロテインA-アガロース・ビーズ(10 μl)と6時間インキュベートし、次いでプロテインA-アガロース・ビーズで免疫沈降させた。沈殿した複合体を免疫沈降バッファーで洗浄し、還元剤を含むNuPAGEサンプル・バッファーに再懸濁し、煮沸し、Bis-Tris Criterion XTゲル系で分離し、PVDF膜に転写した。膜を、一次抗体[CEACAM1(D1P4T); TIM3(D5D5RTM)]で一晩イムノブロットし、洗浄し、二次抗体と共にインキュベートし、アマシャムECLウェスタンブロット検出試薬によって可視化した。イムノブロット解析により、a-PD1-TIM3ecd、a-PDL1-TIM3ecd、及びa-gp120-TIM3ecdのプロテインAでプルダウンした免疫沈降物中に、rhCEACAM-1が検出されたが、a-PD-L1 mAb(アテゾリズマブ)又はa-PD1 mAb(ニボルマブ)の免疫沈降物中には、rhCEACAM-1は検出されなかった。 (D)a-PD1-TIM3ecd及びa-PDL1-TIM3ecdは、共-刺激されたヒトT細胞上で、CEACAM-1に結合する。ヒトPBMCを、a-PD1-TIM3ecd、a-PDL1-TIM3ecd、a-PD-L1 mAb(アテゾリズマブ)、又はa-PD1 mAb(ニボルマブ)の存在下において、抗-CD3/抗-CD28 ビーズで、6日間、共-刺激した。細胞溶解物をプロテインA-アガロース・ビーズ(10 μL)で6時間免疫沈降させた。その沈降した複合体を免疫沈降バッファーで洗浄し、還元剤を含むNuPAGEサンプル・バッファーに再懸濁し、煮沸し、Bis-Tris Criterion XTゲル系で分離し、PVDF膜に転写した。膜を、一次抗体[CEACAM1(D1P4T); TIM3(D5D5RTM)]で一晩イムノブロットし、洗浄し、二次抗体と共にインキュベートし、アマシャムECLウェスタンブロット検出試薬によって可視化した。CEACAM-1抗体を用いたイムノブロット解析を行うと、a-PD1-TIM3ecd及びa-PDL1-TIM3ecdで処理した細胞の溶解物のプロテインA‐免疫沈降物中に、CEACAM-1が検出されたが、a-PD-L1 mAb(アテゾリズマブ)又はa-PD1 mAb(ニボルマブ)で処理した細胞の溶解物の免疫沈降物中には、CEACAM-1は検出されなかった。TIM-3ecd抗体を用いたイムノブロット解析では、a-PD1-TIM3ecd及びa-PDL1-TIM3ecdで処理した細胞の溶解物のプロテインA-免疫沈降物中には、a-PD1-TIM3ecd又はa-PDL1-TIM3ecdの重鎖を検出したが、a-PD-L1 mAb(アテゾリズマブ)、又はa-PD1 mAb(ニボルマブ)で処理した細胞の溶解物の免疫沈降物中では、検出されなかった。 図4A〜C。IFNγの発現を促進し、及び共-刺激T細胞の疲弊を打ち消すことにおいて、a-PD1-TIM3ecd及びa-PDL1-TIM3ecdは、a-PD-1 mAb又はa-PD-L1 mAbよりも、有意に効果的である。 (A)a-PD1-TIM3ecd、a-PDL1-TIM3ecd、a-PD-L1 mAb(アテゾリズマブ)、a-PD1 mAb(ニボルマブ)、a-ヒトTIM3 Ab(F38-2E2)、又はa-PD1 mAbとa-TIM3 Abの組合せ(それぞれ5 μg/ml)の存在下又は非存在下で、ヒトPBMCを、抗-CD3/抗-CD28 ビーズ(5μl/ml)及びrhIL-2により3〜9日間刺激した。示された各時間(3日目、6日目、及び9日目)での、細胞上清中のインターフェロン-γ(IFN-γ)を、ELISAによって定量した(データは、各群についてin vitroトリプリケートの平均±SEMを表す)。ELISAによれば、a-PDL1-TIM3ecd及びa-PD1-TIM3ecdは、a-PDL1(アテゾリズマブ)、a-PD-1(ペムブロリズマブ)、a-TIM3 Ab、又はa-PD1 mAbとa-TIM3 Abの組合せのいずれよりも、IFNγの発現を促進することにおいて、及びin vitroで共-刺激されたT細胞の疲弊を打ち消すことにおいて、有意により効果的であることが示された。 (B) a-PD1-TIM3ecd、a-PDL1-TIM3ecd、a-PD-L1 mAb(アテゾリズマブ)、a-PD1 mAb(ニボルマブ)、a-ヒトTIM3 Ab(F38-2E2)、又はa-PD1 mAbとa-TIM3 Abの組合せ(それぞれ5μg/ml)の存在下又は非存在下で、ヒトPBMCを、抗-CD3/抗-CD28 ビーズ(5μl/ml)及びrhIL-2により、16時間、又は40時間刺激し、細胞上清中のIFN-γを、ELISAによって定量化した(in vitroトリプリケート/群の平均±SEM)。a-PDL1-TIM3ecdは、a-PDL1(アテゾリズマブ)、a-PD-1(ペムブロリズマブ)、a-TIM3 Ab、又はa-PD1 mAbとa-TIM3 Abの組合せのいずれと比較しても、in vitroで共-刺激されたT細胞によるIFNγ発現を促進することにおいて、有意により効果的である[データは、抗体を用いない共-刺激と比較して、それぞれの抗体処理群におけるIFNγ発現の倍数変化を表す]。 (C)a-PD1-TIM3ecdは、共-刺激T細胞におけるIFNγの発現がTGFβを介して抑制されること、を打ち消す。rhTGFβ1(5 ng/ml)の存在下又は非存在下で、a-PDL1-TIM-3(5 μg/ml)を添加又は非添加で、ヒトPBMCを、抗-CD3/抗-CD28及びrhIL-2により、16時間又は40時間刺激し、細胞上清中のインターフェロン-γ(IFN-γ)を、ELISAにより定量した(データは、各群についてin vitroトリプリケートの平均±SEMを表す)。 図5A〜B。a-PD1-TIM3ecdは、a-PD-1、a-TIM-3、又はa-TIM-3とa-PD1の組合せよりも、腫瘍の増殖を、より効果的に抑制する。 (A)NSGマウス(NOD/Shi-scid IL-2rgnull)(4-8週齢)を、3×106個のヒト末梢血単核細胞(PBMC)(8日間、以下の処置:a-PD1-TIM3ecd、a-PD1 mAb(ニボルマブ)、a-ヒトTIM3 Ab(F38-2E2)、a-PD1 mAbとa-TIM3 Abの組合せ、又は担体のみ、をした後に(それぞれ5 μg/ml)、抗-CD3/抗-CD28 ビーズ(5μl/ml)及びrhIL-2で共-刺激した)を養子移植することにより、再構成した。再構成したマウスに、2×106 D-MUT1ヒト結腸直腸がん細胞を皮下注射し、それぞれの群を、養子移植に使用したPBMCをin vitroで処理するために使用したのと同じ処理を、in vivoで処理した(5 mg/kg i.p. 5日毎):a-PD1-TIM3ecd;a-PD1(ニボルマブ);a-TIM-3(F38-2E2); a-PD1とa-TIM-3の組合せ;担体単独(未処置コントロール)[>=5マウス/群]。腫瘍サイズを、処置群に対して盲検で測定し、そして腫瘍体積を、公式(長さ×幅×高さ)を使用して計算した。in vivo腫瘍増殖曲線(平均+ SEM)を示す。p値を、対応の無い両側t検定を用いて導出した。p値(p<0.02、スチューデントの対応の無いt検定)は、a-PD1-TIM3ecdと各他の処置群との間の有意差を示す。 (B)免疫を欠損しているNSGマウス(NOD/Shi-scid IL-2rgnull)(4‐8週齢)を、200 cGyで照射し、HLA A2適合のヒトCD34+.造血細胞を養子移植することにより、免疫的に再構成した。再構成したヒト化マウスに、ヒト・トリプル・ネガティブ乳がん(TNBC)HLA A2+ 腫瘍細胞(MDA-MB-231-Luc)(マトリゲル中1x106;乳房脂肪体)を皮下注射した。腫瘍を接種した後3日目に、マウスを無作為化し、担体単独(未処置コントロール)又は以下の抗体の何れかで処置した(5 mg/kg i.p毎週):a-PD1-TIM3ecd、a-PD1 mAb(ニボルマブ)、a-ヒトTIM3 Ab(F38-2E2)、a-PD1 mAb及びa-TIM3 Abの組合せ[>=5マウス/群]。腫瘍サイズを、前記処置群に対して盲検で測定し、そして腫瘍体積を、公式(長さ×幅×高さ)を使用して計算した。in vivo腫瘍増殖曲線(平均+ SEM)を示す。p値を、対応の無い両側t検定を用いて導出した。前記p値(p<0.02、スチューデントの対応の無いt検定)は、a-PD1-TIM3ecdと各他の処置群との間の有意差を示す。 図6A〜C。a-PDL1-TIM3ecdは、a-PD-L1、a-PD-1、a-TIM-3、又はa-PD-L1とa-TIM-3の組合せよりも効果的に腫瘍増殖を阻害する。免疫を欠損しているNSGマウス(NOD/Shi-scid IL-2rgnull)(4〜8週齢)を200 cGyで照射し、HLA A2ヒトCD34+.造血細胞を養子移植することにより、免疫的に再構成した。再構成したヒト化マウスに、ヒト・トリプル・ネガティブ乳がん(TNBC)HLA A2+ 腫瘍細胞(MDA-MB-231-Luc)(マトリゲル中1x106;乳腺脂肪体)を皮下注射した。腫瘍を接種した後3日目に、マウスを無作為化し、担体単独(未処置コントロール)又は以下の抗体の何れかで処置した(5 mg/kg i.p毎週):a-PDL1-TIM3ecd、a-PD1 mAb(アテゾリズマブ)、a-PD1 mAb(ペムブロリズマブ)、a-ヒトTIM3 Ab(F38-2E2)、a-PD-L1 mAb及びa-TIM3 Abの組合せ[>=5マウス/群]。 (A)腫瘍サイズを、処置群に対して盲検で測定し、そして腫瘍体積を、公式(長さ×幅×高さ)を使用して計算した。in vivo腫瘍増殖曲線(平均+ SEM)を示す。p値は、対応の無い両側t検定を用いて導出した。前記p値(p<0.02、スチューデントの対応の無いt検定)は、a-PDL1-TIM3ecdと各他の処置群との間の有意差を示す。 (B)未処置コントロール又は腫瘍細胞接種後7日目及び27日目の示された処置群における原発腫瘍の生物発光アッセイ。 (C)腫瘍におけるT細胞密度の定量:腫瘍体積及びフロー・サイトメトリーを用いて、腫瘍1 mm3当たりのCD4+及びCD8+ T細胞の絶対数を評価した。 図7A〜B。ターゲット・エピトープに結合するターゲティング抗体、TIM-3のリガンド結合IgVエクトドメイン配列(TIM-3ecd)、及びPD-1のリガンド結合エクトドメイン配列(PD-1ecd)を含む、本発明の多機能性の抗体‐リガンド・トラップの模式図。前記多機能性の抗体‐リガンド・トラップはターゲット・エピトープに(抗原結合CDRを介して)結合し、PD-1 リガンド、PD-L1及びPD-L2(PD-1ecdを介して)並びにTIM-3 リガンド(CEACAM-1)(TIM-3ecdを介して)に結合することができる。 (A)ターゲティング抗体を含む本発明の多機能性の抗体‐リガンド・トラップの模式図である、ここで、前記抗体の重鎖は、リンカーを介してTIM-3のリガンド結合IgVエクトドメイン配列(TIM-3ecd: 配列番号(SEQ ID NO): 2)に、C末端で融合する、及び前記抗体の軽鎖は、リンカーを介してPD-1のリガンド結合エクトドメイン配列(PD-1ecd: 配列番号(SEQ ID NO): 7)に、C末端で融合する。ある態様では、前記リンカーは、(GGGGS)n(配列番号(SEQ ID NO): 3)というペプチドである。 (B) ターゲティング抗体を含む本発明の多機能性の抗体‐リガンド・トラップの模式図である、ここで、前記抗体の重鎖は、リンカー・ペプチドを介してPD-1のリガンド結合エクトドメイン配列(PD-1ecd: 配列番号(SEQ ID NO): 7)に、C末端で融合する、及び前記抗体の軽鎖は、リンカー・ペプチドを介してTIM-3のリガンド結合IgVエクトドメイン配列(TIM-3ecd: 配列番号(SEQ ID NO): 2)に、C末端で融合する。ある態様では、前記リンカーは、(GGGGS)n(配列番号(SEQ ID NO): 3)というペプチドである。種々の実施形態において、本発明の多機能性の抗体‐リガンド・トラップのターゲティング抗体は、以下の分子のうちの1つと結合する:細胞傷害性Tリンパ球関連抗原-4(CTLA-4、CD152)、B7-H3(CD276)、T細胞活性化のVドメインIgサプレッサー(VISTA)、VSIG8、B-及びT-リンパ球アテニュエーター、ヘルペスウイルス侵入メディエーター(HVEM)、CD160、T細胞Ig及びITMドメイン(TIGIT)、CD226、CD96、リンパ球活性化遺伝子-3(LAG-3)、形質転換増殖因子β (TGF-β)、形質転換増殖因子βレセプター(TGF-βR)、4-1BB(CD137)、誘導性T細胞共-刺激因子(Inducible T-Cell Costimulator (ICOS))、OX-40(CD134)、グルココルチコイド誘導性TNFR関連タンパク質(GITR)、IL6R、IL23R、IL17R、IL-6、IL-23、IL-17、CD39、CD73、CCR4、CCR5、CXCR4、IL12R、CD4、CD25、CD3、上皮成長因子レセプター(EGFR、EGFR1、ErbB-1、HER1)、ErbB-2 (HER2/neu)、ErbB-3/HER3、ErbB-4/HER4、EGFR リガンド、血管内皮増殖因子(VEGF)、VEGFR (VEGFR1、VEGFR2)、RANKリガンド(RANKL)、RANK、gp120。 図8A〜B。CTLA-4に結合するターゲティング抗体、TIM-3のリガンド結合IgVエクトドメイン配列(TIM-3ecd)、及びPD-1のリガンド結合エクトドメイン配列(PD-1ecd)を含む、本発明の多機能性の抗体‐リガンド・トラップの模式図。前記多機能性の抗体‐リガンド・トラップは、CTLA-4に(抗原結合CDRを介して)結合し、PD-1 リガンド、PD-L1及びPD-L2に(PD-1ecdを介して)、並びにTIM-3 リガンド(CEACAM-1)に(TIM-3ecdを介して)結合することができる。 (A)CTLA-4に結合するターゲティング抗体を含む、本発明の多機能性の抗体‐リガンド・トラップの模式図である、ここで、前記抗体の重鎖は、リンカー・ペプチドを介してTIM-3のリガンド結合IgVエクトドメイン配列に、C末端で融合する(配列番号(SEQ ID NO): 207)、及び前記抗体の軽鎖は、リンカー・ペプチドを介してPD-1のリガンド結合エクトドメイン配列に、C末端で融合する(配列番号(SEQ ID NO): 208)。ある態様では、前記リンカーは、(GGGGS)n(配列番号(SEQ ID NO): 3)というペプチドである。 (B) CTLA-4に結合するターゲティング抗体を含む、本発明の多機能性の抗体‐リガンド・トラップの模式図である、ここで、前記抗体の重鎖は、リンカー・ペプチドを介してPD-1のリガンド結合エクトドメイン配列に、C末端で融合する(配列番号(SEQ ID NO): 205)、及び前記抗体の軽鎖は、リンカー・ペプチドを介してTIM-3のリガンド結合IgVエクトドメイン配列に、C末端で融合する(配列番号(SEQ ID NO): 206)。ある態様では、前記リンカーは、(GGGGS)n(配列番号(SEQ ID NO): 3)というペプチドである。 図9。ターゲット・エピトープに結合するターゲティング抗体、TIM-3のリガンド結合IgVエクトドメイン配列(TIM-3ecd)、及びTGFβRIIのリガンド結合エクトドメイン配列(TGFβRIIecd)を含む、本発明の多機能性の抗体‐リガンド・トラップの模式図。前記多機能性の抗体‐リガンド・トラップは、ターゲット・エピトープに(抗原結合CDRを介して)結合し、TGFβに(TGFβRIIecdを介して)及びTIM-3 リガンド(CEACAM-1)に(TIM-3ecdを介して)結合することができる。ある実施形態では、本発明の多機能性の抗体‐リガンド・トラップは、ターゲティング抗体を含む、ここで、前記抗体の重鎖は、リンカー・ペプチドを介してTGFβRIIのリガンド結合エクトドメイン配列(TGFβRIIecd)に、C末端で融合する(配列番号(SEQ ID NO): 6)、及び前記抗体の軽鎖は、リンカー・ペプチドを介してTIM-3のリガンド結合IgVエクトドメイン配列(TIM-3ecd: 配列番号(SEQ ID NO): 2)に、C末端で融合する。ある態様では、前記リンカーは、(GGGGS)n(配列番号(SEQ ID NO): 3)というペプチドである。種々の実施形態において、本発明の多機能性の抗体‐リガンド・トラップのターゲティング抗体は、以下の分子のうちの1つと結合する:細胞傷害性Tリンパ球関連抗原-4(CTLA-4、CD152)、プログラム死-1タンパク質(PD-1)、プログラム死リガンド(PD-L1)、プログラム死リガンド(PD-L2)、B7-H3(CD276)、T細胞活性化のVドメインIgサプレッサー(VISTA)、VSIG8、B-及びT-リンパ球アテニュエーター、ヘルペスウイルス侵入メディエーター(HVEM)、CD160、T細胞Ig及びITMドメイン(TIGIT)、CD226、CD96、リンパ球活性化遺伝子-3(LAG-3)、4-1BB(CD137)、誘導性T細胞共-刺激因子(Inducible T-Cell Costimulator (ICOS))、OX-40(CD134)、グルココルチコイド誘導性TNFR関連タンパク質(GITR)、IL6R、IL23R、IL17R、IL-6、IL-23、IL-17、CD39、CD73、CCR4、CCR5、CXCR4、IL12R、CD4、CD25、CD3、上皮成長因子レセプター(EGFR、EGFR1、ErbB-1、HER1)、ErbB-2 (HER2/neu)、ErbB-3/HER3、ErbB-4/HER4、EGFR リガンド、血管内皮増殖因子(VEGF)、VEGFR (VEGFR1、VEGFR2)、RANKリガンド(RANKL)、RANK。 図10A〜C。T細胞阻害レセプター又はリガンドに結合するターゲティング抗体、TIM-3のリガンド結合IgVエクトドメイン配列(TIM-3ecd)、及びTGFβRIIのリガンド結合エクトドメイン配列(TGFβRIIecd)を含む、本発明の多機能性の抗体‐リガンド・トラップの模式図。 (A)PD-1に結合するターゲティング抗体、TIM-3のリガンド結合IgVエクトドメイン配列(TIM-3ecd)、及びTGFβRIIのリガンド結合エクトドメイン配列(TGFβRIIecd)を含む、本発明の多機能性の抗体‐リガンド・トラップの模式図。ある実施形態では、本発明の多機能性の抗体‐リガンド・トラップは、PD-1に結合するターゲティング抗体を含む、ここで、前記抗体の重鎖は、リンカー・ペプチドを介してTGFβRIIのリガンド結合エクトドメイン配列(TGFβRIIecd) (配列番号(SEQ ID NO): 6)に、C末端で融合する、及び前記抗体の軽鎖は、リンカー・ペプチドを介してTIM-3のリガンド結合IgVエクトドメイン配列(TIM-3ecd: 配列番号(SEQ ID NO): 2)に、C末端で融合する。ある態様では、前記リンカーは、(GGGGS)n(配列番号(SEQ ID NO): 3)というペプチドである。ある実施例では、多機能性の抗体‐リガンド・トラップは、配列番号(SEQ ID NO): 273に対応する重鎖と、配列番号(SEQ ID NO): 274に対応する軽鎖とを含む。別の実施例では、多機能性の抗体‐リガンド・トラップは、配列番号(SEQ ID NO): 277に対応する重鎖と、配列番号(SEQ ID NO): 278に対応する軽鎖とを含む。 (B) PD-L1に結合するターゲティング抗体、TIM-3のリガンド結合IgVエクトドメイン配列(TIM-3ecd)、及びTGFβRIIのリガンド結合エクトドメイン配列(TGFβRIIecd)を含む、本発明の多機能性の抗体‐リガンド・トラップの模式図。ある実施形態では、本発明の多機能性の抗体‐リガンド・トラップは、PD-L1に結合するターゲティング抗体を含む、ここで、前記抗体の重鎖は、リンカー・ペプチドを介してTGFβRIIのリガンド結合エクトドメイン配列(TGFβRIIecd) (配列番号(SEQ ID NO): 6)に、C末端で融合する、及び前記抗体の軽鎖は、リンカー・ペプチドを介してTIM-3のリガンド結合IgVエクトドメイン配列(TIM-3ecd: 配列番号(SEQ ID NO): 2)に、C末端で融合する。ある態様では、前記リンカーは、(GGGGS)n(配列番号(SEQ ID NO): 3)というペプチドである。ある実施例では、多機能性の抗体‐リガンド・トラップは、配列番号(SEQ ID NO): 285に対応する重鎖と、配列番号(SEQ ID NO): 285に対応する軽鎖とを含む。別の実施例では、多機能性の抗体‐リガンド・トラップは、配列番号(SEQ ID NO): 281に対応する重鎖と、配列番号(SEQ ID NO): 282に対応する軽鎖とを含む。 (C)CTLA-4に結合するターゲティング抗体、TIM-3のリガンド結合IgVエクトドメイン配列(TIM-3ecd)、及びTGFβRIIのリガンド結合エクトドメイン配列(TGFβRIIecd)を含む、本発明の多機能性の抗体‐リガンド・トラップの模式図。ある実施形態では、本発明の多機能性の抗体‐リガンド・トラップは、CTLA-4に結合するターゲティング抗体を含む、ここで、前記抗体の重鎖は、リンカー・ペプチドを介してTGFβRIIのリガンド結合エクトドメイン配列(TGFβRIIecd) (配列番号(SEQ ID NO): 6)に、C末端で融合する、及び前記抗体の軽鎖は、リンカー・ペプチドを介してTIM-3のリガンド結合IgVエクトドメイン配列(TIM-3ecd: 配列番号(SEQ ID NO): 2)に、C末端で融合する。ある態様では、前記リンカーは、(GGGGS)n(配列番号(SEQ ID NO): 3)というペプチドである。ある実施例では、多機能性の抗体‐リガンド・トラップは、配列番号(SEQ ID NO): 203に対応する重鎖と、配列番号(SEQ ID NO): 204に対応する軽鎖とを含む。 図11。ターゲット・エピトープに結合するターゲティング抗体、PD-1のリガンド結合エクトドメイン配列(PD-1ecd)、及びTGFβRIIのリガンド結合エクトドメイン配列(TGFβRIIecd)を含む、本発明の多機能性の抗体‐リガンド・トラップの模式図。前記多機能性の抗体‐リガンド・トラップはターゲット・エピトープに(抗原結合CDRを介して)結合し、TGFβに(TGFβRIIecdを介して)並びにPD-1 リガンド、PD-L1及びPD-L2に(PD-1ecdを介して)結合することができる。ある実施形態では、本発明の多機能性の抗体‐リガンド・トラップは、ターゲティング抗体を含む、ここで、前記抗体の重鎖は、リンカー・ペプチドを介してTGFβRIIのリガンド結合エクトドメイン配列(TGFβRIIecd) (配列番号(SEQ ID NO): 6)に、C末端で融合する、及び前記抗体の軽鎖は、リンカー・ペプチドを介してPD-1のリガンド結合エクトドメイン配列(PD1ecd: 配列番号(SEQ ID NO): 7)に、C末端で融合する。ある態様では、前記リンカーは、(GGGGS)n(配列番号(SEQ ID NO): 3)というペプチドである。種々の実施形態において、本発明の多機能性の抗体‐リガンド・トラップのターゲティング抗体は、以下の分子のうちの1つと結合する:細胞傷害性Tリンパ球関連抗原-4(CTLA-4、CD152)、T細胞免疫グロブリン及びムチン-ドメイン含有-3(T-cell immunoglobulin and mucin-domain containing-3 (TIM-3))、CEACAM-1、がん胎児性抗原(CEA)、T細胞活性化のVドメインIgサプレッサー(VISTA)、VSIG8、B-及びT-リンパ球アテニュエーター(BTLA)、ヘルペスウイルス侵入メディエーター(HVEM)、CD160、T細胞Ig及びITMドメイン(TIGIT)、CD226、CD96、リンパ球活性化遺伝子-3(LAG-3)、4-1BB(CD137)、誘導性T細胞共-刺激因子(Inducible T-Cell Costimulator (ICOS))、OX-40(CD134)、グルココルチコイド誘導性TNFR関連タンパク質(GITR)、IL6R、IL23R、IL17R、IL-6、IL-23、IL-17、CD39、CD73、CD122、CCR4、CCR5、CXCR4、IL12R、CD4、CD25、CD3、上皮成長因子レセプター(EGFR、EGFR1、ErbB-1、HER1)、ErbB-2 (HER2/neu)、ErbB-3/HER3、ErbB-4/HER4、EGFR リガンド、血管内皮増殖因子(VEGF)、VEGFR、RANKリガンド(RANKL)、RANK。 図12。種々の実施形態において、本発明の多機能性の抗体‐リガンド・トラップは、T細胞阻害レセプター又はリガンドに結合するターゲティング抗体、PD-1のリガンド結合エクトドメイン配列(PD-1ecd)、及びTGFβRIIのリガンド結合エクトドメイン配列(TGFβRIIecd)を含む。ある実施形態では、本発明の多機能性の抗体‐リガンド・トラップは、CTLA-4に結合するターゲティング抗体を含む、ここで、前記抗体の重鎖は、リンカー・ペプチドを介してTGFβRIIのリガンド結合エクトドメイン配列(TGFβRIIecd) (配列番号(SEQ ID NO): 203)に、C末端で融合する、及び前記抗体の軽鎖は、リンカー・ペプチドを介してPD-1のリガンド結合エクトドメイン配列(PD1ecd: 配列番号(SEQ ID NO): 202)に、C末端で融合する。ある態様では、前記リンカーは、(GGGGS)n(配列番号(SEQ ID NO): 3)というペプチドである。ある実施例では、多機能性の抗体‐リガンド・トラップは、配列番号(SEQ ID NO): 202に対応する重鎖と、配列番号(SEQ ID NO): 203に対応する軽鎖とを含む。 図13A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. ヒトTIM-3/HAVCR2 タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 1。B. ヒトTIM-3/HAVCR2 細胞外ドメイン(ECD)タンパク質、配列配列番号(SEQ ID NO): 2。 図14A〜Dは、ポリペプチド配列である。A. リンカー配列配列番号(SEQ ID NO): 3。B. リンカー配列配列番号(SEQ ID NO): 144。C. リンカー配列配列番号(SEQ ID NO): 4。D. リンカー配列配列番号(SEQ ID NO): 5。 図15A〜Dは、ポリペプチド配列である。A. TGFβレセプターII細胞外ドメイン・タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 6。B. PD-1 細胞外ドメイン・タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 7。C. BTLA細胞外ドメイン・タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 8。D. CD226 細胞外ドメイン・タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 9。 図16A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-VISTA重鎖+TGFβRII ECD融合配列、配列番号(SEQ ID NO): 10。B. 抗-VISTA軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 145。 図17Aは、ポリペプチド配列である。A. 抗-VISTA重鎖 + PD-1 ECD融合配列、配列番号(SEQ ID NO): 11。B. 抗-VISTA軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 146。 図18A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-VISTA重鎖 + TIM-3 ECD融合配列、配列番号(SEQ ID NO): 12。B. 抗-VISTA軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 147。 図19A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-VISTA重鎖 + BTLA ECD融合配列、配列番号(SEQ ID NO): 13。B. 抗-VISTA軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 148。 図20Aは、ポリペプチド配列である。A. 抗-VISTA重鎖 + CD226 ECD融合配列、配列番号(SEQ ID NO): 14。B. 抗-VISTA軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 149。 図21A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-TIGIT重鎖+TGFβRII ECD融合配列、配列番号(SEQ ID NO): 15。B. 抗-TIGIT軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 150。 図22A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-TIGIT重鎖 + PD-1 ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 16。B. 抗-TIGIT軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 151。 図23A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-TIGIT重鎖 + TIM-3 ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 17。B. 抗-TIGIT軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 152。 図24A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-TIGIT重鎖 + BTLA ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 18。B. 抗-TIGIT軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 153。 図25A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-TIGIT重鎖 + CD226 ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 19。B. 抗-TIGIT軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 154。 図26A〜Bは、ポリペプチド配列である。A.抗-BTLA重鎖+TGFβRII ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 20。B. 抗-BTLA軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 155。 図27A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-BTLA重鎖 + PD-1 ECD融合タンパク質配列、配列番号21。B. 抗-BTLA軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 156。 図28A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-BTLA重鎖 + TIM-3 ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 22。B. 抗-BTLA軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 157。 図29Aは、ポリペプチド配列である。A. 抗-BTLA重鎖 + CD226 ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 23。B. 抗-BTLA軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 158。 図30A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-LAG-3重鎖+TGFβRII ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 24。B. 抗-LAG-3軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 159。 図31A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-LAG-3重鎖 + PD-1 ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 25。B. 抗-LAG-3軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 160。 図32A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-LAG-3 重鎖 + TIM-3 ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 26。B. 抗-LAG-3 軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 161。 図33A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-LAG-3重鎖 + BTLA ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 27。B. 抗-LAG-3軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 162。 図34A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-LAG-3重鎖 + CD226 ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 28。B. 抗-LAG-3軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 163。 図35A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-CCR4重鎖+TGFβRII ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 29。B. 抗-CCR4軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 164。 図36A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-CCR4重鎖+PD-1 ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 30。B. 抗-CCR4 軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 165。 図37A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-CCR4重鎖+TIM-3 ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 31。B. 抗-CCR4軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 166。 図38A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-CCR4重鎖+BTLA ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 32。B. 抗-CCR4軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 167。 図39A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-CCR4重鎖 + CD226 ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 33。B. 抗-CCR4軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 168。 図40A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-PD1重鎖+BTLA ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 34。B. 抗-PD-1 軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 169。 図41A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-PD1重鎖 + CD226 ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 35。B. 抗-PD-1軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 170。 図42A〜Cは、ポリペプチド配列である。A. CD44 タンパク質配列の細胞外ドメイン、配列番号(SEQ ID NO): 36。B. 抗-PD1重鎖 + CD44 ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 37。C. 抗-PD-1軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 171。 図43A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-CTLA-4重鎖 + CD44 ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 38。B. 抗-CTLA-4 軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 172。 図44A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-LAG-3重鎖 + CD44 ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 39。B. 抗-LAG-3軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 173。 図45A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-TIGIT重鎖 + CD44 ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 40。B. 抗-TIGIT軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 174。 図46A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-BTLA重鎖 + CD44 ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 41。B. 抗-BTLA軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 175。 図47A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-VISTA重鎖 + CD44 ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 42。B. 抗-VISTA軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 176。 図48A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-CCR4重鎖 + CD44 ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 43。B. 抗-CCR4軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 177。 図49A〜Bは、ポリペプチド配列である。A.抗-CTLA-4重鎖 + BTLA ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 44。B. 抗-CTLA-4軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 178。 図50A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-PD-1重鎖 + BTLA ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 45。B. 抗-PD-1軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 179。 図51A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-PD-L1重鎖 + BTLA ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 46。B. 抗-PD-L1軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 180。 図52A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-CTLA-4重鎖 + CD226 ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 47。B. 抗-CTLA-4軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 181。 図53A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-PD-1重鎖 + CD226 ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 48。B. 抗-PD-1軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 182。 図54A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-PD-L1重鎖 + CD226 ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 49。B. 抗-PD-L1軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 183。 図55A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-CTLA-4重鎖 + TIM-3 ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 50。B. 抗-CTLA-4軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 184。 図56A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-PD-L1重鎖 + TIM-3 ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 51。B. 抗-PD-L1軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 185。 図57A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-PD-1重鎖 + TIM-3 ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 52。B. 抗-PD-1軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 186。 図58A〜Bは、ポリぺプチド配列である。A. 抗-PD-1重鎖 + TIM-3 ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 53。B. 抗-PD-1軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 187。 図59A〜Dは、ポリペプチド配列である。A. ヒトVSIG8 ECDタンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 55。B. ヒトVISTAタンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 56。C. ヒトVISTA ECDタンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 57。 図60A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-CTLA-4重鎖 + VSIG8 ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 58。B. 抗-CTLA-4軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 188。 図61A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-CTLA-4重鎖 + VSIG8 ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 59。B. 抗-CTLA-4軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 189。 図62A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-IL6R重鎖 + TIM3 ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 60。B. 抗-IL6R軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 61。 図63Aは、ポリペプチド配列である。A. 抗-IL6R重鎖 + VISTA ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 62。B. 抗-IL6R軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 63。 図64A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-IL6R重鎖 + VSIG8 ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 64。B. 抗-IL6R軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 65。 図65A〜Bは、ポリぺプチド配列である。A. 抗-IL6R重鎖 + CD44 ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 66。B. 抗-IL6R軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 67。 図66A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-IL6R重鎖 + BTLA ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 68。B. 抗-IL6R軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 69。 図67A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-IL6R重鎖+CD226 ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 70。B. 抗-IL6R軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 71。 図68A〜Bは、ポリぺプチド配列である。A. 抗-IL6R重鎖 + LIGHT ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 72。B. 抗-IL6R軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 73。 図69A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-EGFR重鎖 + TIM3 ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 74。B. 抗-EGFR軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 75。 図70A〜Bは、ポリぺプチド配列である。A. 抗-EGFR重鎖 + VISTA ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 76。B. 抗-EGFR軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 77。 図71A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-EGFR重鎖 + VSIG8 ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 78。B. 抗-EGFR軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 79。 図72A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-EGFR重鎖 + CD44 ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 80。B. 抗-EGFR軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 81。 図73A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-EGFR重鎖 + BTLA ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 82。B. 抗-EGFR軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 83。 図74A〜Bは、ポリぺプチド配列である。A. 抗-EGFR重鎖 + CD226 ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 84。B. 抗-EGFR軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 85。 図75A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-EGFR重鎖 + LIGHT ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 86。B. 抗-EGFR軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 87。 図76A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-VEGF重鎖 + TIM3 ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 88。B. 抗-VEGF軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 89。 図77A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-VEGF重鎖 + VISTA ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 90。B. 抗-VEGF軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 91。 図78A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-VEGF重鎖 + VSIG8 ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 92。B. 抗-VEGF軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 93。 図79A〜Bは、ポリぺプチド配列5である。A. 抗-VEGF重鎖 + CD44 ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 94。B. 抗-VEGF軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 95。 図80A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-VEGF重鎖 + BTLA ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 96である。B. 抗-VEGF軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 97。 図81A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-VEGF重鎖 + CD226 ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 98。B. 抗-VEGF軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 99。 図82A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-VEGF重鎖 + LIGHT ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 100。B. 抗-VEGF軽鎖タンパク質順序、配列番号(SEQ ID NO): 101。 図83A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗HER2重鎖+TIM3 ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 102。B. 抗-HER2軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 103。 図84A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-HER2重鎖+VISTA ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 104。B. 抗-HER2軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 105。 図85A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-HER2重鎖+VSIG8 ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 106。B. 抗-HER2軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 107。 図86A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-HER2重鎖 + CD44 ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 108。B. 抗-HER2軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 109。 図87A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-HER2重鎖+BTLA ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 110。B. 抗-HER2軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 111。 図88A〜Bは、ポリぺプチド配列である。A. 抗-HER2重鎖 + CD226 ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 112。B. 抗-HER2軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 113。 図89A〜Bは、ポリぺプチド配列5である。A. 抗-HER2重鎖+LIGHT ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 114。B. 抗-HER2軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 115。 図90A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-41BB重鎖 + TIM3 ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 116。B. 抗-41BB軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 117。 図91A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-41BB重鎖 + VISTA ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 118。B. 抗-41BB軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 119。 図92A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-41BB重鎖 + VSIG8 ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 120。B. 抗-41BB軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 121。 図93A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-41BB重鎖 + CD44 ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 122。B. 抗-41BB軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 123。 図94A〜Bは、ポリペプチド配列41BB軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 125である。 図95A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-41BB重鎖 + CD226 ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 126。B. 抗-41BB軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 127。 図96A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-41BB重鎖 + LIGHT ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 128。B. 抗-41BB軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 129。 図97A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-IL23重鎖+TIM3 ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 130。B. 抗-IL23軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 131。 図98A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-IL23重鎖+VISTA ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 132。B. 抗-IL23軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 133。 図99A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-IL23重鎖+VSIG8 ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 134。B. 抗-IL23軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 135。 図100A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-IL23重鎖 + CD44 ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 136。B. 抗-IL23軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 137。 図101A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-IL23重鎖+BTLA ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 138。B. 抗-IL23軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 139。 図102A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-IL23重鎖 + CD226 ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 140。B. 抗-IL23軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 141。 図103A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-IL23重鎖 + LIGHT ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 142。B. 抗-IL23軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 143。 図104A〜Bは、ポリペプチド配列である。TIM3 ecd-Fc-TGFβRII ecd融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 190。B. TIM3 ecd-Fc-TGFβRII ecd融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 191。 図105A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 抗-PD-L1重鎖 +TIM3 ECD融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 192。B. 抗-PD-L1軽鎖タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 193。 図106A〜Dは、ポリペプチド配列である。A. PD-1 ecdタンパク質配列のリガンド結合配列、配列番号(SEQ ID NO): 194。B. TIM3 ecd + PD-1 ecd融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 195。C. TIM3 ecd + PD-1 ecd融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 196。D. TIM3 ecd + PD-1 ecd融合タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 197。 図107は、PD-1細胞外ドメイン・タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 198である。 図108は、IgG Fcタンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 199である。 図109は、TIM-3 細胞外ドメイン・タンパク質配列、配列番号(SEQ ID NO): 200である。 図110A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 配列番号(SEQ ID NO):201:抗-CTLA4抗体(イピリムマブ)重鎖 + TGFbRII ECD。B. 配列番号(SEQ ID NO):202:抗-CTLA4抗体(イピリムマブ)軽鎖 + PD-1 ECD。 図111A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 配列番号(SEQ ID NO):203:抗-CTLA4抗体(イピリムマブ)重鎖 + TGFbRII ECD。B. 配列番号(SEQ ID NO):204:抗-CTLA4抗体(イピリムマブ)軽鎖 + TIM3 ECD。 図112A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 配列番号(SEQ ID NO):205:抗-CTLA4抗体(イピリムマブ)重鎖 + PD-1 ECD。B. 配列番号(SEQ ID NO):206:抗-CTLA4抗体(イピリムマブ)軽鎖 + TIM3 ECD。 図113A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 配列番号(SEQ ID NO):207:抗-CTLA4抗体(イピリムマブ)重鎖 + TIM3 ECD。B. 配列番号(SEQ ID NO):208:抗-CTLA4抗体(イピリムマブ)軽鎖 + PD-1 ECD。 図114A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 配列番号(SEQ ID NO):209:抗-CTLA4抗体(イピリムマブ)重鎖。B. 配列番号(SEQ ID NO):210:抗-CTLA4抗体(イピリムマブ)軽鎖 + PD-1 ECD。 図115A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 配列番号(SEQ ID NO):211:抗-CTLA4抗体(イピリムマブ)重鎖。B. 配列番号(SEQ ID NO):212:抗-CTLA4抗体(イピリムマブ)軽鎖 + TIM3 ECD。 図116A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 配列番号(SEQ ID NO):213:抗-IL6R抗体(トシリズマブ)重鎖 + TGFbRII ECD。B. 配列番号(SEQ ID NO):214:抗-IL6R抗体(トシリズマブ)軽鎖 + PD-1 ECD。 図117A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 配列番号(SEQ ID NO):215:抗-IL6R抗体(トシリズマブ)重鎖 + TGFbRII ECD。B. 配列番号(SEQ ID NO):216:抗-IL6R抗体(トシリズマブ)軽鎖 + TIM3 ECD。 図118A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 配列番号(SEQ ID NO):217:抗-IL6R抗体(トシリズマブ)重鎖 + PD-1 ECD。B.配列番号(SEQ ID NO):218:抗-IL6R抗体(トシリズマブ)軽鎖 + TIM3 ECD。 図119A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 配列番号(SEQ ID NO):219:抗-IL6R抗体(トシリズマブ)重鎖 + TIM3 ECD。B. 配列番号(SEQ ID NO):220:抗-IL6R抗体(トシリズマブ)軽鎖 + PD-1 ECD。 図120A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 配列番号(SEQ ID NO):221:抗-IL6R抗体(トシリズマブ)重鎖。B. 配列番号(SEQ ID NO):222:抗-IL6R抗体(トシリズマブ)軽鎖 + PD-1 ECD。 図121A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 配列番号(SEQ ID NO):223:抗-IL6R抗体(トシリズマブ)重鎖。B. 配列番号(SEQ ID NO):224:抗-IL6R抗体(トシリズマブ)軽鎖 + TIM3 ECD。 図122A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 配列番号(SEQ ID NO):225:抗-EGFR抗体(セツキシマブ)重鎖 + TGFbRII ECD。B. 配列番号(SEQ ID NO):226:抗-EGFR抗体(セツキシマブ)軽鎖 + PD-1 ECD。 図123A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 配列番号(SEQ ID NO):227:抗-EGFR抗体(セツキシマブ)重鎖 + TGFbRII ECD。B. 配列番号(SEQ ID NO):228:抗-EGFR抗体(セツキシマブ)軽鎖 + TIM3 ECD。 図124A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 配列番号(SEQ ID NO):229:抗-EGFR抗体(セツキシマブ)重鎖 + PD-1 ECD。B. 配列番号(SEQ ID NO):230:抗-EGFR抗体(セツキシマブ)軽鎖 + TIM3 ECD。 図125A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 配列番号(SEQ ID NO):231:抗-EGFR抗体(セツキシマブ)重鎖 + TIM3 ECD。B. 配列番号(SEQ ID NO):232:抗-EGFR抗体(セツキシマブ)軽鎖 + PD-1 ECD。 図126A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 配列番号(SEQ ID NO):233:抗-EGFR抗体(セツキシマブ)重鎖。B. 配列番号(SEQ ID NO):234:抗-EGFR抗体(セツキシマブ)軽鎖 + PD-1 ECD。 図127A〜Bは、ポリペプチド配列である。A. 配列番号(SEQ ID NO):235:抗-EGFR抗体(セツキシマブ)重鎖。B. 配列番号(SEQ ID NO):236:抗-EGFR抗体(セツキシマブ)軽鎖 + TIM3 ECD。 図128A〜Bは、ポリぺプチド配列である。A. 配列番号(SEQ ID NO):237:抗-HER2抗体(トラスツズマブ)重鎖 + TGFbRII ECD。B. 配列番号(SEQ ID NO):238:抗-HER2抗体(トラスツズマブ)軽鎖 + PD-1 ECD。 図129A〜Bは、ポリぺプチド配列である。A. 配列番号(SEQ ID NO):239:抗-HER2抗体(トラスツズマブ)重鎖 + TGFbRII ECD。B. 配列番号(SEQ ID NO):240:抗-HER2抗体(トラスツズマブ)軽鎖 + TIM3 ECD。 図130A〜Bは、ポリぺプチド配列である。A. 配列番号(SEQ ID NO):241:抗-HER2抗体(トラスツズマブ)重鎖 + PD-1 ECD。B. 配列番号(SEQ ID NO):242:抗-HER2抗体(トラスツズマブ)軽鎖 + TIM3 ECD。 図131A〜Bは、ポリぺプチド配列である。A. 配列番号(SEQ ID NO):243:抗-HER2抗体(トラスツズマブ)重鎖 + TIM3 ECD。B. 配列番号(SEQ ID NO):244:抗-HER2抗体(トラスツズマブ)軽鎖 + PD-1 ECD。 図132A〜Bは、ポリぺプチド配列である。A. 配列番号(SEQ ID NO):245:抗-HER2抗体(トラスツズマブ)重鎖。B. 配列番号(SEQ ID NO):246:抗-HER2抗体(トラスツズマブ)軽鎖 + PD-1 ECD。 図133A〜Bは、ポリぺプチド配列である。A. 配列番号(SEQ ID NO):247:抗-HER2抗体(トラスツズマブ)重鎖。B. 配列番号(SEQ ID NO):248:抗-HER2抗体(トラスツズマブ)軽鎖 + TIM3 ECD。 図134A〜Bは、ポリぺプチド配列である。A. 配列番号(SEQ ID NO):249:抗-VEGF抗体(ベバシズマブ)重鎖 + TGFbRII ECD。B. 配列番号(SEQ ID NO):250:抗-VEGF抗体(ベバシズマブ)軽鎖 + PD-1 ECD。 図135A〜Bは、ポリぺプチド配列である。A. 配列番号(SEQ ID NO):251:抗-VEGF抗体(ベバシズマブ)重鎖 + TGFbRII ECD。B. 配列番号(SEQ ID NO):252:抗-VEGF抗体(ベバシズマブ)軽鎖 + TIM3 ECD。 図136A〜Bは、ポリぺプチド配列である。A. 配列番号(SEQ ID NO):253:抗-VEGF抗体(ベバシズマブ)重鎖 + PD-1 ECD。B. 配列番号(SEQ ID NO):254:抗-VEGF抗体(ベバシズマブ)軽鎖 + TIM3 ECD。 図137A〜Bは、ポリぺプチド配列である。A. 配列番号(SEQ ID NO):255:抗-VEGF抗体(ベバシズマブ)重鎖 + TIM3 ECD。B. 配列番号(SEQ ID NO):256:抗-VEGF抗体(ベバシズマブ)軽鎖 + PD-1 ECD。 図138A〜Bは、ポリぺプチド配列である。A. 配列番号(SEQ ID NO):257:抗-VEGF抗体(ベバシズマブ)重鎖。B. 配列番号(SEQ ID NO):258:抗-VEGF抗体(ベバシズマブ)軽鎖 + PD-1 ECD。 図139A〜Bは、ポリぺプチド配列である。A. 配列番号(SEQ ID NO):259:抗-VEGF抗体(ベバシズマブ)重鎖。B. 配列番号(SEQ ID NO):260:抗-VEGF抗体(ベバシズマブ)軽鎖 + TIM3 ECD。 図140A〜Bは、ポリぺプチド配列である。A. 配列番号(SEQ ID NO):261:抗-gp120抗体(B12)重鎖 + TGFbRII ECD。B. 配列番号(SEQ ID NO):262:抗-gp120抗体(B12)軽鎖 + PD-1 ECD。 図141A〜Bは、ポリぺプチド配列である。A. 配列番号(SEQ ID NO):263:抗-gp120抗体(B12)重鎖 + TGFbRII ECD。B. 配列番号(SEQ ID NO):264:抗-gp120抗体(B12)軽鎖 +TIM3 ECD。 図142A〜Bは、ポリぺプチド配列である。A. 配列番号(SEQ ID NO):265:抗-gp120抗体(B12)重鎖 + PD-1 ECD。B. 配列番号(SEQ ID NO):266:抗-gp120抗体(B12)軽鎖 + TIM3 ECD。 図143A〜Bは、ポリぺプチド配列である。A. 配列番号(SEQ ID NO):267:抗-gp120抗体(B12)重鎖 +TIM3 ECD。B. 配列番号(SEQ ID NO):268:抗-gp120抗体(B12)軽鎖 + PD-1 ECD。 図144A〜Bは、ポリぺプチド配列である。A. 配列番号(SEQ ID NO):269:抗-gp120抗体(B12)重鎖。B. 配列番号(SEQ ID NO):270:抗-gp120抗体(B12)軽鎖 + PD-1 ECD。 図145A〜Bは、ポリぺプチド配列である。A. 配列番号(SEQ ID NO):271:抗-gp120抗体(B12)重鎖。B. 配列番号(SEQ ID NO):272:抗-gp120抗体(B12)軽鎖 + TIM3 ECD。 図146A〜Bは、ポリぺプチド配列である。A. 配列番号(SEQ ID NO):273:抗-PD1抗体(ニボルマブ)重鎖 + TGFbRII ECD。B. 配列番号(SEQ ID NO):274:抗-PD1抗体(ニボルマブ)軽鎖 +TIM3 ECD。 図147A〜Bは、ポリぺプチド配列である。A. 配列番号(SEQ ID NO):275:抗-PD1抗体(ニボルマブ)重鎖。B. 配列番号(SEQ ID NO):276:抗-PD1抗体(ニボルマブ)軽鎖 + TIM3 ECD。 図148A〜Bは、ポリぺプチド配列である。A. 配列番号(SEQ ID NO):277:抗-PD1抗体(ペムブロリズマブ)重鎖 + TGFbRII ECD。B. 配列番号(SEQ ID NO):278:抗-PD1抗体(ペムブロリズマブ)軽鎖 + TIM3 ECD。 図149A〜Bは、ポリぺプチド配列である。A. 配列番号(SEQ ID NO):279:抗-PD1抗体(ペムブロリズマブ)重鎖。B. 配列番号(SEQ ID NO):280:抗-PD1抗体(ペムブロリズマブ)軽鎖 + TIM3 ECD。 図150A〜Bは、ポリぺプチド配列である。A. 配列番号(SEQ ID NO):281:抗-PDL1抗体(アテゾリズマブ)重鎖 + TGFbRII ECD。B. 配列番号(SEQ ID NO):282:抗-PDL1抗体(アテゾリズマブ)軽鎖 + TIM3 ECD。 図151A〜Bは、ポリぺプチド配列である。A. 配列番号(SEQ ID NO):283:抗-PDL1抗体(アテゾリズマブ)重鎖。B. 配列番号(SEQ ID NO):284:抗-PDL1抗体(アテゾリズマブ)軽鎖 + TIM3 ECD。 図152A〜Bは、ポリぺプチド配列である。A. 配列番号(SEQ ID NO):285:抗-PDL1抗体(アベルマブ)重鎖 + TGFbRII ECD。B. 配列番号(SEQ ID NO):286:抗-PDL1抗体(アベルマブ)軽鎖 +TIM3 ECD。 図153A〜Bは、ポリぺプチド配列である。A. 配列番号(SEQ ID NO):287:抗-PDL1抗体(アベルマブ)重鎖。B. 配列番号(SEQ ID NO):288:抗-PDL1抗体(アベルマブ)軽鎖 +TIM3 ECD。 図154は、TIGITの細胞外ドメインのポリぺプチド配列である、配列番号(SEQ ID NO): 289。 図155A〜Bは、ポリぺプチド配列である。A. 配列番号(SEQ ID NO):290:抗-PD1抗体(ニボルマブ)重鎖 + TIGIT ECD。B. 配列番号(SEQ ID NO):291:抗-PD1抗体(ニボルマブ)軽鎖。 図156A〜Bは、ポリぺプチド配列である。A. 配列番号(SEQ ID NO):292:抗-PD1抗体(ペムブロリズマブ)重鎖 + TIGIT ECD。B. 配列番号(SEQ ID NO):293:抗-PD1抗体(ペムブロリズマブ)軽鎖。 図157A〜Bは、ポリぺプチド配列である。A. 配列番号(SEQ ID NO):294:抗-PDL1抗体(アテゾリズマブ)重鎖 + TIGIT ECD。B. 配列番号(SEQ ID NO):295:抗-PDL1抗体(アテゾリズマブ)軽鎖。 図158A〜Bは、ポリぺプチド配列である。A. 配列番号(SEQ ID NO):296:抗-PDL1抗体(アベルマブ)重鎖 + TIGIT ECD。B. 配列番号(SEQ ID NO):297:抗-PDL1抗体(アベルマブ)軽鎖。 図159A〜Bは、ポリぺプチド配列である。A. 配列番号(SEQ ID NO):298:抗-CTLA4抗体(イピリムマブ)重鎖 + TIGIT ECD。B. 配列番号(SEQ ID NO):299:抗-CTLA4抗体(イピリムマブ)軽鎖。 図160は、CD160の細胞外ドメインのポリぺプチド配列である、配列番号(SEQ ID NO): 300。 図161は、CD96の細胞外ドメインのポリぺプチド配列である、配列番号(SEQ ID NO): 301。 図162は、LIGHTの細胞外ドメインのポリぺプチド配列である, 配列番号(SEQ ID NO): 302。 図163は、CD44の細胞外ドメインのポリぺプチド配列である、配列番号(SEQ ID NO): 303。 図164は、TIM-3の細胞外ドメインのフラグメントのポリペプチド配列である、配列番号(SEQ ID NO): 304。 図165は、LIGHTのフラグメントのポリぺプチド配列である、配列番号(SEQ ID NO): 305。 図166は、LIGHTのフラグメントのポリぺプチド配列である、配列番号(SEQ ID NO): 306。 図167は、LAIR1の細胞外ドメインのポリぺプチド配列である、配列番号(SEQ ID NO): 307。
発明の詳細な説明
本発明は、がん及び感染性障害における免疫トレランス又はT細胞機能不全を打ち消すように設計された多機能性の抗体‐リガンド・トラップを記載する。本発明の分子は、腫瘍の又は病原体の免疫微小環境において、免疫不全を引き起こす多様な免疫レセプター-リガンド相互作用を含む多数の自己分泌/傍分泌シグナル伝達ループを、効率的に遮断するように設計されている。調節性T細胞、免疫トレランス、及び/又はT細胞疲弊の誘導/機能を打ち消すことによって、本発明の分子及び組成物は、腫瘍性疾患/がんの治療に有効な抗腫瘍免疫を、又は感染性疾患の予防又は処置のための病原体に対する免疫反応を、回復及び増強することができる。この新規なクラスの多機能性の抗体‐リガンド・トラップが強力な抗腫瘍免疫応答を供することができるということによって、多くのタイプの進行がん及び治療抵抗性がんに対して有望な免疫療法ストラテジーを提供する。
本発明の組成物及び方法を記載する前に、本発明は、記載される特定の組成物、方法、及び実験条件に限定されず、そのような組成物、方法、及び条件は変化し得ることが理解されるべきである。本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるため、本明細書で使用する専門用語は特定の態様を説明する目的のためのみのものであって、限定を意図するものではないこともまた理解されるべきである。
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「a」、「an」、及び「the」は文脈が明らかにそわないことを示さない限り、複数を参照することを含む。したがって、例えば、「前記方法」との記載は、本明細書で説明されるタイプの1つ以上の方法及び/又は工程を含む、これらは、本開示等を読むと当業者には明らかになるのであろう。
本明細書において言及される全ての刊行物、特許、及び特許出願は、あたかも各個々の刊行物、特許、又は特許出願が参照により組み込まれるように具体的かつ個々に示されたかのように、同じ程度まで、参照により本明細書に組み込まれる。
異なる定義がなされていない限り、ここで使用するすべての技術用語及び科学用語は、本発明が属する分野の当業者が通常理解するものと同じ意味を有する。本明細書に記載されたものと類似又は同等の任意の方法及び物質を、本発明の実施又は試験において使用することができるが、修正及び変形は本発明の趣旨及び範囲内に包含されることが理解されるのであろう。ここでは、好ましい方法及び物質について説明する。
腫瘍微小環境での免疫不全‐がんの特徴
腫瘍細胞に生得的にあるゲノム不安定性から生じる遺伝的突然変異によって、免疫系によって認識されるネオ抗原が提示される。抗原提示樹状細胞とTリンパ球の間の免疫シナプスで腫瘍抗原が交差提示されると、CD4+Tヘルパー細胞(TH1)とCD8+ 細胞傷害性エフェクター細胞が媒介し、及び腫瘍反応性の中央メモリー(central memory)T細胞が維持する、適応抗腫瘍免疫反応が活性化される可能性がある。しかしながら、腫瘍は、免疫系によって排除されることを回避するために、免疫トレランスのメカニズムを複数同時に選択することにより及び増幅することによって、このような免疫監視を打ち消し、最終的に打ち勝つように連続的に進化する。腫瘍が進行するためのこの前提条件は、機能不全の腫瘍免疫微小環境を作り出す免疫調節因子をがんが産生するすることができることによって可能になる。これらの因子には、T細胞、NK細胞、マクロファージ、及び樹状細胞などの免疫細胞の分化、活性化、増殖、生存、細胞傷害性機能、及び動員を調節する免疫調節リガンド、サイトカイン、及びケモカインが含まれる。腫瘍微小環境において、これらの因子が、独立して及び協働して作用する結果、以下の様な腫瘍浸潤性T細胞の異常な分化及び機能によって特徴付けられる、機能不全性の免疫表現型となる:(i)TH1細胞の減少;(ii)エフェクターT細胞を抑制し、免疫トレランスを媒介するCD4+ T細胞のサブ集団である調節性T細胞(Tregs)の上昇;(iii)細胞傷害性CD8+ T細胞の減少;(iv)増殖せず、及びエフェクター機能(例えば、抗原刺激に応じた細胞傷害性及びサイトカイン分泌)を発揮しない疲弊T細胞の上昇。腫瘍浸潤免疫細胞の機能的な指向性は、がん患者のアウトカムに大きな影響を及ぼす。TH1細胞及び細胞傷害性CD8+ T細胞は、無病生存期間がより長くなることと一様に及び強く関連しているが、Treg及び疲弊CD8+ T細胞を伴って腫瘍が浸潤することは、予後不良と相関している。
腫瘍微小環境における免疫不全の分子的な決定因子
がんは、T細胞阻害レセプター(TCIR)に結合し、T細胞の活性化を阻害する免疫抑制リガンドを発現する。これらのTCIR-TCIRリガンド相互作用は、共-刺激レセプター及びリガンド(図1)によるT細胞の活性化を打ち消し及び抑制する「免疫チェックポイント」として働く。以下のTCIR及びTCIRリガンドは、腫瘍微小環境における免疫トレランス及びT細胞の疲弊を媒介する:
プログラム死1(PD-1)/PD-1リガンド及び細胞傷害性Tリンパ球抗原-4(CTLA-4):
PD-1レセプター(CD279)並びにそのリガンドであるPD-1リガンド1(PD-L1; B7-H1; CD274)及びPD-1リガンド2(PD-L2; B7-DC; CD273)は、自己トレランスの維持に重要な役割を果たすB7-CD28ファミリーのメンバーである。PD-1リガンドがPD-1に結合することは、T細胞のCD3/CD28媒介活性化を阻害し、T細胞のエフェクター機能を阻害し、T細胞の疲弊を誘導し、並びにT細胞アポトーシスのPD-1/PD-L1シグナル伝達を促進し、フォークヘッド・ボックスP3(FOXP3)転写因子及びT細胞の活性化を抑制する共-阻害分子である細胞傷害性Tリンパ球抗原-4(CTLA-4)を発現する免疫抑制的なCD4+T細胞のサブ集団である調節性T細胞(Tregs)の誘導、機能及び維持を促進する。
PD-1/PD-L1経路は、がんにおける免疫トレランス及びT細胞の疲弊の誘導に重要な役割を果たしている。PD-L1はいくつかの種々のがんにおいて高いレベルで発現し、腫瘍におけるPD-L1の高発現は予後不良と強く関連している。腫瘍細胞のPD-L1の発現は、固有な遺伝子異常(例えば、EGFR活性化又は過剰発現、RAS変異の活性化、PIK3CAの増幅/変異、又はPTENの喪失など)、又は腫瘍微小環境中のサイトカイン(例えば、インターフェロン、IL-6、TGFβなど)によって活性化されるシグナル伝達経路(RAS-MEK-ERK、PI3K/AKT及びJAK/STAT)によってアップレギュレートされる。PD-1発現の腫瘍浸潤性CD8+ T細胞は多くのがんにおいて機能不全の疲弊した表現型を示す。そして、PD-1/PD-L1シグナル伝達を抗体を介して遮断することにより、いくつかのがんにおいて臨床アウトカムが改善され、及び機能的なT細胞応答が回復すること、が示されている。
TIM-3及びCEACAM-1を介した免疫トレランス及びT細胞の疲弊:
T細胞免疫グロブリン及びムチン‐ドメイン含有‐3(TIM-3)及びCEACAM-1(がん胎児性抗原関連細胞接着分子-1)共-阻害レセプターは、免疫トレランス及びT細胞疲弊の重要な決定因子である。TIM-3は、IFN-γ産生CD4+及びCD8+ T細胞などの多くの免疫細胞型に発現するI型膜貫通タンパク質であり、自然免疫応答及び適応免疫応答の調節において重要な働きをしている。TIM-3の発現は、エフェクターT細胞分化に関与するサイトカインによって誘導され、TH1表現型のシグネチャ転写因子であるT-betを必要とする。慢性的に刺激されたT細胞及び最終的に分化したエフェクターTH1細胞は、TIM-3を安定的に高いレベルで発現する。TIM-3はIFN-γの発現を阻害し、TH1細胞を抑制し、T細胞機能の逓減(T細胞の疲弊)を誘導する。T細胞エフェクター機能の調整において重要な役割を果たしていることに加えて、TIM-3は、FOXP3+ Tregsで発現し、FOXP3+Tregsの抑制機能を増強する。TIM-3は、CD4+及びCD8+腫瘍浸潤リンパ球(TIL)の両方で高度にアップレギュレートしていて、T細胞でTIM-3の発現が上昇することは、多くのヒトがんにおける免疫不全、腫瘍進行、及び予後不良と関連している。CD8+ TILでのTIM-3の発現は、PD-1の発現と密接に関連していて、TIM-3+ PD-1+ CD8+T細胞は、最も機能不全の「ひどく」疲弊したT細胞集団である。がんにおけるPD-1+及びTIM-3+ CD8+ TILの頻度が増加することは、治療に対する応答性及び臨床アウトカムと逆相関する。TIM-3の発現はまた、腫瘍浸潤Tregでは有意にアップレギュレートしていて、TILにおいてTIM-3+FoxP3+ Treg集団が主要であることは、リンパ節転移及び進行期などの不良な臨床病理学的パラメータと相関する、多種類のがんにわたる一般的な特徴である。
TIM-3の免疫抑制機能は、活性化したT細胞上でTIM-3と共発現し、T細胞活性及び機能をダウンレギュレートさせる、別の1型膜貫通タンパク質であるCEACAM-1とヘテロ二量体相互作用をすることを必要とする。TIM-3とCEACAM-1の細胞外N末端免疫グロブリン(IgV)ドメインは構造的類似性を共有し、それらのFG-CC′インタフェースに沿う共有シグネチャ「クレフト(cleft)」構造を介して相互作用する。CEACAM1とのヘテロ親和性結合は、TIM-3の成熟及びT細胞表面への局在化を促進し、末梢性トレランス及び抗腫瘍免疫の抑制をTIM-3を介して誘導することを促進する。上記のヘテロ親和性のシス相互作用に加えて、CEACAM1はまた、トランスでTIM-3を連結し得、これは、CEACAM1発現腫瘍細胞がT細胞上のTIM-3を介して阻害シグナルを提供し得ることを示唆する。TIM-3の細胞質側の尾部は、他の阻害レセプターに見出される旧知の免疫レセプター・チロシン‐ベースの阻害モチーフ(immunoreceptor tyrosine-based inhibitory motifs (ITIM))を欠いているが、T細胞レセプター(TCR)シグナル伝達経路のSH2ドメイン含有キナーゼ及びHLA-B関連転写物3(HLA-B associated transcript 3 (Bat3))に結合するのに重要であるチロシン残基(Tyr 265、272)を保存している。CEACAM-1がTIM-3と相互作用すると、Y256/Y263のリン酸化を介したBat3の解離及びBat3を介したTCRシグナル伝達の喪失が誘導される。それによってTIM-3が他の結合パートナーと協働することが可能となり、その結果、TCRシグナル伝達が阻害されるようになり、T細胞の疲弊が誘導されるようになる。CEACAM-1は、TIM-3とのヘテロ親和性相互作用(CEACAM1/Tim-3)を介して免疫抑制を促進することができることに加えて、シス又はトランスにおける細胞外ドメインのホモ二量体化(CEACAM1/CEACAM1)を介してT細胞活性を抑制することもできる。このホモ親和性の相互作用は、CEACAM-1細胞質ドメインITIMをリン酸化すること、並びにTCR/CD3複合体シグナル伝達の抑制をもたらし、及び種々のエフェクター機能(T細胞増殖、TH1サイトカイン産生、及びT細胞活性化と関連した細胞傷害性等を含む)を阻害する、SHP-1/SHP-2チロシン・ホスファターゼを動員すること、に必要である。これらのメカニズム的な洞察は、TIM-3/CEACAM1軸が、以下を介して多面的にT細胞を抑制することを示す:(i)ヘテロ親和性TIM-3/CEACAM-1 相互作用(シスCEACAM-1/TIM-3ヘテロ二量体化;TIM-3とのトランスCEACAM1ヘテロ二量体化);(ii)ホモ親和性CEACAM-1/CEACAM-1 相互作用(シスCEACAM-1二量体化;トランスCEACAM1誘導性のシスCEACAM-1 二量体化)。従って、TIM-3及びCEACAM1を共発現する腫瘍浸潤CD8+Tリンパ球は、がんにおいて最も疲弊した表現型を示し、いくつかのヒトがんにおいてCEACAM1の発現が上昇していることは、転移及び予後不良と相関している。
T細胞活性化のV-ドメインIgサプレッサー(V-domain Ig suppressor of T cell activation (VISTA))
T細胞活性化のV-ドメインIgサプレッサーは、PD-L1とPD-1に相同な免疫チェックポイント分子であり、T細胞活性化の抑制を引き起こす骨髄細胞で強く発現している。VISTAは、骨髄細胞及び顆粒球細胞で強く発現し、T細胞では弱く発現している。VISTAは、CD8+及びCD4+ T細胞の活性を抑制する。VISTAを介したT細胞抑制は、VISTAが存在しない場合であっても、長期間持続する(Linesら、2014)。VISTAはリガンドとして作用し、T細胞上のレセプターに結合して増殖及びサイトカイン産生を阻害することがある。VISTAはまた、T細胞上のレセプターとして振る舞うこともあり、ここでも、その結合は同様に、増殖及びサイトカイン産生の抑制を誘導する。VISTAは更にTreg誘導を促進し、腫瘍浸潤Treg上に強く発現している。VISTA及びPD-1は、T細胞活性化を非重複的に抑制する。
リンパ球活性化遺伝子-3(LAG-3)
リンパ球活性化遺伝子-3(LAG-3;CD223とも呼ばれる)は、活性化したCD4+ T細胞、CD8+ T細胞、Treg細胞、Tr1細胞、並びにNK細胞、B細胞、及びDCのサブセット上で発現するネガティブ・チェックポイント・レギュレーターである。LAG-3は、CD4と構造的に相同であり、同様にMHCクラスII分子に結合する。T細胞上にLAG-3が発現することによって、T細胞活性化が直接的に阻害される。MHCクラスIIとの結合に加えて、LAG-3はLSECtin及びガレクチン-3(Gal-3)(いずれも腫瘍微小環境に発現している)とも相互作用する。LSECtin又はガレクチン-3のいずれかがLAG-3に結合すると、エフェクターT細胞のIFNγ産生が低下し、及びTregのIL-10産生が増加する。LAG-3は、PD-1及びTIM-3と共発現し、及び相乗作用し、疲弊したT細胞表現型を誘導し、維持する。
B-及びT-リンパ球アテニュエーター(B and T lymphocyte attenuator (BTLA))
B-及びT-リンパ球アテニュエーター (BTLA)は、CTLA-4及びPD-1と構造的な相同性を有するネガティブ・チェックポイント・レギュレーターである。BTLAは、T細胞、成熟DC、マクロファージ上で発現し、及びB細胞上で最も強く発現している。BTLAは、T細胞、B細胞、NK細胞、DC、及び骨髄細胞上で発現しているヘルペスウイルス侵入メディエーター(HVEM)に結合する。HVEMはまた、CD160(T細胞上で発現するネガティブ・チェックポイント・レギュレーター)及びLIGHT(共-刺激レセプター)とも相互作用する。T細胞上のBTLAシグナル伝達は、HVEMとの結合又はα-BTLAアゴニスト抗体の投与のいずれかを介して、T細胞増殖を阻害する。BTLA発現はまた、IL-17及びTNFαを負に調節することを介して、γδT細胞の増殖と活性化を制限する。BTLAはまた、リガンドとして作用し、T細胞が発現するHVEMに結合し、T細胞の生存を促進することもできる。BTLAは、CD8+ TIL上でPD-1と共発現し、相乗的及び非重複的に免疫抑制機構に関与するようである。
T細胞Ig及びITIMドメイン(TIGIT)
T細胞Ig及びITIMドメイン(TIGIT)は、CD8+ T細胞、CD4+ T細胞、及びNK細胞上で発現する免疫チェックポイント分子である。TIGITは、ポリオウイルス・レセプター(PVR;NECL5/ CD155とも呼ばれる)及びPVR様タンパク質PVRL2(CD112とも呼ばれる)に特異的に結合することが示されている。CD226はCD155/CD112に結合すると、正の共-刺激シグナルを提供し、一方、TIGITは、阻害シグナルを送達する。TIGITは、CD112に対してよりも、CD155に対して高い親和性を有するバインダーである。TIGITはCD155とヘテロ四量体複合体を形成し、ここで、コアのTIGITホモ二量体は、一対のCD155分子に結合する。Th1/Th17 Tヘルパー細胞上のCD226は、それがT細胞上のCD155/CD112に結合すると、正の共-刺激を提供する。TIGITもまた、CD155/CD112に結合し(そして負のシグナルを送達し)、それ故にCD155/CD112への結合に関してCD226と直接競合する。更に、TIGITはCD226に直接結合し、そのホモ二量体化を妨害することが示されているが、このメカニズムがin vivoで作用しているかどうかは明らかではない。TIGITはDC上のCD155に結合して寛容原性の表現型を誘導する。CD155はDCで高く発現し、その状況でのTIGIT/CD155 相互作用により、IL-10の産生を誘導し、T細胞の増殖を抑制し、及びIFN-γの産生を制限する、寛容原性DCへと変化する (Yuら、2009)。CD155及びCD112は、腫瘍細胞で強く発現しているが、これはT細胞に対する直接的な効果を介して、TIGITを介した免疫抑制に対する別のメカニズムを示唆する。実際、TIGITは腫瘍浸潤リンパ球(TIL)上で、他に類を見ない程、富化しており、FOXP3+ Treg上でのその機能は、その最も強力な免疫抑制能力を構成する。
更に、TIGITの結合は、エフェクターT細胞の機能を直接的に抑制する。TIGITは、CD8+ TIL上でPD-1、TIM-3、及びLAG-3と共発現することが見出されている。TIGITはPD-1/PD-L1及びTIM-3と相乗作用して抗腫瘍免疫を損なうことが示されている(Kurtulusら、2013)。TIGITの結合は、それが発現しているT細胞及びNK細胞に対してT細胞増殖及びサイトカイン産生を直接的に抑制することができる。TIGIT+ CD8+ TILは、いくつかのエフェクター機能(例えば、IL-2及びTNF-α産生)を欠損しており、増強されたIL-10産生を介して免疫抑制に寄与する。CD4+ TILの中では、TIGITは、Tregエフェクター分子の高発現を伴うFOXP3+ Tregのサブセットにほぼ限定して、発現している。TIGIT+ TregはTh1及びTh17応答を選択的に抑制するが、Th2応答は抑制しないようである。TIGIT+ Tregsは、Tgfb1、Foxp3、Havcr2、Lag3、及びCtla4の遺伝子発現がより高いことと関連している。更に、Ccl4、Cxcr3、Ccr8、及びTbx21の遺伝子は、TregにおけるTIGITシグナル伝達の下流に見出される。これは、Tregの移動及び保持(Ccl4、Cxcr3、Ccr8)及び安定性(Tbx21;T-betとも呼ばれる)におけるTIGITシグナル伝達の重要な因果関係を示唆する。
CCR4
CCR4はTregで強く発現しているケモカイン・レセプターであり、これによって、TregがCCL22の結合を介して腫瘍微小環境に動員されるようになる。CCL22は、腫瘍細胞で強く発現し、Treg動員を介して免疫抑制を誘導する。
LAIR1
LAIR1は、免疫グロブリン様ドメイン及び2つの免疫レセプター・チロシン‐ベースの阻害モチーフを含む細胞質側の尾部を有する膜貫通糖タンパク質である。活性化されると、LAIR1はSHP-1及びSHP-2ホスファターゼを動員し、ナチュラルキラー(NK)細胞上のLAIR1抗原のクロス‐リンキング介して、NK細胞媒介性の細胞傷害を強く阻害することができる。
形質転換増殖因子-β(Transforming growth factor-β (TGFβ))
形質転換増殖因子-β(TGFβ)は、大多数のがんにおいて過剰発現している多機能性のサイトカインである。TGFβのTGFβレセプターII(TGFβRII)への高親和性結合は、TGFβレセプターIをリクルートしてヘテロ四量体複合体とし、SMAD2/3をリン酸化して、SMAD4との相互作用を可能にし、細胞増殖、分化、及び遊走を制御する遺伝子の活性化又は抑制をもたらす。腫瘍細胞はしばしば、TGFβの成長阻害作用に対して耐性になり、代わりに、腫瘍微小環境におけるその活性を活用して、免疫トレランス及び腫瘍進行を促進させる。TGFβは、自然免疫系及び適応免疫系の調節において重要な役割を果たす。TGF-βは、抗体依存性細胞傷害(antibody dependent cellular cytotoxicity (ADCC))を媒介する免疫エフェクター細胞の活性化及び細胞傷害性機能を阻害する。腫瘍浸潤T細胞の局所微小環境における自己分泌/傍分泌性のTGFβシグナル伝達はCD8+ T細胞の活性を減弱させ、中央メモリー(central memory)細胞の発生を制限し、腫瘍進行を促進する免疫抑制調節性T細胞(Tregs)へと、CD4+ Tヘルパー細胞(TH1)の分化を歪める。TGFβは、Treg系列の機能プログラムを決定し及び維持するシグネチャ転写因子であるFOXP3の発現を誘導する。次に、FOXP3は、細胞傷害性Tリンパ球抗原-4(CTLA-4)(T細胞の共-刺激を抑制する免疫阻害レセプターである)、並びにガレクチン-9(GAL-9)(T細胞免疫グロブリン・ドメイン及びムチン・ドメイン-3(TIM-3)免疫阻害レセプターと結合し、エフェクターT細胞の疲弊又はアポトーシスを誘発するリガンドである)、の発現を誘導する。GAL-9は更に、TGFβレセプターと相互作用して、SMAD3活性化を含むポジティブ‐フィード・フォワード自己分泌ループにおいて、FOXP3の発現を駆動し、Tregを誘導及び維持する。このように、TGFβが富化した腫瘍微小環境は、免疫エフェクターの活性化を弱めるTregの発生を促進する。腫瘍浸潤性免疫細胞の機能的な指向性が、がん患者のアウトカムに大きな影響を及ぼすことから、TH1表現型からTreg系列に向かってCD4+の分化を歪めるというTGFβのこの能力は、重大な臨床的意義を有する。TH1細胞、細胞傷害性CD8+T細胞、及び中央メモリー(central memory)T細胞は、より長い無病生存期間と一様に及び強く関連しているが、Tregと一緒に腫瘍が浸潤することは予後不良と相関している。TCGA-HNSCCデータセット[単一細胞RNAシークエンシングからのT細胞タイプに特異的な参照遺伝子の発現プロフィール(reference gene expression profiles (RGEPs))を利用している]において、T細胞サブタイプの相対的な存在量を推定すると、大多数のがんは、CD4+ T細胞分化が異常に歪んで、TH1細胞から離れてTregに分化が向かうこと、及び疲弊したCD8+ T細胞が増大すること、を特徴とする機能不全的な免疫抑制表現型を示すことが示された。TCGAデータセットを解析すると、上昇したTGFβ1/3はFOXP3 mRNA発現と強く相関し、そしてより低い生存と有意に関連することが示された。
がんの現在の免疫療法の限界:
腫瘍誘導性の免疫トレランスを打ち消すための現行の臨床的な成果は、CTLA-4、PD-1、及びPD-L1などの免疫チェックポイントとして機能するT細胞阻害レセプター又はリガンドをターゲットとするモノクローナル抗体に焦点を当てたものである。1剤のCTLA-4抗体(イピリムマブ)、2剤のPD-1アンタゴニスト(ペムブロリズマブ、ニボルマブ)、及び3剤のPD-L1インヒビター(アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ)が、現在、黒色腫、非小細胞肺がん、頭頸部がん、又は膀胱がんなどのがんの免疫療法のための具体的な臨床適応において承認されている。進行がんを有する患者のサブセットは、CTLA-4、PD-1又はPD-L1に対するmAbに応答して、寛解が持続すること及び生存期間が延長することを経験するが、大多数の患者はこのような治療に応答しない。このような腫瘍は、T細胞の機能不全を誘導し、抗腫瘍免疫を阻害するために、他の免疫調節リガンド又はサイトカインを使用することがある。PD-1-PD-L経路のみをターゲットとすることでは、T細胞機能の完全な回復がもたらされず、及びあるがんでは、PD-1-PD-L経路をターゲットとすることでは、T細胞機能は全く回復しない。従って、腫瘍微小環境において、免疫トレランス及びT細胞疲弊を実行するために協調して作用している多数の分子及び阻害経路を同定し、及び同時に打ち消す必要がある。現在の免疫療法戦略には、がんの機能不全的な免疫表現型によって提起される以下の課題による限界がある:
(1) 免疫トレランス及びT細胞疲弊に関して、多重独立的で、協働的で、及び重複的である免疫レセプター‐リガンド相互作用。それぞれはフィードバック・ループによって強化されている。個々の分子的な決定因子をターゲットとすることは、がんにおける免疫不全に関する多面的なメカニズムを打ち消すには不十分である。
(2) Tregを促進し、T細胞の疲弊を誘導する免疫抑制シグナル伝達経路には、腫瘍微小環境中のシス及びトランスでの自己分泌及び傍分泌免疫レセプター‐リガンド相互作用が含まれる。がん免疫細胞の微小環境において、過活動的になった免疫抑制性の自己分泌/傍分泌リガンド‐レセプター相互作用は、現行のmAbsによって効果的に阻害することができない。ターゲット腫瘍細胞又は腫瘍浸潤T細胞のすぐ近くの微小環境において、このような自己分泌/傍分泌シグナル伝達ループと効果的に競合し、物理的に破壊するためには、新規な戦略が必要とされる。
(3) トレランスのデノボ(de novo)及び適応メカニズム:免疫不全のデノボ・メカニズムを呈することに加えて、腫瘍は、治療の過程にわたって、更に別の免疫トレランスのメカニズムを獲得するようになる。従って、1つのメカニズムに対処することによって、腫瘍が同等の免疫抑制作用を達成する別の経路を利用するようになることがある。
(4) がんの機能不全的な免疫表現型は、腫瘍免疫微小環境において、CD4+ 細胞の分化が歪み、TH1表現型から離れてTreg又はTH17系列に分化が向かうことを特徴とする。免疫チェックポイント(PD-1/PD-L1又はCTLA-4など)を阻害するか、又は共-刺激レセプター(4-1BB又はOX40など)を活性化する抗体は、免疫シナプスを調節してT細胞を共-刺激することに焦点を当てているが、TH1細胞から、免疫トレランス及び腫瘍促進性炎症を促進するTreg又はTH17系列に向かうようにCD4細胞分化を転換させる、近位リガンドを打ち消すことができない。
ターゲットを絞った多機能性の免疫調節抗体‐リガンド・トラップ
本発明は、腫瘍細胞又は腫瘍浸潤T細胞をターゲットとし、同時に腫瘍微小環境における免疫不全に寄与する重要なリガンドを隔離する、ターゲットを絞った多機能性の免疫調節抗体‐リガンド・トラップを記載する。抗体‐リガンド・トラップは、ターゲット細胞のすぐそばの微小環境において、1種以上の免疫抑制リガンド(レセプターECD;リガンド・トラップ)を同時に捕捉及び不能化するレセプター細胞外ドメイン(ECD)と融合した、腫瘍細胞又はT細胞免疫レセプター/リガンドをターゲットとする抗体(ターゲティング部分)を含む。前記抗体‐リガンド・トラップのターゲティング部分は、それ自体の特異的機能を示し、同時に、融合したレセプターECD(捕捉)をターゲット腫瘍又は免疫細胞微小環境に局在化させて、リガンドに対する天然レセプターと効果的に競合する。ECDというレセプターは、Tリンパ球、骨髄細胞、NK細胞、又は樹状細胞/抗原提示細胞(DC/APC)などの任意の免疫細胞の分化、増殖、維持、生存、活性、機能又は動員を調節する任意の免疫調節レセプターのリガンド結合配列を含む。
本発明のターゲティング部分は、腫瘍細胞、腫瘍微小環境、腫瘍関連増殖因子若しくはレセプター、腫瘍関連サイトカイン若しくはレセプター、腫瘍関連Tリンパ球、T細胞の共-刺激又は阻害分子、免疫細胞、病原体、又は病原体関連細胞、の構成要素に特異的に結合するポリペプチドを含む。具体的な実施形態では、前記ターゲティング部分は免疫レセプターに特異的に結合する、ここで、前記免疫レセプターは、細胞傷害性Tリンパ球関連抗原-4(CTLA-4、CD152)、プログラム死-1(PD-1)、プログラム死リガンド(PD-L1)、TIM-3、VISTA、B-及びT-リンパ球アテニュエーター(BTLA)、CD160、TIGIT、CD96、リンパ球活性化遺伝子-3(LAG-3)、B7-H3、CD39、CD73、アデノシンA2aレセプター、4-1BB(CD137)、OX-40(CD134)、GITR、CD27、HVEM、CD40L、CD40、CD47、CCR4、CCR5、CXCR4、インターロイキン-12レセプター(IL-12R)、Toll様レセプター(TLR1-10)、CD4、CD25、CD3、ICOS、キラー細胞免疫グロブリン様レセプター(KIR)、又はT細胞レセプター(TCR)である。
ターゲティング部分に融合するレセプターECDは、Tリンパ球免疫レセプター、Bリンパ球レセプター、DCレセプター、NK細胞レセプター、サイトカイン・レセプター、増殖因子レセプター、ケモカイン・レセプター、又は腫瘍細胞レセプター、の細胞外リガンド結合配列を含む。具体的な実施形態では、前記ターゲティング部分は、以下のレセプターECDのうちの1種のリガンド結合配列に融合している:
前記抗体‐リガンド・トラップの融合レセプターECD配列は、ターゲット細胞の微小環境中でリガンドを好適に捕捉する:
a. オフターゲット効果のリスクが無く、レセプターを介してシグナル伝達する全ての同族リガンド(及びアイソフォーム)に、非常に特異的に結合する
b. デコイ・レセプターECDが隔離した全ての同族リガンドを予測可能的に/確実に抑制する;逆説的アゴニスト(paradoxical agonist)機能又は重複的なリガンド‐レセプター相互作用のリスクが無いアンタゴニスト効果が保証される
c. 同族リガンドに対して、最適な結合活性
d. 前記ターゲティング部分は融合レセプターECDをターゲット細胞の微小環境に局在化させ、それによってデコイ・レセプターECDは天然レセプターとターゲット・リガンドに対して効果的に競合することが可能となるので、自己分泌/傍分泌シグナル伝達ループが破壊される。
e. 天然レセプターECDの免疫原性のリスクが減少する
本発明の抗体‐リガンド・トラップは、以下の多機能性の作用能を介して、TMEにおけるTreg及び適応性のT細胞トレランス/疲弊を打ち消すことによって、抗腫瘍免疫を活性化することができる:
a. 免疫チェックポイント・レセプター/リガンドを不能化する+免疫抑制リガンドを打ち消す
b. 共-刺激レセプターを活性化する+免疫抑制リガンド/チェックポイントを打ち消す
c. 腫瘍細胞(例えば、GFR)をターゲットとする+免疫抑制リガンド/チェックポイントを打ち消す
d. 同時に、複数のT細胞阻害レセプター(TCIR)リガンドの利用可能性を打ち消すか、若しくは制限する、又は複数のTCIRs/TCIRリガンドを遮断する。
本発明の抗体‐リガンド・トラップは、複数のTCIRs/TCIRリガンドを機能的に遮断し、TMEにおけるT細胞阻害経路を広くターゲット化するためのストラテジーとして役立ち得る。腫瘍/免疫細胞の微小環境において、複数の腫瘍TCIR/TCIRリガンド相互作用及びそれらの自己分泌/傍分泌シグナル伝達を妨害することは、複数の抗体に基づく免疫チェックポイント遮断よりも効果的である。それらは、デノボ及び適応免疫トレランスに関する広範な多遺伝子原性の耐性メカニズムを無効にすることができるので、併用免疫療法の課題及び限界に対処することができるようになる。これは、PD-1/PD-L1及びTIM-3/CEACAM-1が媒介する腫瘍微小環境中の免疫トレランス及びT細胞疲弊のメカニズムを同時に打ち消すという本発明の抗体‐リガンド・トラップによって例示される。
プログラム死 1(PD-1):プログラム死リガンド1(PD-L1)免疫チェックポイントをターゲットとする抗体には強力な抗腫瘍活性があるが、これらの治療に対するデノボ及び適応的な耐性の両方がしばしば観察される。PD-1/PD-L1経路をターゲットとすることは、疲弊したT細胞の機能不全を断ち切るには充分ではないかもしれない。なぜなら、PD-1と他のチェックポイント阻害剤との間に複雑な交差調節が存在することから、抗腫瘍T細胞免疫が抑制され、ある場合には、PD-1を遮断するとその後に適応的な耐性が発現するからである。TIM-3/CEACAM1軸は、PD-1/PD-L1療法に対するデノボ及び適応的な耐性に対する重要な決定因子である。
TIM-3/CEACAM1は、以下を介して、T細胞及びNK細胞を多面的に抑制する:(i)ヘテロ親和性のTIM-3/CEACAM-1相互作用(シスCEACAM-1/TIM-3ヘテロ二量体化;TIM-3とのトランスCEACAM1ヘテロ二量体化);(ii)ホモ親和性のCEACAM-1/CEACAM-1相互作用(シスCEACAM-1二量体化;トランスCEACAM1で誘導されるシスCEACAM-1 二量体化)。従って、TIM-3及びCEACAM1を共発現する腫瘍浸潤CD8+Tリンパ球は、マウス・モデル及びがん患者の両方において、最も疲弊した表現型を示す。
PD-1、TIM-3、及びCEACAM-1は、腫瘍微小環境において、免疫トレランス及びT細胞疲弊に関する独立的且つ協調的なメカニズムを同調させているので、強力な抗腫瘍的な自然及び適応性抗腫瘍免疫応答を引き起こすためには、これらのチェックポイントを同時に遮断することが必要である。腫瘍浸潤免疫細胞上では、3つ全てのT細胞阻害レセプター(TCIRs: PD-1、TIM-3、CEACAM-1)の共発現が上昇していることに加えて、腫瘍細胞はまた、これらのTCIRsに結合して腫瘍反応性T細胞を抑制する、複数のリガンド(PD-L1、CEACAM-1、ガレクチン-9)も共発現している。このことは、免疫トレランスを誘導するために協調して作用している、TME内の複数の自己分泌/傍分泌のシス及びトランスTCIR/リガンド相互作用(PD-1/PD-L1; Tim-3/CEACAM-1; CEACAM-1/CEACAM-1)を破壊することを、治療において難しいこととしている。この治療上の課題を、新規な二機能性の抗体‐リガンド・トラップ(Y-トラップ):(i)TIM-3 IgVエクトドメイン配列に融合したPD-L1をターゲットとする抗体を含むa-PDL1-TIM3ecd;(ii)TIM-3 IgVエクトドメイン配列に融合したPD-1をターゲットとする抗体を含むa-PD1-TIM3ecd、を発明することによって対処した。
aPDL1-TIM3ecd及びaPD1-TIM3ecdの作用機序: aPDL1-TIM3ecd及びaPD1-TIM3ecdは、活性化したT細胞及び腫瘍細胞上のPD-1又はPD-L1に結合し、同時に、CEACAM-1のFG-CC'クレフト・インタフェースに結合することに関して、天然の細胞性のTIM-3と効果的に競合するTIM-3ecdデコイを持つ。このように、これらの抗体‐リガンド・トラップは、PD-L1/PD-1相互作用ができなくなるようにするだけでなく、腫瘍微小環境(tumor microenvironment (TME))のTim-3/CEACAM-1及びCEACAM-1/CEACAM-1を含むシス及びトランスの両方の相互作用を同時に破壊する。これらの研究は、a-PDL1-TIM3ecd及びa-PD1-TIM3ecdが、in vitroで、IFNγ発現を促進し、共-刺激されたT細胞の疲弊を打ち消す点で、a-PDL1(アテゾリズマブ)又はa-PD-1(ペムブロリズマブ)よりも有意に効果的であることを、実証する。非常に重要なことに、これらの抗体‐リガンド・トラップを使って、腫瘍を有するヒト化マウスをin vivoで処置すると、腫瘍浸潤CD4+及びCD8+ T細胞の数が顕著に増大し、a-PDL1(アテゾリズマブ)、a-PD-1(ペムブロリズマブ)、a-Tim-3抗体を使用した、又は更にa-PDL1及びa-Tim-3の併用すら使用した、相当の処置と比較して、腫瘍進行が有意により効果的に阻害されることが見出された。これらのデータは、腫瘍微小環境中のヘテロ親和性及びホモ親和性のTim-3/CEACAM-1相互作用がPD-1/PD-L1インヒビターの抗腫瘍効果を限定的なものにしていること、並びにa-PDL1-TIM3ecd及びa-PD1-TIM3ecdが、PD-1/PD-L1チェックポイントを無効にすることと同時にTim-3/CEACAM-1軸の両方の構成成分を打ち消すことにより、T細胞の疲弊を打ち消すか又は逆転させる、より有効な免疫療法ストラテジーを提供すること、を示している。
ある実施形態では、本発明は、ターゲティング部分及び免疫調節部分を含む分子を提供する、ここで:前記ターゲティング部分は、腫瘍細胞、腫瘍微小環境、腫瘍関連増殖因子若しくはレセプター、腫瘍関連サイトカイン若しくはレセプター、腫瘍関連Tリンパ球、T細胞の共-刺激又は阻害分子、免疫細胞、病原体、又は病原体関連細胞、の構成要素に特異的に結合するポリペプチドを含む、及び前記免疫調節部分は、Tリンパ球免疫レセプター、Bリンパ球レセプター、DCレセプター、NK細胞レセプター、サイトカイン・レセプター、増殖因子レセプター、ケモカイン・レセプター、又は腫瘍細胞レセプター、の細胞外リガンド結合(ECD)配列又はそのリガンド結合フラグメントを含む。
本明細書中で使用される場合、「ターゲティング部分」は、特異的な分子又は細胞構成要素を局在化し、及び結合することができる分子をいう。前記ターゲティング部分は、免疫グロブリン、抗体、バイスペシフィック(bispecific)若しくはマルチスペシフィック抗体(multispecific antibody)、抗体フラグメント、scFv、Fc含有ポリペプチド、ポリペプチド、ペプチド、又はそれらの任意の組合せ、の抗原結合ドメインであることがある。ある態様では、前記ターゲティング部分は、疾患の細胞又は組織中(例えば、がん細胞又は腫瘍)に存在する分子に結合することができる。別の態様では、ターゲティング部分は、がん細胞又はがんなどの疾患細胞又は組織中の分子に結合することができる。別の態様では、前記ターゲティング分子は、正常な細胞又は組織(例えば、免疫細胞)に結合することができる。別の態様では、前記ターゲティング部分は、免疫反応を調節する細胞又は細胞外分子に結合することができる。別の態様では、前記ターゲティング部分は、増殖因子レセプター、増殖因子、サイトカイン・レセプター、サイトカイン、又は細胞表面分子に結合する。
別の実施形態では、前記ターゲティング部分は腫瘍ターゲティング部分である。前記腫瘍ターゲティング部分は腫瘍細胞の構成要素に結合することができ、又は腫瘍細胞の近傍(例えば、腫瘍血管又は腫瘍微小環境)で、結合することができる。ある実施形態では、前記腫瘍ターゲティング部分は、腫瘍細胞、腫瘍微小環境、腫瘍血管、腫瘍関連リンパ球、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、腫瘍細胞表面分子、腫瘍抗原決定因子、腫瘍抗原含有融合タンパク質、腫瘍関連細胞、腫瘍関連免疫細胞、又は腫瘍ワクチン、の構成要素に結合する。
例えば、種々の実施形態において、ターゲティング部分は、限定されるものではないが、以下を含む、分子又は構成要素に対して特異的又は結合する、上皮成長因子レセプター(EGFR、EGFR1、ErbB-1、HER1)、ErbB-2(HER2/neu)、ErbB-3/HER3、ErbB-4/HER4、EGFRリガンド・ファミリー;インスリン様成長因子レセプター(IGFR)ファミリー、IGF結合タンパク質(IGFBPs)、IGFRリガンド・ファミリー(IGFBP);血小板由来増殖因子レセプター(PDGFR)ファミリー、PDGFRリガンド・ファミリー;線維芽細胞増殖因子レセプター(FGFR)ファミリー、FGFRリガンド・ファミリー、血管内皮増殖因子レセプター(VEGFR)ファミリー、VEGFファミリー;HGFレセプター・ファミリー:TRKレセプター・ファミリー;エフリン(EPH)レセプター・ファミリー;AXLレセプター・ファミリー;白血球チロシン・キナーゼ(LTK)レセプター・ファミリー;TIEレセプター・ファミリー、アンジオポエチン1、2;レセプター・チロシン・キナーゼ様オーファン・レセプター(ROR)レセプター・ファミリー;ディスコイディン・ドメイン・レセプター(DDR)ファミリー;RETレセプター・ファミリー;KLGレセプター・ファミリー;RYKレセプター・ファミリー;MuSKレセプター・ファミリー;形質転換増殖因子アルファ(TGF-α)、TGF-αレセプター;形質転換増殖因子ベータ(TGF-β)、TGF-βレセプター;インターロイキン 13レセプター・アルファ2鎖(lL13Ralpha2)、インターロイキン-6 (IL-6)、IL-6レセプター、インターロイキン-4、IL-4レセプター、サイトカイン・レセプター、クラスI (ヘマトポイエチン・ファミリー)及びクラスII (インターフェロン/lL-10ファミリー)レセプター、腫瘍壊死因子(TNF)ファミリー、TNF-α、腫瘍壊死因子(TNF)レセプター・スーパーファミリー(TNTRSF)、デス・レセプター・ファミリー(death reseptor family)、TRAILレセプター;ケモカイン・ファミリー、ケモカイン・レセプター・ファミリー;がん-精巣(CT)抗原、系統特異的抗原、分化抗原、α-アクチニン-4、ARTCl、切断点クラスター領域-アベルソン(breakpoint cluster region-Abelson (Bcr-abl))融合産物、B-RAF、カスパーゼ-5(CASP-5)、カスパーゼ-8(CASP-8)、β-カテニン(CTNNB1)、細胞分裂周期27(CDC27)、サイクリン依存性キナーゼ4(CDK4)、CDKN2A、COA-1、dek-can融合タンパク質、EFTUD-2、伸長因子2(ELF2)、Etsバリアント遺伝子6/急性骨髄性白血病1遺伝子ETS(ETC6-AML1)融合タンパク質、フィブロネクチン(FN)、GPNMB、低密度脂質レセプター/GDP-Lフコース:β-Dガラクトース2-α-Lフコシルトランスフェラーゼ(LDLR/FUT)融合タンパク質、HLA-A2、HLA-A2遺伝子中のα2ドメインのαヘリックスの残基170におけるアルギニンからイソロイシンへの交換(HLA-A*201-R170I)、MLA-A11、熱ショック・タンパク質70-2変異(HSP70-2M)、KIAA0205、MART2、黒色腫ユビキタス変異1、2、3(melanoma ubiquitous mutated 1,2, 3 (MUM-1, 2,3))、前立腺酸性ホスファターゼ(PAP)、neo-PAP、ミオシン・クラスI、NFYC、OGT、OS-9、pml-RARα融合タンパク質、PRDX5、PTPRK、K-ras(KRAS2)、N-ras(NRAS)、HRAS、RBAF600、SIRT2、SNRPD1、SYT-SSX1又は-SSX2融合タンパク質、トリオースリン酸イソメラーゼ、BAGE、BAGE-1、BAGE-2、3、4、5、GAGE-1、2、3、4、5、6、7、8、GnT-V(異常なN-アセチル・グルコサミニル・トランスフェラーゼV、MGAT5)、HERV-K-MEL、KK-LC、KM-HN-1、LAGE、LAGE-1、黒色腫上のCTL認識抗原(CAMEL)、MAGE-A1(MAGE-1)、MAGE-A2、MAGE-A3、MAGE-A4、MAGE-AS、MAGE-A6、MAGE-A8、MAGE-A9、MAGE-A10、MAGE-A11、MAGE-A12、MAGE-3、MAGE-B1、MAGE-B2、MAGE-B5、MAGE-B6、MAGE-C1、MAGE-C2、ムチン1(MUC1)、MART-1/Melan-A(MLANA)、gp100、gp100/Pmel17(SILV)、チロシナーゼ(TYR)、TRP-1、HAGE、NA-88、NY-ESO-1、NY-ESO-1/LAGE-2、SAGE、Sp17、SSX-1、2、3、4、TRP2-INT2、がん胎児性抗原(CEA)、カリククフェイン4(Kallikfein 4)、マンマグロビン-A(mammaglobm-A)、OA1、前立腺特異的抗原(PSA)、前立腺特異的膜抗原、TRP-1/gp75、TRP-2、アディポフィリン、黒色腫に存在しないインターフェロン誘導性タンパク質2(interferon inducible protein absent in nielanorna 2 (AIM-2))、BING-4、CPSF、サイクリンD1、上皮細胞接着分子(Ep-CAM)、EpbA3、線維芽細胞増殖因子-5(FGF-5)、糖タンパク質250(gp250)、腸カルボキシル・エステラーゼ(intestinal carboxyl esterase (iCE))、αフェトプロテイン(AFP)、M-CSF、mdm-2、MUC1、p53(TP53)、PBF、FRAME、PSMA、RAGE-1、RNF43、RU2AS、SOX10、STEAP1、サバイビン(BIRCS)、ヒト・テロメラーゼ逆転写酵素(hTERT)、テロメラーゼ、ウィルムス腫瘍遺伝子(WT1)、SYCP1、BRDT、SPANX、XAGE、ADAM2、PAGE-5、LIP1、CTAGE-1、CSAGE、MMA1、CAGE、BORIS、HOM-TES-85、AF15q14、HCA661、LDHC、MORC、SGY-1、SPO11、TPX1、NY-SAR-35、FTHLI7、NXF2、TDRD1、TEX15、FATE、TPTE、免疫グロブリン・イディオタイプ、ベンス・ジョーンズ・タンパク質、エストロゲン・レセプター(ER)、アンドロゲン・レセプター(AR)、CD40、CD30、CD20、CD19、CD33、CD4、CD25、CD3、がん抗原72-4(CA 72-4)、がん抗原15-3(CA 15-3)、がん抗原27-29(CA 27-29)、がん抗原125(CA 125)、がん抗原19-9(CA 19-9)、β-ヒト絨毛性ゴナドトロピンン、1-2ミクログロブリン、扁平上皮がん抗原、ニューロン特異的エノラーゼ(neuron-specific enoJase)、熱ショック・タンパク質gp96、GM2、サルグラモスチム、CTLA-4、707アラニン・プロリン(707-AP)、T細胞によって認識される腺がん抗原4(adenocarcinoma antigen recognized by T cells 4 (ART-4))、がん胎児性抗原ペプチド-1(CAP-1)、カルシウム活性化塩素チャネル-2(calcium-activated chloride channel-2 (CLCA2))、シクロフィリンB(Cyp-B)、ヒト印環細胞腫瘍-2(human signet ring tumor-2 (HST-2))、ヒト・パピローマ・ウイルス(HPV)タンパク質(HPV-E6、HPV-E7、メジャー又はマイナー・カプシド抗原、その他)、エプスタイン‐バー・ウイルス(vims)(EBV)タンパク質(EBV潜伏感染膜タンパク質‐LMP1、LMP2;その他)、B型又はC型肝炎ウイルス・タンパク質、並びにHIVタンパク質(gp120 を含む)。本発明の組成物は、ペプチド/ポリペプチド及び/又はそれをコードするものとして前記のものを更に含むことがある。
ある態様では、前記ターゲティング部分のポリペプチドは、細胞傷害性Tリンパ球関連抗原-4(CTLA-4、CD152)、プログラム死-1タンパク質(PD-1)、プログラム死リガンド-1(PD-L1)、プログラム死リガンド(PD-L2)、B7-H3(CD276)、T細胞免疫グロブリン及びムチン‐ドメイン含有-3(TIM-3)、がん胎児性抗原関連細胞接着分子1(CEACAM-1)、がん胎児性抗原(CEA)、T細胞活性化のVドメインIgサプレッサー(VISTA)、V-set及び免疫グロブリン・ドメイン含有8(VSIG8)、B-及びT-リンパ球アテニュエーター(BTLA)、ヘルペスウイルス侵入メディエーター(HVEM)、CD160、T細胞Ig及びITMドメイン(TIGIT)、CD226、CD96、CD122、リンパ球活性化遺伝子-3(LAG-3)、形質転換増殖因子β(TGF-β)、形質転換増殖因子βレセプター(TGFβR)、4-1BB(CD137)、誘導性T細胞共-刺激因子(ICOS)、OX-40(CD134)、グルココルチコイド誘導性TNFR関連タンパク質(GITR)、IL6R、IL23R、IL17R、IL-6、IL-23、IL-17、CD39、CD47、CD73、CCR4、CCR5、CXCR4、IL12R、CD4、CD25、CD3、核内因子κB活性化レセプター・リガンド(Receptor activator of nuclear factor kappa-B ligand (RANKL))、上皮成長因子レセプター (EGFR、EGFR1、ErbB-1、HER1)、ErbB-2 (HER2/neu)、ErbB-3/HER3、ErbB-4/HER4、上皮成長因子 (EGF)、形質転換増殖因子α (TGFα)、血管内皮増殖因子(VEGF)、血管内皮増殖因子レセプター-1 (VEGFR-1)、VEGFR-2又はVEGFR-3、に特異的に結合する。
ある実施形態では、本発明は、「免疫調節部分」と融合したターゲティング部分を含む分子を提供する。本明細書中で使用される場合、「免疫調節部分」は、Tリンパ球免疫レセプター、T細胞阻害レセプター(TCIR)、T細胞共-阻害分子、T細胞共-刺激分子、Bリンパ球レセプター、DCレセプター、NK細胞レセプター、サイトカイン・レセプター、増殖因子レセプター、ケモカイン・レセプター、又は腫瘍細胞レセプター、の細胞外ドメイン(ECD)配列又はそのリガンド結合フラグメントを含むポリペプチドをいう。更なる態様では、前記「免疫調節部分」は、免疫系を調節するサイトカイン、サイトカイン・レセプター、共-刺激分子、又は共-阻害分子に特異的に結合する。ある態様では、前記免疫調節部分は、結合した分子の機能を増加させるアゴニストである。別の態様では、前記免疫調節部分がターゲット分子の機能を阻害するアンタゴニストである。
別の態様では、前記免疫調節部分は、以下の分子のうちの1つの細胞外ドメイン又はそのリガンド結合フラグメントを特異的に含む:形質転換増殖因子βレセプターII(TGFβRII)、プログラム死1タンパク質(PD-1)、T細胞免疫グロブリン及びムチンドメイン含有3(TIM-3)、B-及びT-リンパ球アテニュエーター(B- and T-lymphocyte attenuator (BTLA))、CD226、T細胞Ig及びITMドメイン(TIGIT)、CD44、CD96、CD160、コロニー刺激因子1レセプター(CSF1R)、CCR4、キラー細胞免疫グロブリン様レセプター(KIR)、血管内皮増殖因子レセプター(VEGFR)、核内因子κB活性化レセプター(RANK)、V-set及び免疫グロブリン・ドメイン含有8(VSIG8)、LIGHT(TNFSF14)、白血球関連免疫グロブリン様レセプター1(LAIR1)、又はT細胞活性化のVドメインIgサプレッサー(VISTA)。
別の態様では、前記免疫調節部分は、前記ターゲティング部分のC末端に融合している。別の態様では、前記免疫調節部分は、前記ターゲティング部分のN末端に融合している。ある態様では、その融合分子はX-Fc-Yによって表される、ここで、Xは前記ターゲティング部分である、Fcは免疫グロブリンFc領域である、及びYは前記免疫調節部分である。別の態様では、前記融合分子はY-Fc-Xによって表される、ここで、Xは前記ターゲティング部分である、そしてYは前記免疫調節部分である。
本明細書中で使用される場合、用語「細胞外ドメイン(extracellular domain)」又は「ECD」は、細胞小器官及び細胞の外側の膜から細胞外の空間に突出するレセプターの部分をいう。ECDのポリペプチド配列は、アミノ酸残基の配列が本明細書に示されるポリペプチド又はペプチドの任意の類似体又はフラグメントを含む。
用語「類似体」は、1つ以上の残基が機能的に類似した残基で保存的に置換されており、本明細書に記載されるような活性を示す、本明細書に特に示される配列と実質的に同一のアミノ酸残基配列を有する、任意のポリペプチド又はペプチドを含む。保存的置換の例には、イソロイシン、バリン、ロイシン又はメチオニンのような、ある非極性(疎水性)残基を別のものへと置換すること、アルギニンとリジンとの間、グルタミンとアスパラギンとの間、グリシンとセリンとの間のような、ある極性(親水性)残基を別のものへと置換すること、リジン、アルギニン又はヒスチジンのような、ある塩基性残基を別のものへと置換すること、又はアスパラギン酸又はグルタミン酸のような、ある酸性残基を別のものへと置換すること、が含まれる。
用語「フラグメント」は、そのアミノ酸残基配列が本明細書に開示されているポリペプチドのアミノ酸残基配列よりも短いアミノ酸配列を有する任意の対象ポリペプチドを指す。
本明細書で使用される場合、用語「リガンド結合フラグメント」は、リガンドに結合するECDの一部又はフラグメントを指す。「リガンド結合フラグメント」それ自体が「リガンド」であると考えられる分子の部分又はフラグメントを指すために使用される場合、「リガンド結合フラグメント」は、その結合相手に結合するその分子のECDの部分又はフラグメントを指す。
抗体:ある実施形態では、前記ターゲティング部分又は融合タンパク質は免疫グロブリンである。本明細書で使用される場合、用語「免疫グロブリン」には、天然又は人工の一価又は多価抗体が含まれ、限定されるものではないが、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、マルチスペシフィック抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体又はキメラ抗体、単鎖抗体、Fabフラグメント、F(ab')フラグメント、Fab発現ライブラリーによって産生されるフラグメント、抗イディオタイプ(抗Id)抗体(例えば、本発明の抗体に対する抗Id抗体が含まれる)、及び上記のいずれかのエピトープ結合フラグメント、等が含まれる。本明細書で使用される場合、用語「抗体」は、免疫グロブリン分子及び免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な部分、即ち、抗原に免疫特異的に結合する抗原結合部位を含む分子、を指す。前記免疫グロブリンは、免疫グロブリン分子の任意の種類(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA及びIgY)、クラス(例えば、IgGl、IgG2、IgG3、IgG4、IgAl、及びIgA2)又はサブクラスであることがある。
本明細書中に開示される抗体は、抗体フラグメント(例えば、限定されるものではないが、Fab、Fab'及びF(ab')2、Fd、単鎖Fvs(scFv)、単鎖抗体、ジスルフィド結合Fvs(sdfv)、並びにVL又はVHのいずれかのドメインを含むフラグメント)を含む。ある実施形態では、前記ターゲティング部分は抗体又はscFvである。
単鎖抗体を含む抗原結合抗体フラグメントは、可変領域(単数又は複数)を単独で、又は以下の全体若しくは部分と組合せて含むことがある:ヒンジ領域、CH1、CH2、及びCH3 ドメイン。抗原結合フラグメントはまた、可変領域(単数又は複数)とヒンジ領域、CH1、CH2、及びCH3ドメインとの任意の組合せを含むこともある。また、Fcフラグメント、抗原-Fc融合タンパク質、及びFc-ターゲティング部分を含むこともある。前記抗体は、鳥類及び哺乳動物を含む任意の動物に由来することがある。ある態様では、前記抗体は、ヒト、マウス(例えば、マウス及びラット)、ロバ、ヒツジ、ウサギ、ヤギ、モルモット、ラクダ、ウマ、又はニワトリであるか、又はこれらに由来する。更に、このような抗体は、抗体のヒト化バージョンであり得る。前記抗体は、モノスペシフィック(monospecific)、バイスペシフィック(bispecific)、トリスペシフィック(trispecific)、又はより大きなマルチスペシフィック(multispecificity)であり得る。
本明細書中の抗体は特に、重鎖及び/又は軽鎖の一部が、特定の種に由来するか、又は特定の抗体クラス若しくはサブクラスに属する抗体中の対応する配列と同一であるか、又は相同であり、一方、鎖の残部が、別の種に由来するか、又は別の抗体クラス若しくはサブクラスに属する抗体中の対応する配列と同一であるか、又は相同である、「キメラ」抗体、並びにそのような抗体のフラグメントを含む(それらが所望の生物学的活性を呈する限り)(米国特許第4,816,567号;及びMorrisonら(1984)Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 81:6851-6855)。本明細書中の目的のキメラ抗体には、非ヒト霊長類(例えば、旧世界サル、類人猿など)に由来する可変ドメイン抗原結合配列及びヒト定常領域配列を含む「霊長類化」抗体が含まれる。
抗体を産生するために種々の方法が使用されてきている。単一型の抗体を産生するクローン化細胞株を指すハイブリドーマ技術は、マウス(マウス)、ハムスター、ラット、及びヒトを含む様々な種の細胞を使用する。抗体を調製するための別の方法は、組換えDNA技術を含む遺伝子工学を使用する。例えば、これらの技術から作製される抗体には、とりわけ、キメラ抗体及びヒト化抗体が含まれる。キメラ抗体は、1を超えるタイプの種に由来する領域をコーディングするDNAを組合せる。例えば、キメラ抗体は、可変領域をマウスから及び定常領域をヒトから、の由来とすることがある。ヒト化抗体は、非ヒト部分を含むが、主にヒトに由来する。キメラ抗体のように、ヒト化抗体は完全にヒトの定常領域を含むことがある。しかしながら、キメラ抗体とは異なり、可変領域は部分的にヒトに由来することがある。ヒト化抗体の非ヒト、合成部分は、しばしば、マウス抗体におけるCDRに由来する。いずれの場合においても、これらの領域は、抗体が特異的抗原を認識し、及びそれに結合することを可能とするのに非常に重要である。
ある実施形態では、本発明の分子を、当該分野で既に十分報告されてきている組換えDNAの方法を使用して合成することがある。抗体重鎖のcDNA及び抗体軽鎖のcDNAを合成し、その後、哺乳動物プロモーター及びポリアデニル化シグナルの制御下に別々のプラスミド中にクローニングした。プラスミドDNAを大腸菌中で増幅し、DNAを、低エンドトキシンのプラスミドDNAを調製するための陰イオン交換キットを用いて精製した。DNA濃度は、260nmの波長での吸収を測定することによって決定した。配列の正確性を、サンガー・シークエンシングによって検証した(cDNAの大きさに応じて、遺伝子あたり最大2回のシークエンシング反応を行う)。その後、重鎖用及び軽鎖用のプラスミドDNAを、懸濁状態に適応させたCHO K1細胞(元々はATCCから入手し、evitriaで、縣濁培養での無血清増殖に適応させた)に共トランスフェクトした。ある実施形態では、ハイブリドーマは、ターゲティング部分及び免疫調節部分を含むターゲットを絞った融合タンパク質を産生することがある。
ある実施形態では、抗体、抗体フラグメント、又はポリペプチドを含むターゲティング部分を、リンカーを用いて、又はリンカーを用いずに、ポリペプチドからなる免疫調節部分に連結又は融合させる。前記リンカーはアミノ酸リンカーであることがある。ある実施形態では、リンカーは(GGGGS)n(配列番号(SEQ ID NO): 3)である、ここでnは1,2,3,4,5,6,7又は8である。例えば、GGGGSGGGGSGGGGS (配列番号(SEQ ID NO): 4)。別の実施形態では、リンカーは、IEGRDMD(配列番号(SEQ ID NO): 5)である。種々の態様では、リンカーの長さを改変して、前記ターゲット部分の結合又は前記免疫調節部分の機能を最適化することがある。
種々の態様では、前記免疫調節部分は、ターゲティング抗体の重鎖のFc領域又はFc含有融合タンパク質のC末端に融合しているポリぺプチドである。別の態様では、前記免疫調節部分は、ターゲティング抗体の軽鎖のC末端に融合しているポリぺプチドである。別の態様では、前記融合タンパク質はX-Fc-Y配列を含む、ここで、Xはターゲティング・ポリペプチドである、及びYは免疫調節ポリペプチドである。
抗体フラグメントは、インタクトな抗体の一部(例えば、抗原結合領域又はその可変領域等を含む)を含むことができる。抗体フラグメントの例としては、Fab、Fab'、F(ab')2、及びFvフラグメント;Fcフラグメント又はFc融合産物;ダイアボディ;直鎖状抗体;単鎖抗体分子;及び抗体フラグメントから形成されるマルチスペシフィック抗体(multispecific antibody)が挙げられる。
インタクトな抗体は、抗原結合可変領域並びに軽鎖定常ドメイン(CL)及び重鎖定常ドメイン、CH1、CH2及びCH3を含むものである。定常ドメインは天然配列の定常ドメイン(例えば、ヒト天然の配列定常ドメイン)若しくはそのアミノ酸配列バリアント、又は任意の他の改変Fc(例えば、グリコシル化又は他の操作されたFc)であることがある。
インタクトな抗体は、抗体のFc領域(天然配列のFc領域若しくはアミノ酸配列バリアントのFc領域又は任意の他の改変Fc領域)に起因し得る生物学的活性をいう1つ以上の「エフェクター機能」を有することがある。抗体エフェクター機能の例には、Clq結合;補体依存性細胞傷害;Fcレセプター結合;抗体依存性細胞傷害(antibody-dependent cell-mediated cytotoxicity (ADCC));ファゴサイトーシス;細胞表面レセプターのダウンレギュレーション(例えば、B細胞レセプター(BCR));及び抗原提示細胞又は樹状細胞による抗原の交差提示、が含まれる。ある実施形態では、前記ターゲティング抗体又はFc含有融合タンパク質は、免疫調節部分をターゲット細胞にフォーカスして又は優先的に送達することを促進する。別の態様では、ターゲティング抗体は、ターゲット化した細胞の死を誘導する、又は免疫細胞媒介性細胞傷害に対してターゲット化した細胞を感作することがある。別の態様では、前記Fc-融合タンパク質又は抗体は、抗体が結合した腫瘍ターゲットから免疫調節部分若しくは免疫原性アポトーシス物質を、又はその両方を、抗原提示細胞(APC)へ、それらのFcとFcレセプター(APC上)との間の相互作用を介して送達することを促進することがある。
それらの重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列に依存して、インタクトな抗体を、種々の「クラス」に割り当てることができる。インタクトな抗体には5つの主要なクラス:IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMがあり、これらのうちのいくつかは「サブクラス」(アイソタイプ)、例えば、IgG1、IgG2、IgC3、IgG4、IgA、及びIgA2に更に分けることができる。種々のクラスの抗体に対応する重鎖定常ドメインはそれぞれ、アルファ(α)、デルタ(δ)、イプシロン(ε)、ガンマ(γ)、及びミュー(μ)と呼ばれる。種々のクラスの免疫グロブリンのサブユニット構造及び三次元配置は周知である。
ある態様では、前記抗体は、T細胞阻害レセプター(TCIR)、T細胞阻害レセプター・リガンド(TCIRリガンド)、T細胞共-阻害分子、又はT細胞共-刺激分子に特異的に結合する。
T細胞の活性化は、抗原提示細胞上の主要組織適合複合体(MHC)に結合した抗原ペプチドをT細胞レセプター(TCR)が認識することから始まる。T細胞活性化のプロセスは、誘導性リン酸化、酵素活性化並びにタンパク質‐タンパク質及びタンパク質‐脂質相互作用を介する多数のシグナル伝達タンパク質によって媒介される。T細胞は、完全に活性化されるために2つのシグナルを必要とする。第1のシグナルは、抗原特異的であり、抗原提示細胞(APC)の細胞膜上のペプチド-MHC分子と相互作用するT細胞レセプター(TCR)を通じて、提供される。第2のシグナルは、共-刺激シグナルであり、抗原非特異的であり、APCの細胞膜上で発現する共-刺激分子とT細胞との間の相互作用によって提供される。T細胞共-刺激は、T細胞の増殖、分化及び生存に必要である。共-刺激を伴わないT細胞の活性化は、T細胞アナジー、T細胞欠失、又は免疫トレランスの発生をもたらし得る。
T細胞が発現する最も特徴がわかっている共-刺激分子は、APCの細胞膜上のCD80(B7.1)及びCD86(B7.2)と相互作用するCD28である。T細胞が発現する他の共-刺激レセプターには、4-1BB(4-1BBリガンドのレセプター)、ICOS(誘導性共-刺激因子)(ICOS-Lのレセプター)、OX40(OX40 リガンドのレセプター)、GITR(GITRリガンドのレセプター)、CD27(CD70と相互作用する)、CD40L/CD40、HVEM(LIGHTと相互作用する)、CD226(CD155と相互作用する)が含まれる。
前記活性化シグナルは、CTLA-4、PD-1、LAG-3、TIM-3、CEACAM-1、TIGIT、CD96、BTLA、CD160、VISTA、VSIG8、LAIRを含む共-阻害レセプターと呼ばれるレセプターのファミリーによって調節される。共-阻害レセプターは、カウンター・レセプターとのエクトドメイン競合のようなメカニズムを利用することによって、及びタンパク質ホスファターゼのような細胞内メディエーターを使用することによって、シグナル伝達を調節する。共-阻害レセプターは、T細胞免疫反応の質及び大きさを微調整することができる、閾値設定因子、モジュレーター、チェックポイント及びフィードバック・メカニズムとして作用することができる。
T細胞機能を阻害するレセプターは、T細胞共-阻害レセプターと呼ばれる。阻害レセプターは、刺激レセプターによって開始される活性化シグナルを減弱させ、釣り合わせる。T細胞機能に与えるその後のアウトカムは、一時的な抑制から永久不活性化及び細胞死に及ぶことがある。TCRシグナル伝達を、その作用時間及び/又はターゲット分子が異なる様々なメカニズムによって制御することができる。ネガティブな調節メカニズムは、T細胞活性化の前に作用して、その静止状態を維持するように、存在する。
T細胞共-阻害レセプターの大部分は、免疫グロブリン(Ig)スーパーファミリーに属する。1つのメカニズムには、共-刺激レセプターのリガンドを隔離することが含まれ、完全な活性化に必要な活性化シグナルをT細胞が受け取れないようにする。第2のメカニズムには、ある阻害レセプターの細胞質側の尾部を構成する、免疫レセプター・チロシン‐ベースの阻害モチーフ(immunoreceptor tyrosine-based inhibition motif (ITIM))及び/又は免疫レセプター・チロシン‐ベースのスイッチ・モチーフ(immunoreceptor tyrosine-based switch motif (ITSM))が、細胞内ホスファターゼを動員することが含まれ、これは、TCR及び共-刺激経路の下流でシグナル伝達分子を脱リン酸化し、活性化誘導遺伝子の発現を定量的に減少させる。第3のメカニズムには、免疫機能の抑制に関与するタンパク質をコードする遺伝子のアップレギュレーション(又はダウンレギュレーション)が含まれる。共-阻害レセプターは、T細胞シグナル伝達を調節するために、上記及びおそらくは他のまだ発見されていないメカニズムの組合せを使用している可能性がある。
共-阻害レセプターは、細胞質ドメインにおけるリン酸化チロシン残基に結合する細胞内ホスファターゼを主に通して、ドミナント・ネガティブのシグナルを伝達する膜貫通糖タンパク質である。共-阻害レセプターは、安全メカニズム及び閾値設定因子として作用し、刺激シグナルを打ち消すことによって、制御されない有害な過剰反応を防ぐことができる。
本明細書に開示される分子、融合タンパク質、組成物、及び方法に組み込まれ得る抗体又はそのフラグメントの例には、限定されないが、トラスツズマブ(抗-HER2/neu抗体);ペルツズマブ(抗-HER2 mAb);セツキシマブ(上皮成長因子レセプターEGFRに対するキメラ・モノクローナル抗体);パニツムマブ(抗-EGFR抗体);ニモツズマブ(抗-EGFR抗体);ザルツムマブ(抗-EGFR mAb);ネシツムマブ(抗-EGFR mAb);MDX-210(ヒト化抗HER-2バイスペシフィック抗体);MDX-210(ヒト化抗HER-2バイスペシフィック抗体);MDX-447(ヒト化抗EGFレセプター・バイスペシフィック抗体);リツキシマブ(キメラ・マウス/ヒト抗-CD20 mAb);オビヌツズマブ(抗-CD20 mAb);オファツムマブ(抗-CD20 mAb);トシツムマブI131(抗-CD20 mAb);イブリツモマブ・チウキセタン(抗-CD20 mAb);ベバシズマブ(抗-VEGF mAb);ラムシルマブ(抗-VEGFR2 mAb);ラニビズマブ(抗-VEGF mAb);アフリベルセプト(IgG1 Fcに融合したVEGFR1及びVEGFR2の細胞外ドメイン);AMG386(IgG1 Fcに融合したアンジオポイエチン1及び2結合ペプチド);ダロツズマブ(抗IGF-1R mAb);ゲムツズマブ・オゾガマイシン(抗-CD33 mAb);アレムツズマブ(抗Campath-1/CD52 mAb);ブレンツキシマブ・ベドチン(抗-CD30 mAb);カツマキソマブ(上皮細胞接着分子及びCD3を標的にするバイスペシフィックmAb);ナプツモマブ(抗5T4 mAb);ジレンツキシマブ(抗カルボニック・アンヒドラーゼix);又はファルレツズマブ(抗葉酸レセプター)等の抗体が含まれる。他の例には、パノレックス(Panorex)TM(17-1A)(マウス・モノクローナル抗体);パノレックス(@(17-1A)(キメラ・マウス・モノクローナル抗体);BEC2(抗イディオタイプmAb(ami-idiotypic mAb)、GDエピトープ・ミミックス)(BCG含む);オンコリム(Lym-1モノクローナル抗体);SMART M195 Ab、ヒト化13'1LYM-1(Oncolym)、オバレックス(B43.13、抗イディオタイプ・マウスmAb);腺がんのEGP40(17-1A)汎がん腫抗原(pancarcinoma antigen)に結合する3622W94 mAb;ゼナパックス(SMART 抗-Tac(IL-2レセプター);SMART M195 Ab、ヒト化Ab、ヒト化);NovoMAb-G2(汎がん腫特異的Ab);TNT(ヒストン抗原に対するキメラmAb);TNT(ヒストン抗原に対するキメラmAb);グリオマブ-H(モノクローナル‐ヒト化Ab);GNI-250 Mab;EMD-72000(キメラEGFアンタゴニスト);LymphoCide(ヒト化IL.L.2抗体);及びMDX-260バイスペシフィック、GD-2標的、ANA Ab、SMART IDIO Ab、SMART ABL 364 Ab、ImmuRAIT-CEA、ザヌリムマブ(Zanulimumab)(抗-CD4 mAb)、ケリキシマブ(抗-CD4 mAb);イピリムマブ(MDX-101;抗-CTLA-4 mAb);トレミリムマブ(Tremilimumab)(抗-CTLA-4 mAb);ダクリズマブ(抗-CD25/IL-2R mAb);バシリキシマブ(抗-CD25/IL-2R mAb);MDX-1106(抗-PD1 mAb);GITRに対する抗体;GC1008(抗-TGF-β抗体);メテリムマブ(metelimumab)/CAT-192(抗-TGF-β抗体);レルデリムマブ(lerdelimumab)/CAT-152(抗-TGF-β抗体);ID11(抗-TGF-β抗体);デノスマブ(抗-RANKL mAb);BMS-663513(ヒト化抗-4-1BB mAb);SGN-40(ヒト化抗-CD40 mAb);CP870,893(ヒト抗-CD40 mAb);インフリキシマブ(キメラ抗-TNF mAb);アダリムマブ(ヒト抗-TNF mAb);セルトリズマブ(ヒト化Fab抗-TNF);ゴリムマブ(抗-TNF);エタネルセプト(IgG1 Fcに融合したTNFRの細胞外ドメイン);ベラタセプト(Fcに融合したCTLA-4の細胞外ドメイン);アバタセプト(Fcに融合したCTLA-4の細胞外ドメイン);ベリムマブ(抗-Bリンパ球刺激因子);ムロモナブ-CD3(抗-CD3 mAb);オテリキシズマブ(Otelixizumab)(抗-CD3 mAb);テプリズマブ(抗-CD3 mAb);トシリズマブ(抗-IL-6R mAb);REGN88(抗-IL-6R mAb);ウステキヌマブ(抗-IL-12/23 mAb);ブリアキヌマブ(抗-IL-12/23 mAb);ナタリズマブ(抗-α4インテグリン);ベドリズマブ(抗-α4β7インテグリンmAb);T1h(抗-CD6 mAb);エプラツズマブ(抗-CD22 mAb);エファリズマブ(抗-CD11a mAb)、ウレルマブ、ウトミルマブ(抗-41BB mAb:アゴニスト);BMS 986178(抗-OX40 mAb:アゴニスト);エロツズマブ (抗-SLAM7/CS1 mAb);ダラツムマブ(抗-CD38 mAb);グセルクマブ(抗-IL23);ニボルマブ(抗-PD-1);ペンブロリズマブ(抗-PD-1);アテゾリズマブ(抗-PD-L1);アベルマブ(抗-PD-L1);デュルバルマブ(抗-PD-L1);レラトリマブ、BMS-986016(抗-LAG3 mAb)、NKTR-214(CD-122アゴニストmAb) 等の抗体が含まれる。抗体の例には、US5736167、US7060808、及びUS5821337に開示されている抗体が含まれる。
ペプチド:本発明のいくつかの態様では、前記ターゲティング部分又は免疫調節部分は、ペプチド又はポリぺプチドである。ペプチドには、そのアミノ酸残基配列が本明細書中に示されるペプチドの任意の類似体、フラグメント又は化学誘導体が含まれる。従って、本発明のペプチドは種々の変化、置換、挿入、及び欠失を受けることがあり、ここで、このような変化はその使用において特定の利点を提供する。この点に関して、本発明のペプチドは、1つ以上の変化を加え、1種以上のアッセイにおいて未改変のペプチドとして機能する能力を保持するという点において、列挙したペプチドの配列に対して、同一というよりも、むしろ対応する。
本明細書中で使用する場合、「腫瘍ターゲティング・ペプチド」には、100未満のアミノ酸を含むポリマーが含まれる、ここで、前記ポリマーは、腫瘍細胞の細胞成分、腫瘍血管、及び/又は腫瘍微小環境の構成成分に特異的に結合する。
本発明のペプチドを、組換えDNA技術を含む、「ポリペプチド技術」の分野における当業者に公知の技術のいずれによっても、合成することができる。純度、抗原特異性、不要な副生成物が存在しないこと、生成容易性、などの理由から固相メリフィールド(Merrifield)型合成のような合成化学技術が好ましい。利用可能な多くの技術の優れたな概要は、Steward et al., “Solid Phase Peptide Synthesis”* W. H. Freeman Co., San Francisco, 1969; Bodanszky, et al., “Peptide Synthesis”, John Wiley & Sons, Second Edition, 1976; J. Meienhofer, “Hormonal Proteins and Peptides”. Vol. 2. p. 46, Academic Press (New York), 1983; Merrifield, Adv. Enzymol., 32:221-96, 1969; Fields et al.. Int. J. Peptide Protein Res., 35:161-214, 1990;に記載されており、及び U.S. Pat. No. 4,244,946 は固相ペプチド合成について、並びに Schroder et al., “The Peptides”, Vol. 1, Academic Press (New York), 1965 は典型的な液相合成について、に記載されている。このような合成に使用可能な適切な保護基は、上記のテキスト及びJ. F. W. McOmie, “Protective Groups in Organic Chemistry”, Plenum Press, New York, 1973に記載されている。
ある態様では、前記ターゲティング部分は、BTLA、CCR4、CTLA4、LAG3、PD-1、PD-L1、TIGIT、VISTA、41BB、OX40、GITR、RANKL、TGF-β又はVEGFに結合するポリペプチドを含む、及び前記免疫調節部分は、TIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。特定の態様では、前記免疫調節部分は、TIM-3のCEACAM 1結合フラグメントを含む。別の態様では、前記ターゲティング部分は、BTLA、CCR4、CTLA4、LAG3、PD-1、PD-L1、TIGIT、VISTA、41BB、OX40、GITR、RANKL、TGF-β又はVEGFに結合するポリペプチドを含む、及び前記免疫調節部分は、CD226のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。ある特定の態様では、前記リガンド結合フラグメントは、CD155又はCD112結合フラグメントを含む。更なる態様では、前記ターゲティング部分は、BTLA、CCR4、CTLA4、LAG3、PD-1、PD-L1、TIGIT、VISTA、41BB、OX40、GITR、TGF-β又はVEGFに結合するポリペプチドを含む、及び前記免疫調節部分は、CD44のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。更なる態様では、前記ターゲティング部分は、BTLA、CCR4、CTLA4、LAG3、PD-1、PD-L1、TIGIT、VISTA、41BB、OX40、GITR、TGF-β又はVEGFに結合するポリペプチドを含む、及び前記免疫調節部分は、PD-1のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。別の態様では、前記ターゲティング部分は、BTLA、CCR4、CTLA4、LAG3、PD-1、PD-L1、TIGIT、VISTA、41BB、OX40、GITR、TGF-β又はVEGFに結合するポリペプチドを含む、及び前記免疫調節部分は、VSIG8のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。ある態様では、前記リガンド結合フラグメントはVISTA結合フラグメントを含む。ある特定の態様では、前記ターゲティング部分は、BTLA、CCR4、CTLA4、LAG3、PD-1、PD-L1、TIGIT、VISTA、41BB、OX40、GITR、TGF-β又はVEGFに結合するポリペプチドを含む、及び前記免疫調節部分はTGFβRIIのECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。
ある態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID Nos):10及び145; 11及び146; 12及び147; 13及び148; 14及び149; 15及び150; 16及び151; 17及び152; 18及び153; 19及び154, 20及び155; 21及び156; 22及び157; 23及び158; 24及び159; 25及び160; 26及び161; 27及び162; 28及び163; 29及び164; 30及び165; 31及び166; 32及び167; 33及び168; 34及び169; 35及び170; 37及び171; 38及び172; 39及び173; 40及び174; 41及び175; 42及び176; 43及び177; 44及び178; 45及び179; 46及び180; 47及び181; 48及び182; 49及び183; 50及び184; 51及び185; 52及び186; 53及び187; 58及び188; 59及び189; 60及び61; 62及び63; 64及び65; 66及び67; 68及び69; 70及び71; 72及び73; 74及び75; 76及び77; 78及び79; 80及び81; 82及び83; 84及び85; 86及び87; 88及び89; 90及び91; 92及び93; 94及び95;, 96及び97; 98及び99; 100及び101; 102及び103; 104及び105; 106及び107; 108及び109; 110及び111; 112及び113; 114及び115; 116及び117; 118及び119; 120及び121; 122及び123; 124及び125; 126及び127;, 128及び129; 130及び131; 132及び133; 134及び135; 136及び137; 138及び139; 140及び141; 142及び143; 192及び193; 209及び210; 211及び212; 221及び222; 223及び224; 233及び234; 235及び236; 245及び246; 247及び248; 257及び258; 259及び260; 269及び270; 271及び272; 275及び276; 279及び280; 283及び284; 287及び288; 290及び291; 292及び293; 294及び295; 296及び297 又は 298及び299、に対応する配列を含む。.
ある特定の態様では、前記ターゲティング部分はPD-1又はPD-L1に結合する抗体を含む、並びに前記免疫調節部分はTim-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む、及び/又は配列番号(SEQ ID NO) 51、52、53又は192の配列を含む。ある態様では、前記ターゲティング部分はCTLA-4に結合する抗体を含む、及び前記免疫調節部分はTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。特定の態様では、前記分子は配列番号(SEQ ID NO): 50の配列を含む。別の態様では、前記ターゲティング部分はLAG-3に結合する抗体を含む、及び前記免疫調節部分はTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントである。ある態様では、前記分子は配列番号(SEQ ID NO): 26の配列を含む。更なる態様では、前記ターゲティング部分はVISTAに結合する抗体を含む、及び前記免疫調節部分はTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。更なる態様では、前記分子は配列番号(SEQ ID NO): 12の配列を含む。ある態様では、前記ターゲティング部分はTIGITに結合する抗体を含む、及び前記免疫調節部分はTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。特定の態様では、前記分子は配列番号(SEQ ID NO): 17の配列を含む。特定の態様では、前記ターゲティング部分はBTLAに結合する抗体を含む、及び前記免疫調節部分はTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。更なる態様では、前記分子は配列番号(SEQ ID NO): 22の配列を含む。ある態様では、前記ターゲティング部分はCCR-4に結合する抗体を含む、及び前記免疫調節部分はTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。ある特定の態様では、前記分子は配列番号(SEQ ID NO): 31の配列を含む。更なる態様では、前記ターゲティング部分は4 1BBに結合する抗体を含む、及び前記免疫調節部分はTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。特定の態様では、前記分子は配列番号(SEQ ID NO): 116の配列を含む。
ある態様では、前記ターゲティング部分はVEGFに結合する抗体を含む、及び前記免疫調節部分はTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。ある特定の態様では、前記分子は配列番号(SEQ ID NO): 88の配列を含む。
更なる態様では、前記免疫調節部分はBTLA又はLIGHTのECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む、及び前記リガンド結合フラグメントはヘルペスウイルス侵入メディエーター(HVEM、CD 270)結合フラグメントを含む。更なる態様では、前記免疫調節部分はCCR4のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む、及び前記リガンド結合フラグメントはCCL22結合フラグメントを含む。
更なる態様では、前記免疫調節部分はCD160のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。更なる態様では、前記免疫調節部分は配列番号(SEQ ID NO): 300の配列を含む。
更なる態様では、前記免疫調節部分はLAIR1のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。更なる態様では、前記免疫調節部分は配列番号(SEQ ID NO): 307の配列を含む。
更なる実施形態では、本発明はターゲティング部分、第1の免疫調節部分(IM-1)及び第2の免疫調節部分(IM-2)を含む分子を提供する、ここで、前記ターゲティング部分は、細胞傷害性Tリンパ球関連抗原-4(Cytotoxic T lymphocyte associated antigen-4 (CTLA-4、CD152))、プログラム死-1タンパク質(Programmed Death-1 protein (PD-1))、プログラム死リガンド-1(Programmed death ligand-1 (PD-L1))、T細胞活性化のVドメインIgサプレッサー(V domain Ig suppressor of T cell activation (VISTA))、B-及びT-リンパ球アテニュエーター(BTLA)、T細胞Ig及びITMドメイン(T cell Ig and ITM domain (TIGIT))、リンパ球活性化遺伝子-3(Lymphocyte activation gene-3 (LAG-3))、4-1BBリガンド(CD137)、OX-40(CD134)、グルココルチコイド誘導性TNFR関連タンパク質(glucocorticoid-induced TNFR-related protein (GITR))、核内因子κB活性化レセプター・リガンド(Receptor activator of nuclear factor kappa-B ligand)、形質転換増殖因子β(TGF-β)、IL6R、上皮成長因子レセプター(EGFR)、ヒト上皮成長因子レセプター2(HER2)又は血管内皮増殖因子(VEGF)、に特異的に結合するポリペプチドを含む、前記第1の免疫調節部分は、形質転換増殖因子βレセプターII(TGFβRII)、プログラム死1タンパク質(PD-1)、T細胞免疫グロブリン及びムチン-ドメイン含有-3(T-cell immunoglobulin and mucin-domain containing-3 (TIM-3))、B-及びT-リンパ球アテニュエーター(BTLA)、CD226、T細胞Ig及びITMドメイン(T cell Ig and ITM domain (TIGIT))、CD44、コロニー刺激因子1レセプター(CSF1R)、CCR4、キラー細胞免疫グロブリン様レセプター(Killer-cell immunoglobulin-like receptor (KIR))、血管内皮増殖因子レセプター(VEGFR)、核内因子κB活性化レセプター(RANK)、V-set及び免疫グロブリン・ドメイン含有8(V-set and immunoglobulin domain containing 8 (VSIG8))、LIGHT(TNFSF14)若しくはT細胞活性化のVドメインIgサプレッサー(V domain Ig suppressor of T cell activation (VISTA))、の細胞外リガンド結合配列又はそのリガンド結合フラグメントを含む;及び前記第2の免疫調節部分は、形質転換増殖因子βレセプターII(TGFβRII)、プログラム死1タンパク質(PD-1)、T細胞免疫グロブリン及びムチン-ドメイン含有-3(T-cell immunoglobulin and mucin-domain containing-3 (TIM-3))、B-及びT-リンパ球アテニュエーター(BTLA)、CD226、T細胞Ig及びITMドメイン(T cell Ig and ITM domain (TIGIT))、CD44、コロニー刺激因子1レセプター(CSF1R)、CCR4、キラー細胞免疫グロブリン様レセプター(Killer-cell immunoglobulin-like receptor (KIR))、血管内皮増殖因子レセプター(VEGFR)、核内因子κB活性化レセプター(RANK)、V-set及び免疫グロブリン・ドメイン含有8(V-set and immunoglobulin domain containing 8 (VSIG8))、LIGHT(TNFSF14)若しくはT細胞活性化のVドメインIgサプレッサー(V domain Ig suppressor of T cell activation (VISTA))、の細胞外のリガンド結合配列又はそのリガンド結合フラグメントを含む。
ある態様では、前記ターゲティング部分のポリペプチドは、免疫グロブリン、抗体、バイスペシフィック(bispecific)若しくはマルチスペシフィック抗体(multispecific antibody)、抗体フラグメント、単鎖可変フラグメント(scFv)、二価若しくは多価scFv、レセプターの細胞外ドメイン(ECD)由来のリガンド結合配列、又はFc含有ポリペプチド、の抗原結合ドメインを含む。特定の態様では、前記ポリペプチドは抗体である。
更なる態様では、前記第1の免疫調節部分は、前記抗体の重鎖又は軽鎖のC末端に結合している;前記第2の免疫調節部分は、前記抗体の重鎖又は軽鎖のC末端に結合している、及び/又は前記第2の免疫調節部分は前記第1の免疫調節部分に結合している。
更なる態様では、前記第1及び第2の免疫調節部分は、リンカーを用いて、前記抗体の重鎖若しくは軽鎖に結合している、及び/又は第2の免疫調節部分は、リンカーを用いて、前記第1の免疫調節部位に結合している。ある特定の態様では、前記リンカーは、配列番号(SEQ ID NO)3の配列を有する。
ある態様では、前記第1の免疫調節部分は前記抗体の重鎖に結合している、及び前記第2の免疫調節部分は前記抗体の軽鎖に結合している。
ある態様では、前記第1の免疫調節部分はTIM3のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む、前記第2の免疫調節部分はPD-1のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む;前記第1の免疫調節部分はTGFβRIIのECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む、前記第2の免疫調節部分はTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む;前記第1の免疫調節部分はPD-1のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む、前記第2の免疫調節部分はTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む;並びに/又は前記第1の免疫調節部分はTGFβRIIのECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む、前記第2の免疫調節部分はPD-1のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。更なる態様では、前記ターゲティング部分はIL6R、CTLA-4、PD-1、PD-L1、EGFR、HER2、VEGF又はgp120に特異的に結合する。
ある態様では、前記ターゲティング部分はCTLA-4に結合するポリペプチドを含む、前記第1の免疫調節部分はPD-1のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む、及び前記第2の免疫調節部分はTGFβRIIのECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。ある態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 201及び配列番号(SEQ ID NO): 202を含む。別の態様では、前記ターゲティング部分はCTLA-4に結合するポリペプチドを含む、前記第1の免疫調節部分はPD-1のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む、及び前記第2の免疫調節部分はTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。ある態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 205及び配列番号(SEQ ID NO): 206を含む。ある態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 207及び配列番号(SEQ ID NO): 208を含む。別の態様では、前記ターゲティング部分はCTLA-4に結合するポリペプチドを含む、前記第1の免疫調節部分はTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む、及び前記第2の免疫調節部分はTGFβRIIのECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。ある態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 203及び配列番号(SEQ ID NO): 204を含む。更なる態様では、前記ターゲティング部分のポリペプチドはイピリムマブを含む。更なる態様では、この抗体はトレミリムマブを含む。
ある態様では、前記ターゲティング部分はPD-1又はPD-L1に結合するポリペプチドを含む、前記第1の免疫調節部分はTGFβRIのECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む、及び前記第2の免疫調節部分はTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。ある態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 273及び配列番号(SEQ ID NO): 274を含む。ある態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 277及び配列番号(SEQ ID NO): 278を含む。ある態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 285及び配列番号(SEQ ID NO): 286を含む。ある態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 281及び配列番号(SEQ ID NO): 282を含む。更なる態様では、前記ターゲティング部分のポリペプチドはニボルマブ又はペムブロリズマブを含む。更なる態様では、この抗体は、アテゾリズマブ又はアベルマブ又はデュルバルマブを含む。
ある態様では、前記ターゲティング部分はIL-6Rに結合するポリペプチドを含む、前記第1の免疫調節部分はPD-1のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む、及び前記第2の免疫調節部分はTGFβRIIのECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。ある態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 213及び配列番号(SEQ ID NO): 214を含む。別の態様では、前記ターゲティング部分はIL-6Rに結合するポリペプチドを含む、前記第1の免疫調節部分はPD-1のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む、及び前記第2の免疫調節部分はTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。ある態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 217及び配列番号(SEQ ID NO): 218を含む。ある態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 219及び配列番号(SEQ ID NO): 220を含む。別の態様では、前記ターゲティング部分はIL-6Rに結合するポリペプチドを含む、前記第1の免疫調節部分はTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む、及び前記第2の免疫調節部分はTGFβRIIのECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。ある態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 215及び配列番号(SEQ ID NO): 216を含む。更なる態様では、前記ターゲティング部分のポリペプチドは、IL-6Rに結合する抗体を含む。更なる態様では、この抗体は、トシリズマブを含む。
ある態様では、前記ターゲティング部分はVEGFに結合するポリペプチドを含む、前記第1の免疫調節部分はPD-1のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む、及び前記第2の免疫調節部分はTGFβRIIのECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。ある態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 249及び配列番号(SEQ ID NO): 250を含む。別の態様では、前記ターゲティング部分はVEGFに結合するポリペプチドを含む、前記第1の免疫調節部分はPD-1のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む、及び前記第2の免疫調節部分はTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。ある態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 253及び配列番号(SEQ ID NO): 254を含む。ある態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 255及び配列番号(SEQ ID NO): 256を含む。別の態様では、前記ターゲティング部分はVEGFに結合するポリペプチドを含む、前記第1の免疫調節部分はTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む、及び前記第2の免疫調節部分はTGFβRIIのECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。ある態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 251及び配列番号(SEQ ID NO): 252を含む。更なる態様では、前記ターゲティング部分のポリペプチドはベバシズマブを含む。更なる態様では、前記ターゲティング部分はVEGFRのリガンド結合エクトドメインを含む。更なる態様では、前記ターゲティング部分はアフリベルセプトを含む。
ある態様では、前記ターゲティング部分はEGFRに結合するポリペプチドを含む、前記第1の免疫調節部分はPD-1のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む、及び前記第2の免疫調節部分はTGFβRIIのECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。ある態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 225及び配列番号(SEQ ID NO): 226を含む。別の態様では、前記ターゲティング部分はEGFRに結合するポリペプチドを含む、前記第1の免疫調節部分はPD-1のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む、及び前記第2の免疫調節部分はTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。ある態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 229及び配列番号(SEQ ID NO): 230を含む。ある態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 231及び配列番号(SEQ ID NO): 232を含む。別の態様では、前記ターゲティング部分はEGFRに結合するポリペプチドを含む、前記第1の免疫調節部分はTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む、及び前記第2の免疫調節部分はTGFβRIIのECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。ある態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 227及び配列番号(SEQ ID NO): 228を含む。更なる態様では、前記ターゲティング部分のポリペプチドはセツキシマブ又はパニツムマブ又はネシツムマブを含む。
ある態様では、前記ターゲティング部分はHER2/Neuに結合するポリぺプチドを含む、前記第1の免疫調節部分はPD-1のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む、及び前記第2の免疫調節部分はTGFβRIIのECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。ある態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 237及び配列番号(SEQ ID NO): 238を含む。別の態様では、前記ターゲティング部分はHER2に結合するポリペプチドを含む、前記第1の免疫調節部分はPD-1のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む、及び前記第2の免疫調節部分はTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントを構成する。ある態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 243及び配列番号(SEQ ID NO): 244を含む。ある態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 241及び配列番号(SEQ ID NO): 242を含む。別の態様では、前記ターゲティング部分はHER2に結合するポリペプチドを含む、前記第1の免疫調節部分はTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む、及び前記第2の免疫調節部分はTGFβRIIのECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。ある態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 239及び配列番号(SEQ ID NO): 240を含む。更なる態様では、前記ターゲティング部分のポリペプチドはトラスツズマブ又はペルツズマブを含む。
ある態様では、前記ターゲティング部分はHIV gp120に結合するポリペプチドを含む、前記第1の免疫調節部分はPD-1のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む、及び前記第2の免疫調節部分はTGFβRIIのECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。ある態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 261及び配列番号(SEQ ID NO): 262を含む。別の態様では、前記ターゲティング部分はgp120に結合するポリペプチドを含む、前記第1の免疫調節部分はPD-1のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む、及び前記第2の免疫調節部分はTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。ある態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 265及び配列番号(SEQ ID NO): 266を含む。ある態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 267及び配列番号(SEQ ID NO): 268を含む。別の態様では、前記ターゲティング部分はgp120に結合するポリペプチドを含む、前記第1の免疫調節部分はTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む、及び前記第2の免疫調節部分はTGFβRIIのECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。ある態様では、前記分子は、配列番号(SEQ ID NO): 263及び配列番号(SEQ ID NO): 264を含む。更なる態様では、前記ターゲティング部分のポリペプチドはトラスツズマブ又はペルツズマブを含む。
ある態様では、前記分子が配列番号(SEQ ID NO):201及び202; 203及び204; 205及び206; 207及び208; 213及び214; 215及び216; 217及び218; 219及び220; 225及び226; 227及び228; 229及び230; 231及び232; 237及び238; 239及び240; 241及び242 ; 243及び244; 249及び250; 251及び252; 253及び254; 255及び256; 261及び262; 263及び264; 265及び266; 267及び268; 273及び274; 277及び278; 281及び282; 285及び286、に対応する配列を含む。.
更なる実施形態では、本発明は、TIM-3の細胞外結合ドメイン(ECD)又はそのリガンド結合フラグメント、及びTGFRβII、PD-1、BTLA、LIGHT、CD226又はVSIG8のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む、融合タンパク質を提供する。ある態様では、前記融合タンパク質は、TIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメント、及びTGFβRIIのECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。ある特定の態様では、前記融合タンパク質は、配列番号(SEQ ID NO)190の配列を有する。別の態様では、前記融合タンパク質は、TIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメント、及びPD-1のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。特定の態様では、前記融合タンパク質は配列番号(SEQ ID NO): 195、196又は197の配列を含む。更なる態様では、前記融合タンパク質はFcを含む。
用語「融合分子」及び「融合タンパク質」は互換的に使用され、生物学的な活性があり、更なるエフェクター分子(通常、組換え、化学的又は他の好適な方法によって共有結合している(すなわち、融合した)タンパク質又はペプチド配列)と供に又は無しである、ポリペプチドをいうことを意味する。所望であれば、前記融合分子は、1つ又はいくつかの部位にペプチド・リンカー配列を含むことがある。或いは、前記ペプチド・リンカーを、前記融合分子の構築を補助するために使用することがある。特に好ましい融合分子は融合タンパク質である。一般に、融合分子はまた、コンジュゲート分子を含むこともある。
更なる実施形態では、本発明は、TIM-3の細胞外結合ドメイン(ECD)又はそのリガンド結合フラグメント、及びTGFRβII、PD-1、BTLA、LIGHT、CD226又はVSIG8のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む、融合タンパク質を提供する。ある態様では、前記融合タンパク質はTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメント、及びTGFβRIIのECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。ある特定の態様では、前記融合タンパク質は、配列番号(SEQ ID NO): 190の配列を含む。別の態様では、前記融合タンパク質はTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメント、及びPD-1のECD又はそのリガンド結合フラグメントを含む。特定の態様では、前記融合タンパク質は、配列番号(SEQ ID NO): 195、196又は197の配列を含む。更なる態様では、前記融合タンパク質はFcを含む。
別の実施形態では、本発明は、Fc含有ポリペプチドとTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントとの融合タンパク質を提供する、ここで、前記TIM-3のECDは前記Fc含有ポリペプチドのC末端に特異的に融合している。
更なる実施形態では、本発明は、免疫グロブリンFc及びTIM-3のECD又はそのリガンド結合フラグメントとの融合タンパク質、並びにPD-1又はPD-L1に結合する抗体、を含む治療方法を提供する。ある態様では、前記融合タンパク質の構造は、(N末端)Fc-TIM3(C末端)の形態である。別の態様では、前記融合タンパク質の構造は、(N末端)TIM3-Fc(C末端)の形態である。
ある実施形態では、本発明の組成物は、例えば、抗体‐リガンド・トラップと組合せて使用することがある。例えば、US8993524、US9441044、及びUS9850306に開示された抗体‐リガンド・トラップは、本発明の組成物と組合せて使用することがある。
ある実施形態では、本発明は、先に記載した分子又は融合タンパク質及び薬学的に許容可能な担体を含む組成物を提供する。
「薬学的に許容される」とは、担体、希釈剤又は賦形剤が、その製剤の他の成分と適合性があるものでなければならず、そのレシピエントにとって有害でないことを意味する。
更なる実施形態では、本発明は、先に記載した分子、融合タンパク質又は組成物を対象に投与することを含む、がん又は感染性疾患を有する対象の治療方法を提供する。
用語「治療」は、用語「治療方法」と、本明細書中では、互換可能的に使用され、そして1)診断された病的状態又は障害を治癒、減速、症状の軽減、及び/又は進行の停止を行う治療的処置又は手段、並びに2)予防/防止手段、の両方をいう。治療を必要とするものには、特定の医学的障害を既に有する個体、及び最終的に障害を獲得し得る個体(すなわち、防止手段を必要とする個体)が含まれ得る。
用語「投与する」及び/又は「投与」は、治療を必要とする対象に治療有効量の医薬組成物を提供することを意味すると理解されるべきである。投与経路は、経腸、局所又は非経口であることがある。そのようなものとして、投与経路には、限定されるものではないが、皮内、皮下、静脈内、腹腔内、動脈内、髄腔内、関節包内、眼窩内、心臓内、皮内、経皮、経気管、皮下、関節腔内、被膜下、クモ膜下、脊髄内及び胸骨内、経口、舌下頬側、直腸、膣、鼻腔内投与、並びに注射、吸入、及び噴霧が含まれる。本明細書で使用される「非経口投与」及び「非経口的に投与された」という語句は、経腸以外の投与様式及び局所投与を意味する。
用語「治療有効量」、「有効用量」、「治療有効用量」、「有効量」などは、研究者、獣医師、医師又は他の臨床医が求めている、組織、系、動物又はヒトの生物学的な又は医学的な応答を引き起こす対象化合物の量を指す。一般に、前記応答は、患者における症状の改善又は所望の生物学的アウトカムのいずれかである。前記有効量は、本明細書に記載のように決定することができる。
本明細書で使用される用語「対象」は、対象方法が実施される任意の個体又は患者を指す。一般に、前記対象はヒトであるが、当業者には理解されるように、前記対象は動物であってもよい。従って、げっ歯類(マウス、ラット、ハムスター及びモルモットを含む)、ネコ、イヌ、ウサギ、家畜(ウシ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、ブタ、ニワトリ)等、及び霊長類(サル、チンパンジー、オランウータン及びゴリラを含む)、等の脊椎動物を含む他の動物が、対象の定義内に含まれる。
用語「がん」は、ある部位(原発部位)で始まり、他の部位(二次部位、転移)に侵入し、広がる可能性のある、異常かつ制御されない細胞増殖を特徴とする、一群の疾患を指し、この特徴は、がん(悪性腫瘍)を良性腫瘍から区別する。実質的に、全ての器官が冒されることがあり、ヒトに影響を及ぼし得るがんは100種を超える型にのぼる。がんは、遺伝的素因、ウイルス感染、電離放射線への曝露、環境汚染物質への曝露、喫煙及び/又はアルコールの使用、肥満、質の悪い食事、身体活動の不足、又はそれらの任意の組合せを含む多くの原因から生じ得る。
本明細書中で使用される場合、「新生物」又は「腫瘍」(その文法的バリエーションを含む)は、組織の新規かつ異常な増殖を意味し、これは、良性又はがん性であっても良い。関連した態様では、前記新生物は腫瘍性疾患又は障害を示し、種々のがんを含むがこれらに限定されない。例えば、このようながんには、前立腺がん、膵臓がん、胆管がん、結腸がん、直腸がん、肝臓がん、腎臓がん、肺がん、精巣がん、乳がん、卵巣がん、膵臓がん、脳がん、及び頭頸部がん、黒色腫、肉腫、多発性骨髄腫、白血病、リンパ腫などが含まれ得る。
米国国立がん研究所が記載している例示的ながんには以下が含まれる:急性リンパ芽球性白血病、成人;急性リンパ芽球性白血病、小児;急性骨髄性白血病、成人;副腎皮質がん;副腎皮質がん、小児;エイズ関連リンパ腫;エイズ関連のがん;肛門がん;星状細胞腫、小児小脳;星状細胞腫、小児大脳;胆管がん、肝外;膀胱がん;膀胱がん、小児;骨がん、骨肉腫/悪性線維性組織球腫;脳幹神経膠腫、小児;脳腫瘍、成人;脳腫瘍、脳幹神経膠腫、小児;脳腫瘍、小脳星細胞腫、小児;脳腫瘍、大脳星細胞腫/悪性神経膠腫、小児;脳腫瘍、上衣腫、小児;脳腫瘍、髄芽腫、小児;脳腫瘍、テント上原始神経外胚葉性腫瘍、小児;脳腫瘍、視覚経路及び視床下部神経膠腫、小児;脳腫瘍、小児(その他);乳がん;乳がん及び妊娠期;乳がん、小児;乳がん、男性;気管支腺腫/カルチノイド、小児;カルチノイド腫瘍、小児;カルチノイド腫瘍、胃腸;がん腫、副腎皮質;がん腫、島細胞;原発不明のがん;中枢神経系リンパ腫、原発性;小脳星細胞腫、小児;大脳星細胞腫/悪性神経膠腫、小児;子宮頸がん;小児がん;慢性リンパ性白血病;慢性骨髄性白血病;慢性骨髄増殖性障害;腱鞘の透明細胞肉腫;大腸がん;結腸直腸がん、小児;皮膚T細胞リンパ腫;子宮内膜がん;上衣腫、小児;上皮がん、卵巣;食道がん;食道がん、小児;ユーイング・ファミリー腫瘍;頭蓋外胚細胞腫瘍、小児;性腺外胚細胞腫瘍;肝外胆管がん;眼がん、眼内黒色腫;眼がん、網膜芽細胞腫;胆嚢がん;胃(Gastric)(胃(Stomach))がん;胃(Gastric)(胃(Stomach))がん、小児;消化管カルチノイド腫瘍;胚細胞腫瘍、頭蓋外、小児;胚細胞腫瘍、性腺外;胚細胞腫瘍、卵巣;妊娠性絨毛腫瘍;神経膠腫、小児脳幹;神経膠腫、小児の視覚経路及び視床下部;有毛細胞白血病;頭頸部がん;肝細胞(肝臓)がん、成人(原発);肝細胞(肝臓)がん、小児(原発);ホジキンリンパ腫、成人;ホジキンリンパ腫、小児;妊娠中のホジキンリンパ腫;下咽頭がん;視床下部及び視覚経路神経膠腫、小児;眼内黒色腫;島細胞がん(内分泌膵臓);カポジ肉腫;腎臓がん;喉頭がん;喉頭がん、小児;白血病、急性リンパ芽球性、成人;白血病、急性リンパ芽球性、小児;白血病、急性骨髄性、成人;白血病、急性骨髄性、小児;白血病、慢性リンパ性;白血病、慢性骨髄性;白血病、有毛細胞;口唇がん及び口腔がん;肝がん、成人(原発);肝がん、小児(原発);肺がん、非小細胞;肺がん、小細胞;リンパ芽球性白血病、成人急性;リンパ芽球性白血病、小児急性;リンパ性白血病、慢性;リンパ腫、エイズ関連;リンパ腫、中枢神経系(原発);リンパ腫、皮膚T細胞;リンパ腫、ホジキン、成人;リンパ腫、ホジキン、小児;リンパ腫、妊娠中のホジキン;リンパ腫、非ホジキン、成人;リンパ腫、非ホジキン、小児;リンパ腫、妊娠中の非ホジキン;リンパ腫、原発性中枢神経系;マクログロブリン血症、ヴァルデンストレーム;男性乳がん;悪性中皮腫、成人;悪性中皮腫、小児;悪性胸腺腫;髄芽腫、小児;黒色腫;黒色腫、眼内(眼);メルケル細胞がん;中皮腫、悪性;原発不明の原発不明の転移性頸部扁平上皮がん;多発性内分泌腫瘍症、小児;多発性骨髄腫/プラズマ細胞腫瘍;菌状息肉腫;骨髄異形成症候群;骨髄性白血病、慢性;骨髄性白血病、小児急性;骨髄腫、多発性;骨髄増殖性疾患、慢性;鼻腔と副鼻腔がん;上咽頭がん;上咽頭がん、小児;神経芽細胞腫;非ホジキンリンパ腫、成人;非ホジキンリンパ腫、小児;妊娠中の非ホジキンリンパ腫;非小細胞肺がん;口腔がん、小児;口腔がん及び口唇がん;口腔咽頭がん;骨肉腫/骨の悪性線維性組織球腫;卵巣がん、小児;卵巣上皮がん;卵巣胚細胞腫瘍;卵巣低悪性度腫瘍;膵臓がん;膵臓がん、小児;膵臓がん、島細胞;副鼻腔がんと鼻腔がん;副甲状腺がん;陰茎がん;褐色細胞腫;松果体芽腫及びテント上原始神経外胚葉性腫瘍、小児;下垂体腫瘍;プラズマ細胞腫瘍/多発性骨髄腫;胸膜肺芽腫;妊娠及び乳がん;妊娠及びホジキンリンパ腫;妊娠及び非ホジキンリンパ腫;原発性中枢神経系リンパ腫;原発性肝臓がん、成人;原発性肝臓がん、小児;前立腺がん;直腸がん;腎細胞(腎臓)がん;腎細胞がん、小児;腎盂と尿管、移行上皮がん;網膜芽細胞腫;横紋筋肉腫、小児;唾液腺がん;唾液腺がん、小児;肉腫、ユーイング・ファミリー腫瘍;肉腫、カポジ;肉腫(骨肉腫/骨の悪性線維性組織球腫);肉腫、横紋筋肉腫、小児;肉腫、軟部組織、成人;肉腫、軟部組織、小児;セザリー症候群;皮膚がん;皮膚がん、小児;皮膚がん(黒色腫);皮膚がん(skin carcinoma)、メルケル細胞;小細胞肺がん;小腸がん;軟部組織肉腫、成人;軟部組織肉腫、小児;原発不明の頸部扁平上皮がん、転移性;胃(stomach)(胃(gastric))がん;胃(stomach)(胃(gastric))がん、小児;テント上原始神経外胚葉性腫瘍、小児;T細胞リンパ腫、皮膚;精巣腫瘍;胸腺腫、小児;胸腺腫、悪性;甲状腺がん;甲状腺がん、小児;腎盂と尿管の移行上皮がん;絨毛性腫瘍、妊娠期;原発部位不明、がん、小児期;小児の異常ながん;尿管及び腎盂、移行上皮がん;尿道がん;子宮肉腫;膣がん;視覚経路と視床下部神経膠腫、小児;外陰がん;ヴァルデンストレームのマクログロブリン血症;及びウィルムス腫瘍。
本明細書中で使用される場合、用語「感染性疾患」は、感染から生じる疾患をいう。感染は、病原体が生物体組織に侵入すること、それらの増殖、及び宿主組織の感染性病原体及びそれらが産生する毒素への反応である。感染性病原体には、ウイルス、ウイロイド、プリオン、バクテリア、寄生性の回虫及び蟯虫のような線虫、マダニ、ダニ、ノミ、及びシラミのような節足動物、白癬のような真菌、並びに条虫及び他の寄生蠕虫のような他の巨大寄生虫、が含まれる。短期感染は急性感染であり、従って、本明細書中で使用される場合、「慢性感染」は、長期感染又は持続性感染をいう。
感染性疾患には、以下が含まれる:急性弛緩性脊髄炎(AFM);アナプラズマ症;炭疽病;バベシア症;ボツリヌス中毒;ブルセラ症;鼻疽菌(Burkholderia mallei)(腺腫);類鼻疽菌(Burkholderia pseudomallei) (類鼻疽症);カンピロバクター症(カンピロバクター);カルバペネム耐性感染症(CRE/CRPA);軟性下疳;チクングニア・ウイルス感染症(チクングニア);クラミジア;シガテラ;クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)感染;クロストリジウム・パーフリンジェンス(イプシロン毒素);コクシジオイデス症真菌感染症(バレー熱);クロイツフェルト・ヤコブ病、伝達性海綿状脳症(CJD);クリプトスポリジウム症(クリプト);サイクロスポーラ症;デング熱、1,2,3,4(デング熱);ジフテリア;大腸菌感染症(E.Coli);東部ウマ脳炎(EEE);エボラ出血熱(エボラ);エールリヒア症;脳炎;アルボウイルス又は傍感染性;エンテロウイルス感染症、非ポリオ(非ポリオ・エンテロウイルス);エンテロウイルス感染;D68(EV-D68);ジアルジア症(ジアルジア);淋菌感染症(淋病);鼠径部肉芽腫;ヘモフィルス・インフルエンザ病;B型(Hib又はH-flu);ハンタウイルス肺症候群(HPS);溶血性尿毒症症候群(HUS);A型肝炎(Hep A);B型肝炎(Hep B);C型肝炎(Hep C);D型肝炎(Hep D);E型肝炎(Hep E);ヘルペス;帯状疱疹;帯状疱疹VZV(シングル);ヒストプラスマ症感染(ヒストプラスマ症);ヒト免疫不全ウイルス/エイズ(HIV/エイズ);ヒト・パピローマウイルス(HPV);インフルエンザ(Flu);鉛中毒;レジオネラ症(レジオネラ症);ハンセン病症(ハンセン病);レプトスピラ症;リステリア症(Listeria);ライム病;性病性リンパ肉芽腫感染(LVG);マラリア;麻疹;髄膜炎;ウイルス性(髄膜炎、ウイルス性);髄膜炎菌性疾患;バクテリア(髄膜炎、バクテリア);中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV);おたふく風邪;ノロウイルス;麻痺性貝中毒(麻痺性貝中毒、シガテラ);シラミ寄生症(シラミ、頭部及び体部シラミ);骨盤内炎症性疾患(PID);百日咳(喘鳴咳);ペスト(plague);腺性、敗血症性、肺炎性(ペスト);肺炎球菌性疾患(肺炎);灰白髄炎(ポリオ);ポワッサン;オウム病;ケジラミ症(ケジラミ);陰部シラミ感染症;膿疱性発疹疾患(天然痘、サル痘、牛痘);Q熱;狂犬病;リシン中毒;リケッチア症(ロッキー山紅斑熱);風疹、先天性を含む(ドイツの麻疹);サルモネラ症性胃腸炎(Salmonella);疥癬の蔓延(Scabies);スコンブロイド(Scombroid);重症急性呼吸症候群(SARS);赤痢性胃腸炎(Shigella);天然痘;ブドウ球菌感染、メチシリン耐性(MRSA);ブドウ球菌による食中毒;エンテロトキシン-B中毒(ブドウ球菌食中毒);ブドウ球菌感染;バンコマイシン中間耐性(VISA);ブドウ球菌感染;バンコマイシン耐性(VRSA);レンサ球菌性疾患;A群(侵襲性)(Strep A);レンサ球菌性疾患;B群(Strep-B);レンサ球菌毒性ショック症候群;STSS;毒性ショック(STSS、TSS);梅毒、一次性、二次性、初期潜伏性、後期潜伏性、先天性;破傷風感染;テタニ(ロック・ジョー)(tetani (Lock Jaw));旋毛虫症感染症(Trichinosis);結核(TB);結核(潜在性)(LTBI);ツラレミア(ウサギ熱);腸チフス;D群;発疹チフス;腟症、バクテリア(酵母感染症);水痘(水痘);コレラ菌(Cholera);ビブリオ症(Vibrio);ウイルス性出血熱(エボラ、ラッサ、マールブルグ);西ナイル・ウイルス;黄熱病;エルセニア(エルシニア)(Yersenia (Yersinia));ジカ・ウイルス感染症(Zika);アシネトバクター感染;放線菌症;アフリカ睡眠病(アフリカ・トリパノソーマ症);アメーバ症アナプラズマ症;アニサキス症;溶血性アルカノバクテリア感染;アルゼンチン・テアガン熱(Argentine Teagan fever);回虫症;アスペルギルス症;アストロウイルス感染;バシラス・セレウス感染(Bacillus cereus infection);細菌性肺炎;細菌性腟症;バランチジウム症;バルトネラ症;アライグマ回虫感染(Baylisascaris infection);BKウイルス感染;黒色砂毛症(Black piedra);胚盤胞症(Blastocystosis);ボリビア出血熱;ブラジル出血熱;腺ペスト;ブルーリ潰瘍;カリシウイルス感染;カンピロバクター症;カンジダ症;カピラリア腸疾患(Capillariasis Intestinal disease);カリオン病バルトネラ・バシリフォルミス(Carrion's disease Bartonella bacilliformis);猫ひっかき病バルトネラ・ハンセラ(Cat-scratch disease Bartonella henselae);通常蜂巣炎;シャーガス病(Chagas disease)(アメリカ・トリパノソーマ症);軟性下疳;水痘;クラミドフィルラ肺炎菌感染(Chlamydophila pneumoniae infection);クロモブラストミコーシス;ツボカビ症(Chytridiomycosis);肝吸虫症;コロラドダニ熱(CTF);かぜ;クリミア‐コンゴ出血熱(CCHF);クリプトスポリジウム症;皮膚幼虫移行症(CLM);サイクロスポーラ症;嚢虫症;サイトメガロウイルス感染症;デスモデスムス感染;ジエントアメーバ症(Dientamoebiasis);ジフテリア;裂頭条虫症(Diphyllobothriasis);メジナ虫症(Dracunculiasis);エキノコックス症(Echinococcosis);エールリヒア症(Ehrlichiosis);腸内細菌症(蟯虫感染);腸球菌感染;エンテロウイルス感染;流行性発疹チフス・リケッチア‐プロワツェキイ(Epidemic typhus Rickettsia prowazekii );伝染性紅斑(第5病);突発性発疹(第6病);肝蛭症(Fasciolasis);肥大吸虫症(Fasciolopsiasis);致死性家族性不眠症(FFI);フィラリア症;複数自由生活性アメーバ感染症;フソバクテリウム感染;ガス壊疽(クロストリジウム性筋壊死);ゲルストマン・シュトラウスラー・シャインカー症候群(GSS);ジアルジア症;鼻疽(Glanders);顎口虫症(Gnathostomiasis);鼠径部肉芽腫(Donovanosis);レンサ球菌感染;インフルエンザ菌感染;手足口病(HFMD);ハンタウイルス肺症候群(HPS)シン・ノンブル・ウイルス;ハートランド・ウイルス病ハートランド・ウイルス;ヘリコバクター・ピロリ感染;溶血性尿毒症症候群(HUS)E;腎症候群を伴う出血熱(HFRS);ヒストプラスマ症;鉤虫感染;ヒト・ボカウイルス感染;ヒト・エウィンギ(Human ewingii);ヒト顆粒球アナプラズマ症(HGA);ヒト・メタニューモウイルス感染;ヒト単球性エールリヒア症;ヒト・パピローマウイルス(HPV)感染;ヒト・パラインフルエンザ・ウイルス感染;膜様条虫症(Hymenolepiasis);エプスタイン・バー・ウイルス感染性単核球症(Mono);インフルエンザ(flu);イソスポーラ症;川崎病;複数角膜炎;キンゲラ・キンゲ感染(Kingella kingae infection);クールーPRNP(Kuru PRNP);ラッサ熱;レジオネラ症(ポンティアック熱);リーシュマニア症;ハンセン病;レプトスピラ症 レプトスピラ種(Leptospirosis Leptospira species);リンパ系フィラリア症(象皮症);リンパ球性脈絡髄膜炎;中東呼吸器症候群(MERS);類鼻疽症(ホイットモア病)(Melioidosis (Whitmore's disease));多発性髄膜炎;髄膜炎菌性疾患;メタゴニムス症(Metagonimiasis);微胞子虫症(Microsporidiosis);伝染性軟属腫(MC);サル痘;おたふく風邪;ネズミ発疹チフス(風土病性発疹チフス);マイコプラズマ肺炎;菌腫(曖昧性除去);寄生性ハエうじ症(Myiasis parasitic);新生児結膜炎(新生児眼炎);ノロウイルス(小児及び乳児)ノロウイルス;ノカルジア症(Nocardiosis);オンコセルカ症(河川盲目症);オピストルキス症(Opisthorchiasis);パラコクシジオイデス症(南米ブラストミコーシス)(Paracoccidioidomycosis (South American blastomycosis));肺吸虫症;パスツレラ症;アタマジラミ寄生症(頭シラミ)(Pediculosis capitis (Head lice));コロモジラミ寄生症(体シラミ)(Pediculosis corporis (Body lice));ケジラミ症(ケジラミ、ケジラミ)(Pediculosis pubis(Pubic lice,Crab lice));骨盤内炎症性疾患(PID);百日咳(喘鳴咳);ペスト;肺炎球菌感染;ニューモシスチス肺炎(PCP);多発性肺炎(Pneumonia multiple);ポリオ;プレボテラ感染;原発性アメーバ性髄膜脳炎(PAM);進行性多巣性白質脳症;オウム病;Q熱;狂犬病;回帰熱(Relapsing fever);呼吸器合胞体ウイルス感染呼吸器合胞体ウイルス(Respiratory syncytial virus infection Respiratory syncytial virus (RSV));リノスポリジウム症(Rhinosporidiosis);ライノウイルス感染;リケッチア感染;リケッチア痘;リフト・バレー熱(RVF);ロッキー山紅斑熱(RMSF);ロタウイルス感染;風疹;サルモネラ症;SARS(重症急性呼吸器症候群);疥癬;猩紅熱A群S;多発性敗血症(Sepsis multiple);赤痢(細菌性赤痢);帯状疱疹(Herpes zoster);天然痘(痘瘡);スポロトリクム症(Sporotrichosis);ブドウ球菌による食中毒;ブドウ球菌感染;糞線虫症;梅毒;条虫症(Taeniasis);破傷風(ロックジョー)(Tetanus (Lockjaw));白癬性毛瘡(床屋のかゆみ)(Tinea barbae (Barber's itch));頭部白癬(頭皮の白癬)(Tinea capitis (Ringworm of the Scalp));体部白癬(身体の白癬)(Tinea corporis (Ringworm of the Body));下腿白癬(ジョックかゆみ)(Tinea cruris (Jock itch));マヌム白癬(手の白癬)(Tinea manum (Ringworm of the Hand));黒癬(Tinea nigra);足白癬(スポーツ選手の足)(Tinea pedis (Athlete's foot));爪白癬(爪真菌症);癜風(癜風)(Tinea versicolor (Pityriasis versicolor));トキソカラ症(眼幼虫移行症(OLM));トキソカラ症(内臓幼虫移行症(VLM));トキソプラズマ症;トラコーマ;旋毛虫症;トリコモナス症;鞭虫症(鞭虫感染);結核;野兎病;腸チフス(Typhoid fever);発疹チフス(Typhus fever);ウレアプラズマ・ウレアリチカム感染症(Ureaplasma urealyticum infection);バレー熱;ベネズエラ馬脳炎V;ベネズエラ出血熱;ビブリオ・バルニフィカス感染症(Vibrio vulnificus infection);腸炎ビブリオ;ウイルス性肺炎;西ナイル熱;白色砂毛(白癬)(White piedra (Tinea blanca));エルシニア偽結核感染(Yersinia pseudotuberculosis infection);エルシニア症;接合菌症。
いくつかの態様では、投与を1種以上の追加の治療薬剤と組合せることがある。「併用療法」、「と併用した」などの語句は、2種以上の薬物又は治療を同時に使用し、応答性を増大させることを指す。本発明の組成物を、例えば、他の薬物又は処置(例えば、免疫療法又は化学療法)と併用して使用することがある。そのような療法を、本発明の組成物の投与前、投与と同時に、又は投与後に、適用することがある。
本明細書で使用される用語「化学療法剤」は、がんを治療するために使用される任意の治療薬剤を指す。化学療法剤の例としては、限定されるものではないが、以下が含まれる:アクチノマイシン、アザシチジン、アザチオプリン、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、カルボプラチン、カペシタビン、シスプラチン、クロラムブシル、シクロホスファミド、シタラビン、ダウノルビシン、ドセタキセル、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、エピルビシン、エポチロン、エトポシド、フルオロウラシル(Fiuorouracil)、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、イダルビシン、イマチニブ、イリノテカン(lrinotecan)、メクロレタミン、メルカプトプリン、メトトレキサート、ミトキサントロン、オキサリプラチン、パクリタキセル、ペメトレキセド、テニポシド、チオグアニン、トポテカン、バルルビシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン、パニツムマブ(panitumamab)、アービタックス(セツキシマブ)、マツズマブ、IMC-IIF8、TheraCIM hR3、デノスマブ、アバスチン(ベバシズマブ)、ヒュミラ(アダリムマブ)、ハーセプチン(トラスツズマブ)、レミケード(インフリキシマブ)、リツキシマブ、シナジス(パリビズマブ)、マイロターグ(ゲムツズマブ・オキソガミシン)、ラプティバ(エファリズマブ)、タイサブリ(ナタリズマブ)、ゼナパックス(ダクリキシマブ)、ノイトロスペック(NeutroSpec)(テクネチウム(99mTc)ファノレスオマブ)、トシリズマブ、プロスタシント(ProstaScint)(インジウム-Ill標識カプロマブ・ペンデチド)、ベクサール(トシツモマブ)、ゼヴァリン(イットリウム90にコンジュゲートしたイブリツモマブ・チウキセタン(IDEC-Y2B8))、ゾレア(オマリズマブ)、マブテラ(MabThera)(リツキシマブ)、レオプロ(ReoPro)(アブシキシマブ)、マブカンパス(MabCampath)(アレムツズマブ)、シムレクト(バシリキシマブ)、ロイコスキャン(LeukoScan)(スレソマブ)、CEA-スキャン(アルシツモマブ)、ベルルマ(Verluma)(ノフェツモマブ)、パノレックス(エドレコロマブ)、アレムツズマブ、CDP870、ナタリズマブ・ジロトリフ(アファチニブ)、リンパルザ(オラパリブ)、パージェタ(ペルツズマブ)、オプジーボ(Otdivo)(ニボルマブ)、ボスリフ(ボスチニブ)、カボメチックス(Cabometyx)(カボザンチニブ)、オギブリ(トラスツズマブ-dkst)、スーテント(スニチニブ・リンゴ酸塩)、アドセトリス(ブレンツキシマブ・ベドチン)、アレセンサ(アレクチニブ)、カルケンス(アカラブルチニブ)、イエスカルタ(シロルーセル)、ベージニオ(アベマシクリブ)、キートルダ(ペムブロリズマブ)、アリコパ(コパンリシブ)、ネルリンクス(ネラチニブ)、イムフィンジ(デュルバルマブ)、ダラザレックス(ダラツムマブ)、テセントリク(アテゾリズマブ)、及びタルセバ(エルロチニブ)。免疫療法剤の例としては、限定されるものではないが、以下が含まれる:インターロイキン(Il-2、Il-7、Il-12)、サイトカイン(インターフェロン、G-CSF、イミキモド)、ケモカイン(CCL3、CCl26、CXCL7)、免疫調節イミド医薬品(サリドマイド及びその類似体)。
抗生物質の例としては、限定されるものではないが、以下が含まれる:アミカシン;ゲンタマイシン;カナマイシン;ネオマイシン;ネチルミシン;トブラマイシン;パロモマイシン;ストレプトマイシン;スペクチノマイシン;ゲルダナマイシン;ハービマイシン;リファキシミン;ロラカルベフ;エルタペネム;ドリペネム;イミペネム/シラスタチン;メロペネム;セファドロキシル;セファゾリン;セファレキシン;セファクロル;セフプロジル;セフロキシム;セフィキシム;セフジニル;セフジトレン;セフォペラゾン;セフォタキシム;セフポドキシム;セフタジジム;セフチブテン;セフトリアキソン;セフェピム;セフタロリン・フォサミル;セフトビプロール;テイコプラニン;バンコマイシン;テラバンシン;ダルババンシン;オリタバンシン;リンコサミド系;クリンダマイシン;リンコマイシン;リポペプチド;ダプトマイシン;マクロライド系;アジスロマイシン;クラリスロマイシン;エリスロマイシン;ロキシスロマイシン;テリスロマイシン;スピラマイシン;モノバクタム;アズトレオナム;ニトロフラン類;フラゾリドン;ニトロフラントイン;オキサゾリジノン誘導体;リネゾリド;ポジゾリド(Posizolid);ラデゾリド;トレゾリド;ペニシリン系;アモキシシリン;アンピシリン;アズロシリン;ジクロキサシリン;フルクロキサシリン;メズロシリン;メチシリン;ナフシリン;オキサシリン;ペニシリンG;ペニシリンV;ピペラシリン;ペニシリンG;テモシリン;チカルシリン;ペニシリンの併用;アモキシシリン/クラブラン酸;アンピシリン/スルバクタム;ピペラシリン/タゾバクタム;チカルシリン/クラブラン酸;ポリペプチド;バシトラシン;コリスチン;ポリミキシンB;シプロフロキサシン;エノキサシン;ガチフロキサシン;ゲミフロキサシン;レボフロキサシン;ロメフロキサシン;モキシフロキサシン;ナジフロキサシン;ナリジクス酸;ノルフロキサシン;オフロキサシン;トロバフロキサシン;グレパフロキサシン;スパルフロキサシン;テマフロキサシン;スルホンアミド系;マフェニド;スルファセタミド;スルファジアジン;スルファジアジン銀;スルファジメトキシン;スルファメチゾール;スルファメトキサゾール;スルファニルイミド;スルファサラジン;スルフィソキサゾール;トリメトプリム-スルファメトキサゾール;スルホンアミドクリソイジン(Sulfonamidochrysoidine);テトラサイクリン系;デメクロサイクリン;ドキシサイクリン;メタサイクリン;ミノサイクリン;オキシテトラサイクリン;テトラサイクリン;クロファジミン;ダプソン;カプレオマイシン;サイクロセリン;エタンブトール;エチオナミド;イソニアジド;ピラジナミド;リファンピシン;リファブチン;リファペンチン;ストレプトマイシン;アルスフェナミン;クロラムフェニコール;ホスホマイシン;フシジン酸;メトロニダゾール;ムピロシン;プラテンシマイシン;キヌプリスチン/ダルホプリスチン;チアンフェニコール;チゲサイクリン;チニダゾール及びトリメトプリム。
別の実施形態では、本発明は、免疫トレランスを誘導する、又は促進する方法を提供する。前記方法は、本発明の1種以上の分子を、投与することを必要とする対象に投与することを含む。
以下の実施例は、本発明の実施形態を更に説明するために提供されるが、本発明の範囲を限定することは意図されてない。それらは使用されることがある典型的なものであるが、当業者に知られている他の手順、方法論、又は技術が代わりに使用されることがある。
プログラム死 1(PD-1):プログラム死リガンド1(PD-L1)免疫チェックポイントをターゲットとする抗体には強力な抗腫瘍活性があるが、これらの治療に対して、デノボ及び適応的な耐性の両方がしばしば観察される。PD-1/PD-L1経路をターゲットとすることは、疲弊したT細胞の機能不全を断ち切るには充分ではないかもしれない。なぜなら、PD-1と他のチェックポイント阻害剤との間に複雑な交差調節が存在することから、抗腫瘍T細胞免疫が抑制され、ある場合には、PD-1を遮断するとその後に適応的な耐性が発現するからである。TIM-3/CEACAM1軸は、PD-1/PD-L1療法に対するデノボ及び適応的な耐性に対する重要な決定因子である。
TIM-3/CEACAM1は、以下を介して、T細胞及びNK細胞を多面的に抑制する:(i)ヘテロ親和性のTIM-3/CEACAM-1相互作用(シスCEACAM-1/TIM-3ヘテロ二量体化;TIM-3とのトランスCEACAM1ヘテロ二量体化);(ii)ホモ親和性のCEACAM-1/CEACAM-1相互作用(シスCEACAM-1二量体化;トランスCEACAM1で誘導されるシスCEACAM-1 二量体化)。従って、TIM-3及びCEACAM1を共発現する腫瘍浸潤CD8+Tリンパ球は、マウス・モデル及びがん患者の両方において、最も疲弊した表現型を示す。
PD-1、TIM-3、及びCEACAM-1は、腫瘍微小環境において、免疫トレランス及びT細胞疲弊に関する独立的且つ協調的なメカニズムを同調させているので、強力な抗腫瘍的な自然及び適応性抗腫瘍免疫応答を引き起こすためには、これらのチェックポイントを同時に遮断することが必要である。腫瘍浸潤免疫細胞上では、3つ全てのT細胞阻害レセプター(TCIRs: PD-1、TIM-3、CEACAM-1)の共発現が上昇していることに加えて、腫瘍細胞はまた、これらのTCIRsに結合して腫瘍反応性T細胞を抑制する、複数のリガンド(PD-L1、CEACAM-1、ガレクチン-9)も共発現している。このことは、免疫トレランスを誘導するために協調して作用している、TME内の複数の自己分泌/傍分泌のシス及びトランスTCIR/リガンド相互作用(PD-1/PD-L1; Tim-3/CEACAM-1; CEACAM-1/CEACAM-1)を破壊することを、治療において難しいこととしている。この治療上の課題を、新規な二機能性の抗体‐リガンド・トラップ(Y-トラップ):(i)TIM-3 IgVエクトドメイン配列に融合したPD-L1をターゲットとする抗体を含むa-PDL1-TIM3ecd;(ii)TIM-3 IgVエクトドメイン配列に融合したPD-1をターゲットとする抗体を含むa-PD1-TIM3ecd、を発明することによって対処した。
aPDL1-TIM3ecd及びaPD1-TIM3ecdの作用機序: aPDL1-TIM3ecd及びaPD1-TIM3ecdは、活性化したT細胞及び腫瘍細胞上のPD-1又はPD-L1に結合し、同時に、CEACAM-1のFG-CC'クレフト・インタフェースに結合することに関して、天然の細胞性のTIM-3と効果的に競合するTIM-3ecdデコイを持つ。このように、これらの抗体‐リガンド・トラップは、PD-L1/PD-1相互作用ができなくなるようにするだけでなく、腫瘍微小環境(tumor microenvironment (TME))のTim-3/CEACAM-1及びCEACAM-1/CEACAM-1を含むシス及びトランスの両方の相互作用を同時に破壊する。これらの研究は、a-PDL1-TIM3ecd及びa-PD1-TIM3ecdが、in vitroで、IFNγ発現を促進し、共-刺激されたT細胞の疲弊を打ち消す点で、a-PDL1(アテゾリズマブ)又はa-PD-1(ペムブロリズマブ)よりも有意に効果的であることを、実証する。非常に重要なことに、これらの抗体‐リガンド・トラップを使って、腫瘍を有するヒト化マウスをin vivoで処置すると、腫瘍浸潤CD4+及びCD8+ T細胞の数が顕著に増大し、a-PDL1(アテゾリズマブ)、a-PD-1(ペムブロリズマブ)、a-Tim-3抗体を使用した、又は更にa-PDL1及びa-Tim-3の併用すら使用した、相当の処置と比較して、腫瘍進行が有意により効果的に阻害されることが見出された。これらのデータは、腫瘍微小環境中のヘテロ親和性及びホモ親和性のTim-3/CEACAM-1相互作用がPD-1/PD-L1インヒビターの抗腫瘍効果を限定的なものにしていること、並びにa-PDL1-TIM3ecd及びa-PD1-TIM3ecdが、PD-1/PD-L1チェックポイントを無効にすることと同時にTim-3/CEACAM-1軸の両方の構成成分を打ち消すことにより、T細胞の疲弊を打ち消すか又は逆転させる、より有効な免疫療法ストラテジーを提供すること、を示している。
図1。T細胞の活性化を阻害し、免疫トレランス及びT細胞の疲弊を誘導する自己分泌/傍分泌のレセプター‐リガンド相互作用の模式図。自己分泌/傍分泌のTGFβは、FOXP3(Treg系列のシグネチャ転写因子(signature transcription factor)である)の発現を誘導する。FOXP3は、CTLA-4(B7-CD28の相互作用を阻害することによってT細胞共-刺激を抑制するT細胞阻害レセプターである)の発現を、誘導する。Tregは、ガレクチン-9(TIM-3と結合し、TIM-3/CEACAM-1の共-阻害軸によるエフェクターT細胞の疲弊又はアポトーシスを誘発するリガンドである)、を発現する。PD-L1がPD-1に結合することは、TGFβ誘導によるFOXP3の発現を促進してTregを誘導及び維持し、及びTIM-3/CEACAM-1シグナル伝達と協働してT細胞の疲弊及び死を誘導する。
図2。a-PDL1-TIM3ecd及びa-PD1-TIM3ecdは、PD-L1/PD-1シグナル伝達及びTIM-3/CEACAM-1の共-阻害軸を同時に阻害することにより、免疫トレランス及びT細胞の疲弊を打ち消す。
(A)a-PDL1-TIM3ecd及びa-PD1-TIM3ecdの構造及びターゲットの模式図。a-PD1-TIM3ecdは、以下を含む:(i)フレキシブルなリンカー・ペプチド(GGGGS)3を介して、TIM-3のリガンド結合IgVエクトドメイン配列に、C末端で融合したヒトa-PD-1抗体の重鎖(配列番号(SEQ ID NO): 53))、及び(ii)ヒトa-PD-1抗体の軽鎖(配列番号(SEQ ID NO): 187)。a-PDL1-TIM3ecdは、以下を含む:(i)フレキシブルなリンカー・ペプチド(GGGGS)3を介して、TIM-3のリガンド結合IgVエクトドメイン配列に、C末端で融合したヒトa-PD-L1抗体の重鎖(配列番号(SEQ ID NO): 51))、及び(ii)ヒトa-PD-L1抗体の軽鎖(配列番号(SEQ ID NO):185)。 (B) T細胞活性化を阻害し、T細胞の疲弊を誘導する自己分泌/傍分泌のレセプター‐リガンド相互作用を、a-PDL1-TIM3ecd及びa-PD1-TIM3ecdが破壊するターゲット及びメカニズムの模式図。自己分泌/傍分泌のTGFβは、FOXP3(Treg系列のシグネチャ転写因子である)の発現を誘導する。FOXP3は、CTLA-4(B7-CD28の相互作用を阻害することによってT細胞共-刺激を抑制するT細胞阻害レセプターである)の発現を誘導する。Tregは、ガレクチン-9(TIM-3と結合し、TIM-3/CEACAM-1の共-阻害軸によるエフェクターT細胞の疲弊又はアポトーシスを誘発するリガンドである)、を発現する。PD-L1がPD-1に結合することにより、TGFβ誘導によるFOXP3の発現が促進され、Tregが誘導及び維持され、TIM-3/CEACAM-1シグナル伝達と協働して、T細胞の疲弊及び死が誘導される。a-PDL1-TIM3ecd及びa-PD1-TIM3ecdは、PD-1/PD-L1シグナル伝達ができないようにし、同時にTIM-3とCEACAM-1共-阻害経路を含むシス/トランス相互作用を破壊する。 (C) PD-L1/PD-1及びTIM-3/CEACAM-1の共-阻害軸を介してT細胞が多面的に抑制されていることを、a-PDL1-TIM3ecd及びa-PD1-TIM3ecdが同時に打ち消すメカニズムの模式図。a-PDL1-TIM3ecd及びa-PD1-TIM3ecdは、PD-L1/PD-1相互作用を阻害し、以下を同時に破壊する:(i) ヘテロ親和性のTIM-3/CEACAM-1の相互作用(シスCEACAM-1/TIM-3ヘテロ二量体化;TIM-3とのトランスCEACAM1ヘテロ二量体化);(ii)ホモ親和性のCEACAM-1/CEACAM-1の相互作用(シスCEACAM-1二量体化;トランスCEACAM1誘導のシスCEACAM-1二量体化)。
図3。a-PDL1-TIM3ecd及びa-PD1-TIM3ecdの特性及びターゲット結合能。 (A)a-PD1-TIM3ecd及びa-PD1抗体(ニボルマブ)の全長(FL)、重鎖(HC)及び軽鎖(LC)を比較するために、還元(R)及び非還元(NR)条件下でSDS-PAGEを行った。SDS-PAGEにより、a-PD1抗体の重鎖と比較して、a-PD1-TIM3ecdの重鎖が、予想された、より高い分子量であることが確認された(上図)。a-PDL1-TIM3ecd及びa-PDL1抗体(アテゾリズマブ)の全長(FL)、重鎖(HC)及び軽鎖(LC)を比較するために、還元(R)及び非還元(NR)条件下でSDS-PAGEを行った。SDS-PAGEにより、a-PDL1抗体の重鎖と比較して、a-PDL1-TIM3ecdの重鎖が、予想された、より高い分子量であることが確認された(下図)。 (B)a-PD1-TIM-3のrhPD-1への結合を示すELISA(上のパネル):ビオチン化rhPD-1(0〜250 ng/ml)を、a-PD1-TIM3ecd(1μg/ml)でコーティングしたプレートに添加した。a-PDL1-TIM3のrhPD-L1への結合を示すELISA(下図):ビオチン化rhPD-L1(0〜250ng/ml)を、a-PDL1-TIM3(1μg/ml)又はa-PDL1抗体(アテゾリズマブ)(ポジティブ・コントロール)のいずれかでコーティングしたプレートに添加した。 (C)a-PD1-TIM3ecd及びa-PDL1-TIM3ecdは、in vitroで組換えヒト(rh)CEACAM-1に結合する。rhCEACAM-1(5 μg)を、a-PD1-TIM3ecd、a-PDL1-TIM3ecd、a-gp120-TIM3ecd、a-PD-L1 mAb(アテゾリズマブ)又はa-PD1 mAb(ニボルマブ)(それぞれ10μg)の存在下又は非存在下でインキュベートし(一晩、4o C)、続いてプロテインA-アガロース・ビーズ(10 μl)と6時間インキュベートし、次いでプロテインA-アガロース・ビーズで免疫沈降させた。沈殿した複合体を免疫沈降バッファーで洗浄し、還元剤を含むNuPAGEサンプル・バッファーに再懸濁し、煮沸し、Bis-Tris Criterion XTゲル系で分離し、PVDF膜に転写した。膜を、一次抗体[CEACAM1(D1P4T); TIM3(D5D5RTM)]で一晩イムノブロットし、洗浄し、二次抗体と共にインキュベートし、アマシャムECLウェスタンブロット検出試薬によって可視化した。イムノブロット解析により、a-PD1-TIM3ecd、a-PDL1-TIM3ecd、及びa-gp120-TIM3ecdのプロテインAでプルダウンした免疫沈降物中に、rhCEACAM-1が検出されたが、a-PD-L1 mAb(アテゾリズマブ)又はa-PD1 mAb(ニボルマブ)の免疫沈降物中には、rhCEACAM-1は検出されなかった。 (D)a-PD1-TIM3ecd及びa-PDL1-TIM3ecdは、共-刺激されたヒトT細胞上で、CEACAM-1に結合する。ヒトPBMCを、a-PD1-TIM3ecd、a-PDL1-TIM3ecd、a-PD-L1 mAb(アテゾリズマブ)、又はa-PD1 mAb(ニボルマブ)の存在下において、抗-CD3/抗-CD28 ビーズで、6日間、共-刺激した。細胞溶解物をプロテインA-アガロース・ビーズ(10 μL)で6時間免疫沈降させた。その沈降した複合体を免疫沈降バッファーで洗浄し、還元剤を含むNuPAGEサンプル・バッファーに再懸濁し、煮沸し、Bis-Tris Criterion XTゲル系で分離し、PVDF膜に転写した。膜を、一次抗体[CEACAM1(D1P4T); TIM3(D5D5RTM)]で一晩イムノブロットし、洗浄し、二次抗体と共にインキュベートし、アマシャムECLウェスタンブロット検出試薬によって可視化した。CEACAM-1抗体を用いたイムノブロット解析により、a-PD1-TIM3ecd及びa-PDL1-TIM3ecdで処理した細胞の溶解物のプロテインA‐免疫沈降物中に、CEACAM-1が検出されたが、a-PD-L1 mAb(アテゾリズマブ)又はa-PD1 mAb(ニボルマブ)で処理した細胞の溶解物の免疫沈降物中には、CEACAM-1は検出されなかった。TIM-3ecd抗体を用いたイムノブロット解析では、a-PD1-TIM3ecd及びa-PDL1-TIM3ecdで処理した細胞の溶解物のプロテインA-免疫沈降物中には、a-PD1-TIM3ecd又はa-PDL1-TIM3ecdの重鎖を検出したが、a-PD-L1 mAb(アテゾリズマブ)、又はa-PD1 mAb(ニボルマブ)で処理した細胞の溶解物の免疫沈降物中では、検出されなかった。
図4。IFNγの発現を促進し、及び共-刺激T細胞の疲弊を打ち消すことにおいて、a-PD1-TIM3ecd及びa-PDL1-TIM3ecdは、a-PD-1 mAb又はa-PD-L1 mAbよりも、有意に効果的である。 (A)a-PD1-TIM3ecd、a-PDL1-TIM3ecd、a-PD-L1 mAb(アテゾリズマブ)、a-PD1 mAb(ニボルマブ)、a-ヒトTIM3 Ab(F38-2E2)、又はa-PD1 mAbとa-TIM3 Abの組合せ(それぞれ5 μg/ml)の存在下又は非存在下で、ヒトPBMCを、抗-CD3/抗-CD28 ビーズ(5μl/ml)及びrhIL-2により3〜9日間刺激した。示された各時間(3日目、6日目、及び9日目)での、細胞上清中のインターフェロン-γ(IFN-γ)を、ELISAによって定量した(データは、各群についてin vitroトリプリケートの平均±SEMを表す)。ELISAによれば、a-PDL1-TIM3ecd及びa-PD1-TIM3ecdは、a-PDL1(アテゾリズマブ)、a-PD-1(ペムブロリズマブ)、a-TIM3 Ab、又はa-PD1 mAbとa-TIM3 Abの組合せのいずれよりも、IFNγの発現を促進することにおいて、及びin vitroで共-刺激されたT細胞の疲弊を打ち消すことにおいて、有意により効果的であることが示された。 (B) a-PD1-TIM3ecd、a-PDL1-TIM3ecd、a-PD-L1 mAb(アテゾリズマブ)、a-PD1 mAb(ニボルマブ)、a-ヒトTIM3 Ab(F38-2E2)、又はa-PD1 mAbとa-TIM3 Abの組合せ(それぞれ5μg/ml)の存在下又は非存在下で、ヒトPBMCを、抗-CD3/抗-CD28 ビーズ(5μl/ml)及びrhIL-2により、16時間、又は40時間刺激し、細胞上清中のIFN-γを、ELISAによって定量化した(in vitroトリプリケート/群の平均±SEM)。a-PDL1-TIM3ecdは、a-PDL1(アテゾリズマブ)、a-PD-1(ペムブロリズマブ)、a-TIM3 Ab、又はa-PD1 mAbとa-TIM3 Abの組合せのいずれと比較しても、in vitroで共-刺激されたT細胞によるIFNγ発現を促進することにおいて、有意により効果的である[データは、抗体を用いない共-刺激と比較して、それぞれの抗体処理群におけるIFNγ発現の倍数変化を表す]。 (C)a-PD1-TIM3ecdは、共-刺激T細胞におけるIFNγの発現がTGFβを介して抑制されること、を打ち消す。rhTGFβ1(5 ng/ml)の存在下又は非存在下で、a-PDL1-TIM-3(5 μg/ml)を添加又は非添加で、ヒトPBMCを、抗-CD3/抗-CD28及びrhIL-2により、16時間又は40時間刺激し、細胞上清中のインターフェロン-γ(IFN-γ)を、ELISAにより定量した(データは、各群についてin vitroトリプリケートの平均±SEMを表す)。
図5。a-PD1-TIM3ecdは、a-PD-1、a-TIM-3、又はa-TIM-3とa-PD1の組合せよりも、腫瘍の増殖を、より効果的に抑制する。 (A)NSGマウス(NOD/Shi-scid IL-2rgnull)(4-8週齢)を、3×106個のヒト末梢血単核細胞(PBMC)(8日間、以下の処置:a-PD1-TIM3ecd、a-PD1 mAb(ニボルマブ)、a-ヒトTIM3 Ab(F38-2E2)、a-PD1 mAbとa-TIM3 Abの組合せ、又は担体のみ、をした後に(それぞれ5 μg/ml)、抗-CD3/抗-CD28 ビーズ(5μl/ml)及びrhIL-2で共-刺激した)を養子移植することにより、再構成した。再構成したマウスに、2×106 D-MUT1ヒト結腸直腸がん細胞を皮下注射し、それぞれの群を、養子移植に使用したPBMCをin vitroで処理するために使用したのと同じ処理を、in vivoで処理した(5 mg/kg i.p. 5日毎):a-PD1-TIM3ecd;a-PD1(ニボルマブ);a-TIM-3(F38-2E2); a-PD1とa-TIM-3の組合せ;担体単独(未処置コントロール)[>=5マウス/群]。腫瘍サイズを、処置群に対して盲検で測定し、そして腫瘍体積を、公式(長さ×幅×高さ)を使用して計算した。in vivo腫瘍増殖曲線(平均+ SEM)を示す。p値を、対応の無い両側t検定を用いて導出した。p値(p<0.02、スチューデントの対応の無いt検定)は、a-PD1-TIM3ecdと各他の処置群との間の有意差を示す。 (B)免疫を欠損しているNSGマウス(NOD/Shi-scid IL-2rgnull)(4‐8週齢)を、200 cGyで照射し、HLA A2適合のヒトCD34+.造血細胞を養子移植することにより、免疫的に再構成した。再構成したヒト化マウスに、ヒト・トリプル・ネガティブ乳がん(TNBC)HLA A2+ 腫瘍細胞(MDA-MB-231-Luc)(マトリゲル中1x106;乳房脂肪体)を皮下注射した。腫瘍を接種した後3日目に、マウスを無作為化し、担体単独(未処置コントロール)又は以下の抗体の何れかで処置した(5 mg/kg i.p毎週):a-PD1-TIM3ecd、a-PD1 mAb(ニボルマブ)、a-ヒトTIM3 Ab(F38-2E2)、a-PD1 mAb及びa-TIM3 Abの組合せ[>=5マウス/群]。腫瘍サイズを、前記処置群に対して盲検で測定し、そして腫瘍体積を、公式(長さ×幅×高さ)を使用して計算した。in vivo腫瘍増殖曲線(平均+ SEM)を示す。p値を、対応の無い両側t検定を用いて導出した。前記p値(p<0.02、スチューデントの対応の無いt検定)は、a-PD1-TIM3ecdと各他の処置群との間の有意差を示す。
図6。a-PDL1-TIM3ecdは、a-PD-L1、a-PD-1、a-TIM-3、又はa-PD-L1とa-TIM-3の組合せよりも効果的に腫瘍増殖を阻害する。免疫を欠損しているNSGマウス(NOD/Shi-scid IL-2rgnull)(4〜8週齢)を200 cGyで照射し、HLA A2ヒトCD34+.造血細胞を養子移植することにより、免疫的に再構成した。再構成したヒト化マウスに、ヒト・トリプル・ネガティブ乳がん(TNBC)HLA A2+ 腫瘍細胞(MDA-MB-231-Luc)(マトリゲル中1x106;乳腺脂肪体)を皮下注射した。腫瘍を接種した後3日目に、マウスを無作為化し、担体単独(未処置コントロール)又は以下の抗体の何れかで処置した(5 mg/kg i.p毎週):a-PDL1-TIM3ecd、a-PD1 mAb(アテゾリズマブ)、a-PD1 mAb(ペムブロリズマブ)、a-ヒトTIM3 Ab(F38-2E2)、a-PD-L1 mAb及びa-TIM3 Abの組合せ[>=5マウス/群]。 (A)腫瘍サイズを、処置群に対して盲検で測定し、そして腫瘍体積を、公式(長さ×幅×高さ)を使用して計算した。in vivo腫瘍増殖曲線(平均+ SEM)を示す。p値は、対応の無い両側t検定を用いて導出した。前記p値(p<0.02、スチューデントの対応の無いt検定)は、a-PDL1-TIM3ecdと各他の処置群との間の有意差を示す。 (B)未処置コントロール又は腫瘍細胞接種後7日目及び27日目の示された処置群における原発腫瘍の生物発光アッセイ。 (C)腫瘍におけるT細胞密度の定量:腫瘍体積及びフロー・サイトメトリーを用いて、腫瘍1 mm3当たりのCD4+及びCD8+ T細胞の絶対数を評価した。
図7。ターゲット・エピトープに結合するターゲティング抗体、TIM-3のリガンド結合IgVエクトドメイン配列(TIM-3ecd)、及びPD-1のリガンド結合エクトドメイン配列(PD-1ecd)を含む、本発明の多機能性の抗体‐リガンド・トラップの模式図。前記多機能性の抗体‐リガンド・トラップはターゲット・エピトープに(抗原結合CDRを介して)結合し、PD-1 リガンド、PD-L1及びPD-L2(PD-1ecdを介して)並びにTIM-3 リガンド(CEACAM-1)(TIM-3ecdを介して)に結合することができる。(A)ターゲティング抗体を含む本発明の多機能性の抗体‐リガンド・トラップの模式図である、ここで、前記抗体の重鎖は、リンカーを介してTIM-3のリガンド結合IgVエクトドメイン配列(TIM-3ecd: 配列番号(SEQ ID NO): 2)に、C末端で融合する、及び前記抗体の軽鎖は、リンカーを介してPD-1のリガンド結合エクトドメイン配列(PD-1ecd: 配列番号(SEQ ID NO): 7)に、C末端で融合する。ある態様では、前記リンカーは、(GGGGS)n(配列番号(SEQ ID NO): 3)というペプチドである。(B) ターゲティング抗体を含む本発明の多機能性の抗体‐リガンド・トラップの模式図である、ここで、前記抗体の重鎖は、リンカー・ペプチドを介してPD-1のリガンド結合エクトドメイン配列(PD-1ecd: 配列番号(SEQ ID NO): 7)に、C末端で融合する、及び前記抗体の軽鎖は、リンカー・ペプチドを介してTIM-3のリガンド結合IgVエクトドメイン配列(TIM-3ecd: 配列番号(SEQ ID NO): 2)に、C末端で融合する。ある態様では、前記リンカーは、(GGGGS)n(配列番号(SEQ ID NO): 3)というペプチドである。種々の実施形態において、本発明の多機能性の抗体‐リガンド・トラップのターゲティング抗体は、以下の分子のうちの1つと結合する:細胞傷害性Tリンパ球関連抗原-4(CTLA-4、CD152)、B7-H3(CD276)、T細胞活性化のVドメインIgサプレッサー(VISTA)、VSIG8、B-及びT-リンパ球アテニュエーター、ヘルペスウイルス侵入メディエーター(HVEM)、CD160、T細胞Ig及びITMドメイン(TIGIT)、CD226、CD96、リンパ球活性化遺伝子-3(LAG-3)、形質転換増殖因子β (TGF-β)、形質転換増殖因子βレセプター(TGF-βR)、4-1BB(CD137)、誘導性T細胞共-刺激因子(Inducible T-Cell Costimulator (ICOS))、OX-40(CD134)、グルココルチコイド誘導性TNFR関連タンパク質(GITR)、IL6R、IL23R、IL17R、IL-6、IL-23、IL-17、CD39、CD73、CCR4、CCR5、CXCR4、IL12R、CD4、CD25、CD3、上皮成長因子レセプター(EGFR、EGFR1、ErbB-1、HER1)、ErbB-2 (HER2/neu)、ErbB-3/HER3、ErbB-4/HER4、EGFR リガンド、血管内皮増殖因子(VEGF)、VEGFR (VEGFR1、VEGFR2)、RANKリガンド(RANKL)、RANK、gp120。
図8。CTLA-4に結合するターゲティング抗体、TIM-3のリガンド結合IgVエクトドメイン配列(TIM-3ecd)、及びPD-1のリガンド結合エクトドメイン配列(PD-1ecd)を含む、本発明の多機能性の抗体‐リガンド・トラップの模式図。前記多機能性の抗体‐リガンド・トラップは、CTLA-4に(抗原結合CDRを介して)結合し、PD-1 リガンド、PD-L1及びPD-L2に(PD-1ecdを介して)、並びにTIM-3 リガンド(CEACAM-1)に(TIM-3ecdを介して)結合することができる。(A)CTLA-4に結合するターゲティング抗体を含む、本発明の多機能性の抗体‐リガンド・トラップの模式図である、ここで、前記抗体の重鎖は、リンカー・ペプチドを介してTIM-3のリガンド結合IgVエクトドメイン配列に、C末端で融合する(配列番号(SEQ ID NO): 207)、及び前記抗体の軽鎖は、リンカー・ペプチドを介してPD-1のリガンド結合エクトドメイン配列に、C末端で融合する(配列番号(SEQ ID NO): 208)。ある態様では、前記リンカーは、(GGGGS)n(配列番号(SEQ ID NO): 3)というペプチドである。(B) CTLA-4に結合するターゲティング抗体を含む、本発明の多機能性の抗体‐リガンド・トラップの模式図である、ここで、前記抗体の重鎖は、リンカー・ペプチドを介してPD-1のリガンド結合エクトドメイン配列に、C末端で融合する(配列番号(SEQ ID NO): 205)、及び前記抗体の軽鎖は、リンカー・ペプチドを介してTIM-3のリガンド結合IgVエクトドメイン配列に、C末端で融合する(配列番号(SEQ ID NO): 206)。ある態様では、前記リンカーは、(GGGGS)n(配列番号(SEQ ID NO): 3)というペプチドである。
図9。ターゲット・エピトープに結合するターゲティング抗体、TIM-3のリガンド結合IgVエクトドメイン配列(TIM-3ecd)、及びTGFβRIIのリガンド結合エクトドメイン配列(TGFβRIIecd)を含む、本発明の多機能性の抗体‐リガンド・トラップの模式図。前記多機能性の抗体‐リガンド・トラップは、ターゲット・エピトープに(抗原結合CDRを介して)結合し、TGFβに(TGFβRIIecdを介して)及びTIM-3 リガンド(CEACAM-1)に(TIM-3ecdを介して)結合することができる。ある実施形態では、本発明の多機能性の抗体‐リガンド・トラップは、ターゲティング抗体を含む、ここで、前記抗体の重鎖は、リンカー・ペプチドを介してTGFβRIIのリガンド結合エクトドメイン配列(TGFβRIIecd)に、C末端で融合する(配列番号(SEQ ID NO): 6)、及び前記抗体の軽鎖は、リンカー・ペプチドを介してTIM-3のリガンド結合IgVエクトドメイン配列(TIM-3ecd: 配列番号(SEQ ID NO): 2)に、C末端で融合する。ある態様では、前記リンカーは、(GGGGS)n(配列番号(SEQ ID NO): 3)というペプチドである。種々の実施形態において、本発明の多機能性の抗体‐リガンド・トラップのターゲティング抗体は、以下の分子のうちの1つと結合する:細胞傷害性Tリンパ球関連抗原-4(CTLA-4、CD152)、プログラム死-1タンパク質(PD-1)、プログラム死リガンド(PD-L1)、プログラム死リガンド(PD-L2)、B7-H3(CD276)、T細胞活性化のVドメインIgサプレッサー(VISTA)、VSIG8、B-及びT-リンパ球アテニュエーター、ヘルペスウイルス侵入メディエーター(HVEM)、CD160、T細胞Ig及びITMドメイン(TIGIT)、CD226、CD96、リンパ球活性化遺伝子-3(LAG-3)、4-1BB(CD137)、誘導性T細胞共-刺激因子(Inducible T-Cell Costimulator (ICOS))、OX-40(CD134)、グルココルチコイド誘導性TNFR関連タンパク質(GITR)、IL6R、IL23R、IL17R、IL-6、IL-23、IL-17、CD39、CD73、CCR4、CCR5、CXCR4、IL12R、CD4、CD25、CD3、上皮成長因子レセプター(EGFR、EGFR1、ErbB-1、HER1)、ErbB-2 (HER2/neu)、ErbB-3/HER3、ErbB-4/HER4、EGFR リガンド、血管内皮増殖因子(VEGF)、VEGFR (VEGFR1、VEGFR2)、RANKリガンド(RANKL)、RANK。
図10。T細胞阻害レセプター又はリガンドに結合するターゲティング抗体、TIM-3のリガンド結合IgVエクトドメイン配列(TIM-3ecd)、及びTGFβRIIのリガンド結合エクトドメイン配列(TGFβRIIecd)を含む、本発明の多機能性の抗体‐リガンド・トラップの模式図。(A)PD-1に結合するターゲティング抗体、TIM-3のリガンド結合IgVエクトドメイン配列(TIM-3ecd)、及びTGFβRIIのリガンド結合エクトドメイン配列(TGFβRIIecd)を含む、本発明の多機能性の抗体‐リガンド・トラップの模式図。ある実施形態では、本発明の多機能性の抗体‐リガンド・トラップは、PD-1に結合するターゲティング抗体を含む、ここで、前記抗体の重鎖は、リンカー・ペプチドを介してTGFβRIIのリガンド結合エクトドメイン配列(TGFβRIIecd) (配列番号(SEQ ID NO): 6)に、C末端で融合する、及び前記抗体の軽鎖は、リンカー・ペプチドを介してTIM-3のリガンド結合IgVエクトドメイン配列(TIM-3ecd: 配列番号(SEQ ID NO): 2)に、C末端で融合する。ある態様では、前記リンカーは、(GGGGS)n(配列番号(SEQ ID NO): 3)というペプチドである。ある実施例では、多機能性の抗体‐リガンド・トラップは、配列番号(SEQ ID NO): 273に対応する重鎖と、配列番号(SEQ ID NO): 274に対応する軽鎖とを含む。別の実施例では、多機能性の抗体‐リガンド・トラップは、配列番号(SEQ ID NO): 277に対応する重鎖と、配列番号(SEQ ID NO): 278に対応する軽鎖とを含む。(B) PD-L1に結合するターゲティング抗体、TIM-3のリガンド結合IgVエクトドメイン配列(TIM-3ecd)、及びTGFβRIIのリガンド結合エクトドメイン配列(TGFβRIIecd)を含む、本発明の多機能性の抗体‐リガンド・トラップの模式図。ある実施形態では、本発明の多機能性の抗体‐リガンド・トラップは、PD-L1に結合するターゲティング抗体を含む、ここで、前記抗体の重鎖は、リンカー・ペプチドを介してTGFβRIIのリガンド結合エクトドメイン配列(TGFβRIIecd) (配列番号(SEQ ID NO): 6)に、C末端で融合する、及び前記抗体の軽鎖は、リンカー・ペプチドを介してTIM-3のリガンド結合IgVエクトドメイン配列(TIM-3ecd: 配列番号(SEQ ID NO): 2)に、C末端で融合する。ある態様では、前記リンカーは、(GGGGS)n(配列番号(SEQ ID NO): 3)というペプチドである。ある実施例では、多機能性の抗体‐リガンド・トラップは、配列番号(SEQ ID NO): 285に対応する重鎖と、配列番号(SEQ ID NO): 285に対応する軽鎖とを含む。別の実施例では、多機能性の抗体‐リガンド・トラップは、配列番号(SEQ ID NO): 281に対応する重鎖と、配列番号(SEQ ID NO): 282に対応する軽鎖とを含む。(C)CTLA-4に結合するターゲティング抗体、TIM-3のリガンド結合IgVエクトドメイン配列(TIM-3ecd)、及びTGFβRIIのリガンド結合エクトドメイン配列(TGFβRIIecd)を含む、本発明の多機能性の抗体‐リガンド・トラップの模式図。ある実施形態では、本発明の多機能性の抗体‐リガンド・トラップは、CTLA-4に結合するターゲティング抗体を含む、ここで、前記抗体の重鎖は、リンカー・ペプチドを介してTGFβRIIのリガンド結合エクトドメイン配列(TGFβRIIecd) (配列番号(SEQ ID NO): 6)に、C末端で融合する、及び前記抗体の軽鎖は、リンカー・ペプチドを介してTIM-3のリガンド結合IgVエクトドメイン配列(TIM-3ecd: 配列番号(SEQ ID NO): 2)に、C末端で融合する。ある態様では、前記リンカーは、(GGGGS)n(配列番号(SEQ ID NO): 3)というペプチドである。ある実施例では、多機能性の抗体‐リガンド・トラップは、配列番号(SEQ ID NO): 203に対応する重鎖と、配列番号(SEQ ID NO): 204に対応する軽鎖とを含む。
図11。ターゲット・エピトープに結合するターゲティング抗体、PD-1のリガンド結合エクトドメイン配列(PD-1ecd)、及びTGFβRIIのリガンド結合エクトドメイン配列(TGFβRIIecd)を含む、本発明の多機能性の抗体‐リガンド・トラップの模式図。前記多機能性の抗体‐リガンド・トラップはターゲット・エピトープに(抗原結合CDRを介して)結合し、TGFβに(TGFβRIIecdを介して)並びにPD-1 リガンド、PD-L1及びPD-L2に(PD-1ecdを介して)結合することができる。ある実施形態では、本発明の多機能性の抗体‐リガンド・トラップは、ターゲティング抗体を含む、ここで、前記抗体の重鎖は、リンカー・ペプチドを介してTGFβRIIのリガンド結合エクトドメイン配列(TGFβRIIecd) (配列番号(SEQ ID NO): 6)に、C末端で融合する、及び前記抗体の軽鎖は、リンカー・ペプチドを介してPD-1のリガンド結合エクトドメイン配列(PD1ecd: 配列番号(SEQ ID NO): 7)に、C末端で融合する。ある態様では、前記リンカーは、(GGGGS)n(配列番号(SEQ ID NO): 3)というペプチドである。種々の実施形態において、本発明の多機能性の抗体‐リガンド・トラップのターゲティング抗体は、以下の分子のうちの1つと結合する:細胞傷害性Tリンパ球関連抗原-4(CTLA-4、CD152)、T細胞免疫グロブリン及びムチン-ドメイン含有-3(T-cell immunoglobulin and mucin-domain containing-3 (TIM-3))、CEACAM-1、がん胎児性抗原(CEA)、T細胞活性化のVドメインIgサプレッサー(VISTA)、VSIG8、B-及びT-リンパ球アテニュエーター(BTLA)、ヘルペスウイルス侵入メディエーター(HVEM)、CD160、T細胞Ig及びITMドメイン(TIGIT)、CD226、CD96、リンパ球活性化遺伝子-3(LAG-3)、4-1BB(CD137)、誘導性T細胞共-刺激因子(Inducible T-Cell Costimulator (ICOS))、OX-40(CD134)、グルココルチコイド誘導性TNFR関連タンパク質(GITR)、IL6R、IL23R、IL17R、IL-6、IL-23、IL-17、CD39、CD73、CCR4、CCR5、CXCR4、IL12R、CD4、CD25、CD3、上皮成長因子レセプター(EGFR、EGFR1、ErbB-1、HER1)、ErbB-2 (HER2/neu)、ErbB-3/HER3、ErbB-4/HER4、EGFR リガンド、血管内皮増殖因子(VEGF)、VEGFR、RANKリガンド(RANKL)、RANK。
図12。種々の実施形態において、本発明の多機能性の抗体‐リガンド・トラップは、T細胞阻害レセプター又はリガンドに結合するターゲティング抗体、PD-1のリガンド結合エクトドメイン配列(PD-1ecd)、及びTGFβRIIのリガンド結合エクトドメイン配列(TGFβRIIecd)を含む。ある実施形態では、本発明の多機能性の抗体‐リガンド・トラップは、CTLA-4に結合するターゲティング抗体を含む、ここで、前記抗体の重鎖は、リンカー・ペプチドを介してTGFβRIIのリガンド結合エクトドメイン配列(TGFβRIIecd) (配列番号(SEQ ID NO): 203)に、C末端で融合する、及び前記抗体の軽鎖は、リンカー・ペプチドを介してPD-1のリガンド結合エクトドメイン配列(PD1ecd: 配列番号(SEQ ID NO): 202)に、C末端で融合する。ある態様では、前記リンカーは、(GGGGS)n(配列番号(SEQ ID NO): 3)というペプチドである。ある実施例では、多機能性の抗体‐リガンド・トラップは、配列番号(SEQ ID NO): 202に対応する重鎖と、配列番号(SEQ ID NO): 203に対応する軽鎖とを含む。
抗体‐リガンド・トラップ(Y-トラップ)の設計及び特徴付け。
抗体重鎖のcDNA及び抗体軽鎖のcDNAを合成し、その後、哺乳動物プロモーター及びポリアデニル化シグナルの制御下に別々のプラスミド(pEvi3;エビトリアAG、スイス)中にクローニングした。プラスミドDNAを大腸菌中で増幅し、DNAを、低エンドトキシンのプラスミドDNAを調製するための陰イオン交換キットを用いて精製した。DNA濃度は、260nmの波長での吸収を測定することによって決定した。配列の正確性を、サンガー・シークエンシングによって検証した(cDNAの大きさに応じて、遺伝子あたり最大2回のシークエンシング反応を行う)。その後、重鎖用及び軽鎖用のプラスミドDNAを、懸濁状態に適応させたCHO K1細胞(元々はATCCから入手し、evitriaで、縣濁培養での無血清増殖に適応させた)に共トランスフェクトした。種培養を、化学的に規定した動物成分を含まない無血清培地であるeviGrow培地中で増殖させた。細胞をeviFect(evitria AG、スイス)でトランスフェクトした。CHO細胞を、無血清動物成分非含有培地であるeviMake2(evitria AG、スイス)中で培養した。生存率が75%に達したら(これはトランスフェクション後8日目に起こった)生産を終了した。上清を遠心分離及びその後のろ過(0.2 umフィルター)によって回収した。抗体をMabSelect登録商標 Sure登録商標を用いて精製した。CHO-K1細胞上清から精製した抗体のタンパク質同定を、液体クロマトグラフィーFTFTタンデム・マス・スペクトロメトリー(LCMS/MS)を使って重鎖(HC)及び軽鎖(LC)のアミノ酸配列を確認することによって行った(例えば、図2A.a-PDL1-TIM3ecd及びa-PD1-TIM3ecd)。還元及び非還元条件下でのSDS-PAGEを行って、抗体‐リガンド・トラップ及びそれらの対応する親抗体の全長、重鎖及び軽鎖を比較した[例えば、図3A。a-PDL1-TIM3ecd、a-PD1-TIM3ecd、a-PDL1 mAb(アテゾリズマブ)及びa-PD1 mAb(ニボルマブ)]。
抗体‐リガンド・トラップのターゲット結合能。
(i)PD-1 リガンドへの結合(ELISA):ビオチン化rhPD-L1(0〜250 ng/ml)を、抗体‐リガンド・トラップ(1μg/ml)又はa-PDL1抗体(アテゾリズマブ)(ポジティブ・コントロール)(1μg/ml)のいずれかでコーティングしたELISAプレートに添加し、HRP-アビジン(R&Dシステム)によって検出した。各実験は、示した各条件についてトリプリケートのウェルを用いて2回行った。a-PDL1-TIM3(1μg/ml)又はa-PDL1抗体(アテゾリズマブ)(ポジティブ・コントロール)(1μg/ml)のrhPD-L1結合能を示すELISAを図3Aに示す。このアッセイを使用して、PD-1エクトドメインのリガンド結合配列(PD-1ecd)を含む任意の抗体‐リガンド・トラップが、ビオチン化rhPD-L1及びrhPD-L2に結合することも評価した。
(ii)PD-1への結合(ELISA):ビオチン化rhPD-1(0〜250 ng/ml)を、抗体‐リガンド・トラップ(1μg/ml)又はa-PD1抗体(ニボルマブ又はペムブロリズマブ)(ポジティブ・コントロール)(1μg/ml)のいずれかでコーティングしたプレートに添加し、HRP-アビジン(R&Dシステム)によって検出した。各実験は、示した各条件についてトリプリケートのウェルを用いて2回行った。a-PD1-TIM3ecdのrhPD-1への結合を示すELISAを図3Aに示す。このアッセイを使用して、PD-1ターゲティング抗体を含む任意の抗体‐リガンド・トラップの結合も評価した。
(iii)in vitroでのTIM-3 リガンド/共-阻害レセプター(CEACAM-1)への結合。rhCEACAM-1(5 μg)を、TIM-3エクトドメイン(TIM3ecd)のリガンド結合配列を含む抗体‐リガンド・トラップ(抗体-TIM3ecd)又はa-gp120-TIM3ecd(ポジティブ・コントロール)(それぞれ10μg)が存在する又は存在しない下でインキュベートし(一晩、4oC)、続いてプロテインA-アガロース・ビーズ(10 μl)と6時間インキュベートし、次いでプロテインA-アガロース・ビーズで免疫沈降させた。沈殿した複合体を免疫沈降バッファーで洗浄し、還元剤を含むNuPAGEサンプル・バッファーに再懸濁し、煮沸し、Bis-Tris Criterion XTゲル系で分離し、PVDF膜に転写した。膜を、一次抗体[CEACAM1(D1P4T); TIM3(D5D5RTM)]で一晩イムノブロットし、洗浄し、二次抗体と共にインキュベートし、アマシャムECLウェスタンブロット検出試薬によって可視化した。a-PD1-TIM3ecd及びa-PDL1-TIM3ecdが、in vitroで組換えヒト(rh)CEACAM-1に結合することを図2Cに示す。イムノブロット解析により、a-PD1-TIM3ecd、a-PDL1-TIM3ecd、及びa-gp120-TIM3ecdのプロテインAでプルダウンした免疫沈降物中に、rhCEACAM-1が検出されたが、a-PD-L1 mAb(アテゾリズマブ)又はa-PD1 mAb(ニボルマブ)の免疫沈降物中には、rhCEACAM-1は検出されなかった(図2C)。このアッセイを使用して、TIM-3 エクトドメイン(TIM-3ecd)のリガンド結合配列のリガンド結合配列を含む任意の抗体‐リガンド・トラップがrh ACAM-1 に結合することも評価した。
(iv)共-刺激されたヒトT細胞上のTIM-3 リガンド/共-阻害レセプター(CEACAM-1)への結合。ヒトPBMCを、TIM3ecd(抗-TIM-3ecd)のリガンド結合配列を含む抗体‐リガンド・トラップ又はa-gp120-TIM3ecd(ポジティブ・コントロール)(それぞれ10μg)が存在する又は存在しない下で、ImmunoCult培地(STEMCELL technologies)中、抗-CD3/抗-CD28 ビーズで、6日間、共-刺激した。細胞溶解物をプロテインA-アガロース・ビーズ(10 μL)で6時間免疫沈降させた。その沈降した複合体を免疫沈降バッファーで洗浄し、還元剤を含むNuPAGEサンプル・バッファーに再懸濁し、煮沸し、Bis-Tris Criterion XTゲル系で分離し、PVDF膜に転写した。膜を一次抗体[CEACAM1(D1P4T); TIM3(D5D5RTM)]で一晩イムノブロットし、洗浄し、二次抗体と共にインキュベートし、アマシャムECLウェスタンブロット検出試薬によって可視化した。a-PD1-TIM3ecd及びa-PDL1-TIM3ecdが、共-刺激したヒトT細胞のCEACAM-1に結合することを図2Dに示す。CEACAM-1抗体を用いたイムノブロット解析により、a-PD1-TIM3ecd及びa-PDL1-TIM3ecdで処理した細胞の溶解物のプロテインA‐免疫沈降物においては、CEACAM-1が検出されたが、a-PD-L1 mAb(アテゾリズマブ)又はa-PD1 mAb(ニボルマブ)で処理した細胞の溶解物の免疫沈降物においては、CEACAM-1は検出されなかった。TIM-3ecd抗体を用いたイムノブロット解析では、a-PD1-TIM3ecd及びa-PDL1-TIM3ecdで処理した細胞の溶解物のプロテインA免疫沈降物中においては、a-PD1-TIM3ecd又はa-PDL1-TIM3ecdの重鎖を検出したが、a-PD-L1 mAb(アテゾリズマブ)、又はa-PD1 mAb(ニボルマブ)で処理した細胞の溶解物の免疫沈降物中では、検出されかった。このアッセイを使用して、TIM-3エクトドメインのリガンド結合配列(TIM-3ecd)を含む任意の抗体‐リガンド・トラップが、共-刺激したヒトT細胞上のCEACAM-1に結合することも評価した。
(v)TGFβへの結合(ELISA)。TGFβRIIエクトドメイン(TGFβRII)のリガンド結合配列を含む抗体‐リガンド・トラップ(抗体-TGFβRIIecd)のTGFβ結合能をELISAによって評価した、ここで、組換えヒトTGFβ(rhTGFβ1;0〜2000 pg/ml)を抗体-TGFβRII(1 βg/ml)でコーティングしたプレートに添加し、これをビオチン化抗-TGFβ1及びHRP-アビジン(R&Dシステム)によって検出した。非特異的なIgG-TGFβRII及びrhTGFβRII-Fcでコーティングしたプレートを、試験サンプルのTGFβへの結合能を解析するためのポジティブ・コントロールとして利用した。
標準的なELISAを使用して、任意の抗体‐リガンド・トラップが、一次抗体のターゲットに結合し、更に融合した同族レセプター・エクトドメイン配列(レセプターecd)がターゲットとするリガンドも捕捉する、という多機能性を評価した。それぞれのケースにおいて、ELISAプレートを抗体‐リガンド・トラップ(1 μg/ml)でコーティングし、続いてビオチン化ターゲット分子(0〜1000 ng/ml)を加え、HRP-アビジン(R&Dシステム)を用いて検出した。
IFNγ発現を促進し、共-刺激されたT細胞の疲弊を打ち消す抗体‐リガンド・トラップの作用能:
(A) a-PD1-TIM3ecd、a-PDL1-TIM3ecd、a-PD-L1 mAb(アテゾリズマブ)、a-PD1 mAb(ニボルマブ)、a-ヒトTIM3 Ab(F38-2E2)、又はa-PD1 mAbとa-TIM3 Abの組合せ(それぞれ5□g/ml)の存在下又は非存在下で、ヒトPBMCを、抗-CD3/抗-CD28 ビーズ(5μl/ml)及びrhIL-2で3〜9日間刺激した。示された各時(3日目、6日目、及び9日目)での細胞上清中のインターフェロンγ(IFN-γ)をELISAによって定量した(データは、各群について、in vitroのトリプリケートの平均± SEMを表す)。ELISAにより、a-PDL1(アテゾリズマブ)、a-PD-1(ペムブロリズマブ)、aTIM-3 Ab、又はa-PD1 mAbとa-TIM3 Abの組合せすら、のいずれと比較しても、a-PDL1-TIM3ecd及びa-PD1-TIM3ecdが、in vitroで、共-刺激されたT細胞のIFNγ発現を促進し、及び疲弊を抑制するのに有意に効果的であることが示された。
(B)a-PD1-TIM3ecd、a-PDL1-TIM3ecd、a-PD-L1 mAb(アテゾリズマブ)、a-PD1 mAb(ニボルマブ)、a-ヒトTIM3 Ab(F38-2E2)、又はa-PD1 mAbとa-TIM3 Abの組合せ(それぞれ5μg/ml)の存在下又は非存在下で、ヒトPBMCを、抗-CD3/抗-CD28 ビーズ(5μl/ml)及びrhIL-2で16時間又は40時間刺激し、細胞上清中のIFN-γをELISAにより定量した(in vitroトリプリケート/群の平均±SEM)。a-PDL1(アテゾリズマブ)、a-PD-1(ペムブロリズマブ)、aTIM-3 Ab、又はa-PD1 mAbとa-TIM3 Abの組合せすら、のいずれと比較しても、a-PDL1-TIM3ecdは、in vitroで共-刺激されたT細胞によるIFNγ発現を有意に効果的に促進した [データは、抗体なしの共-刺激と比較して、それぞれの抗体処理群におけるIFNγ発現の倍数変化を表す]。
(C)a-PD1-TIM3ecdは、共-刺激したT細胞におけるIFNγの発現がTGFβを介して抑制されることを、打ち消す。rhTGFβ1(5 ng/ml)の存在下又は非存在下で、a-PDL1-TIM3(5 μg/ml)の添加又は非添加のどちらかで、ヒトPBMCを、抗-CD3/抗-CD28及びrhIL-2で16時間又は40時間刺激し、細胞上清中のインターフェロン-γ(IFN-γ)をELISAにより定量した(データは、それぞれの群についてin vitroのトリプリケートの平均± SEMを表す)。
ヒト腫瘍異種移植片を有するヒト化マウスの処置。免疫不全NSGマウス(NOD/Shi-scid IL-2rgnull)(4〜8週齢)を、正常ドナー由来のヒト末梢血単核細胞(PBMC)又はヒト骨髄CD34+細胞を養子移植することで、再構成した。ヒト化マウスにヒト腫瘍細胞を接種した。腫瘍を接種した後、マウスを盲検ブロック・ランダム化を用いて群に割り付け、担体単独(未処置コントロール)又は以下の抗体:a-PDL1-TIM3ecd;a-PDL1-TIM3ecd、a-PDL1(アテゾリズマブ);a-TIM-3;a-PD-1(ペムブロリズマブ);a-PDL1とa-TIM-3の組合せ;a-PDL1とa-TIM-3の組合せ、で処置した(5 mg/kg腹腔内投与、5日毎)。
原発腫瘍の生物発光イメージング。MDA-MB-231-Lucを有するマウスにおける腫瘍負荷を、Xenogen IVIS Spectrumシステムを用いたin vivoルシフェラーゼ活性の可視化によって評価した。ルシフェリンを50 mg/kgの腹腔内投与で注射した10分後に、画像を取得した。転移を検出するために、各動物の下部を遮蔽することで、原発腫瘍からの生物発光を最小限にして、再画像化をした。肺を採取し、ex vivoで画像化して、in vivoでの観察を検証した。光子束を用いて、処置群間の腫瘍負荷の差を定量化した。
治療効果の評価:腫瘍サイズを6週間毎週測定し[長さ、幅、高さ]、腫瘍体積を計算した。腫瘍増殖阻害(%TGI)値を、処置群(T)及び未処置コントロール群(C)についての初期(i)及び最終(f)腫瘍体積を使用して、式: %TGI =[1-(Tf-Ti)/(Cf-Ci)]×100によって、計算した。
T細胞の免疫表現型解析‐フロー・サイトメトリー
以下のようなT細胞の免疫表現型解析のために、腫瘍、排出リンパ節(draining lymph node (DLN))、及び骨髄(BM)を、未処置コントロール群及び処置群のマウスから(治療の終わりに)採取した:(a)調節性T細胞:各群のマウスから単離した腫瘍浸潤、DLN、又はBM T細胞におけるTregを、フロー・サイトメトリーによって測定した。細胞を抗ヒトCD4-PE、抗ヒトCD25-PE-CYTM5、及び抗ヒトCD127-FITC(BD Biosciences)で細胞外染色した。次に、前記細胞を透過性にし、抗ヒトFOXP3-APC又はその対応するアイソタイプのコントロールIgG1-APC(eBioscience)で細胞内染色し、次にフロー・サイトメトリーにより分析してTreg(CD4+ CD25+CD127low FOXP3+細胞)を定量した。(b)メモリーT細胞:中央メモリー(central memory)(CD45RO+ CD62L+)又はエフェクター・メモリー(CD45RO+ CD62L-)の免疫表現型を有するCD8+及びCD4+ T細胞を、各群のマウスから単離したBM、DLN及び腫瘍浸潤T細胞において測定した。細胞を抗ヒトCD4-PE、抗ヒトCD8-PE-CYTM7、抗ヒトCD45RO-APC、及び抗ヒトCD62L-FITC(BD Biosciences)で染色し、フロー・サイトメトリーにより解析して、中央メモリー(central memory)の表現型(CD45RO CD62L)を有するT細胞を定量した。(c)IFNγを発現する腫瘍反応性CD4+及びCD8+T細胞:T細胞で腫瘍特異的なIFNγ発現を評価するために、DLN又はBM細胞を、腫瘍細胞溶解物、非特異的コントロール・ペプチド、又は培地の存在下でプレートに播種(2x105細胞/ウェル)した。細胞を72時間培養した後、ゴルジ・ストップ(Golgi stop)と共に4時間インキュベートした。細胞を抗-CD4-FITC及び抗-CD8-APC抗体で細胞外染色し、透過性にして、抗-CD4-FITC及び抗-CD8-APC抗体で細胞外染色した細胞を抗-IFNγで細胞内染色した。(d)原発腫瘍中のT細胞密度:腫瘍体積を計算し、フロー・サイトメトリーを用いて腫瘍の1 mm3当たりのCD4+及びCD8+ T細胞の絶対数を計算した。
TMEにおける免疫阻害レセプター/リガンドの評価:
未処置コントロール群及び処置群(処置の最後)のマウスに由来する腫瘍を、T細胞の活性化を阻害するか、又はT細胞の疲弊を誘導する以下の免疫レセプター/リガンドの発現について解析した:(a)腫瘍浸潤T細胞、DLN T細胞、及び腫瘍細胞上でのPD-1及びPD-L1の発現:細胞を、抗ヒトCD4-APC、CD8-FITC、並びに抗ヒトPD-1-PE又はPD-L1-PEのいずれかで染色し、PD-1又はPD-L1を発現するT細胞及びPD-L1を発現する腫瘍細胞の平均百分率を、フロー・サイトメトリーによって定量した。腫瘍におけるPD-L1発現のレベルもまた、IHCによって評価した。(b)腫瘍浸潤T細胞、DLN T細胞及び腫瘍細胞におけるTIM-3及びTIM-3 リガンド(ガレクチン-9及びCEACAM-1)の発現:細胞を抗ヒトCD4-APC、CD8-FITC、及び抗ヒトTIM-3-PE、ガレクチン-9-PE、又はCEACAM-1-PE(BD Biosciences)で染色し、TIM-3を発現するT細胞及びガレクチン-9又はCEACAM-1を発現する腫瘍細胞の平均百分率を、フロー・サイトメトリーによって定量した。(c)TGFβシグナリング:T細胞のイムノブロット解析‐Smad-2/3/4発現及び活性(リン酸化)。
TILにおける免疫不全のシグネチャの評価(Tregの上昇及び/又はT細胞の疲弊)。RNAを腫瘍から(全ての処置群及びコントロール群から)抽出し、RNA-Seqを行った(品質チェック、ライブラリー調製、シークエンシング及びデータ処理を含む)。がんの単一細胞RNAシークエンシング・データからの細胞タイプ固有の参照遺伝子発現プロファイル(reference gene expression profiles (RGEPs))を使用して、数学的デコンボリューションを、バルクRNA-Seqデータに適用した。デコンボリューションは、ナイーブ様、調節性、細胞傷害性、及び疲弊として、4種のT細胞サブタイプのアノテーション(annotation)が容易になるように、発現が異なる遺伝子のコレクションを使用して実行し、各サブタイプの推定比率を各サンプルに対して計算した105。このアプローチを使用して、T細胞マーカーの発現が異なることに基づいて、4種の異なるT細胞サブタイプ(CD4+ TH1細胞、CD4+Treg、CD8+細胞傷害性T細胞、及びCD8+疲弊T細胞)に関する相対的なインデックスを評価した。以下の比率を、腫瘍に浸潤したCD4+又はCD8+ TILの種々のサブセットの割合の数値的な代用として利用した:(i)Treg / TH1及び(ii)消耗したCD8+ T細胞/細胞傷害性CD8+ T細胞。同時に、TH1細胞を特徴付ける特定のマーカーの発現(TBET、IFNγ細胞(TBET、IFNedCD8+ T細胞/細胞傷害性CD8+ T細胞。同時に、特定の発現を並列マルチプレックスRT-PCR反応(QuantiTect、Qiagen)で測定し、以下の比率を計算した:(i)Treg/TH1 = FOXP3/TBET又はCTLA-4 /IFNγ;(ii)疲弊したT細胞/細胞傷害性T細胞=(TIM3 + PD-1)/GZMB。RNA-Seqデータも使用して、免疫抑制リガンドの発現を評価する。
上記の実施例に関連して本発明を説明したが、改変及びバリエーションが、本発明の本旨及び範囲に包含されることが理解されるのであろう。従って、本発明は、以下の特許請求の範囲によってのみ制限される。

Claims (15)

1つ以上の免疫調節部分及びターゲティング部分を含む分子、ここで、
(a) 前記1つ以上の免疫調節部分は、T細胞共-阻害分子の細胞外ドメイン(ECD)のリガンド結合配列を含む、ここで、前記T細胞共-阻害分子は、B及びTリンパ球アテニュエーター(attenuator)(BTLA)又はT-細胞免疫グロブリン及びムチン-ドメイン含有-3(TIM-3)である;及び、
(b) 前記ターゲティング部分は、腫瘍関連増殖因子若しくは増殖因子レセプター;腫瘍関連サイトカイン若しくはサイトカイン・レセプター;又はT細胞共-阻害分子、に特異的に結合するポリペプチドを含む。
請求項1に記載の分子、ここで、前記1つ以上の免疫調節部分は、BTLA ECDのリガンド結合配列を含む。
請求項2に記載の分子、ここで、前記BTLA ECDのリガンド結合配列は、配列番号(SEQ ID NO)8の配列又はそのリガンド結合フラグメントを有する。
請求項1に記載の分子、ここで、前記ターゲティング部分は、免疫グロブリン、抗体、バイスペシフィック若しくはマルチスペシフィック抗体(multispecific antibody)、抗体フラグメント、単鎖可変フラグメント(scFv)、二価若しくは多価scFv、レセプターの細胞外ドメインのリガンド結合配列、又はFc含有ポリペプチド、の抗原結合ドメインを含む。
請求項1に記載の分子、ここで、前記1つ以上の免疫調節部分は、前記ターゲティング部分のN末端又はC末端に融合している。
請求項4に記載の分子、ここで、前記ターゲティング部分は、抗体である、及び前記1つ以上の免疫調節部分は、前記抗体の重鎖又は軽鎖のC末端に融合している。
1つ以上のリンカーを更に含む、請求項1に記載の分子、ここで前記ターゲティング部分及び免疫調節部分は、リンカーを介して融合している。
請求項7に記載の分子、ここで、前記リンカーは、配列(GGGGS)nを含む、及びnは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10から選択される。
請求項7に記載の分子、ここで、前記ターゲティング部分は、Fc含有ポリペプチドである、及び前記1つ以上の免疫調節部分は、前記Fc含有ポリペプチドのCH3領域のC末端で、リンカーを介して融合している。
請求項1に記載の分子、ここで、前記分子は、T細胞共-阻害分子、増殖因子レセプター、又はサイトカイン・レセプター、の細胞外ドメインのリガンド結合配列を、更に含む。
請求項10に記載の分子、ここで、前記T細胞共-阻害分子は、プログラム死-1(Programmed Death-1)(PD-1)である。
請求項10に記載の分子、ここで、前記サイトカイン・レセプターは、形質転換増殖因子βレセプターII (TGFbRII)である。
請求項10に記載の分子、ここで、前記ターゲティング部分は抗体である、及び前記細胞外ドメインの追加のリガンド結合配列は、前記抗体の重鎖又は軽鎖に融合している。
対象における腫瘍性疾患又はがんを治療する際に使用をするための、請求項1に記載の分子。
請求項14に記載の使用をするための分子、ここで、免疫療法剤又は化学療法分子も、前記対象に投与する。
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